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特表2024-546840医療用インジェクタの計量ポンプ用インターロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】医療用インジェクタの計量ポンプ用インターロック
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/145 20060101AFI20241219BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61M5/145 500
A61M5/142 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535357
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 US2022052669
(87)【国際公開番号】W WO2023114189
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/288,973
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェームズ コールマン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066HH22
(57)【要約】
医療用インジェクタの計量ポンプ用インターロックにおける、医療用インジェクタのための計量ポンプは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に収容されたスリーブと、スリーブ内に少なくとも部分的に収容されたピストンであって、ピストンおよびスリーブがチャンバを画定するピストンと、インターロック部材と、を含む。前記ピストンは、前記チャンバが第1の容積を有する第1の位置と、前記チャンバが第2の容積を有する第2の位置とを有する。スリーブは、入口がチャンバと流体連通している第1の回転位置、出口がチャンバと流体連通している第2の回転位置、および入口および出口がチャンバから隔離されている第3の回転位置を有する。前記インターロック部材は、前記スリーブが所定のトルク値を超えるまで前記スリーブの移動を制限するように構成されており、前記インターロック部材は、前記ハウジングの一部と一体的に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバおよびカニューレを備える医療用インジェクタのポンプである、計量ポンプが、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に収納されるスリーブと、
前記スリーブ内に少なくとも部分的に収納されるピストンであって、前記ピストンおよび前記スリーブがチャンバを画定し、前記ピストンは、前記チャンバが第1の容積を有する第1の位置と、前記チャンバが第2の容積を有する第2の位置とを有し、前記第1の容積は、前記第2の容積よりも大きく、前記スリーブは、入口が前記チャンバと流体連通している第1の回転位置と、出口が前記チャンバと流体連通している第2の回転位置と、前記入口および出口が前記チャンバから隔離されている第3の回転位置とを有する、前記ピストンと、
前記スリーブが所定のトルク値を超えるまで前記スリーブの移動を制限するように構成されたインターロック部材であって、前記インターロック部材は、前記ハウジングの一部と一体的に形成される、前記インターロック部材と、
を含む、医療用インジェクタのポンプ。
【請求項2】
前記ピストンは、前記ハウジングおよび前記スリーブに対して回転および軸方向に移動するように構成され、前記ピストンは、前記ハウジングに対して前記スリーブと共に回転するように構成される、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記ピストンは、前記スリーブによって画定されるらせん状溝内に収容されるピンを介して前記スリーブに接続される、請求項2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記入口は、前記医療用インジェクタの前記リザーバと流体連通するように構成され、前記出口は、前記医療用インジェクタの前記カニューレと流体連通するように構成される、請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
前記ピストンの第1の回転方向における回転は、前記チャンバ内の流体を吸引し、前記スリーブを前記第1の回転位置から前記第2の回転位置に移動させるように構成され、前記ピストンの第2の回転方向における回転は、前記チャンバ内の流体をポンプで送り出し、前記スリーブを前記第2の回転位置から前記第1の回転位置に移動させ、前記第2の回転方向を前記第1の回転方向と反対にするように構成される、請求項4に記載のポンプ。
【請求項6】
前記スリーブは戻り止めを含み、前記インターロック部材は突起を含み、前記戻り止めは、前記スリーブが前記所定のトルク値を超えると、前記突起を偏向させ、前記突起を越えて回転するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項7】
前記インターロック部材は、前記ハウジングから延びる第1のアームと、前記ハウジングから延びる第2のアームとを含み、前記突起は、前記第1のアームと前記第2のアームとの間に配置される、請求項6に記載のポンプ。
【請求項8】
前記第1および第2のアームは、偏向位置と偏向していない位置との間で前記突起の移動を可能にするように構成され、前記第1および第2のアームは、前記突起を前記偏向していない位置に向かって付勢する、請求項7に記載のポンプ。
【請求項9】
前記第1および第2のアームはそれぞれ、前記第1および第2のアームが前記ハウジングから延びる凹部を備える、請求項8に記載のポンプ。
【請求項10】
前記第1および第2のアームはそれぞれ、前記第1および第2のアームが前記突起から延びる湾曲部分を備える、請求項8または請求項9に記載のポンプ。
【請求項11】
前記第1および第2のアームは、それぞれL字形である、請求項7から10のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項12】
前記インターロック部材は、リビングヒンジを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項13】
前記所定のトルク値が5~15ミリニュートンメートルである、請求項1~12のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項14】
前記所定のトルク値が5~9ミリニュートンメートルである、請求項1~12のいずれか一項に記載のポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月13日に出願された「医療用インジェクタ計量ポンプのためのインターロック」と題された米国仮出願第63/288,973号の優先権を主張し、その開示全体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医療用インジェクタ計量ポンプのためのインターロックに関する。
【背景技術】
【0003】
自動注射器のようなウェアラブル医療デバイスは、臨床施設から遠く離れた場所で、および/または患者の衣類の下で個々に装着されている間に、患者に治療を提供する利点を有する。ウェアラブルな医療デバイスは、患者の皮膚に適用されることができ、ウェラブルな医療デバイスを患者の皮膚に適用した後、所定の期間内、例えば27時間の遅延の後などに、医薬組成物の用量を自動的に投与するように構成されることができる。デバイスが医薬組成物を患者に投与した後、患者は、続いてデバイスを取り外して廃棄し得る。
【発明の概要】
【0004】
一態様または実施形態では、リザーバおよびカニューレを含む医療用インジェクタのための計量ポンプは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に収容された(received)スリーブと、スリーブ内に少なくとも部分的に収容されたピストンとを含み、ピストンおよびスリーブはチャンバを画定し、ピストンは、チャンバが第1の容積を有する第1の位置およびチャンバが第2の容積を有する第2の位置を有する。第1の容積は、第2の容積よりも大きい。スリーブは、入口がチャンバと流体連通している第1の回転位置、出口がチャンバと流体連通している第2の回転位置、および入口および出口がチャンバから隔離されている第3の回転位置を有する。計量ポンプは、スリーブが所定のトルク値を超えるまでスリーブの動きを制限するように構成されたインターロック部材をさらに含み、インターロック部材は、ハウジングの一部と一体的に形成される。
【0005】
ピストンは、ハウジングおよびスリーブに対して回転し、軸方向に移動するように構成され得、ピストンは、ハウジングに対してスリーブと共に回転するように構成される。ピストンは、スリーブによって画定されるらせん状溝内に収容されたピンを介してスリーブに接続され得る。入口は、医療用インジェクタのリザーバと流体連通するように構成され得、出口は、医療用インジェクタのカニューレと流体連通するように構成される。ピストンの第1の回転方向における回転は、チャンバ内の流体を吸引し、スリーブを第1の回転位置から第2の回転位置に移動させるように構成され得、ピストンの第2の回転方向における回転は、チャンバ内の流体をポンプで送り出し、スリーブを第2の回転位置から第1の回転位置に移動させ、第2の回転方向を第1の回転方向と反対にするように構成され得る。
【0006】
スリーブは戻り止め(detent)を含んでもよく、インターロック部材は突起を含んでもよく、戻り止めは、スリーブが所定のトルク値を超えたときに突起を偏向させ、突起を越えて回転するように構成される。インターロック部材は、ハウジングから延びる第1のアームと、ハウジングから延びる第2のアームとを含み得、突起は、第1のアームと第2のアームとの間に配置される。第1および第2のアームは、偏向された位置と偏向されていない位置との間で突起の移動を可能にするように構成され得、第1および第2のアームは、突起を偏向されていない位置に向かって付勢する。第1および第2のアームはそれぞれ、第1および第2のアームがハウジングから延びる凹部を含み得る。第1および第2のアームはそれぞれ、第1および第2のアームが突起から延びる湾曲部分を含み得る。第1および第2のアームは、それぞれL字形であってもよい。インターロック部材は、リビングヒンジを含み得る。
【0007】
所定のトルク値は、5~15ミリニュートンメートルであってもよい。所定のトルク値は、5~9ミリニュートンメートルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上述およびその他の特徴および利点、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて取られた本開示の実施形態の以下の説明を参照することにより、より明らかになり、本開示自体もよりよく理解されるであろう。
図1図1は、従来のインターロックおよび計量ポンプアセンブリの斜視図である。
図2図2は、動作の分注準備段階を示す、図1のインターロックおよび計量ポンプアセンブリの斜視図である。
図3図3は、動作の吸引準備段階を示す、図1のインターロックおよび計量ポンプアセンブリの斜視図である。
図4図4は、従来の医療用インジェクタの概略図である。
図5図5は、インターロックの偏向されていない位置を示す、本出願の一態様または実施形態によるインターロックおよび計量ポンプアセンブリの斜視図である。
図6図6は、インターロックの偏向位置を示す、本出願の一態様または実施形態によるインターロックおよび計量ポンプアセンブリの斜視図である。
【0009】
対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に提示される例示は、本開示の例示的な実施形態を示しており、およびそのような例示は、いかなる形でも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「左」、「右」、「内側(inner)」、「外側(outer)」、「上(above)」、「下(below)」等のような空間的または方向的な用語は、本発明が様々な代替的な配向を想定し得るので、限定的と見なされるべきではない。
【0011】
本明細書および特許請求の範囲で使用される全ての数字は、「約(about)」という用語によって全ての例で修正されるものとして理解されるべきである。「約」によって、記載された値のプラスまたはマイナス10パーセントの範囲が意味される。本明細書および特許請求の範囲において使用される際に、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。用語「第1の」、「第2の」等は、任意の特定の順序または時間的配列(chronology)を指すことを意図するものではなく、その代わりに異なる条件、特性、または要素を指す。「少なくとも」とは、「より大きいまたは等しい」ことを意味する。
【0012】
図1~4を参照すると、医療用インジェクタまたは薬物送達デバイス12のための従来の計量ポンプ10が示されている。計量ポンプ10は、国際公開第WO2015/157174号に記載されている回転計量ポンプであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。計量ポンプ10は、DCモータおよびギアボックスアセンブリ(図示せず)に接続されて、ハウジング16内のスリーブ14を回転させるように構成される。スリーブ14にはらせん状溝18が設けられている。ピストン22に接続されたカップリング(結合)ピン20は、スリーブ14が一方向に回転し、次に反対方向に回転するとき、それぞれ、スリーブ14内のピストン22の格納および挿入を誘導するために、らせん状溝18に沿って平行移動する。スリーブ14は、エンドプラグ24を有する。スリーブ14の内側にあるピストン22およびエンドプラグ24のそれぞれの端部上の2つのシール26は、図2に示すように、吸引ストロークに続き、したがって投与する準備ができている、ピストン22が後退するときにキャビティまたはチャンバ28を画定する。したがって、チャンバ28の容積は、ピストン22の後退の程度に応じて変化する。図3に示すように、ピストン22が完全に挿入され、シール26が投与ストロークに続いて実質的に互いに接触し、したがって吸引する準備ができている場合、チャンバ28の体積は、無視できるか、または本質的にゼロである。
【0013】
2つのポート30、32は、ハウジング16に対して提供されて、薬剤がポンプ10(図4)のリザーバ58(図4)から流れることができる入口ポート30と、(例えば、吸引動作段階中にピストン22を格納することによって)チャンバ28に引き込まれた薬剤が、例えば、ピストン22をチャンバ28に再挿入することによって患者のカニューレ50(図4)への流体経路にチャンバ28から分配されることができる出口ポート32とを含む。
【0014】
図1~3を参照すると、スリーブ14は、出口ポート32または入口ポート30と整列する開口部(図示せず)を含む(すなわち、スリーブ14の回転度に応じて、したがって、ピストン22の並進度に応じて、チャンバ28内の薬剤が対応するポート30、32を通って流れることを可能にする)。例えば、インターロック36と、インターロック36と協働するスリーブ14またはそのエンドプラグ24上の1つまたは複数の戻り止め38とを有する、スリーブ回転リミットスイッチなどのポンプ測定デバイス34(図4)を提供することができる。インターロック36は、その各端部でハウジング16に取り付けることができる。スリーブ14の端面にある戻り止め38は、インターロック36のバンプ(bump)40に隣接している。
【0015】
背圧などの特定の条件下では、ピストン22とスリーブ14との間の摩擦が、ピストン22とカップリングピン20がらせん状溝18のいずれかの端に到達する前にスリーブ14を回転させるのに十分である可能性があり、これにより、ストロークごとに不完全な量の液体がポンプで送られる可能性がある。この状況を防ぐために、インターロック36は、図2に示されるように、トルクが所定の閾値を超えるまでスリーブ14が回転するのを防ぐ。これは、カップリングピン20がらせん状溝18の端に到達するまで、ピストン22がスリーブ14内で完全に回転することが保証される。カップリングピン20がらせん状溝18の端部に当たると、DCモータおよびギアボックスアセンブリ、または他のタイプのポンプおよびバルブアクチュエータ62(図4)によるさらなる動きは、閾値を超えてスリーブ14上のトルクを増加させ、インターロック36を屈曲させ、戻り止め38がバンプ40を通過することを可能にする。スリーブ14の回転が完了すると、そのポートまたは開口部がカニューレまたは出口ポート32と向き合うように、戻り止め38は、図3に示されるように、インターロック36内のバンプ40を越えて移動する。別のスリーブ機能42は、電気スイッチ(例えば、図4に示されるように、プリント回路基板上に設けられ、スリーブ14および/またはエンドプラグ24に対して配置されて、ポンプ測定デバイス34と協働するエンドストップスイッチ)と係合するように提供され得る。
【0016】
図4を参照すると、医療用インジェクタ12は、上述したように、計量ポンプ10と、ポンプ10などの流体サブシステム46内の構成要素の動作を制御するための電子サブシステム44と、患者の皮膚上の注入部位に挿入するためのカニューレ50を展開するための挿入機構48とを含み得る。電力貯蔵サブシステム52は、例えば、電子サブシステム44および流体サブシステム46内のコンポーネントに電力を供給するためのバッテリ54を含むことができる。流体サブシステム46は、例えば、リザーバ58を(例えば、薬剤で)充填するための任意選択の充填ポート56を含むことができるが、医療用インジェクタは、そのリザーバがすでに充填されている状態で製造業者から任意選択で出荷することができる。流体サブシステム46はまた、計量ポンプ10およびポンプおよびバルブアクチュエータ62を含む計量サブシステム60を有する。
【0017】
上述したように、計量ポンプ10は、2つのポート30、32、および流体がそれぞれのポート30、32を介してチャンバ28に出入りするタイミングを制御する関連するバルブサブアセンブリを有することができる。ポートの1つは、ポンプ吸入またはプルストロークの結果として、液体薬剤などの流体がリザーバ58から計量ポンプ10に流れる入口ポート30である。流体は、出口ポート32を通って計量ポンプ10のチャンバ28を離れ、計量ポンプ10のポンプ吐出またはプッシュストロークの結果として、投与のためにカニューレ50に向かって流れる。ポンプおよびバルブのアクチュエータ62は、プランジャ22またはピストン、およびピストン22の並進運動に対して回転し得るスリーブ14などの他の関連するポンプ部品を制御するためのDCモータおよびギアボックスアセンブリ、または他のポンプ駆動機構であり得る。マイクロコントローラ64は、例えば、選択された方向へのスリーブ14の回転、吸引または投与ストロークのためのスリーブ14内のピストン22の平行または軸方向の移動、ならびに任意に、上記の参照WO2015/157174に記載されるようなバルブ状態変化中にスリーブ14およびピストン22を一緒に回転させるためのコンピュータソフトウェア命令を有する統合または別個のメモリデバイスを備えることができる。計量ポンプ10およびインターロック36は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2019/156848号に示され、記載されている計量ポンプおよびインターロックと同じであり得る。
【0018】
図1~3に示される計量ポンプ10のインターロック36は、ハウジング16とは別に形成される。特に、インターロック36は、金属板から形成され、ハウジング16に取り付けられる。製造公差および他の可変性のために、インターロック36の性能は、吸引運動と吐出運動との間で一貫性がなく、また、デバイス間でも一貫性がなく、これは、デバイス間の異なる力のプロファイルまたはパターンをもたらし、閉塞を検出することをより困難にする可能性がある。インターロック36を別々に形成することはまた、別個の部品の製造およびその後の組み立てステップを必要とする。
【0019】
図5および6を参照すると、本出願の一態様または実施形態による計量ポンプ10のためのインターロック部材70が示される。一態様または実施形態では、インターロック部材70は、図1~4の計量ポンプ10のインターロック36を、そうでなければ変更されずに上記のように実行する計量ポンプ10と置き換える。
【0020】
一態様または実施形態では、計量ポンプ10は、ハウジング16、ハウジング16内に少なくとも部分的に収容されたスリーブ14、およびスリーブ14内に少なくとも部分的に収容されたピストン22を含み、ピストン22およびスリーブ14は、チャンバ28を画定する。上述したように、ピストン22は、チャンバ28が第1の容積を有する第1の位置と、チャンバ28が第2の容積を有する第2の位置とを有し、第1の容積は第2の容積よりも大きい。スリーブ14は、入口ポート30がチャンバ28と流体連通している第1の回転位置、出口ポート32がチャンバ28と流体連通している第2の回転位置、および入口ポート30および出口ポート32がチャンバ28から隔離されている第3の回転位置を有する。計量ポンプ10はまた、スリーブ14が所定のトルク値を超えるまでスリーブ14の移動を制限するように構成されたインターロック部材70を含み、インターロック部材70は、ハウジング16の一部と一体的に形成される。一態様または実施形態では、インターロック部材70は、一緒に成形され、ハウジング16と同じ材料から成形される。一態様または実施形態では、ハウジング16およびインターロック部材70は、プラスチックから形成される。
【0021】
第1の回転方向におけるピストン22の回転は、チャンバ28内の流体を吸引し、スリーブ14を第1の回転位置から第2の回転位置に移動させるように構成される。第2の回転方向におけるピストン22の回転は、チャンバ28内の流体をポンピングし、スリーブ14を第2の回転位置から第1の回転位置に移動させるように構成される。第2の回転方向は、第1の回転方向と反対である。
【0022】
再び図5および図6を参照すると、スリーブ14は戻り止め(detent)38を含み、インターロック部材70は突起72を含み、戻り止め38は、スリーブ14が所定のトルク値を超えるときに突起72を偏向させ、突起72を越えて回転するように構成される。より具体的には、ピストン22は、スリーブ14内で回転し、軸方向に移動して、チャンバ28から流体を吸引またはポンプする一方で、スリーブ14は、チャンバ28が入口ポート30および出口ポート32と流体連通しているタイミングを制御するために回転する。インターロック部材70は、カップリングピン20がらせん状溝18の端部に到達するまで、スリーブ14が回転してポンプ10のバルブ状態を変更するのを防ぎ、ポンプおよびバルブアクチュエータ62は、所定のトルク値よりも高いトルクをスリーブ14にピン20を介して加えることができる。トルクが所定のトルク値を超えると、戻り止めは偏向(deflects)し、インターロック部材70の突起72を越えて押し、それによってスリーブ14が回転し、計量ポンプ10のバルブ状態を変更することを可能にする。
【0023】
インターロック部材70は、ハウジング16から延びる第1のアーム74と、ハウジング16から延びる第2のアーム76とを含み、突起72は、第1のアーム74と第2のアーム76との間に配置される。第1および第2のアーム74、76は、偏向位置(図6)と非偏向位置(図5)との間で突起72の移動を可能にするように構成される。第1および第2のアーム74、76は、突起72を付勢(bias)して非偏向位置に向かわせる。第1および第2のアーム74、76はそれぞれ、第1および第2のアーム74、76がハウジング16から延びる凹部78と、第1および第2のアーム74、76が突起72から延びる湾曲部80とを含む。凹部78および湾曲部80は、突起72が戻り止め38と係合するときにインターロック部材70が屈曲することを可能にするように構成される。第1および第2のアーム74、76はそれぞれL字形であってもよいが、他の適切な形状および配置が利用されてもよい。一態様または実施形態では、最初(first)のインターロック部材70は、リビングヒンジまたはリビングスプリングを含む。
【0024】
一態様または実施形態では、インターロック部材70を克服するための所定のトルク値は、5~15ミリニュートンメートルである。さらなる態様または実施形態では、インターロック部材70を克服するための所定のトルク値は、5~9ミリニュートンメートルである。
【0025】
図5および図6のインターロック部材70は、デバイス間および吸引ストロークと分配ストロークとの間のインターロック部材70の性能変動を低減し、それによって閉塞検出の信頼性を改善するように構成される。図5および図6のインターロック部材70は、計量ポンプ10の部品数および組み立ての複雑さを低減する。さらに、インターロック部材70は、図1~3のインターロック36と比較して、インターロック部材70の動作ノイズを低減するように構成される。
【0026】
本発明は、最も実用的でおよび好ましい実施形態または態様であると現在考えられていることに基づいて例示の目的のために詳細に説明されたが、そのような詳細は単にその目的のためであり、および、本発明は、開示された実施形態または態様に限定されないが、逆に、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある修正および同等の配置を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施形態の1つまたは複数の特徴が、他の任意の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせられ得ることを企図していることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】