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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241219BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20241219BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20241219BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241219BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535460
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 GB2022053278
(87)【国際公開番号】W WO2023118822
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/291,884
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】コックス, ケリ
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン, サディアス
(72)【発明者】
【氏名】コナー, ビリー
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】アウン, ワリド アビ
(72)【発明者】
【氏名】バラン, カタリン
(72)【発明者】
【氏名】ジャウレギ, フアン エステバン パス
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA41
4B045AA43
4B045AB08
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB23
4B162AC14
4B162AC22
(57)【要約】
不燃性エアロゾル供給デバイス(100)と共に使用するための、エアロゾル生成材料(3)を含む物品(1)であって、物品(1)が、口端部(5)と、口端部とは反対側にある上流端部(6)であって、エアロゾル生成材料の上流に加熱装置受容領域(7)を含み、加熱装置受容領域が、使用中に加熱装置(102)の端部を受容するように構成されている、上流端部と、加熱装置受容領域とエアロゾル生成材料の少なくとも一部分とを取り囲む第1の包装材(8)と、使用中に加熱装置受容領域からエアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成された導体と、を備える、物品。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための、エアロゾル生成材料を含む物品であって、前記物品が、
口端部と、
前記口端部とは反対側にある上流端部であって、前記エアロゾル生成材料の上流に加熱装置受容領域を含み、前記加熱装置受容領域が、使用中に加熱装置の端部を受容するように構成されている、上流端部と、
前記加熱装置受容領域と前記エアロゾル生成材料の少なくとも一部分とを取り囲む第1の包装材と、
使用中に前記加熱装置受容領域から前記エアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成された導体と、
を備える、物品。
【請求項2】
前記導体が前記第1の包装材であり、前記第1の包装材が、使用中に前記加熱装置受容領域から前記エアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成されている、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記加熱装置受容領域が、圧縮性、熱伝導性、および不燃性を有する充填材料を含む、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記充填材料が、繊維ガラス、または集められたアルミニウムである、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記第1の包装材がアルミニウム箔から形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記エアロゾル生成材料が、第1のエアロゾル生成材料および第2のエアロゾル生成材料を含み、前記第1のエアロゾル生成材料が、前記加熱装置受容領域に隣接して位置し、前記第1の包装材によって囲まれている、請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記第1の包装材が、前記第1の包装材の内周面に第3のエアロゾル生成材料を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記第3のエアロゾル生成材料が非晶質固体材料である、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記第1のエアロゾル生成材料が複数のビーズを含む、請求項6に記載の物品。
【請求項10】
前記エアロゾル生成材料の第1の部分が、前記複数のタバコビーズの周りに巻き付けられた第1の包装材を含む、請求項6に記載の物品。
【請求項11】
前記第1の包装材が、アルミニウム箔またはバンドキャスト再生タバコの包装材である、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
熱源から前記エアロゾル生成材料の中または周りを少なくとも部分的に通って延びる導体要素をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記導体要素が、前記第1の包装材の周りに、かつ少なくとも部分的に前記第2のエアロゾル生成材料の周りに延びる第2の包装材を備える、請求項10に記載の物品。
【請求項14】
前記第2のエアロゾル生成材料がタバコロッドである、請求項6に記載の物品。
【請求項15】
前記加熱装置受容領域内に、任意選択的に前記充填材料中に、少なくとも部分的に受容されたプラグをさらに備え、前記プラグが、不燃性エアロゾル供給デバイスの加熱要素から前記エアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記プラグが前記アルミニウム箔の包装材と接触する、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記プラグが、任意選択的に約700℃~900℃までの、加熱時に、熱分解せず毒物を放出しない不活性材料から形成されている、請求項15または16に記載の物品。
【請求項18】
前記プラグが、セラミックまたはガラスまたは処理された金属から形成されている、請求項15~17のいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
前記プラグが、空気が前記デバイスから前記プラグを通って前記物品に流れることを可能にするように構成された中央孔を有する、請求項15~18のいずれか一項に記載の物品。
【請求項20】
前記物品のプラグラップの周りに設けられた外側包装材をさらに備え、前記外側包装材が、前記物品の前記プラグラップから離隔され、前記物品のコア中に熱を保持するように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
エアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するためのシステムであって、
請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料を含む物品と、
不燃性エアロゾル供給デバイスと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル供給デバイスのための物品に関する。より具体的には、本開示は、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための、エアロゾル生成材料を含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成材料とカーボンチップとを含む物品を備えるエアロゾル供給システムを提供することが知られている。カーボンチップは、ユーザによって点火され、熱を生成してエアロゾル生成材料を加熱し、エアロゾルを生成する。しかしながら、ユーザにとってカーボンチップに点火することは困難であり、点火されたチップから過剰な熱が発生することがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための、エアロゾル生成材料を含む物品が提供される。物品は、口端部と、口端部とは反対側にある上流端部であって、エアロゾル生成材料の上流に加熱装置受容領域を含み、加熱装置受容領域が、使用中に加熱装置の端部を受容するように構成されている、上流端部と、加熱装置受容領域とエアロゾル生成材料の少なくとも一部分とを取り囲む第1の包装材と、使用中に加熱装置受容領域からエアロゾル生成材料に熱を伝達/伝導するように構成された導体と、を備える。
【0004】
いくつかの実施形態では、導体は第1の包装材であってよく、第1の包装材は、使用中に加熱装置受容領域からエアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成され得る。
【0005】
本発明の一態様では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための、エアロゾル生成材料を含む物品が提供される。物品は、口端部と、口端部とは反対側にある上流端部であって、エアロゾル生成材料の上流に加熱装置受容領域を含み、加熱装置受容領域が、使用中に加熱装置の端部を受容するように構成されている、上流端部と、加熱装置受容領域とエアロゾル生成材料の少なくとも一部分とを取り囲む第1の包装材と、を備え、第1の包装材が、使用中に加熱装置受容領域からエアロゾル生成材料に熱を伝達/伝導するように構成されている。
【0006】
加熱装置受容領域は、圧縮性、熱伝導性、および不燃性を有する充填材料を含み得る。
【0007】
充填材料は、繊維ガラス、または集められたアルミニウム(gathered aluminium)であり得る。
【0008】
第1の包装材は、アルミニウム箔から形成され得る。
【0009】
エアロゾル生成材料は、第1のエアロゾル生成材料および第2のエアロゾル生成材料を含むことができ、第1のエアロゾル生成材料が、加熱装置受容領域に隣接して位置し、第1の包装材によって囲まれている。
【0010】
第1の包装材は、第1の包装材の内周面に第3のエアロゾル生成材料を含み得る。第3のエアロゾル生成材料は非晶質固体であり得る。
【0011】
第1のエアロゾル生成材料は複数のビーズを含み得る。
【0012】
第1のエアロゾル生成材料は、複数のタバコビーズの周りに巻き付けられた第1の包装材を含み得る。第1のエアロゾル生成材料は、アルミニウム箔またはバンドキャスト再生タバコ(bandcast recon tobacco)の包装材であり得る。
【0013】
物品は、熱源からエアロゾル生成材料の中または周りを少なくとも部分的に通って延びる導体要素をさらに備え得る。
【0014】
導体要素は、第1の包装材の周りに、かつ少なくとも部分的に第2のエアロゾル生成材料の周りに延びる第2の包装材を備え得る。
【0015】
第2のエアロゾル生成材料は、タバコロッドであり得る。
【0016】
物品は、加熱装置受容領域内に、任意選択的に充填材料中に少なくとも部分的に受容されたプラグをさらに備えることができ、プラグが、不燃性エアロゾル供給デバイスの加熱要素からエアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成されている。
【0017】
プラグはアルミニウム箔の包装材と接触し得る。
【0018】
プラグは、任意選択的に約700℃~900℃までの、加熱時に、熱分解せず毒物を放出しない不活性材料から形成され得る。
【0019】
プラグは、セラミックまたはガラスまたは処理された金属から形成され得る。
【0020】
プラグは、空気がデバイスからプラグを通って物品に流れることを可能にするように構成された中央孔を有し得る。
【0021】
物品は、物品のプラグラップの周りに設けられた外側包装材をさらに備えることができ、外側包装材が、物品のプラグラップから離隔され、物品のコア中に熱を保持するように構成されている。
【0022】
本発明の別の態様では、特許請求の範囲において定義されたエアロゾル生成材料を含む物品と、不燃性エアロゾル供給デバイスとを備える、エアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するためのシステムが提供される。
【0023】
次に、実施形態が、単に例として、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の物品の概略断面側面図である。
図2】本発明の物品の概略断面側面図である。
図3】本発明の物品の概略断面側面図である。
図4】本発明の物品の概略断面側面図である。
図5】本発明の不燃性エアロゾル供給デバイスの概略図である。
図6】本発明のプラグの概略断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で使用される場合、「送達システム」という用語は、ユーザに少なくとも1つの物質を送達するシステムを包含することが意図され、電子タバコ、タバコ加熱製品、およびエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムなど、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する不燃性エアロゾル供給システムを含む。
【0026】
本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするためにエアロゾル供給システムの構成成分エアロゾル生成材料(またはその成分)が燃焼されることも燃やされることもないシステムである。
【0027】
いくつかの実施形態では、送達システムは、動力式の不燃性エアロゾル供給システムなどの、不燃性エアロゾル供給システムである。
【0028】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスまたは電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0029】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0030】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、そのうちの1つまたは複数が加熱され得るエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体またはゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有しても含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルのエアロゾル生成材料および固体のエアロゾル生成材料を含む。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコまたは非タバコ製品を含み得る。
【0031】
典型的には、不燃性エアロゾル供給システムは、不燃性エアロゾル供給デバイスと、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品とを備えてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用されるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示の全体にわたって物品と呼ばれることがある。
【0033】
いくつかの実施形態では、その不燃性エアロゾル供給デバイスなどの不燃性エアロゾル供給システムは、動力源およびコントローラを備えてもよい。動力源は、例えば、電力源または発熱動力源であってもよい。いくつかの実施形態では、発熱動力源は、発熱動力源に近接するエアロゾル生成材料または熱伝達材料に熱の形態で動力を分配するようにエネルギー供給され得る炭素基材を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、消耗品を受容するための領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、マウスピース、フィルタ、および/またはエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移送要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、包装材、フィルタ、マウスピース、および/またはエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、1つまたは複数の活性な構成成分、1つまたは複数の香料、1つまたは複数のエアロゾル形成材料、および/または1つまたは複数の他の機能性材料を含み得るエアロゾル生成材料であり得るか、またはそれによって作られ得る。送達される物質は、加熱されたときにエアロゾル生成材料によって作られ得る。エアロゾル生成材料によって生成されたエアロゾルは、送達される物質を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、送達されるべき物質は、活性物質を含む。
【0038】
本明細書で使用される活性物質は、生理学的反応を達成または増強することを意図した物質である、生理学的な活性物質であり得る。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性物質(nootropic)、精神作用物質(Psycoactive)から選択され得る。活性物質は、天然由来であっても合成的に得られたものであってもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6もしくはB12もしくはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはそれらの構成成分、誘導体、もしくは組合せを含んでもよい。活性物質は、タバコ、大麻または別の植物性物質の1つまたは複数の構成成分、誘導体または抽出物を含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0040】
本明細書で述べるように、活性物質は、1つまたは複数のカンナビノイドまたはテルペンなど、大麻の1つまたは複数の構成成分、誘導体または抽出物を含み得る。
【0041】
本明細書で述べるように、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し得る。本明細書で使用される場合、「植物性物質」という用語は、限定はしないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、外皮、殻などを含む、植物に由来する任意の材料を含む。あるいは、材料は、植物性物質に天然に存在する活性化合物を合成的に得たものであってもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、粉塵(dust)、破砕粒子、顆粒、ペレット、細片、ストリップ、シートなどの形態であってもよい。例示的な植物性物質は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、生姜、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、甘草(リコリス)、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶もしくは紅茶などの茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ウコン、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、またはそれらの任意の組合せである。ミントは、Mentha Arventis、Mentha c.v.、Mentha niliaca、Mentha piperita、Mentha piperita citrata c.v.、Mentha piperita c.v、Mentha spicata crispa、Mentha cardifolia、Memtha longifolia、Mentha suaveolens variegata、Mentha pulegium、Mentha spicata c.v.およびMentha suaveolensから選択され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質、またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質はタバコである。
【0043】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質またはその構成成分、誘導体、もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア、および麻から選択される。
【0044】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質またはその構成成分、誘導体、もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質は、ルイボスおよびフェンネルから選択される。
【0045】
いくつかの実施形態では、送達される物質は香料を含む。
【0046】
本明細書で使用される場合、「香料」および「香味料」という用語は、地域の規制が許可している場合、成人消費者向けの製品に所望の味、香りまたは他の体性感覚を作り出すために使用され得る材料を指す。それらは、天然由来の香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られた材料、またはそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メントール、和種ミント、アニシード(アニス)、シナモン、ウコン、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワー、キンマ、シーシャ、マツ、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、オレンジの花、サクラ、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピモン、生姜、コリアンダー、コーヒー、麻、ミント(Mentha)属の任意の種からのミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ、オレンジの皮、バラ、緑茶もしくは紅茶などの茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香料増強剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤もしくは刺激剤、糖および/もしくは糖代替物(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、もしくはマンニトール)、ならびに木炭、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、または呼気清涼化剤など、他の添加剤を含み得る。それらは、模倣物質、合成物質もしくは天然原材料、またはそれらのブレンドであり得る。それらは、任意の好適な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体、または気体であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、香料は、メントール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、大麻から抽出された香料成分を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、香料は、感覚成分(sensate)を含んでもよく、これは、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって通常化学的に誘発され、知覚される体性感覚を達成することを意図されており、香り神経または味覚神経に加えて、またはその代わりに、これらは、熱感、冷感、刺激感、しびれ感をもたらす作用物質を含んでもよい。好適な熱感作用物質は、バニリルエチルエーテルであり得るが、これに限定されず、好適な冷感作用物質は、ユーコリプトール、WS-3であり得るが、これに限定されない。
【0049】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射、または任意の他の方法で活性化されたときにエアロゾルを生成できる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質および/または香味料を含有しても含有しなくてもよい固体、液体、または半固体(ゲルなど)の形態であり得る。
【0050】
エアロゾル生成材料は、結合剤およびエアロゾル形成剤を含み得る。任意選択的に、活性物質および/または充填剤も存在し得る。任意選択的に、水などの溶媒も存在し、エアロゾル生成材料の1つまたは複数の他の成分は、溶媒に可溶であっても可溶でなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、植物性材料を実質的に含まない。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は実質的にタバコを含まない。
【0051】
エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含み得るか、または「非晶質固体」であり得る。非晶質固体は「モノリシック固体」であり得る。いくつかの実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルであり得る。非晶質固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持し得る固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%または70重量%の非晶質固体から、約90重量%、95重量%または100重量%の非晶質固体を含み得る。
【0052】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成フィルムを含み得るか、またはエアロゾル生成フィルムであり得る。エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤などの結合剤を、水などの溶媒、エアロゾル形成剤、および活性物質などの1つまたは複数の他の成分と組み合わせてスラリーを形成し、次いでスラリーを加熱して溶媒の少なくとも一部を揮発させてエアロゾル生成フィルムを形成することによって形成され得る。スラリーを加熱して、少なくとも約60重量%、70重量%、80重量%、85重量%または90重量%の溶媒を除去することができる。エアロゾル生成フィルムは、連続フィルム、または、支持体上のフィルムの個別部分の配置などの、不連続フィルムであり得る。エアロゾル生成フィルムは、実質的にタバコを含まないことがある。
【0053】
エアロゾル生成フィルムは、任意選択的に細断されて細断シートを形成し得るシートを含むか、またはそのようなシートであり得る。
【0054】
エアロゾル生成材料は、1つまたは複数の活性物質および/または香料、1つまたは複数のエアロゾル形成材料、ならびに任意選択的に1つまたは複数の他の機能性材料を含んでもよい。
【0055】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成可能な1つまたは複数の構成成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうち1つまたは複数を含んでもよい。
【0056】
1つまたは複数の他の機能性材料は、pH調整剤、着色料、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、および/または酸化防止剤のうち1つまたは複数を含んでもよい。
【0057】
材料は、基材を形成するために、支持体の上または支持体中に存在してもよい。支持体は、例えば、紙、カード、板紙、厚紙、再構成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、または金属合金であってもよく、またはそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持体はサセプタ(susceptor)を含む。いくつかの実施形態では、サセプタは材料内に埋め込まれる。いくつかの代替的な実施形態では、サセプタは材料の片面または両面にある。
【0058】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含むかまたはエアロゾル生成材料からなる物品であり、その一部または全部は、ユーザによる使用中に消費されることが意図されている。消耗品は、エアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移送要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、包装材、マウスピース、フィルタ、および/またはエアロゾル改質剤など、1つまたは複数の他の構成要素を備えてもよい。消耗品はまた、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出する、ヒータなどの、エアロゾル生成器を備えてもよい。ヒータは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、またはサセプタを含み得る。
【0059】
エアロゾル改質剤は、典型的にはエアロゾル生成領域の下流に位置する物質であり、例えばエアロゾルの味、風味、酸性度、または他の特性を変化させることによって、生成されたエアロゾルを改質するように構成されている。エアロゾル改質剤は、エアロゾル改質剤を選択的に放出するように動作可能なエアロゾル改質剤放出要素中に提供されてもよい。
【0060】
エアロゾル改質剤は、例えば、添加剤または吸着剤であってもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、香味料、着色料、水、および炭素吸着剤のうち1つまたは複数を含んでもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、固体、液体、またはゲルであってもよい。エアロゾル改質剤は、粉末、糸、または顆粒の形態であってもよい。エアロゾル改質剤は、濾過材を含まなくてもよい。
【0061】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料から1つまたは複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するために、エアロゾル生成材料に熱エネルギーを与えるように構成されたヒータである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、加熱せずにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成されている。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を振動、圧力上昇、または静電エネルギーのうちの1つまたは複数に供するように構成されてもよい。
【0062】
図1図3を参照すると、不燃性エアロゾル供給デバイス100と共に使用するための物品1が示されている。物品1は、少なくとも1つのエアロゾル生成材料3を含む。物品1は、口端部5と、対向する上流端部6とをさらに備える。上流端部6は、加熱装置受容領域7を含む。加熱装置受容領域7は、エアロゾル生成材料3の上流に位置する。加熱装置受容領域7は、使用中に不燃性エアロゾル供給デバイス100の加熱装置102の一部分を受容するように構成されている。
【0063】
物品1は、加熱装置受容領域7と少なくとも1つのエアロゾル生成材料3の少なくとも一部分とを取り囲む第1の包装材8をさらに備える。本実施形態では、物品1は、第1のエアロゾル生成材料11および第2のエアロゾル生成材料12を含む。物品1は、導体をさらに備える。導体は、使用中に加熱装置受容領域7からエアロゾル生成材料に熱を伝達するように構成されている。本実施形態では、導体は、第1の包装材8によって形成され得る。すなわち、第1の包装材8は、使用中に加熱装置受容領域7から少なくとも1つのエアロゾル生成材料3に熱を伝達するように構成されている。
【0064】
本実施形態では、物品1は略円筒形状である。すなわち、物品は、物品1の口端部5から反対端6まで延びている、物品1の長手方向軸Aに、垂直な平面において円形断面を有する。本実施形態では、少なくとも1つのエアロゾル生成材料3は、実質的に物品1の中心に位置し、包装材は、以下でより詳細に説明するように、少なくとも1つのエアロゾル生成材料3の周りに同心円状に重なって位置する。しかしながら、代替的な実施形態では、物品1は任意の他の角柱形状を有し得ることが理解されよう。
【0065】
本実施形態では、第1の包装材8は、加熱装置受容領域7の全長を取り囲んでいる。すなわち、第1の包装材8は、加熱装置受容領域7の上流端部7aから加熱装置受容領域7の下流端部7bまで延びている。第1の包装材8は内面9を含む。内面9は、加熱装置受容領域7に面している。したがって、第1の包装材8は、上流端部7aを画定し、加熱装置受容領域7を画定する側壁を形成する。加熱装置受容領域7は、約10mm~約15mmの範囲の長さを有し得る。いくつかの実施形態では、加熱装置受容領域7は、約12mmの長さを有し得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の包装材8は、アルミニウム箔から形成され得る。アルミニウム箔は、加熱装置102が加熱装置受容領域7に挿入されたとき、加熱装置102から物品1の残りの部分に熱を有利に伝導し得る。アルミニウム箔はまた、使用中の物品1の燃焼を有利に防ぎ得る。第1の包装材8は、約15mm~30mmの範囲の長さを有し得る。いくつかの実施形態では、第1の包装材8は、約25mmの長さを有し得る。代替的な実施形態では、第1の包装材8は、燃やす/燃焼することなく熱を伝導することができ、可撓性を有する任意の材料、例えば、限定はしないが、銅などの金属箔から形成され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1の包装材8は、第1の包装材8の内周面9に位置する第3のエアロゾル生成材料9aを含み得る。第3のエアロゾル生成材料9aは、第1の包装材8の内周面9の実質的に全部を覆ってもよい。他の実施形態では、第3のエアロゾル生成材料9aは、第1の包装材8の内周面12の一部分のみを覆ってもよい。第3のエアロゾル生成材料9aは、第1の包装材8の内周面12上にパターンを形成し得る。第3のエアロゾル生成材料は、エアロゾル生成フィルムであり得る。エアロゾル生成フィルムは、非晶質固体材料を含み得る。非晶質個体材料は、非繊維質であり得る。
【0068】
前述のように、加熱装置受容領域7は、使用中に加熱装置102の一部分102を受容するように構成されている。いくつかの実施形態では、加熱装置受容領域7は空であり得る。すなわち、第1の包装材8の内面9の間の空間は、さらなる材料がない状態であってもよい。
【0069】
しかしながら、本実施形態では、加熱装置受容領域7は充填材料10を含む。充填材料10は不燃性であり得る。したがって、充填材料10は、燃焼することなくエアロゾルの生成を維持するために、使用中に物品1が燃焼するのを防ぐことができる。充填材料10は、約600℃~約900℃の範囲まで不活性であり得る。すなわち、充填材料10は、加熱時に、熱分解せず毒物を放出しない材料から形成され得る。
【0070】
充填材料10は、圧縮可能な材料であり得る。充填材料は、ハニカム構造またはメッシュ状構造を有し得る。これらの構造は、充填材料が圧縮するのを助け得る。これらの構造はまた、充填材料10を通る複数の空気経路を提供し得る。したがって、充填材料10は、加熱装置102の一部分102が加熱装置受容領域7内に押し込まれたとき、圧縮され得る。充填材料10は、折り込まれ、かつ/または集められた材料の細片であり得る。さらに、充填材料10は、熱伝導性材料であり得る。充填材料10は、20℃かつ1バールにおいて約100W/mK~約300W/mKの範囲の熱伝導率を有し得る。いくつかの実施形態では、充填材料10は、20℃かつ1バールにおいて約200W/mK~約250W/mKの範囲の熱伝導率を有し得る。例えば、アルミニウムは、20℃かつ1バールにおいて約239W/mKの熱伝導率を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、充填材料10は繊維ガラスを含み得る。代替的な実施形態では、充填材料10は、集められたアルミニウムまたはアルミニウム箔を含み得る。さらに別の実施形態では、充填材料10は、例えば、限定はしないが、繊維ガラス、集められたアルミニウム、アルミニウム箔、または上記で概説した特性を有する任意の他の好適な材料のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0072】
本実施形態では、物品1は、第1のエアロゾル生成材料11および第2のエアロゾル生成材料12を含む。第1のエアロゾル生成材料11は、加熱装置受容領域7に隣接して位置する。第1のエアロゾル生成材料11は、上流端部11aおよび下流端部11bを含む。第1のエアロゾル生成材料11の上流端部11aは、加熱装置受容領域7に近接しており、より具体的には、加熱装置受容領域7の下流端部7bに近接している。第1のエアロゾル生成材料11の下流端部11bは、加熱装置受容領域7に遠位である、すなわち、第1のエアロゾル生成材料16の上流端部11aよりも物品1の口端部5に近い。第1のエアロゾル生成材料11は、非繊維質材料であり得る。
【0073】
本実施形態では、加熱装置受容領域7の下流端部7bと第1のエアロゾル生成材料11の上流端部11aとの間に間隙14がある。間隙14は、エアロゾル供給デバイス100の加熱装置102の挿入中に、口端部5の方向での充填材料10の移動を可能にする。間隙14は、充填材料14が圧縮可能であるかどうかにかかわらず、物品1の口端部5への充填材料14の移動により、エアロゾル供給デバイス100の加熱装置102が加熱装置受容領域7中に少なくとも部分的に受容されることを保証し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、充填材料14は、圧縮する前に口端部5に向かって移動され得る。他の実施形態では、充填材料14は、それが十分に圧縮された後にのみ口端部5に向かって移動され得る。さらなる代替的な実施形態では、充填材料14は全く移動しないことがあり、圧縮されるのみであり得る。そのような実施形態では、物品1は、加熱装置受容領域7の下流端部7bと第1のエアロゾル生成材料11の上流端部11aとの間に間隙14を含まないことがある。
【0075】
加熱装置受容領域7の下流端部7bは、第1のエアロゾル生成材料11によって画定され、より具体的には、第1のエアロゾル生成材料11の上流端部11aによって画定される。本実施形態では、第1の包装材8は、加熱装置受容領域7の下流端部7bの下流に延びている。第1の包装材8は、第1のエアロゾル生成材料11の少なくとも一部分を取り囲んでいる。
【0076】
本実施形態では、第1の包装材8は、第1のエアロゾル生成材料11の全長を取り囲んでいる。すなわち、第1の包装材8は、第1のエアロゾル生成材料11の上流端部11aから第1のエアロゾル生成材料11の下流端部11bまで延びている。第1の包装材8は、第1のエアロゾル生成材料11を囲んでいる。したがって、図1に示す本実施形態では、第1の包装材8は、加熱装置受容領域7の上流端部7aから第1のエアロゾル生成材料11の下流端部11bまで延びている。
【0077】
本実施形態では、第1のエアロゾル生成材料11は、コア部16を形成し、第1のオーバーラップ17によって包まれている。第1のエアロゾル生成材料11のコア部16は、上流端部16aおよび下流端部16bを含む。上流端部16aは、加熱装置受容領域7に近接して位置している。第1のオーバーラップ17は、第1のエアロゾル生成材料11のコア部16の周りに巻き付けられている。すなわち、第1のオーバーラップ17は、第1のエアロゾル生成材料11のコア部16を取り囲み、コア部16の上流端部16aからコア部16の下流端部16bまで延びている。したがって、第1の包装材8、第1のエアロゾル生成材料11のコア部16、および第1のオーバーラップ17の、下流端部8b、16b、17bはすべて、物品1の口端部5から同じ距離にある。いくつかの実施形態では、オーバーラップ17は省略され得ることが理解されよう。
【0078】
本実施形態では、第1のエアロゾル生成材料11は複数のビーズ18を含む。すなわち、第1のエアロゾル生成材料11のコア部16は、複数のビーズ18によって形成され得る。ビーズは、例えば、限定はしないが、粉砕されたタバコまたは凝集されたタバコ、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、グリセロールまたはプロピレングリコールなどの湿潤剤、および水から形成され得る。ビーズ18は、表面積がより大きいことにより、カットフィラーよりも多くのエアロゾルを放出することができる。ビーズ18はまた、カットフィラーよりも密度が高く、したがってエアロゾル化のためのエアロゾル化可能な材料をより多く貯蔵することができる。
【0079】
代替的な実施形態では、第1のエアロゾル生成材料11は、例えば、限定はしないが、非晶質固体材料を含み得る。非晶質個体材料は、非繊維質であり得る。さらに、第1のオーバーラップ17は、アルミニウムなどの熱伝導性材料によって形成され得る。いくつかの実施形態では、第1のオーバーラップ17は、紙または箔管、例えば、限定はしないが、アルミニウム箔から形成され得る。しかしながら、さらなる代替的な実施形態では、第1のオーバーラップ17は、例えば、限定はしないが、バンドキャスト再生タバコによって形成され得る。
【0080】
本実施形態では、第1のオーバーラップ17は、第1のエアロゾル生成材料11のコア部16と第1の包装材8との間に位置する。したがって、第1のエアロゾル生成材料11の直径は、加熱装置受容領域7および/または充填材料10と同じである。加熱装置受容領域7と第1のエアロゾル生成材料11の両方は、第1の包装材8によって包まれる。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料11の長さは、約10mm~約15mmの範囲であり得る。したがって、第1のオーバーラップ17の長さは、約10mm~15mmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料11の長さは、約13mmであり得る。したがって、第1のオーバーラップ17の長さは、約13mmであり得る。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル生成材料11のコア部16の長さと第1のオーバーラップ17の長さとは、同じである。
【0082】
前述のように、物品1は、第2のエアロゾル生成材料12を含む。第2のエアロゾル生成材料12は、加熱装置受容領域7に近接する上流端部12aと、第2のエアロゾル生成材料12の上流端部12aよりも口端部5に近い下流端部12bとを含む。第2のエアロゾル生成材料12は、第1のエアロゾル生成材料11の下流に位置する。本実施形態では、第2のエアロゾル生成材料12は、第1のエアロゾル生成材料11のすぐ下流に位置する。すなわち、第2のエアロゾル生成材料12の上流端部12aは、第1のエアロゾル生成材料11の下流端部11bと接触している。
【0083】
本実施形態では、第2のエアロゾル生成材料12は、第2のオーバーラップ22によって包まれたコア部21を形成している。第2のエアロゾル生成材料12のコア部21は、上流端部21aおよび下流端部21bを含む。第2のオーバーラップ22は、第2のエアロゾル生成材料12のコア部21の周りに巻き付けられている。すなわち、第2のオーバーラップ22は、第2のエアロゾル生成材料12を取り囲み、第2のエアロゾル生成材料12の上流端部21aから第2のエアロゾル生成材料12の下流端部21bまで延びている。
【0084】
第2のエアロゾル生成材料12は、第1のエアロゾル生成材料11と同軸に位置する。本実施形態では、第2のエアロゾル生成材料12の直径は、第1のエアロゾル生成材料11と同じである。本実施形態では、第2のオーバーラップ22は、第1の包装材8と第1のオーバーラップ17とを合わせた厚さに等しい厚さを有する。
【0085】
本実施形態では、第2のエアロゾル生成材料12は、タバコロッド23を含む。いくつかの実施形態では、タバコロッド23は、物品の質量を低減するために取り外され得る。タバコロッド23は、例えば、限定はしないが、再生タバコ、バンドキャストタバコ、刻みラグタバコから形成され得る。第2のオーバーラップ22は、タバコロッドプラグラップを含むことができ、タバコロッドプラグラップは、例えば、限定はしないが、紙、アルミニウム箔、または送達システムを包むために使用される任意の他の好適な材料から形成されている。
【0086】
いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル生成材料12の長さは、約30mm~約40mmの範囲であり得る。したがって、第2のオーバーラップ22の長さは、約30mm~40mmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル生成材料12の長さは、約37mmであり得る。したがって、第2のオーバーラップ22の長さは、約37mmであり得る。いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル生成材料12の長さと第2のオーバーラップ22の長さとは、同じである。
【0087】
物品1は、導体要素25をさらに備え得る。導体要素25は、少なくとも部分的にエアロゾル生成材料3の周りに延び得る。本実施形態では、導体要素25は、図1に示すように、第2の包装材26を備える。第2の包装材26は、少なくとも部分的に第1の包装材8の周りに延び、かつ少なくとも部分的に第2のエアロゾル生成材料12の周りに延びている。すなわち、第2の包装材26は、第1の包装材8、したがって第1のエアロゾル生成材料11の長さの少なくとも一部分を取り囲み、第2のエアロゾル生成材料12の長さの少なくとも一部分を取り囲んでいる。
【0088】
本実施形態では、第2の包装材26は、加熱装置受容領域7から物品1の口端部5に向かって延びている。したがって、第2の包装材26は、第1のエアロゾル生成材料11の長さの周りに全体的に延び、第2のエアロゾル生成材料12の周りに部分的に延びている。より具体的には、第2の包装材26は、第1の包装材8の上流端部8aから第1の包装材8の下流端部8bを越えて第1の包装材8の周りに延び、したがって、第1のエアロゾル生成材料11の周り、および第2のエアロゾル生成材料12の周りの第2のオーバーラップ22の少なくとも一部の周りに延びている。第2の包装材26は、約45mm~約50mmの範囲の長さを有し得る。本実施形態では、第2の包装材26は約48mmの長さを有する。
【0089】
第2の包装材26は、紙箔積層体を備えるオーバーラップから形成され得る。箔はアルミニウムを含み得る。第2の包装材26は、使用中に加熱装置受容領域7に位置する加熱装置102から受け取った熱を、第1のエアロゾル生成材料11および第2のエアロゾル生成材料12に伝導するように構成されている。第2の包装材26に沿って伝導される熱は、存在する場合、エアロゾル生成材料11、12およびゲル基材8a中のエアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するのに役立つ。
【0090】
代替的な実施形態では、第2の包装材26は存在し得るが、導体要素25を形成しなくてもよいことが理解されよう。そのような実施形態では、導体要素25は、図2に示すように、少なくとも部分的にエアロゾル生成材料3を通って延び得る。
【0091】
例えば、導体要素25は、ロッド27を備え得る。ロッド27は、第1のエアロゾル生成材料11の上流端部から物品1の口端部5に向かって延び得る。ロッド27は、第1のエアロゾル生成材料11の長さを通って、かつ少なくとも部分的に第2のエアロゾル生成材料12を通って延び得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、ロッド27は、ディスク状の拡大された上流部分27aを含み得る。拡大された上流部分27aは、加熱装置受容領域7中の加熱装置102から可能な限り多くの熱を吸収するように構成されている。拡大された上流部分27aは、導体要素25を通る空気および/またはエアロゾルの流れを可能にするための開口部(図示せず)を備え得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、導体は、上記で説明されたように第1の包装材8によって形成されなくてもよいことがさらに理解されよう。すなわち、導体は、第2の包装材26またはロッド27の形態で導体要素25などの別の構成要素によって形成され得る。具体的には、第1の包装材8は依然として存在し得るが、物品1は、使用中に加熱装置受容領域からエアロゾル生成材料に熱を伝達および/または伝導することを担う導体が、第2の包装材26またはロッド27であり得るように、構成され得る。
【0094】
次に図1図3を参照すると、物品1は、フィルタ部分31をさらに備え得る。フィルタ部分31は、第2のエアロゾル生成材料12の下流端部12bに位置し得る。フィルタ部分31は、第2のエアロゾル生成材料12と同軸に位置し得る。フィルタ部分31の上流端部31aは、第2のエアロゾル生成材料12の下流端部12bと接触し得る。
【0095】
本実施形態では、フィルタ部分31は中実フィルタ部分32を備える。中実フィルタ部分32は、生成されたエアロゾルの流れから、選択された物質を除去し、タバコを吸うのと同様の感覚をユーザに与えるために物品1を通して必要な圧力降下をもたらすように構成されている。中実フィルタ部分32は、フィルタプラグ33およびフィルタプラグラップ34を備え得る。フィルタプラグ33は、例えば、限定はしないが、酢酸セルロース、または紙など、フィルタプラグ材料を含む。フィルタプラグ33は、第2のエアロゾル生成材料12と同じ直径を有し得る。
【0096】
物品1のフィルタ部分31は、中空フィルタ部分35をさらに備え得る。中空フィルタ部分35は、中実フィルタ部分31の下流に位置し得る。中空フィルタ部分35は、中空管36によって形成され得る。中空管36は、例えば、限定はしないが、酢酸セルロース、または紙から形成され得る。
【0097】
本実施形態では、中空管36の上流端部36aが中実フィルタ部分32の下流端部32bと接触している。中空管36の下流端部36bは、物品1の口端部5を形成する。本実施形態では、中空フィルタ部分35の中空管36の外径は、中実フィルタ部分32の外径と同じ大きさである。
【0098】
フィルタ部分31は、結合フィルタプラグラップ38をさらに備え得る。本実施形態では、結合フィルタプラグラップ38は、中実フィルタ部分32と中空フィルタ部分35の両方の長さを取り囲んでいる。したがって、結合フィルタプラグラップ38の外径は、存在する場合、第1の包装材8、および第2のエアロゾル生成材料12または第2のエアロゾル生成材料のオーバーラップ22の外径よりもわずかに大きい。
【0099】
フィルタプラグ33およびフィルタプラグラップ34は、約14mmの長さを有し得る。中空フィルタ部分35は、約7mmの長さを有することができ、物品1の口端部5を出るエアロゾルの流れを冷却して、エアロゾルがユーザを傷つけるのを防ぐように構成されている。結合フィルタプラグラップ38は、フィルタ部分32、35の長さを覆うために約21mmの長さを有し得る。
【0100】
物品1は、先端包装材41をさらに備え得る。先端包装材41は、フィルタ部分31を、少なくとも1つのエアロゾル生成材料3を含む物品1の部分に接合するように構成されている。先端包装材41は、フィルタ部分31を取り囲み、結合フィルタプラグラップ38の外面に取り付けられている。先端包装材41は、物品1の口端部5から加熱装置受容領域7に向かって延びている。本実施形態では、先端包装材41は、第2のエアロゾル生成材料12の少なくとも一部分および第2の包装材26の少なくとも一部分を覆って延びている。先端包装材41の上流端部41aは、第2の包装材26の下流端部26bに取り付けられている。
【0101】
フィルタ部分31の直径と、第1のエアロゾル生成材料11および第2のエアロゾル生成材料12の直径とが異なることにより、先端包装材41は、絶縁間隙42によって第2のエアロゾル生成材料12から離隔されている。絶縁間隙42は、先端包装材41に伝達される熱の量を低減し、したがって、使用中にユーザの唇に伝達される熱の量を低減するように構成されている。
【0102】
いくつかの実施形態では、物品1は、図3に示すように、外側包装材45をさらに備える。外側包装材45は、物品1の先端紙41の周りに位置する。外側包装材45は、物品1の残りの部分からの絶縁空間46を維持するために、物品1の先端紙41から離隔されている。外側包装材は、先端紙41と接触し、絶縁空間46を維持するように構成された、少なくとも1つの突起47を備え得る。外側包装材45は、使用中に過剰な熱がユーザの唇に伝達されるのを防ぎながら、物品1のコアにおいて熱を保持するように構成されている。
【0103】
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、物品1はプラグ120をさらに備え得ることが分かる。プラグ120は、加熱装置チャンバ7内に少なくとも部分的に受容され得る。いくつかの実施形態では、プラグ120は、加熱装置受容領域7中の充填材料10内に少なくとも部分的に受容され得る。プラグ120は、不燃性エアロゾル供給デバイス100の加熱要素からの熱を、エアロゾル生成材料3、より具体的には第1のエアロゾル生成材料11に伝導するように構成されている。プラグ120は、エアロゾル供給デバイス100に関連して以下でより詳細に説明される。
【0104】
本実施形態では、プラグ120は、アルミニウム箔で形成された第1の包装材8と接触し得る。アルミニウム箔の第1の包装材8は、プラグ120からの熱を第1のエアロゾル生成材料11に伝導するように構成されている。プラグ120は、不活性材料から形成され得る。プラグ120は、加熱時に、熱分解せず毒物を放出しない材料から形成されている。プラグ120は、少なくとも700℃の温度まで熱分解せず毒物を放出しないことがある。プラグ120は、例えば、限定はしないが、セラミックもしくはガラス、または処理された金属、すなわち電気絶縁コーティングされた金属を用いて形成され得る。プラグ120は、中央孔111を備え得る。中央孔111は、空気がデバイス100からプラグ120を通って物品1に流れることを可能にするように構成されている。物品1を通って流れる加熱された空気は、物品1の口端部5に向かって流れるとき、エアロゾル生成材料3中のエアロゾル化可能な材料をエアロゾル化し得る。
【0105】
次に図5を参照すると、不燃性エアロゾル供給デバイス100が示されている。不燃性エアロゾル供給デバイスは、物品受容部101および加熱装置102を備える。加熱装置102は、加熱要素103と、加熱要素103を加熱するように構成された動力源104とを備える。
【0106】
さらに、不燃性エアロゾル供給デバイス100の加熱装置102は、プラグ120をさらに備える。プラグ120は、加熱要素103を囲む。加熱要素103は、少なくとも部分的に物品受容部101内に位置する。プラグ120は、使用中に、物品受容部101内に配置された物品1において、図1を参照して上記で説明されたように、加熱装置受容領域7内に少なくとも部分的に受容されるように構成されている。
【0107】
図5では、不燃性エアロゾル供給デバイス100の一実施形態の構成要素が簡略的に示されている。特に、図5では、不燃性エアロゾル供給デバイス100の要素は縮尺通りに描かれていない。この実施形態の理解に関連しない要素は、図を簡略化するために省略されている。
【0108】
図5に示すように、不燃性エアロゾル供給デバイス100は、物品受容部101が位置するハウジング106を備える。ハウジング106は、動力源104をも収容する。動力源104は、電気エネルギー供給源、例えば、限定はしないが、充電式リチウムイオン電池であり得る。コントローラ107は、加熱装置102、動力源104およびユーザインターフェース108、例えば、限定はしないが、ボタンまたはディスプレイに接続される。コントローラ107は、加熱装置102の加熱要素103の温度を調整するために、加熱要素103に供給される動力を制御する。
【0109】
不燃性エアロゾル供給デバイス100のハウジング106は、消費のために、上記で説明されたように、物品1を受容するために、近位端(または口端部)109において開口する空洞状の物品受容部101を画定する。ハウジング106は、主本体111と、管状部分112とを備える。管状部分112は、物品受容部101が位置する形状の空洞を備える。管状部分112は、ハウジング106の主本体111に隣接する管状部分112の遠位端からデバイスの近位端109まで延びる長手方向軸Aを有する。
【0110】
管状部分112は、管状壁113によって形成されている。本実施形態では、管状壁113は、物品受容部101の長手方向軸Aに概ね平行に延びている。管状壁113は内面114を含む。管状壁113の内面114は、物品受容部101の側壁を画定する。管状部分112の長手方向軸と物品受容部101の長手方向軸とは、互いに平行に延びている。
【0111】
プラグ120は、物品受容部101の遠位端に位置する。すなわち、プラグ120は、物品受容部101の開口端109から離隔している。本実施形態では、プラグ120の全体が物品受容部101に位置する。したがって、物品1が物品受容部101に挿入されるとき、プラグ120全体は、物品中の加熱装置受容領域7に挿入され得る。したがって、より多くの熱が加熱装置102から物品1に伝達され得る。
【0112】
プラグ120は、使用中に加熱要素を物品1との接触から保護するように構成されている。すなわち、プラグ120は、使用中に加熱要素103が物品1の一部に接触するのを防ぐための物理的な障壁を提供し得る。例えば、プラグ120は、加熱装置受容領域7中の充填材料10が加熱装置102に接触するのを防ぎ得る。
【0113】
加熱装置受容領域7中に充填材料10を含む物品1に挿入されたとき、プラグ120は、加熱要素103の邪魔にならないように、充填材料10を変形および/または圧縮および/または移動させ得る。
【0114】
プラグ120は、実質的に加熱要素103の周りに延び得る。すなわち、プラグ120は、実質的に加熱要素103を取り囲む。本実施形態では、プラグは、加熱要素103の周りに全体的に延びている。すなわち、プラグ120は、物品受容チャンバ101の長手方向軸Aに垂直な方向において加熱要素103と管状壁113との間にプラグ120が位置するように、加熱要素103を取り囲む。
【0115】
さらに、プラグ120は、実質的に加熱要素103を覆って延び得る。すなわち、プラグ120の一部分は、加熱要素103の下流に物品受容チャンバ101の長手方向軸に対してある角度で延び得る。
【0116】
図6を参照すると、プラグ120は、第1の部分121および第2の部分122を備え得る。第1の部分121は、デバイス100の口端部109から最も遠くに位置する遠位部分であり、第2の部分122は、プラグ120の近位部分である。プラグ120の第1の部分121は、実質的に加熱要素103の周りに延びるように構成され得る。本実施形態では、第1の部分121は、概ね中空円筒のような形状である。管状要素121は、両端が開口している。
【0117】
プラグ120の第2の部分122は、実質的に加熱要素103を覆って延びるように構成され得る。本実施形態では、第2の部分122は、実質的に、ドームのような形状である。しかしながら、代替的な実施形態では、第2の部分122は、概ね切頭中空円錐、すなわち円錐台のような形状であり得る。
【0118】
プラグ120は、少なくとも1つの開口部103を備え得る。少なくとも1つの開口部123は、使用中に空気が不燃性エアロゾル供給デバイス100から加熱装置102を通って物品1に流れることを可能にするための案内経路124を提供するように構成されている。プラグ120を通る案内経路124は、物品受容部101およびデバイス100の長手方向軸に平行な、プラグ120の長手方向軸Aに実質的に平行に延びている。
【0119】
本実施形態では、少なくとも1つの開口部123は、プラグ120の第2の部分122に位置する。案内経路124は、プラグ120の第1の部分121の遠位開口端からプラグ120の第2の部分122中の少なくとも1つの開口部123まで延びている。
【0120】
本実施形態では、少なくとも1つの開口部123は、プラグ120のドーム形状の第2の部分122の中央に位置する単一の開口部を含む。これは、空気がデバイス100および物品1の中心を通って流れるという利点を提供し、均一で対称的な空気流をもたらす。さらに、熱は、システムの中心にあるため、物品1内のエアロゾル生成材料3を加熱するために外側に流れ、かつ/または放射され得る。
【0121】
しかしながら、代替的な実施形態では、プラグ120は、単一の偏心開口部123、中心開口部およびさらなる偏心開口部を含む複数の開口部123、または中心開口部のない複数の開口部123を備え得ることが理解されよう。複数の偏心開口部123を設けることによって、使用中の加熱装置102からの熱を、物品1を通る複数の方向に導くことができ、物品1を通してより均一な熱伝達が可能になると考えられる。
【0122】
さらに、複数の開口部123の使用により、プラグ120を通る所与の空気流に対応する個々の開口部の大きさを低減することができ、これにより、充填材料10が開口部123に入り加熱要素103に接触する可能性が低減される。
【0123】
少なくとも1つの開口部123は、プラグ120を形成する材料の本体を通って延びる少なくとも1つの流路を形成し得る。少なくとも1つの流路は、物品1が物品受容部101内に受容されたときに流体がプラグ120の外側または一方の側から流路を通って物品1内を通過することを可能にするように、構成され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、図6に示すように、プラグ120は、肩部125をさらに備え得る。本実施形態では、肩部125は、プラグ120の第1の部分121の近位端にある端面126によって形成されている。プラグ120の第1の部分121から肩部125を形成するために、プラグ120の第2の部分122の直径は、図6を見ると、図5と比較して縮小されている。
【0125】
肩部125は、物品1の包装材8、26を受けるように構成されている。すなわち、プラグ120の肩部125は、使用中に物品1の包装材8、26を肩部に当接させるように構成されている。したがって、肩部125は、使用中に物品1が物品受容部101に深く挿入されすぎるのを防ぐ停止部を提供する。したがって、図6に示す実施形態では、プラグ120の第2の部分122のみが、物品1の加熱装置受容領域7に挿入される。
【0126】
さらに、プラグ120を通る案内経路124の断面積、すなわちプラグ120の長手方向軸に垂直な断面積を狭くすると、プラグ120を通る空気流の速度が増加され得る。これは、より短い時間間隔でより多くのエアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するために、物品1を通る熱伝達を有利に助け得る。
【0127】
プラグ120は、加熱要素102から物品1の導体への効率的な熱伝達を可能にする材料から形成され得る。本実施形態では、導体は第1の包装材8である。しかしながら、他の実施形態では、導体は、第2の包装材26またはロッド27であり得る。加熱要素102から物品1に熱を伝達するのに効率的な材料から形成されたプラグ120を設けることによって、物品1に伝達される熱の量を増加させることができ、これは、所与の時間枠においてエアロゾル生成材料3から生成されるエアロゾルの量を増加させることができる。プラグ120が形成される材料は、20℃かつ1バールにおいて約150W/mKまでの範囲の熱伝導率を有することができ、例えば、限定はしないが、炭化ケイ素および窒化アルミニウムなどの材料を含み得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、プラグ120は、加熱要素への動力が除去された後でも、熱を貯蔵し、エアロゾル生成材料を加熱し続けることができるように、高い熱容量を有し得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、プラグ120は、使用中にプラグ120の少なくとも一部が加熱装置受容領域7の内面に当接するように寸法決定され得る。これは、熱空気流による熱対流に加えてプラグ120と包装材8との間の伝導によっても熱が伝達され得るため、物品1への熱伝達の効率を高めるのに有利に役立ち得る。
【0130】
プラグ120は、デバイス100の残りの部分を放射加熱から保護する材料から形成され得る。デバイス100の残りの部分を放射加熱から保護する材料から形成されたプラグ120を設けることによって、デバイス100を損傷から保護することができ、デバイスの部品を、ユーザに害または不快感を引き起こし得る過熱から守ることができる。
【0131】
プラグ120は、700℃までの温度において熱分解しない材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、プラグ120は、少なくとも700℃まで不活性な不活性材料から形成され得る。
【0132】
プラグ120は、例えば、限定はしないが、セラミック、繊維ガラス、または陽極酸化金属もしくはエナメル金属のうちの少なくとも1つから形成され得る。
【0133】
再び図4を参照すると、加熱要素103はプラグ120から離隔して描かれている。すなわち、加熱要素103とプラグ120との間に空隙がある。これは、加熱要素103の周り全体に空気のための通路を作り、使用中にプラグ120を通って物品1内に流入する空気流への熱伝達を促進する。
【0134】
しかしながら、代替的な実施形態では、加熱要素103はプラグ120と接触している場合があることが理解されよう。そのような実施形態では、熱は、加熱要素103からプラグ120に直接伝導され得る。したがって、プラグ120は、加熱要素103によって直接加熱され得る。これは、特に、使用中にプラグ120が物品1の包装材8と接触するように寸法決定された実施形態において、プラグ120を通る空気流のより均一な熱分布を実現するのに役立ち、プラグが物品1に熱を伝導するのに役立ち得る。
【0135】
さらに、いくつかの実施形態では、加熱要素103はプラグ120に埋め込まれ得る。したがって、そのような実施形態では、加熱要素103はプラグ120を直接加熱する。これは、やはり、特に、使用中にプラグ120が物品1の包装材8と接触するように寸法決定された実施形態において、プラグ120を通る空気流のより均一な熱分布を実現するのに役立ち、プラグが物品1に熱を伝導するのに役立ち得る。
【0136】
加熱要素は、抵抗加熱要素であり得る。抵抗加熱要素は、例えば、限定はしないが、コイル、メッシュ、リボン、マトリックス、または誘導ヒータのうちの少なくとも1つによって形成され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、加熱要素103は、デバイスを通る空気流が存在するときを判定するためのセンサであるように構成され得る。デバイス100を通る空気の流れは、加熱要素103の上を移動する冷気により、加熱要素103の領域において局所的な温度低下を引き起こし得る。加熱要素103の温度の変化は、加熱要素103の抵抗の変化、すなわち、電流または電圧の変化を生じ得る。この抵抗の変化は、コントローラ107によって監視することができ、コントローラ107は、所与の値または所与の値の変化を、ユーザがデバイス100を通して空気を引き込むことによる、デバイスを通る空気流の存在と関連付けることができ、したがって、コントローラ107は、物品1のエアロゾル生成材料3中のエアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するために、加熱要素103を加熱し得る。
【0138】
代替的な実施形態では、デバイス100は、圧力センサおよび/または空気流センサ116をさらに備え得る。
【0139】
使用中、ユーザは、不燃性エアロゾル供給デバイスの物品受容部101に物品1を挿入し得る。ユーザは、物品1の包装材8、26が物品受容部101の内側のプラグ120の肩部125に載置されるまで、またはプラグ120が物品1の加熱装置受容領域7内に十分に位置するまで、物品1を挿入し得る。
【0140】
次いで、ユーザは、物品1の口端部5を吸い込むことができ、これにより、空気がデバイス100に入り、ハウジング106の主本体111を通って、プラグ120を介して管状部分112に流入する。空気流は、ハウジング106を通過するとき、圧力センサまたは空気流センサ116を通過する。圧力センサ116はコントローラ107に情報を送信し、コントローラ107は、デバイス100が使用されていると判定し、加熱要素103への動力をオンにする。代替的な実施形態では、上記で説明されたように、加熱要素103自体が空気流センサとして使用され得る。
【0141】
加熱要素103は、プラグ120中の開口部123を通過して物品1内に流入する空気流を加熱する。空気流は、第1のエアロゾル生成材料11および第2のエアロゾル生成材料12を通り、フィルタ部分31を通ってユーザに流れる。物品を通る経路上で、高温空気流は、エアロゾル化可能な材料をエアロゾル化し、それをユーザに送達する。
【0142】
同時に、加熱要素103からの熱は、熱空気から第1の包装材8への対流によって、また、プラグ120が第1の包装材8と接触する実施形態では伝導によって、伝達される。熱は、第1のエアロゾル生成材料11のエアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するために、第1の包装材8に沿って伝達される。熱はまた、第1の包装材8から第2の包装材26に、物品1の口端部5に向かって長手方向に伝達される。第2の包装材26中の熱は、第2のエアロゾル生成材料12のエアロゾル化可能な材料をエアロゾル化する。包装材8、26からエアロゾル生成材料11、12に伝導される熱が、それ自体でエアロゾル生成材料3中のエアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するのに十分でない場合でも、エアロゾル生成材料11、12の温度が上昇することにより、物品1を通る加熱された空気流によってエアロゾル生成材料11、12をより大きくエアロゾル化することができる。
【0143】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を補助するためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的かつ/または排他的なものではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲に対する制限または特許請求の範囲の均等物に対する制限とみなされるべきではなく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組合せを好適に含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる場合がある。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための、エアロゾル生成材料を含む物品であって、前記物品が、
口端部と、
前記口端部とは反対側にある上流端部であって、前記エアロゾル生成材料の上流に加熱装置受容領域を含み、前記加熱装置受容領域が、使用中に加熱装置の端部を受容するように構成されている、上流端部と、
前記加熱装置受容領域と前記エアロゾル生成材料の少なくとも一部分とを取り囲む第1の包装材と、
使用中に前記加熱装置受容領域から前記エアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成された導体と、
を備える、物品。
【請求項2】
前記導体が前記第1の包装材であり、前記第1の包装材が、使用中に前記加熱装置受容領域から前記エアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成されている、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記加熱装置受容領域が、圧縮性、熱伝導性、および不燃性を有する充填材料を含む、請求項に記載の物品。
【請求項4】
前記充填材料が、繊維ガラス、または集められたアルミニウムである、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記第1の包装材がアルミニウム箔から形成されている、請求項に記載の物品。
【請求項6】
前記エアロゾル生成材料が、第1のエアロゾル生成材料および第2のエアロゾル生成材料を含み、前記第1のエアロゾル生成材料が、前記加熱装置受容領域に隣接して位置し、前記第1の包装材によって囲まれている、請求項に記載の物品。
【請求項7】
前記第1の包装材が、前記第1の包装材の内周面に第3のエアロゾル生成材料を含む、請求項に記載の物品。
【請求項8】
前記第3のエアロゾル生成材料が非晶質固体材料である、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記第1のエアロゾル生成材料が複数のビーズを含む、請求項6に記載の物品。
【請求項10】
前記エアロゾル生成材料の第1の部分が、前記複数のタバコビーズの周りに巻き付けられた第1の包装材を含む、請求項6に記載の物品。
【請求項11】
前記第1の包装材が、アルミニウム箔またはバンドキャスト再生タバコの包装材である、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
熱源から前記エアロゾル生成材料の中または周りを少なくとも部分的に通って延びる導体要素をさらに備える、請求項に記載の物品。
【請求項13】
前記導体要素が、前記第1の包装材の周りに、かつ少なくとも部分的に前記第2のエアロゾル生成材料の周りに延びる第2の包装材を備える、請求項10に記載の物品。
【請求項14】
前記第2のエアロゾル生成材料がタバコロッドである、請求項6に記載の物品。
【請求項15】
前記加熱装置受容領域内に、任意選択的に前記充填材料中に、少なくとも部分的に受容されたプラグをさらに備え、前記プラグが、不燃性エアロゾル供給デバイスの加熱要素から前記エアロゾル生成材料に熱を伝導するように構成されている、請求項に記載の物品。
【請求項16】
前記プラグが前記アルミニウム箔の包装材と接触する、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記プラグが、任意選択的に約700℃~900℃までの、加熱時に、熱分解せず毒物を放出しない不活性材料から形成されている、請求項15に記載の物品。
【請求項18】
前記プラグが、セラミックまたはガラスまたは処理された金属から形成されている、請求項15に記載の物品。
【請求項19】
前記プラグが、空気が前記デバイスから前記プラグを通って前記物品に流れることを可能にするように構成された中央孔を有する、請求項15に記載の物品。
【請求項20】
前記物品のプラグラップの周りに設けられた外側包装材をさらに備え、前記外側包装材が、前記物品の前記プラグラップから離隔され、前記物品のコア中に熱を保持するように構成されている、請求項に記載の物品。
【請求項21】
エアロゾル化可能な材料をエアロゾル化するためのシステムであって、
請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料を含む物品と、
不燃性エアロゾル供給デバイスと、
を備える、システム。
【国際調査報告】