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特表2024-546862筋減衰及び腎機能障害を治療するためのウロリチンを含む組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】筋減衰及び腎機能障害を治療するためのウロリチンを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/37 20060101AFI20241219BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 13/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20241219BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K31/37
A61P21/00
A61P13/12
A61P3/10
A61P13/00
A61P19/00
A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535464
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2022086049
(87)【国際公開番号】W WO2023117659
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/265,711
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/354,317
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ソレンティーノ, ヴィンチェンツォ
(72)【発明者】
【氏名】カラズ, ソニア
(72)【発明者】
【氏名】フォン エイナッテン, マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】レスレ, クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】ファイギ, ジェローム
【テーマコード(参考)】
4B018
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB10
4B018MD08
4B018MD35
4B018ME14
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA19
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZC35
(57)【要約】
本開示は、概して、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療又は予防する、方法及びウロリチンを含む組成物に関する。更に、尿中クレアチニンを増加させるため、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させるため、及び/又はアルブミン再吸収を増加させるための、方法及びウロリチンを含む組成物。更に、筋肉の除脂肪量を改善するため、及び/又は筋線維サイズを改善するため、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するための、方法及びウロリチンを含む組成物が開示される。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する方法。
【請求項2】
前記疾患又は状態が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW(protein-energy wasting)、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記筋減衰及び/又は前記腎機能障害が、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において治療及び/又は予防される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記筋肉が、前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
必要とする対象において筋肉の除脂肪量を改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項11】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
筋肉の前記除脂肪量が、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において改善される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記筋肉が、前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
必要とする対象においてアルブミン再吸収を増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項20】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アルブミン再吸収が、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
必要とする対象において尿中クレアチニンを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項28】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記尿中クレアチニンが、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
必要とする対象においてアルブミン/クレアチニン比を減少させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項36】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記アルブミン/クレアチニン比が、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において減少される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
必要とする対象において尿中カルノシンを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項44】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記尿中カルノシンが、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
必要とする対象において尿中アンセリンを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項52】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記尿中アンセリンが、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
必要とする対象において尿中S-アデノシルメチオニンを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項60】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記尿中S-アデノシルメチオニンが、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
必要とする対象において大腿骨質量を改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項68】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記大腿骨質量が、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において改善される、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項67に記載の方法。
【請求項75】
必要とする対象において筋線維サイズを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項76】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
筋萎縮症が低減される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項75に記載の方法。
【請求項83】
必要とする対象において少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項84】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つのアミノ酸が、イソロイシン、メチオニン、リジン、チロシン、プロリン、アラニン及びグリシンからなる群から選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項88】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項89】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項83に記載の方法。
【請求項90】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項83に記載の方法。
【請求項91】
必要とする対象の筋肉における少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項92】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記少なくとも1つの代謝生成物が、N,N-ジメチルグリシン、S-アデノシルメチオニン(SAM)、N-アセチル-DL-セリン、N-アセチル-L-アルギニン及びN-アセチルグルタミン酸からなる群から選択される、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記少なくとも1つの代謝生成物が、2-ヒドロキシブチレートである、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記少なくとも1つの代謝生成物のレベルが、trans-ウロカニン酸のレベルを減少させることによって改善される、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記少なくとも1つの代謝生成物のレベルが、筋肉におけるアンセリン及び/又はカルノシンのレベルを増加させることによって改善される、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項100】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項91に記載の方法。
【請求項101】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項91に記載の方法。
【請求項102】
必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項103】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記少なくとも1つのヌクレオチドが、アデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン二リン酸(ADP)、グアノシン三リン酸(GTP)、グアノシン二リン酸(GDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、シチジン三リン酸(CTP)及びフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)からなる群から選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項102に記載の方法。
【請求項106】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項102に記載の方法。
【請求項107】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項102に記載の方法。
【請求項108】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項102に記載の方法。
【請求項109】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項102に記載の方法。
【請求項110】
必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項111】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドが、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの酸化型(NAD+)又は還元型(NADH)である、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
前記少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドが、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化型(NADP+)又は還元型(NADPH)である、請求項110に記載の方法。
【請求項114】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項110に記載の方法。
【請求項115】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項110に記載の方法。
【請求項116】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項110に記載の方法。
【請求項117】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項110に記載の方法。
【請求項118】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項110に記載の方法。
【請求項119】
必要とする対象の筋肉におけるグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項120】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記筋肉における抗酸化物質の緩衝能力が改善される、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項119に記載の方法。
【請求項124】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項119に記載の方法。
【請求項125】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項119に記載の方法。
【請求項126】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項119に記載の方法。
【請求項127】
必要とする対象の筋肉におけるスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項128】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記筋肉バイオエナジェティクスが改善される、請求項127に記載の方法。
【請求項130】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項127に記載の方法。
【請求項131】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項127に記載の方法。
【請求項132】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項127に記載の方法。
【請求項133】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項127に記載の方法。
【請求項134】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項127に記載の方法。
【請求項135】
必要とする対象の筋肉におけるホスホクレアチンのレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項136】
前記対象が、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記筋肉のエネルギー利用が改善される、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、経腸投与される、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩が、非経口投与される、請求項135に記載の方法。
【請求項140】
前記ウロリチンを含む組成物又は前記ウロリチン若しくは薬理上許容可能なその塩が、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される、請求項135に記載の方法。
【請求項141】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項135に記載の方法。
【請求項142】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項135に記載の方法。
【請求項143】
ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を含む、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態の治療及び/又は予防に使用するための栄養組成物であって、好ましくは、前記栄養組成物が、必要とする対象において筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防するのに有効な量のウロリチンを含有する、栄養組成物。
【請求項144】
尿中クレアチニンを増加させる、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させる、及び/又はアルブミン再吸収を増加させる、及び/又は筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は尿中カルノシンを増加させる、及び/又は尿中アンセリンを増加させる、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンを増加させる、及び/又は大腿骨質量を改善するのに有効な量のウロリチンを含有する、請求項143に記載の組成物。
【請求項145】
筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は筋線維サイズを改善する、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するのに有効な量のウロリチンを含有する、請求項143に記載の組成物。
【請求項146】
少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるのに有効な量のウロリチンを含有する、請求項143に記載の組成物。
【請求項147】
前記筋肉が、前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である、請求項143に記載の組成物。
【請求項148】
食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項143に記載の組成物。
【請求項149】
経口投与用に配合されている、請求項143に記載の組成物。
【請求項150】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項143に記載の組成物。
【請求項151】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項143に記載の組成物。
【請求項152】
ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を含む、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態の治療及び/又は予防において使用するための単位剤形であって、好ましくは、前記単位剤形は、必要とする対象において筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防するのに有効な量のウロリチンを含有する、
単位剤形。
【請求項153】
尿中クレアチニンを増加させる、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させる、及び/又はアルブミン再吸収を増加させる、及び/又は筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は尿中カルノシンを増加させる、及び/又は尿中アンセリンを増加させる、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンを増加させる、及び/又は大腿骨質量を改善するのに有効な量のウロリチンを含有する、請求項152に記載の単位剤形。
【請求項154】
筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は筋線維サイズを改善する、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するのに有効な量のウロリチンを含有する、請求項152に記載の単位剤形。
【請求項155】
少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるのに有効な量のウロリチンを含有する、請求項152に記載の単位剤形。
【請求項156】
前記筋肉が、前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である、請求項152に記載の単位剤形。
【請求項157】
食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項152に記載の単位剤形。
【請求項158】
前記単位剤形が、経腸投与用に配合されている、請求項152に記載の単位剤形。
【請求項159】
前記ウロリチンが、微粉化されている、請求項152に記載の単位剤形。
【請求項160】
前記ウロリチンが、ウロリチンAである、請求項152に記載の単位剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療又は予防する、方法及びウロリチンを含む組成物に関する。更に、尿中クレアチニンを増加させるため、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させるため、及び/又はアルブミン再吸収を増加させるための、方法及びウロリチンを含む組成物が開示される。更に、筋肉の除脂肪量を改善するため、及び/又は筋線維サイズを改善するため、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するための、方法及びウロリチンを含む組成物が開示される。少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善するため、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善するため、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善するため、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させるため、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させるため、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるための、方法及びウロリチンを含む組成物も開示される。
【背景技術】
【0002】
筋消耗中に生じる筋肉量の減少は、異化による筋肉タンパク質の分解を特徴とするものであり得る。筋肉タンパク質の異化は、タンパク質分解の度合いが高いこと又はタンパク質合成の度合いが低いことのいずれによって生じる場合でも、筋肉量の減少及び筋消耗をもたらす。
【0003】
筋消耗による筋減衰は、慢性、神経性、遺伝性又は感染性の病理、疾患、疾病又は状態に関連する。具体的には、筋減衰は、とりわけ、慢性腎疾患(CKD)、末期腎不全(ESRD)、代謝機能障害に伴う筋消耗(metabolic dysfunction-induced muscle wasting)、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW(protein-energy wasting)に関連する。
【0004】
筋消耗は、筋肉量、筋力及び筋機能の低下を特徴とし、CKDの一般的な合併症であり、この集団における罹患率及び死亡率のリスクを有意に増加させる。腎機能及び生活様式の低下に関連する多くの合併症は、異化経路を活性化し、筋肉再生を低下させ、実質的なタンパク質消耗をもたらす。
【0005】
CKDでは、腎臓が老廃物を排出し、尿を濃縮し、タンパク質及びアミノ酸を再吸収し、電解質を保持する能力の低下が徐々に進行する。腎機能に関する、突発的であるが可逆的な急性腎不全とは異なり、慢性腎疾患における腎機能は不可逆的に末期腎疾患(ESRD)へと進行及び悪化する。CKDは、数ヶ月又は数年にわたって腎臓の機能及び構造を不可逆的に変化させる多彩な(heterogeneous)疾患経路から生じる。
【0006】
糖尿病及び高血圧は、全ての高所得国及び中所得国、更には多くの低所得国においてもCKDの主な原因である。CKDの発生率、有病率、及び進行は、おそらくは後成的(epigenetic)な影響を受け、民族集団により、及び健康の社会的決定因子により、国内でも多様である。多くの人々は、無症候性である、又は傾眠、痒み、若しくは食欲不振などの非特異的症状を有する。診断は一般に、尿試験紙又は血液検査などのスクリーニング検査から偶然発見された後、又は症状が重篤になったときに、行われる。一般的な腎機能の指標として利用可能な最善のものは、糸球体濾過量(GFR)である。疾患及び管理は、GFRとアルブミン尿とから評価される疾患重症度の段階、及び臨床診断(原因及び病理学)に従って分類される。タンパク尿の存在は、CKDの進行リスクの増加に関連する。CKDの診断は、腎機能の慢性的な低下及び構造的な腎臓損傷の確認に基づく。
【0007】
CKDは、利用可能な腎機能の量を実証する病期分類システム(ステージ1=正常な腎機能)を使用して診断され、患者は多くの場合、初期には症状を有さない。CKDのステージ5はESRDであり、このステージでは腎臓は完全な不全又はほぼ完全な不全であり、通常は、腎機能がベースラインの10%未満である場合に生じる。
【0008】
[発明の概要]
第1の態様において、本開示は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、筋減衰及び/又は腎機能障害は、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において治療及び/又は予防される。
【0009】
第2の態様において、本開示は、必要とする対象における筋肉の除脂肪量を改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。一実施形態において、筋肉の除脂肪量は、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において改善される。
【0010】
前述の態様のいくつかの実施形態において、筋肉は、前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である。
【0011】
第3の態様において、本開示は、必要とする対象においてアルブミン再吸収を増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、アルブミン再吸収は、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される。
【0012】
第4の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中クレアチニンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、尿中クレアチニンは、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される。
【0013】
第5の態様において、本開示は、必要とする対象においてアルブミン/クレアチニン比を減少させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、アルブミン/クレアチニン比は、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において減少される。
【0014】
第6の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中カルノシンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、尿中カルノシンは、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される。
【0015】
第7の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中アンセリンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、尿中アンセリンは、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される。
【0016】
第8の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中S-アデノシルメチオニンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、尿中S-アデノシルメチオニンは、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において増加される。
【0017】
第9の態様において、本開示は、必要とする対象において大腿骨質量を改善するための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において、大腿骨質量は、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期において改善される。
【0018】
前述の態様のいくつかの実施形態において、筋肉は、前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である。
【0019】
第10の態様において、本開示は、必要とする対象において筋線維サイズを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0020】
第11の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0021】
第12の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0022】
第13の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0023】
第14の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0024】
第15の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0025】
第16の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0026】
第17の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるホスホクレアチンのレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0027】
前述の態様のいくつかの実施形態において、対象は、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗(metabolic induced muscle wasting)、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態を有する。
【0028】
他の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、経腸投与される。
【0029】
更なる実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、非経口投与される。
【0030】
いくつかの実施形態において、ウロリチンは、微粉化されている。
【0031】
他の実施形態において、ウロリチンは、ウロリチンAである。
【0032】
第18の態様において、本開示は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態の治療及び/又は予防に使用するための栄養組成物を提供する。栄養組成物は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を含む。好ましくは、栄養組成物は、必要とする対象において筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防するのに有効な量のウロリチンを含有する。
【0033】
一実施形態において、組成物は、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低容量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0034】
別の実施形態において、組成物は、経口投与用に配合されている。
【0035】
第19の態様において、本開示は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する方法において使用するための単位剤形を提供する。単位剤形は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を含む。好ましくは、単位剤形は、必要とする対象において筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防するのに有効な量のウロリチンを含有する。
【0036】
一実施形態において、単位剤形は、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低容量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0037】
別の実施形態において、単位剤形は、経腸投与用に配合されている。
【0038】
第18及び第19の態様のいくつかの実施形態において、組成物及び/又は単位剤形は、尿中クレアチニンを増加させる、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させる、及び/又はアルブミン再吸収を増加させる、及び/又は筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は尿中カルノシンを増加させる、及び/又は尿中アンセリンを増加させる、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンを増加させる、及び/又は大腿骨質量を改善するのに有効な量のウロリチンを含有する。
【0039】
第18及び第19の態様の他の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は筋線維サイズを改善する、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するのに有効である。
【0040】
第18及び第19の態様の更なる実施形態において、ウロリチン含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるのに有効である。
【0041】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の利点は、健康な筋肉量の維持を助けることである。
【0042】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の別の利点は、腎機能障害を安定させるのを助けることである。
【0043】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の更に別の利点は、腎機能の回復を助けることである。
【0044】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の利点は、筋肉の除脂肪量の改善を助けることである。
【0045】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の別の利点は、アルブミン再吸収の増加を助けることである。
【0046】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の更に別の利点は、尿中クレアチニンの増加を助けることである。
【0047】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の利点は、アルブミン/クレアチニン比の減少を助けることである。
【0048】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の別の利点は、尿中カルノシンの増加を助けることである。
【0049】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の更に別の利点は、尿中アンセリンの増加を助けることである。
【0050】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の利点は、尿中S-アデノシルメチオニンの増加を助けることである。
【0051】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の別の利点は、大腿骨質量の改善を助けることである。
【0052】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の利点は、筋肉の持久力及び/又は効率を改善することである。
【0053】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の別の利点は、筋線維サイズを改善することである。
【0054】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の更に別の利点は、筋肉におけるアミノ酸レベルを改善することである。
【0055】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の利点は、筋委縮症を低減することである。
【0056】
本開示によって提供される1つ以上の態様及び実施形態の別の利点は、筋肉バイオエナジェティクスのヌクレオチド、及び、細胞シグナル伝達にとって重要なヌクレオチドを増加させることである。
【0057】
更なる特徴及び利点が本明細書において記述されており、以下の図面、及び発明を実施するための形態から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の5週間後(中間時点)のマウスにおいて測定されたアルブミン/クレアチン比を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の5週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。クレアチニンは、Cobas Integra自動分析器を使用して測定した。尿中アルブミンの排出は、ELISAキットによって測定した。
図1b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後(エンドポイント)のマウスにおいて測定されたアルブミン/クレアチン比を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。クレアチニンは、Cobas Integra自動分析器を使用して測定した。尿中アルブミンの排出は、ELISAキットによって測定した。
図2】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された尿中クレアチニンを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。尿中クレアチニンは、Cobas Integra自動分析器を使用して測定した。
図3】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)のベースライン(時間ゼロ)、5週間後(中間時点)及び10週間後(エンドポイント)のマウスにおいて測定されたアルブミン尿の進行を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。尿中アルブミンの排出は、ELISAキットによって測定した。
図4】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉の除脂肪量(g)を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。筋肉の除脂肪量は、EchoMRIを使用して測定した。
図5a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された前脛骨筋の筋肉量(mg)を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。前脛骨筋の筋肉量は、精密はかりで秤量することによって測定した。
図5b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された大腿四頭筋の筋肉量(mg)を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処理の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。大腿四頭筋の筋肉量は、精密はかりで秤量することによって測定した。
図6】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された尿中カルノシンを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処理の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。尿中カルノシンは、冷メタノール:水:クロロホルム(5:3:5(v/v))抽出を使用して極性代謝産物と非極性代謝産物とを分離する半定量的方法によって測定した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NH4Ac)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NH4OH)とを含むH2O(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。カルノシンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライ(on-the-fly)で交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図7】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された尿中アンセリンを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処理の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。尿中アンセリンは、冷メタノール:水:クロロホルム(5:3:5(v/v))抽出を使用して極性代謝産物と非極性代謝産物とを分離する半定量的方法によって測定した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NH4Ac)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NH4OH)とを含むH2O(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。アンセリンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図8】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された尿中S-アデノシルメチオニンを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処理の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。尿中S-アデノシルメチオニンは、冷メタノール:水:クロロホルム(5:3:5(v/v))抽出を使用して極性代謝産物と非極性代謝産物とを分離する半定量的方法によって測定した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NH4Ac)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NH4OH)とを含むH2O(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。S-アデノシルメチオニンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図9】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された大腿骨質量を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。大腿骨質量は、精密はかりで秤量することによって測定した。
図10】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて脛骨内部で測定された線維のサイズ分布を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較して示す。前脛骨筋凍結切片の後に線維サイズの分布を評価し、ラミニンタンパク質及び筋核について染色した。スライドは、全てOlympus VS120スライドスキャナ顕微鏡で取得した。筋線維のサイズは、QuPathソフトウェア及びFijiのツールopen-CSAMを使用して社内で開発した自動画像処理アルゴリズムを使用して、Min Feretで計算した。
図11a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたイソロイシンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。イソロイシンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。イソロイシンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図11b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたメチオニンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。メチオニンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。メチオニンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図11c】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたリジンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。リジンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。リジンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図11d】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたチロシンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。チロシンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NH4Ac)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。チロシンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図11e】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたプロリンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。プロリンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。プロリンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図11f】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたアラニンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。アラニンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。アラニンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図11g】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたグリシンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。線維のサイズ分布は、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。グリシンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図12a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたN-アセチル-DL-セリンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。N-アセチル-DL-セリンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。N-アセチル-DL-セリンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図12b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたN-アセチル-DL-アルギニンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。N-アセチル-L-アルギニンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。N-アセチル-L-アルギニンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図12c】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたN-アセチルグルタミン酸レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。N-アセチルグルタミン酸レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。N-アセチルグルタミン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図13a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたN,N-ジメチルグリシンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。N,N-ジメチルグリシンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。N,N-ジメチルグリシンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図13b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたS-アデノシルメチオニン(SAM)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。NS-アデノシルメチオニン(SAM)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。S-アデノシルメチオニンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図14a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された2-ヒドロキシブチレートレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。2-ヒドロキシブチレートレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。2-ヒドロキシブチレートを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図14b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定されたtrans-ウロカニン酸レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。trans-ウロカニン酸レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。trans-ウロカニン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図15a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるアンセリンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるアンセリンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるアンセリンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図15b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるカルノシンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるカルノシンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるカルノシンレベルを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図16a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるアデノシン三リン酸(ATP)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるアデノシン三リン酸(ATP)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。アデノシン三リン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図16b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるアデノシン二リン酸(ADP)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるアデノシン二リン酸(ADP)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるアデノシン二リン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図16c】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるグアノシン三リン酸(GTP)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるグアノシン三リン酸(GTP)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるグアノシン三リン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図16d】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるグアノシン二リン酸(GDP)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるグアノシン二リン酸(GDP)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるグアノシン二リン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図16e】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるウリジン三リン酸(UTP)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるウリジン三リン酸(UTP)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるウリジン三リン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図16f】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるシチジン三リン酸(CTP)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるシチジン三リン酸(CTP)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるシチジン三リン酸を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図16g】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるフラビンアデニンジヌクレオチドを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図17a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるNAD+レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるNAD+レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。筋肉におけるNAD+を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図17b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるNADP+レベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるNADP+レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。NADP+を含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図18a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるグルタチオン(GSH)を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるグルタチオン(GSH)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。GSHを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図18b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるグルタチオンジスルフィド(GSSG)を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるグルタチオンジスルフィド(GSSG)レベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。GSSGを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図19a】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるスクシナートを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるスクシナートレベルは、13C-酵母を内部標準として用いる液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。スクシナートを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図19b】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるマレエートレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるマレエートレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。マレエートを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
図20】50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定された、筋肉におけるホスホクレアチンレベルを、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較して示す。筋肉におけるホスホクレアチンレベルは、13C-酵母を内部標準として用いた液液抽出を使用して測定した。筋肉抽出は、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。更に、タンパク質層が2つの相の間の中央に残った。極性相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。タンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。各試料の2μLを、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラムに注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NHAc)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NHOH)とを含むHO(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。ホスホクレアチンを含む代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。オンザフライで交互に切り替えた負イオンモード(3kV)と正イオンモード(3.5kV)をイオン化に使用した。機器の制御、データの取得、及び処理にはソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。
【発明を実施するための形態】
【0059】
定義
以下、いくつかの定義を示す。しかしながら定義が以下の「実施形態」の項にある場合もあり、上記の見出し「定義」は、「実施形態」の項におけるそのような開示が定義ではないことを意味するものではない。
【0060】
本明細書に記載する全ての百分率は、別途記載のない限り、組成物の総重量によるものである。本明細書で使用するとき、「約」、「およそ」、及び「実質的に」は、数値のある範囲内、例えば、参照数字の-10%から+10%の範囲内、好ましくは参照数字の-5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照数字の-1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照数字の-0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲に対応するものと解釈されたい。
【0061】
本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈上別段の指示がない限り、複数の指示対象も含まれる。したがって、例えば、「1つの構成成分(a component)」又は「その構成成分(the component)」についての言及は、2つ以上の構成成分を含む。
【0062】
用語「含む/備える(comprise)」、「含む/備える(comprises)」、及び「含んでいる/備えている(comprising)」は、排他的なものではなく、他を包含し得るものとして解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈されるべきである。しかしながら、本明細書に開示されている組成物は、本明細書において具体的に開示されていない要素を含まない場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成要素「を本質的に含む/から本質的に構成される(consisting essentially of)」実施形態、及び特定されている構成要素「からなる(consisting of)」実施形態の開示を含む。「~から本質的に構成される」組成物又は単位剤形とは、参照された構成成分を少なくとも50重量%、好ましくは参照された構成成分を少なくとも75重量%、より好ましくは参照された構成成分を少なくとも85重量%、最も好ましくは参照された構成成分を少なくとも95重量%含むことをいう。
【0063】
「X及び/又はY」という文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」又は「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。同様に、「X又はYのうちの少なくとも1つ」は、「X」又は「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。例えば、「筋減衰及び/又は腎機能障害」は、「筋減衰」又は「腎機能障害」又は「筋減衰及び腎機能障害の両方」と解釈されるべきである。
【0064】
本明細書において使用する場合、用語「例」及び「例えば~など(such as)」は、その後に用語の列挙が続くときは特に、単に例示的かつ説明的なものにすぎず、排他的又は包括的なものとみなされるべきではない。本明細書で使用するとき、別の状態「に関連する/伴う(associated with)」又は「と関連付けられる(linked with)」状態は、これらの状態が同時に起こることを意味し、好ましくは、これらの状態が同じ基礎症状によって引き起こされることを意味し、最も好ましくは、特定されている状態のうちの一方が他方の特定されている状態によって引き起こされることを意味する。
【0065】
「予防」は、状態又は疾患のリスク及び/又は重症度を低減させることを含む。「処置/治療(treatment)」、「処置する/治療する(treat)」及び「緩和すること(to alleviate)」という用語は、(標的とする病態又は障害の発症を予防する及び/又は遅らせる)予防用の(prophylactic)処置又は予防的な(preventive)処置と、診断された病態又は疾患を治癒させる、遅らせる、その症状を減弱する、かつ/又はその進行を止める治療的措置を含む、治癒的、治療的又は疾患修飾処置との両方;並びに疾患にかかるリスクを有する、又は疾患にかかったと推測される患者の処置に加えて、病気である、又は疾患若しくは医学的状態に罹患していると診断された患者の処置を含む。この用語は、必ずしも完治するまで対象が治療されることを意味するものではない。「処置/治療」及び「処置/治療する」という用語はまた、疾患に罹患してはいないが不健康な状態を招きやすい可能性のある個体の健康を維持及び/又は促進することも指す。「処置/治療」、「処置/治療する」及び「緩和すること」という用語はまた、1つ以上の主たる予防的又は治療的措置の相乗作用、又は別の増強作用を含むことも意図している。「処置/治療」、「処置/治療する」及び「緩和すること」という用語は更に、疾患若しくは状態の、食事による管理(dietary management)、又は疾患若しくは状態の予防(prophylaxis)若しくは予防(prevention)のための、食事による管理を含むことも意図している。治療は患者に関連するものであってもよく、又は医師に関連するものであってもよい。
【0066】
「対象」又は「個体」は、哺乳動物、好ましくはヒトである。哺乳動物という用語は、ペット又は家畜を含み得るが、これらに限定されない。特に、「家畜」という用語は、ウマ(例えば、治療を受けているペット若しくはウマ)、又はウシ若しくは家禽(例えば、農業で使用されているウシ又は家禽)を含み得るが、これらに限定されない。特に、「ペット」という用語は、高齢のペット(例えば、10歳を超えるネコ又は7歳を超えるイヌ)、肥満のペット、糖尿病のペット及びCKDのペットを含み得るが、これらに限定されない。
【0067】
本明細書で使用するとき、「有効量」とは、欠乏を予防する、個体の疾患若しくは医学的状態を治療する、又はより一般的には、症状を軽減させる、疾患の進行を管理する、又は個体に対して栄養学的、生理学的若しくは医学的利益をもたらす、量である。相対的用語「改善された」、「増加された」、「増進/増強された」などは、本明細書に開示される組成物、すなわちウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の効果を指す。
【0068】
用語「食品」、「食品製品」、及び「食品組成物」は、ヒトなどの個体による摂取が意図され、かかる個体に対して少なくとも1種類の栄養素を提供する、製品又は組成物を意味する。食品製品は、典型的には、タンパク質、脂質、炭水化物のうちの少なくとも1つを含み、任意に1種類以上のビタミン及びミネラルを含む。本明細書に記載されている多くの実施形態を含む本開示の組成物は、本明細書に開示されている要素、並びに本明細書に記載されている又は記載されていなくとも食生活において有用である任意の追加の又は任意選択の原材料、構成成分又は要素を含んでよい、それらから構成されてよい、又は本質的に含んでもよい。
【0069】
本明細書で使用される場合、「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び動物対象のための投与量単位として好適な物理的に小分けされた単位を指し、各単位は、薬理上許容可能な希釈剤、担体、又はビヒクルとともに、所望の効果をもたらすのに十分な量の、所定量の本明細書に開示される組成物を含有する。単位剤形の仕様は、使用される具体的な化合物及び/又は組成物、達成しようとする効果、及び宿主体内の各化合物及び/又は組成物に関連する薬力学によって決まる。
【0070】
「慢性腎疾患(CKD)」は、臨床診断とは関係なく、腎障害(すなわち、アルブミン尿)又は腎機能の低下(すなわち、GFR<60mL/分/1.73m)が3ヶ月以上存在するものを含む。CKDは、GFRに基づいて5つのステージに分類される:90mL/分/1.73m超(ステージ1)、60~89mL/分/1.73m(ステージ2)、30~59mL/分/1.73m(ステージ3)、15~29mL/分/1.73m(ステージ4)、及び15mL/分/1.73m未満(ステージ5)。
【0071】
「慢性腎疾患の初期」は、60~89mL/分/1.73m(ステージ2)、30~59mL/分/1.73m(ステージ3)に基づくステージ2及びステージ3の慢性腎疾患を含む。好ましくは、「慢性腎疾患の初期」は、60~89mL/分/1.73mに基づくステージ2の慢性腎疾患を含む。
【0072】
「慢性腎疾患の後期」は、15~29mL/分/1.73m(ステージ4)、及び15mL/分/1.73m未満(ステージ5)に基づくステージ4及びステージ5の慢性腎疾患を含む。好ましくは、「慢性腎疾患の後期」は、15~29mL/分/1.73mに基づくステージ4の慢性腎疾患を含む。
【0073】
「末期腎疾患(ESRD)」は、腎代替療法を必要とするCKDを有する個体の状態を含む。好ましくは、ESRDは、GFR:15mL/分/1.73m未満に基づくステージ5の慢性腎疾患を含む。
【0074】
「代謝に伴う筋消耗」は、筋肉におけるタンパク質分解がタンパク質合成の速度を超える長期の異化状態を含む。
【0075】
「糖尿病」には、この疾患のI型及びII型の両方が包含される。糖尿病の危険因子の非限定的な例としては、ウエストラインが男性で40インチ超又は女性で35インチ超であること、血圧が130/85mmHg以上であること、トリグリセリドが150mg/dL超であること、空腹時血糖が100mg/dL超であること、又は高密度リポタンパク質が男性で40mg/dL未満若しくは女性で50mg/dL未満であることが挙げられる。
【0076】
「ポンペ病」は、古典的乳児型、非古典的乳児型、及び遅発型を包含する。古典的又は非古典的乳児発症型ポンペ病を有する小児では、酸性α-グルコシダーゼの活性は、一般に正常の約1%未満である。遅発型の個体では、酸性α-グルコシダーゼは一般に正常の約40%未満である。
【0077】
「代謝性アシドーシス」は、血清pHの低下、及び22~29mEq/Lの正常範囲を下回る<22mEq/Lの異常な血清重炭酸濃度を包含する。
【0078】
「メチルマロン酸尿症」は、身体が特定の脂肪及びタンパク質、並びにアミノ酸のメチオニン、トレオニン、イソロイシン及びバリンを適切に消化することができず、ひいては、血液中に毒性量のメチルマロン酸の蓄積をもたらす、遺伝性疾患に関する。
【0079】
「廃用性萎縮」は、四肢からギプスが外された後に、使用されていない筋肉を適切に運動させる場合、又は人が一定期間寝たきりになった後に運動するのに十分な力を回復した場合の一時的な状態に関する。
【0080】
「PEW(protein-energy wasting)」は、不適応な代謝状態に起因する、対象における体タンパク質量及びエネルギー源(fuel)貯蔵量の減少に関する。不適応な代謝状態には、非特異的炎症プロセス、一過性の併発異化疾患;透析液中への栄養素の流出、酸血症、インスリン耐性、成長ホルモン、及びインスリン様成長因子-1などの内分泌障害、高グルカゴン血症、副甲状腺機能亢進症、並びに血液透析器中への失血、糞便中への失血、又は採血による失血が含まれる。
【0081】
「代謝生成物(Metabolic product))又は「代謝産物(metabolite)」は、代謝の中間体又は最終産物に関する。「代謝生成物」又は「代謝産物」という用語は、筋肉の代謝及び/又は成長に関連する代謝の中間体又は最終産物に関連し得る。特に、「代謝生成物)又は「代謝産物」という用語は、筋肉における代謝の中間体又は最終産物に関し得る。
【0082】
実施形態
第1の態様において、本開示は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を処置及び/又は予防する方法において使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0083】
一実施形態において、本方法は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する少なくとも1つの疾患又は状態を治療する方法である。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を、予防有効量で含む組成物を、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する少なくとも1つの疾患又は状態を有する対象に投与することを含む。
【0084】
別の実施形態において、本方法は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する少なくとも1つの疾患又は状態を予防する方法である。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を、予防有効量で含む組成物を、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する少なくとも1つの疾患又は状態のリスクがある対象に投与することを含む。
【0085】
更に別の実施形態において、筋肉は前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である。
【0086】
一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、尿中クレアチニンを増加させる、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させる、及び/又はアルブミン再吸収を増加させる、及び/又は筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は尿中カルノシンを増加させる、及び/又は尿中アンセリンを増加させる、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンを増加させる、及び/又は大腿骨質量を改善するのに有効である。
【0087】
特定の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、尿中クレアチニンを増加させる、及び筋肉の除脂肪量を改善するのに有効である。
【0088】
別の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は筋線維サイズを改善する、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するのに有効である。
【0089】
更なる実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるのに有効である。
【0090】
第2の態様において、本開示は、必要とする対象における筋肉の除脂肪量を改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において筋肉の除脂肪量を改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。関連する実施形態において、筋肉は、前脛骨筋及び/又は大腿四頭筋である。
【0091】
第3の態様において、本開示は、必要とする対象においてアルブミン再吸収を増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、必要とする対象においてアルブミン再吸収を増加させるための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。アルブミン再吸収の増加は、尿中のアルブミンの量が低減されることを意味する。
【0092】
第4の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中クレアチニンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において尿中クレアチニンを増加させるための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0093】
第5の態様において、本開示は、必要とする対象においてアルブミン/クレアチニン比を減少させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、必要とする対象においてアルブミン/クレアチニン比を減少させるための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0094】
第6の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中カルノシンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において尿中カルノシンを増加させるための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0095】
第7の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中アンセリンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において尿中アンセリンを増加させるための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0096】
第8の態様において、本開示は、必要とする対象において尿中S-アデノシルメチオニンを増加させるための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において尿中S-アデノシルメチオニンを増加させる方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0097】
第9の態様において、本開示は、必要とする対象において大腿骨質量を改善するための方法を提供する。本方法は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において大腿骨質量を改善するための方法において使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0098】
本開示は、必要とする対象における筋肉量を改善及び/又は維持するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において筋肉量を改善及び/又は維持するための方法において使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。特に、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は筋線維サイズを改善する、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するのに有効である。
【0099】
第10の態様において、本開示は、必要とする対象において筋線維サイズを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において筋線維サイズを改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0100】
筋肉量及び線維サイズの減少は、筋萎縮症をもたらし得る。したがって、一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することは、筋萎縮症を低減する。
【0101】
第11の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0102】
一実施形態において、レベルが増加するアミノ酸は、イソロイシン、メチオニン、リジン、チロシン、プロリン、アラニン及びグリシンからなる群から選択される。一実施形態において、レベルが増加するアミノ酸は、イソロイシン及び/又はメチオニン及び/又はリジン及び/又はチロシン及び/又はプロリン及び/又はアラニン及び/又はグリシンである。
【0103】
本開示は、必要とする対象における筋肉の持久力及び/又は効率を改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象において筋肉の持久力及び/又は効率を改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。特に、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるのに有効である。
【0104】
筋肉の持久力及び/又は効率は、その代謝を改善することによって改善され得る。
【0105】
したがって、第12の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0106】
任意の実施形態において、代謝生成物のレベルを改善することはまた、特定の代謝生成物のレベルを増加及び/又は減少させることも含み得る。
【0107】
一実施形態において、少なくとも1つの代謝生成物は、N,N-ジメチルグリシン、S-アデノシルメチオニン(SAM)、N-アセチル-DL-セリン、N-アセチル-L-アルギニン及びN-アセチルグルタミン酸からなる群から選択される。
【0108】
別の実施形態において、代謝生成物は、N-アセチル-DL-セリン及び/又はN-アセチル-L-アルギニン及び/又はN-アセチルグルタミン酸である。
【0109】
更なる実施形態において、代謝生成物は、N,N-ジメチルグリシン及び/又はS-アデノシルメチオニン(SAM)である。
【0110】
少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善するための方法はまた、ケトン体及び/又はケトン体に関連する分子のレベルを増加させ得る。一実施形態において、代謝生成物は、2-ヒドロキシブチレートである。
【0111】
別の実施形態において、少なくとも1つの代謝生成物のレベルは、trans-ウロカニン酸のレベルを減少させることによって改善される。
【0112】
更なる実施形態において、少なくとも1つの代謝生成物のレベルは、筋肉におけるアンセリン及び/又はカルノシンのレベルを増加させることによって改善される。
【0113】
アンセリン及びカルノシンは、筋肉の効率及び持久力に関連する。特に、カルノシンは、生理的緩衝剤として機能し、抗酸化特性を有し、酵素調節に影響し、筋小胞体カルシウム調節に作用する。一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することは、筋肉の効率及び持久力を改善する。
【0114】
第13の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0115】
一実施形態において、少なくとも1つのヌクレオチドは、アデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン二リン酸(ADP)、グアノシン三リン酸(GTP)、グアノシン二リン酸(GDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、シチジン三リン酸(CTP)及びフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)からなる群から選択される。
【0116】
別の実施形態において、ヌクレオチドは、アデノシン三リン酸(ATP)及び/又はアデノシン二リン酸(ADP)及び/又はグアノシン三リン酸(GTP)及び/又はグアノシン二リン酸(GDP)及び/又はウリジン三リン酸(UTP)及び/又はシチジン三リン酸(CTP)及び/又はフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)である。
【0117】
ヌクレオチドは、エネルギー生体分子及びバイオエナジェティクスの供給源である。加えて、ヌクレオチドは細胞シグナル伝達に重要であり、例えばプリン作動性シグナル伝達経路に関与する。したがって、更なる実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することは、筋肉バイオエナジェティクスのヌクレオチド及び細胞シグナル伝達にとって重要なヌクレオチドを増加させる。
【0118】
第14の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善するための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉における少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善するための方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0119】
一実施形態において、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの酸化型(NAD+)又は還元型(NADH)である。好ましくは、アデニンジヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの酸化型(NAD+)である。
【0120】
別の実施形態において、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)である。特に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化型(NADP+)又は還元型(NADPH)である。好ましくは、アデニンジヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化型(NAD+)である。
【0121】
第15の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0122】
一実施形態では、グルタチオン(GSH)のレベルが増加する。別の実施形態では、グルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルが増加する。
【0123】
一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することは、筋肉における抗酸化物質の緩衝能力を改善する。
【0124】
第16の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0125】
一実施形態では、筋肉におけるスクシナートのレベルが増加する。別の実施形態では、筋肉におけるマレエートのレベルが増加する。
【0126】
スクシナート及びマレエートは、クエン酸回路としても知られるトリカルボン酸回路(TCA)の代謝産物である。TCAの代謝産物はバイオエナジェティクスにとって重要である。したがって、一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することは、筋肉バイオエナジェティクスを改善する。
【0127】
第17の態様において、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるホスホクレアチンのレベルを増加させるための方法であって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。言い換えれば、本開示は、必要とする対象の筋肉におけるホスホクレアチンのレベルを増加させる方法で使用するための、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を提供する。
【0128】
ホスホクレアチンは、高エネルギーリン酸の速やかに利用可能な貯蔵物質として機能する。したがって、一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の有効量を、必要とする対象に投与することは、筋肉のエネルギー利用を改善する。
【0129】
一実施形態において、本明細書に開示される方法は、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEW、並びにこれらの組み合わせから選択される、疾患又は状態の治療にも有効となり得る。
【0130】
別の実施形態において、病気又は状態は、慢性腎疾患、代謝に伴う筋消耗、末期腎疾患、透析、糖尿病、集中治療室入院による筋力低下及び/又は腎不全、ポンペ病、代謝性アシドーシス、メチルマロン酸尿症、廃用性萎縮、PEWからなる群から選択される。好ましくは、疾患は慢性腎疾患である。
【0131】
更なる実施形態において、本明細書に開示される方法はまた、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期の処置において有効であり得る。好ましくは、慢性腎疾患の初期はステージ2及びステージ3である。特定の実施形態において、慢性腎疾患の初期はステージ2である。好ましくは、慢性腎疾患の後期はステージ4及びステージ5である。特定の実施形態において、慢性腎疾患の後期はステージ4である。
【0132】
一実施形態において、本明細書に開示される方法は、慢性腎疾患の初期の治療においても有効であり得る。
【0133】
別の実施形態において、本明細書に開示される方法は、慢性腎疾患の後期においても有効であり得る。
【0134】
一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、尿中クレアチニンを増加させる、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させる、及び/又はアルブミン再吸収を増加させる、及び/又は筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は尿中カルノシンを増加させる、及び/又は尿中アンセリンを増加させる、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンを増加させる、及び/又は大腿骨質量を改善するのに有効である。
【0135】
特定の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、尿中クレアチニンを増加させる、及び筋肉の除脂肪量を改善するのに有効である。
【0136】
別の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は筋線維サイズを改善する、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するのに有効である。
【0137】
更なる実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の量は、少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるのに有効である。
【0138】
一実施形態において、本明細書に開示される方法のウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低用量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、組成物として投与される。特に、組成物は、追加の栄養補助食品、例えば、ミネラル類、ビタミン類、及びN-アセチルグルコサミン又はN-アセチルムラミン酸などの更なる生物活性物質を含んでもよい。
【0139】
したがって、第18の態様において、本開示は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態の治療及び/又は予防に使用するための栄養組成物を提供する。栄養組成物は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を含む。
【0140】
一実施形態において、栄養組成物は、必要とする対象において筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防するのに有効な量のウロリチンを含有する。関連する実施形態において、栄養組成物は、経口投与用に配合されている。
【0141】
第19の態様において、本開示は、筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態の治療及び/又は予防に使用するための単位剤形を提供する。単位剤形は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を含む。
【0142】
一実施形態において、単位剤形は、必要とする対象において筋減衰及び/又は腎機能障害に関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防するのに有効な量のウロリチンを含有する。関連する実施形態において、単位剤形は、経腸投与用に配合されている。
【0143】
一実施形態において、栄養組成物及び/又は単位剤形の量は、尿中クレアチニンを増加させる、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させる、及び/又はアルブミン再吸収を増加させる、及び/又は筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は尿中カルノシンを増加させる、及び/又は尿中アンセリンを増加させる、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンを増加させる、及び/又は大腿骨質量を改善するのに有効である。
【0144】
別の実施形態において、栄養組成物及び/又は単位剤形の量は、筋肉の除脂肪量を改善する、及び/又は筋線維サイズを改善する、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するのに有効である。
【0145】
更なる実施形態において、栄養組成物及び/又は単位剤形の量は、少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善する、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させる、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させる、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるのに有効である。
【0146】
特定の実施形態において、栄養組成物及び/又は単位剤形の量は、尿中クレアチニンを増加させる、及び筋肉の除脂肪量を改善するのに有効である。
【0147】
一実施形態において、栄養組成物及び/又は単位剤形形態は、食品製品、特別医療目的用食品(FSMP)、栄養補助食品、乳系飲料、低容量液体栄養補給剤、食事代替飲料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0148】
本発明による食品製品としては、限定するものではないが、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押出成形スナック(extruded snack)、ジャガイモ製品、米製品、トウモロコシ製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、ハードキャンディ、グミキャンディ、栄養バー、朝食用シリアル又は飲料が挙げられる。本発明による食品製品はまた、果汁、スムージー、豆乳、ライスミルク、又はアーモンドミルクなどの植物性飲料であってもよい。
【0149】
更なる実施形態において、本明細書に開示される栄養組成物及び単位剤形は、慢性腎疾患の初期及び/又は慢性腎疾患の後期にある対象に投与することができる。
【0150】
別の実施形態において、本明細書に開示される栄養組成物及び単位剤形は、慢性腎疾患の初期にある対象に投与することができる。
【0151】
一実施形態において、本明細書に開示される栄養組成物及び単位剤形は、慢性腎疾患の後期にある対象に投与することができる。
【0152】
別の実施形態において、ウロリチンは、ウロリチンを含む組成物の形態で投与される。
【0153】
更なる実施形態において、純粋な形態のウロリチン又はその薬理上許容可能な塩が投与される。
【0154】
一実施形態において、本明細書に開示される組成物は、少なくとも1種類の添加物を更に含む。
【0155】
別の実施形態において、ウロリチンは、より迅速な分散又は溶解のために微粉化される。微粉化ウロリチンが使用される場合、好ましくは、D50は100μm未満であり、すなわち、ウロリチン又はその前駆体の50質量%が100μm未満の粒径サイズを有する。より好ましくは、ウロリチン又はその前駆体は、75μm未満、例えば50μm未満、例えば25μm未満、例えば20μm未満、例えば10μm未満のD50を有する。より好ましくは、ウロリチン又はその前駆体は、0.5~50μm、例えば0.5~20μm、例えば0.5~10μm、例えば1.0~10μm、例えば1.5~7.5μm、例えば2.8~5.5μmの範囲のD50を有する。好ましくは、ウロリチン又はその前駆体は、100μm未満のD90サイズを有する。より好ましくは、ウロリチン又はその前駆体は、75μm未満、例えば50μm未満、例えば25μm未満、例えば20μm未満、例えば15μm未満のD90サイズを有する。ウロリチン又はその前駆体は、好ましくは、5~100μm、例えば5~50μm、例えば5~20μm、例えば7.5~15μm、例えば8.2~16.0μmの範囲のD90を有する。
【0156】
好ましくは、ウロリチンは、0.5~1.0μmの範囲のD10を有する。好ましくは、ウロリチンは、8.2~16.0μmの範囲のD90、2.8~5.5μmの範囲のD50、及び0.5~1.0μmの範囲のD10を有する。
【0157】
微粉化は、圧縮力粉砕、ハンマーミル、ユニバーサルミル又はピンミル、及びスパイラルジェットミル又は流動床ジェットミルなどのジェットミルからなる群から選択される方法によって達成することができる。ジェットミルが特に好ましい。
【0158】
ウロリチンは、食品に由来するエラジタンニンなどのエラグ酸誘導体の代謝産物であり、ヒト腸内で腸内細菌によって産生される。
【0159】
エラジタンニンは、いくつかの果実、特にザクロ、イチゴ、キイチゴ、及びクルミに存在する抗酸化ポリフェノールの一分類である。エラジタンニンの吸収は非常に低いが、大腸の腸内微生物叢によってウロリチンへと急速に代謝される。
【0160】
ウロリチンは、その優れた吸収により、エラジタンニンの効果を介在する生物活性分子であると考えられている。例えば、ウロリチンは、抗増殖特性、抗酸化特性及び抗炎症特性を有することが過去に示されている。
【0161】
ウロリチンの例としては、エラグ酸、ウロリチンA(3,8-ジヒドロキシウロリチン)、ウロリチンB(3-ヒドロキシウロリチン)、ウロリチンC(3,8,9-トリヒドロキシウロリチン)、ウロリチンD(3,4,8,9-テトラヒドロキシウロリチン)、ウロリチンAグルクロニド及びウロリチンBグルクロニドが挙げられる。エラグ酸並びにウロリチンA、ウロリチンB、ウロリチンC及びウロリチンDは、以下の構造を有する。
【0162】
【表1】
【0163】
本発明の組成物は、典型的には少なくとも1種類のウロリチン又はその前駆体の少なくとも一部を提供する、ザクロ抽出物、タマリンド抽出物、又はシラジット(mumijo)抽出物、イチゴ、ラズベリー及びクルミなど、数種類の果実から抽出された、又は数種類の果実に含まれる、上記定義によるウロリチンを含んでもよい。一般に、本発明の組成物は、かかるザクロ抽出物、タマリンド抽出物若しくはシラジット抽出物、イチゴ、ラズベリー及びクルミのいずれかを含んでもよく、又はより好ましくは、そのようなザクロ抽出物、タマリンド抽出物若しくはシラジット抽出物、イチゴ、ラズベリー及びクルミから抽出されたウロリチンを含んでもよい。あるいは、又は追加的に、本発明の組成物は、本明細書で定義されるウロリチンのいずれかを単離形態で含み得る。単離形態は、上記で特定された供給源などの天然供給源に基づいて調製されてもよく、又は化学合成によって提供されてもよい。
【0164】
一実施形態において、ウロリチンは、ウロリチンA、ウロリチンB、ウロリチンC、ウロリチンD、これらのグルクロン酸化形態、これらのメチル化形態、これらの硫酸化形態、及びこれらの混合物からなる群から選択される。ウロリチンは、単離ウロリチン、例えば天然供給源から単離されたウロリチン、又は全合成によって調製されたウロリチンとして提供され得る。単離ウロリチンは、デノボ合成されてもよい。
【0165】
特定の実施形態において、ウロリチンは、ウロリチンAである。
【0166】
ウロリチンは、対象の体重1キログラム(kg)当たり約0.2~150ミリグラム(mg)のウロリチンの量で投与され得る。好ましくは、ウロリチンは、対象の体重1kg当たり2~120mgのウロリチン、より好ましくは対象の体重1kg当たり4~90mgのウロリチン、特に好ましくは対象の体重1kg当たり6~20mgのウロリチン、最も好ましくは対象の体重1kg当たり16mgのウロリチンに等しいか又は相当する用量で投与される。
【0167】
一実施形態において、ウロリチンは、少なくとも0.001マイクロモーラー(マイクロモル濃度)(μM)、好ましくは少なくとも0.01μM、より好ましくは少なくとも0.1μM、最も好ましくは少なくとも1μM、少なくとも5μM又は少なくとも10μMのピーク血清レベルを達成するのに十分な用量で投与される。一実施形態において、ウロリチン又はその前駆体は、少なくとも0.001マイクロモーラー(μM)、好ましくは少なくとも0.01μM、より好ましくは少なくとも0.1μM、最も好ましくは少なくとも1μM、少なくとも5μM又は少なくとも10μMの持続的血清レベルを達成するのに十分な用量で投与される。持続的血清レベルは、任意の好適な方法、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)又はHPLC-MSを使用して測定することができる。
【0168】
いくつかの実施形態において、ウロリチンは、組成物の0.1重量%~80重量%、例えば組成物の0.1重量%~60重量%、例えば組成物の0.25重量%~50重量%、組成物の0.5重量%~50重量%である。組成物が食事の一部又は全部として提供される場合、ウロリチンは、組成物の0.25~5重量%、例えば組成物の0.3~3重量%であり得る。組成物が対象の一般食に対し1回分の栄養補助食品として提供される場合、ウロリチンは、組成物の20重量%~80重量%、例えば組成物の20重量%~40重量%、例えば組成物の25重量%~35重量%であり得る。
【0169】
ウロリチンは、約12mg/日~約9g/日、好ましくは約12mg/日~約7g/日、より好ましくは約12mg/日~約5g/日、最も好ましくは約12mg/日~約3g/日、例えば、約12mg/日~約900mg/日、約12mg/日~約700mg/日、約12mg/日~約500mg/日、約12mg/日~約250mg/日、約12mg/日~約100mg/日、又は約12mg/日~約50mg/日、又は約12mg/日~約20mg/日、又は約12mg/日~約18mg/日の量で投与することができる。当然のことながら、1日用量は、1日の様々な時間で小分けして投与することができる。しかしながら、いずれの場合であっても、投与される化合物及び/又は組成物の量は、活性成分の溶解度、使用される配合物、対象の状態(例えば体重)、及び/又は投与経路のような因子に応じて変わる。例えば、上記開示のウロリチンの1日用量は非限定的なものであり、いくつかの実施形態では、異なっていてもよく、特に、本明細書に開示されるウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、急性期特別医療目的用食品(FSMP)として利用することができ、最大約100mg/日のウロリチンを含有する。
【0170】
一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の投与は、寛解期において、少なくとも約2又は3カ月間、好ましくは少なくとも約4又は5カ月間、より好ましくは少なくとも約6又は7カ月間、例えば約2~60カ月間、2~48カ月間、2~36カ月間、2~24カ月間、又は2~12カ月間、好ましくは、例えば約4~60カ月間、4~48カ月間、4~36カ月間、4~24カ月間、又は4~12カ月間などの間、実施されてもよい。
【0171】
別の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、尿中クレアチニンを増加させるため、及び/又はアルブミン/クレアチニン比を減少させるため、及び/又はアルブミン再吸収を増加させるため、及び/又は筋肉の除脂肪量を改善するため、及び/又は尿中カルノシンを増加させるため、及び/又は尿中アンセリンを増加させるため、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンを増加させるため、及び/又は大腿骨質量を改善するために、約1~2週間~6ヶ月間、より好ましくは約2週間~4ヶ月間、より好ましくは約3週間~3週間、最も好ましくは約4週間~10週間投与される。
【0172】
更なる実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、尿中クレアチニンの増加、及び/又はアルブミン/クレアチニン比の減少、及び/又はアルブミン再吸収の増加、及び/又は筋肉の除脂肪量の改善を得るために、5週間投与される。
【0173】
一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、尿中クレアチニンの増加、及び/又はアルブミン/クレアチニン比の減少、及び/又はアルブミン再吸収の増加、及び/又は筋肉の除脂肪量の改善、及び/又は尿中カルノシンの増加、及び/又は尿中アンセリンの増加、及び/又は尿中S-アデノシルメチオニンの増加、及び/又は大腿骨質量の改善を得るために、10週間投与される。
【0174】
別の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の上記量は、筋肉の除脂肪量を改善するために、及び/又は筋線維サイズを改善するために、及び/又は少なくとも1つのアミノ酸のレベルを改善するために、10週間投与される。
【0175】
更なる実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の上記量は、少なくとも1つの代謝生成物のレベルを改善するため、及び/又は少なくとも1つのヌクレオチドのレベルを改善するため、及び/又は少なくとも1つのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのレベルを改善するため、及び/又はグルタチオン(GSH)及び/又はグルタチオンジスルフィド(GSSG)のレベルを増加させるため、及び/又はスクシナート及び/又はマレエートのレベルを増加させるため、及び/又はホスホクレアチンのレベルを増加させるために、10週間投与される。
【0176】
本明細書に開示されるウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、治療目的での投与のための様々な製剤のいずれかを使用することができる。より詳細には、医薬組成物は、適切な薬理上許容可能な担体又は希釈剤を含むことができ、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェア、及びエアゾール剤などの固体形態、半固体形態、液体形態又は気体形態の製剤として処方され得る。したがって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の投与は、経口、バッカル、直腸内、非経口、腹腔内、皮内、経皮、及び気管内での投与を含む様々な方法で達成することができる。活性成分ウロリチンは、投与後に全身性のものであってもよく、又は局所投与の使用、壁内(intramural)投与の使用、若しくは埋め込み部位において有効用量を保持するように作用する埋入物(インプラント)の使用によって局在化させてもよい。
【0177】
一実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の投与は、経腸投与される。
【0178】
経口製剤では、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、単独で使用することができ、又は、錠剤、散剤、顆粒剤若しくはカプセル剤を製造するための適切な添加物との組み合わせ、例えば、乳糖、マンニトール、トウモロコシデンプン、若しくはジャガイモデンプンなどの従来の添加物との組み合わせ、結晶セルロース、セルロース機能性誘導体、アラビアガム、トウモロコシデンプン又はゼラチンなどのバインダーとの組み合わせ、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの崩壊剤との組み合わせ、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤との組み合わせ;並びに所望であれば、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤及び香味剤との組み合わせで、使用できる。
【0179】
ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、吸入によって投与されるエアロゾル製剤において利用することができる。例えば、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、及び窒素などの加圧された許容される噴射剤中に配合することができる。
【0180】
更に、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を、乳化基剤又は水溶性基剤などの様々な基剤と混合することによって、坐剤を製造することができる。ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、坐剤によって直腸投与することができる。坐剤は、ココアバター、カーボワックス、及びポリエチレングリコールなどの、体温では融解するが室温では凝固するビヒクルを含むことができる。
【0181】
シロップ剤、エリキシル剤、及び懸濁剤などの経口又は直腸内投与用の単位剤形が提供されてもよく、各投与量単位、例えば、小さじ1杯、大さじ1杯、錠剤又は坐剤は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の規定量を含有する。
【0182】
別の実施形態において、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩は、非経口投与される。非経口投与の非限定的な例としては、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、関節内、滑液嚢内、眼内、髄腔内、局所、及び吸入が挙げられる。したがって、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩の形態の非限定的な例としては、自然食品、加工食品、天然果汁、濃縮物及び抽出物、注射液、マイクロカプセル、ナノカプセル、リポソーム、硬膏、吸入形態、点鼻スプレー、点鼻剤、点眼剤、舌下錠、及び持続放出性製剤が挙げられる。
【0183】
注射又は静脈内投与用の単位剤形は、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩を、滅菌水、生理食塩水又は別の薬学上許容可能な担体による溶液としての組成物中に含んでもよく、各投与量単位、例えばmL又はLは、ウロリチンを含む組成物又はウロリチン若しくはその薬理上許容可能な塩のうちの1つ以上を含有する組成物の規定量を含有する。
【実施例
【0184】
実施例1
以下の非限定的な実施例は、本明細書に開示される方法及び組成物を更にサポートするために調査された実験データを考察している。
【0185】
ウロリチンAの腎臓保護効果を、2型糖尿病のモデルマウス(db/dbマウス)において評価した。
【0186】
糖尿病のモデルマウスには、Diabetic Complications Consortium(DiabComp/AMDCC)によって承認された、肥満でインスリン抵抗性の「2型」であるdb/dbモデルマウスを使用した。このモデルマウスは、腎臓にマイトファジー障害を有することが示されている。
【0187】
信頼できるミトコンドリア機能試験に重要である、タンデムで群を試験するためのかなり大きなコホートを得るため、マウスをThe Jackson Laboratory(Stock No:000642)から購入した。8~9週齢の雄性db/dbマウス(1群当たりn=15)に、10週間の期間にわたってウロリチンAを強制経口投与(50mg/kg/日)した。db/m(対照)又はdb/db(糖尿病)マウスを以下の処置に無作為に割り付けた。
【0188】
【表2】
【0189】
Jackson Laboratoryから入手した15匹のdb/mと30匹のdb/dbを使用した。マウスは、水道水及び標準的なげっ歯類用固形飼料(Specialty Feeds、WA、Australia)を自由に摂取した。全てのマウスを、約25℃の一定温度の部屋で、12時間の昼/夜サイクルで飼育した。
【0190】
0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC、Sigma#419303)を最初に調製した。ウロリチンA(16.67mg/mL)を、0.5%CMC溶液に溶解することによって調製し、室温で撹拌を続けた。ウロリチンAを50mg/kg/日で投与した。週1回の体重測定をベースとしてマウスの体重を使用して、各マウスに投与するウロリチンAの用量を計算した。約100μLの0.5%CMCをビヒクル群のマウスに毎日与えた。
【0191】
ベースラインと、中間時点と、安楽死の1週間前とに、マウスを代謝ケージに24時間収容して、採尿、並びに食物摂取及び水摂取の測定を行った。ベースラインと、中間時点と、安楽死の2週間前とに、EchoMRIにより身体組成分析を行い、体脂肪量及び除脂肪体重を測定した。ベースライン及び9週目に、経口ブドウ糖負荷試験を実施して、グルコース処理能力を評価した。グルコース比色アッセイキット(Cayman、Ann Arbor、USA)を使用して、空腹時血漿グルコースを、ベースライン、グルコース処理の15分後及び60分後に測定した。10週目に血圧測定を実施した。
【0192】
全ての分析は、ANOVA、続いてTukeyの最小有意差法を使用し、多重比較について補正する、事後ペア分析によって実施した。p<0.05の値を統計的に有意とみなした。Zスコアに2を用いて、外れ値を除外した。
【0193】
採取の1週間前に代謝ケージに24時間収容して、採尿し、顎下静脈から血液を採取した。尿中及び血漿中クレアチニンは、Cobas Integra自動分析器を使用して測定した。尿中アルブミンは、ELISA(Bethyl、USA)によって測定した。血圧は、テールカフによるプレチスモグラフィーによって測定した。その結果、アルブミン/クレアチニン比は、処置の5週間後(図1a)及び処置の10週間後(図1b)に、db/db+UA群(UA)において、db/db+V群(糖尿病)と比較して有意に減少した。加えて、結果は、UA処置したdb/dbマウスにおける尿中クレアチニンが、ビヒクル処置群と比較して高かったことを示す(図2)。
【0194】
24時間の期間中の尿中アルブミン排出を、ELISAキット(Bethyl)によって測定した。試験のエンドポイントにおいて、db/dbマウスでは、db/mマウスと比較してアルブミン尿の有意な増加があった。UAによる処置は、中間時点におけるdb/dbマウスのアルブミン尿に影響を与えた。クレアチニンクリアランスは、Cobas Integra 400 plus自動分析器(Roche Diagnostics)でCreatinine plus ver.2(CREP2)アッセイを用い測定した尿及び血漿クレアチニンから計算した。db/dbマウス(糖尿病)では、18~19週齢において、アルブミン尿の増加及びクレアチニンクリアランスの減少によって評価される腎機能の低下があった。UAによる処置は、db/dbマウスにおいてアルブミン尿の進行を遅らせた。この結果は、UA処置db/db(UA)マウスにおけるアルブミン尿の進行が、ビヒクル処置対応群と比較して有意に遅延したことを示す(図3)。
【0195】
除脂肪量及び脂肪量を含む全身組成を、ベースライン、中間時点及びエンドポイントにおいて、EchoMRIを使用して測定した。全体として、db/dbマウス(糖尿病)は、処置に関係なく、db/m(対照)と比較して、脂肪量及び総体重が増加し、除脂肪量が減少した。除脂肪量は、db/db+UA(UA)群において、db/db+V群(糖尿病)と比較して有意に増加した。結果を図4に示す。特に、db/db+UA(UA)群の前脛骨筋及び大腿四頭筋は、db/db+V群(糖尿病)と比較して有意に増加した筋肉量を示す。結果を図5a及び図5bに示す。
【0196】
HILICクロマトグラフィー及びESI-オービトラップ質量分析を使用して、カルノシン、アンセリン及びS-アデノシルメチオニン(SAM)の尿中レベルを半定量的に測定した。これらの全ての代謝産物のレベルは、db/db+V群(糖尿病)において、db/m群(健常者)と比較して減少した(図6図8)。尿中カルノシンのレベルは、db/db+UA(UA)群において、db/db+V(糖尿病)群と比較して有意に増加した。結果を図6に示す。尿中アンセリンのレベルは、db/db+UA(UA)群において、db/db+V(糖尿病)群と比較して有意に増加した。結果を図7に示す。尿中S-アデノシルメチオニン(SAM)のレベルは、db/db+UA(UA)群において、db/db+V(糖尿病)群と比較して有意に増加した。結果を図8に示す。
【0197】
左大腿骨及び右大腿骨を、10週間の処置後の試験終了時に採取した。両方の大腿骨を洗浄し、急速凍結、秤量し、-80℃で保存した。大腿骨質量は、db/db+Vマウスにおいて、db/m群(対照)と比較して減少したが、db/db+UA群(UA)においてはdb/db+V群(糖尿病)と比較して有意に増加した。結果を図9に示す。
【0198】
50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて脛骨内部で測定された線維のサイズ分布を、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(対照、db/m+V群)と比較した。
【0199】
Monash研究からの前脛骨筋、EDL、大腿筋、ヒラメ筋及び大腿四頭筋を採取し、秤量し、凍結保存した。
【0200】
前脛骨筋凍結切片の後に線維のサイズ分布を評価し、ラミニンタンパク質及び筋核について染色した。スライドは、全てOlympus VS120スライドスキャナ顕微鏡で取得した。筋線維のサイズは、QuPathソフトウェア及びFijiのツールopen-CSAMを使用して社内で開発した自動画像処理アルゴリズムを使用して、Min Feretで計算した。結果を図10に示す。
【0201】
筋肉組織中の代謝産物を、50mg/kg/日の投与量でのウロリチンAによる処置(+UA、db/db+UA群)の10週間後のマウスにおいて測定し、100μLの0.5%カルボキシメチルセルロースによる処置の10週間後のビヒクル群(糖尿病、db/db+V群)及び対照群(健康、db/m+V群)と比較した。
【0202】
筋肉組織の抽出を、組織ミキサー(Qiagen TissueLyser II)で、予冷したラック(-80℃)内の金属ビーズを用いて、23Hzで2分間実施した。
【0203】
全ての試料を、シェーカー(Thermomixer C、Eppendorf)内で1500rpm及び4℃で10分間撹拌し、続いて15,000rpm及び4℃で10分間遠心分離した。注目すべきことに、同位体標識基質を含まない実験については、後のデータ正規化のため、抽出中に標識内部標準(完全標識13 C酵母抽出物及びニコチンアミド-D4)を含めた。遠心分離工程後に、極性代謝産物を含有する上相と、無極性代謝産物を含有する下相との2つの相が得られた。更に、タンパク質層が2つの相の間の中間に残った。上相を真空遠心分離機内で4℃及び5mbarで一晩乾燥させ、分析前に、60μLの60%(v/v)アセトニトリル:水に溶解した。筋肉試料のタンパク質層をビシンコニン酸(BCA)アッセイ(ThermoFisher Scientific)で定量し、後の代謝産物濃度の正規化に使用した。
【0204】
各試料の2μLを、35℃で操作するプレカラム(2.1mm×20mm、200Å HILICON iHILIC(登録商標)Fusion(P)Guard Kit)によって保護した親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分析カラム(2.1mm×150mm、孔径5μm、200Å HILICON iHILIC(登録商標)-Fusion(P))に注入した。分離は、直線的溶媒勾配を適用することによって達成した。移動相としての溶媒Aは、10mMの酢酸アンモニウム(NH4Ac)と0.04%(v/v)の水酸化アンモニウム(NH4OH)とを含むH2O(pH約9.3)とし、溶媒Bはアセトニトリル(ACN)とした。
【0205】
シースガスは20AUであり、補助ガスは15AUに維持した。気化器の温度は280℃であり、イオン輸送管の温度は310℃であった。フルスキャンは、オンザフライで交互に切り替えた正モード及び負モードスキャンで測定した。それぞれ83~830及び73~900のm/z範囲をカバーし、60,000の分解能であった。代謝産物の溶出を、加熱エレクトロスプレーイオン化(H-ESI)源を備えたOrbitrap質量分析計(Orbitrap Fusion Lumos Tribrid、Thermo Scientific)で分析した。機器の制御、並びに同位体標識及び非標識代謝産物のデータ処理には、ソフトウェアXcalibur v4.1.31.9(Thermo Scientific)を使用した。イソロイシン、メチオニン、リジン、チロシン、プロリン、アラニン、グリシン、N-アセチル-DL-セリン、N-アセチル-L-アルギニン、N-アセチルグルタミン酸、N,N-ジメチルグリシン、SAM、2-ヒドロキシブチレート、trans-ウロカニン酸、アンセリン、カルノシン、ATP、ADP、GTP、GDP、UTP、CTP、FAD、NAD+、NADP+、GSH、GSSG、スクシナート、マレエート及びホスホクレアチンについての結果を図11図20に示す。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図11d
図11e
図11f
図11g
図12a
図12b
図12c
図13a
図13b
図14a
図14b
図15a
図15b
図16a
図16b
図16c
図16d
図16e
図16f
図16g
図17a
図17b
図18a
図18b
図19a
図19b
図20
【国際調査報告】