(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】エノールエーテルプロ香料
(51)【国際特許分類】
C07C 45/28 20060101AFI20241219BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20241219BHJP
C07C 47/12 20060101ALI20241219BHJP
C07C 33/22 20060101ALI20241219BHJP
C07C 29/10 20060101ALI20241219BHJP
C07C 47/228 20060101ALI20241219BHJP
C07C 67/00 20060101ALI20241219BHJP
C07C 69/06 20060101ALI20241219BHJP
C07C 69/07 20060101ALI20241219BHJP
C07C 31/125 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241219BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C07C45/28
C11B9/00 G
C07C47/12
C07C33/22
C07C29/10
C07C47/228
C07C67/00
C07C69/06
C07C69/07
C07C31/125
A61Q13/00 101
A61Q5/02
A61K8/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535598
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2022085830
(87)【国際公開番号】W WO2023111006
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー バーナード ウォーマック
【テーマコード(参考)】
4C083
4H006
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB332
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC211
4C083AC212
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC482
4C083AC542
4C083AC612
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC852
4C083AC862
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD162
4C083AD352
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD41
4C083EE41
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB12
4H006AC41
4H006AC45
4H006AC48
4H006BJ50
4H006FE11
4H006KC12
(57)【要約】
本発明は、プロ香料化合物としての式(I)のエノールエーテル化合物に関する。特に、本発明は、酸化させる環境に式(I)のエノールエーテル化合物を曝すことによって、式(II)のアルデヒド化合物、式(III)のギ酸エステル及び/又は式(IV)のアルコールである化合物を放出するための方法に関する。さらに、本発明は、式(I)の少なくとも1つのエノールエーテル化合物を含む付香組成物及び着香消費者製品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下、
a)式(II)のアルデヒド化合物
【化1】
[式中、R
1は、C
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基であって、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基及び/又はC
1-4カルボン酸エステル基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
1-15アルコキシ基、C
2-15アルケニルオキシ基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基、C
3-15ヘテロシクロアルキル基、カルボン酸基、C
1-4カルボン酸エステル基、C
6-10アリール基及び/又はC
6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基である]
b)式(III)のギ酸エステル
【化2】
[式中、R
2は、任意に1つ又は2つの酸素原子を含むC
4-18炭化水素基であるが、但し、ホルミルオキシ基に対するエステル官能基アルファを除き、かつR
2は、アリル官能基を含まない]
c)式(IV)のアルコール
【化3】
[式中、R
2は、前記の定義と同一の意味を有する]
からなる群から選択される化合物を、式(I)の前駆化合物を前駆化合物を酸化させる環境に曝すことによって、前駆化合物から放出するための方法であって、前駆化合物が、式(I)
【化4】
[式中、R
1及びR
2は、前記の定義と同一の意味を有する]の化合物をその立体異性体又はそれらの混合物のいずれかの形で含む、前記方法。
【請求項2】
式(I)の化合物が、C
18-36化合物、好ましくはC
20-36化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R
2が、酸素原子1個又は2個を任意に含むC
5-18炭化水素基である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
R
2が、酸素原子1個又は2個を任意に含むC
6-18炭化水素基である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
R
2が、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基又はC
5-15シクロアルケニル基であって、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はカルボン酸の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C
1-15アルキル基、C
1-15アルコキシ基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基、C
6-10アリール基及び/又はC
6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基又はC
5-15シクロアルケニル基である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
R
1が、C
1-10アルキル基、C
3-10アルケニル基、C
3-11シクロアルキル基又はC
5-11シクロアルケニル基であって、C
1-4アルキル基、ヒドロキシ基及び/又はC
1-4アルコキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、C
3-8シクロアルキル基、C
5-8シクロアルケニル基、C
6アリール基及び/又はC
6アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-10アルキル基、C
3-10アルケニル基、C
3-11シクロアルキル基又はC
5-11シクロアルケニル基である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
式(II)、式(III)及び/又は式(IV)の化合物が付香成分である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
化合物を酸化させる環境が空気である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
付香組成物、付香組成物を取り巻く空気、表面又は着香物品のにおい特性を付与、増強、改善又は改変するための方法であって、請求項1から8までのいずれか1項において定義した式(I)の少なくとも1つの化合物を有効量で、前記組成物、前記空気又は前記物品に付加すること、又は前記表面に接触させる又は処理することを含む、前記方法。
【請求項10】
経時的に式(II)の少なくとも1つのケトン又はアルデヒド、式(III)の少なくとも1つのギ酸エステル及び/又は式(IV)の少なくとも1つのアルコールを放出させることを可能にしやすい条件下で、請求項1から8までのいずれか1項において定義した少なくとも1つの化合物(I)で処理した、又は少なくとも1つの化合物(I)を含む組成物又は物品で処理した、付香組成物を取り巻く表面又は空気上で、請求項1から8までのいずれか1項において定義した式(II)の少なくとも1つのアルデヒド化合物、式(III)の少なくとも1つの活性ギ酸エステル及び/又は式(IV)の少なくとも1つの活性アルコールの特有なフレグランスの拡散効果を増強又は延長するための方法。
【請求項11】
以下、
i) 請求項1から8までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの式(I)の化合物、
ii) 香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
iii) 任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む、付香組成物。
【請求項12】
請求項1から8までのいずれか1項において定義した式(I)の少なくとも1つの化合物、又は請求項11において定義した付香組成物を含む、着香消費者製品。
【請求項13】
香料消費者製品が、香水、布地用ケア製品、ボディケア製品、化粧品調製物、スキンケア製品、エアケア製品又はホームケア製品である、請求項12に記載の着香消費者製品。
【請求項14】
前記着香消費者製品が、ファイン香水、スプラッシュ又はオーデパルファム、コロン、シェイブローション又はアフターシェイブローション、任意にポッド又はタブレットの形での液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、液体又は固体の香りブースター、ドライヤーシート、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、リーブオン又はリンスオフヘアコンディショナー、染毛料、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、スキンクリーム又はローション、バニシングクリーム、デオドラント又は発汗抑制剤、脱毛剤、日焼け用又は日焼け止め又は日焼け後の製品、爪用製品、スキンクレンジング、メイクアップ、着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイルもしくはゲル、フット/ハンドケア製品、衛生製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー、カビ取り剤、ファーニッシャーケア、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面洗剤、レザーケア製品、カーケア製品であることを特徴とする、請求項13に記載の着香消費者製品。
【請求項15】
式(I)
【化5】
[式中、R
1は、炭素原子少なくとも6個を含み、かつC
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基であって、それぞれ任意にC
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基及び/又はC
1-4カルボン酸エステル基のうちの1つ以上で置換されいる、ヒドロキシ基、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
1-15アルコキシ基、C
2-15アルケニルオキシ基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基、C
3-15ヘテロシクロアルキル基、カルボン酸基、C
1-4カルボン酸エステル基、C
6-10アリール基及び/又はC
6-10アリールオキシ基のうちの1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基であり、ヘテロ原子が酸素原子のうちの1つ以上を表し、ただし、R
1は、2-ヘキシリデンシクロペンチル基ではない;
R
2は、任意に酸素原子1個又は2個を含む、C
6-18炭化水素基であるが、ただし、オキシ基に対するエステル官能基αを除き、かつ
R
2は、ベンジル基、シクロヘキシル基、2-ヒドロキシ-1,2-ジフェニルエチル、又は1-(tert-ブトキシ)-7,7-ジメチルビシクロ[2.1]ヘプタン-2-イル基であって、アリル官能基を含まないもの;及び1-(ヘプチルオキシ)デク-1-エン、1-(デシルオキシ)デク-1-エン、1-(ドデシルオキシ)ドデク-1-エン、(4-フェネトキシブタ-3-エン-1-イル)ベンゼン及び1-((3,7-ジメチルオクチル)オキシ)-3,7-ジメチルオクト-1-エンを除く]
の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形での式(I)の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロ香料(properfume)化合物としての式(I)の化合物に関する。特に、本発明は、酸化させる環境に式(I)の化合物を曝すことによって、式(II)のアルデヒド化合物、式(III)のギ酸エステル、及び/又は式(IV)のアルコールである化合物を放出するための方法に関する。さらに、本発明は、式(I)の少なくとも1つの化合物を含む付香組成物及び着香消費者製品に関する。
【0002】
背景技術
香料産業は、少なくとも1つの付香成分の付香効果を一定期間延長又は増強することができる組成物又は添加剤に特に関心がある。揮発性が高すぎるかもしくはそれ自体では持続性が不十分であり、又は最終用途の表面に少量しか堆積しない、標準的な香料原料についての長期持続性を得ることが特に望ましい。さらに、いくつかの香料成分は、不安定であり、かつそれらの使用前のゆっくりとした分解に対して保護される必要がある。長期持続する香料は、例えば精製した又は機能的な香料又は化粧品調製物のような、種々の用途のために望ましい。織物の洗浄及び軟化は、活性物質、特に香料又は付香組成物の効果を、洗浄、軟化及び乾燥後の一定期間有効にすることを可能にすることが常に要求されている特定の分野である。確かに、このタイプの用途に特に適した多くの活性物質は、洗濯物に粘着しないか、又は漱いだ場合に洗濯物に残っていないことが公知であり、その結果、付香効果は短時間のみであり、それほど強くない。香料産業におけるこのタイプの用途の重要性に関して、この分野における研究は、特に前述した問題に対する新たなより効果的な解決策を見出すことを目的として継続されている。
【0003】
国際公開第2019243501号は、アリールアルデヒド、ギ酸エステル化合物及びアルコール化合物を効率的に放出できるエノールエーテルを開示している。しかしながら、この種類のエノールエーテルへのアクセスは非常に困難であるため、前記エノールエーテルはアルキルアルデヒドを放出することができない。
【0004】
驚くべきことに、本発明によるエノールエーテル化合物が、式(II)のアルキルアルデヒド化合物を放出することを可能にするのと同時に、式(III)のギ酸エステル及び/又は式(IV)のアルコールである化合物を依然として効率的に放出する、効率的な調製を可能にすることを見出した。
【0005】
発明の詳細な説明
嗅覚は、複雑で動的なプロセスであり、揮発性フレグランス化合物の放出プロフィールを制御することで、フレグランス配合物の影響を最大化し、感覚的経験を豊かにしうる。プロフレグランス、例えば本発明の化合物は、揮発性の高い香料原料(PRM)、例えば香料分野において非常に求められており重要な化合物群であるアルキルアルデヒドの放出プロフィールに制御及び長期持続の大きさを付加する。
【0006】
特定の理論に限定されることを意図することなく、本発明の化合物は、PRMを分子アンカーに繋ぎ、そして特定の環境条件下で特定の反応機構を要求して揮発性物質PRMをこのアンカーから放出することによって、付香組成物の嗅覚特性に対するそれらの効果を達成しうる。本発明において、1つ、2つ又は3つまでのPRMの放出は、プロフレグランスが周囲空気中の酸素に曝される場合に、酸化によって刺激される。
【0007】
本明細書において、前駆体化合物から、
a)式(II)のアルデヒド化合物
【化1】
[式中、R
1は、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基及び/又はC
1-4カルボン酸エステル基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
1-15アルコキシ基、C
2-15アルケニルオキシ基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基、C
3-15ヘテロシクロアルキル基、カルボン酸基、C
1-4カルボン酸エステル基、C
6-10アリール基及び/又はC
6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基である]
b)式(III)のギ酸エステル
【化2】
[式中、R
2は、任意に1つ、2つ又は3つの酸素原子を含むC
1-18炭化水素基であるが、但し、ホルミルオキシ基に対するエステル官能基アルファを除く]
c)式(IV)のアルコール
【化3】
[式中、R
2は、前記の定義と同一の意味を有する]
からなる群から選択される化合物を、化合物を酸化させる環境に式(I)の前駆化合物を曝すことによって放出するための方法であって、
前駆化合物が、式(I)
【化4】
[式中、R
1及びR
2は、前記の定義と同一の意味を有する]の化合物をその立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形で含む、前記方法が開示されている。
【0008】
本発明の第1の目的は、前駆体化合物から、
a)式(II)のアルデヒド化合物
【化5】
[式中、R
1は、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基及び/又はC
1-4カルボン酸エステル基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
1-15アルコキシ基、C
2-15アルケニルオキシ基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基、C
3-15ヘテロシクロアルキル基、カルボン酸基、C
1-4カルボン酸エステル基、C
6-10アリール基及び/又はC
6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基である]
b)式(III)のギ酸エステル
【化6】
[式中、R
2は、任意に1つ又は2つの酸素原子を含むC
4-18炭化水素基であるが、但し、ホルミルオキシ基に対するエステル官能基アルファを除き、かつR
2は、アリル官能基を含まない]
c)式(IV)のアルコール
【化7】
[式中、R
2は、前記の定義と同一の意味を有する]
からなる群から選択される化合物を、化合物を酸化させる環境に式(I)の前駆化合物を曝すことによって放出するための方法であって、
前駆化合物が、式(I)
【化8】
[式中、R
1及びR
2は、前記の定義と同一の意味を有する]の化合物をその立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形で含む、前記方法である。
【0009】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、式(II)、式(III)又は式(VI)の化合物の少なくとも1つは活性化合物である。
【0010】
「活性化合物」、「活性揮発性化合物」、「活性揮発性アルデヒド、ギ酸エステル及び/又はアルコール」又は同様の用語は、アルデヒド、ギ酸エステル及び/又はアルコール化合物が、その周囲環境に利益又は効果をもたらすことができると理解される。特に、「活性化合物」は、付香成分、フレーバー付与成分、悪臭中和成分、抗菌成分及び昆虫忌避剤又は誘引剤成分からなる群から選択される。したがって、「活性化合物」として見なされるために、化合物は、付香成分、悪臭中和成分、フレーバー付与成分、抗菌成分及び/又は昆虫忌避剤もしくは誘引剤として有用となる少なくとも1つの特性を有するべきである。
【0011】
「付香成分」という用語は、心地よい効果を付与するための付香調製物又は組成物中の有効成分として使用される化合物と理解される。言い換えれば、付香成分であると考えられるべき化合物は、ポジティブ又は好ましい方法で組成物のにおいを付与又は改質することができると、及び単に1つのにおいを有するだけでないと香料の当業者によって認識される必要がある。付香成分は、においを改質又は付与すること以外の追加の利益、例えば、持続性、ブルーミング、悪臭中和、抗菌効果、抗ウイルス効果、微生物安定性又は有害生物の防除を付与してよい。「フレーバー付与成分」という用語は、試食者のパレットに味覚を付与できることと理解される。「悪臭中和成分」という用語は、悪臭の、すなわち人間の鼻に対して不愉快又は不快であるにおいの知覚を低減することができると理解される。「抗菌成分」という用語は、微生物を死滅させるか、又はその増殖及び/又は蓄積を減少もしくは防止することができるものとして理解され、抗菌、抗生物質、抗真菌、抗ウイルス及び抗寄生虫の成分を含む。「昆虫誘引剤又は忌避剤」という用語は、昆虫に対して正又は負の効果を有する化合物と理解される。昆虫誘引剤又は忌避剤成分の例は、参考文献又は同様の特徴の他の著作、例えば:A. M. El-Sayed, The Pherobase 2005,http://www.pherobase.netにおいて見出される。
【0012】
本発明の前記及び下記の実施形態に従って、本発明による方法は、活性化合物が付香成分、すなわち付香アルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコールである場合に特に有用である。「付香アルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコール」は、香料産業において使用されている化合物、すなわち付香調製物又は組成物において活性成分として使用して心地よい効果を付与する化合物を意味する。言い換えれば、付香成分であると考えられるべきかかるアルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコールは、ポジティブ又は好ましい方法で組成物のにおいを付与又は改質することができると、及び単に1つのにおいを有するだけでないと香料の当業者によって認識される必要がある。付香アルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコールは、天然源又は合成源のものであってよい。これらの付香アルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコールの多くは、いずれにしても、参考文献、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、又は同様の種類の他の著作において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。
【0013】
本明細書において記載される、「付香アルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコール」という用語は、「付香化合物」とも言われる。
【0014】
特に、本発明は、活性アルデヒド化合物、ギ酸エステル又はアルコールの正確な特性とは無関係に、同様の方法で正確に実施される。したがって、たとえ本発明が、「付香化合物」に対する特定の参照と共に本明細書で以下でさらに説明された場合であっても、以下の実施形態は、他の活性アルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコールにも適用できる(すなわち、「付香」の表現を、例えば「フレーバー付与」、「悪臭中和」、「抗菌」、「抗微生物」、「昆虫誘引」又は「昆虫忌避」に置き換えることができる)。
【0015】
「任意に」という用語は、任意に置換される特定の基が、特定の官能基で置換できる又は置換できないことを意味する。「1つ以上」という用語は、1~7個、好ましくは1~5個及びより好ましくは1~3個のある官能基で置換されていると理解される。
【0016】
「アルキル」及び「アルケニル」という用語は、分枝鎖及び直鎖のアルキル基及びアルケニル基を含むと理解される。「アルケニル」及び「シクロアルケニル」という用語は、1個、2個又は3個のオレフィン二重結合、好ましくは1個又は2個のオレフィン二重結合を含むと理解されるが、但しシクロアルケニル基はアリール基ではない。「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「ヘテロシクロアルキル」及び「複素環式」という用語は、単環式又は縮合した、スピロ及び/又は架橋した二環式又は三環式シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基及び複素環式基、好ましくは単環式シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びヘテロシクロアルキル基を含むと理解される。「アルコキシ」という用語は、-OR’(式中、R’は直鎖、分枝鎖又は環状のアルキル基である)と理解される。
【0017】
「アリール」という用語は、少なくとも1つの芳香族基、例えばフェニル基、インデニル基、インダニル基、ベンゾジオキソリル基、ジヒドロベンゾジオキシニル基、テトラヒドロナフタレニル基又はナフタレニル基を含む任意の基を含むと理解される。
【0018】
「…炭化水素基…」に関しては、該基が、水素原子及び炭素原子からなり、かつ脂肪族炭化水素、すなわち直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素(例えばアルキル基)、直鎖又は分枝鎖の不飽和炭化水素(例えばアルケニル基又はアルキニル基)、飽和環状炭化水素(例えば、シクロアルキル)もしくは不飽和環状炭化水素(例えばシクロアルケニル又はシクロアルキニル)の形であってよく、又は芳香族炭化水素、すなわちアリール基の形であってよく、又は前記タイプの基の混合物の形であってもよく、例えば特定の基は、1つのタイプのみに特定の制限が言及されていない限り、直鎖アルキル、分枝鎖アルケニル(例えば、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する分枝鎖アルケニル)、(ポリ)シクロアルキル及びアリール部分を含んでいてよいことを意味すると理解される。同様に、本発明の全ての実施形態において、基が1超のタイプのトポロジー(例えば直鎖、環状又は分枝鎖)の形であってよく及び/又は飽和又は不飽和(例えばアルキル、芳香族又はアルケニル)であってよいと言及される場合に、前記トポロジーのいずれか1つを有するか又は前記で説明したような飽和もしくは不飽和である部分を含みうる基も意味する。同様に、本発明の全ての実施形態において、基が飽和又は不飽和(例えばアルキル)の1つのタイプの形である場合に、前記基が、トポロジー(例えば直鎖、環状又は分枝鎖)のいずれかのタイプであるか又は種々のトポロジーを有するいくつかの部分を有しうることを意味する。
【0019】
「・・・を任意に含む炭化水素基・・・」という用語は、該炭化水素基が、任意に、アルコール基、ケトン基、アルデヒド基、エーテル基、エステル基、カルボン酸基、カーボネート基の形で酸素原子1個、2個又は3個を含むことを意味すると理解される。これらの基は、炭化水素基の水素原子を置換して前記炭化水素に側方で結合するか、又は炭化水素基の炭素原子(化学的に可能である場合に)を置換して炭化水素鎖に挿入することができる。例えば、-CH2-CH2-CHOH-CH2-基は、アルコール基(水素原子の置換)を含むC4炭化水素基、すなわち酸素原子を含むC4炭化水素基を示し、-CH2-CH2-COO-CH2-CH2CH2-CH2-基は、エステル基1個(炭素原子の置換/炭化水素鎖への挿入)を含むC7炭化水素基、すなわち酸素原子2個を含むC7炭化水素基を示し、かつ同様に-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-基は、エーテル基2個を含むC6炭化水素基、すなわち酸素原子2個を含むC6炭化水素基を示す。
【0020】
「ホルミルオキシ基に対するアルファ」という用語は、ホルミル基の隣の炭素と理解される。言い換えれば、R2は、C(R2')2C(=O)OR2''基(式中、R2'及びR2''は、互いに独立して、水素原子又は任意に酸素原子を含むC1-17炭化水素基である)であってはならない。式(IV)の化合物について、R2は、任意に酸素原子1個、2個又は3個を含むC1-18炭化水素基であり、但しヒドロキシ基に対するエステル官能基アルファを除く。
【0021】
「アリール官能基」という用語に関しては、当業者に理解される通常の意味、すなわち任意にさらに置換される-C-C=C-基を意味する。
【0022】
明確性の理由から、「その立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物」の表現又は同様の表現に関しては、当業者によって理解される通常の意味、すなわち式(I)の化合物が、純粋なエナンチオマー又はジアステレオマーであってよいことを意味する。言い換えれば、式(I)の化合物は、いくつかの立体中心を有してよく、前記立体中心のそれぞれは、2つの異なる立体化学(例えば、R又はS)を有することができる。式(I)の化合物は、純粋なエナンチオマーの形で、又はエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物の形でさえあってよい。式(I)の化合物は、ラセミ型又はスケールミック型であってよい。したがって、式(I)の化合物は、1つの立体異性体であるか、又は種々の立体異性体を含むか、もしくはそれからなる物質の組成物の形であってよい。
【0023】
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、式(I)の前記化合物は、そのEもしくはZ異性体の形、又はそれらの混合物であってよく、例えば本発明は、同一の化学構造を有するが、しかし二重結合の立体配置によって異なる、式(I)の化合物の1つ以上からなる物質の組成物を含む。特に、化合物(I)は、異性体E及びZからなる混合物の形であってよく、その際該異性体Eは、少なくとも50%の合計混合物、又はさらに少なくとも60%、又はさらに少なくとも70%、又はさらに少なくとも75%の合計混合物(すなわち、75/25~100/0で構成される混合物E/Z)を示す。あるいは、化合物(I)は、異性体E及びZからなる混合物の形であってよく、その際該異性体Zは、少なくとも50%の合計混合物、又はさらに少なくとも60%、又はさらに少なくとも70%、又はさらに少なくとも75%の合計混合物(すなわち、25/75~0/100で構成される混合物E/Z)を示す。
【0024】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも1つのヘテロ原子を含むシクロアルキルであり、その際ヘテロ原子は1つ以上の酸素原子を示す。
【0025】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、R1がC3-15アルケニルであってよい場合に、二重結合が、R1を連結する炭素原子に隣接しないと理解される。言い換えれば、式(II)の化合物はエナールではなく、かつ式(I)の化合物はジエノールエーテルではない。
【0026】
本発明の任意の実施形態に従って、式(I)の化合物は、C18-36化合物、好ましくはC20-36化合物である。
【0027】
本発明の特定の実施形態に従って、R1は、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基及び/又はヒドロキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C1-15アルキル基、C2-15アルケニル基、C1-15アルコキシ基、C2-15アルケニルオキシ基、C3-15シクロアルキル基、C5-15シクロアルケニル基、C3-15ヘテロシクロアルキル基、C6-10アリール基及び/又はC6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C1-15アルキル基、C3-15アルケニル基、C3-15シクロアルキル基、C5-15シクロアルケニル基又はC3-14ヘテロシクロアルキル基であってよい。特に、R1は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基及び/又はヒドロキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニルオキシ基、C3-10シクロアルキル基、C5-10シクロアルケニル基、C3-10ヘテロシクロアルキル基、C6-10アリール基及び/又はC6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C1-12アルキル基、C3-12アルケニル基、C3-12シクロアルキル基、C5-12シクロアルケニル基又はC3-12ヘテロシクロアルキル基を示してよい。特に、R1は、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基及び/又はC1-4アルコキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基、C5-8シクロアルケニル基、C6アリール基及び/又はC6アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C1-10アルキル基、C3-10アルケニル基、C3-11シクロアルキル基、又はC5-11シクロアルケニル基を示してよい。特に、R1は、C1-4アルコキシ基、4-メトキシフェニル基及び/又はフェニル基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているC1-10アルキル基、C3-10アルケニル基を示してよい。特に、R1は、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、2-ウンデシル基、ベンジル基、デセ-8-エン-1-イル基、デセ-9-エン-1-イル基、4-フェニルブタン-2-イル基、4-(C1-6アルキル)ベンジル基(ここでアルキル基は、ヒドロキシ基又はメトキシ基で任意に置換される)、4-フェニルブタン-2-イル基又はフェニルエチル基を示してよい。さらにより詳述すれば、R1は、ヘプチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、2-ウンデシル基、ベンジル基、ノネ-3-エン-1-イル基、ノネ-8-エン-1-イル基、デセ-8-エン-1-イル基、デセ-9-エン-1-イル基、4-フェニルブタン-2-イル基、4-(tert-ブチル)ベンジル基、2-フェニルプロピ-1-イル基、2-(4-メチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル)プロピル基、2,6-ジメチヘプテ-5-エン-1-イル基、1-(4-(tert-ブチル)フェニル)プロパン-2-イル基、2,4-ジメチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル基、2-(4,4-ジメチルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)エチル基、4-フェニルブタン-2-イル基又はフェニルエチル基を示してよい。
【0028】
本発明の特定の実施形態に従って、R1は、少なくとも5個、6個又は7個の炭素原子を含んでよい。
【0029】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、R1は、2-ヘキシリデンシクロペンチル基ではない。
【0030】
本明細書において開示されているものは、R2が、酸素原子1個又は2個を任意に含むC3-18炭化水素基を示してよい。特に、R2は、酸素原子1個又は2個を任意に含むC4-18炭化水素基を示してよい。
【0031】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、R2は、酸素原子1個又は2個を任意に含むC5-18炭化水素基を示してよい。特に、R2は、酸素原子1個又は2個を任意に含むC6-18炭化水素基を示してよい。特に、R2は、酸素原子1個又は2個を任意に含むC6-18炭化水素基を示してよいが、但しR2は、アリール官能基を含まない。特に、R2は、酸素原子1個又は2個を任意に含むC6-18炭化水素基を示してよいが、但しR2は、ベンジル基ではなく、かつアリール官能基を含まない。さらにより詳述すれば、R2は、酸素原子1個又は2個を任意に含むC6-18炭化水素基を示してよいが、但しR2は、ベンジル基又はシクロヘキシル基又は2-ヒドロキシ-1,2-ジフェニルエチル基、又は1-(tert-ブトキシ)-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基ではなく、かつアリール官能基を含まない。
【0032】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、R2は、ベンジル基又はシクロヘキシル基又は2-ヒドロキシ-1,2-ジフェニルエチル基、又は1-(tert-ブトキシ)-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基ではなく、かつアリール官能基を含まない。
【0033】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、R2は、少なくとも6個の炭素原子を含む。
【0034】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、R2は、C1-8アルキル、C1-8アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はカルボン酸の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C1-15アルキル基、C1-15アルコキシ基、C3-15シクロアルキル基、C5-15シクロアルケニル基、C6-10アリール基及び/又はC6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C1-18アルキル基、C2-18アルケニル基、C3-18シクロアルキル基又はC5-18シクロアルケニル基を示してよい。特に、R2は、C1-8アルキル、C1-8アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はカルボン酸の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C1-15アルキル基、C1-15アルコキシ基、C3-15シクロアルキル基、C5-15シクロアルケニル基、C6-10アリール基及び/又はC6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C1-15アルキル基、C2-15アルケニル基、C3-15シクロアルキル基又はC5-15シクロアルケニル基を示してよい。特に、R2は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基及び/又はヒドロキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C5-10シクロアルケニル基、C6-10アリール基及び/又はC6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C1-12アルキル基、C3-12アルケニル基、C3-12シクロアルキル基又はC5-12シクロアルケニル基を示してよい。特に、R2は、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基及び/又はC1-4アルコキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基、C5-8シクロアルケニル基、C6アリール基及び/又はC6アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C1-10アルキル基、C3-10アルケニル基、C3-11シクロアルキル基、又はC5-11シクロアルケニル基であってよい。特に、R2は、C8-10アルキル基、1つのオレフィン二重結合を有するC6-10アルケニル基、又は1つのフェニル基又はC6アリールオキシ基で置換されているC2アルキル基を示してよい。特に、R2は、オクチル基、2-フェノキシエチル基、3,7-ジメチルオクチル基、オクタン-2-イル基、オクタン-3-イル基、3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル基、(Z)-ヘキセ-3-エン-1-イル基、(Z)-オクテ-3-エン-1-イル基又は2-フェニルエチル基を示してよい。さらにより詳述すれば、R2は、2-フェノキシエチル基又は2-フェニルエチル基を示してよい。
【0035】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、R2は、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニルオキシ基及び/又は-COOR3基(ここでR3はC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基及び/又はベンジル基である)の1つ以上で任意に置換されているC6-10アリールを示してよい。特に、R2は、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニルオキシ基及び/又は-COOR3基(ここでR3はC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基及び/又はベンジル基である)の1つ以上で任意に置換されているC6アリールを示してよい。さらにより詳述すれば、R2は、ヒドロキシ基、C1-3アルキル基、C2-3アルケニル基、C1-3アルコキシ基、C2-3アルケニルオキシ基及び/又は-COOR3基(ここでR3はC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基及び/又はベンジル基である)の1つ以上で任意に置換されているC6アリールを示してよい。
【0036】
特定の実施形態に従って、式(II)、式(III)及び式(IV)の化合物の少なくとも1つは、活性化合物である。またさらに、式(II)の化合物は、活性化合物である。
【0037】
特定の実施形態に従って、式(II)のアルデヒド化合物及び/又は式(IV)の活性アルコールは、付香成分である。当業者にとって、本発明による式(II)、式(III)及び式(IV)の化合物が、本質的に揮発性化合物であることは明らかでもある。
【0038】
アルデヒド化合物、ギ酸エステル及び/又はアルコールは、ソフトウェアEPIwin v.3.10(2000年、米国環境保護庁(US Environmental Protection Agency)で入手可能)を使用して算出することによって得られるように、1.0Paを超える蒸気圧によって有利に特徴付けられてよい。他の実施形態に従って、ケトン、ギ酸エステル及び/又はアルコールの蒸気圧は、5.0超、又は7.0Pa超であってよい。
【0039】
特定の実施形態に従って、式(I)の化合物は不揮発性である。式(I)の化合物は、ソフトウェアEPIwin v.3.10(2000年、米国環境保護庁で入手可能)を使用して算出することによって得られるように、0.01Pa未満の蒸気圧によって有利に特徴付けられてよい。好ましい実施形態に従って、蒸気圧は、0.001Pa未満である。
【0040】
特定の実施形態に従って、式(I)のアルデヒド化合物は、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、2-エチルヘキサナール、3,7-ジメチルオクタナール、2-メチルデカナール、2-メチルウンデカナール、6-ノネナール、4-デセナール、5-オクテナール、8-ノネナール、8-デセナール、9-デセナール、3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール、9-ウンデセナール、10-ウンデセナール、3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプテ-2-エン-2-イル)プロパナール、4-ドデセナール、8-イソプロピル-6-メチルビシクロ[2.2.2]オクテ-5-エン-2-カルバルデヒド、3-(4-(tert-ブチル)フェニル)プロパナール、3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール、2-メチル-4-フェニルブタナール、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)シクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒド、2,4-ジメチルシクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒド、3-フェニルブタナール、2,6-ジメチルヘプテ-5-エナール、3-(4-メチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル)ブタナール、3-(4,4-ジメチルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)プロパナール、4-メチル-5-(p-トリル)ペンテ-4-エナール、3,7-ジメチルオクテ-6-エナール、2-フェニルプロパナール、フェニルアセトアルデヒド、3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、5-メトキシオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-1-カルバルデヒド、6-メトキシオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-1-カルバルデヒド、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール、3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール、3,6-ジメチルシクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒド、2-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)アセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、3,5,6-トリメチルシクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒド、4-(4-メチルペンテ-3-エン-1-イル)シクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒド、3-フェニルプロパナール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、8,8-ジメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンテ-3-エン-1-イル)ペンテ-4-エナール)、3,5,5-トリメチルヘキサナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、3-(4-メトキシフェニル)-2-メチルプロパナール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-(4-イソプロピルフェニル)アセトアルデヒド、2-(4-(tert-ブチル)フェニル)アセトアルデヒド、6-メトキシ-2,6-ジメチルヘプタナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、3-(4-イソプロピルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソプロピルシクロヘキシリデン)プロパナール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、3-(3-イソプロピルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)プロパナール、3-(5-イソプロピルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)プロパナール、4-(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、5-シクロヘキセイル-2,4-ジメチル-4-ペンテナール、5,9-ジメチル-4-デセナール、及び1-メチル-4-(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒドからなる群から選択される。
【0041】
特に、式(II)のアルデヒド化合物は、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、2-メチルデカナール、2-メチルウンデカナール、2-フェニルプロパナール、2-メチル-4-フェニルブタナール、フェニルアセトアルデヒド、2-(4-(tert-ブチル)フェニル)アセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、4-デセナール、4-ドデセナール、9-デセナール、9-ウンデセナール、10-ウンデセナール、2,6-ジメチル-5-ヘプタナール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、3-フェニルブタナール、3-(4,4-ジメチルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)プロパナール、4-(4-メチルペンテ-3-エン-1-イル)シクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒド、3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール、3-(4-メチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル)ブタナール、3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプテ-2-エン-3-イル)プロパナール、8-イソプロピル-6-メチルビシクロ[2.2.2]オクテ-5-エン-2-カルバルデヒド、3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール、及び3,7-ジメチルオクテ-6-エナールからなる群から選択される。
【0042】
特定の実施形態に従って、式(III)のギ酸エステルは、ブチルホルメート、ペンチルホルメート、2-メチルブチルホルメート、3-メチルブチルホルメート、ブタン-2-イルホルメート、2-メチルプロピルホルメート、シクロヘキシルホルメート、ヘキシルホルメート、ヘプチルホルメート、オクチルホルメート、ノニルホルメート、デシルホルメート、ウンデシルホルメート、ドデシルホルメート、トリデセイルホルメート、テトラデシルホルメート、2-ヘキシルホルメート、3-ヘキシルホルメート、3-オクチルホルメート、2-オクチルホルメート、3-オクテン-1-イルホルメート、ベンジルホルメート、9-デセン-1-イルホルメート、3,7-ジメチルオクチルホルメート、3,7-ジメチルオクテ-6-エニルホルメート、3,7-ジメチルオクテ-7-エニルホルメート、4-メトキシベンジルホルメート、3-ヘキセニルホルメート、3,5,5-トリメチルヘキシルホルメート、2-フェニルエチルホルメート、2-(フェノキシ)エチルホルメート、3-フェニルプロピルホルメート、2-フェニルプロパン-1-イルホルメート、1-フェニルエチルホルメート、4-フェニルブタニルホルメート、(Z)-6-ノネン-1-イルホルメート、ボルニルホルメート、イソボルニルホルメート、セドリルホルメート、シクロドデシルホルメート、デカヒドロナフタレン-2-イルホルメート、メンチルホルメート、5-メチル-2-(プロペ-1-エン-2-イル)シクロヘキシルホルメート、3-メチル-5-フェニルペンタニルホルメート、(4-イソプロピルシクロヘキシル)メンタニルホルメート、2-ペンチル-1-シクロペンチルホルメート、5-エチル-2-ノニルホルメート、(4-tert-ブチル)シクロヘキシルホルメート、2-メトキシ-4-プロピルシクロヘキシルホルメート、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メンタノインデン-5-イルホルメート、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メンタノインデン-6-イルホルメート、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルメート、2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルホルメート、2,6-ジメチルオクテ-7-エン-2-イルホルメート、2,6-ジメチルオクタン-2-イルホルメート、3,7-ジメチルオクタニルホルメート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタニルホルメート、(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタニルホルメート、1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-イルホルメート、1-((1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-イルホルメート、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、2-メチル-4-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-1-イルホルメート、2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルホルメート、(1RS,2SR,5RS)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルホルメート及び4-メチル-6-フェニル-2-ヘキサニルホルメートからなる群から選択される。
【0043】
より特定の実施形態において、式(III)のギ酸エステルは、2-フェニルエチルホルメート、3-ヘキセニルホルメート、オクチルホルメート、デシルホルメート、3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イルホルメート、3,7-ジメチルオクテ-7-エニルホルメート、2-フェノキシエチルホルメート、ヘキシルホルメート、ベンジルホルメート、オクタン-3-イルホルメート、オクタン-2-イルホルメート、(1RS,2SR,5RS)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルホルメート、シクロドデシルホルメート、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルメート、1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-イルホルメート、2,6-ジメチルオクテ-7-エン-2-イルホルメート、3,7-ジメチルオクタン-3-イルホルメート、2-メチル-1-フェニルエチルプロパン-2-イルホルメート、及び2,6-ジメチルヘプタン-2-イルホルメートからなる群から選択される。
【0044】
特定の実施形態において、式(IV)のアルコールは、ブタノール、ペンタノール、2-メチルブタノール、3-メチルブタノール、ブタン-2-オール、2-メチルプロパノール、シクロヘキサノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、3-オクタノール、2-オクタノール、3-オクテノール、ベンジルアルコール、9-デセン-1-オール、3,7-ジメチルオクタン-1-オール、3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-オール、3,7-ジメチルオクテ-7-エン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、3-ヘキセン-1-オール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、2-フェニルエタノール、2-(フェノキシ)エタノール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパン-1-オール、1-フェニルエタン-1-オール、4-フェニルブタン-2-オール、(Z)-6-ノネン-1-オール、ボルネオール、イソボルネオール、セドロール、シクロドデカノール、デカヒドロナフタレン-2-オール、メントール、1-フェニルエタノール、5-メチル-2-(プロペ-1-エン-2-イル)シクロヘキセ-1-オール、3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール、(4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール、2-ペンチル-1-シクロペンタノール、5-エチル-2-ノナノール、4-(tert-ブチル)シクロヘキサン-1-オール、2-メトキシ-4-プロピルシクロヘキサン-1-オール、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メンタノインデン-5-オール、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メンタノインデン-6-オール、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール、3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール、2,6-ジメチルオクテ-7-エン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、3,7-ジメチルオクタン-3-オール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノール、1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール、1-((1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、2-メチル-4-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-1-オール、2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール、(1RS,2SR,5RS)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール及び4-メチル-6-フェニル-2-ヘキサノールからなる群から選択される。
【0045】
より好ましい実施形態において、式(IV)のアルコールは、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、2-オクタノール、3-オクタノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、ベンジルアルコール、3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-オール、3,7-ジメチルオクテ-7-エン-1-オール、3,7-ジメチルオクタン-1-オール、3-ヘキセン-1-オール、3-オクテン-1-オール、2-フェニルエタノール、2-(フェノキシ)エタノール、9-デセン-1-オール、2,6-ジメチルオクテ-7-エン-2-オール、(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノール、及びシクロドデカノールからなる群から選択される。
【0046】
特定の実施形態に従って、式(I)の化合物は、(2-(ノネ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、(2-(ウンデセ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、(2-(ドデセ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、(2-(トリデセ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、(2-(ウンデカ-1,10-ジエン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、((3-フェネトキシアリル)ベンゼン)、(4-フェネトキシブテ-3-エン-2-イル)ベンゼン、(3-メチル-5-フェネトキシペンテ-4-エン-1-イル)ベンゼン、1-(オクチルオキシ)ドデセ-1-エン、1-(デシルオキシ)ドデセ-1-エン、1-(ヘキセ-3-エン-1-イルオキシ)ドデセ-1-エン、1-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)ドデセ-1-エン、1-((3,7-ジメチルオクチル)オキシ)ウンデセ-1-エン、1-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)ノネ-1-エン、(2-(ウンデセ-1-エン-1-イルオキシ)エトキシ)ベンゼン、(2-(ドデセ-1-エン-1-イルオキシ)エトキシ)ベンゼン、1-(オクタン-2-イルオキシ)ドデセ-1-エン、1-(tert-ブチル)-4-(3-フェネトキシアリル)ベンゼン、(2-((3-メチルウンデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、(2-((3-メチルドデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン、(2-((3-メチルドデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-(ヘキセ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メチルドデセ-1-エン、3-メチル-1-(オクテ-3-エン-1-イルオキシ)ドデセ-1-エン、3-メチル-1-(オクチルオキシ)ドデセ-1-エン、3-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ドデセ-1-エン、1-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)-3-メチルドデセ-1-エン、1-((3,7-ジメチルオクチル)オキシ)-3-メチルドデセ-1-エン、(((3-メチルドデセ-1-エン-1-イル)オキシ)メチル)ベンゼン、(2-(ドデカ-1,10-ジエン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、1-(ヘキセ-3-エン-1-イルオキシ)ドデカ-1,10-ジエン、1-(オクチルオキシ)ドデカ-1,10-ジエン、1-(デシルオキシ)ドデカ-1,10-ジエン、1-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)ドデカ-1,10-ジエン、(2-(ドデカ-1,11-ジエン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、1-(オクチルオキシ)ドデカ-1,11-ジエン、1-(デシルオキシ)ドデカ-1,11-ジエン、1-(オクチルオキシ)トリデセ-1-エン、1-(デシルオキシ)トリデセ-1-エン、(5-フェネトキシペンテ-4-エン-2-イル)ベンゼン、(2-((2-(2,4-ジメチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル)ビニル)オキシ)エチル)ベンゼン、1,1-ジメチル-6-(4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン、5-イソプロピル-2-メチル-7-(2-フェネトキシビニル)ビシクロ[2.2.2]オクテ-2-エン、(2-(トリデカ-1,5-ジエン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、(2-(ウンデカ-1,5-ジエン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン、1-(tert-ブチル)-4-(4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、1-(tert-ブチル)-4-(2-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、(2-((3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、(2-((4,8-ジメチルノナ-1,7-ジエン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、(2-((4-(4,4-ジメチルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)ブテ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン及び(2-((4-(4-メチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル)ペンテ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼンからなる群から選択される。
【0047】
前記実施形態のいずれか1つに従って、式(II)のアルデヒド化合物、式(III)のギ酸エステル及び式(IV)のアルコールは、周囲条件下で式(I)の前駆体化合物の酸化を介して式(I)の前駆体化合物から放出される。さらに、式(I)の前駆体化合物は、周囲条件下で、及びあらゆる触媒の非存在下で酸化される。明確性の理由から、「周囲条件」という表現又は同様の表現に関しては、当業者によって理解される通常の意味を意味し、すなわち、酸化は、室温、空気、及び大気圧下で生じる。言い換えれば、化合物が酸化される環境は空気である。これにより、式(I)の化合物は、周囲空気中で酸化されると解される。特に、式(I)の化合物は、酸化させるために純粋な酸素環境、熱又は触媒を必要としないと解される。
【0048】
特定の理論に限定されることを意図することはないが、式(I)の前駆体化合物が酸化される速度は、式(II)の個々のアルデヒド化合物、式(III)のギ酸エステル、又は式(IV)のアルコールの蒸発速度よりも速いか、等しいか、又は遅くてよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、式(I)の前駆体化合物が酸化される速度、及びしたがって、式(II)の個々のアルデヒド化合物、式(III)のギ酸エステル、又は式のアルコールが放出される速度は、前記で定義したように、式(II)の少なくとも1つのアルデヒド化合物、式(III)の少なくとも1つのギ酸エステル及び/又は式(IV)の少なくとも1つのアルコールの特徴的なフレグランスの拡散効果及び/又は知覚を強化又は延長させる。
【0050】
一実施形態において、式(I)の化合物の100%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の90%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の80%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の70%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の60%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の50%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の40%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の30%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の20%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の10%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の9%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の8%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の7%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の6%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の5%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の4%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の3%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の2%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。代わりに、式(I)の化合物の1%が、24~48時間の範囲の期間で周囲空気中で酸化される。
【0051】
本発明は、式(I)の少なくとも1つの化合物を含むマイクロカプセルにも関する。一実施形態において、式(I)の少なくとも1つの化合物は、コアシェルマイクロカプセル中でカプセル化され、その際式(I)の少なくとも1つの化合物は、シェルによって覆われたコア中に含まれる。一実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、環境から式(I)の化合物を保護する。シェルは、式(I)の少なくとも1つの化合物、並びに/又は式(II)、(III)及び/又は(IV)の化合物を放出することができる材料から構成される。一実施形態において、シェルは、シェルの破損で及び/又はシェルを介して拡散によって、式(I)の化合物、並びに/又は式(II)、(III)及び/又は(IV)の化合物を放出することができる材料から構成される。当業者は、前記マイクロカプセルを調製するためのプロセスをよく知っている。したがって、式(I)の少なくとも1つの化合物を含むマイクロカプセルは、本発明の目的の1つである。
【0052】
好ましい実施形態において、式(I)の化合物のカプセル化は、式(I)の化合物の全て又は一部を酸化させ、それによって式(II)の個々のアルデヒド、式(III)のギ酸エステル又は式(IV)のアルコールを放出しうるカプセル内の環境を提供しうる。好ましい実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、透過性バリアとして作用し、カプセルからの式(II)の個々のアルデヒド化合物、式(III)のギ酸エステル又は式(IV)のアルコールの漏出を防止しうる。
【0053】
特定の実施形態に従って、マイクロカプセルのシェルは、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート(すなわちポリアクリレート及び/又はポリメタクリレート)、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、尿素とホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンとホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンと尿素とのポリマー、又はメラミンとグリオキサールとのポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。シェルは、ハイブリッド、すなわち、有機無機、例えば架橋されている少なくとも2つのタイプの無機粒子から構成されるハイブリッドシェル、又はポリアルコキシシランマクロモノマー組成物の加水分解反応及び縮合反応から生じるシェルであってもよい。
【0054】
特定の実施形態に従って、コアシェルマイクロカプセルは、異なる又は1超のカプセル化法によってももたらされてよい。
【0055】
好ましい実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、互いに独立して、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレア及びポリウレタンのシェル並びにそれらの混合物の群から選択されてよい。
【0056】
特定の実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、アミノプラストコポリマー、例えばメラミン-ホルムアルデヒド又は尿素-ホルムアルデヒド又は架橋メラミンホルムアルデヒド又はメラミングリオキサールを含む。
【0057】
特定の実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、例えば、これらに限定されないが、イソシアネートベースのモノマー及びアミン含有架橋剤、例えばグアニジンカーボネート及び/又はグアナゾールから構成されるポリウレアベースである。あるポリウレアマイクロカプセルは、少なくとも2つのイソシアネート官能基を含む少なくとも1つのポリイソシアネートと、アミン(例えば、水溶性グアニジン塩及びグアニジン)からなる群から選択される少なくとも1つの反応物との間の重合の反応生成物であるポリウレア壁;コロイド状安定剤又は乳化剤;並びにカプセル化された香料を含む。しかしながら、アミンの使用は省略できる。
【0058】
特定の実施形態において、コロイド状安定剤は、0.1%~0.4%のポリビニルアルコールと0.6%~1%のビニルピロリドンのカチオン性コポリマーと四級化ビニルイミダゾールとの水溶液を含む(全てのパーセンテージは、コロイド状安定剤の合計量に対する質量によって定義される)。特定の実施形態において、乳化剤は、例えばアラビアゴム、大豆タンパク質、ゼラチン、カゼインナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択されてよいアニオン性又は両親媒性バイオポリマーである。
【0059】
特定の実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、例えばこれらに限定されないが、ポリイソシアネート及びポリオール、ポリアミド、ポリエステル等から構成されるポリウレタンベースである。
【0060】
特定の実施形態において、マイクロカプセルは、シェルがおそらく架橋されている、複合コアセルベーションから生じるポリマーシェルを有する。
【0061】
コアシェルマイクロカプセルの特定の実施形態において、コアシェルマイクロカプセルは、疎水性活性物質、好ましくは少なくとも1つの式(I)の化合物を含む油性コアと、第1の材料と第2の材料とを含む複合シェルとを含み、その際、第1の材料及び第2の材料は異なり、第1の材料はコアセルベートであり、第2の材料はポリマー材料である。
【0062】
特定の実施形態において、第1の材料と第2の材料との質量比は、50:50~99.9:0.1である。
【0063】
特定の実施形態において、コアセルベートは、好ましくはタンパク質(例えばゼラチン)、ポリペプチド又は多糖類(例えばキトサン)、最も好ましくはゼラチンの中から選択される第1の高分子電解質と、好ましくはアルギン酸塩、セルロース誘導体、グアーガム、ペクチン酸塩、カラギーナン、ポリアクリル酸及びメタクリル酸もしくはキサンタンガム、又はさらに植物ガム、例えばアカシアガム(例えばアラビアゴム)、最も好ましくはアラビアゴムから選択される第2の高分子電解質とを含む。
【0064】
コアセルベートの第1の材料は、適した架橋剤、例えばグルタルアルデヒド、グリオキサール、ホルムアルデヒド、タンニン酸又はゲニピンを使用して化学的に硬化させることができ、又は酵素、例えばトランスグルタミナーゼを使用して酵素により硬化させることができる。
【0065】
第2のポリマー材料は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、尿素とホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンとホルムアルデヒドとのポリマー、メラミンと尿素とのポリマー、又はメラミンとグリオキサールとのポリマー、及びそれらの混合物、好ましくはポリウレア及び/又はポリウレタンからなる群から選択されてよい。第2の材料は、好ましくは、マイクロカプセルスラリーの合計質量に対して、3質量%未満、好ましくは1質量%未満の量で存在する。
【0066】
コアシェルマイクロカプセルの水性分散液/スラリーの調製は、当業者に周知である。特定の実施形態において、マイクロカプセル壁材料は、任意の適した樹脂を含んでよく、特にメラミン、グリオキサール、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等を含んでよい。適した樹脂は、アルデヒドとアミンとの反応生成物を含み、適したアルデヒドは、ホルムアルデヒド及びグリオキサールを含む。適したアミンは、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、及びそれらの混合物を含む。適したメラミンは、メチロールメラミン、メチル化メチロールアミン、イミノメラミン、及びそれらの混合物を含む。適した尿素は、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、尿素レソルシノール、及びそれらの混合物を含む。製造に適した材料は、以下の会社、Solutia Inc.(St Louis、Missouri U.S.A.)、Cytec Industries(West Paterson、New Jersey U.S.A.)、Sigma-Aldrich(St. Louis、Missouri U.S.A.)の1社以上から入手できる。
【0067】
コアシェルマイクロカプセルの特定の実施形態において、コアシェルマイクロカプセルは、
- 疎水性活性物質、好ましくは少なくとも1つの式(I)の化合物を含む油性コア、
- 任意に、重合させた多官能モノマーから構成される内側シェル、
- タンパク質を含むバイオポリマーシェルであって、少なくとも1つのタンパク質が架橋されているバイオポリマーシェル
を含む。
【0068】
特定の実施形態に従って、タンパク質は、乳タンパク質、カゼイン塩、例えばカゼインナトリウム又はカゼインカルシウム、カゼイン、ホエータンパク質、加水分解タンパク質、ゼラチン、グルテン、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、シルクタンパク質及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはカゼインナトリウム、最も好ましくはカゼインナトリウムである。
【0069】
特定の実施形態に従って、タンパク質は、カゼインナトリウム及び球状タンパク質を含み、好ましくは、ホエータンパク質、β-ラクトグロブリン、オボアルブミン、ウシ血清アルブミン、植物性タンパク質、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0070】
タンパク質は、好ましくはカゼインナトリウム及びホエータンパク質の混合物である。
【0071】
特定の実施形態に従って、バイオポリマーシェルは、カゼインナトリウム及び/又はホエータンパク質からなる群から選択された架橋されたタンパク質を含む。
【0072】
特定の実施形態に従って、マイクロカプセルスラリーは、
- 疎水性活性物質、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む油性コア、
- 重合させた多官能モノマー、好ましくは少なくとも2つのイソシアネート官能基を有するポリイソシアネートから構成される内側シェル、
- タンパク質を含むバイオポリマーシェルであって、少なくとも1つのタンパク質が架橋されている、バイオポリマーシェル、
- 任意に少なくとも1つの外側のミネラル層
から構成される少なくとも1つのマイクロカプセルを含む。
【0073】
一実施形態に従って、カゼインナトリウム及び/又はホエータンパク質は架橋タンパク質である。
【0074】
カゼインナトリウム及びホエータンパク質の質量比は、好ましくは0.01~100、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.2~5である。
【0075】
特定の実施形態において、マイクロカプセルは、
1) 香油と少なくとも2つのイソシアネート官能基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートとを混和して、油相を形成するステップ、
2) 水中にアミノプラスト樹脂及び任意に安定剤を分散又は溶解して、水相を形成するステップ、
3) 油相と水相とを混和することにより平均液滴サイズが1~100ミクロンである水中油系分散液を調製するステップ、
4) 硬化ステップを実施して、マイクロカプセルの壁を形成するステップ、及び
5) 任意に、最終分散液を乾燥させて、乾燥させたコアシェルマイクロカプセルを得るステップ
を含む方法によって得られる1つのシェルのアミノプラストコアシェルマイクロカプセルである。
【0076】
特定の実施形態において、コアシェルマイクロカプセルは、ホルムアルデヒド不含カプセルである。アミノプラストホルムアルデヒド不含マイクロカプセルスラリーの製造のための典型的なプロセスは、
1)以下、
a) メラミン、又はメラミンと2つのNH2官能基を含む少なくとも1つのC1~C4化合物との混合物の形でのポリアミン成分、
b) グリオキサール、C4-62,2-ジアルコキシ-エタノール及び任意にグリオキサレートの混合物であって、1/1~10/1のグリオキサール/C4-62,2-ジアルコキシ-エタノールのモル比を有する混合物の形でのアルデヒド成分、
c) プロトン酸触媒
の反応生成物を含むか、又はそれらを共に反応させることによって得られるオリゴマー組成物を調製するステップ、
2)液滴サイズが、1~600ミクロンであり、かつ
a. 油状物、
b. 水媒体、
c. ステップ1で得られた少なくとも1つのオリゴマー組成物
d. 以下から選択される少なくとも1つの架橋剤
i. C4~C12芳香族又は脂肪族のジイソシアネート又はトリイソシアネート及びそれらのビウレット、トリウレット、トリマー、トリメチロールプロパン付加物及びそれらの混合物、及び/又は
ii. 式
Q-(オキシラン-2-イルメチル)n
[式中、nは、2又は3を示し、かつQは、任意に窒素原子及び/又は酸素原子2~6個を含むC2~C6基を示す]のジオキシラン又はトリオキシラン化合物
e. 任意に2つのNH2官能基を含むC1~C4化合物
を含む水中油系分散液を調製するステップ、
3) 分散液を加熱するステップ。
4) 分散液を冷却するステップ
を含む。
【0077】
前記方法は、国際公開第2013/068255号においてより詳細に記載されている。
【0078】
コアシェルマイクロカプセルの特定の実施形態において、コアシェルマイクロカプセルは、
- 疎水性活性物質、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む油性コア、及び
- 以下
・ 塩化アシル
・ 第1のアミノ化合物、及び
・ 第2のアミノ化合物
を含むか、又はそれらから得られるポリアミドシェル
を含む、ポリアミドコアシェルポリアミドマイクロカプセルである。
【0079】
特定の実施形態に従って、ポリアミドコアシェルマイクロカプセルは、
疎水性活性物質、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む油性コア、及び
ポリアミドシェルであって、以下、
・ 塩化アシル、好ましくは、5~98%、好ましくは20~98%、より好ましくは30~85%(w/w)の量での塩化アシル、
・ 第1のアミノ化合物、好ましくは、1~50%(w/w)、好ましくは7~40%(w/w)の量での第1のアミノ化合物、
・ 第2のアミノ化合物、好ましくは、1~50%(w/w)、好ましくは2~25%(w/w)の量での第2のアミノ化合物、
・ 安定剤、好ましくは、0~90%、好ましくは0.1~75%、より好ましくは1~70%の量での安定剤、好ましくはバイオポリマー
を含むか、又はそれらから得られるポリアミドシェル
を含む。
【0080】
特定の実施形態に従って、ポリアミドコアシェルマイクロカプセルは、
- 疎水性活性物質、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む油性コア、及び
- ポリアミドシェルであって、以下、
・ 塩化アシル、
・ アミノ酸、好ましくはL-リジン、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-トリプトファン及び/又はそれらの混合物からなる群から選択されるアミノ酸である第1のアミノ化合物、
・ エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、シスタミン及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される第2のアミノ化合物、
・ カゼイン、カゼインナトリウム、ウシ血清アルブミン、ホエータンパク質、及び/又はそれらの混合物からなる群から選択されるバイオポリマー
を含むか、又はそれら得られるポリアミドシェル
を含む。
【0081】
第1のアミノ化合物は、第2のアミノ化合物とは異なってよい。
【0082】
典型的に、ポリアミドベースのマイクロカプセルの製造方法は、以下、
a) 少なくとも1つの塩化アシルを疎水性材料、好ましくは香料中で溶解させて、油相を形成するステップ、
b) ステップa)で得られた油相を、第1のアミノ化合物を含む水相中に分散させて、水中油型エマルションを形成するステップ、
c) 硬化ステップを実施して、スラリーの形でポリアミドマイクロカプセルを形成するステップ
を含み、ここで、安定剤を、油相中及び/又は水相中に添加し、かつ少なくとも1つの第2のアミノ化合物を、水中油型エマルションの形成前に水相に、及び/又はステップb)後に得られた水中油型エマルションに添加する。
【0083】
特定の実施形態において、マイクロカプセルのシェルは、ポリウレアベース又はポリウレタンベースである。ポリウレアベース及びポリウレアベースのマイクロカプセルスラリーの製造方法の例は、例えば、国際公開第2007/004166号、欧州特許第2300146号明細書、及び欧州特許第2579976号明細書において記載されている。典型的に、ポリウレアベース又はポリウレタンベースのマイクロカプセルスラリーの製造方法は、
a) 油中で少なくとも2つのイソシアネート基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートを溶解して油相を形成するステップ、
b) 乳化剤又はコロイド状安定剤の水溶液を調製して水相を形成するステップ、
c) 油相を水相に添加して、平均液滴サイズが1~500μm、好ましくは5~50μmである水中油系分散液を形成するステップ、及び
d) 界面重合を誘導し、スラリーの形でマイクロカプセルを形成するために十分な条件を適用するステップ
を含む。
【0084】
特定の実施形態において、マイクロカプセルは粉末の形であってよく、特に、マイクロカプセルスラリーを噴霧乾燥などの乾燥に供して、マイクロカプセルをそのまま、すなわち粉末の形で提供することによって得られてよい。かかる乾燥を実施するための当業者に公知のあらゆる標準の方法も適用できることが理解される。特に、好ましくは、ポリマー性キャリヤー材料、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、天然又は加工デンプン、アラビアゴム、植物ゴム、ペクチン、キサンタン、アルギネート、カラギーナン、又はセルロース誘導体の存在下でスラリーを噴霧乾燥させて、粉末の形でマイクロカプセルを提供してよい。
【0085】
しかしながら、他の乾燥方法、例えば押出し、表面被覆(plating)、噴霧造粒、流動床、又は国際公開第2017/134179号に開示される特定の基準を満たす材料(キャリヤー、乾燥剤)を使用する室温での乾燥も挙げてよい。
【0086】
他の態様において、本発明は、付香組成物、付香組成物の周囲の空気、表面又は着香物品のにおい特性を付与、増強、改善又は改変するための方法であって、組成物、空気もしくは物品に付加すること、又は前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量を表面と接触させるかもしくは前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量で表面を処理することを含む、前記方法に関する。本明細書において使用される「表面」という用語は、式(I)の少なくとも1つの化合物を含む又は含有する香料組成物が適用される、使用者の皮膚、毛髪、織物、又は硬質表面を示してよい。
【0087】
他の態様において、本発明は、前記で定義した、式(II)の少なくとも1つのアルデヒド化合物、式(III)の少なくとも1つのギ酸エステル及び/又は式(IV)の少なくとも1つのアルコールの特徴的なフレグランスの拡散効果を、表面又は付香組成物の周囲の空気上で強化する又は持続させるための方法であって、式(II)の少なくとも1つのアルデヒド化合物、式(III)の少なくとも1つのギ酸エステル及び/又は式(IV)の少なくとも1つのアルコールを経時的に放出させることを可能にしやすい条件下で、前記表面又は空気を、前記で定義した少なくとも1つの化合物(I)で、又は少なくとも1つの化合物(I)を含む組成物もしくは物品で処理する、前記方法に関する。
【0088】
さらに、本発明は、
i) 前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物、
ii) 香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
iii) 任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む、付香組成物に関する。
【0089】
「香料キャリヤー」に関しては、本明細書では、香料の観点から事実上中性である、すなわち付香成分の感覚刺激性の特性を著しく変更しない材料を意味する。前記キャリヤーは、液体又は固体であってよい。
【0090】
液体キャリヤーとしては、乳化系、すなわち溶剤及び界面活性剤系、又は香料において慣用的に使用される溶剤を挙げてよいが、これらに制限されない。香料において慣用的に使用される溶剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅できない。しかしながら、最も通常使用される溶剤、例えばブチレン又はプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコール及びそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、Abalyn(登録商標)(ロジン樹脂、Eastman社から入手可能)、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノール、トリエチルシトレート、もしくはそれらの混合物、又は天然由来の溶剤、例えばグリセロール、又は植物油、例えばパーム油、ヒマワリ油もしくは亜麻仁油が挙げられるが、これらに制限されない。香料キャリヤー及び香料ベースの双方を含む組成物に関して、前記したものよりも適した他の香料キャリヤーは、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン、又は他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標名Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)又はグリコールエーテル及びグリコールエーテルエステル、例えば商標名Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)、又は硬化ヒマシ油、例えば商標名Cremophor(登録商標)RH 40(供給元:BASF)で公知のものであってもよい。
【0091】
固体キャリヤーは、付香組成物又は付香組成物のいくつかの要素を、化学的又は物理的に結合することができる材料を示すことを意味する。一般に、かかる固体キャリヤーは、組成物を安定化するために、又は組成物もしくはいくつかの成分の蒸発の速度を調整するために使用される。固体キャリヤーの使用は、当該技術分野において現在使用されており、当業者は所望の効果に達成するための方法を知っている。しかしながら、固体キャリヤーの制限のない例に関しては、吸収性ゴム又はポリマー又は無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、デキストリン、マルトデキストリン、木質材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルク又はゼオライトが挙げられてよい。
【0092】
固体キャリヤーの他の制限のない例としては、カプセル化材料を挙げてよい。かかる材料の例は、壁形成及び可塑化材料、例えばグルコースシロップ、天然又は改質デンプン、ハイドロコロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質又はペクチン、植物ガム、例えばアカシアゴム(アラビアゴム)、尿素、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ゼオライト、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、粘土、タルク、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、石膏、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、炭水化物、糖類、例えばスクロース、単糖類、二糖類、三糖類及び多糖類及び誘導体、例えばキトサン、デンプン、セルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ポリオール/糖アルコール、例えばソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトール、イソマルト、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリジン(PVP)、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、アクリレート、ポリアクリル酸及び関連物、無水マレイン酸コポリマー、アミン官能性ポリマー、ビニルエーテル、スチレン、ポリスチレンスルホン酸塩、ビニル酸、エチレングリコール-プロピレングリコールブロックコポリマー、植物性ゴム、アカシアゴム、ペクチン、キサンタン、アルギン酸塩、カラギーナン、クエン酸又は水溶性固体酸、脂肪アルコール又は脂肪酸及びそれらの混合物、又は、参考文献、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr's Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996において引用されている材料を含んでよい。カプセル化を、当業者に周知の方法であり、かつ例えば噴霧乾燥、凝集又はさらに押し出しのような技術を使用することにより実施してよく、又はコアセルベーション及び複合コアセルベーション技術を含む被覆カプセル化からなる。
【0093】
固体キャリヤーの制限のない例としては、特に、任意にポリマー安定剤又はカチオン性コポリマーの存在下で、重合によって、界面重合によって、コアセルベーションによって、又はその全てによって(前記技術の全ては先行技術に記載されている)誘発される相分離プロセスのような技術を使用したアミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアもしくはポリウレタンタイプの樹脂又はそれらの混合物(前記樹脂の全ては当業者に周知である)でのコア-シェルカプセルを挙げてよい。
【0094】
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタノール、グリオキサール、グリオキシル酸又はグリコールアルデヒド及びそれらの混合物)と、アミン、例えば尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等、及びそれらの混合物との重縮合によって製造されうる。代わりに、予め形成した樹脂、アルキル化ポリアミン、例えば商標名Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)又はLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)で市販されているものを使用してよい。
【0095】
他の樹脂は、ポリオール、例えばグリセロール、及びポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、又はキシレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、又はキシレンジイソシアネートの三量体と、トリメチロールプロパン(Takenate(登録商標)の商標名で公知、供給元:Mitsui Chemicals)との、中でもキシリレンジイソシアネートの三量体とトリメチロールプロパン及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとの重縮合によって製造されるものである。
【0096】
アミノ樹脂、すなわちメラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関する生産的な文献のいくつかは、Acta Polymerica においてK. Dietrichら(1989年、第40巻、243頁、325頁及び683頁、並びに1990年、第41巻、91頁)によって公表されているような記事により示されてたものを含む。かかる文献は、さらに詳細に説明され、かつ特許文献に例示されている先行技術の方法に従って、かかるコア-シェルマイクロカプセルの製造に影響を与える種々のパラメーターを既に記載している。米国特許第4396670号明細書(Wiggins Teape Group Limited)は、該文献の適切な初期の例である。それ以来、多くの他の著者は、この分野の文献を充実させており、出版された全ての進展内容をここで網羅することは不可能であるものの、カプセル化技術の一般知識は非常に重要である。かかるマイクロカプセルの適切な使用を開示している最近の関連文献の代表例は、例えば、H.Y.LeeらのJournal of Microencapsulation(2002年、第19巻、559頁~569頁)の論文、国際公開第01/41915号、又はさらにS.BoneらのChimia(2011年、第65巻、177頁~181頁)の論文である。
【0097】
「香料ベース」という用語は、少なくとも1つの付香補助成分を含む組成物と理解される。
【0098】
前記付香補助成分は、本発明に従った化合物ではない。さらに、「付香補助成分」という用語は、心地よい効果を付与するための付香調製物又は組成物において使用される、すなわち主ににおいを付与又は調節することを目的として使用される化合物と解される。言い換えれば、付香補助成分であると考えられるべきかかる補助成分は、ポジティブ又は好ましい方法で組成物のにおいを付与又は改質することができると、及び単に1つのにおいを有するだけでないと当業者によって認識される必要がある。
【0099】
いずれにしても網羅的とはならないであろう前記ベース中に存在する付香補助成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般の知識に基づいて、及び任意の使用又は適用及び所望された感覚刺激性効果に従って、前記ベースを選択することができる。一般的な用語で、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン炭化水素、窒素又は硫黄の複素環化合物及び精油と多様な化学品種に属し、かつ付香補助成分は、天然又は合成由来のものであってよい。
【0100】
特に、香料配合物において慣用的に使用される付香補助成分を挙げてよく、例えば以下のものである:
- アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデカナール、オクタナール、ノナナール及び/又はノネナール;
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、樟脳、ユーカリプトール、5-メチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン-4-オン、1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、2,2,7/8,9/10-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-オン、メントール及び/又はアルファ-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリン及び/又はバニリン;
- シトラス成分、ジヒドロミリセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-P-メンテン-8-イルアセテート及び/又は1,4(8)-P-メンタジエン;
- フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、ベータイオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-[2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、ヘキシルサリチレート、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、バージルアセテート、ゲラニオール、P-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、アミルサリチレート、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、バージルプロピオネート、ゲラニルアセテート、テトラヒドロリナロール、シス-7-P-メタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、8-デセン-5-オリド、4-フェニル-2-ブタノン、イソノニルアセテート、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、バージルイソブチレート及び/又はメチルイオノン異性体の混合物;
- フルーティー成分:ガンマ-ウンデカラクトン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、4-デカノリド、エチル2-メチル-ペンタノエート、ヘキシルアセテート、エチル2-メチルブタノエート、ガンマ-ノナラクトン、アリルヘプタノエート、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、3-メチル-2-ヘキセン-1-イルアセテート、1-[3,3-ジメチルシクロヘキシル]エチル[3-エチル-2-オキシラニル]アセテート及び/又はジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
- グリーン成分:2-メチル-3-ヘキサノン(E)-オキシム、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オール及び/又は1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、3-メチルシクロペンタデカノン、1-オキサ-12-シクロヘキサデセン-2-オン、1-オキサ-13-シクロヘキサデセン-2-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン、2-{(1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキサエチルプロピオネート、3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]イソクロメン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、オキサシクロヘキサデカン-2-オン及び/又は(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- ウッディー成分:1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデセ[4]エン、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン、2,2,9,11-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-イルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチュリ油、パチュリ油のテルペン画分、clearwood(登録商標)(供給源:Firmenich SA)、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オン及び/又はイソボルニルアセテート;
- 他の成分(例えばアンバー、パウダリースパイシー又はウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン及び任意のその立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、チョウジ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、1-フェニルビニルアセテート、6-メチル-7-オキサ-1-チア-4-アザスピロ[4.4]ノナン及び/又は3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
【0101】
本発明による香料ベースは、これらに制限されないが前記した付香補助成分であってよく、これらの補助成分の他の多くは、いずれにしても、参考文献、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、又は同様の種類の他の著作において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。前記補助成分は、プロ香料(properfume)又はプロフレグランス(profragrance)としても公知の制御された方法で種々のタイプの付香化合物を放出することが公知の化合物であってもよいとも解される。適したプロ香料又はプロフレグタンスの制限のない例は、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、トランス-3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-ブタノン、3-(ドデシルスルホニル)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン、3-((3-(ジメトキシ(メチル)シリル)プロピル)チオ)-2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-オンの直鎖ポリシロキサンコポリマー、3-(ドデシルチオ)-1-(6-エチル-2,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン、2-(ドデシルチオ)オクタン-4-オン、2-(ドデシルスルホニル)オクタン-4-オン、4-オキソオクタン-2-イルドデカノエート、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、(Z)-ヘキセ-3-エン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イルヘキサデカノエート、ビス(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)スクシネート、(2E,6Z)-2,6-ノナジエニルヘキサデカノエート、(2E,6Z)-2,6-ノナジエニルテトラデカノエート、(2E,6Z)-2,6-ノナジエニルドデカノエート、(2-((2-メチルウンデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(3-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、(3-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、1-(((Z)-ヘキセ-3-エン-1-イル)オキシ)-2-メチルウンデセ-1-エン、(2-((2-メチルウンデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン、2-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ウンデセ-1-エン、1-メトキシ-4-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ベンゼン、1-メチル-4-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ベンゼン、2-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-フェネトキシビニル)ベンゼン、2-(1-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)プロペ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、4-アリル-2-メトキシ-1-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンゼン、(2-((2-ヘプチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、(2-((2-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブト-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(2-メチル-3-フェネトキシアリル)ベンゼン、(2-((2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、1-イソプロピル-4-メチル-2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)ベンゼン、2-メトキシ-1-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)-4-プロピルベンゼン、2-エトキシ-1-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)-4-メチルベンゼン、3-メトキシ-4-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンズアルデヒド、1-イソプロピル-2-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)-4-メチルベンゼン、4-((2-(ヘキシルオキシ)-2-フェニルビニル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又はそれらの混合物を含んでよい。
【0102】
「香料補助剤」という用語、追加の付加効果、例えば色、特定の耐光性、化学安定性等を付与することができる成分と解される。付香ベースにおいて慣用的に使用される補助剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅的なものにはなりえないが、しかし該成分が当業者に周知であることを挙げるべきである。しかしながら、特定の制限のない例として以下を挙げてよい:粘性剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化及び/又はレオロジー改質剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光及び又は緩衝液又はキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料及び/又は顔料)、防腐剤(例えば、抗菌剤又は抗微生物剤又は抗真菌剤又は抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷刺激剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミン及びそれらの混合物。「調節剤」とも言われる「固定剤」に関しては、ここでは、該調節剤を封入する組成物のにおい、特に蒸発速度及び強度が、時間を超えて、調節剤の不在で同様の知覚と比較して、それらの観察者又は使用者によって知覚されることができる挙動に影響を与える能力を有する作用剤と理解すべきである。特に、調節剤は、そのフレグランスを知覚する時間を延長することを可能にする。適した調節剤の制限のない例は、メチルグルコシドポリオール、エチルグルコシドポリオール、プロピルグルコシドポリオール、イソセチルアルコール、PPG-3ミリスチルエーテル、ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート、スクロースラウレート、スクロースジラウレート、スクロースミリステート、スクロースパルミテート、スクロースステアレート、スクロースジステアレート、スクローストリステアレート、ヒアルロン酸二糖ナトリウム塩、ヒアルロン酸ナトリウム、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジセチルエーテル、ポリグリセリン-4エーテル、イソセテス-5、イソセテス-7、イソセテス-10、イソセテス-12、イソセテス-15、イソセテス-20、イソセテス-25、イソセテス-30、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ヘキサエチレングリコールモノドデシルエーテル、及びそれらの混合物、ネオペンチルグリコールジイソノナン酸、セテアリルエチルヘキサノエート、パンテノールエチルエーテル、DL-パンテノール、N-ヘキサデシルn-ノナン酸、ノクタデシルn-ノナン酸、プロフレグランス、シクロデキストリン、カプセル化、及びそれらの組み合わせを含んでよい。付香組成物の合計質量に対して最大20質量%の調節剤を着香消費者製品に組み込んでよい。
【0103】
当業者は、付香組成物の前記構成成分を混和することによって、単に当該技術分野の標準的な知識を適用することによって、及び試行錯誤方法論によって、所望の効果に最適な配合物を完全に設計することができると解される。
【0104】
少なくとも1つの本発明の式(I)の化合物及び少なくとも1つの香料キャリヤーからなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態を示し、及び少なくとも1つの本発明の式(I)の化合物、少なくとも1つの香料キャリヤー、少なくとも1つの香料ベース、及び場合により少なくとも1つの香料補助剤を含む付香組成物を示す。
【0105】
ここで、前記組成物において、1つ以上の本発明の式(I)の化合物又は同様のタイプの他の前駆体を有する可能性は、香料製造者が、アコード、香料を製造すること、本発明の種々の化合物のにおい香調を呈すること、したがって作成の目的のために新たな構成単位を作成することが可能であるために重要であることを挙げることが有用である。
【0106】
明確性の理由から、本発明の化合物が出発生成物、中間生成物又は最終生成物として含まれる、化学合成から直接得られるあらゆる混合物、例えば十分な精製を行っていない反応媒体は、該混合物が、香料のための適した形で本発明による化合物を提供しない限りは、本発明に従った付香組成物として考えられないことも理解される。したがって、未精製の反応混合物は、一般に、特に明記されない限り本発明から除外される。
【0107】
さらに、本発明の式(I)の化合物は、現在の香料、すなわち精製した香料又は機能的香料の全ての分野において、前記化合物(I)を付加する消費者製品のにおいをポジティブに付与する又は改良するために、有利に使用されてよい。したがって、本発明は、前記で定義した少なくとも1つの式(I)の化合物又は前記で定義した付香組成物を含む着香消費者製品にも関する。
【0108】
明確性の理由から、「着香消費者製品」という用語は、少なくとも1つの心地よい付香効果を、付香効果が適用される表面(例えば皮膚、髪、織物、又は硬質表面)に提供することが期待された消費者製品と解されることに注意すべきである。言い換えれば、本発明による着香消費者製品は、機能的な調合物、並びに場合により所望の消費者製品に対応する追加の有効物質、例えばコンディショナー、洗剤又はエアフレッシュナー、及び嗅覚有効量の本発明による化合物の少なくとも1つを含む、着香消費者製品である。明確性の理由から、前記付香消費者製品は、食用でない生成物である。
【0109】
いずれにしても網羅的とはならないであろう付香消費者製品の成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般的な知識に基づいて、及び該製品の性質及び所望の効果に従って、前記ベースを選択することができる。
【0110】
一実施形態において、前記着香消費者製品は、香水、布地用ケア製品、ボディケア製品、化粧品調合物、スキンケア製品、エアケア製品又はホームケア製品である。
【0111】
適した着香消費者製品の制限のない例は、ファイン香水、例えば精製香料、スプラッシュ又はオーデパルファム、コロン又はシェイブもしくはアフターシェイブローション;布地用ケア製品、例えば任意にポッド又はタブレットの形での液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、液体もしくは固体の香りブースター、ドライヤーシート、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えば、シャンプー、リーブオン又はリンスオフヘアコンディショナー、染毛料又はヘアスプレー、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品)、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品;化粧品配合物(例えば、スキンクリーム又はローション、バニシングクリーム又はデオドラント又は発汗抑制剤(例えばスプレー又はロールオン)、脱毛剤、日焼け用又は日焼け後の製品、爪用製品、スキンクレンジング、メイクアップ);又はスキンケア製品(着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイルもしくはゲル、又は衛生製品、又はフット/ハンドケア製品);エアケア製品、例えば住宅スペース(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴箱又は車)において及び/又は公共スペース(ホール、ホテル、モール等)において使用されうるエアフレッシュナー又は「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー;又はホームケア製品、例えばカビ取り剤、家具ケア製品、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面(例えば、床、浴槽、サニタリー又は窓洗浄)洗剤;レザーケア製品;カーケア製品、例えば磨き剤、ワックス又はプラスチッククリーナーを含む。
【0112】
本発明の化合物中に導入されてよい布地用洗剤組成物及び柔軟剤組成物の典型的な例は、国際公開第97/34986号、又は米国特許第4,137,180号明細書及び第5,236,615号明細書、又は欧州特許第799 885号明細書において記載されている。使用されうる他の典型的な洗剤組成物及び柔軟剤組成物は、著書、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, vol.20, Wiley-VCH, Weinheim, p. 355-540 (2012); Flick, Advanced Cleaning Product Formulations, Noye Publication, Park Ridge, New Jersey(1989); Showell, in Surfactant Science Series, vol. 71: Powdered Detergents, Marcel Dekker, New York (1988); Proceedings of the World Conference on Detergents (4th, 1998, Montreux, Switzerland), AOCS printにおいて記載されている。
【0113】
本発明のいずれの実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、pHが1以上であることを特徴とする。特に、本発明の着香消費者製品は、pH1~12又は1~8を有する。さらに具体的には、本発明の着香消費者製品は、pH1~6を有する。
【0114】
特定の実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、パーソナルケア、ホームケア又はファブリックケア消費者製品、特にシャワーゲル、シャンプー、石鹸、布地用洗剤又は柔軟剤及び多目的クリーナーに共通する成分を含むパーソナルケア、ホームケア又はファブリックケア消費者製品の形である。着香消費者製品の主な機能成分は、種々の性質の布地及び/又は織物、例えば衣類、カーテン生地、カーペット及び家具生地など、又は他の家の表面、皮膚又は髪を洗浄及び/又は柔軟化できる界面活性剤及び/又は柔軟剤成分であり、典型的に大量の水又は水ベースの溶剤で使用される。したがって、これらは、水の量が最大20%である石鹸又は固形洗剤を除いて、水の量が典型的に着香消費者製品の質量の50~99%である配合物である。
【0115】
かかる布地用クリーナー及び/又は柔軟剤の配合物のより詳細な説明はここでは必要なく、現在の液体配合物の多くの説明は、クリーナー/布地用柔軟剤の特許及び他の関連文献、例えばLouis Ho Tan Taiの教本「Detergents et Produits de Soins Corporels,特にChapters 1~7,Dunod,Paris,1999」、又は液体柔軟剤及び多目的クリーナーの配合物の技術に関する他の同様の教本及び/又はや最近の教本において見出せる。特許文献である国際公開第2010/105873号も、特に9~21頁において、かかる液体製品の香料以外の一般的な現在の成分について記載しており、例として引用されている。もちろん、液体洗剤及び/又は布地用柔軟剤の配合物の他の多くの例が文献に見出せる。任意のかかる液体配合物、すなわち液体布地用クリーナー又はコンディショナー及び/又は多目的クリーナーは、本明細書に記載の組成物中で使用されてよい。
【0116】
本発明の特定の実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、着香消費者製品の合計質量に対して、85~100質量%の量で布地用柔軟剤活性ベースを含む液体布地用柔軟剤である。布地用柔軟剤活性ベースの主成分は水又は水系溶剤である。布地用柔軟剤活性ベースは、ジアルキル第四級アンモニウム塩、ジアルキルエステル第四級アンモニウム塩、ハンブルクエステルクワット(Hamburg esterquat)、トリエタノールアミンクワット、シリコーン、及びそれらの混合物を含んでよい。任意に、組成物の布地用柔軟剤活性ベースは、液体ベースの合計質量に対して、0.05~1質量%の量で粘度調整剤をさらに含んでよく、粘度調整剤は、好ましくは塩化カルシウムからなる群から選択される。
【0117】
本発明の特定の実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、着香消費者製品の合計質量に対して、85~100質量%の量で多目的クリーナー活性ベースを含む多目的クリーナーである。多目的クリーナー活性ベースの主成分は水又は水系溶剤である。多目的活性ベースは、1~2%の量で直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、2~4%の量で非イオン性界面活性剤、及び0.1~0.5%の量で酸、例えばクエン酸を含んでよい。
【0118】
本発明の特定の実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、着香消費者製品の合計質量に対して、85~100質量%の量で液体洗剤活性ベースを含む液体洗剤である。液体洗剤活性ベースの主成分は水又は水系溶剤である。液体洗剤活性ベースは、アニオン性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、第二級アルキルスルホン酸塩(SAS)、第一級アルコール硫酸塩(PAS)、ラウリルエーテル硫酸塩(LES)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、メチルエステルスルホン酸塩(MES);非イオン性界面活性剤、例えばアルキルアミン、アルカノールアミド、脂肪アルコールポリ(エチレングリコール)エーテル、脂肪アルコールエトキシレート(FAE)、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)コポリマー、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、アルキルポリグルコサミド;又はそれらの混合物を含んでよい。
【0119】
本発明の特定の実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、着香消費者製品の合計質量に対して、85~100質量%の量で固形洗剤活性ベースを含む固形洗剤である。固形洗剤活性ベースは、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性イオン性の界面活性剤及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの界面活性剤を含んでよい。固形洗剤活性ベース中の界面活性剤は、好ましくは、直鎖アルケンベンゼンスルホン酸(LABS)、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、アルファオレフィンスルホン酸(AOS)、メチルエステルスルホン酸(MES)、アルキルポリグリコシド(APG)、第一級アルコールエトキシレート、特にラウリルアルコールエトキシレート(LAE)、第一級アルコールスルホン酸(PAS)、石鹸、及びそれらの混合物からなる群から選択される。固形洗剤活性ベースは、粉末洗剤消費者製品に慣用的に使用されるさらなる成分を含んでよくそれらは、漂白剤、例えばTAED(テトラアセチルエチレンジアミン);緩衝剤;ビルダー、例えばゼオライト、炭酸ナトリウム又はそれらの混合物;汚れ放出ポリマー又は汚れ懸濁ポリマー;顆粒化酵素粒子、例えばセルラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ又はそれらの混合物;腐食防止剤;消泡;泡抑制剤;染料;充填剤、例えばケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム又はそれらの混合物;過酸化水素源、例えば過炭酸ナトリウム又は過ホウ酸ナトリウム;並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0120】
本発明の特定の実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、着香消費者製品の合計質量に対して、85~100質量%の量でシャンプー又はシャワーゲル活性ベースを含むシャンプー又はシャワーゲルである。シャンプー又はシャワーゲル活性ベースの主成分は水又は水系溶剤である。シャンプーシャワーゲルの活性ベースは、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルアンホ酢酸、コカミドプロピルベタイン、コカミドMEA、アルキルグルコシド及びアミノ酸系界面活性剤を含んでよい。
【0121】
本発明の特定の実施形態に従って、本発明の着香消費者製品は、着香消費者製品の合計質量に対して、85~100質量%の量で石鹸活性ベースを含む石鹸バーである。石鹸バー活性ベースは、弱酸の塩、典型的に、脂肪酸であってよい弱酸及び水酸化ナトリウムのような強塩基の塩を含んでよい。
【0122】
種々の前記物品又は組成物中に組込まれてよい本発明による化合物における割合は、広い範囲の値で変動する。これらの値は、着香されるべき物品又は生成物の性質に、並びに所望の嗅覚効果、及び本発明による化合物が、付香補助成分、溶剤又は先行技術において通常使用される添加剤と混合される場合に、所与の組成物における補助成分の性質に依存する。
【0123】
例えば、付香組成物の場合において、典型的に濃度は、組込まれてよい組成物の質量に対して、本発明の化合物の0.001質量%~10質量%、又はそれ以上の範囲である。着香消費者製品の場合において、典型的な濃度は、組込まれてよい組成物の質量に対して、本発明の化合物の0.0001質量%~5質量%、又はそれ以上の範囲である。
【0124】
さらに、本発明は、式(I)の化合物に関する。したがって、本発明の他の目的は、式(I)
【化9】
[式中、R
1は、炭素原子少なくとも6個を含み、かつC
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基であって、それぞれ任意にC
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基及び/又はC
1-4カルボン酸エステル基のうちの1つ以上で置換されいる、ヒドロキシ基、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
1-15アルコキシ基、C
2-15アルケニルオキシ基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基、C
3-15ヘテロシクロアルキル基、カルボン酸基、C
1-4カルボン酸エステル基、C
6-10アリール基及び/又はC
6-10アリールオキシ基のうちの1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基であり、ヘテロ原子が酸素原子のうちの1つ以上を表し、ただし、R
1は、2-ヘキシリデンシクロペンチル基ではない;
R
2は、任意に酸素原子1個又は2個を含む、C
6-18炭化水素基であるが、ただし、オキシ基に対するエステル官能基αを除き、かつ
R
2は、ベンジル基、シクロヘキシル基、2-ヒドロキシ-1,2-ジフェニルエチル、又は1-(tert-ブトキシ)-7,7-ジメチルビシクロ[2.1]ヘプタン-2-イル基であって、アリル官能基を含まないもの;及び1-(ヘプチルオキシ)デク-1-エン、1-(デシルオキシ)デク-1-エン、1-(ドデシルオキシ)ドデク-1-エン、(4-フェネトキシブタ-3-エン-1-イル)ベンゼン及び1-((3,7-ジメチルオクチル)オキシ)-3,7-ジメチルオクト-1-エンを除く]
の化合物であって、その立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形での式(I)の化合物に関する。
【0125】
「ベンジル基」という用語は、CH2C6H4基として理解され、すなわち、フェニル基は置換されない。
【0126】
「シクロヘキシル基」という用語は、C6H11基として理解され、すなわち、シクロヘキシル基は置換されない。
【0127】
他の態様において、本発明は、
a)式(II)のアルデヒド化合物
【化10】
[式中、R
1は、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基及び/又はC
1-4カルボン酸エステル基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されているヒドロキシ基、C
1-15アルキル基、C
2-15アルケニル基、C
1-15アルコキシ基、C
2-15アルケニルオキシ基、C
3-15シクロアルキル基、C
5-15シクロアルケニル基、C
3-15ヘテロシクロアルキル基、カルボン酸基、C
1-4カルボン酸エステル基、C
6-10アリール基及び/又はC
6-10アリールオキシ基の1つ以上でそれぞれ任意に置換されている、C
1-15アルキル基、C
3-15アルケニル基、C
3-15シクロアルキル、C
5-15シクロアルケニル又はC
3-14ヘテロシクロアルキル基である]
b)式(III)のギ酸エステル
【化11】
[式中、R
2は、任意に1つ、2つ又は3つの酸素原子を含むC
1-18炭化水素基であるが、但し、ホルミルオキシ基に対するエステル官能基アルファを除く]
c)式(IV)のアルコール
【化12】
[式中、R
2は、前記の定義と同一の意味を有する]
からなる群から選択される化合物を、化合物を酸化させる環境に式(I)の前駆化合物を曝すことによって放出するための、前駆化合物の使用であって、
前駆化合物が、式(I)
【化13】
[式中、R
1及びR
2は、前記の定義と同一の意味を有する]の化合物をその立体異性体又はそれらの混合物のいずれかの形で含む、前駆化合物の使用に関する。
【0128】
他の態様において、本発明は、前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物を有効量で組成物又は物品に付加する、又は前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量で表面に接触させる又は処理することを含む、付香組成物、付香組成物を取り巻く空気、表面又は着香物品のにおい特性を付与、増強、改善又は改変するための前記した式(I)の少なくとも1つの化合物の使用にも関する。本明細書において使用される「表面」という用語は、式(I)の少なくとも1つの化合物を含む又は含有する香料組成物が適用される、使用者の皮膚、毛髪、織物、又は硬質表面を示してよい。
【0129】
他の態様において、本発明は、経時的に式(II)の少なくとも1つのアルデヒド化合物、式(III)の少なくとも1つのギ酸エステル及び/又は式(IV)の少なくとも1つの活性アルコールを放出させることを可能にしやすい条件下で、前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物で、又は式(I)の少なくとも1つの化合物を含む組成物又は物品で処理した表面上で、前記で定義した式(II)の少なくとも1つのアルデヒド化合物、式(III)の少なくとも1つのギ酸エステル及び/又は式(IV)の少なくとも1つのアルコールの拡散効果を増強又は延長するため、又はそれらの特徴的なフレグランスを知覚するための、前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物の使用に関する。
【0130】
式(I)の化合物を、以下に記載した当業者に公知の標準方法に従って製造できる。
【0131】
実施例
本発明は、次の実施例によってさらに詳細に記載され、その際略語は、技術において通常の意味を有し、温度は、摂氏度(℃)で示される。NMRスペクトルは、400MHz(1H)及び100MHz(13C)で操作するBruker Avance II Ultrashield 400plus、又は500MHz(1H)及び125.8MHz(13C)で操作するBruker Avance III500、又は600MHz(1H)及び151MHz(13C)で操作するBruker Avance III 600 cryoprobeのいずれかを使用して取得した。スペクトルは、テトラメチルシラン0.0ppmに対して内部参照した。1H NMRシグナルシフトをδppmで表し、結合定数(J)をHzで表し、次の多重度:d、ダブレット(doublet);t、トリプレット(triplet);q、カルテット(quartet);m、マルチプレット(multiplet);b、ブロード(broad)(未解決のカップリングを示す)であり、Bruker Topspinソフトウェアを使用して解釈した。13C NMRデータを、化学シフトδppm、並びにDEPT90及びDEPT135実験からのハイブリダイゼーション、C、第4級;CH、メチン;CH2、メチレン;CH3、メチルで表す。
【0132】
実施例1
式(I)による化合物及び比較化合物の製造
化合物1。(2-(ドデセ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン: ドデカナールのジメチルアセタール(13g、56.4mmol)、2-フェニルエタノール(17.9g、146mmol)及びKHSO
4(0.037g、0.27mmol)を、蒸留ヘッド及び窒素バブラーを備えた35mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を150℃で加熱(油浴)しながら、遊離したアルコールを1時間蒸留した。その混合物を冷却し、真空下(4Pa)に置いて加熱(190℃の油浴)し、反応フラスコから遊離したフェニルエタノール及びエノールエーテルを蒸留した。エノールエーテルを多く含む画分を合し、そしてNa
2CO
3(0.3g)を添加した後に、その蒸留物をショートパス蒸留(沸点140℃、4Pa)にかけて、表題の化合物6.9g(23.9mmol、収率42%)を無色の油状物として得た(E/Z=30:70)。
【数1】
【0133】
化合物2。(2-(トリデセ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン: トリデカナールのジメチルアセタール(10g、40.9mmol)、2-フェニルエタノール(15.0g、123mmol)及びKHSO
4(0.17g、1.24mmol)を、蒸留ヘッド及び窒素バブラーを備えた35mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を140℃で加熱(油浴)し、遊離したメタノールを反応容器から蒸留させた。1時間後に、その反応容器を真空下(60kPa)に置き、圧力を3時間にわたって徐々に1.3Paまで下げて、2-フェニルエタノールをフラスコから蒸留させた。これに続いて、表題の化合物(3.28g、収率26.5%)を反応フラスコ(沸点155℃、1Pa)からショートパス真空蒸留により淡黄色の油状物として単離した(E/Z=38:62)。
【数2】
【0134】
化合物3。(2-(ウンデカ-1,10-ジエン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン:
一般的手順: アルデヒド(120mmol)、2-フェニルエタノール(4当量)、TsOH(0.025当量)及びトルエン(100mL)の混合物を1時間還流で加熱して、Dean-Starkトラップで水を取り除いた。混合物を冷却させた後、それをジエチルエーテルで希釈し、そして飽和Na2CO3及び水で洗浄した。その有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮させた。クーゲルロール蒸留装置を使用して、生成物を真空下(炉内140℃、3.3Pa)で加熱することにより、過剰なフェニルエタノールを除去した。得られたフェニルエチルアセタール(40~80mmol)及びKHSO4(0.059g、0.40~0.80mmol)を、蒸留ヘッドを備えた35mlの丸底フラスコにチャージした。混合物を真空下(4Pa)に置き、そして120℃の油浴にセットした。油浴を190℃まで加熱し、フラスコから遊離したフェニルエタノール及びエノールエーテルを上流させた。エノールエーテルが豊富な画分を合した。Na2CO3(0.5g)を添加した後に、その蒸留物をショートパス蒸留にかけ、エノールエーテルを無色の油として得た。
【0135】
この一般的手順に従い、10-ウンデセナールのフェニルエチルアセタール(17.1g、43.4mmol)を使用して、表題の化合物をショートパス蒸留(沸点137~143℃、4Pa)により収率70%で単離した(E/Z=35:65)。
【数3】
【0136】
化合物4。((3-フェネトキシアリル)ベンゼン): 化合物3について説明した手順に従って、3-フェニルプロパナールのフェニルエチルアセタール(28.7g、79.6mmol)を使用して、クーゲルロール蒸留装置(炉140~170℃、4Pa)を使用したバルブツーバルブ蒸留により、表題の化合物を収率41%で単離した(E/Z=35:65)。
【数4】
【0137】
化合物5。(4-フェネトキシブテ-3-エン-2-イル)ベンゼン: 化合物3について説明した手順に従って、3-フェニルブタナールのフェニルエチルアセタール(15g、40.1mmol)を使用して、反応混合物を真空下(6.7Pa)で155℃で1.5時間加熱した。そしてそれをジエチルエーテルで希釈し、そして飽和Na
2CO
3及び水で洗浄した。その有機相を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮させた。表題の化合物(2.8g、収率28%)を、クーゲルロール蒸留装置(炉145~150℃、2.7Pa)を使用してバルブツーバルブ蒸留により無色の油状物として単離した(E/Z=52:48)。
【数5】
【0138】
化合物6。(3-メチル-5-フェネトキシペンテ-4-エン-1-イル)ベンゼン: 化合物3について説明した手順に従って、3-メチル-5-フェニルペンタナールのフェニルエチルアセタール(13g、32.3mmol)を使用して、反応混合物を155℃(6.7Pa)で2時間加熱した。そしてそれをジエチルエーテルで希釈し、そして飽和Na
2CO
3及び水で洗浄した。その有機相を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮させた。表題の化合物(3.45g、収率38%)を、クーゲルロール蒸留装置(炉165℃、2.4Pa)を使用してバルブツーバルブ蒸留により無色の油状物として単離した(E/Z=50:50)。
【数6】
【0139】
化合物7。1-(オクチルオキシ)ドデセ-1-エン: ドデカナールジメチルアセタール(3.75g、16.3mmol)、オクタノール(8.46g、65.1mmol)及びKHSO
4(0.022g、0.163mmol)の混合物を、クーゲルロール蒸留装置を使用して真空下(12kPa)で60℃で3時間、80℃で5時間加熱した。そしてその混合物を200℃(15.3Pa)で加熱し、生成したエノールエーテルとオクタノールをポットから蒸留した。エノールエーテルを多く含む蒸留画分を合し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、99.5:0.5)にかけ、続いてバルブツーバルブ蒸留(150℃、8Pa)により、表題の化合物(1.74g、収率36%)を無色の液体として得た(E/Z=30:70)。
【数7】
【0140】
化合物8。1-(tert-ブチル)4-(3-フェネトキシアリル)ベンゼン: 3-(4-tert-ブチル)フェニル)プロパナールのジメチルアセタール(28.1g、119mmol)、2-フェニルエタノール(29.2g、239mmol)及びKHSO
4(0.163g、1.2mmol)を、蒸留ヘッド及び窒素バブラーを備えた100mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を150℃で1時間加熱(油浴)しながら、MeOHを蒸留した。その混合物を冷却し、真空下(4Pa)に置いて加熱(240℃の油浴)し、反応フラスコから遊離したフェニルエタノール及びエノールエーテルを蒸留した。エノールエーテルを多く含む画分を合し、そしてショートパス蒸留(沸点152℃、4Pa)にかけて、表題の化合物12.1g(41.1mmol、収率34%)を無色の油状物として得た(E/Z=40:60)。
【数8】
【0141】
化合物9。(2-(ウンデセ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン: ウンデカナールのジメチルアセタール(8.0g、37.0mmol)、2-フェニルエタノール(11.3g、92.4mmol)及びKHSO
4(0.15g、1.10mmol)を、蒸留ヘッド及び窒素バブラーを備えた35mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を150℃で1.5時間加熱(油浴)しながら、MeOHを蒸留した。その混合物を冷却させ、そして真空下(典型的に67Pa)に置き、加熱した(120℃の油浴)。真空を徐々に下げて、過剰な2-フェニルエタノールを反応フラスコから蒸留させた。これに続いて、浴温度を200℃まで上げ、真空をさらに2Paまで下げて、エノールエーテルが形成された時点でエノールエーテルをフラスコから蒸留させた。エノールエーテルを多く含む画分を合し、そしてショートパス蒸留(沸点152℃、4Pa)にかけて、表題の化合物5.27g(19.2mmol、収率52%)を無色の油状物として得た(E/Z=40:60)。
【数9】
【0142】
化合物10。(2-(ウンデセ-1-エン-1-イルオキシ)エトキシ)ベンゼン: 化合物9について記載した手順に従って、ウンデカナールのジメチルアセタール(10.0g、46.219mmol)、2-フェノキシエタノール(16.0g、115.5mmol)及びKHSO
4(0.188g、1.38mmol)から出発して、表題の化合物(2.2g、7.6mmol)を蒸留(沸点138℃、2.6Pa)により収率16%で無色の液体として単離した(E/Z=35:65)。
【数10】
【0143】
化合物11。1-(3,7-ジメチルオクチル)オキシ)ウンデセ-1-エン: 化合物9について記載した手順に従って、ウンデカナールのジメチルアセタール(10.0g、46.2mmol)、3,7-ジメチルオクテン-1-オール(18.3g、115.6mmol)及びKHSO
4(0.25g、1.84mmol)から出発して、表題の化合物(8.8g、7.6mmol)を蒸留(沸点140℃、4Pa)により収率61%で無色の液体として単離した(E/Z=35:65)。
【数11】
【0144】
化合物12。(2-(ドデセ-1-エン-1-イルオキシ)エトキシ)ベンゼン: 化合物9について記載した手順に従って、ドデセナールのジメチルアセタール(8.0g、34.7mmol)、2-フェノキシエタノール(12.0g、87mmol)及びKHSO
4(0.15g、1.05mmol)から出発して、表題の化合物(1.2g、3.8mmol)を蒸留(沸点125℃、2.6Pa)により収率11%で無色の液体として単離した(E/Z=40:60)。
【数12】
【0145】
化合物13。1-(オクタン-2-イルオキシ)ドデセ-1-エン: 化合物9について記載した手順に従って、ドデセナールのジメチルアセタール(10.0g、43.4mmol)、2-オクタノール(14.1g、108mmol)及びKHSO
4(0.18g、1.30mmol)から出発して、表題の化合物(2.0g、6.85mmol)を蒸留(沸点130℃、2Pa)により収率16%で無色の液体として単離した(E/Z=30:70)。
【数13】
【0146】
化合物14。(2-(ノネ-1-エン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン: 化合物9について記載した手順に従って、ノナナールのジメチルアセタール(10.0g、53.1mmol)、2-フェニルエタノール(16.2g、132.7mmol)及びKHSO
4(0.22g、1.60mmol)から出発して、表題の化合物(4.0g、16.1mmol)を蒸留(沸点120℃、2Pa)により収率30%で無色の液体として単離した(E/Z=35:65)。
【数14】
【0147】
化合物15。1-(3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)ノネ-1-エン: 化合物9について記載した手順に従って、ノナナールのジメチルアセタール(8.0g、42.5mmol)、(±)-シトロネロール(16.6g、106.2mmol)及びKHSO
4(0.18g、1.3mmol)から出発して、表題の化合物(7.0g、25.0mmol)を蒸留(沸点128℃、2Pa)により収率59%で無色の液体として単離した(E/Z=25:75)。
【数15】
【0148】
化合物16。(1-メトキシ-3-メチル)ドデセ-1-エン(化合物25~29の製造のために使用される中間体): メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(139.7g、407.5mmol)及び2-メチルウンデカナール(50g、271.7mmol)のトルエン(500mL)溶液を氷浴で冷却させた。カリウムt-ブトキシド(48.8g、434.7mmol)を一度に添加し、発熱が治まるまで30分間混合物を撹拌した。その混合物を冷浴から取り出し、出発アルデヒドが全て消費されるまで室温で撹拌した(3時間)。その混合物を500mlの水に注ぎ、1時間撹拌した。相分離後に、その水相を、EtOAc(3×200mL)で抽出した。その有機相を合し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして粒状のスラリーに濃縮させた。そのスラリーをヘキサンで洗浄し、そして濾過した。ろ液を濃縮して粗メチルエノールエーテルを得た。この物質を分留(沸点80℃、2Pa)して、表題の化合物50.8g(239mmol、収率79%)を無色の液体として得た(E/Z=60:40)。
【数16】
【0149】
化合物17。1-メトキシドデカ-1,11-ジエン(化合物30の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、10-ウンデセナールから出発して、表題の化合物を、分留(粗反応混合物の沸点(沸点80℃、100mtorr))により、収率45%で無色の液体として単離した(E/Z=50:50)。
【数17】
【0150】
化合物18。(5E)-1-メトキシウンデカ-1,5-ジエン(化合物31の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、トランス-4-デセナールから出発して、表題の化合物を、分留(沸点80℃、26.7Pa)により、収率25%で無色の液体として単離した(E/Z=60:40)。
【数18】
【0151】
化合物19。(5-メトキシペンテ-4-エン-2-イル)ベンゼン(化合物33の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、3-フェニルブタナールから出発して、表題の化合物を、分留(沸点70℃、8Pa)により、収率60%で無色の液体として単離した(E/Z=50:50)。
【数19】
【0152】
化合物20。(4R)-4-(5-メトキシペンテ-4-エン-2-イル)-1-メチルシクロヘキセ-1-エン(化合物34の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、3-((R)-4-メチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル)ブタナールから出発して、表題の化合物を、分留(沸点94℃、20Pa)により、収率48%で無色の液体として単離した(ジアステレオマーの混合物、E/Z=40:60)。
【数20】
【0153】
化合物21。1-メトキシ-4,8-ジメチルノナ-1,7-ジエン(化合物32の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、(±)-シトロネラールから出発して、表題の化合物を、分留(沸点70℃、26.7Pa)により、収率13%で無色の液体として単離した(E/Z=54:46)。
【数21】
【0154】
化合物22。1-(tert-ブチル)-4-(4-メトキシ-2-メチルブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン(化合物35の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナールから出発して、表題の化合物を、分留(沸点100℃、2Pa)により、収率81%で無色の液体として単離した(E/Z=60:40)。
【数22】
【0155】
化合物23。4-(2-メトキシビニル)-1,3-ジメチルシクロヘキセ-1-エン(式(I)の化合物の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、2,4-ジメチルシクロヘキセ-3-エン-1-カルバルデヒドから出発して、表題の化合物を、分留(沸点65℃、67Pa)により、収率68%で無色の液体として単離した(ジアステレオマーの混合物、E/Z=42:58)。
【数23】
【0156】
化合物24。1-(4-メトキシブテ-3-エン-1-イル)-4,4-ジメチルシクロヘキセ-1-エン(式(I)の化合物の製造のために使用される中間体): 化合物14について説明した手順に従って、3-(4,4-ジメチルシクロヘキセ-1-エン-1-イル)プロパナールから出発して、表題の化合物を、分留(沸点80℃、26.7Pa)により、収率23%で無色の液体として単離した(E/Z=50:50)。
【数24】
【0157】
化合物25。(2-((3-メチルドデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン: 化合物16(8.0g、37.7mmol)、2-フェニルエタノール(11.5g、94.2mmol)及びKHSO
4(0.153g、1.12mmol)を、蒸留ヘッド及び真空ポンプを備えた35mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を真空下(450mbar)で150℃(油浴)で45分間加熱し、そして真空を20mbarに下げながらさらに45分間加熱した。その混合物を冷却し、真空下(典型的に67Pa)に置いて加熱(120℃の油浴)し、反応フラスコから過剰なフェニルエタノールを蒸留させた。真空を徐々に2Paまで下げ、そして浴温度を200℃まで上げながら反応生成物をフラスコから蒸留させた。エノールエーテルを多く含む画分を合し、そしてショートパス蒸留(沸点140℃、1.3Pa)にかけて、表題の化合物5.81g(19.2mmol、収率51%)を無色の油状物として得た(E/Z=43:57)。
【数25】
【0158】
化合物26。(2-((3-メチルドデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物16(8g、37.7mmol)及び2-フェノキシエタノール(13.0g、94.2mmol)から出発して、表題の化合物を蒸留(沸点140℃、2.7Pa)により収率47%で無色の液体として単離した(E/Z=64:36)。
【数26】
【0159】
化合物27。1-(((Z)-ヘキセ-3-エン-1-イル)オキシ)-3-メチルドデセ-1-エン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物16(8g、37.7mmol)及びシス-3-ヘキセン-1-オール(9.43g、94.2mmol)から出発して、表題の化合物(8.2g、29.1mmol)を蒸留(沸点125℃、2Pa)により収率77%で無色の液体として単離した(E/Z=40:60)。
【数27】
【0160】
化合物28。3-メチル-1-(((Z)-オクテ-3-エン-1-イル)オキシ)ドデセ-1-エン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物16(8g、37.7mmol)及びシス-3-オクテン-1-オール(12.1g、94.2mmol)から出発して、表題の化合物(6.0g、19.4mmol)を蒸留(沸点135℃、2Pa)により収率52%で無色の液体として単離した(E/Z=40:60)。
【数28】
【0161】
化合物29。3-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ドデセ-1-エン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物16(8.0g、37.7mmol)及び3-オクタノール(12.3g、94.2mmol)から出発して、表題の化合物(5.8g、18.7mmol)を蒸留(沸点130℃、2Pa)により収率50%で無色の液体として単離した(ジアステレオマーの混合物、E/Z=35:65)。
【数29】
【0162】
化合物30。(2-(ドデカ-1,11-ジエン-1-イルオキシ)エチル)ベンゼン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物17(8g、40.7mmol)及び2-フェニルエタノール(12.4g、102mmol)から出発して、表題の化合物(3.6g、12.4mmol)を蒸留(沸点140℃、2Pa)により収率31%で無色の液体として単離した(E/Z=30:70)。
【数30】
【0163】
化合物31。(2-(((5E)-ウンデカ-1,5-ジエン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物18(8g、43.9mmol)及び2-フェニルエタノール(13.4g、110mmol)から出発して、表題の化合物(3.97g、14.6mmol)を蒸留(沸点135℃、2Pa)により収率33%で無色の液体として単離した(E/Z=40:60)。
【数31】
【0164】
化合物32。(2-((4,8-ジメチルノナ-1,5-ジエン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物21(8g、43.9mmol)及び2-フェニルエタノール(13.4g、109.7mmol)から出発して、表題の化合物(1.81g、6.64mmol)を蒸留(沸点135℃、2Pa)により収率15%で無色の液体として単離した(E/Z=35:65)。
【数32】
【0165】
化合物33。(5-フェネトキシペンテ-4-エン-2-イル)ベンゼン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物19(8g、45.4mmol)及び2-フェニルエタノール(13.9g、113.5mmol)から出発して、表題の化合物(5.2g、19.5mmol)を蒸留(沸点138℃、2Pa)により収率43%で無色の液体として単離した(E/Z=35:65)。
【数33】
【0166】
化合物34。(2-((4-((R)-4-メチルシクロヘキセ-3-エン-1-イル)ペンテ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物20(8.0g、41.2mmol)及び2-フェニルエタノール(12.6g、103mmol)から出発して、表題の化合物(3.67g、12.5mmol)を蒸留(沸点135℃、2Pa)により収率31%で無色の液体として単離した(ジアステレオマーの混合物、E/Z=40:60)。
【数34】
【0167】
化合物35。1-(tert-ブチル)4-(2-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン: 化合物25について記載した手順に従って、化合物22(8g、34.4mmol)及び2-フェニルエタノール(10.5g、86.1mmol)から出発して、表題の化合物(3.19g、9.9mmol)を蒸留(沸点155℃、2Pa)により収率29%で無色の液体として単離した(E/Z=44:56)。
【数35】
【0168】
化合物36。1-エトキシノン-1-エン(米国特許出願公開第20040013779号明細書の実施例Vに対応する比較例): ノナナールのジエチルアセタール(15g、69.3mmol)及びKHSO
4(0.19g、1.37mmol)を、蒸留ヘッド及び窒素バブラーを備えた35mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を150℃で2時間加熱(油浴)しながら、EtOHを蒸留した。その混合物を冷却させ、そして真空下(67Pa)に置き、加熱した(120℃の油浴)。真空を徐々に3Paまで下げ、そしてその反応混合物を蒸留した。エノールエーテルを多く含む画分を合し、そしてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 100:0~95:5)にかけて、表題の化合物1.7g(10.0mmol、収率14%)を無色の油状物として得た(E/Z=50:50)。
【数36】
【0169】
化合物37。1-エトキウンデセ-1-エン(米国特許出願公開第20040013779号明細書の実施例VIIIに対応する比較例): ウンデカナールのジエチルアセタール(8g、32.7mmol)及びKHSO
4(0.14g、1.0mmol)を、蒸留ヘッド及び真空ポンプを備えた25mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を真空下(450mbar)で150℃(油浴)で2時間加熱し、そして圧力を18mbarに徐々に下げた。そして真空を3.3Paまで下げ、そしてその反応混合物を蒸留した。エノールエーテルを多く含む画分を合し、そしてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 100:0~95:5)にかけて、表題の化合物0.8g(4.0mmol、収率12%)を無色の油状物として得た(E/Z=45:55)。
【数37】
【0170】
化合物38。1-エトキドデセ-1-エン(米国特許出願公開第20040013779号明細書の実施例Xに対応する比較例): ドデカナールのジエチルアセタール(15g、58.0mmol)及びKHSO
4(0.24g、1.73mmol)を、蒸留ヘッド及び真空ポンプを備えた35mlの丸底フラスコに添加した。その混合物を真空下(450mbar)で150℃(油浴)で2時間加熱し、そして圧力を18mbarに徐々に下げた。そして真空を3.3Paまで下げ、そしてその反応混合物を蒸留した。エノールエーテルを多く含む画分を合し、そしてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 100:0~95:5)にかけて、表題の化合物1.35g(6.3mmol、収率11%)を無色の油状物として得た(E/Z=10:90)。
【数38】
【0171】
実施例2
本発明の式(I)の化合物を含む布地用柔軟剤適用からのヘッドスペース分析
モデルの液体布地用柔剤を、TEA-esterquat(Stepantex(登録商標)VL90A)12.3質量%、10%塩化カルシウム水溶液0.4質量%、Proxcel GXL 0.04質量%、及び脱イオン水87.2質量%を混合することにより調製した。エノールエーテル(0.075mmol)をバイアルに秤量し、アセトン0.25mLに溶解した。液体布地用柔軟剤(4.5g)をバイアルに添加し、その混合物を手で振って混合した。参照試料を、それぞれ放出された揮発性物質0.075mmolを使用して同一の方法で調製した。布地用柔軟剤試料を、脱イオン水ですすいで3Lビーカーに入れ、ビーカーを合計量1.5Lまで充填した。3つの5g綿の布きれ(約12.5×12.5cm、質量270g/m2、Testfabrics(West Pittston、PA)のアイテム403)をビーカーに添加し、手で3分間撹拌した。さらに2分間放置した後に、布きれを回収し、そして過剰な水を手で絞り出した。布を吊るして室温で一晩(15~16時間)乾燥させた。そして、布きれを動的ヘッドスペース分析にかけた。
【0172】
それぞれの布きれを、サーモスタット(25℃)を付けたヘッドスペース試料セル(約160mLの容量)内に配置した。エアサンプリングポンプを使用して、一定の空気の流れ(200mL/分)をサンプリングセルに通過させ、そしてTenax(登録商標)100mgを含むカートリッジ(廃液カートリッジ)に通過させた。試料セルに入る前に、空気を、活性炭のプラグを介して、そして飽和NaCl溶液を通して引き込み、一定の相対湿度75%を維持した。ヘッドスペース試料を、廃棄カートリッジを清潔なTenax(登録商標)カートリッジと15分間交換することにより、1時間及び2時間後に収集した。カートリッジを、-30℃でクライオフォーカスを備えたGerstel TDU 3.5で熱脱着し、HP1キャピラリーカラム(30m、内径0.25mm、フィルム0.25μm)を備え、かつAgilent 5977B質量分析計に連結したAgilent 8890ガスクロマトグラフに脱着させた。脱着のためのTDU温度設定:40℃~70℃(30℃/分)で4分間保持し、そして260℃(400℃/分)まで加熱して5分間保持する。CIS設定(Tenax(登録商標)パックライナー):-30℃でクライオフォーカスし、そして12℃/秒で300℃まで加熱して4分間保持する(ヒーターモード:標準)。PTV入口設定:標準フローモードで圧力7.7psi、合計流量99ml/分、セプタムパージ流量3ml/分。入口モードを溶媒ベントに設定し、スプリットベントへのパージフローを95ml/分に設定し、ベントフローを50ml/分に設定した。GC炉の温度プロフィールは、20℃/分(2分間保持)で52℃~110℃であり、そして210℃(20℃/分)まで上昇させた。収集されたそれぞれのフレグランス揮発性物質の量(ng/L(空気)として報告)を、それぞれの化学物質の外部標準較正を使用して決定した。0.05g/L~5g/Lの範囲の分析物の濃度で、少なくとも5つのアセトン溶液を調製した。溶液を、Tenax(登録商標)カートリッジに注入し(0.2μL)、そして前記したように脱着した。それぞれの溶液を3回分析した。較正曲線は原点を通過した。
【0173】
【0174】
これらのデータは、液体布地用柔軟剤から綿布へ適用した場合に、式(I)の化合物が、対応する参照試料よりも、より多くの香料成分(アセトアルデヒド、ギ酸エステル、及びアルコール)を放出することを示す。これは、本発明の化合物が所望の徐放効果を生じたことを実証している。
【0175】
実施例3
本発明の式(I)の化合物を含む液体洗濯洗剤適用からのヘッドスペース分析
プロフレグランスであるエノールエーテル(0.075mmol)をバイアルに秤量し、アセトン0.25mLに溶解した。液体洗濯洗剤(4.5g、Tide(登録商標) Simply Free and Sensitive)をバイアルに添加し、その混合物を手で振って混合した。液体洗濯洗剤を大きなビーカー内の脱イオン水1.0Lに希釈した。3つの5g綿の布きれ(約12.5×12.5cm、質量270g/m2、Testfabrics(West Pittston、PA)のアイテム403)をビーカーに添加し、手で2分間撹拌し、そして洗剤溶液にさらに13分間浸した。その布きれを取り除き、そして過剰な液体を手で絞り出した。2つ目のビーカーで、試料を脱イオン水500Lに入れ、手で分けて2分間浸した。そしてその布きれを個々に取り除き、そして過剰な液体を手で絞り出した。参照試料を、それぞれ放出された揮発性物質0.075mmolを使用して同一の方法で調製した。布を吊るして室温で一晩(15~16時間)乾燥させた。そして、布きれを実施例2に記載したように動的ヘッドスペース分析にかけた。
【0176】
【0177】
これらのデータは、液洗濯洗剤から綿布へ適用した場合に、式(I)の化合物が、対応する参照試料よりも、より多くの香料成分(アセトアルデヒド、ギ酸エステル、及びアルコール)を放出することを示す。これは、本発明の化合物が所望の徐放効果を生じたことを実証している。
【0178】
実施例4
本発明の式(I)の化合物及び比較化合物を含む布地用柔軟剤適用からのヘッドスペース分析
アルデヒドの付香効果を延長又は増強するための式(I)の化合物の使用を、米国特許出願公開第2004/0013779号明細書に記載される化合物と比較した。高揮発性香料アルデヒドの放出プロフィールに持続性を提供するこれらの化合物の能力を、液体布地用柔軟剤ですすいで16時間空気乾燥させた綿の試料の動的ヘッドスペース分析によって測定した。実験を実施例2に記載したように実施し、データを表3に報告した。
【0179】
【0180】
上記表は、式(I)のエノールエーテルから放出される香料アルデヒド(オクタナール、デカナール又はウンデカナール)の量を、米国特許出願公開第2004/0013779号明細書において報告されているエノールエーテルと比較して報告している。これらのデータは、液体布地用柔軟剤を綿布に適用した場合に、式(I)の化合物が比較例よりもかなり多くの香料アルデヒドを放出することを示す。測定した双方の時点を考慮すると、式(I)の化合物は、オクタナールの30~39倍、デカナールの6.5~31倍及びウンデカナールの16~31倍のレベルで放出した。これは、本発明の化合物が所望の徐放効果を生み出したのに対し、比較例ではその効果がなかったことを示す。比較例は、それぞれの参照試料と非常に類似したレベルのアルデヒドを生成したため、これらのアルデヒドの付香効果を延長又は増強する目的で香料アルデヒドの徐放剤としての実用的用途を見出すことができなかった。
【0181】
実施例5
式(I)による化合物及び比較化合物の加水分解
化合物1、2、3及び25の酸触媒加水分解を測定し、国際公開第2019243501号において報告されているエノールエーテルの加水分解と比較した。それぞれのエノールエーテルを4:1のTHF/1M HCl混合物に溶解し、内部標準に対する経時的な残存率を測定した。
【0182】
15mLバイアルに、エノールエーテル125mg、ヘキサデカン60mg、THF(N2でパージし、BHT2500ppmを含む)10mLを添加した。混合後、この溶液2mLを容量ピペットで採取し、時間ゼロの測定に使用した。2mLの1M HClを残りの8mLのTHF溶液と混合した。この混合物を5mLバイアルに分割した(バイアルあたり1mL)。バイアルに窒素を静かに充填し、パラフィルムを巻いたスクリューキャップを取り付けた。バイアルを分析するまで室温で保管した。分析のために、酢酸エチル2mLをバイアルに添加して混合した。相分離後に、その上相を収集し、そして飽和炭酸ナトリウム(1mL)で洗浄した。有機相の試料をGC-FIDで分析した。時間ゼロの試料については、元のTHF溶液から採取した2mLに脱イオン水0.5mLを添加した。この溶液1mLを5mLバイアルに添加し、酢酸エチル2mLで希釈して混合した。その上相を収集し、飽和炭酸ナトリウム(1mL)で洗浄した。そして上相をGC-FIDで分析した。エノールエーテルの残留率を、エノールエーテルと内部標準のピーク面積比を時間ゼロで測定した比で割ることによって決定した。
【0183】
【0184】
上記表は、2-フェニルエタノール(Z)-3-ヘキセン-1-オール及び3-オクタノールから製造した式(I)のエノールエーテルの加水分解速度を、国際公開第2019243501号において報告されたフェニルアセトアルデヒド誘導体から誘導された同じアルコールから調製されたエノールエーテルと比較したものを示す。この表は、式(I)のエノールエーテルが、1M HCl(pH0)で処理した場合に、国際公開第2019243501号に記載された対応するエノールエーテルよりも急速に加水分解されることを示している。したがって、式(I)のエノールエーテルは、加水分解による放出を促進する使用条件(例えば、高湿度の気候)下で、国際公開第2019243501号において報告されたエノールエーテルよりも、より迅速に、異なる時点で式(IV)の香料成分を放出することができる。
【0185】
実施例6
香油の製造
典型的な香油の制限のない例を、以下の付香補助成分を混和することによって製造する。
【化14-1】
【化14-2】
【0186】
実施例7
本発明の式(I)の化合物を含む多目的クリーナーの製造
典型的な多目的クリーナーの配合を表5に示す。着香万能クリーナーを、実施例6の香油(多目的クリーナーの合計質量に対して0.3~0.8質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(多目的クリーナーの合計質量に対して0.05~0.8質量%)を、表5の着香していない多目的クリーナー配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって製造する。
【0187】
【表5】
(1) Neodol(登録商標)91-8;供給元:Shell Chemicals社
(2) Biosoft(登録商標)D-40;供給元:Stepan社
(3) Stepanate(登録商標)SCS;供給元:Stepan社
(4) Kathon(登録商標)CG;供給元:Dow Chemicals社。
【0188】
実施例8
本発明の式(I)の化合物を含む固形洗剤の製造
モデル粉末洗剤ベースのシャーシは、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、C12-15パレス-7、ベントナイト、過ホウ酸塩、TAED、クエン酸、アクリル酸ナトリウム/MAコポリマー、炭酸過酸化ナトリウム、エチドロン酸四ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セルロースガム、アニリノモルホリノトリアジニルアミノスチルベンスルホン酸二ナトリウム、フェニルプロピルジメチコン、酵素、染料を含む。
【0189】
典型的な着香していないモデル粉末洗剤ベースを、表6に挙げたように構成する。実施例6の香油(固形洗剤の合計質量に対して0.3~0.6質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(固形洗剤の合計質量に対して0.15質量%)を穏やかに振盪しながら添加することにより、着香固形洗剤を製造する。
【0190】
【0191】
実施例9
本発明の式(I)の化合物を含む漂白剤フリーの固形洗剤の製造
典型的な漂白剤フリーの粉末洗剤配合物を、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、C12-15パレス-7、ベントナイト、クエン酸、アクリル酸ナトリウム/MAコポリマー、炭酸過酸化ナトリウム、エチドロン酸四ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セルロースガム、アニリノモルホリノトリアジニルアミノスチルベンスルホン酸二ナトリウム、フェニルプロピルジメチコン、酵素、染料から構成する。
【0192】
典型的な着香していないモデル粉末洗剤ベースを、表7に挙げたように構成する。実施例6の香油(漂白剤フリーの固形洗剤の合計質量に対して0.3~0.6質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(漂白剤フリーの固形洗剤の合計質量に対して0.15質量%)を穏やかに振盪しながら添加することにより、着香した漂白剤フリーの固形洗剤を製造する。
【0193】
【0194】
実施例10
本発明の式(I)の化合物を含む食器用洗剤配合物の製造
典型的な食器用洗剤配合物を表8に示す。水、水酸化ナトリウム及びジエタノールアミドを混合する。そして直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を添加する。中和後に、残りの成分を添加する。pHを確認し(7~8)、必要に応じて調整する。着香食器用洗剤を、実施例6の香油(食器用洗剤配合物の合計質量に対して0.4~0.8質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(食器用洗剤配合物の合計質量に対して0.02~0.5質量%)を、表8の着香していない食器用洗剤配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって製造する。
【0195】
【表8】
(1) Biosoft(登録商標)S-118;供給元:Stepan社
(2) Ninol(登録商標)40-CO;供給元:Stepan社
(3) Stepanate(登録商標)SXS;供給元:Stepan社
(4) Tergitol(登録商標)15-S-9;供給元:Dow Chemicals社。
【0196】
実施例11
本発明の式(I)の化合物を含む透明な等方性シャンプー配合物の製造
典型的な着香していない透明な等方性シャンプー配合物を表9に示す。着香していないシャンプーの配合物を、ポリクオタニウム-10を水に分散させることによって製造する。相Aの残りの成分を、それぞれ添加後によく混合しながら次々に添加することによってそれぞれ混合する。このプレミックスをPolyquaternium-10分散液に添加し、さらに5分間混合する。そして、撹拌しながら、予め混合した相B及び予め混合した相Cを添加する(Monomuls(登録商標)90L-12を加熱してTexapon(登録商標)NSO IS中で溶融する)。撹拌しながら相D及び相Eを添加する。pHをクエン酸溶液で5.5~6.0まで調整して、表9に挙げた着香していないシャンプー配合物を得る。着香シャンプー配合物を、実施例6の香油(シャンプー配合物の合計質量に対して0.1~0.8質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(シャンプー配合物の合計質量に対して0.05~0.5質量%)を、表9の着香していないシャンプー配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって得る。
【0197】
【表9】
(1) Ucare(登録商標)Polymer JR-400;供給元:Noveon社
(2) 供給元:Brenntag Schweizerhall AG社
(3) Glydant(登録商標);供給元:Lonza社
(4) Texapon(登録商標)NSO IS;供給元:Cognis社
(5) Tego(登録商標)Betain F 50;供給元:Evonik社
(6) Amphotensid GB 2009;供給元:Zschimmer & Schwarz社
(7) Brij(登録商標)S20;供給元:Croda社
(8) Monomuls(登録商標)90 L-12;供給元:Gruenau GmbH社
(9) Nipagin Monosodium;供給元:NIPA社。
【0198】
実施例12
本発明の式(I)の化合物を含むパール状シャンプー配合物の製造
典型的な着香していないパール状シャンプー配合物を表10に示す。着香していないシャンプー配合物を、水中でEDTA四ナトリウム、グアーヒドロキシプロイルトリモニウムクロリド及びPolyquaternium-10を分散させることによって製造する。NaOH(10%水溶液、相B)を、相Aが均質になったら添加する。そして、予め混合した相Cを添加し、その混合物を75℃まで加熱する。相D成分を添加し、混合物が均質になるまで混合する。その混合物を冷却する。45℃で、相Eを混合しながら添加する。最終粘度を、NaCl(25%水溶液)で調整し、pH5.5~6.0にNaOH(10%水溶液)で調整する。着香パール状シャンプー配合物を、実施例6の香油(シャンプー配合物の合計質量に対して0.1~0.8質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(シャンプー配合物の合計質量に対して0.05~0.5質量%)を、表10の着香していないパール状シャンプー配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって得る。
【0199】
【表10】
(1) EDETA(登録商標)B Powder;供給元:BASF社
(2) Jaguar(登録商標)C14 S;供給元:Rhodia社
(3) Ucare(登録商標)Polymer JR-400;供給元:Noveon社
(4) Sulfetal(登録商標)LA B-E;供給元:Zschimmer & Schwarz社
(5) Zetesol(登録商標)LA;供給元:Zschimmer & Schwarz社
(6) Tego(登録商標)Betain F 50;供給元:Evoniks社
(7) Xiameter(登録商標)MEM-1691;供給元:Dow Corning社
(8) Lanette(登録商標)16;供給元:BASF社
(9) Comperlan(登録商標)100;供給元:Cognis社
(10) Cutina(登録商標)AGS;供給元:Cognis社
(11) Kathon(登録商標)CG;供給元:Rohm & Haas社
(12) D-Panthenol;供給元:Roche社。
【0200】
実施例13
本発明の式(I)の化合物を含むリンスオフヘアコンディショナー配合物の製造
典型的な着香していないリンスオフヘアコンディショナー配合物を表11に示す。着香していないリンスオフヘアコンディショナー配合物を、相Aの成分を均一な混合物が得られるまで混合することによって製造する。Tylose(登録商標)を完全に溶解させる。そしてその混合物を70~75℃まで加熱する。相Bの成分を合し、70~75℃で溶融させる。そして相Bの成分を良く撹拌しながら相Aに添加し、混合物が60℃の温度になるまで混合し続ける。そして、相Cの成分を添加し、混合物が40℃まで冷却されるまで撹拌して混合を維持する。pHをクエン酸溶液でpH:3.5~4.0になるまで調整する。着香リンスオフヘアコンディショナー配合物を、実施例6の香油(コンディショナー配合物の合計質量に対して0.2~1.0質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(コンディショナー配合物の合計質量に対して0.05~0.5質量%)を、表11の着香していないリンスオフヘアコンディショナー配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって得る。
【0201】
【表11】
(1) Genamin(登録商標)KDMP;供給元:Clariant社
(2) Tylose(登録商標)H10 Y G4;供給元:Shin Etsu社
(3) Lanette(登録商標)O;供給元:BASF社
(4) Arlacel(登録商標)165;供給元:Croda社
(5) Incroquat(登録商標)Behenyl TMS-50-PA-(MH);供給元:Croda社
(6) Brij(登録商標)S20;供給元:Croda社
(7) Xiameter(登録商標)MEM-949;供給元:Dow Corning社
(8) 供給元:Alfa Aesar社。
【0202】
実施例14
本発明の式(I)の化合物を含む構造化シャワーゲル配合物の製造
典型的な着香していない構造化シャワーゲル配合物を表12に示す。着香構造化シャワーゲルを、実施例6の香油(構造化シャワーゲルの合計質量に対して0.1~1.5質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(構造化シャワーゲルの合計質量に対して0.05~0.5質量%)を、表12の着香していない構造化シャワーゲル配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって製造する。
【0203】
【表12】
(1) EDETA B powder;供給元:BASF社
(2) Carbopol Aqua SF-1 polymer;供給元:Noveon社
(3) Zetesol AO 328 U;供給元:Zschimmer & Schwarz社
(4) Tego Betain F 50;供給元:Goldschmidt社
(5) Kathon(登録商標)CG;供給元:Rohm & Haas社。
【0204】
実施例15
本発明の式(I)の化合物を含む透明なシャワーゲル配合物の製造
典型的な着香していない透明なシャワーゲル配合物を表13に示す。着香した透明なシャワーゲルを、実施例6の香油(透明なシャワーゲルの合計質量に対して0.5~1.5質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(透明なシャワーゲルの合計質量に対して0.05~0.5質量%)を、表13の着香していない透明なシャワーゲル配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって製造する。
【0205】
【0206】
実施例16
本発明の式(I)の化合物を含むミルク状シャワーゲル配合物の製造
典型的な着香していないミルク状シャワーゲル配合物を表14に示す。着香していないミルク状シャワーゲルを、実施例6の香油(ミルク状シャワーゲルの合計質量に対して0.1~1.5質量%)及び本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(ミルク状シャワーゲルの合計質量に対して0.05~0.5質量%)を、表14の着香していないミルク状シャワーゲル配合物に穏やかに振盪しながら添加することによって製造する。
【0207】
【表14】
(1) EDETA(登録商標)B powder;供給元:BASF社
(2) Texapon(登録商標)NSO IS;供給元:Cognis社
(3) Merquat(登録商標)550;供給元:Lubrizol社
(4) Dehyton(登録商標)AB-30;供給元:Cognis社
(5) Glucamate(登録商標)LT;供給元:Lubrizol社
(6) Euperlan(登録商標)PK 3000 AM;供給元:Cognis社
(7) Cremophor(登録商標)RH 40;供給元:BASF社。
【国際調査報告】