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特表2024-546886残留アルデヒド及び/又はケトン含有量が低減されたオレフィン/シランインターポリマー組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】残留アルデヒド及び/又はケトン含有量が低減されたオレフィン/シランインターポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 43/04 20060101AFI20241219BHJP
   C08L 23/10 20060101ALI20241219BHJP
   C08F 210/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C08L43/04
C08L23/10
C08F210/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535638
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2021138999
(87)【国際公開番号】W WO2023108584
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】リュー、アンドン
(72)【発明者】
【氏名】スン、ヤービン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ウェンシン
(72)【発明者】
【氏名】リー ピー シャン、コリン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ガオシャン
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4J002BB10W
4J002BB11X
4J002BB12X
4J002BQ00W
4J002GN00
4J100AA02P
4J100AA19Q
4J100AP16R
4J100BA71R
4J100CA03
4J100CA05
4J100DA12
(57)【要約】
組成物及び関連組成物を形成するためのプロセスであって、少なくとも以下の成分:a)少なくとも1つのSi-H基を含むオレフィン/シランインターポリマー、及びb)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を熱処理することを含む、プロセス。組成物を形成するためのプロセスであって、少なくとも以下の成分:a)少なくとも1つのSi-H基を含むオレフィン/シランインターポリマーを熱処理することを含み、オレフィン/シランインターポリマーが、ビス-ビフェニルオキシ金属錯体の存在下で形成され、組成物が、過酸化物を含まない、プロセス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を形成するためのプロセスであって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を熱処理することを含む、プロセス。
【請求項2】
前記成分が前記熱処理中に混合される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
組成物(C)が、成分aが成分aと同じモノマータイプを含有する類似のオレフィン系ポリマーで置き換えられていることを除き、前記オレフィン系ポリマーが前記「少なくとも1つのSi-H基」を含有しないことを除いて、同じ成分を含む類似の組成物(SC)と比較して、低減された総アルデヒド含有量を有し、前記類似のオレフィン系ポリマーが、成分aの密度の±0.005g/cc以内である密度を有し、成分aのメルトインデックスの±0.5g/10分以内であるメルトインデックス(I2)を有し、前記低減された総アルデヒド含有量が、以下の等式Y:低減された総アルデヒド含有量(%)={[((SC)中の総アルデヒド含有量)-((C)中の総アルデヒド含有量)]/((SC)中の総アルデヒド含有量)}×100から決定される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記組成物が、等式Yから決定される、≧40%である低減された総アルデヒド含有量(%)を有する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
成分aの前記オレフィン/シランインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマーである、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
成分aが、0.855g/cc~0.940g/ccの密度を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
成分bについて、前記プロピレン系ポリマー、又は前記プロピレン系組成物の前記プロピレン系ポリマーが、各々、以下:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
成分bが、0.870g/cc~0.930g/ccの密度を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記組成物が、140℃~250℃の温度で熱処理される、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
組成物であって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を含む、組成物。
【請求項11】
成分aの前記オレフィン/シランインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマーである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
成分aが、0.855g/cc~0.940g/ccの密度を有する、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
成分bについて、前記プロピレン系ポリマー、又は前記プロピレン系組成物の前記プロピレン系ポリマーが、各々、以下:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーから選択される、請求項10~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
成分bが、0.870g/cc~0.930g/ccの密度を有する、請求項10~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記オレフィン/シランインターポリマーのシランが、式1:A-(SiBC-O)x-Si-EFH(式1)(式中、Aは、アルケニル基であり、Bは、ヒドロカルビル基又は水素であり、Cは、ヒドロカルビル基又は水素であり、B及びCは、同じであっても異なっていてもよく、
Hは、水素であり、x≧0であり、
Eは、ヒドロカルビル基又は水素であり、Fは、ヒドロカルビル基又は水素であり、E及びFは、同じであっても異なっていてもよい)から選択されるシランモノマーから誘導される、請求項10~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
式1が、以下の化合物s1)~s16)以下:
【化1】

から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、熱処理される、請求項10~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
組成物(C)が、成分aが成分aと同じモノマータイプを含有する類似のオレフィン系ポリマーで置き換えられていることを除き、前記オレフィン系ポリマーが前記「少なくとも1つのSi-H基」を含有しないことを除いて、同じ成分を含む類似の組成物(SC)と比較して、低減された総アルデヒド含有量を有し、前記類似のオレフィン系ポリマーが、成分aの密度の±0.005g/cc以内である密度を有し、成分aのメルトインデックスの±0.5g/10分以内であるメルトインデックス(I2)を有し、前記低減されたアルデヒド含有量が、以下の等式Y:低減された総アルデヒド含有量(%)={[((SC)中の総アルデヒド含有量)-((C)中の総アルデヒド含有量)]/((SC)中の総アルデヒド含有量)}×100から決定される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、等式Yから決定される、≧40%である低減された総アルデヒド含有量(%)を有する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
請求項10~19のいずれか一項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
TPO(thermoplastic polyolefin、熱可塑性ポリオレフィン)は、インストルメントパネル、ドアパネル、及びシートを含む自動車内装用途に使用される主要なプラスチック化合物の1つである。自動車内部の空気質に関する政府及び消費者の関心が高まっている。例えば、アジアでは、自動車内部のアルデヒドの濃度を低減することを目的とした規制が提案されている。中国は、以下の濃度を提案している:ホルムアルデヒド0.10mg/m未満、アセトアルデヒド0.20mg/m未満、及びアクロレイン0.05mg/m未満。ポリオレフィンエラストマー(Polyolefin elastomer、POE)は、TPO配合物中の衝撃改質剤として広く使用されている。POEの典型的な構造は、例えば、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、又はエチレン/ヘキセンコポリマーであり得る。しかしながら、そのようなTPO配合物は、典型的には、中国において提案された法律によって要求されるものよりも高いアルデヒド濃度を有する。したがって、より低濃度のアルデヒドを含有するTPO配合物が必要とされている。そのようなTPO配合物はまた、優れた機械的特性、例えば、伸び、引張弾性率、引張強度、及び衝撃強度を維持するべきである。
【0002】
中国特許出願第103788471(A)号(英語要約)は、高級自動車内装部品に有用な「低揮発性有機化合物」ポリプロピレン樹脂組成物を開示している。組成物は、ポリプロピレン樹脂、揮発性有機化合物(volatile organic compound、VOC)抑制剤、及び酸吸収剤を含む。VOC抑制剤は、VOC抑制剤の総重量に基づく重量百分率で、以下の成分:30%~70%の完全に加硫処理された粉末シリコーンゴム、10%~65%のゼオライト粉末、及び5%~40%の擬ベーマイトを含む。完全に加硫処理された粉末シリコーンゴムのゴム粒子の平均粒径は、0.05~1μmであり、完全に加硫処理された粉末シリコーンゴムは、架橋構造を有し、ゲル含有量は、60重量%以上である。
【0003】
中国特許出願第103589072(A)号(英語要約)は、自動車内装部品用の「低揮発性有機化合物(VOC)」ポリプロピレン複合材料を開示している。低VOCポリプロピレン複合材料は、以下のように調製される:ポリプロピレン、高密度ポリエチレン樹脂、充填剤、強化剤、臭気吸収剤、酸化防止剤、滑剤、及び光安定剤を混合し、二重真空の平行二軸スクリュー押出機を使用してペレット化し、そして最後にオーブン中でペレットを乾燥させる。ポリプロピレン複合材料は、VOC含有量が低いと開示されている。
【0004】
欧州特許出願第2284219(A1)号は、熱可塑性プロセスで製品を製造する際に使用するためのポリマー組成物を開示している。ポリマー組成物は、不飽和無水物又はカルボン酸及びシクロデキストリンで変性された官能化ポリオレフィンを含む。シクロデキストリンは、シクロデキストリンのヒドロキシル基を介して官能化ポリオレフィンに共有結合され、それによって反応生成物が形成され、シクロデキストリンは、シクロデキストリン環の中心細孔中に化合物を実質的に含まない。
【0005】
国際公開第2009/103615(A1)号は、7未満のpHの布地コンディショニング組成物を開示している。組成物は、以下の成分を含む:a)四級アンモニウム、b)好ましくはメラミン/尿素ホルムアルデヒドタイプのホルムアルデヒドポリマーの内側シェルと、好ましくは酢酸ビニル及び/又はメチルアクリレートタイプの非ホルムアルデヒドポリマーの外側シェルとを含むカプセル化粒子、並びにc)好ましくは尿素、エチレン尿素、エチルアセトアミド、アセトアセトアミド、及びそれらの混合物を含む群から選択されるホルムアルデヒド捕捉剤。
【0006】
米国特許出願公開第2009/0227758号は、アルデヒド不純物のレベルを低減するための方法を開示しており、この方法は、オキサゾリジン形成アミノアルコールを、1つ以上のアルデヒド不純物を含有するポリオール又はポリアミンと混合することと、得られた混合物を、ポリオール又はポリアミン中のアルデヒド不純物の少なくとも一部がアミノアルコールと反応して、ポリオール又はポリアミン中のアルデヒド不純物のレベルを低減するような条件に供することとを含む。米国特許出願公開第2010/0124524号は、浮遊ホルムアルデヒドを捕捉するための方法を開示しており、この方法は、浮遊ホルムアルデヒドを、そこに記載されているその式1のホルムアルデヒド捕捉剤と接触させることを含む。
【0007】
米国特許第6,624,254号は、シラン官能化ポリマーの合成、並びにカップリング、加水分解、加水分解及び中和、縮合、酸化、及びヒドロシリル化によるポリマー変換を開示している(要約参照)。米国特許第6,258,902号も参照されたい。シリル末端ポリオレフィン及び/又はシラン官能化ポリオレフィンは、以下の参考文献に開示されている:米国特許第6,075,103号、米国特許第5,578,690号、米国特許第5,741,858号、H.Makio et al.,Silanolytic Chain Transfer in Olefin Polymerization with Supported Single-Site Ziegler-Natta Catalysts,Macromolecules,2001,34、4676-4679、S.B.Amin et al.,Alkenylsilane Effects on Organotitanium-Catalyzed Ethylene Polymerization Toward Simultaneous Polyolefin Branch and Functional Group Introduction,J.Am.Chem.Soc.,2006,128,4506-4507。
【0008】
米国特許第10,308,829号は、加水分解性シラン基を有するポリオレフィンと、有機過酸化物と、任意選択的に、加水分解及び縮合を触媒するための触媒(要約参照)と、を含むポリマー組成物を開示している。第2の工程の架橋は、シラノール縮合触媒(例えば、スルホン酸又はブロックされたスルホン酸)の存在下で観察され、ポリマー鎖中の加水分解性シラン基を更に連結して、架橋効率を向上した。加水分解性シラン基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族アシルオキシ基、アミノ又は置換アミノ基、及び低級アルキル基が挙げられる(例えば、第4欄、第30~49行参照)。
【0009】
追加のポリマー組成物及び/又は臭気号、米国特許出願公開第20020019469号、米国特許出願公開第20190225786号、米国特許出願公開第20110160368号、中国特許第1840576(A)号(英語要約)、中国特許第103897567(A)号(英語要約)、日本特許出願公開第2008086436(A)号(英語要約)、及び国際公開第2015/082316号。
【0010】
しかしながら、優れた機械的特性を維持しながら、低減されたアルデヒド含有量を有する新規TPO組成物が依然として必要とされている。これらのニーズは、以下の発明によって満たされている。
【発明の概要】
【0011】
第1の態様では、組成物を形成するためのプロセスであって、このプロセスは、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を熱処理することを含む。
【0012】
第2の態様では、組成物を形成するためのプロセスであって、このプロセスは、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含むオレフィン/シランインターポリマーを熱処理することを含み、オレフィン/シランインターポリマーは、ビス-ビフェニルオキシ金属錯体の存在下で形成され、
組成物は、過酸化物を含まない。
【0013】
第3の態様では、組成物であって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又は少なくとも1つのプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を含む。
【0014】
第4の態様では、組成物であって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含むオレフィン/シランインターポリマーを含み、オレフィン/シランインターポリマーは、ビス-ビフェニルオキシ金属錯体の存在下で形成され、
組成物は、過酸化物を含まない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上述のように、特にTPO用途に適したポリマー組成物が見出され、これは優れた機械的特性及び低い総アルデヒド含有量を提供する。オレフィン/シランインターポリマーは、組成物の強化剤として作用し、熱処理中にプロピレン系ポリマーによって生成されるフリーラジカルも安定させることが見出された。シランは、アルデヒド、ケトン、及び二重結合の量を低減することができ、したがって、自動車内装部品などのTPO最終使用用途における臭気を低減することができる。
【0016】
論じたように、第1の態様では、組成物を形成するためのプロセスであって、このプロセスは、少なくとも上述される成分を熱処理することを含む。第2の態様では、組成物を形成するためのプロセスであって、このプロセスは、少なくとも上述の成分を熱処理することを含む。第3の態様では、組成物であって、上述のように、少なくとも以下の成分a)及びb)を含む。第4の態様では、組成物であって、上述のように、少なくとも以下の成分a)を含む。
【0017】
各プロセスは、本明細書に記載される、2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。各組成物は、本明細書に記載される、2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。各成分a及びbは、本明細書に記載される、2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。別途記載のない限り、以下の実施形態は、本発明の第1~第4の態様に適用する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「過酸化物」という用語は、ポリマー又はポリマー組成物に添加される試薬を指す。この用語は、ポリマー又は組成物によって、例えば、副生成物又は反応生成物として生成される過酸化物を意味しない。例えば、この用語は、ポリマー組成物を熱処理することによって生成される過酸化物の残留量を意味しない。
【0019】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分は、熱処理中に混合される。
【0020】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物(composition、C)は、成分aが成分aと同じモノマータイプを含有する類似のオレフィン系ポリマーで置き換えられていることを除き、このオレフィン系ポリマーが「少なくとも1つのSi-H基」を含有しないことを除いて、同じ成分を含む類似の組成物(similar composition、SC)と比較して、低減された総アルデヒド含有量を有し、類似のオレフィン系ポリマーは、成分aの密度の±0.005g/cc以内である密度を有し、成分aのメルトインデックスの±0.5g/10分以内であるメルトインデックス(I2)を有し、低減されたアルデヒド含有量は、以下の等式Y:低減された総アルデヒド含有量(%)={[((SC)中の総アルデヒド含有量)-((C)中の総アルデヒド含有量)]/((SC)中の総アルデヒド含有量)}×100から決定される。
【0021】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、等式Yから決定される、≧25%、又は≧30%、又は≧32%、又は≧35%、又は≧38%、又は≧40%、又は≧42%、又は≧45%、又は≧48%、又は≧50%、又は≧55%、又は≧60%、又は≧65%、又は≧70%、又は≧75%、又は78%、又は≧80%、又は≧82%、又は≧85%、又は≧88%、又は≧90%、又は≧92%、又は≧95%、又は≧97%である低減された総アルデヒド含有量(%)を有する。
【0022】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、総アルデヒド含有量は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、又はプロピオンアルデヒドのうちの1つ以上、更にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、又はプロピオンアルデヒドのうちの2つ以上、更にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、又はプロピオンアルデヒドのうちの3つ以上、更にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、又はプロピオンアルデヒドの4つ全てから選択される。
【0023】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分aのオレフィン/シランインターポリマーは、エチレン/シランインターポリマー、更にエチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマー、更にエチレン/アルファ-オレフィン/シランターポリマーである。
【0024】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分aは、≧0.855g/cc、又は≧0.856g/cc、又は≧0.857g/cc、又は≧0.858g/cc、又は≧0.859g/cc、又は≧0.860g/cc、又は≧0.861g/cc、又は≧0.862g/cc、又は≧0.863g/cc、又は≧0.864g/cc、又は≧0.865g/cc、又は≧0.866g/cc、又は≧0.867g/cc、又は≧0.868g/cc、又は≧0.869g/cc、又は≧0.870g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分aは、≦0.940g/cc、又は≦0.930g/cc、又は≦0.920g/cc、又は≦0.910g/cc、又は≦0.900g/cc、又は≦0.890g/cc、又は≦0.888g/cc、又は≦0.886g/cc、又は≦0.884g/cc、又は≦0.882g/cc、又は≦0.880g/cc、又は≦0.879g/ccの密度を有する。
【0025】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分aは、≧0.2g/10分、≧0.5g/10分、又は≧0.6g/10分、又は≧0.7g/10分、又は≧0.8g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。各々本明細書に記載される、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分aは、≦100g/10分、又は≦50g/10分、又は≦20g/10分、又は≦18g/10分、又は≦16g/10分、又は≦14g/10分、又は≦12g/10分、又は≦10g/10分、又は≦8.0g/10分、又は≦6.0g/10分、又は≦4.0g/10分、又は≦2.0g/10分、又は≦1.0g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0026】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分bについて、プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系組成物のプロピレン系ポリマーは、各々以下から選択される:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー、及び更にプロピレン/エチレンコポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、及び更にプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー。
【0027】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分bは、≧0.860g/cc、又は≧0.865g/cc、又は≧0.870g/cc、又は≧0.875g/cc、又は≧0.880g/cc、又は≧0.885g/cc、又は≧0.890g/cc、又は≧0.895g/cc、又は≧0.898g/ccの密度を有する。各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分bは、≦0.930g/cc、又は≦0.925g/cc、又は≦0.920g/cc、又は≦0.915g/cc、又は≦0.910g/cc、又は≦0.905g/cc、又は≦0.902g/cc、又は≦0.900g/ccの密度を有する。
【0028】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分bは、≧1.0g/10分、又は≧5.0g/10分、又は≧10g/10分、又は≧20g/10分、又は≧30g/10分、又は≧40g/10分、又は≧45g/10分、又は≧50g/10分、又は≧55g/10分のメルトフローレート(melt flow rate、MFR)を有する。各々本明細書に記載される、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分bは、≦120g/10分、又は≦100g/10分、又は≦90g/10分、又は≦80g/10分、又は≦75g/10分、又は≦70g/10分、又は≦65g/10分、又は≦62g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。
【0029】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分bの密度の成分aの密度に対する比は、≧0.80、又は≧0.85、又は≧0.90、又は≧0.92、又は≧0.94、又は≧0.96、又は≧0.98、又は≧1.00、又は≧1.01、又は1.02である。各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、成分bの密度の成分aの密度に対する比は、≦1.20、又は≦1.15、又は≦1.10、又は≦1.08、又は≦1.06、又は≦1.05、又は≦1.04、又は≦1.03である。
【0030】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、オレフィン/シランインターポリマーのシランは、式1:A-(SiBC-O)x-Si-EFH(式1)(式中、Aは、アルケニル基であり、Bは、ヒドロカルビル基又は水素であり、Cは、ヒドロカルビル基又は水素であり、B及びCは、同じであっても異なっていてもよく、
Hは、水素であり、x≧0であり、
Eは、ヒドロカルビル基又は水素であり、Fは、ヒドロカルビル基又は水素であり、E及びFは、同じであっても異なっていてもよい)から選択されるシランモノマーから誘導される。
【0031】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、式1は、以下の化合物s1)~s16)以下:
【0032】
【化1】

から選択される。
【0033】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、≧140℃、又は≧150℃、又は≧155℃、又は≧160℃、又は≧165℃、又は≧170℃、又は≧175℃、又は≧180℃、又は≧185℃、又は≧190℃、又は≧195℃、又は≧200℃の温度で熱処理される。各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、≦250℃、又は≦240℃、又は≦230℃、又は≦225℃、又は≦220℃、又は≦215℃、又は≦210℃、又は≦205℃の温度で熱処理される。
【0034】
また、各々が本明細書に記載される一実施形態、若しくは2つ以上の実施形態の組み合わせのプロセスによって形成される組成物、又は各々が本明細書に記載される一実施形態若しくは2つ以上の実施形態の組み合わせの組成物から形成される組成物も提供される。
【0035】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせの組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品も提供される。
【0036】
シランモノマー
シランモノマーは、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの(種類の)Si-H基を含む。一実施形態では、シランモノマーは、上述した式1から選択される。
【0037】
シランモノマーのいくつかの例としては、ヘキセニルシラン、アリルシラン、ビニルシラン、オクテニルシラン、ヘキセニルジメチルシラン、オクテニルジメチルシラン、ビニルジメチルシラン、ビニルジエチルシラン、ビニルジ(n-ブチル)シラン、ビニルメチルオクタデシルシラン、ビニイジフェニルシラン(vinyidiphenylsilane)、ビニルジベンジルシラン、アリルジメチルシラン、アリルジエチルシラン、アリルジ(n-ブチル)シラン、アリルメチルオクタデシルシラン、アリルジフェニルシラン、ビスヘキセニルシラン、及びアリイジベンジルシラン(allyidibenzylsilane)が挙げられる。前述のアルケニルシランの混合物を使用してもよい。
【0038】
シランモノマーのより具体的な例としては、以下のもの:(5-ヘキセニル-ジメチルシラン(HDMS)、7-オクテニルジメチルシラン(ODMS)、アリルジメチルシラン(ADMS)、3-ブテニルジメチルシランモ、1-(ブタ-3-エン-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(BuMMH)、1-(ヘキサ-5-エン-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(HexMMH)、(2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エチル)-ジメチルシラン(NorDMS)、及び1-(2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エチル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(NorMMH)が挙げられる。前述のアルケニルシランの混合物を使用してもよい。
【0039】
プロピレン系ポリマー及びそれを含むプロピレン系組成物
プロピレン系ポリマーとしては、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン/エチレンインターポリマー、及びコポリマー、並びにプロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及びコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
プロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物としては、衝撃改質組成物が挙げられるが、これに限定されない。衝撃改質組成物は、典型的にはエラストマーとブレンドすることによって強化されるマトリックスポリマーを含む。一実施形態では、マトリックスポリマーは、ポリオレフィン系ポリマーである。プロピレン系ポリマーとしては、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン/エチレンインターポリマー、及びコポリマー、並びにプロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及びコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
一実施形態では、プロピレン系ポリマーは、アイソタクチック形態のホモポリマーポリプロピレンであり得るが、他の形態のポリプロピレンホモポリマー(例えば、シンジオタクチック又はアタクチック)もまた、使用され得る。
【0042】
ポリプロピレン衝撃コポリマー(例えば、エチレンをプロピレンと反応させる二次共重合工程が用いられるもの)及びランダムコポリマー(また、反応器で変性され、通常プロピレンを用いて共重合されるエチレンを1.5~7.0重量%含有する)もまた、プロピレン系ポリマーとして使用できる。様々なプロピレン系ポリマーの完全な考察は、Modern Plastics Encyclopedia/89,mid October 1988 Issue,Volume65,Number11,pp.86-92に含まれ、この全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
プロピレン系ポリマーを強化するために使用されるエラストマー組成物は、ポリプロピレンに衝撃靭性を付与するのに十分なポリプロピレン相溶性及び十分に低いガラス転移温度を有する任意のエラストマーであってよい。一実施形態では、エラストマーは、コポリマーのエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーである。好適なアルファ-オレフィンとしては、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-ドデセンなどが挙げられるが、これらに限定されない。プロピレン、1-ブテン、及び1-オクテンが、特に好ましい。
【0044】
添加剤
本発明の組成物は、1つ以上の添加剤を含み得る。添加剤としては、UV安定剤、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、粘着付与剤、ワックス、相溶化剤、接着促進剤、可塑剤(例えば、油)、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、離型剤、滑り剤、粘着防止添加剤、着色剤、染料、顔料、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
各々が本明細書に記載される一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、添加剤は、組成物の重量に基づいて、≧0.05重量%、≧0.1重量%、及び/又は≦10重量%、若しくは≦5.0重量%、又は≦2.0重量%、若しくは≦1.5重量%、若しくは≦1.0重量%、若しくは≦0.8重量%、若しくは≦0.6重量%、若しくは≦0.4重量%、若しくは≦0.3重量%、若しくは≦0.2重量%の量で存在する。
【0046】
ビス-ビフェニルオキシ金属錯体
本明細書で使用される場合、「ビス-ビフェニルオキシ金属錯体」という用語は、1つ以上、好ましくは2つのビフェニルオキシ配位子に結合及び/又は配位している金属又は金属イオンを含む化学構造を指す。一実施形態では、化学構造は、各それぞれのビフェニルオキシ配位子の酸素原子を介して2つのビフェニルオキシ配位子に結合している金属を含む。金属錯体は、典型的には、1つ以上の共触媒の使用によって触媒活性される。
【0047】
例えば、非限定的な例として以下の式D1を参照されたく、
【0048】
【化2】

式中、M1は、ジルコニウム(zirconium、Zr)又はハフニウム(hafnium、Hf)又はチタン(titanium、Ti)、更にはHfのZrから選択される金属であり、金属は、+2、+3、又は+4の形式酸化状態にあり、
各Xは、独立して、置換若しくは非置換(C1-C30)ヒドロ-カルビル、置換若しくは非置換(C1-C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hから選択され、各Xは、独立して、単座配位子又は二座配位子であり、
nは、0、1、又は2であり、任意選択的に、nが1であるとき、Xは、二座配位子であり得、
-T-及び-T-の各々は、独立して、-O-、-S-、-N(R)-、又は-P(R)-から選択され、
及びR21は、各々独立して、-H、置換若しくは非置換(C1-C40)ヒドロカルビル、置換若しくは非置換(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、式(I)を有するラジカル、式(II)を有するラジカル、及び式(III)を有するラジカルからなる群から選択され、
【0049】
【化3】

式中、R22~R26、R27~R34、及びR35~R43の各々は、独立して、置換若しくは非置換(C1-C40)ヒドロカルビル、置換若しくは非置換(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
~R20の各々は、独立して、置換若しくは非置換(C1-C40)ヒドロカルビル、置換若しくは非置換(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-N=CHR、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、ハロゲン、又は-Hから選択され、
は、置換若しくは非置換(C1-C40)ヒドロカルビレン又は置換若しくは非置換(C1-C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、置換若しくは非置換(C1-C40)ヒドロカルビレンは、式D1中の基T及びTを連結する1炭素原子~10炭素原子のリンカー骨格を含む部分(Jが結合している)を有するか、あるいは、置換若しくは非置換(C1-C40)ヘテロヒドロカルビレンは、式D1中の基T及びTを連結する1原子~10原子のリンカー骨格を含む部分を有し、1原子~10原子のリンカー骨格の1~10個の原子の各々が、独立して、炭素原子又はヘテロ原子基のヘテロ原子であり、各ヘテロ原子基は、独立して、O、S、S(O)、S(O)、Si(R、Ge(R、P(R)、又はN(R)であり、各Rは、独立して、置換若しくは非置換(C1-C30)ヒドロカルビル、又は置換若しくは非置換(C1-C30)ヘテロヒドロカルビルであり、
式D1中の各R、R、及び残りのRは、独立して、置換若しくは非置換(C1-C30)ヒドロカルビル、置換若しくは非置換(C1-C30)-ヘテロヒドロ-カルビル、又は-Hであり、金属錯体は、全体的に電荷中性である。
【0050】
定義
反対の記載があったり、文脈から暗示的であったり、当該技術分野において慣習的であったりしない限り、全ての部及びパーセントは、重量に基づいており、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で現行のものである。
【0051】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物を含み、組成物の材料から形成される反応生成物及び分解生成物も含み得る。任意の反応生成物又は分解生成物が、典型的には、微量又は残留量で存在する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同じタイプ又は異なるタイプのモノマーを重合することにより調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれる場合もあるという理解の下、1種類のモノマーのみから調製されたポリマーを指すために用いられる)、及び本明細書において以下に定義されるインターポリマーという用語を含む。触媒残留物などの微量の不純物は、ポリマー中に及び/又はポリマー内に組み込まれ得る。典型的には、ポリマーは、非常に少量(「ppm」量)の1つ以上の安定剤で安定化される。
【0053】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという用語は、コポリマーという用語(2つの異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、及び2つを超える異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0054】
本明細書で使用される場合、「オレフィン系ポリマー」という用語は、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントの、エチレン又はプロピレンなどのオレフィンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、重合形態で(ポリマーの重量に基づいて)過半重量パーセントのプロピレンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0056】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)過半重量パーセントのプロピレンと、アルファ-オレフィンとを含むインターポリマー(好ましくはランダムインターポリマー)を指す。
【0057】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)過半重量パーセントのプロピレンと、アルファ-オレフィンとを2つのみのモノマータイプとして含むコポリマー(好ましくはランダムコポリマー)を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/エチレンインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)過半重量パーセントのプロピレンと、エチレンとを含むインターポリマー(好ましくはランダムインターポリマー)を指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/エチレンコポリマー」という用語は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)過半重量パーセントのプロピレンと、エチレンとを2つのみのモノマータイプとして含むコポリマー(好ましくはランダムコポリマー)を指す。
【0060】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0061】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンと、アルファ-オレフィンとを含む、ランダムインターポリマーを指す。
【0062】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンと、アルファ-オレフィンとを2つのみのモノマータイプとして含むランダムコポリマーを指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「オレフィン/シランインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのオレフィンと、シランモノマーとを含むランダムインターポリマーを指す。本明細書で使用される場合、インターポリマーは、少なくとも1つのSi-H基を含み、「少なくとも1つのSi-H基」という語句は、「Si-H」基の種類を指す。当該技術分野では、インターポリマーは、多数のこれらの基を含有するということが理解される。オレフィン/シランインターポリマーは、少なくともオレフィン及びシランモノマーの(例えば、ビス-ビフェニルオキシ金属錯体(又はビス-ビフェニル-フェノキシ金属錯体)を使用した)共重合によって形成される。シランモノマーの例は、上記のような式1に示される。
【0064】
本明細書で使用される場合、「エチレン/シランインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンと、シランモノマーとを含むランダムインターポリマーを指す。本明細書で使用される場合、インターポリマーは、上述のように、少なくとも1つの-Si-H基を含む。エチレン/シランインターポリマーは、少なくともエチレンとシランモノマーとの共重合によって形成される。
【0065】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンと、アルファ-オレフィンと、シランモノマーとを含むランダムインターポリマーを指す。本明細書で使用される場合、これらのインターポリマーは、上述のように、少なくとも1つのSiーH基を含む。エチレン/シランインターポリマーは、少なくともエチレンとα-オレフィンとシランモノマーとの共重合によって形成される。
【0066】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィン/シランターポリマー」という用語は、重合形態で、(ターポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンと、アルファ-オレフィンと、シランモノマーとを3つのみのモノマータイプとして含むランダムターポリマーを指す。本明細書で使用される場合、ターポリマーは、上述のように、少なくとも1つのSi-H基を含む。エチレン/シランターポリマーは、3つのみのモノマータイプとしてエチレンとアルファ-オレフィンとシランモノマーとの共重合によって形成される。
【0067】
本明細書で使用される場合、「オレフィンマルチブロックインターポリマー」という用語は、化学的又は物理的特性が異なる2つ以上の重合されたモノマー単位の複数のブロック又はセグメントを特徴とするインターポリマーを指す。いくつかの実施形態では、マルチブロックインターポリマーは、以下の式:(AB)nによって表され得、式中、nは、少なくとも1、好ましくは1より大きい整数、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100以上である。「A」は、ハードブロック又はセグメントを表しており、「B」は、ソフトブロック又はセグメントを表している。好ましくは、Aセグメント及びBセグメントは、実質的に分岐鎖状又は実質的に星形の様式とは対照的に、実質的に直鎖状様式で連結される。好ましくは、Aセグメント及びBセグメントは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。マルチブロックインターポリマーは、概して、例えば、米国特許第7,858,706号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような鎖シャトリングプロセスを介して生成される。米国特許第9,243,173号、米国特許第7,608,668号、米国特許第7,893,166号、米国特許第7,947,793号、及び米国特許公開第2020/0197880号も参照されたく、全てが参照により本明細書に組み込まれる。インターオリマーは、重合形態で、(マルチブロックインターポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントの、エチレン又はプロピレンなどのオレフィンと、1つ以上のコモノマーとを含む。
【0068】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー」という用語は、オレフィンマルチブロックインターポリマーについて上述したように、化学的又は物理的特性が異なる2つ以上の重合されたモノマー単位の複数のブロック又はセグメントを特徴とするインターポリマーを指す。エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、重合形態で、(マルチブロックインターポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンと、アルファ-オレフィンとを含む。
【0069】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマー」という用語は、オレフィンマルチブロックインターポリマーについて上述したように、化学的又は物理的特性が異なる2つの重合されたモノマー単位の複数のブロック又はセグメントを特徴とするコポリマーを指す。エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーは、重合形態で、(マルチブロックコポリマーの重量に基づいて)少なくとも50重量%又は過半重量パーセントのエチレンと、アルファ-オレフィンとを2つのみのモノマータイプとして含む。
【0070】
本明細書で使用される場合、ポリマー(又は共重合体又はターポリマー又はコポリマー)に関して、「過半重量パーセント」という語句は、ポリマー中に最も多量に存在するモノマーの量を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系組成物」という用語は、プロピレン系ポリマーを含む組成物を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「総アルデヒド含有量」という語句は、1つ以上のアルデヒド化合物の量を指し、その各々は、本明細書に記載される「カルボニル分析」によって検出することができる。典型的には、「総アルデヒド含有量」は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの1つ以上、更にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの2つ以上、更にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの3つ以上、更にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドの4つ全ての合計を含む。
【0073】
「ヘテロ原子」という用語は、水素又は炭素以外の原子(例えば、O、S、N、又はP)を指す。「ヘテロ原子基」という用語は、ヘテロ原子又は1個以上のヘテロ原子を含有する化学基を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、「炭化水素」、「ヒドロカルビル」という用語、及び類似の用語は、炭素原子及び水素原子のみを含有するそれぞれの化合物又は化学基を指す。二価の「ヒドロカルビレン基」も同様に定義される。
【0075】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ炭化水素」、「ヘテロヒドロカルビル」という用語、及び類似の用語は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子基(例えば、O、S、N、又はP)で置換されている、それぞれの炭化水素」又は「ヒドロカルビル基などを指す。一価ヘテロヒドロカルビル基は、炭素原子を介して、又はヘテロ原子を介して、対象の残りの化合物に結合し得る。二価の「ヘテロヒドロカルビレン基」は同様に定義され、二価のヘテロヒドロカルビレン基は、2個の炭素原子、又は2個のヘテロ原子、又は炭素原子及びヘテロ原子を介して、対象の残りの化合物に結合し得る。
【0076】
本明細書中で使用される場合、「置換炭化水素」、「置換ヒドロカルビル基」という用語、及び類似の用語は、1個以上の水素原子が独立してヘテロ原子基で置換されている、各炭化水素基又はヒドロカルビル基などを指す。
【0077】
「置換ヘテロ炭化水素」、「置換ヘテロヒドロカルビル基」という用語、
及び類似の用語は、本明細書で使用される場合、1個以上の水素原子が、独立して、ヘテロ原子基で置換されている、それぞれのヘテロ炭化水素又はヘテロヒドロ-カルビル基などを指す。
【0078】
本明細書で使用される場合、「置換又は非置換(C~C30)ヒドロカルビル」という用語及び他の同様の用語は、置換又は非置換ヒドロカルビルラジカルが含み得る総炭素原子数の範囲(例えば、1~30個)を示す。
【0079】
本明細書で使用される場合、「置換又は非置換(C~C30)ヘテロヒドロカルビル」という用語及び他の同様の用語は、「置換又は非置換ヘテロヒドロカルビル」が含み得る総炭素原子数の範囲(例えば、1~30個)を示す。
【0080】
オレフィン/シランインターポリマーを含む組成物に関して本明細書で使用される場合、「熱処理すること」、「熱処理」という用語、及び類似の用語は、組成物への熱の適用を指す。熱は、電気的手段(例えば、加熱コイル)によって、及び/又は放射によって、及び/又は熱油によって、及び/又は機械的せん断によって適用され得る。熱処理が行われる温度は、組成物の温度(例えば、組成物の溶融温度)を指すことに留意されたい。
【0081】
「アルケニル基」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合(C=C)を含有する有機化学基を指す。好ましい実施形態では、アルケニル基は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、更に炭素-炭素二重結合を1つだけ含有する炭化水素基である。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ビス-ビフェニルオキシ」という用語は、少なくとも1つの酸素原子に結合している少なくとも1つのビフェニル構造を含み、好ましくは2つのビフェニル構造を含み、各構造が独立して少なくとも1つの酸素原子に結合している有機化学基を指す。
【0083】
オレフィン/シランインターポリマーに関して「ビス-ビフェニルオキシ金属錯体の存在下で形成される」という語句は、ビス-ビフェニルオキシ金属錯体の存在下でのそのようなインターポリマーのモノマー構成要素の重合を指す。
【0084】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、及びそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、工程、又は手順の存在を排除することを意図するものではない。疑義を避けるために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求される全ての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーであるか否かにかかわらず、任意の追加の添加剤、アジュバント又は化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、任意の以降の記述の範囲から任意の他の成分、工程、又は手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に規定又は列挙されていない任意の成分、工程、又は手順を排除する。
【0085】
いくつかのプロセス及び組成物のリスト
A]組成物を形成するためのプロセスであって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を熱処理することを含む、プロセス。
【0086】
B]成分が熱処理中に混合される、上記A]に記載のプロセス。
【0087】
C]組成物を形成するためのプロセスであって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含むオレフィン/シランインターポリマーを熱処理することを含み、オレフィン/シランインターポリマーが、ビス-ビフェニルオキシ金属錯体の存在下で形成され、
組成物が、過酸化物を含まない、プロセス。
【0088】
D]成分が熱処理中に混合される、上記C]に記載のプロセス。
【0089】
E]組成物(C)が、成分aが成分aと同じモノマータイプを含有する類似のオレフィン系ポリマーで置き換えられていることを除き、このオレフィン系ポリマーが「少なくとも1つのSi-H基」を含有しないことを除いて、同じ成分を含む類似の組成物(SC)と比較して、低減された総アルデヒド含有量を有し、類似のオレフィン系ポリマーが、成分aの密度の±0.005g/cc以内である密度を有し、成分aのメルトインデックスの±0.5g/10分以内であるメルトインデックス(I2)を有し、低減された総アルデヒド含有量が、以下の等式Y:低減された総アルデヒド含有量(%)={[((SC)中の総アルデヒド含有量)-((C)中の総アルデヒド含有量)]/((SC)中の総アルデヒド含有量)}×100から決定される、上記A]~D](A]~D])のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
【0090】
F]組成物が、等式Yから決定される、≧25%、又は≧30%、又は≧32%、又は≧35%、又は≧38%、又は≧40%、又は≧42%、又は≧45%、又は≧48%、又は≧50%、又は≧55%、又は≧60%、又は≧65%、又は≧70%、又は≧75%、又は78%、又は≧80%、又は≧82%、又は≧85%、又は≧88%、又は≧90%、又は≧92%、又は≧95%、又は≧97%である低減された総アルデヒド含有量(%)を有する、上記E]に記載のプロセス。
【0091】
G]総アルデヒド含有量が、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの1つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの2つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの3つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドの4つ全てから選択される、上記E]又はF]に記載のプロセス。
【0092】
H]組成物が、低減された総アルデヒド含有量(%)を有し、総アルデヒド含有量が、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、若しくはプロピオンアルデヒドのうちの1つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの2つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの3つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドの4つ全てから選択される、上記A]~G]のいずれか1つに記載のプロセス。
【0093】
I]成分aのオレフィン/シランインターポリマーが、エチレン/シランインターポリマー、又はエチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマー、又はエチレン/アルファ-オレフィン/シランターポリマーである、上記A]~H]のいずれか1つに記載のプロセス。
【0094】
J]エチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマー又はターポリマーのアルファ-オレフィンが、C3-C20アルファ-オレフィン、又はC3-C10アルファ-オレフィン、又はC3-C8アルファ-オレフィン、又はプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、若しくは1-オクテンのうちの1つ、又はプロピレン、1-ブテン、若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-ブテン若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-オクテンである、上記I]に記載のプロセス。
【0095】
K]成分aのインターポリマーが、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、≧0.10重量%、又は≧0.20重量%、又は≧0.40重量%、又は≧0.60重量%、又は≧0.80重量%、又は≧1.0重量%、又は≧1.2重量%、又は≧1.3重量%、又は≧1.4重量%、又は≧1.5重量%、又は≧2.0重量%、又は≧2.5重量%、又は≧2.8重量%、又は≧3.0重量%、又は≧3.2重量%、又は≧3.4重量%のシランを含む、上記A]~J]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
【0096】
L]成分aのインターポリマーが、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、≦40重量%、又は≦30重量%、又は≦20重量%、又は≦10重量%、又は≦8.0重量%、又は≦6.0重量%、又は≦5.0重量%、又は≦4.5重量%、又は≦4.0重量%のシランを含む、上記A]~K]のいずれか1つに記載のプロセス。
【0097】
M]成分aが、≧0.855g/cc、又は≧0.856g/cc、又は≧0.857g/cc、又は≧0.858g/cc、又は≧0.859g/cc、又は≧0.860g/cc、又は≧0.861g/cc、又は≧0.862g/cc、又は≧0.863g/cc、又は≧0.864g/cc、又は≧0.865g/cc、又は≧0.866g/cc、又は≧0.867g/cc、又は≧0.868g/cc、又は≧0.869g/cc、又は≧0.870g/cc(1cc=1cm)の密度を有する、上記A]~L]のいずれか1つに記載のプロセス。
【0098】
N]成分aが、≦0.940g/cc、又は≦0.930g/cc、又は≦0.920g/cc、又は≦0.910g/cc、又は≦0.900g/cc、又は≦0.890g/cc、又は≦0.888g/cc、又は≦0.886g/cc、又は≦0.884g/cc、又は≦0.882g/cc、又は≦0.880g/cc、又は≦0.879g/ccの密度を有する、上記A]~M]のいずれか1つに記載のプロセス。
【0099】
O]成分aが、≧0.2g/10分、又は≧0.5g/10分、又は≧0.6g/10分、又は≧0.7g/10分、又は≧0.8g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、上記A]~N]のいずれか1つのプロセス。
【0100】
P]成分aが、≦100g/10分、又は≦50g/10分、又は≦20g/10分、又は≦18g/10分、又は≦16g/10分、又は≦14g/10分、又は≦12g/10分、又は≦10g/10分、又は≦8.0g/10分、又は≦6.0g/10分、又は≦4.0g/10分、又は≦2.0g/10分、又は≦1.0g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、上記A]~O]のいずれか1つに記載のプロセス。
【0101】
Q]上記A]~P]のいずれか1つに記載のプロセスによって形成される、組成物。
【0102】
R]組成物であって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を含む、組成物。
【0103】
S]組成物が、成分を熱処理することによって、更に熱処理中に成分を混合することによって形成される、上記R]の組成物。
【0104】
T]組成物であって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含むオレフィン/シランインターポリマーを含み、オレフィン/シランインターポリマーが、ビス-ビフェニルオキシ金属錯体の存在下で形成され、
組成物が、過酸化物を含まない、組成物。
【0105】
U]組成物が、成分を熱処理することによって、更に熱処理中に成分を混合することによって形成される、上記T]に記載の組成物。
【0106】
V]組成物(C)が、成分aが成分aと同じモノマータイプを含有する類似のオレフィン系ポリマーで置き換えられていることを除き、このオレフィン系ポリマーが「少なくとも1つのSi-H基」を含有しないことを除いて、同じ成分を含む類似の組成物(SC)と比較して、低減された総アルデヒド含有量を有し、類似のオレフィン系ポリマーが、成分aの密度の±0.005g/cc以内である密度を有し、成分aのメルトインデックスの±0.5g/10分以内であるメルトインデックス(I2)を有し、低減された総アルデヒド含有量が、以下の等式Y:低減された総アルデヒド含有量(%)={[((SC)中の総アルデヒド含有量)-((C)中の総アルデヒド含有量)]/((SC)中の総アルデヒド含有量)}×100から決定される、上記R]~U]のうちのいずれか1つに記載の組成物。
【0107】
W]組成物が、等式Yから決定される、≧25%、又は≧30%、又は≧32%、又は≧35%、又は≧38%、又は≧40%、又は≧42%、又は≧45%、又は≧48%、又は≧50%、又は≧55%、又は≧60%、又は≧65%、又は≧70%、又は≧75%、又は78%、又は≧80%、又は≧82%、又は≧85%、又は≧88%、又は≧90%、又は≧92%、又は≧95%、又は≧97%である低減された総アルデヒド含有量(%)を有する、上記V]に記載の組成物。
【0108】
X]総アルデヒド含有量が、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの1つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの2つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドのうちの3つ以上、又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドの4つ全てから選択される、上記V]又はW]に記載の組成物。
【0109】
Y]成分aのオレフィン/シランインターポリマーが、エチレン/シランインターポリマー、又はエチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマー、又はエチレン/アルファ-オレフィン/シランターポリマーである、上記R]~X]のいずれか1つに記載の組成物。
【0110】
Z]エチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマー又はターポリマーのアルファ-オレフィンが、C3-C20アルファ-オレフィン、又はC3-C10アルファ-オレフィン、又はC3-C8アルファ-オレフィン、又はプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、若しくは1-オクテンのうちの1つ、又はプロピレン、1-ブテン、若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-ブテン若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-オクテンである、上記Y]に記載の組成物。
【0111】
A2]成分aのインターポリマーは、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、≧0.10重量%、又は≧0.20重量%、又は≧0.40重量%、又は≧0.60重量%、又は≧0.80重量%、又は≧1.0重量%、又は≧1.2重量%、又は≧1.3重量%、又は≧1.4重量%、又は≧1.5重量%のシランを含む、上記R]~Z]のうちのいずれか1つに記載の組成物。
【0112】
B2]成分aのインターポリマーが、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、≦40重量%、又は≦30重量%、又は≦20重量%、又は≦10重量%、又は≦8.0重量%、又は≦6.0重量%、又は≦5.0重量%、又は≦4.5重量%、又は≦4.0重量%のシランを含む、上記R]~A2]のいずれか1つに記載の組成物。
【0113】
C2]成分aが、≧0.855g/cc、又は≧0.856g/cc、又は≧0.857g/cc、又は≧0.858g/cc、又は≧0.859g/cc、又は≧0.860g/cc、又は≧0.861g/cc、又は≧0.862g/cc、又は≧0.863g/cc、又は≧0.864g/cc、又は≧0.865g/cc、又は≧0.866g/cc、又は≧0.867g/cc、又は≧0.868g/cc、又は≧0.869g/cc、又は≧0.870g/cc(1cc=1cm)の密度を有する、上記R]~B2]のいずれか1つに記載の組成物。
【0114】
D2]成分aが、≦0.940g/cc、又は≦0.930g/cc、又は≦0.920g/cc、又は≦0.910g/cc、又は≦0.900g/cc、又は≦0.890g/cc、又は≦0.888g/cc、又は≦0.886g/cc、又は≦0.884g/cc、又は≦0.882g/cc、又は≦0.880g/cc、又は≦0.879g/ccの密度を有する、上記R]~C2]のいずれか1つに記載の組成物。
【0115】
E2]成分aが、≧0.2g/10分、又は≧0.5g/10分、又は≧0.6g/10分、又は≧0.7g/10分、又は≧0.8g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、上記R]~D2]のいずれか1つに記載の組成物。
【0116】
F2]成分aが、≦100g/10分、又は≦50g/10分、又は≦20g/10分、又は≦18g/10分、又は≦16g/10分、又は≦14g/10分、又は≦12g/10分、又は≦10g/10分、又は≦8.0g/10分、又は≦6.0g/10分、又は≦4.0g/10分、又は≦2.0g/10分、又は≦1.0g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、上記R]~E2]のいずれか1つに記載の組成物。
【0117】
A3]成分bについて、プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系組成物のプロピレン系ポリマーは、各々以下から選択される:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー若しくはプロピレン/エチレンコポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー若しくはプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、上記A]、B]、若しくはE]~P]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]若しくはV]~F2]のいずれか1つに記載の組成物。
【0118】
B3]成分bが、プロピレン系ポリマーであり、更にプロピレン系組成物のプロピレン系ポリマーは、以下から選択される:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー若しくはプロピレン/エチレンコポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー若しくはプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0119】
C3]成分bが、プロピレン系組成物であり、プロピレン系組成物のプロピレン系ポリマーが、以下から選択される:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー若しくはプロピレン/エチレンコポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー若しくはプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0120】
D3]プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー又はコポリマーのアルファ-オレフィンが、C4-C20アルファ-オレフィン、又はC4-C10アルファ-オレフィン、又はC4-C8アルファ-オレフィン、又は1-ブテン、1-ヘキセン、若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-ブテン若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-オクテンである、上記A3]~C3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記A3]~C3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0121】
E3]組成物が、≧140℃、若しくは≧150℃、若しくは≧155℃、若しくは≧160℃、若しくは≧165℃、若しくは≧170℃、若しくは≧175℃、若しくは≧180℃、≧185℃、若しくは≧190℃、若しくは≧195℃、若しくは≧200℃の温度、及び/又は≦250℃、若しくは≦240℃、若しくは≦230℃、若しくは≦225℃、若しくは≦220℃、若しくは≦215℃、若しくは≦210℃、若しくは≦205℃の温度で熱処理される、上記A]~P]若しくはA3]~D3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~D3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0122】
F3]成分bが、≧0.860g/cc、又は≧0.865g/cc、又は≧0.870g/cc、又は≧0.875g/cc、又は≧0.880g/cc、又は≧0.885g/cc、又は≧0.890g/cc、又は≧0.895g/cc、又は≧0.898g/ccの密度を有する、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~E3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~E3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0123】
G3]成分bが、≦0.930g/cc、又は≦0.925g/cc、又は≦0.920g/cc、又は≦0.915g/cc、又は≦0.910g/cc、又は≦0.905g/cc、又は≦0.902g/cc、又は≦0.900g/ccの密度を有する、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~F3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~F3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0124】
H3]成分bが、≧1.0g/10分、又は≧5.0g/10分、又は≧10g/10分、又は≧20g/10分、又は≧30g/10分、又は≧40g/10分、又は≧45g/10分、又は≧50g/10分、又は≧55g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~G3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~G3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0125】
I3]成分bが、≦120g/10分、又は≦110g/10分、又は≦100g/10分、又は≦90g/10分、又は≦80g/10分、又は≦75g/10分、又は≦70g/10分、又は≦65g/10分、又は≦62g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~H3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~H3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0126】
J3]成分bの密度の、成分aの密度に対する比が、≧0.80、≧0.85、又は≧0.90、又は0.92、又は≧0.94、又は≧0.96、又は≧0.98、又は≧1.00、又は≧1.01、又は1.02である、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~I3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~I3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0127】
K3]成分bの密度の、成分aの密度に対する比が、≦1.20、又は≦1.15、又は≦1.10、又は≦1.08、又は≦1.06、又は≦1.05、又は≦1.04、又は≦1.03である、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~J3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~J3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0128】
L3]成分bのメルトフローレート(MFR)の、成分aのメルトインデックス(I2)に対する比が、≧2.0、又は≧2.5、又は≧3.0、又は3.2、又は≧3.4、又は≧3.6、又は≧3.7である、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~K3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~K3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0129】
M3]成分bのメルトフローレート(MFR)の、成分aのメルトインデックス(I2)に対する比が、≦90、又は≦85、又は≦80、又は≦78、又は≦76、又は≦75である、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~L3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~L3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0130】
N3]シランが、上述の式1から選択されるシランモノマーから誘導される、上記A]~P]若しくはA3]~M3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~M3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0131】
O3]式1について、xが、0~10、又は0~8、又は0~6、又は0~4、又は0~2、又は0若しくは1、又は0である、上記N3]に記載のプロセス、又は上記N3]に記載の組成物。
【0132】
P3]式1について、Aが、C2-C50アルケニル基、又はC2-C40アルケニル基、又はC2-C30アルケニル基、又はC2-C20アルケニル基である、上記N3]若しくはO3]に記載のプロセス、又は上記N3]若しくはO3]に記載の組成物。
【0133】
Q3]式1について、Aが、以下の構造i)~iv):
i)RC=CR-(式中、R、Rは、各々独立して、水素又はアルキル基であり、Rは水素であり、R及びRは、同じであっても異なっていてもよい)
ii)RC=CR-(CR-(式中、R、R、R、Rは、各々独立して、水素又はアルキル基であり、Rは水素であり、R、R、R、Rのうちの2つ以上は、同じであっても異なっていてもよく、nは、1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1~2、又は1である)
iii)
【0134】
【化4】

(式中、R及びRは、各々独立して、水素又はアルキル基であり、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、nは、1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1~2、又は1である)あるいは
iv)
【0135】
【化5】

(式中、R及びRは、各々独立して、水素又はアルキル基であり、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、nは、1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1~2、又は1である)
から選択される、上記N3]~P3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~P3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0136】
R3]式1について、Aが、以下の構造i)~iv):
i)HC=CH-、
ii)HC=CH-(CH-(式中、nは、1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1~2、又は1である)、
iii)
【0137】
【化6】

(式中、nは、1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1~2、又は1である)、あるいは
【0138】
iv)
【0139】
【化7】

(式中、nは、1~10、又は1~8、又は1~6、又は1~4、又は1~2、又は1である)から選択される、上記N3]~Q3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~Q3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0140】
S3]式1について、Bが、アルキル、又はC1-C5アルキル、又はC1-C4アルキル、又はC1-C3アルキル、又はC1-C2アルキル、又はメチルである、上記N3]~R3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~R3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0141】
T3]式1について、Cが、アルキル、又はC1-C5アルキル、又はC1-C4アルキル、又はC1-C3アルキル、又はC1-C2アルキル、又はメチルである、上記N3]~S3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~S3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0142】
U3]式1について、Eが、アルキル、又はC1-C5アルキル、又はC1-C4アルキル、又はC1-C3アルキル、又はC1-C2アルキル、又はメチルである、上記N3]~T3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~T3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0143】
V3]式1について、Fが、アルキル、又はC1-C5アルキル、又はC1-C4アルキル、又はC1-C3アルキル、又はC1-C2アルキル、又はメチルである、上記N3]~U3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~U3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0144】
W3]式1が、上述の化合物s1)~s16)から選択される、上記N3]~V3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~V3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0145】
X3]式1が、上述の構造s1)~s8)から選択される、上記のN3]~W3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記のN3]~W3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0146】
Y3]式1が、上述の構造s9)~s16)から選択される、上記のN3]~W3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記のN3]~W3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0147】
Z3]シランが、以下の化合物:アリルジメチルシラン、3-ブテニルジメチル-シラン、1-(ブタ-3-エン-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル-ジシロキサン(BuMMH)、1-(ヘキサ-5-エン-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(HexMMH)、(2-ビシクロ-[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)エチル)ジメチル-シラン(NorDMS)、1-(2-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)エチル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(NorMMH)、又はそれらの任意の組み合わせから選択されるシランモノマーから誘導される、上記N3]~Y3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記N3]~Y3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0148】
A4]成分aが、≧56℃、若しくは≧58℃、若しくは≧59℃、若しくは≧60℃、若しくは≧61℃、若しくは≧62℃、及び/又は≦85℃、若しくは≦80℃、若しくは≦78℃、若しくは≦76℃、若しくは≦74℃、若しくは≦72℃、若しくは≦70℃、若しくは≦68℃、若しくは≦66℃の融解温度(T)を有する、上記A]~P]若しくはA3]~Z3]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~Z3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0149】
B4]成分aが、≧1.5、若しくは≧1.6、若しくは≧1.7、若しくは≧1.8、若しくは≧1.9、及び/又は≦5.0、若しくは≦4.5、若しくは≦4.0、若しくは≦3.5、若しくは≦3.0、若しくは≦2.8、若しくは≦2.7、若しくは≦2.6、若しくは≦2.5、若しくは≦2.4、若しくは≦2.3の分子量分布MWD(molecular weight distribution)=Mw/Mn)を有する、上記A]~P]若しくはA3]~A4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~A4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0150】
C4]成分aが、≧10,000、若しくは≧15,000、若しくは≧20,000、若しくは≧25,000、若しくは≧30,000、若しくは≧32,000、若しくは≧35,000、若しくは≧40,000g/mol、及び/又は≦100,000、若しくは≦90,000、若しくは≦80,000、若しくは≦75,000、若しくは≦70,000、若しくは≦65,000g/mol、若しくは≦60,000g/mol、若しくは≦55,000g/molの数平均分子量(number average molecular weight、Mn)を有する、上記A]~P]若しくはA3]~B4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~B4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0151】
D4]成分aが、≧20,000、若しくは≧30,000、若しくは≧40,000、若しくは≧50,000、若しくは≧60,000、若しくは≧70,000、若しくは≧80,000、若しくは≧90,000g/mol、及び/又は≦300,000、若しくは≦250,000、若しくは≦200,000、若しくは≦150,000、若しくは≦120,000、若しくは≦110,000g/molの重量平均分子量(weight average molecular weight、Mw)を有する、上記A]~P]若しくはA3]~C4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~C4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0152】
E4]成分aが、≧6.0、若しくは≧7.0、若しくは≧8.0、若しくは≧9.0、若しくは≧10、及び/又は≦30、若しくは≦25、若しくは≦20、若しくは≦15、若しくは≦12のI10/I2比を有する、上記A]~P]若しくはA3]~D4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~D4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0153】
F4]成分bの成分aに対する重量比が、≧1.0、又は≧1.1、又は≧1.2、又は≧1.3、又は≧1.4、又は≧1.5、又は≧1.6である、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~E4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~E4]のいずれか1つに記載の組成物。更に、この比は、≦20、又は≦15、又は≦10、又は≦5.0である。
【0154】
G4]組成物が、成分cである、少なくとも1つの充填剤を含む、上記A]~P]若しくはA3]~F4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~F4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0155】
H4]成分cが、無機充填剤及び/又は有機充填剤から、更にタルク、ガラス繊維、炭素繊維、木質繊維、粘土、炭酸カルシウム、カーボンブラック、水酸化マグネシウムウィスカー、ATH(Aluminium Trihydrate、アルミニウム三水和物)、TiO2、又はそれらの任意の組み合わせから、更にタルク、ガラス繊維、炭素繊維、木質繊維、粘土、炭酸カルシウム、TiO2、又はそれらの任意の組み合わせから選択される、上記G4]のプロセス、又は上記G4]の組成物。
【0156】
I4]成分cが、2種の充填剤、充填剤A及び充填剤Bを含み、更に充填剤Aの充填剤Bに対する重量比が、≧5.0、若しくは≧10、若しくは≧15、若しくは≧18、若しくは≧20、及び/又は≦60、若しくは≦50、若しくは≦40、若しくは≦30、若しくは≦25である、上記G4]若しくはH4]のプロセス、又は上記G4]若しくはH4]の組成物。
【0157】
J4]成分aが、組成物の重量に基づいて、≧0.1重量%、若しくは≧0.5重量%、若しくは≧1.0重量%、若しくは≧2.0重量%、若しくは≧4.0重量%、若しくは≧6.0重量%、若しくは≧8.0重量%、若しくは≧9.0重量%、若しくは≧10重量%、及び/又は≦70重量%、若しくは≦60重量%、若しくは≦50重量%、若しくは≦45重量%、若しくは≦40重量%、若しくは≦35重量%、若しくは≦30重量%の量で存在する、上記A]~P]若しくはA3]~I4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~I4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0158】
K4]成分bが、組成物の重量に基づいて、≧30重量%、若しくは≧35重量%、若しくは≧40重量%、若しくは≧45重量%、若しくは≧50重量%、及び/又は≦99重量%、若しくは≦95重量%、若しくは≦90重量%、若しくは≦85重量%、若しくは≦80重量%、若しくは≦75重量%、若しくは≦70重量%、若しくは≦68重量%、若しくは≦65重量%の量で存在する、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~J4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~J4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0159】
L4]成分cが、組成物の重量に基づいて、≧0.1重量%、若しくは≧0.5重量%、若しくは≧1.0重量%、若しくは≧2.0重量%、若しくは≧5.0重量%、若しくは≧10重量%、若しくは≧12重量%、若しくは≧14重量%、若しくは≧16重量%、若しくは≧18重量%、若しくは≧20重量%、及び/又は≦80重量%、若しくは≦70重量%、若しくは≦60重量%、若しくは≦50重量%、若しくは≦45重量%、若しくは≦40重量%、≦35重量%、若しくは≦30重量%、若しくは≦25重量%の量で存在する、上記G4]~K4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記G4]~K4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0160】
M4]成分a及び成分bの合計が、組成物の重量に基づいて、≧40重量%、≧45重量%、若しくは≧50重量%、若しくは≧52重量%、若しくは≧54重量%、若しくは≧56重量%、若しくは≧58重量%、若しくは≧60重量%、若しくは≧62重量%、若しくは≧64重量%、及び/又は≦90重量%、若しくは≦88重量%、若しくは≦85重量%、若しくは≦82重量%、若しくは≦80重量%の量で存在する、上記A]、B]、E]~P]、若しくはA3]~L4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~S]、V]~F2]、若しくはA3]~L4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0161】
N4]成分a、成分b、及び成分cの合計が、組成物の重量に基づいて、≧80重量%、≧85重量%、若しくは≧90重量%若しくは≧95重量%、若しくは≧98重量%、及び/又は≦100重量%若しくは≦99重量%の量で存在する、上記G4]~M4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記G4]~M4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0162】
O4]組成物が、成分d(少なくとも1つの酸化防止剤(antioxidant、AO))を含み、更に成分dが、組成物の重量に基づいて、≧0.05重量%、≧0.1重量%、及び/又は≦10重量%、若しくは≦5.0重量%、若しくは≦2.0重量%、若しくは≦1.5重量%、若しくは≦1.0重量%、若しくは≦0.8重量%、若しくは≦0.6重量%、若しくは≦0.4重量%、若しくは≦0.3重量%、若しくは≦0.2重量%の量で存在する、上記A]~P]若しくはA3]~N4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~N4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0163】
P4]組成物が、組成物の重量に基づいて、≦2.0重量%、又は≦1.0重量%、又は≦0.5重量%、又は≦0.2重量%、又は≦0.1重量%のゲル含有量を有する、上記A]~P]若しくはA3]~O4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~O4]のいずれか1つに記載の組成物。ゲル含有量は、0.5g(W)のサンプル組成物を金属メッシュ(メッシュ番号は120である)に加えて密封し、充填されたサンプル(メッシュ及びサンプル)を量る(Wt1)ことによって決定される。充填したサンプルを、100mlのキシレンを含有する250mlのガラス瓶に24時間入れる。次いで、充填したサンプルを、凝縮器を備え、350mlのキシレンを含有する500mlフラスコに移す。5時間還流させた後、充填したサンプルをキシレンから取り出し、真空オーブンに入れ、真空条件下で、120℃で2時間加熱した。充填したサンプルをオーブンから取り出し、量る(Wt2)。ゲル含有量を、等式:ゲル含有量=(Wt2-Wt1)/W×100%によって計算した。
【0164】
Q4]組成物が、≧1.0、若しくは≧2.0、若しくは≧3.0、若しくは≧4.0、若しくは≧4.5、若しくは≧4.8、若しくは≧5.0、及び/又は≦100、若しくは≦50、若しくは≦20、若しくは≦10、若しくは≦8.0、若しくは≦7.5、若しくは≦7.0、若しくは≦6.5、若しくは≦6.0のメルトフローレート(MFR)を有する、上記A]~P]若しくはA3]~P4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~P4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0165】
R4]組成物が、≧30%、若しくは≧35%、若しくは≧40%、若しくは≧50%、若しくは≧100%、若しくは≧200%、若しくは≧300%、若しくは≧400%、若しくは≧450%、若しくは≧460%、若しくは≧470%、若しくは≧480%、及び/又は≦2000%の破断点ひずみを有する、上記のA]~P]若しくはA3]~Q4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~Q4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0166】
S4]組成物が、≧5MPa、≧10MPa、又は≧12MPa、又は≧14MPa、又は≧15MPaの破断応力を有する、上記A]~P]若しくはA3]~R4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~R4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0167】
T4]組成物が、≧10J/m、又は≧12J/m、又は≧15J/m、又は≧20J/m、又は≧30J/m、又は≧35J/m、又は≧40J/m、又は≧45J/m、又は≧50J/m、又は≧55J/mの23℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度(IZOD RT)を有する、上記A]~P]若しくはA3]~S4]のいずれか1つに記載のプロセス、又は上記Q]~F2]若しくはA3]~S4]のいずれか1つに記載の組成物。
【0168】
U4]ブレンド組成物であって、上記Q]~F2]若しくはA3]~T4]のいずれか1つに記載の組成物と、1つ以上の特徴において、例えば、モノマーのタイプ、モノマーの量、モノマーの分布、密度、メルトインデックス(I2)、Mn、Mw、MWD、又はこれらの任意の組み合わせにおいて、更は、1つ以上の特徴において、例えば、モノマーのタイプ、モノマーの量、モノマーの分布、密度、メルトインデックス(I2)、又はこれらの任意の組み合わせにおいて、成分aのオレフィン/シランインターポリマーとは異なる熱可塑性ポリマーと、を含む、ブレンド組成物。更なる実施形態では、熱可塑性ポリマーは、オレフィン系ポリマー、更にエチレン系ポリマー又はプロピレン系ポリマー、更にエチレン系ポリマーから選択される。
【0169】
V4]ブレンド組成物であって、上記Q]~F2]若しくはA3]~U4]のいずれか1つに記載の組成物、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、及び更にエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー、又はエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー、及び更にエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーを含む、ブレンド組成物。
【0170】
W4]ブレンド組成物であって、上記Q]~F2]若しくはA3]~V4]のいずれか1つに記載の組成物と、以下:エチレン/プロピレン/非コンジュゲートジエンインターポリマー、エチレン/アルファ-オレフィンコポリマー、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマー、ポリエチレンホモポリマー、スチレン/エチレンインターポリマー(例えば、SEBS)、又はこれらの任意の組み合わせから選択されるポリマーと、を含む、ブレンド組成物。
【0171】
X4]エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び更なるコポリマー、又はエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー及び更なるコポリマーのアルファ-オレフィンが、各々独立して、C3-C20アルファ-オレフィン、又はC3-C10アルファ-オレフィン、又はC3-C8アルファ-オレフィン、又はプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、若しくは1-オクテンのうちの1つ、又はプロピレン、1-ブテン、若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-ブテン若しくは1-オクテンのうちの1つ、又は1-オクテンである、上記V4]又はW4]のブレンド組成物。
【0172】
Y4]上記A]~P]又はA3]~T4]のいずれか1つに記載のプロセスによって形成される、熱可塑性ポリオレフィン(thermoplastic polyolefin、TPO)。
【0173】
Z4]上記Q]~F2]又はA3]~T4]のいずれか1つに記載の組成物から形成される、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)。
【0174】
A5]上記Y5]又はZ5]に記載のTPO組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【0175】
B5]上記Q]~F2]又はA3]~T4]のいずれか1つに記載の組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【0176】
C5]上記U4]~X4]のいずれか1つに記載のブレンド組成物から形成された少なくとも1つの構成要素を含む、物品。
【0177】
D5]物品が、≧40℃、又は≧50℃、又は≧60℃、又は≧70℃、又は≧80℃、又は≧90℃、又は≧100℃、又は≧110℃、又は≧120℃、又は≧130℃、又は≧140℃、又は≧150℃の温度で熱処理される、上記A5]~C5]のいずれか1つに記載の物品。
【0178】
E5]物品が、≦200℃、又は≦190℃、又は≦180℃、又は≦170℃、又は≦160℃の温度で熱処理される上記A5]~D5]のいずれか1ついずれか1つに記載の物品。
【0179】
F5]物品が、自動車である、上述のA5]~E5]のいずれか1つに記載の物品。
【0180】
G5]物品が、インストルメントパネル(instrument panel、IP)、ドアパネル、ピラー、エアバッグカバー、IPパネルソフトスキン、騒音/振動/ハーシュネスヘビーレイヤー若しくはフローリング(例えば、NVH(noise/vibration/harshness))、バンパーフェイシア、トリム、フェンダー、又はペダルである、上記A5]~E5]のいずれか1ついずれか1つに記載の物品。
【0181】
H5]物品が、太陽電池モジュール、ケーブル、履物構成要素、自動車部品、窓用形材、タイヤ、チューブ、又は屋根膜である、上記A5]~E5]のいずれか1つに記載の物品。
【0182】
試験方法
カルボニル分析-2,4-ジニトロフェニルヒドラジン高速液体クロマトグラフィー(Dinitrophenylhydrzine High Pressure Liquid Chromatography、DNPH HPLC)ポリマー組成物(200g、ペレット)を、窒素ガス(5L)とともにガスバッグ(10L、TEDLAR PVF、Dalian Delin Gas Packaging Co.Ltd.)内に入れた。バッグ及びその内容物をオーブン(Binder FED 115、65℃で平衡化)で2時間熱処理した後、カルボニル分析により分析した。分析前に、ガスバッグを窒素で3回洗浄し、「ブランクガスバッグ」も分析した。
【0183】
カルボニル分析を、バッグからの4リットルのサンプルを用いて、DNPH HPLC法(LOD:0.01mg/m)を使用して行った。カルボニル分析のために、バッグ中の窒素ガスを空気ポンプを用いて排出した。次いで、カルボニル化合物を抽出し、高速液体クロマトグラフィー(high-performance liquid chromatography、HPLC)カラムに注入し、勾配溶出を使用して分離した。次いで、分離した化合物を、360nmでのUV検出により定量化した。検出限界は0.01mg/mであった。カルボニル分析により、サンプルに存在するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、及びクロトンアルデヒドなどのアルデヒドの濃度が得られた。
【0184】
DNPHカートリッジ(CNWBOND DNPH-シリカカートリッジ、350mg、カタログ番号SEEQ-144102、Anple Co.Ltd)を用いて、ガスバッグから放出されるカルボニルを吸収した。サンプリング速度は330mL/分であり、サンプリング時間は13分であった(空気ポンプによるサンプリング)。吸収後、DNPHカートリッジを1グラム(正確な重量)のACNで溶出し、ACN溶液をHPLCにより分析し、サンプル中のカルボニルを定量化する。
【0185】
標準溶液を、6つのDNPH誘導体(TO11A カルボニル-DNPHミックス、カタログ番号48149-U、各個々の化合物ごとに15ppm、Supelco Co.Ltd.)とともにアセトニトリルで希釈し、その最終溶液(0.794ppm重量(標準)/重量(アセトニトリル))を-4℃(冷蔵庫)での計器校正のために2mLバイアルに戻した。「0.794ppm(wt/wt)」の標準溶液を、サンプル中のカルボニルの定量のための「1点外部標準」としてHPLCシステムに注入した。最初の2つのピークは、標準仕様に従ってホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドと識別された。
【0186】
以下の式に従って、各誘導体について応答係数を計算した:応答係数
【0187】
【数1】

式中、応答係数i=誘導体iの応答係数、ピーク面積i=標準溶液中の誘導体iのピーク面積、及び0.794=0.794ppmの標準濃度。サンプル溶液中のアルデヒド-DNPH誘導体の濃度は、以下の式に基づいて計算した:
【0188】
【数2】

式中、iの濃度=サンプル溶液中のアルデヒドDNPH誘導体の濃度、ピーク面積i=サンプル溶液中の誘導体iのピーク面積、応答係数i=誘導体iの応答係数である。HPLC条件を以下の表Aに示す。
【0189】
【表1】

AのBに対する体積比。
【0190】
引張り
引張試験機(Zwick)を50mm/分の速度で使用して、ドッグボーン試験片に対する引張試験を23℃で行った。降伏強度及び破断点伸びは、生成された応力-ひずみ曲線を分析することによって監視した。破断点伸びは、チャック間距離(114mm)に対する破断点までの距離の比とした。試験は、ASTM環境:23℃及び湿度50%で行った。
【0191】
ノッチ付きアイゾット衝撃強度
IZOD衝撃試験は、23℃(RT)及び-30℃で衝撃試験機(Ceast 6960.000)を用いて、ISO 180規格に規定されているように行った。試験片(ドッグボーン)を、試験前に>30分間試験温度で維持した。試験は、ASTM環境:23℃及び湿度50%で行った。
【0192】
ゲル浸透クロマトグラフィー
クロマトグラフィーシステムは、内部IR5赤外線検出器(IR5)を備えたPolymerChar GPC-IR(Valencia,Spain)高温GPCクロマトグラフからなった。オートサンプラオーブンコンパートメントを摂氏160度に設定し、カラムコンパートメントを摂氏150度に設定した。カラムは、4つのAGILENT「Mixed A」30cm、20ミクロン直線状混床式カラムであった。クロマトグラフィー溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)を含有する1,2,4-トリクロロベンゼンであった。溶媒源を、窒素スパージした。使用された注入容量は、200マイクロリットルであり、流量は、1.0ミリリットル/分であった。
【0193】
GPCカラムセットの較正を、個々の分子量の間に少なくとも10倍の間隔を有する6つの「カクテル」混合物中に準備した580~8,400,000の範囲の分子量を有する21の狭分子量分布ポリスチレン標準物質を用いて実施した。標準物質は、Agilent Technologiesから購入した。ポリスチレン標準物質を、1,000,000以上の分子量については溶媒「50ミリリットル中0.025グラム」で、1,000,000未満の分子量については溶媒「50ミリリットル中0.05グラム」で調製した。ポリスチレン標準物質を、摂氏80度で30分間穏やかに撹拌しながら溶解した。ポリスチレン標準のピーク分子量を、等式1を使用してポリエチレン分子量に変換し(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載のとおり):
ポリエチレン=A×(Mポリスチレン(等式1)(式中、Mは、分子量であり、Aは、0.4315の値を有し、Bは、1.0に等しい)。
【0194】
五次多項式を使用して、それぞれのポリエチレン等価較正点に当てはめた。Aに対してわずかな調整(およそ0.375~0.445)を行い、線状ホモポリマーポリエチレン標準物質が120,000Mwで得られるように、カラム分解能及びバンド拡張効果を補正した。デカン(TCB「50ミリリットル中0.04g」で調製し、穏やかに撹拌しながら20分間溶解した)を用いて、GPCカラムセットの総理論段数計数を行った。プレートカウント(等式2)及び対称性(等式3)を、200マイクロリットル注入で以下の等式に従って測定した。
【0195】
【数3】

(式中、RVは、ミリリットル単位の保持体積であり、ピーク幅は、ミリリットル単位であり、ピーク最大は、ピークの最大高さであり、1/2高さは、ピーク最大の1/2高さである)、及び
【0196】
【数4】

(式中、RVは、ミリリットル単位での保持体積であり、ピーク幅は、ミリリットル単位であり、ピーク最大は、ピークの最大位置であり、1/10高さは、ピーク最大の1/10高さであり、後ピークは、ピーク最大よりも後の保持体積でのピークテールを指し、前ピークは、ピーク最大よりも前の保持体積でのピークフロントを指す)。クロマトグラフィーシステムのプレート計数は、18,000超になるべきであり、対称性は、0.98~1.22になるべきである。
【0197】
サンプルを、PolymerChar「Instrument Control」ソフトウェアを用いて半自動様式で調製し、サンプルを2mg/mLで重量標的化し、溶媒(200ppmのBHTを含有)を、PolymerChar高温オートサンプラを介して、予め窒素をスパージしたセプタキャップ付バイアルに添加した。サンプルを、「低速」振盪下で、摂氏160度で2時間溶解した。
【0198】
Mn(GPC)、Mw(GPC)、及びMz(GPC)の計算は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェア、各等間隔のデータ収集点(i)におけるベースラインを減じたIRクロマトグラム、及び等式1の点(i)についての狭い標準較正曲線から得られたポリエチレン等価分子量を使用した、等式4~6に従った、PolymerChar GPC-IRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャネル)を使用したGPC結果に基づいた。等式4~6は、以下のとおりである:
【0199】
【数5】
【0200】
経時的な偏差をモニタリングするために、PolymerChar GPC-IRシステムで制御されたマイクロポンプを介して、各サンプルに流量マーカー(デカン)を導入した。この流量マーカー(flowrate marker、FM)を使用して、サンプル内のそれぞれのデカンピークのRV(RV(FMサンプル))を狭い標準較正内のデカンピークのRV(RV(FM較正済み))と整合させることによって、各サンプルのポンプ流量(流量(見かけ))を直線的に補正した。次いで、デカンマーカーピークの時間の任意の変化を、ラン全体の流量(流量(有効))の線形シフトに関連していると仮定した。流速マーカー(flow marker)ピークのRV測定の最高精度を容易にするために、最小二乗フィッティングルーチンを使用して、流速マーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式に当てはめた。次いで、二次方程式の一次導関数を使用して、真のピーク位置について解いた。流速マーカーピークに基づいてシステムを較正した後、有効流量(狭い標準較正に関する)を、等式7:流量(有効)=流量(見かけ)×(RV(FM較正済み)/RV(FMサンプル))(等式7)として計算した。流速マーカーピークの処理を、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアを介して行った。許容可能な流量補正は、有効流量を見かけの流量の±0.7%以内とするようなものである。
【0201】
ポリマーのメルトインデックス又はメルトフローレート
エチレン系ポリマーのメルトインデックスI2(又はmelt index、MI)は、ASTM D-1238、条件190℃/2.16kgに従って測定される(メルトインデックスI10は、190℃/10.0kg)。I10/I2を、I10のI2に対する比から計算した。プロピレン系ポリマーのメルトフローレートMFRは、ASTM D-1238、条件230℃/2.16kgに従って測定される。
【0202】
組成物のメルトフローレート
組成物のメルトフローレート(MFR)(実施例を参照)は、ASTM D-1238、条件230℃/2.16kgに従って、ペレットを使用して測定した。
【0203】
ポリマーの密度
ASTM D4703を使用して、密度分析用のポリマープラークを作製した。ASTM D792、方法Bを使用して、各ポリマーの密度を測定した。
【0204】
ターポリマーのNMR特性評価
13C NMR実験のために、サンプルを、10mmのNMRチューブ中で、テトラクロロエタン-d(0.025MのCr(acac)を含むか又は含まない)に溶解した。濃度は、およそ300mg/2.8mLであった。次いで、各チューブを110℃に設定した加熱ブロック内で加熱した。サンプルチューブを繰り返しボルテックスし、加熱して、均質な流動流体を得た。13C NMRスペクトルを、10mm C/H DUALクライオプローブを備えたBRUKER AVANCE 600MHz分光計で得た。以下の取得パラメータを使用した:60秒の緩和時間、12.0μsの90度パルス、256回のスキャン。スペクトル中心は100ppmであり、スペクトル幅は250ppmであった。全ての測定は、110℃でサンプルを回転させずに行った。13C NMRスペクトルは、溶媒の共鳴ピークについて「74.5ppm」を基準とした。Crを含むサンプルの場合は、「7秒の緩和時間」及び1024回のスキャンでデータを取得した。「シランmol%(シランモノマー)」は、エチレン単位に関連するCH2炭素及びオクテン単位に関連するCH/CH3炭素の積分に対するSiMe炭素共鳴の積分に基づいて計算した。「mol%オクテン(又は他のα-オレフィン)」を、オクテン(又は他のα-オレフィン)に関連するCH/CH3炭素を参照して同様に計算した。
【0205】
H NMR実験のために、各サンプルを、8mmのNMRチュー日中で、テトラクロロエタン-d(0.001MのCr(acac)を含むか又は含まない)に溶解した。濃度はおよそ100mg/1.8mLであった。次いで、各チューブを110℃に設定した加熱ブロック内で加熱した。サンプルチューブを繰り返しボルテックスし、加熱して、均質な流動流体を得た。H NMRスペクトルを、10mm C/H DUALクライオプローブを備えたBRUKER AVANCE 600MHz分光計で得た。標準的な単一パルスH NMR実験を行った。以下の取得パラメータを使用した:70秒の緩和時間、17.2μsの90度パルス、32回のスキャン。スペクトル中心は1.3ppmであり、スペクトル幅は20ppmであった。全ての測定は、110℃でサンプルを回転させずに行った。H NMRスペクトルは、溶媒(残留プロトン化テトラクロロエタン)の共鳴ピークについて「5.99ppm」を基準とした。Crを含むサンプルの場合は、「16秒の緩和時間」及び128回のスキャンでデータを取得した。「シランmol%(シランモノマー)」は、エチレン単位に関連するCH2プロトン及びオクテン単位に関連するCH3プロトンの積分に対するSiMeプロトン共鳴の積分に基づいて計算した。
【0206】
示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、DSC)
示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、DSC)は、エチレン系(PE)ポリマーサンプル及びプロピレン系(propylene-based、PP)ポリマーサンプルのT、T、T、及び結晶化度を測定するために使用される。各サンプル(0.5g)を、190℃で2分間にわたって5000psiで圧縮成形してフィルムにした。約5~8mgのフィルムサンプルを秤量し、DSCパンに入れた。蓋をパンに圧着して、密閉雰囲気を確保した。サンプル皿をDSCセルに入れ、その後、約10℃/分の速度で、PEの場合は180℃(PPの場合は230℃)の温度まで加熱した。サンプルをこの温度で3分間保った。その後、サンプルを10℃/分の速度で、PEの場合は-60℃(PPの場合は-90℃)まで冷却し、その温度で3分間等温的に保った。次に、サンプルを、完全に溶融するまで10℃/分の速度で加熱した(第2の加熱)。別途記載されない限り、各ポリマーの融点(T)及びガラス転移温度(T)は第2の加熱曲線から決定し、結晶化温度(T)は第1の冷却曲線から決定した。T及びTのそれぞれのピーク温度を典型的には記録した。結晶化度パーセントは、第2の加熱曲線から決定した融解熱(heat of fusion、Hf)を、PEの場合は292J/g(PPの場合は165J/g)の理論融解熱で除し、この量に100を乗じることによって計算することができる(例えば、結晶化度%=(H/292J/g)(PE用)×100)。
【0207】
実験
フィルムポリマー及び添加剤
YUPLENE BX3900(PP)、SK Companyから入手可能な高結晶質プロピレンインパクトコポリマー。密度=0.90g/cm(ASTM D792)、MFR=60g/10分(ASTM D1238、230℃/2.16kgで)、
The Dow Chemical Companyから入手可能なENGAGE 8100ポリオレフィンエラストマー:エチレン/1-オクテンコポリマー、密度=0.870g/cm(ASTM D792、I2=1.0g/10分(ASTM D1238、190℃/2.16kgで)、Tm=60.0℃、Tg=-52.0°sC、
タルク:タルクHTP-ULTRA 5L、AIHAI-IMIから入手可能、
カーボンブラック(Carbon Black、CB)マスターバッチ:UN2014入手可能Cabot、
酸化防止剤(AO):BASFから入手可能なIRGANOX B225、
SiH POE D:エチレン/オクテン/シランターポリマー、密度=0.873g/cc、I2=0.8g/10分、1.5重量%のHDMS、
SiH POE E:エチレン/オクテン/シランターポリマー、密度=0.870g/cc、I2=0.8g/10分、3.4重量%のHDMS、
POE D:エチレン-オクテンコポリマー、密度=0.871g/cc、I2=1.2g/10分。
【0208】
ポリマー合成及び特性
インターポリマー、SiH-POE D、SiH-POE E、及びPOE Dを、油圧で満たされ、定常状態条件で操作された1ガロンの重合反応器内で、各々調製した。溶媒は、ExxonMobil Chemical Companyによって供給されたISOPAR-Eであった。Gelestによって供給された5-ヘキセニルジメチルシラン(hexenyldimethylsilane、HDMS)をターモノマーとして使用し、使用前に、UOP Honeywellによって供給されたAZ-300アルミナにより精製した。HDMSを、ISOPAR-E中の22重量%溶液として反応器に供給した。反応器温度を、反応器の出口又はその付近で測定した。インターポリマーを単離し、ペレット化した。重合条件を表1B~表1Dに列挙し、触媒及び共触媒を表1Aに列挙する。各エチレン/オクテン/シランターポリマー(SiH-POE)及びエチレン/オクテンコポリマー(POE)のポリマー特性を表2A及び2Bに示す。
【0209】
【表2】
【0210】
【表3】
【0211】
【表4】

それぞれの触媒供給溶液の重量に基づく「ppm」量。
【0212】
【表5】

共触媒供給溶液の重量に基づく「ppm」量。
**共触媒供給溶液の重量に基づくAlの「ppm」量。
【0213】
【表6】

1H NMRによって決定された、ポリマー中のモノマーの総モルに基づくシランMol%。**mol%から計算され、インターポリマーの重量に基づくシラン重量%。HDMS=5-ヘキセニルジメチルシラン。
【0214】
【表7】
【0215】
研究1-カルボニル分析
ポリマー組成物の調製
以下の表3に示すポリマー組成物を押出成形によって形成した。比較CE-1は、20重量%のタルクを有し、64.8重量%のBX3900及び15重量%のENGAGE 8100を含有し、ENGAGE(商標)8100が衝撃改質剤として作用する、自動車内装計器パネルのための典型的な配合物を表す。本発明のIE-1は、ENGAGE 8100の代わりにSiH POE Eを含有したことを除いて、CE-1と同様である。
【0216】
【表8】

POEにおける負荷(1H NMRによって決定されるターポリマー中の重量%)。
【0217】
各組成物を、直径18mm及びL/D40を有する共回転二軸スクリュー押出機中で配合した。汎用スクリュー構成を使用し、プロファイル温度を以下の表4に示すように設定した。スクリューを200RPMで回転させ、配合中に「20kg/時間」の出力を達成した。押出した組成物は、サイドカッター造粒機によって小さいペレットに造粒した。48時間後、室温(23℃)及び周囲雰囲気で、ペレットのカルボニル含有量を分析した。
【0218】
【表9】
【0219】
配合組成物のカルボニル試験結果を表5に列挙する。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、及びプロピオンアルデヒドのようなアルデヒドについては、本発明の組成物と比較組成物との間でアルデヒド含有量に有意差があることが分かる。全体として、本発明の組成物(TPO)は、それぞれの比較組成物と比較して、カルボニル含有量が有意に減少した。アルデヒド及びケトンを含む酸素化物のほとんどが熱処理プロセス中に生成されるため、SiH-POEは組成物の押出中にアルデヒドレベルを低減することができると考えられる。
【0220】
【表10】

<LOQ=HPLCの定量限界未満であることに留意されたい。
低減した総アルデヒド含有量(%)={[(CE-1中の総アルデヒド含有量)-(IE-1中の総アルデヒド含有量)]/(CE-1中の総アルデヒド含有量)}×100。
総アルデヒド含有量=ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、及びプロピオンアルデヒドの合計。
IE-1をCE-1と比較し、IE-2をCE-2と比較し、IE-3をCE-3と比較したことに留意されたい。
【0221】
研究2-機械的特性
各組成物(ペレット)を、直径28mmのFANUC S-2000I Bシリーズ射出成形機を使用して射出成形した。射出プロファイル温度を204℃に設定し、型温を38℃に設定した。射出成形速度は26mm/秒であり、スクリュー回転は80RPMであった。射出成形条件は、全ての組成物について一定にした。各組成物のドッグボーン試験片(10)をISO 527に従って作製した。機械的及び衝撃特性を表6に示す。各特性について、10個の試験片の平均を報告した。表6に見られるように、本発明の各組成物は、それぞれの比較組成物と比較して、優れた機械的特性及び衝撃特性を維持し、特に良好な破断点ひずみ及び室温衝撃強度を有する。
【0222】
【表11】
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を形成するためのプロセスであって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を熱処理することを含む、プロセス。
【請求項2】
前記成分が前記熱処理中に混合される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
組成物(C)が、成分aが成分aと同じモノマータイプを含有する類似のオレフィン系ポリマーで置き換えられていることを除き、前記オレフィン系ポリマーが前記「少なくとも1つのSi-H基」を含有しないことを除いて、同じ成分を含む類似の組成物(SC)と比較して、低減された総アルデヒド含有量を有し、前記類似のオレフィン系ポリマーが、成分aの密度の±0.005g/cc以内である密度を有し、成分aのメルトインデックスの±0.5g/10分以内であるメルトインデックス(I2)を有し、前記低減された総アルデヒド含有量が、以下の等式Y:低減された総アルデヒド含有量(%)={[((SC)中の総アルデヒド含有量)-((C)中の総アルデヒド含有量)]/((SC)中の総アルデヒド含有量)}×100から決定される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記組成物が、等式Yから決定される、≧40%である低減された総アルデヒド含有量(%)を有する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
成分aの前記オレフィン/シランインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマーである、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
成分aが、0.855g/cc~0.940g/ccの密度を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
成分bについて、前記プロピレン系ポリマー、又は前記プロピレン系組成物の前記プロピレン系ポリマーが、各々、以下:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
成分bが、0.870g/cc~0.930g/ccの密度を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記組成物が、140℃~250℃の温度で熱処理される、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
組成物であって、少なくとも以下の成分:
a)少なくとも1つのSi-H基を含む、オレフィン/シランインターポリマー、及び
b)プロピレン系ポリマー、又はプロピレン系ポリマーを含むプロピレン系組成物を含む、組成物。
【請求項11】
成分aの前記オレフィン/シランインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/シランインターポリマーである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
成分aが、0.855g/cc~0.940g/ccの密度を有する、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
成分bについて、前記プロピレン系ポリマー、又は前記プロピレン系組成物の前記プロピレン系ポリマーが、各々、以下:a)ポリプロピレンホモポリマー、b)プロピレン/エチレンインターポリマー、又はc)プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーから選択される、請求項10~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記オレフィン/シランインターポリマーのシランが、式1:A-(SiBC-O)x-Si-EFH(式1)(式中、Aは、アルケニル基であり、Bは、ヒドロカルビル基又は水素であり、Cは、ヒドロカルビル基又は水素であり、B及びCは、同じであっても異なっていてもよく、
Hは、水素であり、x≧0であり、
Eは、ヒドロカルビル基又は水素であり、Fは、ヒドロカルビル基又は水素であり、E及びFは、同じであっても異なっていてもよい)から選択されるシランモノマーから誘導される、請求項10~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
式1が、以下の化合物s1)~s16)以下:
【化1】

から選択される、請求項14に記載の組成物。
【国際調査報告】