(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 36/00 20090101AFI20241219BHJP
H04W 40/36 20090101ALI20241219BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20241219BHJP
【FI】
H04W36/00
H04W40/36
H04W88/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535724
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2021138490
(87)【国際公開番号】W WO2023108502
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067DD36
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE25
5K067JJ39
(57)【要約】
本開示の実施形態は、通信の方法、装置及びコンピュータ可読媒体に関する。第1の装置は、第1の装置をサービングする第2の装置から、RRC再設定メッセージを受信し、このRRC再設定メッセージが第3の装置への経路切替に関する情報を含むか否かを決定する。第1の装置は、第3の装置を介して、第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して第3の装置と通信する。RRC再設定メッセージがこの情報を含む場合、第1の装置は、経路切替のタイプに基づいて、経路切替のための第1の装置の設定を決定する。こうして、リレーUEへの経路切替のためのプロシージャを提供することが可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、
第1の装置において、前記第1の装置をサービングする第2の装置から、無線リソース制御(RRC:radio resource control)再設定メッセージを受信することと、
前記RRC再設定メッセージが第3の装置への経路切替に関する情報を含むか否かを決定することであって、前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して、前記第3の装置と通信することと、
前記RRC再設定メッセージが前記情報を含むとの決定に従って、前記経路切替のタイプに基づいて、前記経路切替のための前記第1の装置の設定を決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記情報は、
前記第3の装置のアイデンティティ、
前記第4の装置のアイデンティティ、
前記経路切替についてのタイマの設定、
直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、
前記直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は
前記間接-間接経路切替を示す第3の指示、
のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記設定を決定することは、
前記経路切替のために設定されたタイマを開始することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記タイマは、第1のタイマと第2のタイマとを含み、前記タイマを開始することは、
前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第1のタイマを開始することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第2のタイマを開始することと、
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のタイマを開始することは、設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第1の値から前記第1のタイマの第1の値を決定することを含み、
前記第2のタイマを開始することは、前記設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第2の値から前記第2のタイマの第2の値を決定することを含む
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のタイマを開始することは、設定されたタイマ値に基づいて前記第1のタイマの第1の値を決定することを含み、
前記第2のタイマを開始することは、前記設定されたタイマ値と設定されたオフセット値とに基づいて前記第2のタイマの第2の値を決定することを含む
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記タイマは、第1の値と、前記第1の値と異なる第2の値とを有するように設定され、前記タイマを開始することは、
前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第1の値で前記タイマを開始することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第2の値で前記タイマを開始することと、
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記設定を決定することは、
前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、
前記第4の装置のダウンリンク(DL)との同期を開始すること、
前記第4の装置について、規定されたブロードキャスト制御チャネル(BCCH)設定を適用すること、又は
前記第4の装置のマスタ情報ブロック(MIB)を取得すること、
のうちの少なくとも1つを含むオペレーションを実行することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記設定を決定することは、
前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第4の装置に関連付けられたセルグループのメディアアクセス制御(MAC)エンティティをリセットすることと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第4の装置に関連付けられた前記セルグループの前記MACエンティティを再利用することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第4の装置の前記アイデンティティは、前記第4の装置により提供されるセルグループのアイデンティティ、又は前記第4の装置により提供されるスペシャルセルのアイデンティティ、のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の装置の前記アイデンティティは、前記第2の装置により提供されるセルグループのアイデンティティ、又は前記第2の装置により提供されるスペシャルセルのアイデンティティ、のうちの少なくとも1つを含む
請求項4及び7~9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記設定を決定することは、
前記経路切替がソース装置から前記第3の装置への間接-間接経路切替であるか否かを決定することと、
前記経路切替が前記間接-間接経路切替であるとの決定に従って、前記第3の装置のアイデンティティが前記ソース装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、
前記第3の装置の前記アイデンティティが前記ソース装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第1の装置のサイドリンク固有メディアアクセス制御(MAC)エンティティをリセットすることと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の装置のサイドリンク適応層又は無線リンク制御層により、RRC再設定完了メッセージを前記第3の装置に送信すること
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
RRC再設定完了メッセージの送信が成功したこと、
前記第3の装置とのPC5ユニキャストリンクの確立が成功したこと、
前記第3の装置からRRC再設定完了サイドリンクメッセージを受信したこと、又は
前記第3の装置から、前記RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を受信したこと、
のうちの少なくとも1つに応じて、前記タイマを停止すること
をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記第4の指示は、
前記RRC再設定完了メッセージが既に前記第4の装置に転送されたこと、
前記RRC再設定完了メッセージの転送が既に前記第4の装置により確認されたこと、又は
前記RRC再設定完了メッセージの転送がまだ前記第4の装置により確認されていないこと、
のうちの1つを示す請求項13に記載の方法。
【請求項15】
通信の方法であって、
第2の装置において、第3の装置への経路切替に関する情報を含む無線リソース制御(RRC)再設定メッセージを、前記第2の装置によりサービングされる第1の装置に送信することを含み、
前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して前記第3の装置と通信する
方法。
【請求項16】
前記情報は、
前記第3の装置のアイデンティティ、
前記第4の装置のアイデンティティ、
前記経路切替についてのタイマの設定、
直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、
前記直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は
前記間接-間接経路切替を示す第3の指示、
のうちの少なくとも1つを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
通信の方法であって、
第3の装置において、無線リソース制御(RRC)再設定完了メッセージを第1の装置から受信することと、
前記RRC再設定完了メッセージを第4の装置に転送することであって、前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して、前記第3の装置と通信することと、
前記第1の装置に、前記RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を送信することと、
を含む方法。
【請求項18】
前記第4の指示は、
前記RRC再設定完了メッセージが既に前記第4の装置に転送されたこと、
前記RRC再設定完了メッセージの転送が既に前記第4の装置により確認されたこと、又は
前記RRC再設定完了メッセージの転送がまだ前記第4の装置により確認されていないこと、
のうちの1つを示す請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の装置と前記第3の装置とが端末装置であり、前記第2の装置と前記第4の装置とがネットワーク装置である
請求項1、15及び17の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1~14の何れか一項、又は請求項17~19の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える
通信の装置。
【請求項21】
請求項15~16の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える
通信の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として電気通信の分野に関し、特に、サイドリンクリレーのための通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
New Radio(NR)サイドリンクリレーの背景において、gNBのカバレッジ(IC)内の別のUEを介してgNBと通信されるユーザ装置(UE)はリモートUEと称され、該別のUEはリレーUEと称される。リモートUEは、該gNBのカバレッジ外(OoC:out of coverage)にあってもよく、該gNBのカバレッジ内にあってもよい。リモートUEとリレーUEとの間には、サイドリンクを介して接続が確立される。
【0003】
サイドリンクリレーの研究では、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を含むサービス継続性のためのメカニズムを規定する必要がある。直接経路とは、リモートUEとgNBとの間にリレーUEが存在しないことを意味し、間接経路とは、リモートUEとgNBとの間にリレーUEが存在することを意味する。直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替については、経路切替のための実現は未だ不完全であり、さらなる研究が待たれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の例示的な実施形態は、サイドリンクリレーにおける経路切替のための通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、第1の装置において、前記第1の装置をサービングする第2の装置から、無線リソース制御(RRC:radio resource control)再設定メッセージを受信することと、前記RRC再設定メッセージが第3の装置への経路切替に関する情報を含むか否かを決定することであって、前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して、前記第3の装置と通信することと、前記RRC再設定メッセージが前記情報を含むとの決定に従って、前記経路切替のタイプに基づいて、前記経路切替のための前記第1の装置の設定を決定することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、第2の装置において、第3の装置への経路切替に関する情報を含むRRC再設定メッセージを、前記第2の装置によりサービングされる第1の装置に送信することを含み、前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して前記第3の装置と通信する。
【0007】
第3の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、第3の装置において、RRC再設定完了メッセージを第1の装置から受信することと、前記RRC再設定完了メッセージを第4の装置に転送することであって、前記第1の装置は、前記第3の装置を介して前記第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して前記第3の装置と通信することと、前記第1の装置に、前記RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を送信することと、を含む。
【0008】
第4の態様において、通信の装置が提供される。前記装置は、本開示の前記第1又は第3の態様にかかる方法を実行するように設定されたプロセッサを備える。
【0009】
第5の態様において、通信の装置が提供される。前記装置は、本開示の前記第2の態様にかかる方法を実行するように設定されたプロセッサを備える。
【0010】
第6の態様において、命令を記憶しているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1又は第3の態様に記載の方法を実行させる。
【0011】
第7の態様において、命令を記憶しているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる。
【0012】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0014】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0015】
【
図1B】本開示のいくつかの実施形態を実施可能なユーザプレーンプロトコルスタックを示す模式図である。
【0016】
【
図1C】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な制御プレーンプロトコルスタックを示す模式図である。
【0017】
【
図1D】本開示のいくつかの実施形態を実施可能なPC5無線リソース制御(PC5-RRC:PC5-radio resource control)のためのサイドリンク制御チャネル(SCCH:sidelink control channel)についての制御プレーンプロトコルスタックを示す模式図である。
【0018】
【
図1E】本開示のいくつかの実施形態を実施可能なPC5シグナリング(PC5-S:PC5-signaling)のためのSCCHについての制御プレーンプロトコルスタックを示す模式図である。
【0019】
【
図2】本開示の実施形態にかかる、経路切替のための通信プロセスの概略図である。
【0020】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1の装置において実現される例示的な通信方法のためのフローチャートである。
【0021】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第2の装置において実現される例示的な通信方法のためのフローチャートである。
【0022】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第3の装置において実現される例示的な通信方法のためのフローチャートである。
【0023】
【
図6】本開示の実施形態を実現するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0024】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆しないことを理解すべきである。本明細書で説明される開示内容は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施することができる。
【0026】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本文で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0027】
本明細書で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を指す。端末装置の例は、ユーザ装置(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、携帯電話、セルラーフォン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IoT)装置、超信頼性低遅延通信(URLLC)装置、あらゆるモノのインターネット(IoE:Internet of Everything)装置、マシンタイプ通信(MTC:machine type communication)装置、Xが歩行者、車両、又はインフラストラクチャ/ネットワークを意味するV2X通信のための車載装置、統合アクセス及び統合アクセス及びバックホール(IAB)のための装置、衛星及び無人航空機システム(UAS:Unmanned Aircraft System)を包含する高高度プラットフォーム(HAP:High Altitude Platform)を含む非地上系ネットワーク(NTN)内の衛星搭載車両又は航空機搭載車両、拡張現実(AR)、混合現実(MR)、仮想現実(VR)などの、異なるタイプの現実を含むエクステンデッドリアリティ(XR:extended reality)装置、人間の操縦者を持たない航空機でありドローンとして一般に称される無人航空車両(UAV:unmanned aerial vehicle)、高速列車(HST:high speed train)上の装置、又はデジタルカメラなどの画像取得装置、センサーゲーム装置、音楽保存及び再生装置、又は無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧などを可能とするインターネット家電など、を含むがこれらに限定されない。「端末装置」は、公共の安全及びミッションを最重要視する、V2Xアプリケーション、トランスペアレントIPv4/IPv6マルチキャスト配信、IPTV、スマートTV、無線サービス、無線を介するソフトウェア配信、グループ通信及びIoTアプリケーションをサポートするために、「マルチキャスト/ブロードキャスト」機能をさらに有してもよい。また、マルチSIMとして知られる1つ又は複数の加入者識別モジュール(SIM:Subscriber Identity Module )を組み込んでもよい。用語「端末装置」は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末、又は無線装置と互換的に使用されてもよい。
【0028】
用語「ネットワーク装置」は、端末装置が通信可能なセル又はカバレッジを提供又はホストすることができる装置を指す。ネットワーク装置の例は、ノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、次世代ノードB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、IABノード、フェムトノード、ピコノード、再設定可能なインテリジェントサーフェス(RIS:reconfigurable intelligent surface)などの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0029】
端末装置又はネットワーク装置は、人工知能(AI:Artificial intelligence)又は機械学習の能力を有していてもよい。一般的に、特定の関数のために収集された多数のデータから訓練済みのモデルが含まれ、いくつかの情報を予測するために使用されることができる。
【0030】
端末装置又はネットワーク装置は、例えば、FR1(410MHz~7125MHz)、FR2(24.25GHz~71GHz)、100GHzより大きい周波数帯域、及びテラヘルツ(THz:Tera Hertz)などのいくつかの周波数範囲上で動作してもよい。さらに許可/無許可/共有スペクトル上で動作することができる。端末装置は、マルチ無線デュアル接続(MR-DC:Multi-Radio Dual Connectivity)アプリケーションシナリオの下で、ネットワーク装置と2つ以上の接続を有していてもよい。端末装置又はネットワーク装置は、全二重、フレキシブル二重、クロス分割二重モードで動作することができる。
【0031】
本開示の実施形態は、例えば、信号生成器、信号分析器、スペクトル分析器、ネットワーク分析器、テスト端末装置、テストネットワーク装置、チャネルエミュレータ等のテスト機器において実施されてもよい。
【0032】
一実施形態において、端末装置は、第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置に接続することができる。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置の一方をマスターノードとして、他方をセカンダリ―ノードとしてもよい。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一実施形態において、第1のネットワーク装置は第1のRAT装置であってもよく、第2のネットワーク装置は第2のRAT装置であってもよい。一実施形態において、第1のRAT装置はeNBであり、第2のRAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1のネットワーク装置又は第2のネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第1の情報は、第1のネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、そして第2の情報は、第2のネットワーク装置から直接又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第2のネットワーク装置により設定された端末装置の設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から第1のネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2のネットワーク装置により設定された端末装置の再設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から直接又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。
【0033】
本明細書で使用される単数形「1つ」及び「前記」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含まれる。用語「含む」及びその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンエンド用語として理解されるべきである。用語「に基づく」は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「一実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を指してもよい。以下では、その他の明示的及び暗黙的な定義を含む場合がある。
【0034】
いくつかの例において、値、プロシージャ、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと称される。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことが、理解できるはずである。
【0035】
本願の背景では、用語「リモートUE」は、ネットワーク装置のカバレッジ内の別の端末装置を介してネットワーク装置と通信される端末装置を指す。用語「リレーUE」は、ネットワーク装置のカバレッジ内にある端末装置を指し、リモートUEが該端末装置を介してネットワーク装置と通信する。リレーUEは、PC5インターフェース等のサイドリンクインターフェースを介してリモートUEと接続される。用語「リモートUE」は、リモート端末装置又はリモート装置と互換的に使用されてもよい。用語「リレーUE」は、リレー端末装置又はリレー装置と互換的に使用されてもよい。
【0036】
サービス継続性のために、いくつかのシナリオにおいて、リモートUEは、gNBとの直接通信から、リレーUEを介したgNBとの間接通信に切り替えられてもよい。これは、直接-間接経路切替と称される。いくつかのシナリオにおいて、リモートUEは、リレーUEを介して間接的にgNBと通信することから、別のリレーUEを介して間接的にgNBと通信することに切り替えられてもよい。これは、間接-間接経路切替と称される。これらのシナリオについて、リレーUEへの経路切替を実現する必要がある。
【0037】
本開示の実施形態は、リレーUEへの経路切替を開始するための解決策を提供する。この解決策において、RRC再設定メッセージをgNBから受信したことに応じて、リモートUEは、RRC再設定メッセージがリレーUEへの経路切替に関する情報を含むか否かを決定する。RRC再設定メッセージがリレーUEへの経路切替に関する情報を含む場合、リモートUEは、経路切替のために設定されたタイマを開始する。こうして、リレーUEへの経路切替が識別され開始されてもよい。
【0038】
以下、添付図面を参照して、本開示の原理及び実施態様について詳細に説明する。
通信ネットワークの例
【0039】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100の概略図である。
図1に示すように、通信ネットワーク100は、第1の装置110と、第2の装置120と、第3の装置130と、別の第3の装置131と、第4の装置140とを含んでもよい。第2の装置120は、1つ又は複数の装置をサービングするセル121を提供し、第4の装置140は、1つ又は複数の装置をサービングするセル141を提供する。
図1の例において、第3の装置110は第4の装置140のセル141内に位置し、第4の装置140と直接通信してもよい。別の第3の装置131は第2の装置120のセル121内に位置し、第2の装置120と直接通信してもよい。
【0040】
いくつかのケースにおいて、第1の装置110がセル121内に位置する場合に、第1の装置110は、第2の装置120と直接通信してもよい。第1の装置110がセル121の外部又は内部に位置する場合に、第1の装置110は、該別の第3の装置131を介して第2の装置120と通信してもよい。同様に、第1の装置110がセル141内に位置する場合に、第1の装置110はまた、第4の装置140と直接通信してもよい。第1の装置110がセル141の外部又は内部に位置する場合に、第1の装置110は、第3の装置130を介して第4の装置140と通信してもよい。これらのケースにおいて、第1の装置110はリモートUEに対応してもよく、第3の装置130又は別の第3の装置131はリレーUEに対応してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の装置110と第2の装置120とは、無線通信チャネルなどのチャネルを介して互いに通信してもよい。無線通信チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)と、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)と、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random-access channel)と、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)と、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)と、物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)とを含んでもよい。もちろん、任意の他の適切なチャネルも可能である。同様に、第1の装置110と第4の装置140とも互いに通信してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1の装置110と第3の装置130とは、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:physical sidelink shared channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:physical sidelink control channel)、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:physical sidelink feedback channel)、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH:physical sidelink broadcast channel)などのサイドリンクチャネルを介して互いに通信してもよい。例えば、PC5リンク又はPC5 RRC接続は、第1の装置110と第3の装置130との間に確立されてもよい。同様に、第1の装置110と該別の第3の装置131とも互いに通信してもよい。
【0043】
通信ネットワーク100における通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、New Radio(NR)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、マシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠してもよい。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。本開示の実施形態は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコル、5.5G、5G-Advancedネットワーク、又は第6世代(6G)ネットワークを含むが、これらに限定されない。
【0044】
図1における装置の数は説明の目的で与えられており、本開示に対するいかなる限定も暗示していないことを理解すべきである。通信ネットワーク100は、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数の第1の装置、第2の装置、第3の装置又は第4の装置を含んでもよい。
【0045】
図示のため、第1の装置110、第3の装置130、及び別の第3の装置131は端末装置として示され、第2の装置120及び第4の装置140はネットワーク装置として示されている。説明のためだけに、本開示の範囲に対するいかなる限定も示唆することなく、第1の装置110、第3の装置130、及び別の第3の装置131が端末装置であり、第2の装置120及び第4の装置140がネットワーク装置である背景でいくつかの実施形態を説明する。
【0046】
他の実施形態において、第1の装置110及び/又は第3の装置130及び/又は別の第3の装置131はネットワーク装置であってもよく、第2の装置120及び/又は第4の装置140は端末装置であってもよいことを、理解すべきである。換言すれば、本開示の原理及び精神は、アップリンク送信とダウンリンク送信との両方に適用可能である。さらに、いくつかの実施形態において、第1の装置110、第2の装置120、第3の装置131、及び第4の端末装置140の全てが端末装置であってもよく、いくつかの実施形態において、第1の装置110、第2の装置120、第3の装置140、別の第3の装置131、及び第4の装置140の全てがネットワーク装置であってもよい。本願は、この態様を限定しない。
【0047】
通信ネットワーク100における端末装置とネットワーク装置との間の通信は、ユーザプレーン及び制御プレーンプロトコルスタックに従って行われてもよい。一般的に言うと、通信装置(例えば、端末装置又はネットワーク装置)の場合、プロトコルスタック内の複数のネットワークプロトコル層の複数のエンティティが存在し、これらのエンティティは、通信装置から送信され、通信装置により受信されるデータ又はシグナリングに、対応するプロセスを実施するように設定されてもよい。
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてユーザプレーンプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式
図100Bである。例示のために、以下では、第1の装置110を端末装置の例として、第2の装置120をネットワーク装置の例として説明する。
【0048】
図1Bに示すように、ユーザプレーンにおいて、第1の装置110及び第2の装置120のそれぞれは、L1層のエンティティ、つまり、物理(PHY)層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、媒体アクセス制御(MAC)層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、RLC層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及びサービスデータアプリケーションプロトコル(SDAP)層のエンティティ(SDAPエンティティとも称され、5G及びその後の世代のネットワークで確立される)を含む、上位層(L2層及びL3層、つまり上位層)の1つ又は複数のエンティティとを含んでもよい。場合によっては、PHY、MAC、RLC、PDCP、及びSDAPエンティティは、スタック構造になっている。
【0049】
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置において制御プレーンプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式
図100Cである。
図1Cに示すように、制御プレーンにおいて、第1の装置110及び第2の装置120のそれぞれは、L1層のエンティティ、つまり、PHY層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、MAC層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、RLC層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、PDCP層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及びRRC層のエンティティ(RRCエンティティとも称される)を含む、上位層(L2層及びL3層)の1つ又は複数のエンティティとを含んでもよい。RRC層はさらにアクセスストラタム(AS:access stratum)層と称されてもよく、そのために、RRCエンティティはさらにASエンティティと称されてもよい。
図1Cに示すように、第1の装置110はさらに、非アクセスストラタム(NAS)層のエンティティ(NASエンティティとも称される)を含んでもよい。ネットワーク側のNAS層は、ネットワーク装置内ではなく、コアネットワーク(CN:core network、図示せず)内に配置される。いくつかのケースにおいては、これらのエンティティはスタック構造になる。
【0050】
一般的には、RRC層とPDCP層との間のチャネルは、無線ベアラと称される。端末装置(例えば、第1の装置110又は第3の装置130)は、データプレーンデータを運搬するための少なくとも1つのデータ無線ベアラ(DRB:data radio bearer)と、制御プレーンデータを運搬するための少なくとも1つのシグナリング無線ベアラ(SRB:signaling radio bearer)とを有するように設定されてもよい。RRC層は、Uu RRC層、RRCエンティティ、Uu RRCエンティティと互換的に使用されてもよい。
【0051】
通信ネットワーク100における端末装置間の通信は、制御プレーンプロトコルスタックに従って行われてもよい。
図1Dは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能なPC5-RRCのためのSCCHについての制御プレーンプロトコルスタックを示す模式
図100Dである。例示のために、以下では、第1の装置110及び第3の装置130を端末装置の例として説明する。
【0052】
図1Dに示すように、制御プレーンにおいて、第1の装置110及び第3の装置130のそれぞれは、L1層のエンティティ、つまり、PHY層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、MAC層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、RLC層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、PDCP層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及びPC5-RRC層のエンティティ(PC5-RRCエンティティとも称される)を含む、上位層(L2層及びL3層、又は上位層)の1つ又は複数のエンティティとを含んでもよい。場合によっては、PHY、MAC、RLC、PDCP、PC5-RRCエンティティは、スタック構造になっている。
【0053】
いくつかの実施形態において、RRCエンティティとPC5-RRCエンティティとは、同じエンティティ(例えば、論理エンティティ)であってもよい。もちろん、RRCエンティティとPC5-RRCエンティティとは、異なるエンティティ(例えば、論理エンティティ)であってもよい。いくつかの実施形態において、RRC層とPC5-RRC層とは同じ層として実現されてもよい。もちろん、RRC層とPC5-RRC層とは異なる層として実現されてもよい。
【0054】
図1Eは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能なPC5-SのためのSCCHについての制御プレーンプロトコルスタックを示す模式
図100Eである。
図1Eに示すように、制御プレーンにおいて、第1の装置110及び第3の装置130のそれぞれは、L1層のエンティティ、つまり、PHY層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、MAC層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、RLC層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、PDCP層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及びPC5-S層のエンティティ(PC5-Sエンティティとも称される)を含む、上位層(L2層及びL3層)の1つ又は複数のエンティティとを含んでもよい。場合によっては、PHY、MAC、RLC、PDCP、PC5-Sエンティティは、スタック構造になっている。
【0055】
全体として、PC5-RRC層は、PC5 RRC接続を管理(例えば、サイドリンクDRBを確立/修正/解放、NRサイドリンク測定及び報告を(再)設定、サイドリンクCSI参照信号リソース及びCSI報告遅延境界を(再)設定)してもよく、PC5-S層は、PC5ユニキャストリンクを管理してもよい。本開示の背景において、PC5 RRC接続は、PC5接続と互換的に使用されてもよい。PC5ユニキャストリンクは、PC5リンク、PC5上のレイヤ2リンク、PC5レイヤ2リンク又はレイヤ2リンクと互換的に使用されてもよい。PC5-RRC層は、PC5 RRCエンティティ、PC5 RRC、PC5 RRC層、PC5-RRC、AS層、又はPC5-S層の下位層と互換的に使用されてもよい。PC5-S層は、PC5シグナリング層、PC5シグナリングサブ層、V2X層、PC5-RRC層の上位層、RRC層の上位層、又はNAS層と互換的に使用されてもよい。RRC層は、Uu RRC層、RRCエンティティ又はAS層と互換的に使用されてもよい。RRC層は、PC5-S層の下位層と互換的に使用されてもよい。
【0056】
図1Aに戻り、いくつかのシナリオにおいて、早期段階において、第1の装置110は第2の装置120と直接通信されてもよいか、又は、別の第3の装置131を介して第2の装置120と通信されてもよい。第1の装置110が移動するときに、第1の装置110は、第3の装置130を介して第4の装置140と通信するように、経路切替を行う必要があるかもしれない。第2の装置120と第4の装置140とが同一装置であってもよいことを、理解すべきである。もちろん、第2の装置120と第4の装置140とが異なる装置であってもよい。
【0057】
本開示の実施形態は、これらのシナリオについて経路切替を開始するための解決策を提供する。以下では、
図2を参照して詳細に説明する。
経路切替の実現例
【0058】
図2は、本開示の実施形態にかかる、経路切替のための通信プロセス200の概略図である。説明のために、
図1を参照してプロセス200を説明する。プロセス200には、
図1に示すような第1の装置110と、第2の装置120と、第3の装置130と、第4の装置140とが関与してもよい。
図2におけるステップ及びステップの順序は単に例示のためのものであり、限定のためのものではない。例えば、ステップの順序は変更されてもよい。ステップの一部を省略してもよいし、任意の他の適切な追加のステップを追加してもよい。本例において、第4の装置140が第3の装置130をサービングし、第2の装置120が第1の装置110をサービングする。第1の装置110は、第3の装置130を介して第4の装置140と通信するように切り替えられ、第1の装置110は、サイドリンクインターフェースを介して第3の装置130と通信することになる。
【0059】
図2に示すように、第2の装置120は、RRC再設定メッセージを第1の装置110に送信してもよい(201)。いくつかの実施形態において、第2の装置120が第1の装置110についてハンドオーバプロシージャ又は経路切替を実行すると決定した場合、第2の装置120はRRC再設定メッセージを送信してもよい。例えば、別の第3の装置131を介した第1の装置110の通信から、第3の装置130を介した第1の装置110の通信への間接-間接経路切替を実行すると第2の装置120が決定した場合、第2の装置120は、RRC再設定メッセージを第1の装置110に送信してもよい。別の例として、第1の装置110の直接通信から、第3の装置130を介した第1の装置110の通信への直接-間接経路切替を実行すると第2の装置120が決定した場合、第2の装置120は、RRC再設定メッセージを第1の装置110に送信してもよい。さらに別の例として、第1の装置110と第2の装置120との直接通信から、第1の装置110と第4の装置140との直接通信へのハンドオーバを実行すると第2の装置120が決定した場合、第2の装置120は、RRC再設定メッセージを第1の装置110に送信してもよい。
【0060】
RRC再設定メッセージは、RRC再設定用の任意の適切なメッセージであってもよいことを、理解すべきである。例えば、RRC再設定メッセージは、PC5-Sシグナリング、PC5-RRCシグナリングなどであってもよい。
【0061】
RRC再設定メッセージを受信すると、第1の装置110は、RRC再設定メッセージが第3の装置130への経路切替に関する情報を含むか否かを決定する(202)。換言すれば、第1の装置110は、RRC再設定メッセージがリレーUEへの経路切替を示すか否かを決定する。例えば、第1の装置110は、RRC再設定メッセージ内のReconfigurationWithSyncが経路切替に関する情報を含むか否かを決定してもよい。経路切替に関する情報は任意の他の適切な方法で搬送されてもよいことを、理解すべきである。
【0062】
いくつかの実施形態において、この情報は、第3の装置130のアイデンティティ(ID:identity)を含んでもよい。第3の装置130のアイデンティティに基づいて、第1の装置110は、実行される経路切替がリレーUEへの経路切替であることを知ることが可能である。
【0063】
いくつかの実施形態において、この情報は、第4の装置140のIDを含んでもよい。第4の装置140のアイデンティティに基づいて、第1の装置110は、経路切替がgNB内経路切替それともgNB間経路切替であるかを決定してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、この情報は、経路切替についてのタイマの設定を含んでもよい。換言すれば、このタイマは、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替に用いられる。即ち、このタイマは、ネットワーク装置への経路切替ではなく、リレーUEへの経路切替に用いられる。このため、このタイマは、ネットワーク装置への経路切替に用いられる既存のタイマT304と異なってもよい。この設定に基づいて、第1の装置110は、タイマを開始し、経路切替が正常に行われるか否かを決定してもよい。例えば、タイマが満了した場合、第1の装置110は、経路切替が正常に行われなかったと決定してもよく、RRC再確立を開始してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、この情報は、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す指示(便宜上、本明細書では第1の指示とも称される)を含んでもよい。換言すれば、第1の指示は、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替に関わらず、リレーUEへの経路切替を示す。
【0066】
いくつかの実施形態において、この情報は、直接-間接経路切替を示す指示(便宜上、本明細書では第2の指示とも称される)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、この情報は、間接-間接経路切替を示す指示(便宜上、本明細書では第3の指示とも称される)を含んでもよい。こうして、第1の装置110は、実行される経路切替のタイプを知ることが可能である。
【0067】
RRC再設定メッセージが第3の装置130への経路切替に関する情報を含むと決定すると、第1の装置110は、経路切替のための第1の装置110の設定を決定する(203)。いくつかの実施形態において、RRC再設定メッセージが第3の装置130への経路切替に関する情報を含まない場合、例えば、RRC再設定メッセージが別のネットワーク装置へのハンドオーバに関する情報を含む場合、第1の装置110は、ハンドオーバのための第1の装置110の設定を決定してもよい。本開示は、ハンドオーバについての設定を限定せず、経路切替についての設定を決定するための解決策を提供することを意図されている。
【0068】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、経路切替のタイプに基づいて、経路切替の設定を決定してもよい。経路切替のタイプは、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、経路切替のタイプの明示的な指示に基づいて、経路切替のタイプを決定してもよい。例えば、該明示的な指示が経路切替に関する情報に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第4の装置140のアイデンティティ及び第2の装置120のアイデンティティの指示に基づいて、経路切替のタイプを暗黙的に決定してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、少なくとも第4の装置140のIDと第2の装置120のIDとに基づいて、経路切替のための第1の装置110の設定を決定してもよい。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDは、第4の装置140により提供されるgNBのIDを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDは、第4の装置140により提供されるセルグループのIDを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDは、第4の装置140により提供されるスペシャルセル(SpCell)のIDを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2の装置120のIDは、第2の装置120により提供されるgNBのIDを含んでもよい。例えば、gNB IDは、22ビット又は32ビットを有する整数であってもよい。いくつかの実施形態において、第2の装置120のIDは、第2の装置120により提供されるセルグループのIDを含んでもよい。例えば、セルグループIDは整数であってもよい。いくつかの実施形態において、第2の装置120のIDは、第2の装置120により提供されるSpCellのIDを含んでもよい。例えば、SpCell IDは、物理セルID(PCI:physical cell ID)、NRセル識別子(NCI:NR cell identifier)、NRセルグローバル識別子(NCGI:NR cell global identifier)、又はサービングセルインデックスであってもよい。別の例として、SpCell IDは整数であってもよい。もちろん、SpCell IDについて、任意の他の適切な形式も可能である。
【0070】
いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDがgNBのIDを含み、第2の装置120がgNBのIDを含む場合、2つのgNBのIDが異なれば、gNB間経路切替と称され、2つのgNBのIDが同じであればgNB内経路切替と称される。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDがセルグループのIDを含み、第2の装置120がセルグループのIDを含む場合、2つのセルグループのIDが異なればセルグループ間(inter-CellGroup)経路切替と称され、2つのセルグループのIDが同じであればセルグループ内(intra-CellGroup)経路切替と称される。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDがSpCellのIDを含み、第2の装置120がSpCellのIDを含む場合、2つのSpCellのIDが異なればSpCell間経路切替と称され、2つのSpCellのIDが同じであればSpCell内経路切替と称される。gNB間経路切替は、セルグループ間経路切替又はSpCell間経路切替と互換的に使用されてもよい。gNB内経路切替は、セルグループ内経路切替又はSpCell内経路切替と互換的に使用されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDは、RRC再設定メッセージを介して設定されてもよい。例えば、経路切替に関する情報を含むRRC再設定メッセージ内のReconfigurationWithSyncにより示される。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDは第3の装置130により示されてもよい。別の例として、第4の装置140のIDは、第3の装置130により、ディスカバリメッセージ、PC5-RRCシグナリング、又はPC5-Sシグナリングを介して示されてもよい。いくつかの実施形態において、第2の装置120のIDは第2の装置120により示されてもよい。例えば、第2の装置120のIDは、第2の装置120への同期プロシージャ(例えば、DL同期プロシージャ)中に又はRRCメッセージを介して示されてもよい。
【0072】
経路切替のための第1の装置110の設定の決定は、タイマの開始、DL同期、MACエンティティのセッティング、又はサイドリンクMACエンティティのセッティング、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。任意の他の適切なプロシージャも含まれてもよいことを、理解すべきである。これは、以下で詳細に説明される。
1. タイマの開始
【0073】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、経路切替のために設定されたタイマを開始してもよい(210)。例えば、第1の装置110は、経路切替に関する情報に含まれる該タイマの設定に基づいて該タイマを開始してもよい。このタイマはT304以外のタイマであってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、2つのタイマ、即ち、gNB内経路切替(セルグループ内又はSpCell内経路切替とも称される)のためのタイマ(便宜上、本明細書では第1のタイマとも称される)と、gNB間経路切替(本明細書では、セルグループ間又はSpCell間経路切替とも称される)のための別のタイマ(便宜上、本明細書では第2のタイマとも称される)とが設定されてもよい。これらの実施形態において、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、即ち、ターゲットSpCellが変更されていない場合、第1の装置110は、経路切替がgNB内経路切替であると決定してもよい。この場合、第1の装置110は、gNB内経路切替のために設定された第1のタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、即ち、ターゲットSpCellが変更された場合、第1の装置110は、経路切替がgNB間経路切替であると決定してもよい。この場合、第1の装置110は、gNB間経路切替のために設定された第2のタイマを開始してもよい。こうして、gNB間及びgNB内経路切替のために別々のタイマが設定される。第1のタイマと第2のタイマとが同じ値又は異なる値を有するように設定されてもよいことを、理解すべきである。
【0075】
いくつかの実施形態において、第1のタイマは、gNB内経路切替のための1組の第1の値を有するように設定されてもよく、第2のタイマは、gNB間経路切替のための1組の第2の値を有するように設定されてもよい。これらの実施形態において、該1組の第1の値又は該1組の第2の値を示すために、インデックスが設定されてもよい。例えば、タイマ値の設定の例が表1に示されている。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、即ち、gNB内経路切替である場合、第1の装置110は、設定されたインデックス(例えばインデックス=3)に基づいて、設定された1組の第1の値から第1の値(例えば15ms)を決定し、第1の値で第1のタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、即ち、gNB間経路切替である場合、第1の装置110は、設定されたインデックス(例えばインデックス=3)に基づいて、設定された1組の第2の値から第2の値(例えば25ms)を決定し、第2の値で第2のタイマを開始してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、タイマ値とオフセット値とが設定されてもよい。これらの実施形態において、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、設定されたタイマ値に基づいて第1のタイマの第1の値を決定し、第1の値で第1のタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、設定されたタイマ値と設定されたオフセット値とに基づいて第2のタイマの第2の値を決定し、第2の値で第2のタイマを開始してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、単一のタイマが第1の装置110について設定されてもよい。これらの実施形態において、該単一のタイマは、第1の値と、第1の値と異なる第2の値とを有するように設定されてもよい。第1の値は、gNB内経路切替のために用いられてもよく、第2の値は、gNB間経路切替のために用いられてもよい。例えば、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、第1の値で該単一のタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、第2の値で該単一のタイマを開始してもよい。
【0078】
こうして、リレーUEへの経路切替のために、タイマが導入される。
2. DL同期
【0079】
引き続き
図2を参照し、第1の装置110は、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDであるか否かを決定してもよい(220)。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、RRC再設定メッセージ内に含まれた経路切替に関する情報から、第4の装置140のIDを決定してもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第3の装置130とのPC5通信から、第4の装置140のIDを決定してもよい。本開示は、この態様を限定しない。この決定220は、前述した類似の方法で実行されてもよいので、簡潔のため、他の詳細を省く。
【0080】
第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、DL同期を実行してもよい(221)。即ち、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含む場合であって、第4の装置140のアイデンティティが第2の装置120のアイデンティティでない場合、第1の装置110は、前記DL同期を実行してもよい。いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含み、経路切替がgNB間経路切替であることを経路切替に関する情報が示す場合、第1の装置110は、DL同期を実行してもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は第4の装置140のDLへの同期を開始してもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第4の装置140について、規定されたブロードキャスト制御チャネル(BCCH:broadcast control channel)設定を適用してもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第4の装置140のマスタ情報ブロック(MIB:master information block)を取得してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、第4の装置140のMIBの読み出しを省略してもよい。いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含み、経路切替がgNB内経路切替であることを経路切替に関する情報が示す場合、第1の装置110は、第4の装置140のMIBの読み出しを省略してもよい。
【0083】
いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含む場合、第1の装置110は、必要なタイミング情報が得られたか否かを決定してもよい。必要なタイミング情報が得られた場合、第1の装置110は、第4の装置140のMIBの読み出しを省略してもよい。
【0084】
いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含む場合、第1の装置110は、タイミング情報がランダムアクセスに必要でないかどうかを決定してもよい。タイミング情報が必要でない場合、第1の装置110は、第4の装置140のMIBの読み出しを省略してもよい。
【0085】
いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含む場合、第1の装置110は、第4の装置140についての必要なMIB又はMIBのいくつかの情報要素(IE)が得られたか否かを決定してもよい。必要なMIB又はMIBのいくつかのIEが得られた場合、第1の装置110は、第4の装置140のMIBの読み出しを省略してもよい。
【0086】
いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含む場合、第1の装置110は、第3の装置130が第1の装置110のためにリレーUEとして設定されているか否かを決定してもよい。第3の装置130が設定されている場合、第1の装置110は、第4の装置140のMIBの読み出しを省略してもよい。
【0087】
こうして、リレーUEへの経路切替のためにDL同期を実行してもよい。
3. MACエンティティのセッティング
【0088】
引き続き
図2を参照し、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティをリセットしてもよい(230)。即ち、201RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を示す場合であって、第4の装置140のアイデンティティが第2の装置120のアイデンティティでない場合、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティをリセットする。いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含み、経路切替がgNB間経路切替であることを経路切替に関する情報が示す場合、第1の装置110は、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティをリセットしてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、このセルグループについて、newUE-Identityの値をセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)として適用してもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、このセルグループの、このRRC再設定メッセージ内のSCellToAddModListに含まれていないSCell(設定されている場合)が非アクティブ化された状態にあると見なしてもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、受信したspCellConfigCommonに従って下位層を設定してもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、前述ではカバーされていない任意の追加フィールド(受信したreconfigurationWithSyncに含まれる場合)に従って下位層を設定してもよい。
【0090】
第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティを再利用してもよい(231)。即ち、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含む場合であって、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティを再利用してもよい。いくつかの代替の実施形態において、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含み、経路切替がgNB内経路切替であることを経路切替に関する情報が示す場合、第1の装置110は、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティを再利用してもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、このセルグループについてC-RNTIを再利用してもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、このセルグループのSCellがアクティブ化された状態にあると見なしてもよい。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、このセルグループの、このRRC再設定メッセージ内のSCellToAddModListに含まれていないSCell(設定されている場合)が非アクティブ化された状態にあると見なしてもよい。
【0092】
こうして、リレーUEへの経路切替のためにMACエンティティを設定してもよい。
4. サイドリンクMACエンティティのセッティング
【0093】
図2を参照し、第1の装置110は、経路切替がソース装置(例えば、別の第3の装置131)から第3の装置130への間接-間接経路切替であるか否かを決定してもよい(240)。経路切替が間接-間接経路切替である場合、第1の装置110は、第3の装置130のIDがソース装置のIDであるか否かを決定してもよい(241)。第3の装置130のIDがソース装置のIDでない場合、第1の装置110は、第1の装置110のサイドリンク固有MACエンティティをリセットしてもよい(242)。いくつかの代替の実施形態において、経路切替が間接-間接経路切替である場合、第1の装置110は、第1の装置110のサイドリンク固有MACエンティティをリセットしてもよい。例えば、第1の装置110は、第1の装置110が第3の装置130とPC5接続(即ちサイドリンク接続)を確立する前に、ソース装置に関連付けられたサイドリンク固有MACをリセットしてもよい。別の例として、第1の装置110は、第1の装置が第3の装置130とPC5接続を確立する後に、ソース装置に関連付けられたサイドリンク固有MACをリセットしてもよい。
【0094】
こうして、リレーUEへの経路切替のためにサイドリンクMACエンティティを設定してもよい。ここまで、経路切替のための第1の装置110の設定が決定され、即ち、第1の装置110の再設定が行われた。
5. タイマの停止
【0095】
図2を参照し、第1の装置110の再設定が完了した後に、第1の装置110は、第1の装置110のサイドリンク適応層又はRLC層により、RRC再設定完了メッセージを第3の装置130に送信してもよい(204)。即ち、RRC再設定メッセージが経路切替に関する情報を含む場合、第1の装置110の上位層(即ちRRC層)は、RRC再設定完了メッセージを形成し、第1の装置110の下位層(即ちPDCP層/サブレイヤ)に、PC5接続を介してそれを第3の装置130に送信するように示してもよい。
【0096】
第3の装置130は、RRC再設定完了メッセージを第4の装置140に転送してもよい(205)。第4の装置140は、第3の装置130に、RRC再設定完了メッセージの受信への確認応答を送信してもよい(206)。いくつかの実施形態において、この確認応答は、RRC再設定完了メッセージの成功した受信を示す肯定応答であってもよい。いくつかの実施形態において、この確認応答は、RRC再設定完了メッセージの成功しなかった受信を示す否定応答であってもよい。
【0097】
図2を参照し、第1の装置110は、タイマを停止してもよい(207)。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、RRC再設定完了メッセージが正常に送信されたか否かを決定してもよい(250)。RRC再設定完了メッセージが正常に送信された場合、第1の装置110は、タイマを停止してもよい。例えば、RRC再設定完了メッセージを送信するための下位層(即ちPHY層)確認応答がターゲットリレー(例えば、第3の装置130)から受信された場合、第1の装置110は、タイマを停止してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第3の装置130とのPC5ユニキャストリンク(即ちサイドリンク接続)の確立が成功したか否かを決定してもよい(260)。第3の装置130とのPC5ユニキャストリンクの確立が成功した場合、第1の装置110は、タイマを停止してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、第3の装置130はRRC再設定完了サイドリンクメッセージを第1の装置110に送信してもよい(270)。RRC再設定完了サイドリンクメッセージを受信したことに応じて、第1の装置110は、タイマを停止してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、第3の装置130は、第1の装置110に、RRC再設定完了メッセージに関する指示(便宜上、本明細書では第4の指示とも称される)を送信してもよい(280)。第4の指示を受信したことに応じて、第1の装置110は、タイマを停止してもよい。いくつかの実施形態において、第4の指示は、RRC再設定完了メッセージが既に第4の装置140に転送されたことを示してもよい。いくつかの実施形態において、第4の指示は、RRC再設定完了メッセージの転送が既に第4の装置140により確認されたことを示してもよい。いくつかの実施形態において、第4の指示は、RRC再設定完了メッセージの転送がまだ第4の装置140により確認されていないことを示してもよい。
【0101】
ここまで、リレーUEへの経路切替を実行することができる。こうして、リレーUEへの経路切替のためのプロシージャを、明細書への修正を最小限に抑えて実現することができる。
方法の実現例
【0102】
したがって、本開示の実施形態は、端末装置とネットワーク装置において実現される通信方法を提供する。
図3~5を参照し、以下にこれらの方法を説明する。
【0103】
図3は本開示のいくつかの実施形態にかかる、リモートUEとしての第1の装置において実現される例示的な通信方法300を示す図である。例えば、方法300は、
図1に示すような第1の装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法300を説明する。方法300は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0104】
ブロック310において、第1の装置110は、第2の装置120から、RRC再設定メッセージを受信する。
【0105】
ブロック320において、第1の装置110は、RRC再設定メッセージが第3の装置130への経路切替に関する情報を含むか否かを決定する。第1の装置110は、第3の装置130を介して、第3の装置130をサービングする第4の装置140と通信し、サイドリンクインターフェースを介して第3の装置130と通信する。
【0106】
いくつかの実施形態において、この情報は、第3の装置130のアイデンティティ、第4の装置140のアイデンティティ、経路切替についてのタイマの設定、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は間接-間接経路切替を示す第3の指示、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0107】
RRC再設定メッセージがこの情報を含む場合、プロセス300がブロック330に進む。ブロック330において、第1の装置110は、経路切替のタイプに基づいて、経路切替のための第1の装置110の設定を決定する。いくつかの実施形態において、第1の装置110は、少なくとも第4の装置140のIDと第2の装置120のIDとに基づいて、経路切替のための第1の装置110の設定を決定してもよい。こうして、経路切替のタイプを暗黙的に決定してもよい。いくつかの代替の実施形態において、第1の装置110は、経路切替のタイプ(例えば、gNB内経路切替又はgNB間経路切替)の明示的な指示に基づいて、経路切替のための第1の装置110の設定を決定してもよい。こうして、経路切替のタイプを明示的に決定してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、経路切替のために設定されたタイマを開始してもよい。いくつかの実施形態において、このタイマは、第1のタイマと第2のタイマとを含んでもよい。これらの実施形態において、第1の装置110は、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDであるか否かを決定してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、第1のタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、第2のタイマを開始してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、第1のタイマは、1組の第1の値を有するように設定されてもよく、第2のタイマは、1組の第2の値を有するように設定されてもよい。これらの実施形態において、該1組の第1の値又は該1組の第2の値を示すために、インデックスが設定されてもよい。いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第1の値から第1のタイマの第1の値を決定し、第1の値で第1のタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第2の値から第2のタイマの第2の値を決定し、第2の値で第2のタイマを開始してもよい。
【0110】
いくつかの実施形態において、タイマ値とオフセット値とが設定されてもよい。これらの実施形態において、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、設定されたタイマ値に基づいて第1のタイマの第1の値を決定し、第1の値で第1のタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、設定されたタイマ値と設定されたオフセット値とに基づいて第2のタイマの第2の値を決定してもよい。
【0111】
単一のタイマが設定されるいくつかの実施形態において、このタイマは、第1の値と、第1の値と異なる第2の値とを有するように設定されてもよい。これらの実施形態において、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、第1の値でこのタイマを開始してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、第2の値でこのタイマを開始してもよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDであるか否かを決定してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、第4の装置140のDLとの同期を開始すること、第4の装置140について規定されたBCCH設定を適用すること、又は第4の装置140のMIBを取得すること、のうちの少なくとも1つを含むオペレーションを実行してもよい。
【0113】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第4の装置140のIDが第2の装置120のIDであるか否かを決定してもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDでない場合、第1の装置110は、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティをリセットしてもよい。第4の装置140のIDが第2の装置120のIDである場合、第1の装置110は、第4の装置140に関連付けられたセルグループのMACエンティティを再利用してもよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、第4の装置140のIDは、第4の装置140により提供されるセルグループのID、又は第4の装置140により提供されるSpCellのID、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2の装置120のIDは、第2の装置120により提供されるセルグループのID、又は第2の装置120により提供されるSpCellのID、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、経路切替がソース装置から第3の装置130への間接-間接経路切替であるか否かを決定してもよい。経路切替が間接-間接経路切替である場合、第1の装置110は、第3の装置130のIDがソース装置のIDであるか否かを決定してもよい。第3の装置のアイデンティティがソース装置のアイデンティティでない場合、第1の装置110は、第1の装置110のサイドリンク固有MACエンティティをリセットしてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、第1の装置110のサイドリンク適応層又はRLC層により、RRC再設定完了メッセージを第3の装置130に送信してもよい。
【0117】
いくつかの実施形態において、第1の装置110は、RRC再設定完了メッセージの送信が成功したこと、第3の装置130とのPC5ユニキャストリンク(即ちサイドリンク接続)の確立が成功したこと、第3の装置130からRRC再設定完了サイドリンクメッセージを受信したこと、又は第3の装置130から、RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を受信したこと、のうちの少なくとも1つに応じて、タイマを停止してもよい。いくつかの実施形態において、第4の指示は、RRC再設定完了メッセージが既に第4の装置140に転送されたこと、RRC再設定完了メッセージの転送が既に第4の装置140により確認されたこと、又はRRC再設定完了メッセージの転送がまだ第4の装置140により確認されていないこと、のうちの1つを示してもよい。
【0118】
図3の方法により、リレーUEへの経路切替のためのプロシージャを提供することが可能である。
【0119】
図4は本開示のいくつかの実施形態にかかる、リモートUEをサービングするネットワーク装置としての第2の装置において実現される例示的な通信方法400を示す図である。例えば、方法400は、
図1に示すような第2の装置120において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法400を説明する。方法400は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0120】
ブロック410において、第2の装置120は、第1の装置110に、第3の装置130への経路切替に関する情報を含むRRC再設定メッセージを送信する。第1の装置110は、第3の装置130を介して、第3の装置130をサービングする第4の装置140と通信し、サイドリンクインターフェースを介して第3の装置130と通信する。例えば、第2の装置120は、経路切替に関する情報を、RRC再設定メッセージのReconfigurationWithSnyc内に含めさせてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、この情報は、第3の装置130のアイデンティティ、第4の装置140のアイデンティティ、経路切替についてのタイマの設定、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は間接-間接経路切替を示す第3の指示、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0122】
図4の方法により、リレーUEへの経路切替のためのプロシージャをトリガすることが可能である。
【0123】
図5は本開示のいくつかの実施形態にかかる、リレーUEとしての第3の装置において実現される例示的な通信方法500を示す図である。例えば、方法500は、
図1に示すような第3の装置130において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法500を説明する。方法500は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0124】
ブロック510において、第3の装置130はRRC再設定完了メッセージを第1の装置110から受信する。
【0125】
ブロック520において、第3の装置130はこのRRC再設定完了メッセージを第4の装置140に転送する。第1の装置110は、第3の装置130を介して、第3の装置130をサービングする第4の装置140と通信し、サイドリンクインターフェースを介して第3の装置130と通信する。
【0126】
ブロック530において、第3の装置130は、第1の装置110に、RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を送信する。
【0127】
いくつかの実施形態において、第4の指示は、RRC再設定完了メッセージが既に第4の装置140に転送されたこと、RRC再設定完了メッセージの転送が既に第4の装置140により確認されたこと、又はRRC再設定完了メッセージの転送がまだ第4の装置140により確認されていないこと、のうちの1つを示してもよい。
【0128】
図5の方法により、リレーUEへの経路切替のためのプロシージャを提供することが可能である。
装置及び機器の実現例
【0129】
図6は本開示の実施形態を実現するのに適した装置600の概略ブロック図である。装置600は、
図1に示すような第1の装置110又は第2の装置120又は第3の装置130の別の例示的な実施態様として見なされてもよい。したがって、装置600は、第1の装置110又は第2の装置120又は第3の装置130において、又はそれらの少なくとも一部として実現されることが可能である。
【0130】
図示されるように、装置600は、プロセッサ610と、プロセッサ610に結合されたメモリ620と、プロセッサ610に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)640と、TX/RX 640に結合された通信インターフェースとを備える。メモリ610は、プログラム630の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 640は双方向通信に用いられる。TX/RX 640は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、eNB/gNB間の双方向通信のためのX2/Xnインターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)/アクセス及びモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)/SGW/UPFとeNB/gNBとの間の通信のためのS1/NGインターフェース、eNB/gNBとリレーノード(RN:relay node)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNB/gNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0131】
プログラム630は、
図1~
図5を参照して本明細書で説明したように、関連付けられるプロセッサ610により実行された場合、装置600が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定される。本明細書の実施形態は、装置600のプロセッサ610により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。プロセッサ610は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定されてもよい。さらに、プロセッサ610とメモリ620との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適したプロセッシング手段650を形成してもよい。
【0132】
メモリ620は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現されてもよい。装置600内には1つのメモリ620のみが示されているが、装置600内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ610は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。装置600は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0133】
いくつかの実施形態において、第1の装置は回路を備え、前記回路は、前記第1の装置をサービングする第2の装置から、RRC再設定メッセージを受信し、前記RRC再設定メッセージが第3の装置への経路切替に関する情報を含むか否かを決定し、前記RRC再設定メッセージが前記情報を含むとの決定に従って、前記経路切替のための前記第1の装置の設定を決定するように設定されている。前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して、前記第3の装置と通信する。
【0134】
いくつかの実施形態において、この情報は、前記第3の装置のアイデンティティ、前記第4の装置のアイデンティティ、前記経路切替についてのタイマの設定、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、前記直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は前記間接-間接経路切替を示す第3の指示、のうちの少なくとも1つを含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記経路切替のために設定されたタイマを開始することにより、前記設定を決定するように設定されてもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、このタイマは、第1のタイマと第2のタイマとを含む。これらの実施形態において、前記回路は、前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第1のタイマを開始することと、前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第2のタイマを開始することと、により、前記タイマを開始するように設定されてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、前記回路は、設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第1の値から前記第1のタイマの第1の値を決定することにより前記第1のタイマを開始し、前記設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第2の値から前記第2のタイマの第2の値を決定することにより前記第2のタイマを開始するように設定されてもよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、前記回路は、設定されたタイマ値に基づいて前記第1のタイマの第1の値を決定することにより、前記第1のタイマを開始し、前記設定されたタイマ値と設定されたオフセット値とに基づいて前記第2のタイマの第2の値を決定することにより、前記第2のタイマを開始するように設定されてもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、このタイマは、第1の値と、第1の値と異なる第2の値とを有するように設定されている。これらの実施形態において、前記回路は、前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第1の値で前記タイマを開始することと、前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第2の値で前記タイマを開始することと、により、前記タイマを開始するように設定されてもよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第4の装置のDLとの同期を開始すること、前記第4の装置について、規定されたBCCH設定を適用すること、又は前記第4の装置のMIBを取得すること、のうちの少なくとも1つを含むオペレーションを実行することと、により、前記設定を決定するように設定されてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第4の装置に関連付けられたセルグループのMACエンティティをリセットすることと、前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第4の装置に関連付けられた前記セルグループの前記MACエンティティを再利用することと、により、前記設定を決定するように設定されてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、前記第4の装置の前記アイデンティティは、前記第4の装置により提供されるセルグループのアイデンティティ、又は前記第4の装置により提供されるスペシャルセルのアイデンティティ、のうちの少なくとも1つを含み、前記第2の装置の前記アイデンティティは、前記第2の装置により提供されるセルグループのアイデンティティ、又は前記第2の装置により提供されるスペシャルセルのアイデンティティ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記経路切替がソース装置から前記第3の装置への間接-間接経路切替であるか否かを決定することと、前記経路切替が前記間接-間接経路切替であるとの決定に従って、前記第3の装置のアイデンティティが前記ソース装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、前記第3の装置の前記アイデンティティが前記ソース装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第1の装置のサイドリンク固有MACエンティティをリセットすることと、により、前記設定を決定するように設定されてもよい。
【0144】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記第1の装置のサイドリンク適応層又は無線リンク制御層により、RRC再設定完了メッセージを前記第3の装置に送信するように設定されてもよい。
【0145】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、RRC再設定完了メッセージの送信が成功したこと、前記第3の装置とのPC5ユニキャストリンクの確立が成功したこと、前記第3の装置からRRC再設定完了サイドリンクメッセージを受信したこと、又は前記第3の装置から、前記RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を受信したこと、のうちの少なくとも1つに応じて、前記タイマを停止するように設定されてもよい。
【0146】
いくつかの実施形態において、前記第4の指示は、前記RRC再設定完了メッセージが既に前記第4の装置に転送されたこと、前記RRC再設定完了メッセージの転送が既に前記第4の装置により確認されたこと、又は前記RRC再設定完了メッセージの転送がまだ前記第4の装置により確認されていないこと、のうちの1つを示す。
【0147】
いくつかの実施形態において、第2の装置は回路を備え、前記回路は、第3の装置への経路切替に関する情報を含むRRC再設定メッセージを、前記第2の装置によりサービングされる第1の装置に送信するように設定されている。前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して、前記第3の装置と通信する。
【0148】
いくつかの実施形態において、前記情報は、前記第3の装置のアイデンティティ、前記第4の装置のアイデンティティ、前記経路切替についてのタイマの設定、直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、前記直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は前記間接-間接経路切替を示す第3の指示、のうちの少なくとも1つを含む。
【0149】
いくつかの実施形態において、第3の装置は回路を備え、前記回路は、RRC再設定完了メッセージを第1の装置から受信し、前記RRC再設定完了メッセージを第4の装置に転送し、前記第1の装置に、前記RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を送信するように設定されている。前記第1の装置は、前記第3の装置を介して前記第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して前記第3の装置と通信する。
【0150】
いくつかの実施形態において、前記第4の指示は、前記RRC再設定完了メッセージが既に前記第4の装置に転送されたこと、前記RRC再設定完了メッセージの転送が既に前記第4の装置により確認されたこと、又は前記RRC再設定完了メッセージの転送がまだ前記第4の装置により確認されていないこと、のうちの1つを示す。
【0151】
いくつかの実施形態において、第1の装置と第3の装置とは端末装置であり、第2の装置と第4の装置とはネットワーク装置である。
【0152】
本明細書で使用される用語「回路」は、ハードウェア回路及び/又はハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせを意味してもよい。例えば、回路は、アナログ及び/又はデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせであってもよい。さらに別の例として、回路は、端末装置又はネットワーク装置のような装置に様々な機能を実行させるために協働する、デジタル信号プロセッサ、ソフトウェア及び1つ又は複数のメモリを含むソフトウェアを有するハードウェアプロセッサの任意の部分であってもよい。さらに別の例において、回路は、オペレーションのためにソフトウェア/ファームウェアを必要とするハードウェア回路及び/又はマイクロプロセッサ又はその一部のようなプロセッサであってもよいが、オペレーションのために必要でない場合、ソフトウェアは存在しなくてもよい。本明細書で使用されるように、用語「回路」は、ハードウェア回路又は1つ又は複数のプロセッサのみ、又はハードウェア回路又は1つ又は複数のプロセッサの一部及びその(又はそれらの)付随するソフトウェア及び/又はファームウェアの実現も含む。
【0153】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置により実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、機器、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装されてもよいことを理解すべきである。
【0154】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図1~
図5を参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般的には、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合又は分割されてもよい。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカル又は分散型装置内で実行されてもよい。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体内の両方に配置されていてもよい。
【0155】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行してもよい。
【0156】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実装されてもよく、マシン可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置により利用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であってもよい。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、機器若しくは装置、又は前述の媒体の任意の適切な組み合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ又は複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組み合わせを含んでもよい。
【0157】
なお、動作について特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした動作を、示された特定の順序で実行するか若しくは連続する順序で実行し、又は、説明された全ての動作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスク及び並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
【0158】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、
第1の装置において、前記第1の装置をサービングする第2の装置から、無線リソース制御(RRC:radio resource control)再設定メッセージを受信することと、
前記RRC再設定メッセージが第3の装置への経路切替に関する情報を含むか否かを決定することであって、前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して、前記第3の装置と通信することと、
前記RRC再設定メッセージが前記情報を含むとの決定に従って、前記経路切替のタイプに基づいて、前記経路切替のための前記第1の装置の設定を決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記情報は、
前記第3の装置のアイデンティティ、
前記第4の装置のアイデンティティ、
前記経路切替についてのタイマの設定、
直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、
前記直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は
前記間接-間接経路切替を示す第3の指示、
のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記設定を決定することは、
前記経路切替のために設定されたタイマを開始することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記タイマは、第1のタイマと第2のタイマとを含み、前記タイマを開始することは、
前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第1のタイマを開始することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第2のタイマを開始することと、
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のタイマを開始することは、設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第1の値から前記第1のタイマの第1の値を決定することを含み、
前記第2のタイマを開始することは、前記設定されたインデックスに基づいて、設定された1組の第2の値から前記第2のタイマの第2の値を決定することを含む
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のタイマを開始することは、設定されたタイマ値に基づいて前記第1のタイマの第1の値を決定することを含み、
前記第2のタイマを開始することは、前記設定されたタイマ値と設定されたオフセット値とに基づいて前記第2のタイマの第2の値を決定することを含む
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記タイマは、第1の値と、前記第1の値と異なる第2の値とを有するように設定され、前記タイマを開始することは、
前記第4の装置のアイデンティティが前記第2の装置のアイデンティティであるか否かを決定することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティであるとの決定に従って、前記第1の値で前記タイマを開始することと、
前記第4の装置の前記アイデンティティが前記第2の装置の前記アイデンティティでないとの決定に従って、前記第2の値で前記タイマを開始することと、
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項8】
RRC再設定完了メッセージの送信が成功したこと、
前記第3の装置とのPC5ユニキャストリンクの確立が成功したこと、
前記第3の装置からRRC再設定完了サイドリンクメッセージを受信したこと、又は
前記第3の装置から、前記RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を受信したこと、
のうちの少なくとも1つに応じて、前記タイマを停止すること
をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第4の指示は、
前記RRC再設定完了メッセージが既に前記第4の装置に転送されたこと、
前記RRC再設定完了メッセージの転送が既に前記第4の装置により確認されたこと、又は
前記RRC再設定完了メッセージの転送がまだ前記第4の装置により確認されていないこと、
のうちの1つを示す請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
通信の方法であって、
第2の装置において、第3の装置への経路切替に関する情報を含む無線リソース制御(RRC)再設定メッセージを、前記第2の装置によりサービングされる第1の装置に送信することを含み、
前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第3の装置をサービングする第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して前記第3の装置と通信する
方法。
【請求項11】
前記情報は、
前記第3の装置のアイデンティティ、
前記第4の装置のアイデンティティ、
前記経路切替についてのタイマの設定、
直接-間接経路切替又は間接-間接経路切替を示す第1の指示、
前記直接-間接経路切替を示す第2の指示、又は
前記間接-間接経路切替を示す第3の指示、
のうちの少なくとも1つを含む請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
通信の方法であって、
第3の装置において、無線リソース制御(RRC)再設定完了メッセージを第1の装置から受信することと、
前記RRC再設定完了メッセージを第4の装置に転送することであって、前記第1の装置は、前記第3の装置を介して、前記第4の装置と通信し、サイドリンクインターフェースを介して、前記第3の装置と通信することと、
前記第1の装置に、前記RRC再設定完了メッセージに関する第4の指示を送信することと、
を含む方法。
【請求項13】
前記第1の装置と前記第3の装置とが端末装置であり、前記第2の装置と前記第4の装置とがネットワーク装置である
請求項1、
10及び
12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~
9の何れか一項、又は請求項
12~
13の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える
通信の装置。
【請求項15】
請求項
10~
11の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える
通信の装置。
【国際調査報告】