(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】自動漏れ検出
(51)【国際特許分類】
G01N 30/86 20060101AFI20241219BHJP
G01N 30/32 20060101ALI20241219BHJP
G01N 30/72 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G01N30/86 V
G01N30/32 A
G01N30/86 R
G01N30/72 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535764
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021063842
(87)【国際公開番号】W WO2023113804
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511241114
【氏名又は名称】サーモ フィッシャー サイエンティフィック ソチエタ ペル アツィオーニ
(71)【出願人】
【識別番号】501192059
【氏名又は名称】サーモ フィニガン リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ファケッティ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】マーニ パオロ
(72)【発明者】
【氏名】クォームビー スコット ティー
(72)【発明者】
【氏名】スリニヴァサン カナン
(57)【要約】
【課題】ガスクロマトグラフシステムの漏れを検出するための方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガスクロマトグラフィシステムは、閉じた排気経路を有する。ガスが、ガスクロマトグラフィシステムのカラムを通して第1流量で流されて第1圧力からの第1圧力変化を引き起こし、第1変化は、第1圧力差を画定する。第1圧力差及び/又は第1圧力変化の第1持続時間が測定される。閉じた排気経路が開かれ、排気経路を通る第2流量が設定される。ガスは、カラムを通して第3流量で流され、排気経路を通して第2流量で流されてガスクロマトグラフィシステム内に第2圧力からの第2圧力変化を引き起こし、第2変化は、第2圧力差を画定する。第2圧力差及び/又は第2圧力変化の第2持続時間が測定される。第1圧力差及び/又は第1持続時間、第2圧力差及び/又は第2持続時間に基づきガスクロマトグラフィシステムの漏れの有無が決定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
少なくとも1つの閉じた排気経路を有するガスクロマトグラフィシステムにおいて、前記ガスクロマトグラフィシステムのカラムを通して第1の流量でガスを流して、第1の圧力差を画定する、第1の圧力からの第1の圧力変化を引き起こし、前記第1の圧力差及び/又は前記第1の圧力変化の第1の持続時間を測定するステップと、
少なくとも1つの閉じた排気経路を開き、前記少なくとも1つの開いた排気経路の各々を通るそれぞれの第2の流量を設定するステップと、
前記カラムを通して第3の流量で前記ガスを流し、前記少なくとも1つの開いた排気経路の各々を通して前記それぞれの第2の流量で前記ガスを流すことによって、前記ガスクロマトグラフィシステム内に、第2の圧力差を画定する、第2の圧力からの第2の圧力変化を引き起こし、前記第2の圧力差及び/又は前記第2の圧力変化の第2の持続時間を測定するステップと、
測定された前記第1の圧力差及び/又は第1の持続時間、並びに測定された前記第2の圧力差及び/又は第2の持続時間に基づいて、前記ガスクロマトグラフィシステム内に漏れがあるかどうかを決定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
決定する前記ステップが、前記第1の圧力差及び/又は前記第1の持続時間が、前記それぞれの第2の圧力差及び/又は前記第2の持続時間に基づいて確立された予想値と閾値量を超えて異なる場合に、前記ガスクロマトグラフィシステム内に漏れがあると決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
決定する前記ステップが、前記第2の持続時間によって示されるガスの量が、前記第1の持続時間によって示されるガスの量から確立された予想値と閾値量を超えて異なる場合に、かつ/又は前記第1の持続時間によって示されるガスの量が、前記第2の持続時間によって示されるガスの量から確立された予想値と閾値量を超えて異なる場合に、前記ガスクロマトグラフィシステム内に漏れがあると決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
決定する前記ステップが、予想流量と、前記第1の流量及び前記少なくとも1つの第2の流量の合計との間の、閾値量よりも大きい差に基づいて漏れがあると決定することを含み、前記予想流量が、前記第1の持続時間及び前記第2の持続時間に基づいて確立される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カラムを通してガスを流すことが、前記カラム及び少なくとも1つの開いた排気経路を通してガスを流すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの排気経路を開く前記ステップが、複数の排気経路を開くことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記それぞれの第2の流量のうちの1つ以上が、前記第1の流量の倍数であり、かつ/又は前記第3の流量が、前記第1の流量の倍数である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの排気経路が、隔壁パージ経路、スプリット経路、及び減圧経路のうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の圧力が、前記第2の圧力に等しく、前記第1の圧力差が、前記第2の圧力差に等しく、かつ/又は前記第1の持続時間が、前記第2の持続時間に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ガス入口を開くことによって、前記ガスクロマトグラフィシステムを前記第1の圧力及び前記第2の圧力で加圧するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の持続時間を測定する前記ステップ及び前記第2の持続時間を測定する前記ステップの前に、前記ガス入口を閉じるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の圧力差及び/又は前記第1の持続時間を測定する前に、前記カラムのパラメータを決定することによって前記カラムを較正するステップであって、前記パラメータが、前記カラムの長さ及び内径を含む、較正するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ガスクロマトグラフィシステムが、質量分析計を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
漏れがあるという決定に続いて、前記ガスクロマトグラフィシステムを介して、前記決定の記録をロギングし、漏れが検出されたという指示をユーザに提供するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
漏れがないという決定に続いて、
前記第1の圧力差及び前記第1の持続時間、並びに/又は前記第2の圧力差及び前記第2の持続時間に関する第1のパラメータを決定するステップと、
前記カラムを通して更なる流量でガスを流して、更なる圧力差を画定する、更なる圧力からの更なる圧力変化を引き起こし、前記更なる圧力差及び/又は前記更なる圧力変化の更なる持続時間を測定するステップと、
前記第1のパラメータ、前記更なる圧力差、及び前記更なる持続時間に基づいて、漏れがあるかどうかを決定するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
漏れがあるかどうかを決定する前記ステップが、
測定された前記更なる持続時間が、前記更なる圧力差及び前記第1のパラメータに基づいて確立された予想値と異なり、かつ/又は
測定された前記更なる圧力差が、前記更なる持続時間及び前記第1のパラメータに基づく予想値と異なる場合に、漏れがあると決定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
漏れがあるかどうかを決定する前記ステップが、
前記更なる圧力差及び前記更なる持続時間に関する更なるパラメータを決定することと、
前記更なるパラメータが前記第1のパラメータと閾値量を超えて異なる場合に、漏れがあると決定することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のパラメータが、時間増分当たりの圧力降下を表し、決定する前記ステップが、
前記更なる圧力差及び前記更なる持続時間に基づいて、時間増分当たりの圧力降下を表す追加のパラメータを決定することと、
前記追加のパラメータが前記第1のパラメータよりも大きい場合に漏れがあると決定することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ガスクロマトグラフィ装置と、請求項1に従って前記ガスクロマトグラフィ装置を動作させるように構成されたコントローラと、を備える、システム。
【請求項20】
実行されたときに、コンピューティングデバイスに請求項1に記載のステップを実施させる機械実行可能命令を記憶する、非一時的記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、特にガスクロマトグラフィシステムにおける漏れを自動的に検出するための方法及びシステムに関する。システム及び方法は、例えば、GC-MS機器において、質量分析(mass spectrometry、MS)と組み合わせて使用するために好適であり得る。
【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフ(gas chromatograph、GC)は、試料中の成分を分離及び分析するために使用される機器である。
図1及び
図2は、スプリットモード及びスプリットレスモード注入が可能な例示的なガスクロマトグラフ100、200を示す。
【0003】
動作中、キャリアガスが、GC100、200のカラム入口(本明細書では注入器又は入口とも呼ばれることがある)105に供給される。カラム入口は、スプリット/スプリットレス(split/splitless、SSL)入口又はプログラム可能な温度気化(programmable temperature vaporizing、PTV)入口であり得る。PTV入口もまた、スプリットモード及び/又はスプリットレスモードで動作可能であり得る。カラム入口105は、隔壁によって覆われており、隔壁パージ経路104が、入力経路103を介して隔壁を横切るキャリアガスの流れを提供する。試料は、隔壁を通してシリンジを介してカラム入口105内のキャリアガス中に導入される。次いで、試料は、キャリアガスを介して、カラムベント/検出器につながるカラム101に流入する。試料/キャリアガス混合物はまた、スプリット経路102を介してスプリットベント(図示せず)に排出され得る。スプリット経路102及び入力経路103は、チャコールトラップ117、118を含み得る。
【0004】
スプリットモード動作では、キャリアガスがカラム101、隔壁パージ経路104、及びスプリット経路102を介して入口105を出るように、スプリット経路102が開いている(すなわち、弁110が開いている)。スプリットレスモードでは、キャリアガスがスプリット経路102を介してカラム入口105から出ないように、スプリット経路102が閉じられている(すなわち、弁110が閉じられている)。両方の場合において、カラム入口105に流入するキャリアガスの流量は、カラム入口105を出る流量の合計に等しい。
【0005】
図1に示されるガスクロマトグラフ100は、順方向圧力調整を使用して動作し、順方向圧力調整では、圧力センサ107を使用して入口105/カラム101のヘッド圧力を測定し、弁111を介してカラム流を制御する。
図2は、背圧調整を使用して動作するガスクロマトグラフ200を示し、背圧調整では、カラムヘッド圧力/流は、出口弁(図示せず)を介して制御される。
【0006】
図1に示されるGCシステム100では、隔壁パージ流量及びスプリットベント流量は、それぞれ流れセンサ108及び109によって測定され得る。流れセンサ108及び109は、圧力センサ113、115及び流れ制限器114、116を備え得る。代替的に、流れセンサ108及び109は、質量流れセンサ又は他のタイプの流れセンサであり得る。
図2に示されるGCシステム200では、隔壁パージ率のみが、制限器を有する流れセンサ108によって測定され得、スプリット流路102を通る流れは、圧力センサ107を使用して測定され得る。ガス入口経路103を通る流れは、流れセンサ201を使用して測定され得る。
【0007】
GC空気圧システムの気密性は、試料中の成分の正確な分析にとって重要である。注入器105及びカラム接続に漏れがないことが必須である。
【0008】
漏れ検出器を使用して、漏れを検出することができる。しかしながら、これらは高価であり、小さな流量を測定する場合にはあまり安定していない。したがって、非常に小さい漏れ(例えば、キャピラリーカラムの典型的な範囲又は更に小さい流量)を検出する能力は、非常に制限される。
【0009】
漏れがあるかどうかを検証する別の方法は、ユーザが、ある圧力降下のために経験的な減圧時間を設定することを必要とする。次に、測定された時間をユーザによって設定された閾値時間と比較することによって、漏れの存在を検出することができる。しかしながら、パラメータの一部(例えば、ライナ及びチャコールトラップを含むカラム入口(注入器)の体積)は十分な精度で決定することが困難であり得るので、理論的パラメータに基づいてこの閾値時間を計算することは実際には不可能である。更に、計算に必要ないくつかの関係は非常に複雑である。
【0010】
米国特許第5,938,817号には、異常検出器が気化チャンバ内へのガス流量を監視することが記載されている。隔壁にガス漏れがある場合、気化チャンバ内の圧力を一定に維持するために、より多くのキャリアガスが必要とされるので、ガス漏れが増加するにつれて、ガス入口で監視されるガス流量が増加する。異常検出器は、流量の監視された値が所定の閾値に達したときに警告信号を送信する。しかしながら、スプリットモードで動作するときに、漏れがあるかどうか、又は監視されたガス流量の増加がスプリット流に起因するかどうかを決定することは不可能である。その結果、米国特許第5,938,817号には、スプリットルート弁の開放を制御するコイルに印加される電圧を監視し、電圧が閾値未満であるときに警告信号を送信することが記載されている。しかしながら、これは、弁及び弁動作条件のばらつきのために、スプリット流を測定する不正確な方法である。
【0011】
米国特許第7,559,227号には、入力流と出力流との間の差に基づいて流れ途絶が検出されることが記載されている。ある誤差閾値を超える差がある場合、漏れが推測され得る。しかしながら、非常に大きい可能性がある2つの流量間の小さな差を検出することは困難である。すなわち、広い範囲の流れセンサで小さな流量変動を測定することは困難である。
【0012】
したがって、これらの問題を克服する方法及びシステムが望ましい。
【発明の概要】
【0013】
この背景に対して、独立請求項に記載されるようなガスクロマトグラフシステムにおける漏れを検出するための方法及びシステムが提供される。本発明の追加の態様は、明細書及び特許請求の範囲に記載されている。
【0014】
本開示は、ガスクロマトグラフィシステムの空気の気密性の決定に関し、特に、注入器及びカラム取り付け具の気密性の決定に関する。本開示は、ガスクロマトグラフィシステム内のガス流路を使用して、制御された漏れを生成することを含む。次いで、ガスがカラム及びガス流路を通って流れるときの特定の圧力変化にかかる時間を、ガスがカラムのみを通って流れるときの同じ圧力変化にかかる時間と比較する。これは、システム内に漏れがあるかどうかを決定するために使用される。
【0015】
上記の方法は、コンピュータ又はコンピュータシステムを動作させるための命令を含むコンピュータプログラムとして実装され得る。コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。
【0016】
コンピュータシステムは、中央処理装置(central processing unit、CPU)などのプロセッサを含み得る。プロセッサは、ソフトウェアプログラムの形態で、ロジックを実行してもよい。コンピュータシステムは、揮発性及び不揮発性記憶媒体を含むメモリを含むことができる。本システムの異なる部分は、ネットワーク(例えば、無線ネットワーク及び有線ネットワーク)を使用して接続されてもよい。コンピュータシステムは、1つ以上のインターフェースを含むことができる。コンピュータシステムは、例えば、UNIX(登録商標)(Linux(登録商標)を含む)、Windows(RTM)などの好適なオペレーティングシステムを含み得る。
【0017】
上記の方法は、ガスクロマトグラフィ装置と、ガスクロマトグラフィ装置を動作させるように構成されたコントローラと、を備えるシステムにおいて実装され得る。
【0018】
本明細書に記載のいずれの特徴も、本発明の任意の特定の態様又は実施形態とともに使用されてもよいことに留意すべきである。その上、組み合わせが明示的に開示されていなくても、任意の特定の装置、構造又は方法の特徴の組み合わせもまた提供される。
【0019】
本発明は、ここで、その異なる実施形態を示す添付の図面を参照して説明され、図面は、純粋に実施例として提供されており、限定ではない。
本発明は、多くの方法で実施し得、好適な実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に記載し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】スプリットモード及びスプリットレスモードで動作することができるガスクロマトグラフィシステムを示す。
【
図2】スプリットモード及びスプリットレスモードで動作することができるガスクロマトグラフィシステムを示す。
【
図3】オンカラム入口を備えるガスクロマトグラフィシステムを示す。
【
図4】漏れを検出するためのフローチャート方法を示す。
【
図5】漏れがあるかどうかを決定するためのフローチャート方法を示す。
【
図6】漏れを検出するためのフローチャート方法を示す。
【0021】
図は、簡単にするために概略的な形で示されているものであり、必ずしも一定の縮尺で描画されているわけではないことに注意されたい。同様の特徴には、同じ参照番号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、ガスクロマトグラフィ(GC)システム100、200、300における漏れを検出するための方法を提供する。方法は、ガスがカラム101を通って流れている間に、GCシステム100、200、300において制御された漏れを生成することを含む。次いで、制御された漏れは、ユーザが経験値を設定することを必要とする代わりに、漏れがあるかどうかを決定するための基準として使用され得る。すなわち、漏れを自動的に検出することができる。更に、漏れは、ガスクロマトグラフがその「実行」状態にあるときを除いていつでも検出され得る。これは、いつでも検出すると、ユーザの分析を妨げるためである。オーブンの温度が変化するとカラム流れが変化するので、オーブンが等温状態にあるとき(例えば、ガスクロマトグラフがアイドル状態にあるとき)に漏れを検出することが好ましい。すなわち、漏れ検査中に安定したオーブン温度を有することが好ましい。したがって、漏れチェックは、例えば、注入前の平衡時間中に、又は試料分析の終了時に実施され得る。
【0023】
この方法での使用に適した例示的なGCシステム300を
図3に示す。GC300は、オンカラム入口105を含み、上述のGC100及び200と同様であるが、スプリット流路102又は隔壁パージ経路104を含まない。代わりに、GCシステム300は、減圧経路119を含む。減圧経路119は、弁120を介して開閉され得る。この経路119は、
図1及び
図2の隔壁パージ経路104の場所に対応する場所から出るものとして
図3に示されているが、減圧経路119は、注入器105上の任意の場所に配置することができる。
【0024】
GCシステム100、200、300は、本明細書に開示される方法に従ってGCシステム100、200、300を動作させるように構成されたコントローラを含み得る。GCシステム100、200、300はまた、質量分析計と組み合わせて使用され得る。
【0025】
GCシステム100、200、300の減圧速度は、以下のように表すことができ
【0026】
【数1】
式中、Pは、入口(注入器)圧力であり、Kは、定数であり、F(P)は、圧力の関数である流量である。流れは、初期圧力と最終圧力が類似していると仮定することができる場合、一定であるとみなすことができ、その結果、式(1)は、以下となり
【0027】
【数2】
式中、tは、減圧時間(すなわち、圧力変化ΔPにかかる時間)である。
したがって、一般に、GCシステム100、200、300の排気経路102、104、119が閉じられているときには、以下となり
【0028】
【数3】
式中、F
columnは、カラム101を通る流量であり、F
leaksは、GCシステム100、200、300における任意の実際の漏れの流れである。排気経路102、104、119は、スプリット経路102、隔壁パージ経路104、減圧経路119、及び別の出力経路(図示せず)のうちの1つ以上であり得る。F
columnは、カラム形状に基づいて決定されるカラム101を通る理論流量であり得る。あるいは、いくつかの他の手段によって流れを測定し得る。総流量F
column+F
leaksは、F
1と呼ばれ得る。
【0029】
1つ以上の排気経路102、104、119が開いているとき、そうすると、以下となる
【0030】
【数4】
式中、F
exhaustは、1つ以上の排気経路102、104、119を通る総流量(すなわち、生成された漏れ)である。F
exhaustは、理論流量であり得るか、若しくは流れセンサ108及び109によって測定された流量であり得、及び/又は圧力センサ107を用いて計算された流量であり得る。総流量F
column+F
leaks+F
exhaustは、F
2と呼ばれ得る。
【0031】
減圧時間は、排気経路102、104、119からの制御された/生成された漏れがある場合とない場合の両方で測定され得る。生成された漏れは、カラム流と同程度の大きさであり得るが、この実施例に限定されない。
【0032】
減圧時間は、制御された/生成された漏れがある場合とない場合の両方で測定され得る。生成された漏れは、カラム流と同程度の大きさであり得るが、この実施例に限定されない。
【0033】
圧力変化が、生成された漏れを伴う測定と伴わない測定とで同じである場合(すなわちΔP1=ΔP2)、そうすると、以下となる
【0034】
【0035】
【0036】
式(6)に基づいて、システム100、200、300に漏れがあるかどうかを、例えば、減圧時間に基づいて決定することができる。この決定は、
図4及び
図5並びに表1を参照してより詳細に説明される。
【0037】
代替的に、減圧時間が一定に保たれる場合(すなわちt1=t2)、以下のように導くことができる
【0038】
【0039】
この場合、圧力変化は、発生した漏れがある場合とない場合の両方で測定され得る。式(7)に基づいて、例えば、圧力変化に基づいて、システム100、200、300内に漏れがあるかどうかを決定することができる。この決定は、
図2を参照してより詳細に説明される。
【0040】
代替的に、圧力変化も減圧時間も一定に保たれなくてもよい。この場合、以下のように導出することができる
【0041】
【0042】
漏れの流量は、式(3)及び(4)を使用して、ΔP1、ΔP2、t1及び/又はt2の決定された値に基づいて決定され得る。例えば、定数Kが全ての測定値に対して同じであると仮定することによって、式(3)及び(4)は、以下の式に再構成することができる
【0043】
【0044】
式(9)は、ΔP1=ΔP2及びt1=t2である場合に簡略化され得る。
【0045】
流量は、標準圧力及び温度において、標準立方センチメートル/分(standard cubic centimeters per minute、sccm)、すなわち、cm3/分で測定され得る。例えば、スプリットモードで動作するとき、カラム入口105へのキャリアガスの流れは、106sccmとして測定され得、スプリット経路102、隔壁パージ経路104、及びカラム101を介したカラム入口105からの流れは、それぞれ、100sccm、5sccm、及び1sccmであり得る。
【0046】
スプリットレスモードでは、カラム入口105へのキャリアガスの流れは、はるかにより低く、例えば、6sccmであり得、次いで、隔壁パージ経路104及びカラム101を介してカラム入口105から出る流れは、それぞれ、5sccm及び1sccmであり得る。代替的に、隔壁パージ経路はまた、スプリットレスモードで閉じられ得る。この場合、入口105へのキャリアガスの流れは、カラム101を通るガスの流れに等しく、例えば、1sccmであり得る。
【0047】
カラム101の特性、例えば、その長さ、内径及びその固定相の厚さは、カラム101を通る流れに影響を及ぼす。一般に、より短いカラムは、低圧で比較的高い流れを提供する。注入器105の内部体積は、入力ガスがオフにされるか、又は入力ガス設定圧力が低減される(例えば、それぞれ、弁111を閉じるか、又は部分的に閉じることによって)ときに、圧力がどれだけ迅速に降下するかに影響を及ぼす。しかしながら、スプリット経路102及び隔壁パージ経路104は、制限器114、116と、制限器114、116を制御する弁110、112とを有し得、これにより、これらの経路を通る流れを内部体積とは無関係に制御することができる。同様に、減圧経路119は、制限器116と、制限器116を制御する弁120とを有し得る。
【0048】
したがって、方法が提供され、方法は、少なくとも1つの閉じた排気経路102、104、119を有するガスクロマトグラフィシステム100、200、300において、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300のカラム101を通して第1の流量でガスを流して、第1の圧力差を画定する、第1の圧力からの第1の圧力変化を引き起こし、第1の圧力差及び/又は第1の圧力変化の第1の持続時間を測定するステップと、少なくとも1つの閉じた排気経路102、104、119を開き、少なくとも1つの開いた排気経路102、104、119の各々を通るそれぞれの第2の流量を設定するステップと、カラム101を通して第3の流量でガスを流し、少なくとも1つの開いた排気経路102、104、119の各々を通してそれぞれの第2の流量でガスを流すことによって、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300内に、第2の圧力差を画定する、第2の圧力からの第2の圧力変化を引き起こし、第2の圧力差及び/又は第2の圧力変化の第2の持続時間を測定するステップと、測定された第1の圧力差及び/又は第1の持続時間、並びに測定された第2の圧力差及び/又は第2の持続時間に基づいて、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300内に漏れがあるかどうかを決定するステップと、を含む。
【0049】
この方法は、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300において漏れを自動的に検出することができることを提供する。更に、漏れはいつでも検出することができる(しかし、ガスクロマトグラフがその「実行」状態にあるときにいつでも検出することは、ユーザの分析を妨げるので好ましくない)。オーブンの温度が変化するとカラム流れが変化するので、オーブンが等温状態にあるとき(例えば、ガスクロマトグラフがアイドル状態にあるとき)に漏れを検出することが好ましい。すなわち、漏れ検査中に安定したオーブン温度を有することが好ましい。したがって、漏れチェックは、例えば、注入前の平衡時間中に、又は試料分析の終了時に実施され得る。
【0050】
決定するステップは、第1の圧力差及び/又は第1の持続時間が、それぞれの第2の圧力差及び/又は第2の持続時間に基づいて確立された予想値と閾値量を超えて異なる場合に、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300内に漏れがあると決定することを含み得る。
【0051】
代替的又は追加的に、決定するステップは、第2の持続時間によって示されるガスの量が、第1の持続時間によって示されるガスの量から確立された予想値と閾値量を超えて異なる場合に、かつ/又は第1の持続時間によって示されるガスの量が、第2の持続時間によって示されるガスの量から確立された予想値と閾値量を超えて異なる場合に、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300内に漏れがあると決定することを含み得る。
【0052】
代替的又は追加的に、決定するステップは、予想流量と、第1の流量及び少なくとも1つの第2の流量の合計との間の、閾値量よりも大きい差に基づいて漏れがあると決定することを含み得、予想流量は、第1の持続時間及び第2の持続時間に基づいて確立される。
【0053】
ΔP1=ΔP2である場合には、以下の場合に、漏れがあると決定され得、
【0054】
【数10】
式中、t
2は、第2の持続時間であり、F
1は、第1の流量であり、F
2は、第1の流量と少なくとも1つの第2の流量との和であり、t
1は、第1の持続時間である。
【0055】
以下である場合に、
【0056】
【数11】
漏れがないと決定され得る。測定における不確実性に基づいて、t
2が、
【0057】
【数12】
よりも有意に小さいか又は有意に大きいかどうかを決定するために、許容係数εを含むことが必要であり得る。
【0058】
カラム101を通してガスを流すことは、カラム101及び少なくとも1つの開いた排気経路102、104、119を通してガスを流すことを含み得る。
【0059】
少なくとも1つの排気経路102、104、119を開くステップは、複数の排気経路102、104、119を開くことを含み得る。
【0060】
それぞれの第2の流量のうちの1つ以上は、第1の流量の倍数であり得、かつ/又は第3の流量は、第1の流量の倍数であり得ることが好ましい。一部の実施例では、これは、1つ以上の第2の流量が第1の流量に等しいこと、及び/又は第3の流量が第1の流量に等しい(すなわち、倍数が1である)ことを意味し得る。倍数は、整数倍であり得る。1つ以上のそれぞれの第2の流量及び/又は第3の流量が第1の流量の倍数であることは、(例えば、任意の計算を簡略化することによって)漏れがあるかどうかの決定を簡略化し得る。
【0061】
他の実施例では、それぞれの第2の流量のうちの1つ以上は、第1の流量の倍数でなくてもよく、かつ/又は第3の流量は、第1の流量の倍数でなくてもよい。
【0062】
少なくとも1つの排気経路102、104、119は、隔壁パージ経路104、スプリット経路102、及び減圧経路119のうちの1つ以上であり得ることが好ましい。排気経路102、104、119が隔壁パージ経路104又はスプリット経路102であることは、SSL又はPTV入口を含むGCシステム100、200、300などの、これらの経路の一方又は両方を含む標準的なGCシステム100、200、300において、漏れ試験を実施するために追加の経路を設ける必要なく、漏れ検出を実施することができることを意味する。排気経路102、104、119が減圧経路119であることは、オンカラム入口105などのスプリット経路102又は隔壁パージ経路104を含まないGCシステム100、200、300に対して漏れ試験を実施することができることを意味する。更に、減圧経路119は、入口105上の任意の点から出ることができ、したがって、ユーザにとって最も便利などこの場所にでも設けることができる。
【0063】
場合によっては、第1の圧力は、第2の圧力に等しくてもよく、第1の圧力差は、第2の圧力差に等しくてもよく、かつ/又は第1の持続時間は、第2の持続時間に等しくてもよい。これは、(例えば、任意の計算を簡略化することによって)漏れがあるかどうかの決定を簡略化し得る。
【0064】
好ましい実施例では、ガス入口を開くことによって、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300を第1の圧力及び第2の圧力で加圧する更なるステップがある。
【0065】
別の好ましい実施例では、方法は、第1の持続時間を測定するステップ及び第2の持続時間を測定するステップの前に、ガス入口を閉じるステップを含む。
【0066】
別の実施例では、第1の圧力差及び/又は第1の持続時間を測定する前に、カラム101のパラメータを決定することによって、カラム101を較正する更なるステップがある。パラメータは、カラム101の長さ及び内径を含み得る。パラメータは、カラム101の固定相を更に含み得る。カラム101を較正することは、カラム101が減圧するにつれて、カラム101を通る流れをより正確に決定することができることを意味する。
【0067】
ガスクロマトグラフィシステム100、200、300が質量分析計を含むことが、好ましい。したがって、ガスクロマトグラフによって分離された分子は、検出及び分析のために質量分析計に提供され得る。
【0068】
方法は、漏れがあるという決定に続いて、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300を介して、決定の記録をロギングし、漏れが検出されたという指示をユーザに提供するステップを更に含み得る。したがって、ユーザは、漏れが検出されたことを容易に知ることができ、漏れを修正するためのステップを講じることができる。別の実施例では、漏れがないという決定に続いて、方法は、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300を介して、決定の記録をロギングし、システム100、200、300に漏れがないという指示をユーザに提供するステップを更に含み得る。したがって、ユーザは、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300が正常に動作していることを容易に知ることができる。
【0069】
場合によっては、漏れがないという決定に続いて、方法は、第1の圧力差及び第1の持続時間、並びに/又は第2の圧力差及び第2の持続時間に関する第1のパラメータを決定する更なるステップと、カラム101を通して更なる流量でガスを流して、更なる圧力差を画定する、更なる圧力からの更なる圧力変化を引き起こし、更なる圧力差及び/又は圧力変化の更なる持続時間を測定するステップと、第1のパラメータ、更なる圧力差、及び更なる持続時間に基づいて、漏れがあるかどうかを決定する更なるステップと、を含み得る。したがって、漏れがないことを示すことが知られているパラメータを使用して、後で、システム100、200、300に依然として漏れがないかどうかを決定することができる。
【0070】
そのような場合、漏れがあるかどうかを決定するステップは、測定された更なる持続時間が、更なる圧力差及び第1のパラメータに基づいて確立された予想値と異なる場合に、漏れがあると決定することを含み得る。代替的又は追加的に、決定するステップは、測定された更なる圧力差が、更なる持続時間及び第1のパラメータに基づく予想値と異なる場合に、漏れがあると決定することを含み得る。
【0071】
そのような場合の別の実施例では、漏れがあるかどうかを決定するステップは、代わりに、更なる圧力差及び更なる持続時間に関する更なるパラメータを決定することと、更なるパラメータが第1のパラメータと閾値量を超えて異なる場合に、漏れがあると決定することと、を含み得る。更なるパラメータは、更なる圧力差及び更なる持続時間に関する定数であり得る。システム100、200、300に、この定数を変化させる(例えば、注入器ライナの変化が内部体積を変化させる)変化がない場合、更なるパラメータを、漏れのないシステム100、200、300を示すことが知られている第1のパラメータと比較することができる。
【0072】
そのような場合のなおも更なる実施例では、第1のパラメータは、時間増分当たりの圧力降下を表し得、決定するステップは、更なる圧力差及び更なる持続時間に基づいて、時間増分当たりの圧力降下を表す追加のパラメータを決定することと、追加のパラメータが第1のパラメータよりも大きい場合に漏れがあると決定することと、を更に含み得る。
【0073】
これらの実施例では、測定するステップを再び繰り返す必要なく、後で漏れがあるかどうかを決定することができる。
【0074】
ガスクロマトグラフィ装置と、上述の方法に従ってガスクロマトグラフィ装置を動作させるように構成されたコントローラと、を備える、システム100、200、300もまた提供される。
【0075】
実行されたときに、コンピューティングデバイスに上述の方法のステップを実施させる機械実行可能命令を記憶する、非一時的記憶媒体が更に存在する。
【0076】
図4を参照すると、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300内の漏れを検出するための方法のフローチャートが示されている。ステップ401において、システム100、200、300の1つ以上の排気経路102、104、119が閉じられる。例えば、全ての排気経路102、104、119は、ガスがカラム101を介してのみ注入器105から流れることができるように閉じられ得る(すなわち、閉じた排気経路102、104、119を通る流れは0である)。代替的に、GC100、200などに少なくとも2つの出力経路102、104、119がある場合、1つの出力経路102、104、119は、ガスがカラム101及び開いた出力経路102、104、119から流れるように、ステップ201で開いたままにすることができる。
【0077】
排気経路はまた、本明細書では出力経路102、104、119と呼ばれ得、スプリット経路(スプリット流路とも呼ばれることがある)102、隔壁パージ経路104、減圧経路119、又は別の出力経路102、104、119を含み得る。言い換えれば、排気/出力経路102、104、119は、閉じることが可能である(すなわち、カラム101を含まない)注入器105から出るガス経路を含む。
【0078】
ガス入口経路103はまた、ステップ401において、例えば、弁111を閉じるか、又は部分的に閉じることによって、閉じられるか、又は部分的に閉じられ得る。ガス入口経路103及び排気経路102、104、119は、手動で、又はGCシステム100、200、300によって閉じられ得る。ガス入力経路103が閉じた状態で、注入器105は、ガスが第1の流量で開いたガス経路(例えば、全ての排気経路102、104、119が閉じられたときのカラム経路101)を介して注入器105から流れ出るときに減圧する。ガス入力経路103が部分的に閉じている場合、注入器105から出る流れは、注入器105が減圧することを確実にするために、ガス入力経路103を通る流れよりも大きくなければならない。ガス入力経路103を部分的に閉じることは、減圧時間が増加することを意味し、これは、測定の後のステップにおける相対誤差を低減することによって、漏れがあるかどうかを決定することに対してシステムをより敏感にすることができる。一般に、低流量の場合、ガス入口経路103を完全に閉じることが好ましいが、高流量の場合、ガス入口経路103を部分的に閉じることは、減圧時間を増加させることと関連付けられた利点を有し得る。
【0079】
ステップ402において、システム100、200、300の圧力が第1の圧力から第1の圧力差だけ変化するための持続時間が、測定され得る。代替的又は追加的に、第1の圧力差は、例えば、第1の圧力と、1つ以上の排気経路102、104、119が閉じられた後に測定された第2の圧力との間の差を計算することによって決定され得る。第1の圧力は、排気経路102、104、119及びガス入口経路103を閉じる前の注入器圧力であり得る。圧力差は、式(6)が適用されるように、カラム内の圧力と流量との間の関係が線形として近似され得るように十分に小さくあるべきである。圧力変化の持続時間は、手動で、又はGCシステム100、200、300によって測定され得る。ステップ403は、ガス入口を開いて、GCシステム100、200、300を再加圧することを含む。システムは、第1の圧力で再加圧され得、又は異なる圧力で再加圧され得る。
【0080】
ステップ403はまた、制御された(既知の)漏れを生成するために、閉じた排気経路102、104、119又はチャネルのうちの少なくとも1つを開くことを含む。例えば、弁110、弁112、及び/又は弁120は、それぞれ、スプリット経路102、隔壁パージ経路104、及び/又は減圧経路119を介して、ガスが注入器から流れ出ることを可能にするように開かれ得る。GCシステム100、200、300は、弁110、111、112、120を開閉するように構成されたコントローラを有し得る。代替的に、追加の排気経路102、104、119が、ステップ403において開かれ得る漏れを実施するために提供され得る。
【0081】
開いた少なくとも1つの排気経路102、104、119を通る流れは、第1の流量の倍数に設定され得る。例えば、1つの排気経路102、104、119が開かれる場合、カラム入口105から出る総流量は、第1の流量の2倍であり得る。すなわち、カラム101及び1つの排気経路102、104、119を通る流れは、両方とも第1の流量に等しくてもよい(すなわち、乗数は1であり得る)。代替的に、少なくとも1つの排気チャネルを通る流れは、カラム入口105から出る総流量が第1の流量の3倍であるように、第1の流量の2倍に設定され得る。別の実施例では、2つの排気経路102、104、119が開かれる場合、注入器105から出る総流量は、第1の流量の総流量の3倍であり得る(すなわち、乗数は2であり得る)。言い換えれば、少なくとも1つの開いた排気経路102、104、119の各々は、第1の流量の倍数に設定され得る。
【0082】
代替的に、1つ以上の排気経路102、104、119の流量は、第1の流量とは異なる第2の流量に設定され得る。この実施例では、2つ以上の排気経路102、104、119が開かれる場合、各排気経路102、104、119の流量は、第2の流量に設定され得、又は各排気経路102、104、119の流量は、異なっていてもよい。例えば、第1の排気経路102、104、119は、第1の流量に等しい流量を有し得、第2の排気経路102、104、119は、第2の流量に等しい流量を有し得る。別の実施例では、開いた排気チャネル及びカラムの各々は、異なる流量を有し得る。
【0083】
少なくとも1つの排気経路102、104、119が開かれる前又はその後に、ガス入口経路103が閉じられ、これにより、ガスが以前に開いているガス経路(例えば、カラム101)及び開いている少なくとも1つの排気経路102、104、119を通って流れるときに、注入器105が減圧する。このステップにおいて、カラム101を通る流れは、第3の流量に設定され得、第3の流量は、第1の流量の倍数であり得、又は異なる流量であり得る。ステップ404において、GCシステム100、200、300の圧力が第2の圧力から第2の圧力差だけ変化するのにかかる時間を測定することができる。代替的又は追加的に、第2の圧力差が決定され得る。第2の圧力は、第1の圧力と同じであり得るし、又は異なる圧力であり得る。
【0084】
ステップ405において、GCシステム100、200、300に漏れがあるかどうかが決定される。この決定は、ステップ402の第1の減圧持続時間及びステップ404の第2の減圧持続時間に基づき得る。代替的に、決定は、ステップ402の第1の圧力変化及びステップ404の第2の圧力変化に基づき得る。別の実施例では、決定は、少なくとも1つの減圧時間と少なくとも1つの圧力差との組み合わせに基づき得る。
【0085】
決定は、減圧時間の直接比較に基づき得る。例えば、第1の圧力差が第2の圧力差に等しい場合(すなわち、ΔP
1=ΔP
2)、減圧時間t
2は、式(6)と一致するように、(制御された漏れによって引き起こされる流量増加に起因して)t
1より短く、システム100、200、300は漏れがない。そうではなく、真の漏れが存在する。この決定は、
図5を参照してより詳細に説明される。第1の圧力差は、値間の差が5%未満、2%未満、又は1%未満である場合、第2の圧力差に等しいとみなされ得る。5%より大きい他の閾値がまた使用され得る(例えば、10%、20%、又は50%)。
【0086】
同様に、決定は、圧力変化の直接比較に基づき得る。例えば、減圧時間t2は、t1の閾値許容範囲と等しいか、又はその範囲内にあり(例えば、50%、20%、10%、5%、2%又は1%)、圧力変化ΔP2は、式(7)と一致して、ΔP1より大きく、そうすると、システム100、200、300は、漏れがないと決定され得る。
【0087】
代替的に、決定は、減圧時間に基づいて間接的に決定され得る。例えば、t2の予想値は、t1と、t2の決定された値と比較されたt2の予想値に基づいて確立され得る。予想値は、式(6)に基づいて確立され得る。例えば、t1が、カラムを通る第1のガス流量に対して10秒であると測定される場合、その後、排気経路102、104、119のうちの1つが開かれ、流量が第1の流量に設定され、t2の予想値は、5秒であり得る。t2の測定値が予想値と異なる場合、システム内に漏れがあると決定することができる。一部の実施例では、測定値と予想値との差を使用して、漏れの一般的な領域を特定することができる。例えば、t2が予想値より大きい場合、入口105又は開いたガス経路(例えば、カラム101)に漏れがあると決定され得る。別の実施例では、t2が予想値未満である場合、1つ以上の開いた排気経路102、104、119に漏れがあると決定され得る。t2の測定値と予想値との間の差が予想値の10%未満である場合、t2の測定値は予想値と異ならないと決定され得る。10%より大きい、又は10%未満の他の閾値(例えば、1%、2%、5%、20%、又は50%)がまた使用され得る。
【0088】
同様に、決定は、圧力変化に基づいて間接的に決定され得る。例えば、ΔP2の予想値は、ΔP1と、ΔP2の決定された値と比較されたΔP2の予想値に基づいて確立され得る。予想値は、式(7)に基づいて確立され得る。例えば、ΔP1が、カラム101を通る第1のガス流量に対して10kPaであると測定される場合、その後、排気経路102、104、119のうちの1つが開かれ、流量が第1の流量に設定され、ΔP2の予想値は、式(7)に基づいて、20kPaであり得る。ΔP2の測定値が予想値と異なる場合、システム内に漏れがあると決定することができる。更に、ΔP2が予想値未満である場合、入口105又は開いたガス経路(例えば、カラム101)に漏れがあると決定され得る。ΔP2が予想値より大きい場合、1つ以上の開いた排気経路102、104、119に漏れがあると決定され得る。値間の差が予想値の10%未満である場合、ΔP2は、予想値と異なるようにのみ決定され得る。10%より大きい、又は10%未満の他の閾値(例えば、1%、2%、5%、20%、又は50%)がまた使用され得る。
【0089】
別の実施例では、t1の予想値は、t2と、t1の測定された値と比較されたt1の予想値に基づいて確立され得る。t1の予想値は、式(6)に基づいて確立され得る。例えば、t2は、1つの排気経路102、104、119が開いており、かつカラム及び開いた排気経路102、104、119を通る流れが両方とも第1の流量に等しいときに、6秒として測定され得る。第1の流量でのみカラムを通って流れるガスについてのt1の予想値は、12秒であり得る。t1の測定値が予想値と異なる場合、システム内に漏れがあると決定することができる。上述したように、予想値からの差の性質(より大きい又はより小さい)を使用して、漏れがどこにあるかを決定することができる。
【0090】
同様に、ΔP1の予想値は、ΔP2と、ΔP1の決定された値と比較されたΔP1の予想値に基づいて確立され得る。予想値は、式(7)に基づいて確立され得る。例えば、ΔP2が、カラムを通る流れと開いた排気チャネルとが等しいときに10kPaであると測定される場合、ΔP1の予想値は、排気チャネルが閉じられているときは5kPaであり得る。ΔP1の測定値が予想値と異なる場合、システム内に漏れがあると決定することができる。上述したように、予想値からの差の性質(より大きい又はより小さい)を使用して、漏れがどこにあるかを決定することができる。値間の差が予想値の10%未満である場合、ΔP1は、予想値と異なるようにのみ決定され得る。10%より大きい、又は10%未満の他の閾値(例えば、1%、2%、5%、20%、又は50%)がまた使用され得る。
【0091】
代替的又は追加的に、式(8)を使用して第1及び第2の持続時間に基づいて注入器105から出る総流量を計算し、かつカラム101及び開いた排気経路102、104、119を通る流量の合計を減算することによって、漏れがあるかどうかを決定することができる。これらの値の間に閾値を超える差がある場合、漏れがあると決定することができる。閾値は、0.01~0.1mL/分であり得る。他の実施例では、閾値は、0であり得、これにより、値間の任意の差が漏れとして登録される。この方法は、表1及び表2に関連して更に詳細に記載される。
【0092】
決定は、更に又は代わりに、減圧時間によって示されるガスの量に基づき得る。漏れがない場合、第1の流量の第1の持続時間内にカラム101を通過するガスの体積は、第2の持続時間内にカラム101及び1つ以上の開いた排気経路102、104、119を通過するガスの体積に等しくなるはずである。等しいとは、ガスの体積の差が、例えば、ガスの体積の少なくとも1つの5%未満であることを意味し得る。5%より大きい(例えば、10%、20%又は50%)又は5%より小さい(例えば、2%又は1%)閾値など、等しいとみなされる他の閾値が使用され得る。
【0093】
そうではなく、第2の持続時間によって示されるガスの体積が、第1の持続時間によって示されるガスの体積によって確立される予想(例えば、予想値)と異なる場合、漏れがあると決定され得る。第2の持続時間によって示されるガスの体積と予想との間の差が閾値よりも大きい場合にのみ、漏れがあると決定され得る。閾値は、上述したように、0.01mL~0.1mLであり得、又は0であり得る。
【0094】
また、上述の決定方法の組み合わせに基づいて、漏れの存在を決定し得る。例えば、上記の方法のうちの2つ以上が漏れがあることを示す場合にのみ、漏れがあると決定され得る。別の実施例では、1つ以上の方法が漏れがないことを示す場合、漏れがないと決定され得る。例えば、1つの方法が漏れがあることを示すが、1つ以上の方法が漏れがないことを示す場合、漏れが存在しないと決定され得、逆もまた同様である。
【0095】
ステップ401~405は、異なる順序で実施され得る。例えば、ステップ403及びステップ404は、第2の持続時間が第1の持続時間の前に決定され得るように、ステップ401及びステップ402の前に行われ得る。
【0096】
持続時間の比較に基づいて漏れがどのように決定され得るかの実施例が、
図5に示される。ステップ501において、
【0097】
【数13】
であるかどうかが決定され得る。言い換えれば、持続時間t
2と持続時間t
1との比が
【0098】
【0099】
【数15】
に等しくない場合、そうすると、GCシステム100、200、300内に漏れがあると決定される(ステップ502)。例えば、t
2が
【0100】
【0101】
【数17】
とt
1の間にある場合、漏れがあると決定され得る。言い換えれば、
【0102】
【数18】
である場合、漏れがあると決定され得る。この決定は、誤差項εを含むことができ、その結果、計算は、t
2が
【0103】
【0104】
【数20】
未満であるかどうかを決定する。εの値は、データの不確実性に応じて設定され得る。例えば、εは、1%、5%、10%、20%又は50%であり得る。
【0105】
漏れの場所は、t1とt2との間の関係に基づいて決定され得、例えば、t2が
【0106】
【数21】
未満である場合に、漏れが1つ以上の開いた排気経路102、104、119内にあると決定され得、又はt
2が
【0107】
【数22】
とt
1の間にある場合に、漏れが入口105又は開いたガス経路内にあると決定され得る。そうではなく、式(6)に基づく関係が満たされる場合、GCシステム100、200、300は、漏れがないと決定される(ステップ503)。例えば、差が5%未満、2%未満、又は1%未満である場合、比率が等しいと決定され得る。5%より大きい他の閾値がまた使用され得る(例えば、10%、20%、又は50%)。
【0108】
例えばF1は、カラム経路101を通る流れであり得、F2は、カラム経路101及び少なくとも1つの排気経路102、104、119を通る流れの合計に等しくてもよい。出力経路102、104、119の1つ(例えば、隔壁パージ経路104)を開くことによって流れが2倍になり、出力経路102、104、119を通る流れがカラム101を通る流れと同じ流量に設定される場合、そうすると、F2=2F1である。すると、式(6)から、減圧時間は、ガスがカラム101のみを通って流れるときの減圧時間の半分になるはずであることが分かる(すなわち、t2=0.5t1である)。減圧持続時間がそれだけ短縮されない場合、そうすると、それは、注入器から出る流れが測定されたカラム流れより高かったこと、すなわち、GCシステム100、200、300内に漏れがあることを意味する。減圧持続時間が0.5t1を超えて短縮される場合、そうすると、開いた排気経路102、104、119に漏れが生じる。
【0109】
図5に記載される実施例は、第1の圧力差及び第2の圧力差が等しい(これは、値の差が閾値未満であることを意味し得る)と仮定する。しかしながら、持続時間も圧力差も等しくない場合、以下の場合に、上述した方法と同様に漏れがあると決定され得
【0110】
【数23】
式中、誤差項εは、0であり得、又はデータの不確実性に応じて設定され得る。例えば、εは、1%、5%、10%、20%又は50%であり得る。漏れの場所は、上述のように決定され得る。
【0111】
代替的に、持続時間が等しく、かつ第1の圧力差及び第2の圧力差が等しくない場合、漏れは、圧力差の比較に基づいて決定され得る。例えば、
【0112】
【数24】
であるかどうかが決定され得る。言い換えれば、第1の圧力差ΔP
1と第2の圧力差ΔP
2との間の比が、
【0113】
【0114】
【数26】
に等しくない場合、そうすると、GCシステム100、200、300に漏れがあると決定される。例えば、ΔP
2が
【0115】
【0116】
【数28】
とΔP
1の間にある場合、漏れがあると決定され得る。言い換えれば、
【0117】
【数29】
である場合、漏れがあると決定され得る。上述したように、この決定は、誤差項εを含むことができ、その結果、計算は、t
2が
【0118】
【0119】
【数31】
未満であるかどうかを決定する。εの値は、データの不確実性に応じて設定され得る。例えば、εは、1%、5%、10%、20%又は50%であり得る。
【0120】
図5に関連して上述したように、漏れの場所は、ΔP
1とΔP
2との間の関係に基づいて決定され得、例えば、ΔP
2が
【0121】
【数32】
より大きい場合に、漏れが1つ以上の開いた排気経路102、104、119内にあると決定され得、又はΔP
2が
【0122】
【数33】
とΔP
1の間にある場合に、漏れが入口105又は開いたガス経路内にあると決定され得る。そうではなく、式(7)の関係が満たされる場合、GCシステム100、200、300は、漏れがないと決定される(ステップ503)。例えば、差が5%未満、2%未満、又は1%未満である場合、比率が等しいと決定され得る。5%より大きい他の閾値がまた使用され得る(例えば、10%、20%、又は50%)。
【0123】
上述の方法と同様に、持続時間も圧力差も等しくない場合、以下の場合に、漏れがあると決定され得
【0124】
【数34】
式中、誤差項εは、0であり得、又はデータの不確実性に応じて設定され得る。例えば、εは、1%、5%、10%、20%又は50%であり得る。漏れの場所は、上述のように決定され得る。
【0125】
上述した方法と同様に、ΔP1t2及びΔP2t1の値の比較に基づいて、漏れがあるとまた決定され得る。これは、持続時間も圧力差も一定に保たれないときに適切であり得る。比較は、式(9)、例えば、
【0126】
【数35】
に基づき得る。値ΔP
1t
2とΔP
2t
1との間の比がF
1とF
2との間の比に等しくない場合、漏れがあると決定され得る。そうではなく、比が等しい場合、漏れがないと決定され得る。上述したように、例えば、差が5%未満、2%未満、又は1%未満である場合、比が等しいと決定され得る。5%より大きい他の閾値がまた使用され得る(例えば、10%、20%、又は50%)。
【0127】
漏れがあるという決定に続いて、ガスクロマトグラフィシステム100、200、300は、漏れの存在をロギングし得る。例えば、GCシステム100、200、300は、漏れがあると決定した時間を記録することができ、かつ/又は計算された漏れ速度を記録することができる。漏れ速度は、表1を参照して以下に記載されるように決定され得る。GCシステム100は、追加的又は代替的に、漏れの存在が検出されたという指示をユーザに送信し得る。例えば、GCシステム100、200、300は、警告デバイスを含み得る。警告デバイスは、漏れの存在が検出されたときに点灯するライト又は警告を表示するように構成されたディスプレイを含み得る。漏れの存在をユーザに注意を喚起する他の警告デバイスがまた可能である。検出された漏れをロギングすること、及び/又は検出された漏れをユーザに警告することは、ユーザが、そうでなければ未知である漏れの存在を調査することを可能にする。
【0128】
上記の実施例では、圧力降下は、カラム101内の流れと圧力との間の関係が線形であるとみなすことができるほど十分に小さいと仮定した。圧力降下が広がると、もはやこの関係が線形であると仮定することができず、漏れを隠す可能性のある精度誤差を回避するために、より複雑な非線形の流れ及び圧力の式を適用すべきである。
【0129】
漏れが存在しないという決定に続いてΔP1、ΔP2、t1及びt2の測定値は、漏れがあるかどうかを後で決定するために使用され得る。測定値は、この目的のためにメモリに記憶され得る。
【0130】
例えば、圧力差及び持続時間が既知である場合、Kについて式(3)及び(4)を解くことが可能である。例えば、値
【0131】
【数36】
は、式(4)におけるKF
exhaustが決定され得るように、決定され得る。F
exhaustの値は、ユーザ又はGCシステム100、200、300によって設定されているので既知であり、次いでKを決定することができる。次に、Kの値を使用して、漏れが発生したかどうかを決定することができる。例えば、Kの値は、GCシステム100、200、300に漏れがないことを決定するためのベンチマークとして使用され得る。より早い時間にKを決定することによって、圧力差及び減圧時間の2つの測定を行う必要はもはやない。Kは既知であるので、未知数F
leaksは1つだけである。これは、Kを変化させるような変化(例えば、内部体積を変化させるであろう、注入器ライナの変化)がシステム内にない限り当てはまる。
【0132】
すなわち、一実施例では、ステップ405/503に続いて、ガスは、更なる流量でGCシステム100、200、300(例えば、カラム101、又はカラム101及び1つ以上の開いた排気経路102、104、119)を通って流されて、更なる圧力差(ΔP3)による更なる圧力からの更なる圧力変化を引き起こし得る。次いで、更なる圧力変化の更なる持続時間(t3)及び/又は更なる圧力差が測定され得る。次いで、測定を使用して、漏れがあるかどうかを決定することができる。更なる流量は、第1、第2及び/又は第3の流量の倍数であり得る。同様に、更なる圧力差は、第1及び/又は第2の圧力差と同じであり得る。同様に、更なる圧力は、第1及び/又は第2の圧力と同じであり得る。
【0133】
例えば、決定は、減圧時間と圧力差に基づいて間接的に決定され得る。例えば、t3の予想値は、ΔP3の測定値及びKの決定された値を使用して、式(3)に基づいて、又は1つ以上の排気経路102、104、119が開いている場合、式(4)に基づいて確立され得る。t3の予想値がt3の測定値とは異なる場合、システム内に漏れがあると決定され得る。t3の測定値と予想値との間の差が予想値の10%未満である場合、t3の測定値は予想値と異ならないと決定され得る(すなわち、漏れがないと決定され得る)。10%より大きい、又は10%未満の他の閾値(例えば、1%、2%、5%、20%、又は50%)がまた使用され得る。
【0134】
同様に、ΔP3の予想値は、t3の測定値及びKの決定された値を使用して、式(3)又は(4)に基づいて確立され得る。ΔP3の予想値がΔP3の測定値とは異なる場合、システム内に漏れがあると決定され得る。ΔP3の測定値と予想値との間の差が予想値の10%未満である場合、漏れがないと決定され得る。10%より大きい、又は10%未満の他の閾値(例えば、1%、2%、5%、20%、又は50%)がまた使用され得る。
【0135】
更なる実施例では、式(3)又は(4)は、t3及びΔP3の測定値に基づいて第2のK値を決定するために使用され得る。Kの決定された第2の値が、閾値を超えて(例えば、決定されたK値のいずれか又は両方の1%、2%、5%、10%、20%又は50%だけ)Kの初期値と異なる場合、漏れがあると決定され得る。
【0136】
別の実施例では、漏れがないときのKの初期値を使用して、漏れ流量を決定することができる。例えば、カラム流量及び任意の開いた排気経路102、104、119を通る流量は、式(3)又は(4)を使用して、t3及びΔP3に基づくFleaksを決定することができるように知られていてもよい。
【0137】
なおも別の実施例では、ΔP1及びt1又はΔP2及びt2の測定値を使用して、時間増分当たりの圧力降下を表す第1の値を決定することができる。ステップ405/503に続いて、ガスがシステム100、200、300を通って流されて、上述のように更なる圧力変化を引き起こすことができる。次いで、更なる圧力変化の更なる持続時間及び更なる圧力差が測定され得る。次いで、時間増分当たりの圧力降下を表す第2の値が、測定された更なる持続時間及び更なる圧力差に基づいて決定され得る。第2の値が、閾値(例えば、第1の値の5%)よりも大きい時間増分当たりの圧力降下の増加を示す場合、漏れがあると決定され得る。値はパラメータと呼ばれることもあり、逆もまた同様である。
【0138】
図2に関連して上述したように、漏れの存在は、上述の決定方法の組み合わせに基づいて決定され得る。例えば、上記の方法のうちの2つ以上が漏れがあることを示す場合にのみ、漏れがあると決定され得る。別の実施例では、1つ以上の方法が漏れがないことを示す場合、漏れがないと決定され得る。例えば、1つの方法が漏れがあることを示すが、1つ以上の方法が漏れがないことを示す場合、漏れが存在しないと決定され得、逆もまた同様である。
【0139】
図6は、漏れを検出するためのフローチャート方法を示す。この方法は、
図4を参照して説明したより一般的な方法と同様である。
【0140】
ステップ601において、理論的カラムパラメータが設定されるか、又はカラムが較正される。カラムを較正することは、少なくともカラムの長さ及び内径であり得るカラムのパラメータを決定することを含む。カラムを較正することはまた、固定相の厚さを決定することを含み得る。長さ及び内径は、各圧力測定についてカラム101を通る流れを決定するために使用され得る。
【0141】
ステップ601に続いて、漏れチェックが開始される。ステップ602において、GCシステム100、200、300は、第1の圧力で平衡化され、カラム101からのガス流が設定される。
【0142】
ステップ603において、ガスのみがカラム101から流出するように、出力経路弁110、112、120が閉じられる。これは、スプリット経路弁110、隔壁パージ弁112、及び/又は減圧弁120を閉じることを含み得る。ガスは、予め設定された流量でカラムから流出し得るし、又は第3の流量でカラムから流出するように設定され得る。第3の流量は、予め設定された流量の倍数であり得、又は異なる流量であり得る。
【0143】
ステップ604において、ガス入口が閉じられる。ガス入口を閉じることは、弁111などのGCシステム100、200、300内の弁を閉じることを含み得る。ステップ604はまた、GCシステム100、200、300の圧力が第2の圧力に達するのにかかる時間を測定することを含む。圧力降下が広すぎると、流れと持続時間との間の関係はもはや線形であると考えることができないので、第2の圧力は、第1の圧力に近くなければならない。すなわち、圧力降下が大きすぎる場合、(例えば、排気経路102、104、119のうちの1つを開くことによって)初期流量を2倍にしても、圧力降下の持続時間は半分にならない。
【0144】
ステップ602~604は、別の順序で実施され得る。例えば、出力経路102、104、119は、システムを平衡化する前に閉じられてもよく、又はガス入口は、出力経路102、104、119を閉じる前に閉じられ得る。
【0145】
ステップ605において、注入器105は、ガス入口を開くことによって(例えば、弁111を開くことによって)第1の圧力で再加圧され得る。しかしながら、
図4を参照して説明したように、カラム入口105は、異なる圧力で再加圧され得る。ステップ605はまた、カラム流れを設定することを含み得る。カラム流れは、ステップ602で測定されたカラム流れに等しくてもよい。
【0146】
排気経路102、104、119のうちの少なくとも1つが、ステップ606において開かれる(例えば、隔壁パージ弁112又はスプリット弁110が開かれる)。開いた排気経路102、104、119を通る流れがまた、このステップで設定され、これは、制限器114又は116などの流れ制限器を使用して達成され得る。設定流れは、ステップ602及び/又はステップ605で測定されたカラム流れに等しくてもよい。代替的に、流れは、
図4を参照して説明されるように、異なる流量に設定され得る。
【0147】
ステップ605及び606の一部は、異なる順序で実施され得る。例えば、カラム流は、排気経路102、104、119を開いた後に測定され得、及び/又は少なくとも1つの開いた排気経路102、104、119を通る流量は、カラム流を測定する前に設定され得る。
【0148】
ステップ607において、ガス入口弁(例えば、弁111)が閉じられるか、又は部分的に閉じられ、GCシステム100、200、300がステップ605で設定された圧力(第1の圧力又は異なる圧力であり得る)から所定の量だけ降下するのにかかる時間が測定される。
【0149】
次に、
図4及び
図5を参照して説明したように、ステップ605及び607で測定された持続時間に基づいて、GCシステム100、200、300内に漏れがあるかどうかを決定することができる。
【0150】
以下の表(表1及び表2)は、初期実験からの結果を示し、説明された方法及びシステムが漏れを検出することができることを示す。これらの実験では、カラム及び排気経路102、104、119を通る流れを等しくなるように設定した。しかしながら、上述したように、出力経路102、104、119を通る流れは、カラムを通る流れの倍数であってもなくてもよい。
【0151】
【0152】
【0153】
持続時間t1は、ガスが第1の速度でカラム101のみを流れるときに、P1からP2への圧力降下にかかる時間を表す。持続時間t2は、ガスが第1の速度でカラム101及び排気経路を通って流れるときに同じ圧力降下にかかる時間を表す。
【0154】
試験1、1b及び2において、排気経路102、104、119は、隔壁パージ経路104であった。試験3及び3bでは、より大きい流量のために、スプリット経路102が使用された。しかしながら、これらの試験で使用される経路の代わりに、又はそれに加えて、別の排気経路102、104、119が開かれ得る。
【0155】
試験1、2、3及び3bに示されるように、持続時間t2は、予想されるように、これらの試験の状況では、持続時間t1の半分である。しかしながら、試験1bは、圧力降下が広すぎる場合、流れと持続時間との間の関係が線形ではない(初期流れが2倍では持続時間が半分にならない)ことを示す。
【0156】
表1は、式(9)を使用して計算された理論的漏れ速度、表1の減圧時間及び圧力差を含む。システムは漏れがないと予想されたので、表1のFleaksの計算値は、約0であるべきである。試験1については、これが該当した。試験1b、2、3及び3bは漏れがあることを示唆しているが、これは、時間測定の精度によるものであり、時間測定はストップウォッチによって行われ、秒単位でしかない。より高い分解能の時間測定及びGCシステム100、200、300のファームウェアにおける手順の自動化は、予想される結果を提供するはずである。しかし、ストップウォッチを使用して、最も近い秒まで測定しても、表1のFleaksの計算値は、0に近いことに留意されたい。Fleaksの負の値は、いくつかの場合において、これらの試験において実際の漏れがないという事実に起因すると仮定される。
【0157】
方法の更なる試験として、流れ制限器116を使用してパージ経路104を通る流れを制限することによって、制御されない漏れがシミュレートされ、その結果が表2に示される。したがって、これらの実験では、制御されない漏れが知られていたが、実際には、制御されない漏れは知られていない。人工的な漏れがシミュレートされなかった表2の試験4a及び試験5aは、参照のために含まれる。
【0158】
試験4b~4f及び試験5b~5eでは、人工的な漏れ流量を0.5mL/分の増分で設定した。使用されたガスクロマトグラフのハードウェアが、パージ流を0.5mL/分未満に設定することを可能にしなかったので、これらの実験において、より小さいシミュレートされた漏れを試験することは不可能であった。シミュレートされた(人工的な)漏れは、排気経路を通る制御された漏れとは異なる。特に、制御された漏れは、漏れが存在するかどうかを決定するための基準として使用されるのに対して、シミュレートされた漏れは、制御されていない漏れ(この場合、人工的な漏れ)が検出され得ることを確認するために使用されている。この確認は、シミュレートされた漏れ速度を計算することにより行った。
【0159】
試験4bを実施例として使用して、持続時間t2は、カラム101を通る流れが5.52mL/分に等しく、排気経路を通る流れが5.60mL/分に設定されたときに、GCシステム圧力が41.6kPaから36.6kPaに降下するのにかかる時間を表す。すなわち、カラム入口105からの総設定流れは、11.12mL/分であった。更に、0.5L/分の人工的な漏れが存在した。
【0160】
一般に、シミュレートされた漏れ速度は、式(9)を介して決定され得る。表1、表2、及び表3の試験の各々における第1及び第2の圧力差は等しいので、式(9)は以下のように簡略化され得る
【0161】
【0162】
表2において、決定されたシミュレートされた漏れFleaksは、人工的な漏れの設定値と同じ桁数の範囲内であることが分かる。
【0163】
試験5a~5eでは、GCシステム100、200、300の初期圧力を150kPaに増加させ、圧力降下を少なくとも10kPaに増加させたが、これは、カラムが他の試験よりもはるかに長かったからである。試験4a~4dの圧力パラメータが使用された場合、試験5a~5eにおけるカラムを通る流れは、カラム形状の違いのために、試験4a~4dにおける流れよりもはるかに低かった。したがって、圧力及び圧力降下は、シミュレートされた漏れの存在をより良好に検出するために増加された。
【0164】
試験4e、試験4f、及び試験5eは、圧力降下が大きすぎる場合、持続時間と流量との間の関係が線形ではなく、したがって、漏れの存在が依然として決定されるが、シミュレートされた漏れの計算された流量があまり正確ではないことを示す。特に、入口105の減圧は、圧力降下が大きすぎるときに遅くなる。この非線形性が、試験4e及び試験4fにおいて決定されたシミュレートされた漏れ流量の負の値の理由である。
【0165】
これらの初期実験は、方法の実行可能性を確認するために、限られた精度で行われた。異なる条件で、かつ測定を自動的に実行することができるファームウェアルーチンを書くなどのより正確な測定方法を使用する更なる実験が、方法によって達成することができる感度を評価するために必要である。表1及び表2の結果の精度は、測定のステップを実施するためにファームウェアにおいて完全に自動化された測定を実装することによって改善され得る。
【0166】
上記の試験によって示されるように、ガスがカラムのみを通って流れるときの圧力変化に対する第1の持続時間の経験的測定に基づいて、漏れがあるかどうかを決定することが可能である。すなわち、ガスがカラムのみを通って流れるときの同じ圧力変化に対する第1の持続時間の第2の測定を使用して、GCシステム100、200、300に漏れがあるかどうかを決定することができる。例えば、第2の測定は、経験的測定と直接的に比較され得る。別の実施例では、表1及び表2を参照して上述したように、第2の測定を使用して漏れ速度を計算することができる。
図4に関連して説明したように、漏れがあるかどうかを決定するために、方法の組み合わせを使用することができる。
【0167】
特定のカラムパラメータについて経験的測定を得る利点は、同じカラムパラメータを使用する多くのGCシステムにわたって測定を使用できることである。すなわち、ユーザは、十分な精度で計算することが困難である理論的パラメータに基づいて、閾値減圧時間を計算する必要がない。
【0168】
したがって、ガスがカラム101のみを通って流れる第1の持続時間と、ガスがカラム101及び少なくとも1つの開いた排気経路102、104、119を通って流れる第2の持続時間とに基づいて漏れがあるかどうかを決定することと関連付けられる利点があるが、第1の持続時間の2つの測定に基づいて漏れの存在を決定することと関連付けられる利点もあり得る。
【0169】
手持ちデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサに基づく、又はプログラム可能な家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含むコンピュータシステム構成を用いて、本明細書に記載された方法を実装し得る。ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクを実行する分散されたコンピューティング環境で、実施形態を実行することもできる。
【0170】
一定の実施形態が、非一時的なコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして具現化される場合もある。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができ、その後コンピュータシステムによって読み取り可能である任意のデータ記憶装置である。コンピュータ可読媒体の例が、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(network attached storage、NAS)、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、及び他の光学又は非光学式データ記憶装置を含む。コンピュータ可読媒体を、ネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散させることもでき、その結果コンピュータ可読コードを分散して記憶及び実行する。
【0171】
本開示による実施形態は、特定のタイプの装置及び用途(特に、ガスクロマトグラフ)を参照して説明されており、実施形態は、本明細書で考察されるように、そのような場合に特定の利点を有するが、本開示によるアプローチは、他のタイプの装置及び/又は用途に適用され得る。GCシステム100、200、300の具体的な較正の詳細は、(特に、既知の較正の制約及び能力を考慮して)潜在的に有利であるが、同様又は同一の動作を有するデバイスに到達するように大幅に変更され得る。本明細書に開示される各特徴は、別段の指定のない限り、同一、同等、又は類似の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられ得る。したがって、別段の指定のない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等又は類似の特徴の単なる一例である。本明細書で開示される態様及び/又は特徴の全ては、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。特に、本開示の好ましい特徴は、本開示の全ての態様及び実施形態に適用可能であり、任意の組み合わせで使用され得る。同様に、必須ではない組み合わせで記載された特徴は、(組み合わせではなく)別々に使用され得る。
【0172】
本教示において議論されている温度、濃度、時間、圧力、流量、断面積、電圧、電流などの前に暗黙の「約」が存在し、こうして、極めて小さい僅かな逸脱が本教示の範囲内にあることが理解されよう。更に、「等しい」と称される値は、実際には、閾値量未満だけ異なる場合がある。閾値量は、例えば、5%であり得る。閾値はまた、5%より大きくてもよく(例えば、10%、20%、又は50%)、又は5%未満であり得る(例えば、2%又は1%)。2%又は1%。
【0173】
特許請求の範囲内を含む、本明細書において使用される際、特に文脈が示さない限り、本明細書における用語の単数形は、複数形を含むものとして解釈され、逆の場合も同様である。例えば、特に文脈が示さない限り、特許請求の範囲において「a」又は「an」(イオンパケットなど)などを含む単数形の参照は、「1つ以上」(例えば、1つ以上のイオンパケット)を意味する。
【0174】
本開示の明細書及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」、「含む」(including)、「有する(having)」、及び「含む(contain)」などの語、並びに、語の変形、例えば、「含んでいる(comprising)」及び「含む(comprises)」又は同様のものは、「~を含むが、これに限定されない」ことを意味し、他の構成要素を排除することを意図したものではない。また、「又は」の使用は包括的なものであり、その結果「A又はB」の成句は、「A」が該当するとき、「B」が該当するとき、又は「A」及び「B」の両方が該当するときに該当する。
【0175】
本明細書において提供されるありとあらゆる例、又は例示的な文言(「例えば(for instance)」、「~など(such as)」、「例えば(for example)」、及び同様の文言)の使用は、単に、発明をより良く例示することを意図され、特に特許請求されない限り、本開示の範囲への限定を示すものではない。本明細書におけるいずれの文言も、本開示の実施に不可欠なものとして主張されていないいかなる要素も示すものとして解釈されるべきではない。
【0176】
「第1の」及び「第2の」という用語は、本発明の範囲を変更することなく逆にされ得る。すなわち、「第1の」要素(例えば、t1)と呼ばれる要素は、代わりに、「第2の」要素(例えば、t2)と呼ばれ得、「第2の」要素(例えば、t2)と呼ばれる要素は、代わりに、「第1の」要素(例えば、t1)とみなされ得る。
【0177】
本明細書に記載された任意のステップは、異なるように記載されていない限り、又は文脈により別の意味が必要とされない限り、任意の順序で、又は同時に実行され得る。更に、あるステップがあるステップの後に実行されると説明されている場合、これは、介在ステップが実行されていることを排除するものではない。
【0178】
更にまた、別段、暗黙的又は明示的に理解又は記載されない限り、本明細書に記載された任意の所与の構成要素又は実施形態について、その構成要素について列挙された可能性のある候補又は代替物のいずれも、個々に又は互いに組み合わせて一般に使用され得ることが理解される。更に、別段、暗黙的又は明示的に理解又は記載されない限り、そのような候補又は代替物のいかなる列挙も、単なる例示であり、限定されるものではないことが理解される。
【0179】
様々な実施形態のこの詳細な説明では、説明の目的のために、多くの具体的な詳細が、開示された実施形態の全体的な理解を提供するために記載される。しかしながら、これらの様々な実施形態はこれらの具体的な詳細の有無にかかわらず実行され得ることを当業者は理解するだろう。更に、方法が提示及び実行される具体的な順序は例解的なものであり、順序は変更されても依然として本明細書において開示される様々な実施形態の範囲内に留まり得ることが企図されていることを、当業者であれば容易に理解することができる。
【0180】
それらに限定されるものではないが、特許、特許出願、記事、書籍、論文、及びインターネットウェブページを含んでいる、本出願で引用された全ての文献及び同様の資料が、任意の目的でそれらの全体が参照によって明示的に組み込まれる。別段記載されない限り、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、本明細書において記載される様々な実施形態が属する当技術分野における当業者によって共通に理解されるものであるという意味を有する。
【国際調査報告】