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特表2024-546919マルチビット電子数出力のためのオンチップADCデータ圧縮を有する画像センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】マルチビット電子数出力のためのオンチップADCデータ圧縮を有する画像センサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/78 20230101AFI20241219BHJP
   H04N 5/16 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H04N25/78
H04N5/16 050
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535779
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 US2022054105
(87)【国際公開番号】W WO2023129566
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/294,263
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/145,838
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013518
【氏名又は名称】ギガジョット テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】マ ジアジュ
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024GY01
5C024GY31
5C024GZ36
5C024HX23
5C024HX29
(57)【要約】
画像センサは、複数のピクセルと、1つ以上のアナログデジタル変換(ADC)回路と、少なくとも1つの量子化回路と、を含み得る。ピクセルは、光に露光されたときにピクセルによって蓄積された光電子に基づいてアナログ信号を生成することができる。ADC回路は、アナログ信号をデジタル信号に変換することができ、デジタル信号は、(a)整数個の離散光電子に対応する値を個々に有するデジタル信号の第1のセットと、(b)非整数個の離散光電子に対応するようにデジタル信号の第1のセットの値の間の値を個々に有するデジタル信号の第2のセットと、を含み得る。量子化回路は、デジタル信号の第2のセットをデジタル信号の第3のセットに変換することができ、デジタル信号の第3のセットは、整数個の離散光電子に対応する値を個々に有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサであって、
光に露光されたときに前記ピクセルによって蓄積された光電子に基づいてアナログ信号を生成するように構成された複数のピクセルと、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成された1つ以上のアナログデジタル変換回路であって、前記デジタル信号は、(a)整数個の離散光電子に対応する値を個々に有するデジタル信号の第1のセットと、(b)非整数個の離散光電子に対応するように前記デジタル信号の第1のセットの値の間の値を個々に有するデジタル信号の第2のセットと、を含む、1つ以上のアナログデジタル変換回路と、
デジタル信号の前記第2のセットをデジタル信号の第3のセットに変換するように構成された量子化回路であって、前記デジタル信号の第3のセットは、整数個の離散光電子に対応する値を個々に有する、量子化回路と、を備える、画像センサ。
【請求項2】
デジタル信号の前記第2のセットを前記デジタル信号の第3のセットに変換するために、前記量子化回路は、
デジタル信号の前記第2のセットの個々の1つに対して、
(a)前記デジタル信号の前記値と(b)閾値とを比較することと、
(a)前記デジタル信号の前記値と(b)前記閾値との比較に基づいて第3の値を識別することであって、前記第3の値は、整数個の離散光電子に対応する、ことと、
前記デジタル信号の前記値を前記第3の値で置き換えることと、を行うように構成される、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項3】
前記閾値は、それぞれが整数個の離散光電子に対応する2つの値の間にあり、前記量子化回路は、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値未満であるかどうかを判定することと、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値よりも大きいという判定に応じて、前記閾値よりも大きい前記2つの値のうちの一方を前記第3の値として識別することと、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値よりも大きくないという判定に応じて、前記閾値よりも小さい前記2つの値のうちの他方を前記第3の値として識別することと、を行うように構成される、請求項2に記載の画像センサ。
【請求項4】
前記量子化回路は、前記量子化回路がデジタル信号の前記第2のセットを前記デジタル信号の第3のセットに変換することなくデジタル信号の前記第2のセットの前記値を保持するように、非アクティブ化されるように構成される、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項5】
前記1つ以上のアナログデジタル変換回路と前記量子化回路との間に動作可能に結合された自動ブラックレベル補正(ABLC)回路を更に備え、前記ABLC回路は、前記ピクセルの前記デジタル信号に関連付けられた暗さを補正するように構成される、
請求項1に記載の画像センサ。
【請求項6】
前記1つ以上のアナログデジタル変換回路と前記量子化回路との間に動作可能に結合されたオプティカルブラック(OB)ピクセル減算回路を更に備え、前記OBピクセル減算回路は、1つの行上の前記ピクセルの前記デジタル信号に関連付けられた暗さを補正するように構成される、
請求項1に記載の画像センサ。
【請求項7】
前記デジタル信号の第1のセット及び前記デジタル信号の第3のセットを前記画像センサの外部のデバイスに転送するように構成されたデータインターフェース回路、
を更に備える、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項8】
前記画像センサは、半導体ダイ上の1つ以上の集積回路を使用して実装される、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項9】
前記画像センサは、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)画像センサ又はCCD(電荷結合素子)画像センサである、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項10】
システムであって、
1つ以上のレンズと、
前記複数のレンズを通過して到達した光を受光する画像センサと、を備え、前記画像センサは、
前記光に露光されたときに前記ピクセルによって蓄積された光電子に基づいてアナログ信号を生成するように構成された複数のピクセルと、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成された1つ以上のアナログデジタル変換回路であって、前記デジタル信号は、(a)整数個の離散光電子に対応する値を個々に有するデジタル信号の第1のセットと、(b)非整数個の離散光電子に対応するように前記デジタル信号の第1のセットの値の間の値を個々に有するデジタル信号の第2のセットと、を含む、1つ以上のアナログデジタル変換回路と、
デジタル信号の前記第2のセットをデジタル信号の第3のセットに変換するように構成された量子化回路であって、前記デジタル信号の第3のセットは、整数個の離散光電子に対応する値を個々に有する、量子化回路と、を備える、システム。
【請求項11】
デジタル信号の前記第2のセットを前記デジタル信号の第3のセットに変換するために、前記量子化回路は、
デジタル信号の前記第2のセットの個々の1つに対して、
(a)前記デジタル信号の前記値と(b)閾値とを比較することと、
(a)前記デジタル信号の前記値と(b)前記閾値との比較に基づいて第3の値を識別することであって、前記第3の値は、整数個の離散光電子に対応する、ことと、
前記デジタル信号の前記値を前記第3の値で置き換えることと、を行うように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記閾値は、それぞれが整数個の離散光電子に対応する2つの値の間にあり、前記量子化回路は、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値未満であるかどうかを判定することと、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値よりも大きいという判定に応じて、前記閾値よりも大きい前記2つの値のうちの一方を前記第3の値として識別することと、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値よりも大きくないという判定に応じて、前記閾値よりも小さい前記2つの値のうちの他方を前記第3の値として識別することと、を行うように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記量子化回路は、前記量子化回路がデジタル信号の前記第2のセットを前記デジタル信号の第3のセットに変換することなくデジタル信号の前記第2のセットの前記値を保持するように、非アクティブ化されるように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記画像センサは、
前記1つ以上のアナログデジタル変換回路と前記量子化回路との間に動作可能に結合された自動ブラックレベル補正(ABLC)回路を更に備え、前記ABLC回路は、前記ピクセルの前記デジタル信号に関連付けられた暗さを補正するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記画像センサは、
前記1つ以上のアナログデジタル変換回路と前記量子化回路との間に動作可能に結合されたオプティカルブラック(OB)ピクセル減算回路を更に備え、前記OBピクセル減算回路は、1つの行上の前記ピクセルの前記デジタル信号に関連付けられた暗さを補正するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記画像センサは、
前記デジタル信号の第1のセット及び前記デジタル信号の第3のセットを前記画像センサの外部のデバイスに転送するように構成されたデータインターフェース回路を更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記画像センサは、半導体ダイ上の1つ以上の集積回路を使用して実装される、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
デバイスであって、
カメラであって、
1つ以上のレンズと、
前記複数のレンズを通過して到達した光を受光する画像センサと、を備え、前記画像センサは、
前記光に露光されたときに前記ピクセルによって蓄積された光電子に基づいてアナログ信号を生成するように構成された複数のピクセルと、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成された1つ以上のアナログデジタル変換回路であって、前記デジタル信号は、(a)整数個の離散光電子に対応する値を個々に有するデジタル信号の第1のセットと、(b)非整数個の離散光電子に対応するように前記デジタル信号の第1のセットの値の間の値を個々に有するデジタル信号の第2のセットと、を含む、1つ以上のアナログデジタル変換回路と、
デジタル信号の前記第2のセットをデジタル信号の第3のセットに変換するように構成された量子化回路であって、前記デジタル信号の第3のセットは、整数個の離散光電子に対応する値を個々に有する、量子化回路と、を備える、カメラと、
前記デジタル信号の第1のセット及び前記デジタル信号の第3のセットを処理して1つ以上の画像を生成するように構成された画像信号プロセッサと、を備える、デバイス。
【請求項19】
デジタル信号の前記第2のセットを前記デジタル信号の第3のセットに変換するために、前記量子化回路は、
デジタル信号の前記第2のセットの個々の1つに対して、
(a)前記デジタル信号の前記値と(b)閾値とを比較することと、
(a)前記デジタル信号の前記値と(b)前記閾値との比較に基づいて第3の値を識別することであって、前記第3の値は、整数個の離散光電子に対応する、ことと、
前記デジタル信号の前記値を前記第3の値で置き換えることと、を行うように構成される、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記閾値は、それぞれが整数個の離散光電子に対応する2つの値の間にあり、前記量子化回路は、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値未満であるかどうかを判定することと、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値よりも大きいという判定に応じて、前記閾値よりも大きい前記2つの値のうちの一方を前記第3の値として識別することと、
前記デジタル信号の前記値が前記閾値よりも大きくないという判定に応じて、前記閾値よりも小さい前記2つの値のうちの他方を前記第3の値として識別することと、を行うように構成される、請求項18に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、画像センサに関し、より具体的には、画像センサのオンチップ画像信号処理回路の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラなどの画像キャプチャデバイスは、とりわけ、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップなど)、ロボット機器、又はセキュリティ監視デバイスなどの種々の電子デバイスにおいて広く使用されている。画像キャプチャデバイスは、複数の集光ピクセルを有する画像センサを含み得る。ピクセルは、フォトダイオードを含み得る。画像キャプチャデバイスは、環境からの光を取り込み、その光を画像センサに渡すことができる。光に露光されると、ピクセルのフォトダイオードは光電子を蓄積することができる。読み出し時に、光電子はフォトダイオードから外へ転送され、アナログ画像信号を生成することができる。画像センサはまた、アナログ画像信号をデジタル画像信号に処理し、それらを画像信号プロセッサに転送し得る1つ以上の画像信号処理回路を含み得る。画像信号プロセッサは、デジタル画像信号を更に処理して、画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】いくつかの実施形態による、画像センサの例示的な画像信号処理システムを示す概略図である。
【0004】
図2】いくつかの実施形態による、デジタル画像信号の1つのセットをデジタル画像信号の別のセットに変換するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0005】
図3】いくつかの実施形態による、画像センサのアナログ画像信号の例示的な確率分布を示す。
【0006】
図4】いくつかの実施形態による、画像センサのデジタル画像信号の例示的な確率分布を示す。
【0007】
図5】いくつかの実施形態による、追加の量子化を有する画像センサのデジタル画像信号の例示的な確率分布を示す。
【0008】
図6】いくつかの実施形態による、少なくとも1つの開示された量子化回路を含む例示的な画像センサの概略図である。
【0009】
図7】いくつかの実施形態による、画像センサの画像信号を処理するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0010】
図8】いくつかの実施形態による、少なくとも1つの開示された量子化回路を含む画像センサを有する画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)を含み得る例示的なデバイスの概略図を示す。
【0011】
図9】いくつかの実施形態による、少なくとも1つの開示された量子化回路を含む画像センサを有する画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)の実施形態を含むか又はホストし得る例示的なコンピューティングデバイスの概略ブロック図を示す。
【0012】
本明細書は、「one embodiment(一実施形態)」又は「an embodiment(実施形態)」に対する参照を含む。「in one embodiment(一実施形態において)」又は「in an embodiment(ある実施形態において)」という語句表現は、必ずしも同一の実施形態を指すわけではない。特定の特徴、構造、又は特性は、本開示と一貫性を有するいずれかの適切な方式で組み合わされてもよい。
【0013】
「comprising(備える、含む)」。この用語はオープンエンドである。添付の特許請求の範囲で使用されるように、この用語は、追加の構造又はステップを除外しない。「1つ以上のプロセッサユニット・・・を備えた装置」と記載される請求項を検討する。このような請求項は、装置が追加の構成要素(例えば、ネットワークインターフェースユニット、グラフィック回路など)を含むことを除外しない。
【0014】
「configured to(ように構成されている)」。様々なユニット、回路、又は他の構成要素は、タスク又はタスク(複数)を実行する「ように構成されている」と説明又は請求されてもよい。このような文脈では、「構成されている」は、ユニット/回路/構成要素が、動作の間にそれらのタスク又はタスク(複数)を実行する構造(例えば、回路)を含むことを示すことによって構造を暗示するときに使用される。そのように、ユニット/回路/構成要素は、指定されたユニット/回路/構成要素が現在動作可能でない(例えば、オンの状態でない)ときでさえ、タスクを実行するように構成されていると言うことができる。「~するように構成される」という文言と共に使用されるユニット/回路/構成要素は、ハードウェア、例えば、回路、動作を実施するために実行可能なプログラム命令を記憶するメモリなどを含む。ユニット/回路/構成要素が1つ以上のタスクを実施する「ように構成される」との記載は、そのユニット/回路/構成要素について、米国特許法第112条(f)が発動されないことを明示的に意図している。更に、「構成されている」は、ソフトウェア及び/又はファームウェア(例えば、FPGA又はソフトウェアを実行する汎用プロセッサ)によって操作され、問題のタスク(単数又は複数)を実行可能な方式で動作する汎用的な構造(例えば、汎用回路)を含むことができる。「構成されている」はまた、1つ以上のタスクを実施又は実行するように適合されたデバイス(例えば、集積回路)を組み立てるように製造工程(例えば、半導体組み立て設備)を適合させることを含んでもよい。
【0015】
「第1」、「第2」など。本明細書で使用されるように、これらの用語は、続く名詞の標識として使用され、いかなるタイプの順序付け(例えば、空間的、時間的、論理的など)も意味しない。例えば、バッファ回路は、「第1」及び「第2」の値に対する書き込み演算を実行するものとして本明細書で説明されてもよい。用語「第1」及び「第2」は、必ずしも第1の値が第2の値の前に書き込まれなければならないことを含意していない。
【0016】
「基づく」。本明細書で使用されるように、この用語は、判定に影響を及ぼす1つ以上の要因を記述するために使用される。この用語は、判定に影響を及ぼすことがある追加要因を除外しない。すなわち、判定はそれらの要因のみに基づいているか、又は少なくとも部分的にそれらの要因に基づいていることがある。「Bに基づいてAを判定する」というフレーズを検討する。このケースでは、BはAの判定に影響を及ぼす要因であるが、このようなフレーズはAの判定がCにも基づいていることを除外しない。他の例では、AはBのみに基づいて判定されてもよい。
【0017】
本明細書では、様々な要素を説明するために第1、第2などの用語が使用される場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことも理解されるであろう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、意図される範囲から逸脱することなく、第1の接触は第2の接触と呼ばれてもよく、同様に、第2の接触は第1の接触と呼ばれてもよい。第1の接触及び第2の接触は両方とも接触であるが、それらは同じ接触ではない。
【0018】
本明細書における説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであって、限定することを意図するものではない。説明及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことを明確に示さない限り、複数形もまた含むことを意図される。また、本明細書で使用される時、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のいずれか及び全ての考えられる組み合わせを指し、かつこれを含むことを理解されたい。用語「includes(含む)、「including(含む)」、「comprises(含む)(備える)」及び/又は「comprising(含む)(備える)」は、本明細書で使用される時、述べられた機能、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されるであろう。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「if(~場合に)」を、文脈に応じて「when(~時に)」、「upon(~すると)」、「in response to determining(~と判定したことに応じて)」、又は「in response to detecting(~と検出したことに応じて)」を意味すると解釈することができる。同様に、句「if it is determined(~と判定される場合に)」又は「if(a stated condition or event)is detected((述べられる条件又はイベント)が検出される場合に)」を、文脈に応じて「upon determining(~と判定される時に)」、「in response to determining(~と判定したことに応じて)」、「upon detecting(the stated condition or event)((述べられる条件又は様々イベント)を検出すると)」、又は「in response to detecting(the stated condition or event)((述べられる条件又は様々イベント)を検出したことに応じて)」を意味すると解釈することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で説明する種々の実施形態は、画像センサの1つ以上の画像信号処理回路に関する。いくつかの実施形態では、画像センサは、複数の集光ピクセルを含み得る。少なくとも一部のピクセルはそれぞれ、少なくとも1つのフォトダイオード及び1つ以上の読み出し回路を含み得る。いくつかの実施形態では、信号読み出し回路は、1つ以上のトランジスタを使用して形成され得る。フォトダイオードは、光に露光されると光電子を生成し、蓄積することができる。読み出し時に、光電子は、例えば、読み出し回路を使用して、フォトダイオードから転送されて、アナログ画像信号を生成することができる。いくつかの実施形態では、画像センサは、1つ以上の画像信号処理回路を含み得る。画像信号処理回路は、ピクセルからのアナログ画像信号をデジタル画像信号に処理することができる。いくつかの実施形態では、デジタル画像信号は、画像センサから、画像センサの外部の1つ以上のデバイス、例えば、画像信号プロセッサ(ISP)に転送され得る。ISPは、デジタル画像信号を更に処理して、1つ以上の画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、画像センサは、半導体ダイ上の1つ以上の集積回路を使用して実装され得る。いくつかの実施形態では、画像センサは、カメラなどの画像キャプチャデバイスの一部であってもよく、画像キャプチャデバイスは、とりわけ、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップなど)、ロボット機器、又はセキュリティ監視デバイスなどの電子デバイスの一部であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、画像信号処理回路は、ピクセルのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し得る、1つ以上のアナログデジタル変換(ADC)回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、画像信号処理回路は、オートブラックレベル補正(ABLC)回路及びオプティカルブラック(OB)ピクセル減算回路などの1つ以上の暗さ補正回路を更に含み得る。いくつかの実施形態では、ABLC回路は、複数の行又は列上のピクセル(例えば、画像センサの全ての行又は列上のピクセル)のデジタル画像信号に関連付けられた暗さを補正することができ、OBピクセル減算回路は、単一の行又は列上のピクセルのデジタル画像信号に関連付けられた黒さを補正することができる。本開示では、ABLC及び/又はOBピクセル減算回路は、行又は列に関して説明することができるが、これは、ピクセルは概してピクセルアレイに編成され、それらの画像信号は、行ごと又は列ごとのグループで読み出され、処理されるためである。
【0022】
いくつかの実施形態では、ABLC回路は、画像センサの暗(又は黒)領域内のピクセルからのデジタル画像信号の値に基づいて、ブラックレベルを表す値を決定することができる。いくつかの実施形態では、これらのピクセルは、入射光子から光学的及び/又は電気的に遮蔽され、したがって、非常に低い値においてのみ、例えば、閾値を下回って、画像信号を生成することができる。例示のために、これらのピクセルは、本開示ではブラックピクセルとも称される。いくつかの実施形態では、ブラックピクセルは、画像センサのピクセルアレイの複数の行又は列をカバーする領域内に存在してもよい。これらのブラックピクセルからの画像信号は、ノイズ(例えば、熱ノイズ及び/又は他のシステムノイズ)の表現を提供することができ、それらの値は、画像の暗さレベルを決定することができる。例えば、それらの値が変動すると、画像全体が暗くなったり明るくなったりすることがある。これらのノイズ効果を補償するために、ABLC回路は、ブラックレベルを表す決定された値をアクティブ(又は非黒)ピクセルのデジタル画像信号の値から減算して、これらのアクティブピクセルの出力から暗レベルを相殺することができる。比較すると、OB減算回路は、同様に動作し得るが、単一の行又は列上のピクセルに関して動作し得る。例えば、OBピクセル減算回路は、ある行について、その行のブラックピクセルのデジタル画像信号に基づいて、その行のブラックレベルを示す値を求め、その値を、その行のアクティブ(非黒)ピクセルのデジタル画像信号の値から減算してもよい。したがって、ABLC回路が画像センサの「グローバル」レベルでブラック補正を提供すると考えられる場合、OBピクセル減算回路は、各行又は列の「ローカル」レベルでブラック補正を提供すると考えられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、デジタル画像信号は、デジタル画像信号の第1のセットとデジタル画像信号の第2のセットとに分割され得る。デジタル画像信号の第1のセットは、それぞれ、整数個の光電子に対応する値を有してもよく、画像デジタル信号の第2のセットは、それぞれ、非整数個の光電子に対応するように、デジタル信号の第1のサブセットの値の間の値を有してもよい。光電子が離散粒子であると仮定すると、理想的な場合には、デジタル画像信号は、デジタル画像信号の第2のセットなしに、デジタル画像信号の第1のセットのみを含み得る。いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の第2のセットは、(例えば、温度変動によって引き起こされる)熱ノイズ及び/又は他のシステムノイズなどのノイズによって引き起こされ得る。いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の第2のセットは、ブラックピクセルの画像信号の小さい値に対して信号精度を提供するため、上述の暗さ補正に有用であり得る。しかしながら、これらの画像信号処理が完了すると、デジタル画像信号の第2のセットは、必ずしも最終的な画像生成及び表示に関する追加の有用な情報を提供しなくてもよい。
【0024】
したがって、いくつかの実施形態では、画像センサの画像信号処理回路は、デジタル画像信号を更に量子化し得る量子化回路を含み得る。いくつかの実施形態では、量子化回路は、デジタル画像信号の第2のセットをデジタル画像信号の第3のセットに変換してもよく、デジタル画像信号の第3のセットは、それぞれ、整数個の光電子に対応する値を有してもよい。いくつかの実施形態では、変換を実行するために、量子化回路は、デジタル画像信号の第2のセットの各々1つの値を1つ以上の閾値と比較することができる。この比較に基づいて、量子化回路は、デジタル画像信号の(元の)値を置き換える(新しい)値を識別して、(新しい)デジタル信号を生成して、デジタル画像信号の第3のセットを形成することができる。更なる量子化されたデジタル信号は、データスループットが圧縮されるように、より少ないビット深度を有し得る。
【0025】
当業者であれば、開示された画像信号処理回路が複数の利点を提供できることを理解するであろう。例えば、変換により、(非整数個の離散光電子に対応する)デジタル画像信号の第2のセットの値は、(整数個の離散光電子に対応する)デジタル画像信号の第3のセットの値と置き換えられてもよく、又は(例えば、それらが特定の閾値より小さいときに)除去されてもよい。これは、画像センサから外部デバイス、例えば、イメージ信号プロセッサに転送されるデジタル画像信号のサイズを減少させることができる。データ圧縮は、データ転送速度を増加させ、下流画像生成及び処理を加速させることができる。また、上述したように、第2のセットのデジタル画像信号は、ノイズに起因するものであってもよい。したがって、それらの値の変換は、非理想的なノイズのある画像信号の補正と考えることができる。これは、画像信号の品質を改善し、最終的に生成される画像の鮮明度及び/又は鮮鋭度を高めることができる。
【0026】
図1は、いくつかの実施形態による、画像センサの例示的な画像信号処理システムを示す概略図である。図1に示されるように、画像センサ100は、複数の集光ピクセル102を含み得る。いくつかの実施形態では、ピクセル102のうちの少なくとも一部は、それぞれ、少なくとも1つのフォトダイオード及び1つ以上の読み出し回路を含み得る。いくつかの実施形態では、読み出し回路は、1つ以上のトランジスタを使用して形成され得る。フォトダイオードは、光に露光されると光電子を生成し、蓄積することができる。読み出し時に、光電子は、例えば、読み出し回路を使用して、フォトダイオードから転送されて、アナログ画像信号(例えば、アナログ電圧)を生成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、所与のピクセルについて、読み出し時に、読み出し回路を使用して、ピクセルの少なくとも1つのフォトダイオードは、浮遊拡散領域(以下、「FD」)と結合され得る。光電子は、フォトダイオードからFDに転送され得る。FDはキャパシタンスを有することができ、光電子の転送は、キャパシタンスを通して電流を流れさせ、したがってアナログ電圧を発生させることができる。FDは、ピクセル信号出力線(以下、「出力」)と更に結合されてもよく、それを通してFDの電圧がアクセスされ、サンプリングされてもよい。
【0027】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、画像センサ100はまた、1つ以上の増幅器104と、1つ以上のアナログデジタル変換(ADC)回路及びメモリ(例えば、揮発性(例えば、SRAM)又は非揮発性メモリ)106とを含み得る。いくつかの実施形態では、増幅器104は、ピクセル102のアナログ画像信号を増幅してもよく、ADC回路及びメモリ106は、画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、それらをメモリに記憶してもよい。上述したように、いくつかの実施形態では、画像センサ100のピクセル102は、複数の行及び列を有するピクセルアレイに編成され得る。いくつかの実施形態では、ピクセル102の画像信号は、行ごと又は列ごとのグループで読み出され得る。例えば、行ごとの読み出しを使用して、同じ行上のピクセル102は、同時に又はほぼ同時に読み出され得るが、同じ列であるが異なる行上のピクセル102は、行ごとに連続的に読み出され得る。列ごとの読み出しは、行及び列に関する読み出しが交換されることを除いて、同様であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、画像センサ100はまた、1つ以上の画像信号処理回路108を含み得る。図1に示されるように、いくつかの実施形態では、画像信号処理回路108は、相関二重サンプリング(CDS)計算を実行するための少なくとも1つのCDS回路を含み得る。CDSでは、各ピクセルのアナログ画像信号を出力で2回サンプリングして、光電子の転送前と転送後の2つのデジタル値を生成することができる。次いで、(FDの)リセット電圧の影響を相殺するために、第1のサンプルが第2のサンプルから減算され得る。最終的な差分値は、ピクセルの最終的なデジタル信号値と見なされ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、画像信号処理回路108はまた、1つ以上の暗さ補正回路を含んでもよい。図1に示すように、いくつかの実施形態では、画像信号処理回路108は、少なくとも1つのABLC回路112を含み得る。上述のように、いくつかの実施形態では、ABLC回路112は、複数の行又は列上のピクセル102(例えば、画像センサ100の全ての行又は列上のピクセル)のデジタル画像信号に関連付けられた暗さを補正することができる。いくつかの実施形態では、ABLC回路112は、画像センサ100の1つ以上の暗(又は黒)領域内に存在するピクセル102の複数のブラックピクセルを識別することができる。これらのブラックピクセルは、それらのデジタル画像信号の値が閾値未満であり得るため、識別され得る。いくつかの実施形態では、ABLC回路112は、平均ブラックレベルを表すと考えることができる、これらのデジタル画像信号の平均値を計算することができる。次いで、ABLC回路112は、他のアクティブ(又は非黒)ピクセルのデジタル画像信号の値から平均値を減算して、平均ブラックレベルを相殺することができる。
【0030】
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、画像信号処理回路108はまた、少なくとも1つのOBピクセル減算回路114を含み得る。いくつかの実施形態では、OBピクセル減算回路114は、上記で説明したABLC回路112と同様に動作し得るが、単一の行又は列上のピクセルに関して動作し得る。例えば、1つの行が与えられると、OBピクセル減算回路114は、その行上のブラックピクセルを識別し、次いで、それらのデジタル画像信号から平均を計算して、この行の黒色を表すことができる。OBピクセル減算回路114は、次いで、この値を、行上の他のアクティブ(又は非黒)ピクセルのデジタル画像信号の値から減算し得る。同じ動作を各行(又は列)に対して繰り返して、行ごと(又は列ごと)に暗さを補償することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、ABLC回路112及びOBピクセル減算回路114は、図1に示されるように、暗さ補正を提供するために、画像センサ100内で組み合わせて使用され得る。その場合、ABLC回路112は、ブラックピクセルのデジタル画像信号の値からも全体的な暗さレベルを表す平均値を減算することができ、その結果、(各行又は列についての)ブラックピクセルの(ABLC補正後の)残りの値のみが、暗さを補正するためにOBピクセル減算114によって使用され得る。これにより、後続の行又は列レベルでの過補正を回避することができる。図1は、説明のための例としてのみ提供されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、画像信号処理回路108は、より少ない又はより多くの回路を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、画像信号処理回路108は、欠陥ピクセル補正(DPC)回路、デジタル利得(DG)回路などを含み得る。
【0032】
上述のように、いくつかの実施形態では、(110、112、及び/又は114の上述の画像信号処理の前又は後の)画像センサ100のデジタル画像信号は、デジタル画像信号の第1のセットとデジタル画像信号の第2のセットと、を含み得る。いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の第1のセットは、それぞれ、整数個の光電子に対応する値を有してもよく、一方、画像デジタル信号の第2のセットは、それぞれ、デジタル信号の第1のセットの値の間の値を有し、したがって、非整数個の光電子に対応してもよい。いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の第2のセットは、ブラックピクセルの画像信号の小さい値に対して信号精度を提供するため、暗さ補正に有用であり得る。しかしながら、光電子が離散粒子であると仮定すると、デジタル画像信号の第2のセットは、必ずしも「真の」光電子に対応する値を有さなくてもよい。したがって、上述の画像信号処理が完了すると、デジタル画像信号の第2のセットは、最終的な画像生成及び表示に関する追加の有用な情報を提供することができない。
【0033】
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、画像信号処理回路108は、デジタル画像信号を更に量子化するための量子化回路116を含み得る。いくつかの実施形態では、量子化回路116は、デジタル信号の第2のセットをデジタル画像信号の第3のセットに変換することができ、デジタル画像信号の第3のセットはそれぞれ、整数個の離散光電子に対応する値を有することができる。以下で詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、変換を実行するために、デジタル信号の第2のセットの各々について、量子化回路116は、デジタル信号の値を閾値と比較することができる。比較に基づいて、量子化回路116は、デジタル信号の(元の)値を置き換えるための(新しい)値を識別し、したがって、デジタル画像信号の第3のセットを形成するための(新しい)デジタル信号を生成することができる。
【0034】
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、画像センサ100はまた、データインターフェース118を含んでもよく、それを通して、整数個の離散光電子に対応する値のみを両方とも有するデジタル画像信号の第1及び第3のセットを含むデジタル画像信号が、画像センサ100から画像センサ100の外部の1つ以上のデバイス、例えば、画像信号プロセッサ(ISP)に転送されてもよい。ISPは、これらのデジタル画像を更に処理して、最終的に1つ以上の画像を再構築及び生成することができる。
【0035】
図2は、いくつかの実施形態による、デジタル画像信号の1つのセットをデジタル画像信号の別のセットに変換するための例示的な方法を示すフローチャートである。図2において、いくつかの実施形態では、ブロック202に示すように、非整数個の離散光電子に対応する値を有するデジタル画像信号(例えば、上述のデジタル画像信号の第2のセットのうちの1つ)を(例えば、量子化回路116によって)取得することができる。いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の値は、ブロック204に示されるように、1つ以上の閾値と比較されてもよい。いくつかの実施形態では、比較に基づいて、ブロック206に示されるように、新しい値が識別され得る。例えば、いくつかの実施形態では、閾値は、それぞれが整数個の離散光電子に対応する2つの値(例えば、a及びb)の間の値であってもよい。いくつかの実施形態では、a及びbは、デジタル画像信号の元の値(非整数個の光電子に対応する)に最も近い2つの値(それぞれ整数個の光電子に対応する)であってもよい。この比較において、デジタル画像信号の値が閾値よりも大きいと判定された場合、aとbのうち大きい方を新たな値として識別することができる。逆に、デジタル画像信号の値が閾値よりも大きくない場合には、aとbのうち小さい方を新たな値として識別することができる。いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の元の値は、ブロック208に示されるように、識別された新しい値で置き換えられてもよい。上述のように、いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の元の値は、比較に基づいて、2つの値(例えば、a及びb)のうちの一方と置き換えられてもよい。換言すれば、元の値は、整数個の光電子に対応する最も近い値のうちの1つに切り上げ又は切り下げされ得る。置き換えに加えて、いくつかの実施形態では、除算、乗算、加算、減算、ビットシフトなどの他の実装形態が、非整数デジタル画像信号を変換するために利用されてもよい。例えば、0.12の非整数値は、更なる加算及び/又は他の算術演算と組み合わせて、3ビットシフト(例えば、8を乗じる)を介して、1に量子化されてもよい。
【0036】
図3は、いくつかの実施形態による、画像センサのアナログ画像信号の例示的な確率分布を示す。例えば、図3の図は、(110、112、及び/又は114の画像信号処理の前又は後の)図1のアナログ画像信号の値の確率分布を表すことができる。図3において、横軸はアナログ画像信号の値を示し、縦軸はその値の確率密度を示す。図3に示されるように、図は、複数のピークを含んでもよく、各ピークは、整数個の光電子に対応するアナログ画像信号に対応してもよい。光電子は離散的な粒子であるため、これらの値は図中のピークとして現れ得る。例えば、左からの1stピークは、整数(m)個の離散光電子に対応する値を有するアナログ画像信号を表すことができ、左からの2ndピークは、整数(n)個の離散光電子に対応する値を有するアナログ画像信号を表すことができ、以下同様である。図3において、図はまた、ピーク値の間にいくつかの非ピーク値を含み得る。これらの値は、非整数個の光電子に対応する値を有するアナログ画像信号を表すことができる。上述したように、いくつかの実施形態では、これらの信号は、ノイズによって引き起こされることがあり、したがって、ピークよりも小さい値を有する傾向がある。したがって、それらは、ピーク値間の値として現れ、例えば、ポアソン-ガウス分布に従ってピーク値を囲む。いくつかの実施形態では、ノイズ効果が大きいほど、これらの非ピーク値が大きくなり、ポアソン-ガウス分布曲線が広くなり、最終的に、ピークのポアソン-ガウス曲線が互いに重なり合うことがある。
【0037】
図4は、いくつかの実施形態による、画像センサのデジタル画像信号、例えば、増幅(例えば、増幅器104による)及びデジタル化(例えば、ADC回路106による)後の図3のアナログ画像信号の例示的な確率分布を示す。図4に示されるように、図4の図は、図4の値がアナログ信号から離散デジタル値に量子化されることを除いて、図3の図と同様である。値aとbの間の図の拡大図が図4の下部に示されている。拡大図に示されるように、デジタル画像信号は、デジタル画像信号の第1のセット、例えば、a及びbにおける2つのピークを含むことができ、各ピークは、整数個の離散光電子に対応する値を有する。例えば、値aにおける1stピークは、整数(m)個の離散光電子に対応することができ、値bにおける2ndピークは、整数(n)個の離散光電子に対応することができる。拡大図内のデジタル画像信号はまた、デジタル画像信号の第2のセット、例えば、a及びbの2つのピーク間の非ピーク値を含んでもよい。したがって、これらの値は、非整数個の離散光電子に対応すると考えられ得る。上述したように、いくつかの実施形態では、画像センサ(例えば、画像センサ100)は、量子化回路(例えば、量子化回路116)を使用して、これらの非整数値(それぞれが非整数個の離散光電子に対応する)を整数個の離散光電子に対応する値に変換することができる。例えば、a及びbが整数個の離散光電子に対応する2つの最も近い値であると仮定すると、量子化回路は、非整数値を(a+b)/2の値を有する閾値と比較することができる。量子化回路は、非整数値が閾値より大きい場合、非整数値を切り上げてbとしてもよく、逆に、量子化回路は、非整数値が閾値以下の場合、非整数値を切り下げてaとしてもよい。いくつかの実施形態では、量子化回路は、異なる閾値を使用して、異なる範囲内に存在する非整数値を変換することができる。例えば、最も近いピークが(a,b)から(c,d)に変化する場合、異なる閾値を使用して、非整数値の変換を実行することができる。
【0038】
図5は、いくつかの実施形態による、画像センサのデジタル画像信号、例えば、(量子化回路116による)図1の更なる量子化の後のデジタル画像信号の例示的な確率分布を示す。図5に示されるように、図4の非ピーク値(非整数個の離散光電子に対応する)は、整数値に変換され、したがって、図5では消失している。また、図5の拡大図に示されるように、非整数値の整数値への変換は、図4と比較して、(整数個の離散光電子に対応する)ピーク値の確率密度の変化を引き起こし得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、画像センサ100の上述の量子化回路116は、量子化回路116が、デジタル画像信号の第2のセットの値を、整数個の離散光電子に対応する値を有するデジタル画像信号の第3のセットに変換することなく、デジタル画像信号の第2のセットの値を保持し得るように、非アクティブ化されてもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、画像センサ100はバイパス回路を有し得、バイパス回路は、アクティブ化されると、デジタル画像信号の第2のセットがデジタル画像信号の第3のセットに変換され得ないように、(デジタル画像信号の第2のセットを含む)デジタル画像信号が量子化回路116をバイパスすることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、画像センサ100は、デジタル画像信号の第2のセットをデジタル画像信号の第1のセットから分離し、デジタル画像信号の第2のセットを画像センサ100から1つ以上の外部デバイスに転送することができる。例えば、いくつかの実施形態では、デジタル画像信号の第2のセットは、画像センサ100から転送され、したがって利用可能であり得、それに基づいて、変換のための閾値(単数又は複数)の値(単数又は複数)が決定され得る。別の例では、デジタル画像信号の第2のセットは、1つ以上の他の目的、例えば、ノイズ分析、較正、テストなどのために使用され得る。
【0040】
図6は、いくつかの実施形態による、上述した量子化回路を含む例示的な画像センサの概略図である。図6に示すように、画像センサ600は、ピクセルアレイ620として編成された複数の集光ピクセル602(例えば、ピクセル102と同様)を含み得る。いくつかの実施形態では、画像センサ600は、(例えば、図1の増幅器104と同様の)1つ以上の増幅器604と、(例えば、ADC回路及びメモリ104と同様の)1つ以上のADC回路及びメモリ608と、(例えば、画像信号処理回路108及びデータインターフェース回路118を含む)1つ以上の画像信号処理及びデータインターフェース回路622と、を含み得る。上述のように、いくつかの実施形態では、ピクセルアレイ602のピクセル602の画像信号は、行ごと又は列ごとに読み出されてもよい。例示のために、この例では、画像センサ600はまた、ピクセル602の行ごとの読み出しを実行するための制御信号を与えるための行論理回路624を含み得る。上述のように、行ごとの読み出しを使用して、同じ行上のピクセル602は、同時に又はほぼ同時に読み出され得るが、同じ列上であるが異なる行上のピクセル602は、行ごとに連続的に読み出され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、ピクセル602の画像信号の上記の読み出しは、例えば、トランジスタを使用して実装される、1つ以上の読み出し回路を使用して実装されてもよい。例えば、図6に示されるように、いくつかの実施形態では、ピクセル602のうちの少なくとも一部はそれぞれ、少なくとも1つのフォトダイオード632と、トランジスタ642、644、646、及び648と、を含んでもよい。フォトダイオード632は、光に露光されると光電子を生成し蓄積することができる。読み出し中に、行論理回路624からの制御信号の下で、行選択トランジスタ(「RS」)648、ソースフォロワトランジスタ(「SF」)646、及びリセットゲートトランジスタ(「RG」)644がターンオンされ得る。したがって、リセット電圧VDD638は、浮遊拡散領域(「FD」)634と結合され得、FD634は、ピクセル信号出力線(「出力」)636と結合され得る。FD634の電圧(例えば、リセット電圧VDDの値を有する)は、増幅器604によって増幅され、ADC回路608によってサンプリングされ、メモリ608によって記憶され得る。上述したように、これは、CDS(相関二重サンプリング)の第1のサンプルであってもよい。次に、行論理回路624からの制御信号の下で、RG644がターンオフされ得、転送ゲートトランジスタ642がターンオンされ得る。したがって、フォトダイオード632の光電子は、フォトダイオード632からFD634のキャパシタンスCに転送され得る。光電子の転送は、キャパシタンスCを通って流れる電流を引き起こし、したがって、増幅器604によって更に増幅され、ADC回路608によってサンプリングされ、メモリ608によって記憶され得るアナログ電圧をもたらし得る。上述のように、これはCDSの第2のサンプルであってもよい。したがって、画像信号の処理及びデータインターフェース回路622の一部としての(例えば、CDS回路110と同様の)CDS回路は、第2のサンプルから第1のサンプルを減算して、リセット電圧VDD638の影響を相殺し、ピクセル602の最終的なデジタル信号値を決定することができる。上述の動作は、例えば、行又は列に従って、異なるピクセル上で繰り返されてもよい。
【0042】
上述のように、いくつかの実施形態では、画像信号処理及びデータインターフェース回路622は、1つ以上の暗さ補正回路(例えば、図1のABLC回路112及び/又はOBピクセル減算回路114)と、少なくとも1つの量子化回路(例えば、量子化回路116)とを含み得る。いくつかの実施形態では、量子化回路は更に、ピクセル602のデジタル画像信号を量子化し、非整数個の離散光電子に対応するデジタル画像信号の値を整数個の離散光電子に対応する値に変換してもよい。また、上述したように、いくつかの実施形態では、変換は、非整数値を最も近い整数値に切り上げ又は切り下げることを含み得る。いくつかの実施形態では、(上述の構成要素を含む)画像センサ600は、半導体ダイ上の1つ以上の集積回路を使用して実装され得る。
【0043】
図7は、いくつかの実施形態による、画像センサの画像信号を処理するための例示的な方法を示すフローチャートである。図7において、いくつかの実施形態では、ブロック702によって示されるように、アナログ画像信号は、光に露光されたときにピクセルによって蓄積された光電子に基づいて、複数のピクセル(例えば、上述の集光ピクセル)を使用して生成されてもよい。例えば、上述したように、光に露光されると、ピクセルのフォトダイオードは光電子を生成し蓄積することができる。読み出し中に、これらの光電子は、フォトダイオードから外に転送され、ピクセルのFD領域においてアナログ電圧信号を生成することができ、アナログ電圧信号は、ピクセルの出力において更にアクセスされ得る。図7において、いくつかの実施形態では、ブロック704によって示されるように、アナログ画像信号(例えば、アナログ電圧信号)は、1つ以上のADC回路(例えば、上述のADC回路)を使用して、デジタル信号に変換されてもよく、デジタル信号は、(a)整数個の離散光電子に対応する値を個々に有するデジタル信号の第1のセットと、(b)非整数個の離散光電子に対応するように、デジタル信号の第1のセットの値の間の値を個々に有するデジタル信号の第2のセットと、を含む。図3図4において上述したように、アナログ画像信号及びその後に変換されたデジタル画像信号は、(フォトダイオードによって蓄積され、フォトダイオードから転送された)整数個の離散光電子にそれぞれ対応する第1のセットのピーク値と、非整数個の離散光電子にそれぞれ対応する第2のセットの非ピーク値と、を含み得る。図7において、いくつかの実施形態では、ブロック706によって示されるように、デジタル信号の第2のセットは、例えば、量子化回路(例えば、上述の量子化回路)を使用して、デジタル信号の第3のセットに変換されてもよく、デジタル信号の第3のセットは、整数個の離散光電子に対応する値を個々に有する。図5において上述したように、第2のセットの非ピーク値は、それぞれが整数個の離散光電子に対応する第3のセットの値に変換することができる。
【0044】
図8は、いくつかの実施形態による、少なくとも1つの上記で説明した量子化回路を含む画像センサを有する画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)を含み得る例示的なデバイス800の概略図を示す。いくつかの実施形態では、デバイス800は、モバイルデバイス及び/又は多機能デバイスであってもよい。種々の実施形態では、デバイス800は、限定はしないが、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ノートブック、タブレット、スレート、パッド、又はネットブックコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ハンドヘルドコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、カメラ、セットトップボックス、モバイルデバイス、拡張現実(AR)及び/又は仮想現実(VR)ヘッドセット、コンシューマデバイス、ビデオゲームコンソール、ハンドヘルドビデオゲームデバイス、アプリケーションサーバ、ストレージデバイス、テレビジョン、ビデオ記録デバイス、スイッチ、モデム、ルータなどの周辺デバイス、あるいは概して任意のタイプのコンピューティングデバイス又は電子デバイスを含む、種々のタイプのデバイスのいずれかであり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、デバイス800は、ディスプレイシステム802(例えば、ディスプレイ及び/又はタッチ感知面を含む)及び/又は1つ以上のカメラ804を含んでもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ディスプレイシステム802及び/又は1つ以上の前向きカメラ804aは、例えば、図8に示されるように、デバイス800の前側に提供されてもよい。追加的又は代替的に、1つ以上の後向きカメラ804bが、デバイス800の後側に設けられ得る。複数のカメラ804を備えるいくつかの実施形態では、カメラのうちの一部又は全ては、互いに同一又は類似であってもよい。追加的又は代替的に、カメラの一部又は全部は、互いに異なっていてもよい。種々の実施形態では、カメラ(単数又は複数)804のロケーション(単数又は複数)及び/又は配置(単数又は複数)は、図8に示されるものとは異なり得る。
【0046】
とりわけ、デバイス800は、(例えば、オペレーティングシステム808及び/又はアプリケーション(単数又は複数)/プログラム命令810を備える)メモリ806、(例えば、CPU(単数又は複数)、メモリコントローラ(単数又は複数)、ディスプレイコントローラ(単数又は複数)、及び/又はカメラコントローラ(単数又は複数)などを備える)1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ812、並びに/あるいは1つ以上のセンサ816(例えば、方位センサ(単数又は複数)、近接センサ(単数又は複数)、及び/又はポジションセンサ(単数又は複数)など)を含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス800は、1つ以上のネットワーク(単数又は複数)822を介して、コンピューティングデバイス(単数又は複数)818、クラウドサービス820などの1つ以上の他のデバイス及び/又はサービスと通信することができる。例えば、デバイス800は、デバイス800がネットワーク(単数又は複数)822にデータを送信し、そこからデータを受信することを可能にするネットワークインターフェース(例えば、ネットワークインターフェース810)を含み得る。追加的又は代替的に、デバイス800は、種々の通信規格、プロトコル、及び/又は技術のいずれかを使用して無線通信を介して他のデバイスと通信することが可能であり得る。
【0047】
図9に、いくつかの実施形態による、少なくとも1つの上記で説明した量子化回路を含む画像センサを有する画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)の実施形態を含むか又はホストし得る、コンピュータシステム900と称される例示的なコンピューティングデバイスの概略ブロック図を示す。加えて、コンピュータシステム900は、カメラの動作を制御するための、及び/又はカメラを用いてキャプチャされた画像の画像処理を行うための方法を実装してもよい。いくつかの実施形態では、(図9を参照しながら本明細書で説明した)デバイス900は、追加的又は代替的に、本明細書で説明したコンピュータシステム900の機能構成要素の一部又は全部を含み得る。
【0048】
コンピュータシステム900は、上述した実施形態のいずれか又は全てを実行するように構成することができる。異なる実施形態では、コンピュータシステム900は、限定はしないが、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ノートブック、タブレット、スレート、パッド、又はネットブックコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ハンドヘルドコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、カメラ、セットトップボックス、モバイルデバイス、拡張現実(AR)及び/又は仮想現実(VR)ヘッドセット、コンシューマデバイス、ビデオゲームコンソール、ハンドヘルドビデオゲームデバイス、アプリケーションサーバ、ストレージデバイス、テレビジョン、ビデオ記録デバイス、スイッチ、モデム、ルータなどの周辺デバイス、あるいは概して任意のタイプのコンピューティングデバイス又は電子デバイスを含む、種々のタイプのデバイスのいずれかであり得る。
【0049】
図示の実施形態では、コンピュータシステム900は、入力/出力(I/O)インターフェース906を介してシステムメモリ904に結合された1つ以上のプロセッサ902を含む。コンピュータシステム900は、I/Oインターフェース906に結合された1つ以上のカメラ908を更に含む。コンピュータシステム900は、I/Oインターフェース906に結合されたネットワークインターフェース910と、カーソル制御デバイス914、キーボード916、及びディスプレイ(単数又は複数)918などの1つ以上の入力/出力デバイス912とを更に含む。場合によっては、実施形態は、コンピュータシステム900の単一のインスタンスを使用して実装され得るが、他の実施形態では、複数のかかるシステム、又はコンピュータシステム900を構成する複数のノードが、実施形態の異なる部分又はインスタンスをホストするように構成され得ることが企図される。例えば、一実施形態では、いくつかの要素は、他の要素を実装するノードと別個であるコンピュータシステム900の1つ以上のノードを介して実装されてもよい。
【0050】
種々の実施形態では、コンピュータシステム900は、1つのプロセッサ902を含むユニプロセッサシステム、又は複数のプロセッサ902(例えば、2つ、4つ、8つ、又は別の好適な数)を含むマルチプロセッサシステムであってもよい。プロセッサ902は、命令を実行することができる任意の好適なプロセッサであってもよい。例えば、種々の実施形態では、プロセッサ902は、x86、PowerPC、SPARC、又はMIPS ISA、あるいは任意の他の好適なISAなどの種々の命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれかを実装する、汎用又は組み込みプロセッサであってもよい。また、いくつかの実施形態では、プロセッサ902のうちの1つ以上は、グラフィックス処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)など、追加のタイプのプロセッサを含み得る。マルチプロセッサシステムでは、プロセッサ902の各々は、必ずではないが、概して、同じISAを実装することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム900は、システムオンチップ(SoC)として実装されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ902、メモリ904、I/Oインターフェース906(例えば、ファブリック)などは、単一のチップに統合された複数の構成要素を備える単一のSoCにおいて実装され得る。例えば、SoCは、単一のチップに統合された複数のCPUコア、マルチコアGPU、マルチコアニューラルエンジン、キャッシュ、1つ以上のメモリなどを含み得る。いくつかの実施形態では、SoC実施形態は、縮小命令セットコンピューティング(RISC)アーキテクチャ、又は任意の他の好適なアーキテクチャを実装することができる。
【0051】
システムメモリ904は、プロセッサ902によってアクセス可能なプログラム命令920を記憶するように構成され得る。種々の実施形態では、システムメモリ904は、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュタイプメモリ、又は任意の他のタイプのメモリなど、任意の好適なメモリ技術を使用して実装され得る。更に、メモリ904の既存のカメラ制御データ922は、上記で説明した技術を実装するための情報又はデータ構造のいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、プログラム命令920及び/又はデータ922は、異なるタイプのコンピュータアクセス可能媒体上で、又はシステムメモリ904若しくはコンピュータシステム900とは別個の同様の媒体上で受信、送信、又は記憶されてもよい。種々の実施形態では、本明細書で説明される機能の一部又は全部は、かかるコンピュータシステム900を介して実装され得る。
【0052】
一実施形態では、I/Oインターフェース906は、プロセッサ902と、システムメモリ904と、ネットワークインターフェース910又は入力/出力デバイス912などの他の周辺インターフェースを含む、デバイス内の任意の周辺デバイスとの間のI/Oトラフィックを調整するように構成することができる。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース906は、1つの構成要素(例えば、システムメモリ904)からのデータ信号を別の構成要素(例えば、プロセッサ902)による使用に好適なフォーマットに変換するために、任意の必要なプロトコル、タイミング、又は他のデータ変換を行ってもよい。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース906は、例えば、周辺装置相互接続(PCI:Peripheral Component Interconnect)バス規格又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus)規格の変形など、種々のタイプの周辺バスを介して取り付けられたデバイスに対するサポートを含み得る。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース906の機能は、例えば、ノースブリッジ及びサウスブリッジなどの2つ以上の別個の構成要素に分割されてもよい。また、いくつかの実施形態では、システムメモリ904へのインターフェースなどのI/Oインターフェース906の機能性の一部又は全部は、プロセッサ902に直接組み込まれてもよい。
【0053】
ネットワークインターフェース910は、コンピュータシステム900とネットワーク924に取り付けられた他のデバイス(例えば、キャリア又はエージェントデバイス)との間で、又はコンピュータシステム900のノード間で、データが交換されることを可能にするように構成され得る。ネットワーク924は、種々の実施形態では、ローカルエリアネットワーク(LAN)(例えば、イーサネット又は企業ネットワーク)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、無線データネットワーク、一部の他の電子データネットワーク、又はそれらの一部の組み合わせを含むがこれらに限定されない1つ以上のネットワークを含み得る。種々の実施形態では、ネットワークインターフェース910は、例えば、任意の好適なタイプのイーサネットネットワークなどの有線又は無線汎用データネットワークを介した通信をサポートしてもよい。アナログ音声ネットワーク若しくはデジタルファイバー通信ネットワークなどの電気通信/電話ネットワークを介した通信、ファイバーチャネルSANなどのストレージエリアネットワークを介した通信、又はいずれかの他の適切な種類のネットワーク及び/若しくはプロトコルを介した通信をサポートすることができる。
【0054】
入力/出力デバイス912は、いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイ端末、キーボード、キーパッド、タッチパッド、走査デバイス、音声若しくは光学認識デバイス、又は1つ以上のコンピュータシステム900によってデータを入力若しくはアクセスするために好適な任意の他のデバイスを含んでもよい。複数の入力/出力デバイス912は、コンピュータシステム900内に存在してもよく、又はコンピュータシステム900の種々のノード上に分散されてもよい。いくつかの実施形態では、同様の入力/出力デバイスは、コンピュータシステム900とは別個であってもよく、ネットワークインターフェース910を介するなど、有線又は無線接続を通して、コンピュータシステム900の1つ以上のノードと相互作用してもよい。
【0055】
当業者は、コンピュータシステム900が単なる例示であり、実施形態の範囲を限定することを意図していないことを理解するであろう。特に、コンピュータシステム及びデバイスは、コンピュータ、ネットワークデバイス、インターネットアプライアンス、PDA、無線電話、ページャなどを含む、示された機能を実行することができるハードウェア又はソフトウェアの任意の組み合わせを含んでもよい。コンピュータシステム900はまた、図示されていない他のデバイスに接続されてもよく、又は代わりに、独立型システムとして動作してもよい。加えて、例示される構成要素によって提供される機能は、いくつかの実施形態では、より少ない構成要素で組み合わされてもよく、又は追加の構成要素において分散されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、図示されている構成要素のうちのいくつかの機能性は提供されなくてもよく、及び/又は他の追加の機能性が利用可能であってもよい。
【0056】
当業者はまた、様々な項目は、使用されている間にメモリ内、又は記憶装置上に記憶されるように示されているが、これらの項目又はそれらの部分はメモリ管理及びデータ完全性の目的のためにメモリと他の記憶デバイスとの間で転送されてもよいことを理解するであろう。代わりに、他の実施形態では、ソフトウェア構成要素の一部又は全ては、別のデバイス上のメモリ内で実行し、コンピュータ間通信を介して、図示されているコンピュータシステムと通信してもよい。システム構成要素又はデータ構造のいくつか又は全てはまた、以上において様々な例が説明された、適当なドライブによって読み取られるべきコンピュータアクセス可能媒体又はポータブル物品上に(例えば、命令又は構造化データ)として記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム900とは別個のコンピュータアクセス可能媒体上に記憶された命令は、ネットワーク及び/又は無線リンクなどの通信媒体を介して伝達される、電気信号、電磁信号、又はデジタル信号などの伝送媒体又は信号を介してコンピュータシステム900に伝送され得る。各種実施形態は、前の説明に従ってコンピュータアクセス可能媒体上に実行される命令及び/又はデータを受信、送信、又は記憶することを更に含んでもよい。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、磁気媒体又は光媒体、例えば、ディスク若しくはDVD/CD-ROM、RAM(例えばSDRAM、DDR、RDRAM、SRAMなど)、ROMなどの揮発性又は不揮発性媒体などの、非一時的コンピュータ可読記憶媒体又はメモリ媒体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータアクセス可能媒体は、ネットワーク及び/若しくは無線リンクなどの通信媒体を介して伝達される、電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの伝送媒体又は信号を含んでもよい。
【0057】
本明細書で説明される方法は、異なる実施形態では、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせの形態で実行されてもよい。加えて、方法のブロックの順序は変更されてもよく、様々な要素の追加、再順序付け、組み合わせ、省略、修正などが行われてもよい。本開示の利益を得る当業者にとって明白であるような、様々な修正及び変更が行われてもよい。本明細書に記載される各種実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。多くの変形、修正、追加、及び改善が可能である。したがって、単一の事例として本明細書に記載される構成要素について、複数の事例を提供することができる。様々な構成要素、動作及びデータストアの間の境界は、ある程度任意のものであり、特定の動作は、特定の例示的な構成の文脈で示される。機能の他の割り当てが想定され、以下に続く請求項の範囲内に含まれてもよい。最後に、例示的な構成における別個の構成要素として提示された構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実装されてもよい。それらの及び他の変形、修正、追加、及び改善は、以下に続く請求項で定義されるように、実施形態の範囲内に含まれてもよい。
図1
図2
図3
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図9
【国際調査報告】