(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】内視鏡又は侵襲的な応用のための操縦可能な器具
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61M25/00 600
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535782
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 NL2022050721
(87)【国際公開番号】W WO2023113599
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517197509
【氏名又は名称】フォーティメディックス・アセッツ・ザ・セカンド・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】FORTIMEDIX ASSETS II B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティッセン、マテウス・ヘンドリク・ルイス
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB12
4C267GG02
4C267GG21
(57)【要約】
操縦可能な器具が長手方向に延びるチューブ(3)を有する。操縦可能な器具は近位端と撓み可能な遠位端とを有する。チューブ(3)は、操縦ワイヤ(16(j);120、130)であって、チューブ(3)から作製され、チューブ(3)の残りの部分からスロット付き構造によって分離され、撓み可能な遠位端に取り付けられ、例えば撓み可能な遠位端を撓ませるためにチューブ(3)の長手方向に移動可能である操縦ワイヤ(16(j);120、130)を有する。操縦ワイヤ(16(j);120、130)は、一連の隣接するチェーンリンク(1301(k);1401(k);1501(k);1601(k);1701(k))により実現される操縦可能な器具の可撓性ゾーン(13)に位置する可撓性部分を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記少なくとも1つのチューブ(3)が、少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)であって、前記少なくとも1つのチューブ(3)から作製され、前記少なくとも1つのチューブ(3)の残りの部分からスロット付き構造によって分離され、前記撓み可能な遠位端に取り付けられ、例えば前記撓み可能な遠位端を撓ませるように前記少なくとも1つのチューブ(3)の長手方向に移動可能であるように構成された少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)を含み、前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)が、少なくとも1つの可撓性部分であって、前記操縦可能な器具の可撓性ゾーン(13)に位置し、一連の隣接するチェーンリンク(1301(k);1401(k);1501(k);1601(k);1701(k))により実現される少なくとも1つの可撓性部分を有する、操縦可能な器具。
【請求項2】
隣接するチェーンリンク(1301(k);1401(k);1409(k);1501(k);1601(k);1701(k))が、前記操縦可能な器具の中心軸に対して垂直な方向として定義される半径方向に対して垂直な第1の平面で回転可能であり、任意選択的にまた前記第1の平面に対して垂直な第2の平面で回転可能であるように構成される、請求項1に記載の操縦可能な器具。
【請求項3】
前記隣接するチェーンリンクが、それらが互いに接触するとともに前記第1の平面でのさらなる回転を妨げる所定の最大角度まで互いに対して前記第1の平面内で回転可能である、請求項2に記載の操縦可能な器具。
【請求項4】
前記操縦ワイヤの前記可撓性部分の曲げ負荷能力が特定の量に限定され、好ましくは、前記チェーンリンクがチェーンリンク長さ毎の最大曲げ角度を定義するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項5】
第1のチェーンリンク(1301(k);1401(k);1501(k);1601(k))には、隣接する第2のチェーンリンク(1301(k+1);1401(k+1);1501(k+1);1601(k+1))の開口(1303(k+1)、1313(k+1);1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))内へ延在する伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))が設けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項6】
前記伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))及び前記開口(1303(k+1)、1313(k+1);1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))が、前記伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))が前記開口(1303(k+1)、1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))から後退させられ得ないように形成される、請求項5に記載の操縦可能な器具。
【請求項7】
前記伸張(1305(k);1511(k))及び前記開口(1303(k+1);1313(k+1);1503(k+1))の両方が円形を有する、請求項5又は6に記載の操縦可能な器具。
【請求項8】
前記伸張(1305(k);1511(k))及び前記第2のチェーンリンク(1301(k+1);1501(k+1))が、0.01~2.00mm、好ましくは0.015~0.04mmの範囲の幅を有するスロットによって分離される、請求項6に記載の操縦可能な器具。
【請求項9】
前記伸張(1305(k);1405(k);1607(k))が直線の横断ストリップ又は湾曲した横断ストリップのいずれかである、請求項5又は6に記載の操縦可能な器具。
【請求項10】
少なくとも1つのチェーンリンク(1501(k))が第1のチェーンリンク部分(1504(k))と第2のチェーンリンク部分(1507(k)とを含み、前記第2のチェーンリンク部分(1507(k))が前記開口(1503(k+1))内に延在する第1の伸張(1511(k))と第2の伸張(1509(k))とを含み、前記第1のチェーンリンク部分(1504(k))が、前記第1のチェーンリンク部分1504(k)及び前記第2のチェーンリンク部分(1507(k)が互いに対して回転し得るように、隣接するチェーンリンク(1501(k-1))に接続する第1の開口(1503(k))と前記第2の伸張(1509(k))を収容する第2の開口(1505(k))とを含む、請求項5~9のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項11】
チェーンリンク(1701(k))がU字形、V字形、又は馬蹄形のうちの1つで形成される、請求項1又は2に記載の操縦可能な器具。
【請求項12】
少なくとも前記第1のチェーンリンク(1301(k)には、前記第1の平面に対して垂直な第3の平面で前記第1のチェーンリンク(1301(k))の内側に回転可能に取り付けられた第3のチェーンリンク部分(1307(k))が設けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項13】
隣接するチェーンリンク(1301(k)、1301(k+1))が、1つ以上の可撓性ブリッジ(1308(k)、1310(k);1312(k))により互いに取り付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項14】
前記操縦可能な器具が前記少なくとも1つのチューブ(3)の内側又は外側にさらなるチューブ(2)を含み、前記さらなるチューブ(2)が前記可撓性ゾーン(13)にヒンジ構造(6)を含み、前記チェーンリンク(1301(k))の1つ以上が前記ヒンジ構造(6)に取り付けられる、請求項1~13のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項15】
前記ヒンジ構造(6)が、各操縦ワイヤ(16(j))について、正弦波又は鋸歯形など、可撓性の波形条片(2701(j))を含む、請求項14に記載の操縦可能な器具。
【請求項16】
前記チューブが0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、及び最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲の厚さを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項17】
前記チューブが、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲の直径を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項18】
長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記少なくとも1つのチューブ(3)が、少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))であって、前記少なくとも1つのチューブ(3)から作製され、前記少なくとも1つのチューブ(3)の残りの部分からスロット付き構造によって分離され、前記撓み可能な遠位端に取り付けられ、例えば前記撓み可能な遠位端を撓ませるように前記少なくとも1つのチューブ(3)の長手方向に移動可能であるように構成された少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))を含み、前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))が第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))と第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))と第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))とを含み、前記第1及び第2の操縦ワイヤ部(16(j,1)、16(j,2))が少なくとも部分的に前記器具の可撓性ゾーン(13)に位置するとともに力等化器構造を介して前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3)に接続され、前記力等化器構造と前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))との間の第1の接続が、前記操縦可能な器具の中心軸に対して垂直な方向として定義される半径方向に対して垂直な平面で第1の開口(2812;3012)の内側に回転可能に配置される第1の要素(2806;3006)により実現され、前記力等化器構造と前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))との間の第2の接続が、前記平面で第2の開口(2814;3014)の内側に回転可能に配置された第2の要素(2808;3008)により実現され、前記力等化器構造と前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))との間の第3の接続が、前記平面で第3の開口(2810;3010)の内側に回転可能に配置された第3の要素(2802;3002)により実現される、操縦可能な器具。
【請求項19】
前記第1の要素(2806;3006)が円形を有し、前記第2の要素(2808;3008)が円形を有し、前記第3の要素(2802;3002)が円形を有する、請求項18に記載の操縦可能な器具。
【請求項20】
前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))及び前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))が、前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))よりも小さい幅を有する、請求項18又は19に記載の操縦可能な器具。
【請求項21】
前記力等化器構造が、スプレッダービームとして動作する横断構造(2804)を含む、請求項18、19又は20に記載の操縦可能な器具。
【請求項22】
前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))が、中心軸(2822)を有し、前記横断構造(2804)が、前記中心軸(2822)の第1の側に位置する前記第1の開口(2812)と、前記第1の側の反対の前記中心軸(2822)の第2の側にある前記第2の開口(2814)と、前記中心軸(2822)に位置する前記第3の開口(2810)とを有し、前記第1の要素(2806)が前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))の一部分であり、前記第2の要素(2808)が前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))の一部分であり、前記第3の要素(2802)が前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))の一部分である、請求項21に記載の操縦可能な器具。
【請求項23】
前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))、前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))、前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))、及び前記力等化構造が、単一のチューブから切られている、請求項18~22のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項24】
前記操縦可能な器具が、前記単一のチューブの内側の内側チューブと、前記単一のチューブの外側の外側チューブとを含む、請求項23に記載の操縦可能な器具。
【請求項25】
前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))、前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))及び前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))が単一のチューブから切られており、前記力等化構造が、少なくとも一部において、前記単一のチューブの内側の内側チューブ又は前記単一のチューブの外側の外側チューブの少なくとも1つから切られている、請求項18~20のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項26】
前記力等化構造が、前記内側チューブ又は外側チューブのいずれかに回転可能な構造(3004)を含む、請求項25に記載の操縦可能な器具。
【請求項27】
前記第1の要素(3006)が前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))の一部分であり、前記第1の開口(3012)が前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))に位置し、前記第2の要素(3008)が前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))の一部分であり、前記第2の開口(3014)が前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))に位置し、前記第3の要素(3002)が前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))の一部分であり、前記第3の開口(3010)が前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))に位置し、前記第1の要素(3006)、前記第2の要素(3008)及び前記第3の要素(3002)が前記回転可能な構造(3004)に取り付けられる、請求項26に記載の操縦可能な器具。
【請求項28】
長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具を製造する方法であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記方法が、
前記少なくとも1つのチューブ(3)を提供することと、
少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)を前記少なくとも1つのチューブから作製することであって、前記操縦ワイヤが、前記チューブの壁にスロット付き構造を形成することにより前記チューブの前記遠位端に取り付けられ、それにより前記操縦ワイヤを前記チューブの残りの部分から分離する、作製することと、
前記操縦ワイヤに、前記操縦可能な器具の可撓性ゾーン(13)に位置する可撓性部分を提供することであって、前記可撓性部分が、前記操縦ワイヤの少なくとも一部分に一連の隣接するチェーンリンク1301(k);1401(k);1501(k);1601(k);1701(k))を形成することにより実現される、提供することと
を含む方法。
【請求項29】
前記一連の隣接するチェーンリンクを含む前記少なくとも1つの操縦ワイヤが、前記チューブにおいて所定のパターンを切ることにより形成される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記隣接するチェーンリンクが、前記チューブの前記壁に適用された材料除去技術により形成される、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記隣接するチェーンリンクが少なくとも1つの破断要素(4306)により互いに取り付けられ、前記少なくとも1つのチューブ(3)の1つ以上の追加的なチューブとの組み立てに続いて、前記少なくとも1つの破断要素による取り付けが、前記少なくとも1つの破断要素を破断する、前記少なくとも1つの破断要素に疲労サイクルを適用する、又は前記少なくとも1つの破断要素を溶かすの少なくとも1つにより解放される、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば外科手術における内視鏡及び/又は侵襲タイプの応用のための操縦可能な器具に関する。本発明による操縦可能な器具は、医学的及び非医学的応用の双方において使用され得る。後者の例は、到達することが困難な箇所における、機械的及び/又は電子的機器の検査及び/又は修理を含む。それゆえ、以下の説明で使用される用語、例えば内視鏡応用又は侵襲的な器具は、広義に解釈される必要がある。
【背景技術】
【0002】
標的部位を露出させるために大きい切開部を必要とする外科的介入の、低侵襲外科的介入(すなわち、標的部位へのアクセスを確立するために自然開口部又は小さな切開部のみを必要とする)への変化が、よく知られている現在進行中のプロセスである。低侵襲外科的介入の実施において、医師などのオペレータは、侵襲的器具をヒト又は動物の体内にその体のアクセスポートを介して導入及び案内するために配置されるアクセスデバイスを必要とする。瘢痕組織の形成及びヒト又は動物患者の痛みを低減するために、アクセスポートは、皮膚及びその下の組織の単一の小さな切開によって提供されることが好ましい。いくつかの用途では、体の自然孔を入口として使用することができる。さらに、アクセスデバイスは、オペレータが、侵襲的器具が提供する1つ以上の自由度を制御できるようにすることが好ましい。このようにして、オペレータは、使用する器具がぶつかるリスクを低減しつつ、人間工学的且つ正確な手法で、ヒト又は動物の体内の標的領域に必要な行為を実施することができる。
【0003】
外科的な侵襲的な器具及び内視鏡が当業界でよく知られている。侵襲的な器具及び内視鏡の双方共、そのナビゲーション及び操縦能力を高める操縦可能なチューブを含み得る。そのような操縦可能なチューブは、少なくとも1つの可撓性ゾーンを含む近位端部、少なくとも1つの可撓性ゾーンを含む遠位端部、及び中間部を含み得、ここでは、操縦可能なチューブは、さらに、中間部に対する近位端部の少なくとも一部の撓みを遠位端部の少なくとも一部の関連の撓みに変えるように適合される操縦配置構成を含む。或いは、遠位可撓性ゾーンは、操縦可能な器具の近位端に配置されたロボット器具によって操縦され得る。
【0004】
操縦可能な侵襲的な器具は、チューブを操縦する及び/又は操縦可能なチューブの遠位端部に配置されるツールを操作するために、操縦可能なチューブの近位端部に配置されるハンドルを含み得る。そのようなツールは、例えば、カメラ、手動マニピュレータ、例えばハサミ、鉗子、又はエネルギー源、例えば電気、超音波は若しくは光エネルギー源を使用するマニピュレータとし得る。
【0005】
さらに、そのような操縦可能なチューブは、外側シリンダー状要素、内側シリンダー状要素、及び1つ以上の中間シリンダー状要素を含む、いくつかの同軸上に配置されたシリンダー状要素を含み得、これは、チューブの近位及び遠位端部にある可撓性ゾーンの数、並びに操縦配置構成の操縦部材の所望の実現、すなわち全操縦部材が単一の中間シリンダー状要素内に配置され得るか、又は操縦部材が異なる組に分割され、且つ各組の操縦部材が、少なくとも一部において、異なる若しくは同じ中間シリンダー状要素内に配置されるか次第である。ほとんどの従来技術の機器では、操縦配置構成は、例えば、操縦部材として1mm未満(sub 1mm)の直径の従来の操縦ケーブルを含み、ここで、操縦ケーブルは、チューブの近位及び遠位端部における関連の可撓性ゾーン間に配置される。ボール形状の操縦ユニット又はロボット駆動型操縦ユニットのような、近位端にある他の操縦ユニットが、その代わりに用いられてもよい。
【0006】
しかしながら、操縦ケーブルには多くの周知の欠点があるため、いくつかの用途においては、これらを避け、操縦部材を、1つ以上の中間円筒状要素の一体部品を形成する1つ以上の長手方向操縦要素セットによって実装したい場合がある。長手方向操縦要素、すなわち操縦ワイヤを含む中間円筒状要素のそれぞれは、射出成形若しくはめっきなどの適切な材料付加技術を使用すること、又は管から開始して、その後、レーザ切断、光化学エッチング、ディーププレス、ドリル加工若しくはフライス削りなどの従来のチッピング技術、又は高圧ウォータジェット切断システムなどの適切な材料除去技術を使用することのいずれかによって製作することができる。この手法で製造される長手方向操縦要素は、その後、管材料から得られた長手方向ストリップとして実装され、プルワイヤ/プッシュワイヤとして使用することができる。前述の材料除去技術のうち、レーザ切断は、合理的な経済条件下で材料の非常に正確できれいな除去を可能にするため、非常に有利である。
【0007】
内側及び外側シリンダー状要素も、チューブから製造され得る。これらのチューブは、器具の遠位端が、及びおそらくは近位端も、曲げ可能な箇所において可撓性であるべきである。器具が可撓性であるべきである他の箇所においても、内側及び外側シリンダー状要素は可撓性であるべきである。これは、これらの可撓性のある箇所において内側及び外側シリンダー状要素にヒンジを設けることによって、実現され得る。そのようなヒンジは、チューブの予め決められたパターンを(レーザ)切断することから生じ得る。多くの異なるパターンが従来技術から公知である。どのパターンを使用するかは、限定されるものではないが、必要な曲げ角度、曲げ柔軟性、縦剛性、及び半径方向剛性を含め、該当する箇所における設計要件次第である。
【0008】
上述の操縦可能なチューブの設計及び製作並びにその操縦配置構成に関するさらなる詳細は、本出願人の例えば国際公開第2009/112060A1号パンフレット、国際公開第2009/127236A1号パンフレット、米国特許出願第13/160,949号明細書、及び米国特許出願第13/548,935号明細書に説明されており、それら全ての全体を参照することにより本書に援用する。
【0009】
多くの操縦可能な器具は、ハンドル又はジョイスティックなどユーザインターフェイスの操縦が、器具のユーザインターフェイス端から器具のチップへ延びる長手方向操縦要素の長手方向変位に変換されることが共通している。先端で、この変位は当該先端の操縦へ変換される。ほとんどの場合で、先端の操縦は先端の曲げにより達成される。一般的な問題は、器具の当該先端が当該曲げに対するある抵抗を有することである。この曲げ剛性は、例えば先端の可撓性ゾーンの使用構成、先端に取り付けられたツールの作動ケーブル、このケーブルの案内チューブ、先端の可撓部の周りの電気絶縁などの曲げ剛性のみならず、操縦要素自体の曲げ剛性によっても引き起こされる。これは、多くの欠点の原因である。
【0010】
先端に曲げ剛性がほとんどないとき、先端を曲げるには長手方向操縦要素における小さい力のみが必要であり、ユーザにより操縦要素に加えられた力の最大部分は、組織操作力のために使用され得る。先端の曲げ剛性が増すと、先端を曲げるのにより大きい力が必要であり、先端のある機械的強度及び操縦要素構成で力のより少ない部分が組織操作のために使用され得る。この残りの組織操作力が器具の十分な使用にとって十分でないとき、より強い操縦要素を備えたより強い構成を使用することによってのみこの力を増大させることができる。これは、それ自体、通常はまた構成の剛性を増大させ、同じ問題に終わる。この問題に対する正しい解決策は、達成可能な曲げ角度、組織操作力(器具の「ペイロード」とも呼ばれることが多い)、触覚フィードバック(曲げ力が、ユーザが主に曲げ力を「感じ」組織操作力が必要な操縦力により完全にカムフラージュされるくらい高くなり得る)、達成可能な疲労寿命(構成又は操縦要素が故障する前に先端を何回曲げることができるか)などのような、多くのパフォーマンス側面間のトレードオフであることが多い。
【0011】
器具のパフォーマンスを最適化することは、先端の可撓部の曲げ剛性を最小化することにより達成されることが多いことは明らかである。多くの解決策が見つけられてきた。可撓性のセクションの本体又は先端ツール作動ケーブルの案内チューブのために、可撓性のチューブの代わりに例えば剛性のより低い構成のコイル又はヒンジを使用することができる。可能な限り可撓性である先端ツールのための作動ケーブルを使用することもでき、例えば撚られた金属ワイヤのケーブルは単線の金属ワイヤよりもより可撓性である。同様に操縦要素について、これらの撚られたケーブル又は例えばDyneema、Aramide又は他の高強度繊維を使用することができる。
【0012】
国際公開第2009/112060A1号パンフレット、国際公開第2009/127236A1号パンフレットにおけるような材料チューブから作製される操縦可能な器具では、操縦要素の剛性は改善され得る。操縦要素は固体金属のものであるため、それらは既に撚られたケーブルよりもより剛性が高い。
【0013】
欧州特許第2259710A号明細書は、操縦ワイヤがチューブから条片を切ることにより作製される操縦可能な器具を開示している。実施形態において、操縦ワイヤの、近位端及び遠位端にある部分は、操縦ワイヤの残りの部分とは別の材料から作製される。操縦ワイヤの残りの部分は、相互接続ジョイントにより近位及び遠位部分に接続される。そのような相互接続ジョイントは、操縦ワイヤの、器具の曲げられなければならない又は偏向させられなければならない長手方向箇所と一致しない部分にのみ適用される。それらは、それら自体可撓性であるように設計されない。
【0014】
国際公開第2010/151698A2号パンフレットは、第1のチューブ状部材と第2のチューブ状部材とを含む操縦可能な部分を含む操縦可能な医学的送達デバイスを説明しており、第1及び第2のチューブ状部材の一方は他方の中に配置され、第1及び第2のチューブ状要素は、操縦可能な部分の遠位にある固定位置で互いに対して軸方向において固定され、第1及び第2のチューブ状部材は、操縦可能な部分を第1の方向に操縦するために操縦可能な部分に沿って互いに対して軸方向に移動可能であり、第1のチューブ状部材は第1の方向に優先的に曲がるように適合される。この既知のデバイスにおいて、各チューブはデバイスの曲げ可能な領域に背骨状部を有する。いくつかの実施形態では、背骨状部はチューブの隣接する部分により実現され、当該部分には、隣接する部分がデバイスの軸方向において互いに対して移動することができないように、隣接する部分の穴の中に位置する伸張が設けられる。しかしながら、これらの隣接する部分はらせん状ストリップにより互いに取り付けられ、隣接する部分は、チューブの接線方向において互いに対して回転することができないように、形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
強度と曲げ剛性との間のバランスが改善された操縦ワイヤを有する内視鏡及び/又は侵襲的なタイプの応用のための操縦可能な器具を提供することが本発明の目的である。
【0016】
特に、チューブにおいて所定のパターンを切ることから生じる条片の形の操縦ワイヤを有する操縦可能な器具を提供することが本発明の目的であり、この条片はそれらの長さに沿って最適化された強度及び曲げ剛性を有する。
【0017】
より詳細には、同様にそのようなチューブにおいてパターンを切ることから生じるシャックルチェーンリンクの形で可撓性である必要のある操縦ワイヤの少なくとも一部を実現することにより、これらの可撓性の操縦ワイヤ部は最小の曲げ剛性を有し得る。これは、使用時に近位端から制御されるように撓ませられる必要がある器具の部分において特に好都合である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のために、本発明の独立した態様が独立クレームにおいて定義される一方で、従属クレームは有利な実施形態に関する。
【0019】
独立クレーム1で定義された第1の態様によると、長手方向に延びる少なくとも1つのチューブを含む操縦可能な器具が提供され、操縦可能な器具は近位端と撓み可能な遠位端とを有し、少なくとも1つのチューブは、少なくとも1つの操縦ワイヤであって、少なくとも1つのチューブから作製され、少なくとも1つのチューブの残りの部分からスロット付き構造によって分離され、撓み可能な遠位端に取り付けられ、例えば撓み可能な遠位端を撓ませるように少なくとも1つのチューブの長手方向に移動可能であるように構成された少なくとも1つの操縦ワイヤを含み、少なくとも1つの操縦ワイヤは、少なくとも1つの可撓性部分であって、操縦可能な器具の可撓性ゾーンに位置し、一連の隣接するチェーンリンクにより実現される少なくとも1つの可撓性部分を有する。
【0020】
少なくとも1つの操縦ワイヤは、例えば材料除去技術を通じてチューブにおいて所定のパターンを切り、それによりスロット付き構造を形成することにより形成され得る。少なくとも1つの操縦ワイヤの各操縦ワイヤは、長手方向に延在するとともに他の操縦ワイヤから及び/又はチューブの残りの部分から横方向に分離された、可撓性部分におけるチェーンリンクとして実現され得る。少なくとも1つの操縦ワイヤは、チューブの周方向において、隣接する操縦ワイヤから及びチューブの、操縦ワイヤの部分を形成していない最終的な残りの部分から分離される。少なくとも1つの操縦ワイヤの各々は、それゆえ、撓み可能な遠位端に取り付けられるとともにチューブの長手方向に延在する自立型構造を形成していると見られ得る。
【0021】
スロット付き構造は、少なくとも1つの操縦ワイヤの側面に平行に及び沿って延在するスロットを含み得る。
【0022】
それゆえ、操縦ワイヤをチューブの残りの部分から分離するスロット付き構造により、操縦ワイヤは、チューブの他の部品又は部分に横方向に接続されることに取り付けられることもない。特に、操縦ワイヤが一連の隣接するチェーンリンクとして実現される可撓性ゾーンにおいて、これらのチェーンリンクは隣接するチェーンリンクにつなげられ、接続され又は取り付けられて、操縦ワイヤの少なくとも一部分を形成するチェーンを形成する。スロット付き構造に起因して、チェーンリンクは、チューブの他の要素又は部分に、特に長手方向とは異なる方向で他のチューブ部分に接続されることも取り付けられることもなく、したがって、曲げ可能な領域を、例えば国際公開第2010/151698号パンフレットの従来技術デバイスにおけるよりも可撓性にする。
【0023】
「長手方向に延在する」としての操縦ワイヤ及び/又はチェーンリンクの表現は、チューブの軸方向に平行な伸張及びチューブに沿ったらせん状の伸張の両方を包含し、らせんの中心はチューブの軸に実質的と一致する。
【0024】
本出願では、用語「近位」及び「遠位」は、器具又は内視鏡を動作させるオペレータ、例えばロボット又は医師に対して定義される。例えば、近位端部は、ロボット又は医師の近くに位置する部分であり、及び遠位端部は、ロボット又は医師から距離を置いて、すなわち手術領域に、位置する部分であるとみなされる。
【0025】
本発明のさらなる特徴及び利点は、非限定的及び非排他的な実施形態によって、本発明の説明から明らかになる。これらの実施形態は、保護範囲の限定とはみなされない。当業者は、本発明の他の代替例及び等価の実施形態を思いつき、且つ本発明の範囲から逸脱することなく実現するためにまとめられ得ることが理解するであろう。本発明の実施形態は、添付図面の図を参照して説明され、図面では、同様の又は同じ参照符号は、同様、同じ又は対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】1つの曲げ可能な遠位端部分と、シリンダー状要素から切られた条片によって、曲げ可能遠位端部分の曲げを制御する1つの近位端部分とを有する従来技術による侵襲的な器具アセンブリの概略的な断面図を示す。
【
図2】
図1の器具が製造され得る3つのシリンダー状要素の概略的な全体図を示す。
【
図3b】そのような器具の中間シリンダー状要素の代替例を示す。
【
図4】例示的な中間シリンダー状要素、及び中間シリンダー状要素に挿入された内側シリンダー状要素を示す。
【
図5】2つの操縦可能な曲げ可能遠位端部分及び2つの近位可撓性制御部分を有する、従来技術による操縦可能な侵襲的な器具の組み立て体の外側の図を示す。
【
図6】
図5に示す器具の遠位チップの拡大図を示す。
【
図7】
図5に示す侵襲的な器具を通る断面図を示す。
【
図8-9】どのように
図5及び
図7の侵襲的な器具が曲げられ得るかの例を示す。
【
図10】2つの操縦可能な曲げ可能遠位端部分及び2つの近位可撓性制御部、及び間にある可撓性ゾーンを有する操縦可能な侵襲的器具アセンブリの従来技術の例を示す。
【
図11A-11B】操縦ワイヤの動きを制御するように構成されたロボットコントローラに結合され得る条片の形の操縦ワイヤを備えた操縦可能な侵襲的器具の近位端部分の従来技術例を示す。
【
図12A-12C】一連のチェーンリンクのいくつかの従来技術例を示す。
【
図13A-13B】チューブから切られた一連のチェーンリンクの例を示す。
【
図14A-14B】チェーンリンクの原理の例を示す。
【
図15A-17B】チューブから切られた一連のチェーンリンクのさらなる例を示す。
【
図19A-23B】チューブから切られた一連のチェーンリンクのさらなる例を示す。
【
図24】本発明の実施形態の製造プロセスにおいてどのように破断要素が使用され得るかを示す。
【
図25-26】隣接するチェーンリンクが可撓性ブリッジにより互いに取り付けられたチューブから切られた一連のチェーンリンクのさらなる例を示す。
【
図27A-27C】一連のチェーンリンクが適用された器具の例を示す。
【
図28-30】自由に回転可能な力等化構造が使用される実施形態の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本文書の目的のために、シリンダー状要素及びチューブという用語は交換可能に使用され得る、即ちチューブという言葉のように、シリンダー状要素もまた物理的実体を指す。本発明は、そのようなシリンダー状要素から切られ、器具の近位端の操縦要素の動きを遠位端に伝達し、それにより1つ以上の可撓性の遠位端部分の曲げを制御するためにプッシュ及び/又はプルワイヤとして動作可能である長手方向操縦要素に言及して説明される。
【0028】
本発明が応用され得る器具
図1、
図2、
図3a、及び
図3bは、国際公開第2009/112060号パンフレットから公知である。このタイプの器具において本発明が応用され得るため、それらは詳細に説明される。
【0029】
図1は、3つの同軸上に配置されたシリンダー状要素、すなわち内側シリンダー状要素2、中間シリンダー状要素3及び外側シリンダー状要素4を含む、従来技術の操縦可能な器具の縦断面図を示す。シリンダー状要素2、3、及び4を作製するために使用される好適な材料は、レーザ切断やEDMのような材料除去プロセスによって形作られ得る、ステンレス鋼、コバルト-クロム、形状記憶合金、例えばNitinol(登録商標)、プラスチック、ポリマー、複合材、又は他の材料を含む。或いは、シリンダー状要素は、3D印刷プロセス又は他の公知の材料堆積プロセスによって作製され得る。
【0030】
内側シリンダー状要素2は、器具の遠位端部13に位置する第1の剛体端部5、第1の可撓部6、器具の中間部12に位置する中間剛体部7、第2の可撓部8、及び器具の近位端部11に位置する第2の剛体端部9を含む。遠位端部13は遠位の撓み可能なゾーン13である。近位端部11は近位の曲げ可能なゾーン11である。
【0031】
外側シリンダー状要素4も、第1の剛体端部17、第1の可撓部18、中間剛体部19、第2の可撓部20、及び第2の剛体端部21を含む。シリンダー状要素2の部5、6、7、8、及び9のそれぞれの長さ、及びシリンダー状要素4の部17、18、19、20、及び21のそれぞれの長さは、好ましくは、実質的に同じであるため、内側シリンダー状要素2が外側シリンダー状要素4に挿入されると、これらの異なるそれぞれの部は、互いに長手方向に位置合わせされる。
【0032】
中間シリンダー状要素3はまた、第1の剛体端部10及び第2の剛体端部15を有し、これらは、組み立て済の状態において、他の2つのシリンダー状要素2、4の対応する剛体部5と17との間及び9と21との間にそれぞれ位置する。中間シリンダー状要素3の中間部14は、下記で説明するように異なる形及び形状を有し得る1本以上の別々の長手方向操縦ワイヤ16を含む。
図3aには、2本のそのような長手方向操縦ワイヤ16が示されている。要素2が要素3に挿入され、及び2つの組み合わせられた要素2、3が要素4に挿入される3つのシリンダー状要素2、3、及び4の組み立て後、器具の遠位端にある少なくとも内側シリンダー状要素2の第1の剛体端部5、中間シリンダー状要素3の第1の剛体端部10、及び外側シリンダー状要素4の第1の剛体端部17は、例えば、グルー又は1つ以上のレーザ溶接スポットによって、互いに取り付けられる。
図1及び
図2に示す実施形態においても、器具の近位端にある内側シリンダー状要素2の第2の剛体端部9、中間シリンダー状要素3の第2の剛体端部15及び外側シリンダー状要素4の第2の剛体端部21が、例えばグルー又は1つ以上のレーザ溶接スポットによって、互いに取り付けられて、3つのシリンダー状要素2、3、4が一体型ユニットを形成するようにする。
【0033】
図2に示される実施形態では、中間円筒状要素3の中間部分14は、中間部分14が
図3aの中間円筒状要素3の展開状態に示すような全体的な形状及び形態を有するように、均一な断面を有するいくつかの長手方向操縦ワイヤ16を含む。
図3aから、中間部分14が、中間円筒状部分3の周囲上の、いくつかの、場合によっては等間隔で配置された平行な長手方向操縦ワイヤ16によって形成されていることも明らかになる。有利には、長手方向操縦ワイヤ16の数は、器具があらゆる方向に完全に制御可能になるように少なくとも3つであるが、それより多い数も可能である。長手方向操縦ワイヤ16の数は、例えば、6つでも8つでもよい。
【0034】
長手方向操縦ワイヤ16は、その全長にわたって均一な断面を有している必要はないことが認められる。長手方向操縦ワイヤ16は、場合によって、長手方向操縦ワイヤ16に隣接する1つ以上の位置で円筒状要素3のレーザ切断から得られる小さなスロットのみによって分離されるように、その長さに沿って変化する幅を有してもよい。したがって、長手方向操縦ワイヤのこれらのより広い部分は、押された状態において、隣接する長手方向操縦ワイヤ16が接線方向に座屈することを防止するためのスペーサとして機能する。代替的に、スペーサは、他の手法で実装されてもよい。
【0035】
展開状態の2つの隣接する長手方向操縦ワイヤ16を示す、スペーサを有する実施形態が
図3bに示されている。
図3bに示される実施形態では、各長手方向操縦ワイヤ16は、それぞれ第1の可撓性部分6、18、中間剛性部分7、19、及び第2の可撓性部分8、20と共に存在する3つの部分61、62及び63から構成されている。中間剛性部分に対応する部分62において、隣接する長手方向操縦ワイヤ16の各対は、接線方向に互いにほぼ接しているため、実際には、隣接する長手方向操縦ワイヤ16の各対の間に、各長手方向操縦ワイヤの独立した動きを可能にするのに十分なだけの狭いスロットのみが存在する。スロットは製造プロセスから生じ、その幅は、例えば、スロットを切るレーザビームの直径による。
【0036】
他の2つの部分61及び63では、各長手方向操縦ワイヤは、周方向にみるときに比較的小さい可撓部64、65からなるため、各対の隣接する可撓部間にはかなりの間隙があり、及び各可撓部64、65はいくつかのスペーサ66を備え、スペーサは、接線方向に延在し、且つ隣接する可撓部64、65への間隙をほとんど完全に橋渡しする。これらのスペーサ66ゆえに、器具の可撓性部分において長手方向操縦ワイヤ16が接線方向にシフトする傾向は抑制され、及び接線方向の制御が改善される。これらのスペーサ66の正確な形状は、可撓部64及び65の可撓性を損なわないという条件で、あまり重要ではない。スペーサ66は、可撓部64、65と一体部を形成し得又は形成し得ず、且つ同様に好適なレーザ切断プロセスによって生じ得る。
【0037】
図3bに示す実施形態では、スペーサ66は、それらが取り付けられている可撓部64、65から分かるように1つの接線方向の方へ向かって延在している。しかしながら、1つの可撓部64、65から始まって両周方向に延在するこれらのスペーサ66を有することも可能である。これを使用することによって、接線方向に沿って見られるような代わりのタイプの可撓部64、65を有することも可能であり、ここでは、第1のタイプは、両側部に、次の可撓部まで延在するスペーサ66が設けられており、及び第2の中間の組の可撓部64、65にはスペーサ66がない。そうでなければ、両側部にカムを備える可撓部を有することが可能であり、ここでは、器具の長手方向に沿って見られるように、1つの可撓部から生じるカムは、隣接する可撓部から生じるスペーサと交互になる。多数の代替例が利用可能であることが明らかである。
【0038】
図1~3bの実施形態において、操縦ワイヤ16は器具の遠位端及び近位端の両方に取り付けられる。オペレータ(又はロボットデバイス)が近位の曲げ可能なゾーン11を曲げると、操縦ワイヤ16は器具の長手方向に動く。長手方向の動きの方向は曲げ可能なゾーン11の近位曲げ方向次第である。操縦ワイヤ16の一部が近位方向に移動することができる一方で、接線方向に反対の操縦ワイヤは遠位方向に移動する。これは、曲げ可能な遠位ゾーン13を、近位の曲げ可能なゾーン11と同じ時計回り又は反時計回り方向に撓ませる。
【0039】
そのような中間部の生産は、射出成形若しくはめっき技術によって、又は所望の内径若しくは外径のシリンダー状チューブから始まって、及び例えばレーザや水切断により、必要に応じてシリンダー状チューブの壁の複数の部分を除去して、所望の形状の中間シリンダー状要素3になるようにすることによって、最も都合よく行われる。しかしながら、その代わりに、任意の3D印刷方法が使用され得る。
【0040】
材料の除去は、レーザ切断、光化学エッチング、深押し、従来のチッピング技術、例えばドリル穴あけやフライス削り、高圧水ジェット切断システム又は利用可能な任意の好適な材料除去プロセスなどの異なる技術によって、行われ得る。好ましくは、レーザ切断が使用されるが、これは、合理的な経済的条件下で非常に正確に且つきれいに材料を除去できるようにするためである。上述のプロセスは、シリンダー状要素3が、従来の器具では必要とされるような(従来の操縦ケーブルは何らかの方法で端部に接続される必要がある)中間シリンダー状要素の異なる部分を接続するために追加的なステップを必要とせずに、いわば1つのプロセスで作製され得るため、好都合な方法である。それぞれ可撓部6、8、18及び20を備える内側及び外側シリンダー状要素2及び4の生産に同じタイプの技術が使用され得る。これらの可撓部6、8、18及び20は、例えば、10.03.2008出願の欧州特許出願第08 004 373.0号明細書の5頁15~26行目に説明されている方法のいずれかを使用して、シリンダー状要素から任意の所望のパターンを切ることから生じるヒンジとして製造され得るが、可撓性部分を作るために、任意の他の好適なプロセスが使用され得る。
【0041】
図4~10に示す器具は、従来技術の国際公開第2020/214027号パンフレットから公知であることが観察される。同様に、これらの器具において、本発明が応用され得る。
【0042】
図4は、上述したような近位可撓性ゾーン11と遠位可撓性ゾーン13を相互接続する中間シリンダー状要素3の壁に長手方向スロット70を設けた後に得られた操縦ワイヤ16の例示的な実施形態を示す。ここで、長手方向操縦ワイヤ16は、少なくとも一部において、器具の長手方向軸の周りでらせん状になって、器具の近位部分にあるそれぞれの操縦ワイヤ16の端部分が、長手方向軸の周りで、器具の遠位部分にある同じ長手方向操縦ワイヤ16の端部分とは別の角度の向きに配置されるようにする。長手方向操縦ワイヤ16が直線状の向きに配置される場合、ある平面での近位部分における器具の曲げは、同じ平面であるが180度反対の方向の、遠位部分における器具の曲げを生じる。長手方向操縦ワイヤ16のこのらせん状構成は、ある平面での近位部分における器具の曲げが、別の平面での、又は同じ平面での同じ方向での、遠位部分における器具の曲げを生じ得る効果を可能にする。好ましいらせん状構成は、器具の近位部分におけるそれぞれの操縦要素16の端部分が、器具の遠位部分にある同じ長手方向操縦ワイヤ16の端部分に対して、長手方向軸の周りで180度角度的にシフトされた向きに配置されるようなものとし得る。しかしながら、例えば任意の他の角度的にシフトされた向き、例えば90度は、本書の範囲内である。スロット70は、操縦可能な器具内の適所に設けられるとき、長手方向操縦ワイヤの動きが、隣接する長手方向操縦ワイヤによって案内されるような寸法にされる。しかしながら、特に器具の可撓性ゾーン11、13において、長手方向操縦ワイヤ16の幅は、それらの位置において器具に必要な可撓性/曲げ性を提供するには小さいかもしれない。
【0043】
本発明のシリンダー状要素4及び内側シリンダー要素2が、それぞれ、
図1及び2に示すとおり、剛体部19及び7をそれぞれ有する一方で、これらの剛体部19、7にはゾーン12において1つ以上の適切な可撓部が設けられ得る。これは、中間シリンダー状要素に所望の可撓性を提供するために剛体部19、7に1つ以上のスロット付き構造を提供することにより実現され得る。可撓性ゾーン77におけるスロット付き構造の長手方向長さは、所望の応用次第である。1つ以上のそのような余分な可撓性ゾーン(その曲げは近位端から制御されない)を必要とし得る応用は、胃、心臓、肺などでの管腔内での応用又は外科手術である。
【0044】
図5は、2つの曲げ可能な近位ゾーン72、73によってそれぞれ動作される2つの操縦可能な曲げ可能な遠位ゾーン74、75を有する、操縦可能な器具の長尺状のチューブ状本体76の従来技術の実施形態の遠位部分の詳細な斜視図を提供する。
図5は、長尺状のチューブ状本体76が、いくつかの同軸上に配置された層又はシリンダー状要素、例えば、遠位端部分13において第1の遠位可撓性ゾーン74の後で終端する外側シリンダー状要素104を含むことを示す。外側シリンダー状要素104の遠位端部分13は、例えば溶接スポット100における(レーザ)スポット溶接によって、外側シリンダー状要素104内に及びそれに隣接して位置するシリンダー状要素103に固定して取り付けられる。しかしながら、任意の機械的なスナップフィット接続又は好適なグルーによる糊付けを含め、任意の他の好適な取り付け方法が使用され得る。
【0045】
図6は、遠位端部13のより詳細な図を提供し、且つこの実施形態では、遠位端部が、3つの同軸上に配置された層又はシリンダー状要素、すなわち、内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102及び第2の中間シリンダー状要素103を含むことを示す。内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102及び第2の中間シリンダー状要素103の遠位端は、3つ全てが、互いに固定して取り付けられる。これは、溶接スポット100における(レーザ)スポット溶接によって行われてもよい。しかしながら、任意の機械的なスナップフィット接続又は好適なグルーによる糊付けを含め、任意の他の好適な取り付け方法が使用され得る。図面に示すように、取付点は、内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102及び第2の中間シリンダー状要素103の端縁にあるとし得る。しかしながら、これらの取付点はまた、これらの縁からある程度離れた距離に位置してもよく、好ましくは、端縁と可撓性ゾーン75の箇所との間にあってもよい。
【0046】
当業者には、
図5に示すような長尺状のチューブ状本体76は、合計4つのシリンダー状要素を含むことが明らかになる。
図5に示す実施形態による長尺状のチューブ状本体76は、2つの中間シリンダー状要素102及び103を含み、この内部に、操縦配置構成の操縦部材が配置される。しかしながら、所望の場合には、余分な又はそれよりも少ないシリンダー状要素が提供されてもよい。操縦ワイヤは例えば、単一のチューブに配置され得るとともに単一のチューブから作成され得る。
【0047】
図5に示すような長尺状のチューブ状本体76の例示的な実施形態における操縦配置構成は、長尺状のチューブ状本体76の近位端部11に2つの可撓性ゾーン72、73、長尺状のチューブ状本体76の遠位端部13に2つの可撓性ゾーン74、75、並びに近位端部11及び遠位端部13にある関連の可撓性ゾーン間に配置される操縦部材を含む。操縦部材の例示的な実際の配置構成は
図7に示されており、これは、
図5に示すような長尺状のチューブ状本体76の例示的な実施形態の概略的な縦断面図を提供する。
【0048】
この実施形態では、可撓性ゾーン72、73、74、及び75は、それぞれのシリンダー状要素にスリット72a、73a、74a、及び75aをそれぞれ設けることによって、実現される。そのようなスリット72a、73a、74a、及び75aは任意の好適なパターンに配置され得、可撓性ゾーン72、73、74、及び75が、所望の設計に従って長手方向及び接線方向において所望の可撓性を有するようにする。
【0049】
図7は、上述の4つの層又はシリンダー状要素、すなわち、内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102、第2の中間シリンダー状要素103、及び外側シリンダー状要素104の縦断面図を示す。
【0050】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、内側シリンダー状要素101は、操縦可能な器具10の遠位端部13に配置される剛体リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛体部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛体部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛体部分117、第4の可撓性部分118、及び操縦可能な器具の近位端部分11に配置される剛体端部分119を含む。
【0051】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、第1の中間シリンダー状要素102は、剛体リング121、第1の可撓性部分122、第1の中間剛体部分123、第2の可撓性部分124、第2の中間剛体部分125、第3の可撓性部分126、第3の中間剛体部分127、第4の可撓性部分128、及び剛体端部分129を含む。部分122、123、124、125、126、127及び128は一緒に、ワイヤのように長手方向に動かされ得る長手方向操縦ワイヤ120を形成する。第1の中間要素102の剛体リング121、第1の可撓性部分122、第1の中間剛体部分123、第2の可撓性部分124、第2の中間剛体部分125、第3の可撓性部分126、第3の中間剛体部分127、第4の可撓性部分128、及び剛体端部分129のそれぞれの長手方向寸法は、内側シリンダー状要素101の剛体リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛体部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛体部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛体部分117、第4の可撓性部分118、及び剛体端部分119のそれぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、及び好ましくはほぼ等しく、且つこれらの部分と一致してもいる。この説明では、「ほぼ等しい」は、それぞれの同じ寸法が、10%未満、好ましくは5%未満の範囲内で等しいことを意味する。
【0052】
同様に、第1の中間シリンダー状要素102は、1本以上の他の長手方向操縦ワイヤを含み、そのうちの1本が、参照符号120aで示されている。
【0053】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、第2の中間シリンダー状要素103は、第1の剛体リング131、第1の可撓性部分132、第2の剛体リング133、第2の可撓性部分134、第1の中間剛体部分135、第1の中間可撓性部分136、第2の中間剛体部分137、第2の中間可撓性部分138、及び剛体端部分139を含む。部分133、134、135及び136は一緒に、ワイヤのように長手方向に動かされ得る長手方向操縦ワイヤ130を形成する。第2の中間シリンダー103の第1の剛体リング131、第2の剛体リング133と第2の可撓性部分134と一緒になった第1の可撓性部分132、第1の中間剛体部分135、第1の中間可撓性部分136、第2の中間剛体部分137、第2の中間可撓性部分138、並びに剛体端部分139のそれぞれの長手方向寸法は、第1の中間要素102の剛体リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛体部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛体部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛体部分117、第4の可撓性部分118、及び剛体端部分119のそれぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、及び好ましくはほぼ等しく、且つこれらの部分と一致してもいる。
【0054】
同様に、第2の中間シリンダー状要素103は、1本以上の他の長手方向操縦ワイヤを含み、そのうちの1本が、参照符号130aで示されている。
【0055】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、外側シリンダー状要素104は、第1の剛体リング141、第1の可撓性部分142、第1の中間剛体部分143、第2の可撓性部分144、及び第2の剛体リング145を含む。外側シリンダー状要素104の第1の可撓性部分142、第1の中間剛体部分143及び第2の可撓性部分144のそれぞれの長手方向寸法は、第2の中間要素103の第2の可撓性部分134、第1の中間剛体部分135及び第1の中間可撓性部分136のそれぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、及び好ましくはほぼ等しく、且つこれらの部分と一致してもいる。剛体リング141は、剛体リング133とほぼ同じ長さを有し、且つ例えばスポット溶接や糊付けによって、それに固定して取り付けられる。好ましくは、剛体リング145は、例えばスポット溶接や糊付けによって、剛体リング145と第2の中間剛体部分137との間でそれぞれ適切な固定した取り付けを行うのに必要とされる長さにわたってのみ、第2の中間剛体部分137と重なる。剛体リング111、121及び131は、例えば、スポット溶接や糊付けによって、互いに取り付けられる。これは、その端縁においてだけでなく、これらの端縁から少し離れて行われてもよい。
【0056】
ある実施形態では、同じことが、同等の方法で同様に互いに取り付けられ得る剛体端部分119、129及び139にも当てはまり得る。しかしながら、構成は、近位部分におけるシリンダー状要素の直径が遠位部分における直径と比べて大きい、又は小さいようにし得る。そのような実施形態では、近位部分における構成は、
図7に示すものとは異なる。直径が増減する結果、増幅又は減衰が達成される、すなわち、遠位部分における可撓性ゾーンの曲げ角度は、近位部分における対応する可撓性部分の曲げ角度よりも大きく又は小さくなる。
【0057】
シリンダー状要素101、102、103、及び104の内径及び外径は、長尺状のチューブ状本体76に沿った同じ箇所において、内側シリンダー状要素101の外径が第1の中間シリンダー状要素102の内径よりもわずかに小さく、第1の中間シリンダー状要素102の外径が第2の中間シリンダー状要素103の内径よりもわずかに小さく、及び第2の中間シリンダー状要素103の外径が外側シリンダー状要素104の内径よりもわずかに小さくなるようにし、隣接するシリンダー状要素の互いに対する摺動運動が可能となるように、選択される。寸法決めは、隣接する要素間に滑り嵌めが提供されるようにするべきである。隣接する要素間の隙間は、一般的に0.02~0.1mm程度であるが、特定の応用及び使用される材料次第である。隙間は、長手方向操縦ワイヤの壁厚よりも小さく、その重なり形態を防止し得る。隙間を長手方向操縦ワイヤの壁厚の約30%~40%に制限することが、一般的に十分である。
【0058】
図7から分かるように、近位端部11の可撓性ゾーン72は、操縦可能な器具の操縦配置構成の第1の組の長手方向操縦ワイヤを形成する第2の中間シリンダー状要素103の部分134、135及び136によって、遠位端部13の可撓性ゾーン74に接続される。さらに、近位端部11の可撓性ゾーン73は、操縦配置構成の第2の組の長手方向操縦ワイヤを形成する第1の中間シリンダー状要素102の部分122、123、124、125、126、127、及び128によって、遠位端部13の可撓性ゾーン75に接続される。上述のような構成の使用は、操縦可能な器具10を二重曲げに使用することを可能にする。この構成の動作原理について、
図8及び
図9に示す例に関して説明する。
【0059】
便宜上、
図7、
図8及び
図9に示すように、シリンダー状要素101、102、103、及び104の異なる部分は、以下の通り定義されるゾーン151~160に分類されている。ゾーン151は、剛体リング111、121、及び131を含む。ゾーン152は、部分112、122、及び132を含む。ゾーン153は、剛体リング133及び141と、部分113及び123とを含む。ゾーン154は、部分114、124、134及び142を含む。ゾーン155は、部分115、125、135及び143を含む。ゾーン156は、部分116、126、136及び144を含む。ゾーン157は、剛体リング145と、部分117、127、及び137のそれと一致する部分とを含む。ゾーン158は、部分117、127、及び137のゾーン157外にある部分を含む。ゾーン159は、部分118、128及び138を含む。最後に、ゾーン160は、剛体端部分119、129及び139を含む。
【0060】
操縦可能な器具の遠位端部13の少なくとも一部を撓ませるために、ゾーン158に対して、任意の半径方向に曲げ力を加えることが可能である。
図8及び
図9に示す例によれば、ゾーン158は、ゾーン155に対して下向きに曲げられる。したがって、ゾーン156は下方に曲げられる。第2の中間剛体部分137と第2の剛体リング133との間に配置される第2の中間シリンダー状要素103の部分134、135、及び136を含む第1の組の長手方向操縦ワイヤのため、ゾーン156の下向きの曲げは、第1の組の長手方向操縦ワイヤの長手方向変位によって、ゾーン155に対するゾーン154の上向きの曲げに変えられる。これは、
図8及び
図9の双方に示されている。
【0061】
ゾーン156の例示的な下向きの曲げは、
図8に示すように、器具の遠位端におけるゾーン154の上向きの曲げのみを生じることに留意されたい。ゾーン156の曲げの結果としてのゾーン152の曲げは、ゾーン152と154との間に配置されるゾーン153によって防止される。続いて、ゾーン160に、曲げ力が任意の半径方向に加えられると、ゾーン159も曲げられる。
図9に示すように、ゾーン160は、
図8に示すその位置に対して上向きの方向に曲げられる。したがって、ゾーン159は上向きの方向に曲げられる。剛体リング121と剛体端部分129との間に配置される第1の中間シリンダー状要素102の部分122、123、124、125、126、127及び128を含む第2の組の長手方向操縦ワイヤのため、ゾーン159の上向きの曲げは、第2の組の長手方向操縦ワイヤの長手方向変位によって、
図8に示すその位置に対してゾーン152の下向きの曲げに変えられる。
【0062】
図9は、さらに、
図8に示すようなゾーン154における器具の初期の曲げは、この曲げがゾーン156の曲げによってのみ支配される一方で、ゾーン152の曲げは、上述の通りゾーン159の曲げによってのみ支配されるため、維持されることを示す。ゾーン152及び154は互いに対して独立して曲げ可能であることに起因して、操縦可能な器具の遠位端部13に、互いに独立している位置及び長手方向軸方向を与えることが可能である。特に、遠位端部13は、好都合なS字のような形状を取り得る。当業者は、ゾーン152及び154を互いに対して独立して曲げる能力は、遠位端部13、それゆえ操縦可能な器具全体の操作性を著しく高めることを理解するであろう。
【0063】
明らかに、操縦可能な器具の遠位端部13及び近位端部11の曲げ半径及び全長に関する特定の要件に適応させること、又は近位端部11の少なくとも一部と遠位端部13の少なくとも一部との間の曲げの増幅比若しくは減衰比に適応させることに関しては、
図7~9に示す可撓性部分の長さを変えることが可能である。
【0064】
図示の実施形態では、長手方向操縦ワイヤは、1つ以上の中間シリンダー状要素102、103の一体部を形成する1組以上の長手方向操縦ワイヤを含む。好ましくは、長手方向操縦ワイヤは、中間シリンダー状要素102、103の壁に、残りの長手方向操縦ワイヤを規定する長手方向スリットが設けられた後の、中間シリンダー状要素102、103の壁の残りの部分を含む。
【0065】
図10は、操縦可能な器具の例の3D図を示す。同様の参照符号は、他の図面におけるものと同じ要素を指す。それらの説明はここでは繰り返さない。器具は、5個の同軸上のシリンダー状要素202~210を含む。内側シリンダー状要素210が中間シリンダー状要素208によって囲まれており、これは中間シリンダー状要素206によって囲まれており、これは中間シリンダー状要素204によって囲まれており、これは、最終的に、外側シリンダー状要素202によって囲まれている。内側中間シリンダー状要素は、可撓性のらせん状スプリングで作られ得る。器具の近位端及び遠位端のそれぞれが、参照符号226及び227でそれぞれ示されている。
【0066】
図示の通り、ここでは、器具76は、可撓性ゾーン72と可撓性ゾーン74との間のその中間部に可撓性ゾーン77を含む。すなわち、中間シリンダー状要素204(可撓性ゾーン77の領域において外側面に位置する)は、スロット付き構造を備えて、中間シリンダー状要素に所望の可撓性をもたらす。可撓性ゾーン77におけるスロット付き構造の長手方向長は、所望の応用次第である。それは、可撓性ゾーン72と74との間の部分全体と同じ長さとしてもよい。中間シリンダー状要素204内の他の全てのシリンダー状要素206、208、210も、可撓性ゾーン77において可撓性である。可撓性ゾーン77に操縦ワイヤを有するこれらのシリンダー状要素は、ゾーン77において可能な限り可撓性であるように作製されなければならない。他のものには好ましくは適切なスロット付き構造により作製された適切なヒンジが設けられる。
【0067】
図1~10において、操縦ワイヤ16は器具の近位端の1つ以上の曲げ可能なゾーンを曲げることにより長手方向に移動させられる。しかしながら、操縦ワイヤ16はまた、ロボット制御デバイスのように他の駆動部によりそれらを当該方向に単純に移動させることにより、それらの長手方向に移動するように作製されることもできる。一例が
図11A~11Cに与えられている。
【0068】
図11A~11Cは、国際公開第2020218921A2号パンフレットで説明された、器具の近位端で1つ以上の操縦ワイヤ16(j)(j=1、2、・・・、J)の長手方向の動きを制御するための従来技術の配置構成を示す。
【0069】
器具1は操縦ワイヤ16(j)を覆う外側チューブ1103を含む。外側チューブ1103は複数の、即ち操縦ワイヤ16(j)毎に1つの、開口1105((j)を含む。器具1の各操縦ワイヤ16(j)はまた、外側チューブ1103のそれぞれの開口1105(j)と重なる1つ以上の開口1101(j)を含む。
【0070】
外側チューブ1103の開口1105(j)及び操縦ワイヤ16(j)の開口1101(j)は、互いに挿入されたそれぞれのシリンダー状チューブでのレーザ切断によって生じ得る。レーザ切断の代替として、ウォータジェットによる切断など他の技術も使用され得る。同様に、3Dレーザ印刷など他の方法も使用され得る。これらの開口1101(j)及び1105(j)は材料の厚さ全体を通って延在する。
【0071】
図11Bは器具1及び操縦デバイス1107の例を示し、操縦デバイス1107及び器具1は分離されている。図示の例では、操縦デバイス1107は操縦ユニット1109と支持ユニット1111とを含み、操縦ユニット1109が支持ユニット1111に回転可能に取り付けられる。操縦ユニット1109は、複数のアーム形要素1113(j)であって、操縦ユニット1109に固定して接続されるとともに、複数の長手方向要素16(j)の各々を操縦ユニット1109の複数のアーム形要素1113(j)のうちの1つに接続するために操縦ユニットから外向きに延在する複数のアーム形要素1113(j)を含む。
【0072】
図11Cは、操縦ユニット1109を支持ユニット1111の周りで操縦することにより、器具1の遠位端の1つ以上の撓み可能なゾーン13、152、154の撓みを制御するためにアーム形要素1113(j)が操縦ワイヤ16(j)を器具の長手方向に引き得る又は押し得るように、アーム形要素1113(j)の複数の端部1115(j)のうちの1つの端部を1つの操縦ワイヤ16(j)の開口1101(j)に挿入することにより一緒に接続された
図11Bの器具1及び操縦デバイス1107を示す。
【0073】
そのような操縦は操縦ユニット1309をボール形状の支持ユニット1111の周りで三次元で回転させることにより達成される。そのような回転の制御は、手動で制御され得る又はロボットデバイスにより制御され得るハンドルにより実現され得る。ロボットデバイスはまた、操縦ユニット1109を使用せずに各操縦ワイヤを個々に操縦し得る。
【0074】
図12A、12B、及び12Cは、従来技術のシャックルチェーンリンクを示す。
図12Aは、複数のシャックルチェーンリンク1201(k)(k=1、2、3、・・・、K)であって、各チェーンリンクが円形、楕円形であり得る、又は任意の他の適切な形を有し得る開口を備えた閉じた湾曲構造の形を有する複数のシャックルチェーンリンク1201(k)(k=1、2、3、・・・、K)を示す。各チェーンリンク1201(k)は、チェーンを形成するように、その隣接するチェーンリンク1201(k)の開口を通過する。
【0075】
図12Bは、複数の中空ボール1205(k)を備えた配置構成を示し、隣接する中空ボール1205(k)、1205(k+1)はロッド1203(k+1)により接続される。ロッド1203(k+1)は、隣接する中空ボール1205(k)、1205(k+1)における適切な開口を通過するとともに、ロッド1203(k+1)が中空ボール1205(k)、1205(k+1)からこれらの開口を通じて後退可能となるのを防止するために、隣接する中空ボール1205(k)、1205(k+1)の内側に伸張が設けられる。
【0076】
図12A及び12Bのチェーンは引く力に耐え得るとともに曲げ剛性を有しないが、これらのチェーンは押す力を伝達することができない。これは
図12Cの配置構成とは異なる。
【0077】
図12Cは、
図12Bの配置構成の変形形態を示し、各チェーンリンク1209(k)には、第1の端にボール形状の空洞1211(k)及び第1の端の反対側の第2の端にロッド1213(k)が設けられる。各ロッド1213(k)には、ボール形状の端部分1215(k)が空洞1213(k+1)の内側で自由に回転できるが空洞1213(k+1)から引き出されないように、隣接するチェーンリンク1209(k+1)の空洞1211(k+1)のサイズに合致しているサイズを有するボール形状の端部分1215(k)が設けられる。
【0078】
図12Cの変形形態には、それが必要な強度で作製され得ること及び隣接するチェーンリンク1209(k)間のいくらかの摩擦力以外に曲げ剛性を有しないという利点がある。
【0079】
既知の操縦可能な器具の1つの既知の欠点は、それらが多くの別々の部品から作り上げられることが多く組み立てるのが難しいことである。通常は複雑な構造を理由として、それらはまたしばしば高度のメンテナンスを必要とするとともに機械的故障をしやすい。これらの器具及びこれらの器具の使用は一般的に高価であり、使用毎のコストを商業的に許容可能なレベルまで低下させるためにそれらは何度も使用されなければならない。多くの別々の部品から操縦要素を作製することは、当然のことながらこの複雑さを増すが、場合によっては依然として実行可能な解決策である。
【0080】
図1~10を参照して議論された従来技術器具は、許容可能なコストに対して製造され得るとともに商品化され得る信頼できる使い捨ての操縦可能な器具の必要性に対応する。以下で詳細に説明されるとおり、同様にこのタイプの器具において、
図12A~12Cに示された原理に基づきシャックルチェーンリンクを操縦ワイヤにおいて適用することが可能である。そのようなシャックルチェーンリンクはまた、チューブと一体化して作製され得るとともに、金属又はプラスチックチューブからのレーザ切断、ウォータジェット切断、エッチング、放電加工(EDM:Electro Discharge Machining)又はチッピングのような材料除去プロセスにおける器具層の残りの部分のように予め組み立てられ得る。
【0081】
その最も単純な形のうちの1つにおいて、操縦ワイヤ16(j)のような条片のシャックルチェーンリンクにより実現された可撓性の操縦ワイヤ部1300は、
図13A、13Bにおいて示されたもののように見え得る。
【0082】
図13Aは、一連の隣接するチェーンリンク1301(k)を有する可撓性の操縦ワイヤ部1300を示す。各チェーンリンク1301(k)には、第1の端に円形開口1303(k)及び第1の端の反対の第2の端に円形伸張1305(k)が設けられる。各円形伸張1305(k)は、隣接するチェーンリンク1301(k+1)の円形開口1303(k+1)の内側に回転可能に配置される。この目的のために、円形伸張1305(k)は開口1303(k+1)のサイズに合致するサイズを有する。さらに、開口1303(k+1)は、円形伸張1305(k)が開口1303(k+1)から後退させられ得ないように、180度を上回る円弧に沿って延在する。
図13Aから分かるように、チェーンリンクは、操縦ワイヤの長手方向に沿って隣接するチェーンリンクとの接続を形成するのみである。チェーンリンク構造はそれゆえ、操縦ワイヤに沿って延在するとともにチューブの他の部分から及び任意の隣接するチェーンリンク構造から円周方向において分離される自立型構造として見られ得る。チェーンリンクは、実際には操縦ワイヤの一部を形成する。
【0083】
図13Bは、曲げられたときの
図13Aのチェーンリンク構造を示す。図示のとおり、隣接するチェーンリンク1301(k)、1301(k+1)は、それらが互いに接触するとともに円形開口1303(k+1)の内側の円形伸張1305(k)からのさらなる回転を妨げるある所定の最大角度までそれらが互いに対して回転し得るように形成される。操縦可能な器具の少なくとも1つの操縦ワイヤ16(j)を形成するために、例えば
図2~10に示された1つ以上の操縦ワイヤ16を形成するために実現されるとき、操縦ワイヤの一部を形成する隣接するチェーンリンクは、チューブの接平面で互いに対して回転し得る。
【0084】
図13A及び13Bの構造は、チューブにおいて適切なスロットパターンを切ることにより作製され得る。このとき、図の表面で突出しているその外面は、チューブの円周方向に湾曲しているが、その長手方向においては直線である。その厚さは、それが作製されるチューブの厚さと同じである。隣接するチェーンリンク1301(k)、1301(k+1)の互いに対する回転は、このとき半径方向に対して垂直な平面にあり、この半径方向は器具の長手方向軸に対して垂直な方向として定義される。即ち、隣接するチェーンリンクはチューブの接平面において互いに対して回転し得る。
【0085】
図13A及び13Bの実施形態は、
図14Aに示された基本形状の実現として見られ得る。
図14Aは、複数の隣接するシャックルチェーンリンク1401(k)を備えたチェーンを示す。各チェーンリンク1401(k)は、開口1407(k+1)内に延在する拡大された端部分1405(k)が設けられたロッド又は条片1403(k)を有し、その結果、拡大された端部分1405(k)はチェーンが形成されるチューブの接平面における開口1407(k+1)において回転することができ、拡大された端部分1405(k)は開口1407(k+1)から後退させられ得ない。このようにして、隣接するチェーンリンク1401(k)、1401(k+1)がこの接平面において互いに対して回転し得る一方で、同時に、それらのうちの一方にかけられる長手方向の引く/押す力は、他方への同一の長手方向の引く/押す力に変えられる。遊びの量は、隣接するチェーンリンク1401(k)、1401(k+1)間のスペース次第である。
【0086】
図14Bは一連の隣接するチェーンリンク1409(k)の別の基本形状を示す。
図14Bにおいて、各チェーンリンク1409(k)はU字形開口を備えたU字形を有する。隣接するチェーンリンク1409(k)、1409(k+1)は、接平面で見たときに互いに対して回転し互いに引っ掛かり合うそれぞれのU字形開口180を有する。V字形又は馬蹄形のような他の形もまた適用され得る。
【0087】
器具の可撓性部分において操縦ワイヤを形成するために使用され得るチェーン構造のいくつかの実現例が、以下で
図15A、15B、16A、16B、17A、17Bを参照して説明される。
【0088】
図15A及び15Bは、隣接するチェーンリンク1501(k)が2つの部分、即ち第1のチェーンリンク部分1504(k)及び第2のチェーンリンク部分1507(k)を含む可撓性の操縦ワイヤ部1300の実施形態を示す。第1のチェーンリンク部分1504(k)には、一端に第1の円形開口1503(k)及び第1の端の反対の第2の端に第2の円形開口1505(k)が設けられる。第2のチェーンリンク部分1507(k)は、両端に円形端部分1509(k)、1511(k)が設けられた条片である。これらの円形端部分1509(k)の一方は、第2の円形開口1505(k)において収容される。円形端部分1509(k)は、円形端部分1509(k)が第2の円形開口1505(k)の内側で自由に回転し得るように、第2の円形開口1505(k)のサイズに合致するサイズを有する。さらに、第2の開口1505(k)は、円形端部分1509(k)が第2の開口1505(k)から後退させられ得ないように、180度を上回る円弧に沿って延在する。円形端部分1509(k)及び第2の円形開口1505(k)はスロットによって分離され、その幅は使用される材料除去技術により決定される。レーザビームがスロットを生産するために使用される場合、スロット幅は0.01~2.00mm、本出願のためにより典型的には、0.015~0.04mmであり得る。
【0089】
円形端部分1511(k)は隣接するチェーンリンク1501(k+1)の第1の開口1503(k+1)内に延在する。円形端部分1511(k)は、円形端部分1511(k)が第1の円形開口1505(k+1)の内側で自由に回転し得るように、第1の円形開口1505(k+1)のサイズに合致するサイズを有する。さらに、第1の円形開口1505(k+1)は、円形端部分1511(k)が第1の円形開口1505(k+1)から後退させられ得ないように、180度を上回る円弧に沿って延在する。円形端部分1511(k+1)及び第1の円形開口1505(k+1)は、スロットによって分離され、その幅は使用される材料除去技術により決定される。レーザビームがスロットを生産するために使用される場合、スロット幅は0.01~2.00mm、本出願のためにより典型的には、0.015~0.04mmであり得る。
【0090】
図15Aの可撓性の操縦ワイヤ部1300は
図15Bにおいて曲げられた状態で示されている。本明細書において、
図13A及び13Bに関する説明と同様に、隣接するチェーンリンク1501(k)、1501(k+1)はチューブの接平面において互いに対して回転する。
【0091】
図16A及び16Bは、全てのチェーンリンク1601(k)が単一の片として作製される可撓性の操縦ワイヤ部1300のさらなる実施形態を示す。各チェーンリンク1601(k)は、第1の端に延在する開口1603(k)と、第1の端の反対の第2の端の方へ向かって延在している条片1605(k)とを含む。条片1605(k)には、図示の例では条片1605(k)の長手方向軸に対して垂直な横断条片1607(k)の形を有する拡大された端部分が設けられる。横断条片部分1607(k)は、隣接するチェーンリンク1601(k+1)の開口1603(k+1)に、それがそれから後退させられ得ないように、収納される。しかしながら、図示の実施形態では、横断条片部分1607(k)は、ある所定の遊びを備えて、開口1603(k+1)の内側で長手方向にシフトされ得る。開口1603(k+1)及び横断条片部分1607(k)は、横断条片1607(k)が開口1605(k+1)の内側で傾き得るような寸法にされ、
図16Bに示すような、隣接するチェーンリンク1601(k)と1601(k+1)との間の回転をもたらす。
【0092】
図15A及び15Bに示すのと同じ原理が
図16A及び16Bの実施形態に応用され得る。即ち、条片1605(k)には両端に横断条片部分1607(k)のような伸張が設けられ得、そのうち1つは開口1503(k+1)の内側に延在し、1つは、部分1504(k)(
図15A及び15Bを参照)のようなチェーンリンク1601(k)の別の部分の内側の同様の開口内に延在する。
【0093】
図17A及び17Bは、
図14Bの基本原理によるチェーンリンク1701(k)の実施形態を示す。
【0094】
チェーンリンク1701(k)は、端部分1703(k)、1705(k)と開口1707(k)とを備えた馬蹄形を有する。馬蹄開口1707(k)、1707(k+2)、1707(k+4)が、それぞれ、馬蹄開口1707(k-1)/1707(k+1)、1707(k+1)/1707(k+3)、及び1707(k+3)/1707(k+5)とそれぞれ相互係止するように、馬蹄開口1707(k)、1707(k+2)、1707(k+4)、・・・・・・が一方の方向を向いている一方で、馬蹄開口1707(k+1)、1707(k+3)、1707(k+5)、・・・・は反対の方向を向いている。
図17A及び17Bに示す実施形態において、隣接するチェーンリンク1701(k)、1701(k+1)間にほとんど遊びはない。しかしながら、所望の場合にはいくらかの遊びが実現されてもよい。
【0095】
図17A及び17Bに示されたとおり、長手方向におけるチェーンリンク1701(k)の側面1709は傾斜して又は傾いていてもよく、隣接するチェーンリンク1701(k)、1701(k+1)が互いに対して回転することを可能にする。これらは、
図17Bに示すように、隣接するチェーンリンクの側部の一部が互いに当接するまで、側面が傾斜している又は傾いている度合いにより設定されるある度合いまで回転し得る。それにより、隣接するチェーンリンクは、操縦ワイヤが形成されるチューブの壁でチェーン構造を通って延在する接平面において互いに対して回転することができ、最大量の曲げはチェーンリンクの形により定義される。
【0096】
図18は、
図13A及び13Bに示すような可撓性の操縦部1300を備えた操縦ワイヤ16(j)を有する操縦可能な器具1の縦断面図を示す。操縦可能な器具は
図1、2及び3に示すような器具であるが、その原理は、
図4~10に示されているもののような他の操縦可能な器具において同様に適用可能である。
【0097】
内側チューブ2及び外側チューブ4は
図18に示されていない。それらの位置は点線2及び4によって示されているだけである。したがって、チューブ3の壁に提供された、可撓性の操縦部1300を備えた操縦ワイヤ16(1)の内側を見ることができる。参照符号79は操縦可能な器具1の中心軸を指す。さらに、この図において長手方向に半分に切断された操縦ワイヤ16(2)及び16(4)が見える。
【0098】
見られ得るとおり、操縦ワイヤ16(4)が近位方向Aに引かれ、操縦ワイヤ16(2)が遠位方向Bに押されることにより引き起こされるとおり、可撓性の操縦部1300は
図18において曲げられた状態にある。
【0099】
図13A、13B、15A、15B、16A、16B、17A、17B及び18におけるチェーンリンクの全ての図示の実施形態は、一連のシャックルチェーンリンクが曲げられた位置にあるとき、当該一連の接線幅が同じように設計されることが認められる。これは
図19A及び19Bに示されている。
図19Aは、曲げられていない状態での接線幅Aと曲げられた状態での幅Bとを有する
図13A及び13Bの実施形態を示す。理想的には、チェーンリンク1301(k)の外形は幅Aが幅Bに等しいようになっている。これは、当該形を、例えば円弧の一部分のように湾曲させることにより実現され得る。
【0100】
チューブ壁又はシートから切られた操縦ワイヤは、その切断平面において「シャックルのチェーン」の幾何学形状を有するのみである。しかしながら、操縦可能な器具において、操縦ワイヤ16(j)は全ての方向に曲がることができなければならない。このことは
図18を参照して説明され得る。
図18において、操縦可能な器具1は、操縦ワイヤ16(1)における可撓性の操縦部1300が、操縦可能な器具1の中心軸79及び可撓性の操縦部1300の中心軸を通る垂線に対して垂直である平面において曲げられるように、曲げられる。しかしながら、
図18からも見ることができるとおり、操縦ワイヤ16(2)及び16(4)の可撓性の操縦部1300は、操縦ワイヤ16(1)に対して接線方向に90度回転するように方向付けられる。そのため、操縦可能な器具1の曲げられた部分において、これらの操縦ワイヤ16(2)及び16(4)の可撓性の操縦部1300は、操縦ワイヤ16(1)の可撓性の操縦部1300の曲げ方向に対して垂直な方向に曲げられる。
【0101】
当該垂直な曲げ方向における曲げ剛性は、隣接するチェーンリンク1301(k)が互いに対して回転することを可能にするチェーン形状により最小化されること、及び、曲げ方向に対して垂直な方向における曲げ剛性は、弾性変形により曲がる標準的、直線的切断要素についてと同じであることが認められ得る。これは、
図18の曲げ状態にある例えば操縦ワイヤ16(2)の可撓性の操縦部1300の3D概略図を示す
図20Aに示されている。ここでは、チェーンリンク1301(k)は、それらの表面に対して垂直な方向に曲がり、これはいくらかの剛性をもたらす。したがって、
図18の曲げ状態において、操縦ワイヤ16(2)及び16(4)の可撓性の操縦部1300は依然として曲げに対するいくらかの剛性を提供する。しかしながら、操縦ワイヤ16(1)及び16(3)の可撓性の操縦部1300(
図18では見えない)は曲げ剛性を有しないこともあり、これは操縦可能な器具1の改良された曲げ性能をもたらす。
【0102】
実際には、連続的チェーンリンク1301(k)が上で説明されたとおり材料除去技術によりチューブから作製されるとき、しかしながら、それらの間のスロットを原因としてそれらの間にある遊びが存在する。このとき、
図20Bに示すように、チェーンリンク1301(k)の円形伸張1305(k)はまた、チェーンリンク1301(k)の表面に対して垂直な平面において、隣接するチェーンリンクの円形開口1303(k+1)の内側で回転し得る。これは、器具1の曲げ可能なゾーンの全体としての曲げ剛性をよりいっそう減少させ得る。
【0103】
図21A及び21Bは、連続的チェーンリンク1301(k)をチェーンリンク1301(k)自体の平面に対して垂直な平面において曲げる可能性を改善する実施形態を示す。その趣旨で、チェーンリンク1301(k)には、開口1303(k)の内側に位置する回転可能な部分1307(k)が設けられる。回転可能な部分1307(k)には、チェーンリンク1301(k)の中心軸に対して垂直な反対の方向に延在する2つのピン1309(k)、1311(k)が設けられる。さらに、回転可能な部分1307(k)には円形伸張1305(k-1)を収容する円形開口1313(k)が設けられる。円形伸張1305(k-1)は開口1313(k)のサイズと合致するサイズを有する。さらに、開口1313(k)は、円形伸張1305(k-1)が開口1303(k)から後退させられ得ないように180度を上回る円弧に沿って延在する。
【0104】
2つのピン1309(k)及び1311(k)は、それらがそれぞれの切込み1304(k)及び1306(k)の内側で回転し得るように、開口1303(k)におけるそれぞれの切込み1304(k)及び1306(k)の内側に位置し、隣接するチェーンリンク1301(k-1)及び1301(k)がまたチェーンリンク1301(k-1)及び1301(k)の表面に対して垂直な平面において回転することを可能にする。
【0105】
図21A及び21Bの実施形態において、それぞれピン1309(k)及び1311(k)、それぞれ切込み1304(k)及び1306(k)の間の距離は、それらの間にスロットを作るために使用される材料除去技術により決定される、
図23Aの断面図を参照されたい。スロットの幅が、チェーンリンクの厚さ(これは構造を製作するために使用されたチューブの厚さと同じである)に対して十分幅広い場合、ピン1309(k)及び1311(k)はそれぞれ、切込み1304(k)及び1306(k)の内側でそれぞれ自由に回転し得る。そうでない場合、
図23Bの断面図に示すように、回転はある回転角度で妨げられる。
【0106】
チェーンリンク1301(k)の表面に対して垂直な平面における回転は、
図22に示された実施形態により改善され得る。ここでは、切込み1304(k)及び1306(k)にあるピン1301309(k)及び1311(k)は円筒形を有し、これは材料の層が材料を完全に突き抜けることなしに局所的にのみ除去される切断プロセスの結果であり得る。
【0107】
ここで、一連のチェーンリンク1301(k)は、曲げ剛性なしに全ての方向に曲げられ得る。2つの平面に曲げ軸があるとより多くの形状が可能である。同様に、一方向の曲げ剛性が他の方向におけるよりも規模が大きい非対称形もまた想定され得る。実際は、曲げ負荷能力が対称的であり、チューブの切断平面における曲げ負荷能力が当該平面に対して垂直な曲げ負荷能力と同じであることが好ましい。曲げ負荷能力を特定の量に制限することも可能である。このようにして、チェーンリンク長さ毎にある最大曲げ角度のみが達成され得ることを確実にすることができる。このようにして、例えば器具先端を30度曲げることを所望し、曲線長において例えば6つのヒンジ構造及び6つのチェーンリンク1301(k)を設計する場合、1つのヒンジ構造及び1つのチェーンリンク1301(k)は、最大5度の限られた曲げ負荷能力を有し得ることを保証することができる。このようにして、曲げられた先端が、局所的に5度を超えて曲がることなしに、良好な丸い曲げ挙動を有することを保証することができる。これは、ヒンジ、チェーンリンク1301(k)及び操縦ワイヤ16(j)の疲労寿命に良い影響を及ぼし得るとともに、器具先端が一か所で急に曲がるときに得られ得る、操縦ワイヤ16(j)における高い摩擦力を防止することができる。
【0108】
見られ得るとおり、チューブが器具1を製造するために使用される。ヒンジ及び操縦ワイヤのようなその動作部分は、チューブに、適切な、所定のスロット付きパターンを提供することにより作製される。特にこれらのスロット付き構造が大きい場合、又はそれらが、スロット付き構造を通じてチューブ構造の残りの部分とは完全に別の一部分を囲む場合、器具の製造は複雑となる場合があり、その理由はこれらの動作部分はスロット形成プロセス直後のチューブの元の円筒形にもはや位置し得ないためである。これは、チューブを互いに挿入することを複雑にし得る。本出願人の国際公開第2016/089202号パンフレットから公知であるとおり、これは、所定の箇所を橋渡しする破断要素を適用し、チューブが互いに挿入された後でこれらの破断要素を破断することにより解決され得る。そのような破断要素は、隣接するチェーンリンク間の遊びがどのように減少し得るかの例も示す
図24を参照して説明されたとおり、本文書の器具においても適用され得る。
【0109】
第1に、隣接するチェーンリンク間の遊びの削減の実施形態が説明される。
【0110】
図24は、隣接するチェーンリンクの一部、例えばチェーンリンク1301(k)、1501(k)を概略的に示す。図は、遊びが減少した、例えばチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)の2つの対向するチェーンリンク部分2408、2477を示す。チェーンリンク1301(k+1)/1501(k+1)のチェーンリンク部分2408は、中心点2483を中心として延在する鋸歯状外縁部2401を備えた円形開口2475を有する。チェーンリンク1301(k)/1501(k)は円形伸張2477に取り付けられた条片2406を含む。円形伸張2477は、同様に中心点2483を中心として延在する鋸歯状外縁部2403を有する。
【0111】
円形伸張2477の鋸歯状外縁部2403は伸張部2403aと各2つの隣接する伸張部2403aの間の陥凹部2403bとを有する。伸張部2403a及び陥凹部2403bの両方が、中心点2483を中心とした円に沿って延在する円形を有し得る。しかしながら、それらは任意の他の適切な形を有してもよい。図示の実施形態では、陥凹部2403bは、第1の半径r1を有する第1の円に沿って延在する。伸張部2403aは、第1の半径r1より大きい第2の半径r2を有する第2の円に沿って延在する。
【0112】
円形開口2475の鋸歯状外縁部2401は伸張部2401aと各2つの隣接する伸張部2401aの間の陥凹部2401bとを有する。伸張部2401a及び陥凹部2401bは双方共中心点2483を中心とした円に沿って延在する円形を有し得る。しかしながら、それらは任意の他の適切な形を有してもよい。図示の実施形態では、伸張部2401aは第3の半径r3を有する第3の円に沿って延在する。陥凹部2401bは、第3の半径r3より大きい第4の半径r4を有する第4の円に沿って延在する。
【0113】
図24は、製造された直後であるがそれにもかかわらずどのような方法においても使用されていない状態の2つの隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)を示す。円形伸張2477の鋸歯状外縁部2403及び円形開口2475の鋸歯状外縁部2401は、隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)をチューブから(レーザ)切断することからもたらされるスロット2405により互いに分離される。このスロット2405は、例えば医学的用途のために0.01~2.00mm、本出願のためにより典型的には、0.015~0.04mmの範囲の一定の幅をその全長に沿って有してもよい。
【0114】
実施形態において、第2の半径r2は第3の半径r3におよそ等しい。即ち、それらは、r2又はr3の10%未満、好ましくは5%未満であり得る製造公差内で等しくてもよい。図示の実施形態では、第2の半径r2は第3の半径r3以下であり、その理由は、そうでなければ円形伸張2477は円形開口2475の内側で回転できないからである。代替的な定義は、伸張部2403aが、最大で、隣接する陥凹部2403bと対向する伸張部2401aとの間のスロット2405の幅(又は距離)にほぼ等しい高さを有することであり、「ほぼ等しい」とは、この場合も、製造公差内で等しい、即ち、高さ及び距離が10%以下、或いは5%以下、又はさらに或いは1%以下だけ異なることを指す。
【0115】
図24は、互いに対して回転されていないときの静止状態の円形伸張2477及び円形開口2475を示す。図示の実施形態では、第2の半径r2及び第3の半径r3はほぼ等しく、その結果、円形伸張2477及び円形開口2475が互いに対して回転すると、円形伸張2477の伸張部2403aが円形開口2475の伸張部2401aに当接する。円形伸張2477がその外縁部2403に沿って配分された複数の伸張部2403aを有し、円形開口2475がその外縁部2401に沿って配分された複数の伸張部2401aを有する場合、伸張部2403aのいくつかは伸張部2401aのいくつかに当接し得る。厳密な設計に応じて、伸張部2403aのいくつかは、中心点2483を中心にα度の円弧に沿って伸張部2401aのいくつかに当接してもよく、ここでαは45度より大きくてもよいが、代替的にαは180度より大きくてもよい(
図24と同様)。
【0116】
円形伸張2477の1つ以上の伸張部2403aが円形開口2475の1つ以上の伸張部2401aに当接する箇所で、それらは、中心点2483から見て、互いに向かって半径方向にそれ以上移動することができない。したがって、回転した状態において、当接する伸張部2403aと伸張部2401aとの間の遊びは除去されている。設計によっては、遊びは、チェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)が作製される長手方向又はチューブの接線方向の少なくとも一方で除去されていてもよい。
【0117】
円形伸張2477の外縁部2403は、各伸張部2403aと各隣接する陥凹部2403bとの間に移行縁部を有する。円形開口2475の外縁部2401は、各伸張部2401aと各隣接する陥凹部2401bとの間に移行縁部を有する。外縁部2403の移行縁部と外縁部2401の移行縁部は、製造後、切断プロセスから生じるスロット2405の幅と同じ広さの距離だけ互いに分離される。対向する外縁部2403の移行縁部と外縁部2401の移行縁部との間に位置にあるスロット2405の幅は、外縁部2403及び外縁部2401の他の対向部分間の位置にあるスロット2405の幅と同じ広さであり得るが、これは必須ではない。
【0118】
対向する外縁部2403の移行縁部と外縁部2401の移行縁部との間の位置にあるスロット2405の幅が円形伸張2477の半径に対して非常に小さい場合、円形伸張2477と円形開口2475との間の非常に小さな回転のみが、円形開口2475の伸張部2401aに当接する円形伸張2477の伸張部2403aにおいて生じる。したがって、2つの隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)が互いに対して回転していない、即ちステータスが静止ステータスに等しいときにのみ、それらは、互いに対して、スロット2405の幅と同じ大きさのいくらかの遊びを示す。しかしながら、ある偏向角度βに関して比較的回転した(又は偏向した)ステータスでは、全ての遊びは除去され得る。典型的な例では、そのような偏向角度βは5度未満又はさらには3度未満又は1度未満であり得る。使用時、侵襲的器具1の多くの隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)は、例えば器具が挿入される管、例えばヒトの腸管の湾曲により、ほぼβより大きい角度で互いに対して曲げられ得る。したがって、使用時、隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)間の遊びの高い割合が
図24の実施形態により減少し得る。
【0119】
器具1の異なる動作部を作製するための製造プロセスから生じるスロットがそのような動作部間にいくらかの遊びをもたらすことが認められる。そのような遊びは、
図24を参照して説明されたものと同様の技術により最小化され得る。そのような技術を詳細に説明する予め公開されていないオランダ国特許出願第2028739号明細書が参照される。
【0120】
ここで、隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)間での破断要素の可能な使用が説明される。
【0121】
図24に示すように、隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)は1つ以上の破断要素2411(m)(m=1、2、・・・、M)により依然として互いに取り付けられる。そのような破断要素2411(m)は、器具のさらなる組み立ての間に、例えば一方のチューブが他方に挿入されるときに、チェーンリンク1301(k)/1501(k)の円形伸張2477と対向するチェーンリンク1301(k+1)/1501(k+1)のチェーンリンク部分2408とを一緒に保持する。使用時、即ち、隣接するチェーンリンク1301(k)/1501(k)、1301(k+1)/1501(k+1)を互いに対して回転させるために所定の最小限の力が加えられるとき、これらの破断要素2411(m)は破断し、もはや役割を果たさない。
図24の例では、3つのそのような破断要素2411(m)が提供される。当然のことながら、より少ない又はより多いそのような破断要素2411(m)があり得る。
【0122】
ここでは、破断要素2411(m)は円形伸張2477と対向するチェーンリンク部分2408との間のブリッジとして示されている。しかしながら、本出願人の上述の特許出願、国際公開第2016/089202号パンフレットにおいて説明されたとおり、破断要素2411(m)は任意の適切な設計を有し得る。
【0123】
一般に、例えば破断要素2411(m)を参照して本明細書において以下で説明されるとおり、そのような破断要素は以下の方法で設計され得る。破断要素は他の要素がチューブから切られるのと同じプロセスステップで作製される。破断される前、各破断要素は、2つのチューブ部分の対向部分に取り付けられている。このようにして、これらはこれらの2つの反対の部分を一緒に保持するとともに、2つの部分が切断プロセス後にばらばらになるのを防ぐ。これらの対向部分は、破断要素の応力が操縦中周囲の材料及び/又は構造の応力よりも高くなるような幾何学的形状を有する。したがって、撓み又は十分に高い力が2つの反対の部分に、例えばそれらを互いに対して移動させようとして、加えられた場合、破断要素の応力は管材料の降伏応力を超えて上昇し、破断要素の永久撓みを引き起こす。さらに大きな撓み又はより高い力を加えると、応力が破断要素の極限引張応力に達し、2つの部分で発生した応力はそれらの降伏応力未満であることから2つの部分の永久変形を引き起こさずに、破断要素の破断を引き起こす。
【0124】
このようにして、最終的な操縦可能な器具において互いに独立して移動可能であるべきチューブの要素は、異なるチューブが互いに挿入された後で器具を動作させることによって分離されることができ、要素はそれ以上ばらばらにならない、即ち、破断のプロセスは、操縦可能な器具が完成し、全てのチューブが互いに挿入され、互いに取り付けられるべき要素が取り付けられた後でなされることが好ましい。
【0125】
破断要素2411(m)は以下のように設計されるべきである。破断される前、各破断要素2411(m)はチェーンリンクが作製されるチューブの対向部分に取り付けられている。これらのチューブの対向部分は、破断要素2411(m)の応力が周囲の材料及び/又は構造におけるより高くなるような幾何学的形状を有する。したがって、撓み又は十分に高い力が破断要素2411(m)を有する構造に加えられる-ここでは隣接するチェーンリンクを互いに対して回転させることにより引き起こされる-と、破断要素の応力は管材料の降伏応力を超えて上昇し、破断要素2411(m)の永久撓みを引き起こす。さらに大きな撓み又はより高い力を加えると、応力が破断要素2411(m)の破断を引き起こす極限引張応力に達する。破断要素を破壊する他のメカニズムは、破断要素2411(m)に低又高サイクル疲労を加えることによって達成され得る。破断要素2411(m)の応力は疲労限界を超えて上昇し、十分な数の撓みが使用されると疲労破断を引き起こす。全ての場合において周囲の構造/材料の応力は少なくとも管材料の降伏応力未満に留まる。
【0126】
本明細書において上で説明された破断要素は類似した方法で本出願の実施形態の任意の隣接する要素に加えられ得る。
【0127】
破断要素を使用する概念が
図31、32及び33において概略的に示されている。
図31は、チューブ4300の第1のチューブ部分4302及び第2のチューブ部分4304に取り付けられた破断要素4306を示す。ここでは、破断要素4306は、小さいブリッジを介して第1及び第2のチューブ部分4302、4304に取り付けられた小さいディスクの形を有する。
図31において、第1及び第2のチューブ部分4302及び4304はチューブ4300の長手方向において互いに対して移動し得る。対向する第1及び第2の部分4302及び4304に対する破断要素4306のブリッジは、それらが互いに対して移動し上記の応力条件が当てはまると破断する。
【0128】
図32は、組み立て中に、小さいブリッジの形の破断要素4306により互いに取り付けられたままとなる2つの対向する第1及び第2のチューブ部分4302、4304を備えた実施形態を示す。この実施形態では、対向する第1及び第2のチューブ要素4302、4304は、矢印4402で示されているとおり図の表面において互いに対して回転し得る。それらが互いに対して回転すると、上で説明されたとおり、破断要素4306の内側の応力が極限引張応力を超えて上昇するため、破断要素4306が破断する瞬間まで、破断要素4306の内側及び対向するチューブ要素4302、4304の周囲の材料の内側で力が発生する。
【0129】
図33は、第1及び第2のチューブ部分4302、4304が矢印4502で示されているとおり互いに対して回転し得る
図44に示されているものの代替形態を示す。ここで、破断要素4306は、小さいブリッジにより2つの対向するチューブ部分4302、4304に取り付けられた小さいディスクの形を有する。この実施形態では、これらのブリッジは上で説明された応力条件下で破断する。
【0130】
図31、32及び33が、互いに対して長手方向に移動し得る又は互いに対して回転し得る2つの対向するチューブ部分4302、4304の間への破断要素4306の適用を示すが、それらは、使用中の十分に大きい動きがこれらの破断要素4306を最終的に破断するため、操縦可能な器具の使用時に互いに対して、回転方向、長手方向、半径方向又は接線方向のいずれであれ移動する2つの対向するチューブ部分間で操縦可能な器具におけるどこでも使用され得る。
【0131】
破断要素4306を破壊する他のメカニズムは、破断要素に低又高サイクル疲労を加えることによって達成され得る。破断要素の応力は疲労限界を超えて上昇し、疲労破断を引き起こす。この疲労限界は上述の極限引張応力未満であることに留意されたい。全ての場合において、破断要素4306が取り付けられている2つの対向するチューブ要素の周囲の構造/材料の応力は、少なくとも管材料の降伏応力未満に留まる。いくつかの疲労サイクルを加えることによる破断のプロセスは、操縦可能な器具が完成し、全てのチューブが互いに挿入され、互いに取り付けられるべき要素が取り付けられた後になされることが好ましい。
【0132】
さらなる代替形態として、破断要素はチューブが互いに挿入された後、エネルギー、例えばレーザ、ビームにより溶かされ得る。そのようなエネルギービームは、破断要素が位置するチューブの外側のチューブにおける適切な穴を通じて破断要素に向けられ得る。当然のことながら、破断する、疲労を加える及び溶かすの任意の組合せが所望の場合には使用され得る。
【0133】
図25及び26は破断要素を使用することに対する代替形態の実施形態を示す。例えばレーザ切断によりスロットを作製した後で、緩いチェーンリンクの構造が組み立て前に器具内又は上でばらばらになるのを回避するために、操縦ワイヤのチェーンリンク間に小さな弾性ブリッジを加えることができる。
【0134】
図25は、1つ以上の弾性ブリッジ1308(k)、1310(k)であって、一端でチェーンリンク1301(k)の外面に取り付けられ、それらの他端で隣接するチェーンリンク1301(k+1)の外面に取り付けられている1つ以上の弾性ブリッジ1308(k)、1310(k)がチェーンリンク1301(k)に設けられている例を示す。
図26の例において、チェーンリンク1301(k)には1つ以上の弾性ブリッジ1312(k)であって、一端が、ここでは円形であるとともに隣接するチェーンリンク1301(k+1)の開口1303(k+1)内へ延在するチェーンリンク1301(k)の伸張1305(k)に取り付けられておりその他端がチェーンリンク1301(k+1)に取り付けられている、1つ以上の弾性ブリッジ1312(k)が設けられる。両端での取り付けは、伸張1305(k)が開口1303(k+1)の内側である所定の量まで依然として回転可能であるように構成される。
【0135】
弾性ブリッジ1308(k)、1310(k)、1312(k)が使用される場合、操縦ワイヤ16(j)のシャックルチェーンリンク1301(k)は特定の量の曲げ剛性を得るが、弾性ブリッジ1308(k)、1310(k)、1312(k)が固体操縦ワイヤ16(j)の幅及び厚さが有し得る寸法と比べて小さい寸法を有する場合、曲げ剛性のこの増大は最低限であるか又はさらには無視できるほどである。
【0136】
図25及び26は特定の実施形態における弾性ブリッジの適用を示しているが、それらは任意の他の実施形態においても適用され得る。
【0137】
本発明はまた、
図27A、27B、及び27Cを参照して説明されるとおり、チューブから製造された部分が、隣接するチェーンリンクの一部が隣接するチューブの一部に取り付けられる多チューブ器具にも適用され得る。
【0138】
図27Aは内側チューブ2と中間チューブ3とを備えた2つのチューブ器具1を示す(
図1、2、及び3を参照)。ここではチューブ2及び3の実装は、
図1、2及び3に示されたものとは異なる。即ち遠位端部13では、操縦ワイヤ16(j)の可撓性部分は、本発明によるチェーンリンク、例えばチェーンリンク1301(k)のシャックルにより実現される。中間部12において、操縦ワイヤ16(j)は、例えば0.01~2.00mm、本出願のためにより典型的には、0.015~0.04mmの範囲の切断プロセスから生じる小さなスロットにより隣接する操縦ワイヤ16(j-1)、16(j+1)から分離されたかなり剛性の条片として実現される。
【0139】
図27Cの拡大図に示すように、チェーンリンク1301(k+1)の開口1303(k+1)内へ延在するチェーンリンク1301(k)の伸張は円形とは異なる形を有してもよい。ここでは、伸張1305(k)が円形ストリップの一部分として示されている一方で、開口1305(k+1)は、円形スロットの形を備えた部分を有するとして示されている。円形条片伸張1305(k)及び円形スロット1303(k+1)は、円形条片伸張1305(k)が、隣接するチェーンリンク1301(k)、1301(k+1)が互いに対して回転し得るように、円形スロット1303(k+1)の内側で移動し得るように構成される
【0140】
ここで、可撓性ブリッジは下部チューブ層において作製される。
図27Bは、内側チューブ2の第1の可撓部6が、各操縦ワイヤ16(j)について1つの、例えば正弦波又は鋸歯形など、複数の可撓性の波形条片2701(j)により実現されることを示す。各波形条片2701(j)は、遠位端部13において操縦ワイヤ16(j)の1つの一連のチェーンリンク1301(k)と長手方向且つ接戦方向に位置合わせされる。
【0141】
図27Cは、破線でのみ示されている波形条片2701(j)の頂部にあるいくつかの隣接するチェーンリンク1301(k)、1301(k+1)を示す。各チェーンリンク1301(k)には、ここではチェーンリンク1301(k)に管材料の壁全体を通る1つ以上のスロットを提供することにより作製される1つ以上の溶接部分1315(k)が設けられる。そのような溶接部分1315(k)は、例えばレーザ溶接により、内側チューブ2における波形条片2701(j)の一部分に溶接される。そのようにすることにより、隣接するチェーンリンク1301(k)及び1301(k+1)はここで
図25でのように弾性部材により接続されるが、ここでは弾性部材はチェーンリンクとは異なるチューブ層において作製される。そのようにすることにより、隣接するチェーンリンク1301(k)及び1301(k+1)間の相対的回転がわずかに堅くなるが、この影響はあまり大きくない。しかしながら同時に、チェーンリンク1301(k)と波形条片2701(j)との間のこれらの取付具を介して、チェーンリンク1301(k)に弾性力がかけられ、それらをそれぞれの元の半径方向及び長手方向位置に可能な限り多く残す。
【0142】
(レーザ)溶接の代わりに、糊付けのような任意の他の適切な取り付け技術が使用されてもよい。
【0143】
参照符号1317(k)及び1319(k)は、それぞれ、伸張1305(k)と、チューブにおいてスロットパターンを切るプロセスの間にチューブの隣接する部分に取り付けられたチェーンリンク1301(k)の他の部分とを保持するために使用される破断要素を指し、この破断要素は、上で説明されたとおり、チューブが別のチューブに挿入されると除去される。
【0144】
図27A~27Cに示された配置構成はこの効果をもたらすための1つの可能な実装形態でしかないことが認められる。
【0145】
上述のとおり、隣接するチューブ間の隙間は一般に0.02~0.1mm程度であり得るが、特定の適用及び使用される材料次第である。隣接するチェーンリンク又は力等化構造要素が器具の使用時にばらばらになるために、隙間は好ましくはチューブの壁厚より小さい。隙間をチューブの壁厚5~50%、好ましくは30~40%の値へ制限することが一般的に十分である。
【0146】
力等化器
上記明細書において、回転可能な接続部により互いに接続された操縦ワイヤの隣接する部分が図示され詳細に説明された。操縦ワイヤの一連のそのような隣接する部分は、操縦ワイヤが極めて可撓性であるが依然として長手方向において大きな強度を有しなければならない器具の可撓性ゾーンにおいて有利には使用される操縦ワイヤに極めて大きい可撓性を提供するチェーンのチェーンリンクを形成し得る。
【0147】
操縦ワイヤ16(j)の、大きな可撓性及び依然として大きな長手方向強度を有する部分の代替的実装形態が、
図28、29B、29A及び30を参照して説明される。この実装形態は、力等化器(又は「スプレッダーバーデバイス」)の原理に基づく。操縦ワイヤがチューブから切られた条片として製造される操縦可能な器具における力等化器の原理を適用することは、本出願人の国際公開第2018/067004号パンフレットの
図12、13及び14から公知であることが認められる。
【0148】
この目的のために、力等化器の第1の原理が
図28を参照して簡潔に説明される。
図28は、操縦ワイヤ16(j)により実現された力等化器構造2800の概略図を示し、操縦ワイヤ16(j)は、その長さのある部分に沿って、第1及び第2の隣接する操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)であって、双方共操縦ワイヤ16(j)の第3の操縦ワイヤ部16(j,3)に取り付けられた/接続された第1及び第2の隣接する操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)に分割された。操縦ワイヤ16(j)を2つの隣接する操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)に分割することにより、操縦ワイヤ16(j)は、これらの操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)がその全体としての長手方向強度を保ちつつ位置するゾーンにおいてより可撓性を有するようになる。しかしながら、問題は、操縦ワイヤ16(j)が
図28の図の平面-即ちチューブの半径に対して垂直な平面-における当該ゾーンで曲げられる場合、2つの操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)は異なる経路長さで長手方向において移動することである。これにより、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)と2つの操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)との間の移行点は、変形、力/摩擦の増加及び場合によりさらには破裂に対して脆弱になる。これは、この移行点を、2つの隣接する操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)における長手方向経路長さの違い又はオフセットが均等化される力等化器として設計することにより解決される。
【0149】
第3の操縦ワイヤ部16(j,3)は第3の接続点2802で横断構造2804に接続された端部分を有するように示されており、横断構造2804は、静止時、操縦ワイヤの長手方向16(j)に対して垂直であるとともにチューブの半径に対して垂直である方向Tにおいて延在する。第1の操縦ワイヤ部16(j,1)は第1の接続点2806で横断構造2804に接続される。第2の操縦ワイヤ部16(j,2)は第2の接続点2808で横断構造2804に接続される。好ましい実施形態において、第3の接続点2802は厳密に第1及び第2の接続点2806及び2808の間に位置する。「厳密に」とは、使用される製造方法に応じて、他の2つの接続点間の厳密に真ん中の位置に可能な限り近いことを意味することが理解されるべきである。第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)が横断方向において操縦ワイヤ16(j)の第3の操縦ワイヤ部16(j,3)より可撓性があることを保証するために、それらは第3の操縦ワイヤ部16(j,3)の幅より横断方向において小さい。
【0150】
第3の操縦ワイヤ部16(j,3)、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)及び第2の操縦ワイヤ部16(j,2)の長手方向の動きは、それぞれ、l(16(j,3))、l(16(j,1))及びl(16(j,2))でそれぞれ示されている。l(16(j,1))=l(16(j,2))であるときに横断構造2804が延在する方向は、
図28において実線で示されている。破線は、l(16(j,1))及びl(16(j,2))が、例えば
図28の平面においてそれらを曲げることにより、等しくないときの横断構造2804の方向を示す。
【0151】
l(16(j,1))及びl(16(j,2))が等しくない場合、横断構造2804は第3の接続点2802を中心として第3の操縦ワイヤ部16(j,3)に対して回転し、第1の接続点2806を中心として第1の操縦ワイヤ部16(j,1)に対して回転し、第2の接続点2808を中心として第2の操縦ワイヤ部16(j,2)に対して回転する。このようにして、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)と第2の操縦ワイヤ部16(j,2)との間の経路長さの違いは操縦ワイヤ16(j)の3つの点2802、2806、2808での回転に変換される。当業者には明らかなとおり、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)及び第2の操縦ワイヤ部16(j,2)が異なる経路長さの動きを示している場合であっても、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)の長手方向の動きは、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)及び第2の操縦ワイヤ部16(j,2)(この動きはわずかに異なり得る)の両方の長手方向の動きに変わる。
【0152】
国際公開第2018/067004号パンフレットの
図12、13及び14において、これらの3つの接続点2802、2806、2808は、操縦ワイヤ16(j)の、上述の回転を可能にするように曲がることを可能にされた固体部分で実現される。しかしながら、そのような曲げは、疲労の問題に起因するこの機構の早期の故障を引き起こし得る材料における応力を引き起こす。さらに、これらの要素を曲げるのに必要な曲げ力は、器具の操縦可能な先端セクションに剛性を加える。本文書は、より大きい経路オフセットを可能にする自由回転を伴う接続点を備えたいくつかの改善例を説明する。
【0153】
図29A及び29Bにおいて、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)は第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)より大きい幅を有することが認められる。しかしながら、力等化器の原理は、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)が、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)及び第2の操縦ワイヤ部16(j,2)より小さい幅を有する操縦ワイヤ16(j)の一部分により代替される状況において、同じように適用され得る。
【0154】
図29A及び29Bは、接続点2802、2806、2808が、それぞれの円形部分であって、対応する円形開口の内側に回転可能に配置されるそれぞれの円形部分により実現される実装形態を示す。即ち、図示の実施形態では、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)の端部分には、第3の円形部分2802であって、ここでは横断条片2804により実現される横断構造2804の内側の第3の円形開口2810の内側に回転可能に配置された第3の円形部分2802が設けられる。第3の円形開口2810は、第3の円形部分2802が第3の円形開口2810から後退させられ得ないように、180度を上回る円弧の一部分に沿って延在する。
【0155】
その反対の外端で、横断条片2804にはそれぞれ第1の円形開口2812及び第2の円形開口2814が設けられる。第1の操縦ワイヤ部16(j,1)には、第1の端部分2818であって、操縦ワイヤ16(j)の対称軸2822に対して例えば5~40度、好ましくは10~30度、より好ましくは15~25度の第1の角度で、第1の円形開口2812に延在する第1の端部分2818が設けられる。第1の端部分2818には、第1の円形開口2812の内側に収容された第1の円形部分2806が設けられる。第2の操縦ワイヤ部16(j,2)には、第2の端部分2820であって、操縦ワイヤ16(j)の対称軸2822に対して例えば5~40度、好ましくは10~30度、より好ましくは15~25度の第2の角度で、第2の円形開口2812に延在する第2の端部分2820が設けられる。第1及び第2の角度は、反対の方向であるが同じ値を有し得る。第2の端部分2820には、第2の円形開口2814の内側に収容された第2の円形部分2808が設けられる。
図29A、29Bにおいて示された全ての要素は、チューブに適切なスロット付きパターンを提供することにより操縦ワイヤ16(j)が作製及び製造されたチューブの一部である。
【0156】
第1の円形部分2806、第2の円形部分2808及び第3の円形部分2802はそれぞれ、それぞれ第1の円形開口2812、第2の円形開口2814及び第3の円形開口2810の内側に、0.01~2.00mm、医学的用途のためにより典型的には、0.015~0.04mmであり得る遊びを有する。
【0157】
図29Aは、静止時の、即ち第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)が互いに対し移動しておらず、したがって横断条片はチューブ及び器具の長手方向に対して垂直に方向付けられている状況にある構造を示す。
【0158】
図29Bは、例えば第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)が位置するゾーンにおける図の平面において曲げ器具により引き起こされたように第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)が互いに対して移動した同じ器具を示す。見られ得るとおり、
図29Bにおいて、3つ全ての円形2802、2806及び2808はそれぞれ、
図29Aの状況に対してそれぞれ開口2810、2812及び2814の内部で回転する。これらの回転は、円形部分2802、2806及び2808はそれぞれ開口2810、2812及び2814の内側で自由に回転できるため、横断条片2804の材料においても、それぞれ第1の操縦ワイヤ部16(j,3)、第2の操縦ワイヤ部16(j,2)及び第3の操縦ワイヤ部16(j,3)のいずれにおいても張力を引き起こさない。このようにして、横断条片2804は、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)及び16(j,2)の内側の長手方向の力の違いを等化するスプレッダービームとして機能する。
【0159】
第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)は、それらの対向する長手方向終端で、
図29A、29Bに示されたものと同様の力等化器構造により、なおさらなる操縦ワイヤ部に(又は固定されたチューブ部分に)取り付けられ得る。
【0160】
円形部分2802、2806及び2808がそれらのそれぞれの開口2810、2812及び2814の内側に残るとともにそれらの外に落ちないように、操縦ワイヤ16(j)が作製されるチューブは外側チューブと内側チューブとの間に挿入されるべきである。さらに、このチューブと、そのような内側チューブ及び外側チューブとの間の遊びはこれらのチューブの厚さ未満であり、例えば遊びはこの厚さの1~50%の範囲にあり得る。
【0161】
図29A、29Bが、円形部分2802、2806及び2808がそれぞれ操縦ワイヤ部16(j,3)、16(j,1)及び16(j,2)の部分としてそれぞれ提供され、全ての開口2810、2812及び2814がそれぞれ横断構造2804に供給される実施形態を示すことが認められる。理解されるであろうように、これは逆にされ得る、即ち円形部分は横断構造2804の一部であってもよく、対応する円形開口はそれぞれの操縦ワイヤ部16(j,3)、16(j,1)及び16(j,2)で作製され得る。
【0162】
さらに、円形部分2802、2806及び2808は別の形状を有する部分により代替され得ることが認められる。同じように、円形開口2810、2812、2814は完全に円形である必要はない。唯一の要件は、これらの部分2802、2806、2808がそれぞれ開口2810、2812、2814の内側で、ある所定の角度まで回転し得るように、これらの部分2802、2806、2808及び開口2810、2812、2814が形成されることである。
【0163】
図24を参照して説明されるとともに上記で詳細に説明された破断要素は、
図29A、29Bの実施形態においても適用され得る。
【0164】
図30は
図29A、29Bの実施形態に対する変形形態を示す。
図30において、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)には、第1の端部分3016であって、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)の方を向いているとともに対称軸3018から離れるように第1の角度で延在する第1の端部分3016が設けられ、この角度は、例えば5~40度、好ましくは10~30度、より好ましくは15~25度であり得る。この端で、第1の端部分3016には第1の円形ディスク3006を収容する第1の円形開口3012が設けられる。
【0165】
第2の操縦ワイヤ部16(j,2)には、第2の端部分3017であって、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)の方を向くとともに第1の端部分3016の方向の反対の方向に対称軸3018から離れるように第2の角度で延在する第2の端部分3017が設けられる。第2の角度が第1の角度と同じことが好ましく、例えば5~40度、好ましくは10~30度、より好ましくは15~25度であり得る。この端で、第2の端部分3017には第2の円形ディスク3008を収容する第2の円形開口3014が設けられる。
【0166】
好ましくは、
図30に示すように、それらの終端(ここでは、それらの遠位端)に向かって幅が広くなっていてもよい間隙が第1の端部分3016と第2の端部分3017との間に提供される。
【0167】
第3の操縦ワイヤ部16(j,3)には、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)の方を向いている第3の端部分に、円形ディスク3002を収容する円形開口3010が設けられる。
【0168】
第1の円形ディスク3006、第2の円形ディスク3008及び第3の円形ディスク3002にはそれぞれ、図示の実施形態では、第1の取り付け構造3013、第2の取り付け構造3015及び第3の取り付け構造3003がそれぞれ設けられる。これらは、第1の円形ディスク306、第2の円形ディスク3008及び第3の円形ディスク3002に、それぞれ適切なスロット付きパターン、例えばジグザグパターンを提供することによって生じ得る。第1の取り付け構造3013、第2の取り付け構造3015及び第3の取り付け構造3003は、操縦ワイヤ16(j)が作製されるチューブの内側又は外側に位置する回転可能な構造3004にそれらを取り付けるために、(レーザ)溶接プロセスで使用され得る。
【0169】
第3の円形ディスク3002が回転可能な構造3004に取り付けられると、回転可能な構造3004は第3の円形ディスク3002と一緒に回転し得る。回転可能な構造3004は、操縦ワイヤ16(j)が作製されるチューブのチューブ内側又は外側で円形開口3005内に回転可能に配置された円形ディスクの形を有し得る。しかしながら、回転可能な構造3004は、第3の円形ディスク3002と一緒に回転するように構成された任意の他の適切な形を有してもよい。
【0170】
第1の円形ディスク3006はまた、好ましくは回転可能なディスク3002の中心と交わるとともに対称軸3018に対して垂直に延在するラインに位置する円形ディスク3002から距離を置いて、回転可能な構造3004に取り付けられる。第2の円形ディスク3008はまた、同様に好ましくは第1の円形ディスク3006の場所の反対の場所にある当該ラインに位置する円形ディスク3002から距離を置いて、回転可能な構造3004に取り付けられる。
【0171】
第1の円形ディスク3006、第2の円形ディスク3008及び第3の円形ディスク3002はそれぞれ、0.01~2.00mm、医学的用途のためにより典型的には、0.015~0.04mmであり得る第1の円形開口3012、第2の円形開口3014及び第3の円形開口3010の内側にそれぞれ遊びを有する。
【0172】
第3の操縦ワイヤ部16(j,3)は、同じ幅を有し得る第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)よりも大きい幅を有していると示されている。いくつかの用途では、しかしながら、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)は、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)の幅よりも小さい幅を有し得る。
【0173】
使用時、第1及び第2の操縦ワイヤ部は器具の曲げ可能なゾーンに位置し得る。
図29A、29Bの実施形態のように、このとき、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)は
図30の図の平面において、即ち操縦ワイヤ16(j)が作製されるチューブの半径に対して垂直に曲がり得る。このとき、上で説明されたとおり、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)は、異なる経路長さに沿って器具の長手方向に移動し得る。
図30の実施形態において、これは、第3の円形ディスク3002が円形開口3010内でそれ自体の中心の周りで回転し、第1及び第2の円形ディスク3006、3008が第3の円形ディスク3002の周りで及びそれらのそれぞれの円形開口3012、3014内で同じ方向に回転することをもたらす。全てのこれらの回転は最小限の摩擦を有する。
【0174】
したがって、
図30の実施形態は、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)間の経路長さの違いを
図29A、29Bの実施形態と同様のやり方で補償する。第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)が異なる経路長さに沿って移動すると、第1及び第2の円形ディスク3006、3008が回転し、それらの長手方向位置及び接線位置の両方が変化する。即ち、接線方向に見るときに、それらは互いにより近づく。それにもかかわらず、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)は、それらの間の間隙を理由とするこの接線方向移動に起因して、互いに押されることが防がれる。
【0175】
当業者には明らかなとおり、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)及び第2の操縦ワイヤ部16(j,2)が異なる経路長さの動きを示す場合であっても、第3の操縦ワイヤ部16(j,3)の長手方向の動きは、第1の操縦ワイヤ部16(j,1)及び第2の操縦ワイヤ部16(j,2)の両方の長手方向の動き(この動きはわずかに異なり得る)に変わる。それとは別に、16(j,3)に加えられる操縦力は、16(j,1)及び16(j,2)上で、16(j,3)を通る中心軸とそれぞれ3002及び3006の回転の中心との間の垂直距離に等しい比で、分割される。この距離が等しい場合、操縦力Fはワイヤ16(j,1)における1/2Fとワイヤ16(j,2)における1/2Fとに分割される。
【0176】
それらの対向する長手方向終端で、第1及び第2の操縦ワイヤ部16(j,1)、16(j,2)は、さらなる、
図30に示されたものと同様の力等化器構造により、なおさらなる操縦ワイヤ部(又は固定されたチューブ部分へ)取り付けられ得る。
【0177】
図30に示す実施形態において、円形部分3002、3006及び3008は、それぞれ、それぞれの操縦ワイヤ部16(j,3)、16(j,1)及び16(j,2)においてそれらを(レーザ)切断することによって生じ得る。
【0178】
図30が、円形部分3002、3006及び3008それぞれが、操縦ワイヤ部16(j,3)、16(j,1)及び16(j,2)それぞれの部分として提供され、全ての開口3010、3012及び3014もまた、それぞれ、操縦ワイヤ部16(j,3)、16(j,1)及び16(j,2)の部分に提供される実施形態を示していることが認められる。理解されるであろうように、これは逆にされ得る、即ち円形部分3002、3006及び3008及び対応する円形開口3010、3012、3014は、回転可能な構造3004の一部であって、次いでそれぞれの操縦ワイヤ部16(j,3)、16(j,1)及び16(j,2)に例えば(レーザ)溶接により取り付けられる回転可能な構造3004の一部であってもよい。この代替的実施形態において、円形部分3002、3006及び3008は、それぞれ、回転可能な構造3004でそれらを(レーザ)切断することによって生じ得る。
【0179】
さらに、円形部分3002、3006及び3008は別の形状を有する部分により代替され得ることが認められる。同じように、円形開口3010、3012、3014は完全に円形である必要はない。これらの部分3002、3006、3008及び開口3010、3012、3014が、これらの部分3002、3006、3008が、ある所定の角度まで、それぞれ、開口3010、3012、3014内で回転できるように形成されるということが唯一の要件である。
【0180】
図24を参照して説明され上記で詳細に説明された破断要素は、
図30の実施形態においても適用され得る。
【0181】
円形部分3002、3006及び3008がそれらのそれぞれの開口3010、3012及び3014の内側に残りそれらの外に落ちないようにするために、操縦ワイヤ16(j)が作製されるチューブと回転可能な構造3004が作製されるチューブとの間の隙間は、実施形態において、これらのチューブの厚さ未満であり、例えば隙間は、1~50%の範囲にあり得る。或いは、円形部分3002、3006及び3008を隣接するチューブに取り付けるために使用される方法は、それらと隣接するチューブとの間のスペースにいくらかの余分な材料(例えばグルー又はいくらかの溶接材料)が存在するということをもたらし得る。
【0182】
説明された実施形態によるシリンダー錠要素の厚さは、それらの応用次第である。医学的用途のために、厚さは0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、及び最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。シリンダー状要素の直径はそれらの応用次第である。医学的用途のために、直径は0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。
【0183】
1つの円筒状要素の長手方向要素は、隣接する円筒状要素の長手方向要素に取り付けることができ、これらは一緒に、屈曲可能部分が曲がるように器具の近位端にある長手方向要素から器具の遠位端にある器具の屈曲可能部分に長手方向運動を伝達するように機能する。これについては、本出願人の国際公開第2017/213491号パンフレット(このPCT出願の例えば
図12、
図13a及び
図13bを参照)に詳しく説明されている。
【0184】
当業者には、本発明の範囲は、上記で説明した例に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱せずに、そのいくつかの補正及び修正が可能であることが明らかになる。本発明は、図面及び説明において詳細に図示及び説明されたが、そのような図示及び説明は、実例又は例示にすぎず、限定ではないとみなされる。本発明は、開示した実施形態に限定されず、開示した実施形態の任意の組み合わせを含み、これは利点になり得る。
【0185】
開示した実施形態の変形例は、図面、説明及び添付の特許請求の範囲の研究から特許請求する発明の実施において、当業者によって理解及び達成され得る。説明及び特許請求の範囲では、語「含む(comprising)」は他の要素を除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。実際には、「少なくとも1つ」を意味するとみなされる。相互に異なる従属請求項にいくつかの特徴が列挙されるという事実だけでは、これらの特徴の組み合わせが都合よく使用されることができないということは示さない。特許請求の範囲のいずれの参照符号も、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。上述の実施形態及び態様の特徴は、それらの組み合わせが技術的に明白に矛盾しない限り、組み合わせることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記少なくとも1つのチューブ(3)が、少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)であって、前記少なくとも1つのチューブ(3)から作製され、前記少なくとも1つのチューブ(3)の残りの部分からスロット付き構造によって分離され、前記撓み可能な遠位端に取り付けられ、例えば前記撓み可能な遠位端を撓ませるように前記少なくとも1つのチューブ(3)の長手方向に移動可能であるように構成された少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)を含み、前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)が、少なくとも1つの可撓性部分であって、前記操縦可能な器具の可撓性ゾーン(13)に位置し、一連の隣接するチェーンリンク(1301(k);1401(k);1501(k);1601(k);1701(k))により実現される少なくとも1つの可撓性部分を有する、操縦可能な器具。
【請求項2】
隣接するチェーンリンク(1301(k);1401(k);1409(k);1501(k);1601(k);1701(k))が、前記操縦可能な器具の中心軸に対して垂直な方向として定義される半径方向に対して垂直な第1の平面で回転可能であり、任意選択的にまた前記第1の平面に対して垂直な第2の平面で回転可能であるように構成される、請求項1に記載の操縦可能な器具。
【請求項3】
前記隣接するチェーンリンクが、それらが互いに接触するとともに前記第1の平面でのさらなる回転を妨げる所定の最大角度まで互いに対して前記第1の平面内で回転可能である、請求項2に記載の操縦可能な器具。
【請求項4】
前記操縦ワイヤの前記可撓性部分の曲げ負荷能力が特定の量に限定され、好ましくは、前記チェーンリンクがチェーンリンク長さ毎の最大曲げ角度を定義するように構成される、請求項
1に記載の操縦可能な器具。
【請求項5】
第1のチェーンリンク(1301(k);1401(k);1501(k);1601(k))には、隣接する第2のチェーンリンク(1301(k+1);1401(k+1);1501(k+1);1601(k+1))の開口(1303(k+1)、1313(k+1);1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))内へ延在する伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))が設けられる、請求項
1に記載の操縦可能な器具。
【請求項6】
前記伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))及び前記開口(1303(k+1)、1313(k+1);1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))が、前記伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))が前記開口(1303(k+1)、1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))から後退させられ得ないように形成される、請求項5に記載の操縦可能な器具。
【請求項7】
前記伸張(1305(k);1511(k))及び前記開口(1303(k+1);1313(k+1);1503(k+1))の両方が円形を有する、請求項
5に記載の操縦可能な器具。
【請求項8】
前記伸張(1305(k);1511(k))及び前記開口(1303(k+1);1313(k+1);1503(k+1))の両方が円形を有する、請求項6に記載の操縦可能な器具。
【請求項9】
前記伸張(1305(k);1511(k))及び前記第2のチェーンリンク(1301(k+1);1501(k+1))が、0.01~2.00mm、好ましくは0.015~0.04mmの範囲の幅を有するスロットによって分離される、請求項6に記載の操縦可能な器具。
【請求項10】
前記伸張(1305(k);1405(k);1607(k))が直線の横断ストリップ又は湾曲した横断ストリップのいずれかである、請求項
5に記載の操縦可能な器具。
【請求項11】
少なくとも1つのチェーンリンク(1501(k))が第1のチェーンリンク部分(1504(k))と第2のチェーンリンク部分(1507(k)とを含み、前記第2のチェーンリンク部分(1507(k))が前記開口(1503(k+1))内に延在する第1の伸張(1511(k))と第2の伸張(1509(k))とを含み、前記第1のチェーンリンク部分(1504(k))が、前記第1のチェーンリンク部分1504(k)及び前記第2のチェーンリンク部分(1507(k)が互いに対して回転し得るように、隣接するチェーンリンク(1501(k-1))に接続する第1の開口(1503(k))と前記第2の伸張(1509(k))を収容する第2の開口(1505(k))とを含む、請求項5~
10のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項12】
チェーンリンク(1701(k))がU字形、V字形、又は馬蹄形のうちの1つで形成される、請求項1又は2に記載の操縦可能な器具。
【請求項13】
少なくとも前記第1のチェーンリンク(1301(k)には、前記第1の平面に対して垂直な第3の平面で前記第1のチェーンリンク(1301(k))の内側に回転可能に取り付けられた第3のチェーンリンク部分(1307(k))が設けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
【請求項14】
少なくとも前記第1のチェーンリンク(1301(k)には、前記第1の平面に対して垂直な第3の平面で前記第1のチェーンリンク(1301(k))の内側に回転可能に取り付けられた第3のチェーンリンク部分(1307(k))が設けられる、請求項11に記載の操縦可能な器具。
【請求項15】
隣接するチェーンリンク(1301(k)、1301(k+1))が、1つ以上の可撓性ブリッジ(1308(k)、1310(k);1312(k))により互いに取り付けられる、請求項
1に記載の操縦可能な器具。
【請求項16】
前記操縦可能な器具が前記少なくとも1つのチューブ(3)の内側又は外側にさらなるチューブ(2)を含み、前記さらなるチューブ(2)が前記可撓性ゾーン(13)にヒンジ構造(6)を含み、前記チェーンリンク(1301(k))の1つ以上が前記ヒンジ構造(6)に取り付けられる、請求項
1に記載の操縦可能な器具。
【請求項17】
前記ヒンジ構造(6)が、各操縦ワイヤ(16(j))について、正弦波又は鋸歯形など、可撓性の波形条片(2701(j))を含む、請求項1
6に記載の操縦可能な器具。
【請求項18】
前記チューブが0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、及び最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲の厚さを有する、請求項
1に記載の操縦可能な器具。
【請求項19】
前記チューブが、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲の直径を有する、請求項
1に記載の操縦可能な器具。
【請求項20】
長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具を製造する方法であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記方法が、
前記少なくとも1つのチューブ(3)を提供することと、
少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)を前記少なくとも1つのチューブから作製することであって、前記操縦ワイヤが、前記チューブの壁にスロット付き構造を形成することにより前記チューブの前記遠位端に取り付けられ、それにより前記操縦ワイヤを前記チューブの残りの部分から分離する、作製することと、
前記操縦ワイヤに、前記操縦可能な器具の可撓性ゾーン(13)に位置する可撓性部分を提供することであって、前記可撓性部分が、前記操縦ワイヤの少なくとも一部分に一連の隣接するチェーンリンク1301(k);1401(k);1501(k);1601(k);1701(k))を形成することにより実現される、提供することと
を含む方法。
【請求項21】
前記一連の隣接するチェーンリンクを含む前記少なくとも1つの操縦ワイヤが、前記チューブにおいて所定のパターンを切ることにより形成される、請求項2
0に記載の方法。
【請求項22】
前記隣接するチェーンリンクが、前記チューブの前記壁に適用された材料除去技術により形成される、請求項2
0に記載の方法。
【請求項23】
前記隣接するチェーンリンクが、前記チューブの前記壁に適用された材料除去技術により形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記隣接するチェーンリンクが少なくとも1つの破断要素(4306)により互いに取り付けられ、前記少なくとも1つのチューブ(3)の1つ以上の追加的なチューブとの組み立てに続いて、前記少なくとも1つの破断要素による取り付けが、前記少なくとも1つの破断要素を破断する、前記少なくとも1つの破断要素に疲労サイクルを適用する、又は前記少なくとも1つの破断要素を溶かすの少なくとも1つにより解放される、請求項2
0~
23のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0185
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0185】
開示した実施形態の変形例は、図面、説明及び添付の特許請求の範囲の研究から特許請求する発明の実施において、当業者によって理解及び達成され得る。説明及び特許請求の範囲では、語「含む(comprising)」は他の要素を除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。実際には、「少なくとも1つ」を意味するとみなされる。相互に異なる従属請求項にいくつかの特徴が列挙されるという事実だけでは、これらの特徴の組み合わせが都合よく使用されることができないということは示さない。特許請求の範囲のいずれの参照符号も、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。上述の実施形態及び態様の特徴は、それらの組み合わせが技術的に明白に矛盾しない限り、組み合わせることができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記少なくとも1つのチューブ(3)が、少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)であって、前記少なくとも1つのチューブ(3)から作製され、前記少なくとも1つのチューブ(3)の残りの部分からスロット付き構造によって分離され、前記撓み可能な遠位端に取り付けられ、例えば前記撓み可能な遠位端を撓ませるように前記少なくとも1つのチューブ(3)の長手方向に移動可能であるように構成された少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)を含み、前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)が、少なくとも1つの可撓性部分であって、前記操縦可能な器具の可撓性ゾーン(13)に位置し、一連の隣接するチェーンリンク(1301(k);1401(k);1501(k);1601(k);1701(k))により実現される少なくとも1つの可撓性部分を有する、操縦可能な器具。
[2] 隣接するチェーンリンク(1301(k);1401(k);1409(k);1501(k);1601(k);1701(k))が、前記操縦可能な器具の中心軸に対して垂直な方向として定義される半径方向に対して垂直な第1の平面で回転可能であり、任意選択的にまた前記第1の平面に対して垂直な第2の平面で回転可能であるように構成される、[1]に記載の操縦可能な器具。
[3] 前記隣接するチェーンリンクが、それらが互いに接触するとともに前記第1の平面でのさらなる回転を妨げる所定の最大角度まで互いに対して前記第1の平面内で回転可能である、[2]に記載の操縦可能な器具。
[4] 前記操縦ワイヤの前記可撓性部分の曲げ負荷能力が特定の量に限定され、好ましくは、前記チェーンリンクがチェーンリンク長さ毎の最大曲げ角度を定義するように構成される、[1]~[3]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[5] 第1のチェーンリンク(1301(k);1401(k);1501(k);1601(k))には、隣接する第2のチェーンリンク(1301(k+1);1401(k+1);1501(k+1);1601(k+1))の開口(1303(k+1)、1313(k+1);1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))内へ延在する伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))が設けられる、[1]~[4]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[6] 前記伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))及び前記開口(1303(k+1)、1313(k+1);1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))が、前記伸張(1305(k);1405(k);1511(k);1607(k))が前記開口(1303(k+1)、1407(k+1)、1503(k+1);1603(k+1))から後退させられ得ないように形成される、[5]に記載の操縦可能な器具。
[7] 前記伸張(1305(k);1511(k))及び前記開口(1303(k+1);1313(k+1);1503(k+1))の両方が円形を有する、[5]又は[6]に記載の操縦可能な器具。
[8] 前記伸張(1305(k);1511(k))及び前記第2のチェーンリンク(1301(k+1);1501(k+1))が、0.01~2.00mm、好ましくは0.015~0.04mmの範囲の幅を有するスロットによって分離される、[6]に記載の操縦可能な器具。
[9] 前記伸張(1305(k);1405(k);1607(k))が直線の横断ストリップ又は湾曲した横断ストリップのいずれかである、[5]又は[6]に記載の操縦可能な器具。
[10] 少なくとも1つのチェーンリンク(1501(k))が第1のチェーンリンク部分(1504(k))と第2のチェーンリンク部分(1507(k)とを含み、前記第2のチェーンリンク部分(1507(k))が前記開口(1503(k+1))内に延在する第1の伸張(1511(k))と第2の伸張(1509(k))とを含み、前記第1のチェーンリンク部分(1504(k))が、前記第1のチェーンリンク部分1504(k)及び前記第2のチェーンリンク部分(1507(k)が互いに対して回転し得るように、隣接するチェーンリンク(1501(k-1))に接続する第1の開口(1503(k))と前記第2の伸張(1509(k))を収容する第2の開口(1505(k))とを含む、[5]~[9]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[11] チェーンリンク(1701(k))がU字形、V字形、又は馬蹄形のうちの1つで形成される、[1]又は[2]に記載の操縦可能な器具。
[12] 少なくとも前記第1のチェーンリンク(1301(k)には、前記第1の平面に対して垂直な第3の平面で前記第1のチェーンリンク(1301(k))の内側に回転可能に取り付けられた第3のチェーンリンク部分(1307(k))が設けられる、[1]~[10]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[13] 隣接するチェーンリンク(1301(k)、1301(k+1))が、1つ以上の可撓性ブリッジ(1308(k)、1310(k);1312(k))により互いに取り付けられる、[1]~[12]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[14] 前記操縦可能な器具が前記少なくとも1つのチューブ(3)の内側又は外側にさらなるチューブ(2)を含み、前記さらなるチューブ(2)が前記可撓性ゾーン(13)にヒンジ構造(6)を含み、前記チェーンリンク(1301(k))の1つ以上が前記ヒンジ構造(6)に取り付けられる、[1]~[13]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[15] 前記ヒンジ構造(6)が、各操縦ワイヤ(16(j))について、正弦波又は鋸歯形など、可撓性の波形条片(2701(j))を含む、[14]に記載の操縦可能な器具。
[16] 前記チューブが0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、及び最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲の厚さを有する、[1]~[15]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[17] 前記チューブが、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲の直径を有する、[1]~[16]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[18] 長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記少なくとも1つのチューブ(3)が、少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))であって、前記少なくとも1つのチューブ(3)から作製され、前記少なくとも1つのチューブ(3)の残りの部分からスロット付き構造によって分離され、前記撓み可能な遠位端に取り付けられ、例えば前記撓み可能な遠位端を撓ませるように前記少なくとも1つのチューブ(3)の長手方向に移動可能であるように構成された少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))を含み、前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))が第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))と第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))と第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))とを含み、前記第1及び第2の操縦ワイヤ部(16(j,1)、16(j,2))が少なくとも部分的に前記器具の可撓性ゾーン(13)に位置するとともに力等化器構造を介して前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3)に接続され、前記力等化器構造と前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))との間の第1の接続が、前記操縦可能な器具の中心軸に対して垂直な方向として定義される半径方向に対して垂直な平面で第1の開口(2812;3012)の内側に回転可能に配置される第1の要素(2806;3006)により実現され、前記力等化器構造と前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))との間の第2の接続が、前記平面で第2の開口(2814;3014)の内側に回転可能に配置された第2の要素(2808;3008)により実現され、前記力等化器構造と前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))との間の第3の接続が、前記平面で第3の開口(2810;3010)の内側に回転可能に配置された第3の要素(2802;3002)により実現される、操縦可能な器具。
[19] 前記第1の要素(2806;3006)が円形を有し、前記第2の要素(2808;3008)が円形を有し、前記第3の要素(2802;3002)が円形を有する、[18]に記載の操縦可能な器具。
[20] 前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))及び前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))が、前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))よりも小さい幅を有する、[18]又は[19]に記載の操縦可能な器具。
[21] 前記力等化器構造が、スプレッダービームとして動作する横断構造(2804)を含む、[18]、[19]又は[20]に記載の操縦可能な器具。
[22] 前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j))が、中心軸(2822)を有し、前記横断構造(2804)が、前記中心軸(2822)の第1の側に位置する前記第1の開口(2812)と、前記第1の側の反対の前記中心軸(2822)の第2の側にある前記第2の開口(2814)と、前記中心軸(2822)に位置する前記第3の開口(2810)とを有し、前記第1の要素(2806)が前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))の一部分であり、前記第2の要素(2808)が前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))の一部分であり、前記第3の要素(2802)が前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))の一部分である、[21]に記載の操縦可能な器具。
[23] 前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))、前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))、前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))、及び前記力等化構造が、単一のチューブから切られている、[18]~[22]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[24] 前記操縦可能な器具が、前記単一のチューブの内側の内側チューブと、前記単一のチューブの外側の外側チューブとを含む、[23]に記載の操縦可能な器具。
[25] 前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))、前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))及び前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))が単一のチューブから切られており、前記力等化構造が、少なくとも一部において、前記単一のチューブの内側の内側チューブ又は前記単一のチューブの外側の外側チューブの少なくとも1つから切られている、[18]~[20]のいずれか一項に記載の操縦可能な器具。
[26] 前記力等化構造が、前記内側チューブ又は外側チューブのいずれかに回転可能な構造(3004)を含む、[25]に記載の操縦可能な器具。
[27] 前記第1の要素(3006)が前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))の一部分であり、前記第1の開口(3012)が前記第1の操縦ワイヤ部(16(j,1))に位置し、前記第2の要素(3008)が前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))の一部分であり、前記第2の開口(3014)が前記第2の操縦ワイヤ部(16(j,2))に位置し、前記第3の要素(3002)が前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))の一部分であり、前記第3の開口(3010)が前記第3の操縦ワイヤ部(16(j,3))に位置し、前記第1の要素(3006)、前記第2の要素(3008)及び前記第3の要素(3002)が前記回転可能な構造(3004)に取り付けられる、[26]に記載の操縦可能な器具。
[28] 長手方向に延びる少なくとも1つのチューブ(3)を含む操縦可能な器具を製造する方法であって、前記操縦可能な器具が近位端と撓み可能な遠位端とを有し、前記方法が、
前記少なくとも1つのチューブ(3)を提供することと、
少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(j);120、130)を前記少なくとも1つのチューブから作製することであって、前記操縦ワイヤが、前記チューブの壁にスロット付き構造を形成することにより前記チューブの前記遠位端に取り付けられ、それにより前記操縦ワイヤを前記チューブの残りの部分から分離する、作製することと、
前記操縦ワイヤに、前記操縦可能な器具の可撓性ゾーン(13)に位置する可撓性部分を提供することであって、前記可撓性部分が、前記操縦ワイヤの少なくとも一部分に一連の隣接するチェーンリンク1301(k);1401(k);1501(k);1601(k);1701(k))を形成することにより実現される、提供することと
を含む方法。
[29] 前記一連の隣接するチェーンリンクを含む前記少なくとも1つの操縦ワイヤが、前記チューブにおいて所定のパターンを切ることにより形成される、[28]に記載の方法。
[30] 前記隣接するチェーンリンクが、前記チューブの前記壁に適用された材料除去技術により形成される、[28]又は[29]に記載の方法。
[31] 前記隣接するチェーンリンクが少なくとも1つの破断要素(4306)により互いに取り付けられ、前記少なくとも1つのチューブ(3)の1つ以上の追加的なチューブとの組み立てに続いて、前記少なくとも1つの破断要素による取り付けが、前記少なくとも1つの破断要素を破断する、前記少なくとも1つの破断要素に疲労サイクルを適用する、又は前記少なくとも1つの破断要素を溶かすの少なくとも1つにより解放される、[28]~[30]のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】