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特表2024-546930安定化IL-18ポリペプチド及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】安定化IL-18ポリペプチド及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/54 20060101AFI20241219BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20241219BHJP
   C07K 14/765 20060101ALI20241219BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20241219BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20241219BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20241219BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20241219BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241219BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241219BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241219BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241219BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20241219BHJP
   C07K 1/14 20060101ALI20241219BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20241219BHJP
   C07K 16/24 20060101ALI20241219BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20241219BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20241219BHJP
   G01N 33/536 20060101ALI20241219BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C07K14/54 ZNA
C07K19/00
C07K14/765
C07K16/00
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 C
C07K1/14
C07K16/28
C07K16/24
C12Q1/02
A61K38/20
A61K47/60
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 121
A61P35/02
A61K39/395 N
G01N33/536 A
G01N33/53 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535842
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 US2022081529
(87)【国際公開番号】W WO2023114829
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/289,948
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベインブリッジ, トラヴィス ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ブルトグル バイカラ, ベイザー
(72)【発明者】
【氏名】ソコロスキー, ジョナサン トーマス
【テーマコード(参考)】
4B063
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QA20
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ79
4B063QR48
4B063QR72
4B063QR77
4B063QS32
4B063QS40
4B063QX02
4B064AG03
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B064DA13
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BD14
4B065CA44
4B065CA46
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA19
4C084DA12
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZC751
4C085AA14
4C085BB11
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA02
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、安定化IL-18ポリペプチド並びにその作製及び使用方法を提供する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドであって、修飾ヒトIL-18ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、又は少なくとも97%同一であり、修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、ジスルフィド結合を形成し得る少なくとも1対のシステインを含む、ポリペプチド。
【請求項2】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが遊離システインを含まない、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、1対又は2対のシステインを含み、各対のシステインがジスルフィド結合を形成する、請求項1又は請求項2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、別のアミノ酸で置換されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、セリンで置換されている、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及び/又はC163Sのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、請求項1から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項7】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、以下から選択されるアミノ酸置換のセット:
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)N50C;
h)N50C及びL174C;
i)F57C及びT81C;
j)D90C及びA97C;
k)V98C及びQ139C;
l)T99C及びP124C;
m)S101C及びT109C;
n)I107C及びN123C;
o)R140C及びQ150C;並びに
p)A162C及びI185C;
を含み、
アミノ酸番号付けが図4Aに従う、
請求項1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項8】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドであって、修飾ヒトIL-18ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、又は少なくとも97%同一であり、修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、以下から選択されるアミノ酸置換のセット:
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)N50C;
h)N50C及びL174C;
i)F57C及びT81C;
j)D90C及びA97C;
k)V98C及びQ139C;
l)T99C及びP124C;
m)S101C及びT109C;
n)I107C及びN123C;
o)R140C及びQ150C;並びに
p)A162C及びI185C;
を含み、
アミノ酸番号付けが図4Aに従う、
ポリペプチド。
【請求項9】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、以下から選択されるアミノ酸置換のセット:
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)F57C及びT81C;
h)D90C及びA97C;
i)V98C及びQ139C;
j)T99C及びP124C;
k)S101C及びT109C;
l)I107C及びN123C;
m)R140C及びQ150C;並びに
n)A162C及びI185C;
を含み、
アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及びC163Sを含み、アミノ酸置換番号付けが図4Aに従う、
請求項1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項10】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、
a)N50C、C74S、C104S、及びC112S;並びに
b)N50C、C74S、C104S、及びL174C;
から選択されるアミノ酸置換のセットを含み、
アミノ酸番号付けが図4Aに従う、
請求項7又は請求項8に記載のポリペプチド。
【請求項11】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号5、6、8、9、12、13、15、18、19~24、及び27から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一である、請求項1から10のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項12】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、配列番号5、6、8、9、12、13、15、18、19~24、及び27から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項13】
ポリペプチドがIL-18Rαに結合する、請求項1から12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項14】
ポリペプチドが、表面プラズモン共鳴によって測定して、100nM未満、又は50nM未満、又は30nM未満、又は20nM未満、又は10nM未満、0.1nMと100nMの間、又は1nMと100nMの間の親和性でIL-18Rαに結合する、請求項11に記載のポリペプチド。
【請求項15】
ポリペプチドが、野生型IL-18と比較してIL-18Rαに対して有意に減少した親和性で結合するか、又はIL-18Rαと検出可能に結合しない、請求項1から12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項16】
ポリペプチドが、50nM超、60nM超、70nM超、80nM超、90nM超、100nM超、50nMと1mMの間、60nMと1mMの間、70nMと1mMの間、80nMと1mMの間の親和性でIL-18Rαに結合する、請求項15に記載のポリペプチド。
【請求項17】
ポリペプチドが、表面プラズモン共鳴によって測定して、81nMまでIL-18Rαに対する検出可能な結合を示さない、請求項15に記載のポリペプチド。
【請求項18】
ポリペプチドがIL-18BPに結合する、請求項1から17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項19】
ポリペプチドが、表面プラズモン共鳴によって測定して、1nM未満、100pM未満、又は50pM未満、又は30pM未満、又は20pM、10pM未満、1fMと1nMの間、10fMと1nMの間、1fMと100pMの間、10fMと100pMの間、1fMと50pMの間、10fMと50pMの間、1fMと30pMの間、又は10fMと30pMの間の親和性でIL-18BPに結合する、請求項18に記載のポリペプチド。
【請求項20】
ポリペプチドが、レポーターアッセイにおいて、1nM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、1pMと1nMの間、1pMと800pMの間、1pMと500pMの間、又は1pMと300pMの間のEC50でIL-18受容体を通じたシグナル伝達を誘発する、請求項1から19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項21】
ポリペプチドが、in vitroでヒトリンパ球におけるIFNγ発現を誘発する、請求項1から20のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項22】
リンパ球がT細胞又はNK細胞である、請求項21に記載のポリペプチド。
【請求項23】
ポリペプチドが、1nM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、1pMと1nMの間、1pMと800pMの間、1pMと500pMの間、又は1pMと300pMの間のEC50で、in vitroでヒトT細胞におけるIFNγ発現を誘発する、請求項21又は22に記載のポリペプチド。
【請求項24】
ポリペプチドが、野生型ヒトIL-18よりも大幅に減少した程度で、in vitroでヒトリンパ球におけるIFNγ発現を誘発する、請求項1から23のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項25】
リンパ球がT細胞又はNK細胞である、請求項24に記載のポリペプチド。
【請求項26】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37、L41、K44、M87、K89、S91、Q92、P93、G95、M96、E113、Q139、S141、D146、N147、M149、V189、及びN191から選択される位置において、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、請求項1から25のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項27】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37H、Y37R、L41H、L41I、L41Y、K44Q、K44R、M87T、M87K、M87D、M87N、M87E、M87R、K89R、K89G、K89S、K89T、S91K、S91R、Q92E、Q92A、Q92R、Q92V、Q92G、Q92K、Q92L、P93L、P93G、P93A、P93K、G95T、G95A、M96K、M96Q、M96R、M96L、E113D、Q139E、Q139K、Q139P、Q139A、Q139R、S141R、S141D、S141K、S141N、S141A、D146H、D146K、D146N、D146Q、D146E、D146S、D146G、N147H、N147Y、N147D、N147R、N147S、N147G、M149V、M149R、M149T、M149K、V189I、V189T、V189A、N191K及びN191Hから選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含む、請求項26に記載のポリペプチド。
【請求項28】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、位置M87、M96、S141、D146、及びN147において;又は位置M87、K89、Q92、S141、及びN147において、置換をさらに含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、請求項1から27のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項29】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、置換(i)M87T若しくはM87K;(ii)M96K若しくはM96L;(iii)S141D、S141N、若しくはS141A;(iv)D146K、D146N、D146S、若しくはD146G;及び(v)N147Y、N147Y、N147R、若しくはN147Gをさらに含むか;又は置換(i)M87K;(ii)K89G若しくはK89S;(iii)Q92G、Q92R、若しくはQ92L;(iv)D146N、D146S、若しくはD146G;及び(v)N147R若しくはN147Gをさらに含む、請求項28に記載のポリペプチド。
【請求項30】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37、L41、D53、E67、T70、D71、S72、D73、D76、N77、M87、Q91、M96、Q139、H145、M149、及びR167から選択される位置において、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、請求項1から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項31】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37D、Y37F、Y37H、Y37L、L41F、L41H、D53A、D53G、D53R、D53H、E67A、E67T、E67G、E67K、E67R、T70A、T70K、T70E、D71S、D71A、D71Y、S72N、S72K、S72R、D73P、D73A、D73R、D73H、D73L、D73V、D76Y、D76S、D76A、N77K、N77S、N77R、M87F、M87L、M87I、Q91H、M96L、M96F、M96I、Q139L、Q139I、H145A、H145P、H145D、M149L、M149I、M149F及びR167Sから選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含む、請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項32】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、置換D53G、E66A、及びQ139L又はQ139Iのいずれかをさらに含む、請求項1から29、30、及び31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項33】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、置換D71S及びM87Fをさらに含む、請求項32に記載のポリペプチド。
【請求項34】
ポリペプチドが融合パートナーを含む、請求項1から33のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
ポリペプチドが、融合パートナーを含まない修飾IL-18ポリペプチドよりも長い半減期を有する、請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項36】
融合パートナーが、Fcドメイン、ヒト血清アルブミン、又は抗原結合ドメインである、請求項34又は請求項35に記載のポリペプチド。
【請求項37】
Fcドメインが、IgG1、IgG2、又はIgG4 Fcドメインである、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
ポリペプチドが融合パートナーを含まない、請求項1から37のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項39】
請求項1から38のいずれか一項に記載のポリペプチドと、コンジュゲート部分とを含む、コンジュゲート。
【請求項40】
コンジュゲート部分が、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマーである、請求項39に記載のコンジュゲート。
【請求項41】
請求項1から38のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸。
【請求項42】
請求項41に記載の核酸を含む、宿主細胞。
【請求項43】
請求項1から40のいずれか一項に記載のポリペプチドを発現する、宿主細胞。
【請求項44】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドを産生する方法であって、ポリペプチドの発現に適した条件下で請求項42又は請求項43に記載の宿主細胞を培養することを含む方法。
【請求項45】
宿主細胞からポリペプチドを回収することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
宿主細胞が真核生物宿主細胞である、請求項44又は請求項45に記載の方法。
【請求項47】
宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
宿主細胞がCHO細胞又は293細胞である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
請求項44から48のいずれか一項に記載の方法によって産生されるポリペプチド。
【請求項50】
請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド又は請求項39若しくは請求項40に記載のコンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
【請求項51】
追加の治療剤をさらに含む、請求項50に記載の薬学的組成物。
【請求項52】
追加の治療剤が免疫腫瘍学的薬剤である、請求項51に記載の薬学的組成物。
【請求項53】
免疫腫瘍学的薬剤が、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫共刺激分子のアゴニストである、請求項51又は請求項52に記載の薬学的組成物。
【請求項54】
追加の治療剤が、腫瘍関連抗原に結合する抗体;CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IL-27、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、若しくはTLRアゴニスト;又はPD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD47、SIRPα、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、若しくはIL-13アンタゴニストである、請求項51から53のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項55】
追加の治療剤がPD-1軸結合アンタゴニストである、請求項51から54のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項56】
PD-1軸アンタゴニストが、PD-1結合アンタゴニスト又はPDL1結合アンタゴニストである、請求項55に記載の薬学的組成物。
【請求項57】
追加の治療剤が抗体である、請求項51から56のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項58】
追加の治療剤が、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ウトミルマブ、ウレルマブ、INBRX-105、GSK3359609、JTX-2011、TRX518-001、MK-4166、BMS-986156、INCAGN01876、クサツズマブ、バルリルマブ、PF-0451860、MEDI0562/6469/6383、GSK3174998、BMS-986178、CP870893、APX005M、CA-170、モガムリズマブ、MGD009、8H9、TSR-022、MBG453、Sym023、オレクルマブ、レラトリマブ、IMP321(エフティラギモドアルファ)、LAG525、リリルマブ、インドキシモド、エパカドスタット、チスレリズマブ、チラゴルマブ、BMS-986207、MTIG7192A、AB154、シフォラデナント、M7824、ガルニセルチブ、TTI-621、エボルパセプト、マグロリマブ、オレクルマブ、ポリ-ICIC、レフィトリモド、SD-101、DSP-0509、リンタトリモド、CMP-001、NKTR-214、RO6874281、THOR-707、CB-1158、LTX-315、又はペギロデカキンから選択される、請求項51から56のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項59】
医薬としての使用のための、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は請求項50から58のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項60】
がんの治療における使用のための、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は請求項50から58のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項61】
がんが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、又は白血病である、請求項60に記載の使用のためのポリペプチド又は薬学的組成物。
【請求項62】
がんが、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌、又は膵臓腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵臓腺癌)であってもよい)、食道がん、胃がん(gastric or stomach cancer)、小腸がん、大腸がん、小細胞肺がん、膠芽腫、神経芽腫、黒色腫、乳癌、胃がん(gastric cancer)、結腸直腸がん(CRC)、肝細胞癌、乳がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、卵巣がん、中皮腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫を除くが、胚中心B細胞様(GCB)DLBCL、活性化B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞性前リンパ球性白血病、脾辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、脾リンパ腫/白血病、分類不能な脾びまん性赤髄小B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病変異型、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、形質細胞骨髄腫、孤立性骨形質細胞腫、骨外形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、下腿型の高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症に伴うDLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、HHV8関連多中心性キャッスルマン病に発生した大細胞型B細胞リンパ腫、原発性浸出性リンパ腫を含む成熟B細胞がん:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と古典的ホジキンリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫である、請求項60又は請求項61に記載の使用のためのポリペプチド又は薬学的組成物。
【請求項63】
がんの治療のための医薬の製造における、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は請求項50から58のいずれか一項に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項64】
がんが、癌腫、腺癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、又は白血病である、請求項63に記載の使用。
【請求項65】
がんが、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌、又は膵臓腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵臓腺癌)であってもよい)、食道がん、胃がん(gastric or stomach cancer)、小腸がん、大腸がん、小細胞肺がん、膠芽腫、神経芽腫、黒色腫、乳癌、胃がん(gastric cancer)、結腸直腸がん(CRC)、肝細胞癌、乳がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、卵巣がん、中皮腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫を除くが、胚中心B細胞様(GCB)DLBCL、活性化B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞性前リンパ球性白血病、脾辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、脾リンパ腫/白血病、分類不能な脾びまん性赤髄小B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病変異型、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、形質細胞骨髄腫、孤立性骨形質細胞腫、骨外形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、下腿型の高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症に伴うDLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、HHV8関連多中心性キャッスルマン病に発生した大細胞型B細胞リンパ腫、原発性浸出性リンパ腫を含む成熟B細胞がん:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と古典的ホジキンリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫である、請求項63又は請求項64に記載の使用。
【請求項66】
がんを有する対象を治療する方法であって、有効量の、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は請求項50に記載の薬学的組成物を対象に投与することを含む方法。
【請求項67】
がんが、癌腫、腺癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、又は白血病である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
がんが、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌、又は膵臓腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵臓腺癌)であってもよい)、食道がん、胃がん(gastric or stomach cancer)、小腸がん、大腸がん、小細胞肺がん、膠芽腫、神経芽腫、黒色腫、乳癌、胃がん(gastric cancer)、結腸直腸がん(CRC)、肝細胞癌、乳がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、卵巣がん、中皮腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫を除くが、胚中心B細胞様(GCB)DLBCL、活性化B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞性前リンパ球性白血病、脾辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、脾リンパ腫/白血病、分類不能な脾びまん性赤髄小B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病変異型、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、形質細胞骨髄腫、孤立性骨形質細胞腫、骨外形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、下腿型の高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症に伴うDLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、HHV8関連多中心性キャッスルマン病に発生した大細胞型B細胞リンパ腫、原発性浸出性リンパ腫を含む成熟B細胞がん:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と古典的ホジキンリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫である、請求項66又は請求項67に記載の方法。
【請求項69】
追加の治療剤を対象に投与することを含む、請求項66から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
追加の治療剤が免疫腫瘍学的薬剤又は化学療法剤である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
免疫腫瘍学的薬剤が、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫共刺激分子のアゴニストである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
追加の治療剤が、腫瘍関連抗原に結合する抗体;CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IL-27、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、若しくはTLRアゴニスト;又はPD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD47、SIRPα、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、若しくはIL-13アンタゴニストである、請求項69から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
追加の治療剤がPD-1軸結合アンタゴニストである、請求項69から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
PD-1軸アンタゴニストが、PD-1結合アンタゴニスト又はPD-L1結合アンタゴニストである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
追加の治療剤が抗体である、請求項69から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
追加の治療剤が、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ウトミルマブ、ウレルマブ、INBRX-105、GSK3359609、JTX-2011、TRX518-001、MK-4166、BMS-986156、INCAGN01876、クサツズマブ、バルリルマブ、PF-0451860、MEDI0562/6469/6383、GSK3174998、BMS-986178、CP870893、APX005M、CA-170、モガムリズマブ、MGD009、8H9、TSR-022、MBG453、Sym023、オレクルマブ、レラトリマブ、IMP321(エフティラギモドアルファ)、LAG525、リリルマブ、インドキシモド、エパカドスタット、チスレリズマブ、BMS-986207、MTIG7192A、AB154、シフォラデナント、M7824、ガルニセルチブ、TTI-621、エボルパセプト、マグロリマブ、オレクルマブ、ポリ-ICIC、レフィトリモド、SD-101、DSP-0509、リンタトリモド、CMP-001、NKTR-214、RO6874281、THOR-707、CB-1158、LTX-315、ペギロデカキンから選択される、請求項69から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
細胞上のIL-18受容体を活性化する方法であって、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド又は請求項39若しくは請求項40に記載のコンジュゲートと細胞を接触させることを含む方法。
【請求項78】
リンパ球におけるIFNγ発現を誘発する方法であって、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド又は請求項39若しくは請求項40に記載のコンジュゲートとリンパ球を接触させることを含む方法。
【請求項79】
リンパ球を活性化する方法であって、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチド又は請求項39若しくは請求項40に記載のコンジュゲートとリンパ球を接触させることを含む方法。
【請求項80】
リンパ球がT細胞又はNK細胞である、請求項78又は請求項79に記載の方法。
【請求項81】
細胞又はリンパ球がin vitroである、請求項77から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
細胞又はリンパ球がin vivoである、請求項77から80のいずれ一項に記載の方法。
【請求項83】
ヒトIL-18アミノ酸配列を含むポリペプチドの安定性を改善する方法であって、ジスルフィド結合を形成する少なくとも1対のシステインをIL-18アミノ酸配列に導入して、修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドを作製することを含む方法。
【請求項84】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが遊離システインを含まない、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、1対又は2対のシステインを含み、各対のシステインがジスルフィド結合を形成する、請求項83又は請求項84に記載の方法。
【請求項86】
配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、別のアミノ酸で置換されている、請求項83から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、セリンで置換されている、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及び/又はC163Sのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、請求項83から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
サンプル中のIL-18BPを検出する方法であって、請求項1から38及び49のいずれか一項に記載のポリペプチドとサンプルを接触させることと、IL-18BPへのポリペプチドの結合を検出することとを含む方法。
【請求項90】
サンプル中のIL-18Rαを検出する方法であって、請求項1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチドとサンプルを接触させることと、IL-18Rαへのポリペプチドの結合を検出することとを含む方法。
【請求項91】
ポリペプチドが検出可能な標識を含む、請求項89又は請求項90に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年12月15日に出願された米国仮出願第63/289,948号の優先権の利益を主張し、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
[0002]本発明は安定化IL-18ポリペプチド並びにその作製及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]インターロイキン18(IL-18)は、炎症性のIL-1ファミリーサイトカインである。他のIL-1ファミリーメンバーと同様に、IL-18はシグナルペプチドを含まないため、多くの可溶性タンパク質に典型的な方法では分泌されず、むしろ非従来型のタンパク質分泌経路を用いる[Zhang et al.,Cell,2020]。シグナルペプチドの代わりに、IL-18のアミノ末端には阻害性プロペプチド配列が含まれ、カスパーゼ1によってタンパク質分解されて成熟型になるまで、サイトカインを不活性状態に保つ[Tsutsumi et al.,Sci Rep,2019]。IL-18には、IL-18RαとIL-18Rβという2つの同種のシグナル伝達共受容体と、IL-18BPという可溶性の「おとり」受容体がある。IL-18シグナル伝達経路は、まず成熟IL-18がIL-18Rαに結合することによって開始され、IL-18/IL-18Rα複合体は次にIL-18Rβを高親和性ヘテロ三量体複合体にリクルートし、受容体の細胞内toll/インターロイキン1受容体(TIR)ドメインを通してシグナルを伝達する。対照的に、IL-18Rαと相同性を有するIL-18BPは、成熟サイトカインに対して非常に強い親和性を有し、IL-18Rα/IL-18Rβを通じたIL-18のシグナル伝達を立体的に遮断することができ、天然のアンタゴニストとして機能する。
【0004】
[0004]IL-18シグナル伝達は、エフェクターT細胞の成熟及び機能を促進することができ、NK細胞を刺激することができる。IL-18シグナルは、単剤療法としてもチェックポイント阻害剤との組み合わせでも、抗腫瘍免疫を促進し得ることを示唆する新たな知見が得られている。野生型サイトカインによる臨床効果は限定的である[Tarhini et al.,Cancer,2009]が、その理由は、比較的豊富なIL-18アンタゴニストであるIL-18BPによって阻害されるためである可能性が高い。しかしながら、最近の研究では、IL-18BPに耐性があるように操作されたIL-18バリアントが、WTサイトカインと比較して、マウスモデルにおいて優れた抗腫瘍反応を提供することが示されている[Zhou et al,Nature,2020]。治療薬としては、IL-18の半減期の短さ及び不安定さといった、いくつかの特徴が課題となり得る。
【0005】
[0005]組み換えIL-18は、プロフォーム[Kirkpatrick et al.,Protein Expression & Purification,2003]又はSUMOなどの安定化パートナーと遺伝的に融合した状態[Kato et al.,Nat Struct Biol,2003;Krumm et al.,Structural Biology Communications,2015]のいずれかで、大腸菌で低収量で産生されるのが最も一般的であり、機能活性のためには、精製後にプロテアーゼによるさらなる処理が必要である。IL-18での臨床試験は、GSK[Tarhini et al.,Cancer,2009;Robertson et al.,J Immunother,2013]及びSimcha therapeutics(Clinicaltrials.gov identifier:NCT04787042)などでいくつか行われているが、いずれも大腸菌で産生された組み換えサイトカインを用いている。哺乳動物宿主細胞における組み換えタンパク質の産生は、大腸菌に比べて、低レベルのエンドトキシンや、アルブミン又はIgGのFcドメインとの融合体のような、in vivo半減期延長を目的としたより複雑なフォーマットを産生する能力など、魅力的な利点を提供し、それらはジスルフィド結合形成及びグリコシル化のための哺乳動物タンパク質折り畳み機構の恩恵を受ける。組み換えIL-18は、特に哺乳類宿主細胞において、シグナルペプチドを使用しないその型破りな分泌機構と、活性サイトカインを産生するために除去する必要があるN末端阻害性プロペプチドの存在もあって、産生が困難な分子である[Dinarello et al.,Front.Immunol.,2013]。さらに、ヒトIL-18もマウスIL-18も遊離システインを含むが、いずれも機能的な分子内ジスルフィドを形成しないため、非還元条件下で非天然のジスルフィド結合分子間凝集体の形成に利用可能なままである。システイン残基の酸化による分子の急速な不活性化も示された[Cohen et al.,Nat Comm.,2015]。さらに、IL-18は、特にプロペプチドを除去した後、比較的低い熱安定性を有することが報告されている[Tsutsumi et al.,Sci Rep,2019]。このように、IL-18固有の分子不安定性は、この分子を研究用試薬として使用する際に大きな障害となり、IL-18をベースとした治療薬のCMCに大きな負債をもたらす可能性がある。
【0006】
[0006]安定化IL-18に対する必要性がまだ存在する。本明細書に記載される本発明は、この必要性を満たし、他の利益を提供する。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明は、安定化IL-18タンパク質並びにその作製及び使用方法を提供する。
【0008】
実施態様1.修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドであって、修飾ヒトIL-18ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、又は少なくとも97%同一であり、修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、ジスルフィド結合を形成し得る少なくとも1対のシステインを含む、ポリペプチド。
【0009】
実施態様2.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが遊離システインを含まない、実施態様1に記載のポリペプチド。
【0010】
実施態様3.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、1対又は2対のシステインを含み、各対のシステインがジスルフィド結合を形成する、実施態様1又は実施態様2に記載のポリペプチド。
【0011】
実施態様4.配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、別のアミノ酸で置換されている、実施態様1から3のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0012】
実施態様5.配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、セリンで置換されている、実施態様4に記載のポリペプチド。
【0013】
実施態様6.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及び/又はC163Sのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、実施態様1から5のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0014】
実施態様7.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、以下から選択されるアミノ酸置換のセット:
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)N50C;
h)N50C及びL174C;
i)F57C及びT81C;
j)D90C及びA97C;
k)V98C及びQ139C;
l)T99C及びP124C;
m)S101C及びT109C;
n)I107C及びN123C;
o)R140C及びQ150C;並びに
p)A162C及びI185C;
を含み、
アミノ酸番号付けが図4Aに従う、
実施態様1から6のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0015】
実施態様8.修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドであって、修飾ヒトIL-18ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、又は少なくとも97%同一であり、修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)N50C;
h)N50C及びL174C;
i)F57C及びT81C;
j)D90C及びA97C;
k)V98C及びQ139C;
l)T99C及びP124C;
m)S101C及びT109C;
n)I107C及びN123C;
o)R140C及びQ150C;並びに
p)A162C及びI185C;
から選択されるアミノ酸置換のセットを含み、
アミノ酸番号付けが図4Aに従う、
ポリペプチド。
【0016】
実施態様9.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、以下から選択されるアミノ酸置換のセット:
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)F57C及びT81C;
h)D90C及びA97C;
i)V98C及びQ139C;
j)T99C及びP124C;
k)S101C及びT109C;
l)I107C及びN123C;
m)R140C及びQ150C;並びに
n)A162C及びI185C;
を含み、
アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及びC163Sを含み、アミノ酸置換番号付けが図4Aに従う、
実施態様1から6のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0017】
実施態様10.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、
a)N50C、C74S、C104S、及びC112S;並びに
b)N50C、C74S、C104S、及びL174C;
から選択されるアミノ酸置換のセットを含み、
アミノ酸番号付けが図4Aに従う、
実施態様7又は実施態様8に記載のポリペプチド。
【0018】
実施態様11.修飾ヒトIL-18ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号5、6、8、9、12、13、15、18、19~24、及び27から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一である、実施態様1から10のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0019】
実施態様12.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、配列番号5、6、8、9、12、13、15、18、19~24、及び27から選択されるアミノ酸配列を含む、実施態様1から10のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0020】
実施態様13.ポリペプチドがIL-18Rαに結合する、実施態様1から12のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0021】
実施態様14.ポリペプチドが、表面プラズモン共鳴によって測定して、100nM未満、又は50nM未満、又は30nM未満、又は20nM未満、又は10nM未満、0.1nMと100nMの間、又は1nMと100nMの間の親和性でIL-18Rαに結合する、実施態様11に記載のポリペプチド。
【0022】
実施態様15.ポリペプチドが、野生型IL-18と比較してIL-18Rαに対して有意に減少した親和性で結合するか、又はIL-18Rαと検出可能に結合しない、実施態様1から12のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0023】
実施態様16.ポリペプチドが、50nM超、60nM超、70nM超、80nM超、90nM超、100nM超、50nMと1mMの間、60nMと1mMの間、70nMと1mMの間、80nMと1mMの間の親和性でIL-18Rαに結合する、実施態様15に記載のポリペプチド。
【0024】
実施態様17.ポリペプチドが、表面プラズモン共鳴によって測定して、81nMまでIL-18Rαに対する検出可能な結合を示さない、実施態様15に記載のポリペプチド。
【0025】
実施態様18.ポリペプチドがIL-18BPに結合する、実施態様1から17のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0026】
実施態様19.ポリペプチドが、表面プラズモン共鳴によって測定して、1nM未満、100pM未満、又は50pM未満、又は30pM未満、又は20pM、10pM未満、1fMと1nMの間、10fMと1nMの間、1fMと100pMの間、10fMと100pMの間、1fMと50pMの間、10fMと50pMの間、1fMと30pMの間、又は10fMと30pMの間の親和性でIL-18BPに結合する、実施態様18に記載のポリペプチド。
【0027】
実施態様20.ポリペプチドが、レポーターアッセイにおいて、1nM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、1pMと1nMの間、1pMと800pMの間、1pMと500pMの間、又は1pMと300pMの間のEC50でIL-18受容体を通じたシグナル伝達を誘発する、実施態様1から19のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0028】
実施態様21.ポリペプチドが、in vitroでヒトリンパ球におけるIFNγ発現を誘発する、実施態様1から20のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0029】
実施態様22.リンパ球がT細胞又はNK細胞である、実施態様21に記載のポリペプチド。
【0030】
実施態様23.ポリペプチドが、1nM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、1pMと1nMの間、1pMと800pMの間、1pMと500pMの間、又は1pMと300pMの間のEC50で、in vitroでヒトT細胞におけるIFNγ発現を誘発する、実施態様21又は22に記載のポリペプチド。
【0031】
実施態様24.ポリペプチドが、野生型ヒトIL-18よりも大幅に減少した程度で、in vitroでヒトリンパ球におけるIFNγ発現を誘発する、実施態様1から23のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0032】
実施態様25.リンパ球がT細胞又はNK細胞である、実施態様24に記載のポリペプチド。
【0033】
実施態様26.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37、L41、K44、M87、K89、S91、Q92、P93、G95、M96、E113、Q139、S141、D146、N147、M149、V189、及びN191から選択される位置において、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、実施態様1から25のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0034】
実施態様27.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37H、Y37R、L41H、L41I、L41Y、K44Q、K44R、M87T、M87K、M87D、M87N、M87E、M87R、K89R、K89G、K89S、K89T、S91K、S91R、Q92E、Q92A、Q92R、Q92V、Q92G、Q92K、Q92L、P93L、P93G、P93A、P93K、G95T、G95A、M96K、M96Q、M96R、M96L、E113D、Q139E、Q139K、Q139P、Q139A、Q139R、S141R、S141D、S141K、S141N、S141A、D146H、D146K、D146N、D146Q、D146E、D146S、D146G、N147H、N147Y、N147D、N147R、N147S、N147G、M149V、M149R、M149T、M149K、V189I、V189T、V189A、N191K及びN191Hから選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含む、実施態様26に記載のポリペプチド。
【0035】
実施態様28.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、位置M87、M96、S141、D146、及びN147において;又は位置M87、K89、Q92、S141、及びN147において、置換をさらに含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、実施態様1から27のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0036】
実施態様29.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、置換(i)M87T若しくはM87K;(ii)M96K若しくはM96L;(iii)S141D、S141N、若しくはS141A;(iv)D146K、D146N、D146S、若しくはD146G;及び(v)N147Y、N147Y、N147R、若しくはN147Gをさらに含むか;又は置換(i)M87K;(ii)K89G若しくはK89S;(iii)Q92G、Q92R、若しくはQ92L;(iv)D146N、D146S、若しくはD146G;及び(v)N147R若しくはN147Gをさらに含む、実施態様28に記載のポリペプチド。
【0037】
実施態様30.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37、L41、D53、E67、T70、D71、S72、D73、D76、N77、M87、Q91、M96、Q139、H145、M149、及びR167から選択される位置において、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、実施態様1から29のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0038】
実施態様31.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、Y37D、Y37F、Y37H、Y37L、L41F、L41H、D53A、D53G、D53R、D53H、E67A、E67T、E67G、E67K、E67R、T70A、T70K、T70E、D71S、D71A、D71Y、S72N、S72K、S72R、D73P、D73A、D73R、D73H、D73L、D73V、D76Y、D76S、D76A、N77K、N77S、N77R、M87F、M87L、M87I、Q91H、M96L、M96F、M96I、Q139L、Q139I、H145A、H145P、H145D、M149L、M149I、M149F及びR167Sから選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含む、実施態様30に記載のポリペプチド。
【0039】
実施態様32.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、置換D53G、E66A、及びQ139L又はQ139Iのいずれかをさらに含む、実施態様1から29、30、及び31のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0040】
実施態様33.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、置換D71S及びM87Fをさらに含む、実施態様32に記載のポリペプチド。
【0041】
実施態様34.ポリペプチドが融合パートナーを含む、実施態様1から33のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0042】
実施態様35.ポリペプチドが、融合パートナーを含まない修飾IL-18ポリペプチドよりも長い半減期を有する、実施態様34に記載のポリペプチド。
【0043】
実施態様36.融合パートナーが、Fcドメイン、ヒト血清アルブミン、又は抗原結合ドメインである、実施態様34又は実施態様35に記載のポリペプチド。
【0044】
実施態様37.Fcドメインが、IgG1、IgG2、又はIgG4 Fcドメインである、実施態様36に記載のポリペプチド。
【0045】
実施態様38.ポリペプチドが融合パートナーを含まない、実施態様1から37のいずれか1つに記載のポリペプチド。
【0046】
実施態様39.実施態様1から38のいずれか1つに記載のポリペプチドと、コンジュゲート部分とを含む、コンジュゲート。
【0047】
実施態様40.コンジュゲート部分が、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマーである、実施態様39に記載のコンジュゲート。
【0048】
実施態様41.実施態様1から38のいずれかに記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸。
【0049】
実施態様42.実施態様41の核酸を含む、宿主細胞。
【0050】
実施態様43.実施態様1から40のいずれか1つに記載のポリペプチドを発現する、宿主細胞。
【0051】
実施態様44.修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドを産生する方法であって、ポリペプチドの発現に適した条件下で実施態様42又は実施態様43に記載の宿主細胞を培養することを含む方法。
【0052】
実施態様45.宿主細胞からポリペプチドを回収することをさらに含む、実施態様44に記載の方法。
【0053】
実施態様46.宿主細胞が真核生物宿主細胞である、実施態様44又は実施態様45に記載の方法。
【0054】
実施態様47.宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、実施態様46に記載の方法。
【0055】
実施態様48.宿主細胞がCHO細胞又は293細胞である、実施態様47に記載の方法。
【0056】
実施態様49.実施態様44から48のいずれか1つの方法によって産生されるポリペプチド。
【0057】
実施態様50.実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド又は実施態様39若しくは実施態様40に記載のコンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
【0058】
実施態様51.追加の治療剤をさらに含む、実施態様50に記載の薬学的組成物。
【0059】
実施態様52.追加の治療剤が免疫腫瘍学的薬剤である、実施態様51に記載の薬学的組成物。
【0060】
実施態様53.免疫腫瘍学的薬剤が、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫共刺激分子のアゴニストである、実施態様51又は実施態様52に記載の薬学的組成物。
【0061】
実施態様54.追加の治療剤が、腫瘍関連抗原に結合する抗体;CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IL-27、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、若しくはTLRアゴニスト;又はPD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD47、SIRPα、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、若しくはIL-13アンタゴニストである、実施態様51から53のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0062】
実施態様55.追加の治療剤がPD-1軸結合アンタゴニストである、実施態様51から54のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0063】
実施態様56.PD-1軸アンタゴニストが、PD-1結合アンタゴニスト又はPDL1結合アンタゴニストである、実施態様55に記載の薬学的組成物。
【0064】
実施態様57.追加の治療剤が抗体である、実施態様51から56のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0065】
実施態様58.追加の治療剤が、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ウトミルマブ、ウレルマブ、INBRX-105、GSK3359609、JTX-2011、TRX518-001、MK-4166、BMS-986156、INCAGN01876、クサツズマブ、バルリルマブ、PF-0451860、MEDI0562/6469/6383、GSK3174998、BMS-986178、CP870893、APX005M、CA-170、モガムリズマブ、MGD009、8H9、TSR-022、MBG453、Sym023、オレクルマブ、レラトリマブ、IMP321(エフティラギモドアルファ)、LAG525、リリルマブ、インドキシモド、エパカドスタット、チスレリズマブ、チラゴルマブ、BMS-986207、MTIG7192A、AB154、シフォラデナント、M7824、ガルニセルチブ、TTI-621、エボルパセプト、マグロリマブ、オレクルマブ、ポリ-ICIC、レフィトリモド、SD-101、DSP-0509、リンタトリモド、CMP-001、NKTR-214、RO6874281、THOR-707、CB-1158、LTX-315、又はペギロデカキンから選択される、実施態様51から56のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0066】
実施態様59.医薬としての使用のための、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド、実施態様39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は実施態様50から58のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0067】
実施態様60.がんの治療における使用のための、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド、実施態様39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は実施態様50から58のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0068】
実施態様61.がんが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、又は白血病である、実施態様60に記載の使用のためのポリペプチド又は薬学的組成物。
【0069】
実施態様62.がんが、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌、又は膵臓腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵臓腺癌)であってもよい)、食道がん、胃がん(gastric or stomach cancer)、小腸がん、大腸がん、小細胞肺がん、膠芽腫、神経芽腫、黒色腫、乳癌、胃がん(gastric cancer)、結腸直腸がん(CRC)、肝細胞癌、乳がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、卵巣がん、中皮腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫を除くが、胚中心B細胞様(GCB)DLBCL、活性化B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞性前リンパ球性白血病、脾辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、脾リンパ腫/白血病、分類不能な脾びまん性赤髄小B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病変異型、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、形質細胞骨髄腫、孤立性骨形質細胞腫、骨外形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、下腿型の高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症に伴うDLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、HHV8関連多中心性キャッスルマン病に発生した大細胞型B細胞リンパ腫、原発性浸出性リンパ腫を含む成熟B細胞がん:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と古典的ホジキンリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫である、実施態様60又は実施態様61に記載の使用のためのポリペプチド又は薬学的組成物。
【0070】
実施態様63.がんの治療のための医薬の製造における、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド、実施態様39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は実施態様50から58のいずれか1つに記載の薬学的組成物の使用。
【0071】
実施態様64.がんが、癌腫、腺癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、又は白血病である、実施態様63に記載の使用。
【0072】
実施態様65.がんが、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌、又は膵臓腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵臓腺癌)であってもよい)、食道がん、胃がん(gastric or stomach cancer)、小腸がん、大腸がん、小細胞肺がん、膠芽腫、神経芽腫、黒色腫、乳癌、胃がん(gastric cancer)、結腸直腸がん(CRC)、肝細胞癌、乳がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、卵巣がん、中皮腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫を除くが、胚中心B細胞様(GCB)DLBCL、活性化B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞性前リンパ球性白血病、脾辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、脾リンパ腫/白血病、分類不能な脾びまん性赤髄小B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病変異型、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、形質細胞骨髄腫、孤立性骨形質細胞腫、骨外形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、下腿型の高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症に伴うDLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、HHV8関連多中心性キャッスルマン病に発生した大細胞型B細胞リンパ腫、原発性浸出性リンパ腫を含む成熟B細胞がん:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と古典的ホジキンリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫である、実施態様63又は実施態様64に記載の使用。
【0073】
実施態様66.がんを有する対象を治療する方法であって、有効量の、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド、実施態様39若しくは40に記載のコンジュゲート、又は実施態様50に記載の薬学的組成物を対象に投与することを含む方法。
【0074】
実施態様67.がんが、癌腫、腺癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、又は白血病である、実施態様66に記載の方法。
【0075】
実施態様68.がんが、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌、又は膵臓腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵臓腺癌)であってもよい)、食道がん、胃がん(gastric or stomach cancer)、小腸がん、大腸がん、小細胞肺がん、膠芽腫、神経芽腫、黒色腫、乳癌、胃がん(gastric cancer)、結腸直腸がん(CRC)、肝細胞癌、乳がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、卵巣がん、中皮腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫を除くが、胚中心B細胞様(GCB)DLBCL、活性化B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞性前リンパ球性白血病、脾辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、脾リンパ腫/白血病、分類不能な脾びまん性赤髄小B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病変異型、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、形質細胞骨髄腫、孤立性骨形質細胞腫、骨外形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球豊富大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、下腿型の高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症に伴うDLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、HHV8関連多中心性キャッスルマン病に発生した大細胞型B細胞リンパ腫、原発性浸出性リンパ腫を含む成熟B細胞がん:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫、又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と古典的ホジキンリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫である、実施態様66又は実施態様67に記載の方法。
【0076】
実施態様69.追加の治療剤を対象に投与することを含む、実施態様66から68のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
実施態様70.追加の治療剤が免疫腫瘍学的薬剤又は化学療法剤である、実施態様69に記載の方法。
【0078】
実施態様71.免疫腫瘍学的薬剤が、免疫チェックポイント阻害剤又は免疫共刺激分子のアゴニストである、実施態様70に記載の方法。
【0079】
実施態様72.追加の治療剤が、腫瘍関連抗原に結合する抗体;CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IL-27、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、若しくはTLRアゴニスト;又はPD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD47、SIRPα、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、若しくはIL-13アンタゴニストである、実施態様69から71のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
実施態様73.追加の治療剤がPD-1軸結合アンタゴニストである、実施態様69から72のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
実施態様74.PD-1軸アンタゴニストが、PD-1結合アンタゴニスト又はPDL1結合アンタゴニストである、実施態様73に記載の方法。
【0082】
実施態様75.追加の治療剤が抗体である、実施態様69から74のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
実施態様76.追加の治療剤が、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ウトミルマブ、ウレルマブ、INBRX-105、GSK3359609、JTX-2011、TRX518-001、MK-4166、BMS-986156、INCAGN01876、クサツズマブ、バルリルマブ、PF-0451860、MEDI0562/6469/6383、GSK3174998、BMS-986178、CP870893、APX005M、CA-170、モガムリズマブ、MGD009、8H9、TSR-022、MBG453、Sym023、オレクルマブ、レラトリマブ、IMP321(エフティラギモドアルファ)、LAG525、リリルマブ、インドキシモド、エパカドスタット、チスレリズマブ、BMS-986207、MTIG7192A、AB154、シフォラデナント、M7824、ガルニセルチブ、TTI-621、エボルパセプト、マグロリマブ、オレクルマブ、ポリ-ICIC、レフィトリモド、SD-101、DSP-0509、リンタトリモド、CMP-001、NKTR-214、RO6874281、THOR-707、CB-1158、LTX-315、ペギロデカキンから選択される、実施態様69から75のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
実施態様77.細胞上のIL-18受容体を活性化する方法であって、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド又は実施態様39若しくは実施態様40に記載のコンジュゲートと細胞を接触させることを含む方法。
【0085】
実施態様78.リンパ球におけるIFNγ発現を誘発する方法であって、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド又は実施態様39若しくは実施態様40に記載のコンジュゲートとリンパ球を接触させることを含む方法。
【0086】
実施態様79.リンパ球を活性化する方法であって、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチド又は実施態様39若しくは実施態様40に記載のコンジュゲートとリンパ球を接触させることを含む方法。
【0087】
実施態様80.リンパ球がT細胞又はNK細胞である、実施態様78又は実施態様79に記載の方法。
【0088】
実施態様81.細胞又はリンパ球がin vitroである、実施態様77から80のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
実施態様82.細胞又はリンパ球がin vivoである、実施態様77から80のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
実施態様83.ヒトIL-18アミノ酸配列を含むポリペプチドの安定性を改善する方法であって、ジスルフィド結合を形成する少なくとも1対のシステインをIL-18アミノ酸配列に導入して、修飾ヒトIL-18ポリペプチドを含むポリペプチドを作製することを含む方法。
【0091】
実施態様84.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが遊離システインを含まない、実施態様83に記載の方法。
【0092】
実施態様85.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、1対又は2対のシステインを含み、各対のシステインがジスルフィド結合を形成する、実施態様83又は実施態様84に記載の方法。
【0093】
実施態様86.配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、別のアミノ酸で置換されている、実施態様83から85のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
実施態様87.配列番号1のアミノ酸配列中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべてのシステインが、セリンで置換されている、実施態様86に記載の方法。
【0095】
実施態様88.修飾ヒトIL-18ポリペプチドが、アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及び/又はC163Sのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを含み、アミノ酸番号付けが図4Aに従う、実施態様83から87のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
実施態様89.サンプル中のIL-18BPを検出する方法であって、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチドとサンプルを接触させることと、IL-18BPへのポリペプチドの結合を検出することとを含む方法。
【0097】
実施態様90.サンプル中のIL-18Rαを検出する方法であって、実施態様1から38及び49のいずれか1つに記載のポリペプチドとサンプルを接触させることと、IL-18Rαへのポリペプチドの結合を検出することとを含む方法。
【0098】
実施態様91.ポリペプチドが検出可能な標識を含む、実施態様89又は実施態様90に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0099】
図1A-1B】[0008]哺乳動物産生のためのIL-18コンストラクトを示す。図1Aは、ヒト及びマウスのIL-18コンストラクトを示す。ヒトIL-18コンストラクトは成熟ヒトIL-18を含み、続いて連続してTEVプロテアーゼ部位、ポリ-ヒスチジンタグ、及びモノマーヒトFcを含む。マウスIL-18コンストラクトも同様のデザインを有するが、Fcの代わりにマウス血清アルブミン(MSA)がC末端にある。図1Bは、大腸菌産生のための野生型の成熟IL-18コンストラクトを示す。成熟ヒト又はマウスIL-18のN末端に、ポリ-ヒスチジンタグをつけた小型ユビキチン関連修飾因子(SUMO)が融合した。SUMOプロテアーゼによって切断されると、タグのない、クリーンなN末端を有する成熟IL-18になる。
図2A-2Z】[0009]分析的サイズ排除クロマトグラム及びSDS-PAGEによる、WT IL-18に対するIL-18のいくつかの新規ジスルフィドバリアントの収量の増加及び凝集の減少を示す。ヒトIL-18バリアントはモノマーヒトFc融合体として発現し、マウスIL-18バリアントはマウスアルブミン融合体として発現した。
図3A-3B】[00010]一次T細胞効力アッセイにおけるIL-18バリアントの用量反応曲線を示す。図3Aは、一次ヒトT細胞効力アッセイにおけるヒトIL-18バリアントの用量反応曲線を示す。図3Bは、一次マウスT細胞効力アッセイにおけるマウスIL-18バリアントの用量反応曲線を示す。
図4A-4B】[00011]成熟ヒトIL-18(4A;配列番号1)及び成熟マウスIL-18(4B;配列番号2)の配列を示し、本明細書で使用されるアミノ酸番号付けを含む。
図5A-5B】[00012]MC38結腸がんモデルにおけるマウスIL-18 T44C/L189C Fc(「dsIL-18Fc」)の有効性を示す。図5Aは、0.1mg/kg、1mg/kg、及び5mg/kgを週2回、5回投与したdsIL-18Fcの単独投与(上段:2番目、3番目、及び4番目のグラフ)と、10mg/kgの抗PD-L1抗体との併用投与(下段:2番目、3番目、及び4番目のグラフ)の有効性を示す。コントロール抗体10mg/kgの単独投与(上段:1番目のグラフ)とPD-L1との併用投与(下段:1番目のグラフ)の有効性も示す。各グラフの太い破線は比較のためのコントロール群(コントロール抗体単独)を示し、各グラフの太い実線は群適合を示す。細い線は、各動物のデータを示す。図5Bは、同じモデルにおけるWT IL-18の有効性を示す(右のグラフ)。各グラフの太い破線は比較のためのコントロール群(コントロール抗体単独)を示し、各グラフの太い実線は群適合を示す。細い線は、各動物のデータを示す。
図6A】[00013]ヒトL45C/E192Cバリアントの結晶構造からの骨格トレースを示す。各構造の新規ジスルフィドを示し、標識付けた。
図6B】ヒトA162C/I185Cバリアントの結晶構造からの骨格トレースを示す。各構造の新規ジスルフィドを示し、標識付けた。
【発明を実施するための形態】
【0100】
[00014]IL-18は強力な免疫刺激サイトカインであり、臨床試験では抗腫瘍効果が早期には実証されなかったものの、最近の研究では、天然のIL-18アンタゴニストであるIL-18BPを回避することで、サイトカインに対する治療反応を大幅に改善できる可能性があることが示唆されている。IL-18BPの障害に加え、組み換え成熟IL-18はかなり不安定で、研究スケールにおいてさえも生産が困難である。さらに、従来のIgGベースの治療薬と比べて、組み換えIL-18の半減期は2日未満と非常に短い [Robertson et al.,Clin Cancer Res,2006]。IL-18をベースとした治療薬の成功は、これらの欠点に対処することで大きく向上する可能性がある。
【0101】
[00015]臨床試験で使用されるIL-18ベースの治療薬は、通常、大腸菌で産生されてきた。哺乳動物を宿主とするタンパク質治療薬を大量に生産する能力は、生産及び精製プロセスを大幅に簡略化する一方で、哺乳動物に特異的な翻訳後修飾及びタンパク質折り畳み機構を必要とする機能を組み込んだ、より複雑なデザインも可能にする。例えば、IL-18治療薬をアルブミン又はIgGのFcドメインに融合させることで、分子の薬物動態学的及び/又は薬力学的特性を大幅に改善することができる。一般的になりつつあるもう一つのアプローチは、半減期延長モジュールに加えて、Fab又はVHHのような標的モジュールを追加することである。これらのアプローチはすべて、哺乳動物宿主の生産から恩恵を受ける。我々はここで、操作されたジスルフィドによるIL-18の安定化によって、Fcとアルブミンの両方の融合体を含む安定した分子を高収率で実際に生産できることを証明した。加えて、我々が評価した2つのバリアント(N50C及びN50C/L174C)は、IL-18Rαへの結合が非常に弱く、細胞ベースのアッセイでは効力が著しく低下するという予期せぬ特性を実証したが、IL-18BPへの強い親和性は維持されていた。この独特な性質を利用して、循環IL-18BPアンタゴニストの分子トラップを生成し、それによりIL-18シグナル伝達を増強することができる。
【0102】
[00016]ここで、我々はヒト及びマウスのIL-18に新規の非天然ジスルフィド結合を操作した。我々のIL-18ジスルフィド安定化IL-18バリアントは、哺乳動物宿主細胞で首尾よく発現し、大腸菌で産生されたWT IL-18と比較して、有意に高い収率と低い凝集レベルで分泌された。
【0103】
[00017]さらに、いくつかのバリアントは、非還元条件下で、WTと比べて改善された熱安定性を示す。IL-18Rαに対する2つのバリアントの結合を検出することはできなかったが、SPRによって決定されたように、IL-18バリアントは通常、IL-18RαとIL-18BPの両方に対して同様の親和性を有する。最後に、SPRの結果と同様に、細胞ベースのレポーターアッセイでは、ほとんどのバリアントがWTと同様の効力を示した。これらの結果を総合すると、IL-18に特定のジスルフィド結合を導入することにより、治療薬としての薬物様特性が改善され、融合タンパク質の産生を含む組み換えサイトカインの産生が容易になることが示唆される。
【0104】
I.定義
[00018]「親和性」は、分子(例えば、たんぱく質)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、受容体)との間の非共有相互作用の総和の強度を指す。別途指示されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、タンパク質及び受容体)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は一般に、解離定数(K)によって表すことができる。親和性は、本明細書中に記載のものも含め、当該技術分野で既知の一般的な方法により測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な実例となる例示的な方法を以下に記載する。
【0105】
[00019]「がん」という用語は、制御されない細胞増殖によって典型的に特徴付けられる、哺乳動物における生理学的状態を指す。がんの例には、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌(gastric adenocarcinoma)、又は膵腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵腺癌)であてもよい)、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病又はリンパ系悪性腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。このようながんのより具体的な例には、食道がん、小腸がん、大腸がん、扁平上皮がん(例えば、上皮細胞扁平上皮がん)、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌及び肺の扁平上皮癌を含む肺がん、腹膜がん、肝細胞癌、胃腸がん及び胃腸間質がんを含む胃がん(gastric or stomach cancer)、膵臓がん、膠芽細胞腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、尿路がん、肝がん、乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜癌又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓がん又は腎がん、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝臓癌、肛門癌、陰茎癌、黒色腫、表在拡大型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、末端性黒子性黒色腫、結節型黒色腫、多発性骨髄腫及びB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽細胞性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非開裂細胞性NHL;巨大病変NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;及びワルデンストレームマクログロブリン血症を含む)、慢性リンパ球性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);有毛細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;及び移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、並びに母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(例えば脳腫瘍に関連するもの)、メーグス症候群、脳がん、並びに頭頚部がん、及び関連転移が含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
[00020]「化学療法剤」は、がんの治療に有用な化学的化合物を指す。化学療法剤の例としては、チオテパ、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、テモゾロミド(Methazolastone(登録商標)、Temodar(登録商標))、トレオスルタン、ベンダムスチン塩酸塩(Treanda(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドパ、カルボクオン、メツレドーパ、ウレドーパなどのアジリジン類;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチロメラミンなどのエチレンイミン類及びメチルアミン類;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));ベータ-ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(合成類似体トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT-11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、イリノテカンリポソーム注射液(Onivyde(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン、及び9-アミノカンプトテシンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体KW-2189及びCB1-TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどの窒素マスタード類;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムヌスティンなどのニトロソウレア類;エネジイン系抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1I及びカリケアマイシンオメガI1(例えば、Nicolaou et al.,Angew.Chem Intl.Ed.Engl.,33:183-186 (1994)参照);経口アルファ-4インテグリン阻害剤CDP323;ダイネミシンAを含むダイネミシン;エスペラマイシン;並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノミシン、アクチノマイシン、オートラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射液(DOXIL(登録商標))、リポソームドキソルビシンTLC D-99(MYOCET(登録商標))、ペグ化(peglylated)リポソームドキソルビシン(CAELYX(登録商標))、及びデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン類、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロン、及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、クラドリビン(Leustat(登録商標))、及びネララビン(Arranon(登録商標))などのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン類;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗アドレナリン剤(anti-adrenal);フロリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルフォルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシン及びアンサミトシンなどのメイタンシノイド類;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン類(特にT-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(ABRAXANETM)、カバジタキセル(Jevtana(登録商標))、及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標));クロランブシル;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン、オキサリプラチン(例えば、ELOXATIN(登録商標))、及びカルボプラチンなどの白金薬剤;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標))、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、ビンクリスチン硫酸リポソーム(Marqibo(登録商標))、ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標))、ビンフルニン(Javlor(登録商標))、及びビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))を含む、微小管を形成するチューブリン重合を阻害するビンカ類;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ロイコボリン;ノバントロン;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);ベキサロテン(TARGRETIN(登録商標))を含むレチノイン酸などのレチノイド類;クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)又はOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE-58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))、又はリセドロネート(ACTONEL(登録商標))などのビスホスホネート類;トロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常細胞増殖に関与するシグナル伝達経路の遺伝子の発現を阻害するもの、例えばPKCアルファ、Raf、H-Ras、及び上皮成長因子受容体(EGF-R);THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子治療ワクチンなどのワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標))、ソラフェニブ(例えば、Nexavar(登録商標))、SU-11248(スニチニブ、SUTENT(登録商標)、ファイザー)、ペリホシン、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ又はエトリコキシブ)、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))及びやクエン酸イキサゾミブ(Ninlaro(登録商標))などのプロテオソーム阻害剤(例えば、PS341);ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標));CCI-779;チピファルニブ(R11577);オラフェニブ、ABT510;オブリメルセンナトリウム(GENASENSE(登録商標))及びベネトクラクス(Venclexta(登録商標))などのBcl-2阻害剤;ピキサントロン;ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))などのEGFR阻害剤(以下の定義を参照);ボスチニブ(Bosulif(登録商標))、カボザンチニブ-s-マレイン酸塩(Cabometyx(登録商標)、Cometriq(登録商標))、ジマレイン酸アファチニブ(Gilotrif(登録商標))、メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))、ポナチニブ塩酸塩(Iclusig(登録商標))などのチロシンキナーゼ阻害剤(以下の定義を参照);アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、イブルチニブ(Imbruvica(登録商標))、トシル酸ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、ダサチニブ(Sprycel(登録商標))、オシメルチニブ(Tagrisso(登録商標))、エルロチニブ塩酸塩(Tarceva(登録商標))、ニロチニブ(Tasigna(登録商標))、ジトシル酸ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、クリゾチニブ(Xalkori(登録商標))及びパゾパニブ塩酸塩(Votrient(登録商標));ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、及びテムシロリムス(Torisel(登録商標))などのセリン-スレオニンキナーゼ阻害剤;ロナファルニブ(SCH6636、SARASARTM)などのファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;ネツピタント、及びロラピタント塩酸塩(Varubi(登録商標))などのNK1受容体アンタゴニスト;イミキモド(Aldara(登録商標));アレクチニブ(Alecensa(登録商標))及びセリチニブ(Zykadia(登録商標))などの未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤;ベリノスタット(Beleodaq(登録商標))及びボリノスタット(Zolinza(登録商標))などのヒストンデアセチラーゼ阻害剤、クロファラビンなどのプリンヌクレオシド代謝拮抗剤、コビメチニブ(Cotellic(登録商標))及びトラメチニブ(Mekinist(登録商標))などのマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤;デシタビン(Dacogen(登録商標))などの核酸合成阻害剤;ビスモデギブ(Erivedge(登録商標))及びソニデギブ(Odomzo(登録商標))などのヘッジホッグシグナル伝達経路阻害剤;パノビノスタット(Farydak(登録商標))などのヒストンデアセチラーゼ阻害剤;プララトレキサート(Folotyn(登録商標))、ラルチトレキセド、及びペメトレキセド二ナトリウム(Alimta(登録商標))などの抗葉酸剤;メシル酸エリブリン(Halaven(登録商標))などの有糸分裂阻害剤;パルボシクリブ(Ibrance(登録商標))などのサイクリン依存性キナーゼの阻害剤;ロミデプ
シン(Istodax(登録商標))などのデプシペプチド;イキサベピロン(Ixempra(登録商標))などのエポチロンB類似体;リン酸ルキソリチニブ(Jakafi(登録商標))などのヤヌスキナーゼ阻害剤;メシル酸レンバチニブ(Lenvima(登録商標))、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、ニンテダニブ(Vargatef(登録商標))などのマルチプルキナーゼ阻害剤;トリフルリジンなどのヌクレオシド類似体;チピラシル塩酸塩などのチミジンホスホリラーゼ阻害剤;オラパリブ(Lynparza(登録商標))などのPARP阻害剤;サリドマイド(Stivarga(登録商標)、Thalomide(登録商標))及びその誘導体であるポマリドマイド(Pomalyst(登録商標))及びレナリドマイド(Revlimid(登録商標))など;プレドニゾンなどの合成コルチコステロイド;酢酸ランレオチド(Somatuline(登録商標))などのソマトスタチンの類似体;メペコハク酸オマセタキシン(Synribo(登録商標))などのタンパク質翻訳阻害剤;ダブラフェニブ(Tanfinlar(登録商標))及びベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))などの関連酵素B-Rafの阻害剤;三酸化ヒ素(Trisenox(登録商標));三酢酸ウリジン(Vistogard(登録商標));二塩化ラジウム223(Xofigo(登録商標));トラベクテジン(Yondelis)、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))などのホスホイノシチド3キナーゼ阻害剤;ミルファムルチド(Mepact(登録商標));並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体;並びにシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾロンの併用療法の略称であるCHOPと;オキサリプラチン(ELOXATINTM)を5-FU及びロイコボリンと組み合わせた治療レジメンの略称であるFOLFOXなどの、上記の2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0107】
[00021]本明細書で定義される化学療法剤は、がんの成長を促進し得るホルモンの効果を調節、低減、遮断、又は阻害するように作用する「抗ホルモン剤」又は「内分泌治療薬」を含む。それらは、それら自体がホルモンであってもよく、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標))、4-ヒドロキシタモキシフェン、トレミフェン(FARESTON(登録商標))、イドキシフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、トリオキシフェン、ケオキシフェン、及びSERM3などの選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)を含む、混合アゴニスト/アンタゴニストプロファイルを有する抗エストロゲン;デガレリクス、リュープロプレリン、及びトリプトレリンなどのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニスト;フルベストラント(FASLODEX(登録商標))、及びEM800(そのような薬剤は、エストロゲン受容体(ER)二量体化をブロックする、DNA結合を阻害する、ERターンオーバーを増加させる、及び/又はERレベルを抑制する場合がある)などのアゴニスト特性を有しない純粋な抗エストロゲン;ホルメスタン及びエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))などのステロイド性アロマターゼ阻害剤、並びにアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、及びアミノグルテチミドなどの非ステロイド性アロマターゼ阻害剤を含むアロマターゼ阻害剤、並びにボロゾール(RIVISOR(登録商標))、メゲストロールアセテート(MEGASE(登録商標))、ファドロゾール、及び4(5)-イミダゾールを含む、他のアロマターゼ阻害剤;リュープロリド(LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標))、ゴセレリン、ブセレリン、ヒストレリン、及びトリプテレリン(tripterelin)を含む、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト;メゲストロールアセテート及びメドロキシプロゲステロンアセテートなどのプロゲスチン、ジエチルスチルベストロール及びプレマリンなどのエストロゲン、並びにフルオキシメステロン、全てのトランスレチオン酸(transretionic acid)、及びフェンレチニドなどのアンドロゲン/レチノイドを含む、性ステロイド;デキサメタゾン;オナプリストン;抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方調節剤(ERD);フルタミド、ニルタミド(例えば、Nilandron(登録商標))、酢酸アビラテロン(Zytiga(登録商標))、酢酸シプロテロン(Cyprostat(登録商標))、エンザルタミド(Xtandi(登録商標))及びビカルタミドなどの抗アンドロゲン;並びに上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体;並びに上記のうちの2つ以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0108】
[00022]薬剤、例えば、薬学的組成物の、「有効量」は、所望の治療結果又は予防的結果を達成するために必要な投与量及び期間での有効な量を指す。
【0109】
[00023]「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」という用語は、互換可能に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫も含まれる。宿主細胞には、「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれ、これらには、初代形質転換細胞と、継代の数に関係なく、それに由来する子孫とが含まれる。子孫は、核酸の含有量が親細胞と完全に同一でなくてもよく、変異を含んでいてもよい。元の形質転換細胞においてスクリーニング又は選択されたのと同じ機能又は生物学的活性を有する変異子孫が本明細書に含まれる。
【0110】
[00024]本明細書で使用される「IL-18」という用語は、別途指示されない限り、霊長類(例えばヒト)及び齧歯類(例えばマウス及びラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源の任意の天然IL-18を指す。この用語は、「完全長」の未処理IL-18、及び細胞内でのプロセシングから生じる任意の形態のIL-18を包含する。この用語はまた、IL-18の天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアント又は対立遺伝子バリアントも包含する。例示的な成熟ヒトIL-18のアミノ酸配列は、UniProtKB/Swiss-Prot:Q14116のアミノ酸37~193として、及び本明細書中の配列番号1に示される。例示的な成熟マウスIL-18のアミノ酸は、UniProt:P70380のアミノ酸36~192として、及び本明細書中の配列番号2に示される。
【0111】
[00025]「安定化IL-18ポリペプチド」という用語は、ジスルフィド結合を形成することができる少なくとも1対のシステインを含むように修飾された、修飾IL-18ポリペプチドを含むポリペプチドを指す。安定化IL-18ポリペプチドは、修飾IL-18ポリペプチドに加えて、例えば融合パートナーのような追加のアミノ酸配列を含んでいてもよい。
【0112】
[00026]「個体」又は「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物には、家畜動物(例えばウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えばヒト、及びサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、及び齧歯類(例えばマウス及びラット)が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の態様では、個体又は対象はヒトである。
【0113】
[00027]「単離された」ポリペプチドは、その天然環境の成分から分離されたポリペプチドである。いくつかの態様では、ポリペプチドは、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点電気泳動法(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフィー(例えば、イオン交換又は逆相HPLC)法によって決定された場合、95%又は99%よりも高い純度まで精製される。
【0114】
[00028]「核酸分子」又は「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドのポリマーを含む任意の化合物及び/又は物質を含む。各ヌクレオチドは、塩基、具体的には、プリン塩基又はピリミジン塩基(すなわち、シトシン(C)、グアニン(G)、アデニン(A)、チミン(T)又はウラシル(U))、糖(すなわち、デオキシリボース又はリボース)、及びリン酸基で構成される。多くの場合、核酸分子は塩基配列によって記載され、それにより、塩基は、核酸分子の一次構造(線状構造)を表す。塩基の配列は、典型的には、5’から3’に向かって表される。本明細書では、核酸分子という用語は、例えば、相補DNA(cDNA)及びゲノムDNAを含むデオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、特にメッセンジャーRNA(mRNA)、DNA又はRNAの合成型、並びにこれらの分子のうちの2つ以上を含む混合ポリマーを包含する。核酸分子は、線状でも環状でもよい。さらに、核酸分子という用語には、センス鎖及びアンチセンス鎖の両方、並びに一本鎖形態及び二本鎖形態が含まれる。さらに、本明細書に記載される核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド又は天然には存在しないヌクレオチドを含有し得る。天然には存在しないヌクレオチドの例としては、誘導体化された糖若しくはリン酸骨格結合又は化学的に修飾された残基を有する修飾ヌクレオチド塩基が挙げられる。核酸分子は、in vitro、及び/又は例えば宿主若しくは患者におけるin vivoで、本発明のポリペプチドの直接的な発現のためのベクターとして適したDNA分子及びRNA分子も包含する。そのようなDNA(例えば、cDNA)ベクター又はRNA(例えば、mRNA)ベクターは、修飾されていなくてもよく、又は修飾されていてもよい。例えば、mRNAは、in vivoでポリペプチドを生成するために対象にmRNAを注入することができるように、RNAベクターの安定性及び/又はコードされた分子の発現を高めるように化学修飾されてもよい(例えば、Stadler et al,Nature Medicine 2017、オンラインでは2017年6月12日に公開、doi:10.1038/nm.4356又はEP2101823 B1を参照)。
【0115】
[00029]「単離された」核酸は、その天然環境の成分から分離された核酸分子である。単離された核酸には、通常は核酸分子を含む細胞に含まれる核酸分子が含まれるが、核酸分子は染色体外に、又は天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0116】
[00030]「添付文書」という用語は、治療製品の商品包装に通例含まれる指示書を指すのに用いられ、そのような治療製品の適応症、用法、用量、投与、併用療法、使用に関する禁忌及び/又は注意事項についての情報を含む。
【0117】
[00031]参照ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列をアラインメントして、最大の配列同一性パーセントを達成するために必要であればギャップを導入した後の、アラインメントのためにいかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮しない場合の、参照ポリペプチド配列内のアミノ酸残基と同一である候補配列内のアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、当該技術分野の範囲内にある様々な方法、例えばBLAST、BLAST-2、Clustal W、Megalign(DNASTAR)ソフトウェア又はFASTAプログラムパッケージのような公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成され得る。当業者であれば、比較する配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含めた、配列を整列させるための適切なパラメータを決定することができる。あるいは、同一性パーセントの値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用して生成され得る。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって作成されており、ソースコードは、米国著作権局(Washington D.C.,20559)のユーザドキュメンテーションにファイルされており、米国著作権登録番号TXU510087の下に登録されており、国際公開第2001/007611号に記載されている。
【0118】
[00032]別途指示がない限り、本明細書における目的のために、アミノ酸配列同一性パーセントの値は、FASTAパッケージバージョン36.3.8cのggsearchプログラムを使用して、又はその後BLOSUM50比較マトリックスを用いて生成される。FASTAプログラムパッケージは、W.R.Pearson及びD.J.Lipman(1988),「Improved Tools for Biological Sequence Analysis」,PNAS 85:2444-2448;W.R.Pearson (1996)「Effective protein sequence comparison」Meth.Enzymol.266:227-258;並びにPearsonら(1997)Genomics 46:24-36によって作成され、www.fasta.bioch.virginia.edu/fasta_www2/fasta_down.shtml又はwww.ebi.ac.uk/Tools/sss/fastaから公的に入手可能である。あるいは、fasta.bioch.virginia.edu/fasta_www2/index.cgiでアクセス可能な公的なサーバーを使用して、ggsearch(global protein:protein)プログラム及びデフォルトオプション(BLOSUM50;open:-10;ext:-2;Ktup=2)を用い、ローカルではなくグローバルのアラインメントを確実に行い、配列を比較することができる。アミノ酸同一性パーセントは、出力アラインメントヘッダ中に与えられる。
【0119】
[00033]「薬学的組成物」又は「薬学的製剤」という用語は、それに含有される有効成分の生物活性が有効になるような形態であるとともに、薬学的組成物を投与され得る対象に対して許容できないほど毒性である追加の成分を含有しない、調製物を指す。
【0120】
[00034]「薬学的に許容される担体」は、対象にとって非毒性である、薬学的組成物又は製剤中の有効成分以外の成分を指す。薬学的に許容される担体には、バッファー、添加物、安定剤、又は防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
[00035]本明細書で使用される場合、「治療(treatment)」(及び「治療する(treat)」又は「治療すること(treating)」などのその文法的変化形)は、治療される個体の疾患の自然な経過を変化させる試みにおける臨床的介入を指し、予防のために又は臨床病理学の過程で行われ得る。治療の望ましい効果には、疾患の発症又は再発を予防すること、症状の緩和、疾患の直接的又は間接的な病理学的帰結の縮小、転移の予防、疾患進行の速度を遅らせること、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、本発明のポリペプチドは、疾患の発症を遅延させるために、又は疾患の進行を遅らせるために使用される。
【0122】
[00036]「ベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、連結している別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクターと、導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターとを含む。ある種のベクターは、作用可能に連結された核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
【0123】
II.組成物及び方法
[00037]いくつかの態様では、本発明は、部分的に安定化IL-18ポリペプチドに基づく。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合を含む。安定化IL-18ポリペプチドは、例えば、がん、感染性疾患、及び炎症の治療に有用である。
【0124】
A.例示的な安定化IL-18ポリペプチド
[00038]いくつかの態様では、本発明は安定化IL-18ポリペプチドを提供する。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドはIL-18Rαに結合する。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、100nM未満、又は50nM未満、又は30nM未満、又は20nM未満、又は10nM未満、又は0.1nMと100nMの間、又は1nMと100nMの間の親和性でIL-18Rαに結合する。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、野生型IL-18と比較してIL-18Rαに対して有意に減少した親和性でIL-18Rαに結合するか、又はIL-18Rαと検出可能に結合しない。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、50nM超、60nM超、70nM超、80nM超、90nM超、100nM超、50nMと1mMの間、60nMと1mMの間、70nMと1mMの間、80nMと1mMの間の親和性でIL-18Rαに結合する。いくつかの実施態様では、親和性は、表面プラズモン共鳴によって測定される。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、IL-18Rαに対する検出可能な結合を示さない、例えば、表面プラズモン共鳴によって測定して、81nMまで検出可能な結合を示さない。
【0125】
[00039]いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、IL-18BPに結合する。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、1nM未満、100pM未満、又は50pM未満、又は30pM未満、又は20pM、10pM未満、1fMと1nMの間、10fMと1nMの間、1fMと100pMの間、10fMと100pMの間、1fMと50pMの間、10fMと50pMの間、1fMと30pMの間、又は10fMと30pMの間の親和性でIL-18BPに結合する。いくつかの実施態様では、親和性は、表面プラズモン共鳴によって測定される。
【0126】
[00040]いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、IL-18受容体を通じたシグナル伝達を誘発する。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、例えばin vivoでのレポーターアッセイにおいて、1nM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、1pMと1nMの間、1pMと800pMの間、1pMと500pMの間、又は1pMと300pMの間のEC50でIL-18受容体を通じたシグナル伝達を誘発する。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、T細胞又はNK細胞などのヒトリンパ球においてIFNγ発現を誘発する。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、1nM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、1pMと1nMの間、1pMと800pMの間、1pMと500pMの間、又は1pMと300pMの間のEC50で、in vitroでヒトT細胞におけるIFNγ発現を誘発する。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドは、野生型ヒトIL-18よりも大幅に減少した程度で、in vitroで、T細胞又はNK細胞などのヒトリンパ球におけるIFNγ発現を誘発する。
【0127】
[00041]様々な実施態様において、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドは、ジスルフィド結合を形成することができる少なくとも1対のシステインを含むように修飾された、修飾IL-18ポリペプチドを含む。いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、1対又は2対のシステインを有する。いくつかの実施態様では、各対のシステインは、ジスルフィド結合を形成することができる。「ジスルフィド結合を形成できる」とは、生理学的条件などの適切な条件下で、システインがジスルフィド結合を形成及び/又は維持するのに十分な近接性及び配向性を有することを意味する。いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、遊離システインを含まない。様々な実施態様において、修飾IL-18ポリペプチドは、野生型成熟IL-18(配列番号1)のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、又は少なくとも97%同一である。いくつかの実施態様では、野生型成熟IL-18アミノ酸配列中の、ジスルフィド結合を形成することができるシステイン対の一部ではない任意のシステインは、セリンで置換される。したがって、いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及びC163Sのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。
【0128】
[00042]いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、以下から選択されるアミノ酸置換のセット:
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)N50C;
h)N50C及びL174C;
i)F57C及びT81C;
j)D90C及びA97C;
k)V98C及びQ139C;
l)T99C及びP124C;
m)S101C及びT109C;
n)I107C及びN123C;
o)R140C及びQ150C;並びに
p)A162C及びI185C;
を含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。いくつかのこのような実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及びC163Sのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。
【0129】
[00043]いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、以下から選択されるアミノ酸置換のセット:
a)L45C及びE192C;
b)Y37C及びS91C;
c)S43C及びS86C;
d)S46C及びV189C;
e)S46C及びI85C;
f)V47C及びQ190C;
g)F57C及びT81C;
h)D90C及びA97C;
i)V98C及びQ139C;
j)T99C及びP124C;
k)S101C及びT109C;
l)I107C及びN123C;
m)R140C及びQ150C;並びに
n)A162C及びI185C;
を含み、アミノ酸置換番号付けは図4Aに従う。いくつかのこのような実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、アミノ酸置換C74S、C104S、C112S、及びC163Sを含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。
【0130】
[00044]いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、配列番号5、9、12、13、15、18、19~24、及び27から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、修飾ヒトIL-18ポリペプチドは、配列番号5、9、12、13、15、18、19~24、及び27から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0131】
[00045]いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、アミノ酸置換N50Cを含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、アミノ酸置換L174Cを含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、置換N50C、C74S、C104S、及びC112Sを含むか、又は置換N50C、C74S、C104S、及びL174Cを含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。いくつかの実施態様では、N50Cは、天然システインC163とジスルフィド結合を形成することができる。いくつかの実施態様では、L174Cは、天然システインC112とジスルフィド結合を形成することができる。
【0132】
[00046]いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、配列番号6及び8から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、修飾ヒトIL-18ポリペプチドは、配列番号6及び8から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0133】
[00047]本明細書で提供される修飾IL-18ポリペプチドは、1つ又は複数の追加の置換を含んでいてもよい。修飾IL-18ポリペプチドに含まれ得る非限定的な例示的な追加の置換には、米国特許出願公開第2019/0070262号に記載されているものが含まれる。いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、Y37、L41、K44、M87、K89、S91、Q92、P93、G95、M96、E113、Q139、S141、D146、N147、M149、V189、及びN191から選択される位置において、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、Y37H、Y37R、L41H、L41I、L41Y、K44Q、K44R、M87T、M87K、M87D、M87N、M87E、M87R、K89R、K89G、K89S、K89T、S91K、S91R、Q92E、Q92A、Q92R、Q92V、Q92G、Q92K、Q92L、P93L、P93G、P93A、P93K、G95T、G95A、M96K、M96Q、M96R、M96L、E113D、Q139E、Q139K、Q139P、Q139A、Q139R、S141R、S141D、S141K、S141N、S141A、D146H、D146K、D146N、D146Q、D146E、D146S、D146G、N147H、N147Y、N147D、N147R、N147S、N147G、M149V、M149R、M149T、M149K、V189I、V189T、V189A、N191K及びN191Hから選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含む。
【0134】
[00048]いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、M87位、M96位、S141位、D146位、及びN147位;又はM87位、K89位、Q92位、S141位、及びN147位における置換をさらに含む。いくつかのこのような実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、置換(i)M87T若しくはM87K;(ii)M96K若しくはM96L;(iii)S141D、S141N、若しくはS141A;(iv)D146K、D146N、D146S、若しくはD146G;及び(v)N147Y、N147Y、N147R、若しくはN147Gをさらに含むか;又は置換(i)M87K;(ii)K89G若しくはK89S;(iii)Q92G、Q92R、若しくはQ92L;(iv)D146N、D146S、若しくはD146G;及び(v)N147R若しくはN147Gをさらに含む。
【0135】
[00049]いくつかの実施態様では、修飾IL-18ポリペプチドは、Y37、L41、D53、E67、T70、D71、S72、D73、D76、N77、M87、Q91、M96、Q139、H145、M149、及びR167から選択される位置において、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含み、アミノ酸番号付けは図4Aに従う。いくつかの実施態様では、修飾ヒトIL-18ポリペプチドは、Y37D、Y37F、Y37H、Y37L、L41F、L41H、D53A、D53G、D53R、D53H、E67A、E67T、E67G、E67K、E67R、T70A、T70K、T70E、D71S、D71A、D71Y、S72N、S72K、S72R、D73P、D73A、D73R、D73H、D73L、D73V、D76Y、D76S、D76A、N77K、N77S、N77R、M87F、M87L、M87I、Q91H、M96L、M96F、M96I、Q139L、Q139I、H145A、H145P、H145D、M149L、M149I、M149F及びR167Sから選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの置換をさらに含む。いくつかの実施態様では、修飾ヒトIL-18ポリペプチドは、置換D53G、E66A、及びQ139L又はQ139Iのいずれか、並びに任意選択的に置換D71S及びM87Fをさらに含む。
【0136】
[00050]本明細書に記載される実施態様のいずれかでは、安定化IL-18ポリペプチドは、修飾IL-18ポリペプチド及び融合パートナーを含み得る。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、修飾IL-18ポリペプチドを含み、融合パートナーを含まない。
【0137】
[00051]本明細書に記載される実施態様のいずれかでは、安定化IL-18ポリペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)のようなポリマーにコンジュゲートされ得る。したがって、いくつかの実施態様では、PEGなどのポリマーにコンジュゲートされた本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドを含むコンジュゲートが提供される。
【0138】
タンパク質バリアント
[00052]ある特定の態様では、本明細書で提供されるポリペプチドのアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、ポリペプチドの結合親和性及び/又は他の生物学的特性を変化させることが望ましい場合がある。ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントは、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することによって、又はペプチド合成によって、調製され得る。このような修飾には、例えば、ポリペプチドのアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又はそれへの挿入、及び/又はその置換が含まれる。欠失、挿入及び置換の任意の組み合わせは、最終コンストラクトが、所望の特徴(例えば、結合)を有する限り、最終コンストラクトに到達するように行うことができる。
【0139】
a)置換、挿入、及び欠失バリアント
[00053]ある特定の態様では、1つ又は複数のアミノ酸置換を有するポリペプチドバリアントが提供される。保存的置換は、「好ましい置換」の見出しの下に表1に示されている。さらに実質的な変化は、「例示的な置換」という見出しの下に表1に提供され、アミノ酸側鎖クラスを参照して以下にさらに記載される通りである。アミノ酸置換を目的のポリペプチドに導入し、その生成物を所望の活性、例えば、受容体結合の増加若しくは減少、効力の増加若しくは減少、免疫原性の減少、生産収率の改善、及び/又は半減期の改善についてスクリーニングすることができる。
【0140】
[00054]アミノ酸は、共通の側鎖特性に従ってグループ分けされ得る:
(1)疎水性:ノルロイシン,Met,Ala,Val,Leu,Ile;
(2)中性の親水性:Cys,Ser,Thr,Asn,Gln;
(3)酸性:Asp,Glu;
(4)塩基性:His,Lys,Arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly,Pro;
(6)芳香族:Trp,Tyr,Phe。
【0141】
[00055]非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのあるメンバーを別のクラスのあるメンバーと交換することを伴う。
【0142】
[00056]突然変異誘発のために標的とすることができるポリペプチドの残基又は領域を同定するための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085により記載されているように、「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。この方法では、残基又は標的残基のグループ(例えばarg、asp、his、lys及びglu等の荷電残基)が同定され、ポリペプチドの、例えばその受容体との相互作用が影響を受けるかどうかを判定するために、中性又は負荷電アミノ酸(例えばアラニン又はポリアラニン)により置き換えられる。最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置にさらなる置換を導入することもできる。あるいは、又は加えて、ポリペプチド-受容体複合体の結晶構造を使用して、ポリペプチドとその受容体との間の接触点を同定してもよい。このような接触残基及び隣接残基は、置換の候補として標的にしても排除してもよい。バリアントは、所望の特性を有するか否かを決定するためにスクリーニングされてもよい。
【0143】
[00057]アミノ酸配列の挿入には、長さが残基1個から100個又はそれ以上の残基を含有するポリペプチドまで及ぶアミノ末端融合及び/又はカルボキシ末端融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例には、N末端メチオニル残基を有するポリペプチドが含まれる。ポリペプチドの他の挿入バリアントには、例えばポリペプチドの血清半減期を増加させるための、N末端又はC末端への融合が含まれる。
【0144】
例示的な融合パートナー
[00058]いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、融合パートナーを含む。いくつかの実施態様では、融合パートナーは、安定化IL-18ポリペプチドの半減期を延長し、且つ/又はポリペプチドの精製を助けることができる。いくつかの実施態様では、融合パートナーは抗原結合ドメインである。様々な融合パートナーが当該技術分野で知られており、Fc領域、アルブミン、抗体、Fabs、scFv、及びVHHドメインなどが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様では、融合パートナーはヒトタンパク質由来である。いくつかの実施態様では、融合パートナーは、例えば、望ましい特性を付与するために、それが由来するヒトタンパク質と比較して置換を含む。
【0145】
Fc領域
[00059]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドは、Fc領域を含む。様々な実施態様では、Fc領域は、ヒトIgG、IgG、IgG又はIgG Fc領域である。
【0146】
[00060]ある特定の態様では、1つ又は複数のアミノ酸修飾は、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドの融合パートナーに導入されて、それによりポリペプチドが生成され得る。ポリペプチドは、例えば、1つ又は複数のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgGFc領域、ヒトIgG Fc領域、ヒトIgG Fc領域、又はヒトIgG Fc領域)を含み得る。
【0147】
[00061]ある特定の態様では、本発明は、全てではないがいくつかのエフェクター機能を有することで、Fc領域を含むポリペプチドのin vivo半減期が重要でありながら、ある特定のエフェクター機能(例えば補体依存性細胞傷害(CDC)及び抗体依存性細胞傷害(ADCC))が不必要又は有害である用途に対して望ましい候補となる、Fc領域を企図する。CDC及び/又はADCC活性の低下/枯渇を確認するために、in vitro及び/又はin vivoの細胞傷害性アッセイを実行することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、Fc領域を含むポリペプチドがFcγR結合を欠いている(したがって、ADCC活性を欠いている可能性が高い)が、FcRn結合能力を保持していることを確実にするために行うことができる。ADCCを媒介するための主な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するのに対して、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcRの発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492 (1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのin vitroアッセイの非限定的な例は、米国特許第5500362号 (例えばHellstrom,I et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063 (1986)を参照)及びHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502 (1985);5,821,337 (Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361 (1987)を参照)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を用いてもよい(例えばフローサイトメトリー用のACTITM非放射性細胞傷害性アッセイ (CellTechnology,Inc.Mountain View,CA);及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照)。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核球(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、又は加えて、目的のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されるような動物モデルにおいて、in vivoで評価され得る。また、C1q結合アッセイを実施して、Fc領域を含むポリペプチドはC1qに結合することができないためにCDC活性を欠くことを確認することができる。例えば、国際公開第2006/029879号及び同第2005/100402号のC1q及びC3c結合ELISAを参照のこと。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行うことができる(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照)。FcRn結合及びin vivoクリアランス/半減期の決定も、当該技術分野で既知の方法を用いて実施することができる(Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006);国際公開第2013/120929号を参照)。
【0148】
[00062]エフェクター機能が低下したFc領域を含むポリペプチドしては、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327及び329のうちの1つ又は複数の置換を有するものが挙げられる(米国特許第6,737,056号)。このようなFc変異体には、アラニンへの残基265及び297の置換を有する、いわゆる「DANA」Fc変異体を含め、アミノ酸位置265、269、270、297及び327のうちの2つ以上において置換を有するFc変異体が含まれる(米国特許第7332581号)。
【0149】
[00063]FcRへの結合が改善又は減少したある特定のFc領域が記載されている。(例えば、米国特許第6737056号;国際公開第2004/056312号、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604 (2001)を参照)。
【0150】
[00064]ある特定の態様では、ポリペプチドは、ADCCを改善する1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、及び/又は334位(残基のEU番号付け)における置換を有するFc領域を含む。
【0151】
[00065]ある特定の態様では、ポリペプチドは、FcγR結合を減少させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の234位及び235位(残基のEU番号付け)における置換を有するFc領域を含む。いくつかの態様では、置換はL234A及びL235A(LALA)である。ある特定の態様では、Fc領域は、ヒトIgG Fc領域に由来するFc領域に、D265A及び/又はP329Gをさらに含む。いくつかの態様では、置換は、ヒトIgGFc領域に由来するFc領域における、L234A、L235A、及びP329G(LALA-PG)である。(例えば、国際公開第2012/130831号を参照)。いくつかの態様において、置換は、ヒトIgGFc領域に由来するFc領域における、L234A、L235A、及びD265A(LALA-DA)である。
【0152】
[00066]いくつかの態様では、例えば、米国特許第6194551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184 (2000)に記載されているように、C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)の変化(すなわち、改善又は減少のいずれか)をもたらす改変が、Fc領域内において行われる。
【0153】
[00067]半減期が延長され、胎児への母性IgGの移動を担う(Guyer et al.,J.Immunol.117:587 (1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249 (1994))新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善されたポリペプチドが、米国特許出願公開第2005/0014934号(Hintonら)に記載されている。それらのポリペプチドは、FcRnへのFc領域の結合を改善する1つ又は複数の置換を中に有する融合パートナーFc領域を含む。このようなFcバリアントには、Fc領域残基:238、252、254、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、又は434のうちの1つ又は複数において置換、例えば、Fc領域残基434の置換を有するものが含まれる(例えば、米国特許第7371826号;Dall’Acqua,W.F.,et al.J.Biol.Chem.281(2006)23514-23524を参照)。
【0154】
[00068]マウスFc-マウスFcRn相互作用に重要なFc領域残基は、部位特異的突然変異誘発によって同定されている(例えばDall’Acqua,W.F.,et al.J.Immunol 169 (2002)5171-5180を参照)。残基I253、H310、H433、N434、及びH435(EUインデックス番号付け)が、相互作用に関与する(Medesan,C.,et al.,Eur.J.Immunol.26 (1996)2533;Firan,M.,et al.,Int.Immunol.13 (2001)993;Kim,J.K.,et al.,Eur.J.Immunol.24 (1994)542)。残基I253、H310及びH435は、ヒトFcとマウスFcRnとの相互作用にとって重要であることが見出された(Kim,J.K.,et al.,Eur.J.Immunol.29 (1999)2819)。ヒトFc-ヒトFcRn複合体の研究により、この相互作用には残基I253、S254、H435及びY436が重要であることが示されている(Firan,M.,et al.,Int.Immunol.13 (2001)993;Shields,R.L.,et al.,J.Biol.Chem.276 (2001)6591-6604)。Yeung,Y.A.,et al.(J.Immunol.182 (2009)7667-7671)では、残基248~259及び301~317及び376~382及び424~437の様々な変異体が報告され、調査されている。
【0155】
[00069]ある特定の態様では、ポリペプチドは、FcRn結合を低下させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の253位、及び/又は310位、及び/又は435位(残基のEU番号付け)における置換を有するFc領域を含む。ある特定の態様では、ポリペプチドは、253位、310位及び435位にアミノ酸置換を有するFc領域を含む。いくつかの態様では、置換は、ヒトIgG1 Fc領域に由来するFc領域における、I253A、H310A、及びH435Aである。例えば、Grevys,A.,et al.,J.Immunol.194(2015)5497-5508を参照のこと。
【0156】
[00070]ある特定の態様では、ポリペプチドは、FcRn結合を低下させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の310位、及び/又は433位、及び/又は436位(残基のEU番号付け)における置換を有するFc領域を含む。ある特定の態様では、ポリペプチドは、310位、433位及び436位にアミノ酸置換を有するFc領域を含む。いくつかの態様では、置換は、ヒトIgG1 Fc領域に由来するFc領域における、H310A、H433A、及びY436Aである。(例えば、国際公開第2014/177460号を参照)。
【0157】
[00071]ある特定の態様では、ポリペプチドは、FcRn結合を増加させる1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の252位、及び/又は254位、及び/又は256位(残基のEU番号付け)における置換を有するFc領域を含む。ある特定の態様では、ポリペプチドは、252位、254位及び256位にアミノ酸置換を有するFc領域を含む。いくつかの態様では、置換は、ヒトIgG Fc領域に由来するFc領域におけるM252Y、S254T、及びT256Eである。Fc領域バリアントの他の例に関しては、Duncan&Winter,Nature 322:738-40(1988)、米国特許第5648260号、米国特許第5624821号、及び国際公開第94/29351号も参照されたい。
【0158】
B.組み換え方法及び組成物
[00072]いくつかの実施態様では、本明細書で報告される方法で使用される安定化IL-18ポリペプチドをコードする単離された核酸が提供される。
【0159】
[00073]いくつかの態様では、安定化IL-18ポリペプチドを作製する方法であって、上で提供されたように、ポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を、ポリペプチドの発現に好適な条件下で培養することと、任意に、ポリペプチドを宿主細胞(又は宿主細胞培養物)から回収することとを含む、方法が提供される。
【0160】
[00074]IL-18ポリペプチドの組み換え産生に関しては、例えば上述の、ポリペプチドをコードする核酸が単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/又は発現のために、1つ又は複数のベクターに挿入される。そのような核酸は、容易に、従来の手順を使用して単離及び配列決定すること、又は組み換え方法により産生すること、又は化学合成によって得ることができる。
【0161】
[00075]ポリペプチドをコードするベクターのクローニング又は発現に適した宿主細胞は、本明細書に記載の原核生物細胞又は真核細胞を含む。
【0162】
[00076]いくつかの実施態様では、脊椎動物細胞を宿主として使用することもできる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合されている哺乳動物細胞株は有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、SV40(COS-7)によって形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胎児腎臓株(例えば、Graham,F.L.et al.,J.Gen Virol.36(1977)59-74に記載されるような293細胞又は293T細胞、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,J.P.,Biol.Reprod.23(1980)243-252に記載されるようなTM4細胞)、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリサル腎臓細胞(VERO-76)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝臓細胞(Hep G2)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562)、TRI細胞(例えば、Mather,J.P.et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383(1982)44-68に記載)、MRC5細胞及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株としては、DHFR-CHO細胞(Urlaub,G.etal.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA77(1980)4216-4220)を含む、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;並びに骨髄腫細胞株、例えば、Y0、NS0及びSp2/0が挙げられる。
【0163】
[00077]いくつかの態様では、宿主細胞は、真核生物、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ球細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。
【0164】
C.アッセイ
[00078]本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドは、それらの物理的/化学的特性及び/又は生物活性について、当該技術分野で既知の様々なアッセイによって、同定され得るか、スクリーニングされ得るか、又は特徴付けられ得る。
【0165】
1.結合アッセイ及びその他のアッセイ
[00079]いくつかの態様では、本発明の安定化IL-18ポリペプチドは、例えばELISA、ウエスタンブロット等の既知の方法によって、その結合活性について試験される。
【0166】
[00080]いくつかの態様では、本発明の安定化IL-18ポリペプチドは、IL-18Rα又はIL-18BPに対するその結合親和性、すなわちKについて試験されるいくつかの態様では、Kは、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴アッセイを使用して測定される。例えば、BIACORE(登録商標)-2000、BIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)又はBIACORE(登録商標)8Kを使用するアッセイは、≦50反応単位(RU)で、例えばストレプトアビジンチップ上の、固定化した標的(ビオチン化IL-18Rα又はIL-18BPなど)を用いて25℃又は37℃で実施される。別の態様では、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE,Inc.)を、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いて供給業者の指示に従って活性化する。標的を、10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/ml(約0.2μM)に希釈した後、≦50反応単位(RU)の結合タンパク質を得るように、5μl/分の流量で注入する。標的の注入後、未反応群を遮断するために、1Mのエタノールアミンを注入する。動態測定のために、安定化IL-18ポリペプチドの2倍又は3倍連続希釈液を、HBS-P+バッファー(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、0.005% 界面活性剤P20)に注入する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)を、会合センサグラム及び解離センサグラムを同時に適合することによって、単純1対1(1:1)ラングミュア結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluation Software バージョン3.2又はBIACORE(登録商標)8K)を使用して計算する。平衡解離定数(K)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照。
【0167】
[00081]BIAcoreTMT200機器を使用する別の例示的なアッセイでは、例えば、ヒトIgG1定常領域を含む安定化IL-18ポリペプチドをプロテインAチップ上に捕捉して、およそ300RUを達成する。いくつかのこのような実施態様では、精製された標的の連続希釈液を、追加の3mM CaClを含むHBS-Pバッファー中に37℃で100μL/分の流量で注入する。結合率(ka)及び解離率(kd)は、1:1ラングミュア結合モデル(例えば、BIAcoreTMT200 Evaluation Software バージョン2.0)を用いて計算する。平衡解離定数(K)は、比率kd/kaとして計算され得る。
【0168】
[00082]オン速度が上記の表面プラズモン共鳴アッセイによって10-1-1を超える場合、このオン速度は、撹拌されたキュベットを備えるストップフローを装備した分光光度計(Aviv Instruments)又は8000シリーズSLM-AMINCOTM分光光度計(ThermoSpectronic)等の分光計において測定される、漸増濃度の標的の存在下で、25℃でのPBS(pH7.2)中の20nM安定化IL-18ポリペプチドの蛍光発光強度(励起=295nm、発光=340nm、16nm帯域通過)の増加又は減少を測定する、蛍光クエンチ技法を使用することによって、決定され得る。
【0169】
[00083]いくつかの実施態様では、レポーターアッセイは、例えば本明細書に記載されるように、安定化IL-18ポリペプチドの効力を決定するために使用される。例示的なアッセイは以下の通りである。HEK293細胞は、IL-18受容体を発現するように安定的にトランスフェクトされている。IL-18受容体シグナル伝達は、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の発現を促進し、SEAPは比色試薬を用いて測定される。
【0170】
[00084]さらなる例示的なアッセイにおいて、IL-18ポリペプチドは、例えば、本明細書に記載されるように、IFNγ産生を測定することによって天然T細胞アッセイを使用して効力について試験され得る。例示的なアッセイは以下の通りである。末梢血単核細胞は、例えばSepMate Isolation Tubes(STEMCELL Technologies,15460)を用いて、全血から単離される。ヒトT細胞は、例えば免疫磁気陰性選択キット(STEMCELL Technologies,17951)を用いて、PBMCから単離される。CD3及びCD28でプレコートした384ウェルプレート上に、細胞を1×10細胞/ウェルで播種する。安定化IL-18ポリペプチドの濃度範囲、例えば0.5から10,000pM、又は5から100,000pMで細胞を刺激する。細胞は、NEAA、ピルビン酸ナトリウム、β-メルカプトエタノール、及びヒトIL-12を補充した10%FBS RPMI培地中、37℃、5%CO2で培養される。24時間後、上清中のIFN-γ産生を、例えばヒトIFN-γ HTRFキット(Cisbio、62HIFNGPEG)を用いて測定する。
【0171】
[00085]ある特定の実施態様では、安定化IL-18タンパク質は、SepMate Isolation Tubes(STEMCELL Technologies、15460)を介して全血から単離された末梢血単核細胞の刺激について試験される。ヒトT細胞は、免疫磁気陰性選択キット(STEMCELL Technologies,17951)によって、PBMCから単離される。CD3(5ug/mL、Thermofisher、16-0037-85)及びCD28(5ug/mL、Biosciences 555725)でプレコートした384ウェルプレート上に、細胞を1×104細胞/ウェルで播種する。ヒトIL-18刺激アッセイでは、細胞の濃度は0.5から10,000pMの範囲である。より減弱したIL-18分子については、濃度を5から100,000pMの範囲に増加させる。すべての処理は、NEAA(希釈1:100、Gibco 11140-050)、ピルビン酸ナトリウム(希釈1:100、Gibco 11360-070)、b-メルカプトエタノール(希釈1:1000、Gibco 21985-023)及びヒトIL-12(10ng/mL、R&D、219-IL-025/CF)を補充した10% FBS RPMI培地中、37℃、5% CO2でインキュベートされる。24時間後、上清中のIFN-γ産生をヒトIFN-γ HTRFキット(Cisbio、62HIFNGPEG)を用いて測定する。
【0172】
D.診断及び検出のための方法及び組成物
[00086]ある特定の態様では、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドのいずれも、生物学的サンプル中のIL-18BP又はIL-18Rαの存在を検出する野に有用である。本明細書で使用される場合、「検出する」という用語は、定量的又は定性的な検出を包含する。ある特定の態様では、生物学的試料は、痰、分泌細胞、気道上皮細胞、免疫細胞、肺細胞若しくは組織、又は気管支細胞若しくは組織などの生物学的流体、細胞、又は組織を含む。
【0173】
[00087]いくつかの態様では、診断又は検出の方法に使用するための安定化IL-18ポリペプチドが提供される。さらなる態様では、生物学的サンプル中のIL-18BP又はIL-18Rαの存在を検出する方法が提供される。ある特定の態様では、本方法は、安定化IL-18ポリペプチドのIL-18BP又はIL-18Rαに対する結合を許容する条件下で、生物学的サンプルを本明細書に記載の安定化IL-18ポリペプチドと接触させることと、安定化IL-18ポリペプチドとIL-18BP又はIL-18Rαとの間に複合体が形成されているかどうかを検出することとを含む。そのような方法は、in vitro又はin vivoの方法であり得る。いくつかの態様では、例えば、IL-18BP又はIL-18Rαが患者の選択のためのバイオマーカーである場合、安定化IL-18ポリペプチドを使用して、IL-18BP又はIL-18Rαを用いた療法に適格な対象を選択する。
【0174】
[00088]ある特定の態様では、標識された安定化IL-18ポリペプチドが提供される。標識には、直接検出される標識又は部分(蛍光、発色団、高電子密度、化学発光、及び放射性標識など)、並びに間接的に検出される、例えば、酵素反応又は分子相互作用による酵素又はリガンドなどの部分が含まれるが、これらに限定されない。例示的な標識には、放射性同位元素32P、14C、125I、H、及び131I、希土類キレート又はフルオレセイン及びその誘導体などのフルオロフォア、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、ルセリフェラーゼ、例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタラジンジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ、例えばグルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ウリカーゼやキサンチンオキシダーゼなどの複素環式オキシダーゼを、HRP、ラクトペルオキシダーゼ、又はミクロペルオキシダーゼ、ビオチン/アビジン、スピン標識、バクテリオファージ標識、安定したフリーラジカルなどの色素前駆体を酸化するために過酸化水素を使用する酵素と結合したものなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0175】
E.薬学的組成物
[00089]さらなる態様では、例えば、以下の治療方法のいずれかにおける使用のための、本明細書で提供されるポリペプチドのいずれかを含む、薬学的組成物が提供される。いくつかの態様では、薬学的組成物は、本明細書で提供されるポリペプチドのいずれかと、薬学的に許容される担体とを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、本明細書で提供されるポリペプチドのいずれかと、少なくとも1つの追加の治療剤、例えば、以下に記載するものとを含む。
【0176】
[00090]本明細書中に記載されるような安定化IL-18タンパク質の薬学的組成物は、凍結乾燥された組成物又は水溶液の形態で、所望の純度を有するそのようなポリペプチドを1つ又は複数の任意選択的な薬学的に許容される担体(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))と混合することによって調製される。薬学的に許容される担体は、一般に、用いられる投与量及び濃度においてレシピエントに対して無毒性であり、それらとしては、緩衝剤、例えば、ヒスチジン、リン酸、クエン酸、酢酸及び他の有機酸;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル若しくはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルパラベン若しくはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン若しくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン若しくはリジン;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース若しくはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖類、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース若しくはソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);並びに/又は非イオン性界面活性物質、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体には、可溶性中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)どの間質性薬物分散剤、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Halozyme,Inc.)などのヒト可溶性PH-20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質がさらに含まれる。ある特定の例示的なsHASEGP及び使用方法は、rHuPH20を含め、米国特許出願公開第2005/0260186号及び第2006/0104968号に記載されている。いくつかの態様では、sHASEGPは、1つ又は複数の追加のグリコサミノグリカナーゼ(例えば、コンドロイチナーゼ)と組み合わされる。
【0177】
[00091]本明細書の薬学的組成物はまた、治療されている特定の適応症に必要とされる複数の有効成分、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない補完的な活性を有するものを含み得る。例えば、化学療法剤及び/又は免疫腫瘍学的薬剤をさらに提供することが望ましい場合がある。いくつかの実施態様では、追加の治療剤は、免疫腫瘍学的薬剤である。このような有効成分は、意図される目的に有効な量で組み合わせて好適に存在する。
【0178】
[00092]有効成分は、例えばコアセルベーション技術によって又は界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロース若しくはゼラチンマイクロカプセル及びポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、及びナノカプセル)中に、あるいはマクロエマルション中に封入され得る。そのような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.,(1980)に開示されている。
【0179】
[00093]徐放性用の薬学的組成物が調製され得る。徐放性調製物の適切な例には、ポリペプチドを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスが含まれ、そのマトリックスは、成形品、例えば、フィルム、又はマイクロカプセルの形態である。
【0180】
[00094]in vivoでの投与に用いられる薬学的組成物は、一般に滅菌されている。滅菌は、例えば滅菌濾過膜による濾過によって容易に達成され得る。
【0181】
F.治療方法及び投与経路
[00095]本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドのいずれも、治療方法に使用され得る。
【0182】
[00096]一態様では、医薬としての使用のための安定化IL-18ポリペプチドが提供される。さらなる態様では、がんの治療における使用のための安定化IL-18ポリペプチドが提供される。がんの例としては、癌腫、腺癌、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施態様では、本発明のポリペプチドを用いる治療に適しているがんには、腺癌(例えば、結腸直腸腺癌、胃腺癌、又は膵臓腺癌)(転移性腺癌(例えば、転移性結腸直腸腺癌、転移性胃腺癌、又は転移性膵臓腺癌)であってもよい)、食道がん、胃がん(gastric or stomach cancer)、小腸がん、大腸がん、小細胞肺がん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、黒色腫、乳癌、胃がん、結腸直腸がん(CRC)、肝細胞癌、乳がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部組織肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、卵巣がん、中皮腫、及び多発性骨髄腫が含まれる。他の実施態様では、がんは、ホジキンリンパ腫を除くが、胚中心B細胞様(GCB)DLBCL、活性化B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞前リンパ球性白血病、脾臓辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、脾臓リンパ腫/白血病、分類不能な脾臓びまん性赤髄小B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病変異型、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、形質細胞骨髄腫、骨の孤立性形質細胞腫、骨外性形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外性辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球に富む大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、下肢型、高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症関連DLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、HHV8関連多中心性キャッスルマン病に発生した大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫を含む成熟B細胞がん:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫、及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と古典的ホジキンリンパ腫の中間の特徴を有する分類不能のB細胞リンパ腫のクラスから選択される。さらなる実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、感染症疾患の治療における使用のためのものである。
【0183】
[00097]ある特定の態様では、治療方法に使用するための安定化IL-18ポリペプチドが提供される。ある特定の態様では、本発明は、がんを有する個体に有効量の安定化IL-18ポリペプチドを投与することを含む、該個体を治療する方法における使用のための安定化IL-18ポリペプチドを提供する。そのような一態様では、方法は、例えば、以下に記載されるように、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの追加の治療剤)を個体に投与することをさらに含む。さらなる態様では、本発明は、細胞上のIL-18受容体を活性化するのに使用するための安定化IL-18ポリペプチドを提供する。ある特定の態様では、本発明は、個体に有効量の安定化IL-18ポリペプチドを投与して細胞上のIL-18受容体を活性化することを含む、個体における細胞上のIL-18を活性化する方法における使用のための安定化IL-18ポリペプチドを提供する。
【0184】
[00098]さらなる態様では、本発明は、リンパ球上のIFNγ発現を誘発するのに使用するための安定化IL-18ポリペプチドを提供する。ある特定の態様では、本発明は、個体に有効量の安定化IL-18ポリペプチドを投与してリンパ球におけるIFNγ発現を誘発することを含む、個体のリンパ球におけるIFNγ発現を誘発する方法における使用のための安定化IL-18ポリペプチドを提供する。
【0185】
[00099]さらなる態様では、本発明は、リンパ球を活性化するのに使用するための安定化IL-18ポリペプチドを提供する。ある特定の態様では、本発明は、個体に有効量の安定化IL-18ポリペプチドを投与してリンパ球を活性化することを含む、個体のリンパ球を活性化する方法における使用のための安定化IL-18ポリペプチドを提供する。
【0186】
[000100]さらなる実施態様では、本発明は、医薬の製造又は調製における安定化IL-18ポリペプチドの使用を提供する。一態様では、医薬は、がんの治療のためのものである。がんの例としては、癌腫、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。そのようながんのより特定の例としては、扁平上皮細胞がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺癌腫、肺扁平上皮癌腫、腹膜のがん、肝細胞癌、消化器がん、膵がん、神経膠腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝がん、乳がん、結腸がん、直腸結腸がん、子宮内膜又は子宮の癌、唾液腺癌、腎臓がん、肝臓がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝癌、白血病及び他のリンパ増殖性障害並びに様々なタイプの頭頸部がんが挙げられる。さらなる実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、感染症疾患の治療における使用のためのものである。さらなる態様では、医薬は、がんを有する個体に有効量の医薬を投与することを含む、がんを治療する方法に使用するためのものである。そのような一態様では、方法は、例えば、以下に記載されるように、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することをさらに含む。
【0187】
[000101]さらなる態様では、本発明は、がんを治療するための方法を提供する。一態様では、本方法は、そのようながんを有する個体に有効量の安定化IL-18ポリペプチドを投与することを含む。そのような一態様では、方法は、以下に記載されるように、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することをさらに含む。
【0188】
[000102]本明細書で提供される態様のいずれかによる「個体」は、好ましくはヒトである。
【0189】
[000103]さらなる態様では、本発明は、例えば上記の治療方法のいずれかにおいて使用するための、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドのいずれかを含む薬学的組成物を提供する。一態様では、薬学的組成物は、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドのいずれかと、薬学的に許容される担体とを含む。別の態様では、薬学的組成物は、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドのいずれかと、少なくとも1つの追加の治療剤、例えば、以下に記載するものとを含む。
【0190】
[000104]本発明の安定化IL-18ポリペプチドは、単独で投与することも、併用療法で使用することもできる。例えば、併用療法は、本発明の安定化IL-18ポリペプチドを投与することと、少なくとも1つの追加の治療剤(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの追加の治療剤)を投与することとを含む。いくつかの実施態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、免疫腫瘍学的薬剤及び/又は化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0191】
[000105]ある特定の態様では、併用療法は、本発明の安定化IL-18ポリペプチドを投与することと、少なくとも1つの追加の治療剤、例えば、腫瘍関連抗原に結合する抗体;CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IL-15、IL-27、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、若しくはTLRアゴニスト;又はPD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD47、SIRPα、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、若しくはIL-13アンタゴニストである抗体と、を投与することとを含む。
【0192】
[000106]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される安定化IL-18ポリペプチドは、少なくとも1つの免疫腫瘍学的薬剤と共に投与される。いくつかの実施態様では、免疫腫瘍学的薬剤は、活性化共刺激分子に対するアゴニストである。いくつかの実施態様では、免疫腫瘍学的薬剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。様々な実施態様では、免疫腫瘍学的薬剤は抗体である。
【0193】
[000107]理論に拘束されることを望むものではないが、活性化共刺激分子を促進することによる又は陰性共刺激分子を阻害することによるT細胞刺激の増強が、腫瘍細胞死を促し、それによってがんを治療又はがんの進行を遅延し得ると考えられる。したがって、いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、活性化共刺激分子に対するアゴニストと共に投与され得る。いくつかの例では、活性化共刺激性分子には、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IL-15、IL-27、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、又はTLRが含まれ得る。いくつかの例では、活性化共刺激分子に対するアゴニストは、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IL-15、IL-27、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、又はTLRに結合するアゴニスト抗体である。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、抑制性共刺激分子に対するアンタゴニストとの組み合わせで投与され得る。いくつかの例では、抑制性共刺激分子には、PD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD47、SIRPα、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、又はIL-13が含まれ得る。いくつかの例では、抑制性共刺激分子に対するアンタゴニストは、PD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、CD47、SIRPα、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、又はIL-13に結合するアンタゴニスト抗体である。
【0194】
[000108]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CTLA-4(CD152としても知られている)に対するアンタゴニスト、例えば、遮断抗体と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、イピリムマブと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、トレメリムマブ(チシリムマブとしても知られている)と組み合わせて投与され得る。
【0195】
[000109]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、B7-H3(CD276としても知られている)に対するアンタゴニスト、例えば、遮断抗体と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、MGA271と組み合わせて投与され得る。
【0196】
[000110]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、TGFベータに対するアンタゴニスト、例えば、メテリムマブ、フレソリムマブ、又はLY2157299と組み合わせて投与され得る。
【0197】
[000111]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞(例えば、細胞毒性T細胞又は細胞毒性リンパ球(CTL))の養子移入を含む処置と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、優性陰性TGFベータ受容体、例えば、優性陰性TGFベータII型受容体を含むT細胞の養子移入を含む処置と組み合わせて投与され得る。
【0198】
[000112]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CD137(TNFRSF9、4-1BB、又はILAとしても知られている)に対するアゴニスト、例えば、活性化抗体と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、ウレルマブと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、ウトミルマブと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、INBRX-105と組み合わせて投与され得る。
【0199】
[000113]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CD40に対するアゴニスト、例えば、活性化抗体と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CP-870893と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、APX005Mと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、OX40(CD134としても知られている)に対するアゴニスト、例えば、活性化抗体と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、抗OX40抗体(例えば、AgonOX)と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、PF-04518600(PF-8600)と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、MEDI0562、MEDI6469、及び/又はMEDI6383と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、GSK3174998と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、BMS986178と組み合わせて投与され得る。
【0200】
[000114]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CD27に対するアゴニスト、例えば、活性化抗体と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、バルリルマブと組み合わせて投与され得る。
【0201】
[000115]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドはICOSに対するアゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、ボプラテリマブと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、GSK3359609と組み合わせて投与され得る。
【0202】
[000116]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、IL-15アゴニストと組み合わせて投与され得る。
【0203】
[000117]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、IL-27アゴニストと組み合わせて投与され得る。
【0204】
[000118]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、GITRに対するアゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、TRX 518-001と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、MK-4166と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、BMS-986156と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、INCAGN01876と組み合わせて投与され得る。
【0205】
[000119]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CD70に対するアゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、クサツズマブと組み合わせて投与され得る。
【0206】
[000120]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、VISTAに対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、VISTAアンタゴニストはCA-170である。
【0207】
[000121]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CCR4に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、CCR4アンタゴニストはモガムリズマブである。
【0208】
[000122]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、B7-H3に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、B7-H3アンタゴニストはMGD009である。いくつかの例では、B7-H3アンタゴニストは8H9である。
【0209】
[000123]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、TIM-3に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、TIM-3アンタゴニストはTSR-022である。いくつかの例では、TIM-3アンタゴニストはMBG453である。いくつかの例では、TIM-3アンタゴニストはSym023である。いくつかの例では、TIM-3アンタゴニストはオレクルマブである。
【0210】
[000124]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、LAG-3に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、LAG-3アンタゴニストはレラトリマブである。いくつかの例では、LAG-3アンタゴニストはIMP321(エフチラギモド アルファ)である。いくつかの例では、LAG-3アンタゴニストはLAG525である。
【0211】
[000125]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、KIR(2DL1-3)に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、KIRアンタゴニストはリリルマブである。
【0212】
[000126]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、IDO-1,2に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、IDO-1,2アンタゴニストはインドキシモドである。いくつかの例では、IDO-1,2アンタゴニストはエパカドスタットである。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、IDOアンタゴニストは、1-メチル-D-トリプトファン(1-D-MTとしても知られる)である。
【0213】
[000127]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、TIGITに対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、TIGITアンタゴニストはチスレリズマブである。いくつかの例では、TIGITアンタゴニストはチラゴルマブである。いくつかの例では、TIGITアンタゴニストはBMS-986207である。いくつかの例では、TIGITアンタゴニストはMTIG7192Aである。いくつかの例では、TIGITアンタゴニストはAB154である。
【0214】
[000128]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、A2aRに対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、A2aRアンタゴニストはシフォラデナントである。
【0215】
[000129]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、形質転換増殖因子βに対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、形質転換増殖因子βアンタゴニストはM7824である。いくつかの例では、形質転換増殖因子βアンタゴニストはカルニセルチブ(calunisertib)である。
【0216】
[000130]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CD47に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、CD47アンタゴニストはTTI-621である。いくつかの例では、CD47アンタゴニストはALX148(エボルパセプト)である。いくつかの例では、CD47アンタゴニストはマグロリマブである。
【0217】
[000131]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CD73に対するアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、CD73はオレクルマブである。
【0218】
[000132]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、toll様受容体に対する薬剤と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、PolyICICと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、レフチトリモド(leftitolimod)と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、SD101と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、DSP-0509と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、リンタトリモドと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CMP-001と組み合わせて投与され得る。
【0219】
[000133]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、インターロイキン2受容体に対する薬剤と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、NKTR-214と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、RO6874281と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、THOR-707と組み合わせて投与され得る。
【0220】
[000134]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、アルギナーゼ阻害剤と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、CB-1158と組み合わせて投与され得る。
【0221】
[000135]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、腫瘍溶解性ペプチドと組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、LTX-315と組み合わせて投与され得る。
【0222】
[000136]いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、インターロイキン10と組み合わせて投与され得る。いくつかの例では、安定化IL-18ポリペプチドは、ペギロデカキンと組み合わせて投与され得る。
【0223】
[000137]別の実施態様では、PD-1軸結合アンタゴニストと組み合わせて、がんを治療する及び/又はがんの進行を遅延させるために安定化IL-18ポリペプチドを使用する方法が提供される。がんを有する個体に有効量の安定化IL-18ポリペプチド及び有効量のPD-1軸結合アンタゴニストを投与することを含む、該個体における免疫機能を増強する方法が、本明細書でさらに提供される。PD-1軸結合アンタゴニストは、PD-1結合アンタゴニスト、PD-L1結合アンタゴニスト、及びPD-L2結合アンタゴニストを含む。
【0224】
[000138]「PD-1軸結合アンタゴニスト」という用語は、PD-1シグナル伝達軸でのシグナル伝達から生じるT細胞機能障害を除去し、結果としてT細胞機能(例えば、増殖、サイトカイン産生、標的細胞殺滅)が修復又は増強されるように、PD-1軸結合パートナーの、その結合パートナーのうちの1つ又は複数のいずれかとの相互作用を阻害する分子である。本明細書で使用される場合、PD-1軸結合アンタゴニストは、PD-1結合アンタゴニスト、PD-L1結合アンタゴニスト、及びPD-L2結合アンタゴニストを含む。
【0225】
[000139]「PD-1結合アンタゴニスト」という用語は、PD-1の、PDL1、PDL2等のその結合パートナーのうちの1つ又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させるか、遮断するか、阻害するか、無効化するか、又はそれに干渉する分子である。いくつかの実施態様では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のその結合パートナーへの結合を阻害する分子である。具体的な態様では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のPDL1及び/又はPDL2への結合を阻害する。例えば、PD-1結合アンタゴニストは、抗PD-1抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、並びにPD-1とPDL1及び/又はPDL2との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させるか、遮断するか、阻害するか、無効化するか、又はそれに干渉する他の分子を含む。一実施態様では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1を介したTリンパ球に媒介されるシグナル伝達に応じて発現した細胞表面タンパク質によって、又は同タンパク質を介して媒介される負の共刺激シグナルを低減し、機能不全T細胞の機能不全を軽減する(例えば、抗原認識に対するエフェクター応答を増強する)。いくつかの実施態様では、PD-1結合アンタゴニストは、抗PD-1抗体である。具体的な態様では、PD-1結合アンタゴニストはニボルマブである。別の具体的な態様では、PD-1結合アンタゴニストはペンブロリズマブである。別の具体的な態様では、PD-1結合アンタゴニストはCT-011(hBAT又はhBAT-1としても知られる)である。さらに別の具体的な態様では、PD-1結合アンタゴニストはAMP-224(B7-DCIgとしても知られる)である。
【0226】
[000140]「PDL1結合アンタゴニスト」という用語は、PDL1の、PD-1、B7-1等のその結合パートナーのうちの1つ又は複数のいずれかとの相互作用から生じるシグナル伝達を減少させるか、遮断するか、阻害するか、無効化するか、又はそれに干渉する分子である。いくつかの実施態様では、PDL1結合アンタゴニストは、PDL1のその結合パートナーへの結合を阻害する分子である。具体的な態様では、PDL1結合アンタゴニストは、PDL1のPD-1及び/又はB7-1への結合を阻害する。いくつかの実施態様では、PDL1結合アンタゴニストは、抗PDL1抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、及び、PDL1の、PD-1、B7-1等のその結合パートナーのうちの1つ又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させるか、遮断するか、阻害するか、無効化するか、又はそれに干渉する他の分子を含む。一実施態様では、PDL1結合アンタゴニストは、PDL1を介したTリンパ球に媒介されるシグナル伝達に応じて発現した細胞表面タンパク質によって、又は同タンパク質を介して媒介される負の共刺激シグナルを低減し、機能不全T細胞の機能不全を軽減する (例えば、抗原認識に対するエフェクター応答を増強する)。いくつかの実施態様では、PDL1結合アンタゴニストは、抗PDL1抗体である。具体的な態様では、抗PDL1抗体はアテゾリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PDL1抗体はアベルマブである。いくつかの実施態様では、抗PDL1抗体はデュルバルマブである。
【0227】
[000141]いくつかの態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、がんの治療のための併用療法において使用するためのものである。一実施態様では、併用療法は、安定化IL-18ポリペプチドを投与することと、ペンブロリズマブ及びニボルマブを含む抗PD-1抗体、又はイピリムマブを含む抗CTLA-4抗体などの少なくとも1つのチェックポイント阻害剤を投与することとを含む。一実施態様では、併用療法は、安定化IL-18ポリペプチドを投与することと、抗CTLA-4抗体及び抗PD-1抗体を投与することとを含む。一実施態様では、併用療法は、安定化IL-18ポリペプチドを投与することと、イピリムマブ及びニボルマブを投与することとを含む。
【0228】
[000142]いくつかの態様では、安定化IL-18ポリペプチドは、BRAF V600変異を有する黒色腫の治療のための併用療法において使用するためのものである。一実施態様では、併用療法は、安定化IL-18ポリペプチドを投与することと、ムラフェニブ、コビメチニブ;ダブラフェニブ、又はトラメチニブなどの少なくとも1つのMAPK経路阻害剤を投与することとを含む。一実施態様では、併用療法は、安定化IL-18ポリペプチドを投与することと、ベムラフェニブ、コビメチニブ、又はダブラフェニブなどの少なくとも1つのBRAF阻害剤、及びトラメチニブなどの少なくとも1つのMEK阻害剤を投与することとを含む。いくつかの実施態様では、併用療法は、安定化IL-18ポリペプチドと、ベムラフェニブ+コビメチニブ;又はダブラフェニブ+トラメチニブとを投与することを含む。いくつかの実施態様では、併用療法は、安定化IL-18ポリペプチドと、ペンブロリズマブ又はニボルマブと、ベムラフェニブ、コビメチニブ、若しくはダブラフェニブなどのBRAF阻害剤とを投与することを含む。
【0229】
[000143]このような上記の併用療法は、併用投与(2つ以上の治療剤が同じ又は別個の薬学的組成物に含まれる場合)、及び別個の投与を包含しており、この場合、本発明の安定化IL-18ポリペプチドの投与は、1つ又は複数の追加の治療剤の投与前、投与と同時、及び/又は投与後に行うことができる。一態様では、安定化IL-18ポリペプチドの投与及び追加の治療剤の投与は、互いの約1ヵ月以内、又は約1、2、若しくは3週間以内、又は約1、2、3、4、5、若しくは6日以内に行われる。一態様では、安定化IL-18ポリペプチド及び追加の治療剤は、治療の1日目に患者に投与される。本発明の安定化IL-18ポリペプチドはまた、手術、化学療法(すなわち、化学療法剤と組み合わせて)、及び/又は放射線療法と組み合わせて使用することができる。
【0230】
[000144]本発明の安定化IL-18ポリペプチド(及び任意の追加の治療剤)は、非経口、肺内及び鼻腔内を含む任意の好適な手段によって投与され得、局所治療が望まれる場合、病巣内投与によって投与され得る。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。投薬は、その投与が短期か又は長期かに部分的に依存して、任意の適切な経路、例えば、静脈内又は皮下注射などの注射により行うことができる。本明細書では、単回投与又は様々な時点にわたる複数回投与、ボーラス投与、パルス注入を含むがこれらに限定されない様々な投薬スケジュールが企図される。
【0231】
[000145]本発明の安定化IL-18ポリペプチドは、良好な医療行為と一致して、製剤化され、投薬され、且つ投与されるだろう。これに関連して考慮すべき要因としては、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療施術者に既知である他の要因が挙げられる。安定化IL-18ポリペプチドは、必然的にではなく任意選択的に、問題の障害を予防又は治療するために現在使用される1つ又は複数の薬剤と共に製剤化される。このような他の薬剤の有効量は、薬学的組成物中に存在する安定化IL-18ポリペプチドの量、障害又は治療の種類、及び上述の他の要因に依存する。これらは、一般に、ここに記載されている投与量と同じ投与量で、又はここに記載されている投与量の約1~99%、又は経験的/臨床的に適切であると判断される任意の投与量で、及び任意の投与経路で使用される。
【0232】
[000146]疾患の予防又は治療について、本発明の安定化IL-18ポリペプチドの適切な投与量は(単独で、又は1つ又は複数の他の追加の治療剤と組み合わせて使用される場合)、治療される疾患の種類、安定化IL-18ポリペプチドの種類、疾患の重症度及び経過、安定化IL-18ポリペプチドが予防目的又は治療目的で投与されるかどうか、以前の療法、患者の病歴及び安定化IL-18ポリペプチドへの応答、並びに主治医の裁量に依存するであろう。安定化IL-18ポリペプチドは、患者に、1回で、又は一連の治療にわたって、好適に投与される。数日以上にわたる反復投与に関しては、状態に応じて、治療は、概して、疾患症状の所望の抑制が起こるまで継続されるものとする。このような用量は、断続的に、例えば、毎週又は3週間毎(例えば、患者が約2~約20回、又は例えば約6回用量の安定化IL-18ポリペプチドを投与されるように)に投与され得る。最初により高い負荷用量、続いて1回又は複数のより低い用量が投与され得る。この治療の進行は、従来の技術及びアッセイによってモニタリングされ得る。
【0233】
G.製造品
[000147]本発明のいくつかの態様では、上述した障害の治療、予防及び/又は診断に有用な物質を含有する製造品が提供される。製造品は、容器と、容器に貼られているか又は付随しているラベル又は添付文書とを含む。好適な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、IV輸液バッグ等を含む。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、状態の治療、予防、及び/又は診断に効果的な、単独の又はその他の組成物と組み合わされる化合物を収容し、滅菌されたアクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針により穿孔可能なストッパーを有する静脈内溶液のバッグ又はバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、本発明のポリペプチドである。ラベル又は添付文書は、組成物が、選択される症状を治療するために使用されることを示す。さらに、製造品は、(a)本発明のポリペプチドを含む組成物を中に含む第1の容器と、(b)さらなる細胞障害性又は他の治療剤を含む組成物を中に含む第2の容器とを含み得る。本発明のこの態様における製造品は、組成物が特定の状態を治療するために使用され得ることを示す添付文書をさらに含み得る。あるいは、又は加えて、製造品は、薬学的に許容されるバッファー、例えば、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝化生理食塩水、リンゲル溶液及びデキストロース溶液を含む第2の(又は第3の)容器をさらに含み得る。製造品には、他のバッファー、希釈剤、フィルタ、針、及びシリンジを含む、商業的に及びユーザーの立場から望ましい他の材料がさらに含められ得る。
【実施例
【0234】
III.実施例
[000148]以下は、本発明の方法及び組成物の実施例である。上に提供された一般的な説明を前提として、他の様々な実施態様が実施され得ることが理解される。
【0235】
実施例1:材料及び方法
組み換えタンパク質
[000149]成熟ヒトIL-18バリアントは、哺乳動物細胞(HEK293又はCHO)において、分泌のためにN末端に異所性シグナルペプチドを有する組み換え融合体として産生され、続いて成熟IL18(Y37-D193)、TEVプロテアーゼ切断配列、Hisタグ及び単量体ヒトFcが産生された(図1A)。成熟マウスIL-18バリアントは、哺乳動物細胞(HEK293又はCHO)において、分泌のためにN末端に異所性シグナルペプチドを有する組み換え融合体として発現し、続いて成熟IL18(N36-S192)、TEVプロテアーゼ切断配列、Hisタグ及びマウス血清アルブミン(MSA)が発現した(図1A)。タンパク質は、アフィニティークロマトグラフィー、続いてサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を介して、馴化培地から精製された。C末端タグはTEVプロテアーゼ消化によって除去され、プロテアーゼと消化されたC末端タグは減算アフィニティークロマトグラフィーによってIL-18から分離された。
【0236】
[000150]成熟ヒト及びマウス野生型IL-18を、N末端His/SUMOタグを有する組み換え融合体として大腸菌内で産生した。細胞溶解及び清澄化の後、アフィニティークロマトグラフィー、続いてSECによって、タンパク質を精製した。N末端His/SUMOタグは、SUMOプロテアーゼULP1による切断によって除去され、消化産物は減算アフィニティークロマトグラフィーによってIL-18から分離された。
【0237】
[000151]結合速度定数を決定するために、組み換えヒト及びマウスIL-18Rα、ヒトIL-18BP(アイソフォームA)、及びマウスIL-18BP(アイソフォームD)細胞外ドメインを哺乳動物細胞で産生し、ビオチン化し、アフィニティークロマトグラフィー、続いてSECによって精製した。
【0238】
IL-18の熱安定性
[000152]WT IL-18及びIL-18バリアントの熱安定性測定のために、タンパク質を、20mM HEPES pH7.2、150mM NaCl(非還元)又は20mM HEPES pH7.2、150mM NaCl、10mM TCEP(還元)中0.5mg/mlで製剤化した。示差走査蛍光分析(DSF)は、WTに対するタンパク質の熱安定性に対するアミノ酸変化の影響を理解するために実施された。DSFは、蛍光色素の存在下でタンパク質の熱アンフォールディングをモニタリングし、典型的にはリアルタイムPCR装置を使用して行われる。SYPROオレンジ色素(Invitrogen、カタログ番号S6650)を20mM HEPES pH7.2、150mM NaCl中で1:20に希釈する。ウェル内の24μlのIL-18プロテインに、1μlの希釈した色素を添加する。リアルタイムPCR装置(Bio-Rad CFX 96RT)において、20℃から100℃まで温度が上昇するにつれて、蛍光強度をプロットし、例えばボルツマンの式を用いて、遷移曲線の変曲点(Tm)を算出する。Nature Protocols,2007,2:2212-2221を参照のこと。
【0239】
表面プラズモン共鳴
[000153]Biacore 8K(Cytiva)を用いて37℃の温度でSPR実験を行った。ビオチン化ヒト又はマウスIL-18Rα及びIL-18BPをBiacoreストレプトアビジンセンサーチップ(Series S Sensor Chip SA、Cytiva)に固定化し、Rmax≦50RUを得た。HBS-P+バッファー(10mM HEPES pH7.4、150 mM NaCl、0.005% 界面活性剤P20)に、5回、3倍希釈して測定を行った。相互作用はシングルサイクルキネティクス法で評価し、Biacore 8K評価ソフトウェアで解析し、1:1結合モデルに適合した。
【0240】
効力アッセイ(T細胞アッセイ)
[000154]末梢血単核細胞を、SepMate Isolation Tubes(STEMCELL Technologies,15460)を介して、全血から単離した。ヒトT細胞を、免疫磁気陰性選択キット(STEMCELL Technologies,17951)によって、PBMCから単離した。CD3(5ug/mL、Thermofisher、16-0037-85)及びCD28(5ug/mL、Biosciences 555725)でプレコートした384ウェルプレート上に、細胞を1x10細胞/ウェルで播種した。ヒトIL-18刺激アッセイでは、0.5から10,000pMの範囲の濃度で細胞を刺激した。より減弱したIL-18分子については、濃度を5から100,000pMの範囲に増加させた。すべての処理は、NEAA(希釈1:100、Gibco 11140-050)、ピルビン酸ナトリウム(希釈1:100、Gibco 11360-070)、β-メルカプトエタノール(希釈1:1000、Gibco 21985-023)及びヒトIL-12(10ng/mL、R&D、219-IL-025/CF)を補充した10% FBS RPMI培地中、37℃、5% CO2でインキュベートした。24時間後、上清中のIFN-γ産生をヒトIFN-γ HTRFキット(Cisbio、62HIFNGPEG)を用いて測定した。
【0241】
実施例2:野生型IL-18は不安定であり、哺乳動物細胞で組み換え産生するのは困難である
[000155]哺乳動物宿主細胞においてIL-18を産生するために、異所性シグナルペプチドをIL-18の成熟型に組み換え的に融合させ、安定な融合パートナーをC末端に融合させた(ヒトIL-18については単量体Fc[Ying et al.,mAbs,2014]又はマウスオルソログについてはアルブミンのいずれか(図1))。アフィニティー精製後、野生型ヒトIL-18は高度の凝集とFcタグのおおよその質量に相当するより低分子量の分解産物を有し(図2A)、機能的IL-18融合タンパク質は検出されなかった。高反応性の遊離天然システインの潜在的な不安定さを減少させるために、これらのシステインがセリン(「hCS」及び「mCS」)と置き換えられたコンストラクトを生成した。これによって凝集はなくなったものの、生産収率は低く、分子の熱安定性は低かった(図2C)。
【0242】
実施例3:ジスルフィド-安定化IL-18バリアントの操作
[000156]生産収率及び熱安定性は、タンパク質治療剤にとって重要な品質特性である。IL-18の安定性を向上させるために、置換及びジスルフィド結合の形成の可能性を考慮して、互いから5Å以内のβ炭素距離を有する残基対をIL-18の結晶構造に基づいて同定した。天然システインは、意図したジスルフィド結合に関与しない場合、セリンで置換された。WTヒトIL-18に対するバリアント名とそれぞれの置換を含む、ヒトIL-18バリアントの残基置換を表2に示す。WTマウスIL-18に対するバリアントとそれぞれの置換を含む、マウスIL-18バリアントの残基置換を表3に示す。
* 「DR」は「デコイ耐性」を指し、IL-18BP結合を有意に減少させる変異が含まれていることを示す。
【0243】
実施例4:ジスルフィド-安定化IL-18バリアントの特性評価
[000157]CHO又はHEK293哺乳動物宿主細胞のいずれかで産生されたIL-18バリアントを、発現収量及び凝集レベルについて評価した。ヒトIL-18の結果を図2及び表4に示す。マウスIL-18の結果を図2及び表5に示す。
【0244】
[000158]ジスルフィド-安定化ヒト及びマウスIL-18バリアントは、収量が有意に増加したことを実証し、ジスルフィド-安定化ヒトIL-18バリアントは、WT IL-18に対して凝集体レベルが減少したことを実証した。特に、L45C/E192Cは、一段階精製後、検出可能な凝集はなく、ヒト野生型IL-18又はhCS IL-18(天然システインはセリンと置き換えられている)のいずれかよりも一桁超高い収量を示した。同等のマウスバリアントT44C/L189とmCSを比較したときにも、収量の増加が観察された。
【0245】
[000159]さらに、示差走査蛍光測定(DSF)による熱安定性評価のために選択されたジスルフィド-安定化IL-18バリアントはすべて、それぞれのWT IL-18に対して、非還元条件下で、見かけの融解温度は上昇し、L45C/E192Cは、ヒト野生型IL-18に対して、15℃を超える融解温度の上昇を示した(表6)。
【0246】
[000160]さらに、ジスルフィド-安定化IL-18バリアントには、遊離チオールは存在しない。30mMメタンチオスルホン酸メチル(MMTS)添加後のLC/MSで測定したIL-18バリアントの実験質量をダルトン(Da)で以下の表7に示す。MMTSのコンジュゲーションにより、遊離チオール1個あたり45.99Daの質量付加増分が生じる。理論質量には、安定化バリアントについては、遊離システインチオールは存在しないという仮定が含まれているが、ヒトWTについては含まれていない。
【0247】
[000161]ヒトL45C/E192C及びA162C/I185Cバリアントの結晶構造が解明され、以前に報告されたWT IL-18の構造と類似していることがわかった。両構造とも、期待される新規ジスルフィド形成を確認し、表7の質量分析データと一致した。図6A-6Bを参照のこと。
【0248】
実施例5:ジスルフィド安定化IL-18バリアントの結合動態
[000162]表面プラズモン共鳴(SPR)によるIL-18受容体、IL-18Rα、及びデコイ受容体、IL-18BPへの結合動態の分析のために、バリアントのサブセットを選択した(表8)。二つの例外を除いて、すべての速度定数は野生型IL-18の一桁以内であった。驚くべきことに、N50C及びN50C/L174Cバリアントは、81nMまではIL-18Rαとの検出可能な結合がないが、IL-18BPとの強い結合を保持する。
【0249】
実施例6:ジスルフィド安定化IL-18バリアントの効力
[000163]バリアントがWTに対して何らかの効力差を有するか否かを決定するために、それらのEC50を、IFNγ産生を測定した天然T細胞アッセイにおいて評価した。IL-18バリアントによる治療に応じたIFNγの産生を測定する。
【0250】
[000164]アッセイの結果を図3A-3B及び表9に示す。SPRによる観察と同様に、ほとんどのバリアントは、N50C及びN50C/L174Cを除いて、天然T細胞アッセイにおいてヒト野生型IL-18と同等のEC50を示した。Y37C/S91Cもヒト野生型IL-18と比較してその効力は有意に低下し、S46C/I85C及びF57C/T81Cの効力はやや低下した(図3A)。N50Cを含むバリアントは、効力が一桁超低下した(表9)。IL-18バリアントについて、IFNγ発現誘導の最大値であるEmaxも決定された。図3A及び表9に示すように、S101C/T109Cバリアントはヒト野生型IL-18と同様のEC50を示したが、Emaxはおよそ30%低かった。残りのバリアントのEmax値は、ヒト野生型IL-18の20%以内であった。マウスバリアントT44C/L189C、T44C/L189C MSA、及びT44C/L189C Fcはすべて、マウス野生型IL-18と同等のEC50及びEmaxを示した(表9及び図3B)。
【0251】
実施例7:MC38結腸がんモデルにおけるマウスIL-18 T44C/L189C Fc の有効性
[000165]第1の実験では、C57BL-6マウスに100万個のMC38細胞を皮下接種した。治療は、平均腫瘍体積がおよそ130~230mmに達した時点で開始され、それは接種からおよそ7~9日後であった。全群に週2回、計5回投与した。マウスIL-18 T44C/L189C Fc(「dsIL-18Fc」)群には、0.1、1、又は5mg/kgを腹腔内(IP)投与した。抗PD-L1抗体及びコントロール抗体はそれぞれ、初回投与は10mg/kgを静脈内投与し、その後の投与はIP投与とした。
【0252】
[000166]第2の実験では、C57BL-6マウスに10万個のMC38細胞を皮下接種した。治療は、平均腫瘍体積がおよそ130~230mmに達した時点、接種からおよそ14~18日後に開始された。IL-18 WT及びPBSコントロール群の両方に、週2回、計5回投与した。IL-18 WT群には、dsIL-18Fcの7.4mg/kgのモル当量である3mg/kgをIP投与した。
【0253】
[000167]結果を図5A及び5Bに示す。驚くべきことに、3mg/kgのWT IL-18での処理は、単剤としては意味のある腫瘍増殖阻害を示さなかったが(図5A)、WT IL-18と同様の効力及びIL-18BPに対する親和性を有するマウスIL-18 T44C/L189C Fc(「dsIL-18Fc」)(例えば、表8を参照)の1mg/kg及び5mg/kgでの処理は、中程度から強度の単剤腫瘍増殖阻害が得られ、これは抗PD-L1抗体での処理と組み合わせるとさらに増強された(図5B)。これらの結果は、IL-18BPの結合を無効化することがIL-18バリアントの有効性には必要ないことを示唆している。
【0254】
IV.特定の配列の表
図1A-1B】
図2A-2B】
図2C-2D】
図2E-2F】
図2G-2H】
図2I-2J】
図2K-2L】
図2M-2N】
図2O-2P】
図2Q-2R】
図2S-2T】
図2U-2V】
図2W-2X】
図2Y-2Z】
図3A-3B】
図4A-4B】
図5A
図5B
図6A
図6B
【配列表】
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【国際調査報告】