(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】放射状ポンプアセンブリ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20241219BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241219BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241219BHJP
【FI】
C12M1/00 A
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535860
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 CA2022051855
(87)【国際公開番号】W WO2023108302
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517440553
【氏名又は名称】アスペクト バイオシステムズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ベイヤー
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン スタイナー
(72)【発明者】
【氏名】フロランタン ウィルファー
(72)【発明者】
【氏名】ショーン レイドロー
(72)【発明者】
【氏名】ケディー ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】チェンソン シュイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク パースソン
(72)【発明者】
【氏名】ネイビッド ハキミ
(72)【発明者】
【氏名】アダム ルッカー
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB11
4B029CC02
4B029DG08
4B029DG10
(57)【要約】
本開示の態様は、装着ブラケット上に放射状配列で位置決めされた複数のポンプ(例えば、シリンジポンプ)を備えるポンプアセンブリを含む。実施形態では、複数のシリンジポンプの各シリンジポンプは、シリンジ保持器と、プランジャドライバと、を備える、ハウジングを備える。ポンプアセンブリは、マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムの一部として使用されるときに、内部容積を最小化するのに役立つ。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着ブラケット上に放射状配列で位置決めされた複数のポンプを備える、ポンプアセンブリであって、前記複数のポンプのうちの1つ以上が、シリンジ保持器及びプランジャドライバを備える、ハウジングを備える、シリンジポンプである、前記ポンプアセンブリ。
【請求項2】
前記複数のポンプが、互いに対して10度~170度の放射状配列に位置決めされている、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項3】
前記複数のポンプのうちの1つ以上が、前記装着ブラケット上のシリンジベイに取り外し可能に取り付けられ、任意選択的に、前記ハウジングが、前記シリンジベイに磁気的に取り付けられている、請求項1または2に記載のポンプアセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジングが、くさび形状である、請求項1~3のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項5】
前記複数のポンプが、少なくとも1つのぜん動ポンプ、定流量デュアルピストンポンプ、ギアポンプ、またはそれらの組み合わせをさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項6】
前記複数のポンプのうちの2つ以上、大部分、または全てが、シリンジポンプである、請求項1~4のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項7】
前記シリンジポンプのうちの少なくとも1つにおいて、前記シリンジ保持器によって所定の位置に保持されるシリンジバレルを有する、少なくとも1つのシリンジをさらに備え、前記シリンジが、前記シリンジバレルとスライド可能に係合するシリンジプランジャと、前記プランジャドライバに隣接するプランジャキャップによって受容されるプランジャフランジと、をさらに備え、前記プランジャキャップが、異なる寸法のプランジャフランジを受容するように構成されている、請求項6に記載のポンプアセンブリ。
【請求項8】
前記プランジャキャップが、前記プランジャドライバを受容するための凹状表面を備える、請求項7に記載のポンプアセンブリ。
【請求項9】
前記凹状表面が、逆円錐形状を含む、請求項8に記載のポンプアセンブリ。
【請求項10】
前記シリンジを備える前記シリンジポンプが、前記プランジャフランジを前記プランジャキャップ内に固定するための1つ以上の取り外し可能なプランジャクリップをさらに備える、請求項7~9のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項11】
前記1つ以上のプランジャクリップが、異なるシリンジプランジャ直径に適合して係合するための異なる寸法の陥凹を備える、請求項10に記載のポンプアセンブリ。
【請求項12】
前記プランジャクリップが、前記プランジャドライバに磁気的に取り付けられている、請求項10または11に記載のポンプアセンブリ。
【請求項13】
前記シリンジ保持器が、複数の取り外し可能なシリンジバレルサポートのうちの1つを備え、前記シリンジバレルサポートの各々が、異なるシリンジバレル直径に適合して係合するための異なる寸法の陥凹を備える、請求項7~12のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項14】
前記シリンジバレルサポートの各々が、シリンジバレルフランジを受容及び固定するように構成されたスロットをさらに備える、請求項13に記載のポンプアセンブリ。
【請求項15】
シリンジバレルの中心線が、異なる寸法のシリンジ間で一定に維持されている、請求項7~14のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのシリンジが、使い捨てシリンジであり、任意選択的に、前記使い捨てシリンジが、0.2ml~50mlでサイズが異なっている、請求項7~15のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項17】
マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムであって、
複数の流体入口と、各流体入口に対応する複数のマイクロ流体プリンティングチャネルと、を備える、プリントヘッドであって、前記複数のマイクロ流体チャネルが、分注オリフィスにつながる単一の分注チャネルに合流している、前記プリントヘッドと、
請求項1~13のいずれか1項に記載のポンプアセンブリと、
複数のポンプ入口と、前記ポンプのうちの1つ以上を前記プリントヘッドに流体接続するための対応するマイクロ流体アダプタチャネルと、を備える、アダプタと、
前記オリフィスから分注された材料の第1の層を受容するための受容表面と、
前記分注オリフィスに対して、三次元空間において前記受容表面を位置決めするための位置決めユニットであって、前記受容表面に動作可能に結合されている、前記位置決めユニットと、
前記位置決めユニットを制御するため、及び各シリンジポンプを制御するためのプログラム可能な制御プロセッサと、を備える、前記マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項18】
前記ポンプアセンブリが、複数の前記シリンジポンプ内に保持された複数のシリンジを備える、請求項17に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項19】
前記シリンジの各々の先端が、前記アダプタ内の対応する流体入口に挿入されている、請求項18に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項20】
前記シリンジの各々の先端が、前記アダプタ内の対応する流体入口に挿入するためのエルボコネクタをさらに備える、請求項18に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項21】
中央シリンジの先端が、前記プリントヘッドの流体入口に直接挿入され、それにより前記アダプタをバイパスする、請求項18に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項22】
前記マイクロ流体アダプタチャネル及び/または前記マイクロ流体プリンティングチャネルが、バルブをさらに備え、任意選択的に、前記バルブが、一方向チェックバルブである、請求項17~21のいずれか1項に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項23】
前記プリントヘッドから分注される過剰流体を除去するように構成されている流体除去コンポーネントをさらに備える、請求項17~22のいずれか1項に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項24】
前記プリントヘッドの一部として含まれる機械可読画像を捕捉するように構成されたカメラをさらに備える、請求項17~23のいずれか1項に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項25】
前記機械可読画像が、クイックレスポンス(QR)コード(登録商標)である、請求項24に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項26】
前記プログラム可能な制御プロセッサが、前記機械可読画像を取得すると、前記システムのユーザに視覚的な警告を提供し、前記視覚的な警告が、前記シリンジポンプのうちの1つ以上を前記装着ブラケットに取り付ける場所、及び/またはどのシリンジポンプにシリンジを挿入するかの前記ユーザに対する指示を含む、請求項24または25に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項27】
前記視覚的な警告が、前記装着ブラケット及び/またはシリンジポンプ上の1つ以上のライトに基づいている、請求項26に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項28】
前記分注チャネルを取り囲むように構成されたリング形状のライトモジュールをさらに備える、請求項17~27のいずれか1項に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【請求項29】
エンクロージャシステムをさらに備える、請求項17~27のいずれか1項に記載のマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月16日に出願された米国仮特許出願第63/290,595号からの優先権を主張する。この先願出願の内容は、本明細書により、それらの全体が組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、三次元(3D)プリンティング及びデジタルファイルからの三次元生物構造の生成に関する。具体的には、本発明は、例えば、1つ以上のシリンジポンプを備える放射状ポンプアセンブリを含むマルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
積層造形(AM)の一形態である3Dプリンティングは、デジタルファイルから直接三次元オブジェクトを作成するためのプロセスである。ソフトウェアは、コンピュータ支援設計(CAD)モデルまたはオブジェクトの3Dスキャンを多数の薄い断面層にスライスするために使用される。この層の集合体は、AMシステムに送信され、そこでシステムは、層ごとに三次元オブジェクト層を構築する。各層は、オブジェクトが完全に構築されるまで、前の層の上部に堆積される。プラスチック、金属、セラミック、及び/または生物学的材料で部品を構築できる様々なAMプロセスが存在する。例えば、3Dバイオプリンティングは、生細胞、生物学的材料、またはそれらの組み合わせを正確に制御された方法で空間パターン化することとして定義される、積層造形の特定の形態である(Heinrich,MA et al.Small 15:1805510(2019))。
【0004】
特に、3Dバイオプリンティングは、多くの場合、バイオインクの形態での希少及び/または限定された材料、例えば、細胞試料などの精密かつ正確な送達を必要とする。具体的には、マイクロ流体3Dバイオプリンティングはまた、複雑な多層繊維及び3D構築物を形成するために、バイオインクの同時送達を必要とする。従来のシリンジポンプは、精密かつ正確な流量を提供するのによく適しているが、平行に形成されて使用されるとき、現在利用可能な設計の長方形断面は、大きいフットプリント及びシリンジ間の一貫性のない流路を作成する。任意のマイクロ流体プリントヘッドと併せて使用されるシリンジポンプの数が増加するにつれて、シリンジ先端とプリントヘッドとの間の距離も必然的に増加し、この距離は異なるポンプ間で一貫しないであろう。距離の増加は、シリンジ先端をプリントヘッドに結合するためのチューブ長さの増加が必要であり、これにより、チューブ長さに関連する内部容積が増加する。したがって、特定のマイクロ流体デバイスに使用されるシリンジポンプの数が多いほど、システム内の内部容積の量が大きくなる。内部容積は、生細胞及び/または他の生物学的材料が使用される場合には、特に望ましいものではなく、これは、生細胞及び/または他の生物学的材料を大量及び/または実質的な容積で得ることが困難であるためである。さらに、シリンジ先端とプリントヘッドとの間のチューブへの依存は、無菌的な方法でチューブを取り付けることに関する課題をもたらし、これは、生細胞で作業するときの重要な考慮事項である。したがって、シリンジ先端とマイクロ流体プリントヘッドとの間の距離を低減し、したがって、複数のシリンジポンプに依存するマイクロ流体システムにおける内部容積の量を低減させることは、有利であり、非常に望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、装着ブラケット上の放射状配列に位置決めされた複数のポンプを備える、マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステム内の内部容積を最小化するように構成された放射状ポンプアセンブリを使用して、当該技術分野における前述の問題に対処し、解決し、複数のポンプの各ポンプは、ポンプを固定するためのハウジング及び保持器を備える。実施形態では、複数のポンプは、互いに対して10度~170度に位置決めされる。実施形態では、複数のポンプのうちの1つ以上は、装着ブラケット上のそれぞれのシリンジベイに取り外し可能に取り付けられる。実施形態では、ハウジングは、くさび形状であり得る。例示的な実施形態では、各ポンプのハウジングは、装着ブラケット上のそれぞれのシリンジベイに磁気的に取り付けられる。
【0006】
実施形態では、複数のポンプは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個のポンプを備える。実施形態では、複数のポンプのうちの1つ以上はシリンジポンプであり、好ましくは、複数のポンプのうちの2つ以上、ほとんど(例えば、1つもしくは2つ以外全て)、または全てがシリンジポンプである。実施形態では、複数のポンプは、少なくとも1つのぜん動ポンプ、定流量デュアルピストンポンプ、ギアポンプ、またはそれらの組み合わせをさらに備える。
【0007】
一態様では、ポンプアセンブリは、装着ブラケット上の放射状配列に位置決めされた複数のシリンジポンプを備え、複数のシリンジポンプの各シリンジポンプは、シリンジ保持器及びプランジャドライバを含むハウジングを備える。実施形態では、複数のシリンジポンプは、互いに対して10度~170度の放射状配列に位置決めされる。実施形態では、複数のシリンジポンプのうちの1つ以上は、装着ブラケット上のそれぞれのシリンジベイに取り外し可能に取り付けられる。実施形態では、各シリンジポンプのハウジングは、装着ブラケット上のそれぞれのシリンジベイに磁気的に取り付けられる。
【0008】
実施形態では、シリンジポンプアセンブリは、当該シリンジポンプのうちの1つ内のシリンジ保持器によって所定の位置に保持されるシリンジバレルを有する少なくとも1つのシリンジをさらに備える。実施形態では、シリンジは、シリンジバレルとスライド可能に係合するシリンジプランジャと、プランジャドライバに隣接するプランジャキャップによって受容されるプランジャフランジとをさらに備える。実施形態では、プランジャキャップは、異なる寸法のプランジャフランジを受容するように構成される。実施形態では、プランジャキャップは、プランジャドライバを受容するための凹状表面を含む。例示的な実施形態では、凹状表面は、逆円錐形を含む。
【0009】
実施形態では、シリンジを含むシリンジポンプは、プランジャフランジをプランジャキャップ内に固定するための複数の取り外し可能なプランジャクリップのうちの1つをさらに備え、当該プランジャクリップの各々は、異なるシリンジプランジャ直径に適合して係合するための異なる寸法の陥凹を備える。例示的な実施形態では、プランジャクリップは、プランジャドライバに磁気的に取り付けられる。
【0010】
実施形態では、シリンジ保持器は、複数の取り外し可能なシリンジバレルサポートのうちの1つを含み、当該シリンジバレルサポートの各々は、異なるシリンジバレル直径に適合して係合するための異なる寸法の陥凹を備える。実施形態では、シリンジバレルサポートの各々は、シリンジバレルフランジを受容及び固定するように構成されたスロットをさらに備える。
【0011】
シリンジポンプアセンブリの実施形態では、シリンジバレル中心線は、異なる寸法のシリンジ間で一定に維持される。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリンジは使い捨てシリンジであり、任意選択的に、使い捨てシリンジは、0.2mL~50mLでサイズが異なっている。
【0013】
別の態様では、マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムであって、複数の流体入口と、各流体入口に対応する複数のマイクロ流体プリンティングチャネルと、を備えるプリントヘッドであって、複数のマイクロ流体チャネルが、分注オリフィスにつながる単一の分注チャネルに合流している、プリントヘッドと、例えば、上記のポンプアセンブリなどのポンプアセンブリと、シリンジポンプの1つ以上を当該プリントヘッドに流体接続するための複数のシリンジ入口及び対応するマイクロ流体アダプタチャネルを備えたアダプタと、オリフィスから分注された材料の第1の層を受容する受容表面と、分注オリフィスに対して受容表面を三次元空間に位置決めするための位置決めユニットであって、受容表面に動作可能に結合されている、位置決めユニットと、位置決めユニットを制御するため、及び各シリンジポンプを制御するためのプログラム可能な制御プロセッサと、を備える、マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムが提供される。
【0014】
いくつかの実施形態では、シリンジポンプアセンブリは、複数のシリンジポンプに保持された複数のシリンジを備える。実施形態では、シリンジの先端は、アダプタ内の対応する流体入口に直接挿入される。実施形態では、シリンジ先端は、アダプタの対応する流体入口に挿入するためのエルボコネクタをさらに備える。実施形態では、中央シリンジの先端は、プリントヘッドの流体入口に直接挿入され、それによってアダプタをバイパスする。
【0015】
実施形態では、マイクロ流体アダプタチャネル及び/またはマイクロ流体プリンティングチャネルは、バルブをさらに備え、任意選択的に、バルブは、一方向チェックバルブである。
【0016】
いくつかの実施形態では、マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムはさらに、プリントヘッドから分注された過剰流体を除去するように構成された流体除去コンポーネントを備える。
【0017】
実施形態では、マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムは、プリントヘッドの一部として含まれる機械可読画像を捕捉するように構成されたカメラをさらに備える。実施形態では、機械可読画像はクイックレスポンス(QR)コード(登録商標)である。実施形態では、プログラム可能制御プロセッサは、機械可読画像の取得時に、システムのユーザに視覚的な警告を提供し、視覚的な警告は、シリンジポンプのうちの1つ以上を装着ブラケットにどこに取り付けるか、及び/またはシリンジポンプがシリンジを挿入するかをユーザに指示することを含む。実施形態では、視覚的な警告は、装着ブラケット及び/またはシリンジポンプ上の1つ以上のライトに基づいている。
【0018】
実施形態では、マルチチャネルマイクロ流体バイオプリンティングシステムは、オリフィス及び/またはバイオプリントされた繊維がオリフィスから分注されるときに、オリフィス及び/またはバイオプリントされた繊維に近位の透明な分注チャネルを取り囲むように構成されたリング形状のライトモジュールをさらに備える。
【0019】
参照による組み込み
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、明確かつ個別に参照により組み込まれることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】装着ブラケットに取り付けられた複数のシリンジポンプを備えた、本開示のマイクロ流体プリンティングシステムの例解図であり、マイクロ流体プリンティングシステムは、開放構成で例解されるエンクロージャシステムを含む。
【
図1B】エンクロージャシステムが閉じた構成で描写される、
図1Aのマイクロ流体プリンティングシステムの例解図である。
【
図1C】複数のシリンジポンプと、装着ブラケットに取り付けられた単一のぜん動ポンプとを備えた、
図1A~1Bのマイクロ流体プリンティングシステムの一部の別の例解図である。
【
図1D】
図1A~1Bのマイクロ流体プリンティングシステムで使用するためのリング形状のライトモジュールを描写する。
【
図1E】
図1A~1Bのマイクロ流体プリンティングシステムに結合された
図1Dのリング形状のライトモジュールを描写する。
【
図1F】ある特定の実施形態による、装着ブラケット内のシリンジベイに固定されたシリンジポンプ107の断面図を例解する。
【
図1G】ある特定の実施形態による、シリンジポンプを受容するための開放されたシリンジポンプアセンブリを例解する。
【
図1H】ある特定の実施形態による、個々のシリンジベイのための磁気取り付けポイントを備える装着ブラケットを例解する。
【
図2】
図1Aのマイクロ流体プリンティングシステムと併せて使用することができる、シリンジポンプ及び関連するシリンジの実施形態の例解図である。
【
図3A】シリンジバレルを受容するために
図2に例解されるシリンジポンプと併せて使用される例示的なシリンジ保持器の2つの異なる図を描写する。
【
図3B】シリンジバレルを受容するために
図2に例解されるシリンジポンプと併せて使用される例示的なシリンジ保持器の2つの異なる図を描写する。
【
図3C】
図3A~3Bに描写されるものよりも大きい直径のシリンジバレルを受容するために、
図2のシリンジポンプと併せて使用される別の例示的なシリンジ保持器を描写する。
【
図3D】
図2のシリンジポンプの一部分の拡大例解図であり、対応する隣接するプランジャキャップを有するシリンジ保持器及びプランジャドライバの一部分を描写する。
【
図3F】ねじを介してシリンジポンプの上部に取り付けられるシリンジ保持器の一実施形態を例解する。
【
図4】プランジャクリップとプランジャキャップ/プランジャドライバとの間にプランジャフランジを挟むために、プランジャクリップがプランジャドライバ及びプランジャの一部に取り付けられた
図2のシリンジポンプの別の画像である。
【
図5A】2つの異なる角度から
図4に描写されるプランジャクリップの例解図である。
【
図5B】2つの異なる角度から
図4に描写されるプランジャクリップの例解図である。
【
図5C】
図4に描写されるシリンジポンプの一部分の拡大例解図を描写する。
【
図5D】磁気アタッチメントを備えるプランジャクリップ及びプランジャキャップの追加の実施形態を例解する。
【
図5E】磁気アタッチメントを備えるプランジャクリップ及びプランジャキャップの追加の実施形態を例解する。
【
図5F】磁気アタッチメントを備えるプランジャクリップ及びプランジャキャップの追加の実施形態を例解する。
【
図5G】磁気アタッチメントを備えるプランジャクリップ及びプランジャキャップの追加の実施形態を例解する。
【
図5H】ある特定の実施形態による、プランジャクリップの別の実施形態を例解する。
【
図5I】ある特定の実施形態による、プランジャクリップの別の実施形態を例解する。
【
図5J】ある特定の実施形態による、プランジャクリップの別の実施形態を例解する。
【
図6A】本開示の態様による、様々な直径のシリンジの中心線をどのように一定に維持することができるかを描写する例解図である。
【
図6B】本開示の態様による、様々な直径のシリンジの中心線をどのように一定に維持することができるかを描写する例解図である。
【
図7】シリンジポンプの様々な態様を例解するために、
図2のシリンジポンプの側面図からの透明なレンダリングである。
【
図8】
図1Aのマイクロ流体プリンティングシステムと併せて使用するためのアダプタ、プリントヘッド、及び背面プレートの実施形態を例解する。
【
図9A】正面図(
図9A)及び側面図(
図9B)からの、
図8のアダプタ、プリントヘッド、及び背面プレートの透明な例解図を描写する。
【
図9B】正面図(
図9A)及び側面図(
図9B)からの、
図8のアダプタ、プリントヘッド、及び背面プレートの透明な例解図を描写する。
【
図10】
図1Aのマイクロ流体プリンティングシステムと併せて使用するためのアダプタ、プリントヘッド、及び背面プレートの別の実施形態を例解する。
【
図11A】正面図(
図8A)及び側面図(
図8B)からの、
図7のアダプタ、プリントヘッド、及び背面プレートの透明な例解図を描写する。
【
図11B】正面図(
図8A)及び側面図(
図8B)からの、
図7のアダプタ、プリントヘッド、及び背面プレートの透明な例解図を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の放射状ポンプアセンブリは、開示された放射状ポンプアセンブリに依存しない他のシステムと比較して、有利には、例えば、シリンジポンプに関連付けられたシリンジの先端と、本開示のアダプタ及び/またはプリントヘッドへの対応する入力との間の流路長を低減する。例えば、ポンプが並列(または他の非放射状構成)に配設される方法で設計されたシステムは、同じ数のポンプに対して、本開示の放射状ポンプアセンブリと比較して実質的に長く、不均一な流路長を有する。さらに、本開示の放射状ポンプアセンブリはまた、例えば、従来の長手方向配列の異なるシリンジポンプと、アダプタ及び/またはプリントヘッドへの対応する入力との間の流路長の変動を低減する。したがって、本開示の放射状ポンプアセンブリは、より短く、より均一な流路長の両方を可能にし、それに応じて、バイオプリントされた繊維を生成するために必要な材料の量を低減する。これは、入手が困難及び/または高価な材料(例えば、生物学的材料)にとって特に有利であり、また、シリンジの先端をアダプタ及び/またはプリントヘッドに流体的に結合するためにチューブに依存する必要性を完全に低減または回避することによって、無菌性を向上させることができる。
【0022】
定義
本明細書を解釈する目的のために、以下の定義を適用するが、適当と認められる場合には、単数形で用いられる用語はその複数形も含み、逆もまた同様である。説明される任意の定義が、参照により本明細書に組み込まれる任意の文書と矛盾する場合には、下記に説明する定義が優先されるものとする。別段に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0023】
本明細書で使用される「約」という用語は、量、時間的な持続期間などの測定可能な値を指す場合には、開示される方法を実施するためにその変動が適切であるように、特定値から±20%または±10%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%及びさらにいっそうより好ましくは±0.1%の変動を包含するように意図される。
【0024】
本明細書で使用される場合、「w/v」は、所与の容積の溶液中の成分の重量を指す。
【0025】
「範囲」:本開示全体を通して、本開示の様々な態様は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本開示の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個々の数値だけでなく、全ての可能な部分範囲を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびに、1、2、2.7、3、4、5、5.3及び6などの範囲内の個々の数字を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0026】
本明細書で使用される場合、「内部容積」という用語は、マイクロ流体デバイスのチャネル内に存在する材料の容積を指す。内部容積は、スイープされた容積及びデッドボリュームの合計である。マイクロ流体スイープ容積は、材料流路内に直接存在する内部容積の一部であり、マイクロ流体デッドボリュームは、流路内に直接存在しない内部容積の一部である。概して、内部容積はできるだけ低くすることが最善である。本明細書で使用される場合、内部容積は、シリンジの先端からマイクロ流体プリントヘッドの分注チャネルの開始まで計算される。
【0027】
プリンティングシステム
本発明の態様は、主題の方法を実行するために、本明細書において考察されるプリントヘッドと連動して作動するように構成されているプリンティングシステム及び関連コンポーネントを含む。
図1Aを参照すると、描写されているのは、本開示のプリンティングシステム100の例示的な例解図である。プリンティングシステム100の態様は、コントローラ103を含む制御システム102によって少なくとも部分的に制御され得る。制御システム102は、複数のセンサ104(その様々な例が本明細書で説明される)から情報を受信し、制御信号を複数のアクチュエータ109(その様々な例が本明細書で説明される)に送信することを示す。例として、センサ104は、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、1つ以上のカメラ(例えば、2、3、4、5)などを含み得る。アクチュエータ109は、線形アクチュエータ、回転アクチュエータ、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、電気アクチュエータ、熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、機械的アクチュエータなどを備え得る。
【0028】
プリンティングシステム100は、放射状シリンジポンプアセンブリ105を備える。放射状シリンジポンプアセンブリ105は、装着ブラケット106を含む。装着ブラケット106は、それに取り付けるために複数のシリンジポンプ107を受容するように構成され得る。実施形態では、複数のシリンジポンプ107は、半円弧状の装着ブラケット106上の対応するシリンジベイ106aに位置決めされ、シリンジポンプ107は、ハウジングから構成され得る。実施形態では、放射状シリンジポンプアセンブリ105は、少なくとも3つのシリンジポンプ107を受容するように構成され得る。実施形態では、放射状シリンジポンプアセンブリ105は、奇数個のシリンジポンプ107、例えば、3、5、7、9、または11個のシリンジポンプ107を受容するように構成され得る。実施形態では、放射状シリンジポンプアセンブリ105は、偶数個のシリンジポンプ107、例えば、2、4、6、8、または10個のシリンジポンプ107を受容するように構成され得る。シリンジポンプ107の各々は、シリンジバレル及びプランジャからなるシリンジ108を保持するように構成され得る。実施形態では、シリンジポンプ107は、互いに対して10度~170度の放射状配列に位置決めされる。実施形態では、シリンジポンプ107は、互いに対して10度~170度の放射状配列に位置決めされる。
【0029】
実施形態では、1つ以上のシリンジポンプ(例えば、シリンジポンプ107)は、印刷プロセスの前及び/または後に、プリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)に取り外し及び/または追加することができる。したがって、実施形態では、対象のシリンジポンプは、対象のプリンティングシステムのモジュール式コンポーネントであり、シリンジポンプアセンブリ105の好適な取り付け機構を介して、シリンジポンプアセンブリ105に取り外し可能に取り付けられ得る(すなわち、取り外し、再取り付け、または交換され得る)。プリンティングシステム100のシリンジポンプアセンブリ105は、
図1A~2に示されるようなシリンジポンプ107のみに限定されず、異なるタイプのポンプ(例えば、少なくとも1つのぜん動ポンプ、定流量デュアルピストンポンプ、ギアポンプ、またはそれらの組み合わせ)は、1つ以上のシリンジポンプに加えて、またはそれらの代わりにシリンジポンプアセンブリ105に取り付けられ得る。
【0030】
実施形態では、プリンティングシステム100は、少なくとも1つのプリントヘッド110を備え、その例は、本明細書で詳細に説明される。概して言えば、プリントヘッド110は、各流体入口に対応する複数の流体入口(
図1Aには示されていない)及び複数のマイクロ流体プリンティングチャネル(
図1Aには示されていない)を備え得る。実施形態では、プリントヘッド内の複数のマイクロ流体プリンティングチャネルは、分注オリフィス116につながる単一の分注チャネル114に合流する。いくつかの実施形態では、本開示のプリントヘッドは、それぞれのマイクロ流体プリンティングチャネルを分注チャネル114に連続的に合流させる一連の流体集束チャンバ(
図1Aには示されていない)を含み得る。
【0031】
実施形態では、プリンティングシステム100は、アダプタ112をさらに備える。いくつかの実施形態では、アダプタ112は、複数のシリンジ入口118を備え、そのうちの2つは、例解目的で
図1Aに示される。シリンジ入口118は、アダプタ112内に存在するマイクロ流体アダプタチャネル(
図1Aには図示されていない)に流体的に結合され得、これは、プリントヘッド110に対応する流体入口に流体的に結合され得る。このようにして、アダプタ112は、シリンジポンプ107のうちの1つ以上、及び対応するシリンジ108をプリントヘッド110に流体接続し得る。実施形態では、シリンジ108は、エルボコネクタ119(例えば、90°の角度を有するコネクタ)によってシリンジ入口118に流体的に結合することができる。他の実施形態では、シリンジ108は、異なる角度、例えば、0°~90°の角度を有するコネクタを介してアダプタ112に流体的に結合することができる。
【0032】
実施形態では、1つ以上のプリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)は、印刷プロセスの前及び/または後に、プリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)に除去及び/または追加することができる。したがって、いくつかの実施形態では、主題のプリントヘッドは、主題のプリンティングシステムのモジュール式コンポーネントである。実施形態では、1つ以上のアダプタ(例えば、アダプタ112)は、印刷プロセスの前及び/または後に、プリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)に取り外し及び/または追加することができる。したがって、いくつかの実施形態では、主題のアダプタは、主題のプリンティングシステムのモジュール式コンポーネントである。いくつかの実施形態では、プリントヘッド(例えば、110)及びアダプタ(例えば、112)は、一緒に接合され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、ここで具体的に数字120で表される単一のシリンジは、プリントヘッド110に対応する流体入口への直接挿入のために、アダプタ112をバイパスすることが可能であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、プリンティングシステム100は、プリントヘッド110の分注オリフィス116から分注された材料の第1の層が堆積される受容表面120を備える。いくつかの実施形態では、受容表面121は、中実材料を含む。いくつかの実施形態では、受容表面は、多孔質材料を含む。例えば、いくつかの実施形態では、多孔質材料の多孔性は、そこを通る流体の通過を可能にするのに十分である。いくつかの実施形態では、受容表面121は、略平面であり、これにより、分注された材料の第1の層を堆積させることができる平坦な表面が提供される。いくつかの実施形態では、受容表面121は、印刷される三次元構造に対応するトポグラフィを有し、これにより、非平面の第1の層を有する三次元構造の印刷が容易になる。
【0035】
いくつかの実施形態では、受容表面121は、1つ以上のモジュール式コンポーネントを備え、これは、プリンティングシステム100に動作可能に結合されるように構成されるが、プリンティングシステムから分離可能である。いくつかの実施形態では、受容表面121は、使い捨ての受容表面である。いくつかの実施形態では、受容表面121は、滅菌用に構成される。いくつかの実施形態では、プリンティングシステム100の流体経路全体が使い捨てであり、これは、印刷プロセスに伴われる1つ以上の流体と接触するプリンティングシステムの全てのコンポーネントが使い捨てであり、プリンティングシステムから取り外して、清潔なコンポーネントと交換することができることを意味する。
【0036】
いくつかの実施形態では、受容表面121は、1つ以上の異なる受容容器に動作可能に結合されるように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、受容表面121は、円形の受容容器(例えばマルチウェルインサート)に動作可能に結合されるように寸法決めされた円形部分を含む。いくつかの実施形態では、受容表面121は、正方形または長方形の受容容器(例えばマルチウェルプレート(例えば6ウェルプレート))に動作可能に結合されるように寸法決めされた正方形または長方形部分を含む。本発明の実施形態による受容表面は、好適な受容容器を収容するために、任意の好適なサイズまたは幾何学形態を有することができる。
【0037】
実施形態では、本明細書に記載されるプリンティングシステムは、印刷、パターン化、及び/または処理中にバイオプリントされた繊維構造を吊すための手段をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、バイオプリントされた繊維構造のサスペンションは、プリンティングシステムの装着ブラケット及び/または受容表面に結合されたフレームを含み得る。フレームは、繊維構造を形成する少なくとも1つの架橋可能な繊維の連続した長さを固定するために、フレームを包囲する複数の支柱を含み得る。このようにして、繊維構造は、結果として生じる構造が、印刷、パターニング、及び/または印刷後処理のうちの1つ以上の間に少なくとも部分的に吊されるようにバイオプリントされ得る。バイオプリンティングされた構造のサスペンションに関連する追加の特徴は、米国特許出願第63/342,118号に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
実施形態では、プリンティングシステム100は、エンクロージャシステム140を備え得る。実施形態では、エンクロージャシステムは、少なくとも装着ブラケット106、及びそれに取り付けられた任意のポンプ(例えば、シリンジポンプ107)、ならびにプリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)及びアダプタ(例えば、アダプタ112)を囲むように構成される。実施形態では、エンクロージャシステム140は、受容表面(例えば、受容表面121)を囲むように追加的に構成され得る。実施形態では、エンクロージャシステム140は、開放立体構造(
図1Aに描写されるものと同様)及び閉鎖立体構造(
図1Bを参照)で構成可能であり得る。実施形態では、エンクロージャシステム140が
図1Bに描写されるように閉鎖立体構造にあるとき、装着ブラケット106、それに取り付けられた任意のポンプ(例えば、シリンジポンプ107)、プリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)、及びアダプタ(例えば、アダプタ112)は、当該エンクロージャシステム140内に完全に囲まれ得る。いくつかの実施形態では、受容表面(例えば、受容表面121)は、追加的に、エンクロージャシステム140内に完全に囲まれ得る。
【0039】
エンクロージャシステム(例えば、エンクロージャシステム140)に依存することで、温度、湿度、O2、及びCO2を含むがこれらに限定されないパラメータを正確に制御することができる。そのようなパラメータを正確に制御することで、3Dバイオプリントされた構造の安定性と完全性を増加させることができ、3Dバイオプリントされた構造が細胞材料を含む条件下で、バイオプリンティングプロセス中及び後の細胞生存率を増加させることができる。実施形態では、温度、湿度、O2、及びCO2などの変数は、フィードバック制御システム(例えば、比例積分微分(PID)コントローラ)を介してエンクロージャシステム内で制御することができる。例えば、Matamoros M、et al.(2020)Micromachines、11、999を参照のこと。実施形態では、そのようなフィードバック制御システムは、例えば、エンクロージャシステム内の温度を所望の温度(ある程度の誤差範囲内)に安定化すること、及び/または、エンクロージャシステム内の湿度を所望の湿度(ある程度の誤差範囲内)に安定化することができる。いくつかの追加的または代替的な実施形態では、そのようなフィードバック制御システムは、CO2を所望のレベル(例えば、ある誤差範囲内の所望のppm)に安定させることができる。いくつかの追加的または代替的な実施形態では、そのようなフィードバック制御システムは、O2を所望のレベル(例えば、ある誤差範囲内の所望のppm)に安定させることができる。
【0040】
したがって、実施形態では、プリンティングシステム100は、温度変調コンポーネント、湿度変調コンポーネント、O2変調コンポーネント、及びCO2変調コンポーネントのうちの1つ以上を備え得る。いくつかの実施形態では、温度変調コンポーネントは、ヒータ(例えば、放射ヒータ、対流ヒータ、導電性ヒータ、ファンヒータ、熱交換器、またはこれらの任意の組み合わせ)を含む。実施形態では、温度変調コンポーネントは、冷却要素(例えば、冷却剤、冷却液、ペルチェ冷却器、放射冷却器、対流冷却器、導電性冷却器、ファン冷却器、またはそれらの任意の組み合わせ)を含む。湿度変調コンポーネントは、例えば、圧電変換器を介して蒸発させることができる水のチャンバ(例えば、タンク)を備えることができる。O2の制御は、O2注入によるものであり得る。CO2の制御は、CO2注入によるものであり得る。実施形態では、温度変調コンポーネントは、エンクロージャシステム及び/またはプリントヘッド110、プリンタステージ、受容表面121、入力材料、及び/または流体(例えば、シース溶液及び/または緩衝液)のうちの1つ以上内の温度を調整及び/または維持することができる。実施形態では、温度変調コンポーネントは、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85℃など、約0~約90℃の範囲の設定点に温度を調整するように構成される。実施形態では、湿度変調コンポーネントは、湿度を約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%など、約30%~100%に調整するように構成される。実施形態では、CO2変調コンポーネントは、CO2レベルを約2%~約15%、例えば、約3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%に調整するように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、受容表面121は、分注オリフィス116から分注された過剰流体(例えば、過剰シース流体及び/または過剰緩衝液)、及び分注オリフィス116から分注された材料の1つ以上の層から流れ落ちた過剰流体を受容する。
【0042】
いくつかの実施形態では、プリンティングシステム100は、プリントヘッドのオリフィスから分注された繊維構造が堆積された受容表面121から、及び任意で分注された繊維構造の表面から、過剰流体(例えば、過剰シース流体及び/または過剰緩衝液)を除去するためのコンポーネントを備える。印刷中に、過剰流体は、受容表面121上または分注された繊維構造の表面上に集まる、すなわち「貯留する」可能性がある。このような貯留は、堆積プロセスを妨げ得る。例えば、貯留したシース流体が原因で、分注された繊維が、プリントされている3D構造内の目的の位置から滑り落ちる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、流体除去コンポーネントにより、受容表面から、及び任意で分注された繊維構造の表面から、過剰シース流体を除去することは、三次元構造の積層造形を向上させ得る。
【0043】
過剰流体は、受容表面121または分注された繊維の1つ以上の層の表面から、それらの表面から流体を引き出すことによって、またはそれらの表面からの流体の蒸発を可能にするか促進することによって除去されるか、または受容表面121が多孔質である実施形態では、過剰流体は多孔質表面を通して引き出すことによって除去され得る。いくつかの実施形態では、吸収性材料(例えば、スポンジ)を使用して、過剰流体を受容表面121から引き出すことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、受容表面121は、1つ以上の真空源から受容表面121に対し吸引を適用するように構成された真空コンポーネント(
図1Aに示されていない)を備える。いくつかの実施形態では、受容表面121は、受容表面に対し吸引を適用するように構成された1つ以上の真空チャネルを備える。いくつかの実施形態では、真空コンポーネントを備えた受容表面121は、印刷プロセスの実行の前、間、及び/または後に、受容表面121から過剰流体を吸引するように構成される。受容表面121が多孔質であるいくつかの実施形態では、真空コンポーネントは、多孔質表面を通って過剰流体を引き出すために吸引を適用するように構成され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、受容表面は、真空源と流体的に結合されている1つ以上のチューブを備え、これは、受容表面121から、及び任意で分注された繊維構造の表面から、過剰流体を除去するための吸引を提供し得る。このような実施形態では、中実または多孔質の受容表面も使用され得る。いくつかの実施形態では、プリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)は、1つ以上の真空チャネルをさらに備えるように構成され、1つ以上の真空チャネルは各々、分注オリフィスの近くに(すなわち隣接して)配置されたオリフィスを有する。プリントヘッドが真空と流体連通しているとき、1つ以上の真空チャネルは、分注オリフィスから材料が分注されているもしくは分注された受容表面121の領域に対し、及び/または分注された繊維構造の表面領域の一部に対し、負圧をかけ、これにより、受容表面121から、及び任意で分注された繊維構造の表面から、過剰流体が引き出され、これにより、受容表面121及び/または分注された繊維構造上の流体の貯留が除去される。
【0046】
実施形態では、プリンティングシステム100は、プリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)に対してプリンタステージまたは受容表面121を移動させることによって、分注された繊維構造の特定の幾何学形態を達成する。ある特定の実施形態では、プリンティングシステム110の少なくとも一部は、無菌環境(例えばバイオセーフティキャビネット(BSC)内)に維持される。いくつかの実施形態では、プリンティングシステム100は、全体的に無菌環境内に適合するように構成される。
【0047】
いくつかの実施形態では、プリンティングシステム100は、プリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)の下の三次元空間(すなわち、デカルト座標系のx、y、及びz軸に沿って)に受容表面121を位置決めするための少なくとも3つのアームを備える、本明細書では位置決めユニット125とも呼ばれる、3Dモータ駆動ステージ125、を備える。
【0048】
いくつかの実施形態では、3Dモータ駆動ステージアームは、対応するモータによりそれぞれ駆動され、コンピュータなどのプログラム可能な制御プロセッサ(例えば、制御システムのコンポーネント102)により制御される。好ましい実施形態では、受容表面121は、3Dモータ駆動ステージ125によりデカルト座標系の3つの主軸全てに沿って一体的に移動可能であり、ステージの移動は、コンピュータソフトウェアを使用して定義される。本発明は、記載された位置決めシステムのみに限定されず、他の位置決めシステムが当該技術分野で知られていることが理解されよう。プリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)上の分注オリフィス(例えば、分注オリフィス116)から材料が分注されると、位置決めユニット125は、ソフトウェアによって制御されるパターンで移動され、それによって、受容表面121上に分注された材料の第1の層が作成される。次に、分注された材料の追加の層が互いの上部に積み重ねられ、その結果、分注された材料の層の最終的な3D幾何学形態は、概して、ソフトウェアにより提供された3D幾何学形態設計図の複製となる。3D設計は、当該技術分野で知られているように、典型的な3D CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアを使用して作成され得るか、またはデジタル画像から生成され得る。さらに、ソフトウェア生成されたジオメトリが使用される特定の材料に関する情報を含有する場合、本発明の一実施形態によれば、特定の入力材料タイプを異なる幾何学的位置に割り当てることが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、プリントされる3D構造は、2つ以上の異なる投入材料を含むことができ、各投入材料は、異なる特性を有する(例えば各投入材料は、異なる細胞型、異なる細胞濃度、異なる細胞外マトリックス(ECM)組成などを含む)。
【0049】
プリンティングシステム100の態様は、特定の繊維の平面または3D構造を形成するために、特定のパターンで特定の位置に主題の投入材料を堆積させることを促進するように構成されたソフトウェアプログラムを含む。そのような構造を作製するために、主題のプリンティングシステムは、主題の投入材料を、受容表面121上の精密な場所(二次元または三次元)に堆積させる。いくつかの実施形態では、プリンティングシステムが材料を堆積させる位置は、ユーザ入力により定義され、コンピュータコードに変換される。いくつかの実施形態では、コンピュータコードは、特定のタスクを実行するように記述された、デジタル処理デバイス(例えば、制御システム102のコンポーネント)の中央処理装置(CPU)で実行可能な一連の命令を含む。いくつかの実施形態では、プリントされる繊維の寸法、シリンジポンプ速度、位置決めユニット125の移動速度、及び架橋剤の強度または濃度を含むがこれらに限定されないプリントパラメータは、ユーザ入力により定義され、コンピュータコードに変換される。いくつかの実施形態では、プリントパラメータは、ユーザ入力により直接定義されずに、コンピュータコードにより他のパラメータ及び条件から導出される。
【0050】
本発明の態様は、組織構築物、組織、及び器官を製作するための方法を含み、コンピュータモジュールにより、所望の組織構築物の視覚的表現の入力を受信することと、コンピュータモジュールにより、一連のコマンドであって、視覚的表現に基づき、かつプリンティングシステム100により読み取り可能である、一連のコマンドを生成することと、コンピュータモジュールにより、一連のコマンドをプリンティングシステムに提供することと、プリンティングシステム100により、コマンドに従って、1つ以上の投入材料を堆積させて、定義された幾何学形態を有する構築物を形成することと、を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、プリンティングシステムが投入材料を堆積させる位置は、ユーザ入力により定義され、コンピュータコードに変換される。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、及び方法はさらに、コンピュータ可読プログラムコードで符号化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体または記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、プリンティングシステム100(もしくはそのコンポーネント)またはプリンティングシステム100(もしくはそのコンポーネント)に接続されたコンピュータなど、有形コンポーネントである。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は任意選択的に、デジタル処理デバイスから取り外し可能である。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体としては、非限定的な例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートメモリ、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、ならびにクラウドコンピューティングシステム及び/またはサービスなどが挙げられる。いくつかの事例では、プログラム及び命令は、記憶媒体上では、永久的、ほぼ永久的、半永久的、または非一時的に、符号化される。
【0052】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるデバイス、システム、及び方法は、ソフトウェア、サーバ、及びデータベースモジュールを含む。いくつかの実施形態では、「コンピュータモジュール」は、より大きいコンピューティングシステム(例えば、制御システム102)と相互作用するソフトウェアコンポーネント(コードセクションを含む)である。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュール(またはプログラムモジュール)は、1つ以上のファイルの形式で提供され、典型的に、コンピューティングシステム(例えば、制御システム102)内の特定のタスクを取り扱う。
【0053】
いくつかの実施形態では、モジュールは、1つ以上のソフトウェアシステムに含まれる。いくつかの実施形態では、モジュールは、1つ以上の他のモジュールと統合されて、1つ以上のソフトウェアシステムとなる。コンピュータモジュールは、任意選択的にスタンドアローンのコードセクションであるか、または任意選択的に個別に識別可能ではないコードである。いくつかの実施形態では、モジュールは、単一のアプリケーション内に存在する。他の実施形態では、モジュールは、複数のアプリケーション内に存在する。いくつかの実施形態では、モジュールは、1台のマシン上でホストされる。いくつかの実施形態では、モジュールは、複数のマシン上でホストされる。いくつかの実施形態では、モジュールは、1つの場所で複数のマシン上でホストされる。いくつかの実施形態では、モジュールは、2つ以上の場所で複数のマシン上でホストされる。本発明の実施形態によるコンピュータモジュールにより、エンドユーザは、コンピュータを使用して、本明細書で説明される方法の1つ以上の態様を実行することが可能となる。
【0054】
いくつかの実施形態では、コンピュータモジュールは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備える。本明細書で使用される場合、「グラフィカルユーザインターフェース」は、アプリケーションの入力及び出力の画像表現ならびにテキスト表現と、情報が格納される階層的または他のデータ構造とを使用するユーザ環境を意味する。いくつかの実施形態では、コンピュータモジュールは、表示画面を備える。さらなる実施形態では、コンピュータモジュールは、表示画面を介して、二次元GUIを提示する。いくつかの実施形態では、コンピュータモジュールは、表示画面を介して、仮想現実環境などの三次元GUIを提示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、タッチスクリーンであり、インタラクティブGUIを提示する。
【0055】
本発明の態様は、1つ以上の流体リザーバを含むことができ、流体リザーバは、流体を格納し、プリンティングシステムとリザーバとの流体連通を提供する1つ以上の流体チャネルを通してプリンティングシステム(例えばプリントヘッド)に流体を送達するように構成される。いくつかの実施形態では、プリンティングシステムは、流体チャネルと流体連通している1つ以上の流体リザーバを備える。いくつかの実施形態では、流体リザーバは、流体チャネルの投入オリフィスに接続される。いくつかの実施形態では、流体リザーバは、約100pL~約1Lの範囲の流体容積、例えば約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100mL、または例えば約150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、もしくは950mLの流体容積を保持するように構成される。例えば、上記の開示がシリンジポンプに関して考察されているが、追加的または代替的な実施形態では、他のタイプのポンプが、シリンジポンプについて上で考察されるものと同様の方法で本開示のプリンティングシステムの装着ブラケットに取り付けるように構成されている場合に、他のタイプのポンプを使用することができる。
【0056】
したがって、一実施形態では、1つ以上の流体リザーバは、複数のシリンジポンプ107とともに、装着ブラケット106に取り付けられた少なくとも1つのぜん動ポンプ145と併せて使用され得る(
図1Cを参照)。追加的または代替的な実施形態では、1つ以上の流体リザーバは、例えば、少なくとも1つの定流量デュアルピストンポンプ、または少なくとも1つのギアポンプと併せて使用することができる。実施形態では、当該流体リザーバのうちの1つ以上は、所望の温度に制御され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、プリンティングシステムは、材料を架橋するために、任意選択的に、光架橋可能な入力材料を光に曝露するためのライトモジュールを備える。本発明の実施形態によるライトモジュール(例えば、紫外線(UV)ライトモジュール)は、プリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)に統合され得るか、またはプリンティングシステム100のコンポーネントとすることができる。
【0058】
実施形態では、ライトモジュールは、リング形状である。
図1Dを参照すると、描写されているのは、リング形状のライトモジュール150である。実施形態では、リング形状のライトモジュール150は、分注チャネル114及び/または分注オリフィス116の透明部分を完全に取り囲む。具体的には、実施形態では、分注チャネル114及び/または分注オリフィス116のうちの1つ以上は、中央空洞153を通って延在する。いくつかの実施形態では、リング形状のライトモジュールは、分注オリフィス116から放出される繊維が、リング形状のライトモジュール150の中央空洞153を通過するように、分注オリフィス116の直下に位置決めされる。実施形態では、リング形状のモジュールは、分注オリフィス116、及び/または分注チャネル114の少なくとも一部を取り囲み得る。
【0059】
リング形状のライトモジュール150は、リング形状のライトモジュールの中心(すなわち、中央空洞153に向かって)の方向に光を内向きに導くように、複数の光源157を備えて構成され、光は、繊維が印刷されているときに繊維に円周方向に向けられる。実施形態では、複数の光源は、少なくとも10~40個の個々の光源、例えば、15~35個、例えば、20~30個の光源を備える。実施形態では、光源157は、発光ダイオード(LED)、例えば、UV-LEDを備える。
図1Eを参照すると、描写されているのは、プリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)に結合されたリング形状のライトモジュール150の例解図であり、プリントヘッド110の分注チャネル114は、リング形状のライトモジュール150の中央空洞(例えば、中央空洞153)を通って延在する。
【0060】
図1Fは、ある特定の実施形態による、シリンジベイバッキングプレートに固定されたシリンジポンプ107の断面図を例解する。
図1Fに例解されるように、シリンジポンプ本体107は、カップ111の底部に1つ以上の磁石270aを有し得る。ある特定の実施形態によれば、装着ブラケット106は、各個々のシリンジベイ(106a)内に設置された1つ以上の磁石270bを有し得、シリンジポンプ107を整列させ、シリンジベイ(106a)内の正しい位置/方向にそれを引っ張る及び/または維持する。
【0061】
図1Gは、ある特定の実施形態による、シリンジポンプを受容するための開放されたシリンジポンプアセンブリを例解し、
図1Hは、特定の実施形態による、11個のシリンジベイを備える装着ブラケットを例解している。
図1Gに例解されるように、シリンジポンプアセンブリ105は、シリンジポンプ107を受容するように構成され得る。上記のように、シリンジポンプ本体107は、装着ブラケット(106)内の個々のシリンジベイ(106a)に磁気的に固定され得、これは、シリンジポンプ107を装着ブラケット(106)に整列させるように構成され得る。
【0062】
シリンジポンプ:
本開示のシリンジポンプは、複数のシリンジポンプがシリンジポンプアセンブリ105の装着ブラケット106上に半円弧状に位置決めされ得るように、
図1Aに例解されるプリンティングシステム(
図1Bも参照)に取り付けることができるものを含む。
【0063】
図2を参照すると、描写されているのは、例示的なシリンジポンプ107の高レベルの例解図である。シリンジポンプ107は、プリンティングシステム100と併せて使用できるハウジング201の一例を含む。シリンジポンプ107は、上部202及び底部203から構成される。描写される例では、上部202及び底部203の各々は、実質的に同様の寸法のくさび形状で構成されるが、他の形状(例えば、長方形)は本開示の範囲内であることが理解されるであろう。描写されるように、上部202は、第2の縁206の長さよりも長い長さの第1の縁205を含み、上部202は、より長い第1の縁205からより短い縁206まで先細になる。同様の論理は、底部203に適用される。このようにして、複数のシリンジポンプを、シリンジポンプアセンブリ105の装着ブラケット106上の放射状配列に位置決めすることができる。
【0064】
実施形態では、シリンジポンプ107は、プランジャドライバ212を突出させる上部202内のスロット210を含む。以下でより詳細に説明されるように、プランジャドライバ212は、矢印214によって例示される前方方向に移動するように構成され、また、矢印215によって例示される逆方向にも移動することができる。このようにして、プランジャドライバ212は、前方方向に駆動されたときに、プランジャ218をシリンジ108のバレル216内に駆動することができ、逆方向に駆動されたときに、シリンジ108のバレル216からプランジャ218を後退させることができる(その詳細は以下でさらに記述される)。いくつかの実施形態では、プランジャドライバ212の移動は、入力220(例えば、プッシュボタン、ノブ、及び同様のもの)によって制御され得る。追加的または代替的に、上で考察されるように、プランジャドライバ212は、例えば、非一時的メモリに格納された命令に基づいて、コントローラ(例えば、コントローラ103)を介して制御することができる。いくつかの実施形態では、エルボ形状のコネクタ119を使用して、シリンジ108の先端をアダプタ(例えば、
図1Aのアダプタ112)に結合することができる。
【0065】
シリンジバレル216は、シリンジ保持器221を介して所定の位置に保持される。実施形態では、シリンジ保持器221は、取り外し可能であり、異なるサイズのシリンジバレルを収容するために、異なるシリンジ保持器で置き換えることができる。
図3Aを参照すると、描写されているのは、シリンジ保持器221の拡大図である。シリンジ保持器221は、シリンジポンプ107の上部202の平坦な表面上に配置するための平坦な底部302から構成され、定義された寸法(例えば、定義された直径)のシリンジバレル(例えば、シリンジバレル216)を適切に受容するように構成された陥凹306(例えば、U字形状の陥凹)を有する保持壁304をさらに備える。実施形態では、シリンジ保持器221は、
図2に描写されるシリンジバレルフランジ222などのシリンジバレルフランジを適切に受容するように構成された保持壁304内のクレバス308をさらに備える。シリンジ保持器221は、シリンジポンプ107の短い縁206の方向に保持壁304から延在する棚310を含む。実施形態では、棚310は、シリンジ保持器221をシリンジポンプ107の上部202に固定するために、ねじ225(
図2を参照)、例えば、つまみねじをそこに挿入することができる、雌ねじコンポーネント312を含み得る。図は、シリンジ保持器221をシリンジポンプ107に固定するためのつまみねじの使用を描写するが、磁気、フック及びループ(例えば、VELCRO(登録商標))、接着剤などを含む他の取り付け手段は、本開示の範囲内である。
図3Bは、シリンジ保持器221の別の図を描写する。
【0066】
図3Cは、別のシリンジ保持器325を描写する。シリンジ保持器325は、シリンジ保持器325がシリンジ保持器221の寸法とは異なる陥凹327(例えば、U字形の陥凹)を有することを除いて、シリンジ保持器221と実質的に類似している。具体的には、シリンジ保持器325に関連付けられた陥凹327は、シリンジ保持器221に関連付けられた306よりも大きい寸法(例えば、より大きい直径)のシリンジバレルを適切に受容することができる。同様に、シリンジバレル間で直径が変化するにつれて、関連するバレルフランジの寸法も変化する可能性がある。したがって、シリンジ保持器325は、陥凹327によって適切に受容される直径のシリンジバレルに関連付けられたバレルフランジを適切に受容するように、クレバス308のものよりも大きい全体寸法のクレバス330を含む。
【0067】
したがって、シリンジ保持器221は、第1の容積(例えば、1mL)を保持することが可能なシリンジバレルを確実に保持することが可能であり得るが、シリンジ保持器325は、第2の容積(例えば、5mL)を保持することが可能なシリンジバレルを確実に保持することが可能であり得る。そのような例は例解的であり、
図3A~3Bに描写されるものと同様の任意の数のシリンジ保持器が、本開示のシリンジポンプと併せて使用され得ることを理解され得る。例えば、異なるシリンジ保持器は、0.1mL~20mL、または50mLもしくは100mLなどの20mLを超える容積を有するシリンジに対応し得る。例えば、限定されないが、個々のシリンジ保持器は、0.1mL、0.2mL、0.3mL、0.4mL、0.5mL、0.6mL、0.7mL、0.8mL、0.9mL、1ml、1~2mL、2~3mL、3~4mL、4~5mL、5~6mL、6~7mL、7~8mL、8~9mL、9~10mLを保持するシリンジバレルを有するシリンジを適切に保持することが可能であり得る。
【0068】
図2に戻ると、シリンジポンプ107は、隣接するプランジャドライバ212に位置決めされたプランジャキャップ230を含み得る。実施形態では、プランジャキャップ230は、プランジャ218に関連付けられたプランジャフランジ232を受容するために、プランジャドライバ212の方向に凹状である。いくつかの実施形態では、プランジャキャップ230は、プランジャ218に関連付けられたプランジャフランジ232を受容するための全体的な内向きの円錐形状を有し得る。凹状/内側円錐形状は、異なる寸法(例えば、外周の異なる長さ、異なる全直径、異なる厚さなど)のプランジャフランジが、プランジャキャップ230内でいくらか異なる位置を採用するようなものであり得る。例えば、外周長が大きいプランジャフランジが、外周長が小さいプランジャフランジよりも早くプランジャキャップの内壁に接触するようになるため、プランジャフランジが外周長が小さいプランジャフランジほどプランジャキャップ内に延在しない場合がある。
【0069】
具体的には示されていないが、本開示の範囲から逸脱することなく、プランジャ(例えば、プランジャ218)をプランジャドライバ(例えば、プランジャドライバ212)に結合することができる他の方式があることを理解されたい。例えば、プランジャは、プランジャドライバの対応する部分によって受容されることができるねじ山部分を含み得る。そのような例は、例解的かつ非限定的であることを意味する。他の取り付け方法も本開示の範囲内である。
【0070】
参照のために、破線ボックス250によって画定されるシリンジポンプ107の面積の拡大図を
図3Dに示す。
図3Dで見ることができ、また
図2で見ることができるように、プランジャドライバ212は、プランジャクリップをそこに取り付けるための2つの取り付け手段270を備える。
図2及び
図3Dでは、プランジャクリップは取り付けられておらず、取り付け要素270はしたがって見ることができる。実施形態では、取り付け手段270は、プランジャクリップ上に対応する磁石を磁気的に引き付けることができる磁石を備えるが、他の取り付け要素(ねじ、ボタン、スナップファスナ、接着剤など)は本開示の範囲内である。
【0071】
図3Eは、シリンジ保持器326をシリンジポンプ107の上部202に固定するセミキャプティブねじ327を含み得る、シリンジ保持器326の別の実施形態を例解する。
図3Fは、ねじ327を介してシリンジポンプ107の上部202に取り付けられているシリンジ保持器326の一実施形態を例解する。
図3Fに例解されるように、シリンジ保持器326は、シリンジ108のシリンジバレル216を保持するように構成され得る。追加的に、シリンジ108は、シリンジ保持器326によって画定されるノッチを介してシリンジ保持器326にスナップフィットされ得る。ある特定の実施形態では、例えば、シリンジ保持器326の1mL、3mL、及び5mLのバージョンを含むが、これらに限定されない様々なバージョンのシリンジ保持器326が存在し得る。
【0072】
図4を参照すると、取り付け要素270によってプランジャドライバ212に結合されたプランジャクリップ405を有するシリンジポンプ107の別の例解図が描写されている(プランジャクリップ405によってそれらの視界が遮られているため、
図4には示されていない)。実施形態では、プランジャクリップ405は、プランジャ218の少なくとも一部分を取り囲み、プランジャキャップ230の壁に対して所定の位置にプランジャフランジ232(
図4には見えないが、
図2及び
図3Dを参照)をロックするように構成され得る。プランジャクリップ405がない場合、プランジャドライバ212は、矢印215によって例示されるように、プランジャドライバ212が逆方向に移動しているときに、プランジャ218をシリンジバレル216から引き出すことができない場合があることが理解され得る。プランジャクリップ405の使用により、プランジャフランジ232は、プランジャキャップ230(及びプランジャドライバ212)とプランジャクリップ405との間に挟まれるようになり、プランジャドライバ212が矢印215の方向に進んでいるときに、プランジャ218をシリンジバレル216から引き出すことが可能になる。プランジャクリップ405は、プランジャドライバ212が矢印214によって例示される前方方向に進んでいる状況下で使用され得るが、その使用はそのような使用例では厳密に必要とされないことが理解され得る。
【0073】
単一のプランジャクリップ405が示されているが、プランジャクリップ405は、本開示のシリンジポンプ107と個別に使用することができる複数のプランジャクリップのうちの1つであることが理解され得る。プランジャクリップは、使用される特定のシリンジに応じて、具体的には、特定のプランジャの寸法に基づいて、異なるプランジャクリップを使用できるように、寸法が変化し得る。プランジャクリップは、使用される特定のプランジャ/特定のシリンジの寸法に応じて特定のプランジャクリップを選択することができるようなものであり、適切なシリンジ保持器(例えば、シリンジ保持器121)及びプランジャキャップ230と併せて、適切な選択は、異なる容積(したがって、異なる寸法を有する)を保持するシリンジについてシリンジバレルの中心線が実質的に一定に維持されることを確実にする。
【0074】
図5A及び5B参照すると、プランジャクリップ405の例示的な実施形態の孤立した例解図が示される。具体的には、
図5Aは、
図4に示されるものと実質的に同様の角度から見たプランジャクリップ405の例解図を表し、
図5Bは、軸502を中心に90°回転した
図5Aのプランジャクリップの例解図を表す。
図5Aに示されるように、プランジャクリップ405は、シリンジプランジャ(例えば、プランジャ218)を適切に受容するためのサイズ及び形状の陥凹505(例えば、U字形状)を有するT字形状を有する。プランジャクリップ507のステム507は、プランジャクリップ405をプランジャ及びプランジャドライバ(例えば、プランジャドライバ212)に物理的に結合するユーザの能力を容易にするために、ユーザを介して把持するための手段として機能することができる。
【0075】
図5Bを参照すると、描写されているのは、プランジャクリップ405の別の図であり、プランジャクリップ405をプランジャドライバ上の取り付け手段によって、プランジャドライバに取り付ける/固定するための手段を保持することができる空洞510を例解している(例えば、
図2及び
図3Dの磁気取り付け手段270)。陥凹505は、
図5Bで見ることができ、プランジャキャップ(例えば、
図2及び
図3Dのプランジャキャップ230)の凹状部分と嵌合するように特に設計された凸状部分515を介して部分的に形成される。円形に凹状として描写されているが、他の実施形態では、円錐形状の部分を使用して、プランジャキャップに対応する反転した円錐形状の部分と嵌合して係合することができる。したがって、大まかに言えば、プランジャクリップ405のうちプランジャキャップと嵌合して係合する部分は、概して、雄カップリング部分として見ることができ、一方、雄カップリング部分を受容するプランジャキャップの部分は、概して、雌カップリング部分として見ることができる。陥凹505を形成するプランジャクリップ405の一部は、プランジャフランジ(例えば、
図2及び
図3Dのプランジャフランジ232)に対して当接する平坦な縁セクション520を含む。
【0076】
図5Cを参照すると、
図4の破線ボックス480によって画定されたシリンジポンプ107の領域の拡大図が描写され、シリンジバレルフランジ222がシリンジ保持器221のクレバス308の壁の間に挟まれている、陥凹306によって受容されたシリンジバレル216を明確に例解する。
図5Cは、プランジャクリップ405がプランジャドライバ212に結合され、プランジャ218の少なくとも一部と適合して係合し、それによってプランジャフランジ(例えば、
図2及び
図3Dのプランジャフランジ232)をプランジャクリップ405とプランジャキャップ230/プランジャドライバ212との間に挟むことをさらに明確に例解するために示されている。
【0077】
図5D~5Gは、設置されたシリンジを物理的に挟むように、そこに含まれる空洞内に封入された磁石270を保持するように構成されたプランジャクリップ405及びプランジャキャップ230の追加の実施形態を例解し、これは、シリンジを引き上げるだけでなく、シリンジを押し下げる能力を提供する。例えば、
図5Dは、ねじ275によって取り付けられ、プランジャキャップに磁気的に取り付けるための2つの磁石270を囲む前面プレート405a及び背面プレート405bを含むプランジャクリップ405を例解する。
図5Fに例解されるように、ある特定の実施形態では、プランジャキャップ230はまた、ねじ275によって取り付けられ、プランジャクリップに磁気的に取り付けるために2つの磁石270を囲む前面プレート230a及び背面プレート408bを含み得る。このように、ある特定の実施形態では、プランジャクリップ405及び/またはプランジャキャップ230は、その中に含まれる空洞に封入された磁石を保持するように構成され得る。したがって、
図5F及び5Gに例解されるように、
図5Dに例解されるプランジャクリップ405及び
図5Eに例解されるプランジャキャップ230は、磁気的に取り付けられ得、それによってプランジャクリップ405の陥凹に位置決めされたプランジャ218を用いてプランジャクリップ230とプランジャクリップ405との間のプランジャドライバ212を囲む。
【0078】
図5H~5Jは、例えば、直接挿入シリンジとともに使用するためのプランジャクリップ及びプランジャキャップ230の代替的な実施形態を例解する。例えば、
図5H~5Jは、プランジャクリップ405と比較してわずかに異なる機能を有するプランジャクリップ410を例解する。いくつかの実施形態によれば、シリンジキャップ235は、その頭部に設置された磁石を有し得る。いくつかの実施形態では、プランジャクリップ410は、プランジャキャップ235の頭部の磁石に磁気的に引き付けられ得るように、鋼で作製され得る。
【0079】
異なる寸法のシリンジバレルを適切に受容することができるシリンジ保持器と、凹状または逆円錐形状で構成されたプランジャキャップとの組み合わせ使用により、本開示のシリンジポンプは、有利には、異なる寸法のシリンジ間の中心線を一定に維持する。例えば、1mLのシリンジの中心線は、5mLのシリンジの中心線と実質的に同じである。同様の論理は、他の寸法のシリンジにも適用される。異なる寸法のシリンジ間の中心線の維持は、有利には、プリンティングシステム100と併せて使用される複数のシリンジ間の内部容積に関する変動を最小化するのに役立つ。
【0080】
具体的には、
図6Aを参照すると、描写されているのは第1のシリンジ605及び第2のシリンジ610である。各シリンジは、プランジャ(612a及び612b)、ならびにシリンジバレル(614a及び614b)で構成される。この例では、当該シリンジの各々は、それぞれのシリンジバレルに関連付けられた雌ルアー(618a及び618b)を含む。視覚的に見ることができるように、第1のシリンジ605のシリンジバレル614aは、第2のシリンジ610のシリンジバレル614bよりも直径が小さい。各シリンジは、それぞれのシリンジの長さに沿って、中心長手方向軸(620a及び620b)、または中心線を有し、中心長手方向軸は、シリンジバレルの壁から等距離の軸である。
【0081】
図6Bは、垂直軸630を中心に90°回転され、第1のシリンジ605がシリンジ保持器221によって受容され、第2のシリンジ610がシリンジ保持器325によって受容される、
図6Aのシリンジを示す。シリンジ保持器221及びシリンジ保持器325の各々は、シリンジポンプ107の上部202に固定される。異なるシリンジ保持器の使用によって例解されるように、中心線は、垂直軸640及び水平軸642に関して、シリンジポンプ107の上部202に対して一定に維持される。この例では、垂直及び水平は相対的な用語であり、垂直軸640は、シリンジポンプ107の上部202に垂直として説明され、水平軸642は、シリンジポンプ107の上部202に平行として説明されることが理解され得る。
【0082】
図7を参照すると、描写されているのは、シリンジポンプ107の透明な側面図である。シリンジポンプ107の内部動作は、参照のために示されるが、他の設計オプションも本開示の範囲内であることが理解され得る。
【0083】
シリンジポンプ107は、ハウジング201を含む。例示的な実施形態では、複数のそのようなシリンジポンプが、プリンティングシステム100の装着ブラケット106上で互いに対して15度~60度の放射状配列に位置決めされ得るように、くさび形状のハウジングが提供される。当該ハウジング内で、シリンジポンプ107は、ステッピングモータ705を含む。ステッピングモータ705は、第1の支持軸受711を介して下側プーリ709に次いで結合されている可撓性カップリング707に結合されている。駆動ベルト715は、下側プーリ709を上側プーリ718に結合する。上側プーリ718は、次いで、リードねじ720に結合される。リードねじ720は、第2の支持軸受722、及び第3の支持軸受724に結合されている。
【0084】
シリンジポンプ107は、ガイドレール726と、ボールナット732を含むスライドブロックアセンブリ730と、をさらに備える。ステッピングモータ705の動作を介して駆動ベルト715を通って誘発されるリードねじ720の回転運動は、ボールナット732の直線運動を生じさせ、次に、リードねじ720及びガイドレール726の長さに沿ったスライドブロックアセンブリ730の直線運動を生成する。スライドブロックアセンブリ730の一部は、シリンジポンプ107の上部202上のスロット(
図7には示されていないが、
図2のスロット210を参照)を通って延在し、プランジャ218をシリンジ108のシリンジバレル216内に駆動するように動作するプランジャドライバ212を形成する。
【0085】
シリンジバレル216は、上で考察されるように、シリンジ保持器221を介して固定される。
図7に示されるように、ねじ225は、シリンジ保持器221の棚310を通ってシリンジポンプ107の上部202内に延在し、シリンジ保持器221をシリンジポンプ107の上部202に固定する。例解目的で、シリンジ108の先端740に結合されたエルボ形状のコネクタ119が示される。
【0086】
プランジャドライバ212に戻ると、プランジャドライバ212に隣接するのは、プランジャフランジ232を受容するように構成されたプランジャキャップ230である。
図7に描写される透明な側面図から、プランジャフランジ232がプランジャキャップ230の壁に当接していることがわか得る。いくつかの実施形態では、シリンジポンプ107は、プランジャクリップ405を含む。実施形態では、プランジャクリップ405は、磁気取り付け手段270(
図2、3D及び5D~5Gに示される)を介してプランジャドライバ212に取り付けられる。実施形態では、プランジャクリップ405は、プランジャ218の少なくとも一部を取り囲み、プランジャキャップ230の壁に対してプランジャフランジ232を所定の位置に固定するように構成され得る。考察されるように、プランジャクリップ405がない場合、プランジャドライバ212は、矢印215によって例示されるように、プランジャドライバ212が逆方向に進んでいるときに、シリンジバレル216からプランジャ218を引き出すことができない場合がある。プランジャクリップ405の使用により、プランジャフランジ232は、プランジャキャップ230とプランジャクリップ405との間に挟まれるようになり、プランジャドライバ212が矢印215の方向に進んでいるときに、プランジャ218をシリンジバレル216から引き出すことが可能になる。
【0087】
プリントヘッド及びアダプタ:
図1Aに関して上で考察されるように、本開示のプリンティングシステムは、1つ以上のプリントヘッド、及び実施形態では、1つ以上のアダプタを受容するように構成される。それに関連する他の態様及びコンポーネントは、以下の詳細な説明をさらに詳述することで明らかになるであろう。
【0088】
ここで
図8を参照すると、描写されているのは、本開示のアダプタ及びプリントヘッドの一実施形態である。
図8を参照すると、アダプタ及びプリントヘッドは、
図1Aを参照して考察されるものと実質的に類似しており、したがって、
図8は、アダプタ112及びプリントヘッド110を指す。アダプタ112は、1つ以上のシリンジポンプ(例えば、シリンジポンプ107)に取り付けられた1つ以上のシリンジから材料流を受容することができる複数のシリンジ入口118を含み、当該シリンジポンプは、本開示のプリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)の装着ブラケット(例えば、装着ブラケット106)に取り付けられる。かかる実施形態では、材料流は、マイクロ流体アダプタチャネルを介してプリントヘッド110に経路指定され得、これは、アダプタ112に関連付けられたマイクロ流体アダプタチャネルから材料流を受容するように構成された複数の流体入口と、当該複数の流体入口に対応する複数のマイクロ流体プリンティングチャネルとを収容し、ここで、プリントヘッド110内のマイクロ流体プリンティングチャネルは、考察されるように、分注オリフィス116につながる単一の分注チャネル114に合流する。
【0089】
実施形態では、背面プレート805は、アダプタ112に結合するように構成される。いくつかの実施形態では、背面プレート805は、当該マイクロ流体アダプタチャネル及び/またはマイクロ流体プリンティングチャネルに関連付けられた1つ以上のバルブの空気圧制御を可能にするような方式で位置決めされた空気圧入口を提供するように構成され得る。追加的または代替的な実施形態では、マイクロ流体アダプタチャネル及び/またはマイクロ流体プリンティングチャネルのうちの1つ以上は、受動的に作動されるバルブ、例えば、バルブ開口閾値を超える材料流の圧力に応答して開く一方向バルブを含み得、当該バルブを開くことができる方向とは反対方向の流体流を可能にすることができない。
【0090】
いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロ流体アダプタチャネル及び/またはマイクロ流体プリンティングチャネルに関連付けられたバルブの全ては、受動的に作動可能であり(例えば、ダックビルバルブ、一方向チェックバルブ)、そのような例では、背面プレート805は、単に装着ブラケットとして機能し得るか、または全て必要とされない場合がある。いくつかの実施形態では、バルブ層807は、アダプタ112の一部、またはプリントヘッド110の一部を含む。実施形態では、バルブ層807に含まれる1つ以上のマイクロ流体チャネルは、考察されるようなバルブを含み得るが、バルプの配置が追加的または代替的にバルブ層807の外側に含まれ得ることは、本開示の範囲内である。
【0091】
いくつかの実施形態では、アダプタ112は、シリンジポンプ(例えば、シリンジポンプ107)に取り付けられたシリンジ(例えば、
図1Aのシリンジ120を参照)をプリントヘッド110の流体入口に直接挿入することを可能にし、したがって、アダプタ(例えば、アダプタ112)及びアダプタに関連付けられた対応するシリンジ入口(例えば、シリンジ入口118)をバイパスすることができる陥凹されたセクション810を含む。
【0092】
図9Aを参照すると、プリントヘッド110に結合されたアダプタ112の透明な正面図が描写されている。例解されているのは、マイクロ流体アダプタチャネル905に結合された複数のシリンジ入口118である。アダプタ112のマイクロ流体アダプタチャネル905の一部として含まれるのは、考察されるように、受動的または空気圧で作動され得るバルブ907である。
図9Aに示される実施形態は、追加的に、バルブ層807を含み、この例示的な例解図では、プリントヘッド110の一部を含むとして考察される。マイクロ流体アダプタチャネル905は、プリントヘッド110に関連付けられた流体入口912に結合される。プリントヘッド110は、各々がそれぞれの流体入口912から生じる複数のマイクロ流体チャネル915を含む。
【0093】
考察されるように、いくつかの実施形態では、アダプタ112は、シリンジのプリントヘッド110への、かつ、具体的には、複数のマイクロ流体プリンティングチャネル915のうちの1つ、具体的には、直接シリンジ入口920から生じる1つに結合される、直接シリンジ入口920への直接挿入を可能にするために、陥凹されたセクション810を含む。例示的な実施形態では、対応するマイクロ流体プリンティングチャネルは、例えば、細胞クラスタ、より大きい細胞などのための超大型バルブをさらに含み得る。
【0094】
複数のマイクロ流体プリンティングチャネル915は、次に、プリントヘッド110内で単一の分注チャネル114内に合流し、分注オリフィス116につながる。実施形態では、直接シリンジ入口は、生物学的材料、例えば、細胞を含有する材料に使用され得る。具体的には示されていないが、実施形態では、バルブは、直接シリンジ入口920からの当該生物学的材料の流れを制御するために使用され得る。
【0095】
実施形態では、プリントヘッド110は、画像925、例えば、機械可読画像を含む。実施形態では、画像は、本開示のプリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)に関連付けられたカメラによって走査することができるコード(例えば、QRコード(登録商標)、microQRコード(登録商標)、一次元バーコード、英数字ラベルなどの二次元バーコード)を含む。次いで、コードに記憶された情報は、例えば、制御システム(例えば、制御システム102)に関連付けられたコンピューティングデバイスを介して抽出され、対応して使用されることができる。
【0096】
例えば、画像の一部として格納された情報は、プリントヘッドの寸法、マイクロ流体チャネルに順番に流体的に結合された流体入口の数、互いに関連した当該流体入口の間隔などのうちの1つ以上に関する詳細情報を含み得る。コンピューティングデバイス(例えば、
図1Aの制御システム102に関連付けられたコンピュータ)は、符号化された情報を抽出し、次に、抽出された情報に関連する出力を生成し得る。一例では、出力は、1つ以上のシリンジポンプ(例えば、シリンジポンプ107)、及び対応するシリンジ(例えば、
図1Aのシリンジ108)がどこに配置されるべきかについて、プリンティングシステムのユーザによって解釈されることが可能である命令を含み得る。いくつかの実施形態では、命令は、視覚的な警告、例えば、テキスト及び/または1つ以上の画像の形態であり得、コンピュータ(例えば、
図1Aの制御システム102に関連付けられたコンピュータ)上で視聴可能であり得るか、または何らかの他の方法で視聴可能であり得る。例えば、実施形態では、命令は、プリンティングシステムに通信可能に結合された(例えば、インターネットを介して接続された、ユーザ電子メールアカウントに電子メールで送信されたなど)スマートフォン、タブレットなどのデバイスを見ることができる。追加的または代替的に、視覚的な警告は、1つ以上のライト、例えば、装着ブラケットの一部として含まれる1つ以上のライト(例えば、
図1Aの装着ブラケット106)に基づき得る。
【0097】
例えば、特定の装着ブラケットに応じて、シリンジポンプ(例えば、本開示のくさび形状シリンジポンプ)を取り付けることができる3~11の場所(すなわち、シリンジベイ)が存在し得る。実施形態では、当該場所の各々は、ライトに関連付けられ得る。ライトは全て、1つの特定の色、明るさ、サイズ、形状などであることができ、またはライトは、当該場所間で異なることができる。プリンティングシステムに結合された特定のプリントヘッドに関連付けられた画像から命令を抽出すると、コントローラ(例えば、
図1Aのコントローラ103)を介してコマンドを送信して、シリンジポンプを取り付けることができる異なる場所に関連付けられた1つ以上のライトを作動させ得る。ライトがオンにされる場所は、シリンジポンプがそこに取り付けられるべきであるそれらの場所に対応し得る。このようにして、ユーザは、特定のプリントヘッドで使用するために、シリンジポンプを装着ブラケットに取り付ける必要がある特定のベイについて簡単に警告され得る。したがって、本明細書に開示するプリンティングシステムで使用することができるプリントヘッドは、いくつかの実施形態では、シリンジポンプを装着構造上の全ての利用可能なシリンジベイに取り付けることを必要とし得るか(例えば、11の場所のうち11)、または他の例では、シリンジポンプをシリンジベイの断片(例えば、11の5、または7の3など)に取り付けることを必要とし得る。
【0098】
図9Bを参照すると、描写されているのは、アダプタ112に結合されたプリントヘッド110、及び背面プレート805の透明な側面図である。換言すると、
図9Bは、
図9Aに描写される垂直軸930を中心に90°回転した
図9Aの例解図を表す。この透明な側面図から見ることができるのは、シリンジ入口118、マイクロ流体アダプタチャネル905、マイクロ流体プリンティングチャネル915、分注チャネル114、及び分注オリフィス116である。また、見ることができるのは、直接シリンジ入口920である。いくつかの実施形態では、
図9Bに描写されるように、マイクロ流体アダプタチャネル905は、アダプタ112の少なくとも一部分をある角度で横断する。
図9Bに例解される角度は、
図9Bに示される水平軸950に対して約45°の角度であるが、他の角度は本開示の範囲内である。例えば、マイクロ流体チャネル905は、約20°、または約25°、または約30°、または約35°、または約40°、または約45°、または約50°、または約55°、または約60°など、水平軸950に対して20°~60°の任意の角度で第2の部分を横断し得る。
【0099】
また、
図9Bに見ることができるのは、空気圧入口955である。空気圧入口955は、背面プレート805の一部として含まれる。具体的には、描写される実施形態では、バルブ907(
図9Bでは見ることができないが、
図9Aを参照する)は、マイクロ流体アダプタチャネル905内に含まれ、空気圧で作動可能であるバルブを含み、したがって、背面プレート805は、圧縮空気または圧縮不活性ガスをその制御のために当該バルブに送達するように、当該バルブに対して適切に位置決めされた空気圧入口955を含む。
【0100】
ここで
図10を参照すると、本開示に関連するアダプタ及びプリントヘッドの別の実施形態が描写されている。
図10に描写され、
図11A~11Bにさらに例解されるアダプタ及びプリントヘッドは、
図8及び9A~9Bに関して考察されるアダプタ及びプリントヘッドとは異なる。したがって、いくつかの態様は、異なるアダプタとプリントヘッドとの間で類似しているが、明確にするために特徴を説明するために異なる数字が使用される。
【0101】
図10は、プリントヘッド1009の上に位置決めされたアダプタ1005を例解する。アダプタ1005は、1つ以上のシリンジポンプ(例えば、シリンジポンプ107)に取り付けられた1つ以上のシリンジから材料流を受容することができる複数のシリンジ入口1011を含み、当該シリンジポンプは、本開示のプリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)の装着ブラケット(例えば、装着ブラケット106)に取り付けられる。かかる実施形態では、材料流は、マイクロ流体アダプタチャネルを介して、アダプタ1005を介して経路指定され、プリントヘッド1009に経路指定され得、これは、当該マイクロ流体アダプタチャネルから材料流を受容するように構成された複数の流体入口を収容する。プリントヘッド1009は、当該複数の流体入口に対応する複数のマイクロ流体プリンティングチャネルをさらに含み、プリントヘッド1009内のマイクロ流体プリンティングチャネルは、分注オリフィス1018につながる単一の分注チャネル1015に合流する。
【0102】
図10のアダプタ及びプリントヘッドの実施形態には、アダプタ1005の一部、またはプリントヘッド1009の一部を含むバルブ層1007が含まれる。実施形態では、バルブ層807に含まれる1つ以上のマイクロ流体チャネルは、バルブ(例えば、受動的または空気圧で作動される)を含み得るが、バルブ配置が追加的にまたは代替的にバルブ層1007の外側に含まれ得ることは、本開示の範囲内である。
【0103】
図10に描写されているのは、背面プレート1012である。背面プレート1012は、アダプタ1005に取り付けることが可能であり得、本開示のプリンティングシステム(例えば、
図1Aのプリンティングシステム100)へのアダプタ1005の装着を支援することができる。マイクロ流体入口チャネルの一部として含まれるバルブの全てが受動的に作動される実施形態では、背面プレートは、単に装着目的で使用され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、背面プレート1012が、当該マイクロ流体入口チャネルに関連するバルブの空気圧制御を可能にする方式で位置決めされた空気圧入口を含むことができることは、本開示の範囲内である。
【0104】
ここで
図11Aを参照すると、描写されているのは、プリントヘッド1009に結合されたアダプタ1005の透明な正面図である。また、見ることができるのは、背面プレート1012である。例解されているのは、マイクロ流体アダプタチャネル1105に結合された複数のシリンジ入口1011である。この描写される実施形態では、バルブ層1007は、アダプタ1005の一部であるとして考察される。示されるように、マイクロ流体アダプタチャネル1105の各々は、バルブ1110を含む。マイクロ流体アダプタチャネル1105は、プリントヘッド1009に関連付けられた流体入口1112に結合される。プリントヘッド1009は、各々がそれぞれの流体入口1112から生じる複数のマイクロ流体プリンティングチャネル1115を含む。複数のマイクロ流体プリンティングチャネル1115は、次に、プリントヘッド1009内で単一の分注チャネル1015内に合流し、分注オリフィス1018につながる。また、
図11Aに例解されているのは、本開示のプリンティングシステム(例えば、
図1Aのプリンティングシステム100)への背面プレート1012、アダプタ1005、及びプリントヘッド1009の装着を支援するために、装着ピンを受容することができる開口部1116である。
【0105】
図11Aには明示的に例解されていないが、実施形態では、プリントヘッド1009は、画像、例えば、機械可読画像を含み得る。上で考察されるものと同様に、実施形態では、画像は、本開示のプリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)に関連付けられたカメラによってスキャンすることができるコード(例えば、QRコード(登録商標)、microQRコード(登録商標)などの二次元バーコード)を含む。次に、コードに格納された情報は、例えば、制御システム(例えば、制御システム102)に関連付けられたコンピューティングデバイスを介して抽出され、上で考察されるものと同様の方式で対応して使用されることができる。
【0106】
図11Bを参照すると、描写されているのは、アダプタ1005に結合されたプリントヘッド1009、及び背面プレート1012の透明な側面図である。換言すると、
図11Bは、
図11Aに描写される垂直軸1130を中心に90°回転した
図11Aの例解図を表す。この透明な側面図から見えるのは、シリンジ入口1011、マイクロ流体アダプタチャネル1105、バルブ1110、マイクロ流体プリンティングチャネル1115、分注チャネル1015、及び分注オリフィス1018である。また、見ることができるのは、上で考察されるように、装着ピン(図示せず)を受容することができる、背面プレート1012の一部として含まれる開口部1116である。
【0107】
本開示のアダプタは、様々な異なるプリントヘッドと流体的に結合することが可能であり得る。したがって、特定のプリントヘッド及び構成が、例えば、
図9A~9B及び
図11A~11Bに示されているが、そのような例は例解的であり、限定的であることを意味するものではないことが理解され得る。したがって、本開示のアダプタは、本明細書で考察されるプリンティングシステムにモジュール式の態様を付与するため、プリントヘッドは、所望のユースケースに応じて容易に交換することができる。
【0108】
例えば、いくつかの実施形態では、本開示のプリンティングシステムとともに使用することができるプリントヘッドは、プリントヘッド分注チャネルに向かって流体を集束させるように構成された円錐台形状からなる1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6)の流体集束チャンバを含むことができる。参照のために、限定はしないが、
図9Aは、2つのそのような流体集束チャンバ(第1の流体集束チャンバ926及び第2の流体集束チャンバ927)を描写し、
図11Aはまた、2つのそのような流体集束チャンバ(第1の流体集束チャンバ1126及び第2の流体集束チャンバ1127)を描写する。そのような流体集束チャンバを含むプリントヘッドの関連する例は、WO2020/056517及びWO2021/081672に記載されており、それらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
品質管理システム:
本明細書に開示されるようなプリンティングシステムを介した繊維の3Dバイオプリンティングの品質保証は、任意の翻訳用途のための再現可能なバイオ繊維の製作、機能、及び規制当局の承認にとって不可欠である。したがって、本開示のプリンティングシステム(例えば、プリンティングシステム100)は、以下に考察される品質管理システムのうちの1つ以上を組み込むことができる。実施形態では、品質管理システムは、1つ以上のカメラを備える。実施形態では、1つ以上のカメラは、プリントヘッドの寸法、マイクロ流体チャネルに順番に流体的に結合された流体入口の数、互いに関連した当該流体入口の間隔などのうちの1つ以上を推測するために、上に記載したコード(例えば、QRコード(登録商標)、microQRコード(登録商標)など)を走査するために使用されるカメラと同一または異なる。
【0110】
例示的な実施形態では、シリンジポンプアセンブリの整合のためのコードを走査する目的でプリントヘッドの背面に向けられたカメラはまた、プリントヘッドを通る材料流の詰まりまたは他の異常を検出する目的で、プリントヘッド自体の内部を画像化するために使用することもできる。
【0111】
実施形態では、本開示のプリンティングシステムと併せて使用されるプリントヘッドは、透明な分注チャネル(例えば、分注チャネル114)を含む。そのような実施形態では、カメラシステムは、透明な分注チャネルに対して第1の角度で位置決めされた第1のカメラと、透明な分注チャネルに対して第2の異なる角度で位置決めされた第2のカメラとを含む。実施形態では、2つのカメラは、互いに対して約90°の角度で配向される。第1のカメラ及び第2のカメラは、ユーザが確立した材料流パラメータからの材料流の1つ以上の偏差を識別することができる機械学習ベースのシステムの一部を形成する。例えば、そのようなシステムは、繊維直径、同心度及び/または速度、様々な繊維特性、詰まり、気泡の有無などを監視し、当該監視に基づいて1つ以上のパラメータ(例えば、バルブの開/閉、材料流量など)を制御することが可能であり得る。例えば、ある特定の実施形態は、繊維形成の非接触センシングを可能にし、例えば、品質管理/品質保証パラメータを含む印刷された繊維特性の定量的測定を導出するために自動化された分析を提供し得る。いくつかの実施形態では、そのような定量的測定は、印刷中に繊維全体にわたる生物学的材料(例えば、細胞)のリアルタイムの高レベル定量を含み得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、異なる機械学習ツールを放射状ポンプアセンブリとともに採用することができる。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、物体検出に使用され得る。別の例として、セマンティックセグメンテーションは、印刷中にプリントヘッド及び結果として生じる繊維の異なる特性を監視及び分析するために使用され得る。
【0113】
実施形態では、様々な機械学習ツールの出力をリアルタイムで3Dバイオプリンティングプラットフォームにフィードバックして、プリントヘッドのマイクロ流体チャネル内の圧力及び/または変位、ならびにその後の材料の流れを調整して、直径及び/または誤同心を補正することができ、したがって、高品質の繊維の一貫した生産を可能にし、バイオプリントされた繊維における高価な生体材料及び細胞入力の損失を最小化することができる。
【0114】
ある特定の実施形態は、マイクロ流体プリントヘッド及びその中の繊維の透明な特徴を照明するために、カメラの各々のための発光ダイオード(LED)またはLED配列を含み得る。実施形態では、カメラは、ノズルの視野を最適に捕捉するために、プリンティングシステム内で様々な方法で位置決めされ得、内側ノズルの縁(内径、その中に繊維が形成され得る)、ならびに生成されている繊維(例えば、同心円状の繊維の場合、シェル及びコア)は、カメラ視野で見え得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、プリンティングシステムにおけるカメラの適用は、プリントヘッドのノズルの様々な角度に焦点を合わせ、ノズルを監視する能力、ならびに例えば、濃度、細胞数、及び/または繊維のアーキテクチャの分布及び/または一貫性を含むがこれらに限定されない様々な繊維特性を可能にし得る。カメラ及び機械学習/人工知能の追加の特徴は、米国特許出願第62/238,028号及び国際特許出願第PCT/US2022/41759号に記載されており、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0115】
実施形態では、1つ以上の追加的または代替的なカメラは、本開示のプリンティングシステムの一部として含むことができる。そのような一実施形態では、カメラ(複数可)は、印刷されるときにバイオプリントされた繊維構造を画像化することができるように、受容表面(例えば、受容表面121)に向けられることができる。このようにして、当該カメラ(複数可)は、プリントヘッド(例えば、プリントヘッド110)から分注された繊維の1つ以上の特性を監視するために使用され得る。このような特性には、先行繊維及び/または後続繊維の存在及び/または不在、ならびに当該プリント繊維から形成された印刷された繊維及び/または3D構造の形状忠実度が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0116】
実施形態では、リング形状のライトモジュールは、印刷されるときに光架橋可能な材料からなる繊維の架橋の均一性を確保するのに役立ち得るという点で、品質管理システムの一部を含み得る。
【0117】
また、空気圧バルブの使用は、所望の3D構造の不正確さまたは歪みを低減または回避するという点で、本開示の文脈において有利であり得ることが本明細書で認識される。例えば、本開示のプリンティングシステムと併せて1つ以上の空気圧バルブに依存することは、印刷プロセスの不正確な開始及び/または停止を低減または回避することができ、それ以外の場合、印刷された繊維及び3D構造の寸法を歪める可能性のある先行繊維及び/または後続繊維の形成をもたらし得る。具体的には、空気圧バルブ(複数可)への依存は、突然の繊維の開始及び終了を確立するのに役立つことができることが本明細書で認識される。したがって、実施形態では、1つ以上の空気圧バルブ(複数可)を、本開示のプリンティングシステムと併せて使用して、プリントヘッドによって分注された繊維が、後続繊維を含まないクリーンエンドで終端されることを確実にする、及び/またはプリントヘッドによって生成された繊維構造が、先行繊維を含まないクリーンな開始エンドを有することを確実にすることができる。
【0118】
上述の実施形態及び実施例は、単に例解的であり、非限定的であることが意図される。当業者であれば、日常的な実験のみを使用して、特定の化合物、材料、及び手順の多数の同等物を認識するか、または確認することができるであろう。そのような等価物は全て、範囲内にあり、添付の特許請求の範囲により包含される。
【国際調査報告】