IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニーの特許一覧

特表2024-546943RXFP1アゴニストとしてのテトラリン、フェニルシクロブタン、およびフェニルシクロペンタン類似体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】RXFP1アゴニストとしてのテトラリン、フェニルシクロブタン、およびフェニルシクロペンタン類似体
(51)【国際特許分類】
   C07C 237/48 20060101AFI20241219BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20241219BHJP
   C07D 309/08 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/423 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/421 20060101ALI20241219BHJP
   C07D 261/04 20060101ALI20241219BHJP
   C07D 261/08 20060101ALI20241219BHJP
   C07D 231/12 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20241219BHJP
   C07D 275/02 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/425 20060101ALI20241219BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 31/424 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C07C237/48
A61P43/00 111
A61P9/10
A61P9/04
A61P9/00
A61P43/00 105
A61K31/167
A61K31/198
C07D309/08 CSP
A61K31/351
A61K31/423
A61K31/421
C07D261/04
C07D261/08
C07D231/12 D
A61K31/415
C07D275/02
A61K31/425
C07D498/04 101
A61K31/424
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535914
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2022081516
(87)【国際公開番号】W WO2023114819
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/289,812
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】スミス ザ セカンド,レオン エム
(72)【発明者】
【氏名】ピント,ドナルド ジェイ ピー
(72)【発明者】
【氏名】オーワット,マイケル ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA07
4C086BC36
4C086BC67
4C086BC68
4C086BC79
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA37
4C086ZA40
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206FA53
4C206GA07
4C206GA32
4C206MA01
4C206NA14
4C206ZA36
4C206ZA37
4C206ZA40
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB23
4H006BJ30
4H006BJ50
4H006BM10
4H006BM71
4H006BN10
4H006BP30
4H006BS10
4H006BV74
(57)【要約】
本開示は、RXFP1受容体アゴニストである式(I)の化合物、それを含む組成物、およびその使用方法(例えば、心不全、繊維症、および関連疾患(例えば肺疾患(例えば、特発性肺線維症)、腎疾患(例えば、慢性腎臓病)、または肝疾患(例えば、非アルコール性脂肪肝炎および門脈圧亢進症))の治療)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
R1は、ハロゲン、0~5個のハロゲンで置換されたC1-4アルキル、=O、OH、または0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R2は、ハロゲン、CN、0~5個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキル、0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R3は、0~5個のR4で置換されたC1-4アルキル、0~5個のR4で置換された-(CRdRd)n-C3-10-カルボシクリルであるか、または0~5個のR4で置換された-(CRdRd)n-(O、S(=O)p、N、およびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含む3~6員ヘテロシクリル)であり;
R4は、ハロゲン、CN、0~5個のハロゲンで置換されたC1-4アルキル、OH、0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、-S(O)pRc、アリールであるか、またはO、S(=O)p、N、およびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロシクリルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC3-6カルボシクリルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり、ここで前記ヘテロシクリルは、炭素原子または窒素原子を介してフェニル部分と結合し;
R6は、ハロゲン、CN、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-4アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、-S(O)pRc、0~3個のReで置換された-(CH2)n-C3-6カルボシクリルであるか、またはO、S(=O)p、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-6アルキル、0~5個のReで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-6アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-6アルキル、0~5個のReで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-6アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-6アルキル、0~5個のReで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-6アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、NO2、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、-C(=O)ORf、-C(=O)NRfRf、-NRfC(=O)Rf、-S(=O)pRf、-S(=O)pNRfRf、-NRfS(=O)pRf、-NRfC(=O)ORf、-OC(=O)NRfRf、または-(CH2)nNRfRfであり;
Rfは、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、またはヘテロシクリルであるか、あるいはRfおよびRfはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になってヘテロシクリルを形成し;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはアリールであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
式(II):
【化2】
[式中、
R1は、ハロゲン、=O、OH、0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R2は、ハロゲン、C1-3アルキル、または0~4個のハロゲンで置換された-OC1-3アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはアリールであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
を有する、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
式(III):
【化3】
[式中、
R1は、OHまたは=Oであり;
R2は、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のFで置換されたC1-3アルキルであり;
R6は、ハロゲン、CN、C1-3アルキル、-OH、または-OC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~4個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
Raは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~4個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-2アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
を有する、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
式(IV):
【化4】
[式中、
R1は、OHまたは=Oであり;
R2は、-OC1-3アルキルであり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R6は、Fであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、-C(=O)ORb、または-C(=O)NRaRaであり;
R8は、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、または-OC(=O)NRaRaであり;
Raは、H、0~3個のReで置換されたC1-4アルキル、0~3個のReで置換された-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、または0~3個のReで置換されたフェニルであり;
Rbは、Hまたは0~5個のReで置換されたヘテロシクリルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、またはC1-6アルキルであり;および
nは、0または1である]
を有する、請求項3に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
式(V):
【化5】
[式中、
R8は、-C(=O)OHまたはCF3であり;
R9は、-NHC(=O)Rbまたは-OC(=O)NHRaであり;
Raは、-C3-6シクロアルキルまたはフェニルであり;および
Rbは、ヘテロシクリルである]
を有する、請求項4に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
式(VI):
【化6】
[式中、
R1は、=Oであり;
R2は、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-3アルキルであり;
R5は、O、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~4個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~4個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-2アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)n-ヘテロアリール、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
を有する、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
式中、
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化7】
であり;
R6は、ハロゲン、-OH、または0~1個のOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキルであり;
R8は、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、または-C(=O)NHORbであり;
R9は、-ORbまたは-NRaRaであり;
R10は、H、-C(=O)Rb、または0~1個のR11で置換されたC1-4アルキルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
Raは、HまたはC1-3アルキルであり;および
Rbは、HまたはC1-3アルキルである、
請求項6に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
式中、
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化8】
であり;
R6は、ハロゲン、C1-4アルキル、-OH、または-OC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-4アルキルであり;
R8は、-C(=O)ORbであり;
R9は、OHであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-3アルキル、または-C(=O)OC1-4アルキルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;および
Rbは、HまたはC1-4アルキルである、
請求項6に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
式中、
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化9】
であり;
R6は、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、=O、-OH、または-OC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、または-C(=O)ORbであり;
R8は、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-NRaC(=O)Rbであり;
R10は、HまたはC1-3アルキルであり;
Raは、HまたはC1-4アルキルであり;および
Rbは、H、またはC1-4アルキルである、
請求項6に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
式(VII):
【化10】
[式中、
R2は、ハロゲン、CN、-C(=O)ORb、-NRaRa、0~5個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキル、または0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-5アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-5アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-5アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
を有する、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
式(VIII):
【化11】
[式中、
R1は、=Oまたは-OHであり;
R2は、ハロゲン、CN、-C(=O)ORb、-NRaRa、0~5個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキル、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-5アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-5アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
を有する、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
式(IX):
【化12】
[式中、
R1は、=Oまたは-OHであり;
R2は、ハロゲン、CN、-C(=O)ORb、-NRaRa、0~5個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキル、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-5アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-5アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-(4~6員ヘテロシクリル)、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロアリール、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
を有する、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項14】
リラキシン関連疾患を治療する方法であって、治療上有効量の請求項13に記載の組成物を、それが必要な患者に投与することを特徴とする、方法。
【請求項15】
疾患が、狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞、心不全、急性冠動脈疾患、急性心不全、慢性心不全、および医原性心臓損傷からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記疾患が心不全である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記疾患が線維症である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月15日出願の米国仮出願番号第63/289,812号の優先権を主張するものであって、その開示の全てを参照により本明細書に組み込むものである。
【背景技術】
【0002】
本開示は、リラキシン(relaxin)ファミリーペプチド受容体1(RXFP1)アゴニストである、新規化合物、それらを含有する組成物、およびそれらを例えば、心不全、線維症、および関連疾患(例えば肺疾患(例えば、特発性肺線維症)、腎疾患(例えば、慢性腎臓病)および肝疾患(例えば、非アルコール性脂肪肝炎および門脈圧亢進症))の治療において使用する方法に関する。
【0003】
ヒトリラキシンホルモン(リラキシンまたはH2リラキシンとも称される)は、1926年に、Frederick Hisawがブタ黄体から由来の粗抽出物を処女モルモットに注射した際に、線維軟骨性恥骨結合関節の弛緩が観察されたことでその活性が最初に発見された、53個のアミノ酸から構成される6kDaのペプチドである(Hisaw FL、Proc. Soc.Exp. Biol.Med., 1926, 23, 661-663)。リラキシン受容体は、以前はLgr7として知られていたが、現在はリラキシンファミリーペプチド受容体1(RXFP1)と正式に命名され、2002年にリラキシンの受容体の1つとなった(Hsu SY.ら、Science, 2002, 295, 671-674)。RXFP1はマウスとヒトの間で良好に保存され、アミノ酸同一性は85%であり、ヒトと他の種において基本的には普遍的に発現する(Halls ML.ら、Br. J.Pharmacol., 2007, 150, 677-691)。リラキシンおよびRXFP1の細胞シグナル伝達経路は細胞型依存性であり、非常に複雑である(Halls ML.ら、Br. J.Pharmacol., 2007, 150, 677-691; Halls ML.ら、Ann. NY Acad. Sci., 2009, 1160, 108-111; Halls ML.ら、Ann. NY Acad. Sci., 2007, 1160, 117-120)。最も研究されている経路は、リラキシンがRXFP1アゴニストとして機能し、GαSカップリングおよびアデニル酸シクラーゼの活性化を促進するcAMPの細胞レベルが、リラキシン依存的に増加する経路である(Halls ML.ら、Mol. Pharmacol., 2006, 70, 214-226)。
【0004】
リラキシンを最初に発見して以来、多くの実験的研究は、リラキシンが女性の生殖生物学において果たす役割を明確にすること、および哺乳動物の妊娠中に生じる生理的変化を明らかにすることに焦点を当ててきた(Sherwood OD.、Endocr. Rev., 2004, 25, 205-234)。ヒトの妊娠中、胎児から栄養的要求に応えるため、女性の身体は全身血管抵抗(SVR)が有意に約30%低下し、それに付随して拍出量が約50%上昇する(Jeyabalan AC.、K.P.、Renal and Electrolyte Disorders. 2010, 462-518; Clapp JF & Capeless E.、Am. J. Cardio., 1997, 80, 1469-1473)。さらに血管を適応させるために、効果的な心室-動脈結合の維持に重要な、全身の動脈コンプライアンスが約30%増加すること、ならびに代謝性老廃物の排出に重要な、腎血流量(RBF)と糸球体濾過量(GFR)の両方が約50%増加することも起こる(Jeyabalan AC.、K.P.、Renal and Electrolyte Disorders. 2010, 462-518; Poppas A.ら、Circ., 1997, 95, 2407-2415)。齧歯動物での前臨床試験ならびに種々の患者設定で行われる臨床試験の両方で、リラキシンが上述のような適応のための生理学的変化の介在に、少なくともある程度まで関与しているという証拠が得られている(Conrad KP.、Regul Integr. Comp. Physiol., 2011, 301, R267-275; Teichman SL.ら、Heart Fail. Rev., 2009, 14, 321-329)。過度の線維化、低い動脈コンプライアンス、および腎機能の低下のすべてが心不全の患者に共通する特徴であるという点で、これらの適応の応答の多くが、HF患者に効果をもたらす可能性があるということは重要である(Mohammed SF.ら、Circ., 2015, 131, 550-559)、(Wohlfahrt P.ら、Eur. J. Heart Fail., 2015, 17, 27-34; Damman K.ら、Prog. Cardiovasc. Dis., 2011, 54, 144-153)。
【0005】
心不全(HF)は、血行動態的に「心臓のポンプ機能が低下した結果、体の代謝に必要な全身のかん流が不十分となる状態」として定義され、患者数は米国で580万人、世界中で2300万人を超えると推定されており、今日の医療制度に多大な負担を強いている(Roger VL.ら、Circ. Res., 2013, 113, 646-659)。2030年までに米国だけでさらに300万人がHFとなり、2010年から25%増加すると推定されている。2010年のHFに関連すると推定される直接費(2008 dollars)は250億ドルであり、2030年には780億ドルに膨れ上がると予想されている(Heidenreich PA.ら、Circ., 2011, 123, 933-944)。意外にも、米国では9件の死亡のうちの1件がその死亡診断書にHFと記載されており(Roger VL.ら、Circ., 2012, 125, e2-220)、HFと診断された後の生存率は時代と共に改善はされているが(Matsushita K.ら、Diabetes, 2010, 59, 2020-2026)、(Roger VL.ら、JAMA, 2004, 292, 344-350)、その死亡率は高いままであり、診断から5年以内に約50%のHF患者が死亡する(Roger VL.ら、Circ., 2012, 125, e2-220; Roger VL.ら、JAMA, 2004, 292, 344-350)。
【0006】
HFの症状は心拍出量が不十分な結果であり、疾患の進行段階に応じてかなり衰弱させ得る。HFの主な症状および兆候には、1)左心室から全身への血流が滞り、肺毛細血管床での圧が上昇することに起因する肺水腫による呼吸困難(呼吸がしづらい状態); 2)右心室が全身の静脈還流を許容できない場合に起こる下肢浮腫; および3)体の代謝に必要な十分な心拍出量(CO)を心臓が維持できないことに起因する疲労が挙げられる(Kemp CD. & Conte JV.、Cardiovasc. Pathol., 2011, 21, 365-371)。また、症状の重症度に関して、HF患者はしばしば、「代償性」または「非代償性」と記載される。代償性心不全では、症状は安定しており、体液鬱滞および肺水腫などの多くの顕著な特徴は見られない。非代償性心不全とは、急性肺水腫の発症、運動耐容能の低下、および労作時の息切れの増加として悪化が現れ得るものをいう(Millane T.ら、BMJ, 2000, 320, 559-562)。
【0007】
代謝に必要な機能を発揮できない心機能の低下、との単純な定義とは対照的に、心不全の原因となる多くの疾患、多数の危険因子、および最終的に心不全に至る多くの病理学的変化により、この疾患は極めて複雑なものとなっている(Jessup M. & Brozena S., N. Engli. J. Med., 2003, 348, 3007-2018)。HFの病態生理に関与すると考えられる有害な事象は、心筋梗塞などの極めて急性のものから生涯続く高血圧などの慢性疾患にまで及ぶ。歴史的に、HFは当初、左心室(LV)収縮機能の低下が血液の排出を制限し、その結果として駆出率(EFは1回拍出量/拡張末期容量)の低下をもたらす「収縮期HF」として、または、能動的な弛緩が減少して受動的な硬化が増大し、拡張期のLVの充満を制限するが、全体的なEFは維持される「拡張期HF」として説明されてきた(Borlaug BA. & Paulus WJ.、Eur Heart J., 2011, 32, 670-679)。最近になって、拡張期および収縮期LVの機能不全は上記の2群に特有のものではないことが理解されるようになったため、新たな用語である「駆出率が低下した心不全」(HFrEF)および「駆出率が保たれた心不全」(HFpEF)が用いられている(Borlaug BA. & Paulus WJ.、Eur Heart J., 2011, 32, 670-679)。これら2つの患者集団は極めて類似する徴候および症状を示すが、HFrEFおよびHFpEFは明確に異なる2つのHFであるのか、または共通する病態を有する両極端なHFであるのかは、現在、心血管系の学会で議論されているところである(Borlaug BA. & Redfield MM.、Circ., 2011, 123, 2006-2013)、(De Keulenaer GW. & Brutsaert DL.、Circ., 2011, 123, 1996-2004)。
【0008】
セルラキシンは、第1相薬物動態の半減期が0.09時間と相対的に短いヒト組換えリラキシンペプチドの静脈内(IV)製剤であって、現在、HFを治療するために開発中である(Novartis、2014)。セルラキシンを健常ボランティア(NHV)に投与すると、RBF(Smith MC.ら、J. Am. Soc. Nephrol. 2006, 17, 3192-3197)およびGFRの推定値(Dahlke M.ら、J. Clin. Pharmacol.,2015, 55, 415-422)が増加することが実証された。RBFの増加は安定した代償性HF患者でも観察された(Voors AA.ら、Cir. Heart Fail., 2014, 7, 994-1002)。大規模な臨床試験では、セルラキシンを院内で48時間静脈内注入したことに応答して、急性非代償性HF(ADHF)患者の腎機能の悪化、HFの悪化に対する望ましい変化、ならびに死亡数の減少が観察された(Teerlink JR.ら、Lancet, 2013, 381, 29-39; Ponikowski P.ら、Eur Heart, 2014, 35, 431-441)。セルラキシンを長期投与することにより、HF患者に持続的な効果をもたらし得ることを示唆するものとして、皮下ポンプを用いてセルラキシンを6カ月間持続して投与した強皮症の患者において、血清クレアチン値に基づく腎機能の改善が観察された(Teichman SL.ら、Heart Fail. Rev., 2009, 14, 321-329)。そのHFを治療するための治療剤としての可能性に加えて、リラキシンの持続皮下投与もまた、肺障害(Unemori EN.ら、J. Clin. Invet. 1996, 98, 2739-2745)、腎障害(Garber SL.ら、Kidney Int., 2001, 59, 876-882)、および肝障害(Bennett RG., Liver Int., 2014, 34, 416-426)の種々の動物実験にて効果的であることが証明されている。
【0009】
要約すると、多くの証拠により、哺乳動物の妊娠中に起こる適応のための複数の変化を媒介するRXFP1のリラキシン依存性アゴニスト作用の役割が証明されており、リラキシンがHF患者に投与された場合に、これらの変化が好ましい生理学的効果および結果となることが証明されている。肺、腎臓および肝臓の障害の種々の疾患モデルにおけるさらなる前臨床動物実験から、リラキシンが長期的に投与された場合、HFに限らず、複数の症状に治療効果をもたらす可能性があることを証明している。より具体的には、リラキシンの長期投与により、肺疾患(例えば、特発性肺線維症)、腎疾患(例えば、慢性腎臓病)または肝疾患(例えば、非アルコール性脂肪性肝炎および門脈圧亢進症)に罹患している患者に対して効果をもたらし得る。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、RXFP1受容体アゴニストとして有用な、新規置換テトラリン、フェニルシクロブタンおよびフェニルシクロペンタン化合物、それらの類似体(その立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、または溶媒和物など)を提供する。
【0011】
また、本発明は、本発明の化合物を製造するための方法および中間体も提供する。
【0012】
さらに本発明、医薬的に許容される担体、および本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、または溶媒和物の少なくとも1つを含む医薬組成物も提供する。
【0013】
本発明の化合物は、例えば、心不全、繊維症、および肺疾患(例えば、特発性肺線維症)、腎疾患(例えば、慢性腎臓病)、または肝疾患(例えば、非アルコール性脂肪肝炎および門脈圧亢進症)などの関連疾患の治療および/または予防に用いられても良い。
【0014】
本発明の化合物は治療で用いられてもよい。
【0015】
本発明の化合物は、心不全の治療および/または予防のための医薬の製造に使用されても良い。
【0016】
本発明の化合物は、単独で、本発明の他の化合物と組み合わせて、または1つ以上、好ましくは1~2種類の他の薬剤と組み合わせて使用され得る。
【0017】
上記およびその他の本発明の特徴は、開示に伴い範囲を広げて記載される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明には、RXFP1受容体アゴニストである式(I)の化合物、それを含む組成物、およびその使用方法が含まれる。
【0019】
第1態様において、本発明は、とりわけ、式(I):
【化1】
[式中、
R1は、ハロゲン、0~5個のハロゲンで置換されたC1-4アルキル、=O、OH、または0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R2は、ハロゲン、CN、0~5個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキル、0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R3は、0~5個のR4で置換されたC1-4アルキル、0~5個のR4で置換された-(CRdRd)n-C3-10-カルボシクリルであるか、または0~5個のR4で置換された-(CRdRd)n-(O、S(=O)p、N、およびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含む3~6員ヘテロシクリル)であり;
R4は、ハロゲン、CN、0~5個のハロゲンで置換されたC1-4アルキル、OH、0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、-S(O)pRc、アリールであるか、またはO、S(=O)p、N、およびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロシクリルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたアリールであるか、またはO、S(=O)p、N、およびNR10から選択される1~5個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~2個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり、ここで前記ヘテロシクリルは、炭素原子または窒素原子を介してフェニル部分と結合し;
R6は、ハロゲン、CN、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-4アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、-S(O)pRc、0~3個のReで置換された-(CH2)n-C3-6カルボシクリルであるか、またはO、S(=O)p、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
R10は、H、0~4個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキル、0~5個のReで置換されたアリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、-C(=O)OC1-4アルキル、またはアリールであり;
R12は、H、C1-4アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-6アルキル、0~5個のReで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-6アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-6アルキル、0~5個のReで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-6アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-6アルキル、0~5個のReで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-6アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、NO2、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、-C(=O)ORf、-C(=O)NRfRf、-NRfC(=O)Rf、-S(=O)pRf、-S(=O)pNRfRf、-NRfS(=O)pRf、-NRfC(=O)ORf、-OC(=O)NRfRf、または-(CH2)nNRfRfであり;
Rfは、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、アリール、またはヘテロシクリルであるか、あるいはRfおよびRfはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になってヘテロシクリルを形成し;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはアリールであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0020】
第1態様の範囲の第2態様において、本発明は、式(II):
【化2】
[式中、
R1は、ハロゲン、=O、OH、0~5個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R2は、ハロゲン、C1-3アルキル、または0~4個のハロゲンで置換された-OC1-3アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0021】
第1態様および第2態様の範囲の第3態様において、本発明は、式(III):
【化3】
[式中、
R1は、OHまたは=Oであり;
R2は、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のFで置換されたC1-3アルキルであり;
R6は、ハロゲン、CN、C1-3アルキル、-OH、または-OC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~4個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
Raは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~4個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-2アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0022】
第1態様~第3態様の範囲の第4態様において、本発明は、式(IV):
【化4】
[式中、
R1は、OHまたは=Oであり;
R2は、-OC1-3アルキルであり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R6は、Fであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、-C(=O)ORb、または-C(=O)NRaRaであり;
R8は、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、または-OC(=O)NRaRaであり;
Raは、H、0~3個のReで置換されたC1-4アルキル、0~3個のReで置換された-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、または0~3個のReで置換されたフェニルであり;
Rbは、Hまたは0~3個のReで置換されたヘテロシクリルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、またはC1-6アルキルであり;および
nは、0または1である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0023】
第4態様の範囲の第5態様において、本発明は、式(V):
【化5】
[式中、
R8は、-C(=O)OHまたはCF3であり;
R9は、-NHC(=O)Rbまたは-OC(=O)NHRaであり;
Raは、-C3-6シクロアルキルまたはフェニルであり;および
Rbは、ヘテロシクリルである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0024】
第1態様および第2態様の範囲の第6態様において、本発明は、式(VI):
【化6】
[式中、
R1は、=Oであり;
R2は、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-3アルキルであり;
R5は、O、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~4個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-3アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-4アルキル、またはフェニルであり;
Raは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~4個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~4個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~4個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~4個のReで置換されたC1-5アルキル、0~4個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~4個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-2アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0025】
第6態様の範囲の第7態様において、本発明は、式中、
R2が、-OCH3であり;
R4aが、Fであり;
R4bが、CF3であり;
R5が、
【化7】
であり;
R6が、ハロゲン、-OH、または0~1個のOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7が、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキルであり;
R8が、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、または-C(=O)NHORbであり;
R9が、-ORbまたは-NRaRaであり;
R10が、H、-C(=O)Rb、または0~1個のR11で置換されたC1-4アルキルであり;
R11が、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
Raが、HまたはC1-3アルキルであり;および
Rbが、HまたはC1-3アルキルである、
式(VI)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0026】
第6態様の範囲の第8態様において、本発明は、式中、
R2が、-OCH3であり;
R4aが、Fであり;
R4bが、CF3であり;
R5が、
【化8】
であり;
R6が、ハロゲン、C1-4アルキル、-OH、または-OC1-4アルキルであり;
R7が、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-4アルキルであり;
R8が、-C(=O)ORbであり;
R9が、OHであり;
R10が、H、0~2個のR11で置換されたC1-3アルキル、または-C(=O)OC1-4アルキルであり;
R11が、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;および
Rbが、HまたはC1-4アルキルである、
式(VI)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0027】
第6態様の範囲の第9態様において、本発明は、式中、
R2が、-OCH3であり;
R4aが、Fであり;
R4bが、CF3であり;
R5が、
【化9】
であり;
R6が、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、=O、-OH、または-OC1-4アルキルであり;
R7が、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-2アルキル、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、または-C(=O)ORbであり;
R8が、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9が、-NRaC(=O)Rbであり;
R10が、HまたはC1-3アルキルであり;
Raが、HまたはC1-4アルキルであり;および
Rbが、HまたはC1-4アルキルである、
式(VI)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0028】
第1態様の範囲の第10態様において、本発明は、式(VII):
【化10】
[式中、
R2は、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0029】
第1態様の範囲の第11態様において、本発明は、式(VIII):
【化11】
[式中、
R1は、=Oまたは-OHであり;
R2は、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0030】
第1態様の範囲の第12態様において、本発明は、式(IX):
【化12】
[式中、
R1は、=Oまたは-OHであり;
R2は、0~4個のハロゲンで置換された-OC1-4アルキル、OH、または-OC1-4アルキルであり;
R4aは、ハロゲンであり;
R4bは、0~4個のハロゲンで置換されたC1-4アルキルであり;
R5は、0~3個のR6および0~2個のR7で置換されたC6アリールであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR10から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~3個のR6および0~1個のR7で置換された3~12員のヘテロシクリルであり;
R6は、ハロゲン、=O、-OH、-OC1-4アルキル、または0~2個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R7は、0~1個のR8および0~1個のR9で置換されたC1-3アルキル、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaC(=O)NRaRa、-NRaS(=O)pRc、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、-C(=O)NRaS(=O)pRc、-OC(=O)Rb、-S(=O)pRc、-S(=O)pNRaRa、C3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNRdから選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R8は、ハロゲン、-C(=O)ORb、-C(=O)NHRa、-C(=O)NHORb、または0~3個のハロゲンあるいはOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-ORb、-NRaRa、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS(=O)pRc、-NRaS(O)pNRaRa、-OC(=O)NRaRa、-OC(=O)NRaORb、-S(=O)pNRaRa、または-S(O)pRcであり;
R10は、H、0~2個のR11で置換されたC1-4アルキル、-C(=O)Rb、-C(=O)ORb、-C(=O)NRaRa、0~5個のReで置換されたC3-6シクロアルキルであるか、またはO、S(=O)p、NおよびNR12から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、0~5個のReで置換された4~6員のヘテロシクリルであり;
R11は、-OH、-C(=O)OH、またはアリールであり;
R12は、H、C1-3アルキル、またはアリールであり;
Raは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであるか、あるいはRaおよびRaはそれらの両方が結合する窒素原子と一体になって0~5個のReで置換されたヘテロシクリルを形成し;
Rbは、H、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、0~5個のReで置換された-(CH2)n-C3-10カルボシクリル、または0~5個のReで置換された-(CH2)n-ヘテロシクリルであり;
Rcは、0~5個のReで置換されたC1-5アルキル、0~5個のReで置換されたC2-5アルケニル、0~5個のReで置換されたC2-5アルキニル、C3-6カルボシクリル、またはヘテロシクリルであり;
Rdは、HまたはC1-4アルキルであり;
Reは、ハロゲン、CN、=O、0~5個のRgで置換されたC1-6アルキル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルケニル、0~5個のRgで置換されたC2-6アルキニル、-(CH2)n-C3-6シクロアルキル、-(CH2)n-アリール、-(CH2)n-ヘテロシクリル、-(CH2)nORf、または-C(=O)ORfであり;
Rfは、HまたはC1-3アルキルであり;
Rgは、ハロゲン、CN、OH、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
nは、0、1、2、または3であり;および
pは、0、1、または2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0031】
式(I)の化合物について、R1、R2、R3、R4(R4a、R4b)、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、およびRgなどの任意の可変置換基の範囲は、他の任意の可変置換基の範囲から独立して使用され得る。従って、本発明には異なる態様の組み合わせが含まれる。
【0032】
式(II)のある実施態様において、
【化13】
は、
である。
【0033】
式(II)の別の実施態様において、
【化14】
は、
【化15】
である。
【0034】
式(II)の別の実施態様において、
【化16】
は、
【化17】
である。
【0035】
式(II)の別の実施態様において、R4aは、Fである。
【0036】
式(II)の別の実施態様において、R4bは、CF3である。
【0037】
式(III)の別の実施態様において、
【化18】
は、
であり;
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化19】
であり;
R6は、Fであり;
R8は、-C(=O)OH、-C(=O)NHRa、またはCF3であり;
R9は、-NHRa、-NHC(=O)Rb、-NHS(=O)pC1-4アルキルまたは-OC(=O)NHRaであり;
Raは、H、C1-3アルキル、-(CH2)0-1-C3-6シクロアルキル、または0~2個のReで置換された-(CH2)0-1-フェニルであり;
Rbは、Hまたはヘテロシクリルであり;
Reは、C1-3アルキルまたは-(CH2)0-1ORfであり;および
Rfは、HまたはC1-3アルキルである。
【0038】
式(III)の別の実施態様において、
【化20】
は、
【化21】
であり;
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化22】
であり;
R6は、Fであり;
R8は、-C(=O)OH、-C(=O)NHRa、またはCF3であり;
R9は、-NHRa、-NHC(=O)Rb、-NHS(=O)pC1-4アルキルまたは-OC(=O)NHRaであり;
Raは、H、C1-3アルキル、-(CH2)0-1-C3-6シクロアルキル、または0~2個のReで置換された-(CH2)0-1-フェニルであり;
Rbは、Hまたはヘテロシクリルであり;
Reは、C1-3アルキルまたは-(CH2)0-1ORfであり;および
Rfは、HまたはC1-3アルキルである。
【0039】
式(III)の別の実施態様において、
【化23】
は、
【化24】
であり;
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化25】
であり;
R6は、Fであり;
R8は、-C(=O)OH、-C(=O)NHRa、またはCF3であり;
R9は、-NHRa、-NHC(=O)Rb、-NHS(=O)pC1-4アルキルまたは-OC(=O)NHRaであり;
Raは、H、C1-3アルキル、-(CH2)0-1-C3-6シクロアルキル、または0~2個のReで置換された-(CH2)0-1-フェニルであり;
Rbは、Hまたはヘテロシクリルであり;
Reは、C1-3アルキルまたは-(CH2)0-1ORfであり;および
Rfは、HまたはC1-3アルキルである。
【0040】
式(III)の別の実施態様において、
【化26】
は、
【化27】
であり;
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化28】
であり;
R7は、0~1個のR9で置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-OHであり;
R10は、-C(=O)Rbであり;
Rbは、Hまたは0~4個のReで置換されたC1-3アルキルであり;
Reは、-(CH2)0-1ORfであり;および
Rfは、HまたはC1-3アルキルである。
【0041】
式(III)の別の実施態様において、
【化29】
は、
【化30】
であり;
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化31】
であり;
R7は、0~1個のR9で置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-OHであり;
R10は、-C(=O)Rbであり;
Rbは、Hまたは0~4個のReで置換されたC1-3アルキルであり;
Reは、-(CH2)0-1ORfであり;および
Rfは、HまたはC1-3アルキルである。
【0042】
式(III)の別の実施態様において、
【化32】
は、
【化33】
であり;
R2は、-OCH3であり;
R4aは、Fであり;
R4bは、CF3であり;
R5は、
【化34】
であり;
R7は、0~1個のR9で置換されたC1-4アルキルであり;
R9は、-OHであり;
R10は、-C(=O)Rbであり;
Rbは、Hまたは0~4個のReで置換されたC1-3アルキルであり;
Reは、-(CH2)0-1ORfであり;および
Rfは、HまたはC1-3アルキルである。
【0043】
特に断りが無い限り、各用語は以下の意味を有する。
【0044】
「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
【0045】
「アルキル」または「アルキレン」は、特定の数の炭素原子を有する分岐鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むものとする。例えば、「C1-C10アルキル」または「C1-10アルキル」(またはアルキレン)は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、およびC10のアルキル基を含むものとする。さらに、例えば、「C1-C6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有するアルキルを表す。アルキル基は非置換であるか、または置換され得て、少なくとも1つの水素が別の化学基により置換される。アルキル基の例には、以下に限らないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル)、およびペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)が挙げられる。「C0アルキル」または「C0アルキレン」と記載される場合は、直接結合を表すものとする。「アルキル」には重水素化アルキル(例えばCD3)も含まれる。
【0046】
「アルケニル」または「アルケニレン」は、鎖の任意の安定な位置で1つ以上の、好ましくは1~3つの炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖のいずれかの炭化水素鎖を含むものとする。例えば、「C2-6アルケニル」(またはアルケニレン)には、C2、C3、C4、C5、およびC6アルケニル基(例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニル)を含むものとする。
【0047】
「アルキニル」または「アルキニレン」は、鎖の任意の安定な位置で1つ以上の、好ましくは1~3つの炭素-炭素 三重結合を有する、直鎖または分岐鎖のいずれかの炭化水素鎖を含むものとする。例えば、「C2-6アルキニル」(またはアルキニレン)には、C2、C3、C4、C5、およびC6アルキニル基(例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニル)を含むものとする。
【0048】
「炭素環」、「カルボシクリル」、または「炭素環式残渣」は、任意の安定な3員、4員、5員、6員、7員、または8員の単環または二環、あるいは7員、8員、9員、10員、11員、12員、または13員の二環または三環式炭化水素環を意味するものとし、そのいずれもが飽和、部分的に不飽和、不飽和であるか、または芳香族であってもよい。当該カルボシクリルの例として、以下に限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、アントラセニル、およびテトラヒドロナフチル(テトラリン)が挙げられる。上記されるように、架橋環もカルボシクリルの定義に含まれる(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。架橋環は、1以上の炭素原子が2つの隣接しない炭素原子を結合する場合に生じる。炭素原子が1つまたは2つである架橋が望ましい。単環は常に三環式環になることに留意されたい。環が架橋される場合、列記した環の置換基は架橋上に存在してもよい。用語「カルボシクリル」が用いられる場合、「アリール」、「シクロアルキル」、「スピロシクロアルキル」が含まれるものとする。好ましいカルボシクリルは、特に断りが無い限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、およびインダニルである。
【0049】
「シクロアルキル」は、単環、二環または多環式環系を含む、環化アルキル基を意味するものとする。「C3-7シクロアルキル」は、C3、C4、C5、C6、およびC7シクロアルキル基を包むものとする。単環シクロアルキルの例として、以下に限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。多環式シクロアルキルの例として、以下に限らないが、1-デカリニル、ノルボルニルおよびアダマンチルが挙げられる。
【0050】
「スピロシクロアルキル」は、1つの原子を介して両方の環が接続されている、炭化水素二環式環系を意味するものとする。環の大きさおよび性質は異なるか、同じであり得る。例として、スピロペンタン、スピロヘキサン、スピロヘプタン、スピロオクタン、スピロノナン、またはスピロデカンが挙げられる。
【0051】
「二環カルボシクリル」または「二環炭素環基」とは、2つの縮合環を含有し、炭素原子からなる、安定な9員または10員の炭素環式環系を意味するものとする。2つの縮合環のうち、1つの環は別の環に縮合したベンゾ環であり、その別の環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和な、5または6員の炭素環である。二環炭素環基は、安定な構造をもたらす任意の炭素原子でそのペンダント基に結合してもよい。本明細書に記載の二環炭素環基は、得られる化合物が安定していれば、任意の炭素が置換されていても良い。二環炭素環基の例として、以下に限らないが、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、およびインダニルが挙げられる。
【0052】
「アリール」基は、例えば、フェニル、ナフチル、およびフェナントラニルを含む単環または多環式芳香族炭化水素をいう。アリール基は周知であり、例えばLewis, R.J., ed., Hawley's Condensed Chemical Dictionary, 13th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York (1997)に記載されている。
【0053】
「ベンジル」は、水素原子の1つがフェニル基で置換されているメチル基を意味するものであり、ここで当該フェニル基は、適宜1~5個の基、好ましくは1~3個の基で置換されてもよい。
【0054】
「ヘテロサイクル」、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環」は、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和であって、炭素原子と、N、OおよびSからなる群から独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有する、安定な3員、4員、5員、6員、または7員の単環または二環ヘテロ環、あるいは7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員、または14員の多環式ヘテロ環を意味するものとし、ここで、上述のいずれかのヘテロ環はベンゼン環に縮合している任意の多環式基も含む。窒素および硫黄ヘテロ原子は、適宜酸化されてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)pであり、ここでpは0、1または2である)。窒素原子は置換され得るか、または非置換であり得る(すなわちNまたはNRであり、定義するのであれば、RがHまたはその他の置換基である)。当該ヘテロ環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子で、そのペンダント基と結合してもよい。本明細書に記載のヘテロ環は、得られる化合物が安定していれば、炭素原子または窒素原子が置換されていても良い。ヘテロシクリル中の窒素は適宜四級化されてもよい。ヘテロシクリル中のS原子およびO原子の総数が1を超える場合、その時のヘテロ原子は互いに隣接していないことが好ましい。ヘテロシクリル中のS原子およびO原子の総数は1以下であることが好ましい。また、架橋環もヘテロシクリルの定義に含まれる。「ヘテロシクリル」の用語が用いられる場合、ヘテロアリールを含むものとする。
【0055】
ヘテロシクリルの例には、以下に限らないが、アクリジニル、アゼチジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、イミダゾロピリジニル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾロピリジニル、イソオキサゾリル、イソキサゾロピリジニル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリジニルペリミジニル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2-ピロリドニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアンスレニル、チアゾリル、チエニル、チアゾロピリジニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、およびキサンテニルが挙げられる。また、上記ヘテロシクリルを有する縮合環およびスピロ化合物も含まれる。
【0056】
「二環ヘテロシクリル」、または「二環複素環基」は、2つの縮合環を有し、炭素原子と、N、OおよびSからなる群から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子からなる、安定な9員または10員のヘテロ環系を意味するものとする。2つの縮合環のうち、1つの環は5員のヘテロアリール環、6員のヘテロアリール環またはベンゾ環を含む5員または6員の単環式芳香族環であり、それぞれが別の環に縮合している。その別の環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和な5員または6員の多環式環であり、5員のヘテロシクリル、6員のヘテロシクリルまたはカルボシクリルを有する(ただし、別の環がカルボシクリルである場合、第1の環はベンゾ環ではない)。
【0057】
二環複素環基は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子で、そのペンダント基と結合してもよい。本明細書に記載の二環複素環基は、得られる化合物が安定していれば、炭素原子または窒素原子が置換されていても良い。ヘテロシクリル中のS原子およびO原子の総数が1を超える場合、その時のヘテロ原子は互いに隣接していないことが好ましい。ヘテロシクリル中のS原子およびO原子の総数は1以下であることが好ましい。
【0058】
二環複素環基の例には、以下に限らないが、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、クロマニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリニル、および1,2,3,4-テトラヒドロキナゾリニルが挙げられる。
【0059】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1つのヘテロ原子の環員(例えば硫黄、酸素、または窒素)を含む、安定な単環および多環の芳香族炭化水素を意味するものとする。ヘテロアリール基には、以下に限らないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニル、ベンゾジオキソラニル、およびベンゾジオキサンが挙げられる。ヘテロアリール基は置換されているか、または非置換である。窒素原子は置換されているか、または非置換である(すなわちNまたはNRであり、定義するのであれば、RがHまたはその他の置換基である)。窒素および硫黄のヘテロ原子は、適宜酸化されていてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)pであり、ここでpは、0、1または2である)。
【0060】
本明細書に記載の用語「置換」は、少なくとも1つの水素原子が水素以外の基で置き換えられることを意味するが、標準的な原子価を維持し、置換により安定な化合物となることを条件とする。置換基がケト(すなわち=O)である場合、原子上の2個の水素が置き換えられる。ケト置換基は芳香族の部分には存在しない。環系(例えば、炭素環またはヘテロ環)がカルボニル基または二重結合で置換される場合、カルボニル基または二重結合は環の一部である(すなわち環内にある)ものとする。本明細書で用いる環二重結合は、2つの隣接する環原子の間で形成される二重結合(例えばC=C、C=N、またはN=N)である。
【0061】
本発明の化合物中に窒素原子(例えばアミン)がある場合には、それらは酸化剤(例えばmCPBAおよび/または過酸化水素)で処理することによりN-オキシドに変換され、本発明の別の化合物となり得る。つまり、記載され、特許請求される窒素原子は、記載の窒素およびそのN-オキシド(N→O)誘導体の両方を含むと考えられる。
【0062】
化合物の任意の構成要素または式中に任意の可変基が複数回出現する場合、その可変基の定義は他の全ての可変基の定義から独立している。つまり、例えば、基が0~3個のR基で置換されていると示されている場合、当該基は、3個までのR基で適宜置換されてもよく、各Rが、その他のRの定義から独立して選択される。また、置換基および/または可変基の組み合わせは、その組み合わせにより安定した化合物となる場合にのみ許容される。
【0063】
置換基への結合が環中の2個の原子を結ぶ結合を横切るように示される場合、そのような置換基は環の任意の原子と結合してもよい。置換基が、ある式の化合物の残りの基に結合する原子を示さずに記載されている場合、当該置換基はそのような置換基におけるいずれの原子を介して結合してもよい。置換基および/または可変基の組み合わせは、その組み合わせにより安定した化合物となる場合にのみ許容される。
【0064】
本発明は化合物のすべての医薬的に許容される塩の形態を含む。医薬的に許容される塩とは、対イオンが、化合物の生理学的活性または毒性に大きく寄与せず、それ自体が薬学的等価物として作用するものである。これらの塩は、一般的な有機化学技術に従い、市販の試薬を利用して製造され得る。一部のアニオン塩の形態には、酢酸塩、アシストラート、ベシル酸塩、臭化物、塩化物、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびキシナホ酸塩が含まれる。一部のカチオン塩の形態には、アンモニウム、アルミニウム、バンザチン、ビスマス、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、リチウム、マグネシウム、メグルミン、4-フェニルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛が含まれる。
【0065】
本明細書および添付した特許請求の範囲を通して、所定の化学式または化学名は、立体異性体および光学異性体およびラセミ体のような異性体が存在するとき、その全ての異性体を含むものとする。特に断りが無い限り、あらゆるキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体は本発明の範囲に含まれる。エナンチオマーおよびジアステレオマーは立体異性体の例である。用語「エナンチオマー」は、互いに鏡像であり、重ね合わせることが出来ない分子のペアの片方をいう。用語「ジアステレオマー」は、互いに鏡像体ではない立体異性体をいう。用語「ラセミ体」または「ラセミ混合物」は、2つのエナンチオマーが等モル量であり、光学活性を有さない組成物をいう。
【0066】
本発明は、化合物の互変異性体、アトロプ異性体および回転異性体のすべてを包含する。
【0067】
本発明の化合物を製造するために使用されるすべての方法、およびその途中で製造される中間体は本発明の一部であると考えられる。
【0068】
記号「R」および「S」は、キラル炭素原子周りの置換基の配置を示す。異性体記号「R」および「S」はコア分子に対する相対的な原子の配置を示すために本明細書に記載のように用いられ、文献(IUPAC Recommendations 1996, Pure and Applied Chemistry, 68:2193-2222 (1996))の定義の通り使用されるものとする。
【0069】
用語「キラル」は、分子自身の鏡像体と重ね合わせることができない分子の構造的特徴をいう。用語「ホモキラル」は、純粋なエナンチオマーの状態をいう。用語「光学活性」は、ホモキラル分子またはラセミ体混合物ではないキラル分子が偏光面を回転させる程度をいう。
【0070】
本発明は、本発明の化合物に含まれる原子の全ての同位体を包含するものとする。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、以下に限らないが、水素の同位体にはジュウテリウムおよびトリチウムが含まれる。炭素の同位体には13Cおよび14Cが含まれる。同位体で標識された本発明の化合物は、一般に当業者に公知の従来の技法、または本明細書に記載されているものと類似の方法により、他で用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて製造することが出来る。
そのような化合物は、例えば、生物活性の決定における標準物質および試薬として、様々な用途の可能性を有し得る。安定な同位体の場合、そのような化合物は、生物学的、薬理学的、または薬物動態学的特性が有利になるように変化し得る。
【0071】
本明細書および添付した特許請求の範囲を通して、所定の化学式または化学名は、立体異性体および光学異性体およびラセミ体のような異性体が存在するとき、その全ての異性体を含むものとする。特に断りが無い限り、あらゆるキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体は本発明の範囲に含まれる。本発明においては、C=C二重結合、C=N二重結合、環などの多くの幾何異性体も存在し得て、全てのそのような安定な異性体は本発明に包含される。本発明の化合物のシス-およびトランス-(またはE-およびZ-)幾何異性体が記載されており、それらは異性体の混合物、または分離された異性体として単離され得る。本発明の化合物は光学活性体またはラセミ体で単離され得る。光学活性体はラセミ体の再分離により、または光学活性な出発物質からの合成により製造してもよい。
本発明の化合物を製造するために使用されるすべての方法、およびその途中で製造される中間体は本発明の一部であると考えられる。エナンチオマーまたはジアステレオマーの生成物が製造されるとき、生成物は従来の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは、分別晶出により分離してもよい。この工程の条件により、本発明の最終生成物は(中性の)遊離体または、塩形態のいずれかで得られる。それら最終化合物の遊離体および塩形態のいずれも本発明の範囲に含まれる。所望により、化合物の一方の形態は他方の形態に変換され得る。遊離塩基または遊離酸は、塩に変換され得て、塩はその遊離化合物、または別の塩に変換されてもよく、本発明の異性体化合物の混合物はそれぞれの異性体に分離されてもよい。本発明の化合物、その遊離体および塩は複数の互変異生体が存在し得て、そこで水素原子は他の部分の分子に置き換えられ、分子中の原子間の化学結合は結果的に変化する。あらゆる互変異性体が存在する限りにおいて、互変異性体は本発明に含まれると理解されるべきである。
【0072】
用語「立体異性体」は、原子の空間配置が異なる組成が同一の異性体をいう。エナンチオマーおよびジアステレオマーは立体異性体の例である。用語「エナンチオマー」は、互いに鏡像であり、重ね合わせることが出来ない分子のペアの片方をいう。用語「ジアステレオマー」は、互いに鏡像体ではない立体異性体をいう。用語「ラセミ体」または「ラセミ混合物」は、2つのエナンチオマーが等モル量であり、光学活性を有さない組成物をいう。
【0073】
生物学的方法
RXFP1環状アデノシン一リン酸(cAMP)アッセイ
ヒト胚性腎細胞293(HEK293細胞)およびヒトRXFP1を安定して発現するHEK293細胞を、10%の適格なFBS、および300μg/mLのヒグロマイシン(Life Technologies)を添加したMEM培地で培養した。細胞を解離させ、アッセイ緩衝液に懸濁させた。アッセイ緩衝液は、HEPES(20mM)、0.05%BSA、およびIBMX(0.5mM)を含むHBSS緩衝液(カルシウムおよびマグネシウム含有)であった。細胞(ヒトRXFP1を安定して発現するHEK293細胞では1500細胞/ウェルとするのを除き、3000細胞/ウェル)を384ウェルのProxiPlate(Perkin-Elmer)に加えた。終濃度の範囲が0.010nM~50μMの試験化合物/DMSO(2%最終)を用いて、細胞を直ちに処理した。細胞を室温で30分間インキュベートした。HTRF HiRange cAMPアッセイ試薬キット(Cisbio)を用いて取扱説明書に従って細胞内cAMPの濃度を決定した。クリプテート結合抗cAMPおよびd2-蛍光標識cAMPの溶液を付属の溶解緩衝液でそれぞれ作製した。反応完了後、細胞を等体積のd2-cAMP溶液および抗cAMP溶液で溶解した。1時間室温でインキュベーション後、Envision(Perkin-Elmer)を用いて400nmで励起させ、590nmおよび665nmで二重に発光させ、時間分解蛍光強度を測定した。検量線を別でcAMP標準を用いて作成し、2.7μM~0.1pMの範囲の濃度のcAMPに対する665nmの蛍光強度から590nmの蛍光強度をプロットすることで得た。次いでcAMP産生を阻害する化合物の有効性および活性を、cAMP濃度対化合物濃度のプロットから4変数ロジスティック方程式にフィッティングすることで決定した。
【0074】
以下に開示の実施例は、上述のヒトRXFP1(hRXFP1)HEK293 cAMPアッセイで試験し、アゴニスト活性を有することが見出された。表1~3は、実施例で測定したhRXFP1 HEK293 cAMPアッセイにおけるEC50値を列記する。
【0075】
表1. フェニルシクロヘキシルの実施例で測定したhRXFP1 HEK293 cAMPアッセイにおけるEC50
【化35】
【表1】
【表2】
【0076】
表2. フェニルシクロブタンの実施例で測定したhRXFP1 HEK293 cAMPアッセイにおけるEC50
【化36】
【表3】
【0077】
表3. フェニルシクロペンチルの実施例で測定したhRXFP1 HEK293 cAMPアッセイにおけるEC50
【化37】
【表4】
【0078】
医薬組成物およびその使用方法
式(I)の化合物はRXFP1受容体アゴニストであり、心不全、繊維症、および関連疾患(例えば肺疾患(例えば、特発性肺線維症)、腎疾患(例えば、慢性腎臓病)、または肝疾患(例えば、非アルコール性脂肪肝炎および門脈圧亢進症))等の医学的適応症の治療における用途が見出され得る。
【0079】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物である。
【0080】
本発明の別の態様は、リラキシン関連疾患の治療に用いるための、式(I)の化合物および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物である。
【0081】
本発明の別の態様は、有効量の式(I)の化合物を投与することを特徴とする、リラキシン関連疾患を治療する方法である。
【0082】
本発明の別の態様は、有効量の式(I)の化合物をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、心血管疾患を治療する方法。
【0083】
本発明の別の態様は、有効量の式(I)の化合物をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、心不全を治療する方法。
【0084】
本発明の別の態様は、治療上有効量の式(I)の化合物をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、線維症を治療する方法。
【0085】
本発明の別の態様は、治療上有効量の式(I)の化合物をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、線維症に関連する疾患を治療する方法である。
【0086】
本発明の別の態様は、治療上有効量の式(I)の化合物をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、腎不全を治療または予防する方法である。
【0087】
本発明の別の態様は、治療上有効量の式(I)の化合物をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、患者の腎機能を改善、安定、または回復させる方法である。
【0088】
特に断りが無い限り、以下の用語は記載の意味を有する。
【0089】
用語「患者」または「対象」は、この分野の当業者によって理解されるように、RXFP1アゴニストを用いる治療により効果が得られうる任意のヒトまたはヒト以外の生物をいう。対象の例として、心血管疾患の危険因子を有する任意の年齢のヒトも含まれる。一般的な危険因子には、以下に限らないが、年齢、性別、体重、家族歴、睡眠時無呼吸、アルコールまたはタバコの使用、運動不足、不整脈、または黒色表皮腫、高血圧、脂質異常症、または多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などのインスリン耐性の徴候が挙げられる。
【0090】
「治療」は、この分野の当業者によって理解される通り、病態の治療を含み、以下:(a)病態を抑制すること、すなわち、病態の進行を阻止すること;(b)病態を緩和すること、すなわち、病態を軽減させること;および/または(c)哺乳類がその哺乳類で生じる病態になりやすいが、特に、まだ罹患していると診断されていない場合に、罹患することを防ぐことを含む。
【0091】
「予防」は、この分野の当業者によって理解される通り、臨床疾患状態が発生する確率を減少させることを目的とした、無症状の病態の予防治療(すなわち、予防および/またはリスクの軽減)を含む。患者は、母集団と比較して臨床疾患状態に罹患するリスクが高まることが知られている因子に基づいて、予防治療のために選択される。「予防」療法は、(a)一次予防および(b)二次予防に分けることができる。一次予防は、未だ臨床疾患状態を呈していない対象での治療と定義され、それに対して二次予防は、同じまたは類似する臨床疾患状態の二次的な発症の予防として定義される。「リスクの軽減」には、臨床疾患状態の進行を抑える両方が含まれる。つまり、一次予防療法および二次予防療法は、リスクの軽減のための一例である。
【0092】
「治療上の有効量」とは、当業者に理解される通りに疾患を治療するために、単独、または他の薬剤と組み合わせて投与するときに効果的な本発明の化合物の量を包むものとする。組み合せて投与する場合、当該用語は、組み合せて、連続して、または同時に投与するいずれの場合でも、予防効果または治療効果をもたらす活性成分を組み合わせた量をいう。
【0093】
「心血管系疾患」または「心血管疾患」には、例えば以下の疾患: 高血圧、末梢血管疾患および心血管疾患、冠状動脈性心疾患、安定狭心症および不安定狭心症、心臓発作、心筋不全、心拍の律動異常(または不整脈)、持続性虚血性心不全(「冬眠心筋」)、一過性の虚血後心不全(「気絶心筋」)、心不全、末梢血流の障害、急性冠症候群、心不全、心筋疾患(心筋症)、心筋梗塞および血管疾患が含まれる。
【0094】
「心不全」には、急性および慢性心不全の両方の兆候、並びにより具体的な疾患または関連疾患(例えば進行性心不全、急性心不全後の心腎症候群、腎機能障害を伴う心不全、慢性心不全、駆出率が中程度の慢性心不全(HFmEF)、代償性心不全、非代償性心不全、右心不全、左心不全、両心不全、虚血性心筋症、拡張型心筋症、先天性心疾患に付随する心不全、心臓弁膜症、心臓弁膜症に付随する心不全、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症、肺動脈狭窄症、肺動脈弁閉鎖不全症、複合型心臓弁膜症に伴う心不全、心筋炎症(心筋炎)、慢性心筋炎、急性心筋炎、ウイルス性心筋炎、糖尿病性心不全、アルコール性心筋症、心臓容積の障害に付随する心不全、拡張期心不全、収縮期心不全、急性期の悪化心不全、駆出率が保たれた心不全(HFpEF)、駆出率が低下した心不全(HFrEF)、駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)、駆出率が保たれた慢性心不全(HFpEF)、心筋リモデリング後の狭窄症、高血圧、肺高血圧症および肺動脈高血圧)が含まれる。
【0095】
「繊維症」には、線維化を特徴とする疾患および障害が含まれ、特に肝線維症、肝硬変、NASH、肺線維症、心筋線維化、心内膜心筋線維症、腎症、糸球体腎炎、間質性腎線維症、糖尿病による線維化障害、髄線維症および類似する線維化障害、強皮症、限局性強皮症、ケロイド、肥厚性瘢痕(外科手術後のものを含む)、母斑、糖尿病網膜症、増殖性硝子体網膜症および結合組織の障害(例えばサルコイドーシス)を含む。
【0096】
リラキシン関連疾患には以下に限らないが、心血管系疾患および繊維症が挙げられる。
【0097】
本発明の化合物は、任意の適切な方法(例えば、経口投与(例えば錠剤、カプセル(それぞれ徐放性製剤または時限放出型製剤を含む)、丸剤、粉末剤、顆粒剤、エリキシル、チンキ剤、懸濁液(ナノ懸濁液、マイクロ懸濁液、噴霧乾燥分散液を含む)、シロップ、およびエマルション);舌下投与;頬側投与;非経口投与(例えば皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射、または点滴技法(例えば、無菌注射剤水溶液または非水溶液または懸濁液));経鼻膜への投与を含む経鼻投与(例えば吸入スプレー);局所投与(例えばクリーム剤または軟膏の形態);または直腸投与(例えば坐薬形態))により投与され得る。これらは単独投与されてもよいが、一般には選択された投与経路および標準的な薬学的基準を基に選ばれた医薬担体と共に投与される。
【0098】
用語「医薬組成物」は、本発明の化合物と、少なくとも1つの別の医薬的に許容される担体を組み合わせて含む組成物を意味する。「医薬的に許容される担体」とは、すなわち、投与方法および投与形態の性質に応じたアジュバント、賦形剤またはビークル(例えば希釈剤、防腐剤、増量剤、流動調整剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、風味剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤)を含む、生物学的活性剤を動物、特に哺乳類に運搬する分野において一般に許容される媒体をいう。
【0099】
医薬的に許容される担体は、十分に当業者の専門技術内である多くの因子に従って処方される。これらの因子には、以下に限らないが、処方される活性剤の種類および性質、その活性剤を含む組成物が投与される患者、その組成物の意図された投与経路、および目標とされる治療指標が挙げられる。医薬的に許容される担体には、水性および非水性の両方の液体媒体、ならびに様々な固体および半固体の投与剤形が包まれる。そのような担体は、活性剤に加え、多くの異なる成分および添加剤を含めることができ、かかる付加された成分は、様々な理由(例えば、当業者に公知の活性剤、結合剤などの安定化)で製剤中に含まれる。適当な医薬的に許容される担体、およびそれを選択する際に関わる因子の説明は、容易に入手可能な様々な文献、例えば、Allen, L.V., Jr. et al., Remington: The Science and Practice of Pharmacy (2 Volumes), 22nd Edition, Pharmaceutical Press (2012)に記載され、その内容は全て参照により本明細書に援用される。
【0100】
本発明の化合物の投与計画は、既知の要因(例えば特定の薬剤の薬力学特性およびその投与方法および投与経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康状態、病状、および体重;症状の性質および範囲;併用治療の種類;治療の頻度;投与経路、患者の腎臓および肝臓の機能、および所望の効果)により当然異なる。
【0101】
一般的な指針では、各活性成分の1日経口用量は、意図した効果を得るために用いる際、約0.01~約5000mg/日、好ましくは約0.1~約1000mg/日、最も好ましくは約0.1~約250mg/日の間の範囲となる。静脈内投与における定速注入の最も好ましい用量は、約0.01~約10mg/kg/分の範囲である。本発明の化合物は、1日1回の用量で投与され得るか、または1日の総用量を2回、3回、または4回に分割した用量を投与され得る。
【0102】
本化合物は一般に、意図した投与形態(例えば、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、およびシロップ剤)に対して適切に選択され、適切な医薬用希釈剤、賦形剤、または(本明細書で医薬担体と総称される)担体との混合物で投与され、従来の薬学的基準と一致するものである。
【0103】
投与に適切な剤形(医薬組成物)は、投与単位あたり約1mg~約2000mgの活性成分を包含し得る。これらの医薬組成物において、活性成分は、通常、組成物の総重量の約0.1~95%の重量で存在する。典型的な経口投与用のカプセルには、少なくとも1つの本発明の化合物(250mg)、ラクトース(75mg)、およびステアリン酸マグネシウム(15mg)が含まれる。この混合物は60メッシュで篩過され、No.1のゼラチンカプセルに充填される。典型的な注射製剤は、少なくとも1つの本発明の化合物(250mg)を無菌状態でバイアルに加え、無菌状態で凍結乾燥および密封することで製造される。使用の際は、バイアルの中身を生理食塩水(2mL)と混合し、注射製剤を調製する。
【0104】
本発明の化合物は、抗アテローム性動脈硬化剤、抗脂質異常症剤、抗糖尿病剤、抗高血糖剤、抗高インスリン血症剤、抗血栓性剤、抗網膜症剤、抗神経障害剤、抗腎障害剤、抗虚血剤、抗高血圧剤、抗肥満剤、抗高脂血症剤、抗高トリグリセリド血症剤、抗高コレステロール血症剤、抗再狭窄剤、抗膵炎薬、脂質低下剤、食欲減退剤、記憶増強剤、抗認知症剤、認知促進剤、食欲抑制剤、心不全の治療剤、末梢動脈疾患の治療剤、悪性腫瘍の治療剤、および抗炎症剤を含む、疾患または障害の治療に有用な他の適切な治療剤と組み合わせて利用され得る。
【0105】
付加される治療剤には、ACE阻害剤、β遮断薬、利尿薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、リアノジン受容体モジュレーター、SERCA2a活性化薬、レニン阻害剤、カルシウムチャンネル遮断薬、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA1受容体部分アゴニスト、ドーパミンβ水酸化酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、特定の細胞シグナル伝達経路のために活性が変動したアンジオテンシンII受容体拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗剤およびネプリライシン酵素阻害剤の組み合わせ、ネプリライシン酵素阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬、ミオシンATPase活性化剤、Rhoキナーゼ1阻害剤、Rhoキナーゼ2阻害剤、アペリン受容体アゴニスト、ニトロキシルドナー化合物、カルシウム依存性キナーゼII阻害剤、抗線維化薬、ガレクチン-3阻害剤、バソプレシン受容体拮抗薬、FPR2受容体モジュレーター、ナトリウム利尿ペプチド受容体アゴニスト、一過性受容体電位バニロイド4チャネル遮断薬、抗不整脈薬、If電流(funny current)チャネル阻害薬、ニトレート、ジギタリス化合物、強心薬およびβ受容体作動薬、細胞膜回復剤(例えばポロキサマー188)、抗高脂血症剤、血漿中HDL増加剤、抗高コレステロール血症剤、コレステロール合成阻害剤(例えばHMG CoA還元酵素阻害剤)、LXRアゴニスト、FXRアゴニスト、プロブコール、ラロキシフェン、ニコチン酸、ナイアシンアミド、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸捕捉剤、アニオン交換樹脂、4級アミン、コレスチラミン、コレスチポール、低比重リポタンパク質受容体誘導物質、クロフィブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、ゲムフィブロジル、ビタミンB6、ビタミンB12、抗酸化ビタミン、抗糖尿病剤、抗血小板剤、フィブリノゲン受容体拮抗薬、アスピリンおよびフィブリン酸誘導体、PCSK9阻害剤、アスピリン、およびP2Y12阻害剤(例えばクロピドグレル)が含まれてもよい。
【0106】
付加される治療剤には、ニンテダニブ、ピルフェニドン、LPA1アンタゴニスト、LPA1拮抗薬、GLP-1アナログ、トラロキヌマブ(IL-13、AstraZeneca)、ビスモデギブ(ヘッジホッグ阻害薬、Roche)、PRM-151(ペントラキシン-2、TGF β-1、Promedior)、SAR-156597(IL-4およびIL-13に対する二重特異性Mab、Sanofi)、シムツズマブ(simtuzumab、抗リシルオキシダーゼ様2(抗LOXL2)抗体、Gilead)、CKD-942、PTL-202(PDE阻害剤/ペントキシフィリン/NAC経口用制御放出剤、Pacific Ther.)、オミパリシブ(経口PI3K/mTOR阻害剤、GSK)、IW-001(経口用溶液、ウシ由来V型コラーゲン、ImmuneWorks)、STX-100(抗インテグリンαVβ6抗体、Stromedix/Biogen)、Actimmune(IFNγ)、PC-SOD(ミジスマーゼ; 吸入剤、LTT Bio-Pharma/CKD Pharm)、レブリキズマブ(抗IL-13 SCヒト化mAb、Roche)、AQX-1125(SHIP1活性化剤、Aquinox)、CC-539(JNK阻害剤、Celgene)、FG-3019(FibroGen)、SAR-100842(Sanofi)、およびオベチコール酸(OCAまたはINT-747、Intercept)も含まれてよい。
【0107】
上記のその他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用する場合、例えば、米医薬品便覧(PDR)に記載の量、または当業者によって定められた量で使用されてもよい。
【0108】
特に単一剤形として提供される場合、組み合わせた活性成分間での化学的相互作用が生じ得る。このため、本発明の化合物および別の治療剤が単一剤形として混合された場合、単一剤形にするために活性成分が混合されても、活性成分間での物理的接触は最小化される(縮小される)ように製剤化される。例えば、一方の活性成分は腸溶コーティングがなされてもよい。活性成分の一方を腸溶コーティングすることにより、組み合わせた活性成分間の接触を最小限にすることだけではなく、成分の一方が、消化管のうち、胃ではなく腸で放出されるように制御することも可能になる。また活性成分の一方は、消化管中で徐放効果をもたらす何らかの物質でコーティングされてもよく、組み合わせた活性成分間の物理的接触を最小限に抑える役割も果たす。さらに徐放性成分は、成分の放出が腸でのみ起こるように、別の腸溶コーティングも施され得る。さらに別の方法として、成分の一方を徐放性および/または腸溶放出性ポリマーでコーティングし、さらに活性成分を分離させるためにその他の成分もポリマー(例えば、低粘度グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)または当業者に公知の他の適当な物質)でコーティングした、組み合わせ生成物の製剤を含む。上記ポリマーコーティングは、他の成分との相互作用をさらに妨げるための役割を果たす。
【0109】
本発明の化合物は、RXFP1の関与する試験またはアッセイにおいて、標準物質または参照化合物として、例えば、品質基準またはコントロール物質としても有用である。そのような化合物は、例えば、RXFP1に関する医薬品研究において使用するための市販のキットで提供されてもよい。例えば、本発明の化合物は、その既知の活性を未知の活性の化合物と比較するためにアッセイで対照化合物として使用され得る。これにより、実験者は当該アッセイが適切に行われたことを確認でき、特に試験化合物が対照化合物の誘導体である場合に、比較基準が得られる。これにより、実験者は当該アッセイが適切に行われたことを確認でき、特に試験化合物が対照化合物の誘導体である場合に、比較基準が得られる。新たなアッセイまたはプロトコルを開発する場合に、本発明に準じた化合物の有効性を試験することができる。また、本発明の化合物は、RXFP1に関する診断のアッセイにおいて使用されてもよい。
【0110】
また、本発明は製造品を包含する。本明細書で使用される製造品とは、以下に限らないが、キットおよびパッケージを含むことを意図する。本発明の製造品は、(a)第1の容器、(b)第1の容器内に入れられる医薬組成物(ここで該組成物は、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩の形態を含む、第1の治療剤を包含する)、および(c)該医薬組成物が、脂質異常症およびその後遺症の治療に利用出来ることを記載する添付文書を包含する。その他の実施態様において、添付文書では、該医薬組成物が第2の治療剤と(上記で定義されるように)組み合わせて、炎症性疾患および/または自己免疫性疾患の治療に利用できることが記載される。該製造品はさらに、(d)第2の容器(ここで構成要素(a)および(b)は、第2の容器内に入れられ、構成要素(c)は、第2の容器の内または外に位置する)を包含し得る。第1および第2の容器に位置するとは、各容器が当該アイテムをその領域内に保持することを意味する。
【0111】
第1の容器は、医薬組成物を保持するために使用される容器である。この容器は、製造、保管、配送、および/または個別販売/大量販売のためのものであり得る。第1の容器とは、ボトル、ジャー、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えばクリーム剤用)、または医薬製剤の製造、保持、保管、または流通に用いられる任意の他の容器を含むことを意図する。
【0112】
第2の容器は、第1の容器、および所望により添付文書を保持するためのものである。第2の容器の例には、以下に限らないが、箱(例えば、ボール紙またはプラスチック)、木箱、段ボール箱、袋(例えば、紙またはプラスチックの袋)、ポーチ、および布袋が挙げられる。添付文書は、第1の容器にテープ、接着剤、ホッチキス、またはその他の付着方法により物理的に付着され得るか、または第1の容器に物理的手段で付着させることなく、第2の容器内に存在し得る。あるいは、添付文書は第2の容器の外側に位置する。第2の容器の外側に位置する場合、添付文書は、テープ、接着剤、ステープラ、またはその他の付着方法により物理的に付着されることが好ましい。あるいは、物理的に付着させることなく第2の容器の外側に近接または接触し得る。
【0113】
添付文書とは、第1の容器内に配置される医薬組成物に関連する情報を記載するラベル、タグ、マーカー等である。記載される情報は、通常、製造品が販売される地域を管理する規制当局(例えばアメリカ食品医薬品局)により決定される。好ましくは、添付文書は、医薬組成物が認可されている旨の表示を具体的に記載する。添付文書は、人がその中またはその上に含まれる情報を読むことが出来る、任意の材料で作成されてもよい。好ましくは、添付文書は、その上に所望の情報が掲載される(例えば、印刷または貼付される)、印刷可能な材質(例えば、紙、プラスチック、ボール紙、ホイル、接着剤付き紙またはプラスチック等)である。
【0114】
合成スキーム
本発明の化合物は、当該分野で公知の様々な方法(例えば以下のスキーム、および特定の実施態様のセクションの方法)により製造され得る。合成スキームに示される式番号および変数番号は、請求項または明細書の他の部分に示される式番号または変数番号とは区別され、混同されるべきではない。スキーム中の変数は、本発明の化合物の一部の製造方法を例示するためだけに意図される。
【0115】
また、この分野の任意の合成経路計画における、もう1つの重要な検討対象は、本発明に記載の化合物に含まれる反応性官能基の保護に用いる適切な保護基の選択であると認識される。当業者に対し、多くの保護基の選択肢を記載している権威ある文献としてGreene, T.W. et al., Protecting Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, Wiley (2007)が挙げられる。
【0116】
本発明で見られるシクロブタン中間体は、簡単に手に入るビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-3-カルボン酸により合成され得る。KNO3/冷硫酸を用いたニトロ化により、ニトロ中間体I-Iが得られ、これを本発明のアミンとカップリングし、アミド中間体I-IIが得られる。ニトロ基の還元、続いて本発明の酸誘導体との標準的なペプチドカップリングまたは当業者に公知の別法により、本発明の化合物が得られる。
【化38】
【0117】
スキーム-II
あるいは、ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-3-カルボン酸をNBSでブロモ化するか、またはSeO2で酸化し、ブロモ中間体またはケト中間体のいずれかを得る。これらを適切に官能基化し、本発明の置換フェニルシクロブタン中間体が得られてもよい。
【化39】
ハロゲン中間体およびケト中間体は、本発明のその他の置換化合物に変換され得る。酸の部分およびニトロ基を、それぞれアミンとのカップリング、還元および酸との再カップリングを行うことにより、本発明の化合物が得られてもよい。
【0118】
スキーム-III
あるいは、フェニルシクロブタンをニトロ化(J. Org. Chem., Vol. 44, No. 18, 1979)およびNBSでブロモ化し、ブロモ-アミノフェニルシクロブタン中間体I-Xを得る。当該中間体をパラジウムで触媒してカルボニル化することにより、所望のシクロブチルベンゾエート誘導体I-XIが得られる。次いでこの中間体は、スキーム-Iで示す本発明の化合物に変換され得る。
【化40】
【0119】
スキーム-IVに示されるように、同様の手順で、簡単に手に入る5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸からフェニルシクロヘキシル誘導体が合成されてもよい。
【化41】
【0120】
スキーム-V
あるいは、置換フェニルシクロヘキシル化合物は、市販で入手可能な6-ブロモ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンから得られる。ニトロ化に次いで、パラジウムで触媒してカルボニル化することにより、所期のニトロ-エステル誘導体が得られる。スキーム-1に略述される通り、これをさらに官能基化し、本発明の化合物が得られる。
【0121】
【化42】
カルボニル基をNaBH4で還元し、次にアルキル化、または光延反応あるいはトシル化化合物により他の求核剤と置換されるか、または本発明のメチレン化合物にそのまま還元される。あるいはアミド基およびアニリン類の保護により、ケトンがLDAおよび適切な求電子剤によりアルキル化され、本発明の化合物がさらに得られる。ケトン中間体はグリニャール試薬および亜鉛試薬で処理され、本発明の実施例がさらに得られる。
【0122】
一般スキーム-VIに示されるように、フェニルシクロペンチル類似体も市販で入手可能な2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボン酸から合成される。スキーム-Iに略述した反応の手順により、本発明のフェニルシクロペンチル中間体は簡単に合成され得る。
【化43】
【0123】
スキーム-VIIに示されるように、本発明の置換安息香酸またはヘテロ環酸中間体が合成される。いずれの場合も、アリール基はヘテロアリール基で置換され、同様の反応順で対応する本発明のヘテロアリール化合物が得られる。
【化44】
【0124】
スキーム-VIIIに示されるように、市販で入手可能なアリールまたはヘテロアリールカルボキシアルデヒドから、本発明のイソキサゾリン中間体が得られる。アルデヒドからオキシムへの変換後、続いてNCSで処理することで、所望のフェニルクロロオキシムまたはヘテロアリールクロロオキシムが得られる。本発明のクロロオキシム誘導体を適当なオレフィンで処理し、スキーム-VIIIに示されるイソキサゾリン中間体が得られる。
【化45】
【0125】
本発明のクロロオキシムは、逆にアセチレン中間体またはブロモオレフィン中間体で処理することにより、本発明のイソオキサゾール誘導体が得られる。ヘテロアリールカルボキシアルデヒドについても同様の条件で反応を行い、本発明の適当なヘテロアリールイソキサゾリンまたはイソオキサゾール中間体が得られる。エナンチオマー混合物はキラルSFCで分離される。本発明のその他の中間体は以下に記載される。
【0126】
化学的方法および略語
略語は以下の通り定義される。「1x」は1回、「2x」は2回、「3x」は3回、「℃」は摂氏、「aq」は水溶液、「eq」または「equiv」は当量、「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「L」はリットル、「mL」はミリリットル、「μL」はマイクロリットル、「N」はノルマル、「M」はモーラー、「nM」はナノモーラー、「pM」はピコモーラー、「mol」はモル、「mmol」はミリモル、「min」は分、「h」は時間、「Int.」は中間体、「rt」は室温、「RT」は保持時間、「atm」は大気圧、「psi」はポンド毎平方インチ、「conc.」は濃縮、「sat.」は飽和、「MW」は分子量、「MS」または「Mass Spec」はマススペクトロメトリー、「ESI」はエレクトロスプレーイオン化質量分析、{LC-MS」は液体クロマトグラフィーマススペクトロメトリー、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィー、「RP HPLC」は逆相HPLC、「NMR」は核磁気共鳴分光法、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィー、「1H」はプロトン、「δ」はデルタ、「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「q」はカルテット、「m」はマルチプレット、「br」はブロード、「Hz」はヘルツ、「MHz」はメガヘルツ、および「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」は当業者に周知の立体化学記号である。
【表5】
【0127】
実施例では、特に断りがない限り以下の方法を用いた。中間体および最終生成物の精製は、順相クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーのいずれかにより行われた。順相クロマトグラフィーは、特に断りがない限り、予めSiO2を充填したカートリッジを用いてヘキサンと酢酸エチルのグラジエント、またはDCMとMeOHのグラジエントのいずれかで溶出した。逆相分取HPLCは、C18カラムを用いて、UV 220nmまたは分取LCMSの検出を行い、溶媒A(90%水、10%MeOH、0.1%TFA)および溶媒B(10%水、90%MeOH、0.1%TFA)のグラジエントまたは溶媒A(95%水、5%ACN、0.1%TFA)および溶媒B(5%水、95%ACN、0.1%TFA)のグラジエントまたは溶媒A(95%水、2%ACN、0.1%HCOOH)および溶媒B(98%ACN、2%水、0.1%HCOOH)のグラジエントまたは溶媒A(95%水、5%ACN、10mM NH4OAc)および溶媒B(98%ACN、2%水、10mM NH4OAc)のグラジエントまたは溶媒A(98%水、2%ACN、0.1%NH4OH)および溶媒B(98%ACN、2%水、0.1%NH4OH)のグラジエントで溶出した。実施例の解析に用いたLC/MS法を以下に列記する。
【0128】
方法A:
機器: Waters MICROMASS(登録商標)ZQマススペクトロメーターを備え付けたWaters Acquity
直線的グラジエント: 2~98%Bで1分かけて溶出し、98%Bで0.5分間溶出
UVでの可視化: 220nm
カラム: Waters BEH C18、2.1x50mm
流速: 0.8mL/分(方法A)
移動相A: 0.05%TFA、100%水
移動相B: 0.05%TFA、100%アセトニトリル
【0129】
方法B:
機器: Shimadzu LCMS-2020マススペクトロメーターを備え付けたShimadzu Prominence HPLC
直線的グラジエント: 0~100%Bで3分かけて溶出し、100%Bで0.75分間溶出
UVでの可視化: 220nm
カラム: Waters Xbridge C18、2.1x50mm、粒子径1.7μm
流速: 1mL/分
移動相A: 10mM酢酸アンモニウム、95:5 水:アセトニトリル
移動相B: 10mM酢酸アンモニウム、5:95 水:アセトニトリル
【0130】
方法C:
機器: Shimadzu LCMS-2020マススペクトロメーターを備え付けたShimadzu Prominence HPLC
直線的グラジエント:0~100%Bで3分かけて溶出し、100%Bで0.75分間溶出
UVでの可視化: 220nm
カラム: Waters Xbridge C18、2.1x50mm、粒子径1.7μm
流速: 1mL/分
移動相A: 0.1%TFA、95:5 水:アセトニトリル
移動相B: 0.1%TFA、5:95 水:アセトニトリル
【0131】
方法D:
機器: Waters MICROMASS(登録商標)ZQマススペクトロメーターを備え付けたWaters Acquity
直線的グラジエント:10%B~98%Bで1分かけて溶出し、98%Bで0.5分間溶出
UVでの可視化: 220nm
カラム:Waters AcquityGEN C18、2.1x50mm、粒子径1.7μm
流速: 1mL/分
移動相A: 0.05%TFA、100%水
移動相B: 0.05%TFA、100%アセトニトリル
【0132】
実施例の解析に用いたNMR
1H NMRスペクトルは、以下の周波数で作動するBrukerまたはJEOL(登録商標)フーリエ変換スペクトロメーターにより得た。
1H NMR: 400MHz(BrukerまたはJEOL(登録商標))あるいは500MHz(BrukerまたはJEOL(登録商標))
スペクトルデータは、化学シフト(多重度、カップリング定数、水素数)の形式で記載されている。化学シフトは、テトラメチルシランの内部標準(δユニット、テトラメチルシラン=0ppm)のppmで規定され、および/または2.51ppm(DMSO-d6)、3.30ppm(CD3OD)、1.94ppm(CD3CN)、および7.24ppm(CDCl3)に現れる1H NMRスペクトルの溶媒ピークを基準とする。
【0133】
中間体の製造
中間体1-1: 5'-(tert-ブトキシカルボニル)-2'-フルオロ-4-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸
【化46】
バイアルに5-(ジヒドロキシボリル)-2-メトキシ安息香酸(0.50g、2.6mmol)、tert-ブチル3-ブロモ-4-フルオロベンゾエート(0.84g、3.1mmol)、K2CO3(1.76g、12.8mmol)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(0.31g、0.38mmol)、およびTHF(22mL)を加えた。この混合物を窒素で2分間脱気し、次いで80℃で18時間加熱した。室温に冷却後、この反応混合物を1N HCl(25mL)で希釈し、溶液をEtOAc(3x25mL)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた残渣をDMFに溶解し、分取逆相HPLCにより精製し、中間体1-1(586mg、66.0%収率)を得た。LC-MS RT=1.02分; (M+H)+=347.1; [方法A]
【0134】
中間体2-6: 5'-(2-(tert-ブトキシ)-1-ヒドロキシ-2-オキソエチル)-2'-フルオロ-4-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸
以下のスキームに記載の方法に従って中間体2-6を製造した。
【化47】
【化48】
【0135】
中間体2-2: 中間体2-2を、類似の基質についての既知の条件を用いて製造した(Ludwig, J., Lehr, M. Syn. Comm. 2004, 34, 3691-3695)。ただし、反応温度は80℃で12時間維持した。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 7.49(dd, J=6.6, 2.2Hz, 1H), 7.20(ddd, J=8.3, 4.6, 2.2Hz, 1H), 7.13-7.03(m, 1H), 3.49(s, 2H), 1.46(s, 9H)
【0136】
中間体2-3: 中間体2-2(0.27g、0.92mmol)を入れた反応バイアル(20mL)に、NBS(0.20g、1.1mmol)、CCl4(10mL)、およびAIBN(15mg、0.090mmol)を加え、溶液を77℃で3時間撹拌した。溶液を減圧濃縮し、順相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、中間体2-3(310mg、0.84mmol、91%収率)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 7.79(dd, J=6.5, 2.3Hz, 1H), 7.55-7.46(m, 1H), 7.18-7.10(m, 1H), 5.18(s, 1H), 1.50(s, 9H)
【0137】
中間体2-4: 中間体2-3を入れた2ドラムバイアルに、EtOAc(2mL)、TEA(0.27mL、2.0mmol)、および酢酸(0.1mL、2mmol)を加え、混合物を80℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧濃縮し、順相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、中間体2-4を得た。これをさらに精製せずに用いた。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 7.70(dd, J=6.6, 2.2Hz, 1H), 7.41(ddd, J=8.4, 4.7, 2.1Hz, 1H), 7.15(t, J=8.4Hz, 1H), 5.77(s, 1H), 2.22(s, 3H), 1.43(s, 9H)
【0138】
中間体2-6: 中間体1-1に記載の条件と同様の条件で、5-(ジヒドロキシボリル)-2-メトキシ安息香酸(2-5)を用いて、中間体2-6を中間体2-4から製造した。逆相HPLC(条件: カラム:Phenomenex Luna C18 5μ 30x100mm、グラジエント: 10分; 溶媒A: 10%ACN/90%H2O/0.1%TFA; 溶媒B: 90%ACN/10%H2O/0.1%TFA)の後、物質の半分を中間体2-7として単離した(85mg、0.60mmol、34%収率)。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.43-8.36(m, 1H), 7.81(dt, J=8.7, 2.0Hz, 1H), 7.56(dd, J=7.3, 2.3Hz, 1H), 7.45(ddd, J=8.5, 4.6, 2.3Hz, 1H), 7.23-7.16(m, 2H), 5.84(s, 1H), 4.17(s, 3H), 2.23(s, 3H), 1.45(s, 9H)
残りの半分はアルコール中間体2-6として単離した(70mg、0.19mmol、31%収率)。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.40(d, J=2.2Hz, 1H), 7.82(dt, J=8.6, 2.2Hz, 1H), 7.54(dd, J=7.4, 2.5Hz, 1H), 7.41(ddd, J=8.4, 4.8, 2.2Hz, 1H), 7.19-7.14(m, 2H), 5.09(s, 1H), 4.16(s, 3H), 1.47(s, 9H)
キラルSFCを用いて中間体2-6を独立したエナンチオマーに分離した。
分取クロマトグラフィー条件: 機器: Berger MG II; カラム: Chiralpak ID、21x250mm、5μ; 移動相: 25%IPA/75%CO2; 溶出条件: 45mL/分、120Bar、40℃; 検出波長: 220nm; インジェクション条件: 0.36mLを8回インジェクション(IPA溶液、~20mg/mL)
分析クロマトグラフィー条件: 機器: Waters UPC2(分析用SFC); カラム: Chiralpak ID 4.6x100mm、3μ; 移動相: 25%IPA/75%CO2; 溶出条件: 2mL/分、150Bar、40℃; 検出波長: 220nm
ピーク1:RT=3.89分、>99.5%ee; 中間体2-6のピーク2:RT=5.44分、>99.5%ee
【0139】
中間体3-2: 5'-(2-(tert-ブトキシ)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-オキソエチル)-2'-フルオロ-4-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸
表題化合物を以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化49】
【化50】
【0140】
中間体3-1: 2-3(60mg、0.16mmol)に、アンモニア(0.5mL、3.5mmol、MeOH溶液)を加えた。室温で12時間撹拌後、この混合物を減圧濃縮した。アミン/DCM(1mL)にBOC無水物(0.11mL、0.49mmol)およびDIEA(57μL、0.33mmol)を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーでの精製により3-1(42mg、0.1mmol、63%収率)を得た。LC-MS: RT=1.14分; MS(ESI):m/z=406.0(M+H)+; [方法A]
【0141】
中間体3-2および3-3: 中間体1-1で用いた条件と同様の鈴木カップリング条件で中間体3-2および3-3を製造した。ただし、温度は60℃で18時間加熱した。室温に冷却後、この反応混合物を1N HCl(25mL)で希釈し、溶液をEtOAc(3x25mL)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、分取逆相HPLCにより精製した。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.38(d, J=1.9Hz, 1H), 7.80(dt, J=8.7, 2.0Hz, 1H), 7.46(dd, J=7.4, 2.5Hz, 1H), 7.36(dddd, J=8.8, 4.4, 2.2, 1.1Hz, 1H), 7.19-7.13(m, 2H), 5.67(br d, J=5.2Hz, 1H), 5.25(br d, J=6.3Hz, 1H), 4.16(s, 3H), 1.46(br s, 9H), 1.44(s, 9H)
得られた残渣はキラルSFCを用いて独立したエナンチオマーに分離した。
分取クロマトグラフィー条件: 機器: Berger MG II; カラム: Chiralpak ID、21x250mm、5μ; 移動相: 20%MeOH/80%CO2; 溶出条件; 45mL/分、120Bar、40℃; 検出波長: 209nm; インジェクション条件: 49回インジェクション(MeOH溶液)
分析クロマトグラフィー条件: 機器: Waters UPC2(分析用SFC); カラム: Chiralpak IC、4.6x100mm、3μ; 移動相: 25%MeOH/75%CO2; 溶出条件: 2mL/分、150Bar、40℃; 検出波長: 220nm
ピーク1(3-2):RT=4.22分、95.7%ee; ピーク2(3-3):RT=5.11分、>99%ee
【0142】
中間体4-4: 2'-フルオロ-4-メトキシ-5'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸
表題化合物を以下に記載のスキームに従って製造した。
【化51】
【化52】
【0143】
中間体4-2: 反応容器に3-ブロモ-4-フルオロベンズアルデヒド(4-1、235mg、1.15mmol)、DMF(3.5mL)、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(0.34mL、2.3mmol)、およびK2CO3(8mg、0.06mmol)を加え、この混合物を室温で60分間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却し、2N HCl(3mL)を加えた。室温でさらに1時間撹拌後、この混合物をEtOAc(15mL)で希釈し、溶液を飽和NH4Clで洗浄した。水層をEtOAc(2x10mL)で抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0~35%EtOAc/ヘキサン)により精製し、4-2(205mg、0.75mmol、65%収率)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 7.74(dd, J=6.5, 2.1Hz, 1H), 7.43(ddd, J=8.4, 4.8, 2.2Hz, 1H), 7.19(t, J=8.4Hz, 1H), 5.11-4.98(m, 1H), 2.69(d, J=4.4Hz, 1H)
【0144】
中間体4-3: 4-2(100mg、0.37mmol)を含む反応容器に、5-(ジヒドロキシボリル)-2-メトキシ安息香酸(93mg、0.48mmol)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(50mg、0.06mmol)、Na2CO3(155mg、1.46mmol)、およびH2O(1mL)を加えた。この混合物をN2バブリングにより10分間脱気し、密封し、65℃で3時間撹拌した。室温に冷却後、1N HClを加えて反応をクエンチし、溶液をEtOAcで抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、HPLCにより精製し、4-3(51mg、0.15mmol、40%収率)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.39(d, J=1.9Hz, 1H), 7.83(dt, J=8.7, 2.1Hz, 1H), 7.59(dd, J=7.3, 2.1Hz, 1H), 7.53-7.45(m, 1H), 7.23(dd, J=10.2, 8.8Hz, 1H), 7.18(d, J=8.5Hz, 1H), 5.11(q, J=6.6Hz, 1H), 4.17(s, 3H); MS(ESI):m/z=345.1(M+H)+
【0145】
中間体4-4: キラルSFC(分取クロマトグラフィー条件: 機器: Berger MG II; カラム: Kromasil 5-CelluCoat、21x250mm、5μ; 移動相: 15%IPA-ACN(0.1%DEA)/85%CO2; 溶出条件; 45mL/分、120Bar、40℃; 検出波長: 220nm; インジェクション条件: 0.4mL(ACN/IPA(1:1)溶液~15mg/mL))を用いて、中間体4-3を独立したエナンチオマーに分離した。ピーク2を回収し、中間体4-4を得た。
分析クロマトグラフィー条件: 機器: Aurora Infinity(分析用SFC); カラム: Kromasil 5-CelluCoat、4.6x250mm、5μ; 移動相: 20%IPA-ACN(0.1%DEA)/80%CO2; 溶出条件: 2mL/分、150Bar、40℃; 検出波長: 220nm
ピーク1: RT=9.12分、99%ee; ピーク2: RT=10.19分、98%ee
【0146】
中間体5-2: 5-(5-ヒドロキシ-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸
表題化合物を以下に記載のスキームに従って製造した。
【化53】
【化54】
【0147】
中間体5-1: 5-ホルミル-2-メトキシ安息香酸メチル(24.9g、128mmol)をDCM(500mL)に溶解した。この溶液にトリエチルアミン(17.9mL、128mmol)、続いてヒドロキシルアミン塩酸塩(8.91g、128mmol)を加えた。この混合物を14時間室温で撹拌し、減圧濃縮し、白色固体を得た。この固体を水(200mL)に溶解し、水層をEtOAc(2x100mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧濃縮し、白色固体(27.1g、100%収率)を得た。固体をDMF(200mL)に再度溶解し、この溶液にNCS(17.2g、128mmol)を加え、室温で14時間終夜撹拌した。過剰の水を加えて反応をクエンチすると、白色固体が沈殿した。固体を濾過により分離し、過剰の水で洗浄し、真空乾燥し、中間体5-1の白色固体(28.7g、89%収率)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.32-8.30(m, 1H), 7.99-7.96(m, 1H), 7.80-7.78(m, 1H), 7.05-7.02(d, 1H), 3.98(s, 3H), 3.94(s, 3H)
【0148】
中間体5-2(ジアステレオマー混合物): あるいは、(E)-5-((ヒドロキシイミノ)メチル)-2-メトキシ安息香酸(620mg、3.18mmol)をDMF(5mL)に溶解し、この溶液にNCS(424mg、3.18mmol)を加え、この混合物を室温で4時間撹拌した。水(100mL)を加えて反応をクエンチし、溶液をEtOAc(2x25mL)で抽出し、乾燥(MgSO4)し、油状物になるまで減圧濃縮した。得られた油状物をDCM(10mL)に再度溶解し、シクロペンタ-3-エン-1-オール(2.67g、31.8mmol)を加え、続いてTEA(0.44mL)を加え、室温で14時間撹拌した。得られた溶液をシリカゲルで濾過し、減圧濃縮し、中間体5-2のジアステレオマー混合物を得た。1H NMR(600MHz、CDCl3) δ 8.04(d, J=2.3Hz, 1H), 7.85(dd, J=8.8, 2.3Hz, 1H), 7.03(d, J=8.8Hz, 1H), 5.30(ddd, J=9.4, 6.2, 2.9Hz, 1H), 4.50(quin, J=5.9Hz, 1H), 4.19(td, J=9.3, 4.7Hz, 1H), 3.92(s, 3H), 2.33-2.27(m, 1H), 2.18-2.06(m, 3H); LC-MS RT=0.83分; MS(ESI)m/z=278.1(M+H)+; [方法A]
5-2のキラル中間体を、分取クロマトグラフィー法でキラルSFC(機器: Berger SFC; カラム: IC 25x3cm ID、5μm、温度: 40℃、流速: 85mL/分、移動相: グラジエント 75/25 CO2/MeOHで12分間、次いで45%MeOH、検出波長: 235nm、インジェクション体積: 1000μL)により分離し、5-3(キラルピーク-1:>99%ee、分析RT=8.80分)、5-4(キラルピーク-2:>95%ee、分析RT=9.86分)、5-5(キラルピーク-3:>99%ee、分析RT=13.53分)、5-6(キラルピーク-4:>99%ee、分析RT=16.67分)を得た。
分析クロマトグラフィー条件: 機器: Agilent SFC(LVL-L4021 Lab)、カラム: IC 250x4.6mm ID、5μm、温度: 周囲温度、流速: 2.0mL/分、移動相: グラジエント 75/25 CO2/MeOHで12分、次いで45%MeOH
ピーク1~4の分析データ: 1H NMR(600MHz、CD3OD) δ 8.07(d, J=2.2Hz, 1H), 7.82(dd, J=8.7, 2.1Hz, 1H), 7.18(d, J=8.8Hz, 1H), 5.21(ddd, J=9.2, 6.2, 2.5Hz, 1H), 4.27(m, 1H), 4.24(td, J=9.4, 4.0Hz, 1H), 3.94(s, 3H), 2.16(m, 1H), 2.05(m, 1H), 2.00(m, 1H), 1.99(m, 1H)
【0149】
中間体6-2: 5-(5-(ヒドロキシメチル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d]-イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
【化55】
【化56】
【0150】
中間体6-1: 中間体5-1(3.0g、12.3mmol)をDCM(123.13mL)に溶解し、これにシクロペンタ-3-エン-1-イルメタノール(4.8g、49.3mmol)を加え、続いてTEA(5.15mL、36.9mmol)を加えて室温で撹拌した。14時間撹拌後、この反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を順相クロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc)により精製し、6-1(2.8g、9.2mmol、75%収率)を油状物として得た。LC-MS: RT=0.95分; MS(ESI)m/z=306.3(M+H)+;[方法A]
【0151】
ジアステレオマー中間体6-2: 中間体6-1(88mg、0.29mmol)をTHF(1mL)/MeOH(1mL)に溶解し、室温下、水酸化リチウム一水和物(36mg、0.86mmol)/H2O(1mL)で処理した。3時間後、この反応混合物をH2O(5mL)で希釈し、水層のpHを1M HCl溶液でpH 7に調整し、EtOAc(2x25mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧濃縮して、6-2(62mg、74%収率)を得た。カルボン酸(6-2)をさらに精製せずに次の反応に用いた。LC-MS: RT=0.85分; MS(ESI)m/z=292.3(M+H)+;[方法A]
【0152】
ホモキラル中間体6-3~6-10
各キラルジアステレオマーエステル中間体6-3、6-5、6-7、および6-9を、ジアステレオマー混合物である中間体6-1(525mg、1.72mmol)のキラルSFC分離により得た。
キラルSFC分取クロマトグラフィー条件: 機器: Berger MG II(SFC); カラム: Chiralpak AD-H、21x250mm、5μ; 移動相: 15%MeOH/85%CO2; 溶出条件: 45mL/分、150Bar、40℃; 検出波長: 210nm; インジェクション条件: 0.5mL(MeOH溶液、~35mg/mL)
分析クロマトグラフィー条件: 機器: Shimadzu Nexera SFC; カラム: Chiralpak AD-H、4.6x100mm、3μ; 移動相: 15%MeOH/85%CO2; 溶出条件: 2.0mL/分、150Bar、40℃; 検出波長: 220nm; インジェクション条件: 5μL(MeOH溶液、~1mg/mL)
【0153】
ホモキラル安息香酸メチル中間体6-3(ピーク-1、RT=4.07分; >99%ee)をフィルムとして得た(150mg、29%収率)。1H NMR(600MHz、CDCl3) δ 8.04(d, J=2.3Hz, 1H), 7.87(dd, J=8.7, 2.3Hz, 1H), 7.01(d, J=8.8Hz, 1H), 5.23(dd, J=8.8, 5.1Hz, 1H), 4.10(t, J=8.7Hz, 1H), 3.94(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.72-3.66(m, 1H), 3.61(dt, J=10.5, 5.2Hz, 1H), 2.30-2.16(m, 2H), 2.05(dd, J=13.0, 6.1Hz, 1H), 1.76(ddd, J=12.9, 11.5, 9.4Hz, 1H), 1.68-1.62(m, 1H), 1.39(br t, J=4.8Hz, 1H)
【0154】
ホモキラル安息香酸中間体6-4(ピーク-1): 5-(5-(ヒドロキシメチル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
中間体6-4(100mg、78%収率)を中間体6-2と同様の手順で、ホモキラル中間体6-3(ピーク-1)の加水分解をさらに行い、製造した。LC-MS: RT=0.85分; MS(ESI)m/z=292.3(M+H)+; [方法A]
【0155】
ホモキラル安息香酸メチル中間体6-5(ピーク-2、RT=4.55分; >99%ee)をフィルムとして得た(33.2mg、6.3%収率)。1H NMR(600MHz、CDCl3) δ 8.05(d, J=2.3Hz, 1H), 7.87(dd, J=8.8, 2.3Hz, 1H), 7.02(d, J=8.8Hz, 1H), 5.25(ddd, J=10.1, 6.2, 4.2Hz, 1H), 4.04-3.98(m, 1H), 3.94(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.63-3.57(m, 1H), 3.56-3.50(m, 1H), 2.38-2.26(m, 3H), 1.92-1.85(m, 1H), 1.73-1.66(m, 1H), 1.51(t, J=5.3Hz, 1H)
【0156】
ホモキラル安息香酸中間体6-6(ピーク-2): 5-(5-(ヒドロキシメチル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
中間体6-6(20.2mg、92%収率)を中間体6-2と同様の手順で、中間体6-5(ピーク-2)の加水分解をさらに行い、製造した。LC-MS: RT=0.83分; MS(ESI)m/z=292.3(M+H)+; [方法A]
【0157】
ホモキラル安息香酸メチル中間体6-7(ピーク-3、RT=5.66分; >99%ee)をフィルムとして得た(161mg、30.6%収率)。1H NMR:(600MHz、CDCl3) δ 8.05-8.03(m, 1H), 7.86(dd, J=8.7, 2.3Hz, 1H), 7.01(d, J=8.8Hz, 1H), 5.23(dd, J=8.7, 5.2Hz, 1H), 4.10(t, J=8.7Hz, 1H), 3.94(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.69(br dd, J=10.6, 5.2Hz, 1H), 3.63-3.58(m, 1H), 2.28-2.17(m, 2H), 2.05(br dd, J=12.9, 6.2Hz, 1H), 1.76(ddd, J=13.0, 11.5, 9.4Hz, 1H), 1.64-1.60(m, 1H), 1.49(br s, 1H)
【0158】
ホモキラル安息香酸中間体6-8(ピーク-3): 5-(5-(ヒドロキシメチル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
中間体6-8(120mg、85%収率)を中間体6-2と同様の手順で、中間体6-7(ピーク-3)の加水分解をさらに行い、製造した。LC-MS: RT=0.83分; MS(ESI)m/z=292.3(M+H)+; [方法A]
【0159】
ホモキラル安息香酸メチル中間体6-9(ピーク-4、RT=9.81分; >99%ee)をフィルムとして得た(47mg、9.0%収率)。1H NMR:(600MHz、CDCl3) δ 8.04(d, J=2.3Hz, 1H), 7.87(dd, J=8.7, 2.3Hz, 1H), 7.02(d, J=8.8Hz, 1H), 5.24(ddd, J=10.1, 6.2, 4.2Hz, 1H), 4.03-3.98(m, 1H), 3.94(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.63-3.57(m, 1H), 3.56-3.49(m, 1H), 2.38-2.25(m, 3H), 1.91-1.85(m, 1H), 1.72-1.66(m, 1H), 1.55(br s, 1H)
【0160】
ホモキラル安息香酸中間体6-10(ピーク-4): 5-(5-(ヒドロキシメチル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
中間体6-10(18.2mg、52%収率)を中間体6-2と同様の手順で、中間体6-9(ピーク-4)の加水分解をさらに行い、製造した。LC-MS: RT=0.84分; MS(ESI)m/z=292.3(M+H)+; [方法A]
【0161】
中間体7-6: 3-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレン-2-カルボキサミド
表題化合物を以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化57】
【化58】
中間体7-2および7-3: 5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸(2.0g、11mmol)/H2SO4(20mL)の溶液に、0℃でKNO3(1.38g、13.6mmol)/H2SO4(10mL)を滴下して処理した。12時間後、この反応混合物を氷でクエンチし、DCM(2x25mL)で抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、位置異性体の混合物として、さらに精製せずに次の反応に用いた。LC-MS: RT=0.99分; MS(ESI)m/z=221.9(M+H)+; [方法A]
【0162】
中間体7-4および7-5: POCl3(1.05mL、11.3mmol)/DCM(10mL)を、シリンジで7-2および7-3(2.5g、11mmol)および4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(2.02g、22.6mmol)、およびピリジン(7.3mL、90mmol)/DCM(75mL)の溶液に0℃で加えた。4時間後、この反応混合物を1.0M HClでクエンチし、有機層を分離し、1.0M HCl、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。順相クロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc)により精製し、2つの位置異性体、7-4および7-5の混合物(2.88g、7.51mmol、66%収率)を灰白色固体として得た。LC-MS: RT=1.13分; M S(ESI)m/z=382.9(M+H)+; [方法A]
【0163】
中間体7-6および7-7: Pd-C(湿潤、Degussaタイプ、10%、160mg、1.50mmol)を7-4および7-5(2.88g、7.52mmol)/EtOH(75.2mL)の溶液に加え、水素雰囲気下(55psi)に置いた。3時間後、触媒をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。2つの位置異性体をSFC(機器: カラム:Chiralpak AD-H、21x250mm、5μ; 移動相(25%MeOH/75%CO2); 溶出条件(45mL/分、150Bar、40℃); 検出波長(220nm); インジェクション条件:~80mg/mLのMeOH溶液(0.5mL))により精製した。
【0164】
中間体7-6(ピーク2、RT=5.68分): 3-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキサミド(580mg、22%収率)
1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 10.19(s, 1H), 8.18(dd, J=6.6, 2.4Hz, 1H), 8.01(dt, J=8.0, 3.9Hz, 1H), 7.48(t, J=9.8Hz, 1H), 7.36(s, 1H), 6.46(s, 1H), 6.07(s, 2H), 2.68-2.58(m, 4H), 1.77-1.64(m, 4H)
中間体7-7(ピーク1、RT=4.27分): 1-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキサミド(725mg、27%収率)
1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 10.18(s, 1H), 8.19(dd, J=6.6, 2.7Hz, 1H), 8.03(ddd, J=8.9, 4.3, 2.9Hz, 1H), 7.51- 7.45(m, 2H), 6.39(d, J=8.3Hz, 1H), 6.29(s, 2H), 2.67(t, J=6.1Hz, 2H), 2.38(t, J=6.4Hz, 2H), 1.84-1.74(m, 2H), 1.72-1.63(m, 2H)
【0165】
中間体8-5: 3-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキサミドの製造
表題化合物を以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化59】
【化60】
中間体8-2: 6-ブロモ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(中間体8-1、0.5g、2mmol)を0℃でH2SO4(5mL)に溶解した。5分間撹拌後、この混合物の温度を15℃未満に維持したまま、KNO3(0.23g、2.2mmol)/H2SO4(1mL)を滴下して加え、次いで徐々に室温に戻した。12時間後、この反応混合物を氷でクエンチし、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、DCM(2x25mL)で抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc)で精製し、主生成物である6-ブロモ-7-ニトロ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(中間体8-2、1H NMRで70%)および位置異性体である副生成物の6-ブロモ-5-ニトロ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(中間体8-3、1H NMRで30%)の混合物を得た(540mg、90%収率)。中間体8-2(主生成物): 1H NMR(600MHz、DMSO-d6) δ: 8.32(s, 1H), 8.02(s, 1H), 3.02(t, J=6.2Hz, 2H), 2.70-2.64(m, 4H), 2.13-2.04(m, 4H); 中間体8-3(副生成物): 1H NMR(600MHz、DMSO-d6) δ: 7.97(d, J=8.4Hz, 1H), 7.90(d, J=8.5Hz, 1H), 2.85(t, J=6.1Hz, 2H), 2.70-2.64(m, 4H), 2.13-2.04(m, 4H)
【0166】
中間体8-4: 6-ブロモ-7-ニトロ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(中間体8-2、500mg、1.85mmol)/TEA(3.88mL、27.8mmol)、MeOH(0.90mL、22mmol)、およびDMF(2mL)の溶液を窒素で脱気し、Pd(OAc)2(10.39mg、0.05000mmol)およびXantphos(53.6mg、0.0900mmol)を加えた。この溶液を脱気し、COガスで溶液をバブリングした。反応容器に還流冷却器およびCOのバルーンを備え付け、次いで70℃に加熱した。12時間後、水を加えて反応をクエンチし、EtOAc(2x25mL)で抽出した。ここで、カルボニル化の際にニトロ基はアニリンに還元されている。有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc)により精製し、3-アミノ-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸メチル(8-4、150mg、37%収率)を得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d) δ 7.78(s, 1H), 7.32(s, 1H), 5.64(br s, 2H), 3.91(s, 3H), 2.86(t, J=6.0Hz, 2H), 2.66-2.63(m, 2H), 2.13-2.08(m, 2H); LC-MS: RT= 0.81分; MS(ESI)m/z=220.0(M+H)+; [方法A]
【0167】
中間体8-5: Me3Al(0.479mL、0.960mmol)を4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(0.172g、0.958mmol)/トルエン(2mL)に0℃で加えた。15分後、Me3Al混合物を3-アミノ-5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸メチル(中間体8-4)(0.070g、0.319mmol)/トルエン(3mL)に移し、30分間マイクロ波を照射して120℃に加熱した。1.0M HClを加えてこの反応をクエンチし、EtOAc(2x25ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc)により精製し、中間体8-5(41mg、37%収率)を得た。LC-MS: RT=0.96分; MS(ESI) m/z=367.0(M+H)+; [方法A]
【0168】
中間体9-4: 4-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-3-カルボキサミド
表題化合物を以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化61】
【化62】
【0169】
中間体9-2: ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-3-カルボン酸(9-1、500mg、3.37mmol)/H2SO4(3.0mL、56mmol)の溶液を、0℃でKNO3(409mg、4.05mmol)/H2SO4(3.0mL、56mmol)で処理した。3時間後、この反応を氷でクエンチし、DCM(2x25mL)で抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、9-2(216mg、33%収率)を得た。これをさらに精製せずに次の反応に用いた。次の反応ステップの後、ニトロ化の位置選択性を確認した。LC-MS: RT=0.67分; MS(ESI) m/z=194.1(M+H)+; [方法A]
【0170】
中間体9-3: POCl3(167mg、1.09mmol)/DCM(1mL)を4-ニトロビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-3-カルボン酸(中間体9-2、210mg、1.09mmol)および4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(195mg、1.09mmol)、ピリジン(1mL)/DCM(5mL)の溶液に0℃で加えた。この反応混合物を1時間冷却撹拌し、次いで1M HClでクエンチし、EtOAc(2x50mL)で抽出した。有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過した。得られた残渣をEtOAcおよび水の間で分配し、有機層を1M HCl、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣を順相クロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc)で精製し、N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-ニトロビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-3-カルボキサミド(9-3、75mg、20%収率)を得た。1H NMR(600MHz、DMSO-d6) δ 10.95(s, 1H), 8.15(dd, J=6.4, 2.6Hz, 1H), 7.90(dt, J=8.4, 3.7Hz, 1H), 7.87(s, 1H), 7.53(t, J=9.5Hz, 1H), 7.52(s, 1H), 3.29(s, 4H); LC-MS: RT= 0.98分; MS(ESI)m/z=354.9(M+H)+; [方法A]
【0171】
中間体9-4: N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-ニトロビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-3-カルボキサミド(9-3、70mg、0.20mmol)をMeOH(5mL)に溶解し、続いてPd/C(10%、0.1g)を加えて55psiで水素化した。2時間後、この反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、減圧濃縮し、4-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-3-カルボキサミド(9-4、53mg、82%収率)を褐色の油状物として得た。中間体9-4をさらに精製せずに用いた。LC-MS: RT=0.91分; MS(ESI)m/z=324.9(M+H)+; [方法A]
【0172】
中間体10-4: 6-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボキサミド
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化63】
【化64】
【0173】
中間体10-2: 2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボン酸(10-1、500mg、3.08mmol)/H2SO4(3.0mL、56mmol)の溶液を0℃で冷却し、KNO3(374mg、3.70mmol)/H2SO4(3.0mL、56mmol)で処理した。12時間後、この反応を氷でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、10-2(552mg、86%収率)を得た。得られた物質をさらに精製せずに次の反応に用いた。LC-MS RT= 0.93分; MS(ESI)m/z=207.9(M+H)+; [方法A]
【0174】
中間体10-3: POCl3(0.25mL、2.66mmol)/DCM(1mL)を、0℃で6-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボン酸(中間体10-2、552mg、2.66mmol)、4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(477mg、2.66mmol)、およびピリジン(1.7mL、21mmol)/DCM(17.8mL)の溶液に加えた。1時間後、この反応を1.0M HClでクエンチし、EtOAc(2x50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc)により精製し、N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-6-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボキサミド(10-3、182mg、0.490mmol、19%収率)を得た。1H NMR: (400MHz、DMSO-d6) δ 10.93(s, 1H), 8.15(dd, J=6.5, 2.5Hz, 1H), 8.01(s, 1H), 7.93-7.88(m, 1H), 7.63(s, 1H), 7.56-7.50(m, 1H), 3.03-2.97(m, 4H), 2.16-2.09(m, 2H); LC-MS: RT=1.09分; MS(ESI)m/z=368.9(M+H)+; [方法A]
【0175】
中間体10-4: Pd-C(9.82mg、0.0920mmol)をN-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-6-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボキサミド(中間体10-3、170mg、0.462mmol)/EtOH(5mL)の溶液に加え、55psiで水素化した。3時間後、触媒をセライト(登録商標)で濾過し、濾液を減圧濃縮し、6-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボキサミド(中間体10-4、136mg、87.0%収率)を得た。生成物は、次の反応に用いることが出来る程度に十分純粋であった。LC-MS: RT= 1.06分; MS(ESI)m/z=338.9(M+H)+; [方法A]
【0176】
中間体11-3: 6-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボキサミド
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化65】
【化66】
【0177】
中間体11-2: 密封したバイアルで、6-アミノ-5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(中間体11-1、0.87g、3.9mmol)、TEA(0.54mL、3.9mmol)、PdOAc2(0.17g、0.77mmol)、dppf(0.64g、1.2mmol)をDMSO(12.3mL)およびMeOH(8.2mL)の溶液に溶解し、CO雰囲気(70psi)下に置き、密封し、14時間80℃で加熱した。この反応混合物を水(50mL)および酢酸エチル(50mL)に分配した。水層を酢酸エチル(2x20mL)で抽出し、食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、6-アミノ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボン酸メチル(中間体11-2、284mg、1.38mmol、36.0%収率)を淡黄色固体として得た。LC-MS: RT=0.74分; MS(ESI)m/z =206.08(M+H)+; [方法A]
【0178】
中間体11-3: 0℃に冷却した4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(262mg、1.46mmol)/トルエン(4mL)に、トリメチルアルミニウム(0.73mL、1.5mmol)を加えた。10分後、6-アミノ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボン酸メチル(中間体11-2、100mg、0.49mmol)/トルエン(2mL)を加え、得られた混合物にマイクロ波を照射して120℃で30分間加熱した。この反応混合物を1M HClでクエンチし、EtOAc(2x25mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、減圧濃縮して、6-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボキサミド(中間体11-3、44mg、0.13mmol、26%収率)を黄色油状物として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.04-8.01(m, 1H), 7.89-7.82(m, 2H), 7.55-7.52(m, 1H), 7.20-7.17(m, 1H), 7.12-7.08(m, 1H), 5.38(br s, 2H), 3.07-3.01(m, 2H), 2.72-2.68(m, 2H); LC-MS: RT=1.21分; MS(ESI)m/z:=353.3(M+H)+; [方法A]
【0179】
中間体12-2(ジアステレオマー混合物): 5-(5-(tert-ブトキシカルボニル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
【化67】
【化68】
【0180】
中間体12-1: tert-ブチル3-(4-メトキシ-3-(メトキシカルボニル)フェニル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロ-5H-ピロロ[3,4-d]イソオキサゾール-5-カルボキシレートの製造
中間体12-1(500mg、46%収率)は、中間体6-1に記載の方法で、シクロペンタ-3-エン-1-イルメタノールをtert-ブチル2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレートに置き換えて製造した。1H NMR:(400MHz、CDCl3) δ 7.99(d, J=2.4Hz, 1H), 7.84(dd, J=8.7, 2.3Hz, 1H), 7.04(d, J=8.8Hz, 1H), 5.31(ddd, J=9.2, 5.4, 1.2Hz, 1H), 4.21(br dd, J=12.4, 9.1Hz, 1H), 3.96(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.72-3.61(m, 2H), 1.43(s, 9H); MS(ESI)m/z=377.4(M+H)+; [方法A]
【0181】
中間体12-2: 5-(5-(tert-ブトキシカルボニル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
12-2(150mg、44%収率)を、中間体12-1から中間体6-2に記載の方法で製造した。MS(ESI)m/z=363.4(M+H)+; [方法A]
【0182】
ホモキラル中間体12-3および12-5を、中間体12-1のジアステレオマー混合物(499mg、1.33mmol)のキラルSFCにより得た。
キラルSFC分取クロマトグラフィー条件
機器: Berger MG II(SFC); カラム: Regis Whelk-01、21x250mm、5μ; 移動相: 15%MeOH/85%CO2; 溶出条件: 45mL/分、150Bar、40℃; 検出波長: 220nm; インジェクション条件:~31mg/mLのMeOH/ACN(1.0mL)
分析クロマトグラフィー条件
機器: Shimadzu Nexera SFC; カラム: Regis Whelk-01、4.6x100mm、3μ; 移動相: 15%MeOH/85%CO2; 溶出条件: 2.0mL/分、150Bar、40℃; 検出波長: 220nm; インジェクション条件:~1mg/mLのアセトニトリル(5μL)
ホモキラル安息香酸メチル中間体12-3(ピーク-1、>99%ee、分析RT=4.02分)を白色固体として得た(96mg、19%収率)。1H NMR:(600MHz、CDCl3) δ 7.99(d, J=2.3Hz, 1H), 7.86-7.82(m, 1H), 7.04(br d, J=8.7Hz, 1H), 5.31(ddd, J=9.2, 5.4, 1.3Hz, 1H), 4.24-4.18(m, 1H), 4.01-3.93(m, 4H), 3.91(s, 3H), 3.83-3.76(m, 1H), 3.71-3.67(m, 1H), 3.63(br s, 1H), 1.43(br s, 9H)
【0183】
ホモキラル安息香酸中間体12-4(ピーク-1): 5-(5-(tert-ブトキシカルボニル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
中間体12-4(52mg、68%収率)を中間体12-2と同様の手順で、中間体12-3の加水分解をさらに行い、製造した。MS(ESI)m/z=363.1(M+H)+; [方法A]
【0184】
ホモキラル安息香酸メチル中間体12-5(ピーク-2、99.6%ee、分析RT=4.56分)を白色固体として得た(96.7mg、19.4%収率)。1H NMR(600MHz、CDCl3) δ 7.98(d, J=2.3Hz, 1H), 7.83(dd, J=8.8, 2.2Hz, 1H), 7.03(d, J=8.7Hz, 1H), 5.32-5.28(m, 1H), 4.21(td, J=8.8, 4.0Hz, 1H), 4.01-3.94(m, 1H), 3.95(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.83-3.73(m, 1H), 3.68(dd, J=11.4, 8.9Hz, 1H), 3.65-3.58(m, 1H), 1.43(s, 9H)
【0185】
ホモキラル安息香酸中間体12-6(ピーク-2): 5-(5-(tert-ブトキシカルボニル)-3a,5,6,6a-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d]イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸の製造
中間体12-6(48mg、62.3%収率)を中間体12-2と同様の手順で、中間体12-5の加水分解をさらに行い、製造した。MS(ESI)m/z=363.1(M+H)+; [方法A]
【0186】
中間体13-2: 2-アミノ-2-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)酢酸tert-ブチル
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化69】
【化70】
中間体13-1: 中間体7-6(40mg、0.11mmol)をACN(4.54mL)に加え、続いてDIPEA(0.46mL、2.1mmol)、5'-(2-(tert-ブトキシ)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-オキソエチル)-2'-フルオロ-4-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸(中間体3-6、54.0mg、0.110mmol)およびHATU(51.8mg、0.140mmol)を加えた。12時間撹拌後、この反応混合物を減圧濃縮し、直接逆相HPLCクロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 20%ACN/80%H2O/0.1%TFA; 移動相B: 80%ACN/20%H2O/0.1%TFA)で精製し、固体を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 11.65-11.61(m, 1H), 9.25(br s, 1H), 8.58-8.54(m, 1H), 8.49-8.45(m, 1H), 8.07(s, 1H), 7.97-7.89(m, 1H), 7.72-7.68(m, 1H), 7.49(dd, J=7.3, 2.2Hz, 1H), 7.35-7.31(m, 1H), 7.18-7.11(m, 3H), 5.65(br d, J=6.6Hz, 1H), 5.25(br d, J=7.0Hz, 1H), 4.17(s, 3H), 2.44-2.33(m, 4H), 1.62-1.55(m, 4H), 1.47-1.39(m, 18H); LC-MS: RT=1.39分; MS(ESI)m/z =810.2(M+H)+; [方法A]
【0187】
中間体13-2: 残渣をEtOAc(5mL)に溶解し、続いてHCl(4.0Mジオキサン溶液、2mL、8.0mmol)で処理することで、中間体13-1からBOC基を除去した。3時間撹拌後、この反応混合物を減圧濃縮し、中間体13-2を得た。これをさらに精製せずに用いた。分析LCMS: RT=1.14分; MS(ESI)m/z=710.2(M+H)+; HPLC純度: 93%; [方法A]
【0188】
ホモキラル中間体14-1: (S)-1-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化71】
(S)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾ[d]イミダゾ[2,1-b]チアゾール(0.163g、0.645mmol)およびラセミ中間体4-2(4.4g、16.12mmol)/ジイソプロピルエーテル(54mL)の溶液を0℃~-20℃で冷却した。この溶液をイソ酪酸無水物(1.6mL、9.67mmol)で処理し、冷凍庫で14時間保管した。この反応混合物にMeOH(~3mL)を加えてクエンチし、EtOAc(2x25mL)でリン酸緩衝液から抽出した。有機層を減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、(S)-1-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(キラル中間体14-1、1.7g、39%収率、99.9%ee)を得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d) δ 7.75-7.71(m, 1H), 7.44-7.39(m, 1H), 7.19-7.13(m, 1H), 5.01(q, J=6.6Hz, 1H), 4.15-4.10(m, 1H)
【0189】
中間体15-1: (3-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4-メトキシフェニル)ボロン酸の製造
【化72】
中間体7-6(100mg、0.28mmol)をACN(11.4mL)に加え、続いてDIPEA(1.14mL、6.53mmol)および2-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)安息香酸(79mg、0.28mmol)およびHATU(130mg、0.34mmol)を加えた。4時間後、この反応混合物をEtOAcで水から抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 20%ACN/80%H2O/0.1%TFA; 移動相B: 80%ACN/20%H2O/0.1%TFA)により精製し、中間体15-1(51.4mg、34%収率)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 11.51-11.49(m, 1H), 10.75(s, 1H), 8.49-8.45(m, 1H), 8.37-8.30(m, 2H), 8.09-8.02(m, 2H), 7.95(dd, J=8.4, 2.0Hz, 1H), 7.57-7.51(m, 3H), 7.16(d, J=8.4Hz, 1H), 3.99(s, 3H), 2.79(br d, J=9.2Hz, 4H), 1.79(br d, J=2.4Hz, 4H); 分析LC-MS: RT=1.22分; MS(ESI)m/z=530.8(M+H)+; [方法A]
【0190】
中間体16-1: 3-ブロモ-N-(シクロブチルメチル)-4-フルオロベンズアミドの製造
【化73】
3-ブロモ-4-フルオロ安息香酸(100mg、0.46mmol)、シクロブチルメタンアミン(58.3mg、0.690mmol)、およびDIPEA(0.16mL、0.91mmol)/DMF(3mL)の溶液に、BOP(202mg、0.460mmol)を加えた。4時間後、この反応混合物を直接逆相HPLCクロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 20%ACN/80%H2O/0.1%TFA; 移動相B: 80%ACN/20%H2O/0.1%TFA)で精製し、中間体16-1(32mg、25%収率)を固体として得た。分析LC-MS: RT=1.18分; MS(ESI)m/z=286.1(M+H)+; [方法A]
【0191】
中間体17-3: 5-(3-ヒドロキシプロピル)-2-メトキシ安息香酸
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化74】
【化75】
【0192】
中間体17-1: tert-ブチルジメチル(プロパ-2-イニルオキシ)シラン(2g、11.74mmol)に、THF(8mL)、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.07mL、21.14mmol)および9-BBN/THF(0.5N、2.35mL、1.17mmol)を加え、75℃で14時間撹拌した。反応を慎重に水でクエンチし(ガス発生)、室温で1時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、中間体17-1(1.9g、53%収率)を透明油状物として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ ppm 6.68(1H, dt, J=17.9, 3.4Hz), 5.75(1H, d, J=17.9Hz), 4.22-4.27(2H, m), 1.27(12H, s), 0.92(9H, s), 0.07(6H, s)
【0193】
中間体17-2: 中間体17-1(0.84g、2.8mmol)および5-ブロモ-2-メトキシ安息香酸メチル(0.66g、2.7mmol)の混合物/DMF(6mL)をN2で脱気し、続いてXPhosPdG2(0.106g、0.130mmol)を加えた。反応容器を密封し、60℃に加熱した。1.5時間後、反応混合物を冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、分離し、H2O、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、中間体17-2(752mg、83%収率)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 7.83(d, J=2.3Hz, 1H), 7.50(dd, J=8.7, 2.3Hz, 1H), 6.95(d, J=8.7Hz, 1H), 6.55(dt, J=15.8, 1.6Hz, 1H), 6.24(t, J=5.0Hz, 1H), 6.21(t, J=5.0Hz, 1H), 4.36(dd, J=5.0, 1.7Hz, 2H), 3.93(s, 3H), 3.92(s, 3H), 0.96(s, 9H), 0.14-0.13(m, 6H)
【0194】
中間体17-3: (E)-5-(3-((tert-ブチルジメチル-シリル)オキシ)プロパ-1-エン-1-イル)-2-メトキシ安息香酸メチル(中間体17-2、693mg、2.06mmol)をEtOAc(15mL)に溶解し、55psiで3時間水素化した。懸濁液をセライト(登録商標)で濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をTHF(20mL)に加え、0℃に冷却し、TBAF(2.059mL、2.06mmol)を加えた。2時間後、この反応混合物を水(20mL)で処理し、酢酸エチル(2x20mL)で抽出し、有機層を合わせて食塩水(15mL)で洗浄し、減圧濃縮した。安息香酸メチルをTHF/MeOH(1:1、10mL)の溶液に溶解し、LiOH(3.09mL、6.18mmol)を加えて加水分解した。14時間撹拌後、反応を希塩酸(1N、20mL)でクエンチし、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(15mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧濃縮し、中間体17-3(0.5g、115%収率)を黄色油状物として得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.05(d, J=2.3Hz, 1H), 7.44(dd, J=8.5, 2.4Hz, 1H), 7.01(d, J=8.4Hz, 1H), 5.32(s, 1H), 4.12-4.06(m, 4H), 3.69(t, J=6.3Hz, 2H), 2.81-2.71(m, 2H), 1.96-1.87(m, 2H); 分析LC-MS: RT=0.85分; MS(ESI)m/z= 211.2(M+H)+; [方法A]
【0195】
中間体18-3: 5-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-2-メトキシ安息香酸
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化76】
【0196】
中間体18-1: 密封したバイアルに、5-ブロモ-2-メトキシ安息香酸メチル(1.7g、6.94mmol)、2-メチルブタ-3-イン-2-オール(0.584g、6.94mmol)、Pd(Ph3P)4(0.401g、0.35mmol)、ヨウ化銅(I)(0.013g、0.069mmol)、続いてTEA(15mL)を加えた。この反応混合物を脱気し、密封し、80℃で加熱した。反応を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機層を食塩水(15mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、中間体18-1(1.2g、70%収率)を黄色の油状物として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.88(d, J=2.2Hz, 1H), 7.52(dd, J=8.8, 2.2Hz, 1H), 6.89(s, 1H), 3.92(s, 3H), 3.90(s, 3H), 1.62(s, 6H); MS(ESI)m/z=249(M+H)+
【0197】
中間体18-2: 5-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)-2-メトキシ安息香酸メチル(1.2g、4.8mmol)をEtOH(25mL)に溶解し、この溶液に湿潤した10%Pd/C(0.2g)を加え、この反応混合物を20psiで14時間水素化した。懸濁液をセライト(登録商標)で濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、中間体18-2(714mg、59.0%収率)を淡黄色油状物として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.67(d, J=2.4Hz, 1H), 7.33(dd, J=8.4, 2.4Hz, 1H), 6.94(d, J=8.4Hz, 1H), 3.92(s, 3H), 3.92(s, 3H), 2.88-2.59(m, 2H), 1.86-1.69(m, 2H), 1.32(s, 6H), 1.25(s, 1H); MS(ESI)m/z=253.3(M+H)+
【0198】
中間体18-3: THF(21mL)/水(7mL)に溶解した中間体18-2(0.714g、2.83mmol)の溶液に、LiOH(1.4mL、2.83mmol)を加えた。12時間撹拌後、この反応混合物を0.1N HClで希釈し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮し、中間体18-3(0.60g、89%収率)を固体として得た。分析LC-MS: RT=0.95分; MS(ESI)m/z=239.2(M+H)+; 方法A
【0199】
中間体19-2: 5-(4,5-ビス(2-ヒドロキシエチル)イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化77】
【0200】
中間体19-1: 中間体5-1(1.0g、4.10mmol)をDCM(41mL)に溶解し、ヘキサ-3-イン1,6-ジオール(937mg、8.21mmol)、続いてTEA(1.7mL、12.31mmol)を加えて室温で処理した。12時間後、この反応混合物を減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、中間体19-1を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 8.10(d, J=2.3Hz, 1H), 8.00(dd, J=8.7, 2.3Hz, 1H), 7.32-7.28(m, 1H), 4.63-4.59(m, 1H), 3.89(s, 3H), 3.82(s, 3H), 3.76(t, J=6.5Hz, 2H), 3.53-3.46(m, 4H), 3.04(t, J=6.4Hz, 2H); 分析LC-MS: RT=1.01分; MS(ESI)m/z=322.2(M+H)+; [方法A]
【0201】
中間体19-2: エステル中間体19-1をMeOH/THF(1:1、20mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(517mg、12.3mmol)/H2O(3mL)で処理した。3時間後、この反応混合物を減圧濃縮し、残った水層を1.0M HCl溶液で酸性化し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層をH2O、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、5-(4,5-ビス(2-ヒドロキシエチル)イソオキサゾール-3-イル)-2-メトキシ安息香酸(640mg、51%収率)を固体として得た。分析LC-MS: RT=0.91分; MS(ESI)m/z=308.2(M+H)+; [方法A]
【0202】
中間体20-2: (S)-5'-(1-((シクロブチルカルバモイル)オキシ)-2,2,2-トリフルオロエチル)-2'-フルオロ-4-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化78】
【化79】
【0203】
中間体20-1: (S)-1-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエチルシクロブチルカルバメートの製造
中間体14-1(300mg、1.10mmol)、ピリジン(0.44mL、5.49mmol)、およびDMAP(13.42mg、0.11mmol)の混合物をDCM(20mL)に溶解し、4-ニトロフェニルクロロギ酸(1.1g、5.49mmol)を加えた。この反応混合物を1時間攪拌し、続いてシクロブタンアミン(0.78g、10.99mmol)を加えた。2時間後、反応液を濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、中間体20-1(347.5mg、0.94mmol、85%収率)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.68-7.64(m, 1H), 7.40-7.35(m, 1H), 7.18-7.13(m, 1H), 6.02-5.95(m, 1H), 4.19-4.09(m, 1H), 2.41-2.28(m, 2H), 1.97-1.84(m, 2H), 1.77-1.63(m, 2H), 1.55(s, 1H)
【0204】
中間体20-2: 中間体20-1(347mg、0.800mmol)を含む反応容器に、5-(ジヒドロキシボリル)-2-メトキシ安息香酸(203mg、1.04mmol)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2付加物(98mg、0.12mmol)、Na2CO3(338mg、3.19mmol)、THF(11.5mL)およびH2O(3mL)を加えた。この反応混合物をN2バブリングにより10分間脱気し、密封し、65℃で3時間撹拌した。室温に冷却後、反応を1N HClでクエンチし、EtOAc(2x25mL)で抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥し、中間体20-2(72mg、21%収率)を得た。分析LC-MS: RT=0.94分; MS(ESI)m/z=442.0(M+H)+; [方法A]
【0205】
中間体21-2: 2-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)酢酸
以下のスキームに記載の方法に従って製造した。
【化80】
【0206】
中間体21-1: K2CO3(2.82g、20.4mmol)を、4-ブロモ-1H-ピラゾール(1g、7mmol)/DMF(27.2mL)の溶液に80℃で加えた。5分後、2-ブロモ酢酸tert-ブチル(1.99g、10.2mmol)を加え、この混合物を14時間撹拌後、水でクエンチし、DCM(2x25mL)で抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。順相クロマトグラフィーにより精製し、中間体21-1(1.78g、6.81mmol、100%収率)を無色透明の油状物として得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d) δ 7.51-7.49(m, 2H), 4.78(s, 2H), 1.48(s, 9H)
【0207】
中間体21-2: 中間体21-1(500mg、1.91mmol)/DCM(7.66mL)の溶液に、TFA(2.2mL、28.7mmol)を加えた。2時間後、この反応混合物が乾燥するまで減圧濃縮した。得られた残渣をEtOAc(20mL)に溶解し、NaHCO3溶液で中和し、1.0M HCl溶液で再度酸性化し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、中間体21-2(323mg、82%)を得た。これをさらに精製せずに用いた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d) δ 7.51-7.49(m, 2H), 4.78(s, 2H), 1.48(s, 9H); 分析LC-MS: RT=0.81分; MS(ESI)m/z=205.0(M+H)+; [方法A]
【0208】
中間体22-2: 5-(1,1-ジオキシドイソチアゾリジン-2-イル)-2-メトキシ安息香酸
【化81】
【化82】
【0209】
中間体22-1: イソチアゾリジン1,1-ジオキシド(41.5mg、0.340mmol)/ジオキサン(1.8mL)を含む溶液に、5-ヨード-2-メトキシ安息香酸メチル(100mg、0.342mmol)、Xantphos(20mg、0.034mmol)、炭酸セシウム(223mg、0.685mmol)を加え、この反応混合物を窒素で10分間パージし、続いてPd2(dba)3(16mg、0.017mmol)を加えた。反応容器を密封し、100℃で15時間加熱した。この反応混合物を水(10mL)および酢酸エチル(30mL)に分配し、水層を酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせて食塩水(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。分析LC-MS: RT=0.93分; MS(ESI)m/z=286.1(M+H)+; [方法A]
【0210】
中間体22-2: 安息香酸メチル中間体22-1をTHF/MeOH/水(20mL)に溶解し、0℃に冷却し、LiOH溶液(0.171mL、0.342mmol)を加えた。3時間後、この反応混合物を水(10mL)およびEt2O(50mL)の間に分配した。水層を1N HCl溶液で酸性化し、EtOAc(3x20mL)で抽出し、有機層を食塩水(15mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、5-(1,1-ジオキシドイソチアゾリジン-2-イル)-2-メトキシ安息香酸(70mg、75%収率)を褐色の油状物として得た。分析LC-MS: RT=0.83分; MS(ESI)m/z=272.1(M+H)+; [方法A]
【0211】
中間体23-1: 2-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(シクロブチルメチル)アセトアミドの製造
【化83】
中間体23-1(44mg、34%)は、中間体16-1と同様の手順で、3-ブロモ-4-フルオロ安息香酸を2-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)酢酸(100mg、0.429mmol)に置き換えて製造した。
【0212】
実施例1
6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸
【化84】
3-アミノ-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキサミド(中間体7-6、30mg、0.085mmol)および5'-(tert-ブトキシカルボニル)-2'-フルオロ-4-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸(中間体1-1、35.4mg、0.10mmol)/ACN(3.4mL)の溶液に、それぞれDIEA(0.342mL、1.96mmol)およびHATU(38.9mg、0.102mmol)を加えて、実施例1を製造した。12時間後、この反応混合物をEtOAc(2x25mL)で抽出し、H2O、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣を50%TFA/DCM(1mL)で処理した。3時間後、この反応混合物を減圧濃縮し、逆相分取HPLC(グラジエント: 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有))により精製し、実施例1(3.3mg、6%)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.62-11.58(m, 1H), 10.81-10.75(m, 1H), 8.36-8.29(m, 2H), 8.21-8.18(m, 1H), 8.05(br d, J=6.2Hz, 2H), 8.00-7.95(m, 1H), 7.82-7.78(m, 1H), 7.57-7.50(m, 2H), 7.45(br t, J=9.4Hz, 1H), 7.38-7.33(m, 1H), 4.05(s, 3H), 2.82-2.72(m, 4H), 1.83-1.71(m, 4H); 分析LC-MS: RT=2.11分; MS(ESI)m/z=623.1(M+H)+; HPLC純度: 88%; [方法B]
【0213】
実施例2
2-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド)酢酸(ホモキラル)
【化85】
2-アミノ-2-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)酢酸tert-ブチル(中間体13-2、55.4mg、0.074mmol)をDCM(1.5mL)に加え、DIPEA(0.130mL、0.74mmol)で処理し、続いて塩化テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニル(11.03mg、0.074mmol)を加えることで、実施例2を製造した。1時間撹拌後、溶液を減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 10%ACN/90%H2O/0.1%TFA; 移動相B: 90%ACN/10%H2O/0.1%TFA)により精製し、2-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド)酢酸tert-ブチルを得た。分析LC-MS: RT=1.30分; MS(ESI)m/z=822.1(M+H)+; [方法A]
【0214】
2-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド)酢酸tert-ブチルをDCM(1mL)に再度溶解し、TFA(1mL)で処理することでt-ブチル基を除去した。2時間撹拌後、この反応混合物を減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有))により精製し、実施例2(6.0mg、11%収率)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.65(s, 1H), 10.80(s, 1H), 8.66(d, J=7.7Hz, 1H), 8.39-8.32(m, 2H), 8.21(s, 1H), 8.09-8.03(m, 1H), 7.78-7.72(m, 1H), 7.59-7.52(m, 3H), 7.46-7.41(m, 1H), 7.38-7.30(m, 2H), 7.25-7.03(m, 1H), 5.44-5.40(m, 1H), 4.05(s, 3H), 3.89-3.82(m, 2H), 3.34-3.25(m, 1H), 2.82-2.75(m, 4H), 1.81-1.75(m, 4H), 1.66-1.53(m, 4H); 分析LC-MS: RT=2.04分; MS(ESI)m/z=766.2(M+H)+; HPLC純度: 93%; [方法B]
【0215】
実施例3
2-アミノ-2-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)酢酸・TFA塩(ホモキラル)
【化86】
実施例2を逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有))で精製した際に、極性が高い方のピークとして実施例3(1.2mg、2%収率)を単離した。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.64(s, 1H), 10.79(s, 1H), 8.38-8.32(m, 2H), 8.24(s, 1H), 8.08-8.04(m, 1H), 7.78-7.73(m, 1H), 7.68-7.63(m, 1H), 7.57-7.52(m, 2H), 7.46(br d, J=3.1Hz, 1H), 7.39-7.32(m, 2H), 4.74-4.63(m, 1H), 4.07-4.02(m, 3H), 2.83-2.75(m, 4H), 1.82-1.68(m, 5H); 分析LC-MS: RT=2.025分; MS(ESI)m/z=654.1(M+H)+; HPLC純度: 99%; [方法B]
【0216】
実施例4
(S)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(2'-フルオロ-4-メトキシ-5'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボキサミド)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキサミド
【化87】
実施例4: テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10.9mg、9.43μmol)を、(3-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4-メトキシフェニル)ボロン酸(中間体15-1、50mg、0.094mmol)、(S)-1-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(中間体14-1、25.7mg、0.0940mmol)、リン酸カリウム(60.0mg、0.280mmol)、トルエン(0.943mL)の溶液に加え、密封し、80℃で14時間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、順相クロマトグラフィー(溶離剤: ヘキサン/EtOAc)により精製し、実施例4(45.3mg、71%収率)を固体として得た。逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有))によりさらに精製することで、分析用サンプルを得た。 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.62(s, 1H), 10.78(s, 1H), 8.36-8.32(m, 2H), 8.21-8.19(m, 1H), 8.08-8.04(m, 1H), 7.75(br d, J=8.8Hz, 1H), 7.66(br d, J=7.5Hz, 1H), 7.57-7.51(m, 3H), 7.40-7.34(m, 2H), 6.99(br d, J=5.2Hz, 1H), 5.31-5.25(m, 1H), 4.05(s, 3H), 2.82-2.74(m, 4H), 1.82-1.74(m, 4H); 分析LC-MS: RT=2.75分; MS(ESI)m/z=679.14(M+H)+; HPLC純度: 100%; [方法B]
【0217】
実施例5
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)エチルフェニルカルバメート
【化88】
実施例5: イソシアン酸フェニル(35.1mg、0.300mmol)を(S)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(2'-フルオロ-4-メトキシ-5'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボキサミド)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキサミド(実施例4、20mg、0.029mmol)およびピリジン(0.048mL、0.59mmol)/DCM(2.0mL)に加え、14時間撹拌した。この反応混合物をMeOHでクエンチし、減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有))により精製し、実施例5(14mg、58%収率)を固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.59-11.57(m, 1H), 10.73-10.71(m, 1H), 10.24(br s, 1H), 8.32-8.27(m, 2H), 8.19-8.15(m, 1H), 8.01(br dd, J=8.1, 3.8Hz, 1H), 7.78-7.70(m, 2H), 7.62-7.58(m, 1H), 7.52-7.46(m, 2H), 7.45-7.39(m, 3H), 7.32(d, J=8.9Hz, 1H), 7.25(t, J=7.8Hz, 2H), 7.02-6.96(m, 1H), 6.52(q, J=7.0Hz, 1H), 4.01(s, 3H), 2.78-2.69(m, 4H), 1.78-1.68(m, 4H); 分析LC-MS: RT=3.05分; MS(ESI)m/z=798.3(M+H)+; HPLC純度: 99%; [方法B]
【0218】
実施例6
(S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(6-フルオロ-3'-((3-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)エチルシクロブチルカルバメート
【化89】
実施例6: (S)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(2'-フルオロ-4-メトキシ-5'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボキサミド)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキサミド(実施例4、20mg、0.029mmol)およびピリジン(0.024mL、0.30mmol)/DCM(2.0mL)の溶液を4-ニトロフェニルクロロギ酸(29.7mg、0.150mmol)、続いてDMAP(3.6mg、0.029mmol)で処理し、14時間撹拌した。シクロブタンアミン(0.025mL、0.30mmol)を上記溶液に加え、この混合物を1時間攪拌後、減圧濃縮および逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.05%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.05%トリフルオロ酢酸含有))で精製し、実施例6(14mg、60%収率)を固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.63-11.61(m, 1H), 10.78-10.75(m, 1H), 8.37-8.31(m, 2H), 8.21-8.18(m, 1H), 8.17-8.13(m, 1H), 8.08-8.03(m, 1H), 7.76-7.69(m, 2H), 7.57-7.51(m, 3H), 7.46-7.42(m, 1H), 7.38-7.33(m, 1H), 6.41-6.34(m, 1H), 4.06(s, 3H), 3.94(dq, J=16.4, 8.4Hz, 1H), 2.83-2.74(m, 4H), 2.18-2.07(m, 2H), 2.01-1.85(m, 2H), 1.78(br s, 4H), 1.60-1.53(m, 2H); 分析LC-MS: 2.99分; MS(ESI)m/z=888.15(M+H); HPLC純度: 99%; [方法B]
【0219】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0220】
実施例29
6-フルオロ-3'-((6-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸(ラセミ体)
【化90】
実施例29: 6-フルオロ-3'-((6-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸(実施例26、9mg、0.013mmol)をTHF/MeOH(1:1、2mL)に溶解し、NaBH4(2mg)を用いて室温で処理した。1時間後、この反応混合物を減圧濃縮し、1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣を50%TFA/DCM(0.25mL)で処理した。2時間後、この反応混合物を減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィー(グラジエント: 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有))により精製し、6-フルオロ-3'-((6-((4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸(実施例29、1mg、11%収率)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.49(s, 1H), 11.22-10.99(m, 1H), 8.84-8.67(m, 1H), 8.35(br d, J=4.2Hz, 1H), 8.22(s, 1H), 8.05(br d, J=5.7Hz, 1H), 8.02-7.96(m, 1H), 7.81(br d, J=8.4Hz, 1H), 7.56(br t, J=9.7Hz, 1H), 7.45(br t, J=9.6Hz, 1H), 7.36(d, J=8.7Hz, 1H), 4.04(s, 3H), 3.17(br d, J=5.5Hz, 2H), 3.00(s, 1H), 2.76(br d, J=5.6Hz, 1H), 2.60-2.53(m, 4H); 分析LC-MS: RT=1.76分; MS(ESI)m/z=627.18(M+H)+; HPLC純度: 98%; [方法B]
【0221】
本開示が前述の実施例に限定されないこと、および本開示の不可欠な特性から離れることなく他の特定の形態で具現化され得ることは当業者に明白である。それ故、実施例は、あらゆる点で限定ではなく例示として、前述の実施例よりむしろ本請求項に対する参考として考慮されることが望ましく、意味および請求項の等価な範囲内の全ての変更が本明細書に包含されるものとする。
【国際調査報告】