(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】充電デバイス
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241219BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20241219BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/10 P
H02J7/34 G
H02J7/00 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535985
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2022086510
(87)【国際公開番号】W WO2023111339
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522154803
【氏名又は名称】ニョボルト・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サイ・シヴァレディ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴ・ハッチンス
(72)【発明者】
【氏名】マヘシュ・デ・シルヴァ
(72)【発明者】
【氏名】イアン・モーズリー
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CC02
5G503DA05
5G503DA07
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
(57)【要約】
本発明は、電池対電池充電デバイス、充電の方法、および充電デバイスの使用法に関する。方法は、充電エンジンを使用して電池をパワーコネクタに放電するステップであって、受電器電池がパワーコネクタに分離可能に接続可能である、ステップと、電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップとを備え、放電レートは3C以上のレートに上げられる。デバイスは、高速な電池対電池の充電、特にポータブル電池からより大きい受電器電池(たとえば、電動輸送機関または無停電電源装置の電池)への充電を提供するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電デバイスから受電器電池を充電する方法であって、前記充電デバイスが、
電気化学セルを備える電池と、
前記受電器電池と分離可能に電気的に接続しているパワーコネクタと、
前記電池および前記電力出力と電気的に通信している充電エンジンと、
前記電池および前記充電エンジンと通信しているコントローラとを備え、前記方法が、
前記充電エンジンを使用して、前記電池を前記パワーコネクタに放電するステップと、
前記電池の前記状態についてのデータを前記コントローラに送信するステップと、
前記放電レートを上げるように前記電池の前記放電レートを調節するステップとを備え、前記放電レートが、前記データに応答して、5C以上、10C以上、または20C以上などの3C以上のレートに上げられる、方法。
【請求項2】
前記電気化学セルが、ニオブ含有金属酸化物などの金属酸化物を含む作用電極活性材料を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気化学セルが、グラファイト、Si、SiO
x(xは0から2)、またはLTOの粒子を含む作用電極活性材料を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電池の前記放電レートが、受電器電池の前記充電レートより高い放電レートに上げられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電池の前記状態についてのデータが、電池電圧、電池温度、電池絶縁抵抗、放電電流、前記電池の充電率、前記電池のバランシング状態、および前記電池の電力利用可能性の少なくとも1つから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電池の前記状態についてのデータが、電池電圧、電池放電電流、および電池温度を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記充電エンジンを使用して、前記パワーコネクタから前記電池を充電するステップと、
前記電池の前記状態についてのデータを前記コントローラに送信するステップと、
前記充電レートを上げるように前記電池の前記充電レートを調節するステップとをさらに備え、前記充電レートが、前記データに応答して3C以上のレートに上げられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記電池の前記充電レートが、5C以上、好ましくは10C以上、より好ましくは20C以上の充電レートに上げられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電池の前記充電レートが最大充電レートに上げられ、前記電池の前記放電レートが最大放電レートに上げられ、前記最大充電レートが前記最大放電レートより高い、請求項7または8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記最大充電レートが5C以上であり、前記最大放電レートが5C未満であり、好ましくは、前記最大充電レートが10C以上であり、前記最大放電レートが10C未満であり、より好ましくは、前記最大充電レートが20C以上であり、前記最大放電レートが20C未満であり、またより好ましくは、前記最大充電レートが60C以上であり、前記最大放電レートが60C未満である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パワーコネクタから前記電池に充電するステップが、前記充電エンジンのコンバータを使用して前記充電電力をACからDCに変換するステップを備える、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記電池を前記パワーコネクタに放電するステップが、降圧コンバータ、昇圧コンバータ、または昇降圧コンバータなどの、前記充電エンジンのDC-DCコンバータを使用して前記放電電圧を上げるステップを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
放電を開始するステップであって、前記コントローラが前記電池の放電を開始もしくは停止するように前記充電エンジンに信号を送る、ステップ、および/または、
放電を停止するステップであって、前記コントローラが前記電池の放電を停止するように前記充電エンジンに信号を送る、ステップをさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
放電を開始および/または停止する前記ステップが、前記パワーコネクタへの受電器電池および/または電源の、接続および/または切断によって触発される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記放電レートを上げるように前記電池の前記放電レートを調節する前記ステップが、
(i)前記コントローラに送信される前記電池の前記状態についての前記データが範囲内にあるかどうかを決定するステップと、
(ii)前記データが前記範囲内にある場合は前記放電レートを上げ、または前記データが前記範囲外にある場合は前記放電レートを下げるステップと、
(iii)前記電池の放電を停止するように前記充電エンジンに前記コントローラが信号を送るまでステップ(i)~(ii)を繰り返すステップとを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記受電器電池の前記状態についてのデータを前記コントローラに送信するステップと、
前記放電レートを上げるように前記電池の前記放電レートを調節するステップとをさらに備え、前記放電レートが、前記受電器電池の前記状態についてのデータに応答して3C以上のレートに上げられる、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記放電レートを上げるように前記電池の前記放電レートを調節する前記ステップが、前記電池の2つ以上の電気化学セルをバランシングするために、前記電池の前記2つ以上の電気化学セルの前記放電レートを独立に調節するステップを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
受電器電池を充電するための充電デバイスであって、
電気化学セルを備える電池と、
前記受電器電池に分離可能に電気的に接続するためのパワーコネクタと、
前記電池および前記パワーコネクタと電気的に通信している充電エンジンであって、前記充電エンジンが前記電池の前記放電レートを制御する、充電エンジンと、
前記放電レートを上げるために、前記電池の前記状態についてのデータに応答して前記電池の前記放電レートを調節するための、前記電池および前記充電エンジンと通信しているコントローラであって、前記放電レートが3C以上のレートに上げられる、コントローラとを備える、充電デバイス。
【請求項19】
前記電気化学セルが金属酸化物を含む作用電極活性材料を備え、前記金属酸化物がニオブ含有金属酸化物である、請求項18に記載の充電デバイス。
【請求項20】
前記作用電極が放電の間のアノードである、請求項18もしく19に記載の充電デバイスまたは請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ニオブ含有金属酸化物が、リチウムニオブ酸化物、LiNbVO、LiNbLaZrO、LiNbSPO、LiNbAlTiP、LiNbAlGeP、ニオブタングステン酸化物、チタンニオブ酸化物、ニオブモリブデン酸化物、またはこれらの組合せである、請求項20に記載の充電デバイスまたは請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ニオブ含有金属酸化物が、Nb
2O
5、Nb
2NiO
6、Nb
12WO
33、Nb
26W
4O
77、Nb
14W
3O
44、Nb
16W
5O
55、Nb
18W
8O
69、Nb
2WO
8、Nb
18W
16O
93、Nb
22W
20O
115、Nb
8W
9O
47、Nb
54W
82O
381、Nb
20W
31O
143、Nb
4W
7O
31、Nb
2W
15O
50、Nb
2WO
8、Nb
2TiO
7、Nb
10Ti
2O
29、Nb
24TiO
62、Nb
2Mo
3O
14、Nb
14Mo
3O
44、Nb
12MoO
44、Nb
11AlO
29、Nb
11GaO
29、Nb
49GaO
124、Nb
18GeO
47、Nb
34Cu
2O
87、またはNb
34Zn
2O
8である、請求項20に記載の充電デバイスまたは請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記充電器デバイス電池が、100Wh/L以上、好ましくは150Wh/L以上、より好ましくは200Wh/L以上のエネルギー密度を有する、請求項18から22のいずれか一項に記載の充電デバイスまたは請求項1から17もしくは20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記コントローラが電力段コントローラを備える、請求項18から23のいずれか一項に記載の充電デバイスまたは請求項1から17もしくは20から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記パワーコネクタが、別々の、前記電池を充電するための電力入力および前記電池を放電するための電力出力を備える、請求項18から24のいずれか一項に記載の充電デバイスまたは請求項1から17もしくは20から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記パワーコネクタが、一体型の、前記電池を充電するための電力入力および前記電池を放電するための電力出力を備える、請求項18から24のいずれか一項に記載の充電デバイスまたは請求項1から17もしくは20から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記充電エンジンが、ゲートドライバ、パワーコンディショナ、および/または金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を備える、請求項18から26のいずれか一項に記載の充電デバイスまたは請求項1から17もしくは20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
電動輸送機関、無停電電源装置、またはモバイルコンピューティングデバイスを充電するための、請求項18から27のいずれか一項に記載の充電デバイスの使用法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年12月17日に出願されたGB2118428.8および2022年2月11日に出願されたGB2201822.0の優先権と利益を主張し、これらの両方の内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、充電デバイス、充電の方法、および充電デバイスの使用法に関する。
【背景技術】
【0003】
電池駆動デバイスの使用についての問題の1つは、充電に必要とされる時間である。産業用機器、電動輸送機関(EV)、無停電電源装置(UPS)などの大規模な適用例、ならびにスマートフォンまたはラップトップコンピュータなどの個人向け電子デバイスに必要とされる電池は、充電に数時間を要することがあり、それらの有用性を制限する。さらに、電池駆動デバイスが使用されなければならないこと、または電源が利用可能ではないことで、都合のよくないときに充電が必要とされることがある。
【0004】
電池の使用についての別の問題は、産業用機器、電動輸送機関(EV)、無停電電源装置(UPS)などの大規模な用途においては特に、電池がデバイスにどれだけ長く電力供給するかが不確実であることである。たとえば、EVを動かすために使用される電池の容量は限られており、条件および使用法によって変化し、したがって予測が難しい。
【0005】
個人向け電子デバイスについては、ビデオおよび電話での会話を行うときには特に、デバイスの電池がどれだけ長く持つかについての不確実性もある。また、電力が途絶した場合にその内容が保存されないオンラインフォームへの記入などの、重要な仕事を行うために電池駆動デバイスを使用することは、ユーザが作業を保存できるようになる前にデバイスの充電がなくなり電源が切れる危険がある場合には、より大きなリスクを伴う。
【0006】
電池がなくなるリスクは、電源が利用可能ではないことで大きくなる。たとえば、産業用機器またはEVなどの大規模な用途では、辺鄙な場所で使用しているために電気の利用可能性が限られていることがある。特に、多数あるガソリンスタンドと比較して、EV充電ステーションの数は比較的少ない。これらの欠点は、特に長距離移動に対してEVの利用率を下げ、環境への悪影響があることが知られているガソリン車の使用を長引かせる。
【0007】
特に、路上などの商用電力が利用可能ではない緊急事態において、迅速かつ高速な充電を提供できる充電システムが必要である。同時に、充電システムを迅速に再使用できるように、電源から充電システムへ迅速に再充電できることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2019/234248号
【特許文献2】国際公開第2021/074406号
【特許文献3】国際公開第2016/205124号
【特許文献4】米国特許出願公開第2020/0070655号
【特許文献5】国際公開第2013/039753号
【特許文献6】GB2552483
【特許文献7】米国特許出願公開第2020/0274382号
【特許文献8】EP3026780
【特許文献9】EP2612786
【特許文献10】米国特許出願公開第2021/0305838号
【特許文献11】米国特許出願公開第2014/0354050号
【特許文献12】米国特許出願公開第2014/0159492号
【特許文献13】米国特許出願公開第2012/0056581号
【特許文献14】米国特許出願公開第2008/0238356号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
EVの電池などの受電器電池に少量の充電を追加することができる、限られた数の既知のシステムがある。これらのシステムは、受電器電池の遅い充電を行う。
【0010】
そのようなシステムの一例は、Blink(登録商標)ポータブル充電器である。これは、小型のガソリン駆動の発電機である。Blink(登録商標)ポータブル充電器は、AC電流を使用して、240Vの充電のみをサポートし、最大で約9.6kWの電力出力を提供する。Blink(登録商標)ポータブル充電器は、高速充電を提供しない。充電にかかる時間はかなり長く、充電器の現実世界での使用可能性を制限する。また、Blinkポータブル充電器は、ガソリン発電機に依存するので、空気を汚染し、屋根付き駐車場または車庫などの閉鎖空間での使用を危険にし得る煙を放出する。また、Blinkポータブル充電器は、体積が635リットルとかさばり、重量が160kgと重い。このことは、Blink(登録商標)充電器の持ち運びと使用を難しくする。
【0011】
既知の緊急充電システムの別の例は、Sparkcharge(登録商標)Roadieである。これは、そのサイズと容積により故障支援バンなどの専用車両でしか現実的に持ち運ぶことができない、モジュール式電池パックシステムである。この充電器は、DC電流を使用して、150~500Vの充電を提供し、最大で20kWの電力出力を提供する。各電池モジュールの容量は3.5kWhである。Sparkcharge(登録商標)Roadieは、非常に長い充電時間を必要とする。通常、システムは一日に一度しか使用できず、夜中に充電されなければならない。これはデバイスの使用可能な時間を減らす。
【0012】
既存の移動可能な充電器システムのさらなる例は、ZipCharge Go(登録商標)である。これは、7.2kWの電力で充電できるポータブル電池システムである。このシステムは、AC-DCインバータを含む管理システムも含む。ZipCharge Go(登録商標)は容量が限られており、約30分でEVに32kmの航続距離しか足すことができない。
【0013】
したがって、受電器電池への改善された充電レート、改善された容量およびエネルギー密度を提供でき、迅速に再充電することができる、充電デバイスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
全般に、本発明は、充電デバイスから受電器電池を充電する方法に関する。充電デバイスは、高い放電レート能力を有する電池と、可能な限り最も早いレートで電池が放電することを可能にする他の構成要素とを含む。充電する方法は、デバイスの他の構成要素が、充電レートを上げることができるかどうかを決定するために電池の状態についてのデータを監視しながら、電池をパワーコネクタに放電するステップを含む。言い換えると、電池の動作が良好である、または電池が許容可能な状態にあることをデータが示す場合、放電レートを上げることができる。しかしながら、電池の動作が良好ではない、または電池が悪い状態にあることをデータが示すような水準にまで放電レートが上がっている場合、放電レートを維持し、または下げることができる。この方法は、電池の高い放電レート能力とともに、電池の高速な放電を可能にし、そして、受電器電池(たとえば、EVなどの受電器デバイスの中の)の高速な充電を可能にする。
【0015】
第1の態様において、充電デバイスから受電器電池を充電する方法が提供され、充電デバイスは、
電気化学セルを備える電池と、
受電器電池と分離可能に電気的に接続しているパワーコネクタと、
電池および電力出力と電気的に通信している充電エンジンと、
電池および充電エンジンと通信しているコントローラとを備え、方法は、
充電エンジンを使用して、電池をパワーコネクタに放電するステップと、
電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、
放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップとを備え、放電レートは、データに応答して3C以上のレートまで上げられる。
【0016】
いくつかの実施形態では、電池は、ニオブ含有金属酸化物を含む、作用電極活性材料を有する電気化学セルを備える。
【0017】
第2の態様において、受電器電池を充電するための充電デバイスが提供され、充電デバイスは、
電気化学セルを備える電池と、
受電器電池と分離可能に電気的に接続しているパワーコネクタと、
電池およびパワーコネクタと電気的に通信している充電エンジンであって、電池の放電レートを制御する、充電エンジンと、
放電レートを上げるように、電池の条件についてのデータに応答して電池の放電レートを調節するための、電池および充電エンジンと通信しているコントローラとを備え、放電レートは3C以上のレートまで上げられる。
【0018】
いくつかの実施形態では、電池は、ニオブ含有金属酸化物を含む、作用電極活性材料を有する電気化学セルを備える。
【0019】
第3の態様において、電動輸送機関、無停電電源装置、またはモバイルコンピューティングデバイスを充電するための、第2の態様のデバイスの使用法が提供される。
【0020】
高速充電は大抵、大型で総容量の大きい電池を使用することでのみ可能である。より小型で総容量の小さい電池は普通は、受電器デバイスが受け入れることができる最大の充電レートで受電器デバイスを充電するには十分ではないので、低速充電しか可能ではない。
【0021】
意外なことに、充電デバイスおよび本発明の方法は、EVまたは他の受電器デバイスの電池の極めて高速な充電を可能にする。これは、持ち運べるほど十分小さく受電器電池より容量が小さい可能性のある電池からでも可能である。この充電デバイスはまた、高い放電レートが安全である(たとえば、過熱を避ける)とともに、充電デバイスの電池の容量維持率または寿命に悪影響を及ぼさないことを、電池の状態についてのデータを監視しそれに従って充電レートを制御することによって、確実にする。
【0022】
このデバイスおよび方法は、長距離移動にEVを使用することについての信頼性、したがってEVの現実世界での利便性の向上を可能にする。同様に、それは、進行中の仕事を終えるのに十分にユーザが電池を充電するのを場合によっては可能にすることによって、他の電池駆動受電器デバイスの信頼性を高める。それはまた、対象のポータブル電池が極めて高速に再充電されることを可能にし、たとえば、故障支援バンにより運ばれる充電デバイスの有用性を高め、そのバンにおいてエンジンから充電デバイスを直接再充電することもできる。
【0023】
充電デバイスの高い充放電レートは、電池を構成するセルの電気化学的特性と、コントローラおよび充電エンジンを備える回路との組合せにより可能になる。電池の化学的特性が高い放電レートを容易にし、一方、コントローラおよび充電エンジンが、電池の状態を監視することによって放電の間にこの高い放電レートが最適化されることを可能にするので、複数の状態に対する最大の放電レートを達成することができる。
【0024】
特に、電池に関連するコントローラおよび充電エンジンは、最大の効率および熱管理のために最適化され得る。これは、たとえば、電圧、電流、温度の情報を受け取り、安全な温度範囲にとどまりながら充放電レートを可能な限り高速となるように最適化する、コントローラを伴い得る。
【0025】
コントローラはまた、高速な充放電の安全性を高めるために、電池における適切なアクティブセルとパッシブセルのバランシングを制御し得る。充放電の間にセルのバランシングを行うことによって、デバイスは、セルに損傷を引き起こし得るような、あらゆる個々のセルの過電圧または低電圧を避ける。このバランシングは高速な充放電の間に行われてもよく、これは、各セルの電圧が常に変化しているので重要である。これは、電池が使用されていない間にのみセルのバランシングを実行してそれにより利便性と放電レートを低下させる従来のシステムとは異なる。
【0026】
コントローラおよび充電エンジンはまた、小さいケーシング内での空間利用を最適化するように、かつ、たとえば風洞、ファン、および熱伝導性材料の使用による最適な熱管理を可能にするように、物理的に配置され得る。
【0027】
第1の実施形態では、充電の方法、充電デバイス、および充電システムが提供され、充電デバイスの電池の放電レートは、受電器電池の充電レートより低い。
【0028】
第1の実施形態の文脈では、充電デバイスの電池の放電レートは第1のCレートと呼ばれることがあり、受電器電池の充電レートは第2のCレートと呼ばれることがある。
【0029】
第1の実施形態は一般に、電池対電池の充電方法および充電デバイスを提供し、これは、都合のよいときに迅速な充電を提供するために現代的な高速充電電池技術を活用する。これは、電池駆動デバイスの有用性を改善し、ユーザが再生可能エネルギー源およびオフピークエネルギー料金の利用可能性を活用することを可能にする。
【0030】
第1の実施形態では、充電器デバイスの電池は通常、全体の容量が受電器電池より大きい。
【0031】
第2の実施形態では、充電の方法、充電デバイス、および充電デバイスの使用法が提供され、充電デバイスの電池の放電レートは、受電器電池の充電レートより高い。
【0032】
第2の実施形態の文脈では、これらの方法およびデバイスは、より大きい受電器電池を充電するために充電デバイスの比較的小さい電池を使用できるので、使用するのが便利である。解決される問題は、電力系統へのアクセスが可能ではなく、普通は高い充電レートを提供するために必要とされるはるかに大きな予備電池を運ぶのが望ましくないときに、どのように大きな電池を可能な限り高速に充電するかということである。
【0033】
第2の実施形態において、通常は、充電器デバイスの電池は、全体の容量が受電器電池より小さい。
【0034】
「充電器」という用語は「充電デバイス」と交換可能に使用されることがあり、「受電器」は「受電器デバイス」と交換可能に使用されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1a】第1の実施形態のシステムの概略図である。受電器デバイスに接続される充電デバイスを示す図である。
【
図1b】第1の実施形態のシステムの概略図である。キャリアに接続され、受電器デバイスにさらに接続される充電器デバイスを示す図である。
【
図2】第1の実施形態のシステムのコントローラの概略ブロック図である。
【
図3a】第1の実施形態の充電システムの充電エンジンおよびシステムコントローラの概略ブロック図である。
【
図3b】第1の実施形態の充電デバイスの電力調整システム、電池管理システム、および内部電池の概略ブロック図である。
【
図4】第1の実施形態の充電デバイスおよび受電器の接続と充電のプロセスを示すフローチャートである。
【
図5a】受電器デバイスに接続される充電デバイスと、任意選択で商用電源に接続される充電デバイスとを含む、第2の実施形態の充電デバイスの概略図である。受電器デバイスが電動輸送機関である充電デバイスを示す図である。
【
図5b】受電器デバイスに接続される充電デバイスと、任意選択で商用電源に接続される充電デバイスとを含む、第2の実施形態の充電デバイスの概略図である。受電器デバイスが無停電電源装置であるシステムを示す図である。
【
図5c】受電器デバイスに接続される充電デバイスと、任意選択で商用電源に接続される充電デバイスとを含む、第2の実施形態の充電デバイスの概略図である。受電器デバイスがモバイルコンピューティングデバイスであるシステムを示す図である。
【
図6a】第2の実施形態のシステムの例示的な充電器のブロック図である。
【
図6b】充電デバイスのコントローラおよび充電エンジンを含む、第2の実施形態の例示的な充電デバイスのブロック図である。
【
図7a】第2の実施形態の充電デバイスの例示的な実施形態を示す図である。移動車両に搭載された充電デバイスを示す図である。
【
図7b】第2の実施形態の充電デバイスの例示的な実施形態を示す図である。持ち運び型充電デバイスを示す図である。
【
図7c】第2の実施形態の充電デバイスの例示的な実施形態を示す図である。USB充電デバイスを示す図である。
【
図8】第2の実施形態の充電デバイスの接続および充放電のプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】EVの電池を充電するときの、従来の充電デバイスと比較した第2の実施形態の充電デバイスの充電率のグラフである。グラフは時間(s)にわたる充電率(%)を示す。
【
図10】本発明の充電デバイスの追加の実施形態の簡略化されたブロック図である。
【
図11】従来の電池を含む従来の充電デバイス(下側の線)と比較した、
図10に示される充電デバイスについての経時的な充電の変化のシミュレーション(上側の線)を示す図である。このグラフは時間(s)にわたる累積充電量(Ah)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の第1の実施形態において、第1のCレートで放電するように動作可能な複数の電池セルを含む第1の貯蔵デバイスを備える充電器と、第2の複数の電池セルを含む第2の貯蔵デバイスを備える受電器とを備える、充電システムが提供され、受電器は、充電器に動作可能に結合され、充電器によって第2のCレートで充電されるように動作可能であり、第2のCレートは第1のCレート以上であり、第1の複数の電池セルまたは第2の複数の電池セルの少なくとも1つが、金属酸化物を備える作用電極活性材料を備える。
【0037】
レートは、電力/エネルギー比、Cレート、重量当たり電流密度、重量当たり電力密度、体積当たり電流密度、または体積当たり電力密度などの、任意の適切な充電レートまたは放電レートの測定値であり得る。
【0038】
「動作可能に結合される」という用語は、2つ以上の貯蔵デバイス間の接続を指し、これは、2つ以上の貯蔵デバイス間でのエネルギーの移動を可能にする。「充電されるように動作可能」という用語は、2つ以上の電気化学セル間の接続を指し、これは、2つ以上の電気化学セル間での電荷の移動を可能にする。エネルギーまたは電荷の移動は、(たとえば、本明細書で説明されるような任意選択のコントローラを含めて、ワイヤを介して、または、誘導性充電システムなどの「ワイヤレス」充電システムを介して)直接的であってもよく、または(本明細書で説明されるキャリアなどの、追加の電気化学セルなどの貯蔵デバイスを介して)間接的であってもよい。
【0039】
受電器の第2のCレートが充電器の第1のCレート以上であることは、受電器の電池が、充電器の電池が提供できるものより高いCレートで充電されるように動作可能であることを意味する。
【0040】
好ましくは、放電ステップの間、作用電極はアノードである。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1の複数の電池セルの少なくとも1つは、金属酸化物を含む作用電力活性材料を備える。いくつかの実施形態では、第2の複数の電池セルの少なくとも1つは、金属酸化物を含む作用電極活性材料を備える。いくつかの実施形態では、第1の複数の電池セルおよび第2の複数の電池セルは、金属酸化物を含む作用電極活性材料を備える。
【0042】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、第3の複数の電池セルを含む第3の貯蔵デバイスを備えるキャリアを備え、キャリアは、充電器に動作可能に結合され、充電器によって第3のCレートで充電されるように動作可能であり、キャリアは、受電器に動作可能に結合され、受電器を充電するために第4のCレートで放電するように動作可能であり、第3のCレートは第1のCレートより高く、第2のCレートは第4のCレートより高い。
【0043】
いくつかの実施形態では、第4のCレートは第3のCレート以上であり得る。いくつかの実施形態では、第3の複数の電池セルは、金属酸化物を含む作用電極活性材料を備える。
【0044】
いくつかの実施形態では、システムは2つ以上のキャリアを含む。好ましくは、キャリアの動作可能なCレートは、充電器に隣接するキャリアから受電器に隣接するキャリアに向かって増大する。
【0045】
いくつかの実施形態では、充電器は固定デバイスである。固定デバイスは、たとえば電力系統に直接接続されているので、持ち運び可能ではないデバイスであり得る。別の実施形態では、充電器は移動デバイスであり得る。移動デバイスは、電源から切断されて、たとえば持ち運び可能ではない受電デバイスへと移動され得る、デバイスであり得る。したがって、移動デバイスは、ユーザによって持ち運ばれてもよく、車輪付きであってもよく、自己推進型であってもよく、ドローンなどの飛行デバイスに組み込まれてもよい。
【0046】
受電デバイス、すなわちキャリアまたは受電器の電池は、任意の充電率から100%の充電率まで充電され得る。同様に、充電デバイス、すなわち充電器またはキャリアの電池は、任意の充電率から0%の充電率まで放電され得る。したがって、複数の受電デバイスが単一の充電デバイスから充電されてもよく、各受電デバイスは充電デバイスの電池を部分的に放電する。代替として、複数の充電デバイスが単一の受電デバイスを充電するために使用されてもよく、各充電デバイスは受電デバイスの電池を部分的に充電する。さらに、充電プロセスは、たとえばユーザ命令に従って、充電デバイスの電池を部分的に放電し、受電デバイスの電池を部分的に充電し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、金属酸化物は、酸化ニオブまたはニオブ金属酸化物である。作用電極活性材料を備える金属酸化物は好ましくは、たとえば、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2019/234248号において記述されるような、酸化ニオブなどのニオブベースの材料、または、ニオブニッケル酸化物、ニオブタングステン酸化物、ニオブチタン酸化物、ニオブモリブデン酸化物、ニオブアルミニウム酸化物、ニオブガリウム酸化物、ニオブゲルマニウム酸化物、ニオブ銅酸化物、またはニオブ亜鉛酸化物などのニオブ金属酸化物である。
【0048】
いくつかの実施形態では、作用電極活性材料は、Nb2O5、Nb2NiO6、Nb12WO33、Nb26W4O77、Nb14W3O44、Nb16W5O55、Nb18W8O69、Nb2WO8、Nb18W16O93、Nb22W20O115、Nb8W9O47、Nb54W82O381、Nb20W31O143、Nb4W7O31、Nb2W15O50、Nb2WO8、Nb2TiO7、Nb10Ti2O29、Nb24TiO62、Nb2Mo3O14、Nb14Mo3O44、Nb12MoO44、Nb11AlO29、Nb11GaO29、Nb49GaO124、Nb18GeO47、Nb34Cu2O87、またはNb34Zn2O8を含み得る。
【0049】
この材料は、好ましいリチウムイオン拡散の性質を有するので、ニオブベースの材料のミクロンサイズの粒子が使用される場合でも、優れた性能を示す。したがって、酸化ニオブまたはニオブ金属酸化物などのニオブベースの材料を含む作用電極は、高い充電レートおよび放電レートにおいて、極めて高い体積当たりエネルギー密度および高い容量を示し、これはより高いCレートを実現する。いくつかの実施形態では、充電器は、立方センチメートル当たり少なくとも2ワットの電力密度を提供するように動作可能である。いくつかの実施形態では、充電器は、1分未満で受電器を充電するように構成され、充電は、0.5V未満から3V以上まで受電器のセルを充電することを備える。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1の貯蔵デバイスのセルの電圧プロファイルは、第2の貯蔵デバイスのセルの電圧プロファイルと同じである。好ましくは、第1の貯蔵デバイスおよび第2の貯蔵デバイスは、平坦ではなく、傾斜した電圧プロファイルを有する。
【0051】
ニオブベースの材料の使用はまた、対称的な充電レートと放電レートを可能にするので有益である。言い換えると、同じまたは似たCレートでニオブベースのセルを充電して放電することが可能である。これは、同じ結果を達成するためにサイズの相違を必要とするリチウム電池では可能ではない。
【0052】
代替として、作用電極活性材料を備える金属酸化物は、リチウムチタン酸化物、二酸化チタン、酸化ケイ素、または酸化バナジウムなどの別の金属酸化物を備え得る。これらの金属酸化物は通常、ニオブ酸化物またはニオブ金属酸化物に似た電気化学的特性を示す。
【0053】
金属酸化物は、炭素、クラファイト、および他の金属酸化物などの他の適切な活性材料と組み合わせられ得る。
【0054】
第2の実施形態の充電デバイスにおいて使用されるような電池の構成要素は、以下で説明される通りである。
【0055】
第2の実施形態において、本発明は全般に、充電デバイスから受電器電池を充電する方法に関する。一般に、充電デバイスは、高速充電および高速放電が可能なセルからなる電池を備え、電池の各セルは、受電器電池への高速な放電を可能にするために、コントローラ、充電エンジン、およびパワーコネクタとともに、金属酸化物(たとえば、ニオブ含有金属酸化物)を含む作用電極活性材料を備える。充電デバイスは、受電器デバイスの一体型電池を充電するために、電動輸送機関(EV)または他の受電器デバイスに接続されるように動作可能である。受電器デバイスの受電器電池は、最高で100%の任意の充電率まで充電され得る。
【0056】
好ましくは、充電デバイスを持ち運び可能にし、その実用性を改善するために、充電デバイスはEVまたは別の受電器デバイスの電池より物理的に小さい。通常、充電デバイスの出力電力/エネルギー比は、それが充電している受電器電池の入力電力/エネルギー比を超える。その上、充電器の利便性をさらに高めるために、充電器は通常、その出力の電力/エネルギー比と似た、またはそれを超える入力電力/エネルギー比などで、迅速に再充電される能力を有する。これは、電池が、たとえばDC急速充電器から充電されることを可能にする。
【0057】
好ましくは、充電デバイスの電池のセルは、3以上、さらに好ましくは5以上の、最も好ましくは10以上の電力/エネルギー比で放電することが可能であるべきである。電力エネルギー比は、Cレートと交換可能に使用され得る。
【0058】
好ましくは、充電デバイスの電池のセルは、3以上、さらに好ましくは5以上、最も好ましくは10以上の電力/エネルギー比で充電することが可能であるべきである。
【0059】
好ましくは、充電デバイスは、その充電のために充電デバイスが利用されるデバイスよりも容量が小さい。好ましくは、充電デバイスは1m3以下の体積を占有する。
【0060】
通常、充電デバイスは、EVなどの受電器デバイスの受電器電池より全体の容量が小さい。
【0061】
第2の実施形態の充電デバイスにおいて使用されるような電気化学セルの構成要素は、以下で説明される通りである。セルは、金属酸化物、好ましくは、たとえば、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2019/234248号において記述されるような、ニオブタングステン酸化物、ニオブチタン酸化物、および/またはニオブモリブデン酸化物などのニオブ含有金属酸化物を備える、アノードおよび/またはカソードを備える。
【0062】
国際公開第2019/234248号および国際公開第2021/074406号は、様々なニオブベースの電気化学セルを記述する。これらの文書は、受電器電池を充電するために充電デバイスのセルを使用することを記述しない。
【0063】
国際公開第2016/205124号は、電子書籍リーダーの補助電池を記述する(
図1参照)。段落[0032]は、セルが混合金属酸化物を備え得ることを述べるが、好ましいニオブ金属酸化物に言及しない。混合金属酸化物は、本発明の好ましい電池の化学的特性におけるようなアノードではなく、カソードの一部として含まれるものとして言及される。この文書は電池のCレートに言及しない。
【0064】
米国特許出願公開第2020/0070655号は、10Cで充電している受電器電池(車)に蓄電池が1Cで放電しているような、充電システムを記述する(
図3参照)。米国特許出願公開第2020/0070655号は、セレンベースのカソードまたはアノードを含む蓄電池を記述する。蓄電池の放電レートは1Cにすぎない。
【0065】
国際公開第2013/039753号はエネルギー管理システムに関し、これは、一実施形態では、車の電池パックに充電するようになされる電池アレイを含む(段落[0078]および
図1参照)。また、このシステムは、充電デバイスの電池の放電レートを調節するのではなく、電池アレイ中の電池を個別に切り替える。
【0066】
GB2552483は、車向けの電池対電池充電システムに関する。高電圧電池(車を駆動するために使用される)が、車の電装系に使用される低電圧電池に電力を移すようになされる(ページ17~18参照)。これらの2つの電池は、分離可能に接続されているのではなく、常に接続されており、より小さい電池の電圧が閾値を下回るとシステムが始動される。
【0067】
米国特許出願公開第2020/0274382号は、掃除機の電池を再充電するためのエネルギー貯蔵ユニットを記述する(段落[0182]参照)。この文書は、好ましいニオブ金属酸化物を有する電気化学セルを記述しない。この文書は、より高いレートを提供するために、電池ではなくキャパシタを使用することを提案する。
【0068】
国際公開第2016/205124号、米国特許出願公開第2020/0070655号、国際公開第2013/039753号、GB2552483、および米国特許出願公開第2020/0274382号は、取り外し可能なパワーコネクタ、充電エンジン、およびコントローラを記述しない。これらの文書は、電池についてのデータを送信し、放電レートを3C以上のレートに上げるように放電レートを調節するステップを開示しない。好ましいニオブ金属酸化物ベースのアノードセルの化学的特性も、これらの文書において言及されていない。
【0069】
充電デバイスから受電器電池を充電する方法
第1の態様において、充電デバイスから受電器電池を充電する方法が提供され、充電デバイスは、
電気化学セルを備える電池と、
受電器電池と分離可能に電気的に接続しているパワーコネクタと、
電池および電力出力と電気的に通信している充電エンジンと、
電池および充電エンジンと通信しているコントローラとを備え、方法は、
充電エンジンを使用して、電池をパワーコネクタに放電するステップと、
電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、
放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップとを備え、放電レートは、データに応答して、3C以上のレートまで上げられる。
【0070】
方法は、コンピュータで実施される方法であり得る。方法の任意のまたはすべてのステップが、コンピュータで実施され得る。たとえば、データ送信ステップおよびレート調節ステップは、コンピュータで実施され得る。
【0071】
EP3026780は、内蔵電池、電力入力/出力、コンバータ、および保護回路を含む、ポータブルパワーバンクを記述する(
図1Bおよび段落[0020]~[0021]参照)。保護回路(BMS)は、充電を開始/停止するために電池を監視するものとして言及される(段落[0026]~[0027]参照)。この文書はリン酸鉄リチウム電池を使用することを提案し、これは放電レートが低い(段落[0029]参照)。
【0072】
EP2612786は、2台の電動輸送機関の電池の間で電力を移すためのシステムに関する。このシステムは、昇降圧コンバータ、パワーコネクタ、ならびにパックコントローラとともに、電池を含む(
図1、要約書および段落[0017]~[0021]参照)。パックコントローラは、システムからのデータを監視し、電力の移動を制御するために電池と通信するものとして言及される(段落[0034]~[0035]参照)。EP2612786は、充電レートを制限することを提案するが(Table II参照)、この制限は電池からのデータに基づかない。
【0073】
米国特許出願公開第2021/0305838号は、電池充電器のためのポータブルパワーステーションを対象とし(段落[0018]および[0020]参照)、エネルギー出力に接続された電池モジュールおよびスイッチングシステムを含む(
図1参照)。このスイッチングシステムは、電池の状態を監視し(段落[0028]参照)、充電/他の構成要素への放電(段落[0036]~[0038]参照)を行うようである。電池の状態の監視は、電池が接続されているかどうかを決定するために使用されるので、電池管理システムは、負荷に電力を供給するために電池モジュールのいずれが使用され得るかを選択することができる。
【0074】
米国特許出願公開第2014/0354050号は、電源、電池、および負荷が直列であるようなバックアップ電池システムを記述する。このバックアップ電池は、負荷に電力を供給するためのものである。このシステムは、再充電可能な電池、充電/放電を制御するための充電/放電スイッチ、および電池容量と電流情報を監視する制御回路を含む(
図2および段落[0011]参照)。特定の実施形態では、負荷は別の電池(たとえば、電話の電池、段落[0027]参照)であり得る。このシステムコントローラは、パワーバンクの充電と放電の間にオン/オフを切り替える。
【0075】
米国特許出願公開第2014/0159492号は、パワーバンク回路に関する。段落[0021]は、回路が電力変換回路およびセルを監視するための様々な監視回路または温度検出回路を含むことを説明している。電流分配回路コントローラは、セルの状態に応じてセルの出力電流を調節するように、充電器回路に信号を送る。
【0076】
米国特許出願公開第2012/0056581号は、車両電池からポータブルデバイスに充電することを記述する。この文書は、コントローラが車両電池の電圧を監視して電圧を適切に変換することについて述べる。このシステムは、ポータブルデバイス「充電量」とEV電池「電圧帯域幅」の比についてのルックアップテーブルを使用する。
【0077】
米国特許出願公開第2008/0238356号は、ポータブル充電器を記述する。コントローラが、電池からの測定値(たとえば、温度、電圧など)を受け取り、過充電を防ぐために、それに応答して電池からの電流を調節する(段落[0082]~[0085]参照)。
【0078】
EP3026780、EP2612786、米国特許出願公開第2021/0305838号、米国特許出願公開第2014/0354050号、米国特許出願公開第2014/0159492号、米国特許出願公開第2012/0056581号、および米国特許出願公開第2008/0238356号は、電池についてのデータに応答して放電レートが3C以上のレートに上げられるように、放電レートを調節するステップを記述しない。これらの文書のいずれもが、好ましいニオブ金属酸化物ベースの電池の化学的特性について言及しない。
【0079】
受電器電池
受電器電池は、受電器デバイスの電池を指し得る。受電器電池および受電器デバイスは特に限定されないが、EV、UPS、または、ラップトップ、電話のタブレットなどの個人向けコンピュータデバイスであり得る。これは、本発明の充電デバイスによって充電されている電池を指す。
【0080】
受電器電池は通常、作用電極、対極、および電解質を備える、複数の電気化学セルを備える。電気化学セルはリチウムイオンセルであり得る。
【0081】
受電器電池は、任意の数の電気化学セルを備えてもよく、1つまたは複数のサブ電池からなっていてもよい。電池は、サブ電池が取り換え可能であるようにモジュール式システムであってもよい。
【0082】
受電器電池は、充電デバイスの電池を構成する電気化学セルと同じまたは異なる電気化学セルを備え得る。
【0083】
好ましくは、充電器電池の最大の動作可能な放電レートは、受電器電池のより高い最大の動作可能な充電レートより高い。電池の最大の動作可能な放電レートは、100回の完全なサイクルに対する容量維持率が90%を超える、好ましくは95%を超える、より好ましくは97%を超える、さらにより好ましくは99%を超えるような、最大の放電レートである。
【0084】
好ましくは、充電器電池の総容量は、受電器電池の総容量より小さい。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるように、受電器デバイスは、本発明の充電デバイスに似た充電デバイスを備え得る。いくつかの実施形態では、受電器デバイスは、たとえばパワーコネクタを介して、充電デバイスと通信している。いくつかの実施形態では、充電デバイスのコントローラは、受電器デバイスおよび/または受電器電池からデータを受信する。以下で説明されるように、データは、受電器電池から充電デバイスのコントローラに送信され、電池の放電レートを上げるために使用され得る。
【0086】
電池は、「複数の電池セル」とも呼ばれ得る。第1の実施形態において、第1の複数の電池セルは充電器(すなわち充電デバイス)の電池を指す。第1の実施形態において、第2の複数の電池セルは受電器(すなわち受電器デバイス)の電池を指す。第1の実施形態において、第3の複数の電池セルはキャリアの電池を指す。
【0087】
放電ステップ
充電デバイスから受電器電池を充電する方法は、
充電エンジンを使用して、電池をパワーコネクタに放電するステップを備える。このステップは「放電ステップ」として知られていることがある。
【0088】
放電ステップは、パワーコネクタに分離可能に接続された受電器電池を充電するために、充電デバイスの電池を放電して出力電力をパワーコネクタに提供するステップである。充電エンジンは、出力電力を制御および/または調整し得る。充電エンジンは、電池の放電レートを制御し得る。
【0089】
放電ステップは、出力電力を反転させる(すなわち、直流(DC)を交流(AC)に変える)ステップ、または出力電力を変換する(すなわち、ACからDC、またはDCからDCに)ステップを含み得る。通常は、コンバータまたはインバータが充電エンジンに含まれる。適切なインバータまたはコンバータが当技術分野において知られている。
【0090】
放電ステップは、出力電力の電圧を変えるステップを含み得る。通常は、コンバータが充電エンジンに含まれる。降圧コンバータ、昇圧コンバータ、または昇降圧コンバータなどの、適切なDC-DCコンバータが当技術分野において知られている。変圧器などの、適切なAC-ACコンバータが当技術分野において知られている。
【0091】
放電ステップは、出力電力の電圧を上げるまたは下げるステップ、好ましくは、出力電力の電圧を上げるステップを含み得る。電圧の上昇は、受電器電池の好ましい電圧によって決定され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、放電ステップは、充電エンジンにおいてコンバータを使用してACからDCに放電電力を変換するステップを備える。
【0093】
放電ステップは、出力電力を電力調整するステップを含み得る。通常は、パワーコンディショナが充電エンジンに含まれる。サージ検出器、周波数補正器、および電圧補正器などの、適切なパワーコンディショナが当技術分野において知られている。電力調整は、出力電力の安定性を改善し得る。
【0094】
通常、放電ステップはコントローラからの信号の後に開始する。コントローラは、放電ステップを開始するように充電エンジンに信号を送り得る。コントローラは、ユーザからの入力(たとえば、ユーザインターフェースへの入力を介した)、または充電デバイスからの(たとえば、受電電池の接続からの)入力などの入力に基づいて放電を開始するための信号を送るように触発され得る。受電電池の接続は、パワーコネクタのセンサによって、パワーコネクタにおける電気的特性(たとえば、電圧または抵抗)の変化の検出によって、または受電器電池(たとえば、受電器デバイス)からコントローラに送信される信号によって特定され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、方法は放電を開始するステップを備え、コントローラは、電池の放電を開始するように充電エンジンに信号を送る。いくつかの実施形態では、放電を開始するステップは、パワーコネクタへの受電器電池の接続によって触発される。
【0096】
通常、放電ステップは、コントローラからの信号の後に止まる。コントローラは、放電ステップを止めるように充電エンジンに信号を送り得る。上で説明されたように、コントローラは、放電ステップを開始するためのものと同じ手段によって触発され得る。コントローラは、最低の閾値(たとえば、10%)を下回る電池の充電率などの、電池の状態についてのデータによって触発され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、方法は放電を止めるステップを備え、コントローラは、電池の放電を止めるように充電エンジンに信号を送る。いくつかの実施形態では、放電を止めるステップは、受電器電池をパワーコネクタから切り離すことによって触発される。
【0098】
データ送信ステップ
充電デバイスから受電器電池を充電する方法は、
電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップを備える。
このステップは「データ送信」ステップとして知られていることがある。
【0099】
通常、データ送信ステップは、電池についてのデータをコントローラに移すステップを伴う。データ送信ステップはさらに、充電エンジンについてのデータをコントローラに送信するステップを備え得る。
【0100】
データは、電池および/または充電エンジンの状態についてのものである。データは、任意の適切な手段を使用して測定され得る。データは、充電エンジンまたは電池管理システム(BMS)によって測定され得る。充電エンジンおよび/または電池管理システムは通常、電池の状態についてのデータをコントローラに送信する。データは、放電の間の電池の状態を示すために使用できる任意のデータである。データは、電池をより高速に放電できるかどうか、または電池をより遅く放電する必要があるかどうかを決定するために使用され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、データは、電池電圧、電池温度、電池絶縁抵抗、放電電流、電池の充電率、電池のバランシング状態、および電池の電力利用可能性の少なくとも1つを備えるリストから選択される。
【0102】
いくつかの実施形態では、データは、電池電圧、放電電流、および電池温度を備える。
【0103】
データは、当技術分野において知られている任意の適切な手段を使用して測定され得る。たとえば、電圧は電圧計を使用して測定されてもよく、電流は電流計によって測定されてもよく、抵抗はオーム計によって測定されてもよく、温度は熱電対によって測定されてもよく、絶縁抵抗は高入力インピーダンスオーム計によって測定されてもよく、充電率、バランシング状態、および電力利用可能性は、電圧計によって、または間接的に電流計によって(たとえば、「クーロン計数法」によって)測定されてもよい。
【0104】
データは、電気通信などの、当技術分野において知られている任意の適切な手段によって、コントローラに送信され得る。
【0105】
データは、コントローラへの送信の前に処理され得る。データは、BMSまたは充電エンジンによって処理され、次いでコントローラに送信され得る。代替として、処理されていないデータがコントローラに送信されてもよく、データはコントローラによって処理されてもよい。
【0106】
データ送信ステップの頻度は、電池の状態および放電レートを上げることができるかどうかを決定するのに適切なものである。頻度とは、データが電池および充電エンジンからコントローラへどれだけ頻繁に送信されるかを指す。頻度は、電池および充電エンジンにおけるデータの測定頻度も指し得る。データ送信ステップの頻度は、0.01から10秒、好ましくは0.1から1秒、より好ましくは0.2から0.5秒であり得る。データ送信ステップの頻度は、約0.25秒ごとである。
【0107】
レート調節ステップ
充電デバイスから受電器電池を充電する方法は、
放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップを備え、放電レートは、データに応答して3C以上のレートに上げられる。
【0108】
このステップは「レート調節」ステップとして知られていることがある。
【0109】
通常、レート調節ステップは、データ送信ステップからのデータを検討し、データに応答して放電レートを調節するステップを伴う。一般に、コントローラは、許容可能な範囲とデータを比較し、放電レートを上げるべきであるか、または下げるべきであるかを決定する。データが許容可能範囲内にある場合、放電レートは上げられる。データが許容可能範囲外にある場合、放電レートは下げられる。コントローラは、放電レートを上げるかまたは下げるかについて、充電エンジンに信号を送り得る。
【0110】
レート調節ステップは、3C以上のレートに放電レートを上げる。好ましくは、レート調節ステップは、5C以上、好ましくは10C以上、より好ましくは20C以上のレートに放電レートを上げる。代替として、レート調節ステップは、1500mW・g-1以上、好ましくは1800mW・g-1以上、より好ましくは2100mW・g-1以上の電力密度に放電レートを上げる。
【0111】
いくつかの実施形態では、レート調節ステップは、100kW以上、好ましくは200kW以上、より好ましくは300kW以上、さらにより好ましくは400kW以上の出力電力を提供するように放電レートを上げる。
【0112】
第1の実施形態において、電池の放電レートは、受電器電池の充電レートより低い放電レートに上げられる。
【0113】
第2の実施形態において、電池の放電レートは、受電器電池の充電レートより高い放電レートに上げられる。
【0114】
電池の放電レートが以下でより詳しく説明される。
【0115】
本発明の電池は、電池の状態を許容可能範囲に保ちながら、高い放電レートの達成を可能にする。コントローラは、データが許容可能範囲内にあるとき、放電レートを上げ得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、電池の放電レートは、1C以上、好ましくは2C以上、より好ましくは3C以上上げられる。この増大は、初期の放電レートと比較したものである。いくつかの実施形態では、電池の放電レートは、100mW・g-1以上、好ましくは300mW・g-1以上、より好ましくは500mW・g-1以上上げられる。この増大は、初期の放電レートと比較したものである。
【0117】
レート調節ステップは、電池の電気化学セルのバランシングを行い得る。レート調節ステップは、電池の個々の電気化学セルまたはそのグループの放電レートを調節し、それにより電池の電気化学セルのバランシングを行い得る。レート調節ステップは、より高い充電率(たとえば、より高い電圧)を有するセルの放電レートを上げ、および/または、より低い充電率(たとえば、より低い電圧)を有するセルの放電レートを下げ得る。これにより電池のセルのバランシングを行うことができ、あらゆる個々のセルの過電圧または低電圧の量を減らす。これは、セルへの起こり得る損傷を減らし、放電の間の電池の安全性を高める。
【0118】
いくつかの実施形態では、放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップは、電池の2つ以上の電気化学セルのバランシングを行うために、電池の2つ以上の電気化学セルの放電レートを独立に調節するステップを備える。
【0119】
電気化学セルのバランシングは、本明細書で説明されるように、データが個々の電気化学セルまたはそのグループに関することを除き、電池に対するものと同じデータ送信ステップおよび調節ステップを使用する。
【0120】
いくつかの実施形態では、レート調節ステップは、
(i)コントローラに送信される電池の状態についてのデータが範囲内にあるかどうかを決定するステップと、
(ii)データが範囲内にある場合に放電レートを上げるステップ、またはデータが範囲外にある場合に放電レートを下げるステップと、
(iii)電池の放電を止めるようにコントローラが充電エンジンに信号を送るまでステップ(i)~(ii)を繰り返すステップと
を備える。
【0121】
電池の状態についてのデータが範囲内にあるかどうかを決定するステップ(i)は、「比較ステップ」として知られていることがある。
【0122】
通常、比較ステップは、データを範囲と比較することによってデータが範囲内にあるかどうかを決定するステップを伴う。この比較は通常、コントローラによって行われる。
【0123】
たとえば、データが温度である場合、コントローラは、温度データを許容可能な温度範囲と比較する。たとえば、電池の温度が30℃であり、範囲が10から50℃である場合、温度データは許容可能範囲内にある。代替として、電池の温度が60℃であり、範囲が10から50℃である場合、温度データは許容可能範囲外にある。
【0124】
範囲は所定の範囲であり得る。所定の範囲なコントローラに記録され得る。所定の範囲は電池の組成に基づき得る。所定の範囲は電池に対する試験によって決定され得る。
【0125】
範囲は可変の範囲であり得る。可変の範囲は、外部温度などの外部要因に依存し得る。たとえば、外部温度が(たとえば、30℃から31℃以上に)上がる場合、過熱を防ぐために可変の範囲が変えられてもよい(たとえば、許容可能なセル温度範囲が10~50℃から10~40℃に下げられてもよく、またはセル当たりの許容可能な電流範囲が4~10Aから4~8Aに下げられてもよい)。同様に、たとえば、外部温度が(たとえば、5℃から4℃以下に)下がる場合、電池の損傷を避けるために可変の範囲が変えられてもよい(たとえば、許容可能な温度範囲が10~50℃から5~50℃に変えられてもよく、または許容可能な電流範囲が4~10Aから2~10Aに変えられてもよい)。
【0126】
可変の範囲は、電池セルの電圧または電池の充電率に依存し得る。たとえば、電池の電圧が(たとえば、2.4V以上から2.3V以下に)低下する場合、低充電率のときに電池の損傷を避けるために、可変の範囲が変えられてもよい(たとえば、許容可能な電流範囲が4~10Aから4~8Aに変えられてもよい)。
【0127】
可変の範囲は受電器電池に依存し得る。受電器電池についての情報は、充電デバイスに手動で(たとえば、ユーザ入力によって)提供され得る。代替として、受電器電池は、充電デバイスのコントローラと(たとえば、電気通信、ワイヤレス通信などによって)通信し得る。下で説明されるように、可変の範囲は受電器電池からのデータによって決定され得る。
【0128】
可変の範囲は離散的な尺度で動作し得る。可変の範囲は連続的な尺度で動作し得る。
【0129】
充電デバイスは、可変の範囲に影響を及ぼす外部要因を測定するための手段を備え得る。
【0130】
データが範囲内にある場合に放電レートを上げる、またはデータが範囲外にある場合に放電レートを下げるステップ(ii)は、最適化ステップとして知られていることがある。
【0131】
通常、最適化ステップは、コントローラが、電池の状態が許容可能範囲内にある場合に放電レートを上げること、または電池の状態が許容可能範囲外にある場合に放電レートを下げることを伴う。上で説明されたように、電池の状態が許容可能範囲内にあるか許容可能範囲外にあるかは、比較ステップによって決定される。この最適化ステップは、可能な限り最速の放電を可能にするために、電池の放電レートの最大化を可能にする。
【0132】
放電レートを上げることまたは下げることは通常、放電レートを上げるようにまたは下げるように充電エンジンにコントローラが信号を送ることによって行われる。充電エンジンは、出力電力の電流を変えることまたは出力電力の電圧を変えることなどの、任意の適切な手段によって放電レートを上げ、または下げてもよい。
【0133】
電池の放電を止めるようにコントローラが充電エンジンに信号を送るまでステップ(i)~(ii)を繰り返すステップ(iii)は、反復ステップとして知られていることがある。
【0134】
通常、反復ステップは、電池の状態に応じて放電レートを連続的に調節するためにステップ(i)~(ii)を繰り返すステップを伴う。これは、デバイスが電池の状態に応答することを可能にし、電池の損傷または安全ではない放電を起こさない可能な限り最速の放電を実現する。
【0135】
ステップは、データ送信ステップと等価な頻度で繰り返され得る。ステップは、0.01~10秒ごと、好ましくは0.1~1秒ごと、より好ましくは0.2~0.5秒ごとに繰り返され得る。データ送信ステップの頻度は約0.25秒ごとである。
【0136】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、
受電器電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、
放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップとを備え、放電レートは、受電器電池の状態についてのデータに応答して3C以上のレートに上げられる。
【0137】
受電器電池からコントローラにデータを送信するステップは、データが受電器電池の状態に関係し、受電器電池から充電デバイスのコントローラに送信されることを除き、上で説明されたデータ送信ステップと同じである。
【0138】
受電器電池からのデータに応答して放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップは、データが受電器電池からのものであり許容可能範囲が受電器電池に対するものであることを除き、上で説明されたレート調節ステップと同じであり得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、受電器電池は、受電器電池が受け取るように適合される電力の状態に関するデータを送信する。
【0140】
いくつかの実施形態では、受電器電池は、受電器がAC電力によって充電されるように適合されるか、またはDC電力によって充電されるように適合されるかに関するデータを送信する。いくつかの実施形態では、受電器電池は、受電器が特定の電圧で充電されるように適合されるかどうかに関するデータを送信する。いくつかの実施形態では、受電器電池は、受電器が特定の電力で充電されるように適合されるかどうかに関するデータを送信する。そして、放電レートを調節するステップはさらに、受電器電池から送信されるデータに応答して、電力のタイプ(たとえば、ACまたはDC)、電圧、または電力を選択するステップを備え得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、受電器電池からのデータに応答して、3C以上のレートに放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップは、
(i)受電器電池からコントローラに送信されるデータが範囲内にあるかどうかを決定するステップと、
(ii)データが範囲内にある場合に放電レートを上げ、またはデータが範囲外にある場合に放電レートを下げるステップと、
(iii)電池の放電を止めるようにコントローラが充電エンジンに信号を送るまでステップ(i)~(ii)を繰り返すステップと
を備える。
【0142】
ステップ(i)、(ii)、および(iii)は、データが受電器電池の状態についてのものであることを除き、充電デバイスの電池の状態についてのデータに対して上で説明された通りである。
【0143】
好ましくは、コントローラは、充電デバイスの電池と受電器電池の両方の状態についてのデータを監視し、両方の電池の状態を許容可能範囲内に保ちながら電池の放電レートを最大レートに上げる。このようにして、電池の損傷と安全ではない放電のいずれも起こさずに、受電器電池の放電レートが最大にされ、充電時間が短縮される。
【0144】
充電デバイスの電池の充電
いくつかの実施形態では、本発明はさらに、
充電エンジンを使用して、パワーコネクタから電池を充電するステップと、
電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、
充電レートを上げるように電池の充電レートを調節するステップとを備え、充電レートはデータに応答して3C以上のレートに上げられる。
【0145】
いくつかの実施形態では、電池の充電レートは、5C以上、好ましくは10C以上、より好ましくは20C以上の充電レートに上げられる。代替として、電池の充電レートは、1500mW・g-1以上、好ましくは1800mW・g-1以上、より好ましくは2100mW・g-1以上の電力密度に上げられる。
【0146】
いくつかの実施形態では、充電レートは、充電デバイスが、100kW以上、好ましくは200kW以上、より好ましくは300kW以上、さらにより好ましくは400kW以上の入力電力を受け取るようなものである。
【0147】
いくつかの実施形態では、電池の充電レートは、1C以上、好ましくは2C以上、より好ましくは3C以上上げられる。この増大は、初期の放電レートと比較したものである。いくつかの実施形態では、電池の充電レートは、100mW・g-1以上、好ましくは300mW・g-1以上、より好ましくは500mW・g-1以上上げられる。この増大は、初期の放電レートと比較したものである。
【0148】
第1の実施形態において、電池の充電レートは、電池の放電レートより低い放電レートに上げられる。
【0149】
追加または代替として、第1の実施形態において、電池の充電レートは、受電器電池の充電レートより低い充電レートに上げられる。
【0150】
第2の実施形態において、電池の充電レートは、受電器電池の放電レートより高い放電レートに上げられる。
【0151】
追加または代替として、第2の実施形態において、電池の充電レートは、受電器電池の充電レートより高い充電レートに上げられる。
【0152】
追加または代替として、充電器デバイス電池の充電レートは、充電器デバイス電池の放電レートより高い充電レートに上げられ得る。好ましくは、充電器デバイス電池は、5C以上、10C以上、15C以上、20C以上、25C以上、30C以上、35C以上、40C以上、50C以上、60C以上などの、3C以上の充電レートに上げられ、充電器デバイス電池は、充電レート未満の放電レートを有する。より好ましくは、充電器デバイス電池の充電レートは60C以上の充電レートに上げられ、充電器デバイス電池は60C未満の放電レートを有する。
【0153】
電池の充電レートは以下でより詳しく説明される。
【0154】
充電エンジンを使用して、パワーコネクタから電池を充電するステップは、「充電ステップ」として知られていることがある。
【0155】
充電ステップは、パワーコネクタに分離可能に接続された電源から、充電デバイスの電池を充電するステップである。充電エンジンは、入力電力を制御および/または調整し得る。
【0156】
充電ステップは、入力電力を反転させる(すなわち、直流(DC)を交流(AC)に変える)ステップ、または入力電力を変換する(すなわち、ACからDC、またはDCからDCに)ステップを含み得る。通常は、コンバータまたはインバータが充電エンジンに含まれる。適切なインバータまたはコンバータが当技術分野において知られている。
【0157】
充電ステップは、入力電力の電圧を変えるステップを含み得る。通常は、DC-DCコンバータが充電エンジンに含まれる。降圧コンバータ、昇圧コンバータ、または昇降圧コンバータなどの、適切なDC-DCコンバータが当技術分野において知られている。変圧器などの、適切なAC-ACコンバータが当技術分野において知られている。電圧の変化は、電池の好ましい電圧および電源の電圧によって決定され得る。
【0158】
充電ステップは、入力電力の電圧を上げるステップを含み得る。充電ステップは、入力電力の電圧を下げるステップを含み得る。
【0159】
いくつかの実施形態では、充電ステップは、充電エンジンのコンバータを使用してACからDCに入力電力を変換するステップを備える。
【0160】
充電ステップは、入力電力を調節する電力を含み得る。通常、パワーコンディショナが充電エンジンに含まれる。サージ検出器、周波数補正器、および電圧補正器などの、適切なパワーコンディショナが当技術分野において知られている。パワーコンディショナは、入力電力の均一性を高め得る。
【0161】
通常、充電ステップはコントローラからの信号の後に開始する。コントローラは、充電ステップを開始するように充電エンジンに信号を送り得る。コントローラは、ユーザからの入力(たとえば、ボタンの押下またはユーザインターフェースを介した入力)、または充電デバイスからの(たとえば、電源の接続からの)入力などの入力に基づいて充電を開始するための信号を送るように触発され得る。電源の接続は、パワーコネクタの中のセンサによって、パワーコネクタにおける電気的特性(たとえば、電圧または抵抗)の変化の検出によって、または電源からコントローラに送信される信号によって特定され得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、方法は充電を開始するステップを備え、コントローラは、電池の充電を開始するように充電エンジンに信号を送る。いくつかの実施形態では、放電を開始するステップは、パワーコネクタへの電源の接続によって触発される。
【0163】
通常、充電ステップは、コントローラからの信号の後に止まる。コントローラは、充電を開始することについて上で説明されたのと同じように充電エンジンに信号を送り得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、方法は充電を止めるステップを備え、コントローラは、電池の充電を止めるように充電エンジンに信号を送る。いくつかの実施形態では、充電を止めるステップは、電源をパワーコネクタから切り離すことによって触発される。いくつかの実施形態では、充電を止めるステップは、電池がある充電率(たとえば、95%)に達していることをコントローラが検出することにより触発される。
【0165】
充電の間に電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップは、放電について上で説明されたようなものであり得る。
【0166】
充電レートを上げるように電池の充電レートを調節するステップは、放電について上で説明されたようなものであり得る。充電の間のレート調節ステップも、放電が充電で置き換えられて受電器電池が電源で置き換えられることを除き、放電について上で説明されたようなものであり得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、電源は電源についてのデータをコントローラに送信する。データは、電源がAC電力を提供するか、またはDC電力を提供するか、電力の電圧、周波数(AC電力について)、電力の電流を含み得る。そして、充電レートを調節するステップはさらに、電源から送信されたデータに応答して、充電エンジンにおける電力調整のタイプ(たとえば、上で説明されたような、インバータ動作またはコンバータ動作)を選択するステップを備え得る。
【0168】
充電レートおよび放電レート
放電のために、レート調節ステップは、3C以上のレートに放電レートを上げる。このレートは本明細書では「放電レート」と呼ばれることがある。
【0169】
充電のために、レート調節ステップは、3C以上のレートに充電レートを上げ得る。この充電レートは本明細書では「充電レート」と呼ばれることがある。
【0170】
充電レートまたは放電レートは、Cレート、重量当たり電流密度、重量当たり電力密度、体積当たり電流密度、または体積当たり電力密度などの、充電レートまたは放電レートの任意の適切な測定値であり得る。
【0171】
充電レートは、電池(充電デバイスの電池としても知られている)または受電器電池(受電器デバイスの電池としても知られている)の充電または放電に関して説明され得る。
【0172】
通常、充電デバイスの電池の放電は、電池から受電器電池にエネルギーを移すことを指す。通常、これは、充電エンジンおよび出力パワーコネクタなどのパワーコネクタを介する。
【0173】
通常、充電デバイスの電池の充電は、電源から電池にエネルギーを移すことを指す。通常、これは、充電エンジンおよび入力パワーコネクタなどのパワーコネクタを介する。
【0174】
「第1のレート」は、充電デバイスの電池の放電レートを指す。「第2のレート」は、受電器デバイスの電池の充電レートを指す。「第3のレート」は、第1の実施形態において説明されたようなキャリアの充電レートを指す。「第4のレート」は、第1の実施形態において説明されたようなキャリアの放電レートを指す。
【0175】
「第1の」、「第2の」、「第3の」、および「第4の」レートは、Cレート、重量当たり電流密度、重量当たり電力密度、体積当たり電流密度、または体積当たり電力密度を指し得る。たとえば、これらは、「第1のCレート」または「第1の体積当たり電力密度」と呼ばれ得る。
【0176】
充電レートまたは放電レートはCレートに関して説明され得る。
【0177】
ここでは、「名目レート」という用語は、セルの容量にかかわらず実際の充電レートまたは放電レートを指す。
【0178】
「Cレート」という用語は当技術分野において共通の意味を持っており、セルの全体の放電容量(Ah)を1時間(h)という全体の期間で割ることによって得られる正規化された充電レートまたは放電レートを指す。Cレートは、3というCレートを意味するために、「3C」と表記され得る。
【0179】
たとえば、放電容量が1.6アンペア時間(Ah)である電池が1CというCレートで放電された場合、名目放電レートは1.6アンペア(A)であり、放電容量が2Ahであるより大きい電池が1CというCレートで放電された場合、名目放電レートは2Aである。Cレートは、電池の最大容量に対する、電池が放電されるレートの尺度である。
【0180】
Cレートは、定められた理論的容量に達するのにかかる時間数の逆数として定義され得る。通常、Cレートは、遷移金属当たり1つの電子移動に対して定義され、たとえば、Nb16W5O55では、1Cで放電するのに必要とされる電流は活性材料1グラム当たり171.3mAであり、20Cでは活性材料1グラム当たり3426mAである。理論的容量は
【0181】
【数1】
(Q
theoretical: Q
理論上)
【0182】
によって計算され、nは式単位当たりの移動される電子の数であり、Fはファラデー定数であり、3.6はクーロンと従来のmA・h・g-1との間の変換係数であり、mは式単位当たりの質量である。したがって、1Cレートは、1時間の間のNb16W5O55の式単位当たり21個のリチウムイオンの反応(すなわち、挿入または除去)に相当し、それは、この材料が式単位当たり21個の遷移金属を含むからである。
【0183】
充電レートまたは放電レートは、(重量当たり)電流密度に関しても記述されることがあり、たとえば、電流密度は少なくとも800mA・g-1または1000mA・g-1である。電流密度は、本発明においてCレートの代わりに使用され得る。電流密度は、
【0184】
【数2】
(current density: 電流密度, capacity: 容量)
【0185】
によってCレートと関連付けられる。
【0186】
したがって、この作業において定められている取り決めを使用すると、Nb16W5O55では、800mA・g-1の電流密度は4.67CのCレートに相当し、Nb18W16O93では、800mA・g-1の電流密度は5.36CのCレートに相当する。
【0187】
すべての(重量当たり)容量が、活性電極材料の質量に基づいて示される。
【0188】
充電レートまたは放電レートは、(重量当たり)電力密度に関しても記述され得る。電力密度は、本発明においてCレートの代わりに使用され得る。電力密度は電流密度に直接比例する。電力密度は、
電力密度=電流密度×電位差
によって電流密度と関連付けられる。
【0189】
完全に充電されたとき、セルの電位差は、2.0V以上、好ましくは2.25V以上、より好ましくは2.5V以上であり得る。したがって、セルの電力密度は、上で説明されたような電流密度をセルの電位差と乗じることによって計算され得る。
【0190】
すべての(重量当たり)電力密度が、活性電極材料の質量に基づいて示される。
【0191】
充電レートまたは放電レートは、(体積当たり)電力密度に関しても記述され得る。体積当たり電力密度は、本発明においてCレートの代わりに使用され得る。
【0192】
体積当たり電力密度は、以下の式によって重量当たり電力密度と関連付けられる。
体積当たり電力密度=重量当たり電力密度×作用電極の密度
【0193】
すべての(体積当たり)電力密度が、活性電極材料の体積に基づいて示される。
【0194】
第1の実施形態の充電レート
第1の実施形態において、第1のCレートは、5C以下のCレート、たとえば、作用電極活性材料の式単位当たりの遷移金属ごとの1つの電子移動に関して5C以下のCレートであり得る。好ましくは、第1のCレートは、10C以下、15C以下、20C以下、25C以下、30C以下、35C以下、40C以下、50C以下、60C以下、または80C以下である。
【0195】
第2のCレートは第1のCレート以上である。第2のCレートは、5C以上のCレート、たとえば、作用電極活性材料の式単位当たりの遷移金属ごとの1つの電子移動に関して5C以上のCレートであり得る。好ましくは、第2のCレートは、10C以上、15C以上、20C以上、25C以上、30C以上、35C以上、40C以上、50C以上、60C以上、または80C以上である。
【0196】
第1の実施形態において、第3のCレートは第1のCレート以上である。第3のCレートは、5C以上のCレート、たとえば、作用電極活性材料の式単位当たりの遷移金属ごとの1つの電子移動に関して5C以上のCレートであり得る。好ましくは、第3のCレートは、10C以上、15C以上、20C以上、25C以上、30C以上、35C以上、40C以上、50C以上、60C以上、または80C以上である。
【0197】
第1の実施形態において、第2のCレートは第4のCレート以上である。第4のCレートは、5C以下のCレート、たとえば、作用電極活性材料の式単位当たりの遷移金属ごとの1つの電子移動に関して5C以下のCレートであり得る。好ましくは、第4のCレートは、10C以下、15C以下、20C以下、25C以下、30C以下、35C以下、40C以下、50C以下、60C以下、または80C以下である。
【0198】
第1の実施形態において、第1の複数の電池セルは第1の電流密度で放電するように動作可能であり、第2の複数の電池セルは第2の電流密度で充電するように動作可能である。したがって、いくつかの実施形態では、第2の電流密度は第1の電流密度以上である。
【0199】
好ましくは、第1の電流密度は750mA・g-1以下である。好ましくは、第1の電流密度は、800mA・g-1以下、850mA・g-1以下、900mA・g-1以下、950mA・g-1以下、1000mA・g-1以下、1050mA・g-1以下、1100mA・g-1以下、1200mA・g-1以下、または1300mA・g-1以下である。
【0200】
好ましくは、第2の電流密度は750mA・g-1以上である。好ましくは、第2の電流密度は、800mA・g-1以上、850mA・g-1以上、900mA・g-1以上、950mA・g-1以上、1000mA・g-1以上、1050mA・g-1以上、1100mA・g-1以上、1200mA・g-1以上、または1300mA・g-1以上である。
【0201】
第1の実施形態において、第3の複数の電池セルは、第3の電流密度で充電して第4の電流密度で放電するように動作可能である。したがって、いくつかの実施形態では、第3の電流密度は第1の電流密度以上であり、第2の電流密度は第4の電流密度以上である。
【0202】
好ましくは、第3の電流密度は750mA・g-1以上である。好ましくは、第3の電流密度は、800mA・g-1以上、850mA・g-1以上、900mA・g-1以上、950mA・g-1以上、1000mA・g-1以上、1050mA・g-1以上、1100mA・g-1以上、1200mA・g-1以上、または1300mA・g-1以上である。
【0203】
好ましくは、第4の電流密度は750mA・g-1以下である。好ましくは、第4の電流密度は、800mA・g-1以下、850mA・g-1以下、900mA・g-1以下、950mA・g-1以下、1000mA・g-1以下、1050mA・g-1以下、1100mA・g-1以下、1200mA・g-1以下、または1300mA・g-1以下である。
【0204】
第1の実施形態において、第1の複数の電池セルは第1の電力密度で放電するように動作可能であり、第2の複数の電池セルは第2の電力密度で充電するように動作可能である。したがって、いくつかの実施形態では、第2の電力密度は第1の電力密度以上である。
【0205】
好ましくは、第1の電力密度は1500mW・g-1以下である。好ましくは、第1の電力密度は、1600mW・g-1以下、1700mW・g-1以下、1800mW・g-1以下、1900mW・g-1以下、2000mW・g-1以下、2100mW・g-1以下、2200mW・g-1以下、2400mW・g-1以下、または2600mW・g-1以下である。
【0206】
好ましくは、第2の電力密度は1500mW・g-1以上である。好ましくは、第2の電力密度は、1600mW・g-1以上、1700mW・g-1以上、1800mW・g-1以上、1900mW・g-1以上、2000mW・g-1以上、2100mW・g-1以上、2200mW・g-1以上、2400mW・g-1以上、または2600mW・g-1以上である。
【0207】
第1の実施形態において、第3の複数の電池セルは第3の電力密度で充電し、第4の電力密度で放電するように動作可能である。したがって、いくつかの実施形態では、第3の電力密度は第1の電力密度以上であり、第2の電力密度は第4の電流密度以上である。
【0208】
好ましくは、第3の電力密度は1500mW・g-1以上である。好ましくは、第3の電力密度は、1600mW・g-1以上、1700mW・g-1以上、1800mW・g-1以上、1900mW・g-1以上、2000mW・g-1以上、2100mW・g-1以上、2200mW・g-1以上、2400mW・g-1以上、または2600mW・g-1以上である。
【0209】
好ましくは、第4の電力密度は1500mW・g-1以下である。好ましくは、第4の電力密度は、1600mW・g-1以下、1700mW・g-1以下、1800mW・g-1以下、1900mW・g-1以下、2000mW・g-1以下、2100mW・g-1以下、2200mW・g-1以下、2400mW・g-1以下、または2600mW・g-1以下である。
【0210】
第1の実施形態において、第1の複数の電池セルは第1の体積当たり電力密度で放電するように動作可能であり、第2の複数の電池セルは第2の体積当たり電力密度で充電するように動作可能である。したがって、いくつかの実施形態では、第2の体積当たり電力密度は、第1の体積当たり電力密度以上である。
【0211】
好ましくは、第1の体積当たり電力密度は1500mW・(cm3)-1以下である。好ましくは、第1の体積当たり電力密度は、1600mW・(cm3)-1以下、1700mW・(cm3)-1以下、1800mW・(cm3)-1以下、1900mW・(cm3)-1以下、2000mW・(cm3)-1以下、2100mW・(cm3)-1以下、2200mW・(cm3)-1以下、2400mW・(cm3)-1以下、または2600mW・(cm3)-1以下である。
【0212】
好ましくは、第2の体積当たり電力密度は1500mW・(cm3)-1以上である。好ましくは、第2の体積当たり電力密度は、1600mW・(cm3)-1以上、1700mW・(cm3)-1以上、1800mW・(cm3)-1以上、1900mW・(cm3)-1以上、2000mW・(cm3)-1以上、2100mW・(cm3)-1以上、2200mW・(cm3)-1以上、2400mW・(cm3)-1以上、または2600mW・(cm3)-1以上である。
【0213】
第1の実施形態において、第3の複数の電池セルは第3の体積当たり電力密度で充電し、第4の体積当たり電力密度で放電するように動作可能である。したがって、いくつかの実施形態では、第3の体積当たり電力密度は第1の体積当たり電力密度以上であり、第2の体積当たり電力密度は第4の体積当たり電力密度以上である。
【0214】
好ましくは、第3の体積当たり電力密度は1500mW・(cm3)-1以上である。好ましくは、第3の体積当たり電力密度は、1600mW・(cm3)-1以上、1700mW・(cm3)-1以上、1800mW・(cm3)-1以上、1900mW・(cm3)-1以上、2000mW・(cm3)-1以上、2100mW・(cm3)-1以上、2200mW・(cm3)-1以上、2400mW・(cm3)-1以上、または2600mW・(cm3)-1以上である。
【0215】
好ましくは、第4の体積当たり電力密度は1500mW・(cm3)-1以下である。好ましくは、第4の体積当たり電力密度は、1600mW・(cm3)-1以下、1700mW・(cm3)-1以下、1800mW・(cm3)-1以下、1900mW・(cm3)-1以下、2000mW・(cm3)-1以下、2100mW・(cm3)-1以下、2200mW・(cm3)-1以下、2400mW・(cm3)-1以下、または2600mW・(cm3)-1以下である。
【0216】
第2の実施形態の充電レート
充電器デバイス電池の充電レートは、作用電極活性材料の式単位当たりの遷移金属ごとの1つの電子移動に関して、5C以上、10C以上、15C以上、20C以上、25C以上、30C以上、35C以上、40C以上、50C以上、60C以上、または80C以上などの、3C以上のCレートであり得る。
【0217】
充電器デバイス電池の放電レートは、作用電極活性材料の式単位当たりの遷移金属ごとの1つの電子移動に関して、5C以上、10C以上、15C以上、20C以上、25C以上、30C以上、35C以上、40C以上、50C以上、60C以上、または80C以上などの、3C以上のCレートである。
【0218】
充電器デバイス電池の充電レートは、800mA・g-1以上、850mA・g-1以上、900mA・g-1以上、950mA・g-1以上、1000mA・g-1以上、1050mA・g-1以上、1100mA・g-1以上、1200mA・g-1以上、または1300mA・g-1以上などの、750mA・g-1以上の電流密度であり得る。
【0219】
充電器デバイス電池の放電レートは、800mA・g-1以上、850mA・g-1以上、900mA・g-1以上、950mA・g-1以上、1000mA・g-1以上、1050mA・g-1以上、1100mA・g-1以上、1200mA・g-1以上、または1300mA・g-1以上などの、750mA・g-1以上の電流密度であり得る。
【0220】
充電器デバイス電池の充電レートは、1600mW・g-1以上、1700mW・g-1以上、1800mW・g-1以上、1900mW・g-1以上、2000mW・g-1以上、2100mW・g-1以上、2200mW・g-1以上、2400mW・g-1以上、または2600mW・g-1以上などの、1500mW・g-1以上の重量当たり電力密度であり得る。
【0221】
充電器デバイス電池の放電レートは、1600mW・g-1以上、1700mW・g-1以上、1800mW・g-1以上、1900mW・g-1以上、2000mW・g-1以上、2100mW・g-1以上、2200mW・g-1以上、2400mW・g-1以上、または2600mW・g-1以上などの、1500mW・g-1以上の重量当たり電力密度であり得る。
【0222】
充電器デバイス電池の充電レートは、1600mW・(cm3)-1以上、1700mW・(cm3)-1以上、1800mW・(cm3)-1以上、1900mW・(cm3)-1以上、2000mW・(cm3)-1以上、2100mW・(cm3)-1以上、2200mW・(cm3)-1以上、2400mW・(cm3)-1以上、または2600mW・(cm3)-1以上などの、1500mW・(cm3)-1以上の体積当たり電力密度であり得る。
【0223】
充電器デバイス電池の放電レートは、1600mW・(cm3)-1以上、1700mW・(cm3)-1以上、1800mW・(cm3)-1以上、1900mW・(cm3)-1以上、2000mW・(cm3)-1以上、2100mW・(cm3)-1以上、2200mW・(cm3)-1以上、2400mW・(cm3)-1以上、または2600mW・(cm3)-1以上などの、1500mW・(cm3)-1以上の体積当たり電力密度であり得る。
【0224】
受電器デバイス電池の充電レートは、充電器デバイス電池の放電レート未満であり得る。充電レートは、Cレート、電流密度、重量当たり電力密度または体積当たり電力密度などの電力密度に関して測定され得る。
【0225】
受電器デバイス電池の充電レートは、作用電極活性材料の式単位当たりの遷移金属ごとの1つの電子移動に関して、Cレート5C以下、10C以下、15C以下、20C以下、25C以下、30C以下、35C以下、40C以下、50C以下、60C以下、または80C以下などの、3C以下のCレートであり得る。
【0226】
受電器デバイス電池の充電レートは、800mA・g-1以下、850mA・g-1以下、900mA・g-1以下、950mA・g-1以下、1000mA・g-1以下、1050mA・g-1以下、1100mA・g-1以下、1200mA・g-1以下、または1300mA・g-1以下などの、750mA・g-1以下の電流密度であり得る。
【0227】
受電器デバイス電池の充電レートは、1600mW・g-1以下、1700mW・g-1以下、1800mW・g-1以下、1900mW・g-1以下、2000mW・g-1以下、2100mW・g-1以下、2200mW・g-1以下、2400mW・g-1以下、または2600mW・g-1以下などの、1500mW・g-1以下の重量当たり電力密度であり得る。
【0228】
受電器デバイス電池の充電レートは、1600mW・(cm3)-1以下、1700mW・(cm3)-1以下、1800mW・(cm3)-1以下、1900mW・(cm3)-1以下、2000mW・(cm3)-1以下、2100mW・(cm3)-1以下、2200mW・(cm3)-1以下、2400mW・(cm3)-1以下、または2600mW・(cm3)-1以下などの、1500mW・(cm3)-1以下の体積当たり電力密度であり得る。
【0229】
追加または代替として、充電器デバイス電池の最大入力電力とエネルギーの比は、最大出力電力とエネルギーの比より大きくてもよい。すなわち、充電器デバイス電池の充電レートは、充電器デバイス電池の放電レートより高くてもよい。有利には、これは、デバイスの動作可能時間がより長いことを意味し、それは、充電器デバイスを充電するために必要とされる時間が、デバイスが受電器電池に放電する時間より短いからである。
【0230】
充電器デバイス電池の充電レートは、充電器デバイス電池の放電レートより高くてもよい。いくつかの実施形態では、充電器デバイス電池は、5C以上、10C以上、15C以上、20C以上、25C以上、30C以上、35C以上、40C以上、50C以上、60C以上などの、3C以上の充電レートを有し、充電器デバイス電池は充電レートより低い放電レートを有する。好ましくは、充電器デバイス電池は、60C以上の充電レートおよび60C未満の放電レートを有する。
【0231】
本発明の方法では、電池の充電レートは最大充電レートまで上げられてもよく、電池の放電レートは最大放電レートへと上げられ、最大充電レートは最大放電レートより高い。いくつかの実施形態では、最大充電レートは5C以上であり、最大放電レートは5C未満であり、好ましくは最大充電レートは10C以上であり、最大放電レートは10C未満であり、より好ましくは最大充電レートは20C以上であり、最大放電レートは20C未満であり、さらにより好ましくは最大充電レートは60C以上であり、最大放電レートは60C未満である。
【0232】
充電器デバイス電池の最大の動作可能な充電レートは、充電器デバイス電池の最大の動作可能な放電レートより高くてもよい。いくつかの実施形態では、充電器デバイス電池は、5C以上、10C以上、15C以上、20C以上、25C以上、30C以上、35C以上、40C以上、50C以上、60C以上などの、3C以上の最大の動作可能な充電レートを有し、充電器デバイス電池は、最大の動作可能な充電レート未満の最大の動作可能な放電レートを有する。好ましくは、充電器デバイス電池は、60C以上の最大の動作可能な充電レートおよび60C未満の最大の動作可能な放電レートを有する。
【0233】
充電デバイス
第2の態様において、受電器電池を充電するための充電デバイスが提供され、充電デバイスは、
電気化学セルを備える電池と、
受電器電池に分離可能に電気的に接続するためのパワーコネクタと、
電池の放電レートを制御する、電池およびパワーコネクタと電気的に通信している充電エンジンと、
放電レートを上げるように、電池の状態についてのデータに応答して電池の放電レートを調節するための、電池および充電エンジンと通信しているコントローラとを備え、放電レートは3C以上のレートに上げられる。
【0234】
いくつかの実施形態では、電池は、ニオブ含有金属酸化物を含む作用電極活性材料を有する電気化学セルを備える。
【0235】
上で説明されたように、充電デバイスは充電の方法において使用され得る。
【0236】
一般に、充電デバイスは電池を含み、電池はパワーコネクタを通じて充電エンジンによって放電可能であり、充電エンジンは放電レートを制御する。パワーコネクタは、(たとえば、受電器デバイスの)受電器電池に分離可能に接続可能であり、パワーコネクタへの電池の放電が受電器電池を充電する。コントローラは、コントローラに送信される電池の状態についてのデータに応答して、電池をどれだけ速く放電するかについて充電エンジンに信号を送る。放電レートは、電池を損傷させることなく、または放電の安全性を損なうことなく、電池の放電レートおよび受電器電池の充電レートを最大にするように、電池の制限内で上げられ得る。
【0237】
電池
充電デバイスの電池は、電気化学セルを備える電池である。通常、電気化学セルは、金属酸化物、好ましくはニオブ含有金属酸化物を含む作用電極活性材料を有する。代替として、電気化学セルは、グラファイト、シリコン、SiOx(xは0から2)、またはLTOの粒子を含む、作用電極活性材料を有し得る。
【0238】
以下で説明されるように、電池は、充電エンジンおよびパワーコネクタと電気的に通信している。電池はコントローラとも通信している。上記のデータ送信ステップについて説明されたように、電池の状態についてのデータがコントローラに送信される。
【0239】
電池は複数の電気化学セルを指す。電気化学セルは作用電極を備える。作用電極は、たとえばリチウムイオン電池の中の、放電ステップの間のアノードまたはカソードであり得る。通常、作用電極は放電ステップの間のアノードである。
【0240】
通常、電気化学セルは対極および電解質をさらに備える。電気化学セルは集電板を備え得る。
【0241】
電気化学セルはリチウムイオンセルであり得る。
【0242】
対極は、たとえばリチウムイオン電池の中の、放電ステップの間のアノードまたはカソードであり得る。通常、対極は放電ステップの間のカソードである。
【0243】
複数のセルがある場合、これらは、直列に、または並列に、または直列のセルと並列のセルの混合で設けられ得る。
【0244】
電池は、任意の数のセルを備えてもよく、1つまたは複数のサブ電池からなっていてもよい。電池は、サブ電池が取り換え可能であるように、モジュール式システムであってもよい。
【0245】
電気化学セルは、少なくとも50回、100回、150回、200回、250回、300回、400回、500回、600回、700回、800回、900回、1000回、1200回、1500回、1800回、または2000回のサイクルにわたって維持される、10Cにおける少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の容量維持率を有し得る。
【0246】
電気化学セルは、少なくとも50回、100回、150回、200回、250回、300回、400回、500回、600回、700回、800回、900回、1000回、1200回、1500回、1800回、または2000回のサイクルにわたって維持される、20Cにおける少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の容量維持率を有し得る。
【0247】
好ましくは、充電器電池の最大の動作可能な放電レートは、受電器電池のより高い最大の動作可能な充電レートより高い。電池の最大の動作可能な放電レートは、容量維持率が、少なくとも50回、100回、150回、200回、250回、300回、400回、500回、600回、700回、800回、900回、1000回、1200回、1500回、1800回、または2000回のサイクルにわたって維持される、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるような、最大の放電レートである。好ましくは、最大の動作可能な放電レートは3C以上であり、好ましくは5C以上であり、より好ましくは10C以上である。
【0248】
いくつかの実施形態では、最大の動作可能な放電レートは3C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも70%であり、好ましくは5C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも70%であり、より好ましくは10C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも70%である。
【0249】
いくつかの実施形態では、最大の動作可能な放電レートは3C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも80%であり、好ましくは5C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも80%であり、より好ましくは10C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも80%である。
【0250】
いくつかの実施形態では、最大の動作可能な放電レートは3C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも90%であり、好ましくは5C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも90%であり、より好ましくは10C以上であり、このとき容量維持率は1000サイクルにわたって少なくとも90%である。
【0251】
電気化学セルは、電圧が閾値を通過すると完全に充電されたと見なされ得る。たとえば、リチウム金属のアノードおよびニオブタングステン酸化物のカソードを備える電気化学セルは、電圧がLi/Li+に対して2.0Vを上回る、たとえば2.25Vまたは2.5Vを上回る場合などの、実用的な水準を電圧が上回るとき、完全に充電されたと見なされてもよい。
【0252】
電気化学セルは、電圧が閾値を通過すると完全に放電されたと見なされ得る。たとえば、リチウム金属のアノードおよびニオブタングステン酸化物のカソードを備える電気化学セルは、電圧がLi/Li+に対して1.5Vを下回る、たとえば1.25Vまたは1.0Vを下回る場合などの、実用的な水準を電圧が下回るとき、完全に放電されたと見なされてもよい。
【0253】
電気化学セルは、複数の電気化学セルを備える電池も指し得る。電気化学セルは直列または並列に接続され得る。
【0254】
追加または代替として、充電器デバイス電池は、100Wh/L以上、好ましくは150Wh/L以上、より好ましくは200Wh/L以上のエネルギー密度を有し得る。
【0255】
作用電極
作用電極は、たとえばリチウムイオン電池の中の、放電ステップの間のアノードまたはカソードであり得る。好ましくは、作用電極は放電ステップの間にアノードである。作用電極は導電性であり、たとえば電気化学セル内で、対極に電気的に接続可能である。
【0256】
いくつかの実施形態では、作用電極はニオブ含有金属酸化物を含む。ニオブ含有金属は、Nb2O5多形体、NbO2、Nb2O3、またはこれらの組合せから選択され得る。
【0257】
ニオブ含有金属酸化物は、酸化ニオブと追加の金属酸化物の混合物(たとえば、アモルファス混合物)であり得る。適切な追加の金属酸化物には、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、または酸化アルミニウムがある。
【0258】
ニオブ含有金属酸化物は、酸化ニオブと追加の金属酸化物の化合物(たとえば、結晶構造を有する)であり得る。適切なニオブ含有金属酸化物には、ニオブタングステン酸化物(たとえばNb16W5O55またはNb18W16O93)、タンタルニオブ酸化物(たとえばTiNb2O7)、ニオブモリブデン酸化物(たとえばNb2Mo3O14)、またはこれらの組合せがある。
【0259】
適切なニオブタングステン酸化物には、Nb12WO33、Nb26W4O77、Nb14W3O44、Nb16W5O55、Nb18W8O69、Nb2WO8、Nb18W16O93、Nb22W20O115、Nb8W9O47、Nb54W82O381、Nb20W31O143、Nb4W7O31、またはNb2W15O50、またはこれらの組合せがある。
【0260】
いくつかの実施形態では、作用電極は、6:1から1:15のNb2O5対WO3のモル比を有するニオブ含有金属酸化物材料を含む。好ましくは、作用電極におけるNb2O5対WO3のモル比は8:5から11:20である。より好ましくは、作用電極におけるNb2O5対WO3のモル比は8:5から9:16である。
【0261】
いくつかの実施形態では、作用電極活性材料は、Nb16W5O55、Nb18W8O69、Nb2WO8、Nb18W16O93、Nb22W20O115、またはこれらの組合せを含む。好ましくは、作用電極は、Nb16W5O55もしくはNb18W16O93、またはこれらの組合せを含む。
【0262】
いくつかの実施形態では、作用電極は、グラファイト、Si、SiOx(xは通常は0から2)、LTO、またはこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、作用電極は基本的に、グラファイト、Si、SiOx(xは通常は0から2)、またはチタン酸リチウム(LTO)からなる。好ましくは、作用電極はこれらの化合物(たとえば、グラファイト)を微粒子の形状で含む。作用電極の粒子のサイズは知られていることがあり、またはSEMなどの標準的な技法を使用して決定されることがある。作用電極の粒子は、少なくとも1μmの一次粒子サイズを有し得る。一次粒子サイズは、個々の微結晶のサイズである。これは、微粒子系における最小の識別可能な区分である。たとえば、粒子は、少なくとも2μm、3μm、4μm、5μm、10μmの一次粒子サイズを有し得る。好ましくは、一次粒子サイズは、100μm、50μm、30μm、20μm、または10μm未満である。特定の粒子サイズはより高いリチウム拡散計数をもたらすことがあり、これは電気化学セルの高い放電レートを可能にする。
【0263】
グラファイト粒子は凝集して二次粒子を形成することがある。通常は、グラファイト粒子は、少なくとも5μmの凝集(二次)粒子サイズを有する。より好ましくは、凝集グラファイト粒子は、少なくとも10μm、15μm、20μm、25μm、または30μmの凝集粒子サイズを有する。
【0264】
任意選択で、作用電極は、ニオブタングステン酸化物と追加の活性材料の混合物を含む。追加の活性材料は追加の金属酸化物であり得る。たとえば、作用電極は、ニオブタングステン酸化物と、チタン酸リチウム(LTO;Li4Ti5O12)、チタンニオブ酸化物(たとえばTiNb2O7)、チタンタンタル酸化物(たとえばTiTa2O7)、タンタルモリブデン酸化物(たとえばTa8W9O47)、およびニオブモリブデン酸化物(たとえばNb2Mo3O14)から選択された追加の活性材料との混合物を含み得る。
【0265】
グラファイトも追加の活性材料として使用され得る。ニオブタングステン酸化物とグラファイトの混合物を含む作用電極は、製造するのが安いが、上で概説された有益な特性を保っている。
【0266】
好ましくは、作用電極は、ニオブタングステン酸化物とLTOの混合物を含む。ニオブタングステン酸化物とLTOの比は、重量比で95:5から5:95であり得る。たとえば、この比は、重量比で90:10から10:90、80:20から20:80、70:30から30:70、60:40から40:60であってもよく、またはニオブタングステン酸化物とLTOの比は重量比で1:1であってもよい。
【0267】
好ましくは、作用電極は基本的に、ニオブタングステン酸化物と追加の活性材料からなる。たとえば、作用電極は基本的に、ニオブタングステン酸化物とLTOの混合物からなる。
【0268】
通常、作用電極は多孔質構造も階層構造も持たない。たとえば、電極材料は、20m2・g-1未満、10m2・g-1未満、5m2・g-1未満、3m2・g-1未満、2m2・g-1未満、または1m2・g-1未満の固有の表面積を有し得る。電極材料の固有の表面積は知られていることがあり、または、N2吸収等温線分析およびBrunauer-Emmett-Teller(BET)理論などの標準的な技法を使用して決定されてもよい。
【0269】
代替として、作用電極は多孔質構造を有し得る。たとえば、作用電極は、少なくとも50m2・g-1、少なくとも60m2・g-1、70m2・g-1、80m2・g-1、90m2・g-1、100m2・g-1、150m2・g-1、200m2・g-1、300m2・g-1、または400m2・g-1の固有の表面積を有し得る。
【0270】
作用電極は、少なくとも0.1cm3・g-1、少なくとも0.2cm3・g-1、少なくとも0.4cm3・g-1、少なくとも0.5cm3・g-1、少なくとも0.7cm3・g-1、少なくとも0.8cm3・g-1、少なくとも0.9cm3・g-1、少なくとも1.0cm3・g-1、少なくとも1.5cm3・g-1、または少なくとも2.0cm3・g-1の細孔体積を有し得る。電極材料の細孔体積は知られていることがあり、または、N2吸収等温線分析およびBarrett-Joyner-Halenda(BJH)理論などの標準的な技法を使用して決定されることがある。
【0271】
多孔質作用電極は、少なくとも1nm、少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも20nm、少なくとも30nm、少なくとも40nm、少なくとも50nm、または少なくとも100nmの平均細孔サイズ(最大の断面積)を有し得る。
【0272】
多孔質作用電極はマクロ多孔質構造を有し得る。したがって、多孔質作用電極は、少なくとも200nm、少なくとも500nm、少なくとも1μm、または少なくとも5μmの最大の断面積を有する細孔を含み得る。
【0273】
電極材料の細孔サイズは知られていることがあり、または、走査型電子顕微鏡法(SEM)などの標準的な技法を使用して決定されることがある。作用電極は追加で、多孔質還元型酸化グラフェンなどの多孔質炭素を含み得る。
【0274】
多孔質炭素を含む電極は、一般に軽量で導電性があり、大きな細孔体積をもたらすことができ、これは、活性材料へのリチウムイオンおよび電子の高速な輸送を可能にできる。それらは、動作しているデバイスの電気化学的容量も増大させ得る。
【0275】
作用電極は追加で、還元型酸化グラフェン、ケッチェンブラック、またはSuper Pカーボンを含み得る。代替として、作用電極は階層構造を有し得る。たとえば、作用電極は追加で、階層還元型酸化グラフェン(rGO)を含み得る。
【0276】
好ましくは、作用電極は、微粒子の形状のニオブタングステン酸化物を含む。作用電極のニオブタングステン酸化物粒子のサイズは知られていることがあり、または、SEMなどの標準的な技法を使用して決定されることがある。作用電極のニオブタングステン酸化物粒子は、少なくとも1μmの一次粒子サイズを有し得る。一次粒子サイズは、個々の微結晶のサイズである。これは、微粒子系における最小の識別可能な区分である。たとえば、ニオブタングステン酸化物粒子は、2~100μm、好ましくは5~50μm、より好ましくは10~20μmなどの、少なくとも2μm、3μm、4μm、5μm、10μmの一次粒子サイズを有する。
【0277】
個々のニオブタングステン酸化物粒子は凝集して二次粒子を形成することがある。通常は、ニオブタングステン酸化物粒子は、少なくとも5μmの凝集(二次)粒子サイズを有する。より好ましくは、ニオブタングステン酸化物は、10~200μm、好ましくは20~100μm、より好ましくは30~50μmなどの、少なくとも10μm、15μm、20μm、25μm、または30μmの凝集粒子サイズを有する。
【0278】
追加の活性材料は、存在するとき、微粒子の形状であり得る。追加の活性材料粒子のサイズは知られていることがあり、またはSEMなどの標準的な技法を使用して決定されることがある。
【0279】
好ましくは、追加の活性材料粒子は、1μm以下の一次粒子サイズを有する。たとえば、追加の活性材料粒子は、800nm以下、750nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、または150nm以下の一次粒子サイズを有する。通常は、微粒子のチタン酸リチウムはこの範囲の粒子サイズを有する。
【0280】
ニオブタングステン酸化物と、上で説明された範囲内の粒子サイズを有する追加の活性材料との混合物を含む電極は、非常に高いCレートで、かつ非常に高い充電密度で、充放電され得る。
【0281】
作用電極における導電性を改善するために、通常は、導電性炭素材料(たとえば、カーボンブラック、グラファイト、ナノ粒子カーボンパウダー、炭素繊維、および/またはカーボンナノチューブ)が、作用電極材料に混ぜられる。代替として、導電性炭素材料は、作用電極材料へと塗布され得る。一実施形態では、作用電極は、より大きい酸化ニオブ粒子を包み得る、多孔質還元型酸化グラフェンなどの多孔質炭素を含む。
【0282】
通常は、作用電極は重量で1~5%のバインダーを含む。
【0283】
電極は基本的に、ニオブタングステン酸化物からなり得る。
【0284】
代替として、作用電極にバインダーまたは接着剤が混ぜられる。バインダーまたは接着剤のいくつかの例には、PVDF、PTFE、CMC、PAA、PMMA、PEO、SBR、およびそれらのコポリマーがある。
【0285】
通常は、作用電極は、板の形状であり得る銅またはアルミニウムの集電体などの集電体に固定される。
【0286】
いくつかの実施形態では、作用電極は、8:1:1の活性材料/炭素/バインダーという標準的な電極構成を使用する微粒子のニオブタングステン酸化物を含み、活性材料の負荷は2~3mg・cm2であり、リチウム対極に対する電極面積は1.27cm2であり、炭酸エチレン/炭酸ジメチル中の1.0M LiPF6を電解質として使用する。これらの条件のもとで、セルは、1000サイクルに対して10Cにおいて最大で150mA・h・g-1の容量を維持し、750サイクルに対して20Cにおいて最大で125mA・h・g-1の容量を維持し得る。
【0287】
これらの条件のもとで、ニオブタングステン酸化物は、298Kにおいて10-13~10-12m2・s-1の固体リチウム拡散計数(DLi)を有する。これは、1分の放電で約10μmの特性拡散長に相当する。
【0288】
いくつかの実施形態では、作用電極はニオブモリブデン酸化物を含む。作用電極は導電性であり、たとえば電気化学セル内の対極に電気的に接続可能である。通常は、作用電極は、6:1~1:3のNb2O5とMoO3のモル比を含む。好ましくは、作用電極におけるNb2O5とMoO3のモル比は1:3である。好ましくは、作用電極は、Nb2Mo3O14、Nb14Mo3O44、またはNb12MoO44から選択されるニオブモリブデン酸化物を含む。より好ましくは、作用電極はNb2Mo3O14を含む。
【0289】
作用電極は、多孔質構造も階層構造も持たないことがある。作用電極は、上で説明されたように、固有の表面積、細孔体積、および平均細孔サイズを有し得る。通常は、作用電極は、微粒子の形状のニオブモリブデン酸化物を含む。作用電極のニオブモリブデン酸化物粒子は、上で説明されたような一次粒子サイズまたは凝集粒子サイズを有し得る。
【0290】
対極
通常は、電気化学セルは対極を含む。対極は、たとえばリチウムイオン電池の中の、放電ステップの間のアノードまたはカソードであり得る。好ましくは、対極は放電ステップの間のカソードである。
【0291】
本明細書で説明されるように、複数の電池セルは1つまたは複数の電気化学セルを指す。
【0292】
作用電極に加えて、電気化学セルは、対極および電解質を含み、任意選択で、作用電極と対極との間に微多孔質のポリエチレンフィルムなどのセパレータを含む。
【0293】
対極の適切な材料には、リチウム金属酸化物などのリチウム含有またはリチウム挿入材料があり、金属は、Co、Fe、Ni、V、またはMn、またはこれらの組合せなどの遷移金属であり得る。対極材料のいくつかの例には、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC、LiNiMnCoO2、たとえばLiNi0.6Co0.2Mn0.2O2)、フルオロリン酸リチウムバナジウム(LiVPO4F)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(NCA、LiNiCoAl2)、リン酸リチウム鉄(LFP、LiFePO4)、およびマンガンベースのスピネル(たとえば、LiMn2O4)がある。一実施形態では、対極には実質的にバインダーがない。代替の実施形態では、対極にバインダーまたは接着剤が混ぜられる。バインダーまたは接着剤のいくつかの例には、PVDF、PTFE、CMC、PAA、PMMA、PEO、SBR、およびこれらのコポリマーがある。対極は、アルミニウム板などの集電基板に固定され得る。
【0294】
電解質
電解質は、リチウム(ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)、LiPF6、LiBF4、LiCIO4、リチウムトリフレート(LiTF)、またはリチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)などの、リチウム塩を含む。電解質は、室温、たとえば25℃において液体などの、液体の電解質であり得る。電解質は非水電解質であり得る。電解質は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、または炭酸エチルメチルなどの、環状炭酸塩または直鎖炭酸塩などの、非プロトン性極性溶媒を含み得る。
【0295】
適切な溶媒には、炭酸塩溶媒がある。たとえば、炭酸プロピレン(PC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸ブチレン(BC)、炭酸クロロエチレン、フルオロ炭酸塩溶媒(たとえば、炭酸フルオロエチレンおよび炭酸トリフルオロメチルプロピレン)、ならびに、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、および炭酸エチルプロピル(EPC)などのジアルキルカーボネート溶媒である。
【0296】
適切な溶媒には、スルホン溶媒もある。たとえば、メチルスルホン、エチルメチルスルホン、メチルフェニルスルホン、メチルイソプロピルスルホン(MiPS)、プロピルスルホン、ブチルスルホン、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、フェニルビニルスルホン、アリルメチルスルホン、メチルビニルスルホン、ジビニルスルホン(ビニルスルホン)、ジフェニルスルホン(フェニルスルホン)、ジベンジルスルホン(ベンジルスルホン)、ビニレンスルホン、ブタジエンスルホン、4-メトキシフェニルメチルスルホン、4-クロロフェニルメチルスルホン、2-クロロフェニルメチルスルホン、3,4-ジクロロフェニルメチルスルホン、4-(メチルスルホニル)トルエン、2-(メチルスルホニル)エタノール、4-ブロモフェニルメチルスルホン、2-ブロモフェニルメチルスルホン、4-フルオロフェニルメチルスルホン、2-フルオロフェニルメチルスルホン、4-アミノフェニルメチルスルホン、スルトン(たとえば、1,3-プロパンスルトン)、およびエーテル基を含むスルホン溶媒(たとえば、2-メトキシエチル(メチル)スルホンおよび2-メトキシエトキシエチル(エチル)スルホン)である。
【0297】
適切な溶媒には、シロキサンまたはシランなどのケイ素含有溶媒も含む。たとえば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、ポリシロキサン、およびポリシロキサン-ポリオキシアルキレン誘導体である。シラン溶媒のいくつかの例には、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、および2-(エトキシ)エトキシトリメチルシランがある。
【0298】
通常は、性能を改善するために、電解質に添加剤が含まれ得る。たとえば、炭酸ビニレン(VC)、炭酸ビニルエチレン、炭酸アリルエチル、炭酸t-ブチレン、酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、アクリル酸ニトリル、2-ビニルピリジン、マレイン酸無水物、ケイ皮酸メチル、炭酸エチレン、ハロゲン化炭酸エチレン、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン、クロロギ酸メチル、1,3-プロパンスルトン、亜硫酸エチレン(ES)、亜硫酸プロピレン(PS)、亜硫酸ビニルエチレン(VES)、亜硫酸フルオロエチレン(FES)、12-クラウン-4-エーテル、二酸化炭素(CO2)、二酸化硫黄(SO2)、および三酸化硫黄(SO3)である。
【0299】
電気化学セルは、作用電極と対極との間に配置される固体の多孔質膜などの、セパレータも含み得る。固体の多孔質膜が、部分的にまたは完全に液体の電解質を置き換えてもよい。固体の多孔質膜は、ポリマー(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらのコポリマー)、または遷移金属酸化物(たとえば、チタニア、ジルコニア、イットリア、ハフニア、またはニオビア)などの非有機材料、またはガラス繊維の形態であり得るケイ素酸化物などの典型元素金属酸化物を含み得る。
【0300】
固体の非多孔質膜は、リチウムイオン導体を含み得る。たとえば、LLZO(柘榴石族)、LSPO(LISICON族)、LGPS(チオLISICON族)、LATP/LAGP(NASICON族)、LLTO(灰チタン石族)、およびリン化物/硫化物ガラスセラミックスである。
【0301】
パワーコネクタ
充電デバイスはパワーコネクタを含む。パワーコネクタは、受電器電池に分離可能に接続可能である。充電デバイスと外部デバイス(たとえば、受電器デバイス電池または電源)との間の電気的連絡を可能にする限り、任意の適切なパワーコネクタが使用され得る。パワーコネクタは、通常はEVの電池を充電するために使用されるタイプのDC高速充電口を含み得る。これは、たとえばDC高速充電ステーションから、DC電力を充電デバイスに提供する。代替または追加のパワーコネクタは、家庭の電気コンセントまたは低電力AC充電ステーションから充電デバイスを低速充電するために使用され得る、AC電力入力である。DC電力入力は、低電力AC充電ステーションからも、またはDC電力の代わりに、AC電力を提供するようになされ得る。
【0302】
適切なパワーコネクタの例には、BS 1363 3ピン(長方形)規格、BS 546 3ピン(丸)、CEE 7 2ピン規格、中国のGB 2099.1-2008およびGB 1002-2008規格、米国のIEC 60906-2 2ピン規格、RAM 2073および2071(タイプI)、S/NZS 3112(タイプI)などの、家庭用のプラグおよびソケット接続がある。適切な接続のさらなる例には、タイプ1単相AC、タイプ2三相AC、CCS(コンバインド充電システム)、またはCHAdeMOなどの、EV充電器プラグおよびソケット接続がある。
【0303】
パワーコネクタは、充電デバイスから受電器電池を充電するために、受電器電池(たとえば、受電器デバイス電池)に接続するためのものである。パワーコネクタが受電器電池への接続のためのものであるとき、それは電力出力と呼ばれることがある。電力出力は通常、電池を放電するためのものである。
【0304】
電力出力は、充電デバイスの電池を放電することによって、充電デバイスから受電器デバイスに電力を届ける任意の適切な手段であり得る。電力出力は、従来の充電ケーブルまたは誘導性充電などの、任意の適切な接続によって、受電器デバイスに接続可能である。
【0305】
パワーコネクタはまた、充電デバイス電池を充電するために、電源に接続するためのものであり得る。パワーコネクタが電源に接続するためのものであるとき、それは電力入力と呼ばれることがある。電力入力は通常、電池を充電するためのものである。電力入力は、充電デバイスの電池を充電するために、電力を充電デバイスに供給する任意の適切な手段であり得る。通常、電力入力は、家庭の電源、家庭の車充電器(たとえば、「wall box」)、またはEV充電ステーションなどの、商用電源に接続可能である。
【0306】
AC電力またはDC電力などの、任意の適切な電力入力または電力出力が使用され得る。入力電力は、三相AC電力(たとえば、家庭の電源からの)であってもよく、またはDC直接接続(たとえば、EV充電ステーションからの)であってもよい。好ましくは、電力出力はDC電力である。
【0307】
いくつかの実施形態では、パワーコネクタは、分離可能な電力入力および電力出力コネクタを含む。好ましくは、電力出力はDCコネクタである。好ましくは、電力入力はACまたはDCコネクタであってもよく、より好ましくは、電力入力はDCコネクタである。電力入力または出力は、CCSコネクタなどの切り替え可能なACおよびDCコネクタであってもよい。
【0308】
いくつかの実施形態では、パワーコネクタは、一体型の電力入力および電力出力を含む。この実施形態では、電池の充電と放電に単一のパワーコネクタが使用される。好ましくは、一体型の電力入力および電力出力は、切り替え可能なACおよびDCコネクタである。充電エンジンは双方向性であり得る。
【0309】
いくつかの実施形態では、パワーコネクタは、電源および/または受電器電池が接続されているかどうかを検出するためのセンサを備える。光センサまたはパワーコネクタにわたる電圧計/オーム計などの、任意の適切なセンサが使用され得る。通常は、センサは、パワーコネクタに何かが接続されているときにコントローラに信号を送るために、コントローラと通信している。
【0310】
いくつかの実施形態では、パワーコネクタは、電源または受電器電池と通信するための、データコネクタを備える。任意の適切なデータコネクタが使用されてもよく、これが、充電デバイスの電力コントローラに、および/または、充電デバイスの電力コントローラから接続されている電源もしくは受電器電池に、データを移すことができる。
【0311】
充電エンジン
充電デバイスは充電エンジンを含む。
【0312】
充電エンジンは、電池およびパワーコネクタと電気的に通信している。充電エンジンはコントローラと通信している。通常は、充電エンジンは、パワーコネクタへ/からの電池の放電レートおよび/または充電レートを制御する。レートは、コントローラからの信号に基づいて変更される。
【0313】
充電エンジンは、電池の状態または放電(または充電)レートなどについてのデータなどのデータをコントローラに送信し得る。データは、上のデータ送信ステップについて説明された通りである。
【0314】
充電エンジンは、データを測定する手段を備え得る。データを測定する任意の適切な手段が使用され得る。たとえば、電圧は電圧計を使用して測定されてもよく、電流は電流計によって測定されてもよく、抵抗はオーム計によって測定されてもよく、温度は熱電対によって測定されてもよく、絶縁抵抗は高入力インピーダンスオーム計によって測定されてもよく、充電率、バランシング状態、および電力利用可能性は、電圧計または電流計によって(たとえば、「クーロン計数法」)によって測定されてもよい。
【0315】
充電エンジンは、電気通信などの任意の適切な手段によって、データをコントローラに送信し得る。
【0316】
データは、充電エンジンの測定デバイスにおいて処理され、コントローラに送信され得る。代替として、処理されていないデータが充電エンジンからコントローラに送信されてもよく、データがコントローラにおいて処理されてもよい。
【0317】
充電エンジンは、電力入力および電力出力に含まれ得る。いくつかの実施形態では、電力入力および電力出力のために別個の充電エンジンが使用される。他の実施形態では、電力入力および電力出力と両方のために同じ充電エンジンが使用され、好ましくは充電エンジンは双方向性である。
【0318】
充電エンジンはゲートドライバを含み得る。通常は、適切なゲートドライバはレベルシフタおよび増幅器を含む。
【0319】
充電エンジンは電力調整システムを含み得る。適切な電力調整システムが当技術分野において知られている。電力調整システムは、サージ検出器、周波数補正器、または電圧補正器を含み得る。通常は、電力調整は電力の変動を滑らかにし、または減らす。
【0320】
充電エンジンは、インバータ(すなわち、直流(DC)を交流(AC)に変える)またはコンバータ(すなわち、ACからDC、またはDCからDC)を含み得る。適切なインバータまたはコンバータが当技術分野において知られている。通常は、DC-DCコンバータが充電エンジンに含まれる。降圧コンバータ、昇圧コンバータ、または昇降圧コンバータなどの、適切なDC-DCコンバータが当技術分野において知られている。変圧器などの、適切なAC-ACコンバータが当技術分野において知られている。
【0321】
DC電力(たとえば、DC高速充電器からの)は、パワーコンディショナを通され得る。このパワーコンディショナは、適切な電力調整を行い、パワーコネクタから受け取られる電圧を適宜変換し得るので、電力調整を行うために、昇圧DC-DCコンバータ、降圧DC-DCコンバータ、もしくは昇降圧DC-DCコンバータを組み込み、またはそれらに接続され得る。
【0322】
AC電力(たとえば、家庭の電源からの)は、電池を充電するためにAC/DC充電エンジンを通され得る。AC/DC充電エンジンは、あらゆる必要とされる変換および電力調整を行う。
【0323】
いくつかの実施形態では、充電エンジンは双方向性である。充電エンジンは、本明細書で説明されるように電力の入力と出力を調整するために使用され得る。
【0324】
いくつかの実施形態では、充電エンジンは迂回され得るので、パワーコネクタは電池に直接接続される。ゲートドライブ、パワーコンディショナ、コンバータ、またはインバータなどの、充電エンジンのいくつかの部分が迂回され得る。この迂回は制御可能であり得るので、コントローラは、充電エンジンのどの部分が使用され、どの部分が迂回されるかを制御することができる。たとえば、入力がDC入力であるとき、コントローラは充電エンジンのコンバータを迂回してもよく、または出力がDCであるとき、コントローラは充電エンジンのインバータを迂回してもよい。
【0325】
充電エンジンはまた、電池に含まれる個々の電気化学セルまたはそのグループの放電レート(または充電レート)を調節し、それにより電池の電気化学セルのバランシングを行い得る。
【0326】
充電エンジンはまた、電池に含まれる個々の電気化学セルまたはそのグループの充電率(たとえば、電圧)についてのデータを送信し得る。このデータは次いで、電池の中のセルのバランシングを行うためにコントローラによって使用されてもよく、これはあらゆる個々のセルの過電圧または低電圧の量を減らし、これはセルへの潜在的な損傷を減らす。
【0327】
充電エンジンはさらに、電池管理システム(BMS)を備え得る。通常は、BMSは電池と電気的に通信している。BMSは電池の一部であり得る。通常は、BMSは、個々の電気化学セルまたはそのグループの放電と充電、セルのバランシングを制御し、セルおよび/または充電エンジンについてのデータを測定する。本明細書で説明されるように、BMSは充電エンジンと似た構成要素を含み得る。
【0328】
コントローラ
充電デバイスはコントローラを含む。コントローラは、電池と通信しており、電池の状態についての送信されるデータを受信する。コントローラはまた、充電エンジンと通信しており、電池の状態についてのデータを受信し得る。コントローラは、電池および充電エンジンからのデータに応答して、電池の放電レートを制御するように充電エンジンに信号を送る。コントローラは、放電レートを3C以上のレートに上げる。
【0329】
コントローラは、電池および充電エンジンから送信されるデータを受信する。データは、放電の間に電池の状態を示すために使用され得るものである。データは、電池がより高いレートで放電され得るかどうかを決定するために使用され得る。
【0330】
いくつかの実施形態では、電池電圧、電池温度、電池絶縁抵抗、放電電流、電気化学セルの充電率、電気化学セルのバランシング状態、および電池の電力利用可能性の少なくとも1つを備えるリストから、データが選択される。
【0331】
いくつかの実施形態では、データは、電圧、電流、および温度を含む。
【0332】
データおよびデータ送信の頻度は、上のデータ送信ステップについて説明された通りである。
【0333】
コントローラは、放電レート(または充電レート)を調節することによってデータに応答する。通常は、コントローラは、電池の状態についてのデータを許容可能範囲と比較し、放電レートが上げられるべきであるか下げられるべきであるかを決定する。データが許容可能範囲内にある場合、放電レートは上げられ、または、データが許容可能範囲外にある場合、放電レートは下げられる。コントローラは、放電レートを上げるかまたは下げるかについて、充電エンジンに信号を送り得る。
【0334】
コントローラは、放電レートを3C以上のレートに上げる。好ましくは、コントローラは、5C以上、好ましくは10C以上、より好ましくは20C以上のレートに放電レートを上げる。代替として、コントローラは、1500mW・g-1以上、好ましくは1800mW・g-1以上、より好ましくは2100mW・g-1以上の電力密度に放電レートを上げる。
【0335】
第1の実施形態において、電池の放電レートは、充電器電池の充電レートより低い放電レートに上げられる。
【0336】
第2の実施形態において、電池の放電レートは、受電器電池の充電レートより高い放電レートに上げられる。
【0337】
充電レートおよび放電レートは、上の充電レートおよび放電レートのセクションにおいて説明された通りである。
【0338】
コントローラは、上のレート調節ステップについて説明されたような機能を実施するように構成される。許容可能範囲は、レート調節ステップについて上で説明された通りである。
【0339】
コントローラは、充電器デバイス電池の充電と放電を開始して停止し得る。コントローラは、充電と放電を開始および/または停止するための信号を受信し得る。
【0340】
信号は、受電器デバイス、ユーザインターフェース、または別の入力からのものであり得る。コントローラは、充電または放電を開始するために、電力入力または電力出力への接続がいつ行われるかを検出し得る。コントローラは、充電または放電を止めるために、接続が電力入力または電力出力からいつ取り外されるかを検出し得る。
【0341】
コントローラは、受電器電池から送信されるデータを受信し得る。データは、充電器デバイスの電池からコントローラに送信されるものと同じであり得る。コントローラは、データを受信し、そして、受電器からのデータに基づいて、電力をどのように出力するかについて充電エンジンに信号を送り得る。
【0342】
コントローラは電源から送信されたデータを受信し得る。データは、電源がAC電力を提供するかまたはDC電力を提供するか、電力の電圧、周波数(AC電力に対して)、電力の電流を含み得る。コントローラは次いで、電源からのデータに基づいて、入力電力をどのように扱うかについて充電エンジンに信号を送り得る。
【0343】
コントローラはまた、電池に含まれる個々の電気化学セルまたはそのグループの充電率(たとえば、電圧)についてのデータを受信し得る。このデータは次いで、電池のセルのバランシングを行うためにコントローラによって使用されてもよく、これは、あらゆる個々のセルの過電圧または低電圧の量を減らし、これはセルへの起こり得る損傷を減らす。通常は、コントローラは、電池が放電している間にセルのバランシングを行い、これは、セルのバランシングの改善により電池へのストレスが減るので、電池の放電レートを改善することができる。
【0344】
使用法
第3の態様において、電動輸送機関、無停電電源装置、またはモバイルコンピューティングデバイスを充電するための第2の態様のデバイスの使用法が提供される。
【0345】
電動輸送機関(EV)は、自動車、モペッド、またはトラックなどの道路車両、列車またはトラムなどの鉄道車両、電動自転車(e-bike)、ドローン、電動航空機、および電動またはハイブリッド船を含み得る。好ましくは、第2の態様のデバイスの使用法は、道路車両、より好ましくは自動車を充電するためのものである。
【0346】
同様に、第2の態様のデバイスの使用は、電動ドリルもしくは電動のこぎりなどの電動工具、芝刈り機もしくは草刈り機などのガーデンツール、歯ブラシもしくはヘアドライヤーなどの家電機器、自動手術ロボットもしくはペースメーカーなどの医療デバイス、または、ラップトップ、タブレット、および携帯電話などのモバイルコンピューティングデバイスの電池を充電するためのものであり得る。好ましくは、第2の態様のデバイスの使用法は、ラップトップ、タブレット、および携帯電話などのモバイルコンピューティングデバイスを充電するためのものである。
【0347】
第2の態様のデバイスの使用法はまた、無停電電源装置または電力系統管理システムを充電するためのものであり得る。
【0348】
図面の詳細な説明
図1aは、受電器[12]に接続される充電器[11]を示す。接続[17]は、たとえば従来の充電ケーブルまたは誘導性「ワイヤレス充電」パッドを使用する、有線接続またはワイヤレス接続であり得る。各デバイス[11、12]はコントローラ[15、16]も含み、これは電池[13、14]を監視し、適宜、かつ以下でさらに説明されるように充電および放電を制御する。両方のデバイス[11、12]が、わかりやすくするためにここには示されていないさらなる構成要素または接続を有し得る。
【0349】
たとえば、充電器[11]は、規格BS 1363に従った3ピンプラグコネクタなどのAC商用電源接続、監視用LED、および複数の充電出力、ならびに、たとえば0.1C未満のレートで系統電力、すなわち商用電源で低速充電される内部電池[13](すなわち、0%の充電率から100%の充電率まで充電するのに少なくとも10時間かかる)を伴う、壁コンセントに挿す充電器であり得る。低速充電はUSBなどの低速充電接続を通じて行うことができ、充電器[11]の電池[13]の使用は、充電器の電池[13]に貯蔵されている電力が必要になる前に、たとえば、エネルギー価格が安い時間帯に、またはソーラーパネルもしくは安定的に電力を提供しない別の発電方法を通じて、充電を可能にする。
【0350】
したがって、充電器[11]は、完全に充電された内部電池[13]を有するものとして示され、受電器[12]は、充電器[11]の電池[13]からの電力の移動を通じて充電される枯渇した内部電池[14]を有するものとして示される。
【0351】
このタイプのシステムの例示的な使用法は、ドリルなどの産業用デバイスまたは工具の工具電池である。この例では、受電器[12]として振る舞う工具電池は、従来の再充電可能電池システムの場合のように充電の完了に数時間待つ必要なく、充電器[11]に接続されて極めて高速に充電され得る。これは、ドリルの使用可能時間を増やし、余剰の電池の必要性を減らす。
【0352】
別の例では、充電器[11]は、スマートフォン、ワイヤレスヘッドフォンもしくはイヤーバッズ、または他のそのような小型のポータブル電子デバイスなどの個人向けデバイスにバックアップ電力を提供するために一般的になっているような、バックアップ電池であり得る。従来は、そのようなバックアップ電池は、一体型のソーラーパネルを伴うバックアップ電池を通じて、USBを介して数時間かけて充電される。従来は、使用するために、バックアップ電池はやはり一般にUSBを介して個人向けデバイスに接続されなければならず、充電が完了するまで2つのデバイスが一緒に持ち運ばれなければならず、ユーザにとって極めて不便である。バックアップ電池が
図1aに示されるシステムの充電器[11]として振る舞い、一方で個人向けデバイスが受電器[12]として振る舞う場合、再充電が極めて高速に行うことができ、ユーザの利便性を大きく上げる。
【0353】
図1aに示されるシステムの第3の例示的な実施形態は、電動輸送機関(EV)の充電ステーションである。従来は、充電ステーションは、電力系統に直接接続され、充電に必要とされるときに電力を引き込む。これは、充電ステーションの総電力出力を、瞬間的に系統により提供される電力に制限するので、任意のある時間において接続され得るEVの数を制限し、電力スパイクを引き起こすことがあり、様々な時間帯におけるより安い電気料金、ならびにソーラーパネルまたは風力タービンなどの安定して電力を提供しないことがある再生可能電源を充電ステーションが活用する能力を下げる。さらに、従来の充電は遅く、EVのいわゆる「高速充電」は現在、最低でも30分を必要とする。
図1aに示されるものなどのシステムでは、充電器[11]として振る舞う充電ステーションは、電力需要が低下する時間帯に充電される電池[13]、より安い電源、または再生可能資源からの電源を組み込むことができ、そして、受電器[12]として振る舞うEVの内部電池は、充電ステーションにおいて電池[13]から高速に充電され得る。
図1aに示されるシステムの第4の例示的な実施形態では、充電器[11]は、燃料電池、従来のディーゼル駆動発電機、原子炉、または同様のものなどの、任意の他の電力源に接続される高速充電デバイスであり得る。そのような電力源はそれ自体では高速充電が可能ではないので、本発明によるシステムの充電器[11]の電池が、個人向け電子デバイス、EV、産業用機械などであり得る受電器[12]に高速充電を提供するために使用され得る。
【0354】
上の実施形態で説明された工具電池、個人向けデバイス、およびEVなどのデバイスは移動デバイスの例であり、これらは持ち運び可能であり、電力源へと持ち込むことができる。したがって、移動デバイスである受電器[12]を充電のために充電器[11]に持ち込むのがより便利である。逆に、動かすことができず、あらゆる内部電池を充電するために電力源を持ち込まなければならない産業用機械または科学機器などのデバイスは、固定デバイスと記述され得る。固定デバイスである受電器[12]は、キャリア[18]を使用して最も便利に充電することができ、キャリア[18]は、充電器[11]で充電して受電器[12]に持ち込むことができ、
図1bにおいてさらに説明される。
【0355】
同様に、
図1aに示されるものなどのシステムでは、充電器[11]も、固定デバイスまたは移動デバイスであり得る。この場合、上の第2の実施形態において説明されるバックアップ電池などのデバイスは移動デバイスであり、これは持ち運び可能であり、あらゆる位置で充電を行うために使用でき、それが内部電池を含むという事実を完全に活用する。第1の実施形態により提案されるような壁コンセントに挿す充電器などのデバイス、または第3の実施形態において説明されるようなものなどの充電ステーションは、電力源として振る舞うために受電器[12]へと移動させるのが難しく、または不可能であるので、固定デバイスである。移動デバイスである充電器[11]は、
図1bにおいてさらに説明されるように、キャリア[18]としても具現化され得る。
【0356】
図1bはキャリア[18]に接続される[17a]充電器[11]を示し、キャリアは次いで、受電器[12]に接続される[17b]。
図1aのように、接続[17]は、有線であるかワイヤレスであるかにかかわらず、電荷を運び、または誘導することが可能な任意のタイプの接続であり得る。
【0357】
すべての3つのデバイス[11、12、18]が、高いCレートで充放電するように動作可能な内部電池[13、14、19]を有し、Cレートはシステムを通じて増大する。すなわち、キャリア[18]は、充電器[11]がキャリアを充電できるCレートよりも高いCレートで充電されることが可能であり、そして、受電器[12]は、キャリア[18]が受電器を充電できるCレートよりも高いCレートで充電されることが可能である。このCレートの比は場合によっては、システム全体で極めて高速な名目充電レートを可能にする。
図1aに示される充電器[11]および受電器[12]と同様に、
図1bの充電器[11]、キャリア[18]、および受電器[12]はすべて、それぞれの内部電池[13、14、19]を監視して充放電のプロセスを適宜制御するための電池コントローラ[15、16、110]を備えている。
【0358】
この連鎖は複数のキャリア[18]で拡張され得る。
【0359】
このシステムの例示的な実施形態は、固定デバイスである充電器[11]の例である、内部電池を伴う商用電源接続充電器を含む。この充電器は、キャリア[18]の例であるポータブル電池パックを充電するために使用され、これは次いで、固定デバイスである受電器[12]の例である、商用電源に簡単に接続できない産業用機器または科学機器の1つまたは複数の内部電池[14]を充電するために使用され得る。当然、これも前に言及された例示的な使用事例の1つに拡張され得る。
【0360】
好ましくは、充電器[11]の電池[13]は、ニオブ酸化物、またはニオブ金属酸化物などの、ニオブベースの材料を含む作用電極(放電ステップの間のアノード)を有するセルからなるが、これは必須ではなく、電池[13]は、限定はされないが、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、またはリチウムイオン電池を含む、任意の充電可能電池であり得る。
【0361】
キャリア[18]または受電器[12]のいずれかである、充電されているデバイスの電池[14/19]は、ニオブベースの材料、ニオブ酸化物、またはニオブ金属酸化物を含む作用電極(放電ステップの間のアノード)を有するセルからなり、国際公開第2019/234248号において記述されるように、そのような材料の電気化学的特性により高いCレートを可能にする。すべての場合において、電池[13、14、19]の対極(放電ステップの間のカソード)は、任意の適切な材料からなり得る。
【0362】
両方のまたはすべての電池[13、14、19]の作用電極(放電ステップの間のアノード)におけるニオブベースの材料の使用は、充電器[11]またはキャリア[18]の電池[13/19]の放電についての電圧プロファイルが、キャリア[18]または受電器[12]の電池[19/14]の充電についての電圧プロファイルと対称になることを可能にする。電圧プロファイルは、電流がなく電位が平衡している場合のセルの対極と作用電極との電位差を意味する電池の開回路電圧(OCV)と、電池の残容量を意味する電池の充電率(SOC)との関係に基づく。放電についての電圧プロファイルは、充電されたセルを100%の充電率から0%の放電率に放電し、放電プロセスの間の電池のOCVを決定することによって、決定され得る。同様に、充電についての電圧プロファイルは、放電されたセルを放電状態(0%の充電率)から完全充電状態(100%の充電率)に充電し、充電プロセスの間に電池のOCVを決定することによって決定され得る。OCVと充電率のプロットをとることで、電圧プロファイルが得られる。2つの接続されている電池の化学的特性が同一である場合でも、放電および充電についての電圧プロファイルは、赤外放射によるエネルギーの避けられない損失により同一ではないが、0.01ボルト以内、好ましくは0.005ボルト以内、さらに好ましくは0.001ボルト以内の類似性が、効率的な電荷の移動を可能にする。したがって、この閾値の範囲内にある対称的な電圧プロファイルは、同じものとして扱われ得る。
【0363】
図2は、充電器[11]のコントローラ[15]のより詳細なブロック図を示す。それは、システムコントローラ[21]、電力調整システム[22]、および電池管理システム(BMS)[23]を備える。
図1aに示されるように、コントローラ[15]は、充電器[11]の内部電池[13]に接続される。充電器[11]はさらに充電エンジン[24]を備え、これは、内部電池[13]に接続され、放電速度を、したがって受電器[12]の電池[14]の充電レートを最大にするために、外へ向かう電力を制御する。
図1aに示されるように、充電器[11]は受電器[12]に接続される。
【0364】
コントローラ[15]のエンジンのうち、システムコントローラ[21]が、任意のユーザインターフェースからの命令を制御して受信し、充電セッションおよび放電セッションの開始と終了などの命令を実施する。システムコントローラはまた、システム診断のためにセッションデータのログを取り、熱制御および通信などのシステム全体のリソースを制御し、充電器[11]内の他のエンジンおよびシステムの対話を制御し得る。たとえば、システムコントローラは、電力調整システム[22]と通信して、充電電流レベルおよび動作モードを管理する。たとえば、電力調整システム[22]が昇降圧コンバータを含む場合、システムコントローラ[21]は、電流が増やされるかまたは減らされるかを制御し得る。
【0365】
したがって、電力調整システム[22]は、内部電池[13]の充放電のための制御可能な電流源として振る舞い、この目的で昇圧回路、降圧回路、または昇降圧回路を組み込み得る。電力調整システムは、接続された受電器[12]またはキャリア[18]の要求を考慮するために、電池[13]の充電の間は迂回モードで動作し、放電の間は電力調整のために動作し得る。前に言及されたように、電力調整システムは、命令を受け取り、充電セッションを管理し、リアルタイムの診断情報を報告するために、システムコントローラ[21]に接続され得る。
【0366】
BMS[23]は、セルの電圧と温度、絶縁抵抗、バスの電圧と電流、充電率、健全度、バランシング、および電力利用可能性のいずれかまたはすべてについてのリアルタイムの診断情報を取得するために、内部電池[13]を備えるセルを監視する。BMSはさらに、または代わりに、クーロン計数法、バランシング制御、故障および安全管理、ならびにコンタクタ制御およびシーケンシングを実行し得る。
【0367】
同様のシステムもキャリア[18]のコントローラにおいて提供されてもよく、これも、充電モードで動作するときに制御を必要とする。受電器[12]のコントローラ[16]はBMS[23]を備え、他のエンジン[21、22]のいずれをも備えない可能性が高いが、制御または情報入力を必要とするユーザインターフェースまたは他のエンジンが受電器[12]にある場合には特に、充電電流および/またはシステムコントローラ[21]を制御するために電力調整システム[22]も有することがある。この機能は、その複雑さに応じて、受電器[12]として振る舞うデバイスの他のコントローラまたはエンジンによって実施され得る。
【0368】
図3aおよび
図3bは、
図2に示されるエンジンの例示的な詳細図を示す。これらのうち、
図3aは、充電エンジン[24]およびシステムコントローラ[21]の詳細図を示し、それらがシグナリングのためにどのように相互接続されるかを、電池[13]および電力調整システム[22]へのそれらの接続とともに示す。
図3bは、電力調整システム[22]、BMS[23]、および内部電池[13]の詳細図を示し、電力および信号の交換のためにそれらがどのように相互接続されるかを、商用電源、充電エンジン[24]、およびシステムコントローラ[21]へのそれらの接続とともに示す。
【0369】
図3aにおいて、充電エンジン[24]は、受電器[12]に高速充電を提供しゲートドライブ[32]のパワースイッチによって制御される、DC-DC充電器[31]を備える。充電エンジン[24]は、電力段コントローラ[33]および高速充電コントロール[34]によって制御され、それらの両方が、充電を最適化するための信号をシステムコントローラ[21]から受信する。電力段コントローラ[33]はさらに、過熱または他の起こり得る損傷を避けながら充電プロセスの速さを最大にするために、DC-DC充電器[31]から電圧、電流、および温度の情報を受信し、それに従ってコマンドをゲートドライブ[32]に送信する。一緒に、これらのエンジンおよびコントローラは、充電器[11]の内部電池[13]と受電器[12]の内部電池[14]との間の電力移動を制御し、高速充電を可能にする。
【0370】
前に言及されたように、システムコントローラ[21]は、それを制御してユーザ入力を適宜受け取るために、ユーザインターフェース[39]に接続される。システムコントローラ[21]はさらに、充電/放電セッション管理ブロック[38]を通じて充放電セッションを開始して終了することなどの命令を実施し、システム診断/データロギングブロック[37]を通じてシステム診断のためのセッションデータのログを取り、サブシステム監視および通信ブロック[36]を通じて熱制御および通信などのシステム全体のリソースを制御し、サブシステム制御ブロック[35]を通じて充電器[11]内の他のエンジンおよびシステムの対話を制御する。
【0371】
図3bを見ると、電力調整システム[22]は、この例では、2つのあり得る充電源に接続される。第1の充電源は、たとえば家庭の壁のコンセントに接続するための、従来の三相AC系統入力[311]である。第2の充電源は、規格EN 62196-3(CCS2接続)において記述されるようなコンバインド充電システム「Combo 2」接続などの、電池デバイスを充電するために設計された高速充電DC直接接続[310]である。電力調整システム[22]自体が様々な変換エンジン[312]を含み、これらは、電池[13]を充電するのに適したDC電力へと三相系統接続[311]からのAC電力を変換し、さらに、たとえば充電器[11]の内部エンジンを動作させるための補助電力を提供するために、DC電力を様々な電圧に変換する。DC高速充電器接続[310]は電池[13]に直接接続されるものとして示されており、それは、これがそれを目的に設計されているからである。変換エンジン[311]を制御するための信号をシステムコントローラ[21]から受信する、制御バスもある。
【0372】
BMS[23]は、システムコントローラにも、さらに、前に言及されたように、1つまたは複数のセルからなる電池[13]とのインターフェース[314]にも接続される。BMS[23]は、インターフェース電子装置[314]によって検出された電圧、電流、および温度のデータに基づいて、電池[13]を構成するセルのバランシングを行う。電池[13]はさらに保護回路[315]に接続され、これは、ヒューズを含み、充電の間の起こり得るスパイクから電池[13]を保護するためのバッファとして振る舞う。
【0373】
図4は、充電器[11]および受電器[12]、充電器[11]およびキャリア[18]、またはキャリア[18]および受電器[12]の任意の2つが充電のために接続されるときに行われ得る、プロセスの簡略化されたバージョンを示す。前に言及されたように、この接続[17]は、電荷を移動させるのに適した任意の媒体を介したものであり得る。
【0374】
この説明の目的で、使用される例示的なシステムは、
図1aに示されるものなどのシステムにおける受電器[12]の例であるEVへの迅速なDC-DC充電接続として振る舞うように設計されたCCS2接続[17]を介して接続される、充電器[11]の例であるEV充電ステーションである。したがって、以後、
図1aの参照番号が、充電ステーション(充電器[11])、EV(受電器[12])、およびそれらの構成部品を指すために使用される。しかしながら、これは例にすぎず、デバイスの具体的な効用と数のいずれに関しても本開示を限定しない。充電ステーション[11]のコントローラ[15]によって実施されるプロセスの部分は、
図2、
図3a、および
図3bを参照して説明される。
【0375】
ステップS41において、充電ステーション[11]の内部電池[13]が充電される。本発明の利益の1つは、これが、
図3bに示される三相系統接続[311]およびDC高速充電接続[310]により示唆されるような、任意の電力供給方法を使用して、任意の時間に行われ得るということである。たとえば、充電ステーション[11]の経営者が、需要が少ない夜間により低価格で電力を供給する電気料金を提供する場合、電池[13]は夜間に商用電源から充電され得る。代替として、充電ステーション[11]は、その性質により適当な状況においてのみ電力を供給し、その量が変動するような、ソーラーパネルまたは風力タービンを備えていることがある。そうすると、電池[13]は、日照があるとき、または風が吹いているときに充電され、得られた電力が必要とされるまでそれを保持してもよい。
【0376】
前に言及されたように、充電プロセスは、システムコントローラ[21]およびBMS[23]によって制御され、これらは、入ってくる電荷の性質を決定し、電池[13]が安全に充電されることを確実にする。いくつかの状況では、これは、たとえば、電力源からの電流が非常に少なく、電池[13]を適切に充電するために電流を増やさなければならないような低速充電において、電力調整システム[22]を活動させることを伴う。代替として、入ってくる電荷は、DC高速充電器接続[310]に関して言及されたように、電力調整システム[22]を迂回してもよい。
【0377】
ステップS42において、EV[12]は、従来の方法でCCS2接続[17]を介して充電ステーション[11]に接続される。充電ケーブルの物理的な接続は、充電を触発するように振る舞う。充電ステーション[11]のコントローラ[15]の中のシステムコントローラ[21]は、充電についてのEVの内部電池[14]の最大のCレート、および、本発明の方法に従って高速充電が可能であるかどうかを決定し、これは、EV電池[14]が充電されることが可能なCレートを充電ステーション電池[13]が放電されることが可能なCレートと比較することを含む。これは、接続[17]にわたるEV[12]のコントローラ[16]からの信号を使用して行われ得る。EV電池[14]の充電Cレートが充電ステーション電池[13]の放電Cレート以上である場合、本発明のシステムが使用され得る。それ以外の場合、従来の充電方法が使用され、場合によっては、内部電池[13]ではなく商用電力からの直接の充電を伴い得る。
【0378】
ステップS43において、充電ステーション[11]は、その内部電池[13]をEV[12]の電池[14]へと放電する。システムコントローラ[21]は、EV[12]の電池[14]に必要とされる充電電流を提供するために電力調整システム[22]を活動させ得るが、
図3aおよび
図3bに示される例示的なシステムでは、電池[13]は充電エンジン[24]を通じて直接放電される。BMS[23]は、充電ステーション[11]の電池[13]を構成するセルの放電を制御し、充電エンジン[24]内のゲートドライブ[32]および他のエンジンは、放電の速さを最大にするようにDC-DC充電器[31]の挙動を制御する。
【0379】
これは、EV[12]の電池[14]および充電ステーション[11]の電池[13]が同じ要領を有しており、EV[12]の電池[14]がプロセスの最初において完全に放電されている場合に、充電ステーション[11]の電池[13]を完全に放電することを伴い得る。他の状況では、たとえば充電ステーション[11]の電池[13]の容量の方がはるかに大きい場合、および/またはEV[12]の電池[14]が最初の充電率またはユーザの選択により完全な充電を必要としない場合、充電ステーション[11]の電池[13]は部分的にしか放電されなくてもよい。部分的な放電は、EV電池[14]の充電率を示すEV[12]の電池コントローラ[16]からの信号またはユーザインターフェース[39]からの信号に基づいて、充電ステーション[11]のシステムコントローラ[21]によって制御され得る。
【0380】
充電が完了すると、プロセスはステップS44に移り、EV[12]が充電ステーション[11]から切り離される。そうすると、システムコントローラ[21]は、電力調整システム[22]を、および使用された場合には充電エンジン[24]の活動を停止する。
【0381】
図5aは、受電器電池[54]を伴う、電動輸送機関(EV)[53]である受電器デバイスを示す。EV[53]は、受電器電池[54]が
図5aに示されるように枯渇しているときに、充電デバイス[52]の電池から充電され得るように、電池およびコントローラを含む充電デバイス[52]に接続され、充電デバイスの電池は最大の充電率(SoC)まで充電されているものとして示されている。充電デバイス[52]は、充電デバイス[52]の電池を再充電するための商用電源[51]への任意選択の接続を有するものとして示されている。充電デバイス[52]の電池は、再充電プロセスの間にのみそのように商用電源[51]に接続され得る。充電デバイス[52]自体の高い入力充電レートは、それが、AC充電およびDC急速充電ステーションによるものを含む、様々な方法で再充電され得ることを意味する。DC急速充電ステーションは、最高で360kWで充電することが可能である。
【0382】
充電デバイス[52]は、3より大きい、好ましくは5より大きい、さらに好ましくは10より大きい電力/エネルギー比で、充電と放電の両方を行うように動作可能である。充電デバイスはさらに、EV[53]の受電器電池[54]が保持することが可能なものよりはるかに少ない電荷を担持するように動作可能である。
【0383】
本発明は、充電デバイス[52]の電池が、比較的小さい物理的なサイズを、しかし放電についての高い電力密度を有することを可能にし、通常はEV[53]の受電器電池[54]の充電電力/エネルギー比より高い電力/エネルギー比で、高い放電レートをもたらす。しかしながら、EV[53]がより大きい電池を有することを考慮すると、充電デバイス[52]の全電力を受け入れることがそれでも可能であるので、充電時間は驚くほど短い。
【0384】
図5bは、2つのコンピューティングデバイス[57]に接続された、事務所において一般的であり家庭での数が増えているタイプの無停電電源装置(UPS)[55]である、受電器デバイスを示す。そのようなUPSデバイス[55]は、商用電力の短い途絶により引き起こされるサーバなどのコンピューティングデバイスへの損傷を避けるために一般に使用される。大半のそのような電力の途絶は1分より短いので、多くのUPSデバイス[55]は接続されたデバイス[57]に短時間だけ電力供給できるように設計されている。さらに、多くのユーザは、UPS[55]が、接続されたデバイス[57]のアップタイムを維持できると想定し、商用電力が失われたことを認識したときにデバイスを安全にシャットダウンするための行動をとらない。したがって、UPS[55]の内部電池[56]は、商用電力が再開するまで所望の出力を維持するのに十分な電荷を保持していないことがある。
【0385】
図5aに示されるEV[53]に関して説明されたように、本発明によるシステムのUPS[55]はさらに、その内部電池の充電のための商用電源[51]への任意選択の接続を用いて、充電デバイス[52]に接続され得る。前に説明されたように、充電デバイス[52]は、UPS[55]の受電器電池[56]が保持できるものより少ない電荷を担持しながら、高い電力/エネルギー比で充放電するように動作可能である。これは、充電デバイス[52]が、UPS[55]の内部電池[56]が普通に受け入れることが可能なものより高い電力/エネルギー比で、UPS[55]の受電器電池[56]へと放電することが可能であることを意味する。しかしながら、UPS[55]の電池[56]は充電デバイス[52]の電池より大きいので、放電比は、UPS[55]の電池[56]が驚くほど短い充電時間に受け入れることができる電力/エネルギー比に相当する。
【0386】
代替として、充電デバイス[52]は、UPS[55]のハウジングへと組み込まれ、ユーザインターフェースを使用して活動させられる、二次的な緊急システムであり得る。
【0387】
図5cは、
図5aおよび
図5bで説明されるものと同様の緊急充電デバイス[52]に接続された、ここではスマートフォンとして表現されているモバイルコンピューティングデバイス[58]である受電器デバイスを示すが、これは例を限定するものではない。すでに説明されたもののように、充電デバイス[52]は、高い電力/エネルギー比で充放電することが可能であり、その内部電池の充電を可能にするために商用電源[51]への任意選択の接続を有する。
【0388】
モバイルコンピューティングデバイス[58]は、
図5aにおいてEV[53]について、および
図5bにおいてUPS[55]について説明されたものと同様の、受電器電池[59]を有する。受電器電池[59]は物理的により小さく、それに応じて、
図5aのEV[53]および
図5bのUPS[55]について説明されたものより容量が小さい。この実施形態では、充電デバイス[52]の電池も
図5aおよび
図5bにおいて説明されたものより小さく、それに応じて容量がより小さく、この容量はやはり、モバイルコンピューティングデバイス[58]の受電器電池[59]より小さい。
【0389】
前に説明された例と比較してサイズおよび容量が低減されているが、充電デバイス[52]は、モバイルコンピューティングデバイス[58]の受電器電池[59]を同じ方法で充電することができる。充電デバイス[52]は、モバイルコンピューティングデバイス[58]の受電器電池[59]が普通に受け入れることが可能なものより高い電力/エネルギー比で放電するように動作可能であるが、これは、充電デバイスがより小さく、より少量の電荷を移動させており、放電比が受電器電池[59]のより低い電力/エネルギー比に対応するからであり、これは、たとえば、会話を終わらせるのに、従来の充電器を見つけるのに、または作業中の文書を保存するのに十分な少量の電力の、驚くほど高速な充電をもたらす。
【0390】
図6aは、2つのパワーコネクタ[63、64]、コントローラ[67]、充電エンジン[66、68、611]、および通信バス[69]に接続された電池[610]、および受電器デバイス、この例ではEV[62]に分離可能に接続され得るパワーコネクタ[65]を備える、例示的な充電デバイス[61]のブロック図を示す。
【0391】
パワーコネクタ[63、64]のうちで、第1のパワーコネクタ[63]は、EVの電池を充電するために通常は使用されるタイプのDC高速充電口である。これは、たとえばDC高速充電ステーションから充電デバイス[61]にDC電力を提供する。DC電力は電力調整エンジン[66]を通され得る。この充電エンジン[66]は、適切な電力調整を行い、適宜パワーコネクタ[63]から受け取られた電圧を変換し、それに従って、電力調整を行うために、昇圧DC-DCコンバータ、降圧DC-DCコンバータ、もしくは昇降圧DC-DCコンバータを組み込み、またはそれらに接続され得る。
【0392】
第2のパワーコネクタ[64]は、家庭の電気コンセントまたは低電力AC充電ステーションから充電デバイス[61]に低速充電するために使用され得るAC低速充電口である。この入力[64]からの電力は、電池[610]を充電するためにAC/DC充電エンジン[68]を通され得る。AC/DC充電エンジン[68]は、あらゆる必要とされる変換および電力調整を行う。
【0393】
これらのタイプのパワーコネクタ[63、64]は例にすぎず、本開示を限定しない。他の適切な電力入力が使用されてもよく、1つまたは複数のパワーコネクタがあってもよい。たとえば、異なる形状の、タイプ1充電コネクタおよびタイプ2充電コネクタのための別々の入力ポートがあってもよく、それらは、充電デバイス内で同じ回路に接続され、または固有の充電エンジンを有してもよい。DC高速充電パワーコネクタ[63]は、説明されるようなDC電力に加えて、またはその代わりに、低電力AC充電ステーションからAC電力を提供するようにもなされ得る。
【0394】
充電デバイス[61]は、充電デバイス[61]の電池[610]を出入りする電力の流れを、電池が充電されるべきか放電されるべきかを決定することによって制御する、コントローラ[67]も組み込む。コントローラはまた、電力調整がどのように行われるべきか、および放電レート/充電レートを示すように、充電エンジン[66]に信号を送ることが可能である。任意選択で、コントローラ[67]はさらに、ユーザインターフェース、診断、故障保護、ならびに他の安全および利便機能を制御し得る。代替として、これらは、コントローラ[67]から制御入力およびシグナリングを適宜受信する、特別なプロセッサおよび/またはエンジンによって制御され得る。
【0395】
充電デバイス[61]の高い充放電レートは、電池[610]を構成するセルの電気化学的特性と、
図6bにおいてさらに説明されるようなコントローラ[67]および充電エンジン[66、68、611]を含む回路との組合せにより可能になる。好ましくは、セル[21]は、アノードとカソードの一方または両方が、金属酸化物、好ましくはニオブベースの材料、ニオブ酸化物、または、たとえば、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2019/234248号において記述されるような、ニオブタングステン酸化物、ニオブチタン酸化物、および/もしくはニオブモリブデン酸化物などのニオブ金属酸化物を含むようになされる。電池[610]には、セルバランシングおよび誤り検出などの機能を通じて電池[610]の動作を制御する、電池管理システム(BMS)も設けられる。BMSは、充電エンジンの一部としても含まれ得る。これは、充電デバイス[61]の動作を全体として制御する、システムコントローラ[67]とは別個である。
【0396】
図6には単一の電池として示されているが、電池[610]は、任意の数の電気化学セルを含んでもよく、適宜電力を提供するために接続される1つまたは複数のサブ電池からなっていてもよい。電池[610]はさらに、充電デバイス[61]の機能を維持して高めるために、必要に応じてサブ電池が取り除かれ、取り替えられ、追加され得るように、モジュール式システムであってもよい。
【0397】
電池[610]は、受電器デバイス[62]の受電器電池に制御された充電を行う、パワーコネクタ[65]にも接続される。
図6に示される例では、パワーコネクタ[65]はパワーコネクタ[63、64]とは別個のデバイスであり、そのような構成は
図7aおよび
図7bに示される例示的な実施形態においても示唆されている。しかしながら、これはわかりやすくするためのものにすぎず、限定するものではない。電力入力に使用されるものと同じ充電エンジン[66、68]が、電力出力に使用されてもよい。たとえば、充電デバイス[61]のサイズを制限し、よりユーザフレンドリーにするために、充電デバイス[61]の電池[610]の充電と放電の両方に、同じ物理的なDC高速充電プラグ[63]を使用するのが有益であり得る。そのような実施形態では、パワーコネクタ[63]と、充電エンジン[66]と、電池[610]との間の接続は双方向性であり、充電エンジン[66]の電力調整回路は、充電デバイス[61]が受電器デバイス[62]を充電するための適切な電圧を出力するように必要な調整を実施するためにも使用され得る。
【0398】
この目的で、パワーコネクタ[63、64]および充電出力[65]が別個であるような
図6aに示される例などの実施形態では、デバイス[62]の充電を制御するために、充電エンジン[611]、または降圧コンバータ回路、昇圧コンバータ回路、または降圧/昇圧コンバータ回路の類似の集合体も、電池[610]と充電出力[65]との間の制御回路とともに存在し得る。いくつかの実施形態では、この機能は代わりに充電出力[65]に組み込まれ得る。
【0399】
【0400】
AC/DC充電エンジン[68]はまず、通信バス[69]を介して電力調整エンジン[66]から、または
図6bに示されない変換エンジンを介してACパワーコネクタ[64]から直接のいずれかで電力を受け取る、DC-DC充電器[611]を備える。それは、電池[610]への高速充電を提供し、ゲートドライブ[612]のパワースイッチによって制御される。AC/DC充電エンジン[68]は、電力段コントローラ[613]および高速充電コントロール[614]によって制御され、それらはともに、充電を最適化するための信号をシステムコントローラ[67]から受信する。電力段コントローラ[613]はさらに、過熱または他の起こり得る損傷を避けながら、充電プロセスの速さを最大にするために、DC-DC充電器[611]から電圧、電流、および温度の情報を受け取り、それに従ってコマンドをゲートドライブ[612]に送信する。このレベルの精密な制御は、充電デバイス[61]のエンジンまたは電池[610]のセルのいずれを損傷させる危険も伴わずに、可能な限り最速の充電が行われることを可能にする。
【0401】
コントローラ[67]は、充電/放電セッション管理ブロック[618]を通じて充電および放電セッションを開始して終了することなどの命令を実施し、システム診断/データロギングブロック[617]を通じてシステム診断のためのセッションデータのログを取り、サブシステム監視および通信ブロック[616]を通じて熱制御および通信などのシステム全体のリソースを制御し、サブシステム制御ブロック[615]を通じて充電デバイス[61]内の他のエンジンおよびシステムの対話を制御する。
【0402】
前に言及されたように、電池[610]は電池管理システム(BMS)を組み込み、これは通信ブロック[69]を介してコントローラに接続される。BMSは、検出された電圧、電流、および温度のデータに基づいて、電池[610]を構成するセルのバランシングを実施し、高速な充放電の間に起こり得るスパイクから電池[610]を保護するためのバッファとして振る舞う、ヒューズを含む保護回路をさらに含み得る。
【0403】
充電器[611]は、過熱または他の起こり得る損傷を避け、あらゆる必要とされる電力調整を行い、それを充電出力[65]に出力するために、システムコントローラ[67]からのシグナリングに基づき得る制御された方式で電池[610]から電力を受け取るための同様の機能を持つ、AC/DC充電エンジン[68]と同様のエンジンを含み得る。
【0404】
AC/DC充電エンジン[68]のように、これは、充電デバイス[61]または電池[610]を損傷させることなく可能な限り最速の放電を可能にするために、BMSの回路と組み合わせられる。
【0405】
エンジンおよびコントローラ[66、67、68、611]は一緒に、パワーコネクタ[63、64]から電池[610]への、かつ電池[610]から受電器デバイス[62]への電力の移動を制御し、高速な充放電を可能にする。
【0406】
図7a、
図7b、および
図7cは、充電デバイスの3つの例示的な実施形態を示す。
図7aに示される第1の実施形態は、車輪付きの筐体[76]と、充電デバイス[74]を駆動するために、または充電デバイスを特定の位置に向かわせるコマンドを充電デバイスに与えるために使用され得る、遠隔制御ユニットまたはワイヤレスコントローラ[75]とを備える、ロボット式移動車両[74]である。ワイヤレスコントローラ[75]は、移動ユニット[74]が単独で障害物の周りを走行し、または描かれた線などの軌跡をたどることを可能にする、センサも組み込み得る。移動ユニット[74]はまた、
図6において説明されたものなどの、電池[72]および関連するエンジンを含む。電池[72]は、電源[71]から前に説明されたように充電され、EVなどの受電器デバイス[73]に接続され、前に説明されたように放電されることが可能である。
【0407】
そのような移動ユニット[74]は、緊急の充電が必要である場合にEVの位置に行くように命令され得るように、駐車場、工業用地、または、他の管理されたエリアにおいて提供され得る。この例におけるEVは、車、または他のそのような乗用車もしくは貨物車であってもよく、あるいは、デバイスの受電器電池が充電器デバイスの電池より大きい容量を有するような、産業用機器または任意の他の電池駆動デバイスであってもよい。したがって、移動ユニット[74]は、そのエリアを走行するのを助けるような適切な形状であってもよく、たとえば、車両間に収まるように背が高く幅が狭くてもよく、または、駐車場において使用される場合には車両の下部に収まるように背が低く平らであってもよい。
【0408】
移動ユニットは、キャタピラートラックなどの車輪以外の方法で移動することもでき、または、市販のドローンで見られるものなどのエアクッションもしくは小型ヘリコプターシステムを使用して飛行してもよい。
【0409】
図7bに示される第2の実施形態は、たとえばロードサイド支援車両で運ばれ得る、手動操作の充電デバイス[77]である。物理的に小さい電池[72]を伴う小さい充電デバイス[77]も、緊急時に使用するためにEVの運転手により持ち運ばれ得る。したがって、この例における充電デバイス[77]には、持ち運びを簡単にするための取っ手[79]と、充電デバイス[77]の動作についての情報、たとえば電池[72]の現在のSoCを提供するための表示パネル[78]とが設けられる。表示パネル[78]は、コマンドを入力するためのタッチスクリーンであってもよい。
【0410】
手動操作の充電デバイス[77]は、
図6で説明されたような電池[72]およびその関連するエンジンも組み込み、それは、前に説明されたように電源[71]から充電され、デバイス[73]に放電され得る。
【0411】
図7cに示される第3の実施形態は、内部電池[72]を持つUSB「サムドライブ」として具現化される小型充電デバイス[710]である。これは、たとえば、
図5cに示されるものなどのシステムにおいて使用されてもよく、このとき、充電デバイス[710/52]は、スマートフォン[58]などの小型の個人向けデバイスに迅速に非常に少量の電荷を移動させるために使用される。その小さいサイズにより、
図7bに示される充電デバイス[77]について説明されたような完全なユーザインターフェースを有し得ないが、たとえば、充電デバイス[710]が完全に充電されており動作可能であるときは緑のLEDを点灯し、放電されているときには赤のLEDを点灯することによって、インジケータとしての役割を果たし得る2つのLEDライト[711]を有する。サムドライブ[710]はまた、
図6で説明された電池[72]および関連するエンジンを含み、同じように動作するが、単一の充放電エンジンを有し、USBを介して充電され[71]放電される[73]。
【0412】
図8は、
図6に示されるものなどの充電デバイス[61]自体が充電されるために接続されるとき、およびEV[62]などの受電器デバイスの受電器電池を充電するために接続されるときに、充電デバイス[61]がたどるプロセスを記述する。プロセスの広範な概要は両方の事例において同じであるが、各々について別々に説明される。まず、充電デバイス[61]の電池[610]を充電するプロセスが説明され、受電器電池を充電するために充電デバイス[61]を使用するプロセスが続いて説明される。
【0413】
ステップS81において、充電デバイス[61]のパワーコネクタ[63/64]の1つが電源に接続される。
図6に示される例では、これは、DC高速パワーコネクタ[63]が、ガソリンスタンドおよび駐車場などの公共の場所で一般的になりつつあるものなどのDC高速充電ステーションに接続されることを意味し得る。代替として、それは、AC低速充電パワーコネクタ[64]が住宅または車庫などの建物の電気ソケットに接続されることを意味し得る。
図7cに示されるものなどのある実施形態では、この場合はUSBソケットなどの他の代替の電源が使用され得る。
【0414】
ステップS82において、コントローラ[67]は、電源に接続されているパワーコネクタ[63/64]から信号を受信する。これは、接続が行われたことを示し、どのパワーコネクタ[63、64、65]が使用されているかだけではなく、接続が充電のためのものであったか放電のためのものであったかもコントローラ[67]が決定することを可能にする。
【0415】
入力電力接続および出力電力接続[63、64、65]が物理的に別個である、
図6に示されるものなどのデバイスでは、これは、使用される接続に依存するので、決定するのが単純であり得る。同じ接続が入力と出力の両方に使用されるデバイスでは、それは、充電デバイス[61]が充電ステーションに接続されているか、または充電されるべきデバイスに接続されているかを示す、コネクタからの信号の内容に基づき得る。したがって、接続の性質が、充電デバイス[61]の電池[610]が充電されるべきか、または放電されるべきかを示す。この決定はまた、提供されている電力の予想される電圧と、それがACであるかDCであるかを含み得る。この情報は、どの変換および電力調整が必要とされるかをコントローラ[67]が決定することを可能にする。
【0416】
ステップS83において、コントローラ[67]は、電力を受け取ることと電池[610]に電力を送ることを開始するように、パワーコネクタ[63/64]に信号を送る。充電がDC高速充電口[63]を介して行われている場合、電力は充電エンジン[66]を介して受け取られ、充電エンジンは、電池[610]を充電するための適切な電圧に電力が変換され得るように、昇圧コンバータ、降圧コンバータ、または昇降圧コンバータを含む。したがって、充電エンジン[66]が作動し、適切な電力調整を実行する。
【0417】
ステップS84において、電池[610]は、電力源の電力/エネルギー比に応じたレートでパワーコネクタ[63/64]から受け取られる電力で充電され、それは、電池[610]が高いレートで充電されることが可能であるからである。充電が完了し、電池[610]がその最大の貯蔵容量に達すると、BMSは、充電を終了し、制御信号をコントローラ[67]に送信し、これが次いで、ステップS85において電力の受け取りを止めるようにパワーコネクタ[63/64]に信号を送る。
図7bに示されるものなどの実施形態では、それは、充電が完了することを示すために、または
図7cに示される例では、LED[711]などの別のインジケータを作動させるために、表示画面[78]上でメッセージをユーザに表示することなどの他の機能も実施し得る。
【0418】
ステップS86において、充電デバイス[61]は電力源から物理的に切り離され、パワーコネクタ[63/64]はそうするようにコントローラ[67]に信号を送る。コントローラ[67]は、充電に必要とされた昇圧回路、降圧回路、または昇降圧回路などの任意の内部機構の活動を止める。
【0419】
ここで、充電デバイス[61]からのEV[62]などの受電器デバイスの充電に関して、プロセスが説明される。プロセスはEV[62]に関して説明されるが、これは限定的であることは意図されず、
図5bに示されるようなUPS[55]または
図5cに示されるようなモバイルコンピューティングデバイス[58]などの任意の他のデバイスの充電にも、同じ原理が適用され得る。
【0420】
ステップS81において、充電デバイス[61]は、充電出力[65]を介してEV[62]に物理的に接続される。前に言及されたように、これはいくつかの実施形態では、パワーコネクタ[63/64]と同じ物理コネクタであってもよく、それは、たとえば、充電デバイス[61]の充電と放電の両方に同じDC高速充電コネクタ[63]を使用するのが有益であり得るからである。
【0421】
ステップS82において、コントローラ[67]は、充電デバイス[61]が充電されるべきデバイス[62]に接続されていると決定する。前に説明されたように、これは、デバイス[62]が充電出力[65]に接続されていることを決定することを通じたものであってもよく、または、受電器デバイス[62]が電力を引き込むことを試みていることを示す信号を介したものであってもよい。
【0422】
ステップS83において、コントローラ[67]は、電池[610]により出力される電圧を受電器デバイス[62]により必要とされる電圧に変換するために必要とされる場合、電力調整回路を介して充電デバイス[61]の電池[610]から電力を引き込むことを開始すべきであると、充電出力[65]に信号を送る。
【0423】
ステップS84において、BMSは、充電デバイス[61]の電池[610]が完全に放電されていることを示す信号をコントローラ[67]に送信する。コントローラ[67]は次いで、ステップS85において電力を引き込むのを止めるべきであると充電出力[65]に信号を送り、電池[610]の放電を終了する。
図7bに示されるものなどのユーザインターフェース[78]がある場合、コントローラ[67]は、電池[610]が放電されたことの標示をユーザインターフェース[78]に表示することもできる。
【0424】
ステップS86において、充電デバイス[61]は、デバイス[62]から物理的に切り離される。
【0425】
これは、
図9に示されるものなどのパワーパック[610]およびデバイス[62]の電池のSoCの変化をもたらし、これは、受電器電池[62]を伴う充電器がEV[53]に接続されるような
図5aに示されるものなどの、デバイスのシミュレーションに基づく。
【0426】
図9は、経時的な充電率のプロットを示す。推定充電率が、本発明の例示的な充電デバイス(実線)および本発明の充電デバイスを使用して充電される77kWhの電池容量を有するEV(一点鎖線)について示されている。推定充電率は、比較のための例示的な充電器デバイス(ZipCharge Go(登録商標)充電器)(鎖線)、およびその比較のための例示的な充電器デバイスを使用して充電される同じEV(二点鎖線)についても示されている。
【0427】
充電デバイスは、400kWという平均電力でEV電池に電力を移す。0秒において、例示的な充電デバイス電池は100%のSoCにあり、EVの電池は0%のSoCにある。300秒(すなわち、5分)の間に、例示的な充電デバイスの電池は0%のSoCまで放電され、EVの電池は43%(すなわち33kWh)のSoCまで充電される。したがって、例示的な充電デバイスは、わずか5分で43%の充電を提供する。
【0428】
比較のための例示的な充電器デバイス(ZipCharge Go(登録商標)充電器)は、7.2kWの平均電力でEV電池に電力を移す。0秒において、比較のための例示的な充電デバイス電池は100%のSoCにあり、EVの電池は0%のSoCにある。1800秒(すなわち30分)の間に、比較のための例示的な充電デバイスの電池は0%のSoCまで放電され、EVの電池は約5%のSoC(すなわち3.6kWh)まで充電される。したがって、比較のための例示的な充電デバイスは、30分で5%の充電を提供する。
【0429】
EVに移されるエネルギーの総量は、例示的な充電デバイスでは比較のための例と比較してはるかに大きい。EVの充電レートはまた、例示的な充電デバイスでは比較のための例と比較してはるかに速い。
【0430】
図10は、本発明の充電デバイスの追加の実施形態を示す。この実施形態では、充電デバイスは、充電器デバイス電池の充電レートが充電器デバイス電池の放電レートより高くなるように構成される。これは、デバイスの動作可能時間を長くすることを可能にし、それは、充電器デバイスを充電するために必要とされる時間が、デバイスが受電器電池に放電され得るのにかかる時間より短い。
【0431】
図10は、センサ、保護ヒューズおよびダイオード、ならびに標準的な電流よりも高い電流を受け入れるように設計される金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を、コントローラとして振る舞う集積回路(IC)と一緒に含む、本発明のデバイスの簡略化されたブロック図を示す。
図10では、実線は充放電の間に電流を運ぶ接続を示し、鎖線は、セルの電圧レベル、電流、および温度を検出するセンサからの入力を含むシグナリングデータを搬送する。このセンサデータは、セルが過充電または過放電されないことを確実にするために使用される。電池パックは好ましくは、充電を遅くし得るボトルネックに相互接続がなることを大電流により防ぐのを可能にするために、特別なタブも装備し得る。
【0432】
達成可能な充電レートのシミュレーションが
図11に示されている。シミュレーションは、従来の電池を含む従来の充電デバイスと比較した、
図10に示され上で論じられた充電デバイスの経時的な充電の累積を示す。
図10に示される充電デバイスは、250秒(約4分)で0Ahから1Ahまで充電されることが可能である。対照的に、従来の充電デバイスは充電レートがより遅いので、410秒(約6分間)で約0.3Ahの充電しか達成しない。
【0433】
システムは、改善された電流とセルの保護を提供し、セルの最大の動作可能な充電レートでの充電を可能にする。結果として、充電器デバイス電池の充電レートは、放電レートより高くなることがあり、デバイスのより長い動作可能時間をもたらす。
【0434】
他の選好
上で説明された実施形態の各々の1つ1つの適合する組合せが、各々の1つ1つの組合せが個別にかつ明確に列挙されたかのように、本明細書において明確に開示される。
【0435】
本発明の様々なさらなる態様および実施形態が、本開示の当業者に明らかになるであろう。
【0436】
本明細書で使用される「および/または」は、2つの指定される特徴または構成要素の各々を、他方を伴って、または伴わずに具体的に開示することとして解釈されるべきである。たとえば、「Aおよび/またはB」は、各々が本明細書で個別に記載されているかのように、(i)A、(ii)B、および(iii)AとBの各々の具体的な開示として解釈されるべきである。
【0437】
文脈が別段に示さない限り、上に記載された特徴の説明および定義は、本発明のどのような特定の態様または実施形態にも限定されず、説明されるすべての態様および実施形態に等しく適用される。
【0438】
発明の陳述
以下の番号付きの段落は、本明細書で開示される本発明の様々な態様による、技術的な特徴の広範な組合せの陳述を含む。
【0439】
1. 第1のCレートで放電するように動作可能な第1の複数の電池セルを含む第1の貯蔵デバイスを備える充電器と、
第2の複数の電池セルを含む第2の貯蔵デバイスを備える受電器であって、受電器が充電器に動作可能に結合され、充電器によって第2のCレートで充電されるように動作可能である、受電器とを備え、
第2のCレートが第1のCレート以上であり、
第1の複数の電池セルまたは第2の複数の電池セルの少なくとも1つが、金属酸化物を含む作用電極活性材料を備える、システム。
【0440】
2. 作用電極が放電ステップの間のアノードである、段落1のシステム。
【0441】
3. 第1の貯蔵デバイスのセルの電圧プロファイルが、第2の貯蔵デバイスのセルの電圧プロファイルと同じである、段落1または段落2のシステム。
【0442】
4. 第3の複数の電池セルを含む第3の貯蔵デバイスを備えるキャリアをさらに備え、
キャリアが、充電器に動作可能に結合され、充電器によって第3のCレートで充電されるように動作可能であり、
キャリアが、受電器に動作可能に結合され、第4のCレートで放電して受電器を充電するように動作可能であり、
第3のCレートが第1のCレート以上であり、
第2のCレートが第4のCレート以上である、段落1から3のいずれかのシステム。
【0443】
5. 第4のCレートが第3のCレート以上である、段落4のシステム。
【0444】
6. 第3の複数の電池セルが、金属酸化物を含む作用電極活性材料を備える、段落4または段落5のシステム。
【0445】
7. 作用電極が放電ステップの間のアノードである、段落6のシステム。
【0446】
8. 金属酸化物がニオブ酸化物またはニオブ金属酸化物である、段落1から7のいずれか1つのシステム。
【0447】
9. ニオブ酸化物またはニオブ金属酸化物が、Nb2O5、Nb2NiO6、Nb12WO33、Nb26W4O77、Nb14W3O44、Nb16W5O55、Nb18W8O69、Nb2WO8、Nb18W16O93、Nb22W20O115、Nb8W9O47、Nb54W82O381、Nb20W31O143、Nb4W7O31、Nb2W15O50、Nb2WO8、Nb2TiO7、Nb10Ti2O29、Nb24TiO62、Nb2Mo3O14、Nb14Mo3O44、Nb12MoO44、Nb11AlO29、Nb11GaO29、Nb49GaO124、Nb18GeO47、Nb34Cu2O87、またはNb34Zn2O8を備える、段落8のシステム。
【0448】
10. 充電器が1分未満で受電器を充電するように構成され、充電が0.5V未満から3Vを超えて受電器のセルを充電することを備える、段落1から9のいずれかのシステム。
【0449】
11. 充電器が立方センチメートル当たり少なくとも2ワットの電力密度を提供するように動作可能である、段落1から10のいずれかのシステム。
【0450】
12. 充電器が固定デバイスである、段落1から11のいずれかのシステム。
【0451】
13. 充電器が移動デバイスである、段落1から11のいずれかのシステム。
【0452】
14. 充電デバイスから受電器電池を充電する方法であって、充電デバイスが、
電気化学セルを備える電池と、
受電器電池と分離可能に電気的に接続しているパワーコネクタと、
電池および電力出力と電気的に通信している充電エンジンと、
電池および充電エンジンと通信しているコントローラとを備え、方法が、
充電エンジンを使用して、電池をパワーコネクタに放電するステップと、
電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、
放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップとを備え、放電レートは、データに応答して、5C以上、10C以上、または20C以上などの3C以上のレートまで上げられる、方法。
【0453】
15. 電気化学セルが、ニオブ含有金属酸化物などの金属酸化物を含む作用電極活性材料を備える、段落14の方法。
【0454】
16. 電気化学セルが、グラファイト、Si、SiOx(xは0から2)、またはLTOの粒子を含む作用電極活性材料を備える、段落14の方法。
【0455】
17. 電池の放電レートが、受電器電池の充電レートより高い放電レートに上げられる、段落14から16のいずれかの方法。
【0456】
18. 電池の状態についてのデータが、電池電圧、電池温度、電池絶縁抵抗、放電電流、電池の充電率、電池のバランシング状態、および電池の電力利用可能性の少なくとも1つから選択される、段落14から17のいずれか1つの方法。
【0457】
19. 電池の状態についてのデータが、電池電圧、電池放電電流、および電池温度を備える、段落18の方法。
【0458】
20. 充電エンジンを使用して、パワーコネクタから電池を充電するステップと、
電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、
充電レートを上げるように電池の充電レートを調節するステップとをさらに備え、充電レートが、データに応答して3C以上のレートに上げられる、段落14から19のいずれかの方法。
【0459】
21. 電池の充電レートが、5C以上、好ましくは10C以上、より好ましくは20C以上の充電レートに上げられる、段落20の方法。
【0460】
22. パワーコネクタから電池を充電するステップが、充電エンジンのコンバータを使用してACからDCに充電電力を変換するステップを備える、段落20または21の方法。
【0461】
23. 電池をパワーコネクタに放電するステップが、降圧コンバータ、昇圧コンバータ、または昇降圧コンバータなどの充電エンジンのDC-DCコンバータを使用して、放電電圧を上げるステップを備える、段落14から22の方法。
【0462】
24. 放電を開始するステップであって、コントローラが電池の放電を開始もしくは停止するように充電エンジンに信号を送る、ステップ、および/または、
放電を停止するステップであって、コントローラが電池の放電を停止するように充電エンジンに信号を送る、ステップをさらに備える、段落14から23のいずれかの方法。
【0463】
25. 放電を開始および/または停止するステップが、パワーコネクタへの受電器電池および/または電源の、接続および/または切断によって触発される、段落24の方法。
【0464】
26. 放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップが、
(i)コントローラに送信される電池の状態についてのデータが範囲内にあるかどうかを決定するステップと、
(ii)データが範囲内にある場合は放電レートを上げ、またはデータが範囲外にある場合は放電レートを下げるステップと、
(iii)電池の放電を停止するように充電エンジンにコントローラが信号を送るまでステップ(i)~(ii)を繰り返すステップとを備える、段落14から25のいずれかの方法。
【0465】
27. 受電器電池の状態についてのデータをコントローラに送信するステップと、
放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップとをさらに備え、放電レートが、受電器電池の状態についてのデータに応答して3C以上のレートに上げられる、段落14から26の方法。
【0466】
28. 放電レートを上げるように電池の放電レートを調節するステップが、電池の2つ以上の電気化学セルをバランシングするために、電池の2つ以上の電気化学セルの放電レートを独立に調節するステップを備える、段落14から27のいずれかの方法。
【0467】
29. 受電器電池を充電するための充電デバイスであって、
電気化学セルを備える電池と、
受電器電池と分離可能に電気的に接続しているパワーコネクタと、
電池およびパワーコネクタと電気的に通信している充電エンジンであって、充電エンジンが電池の放電レートを制御する、充電エンジンと、
放電レートを上げるために、電池の状態についてのデータに応答して電池の放電レートを調節するための、電池および充電エンジンと通信しているコントローラであって、放電レートが3C以上のレートに上げられる、コントローラとを備える、充電デバイス。
【0468】
30. 電気化学セルが金属酸化物を含む作用電極活性材料を備え、金属酸化物がニオブ含有金属酸化物である、段落29の充電デバイス。
【0469】
31. 作用電極が放電の間のアノードである、段落29または30の充電デバイスまたは段落14から28の方法。
【0470】
32. ニオブ含有金属酸化物が、リチウムニオブ酸化物、LiNbVO、LiNbLaZrO、LiNbSPO、LiNbAlTiP、LiNbAlGeP、ニオブタングステン酸化物、チタンニオブ酸化物、ニオブモリブデン酸化物、またはこれらの組合せである、段落31の充電デバイスまたは段落31の方法。
【0471】
33. ニオブ含有金属酸化物が、Nb2O5、Nb2NiO6、Nb12WO33、Nb26W4O77、Nb14W3O44、Nb16W5O55、Nb18W8O69、Nb2WO8、Nb18W16O93、Nb22W20O115、Nb8W9O47、Nb54W82O381、Nb20W31O143、Nb4W7O31、Nb2W15O50、Nb2WO8、Nb2TiO7、Nb10Ti2O29、Nb24TiO62、Nb2Mo3O14、Nb14Mo3O44、Nb12MoO44、Nb11AlO29、Nb11GaO29、Nb49GaO124、Nb18GeO47、Nb34Cu2O87、またはNb34Zn2O8である、段落31の充電デバイスまたは段落31の方法。
【0472】
34. コントローラが電力段コントローラを備える、段落29から33のいずれかの充電デバイスまたは段落14から28もしくは31から33の方法。
【0473】
35. パワーコネクタが、別々の、電池を充電するための電力入力および電池を放電するための電力出力を備える、段落29から34のいずれかの充電デバイスまたは段落14から28もしくは31から34の方法。
【0474】
36. パワーコネクタが、一体型の、電池を充電するための電力入力および電池を放電するための電力出力を備える、段落29から35のいずれかの充電デバイスまたは段落14から28もしくは31から35の方法。
【0475】
37. 充電エンジンがゲートドライバおよび/またはパワーコンディショナを備える、段落28から35のいずれかの充電デバイスまたは段落14から28もしくは31から36の方法。
【0476】
38. 電動輸送機関、無停電電源装置、またはモバイルコンピューティングデバイスを充電するための、段落28から37の充電デバイスの使用法。
【0477】
本発明および本発明が関係する最新技術をより完全に記述して開示するために、いくつかの刊行物が引用される。これらの参考文献の完全な引用が以下で与えられる。これらの参考文献の各々の全体が本明細書に組み込まれる。
(参考文献)
【表1】
【符号の説明】
【0478】
11 充電器
12 受電器
13 電池、内部電池
14 電池、内部電池
15 コントローラ、電池コントローラ
16 コントローラ、電池コントローラ
17 接続
18 キャリア
19 電池、内部電池
21 システムコントローラ
22 電力調整システム
23 電池管理システム、BMS
24 充電エンジン
31 DC-DC充電器
32 ゲートドライブ
33 電力段コントローラ
34 高速充電コントロール
35 サブシステム制御ブロック
36 サブシステム監視および通信ブロック
37 システム診断/データロギングブロック
38 充電/放電セッション管理ブロック
39 ユーザインターフェース
51 商用電源
52 充電デバイス
53 電動輸送機関、EV
54 受電器電池
55 無停電電源装置、UPS、UPSデバイス
56 内部電池、受電器電池
57 コンピューティングデバイス
58 モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン
59 受電器電池
61 充電デバイス
62 EV、受電器デバイス、受電器電池
63 パワーコネクタ、DC高速充電プラグ、DC高速パワーコネクタ、DC高速充電口
64 パワーコネクタ、ACパワーコネクタ、AC低速充電パワーコネクタ
65 パワーコネクタ、充電出力
66 充電エンジン、電力調整エンジン、コントローラ
67 コントローラ、システムコントローラ
68 AC/DC充電エンジン、コントローラ
69 通信バス、通信ブロック
71 電源
72 電池、内部電池
73 受電器デバイス
74 充電デバイス、ロボット式移動車両、移動ユニット
75 ワイヤレスコントローラ
76 筐体
77 充電デバイス
78 表示パネル、表示画面、ユーザインターフェース
79 取っ手
110 電池コントローラ
310 高速充電DC直接接続、DC高速充電器接続、DC高速充電接続
311 三相AC系統入力、三相系統接続、変換エンジン
312 変換エンジン
314 インターフェース、インターフェース電子装置
315 保護回路
610 電池、パワーパック
611 充電エンジン、DC-DC充電器、コントローラ
612 ゲートドライブ
613 電力段コントローラ
614 高速充電コントロール
615 サブシステム制御ブロック
616 サブシステム監視および通信ブロック
617 システム診断/データロギングブロック
618 充電/放電セッション管理ブロック
710 充電デバイス、サムドライブ
711 LED、LEDライト
【国際調査報告】