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特表2024-546965ペイロードをグラップルして作動させるためのロボットシステム、方法、およびデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ペイロードをグラップルして作動させるためのロボットシステム、方法、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/04 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
B25J15/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536004
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 CA2022051842
(87)【国際公開番号】W WO2023108293
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/290,121
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524183223
【氏名又は名称】マクドナルド・デトワイラー・アンド・アソシエイツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テジ・シン・サチデヴ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴ・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・レイモンド・アッパーリー
(72)【発明者】
【氏名】ドリュー・グランディ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707GS04
3C707HS27
3C707KS09
3C707KS16
3C707KS35
3C707KT02
3C707KX07
3C707LT11
(57)【要約】
ペイロードをグラップルして作動させるためのロボットシステム、方法、およびデバイスが提供される。ロボットエンドエフェクターデバイスは、グラップルフィクスチャーを通してペイロードをキャプチャーしてリジッド化するためのグラップルメカニズムを含む。グラップルメカニズムは、グラップルフィクスチャーのプローブをグラップルし、プローブを後退させ、グラップルフィクスチャーの第1のカップリングエレメントをグラップルメカニズムの上の第2のカップリングエレメントと嵌合接続させる。それぞれのカップリングエレメントは、複数の半径方向に配設された歯および切り欠き部を含み、それらは、他のカップリングエレメントの切り欠き部と嵌合するように構成されている。グラップルメカニズムは、グラップリングを開始させるために、プローブがグラップルメカニズムの中に存在していることをセンシングするためのペイロード存在センサーと、グラップルメカニズムの移動コンポーネントの位置を追跡するための較正センサーとを含む。移動コンポーネントの後退は、位置追跡に基づいてターゲットプリロード位置において停止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットエンドエフェクターデバイスであって、前記ロボットエンドエフェクターデバイスは、ロボットアームに接続するためのロボットアームインターフェースを含むアームインターフェース端部と、ペイロードとインターフェースするためのペイロードインターフェース端部とを有しており、前記ペイロードは、前記ペイロードの表面に装着されている第1のカップリングエレメントとグラップルプローブとを含むグラップルフィクスチャーを有しており、前記デバイスは、
前記エンドエフェクターデバイスの内部コンパートメントを囲むためのハウジングと;
第2のカップリングエレメントであって、前記第2のカップリングエレメントは、前記ペイロードへの前記エンドエフェクターのリジッド化中に、前記第1のカップリングエレメントと嵌合するために、前記ペイロードインターフェース端部において前記ハウジングに接続されており、前記第2のカップリングエレメントは、それを通る開口部を有しており、前記ペイロードインターフェース端部が前記ロボットアームによって前記グラップルフィクスチャーに向けて移動されるときに、前記グラップルフィクスチャーの前記グラップルプローブが前記内部コンパートメントに進入することを可能にする、第2のカップリングエレメントと;
前記グラップルフィクスチャーを通して前記ペイロードをキャプチャーして前記エンドエフェクターデバイスにリジッド化するために、前記内部コンパートメントの中に配設されているグラップルメカニズムと
を含み、
前記グラップルメカニズムは、
前記グラップルプローブをグラップルするためのジョーを含むジョーアッセンブリと;
前記ジョーによってグラップルされることとなる位置(「グラップリング位置」)に前記グラップルプローブがあることをセンシングするためのペイロード存在センサーと;
前記エンドエフェクターを前記ペイロードにターゲットプリロードまでリジッド化するために、前記ジョーが前記グラップルプローブをグラップルしている間に前記第1のカップリングエレメントおよび前記第2のカップリングエレメントを嵌合接続させるために、前記ペイロードインターフェース端部(「後退」)とは反対の方向に前記グラップルメカニズムのキャプチャー軸線に沿って並進するための移動コンポーネントであって、前記移動コンポーネントは、前記ジョーアッセンブリを含み、前記移動コンポーネントの後退は、前記ジョーを閉鎖し、前記グラップルプローブをグラップルする、移動コンポーネントと;
前記キャプチャー軸線に沿って前記移動コンポーネントを後退させるための並進メカニズムと;
前記並進メカニズムを駆動するためのモーターであって、前記モーターは、前記グラップリング位置にある前記グラップルプローブを前記ペイロード存在センサーがセンシングすることに応答して、前記並進メカニズムを駆動するようにトリガーされる、モーターと;
前記移動コンポーネントが較正位置から後退したことをセンシングするための較正センサーと;
前記較正位置に対する前記移動コンポーネントの位置をモニタリングするための、および、前記ターゲットプリロードを実現する前記キャプチャー軸線に沿ったターゲットプリロード位置に前記移動コンポーネントが到達したときに、前記移動コンポーネントの後退を停止させるための出力を発生させるための位置モニタリングデバイスと
を含む、ロボットエンドエフェクターデバイス。
【請求項2】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、複数の半径方向に配設されている歯および切り欠き部をそれぞれ含み、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが一緒にされるときに、前記第2のカップリングエレメントの前記歯は、前記第1のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されており、前記第1のカップリングエレメントの前記歯は、前記第2のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが嵌合接続させられるときに、ハースカップリングの一方の半分体としてそれぞれ作用するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、6つの歯および6つの切り欠き部をそれぞれ含み、嵌合されたときに、前記第1および第2のカップリングエレメントが、前記それぞれの歯および切り欠き部を通して、12個の接触ポイントを有するようになっている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ペイロードが前記エンドエフェクターにリジッド化されるときに、前記第1および第2のカップリングエレメントは、一緒に係合されており、前記エンドエフェクターの最大リジッド化負荷容量まで前記インターフェースの分離なしに静的負荷をそれらの間で伝送する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第2のカップリングエレメントの前記歯および前記第1のカップリングエレメントの相補的な前記切り欠き部は、前記第1および第2のカップリングエレメントが係合されるときに、前記第2のカップリングエレメントの前記歯と前記第1のカップリングエレメントの前記切り欠き部とのアライメントを推進するための3つの湾曲した側部表面をそれぞれが含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記移動コンポーネントは、前記移動コンポーネントのサブコンポーネントの第1の圧縮表面と前記ジョーアッセンブリの第2の圧縮表面との間で付勢される圧縮可能エレメントを含み、前記第1の圧縮表面は、前記アームインターフェース端部に面しており、前記第2の圧縮表面は、前記ペイロードインターフェース端部に面しており、前記第1および第2の圧縮表面が互いに向かい合うようになっており、前記移動コンポーネントの後退中に、前記ジョーアッセンブリは、前記ターゲットプリロード位置の前に後退することを停止し、前記移動コンポーネントの前記サブコンポーネントは、前記ターゲットプリロード位置まで後退することを継続し、前記圧縮可能エレメントが前記第1の圧縮表面と前記第2の圧縮表面との間で圧縮され、前記ターゲットプリロードを発生させるようになっている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記圧縮可能エレメントは、少なくとも1つのベルヴィルスプリングスタックを含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記並進メカニズムは、前記モーターによって駆動されるギアパスと、前記ギアパスによって回転させられるボールスクリューとを含み、前記グラップルメカニズムの前記移動コンポーネントは、前記ジョーアッセンブリ、スクリュースリーブ、およびボールナットを含み、前記ボールスクリューの回転は、前記ボールナットが前記ジョーアッセンブリおよび前記スクリュースリーブを並進させることを引き起こす、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記サブコンポーネントは、前記スクリュースリーブである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ペイロードセンサーは、センシングエレメントを含み、前記センシングエレメントは、前記ジョーが閉鎖するときに前記ジョーによってグラップルされるように前記グラップルプローブが前記ジョーの中へ十分に深く挿入されるときに、前記センシングエレメントが前記グラップルプローブによってトリガーされるように配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ペイロードセンサーは、センシングエレメントを含み、前記センシングエレメントは、前記ペイロードインターフェース端部に対して前記グラップリング位置の遠位端部に配置されており、前記センシングエレメントは、前記グラップルプローブが前記グラップリング位置に進入したときに前記グラップルプローブのプローブ先端部によって押し下げられ、押し下げられることに応答して、出力を発生させ、前記出力は、後退を開始させるための信号として使用される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記センシングエレメントは、前記移動コンポーネントに接続されており、前記センシングエレメントが、後退中に前記移動コンポーネントとともに移動し、前記リジッド化の全体を通して前記ペイロードが存在していることを示す状態を維持するようになっている、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記センシングエレメントは、スライダーの上に装着されており、前記センシングエレメントが前記移動コンポーネントとともに移動することを可能にする、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記グラップルメカニズムは、パワー引き出しが必要とされることなく前記ターゲットプリロードを維持するためのブレーキをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ブレーキは、電気機械的なパワー-ツー-リフトブレーキであり、前記電気機械的なパワー-ツー-リフトブレーキでは、ブレーキは、パワーなしで適用され、前記モーターの上の前記ブレーキを係合解除するために作動電圧を必要とする、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記位置モニタリングデバイスは、事前に決定された数のモーターターンをカウントすることおよび事前に決定された量のモーター電流をセンシングすることのうちの少なくとも1つを使用して、前記移動コンポーネントの位置をモニタリングする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記位置モニタリングデバイスは、レゾルバーである、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記較正位置は、前記較正センサーのセンシングエレメントが前記内部コンパートメントの中に配置される固定された位置であり、前記移動コンポーネントは、特徴を含み、前記特徴は、前記較正位置を越えて後退させられたときに前記センシングエレメントをトリガーする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記位置モニタリングデバイスは、前記グラップルメカニズムが前記第1のカップリングエレメントと第2のカップリングエレメントとの間の前記インターフェースを複数の異なるターゲットプリロードまでリジッド化することができるように、複数の異なるターゲットプリロード位置への前記移動コンポーネントの位置モニタリングを実施するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記位置モニタリングデバイスは、前記グラップルメカニズムが前記第1のカップリングエレメントと前記第2のカップリングエレメントとの間の前記インターフェースを複数の異なるターゲットプリロードまでリジッド化することができるように、複数の異なるターゲットプリロード位置への前記移動コンポーネントの位置モニタリングを実施するように構成されており、前記複数のターゲットプリロード位置のうちのそれぞれ1つの間の差は、前記第1および第2の表面の相対的移動によって前記圧縮可能エレメントに印加される圧縮の異なる量に対応している、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
グラップリング中の負荷を制限するために、前記グラップルメカニズムの主荷重経路の中に装着されている力トルクセンサーをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記力トルクセンサーは、3軸の力および3軸のモーメントを測定する、請求項51に記載のデバイス。
【請求項24】
前記ペイロードの上のマシンビジョンマーカーを画像化するために前記グラップルメカニズムの上方に装着されている第1のカメラと、フォトグラメトリー測定のためにターゲットフィデューシャルを画像化するために前記グラップルメカニズムの傍らに装着されている第2のカメラとをさらに含み、前記第1および第2のカメラは、異なる距離および異なるf値において焦点を合わせられたレンズを有している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
ロボットエンドエフェクターデバイスであって、前記ロボットエンドエフェクターデバイスは、ロボットアームに接続するためのロボットアームインターフェースを含むアームインターフェース端部と、ペイロードとインターフェースするためのペイロードインターフェース端部とを有しており、前記ペイロードは、前記ペイロードをグラップルしてリジッド化するためのグラップルフィクスチャーと、トルクを受け入れるためのトルクエレメントとを有しており、前記デバイスは、
グラップルメカニズムであって、前記グラップルメカニズムは、前記エンドエフェクターデバイスの前記ペイロードインターフェース端部が前記グラップルフィクスチャーに向けて移動されるときに、前記グラップルフィクスチャーのグラップルプローブをグラップルするように構成されており、また、前記グラップルされたプローブをキャプチャー軸線に沿って前記アームインターフェース端部に向けて後退させ、前記グラップルフィクスチャーのカップリングエレメントおよび前記トルクエレメントを前記ペイロードインターフェース端部に向かわせるように構成されている、グラップルメカニズムと;
前記ペイロードの上の前記トルクエレメントを通して前記ペイロードにトルクを渡すためのソケットドライブメカニズムと
を含み、
前記ソケットドライブメカニズムは、
前記トルクエレメントを受け入れて着座させるためのソケットを有するソケットモジュールと;
前記ソケットの中に着座された前記トルクエレメントに回転機械的エネルギーを付与するために前記ソケットを回転させるためのソケットローテーターと;
前記ソケットローテーターの回転を駆動するためのソケットドライブモーターモジュールと;
前記ソケットが前記トルクエレメントにミスアライメントされて前記トルクエレメントに接触しているときには、前記ソケットモジュールを前方位置から受動的に軸線方向に後退させ、前記ソケットが前記トルクエレメントとアライメントされて前記トルクエレメントの上に着座されているときには、前記前方位置に受動的に戻るように構成されている軸線方向コンプライアンスメカニズムと
を含み、
前記ソケットドライブモーターは、前記ソケットが前記トルクエレメントの上に着座されているときに前記ソケットローテーターの回転を駆動し、前記回転機械的エネルギーを前記トルクエレメントに付与する、ロボットエンドエフェクターデバイス。
【請求項26】
前記ソケットドライブメカニズムは、前記ソケットモジュールが前記前方位置から後退したことをセンシングするためのソケット係合式センサーをさらに含み、前記ソケットモジュールが前記前方位置から後退したことを前記ソケット係合式センサーがセンシングすることに応答して、前記ソケットドライブモーターモジュールは、前記ソケットローテーターを駆動し、前記ソケットが前記トルクエレメントとアライメントされるまで前記ソケットモジュールを回転させ、前記軸線方向コンプライアンスメカニズムが前記ソケットモジュールを前記前方位置に戻すことを引き起こす、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記ソケット係合式センサーは、前記ソケットモジュールが前記前方位置に戻ったことをセンシングするようにさらに構成されており、前記ソケットモジュールが前記前方位置に戻ったことを前記ソケット係合式センサーがセンシングすることに応答して、前記ソケットドライブモーターモジュールは、前記ソケットローテーターを駆動し、前記ソケットを回転させ、着座された前記トルクエレメントに回転機械的エネルギーが印加されるようになっている、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記ソケットドライブメカニズムは、前記トルクエレメントに印加された前記回転機械的エネルギーを測定し、事前に決定された量の回転機械的エネルギーが前記トルクエレメントに印加されたときに、前記ソケットモジュールの回転を自動的に停止するようにさらに構成されている、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記ソケットドライブメカニズムは、前記ソケットモジュールのターンの数および印加された電流のうちの少なくとも1つを測定することによって、印加された前記回転機械的エネルギーを測定する、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記ソケットドライブメカニズムは、前記ソケットモジュールの前記ターンの数をモニタリングするためのレゾルバーを含む、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記軸線方向コンプライアンスメカニズムは、前記ソケットモジュールに接続されているウェーブスプリングを含み、前記ウェーブスプリングは、ミスアライメントされたトルクエレメントが前記ソケットに接触するときに圧縮され、前記ソケットモジュールの受動的な後退を引き起こし、前記ウェーブスプリングは、前記ソケットが前記トルクエレメントにアライメントされるときに減圧され、前記ソケットモジュールが前記前方位置に戻ることを引き起こす、請求項25に記載のデバイス。
【請求項32】
前記ソケットローテーターは、スプラインシャフトを含み、前記ソケットドライブメカニズムは、コンプライアンスキャビティーを含み、前記コンプライアンスキャビティーの中に、前記スプラインシャフトのペイロードインターフェース端部が配設されており、前記ウェーブスプリングの前記圧縮は、前記スプラインシャフトが前記コンプライアンスキャビティーの中へさらに進入することを引き起こす、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記トルクエレメントは、六角ボルトであり、前記ソケットは、前記六角ボルトのプロファイルに相補的な六角プロファイル(「ソケット六角部」)を有している、請求項25に記載のデバイス。
【請求項34】
前記六角ボルトは、前記ソケットとインターフェースするための丸みを帯びた端部を含み、前記ソケットの前記六角プロファイルは、前記六角ボルトの前記プロファイルを補完するように丸みを帯びている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記ソケットモジュールは、前記ペイロードインターフェース端部に配置されている凹形表面を含み、前記ソケットは、前記凹形表面の上に中央に配設されている、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記ソケットドライブメカニズムは、トルク付与動作中にコンプライアンスを提供するための、および、前記トルクエレメントのミスアライメントに対処するためのオルダムカップリングをさらに含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項37】
前記ソケット係合式センサーは、センシングエレメントを含み、前記センシングエレメントは、前記ソケットモジュールが前記前方位置から後退させられているときに、および、前記ソケットモジュールが前記前方位置に戻るときに、前記ソケットモジュールの上の特徴によって機械的にトリガーされ、前記機械的にトリガーすることは、前記ソケット係合式センサーによって登録される前記センシングエレメントの状態変化を引き起こす、請求項28に記載のデバイス。
【請求項38】
ペイロードのロボットキャプチャーの方法であって、
ロボットアームを介してエンドエフェクターのペイロードインターフェース端部を前記ペイロードの上のグラップルフィクスチャーに向けて移動させ、前記グラップルフィクスチャーが前記エンドエフェクターのキャプチャーエンベロープの中にあるようになっている、ステップであって、前記ペイロードインターフェース端部は、グラップルメカニズムを有している、ステップと;
前記グラップルフィクスチャーのプローブが前記グラップルメカニズムのグラップリングエリアの中にあることをセンシングするステップであって、前記グラップリングエリアでは、前記グラップルメカニズムのグラップルジョーが前記プローブをグラップルすることができる、ステップと;
前記グラップルプローブが前記グラップリングエリアの中にあることをセンシングすることに応答して、前記グラップルメカニズムをキャプチャー軸線に沿って後退させ、前記グラップルジョーを閉鎖し、前記プローブをグラップルするステップと;
前記グラップルメカニズムがホーム位置から後退したことをセンシングするステップと;
前記グラップルメカニズムが前記ホーム位置から後退したことをセンシングすることに応答して、前記グラップルメカニズムが後退するときに、位置モニタリングデバイスを介して、前記キャプチャー軸線に沿って前記グラップルメカニズムの位置を追跡するステップと;
前記グラップルメカニズムが前記プローブをグラップルしているときに、前記グラップルメカニズムを前記キャプチャー軸線に沿ってターゲットプリロード位置までさらに後退させ、前記ペイロードの前記表面の上の前記グラップルフィクスチャーの第1のカップリングエレメントを、前記エンドエフェクターの前記ペイロードインターフェース端部の上の第2のカップリングエレメントと嵌合された接続へと引き込み、前記エンドエフェクターの最大リジッド化負荷能力まで前記インターフェースの分離なしに、前記第1および第2のカップリングエレメントが互いの間で静的負荷を伝送するようになっている、ステップであって、前記ターゲットプリロード位置は、個別のリジッド化負荷に対応している、ステップと;
前記グラップルメカニズムが前記ターゲットプリロード位置まで後退したときに、前記位置モニタリングデバイスにおいて出力を発生させるステップと;
前記位置モニタリングデバイスの前記出力に基づいて、前記ターゲットプリロード位置において前記グラップルメカニズムの後退を停止させるステップと
を含む、方法。
【請求項39】
前記ペイロードは、宇宙ベースのペイロードであり、前記ターゲットプリロード位置は、宇宙ベースの環境における前記方法の実施の前に、地上において事前に決定されおよび較正される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記グラップルメカニズムによる後退の前に:
前記グラップルメカニズムによって実現可能な複数の個別のリジッド化負荷から前記個別のリジッド化を選択するステップと;
選択された前記個別のリジッド化負荷を前記位置モニタリングデバイスに通信するステップと
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記グラップルメカニズムの後退を停止させた後に、パワー引き出しが必要とされることなくプリロード構成を維持するためにブレーキに係合するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記グラップルメカニズムを前記キャプチャー軸線に沿って前記ターゲットプリロード位置までさらに後退させるステップは、
前記グラップルメカニズムの荷重経路の中の圧縮可能エレメントを圧縮し、前記個別のリジッド化負荷を発生させるステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記圧縮可能エレメントは、ベルヴィルスプリングスタックである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記エンドエフェクターの前記ペイロードインターフェース端部は、ソケットドライブメカニズムを含み、前記ペイロードは、トルクを受け入れるための、および、受け入れられた前記トルクをトルク駆動式サブシステムに渡すための、前記ペイロードの前記表面の上のトルクエレメントをさらに含み、前記方法は、
前記グラップルフィクスチャーが前記グラップルメカニズムによって前記エンドエフェクターにリジッド化されているときに、前記トルクエレメントおよび前記ソケットドライブメカニズムのソケットを接触させるステップと;
前記グラップルフィクスチャーがグラップルされてリジッド化されているときに、前記ソケットドライブメカニズムのソケットの中に前記トルクエレメントを着座させるステップと;
前記トルクエレメントが前記ソケットの中に着座されているときに、および、前記トルクエレメントの上に着座された前記ソケットを回転させることによって、前記グラップルフィクスチャーが前記エンドエフェクターにリジッド化されているときに、前記トルクエレメントにトルクを印加するステップと
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、複数の半径方向に配設されている歯および切り欠き部をそれぞれ含み、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが一緒にされるときに、前記第2のカップリングエレメントの前記歯は、前記第1のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されており、前記第1のカップリングエレメントの前記歯は、前記第2のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されている、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが前記嵌合接続させられるときに、ハースカップリングの一方の半分体としてそれぞれ作用するように構成されている、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
前記グラップルメカニズムの主荷重経路の中に装着されている力トルクセンサーを使用して、グラップリング中の負荷を制限するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記力トルクセンサーは、3軸の力および3軸のモーメントを同時に測定する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
ペイロードにトルクをロボット制御で伝送する方法であって、
前記エンドエフェクターのグラップルメカニズムによって前記ペイロードの上のグラップルフィクスチャーをグラップルすることによって、エンドエフェクターによって前記ペイロードをキャプチャーするステップと;
前記グラップルメカニズムをターゲットプリロード位置まで後退させ、前記グラップルフィクスチャーを前記エンドエフェクターにリジッド化するステップと;
前記グラップルメカニズムの後退から結果として生じる前記ペイロードおよび前記エンドエフェクターの相対運動を介して、前記エンドエフェクターのソケットドライブメカニズムのソケットの中に、前記ペイロードの上に存在しているトルクエレメントを着座させるステップと;
前記トルクエレメントが前記ソケットドライブメカニズムの前記ソケットの中に着座されていることをセンシングするステップと;
前記トルクエレメントが前記ソケットの中に着座されていることをセンシングすることに応答して、前記ソケットを回転させることによって前記トルクエレメントにトルクを印加し、前記トルクエレメントに接続されている前記ペイロードのトルク駆動式サブシステムを駆動するステップと
を含む、方法。
【請求項50】
トルクモニタリングデバイスを介して、前記トルクエレメントに印加されるトルクの量をモニタリングするステップと;
事前に決定されたターゲット量のトルクが印加されたときに、前記トルクモニタリングデバイスにおいて出力を発生させるステップと;
前記トルクモニタリングデバイスの前記出力に基づいて前記ソケットの回転を停止させるステップと
をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記トルクエレメントに印加される前記トルクの量を前記モニタリングするステップは、前記ソケットの回転の数をカウントするステップおよび印加される電流を測定するステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ペイロードの上に存在している前記トルクエレメントを前記ソケットの中に着座させるステップは、
前記ソケットが前記トルクエレメントにミスアライメントされている場合には、前記ソケットドライブメカニズムの軸線方向コンプライアンスメカニズムを係合させるステップであって、前記軸線方向コンプライアンスメカニズムを係合させるステップは、前記ソケットが前記ミスアライメントされたトルクエレメントに接触するときに、前方位置から前記ソケットを受動的に後退させるステップを含む、ステップと;
前記軸線方向コンプライアンスメカニズムが係合されていることをセンシングするステップと;
前記軸線方向コンプライアンスメカニズムが係合されていることをセンシングすることに応答して、前記ソケットが前記トルクエレメントとアライメントされて前記トルクエレメントの上に着座されるまで、前記ソケットを回転させるステップと;
前記ソケットが前記トルクエレメントとアライメントされているときに、前記軸線方向コンプライアンスメカニズムを係合解除し、前記ソケットが前記前方位置に受動的に戻ることを引き起こすステップと
を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記軸線方向コンプライアンスメカニズムが係合されていることをセンシングするステップは、前記前方位置からの前記ソケットの受動的な後退を介して、センシングエレメントの状態変化をトリガーするステップを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記センシングエレメントは、物理的スイッチを含み、前記センシングエレメントの前記状態変化をトリガーするステップは、前記ソケットが前記前方位置から後退するときに、前記ソケットの上の特徴が前記物理的スイッチをそれぞれ係合解除または係合することを介して、前記物理的スイッチの前記状態を、押し下げられた状態から押し下げられていない状態へ、または、押し下げられていない状態から押し下げられた状態へ変化させるステップを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記トルクエレメントが前記ソケットドライブメカニズムの前記ソケットの中に着座されていることをセンシングするステップは、前記ソケットが前記前方位置に受動的に戻るときに、前記センシングエレメントの第2の状態変化をトリガーするステップを含む、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、概して、ロボットシステムおよびデバイスに関し、より具体的には、ペイロードの上の準備されたインターフェース(prepared interface)を介してペイロードをグラップルして(grapple)作動させるためのロボットインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
マニピュレーターの端部において動作する低質量アクティブロボットインターフェースの開発は、ロボットによるサービス、メンテナンス、および組み立て能力の進歩において、とりわけ、宇宙空間および軌道上の環境において重要な要素である。1つの目的は、ロボットデバイスの質量および体積を制限し、同時に設計の負荷容量を最大化することである。多目的ロボットインターフェースの開発は、宇宙船インテグレーターが将来の車両およびアーキテクチャーの中へロボットコンパティビリティー(robotic compatibility)を組み込むように促すこととなる。
【0003】
より一般的には、さまざまな用途および環境(宇宙空間および軌道上の用途を含む)において、ペイロード(たとえば、ツールまたは他の物体など)の効果的なキャプチャーを可能にするロボットインターフェースが望まれている。さらに、たとえば、ピックアンドプレース動作などを介してキャプチャーされたペイロードを操縦することを通して、または、ロボットインターフェースを横切ってトルクを伝達することなどを通して、キャプチャーされたペイロードの作動を可能にすることができるロボットインターフェースが望まれている。他のケースでは、データ、パワー、および燃料の転送が存在する可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、既存のシステムおよび方法の欠点のうちの少なくともいくつかを克服する、ペイロードをグラップルして作動させるための改善されたシステム、方法、およびデバイスに対する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロボットエンドエフェクターデバイスが提供され、ロボットエンドエフェクターデバイスは、ロボットアームに接続するためのロボットアームインターフェースを含むアームインターフェース端部と、ペイロードとインターフェースするためのペイロードインターフェース端部とを有しており、ペイロードは、ペイロードの表面に装着されている第1のカップリングエレメントとグラップルプローブとを含むグラップルフィクスチャーを有している。
【0006】
デバイスは、エンドエフェクターデバイスの内部コンパートメントを囲むためのハウジングと;第2のカップリングエレメントであって、第2のカップリングエレメントは、ペイロードへのエンドエフェクターのリジッド化中に、第1のカップリングエレメントと嵌合するために、ペイロードインターフェース端部においてハウジングに接続されており、第2のカップリングエレメントは、それを通る開口部を有しており、ペイロードインターフェース端部がロボットアームによってグラップルフィクスチャーに向けて移動されるときに、グラップルフィクスチャーのグラップルプローブが内部コンパートメントに進入することを可能にする、第2のカップリングエレメントと;グラップルフィクスチャーを通してペイロードをキャプチャーしてエンドエフェクターデバイスにリジッド化するために、内部コンパートメントの中に配設されているグラップルメカニズムとを含む。
【0007】
グラップルメカニズムは、グラップルプローブをグラップルするためのジョーを含むジョーアッセンブリと;ジョーによってグラップルされることとなる位置(「グラップリング位置」)にグラップルプローブがあることをセンシングするためのペイロード存在センサーと;エンドエフェクターをペイロードにターゲットプリロードまでリジッド化するために、ジョーがグラップルプローブをグラップルしている間に第1のカップリングエレメントおよび第2のカップリングエレメントを嵌合接続させるために、ペイロードインターフェース端部(「後退」)とは反対の方向にグラップルメカニズムのキャプチャー軸線に沿って並進するための移動コンポーネントとを含む。移動コンポーネントは、ジョーアッセンブリを含み、移動コンポーネントの後退は、ジョーを閉鎖し、グラップルプローブをグラップルし、グラップルメカニズムは、さらに、キャプチャー軸線に沿って移動コンポーネントを後退させるための並進メカニズムと;並進メカニズムを駆動するためのモーターであって、モーターは、グラップリング位置にあるグラップルプローブをペイロード存在センサーがセンシングすることに応答して、並進メカニズムを駆動するようにトリガーされる、モーターと;移動コンポーネントが較正位置から後退したことをセンシングするための較正センサーと;較正位置に対する移動コンポーネントの位置をモニタリングするための、および、ターゲットプリロードを実現するキャプチャー軸線に沿ったターゲットプリロード位置に移動コンポーネントが到達したときに、移動コンポーネントの後退を停止させるための出力を発生させるための位置モニタリングデバイスとを含む。
【0008】
また、ロボットアームインターフェースを含むアームインターフェース端部を有するロボットエンドエフェクターデバイスが提供される。アームインターフェース端部は、ロボットアームに接続するためのものであり、デバイスは、さらに、ペイロードとインターフェースするためのペイロードインターフェース端部を有しており、ペイロードは、ペイロードをグラップルしてリジッド化するためのグラップルフィクスチャーと、トルクを受け入れるためのトルクエレメントとを有している。
【0009】
デバイスは、グラップルメカニズムであって、グラップルメカニズムは、エンドエフェクターデバイスのペイロードインターフェース端部がグラップルフィクスチャーに向けて移動されるときに、グラップルフィクスチャーのグラップルプローブをグラップルするように構成されており、また、グラップルされたプローブをキャプチャー軸線に沿ってアームインターフェース端部に向けて後退させ、グラップルフィクスチャーのカップリングエレメントおよびトルクエレメントをペイロードインターフェース端部に向かわせるように構成されている、グラップルメカニズムと;ペイロードの上のトルクエレメントを通してペイロードにトルクを渡すためのソケットドライブメカニズムとを含む。
【0010】
ソケットドライブメカニズムは、トルクエレメントを受け入れて着座させるためのソケットを有するソケットモジュールと;ソケットの中に着座されたトルクエレメントに回転機械的エネルギーを付与するためにソケットを回転させるためのソケットローテーターと;ソケットローテーターの回転を駆動するためのソケットドライブモーターモジュールと;ソケットがトルクエレメントにミスアライメントされて(misaligned)トルクエレメントに接触しているときには、ソケットモジュールを前方位置から受動的に軸線方向に後退させ、ソケットがトルクエレメントとアライメントされてトルクエレメントの上に着座されているときには、前方位置に受動的に戻るように構成されている軸線方向コンプライアンスメカニズムとを含む。
【0011】
ソケットドライブモーターは、ソケットがトルクエレメントの上に着座されているときにソケットローテーターの回転を駆動し、回転機械的エネルギーをトルクエレメントに付与する。
【0012】
また、ペイロードのロボットキャプチャーの方法が提供される。本方法は、ロボットアームを介してエンドエフェクターのペイロードインターフェース端部をペイロードの上のグラップルフィクスチャーに向けて移動させ、グラップルフィクスチャーがエンドエフェクターのキャプチャーエンベロープの中にあるようになっている、ステップであって、ペイロードインターフェース端部は、グラップルメカニズムを有している、ステップと;グラップルフィクスチャーのプローブがグラップルメカニズムのグラップリングエリアの中にあることをセンシングするステップであって、グラップリングエリアでは、グラップルメカニズムのグラップルジョーがプローブをグラップルすることができる、ステップとを含む。
【0013】
グラップルプローブがグラップリングエリアの中にあることをセンシングすることに応答して、本方法は、グラップルメカニズムをキャプチャー軸線に沿って後退させ、グラップルジョーを閉鎖し、プローブをグラップルするステップと;グラップルメカニズムがホーム位置から後退したことをセンシングするステップとをさらに含む。
【0014】
グラップルメカニズムがホーム位置から後退したことをセンシングすることに応答して、本方法は、グラップルメカニズムが後退するときに、位置モニタリングデバイスを介して、キャプチャー軸線に沿ってグラップルメカニズムの位置を追跡するステップと;グラップルメカニズムがプローブをグラップルしているときに、グラップルメカニズムをキャプチャー軸線に沿ってターゲットプリロード位置までさらに後退させ、ペイロードの表面の上のグラップルフィクスチャーの第1のカップリングエレメントを、エンドエフェクターのペイロードインターフェース端部の上の第2のカップリングエレメントと嵌合された接続へと引き込み、エンドエフェクターの最大リジッド化負荷能力までインターフェースの分離なしに、第1および第2のカップリングエレメントが互いの間で静的負荷を伝送するようになっている、ステップであって、ターゲットプリロード位置は、個別のリジッド化負荷に対応している、ステップと;グラップルメカニズムがターゲットプリロード位置まで後退したときに、位置モニタリングデバイスにおいて出力を発生させるステップと;位置モニタリングデバイスの出力に基づいて、ターゲットプリロード位置においてグラップルメカニズムの後退を停止させるステップとをさらに含む。
【0015】
また、ペイロードにトルクをロボット制御で伝送する方法が提供される。本方法は、エンドエフェクターのグラップルメカニズムによってペイロードの上のグラップルフィクスチャーをグラップルすることによって、エンドエフェクターによってペイロードをキャプチャーするステップと;グラップルメカニズムをターゲットプリロード位置まで後退させ、グラップルフィクスチャーをエンドエフェクターにリジッド化するステップと;グラップルメカニズムの後退から結果として生じるペイロードおよびエンドエフェクターの相対運動を介して、エンドエフェクターのソケットドライブメカニズムのソケットの中に、ペイロードの上に存在しているトルクエレメントを着座させるステップと;トルクエレメントがソケットドライブメカニズムのソケットの中に着座されていることをセンシングするステップとを含む。
【0016】
トルクエレメントがソケットの中に着座されていることをセンシングすることに応答して、本方法は、また、ソケットを回転させることによってトルクエレメントにトルクを印加し、トルクエレメントに接続されているペイロードのトルク駆動式サブシステムを駆動するステップを含む。
【0017】
他の態様および特徴は、いくつかの例示的な実施形態の以下の説明を検討すると、当業者に明らかになり得る。
【0018】
本明細書に含まれる図面は、本明細書の物品、方法、および装置のさまざまな例を示すためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】実施形態による、ペイロードの上の準備されたインターフェースを介したペイロードのロボットキャプチャーおよびペイロードへのトルク伝達のためのシステムのブロック図である。
図1B図1Aのシステムのマシンビジョンシステムのブロック図である。
図1C図1Aのシステムのグラップルサブシステムのブロック図である。
図1D図1Aのシステムのトルカーサブシステム(torquer subsystem)のブロック図である。
図2】実施形態による、多目的エンドエフェクターと準備されたペイロードとの間でインターフェースする方法のフローダイアグラムである。
図3A】実施形態による、ペイロードの上のグラップルフィクスチャーを介して、ペイロードをグラップルしてリジッド化する方法のフローダイアグラムである。
図3B】実施形態による、ペイロードの上のグラップルフィクスチャーを介して、ペイロードをグラップルしてリジッド化する方法のフローダイアグラムである。
図4】実施形態による、ペイロードの準備されたインターフェースの上でトルクエレメント(または、トルクもしくは作動部材)をアライメントさせ、着座させ、および作動させる方法のフローダイアグラムである。
図5】実施形態による、ペイロードの上で使用するための準備されたインターフェースと、準備されたインターフェースを介してペイロードとインターフェースするためのロボットエンドエフェクターとを含むロボットインターフェースシステムの斜視図である。
図6A】分離した状態の図5のエンドエフェクターの正面斜視図である。
図6B図6Aのエンドエフェクターの後面斜視図である。
図7A】分離した状態の図6Aのエンドエフェクターのグラップルメカニズムの外部側面図である。
図7B図7Aのグラップルメカニズムの外部正面図である。
図8図7A図7Bのグラップルメカニズムの前端部の正面斜視図である。
図9】分離した状態の図5のグラップルフィクスチャーの斜視図である。
図10A】エンドエフェクターがグラップルフィクスチャーに向けて移動するときの、キャプチャー前構成にある図8のエンドエフェクター前端部および図9のグラップルフィクスチャーの斜視図である。
図10B】エンドエフェクターおよびグラップルフィクスチャーのそれぞれのカップリングエレメントのカップリングを示す、キャプチャー後およびリジッド化された構成にある図8のエンドエフェクター前端部および図9のグラップルフィクスチャーの斜視図である。
図11】実施形態による、分離した状態の図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムの断面側面図である。
図12A】グラップルフィクスチャーとの接触の後の、および、メカニズム後退中の、図11のグラップルメカニズムの断面側面図である。
図12B】スプリットハウジングとスクリュースリーブとの間の相対運動を介してベルヴィルスプリングスタック圧縮を通してリジッド化された、図12Aのグラップルメカニズムとグラップルフィクスチャーとの間のインターフェースの断面側面図である。
図13A】実施形態による、開放構成と閉鎖構成との間でのグラップルジョーの作動を図示する、図11のグラップルメカニズムのグラップルジョーの部分的に透明な斜視側面図である。
図13B】実施形態による、開放構成と閉鎖構成との間でのグラップルジョーの作動を図示する、図11のグラップルメカニズムのグラップルジョーの部分的に透明な斜視側面図である。
図14A】分離した状態の図6A図6Bのエンドエフェクターのソケットドライブメカニズムの正面斜視図である。
図14B図14Aのソケットドライブメカニズムの側面図である。
図14C】実施形態による、図14A図14Bのソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図15】分離した状態の図5の準備されたインターフェースのトルクドライブボルトの斜視図である。
図16A図14A図14Cのソケットドライブメカニズムのソケットヘッドのソケットプロファイルの正面図である。
図16B図15のトルクドライブボルトに対する図14A図14Cのソケットドライブメカニズムのソケットドライブの角度的なミスアライメントの対処を図示する断面側面図である。
図17A図14A図14Cのソケットドライブメカニズムのオルダムカップリングの正面斜視図である。
図17B図17Aのオルダムカップリングの正面斜視分解図である。
図18】実施形態による、オルダムカップリングミスアライメントの対処を図示する、図17A図17Bのオルダムカップリングの正面斜視図である。
図19】ボルトがミスアライメントされた段階およびボルトが完全に着座された段階を含む、図14A図14Bのソケットドライブメカニズムの軸線方向コンプライアンスを図示する側面図である。
図20】軸線方向コンプライアンスを図示する、図19のソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図21A】実施形態による、マイクロスイッチセンシングエレメント場所を図示する、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図21B図21Aのソケット係合式マイクロスイッチ(socket engaged microswitch)、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化負荷安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する例示的な物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図22A】動作シーケンスのパワーオフ状態のためのレスト状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図22B図22Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図23A】動作シーケンスのパワーオン状態のためのレスト状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図23B図23Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図24A】動作シーケンスの「レスト状態」状態にある間のパワーアップにおける、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図24B図24Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図25A】動作シーケンスの較正位置にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図25B図25Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図26A】動作シーケンスのキャプチャーの準備のできた状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図26B図26Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図27A】動作シーケンスの接近、キャプチャーの準備のできた状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図27B図27Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図28A】動作シーケンスのペイロード存在状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図28B図28Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図29A】動作シーケンスのジョーが閉鎖された状態(または、「ソフトキャプチャー」状態)にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図29B図29Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図30A】動作シーケンスのソケットドライブと最初に接触した状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図30B図30Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図31A】動作シーケンスのグラップルフィクスチャー接触、ソケットがアライメントされていない状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図31B図31Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図32A】動作シーケンスのリジッド化された、ソケットがアライメントされていない状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図32B図32Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図33A】動作シーケンスのリジッド化された、ソケットがアライメントされた(動作の準備ができた)状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図33B図33Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図34A】動作シーケンスのペイロードの解放の状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図34B図34Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図35A】動作シーケンスの解放、プローブを押し始める状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図35B図35Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図36A】動作シーケンスの解放、ジョーが開放し始めた状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図36B図36Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図37A】動作シーケンスの解放、ジョーが部分的に開放した状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図37B図37Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図38A】動作シーケンスのジョーが開放した状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図38B図38Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図39A】動作シーケンスのペイロードが解放された状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図39B図39Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
図40A】動作シーケンスのレスト状態に戻った状態にある、図6A図6Bのエンドエフェクターのグラップルメカニズムおよびソケットドライブメカニズムの断面側面図である。
図40B図40Aに示されている動作状態に対応する、ソケット係合式マイクロスイッチ、ペイロード存在マイクロスイッチ、リジッド化安全マイクロスイッチ、および較正マイクロスイッチのそれぞれに関する物理的および電気的スイッチ状態のグラフィカルな表現である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
さまざまな装置またはプロセスは、それぞれの特許請求される実施形態の例を提供するために下記に説明されることが可能である。下記に説明される実施形態は、いかなる特許請求される実施形態を限定するものでもなく、いかなる特許請求される実施形態も、下記に説明されているものとは異なるプロセスまたは装置をカバーすることが可能である。特許請求される実施形態は、下記に説明されている任意の1つの装置またはプロセスの特徴のすべてを有する装置もしくはプロセスに限定されず、または、下記に説明されている装置の複数またはすべてに共通の特徴に限定されない。
【0021】
さらに、プロセスステップ、方法ステップ、またはアルゴリズムなどは、(本開示においておよび/または特許請求の範囲において)シーケンシャルな順序で説明される可能性があるが、そのようなプロセス、方法、およびアルゴリズムは、代替的な順序で作業するように構成されることが可能である。換言すれば、説明され得るステップの任意のシーケンスまたは順序は、必ずしもステップがその順序で実施されるべきであるという要件を示すわけではない。本明細書で説明されているプロセスのステップは、実用的な任意の順序で実施されることが可能である。さらに、いくつかのステップは、同時に実施されることが可能である。
【0022】
単一のデバイスまたは物品が本明細書で説明されているとき、2つ以上のデバイス/物品(それらが協働するか否かにかかわらず)が単一のデバイス/物品の代わりに使用されることが可能であるということが容易に明らかであろう。同様に、2つ以上のデバイスまたは物品が本明細書で説明されている場合(それらが協働するか否かにかかわらず)、単一のデバイス/物品が2つ以上のデバイスまたは物品の代わりに使用されることが可能であるということが容易に明らかであろう。
【0023】
以下は、概して、ロボットシステムおよびデバイスに関し、より具体的には、ペイロードの上の準備されたインターフェースを介してペイロードをグラップルして作動させるためのロボットインターフェースに関する。
【0024】
マニピュレーターの端部において動作する低質量アクティブロボットインターフェースの開発は、ロボットによる軌道上におけるサービス、メンテナンス、および組み立て能力の発展において重要な要素である。1つの目的は、多目的エンドエフェクターの質量および体積を最小化し、同時に設計の負荷容量を最大化することである。器用で多目的のロボットインターフェースの開発は、宇宙船インテグレーターが将来の車両およびアーキテクチャーの中へロボットコンパティビリティーを組み込むように促すことが可能である。さらに、本明細書で説明されているロボット工学ベースのシステム、方法、およびデバイスは、同様の機能および利点を提供しながら、宇宙ベースのシステムの文脈以外のロボット用途において使用されることが可能である。
【0025】
本明細書で使用されているように、「エンドエフェクター」という用語は、一般的に、機能を実施するロボットアームの端部にあるロボットデバイスまたはエレメントを指す。本明細書で使用されているような「エンドエフェクター」という用語は、ロボットアームの端部に恒久的にまたは分離不能に装着されているデバイスおよびロボットアームの端部との分離可能なインターフェースを有するデバイスを含む。分離可能なインターフェースは、エンドエフェクターが取り上げされ、使用され、および置かれる(すなわち、ロボットアームから分離される)ことを可能にすることができる。分離可能なインターフェースを有するエンドエフェクターの事例は、「ツール」または「エンドオブアームツール(end of arm tool)」と称されることも可能である。そのような事例では、ロボットアームは、ロボットアームが複数の異なるツールを使用することを可能にするツールチェンジャーの機能を有する、その端部に装着されている第1のエンドエフェクターと、分離可能なインターフェースを有する第2のエンドエフェクターとを有することが可能であり、第2のエンドエフェクターは、第1のエンドエフェクターによって係合され、ツールとして機能することが可能である。そのような場合では、第1の「ツールチェンジャー」エンドエフェクターおよび第2の「ツール」エンドエフェクターは、それぞれエンドエフェクターと考えられる。したがって、本明細書における「エンドエフェクター」への言及は、別段の記載がない限り、先述のものにおいて説明されているようなすべてのデバイスを含むことを意図している。
【0026】
本開示のロボットキャプチャーシステムは、ロボット動作およびインターフェースの嵌合のための比較的に広いキャプチャーエンベロープを提供することが可能である。したがって、ロボットキャプチャーシステムは、有利には、インターフェース嵌合中の寛容なミスアライメントを提供することが可能である。また、インターフェースミスアライメントに対するそのような寛容さは、キャプチャーのためのビジョンシステムアライメントのためのより低い性能要件を有するビジョンシステムを使用することを許容することが可能である。したがって、いくつかの実施形態において、ロボットキャプチャーシステムによるアライメントのために使用されるビジョンシステムは、より低い性能要件を有するビジョンシステムであることが可能である。
【0027】
ここで図1Aから図1Dを参照すると、実施形態による、ペイロードのロボットキャプチャーおよび操作のためのシステム100のブロック図が、示されている。
【0028】
システム100のシステムレベル図が、図1Aに示されている。システム100の特定のコンポーネントは、図1B図1Dにより詳細に示されている。
【0029】
システム100は、ペイロード102と、ペイロード102をキャプチャーするための、および、一旦キャプチャーされるとペイロード102を操作するためのロボットシステム104とを含む。
【0030】
また、システム100は、ロボットシステム104と通信するためのロボットワークステーション106を含む。ロボットワークステーション106は、ロボットシステム104にコマンドを送るためのヒューマン-マシンインターフェースを含む。ロボットワークステーション106とロボットシステム104との間の通信は、ネットワーク接続(たとえば、無線または有線)などのような任意の適切なデータ転送技法を介して実現されることが可能である。ロボットワークステーション106およびロボットシステム104は、ワークステーション106とロボットシステム104との間の通信を促進させるための通信インターフェースおよびソフトウェアを含む。
【0031】
ペイロード102は、任意の物体であることが可能であり、ペイロード102の性質は、ロボットシステム104のユーザーがキャプチャーおよび操作される(たとえば、移動される、作動される)ことを望む物体であること以外には特に限定されない。たとえば、ペイロード102は、ツールであることが可能であり、そのツールは、キャプチャーされることが可能であり、次いで、ロボットシステム104を通してツールを作動させることによって使用されることが可能である。システム100の宇宙ベースの用途におけるペイロード102の例は、フリーフライヤー物体をキャプチャーするためのツールおよび燃料補給ツールを含む。
【0032】
ペイロード102は、ペイロード102の上にマシンビジョンターゲット108を含む。マシンビジョンターゲット108は、宇宙ベースのロボット工学実装形態におけるスペースビジョンマーカーシステムターゲットであることが可能である。マシンビジョンターゲット108は、ペイロード102の上に配置されており、ロボットシステム104のマシンビジョンシステム110がマシンビジョンターゲット108を検出および追跡することができるようになっている。マシンビジョンターゲット108は、データビットイネーブリング(data bits enabling)のエンコーディングを含むことが可能であり、それは、マシンビジョンシステム110によってデコードされるときに、ペイロード102を識別する。マシンビジョンシステム110は、キャプチャーのためのアライメントを支援するように構成されている。エンドエフェクター116が比較的に寛容なキャプチャーエンベロープを提供することが可能であるということを所与として、いくつかの実施形態では、アライメントを担当するマシンビジョンシステム110のコンポーネントは、簡単化されることが可能であり、および/または、そうでなければ同様の性質のロボットキャプチャータスクに要求される可能性のあるものよりも低い性能要件を有することが可能である。
【0033】
マシンビジョンシステム110は、図1Bにより詳細に示されている。マシンビジョンシステム110は、マシンビジョンターゲット108を可視化するためのカメラサブシステム132と、カメラサブシステムによって収集されたイメージデータを発生させて処理するためのプロセッサーと、イメージデータを記憶するためのメモリーと、ロボットシステム104の他のコンポーネントと通信する(たとえば、マシンビジョンターゲット108の検出および追跡についての情報を通信する)ための通信インターフェースとを含む。プロセッサーは、認識モジュール134を実行するように構成されている。認識モジュール134は、カメラサブシステム132によって提供されるイメージデータを使用し、ペイロード102を識別する。認識モジュール134は、メモリーの中に記憶されているターゲット認識データベース136を参照し、処理されたマシンビジョンターゲットイメージデータが所与のペイロードに一致するかどうかを決定する。また、マシンビジョンシステム110は、キャプチャーのためのシステムアライメントを実施するためのアライメントモジュール(図示せず)を含むことが可能である。アライメントモジュール(および、アライメントの上のビジョンのために使用されるカメラサブシステム132)は、ロボットシステム104の比較的に広いキャプチャーエンベロープを所与として、とりわけ、同様の性質のロボットキャプチャー動作における視覚的アライメントタスクへの従来のアプローチよりも簡単化されることが可能である(たとえば、より低い性能要件)。
【0034】
カメラサブシステム132は、1つまたは複数のカメラを含むことが可能である。カメラサブシステム132は、作業現場登録およびペイロード識別のためのマシンビジョンターゲット108のイメージをキャプチャーし、(フォトグラメトリー測定のために)ターゲットフィデューシャルを画像化し、ハードウェアの一般的な検査を実施するように構成されることが可能である。いくつかのケースでは、カメラサブシステム132は、マシンビジョンターゲット108ビューイングのためのカメラと、フォトグラメトリー測定のためにターゲットフィデューシャルを画像化するためのカメラとを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、カメラサブシステム132は、近距離に焦点を合わせられるカメラと、中距離に焦点を合わせられるカメラとを含むことが可能である。近距離カメラは、作業距離からのターゲット108ビューイングおよびハードウェア検査のために使用されることが可能であり、一方では、中距離カメラは、(近距離カメラよりも遠くに離れたところからの)ハードウェアの一般的な検査のためにおよびターゲットフィデューシャルを画像化するために使用されることが可能である。ある実施形態において、近距離カメラは、グラップルサブシステム146および/またはトルカーサブシステム148の上方に装着されることが可能であり、中距離カメラは、グラップルサブシステム146の側部に(たとえば、グラップルサブシステム146と実質的に同じ高さに)装着されることが可能である。ある実施形態において、近距離カメラは、ボアサイトカメラであり、中距離カメラは、フォトグラメトリーカメラである。近距離カメラは、ペイロード102の上のマシンビジョンターゲット108を画像化するために構成および/または使用されることが可能である。イメージは、6自由度(DOF)姿勢を抽出するために使用されることが可能であり、それは、作業現場に対してロボットシステム104を正確に配置することを可能にすることができる。
【0035】
ロボットシステム104は、ロボットアーム114の移動を制御するためのロボットアームコントローラー112を含む。ロボットアームコントローラー112は、データを処理するためのプロセッサーと、データを記憶するためのメモリーと、マシンビジョンシステム110およびロボットアーム114と通信するための通信インターフェースとを含む。たとえば、ロボットアームコントローラー112は、マシンビジョンターゲット108(ひいては、ペイロード102)の検出および追跡に関してマシンビジョンシステム110からデータを受信し、受信されたマシンビジョンデータに基づいてアーム移動コマンドを発生させることが可能である。次いで、ロボットアームコントローラー112は、ロボットアーム114にアーム移動コマンドを送り、ロボットアーム114の移動を制御することが可能である。
【0036】
ロボットシステム104は、ロボットアームに接続されている多目的エンドエフェクター(「MEE」)116をさらに含む。
【0037】
MEE116は、ペイロード102の上のグラップルフィクスチャー118を介してペイロード102をキャプチャー(グラップルおよびリジッド化)するように構成されている。
【0038】
MEE116は、ペイロード102の上のトルクエレメント120を介してペイロード102を作動させるようにさらに構成されている。
【0039】
トルク部材またはエレメント120は、ペイロード102のトルク駆動式サブシステム122に接続されている。トルクエレメント120に印加されるトルクは、トルクエレメント120を通してトルクドライブサブシステム122に伝達され、トルク駆動式サブシステム122を駆動する。
【0040】
グラップルフィクスチャー118は、カップリングエレメント124と、カップリングエレメント124に接続されているグラップルプローブ126とを含む。カップリングエレメント124は、装着表面を介してペイロード102に装着されることが可能である。グラップルプローブ126は、グラップルプローブ126をカップリングエレメント124に接続するために使用される接続端部(図示せず)から延在している。グラップルプローブ126の他方の端部は、プローブ先端部128である。プローブ先端部128は、丸みを帯びた外側表面を有することが可能である。プローブ先端部128は、形状に関して半球形になっていることが可能である。グラップルプローブ126は、カップリングエレメント124に接続されることが可能であり、グラップルプローブ126が静止状態においてカップリングエレメント124の装着表面に対して実質的に垂直であるようになっている。いくつかのケースでは、グラップルプローブ126は、(たとえば、偏向可能なジョイント(たとえば、スプリングなど)を介して、プローブ126をカップリングエレメント124に取り付けることを通して)偏向可能であってもよい。
【0041】
ある実施形態において、カップリングエレメント124は、エンドエフェクター116の同様に切り欠き付きのコンポーネントとインターフェース(インターロック)するための切り欠き付きの外周部を含むことが可能である。切り欠き付きの周辺部の切り欠き部は、周辺部の切り欠きされていないセグメント(「歯」または「ローブ」)との間に間隔を置いて配置されている。
【0042】
随意的に、ペイロード102は、電気的アンビリカル130を含む。電気的アンビリカル130は、エンドエフェクター104からペイロード102へのパワーおよび/またはデータの転送のためのインターフェースとして作用する。電気的アンビリカル130は、ペイロード102のコンポーネントにパワーを供給するためのペイロード102のパワー出力システムに、または、データを受信して処理するためのペイロード102のデータ処理システムに接続されることが可能である。
【0043】
マシンビジョンターゲット108、トルク部材120、グラップルフィクスチャー118、および電気的アンビリカル130は、ペイロード102の準備されたインターフェース138を構成する。準備されたインターフェース138は、ペイロード102の上に存在するときに、エンドエフェクター116とインターフェースするために(エンドエフェクター116によるキャプチャーおよび操作のために)ペイロード102を準備する。
【0044】
MEE116は、ロボットアーム114とインターフェースするためのアームインターフェース端部140と、ペイロード102とインターフェースするためのペイロードインターフェース端部142とを含む。
【0045】
アームインターフェース端部140は、ロボットアーム114によるエンドエフェクター116の操作を可能にするために、エンドエフェクター116をロボットアーム114に接続するためのロボットアームインターフェース144を含む。ロボットアームインターフェース144は、パワーを転送するための、データを転送するための、および、エンドエフェクター116のコンポーネントを作動させるための接続を含む。また、ロボットアームインターフェース144は、エンドエフェクター116へのロボットアーム114の物理的な接続を含む。
【0046】
ロボットアームインターフェース144は、ペイロードインターフェース端部142のサブシステムおよびメカニズムの動作を可能にするために、ペイロードインターフェース端部142のさまざまなコンポーネントとインターフェースする。
【0047】
ペイロードインターフェース端部142は、グラップルサブシステム146およびトルカーサブシステム148を含む。随意的に、ペイロードインターフェース端部142は、パワー/データパススルーメカニズム149を含む。パワー/データパススルーメカニズム149は、ペイロード130の上の電気的アンビリカル130とインターフェースするように、および、パワーまたはデータのうちの1つまたは複数をペイロード102に渡すように構成されている。いくつかの実施形態において、パワー/データパススルーメカニズム149は、複数のアンビリカルアッセンブリを含む。特定の実施形態において、少なくとも1つのアンビリカルアッセンブリは、グラップルサブシステム146のそれぞれの側部に配置されている。パワー/データパススルーメカニズム149は、パワーおよび/またはデータの転送を必要とするツールをエンドエフェクター116がグラップルすることを可能にする。
【0048】
ペイロードインターフェース端部142は、燃料補給サブシステムを含むことが可能である。燃料補給サブシステムは、燃料カップリングを含むことが可能であり、燃料カップリングは、ペイロード102の上の燃料補給受け入れコンポーネント(図示せず)とインターフェースまたは連結するように構成されている。また、ペイロードインターフェース端部142は、電気的パススルーと、ペイロードアンビリカルとインターフェースする流体パススルー弁を備えた多目的エンドエフェクター実施形態とを含むことが可能である。流体は、加圧流体を含む液体またはガスであることが可能である。
【0049】
いくつかの実施形態において、MEE116は、センシングされたフィードバックを介した負荷制限のためのメカニズムを含むことが可能である。ある実施形態において、MEE116は、力トルクセンサー(FTS)を含むことが可能である。FTSは、内部に装着されることが可能である。FTSは、グラップルサブシステム146またはグラップルメカニズム(たとえば、図1Cのグラップルメカニズム150)の主荷重経路に装着されることが可能である。FTSは、3軸の力および3軸のモーメントの測定を提供することが可能である。ある実施形態において、FTSは、FTSハードウェアフレームを含み、FTSハードウェアフレームは、zが軸線方向にある状態で、xおよびyを横方向に配向させる。一般的に、MEE116による低い初期負荷を伴う(本明細書で説明されているような、および、たとえば図29Aに示されているような)ソフトキャプチャーは、リジッド化負荷が精密に制御され得る状態にインターフェースを置く。ソフトキャプチャーは、プローブ先端部128がグラップルサブシステム146によってキャプチャーされた状態に対応している(すなわち、図1Cのグラップルジョー164は、プローブ先端部128の上に閉鎖してプローブ先端部128をグラップルしている)が、(本明細書で説明されているような)インターフェースのリジッド化はまだ起こっていない。FTSは、ロボット動作を促進させるために、グラップリング、ペイロードハンドリング、または、インターフェースへのペイロード取り付け、もしくは、インターフェースからのペイロード除去中に、負荷を制限するために使用されることが可能である。
【0050】
グラップルサブシステム146は、グラップルフィクスチャー118を介してペイロード102の上のハードウェアインターフェースにロボットアーム114をグラップルしてリジッド化する手段を提供する。エンドエフェクター116とペイロード102との間のインターフェースをグラップルしてリジッド化することによって、グラップルサブシステム146は、エンドエフェクター116によるペイロードの後続の操作を可能にする。
【0051】
グラップルサブシステム146は、図1Cにより詳細に示されている。
【0052】
グラップルサブシステム146は、エンドエフェクターインターフェースへのペイロードのグラップリングおよびリジッド化を実施するためのグラップルメカニズム150と、グラップルメカニズム150を駆動するためのグラップルモーターモジュール152と、グラップルメカニズム150における状態センシングを実施するためのグラップルメカニズム状態センシングサブシステム154とを含む。
【0053】
センシングサブシステム154は、グラップルモーターモジュール152または他のコンポーネントの出力を制御するために使用される、グラップルメカニズム150におけるセンシングされた状態変化に基づいて、出力信号を発生させる。
【0054】
グラップルメカニズム150は、グラップルフィクスチャー118のグラップルプローブ126を受け入れるように構成されているプローブ受け入れ端部156を含む。プローブ受け入れ端部156は、カップリングエレメント158と、グラップルメカニズム150に進入するためにそれを通してグラップルプローブ126を受け入れるためのカップリングエレメント158の中のグラップル開口部160とを含む。
【0055】
カップリングエレメント158は、グラップルプローブ126をグラップル開口部160の中へガイドするための凹形表面を有することが可能である。たとえば、凹形表面のプロファイル、グラップルプローブ126のプローブ先端部128のプロファイル、ならびに、ペイロード102およびエンドエフェクター116の相対運動は、カップリングエレメント158の凹形表面に沿って開口部160に向けて開口部160を通ってスライドするようにプローブ先端部128を強制することによって、(複数の並進軸線および回転軸線において)中心を外れたプローブ126(すなわち、開口部160と精密にアライメントされていないプローブ126)をガイドするように一緒に機能することが可能である。
【0056】
カップリングエレメント158は、カップリングエレメント158、124の接触のときに、グラップルフィクスチャー118のカップリングエレメント124と嵌合するように構成されている。カップリングエレメント158の凹形表面のプロファイルは、カップリングエレメント124の嵌合表面のプロファイル(たとえば、凹形および凸形)を補完することが可能である。グラップルフィクスチャー118のカップリングエレメント124が切り欠き付きの周辺部を有する実施形態では、カップリングエレメント158も、切り欠き付きの周辺部を有している。一般的に、嵌合するとき、グラップルフィクスチャーカップリングエレメント158の歯は、エンドエフェクターカップリングエレメント158の切り欠き部の中に位置してそれに接触し、エンドエフェクターカップリングエレメント158の歯は、グラップルフィクスチャーカップリングエレメント124の切り欠き部の中に位置してそれに接触する。いくつかのケースでは、切り欠き付きの周辺部は、歯が切り欠き部の中に位置している位置へ、ミスアライメントされた歯-切り欠き部の対がスライドすることを促進させるために、湾曲した表面を含むことが可能である。そうであるので、カップリングエレメント124、258は、インターフェースのアライメントを促進させ、長い軸線に沿ったトルクに対する抵抗の改善を提供することが可能である。
【0057】
グラップルメカニズム150は、ジョーアッセンブリ162をさらに含む。ジョーアッセンブリ162は、グラップルジョー164およびジョーアクチュエーター166を含む。ジョーアクチュエーター166は、グラップルジョー164に接続されており、グラップルジョー164を開放構成と閉鎖構成との間で移動させるように構成されている。グラップルジョー164は、(ジョー164の喉部の中へのグラップルプローブ126の進入を可能にするために、および、プローブを把持するために、および、それぞれ最終的に解放するために)開放構成と閉鎖構成との間で作動されるように構成されている。ある実施形態において、グラップルジョー164は、ジョーを形成する2つのジョーエレメントを含む。
【0058】
グラップルメカニズム150は、グラップルメカニズム150のキャプチャー軸線に沿ってジョーアッセンブリ162をいずれかの方向に(ペイロードインターフェース端部に向けて(「前進」)、または、ペイロードインターフェース端部から離れるように(「後退」))並進させるためのジョーアッセンブリ並進器168をさらに含む。ジョーアッセンブリ並進器168は、グラップルモーターモジュール152によって駆動される並進メカニズムである。ある実施形態において、ジョーアッセンブリ並進器168は、グラップルモーターモジュール152およびボールナットを介して回転可能なボールスクリューを含むことが可能であり、ここで、ジョーアッセンブリ162はボールナットに接続されており、ボールスクリューの回転が、ボールナットがジョーアッセンブリ162を並進させることを引き起こすようになっている。
【0059】
ジョーアクチュエーター166は、ジョーアッセンブリ並進器168に機械的に接続されることが可能であり、キャプチャー軸線に沿って特定の位置を越えるジョーアッセンブリ162の後退が、ジョーアクチュエーター166がグラップルジョー164を開放位置から閉鎖位置へ移動させることを引き起こすようになっている。同様に、キャプチャー軸線に沿って特定の位置を越えるジョーアッセンブリ168の前方への並進は、ジョーアクチュエーター166がグラップルジョー164を閉鎖構成から開放構成へ移動させることを引き起こすことが可能である。
【0060】
また、グラップルメカニズム150は、ターゲットプリロードを発生させるために、および、グラップルフィクスチャー118とエンドエフェクター116との間のインターフェースをリジッド化するために、圧縮するための圧縮可能エレメント170を含む。次いで、圧縮可能エレメント170は、プリロードを解放するために(すなわち、グラップルフィクスチャーの解放のときに)解放または減圧される。ある実施形態において、圧縮可能エレメント170は、1つまたは複数のベルヴィルスプリングスタックまたはワッシャーを含む。圧縮可能エレメント170は、グラップルメカニズム150の主荷重経路の中に装着されている。ベルヴィルスタックは、2つの着座表面を有している。最初に、スクリュースリーブが、ベルヴィルスタックに接触/圧縮し始める。
【0061】
ある実施形態において、圧縮可能エレメント170は、ジョーアッセンブリ並進器168の第1の圧縮表面(ペイロードインターフェース端部の近位にある圧縮可能エレメント170の端部にある)とジョーアッセンブリ162の第2の圧縮表面(ペイロードインターフェース端部の遠位にある圧縮可能エレメント170の端部にある)との間に装着されるかまたはその他の方法で配置されることが可能であり、圧縮可能エレメント170が第1の圧縮表面と第2の圧縮表面との間で付勢されるようになっている。ジョーアッセンブリ並進器168は、キャプチャーおよびリジッド化中にジョーアッセンブリ162を特定のポイントまでしか後退させないように構成されており、そのポイントの後に、ジョーアッセンブリ並進器168は、キャプチャー軸線に沿って後退し続ける。この継続的な後退は、圧縮可能エレメント170を第1の圧縮表面と第2の圧縮表面との間で圧縮する。その理由は、第1の表面が後退させられ、第2の表面が静止しているからである。後退の量は、(たとえば、状態センシングサブシステム154を介して)測定されることが可能であり、圧縮可能エレメント170のターゲットプリロードが発生されるときに、後退は停止されることが可能である。いくつかのケースでは、複数のターゲットプリロードは、圧縮可能エレメント170の異なる程度の後退および圧縮を介して可能であり得る。
【0062】
ジョーアッセンブリ162は、グラップルメカニズム150の「移動コンポーネント」の一部であり、それは、後退および解放中にグラップルメカニズム150のキャプチャー軸線に沿って並進する。また、移動コンポーネントは、圧縮可能エレメント170を圧縮するために使用される第1の圧縮表面を含む、後退および解放中にキャプチャー軸線に沿って並進するジョーアッセンブリ並進器168の1つまたは複数のコンポーネントを含む。たとえば、ある実施形態において、移動コンポーネントは、ジョーアッセンブリ162ならびにボールナットおよびスクリュースリーブを含むことが可能であり、それらは、ジョー並進器メカニズム168の一部である。圧縮可能エレメント170を圧縮するために使用される第1の圧縮表面は、スクリュースリーブのアームインターフェース端部に面する表面であることが可能である。
【0063】
グラップルメカニズム状態センシングサブシステム146は、プローブ存在センサー172と、較正のための並進位置追跡センサー174とを含む。
【0064】
プローブ存在センサー172は、グラップルプローブ126がグラップルジョー164間のグラップリングエリアに進入したことを検出するために使用される。プローブ存在センサー172は、グラップリングエリアの遠位端部に配設されることが可能であり、ペイロード存在センサー172をトリガーするために、グラップルプローブ126のプローブ先端部128がグラップリングエリアに進入し、ジョー164によるグラップリングのための位置に入る必要があるようになっている。
【0065】
任意の適切なタイプのセンサーが、ペイロード存在センサー172として使用されることが可能である。ある実施形態において、ペイロード存在センサー172は、センサーがプローブ先端部128によって接触されるときに状態変化を登録する物理的接触センサーを含む。
【0066】
ペイロード存在センサー172によって登録される状態変化は、ジョーアクチュエーター166を使用して閉鎖されたグラップルジョー164を作動させるためのインジケーターとして使用される。
【0067】
並進位置追跡センサー174は、ジョーアッセンブリ162が後退中に較正位置またはホーム位置を離れるときを検出するために、較正のために使用される。たとえば、センサー174は、ジョーアッセンブリ162がホーム位置にあるときの第1の状態と、ジョーアッセンブリ162がホーム位置にないときの第2の状態とを有することが可能である。センサー174は、物理的スイッチを含むことが可能であり、物理的スイッチは、ジョーアッセンブリ162がホーム位置から並進されるときに係合/係合解除される。センサー174は、状態変化を登録する。状態変化は、位置追跡デバイス(たとえば、レゾルバーなど)に通信され、位置追跡デバイスは、ホーム位置に対するキャプチャー軸線に沿った変位を追跡または計算する。位置追跡デバイスは、グラップルモーターモジュール152のコンポーネントであることが可能である。位置追跡デバイスは、事前に決定された変位(「ターゲットプリロード位置」)が実現されるときに信号を発生させるように、および、モーターにその信号を出力して、モーターを停止させ、並進を拘束するように構成されている。ある実施形態において、位置追跡デバイスは、モーターターンを追跡し、ターゲット位置が到達されたときを決定することが可能である。
【0068】
グラップルサブシステム146の動作の例示的なシーケンスが、ここで説明されることとなる。エンドエフェクター116がペイロード102の上のグラップルフィクスチャー118に向けて移動されるときに、グラップルプローブは、プローブ受け入れ端部156における開口部160を通ってグラップルメカニズム150に進入する。グラップルプローブ126は、グラップルメカニズム150の中へ移動し続け、プローブ先端部128が、開放したグラップルジョー164間のグラップリングエリアに進入するようになっている。それを行うことによって、プローブ先端部128は、プローブ存在センサー172における状態変化をトリガーする。状態変化を示す信号は、グラップルモーターモジュール152に出力される。信号を受信するとき、グラップルモーターモジュール152は、ジョーアッセンブリ並進器168を駆動し、キャプチャー軸線に沿ってジョーアッセンブリ162を後退させる。ジョーアッセンブリ162の初期の後退は、プローブ先端部128をグラップルするために、ジョーアクチュエーター166がグラップルジョー164を閉鎖位置に移動させることを引き起こす。ジョーアッセンブリ162がジョーアッセンブリ並進器168によって後退させられるときに、グラップルプローブ126も後退させられ、ペイロード102の上のカップリングエレメント128をエンドエフェクター116のカップリングエレメント158に向けて引き込む。
【0069】
ジョーアッセンブリ162がホーム位置から後退させられるときに、並進位置追跡センサー174は、ジョーアッセンブリ162の移動によってトリガーされ、状態変化を登録する。状態変化を示す信号は、位置を追跡し始める位置追跡デバイスに出力される。位置追跡デバイスは、ターゲットプリロード位置が到達されるときに、停止信号をグラップルモーターモジュール152に出力する。停止信号を受信するときに、モーターは、ジョーアッセンブリ並進器168を駆動することを停止する。
【0070】
ターゲットプリロード位置は、上記に説明されているように、グラップルフィクスチャー118およびエンドエフェクター116それぞれのカップリングエレメント128、158が嵌合接触され、圧縮可能エレメント170が圧縮された位置である。したがって、ターゲットプリロード位置は、圧縮可能エレメント170をジョーアッセンブリ162の圧縮表面とジョーアッセンブリ並進器168の圧縮表面との間で圧縮するために、ジョーアッセンブリ162がもはや後退させられないかまたは後退可能でないポイントを越えるジョーアッセンブリ並進器168による後退を含むことが可能である。
【0071】
再び図1Aを参照すると、トルカーサブシステム148は、図1Dにより詳細に示されている。
【0072】
トルカーサブシステム148は、ペイロード102の上のトルクエレメント120にトルクを印加するためのトルカーメカニズム176と、トルカーメカニズム176を駆動するためのトルカーモーターモジュール178と、トルカーメカニズム176における状態変化をセンシングするための、および、モーターモジュール178の出力を変更するためにトルカーモーターモジュール178に信号を出力するためのトルカーメカニズム状態センシングサブシステム180とを含む。
【0073】
トルカーメカニズム176は、(たとえば、グラップルサブシステム146によるキャプチャー中に)エンドエフェクター116がペイロード102のより近くに移動するときに、トルクエレメント120を受け入れて着座させるためのトルカー着座エレメント182(たとえば、ソケットヘッド)を含む。
【0074】
トルカーメカニズム176は、着座されたトルクボルト120にトルクを付与するために着座エレメントを回転させるための着座エレメントローテーター184をさらに含む。また、着座エレメントローテーター184は、着座エレメント182がトルクエレメント120にミスアライメントされているときに、着座エレメント182を回転させ、適正にアライメントさせるために使用されることが可能である。着座エレメントローテーター184は、トルクモーターモジュール178によって駆動される。
【0075】
トルカーメカニズム176は、軸線方向コンプライアンスメカニズム186をさらに含む。軸線方向コンプライアンスメカニズム186は、ミスアライメントされたトルクエレメント120と着座エレメント182との間の接触のときに、トルクエレメント120からトルカー着座エレメント182を受動的に後退させるために使用される。ある実施形態において、軸線方向コンプライアンスは、スプリング荷重式のトルカー着座エレメント182を通して実現される(ここで、ミスアライメントされた接触は、スプリングを圧縮し、後退を引き起こす)。
【0076】
トルカーメカニズム状態センシングサブシステム180は、着座エレメント係合式センサー188を含み、着座エレメント係合式センサー188は、着座エレメント182がトルクエレメント120に適正にアライメントされている/トルクエレメント120の上に着座されているときと、着座エレメント182がトルクエレメント120にミスアライメントされている/トルクエレメント120の上に着座されていないときとの状態変化をセンシングして登録するために使用される。たとえば、センサー188は、着座エレメント182が前方位置にあるときの第1の状態と、着座エレメント182が前方位置から後退させられている(すなわち、軸線方向コンプライアンスメカニズム186が係合されている)ときの第2の状態とを有することが可能である。ある実施形態において、センサー188は、スイッチを含むことが可能であり、着座エレメント182が、着座エレメント182が前方にあるときにスイッチに係合し、着座エレメント182が後退させられているときにスイッチを係合解除するように(または、その逆)、スイッチが配置されている。
【0077】
(前方位置からの後退を介して)ミスアライメントを示すセンシングされた状態変化に基づいて、トルカーモーターモジュール178は、着座エレメントローテーター184を駆動し、トルクエレメント120の上に適正に着座するように着座エレメント182を回転させる。着座エレメント182の回転は、ロボットシステム104の中で自動的に命令されることが可能であり、または、ロボットワークステーション106によって命令されることが可能である(たとえば、オペレーターは、適正に着座されるまで着座エレメント182の回転を命令する)。トルクエレメント120を適正に着差させるとき、着座エレメント182は、前方位置に戻り(軸線方向コンプライアンスメカニズム186はもはや係合されていない)、着座エレメント係合式センサー188は、状態変化をセンシングして登録する。状態変化を示す信号が、トルクモーターモジュール178に出力される。受信された信号に応答して、トルクモーターモジュール178は、着座エレメントローテーター184を駆動し、トルカー着座エレメント182を回転させる。着座エレメントの回転は、着座されたトルクエレメント120を回転させることによって、トルクエレメント120にトルクを伝達し、トルクエレメント120は、印加されたトルクをペイロードのトルク駆動式サブシステム122に伝達する。
【0078】
着座エレメントローテーター184は、(たとえば、回転をカウントすることを通して)所望の量のトルクを印加するように構成されることが可能である。
【0079】
ここで図2を参照すると、実施形態による、ペイロードのロボットキャプチャーおよび操作の方法200が、示されている。
【0080】
方法200は、図1のシステム100を使用して実装されることが可能である。方法200を説明する際に、特定の機能またはステップを実施するコンポーネントの例として、図1のシステム100のコンポーネントへの明示的な言及が行われる可能性がある。他の事例では、システム100のコンポーネントへの明示的な言及は行われない可能性があるが、システム100のコンポーネントは、明示的に言及されていないが、特定の機能またはステップを実施するように使用されるかまたは構成されることが可能であるということが理解される。
【0081】
202において、エンドエフェクターのペイロードインターフェース端部が、ロボットアームを介して、ペイロードの上の準備されたインターフェースに向けて移動される。準備されたインターフェースは、グラップルフィクスチャーおよびトルクエレメントを含む。エンドエフェクターが、準備されたインターフェースに向けてロボットアームによって移動され、グラップルフィクスチャーのグラップルプローブがエンドエフェクターのキャプチャーエンベロープの中にあるようになっている。
【0082】
204において、グラップルプローブが、エンドエフェクターのグラップリングメカニズムによってグラップルされる。
【0083】
206において、グラップルされたグラップルプローブが、エンドエフェクターのキャプチャー軸線に沿って後退させられ、グラップルフィクスチャーのカップリングエレメントおよびトルクエレメントをエンドエフェクターのペイロードインターフェース端部と接触させる。
【0084】
208において、グラップルフィクスチャーのカップリングエレメントが、グラップルフィクスチャーのカップリングエレメントに接続されているグラップルプローブの後退を通して、それぞれのカップリングエレメントの互いに向けた継続的な移動によって、グラップルメカニズムの前端部にあるカップリングエレメントに嵌合される。
【0085】
210において、グラップルフィクスチャーが、グラップルメカニズムをターゲットプリロードまで後退させることによって、エンドエフェクターにリジッド化される。
【0086】
212において、トルクエレメントが、エンドエフェクターのペイロードインターフェース端部において、エンドエフェクターのトルカーメカニズムの着座エレメントの中に着座される。
【0087】
214において、トルクが、ペイロードのトルク駆動式サブシステムにトルクを伝達するためにトルカー着座エレメントを回転させることによって、着座されたトルクエレメントに印加される。トルクエレメントは、ペイロードの中のトルク駆動式サブシステムに接続されており、着座エレメントによるその回転を通したトルクエレメントへのトルクの伝達が、トルク駆動式サブシステムを駆動するためにトルク駆動式サブシステムに伝達可能であるようになっている。
【0088】
216において、110において発生されたプリロードが、グラップルメカニズムによって解放される。
【0089】
218において、グラップルメカニズムが、グラップルプローブをキャプチャー軸線に沿って後退とは反対の方向に押し、グラップルメカニズムからグラップルプローブを押し出す。
【0090】
220において、グラップルプローブが、グラップルメカニズムから解放される。グラップルプローブの解放は、エンドエフェクターからのグラップルフィクスチャー(ひいては、ペイロード)の解放を可能にする。
【0091】
ここで図3Aおよび図3Bを参照すると、実施形態による、エンドエフェクターを使用したペイロードのロボットキャプチャーの方法300が、示されている。
【0092】
方法300は、図1のシステム100を使用して実装されることが可能である。方法300を説明する際に、特定の機能またはステップを実施するコンポーネントの例として、図1のシステム100のコンポーネントへの明示的な言及が行われる可能性がある。他の事例では、システム100のコンポーネントへの明示的な言及は行われない可能性があるが、システム100のコンポーネントは、明示的に言及されていないが、特定の機能またはステップを実施するように使用されるかまたは構成されることが可能であるということが理解される。
【0093】
方法300は、キャプチャーされたペイロードの後続の操作または作動を可能にするために、ペイロードをグラップルしてエンドエフェクターにリジッド化するために使用されることが可能である。
【0094】
一例では、方法300は、宇宙ベースの用途において使用されることが可能であり、ここで、ペイロードは、ツール(たとえば、フリーフライヤーキャプチャーツールまたは燃料補給ツールなど)である。
【0095】
302において、エンドエフェクターのグラップルメカニズムが、ロボットアームを介してペイロードの上のグラップルフィクスチャーに向けて移動され、グラップルフィクスチャーのグラップルプローブがエンドエフェクターのキャプチャーエンベロープの中にあるようになっている。
【0096】
ロボットアームのための移動コマンドは、ロボットアームに接続されているロボットアームコントローラーから受信される。移動コマンドは、ロボットワークステーションにおいて発生され、ロボットアームコントローラーに通信されることが可能である。宇宙ベースの用途において、ロボットワークステーションは、地上にあるかまたは他の遠隔の場所にあることが可能である。
【0097】
304において、ペイロードのグラップルプローブが、ペイロードに向けたグラップリングエリアの中へのエンドエフェクターの継続運動を通してガイドされる。
【0098】
グラップリングエリアは、グラップルメカニズムのグラップルジョー間に配置されており、グラップルジョーが閉鎖するように作動されるときに、グラップルジョーがグラップルプローブをグラップルすることとなるようになっている。グラップリングエリアの中へグラップルプローブをガイドすることは、エンドエフェクターのペイロードインターフェース端部に配設されている凹形プロファイルを有するプローブガイド表面(「グラップル面」)を介して、グラップリングエリアに向けておよびグラップリングエリアの中へグラップルプローブのプローブ端部をガイドすることを含むことが可能である。グラップル面は、プローブガイド表面の中に中央に配置されている開口部を含むことが可能であり、それに向けておよびそれを通して、グラップルプローブは、表面の凹形プロファイル、および、ペイロードに向けたエンドエフェクターの継続的な運動によってガイドされる。また、開口部を通してグラップリングエリアの中へグラップル面によってグラップルプローブをガイドすることは、キャプチャー軸線(グラップルプローブがキャプチャー中にそれに沿って後退させられることとなる)に対して概して平行な位置にグラップルプローブを拘束することも可能である。
【0099】
306において、エンドエフェクターが、グラップルプローブがグラップリングエリアに進入したことをセンシングする。
【0100】
これは、たとえば、グラップルプローブがグラップリングエリアにあるときにのみ、センシングエレメントがグラップルプローブによってトリガーされるように、グラップリングエリアの中にまたはグラップリングエリアの近くに配置されているセンシングエレメントをトリガーすることを含むことが可能である。ある実施形態において、これは、グラップルプローブのプローブ端部との物理的な接触(たとえば、センシングエレメントを押し下げること)によってトリガー可能なセンシングエレメントをグラップリングエリアの遠位端部に配置することによって実現されることが可能である。センシングは、状態変化(ペイロード存在、グラップリングエリアの中にグラップルプローブがある)を反映する状態変化信号を発生させることを含む。次いで、状態変化信号は、現在の状態(ペイロード存在)に基づいて後続の動作を実現するために、グラップルメカニズムの1つまたは複数の他のコンポーネントに通信されることが可能である。
【0101】
308において、ペイロードインターフェース端部とは反対の方向(「後退」)へのキャプチャー軸線に沿ったグラップルメカニズムの並進が、206においてグラップリングエリアの中のグラップルプローブの存在をセンシングすることに応答して開始される。
【0102】
306において発生された状態変化信号は、並進メカニズムに送られ、並進メカニズムによって受信され、それは、状態変化信号を受信するときに後退を開始させる。ある実施形態において、状態変化信号は、グラップルモーターモジュールに通信されることが可能である。状態変化信号を受信することに応答して、グラップルモーターモジュールのモーターコンポーネントは、並進メカニズムを駆動し、グラップルメカニズムを後退させる。これは、たとえば、ボールスクリューの回転などを駆動し、ボールナットがボールスクリューに沿って後退することを引き起こし、ボールナットへの接続を通してグラップルメカニズム(または、そのコンポーネント)を移動させることを含むことが可能である。
【0103】
310において、グラップルジョーが、208におけるグラップルメカニズムの初期の後退を通して、閉鎖する(開放状態から閉鎖状態へ移動する)ように作動される。
【0104】
たとえば、グラップルメカニズムの初期の後退は、並進メカニズムへの機械的なリンクまたは接続を通して、グラップルメカニズムのジョー作動コンポーネントがグラップルジョーを閉鎖するように機械的に作動させることを引き起こすことが可能である。スプリングが、プローブ存在バーに接続されている。1対のスプリングが、メカニズム後退中にペイロード存在スイッチを活性化させた状態に維持する。
【0105】
312において、グラップルメカニズム(グラップルされたプローブをグラップルしている)が、キャプチャー軸線に沿ってターゲットプリロード位置まで後退させられる。ターゲットプリロード位置は、事前に較正されることが可能である。
【0106】
314において、グラップルフィクスチャーのカップリングエレメントが、グラップルメカニズムの後退を通して、エンドエフェクターのペイロードインターフェース端部に配置されているグラップルメカニズムのカップリングエレメントに嵌合される。
【0107】
カップリングエレメントは、エンドエフェクターのグラップル面のコンポーネントであることが可能である。たとえば、グラップル面は、プローブガイド表面とカップリングエレメントの両方として作用することが可能である。
【0108】
一般的に、グラップルフィクスチャーカップリングエレメントは、ペイロードに装着されており、グラップルフィクスチャーのためのベースコンポーネントとして作用し、エンドエフェクターのカップリングエレメントは、ペイロードインターフェース端部にあり、したがって、キャプチャー軸線に沿ったグラップルプローブの後退は、カップリングエレメントを一緒にして接触させる。
【0109】
それぞれのカップリングエレメントの嵌合は、グラップルフィクスチャーとエンドエフェクターとの間のインターフェースのアライメントを推進するために使用されることが可能である(たとえば、グラップルインターフェースの位置ミスアライメントの場合)。
【0110】
また、カップリングエレメントの嵌合は、全体的な複合負荷容量を改善することが可能である(たとえば、ペイロードをピックアップするときに、より硬いインターフェース)。
【0111】
カップリングエレメントの嵌合は、エンドエフェクターとグラップルフィクスチャーのインターフェースにおけるロール軸の周りの回転遊びを制限または排除することが可能である。カップリングエレメントの嵌合は、長い軸線の周りでのトルクに関してグラップルインターフェースをより強力にすることが可能である。
【0112】
316において、グラップルメカニズムの主荷重経路の中に配置されている圧縮可能エレメントが、ターゲットプリロード位置へのグラップルメカニズムの後退を通して、ターゲットプリロードまで圧縮される。
【0113】
圧縮可能エレメントは、ベルヴィルスプリングスタックなどであることが可能である。圧縮可能エレメントを圧縮することによって、ターゲットプリロードが実現され、グラップルフィクスチャーとエンドエフェクターとの間のインターフェースがリジッド化される。
【0114】
318において、エンドエフェクターが、較正位置からのキャプチャー軸線に沿ったグラップルメカニズムの追跡された変位に基づいて、グラップルメカニズムがターゲットプリロード位置に到達したことをセンシングする。
【0115】
これは、たとえば、グラップルメカニズムが較正位置を離れるときをセンシングすることと、較正位置を離れることに応答して状態変化信号を発生させることと、状態変化信号を位置モニタリングコンポーネントに通信することと、位置モニタリングコンポーネントを介して較正位置からのキャプチャー軸線に沿ったグラップルメカニズムの変位をモニタリングすることと、ターゲットプリロード位置が到達されたことを位置モニタリングコンポーネントが識別するときに状態変化信号を発生させることとを含むことが可能である。
【0116】
320において、キャプチャー軸線に沿ったグラップルメカニズムの後退が、318においてターゲットプリロード位置が到達されたことをセンシングすることに応答して停止される。
【0117】
これは、たとえば、並進メカニズムが、318におけるセンシングによって発生される状態変化信号を受信し、グラップルメカニズムの後退を停止することを含むことが可能である。ある実施形態において、これは、状態変化信号がモーターに通信されることを含むことが可能であり、モーターは、信号を受信することに応答して、グラップルメカニズムを並進させるために使用されるボールスクリューの回転を駆動することを停止する。
【0118】
この段階において、ペイロードは、グラップルフィクスチャーを通してエンドエフェクターにリジッド化される。ペイロードは、エンドエフェクターによって操作されることが可能である。操作は、たとえば、(エンドエフェクターが接続されているロボットアームの命令された移動を通して)ペイロードを操縦すること、ペイロードを作動させること(たとえば、ペイロードのトルク駆動式サブシステムを作動させるために、ペイロードの上のトルク付与インターフェースを通してトルクを伝達する)、または、電気的アンビリカルインターフェースを通してエンドエフェクターからペイロードへパワー、燃料、および/もしくはデータを渡すことを含むことが可能である。
【0119】
以下に続くステップは、ステップ302~320を通してキャプチャーおよびリジッド化されたペイロードの解放に関する。解放は、ロボットワークステーション106から、ロボットアームコントローラー112への、ロボットアーム114への、MEE(それは、解放のための方向にアクチュエーターに給電する)などへのコマンドを介して開始される。いくつかの実施形態は、グラップルメカニズムを反転させる外部手段を含むことが可能である。たとえば、宇宙飛行士によるEVA解放、または、同等の外部ロボットシステムアクションである。
【0120】
322において、キャプチャー軸線に沿ったグラップルメカニズムの前進移動(すなわち、後退の方向とは反対の並進)を通して圧縮可能エレメントを解放する(減圧する)ことによって、316において発生されたプリロードが解放される。
【0121】
324において、グラップルメカニズムが、キャプチャー軸線に沿ってペイロードインターフェース端部に向けてグラップルプローブを押す。これは、前方方向へのグラップルメカニズムの継続的な並進を通して実現される。
【0122】
326において、グラップルジョーが、キャプチャー軸線に沿ったグラップルメカニズムの前方運動を通して開放するように作動され、グラップルプローブの解放を可能にする。これは、310において説明されたジョー作動コンポーネントを通して実現されることが可能である(反対方向に動作し、閉鎖状態から開放状態へ移動する)。
【0123】
328において、グラップルフィクスチャーが、グラップルメカニズムから解放され、ペイロードが、エンドエフェクターから解放される。
【0124】
ここで図4を参照すると、実施形態による、エンドエフェクターを介してペイロードをロボット制御で作動させる方法400が、示されている。
【0125】
ペイロードは、ツールであることが可能であり、方法400は、ロボット能力を可能にするためにツールを作動させるために使用されることが可能である。方法400は、図1のシステム100を使用して実装されることが可能である。方法400を説明する際に、特定の機能またはステップを実施するコンポーネントの例として、図1のシステム100のコンポーネントへの明示的な言及が行われる可能性がある。他の事例では、システム100のコンポーネントへの明示的な言及は行われない可能性があるが、システム100のコンポーネントは、明示的に言及されていないが、特定の機能またはステップを実施するように使用されるかまたは構成されることが可能であるということが理解される。
【0126】
402において、エンドエフェクターのペイロードインターフェース端部におけるトルクメカニズムが、エンドエフェクターに接続されているロボットアームを介して、ペイロードの上のトルクエレメントに向けて移動される。
【0127】
一般的に、トルクエレメントは、トルクがそれに印加されるようにし、印可されたトルクをペイロードのトルク駆動式サブシステムに伝達するように構成されている。いくつかのケースでは、402における移動は、たとえば図2に説明されているように、ペイロードキャプチャーシーケンスの一部であることが可能である。たとえば、エンドエフェクターは、ペイロードに向けて移動することが可能であり、それは、少なくとも部分的に、ペイロード(および、トルクエレメント)をエンドエフェクターのペイロードインターフェース端部のより近くに持って行くキャプチャーおよびリジッド化プロセスがエンドエフェクターによって実施されることに起因する。
【0128】
トルクメカニズムは、トルクエレメントと接触させられる。ペイロードの上のトルクエレメントは、トルカー着座エレメントと適正にアライメントされていてもよくまたはアライメントされていなくてもよい。適正なアライメントは、トルカー着座エレメントの中でのトルクエレメントの着座を促進させる。トルカー着座エレメントは、トルクエレメント(たとえば、相補的なプロファイル)に嵌合するように構成されている。トルカー着座エレメントは、着座されたトルクエレメントにトルクを伝達するために、トルカーメカニズムの動作によって回転可能である。
【0129】
404において、トルカーメカニズムが、ミスアライメントされたトルクエレメントとトルカー着座エレメントが接触するときに、軸線方向に受動的に後退する。
【0130】
これは、たとえば、トルカーメカニズムの中のスプリングコンポーネントの圧縮を介して起こることが可能である。たとえば、トルカーメカニズムは、トルカー着座エレメントを含むスプリング荷重式のコンポーネント(たとえば、ソケットヘッド)を含むことが可能である。受動的な軸線方向後退は、トルクエレメントがミスアライメントされている事例において(エンドエフェクターのペイロードインターフェース端部がペイロードに向けて移動し続けるときに)、トルカー着座エレメントがトルクエレメントに向けて移動し続けることを防止することが可能である。
【0131】
406において、トルカーメカニズムの軸線方向後退が、エンドエフェクターによってセンシングされる。
【0132】
これは、たとえば、トルカーメカニズムが前方(「ホーム」)位置から変位されるときに状態変化を登録するように構成されているセンシングエレメントを使用することによって、実現されることが可能である。
【0133】
たとえば、トルカーメカニズムの軸線方向後退は、トルカーメカニズムがスイッチまたは他のセンシングエレメントに係合(または、係合解除)し、状態変化を登録することを引き起こすことが可能である。状態変化は、トルクエレメントがトルカー着座エレメントに適正にアライメント/着座されていないということを示している。次いで、センシングされた状態変化は、ステップがトルクエレメントを適正に着座させるために実施されることを可能にするように通信されることが可能である。
【0134】
408において、トルカーメカニズムが、406からのトルカーメカニズムのセンシングされた軸線方向後退に基づいて回転させられる。
【0135】
トルカーメカニズムは、トルカー着座エレメントがトルクエレメントの上に適正に着座されるまで回転させられる。
【0136】
ある実施形態において、トルカーメカニズムの回転は、ヒューマン-マシンインターフェースを通して人間のオペレーターによって命令されることが可能であり、ヒューマン-マシンインターフェースは、ユーザーからの入力に基づいてコマンドを発生させるように、および、ロボットシステム(ロボットシステムのエンドエフェクターはコンポーネントである)にコマンドを送るように構成されている。たとえば、コマンドは、ロボットワークステーション(オペレーター)からロボットアームコントローラーに送られることが可能であり、それは、エンドエフェクターがトルカーメカニズムを回転させることを引き起こすように、ロボットアームに命令する。
【0137】
別の実施形態では、トルカーメカニズムの回転は、人間のユーザー入力なしでエンドエフェクターによって自動的に実施されることが可能である。
【0138】
トルクエレメントをトルカー着座エレメントの中に適正にアライメントおよび着座させるとき、トルカーメカニズムの中の軸線方向コンプライアンスが解放され、トルカーメカニズムがそのホーム位置まで前方に移動する。スプリングコンポーネントを使用する実施形態において、スプリングにおける圧縮力が除去され、スプリングコンポーネントは、非圧縮状態に戻り、トルカーメカニズムを軸線方向に前方に移動させる。
【0139】
410において、エンドエフェクターが、トルカー着座エレメントがトルクエレメントの上に適正に着座されていることをセンシングする。
【0140】
これは、たとえば、トルカーメカニズムが前方ホーム位置に戻るとき、406において説明されたセンシングエレメントにおける状態変化を登録することを含むことが可能である。たとえば、トルカーメカニズムの前方への軸線方向運動は、トルカーメカニズムがスイッチまたは他のセンシングエレメントを係合解除(または、係合)することを引き起こし、状態変化を登録することが可能である。状態変化は、トルクエレメントがトルカー着座エレメントの中に適正にアライメント/着座されていることを示す。次いで、センシングされた状態変化は、トルカーメカニズムを使用して動作(すなわち、作動)を開始するように通信されることが可能である。
【0141】
412において、トルカーメカニズムが、トルカー着座エレメントが410においてトルクエレメントの上に適正に着座されていることをセンシングすることに応答して、着座されたトルクエレメントにトルクを印加するように回転させられる。
【0142】
これは、たとえば、状態変化信号を受信するときにトルカーメカニズムの回転を開始させるように構成されているトルカーモーターにセンシングエレメントから状態変化信号を通信することによって実現されることが可能である。
【0143】
トルカーメカニズムによるペイロードの上のトルクエレメントの回転は、トルクエレメントに接続されているペイロードのトルク駆動式サブシステムにトルクエレメントを通してトルクを伝達する。これは、ペイロードのトルク駆動式サブシステムの作動が1つまたは複数の機能(たとえば、ツーリング機能)を実施することを可能にする。
【0144】
414において、トルカーメカニズムによってトルクエレメントに印加されたトルクが、トルカーメカニズムによって測定される。
【0145】
これは、たとえば、(たとえば、所望のまたは事前に決定された数までの)トルカー着座エレメントのターンの数、または、(たとえば、電流制限を介して)印加されるトルクの量をモニタリングすることを含むことが可能である。トルカーメカニズムは、回転位置モニタリングのためのレゾルバーを含むことが可能である。
【0146】
416において、トルカーメカニズムが、所望のトルクがトルクエレメントに印加されたときに、トルカー着座エレメントの回転を停止させる。
【0147】
ここで、図5から図20が参照されることとなり、図5から図20は、本開示のロボット工学ベースのシステムの実施形態を図示している。その実施形態は、図1のシステム100の例であり、図2から図4の方法のうちの任意の1つまたは複数を実装するために使用されることが可能である。その実施形態は、宇宙ベースのロボット工学用途(たとえば、ペイロードの軌道上ロボットによるサービスなど)のために設計されているが、(適宜、修正とともに、または、修正なしで)非宇宙ベースの用途において使用されることも可能である。
【0148】
ここで図5を参照すると、実施形態による、ペイロードのロボットキャプチャーおよび作動のためのシステム500が、示されている。
【0149】
システム500は、準備されたインターフェース504とインターフェースするためのエンドエフェクター(EE)502を含む。準備されたインターフェース504は、ペイロード516の上にある。ペイロード516は、宇宙船または他のハードウェア(たとえば、専用ツール(たとえば、フリーフライヤーキャプチャーツール、燃料補給ツール)など)であることが可能である。準備されたインターフェース504を通してペイロード516とインターフェースすることによって、エンドエフェクター502は、ペイロード516をグラップルして作動させることが可能である。
【0150】
EE502は、準備されたインターフェース504を介してペイロード516とインターフェースするためのペイロードインターフェース端部506と、EE502をロボットマニピュレーター(たとえば、ロボットアーム)に接続するためのアームインターフェース端部507とを含む。
【0151】
一般的に、インターフェースする間に、ロボットマニピュレーターは、EE502のペイロードインターフェース端部506をペイロード516の上の準備されたインターフェース504に向けて移動させるために使用される。いくつかのケースでは、アームインターフェース端部507は、ホスト-EEインターフェースにおいて使用されることが可能であり、ここで、ホストは、ロボットシステムのオペレーターであり、ロボットアームおよびエンドエフェクターは、ロボットシステムの一部であり、ペイロードインターフェース端部506は、EE-ユーザーインターフェースにおいて使用されることが可能であり、ここで、ユーザーは、ペイロード516所有者(または、そうでなければペイロード516を制御している)であり、ペイロード516の操作においてホスト/オペレーターのサービスを利用することを望む。これは、下記に説明されているように、ウォーキングアームの実施形態を提供することが可能である。
【0152】
準備されたインターフェース504は、マシンビジョンターゲット522を含む。マシンビジョンターゲット522は、ペイロード516の第1の表面526の上に配設されている。マシンビジョンターゲット522は、ペイロード516の可視化を可能にする。いくつかのケースでは、マシンビジョンターゲット522は、ペイロード516の識別を可能にすることができる。ペイロード516を特定のクラス(たとえば、特定のタイプのツール)のものであると識別することによって、EE502は、ペイロード516のアイデンティティーに基づいてペイロード516とインターフェースするように命令されることが可能である。
【0153】
準備されたインターフェース504は、トルクエレメント524を含む。トルクエレメント524は、トルクボルトまたは作動部材と称されることも可能である。トルクエレメント524は、ペイロード516の第2の表面528の上に配設されている。
【0154】
図5の実施形態におけるトルクエレメント524は、ボールエンド六角ボルト(たとえば、7/16")である。他の実施形態において、トルクエレメント524は、他の形状または構成を有することが可能である。
【0155】
トルクエレメント524は、ペイロード516のトルク駆動式サブシステム(図示せず)に接続する。トルクエレメント524は、トルクエレメント524を通してペイロード516の作動を可能にする。とりわけ、トルクエレメント524は、トルクの受け入れおよびトルク駆動式サブシステムへのトルクの伝達を可能にし、それによって、トルク駆動式サブシステムを駆動する。それを行うことによって、トルク駆動式サブシステムは、ペイロード516の外部で発生されるトルクを通して駆動されることが可能である。
【0156】
準備されたインターフェース504は、グラップルフィクスチャー508を含む。
【0157】
グラップルフィクスチャー508は、ペイロード516の第2の表面528の上に配設されている。グラップルフィクスチャー508は、カップリングエレメント514およびグラップルプローブ512(または、プローブ512)を含む。カップリングエレメント514は、ペイロード516の第2の表面528に装着されている。グラップルフィクスチャー508は、ペイロード516のキャプチャーを可能にする。とりわけ、グラップルフィクスチャー508は、グラップルプローブ512およびカップリングエレメント514を介したペイロード516のグラップリングおよびリジッド化を可能にする。
【0158】
準備されたインターフェース504が取り付けられているペイロード516は、「準備されたエレメント」または「準備されたアセット」と考えられることが可能であり、ここで、ペイロード516は、準備されたインターフェース504とともに事前に「準備され」ており、EE502がペイロード516と相互作用することを可能にする。いくつかのケースでは、準備されたインターフェース504は、システム500の実装を簡単化するためにさまざまなペイロードの上に提供され得る標準化されたインターフェースであることが可能である。
【0159】
現在の飛行システムにおける垂直方向レイアウトは、エンドエフェクターに対するトルカーおよびカメラの設置のためのパッケージングおよび体積/質量の決定を改善することが可能であり、ミッションのための改善されたペイロードのパッケージングおよび組み立ての必要性を提供することが可能である。ペイロード側における異なるシステムソリューションと一体化するために、他のレイアウトが提供されることも可能である。
【0160】
ターゲットおよびグラップルフィクスチャーは、それらの法線ベクトルを同じ方向に有することが可能であり、また、カメラ光軸およびエンドエフェクター軸線とそれぞれアライメントさせることが可能である(ピッチ/ヨーにおける約20°オフセットが許容可能である可能性があるが、回避されるべきである)。ターゲットおよびグラップルフィクスチャーは、較正の複雑さおよび熱歪み効果を最小化するために直ぐ近くにあることが可能である。
【0161】
グラップルフィクスチャーおよびトルクボルトは、トルクのエクステンションの前の初期アライメント問題を最小化するために、それらの法線ベクトルを同じ方向に有することが可能である。実施形態は、トルクがグラップルフィクスチャー軸線に対して90°ピッチング/ヨーイングされる場合を含む。グラップルフィクスチャーおよびトルクボルトは、アライメント問題、荷重経路長さ、および熱歪み効果を最小化するために、直ぐ近くにあることが可能である。
【0162】
EE502は、マシンビジョンターゲット522を可視化するために、ペイロードインターフェース端部506においてカメラサブシステム518を含む。
【0163】
カメラサブシステム518は、ペイロード516の位置および配向を識別または決定するために、処理デバイス(それは、EE502の中にまたはEE502が接続されているロボットアームの中に配置されていることが可能である)によって処理され得るマシンビジョンターゲット522のイメージデータを発生させることが可能である。カメラサブシステム518は、ターゲットビューイングまたは作業現場検査のために使用されることが可能である。カメラサブシステム518は、精密なロボットアライメント/配置制御を支持するための姿勢推定および状況認識のためのイメージをシステムオペレーターに提供することが可能である。EE502は、カメラサブシステム518を介して軌道上アセットを検査するための手段を提供する。システムは、フォトグラメトリーのための別のカメラ用途を含むことが可能である。
【0164】
EE502は、ペイロードインターフェース端部506にソケットドライブメカニズム520を含む。
【0165】
ソケットドライブメカニズム520は、準備されたインターフェース504のトルクエレメント524とインターフェースするように構成されている。ソケットドライブメカニズム520は、トルクエレメント524を着座させ、トルクエレメント524を作動させ、トルクをそれに伝達し、トルクは、ペイロード516のトルク駆動式サブシステムに渡されることが可能である。
【0166】
ソケットドライブメカニズム520は、トルクエレメント524ならびに他のツールおよび/またはメカニズムを作動させるためにトルクパススルーメカニズムとして作用することが可能である。ソケットドライブメカニズム520は、連続的な運動範囲にわたって時計回り(CW)および反時計回り(CCW)の回転能力を提供する。回転能力は、所望の数のターンに関して、または、所望のトルクが実現されるまで、(電流制限を介して)提供されることが可能である。したがって、ペイロード516が専用ツール(たとえば、フリーフライヤーキャプチャーツール、燃料補給ツールなど)であるかまたはそれを含む場合、ソケットドライブメカニズム520は、専用ツールを作動させるために使用されることが可能である。
【0167】
EEは、ペイロードインターフェース端部506にグラップルメカニズム510を含む。
【0168】
グラップルメカニズム510は、グラップルプローブ512およびカップリングエレメント514を介して、グラップルフィクスチャー508を受け入れ、グラップルし、およびリジッド化するように構成されている。EE502のグラップルメカニズム510は、専用ツール(すなわち、ペイロード516)をグラップルし、キャプチャーし、およびリジッド化する手段を提供する。それを行うことによって、グラップルメカニズム510は、EE502が、グラップル、キャプチャー、およびリジッド化を通して、準備されたエレメント(すなわち、準備されたインターフェース504を有するペイロード516)のピックアンドプレース動作を実施することを可能にする。
【0169】
グラップルメカニズム510は、グラップルフィクスチャー508を装備しているペイロードまたはツールなどのようなハードウェアをグラップルしてリジッド化するための手段を提供する。リジッド化されると、インターフェースの両方の半分体は、一緒に係合され、EE502の最大リジッド化負荷能力まで、インターフェースの分離なしに、静的負荷をそれらの間で伝送する。グラップルメカニズム510は、グラップルフィクスチャー508を使用してロボットアーム(図示せず)をハードウェアインターフェースにグラップルしてリジッド化する手段を提供する。
【0170】
EE502は、大きなペイロードと小さなペイロードの両方を操縦するために使用されることが可能である。EE502は、ウォーキングアームのためのアンカーとして作用することが可能である。EE502は、ペイロード516または他のハードウェアの上の締結具を操作するために使用されることが可能である。
【0171】
システム500は、地上から制御されることが可能であり、自動化された動作が、地上から可能にされ、オンボードのアーム制御ソフトウェアを介して制御される。
【0172】
変形例では、EE502は、ロボットアームと取り付けられているペイロード(たとえば、ペイロード516)またはベース構造体(エンドオーバーエンドウォーキングアーム(end-over-end walking arm)の場合)との間の機械的な、電気的な、データ、および/またはビューイングインターフェースとしての役割を果たすことが可能である。特定のEE502の機能は、グラップルフィクスチャー508をグラップルすること、トルクエレメント524を着座させてトルクエレメント524にトルクを印加すること、(たとえば、エンドオーバーエンドアームがパワーおよび/またはデータを必要とするツール/ペイロードにウォーキングまたはインターフェースすることを促進させるために)アンビリカルメカニズム(図示せず)を介した電力およびデータのための導管として作用すること、ならびに、カメラサブシステム518を介したさまざまな動作(たとえば、目視検査、燃料補給)のためのビューイング機能を含むことが可能である。インターフェース負荷容量は、どのモジュール式サブアッセンブリが含まれているかによって影響を受けることが可能であるということに留意されたい(たとえば、アンビリカルメカニズムを含むEE502は、それらを含まないEE502よりも高い完全に嵌合されたプリロードを維持することができる可能性がある)。
【0173】
EE502は、固定されたペイロード/ツールのキャプチャーおよび解放を介してペイロードを操縦するために使用されることが可能である。EE502は、FFキャプチャー/解放ツールによって自由に飛行する(FF)ペイロードのキャプチャーおよび解放を実施するために使用されることが可能である。EE502は、FFキャプチャー/解放ツールからのFFペイロードの解放を実施するために使用されることが可能である。EE502は、EE502がロボットアームを構造体にアンカー固定するために使用され得るウォーキングアームのケースのために、アームベースにおける負荷を反応させるための機能をさらに含むことが可能である。
【0174】
特定の実施形態において、EE502は、グラップルフィクスチャー508を装備しているキャプチャー/解放ツールにインターフェースするように構成されており、キャプチャー/解放ツールは、自由に飛行するペイロードをキャプチャーおよびリジッド化するように構成されている。たとえば、EE502のソケットドライブメカニズム520は、ツールのリジッド化メカニズム(EE502とツールとの間にアンビリカルを含む)を駆動することが可能である。ツールにおけるモーターは、インターフェースのツール側にあるラッチを駆動することが可能である。EE502は、FFキャプチャーツールをグラップルし、アンビリカル(図示せず)を嵌合することが可能である。ツールのラッチモーターは、アンビリカルを通して作動されることが可能であり、ラッチは、EE502側にある負荷反応特徴(load reaction feature)の上に係合している。
【0175】
ここで図6Aおよび図6Bを参照すると、分離した状態の図5のシステム500のエンドエフェクター502が、示されている。
【0176】
カメラサブシステム518は、第1および第2のボアサイトカメラ519a、519b(集合的にボアサイトカメラ519と称され、一般的にボアサイトカメラ519と称される)を含む。
【0177】
第1および第2のボアサイトカメラ519a、519bは、(動作故障公差を提供するために)冗長なビューを提供するための主要および冗長のボアサイトカメラとして機能することが可能である。ボアサイトカメラ519は、(たとえば、姿勢推定アルゴリズムを使用して)アライメントのための動作中に、準備されたインターフェース504の上のマシンビジョンターゲット522を見るために使用される。ボアサイトカメラ519は、作業現場登録のためにマシンビジョンターゲット522のイメージをキャプチャーすることによって自動化をサポートする。これは、動作中にシステムが作業現場によって登録されるようになることを可能にする作業現場における何かを見る能力の観点から、自動化された動作の重要な部分であることが可能である。6自由度(6DOF)姿勢が、ボアサイトカメラ519によって獲得されたイメージから抽出されることが可能である。6DOF姿勢は、作業現場に対してロボットシステム自体を正確に配置するように、オペレーターがロボットシステムに命令することを可能にすることができる。6DOF姿勢は、冗長なビューのいずれかから抽出されることが可能である。
【0178】
ボアサイトカメラ519は、作業距離からハードウェアを検査するために使用されることが可能である。作業距離は、高いホバリングから低いホバリングまでの範囲にあることが可能である。
【0179】
いくつかのケースでは、ボアサイトカメラ519は、白黒画像を提供することが可能である。
【0180】
また、カメラサブシステム518は、フォトグラメトリーカメラ521を含む。
【0181】
フォトグラメトリーカメラ521は、フォトグラメトリー測定のためのターゲットフィデューシャルを画像化するように構成されている。また、カメラ521(フォトグラメトリーカメラ)は、ハードウェアの一般的な検査のために使用されることも可能である。カメラ521は、ボアサイトカメラ519によって提供されるものよりもターゲットから遠くに離れている距離からの検査を可能にすることができる。カメラ521は、(ボアサイトカメラを使用する位置よりも遠くから)ハードウェアの検査を実施するのにも適切な作業距離を有している。フォトグラメトリーカメラ521は、白黒画像を提供することが可能である。
【0182】
ある実施形態において、ボアサイトカメラ519は、近距離に焦点を合わせられ、フォトグラメトリーカメラ521は、中距離に焦点を合わせられる。ある実施形態において、すべての3つのカメラ519a、519b、および521は、同じであることが可能であるが、機能に応じて、異なる距離においておよび異なるf値によってレンズが焦点を合わせられている。
【0183】
それぞれのカメラアッセンブリ519、521は、照明用の発光ダイオード(LED)リング(図示せず)と対にされることが可能である。ある実施形態において、ボアサイトカメラ519は、赤色LEDを装備しており、フォトグラメトリーカメラ521は、白色LED(図示せず)を装備している。
【0184】
カメラ519、521は、検査および状況認識のための機会を提供するために、ならびに、動作中に必要とされるようなターゲットまたは他の視覚マーカー(フィデューシャル)を見るために、EE502の上に装着されている。いくつかの実施形態において、EE502は、パワーまたはデータをペイロードへ渡すための1つまたは複数の電気的アンビリカルアッセンブリメカニズムを含むことが可能である。アンビリカルアッセンブリメカニズムは、ペイロード(たとえば、電気的アンビリカル130)の上の受け入れコンポーネントとインターフェースする(たとえば、連結または嵌合する)ように構成されている。アンビリカルメカニズムは、グラップルメカニズム510の左側または右側に配置されることが可能である。ある実施形態において、カメラ521は、アンビリカルアッセンブリ(すなわち、カメラ521と実質的に同じ位置に装着されるアンビリカルアッセンブリ)と交換されることが可能である。
【0185】
グラップルメカニズム510は、グラップルキャニスター528として実装されている。グラップルキャニスターは、グラップルメカニズム510のさまざまなコンポーネントを収容する。
【0186】
グラップルキャニスター528のペイロードインターフェース端部506に配設されているのは、カップリングエレメント532を含むグラップルメカニズム510の前端部である。グラップルメカニズム510のカップリングエレメント532は、ペイロード516の上のグラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514とインターフェースおよび嵌合するように構成されている。
【0187】
カップリングエレメント532は、凹形面530と、凹形面530の上に中央に配置されている概して円形の開口部534(グラップル開口部)とを含む。凹形面530は、グラップルフィクスチャー508のプローブ512を、開口部534に向けて、開口部534を通して、および、グラップルキャニスター528の中へガイドするために使用される。また、凹形面530は、グラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514の凸形プロファイルに概して相補的なプロファイルを有しており、それは、キャプチャー中のカップリングエレメント514、532の嵌合を推進する。
【0188】
EE502のソケットドライブメカニズム520は、ソケットドライブ536(または、ソケットヘッド536)を含む。ソケットドライブ536は、ソケットドライブ536のペイロードインターフェース端部506において中央に配置されているソケット538を含む。ソケット538は、グラップルメカニズム510がグラップルフィクスチャー508を介してペイロード516をグラップルしてリジッド化するときに、準備されたインターフェース504のトルクエレメント524を受け入れて着座させるように構成されている。ソケットヘッド536は、ソケットドライブメカニズムがトルクエレメント524を介して準備されたインターフェース504にトルクを印加するときに、第2の表面528と接触することが可能である。
【0189】
グラップルメカニズム510およびソケットドライブメカニズム520は、互いに対して垂直方向に配設されており、キャプチャーのときに、グラップルメカニズム510およびソケットドライブメカニズム520がそれぞれグラップルフィクスチャー508およびトルクエレメント524と一列に並ぶようになっている。
【0190】
また、EE502は、メインハウジング540を含み、メインハウジング540は、アームインターフェース端部507の近位にあるグラップルキャニスター528の端部に配設されている。
【0191】
また、EE502は、力トルクセンサー(FTS)542を含む(FTSのためのハウジングを、図6A図6Bに見ることができる)。FTS542は、EE502の内部に装着されている。FTS542は、3軸の力および3軸のモーメントを同時に測定するように構成されている。FTS542は、主荷重経路に装着されており、主荷重経路は、グラップルメカニズム510を通過する。FTS542は、グラップルメカニズムの中にはない。FTS542は、ロボットアームとEEとの間のインターフェース負荷を測定する。ある実施形態において、FTS542は、FTSハードウェアフレームを含み、FTSハードウェアフレームは、zが軸線方向にある状態で、xおよびyを横方向に配向させる。センシングされたフィードバックを介した負荷制限のときに、EE502による(本明細書で説明されているような)低い初期負荷を伴うソフトキャプチャーは、リジッド化負荷が精密に制御され得る状態にインターフェースを置く。
【0192】
EE502のアームインターフェース端部507に配設されているのは、バルクヘッド548であり、バルクヘッド548は、EE502をロボットアームに機械的におよび電気的に接続するための複数のコネクター550を含む。バルクヘッドは、EE502の中のケーブル終端ポイントとして作用し、さまざまなコンポーネント(たとえば、モーターモジュール、センサー、マイクロスイッチ、カメラ/LEDなど)のためのパネル装着式コネクターを含む。
【0193】
また、アームインターフェース端部507において、EE502は、サーマルアイソレーター546およびマニピュレーターアダプター544を含むEE-アームインターフェースアダプターを含む。サーマルアイソレーター546は、チタンから構成されることが可能である。マニピュレーターアダプター544は、アルミニウムから構成されることが可能である。マニピュレーターアダプター544は、サーマルアイソレーター546に嵌合している。
【0194】
ここで図7A図7Bを参照すると、グラップルメカニズム510が、さらに詳細に示されている。
【0195】
グラップルメカニズム510は、ペイロードフェーシング端部509に向けて配設されている外側ハウジング552を含み、それは、グラップルメカニズム510の内部コンポーネントを収容しており、メインハウジング540からカップリングエレメント532へ延在している。カップリングエレメント532は、ハウジング552のペイロードインターフェース端部に装着されている。
【0196】
グラップルメカニズム510は、グラップリングおよびリジッド化中にグラップルメカニズム510を駆動するためのグラップルモーターモジュール554をさらに含む。
【0197】
グラップルメカニズム510の前端部は、図7Bに示されている。グラップルメカニズム510は、グラップルジョー556aおよび556b(集合的にグラップルジョーまたはジョー556と称され、一般的にグラップルジョーまたはジョー556と称される)を含み、グラップルジョー556aおよび556bは、カップリングエレメント532の中の開口部534の近くにおいてグラップルキャニスター528の中に配設されている。
【0198】
グラップルジョー556は、開放構成と閉鎖構成との間で移動するように構成されている。開放構成にあるときに、ジョー556は、グラップルフィクスチャー508のプローブ512を受け入れることが可能である。閉鎖構成にあるときに、ジョー556は、プローブ512をグラップルまたは把持することが可能であり、プローブ512(ひいては、ペイロード516)がキャプチャーされるようになっている。
【0199】
グラップルジョー556間に配設されているのは、プローブ存在センサーバー557である。プローブ存在センサーバー557は、グラップルフィクスチャー508のプローブ512がグラップリング位置またはエリア(たとえば、図8に示されているような「グラップリングエリア568」)においてジョー556間にあるときに、センシングするために使用される。
【0200】
プローブ存在センサーバー557は、プローブ512の先端部によって接触されるときにトリガーされる。プローブ512が存在するということをプローブ存在センサーバー557によってセンシングすると、グラップルメカニズム510は、プローブ512をキャプチャーするためにジョー556を閉鎖するように構成されている。
【0201】
ここで図8を参照すると、カップリングエレメント532を含むグラップルメカニズム510のペイロードフェーシング端部509が、より詳細に示されている。
【0202】
カップリングエレメント532は、締結具564を介してグラップルキャニスター528のハウジング540のペイロードインターフェース端部509に装着されており、締結具564は、カップリングエレメント532の中の半径方向に分配された装着孔562を通して受け入れられる。
【0203】
カップリングエレメント532は、6つの歯558を含む。他の実施形態において、歯558の数は変化することが可能である。歯558は、カップリングエレメント532の周辺部の周りに半径方向に配置されている。
【0204】
歯558は、同様に半径方向に配置された凹部560(または、切り欠き部560)によって分離されている。
【0205】
図8の実施形態では、装着孔562は、凹部560の中に配設されている(それぞれの凹部の中に1つの孔)。他の実施形態において、装着孔562は、カップリングエレメント532の上の他のどこかに配置されることが可能である。
【0206】
図8に示されているカップリングエレメント532の特定の実施形態は、ヘキサハース(hexahirth)カップリングエレメントまたはヘキサハース設計(それは、6つの歯を備えたHirth型カップリングを含む)と称されることが可能である。したがって、カップリングエレメント532は、ハースカップリング(6つの歯を備えていようとまたは別の数の歯を備えていようと)の一方の半分体として作用するように構成されることが可能である。
【0207】
凹部560は、グラップルフィクスチャー508が凹形面530と接触するときに、グラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514の歯(図9の歯584)とインターフェースする。
【0208】
歯558のそれぞれ1つは、上部表面559d、第1の側部表面559a、第2の側部表面559b、および第3の側部表面559cを含む。
【0209】
上部表面559dは、実質的に平坦である。
【0210】
第3の側部表面559cは、凹形プロファイルを有しており、凹形プロファイルは、グラップルプローブ512が歯558の側部表面559cに接触するときに(たとえば、グラップルプローブ512が接近するときに開口部534にミスアライメントされる場合に)、グラップルプローブ512が側部表面559cに沿って開口部534に向けてスライドすることを推進する。そうであるので、歯558の側部表面559cは、凹形面530の一部を形成すると考えられることが可能である。
【0211】
歯558の側部表面559a、559bは、相補的なカップリングエレメント514、532の効果的な嵌合を推進するために、キャプチャーおよびリジッド化中に、グラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514の上の歯が凹部560の中へスライドすることを推進するために、湾曲したプロファイルを有している。
【0212】
ここで図9を参照すると、図5のグラップルフィクスチャー508が、より詳細に示されている。グラップルフィクスチャー508は、分離して示されている。使用時に、グラップルフィクスチャー508は、図5のように、ペイロード516に取り付けられる。
【0213】
以前に述べられたように、グラップルフィクスチャー508は、グラップルプローブ512およびカップリングエレメント514を含む。
【0214】
グラップルプローブ512は、シャフト576を含み、シャフト576は、プローブ取り付け端部578においてカップリングエレメント514に取り付けられている。プローブ512は、カップリングエレメント514の上の概して中央の位置においてカップリングエレメント514に取り付けられている。
【0215】
グラップルプローブ512は、プローブ取り付け端部578とは反対側のシャフト576の端部にプローブ先端部570を含む。プローブ先端部570は、丸みを帯びた(凸形の)第1の表面572および平坦な第2の表面574を有している。プローブ先端部570設計は、半球形の設計と考えられることが可能である。丸みを帯びた第1の表面572は、プローブ先端部570が凹形面530に接触して凹形面530に沿ってカップリングエレメント532の開口部534に向けてスライドすることを可能にする。平坦な第2の表面574は、平坦な表面を提供しており、グラップルジョー556は、プローブ512を平坦な表面の上に閉鎖してグラップルすることが可能であり、プローブ先端部570が第2の表面574の周りでグラップルされるようになっている。たとえば、ジョー556が閉鎖すると、ジョー556は、後退させられることが可能であり、プローブ先端部570の平坦な第2の表面574との接触を介して、プローブ512をグラップルキャニスター528の中へさらに引き込むことが可能である。
【0216】
カップリングエレメント532は、装着表面582および嵌合表面580を含み、それらは、一般的に互いに対向している。
【0217】
装着表面582は、カップリングエレメント532(ひいては、グラップルフィクスチャー508)をペイロード516に装着するために使用される。装着表面582は、概して平坦なプロファイルを有することが可能である。
【0218】
カップリングエレメント514の嵌合表面580は、凸形プロファイルを有している。嵌合表面580の凸形プロファイルは、EE502のカップリングエレメント532の凹形プロファイルに概して相補的であり、インターフェースのリジッド化中に2つの表面が接触して嵌合することができるようになっている。
【0219】
嵌合表面580は、複数の凹部588を含み、複数の凹部588は、カップリングエレメント514(および、グラップルフィクスチャー508)をペイロード516に装着するための締結具(図示せず)を受け入れるための装着孔を含む。
【0220】
カップリングエレメント514は、6つの歯584を含む。カップリングエレメント514の上の歯584の数は、EE502のカップリングエレメント532の中の凹部560の数と一致している。EE502のカップリングエレメント532と同様に、他の実施形態において、歯584の数は、変化することが可能であり、カップリングエレメント532の中の凹部560の数と一致することが可能である。
【0221】
歯584の寸法およびプロファイルは、カップリングエレメント532の凹部560に概して相補的であり、歯584が凹部560と嵌合するようになっている。カップリングエレメント514は、EE502のカップリングエレメント532とともにHirthカップリングの一方の半分体として作用することが可能である。負荷は、インターフェースの周りに対称的に分配されることが可能である。したがって、最小で2つの歯/ローブ/キーが存在しているべきである。図8は、ローブおよび締結具がどの程度密にi/fのEE側に配置されているかを示している。インターフェースのこの直径に関して、歯の数は、2または3メートルのアームのための典型的な組み立ておよびピックアンドプレース動作の動作ローディングにとって適当である。他の用途に関して、接触力は、より多くの歯によって低下されることが可能であり、それは、表面仕上げを保護し、動作寿命時間を通して破壊抵抗を改善することが可能である。システムは、より大きな直径インターフェースを備えたより多くの歯を含むことが可能であり、それは、典型的に、より大きな負荷を受けるようにサイズ決めされることとなる。たとえば、ラッチ式エンドエフェクターカービックカップリング(latching end effector curvic coupling)は、80,000kgのスペースシャトルを操作するときに回転負荷を受けるように設計されている。
【0222】
歯584は、カップリングエレメント514の周辺部の周りに半径方向に配置されている。歯584は、切り欠き部586によって分離されている。切り欠き部586は、外周部においてカップリングエレメント514の凹んだ部分を含む。切り欠き部586は、カップリングエレメント532の歯558に概して相補的な寸法およびプロファイルを有しており、切り欠き部586が歯558と嵌合するようになっている。
【0223】
切り欠き部586は、側部表面587a、587b、587cをそれぞれ含む。側部表面587a、587b、587cは、嵌合中にカップリングエレメント532の歯558のそれぞれの嵌合側部表面559a、559b、559cに接触する。側部表面587a、587b、587cは、EE502のカップリングエレメント532の歯558を切り欠き部586の中へスライドさせることを推進するために、湾曲したまたは丸みを帯びたプロファイルをそれぞれ有している。したがって、キャプチャー中にカップリングエレメント514、532が一緒にされるときのカップリングエレメント514、532間のミスアライメントは、嵌合を推進するために受動的に補正されることが可能である。
【0224】
ここで図10Aおよび図10Bを参照すると、キャプチャー前の構成1002ならびにキャプチャー後のリジッド化された構成1004におけるグラップルメカニズム510の前端部およびグラップルフィクスチャー508が、示されている。グラップルフィクスチャー508は、分離して示されているが、グラップルフィクスチャー508は適用時にペイロード516に装着されているということが理解されるべきである。
【0225】
図10Aでは、グラップルメカニズム510の前端部は、キャプチャーおよびリジッド化のために、ロボットアーム(図示せず)によってグラップルフィクスチャー508に向けて移動される。
【0226】
見られ得るように、グラップルプローブ512のプローブ先端部570は、カップリングエレメント532の開口部534と概してアライメントされ、EE502がグラップルフィクスチャー508に向けてさらに移動されるときに、グラップルプローブ512がグラップルキャニスターに進入し、ジョー556間のグラップリング位置の中へ進入することとなるようになっている。プローブ512が開口部534にミスアライメントされている場合には、プローブ先端部570は、カップリングエレメント532の凹形面530に接触することが可能であり、グラップルフィクスチャー508に向けたEE502の継続的な運動は、プローブ先端部570が凹形面530に沿って開口部534に向けておよび開口部534を通ってスライドすることを引き起こす。ミスアライメントのケース間のプローブ偏向を可能にするために、GFベースの中にスプリングが存在している。
【0227】
図10Bでは、先端部570および次いでグラップルプローブ512全体は、グラップル開口部534に進入しており、グラップルジョー556a、556b(図10Bでは見ることができない)によってグラップルされている。
【0228】
グラップルプローブ512は、カップリングエレメント532、514を接触させるために、グラップルメカニズム510によってキャプチャーおよび後退させられている。
【0229】
カップリングエレメント532、514の嵌合は、グラップルメカニズム510のカップリングエレメント532の歯558がグラップルフィクスチャー508の切り欠き部586の中に受け入れられるときに、および、グラップルフィクスチャー508の歯584がカップリングエレメント532の切り欠き部560の中に受け入れられるときに実現される。嵌合は、以前に説明されたように、歯558および切り欠き部586の湾曲した表面によって推進される。歯558、584および凹部/切り欠き部586、560の嵌合は、グラップルフィクスチャー508の嵌合表面580をグラップルメカニズム510の凹形面530と接触させる。
【0230】
結果として生じるキャプチャー後のインターロッキングインターフェースは、有利には、解放のためにグラップルメカニズム510がグラップルジョー556a、556bに対して故意にプローブ512を押し戻す前に、インターフェースの偶発的な分離を最小化するかまたは防止することが可能である。
【0231】
図10Bでは、丸みを帯びた側部表面559a、559b、559c、587a、587b、および587cは、歯558、584が凹部560、586の中へスライドすることを促進させ、キャプチャーを推進する。したがって、成功的なキャプチャーのときに、丸みを帯びた側部表面559a、559c、559cは、丸みを帯びた側部表面587a、587b、587cと接触している。
【0232】
グラップルメカニズム510のカップリングエレメント532は、グラップルメカニズムの嵌合およびアライメントインターフェースとして機能する。カップリングエレメント532は、ヘキサハースフェースカップリングインターフェース設計であり、それは、全体的な複合負荷容量を改善する。ヘキサハース設計は、60度の接触角度を使用することが可能である。ヘキサハースカップリングエレメント532は、グラップルメカニズム510の中のハードウェアの残りの部分から完全に分離しており、配置のためのドウェルとともに、6つの締結具を介してメインハウジングの上にボルト留めされることが可能である。60度の接触角度は、有利には、インターフェースにおいて最良の摩擦角度を提供することが可能である。エンドエフェクター502とグラップルフィクスチャー514とのインターフェースにおけるロール軸の周りでの回転遊び(「カチカチ(tick-tock)」)は、排除されることが可能である。グラップルインターフェースの位置ミスアライメントが、並進方向に±20mm、ぐらつき(ピッチおよびヨーの組み合わせ)において±5度、および、ロールにおいて±1.5度の最悪ケースの組み合わされたエンベロープの中にあるときに、カップリングエレメント532のヘキサハース設計は、グラップルフィクスチャー514のキャプチャーを可能にすることができる。換言すれば、エンドエフェクター502は、グラップリングの前にアライメントを補正するループの中にビジョンシステムがない状態で、これらの最悪ケースのミスアライメントにおいてグラップルフィクスチャー514をキャプチャーすることが可能である。
【0233】
カップリングエレメント532の陽極酸化された動作表面を乾式潤滑することは、ウェッジロッキングのリスクなしに60度のフェース-ギア接触角度を可能にし、冷間溶接またはかじりのリスクなしにインターフェースの信頼性の高い分離を可能にする。しかし、これは、非常に高い抵抗率の表面(絶縁性)を生成させる可能性があるということに留意されたい。したがって、接触が潤滑された表面のみに依存しないように、2次的な電荷流路が実装されることが可能である。インターフェースグラップルフィクスチャー514の上に配置されている1セットのグランドフィンガーは、非構造的なおよび非機能的な場所におけるカップリングエレメント532のヘキサハースの上の導電性表面に接触するために使用されることが可能である(たとえば、フィンガーは、グラップルされてリジッド化された後に、グラップルフィクスチャー514とエンドエフェクター502との間の結合を生成させる)。
【0234】
ここで図11を参照すると、実施形態による、内部コンポーネントを示すグラップルメカニズム510の断面側面図が、示されている
【0235】
図11のグラップルメカニズム510は、完全な前方位置にあり、完全な前方位置では、グラップルメカニズム510は、キャプチャーのための準備ができており、グラップルフィクスチャー508のグラップルプローブ512を受け入れるための準備ができている。
【0236】
グラップルメカニズム510は、キャプチャー軸線588を含み、キャプチャー軸線588は、キャプチャーおよび解放中にグラップルメカニズム510(および、キャプチャーされたグラップルプローブ512)のコンポーネントがそれに沿って移動する軸線である。
【0237】
グラップルメカニズム510の前端部には、(開放した)ジョー556a、556b間のグラップリング位置568にグラップルプローブ512を受け入れるための開口部534をその中に備えたカップリングエレメント532がある。
【0238】
グラップリング、リジッド化、および解放を実現するために使用されるグラップルメカニズム510のさまざまな内部コンポーネントが、ここで説明されることとなる。
【0239】
グラップルメカニズム510は、グラップルメカニズム510の要求性能を満たすために、グラップルモーターモジュール554および複数の他の内部コンポーネントを使用する。
【0240】
ある実施形態において、グラップルモーターモジュール554は、完全に冗長な(二重巻き)DCブラシレスモーター、完全に冗長な(二重巻き)単一摩擦インターフェース電気機械的パワー-ツー-リフトブレーキ(power-to-lift brake)、主要および冗長のレゾルバー、ならびに遊星ギアボックスを含む。ギアボックスは、100:1の最大比を有することが可能である。パワー-ツー-ライフブレーキ設計は、ブレーキがパワーなしで適用されるということ、および、作動電圧(公称要求電圧)がモーターの上のブレーキを係合解除するために必要とされるということを暗示する。したがって、ブレーキは、有利には、パワー引き出しが必要とされることなく、プリロード構成を維持することを可能にすることができる。
【0241】
グラップルモーターモジュール554の出力は、ギアパス(たとえば、3:2:1ギアパス)にインターフェースしており、ギアパスは、入力ギア(図示せず)、アイドラーギア1102、およびグラップルドライブギア1104を含む。グラップルメカニズム510は、ギアハウジング1106をさらに含む。ギアボックスカバー1107は、入力ギア、アイドラーギア1102、グラップルドライブギア1104、およびギアハウジング1106を保護して隔離する。
【0242】
モーターモジュール出力シャフト1108は、(モーターシャフトからキー止めされた)入力ギアを駆動し、そして、入力ギアは、アイドラー1102を駆動し、最後にグラップルドライブギア1104を回転させる。ギアは、ニードルローラーによってそれぞれ支持されている(EE502設計において使用されるギアは、可能な限り両方において支持されている)。
【0243】
ギアパスの上のギアハウジング1106は、モーターシャフト1108およびボールスクリューシャフト1110を配置し、また、ギアパスを一緒に保持する。
【0244】
ギアパスの出力におけるグラップルドライブギア1104は、ボールスクリュー1110を回転させる。また、ボールスクリュー1110は、キー付きインターフェースである。ボールスクリュー1110は、ボールスクリュー1110を半径方向に配置するためと、設計においてすべてのスラスト荷重を受けるための両方のために、アンギュラコンタクト軸受1112a、1112b(集合的にアンギュラコンタクト軸受1112と称され、一般的に軸受1112と称される)の上に装着されている。
【0245】
ボールスクリューカラー1114は、アンギュラコンタクト軸受1112の直ぐ後ろに配設されており、軸受1112を適切な場所にクランプする。スラスト荷重のすべては、スプリットカラー1114に伝達される。上記に説明されているコンポーネントの構成は、いくらかの軸線方向のフレキシビリティーを可能にする。
【0246】
グラップルメカニズム510は、ボールスクリューカラー1114の周りに軸受リテイナー1116をさらに含む。ボールスクリュー1110の中にリジッド化中に発生される軸線方向荷重のすべては、ボールスクリューカラー1114の経路を通して、アンギュラコンタクト軸受1112を通して、グラップルメカニズム510のメインハウジング1118の中へ反応される。
【0247】
グラップルメカニズム510は、ボールスクリュー1110の出力端部の上にボールナット1120をさらに含む。スクリュースリーブ1122は、ボールナット1120にインターフェースしており、リジッド化中に、ボールナット1120とともに、スプリットハウジング1124a、1124b(集合的にスプリットハウジング1124と称される)に対して移動する。スプリットハウジング1124は、ベルヴィルワッシャー1126a、1126b(集合的にベルヴィルスタック1126と称される)を含む。先述のエレメントおよびその相対運動は、有利には、キャプチャーおよびリジッド化中に、グラップルメカニズム510においてより低い剛性を提供することが可能である。
【0248】
グラップルフィクスチャー508のプローブ512が(ペイロード存在プローブバー557によって示されているように)ジョー556に進入すると、後退が、グラップルメカニズム510を通して、スプリットハウジング1124に接続されているジョーハウジング1128(それは、ジョー556を収容している)、スプリットハウジング1124、スクリュースリーブ1122、およびボールナット1120によって実施される。これらのコンポーネント1128、1124、1122、1120は、グラップルフィクスチャー508が捕らえられる(すなわち、ジョー556がグラップルプローブ512の周りに完全に閉鎖される)まで、ボールスクリュー1110に沿ってアームインターフェース端部507に向けてキャプチャー588の軸線に沿って移動する。
【0249】
ジョー556が閉鎖されると、グラップルメカニズム510は、リジッド化プロセスの開始時にキャプチャー588の軸線に沿ってグラップルプローブ512を引っ張り続け、コンポーネント1120、1122、1124、1128は、ボールスクリュー1110に沿って移動し続ける。
【0250】
リジッド化プロセスの終わりに向けて、スクリュースリーブ1122およびボールナット1120は、ボールスクリュー1110に沿って移動し続ける(そして、ボールスクリュー1110によって引っ張られる)が、今度はスプリットハウジング1124に対して移動する。スプリットハウジングは、ボールスクリューに沿って移動することを停止する。その理由は、GFが現在ではEEの面の上に着座されているからである。これは、GFプローブがそれ以上引き込まれることを防止する(スプリットハウジングは、現在ではプローブ先端部の下側/平坦な側部の上に着座されているジョーに接続されている)。ペイロード存在バーの中にスプリングが存在していることが可能であり、または、リジッド化中にペイロード存在スイッチを係合された状態に維持する1セットのスプリングが存在していることが可能である。スクリュースリーブ1122とスプリットハウジング1124との間の相対運動は、ベルヴィルスタック1126を圧縮し、それは、グラップルメカニズム510の中に必要なプリロードを生成させる。
【0251】
ベルヴィルスタック1126の圧縮を通したリジッド化が、図12Aおよび図12Bに示されている。
【0252】
図12Aは、(カップリングエレメント532を介して)グラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514をキャプチャーしてそれとの接触を実現したグラップルメカニズム510を示している。この段階において、ベルヴィルスタック1126は、圧縮されていない。図12Aに示されている位置まで、ジョーハウジング1128、スプリットハウジング1124、スクリュースリーブ1122、およびボールナット1120は、ボールスクリュー1110に沿って後退している。
【0253】
図12Bは、ベルヴィルスタック1126の圧縮を通してターゲットプリロードを発生させることによってグラップルフィクスチャー508とのインターフェースをリジッド化したグラップルメカニズム510を示している。ベルヴィルスタック1126の圧縮は、スプリットハウジング1124とスクリュースリーブ1122との間の相対運動を介して実現される。
【0254】
とりわけ、キャプチャー軸線に沿ったスプリットハウジング1124の並進は(ジョーハウジング1128とともに)停止され、一方では、スクリュースリーブ1122(および、ボールナット1120)の並進は、キャプチャー軸線に沿ってペイロードインターフェース端部から離れるように方向1148に継続する。これが起こるときに、ベルヴィルスタック1126は、スプリットハウジング1124(それは静止している)の端部に面する表面1152(アーム端部の近位にある)とスクリュースリーブ1122(それは、キャプチャー軸線588に沿ってスプリットハウジング1124の表面1152に向けて方向1148に移動し続けている)の端部に面する表面1154(ペイロード端部の近位にある)との間で圧縮される。
【0255】
スプリットハウジング1124に対するボールナット1120およびスクリュースリーブ1122の並進は、ベルヴィルスプリングスタック1126の中にターゲットプリロードを発生させるために測定およびモニタリングされる。
【0256】
グラップルジョー556a、556bは、それぞれジョーピン1130a、1130b(集合的にジョーピン1130と称される)を介してジョーハウジング1128に固定されており、ジョーピン1130a、1130bは、ジョーハウジング1128およびスクリュースリーブ1122、スプリットハウジング1124、ならびにボールナット1120がボールスクリュー1110に沿って移動するときに、ジョー556が開放および閉鎖するように枢動することを可能にする。
【0257】
ジョー556a、556bは、カムまたは引張スプリング1131a、1131bによって作動される。ジョー556は、グラップルメカニズム510の完全に前方の位置において強制的に開放され、カムまたは引張スプリング1131a、1131bは、ジョー556a、556bをそれらの伸長された位置において閉鎖された状態に保持するように働く。
【0258】
ジョー556は、グラップルメカニズム510の完全に前方の位置において強制的に開放され、ジョーハウジング1128、スプリットハウジング1124、およびスクリュースリーブ1122がリジッド化のために後退させられるときに、カムまたは引張スプリング1131a、1131bによって閉鎖されるように作動される。ジョーハウジング1128の中のスロット付きガイド1132a、1132bは、ジョー556自体の上のジョーガイドピン1130a、1130bを介して、ジョー556の「開放」位置から「閉鎖」位置へ、ジョーピン1130a、1130bの周りに枢動しながら、ジョー556の移動をガイドする。
【0259】
ここで図13を参照すると、実施形態による、開放構成1302と閉鎖構成1304との間でグラップルジョー556の作動を図示する、グラップルジョー556の部分的に透明な斜視側面図が、示されている。
【0260】
カム1144は、グラップルジョー556を作動させる。カム1144が第1の方向1146に移動するときに、グラップルジョー556は開放する。カム1144が反対側の第2の方向1148に移動するときに、グラップルジョー556は閉鎖する。
【0261】
ペイロード存在マイクロスイッチは、ペイロード存在バー557がトリガーされているかどうかにしたがって、ペイロードが存在しているかどうかをセンシングする。ペイロード存在マイクロスイッチは、ランプ1140の下に配設されているマウント1142の上に装着されており、そのすべては、カム1144同士の間においてスライダー1138の上に配設されている。
【0262】
ハードキャプチャープリロードは、接触応力を含む内部負荷を大幅に低減させるためにプローブ先端部の裏側にある平坦な表面によって支持され、標準的な材料およびプロセスの使用を可能にする。
【0263】
グラップルキャニスター1128の内側のジョー556は、グラップルプローブ512との係合のポイントにおいて平底の設計を使用し、グラップルメカニズム510の線形運動によって作動される。このプロファイルは、グラップルフィクスチャー508の半球形のプローブ先端部570と協働して、内部メカニズム負荷を大幅に低減させることが可能である。
【0264】
再び図11を参照すると、グラップルメカニズム510は、ジョーハウジング1128、スクリュースリーブ1122、およびスプリットハウジング1124を保持するための、ならびに、ボールナット1120の運動を所与としてそれらが回転することを防止するための、ジョーハウジングガイド1132a、1132bをさらに含む。
【0265】
ジョーハウジングガイド1132a、1132bの動作によって、代わりに、運動はキャプチャー588の軸線に沿った線形運動に限定される。上述のハードウェアおよびコンポーネントは、グラップルメカニズム510のメインハウジング540によって囲まれている。
【0266】
動作中の曖昧でないメカニズム状態を決定することを助けるために、3セットの主要および冗長のマイクロスイッチが、グラップルメカニズム510の中に実装されている。変形例では、主要および冗長のマイクロスイッチの代わりに、単一のマイクロスイッチが使用されることが可能である。
【0267】
マイクロスイッチは、ペイロード存在マイクロスイッチ1150(図13に示されている)、較正マイクロスイッチ1134、およびリジッド化安全マイクロスイッチ1136を含む。
【0268】
較正マイクロスイッチ1134およびリジッド化安全マイクロスイッチ1136は、メカニズムの内側で静止している。換言すれば、これらのマイクロスイッチ1134、1136は、リジッド化中にメカニズム510の運動に対して固定されたままであり、移動するメカニズムの上の特徴が、既知の事前に決定された位置においてスイッチ1134、1136をトリガーする。
【0269】
ペイロード存在マイクロスイッチ1150は、スライダー1138の上に装着されており、それは、スイッチ1150がリジッド化中にメカニズム510とともに移動することを可能にし、したがって、リジッド化プロセスの全体を通して「ペイロード存在」状態を維持する。
【0270】
これらのスイッチ1150、1134、1136は、以下のセクションにおいて、より詳細に説明されている。
【0271】
ペイロード存在マイクロスイッチ1150(それは、この実施形態では、主要および冗長のマイクロスイッチを含む)は、ペイロードが存在しているかどうか、すなわち、グラップルフィクスチャー508のグラップルプローブ512がグラップルメカニズム510のジョー556の中にあるかどうかをセンシングする。スイッチ状態は、グラップルメカニズム510によって実施されるペイロードキャプチャーおよびリジッド化シーケンスのためのトリガーとして、ペイロードの存在を検出するためにソフトウェアによって使用される。結果として、メカニズム運動プロファイルを実現するための状態に基づいて、適当な運動が開始される。ソフトウェアは、ロボットアームコントローラーまたはロボットワークステーションの上に実装されることが可能である。実施形態は、(宇宙船に搭載された)アーム制御コンピューターの上に、および/または、ロボットワークステーション(オペレーターは地上にいるかまたは宇宙ステーションにいるかのいずれかである)の中に、ソフトウェアを含む。ソフトウェアは、シーケンシャルなタスクがスケジュールされ、実行され、モニタリングされ、および、完了に関してチェックされる場合に、処理の「ステートマシン」層において処理および作用されることが可能である。
【0272】
ペイロード存在マイクロスイッチ1150は、小さなマウント1142に締結されており、小さなマウント1142は、スライダー1138とともに移動するランプ1140の上に据え付けられている。これらの特徴は、図13に示されている。マイクロスイッチスライダー1138は、ガイド(図13では見ることができない)の中に中心スプリングを含み、中心スプリングは、キャプチャーされるためにジョー556の内側に十分に深く挿入される(すなわち、グラップリング位置568へ挿入される)グラップルプローブ512の先端部570によってバー557が押し下げられると、ペイロード存在バー557によって圧縮される。マイクロスイッチ1150をそれらのマウント1142の上でスロットに沿って押すのは、スプリングコンプライアンスを介したペイロード存在バー557の運動である。スロットの後端部において、マイクロスイッチ1150は、ペイロード存在ランプ1140によって物理的に押し下げられ、ペイロード存在ランプ1140は、最初に「ペイロード存在」インディケーションを提供する。次いで、スライダー1138を通過する1セットのスプリングシャフト(スプリング荷重式のプランジャー、図13では見ることができない)が、常にスライダー1138を前方に押し、リジッド化プロセス中にジョーハウジング1128、スプリットハウジング1124、およびスクリュースリーブ1122が後退させられている間に、マイクロスイッチ1150を係合された状態に維持する。したがって、ペイロード存在インディケーションは、リジッド化の全体を通して真(ペイロードが依然として存在していることを示す)のままである。
【0273】
ペイロード存在信号は、GFプローブ先端部が存在しているということを示す。信号が受信された後に、メカニズムは、次いで、成功的なキャプチャーのためにグラップルフィクスチャー508に対するEE502のオフセットが最大で20mm(半径方向のキャプチャーミスアライメント)であるときでも、GFプローブ先端部の周りでジョーを閉鎖するために後退しなければならない。
【0274】
再び図11を参照すると、較正マイクロスイッチ1134は、グラップルメカニズム510が較正位置にあるかどうかをセンシングするために使用される。マイクロスイッチ1134は、グラップルメカニズム510の較正位置を確立するために使用され、その後に、メカニズムの位置が、(モーターモジュール554の中に存在する)モーターレゾルバーを使用してモーターターンの追跡を維持することによって計算される。
【0275】
リジッド化安全マイクロスイッチ1136は、グラップルメカニズム510がその後方ハードストップに接近しているということを示すために使用される。マイクロスイッチ1136は、グラップルメカニズム510が遠くに後退し過ぎる前にグラップルメカニズム510の運動を停止するために使用される。
【0276】
較正マイクロスイッチ1134およびリジッド化安全マイクロスイッチ1136は、スクリュースリーブ1122の周囲部にあるランプ(図11では見ることができない)によって作動される。したがって、スクリュースリーブ1122、スプリットハウジング1124、およびジョーハウジング1128のアッセンブリは、リジッド化中にアームインターフェース端部507の方向に移動する。ターゲットプリロードは、リジッド化安全マイクロスイッチ1136に到達する前に実現されるべきである(そして、事前に決定された数のモーターターンをカウントすることによって、または、電流モニタリングによって、決定されることが可能である)ということに留意されたい。リジッド化安全マイクロスイッチ1136は、ペイロードなしのリジッド化中に、メカニズムがあまりに遠くに移動するケースでは、安全のために適切な場所にある。
【0277】
ここで図14から図21が参照されることとなり、図14から図21は、図5のエンドエフェクター502のソケットドライブメカニズム520をさらに詳細に示している。
【0278】
最初に図14A図14Cを参照すると、分離した状態の図5のソケットドライブメカニズム520が、斜視図、側面図、および断面図で示されている。
【0279】
ソケットドライブメカニズム520は、ペイロード516(たとえば、ツールまたは他のハードウェア)の上のトルクボルト524(ボールヘッド六角ボルト)を回転させるために、連続的な運動範囲にわたって時計回りおよび反時計回りの回転能力を提供する。トルクボルト524(および、準備されたインターフェース504)は、図14A図14Cに示されていないということに留意されたい。
【0280】
ソケットドライブメカニズム520は、ペイロード516のトルクボルト524とインターフェースするためのソケットヘッド536(ソケットドライブ536またはドライブソケット536とも称される)を含む。
【0281】
ソケットドライブ536は、トルクボルト524を通してペイロード516にトルクを伝送する。
【0282】
ソケットヘッド536は、スプリング荷重式のソケットヘッドである。スプリング荷重式のソケットヘッド536は、所望の数のターンにわたって、または、(たとえば、電流制限を介して)所望のトルクが到達されるまで、いずれかの方向に回転させられることが可能である。ある実施形態において、最大出力トルク能力は、17N・mであることが可能である。
【0283】
ソケットヘッド536は、ソケットヘッド536のソケット538に向けて湾曲しているソケット表面537を含む。
【0284】
ソケット538は、ペイロード516のトルクボルト524を受け入れるように構成されている。
【0285】
ソケット538は、嵌合のためにトルクボルト524の端部の形状に相補的になるように形状決めされている。示されている実施形態では、ソケット538は、トルクボルト524のボルト六角部(bolt hex)のプロファイルに相補的な六角形のプロファイル(「ソケット六角部(socket hex)」)を有している。
【0286】
図5のトルクボルト524(それは、ソケット538によって着座および回転させられる)は、図15において分離して示されている。
【0287】
トルクボルト524は、準備されたインターフェース504の第2の表面528を介してトルクボルト524をペイロード516に装着または接続するための装着端部1402と、ソケットドライブメカニズム520のソケット538と嵌合およびインターフェースするためのソケットインターフェース端部1404とを含む。
【0288】
一般的に、トルクボルト524の装着端部1402は、ペイロード516のトルク駆動式サブシステムに接続することが可能であり、トルクボルト524の回転がトルク駆動式サブシステムにトルクを伝達するようになっている。トルク駆動式サブシステムは、たとえば、ツールのコンポーネントであることが可能である。
【0289】
トルクボルト524は、平坦な六角形の上部表面1406および平坦な六角形の底部表面1408を含む。上部表面1406は、底部表面1408よりも小さい直径を有している。
【0290】
トルクボルト524は、上部表面1406から底部表面1408へ横断する6つの側部表面をさらに含む。側部表面は、装着端部1402の近位にある平坦な部分1410と、ソケットインターフェース端部1404の近位にある丸みを帯びた部分1414と、丸みを帯びた部分1414と平坦な部分1410との間にある凹形部分1412とをそれぞれ含む。凹形部分1412は、丸みを帯びた部分1414および平坦な部分1410のそれぞれよりも幅が狭い。
【0291】
丸みを帯びた部分1414および上部表面1406によって画定されるトルクボルト524の領域は、ボールエンド1416を形成している。ある実施形態において、ボールエンド1416は、ボールエンド六角ヘッドである。ボールエンドは、オフセット角度(この設計では±10°)を伴うソケットと係合することをより容易にする。30°が、陸上用途に関して一般的である可能性がある。これは、ソケットとのロボット係合にとって有利である。欠点は、ボールヘッドによって、接触力が、真っ直ぐな六角ヘッドよりも高いということである。また、ボールヘッド自体の中において、剪断力がより高くなる可能性がある。トルクボルト524のソケットインターフェース端部1404のプロファイル(丸みを帯びた前縁部)は、トルクエレメント524をソケット面537の下にソケット538に向けてスライドさせてソケット538と係合させることを可能にする。
【0292】
ソケット536のプロファイルに関するさらなる詳細には、図16Aおよび図16Bに図示されている。
【0293】
ソケットドライブ536は、トルクボルト524にトルクを伝送するために、丸みを帯びた六角プロファイル(たとえば、7/16"六角ボルトに相補的な7/16"の丸みを帯びた六角プロファイル)を有している。
【0294】
ソケットプロファイルは、回転「デッドバンド」を提供し、それは、トルクボルト524にトルク付与するときに発生される巻き上げ(wind up)を除去するために、ソケットドライブモーター(図示せず)を逆駆動する間にいくらかの遊びを提供する。
【0295】
ソケットプロファイルは、真っ直ぐな六角プロファイルと比較して、高トルク用途中に、六角ボルト524へのコーナーローディングを最小化する。
【0296】
また、トルクボルト524のボールエンド(Bondhusヘッド)ボルトプロファイルおよび相補的なソケットプロファイルは、有利には、ソケットに対して(たとえば、最大で10°の)角度的なミスアライメントの対処を提供する。そのようなミスアライメントの対処は、図16Bに図示されている。
【0297】
再び図14A図14Cを参照すると、ソケットドライブメカニズム520は、ソケットドライブメカニズム520を接地するための接地ワイヤー1418a、1418b(集合的に接地ワイヤー1418と称される)をさらに含む。
【0298】
また、ソケットドライブメカニズム520は、オルダムカップリング1420を含む。
【0299】
オルダムカップリング1420は、トルク付与動作中にソケットドライブ536に追加的なコンプライアンスを提供する。
【0300】
また、オルダムカップリング1420は、ボルト524のミスアライメントに対処するために使用される。オルダムカップリング1420は、トルクボルト524とインターフェースすることを実現するために、ソケットドライブメカニズム520を回転させるために使用されることが可能である。オルダムカップリング1420は、グラップルメカニズム510がリジッド化されるときに、ソケットドライブ536がトルクボルト524の上に係合することを助ける。ソケットドライブ536の回転は、六角部538の最終的なアライメントのために(すなわち、ソケットドライブが係合された状態に到達するために)必要とされる可能性がある。オルダムカップリング1420は、公差および熱に起因する変化に対処するために、ボルト524とソケット軸線1430との間により大きなミスアライメント能力を提供する。
【0301】
オルダムカップリング1420は、図17Aおよび図17Bにより詳細に示されており、図17Aおよび図17Bは、オルダムカップリング1420を備えたソケットドライブメカニズム520を組み立てられた図および分解図でそれぞれ示している。
【0302】
オルダムカップリング1420は、ソケットヘッド536、ドライブスライダー1452、アダプター1450、スペーサー1424、およびリテイニングリング1422を含む。オルダムカップリング1420は、全体として、シャフトミスアライメントに対処する。個々のピースは、トルクハウジングおよびボール六角ヘッドへの接続またはインターフェースをそれぞれ可能にする(たとえば、1408a、1408b)。
【0303】
ある実施形態において、オルダムカップリング1420は、最大で1.90mm(0.075")の半径方向コンプライアンスを提供するように寸法決めされている。図18を参照すると、オルダムカップリング1420を通してソケットドライブメカニズム520によって提供される半径方向コンプライアンスは、グラフ1426a、1426b、および1426cに図示されている。ある実施形態において、最大で1.90mm(.075")の半径方向コンプライアンスが提供される。グラフは、対処され得る起こり得る半径方向ミスアライメントの3つの異なる方向の例を示している。グラフは、アダプター1450(それは、トルクドライブシャフトにボルト締めされている)に対するソケットヘッド536(それは、ペイロードの上のボール六角ヘッドの上に係合されることとなっている)のオフセットを示している。図18のそれぞれの図における1420の位置(より具体的には、1452および1450の相対位置)は、グラフの中の赤色の矢印と比較される。
【0304】
オルダムカップリング1420によって提供される追加的なコンプライアンスは、有利には、そうでなければスプライン1432(図14Cに示されている)およびモーターモジュール軸受(図示せず)に伝送される可能性のある、ボルト524のミスアライメントによって引き起こされる側部負荷を除去することが可能である。
【0305】
追加的なデッドバンドは、この設計において固有のものである可能性があり、それは、有利には、トルク付与の後にシステム500の巻き上げを緩和しようとするときに、ボルト524を後退させるリスクを最小化することが可能である。
【0306】
オルダムカップリング1420の特徴は、リテイニングリング1422およびスペーサー1424によって、軸線方向において適切な場所に保持される。
【0307】
再び図14A図14Cを参照すると、ソケットドライブメカニズム520は、ソケットドライブ536に軸線方向コンプライアンスを提供するための軸線方向にコンプライアントなドライブ1428(軸線方向コンプライアンスメカニズム1428とも称される)をさらに含む。
【0308】
軸線方向コンプライアンスメカニズム1428は、グラップリングおよびリジッド化中にトルクボルト524と接触しているときにソケット536を後退させるための受動的な手段を提供する。
【0309】
一般的に、ソケットドライブ536は、ソケット六角部538がトルクボルト524のボルト六角部にミスアライメントされるときに、軸線方向コンプライアンスメカニズム1428を介して後退する。
【0310】
ソケットドライブ536は、次いで、ソケット六角部538がトルクボルト524の上に適正に着座される場所まで、ソケット六角部538の最終的なアライメントのために(たとえば、オルダムカップリング1420を使用して)回転させられることが可能である。
【0311】
ソケット六角部538の適正なアライメントおよび着座を実現することは、ソケットドライブメカニズム520がソケットドライブ係合状態(本明細書でさらに説明されているように、マイクロスイッチセンシングを含む)に到達することを可能にする。
【0312】
軸線方向コンプライアンスは、軸線方向コンプライアンスキャビティー1429の中に係合されている。
【0313】
ここで図19および図20を参照すると、ソケットドライブメカニズム520の軸線方向コンプライアンスメカニズム1428が、より詳細に示されている。
【0314】
図19は、第1の状態1902、第2の状態1904、および第3の状態1906における、軸線方向コンプライアンスメカニズム1428と分離した状態のソケットドライブメカニズム520を示している。
【0315】
第1の(前方)状態1902では、ソケットドライブ536は、エンドエフェクター502がペイロード516とのインターフェースをリジッド化しているときに、トルクボルト524に向けて移動している。この事例におけるトルクボルト524は、ソケットドライブメカニズム520のソケット六角部538にミスアライメントされている。ミスアライメントされたトルクボルト524がソケット538に接触するとき、軸線方向コンプライアンスメカニズム1428が係合されることとなる。
【0316】
第2の(後退させられた)状態1904では、トルクボルト524は、ソケット538に接触しているが、ミスアライメントされており、軸線方向コンプライアンスメカニズム1428に係合している。軸線方向コンプライアンスメカニズム1428は、ソケットドライブ536(および、ソケットドライブメカニズム520の他のコンポーネント)の移動を方向1448aに引き起こす。軸線方向コンプライアンスメカニズム1428の係合は、状態変化(より詳細に本明細書で説明されている、ソケット係合式マイクロスイッチによってセンシングされる)を引き起こす。状態変化は、ソケットドライブ536を回転させるためのインディケーションとして登録および使用される。たとえば、状態変化は、オペレーターに通信されることが可能であり、オペレーターは、次いで、オルダムカップリング1420を使用してソケットドライブ536を回転させることが可能である。ソケットドライブ536は、ソケット538がトルクボルト524の上に適正に着座されてトルクボルト524とアライメントされるまで回転させられる。
【0317】
第3の(前方)状態1906では、ソケットドライブメカニズム536のソケット538は、トルクボルト524の上に着座されてトルクボルト524とアライメントされている。この着座は、以前に説明されたように、ソケットドライブ536の回転を介して実現される。適正に着座されると、軸線方向コンプライアンスメカニズム1428は係合解除され、ソケットドライブ536(および、ソケットドライブメカニズム520の追加的なコンポーネント)が方向1448bに移動することを引き起こし、ソケットドライブ536を第1の状態1902のようにその前方位置に戻す。ソケットドライブ536が方向1448bに移動するときに、軸線方向コンプライアンスメカニズム1428は、第2の状態変化(ソケット係合式マイクロスイッチによってセンシングされる)を引き起こす。状態変化は、ソケット538がトルクボルト524の上に適正に着座されているというインディケーション、および、トルク付与動作が実施されることが可能であるというインディケーションとして、登録および使用される。したがって、状態変化は、(たとえば、オペレーターに、または、トルク付与動作を自律的に開始または実施するように構成されている別のシステムコンポーネントに)トルク付与動作が開始することを可能にするように通信されることが可能である。
【0318】
図20は、図19の第1および第2の状態1902、1904における軸線方向コンプライアンスメカニズム1428を備えたソケットドライブメカニズム520の断面図を示している。
【0319】
スプラインシャフト1432は、モーターモジュール(モーターモジュール1438、下記に説明されている)からトルクを伝送しながら、軸線方向の自由度を提供する。ウェーブスプリング1434a、1434b(1つまたは複数のウェーブスプリング1434と称される)は、前進圧力を提供し、ソケット六角部538がトルクボルト524とアライメントされているときに、ソケットドライブ536がトルクボルト524(図20には示されていない)に係合するように前方に延在することを可能にする。
【0320】
軸線方向コンプライアンスメカニズム1428が第1の(前方)状態1902にあるときに、スプラインシャフト1432は、(ソケットドライブメカニズム520のペイロードインターフェース端部の遠位にある)軸線方向コンプライアンスキャビティー1429の遠位端部に配置されている。
【0321】
ウェーブスプリング1434は、ソケットドライブ536に前進圧力を印加する。軸線方向コンプライアンスメカニズムの第3の状態1906の断面図は、図20の第1の状態1902と同じように見えることとなる(その理由は、第3の状態1906では、ソケットドライブ536が前方位置に戻っているからである)。
【0322】
軸線方向コンプライアンスメカニズム1428が第2の(後退させられた)状態1904にあるときに、ソケットドライブ536とミスアライメントされたトルクボルト524との間の接触は、ウェーブスプリング1434を圧縮し、ソケットドライブ536の後退を引き起こす。ウェーブスプリング1432の圧縮を介したソケットドライブ536の受動的な後退は、スプラインシャフト1432が軸線方向コンプライアンスキャビティー1429の中へさらに進入することを引き起こす。
【0323】
ソケット538がアライメントされてトルクボルト524の上に着座されているときに、軸線方向コンプライアンスメカニズム1428が第3の(前方)状態1906(図20には示されていない)に移動するときに、ウェーブスプリング1432は、伸長(減圧)し、前方位置へのソケットドライブ536の受動的な前進移動を引き起こし、スプラインシャフト1432が(第1の状態1902のように)軸線方向コンプライアンスキャビティー1429の遠位端部に戻ることを引き起こす。
【0324】
ソケットドライブ536の並進(後退および前進移動)は、ソケット軸線1430に沿って起こる。
【0325】
再び図14A図14Cを参照すると、ソケットドライブメカニズム520は、ソケットドライブモーターモジュール1438(または、モーターモジュール1438)を含む。
【0326】
モーターモジュール1438は、ソケットドライブメカニズム520のさまざまなコンポーネントを駆動するために使用されることが可能である(トルクボルト524にトルクを印加するためにソケットドライブ536の回転を駆動することを含む)。
【0327】
ある実施形態において、モーターモジュール1438は、480:1のベースラインギア比を有することが可能である。モーターモジュール1438は、モーターマウント1444を介してアッセンブリに装着する。モーターモジュール1438は、出力シャフト1462を含む。出力シャフト1462は、ドウェル1458を介してスプライン(または、多角形)シャフト1432にピン留めされている。モーターモジュール出力シャフト1462とスプラインシャフト1432との間のドウェル1458は、ドウェルリテイナースリーブ1460を介して適切な場所に固定されている。スプラインシャフト1432は、ソケットドライブメカニズム520のオルダムカップリング1420に係合している。オルダムカップリング1420は、3つの特徴、すなわち、スプラインシャフトアダプター1428(図17Aにも示されている)、ドライブアダプター1450およびドライブスライダー1452、ならびにソケット536を含む。
【0328】
ある実施形態において、モーターモジュール1438は、完全に冗長な(二重巻き)DCブラシレスモーター、レゾルバー(それは、主要および冗長のレゾルバーを含むことが可能である)、および遊星ギアボックスを含む。ギアボックスは、480:1(ベースライン)の最大比を有することが可能である。
【0329】
スプラインシャフト1432は、モーターモジュール1438とは別個のエレメントである。このモジュール性は、有利には、スプライン1432設計にフレキシビリティーを提供することが可能であり、潜在的な設計修正のより容易な一体化を可能にする。そのうえ、モーターベンダーなどは、有利には、ドウェル1458を保つためのドウェル孔(図示せず)の追加を伴う標準的な出力シャフト1462を使用することが可能であり、ドウェル1458は、スプラインシャフト1432のトルク伝送および保持のためのものである。
【0330】
スプラインシャフト1432の周りのウェーブスプリング1434は、線形移動を伴うソケットドライブ536の軸線方向コンプライアンスを可能にする。軸線方向コンプライアンス1428によって可能にされるこの軸線方向運動は、マイクロスイッチ1436a、1436b(集合的にマイクロスイッチ1436と称される)を係合および係合解除し、ソケットドライブ536がボルト524の上に完全に着座されるときを決定する。オス型スプラインシャフトの端部の上のリテイニングリングは、スペーサー(1466a/1466b)を有している。コンプライアンスアッセンブリ1428全体は、オス型スプラインシャフトリテイニングリングによって保たれることが可能である。
【0331】
オルダムカップリング1420の上のリテイニングリングおよびスペーサー1422、1424と、スプラインシャフト1432およびスプラインスペーサーの上のスプラインリテイナー1466a、1466bとの間には、キャビティー1429が存在しており、それは、本質的に、ソケットドライブメカニズム520の中の軸線方向コンプライアンスである。キャビティー1429は、ソケットドライブメカニズム520の周囲部の周りに4つのベント孔1464を含む。
【0332】
ソケットドライブメカニズム520は、ソケットドライブ536がトルクボルト524の上に完全に着座されている(または、係合されている)ときを示すために、主要および冗長のマイクロスイッチ1436(ソケット係合式マイクロスイッチ1436)を含む。変形例では、1つのマイクロスイッチ1436のみが使用されることが可能である。
【0333】
ソケットドライブアッセンブリの中の主要および冗長のソケット係合式マイクロスイッチ1436は、マイクロスイッチアクチュエータースライダー1442a、1442b(集合的にマイクロスイッチアクチュエータースライダー1442と称され、一般的にスライダー1442と称される)の上に装着されている。
【0334】
スライダー1442は、それぞれのスライダーブラケット1442の下側にあるスロット1446a、1446b(集合的にスロット1446と称される)において、ソケットドライブメカニズム520にインターフェースする。
【0335】
ソケットドライブメカニズム520は、マイクロスイッチアクチュエータースカート1440をさらに含む。
【0336】
マイクロスイッチアクチュエータースカート1440は、ソケット係合式マイクロスイッチ1436のためのトリガーとして作用する。また、マイクロスイッチアクチュエータースカート1440は、放射線および帯電から内部コンポーネントを保護するために、環境から視野を閉鎖する。
【0337】
スカート1440は、スライダー1442の中のスロット1446の中へフィットしており、トルクボルト524がソケットドライブ536を押し戻すことに起因して、ソケットドライブ536がウェーブスプリング1434を介して軸線方向に圧縮するときに、スライダー1442が、ソケットドライブ536の軸線方向移動を所与として、マイクロスイッチ1436を機械的に作動させるようになっている。
【0338】
スライダー1442の中のスロット1446は、スカート1440の連続的な回転を可能にし、ひいては、ソケットドライブ536の連続的な回転を可能にする。マイクロスイッチセンシング設計は、係合されたソケットドライブと係合解除されたソケットドライブのインディケーションを提供するために、ソケットドライブ536の軸線方向運動のみを追跡することが可能である。
【0339】
ソケット係合式マイクロスイッチ1436は、ソケットドライブメカニズム520のソケットヘッド536が完全に前方にあるかどうかをセンシングし、ソケットヘッド536が完全に前方の位置からソケット軸線1430に沿って後退する場合には、状態変化を示すように構成されている。ソケットヘッド536は、軸線方向コンプライアンス1428の上にあり、ソケット536がトルクボルト524の六角プロファイルの上にアライメントされていない場合には、ソケット係合式マイクロスイッチ1436から偏向されて戻されることが可能である。ソケットヘッド536は、公称では完全に前方にある。ペイロード516をグラップルするときに、ソケットヘッド536がアライメントされておらず、マイクロスイッチ1436に向けて後方に偏向されている場合には、ソケットヘッド536は、ソケットヘッド536が適正に着座するまで、および、アライメント/適正な着座のインディケーションが(ソケット係合式マイクロスイッチ1436の状態の変化を介して)受信されるまで、わずかにターンされることが可能である。また、これは、それに続くソケットドライブ536の回転運動のためのゼロ位置を確立する。ゼロ位置は、(たとえば、ターンの数を介して)トルクボルト524に伝達されるトルクをモニタリングするときに使用されることが可能である。
【0340】
ソケットドライブメカニズム520は、その線形移動のためのハードストップを含有している。ソケットドライブメカニズム520は、メカニズム520が連続的な運動範囲に対処するので、回転ハードストップを含まなくてもよい。動作的に、ソケットドライブメカニズム520は、インターフェース締結具(図示せず)のハードストップの中へ駆動されることが可能であり、そのハードストップ位置をホーム位置としてベースラインにし、そこからターンをカウントすることを開始する。次いで、ソケットドライブ536は、(たとえば、電流をモニタリングしながら)既知のターンカウントまで回転させられ、動作が完了したときを決定することが可能である。
【0341】
ここで図21から図40を参照すると、実施形態による、EE502のグラップルメカニズム510およびソケットドライブメカニズム520の断面側面図、ならびに、EE502によって実施される動作シーケンスにわたる、ソケット係合式マイクロスイッチ1436、ペイロード存在マイクロスイッチ1150、リジッド化安全マイクロスイッチ1136、および較正マイクロスイッチ1134のそれぞれに関する、対応する物理的および電気的スイッチ状態が、示されている。
【0342】
ソケット係合式マイクロスイッチ1436、ペイロード存在マイクロスイッチ1150、リジッド化安全マイクロスイッチ1136、および較正マイクロスイッチ1134の場所が、図21Aに示されている。
【0343】
図21Bは、マイクロスイッチのスイッチ状態の例示的なグラフィカルな表現2402を示しており、そのフォーマットは、動作シーケンスの全体を通したスイッチ状態を図示するために使用されることとなる。ソケット係合式マイクロスイッチ1436、ペイロード存在マイクロスイッチ1150、リジッド化安全マイクロスイッチ1136、および較正マイクロスイッチ1134のそれぞれは、対応する物理的スイッチ状態2402および電気的スイッチ状態2404を有している。物理的スイッチ状態2402は、押し下げられた状態2406または押し下げられていない状態2408であることが可能である。電気的スイッチ状態2404は、高い状態2410または低い状態2412であることが可能である。一般的には、パワーオンされたときに、押し下げられた物理的スイッチ状態2406は、低い電気的スイッチ状態2412に対応しており、押し下げられていない物理的スイッチ状態2408は、高い電気的スイッチ状態2410に対応している。
【0344】
図22Aは、パワーがオフのときに「レスト状態」2302にあるエンドエフェクター502を示している。すべてのスイッチ1134、1136、1150、1436に関して図22Bに示されている対応するスイッチ状態は、押し下げられていない状態および低い電気的スイッチ状態である。
【0345】
図23Aは、パワーがオンされているときに「レスト状態」2304にあるエンドエフェクター502を示している。図23Bは、スイッチ1134、1136、115、1436のそれぞれに関する電気的スイッチ状態2404が高い電気的スイッチ状態2410に変化したことを示している。
【0346】
図24Aは、「レスト状態」にある間のパワーアップの状態2306にあるエンドエフェクター502を示している。図24Bは、スイッチ1134、1136、1150、1436の対応するスイッチ状態2406を示している。エンドエフェクター502のメカニズム510、520のスイッチ状態および位置は、図23A、23Bから変化していない。
【0347】
図25Aは、較正位置2308にあるエンドエフェクター502を示している。モーターモジュール554は、ボールスクリュー1110を回転させるように単一段ギアパス1102を駆動する。ボールスクリュー1110が回転するとき、ボールナット1120が、ジョーメカニズム(ジョーハウジング1128、ベルヴィルスプリングスタック1126、およびスクリュースリーブ1122)を方向1148に前方に並進させる。それを行うことによって、較正スイッチ1134が押し下げられる。
【0348】
図25Bは、較正スイッチ1134の物理的スイッチ状態2402が押し下げられた状態2414に変化したこと、および、電気的スイッチ状態2404が低い状態2416に変化したことを示している。
【0349】
図26Aは、キャプチャーの準備のできた状態2310にあるエンドエフェクター502を示している。モーターモジュール554は、ボールスクリュー1110の回転をさらに駆動する。ボールナット1120は、ジョーメカニズムを完全に前方の位置に並進させており、完全に前方の位置では、ジョーハウジング1128は、カップリングエレメント532の後面に対抗している。この移動は、引張スプリング1131が伸長状態から自由状態へ移動することを引き起こし、ジョー556を閉鎖構成から開放構成へ作動させる。
【0350】
図26Bは、キャプチャーの準備のできた状態2310にあるスイッチ1134、1136、1150、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図25A、25Bの較正位置2508から変化していないことを示している。
【0351】
図27Aは、接近およびキャプチャーの準備のできた状態2312にあるエンドエフェクター502を示している。エンドエフェクター502のペイロードインターフェース端部は、ロボットアーム(図示せず)を介して、ペイロード516の上の準備されたインターフェース504に向けて移動される。準備されたインターフェース504は、トルクボルト524およびグラップルフィクスチャー508を含む。グラップルフィクスチャー508のグラップルプローブ512が、エンドエフェクター502のキャプチャーエンベロープの中にある。グラップルプローブ512は、エンドエフェクター502のグラップル面に接近している。
【0352】
図27Bは、接近およびキャプチャーの準備のできた状態にあるスイッチ1134、1136、1150、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図26A、26Bのキャプチャーの準備のできた状態2310から変化していないことを示している。
【0353】
図28Aは、ペイロード存在状態2314にあるエンドエフェクター502を示している。ペイロード516の準備されたインターフェース504に向けたエンドエフェクター502の継続的な移動を通して、グラップルプローブ512は、グラップリングメカニズム510の中のグラップル開口部534を通ってグラップルキャニスター528に進入し、グラップリングエリア568の中へ入る。グラップルプローブ512のプローブ先端部570は、グラップリングエリア568の遠位端部においてプローブ存在バー557に接触し、プローブ存在マイクロスイッチ1150をトリガーする。
【0354】
図28Bは、プローブ存在スイッチ1150の物理的スイッチ状態2402が、押し下げられていない状態から押し下げられた状態2408へ変化しており、プローブ先端部570がプローブ存在バーセンサー557に接触した結果として、電気的スイッチ状態2404が、高い状態2410から低い状態2412へ変化したことを示している。ここで、エンドエフェクター502は、ペイロードが存在しているということ(すなわち、グラップルプローブ512がグラップリングエリア568にあること)およびグラップリングメカニズム510の後退が開始することが可能であることを分かっている。
【0355】
図29Aは、ジョーが閉鎖された状態2315にあるエンドエフェクター502を示している。ジョーが閉鎖された状態2315は、「ソフトキャプチャー」状態と称されることも可能である(すなわち、グラップルフィクスチャーのプローブヘッドは、キャプチャーされているが、リジッド化はまだ起こっていない)。ソフトキャプチャー(低い初期負荷を伴う)は、リジッド化負荷が精密に制御され得る状態にインターフェースを置くことが可能である。キャプチャー軸線に沿ったグラップルメカニズム510の後退が開始され、グラップルジョー556が開放構成から閉鎖構成へ移動することおよびプローブ先端部570を介してグラップルプローブ512をグラップルすることを引き起こす。モーターモジュール554は、単一段ギアパス1102を駆動し、ボールスクリュー1110を回転させる。ボールスクリュー1110が回転するとき、ボールナット1120は、ジョーメカニズム/アッセンブリ1156(ジョーハウジング1128、ベルヴィルスプリングスタック1126、およびスクリュースリーブ1122)を方向1148に並進させる。ジョーアッセンブリがキャプチャー軸線に沿って後退させられるときに、ジョーアッセンブリ1156の中の引張スプリング1131が、自由状態から伸長状態へ移動し、グラップルジョー556を開放構成から閉鎖構成へ作動させる。見られ得るように、後退しているジョーアッセンブリ1156は、較正スイッチ1134に接近している。
【0356】
図29Bは、ジョーが閉鎖された状態2315にあるスイッチ1134、1136、1150、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図29A図29Bのペイロード存在状態2312から変化していないこと、および、ペイロード存在スイッチ1150が係合されたままであるということを示している。
【0357】
図30Aは、ソケットドライブと最初に接触した状態2316にあるエンドエフェクター502を示している。エンドエフェクター502のグラップルメカニズムは、ジョーアッセンブリ1156をキャプチャー軸線に沿って方向1148に並進させることによって、ペイロード516のグラップルプローブ512をさらに後退させており、ペイロード516のトルクボルト524をソケットドライブメカニズム520のソケットドライブ536と接触させている。
【0358】
図30Aに示されている位置に対するジョーアッセンブリ1156の後退は、較正マイクロスイッチ1134を解放し、状態変化を実現する。この状態変化は、グラップルメカニズム510がホーム位置または較正位置を通過したということを示す。較正スイッチ1134における状態変化に応答して、モーターモジュール554の中のレゾルバー(図示せず)は、ジョーアッセンブリ1156がキャプチャー軸線に沿ったその並進を継続するときに、モーター位置をモニタリングする(たとえば、ターンカウントを追跡する)。
【0359】
図30Bは、較正スイッチ1134の物理的スイッチ状態2402が押し下げられた状態2406から押し下げられていない状態2408へ変化しており、電気的スイッチ状態2404が低い状態2412から高い状態2410へ変化したことを示している。以前に述べられたように、スイッチ状態のこの変化は、図29Aに示されている位置に対するジョーアッセンブリ1156の継続的な後退によって引き起こされる。ソケットヘッド536が依然としてその完全に前方の位置にある(軸線方向コンプライアンス1428が係合されていない)ときに、ソケット係合式スイッチ1436は、まだ係合されておらず、押し下げられていない物理的スイッチ状態2408および高い電気的スイッチ状態2410によって反映されている。
【0360】
図31Aは、グラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514がグラップルメカニズム510のカップリングエレメント532に接触していること、および、ソケット538がトルクボルト524の上でアライメントされていないことに対応する状態2318にあるエンドエフェクター502を示している。
【0361】
ミスアライメントされたトルクボルト524がソケットヘッド536に接触しており、そのミスアライメント(トルクボルト六角部がソケット六角部にミスアライメントされている)に起因して、ソケットドライブ536は、ソケットドライブメカニズム520の軸線方向コンプライアンスメカニズム1428を介して方向1148に受動的に後退させられる。とりわけ、ミスアライメントされたトルクボルト524の接触は、ソケットドライブメカニズム520の中のウェーブスプリング1434の圧縮、および、(軸線方向コンプライアンス)キャビティー1429の中へのスプラインシャフト1432のさらなる移動を引き起こす。
【0362】
グラップルされたプローブ512を伴ったジョーアッセンブリ1156が、キャプチャー軸線に沿ってさらに後退させられ、グラップルメカニズム510のカップリングエレメント532をグラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514と嵌合接触させる。また、それぞれのカップリングエレメント532、514の嵌合は、アライメントを推進する。
【0363】
図31Bは、ミスアライメントされたソケットドライブ536が軸線方向コンプライアンスメカニズム1428を介してトルクボルト524から偏向されて戻されることの結果として、ソケット係合式スイッチ1436のスイッチ状態2402、2404が変化したことを示している。ソケットドライブ536のこの後退は、ソケット係合式スイッチ1436を押し下げ、物理的スイッチ状態2402を押し下げられた状態2406に変化させ、電気的スイッチ状態2404を低い状態2412に変化させる。ソケット係合式スイッチ1436をトリガーすることは、エンドエフェクター(または、エンドエフェクター502を制御するロボットシステム)と通信するロボットワークステーションに通信されることが可能であり、オペレーターが、ロボットワークステーションのヒューマン-マシンインターフェースを使用し、トルクボルト524の上にソケット538を適正に着座させるために(オルダムカップリング1420を使用して)回転するようにソケットドライブメカニズム520に命令することができるようになっている。
【0364】
図32Aは、グラップルフィクスチャー508とグラップルメカニズム510との間のインターフェースがリジッド化されており、エンドエフェクター502をペイロード516にリジッド化し、ソケット538がトルクボルト524にアライメントされていない(「リジッド化され、ソケットはアライメントされていない」)状態2320にあるエンドエフェクター502を示している。
【0365】
図31Aに示されているグラップルメカニズム510の位置に対して、グラップルモーターモジュール554は、ボールスクリュー1110を回転させるためにギアパス1102をさらに駆動しており、ボールナット1120とインターフェースしているスクリュースリーブ1122をボールナット1120がジョーアッセンブリ1156に対して方向1148に並進させることを引き起こす。ジョーアッセンブリ1156のスプリットハウジング1124に対するスクリュースリーブ1122の移動は、ベルヴィルスプリングスタック1126を圧縮し、ターゲットプリロードを発生させる。スクリュースリーブ1122の後退は、グラップルモーターモジュール554の中のレゾルバーによるモーター位置(係合された較正スイッチ1134によって示される較正位置に対する移動)の継続的なモニタリングを通して、ターゲットプリロード位置に制御される。
【0366】
ソケット538は、トルクボルト524にミスアライメントされたままである(そして、ソケット係合式スイッチ1436は係合されたままである)。
【0367】
図32Bは、リジッド化された状態2320にあるスイッチ1134、1136、115、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図31A図31Bのグラップルフィクスチャー接触状態2318から変化していないことを示している。
【0368】
図33Aは、グラップルフィクスチャー508とグラップルメカニズム510との間のインターフェースがリジッド化されたままであり、ソケット538がアライメントされている状態2322におけるエンドエフェクター502を示している。この状態では、エンドエフェクター502は、ソケットドライブメカニズム520の回転を通してトルクボルト524にトルクを伝達することなどのような動作を実施する準備ができている。
【0369】
図32Aに示されている状態に対して、ソケットドライブメカニズム520は、トルクボルト524がソケット538と適正にアライメントされているポイントまで回転させられている。ソケット538がトルクボルト524の上に適正に着座されるときに、ウェーブスプリング1434が減圧するので、および、スプラインシャフト1432がキャビティー1429の中で後退するので、軸線方向コンプライアンス1428が解放される。ソケットドライブ536が方向1146に前方に移動するときに、ソケット係合式スイッチ1436が係合解除され、スイッチ状態2402、2404を変化させる。
【0370】
ソケット係合式スイッチ1436は、(たとえば、所望のターンの数まで、所望のトルク(電流制限)まで)ソケットドライブメカニズム520を駆動するためにソケットドライブモーターモジュール1438に信号を送ることが可能である。
【0371】
図33Bは、ソケット係合式スイッチ1436の物理的および電気的スイッチ状態2402、2404が押し下げられていない状態2408および高い電気的状態2410にそれぞれ変化したことを示している。スイッチ状態2402、2404のこの変化は、ソケット538がトルクボルト524の上に適正に着座され、動作の準備ができていることを示している。
【0372】
以下の図は、エンドエフェクター502からのペイロード516の解放に対応している。
【0373】
図34Aは、(図34Aに示されている)リジッド化中に発生されたプリロードが解放されている状態2324にあるエンドエフェクター502を示している。プリロードを解放するために、グラップルモーターモジュール554は、ボールスクリュー1110を回転させるようにギアパス1102を駆動し、ボールナット1120がスプリットハウジング1124に対してキャプチャー軸線に沿って方向1146(後退の反対側)にスクリュースリーブ1122を並進させることを引き起こし、ベルヴィルスプリングスタック1126を減圧する。
【0374】
図34Bは、解放されたプリロード状態2324にあるスイッチ1134、1136、115、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図33A図33Bのリジッド化された状態2322から変化していないことを示している。
【0375】
図35Aは、グラップルメカニズム510がグラップルプローブ512を方向1146に押し始めるペイロード解放状態2326にあるエンドエフェクター502を示している。とりわけ、ボールスクリュー1110が回転させられ、ジョーハウジング1128がプローブ先端部570の丸みを帯びた表面572に接触し、ジョーアッセンブリ1156が方向1146にさらに並進されるときにプローブ512を方向1146に押すポイントまで、ボールナット1120がジョーアッセンブリ1156を方向1146に並進させることを引き起こす。
【0376】
図35Bは、ペイロード解放状態2326にあるスイッチ1134、1136、1150、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図36A図36Bの解放されたプリロード状態2324から変化していないことを示している。
【0377】
図36Aは、グラップルジョー556が閉鎖構成から開放構成へ移動し始めるペイロード解放状態2328にあるエンドエフェクター502を示している。ジョーアッセンブリ1156は、ボールスクリュー1110の回転を介してさらに並進されており、ジョーハウジング1128は、プローブ先端部570を方向1146に押し続けている。この段階において、引張スプリング1131は、伸長状態から自由状態へ移動し始め、グラップルジョー556を作動させる。
【0378】
ジョーアッセンブリ1156は、較正位置(ホーム位置)へ戻るように、または較正位置を越えるように並進されており、較正マイクロスイッチ1134に係合している。
【0379】
さらに、グラップルメカニズム510がプローブ512を押すことは、グラップルフィクスチャー508のカップリングエレメント514がグラップルメカニズム510のカップリングエレメント532から切り離されることを引き起こし、トルクボルト524がソケット538から解放されることを引き起こしている。
【0380】
図36Bは、較正スイッチ1436の物理的スイッチ状態2402および電気的スイッチ状態2404が押し下げられる物理的状態2406および低い電気的状態2412にそれぞれ変化したことを示している。状態のこの変化は、ジョーアッセンブリ1156が較正マイクロスイッチ1134を越えて移動して較正マイクロスイッチ1134に係合することによって引き起こされる。
【0381】
図37Aは、グラップルジョー556が部分的に開放されたペイロード解放状態2330にあるエンドエフェクター502を示している。
【0382】
図36Aに示されている位置に対して、ジョーアッセンブリ1156は、ボールスクリュー1110に沿って方向1146にさらに並進される。この移動は、ジョーアッセンブリ1156の引張スプリング1131を自由状態に向けてさらに推し進め、グラップルジョー556をさらに開放するように作動させる。
【0383】
図37Bは、ペイロード解放状態2330にあるスイッチ1134、1136、1150、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図36A図36Bのペイロード解放状態2328から変化していないことを示している。
【0384】
図38Aは、グラップルジョー556が開放した状態のペイロード解放状態2332にあるエンドエフェクター502を示している。ボールスクリュー1110の回転を介したジョーアッセンブリ1156の継続的な前方への並進は、ジョーハウジング1128をカップリングエレメント532の後ろ側と接触するように押す。また、ジョーアッセンブリ1156の継続的な前方への並進は、引張スプリング1131が自由状態に戻ることを引き起こし、それは、グラップルジョー556を完全に開放するように作動させる(開放構成)。グラップルジョー556のこの完全に開放した状態は、グラップルキャニスター528からのグラップルプローブ512の解放を可能にする。
【0385】
図38Bは、ペイロード解放状態2332にあるスイッチ1134、1136、115、1436に関するスイッチ状態2402、2404が図37A図37Bのペイロード解放状態2330から変化していないことを示している。
【0386】
図39Aは、ペイロードが解放された状態2334にあるエンドエフェクター502を示している。グラップルプローブ512は、グラップルキャニスター528から解放されており(開放したグラップルジョー556によって可能にされる)、エンドエフェクター502からペイロードを解放している。
【0387】
グラップルプローブ512の解放は、(プローブ端部570がもはやペイロード存在バー557を押し下げないことに起因して)ペイロード存在マイクロスイッチ1150が係合解除されることを引き起こす。ペイロード存在は、グラップルプローブの上へのまたはグラップルプローブから離れるエンドエフェクターの運動によって、活性化させられるかまたは除去されることが可能である。
【0388】
図39Bは、ペイロード存在スイッチ1150の物理的スイッチ状態2402および電気的スイッチ状態2404が押し下げられていない2408および高い電気的状態2410にそれぞれ変化したことを示している。
【0389】
図40Aは、図35Aに以前に示された「レスト状態」2336にエンドエフェクター502が戻ったことを示している。図39Aのペイロードが解放された状態2334からレスト状態2336への移動は、ボールスクリュー1110の回転を介したキャプチャー軸線に沿ったジョーアッセンブリ1156の後退によって実現される。ジョーアッセンブリ1156が後退するとき、ジョーアッセンブリ1156の中の引張スプリング1131は、自由状態(ジョーが開放している)から伸長状態へ移動し、グラップルジョー556を閉鎖する。
【0390】
図40Bは、較正スイッチ1134の物理的スイッチ状態2402が押し下げられていない状態2408に変化し、較正スイッチ1134の対応する電気的スイッチ状態2404が図39Bの状態2402、2404から高い状態2410に変化したことを示している。
【0391】
上記の説明は、1つまたは複数の装置、方法、またはシステムの例を提供しているが、他の装置、方法、またはシステムが、当業者によって解釈されるように、特許請求の範囲の範囲中にあることが可能であるということが認識され得る。
【符号の説明】
【0392】
102 ペイロード
104 ロボットシステム
106 ロボットワークステーション
108 マシンビジョンターゲット
110 マシンビジョンシステム
112 ロボットアームコントローラー
114 ロボットアーム
116 多目的エンドエフェクター
118 グラップルフィクスチャー
120 トルク部材
122 トルク駆動式サブシステム
124 カップリングエレメント
126 グラップルプローブ
128 プローブ先端部
130 電気的アンビリカル
132 カメラサブシステム
134 認識モジュール
136 ターゲット認識データベース
140 アームインターフェース端部
142 ペイロードインターフェース端部
144 ロボットアームインターフェース
146 グラップルサブシステム
148 トルカーサブシステム
149 パワー/データパススルーメカニズム
150 グラップルメカニズム
152 グラップルモーターモジュール
154 グラップルメカニズム状態センシングサブシステム
156 プローブ受け入れ端部
158 カップリングエレメント
160 グラップル開口部
162 ジョーアッセンブリ
164 グラップルジョー
166 ジョーアクチュエーター
168 ジョーアッセンブリ並進器
170 圧縮可能エレメント
172 プローブ存在センサー
174 並進位置追跡センサー
176 トルカーメカニズム
178 トルカーモーターモジュール
180 トルカーメカニズム状態センシングサブシステム
182 トルカー着座エレメント
184 着座エレメントローテーター
186 軸線方向コンプライアンスメカニズム
188 着座エレメント係合式センサー
500 システム
502 エンドエフェクター(EE)
504 準備されたインターフェース
506 ペイロードインターフェース端部
507 アームインターフェース端部
508 グラップルフィクスチャー
509 ペイロードフェーシング端部
510 グラップルメカニズム
512 グラップルプローブ
514 カップリングエレメント
516 ペイロード
518 カメラサブシステム
519 ボアサイトカメラ
519a 第1のボアサイトカメラ
519b 第2のボアサイトカメラ
520 ソケットドライブメカニズム
521 フォトグラメトリーカメラ
522 マシンビジョンターゲット
524 トルクエレメント
526 第1の表面
528 第2の表面
530 凹形面
532 カップリングエレメント
534 開口部
536 ソケットドライブ
537 ソケット面
538 ソケット
540 メインハウジング
542 力トルクセンサー(FTS)
544 マニピュレーターアダプター
546 サーマルアイソレーター
548 バルクヘッド
550 コネクター
552 外側ハウジング
554 グラップルモーターモジュール
556 ジョー、グラップルジョー
556a グラップルジョー
556b グラップルジョー
557 プローブ存在バーセンサー、ペイロード存在バー
558 歯
559a 第1の側部表面
559b 第2の側部表面
559c 第3の側部表面
559d 上部表面
560 凹部
562 装着孔
564 締結具
568 グラップリング位置、グラップリングエリア
570 プローブ先端部
572 丸みを帯びた第1の表面
574 平坦な第2の表面
576 シャフト
578 プローブ取り付け端部
580 嵌合表面
582 装着表面
584 歯
586 切り欠き部
587a 側部表面
587b 側部表面
587c 側部表面
588 キャプチャー軸線
1002 キャプチャー前の構成
1004 キャプチャー後のおよびリジッド化された構成
1102 アイドラーギア、単一段ギアパス
1104 グラップルドライブギア
1106 ギアハウジング
1107 ギアボックスカバー
1108 モーターモジュール出力シャフト
1110 ボールスクリュー、ボールスクリューシャフト
1112 アンギュラコンタクト軸受
1112a アンギュラコンタクト軸受
1112b アンギュラコンタクト軸受
1114 ボールスクリューカラー
1116 軸受リテイナー
1118 メインハウジング
1120 ボールナット
1122 スクリュースリーブ
1124 スプリットハウジング
1124a スプリットハウジング
1124b スプリットハウジング
1126 ベルヴィルワッシャー
1126a ベルヴィルワッシャー
1126b ベルヴィルワッシャー
1128 ジョーハウジング
1130 ジョーピン
1130a ジョーピン
1130b ジョーピン
1131a カムまたは引張スプリング
1131b カムまたは引張スプリング
1132a スロット付きガイド、ジョーハウジングガイド
1132b スロット付きガイド、ジョーハウジングガイド
1134 較正マイクロスイッチ
1136 リジッド化安全マイクロスイッチ
1138 スライダー
1140 ランプ
1142 マウント
1144 カム
1146 第1の方向
1148 第2の方向
1150 ペイロード存在マイクロスイッチ
1152 表面
1154 表面
1302 開放構成
1304 閉鎖構成
1402 装着端部
1404 ソケットインターフェース端部
1406 上部表面
1408 底部表面
1410 平坦な部分
1412 凹形部分
1414 丸みを帯びた部分
1416 ボールエンド
1418 接地ワイヤー
1418a 接地ワイヤー
1418b 接地ワイヤー
1420 オルダムカップリング
1422 リテイニングリング
1424 スペーサー
1426a、1426b、1426c グラフ
1428 軸線方向コンプライアンスメカニズム
1429 軸線方向コンプライアンスキャビティー
1430 ソケット軸線
1432 スプラインシャフト
1434 ウェーブスプリング
1434a ウェーブスプリング
1434b ウェーブスプリング
1436 マイクロスイッチ
1436a マイクロスイッチ
1436b マイクロスイッチ
1438 ソケットドライブモーターモジュール、モーターモジュール
1440 マイクロスイッチアクチュエータースカート
1442 マイクロスイッチアクチュエータースライダー
1442a マイクロスイッチアクチュエータースライダー
1442b マイクロスイッチアクチュエータースライダー
1444 モーターマウント
1446 スロット
1446a スロット
1446b スロット
1448a 方向
1448b 方向
1450 ドライブアダプター
1452 ドライブスライダー
1458 ドウェル
1460 ドウェルリテイナースリーブ
1462 出力シャフト
1464 ベント孔
1466a スプラインリテイナー、スペーサー
1466b スプラインリテイナー、スペーサー
1902 第1の状態
1904 第2の状態
1906 第3の状態
2302 パワーがオフのときの「レスト状態」
2304 パワーがオンされているときの「レスト状態」
2306 「レスト状態」にある間のパワーアップの状態
2308 較正位置
2310 キャプチャーの準備のできた状態
2312 接近およびキャプチャーの準備のできた状態
2314 ペイロード存在状態
2315 ジョーが閉鎖された状態
2316 ソケットドライブと最初に接触した状態
2318 グラップルフィクスチャー接触状態
2320 リジッド化された状態
2322 状態、リジッド化された状態
2324 プリロードが解放されている状態
2326 ペイロード解放状態、「レスト状態」
2328 ペイロード解放状態
2330 ペイロード解放状態
2332 ペイロード解放状態
2334 ペイロードが解放された状態
2402 物理的スイッチ状態
2404 電気的スイッチ状態
2406 押し下げられた状態
2408 押し下げられていない状態
2410 高い電気的スイッチ状態
2412 低い電気的スイッチ状態
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図28A
図28B
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図32A
図32B
図33A
図33B
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B
図37A
図37B
図38A
図38B
図39A
図39B
図40A
図40B
【手続補正書】
【提出日】2024-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットエンドエフェクターデバイスであって、前記ロボットエンドエフェクターデバイスは、ロボットアームに接続するためのロボットアームインターフェースを含むアームインターフェース端部と、ペイロードとインターフェースするためのペイロードインターフェース端部とを有しており、前記ペイロードは、前記ペイロードの表面に装着されている第1のカップリングエレメントとグラップルプローブとを含むグラップルフィクスチャーを有しており、前記デバイスは、
前記エンドエフェクターデバイスの内部コンパートメントを囲むためのハウジングと;
第2のカップリングエレメントであって、前記第2のカップリングエレメントは、前記ペイロードへの前記エンドエフェクターのリジッド化中に、前記第1のカップリングエレメントと嵌合するために、前記ペイロードインターフェース端部において前記ハウジングに接続されており、前記第2のカップリングエレメントは、それを通る開口部を有しており、前記ペイロードインターフェース端部が前記ロボットアームによって前記グラップルフィクスチャーに向けて移動されるときに、前記グラップルフィクスチャーの前記グラップルプローブが前記内部コンパートメントに進入することを可能にする、第2のカップリングエレメントと;
前記グラップルフィクスチャーを通して前記ペイロードをキャプチャーして前記エンドエフェクターデバイスにリジッド化するために、前記内部コンパートメントの中に配設されているグラップルメカニズムと
を含み、
前記グラップルメカニズムは、
前記グラップルプローブをグラップルするためのジョーを含むジョーアッセンブリと;
前記ジョーによってグラップルされることとなる位置(「グラップリング位置」)に前記グラップルプローブがあることをセンシングするためのペイロード存在センサーと;
前記エンドエフェクターを前記ペイロードにターゲットプリロードまでリジッド化するために、前記ジョーが前記グラップルプローブをグラップルしている間に前記第1のカップリングエレメントおよび前記第2のカップリングエレメントを嵌合接続させるために、前記ペイロードインターフェース端部とは反対の方向(「後退」)に前記グラップルメカニズムのキャプチャー軸線に沿って並進するための移動コンポーネントであって、前記移動コンポーネントは、前記ジョーアッセンブリを含み、前記移動コンポーネントの後退は、前記ジョーを閉鎖し、前記グラップルプローブをグラップルする、移動コンポーネントと;
前記キャプチャー軸線に沿って前記移動コンポーネントを後退させるための並進メカニズムと;
前記並進メカニズムを駆動するためのモーターであって、前記モーターは、前記グラップリング位置にある前記グラップルプローブを前記ペイロード存在センサーがセンシングすることに応答して、前記並進メカニズムを駆動するようにトリガーされる、モーターと;
前記移動コンポーネントが較正位置から後退したことをセンシングするための較正センサーと;
前記較正位置に対する前記移動コンポーネントの位置をモニタリングするための、および、前記ターゲットプリロードを実現する前記キャプチャー軸線に沿ったターゲットプリロード位置に前記移動コンポーネントが到達したときに、前記移動コンポーネントの後退を停止させるための出力を発生させるための位置モニタリングデバイスと
を含む、ロボットエンドエフェクターデバイス。
【請求項2】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、複数の半径方向に配設されている歯および切り欠き部をそれぞれ含み、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが一緒にされるときに、前記第2のカップリングエレメントの前記歯は、前記第1のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されており、前記第1のカップリングエレメントの前記歯は、前記第2のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが嵌合接続させられるときに、ハースカップリングの一方の半分体としてそれぞれ作用するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、6つの歯および6つの切り欠き部をそれぞれ含み、嵌合されたときに、前記第1および第2のカップリングエレメントが、前記それぞれの歯および切り欠き部を通して、12個の接触ポイントを有するようになっている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のカップリングエレメントの前記歯および前記第1のカップリングエレメントの相補的な前記切り欠き部は、前記第1および第2のカップリングエレメントが係合されるときに、前記第2のカップリングエレメントの前記歯と前記第1のカップリングエレメントの前記切り欠き部とのアライメントを推進するための3つの湾曲した側部表面をそれぞれが含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記移動コンポーネントは、前記移動コンポーネントのサブコンポーネントの第1の圧縮表面と前記ジョーアッセンブリの第2の圧縮表面との間で付勢される圧縮可能エレメントを含み、前記第1の圧縮表面は、前記アームインターフェース端部に面しており、前記第2の圧縮表面は、前記ペイロードインターフェース端部に面しており、前記第1および第2の圧縮表面が互いに向かい合うようになっており、前記移動コンポーネントの後退中に、前記ジョーアッセンブリは、前記ターゲットプリロード位置の前に後退することを停止し、前記移動コンポーネントの前記サブコンポーネントは、前記ターゲットプリロード位置まで後退することを継続し、前記圧縮可能エレメントが前記第1の圧縮表面と前記第2の圧縮表面との間で圧縮され、前記ターゲットプリロードを発生させるようになっている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ペイロードセンサーは、センシングエレメントを含み、前記センシングエレメントは、前記ジョーが閉鎖するときに前記ジョーによってグラップルされるように前記グラップルプローブが前記ジョーの中へ十分に深く挿入されるときに、前記センシングエレメントが前記グラップルプローブによってトリガーされるように配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記センシングエレメントは、前記移動コンポーネントに接続されており、前記センシングエレメントが、後退中に前記移動コンポーネントとともに移動し、前記リジッド化の全体を通して前記ペイロードが存在していることを示す状態を維持するようになっている、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記グラップルメカニズムは、パワー引き出しが必要とされることなく前記ターゲットプリロードを維持するためのブレーキをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記位置モニタリングデバイスは、前記グラップルメカニズムが前記第1のカップリングエレメントと第2のカップリングエレメントとの間の前記インターフェースを複数の異なるターゲットプリロードまでリジッド化することができるように、複数の異なるターゲットプリロード位置への前記移動コンポーネントの位置モニタリングを実施するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記複数のターゲットプリロード位置のうちのそれぞれ1つの間の差は、前記第1および第2の表面の相対的移動によって前記圧縮可能エレメントに印加される圧縮の異なる量に対応している、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
グラップリング中の負荷を制限するために、前記グラップルメカニズムの主荷重経路の中に装着されている力トルクセンサーをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
ペイロードのロボットキャプチャーの方法であって、
ロボットアームを介してエンドエフェクターのペイロードインターフェース端部を前記ペイロードの上のグラップルフィクスチャーに向けて移動させ、前記グラップルフィクスチャーが前記エンドエフェクターのキャプチャーエンベロープの中にあるようになっている、ステップであって、前記ペイロードインターフェース端部は、グラップルメカニズムを有している、ステップと;
前記グラップルフィクスチャーのプローブが前記グラップルメカニズムのグラップリングエリアの中にあることをセンシングするステップであって、前記グラップリングエリアでは、前記グラップルメカニズムのグラップルジョーが前記プローブをグラップルすることができる、ステップと;
前記グラップルプローブが前記グラップリングエリアの中にあることをセンシングすることに応答して、前記グラップルメカニズムをキャプチャー軸線に沿って後退させ、前記グラップルジョーを閉鎖し、前記プローブをグラップルするステップと;
前記グラップルメカニズムがホーム位置から後退したことをセンシングするステップと;
前記グラップルメカニズムが前記ホーム位置から後退したことをセンシングすることに応答して、前記グラップルメカニズムが後退するときに、位置モニタリングデバイスを介して、前記キャプチャー軸線に沿って前記グラップルメカニズムの位置を追跡するステップと;
前記グラップルメカニズムが前記プローブをグラップルしているときに、前記グラップルメカニズムを前記キャプチャー軸線に沿ってターゲットプリロード位置までさらに後退させ、前記ペイロードの前記表面の上の前記グラップルフィクスチャーの第1のカップリングエレメントを、前記エンドエフェクターの前記ペイロードインターフェース端部の上の第2のカップリングエレメントと嵌合された接続へと引き込み、前記エンドエフェクターの最大リジッド化負荷能力まで前記インターフェースの分離なしに、前記第1および第2のカップリングエレメントが互いの間で静的負荷を伝送するようになっている、ステップであって、前記ターゲットプリロード位置は、個別のリジッド化負荷に対応している、ステップと;
前記グラップルメカニズムが前記ターゲットプリロード位置まで後退したときに、前記位置モニタリングデバイスにおいて出力を発生させるステップと;
前記位置モニタリングデバイスの前記出力に基づいて、前記ターゲットプリロード位置において前記グラップルメカニズムの後退を停止させるステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記グラップルメカニズムによる後退の前に:
前記グラップルメカニズムによって実現可能な複数の個別のリジッド化負荷から前記個別のリジッド化を選択するステップと;
選択された前記個別のリジッド化負荷を前記位置モニタリングデバイスに通信するステップと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記グラップルメカニズムの後退を停止させた後に、パワー引き出しが必要とされることなくプリロード構成を維持するためにブレーキに係合するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記グラップルメカニズムを前記キャプチャー軸線に沿って前記ターゲットプリロード位置までさらに後退させるステップは、
前記グラップルメカニズムの荷重経路の中の圧縮可能エレメントを圧縮し、前記個別のリジッド化負荷を発生させるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記エンドエフェクターの前記ペイロードインターフェース端部は、ソケットドライブメカニズムを含み、前記ペイロードは、トルクを受け入れるための、および、受け入れられた前記トルクをトルク駆動式サブシステムに渡すための、前記ペイロードの前記表面の上のトルクエレメントをさらに含み、前記方法は、
前記グラップルフィクスチャーが前記グラップルメカニズムによって前記エンドエフェクターにリジッド化されているときに、前記トルクエレメントおよび前記ソケットドライブメカニズムのソケットを接触させるステップと;
前記グラップルフィクスチャーがグラップルされてリジッド化されているときに、前記ソケットドライブメカニズムのソケットの中に前記トルクエレメントを着座させるステップと;
前記トルクエレメントが前記ソケットの中に着座されているときに、および、前記トルクエレメントの上に着座された前記ソケットを回転させることによって、前記グラップルフィクスチャーが前記エンドエフェクターにリジッド化されているときに、前記トルクエレメントにトルクを印加するステップと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、複数の半径方向に配設されている歯および切り欠き部をそれぞれ含み、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが一緒にされるときに、前記第2のカップリングエレメントの前記歯は、前記第1のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されており、前記第1のカップリングエレメントの前記歯は、前記第2のカップリングエレメントの前記切り欠き部と嵌合するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2のカップリングエレメントは、前記エンドエフェクターへの前記ペイロードのリジッド化中に前記第1および第2のカップリングエレメントが前記嵌合接続させられるときに、ハースカップリングの一方の半分体としてそれぞれ作用するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記グラップルメカニズムの主荷重経路の中に装着されている力トルクセンサーを使用して、グラップリング中の負荷を制限するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】