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特表2024-546968体外血液治療に使用するための重量ベースのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】体外血液治療に使用するための重量ベースのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20241219BHJP
   A61M 1/34 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61M1/16 111
A61M1/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536032
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022085786
(87)【国際公開番号】W WO2023110977
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】2130364-9
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, オロフ
(72)【発明者】
【氏名】ペッテルソン, ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツ, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フォルス, ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ボリクビスト, ペル-オロフ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077HH08
4C077HH13
4C077JJ02
(57)【要約】
体外血液治療のための重量ベースのシステムにおいて限外濾過(UF)が監視される。システムは、ポンプ(P2;P3)によって透析器(14)へ又は透析器(14)から圧送された流体を保持する容器(12;16)を備える。容器は、レベル調整期間(LAP)中に、調整装置(A1;A2)によって間欠的に補充又は排出される。スケール(31;32)は、容器の重量を測定する。監視装置(40)は、調整装置が停止されポンプが既知の設定で動作する間に、LAPの前後で、スケールからの重量信号(S1;S4)に基づいて、ポンプのパラメータの第1及び第2の値を決定するように動作する。パラメータは、流量又はストローク量であってもよい。監視装置は、第1及び第2の値に基づいてLAP中のパラメータの時間プロファイルを推定し、時間プロファイルに基づいてUFパラメータを決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液の体外治療のためのシステムにおける限外濾過を監視するためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記システム内の容器(12;16)の瞬間重量を表す測定信号(S1;S4)を受信するように構成された入力インタフェース(43B;63B)であって、前記容器(12;16)は、血液の体外治療のための透析器(14)上の透析液のための第1の透析器ポート(14A;14B)に第1の流体経路(13;15)で接続され、前記第1の流体経路(13;15)内に圧送デバイス(P2;P3)が配置され、前記容器(12;16)は、前記容器(12;16)内の流体のレベル調整のための調整装置(A1;A2)に第2の流体経路(11;17)でさらに接続される、入力インタフェース(43B;63B)と、
前記入力インタフェース(43B;63B)に接続され、レベル調整期間(LAP)に関連して監視手順を実行するように構成されたプロセッサ回路(41;61)であって、前記レベル調整期間(LAP)において、前記レベル調整を実行するために前記調整装置(A1;A2)が選択的に作動され、前記圧送デバイス(P2;P3)が既知の設定で動作する、プロセッサ回路(41;61)と、を備え、
前記プロセッサ回路(41;61)は、前記監視手順において、
前記レベル調整期間(LAP)より前の第1の測定期間(M1)中に、前記測定信号(S1;S4)に基づいて、前記調整装置(A1;A2)が停止され前記圧送デバイス(P2;P3)が前記既知の設定で動作している間に、前記圧送デバイス(P2;P3)の圧送パラメータの第1の値(Qs;Vs)を決定することと、
前記レベル調整期間(LAP)に続く第2の測定期間(M2)中に、前記測定信号(S1;S4)に基づいて、前記調整装置(A1;A2)が停止され前記圧送デバイス(P2;P3)が前記既知の設定で動作している間に、前記圧送パラメータの第2の値(Qe;Ve)を決定することと、
前記第1及び第2の値(Qs、Qe;Vs、Ve)に基づいて、前記レベル調整期間(LAP)における前記圧送パラメータの時間プロファイル(200)を推定することと、
前記時間プロファイル(200)に基づいて前記レベル調整期間(LAP)について限外濾過パラメータを決定することと、を行うように構成される、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記第1及び第2の値(Qs、Qe;Vs、Ve)の線形補間を実行することによって前記時間プロファイル(200)を推定するように構成される、デバイス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデバイスであって、前記圧送パラメータは、前記圧送デバイス(P2;P3)によって生成される流量と、前記圧送デバイス(P2;P3)のストローク量と、のうちの1つである、デバイス。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のデバイスであって、前記圧送パラメータは、前記圧送デバイス(P2;P3)のストローク量であり、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記入力インタフェース(43B;63B)を介して、前記圧送デバイス(P2;P3)の速度を表すさらなる測定信号(S2;S3)を受信することと、前記第1及び第2の測定期間(M1、M2)中に、前記測定信号(S1;S4)及び前記さらなる測定信号(S2;S3)に基づいて、前記圧送パラメータの前記第1及び第2の値(Vs、Ve)をそれぞれ決定することと、を行うようにさらに構成される、デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(43B;63B)は、前記レベル調整期間(LAP)中に、前記時間プロファイル(200)及び前記さらなる測定信号(S2;S3)に基づいて、前記レベル調整期間(LAP)についての流体フローパラメータを決定することと、前記流体フローパラメータ及び前記流体フローデータに基づいて前記限外濾過パラメータを決定することと、を行うようにさらに構成される、デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のデバイスであって、前記流体フローパラメータは、前記レベル調整期間(LAP)中に前記圧送デバイス(P2;P3)によって圧送された流体の総量を表す、デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記さらなる測定信号(S2;S3)に基づいて、前記レベル調整期間(LAP)中に前記圧送デバイス(P2;P3)によって実行された圧送ストロークの回数を決定することと、前記時間プロファイル(200)に基づいて前記レベル調整期間(LAP)についての平均ストローク量を算出することと、前記平均ストローク量及び圧送ストロークの前記回数の関数として前記流体フローパラメータを決定することと、を行うように構成される、デバイス。
【請求項8】
請求項4乃至7の何れか1項に記載のデバイスであって、前記さらなる測定信号(S2;S3)は、前記圧送デバイス(P2;P3)の各圧送ストロークについての所定数のパルスを含む、デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のデバイスであって、前記限外濾過パラメータは、前記透析器(14)内の血液から抽出された限外濾液の量を含む、デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記入力インタフェース(43B;63B)を介して、前記容器(12、16)と前記圧送デバイス(P2;P3)との間の前記第1の流体経路(13;15)における流体圧力(S5;S6)を表すか、又は前記圧送デバイス(P2;P3)のための制御信号(C2;C3)を表す入力信号を受信することと、前記レベル調整期間(LAP)中に前記第1及び第2の値(Qs、Qe;Vs、Ve)並びに前記入力信号に基づいて前記時間プロファイル(200)を推定することと、を行うように構成される、デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記流体圧力と前記圧送パラメータとの間の関係を表す較正データを取得することと、前記レベル調整期間(LAP)中に受信された前記入力信号(S5;S6)を、前記較正データを用いて、前記圧送パラメータの値に変換することによって、前記時間プロファイル(200)を推定することと、を行うようにさらに構成される、デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記レベル調整期間(LAP)中のステップ変化の検出のために前記測定信号(S1;S4)を監視することと、前記ステップ変化の検出に応じて、専用の動作を開始することと、を行うようにさらに構成される、デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載のデバイスであって、前記専用の動作は、前記レベル調整期間(LAP)の修正と、前記圧送パラメータの前記時間プロファイルを推定する際に前記ステップ変化を考慮することと、前記圧送デバイス(P2;P3)の前記圧送速度の修正と、のうちの1つ以上を含む、デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のデバイスであって、前記レベル調整期間(LAP)の前記修正は、前記レベル調整の停止をもたらす、デバイス。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記ステップ変化の前記検出に応じて、前記ステップ変化の大きさ(ΔMF)を決定するように構成され、前記専用の動作は、前記大きさ(ΔMF)を使用する、デバイス。
【請求項16】
請求項15に記載のデバイスであって、前記圧送速度の前記修正は、前記ステップ変化から生じる前記第1の流体ライン(13;15)内の流量の変化を少なくとも部分的に補償するために、前記大きさ(ΔMF)に基づく、デバイス。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記第1及び第2の値と、前記大きさ(ΔMF)と、前記レベル調整期間(LAP)中の前記ステップ変化のタイミングとに基づいて、前記圧送パラメータの前記時間プロファイル(200)を推定するように構成される、デバイス。
【請求項18】
請求項12乃至17の何れか1項に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記測定信号(S1;S4)に基づいて、前記容器(12;16)の前記重量の瞬間変化を表す監視信号を生成することと、前記監視信号における前記ステップ変化を検出することと、を行うように構成される、デバイス。
【請求項19】
請求項12乃至17の何れか1項に記載のデバイスであって、前記圧送デバイス(P2;P3)は、前記既知の設定で動作する場合に、前記第1の流体ライン(13;15)における流体流量の時間変動を繰り返し生成するように構成され、前記プロセッサ回路(41)は、前記測定信号(S1;S4)に埋め込まれた前記時間変動の振幅の瞬間変化として前記ステップ変化を検出するように構成される、デバイス。
【請求項20】
請求項19に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記測定信号(S1;S4)に基づいて、前記容器(12;16)の前記重量の瞬間変化を表す監視信号を生成することと、前記監視信号に基づいて前記ステップ変化を検出することと、を行うように構成される、デバイス。
【請求項21】
請求項20に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記測定信号(S1;S4)の導関数を表すように前記監視信号を生成するように構成される、デバイス。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記監視信号から前記時間変動の表現を減算することによって差分信号を生成することと、前記差分信号における前記ステップ変化を検出することと、を行うように構成される、デバイス。
【請求項23】
請求項22に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記時間変動の検出のために前記差分信号を処理するように構成され、前記ステップ変化は、前記差分信号における前記時間変動の存在によって検出される、デバイス。
【請求項24】
請求項19乃至23の何れか1項に記載のデバイスであって、前記時間変動は、最小流量及び最大流量(Qm)を含む、デバイス。
【請求項25】
請求項24に記載のデバイスであって、前記最小流量と前記最大流量(Qm)との差が、前記既知の設定で動作する場合に前記圧送デバイス(P2;P3)によって生成される平均流量(Qa)の少なくとも2倍である、デバイス。
【請求項26】
請求項19乃至25の何れか1項に記載のデバイスであって、前記時間変動は、正弦波変動である、デバイス。
【請求項27】
請求項19乃至25の何れか1項に記載のデバイスであって、前記時間変動は、増加した流量の時間的に分離されたパルスのシーケンスをもたらす、デバイス。
【請求項28】
請求項27に記載のデバイスであって、前記時間変動は、前記圧送デバイス(P2;P3)の間欠的な作動に対応する、デバイス。
【請求項29】
請求項1乃至28の何れか1項に記載のデバイスであって、前記容器(12)内の前記流体は、前記透析器(14)内の血液の前記体外治療に使用するための未使用の透析液であるか、又は前記未使用の透析液を形成するために前記第1の流体経路(13)内の1つ以上の濃縮物と混合される水であり、前記第1の透析器ポートは、前記未使用の透析液のための入口ポート(14A)である、デバイス。
【請求項30】
請求項1乃至28の何れか1項に記載のデバイスであって、前記容器(16)内の前記流体は、前記透析器(14)内の血液の前記体外治療から生じる使用済みの透析液であり、前記第2の透析器ポートは、前記使用済みの透析液のための出口ポート(14B)である、デバイス。
【請求項31】
請求項1乃至30の何れか1項に記載のデバイスであって、前記プロセッサ回路(41;61)は、前記圧送デバイス(P2;P3)と、前記調整装置(A1;A2)と、前記さらなる圧送デバイス(P3;P2)とのための制御信号(Ci)を生成するようにさらに構成される、デバイス。
【請求項32】
請求項1乃至31の何れか1項に記載のデバイスであって、前記限外濾過パラメータは、前記透析器(14)に接続された体外血液回路(21、22)内の血液と直接的又は間接的に流体連通している1つ以上の他の圧送デバイス(P3;P2)によって前記レベル調整期間(LAP)において生成された流体フローを表す流体フローデータに基づいてさらに決定される、デバイス。
【請求項33】
血液の体外治療のためのシステムにおける流量を制御するためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記システム内の容器(12;16)の瞬間重量を表す測定信号(S1;S4)を受信するように構成された入力インタフェース(43B)であって、前記容器(12;16)は、血液の体外治療のための透析器(14)上の透析液のための第1の透析器ポート(14A;14B)に第1の流体経路(13;15)で接続され、前記第1の流体経路(13;15)内に圧送デバイス(P2;P3)が配置され、前記容器(12;16)は、前記容器(12;16)内の流体のレベル調整のための調整装置(A1;A2)に第2の流体経路(11;17)でさらに接続される、入力インタフェース(43B)と、
前記入力インタフェース(43B)に接続され、レベル調整期間(LAP)に関連して制御手順を実行するように構成されたプロセッサ回路(41)であって、前記レベル調整期間(LAP)において、前記レベル調整を実行するために前記調整装置(A1;A2)が選択的に作動され、前記圧送デバイス(P2;P3)が既知の設定で動作する、プロセッサ回路(41;61)と、を備え、
前記プロセッサ回路(41)は、前記制御手順において、前記レベル調整期間(LAP)中に、ステップ変化の検出のために前記測定信号(S1;S4)を処理することと、前記ステップ変化の検出に応じて専用の動作を開始することと、を行うように構成される、デバイス。
【請求項34】
体外血液治療のためのシステムであって、前記システムは、
透析液のための第1及び第2の透析器ポート(14A、14B)を備える透析器(14)と、
前記透析器(14)上の前記第1の透析器ポート(14A;14B)に第1の流体経路(13;15)で接続された容器(12;16)と、
前記第1の流体経路(13;15)内の圧送デバイス(P2;P3)と、
前記容器(12;16)内の流体のレベル調整のための調整装置(A1;A2)であって、前記調整装置(A1;A2)は、第2の流体経路(11;17)上で前記容器に接続される、調整装置(A1;A2)と、
前記容器(12;16)の瞬間重量を表す測定信号を生成するように構成された計量デバイス(31;32)と、
請求項1乃至33の何れか1項に記載のデバイスと、を備える、システム。
【請求項35】
血液の体外治療のためのシステムにおける限外濾過を監視する、コンピュータで実施される方法であって、前記方法は、
前記システム内の容器の瞬間重量を表す測定信号を受信すること(301)であって、前記容器は、血液の体外治療のための透析器上の透析液のための第1の透析器ポートに第1の流体経路で接続され、前記第1の流体経路内に圧送デバイスが配置され、前記容器は、前記容器内の流体のレベル調整のための調整装置に第2の流体経路でさらに接続される、ことと、
レベル調整期間に関連して監視手順(300)を実行することであって、前記レベル調整期間において、前記調整装置は、前記レベル調整を実行するように選択的に作動され、前記圧送デバイスは、既知の設定で動作する、ことと、を有し、
前記監視手順(300)は、
前記レベル調整期間より前の第1の測定期間中に、前記測定信号に基づいて、前記調整装置が停止され前記圧送デバイスが前記既知の設定で動作している間に、前記圧送デバイスの圧送パラメータの第1の値を決定すること(302)と、
前記レベル調整期間に続く第2の測定期間中に、前記測定信号に基づいて、前記調整装置が停止され前記圧送デバイスが前記既知の設定で動作している間に、前記圧送パラメータの第2の値を決定すること(303)と、
前記第1及び第2の値に基づいて、前記レベル調整期間における前記圧送パラメータの時間プロファイルを推定すること(304)と、
前記時間プロファイルに基づいて前記レベル調整期間について限外濾過パラメータを決定すること(305)と、を含む、方法。
【請求項36】
血液の体外治療のためのシステムにおける流量を制御する、コンピュータで実施される方法であって、前記方法は、
前記システム内の容器の瞬間重量を表す測定信号を受信すること(601)であって、前記容器は、血液の体外治療のための透析器上の透析液のための第1の透析器ポートに第1の流体経路で接続され、前記第1の流体経路内に圧送デバイスが配置され、前記容器は、前記容器内の流体のレベル調整のための調整装置に第2の流体経路でさらに接続される、ことと、
レベル調整期間に関連して制御手順(600)を実行することであって、前記レベル調整期間において、前記調整装置は、前記レベル調整を実行するように選択的に作動され、前記圧送デバイスは、既知の設定で動作する、ことと、を有し、
前記制御手順(600)は、
前記レベル調整期間中に、ステップ変化の検出のために前記測定信号を処理すること(602)と、
前記ステップ変化の検出に応じて専用の動作を開始すること(603)と、を含む、方法。
【請求項37】
プログラム命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は、プロセッサ(41;61)によって実行された場合に、請求項35又は36に記載の方法を前記プロセッサ(41;61)に実行させる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は体外血液治療の分野におけるシステムに関し、特に、容器への及び容器からの流体フローを監視するための1つ以上の重量計を備えるこのようなシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
腎不全の治療では、健康な腎臓の機能を置き換えるために、機械による血液の浄化及び治療の様々な方法が使用される。このような方法は体外(EC)血液治療を含み、流体を抜き取り血液から物質を除去することを目的とし、流体及び物質を血液に加えることも伴いうる。EC血液治療では、血液濾過ユニット(一般に透析器と称される)を通じて透析液が圧送され、そこでは流体及び物質が半透膜上を輸送される。EC血液治療の共通様式は、血液透析、血液濾過及び血液透析濾過を含む。
【0003】
EC血液治療のための機械はしばしば、一般に「慢性透析」として知られる慢性腎疾患(CKD)を有する患者の治療のための機械と、一般に「急性透析」として知られる急性腎損傷(AKI)を有する患者の治療のための機械とに分離される。急性透析は、典型的には連続的又は半連続的に行われる。連続療法は24時間の治療であり、一方、半連続療法は、6~12時間以上の期間で毎日実施されうる。
【0004】
急性治療のための機械は一般に、容器又は「流体バッグ」が取り外し可能に配置されるスケールを備える。機械の動作は、スケールの読み取り値によって与えられる流体バッグの重量に基づいて制御される。一般に、透析治療において使用される未使用の透析液を保持するように少なくとも1つの流体バッグが構成され(「透析液バッグ」)、使用済みの透析液を受け取るように少なくとも1つの流体バッグが構成される(「流出物バッグ」)。当業者によく知られているように、EC血液治療は、一般に「限外濾過」として知られている患者から過剰な流体を抽出することを伴う。過剰な流体は、使用済みの透析液に含まれる。限外濾過は、機械内の供給ポンプ及び流出ポンプによって制御される。患者から抽出される過剰な流体の量及び抽出速度は、透析中の重要な治療パラメータである。動作中、機械はスケールの読み取り値に基づいてこれらの治療パラメータを算出及び監視し、供給ポンプ及び流出ポンプを制御して、対応する設定値を達成する。
【0005】
EC血液治療中、透析液バッグは未使用の透析液を最終的に使い果たし、流出物バッグは使用済みの透析液で満たされる。流体バッグの頻繁な交換を回避するために、未使用の透析液を供給源から透析液バッグに間欠的に圧送し、未使用の透析液のレベルを上げ、流出物バッグから使用済みの透析液を間欠的に圧送し、使用済みの透析液のレベルを下げるように機械を構成することが提案されている。このようなレベル調整を有するシステムは、特開平09-239024号公報及び欧州特許出願公開第3238761号明細書に開示されている。レベル調整中、スケールの使用によって限外濾過を監視できない。この問題に対する1つの解決策は、レベル調整中に透析器を通る透析液のフローを止めることである。特開平09-239024号公報で提案されている別の解決策は、レベル調整中、供給ポンプ及び流出ポンプの速度を固定し、レベル調整全体を通じて結果として生じる流量が一定のままであるという仮定の下で、レベル調整中、限外濾過を定量化することである。
【発明の概要】
【0006】
従来技術の1つ以上の制限を少なくとも部分的に克服することが目的である。
【0007】
さらなる目的は、体外血液治療のための重量ベースのシステムにおける限外濾過の監視を改善することである。
【0008】
別の目的は、このような重量ベースのシステム内の容器内の流体のレベル調整中の限外濾過の監視を改善することである。
【0009】
さらに別の目的は、このような重量ベースのシステムにおける限外濾過の制御を改善することである。
【0010】
これらの目的のうちの1つ以上、並びに以下の説明から明らかになりうるさらなる目的は、独立請求項に係るデバイス、システム、コンピュータ実施方法及びコンピュータ可読媒体によって少なくとも部分的に達成され、その実施形態は従属請求項によって規定される。
【0011】
第1の側面は、血液の体外治療のためのシステムにおける限外濾過を監視するためのデバイスである。前記デバイスは、前記システム内の容器の瞬間重量を表す測定信号を受信するように構成された入力インタフェースであって、前記容器は、血液の体外治療のための透析器上の透析液のための第1の透析器ポートに第1の流体経路で接続され、前記第1の流体経路内に圧送デバイスが配置され、前記容器は、前記容器内の流体のレベル調整のための調整装置に第2の流体経路でさらに接続される、入力インタフェースを備える。前記デバイスは、前記入力インタフェースに接続され、レベル調整期間に関連して監視手順を実行するように構成されたプロセッサ回路であって、前記レベル調整期間において、前記レベル調整を実行するために前記調整装置が選択的に作動され、前記圧送デバイスが既知の設定で動作する、プロセッサ回路をさらに備える。前記プロセッサ回路は、前記監視手順において、前記レベル調整期間より前の第1の測定期間中に、前記測定信号に基づいて、前記調整装置が停止され前記圧送デバイスが前記既知の設定で動作している間に、前記圧送デバイスの圧送パラメータの第1の値を決定することと、前記レベル調整期間に続く第2の測定期間中に、前記測定信号に基づいて、前記調整装置が停止され前記圧送デバイスが前記既知の設定で動作している間に、前記圧送パラメータの第2の値を決定することと、前記第1及び第2の値に基づいて、前記レベル調整期間における前記圧送パラメータの時間プロファイルを推定することと、前記時間プロファイルに基づいて前記レベル調整期間について限外濾過パラメータを決定することと、を行うように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記第1及び第2の値の線形補間を実行することによって前記時間プロファイルを推定するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記圧送パラメータは、前記圧送デバイスによって生成される流量と、前記圧送デバイスのストローク量と、のうちの1つである。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記圧送パラメータは、前記圧送デバイスのストローク量であり、前記プロセッサ回路は、前記入力インタフェースを介して、前記圧送デバイスの速度を表すさらなる測定信号を受信することと、前記第1及び第2の測定期間中に、前記測定信号及び前記さらなる測定信号に基づいて、前記圧送パラメータの前記第1及び第2の値をそれぞれ決定することと、を行うようにさらに構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記レベル調整期間中に、前記時間プロファイル及び前記さらなる測定信号に基づいて、前記レベル調整期間についての流体フローパラメータを決定することと、前記流体フローパラメータ及び前記流体フローデータに基づいて前記限外濾過パラメータを決定することと、を行うようにさらに構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記流体フローパラメータは、前記レベル調整期間中に前記圧送デバイスによって圧送された流体の総量を表す。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記さらなる測定信号に基づいて、前記レベル調整期間中に前記圧送デバイスによって実行された圧送ストロークの回数を決定することと、前記時間プロファイルに基づいて前記レベル調整期間についての平均ストローク量を算出することと、前記平均ストローク量及び圧送ストロークの前記回数の関数として前記流体フローパラメータを決定することと、を行うように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記さらなる測定信号は、前記圧送デバイスの各圧送ストロークについての所定数のパルスを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記限外濾過パラメータは、前記透析器内の血液から抽出された限外濾液の量を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記入力インタフェースを介して、前記容器と前記圧送デバイスとの間の前記第1の流体経路における流体圧力を表すか、又は前記圧送デバイスのための制御信号を表す入力信号を受信することと、前記レベル調整期間中に前記第1及び第2の値並びに前記入力信号に基づいて前記時間プロファイルを推定することと、を行うように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記流体圧力と前記圧送パラメータとの間の関係を表す較正データを取得することと、前記レベル調整期間中に受信された前記入力信号を、前記較正データを用いて、前記圧送パラメータの値に変換することによって、前記時間プロファイルを推定することと、を行うようにさらに構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記レベル調整期間中のステップ変化の検出のために前記測定信号を監視することと、前記ステップ変化の検出に応じて、専用の動作を開始することと、を行うようにさらに構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記専用の動作は、前記レベル調整期間の修正と、前記圧送パラメータの前記時間プロファイルを推定する際に前記ステップ変化を考慮することと、前記圧送デバイスの前記圧送速度の修正と、のうちの1つ以上を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記レベル調整期間の前記修正は、前記レベル調整の停止をもたらす。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記ステップ変化の前記検出に応じて、前記ステップ変化の大きさを決定するように構成され、前記専用の動作は、前記大きさを使用する。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記圧送速度の前記修正は、前記ステップ変化から生じる前記第1の流体ライン内の流量の変化を少なくとも部分的に補償するために、前記大きさに基づく。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記第1及び第2の値と、前記大きさと、前記レベル調整期間中の前記ステップ変化のタイミングとに基づいて、前記圧送パラメータの前記時間プロファイルを推定するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記測定信号に基づいて、前記容器の前記重量の瞬間変化を表す監視信号を生成することと、前記監視信号における前記ステップ変化を検出することと、を行うように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記圧送デバイスは、前記既知の設定で動作する場合に、前記第1の流体ラインにおける流体流量の時間変動を繰り返し生成するように構成され、前記プロセッサ回路は、前記測定信号に埋め込まれた前記時間変動の振幅の瞬間変化として前記ステップ変化を検出するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記測定信号に基づいて、前記容器の前記重量の瞬間変化を表す監視信号を生成することと、前記監視信号に基づいて前記ステップ変化を検出することと、を行うように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記測定信号の導関数を表すように前記監視信号を生成するように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記監視信号から前記時間変動の表現を減算することによって差分信号を生成することと、前記差分信号における前記ステップ変化を検出することと、を行うように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記時間変動の検出のために前記差分信号を処理するように構成され、前記ステップ変化は、前記差分信号における前記時間変動の存在によって検出される。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記時間変動は、最小流量及び最大流量を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記最小流量と前記最大流量との差が、前記既知の設定で動作する場合に前記圧送デバイスによって生成される平均流量の少なくとも2倍である。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記時間変動は、正弦波変動である。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記時間変動は、増加した流量の時間的に分離されたパルスのシーケンスをもたらす。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記時間変動は、前記圧送デバイスの間欠的な作動に対応する。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記容器内の前記流体は、前記透析器内の血液の前記体外治療に使用するための未使用の透析液であるか、又は前記未使用の透析液を形成するために前記第1の流体経路内の1つ以上の濃縮物と混合される水であり、前記第1の透析器ポートは、前記未使用の透析液のための入口ポートである。
【0040】
いくつかの実施形態では、前記容器内の前記流体は、前記透析器内の血液の前記体外治療から生じる使用済みの透析液であり、前記第2の透析器ポートは、前記使用済みの透析液のための出口ポートである。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記圧送デバイスと、前記調整装置と、前記さらなる圧送デバイスとのための制御信号を生成するようにさらに構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記限外濾過パラメータは、前記透析器に接続された体外血液回路内の血液と直接的又は間接的に流体連通している1つ以上の他の圧送デバイスによって前記レベル調整期間において生成された流体フローを表す流体フローデータに基づいてさらに決定される。
【0043】
第2の側面は、血液の体外治療のためのシステムにおける流量を制御するためのデバイスである。前記デバイスは、前記システム内の容器の瞬間重量を表す測定信号を受信するように構成された入力インタフェースであって、前記容器は、血液の体外治療のための透析器上の透析液のための第1の透析器ポートに第1の流体経路で接続され、前記第1の流体経路内に圧送デバイスが配置され、前記容器は、前記容器内の流体のレベル調整のための調整装置に第2の流体経路でさらに接続される、入力インタフェースを備える。前記デバイスは、前記入力インタフェースに接続され、レベル調整期間に関連して制御手順を実行するように構成されたプロセッサ回路であって、前記レベル調整期間において、前記レベル調整を実行するために前記調整装置が選択的に作動され、前記圧送デバイスが既知の設定で動作する、プロセッサ回路をさらに備える。前記プロセッサ回路は、前記制御手順において、前記レベル調整期間中に、ステップ変化の検出のために前記測定信号を処理することと、前記ステップ変化の検出に応じて専用の動作を開始することと、を行うように構成される。
【0044】
第3の側面は、体外血液治療のためのシステムである。前記システムは、透析液のための第1及び第2の透析器ポートを備える透析器と、前記透析器上の前記第1の透析器ポートに第1の流体経路で接続された容器と、前記第1の流体経路内の圧送デバイスと、前記容器内の流体のレベル調整のための調整装置であって、前記調整装置は、第2の流体経路上で前記容器に接続される、調整装置と、前記容器の瞬間重量を表す測定信号を生成するように構成された計量デバイスと、前記第2の側面のデバイスと、を備える。
【0045】
第4の側面は、血液の体外治療のためのシステムにおける限外濾過を監視する、コンピュータで実施される方法である。前記方法は、前記システム内の容器の瞬間重量を表す測定信号を受信することであって、前記容器は、血液の体外治療のための透析器上の透析液のための第1の透析器ポートに第1の流体経路で接続され、前記第1の流体経路内に圧送デバイスが配置され、前記容器は、前記容器内の流体のレベル調整のための調整装置に第2の流体経路でさらに接続される、ことと、レベル調整期間に関連して監視手順を実行することであって、前記レベル調整期間において、前記調整装置は、前記レベル調整を実行するように選択的に作動され、前記圧送デバイスは、既知の設定で動作する、ことと、を有する。前記監視手順は、前記レベル調整期間より前の第1の測定期間中に、前記測定信号に基づいて、前記調整装置が停止され前記圧送デバイスが前記既知の設定で動作している間に、前記圧送デバイスの圧送パラメータの第1の値を決定することと、前記レベル調整期間に続く第2の測定期間中に、前記測定信号に基づいて、前記調整装置が停止され前記圧送デバイスが前記既知の設定で動作している間に、前記圧送パラメータの第2の値を決定することと、前記第1及び第2の値に基づいて、前記レベル調整期間における前記圧送パラメータの時間プロファイルを推定することと、前記時間プロファイルに基づいて前記レベル調整期間について限外濾過パラメータを決定することと、を含む。
【0046】
第5の側面は、血液の体外治療のためのシステムにおける流量を制御する、コンピュータで実施される方法である。前記方法は、前記システム内の容器の瞬間重量を表す測定信号を受信することであって、前記容器は、血液の体外治療のための透析器上の透析液のための第1の透析器ポートに第1の流体経路で接続され、前記第1の流体経路内に圧送デバイスが配置され、前記容器は、前記容器内の流体のレベル調整のための調整装置に第2の流体経路でさらに接続される、ことと、レベル調整期間に関連して制御手順を実行することであって、前記レベル調整期間において、前記調整装置は、前記レベル調整を実行するように選択的に作動され、前記圧送デバイスは、既知の設定で動作する、ことと、を有する。前記制御手順は、前記レベル調整期間中に、ステップ変化の検出のために前記測定信号を処理することと、
前記ステップ変化の検出に応じて専用の動作を開始することと、を含む。
【0047】
第6の側面は、プログラム命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は、プロセッサによって実行された場合に、前記第4又は第5の側面の方法を前記プロセッサに実行させる、コンピュータ可読媒体。
【0048】
前記第2~第6の側面の実施形態は、前記第1の側面の上述の実施形態に対応してもよい。
【0049】
さらに他の目的、側面及び実施形態、並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、並びに図面から明らかになりうる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】例示の血液透析システムの図である。
図2A】、
図2B】レベル調整期間中に図1のシステムにおいて第1のポンプ及び第2のポンプによってそれぞれ生成された流量の例示のグラフである。
図3図1のシステムにおいて実行される例示の監視方法のフローチャートである。
図4A】、
図4B】レベル調整を含む期間における図1のシステム内の容器の重量信号の例示のグラフである。
図5A】、
図5B】レベル調整期間中に図1のシステム内の第1のポンプによって生成される不規則な流量の例示のグラフである。
図6図1のシステムにおいて実行される例示の制御方法のフローチャートである。
図7A】、
図7B】圧送速度のステップ変化を伴う期間中の重量信号及びその導関数の例示のグラフである。
図8A】、
図8B図1のシステムにおいてポンプによって生成される流量の時間的変動の例を示す。
図9A】、
図9B】正弦波変動を有する流体フローのステップ変更を伴う期間中の重量信号及びその導関数の例示のグラフである。
図10図9Bの微分重量信号の拡大図である。
図11A】、
図11B】脈動流体フローのステップ変化を伴う期間中の重量信号及びその導関数の例示のグラフである。
図12A】、
図12B図6の方法に含まれる例示の手順のフローチャートである。
図13図9Bの微分重量信号から生成される差分信号のグラフである。
図14A】、
図14B図11A図11Bに対応するが、レベル調整の異なる時間プロファイルについて生成される。
図15図1のシステムで使用するための例示の監視デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
ここで、すべてではないが一部の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に実施形態が説明される。実際、本開示の主題は多くの異なる形態で具現化されてもよく、本書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態はこの開示が適用可能な法的要件を満たしうるように提供される。同様の数字は全体を通じて同様の要素を指す。
【0052】
また、可能であれば、本書に記載及び/又は企図される実施形態の任意の利点、特徴、機能、デバイス、及び/又は動作側面の任意のものが、本書に記載及び/又は企図される他の実施形態の任意のものに含まれてもよく、及び/又はその逆も可能であることが理解されよう。さらに、別段の明示的な記載がない限り、可能な場合に、本書において単数形で表現された任意の用語は複数形も含むことが意味され、及び/又はその逆も成り立つ。本書で使用する際に、「少なくとも1つの」は「1つ以上の」を意味し、これらの語句は、交換可能であることが意図される。したがって、「a」及び/又は「an」という用語は「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものとするが、「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」という語句も本書で使用される。本書で使用される際に、言葉又は必要な含意を表現するために文脈が別途必要とする場合を除き、「備える(comprise)」との単語、又は「備える(comprises)」又は「備える(comprising)」などの変形は包括的な意味で、すなわち、述べられた特徴の存在を特定するが、様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在又は追加を排除しないように使用される。
【0053】
第1、第2などという用語が本書で様々な要素を記載するために使用されうるが、これらの要素はこれらの用語に限定されるべきでないことがさらに理解されよう。これらの用語は、1つの要素を別のものと区別するためだけに使用される。例えば、本開示の範囲を逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、同様に、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。本書で使用される際に、「複数の(multiple)」、「複数の(plural)」、及び「複数の(plurality)」という用語は、2つ以上の要素の提供を暗に示すことが意図される。「及び/又は」という用語は、関連する列挙された要素のうちの1つ以上の任意かつすべての組み合わせを含む。
【0054】
簡潔さ及び/又は明瞭さのために、周知の機能又は構造は詳細に記載されないかもしれない。そうでないと規定されない限り、本書で使用される(技術用語及び科学用語を含む)すべての用語は、この開示が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0055】
本開示は、容器から出る流体フローを、容器に入る同時かつ多かれ少なかれ未知の流体フローが存在する間に容器の重量に基づいて監視する技術に関する。それに対応して、本技術は、容器に入る流体フローを、容器から出る同時かつ多かれ少なかれ未知の流体フローが存在する間に監視するために等しく適用可能である。この技術は、体外(EC)血液治療のためのシステムでの使用に特に適合され、システム内の血液の限外濾過を監視する目的で、システム内への未使用の透析液の流体フロー及び/又はシステムからの使用済みの透析液の流体フローを推定する。背景技術の欄で述べたように、EC血液治療のための機械はスケールからの信号に基づいて限外濾過を監視及び制御するように構成されてもよく、そのスケール上に、未使用の透析液及び使用済みの透析液のための容器がリリース可能に配置される。このような機械はいわゆる急性治療に一般的に使用されているが、本技術はいかなる特定のタイプのEC血液治療にも限定されない。本技術は、容器からシステムに流体を圧送しながら、機械が容器内の流体を間欠的に補充することを可能にし、及び/又は、システムから容器に流体を圧送しながら、容器から流体を間欠的に排出することによって、途切れない血液治療を可能にする。
【0056】
本技術は、図1に示されるEC血液治療のための例示のシステムを参照して例示される。システムは、AKIの治療(「急性透析」)のための機械によって実施されてもよい(ただし、そうである必要はない)。図示される例では、システムは血液透析(HD)治療のために構成される。システムは、流体源10及び流体ポンプ(「圧送デバイス」)P1を備える補充装置A1を備える。ポンプP1は、供給源10から接続ライン又はチューブ(「流体経路」)11を通じて第1の容器12に第1の流体F1を圧送するように動作可能である。第1の容器12は、可撓性を有しても剛性を有してもよく、第1の流体F1を受容するように配置される。実装に依存して、以下でさらに説明されるように、第1の流体F1は、未使用の透析液又は水であってもよい。供給源10は、ポイントオブケアにおける独立型ユニットであっても、複数のシステムへの流体供給のための集中型ユニットであってもよい。F1が未使用の透析液であるならば、供給源10は、透析液を調製するための従来のデバイスであってもよい。F1が水であるならば、供給源10は、例えば逆浸透による精製水の調製のための従来のデバイスであってもよい。補充装置A1は、容器12内の流体F1のレベルを選択的に増加させるように動作可能であるため、「レベル調整装置」とも表される。
【0057】
容器12は、接続ライン又はチューブ(「流体経路」)13上で透析器14の入口ポート14Aに接続される。以下において、接続ライン13は「供給ライン」とも表される。流体ポンプP2は、容器12から供給ライン13を通じて透析器14に流体F1を圧送するように動作可能である。透析器14は血液処理ユニットであり、任意の従来タイプのものであってもよい。透析器14は、透析器14を透析液のための第1のチャンバと血液のための第2のチャンバとに分離する半透膜14′を備える。第1のチャンバは、未使用の透析液のための入口ポート14Aと、使用済みの透析液のための出口ポート14Bとを有する。これに対応して、第2のチャンバは、流入血液及び流出血液をそれぞれ運ぶ血液ライン21、22に接続するための第1のポート及び第2のポートを有する。これにより、透析器14の血液ライン21、22及び第2のチャンバは、体外血液回路に含まれる。血液は、典型的には患者の循環系から抽出され、透析器14を通じて圧送され、患者の循環系に戻される。当業者によく知られているように、水及び物質は、膜14を横切って血液と透析液との間で交換され、それによって血液を治療してもよい。「流出物」としても知られる使用済みの透析液は、血液から除去された過剰な水及び老廃物を含有する。過剰な水は一般に「限外濾液」として知られ、過剰な水を除去するプロセスは「限外濾過」として知られている。
【0058】
透析器14の出口ポート14Bは、接続ライン又はチューブ(「流体経路」)15上で第2の容器16に接続される。第2の容器16は、可撓性を有しても剛性を有してもよく、上述の使用済みの透析液又は流出物である第2の流体F2を保持するように構成される。流体ポンプP3は、透析器14から接続ライン15を通じて容器16に流体F2を圧送するように動作可能である。以下において、接続ライン15は「流出ライン」とも表される。容器は、接続ライン又はチューブ(「流体経路」)17上で、ドレーン又はレセプタクル18及び流体ポンプP4を備える排出装置A2に接続される。以下において、接続ライン17は「ドレーンライン」とも表される。ポンプP4は、ドレーンライン17を通じてドレーン18内に第2の流体F2を圧送するように動作可能である。排出装置A2は、容器16内の流体F2のレベルを選択的に減少させるように動作可能であるため、「レベル調整装置」とも表される。
【0059】
図1の例では、第1の容器12は第1のスケール31から吊り下げられ、第2の容器12は第2のスケール32から吊り下げられる。スケール31、32は、それぞれの容器12、16の重量を測定するように構成される。変形例では、それぞれの容器はスケール上に置かれてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、図1に示されるように、システムは、流体圧力を測定するように構成された1つ以上の圧力センサ61、62を備えてもよい。図示の例では、圧力センサ61は、ポンプP2の上流の供給ライン13内の流体圧力を測定するように配置され、圧力センサ62は、ポンプP3の下流の流出ライン15内の流体圧力を測定するように配置される。以下でより詳細に説明されるように、圧力センサ61、62は、それによって、それぞれの容器12、16内の流体のレベルの変動から生じる圧力の変動に応答する。
【0061】
第1の流体F1が水であるならば、システムはまた、1つ以上の濃縮物供給装置12″を備え、そのそれぞれは供給ライン13内に液体濃縮物F1′を計量して、供給ライン13内に未使用の透析液を形成するように構成される。図1の例では、濃縮物供給装置12″は、液体濃縮物F1′を保持する容器12′と、供給ライン13と流体連通する接続ライン13′と、接続ライン13′を通じて供給ライン13内に液体濃縮物を圧送するように動作可能な流体ポンプP1′とを備える。濃縮物供給装置12″は、供給ライン13に、ポンプP2の(図示のように)上流で接続されてもよいし、下流で接続されてもよい。
【0062】
システムは、1つ以上の使い捨て品をEC血液治療のための機械と組み合わせることによって構成されてもよい。機械は、スケール31、32、ポンプP1′、P2及びP3、並びに圧力センサ61、62だけでなく、当業者に周知の他の従来の構成要素を備えてもよい。ポンプP1′、P2、P3は、蠕動ポンプであってもなくてもよい。レベル調整装置A1、A2はまた、機械の一部であってもよい。1つ以上の使い捨て品は、容器12、16、接続ライン13、15、透析器14及び血液ライン21、22を含んでもよい。接続線11、17は、使い捨て品の一部であってもよい。濃縮物容器12′及び接続ライン13′は、機械又は使い捨て品の一部であってもよい。当業者は、機械又は使い捨て品の一部であってもよいさらなる従来の構成要素をシステムが含んでもよいことを理解する。
【0063】
制御デバイス40は、第1の信号インタフェース43Aに出力される制御信号Ciを用いてシステムの動作を制御するように構成される。制御デバイス40は、EC血液治療のための機械に一体化されてもよいし、されなくてもよい。図1の例では、制御信号Ciは、ポンプP1′、P1~P4のための制御信号C1′、C1~C4を含む。制御デバイス40は、コンピュータ命令を含む制御プログラムに従って血液治療を実行するようにシステムを動作させる。制御プログラムは、第2の信号インタフェース43B上で受信される1つ以上の入力信号Sjに基づいて動作するように構成される。ユーザ入力は、制御デバイス40の第3のインタフェース43Cに接続されたヒューマンマシンインタフェース(HMI)50を介してユーザによって入力されてもよい。HMI50は、キーボード、キーパッド、制御ボタン、タッチスクリーン、コンピュータマウス、トラックパッド、マイクロフォン、カメラなどのような任意のデータ入力機器を備えてもよい。HMI50はまた、ディスプレイ、スピーカ、インジケータランプ、アラームデバイスなどのような任意のデータフィードバック機器を備えてもよい。図1の例では、入力信号Sjは、容器12の瞬間重量を表すようにスケール31によって生成された測定信号S1(「重量信号」)と、個別のポンプの瞬間圧送速度を表すようにポンプP2、P3によって生成された信号S2、S3(「速度信号」)と、容器16の瞬間重量を表すようにスケール32によって生成された測定信号S4(「重量信号」)と、流体圧力を表すように圧力センサ61、62によって生成された測定信号S5、S6(「圧力信号」)とを含む。また、システムの動作を制御するために入力信号S1~S6のすべてが使用されなくてもよいことに留意されたい。以下に記載されるように、入力信号S1~S6の少なくともいくつかは、システムによって実行される限外濾過を監視及び定量化するために使用されてもよい。
【0064】
制御デバイス40は、プロセッサ回路41及びコンピュータメモリ42を備える。上述の制御プログラムは、メモリ42に記憶され、適切なタイプの1つ以上のプロセッサを備えるプロセッサ回路41によって実行される。制御プログラムは、有形(非一時的)製品(例えば、磁気媒体、光ディスク、リードオンリメモリ、フラッシュメモリなど)であってもよいコンピュータ可読媒体上で、又は伝搬信号によって、制御デバイス40に供給されてもよい。インタフェース43A~43Cのうちの2つ以上が1つの物理ユニットに組み合わされてもよいことに留意されたい。
【0065】
流体F1が未使用の透析液であると仮定して図1のシステムの動作が簡単に説明される。ポンプP2は、不変であっても可変であってもよい流量Q2で未使用の透析液F1を容器12から供給するように連続的に動作する。流体は、下矢印によって示されるように、透析器14の第1のチャンバを通過し、その間に、(上矢印によって示されるように)透析器14の第2のチャンバを通じて同時に圧送される血液と半透膜14′を介して相互作用する。ポンプP3は、不変であっても可変であってもよい流量Q3で使用済みの透析液F2を透析器14から引き出すように連続的に動作する。ポンプP2、P3の圧送速度は、Q2及びQ3の目標値を達成するように設定される。流量Q2、Q3の高い精度を達成するために、ポンプP2、P3は、信号S1、S4によって与えられる瞬間流量に基づいて(制御信号C2、C3によって)制御される。瞬間流量は、個別の容器12、16の重量変化率に対応する。Q2とQ3との差は、限外濾過速度(「UF速度」)を規定し、これは、限外濾液が透析器14内の血液から引き出される速度である。治療セッション中の限外濾液の総量(「総UF」)は時間にわたって積分されたQ2とQ3との間の差に対応し、様々な方法(以下)で計算されてもよい。制御デバイス40は、治療セッション中に総UFの目標値及び/又はUF速度の所定の時間プロファイルを達成するようにポンプP2、P3を動作させるように構成される。
【0066】
治療セッション中、間欠的に、容器12が未使用の透析液F1を十分に使い果たしていると考えられる場合に、補充装置A1は、実線矢印によって示されるように、容器12内のレベルを上昇させるために、未使用の透析液F1を流量Q1で容器12内に圧送するように作動される。容器12を補充する必要性は、信号S1によって与えられる容器12の重量に基づいて決定されてもよい。同様に、容器16が十分に満杯であると考えられる場合に、排出装置A2は、破線矢印によって示されるように、容器16内のレベルを減少させるために、使用済みの透析液F2を流量Q4で容器16からドレーン18に圧送するように作動される。容器12、16の再充填及び排出は、同時に実行されてもよいし、互いに独立して実行されてもよい。個別の容器12、16が可撓性材料から作られるならば、容器が流体の流入/流出によって変形する場合に、容器12、16内の流体のレベルが線形に増加/減少しないかもしれないことに留意されたい。
【0067】
流体F1が水である場合に図1のシステムの動作は同様である。主な違いは、1つ以上の濃縮物供給装置12″が、濃縮物F1′を供給ライン13に圧送するようにポンプP2と同時に動作することである。図示されるように、システムが単一の供給装置12″を含む例では、ポンプP2が容器12から水を圧送するように動作し、ポンプP1′が、水F1による濃縮物F1′の所定の希釈を達成するように、ポンプP2の速度に対して所定の関係を有する速度で動作する。所定の関係は例えば、センサ(図示せず)によって測定される、結果として得られる未使用の透析液の目標導電率を達成するために、較正によって与えられてもよい。所定の関係が与えられると、透析器14への未使用の透析液の流量Q2の目標値を達成するように、信号S1によって与えられる容器12の重量変化率に基づいてポンプP2の速度が制御される。それ以外は、システムの動作は、上述のように流体F1が未使用の透析液である場合と同じである。
【0068】
個別の容器12、16の迅速な補充及び排出を達成するために、流量Q1、Q4が可能な限り高く設定されうることに留意されたい。低コストで高い流量Q1、Q4を達成するために、ポンプP1及びP4は、結果として生じる流量の比較的低い精度を提供する構造であるかもしれない。さらに、コスト上の理由から、Q1及びQ4を定量化するために高精度の流量計を含むことは望ましくないかもしれない。この状況では、Q1及びQ4が大部分で未知である場合に、Q2及びQ3を達成するようにポンプP2、P3を制御するために信号S1及びS4を確実に使用することができない。よって、UF監視に関して、容器12又は16内のレベルを調整するために装置A1、A2のいずれかが動作する場合に、制御デバイス40は「盲目」である。以下では、A1又はA2が作動される期間が「レベル調整期間」LAPと表される。「盲目」に対処するための1つのアプローチは、少なくともポンプP2、P3を停止することによって、各LAP中に治療を停止することである。このアプローチは、治療の有効性を低下させる。別のアプローチは、固定された設定でポンプP2、P3を動作させることによってLAP中に治療を継続し、LAP中に結果として生じる流量Q2、Q3についての所定の公称値を使用してLAPについての総UFを算出することである。このアプローチは、総UFの算出に不確実性をもたらす。固定された設定であっても、流量Q2、Q3は、例えばポンプの摩耗、ポンプの状態の変化などの結果として、時間にわたってわずかな変化を呈するかもしれない。
【0069】
本開示のいくつかの実施形態は、LAP中のUF速度に関する情報を提供することを目的とする。いくつかの実施形態では、LAPが容器12に関連するならば、これは、重量信号S1を用いてLAPの前後の流量Q2を測定し、測定された流量に基づいて、LAP中の流量Q2の時間プロファイルを推定することによって達成される。本書で使用される場合に、「時間プロファイル」は、時間にわたる量のマッピングを指す。それに対応して、LAPが容器16に関連するならば、重量信号S4を用いてLAPの前後に流量Q3が測定されてもよく、測定された流量に基づいてLAP中の流量Q3の時間プロファイルが推定されてもよい。Q2の推定時間プロファイル及び/又はQ3の推定時間プロファイルに基づいて、LAP中の限外濾過が定量化されてもよい。LAP中の限外濾過の不確実性は、LAPの前後の実際の流量の測定によって低減される。
【0070】
前述の概念は、容器12の補充をもたらすLAP中の時間の関数としてのQ2のグラフである図2Aに示されている。図示されるように、LAPの前の時刻tsにおいて開始流量Qsが測定され、LAPの後の時刻teにおいて終了流量Qeが測定される。Qs及びQeを基準値として使用することによって、LAP中の透析器14に入る流体フローの時間プロファイルを推定することが可能である。図示の例では、推定時間プロファイル200がQsとQeとの間の流量の線形変化を仮定することによって与えられる。図2Aのハッチング領域は、LAP中に透析器14に圧送された未使用の透析液の総量(V2)に対応する。図2B図2Aに対応し、図2Aの容器12の補充中の時間の関数としてQ3を示す。ここで、容器12の補充中に容器16が排出されず、LAP中に重量信号S4を用いて流量Q3が繰り返し測定され、測定されたフロープロファイル210が得られたと仮定する。図2Bのハッチング領域は、LAP中に透析器14から圧送された使用済みの透析液の総量(V3)に対応する。V3とV2との差はLAP中の推定総UFを提供し、フロープロファイル200と210との差は、LAP中のUF速度の推定時間プロファイルを提供する。
【0071】
Q2及びQ3は図2A図2Bとの間で切り換えられてもよく、その結果、Q3の推定時間プロファイルは容器16の排出中のQs及びQeに基づいて得られ、Q2の測定時間プロファイルは、容器16の排出中に容器12が補充されないという条件で、容器16の排出中の重量信号S1に基づいて得られることがわかる。
【0072】
図2A図2Bに具体化された原理は、容器12の補充が容器16の排出と時間的に重複する場合にも同様に適用可能である。この場合、フロープロファイル210は、容器16の排出の前後に測定されるQ3の開始流量及び終了流量によって与えられる推定されるフロープロファイルに少なくとも部分的に置き換えられる。
【0073】
図3は、図1のシステムにおける制御デバイス40によって実行されてもよい例示の方法300のフローチャートである。簡単にするために、容器12は補充されるが容器16は排出されないと仮定して方法300が説明される。言い換えれば、A1はLAP中に作動され、A2は作動されない。
【0074】
ステップ301及び302は、LAPの前の第1の測定期間M1に対応する。ステップ301において、スケール31によって生成された重量信号S1が受信される。重量信号S1は容器12の瞬間重量を表し、瞬間重量値の時系列を含む。この文脈では、「瞬間」は、ステップ302における後続の処理に関連する任意の時間尺度であってもよい。例えば、S1は、ミリ秒又は秒のオーダの時間分解能を有してもよい。ステップ302は、M1中に受信されたS1に基づいて、M1中に既知の設定で動作するP2の圧送パラメータの第1の値を決定することを含む。M1中に、A1は停止される。いくつかの実施形態では、ステップ302Aによって示されるように、圧送パラメータは、流量、具体的にはP2によって生成されるQ2であるか、又はそれを表す。流量Q2は、ΔW/Δtに基づいて決定されてもよく、ΔWは、期間Δtにわたる、S1によって与えられる重量の変化である。本書で使用される場合、「流量」は、重量(質量)又は体積に関して与えられてもよい。よって、ΔW/Δtは、流量Q2を与えるために、容器内の流体、すなわち水又は未使用の透析液の密度で除算されてもよいし、されなくてもよい。図2Aの例では、第1の値はQsに対応する。
【0075】
図3には示されていないが、ステップ302の後、システムはA1を作動させることによってLAPを実行するように制御される。LAP中に、P2は既知の設定で動作する。
【0076】
LAPの完了後、容器12が流体で十分に補充され、A1が停止された場合に、方法は、第2の測定期間M2においてステップ301及び303を実行する。ステップ301において、スケール31によって生成された重量信号S1が受信される。ステップ303は、M2中に受信されたS1に基づいて、M2中に既知の設定で動作するP2の圧送パラメータの第2の値を決定することを含む。ステップ303Aによって示されるように、圧送パラメータが流量であると仮定すると、第2の数値は、ΔW/Δtに基づいて、ステップ302Aと同じ方法で決定される。図2Aの例では、第2の値はQeに対応する。
【0077】
以下の説明では、M1、LAP及びM2の全体にわたって維持されるポンプP2の「既知の設定」が、ポンプP2の不変の設定であると仮定する。不変の設定では、ポンプP2が不変の圧送速度で動作すると仮定される。不変の設定は、方法300についての所定の設定であってもよい。これにかえて、不変の設定は、M1が開始された際のポンプP2の現在の設定によって与えられてもよい。不変の設定の使用は一般に、ステップ304~305(以下)を容易にする。しかし、既知の設定は、M1、LAP及びM2の最中の圧送速度の所定の変動に対応することが考えられる。また、ステップ301がM1及びM2の最中にのみ実行される必要はなく、例えば、図6の方法又はステップ305(以下)の特定の実施形態を可能にするために、LAP中にも実行されてもよいことに留意されたい。
【0078】
図4Aは、P2の圧送速度が不変である間のM1、LAP、及びM2の最中に得られる例示の重量信号S1のグラフである。見て取れるように、容器12の重量はP2の圧送動作の結果としてLAPの前に減少し、A1が容器12を再充填するように作動されるとLAP中に急速に増加し、その後、P2の圧送動作の結果としてLAPの後に減少する。LAP中に、重量の変化は、A1による再充填とP2による圧送動作とが組み合わされた結果である。
【0079】
図3の方法300に戻ると、ステップ302、303によって決定された第1の値及び第2の値に基づいて、LAP中にポンプP2によって生成された流体フローQ2の時間プロファイルを推定するために、ステップ303の後にステップ304が実行される。この時間プロファイルは、以下においてTPF2と表される。第1の値及び第2の値が図2AのQs及びQeに対応すると仮定すると、ステップ304は、任意の補間関数を使用してQs及びQeを補間することによってTPF2を決定してもよい。いくつかの実施形態では、補間関数は線形であり、その結果、図2Aの時間プロファイル200が得られる。線形の補間関数の使用は単純であり、少なくともLAP中にQ2のステップ変化がない場合に、合理的に正確である可能性が高い(以下の図5A~5B)。
【0080】
ステップ305は、ステップ304の後に実行され、ステップ304Aで推定されるように、TPF2に基づいてLAPの限外濾過(UF)パラメータを決定することを含む。図1に示すHDシステムでは、LAP中にポンプP3によって生成される流量Q3を表す流体フローデータ(FFD)に基づいて、UFパラメータがさらに決定される。A2がLAP中に停止されていると仮定すると、FFDは、スケール32からの重量信号S4によって直接的又は間接的に与えられる。FFDは、決定されるべきUFパラメータに依存して異なる形態をとりうる。1つの例では、FFDは、LAP中にポンプP3によって圧送される流体の総量(図2BのV3を参照)を指定し、LAPの開始と終了との間の容器16の重さの差によって与えられる。別の例では、FFDは、Q3の時間プロファイル(図2Bの210を参照)であり、これはLAP中の容器16の段階的な重量変化によって与えられ、重量信号S4の導関数として算出されてもよい。別の例では、LAP中にA2も作動されていると仮定すると、FFDは、容器16(以下)に関してステップ301~304を実行することによって決定されてもよい。
【0081】
実装に依存して、UFパラメータは異なる形態をとってもよい。第1の例では、UFパラメータは、LAP中に透析器14内の血液から抽出された限外濾液の総量を指定する。このようなUFパラメータは、図2A図2BにおけるV3とV2との差によって与えられる。第2の例では、UFパラメータは、限外濾液の総量の目標値からの偏差である。第3の例では、UFパラメータは、LAP中のUF速度の時間プロファイルであり、ステップ304によって与えられるTPF2と、FFDによって与えられるQ3の時間プロファイルとの差によって与えられる。第4の例では、UFパラメータは、目標時間プロファイルからのLAP中のUF速度の偏差を表す時間プロファイルである。
【0082】
TPF2は、ステップ304~305における計算に固有であってもよいことに留意されたい。例えば、V2は、あるTPF2を仮定することによって算出されてもよく、TPF2が明示的に導出されることを必要としない。例えば、TPF2が線形であると仮定して、V2は、ΔLAP・(Qs+Qe)/2として直接に算出されてもよく、ΔLAPはLAPの持続時間である。
【0083】
圧送パラメータは、ポンプP2の流量を指定する必要がないことにも留意されたい。代替として、圧送パラメータは、ポンプP2のストローク量を表す。これは、ポンプP2が容積式ポンプ、例えば、EC血液治療のためのシステムにおいて一般的に使用される蠕動ポンプであると仮定する。よって、第1の値は、M1中のポンプP2の測定されたストローク量(Vs)であり(ステップ302Bを参照)、第2の値は、M2中のポンプP2の測定されたストローク量(Ve)である(ステップ303Bを参照)。
【0084】
ストローク量は、M1及びM2の最中に得られる信号S1及びS2に基づいて、ステップ302B及び303Bにおいて決定されてもよい。信号S2はポンプP2の圧送速度を表し、それによって、一般に、単位時間当たりにポンプP2によって実行されるストローク数を指定する。ストローク量は、(S1によって与えられる)測定された重量変化を、所与の期間に(S2によって与えられる)測定された圧送速度に関連付けることによって算出されてもよい。本書で使用される場合、「ストローク量」は、容量に関して与えられても、重量に関して与えられてもよい。信号S2は、多くの異なる形態をとりうる。いくつかの実施形態では、信号S2は、ポンプP2の各圧送ストロークについての所定数のパルスを含む。例えば、パルスは、ポンプP2内のエンコーダ、ポンプP2内のステッパーモータからのステップ回数信号などに由来してもよい。変形例では、信号S2は省略され、M1及びM2における圧送速度は、それぞれM1及びM2の最中のポンプP2の既知の設定に関連する公称値である。既知の設定が不変の設定であるならば、公称値はM1とM2とで同じである。
【0085】
ステップ304において、ステップ304Bによって示されるように、Vs及びVeはLAP中のストローク量(「ストローク量プロファイル」、TPV2)の推定時間プロファイルを決定するために、任意の補間関数、例えば線形関数を使用することによって補間されてもよい。
【0086】
ステップ305に戻ると、TPV2は、UFパラメータの決定のために様々な方法で処理されてもよい。ステップ305は、TPV2に基づいて及びLAP中の信号S2に基づいて、LAPについての流体フローパラメータを決定することと、流体フローパラメータに基づいて、UFパラメータを決定することとを含んでもよい。例えば、流体フローパラメータは、TPF2又はV2であってもよい。S2が圧送速度に関してP2の実際の性能を表すため、S2の使用は、UFパラメータの精度を改善するかもしれない。例えば、LAP中のP2の失速イベント又は速度変動が自動的に考慮され、流体フローパラメータに含まれる。ステップ305は、TPV2内の個々の値に、S2によって与えられるLAP中のポンプP2の圧送速度の対応する個々の値を乗算することによって、TPF2を決定してもよい。ステップ305は、S2に基づいて、LAP中にP2によって実行された圧送ストロークの回数(NS)を決定し、TPV2に基づいてLAPについての平均ストローク量(Vavg)を算出し、NS及びVavgの関数として、例えば(Vavg・NS)としてV2を決定することによって、V2を算出してもよい。ストローク量プロファイルが線形であると仮定されるならば、LAPについてのVavgは、(Vs+Ve)/2として算出されてもよい。信号S2から決定される代替として、NSは、LAP中のP2の既知の設定によって与えられる公称値、又はM1及びM2における測定された圧送速度に基づいて決定される推定値であってもよい。
【0087】
圧送パラメータの時間プロファイルを推定するさらなる変形例は、ステップ304Cによって表され、圧送パラメータはポンプP2の流量又はストローク量のいずれかであってもよい。図1に戻って、圧力信号S5は、ポンプP2への入口における圧力を表す。この圧力は、ポンプP2への入口における静水圧をレベルが変化させるため、容器12内の流体のレベルに応じてわずかに変化する。これは、ポンプP2に対する容器12の任意の配置に当てはまる。例えば、静水圧は、容器12がLAP中に再充填されるにつれて、2~50mmHgのオーダで変化するかもしれない。ポンプの入口圧力の変化はそのストローク量に影響を及ぼし、それによって、ポンプによって生成される流量に影響を及ぼしうることがよく知られている。本出願人は、ポンプP2の入口圧力がLAP中に測定されるならば、この潜在的な不正確さの原因が圧送パラメータの時間プロファイルを決定するために実際に使用されてもよいことを認識した。ステップ304Cは、入口圧力をポンプP2の流量又はストローク量に関係付ける較正データへのアクセスを仮定する。原則として、圧力信号S5は、較正データを用いて時間プロファイルに直接に変換されうる。多くの場合、較正データは、このような直接変換を可能にするのに十分な精度ではない。その代わりに、圧力信号S5及び較正データによって与えられる圧送パラメータ値の曲線を、ステップ302及び303によって測定された第1の値及び第2の値にフィッティングすることによって、圧力信号S5が時間プロファイルに変換されてもよい。
【0088】
較正データは、予め規定され、制御デバイスの内部メモリ(図1の42を参照)に記憶されてもよい。これに代えて、較正データは、測定された入口圧力(S5によって与えられる)を測定された重量変化(S1によって与えられる)に、オプションで測定された圧送速度(S2によって与えられる)と組み合わせて関連付けることによって、容器12がLAPの前に徐々に使い果たされていく間に決定されてもよい。いくつかの実施形態では、較正データは、入口圧力と流量との間、又は入口圧力とストローク量との間の比例係数として表される。他の実施形態では、較正データは、非線形依存性を規定し、関数又は参照表によって与えられてもよい。
【0089】
圧送パラメータの時間プロファイルを推定する別の変形例は、ステップ304Dによって表され、圧送パラメータはポンプP2の流量又はストローク量のいずれかであってもよい。ステップ340Dは、圧力信号S5の代わりにポンプP2のための制御信号C2を使用しながら、ステップ340Cと同様に実行されてもよい。ステップ340Dの理論的根拠は、上述したように、重量信号S1によって与えられる瞬間流量に基づいて制御信号C2が生成されることである。これは、容器12内の流体レベルがポンプP2の入口の静水圧に及ぼす影響を制御信号C2が自動的に考慮することを意味する。よって、信号C2の制御値をポンプP2の流量又はストローク量に関連付ける較正データを導出することが可能である。このような較正データを使用することによって、制御値は、圧送パラメータの時間プロファイルに変換されてもよい。ステップ304Cと同様に、較正データは、事前に規定されてもよく、又は制御信号値(C2によって与えられる)を測定された重量変化(S1によって与えられる)に、オプションで測定された圧送速度(S2によって与えられる)と組み合わせて関連付けることによって、容器12がLAPの前に徐々に使い果たされていく間に決定されてもよい。
【0090】
A1によって実行される容器12の再充填動作に関して方法300が説明されてきたが、A2によって実行される容器16の排出動作にも同様に適用可能である。図4Bは、M1、LAP、及びM2の最中に得られる例示の重量信号S4のグラフである。見て取れるように、容器16の重量はポンプP3の圧送動作の結果としてLAPの前に増加し、A2が容器16を排出するように作動されるとLAP中に急速に減少し、その後、ポンプP3の圧送動作の結果としてLAPの後に増加する。容器16に関して監視するために方法300が適用される場合に、ステップ301は重量信号S4を受信し、ステップ302~303は、S4に基づいてポンプP3の圧送パラメータについての第1及び第2の値を決定する。ステップ304は、第1の値及び第2の値に基づいて、流量Q3についての時間プロファイル(TPF3)又はポンプP3のストローク量についての時間プロファイル(TPV3)を推定する。ステップ304Cを参照すると、時間プロファイルは、上述の説明と同様に、ポンプP3の出口における流体圧力を表す圧力信号S6に基づいて推定されてもよい。ステップ304Dを参照すると、時間プロファイルは、上述の説明と同様に、制御信号C3に基づいて推定されてもよい。その後、ステップ305は、推定TPF3又はTPV3に基づいて、さらにLAP中にポンプP2によって生成された流量Q2を表すFFDに基づいて、UFパラメータを決定する。
【0091】
一般に、図3の方法300は、レベル調整装置、容器及び圧送デバイスの少なくとも1つの組合せを含む体外血液治療のための任意のシステムに適用可能である。この組合せは、透析液を供給するか、又は使用済みの透析液を受け取るように構成されてもよい。
【0092】
方法300は、システムの動作を制御する制御デバイス40(図1)によって実行される必要はなく、監視デバイス60がLAPに関してM1及びM2を実行するための適切な時点を決定することができるならば、図15に示される物理的に別個の監視デバイス60によって実行されてもよい。このような適切な時点は、制御デバイス40によって監視デバイス60にシグナリングされてもよい。図15の例では、監視デバイス60は、制御デバイス40内の構成要素41、42、43B、43Cに対応する構成要素61、62、63B、63Cを備える。
【0093】
血液透析(HD)のためのシステムに関連して方法300が記載されてきたが、血液透析濾過(HDF)及び血液濾過(HF)を含むがこれらに限定されない、他のタイプの血液治療に等しく適用可能である。
【0094】
HDFでは、HDのように透析液が透析器を通って導かれ、置換液が体外血液回路内の血液に直接送達される。置換液は透析液の一種である。置換液は、血液上流(注入前)及び/又は透析器の下流(注入後)に加えられてもよい。図1の例では、例えばポンプP2の下流の位置で、供給ライン13から血液ライン21、22上の1つ以上の注入部位まで延びるように、置換液用の専用供給ラインが追加されてもよい。生成された透析液の一部を注入部位に圧送するように専用のポンプが配置されてもよい。これに代えて又はこれに加えて、置換液は、専用の容器から注入部位に別々に圧送されてもよく、専用の容器はスケール上に配置されても、されなくてもよい。専用容器内の置換液はオンデマンドで製造されてもよいし、既製の流体であってもよい。図3の方法300は、LAP中に血液に加えられる置換液を考慮するために、ステップ305の修正によってHDFに適合されてもよい。置換液がポンプP2の下流で供給ライン13から迂回されるならば、方法300の修正は必要ない。そうでないならば、ステップ305は、UFパラメータを算出する際に、置換液フローを流体フローQ2と組み合わせるように修正される。置換液のフローは、流量計、体積投与又はスケールによって与えられてもよい。HDFシステムにおける使用済みの透析液の排出は、図1のHDシステムと同じである。よって、透析液がHDFシステムにどのように供給されるかにかかわらず、流体フローQ3は、図3の方法300に従って決定され、UFパラメータを決定するために使用されてもよい。
【0095】
HFでは、体外血液回路(注入前及び/又は注入後)内の血液に置換液が直接送達され、透析器内の半透膜を通じて血液から流体が引き出され、透析液は透析器に供給されない。図1の例では、透析器ポート14Aが塞がれてもよく、供給ライン13は代わりに、血液ライン21、22上の1つ以上の注入部位に接続されてもよい。これに代えて又はこれに加えて、置換液は、専用の再充填不可能な容器から注入部位に別々に圧送されてもよい。図3の方法300は、LAP中に血液に加えられる置換液を考慮するために、ステップ305の修正によってHFに適合されてもよい。置換液がポンプP2によって供給されるならば、方法300の修正は必要ない。そうでないならば、ステップ305は、UFパラメータを算出する際に、流体フローQ2を置換液のフローで置き換えるように修正される。やはり、HFシステムにおける使用済みの透析液の排出は、図1のHDシステムと同じである。よって、透析液がHDFシステムにどのように供給されるかにかかわらず、流体フローQ3は、図3の方法300に従って決定され、UFパラメータを決定するために使用されてもよい。
【0096】
図3の方法300は、LAP中に流量Q2又はQ3に急激なステップ状の変化がないと想定する。このようなステップ変化は、例えばポンプP2、P3又はスケール31、32における機械のハードウェア誤差の結果として生じ得る。ステップ変化は例えば、容器12、16のうちの1つが、スケール31、32によって測定される重量を相殺するようにLAP中に移動されるハンドリング誤差の結果であってもよい。容器の移動は、容器が接触されること、容器への接続ラインのうちの1つが伸ばされること、機械が移動されることなどによって引き起こされるかもしれない。ポンプP2、P3が重量信号S1、S4に基づいて制御されるため、S1、S4の急激な変化はポンプP2、P3の制御を妨害する可能性が高い。
【0097】
LAP中のステップ変化が検出されないまま進行するならば、ステップ305で決定されたUFパラメータは、特に圧送パラメータの時間プロファイルが補間によって推定されるならば(ステップ304A、304Bを参照)、誤りであるかもしれない。圧力信号S5、S6又は制御信号C2、C3(ステップ304C、304Dを参照)に基づいて時間プロファイルが推定されたとしても、これらの信号は流量の変化に対して遅い応答を有し、ステップ変化を適切に再現できないかもしれない。
【0098】
ステップ変化の影響は、容器12の補充中の時間の関数としての流量Q2のグラフである図5Aに示されている。図2Aと同様に、LAPの前の時刻tsにおいて開始流量Qsが測定され、LAPの後の時刻teにおいてQeが測定される。Qs及びQeに基づいて、ステップ304Aは、LAPについての時間プロファイル200を推定するために、線形補間を実行してもよい。実際の流量Q2は、図5Aにおいて点線で示されている。Q2のステップ変化(減少)は時刻tcを生じ、その結果、Q2の実際の時間プロファイルは、第1のサブプロファイル200Aと、ステップ変化によって第1のサブプロファイル200Aからオフセットされた第2のサブプロファイル200Bとを含む。推定された時間プロファイル200から決定されるV2は、実際の時間プロファイル200A、200Bから決定されるV2とは異なるかもしれず、ステップ305によって決定されるUFパラメータにおいて対応する誤差をもたらすことがわかる。図5B図5Aに対応するが、時刻tcについて中間流量Qiが推定されるように、時刻tcにおいてステップ変化が検出され定量化されると想定する。Qs、Qi及びQeに基づいて、実際の時間プロファイルをより厳密に表す時間プロファイル200が推定されてもよく、それによって、決定されるならば、V2における誤差が低減される。
【0099】
図6は、LAP中のステップ変化の問題に対処するための例示の方法600のフローチャートである。方法600は、図1の制御デバイス40又は図15の監視デバイス60によって実行されてもよい。方法600は、ステップ変化が検出可能であるならば、ステップ305で決定されるUFパラメータの精度を改善することが可能であるという洞察に基づく。図1の容器12の補充を参照して方法600が説明されるが、容器16の排出にも同様に適用可能である。
【0100】
方法600は、LAPに関連して、好ましくはLAP中に実行される。以下において、図3のM1とM2との間に方法600が実行されると仮定する。ステップ601において、スケール31によって生成された重量信号S1が受信される。ステップ602において、ステップ変化の検出のために重量信号S1が処理される。本書で使用される場合に、信号の「ステップ変化」は、信号の規則的な変動、この場合にA1及びポンプP2の規則的な動作から生じる変動を超える大きさを有する変化を指す。いくつかの実施形態では、ステップ602はまた、ステップ変化の大きさを決定することによってステップ変化を定量化してもよい。ステップ603において、ステップ602においてステップ変化が検出された場合に専用の動作が行われる。専用の動作は、実装に依存して異なってもよく、ステップ変化の大きさを使用しても、しなくてもよい。
【0101】
図6のステップ603Aによって表される第1の実装では、専用の動作は、ステップ304によって決定された際の圧送パラメータの時間プロファイルにおけるステップ変化、それゆえ、ステップ305におけるUFパラメータの演算におけるステップ変化を考慮することを含む。第1の実装は、ステップ変化がステップ602において定量化されると仮定する(図5BのQiを参照)。時間プロファイルは、ステップ変化の大きさ及びタイミング(tcを参照)を考慮することによって、図5Bを参照して説明したように決定されてもよい。
【0102】
図6のステップ603Bによって表される第2の実装では、専用の動作は、ステップ変化に基づいてLAPを修正することを含む。例えば、A1及びポンプP2のうちの少なくとも一方が停止されてもよい。1つの実施形態では、ポンプP2が既知の設定で動作し続けている間に、LAPを終了させるためにA1が停止される。その後、新たな第1の値を取得するためにステップ302が実行されてもよく、それに応じて、第2のLAPを実行するためにA1が再び作動される。第2のLAPの完了時に、ステップ304は、ステップ302、303によって決定された第1の値及び第2の値に基づいて、第1のLAPについての時間プロファイルと第2のLAPについての時間プロファイルとの両方を推定してもよい。
【0103】
図6のステップ603Cによって表される第3の実装では、専用の動作は、ステップ変化によって引き起こされる流量Q2の変化を少なくとも部分的に補償するために、ステップ変化に基づいてポンプP2の圧送速度を修正することを含む。第3の実装は、ステップ変化がステップ602において定量化されると仮定する。ポンプP2の圧送速度は、LAP中又はLAPの後に修正されてもよい。
【0104】
専用の動作は、第1の実装、第2の実装及び第3の実装のうちの2つ以上の組合せを含むことも想到される。
【0105】
図7Aは、LAPの前、最中及び後の時間の関数としての容器12の測定された重量Wのグラフである。以下の説明では、流体F1が未使用の透析液であり、よって、Q2は容器12から出る流体の流量を表すと仮定する。重量Wは、信号S1によって与えられる。図示の例では、Q2は50ml/分であり、Q1は500ml/分であり、LAP中に容器12に充填される流体F1の体積は5000mlである。それによって、LAPの持続時間は10分である。図7Aの15分に、ポンプP2のストローク量を5%だけ減少させる事象が存在する。事象は容器12の重量Wでは事実上検出不可能であるが、図7Bの拡大図において破線の円ROIによって強調されるように、その重量変化
で見られる。重量変化
は、重量Wの瞬間変化を表す。ステップ602におけるステップ変化の検出は、重量Wではなく重量変化
の評価によって容易になりうることがわかる。いくつかの実施形態では、スケール12は、
を直接表すように信号S1を提供するように構成される。他の実施形態では、スケール12は、Wを表すように信号S1を提供するように構成され、ステップ602は、例えばオプションで平滑化と組み合わせて、例えば従来の微分関数を用いて、信号S1の一次導関数を算出することによって信号S1を
に変換することを含む。
【0106】
ステップ変化は非常に小さいかもしれないが、それにもかかわらず、算出されたUFパラメータに著しい影響を及ぼす。図7A~7Bの例では、Q2におけるステップ変化は、450ml/分の正味重量変さらに対して2.5ml/分(50ml/分の5%)である。よって、信号S1におけるステップ変化の検出可能性を改善し、場合によってはステップ変化の信頼できる定量化を可能にすることが一般的に望まれる。
【0107】
ステップ変化は、制御信号C2(図1)を介して、ポンプP2の圧送速度に所定の反復する時間変動を課すことによって拡大され、それによって、流量Q2が反復する時間変動を呈することが見出された。このような時間変動は、P2の平均流量を変化させることなく、それによってUFパラメータを変化させることなく、課されうる。本書で使用される場合、「時間変動」は、時間におけるある程度の変動を指す。
【0108】
時間変動を課す概念は、図9A図9Bと組み合わせて図8Aを参照して説明される。図8Aは、ポンプP2(図1)によって生成される流体流量Q2の例を時間の関数として示す。見て取れるように、ポンプP2は、Q2の正弦波変動を生成するように動作する。流量はQ2=Qa・(1+R・sin(2πft))として表されてもよく、Qaは平均流量であり、fは正弦波変動の周波数であり、Rは正弦波変動のピークツーピーク値を制御する結合係数である(0<R≦1)。R=1のとき、図8Aに示されるように、ピークツーピーク値が最大となり、Qは0と最大値Qm=2・Qaとの間で変化する。正弦波変動の周波数fは、振動する流量を生成するポンプP2の能力を考慮して設定される。
【0109】
図9A~9Bは図7A~7Bに対応し、流量Q2が図8Aの正弦波変動を有する場合の、時間の関数としての容器12について測定された重量W及び重量変化
を示す。Q2の平均流量は、図7A図7Bと同じである。図7A図7Bと同様に、破線の円ROIは、ポンプP2のストローク量を5%だけ減少させる事象に対応するステップ変化を示す。ROIのさらなる拡大図が図10に示される。事象は時刻tcで生じる。事象の前に、重量変化
は、最大値
と最小値
との間で振動する。容器12への透析液の流入(Q1)と容器12からの透析液の流出(Q2)との差(図1)によって
が与えられるため、
はQ1(Q2=0)に対応し、
はQ1-Qm(Q2=Qm)に対応する。tcの前に、重量変化
は、Q1-Qaに対応する平均値MFの周りで振動する。tcにおいて、MFはMF′に変更される。図10においてΔMFと示されるMFとMF′との差はQaの変化に対応し、大きさが図7A~7Bのステップ変化に等しい。しかし、tcの後、重量変化
は、Q1に対応し不変である
と、
とは2・ΔMFだけ異なる最小値
との間を振動する。よって、正弦波変動を課すことによって、ステップ変化を2倍に拡大することが可能である。一般に、結合係数Rについて、拡大係数は1+Rである。図9A~9Bの特定の例では、ステップ変化が図7A~7Bの2.5ml/分と比較して、5ml/分に増加する。
【0110】
いくつかの実施形態では、ステップ602は、必要に応じて、LAP中の重量変化
における振動のピークツーピーク値を監視することによって、ステップ変化を検出し定量化してもよい。図10に見て取れるように、ピークツーピーク値は、時刻tcにおいてPPからPP′へのステップ変化ΔPPを呈する。ピークツーピーク値は、複数の振動を含む期間について
を評価することによって、高精度で決定されうる。
【0111】
図9Bに戻って、測定期間M1及びM2の最中にも、流量Q2に正弦波変動が課せられることが分かる。これは、ポンプP2の動作条件がM1及びM2においてLAPと同じである可能性を最大にするために行われ、それによって、ステップ302~303(図3)によって決定される第1の値及び第2の値がLAPに適用可能である。しかし、変形例では、正弦波変動がLAPにおいてのみ課され、M1及びM2においては課されない。
【0112】
図8Aの例から理解されるように、ステップ変化の大きさは、時間変化の大きさに比例する。変動しない流体フローと比較して平均流量が維持される必要があると仮定すると、最大の大きさは、正弦波変動に対して2倍に制限される。図8Bは、場合によってはステップ変化をさらに拡大するために、流量Q2に課されうる代替的な時間変動を示す。時間変動は、時間Δ1の間、Q2が最大値Qmまで瞬間的に増加することを規定する。時間変動は分離したパルスの時系列(「パルス列」)を生成するために、Δ2の期間で繰り返される。図8Bは理想化された図であり、実際の流量Q2は、任意の形状の時間的に分離されたパルスのシーケンスであってもよいことを理解されたい。図8Bでは、0であるベースライン流量からパルスが生成され、これはΔ1の期間のポンプP2の間欠的な作動に対応する。しかし、ベースライン流量はゼロとは異なってもよいが、これはQ2(図10のPP′を参照)に表されるように、時間変動の大きさに基づくステップ変化の検出可能性を低下させる。
【0113】
パルス列の形成で時間変動を使用する例が図11A図11Bに示される。図9A~9Bと同様に、時間変動は、LAPだけでなく、M1及びM2においても課される。破線の円ROIは、ポンプP2のストローク量を5%だけ減少させる事象に対応するステップ変化を示す。図11A図11Bの例では、パルスの大きさが92.4ml/分(図8(b)のQm)であり、パルスの個数が1パルス/分(Δ2=1分)であり、平均流量が17ml/分(図8(b)のQa)である。倍率は5.4(92.4/17)である。よって、ステップ変化の大きさは、図7A~7Bと比較して著しく増加する。
【0114】
透析器14(図1)を通る透析液の時間変化するフローの提供は、正弦波状であってもパルス列の形式であっても、透析器14の第1のチャンバと第2のチャンバとの間に濃度勾配がある限り、半透膜14′を横切る溶質の交換が維持されるため、透析器14における血液治療に著しい影響を及ぼす可能性が低いことに留意されたい。濃度勾配は、特に透析器への未使用の透析液の平均流量が比較的低く、例えば50~100ml/分未満である場合に、脈動フローによって影響を受ける可能性が低い。透析液のこのような流量は、典型的には急性治療、例えばCRRT(持続的腎代替療法)において使用される。
【0115】
図12Aは、信号S1におけるステップ変化を検出するための、図6のステップ602の一部でありうる例示の手順のフローチャートである。ステップ101において、容器12の重量の瞬間変化を表すために、S1に基づいて監視信号が生成される。スケール12の構成に依存して、監視信号は、S1によって直接与えられてもよく、又はS1の導関数を表すように生成されてもよい。上で説明したように、ステップ変化は、このような監視信号において一層検出可能である。ステップ102は、ポンプP2が、既知の設定(図3のステップ302~304を参照)で動作する場合に、供給ライン13内の流体流量の時間変動を繰り返し生成するように構成されると仮定する。上記から理解されるように、時間変動は、最小流量及び最大流量を含んでもよい。いくつかの実施形態では、最小流量と最大流量との差は、既知の設定で動作する場合にポンプP2によって生成される平均流量の少なくとも2倍である。説明されるように、これは、信号S1におけるステップ変化を対応して拡大する。2である倍率は、正弦波変動を使用することによって達成されてもよい。より大きな倍率は、増加した流量の時間的に分離されたパルスのシーケンスをもたらすように時間変動を実施することによって達成されてもよい。いくつかの実施形態では、このようなシーケンスは、ポンプP2の間欠的な作動によって達成される。ステップ102において、監視信号は、時間変動に基づくステップ変化の検出のために処理される。上で例示したように、ステップ変化は、例えば監視信号における対応する時間変動の振幅を評価することによって、信号S1に埋め込まれるような時間変動の振幅の瞬間変化として検出されてもよい。オプションであるステップ103では、ステップ102で検出された大きさの変化に基づいて、ステップ変化も定量化される。図10を参照して、時間変動が既知であるならば、振幅変化の大きさΔPPは、平均流量の対応する変化ΔMFに変換されうることがわかる。そして、平均流量の変化は、ステップ603(図6)によって使用されてもよい。
【0116】
図12Bは、ステップ変化の検出可能性をさらに高めるために、図12Aのステップ102の一部であってもよい例示の手順のフローチャートである。ステップ104において、監視信号から時間変動の表現を減算することによって差分信号が生成される。ステップ105において、時間変動の検出のために差分信号が処理され、差分信号の時間変動の発生によってステップ変化が検出される。図12Bの手順は、差分信号において時間変動が実質的に打ち消されるならば、ステップ変化が発生した場合に差分信号に時間変動が現れるという洞察に基づいている。時間変動は、既知であり、検出するのが単純である。図13は、図9Bの重量変化
から図8Aの正弦波変動を減算することによって生成される差分信号
のグラフである。図13の差分信号
は、LAP中に示される。見て取れるように、時間変動はステップ変化が差分信号に15分で生じる際に差分信号
に現れる。ステップ104で使用される時間変動の表現は、監視信号における時間変動の任意の推定であってもよい。例えば、表現は、監視信号の理論的モデルによって与えられてもよく、較正セッションにおいて監視信号に基づいて生成されてもよく、又はLAPの初期部分の間に監視信号に基づいて生成されてもよい。表現は監視における時間変動の正確な一致である必要はないが、ステップ変化が生じる際に差分信号の明確な変化を引き起こすのに十分に類似しているべきである。ステップ104における減算は、監視信号と時間変動の表現との間の位相整合を含む。監視信号の時間変動の位相は、シミュレーション又は較正測定によって知られてもよい。ステップ105における時間変動の検出は、周期的信号を検出するための任意の信頼性のある周知の技術、例えば周波数分析、自己相関、パターンマッチングなどによって実行されてもよい。
【0117】
図7A図7B図9A図9B図11A図11B及び図13のグラフを参照して説明したすべての例は、容器12(図1)への流体F1の流量Q1がLAP中に不変であると仮定している。これは必須ではない。装置A1は、流体F1の時間変化するフローを生成するように意図的に又は先天的に構成されてもよい。例えば、A1内のポンプQ1は、容器12内の流体F1のレベルが増加するにつれて、不変の流量を維持することができないかもしれない。一例が図14A~14Bに示されており、これは図11A~11Bに対応し、A1によって生成された流量がLAPに対して非線形の減少を呈する場合に測定された重量W及び重量変化
を示す。図14Bに見て取れるように、流量Q1は、LAPにわたって約500ml/分から約450ml/分に減少する。当業者は、ステップ変化が生じた際(図14BのROIを参照)、時間変動の振幅に検出可能な変更が存在すること、及びオプションで、検出をさらに強化するために、測定された重量変化から時間変動の表現が減算されてもよいことを容易に理解する。
【0118】
A1によって実行される容器12の再充填動作を参照して図6図12A及び図12Bの方法600が説明されてきたが、A2によって実行される容器16の排出動作にも同様に適用可能である。
【0119】
さらに、方法300と組み合わせてステップ変化を検出する方法600が説明されてきたが、方法600は方法300と組み合わされる必要はない。方法300に従って圧送パラメータの時間プロファイルが推定されない場合であっても、方法600は、LAP中のステップ変化を検出するために実行されてもよい。ステップ変化が検出されたならば、ステップ603は、専用の動作を開始してもよい。方法300の使用によって時間プロファイルが推定されていないが、ステップ603Aは圧送パラメータの公称時間プロファイルのステップ変化を考慮するために実行されうる。これに代えて又はこれに加えて、ステップ603Bは、例えばLAPを停止することによってLAPを修正するために実行されてもよく、及び/又はステップ603Cは、ステップ変化によって引き起こされる流量Q2/Q3の変化を少なくとも部分的に補償するために、ポンプP2/P3の圧送速度を修正するために実行されてもよい。
【0120】
さらに、図6のステップ601~602は、スケールから重量信号のステップ変化を検出する代わりに、ポンプP2又はP3の性能を示す信号に基づいてステップ変化を検出してもよい。例えば、ステップ変化は、ポンプP2又はP3の消費電力、駆動電流、トルク、速度などから推測されてもよい。
【0121】
本開示の主題は現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して説明されてきたが、本開示の主題は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲の趣旨及び均等物内に含まれる種々の変形及び均等な構成を包含することが意図されることを理解されたい。
【0122】
さらに、動作が特定の順序で図面に示されているが、これは望ましい結果を達成するために、このような動作が示されている特定の順序で又は連続的な順序で実行されること、又はすべての示されている動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、並列処理が有利であってもよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15
【国際調査報告】