(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】燃料調整システム
(51)【国際特許分類】
F02D 19/12 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
F02D19/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536053
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 AU2022051532
(87)【国際公開番号】W WO2023115113
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523442334
【氏名又は名称】マニュエル バレイロ
【氏名又は名称原語表記】Manuel BARREIRO
【住所又は居所原語表記】87 Brixton Crescent, Ellenbrook, Western Australia 6069, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル バレイロ
【テーマコード(参考)】
3G092
【Fターム(参考)】
3G092AA02
3G092AB17
3G092FA18
3G092FA24
3G092FA36
(57)【要約】
エンジンのための燃料調整システムは、入力混合容器及び出力混合容器を含む複数の混合容器と、燃料及び水を前記入力混合容器内に受けるための少なくとも1つの入口と、前記燃料及び水を前記出力混合容器から前記エンジンに供給するための少なくとも1つの出口とを備える。導管システムが、前記燃料及び水を前記混合容器のそれぞれを通じて前記入力混合容器から前記出力混合容器に移送するように配置される。前記各混合容器は、複数の噴霧部材を収容する内部チャンバを備える。前記噴霧部材は、前記内部チャンバを通じて延びる回転軸の周りで回転して、前記内部チャンバ内の前記燃料及び水を噴霧するように構成される。前記燃料及び/又は水に存在する強磁性物質を引き付けるために1つ以上の磁石が前記内部チャンバ内に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンのための燃料調整システムであって、
入力混合容器及び出力混合容器を含む複数の混合容器と、
燃料及び水を前記入力混合容器内に受けるための少なくとも1つの入口と、
前記燃料及び水を前記出力混合容器から前記エンジンに供給するための少なくとも1つの出口と、
前記燃料及び水を前記混合容器のそれぞれを通じて前記入力混合容器から前記出力混合容器に移送するように配置される導管システムと、
を備え、
前記混合容器のそれぞれは、複数の噴霧部材を収容する内部チャンバを備え、前記噴霧部材は、前記内部チャンバを通じて延びる回転軸の周りで回転して、前記内部チャンバ内の前記燃料及び水を噴霧するように構成され、前記燃料及び/又は水に存在する強磁性物質を引き付けるために1つ以上の磁石が前記内部チャンバ内に配置される、
燃料調整システム。
【請求項2】
前記内部チャンバは、前記導管システムに流体接続される複数の流体ディスペンサを備え、前記流体ディスペンサは、前記回転軸に向かって前記燃料及び水を噴射するために前記内部チャンバの内周領域の周りに配置される、請求項1に記載の燃料調整システム。
【請求項3】
前記噴霧部材及び前記磁石は、前記流体ディスペンサから内側に向けて前記回転軸の周りに配置される、請求項2に記載の燃料調整システム。
【請求項4】
前記内部チャンバは、前記回転軸から径方向に延びる複数の長尺支持体を備え、前記長尺支持体のそれぞれが前記噴霧部材のセットを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項5】
前記噴霧部材のそれぞれが複数のスプライン又はブレードを備える、請求項4に記載の燃料調整システム。
【請求項6】
前記長尺支持体のそれぞれは、該長尺支持体に取り付けられる前記磁石のセットを有する、請求項4又は5に記載の燃料調整システム。
【請求項7】
前記噴霧部材は、噴霧部材の複数のグループの状態へと配置され、前記磁石は、磁石の複数のグループの状態へと配置され、前記磁石の複数のグループは、前記回転軸に沿って前記噴霧部材の複数のグループ内に交互配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項8】
前記混合容器が駆動アクスルの対向する側面に配置され、前記駆動アクスルは、前記噴霧部材を回転させるために前記混合容器のそれぞれの前記噴霧部材に動作可能に結合される、請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項9】
前記駆動アクスルは、ギヤ装置によって前記混合容器のそれぞれの前記噴霧部材に動作可能に結合される、請求項8に記載の燃料調整システム。
【請求項10】
前記ギヤ装置は、ギヤの第2のセットを動作可能に駆動するギヤの第1のセットを備え、前記ギヤの第1のセットが前記駆動アクスルに接続され、前記ギヤの第2のセットが前記噴霧部材を回転させる回転アクスルに接続される、請求項9に記載の燃料調整システム。
【請求項11】
前記混合容器が前記駆動アクスルの上方及び下方にも配置される、請求項8から10のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項12】
前記燃料調整システムは、前記燃料及び水が前記少なくとも1つの入口に供給される前に、前記燃料及び水を所定の比率で一緒に混合するための混合デバイスを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項13】
前記所定の比率は、おおよそ、燃料70%、水30%である請求項12に記載の燃料調整システム。
【請求項14】
前記燃料調整システムは、前記燃料及び水が前記混合デバイスによって一緒に混合された後に前記燃料及び水に燃料添加剤を圧送するためのポンプを備える、請求項12又は13に記載の燃料調整システム。
【請求項15】
前記燃料添加剤がエンジン潤滑剤を含む、請求項14に記載の燃料調整システム。
【請求項16】
前記燃料調整システムは、前記燃料及び水をそれぞれ前記入力混合容器内に受けるための一対の入口を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項17】
前記燃料調整システムは、前記出口から流れる燃料及び水を濾過するために前記出口に流体接続されるフィルタデバイスも備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項18】
前記燃料調整システムは、前記噴霧部材を前記回転軸の周りで回転させるように動作可能に構成される電気モータを備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項19】
前記噴霧部材は、前記噴霧部材を前記回転軸の周りで回転させるために前記エンジンの駆動アクスルに機械的に結合される、請求項1から17のいずれか一項に記載の燃料調整システム。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の燃料調整システムを備えるディーゼルエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料調整システムに関し、より詳細には、ディーゼル及び灯油などの可燃性液体化石燃料のための調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジンは、チャンバ内で空気などの酸化剤を用いた燃料の燃焼を伴う熱エンジンである。例えば、ディーゼルエンジンは、エンジンのシリンダ内で空気を高圧及び高温に圧縮することによって動作する。次いで、ディーゼル燃料が噴霧形態でシリンダ内の高温圧縮空気中に注入される。高温により、注入された燃料が蒸発して点火し、それにより、エンジンのピストンを駆動するエネルギーが放出される。燃焼プロセスは、排気ガス中に放出される一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質及び窒素酸化物などの多種多様な汚染排出物を生成する。可燃性化石燃料は、そのようなガス中に放出される金属元素を含むことが多い。
【0003】
背景技術の前述の考察は、本発明の理解を容易にすることのみを意図している。考察は、言及された資料のいずれかが、本出願の優先日における共通の一般知識の一部である又はその一部であったことを承認するものでも許容するものでもない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、エンジンのための燃料調整システムが提供され、燃料調整システムは、
入力混合容器及び出力混合容器を含む複数の混合容器と、
燃料及び水を前記入力混合容器内に受けるための少なくとも1つの入口と、
前記燃料及び水を前記出力混合容器から前記エンジンに供給するための少なくとも1つの出口と、
前記燃料及び水を前記混合容器のそれぞれを通じて前記入力混合容器から前記出力混合容器に移送するように配置される導管システムと、
を備え、
前記混合容器のそれぞれは、複数の噴霧部材を収容する内部チャンバを備え、前記噴霧部材は、前記内部チャンバを通じて延びる回転軸の周りで回転して、内部チャンバ内の前記燃料及び水を噴霧するように構成され、前記燃料及び/又は水に存在する強磁性物質を引き付けるために1つ以上の磁石が前記内部チャンバ内に配置される。
【0005】
前記内部チャンバは、前記導管システムに流体接続される複数の流体ディスペンサを備えてもよく、前記流体ディスペンサは、前記回転軸に向かって燃料及び水を噴射するために前記内部チャンバの内周領域の周りに配置される。
【0006】
前記噴霧部材及び前記磁石は、前記流体ディスペンサから内側に向けて前記回転軸の周りに配置されてもよい。
【0007】
前記内部チャンバは、前記回転軸から径方向に延びる複数の長尺支持体を備えてもよく、前記長尺支持体のそれぞれが前記噴霧部材のセットを備える。
【0008】
前記噴霧部材のそれぞれが複数のスプライン又はブレードを備えてもよい。
【0009】
前記長尺支持体のそれぞれは、該長尺支持体に取り付けられる前記磁石のセットを有してもよい。
【0010】
前記噴霧部材は、噴霧部材の複数のグループの状態へと配置されてもよく、前記磁石は、磁石の複数のグループの状態へと配置されてもよい。そのような例において、前記磁石の複数のグループは、前記回転軸に沿って前記噴霧部材の複数のグループ内に交互配置されてもよい。
【0011】
前記混合容器が駆動アクスルの対向する側面に配置されてもよく、前記駆動アクスルは、前記噴霧部材を回転させるために前記混合容器のそれぞれの前記噴霧部材に動作可能に結合される。
【0012】
前記駆動アクスルは、ギヤ装置によって前記混合容器のそれぞれの前記噴霧部材に動作可能に結合されてもよい。
【0013】
前記ギヤ装置は、ギヤの第2のセットを動作可能に駆動するギヤの第1のセットを備えてもよく、前記ギヤの第1のセットが前記駆動アクスルに接続され、前記ギヤの第2のセットが前記噴霧部材を回転させる回転アクスルに接続される。
【0014】
また、前記混合容器が前記駆動アクスルの上方及び下方に配置されてもよい。
【0015】
前記燃料調整システムは、前記燃料及び水が前記少なくとも1つの入口に供給される前に、前記燃料及び水を所定の比率で一緒に混合するための混合デバイスを備えてもよい。
【0016】
前記所定の比率は、おおよそ、70%の燃料及び30%の水であってもよい。
【0017】
前記燃料調整システムは、前記燃料及び水が前記混合デバイスによって一緒に混合された後に前記燃料及び水に燃料添加剤を圧送するためのポンプを備えてもよい。
【0018】
燃料添加剤がエンジン潤滑剤を含んでもよい。
【0019】
前記燃料調整システムは、前記燃料及び水をそれぞれ前記入力混合容器に受けるための一対の入口を備えてもよい。
【0020】
また、前記燃料調整システムは、前記出口から流れる前記燃料及び水を濾過するために前記出口に流体接続されるフィルタデバイスを備えてもよい。
【0021】
前記燃料調整システムは、前記噴霧部材を回転させるように動作可能に構成される電気モータを備えてもよい。
【0022】
前記噴霧部材は、該噴霧部材を回転させるために前記エンジンの駆動アクスルに機械的に結合されてもよい。
【0023】
また、本発明はディーゼルエンジンも提供し、該ディーゼルエンジンは前述の燃料調整システムを備える。
【0024】
ディーゼルエンジンは空気処理システムに接続されてもよく、該空気処理システムは、濾過された空気を前記ディーゼルエンジンに供給するための空気濾過システムを備え、前記空気処理システムは、空気取り入れ口及び空気流出ベントを備える燃料タンクも備え、前記空気流出ベントは、前記燃料タンクから前記ディーゼルエンジンにディーゼル煙を供給するように配置される。
【0025】
前記空気処理システムは、加圧空気を前記空気濾過システムに供給するための空気ポンプを備えてもよい。
【0026】
前記空気処理システムは、前記ディーゼル煙及び濾過された空気を前記ディーゼルエンジンに供給する前に、前記ディーゼル煙を前記濾過された空気と一緒に混合するように構成されてもよい。
【0027】
また、本発明は自動車も提供し、該自動車は上記のディーゼルエンジンを備える。
【0028】
また、自動車が空調システムを備えてもよく、この空調システムは、該空調システムによって生成された凝縮水がディーゼル燃料で噴霧されるべく前記燃料調整システムに供給されるように配置される。
【0029】
前記自動車は、前記ディーゼルエンジン及び前記燃料調整システムを制御するための制御システムを備えてもよく、該制御システムは、暖機段階と、それに続く動作段階とを含むエンジン始動プロセスを実行するように構成され、暖機段階中、前記ディーゼルエンジンは、前記燃料調整システムから任意のディーゼル及び水を受けることなくディーゼルで動作し、動作段階中、前記ディーゼルエンジンは、該ディーゼルエンジンによる燃焼のために前記燃料調整システムからディーゼル及び水を受ける。
【0030】
また、前記制御システムは、エンジン停止プロセスを実行するように構成されてもよく、エンジン停止プロセス中、前記ディーゼルエンジンは、前記燃料調整システムからのディーゼル及び水の受け取りを停止し、前記ディーゼルエンジンに残っている水をフラッシングするためにディーゼルで作動する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
ここで、添付図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【
図1】本発明の実施形態の一例に係るエンジンのための燃料調整システムの平面断面図である。
【
図2】燃料調整システムに含まれる個々の混合容器の正面断面図である。
【
図3】本発明の実施形態の一例に係る燃料調整システムに含まれる個々の混合容器の正面断面図である。
【
図4】本発明の実施形態の一例に係る燃料調整システムの正面断面図である。
【
図5】
図1の燃料調整システムの一対のそれぞれのエンドプレートの一対の正面断面図を与える。
【
図6】
図1の燃料調整システムの一対のそれぞれの嵌合プレートの一対の正面断面図を与える。
【
図7】
図1の燃料調整システムを含むディーゼルエンジンの概略図である。
【
図8】本発明の実施形態の一例に係る燃料調整システムの混合ブロックの概略図である。
【
図9】本発明の実施形態の一例に係る燃料調整システムのフィルタデバイス及び最終段混合容器の概略図である。
【
図10】本発明の実施形態の一例に係る燃料調整システムを備える自動車の空調システムの概略図である。
【
図11】本発明の実施形態の一例に係る燃料調整システムを備える自動車の空気処理システムの概略図である。
【
図12】本発明の実施形態の一例に係るエンジンのための燃料調整システムの平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施形態の一例は、エンジンのための燃料調整システム10を提供する。システム10は、入力混合容器14及び出力混合容器16を含む複数の混合容器12を備える。入力混合容器14は、燃料及び水を入力混合容器14に受け入れるための少なくとも1つの入口18を備える。出力混合容器16は、出力混合容器16からエンジンに燃料及び水を供給するための少なくとも1つの出口20を備える。システム10は、燃料及び水を各混合容器12を通じて入力混合容器14から出力混合容器16に移送するように構成された導管システム22も備える。混合容器12のそれぞれは、複数の噴霧部材26を収容する内部チャンバ24を備え、噴霧部材26は、内部チャンバ24を通じて延びる回転軸28の周りで回転して、内部チャンバ内の燃料及び水を噴霧するように構成され、燃料及び/又は水に存在する強磁性物質を引き付けるために1つ以上の磁石30が内部チャンバ24内に配置される。
【0033】
より具体的には、図示の例では、各内部チャンバ24は、導管システム22に流体接続された複数の流体ディスペンサ32を備える。流体ディスペンサ32は、燃料及び水を回転軸28に向かって内側に噴射するために内部チャンバ24の内周領域の周りに配置され得る。噴霧部材26及び磁石30は、流体ディスペンサ32から内側に向けて回転軸28の周りに配置されてもよい。流体ディスペンサ32は、チャンバ24の内周領域に沿って延びる導管システム22の長尺管セクションから燃料及び水を受けるジェットのセットを備えることができる。システム10は、ディーゼル及び灯油などの様々な可燃性液体化石燃料の範囲を調整するのに適している。図示の例は、ディーゼル燃料を参照して説明される。
【0034】
磁石30は、永久磁石又は電磁石であってもよい。
図1では、噴霧部材26は箱形の記号を使用して概略的に示されており、磁石30は円形の記号を使用して概略的に示されている。
図2に示すように、各内部チャンバ24は、回転軸28から径方向に延在する複数の長尺支持体34を備えることができる。各長尺支持体34は、該長尺支持体34に取り付けられた噴霧部材26のセットを備えることができる。噴霧部材26は、支持体34から外側に延びるスプライン又はブレードを備えてもよい。
図1に示すように、噴霧部材26を複数のグループの状態へと配置することができ、磁石30を複数のグループの状態へと配置することもできる。磁石30のグループは、回転軸28に沿って噴霧部材26のグループ内に交互配置されるように配置されてもよい。そのような例では、噴霧部材26のグループが回転軸28の周りで回転する間、磁石30のグループは使用中静止したままである。
図3に示すように、他の例では、各支持体34は、磁石30及び噴霧部材26が回転軸28を中心に一緒に回転するように、支持体34に取り付けられた磁石30のセットを有することができる。
【0035】
様々な混合容器12は、容器12のセットの長手方向軸を通じて中心で延びる主駆動アクスル36の対向する側面に配置されてもよい。駆動アクスル36は、噴霧部材26を回転させるためのギヤ装置によって各混合容器12の噴霧部材26に動作可能に結合されてもよい。ギヤ装置は、主駆動アクスル36に接続されるギヤの第1のセット38を備えてもよい。ギヤの第1のセット38は、ギヤの第2のセット40を動作可能に駆動することができる。ギヤの第2のセット40は、システム10のハウジング内に配置され、噴霧部材26を回転させる回転アクスル28に接続される。他の例では、
図12に示すように、ギヤの第2のセット40は、システム10のハウジングの外側に配置されてもよい。
図4に示すように、混合容器12はまた、主駆動アクスル36の上方及び下方に配置されてもよい。駆動アクスル36は、例えば電気モータ42などの適切な駆動手段を使用して回転させることができる。
【0036】
導管システム22は、接続された混合容器12のチェーンを通ってディーゼル燃料及び水を移送するために、流体入口18と流体出口20との間で流体相互接続される管セクションのセットを備えることができる。管セクション22は、接続された容器12のそれぞれの長手方向端部に配置された一対のエンドプレート50、52に組み込まれてもよい。また、管セクション22は、システム10の中心で互いに対向する一対の嵌合プレート54、56に組み込まれてもよい。
図1に示す例では、システム10は、一緒に混合された水及びディーゼルを入力混合容器14に運ぶ単一の入口18を備える。他の例では、システム10は、燃料及び水をそれぞれ入力混合容器14に受け入れるための一対の別個の入口(図示せず)を備えることができる。
【0037】
使用時には、噴霧部材26は、駆動手段42によってそれぞれのアクスル28を中心に回転され、ディーゼル燃料及び水が入口18を介して入力混合容器14に噴射される。燃料及び水は、容器の流体ディスペンサ32によって入力混合容器14のアクスル28に向かって混合物として噴射される。燃料と水の混合物は、混合物を微細な噴射の状態へと噴霧するように動作するスピニング噴霧部材26と接触する。結果として得られた噴射中の強磁性不純物は、磁石30に付着し、したがってそれらを混合物から除去する。例えば、磁石30は、水及び/又はディーゼル油によって供給された混合物中の鉄又はニッケル系物質を除去する。噴霧混合物は、その後、容器14の内壁に設けられた出口44を介して入力混合容器14を出る。出口44は、導管システム22の一部を形成し、噴霧された燃料及び水を次の混合容器46に供給する。次の混合容器46は、燃料及び水から更なる強磁性不純物を更に噴霧して除去するために、入力混合容器14と同じ方法で動作する。燃料及び水は、導管システム22によって容器46から各中間容器12を介して最終的な出力混合容器16に移送される。完全に噴霧されて洗浄された燃料と水の混合物は、出口20を介して出力混合容器16から出て、燃焼のためにエンジンに供給される。
【0038】
図7を参照すると、一例では、燃料調整システム10を使用して、噴霧ディーゼル及び水をディーゼルエンジン60に供給することができる。ディーゼルは燃料タンク62に貯蔵されてもよく、水は地下水タンク64に貯蔵されてもよい。水及びディーゼルは、燃料調整システム10に供給される前に混合ブロック66で一緒に組み合わされてもよい。また、燃料調整システム10は、エンジン潤滑剤などの燃料添加剤を収容するタンク68を備えてもよく、タンク68は、添加剤を混合ブロック66に圧送して水及びディーゼルと組み合わせるための一体型ポンプを含む。一方向逆止弁70が、混合ブロック66へのディーゼルの流れを制御することができる。また、燃料調整システム10は、混合ブロック66からエンジン60への流体の流量を制御するソレノイド72などのアクチュエータを備えてもよい。図示の例では、燃料調整システム10の噴霧部材26は、電気モータ42ではなく、エンジン60の駆動アクスルに接続された駆動ベルト装置74によって回転される。燃料調整システム10は、エンジン60によって点火されない任意の水/ディーゼルを再処理及び再利用されるように燃料調整システム10に戻す戻りライン75を備えることもできる。
【0039】
図8を参照すると、混合ブロック66は、得られた混合物がエンジン60に供給される前に、水とディーゼルとを所定の比率で混合するための一対の調整器76、78を備えることができる。比率は、エンジン60に供給される水/ディーゼル混合物が効率的な燃焼をもたらすオクタンレベルを有するように設定される。一例では、所定の比率は、おおよそ、70%の燃料及び30%の水であってもよい。混合ブロック66はまた、水/ディーゼル混合物に供給される添加剤の量を制御する調整器80を備えてもよい。
【0040】
図7を参照すると、ディーゼルエンジン60及び燃料調整システム10は、電子制御システム82を含む自動車に組み込まれてもよい。使用中、制御システム82は、暖機段階と、それに続く動作段階とを含むエンジン始動プロセスを実行するように構成することができる。暖機段階中、制御システム82は、燃料調整システム10から噴霧されたディーゼル及び水を一定期間受け取ることなく、エンジン60をディーゼルで動作させることができる。動作段階では、制御システム82は、ディーゼルエンジン60に、ディーゼルエンジン60による燃焼のために燃料調整システム10から噴霧ディーゼル及び水を受け取らせることができる。また、制御システム82は、エンジン停止プロセスを実行するように構成されてもよい。停止プロセス中、制御システム82は、噴霧されたディーゼル及び水がエンジン60に供給されるのを停止し、エンジン60内に残っている水をフラッシングするための一定期間だけエンジン60をディーゼルで動作させることができる。電力が、バッテリ83によって及び/又はエンジン60のオルタネータから制御システム82に供給されてもよい。
【0041】
図9を参照すると、他の例では、混合物がエンジン60に供給される前に噴霧水と燃料との混合物を濾過するために、フィルタデバイス90を燃料調整システム10の出口20に流体接続することができる。フィルタデバイス90は、スクリーン微細フィルタ、又は同様の多孔質媒体フィルタを備えてもよい。更なる(最終的な)混合容器92もまた、フィルタデバイス90と出口20との間に流体的に介在されてもよい。最終混合容器92は、磁石及び回転噴霧部材のセットを備え、他の混合容器12と同じように機能することができる。最終混合容器92の噴霧部材は、電気モータ93によって駆動されてもよい。他の例では、燃料調整システム10は、燃料及び水が入力混合容器14内に供給される前に燃料及び水を濾過するように構成された1つ以上の追加のフィルタを備えることができる。
【0042】
燃料調整システム10によって使用される水タンク64内の水は、1つ以上の追加の水源によって補充されてもよい。例えば、システム10は、空冷プロセスの副産物として凝縮水を生成する空調システムを有する自動車に設置されてもよい。凝縮水は、リザーバに集められ、水タンク64に供給されて水を補充することができる。
図10を参照すると、例えば、空調システムは、圧縮機94及び凝縮器96を備えることができ、凝縮器96によって生成された凝縮水は収集トレイ98に落下する。トレイ98に収集された水は、導管を介して保持タンク100に流れることができる。保持タンク100内の水は、ポンプ102によってタンク100から燃料調整システム10の主水タンク64内に定期的に圧送されてもよい。保持タンク100は、主水タンク64に供給されるのに十分な水がタンク100内にあるときにポンプ102を自動的にオンにするフロートスイッチ104を備えることもできる。保持タンク100は、保持タンク100がオーバーフローする(例えば、フロートスイッチ104が動作しない場合)のを防止するためのオーバーフロー管106を備えることができる。他の例では、貯水タンク100は、主水タンク64を補うことに加えて、目的のために使用されてもよい。例えば、水は、自動車のユーザに飲料水を提供するために、フィルタと組み合わせて定期的に使用されてもよい。水は、自動車のエンジン又は自動車のフロントガラス洗浄リザーバのラジエータを補うために使用することができる。水は、レクリエーション車両におけるシャワー取付具のための水を供給するために使用されてもよい。ユーティリティ車両及び大型車両では、水は、火災制御又はビークル洗浄の目的でジェット噴射システムによって使用することができる。
【0043】
図11を参照すると、他の例では、ディーゼルエンジン60は空気処理システム108に接続されてもよい。空気処理システム108は、濾過された空気をエンジン60に供給するための空気濾過システム110を備えることができる。空気処理システム108は、燃料入口管114及び燃料煙ベント116を有する燃料タンク112を備えることもできる。ベント116は、燃料タンク112からエンジン60にディーゼル煙を供給するように構成される。空気濾過システム110は、加圧空気を空気濾過システム110に供給するための空気ポンプ/ファンアセンブリ120を備えることができる。使用時に、流出ベント116から流出するディーゼル煙は、得られたガス状混合物が燃焼を助けるためにエンジン60に供給される前に、混合チャンバ122内で濾過システム110によって生成された濾過済み空気と組み合わされる。エンジン60は、燃料調整システム10から受け取った噴霧水及びディーゼルと共に、気体混合物をエンジンシリンダに噴射することができる。
【0044】
燃料調整システム10は、内燃機関による使用のために噴霧水とディーゼル(又は他の液体燃料)との混合物を有利に生成し、これは以下を含む幾つかの重要な利点を提供する。
(i)噴霧水及びディーゼル混合物を燃焼させるエンジンによって生成される排出物は、従来の燃料と比較してより少ない汚染物質を含む。特に、排出物は、一酸化炭素残留物をほとんど又は全く含まない。
(ii)噴霧混合物は、改善された燃焼及び結果としての燃料経済性を提供する。
(iii)噴霧混合物は、エンジンスラッジを少なくし、エンジンのメンテナンス及び運転コストを低くする。
(iv)混合容器は、発電装置、産業機械及び商用車両に使用されるエンジンを含む既存のエンジンに後付けされてもよい。
【0045】
本明細書では、「備える(comprising)」という語は、「含むが、これに限定されない」を意味し、「備える」(comprises)という語は対応する意味を有する。本明細書で先行技術が言及される場合、そのような言及は、先行技術がオーストラリア又は他の国における当技術分野の共通の一般知識の一部を形成することの承認を構成しないことを理解すべきである。
【0046】
上記の実施形態は、例としてのみ説明されており、添付の特許請求の範囲内で修正が可能である。
【国際調査報告】