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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】工程内ワイヤボンドテスト
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241219BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20241219BHJP
   B23K 20/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L21/60 321Y
H01M50/516
B23K20/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536063
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 US2022082522
(87)【国際公開番号】W WO2023130000
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】17/646,586
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カールソン-サイペク、ベン
(72)【発明者】
【氏名】カルピト、ドギーレイ エム.
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン、ライアン
【テーマコード(参考)】
4E167
5H043
【Fターム(参考)】
4E167BA04
5H043AA19
5H043BA17
5H043FA04
5H043FA40
5H043HA04F
5H043HA11F
5H043LA32F
(57)【要約】
一般的な態様において、ワイヤボンディング装置は、ボンディングワイヤの供給部、ワイヤボンディングヘッド、及び電気的導通テスタを含み得る。ワイヤボンディングヘッドは、ワイヤカッターを含み得る。ワイヤカッターは、導電性であり得る。電気的導通テスタは、ボンディングワイヤの供給部及びワイヤカッターの間を連結し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンディングワイヤの供給部;
ワイヤカッターを含むワイヤボンディングヘッド、前記ワイヤカッターは導電性である;及び
前記ボンディングワイヤの供給部及び前記ワイヤカッターの間において連結された電気的導通テスタ
を備える、ワイヤボンディング装置。
【請求項2】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的アースと電気的に連結されている、請求項1に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項3】
前記ボンディングワイヤの供給部は、その上に前記ボンディングワイヤの供給部が配置されたスプールを介して電気的アースと電気的に連結されている、請求項2に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項4】
前記ボンディングワイヤの供給部は、前記ワイヤボンディングヘッドに近接した電気的アースと電気的に連結されている、請求項2に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項5】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に浮遊している、請求項1に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項6】
前記ワイヤボンディング装置は:
接触面上にワイヤボンドを形成した後、前記接触面及び前記ワイヤカッターを電気的に接触させること;及び
前記接触面に前記ワイヤカッターが電気的に接触している状態で、前記接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、前記電気的導通テスタを用いて測定すること
を行うように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項7】
前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の第1ワイヤボンドであり;
前記ワイヤボンディング装置は、前記測定された抵抗が閾値抵抗より大きい場合にワイヤボンディング不良を指示するように構成される、請求項6に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項8】
前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の最後のワイヤボンドであり、
前記ワイヤボンディング装置は:
前記ワイヤボンドの形成の後の前記ワイヤカッターを用いて、ワイヤ切断動作を実行すること;及び
前記測定された抵抗が閾値抵抗より少ない場合にワイヤボンディング不良を指示すること
を行うように構成されている、請求項6に記載のワイヤボンディング装置。
【請求項9】
ワイヤボンディング装置を操作する方法であって、前記方法は:
前記ワイヤボンディング装置に含まれたボンディングワイヤの供給部から、接触面上にワイヤボンドを形成する段階;
前記接触面を、前記ワイヤボンディング装置のワイヤボンディングヘッドに含まれたワイヤカッターと電気的に接触させる段階、ここで、前記ワイヤカッターは導電性である;
前記接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、前記ワイヤボンディング装置に含まれた導通テスタを用いて測定する段階;及び
前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功又は失敗を、前記測定された抵抗に基づいて決定する段階
を備える、方法。
【請求項10】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的アースに電気的に連結され;
前記抵抗を測定する段階は、前記ワイヤカッター及び電気的アースの間の抵抗を測定する段階を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に浮遊している、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の第1ワイヤボンドであり;
前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功又は失敗を決定する段階は:
前記測定された抵抗が閾値抵抗より小さい又はそれに等しい場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階;及び
前記測定された抵抗が前記閾値抵抗より大きい場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の失敗を決定する段階
を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の最後のワイヤボンドであり;
前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功又は失敗を決定する段階は:
前記測定された抵抗が閾値抵抗より大きい又はそれに等しい場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階;及び
前記測定された抵抗が前記閾値抵抗より少ない場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の失敗を決定する段階
を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ワイヤボンディング装置を操作するための方法であって、前記方法は:
前記ワイヤボンディング装置に含まれたボンディングワイヤの供給部から、ボンディングワイヤの電気相互接続の第1ワイヤボンドを形成する段階、ここで、前記第1ワイヤボンドは、第1接触面上に形成されている;
前記第1接触面を、前記ワイヤボンディング装置のワイヤボンディングヘッドに含まれたワイヤカッターと電気的に接触させる段階、ここで、前記ワイヤカッターは、導電性である;
前記第1接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、前記ワイヤボンディング装置に含まれた導通テスタを用いて測定する段階;
前記第1接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の前記測定された抵抗が第1閾値抵抗より少ないことに基づいて、前記第1ワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階;
前記ボンディングワイヤの供給部から、前記ボンディングワイヤの電気相互接続の最後のワイヤボンドを形成する段階、ここで、前記最後のワイヤボンドは、第2接触面上に形成されている;
前記ボンディングワイヤの電気相互接続に対してワイヤ切断動作を実行する段階;
前記第2接触面を前記ワイヤカッターに電気的に接触させる段階;
前記導通テスタを用いて、前記第2接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を測定する段階;及び
前記第2接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の前記測定された抵抗が第2閾値抵抗より大きいことに基づいて、前記最後のワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階
を備える、方法。
【請求項15】
前記第1ワイヤボンドを形成する段階の後、前記第1接触面を前記ワイヤカッターと電気的に接触させる段階の前に、前記第1接触面に電気的に接触する場合に前記ワイヤカッターが前記第1ワイヤボンドから離間されるように、前記ワイヤボンディング装置のボンダヘッドを位置付けする段階をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記最後のワイヤボンドを形成する段階の後、前記第2接触面を前記ワイヤカッターと電気的に接触させる段階の前に、前記第2接触面に電気的に接触する場合に前記ワイヤカッターが前記最後のワイヤボンドから離間されるように、前記ワイヤボンディング装置のボンダヘッドを位置付けする段階をさらに備える、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に接地されている、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に浮遊している、請求項14又は15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年12月30日に出願され、「IN-PROCESS WIRE BOND TESTING」と題する米国特許出願第17/646,586に対する優先権を主張し、当該出願の開示はその全体が本明細書に参照によって組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本明細書は、ワイヤボンドの工程内テストに関する。
【背景技術】
【0003】
ボンディングワイヤは、電気デバイスアセンブリ内の様々な要素又はコンポーネントを電気的に相互接続するために使用される。そのようなアセンブリにおいて、不適切に又は不十分に形成されたボンディングワイヤの電気相互接続は、望ましくない電気抵抗をもたらし得る及び/又は他の機能問題を発生させ得る。
【発明の概要】
【0004】
一般的な態様において、ワイヤボンディング装置は、ボンディングワイヤの供給部、ワイヤボンディングヘッド、及び電気的導通テスタを含み得る。ワイヤボンディングヘッドは、ワイヤカッターを含み得る。前記ワイヤカッターは、導電性であり得る。前記電気的導通テスタは、前記ボンディングワイヤの供給部及び前記ワイヤカッターの間を連結し得る。
【0005】
実装は、以下の特徴のうちの1又は複数を含むことができる。例えば、前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的アースと電気的に連結され得る。前記ボンディングワイヤの供給部は、その上に前記ボンディングワイヤの供給部が配置されたスプールを介して電気的アースと電気的に連結され得る。
【0006】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に浮遊していてよい。
【0007】
前記ワイヤボンディング装置は、接触面上にワイヤボンドを形成した後、前記接触面及び前記ワイヤカッターを電気的に接触させること、及び、前記接触面に前記ワイヤカッターが電気的に接触している状態で、前記接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、前記電気的導通テスタを用いて測定することを行うように構成されている。前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の第1ワイヤボンドであり得、前記ワイヤボンディング装置は、前記測定された抵抗が閾値抵抗より大きい場合にワイヤボンディング不良を指示するように構成され得る。前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の最後のワイヤボンドであり得、前記ワイヤボンディング装置は:前記ワイヤボンドの形成の後の前記ワイヤカッターを用いて、ワイヤ切断動作を実行すること;及び、前記測定された抵抗が閾値抵抗より少ない場合にワイヤボンディング不良を指示することを行うように構成されている。
【0008】
別の一般的な態様において、ワイヤボンディング装置を操作するための方法は、前記ワイヤボンディング装置に含まれたボンディングワイヤの供給部から、接触面上にワイヤボンドを形成する段階を含み得る。本方法はまた、前記接触面を、前記ワイヤボンディング装置のワイヤボンディングヘッドに含まれたワイヤカッターと電気的に接触させる段階を含み得る。前記ワイヤカッターは、導電性であり得る。本方法はまた、前記接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、前記ワイヤボンディング装置に含まれた導通テスタを用いて測定する段階を含み得る。本方法はまたさらに、前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功又は失敗を、前記測定された抵抗に基づいて決定する段階を含み得る。
【0009】
実装は、以下の特徴のうちの1又は複数を含むことができる。例えば、前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的アースに電気的に連結され得、前記抵抗を測定する段階は、前記ワイヤカッター及び電気的アースの間の抵抗を測定する段階を含み得る。
【0010】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に浮遊していてよい。
【0011】
前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の第1ワイヤボンドであり得る。前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功又は失敗を決定する段階は、前記測定された抵抗が閾値抵抗より小さい又はそれに等しい場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階;及び、前記測定された抵抗が前記閾値抵抗より大きい場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の失敗を決定する段階を含み得る。
【0012】
前記ワイヤボンドは、ボンディングワイヤの電気相互接続の最後のワイヤボンドであり得る。前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功又は失敗を決定する段階は、前記測定された抵抗が閾値抵抗より大きい又はそれに等しい場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階;及び、前記測定された抵抗が前記閾値抵抗より少ない場合に前記ワイヤボンドを形成する前記段階の失敗を決定する段階を含み得る。
【0013】
別の一般的な態様において、ワイヤボンディング装置を操作するための方法は、前記ワイヤボンディング装置に含まれたボンディングワイヤの供給部から、ボンディングワイヤの電気相互接続の第1ワイヤボンドを形成する段階を含み得る。前記第1ワイヤボンドは、第1接触面上に形成され得る。本方法はまた、前記第1接触面を、前記ワイヤボンディング装置のワイヤボンディングヘッドに含まれたワイヤカッターと電気的に接触させる段階を含み得る。前記ワイヤカッターは、導電性であり得る。本方法はさらに、前記第1接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、前記ワイヤボンディング装置に含まれた導通テスタを用いて測定する段階を含み得る。本方法はまたさらに、前記第1接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の前記測定された抵抗が第1閾値抵抗より少ないことに基づいて、前記第1ワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階を含み得る。本方法はまた、前記ボンディングワイヤの供給部から、前記ボンディングワイヤの電気相互接続の最後のワイヤボンドを形成する段階を含み得、前記最後のワイヤボンドは第2接触面上に形成されている。本方法はまたさらに、前記ボンディングワイヤの電気相互接続に対してワイヤ切断動作を実行する段階、前記第2接触面を前記ワイヤカッターに電気的に接触させる段階、及び、前記導通テスタを用いて、前記第2接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を測定する段階を含み得る。本方法はまたさらに、前記第2接触面及び前記ボンディングワイヤの供給部の間の前記測定された抵抗が第2閾値抵抗より大きいことに基づいて、前記最後のワイヤボンドを形成する前記段階の成功を決定する段階を含み得る。
【0014】
実装は、以下の特徴のうちの1又は複数を含むことができる。例えば、本方法は、前記第1ワイヤボンドを形成する段階の後、前記第1接触面を前記ワイヤカッターと電気的に接触させる段階の前に、前記第1接触面に電気的に接触する場合に前記ワイヤカッターが前記第1ワイヤボンドから離間されるように、前記ワイヤボンディング装置のボンダヘッドを位置付けする段階を備え得る。
【0015】
本方法は、前記最後のワイヤボンドを形成する段階の後、前記第2接触面を前記ワイヤカッターと電気的に接触させる段階の前に、前記第2接触面に電気的に接触する場合に前記ワイヤカッターが前記最後のワイヤボンドから離間されるように、前記ワイヤボンディング装置のボンダヘッドを位置付けする段階を備え得る。
【0016】
前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に接地され得る。前記ボンディングワイヤの供給部は、電気的に浮遊していてよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】工程内ワイヤボンドテストを実行するために例示的なウェッジワイヤボンダを図示するブロック図である。
【0018】
図2】バッテリーパックモジュールの例を概略的に図示する図である。
【0019】
図3A】工程内ワイヤボンドテストを含む例示的なワイヤボンディングプロセスを概略的に図示する図である。
図3B】工程内ワイヤボンドテストを含む例示的なワイヤボンディングプロセスを概略的に図示する図である。
図3C】工程内ワイヤボンドテストを含む例示的なワイヤボンディングプロセスを概略的に図示する図である。
図3D】工程内ワイヤボンドテストを含む例示的なワイヤボンディングプロセスを概略的に図示する図である。
【0020】
図4】例示的な方法を図示するフローチャートである。
【0021】
必ずしも縮尺通りに描かれていない上記図面において、同様の参照符号は同様の及び/又は類似のコンポーネント(要素、構造など)を異なる視点で指示し得る。上記図面は一般的に、限定としてではなく例として、本開示において議論された様々な実装を図示する。1つの図面に示された参照符号は、同じもの、及び/又は関連した視点における類似の要素のために反復されてもよく、又はそうでなくてもよい。さらに、複数の図面において反復されている参照符号は、それらの図面の各々に関して具体的に議論されなくてもよく、関連した視点間における文脈のために提供されている。また、ある要素の複数の事例が図示された場合に、上記図面における全ての同様の要素が、参照符号とともに具体的に参照され得るわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書は、工程内ワイヤボンドテストと称され得る、ワイヤボンディングプロセス中のワイヤボンド(例えば、ウェッジワイヤボンド)のテストを対象とするシステム及び技法の例を説明している。例えば、本明細書に記載された手法を使用して、ワイヤボンドの成功又は失敗は、ワイヤボンドを形成した後に実行される導通チェック及び/又は抵抗測定に基づいて決定され得る。例示的な実装において、ワイヤボンドの成功又は失敗は、閾値に対する測定抵抗の比較に基づいて決定され得る。そのような比較の詳細は、例えば、ワイヤボンドがボンディングワイヤの電気相互接続の第1ボンドであるか、又は、ボンディングワイヤの電気相互接続の最後(第2の又は後続の)ワイヤボンドであるかなどの具体的な実装に依存するであろう。
【0023】
本明細書の例は、ボンディングワイヤ(例えば、リボン状ボンディングワイヤ又はリボン状ワイヤ)を参照する。本明細書において使用される場合、ボンディングワイヤは任意の数の異なる幾何学的形状を有し得、それぞれの導電率を有する1又は複数の材料を含み得る。例えば、ボンディングワイヤは単層ボンディングワイヤであり得、又は各々がそれぞれの導電率を有する複数の層を有する多層ボンディングワイヤであり得る。いくつかの実装では、ボンディングワイヤは長方形の断面を有し1又は複数の層を有するリボン状ワイヤであり得る。1又は複数の層は、1又は複数の金属及び/又は金属合金などの1又は複数の導電性材料を含み得る。本明細書において使用される場合、ボンディングワイヤが表面(例えば、導電性表面、電気的接触表面など)に連結されているということは、別段の指示がない限り、そのボンディングワイヤがその表面に電気的に及び/又は物理的に連結されていることを指す。
【0024】
本明細書の例は、ボンディングワイヤのセグメント(例えば、ボンディングワイヤセグメント)を参照する。本明細書において使用される場合、ボンディングワイヤセグメントは、別個のワイヤボンド(例えば、ウェッジワイヤボンド)の間に延在するボンディングワイヤの一部分である。例えば、いくつかの実装では、ボンディングワイヤ(例えば、連続的なボンディングワイヤ)は、第1ワイヤボンド及び第2ワイヤボンドの間において延在する第1ボンディングワイヤセグメントを含み得、さらに、第2ワイヤボンド及び第3ワイヤボンドの間において延在する第2セグメントを含む。
【0025】
本明細書における例は、ワイヤループを参照する。本明細書において使用される場合、ワイヤループは2つのウェッジワイヤボンドの間に延在するボンディングワイヤセグメントの一部であり得る。例えば、ワイヤループは、第1ウェッジワイヤボンド及びその対応する電気的接触表面を第2ウェッジワイヤボンド及びその対応する電気的接触表面と電気的に接続することができる。実装では、ワイヤループは、平坦であってもよいし、曲線状であってもよいし、円弧状であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0026】
本明細書の例では、電気化学電池を参照する。本明細書において使用される場合、電気化学電池とは、化学反応から電気エネルギーを生成するデバイス、又は電気エネルギーを用いて化学反応を引き起こすデバイス、又はその両方である。電気化学電池は、エネルギーを蓄え、それを使用時に送出するために、電解質及び2つの電極を含み得る。いくつかの実装では、電気化学電池は充電式電池とすることができる。例えば、電気化学電池はリチウムイオン電池とすることができる。いくつかの実装では、電気化学電池は、放電時にはガルバニ電池としての役割、また充電時には電解槽としての役割を果たすことができる。電気化学電池は、電極のそれぞれに対して少なくとも1つの端子を有することができる。端子又はその少なくとも一部分は、電解槽の一方の端部に配置することができる。例えば、電気化学電池が円筒形形状を有する場合、端子のうち1つ(例えば、第1端末)は、電池の端部の中心に提供され得、円筒を形成する缶は他の端子を構成し得るので第1端末を含む端部にも(例えば、電池の端部におけるリムとして)存在する。角柱形状を含む他の形状の電気化学電池を用いることができるが、これに限定されない。
【0027】
本明細書の例ではバッテリモジュールを参照する。これは、充電中、蓄電中、及び使用中に、複数の電気化学電池を保持し管理するように構成された個々のコンポーネントである。バッテリモジュールは、1又は複数の負荷(例えば、電気モータ)のための唯一の電源として意図されることが可能であり、又は1つより多くの、同じ又は異なるタイプのバッテリモジュールが使用されることが可能である。システム内に別々に、又はより大きいエネルギー蓄積ユニットの一部として2つ又はそれより多くのバッテリモジュールが実装されることが可能である。例えば、バッテリーパックは、2つ又はそれより多くの、同じ又は異なるタイプのバッテリモジュールを含むことができる。バッテリモジュールは、電気化学電池における電気エネルギーの充電、蓄電、及び/又は使用を管理するための制御回路を含むことが可能であるか、又はバッテリモジュールは、外部のコンポーネントによって制御されることが可能である。例えば、バッテリー管理システムが、1又は複数の回路基板(例えば、プリント回路基板)上に実装されてよい。
【0028】
本明細書における例は、バスバーを参照し、ここで、対応するバッテリモジュールが少なくとも1つのバスバーを有することができる。バスバーは、導電性であり、充電時に電気化学電池に対して、又は放電時に電池から電気を伝えるために使用される。バスバーは、導電性の材料(例えば、金属)から作られており、電気化学電池の特性及び使用目的を考慮した適切な寸法を有する。いくつかの実装では、バスバーは、アルミニウム(例えば、アルミニウム合金)を含む。バスバーは、バッテリモジュールの形状及び使用目的に応じて、平坦(例えば、フラット)であってもよいし、又は1又は複数の湾曲部を有していてもよい。
【0029】
本明細書における例は、導通テスタ及び/又は抵抗測定回路を参照する。本開示の目的のために、これらの用語は、例えば電流及び測定電圧を印加すること及び/又は電圧及び測定電流を印加することなどによって、電気抵抗を測定するように構成された器具又は回路を参照するために互換的に使用され得る。例えば、導通テスタ及び/又は抵抗測定回路は、オーム計を含み得る。
【0030】
本明細書における例は、上部又は下部を参照することがある。これら及び類似の表現は、例えば、明示的又は恣意的な観点の概念に基づいて、相対的なやり方でもの又は態様を識別している。すなわち、これらの用語は単なる例示的なものであり、説明の目的のために使用されており、必ずしも可能な位置、方向、向きなどだけを指示するものではない。
【0031】
図1は、工程内ワイヤボンドテストを実行するために例示的なウェッジワイヤボンダ(ボンダ)100を図示するブロック図である。ボンダ100は、複数のウェッジワイヤボンド(例えば、超音波溶接ワイヤボンド)を含むワイヤボンドの電気的相互接続を1又は複数の接触面上に形成すること、及び、例えば導通テスト及び/又は抵抗測定を使用した、成功又は失敗に関してワイヤボンディングプロセス中のそれらのボンドをテストすることを行うために使用され得る。ワイヤボンダ100は例として示されており、他の構造を有するワイヤボンダは、本開示に従って、工程内ワイヤボンドテストを実装するために使用され得る。
【0032】
図1に示されたように、ワイヤボンダ100は、ウェッジボンダヘッド(ボンダヘッド)102、導通/抵抗(テスタ)120、及びワイヤ供給部108を含む。ボンダヘッド102は、ワイヤカッター(カッター)112を含み、これは、1つ多いワイヤボンドを形成する前、間、又はその後に、ボンディングワイヤを切断するために使用され得る。例えば、カッター112は、金属で作製され、導電性を有し得る。テスタ120は、電気的導通をチェックする(例えば、電気抵抗を測定する)ように構成された回路であり得、これは、例えば本明細書に記載された手法でワイヤボンドの成功又は失敗をテストするべく、測定された抵抗を1又は複数の閾値に比較することを含み得る。例えば、いくつかの実装では、テスタ120は、オーム計回路、及び/又は、1又は複数の閾値に対して測定された抵抗を比較するための制御ロジック(例えば、ハードウェア、ファームウェア又はソフトウェアにおいて実装される)を含み得る。
【0033】
ワイヤ供給部108はボンディングワイヤのスプールであり得、ここで、上記スプールは、ボンディングワイヤが巻かれており、ワイヤボンドの形成時にそこからフィードされ得るスピンドルを含む。いくつかの実装では、ボンディングワイヤスプール及び/又はスピンドルは、金属で作製され、導電性であり得る。図1に示されたように、テスタ120は、ワイヤカッター112及びワイヤ供給部108の間において連結され得る。すなわち、テスタ120の第1端末はワイヤカッター112と電気的に連結され得、テスタ120の第2端末はワイヤ供給部108と連結され得る。
【0034】
それに応じて、ボンダ100におけるテスタ120は、ワイヤカッター112(例えば、導電性表面、又は、ワイヤカッター112が接触している電気的接触表面)及びワイヤ供給部108の間の電気的導通性をテストすること及び/又は電気抵抗を測定することを行い得る。具体的な実装に応じて、テスタ120(例えば、テスタ120の第2端末)は、スピンドルに巻かれたボンディングワイヤと直接電気的に連結され得るか、及び/又は、スピンドル(又は関連付けられたスプール)を介してボンディングワイヤと間接的に電気的に連結され得る。図1の例において、ワイヤ供給部108は、電気的アースと連結されている。そのような実装において、テスタ120は、ワイヤカッター112(又はカッターが接触している導電性表面)及び電気的アースの間の導通をテストすること及び/又は電気抵抗を測定することを行い得る。他の実装において、ワイヤ供給部108は、電気的に浮遊していてよい。いくつかの実装では、ワイヤ供給部108は、ワイヤ供給部108が始まる箇所、例えば、ワイヤ供給部108が関連付けられたスピンドル又はスプールに接続される箇所において電気的アースに連結され得る。例えば、スピンドル又はスプールは、電気的アースに連結され得、ワイヤ供給部108は、上記スピンドル及び/又はスプールを介して接地されている。他の実装において、ワイヤ供給部は、ボンダヘッド102及び/又はワイヤカッター112に近接した電気的アースと連結され得る。
【0035】
図2は、本明細書に記載された工程内ワイヤボンドテスト手法を使用して生成され得るバッテリーパックモジュール(モジュール)200の例を概略的に図示する図である。いくつかの実装では、モジュール200は、他のバッテリモジュールと組み合わされ(統合され)得、例えば、電気モータに電力を提供することなどのために、より大きいバッテリー(例えば、バッテリーパック)を形成する。例えば、本明細書に記載された手法は、モジュール200の要素間、例えば、バスバー205及び電気化学電池210a及び210bの間、及び、電気化学電池210及び210bの間などのワイヤボンド電気相互接続を形成するために使用され得る。図2に示された具体的なワイヤボンド電気相互接続は例として与えられており、他のワイヤボンド電気相互接続は、本明細書に記載された手法を使用して、例えば、バッテリーパックモジュール200における異なる要素間において、関連付けられたバッテリーパックにおける電気相互接続のとして又は他の電気デバイスアセンブリにおける電気相互接続のとして形成され得る。
【0036】
図2に示されたように、モジュール200は、バスバー205、電気化学電池210a、及び電気化学電池210bを含む。電気化学電池210aは、(第1)端子212a及びリム214a(例えば、電池210aの第2端末の一部)を含み、その一方、電気化学電池210bは、(第1)端子212b及びリム214b(例えば、電池210aの第2端末の一部)を含む。図2に示されたように、バスバー205は、電気化学電池210aの端子212a及び電気化学電池210bの端子212bと、関連付けられたウェッジ結合を有し得る(例えば、それらのそれぞれのボンディングワイヤの各々の端部において)それぞれのボンディングワイヤの電気相互接続250a及び250cを介して電気的に連結されている。図2にさらに示されたように、電気化学電池210aのリム214aは、電気相互接続250bのワイヤボンドを介して電気化学電池210bのリム214bと電気的に連結されており、ここで、対応するボンディングワイヤは、リム214a及び214bにウェッジボンディングされ得る。
【0037】
図3A図3Dは、工程内ワイヤボンドテストを含む例示的なワイヤボンディングプロセスを概略的に図示する図である。いくつかの実装では、図3A図3Dに示されたプロセスは、図1に示されたボンダ100に従ってワイヤボンダを用いて実装され得る。この例において、ワイヤボンダ(例えば、ワイヤボンダ100)の実装)の要素は、300シリーズの参照番号を使用して参照される。
【0038】
この例において、図3A図3Dによって図示されたワイヤボンディングプロセスを実装するワイヤボンダは、ウェッジワイヤボンダーヘッド(ボンダヘッド)300を含む。ボンダヘッド300は、ワイヤ供給部308(例えば、関連付けられたスプールのスピンドル309に巻かれたボンディングワイヤ)からボンディングワイヤ302を誘導(例えば、フィード)するために使用されているワイヤガイド304を含む。ワイヤガイド304は、金属又は合成材料を含むがこれに限定されない1又は複数の材料で作られてよい。ボンディングワイヤ302(例えば、ワイヤ供給部308からフィードされる)は、ワイヤガイド304を通過するものとして図示されている。いくつかの実装では、スピンドル309(及び関連付けられたスプール)はワイヤボンダーヘッド300に対して回転可能にぶら下げられてよく、これにより、連続した又は間欠的な様式で、ワイヤガイド304を介して、ワイヤ供給部308から、ボンディングワイヤ302が取得されることを可能にするとともに、それにより、ボンディングワイヤ302は、例えば形成中のワイヤボンドの間における移動の方向に基づいて、例えば電気化学電池、バスバー、又はボンディングのための他の電気的接触表面に対して特定の向きを有するようになる。
【0039】
ボンダヘッド300は、ウェッジ310をも含む。ウェッジ310は、リボン状ボンディングワイヤ302を、本明細書に記載された電気的接触表面などの電気的接触表面(例えば、この例における接触面305a及び305b)に結合するために使用され得る。例示的な実装では、ウェッジ310は金属で作られてよい。
【0040】
ワイヤボンダーヘッド300は、ワイヤカッター(カッター)312をも含む。カッター312は、ボンディング前、ボンディング中、又はボンディング後にリボン状ワイヤ302を切断するために使用され得る。例えば、図1のカッター112に関して上述したように、カッター312は、金属で作られ、導電性であってよい。
【0041】
図3A図3Dにも示されたように、導通/抵抗テスタ(テスタ)320は、カッター312と電気的に連結された第1端末(例えば、リード、テストリードなど)及びワイヤ供給部308と連結された第2端末を有し得る。本明細書に記載されたように、テスタ320の第2端末は、直接又は間接などの様々なやり方でワイヤ供給部308のボンディングワイヤ302と電気的に連結され得る。本明細書に記載されたように、カッター312、テスタ320を使用してそれらのワイヤボンドのテストを容易にするようにワイヤボンドが形成された接触面、及び、任意の他の関連付けられた制御ロジック及び対応するワイヤボンダの要素。
【0042】
例えば、図3A図3Dに具体的に示されていないが、関連付けられたワイヤボンディングプロセスを実装するために使用されるワイヤボンダは、図示されたプロセス中にボンダヘッド300を位置付けするためのコンピュータ制御モータなどの他の多数の要素及び/又はシステム、及び、図3A図3Dのプロセスを実装するためにボンダの様々な要素を例えば制御(移動、位置付け、操作など)するための関連付けられた制御ロジックを含み得る。
【0043】
図3Aを参照すると、この例では、接触面305aの上方にボンダヘッドを位置付けした後、ボンディングワイヤ302の一部は、ワイヤ供給部308からワイヤガイド304を介して、ウェッジ310の下にフィードされ得る。ウェッジ310は、ボンディングワイヤ302の一部の上に下げられ、それにより、ボンディングワイヤ302の上記一部は、ウェッジ310及び接触面305aの間にあり得る。次に、ウェッジ310は、ウェッジ310の下のボンディングワイヤ302の一部及び接触面の間にワイヤボンドを形成(例えば、ワイヤボンダに含まれたトランスデューサによって提供される超音波エネルギーを使用して)し得る。図3Aに示されたように、ワイヤボンドの形成中に、カッター312は、接触面305aと接触していない。それに応じて、テスタ320は、その第1端末(カッター312)及びその第2端末(ワイヤ供給部308)の間の開回路(例えば、電気的導通でない)を検出するべきである。図3Aに示されたように位置付けられたカッター312を用いてテスタ320によって開回路が検出されない場合、これは、ワイヤボンディング不良、又は関連付けられたワイヤボンダにおける障害を指示し得る。このイベントでは、ワイヤボンダは、その制御ロジックを使用して、動作を中止し得、これにより、失敗及び/又は障害の根本的な原因は決定され訂正され得る。
【0044】
図3Bを参照すると、図3Aにおけるワイヤボンドを形成した後、カッター312は、接触面305aの上に下げられるとともにそれと電気接触を作り得る(カッター312を下げる前にボンダヘッド300を動かして又は動かさずに、これにより、ボンディングワイヤ302からカッター312を離間させる)。図3Bに図示されたように、次に、テスタ320は、接触面305a及びワイヤ供給部308の間に電気的導通(例えば、低い電気抵抗)があるかどうかを(カッター312)を介して)検出するために使用され得る。例示的な実装において、テスタ320によって測定された抵抗は、(例えば、関連付けられたワイヤボンダのテスタ320又は他の制御ロジックによって)閾値抵抗値と比較され得る。測定された抵抗が閾値より少ない(又はそれと等しい)場合、テスタ320(又は他の制御ロジック)は、図3Aのワイヤボンドが成功裏に形成されたことを決定し得、ワイヤボンディングプロセスは継続され得る。しかしながら、電気的導通(閾値より低い又は閾値における抵抗)が図3Bに示されたように位置付けられたカッター312を用いてテスタ320によって検出されない場合、これは、ワイヤボンディング不良、又は関連付けられたワイヤボンダにおける障害を指示し得る。このイベントでは、ワイヤボンダは、テスタ320からの失敗指示に応じて、及び/又はその制御ロジックを使用して、動作を中止し得、これにより、失敗及び/又は障害の根本的な原因は決定され訂正され得る。
【0045】
図3Cを参照すると、接触面305aへのワイヤボンドが成功裏だったと決定された後、カッター312は、接触面305aから上昇され得、ボンダヘッド300は、第2電気的接触表面、例えば接触面305bの上方の位置に移動され得る。ボンディングワイヤ302は、ボンダヘッドの移動中に(又はその結果として)ワイヤガイド304を介してフィードされ得、これにより、接触面305a及び接触面305bの間のワイヤループを含むボンディングワイヤの電気相互接続を定義する。次に、ウェッジ310はボンディングワイヤ302の上に下げられ得、ワイヤボンド(例えば、ワイヤボンドの電気的相互接続350の第2ワイヤボンド、最後のワイヤボンド)は、ボンディングワイヤ302及び接触面305bの間に形成され得る。図3Cに示されたように、接触面305bへのワイヤボンドを形成した後、そのカッター312はボンディングワイヤ302の上に下げられて、ボンディングワイヤ302を切断してボンディングワイヤの電気相互接続350を完成するように使用され得る。いくつかの実装では、接触面305a及び305b、及び/又は他の接触面への追加のワイヤボンドが、ボンディングワイヤの電気相互接続350に含まれ得る。例えば、いくつかの実装では、ボンディングワイヤの電気相互接続は、3つ又はそれより多くのワイヤボンドを含み得る。
【0046】
図3Dを参照すると、図3Cにおけるワイヤボンドを形成した(及び図3Dに図示されたようにボンディングワイヤ302を切断した)後、カッター312は、接触面305cの上に下げられるとともにそれと電気接触を作り得る(カッター312を下げる前にボンダヘッド300を動かして又は動かさずに、これにより、ボンディングワイヤ302からカッター312を離間させる)。図3Dに図示されたように、次に、テスタ320は、接触面305b及びワイヤ供給部308の間に開回路がある(例えば、電気的導通がない)かどうかを(カッター312)を介して)検出するために使用され得る。例示的な実装において、測定された抵抗は、(例えば、関連付けられたワイヤボンダのテスタ320又は他の制御ロジックによって)閾値抵抗値(図3B)に関して議論されたものと同じ又はそれと異なる閾値抵抗値)と比較され得る。測定された抵抗が閾値より大き(又はそれと等しい)場合、テスタ320(又は関連付けられたワイヤボンダの他の制御ロジック)は、図3Cのワイヤボンドが成功裏に形成された(例えば、ボンディングワイヤが成功裏に切断された)ことを決定し得、ワイヤボンディングプロセスは継続され得る。しかしながら、開回路(閾値より高い又は閾値における抵抗)が図3Dに示されたように位置付けられたカッター312を用いてテスタ320によって検出されない場合、これは、ワイヤボンディング不良、又は関連付けられたワイヤボンダにおける障害を指示し得る。このイベントでは、ワイヤボンダは、テスタ320からの失敗指示に応じて、及び/又はその制御ロジックを使用して、動作を中止し得、これにより、失敗及び/又は障害の根本的な原因は決定され訂正され得る。
【0047】
図4は、例示的な方法400を図示するフローチャートである。方法400は、本明細書の他の箇所で説明される1又は複数の他の例と共に使用され得る。示されているより多い又は少ない動作が実行され得る。別段の指示がない限り、2つ又はそれより多くの動作が異なる順序で実行され得る。
【0048】
動作402において、方法400は、ワイヤボンディング装置(例えば、ワイヤボンダ)に含まれたボンディングワイヤの供給部から、ボンディングワイヤの電気相互接続の第1ワイヤボンドを形成する段階、ここで、第1ワイヤボンドは、第1接触面上に形成されている、を含み得る。動作404において、方法400は、第1接触面を、ワイヤボンディング装置のワイヤボンディングヘッドに含まれたワイヤカッターと電気的に接触させる段階、ここで、ワイヤカッターは導電性である、を含む。いくつかの実装では、ボンダヘッドは、動作404の前に移動され得、これにより、カッターをボンディングワイヤ(ワイヤボンド)から離間させる。動作406において、方法400は、第1接触面及びボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、ワイヤボンディング装置に含まれた導通テスタを用いて測定する段階を含む。動作408において、方法400は、第1接触面及びボンディングワイヤの供給部の間の測定された抵抗が第1閾値抵抗より少ないことに基づいて、本明細書に記載された手法を使用することなどによって、第1ワイヤボンドを形成する段階の成功を決定する段階を含む。
【0049】
動作410において、方法400は、例えば、ボンダヘッドを第2接触面に移動させて、ボンディングワイヤの電気相互接続のワイヤループを形成した後、ボンディングワイヤの供給部から、ボンディングワイヤの電気相互接続の最後のワイヤボンドを形成する段階、ここで、最後のワイヤボンドは第2接触面上に形成されている、を含む。方法400はさらに、動作412において、ボンディングワイヤの電気相互接続に対してワイヤ切断動作を実行する段階を、動作414において、第2接触面をワイヤカッターと電気的に接触させる(例えば、ボンディングワイヤからカッターを離間させるようにボンダヘッドを移動させた後に)段階を含む。動作416において、方法400は、第2接触面及びボンディングワイヤの供給部の間の抵抗を、導通テスタを用いて測定する段階を含む。動作418において、本方法400は、第2接触面及びボンディングワイヤの供給部の間の測定された抵抗が第2閾値抵抗より大きいことに基づいて、最後のワイヤボンドを形成する上記段階の成功を決定する段階を含み得る。
【0050】
動作420では、動作が何も行われなくても、1又は複数の動作が行われてもよい。いくつかの実装では、方法400は、例えば、動作402~418を実行した後、動作420において終了され得る。いくつかの実装では、動作402~418の一部又は全部は、関連付けられたワイヤボンドの工程内テストを含む他のボンディングワイヤの電気相互接続を形成する段階を考慮して、(1又は複数の)動作410において実行され得る。方法400において、図3A図3Dに関して説明されたワイヤボンディングプロセスと同様に、動作408又は418においてワイヤボンドの成功が検出されない(例えば、ワイヤボンド動作が失敗した)場合、関連付けられたワイヤボンダは、テスタからの失敗指示に応じて及び/又はその制御ロジックを使用して動作を中止させ、これにより、失敗及び/又は障害の根本的な原因が決定され訂正され得るようにし得る。
【0051】
本明細書を通して使用される「実質的に(substantially)」、「約(about)」、及び「およそ(approximately)」という用語は、例えば加工におけるばらつきに起因する、小さな変動を説明及び考慮するために使用される。例えば、それらは、±5%より小さい又はそれに等しいこと、例えば±2%より小さい又はそれに等しいこと、例えば±1%より小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.5%より小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.2%より小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.1%より小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.05%より小さい又はそれに等しいことを指し得る。また、本明細書で使用される場合、「a」又は「an」などの不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0052】
上記の概念及び下記でより詳細に議論される追加の概念の全ての組み合わせが(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)、本明細書で開示する本発明の主題の一部であるとして企図されることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせが、本明細書において開示される本発明の主題の一部であると想定される。
【0053】
複数の実装について説明してきた。それにもかかわらず、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。
【0054】
加えて、図に示す論理フローは、望ましい結果を達成するために、示した特定の順序、又は連続した順序を必要としない。加えて、他のプロセスが提供されてよく、又は説明されたフローからプロセスが排除されてよく、説明されたシステムに他のコンポーネントが追加されてよく、又は説明されたシステムから他のコンポーネントが削除されてよい。したがって、他の実装が以下の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれる。
【0055】
説明した実装の特定の特徴が、本明細書に記載されたように図示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者には思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、これらの実装の範囲に入る全てのそのような修正及び変更を包含するように意図されていることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる例として提示されており、形態及び詳細の様々な変更が行われてよいことが理解されるべきである。相互に排他的な組み合わせを除き、本明細書に記載された装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わされてよい。本明細書に記載された実装形態は、説明された異なる実装形態の機能、コンポーネント、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含み得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
【国際調査報告】