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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】治療用ペプチドの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/08 20190101AFI20241219BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 1/10 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 13/00 20060101ALI20241219BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20241219BHJP
   C07K 7/08 20060101ALN20241219BHJP
   C07K 7/06 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
A61K38/08
A61K38/10
A61P25/18
A61P29/00
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P1/00
A61P1/04
A61P1/10
A61P25/04
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P25/06
A61P25/30
A61P25/36
A61P25/32
A61P25/34
A61P25/24
A61P25/20
A61P25/22
A61P13/10
A61P15/10
A61P13/00
A61P25/08
C07K7/08 ZNA
C07K7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536119
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 US2022081558
(87)【国際公開番号】W WO2023114846
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/289,915
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524226645
【氏名又は名称】ヴィアージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グラチェフ, イゴール
(72)【発明者】
【氏名】ファン, スイン
(72)【発明者】
【氏名】耕田 孝英
(72)【発明者】
【氏名】マーク, ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】西田 尚史
(72)【発明者】
【氏名】大日向 耕作
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA18
4C084MA52
4C084ZA01
4C084ZA02
4C084ZA05
4C084ZA06
4C084ZA08
4C084ZA12
4C084ZA15
4C084ZA16
4C084ZA18
4C084ZA22
4C084ZA24
4C084ZA30
4C084ZA66
4C084ZA68
4C084ZA72
4C084ZA73
4C084ZA81
4C084ZA96
4C084ZB11
4C084ZB15
4C084ZC39
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA13
4H045BA14
4H045BA15
4H045BA16
4H045BA17
4H045EA21
(57)【要約】
(a)炎症性疾患もしくは障害、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患、消化管疾患もしくは障害、疼痛、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置することにおける使用のための、5~15個のアミノ酸を有し、かつアミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、ペプチドおよび薬学的に受容可能なその塩、ならびにペプチド結合体および薬学的に受容可能なその塩。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)統合失調症もしくは精神病、炎症性疾患もしくは障害、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置する、(b)被験体において睡眠を改善する、または(c)被験体において認知を改善する方法であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記被験体は、上昇したTNF-αレベルを有し、前記方法は、前記被験体に、有効量のペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩を投与する工程を包含し、ここで前記ペプチドは:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、
方法。
【請求項2】
前記ペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩のアミノ酸配列は、LSSTQAQQSY (配列番号2)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩は経口投与される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(a)統合失調症もしくは精神病、炎症性疾患もしくは障害、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置する、(b)被験体において睡眠を改善する、または(c)被験体において認知を改善する方法であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記被験体は、上昇したTNF-αレベルを有し、前記方法は、前記被験体に、有効量のペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩を投与する工程を包含し、ここで前記ペプチド結合体は結合体部分に結合されたペプチド部分を含み、前記ペプチド部分は:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、
方法。
【請求項5】
前記ペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩は経口投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記被験体は、統合失調症または精神病に罹患しているかまたはそのリスクにある、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記被験体は、統合失調症に罹患している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記被験体は、精神病的行動を示す、請求項6~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記処置する工程は、統合失調症または精神病の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記1またはこれより多くの陰性症状は、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害、またはこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記処置する工程は、前記被験体における認知欠陥を改善するかまたはその進行を遅らせることを含み、必要に応じてここで前記認知欠陥は、言語性ワーキングメモリ、空間性ワーキングメモリ、言語の流暢さ、言語学習、またはこれらの組み合わせにおける欠陥を含む、請求項6~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記被験体は、神経変性疾患に罹患しており、前記神経変性疾患は、必要に応じて、パーキンソン病、アルツハイマー病、またはALSである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記処置する工程は、前記神経変性疾患の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1またはこれより多くの陰性症状は、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害またはこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記被験体は、パーキンソン病に罹患している、請求項1~5および12~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記処置する工程は、前記被験体のパーキンソン病の1またはこれより多くの非運動症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1またはこれより多くの非運動症状は、感覚症状、認知症状、自律神経症状、またはこれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1またはこれより多くの感覚症状は、痺れ、不穏状態、疼痛、胸部不快感、嗅覚脱失、またはこれらの組み合わせを含む;前記1またはこれより多くの認知症状は、気分変化、うつ病、不安、パニック発作、疲労、混乱、思考の緩徐化、またはこれらの組み合わせを含む;前記1またはこれより多くの自律神経症状は、熱感/冷感、膀胱の問題、発汗、腹部不快感、便秘、流涎、頻尿および/または尿意促迫、勃起障害、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1またはこれより多くの非運動症状は、認知欠陥および/または認知障害、うつ病、不安、疲労、無関心、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記被験体は、消化管疾患もしくは障害に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記被験体は、過敏性腸症候群に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記被験体は、炎症性腸疾患に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記被験体は、クローン病に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記被験体は、便秘に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記被験体は、疼痛に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記被験体は、内臓痛に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記被験体は、関節リウマチに罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記被験体は、片頭痛に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記被験体は、頭痛に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体は、物質乱用に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記被験体は、物質使用障害に罹患しており、必要に応じてここで前記物質使用障害は、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、またはタバコ使用障害である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記被験体は、薬物嗜癖に罹患しており、必要に応じて前記薬物嗜癖は、オピオイド嗜癖、コカイン嗜癖、またはベンゾジアゼピン嗜癖である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記被験体は、発作性障害に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記発作性障害は、てんかんである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記てんかんは、孤発性てんかんである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記被験体は、大うつ病性障害に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記被験体は、非定型うつ病に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記被験体は、大うつ病エピソード(MDE)(例えば、非定型MDE)に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記被験体は、処置抵抗性うつ病に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記被験体は、神経変性疾患の存在下でのうつ病に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記被験体は、認知障害に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記認知障害は、軽度認知障害である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記被験体は、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記被験体は、アルツハイマー病に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記被験体は、ADHDに罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記被験体は、自閉症スペクトラム障害に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記被験体は、広汎性発達障害に罹患しており、前記広汎性発達障害は、必要に応じて、アスペルガー症候群またはレット症候群である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記被験体は、非定型自閉症に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記被験体は、多発性硬化症に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記被験体は、PTSDに罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記被験体は、睡眠障害に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記被験体は、不眠症に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記被験体は、日中の疲労に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記被験体は、REM睡眠行動障害に罹患している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記処置する工程は、被験体において睡眠を改善することを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩またはペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約50mg/日~750mg/日または約60mg/日~約540mg/日の用量で投与される、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記用量は、60mg/日、180mg/日、または540mg/日である、請求項56に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月15日出願の米国仮特許出願第63/289,915号(その内容は、全体において本明細書に参考として援用される)の優先権の利益を主張する。
【0002】
2.配列表
本出願は、電子的に提出され、その全体において本明細書に参考として援用される配列表XMLを含む。上記配列表XML(作成日: 2022年12月9日)は、名称DGS-005WO_SL.xmlであり、大きさは37,105バイトである。
【背景技術】
【0003】
3.背景
PCT国際公開番号WO 2016/140277およびWO 2018/047852は、精神障害(例えば、気分障害、不安障害、および動機減少障害(disorder of diminished motivation)を処置するために有用であるペプチドおよびペプチド結合体、例えば、LSSTQAQQSY(配列番号2)を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/140277号
【特許文献2】国際公開第2018/047852号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
4.要旨
本開示は、部分的に、WO 2016/140277およびWO 2018/047852に記載されるペプチドおよびペプチド結合体の生物学的活性の新たな洞察に基づく。具体的には、驚くべきことに、ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)が以前に報告されたものを超える生物学的活性を有することが発見された。例えば、ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)で行った微小透析試験(7節で詳述される)は、上記ペプチドの経口投与が、驚くべきことに、脳におけるある種の神経伝達物質(ヒスタミンおよびノルエピネフリンが挙げられる)のレベルに影響を及ぼすことを明らかに示した。理論によって拘束されないが、これらの神経伝達物質は、種々の疾患、障害、および状態、例えば、統合失調症および神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)、ならびに特に、これらの疾患と関連する陰性症状と関連すると考えられる。さらに、リポポリサッカリド誘導性炎症モデルにおけるペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)で行った試験(同様に、7節に詳述される)は、上記ペプチドの経口投与が、驚くべきことに、種々の疾患(関節リウマチおよび炎症性腸疾患が挙げられる)と関連する炎症性サイトカインであるTNF-αの放出を抑制することを明らかに示した。さらになお、スコポラミン誘導性記憶障害モデルにおいてペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)で行った試験(同様に、7節に詳述される)は、上記ペプチドの経口投与が、驚くべきことに、記憶の改善をもたらすことを明らかに示した。さらになお、ヒト被験体においてペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)で行った試験(同様に、7節に詳述される)は、上記ペプチドの経口投与が、認知促進効果を提供することを明らかに示した。従って、7節に記載される試験は、本明細書で記載されるペプチドおよびペプチド結合体が、WO 2016/140277およびWO 2018/047852に記載されるものを超えて、疾患、障害、および状態を処置するために使用され得ることを示す。
よって、いくつかの局面において、本開示は、迷走神経刺激ならびに/またはヒスタミンおよび/もしくはノルエピネフリンレベルの調節ならびに/またはTNF-αの調節による処置に適う疾患、障害および状態を処置するための方法を提供する。種々の局面において、本開示は、炎症性疾患もしくは状態、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、もしくは筋萎縮性側索硬化症(ALS))、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害(polysubstance use disorder)、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖(例えば、オピオイド、例えば、モルフィン、ヘロイン、オキシコドン、もしくはフェンタニル;コカイン;またはベンゾジアゼピン、例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、もしくはクロナゼパム)、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)(例えば、非定型MDE)、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、もしくはALS)の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/もしくはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、特定不能の広汎性発達障害(非定型自閉症ともいわれる)、多発性硬化症、外傷後ストレス障害(PTSD)、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、もしくはREM睡眠行動障害)に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置する方法、および睡眠を改善する方法、本明細書で記載されるペプチドもしくはその塩、ペプチド結合体もしくはその塩、または薬学的組成物(集合的に、本明細書で便宜的に「本開示の化合物および組成物」といわれる)をその必要性のある被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記被験体は上昇したTNF-αレベルを有する。
【0006】
さらなる局面において、本開示は、本明細書で記載される処置方法における使用のための本開示の化合物および組成物を提供する。
【0007】
さらなる局面において、本開示は、本明細書で開示される疾患または状態を有するかまたはその発生のリスクにある被験体を処置するための医薬の製造における本開示の化合物および組成物の使用を提供する。
【0008】
処置方法、処置方法における使用のための化合物および組成物、ならびに使用の例示的な特徴は、6.4節および後出の番号付けした実施形態1~461に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
5.図面の簡単な説明
図1-1】図1A~1Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス前頭前皮質における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図1A: ヒスタミン; 図1B: ノルエピネフリン; 図1C: GABA; 図ID: グルタメート; 図IE: グリシン; 図1F: ドパミン; 図1G: セロトニン。
図1-2】図1A~1Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス前頭前皮質における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図1A: ヒスタミン; 図1B: ノルエピネフリン; 図1C: GABA; 図ID: グルタメート; 図IE: グリシン; 図1F: ドパミン; 図1G: セロトニン。
図1-3】図1A~1Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス前頭前皮質における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図1A: ヒスタミン; 図1B: ノルエピネフリン; 図1C: GABA; 図ID: グルタメート; 図IE: グリシン; 図1F: ドパミン; 図1G: セロトニン。
図1-4】図1A~1Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス前頭前皮質における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図1A: ヒスタミン; 図1B: ノルエピネフリン; 図1C: GABA; 図ID: グルタメート; 図IE: グリシン; 図1F: ドパミン; 図1G: セロトニン。
【0010】
図2-1】図2A~2Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス線条体における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図2A:ヒスタミン; 図2B:ノルエピネフリン; 図2C:GABA; 図2D:グルタメート; 図2E:グリシン; 図2F:ドパミン; 図2G:セロトニン。
図2-2】図2A~2Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス線条体における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図2A:ヒスタミン; 図2B:ノルエピネフリン; 図2C:GABA; 図2D:グルタメート; 図2E:グリシン; 図2F:ドパミン; 図2G:セロトニン。
図2-3】図2A~2Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス線条体における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図2A:ヒスタミン; 図2B:ノルエピネフリン; 図2C:GABA; 図2D:グルタメート; 図2E:グリシン; 図2F:ドパミン; 図2G:セロトニン。
図2-4】図2A~2Gは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与前および経口投与後のマウス線条体における神経伝達物質レベルを示す(実施例1)。図2A:ヒスタミン; 図2B:ノルエピネフリン; 図2C:GABA; 図2D:グルタメート; 図2E:グリシン; 図2F:ドパミン; 図2G:セロトニン。
【0011】
図3図3は、リポポリサッカリドおよびペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)の投与後の血漿TNF-αレベルを示す(実施例2)。
【0012】
図4図4は、マウスにおける工程ダウン抑制性回避試験(step-down inhibitor avoidance test)の潜時を示す(n=10、平均±SEM)(実施例5)。**モデル群に対してP<0.01、*モデル群に対してP<0.05(対にした比較のためのt検定)。
【0013】
図5図5は、AVPR1A/AVPR2インヒビターであるコニバプタンが尾懸垂試験においてLSSTQAQQSY(配列番号2)活性を遮断することを示す(実施例6)。
【0014】
図6図6は、AVPR1A/AVPR2インヒビターであるコニバプタンの低用量が尾懸垂試験においてLSSTQAQQSY(配列番号2)活性を遮断することを示す(実施例6)
【0015】
図7図7は、AVPR2インヒビターであるトルバプタンが、尾懸垂試験においてLSSTQAQQSY(配列番号2)活性を遮断しないことを示す(実施例6)。
【0016】
図8図8は、AVPR1A/Bインヒビターであるネリバプタンが、尾懸垂試験においてLSSTQAQQSY(配列番号2)活性を遮断することを示す(実施例6)。
【0017】
図9図9は、PHQ-9質問票の全体的な結果に対して、プラシーボに対する60mg/日(MAD1)、180mg/日(MAD2)、または540mg/日(MAD3)の用量の効果を示す(実施例7)。
【0018】
図10図10は、精神運動機能のCogState検出試験(CogState Detection Test)(DET)に対して、プラシーボに対する60mg/日(MAD1)、180mg/日(MAD2)、または540mg/日(MAD3)の用量の効果を示す(実施例7)。
【0019】
図11図11は、実行機能のCogStateグロトン迷路学習試験(CogState Groton Maze Learning Test)(GMLT)に対して、プラシーボに対する60mg/日(MAD1)、180mg/日(MAD2)、または540mg/日(MAD3)の用量の効果を示す(実施例7)。
【0020】
図12図12は、注意のCogState識別試験(CogState Identification Test)(IDN)に対して、プラシーボに対する60mg/日(MAD1)、180mg/日(MAD2)、または540mg/日(MAD3)の用量の効果を示す(実施例7)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
6.詳細な説明
6.1 定義
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電性極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン)を有するアミノ酸を含む。ある特定の実施形態において、全てのアミノ酸置換は、配列番号42と比較した場合に、保存的である。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「陰性症状(negative symptom)」とは、被験体が正常な機能を果たす能力における欠陥に言及する。例えば、統合失調症に罹患している被験体における陰性症状の例としては、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化(affective flattening)、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、うつ病、気分の低下(low mood)、および認知障害が挙げられる。陰性症状、例えば、前述の陰性症状のうちの1またはこれより多くのものがまた、他の疾患に罹患している被験体、例えば、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、またはALS)を有する被験体によって経験され得る。このような被験体における一般的な陰性症状としては、無快感症、無関心、うつ病、および認知障害が挙げられる。
【0023】
本明細書で使用される場合、パーキンソン病の「非運動症状(non-motor symptom)とは、運動に関連しない症状をいう。非運動症状としては、例えば、認知症状(例えば、気分変化、うつ病、不安、パニック発作、疲労(tiredness)、混乱、および思考の緩徐化)、感覚症状(例えば、痺れ、不穏状態、疼痛、胸部不快感、および嗅覚脱失)、および自律神経症状(例えば、熱感/冷感、膀胱の問題、発汗、腹部不快感、便秘、流涎、頻尿および/または尿意促迫)、ならびに勃起障害が挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「処置する」、「処置」、および「処置すること」とは、本開示の化合物または組成物の投与から生じる、疾患、障害、または状態の1またはこれより多くの症状(好ましくは、1またはこれより多くの認識できる症状)の進行または重篤度の低減または改善に言及する。具体的実施形態において、用語「処置する」、「処置」および「処置すること」とは、疾患、障害、または状態の少なくとも1つの測定可能な身体的パラメーターの改善に言及する。他の実施形態において、用語「処置する」、「処置」および「処置すること」とは、疾患、障害、または状態の1またはこれより多くの症状の進行を遅らせることに言及する。
【0025】
6.2 ペプチドおよびペプチド結合体
本開示の組成物および方法において使用され得るペプチドは、5~15アミノ酸の長さであり、アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する。ある特定の実施形態において、上記ペプチドは、5~8、6~10、7~11、8~12、9~13、10~14、11~15または12~15アミノ酸の長さである。例示的なペプチドおよびその塩は、6.2.1節に記載される。
【0026】
ペプチド結合体およびその塩はまた、本開示の組成物および方法において使用され得る。上記ペプチド結合体は、1またはこれより多くの(例えば、1個、2個または3個の)結合体部分に結合されるペプチド部分を含む。上記ペプチド部分は、5~15アミノ酸の長さであり得、アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含み得る。ある特定の実施形態において、上記ペプチド部分は、5~8、6~10、7~11,8~12、9~13、10~14、11~15または12~15アミノ酸の長さである。例示的なペプチド結合体およびその塩は、6.2.2節に記載される。
【0027】
6.2.1 ペプチド
本開示の組成物および方法において使用され得るペプチドおよびその塩は、アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むまたはからなるアミノ酸配列を有する。本明細書で記載される実施形態が、「ペプチド」に言及する場合、その実施形態は、文脈によって別段必要とされなければ、その実施形態が表現「またはその塩」もしくは類似のものを明示的に記載していない場合があるとしても、ペプチド自体、および上記ペプチドの塩を包含することが理解されるべきである。
【0028】
ペプチドは、5~15アミノ酸(すなわち、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸)の長さであり得る。いくつかの実施形態では、ペプチドは5アミノ酸の長さであり、他の実施形態では、ペプチドは6アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは7アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは8アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは9アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは10アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは11アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは12アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは13アミノ酸の長さであり、他の実施形態では、ペプチドは14アミノ酸の長さである、他の実施形態では、ペプチドは15アミノ酸の長さである、
【0029】
ペプチドは、概して、アミノ酸配列LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むまたはそれからなる。したがって、いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SSTQA(配列番号5)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列STQAQ(配列番号6)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列TQAQQ(配列番号7)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列QAQQS(配列番号8)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列AQQSW(配列番号9)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列またはAQQSF(配列番号10)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQ(配列番号11)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列AQQSY(配列番号12)を含むまたはそれからなる。
【0030】
ある特定の局面において、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも6個連続するアミノ酸を含むまたはそれからなる。したがって、いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQA(配列番号13)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SSTQAQ(配列番号14)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列STQAQQ(配列番号15)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列TQAQQS(配列番号16)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列QAQQSY(配列番号17)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列QAQQSW(配列番号18)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列QAQQSF(配列番号19)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列WLSSTQ(配列番号20)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列AQQSYW(配列番号21)を含むまたはそれからなる。
【0031】
他の局面において、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも7個連続するアミノ酸を含むまたはそれからなる。したがって、いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQ(配列番号22)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SSTQAQQ(配列番号23)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列STQAQQS(配列番号24)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列TQAQQSY(配列番号25)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列TQAQQSW(配列番号26)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列TQAQQSF(配列番号27)を含むまたはそれからなる。
【0032】
なお他の局面において、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも8個連続するアミノ酸を含むまたはそれからなる。したがって、いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQ(配列番号28)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SSTQAQQS(配列番号29)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列STQAQQSY(配列番号30)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列STQAQQSW(配列番号31)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列STQAQQSF(配列番号32)を含むまたはそれからなる。
【0033】
なおさらなる局面において、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも9個連続するアミノ酸を含むまたはそれからなる。したがって、いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SSTQAQQSW(配列番号33)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SSTQAQQSF(配列番号34)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQS(配列番号35)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SSTQAQQSY(配列番号36)を含むまたはそれからなる。
【0034】
なおさらなる局面において、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSX(配列番号1)からの10個連続するアミノ酸を含むまたはそれからなり、10、11、12、13、14、または15アミノ酸の長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSY(配列番号2)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSW(配列番号3)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列LSSTQAQQSF(配列番号4)を含むまたはそれからなる。
【0035】
他の実施形態では、ペプチドは、LSSTQAQQSYW(配列番号38)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、WLSSTQAQQSY(配列番号39)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、WLSSTQAQQSYW(配列番号40)を含むまたはそれからなる。他の実施形態では、ペプチドは、ESFFLSSTQAQQSY(配列番号41)を含むまたはそれからなる。
【0036】
6~15アミノ酸の長さであるペプチド(すなわち、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸の長さであるペプチド)は、例えば、先に記載される実施形態のうちの1つにおいて特定されたアミノ酸配列(すなわち、配列番号1からの少なくとも5個、6個、7個、8個、9個、または10個連続するアミノ酸を有する配列を含む)およびダイズ貯蔵タンパク質β-コングリシニンにおける配列LSSTQAQQSY(配列番号2)に天然に隣接する1またはこれより多くのアミノ酸を含み得る。例えば、アミノ酸配列 LSSTQ(配列番号11)を含み、かつ6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸の長さであるペプチドは、β-コングリシニンの配列におけるLSSTQAQQSY(配列番号2)に対してN末端側にある1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のアミノ酸に相当する、LSSTQ(配列番号11)配列に対してN末端側にあるアミノ酸配列を含み得る。別の例として、アミノ酸配列 AQQSY(配列番号12)を含みかつ6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のアミノ酸の長さであるペプチドは、β-コングリシニンの配列におけるLSSTQAQQSY(配列番号2)に対してC末端側にある、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のアミノ酸に相当するAQQSY(配列番号12)に対してC末端側にあるアミノ酸配列を含み得る。
【0037】
NKPGRFESFFLSSTQAQQSXLQGFSKNILE(ここでXは、Y、W、またはFである)(配列番号42)は、β-コングリシニンの配列に存在するN末端およびC末端の各々において10アミノ酸が隣接するLSSTQAQQSX(配列番号1)からなる30マーペプチドである。従って、配列番号42における最初の10アミノ酸は、β-コングリシニンの配列におけるLSSTQAQQSY(配列番号2)に対してN末端側の10アミノ酸を表し、配列番号42における最後の10アミノ酸は、β-コングリシニンの配列におけるLSSTQAQQSY(配列番号2)に対してC末端側の10アミノ酸を表す。
【0038】
ある特定の局面において、本開示の組成物および方法において使用されるペプチドの配列は、配列番号42に由来する。よって、本開示は、5~15アミノ酸の長さでありかつ配列番号42からの5~15個連続するアミノ酸を含むかまたはからなるペプチドを提供するが、ただし、上記ペプチドは、アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含む。
【0039】
配列番号42に対する配列バリエーションを有するペプチドがまた、本明細書で企図される。よって、他の実施形態において、上記ペプチドは、配列番号42からの5~15個連続するアミノ酸からなるアミノ酸配列と比較して、1またはこれより多くのアミノ酸置換を含むアミノ酸配列を有し得るが、ただし上記ペプチドは、置換されていないアミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含む。所定のペプチドが配列番号42における5~15個連続するアミノ酸からなる配列に対して有し得るアミノ酸置換の最大数は、そのペプチドの長さに応じて変動し得、6アミノ酸の長さであるペプチドに関しては1個のアミノ酸置換から、15アミノ酸の長さであるペプチドに関しては10個のアミノ酸置換までの範囲に及び得るが、ただし、上記ペプチドは、置換されていないアミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含む。許容され得るアミノ酸置換としては、保存的アミノ酸および/またはアミノ酸アナログでの置換が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
好ましくは、配列番号42における相当する配列と比較して、1またはこれより多くのアミノ酸置換を有するペプチドは、配列番号42における相当するアミノ酸と比較して、1個、2個、3個、4個、5個またはこれより多くの保存的アミノ酸置換を有する。
【0041】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、上記ペプチドのN末端および/またはC末端において芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、またはチロシン)を有する。いくつかの実施形態において、本開示のペプチドは、C末端にあって、N末端にはない芳香族側鎖を有するアミノ酸を有する。いくつかの実施形態において、上記ペプチドは、C末端のトリプトファンを有する。
【0042】
配列番号42における相当すると比較してアミノ酸置換を有するペプチドは、1またはこれより多くのアミノ酸アナログ(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸アナログ)を含み得る。一般に、本明細書で使用される場合、アミノ酸とは、天然に存在するL-立体異性体に言及し、いくつかの実施形態において、上記ペプチド中のアミノ酸の各々は、天然に存在するL立体異性体である。アミノ酸アナログとは、D-立体異性体または非天然のアミノ酸に言及する。例えば、非天然のアミノ酸としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない: アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、三級ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフトアラニン(naphthalanine)、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸およびチオプロリン。
【0043】
上記ペプチドは、完全にL-アミノ酸、完全にD-アミノ酸、またはL-アミノ酸およびD-アミノ酸の混合物であり得る。完全にL-アミノ酸であるペプチドが好ましい。2またはこれより多くの不斉炭素原子を含むペプチドは、任意の比にあるエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物の任意の形態であり得る。
【0044】
上記ペプチドは、好ましくは薬学的に受容可能である対イオン(例えば、クロリド、スルフェート、シトレート、ホスフェート、アセテート、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)を含む塩の形態にあり得る。ペプチド塩は、酸付加塩または塩基付加塩であり得る。酸付加塩を作製するために使用され得る例示的な酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、過塩素酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロ酢酸が挙げられる。いくつかの実施形態において、上記ペプチドは、塩酸塩の形態にある。塩基付加塩を作製するために使用され得る例示的な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属の塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化カルシウム)およびアルカリ土類金属塩の塩基(例えば、水酸化マグネシウム)が挙げられる。薬学的に受容可能な塩を作製するために使用され得るさらなる酸および塩基は、Stahl and Wermuth, 編, 2008, Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, Switzerland(その内容は、それらの全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。
【0045】
上記ペプチドは、当該分野で公知の方法に従って、例えば、液相ペプチド合成または固相ペプチド合成によって得られる(例えば、Benoiton, N., 2006, Chemistry of Peptide Synthesis, CRC Press, Baca Raton, FL; Howl, J., 編, 2005, Peptide Synthesis and Applications, Humana Press, Totowa, NJ; Chan and White, 編, 2000, Fmoc Solid Phase Synthesis: A Practical Approach, Oxford University Press, Oxford, UKに記載される)。特注のペプチド合成はまた、多くの供給業者から商業的に利用可能である(例えば、ABI Scientific(Sterling, VA); AnaSpec(Freemont CA); Pepscan, (Lelystad, Netherlands), Neo Scientific(Cambridge, MA); Sigma-Aldrich(St. Louis, MO))。
【0046】
6.2.2 ペプチド結合体
本開示の組成物および方法において使用され得るペプチド結合体およびその塩は、ペプチド部分および結合体部分を含む。ペプチドへの結合体部分の結合は、非結合体化ペプチドと比較して、例えば、改善された水溶解度、改善された安定性、および低減したクリアランスを提供し得る(Hamley, 2014, Biomacromolecules 15:1543-1559)。従って、ペプチド結合体は、場合によっては、それらの非結合体化の対応物と比較して、治療剤としてより適切であり得る。例示的なペプチド部分は、6.2.2.1節に記載され、例示的な結合体部分は、6.2.2.2節に記載される。本明細書に記載される実施形態が「ペプチド結合体」に言及する場合、上記実施形態は、文脈によって別段要求されなければ、その実施形態が表現「またはその塩」または類似のものを明示的に記載していない場合があるとしても、ペプチド結合体自体、およびペプチド結合体の塩を包含することが理解されるべきである。用語「ペプチド結合体」が、本明細書で使用される場合、そのアミノ酸配列が天然に存在するペプチドまたはタンパク質において見出される連続するアミノ酸配列に相当するペプチドを包含せず、ここで上記アミノ酸配列の部分が任意に「ペプチド部分」と称され、上記ペプチド配列の別の部分が任意に「結合体部分」と称されることは、さらに理解されるべきである。
【0047】
6.2.2.1 ペプチド部分
ペプチド部分は、アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むまたはからなるアミノ酸配列を有する。上記ペプチド部分は、1またはこれより多くの結合体部分(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個の結合体部分)に結合(すなわち、共有結合)される。6.2.1節およびWO 2018/047852(その内容は、それらの全体において本明細書に参考として援用される)に記載されるペプチドは、ペプチド部分として使用され得る。
【0048】
6.2.2.2 結合体部分
上記ペプチド結合体は、上記ペプチド部分に結合される1またはこれより多くの結合体部分(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個の結合体部分)を含む。上記結合体部分は、N末端アミノ酸、C末端アミノ酸、N末端アミノ酸もしくはC末端アミノ酸のいずれでもないアミノ酸、またはこれらの組み合わせに結合され得る。例えば、ペプチド結合体は、1個の結合体部分を含み得る。好ましくは、上記結合体部分は、上記ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合されるか、または上記ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合されるかのいずれかである。別の例として、ペプチド結合体は、2個の結合体部分を含み得、そのうちの一方は、好ましくは、上記ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合され、そのうちの他方は、好ましくは、上記ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合される。
【0049】
上記ペプチド結合体が複数の結合体部分を含む実施形態において、上記結合体部分の各々は、同じであり得るか、上記結合体部分のうちのいくつかは、同じであり得、他のものは異なり得るか、または結合体部分の全てが異なり得る。例えば、2つの結合体部分を有するペプチド結合体は、2つの同じ結合体部分を有し得る。あるいは、2つの結合体部分を有するペプチド結合体は、2つの異なる結合体部分を有し得る。別の例として、3つの結合体部分を有するペプチド結合体は、3つの同じ結合体部分、3つの異なる結合体部分、または2つの同じ結合体部分および1つの異なる結合体部分を有し得る。
【0050】
結合体部分は、例えば、上記ペプチド部分のアミノ酸側鎖、その骨格、そのN末端アミノ基、またはそのC末端カルボン酸基のうちの1つにおいてペプチド部分に結合され得る。例えば、結合体部分は、化学的に改変されたアミノ酸(例えば、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S-(カルボキシメチル)-システイン、S-(カルボキシメチル)-システインスルホキシドおよびS-(カルボキシメチル)-システインスルホン)を形成するために、アミノ酸側鎖に結合され得る。他の側鎖改変としては、リジンε-アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジン、またはリジンのN-アルキル化、およびグルタミン酸またはアスパラギン酸のカルボン酸基のアルキル化が挙げられる。結合体部分は、上記ペプチド骨格に、例えば、骨格中の窒素原子に結合され得る(例えば、メチル結合体部分は、上記ペプチドを合成するために、N-メチルアミノ酸を使用することによってペプチド結合体の骨格へと導入され得る)。結合体部分は、例えば、N-低級アルキル、N-ジ-低級アルキル、またはN-アシル改変を有するN末端を提供するために、上記ペプチド部分のN末端アミノ基に結合され得る。結合体部分は、例えば、結合体のC末端においてアミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、または低級アルキルエステルを有するペプチド結合体を提供するために、C末端カルボキシ基に結合され得る。低級アルキルとは、C-Cアルキルをいう。
【0051】
上記ペプチド結合体において使用され得る例示的な結合体部分としては、ポリマー、アミン基(例えば、アミノ(-NH)、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ)、アシル基(例えば、ホルミルまたはアセチル)、アルキル基(例えば、C-Cアルキル)、ホスフェート基、脂質および糖が挙げられる。
【0052】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ポリマーを含む。結合体部分として使用され得る例示的なポリマーとしては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸-co-グリコール酸、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー、ポリグルタミン酸、およびポリサッカリドが挙げられる。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ポリビニルピロリドンを含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ポリ乳酸-co-グリコール酸を含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ポリグルタミン酸を含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ポリサッカリドを含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、アミン基を含む。例示的なアミン基としては、アミノ(-NH)、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノ基が挙げられる。上記アルキル基は、例えば、C-Cアルキルであり得る。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、アミノ基を含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、アルキルアミノ基を含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ジアルキルアミノ基を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、アシル基を含む。例示的なアシル基としては、ホルミル基およびアセチル基が挙げられる。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、ホルミル基を含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、アセチル基を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、アルキル基を含む。例示的な実施形態において、上記アルキル基は、低級アルキル基(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、メチル基を含む。いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、エチル基を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、例えば、セリン、スレオニン、またはチロシンの側鎖に結合されたホスフェート基を含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、脂質を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体中の結合体部分のうちの少なくとも1個、1個より多くのもの、または全ては、糖を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、上記ペプチド結合体は、PCT国際公報番号WO 2016/140277A1またはWO 2018/047852(これらの内容は、それらの全体において本明細書に参考として援用される)に記載される上記ペプチド改変のうちの1またはこれより多くのものを含む。
【0060】
結合体部分をペプチド部分に結合するためのプロセスは、当該分野で公知であり、本明細書で記載されるペプチド結合体を得るために使用され得る(例えば、Basleら, 2010, Chemistry & Biology 17:213-227; Benoiton, N., 2006, Chemistry of Peptide Synthesis, CRC Press, Boca Raton, FL; Ernst and Leumann, 編, 1995, Modem Synthetic Methods, Verlag Helvetica Chimica Acta, Basel, Switzerland; Hamley, 2014, Biomacromolecules 15:1543” 1559; Lundblad, R., 1995, Techniques in Protein Modification, CRC Press, Boca Raton, FLに記載されるとおり)。ペプチド結合体の特注の合成はまた、例えば、N末端結合体部分(例えば、アセチル基、ホルミル基、脂肪酸、およびアルキルアミノ基)を有するペプチド、C末端結合体部分(例えば、アミド基、アルキルアミノ基、およびアルキル基)を有するペプチド、脂肪酸に結合体されたペプチド、ポリエチレングリコールに結合体化されたペプチド、およびホスフェート結合体部分を有する(例えば、ホスホセリン、ホスホスレオニンまたはホスホチロシンを含む)ペプチドを種々に提供する、多くの供給業者から商業的に利用可能である(例えば、ABI Scientific(Sterling, VA); AnaSpec(Freemont CA); Pepscan,(Lelystad, Netherlands)、Neo Scientific(Cambridge, MA); Sigma-Aldrich(St. Louis, MO)。
【0061】
上記ペプチド結合体は、好ましくは、薬学的に受容可能な対イオン(例えば、クロリド、スルフェート、シトレート、ホスフェート、アセテート、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)を含む塩の形態にあり得る。上記ペプチド結合体の塩は、酸付加塩または塩基付加塩であり得る。酸付加塩を作製するために使用され得る例示的な酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、過塩素酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロ酢酸が挙げられる。塩基付加塩を作製するために使用され得る例示的な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属の塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化カルシウム)、およびアルカリ土類金属塩の塩基(例えば、水酸化マグネシウム)が挙げられる。薬学的に受容可能な塩を作製するために使用され得るさらなる酸および塩基は、Stahl and Wermuth, 編, 2008, Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, Switzerland(その内容は、それらの全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。
【0062】
6.3 薬学的組成物
いくつかの局面において、本開示は、6.2節に記載されるとおりのペプチド、薬学的に受容可能なその塩、ペプチド結合体、または薬学的に受容可能なその塩を含む薬学的組成物を提供する。上記薬学的組成物は、好ましくは、経口投与のために製剤化される。薬学的組成物は、当該分野で標準的な方法に従って(例えば、Allenら, 編, 2012, Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第22版, Pharmaceutical Press, London, UKに記載されるように)調製され得る。
【0063】
いくつかの局面において、本開示は、医薬(例えば、6.4節に記載される疾患または状態を有するかまたはそのリスクにある被験体を処置するための医薬)の製造における6.2節に記載されるとおりのペプチド、薬学的に受容可能なその塩、ペプチド結合体、または薬学的に受容可能なその塩の使用を提供する。
【0064】
6.4 処置方法
本開示の化合物および組成物は、種々の疾患、障害および状態を処置または防止するために使用され得る。本開示は、本明細書で開示される化合物および組成物に関する(迷走神経刺激による処置ならびに/またはヒスタミンおよび/もしくはノルエピネフリンレベルの調節ならびに/または炎症性サイトカインTNF-αの調節に適う疾患、障害、および状態の処置に関するものを含む)治療的使用を提供する。
【0065】
いくつかの局面において、本開示は、炎症性状態に罹患したまたはそのリスクのある被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。当業者によって理解されるように、種々の状態が、炎症的側面を有し、炎症状態(例えば、炎症性腸疾患、関節リウマチ、および統合失調症)と見做され得る。
【0066】
いくつかの局面において、本開示は、統合失調症または精神病に罹患したまたはそのリスクのある被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、統合失調症に罹患している。いくつかの実施形態において、上記被験体は、精神病的行動を示す。
【0067】
統合失調症は、陽性症状(例えば、妄想および幻覚)、陰性症状、気分の異常、および認知欠陥によって特徴づけられ、しばしば、重篤な機能障害をもたらす(Yasui-Furukori, 2012, Drug Des Devel Therapy 6:107-115)。処置は、例えば、統合失調症または精神病の1またはこれより多くの陰性症状を改善するまたはその進行を遅らせることを含み得る。陰性症状としては、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、および認知障害が挙げられる。上記認知障害は、例えば、言語性ワーキングメモリ、空間性ワーキングメモリ、言語の流暢さ、言語学習、またはこれらの組み合わせにおける欠陥であり得る。陰性症状、およびこのような症状の変化は、種々のスケールおよびスコア(例えば、陽性症候群および陰性症候群スケール(Positive and Negative Syndrome Scale)(PANSS)(Kayら, 1987, Schizophr Bull. 13(2):261-76)、陰性症状評価スケール(Scale for the Assessment of Negative Symptoms)(SANS)(Andreasen, 1982, Arch Gen Psychiatry 39(7):784-8)、個人および社会パフォーマンス(PSP)スケール(Personal and Social Performance (PSP) scale)(Morosiniら, 2000, Acta Psychiatr Scand. 101(4):323-9)、臨床全体印象改善(CGI-I)スケール(Clinical Global Impression Improvement (CGI-I) scale)(Busner & Targum, 2007, Psychiatry (Edgmont). 4(7):28”37)、および臨床全体印象重症度(CGI-S)スケール(Clinical Global Impression Severity (CGI-S) scale)(Busner& Targum, 2007, Psychiatry (Edgmont). 4(7):28-37))によって評価され得る。被験体を本開示の化合物または組成物で処置することは、これらのスケールもしくはスコア、またはその一部のうちの1またはこれより多くのものによって測定される場合、1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその悪化を遅らせることを含み得る。
【0068】
別の局面では、本開示は、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、または筋萎縮性側索硬化症(ALS))に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。上記処置は、神経変性疾患の1またはこれより多くの陰性症状(例えば、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、うつ病、気分の低下、および認知障害)を改善するかまたはその進行を遅らせることを含み得る。陰性症状、およびこのような症状の変化は、種々のスケールおよびスコア(例えば、前段に記載されるもの)によって評価され得る。
【0069】
いくつかの局面において、本開示は、パーキンソン病に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。上記処置は、パーキンソン病の1またはこれより多くの非運動症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含み得る。パーキンソン病の非運動症状としては、感覚症状(例えば、痺れ、不穏状態、疼痛、胸部不快感、嗅覚脱失)、認知症状(例えば、気分変化、うつ病、不安、パニック発作、疲労、混乱、思考の緩徐化)、および自律神経症状(例えば、熱感/冷感、膀胱の問題、発汗、腹部不快感、便秘、流涎(涎を垂れ流すまたは過剰な唾液分泌)、頻尿および/または尿意促迫、勃起障害)(例えば、Baroneら, 2009, Mov Disord. 24(11):1641-9を参照のこと)が挙げられる。非運動症状、およびこのような症状の変化は、以下の種々のスケールおよびスコアによって評価され得る: 例えば、非運動症状スケール(Non-motor symptoms Scale)(NMSS)(Chaudhuriら, 2007, Movement Disorders 22(13):1901-11)、運動障害学会統一パーキンソン病評価スケール(MDS-UPDRS)非運動症状スコア(Movement Disorder Society Unified Parkinson’s Disease Rating Scale (MDS-UPDRS) non-motor symptoms score)(Goetzら, International Parkinson and Movement Disorder Society, 2019年8月13日更新; www.movementdisorders.org/MDS-Files1/PDFs/MDS-UPDRS_English__FINAL.pdf))、疲労重症度スケール(FSS)スコア(Fatigue Severity Scale (FSS) score)(Kruppら, 1989, Arch Neurol. 46(10):1121-3)、ベックうつ病一覧表II(Beck’s Depression Inventory II)(BDI-II)スコア(Beck, Steer, & Brown, 1996)、ベック不安一覧表(Beck Anxiety Inventory)(BAI)スコア(Beckら, 1988, J Consult Clin Phychol. 56(6):893-7)、モントリオール認知評価(MoCA)スコア(Montreal Cognitive Assessment (MoCA) score)(Nasreddineら, 2005, J Am GeriatrSoc. 53(4):695-9)、Cogstate試験(Cogstate test(s))(cogstate.com)でのスコア、臨床全体印象改善(CGI-I)全体スコアまたは非運動症状スコア(Clinical Global Impression Improvement (CGI-I) overall score or non-motor symptoms score)(Busner & Targum, 2007, Psychiatry (Edgmont). 4(7):28-37)、臨床全体印象重症度(CGI-S)全体もしくは非運動症状スコア(Clinical Global Impression Severity (CGI-S) overall or non-motor symptoms score)(Busner & Targum, 2007, Psychiatry (Edgmont). 4(7):28-37)、およびパーキンソン病質問票-39(Parkinson’s Disease Questionnaire-39)(PDQ-39)(Jenkinsonら, 1997, Age Ageing. 26(5):353-7)。Cogstate試験は、以下のコンピューターによる認知評価を含む: 行動パターン分離対象テスト(Behavioral Pattern Separation Object test);連続対連合学習試験(Continuous Paired Associate Learning Test);顔名連合記憶試験(Face Name Associative Memory Exam);グロトン迷路学習試験(Groton Maze Learning Test);識別試験(Identification Test);国際日常記号置換試験(International Daily Symbol Substitution Tests)(医薬または記号);国際ショッピングリスト試験(International Shopping List Test);ワンバック試験(One Back Test);ワンカード学習試験(One Card Learning Test);持続的注意試験(Sustained Attention Test);持続的応答注意試験(Sustained Attention to Response Test);およびツーバック試験(Two Back Test)。
【0070】
別の局面では、本開示は、消化管疾患または状態に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0071】
別の局面では、本開示は、過敏性腸症候群に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0072】
別の局面では、本開示は、炎症性腸疾患に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0073】
別の局面では、本開示は、潰瘍性大腸炎に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0074】
別の局面では、本開示は、クローン病に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0075】
別の局面では、本開示は、便秘に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0076】
別の局面では、本開示は、疼痛に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0077】
別の局面では、本開示は、内臓痛に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0078】
別の局面では、本開示は、関節リウマチに罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0079】
別の局面では、本開示は、片頭痛に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0080】
別の局面では、本開示は、頭痛に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0081】
別の局面では、本開示は、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、またはタバコ使用障害のような物質使用障害)に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、被験体は、薬物使用障害を有する。いくつかの実施形態では、被験体は、多物質使用障害を有する。いくつかの実施形態では、被験体は、アルコール使用障害を有する。いくつかの実施形態では、被験体は、ニコチン使用障害を有する。いくつかの実施形態では、被験体は、タバコ使用障害を有する。
【0082】
別の局面では、本開示は、薬物嗜癖に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。薬物嗜癖の例としては、オピオイド嗜癖、例えば、モルフィン、ヘロイン、オキシコドン、またはフェンタニルに対する嗜癖;コカイン嗜癖;およびベンゾジアゼピン嗜癖(例えば、ジアゼピン、アルプラゾラム、またはクロナゼパに対する嗜癖)が挙げられる。
【0083】
別の局面では、本開示は、発作性障害に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記発作性障害は、てんかんである。いくつかの実施形態において、上記発作性障害は、孤発性てんかん(orphan epilepsy)である(例えば、Peruccaら, 2020, Lancet 19:544-556を参照のこと)。
【0084】
別の局面では、本開示は、大うつ病性障害に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0085】
別の局面では、本開示は、非定型うつ病に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0086】
別の局面では、本開示は、大うつ病エピソード(MDE)(例えば、非定型MDE)に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0087】
別の局面では、本開示は、神経変性疾患の存在下でのうつ病(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、またはALS)に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。神経変性疾患を有する被験体におけるうつ病は、代表的には、旧来の抗うつ治療に対して耐性である(Hussainら, 2020, Gureus 12(11): e11613)。
【0088】
別の局面では、本開示は、処置抵抗性うつ病に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0089】
別の局面では、本開示は、認知障害に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0090】
別の局面では、本開示は、アルツハイマー病に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。別の局面では、本開示は、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0091】
別の局面では、本開示は、ADHDに罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0092】
別の局面では、本開示は、自閉症スペクトラム障害に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で本開示の被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0093】
別の局面では、本開示は、広汎性発達障害(例えば、アスペルガー症候群またはレット症候群)に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0094】
別の局面では、本開示は、特定不能の広汎性発達障害に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0095】
別の局面では、本開示は、多発性硬化症に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0096】
別の局面では、本開示は、PTSDに罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0097】
別の局面では、本開示は、睡眠障害に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0098】
別の局面では、本開示は、不眠症に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0099】
別の局面では、本開示は、日中の疲労に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0100】
別の局面では、本開示は、REM睡眠行動障害に罹患した被験体を処置するための方法であって、本開示の化合物または組成物を被験体を処置するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0101】
別の局面において、本開示は、被験体において睡眠を改善するための方法であって、上記方法は、上記被験体の睡眠を改善するために有効な量において、本開示の化合物または組成物を上記被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。
【0102】
別の局面において、本開示は、被験体の認知機能を改善するための方法であって、上記方法は、認知機能を改善するために有効な量において、本開示の化合物または組成物を上記被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。上記被験体は、健常被験体、例えば、本明細書で記載される状態に罹患していない被験体であり得る。
【0103】
別の局面において、本開示は、被験体の気分を改善するための方法であって、上記方法は、気分を改善するために有効な量において、本開示の化合物または組成物を上記被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。上記被験体は、健常被験体、例えば、本明細書で記載される状態に罹患していない被験体であり得る。
【0104】
別の局面において、本開示は、被験体の全体患者健康質問票-9(overall Patient Health Questionnaire-9)(PHQ-9)スコアを改善するかまたはその悪化を遅らせるための方法であって、上記方法は、上記被験体の全体のPHQ-9スコアを改善するかまたはその悪化を遅らせるために有効な量において、本開示の化合物または組成物を上記被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。上記被験体は、健常被験体、例えば、本明細書で記載される状態に罹患していない被験体であり得る。
【0105】
別の局面において、本開示は、PHQ-9の質問のうちの1またはこれより多くのもの(例えば、PHQ-9の質問1、2、3、または6)に関する被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせるための方法であって、上記方法は、PHQ-9の質問に関する上記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせるために有効な量において、本開示の化合物または組成物を上記被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。
【0106】
別の局面において、本開示は、被験体のCogStateグロトン迷路学習試験(GMLT)、CogState識別試験(IDN)、またはCogStateワンカード学習試験(OCL)の結果のうちの1またはこれより多くのものを改善するかまたはその悪化を遅らせるための方法であって、上記方法は、上記GMLT、IDN、および/またはOCLに関する上記被験体の結果を改善するかまたはその悪化を遅らせるために有効な量において、本開示の化合物または組成物を上記被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。上記被験体は、健常被験体、例えば、本明細書で記載される状態に罹患していない被験体であり得る。
【0107】
別の局面において、本開示は、被験体の脳波(EEG)のαバンドパワーまたはγバンドパワーのうちの少なくとも1つを改善するかまたはその悪化を遅らせるための方法を提供する。上記被験体は、健常被験体、例えば、本明細書で記載される状態に罹患していない被験体であり得る。
【0108】
本明細書で記載される方法のいくつかの実施形態において、上記被験体は、例えば、健常被験体から得られる参照範囲に対して上昇したTNF-αレベルを有する。例えば、いくつかの実施形態において、上昇したTNF-αレベルを有する被験体は、例えば、サンドイッチイムノアッセイ(例えば、Eurofins Viracor TNF-α血清試験; www.eurofins-viracor.com/clinical/test-menu/1220-tnf-alpha-tnf-a-serum)によって測定される場合、5.6 pg/mlより大きい血清TNF-αレベルを有する。
【0109】
本明細書で記載される方法の被験体は、好ましくは、哺乳動物、例えば、ヒトまたは飼い慣らされたペット(例えば、ネコ、イヌ)である。被験体は、任意の年齢のものであり得るが、好ましくは、成体(例えば、18歳以上、25歳以上、35歳以上、45歳以上、55歳以上などであるヒト被験体)である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、高齢者(例えば、65歳以上、70歳以上、75歳以上、または80歳以上であるヒト被験体)である。
【0110】
上記化合物およびそれらを含む薬学的組成物は、経口的に、局所的に、直腸に、または非経口的に投与され得る。経口投与が好ましい。上記投与方法は、上記状態および上記被験体の年齢に応じて変動し得る。
【0111】
上記化合物の適切な1日投与量は、1日あたり0.005mg/kg~500mg/kg 体重(例えば、0.005mg/kg~100mg/kg、0.005mg/kg~30mg/kg、0.005mg/kg~1mg/kg、0.01mg/kg~30mg/kg、0.01mg/kg~3mg/kg、0.01mg/kg~1mg/kg、0.02mg/kg~5mg/kg、0.02mg/kg~2mg/kg、0.02mg/kg~1mg/kg)の範囲に及び得る。あるいは、上記化合物は、1日あたり0.1mg~50g(例えば、0.1mg~10g、0.1mg~3g、0.1mg~100mg、0.1mg~1mg、0.3mg~3g、0.3mg~100mg、20mg~2g、20mg~1g、0.5g~2g、0.5g~1g、または1g~2g)の範囲に及ぶ固定用量において投与され得る。薬学的組成物の投与のために、前述の範囲のうちの1つの中にある上記化合物の量を含む上記薬学的組成物の量が、投与され得る。本明細書で記載される化合物(例えば、上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)またはその塩)の例示的な1日用量としては、60mg/日、180mg/日、および540mg/日が挙げられる。1日用量は、単一用量(例えば、60mg、180mg、または540mgの単一用量)または複数用量として、投与され得る。
【実施例
【0112】
7. 実施例
7.1 実施例1: LSSTQAQQSY(配列番号2)脳微小透析試験
上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)の経口投与によって誘発されるCNS神経伝達物質応答を決定するために、試験を行った。
【0113】
雄性C57BI/6マウスに、前頭前皮質(これは、感覚処理、記憶、および情動を調節する)または線条体(自然報酬による行動強化のために必要とされる)において微小透析プローブを取り付けた。動物に、単一の3mg/kg用量のペプチドまたはビヒクルを経口投与した。脳透析液サンプルを、投与前および投与後4時間にわたって30分ごとに収集した。透析液サンプル中のドパミン、ノルエピネフリン、セロトニン、ヒスタミン、グルタメート、GABA、およびグリシン濃度を、HPLC-MSによって決定した。
【0114】
結果を図1A~1Gおよび図2A~2Gに示す。
【0115】
前頭前皮質中のヒスタミンおよびノルエピネフリンの統計的に有意な変化を観察した。前頭前皮質における他の神経伝達物質および線条体における全ての評価した神経伝達物質では、有意な変化は観察されなかった。
【0116】
7.2 実施例2: LSSTQAQQSY(配列番号2)による炎症抑制
迷走神経刺激は、炎症性サイトカインTNF-αの血清レベルのリポポリサッカリド(LPS)誘導性増大を抑制することが報告されている(例えば、Tarnawskiら, 2018, Front. Immunol. 9:2648; Komegaeら, 2018, Brain Behav Immun. 73:441-449を参照のこと)。上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)は迷走神経を介して作用すると考えられることから、上記ペプチドがLPS注射後にTNF-αを抑制する能力を評価した。
【0117】
マウスに、10μg/kg(i.p.)の用量のLPSを投与した。上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)を、LPS投与の2.5時間後および3.5時間後に0.3mg/kg、3mg/kg、または10mg/kg(p.o.)で上記マウスに2回投与した。LPS投与の4時間後に採血した。TNF-αの血漿レベルを、引き続いて、ELISAによって測定した。
【0118】
結果を図3に示す。TNF-α抑制の傾向は、LPSでのインビボチャレンジ後に上記ペプチドを投与した動物において観察された。これは、上記ペプチドの抗炎症効果を示す。
【0119】
7.3 実施例3: 統合失調症を有する被験体でのフェーズ2試験(予測)
主に陰性症状および認知欠陥を伴う統合失調症を有する被験体において上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)でのフェーズ2、4週間の無作為化プラシーボ対照クロスオーバー試験を行う。
【0120】
上記試験は、上記ペプチドとプラシーボとを比較する、4週間の処置期間(処置期間の間に7日の休薬がある)を有する。
【0121】
試験集団は、男性および女性を含み、年齢は18~65歳、主に陰性症状および認知欠陥を有する統合失調症(DSM-5/SCID-5-CT)を有する。
【0122】
一次転帰尺度は、陽性症候群および陰性症候群スケール(PANSS)陰性症状因子スコアにおけるベースラインからの平均変化である。
【0123】
二次転帰尺度は、陰性症状評価(SANS)スコア; 個人および社会パフォーマンス(PSP)合計スコア; PANSS合計スコア; PANSS因子スコア; PANSSサブスケールスコア; 臨床全体印象改善(CGI-I)全体および陰性症状評価スコアならびに臨床全体改善重症度(CGI-S)全体および陰性症状評価スコアにおけるベースラインからの平均変化を含む。二次転帰尺度はまた、PANSS陰性症状因子スコア; CGI-I全体および陰性症状評価スコア; CGI-S全体および陰性症状評価スコアによって評価される場合、応答を有する参加者のパーセンテージを含む。
【0124】
探索的転帰尺度は、記憶活性化タスクを利用する機能的磁気共鳴画像化法(fMRI)、動脈スピンラベリング(arterial spin labeling)(ASL-MRI)、および母集団PKの組み合わせを使用する脳活動および認知-行動タスクパフォーマンスを含む。
【0125】
上記ペプチドでの処置は、主に陰性症状および認知欠陥を伴う統合失調症を有する被験体において1またはこれより多くの陰性症状および/または認知欠陥を改善するかまたはその進行を遅らせる。
【0126】
7.4 実施例4: パーキンソン病および主に非運動症状を有する被験体におけるフェーズ2試験(予測)
主に非運動症状を伴うパーキンソン病を有する被験体において上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)でフェーズ2、6週間の無作為化プラシーボ対照クロスオーバー試験を行う。
【0127】
上記試験は、上記ペプチドとプラシーボとを比較する、6週間の処置期間(処置期間の間に7日の休薬を有する)を有する。
【0128】
上記試験集団は、男性および女性を含み、年齢は40歳以上、主に非運動症状を有するパーキンソン病(DSM-5/ICD-10)を有する。
【0129】
一次転帰尺度は、非運動症状スケール(NMSS)スコアにおけるベースラインからの平均変化である。
【0130】
二次転帰尺度は、運動障害学会統一パーキンソン病評価スケール(MDS-UPDRS)の非運動症状(例えば、パートI、認知、うつ病、不安、疲労);運動症状(例えば、MDS-UPDRS、パートII、III、IV);疲労重症度スケール(FSS)スコア; ベックうつ病一覧表II(BDI-II)スコア; ベック不安一覧表(BAI)スコア; モントリオール認知評価(MoCA)スコア; Cogstateスコア; CGI-I全体および非運動症状評価スコア; CGI-S全体および非運動症状評価スコア; パーキンソン病質問票-39(PDQ-39)におけるベースラインからの平均変化を含む。探索的転帰尺度は、記憶活性化タスクを利用する機能的磁気共鳴画像化法(fMRI)、動脈スピンラベリング(ASL-MRI)、および母集団PKの組み合わせを使用する脳活動および認知-行動タスクパフォーマンスを含む。
【0131】
上記ペプチドでの処置は、主に非運動症状を伴うパーキンソン病を有する被験体において1またはこれより多くの非運動症状を改善するかまたはその進行を遅らせる。
【0132】
7.5 実施例5: マウスにおけるスコポラミン誘導性記憶障害に対するLSSTQAQQSY(配列番号2)の効果
7.5.1 材料
7.5.1.1 動物
雄性ICRマウス(4~5週齢)を、試験に使用した。
【0133】
7.5.1.2 薬物
上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)およびドネペジル塩酸塩を試験薬として使用した。
【0134】
7.5.1.3 試験機器
試験を、各チャンバにおいて12cm×2cm×18cm寸法を有する工程ダウン抑制性回避装置において行った(モデル: YLS-3T, Shandong Yiyan Technology Co., LTD., China)。各チャンバの底を、通電され得る銅グリッドで覆った。ゴム製プラットフォームを、各チャンバの右隅に置いた。
【0135】
7.5.2 方法
7.5.2.1 薬物投与
各群における雄性ICRマウスを、ビヒクル、ドネペジル塩酸塩(1.5mg/kg)、および上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)(0.3mg/kg、10mg/kg)それぞれで、21日間、1日に1回、経口強制投与によって処置した。最後の投与の2時間後、スコポラミン臭化水素酸塩(2mg/kg)を腹腔内に注射して、記憶障害を誘導した。
【0136】
7.5.2.2 動物群
50匹の雄性ICRマウスを、表1に詳述されるように、体重の平均に従って5群に分けた(各群10匹のマウス)。
【表1】
【0137】
7.5.2.3 工程ダウン抑制回避評価
訓練期間: マウスに、スコポラミン臭化水素酸塩溶液を、モデル、ドネペジル塩酸塩およびLSSTQAQQSY(配列番号2)群に関して2mg/kgの用量で腹腔内注射した一方で、ビヒクル群のマウスに、同じ容積の0.9% NaCl溶液を腹腔内注射した。スコポラミン臭化水素酸塩溶液の注射の30分後に、上記マウスを工程ダウンチャンバーの中へと適応させるために5分間入れ、次いで、上記マウスは、訓練セッション中に足のショック(2mA電流で82v電圧)を受けた。上記マウスは、ショックの間、ゴム製のスタンドに自由に飛び乗ったり降りたりすることができた。
【0138】
評価期間: 訓練期間の24時間後、上記マウスをゴム製のプラットフォームに載せ、5分間評価した。上記プラットフォームから銅グリッドへの最初のジャンプの潜時を観察および計数し、秒単位での潜時を分析して、記憶改善を評価した。
【0139】
7.5.2.4 統計分析
全ての結果を平均±SEMとして示し、群間のデータ差を、対にした比較のためにGraphPad Prism 8統計パッケージ(GraphPad Software Inc., San Diego, CA, USA)を使用してt検定によって分析した。P<0.05を統計的に有意と見做した。
【0140】
7.5.3 結果
モデル群における潜時は、ビヒクル群より有意に短かった(P<0.01)。陽性コントロール群である1.5mg/kg ドネペジル塩酸塩群における潜時は、モデル群より有意に長かった(P<0.01)。0.3mg/kgおよび10mg/kgペプチド処置群は全て、それらの潜時を延ばした。これは、モデル群とは有意に異なった(P<0.05)。結果を図4に示す。これらの結果は、LSSTQAQQSY(配列番号2)がマウスにおいてスコポラミンによって誘導された記憶障害を改善したことを示し、LSSTQAQQSY(配列番号2)および関連ペプチドがアルツハイマー病および他の疾患と関連する認知障害を処置するための潜在能力を有することを示す。
【0141】
7.6 実施例6: LSSTQAQQSY(配列番号2)標的特徴づけ
いくつかのスクリーニングを行って、LSSTQAQQSY(配列番号2)の分子標的を特徴づけた。初期スクリーニングは、Trpチャネル(TRPA1、TRPV1)、栄養素および代謝産物を感知するGPCR(FFAR1、FFAR2、FFAR3、FFAR4、GPR119、CaS、GPR142、GPBAR1およびLPA5)および味覚レセプター;全て細胞表面発現型レセプター(約6Kレセプター)の全ゲノムワイドの結合ベースのスクリーニング;ならびにアゴニストまたはアンタゴニスト活性に関する168種のGPCRの大規模スクリーニングを含む。初期スクリーニングは陰性であったか、または再現性のないヒットを提供した。
【0142】
引き続いて、より普遍的でかつより高感度のGPCRスクリーニングストラテジーを使用した。スクリーニングにおいて、3種の可能な標的を特定した:GNRHR、AVPR1A、およびAVPR2。次いで、試験を行って、標的を特定および確認した。
【0143】
LSSTQAQQSY(配列番号2)の効果は、尾懸垂試験(TST)においてAVPR1A/AVPR2インヒビターであるコニバプタンによって遮断されることが見出された(WO 2016/140277を参照のこと)。これは、LSSTQAQQSY(配列番号2)の主な標的がAVPR1AまたはAVPR2のいずれかであることを示唆する(図5~6)。LSSTQAQQSY(配列番号2)の効果が、AVPR2インヒビターであるトルバプタンによって遮断されないことが見出された(図7)。これは、上記ペプチドの主な標的がAVPR2ではないことを示唆する。LSSTQAQQSY(配列番号2)の効果はAVPR1A/Bインヒビターであるネリバプタンによって遮断されることがまた見出された(図8)。これは、上記ペプチドの主な標的がAVPR1Aであることを示す。
【0144】
試験の結果を表2にまとめる。
【表2】
【0145】
7.7 実施例7: フェーズ1a/1b試験における健常被験体の気分および認知改善
健常被験体において上記ペプチド LSSTQAQQSY(配列番号2)でのフェーズ1a/1b、無作為化プラシーボ対照クロスオーバー試験を行った。上記試験集団は、良好な健康状態にある男性および女性を含んだ。
【0146】
単回上昇用量(single ascending dose)(SAD)群は、上記ペプチドの60mg/日(コホートSAD1およびSAD2)、180mg/日(コホートSAD3)、もしくは540mg/日(コホートSAD4)を受ける4つのコホートまたはプラシーボを含んだ。複数回上昇用量(MAD)群は、7日間にわたって、上記ペプチドの60mg/日(コホートMAD1)、180mg/日(コホートMAD2)、もしくは540mg/日(コホートMAD3)を受容する3つのコホートまたはプラシーボを含んだ。全ての用量を経口投与した。
【0147】
7.7.1. 結果
7.7.1.1. 安全性
各コホートの数人のメンバーは、軽度の有害効果(概して消化管の不調または咽喉刺激)を経験した。バイタルサイン、心電図(ECG)データ、および身体検査は、試験を通して全ての参加者で正常であった。
【0148】
7.7.1.2. 患者質問票
患者健康質問票-9(PHQ-9)(うつ病重症度を評価するための標準的質問票)を、プラシーボおよびペプチド投与期間の各々の約4時間後に、コホートMAD1~MAD3における被験体に投与した。9つの質問の各々は、被験体に、過去2週間に彼または彼女に以下のようなことがどの程度あったかを尋ねるものである:
【表3】
【0149】
各質問は、0~+3スケール(全くないは0、数日については+1、半日を超えては+2、およびほぼ毎日は+3)で回答される。
【0150】
上記ペプチドが各PHQ-9質問においてプラシーボを超える改善をもたらしたか否かを評価した。
【0151】
予備的データは、上記ペプチドの投与が、コホートMAD3において気分、うつ病、睡眠、意識、および/または覚醒の尺度において改善をもたらしたことを示す(PHQ-9質問1~3および6に対する回答における改善、全体のPHQ-9スコアを図9にまとめる)。
【0152】
7.7.1.3. CogState
コホートMAD1~MAD3における被験体はまた、認知評価(CogState Ltd., Melbourne, Vic., Australia)を受けた: 1)検出試験(DET)、精神運動機能の評価; 2)グロトン迷路学習試験(GMLT)、実行機能の評価; 3)識別試験(IDN)、注意力の評価;および4)ワンカード学習試験(OCL)、視覚的学習の評価。認知評価を、上記被験体へのPHQ-9質問票の施与と本質的に同時に行った。上記ペプチドが4つの認知評価においてプラシーボを超える改善をもたらしたか否かを、定性的に決定した。
【0153】
予備的データは、上記ペプチドが健常被験体において精神運動機能に対して有意な影響を有しないことを示す(図10)。予備的データはさらに、数日の処置後に、GMLT(図11)、IDN(図12)、およびOCL(示さず)において正の傾向を示す。
【0154】
結論として、試験からの予備的データは、上記ペプチドでの処置が、上記被験体において実行機能、注意力、および視覚的学習を改善したことを示す。
【0155】
7.7.1.4. αおよびγ脳波記録(EEG)バンド
EEGにおいて観察される種々のバンドを、一般に以下の表でまとめられるように、精神活動の種々の状態と関連する:
【表4】
【0156】
MADコホートにわたって、定量的EEG(qEEG)を、数人の被験体に関して、最終用量の投与の直前(7日目)、ならびに最終用量の投与の約1時間後、約2時間後、約4時間後、約8時間後、および約12時間後に記録した。各バンドにおけるパワーを、最初の用量の投与直前に記録した(10日目は、ベースライン(100%)を提供し、これに対して用量後EEGバンドパワーを正規化した)。
【0157】
各用量が60mgの上記ペプチドを含むMAD1コホートからの予備的データは、最終用量の投与前のベースラインの約80%から最終用量のわずか1時間後のベースラインの約150%へと、αバンドのパワーにおいて顕著な増大を示した。αバンドパワーは、最終用量の約12時間後までに約120%から約200%へと変化した。γバンドパワーは、最終用量の投与前のベースラインの約100~110%から最終用量の1時間後のベースラインの約140%へと同様に増大し、8時間にわたってベースラインの約125%を上回ったままであった。
【0158】
各用量が180mgの上記ペプチドを含むMAD2コホートからの予備的データはまた、αバンドおよびγバンドにおいてパワーの顕著な増大を示した。αバンドパワーは、最終用量の投与前のベースラインの約110%から最終用量の2時間後のベースラインの約150%へと増大し、最終用量の約12時間後までベースラインの110%を上回ったままであった。γバンドパワーは、最終用量の投与前のベースラインの約100~110%から、最終用量の1時間後のベースラインの約125%へと増大し、12時間後にベースラインの約150%を上回った。
【0159】
各用量が540mgの上記ペプチドを含むMAD3コホートからの予備的データは、最終用量の投与前のベースラインの約100%から最終用量の投与の1~12時間後までベースラインの約70~80%へと、αバンドパワーの減少を示した。
【0160】
まとめると、上記試験からの予備的データは、60mg/日または180mg/日の用量における上記ペプチドでの処置が、リラックスした意識がある状態および集中した状態を示すαおよびγ EEGバンドのパワーを増大させることを示す。
【0161】
8. 具体的実施形態、参考文献の引用
種々の具体的な実施形態が図示および説明されてきたが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく主事の変更がなされ得ることは、理解される。本開示は、以下に示す番号付けされた実施形態によって例示される。
1. (a)炎症性疾患もしくは障害、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置する、(b)被験体において睡眠を改善する、または(c)被験体において認知を改善する方法であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記被験体は、上昇したTNF-αレベルを有し、前記方法は、前記被験体に、有効量のペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩を投与する工程を包含し、必要に応じて、前記ペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩は経口投与され、ここで前記ペプチドは:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、
方法。
2. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、SSTQA(配列番号5)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
3. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、STQAQ(配列番号6)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
4. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、TQAQQ(配列番号7)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
5. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、QAQQS(配列番号8)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
6. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、AQQSW(配列番号9)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
7. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、AQQSF(配列番号10)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
8. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQ(配列番号11)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
9. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、AQQSY(配列番号12)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
10. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQA(配列番号13)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
11. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、SSTQAQ(配列番号14)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
12. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、STQAQQ(配列番号15)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
13. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、TQAQQS(配列番号16)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
14. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、QAQQSY(配列番号17)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
15. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、QAQQSW(配列番号18)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
16. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、QAQQSF(配列番号19)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
17. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、WLSSTQ(配列番号20)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
18. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、AQQSYW(配列番号21)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
19. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQAQ(配列番号22)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
20. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、SSTQAQQ(配列番号23)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
21. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、STQAQQS(配列番号24)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
22. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、TQAQQSY(配列番号25)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
23. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、TQAQQSW(配列番号26)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
24. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、TQAQQSF(配列番号27)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
25. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQAQQ(配列番号28)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
26. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、SSTQAQQS(配列番号29)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
27. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、STQAQQSY(配列番号30)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
28. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、STQAQQSW(配列番号31)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
29. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、STQAQQSF(配列番号32)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
30. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、SSTQAQQSW(配列番号33)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
31. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、SSTQAQQSF(配列番号34)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
32. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQAQQS(配列番号35)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
33. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、SSTQAQQSY(配列番号36)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
34. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQAQQSY(配列番号2)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
35. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQAQQSW(配列番号3)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
36. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQAQQSF(配列番号4)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
37. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、LSSTQAQQSYW(配列番号38)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
38. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、WLSSTQAQQSY(配列番号39)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
39. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩のアミノ酸配列が、WLSSTQAQQSYW(配列番号40)を含むまたはそれからなる、実施形態1の方法。
40. 前記ペプチドが5アミノ酸の長さである、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
41. 前記ペプチドが6アミノ酸の長さである、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
42. 前記ペプチドが7アミノ酸の長さである、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
43. 前記ペプチドが8アミノ酸の長さである、実施形態1~29のいずれか1つの方法。
44. 前記ペプチドが9アミノ酸の長さである、実施形態1~33のいずれか1つの方法。
45. 前記ペプチドが10アミノ酸の長さである、実施形態1~36のいずれか1つの方法。
46. 前記ペプチドが11アミノ酸の長さである、実施形態1~38のいずれか1つの方法。
47. 前記ペプチドが12アミノ酸の長さである、実施形態1~39のいずれか1つの方法。
48. 前記ペプチドが13アミノ酸の長さである、実施形態1~39のいずれか1つの方法。
49. 前記ペプチドが14アミノ酸の長さである、実施形態1~39のいずれか1つの方法。
50. 前記ペプチドが15アミノ酸の長さである、実施形態1~39のいずれか1つの方法。
51. (a)炎症性疾患もしくは障害、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置する、(b)被験体において睡眠を改善する、または(c)被験体において認知を改善する方法であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記被験体は、上昇したTNF-αレベルを有し、前記方法は、前記被験体に、有効量のペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩を投与する工程を包含し、必要に応じて、前記有効量のペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩は経口投与され、ここで、前記ペプチド結合体は結合体部分に結合されたペプチド部分を含み、ここで前記ペプチド部分は:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、
方法。
52. 前記ペプチド部分は、実施形態2~50のいずれか1つに記載されるとおりのペプチドである、実施形態51の方法。
53. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、ポリマー、アミノ基、アシル基、アルキル基、ホスフェート基、脂質または糖を含む、実施形態51または実施形態52の方法。
54. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、ポリマーを含む、実施形態53の方法。
55. 前記ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸-co-グリコール酸、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー、ポリグルタミン酸、またはポリサッカリドを含む、実施形態54の方法。
56. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、アミン基を含む、実施形態51~55のいずれか1つの方法。
57. 前記アミン基は、アミノ基、アルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基である、実施形態56の方法。
58. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、アシル基を含む、実施形態51~57のいずれか1つの方法。
59. 前記アシル基は、ホルミル基またはアセチル基である、実施形態58の方法。
60. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、アルキル基を含む、実施形態51~59のいずれか1つの方法。
61. 前記アルキル基は、メチル基またはエチル基である、実施形態60の方法。
62. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、ホスフェート基を含む、実施形態51~61のいずれか1つの方法。
63. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、脂質を含む、実施形態51~62のいずれか1つの方法。
64. 前記1またはこれより多くの結合体部分のうちの少なくとも1つは、糖を含む、実施形態51~63のいずれか1つの方法。
65. 単一の結合体部分を含む、実施形態51~64のいずれか1つの方法。
66. 前記結合体部分は、前記ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合される、実施形態65の方法。
67. 前記結合体部分は、前記ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合される、実施形態65の方法。
68. 1より多くの結合体部分を含む、実施形態51~67のいずれか1つの方法。
69. 前記結合体部分の全てが同じである、実施形態68の方法。
70. 前記結合体部分の全てが同じであるわけではない、実施形態68の方法。
71. 前記結合体部分の全てが異なる、実施形態68の方法。
72. 前記ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合された結合体部分および前記ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合された結合体部分を含む、実施形態68の方法。
73. 前記ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合された結合体部分は、前記ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合された結合体部分と同じである、実施形態72の方法。
74. 前記ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合された結合体部分は、前記ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合された結合体部分とは異なる、実施形態72の方法。
75. 前記被験体が、統合失調症または精神病に罹患しているかまたはそのリスクがある、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
76. 前記被験体が、統合失調症に罹患している、実施形態75の方法。
77. 前記被験体が精神病的行動を示す、実施形態75~76のいずれか1つの方法。
78. 前記処置する工程が、統合失調症または精神病の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、実施形態75~77のいずれか1つの方法。
79. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害またはこれらの組み合わせを含む、実施形態78の方法。
80. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性を含む、実施形態79の方法。
81. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無快感症を含む、実施形態79または実施形態80の方法。
82. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アロギーを含む、実施形態79~81のいずれか1つの方法。
83. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、情動平坦化を含む、実施形態79~82のいずれか1つの方法。
84. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態79~83のいずれか1つの方法。
85. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、意欲消失を含む、実施形態79~84のいずれか1つの方法。
86. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、感情鈍麻を含む、実施形態79~85のいずれか1つの方法。
87. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アネルギーを含む、実施形態79~86のいずれか1つの方法。
88. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態79~87のいずれか1つの方法。
89. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、うつ病を含む、実施形態79~88のいずれか1つの方法。
90. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、気分の低下を含む、実施形態79~89のいずれか1つの方法。
91. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、認知障害を含む、実施形態79~90のいずれか1つの方法。
92. 前記処置する工程が、前記被験体の認知欠陥を改善するかまたはその進行を遅らせることを含み、必要に応じて、前記認知欠陥が、言語性ワーキングメモリ、空間性ワーキングメモリ、言語の流暢さ、言語学習、またはこれらの組み合わせにおける欠陥を含む、実施形態75~91のいずれか1つの方法。
93. 前記処置する工程が、前記被験体の陽性症候群および陰性症候群スケール(PANSS)陰性症状因子スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~92のいずれか1つの方法。
94. 前記処置する工程が、前記被験体の陰性症状評価(SANS)スコアのスケールを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~93のいずれか1つの方法。
95. 前記処置する工程が、前記被験体の個人および社会パフォーマンス(PSP)合計スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~94のいずれか1つの方法。
96. 前記処置する工程が、前記被験体のPANSS合計スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~95のいずれか1つの方法。
97. 前記処置する工程が、前記被験体のPANSS因子スコアの1またはこれより多くのを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~96のいずれか1つの方法。
98. 前記処置する工程が、前記被験体のPANSSサブスケールスコアの1またはこれより多くのを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~97のいずれか1つの方法。
99. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~98のいずれか1つの方法。
100. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)陰性症状評価スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~99のいずれか1つの方法。
101. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~100のいずれか1つの方法。
102. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)陰性症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態75~101のいずれか1つの方法。
103. 前記被験体が、神経変性疾患に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
104. 前記被験体が、パーキンソン病に罹患している、実施形態103の方法。
105. 前記被験体が、アルツハイマー病に罹患している、実施形態103の方法。
106. 前記被験体が、ALSに罹患している、実施形態103の方法。
107. 前記処置する工程が、前記神経変性疾患の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、実施形態103~106のいずれか1つの方法。
108. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害またはこれらの組み合わせを含む、実施形態107の方法。
109. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性を含む、実施形態108の方法。
110. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無快感症を含む、実施形態108または実施形態109の方法。
111. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アロギーを含む、実施形態108~110のいずれか1つの方法。
112. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、情動平坦化を含む、実施形態108~111のいずれか1つの方法。
113. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態108~112のいずれか1つの方法。
114. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、意欲消失を含む、実施形態108~113のいずれか1つの方法。
115. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、感情鈍麻を含む、実施形態108~114のいずれか1つの方法。
116. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アネルギーを含む、実施形態108~115のいずれか1つの方法。
117. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態108~116のいずれか1つの方法。
118. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、うつ病を含む、実施形態108~117のいずれか1つの方法。
119. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、気分の低下を含む、実施形態108~118のいずれか1つの方法。
120. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、認知障害を含む、実施形態108~119のいずれか1つの方法。
121. 前記被験体が、パーキンソン病に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
122. 前記処置する工程が、前記被験体のパーキンソン病の1またはこれより多くの非運動症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、実施形態121の方法。
123. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、感覚症状、認知症状、自律神経症状、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態122の方法。
124. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの感覚症状を含む、実施形態123の方法。
125. 前記1またはこれより多くの感覚症状が、痺れ、不穏状態、疼痛、胸部不快感、嗅覚脱失、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態124の方法。
126. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの認知症状を含む、実施形態123~125のいずれか1つの方法。
127. 前記1またはこれより多くの認知症状が、気分変化、うつ病、不安、パニック発作、疲労、混乱、思考の緩徐化、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態126の方法。
128. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの自律神経症状を含む、実施形態123~127のいずれか1つの方法。
129. 前記1またはこれより多くの自律神経症状が、熱感/冷感、膀胱の問題、発汗、腹部不快感、便秘、流涎、頻尿および/または尿意促迫、勃起障害、あるいはこれらの組み合わせを含む、実施形態128の方法。
130. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、認知欠陥および/または認知障害、うつ病、不安、疲労、無関心、あるいはこれらの組み合わせを含む、実施形態122~129のいずれか1つの方法。
131. 前記処置する工程が、前記被験体の非運動症状スケール(NMSS)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~130のいずれか1つの方法。
132. 前記処置する工程が、前記被験体のMDS-UPDRS非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~131のいずれか1つの方法。
133. 前記処置する工程が、前記被験体の疲労重症度スケール(FSS)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~132のいずれか1つの方法。
134. 前記処置する工程が、前記被験体のベックうつ病一覧表II(BDI-II)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~133のいずれか1つの方法。
135. 前記処置する工程が、前記被験体のベック不安一覧表(BAI)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~134のいずれか1つの方法。
136. 前記処置する工程が、前記被験体のモントリオール認知評価(MoCA)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~135のいずれか1つの方法。
137. 前記処置する工程が、前記被験体の1またはこれより多くのCogstate試験についてのスコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~136のいずれか1つの方法。
138. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~137のいずれか1つの方法。
139. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~138のいずれか1つの方法。
140. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~139のいずれか1つの方法。
141. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~140のいずれか1つの方法。
142. 前記処置する工程が、前記被験体のパーキンソン病質問票-39(PDQ-39)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態121~141のいずれか1つの方法。
143. 前記被験体が、消化管疾患もしくは障害に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
144. 前記被験体が、過敏性腸症候群に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
145. 前記被験体が、炎症性腸疾患に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
146. 前記被験体が、潰瘍性大腸炎に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
147. 前記被験体が、クローン病に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
148. 前記被験体が、便秘に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
149. 前記被験体が、疼痛に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
150. 前記被験体が、内臓痛に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
151. 前記被験体が、関節リウマチに罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
152. 前記被験体が、片頭痛に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
153. 前記被験体が、頭痛に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
154. 前記被験体が、物質乱用に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
155. 前記被験体が、物質使用障害に罹患しており、必要に応じて、前記物質使用障害が、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、またはタバコ使用障害である、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
156. 前記被験体が、薬物嗜癖に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
157. 前記被験体が、オピオイド嗜癖(例えば、モルヒネ、ヘロイン、オキシコドン、またはフェンタニル)に罹患している、実施形態156の方法。
158. 前記被験体が、コカイン嗜癖に罹患している、実施形態156の方法。
159. 前記被験体が、ベンゾジアゼピン嗜癖(例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、またはクロナゼパム)に罹患している、実施形態156の方法。
160. 前記被験体が、発作性障害に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
161. 前記発作性障害がてんかんである、実施形態160の方法。
162. 前記てんかんが孤発性てんかんである、実施形態161の方法。
163. 前記被験体が、大うつ病性障害に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
164. 前記被験体が、非定型うつ病に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
165. 前記被験体が、大うつ病エピソード(MDE)(例えば、非定型MDE)に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
166. 前記被験体が、処置抵抗性うつ病に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
167. 前記被験体が、神経変性疾患の存在下でのうつ病(例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病)に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
168. 前記被験体が、パーキンソン病の存在下でうつ病に罹患している、実施形態167の方法。
169. 前記被験体が、アルツハイマー病の存在下でうつ病に罹患している、実施形態167の方法。
170. 前記被験体が、ALSの存在下でうつ病に罹患している、実施形態167の方法。
171. 前記被験体が、認知障害に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
172. 前記認知障害が軽度認知障害である、実施形態171の方法。
173. 前記被験体が、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
174. 前記被験体が、アルツハイマー病に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
175. 前記被験体が、ADHDに罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
176. 前記被験体が、自閉症スペクトラム障害に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
177. 前記被験体が、広汎性発達障害(必要に応じて、アスペルガー症候群またはレット症候群である)に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
178. 前記被験体が、非定型自閉症に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
179. 前記被験体が、多発性硬化症に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
180. 前記被験体が、PTSDに罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
181. 前記被験体が、睡眠障害に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
182. 前記被験体が、不眠症に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
183. 前記被験体が、日中の疲労に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
184. 前記被験体が、REM睡眠行動障害に罹患している、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
185. 前記処置する工程が、被験体における睡眠を改善することを含む、実施形態1~74のいずれか1つの方法。
186. 前記被験体が、上昇したTNF-αレベルを有する、実施形態1~185のいずれか1つの方法。
187. 前記処置する工程は、前記被験体の全体の患者健康質問票-9(PHQ-9)スコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを包含し、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体である、実施形態1~186のいずれか1つの方法。
188. 前記処置する工程は、PHQ-9の質問のうちの1またはこれより多くのものに関する前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを包含し、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体である、実施形態1~187のいずれか1つの方法。
189. 前記処置する工程は、PHQ-9の質問1、2、3、または6のうちの1またはこれより多くのものに関する前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを含む、実施形態188の方法。
190. 前記処置する工程は、CogStateグロトン迷路学習試験(GMLT)、CogState識別試験(SDN)、またはCogStateワンカード学習試験(OCL)のうちの1またはこれより多くのものにおいて前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを含み、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体である、実施形態1~189のいずれか1つの方法。
191. 前記処置する工程は、前記被験体の脳波(EEG)のαバンドパワーまたはγバンドパワーのうちの少なくとも1つを改善するかまたはその悪化を遅らせることを含み、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体である、実施形態1~190のいずれか1つの方法。
192. 前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約50mg/日~約750mg/日または約60mg/日~約540mg/日の用量で、必要に応じて60mg/日、180mg/日、または540mg/日の用量で投与される、実施形態1~191のいずれか1つの方法。
193. 前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回から約10日の期間にわたって約7回まで投与される、実施形態1~192のいずれか1つの方法。
194. 約60mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回投与される、実施形態1~192のいずれか1つの方法。
195. 約180mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回投与される、実施形態1~192のいずれか1つの方法。
196. 約540mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回投与される、実施形態1~192のいずれか1つの方法。
197. 約60mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約10日の期間にわたって約7回投与される、実施形態1~192のいずれか1つの方法。
198. 約180mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約10日の期間にわたって約7回投与される、実施形態1~192のいずれか1つの方法。
199. 約540mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約10日の期間にわたって約7回投与される、実施形態1~192のいずれか1つの方法。
200. (a)炎症性疾患もしくは障害、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置する、(b)被験体において睡眠を改善する、または(c)被験体において認知を改善する方法における使用のためのペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記被験体は、上昇したTNF-αレベルを有し、ここで前記ペプチドは:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
必要に応じて、前記方法は、前記ペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩を経口投与する工程を包含する、
ペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩。
201. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記アミノ酸配列が、LSSTQAQQSY(配列番号2)、LSSTQAQQSW(配列番号3)、またはLSSTQAQQSF(配列番号4)である、実施形態200の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩。
202. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記アミノ酸配列が、LSSTQAQQSY(配列番号2)、実施形態201の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩。
203. 前記ペプチドが、実施形態2~50のいずれか1つに記載されるぺプチドである、実施形態200の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩。
204. (a)炎症性疾患もしくは障害、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)に罹患しているかまたはそのリスクにある被験体を処置する、(b)被験体において睡眠を改善する、または(c)被験体において認知を改善する方法における使用のためのペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記被験体は、上昇したTNF-αレベルを有し、ここで、前記ペプチド結合体は結合体部分に結合されたペプチド部分を含み、ここで前記ペプチド部分は:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
必要に応じて、前記方法は、前記ペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩を経口投与する工程を包含する、
ペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩。
205. 前記ペプチド部分が、実施形態2~50のいずれか1つに記載されるぺプチドである、実施形態204の使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
206. 前記被験体が、統合失調症または精神病に罹患しているかまたはそのリスクがある、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
207. 前記被験体が、統合失調症に罹患している、実施形態206の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
208. 前記被験体が精神病的行動を示す、実施形態206または実施形態207の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
209. 前記処置する工程が、統合失調症または精神病の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、実施形態206~208のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
210. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害またはこれらの組み合わせを含む、実施形態209の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
211. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性を含む、実施形態210の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
212. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無快感症を含む、実施形態210~211のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
213. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アロギーを含む、実施形態210~212のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
214. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、情動平坦化を含む、実施形態210~213のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
215. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態210~214のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
216. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、意欲消失を含む、実施形態210~215のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
217. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、感情鈍麻を含む、実施形態210~216のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
218. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アネルギーを含む、実施形態210~217のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
219. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態210~218のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
220. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、うつ病を含む、実施形態210~219のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
221. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、気分の低下を含む、実施形態210~220のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
222. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、認知障害を含む、実施形態210~221のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
223. 前記処置する工程が、前記被験体の1またはこれより多くの認知欠陥を改善するかまたはその進行を遅らせることを含み、必要に応じて、前記認知欠陥が、言語性ワーキングメモリ、空間性ワーキングメモリ、言語の流暢さ、言語学習、またはこれらの組み合わせにおける欠陥を含む、実施形態206~222のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
224. 前記処置する工程が、前記被験体の陽性症候群および陰性症候群スケール(PANSS)陰性症状因子スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~223のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
225. 前記処置する工程が、前記被験体の陰性症状評価(SANS)スコアのスケールを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~224のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
226. 前記処置する工程が、前記被験体の個人および社会パフォーマンス(PSP)合計スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~225のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
227. 前記処置する工程が、前記被験体のPANSS合計スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~226のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
228. 前記処置する工程が、前記被験体のPANSS因子スコアの1またはこれより多くのを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~227のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
229. 前記処置する工程が、前記被験体のPANSSサブスケールスコアの1またはこれより多くのを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~228のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
230. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~229のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
231. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)陰性症状評価スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~230のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
232. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~231のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
233. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)陰性症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態206~232のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
234. 前記被験体が、神経変性疾患に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
235. 前記被験体が、パーキンソン病に罹患している、実施形態234の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
236. 前記被験体が、アルツハイマー病に罹患している、実施形態234の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
237. 前記被験体が、ALSに罹患している、実施形態234の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
238. 前記処置する工程が、前記神経変性疾患の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、実施形態234~237のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
239. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害またはこれらの組み合わせを含む、実施形態238の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
240. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性を含む、実施形態239の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
241. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無快感症を含む、実施形態239または240の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
242. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アロギーを含む、実施形態239~241のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
243. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、情動平坦化を含む、実施形態239~242のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
244. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態239~243のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
245. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、意欲消失を含む、実施形態239~244のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
246. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、感情鈍麻を含む、実施形態239~245のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
247. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アネルギーを含む、実施形態239~246のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
248. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態239~247のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
249. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、うつ病を含む、実施形態239~248のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
250. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、気分の低下を含む、実施形態239~249のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
251. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、認知障害を含む、実施形態239~250のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
252. 前記被験体が、パーキンソン病に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
253. 前記処置する工程が、前記被験体のパーキンソン病の1またはこれより多くの非運動症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、実施形態252の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
254. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、感覚症状、認知症状、自律神経症状、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態253の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
255. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの感覚症状を含む、実施形態254の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
256. 前記1またはこれより多くの感覚症状が、痺れ、不穏状態、疼痛、胸部不快感、嗅覚脱失、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態255の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
257. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの認知症状を含む、実施形態254~256のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
258. 前記1またはこれより多くの認知症状が、気分変化、うつ病、不安、パニック発作、疲労、混乱、思考の緩徐化、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態257の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
259. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの自律神経症状を含む、実施形態254~258のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
260. 前記1またはこれより多くの自律神経症状が、熱感/冷感、膀胱の問題、発汗、腹部不快感、便秘、流涎、頻尿および/または尿意促迫、勃起障害、あるいはこれらの組み合わせを含む、実施形態259の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
261. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、認知欠陥および/または認知障害、うつ病、不安、疲労、無関心、あるいはこれらの組み合わせを含む、実施形態253~260のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
262. 前記処置する工程が、前記被験体の非運動症状スケール(NMSS)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~261のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
263. 前記処置する工程が、前記被験体のMDS-UPDRS非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~262のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
264. 前記処置する工程が、前記被験体の疲労重症度スケール(FSS)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~263のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
265. 前記処置する工程が、前記被験体のベックうつ病一覧表II(BDI-II)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~264のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
266. 前記処置する工程が、前記被験体のベック不安一覧表(BAI)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~265のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
267. 前記処置する工程が、前記被験体のモントリオール認知評価(MoCA)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~266のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
268. 前記処置する工程が、前記被験体の1またはこれより多くのCogstate試験についてのスコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~267のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
269. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~268のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
270. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~269のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
271. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~270のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
272. 前記処置する工程が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~271のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
273. 前記処置する工程が、前記被験体のパーキンソン病質問票-39(PDQ-39)スコアを改善するかその悪化を遅らせることを含む、実施形態252~272のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
274. 前記被験体が、消化管疾患もしくは障害に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
275. 前記被験体が、過敏性腸症候群に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
276. 前記被験体が、炎症性腸疾患に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
277. 前記被験体が、潰瘍性大腸炎に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
278. 前記被験体が、クローン病に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
279. 前記被験体が、便秘に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
280. 前記被験体が、疼痛に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
281. 前記被験体が、内臓痛に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
282. 前記被験体が、関節リウマチに罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
283. 前記被験体が、片頭痛に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
284. 前記被験体が、頭痛に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
285. 前記被験体が、物質乱用に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
286. 前記被験体が、物質使用障害に罹患しており、必要に応じて、前記物質使用障害が、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、またはタバコ使用障害である、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
287. 前記被験体が、薬物嗜癖に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
288. 前記被験体が、オピオイド嗜癖(例えば、モルヒネ、ヘロイン、オキシコドン、またはフェンタニル)に罹患している、実施形態287の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩。
289. 前記被験体が、コカイン嗜癖に罹患している、実施形態287の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩。
290. 前記被験体が、ベンゾジアゼピン嗜癖(例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、またはクロナゼパム)に罹患している、実施形態287の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩。
291. 前記被験体が、発作性障害に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
292. 前記発作性障害がてんかんである、実施形態291の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
293. 前記てんかんが孤発性てんかんである、実施形態292の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
294. 前記被験体が、大うつ病性障害に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
295. 前記被験体が、非定型うつ病に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
296. 前記被験体が、大うつ病エピソード(MDE)(例えば、非定型MDE)に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
297. 前記被験体が、処置抵抗性うつ病に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
298. 前記被験体が、神経変性疾患の存在下でのうつ病(例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病)に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
299. 前記被験体が、パーキンソン病の存在下でうつ病に罹患している、実施形態298の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
300. 前記被験体が、アルツハイマー病の存在下でうつ病に罹患している、実施形態298の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
301. 前記被験体が、ALSの存在下でうつ病に罹患している、実施形態298の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
302. 前記被験体が、認知障害に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
303. 前記認知障害が軽度認知障害である、実施形態302の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
304. 前記被験体が、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
305. 前記被験体が、アルツハイマー病に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
306. 前記被験体が、ADHDに罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
307. 前記被験体が、自閉症スペクトラム障害に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
308. 前記被験体が、広汎性発達障害(必要に応じて、アスペルガー症候群またはレット症候群である)に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
309. 前記被験体が、非定型自閉症に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
310. 前記被験体が、多発性硬化症に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
311. 前記被験体が、PTSDに罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
312. 前記被験体が、睡眠障害に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
313. 前記被験体が、不眠症に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
314. 前記被験体が、日中の疲労に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
315. 前記被験体が、REM睡眠行動障害に罹患している、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
316. 前記処置する工程が、被験体における睡眠を改善することを含む、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
317. 前記被験体が、上昇したTNF-aレベルを有する、実施形態200~316のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
318. 前記処置する工程は、前記被験体の全体の患者健康質問票-9(PHQ-9)スコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを包含し、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体である、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
319. 前記処置する工程は、PHQ-9の質問のうちの1またはこれより多くのものに関する前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを包含する、実施形態318の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
320. 前記処置する工程は、PHQ-9の質問1、2、3、または6のうちの1またはこれより多くのものに関する前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを含む、実施形態319の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
321. 前記処置する工程は、CogStateグロトン迷路学習試験(GMLT)、CogState識別試験(IDN)、またはCogStateワンカード学習試験(OCL)のうちの1またはこれより多くのものにおいて前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせることを含み、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体である、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
322. 前記処置する工程は、前記被験体の脳波(EEG)のαバンドパワーまたはγバンドパワーのうちの少なくとも1つを改善するかまたはその悪化を遅らせることを含み、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体である、実施形態200~203のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、または実施形態204~205のいずれか1つの使用のためのペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
323. 前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約50mg/日~約750mg/日または約60mg/日~約540mg/日、必要に応じて60mg/日、180mg/日、または540mg/日の用量で提供される、実施形態200~322のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
324. 前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回から約10日の期間にわたって約7回まで使用するために提供される、実施形態200~323のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
325. 約60mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回使用するために提供される、実施形態200~323のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
326. 約180mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回使用するために提供される、実施形態200~323のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
327. 約540mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約4日の期間にわたって1回使用するために提供される、実施形態200~323のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
328. 約60mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約10日の期間にわたって約7回使用するために提供される、実施形態200~323のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
329. 約180mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約10日の期間にわたって約7回使用するために提供される、実施形態200~323のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
330. 約540mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約10日の期間にわたって約7回使用するために提供される、実施形態200~323のいずれか1つの使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩、またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
331. (a)炎症性疾患もしくは障害、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)の処置または予防のため、(b)睡眠を改善するため、または(c)被験体において認知を改善するための医薬の製造におけるペプチドまたは薬学的に受容可能なその塩の使用であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記医薬は、上昇したTNF-αレベルを有する被験体への投与のために製剤化されており、前記ペプチドは:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
必要に応じて、前記医薬は、経口投与のために製剤化されている、
使用。
332. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記アミノ酸配列が、LSSTQAQQSY(配列番号2)、LSSTQAQQSW(配列番号3)、またはLSSTQAQQSF(配列番号4)である、実施形態331の使用。
333. 前記ペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記アミノ酸配列が、LSSTQAQQSY(配列番号2)である、実施形態332の使用。
334. 前記ペプチドが、実施形態2~50のいずれか1つに記載されるぺプチドである、実施形態331の使用。
335. (a)炎症性疾患もしくは障害、統合失調症もしくは精神病、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくはALS)、消化管疾患もしくは障害(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、もしくは便秘)、疼痛(例えば、内臓痛)、関節リウマチ、片頭痛、頭痛、物質乱用(例えば、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、もしくはタバコ使用障害のような物質使用障害)、薬物嗜癖、発作性障害、大うつ病性障害、非定型うつ病、大うつ病エピソード(MDE)、処置抵抗性うつ病、神経変性疾患の存在下でのうつ病、認知障害、アルツハイマー病、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病、ADHD、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、非定型自閉症、多発性硬化症、PTSD、睡眠障害(例えば、不眠症、日中の疲労、またはREM睡眠行動障害)の処置または予防のため、(b)睡眠を改善するため、または(c)被験体において認知を改善するための医薬の製造におけるペプチド結合体または薬学的に受容可能なその塩の使用であって、必要に応じて、ここで(a)~(c)に関して、前記医薬は、上昇したTNF-αレベルを有する被験体への投与のために製剤化されており、ここで、前記ペプチド結合体は結合体部分に結合されたペプチド部分を含み、ここで前記ペプチド部分は:
a. 5~15アミノ酸の長さである;および
b. アミノ酸配列 LSSTQAQQSX(配列番号1)(ここでXは、Y、W、またはFである)からの少なくとも5個連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
必要に応じて、前記医薬は、経口投与のために製剤化されている、
使用。
336. 前記ペプチド部分が、実施形態2~50のいずれか1つに記載のペプチドである、実施形態335の使用。
337. 前記医薬が、統合失調症または精神病に罹患したまたはそのリスクがある被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
338. 前記医薬が、統合失調症に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態337の使用。
339. 前記医薬が、精神病的行動を示す被験体への投与のために製剤化されている、実施形態337または実施形態338の使用。
340. 前記被験体への前記医薬の投与統合失調症または精神病の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかその進行を遅らせる、実施形態337~339のいずれか1つの使用。
341. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害またはこれらの組み合わせを含む、実施形態340の使用。
342. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性を含む、実施形態341の使用。
343. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無快感症を含む、実施形態341~342のいずれか1つの使用。
344. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アロギーを含む、実施形態341~343のいずれか1つの使用。
345. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、情動平坦化を含む、実施形態341~344のいずれか1つの使用。
346. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態341~345のいずれか1つの使用。
347. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、意欲消失を含む、実施形態341~346のいずれか1つの使用。
348. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、感情鈍麻を含む、実施形態341~347のいずれか1つの使用。
349. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アネルギーを含む、実施形態341~348のいずれか1つの使用。
350. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態341~349のいずれか1つの使用。
351. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、うつ病を含む、実施形態341~350のいずれか1つの使用。
352. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、気分の低下を含む、実施形態341~351のいずれか1つの使用。
353. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、認知障害を含む、実施形態341~352のいずれか1つの使用。
354. 前記被験体への前記医薬の投与は、前記被験体の認知欠陥を改善するかまたはその進行を遅らせ、必要に応じて、前記認知欠陥が、言語性ワーキングメモリ、空間性ワーキングメモリ、言語の流暢さ、言語学習、またはこれらの組み合わせにおける欠陥を含む、実施形態337~353のいずれか1つの使用。
355. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の陽性症候群および陰性症候群スケール(PANSS)陰性症状因子スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~354のいずれか1つの使用。
356. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の陰性症状評価(SANS)スコアのスケールを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~355のいずれか1つの使用。
357. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の個人および社会パフォーマンス(PSP)合計スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~356のいずれか1つの使用。
358. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のPANSS合計スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~357のいずれか1つの使用。
359. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のPANSS因子スコアの1またはこれより多くのを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~358のいずれか1つの使用。
360. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のPANSSサブスケールスコアの1またはこれより多くのを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~359のいずれか1つの使用。
361. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~360のいずれか1つの使用。
362. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)陰性症状評価スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~361のいずれか1つの使用。
363. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態337~362のいずれか1つの使用。
364. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)陰性症状スコアを改善するかそれを遅らせる、実施形態337~363のいずれか1つの使用。
365. 前記医薬が、神経変性疾患に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
366. 前記被験体が、パーキンソン病に罹患している、実施形態365の使用。
367. 前記被験体が、アルツハイマー病に罹患している、実施形態365の使用。
368. 前記被験体が、ALSに罹患している、実施形態365の使用。
369. 前記処置する工程が、前記神経変性疾患の1またはこれより多くの陰性症状を改善するかまたはその進行を遅らせることを含む、実施形態365~368のいずれか1つの使用。
370. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性、無快感症、アロギー、情動平坦化、無関心、意欲消失、感情鈍麻、アネルギー、無関心、うつ病、気分の低下、認知障害またはこれらの組み合わせを含む、実施形態369の使用。
371. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、非社会性を含む、実施形態370の使用。
372. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無快感症を含む、実施形態370または実施形態371の使用。
373. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アロギーを含む、実施形態370~372のいずれか1つの使用。
374. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、情動平坦化を含む、実施形態370~373のいずれか1つの使用。
375. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態370~374のいずれか1つの使用。
376. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、意欲消失を含む、実施形態370~375のいずれか1つの使用。
377. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、感情鈍麻を含む、実施形態370~376のいずれか1つの使用。
378. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、アネルギーを含む、実施形態370~377のいずれか1つの使用。
379. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、無関心を含む、実施形態370~378のいずれか1つの使用。
380. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、うつ病を含む、実施形態370~379のいずれか1つの使用。
381. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、気分の低下を含む、実施形態370~380のいずれか1つの使用。
382. 前記1またはこれより多くの陰性症状が、認知障害を含む、実施形態370~381のいずれか1つの使用。
383. 前記医薬が、パーキンソン病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
384. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のパーキンソン病の1またはこれより多くの非運動症状を改善するかその進行を遅らせる、実施形態365の使用。
385. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、感覚症状、認知症状、自律神経症状、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態384の使用。
386. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの感覚症状を含む、実施形態385の使用。
387. 前記1またはこれより多くの感覚症状が、痺れ、不穏状態、疼痛、胸部不快感、嗅覚脱失、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態386の使用。
388. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの認知症状を含む、実施形態384~387のいずれか1つの使用。
389. 前記1またはこれより多くの認知症状が、気分変化、うつ病、不安、パニック発作、疲労、混乱、思考の緩徐化、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態388の使用。
390. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、1またはこれより多くの自律神経症状を含む、実施形態384~389のいずれか1つの使用。
391. 前記1またはこれより多くの自律神経症状が、熱感/冷感、膀胱の問題、発汗、腹部不快感、便秘、流涎、頻尿および/または尿意促迫、勃起障害、あるいはこれらの組み合わせを含む、実施形態390の使用。
392. 前記1またはこれより多くの非運動症状が、認知欠陥および/または認知障害、うつ病、不安、疲労、無関心、あるいはこれらの組み合わせを含む、実施形態384~391のいずれか1つの使用。
393. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の非運動症状スケール(NMSS)スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~392のいずれか1つの使用。
394. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のMDS-UPDRS非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~393のいずれか1つの使用。
395. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の疲労重症度スケール(FSS)スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~394のいずれか1つの使用。
396. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のベックうつ病一覧表II(BDI-II)スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~395のいずれか1つの使用。
397. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のベック不安一覧表(BAI)スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~396のいずれか1つの使用。
398. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のモントリオール認知評価(MoCA)スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~397のいずれか1つの使用。
399. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の1またはこれより多くのCogstate試験についてのスコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~398のいずれか1つの使用。
400. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~399のいずれか1つの使用。
401. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体印象改善(CGI-I)非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~400のいずれか1つの使用。
402. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)全体スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~401のいずれか1つの使用。
403. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体の臨床全体改善重症度(CGI-S)非運動症状スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~402のいずれか1つの使用。
404. 前記被験体への前記医薬の投与が、前記被験体のパーキンソン病質問票-39(PDQ-39)スコアを改善するかその悪化を遅らせる、実施形態383~403のいずれか1つの使用。
405. 前記医薬が、消化管疾患もしくは障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
406. 前記医薬が、過敏性腸症候群に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
407. 前記医薬が、炎症性腸疾患に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
408. 前記医薬が、潰瘍性大腸炎に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
409. 前記医薬が、クローン病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
410. 前記医薬が、便秘に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
411. 前記医薬が、疼痛に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
412. 前記医薬が、内臓痛に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
413. 前記医薬が、関節リウマチに罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
414. 前記医薬が、片頭痛に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
415. 前記医薬が、頭痛に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
416. 前記医薬が、物質乱用に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
417. 前記医薬が物質使用障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されており、必要に応じて、前記物質使用障害が、薬物使用障害、多物質使用障害、アルコール使用障害、ニコチン使用障害、またはタバコ使用障害である、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
418. 前記医薬が、薬物嗜癖に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
419. 前記被験体が、オピオイド嗜癖(例えば、モルヒネ、ヘロイン、オキシコドン、またはフェンタニル)に罹患している、実施形態418の使用。
420. 前記被験体が、コカイン嗜癖に罹患している、実施形態418の使用。
421. 前記被験体が、ベンゾジアゼピン嗜癖(例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、またはクロナゼパム)に罹患している、実施形態418の使用。
422. 前記医薬が、発作性障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
423. 前記発作性障害がてんかんである、実施形態422の使用。
424. 前記てんかんが孤発性てんかんである、実施形態423の使用のためのペプチドまたはその薬学的に許容可能な塩またはペプチド結合体またはその薬学的に許容可能な塩。
425. 前記医薬が、大うつ病性障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
426. 前記医薬が、非定型うつ病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
427. 前記医薬が、大うつ病エピソード(MDE)(例えば、非定型MDE)に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
428. 前記医薬が、処置抵抗性うつ病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
429. 前記医薬が、神経変性疾患の存在下でのうつ病(例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病)に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
430. 前記医薬が、パーキンソン病の存在下でうつ病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態429の使用。
431. 前記医薬が、アルツハイマー病の存在下でうつ病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態429の使用。
432. 前記医薬が、ALSの存在下でうつ病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態429の使用。
433. 前記医薬が、認知障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
434. 前記認知障害が軽度認知障害である、実施形態433の使用。
435. 前記医薬が、COVID-19関連認知障害および/またはうつ病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
436. 前記医薬が、アルツハイマー病に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
437. 前記医薬が、ADHDに罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
438. 前記医薬が、自閉症スペクトラム障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
439. 前記医薬が、広汎性発達障害(必要に応じて、アスペルガー症候群またはレット症候群である)に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
440. 前記医薬が、非定型自閉症に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
441. 前記医薬が、多発性硬化症に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
442. 前記医薬が、PTSDに罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
443. 前記医薬が、睡眠障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
444. 前記医薬が、不眠症に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
445. 前記医薬が、日中の疲労に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
446. 前記医薬が、REM睡眠行動障害に罹患した被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
447. 前記医薬が、改善された睡眠を必要とする被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
448. 前記被験体が、上昇したTNF-αレベルを有する、実施形態331~447のいずれか1つの使用。
449. 前記医薬の投与が、前記被験体の全体の患者健康質問票-9(PHQ-9)スコアを改善するかまたはその悪化を遅らせ、必要に応じてここで前記被験体は、(a)に示される状態に罹患していないか、または健常被験体であり、必要に応じて、ここで前記医薬は、(a)に示される状態に罹患していない被験体、または健常被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336、のいずれか1つの使用。
450. 前記医薬の投与が、PHQ-9の質問のうちの1またはこれより多くのものに関する前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせる、実施形態449の使用。
451. 前記医薬の投与が、PHQ-9の質問1、2、3、または6のうちの1またはこれより多くのものに関する前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせる、実施形態450の使用。
452. 前記医薬の投与が、CogStateグロトン迷路学習試験(GMLT)、CogState識別試験(IDN)、またはCogStateワンカード学習試験(OCL)のうちの1またはこれより多くのものにおいて前記被験体のスコアを改善するかまたはその悪化を遅らせ、必要に応じて、ここで前記医薬は、(a)に示される状態に罹患していない被験体、または健常被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
453. 前記医薬の投与が、前記被験体の脳波(EEG)のαバンドパワーまたはγバンドパワーのうちの少なくとも1つを改善するかまたはその悪化を遅らせ、必要に応じてここで前記医薬は、(a)に示される状態に罹患していない被験体、または健常被験体への投与のために製剤化されている、実施形態331~336のいずれか1つの使用。
454. 前記医薬が、前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩は、約50mg~約750mgまたは約60mg/日~約540mg/日の用量を提供するように製剤化されている、実施形態331~453のいずれか1つの使用。
455. 前記医薬が、前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩の用量を、約4日の期間にわたって1回から約10日の期間にわたって約7回提供するように製剤化されている、実施形態331~454のいずれか1つの使用。
456. 前記医薬が、約60mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩の用量を、約4日の期間にわたって1回提供するように製剤化されている、実施形態331~454のいずれか1つの使用。
457. 前記医薬が、約180mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩の用量を、約4日の期間にわたって1回提供するように製剤化されている、実施形態331~454のいずれか1つの使用。
458. 前記医薬が、約540mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩の用量を、約4日の期間にわたって1回提供するように製剤化されている、実施形態331~454のいずれか1つの使用。
459. 前記医薬が、約60mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩の用量を、約10日の期間にわたって約7回提供するように製剤化されている、実施形態331~454のいずれか1つの使用。
460. 前記医薬が、約180mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩の用量を、約10日の期間にわたって約7回提供するように製剤化されている、実施形態331~454のいずれか1つの使用。
461. 前記医薬が、約540mg/日の前記ペプチドもしくは薬学的に受容可能なその塩、または前記ペプチド結合体もしくは薬学的に受容可能なその塩の用量を、約10日の期間にわたって約7回提供するように製剤化されている、実施形態331~454のいずれか1つの使用。
【0162】
9.援用の表示
本出願において引用される全ての刊行物、特許、特許出願および他の文書は、各個々の刊行物、特許、特許出願または他の文書が全ての目的のために援用されることが個々に示される場合と同程度に、全ての目的のためにそれらの全体において本明細書に参考として援用される。その場合に、本明細書で援用される参考文献のうちの1またはこれより多くのものにおける教示と本開示との間に何らかの矛盾がある場合、本明細書の教示が意図される。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【配列表】
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【国際調査報告】