(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】発振器周波数精度及び振幅制御
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H03B5/32 J
H03B5/32 C
H03B5/32 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536261
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 US2022052768
(87)【国際公開番号】W WO2023114249
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ヘイゲン グラフ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル グリフィス
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079BA12
5J079BA32
5J079DA12
5J079FA22
5J079FB09
5J079FB38
5J079FB39
5J079FB40
5J079GA09
5J079KA01
(57)【要約】
幾つかの例において、電子デバイス(104)が、出力信号を提供するように構成される発振器回路(118)と、発振器回路に結合されるコントローラ(112)とを含む。コントローラは、第1の目標レート及び第2の目標レートを受け取り、第1の目標レートに基づいて出力信号の周波数精度を動的に調節し、第2の目標レートに基づいて出力信号の振幅を動的に調節するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
出力信号を提供するように構成される発振器回路と、
前記発振器回路に結合されるコントローラと、
を含み、
前記コントローラが、
第1及び第2の目標レートを受け取り、
前記第1の目標レートに基づいて前記出力信号の周波数精度を動的に調節し、
前記第2の目標レートに基づいて前記出力信号の振幅を動的に調節する、
ように構成される、
電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記発振器回路が可変コンデンサを含み、前記コントローラが、前記可変コンデンサを調節することによって前記周波数精度を動的に調節するように構成される、電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記発振器回路が可変抵抗器を含み、前記コントローラが、前記可変抵抗器を調節することによって前記振幅を動的に調節するように構成される、電子デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記発振器回路に結合される第2のコントローラをさらに含み、前記第2コントローラが、前記出力信号の前記振幅を制御するために前記発振器回路内の電流ミラーを調節するように構成される、電子デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記コントローラが、前記発振器回路の水晶のエネルギーを目標範囲内に維持するために、前記周波数精度及び前記振幅の調節を交互に行うように構成される、電子デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記発振器回路がピアス発振器回路である、電子デバイス。
【請求項7】
電子デバイスであって、
発振器回路であって、前記発振器回路の出力信号の周波数精度を制御するように構成される第1の調節可能な構成要素と、前記出力信号の振幅を制御するように構成される第2の調節可能な構成要素とを含む、前記発振器回路と、
前記発振器回路に結合されるコントローラと、
を含み、
前記コントローラが、
第1の閾値レートを超えない第1のレートで、前記第1の調節可能な構成要素の第1の値を第1の目標値に調節し、
レート 第2の閾値レートを超えない第2のレートで、前記第2の調節可能な構成要素の第2の値を第2の目標値に調節する、
ように構成され、
前記第1の目標値及び前記第1の閾値レートが、前記コントローラへの動的に調節可能な入力であり、
前記第2の目標値及び前記第2の閾値レートが、前記コントローラへの動的に調節可能な入力である、
電子デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の電子デバイスであって、前記発振器回路が水晶発振器回路である、電子デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載の電子デバイスであって、前記発振器回路がピアス発振器回路である、電子デバイス。
【請求項10】
請求項7に記載の電子デバイスであって、前記第1の調節可能な構成要素が、前記発振器回路の増幅器に結合される可変コンデンサである、電子デバイス。
【請求項11】
請求項7に記載の電子デバイスであって、前記第2の調節可能な構成要素が、可変抵抗を提供するように構成される可変抵抗器である、電子デバイス。
【請求項12】
請求項7に記載の電子デバイスであって、前記発振器回路の電流ミラーを調節することによって前記出力信号の前記振幅を制御するように構成される第2のコントローラをさらに含み、前記電流がミラー前記発振器回路の増幅器に結合される、電子デバイス。
【請求項13】
請求項7に記載の電子デバイスであって、前記第1の閾値レートがステップサイズと時間増分とを含み、前記ステップサイズが、前記時間増分のインスタンスごとに前記第1の目標値に向かう前記第1の値における最大許容変化を示す、電子デバイス。
【請求項14】
請求項7に記載の電子デバイスであって、前記コントローラが、前記発振器回路の水晶におけるエネルギーを目標範囲内に維持するために、前記第1の調節可能な構成要素に対する調節と第2の調節可能な構成要素に対する調節と交互に行うように構成される、電子デバイス。
【請求項15】
方法であって、
発振器出力信号の周波数精度について第1の目標値及び第1の閾値レートを受け取ることと、
前記発振器出力信号の振幅について第2の目標値及び第2の閾値レートを受け取ることと、
前記発振器出力信号の前記周波数精度の第1の値を前記第1の目標値に向けて前記第1の閾値レートに等しいかそれ以下のレートで調節することと、
前記発振器出力信号の前記振幅の第2の値を前記第2の目標値に向けて前記第2の閾値レートに等しいかそれ以下のレートで調節することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記第1の閾値レートがステップサイズと時間増分とを含み、前記ステップサイズが、前記時間増分インスタンスごとに前記第1の目標値に向かう前記第1の値における最大許容変化を示す、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、時間増分を受け取ることと、前記第1の値の前記調節を前記時間増分だけ遅らせることとをさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、前記第1の値を調節することが、発振器内の増幅器に結合される可変コンデンサを調節することを含み、前記発振器が前記発振器出力信号を出力するように構成される、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記第2の値を調節することが、前記発振器内に可変抵抗を提供するように構成される可変抵抗器を調節することを含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記発振器の結晶におけるエネルギーを目標範囲内に維持するために、前記第1の値に対する調節と前記第2の値に対する調節とを交互に行うことをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
回路は様々な動作を実施する。回路動作の中にはクロック信号が役に立つものがあることがある。発振器はこのようなクロック信号を回路に提供し得る。発振器は、異なる周波数を有するクロック信号を提供し得、或る発振器が様々な精度レベルで特定の周波数のクロック信号を提供し得る。例えば、高いクロック信号周波数精度レベルを要求する応用例(無線周波数通信など)において、或る発振器が高電力モードで動作し得、目標周波数からわずかにしか変動しないクロック信号を提供する。逆に、低いクロック信号周波数精度レベルしか必要としない応用例(アイドリング計時など)において、或る発振器が低電力モードで動作し得、目標周波数からより大きく変動し得るクロック信号を提供する。
【発明の概要】
【0002】
幾つかの例において、電子デバイスが、出力信号を提供するように構成される発振器回路と、発振器回路に結合されるコントローラとを含む。コントローラは、第1及び第2の目標レートを受け取り、第1の目標レートに基づいて出力信号の周波数精度を動的に調節し、第2の目標レートに基づいて出力信号の振幅を動的に調節するように構成される。
【0003】
幾つかの例において、或る方法が、発振器出力信号の周波数精度について第1の目標値及び第1の閾値レートを受け取ることと、発振器出力信号の振幅について第2の目標値及び第2の閾値レートを受け取ることと、発振器出力信号の周波数精度の第1の値を前記第1の目標値に向けて第1の閾値レートに等しいかそれ以下のレートで調節することと、発振器出力信号の振幅の第2の値を第2の目標値に向けて第2の閾値レートに等しいかそれ以下のレートで調節することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成されるシステムのブロック図である。
【0005】
【
図2】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスの回路概略図である。
【0006】
【
図3】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスの動作を示すタイミング図である。
【0007】
【
図4】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスの振幅コントローラのブロック図である。
【0008】
【
図5】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスを動作させるのに有用なデータ構造を示す。
【0009】
【
図6】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスのモードコントローラのブロック図である。
【0010】
【
図7】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスを動作させるのに有用なデータ構造を示す。
【0011】
【
図8】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスを動作させるための方法のフローチャートである。
【0012】
【
図9】様々な例における、発振器周波数精度及び振幅を制御するように構成される電子デバイスの回路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述したように、発振器が、消費電力とクロック信号周波数精度とのトレードオフを利用する様々な動作モードを有する。例えば、或る発振器が、大量の電力を消費するが極めて正確なクロック信号周波数を提供する第1の電力モードと、少量の電力しか消費しないが精度が劣るクロック信号周波数を提供する第2の電力モードとを有し得る。
【0014】
ただし、多くの応用例において、二つの発振器電力モードでは適切な粒度が得られない。応用例の中には、第1の電力モードと第2の電力モードとの間に付加的な電力モードを必要とするものがあり得る。例えば、或るアプリケーションが、高い周波数精度で多い消費電力又は低い周波数精度で少ない消費電力ではなく、中程度の周波数精度で中程度の消費電力を必要とすることがある。他のアプリケーションが、さらに細かい粒度を必要とすることがある。
【0015】
また、電力モード間の勾配が大きいと、発振器回路が不安定になり得る。例えば、大電力・高周波数精度モードから小電力・低周波数精度モードに切り替えると、発振器回路水晶のエネルギー量が大きく変動し得る。発振器回路水晶に適用されるこのエネルギー勾配は、発振器回路を不安定にし得、その結果、クロックパルスの形状異常、クロックパルスの消失、又は発振の停止が生じ得る。
【0016】
本説明は、上述の課題を軽減する電子デバイスの様々な例を提供するものである。具体的には、電子デバイスは、水晶発振器回路と、発振器回路に結合されるデジタルコントローラとを含む。デジタルコントローラは、発振器回路クロック信号のための目標振幅及び周波数精度レベルを特定する入力を(例えば、電子デバイス内のプロセッサから)受け取る。こういった入力は、また、発振器が現在の振幅及び周波数精度レベルから目標の振幅及び周波数精度レベルに移行するレートを特定する。デジタルコントローラは、可変コンデンサ、可変抵抗器、電流ミラーなどの発振器回路内の構成要素を制御して、デジタルコントローラへの入力によって特定される目標振幅及び周波数精度レベルを達成する。また、デジタルコントローラは、発振器回路を制御して、デジタルコントローラへの入力によって特定される目標レートレートでこれらの目標振幅及び周波数精度レベルを達成する。このようにして、発振器回路は、特定のクロック信号振幅及び周波数精度レベルを高い粒度レベルで提供するように制御され得る。また、発振器回路は、目標クロック信号振幅及び周波数精度レベルに滑らかで緩やかに移行するように制御され得、そのため、発振器回路水晶における大きなエネルギー勾配から派生する発振器回路の不安定化が回避される。
【0017】
図1は、様々な例における、発振器周波数精度及び電力(例えば、振幅)を制御するように構成されるシステム100のブロック図である。例示のシステム100は、パーソナルコンピュータ、サーバー、機器、ネットワーキング装置、自動車、航空機、宇宙船、又は、発振器を含み得る任意のその他の適切な技術とし得、又はそれらを含み得、或いはそれらの一部とし得る。システム100は、プロセッサ102、電子デバイス104、回路106、及びストレージ108を含む。幾つかの例において、電子デバイス104の構成要素は、単一の半導体パッケージに含まれる。幾つかの例において、電子デバイス104の構成要素は、二つ又はそれ以上の半導体パッケージに分布する。回路106は、発振器によって生成されるクロック信号を用いる任意のタイプの回路である。回路106は、クロック信号を利用して、例えば、無線周波数、コンピューティング、及び/又は計時応用例を実施し得る。ストレージ108は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)や読出し専用メモリ(ROM)など、任意の適切なタイプのストレージである。幾つかの例において、プロセッサ102、電子デバイス104、回路106、及び/又はストレージ108は、(明示的に示さない)共通のプリント回路基板上に共に実装される。他の例において、プロセッサ102、電子デバイス104、回路106、及び/又はストレージ108は、二つ又はそれ以上のプリント回路基板上に搭載される。
【0018】
ストレージ108は実行可能コード110を含み、実行可能コード110は、プロセッサ102によって実行されると、プロセッサ102に、本明細書においてプロセッサ102に帰する作用の一部又は全部を実施する。電子デバイス104はデジタルコントローラ112を含み、デジタルコントローラ112は、振幅コントローラ114及びモードコントローラ116を含む。振幅コントローラ114及びモードコントローラ116の例示の構造及び動作を後述する。電子デバイス104はまた、発振器回路118を含み、その例示の構造及び動作についても後述する。プロセッサ102は一つ又は複数のレジスタ120を含み、その例示の動作を後述する。
【0019】
接続122が、プロセッサ102と振幅コントローラ114とを結合する。接続124が、プロセッサ102とモードコントローラ116とを結合する。接続126が、振幅コントローラ114と発振器回路118とを結合する。接続128が、モードコントローラ116と発振器回路118とを結合する。接続130が、発振器回路118を回路106に結合する。振幅フィードバック接続132が、発振器回路118を振幅コントローラ114及びモードコントローラ116に結合する。発振器回路118は水晶134に結合される。幾つかの例において、水晶134は電子デバイス104の一部であり、他の例において、水晶134は電子デバイス104の外部にある。同様に、
図1において電子デバイス104内にあるとして示す様々な構成要素は、幾つかの例において、電子デバイス104の外部にあってもよい。本明細書において説明する様々な接続は、例であり、本記載の範囲を制限するものではない。図面において、或る接続を横切って延びる斜線は、その接続が複数の接続を含み得ることを示すが、本明細書において明瞭さ及び簡潔さを保つために単一の接続として表し、参照する。横切る斜線を有しない接続に一つ又は複数の接続が含まれる場合も、本記載の範囲内である。同様に、本記載の範囲は、図面に示す構成要素の精密な構成に限定されない。
【0020】
動作において、発振器回路118は、回路106にクロック信号CLKを提供する。回路106は、CLKを任意の適切な方式で用いる。デジタルコントローラ112は、レジスタ120から受け取る入力に基づいて発振器回路118を制御する。例えば、デジタルコントローラ112は、発振器回路118内の構成要素を動的に調節して、CLKの振幅及び周波数精度を動的に制御する。例えば、デジタルコントローラ112は、発振器回路118内の可変コンデンサを調節して、CLKの周波数を目標周波数により正確に合致させ得る。同様に、デジタルコントローラ112は、発振器回路118内の可変コンデンサを調節して、CLKの周波数を目標周波数に対してより大きな度合いで変動させ得る(例えば、デジタルコントローラ112は、CLK周波数精度が低下することを許容し得る)。例えば、デジタルコントローラ112は、発振器回路118内の可変抵抗器、発振器回路118内の電流ミラー、又はそれらの組合せを調節して、CLKの振幅を増加又は減少させ得る。後述するように、幾つかの例において、振幅コントローラ114は、接続126を介して発振器回路118の電流ミラーを調節することによってCLKの振幅を制御するように構成される。同様に、後述するように、幾つかの例において、モードコントローラ116は、接続128を介して、それぞれ、発振器回路118の可変抵抗器及び可変コンデンサを調節することによって、CLKの振幅及びCLKの周波数精度を制御するように構成される。振幅フィードバック接続132は、発振器回路118から振幅コントローラ114及びモードコントローラ116に振幅フィードバックを提供して、振幅コントローラ114及びモードコントローラ116がCLKの目標振幅を維持し得るようにする。
【0021】
振幅コントローラ114及びモードコントローラ116は、上述したように、また下記にさらに詳細に説明するように、発振器回路118を操作することによってCLKを制御する。幾つかの例において、振幅コントローラ114及びモードコントローラ116の挙動は、レジスタ120の内容によって決定される。言い換えると、エンジニア、設計者、コンピュータ科学者、又はソフトウェア開発者などのユーザが、プロセッサ102に(例えば、キーボード、マウス、マイクなどの入力デバイスを用いて)CLKの目標振幅及び目標周波数精度について指示し得る。ユーザはまた、プロセッサ102に、CLKの振幅及び周波数精度が目標振幅及び目標周波数精度に変更される目標レートについて指示することもできる。上述したように、振幅及び/又は周波数精度の急激な変化は、発振器回路118を不安定にし得る。そのため、幾つかの例において、目標レートが、CLKの振幅及び周波数の精度の滑らかで緩やかな変化を容易にする。プロセッサ102は、このような入力を受け取り、それを、振幅コントローラ114及びモードコントローラ116が理解し得るデータ形式など、任意の適切なデータ形式でレジスタ120に格納する。振幅コントローラ114は、接続122を介してレジスタ120の内容を読み出し、モードコントローラ116は、接続124を介してレジスタ120の内容を読み出す。次いで、振幅コントローラ114及びモードコントローラ116は、フェッチされたレジスタの内容に基づいて発振器回路118を制御するように動作する。本記載の残りの部分では、
図2~
図9を参照して、
図1の様々な構成要素をさらに詳細に説明する。
【0022】
図2は、様々な例における電子デバイス104の回路概略図である。上述したように、電子デバイス104は、発振器回路118に結合されるデジタルコントローラ112を含む。幾つかの例において、発振器回路118はピアス(Pierce)発振器回路である。本記載の範囲は、コルピッツ(Colpitts)発振器回路及びクラップ(Clapp)発振器回路など、その他の発振器回路を含む。
図2は発振器回路118を水晶発振器回路として示すが、非水晶発振器回路も有用であり得る。例示の発振器回路118が、トランジスタ206(例えば、金属酸化物半導体FET(MOSFET)などの電界効果トランジスタ(FET))とトランジスタ208(例えば、FET)とを含む、電流ミラー204を含む。幾つかの例において、トランジスタ206及び208はp型FETである。トランジスタ206及び208のソースは、互いに結合され、電圧源209に結合される。トランジスタ206及び208のゲートはノード212において互いに結合される。トランジスタ206のドレインはノード212に結合される。トランジスタ208のドレインはノード213に結合される。
【0023】
ノード212は、可変抵抗器210(例えば、デジタル電位差計)の第1の端部に結合される。可変抵抗器210の第2の端部がノード222に結合される。
【0024】
ノード213は抵抗器211の第1の端部に結合される。抵抗器211の第2の端部がノード214に結合される。水晶134(例えば、圧電結晶)は、ノード213及び214にわたって結合される。トランジスタ216(例えば、n型FET)がノード213と222との間に結合される。例えば、トランジスタ216のドレインがノード213に結合され、トランジスタ216のソースがノード222に結合される。トランジスタ216のゲートがノード214に結合される。
【0025】
可変コンデンサ218(例えば、デジタル調整可能コンデンサ、デジタルプログラム可能可変コンデンサ)が、ノード213と222の間に結合される。可変コンデンサ220が、ノード214と222の間に結合される。可変コンデンサ218及び220は、負荷コンデンサと称することがある。ノード222は別の電圧源224に結合される。幾つかの例において、電圧源224は接地される。
【0026】
振幅検出器226が、ノード214に結合される入力を有する。幾つかの例において、振幅検出器226は、水晶134に並列にノード213及び214に結合され得る。振幅検出器226は、アナログデジタルコンバータ(ADC)228の入力に結合される出力を有する。ADC228の出力が、振幅フィードバック接続132に結合される。発振器回路118の出力は、ノード213において接続130として記され、クロック信号CLKを提供する。
【0027】
デジタルコントローラ112は、振幅コントローラ114とモードコントローラ116とを含む。振幅コントローラ114及びモードコントローラ116への振幅フィードバック接続132は、発振器回路118からの振幅フィードバックを提供する。幾つかの例において、
図1に示すように、振幅フィードバック接続132は、モードコントローラ116に直接結合し、振幅コントローラ114に直接結合する。他の例において、振幅フィードバック接続132はモードコントローラ116に直接結合し、モードコントローラ116は、
図2に示すように、振幅フィードバック接続132(一貫性を保つためにモードコントローラ116に提供される接続132と番号132を共用する)上の振幅フィードバック信号を振幅コントローラ114に提供する。他の構成も企図される。
【0028】
振幅コントローラ114は、接続122を介して目標比入力を受け取る。目標比は、振幅コントローラ114に対して、CLKの目標振幅を達成するように振幅コントローラ114が発振器回路118内の電流ミラー204を制御する方式を示す。幾つかの例において、振幅コントローラ114は、レジスタ120(
図1)から目標比を受け取る。
【0029】
モードコントローラ116は、レジスタ120(
図1)から接続124を介して入力を受け取る。上述したように、図面に示す一つ又は複数の接続は、単一接続として示す場合でも、複数の物理接続を含み得る。例えば、接続124は、3つの目標入力接続、3つの時間増分入力接続、及び3つのステップサイズ入力接続の9つの物理的接続を含み得る。3つの目標入力接続は、可変抵抗器210、可変コンデンサ218、及び可変コンデンサ220についての目標値を示す。3つの時間増分入力接続は、モードコントローラ116が、可変抵抗器210、可変コンデンサ218、及び可変コンデンサ220についての目標値を受け取ってから、発振器回路118においてこれらの目標値を有効にするまでの待機時間を示す。3つのステップサイズ入力接続は、可変抵抗器210、可変コンデンサ218、及び可変コンデンサ220を調節するときにモードコントローラ116が取り得る最大ステップを示す。例えば、ステップサイズ入力は、可変抵抗器210を調節するときに、モードコントローラ116が、可能な限り粒度が小さいステップを取ることを示し得る。そのため、モードコントローラ116は、可変抵抗器210へのデジタル制御出力を0000から0100に変更する代わりに、可変抵抗器210へのデジタル制御出力を0000から0001、次いで0010、次いで0011、次いで0100に変更し得る。このようにして、モードコントローラ116は、発振器回路118内の抵抗値と静電容量値の間の滑らかで緩やかな変化を達成する。
図2は3つの別個の接続を含み得る接続128も示す。第一の接続は、モードコントローラ116から可変抵抗器210への出力接続であり、これによって可変抵抗器210が制御され、第2の接続は、モードコントローラ116から可変コンデンサ218への出力接続であり、これによって可変コンデンサ218が制御され、第3の接続は、モードコントローラ116から可変コンデンサ220への出力接続であり、これによって可変コンデンサ220が制御される。
【0030】
ここで、電子デバイス104の動作を説明する。まず、発振器回路118の動作を説明し、次にデジタルコントローラ112の動作を説明する。水晶134は圧電結晶である。したがって、水晶134の両端に電圧が印加されると、水晶134は物理的に変形する。水晶134の両端に電圧が印加されなくなると、水晶134は、その物理的変形を反転し、その端子間(例えば、ノード213と214)に電圧を提供する。トランジスタ216は増幅器として動作し、トランジスタ216のゲートにおける小さな電圧変化によってドレイン電流に大きな変化が生じる。水晶134及びトランジスタ216は、ループ内で共に結合される。ループは、トランジスタ216、ノード213、水晶134、及びノード214を含む。可変コンデンサ218、220(これらは負荷コンデンサと称することもある)は、それぞれノード213及び214に結合されるので、可変コンデンサ218、220もループの一部となる。ループを通る電圧は、振動し始め、バルクハウゼン(Barkhausen)基準として知られる或る振動基準が満たされている限り振動し続ける。振動に関するバルクハウゼン基準は、i)所望の振動周波数においてループ周りの利得の積が少なくとも1でなければならないことと、ii)ループ周りの総位相シフトが0又は2π(360度)の任意の整数倍でなければならないこととを含む。バルクハウゼン基準が満たされると、ループは振動の開始フェーズを開始する。具体的には、トランジスタ216が、ループ内のイズ(回路内の任意のソースからの任意のイズであり得る)を増幅し、増幅された信号を水晶134に提供する。水晶134は、固有の共振周波数を有し、この共振周波数を有する信号にのみ応答することによってフィルタとして動作する。水晶134は他の周波数の信号には応答しない。水晶134は共振周波数の信号をトランジスタ216に戻し、トランジスタ216は水晶134から受け取った信号を増幅し、増幅した信号を水晶134に提供する。この増幅及び周波数フィルタリングの振動プロセスは、トランジスタ216と水晶134の間で継続する。この振動は、ループがバルクハウゼン基準を満たす限り継続する。
【0031】
図2のループは、i)トランジスタ216が少なくとも1の利得を提供するように選択され、ii)トランジスタ216と水晶134と可変コンデンサ218及び220とを含むループ周りの総位相シフトが0又は2πの整数倍になるように設計されるので、バルクハウゼン基準を満足する。例えば、水晶134は、可変コンデンサ218及び220と組み合わせると、πネットワークバンドパスフィルタを形成して、水晶134の共振周波数付近において180°位相シフトと出力から入力への電圧利得とを提供する。振動のこの周波数において、水晶134には誘導性が現れる。πネットワークからの180°位相シフト(例えば、反転利得)とトランジスタ216からの負の利得との組合せが正のループ利得になり、抵抗器211によって設定されるバイアス点が不安定になり、結果として発振が生じる。
【0032】
可変コンデンサ218、220は、ループ内で振動する信号、ひいてはクロック信号CLKの周波数精度を著しく制御する。より具体的には、水晶134は、可変コンデンサ218、220(例えば、負荷コンデンサ)によって提供される負荷静電容量が或る特定の値になるときに、共振周波数が目標値になるように製作される。負荷静電容量が一層小さい場合、水晶134の共振周波数は特定された値よりも高くなる(例えば、周波数誤差が大きくなる)が、振動を維持するために必要な電力は比較的小さくなる。可変コンデンサ218、220は接地に結合されているので、これらは水晶134の両端に直列になる。そのため、例えば、可変コンデンサ218、220がいずれも16ピコファラッドに設定されている場合、水晶134は、8ピコファラッドの負荷静電容量(直列に接続される二つの16ピコファラッドのコンデンサに相当)を有する。水晶134が8ピコファラッドの負荷静電容量を有するように特定される場合、可変コンデンサ218、220をそれぞれ16ピコファラッドに設定すると、目標共振周波数が得られる。代わりに、可変コンデンサ218、220がそれぞれ10ピコファラッドに設定される場合、組合せ負荷静電容量は5ピコファラッドになり、共振周波数は目標値よりも高くなる。そのため、可変コンデンサ218、220の静電容量を調節すると、振動信号の(そのためCLKの)周波数精度に影響を及ぼす。
【0033】
ノード213を介してトランジスタ216に提供される電流は、ループ内の振動信号の振幅、ひいてはCLKの振幅を著しく制御する。電流ミラー204及び可変抵抗器210は、ノード213を介してトランジスタ216を流れる電流の振幅を制御する。電流ミラー204内で、トランジスタ206(例えば、p型FET)とトランジスタ208(例えば、p型FET)は、互いに、及び電圧源209に結合されるので、電圧源209が電力を提供する限り、トランジスタ206、208はオンである。例えば、トランジスタ206及び208のソースは電圧源209に結合され、トランジスタ206及び208のゲートは電圧源に結合されず、代わりにノード212に結合されるので、トランジスタ206及び208のそれぞれのゲートソース間電圧は十分に低く、そのため、電圧源209が電力を提供する限り、トランジスタ206及び208はオンである。また、トランジスタ206及び208のゲートは共に結合され、トランジスタ206及び208のソースは共に結合されるので、トランジスタ206及び208は実質的に全く同じように挙動する。トランジスタ208は、トランジスタ206よりも大きいサイズ(例えば、より大きなドレイン-ソースチャネルを促進するより大きな寸法)を有し得、そのため、トランジスタ208は、同じゲート-ソース電圧に対してトランジスタ206よりも大きな電流を提供し得る。トランジスタ206のトランジスタ208に対する電流(又はサイズ)比は1:Mと表され得、ここで、トランジスタ208はサイズがトランジスタ206のM倍であり、トランジスタ208はトランジスタ206のM倍の電流を提供する。幾つかの例において、トランジスタ208は互いに並列に結合される複数のトランジスタを表し、これらの複数のトランジスタが提供し得る総電流は、トランジスタ206が提供し得る電流のM倍である。このような例において、デジタルコードの個々のビット(例えば、接続126上のデジタル制御出力)を、トランジスタ208によって表される複数のトランジスタの個々のゲートに適用し得、そのため、複数のトランジスタのそれぞれを個別にオン又はオフに制御し得る。複数のトランジスタのドレインを共に結合するとともに、複数のトランジスタのソースを共に結合することにより、ノード213に単一の電流が提供され得る。幾つかのこのような例において、複数のトランジスタのゲートはトランジスタ206のゲートに結合されないことがある。
【0034】
動作において、上述の比1:MにおけるMの値は、トランジスタ208によって表される一つ又は複数のトランジスタをオン及び/又はオフにすることなどによって調節され得る。Mの値が調節されると、トランジスタ206を流れる所与の電流に対して、トランジスタ208(例えば、並列に結合されるトランジスタのセット)及びノード213を流れる電流が変動する。したがって、ループ内の振動信号及びCLKの振幅が増加又は減少し得る。トランジスタ208(又はトランジスタ208によって表されるトランジスタのセット)の電流出力を増加させると、CLKの振幅が増加し得、トランジスタ208(又はトランジスタ208によって表されるトランジスタのセット)の電流出力を減少させると、CLKの振幅が減少し得る。トランジスタ206を流れる電流は、可変抵抗器210の抵抗を調節することによって変動し得る。抵抗を増加させると、可変抵抗器210及びトランジスタ206を流れる電流が減少し得、抵抗を減少させると、可変抵抗器210及びトランジスタ206を流れる電流が増加し得る。可変抵抗器210を調節することによってトランジスタ206を流れる電流を変調すると、ノード213を流れる電流も変化し、そのためCLKの振幅及びループ内において振動する信号の振幅に影響を及ぼす。そのため、CLKの振幅及びループにおいて振動する信号の振幅は、電流ミラー204、可変抵抗器210、又はそれらの組合せがどのように制御されるかに応じて変動し得る。
【0035】
上述したように、発振器回路118において、可変コンデンサ218、220の静電容量を動的に調節して、CLKの周波数精度を制御し得る。また、上述したように、発振器回路118において、可変抵抗器210の抵抗と電流ミラー204の比1:Mとを動的に調節して、CLKの振幅を制御し得る。これら四つの構成要素、すなわち、可変コンデンサ218、可変コンデンサ220、可変抵抗器210、及び電流ミラー204は、デジタルコントローラ112によって制御され得る。そこで、デジタルコントローラ112の動作をここで説明する。
【0036】
振幅コントローラ114は、電流ミラー204を制御するように構成される。振幅コントローラ114は、入力として目標比を受け取る。目標比は、電流ミラー204についての目標比1:Mを特定する。幾つかの例において、目標比はデジタル形式で表され、振幅コントローラ114はこのデジタル形式を解釈するように構成される。目標比の受領に応答して、振幅コントローラ114は、接続126上の制御信号を電流ミラー204に提供する。例えば、振幅コントローラ114は、上記したように、トランジスタ208によって表される個々のトランジスタをオン及び/又はオフにする、接続126上のデジタル制御信号を提供する。幾つかの例において、振幅コントローラ114は、CLKの振幅を示す振幅フィードバックを振幅フィードバック接続132を介して受け取る。振幅コントローラ114は、振幅フィードバックを用いてCLKの振幅を制御して、信頼性の高い振動を提供して電力を節約するために必要な最小振幅である目標振幅(例えば、ユーザによって設定されたもの、レジスタから読み出されるものなど)に近似させる。したがって、振幅フィードバックが、CLKの振幅が目標振幅にヒステリシスに対するマージン(例えば、ユーザによって設定されるマージン、レジスタから読み出されるマージンなど)を加えた値よりも大きいことを示す場合、振幅コントローラ114は電流を減少させ得、振幅が目標振幅よりも小さい場合、振幅コントローラ114は電流を増加させ得る。このようにして、CLKの振幅は、下側の境界における目標振幅と、上側の境界における目標振幅にヒステリシスに対するマージンを加えた値とによって定義される範囲内に維持される。
【0037】
モードコントローラ116は、可変抵抗器210、可変コンデンサ218、及び可変コンデンサ220を制御するように構成される。モードコントローラ116は、可変抵抗器210、可変コンデンサ218、及び可変コンデンサ220の各々に対する三入力を受け取り得る。幾つかの例において、可変抵抗器210に対して、モードコントローラ116は、目標値、時間増分値、及びステップサイズ値を受け取り得る。可変コンデンサ218に対して、モードコントローラ116は、目標値、時間増分値、及びステップサイズ値を受け取り得る。可変コンデンサ220に対して、モードコントローラ116は、目標値、時間増分値、及びステップサイズ値を受け取り得る。
【0038】
目標値は、それぞれの構成要素についての所望値を示す。例えば、可変抵抗器210についての目標値は、可変抵抗器210についての所望抵抗設定を示す。可変コンデンサ218についての目標値は、可変コンデンサ218についての所望静電容量設定を示す。可変コンデンサ220についての目標値は、可変コンデンサ220についての所望静電容量設定を示す。
【0039】
時間増分値は、或る構成要素の値の各変化間に経過する時間の長さを示す。例えば、可変抵抗器210は、現在の抵抗値から目標抵抗値に向かって1回目の調節をされ得、或る時間増分値の間待機し得、次いで、目標抵抗値に向かって2回目の調節をされ得る。例えば、可変コンデンサ218は、現在の静電容量値から目標静電容量値に向かって1回目の調節をされ得、或る時間増分値の間待機し得、次いで、目標静電容量値に向かって2回目の調節をされ得る。例えば、可変コンデンサ220は、現在の静電容量値から目標静電容量値に向かって1回目の調節をされ得、或る時間増分値の間待機し得、次いで、目標静電容量値に向かって2回目の調節をされ得る。
【0040】
ステップサイズ値は、時間増分間で或る構成要素を調節し得る最大範囲を示す。例えば、可変抵抗器210は、現在の抵抗値から目標抵抗値に向かって複数のステップで調節することができ、各連続するステップ対は時間増分値によって区切られ、各ステップはステップサイズ値より小さい。ステップサイズ値は、各可変回路要素(可変抵抗器210、可変コンデンサ218、可変コンデンサ220など)に対して個別の独立したステップサイズ値を含み得る。
【0041】
モードコントローラ116は、上述した様々な入力値を受け取る。これらの入力に基づいて、モードコントローラ116は、可変抵抗器210の抵抗設定、可変コンデンサ218の静電容量設定、及び可変コンデンサ220の静電容量設定を制御する。モードコントローラ116は、振幅フィードバック接続132上の振幅フィードバックも受け取り得る。この振幅フィードバックに基づいて、モードコントローラ116は、モード移行及び/又は可変構成要素に対する変更を一時的に(例えば、CLKの振幅が上述した目標範囲外であることに応答して)停止し得る。振幅コントローラ114及びモードコントローラ116の例示の動作を下記により詳細に説明する。
【0042】
図3は、様々な例における、電子デバイス104の動作を示すタイミング図である。より具体的には、このタイミング図は、モードコントローラ116(
図2)の例示の動作を示す。タイミング図の一番上の行300は、モードコントローラ116が用いる例示のクロック信号を示す。モードコントローラ116は別のデバイスからクロック信号を受信することもできるし、又は、モードコントローラ116はロック信号を生成することもできる。クロック信号はパルスを有し、その立ち上がりエッジには、参照しやすいように0、1、2、3などの番号が付けられている。行302、304、306、及び308は、それぞれ、可変コンデンサ218の目標値、時間増分値、ステップサイズ値、及び実際の値を示す。行310、312、314、及び316は、それぞれ、可変コンデンサ220の目標値、時間増分値、ステップサイズ値、及び実際の値を示す。行318、320、322、及び324は、それぞれ、可変抵抗器210の目標値、時間増分値、ステップサイズ値、及び実際の値を示す。
図3のタイミング図に示す様々な値は、現実的な値を意味するものではない(例えば、タイミング図の6という値は、必ずしも6ピコファラッドの静電容量値を意味しない)。そうではなく、タイミング図における例示の値は、モードコントローラ116の動作を説明するための便宜上のものである。
【0043】
図3を引き続き参照すると、例示の動作において、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218についての目標値10を以前に受け取ったが、クロックサイクル2において、モードコントローラ116は目標値6を受け取り始める。変更された目標値6を受け取ることに応答して、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218の静電容量値を現在の値10から目標値6に調節し始める。ステップサイズが1であるため、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218の静電容量値を10から9に、次いで8に、次いで7に、次いで6に調節する。ステップサイズが2であったとしたら、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218の静電容量値を10から8に、次いで6に調節し得ていた。ステップサイズが4であったとしたら、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218の静電容量値を10から6に調節し得ていた。幾つかの例において、モードコントローラ116は、ステップサイズ値で示されるよりも小さいステップサイズを用いてもよい。例えば、ステップサイズが4であったとしても、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218の静電容量値を10から9に、次いで8に、次いで7に、次いで6に調節し得ていた。したがって、ステップサイズ値は最大許容ステップサイズを示す。
【0044】
また、時間増分値は2である。したがって、モードコントローラ116は、現在の静電容量値10をステップサイズ1で目標静電容量値6まで調節し、各連続するステップ対は、2クロックサイクルの時間増分にバッファとして余分なクロックサイクルを加算したものによって区切られる。例えば、クロックサイクル2の立ち上がりエッジにおいて、目標値6が受信される。差が3クロックサイクル(2クロックサイクルの時間増分にバッファクロックサイクルを加算したもの)のクロックサイクル5の立ち上がりエッジにおいて、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218の静電容量値を、特定されたステップサイズである1だけ調節する。2クロックサイクルの時間増分にバッファクロックサイクルを加算したもの後に生じる、クロックサイクル8の立ち上がりエッジにおいて、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218の静電容量値を再度1だけ調節する。このプロセスは、モードコントローラ116がクロックサイクル14の立ち上がりエッジにおいて目標容量値6を達成するまで継続する。
【0045】
可変コンデンサ220の目標値(行310)、時間増分値(行312)、ステップサイズ値(行314)、及び実際の値(行316)に対して、モードコントローラ116は、可変コンデンサ218に関して上述したのと同じプロセスを実施する。
【0046】
可変抵抗器210の目標値(行318)、時間増分値(行320)、ステップサイズ値(行322)、及び実際の値(行324)に対して、モードコントローラ116が、時間増分が3クロックサイクル、ステップサイズが1の状態で、可変抵抗器210の抵抗値を現在の値8から目標値5に改変する以外は、モードコントローラ116は上述と同じプロセスを実施する。そのため、行324に示す可変抵抗器210の実際の抵抗値は、クロックサイクル6の立ち上がりエッジにおいて値8から値7に変化し、クロックサイクル10の立ち上がりエッジにおいて値6に変化し、クロックサイクル14の立ち上がりエッジにおいて値5に変化する。モードコントローラ116によって提供される電流値(例えば、電流静電容量値又は電流抵抗値)が、ステップサイズよりも目標値(例えば、目標静電容量値又は目標抵抗値)に近い事象において、モードコントローラ116は可変コンデンサ又は抵抗器を目標値に調節し得る。
【0047】
幾つかの例において、モードコントローラ116は、電流ミラー204、可変抵抗器210、及び可変コンデンサ218、220への調節を交互に行って、発振器回路118の水晶におけるエネルギーを目標範囲内に維持し得る。例えば、モードコントローラ116は、CLKの振幅を制御するために電流ミラー204を調節し得、続いてCLKの周波数精度を制御するために可変コンデンサ218を調節し得、その後、CLKの振幅を制御するために可変抵抗器210を調節し得、続いてCLKの周波数精度を制御するために可変コンデンサ220を調節し得る。接続124上で提供される時間増分値とステップサイズ値とによって特定される閾値レートを超えない限り、モードコントローラ116は、発振器回路118の可変構成要素を適切な方式で調節し得る。
【0048】
図4は、様々な例における振幅コントローラ114のブロック図である。振幅コントローラ114は、ストレージ402に結合されるプロセッサ400(例えば、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ)を含む。他の例において、振幅コントローラ114は、順序及び組合せロジック(sequential and combinational logic)を用いる純粋にハードウェア的な実装を含み得る。ストレージ402は、データ構造404及び実行可能コード406を含む。ストレージ402は、付加的なデータ構造404を含んでもよい。実行可能コード406は、プロセッサ400によって実行されると、本明細書においてプロセッサ400及び/又は振幅コントローラ114に属する一つ又は複数の作用をプロセッサ400に実施させる。プロセッサ400は、データ構造404にデータを格納し得、又はデータ構造404からデータを取り出し得る。プロセッサ400は、上述したように、接続122上で目標比入力を受け取る。プロセッサ400は、上述したように、振幅フィードバック接続132上で振幅フィードバックを受け取る。プロセッサ400は、上述したように、接続126上でデジタル制御信号などの制御信号を提供する。
【0049】
図5は、例示のデータ構造404を示す。例示のデータ構造404は、第1の列及び第2の列を含む。第1の列は、接続122上の入力として受け取られ得る例示の目標比を提供する(
図4)。この入力は、例えばデジタル形式で示される。第2の列は、振幅コントローラ114が接続126上で提供し得る例示のデジタル制御出力値を提供する(
図4)。プログラマ、エンジニア、建築家、又は他のユーザが、
図5に例を示す様々なデジタル値を用いてデータ構造404をプログラムし得る。
【0050】
幾つかの例において、振幅コントローラ114は、接続122上で00001などの目標比を受け取り得る。この目標比を受け取ることに応答して、振幅コントローラ114は、データ構造404をルックアップテーブルとして用いて、00001の目標比に対応するデジタル制御出力が11001(行500)であると判定し得る。したがって、振幅コントローラ114は、接続126により電流ミラー204(
図2)にビット11001を提供し得る。電流ミラー204は、上述したように、接続126上の受信ビットに基づいて、トランジスタ208によって表されるトランジスタなど、電流ミラー204の構成要素を調節し得る。このようにして、データ構造404は、受け取ったデジタルコードを、プロセッサ400のアーキテクチャと互換性のあるデジタルコード及び/又は電流ミラー204のアーキテクチャと互換性のあるデジタルコードに変換するための「翻訳機」として有用である。
【0051】
図6は、様々な例における例示のモードコントローラ116のブロック図である。例示のモードコントローラ116は、ストレージ602(例えば、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ)に結合されるプロセッサ600を含む。他の例において、モードコントローラ116は、順序及び組合せロジックを用いる純粋にハードウェア的な実装を含み得る。ストレージ602はデータ構造604を含むが、付加的なデータ構造604を含んでもよい。ストレージ602は実行可能コード606を含み、実行可能コード606は、プロセッサ600によって実行されると、本明細書においてプロセッサ600及び/又はモードコントローラ116に属する作用の一つ又は複数をプロセッサ600に実施させる。プロセッサ600は、例示のレジスタA、例示のレジスタB、例示のレジスタC、及び例示のレジスタDを格納する。プロセッサ600は、接続608における目標値(例えば、可変コンデンサ218、220についての目標静電容量値、可変抵抗器210についての目標抵抗値)を受け取り、それらをレジスタAに格納する。プロセッサ600は、可変コンデンサ218、220及び可変抵抗器210の各々について、時間増分値を接続610上で受け取り、時間増分値をレジスタBに格納する。プロセッサ600は、可変コンデンサ218、220及び可変抵抗器210の各々について、接続612上でステップサイズ値を受け取り、これらのステップサイズ値をレジスタCに格納する。プロセッサ600はまた、上述したように、振幅フィードバック接続132上で振幅フィードバックを受け取る。プロセッサ600は、接続614上で制御信号(例えば、デジタル制御信号)を可変抵抗器210に提供する。プロセッサ600は、接続616上で制御信号(例えば、デジタル制御信号)を可変コンデンサ218に提供する。プロセッサ600は、接続618上で制御信号(例えば、デジタル制御信号)を可変コンデンサ220に提供する。プロセッサ600内のレジスタDは、プロセッサ600が接続614、616、及び618上で提供する出力信号を格納する。そのため、幾つかの例において、プロセッサ600が可変コンデンサ218又は220の静電容量値を変更するたびに、プロセッサ600は対応するレジスタDに格納されている値を更新する。同様に、プロセッサ600が可変抵抗器210の抵抗値を変更するたびに、プロセッサ600は、対応するレジスタDに格納されている値を更新する。
【0052】
プロセッサ600が可変コンデンサ218の静電容量を現在の値(レジスタD)から目標値(レジスタA)に調節する際に、プロセッサ600は、上述したように、それぞれ、レジスタB及びCに格納されている時間増分値及びステップサイズ値を用いる。プロセッサ600が可変コンデンサ220の静電容量を現在の値(レジスタD)から目標値(レジスタA)に調節する際に、プロセッサ600は、上述したように、それぞれ、レジスタB及びCに格納されている時間増分値及びステップサイズ値を用いる。プロセッサ600が可変抵抗器210の抵抗を現在の値(レジスタD)から目標値(レジスタA)に調節する際に、プロセッサ600は、上述したように、それぞれ、レジスタB及びCに格納されている時間増分値及びステップサイズ値を用いる。
【0053】
図7は、例示のデータ構造604を示す。例示のデータ構造604は、第1の列及び第2の列を含む。第1の列は、接続608(
図6)上の入力として受け取られ得る例示の目標静電容量値を提供する。こういった入力は、例えばデジタル形式で示される。第2の列は、モードコントローラ116が接続614、616、及び/又は618(
図6)上で提供し得る、例示のデジタル制御出力値を提供する。プログラマ、エンジニア、建築家、又はその他のユーザが、
図7に例を示す様々なデジタル値を用いてデータ構造604をプログラムし得る。目標静電容量値00010(行700)を受け取ることに応答して、例えば、モードコントローラ116は、目標静電容量値をルックアップテーブルとしてのデータ構造604と比較し得、目標静電容量値00010がデジタル制御出力値01111に対応すると判定し得る。したがって、モードコントローラ116は、接続616を介して可変コンデンサ218にデジタル制御出力値01111を提供し得る。このようにして、データ構造604は、受け取ったデジタルコードを、プロセッサ600のアーキテクチャと互換性のあるデジタルコード、及び/又は、可変抵抗器210及び/又は可変コンデンサ218、220のアーキテクチャと互換性のあるデジタルコードに変換するための「翻訳機」として有用である。
【0054】
幾つかの例において、プロセッサ600内のレジスタA、B、C、及びDに格納される値は、データ構造604の左側の列に示される値であり得る。幾つかの例において、プロセッサ600内のレジスタA、B、C、及びDに格納される値は、データ構造604の右側の列に示される値であり得る。幾つかの例において、レジスタA、B、C、及び/又はDに格納される値の一部が、データ構造604の左側の列に示される値であり、レジスタA、B、C、及び/又はDに格納されるその他の値が、データ構造604の右側の列に示される値である。
【0055】
図8は、様々な例において、電子デバイス104を動作させるための方法800のフローチャートである。幾つかの例において、プロセッサ600は方法800を実施する。幾つかの例において、方法800は、実行可能コード606に符号化される。方法800は、プロセッサ600が発振器出力信号の周波数精度について、第1の目標値及び第1の閾値レートを受け取ることで始まる(802)。例えば、プロセッサ600は、可変コンデンサ218について、目標静電容量値を受け取り得る。プロセッサ600は、時間増分値及びステップサイズ値も受け取り得る(これらは合わせて、プロセッサ600が可変コンデンサ218を調節するために許容される最大レートである閾値レートを特定する)。幾つかの例において、プロセッサ600は、可変コンデンサ220について、目標値及び閾値レートも受け取り得る。
【0056】
方法800は、プロセッサ600が、発振器出力信号の振幅について、第2の目標値及び第2の閾値レートを受け取ることを含む(804)。例えば、プロセッサ600は、可変抵抗器210について、目標抵抗値を受け取り得る。プロセッサ600は、時間増分値及びステップサイズ値も受け取り得る(これらは合わせて、プロセッサ600が可変抵抗器210を調節するために許容される最大レートである閾値レートを特定する)。
【0057】
方法800は、プロセッサ600が、発振器出力信号の周波数精度の第1の現在の値を第1の目標値に向けて第1の閾値レートに等しいかそれ以下のレートで調節することを含む(806)。上述したように、プロセッサ600は、受け取ったステップサイズ値を超えるステップサイズで現在の値を目標値に向けて調節することはない。同様に、プロセッサ600は、時間増分値によって許容されるよりも頻繁には現在の値を目標値に向けて調節しない。
【0058】
方法800は、プロセッサ600が、発振器出力信号の振幅の第2の現在の値を第2の目標値に向けて第2の閾値レートに等しいかそれ以下のレートで調節することを含む(808)。上述したように、プロセッサ600は、受け取ったステップサイズ値を超えるステップサイズで現在の値を目標値に向けて調節することはない。同様に、プロセッサ600は、時間増分値によって許容されるよりも頻繁には現在の値を目標値に向けて調節しない。
【0059】
図9は、様々な例における、電子デバイス104の例の回路概略図である。
図9の例は、
図2に示す例のより一般的なバージョンである。例示の電子デバイス104は、発振器回路900と、発振器回路900に結合されるデジタルコントローラ901とを含む。幾つかの例において、発振器回路900はピアス発振器回路である。本記載の範囲は、コルピッツ発振器回路及びクラップ発振器回路などの、他の発振器回路を含む。
図9は、発振器回路900を水晶発振器回路として示すが、非水晶発振器回路も有用であり得る。
【0060】
例示の発振器回路900は、増幅器として動作するインバータ902を含む。抵抗器904が、ノード924及び926にわたってインバータ902に並列に結合される。電流源906が、電圧源908に結合され、インバータ902に電流を提供するのに有用である。幾つかの例において、電流源906は、後述するように、振幅コントローラ114からの制御信号に基づいてインバータ902に提供される電流の量を増加又は減少させるように構成される、一つのトランジスタ(例えばFET)又は複数のトランジスタ(例えばFET)である。可変コンデンサ910が、ノード924においてインバータ902の入力に結合される。可変コンデンサ912が、ノード926においてインバータ902の出力に結合される。可変コンデンサ910、912はいずれも接地922に結合される。可変コンデンサ910、912は、後述するように、モードコントローラ116によって制御可能である。振幅検出器914が、ノード924、926にわたって結合され、ADC915に結合される。ADC915は、振幅フィードバック接続132によりモードコントローラ116に結合される。水晶917が、ノード924及び926にわたって抵抗器904に並列に結合される。
【0061】
抵抗器904はフィードバック抵抗器として動作し、インバータ902を線形動作領域においてバイアスし、インバータ902を高利得反転増幅器として動作させる。インバータ902が利得を提供する能力は、所望の利得に対して適切な電力供給を受けるかどうかに依存し、電流源906がこの電力供給を提供する。インバータ902及び水晶917は、
図2のトランジスタ216及び水晶134によって形成されるループに類似の振動ループを形成する。したがって、ここではこのようなループの動作は繰り返し説明しない。可変コンデンサ910、912は、可変コンデンサ 218、220(
図2)と同様に動作するので、ここではそれらの動作は繰り返し説明しない。振幅検出器914は、ノード924、926にわたる信号の振幅を検出し、この振幅をアナログで表現したものをADC915に提供する。ADC915は、振幅をデジタルで表現したものを振幅フィードバック接続132を介してモードコントローラ116に提供する。モードコントローラ116は、上述したように、振幅をアナログで表現したものを用いることもできるし、及び/又は、振幅をデジタルで表現したものを振幅フィードバック接続132を介して振幅コントローラ114に提供することもできる。
【0062】
振幅コントローラ114は上述したように動作する。具体的には、振幅コントローラ114は、接続916を介して電流源906を制御し、それによってインバータ902に電力を供給するために提供される電流の振幅を制御する。モードコントローラ116も上述したように動作する。具体的には、モードコントローラ116は、それぞれ、接続918、920を介して可変コンデンサ910、912の静電容量を制御する。モードコントローラ116は、電流源906によって提供される電流の振幅が制御される方式(例えば、目標振幅、電流が調節されるレートなど)について、接続928を介して振幅コントローラ114に入力を提供し得る。
【0063】
「結合」という用語は、本明細書全体にわたって用いられている。この用語は、本記載と一貫した機能的関係を可能にする、接続、通信、又は信号経路を包含し得る。例えば、デバイスAが、或る動作を実施するためにデバイスBを制御するための信号を生成する場合、第1の例において、デバイスAはデバイスBに結合され、或いは、第2の例において、介在する構成要素CがデバイスAとデバイスBとの間の機能的関係を実質的に変更しない場合に、デバイスAは介在する構成要素Cを介してデバイスBに結合されて、デバイスAによって生成された制御信号を介してデバイスBがデバイスAによって制御されるようにする。
【0064】
或るタスク又は機能を実施するように「構成される」デバイスは、製造時に製造業者によってその機能を実施するように構成(例えば、プログラム及び/又は配線)され得、及び/又は製造後にユーザによってその機能及び/又はその他の付加的な又は代替の機能を実施するように構成可能(又は再構成可能)とされ得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングにより、ハードウェア構成要素の構築及び/又はレイアウト並びにデバイスの相互接続により、或いはこれらの組み合わせにより成され得る。
【0065】
或る構成要素を含むと本明細書に記載される回路又はデバイスが、代わりに、これらの構成要素に結合されて、記載された回路要素又はデバイスを形成し得る。例えば、一つ又は複数の半導体要素(トランジスタなど)、一つ又は複数の受動要素(抵抗器、コンデンサ、及び/又はインダクタなど)、及び/又は一つ又は複数の供給源(電圧及び/又は電流源など)を含むと記載される構造が、代わりに、単一の物理デバイス(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)内の半導体要素のみを含み得、また、製造時又は製造後のいずれかにおいて、例えば、エンドユーザ及び/又は第三者によって、受動要素及び/又は供給源の少なくとも幾つかに結合されて記載された構造を形成し得る。
【0066】
本明細書において或る構成要素が特定のプロセス技術のものとして記載されることがあるが、これらの構成要素は、他のプロセス技術の構成要素と交換され得る。本明細書に記載の回路は、これらの交換された構成要素を含むように再構成可能であり、構成要素の交換前に利用可能であった機能性と少なくとも部分的に同様の機能性を提供する。抵抗器として図示される構成要素は、別途記載のない限り、概して、直列及び/又は並列に結合されて、図示の抵抗器によって表されるインピーダンス量を提供する、任意の一つ又は複数の要素を表す。例えば、本明細書において単一の構成要素として図示及び説明した抵抗器又はコンデンサは、それぞれ、同じノード間に並列に結合される複数の抵抗器又はコンデンサとし得る。例えば、本明細書において単一の構成要素として図示及び説明した抵抗器又はコンデンサは、それぞれ、単一の抵抗器又はコンデンサとして同じ二つのド間に直列に結合される複数の抵抗器又はコンデンサとし得る。
【0067】
本記載において、特に別途記載のない限り、パラメータに先行する「約」、「付近」、又は「実質的に」は、そのパラメータの±10パーセント以内であることを意味する。特許請求の範囲内で、説明した例における改変が可能であり、他の例が可能である。
【国際調査報告】