(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/06 20060101AFI20241219BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20241219BHJP
H01P 1/165 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01Q13/06
H01Q21/06
H01P1/165
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536986
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2022084791
(87)【国際公開番号】W WO2023117427
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522224999
【氏名又は名称】フーバー プラス スーナー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス バレラ、フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア テヘロ、アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ロマノ、ピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】メールリ、フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AA06
5J021AB05
5J021HA04
5J021JA06
5J045CA04
5J045DA04
5J045NA07
(57)【要約】
本発明は、アンテナ装置(1)に関し、前面(3)および後面(4)を有するアンテナプレート(2)と、アンテナプレート(2)の前面(3)に対して平行に第1の方向(x)に伸長する、アンテナプレート(2)に配置された前部セクション(6)および後部セクション(7)を有する少なくとも1つの導波管チャネルセグメント(5)と、導波管チャネルセグメント(5)の前部セクション(6)とアンテナプレート(2)の前面(3)との間で伸長し、前部セクション(5)と前面(3)とを相互接続する、アンテナプレート(2)内に配置された導波管開口(8)と、を備え、前記前部セクション(6)および/または後部セクション(7)は、チャネル壁(11)から導波管チャネルセグメント(5)の前部セクション(6)および/または後部セクション(7)に伸長する突起(10)の形態での凹部(9)を備え、導波管開口(8)は、その後端(12)の領域に、より長い伸長部(14)およびより短い伸長部(15)を備える断面(13)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ装置(1)であって、前記アンテナ装置(1)が、
a.前面(3)および後面(4)を有するアンテナプレート(2)と、
b.前記アンテナプレート(2)の前記前面(3)に対して平行に第1の方向(x)に伸長する、前記アンテナプレート(2)に配置された前部セクション(13)および後部セクション(14)を有する少なくとも1つの導波管チャネルセグメント(11)と、
c.前記アンテナプレート(2)に配置され、前記導波管チャネルセグメント(11)の前記前部セクション(13)と前記アンテナプレート(2)の前記前面(3)との間で伸長し、前記前部セクション(13)と前記前面(3)とを相互接続する、導波管開口(17)と、を備え、
d.前記前部セクション(13)および/または前記後部セクション(14)が、チャネル壁(24)から前記導波管チャネルセグメント(11)の前記前部セクション(13)および/または前記後部セクション(14)に伸長する突起(23)の形態での凹部(22)を備え、
e.前記導波管開口(17)が、その後端(25)の領域に、より長い伸長部(27)およびより短い伸長部(28)を備える断面(26)を有する、アンテナ装置(1)。
【請求項2】
a.前記断面(26)の前記より長い伸長部(27)が前記第1の方向(x)に対して垂直に配置され、前記より短い伸長部(28)が前記第1の方向(x)に対して並行に配置され、
b.前記導波管チャネルセグメント(11)の前記前部セクション(13)において、隣接する導波管開口(17)の間に交互に第1の突起(29)が配置され、
c.前記第1の突起(29)が台形の断面を有し、前記第1の突起(29)は、信号が垂直に偏波されて放射されるように電場を乱すように構成されている、請求項1記載のアンテナ装置(1)。
【請求項3】
長方形の断面を有する少なくとも1つの第2の突起(30)が、前記導波管チャネルセグメント(11)において前記信号を分割して、前記第1の方向(x)に沿って伸長する左セクション(15)および右セクション(16)において励起するように、前記導波管チャネルセグメント(11)の前記前部セクション(13)に配置される、請求項2記載のアンテナ装置(1)。
【請求項4】
前記第1の突起(29)が、互いに対して導波波長の基本的に半分の距離で配置されている隣接する導波管開口(17)間の180°の位相変化を補償するように構成されている、請求項2または3に記載のアンテナ装置(1)。
【請求項5】
電場を相対的な90°の位相シフトで2つの直交偏波に分割するように構成されている偏波素子(31)が、各導波管開口(17)の前端(32)に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のアンテナ装置(1)。
【請求項6】
前記偏波素子(31)が、基本的に、斜めに部分的に重なり合う二つの正方形、またはボウタイのように形作られている、請求項5記載のアンテナ装置(1)。
【請求項7】
電場を集中させ、主放射面の少なくとも1つでビーム幅を縮小するべく放射パターンを調整するように構成されている漏斗状のホーン空洞(33)が、前記導波管開口(17)の前記前端(32)に配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載のアンテナ装置(1)。
【請求項8】
前記漏斗状のホーン空洞(33)が、非対称放射パターンを達成するように前記第1の方向(x)に対して側方に変位させて非対称に配置される、請求項7記載のアンテナ装置(1)。
【請求項9】
a.前記断面(26)の前記より長い伸長部(27)が前記第1の方向(x)に対して並行に配置され、前記より短い伸長部(28)が前記第1の方向(x)に対して垂直に配置され、
b.前記第1の方向(x)に対して前記導波管チャネルセグメント(11)の前記後部セクション(14)において前記導波管開口(17)の間に第3の突起(34)が交互に配置され、前記第3の突起(34)が、前記導波管チャネルセグメント(11)の中で前記第1の方向(x)において導波波長を圧縮するように構成されている、請求項1記載のアンテナ装置(1)。
【請求項10】
前記第3の突起(34)が、前記アンテナプレート(2)の前記前面(3)に垂直に前記導波管チャネルセグメント(11)へと伸長する支柱(44)として設計され、一次元の滑り対称配置で前記第1の方向(x)において互いに離間され、前記導波管開口が、前記第1の方向(x)に沿って互いに対して基本的に1つの導波波長の距離で配置される、請求項9記載のアンテナ装置(1)。
【請求項11】
第3の突起(34)が二つ目ごとに、前記前部セクション(13)において第4の突起(37)として分割面(36)でのミラーリングによって上方に折り畳まれ、二次元で前記第3の突起(34)および前記第4の突起(37)の滑り対称配置が得られる、請求項9または10に記載のアンテナ装置(1)。
【請求項12】
a.前記断面(26)が、前記導波管チャネルセグメント(11)の前記第1の方向(x)に対して角度αだけ角度的に変位して配置され、
b.前記導波管チャネルセグメント(11)の前記前部セクション(13)において、隣接する導波管開口(17)の間に交互に、第1の突起(29)および第2の突起(30)が配置され、
c.前記第1の方向(x)に対して前記導波管チャネルセグメント(11)の前記後部セクション(14)において導波管開口(17)の間に第3の突起(34)が交互に配置される、請求項1記載のアンテナ装置(1)。
【請求項13】
供給ポート(38)が、前記導波管チャネルセグメント(11)を前記アンテナプレート(2)の前記後面(4)で開口(39)に相互接続する、請求項1~12のいずれか1項に記載のアンテナ装置(1)。
【請求項14】
スプリッタ(40)として設計された前記供給ポート(38)が、第1の列(42)と第2の列(43)との間に配置され、信号を分離または結合するように構成されている、請求項13記載のアンテナ装置(1)。
【請求項15】
前記供給ポート(38)が、互いに相互接続され、互いに対して平行に配置されている、スプリッタ(40)のアレイを備える、請求項14記載のアンテナ装置(1)。
【請求項16】
前記供給ポート(38)が中央供給チャネル(41)として設計され、複数の導波管チャネルセグメント(11)の幾つかの左セクション(15)および右セクション(16)が、基本的に前記中央供給チャネル(41)に対して垂直にかつ互いに対して平行に配置されている、請求項13記載のアンテナ装置(1)。
【請求項17】
近位の左セクション(15)および右セクション(16)と遠位の左セクション(15)および右セクション(16)が、前記中央供給チャネル(41)に配置され、前記遠位の左セクション(15)および右セクション(16)には、ビーム・チルトが生成されるように位相シフトが与えられる、請求項16記載のアンテナ装置(1)。
【請求項18】
前記アンテナプレート(2)が1つの層のみを備え、前記導波管チャネルセグメント(11)の輪郭を画定するように構成されている幾つかの支柱(44)が前記後面(4)に配置される、請求項1~17のいずれか1項に記載のアンテナ装置(1)。
【請求項19】
前記アンテナプレート(2)が1つの層のみを備え、プリント回路基板(46)が、キノコ型の電磁バンドギャップ素子(51)を備える前記アンテナプレート(2)に相互接続される、請求項1~18のいずれか1項に記載のアンテナ装置(1)。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載のアンテナ装置(1)と、プリント回路基板(46)と、その上に配置されてアンテナプレート(2)に相互接続された電子部品(49)と、を備える、アンテナアセンブリ(45)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車レーダー用途における使用のためのアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Thomson CSFによる1992年12月8日に公開されたUS5170174Aは、パッチ励起非傾斜放射スロット導波管に関し、当該導波管は、導波管の狭い壁に切られた、導波管の軸に垂直なスロットおよびプリント回路プレートを有する。プレートは、導波管内を伝搬するエネルギーと連結するためのパッチと、そのようにして取り出されたエネルギーでスロットを励起するようにパッチに接続されたマイクロストリップラインとを有している。これらのスロット導波管は、特にアレイアンテナに使用することができる。
【0003】
Hughes Aircraft Co.による1984年3月6日に公開されたUS4435715Aは、ロッド励起導波管スロットアンテナに関し、その電力放射スロット導波管は、傾斜していないスロットに隣接して導波管内に取り付けられた1つまたは複数のロッドを備える。ロッドは電力を放射させるが、スロットは傾斜していないため、望ましくない交差偏波放射が最小限に抑えられる。スロットから放射されるエネルギーは、ロッドと導波管壁との間の面積を変化させることによって変化させることができる。
【0004】
Thomson CSFによる1995年6月6日に公開されたUS5422652Aは、平坦な金属板によって励起された傾斜していない放射スロットを備えた導波管に関し、当該導波管は、導波管の狭い壁に切り込まれた、導波管の軸に垂直なスロットを有し、各スロットの各側には、スロットの中心軸に関して対称な一対の金属平板が位置づけられている。これらの平板は、関連付けられたスロットで電場を修正し、励起することを可能にし、連結の値は、平板のサイズおよび対応する放射スロットに対するそれらの位置の調整によって設定される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載されるアンテナ装置は、たとえば自動車用途におけるレーダー用途のための多入力多出力(MIMO)アンテナとして設計されている。このようなアンテナ装置は、典型的に、信号を同時におよび/または特定のパターンに従って送信および/または受信するように構成されている個々のアンテナ要素および/または導波管チャネルセグメントを必要とする。応用分野に応じて、アンテナ装置の好ましい変形例は、少なくとも2つの個々の導波管チャネルセグメントを含み得る。少なくとも2つの個々の導波管チャネルセグメントは、互いに独立して動作することができる。
【0006】
特に自動車用途では、典型的に、放射信号の垂直偏波が望ましい。導波管構造を有する既知のアンテナ装置では、通常、導波管開口を導波管チャネルセグメントの主な伸長方向に対して角度的に変位させて配置することによって垂直偏波が実現される。導波管開口を通して信号を励起することを可能にするために、導波管伝搬電流の少なくとも一部が、導波管開口の配向に対して基本的に垂直に配向されなければならない。それゆえ、既知のアンテナ装置の導波管開口は、典型的に、信号を放射することができるように角度的に変位される。しかし、これによって放射信号の望ましくない部分的な水平偏波が生成される。
【0007】
代替的に、特定の用途では、励起信号の水平偏波も必要とされ得る。典型的に、導波管開口を導波管チャネルセグメントの主な伸長方向と平行に配置することによって、既知のアンテナ装置から水平信号が励起される。前のケースとは異なり、隣接する導波管開口間の位相を均一に保つために、隣接する導波管開口は、互いに対する1つの導波波長距離だけ離間されなければならない。その結果、より複雑な放射パターンを実現することも可能にするように十分な数の導波管開口を配置することを可能にするために、導波管チャネルセグメントは、比較的長くする必要があり、結果として、アンテナ装置全体のサイズが望ましくないものになる。
【0008】
本開示によって対処される1つの目的は、アンテナ指向性の高精度を備えた省スペース設計を得るために、電場および導波管チャネルセグメント内の信号の電流の特性に影響を与えることに見ることができる。
【0009】
本開示によるアンテナ装置は、典型的に、前面および後面を有するアンテナプレートを備える。開示されたアンテナ装置は、典型的に、アンテナ装置、プリント回路基板、およびその上に配置される、アンテナプレートに相互接続されている電子部品を備えるアンテナアセンブリの一部であり得る。膨大な数量を考慮して製造コストを低く抑えるために、2層以下の積層(部品)を備えるアンテナ装置を設計することが望ましい。アンテナプレートが後部部品および前部部品を備え、後部部品および前部部品が後部部品の前面および前部部品の後面に沿って互いに相互接続されている場合に、良好な結果が得られる。後部部品の前面および前部部品の後面は、基本的に平坦である必要はない。好適である場合、前部部品および/または後部部品は、接触面を減らすように骨組みばかりにされ(be skeletonized)てよい。これは、接触面積が最小化されることによって接触面積の表面圧力が増大し、それゆえ、導波管チャネルおよび/または導波管チャネルセグメントの領域における前部部品および後部部品のより正確な整列がもたらされるため有利である。通常、2つの部品は一緒に組み立てられ、導波管チャネルセグメントの一部は後部部品の前面に配置され、導波管チャネルセグメントの一部は前部部品の後面に配置され、これらは一致して整列させられる。後部部品および/または前部部品は、少なくとも1つのプラスチック材料の射出成形によって作製することができる。少なくとも1つの導波管チャネルおよび/または導波管チャネルセグメントが、少なくとも部分的に後部部品の前面および/または前部部品の後面に伸長する場合、利点のある構造を達成することができる。
【0010】
製造労力をさらに削減するために、アンテナプレートは、電磁バンドギャップ構造(EBG)を備えた単層アンテナプレートとして設計することもできる。2つの金属化プラスチック層を組み合わせる代わりに、アンテナプレートは、プリント回路基板(PCB)に相互接続された1つの金属化プラスチック層のみを備えることができる。アンテナプレートとPCBを一緒に組み立てて、電力の漏出を回避するために、さまざまな代替方法、たとえば導電性接着剤、はんだ付けなどが存在する。
【0011】
好ましい変形例では、アンテナプレートは1つの層のみからなり、アンテナプレートの後面に幾つかの支柱が配置され、これらは導波管チャネルセグメントの輪郭の少なくとも一部を画定するように構成されている。前述したようなEBG構造は、アンテナプレートが平坦または平面ではなく、アンテナプレートのほぼ平坦または平面の後面から離れて突出しているEBG要素で構築される、たとえば波形または凹状にされることを意味している。このような設計によって、アンテナプレートを平坦なまたは平面のPCBに接続することが可能になる。前部部品および/または後部部品は、好ましくは、少なくとも部分的に導波管チャネルセグメントの外側輪郭を形成する支柱を少なくとも部分的に備え得る。上述したように、前部部品および後部部品は、単層アンテナプレートとして一体化して作製することができる。支柱は、典型的に、導波管チャネルセグメントを介して信号を誘導するように構成されている。EBG構造は、基本的に中空導波管チャネルセグメントの周囲に配置される。電磁バンドギャップ構造は、アンテナプレートとPCBとの間に直接接触やオーム接触を必要とせずに導電性の壁として挙動して所与の範囲の周波数で電磁波を遮断することを可能にし、よって、導波管構造が依然として実現される。代替的にまたは追加的に、アンテナプレートは、1つの平坦なまたは平面の層のみからなり得、プリント回路基板が、キノコ型の電磁バンドギャップ素子を備えるアンテナプレートに相互接続される。キノコ型の電磁バンドギャップ素子は、たとえば、PCBの後面からおよび/またはPCBの本体を通って伸長し得る。キノコ型の電磁バンドギャップ素子は、PCB導波管通路の間または周囲に配置することができ、それによって、電磁絶縁または分離が向上する。
【0012】
本開示による好ましいアンテナ装置は、通常、アンテナプレートに配置されることが好ましい前部セクションおよび後部セクションを有する少なくとも1つの導波管チャネルセグメントを備える。導波管チャネルセグメントの断面は、典型的には、基本的に長方形である。アンテナプレートが射出成形によって作製される場合、アンテナプレートを金型からより容易に取り外すことができるように、導波管チャネルセグメントのエッジをわずかに傾斜させて設計することができる。放射効率を向上させるために、前部セクションは、後部セクションよりも大きな断面を有することができる。それゆえ、前部セクションおよび後部セクションは、分割面に関して対称にすることができる。前層および後層を備えるアンテナプレートの変形例では、前層と後層との間の分割面によって導波管チャネルセグメントを二つの半分部に分割することができる。前層と後層の厚さが異なり得るため、前部セクションの半分部および後部セクションの半分部は、分割面に関して対称になり得る。アンテナプレート内の導波管チャネルセグメントは、典型的に、アンテナプレートの前面と平行な第1の方向に伸長する。第1の方向は、典型的に、導波管チャネルセグメントの主な伸長方向に対応する。好ましい変形例では、導波管チャネルセグメントは、以下の幾何学的形状:長方形、菱形、楕円形、円形のグループからの、またはそれらの組み合わせの断面を含み、断面の主な伸長方向は、第1の方向に対して基本的に垂直である。
【0013】
送信信号を放射するまたは受信信号を受信するために、アンテナ装置は、通常アンテナプレートに配置されている導波管開口を備える。導波管開口は、典型的に、導波管チャネルセグメントの前部セクションとアンテナプレートの前面との間で伸長し、それらを相互接続する。典型的に、いくつかの導波管開口が、1つの導波管チャネルセグメントの前部セクションと前面との間で伸長し、それらを相互接続して、導波管開口のアレイを形成する。アレイの導波管開口は、好ましくは一列に配置される。アレイの導波管開口は、通常アンテナ装置の後面でそれぞれの放射素子に相互接続されている共通の導波管チャネルによって通電される。特定の配置では、放射素子およびそれに関連する開口部をアンテナ装置の側に配置することも可能である。設計に応じて、アレイの導波管開口は、信号を放射および/または受信するように構成されている。典型的に、導波管開口はスロットとして設計することができる。応用分野に応じて、放射開口部は、以下でより詳細に示される変形例から明らかとなるように、さまざまな幾何学的形状を有し得る。通常、導波管開口は、その後端の領域に、より長い伸長部およびより短い伸長部を備えた断面(cross-section)を有する。後端が導波管チャネルセグメントに隣接する端部である一方で、前端はアンテナプレートの前面に面する端部である。好ましい変形例では、導波管開口は基本的に長方形の断面を有し、導波管開口は、導波管チャネルセグメントまたはその一部に合流する前に、内側方向に断面が狭くなる漏斗状の設計を有することができる。
【0014】
加えて、アンテナ装置は、導波管開口に隣接して配置されている散乱素子を備えることができる。散乱素子の領域で衝突する放射線(ray)は、散乱素子によって少なくとも部分的に反射され、それによって、第1の二次放射線と第2の二次放射線とに分離することができる。第1の二次放射線と第2の二次放射線は、干渉によって少なくとも部分的に互いに打ち消し合うように異なる。好適には、散乱素子は、前面に配置されている突起および/または凹部(indentations)またはそれらの組み合わせとして設計される。設計に応じて、少なくとも1つの凹部(indentation)の深さは、干渉によって望ましくない方法で反射される放射線を打ち消す反射を得るために目的とされる特定の位相分布にリンクされ得る。位相変化は、典型的に、少なくとも1つの凹部の底面での反射によって引き起こされる。少なくとも1つの凹部の底面が、アンテナプレートの前面に対して基本的に平行に配置されている基本的に平面の表面である場合に、良好な結果が得られる。好ましくは、散乱素子は、前面に、長方形、正方形、円形、楕円形、C字形、リング形、S字形の要素のグループのうちの少なくとも1つの要素、またはそれらの組み合わせであるレイアウト(フットプリント)を有している。散乱素子は、単一の偏波(長方形、楕円形、S字形、C字形)または複数の偏波(正方形/円形/リング形)で設計することができる。少なくとも1つの凹部は、電磁波の実際の動作周波数および偏波に関連するレイアウトを有する。
【0015】
好ましい変形例では、導波管開口は、互いに対する導波波長間隔の半分を有する縦長形状の開口部を備える。このような配置は、開口部が、例えば互いに対してより短い距離で配置された場合に位相外で励起される電流の特定の分布を考慮すると、必要である。しかし、開口部を互いに対して同一直線上にまたは一直線に、第1の軸に対して垂直に配置されたより長い伸長部に整列させることは、利点となる。これによって、励起信号の均一な位相配向が実現され、主放射面の外側の望ましくないローブ(lobes)が回避される。
【0016】
導波管チャネルセグメントの前部セクションおよび/または後部セクションは、チャネル壁から導波管チャネルセグメントの前部セクションおよび/または後部セクションに伸長する突起の形態の凹部を備えることができる。凹部が、内側に向けられた突起としてまたは代替的にチャネル壁に配置されている隔壁の形態で設計されている場合に、良好な結果が得られる。凹部は、導波管チャネルセグメントの左セクションと右セクションとの間で信号を分割することを助けるように、および/または電場を乱す(perturb)ように構成することができる。導波管チャネルセグメントの前部セクションにおいて、隣接する導波管開口間に交互に第1の突起が配置される場合に、良好な結果が得られる。第1の突起は台形の断面を有することができる。上記第1の突起は、信号が垂直に偏波されて放射されるように電場を乱すように構成することができる。第1の方向に対して垂直に断面のより長い伸長部を配置することによって、導波管開口は通常、信号を励起しない。導波管開口から信号を励起するために、前部セクションは、交互に配置された第1の突起を備える。好ましくは、第1の突起はくさび形(wedge shaped)であり得る。複数の交互に配置された第1の突起は、基本的に鋸刃のような形状である導波管チャネルセグメントの前部セクションの形状を作り出す。第1の突起は、導波管開口が信号を放射することができるように、電流を乱す(perturb)。第1の突起は、導波波長の距離の半分で分離された導波管チャネルセグメントに配置されている、隣接する導波管開口間の180°の位相変化を相殺するように構成され、一つ置きに配置されてよい。
【0017】
アンテナ装置の好ましい変形例では、断面のより長い伸長部は第1の方向に対して垂直に配置され得、より短い伸長部は第1の方向に対して平行に配置され得る。好ましくは、導波管開口の断面は基本的に長方形である。導波管開口の放射結合(radiation coupling)が第1の突起のサイズに比例するため、それらの形状を変化させて、導波管開口の振幅を調整し、放射パターンに影響を与えることができる。凹部の深さによって導波管開口の放射を制御することができる。代替的にまたは追加的に、より長い伸長部の長さは、導波管開口の励起位相を変えるために調整されてもよく、これは、放射パターンの調整に有用であり得る。
【0018】
導波管開口の放射パターンは、導波管開口の数を調整するか、または第1の突起のサイズおよび形状に影響を与えることによって仰角面内で調整することができる。第1の突起は、互いに対して導波波長の基本的に半分の距離で配置されている隣接する導波管開口間の180°の位相変化を相殺するように構成されている。それにもかかわらず、方位面はこれらの変化に対して不変となり、個々の導波管開口の低い指向性が原因で広いビーム幅を示す。好ましい変形例では、導波管開口の上部に空洞を配置して、電場を集中させ、方位角ビーム幅を縮小することによって、方位角パターンを調整することができる。空洞の高さおよび幅に応じて、さまざまなパターンが得られる。仰角面の場合、ビーム幅の縮小にも役立ち得るが、空洞の効果は小さい。好ましい変形例では、電場を集中させ、主放射面の1つでビーム幅を縮小するべく放射パターンを調整するように構成されている漏斗状のホーン空洞(horn cavity)が、導波管開口の前端に配置される。代替的にまたは追加的に、指向性に影響を与えるようにホーン空洞を側方に変位させることもできる。
【0019】
導波管チャネルセグメントの前部セクションに典型的に配置されている第1の突起の他に、代替的にまたは追加的に、長方形の断面を有する少なくとも1つの第2の突起を導波管チャネルセグメントの前部セクションに配置することもできる。少なくとも1つの第2の突起は、導波管チャネルセグメントにおいて信号を分割して、第1の方向に沿って伸長する左セクションおよび右セクションにおいて励起するように構成されている。達成されるべき分布に応じて、第2の突起は、典型的に導波管チャネルセグメントの左セクションと右セクションとの間の中心に配置されている、長方形である断面を有することができる、それにより、信号が、導波管チャネルセグメントの左セクションと右セクションとの間で均等に分割される。好適には、第2の突起は、導波管チャネルセグメントの左セクションと右セクションとの間の中心点に対して配置されているくびれ(necking)であってよい。くびれが左セクションと右セクションの間で片側にオフセットして配置されている場合、信号、特にその電力は、左セクションと右セクションとの間で不均等に分割される。ここで説明した配置の性能上の利点により、電力の分割はほぼ無損失になる。無視できる量の電力が、分割中に失われるだけである。
【0020】
代替的にまたは追加的に、各導波管開口の前端に偏波素子を配置することができ、これは、電場を相対的な90°の位相シフトで2つの直交偏波に分割するように構成されている。偏波素子は円偏波を生成するように設計することができる。偏波素子は、典型的に、各導波管開口の垂直偏波を円偏波に変換することによって、導波管開口により励起される垂直偏波の電場をねじるように構成されている。導波管チャネルセグメントの前部セクションに配置された第1の突起は、導波管開口が望ましい相対振幅でエネルギーを励起し、偏波素子に結合することができるように依然として必要とされている。偏波子の形状は軸比を最小化するように最適化されている。好ましい変形例では、偏波素子は、基本的に、斜めに(diagonally)部分的に重なり合う二つの正方形、またはボウタイのように形作られ得る。
【0021】
代替の変形例では、断面のより長い伸長部は第1の方向に対して平行に配置され、より短い伸長部は第1の方向に対して垂直に配置される。既知のアンテナ装置では、導波管開口間の位相を均一に保つために、導波管開口は、通常、互いに対する1つの導波波長距離だけ離間される。2つの隣接する導波管開口間の距離は、典型的に、過剰なグレーティングローブレベル(grating lobe levels)をもたらす、1つを超える自由空間波長(flee space wavelength)に相当する。第3の突起は、第1の方向に対して導波管チャネルセグメントの後部セクションにおいて交互に導波管開口間に配置することができ、第3の突起は、導波管チャネルセグメント内で第1の方向において導波波長を圧縮するように構成されている。第3の突起は、導波管伝搬モードの有効波長を短縮することができる。それゆえ、隣接する導波管開口間の距離を短縮し、望ましくないグレーティングローブの発生を軽減することができる。
【0022】
第3の突起は、好ましくは、アンテナプレートの前面に垂直に導波管チャネルセグメントへと伸長する支柱として設計され、一次元の滑り対称配置で第1の方向において互いに離間され、導波管開口は、第1の方向に沿って互いに基本的に1つの導波波長の距離で配置される。導波管チャネルセグメントの後部セクションに配置された多数の支柱は、へこんだプロファイルを作り出す。第3の突起は、導波管内の伝搬定数が増加させられるような周期構造を導入することができる。これによって、導波波長を入射波長と比較しておよそ2分の1に分割することが可能になる。第3の好ましい変形では、第3の突起は二つ目ごとに、前部セクションにおける第4の突起として分割面でのミラーリング(mirroring)によって上方に折り畳まれ、それにより、二次元で第3および第4の突起の滑り対称配置が結果として得られる。典型的に、突起は、基本的に波長の0.2倍から波長の0.3倍までの幅を有する支柱の形態である。好ましい変形例では、第3の支柱は、後部セクションに配置され、基本的に波長の0.3倍から波長の0.5倍までの高さを有する。第4の好ましい変形例では、長方形の断面は、導波管チャネルセグメントの第1の方向に対して角度αだけ角度的に変位して配置される。偏波は、純粋な水平(0°)または垂直(90°)の偏波から斜め(±45°)偏波に変えられてよい。偏波は、好ましくは、変更された第1の突起によってねじられ、それにより、滑らかな移行が達成される。示された変形例の利点は、追加のアンテナ層なしで偏波を変更することができることである。斜め偏波(slant polarization)の使用は、互いに対向する車両間の干渉を低減するので、自動車用途で大きな関心を集めている。それゆえ、導波管チャネルセグメントの前部セクションにおいて、隣接する導波管開口間に、交互に、第1および第2の突起を配置することができる。代替的にまたは追加的に、第3の突起は、導波管チャネルセグメントの後部セクションにおいて、第1の方向に対して、導波管開口間に、または交互に配置されてもよい。
【0023】
好ましい変形例では、供給ポートが、アンテナプレートの後面で導波管チャネルセグメントを開口に相互接続する。側面供給は非常にコンパクトな設計につながり得るが、非対称性によって帯域幅が減少し、ビーム・スクイントが発生する。それゆえ、供給ポートは、信号を分離または結合するように構成された、導波管チャネルセグメントの左セクションと右セクションとの間に配置されているスプリッタとして設計することができる。スプリッタを介するセンター供給は、サイド供給と同様のパフォーマンスをもたらし、ルーティングを同じ層に存在させるが、それほどコンパクトではない。ボトム供給は、非常にコンパクトで広帯域の設計につながるが、下部に追加のルーティングの層を必要とする。ハイブリッド供給では、場合によって、隣接する要素との分離が小さいため、中央から放射器に供給することが不可能になり得る。アンテナ配置に応じて、アンテナが、
図12に示されるように中央からではあるが所与のオフセットで供給される、ハイブリッドソリューションが実現可能であり得る。このソリューションはまた、センター/ボトム供給に対して縮小されたビーム幅、およびビーム・スクイントを示すが、その程度は、設計の対称性の一部が回復されるためサイド供給よりも小さくなる。導波管開口によって受け取った入射電力もスプリッタによって結合することができる。それゆえ、スプリッタはまた、カップラとして機能するために相互に働くように構成され得る。受信した信号を1つの信号に結合することができる。
【0024】
より指向性が高いまたは複雑な放射パターンが必要とされる場合、アンテナプレートの前面に導波管開口の複数のアレイを配置することができる。
【0025】
好ましい変形例では、スプリッタとして設計された供給ポートが、第1の列と第2の列との間に配置され、信号を分離または結合するように構成されている。列の数に応じて、供給ポートは、互いに相互接続され、互いに対して平行に配置されている、スプリッタのアレイを備えることができる。この設計は統合ネットワーク(corporate network)として知られている。統合ネットワークは、両方の列に特定の放射パターンについての位相および振幅が供給されるように設計されている。代替の変形例では、供給ポートは中央供給チャネルとして設計され、複数の導波管チャネルセグメントの幾つかの左セクションおよび右セクションが、基本的に中央供給チャネルに対して垂直にかつ互いに対して平行に配置されている。
【0026】
代替的にまたは追加的に、2つの列の導波管開口は、放射パターンをさらに傾斜させるために、さまざまな断面を有することができる。導波管開口の断面の差によって、各開口の放射間に位相差が生じ得る。位相差はパターンの放射の傾斜を生じさせることができる。側方変位の影響によって、アンテナ指向性に局所的極大値が作成され得る。これらの局所的極大値は、アンテナエネルギーを特定の領域に集中させるのに役立ち得る。傾斜パターンは、レーダーの所与の領域の範囲をさらに広げるのに有用であり得る。特に自動車用途では、傾斜パターンによって局所的により広い範囲を有することが可能になる。代替的に、近位の左セクションおよび右セクションと遠位の左セクションおよび右セクションが、中央供給チャネルに配置されてもよく、遠位の左セクションおよび右セクションには、ビーム・チルトが生成されるように位相シフトが与えられる。
【0027】
代替的にまたは追加的に、アレイの第1の列および第2の列は、中央供給チャネルに隣接して配置することもできる。好ましい変形例では、アレイの第1の列および第2の列は、基本的に中央供給導波管チャネルに対して垂直に配置される。好ましくは、遠位の第2の列には位相シフトが与えられる。位相シフトによって、指向性が高く、傾斜のない放射パターンを生成することができる。供給ポートは中央供給チャネルとして設計することができ、複数の導波管チャネルセグメントの幾つかの左セクションおよび右セクションが、基本的に中央供給チャネルに対して垂直にかつ互いに対して平行に配置されている。好ましい変形例では、導波管開口の2つのアレイが互いに対して平行に配置される。好ましくは、第1のアレイの導波管開口の断面は、第2のアレイの開口部の断面よりも小さいおよび/または大きい。この構成は放射パターンの傾斜をもたらす。代替的に、1つのアレイ内の隣接する導波管開口の断面は異なっていてもよく、それにより、より小さな断面を有する導波管開口が、より大きな断面を有する導波管開口に隣接して配置される。代替的に、より小さな断面を有する導波管開口およびより大きな断面を有する導波管開口は、交互に隣同士で一列に並べて配置されてもよい。これによって、放射パターンは補正され、まっすぐに放射することができる。
【0028】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が、実施形態を提示し、本開示の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図していることが理解されるべきである。添付の図面は、さらなる理解を深めるために含まれており、本明細書に組み込まれ、その一部を構成している。図面は、さまざまな実施形態を例示しており、説明とともに、開示される概念の原理および動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に記載される開示は、本明細書で以下に与えられる詳細な説明および添付の図面からより十分に理解され、これらは、添付の請求項に記載される開示に限定していると見なされるべきではない。図面は以下を示している。
【0030】
【
図1】前方かつ上方からのアンテナ装置の第1の変形例の斜視図である。
【
図2】前方かつ上方からの展開した
図1によるアンテナ装置の斜視図である。
【
図5】
図4によるアンテナ装置の一部の拡大図である。
【
図6】導波管チャネルセグメント内の電流の概略の向きである。
【
図7a】傾斜した導波管開口を備える(
図7a)および第1の突起を備える(
図7b)導波管チャネルセグメント内の電流の概略の向きである。
【
図7b】傾斜した導波管開口を備える(
図7a)および第1の突起を備える(
図7b)導波管チャネルセグメント内の電流の概略の向きである。
【
図8】斜視図での(
図8)、側面からの(
図9)、および断面図としての(
図10)導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図9】斜視図での(
図8)、側面からの(
図9)、および断面図としての(
図10)導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図10】斜視図での(
図8)、側面からの(
図9)、および断面図としての(
図10)導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図11】漏斗状空洞を備えた(
図11)、および偏波素子を備えた(
図12)斜視図での導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図12】漏斗状空洞を備えた(
図11)、および偏波素子を備えた(
図12)斜視図での導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図13】供給ポートの第1の変形例を備えた(
図13)、供給ポートの第2の変形例を備えた(
図14)、および供給ポートの第3の変形例を備えた(
図15)、斜視図での導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図14】供給ポートの第1の変形例を備えた(
図13)、供給ポートの第2の変形例を備えた(
図14)、および供給ポートの第3の変形例を備えた(
図15)斜視図での導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図15】供給ポートの第1の変形例を備えた(
図13)、供給ポートの第2の変形例を備えた(
図14)、および供給ポートの第3の変形例を備えた(
図15)斜視図での導波管チャネルセグメントの第1の変形例である。
【
図16】斜視図での(
図16)、側面からの(
図17)、および断面図としての(
図18)導波管チャネルセグメントの第2の変形例である。
【
図17】斜視図での(
図16)、側面からの(
図17)、および断面図としての(
図18)導波管チャネルセグメントの第2の変形例である。
【
図18】斜視図での(
図16)、側面からの(
図17)、および断面図としての(
図18)導波管チャネルセグメントの第2の変形例である。
【
図19】斜視図での(
図19)、側面からの(
図20)、および断面図としての(
図21)導波管チャネルセグメントの第3の変形例である。
【
図20】斜視図での(
図19)、側面からの(
図20)、および断面図としての(
図21)導波管チャネルセグメントの第3の変形例である。
【
図21】斜視図での(
図19)、側面からの(
図20)、および断面図としての(
図21)導波管チャネルセグメントの第3の変形例である。
【
図22】斜視図での(
図22)、側面からの(
図23)、および断面図としての(
図24)導波管チャネルセグメントの第4の変形例である。
【
図23】斜視図での(
図22)、側面からの(
図23)、および断面図としての(
図24)導波管チャネルセグメントの第4の変形例である。
【
図24】斜視図での(
図22)、側面からの(
図23)、および断面図としての(
図24)導波管チャネルセグメントの第4の変形例である。
【
図25】後方かつ上方からのEBGを備えたアンテナアセンブリの第1の変形例(
図25)、およびEBGを備えた第2の変形例(
図26)の斜視図である。
【
図26】後方かつ上方からのEBGを備えたアンテナアセンブリの第1の変形例(
図25)、およびEBGを備えた第2の変形例(
図26)の斜視図である。
【
図27】斜視図での(
図27)および上方からの(
図28)中央供給チャネルを備えた導波管チャネルセグメントの第5の変形例である。
【
図28】斜視図での(
図27)および上方からの(
図28)中央供給チャネルを備えた導波管チャネルセグメントの第5の変形例である。
【
図29】斜視図での(
図29)および上方からの(
図30)スプリッタのアレイを備えた導波管チャネルセグメントの第6の変形例である。
【
図30】斜視図での(
図29)および上方からの(
図30)スプリッタのアレイを備えた導波管チャネルセグメントの第6の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで特定の実施形態が詳細に参照され、その例は、添付の図面に例示され、そこで、すべてではないがいくつかの特徴が示される。実際、本明細書に開示される実施形態は、多くの異なる形態で具体化され得るが、本明細書に明記される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供されている。可能な限り、同様の参照番号は、同様のコンポーネントまたは部品を指すように使用される。
【0032】
図1および2は、前面3および後面4を有するアンテナプレート2を備えるアンテナ装置10の第1の変形例の前方かつ上方からの斜視図を示す。図示のアンテナ装置1は、2つの積層(部品)を有するアンテナプレート2を備える。図示の変形例は、後部部品5および前部部品8を備え、後部部品5および前部部品8は、後部部品5の前面6および前部部品8の後面10に沿って互いに相互接続されている。後部部品5の前面6および前部部品8の後面10は、図示の変形例におけるように基本的に平坦である必要はない。接触面を減らすために、図示の前部部品8および後部部品5は骨組みばかりにされる。これは、接触面積が最小化されることによって接触面積の表面圧力が増大し、それゆえ、導波管チャネルセグメント11の領域における前部部品8および後部部品5のより正確な整列がもたらされるため有利である。通常、2つの部品5、8は一緒に組み立てられ、後部部品5の前面6のチャネルと前部部品8の後面10のチャネルは、一致して整列させられる。図示の後部部品5および前部部品8は、少なくとも1つのプラスチック材料の射出成形によって作製される。図示のアンテナ装置1は、アンテナプレート2の前面3に対して平行に第1の方向xに伸長するアンテナプレート2に配置された前部セクション13および後部セクション14を有する少なくとも1つの導波管チャネルセグメント11をさらに備える。アンテナプレート2内に配置された図示の導波管開口17は、導波管チャネルセグメント11の前部セクション13とアンテナプレート2の前面3との間で伸長し、それらを相互接続する。図示のアンテナ装置1は、アンテナ装置1と、プリント回路基板(PCB)46と、その上に配置されてアンテナプレート2に相互接続された電子部品49と、を備えるアンテナアセンブリ45の一部であり得る。
【0033】
加えて、図示のアンテナ装置は、導波管開口17に隣接して配置されている散乱素子53を備える。散乱素子53の領域に衝突する放射線(ray)は、散乱素子53によって少なくとも部分的に反射され、それによって、第1の二次放射線と第2の二次放射線とに分離することができる。第1の二次放射線と第2の二次放射線は、干渉によって少なくとも部分的に互いに打ち消し合うように異なる。図示の変形例では、散乱素子53は前面に対して凹部(indentations)として設計されている。設計に応じて、凹部の深さは、干渉によって望ましくない方法で反射される放射線を打ち消す反射を得るために目的とされる特定の位相分布にリンクされ得る。
【0034】
図3~5で最も良く見ることができるように、前部セクション13および/または後部セクション14は、チャネル壁24から導波管チャネルセグメント11の前部セクション13および/または後部セクション14に伸長する突起23の形態での凹部22を備え、導波管開口17は、その後端25の領域に、より長い伸長部27およびより短い伸長部28を備える断面(cross-section)26を有する。図示の導波管チャネルセグメント11は、アンテナプレート2に配置されている前部セクション13および後部セクション14を有する。図示の導波管チャネルセグメント11の断面26は、基本的に長方形である。放射効率を向上させるために、前部セクション13は、代替的に後部セクションよりも大きな断面を有することができる。前部セクション13と後部セクション14は、分割面36に関して対称である必要はない。前部部分8および後部部分5を備えるアンテナプレート2の変形例では、前部部分8と後部部分5との間の分割面36によって導波管チャネルセグメント11を二つの半分部に分割することができる。それでも、前部セクション13の半分部と後部セクション14の半分部は、分割面36に関して対称である必要はない。図示の導波管チャネルセグメント11は、アンテナプレート2の前面3と平行な第1の方向xに伸長する。図示の変形例の導波管チャネルセグメント11は、長方形の断面を備えており、一般的な説明で述べたように、断面26は代替的に以下の幾何学的形状:長方形、菱形、楕円形、円形のグループからの、またはそれらの組み合わせの断面であり得、断面26の主な伸長方向は、基本的に第1の方向xに対して平行である。信号を励起または受信するために、図示のアンテナ装置1は、アンテナプレート2に配置されている導波管開口17を備える。図示の導波管開口17は、導波管チャネルセグメント11の前部セクション13とアンテナプレート2の前面3との間で伸長し、それらを相互接続する。アンテナ装置1の図示の変形例は、1つの導波管チャネルセグメント11の前部セクション13と前面3との間で伸長し、それらを相互接続して、導波管開口17のアレイ20を形成する、いくつかの導波管開口17を備える。アレイ20の導波管開口17は、好ましくは、アンテナプレート2の後面4でそれぞれの放射素子39に相互接続されている共通の導波管チャネル21によって与えられる。図示の導波管開口17はスロットとして設計されている。図示の導波管開口17は、それらの後端25の領域で、より長い伸長部27およびより短い伸長部28を備える断面26を有する。図示の変形例では、導波管開口17は、導波管チャネルセグメント11またはその一部に合流する前に、後端25に向かって断面26が狭くなる漏斗状にされている、基本的に長方形の断面26を有する。
【0035】
図6は、導波管チャネルセグメント11内の電流の概略の向きを示す。
図6で見ることができるように、導波管開口17間の位相を均一に保つために、導波管開口17は、互いに対する1つの導波波長λの距離だけ離間されなければならない。2つの隣接する導波管開口17間の距離は、典型的に、過剰なグレーティングローブレベルをもたらす、1つの導波波長λのサイズを有する1つを超える自由空間と同等である。隣接する導波管開口17間の距離を短縮することができるように、第3の突起34が、導波管チャネルセグメント11の後部セクション14に、第1の方向Xに対して導波管開口17の間に交互に配置されてよい。第3の突起34は、導波管チャネルセグメント11内で第1の方向xに沿って導波波長λを圧縮するように構成されている。第3の突起34は、導波管伝搬モードの有効導波波長を短縮することができる。それゆえ、隣接する導波管開口17間の距離を短縮し、望ましくないグレーティングローブの発生を軽減することができる。
【0036】
図7aは、傾斜した導波管開口17を備える導波管チャネルセグメント11内の電流の概略の向きを示す。導波管開口17を第1の方向xに対して傾斜させるアプローチは、導波管構造を備えたアンテナ装置から既知である。それにもかかわらず、導波管開口17を介して信号を励起するために導波管開口17を傾斜させてまたは角度的に変位させて配置することは、望ましくない水平偏波を生成する。望ましくない水平偏波を回避するために、第1の突起29を、
図7bに示されるように配置することができる。図示のくさび形の第1の突起29は、導波管チャネルセグメント11の前部セクション13に配置されている。見られるように、第1の突起29の台形の断面は、信号が導波管開口17から放射されるように電場を乱すことができる。第1の方向Xに対して垂直に断面のより長い伸長部27を配置することによって、導波管開口17は通常、信号を励起しない。電流を乱す第1の突起29は、導波管開口17が信号を放射することを可能にする。示されるように、第1の突起29は、導波波長λの距離の半分で分離された導波管チャネルセグメント11に配置されている、隣接する導波管開口17間の180°の位相変化を相殺するように構成され、交互に配置されている。
【0037】
図8~10は、断面13のより長い伸長部27は第1の方向xに対して垂直に配置され、より短い伸長部28は第1の方向xに対して平行に配置されている、導波管チャネルセグメント11の第1の変形例を示している。図示の隣接する導波管開口17間には、一つ置きに、第1の突起29が導波管チャネルセグメント11の前部セクション13に配置されている。くさび形の凹部22の形態での第1の突起29は、チャネル壁24から導波管チャネルセグメント11の前部セクション13へと伸長する。図示の凹部22は、内側に向けられた突起23としてまたは代替的にチャネル壁24に配置されている隔壁の形態で設計されている。図示の凹部22は、導波管チャネルセグメント11の左セクション15と右セクション16との間で信号を分割することを助けるように、および/または電場を乱すように構成されている。図示の変形例では、第2の突起30が、信号、特にそのパワーが、導波管チャネルセグメント11の左セクション15と右セクション16との間で均等に分割されるように、導波管チャネルセグメント11の左セクション15と右セクション16との間の中心点に配置されている。前部セクション13において交互に配置されたエッジ形状の第1の突起29は、鋸歯状パターンを作り出す。図示の第1の突起29は、導波管開口17が信号を放射することができるように、電流を乱す。第1の突起29の一つ置きの配置は、隣接する導波管開口17間の180°の位相変化を相殺するように構成されている。図示の変形例では、導波管開口17は、導波波長距離の半分で分離された導波管チャネルセグメント11に配置されている。図面から見ることができるように、導波管開口17の断面26は基本的に長方形である。導波管開口17の放射結合が第1の突起29のサイズに比例するため、それらの形状は、導波管開口17の振幅を調整し、それらの放射パターンに影響を与えるように変えられてよい。加えて、より長い伸長部27の長さは、導波管開口17の励起位相を変更するために調整することができる。図示の変形例では、異なるより長い伸長部27を備えた導波管開口17が交互に配置されている。より長い伸長部27およびより短い伸長部28を備えた導波管開口17は、交互に配置されており、放射パターンの調整に有用であり得る。
【0038】
図11は、漏斗状の空洞33を備えた、導波管チャネルセグメント11の第1の変形例を示す。示される漏斗状のホーン空洞33は、導波管開口17の前端に配置され、ホーン状であって、電場を集中させて主放射面の1つでビーム幅を縮小するべく放射パターンを調整するように構成されている。図示の変形例では、漏斗空洞33は、第1の軸xに関して対称に配置されている。代替的に、漏斗状のホーン空洞33は、指向性に影響を与えるように側方に変位させて配置することもできる。導波管チャネルセグメント11はまた、導波管開口17の2つのアレイ20を備えることができる。
【0039】
図12は、偏波素子31を備えた、導波管チャネルセグメント11の第1の変形例を示す。図示の偏波素子31は、電場を相対的な90°の位相シフトで2つの直交偏波に分割するように構成されている各導波管スロット8の前端19に配置されている。図示の偏波素子31は、基本的に、斜めに部分的に重なり合う二つの正方形またはボウタイのように形作られている。偏波素子31は、励起される場の偏波を互いに対して相対的な90°の位相シフトを有する2つの直交偏波に分割することができる。偏波素子31は、各導波管開口17の垂直偏波を円偏波に変換することによって、導波管開口17により励起される垂直偏波の電場をねじるように構成されている。導波管チャネルセグメント11の前部セクション13に配置された第1の突起29は、導波管開口17が望ましい相対振幅で、エネルギーを励起し、偏波素子31に結合することができるように依然として必要とされている。
【0040】
図13~15は、供給ポート38の異なる変形例を有する導波管チャネルセグメント11の第1の変形例の3つの変形例を示す。供給ポート38の図示したすべての3つ変形例は、導波管チャネルセグメント11をアンテナプレート2の後面4の開口39に相互接続する。導波管チャネルセグメント11が側面から与えられる、
図13に示される供給ポート38の第1の変形例は、非常にコンパクトな設計となるが、非対称性により帯域幅が減少し、ビーム・スクイントを生成する。これらの影響を回避するために、供給口38は、信号を分離または結合するように構成され、導波管チャネルセグメント11の左セクション15と右セクション16との間に配置されている
図14に示されるようなスプリッタとして設計することができる。ボトム供給は、非常にコンパクトで広帯域の設計につながるが、下部に追加のルーティングの層を必要とする。ハイブリッド供給では、場合によって、隣接する要素との分離が小さいため、中央から放射器に供給することが不可能になり得る。代替的に、
図15に示されるようなスプリッタ40を介するセンター供給によって、ルーティングを同じ層に存在させることが可能であるが、それほどコンパクトではない。
【0041】
図16~18は、導波管チャネルセグメント11の第2の変形例を示す。図示の変形例では、断面26のより長い伸長部27は第1の方向xに対して平行に配置され、より短い伸長部28は第1の方向xに対して垂直に配置される。既知のアンテナ装置1では、導波管開口17間の位相を均一に保つために、導波管開口17は、互いに対して1つの導波波長距離だけ離間されなければならない。2つの隣接する導波管開口17間の距離は、典型的に、過剰なグレーティングローブレベルをもたらす、1つの導波波長のサイズを有する1つを超える自由空間と同等である。図示の第3の突起34は、導波管チャネルセグメント11の後部セクション14に、第1の方向xに対して導波管開口17間に交互に配置され、第3の突起34は、導波管チャネルセグメント11内で第1の方向xにおいて導波波長を圧縮するように構成されている。第3の突起34は、導波管伝搬モードの有効波長を短縮する。見ることができるように、隣接する導波管開口17間の距離は短縮され、望ましくないグレーティングローブの発生は軽減される。図示の第3の突起34は、アンテナプレート2の前面3に対して垂直に導波管チャネルセグメント11内に伸長する支柱35として設計されている。これらは、一次元の滑り対称配置で第1の方向xにおいて互いに離間され、導波管開口17は、第1の方向xに沿って互いに対して基本的に1つの導波波長の距離で配置される。導波管チャネルセグメント11の後部セクション14に配置された多数の支柱35は、へこんだプロファイルを作り出す。第3の突起34は、導波管チャネルセグメント11内の伝搬定数が増加させられるような周期構造を導入する。これによって、導波波長を入射波長と比較しておよそ2分の1に分割することが可能になる。
【0042】
図19~21は、導波管チャネルセグメント11の第3の変形例を示す。変形例では、長方形の断面26は、導波管チャネルセグメント11の第1の方向xに対して角度αだけ角度的に変位して配置される。これによって、偏波は、純粋な水平(0°)または垂直(90°)の偏波から斜め(±45°)偏波に変えられる。偏波は、好ましくは、変更された第1の突起29によってねじられ、それにより、滑らかな移行が達成される。示された変形例の利点は、追加のアンテナ層なしで偏波を変更することができることである。斜め偏波の使用は、互いに対向する車両間の干渉を低減するので、自動車用途で大きな関心を集めている。それゆえ、導波管チャネルセグメント11の前部セクション13において、隣接する導波管開口17間には、1つおきに、第1の突起29が配置されている。加えて、第3の突起34が、第1の方向xに対して導波管チャネルセグメント11の後部セクション14に配置される。
【0043】
図22~24は、導波管チャネルセグメント11の第4の変形例を示す。図示の第3の突起34のすべての二つ目は、前部セクション13の第4の突起37として分割面36でのミラーリングによって上方に折り畳まれる。これによって、二次元での第3の支柱21と第4の支柱35の滑り対称配置がもたらされる。
図25~26は、アンテナアセンブリの第1および第2の変形例の斜視図を示す。図示のアンテナ装置1はいずれも1層のみを含む。これは、前部部分と後部部分5の正確な位置合わせを達成する必要性が単一ピースのアンテナプレート2では問題にならないため、利点がある。単層アンテナプレート2は、1つの製造工程のみで射出成形によって作ることができる。図示のアンテナプレート2は、プリント回路基板(PCB)46と組み合わせた1つの金属化プラスチック層のみを含む。プラスチック層とPCB46を一緒に組み立てて電力の漏れを回避するために、導電性接着剤、はんだ付けなどの、さまざまな代替策が存在する。
図25からわかるように、第2の変形例のアンテナプレート2は、導波管チャネルセグメント11の輪郭を画定するように構成された、アンテナプレート2の後面4に配置されている多数の支柱50を備える。図示の変形例では、導波管チャネルセグメント11は、ギャップ導波管技術に基づく一連の支柱50によって少なくとも部分的に置き換えられている。図示の支柱50は、導波管チャネルセグメント11および/またはスプリッタ40の外側輪郭を少なくとも部分的に形成している。支柱50は、導波管チャネルセグメント11を介して信号を誘導するように構成されている。電磁バンドギャップ(EBG)構造は、基本的に中空導波管チャネルセグメント11の周囲に配置される。電磁バンドギャップ構造は、直接接触および/またはオーム接触を必要とせずに導電性壁として挙動して所与の範囲の周波数で電磁波を遮断することを可能にする。
図26で最も良くわかるように、より小さな開口部18およびより大きな開口部19を備えた導波管開口17を、導波管開口17の1つのアレイ内に配置することができる。この構成は放射パターンの傾斜をもたらす。代替的に、隣接する導波管開口17の断面26は異ならされてもよく、それにより、より小さな断面26を有する導波管開口17のアレイが、より大きな断面26を有する導波管開口17のアレイと平行に配置される。より小さい断面26とより大きい断面26を有する導波管開口17を交互に隣同士で一列に並べて配置すると、良好な結果が得られる。
【0044】
代替的に、
図26の変形例に示されるように、キノコ型のEBGがPCB自体に配置されてもよい。図示のキノコ型のEBGは、金属化された貫通穴52を含むコーティングで作られている。キノコ型のEBGは、周期的な放射パターンを生成するように構成されている。
図26に示された変形例では、プリント回路基板46は電磁バンドギャップ構造を備えており、プリント回路基板46は、キノコ型の電磁バンドギャップ素子51を備えるアンテナプレート2に相互接続されている。図示のキノコ型の電磁バンドギャップ素子51は、PCB46の後面48からおよび/またはPCB46の本体を通って伸長し、導波管チャネルセグメント11の間または周囲に配置され、それによって、電磁的な絶縁またはデカップリングが向上する。より指向性が高いまたは複雑な放射パターンが必要とされる場合、アンテナプレート2の前面3に導波管開口17の複数のアレイを配置することができる。これは
図27~30で見ることができる。
【0045】
図27および28は、中央供給チャネルを備えた導波管チャネルセグメント11の第5の変形例を示す。供給ポート38は中央供給チャネル30として設計され、複数の導波管チャネルセグメント11の多数の左セクション15および右セクション16が、基本的に中央供給チャネル30に対して垂直にかつ互いに対して平行に配置されている。近位の左セクション15および右セクション16と遠位の左セクション15および右セクション15が、中央供給チャネル30に配置され、遠位の左セクション15および右セクション16には、ビーム・チルトが生成されるように位相シフトが与えられる。アレイ20の図示の第1の列42および第2の列43は、基本的に中央供給チャネル41に対して垂直に配置される。好ましくは、遠位の第2の列43には、近位の第1の列42に対する位相シフトが与えられる。位相シフトは放射パターンの傾斜をもたらす。図示の変形例では、導波管開口17のアレイは、互いに対して平行に配置される。導波管開口17の断面26、特により長い伸長部27の長さは変化する。
【0046】
図29および30は、スプリッタ40のアレイを備えた導波管チャネルセグメント11の第6の変形例を示す。図示の供給ポート38はスプリッタ40のアレイを備えており、導波管チャネルセグメント11は、スプリッタ40のアレイに相互接続され、且つ、互いに対して平行に配置されている、スプリッタ40のアレイのスプリッタ40に相互接続されている。図示の変形例では、スプリッタ40のアレイが配置されており、導波管チャネルセグメント11が、スプリッタ40のアレイのスプリッタ40に相互接続されている。導波管開口17のアレイを備えた複数の導波管チャネルセグメント11は各々、スプリッタ40のアレイに相互接続されている。図示の変形例では、少なくとも2つの導波管チャネルセグメント11が、スプリッタ40のアレイの各スプリッタ40に接続されている。この設計は統合ネットワークとして知られている。統合ネットワークは、1つの共通のスプリッタ40に接続された導波管チャネルセグメント11に最大の指向性のための等しい振幅および位相が与えられるように設計されている。
【符号の説明】
【0047】
1.アンテナ装置
2.アンテナプレート
3.前面(アンテナプレート)
4.後面(アンテナプレート)
5.後部部分
6.前面(後部部分)
7.後面(後部部分)
8.前部部分
9.前面(後部部分)
10.後面(前部部分)
11.導波管チャネルセグメント
12.分割面(導波管チャネルセグメント)
13.前部セクション(導波管チャネルセグメント)
14.後部セクション(導波管チャネルセグメント)
15.左セクション(導波管チャネルセグメント)
16.右セクション(導波管チャネルセグメント)
17.導波管開口
18.より小さな開口部(導波管開口)
19.より大きな開口部(導波管開口)
20.アレイ(導波管開口)
21.導波管チャネル
22.凹部
23.突起
24.チャネル壁(導波管チャネルセグメント)
25.後端(導波管開口)
26.断面(導波管開口)
27.より長い伸長部(導波管開口)
28.より短い伸長部(導波管開口)
29.第1の突起
30.第2の突起
31.偏波素子
32.前端(導波管開口)
33.漏斗空洞
34.第3の突起
35.支柱(第3の突起)
36.分割面
37.第4の突起
38.供給ポート
39.開口(放射素子)
40.スプリッタ
41.中央供給チャネル
42.第1の列
43.第2の列
44.支柱(第4の突起)
45.アンテナアセンブリ
46.プリント回路基板(PCB)
47.前面(PCB)
48.後面(PCB)
49.電子部品
50.支柱(EBG)
51.バンドギャップ素子
52.貫通穴
53.散乱素子
【国際調査報告】