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▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】動的な医療用品の調達
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20241219BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537022
(86)(22)【出願日】2022-12-11
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2022085269
(87)【国際公開番号】W WO2023117507
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/291,581
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェイラ ルカス デ メロ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
供給用品を動的に入手するための方法は、医療処置中に使用された供給用品の識別情報をメインメモリ115に保存するステップと、医療処置中に医療処置からの情報をモニタリングするステップと、プロセッサ152が命令を実行することによって、また、情報をモニタリングすることに基づいて、医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測するステップと、欠品している供給用品を入手する必要があると予測したことに基づいて、医療処置中に、欠品している供給用品を入手するステップとを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給用品を動的に入手するための方法であって、
医療処置中に使用された供給用品の識別情報をメインメモリに保存するステップと、
前記医療処置中に前記医療処置からの情報をモニタリングするステップと、
プロセッサが命令を実行することによって、また、前記情報をモニタリングすることに基づいて、前記医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測するステップと、
欠品している前記供給用品を入手する必要があると予測したことに基づいて、前記医療処置中に、欠品している前記供給用品を示すアラートを生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記医療処置中の臨床ガイドラインの順守を判断するために、通信デバイスに入力され、前記通信デバイスから受信した臨床情報をコンピュータにおいて解析するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記医療処置中の供給用品の使用状況を判断するために、通信デバイスに入力され、前記通信デバイスから受信した運用情報をコンピュータにおいて解析するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の命令を保存する第1のメモリ、及び前記第1の命令を実行する第1のプロセッサを含む中央コンピュータと、
医療処置中に使用された供給用品の識別情報を保存するメインメモリと、
を含む、供給用品を動的に入手するためのシステムであって、
前記第1のメモリで実行されると、前記第1の命令は、前記中央コンピュータに、
前記医療処置中に前記医療処置からの情報をモニタリングさせ、
前記情報をモニタリングすることに基づいて、前記医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測させ、
欠品している前記供給用品を入手する必要があると予測したことに基づいて、前記医療処置中に、欠品している前記供給用品を入手させる、システム。
【請求項5】
前記第1のプロセッサによって実行されると、前記第1の命令は、前記中央コンピュータに更に、
前記医療処置の前に、前記医療処置中に使用された前記供給用品を判断するために使用される第1の臨床情報及び第1の運用情報を取得するために、複数のソースから第1のデータをキャプチャさせ、
前記医療処置中に、前記医療処置中に欠品している前記供給用品を入手する必要があるかどうかを予測するために、第2の臨床情報及び第2の運用情報を取得するために、前記医療処置からの前記情報をモニタリングさせる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のプロセッサによって実行されると、前記第1の命令は、前記中央コンピュータに更に、
前記医療処置からの前記情報を臨床ガイドラインと比較させ、
前記医療処置からの前記情報と前記臨床ガイドラインとの比較に基づいて、前記医療処置中に使用された前記供給用品が前記臨床ガイドラインを順守しているかどうかを判断させ、
前記医療処置中に使用された前記供給用品が前記臨床ガイドラインを順守していないと判断することに更に基づいて、前記医療処置中に欠品している前記供給用品を入手させる、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
第2の命令を保存する第2のメモリ、及び前記第2の命令を実行する第2のプロセッサを含むモバイルコンピュータを更に含み、前記第2のプロセッサによって実行されると、前記第2の命令は、前記モバイルコンピュータに、
前記医療処置中に前記医療処置からの前記情報を取得させ、前記医療処置からの前記情報を前記中央コンピュータに送信させる、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のプロセッサによって実行されると、前記第1の命令は、前記中央コンピュータに更に、
過去の医療処置から情報を取得させ、
複数の前記過去の医療処置からベンチマークを確立させ、
前記医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかが、前記複数の前記過去の医療処置からの前記ベンチマークに更に基づいて予測される、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のプロセッサによって実行されると、前記第1の命令は、前記中央コンピュータに更に、
欠品している前記供給用品を入手するために、欠品している前記供給用品の要求を自動的に生成して送信させる、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記医療処置からの前記情報は、前記医療処置中に撮影され、リアルタイムで処理された前記医療処置の被検体の画像に基づいている、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記医療処置からの前記情報は、電子通信ネットワークを介して複数の異なるソースから取得する、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
命令を保存するメモリと、
前記命令を実行するプロセッサと、
を含む、コントローラであって、
前記プロセッサによって実行されると、前記命令は、前記コントローラに、
医療処置中に使用された供給用品の識別情報を取得させ、
前記医療処置中に前記医療処置からの情報をモニタリングさせ、
前記情報をモニタリングすることに基づいて、前記医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測させ、
欠品している前記供給用品を入手する必要があると予測したことに基づいて、前記医療処置中に、欠品している前記供給用品を示すアラートを生成させる、コントローラ。
【請求項13】
前記プロセッサによって実行されると、前記命令は、前記コントローラに更に、
前記医療処置中に撮影され、リアルタイムで処理された前記医療処置の被検体の画像を取得させ、
前記被検体の前記画像の品質に基づいて、前記医療処置中に欠品している前記供給用品を入手させ、欠品している前記供給用品は、医用イメージング装置を含む、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記プロセッサによって実行されると、前記命令は、前記コントローラに更に、
前記医療処置中に使用された前記供給用品について、前記医療処置中に存在している臨床医が詳しいかどうかを判断させ、
前記医療処置中に使用された前記供給用品について、前記医療処置中に存在している前記臨床医が詳しいことに基づいて、前記医療処置中に欠品している前記供給用品を入手させる、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記プロセッサによって実行されると、前記命令は、前記コントローラに更に、
自然言語処理を使用して、前記医療処置からの前記情報を解釈させる、請求項14に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 米国経済に対する心血管疾患のコストは、2017年に5000億ドルを超えた可能性があり、2035年までに1兆1千億ドルに達すると予測されている。これらのコストの30%ほどは、非効率的な供給連鎖や手術における無駄など、医療における無駄や非効率性が原因である可能性がある。心血管疾患の回避可能なコストは、カテーテル検査室のような臨床ワークフローに見られる。そこでは、消耗デバイスが処置のかなりのコストを占めるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002] 米国における医療コストによって、臨床転帰を維持又は改善しつつ、運用務効率の増加と在庫流通の改善が迫られている。供給用品の使用状況を事前に予測することは困難な場合がある。更に、病院のある病棟及び/又はフロアである供給用品が不足している場合、スタッフは、別の病棟及び/又はフロアから、又は違う病院からでさえも、当該供給用品を入手しなくてはならないことがあり、患者が重篤な状態や手術中であっても、患者の待ち時間が長くなることがある。また、供給用品の使用状況は、供給用品を使用する立場にある医療専門家の好みや能力によって異なる場合がある。臨床転帰の改善は、スタッフの好みや能力、また、患者の状態に応じて供給用品調達をカスタマイズして、臨床転帰の改善を達成できるかどうかにかかっている。加えて、供給用品の価格は、時間の経過と共に変化し、同等に許容可能な臨床転帰で使用できる代替品とは異なる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] 本開示の態様によれば、供給用品を動的に入手するための方法は、医療処置中に使用された供給用品の識別情報をメインメモリに保存するステップと、医療処置中に医療処置からの情報をモニタリングするステップと、プロセッサが命令を実行することによって、また、情報をモニタリングすることに基づいて、医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測するステップと、欠品している供給用品を入手する必要があると予測したことに基づいて、医療処置中に、欠品している供給用品を入手するステップとを含む。
【0004】
[0004] 本開示の別の態様によれば、供給用品を動的に入手するためのシステムは、中央コンピュータとメインメモリとを含む。中央コンピュータは、第1の命令を保存する第1のメモリメモリと、第1の命令を実行する第1のプロセッサとを含む。メインメモリには、医療処置中に使用された供給用品の識別情報が保存される。第1のメモリによって実行されると、第1の命令は、中央コンピュータに、医療処置中に医療処置からの情報をモニタリングさせ、情報をモニタリングすることに基づいて、医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測させ、欠品している供給用品を入手する必要があると予測したことに基づいて、医療処置中に、欠品している供給用品を入手させる。
【0005】
[0005] 本開示の別の態様によると、コントローラはメモリと、プロセッサとを含む。メモリは命令を保存する。プロセッサが命令を実行する。プロセッサによって実行されると、命令は、コントローラに、医療処置中に使用された供給用品の識別情報を取得させ、医療処置中に医療処置からの情報をモニタリングさせ、情報をモニタリングすることに基づいて、医療処置中に欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測させ、欠品している供給用品を入手する必要があると予測したことに基づいて、医療処置中に、欠品している供給用品を入手させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
[0006] 実施形態の例は、以下の詳細な説明を、添付の図面の図と共に読むと、最もよく理解される。様々な特徴が必ずしも縮尺どおりに描画されているわけではないことを強調する。実際には、考察を明確にするために、寸法は任意に拡大又は縮小されている。適用可能及び実用的である場合は、同様の参照符号は、同様の要素を指す。
【0007】
図1A】[0007] 図1Aは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のためのシステムを示す。
図1B】[0008] 図1Bは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための別のシステムを示す。
図1C】[0009] 図1Cは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための別のシステムを示す。
図1D】[0010] 図1Dは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のためのコントローラを示す。
図1E】[0011] 図1Eは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のためのシステムの概要を示す。
図2】[0012] 図2は、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための方法を示す。
図3A】[0013] 図3Aは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための方法を示す。
図3B】[0014] 図3Bは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための洞察生成を示す。
図4】[0015] 図4は、別の代表的な実施形態による動的医療用品調達のための方法が実施されるコンピュータシステムを示す。
図5A】[0016] 図5Aは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための管理者/提供者コンピュータ用のユーザインターフェースを示す。
図5B】[0017] 図5Bは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための管理者/提供者コンピュータ用の別のユーザインターフェースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0018] 以下の詳細な説明では、限定ではなく説明を目的として、本教示による実施形態の完全な理解を提供するために、特定の詳細を開示する代表的な実施形態を記載する。代表的な実施形態の説明が不明瞭とならないように、既知のシステム、デバイス、材料、操作方法、及び製造方法の説明を省略する場合がある。しかしながら、当業者の権限範囲内にあるシステム、デバイス、材料、及び方法は、本教示の範囲内であり、また、代表的な実施形態に従って使用され得る。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり、限定であることを意図したものではないことを理解されたい。定義された用語は、本教示の技術分野で一般的に理解され、受け入れられている、定義された用語の技術的及び科学的な意味を加えるものである。
【0009】
[0019] 本明細書では、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語を使用して、様々な要素又は構成要素を説明しているが、これらの要素又は構成要素は、これらの用語によって限定されないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素又は構成要素を別の要素又は構成要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で考察される第1の要素又は構成要素は、発明概念の教示から逸脱することなく、第2の要素又は構成要素と呼ばれてもよい。
【0010】
[0020] 本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり、限定であることを意図したものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の用語は、文脈が明確に別様を示していない限り、単数形と複数形の両方を含むことを意図している。追加的に、本明細書で使用される場合、用語「含む」、及び/又は同様の用語は、規定された特徴、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在若しくは追加を除外するものではない。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」には、関連するリスト項目のうちの1つ以上のうちの任意のもの及び全ての組み合わせが含まれる。
【0011】
[0021] 特に明記されていない限り、要素又は構成要素が、別の要素又は構成要素に「接続される」、「結合される」、又は「隣接する」と言われた場合、その要素又は構成要素は、他の要素又は構成要素に直接接続又は結合されていても、又は、介在する要素又は構成要素が存在していてもよいことを理解されたい。つまり、これらの及び類似した用語は、2つの要素又は構成要素を接続するために、1つ以上の中間要素又は構成要素を使用できる場合を包含する。しかしながら、要素又は構成要素が別の要素又は構成要素に「直接接続」されていると言われた場合、これには、2つの要素又は構成要素が、中間若しくは介在要素又は構成要素なしで、相互に接続される場合のみが包含される。
【0012】
[0022] 本開示は、その様々な態様、実施形態、及び/又は特定の特徴、サブ構成要素のうち1つ以上を通じて、以下に具体的に示す利点のうちの1つ以上をもたらすことを目的としている。限定ではなく説明のために、特定の詳細を開示する実施形態の例を記載して、本教示による実施形態の完全な理解を提供する。しかしながら、本明細書に開示された特定の詳細から逸脱した本開示に一致する他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にとどまる。更に、実施形態の例の説明が不明瞭とならないように、よく知られている装置及び方法の説明は省略され得る。このような方法及び装置は、本開示の範囲内である。
【0013】
[0023] 本明細書に説明するように、リアルタイムの予測及び提案を提供するために、異なるスタッフによって臨床処置で使用される供給用品に関する洞察を生成及び活用することによって、在庫管理システムを補完及び強化できる。リアルタイムの予測及び提案を提供する能力は、臨床情報、運用情報、及び/又はワークフロー情報など、臨床処置から得られる情報から恩恵を受ける。これにより、医療提供者に、供給用品の使用状況、スタッフの好み、ガイドラインの遵守、特定のトレンド、及びパフォーマンスを改善する機会について包括的な概要が提供できる。
【0014】
[0024] 図1Aは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のためのシステム100Aを示す。
【0015】
[0025] 図1Aのシステム100Aは、動的医療用品調達のためのシステムであり、一緒に提供されていても、分散されていてもよい構成要素が含まれている。システム100Aは、中央コンピュータ110、メインメモリ115、管理者/提供者コンピュータ120、イメージングシステム170、及びディスプレイ180を含む。
【0016】
[0026] 中央コンピュータ110は、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又は別のタイプのコンピュータである。中央コンピュータ110は、命令を保存するメモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。中央コンピュータの110は、単一のコンピュータを含んでいても、データセンタなどのように、複数の協調的コンピュータのセットを含んでいてもよい。中央コンピュータを実現するために使用されるコンピュータを図4に示しているが、中央コンピュータ110には、図4に示されているものよりも多い又は少ない要素が含まれていてもよい。中央コンピュータ110は、本明細書に説明する方法のいくつか又は大部分の態様を行うことができる。
【0017】
[0027] メインメモリ115は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含む。メインメモリ115には、以前に実施された以前の医療処置からの1つ以上のタイプの情報が保存される。メインメモリ115には、関与した過去の医療処置や、過去の医療処置中に使用した供給用品のタイプなど、1人以上のスタッフメンバーの過去の情報が保存される。メインメモリ115は、単一の統合メモリを含んでいても、複数の協調的メモリのセットを含んでいてもよい。
【0018】
[0028] 管理者/提供者コンピュータ120は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は別のタイプのコンピュータである。管理者/提供者コンピュータ120は、命令を保存するメモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。管理者/提供者コンピュータ120を実現するために使用されるコンピュータを図4に示しているが、管理者/提供者コンピュータ120には、図4に示されているものよりも多い又は少ない要素が含まれていてもよい。管理者/提供者コンピュータ120は、管理者及び提供者がデータを入力し、メインメモリ115からデータを取得するために使用するコンピュータの代表的なものである。例えば、管理者/提供者コンピュータ120を使用して、医療処置中に欠品している供給用品をその医療処置中に入手する必要があるかどうかを予測するときに中央コンピュータ110が使用するユーザ定義ルールを入力できる。
【0019】
[0029] イメージングシステム170は、超音波システムやX線システムなどの医用イメージングシステムである。イメージングシステム170は、超音波システム及びX線システムなどの複数の異なる医用イメージングシステムのセットを含んでいてもよい。イメージングシステム170は、医療処置中に医用画像を生成し、医用画像及び/又は医用画像から得られた情報を中央コンピュータ110に提供する。イメージングシステム170からの医用画像を解析して、欠品している供給用品を入手するタイミングを予測できる。イメージングシステム170からの医用画像の解析には、医用画像の品質が関係している場合がある。例えば、イメージングシステム170が許容可能な品質の医用画像を生成しているかどうかなどである。イメージングシステム170からの医用画像の解析には、医用画像が医療処置についての予想と矛盾しない解剖学的特性を示しているかどうかなど、医学的解析も含まれる場合がある。
【0020】
[0030] ディスプレイ180は、イメージングシステム170のローカル、中央コンピュータ110のローカル、及び/又は管理者/提供者コンピュータ120のローカルである。ディスプレイ180は、複数の異なるディスプレイを含んでもよい。ディスプレイ180は、イーサネット(登録商標)ケーブルなどのローカル有線インターフェースを介して、又はWi-Fi(登録商標)接続などのローカルワイヤレスインターフェースを介して、中央コンピュータ110に接続できる。ディスプレイ180は、マウス、キーボード、サムホイールなど、ユーザが指示を入力できる他のユーザ入力デバイスとインターフェースで接続されていてもよい。
【0021】
[0031] ディスプレイ180は、コンピュータモニタ、拡張現実ディスプレイ、テレビ、電子ホワイトボード、又は電子画像を表示する別の画面などのモニタである。ディスプレイ180には、他の要素又は構成要素を中央コンピュータ110に接続する1つ以上の入力インターフェース、及びユーザにプロンプトを表示し、ユーザからのタッチ入力を収集するインタラクティブタッチスクリーンも含まれている場合がある。
【0022】
[0032] 図1Bは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための別のシステムを示す。
【0023】
[0033] 図1Bのシステム100Bは、動的医療用品調達のためのシステムであり、一緒に提供されていても、分散されていてもよい構成要素が含まれている。システム100Bは、中央コンピュータ110、メインメモリ115、管理者/提供者コンピュータ120、第1のモバイルコンピュータ121、及び第2のモバイルコンピュータ122を含む。
【0024】
[0034] 図1Aと同じである図1Bの要素については、簡潔にするために再度紹介しない。第1のモバイルコンピュータ121は、命令を保存するメモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。第2のモバイルコンピュータ122は、命令を保存するメモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。第1のモバイルコンピュータ121及び第2のモバイルコンピュータ122の各々は、医療処置中に看護師や技術者などのスタッフが使用するモバイルタブレットコンピュータなどの通信デバイスを表している。第1のモバイルコンピュータ121及び第2のモバイルコンピュータ122は、構造化され、フォーマットされたデータ及び指示、並びに/又は構造化されておらず、フリー形式のデータ及び指示を入力するために使用される。例として、スタッフは、医療処置中に、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122に臨床情報を入力できる。臨床情報とは、臨床概念や患者の人口統計情報を指す。別の例として、スタッフは、医療処置中に、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122に運用情報を入力できる。運用情報とは、所与の病院又は病院内の部門の運用に関する情報を指す。データ及び/又は指示がフリー形式である場合、医療処置からの情報を解釈するために、データ及び/又は指示に自然言語処理を適用することがある。
【0025】
[0035] 図1Cは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための別のシステムを示す。
【0026】
[0036] 図1Cのシステム100Cは、動的医療用品調達のためのシステムであり、一緒に提供されていても、分散されていてもよい構成要素が含まれている。システム100Cは、中央コンピュータ110、メインメモリ115、管理者/提供者コンピュータ120、第1のモバイルコンピュータ121、第2のモバイルコンピュータ122、イメージングシステム170、及びディスプレイ180を含む。
【0027】
[0037] 図1A及び/又は図1Bと同じである図1Cの要素については、簡潔にするために再度紹介しない。図1Cは、本明細書に説明するシステムが、図1A図1B、及び/又は図1Cに示されているものよりも多くの要素、少ない要素、及び異なる要素を含み得るという概念を強調する。本明細書に説明する方法の機能は、主に中央コンピュータ110によるものであるが、図示されていない他の要素と共に、図1A図1B、及び/又は図1Cのシステム内の他の要素の機能が呼び出されることもある。
【0028】
[0038] 中央コンピュータ110は、医療処置中の臨床ガイドラインの順守を判断するために、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122に入力され、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122から受信した臨床情報を解析できる。また、又は、或いは、中央コンピュータ110は、医療処置中の供給用品の使用状況を判断するために、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122に入力され、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122から受信した運用情報を解析することもできる。
【0029】
[0039] 図1A図1B、及び/又は図1Cのいずれかで、中央コンピュータ110が受信した情報は、電子通信ネットワークを介して複数の異なるソースから取得される。例えば、中央コンピュータ110は、イーサネット(登録商標)ケーブルなどのブロードバンドケーブルに接続されていて、イメージングシステム170、第1のモバイルコンピュータ121、第2のモバイルコンピュータ122、又は医療処置において存在し得る他の様々なタイプの電子デバイス及びシステムのいずれか又は全てから医療処置からの情報を受信する。中央コンピュータ110は、医療処置をモニタリングし、欠品している供給用品を入手する必要があるかどうかを予測するために、1つ以上のソースから受信した情報を処理できる。
【0030】
[0040] 図1Dは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のためのコントローラ150を示す。
【0031】
[0041] コントローラ150には、メモリ151、プロセッサ152、第1のインターフェース156、第2のインターフェース157、第3のインターフェース158、及び第4のインターフェース159が含まれている。メモリ151は命令を保存する。プロセッサ152は命令を実行する。
【0032】
[0042] コントローラ150を実現するために使用されるコンピュータは、中央コンピュータ110、管理者/提供者コンピュータ120、第1のモバイルコンピュータ121、及び/又は第2のモバイルコンピュータ122である。コントローラ150を実現するために使用されるコンピュータを図4に示しているが、コントローラ150には、図1D又は図4に示されているものよりも多い又は少ない要素が含まれていてもよい。
【0033】
[0043] 第1のインターフェース156、第2のインターフェース157、第3のインターフェース158、及び第4のインターフェース159は、ポート、ディスクドライブ、ワイヤレスアンテナ、又は他のタイプの受信回路を含んでいてもよい。第1のインターフェース156、第2のインターフェース157、第3のインターフェース158、及び第4のインターフェース159は、コントローラ150を他の構成要素、デバイス、及びシステムに接続する。例えば、コントローラ150が中央コンピュータ110に実装されている場合、これらの4つのインターフェースは、中央コンピュータを、メインメモリ115、管理者/提供者コンピュータ120、第1のモバイルコンピュータ121及び第2のモバイルコンピュータ122、イメージングシステム170、及びディスプレイ180のうちのいずれか4つ又はそれ以上に接続する。
【0034】
[0044] コントローラ150は、本明細書に説明する動作の一部を直接行ったり、本明細書に説明する他の動作を間接的に実施したりできる。例えば、コントローラ150は、ディスプレイ180に表示されるコンテンツを生成して送信することによってなど、動作を間接的に制御できる。したがって、プロセッサ152がメモリ151からの命令を実行するときにコントローラ150によって実施されるプロセスには、コントローラ150が直接行わないステップが含まれることがある。
【0035】
[0045] 図1Eは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のためのシステムの概要を示す。
【0036】
[0046] 図1Eのシステムの概要には、構成要素1、構成要素2、構成要素3、構成要素4、及び構成要素5を含む5つの構成要素が含まれている。これらの構成要素は全て中央コンピュータ110によって実現されても、中央コンピュータ110及び管理者/提供者コンピュータ120、並びに/又は図1A図1B、及び/若しくは図1Cに示す他の要素間で分散されてもよい。構成要素は、マルチコアプロセッサの異なるコアによってなど、並列に実行されるプログラムやサブプログラムを含むソフトウェアプログラム又はサブプログラムの異なるセットとして実現されるか、区別されてもよい。図1Eでは、構成要素1はデータ収集及び準備のためのものであり、構成要素2は臨床転帰を改善するための供給用品洞察の生成のためのものであり、構成要素3は、運用及び財務効率を改善するための供給用品洞察の生成のためのものであり、構成要素4は、処置中の追加の供給用品を予測するためのリアルタイム予測のためのものであり、構成要素5は供給用品を通信して要求するためのユーザインターフェースのためのものである。
【0037】
[0047] 図1Eのシステムでは、161でのデータ収集及び準備が構成要素1であり、データベースからのデータと、162での供給用品洞察の生成及び164でのリアルタイム予測からのフィードバックとに基づいている。161でのデータ収集及び準備は、データを、データベース、162での供給用品洞察の生成、163での供給用品洞察の生成、及び164でのリアルタイム予測に提供する。例えば、構成要素1は、所与の病院又は病院のネットワーク内の複数の情報システムから臨床情報、運用情報、及びワークフロー情報をキャプチャする。構成要素1で使用されるデータは、電子カルテ、放射線情報システム、及び心臓学情報システムなどのソースからもたらされる。構成要素1にデータを提供する様々なソースは、様々なデータタイプ、データモデル、フォーマット、及びセマンティクスを使用して非常に多様である。構成要素1は、臨床検査に関連する臨床情報及び運用情報を抽出するために、様々なデータソースとのやり取りを担当する場合がある。臨床データソース、運用データソース、及び人口統計データソースとのインターフェース経由の接続は、HL7(ヘルスレベル7)、DICOM(医療におけるデジタルイメージング及び通信)、及びFHIR(高速医療相互運用性リソース)など、様々な利用可能な最先端の情報技術通信プロトコルのいずれかを用いて行うことができる。
【0038】
[0048] 本明細書で使用される場合、臨床情報とは、臨床メモ、放射線レポート、及び病歴などの臨床文書に通常関連付けられている臨床概念や患者の人口統計情報を指す。構成要素1によってキャプチャされる臨床概念や患者の人口統計情報の例には、人口統計情報(年齢、性別、人種、身長、体重など)、喫煙歴、病歴、胸痛の既往、アレルギー(造影剤アレルギー、薬物アレルギーなど)、医療処置前のバイタルサイン(身長、体重、血圧など)、及び慢性疾患(糖尿病など)がある。
【0039】
[0049] 構成要素1で使用される臨床情報は、情報科学医療システムに存在する臨床概念をキャプチャするために更に処理される場合がある。臨床概念の例として、喫煙歴、心エコー検査履歴、左心室(LV)検査履歴、拡大LV検査履歴、心臓専門医の履歴、及び超音波検査履歴を、構成要素1で使用した臨床情報からキャプチャできる。いくつかのオントロジーでは、構成要素1で使用される臨床概念の公開されたリストを定義する場合がある。臨床概念を定義するために使用されるオントロジーの例としては、SNOMED CT(医療の体系化された命名法-臨床用語)やRadlex(北米放射線医学学会によって作成された放射線情報の語彙集)がある。例として、フリーテキストのレポートにおける臨床概念を特定するために教師あり及び教師なしアプローチを使用する自然言語処理(NLP)アルゴリズムが、臨床概念をキャプチャするために使用される。別の例は、データベース内の臨床概念についてクエリーを行うためにRegEx(正規表現)表現を使用することである。
【0040】
[0050] 運用情報とは、所与の病院又は病院内の部門の運用に関する情報を指している。運用情報は、電子システムから自動的にキャプチャすることも、ユーザインターフェースを使用して手動で入力することもできる。構成要素1によってキャプチャされる情報の例には、処置で使用された供給用品(供給用品が使用された時間を含む)、医療提供者の経験、医療提供者の好み、造影剤の使用、処置の長さ、看護師、技師、オペレータ、及び麻酔医などの処置に関与するスタッフ、アクセスのタイプ、処置の場所、処置のタイプ、及び処置に使用されるプロトコルがある。
【0041】
[0051] 図1Eの構成要素1、構成要素2、構成要素3、構成要素4、及び構成要素5においてキャプチャされた情報は、関係型データベース又は非関係型データベースに保存される。
【0042】
[0052] 医療処置中に、処置中に収集された詳細情報を抽出し、集約し、構成要素1を通じて取得したデータと関係付けることもできる。処置中に収集される情報には、各サブ処置/ステップの詳細なステップとその時間とを含むサブ処置ログ、処置中に使用された供給用品の特定、処置中に測定された測定値、処置中に測定されたバイタルサイン、及び医用画像など、処置中に取得した他の情報などが含まれるが、これらに限定されない。処置中に取得する情報は、CVIS(心血管情報システム)及び/又はEMR(電子カルテシステム)から抽出されてもよい。医療処置中に取得した任意の情報のタイムスタンプも抽出されてもよい。このようにして、医療処置のワークフロー及び進行状況をキャプチャし、供給用品がいつ使用され、どの段階で使用されたかを記述する情報をマッピングできる。
【0043】
[0053] 162での供給用品洞察の生成が構成要素2であり、161でのデータ収集及び準備からのデータに基づいている。162での供給用品洞察の生成は、臨床転帰を改善するように設計されている。162での供給用品洞察の生成は、164でのリアルタイム予測とユーザインターフェース165とに供給用品洞察を提供する。
【0044】
[0054] 構成要素2は、デバイスの使用状況や患者の転帰などについての臨床ガイドラインの遵守状況を解析して、転帰改善のための医師のトレーニング機会を特定できる。医用デバイスの分野では常により優れていて、より新しい医用デバイスが生み出されているため、臨床的エビデンスに基づいて最適なデバイスを使用することで、患者の臨床転帰が改善される可能性がある。臨床的に適切なデバイスの使用状況を解析する手法はいくつかある。1つの解析方法は、臨床ガイドライン及びユーザ定義のパスウェイを使用することである。別の解析方法は、データ駆動型モデリングによるものである。臨床ガイドライン及びユーザ定義のパスウェイの使用は、より良い臨床転帰を示す臨床試験エビデンスに基づいて、特定の医用デバイスを適切に使用するタイミング及び方法について公開されている臨床ガイドラインを使用できる。
【0045】
[0055] 構成要素2を含む処理の例として、中等度又は重度(90%未満)の狭窄がある場合は、部分冠血流予備量比(FFR)デバイスを使用することが推奨される。これは、FFRデバイスを使用することで、介入医療処置における意思決定がより適切に導かれ、患者転帰が改善されるためである。FFRは、罹患冠状動脈で達成可能な最大血流と、正常な冠状動脈での理論的最大流量との比を決定するための測定値である。ユーザは、臨床ガイドライン及び専門家のコンセンサスに基づいて、病院で医用デバイスを使用するタイミング及び方法についてのパスウェイを定義することもできる。データ駆動型モデリングは、デバイスの適切な使用を提案するために使用され、デバイスの使用に関連する過去の臨床転帰に基づいている。機械学習又はディープラーニングモデルは、患者の特徴、手術情報、医療検査、診断情報、及びデバイスの使用状況を使用して臨床転帰を予測するようにトレーニングできる。有害な臨床転帰の危険因子をモデルに含めることで、デバイスの使用状況を公平に比較できる。構成要素2は、デバイスの使用の提案にも使用できる。
【0046】
[0056] 163での供給用品洞察の生成が構成要素3であり、161でのデータ収集及び準備からのデータに基づいている。163での供給用品洞察の生成は、運用及び財務効率を改善するようにされている。163での供給用品洞察の生成も、164でのリアルタイム予測とユーザインターフェース165とに供給用品洞察を提供する。
【0047】
[0057] 構成要素3は、供給用品洞察を生成して、運用及び財務効率を改善する。構成要素3は、構成要素1からの情報を使用して、カテーテル検査室などの施設の財務的側面を考慮して、供給用品の利用に関する洞察を作成する。所与の期間に使用された供給用品の概要を提供することにより、医療提供者及び管理者は、供給用品の利用、パターン、トレンド、及びコスト削減の提案を理解する能力が提供される。
【0048】
[0058] 構成要素3は、構成要素1及び構成要素2から入力データを受信する以外、他の構成要素から比較的独立している。或いは、構成要素3は、在庫管理システムなどのデータベースから同様の入力を取得することもできる。構成要素3は、洞察生成アルゴリズム、管理者用のユーザインターフェース、及び医療提供者用のユーザインターフェースなどのサブ構成要素で実現される。洞察生成アルゴリズムは、供給用品の使用状況、医療提供者情報、及び処置情報などの入力を構成要素1から受信し、この入力を統合/関連付けて更に解析を行うことができる。請求情報又はコスト情報を使用して、コスト削減を解析できる。マトリクス又は主要パフォーマンス指標を使用して、提供者の供給用品の使用パフォーマンスを反映できる。(予測/トレンド検索のための)時系列解析、機械学習、及びディープラーニングなど、洞察生成のために様々な技法を使用できる。根本原因解析や寄与要因解析も適用できる。
【0049】
[0059] 構成要素3の洞察生成アルゴリズムによって提供される洞察の例として、より効果的なデバイスを優先するルールの作成がある。つまり、医療スタッフは、いくつかのタイプの供給用品を使用することに慣れ、安価でより効果的な新しい供給用品に気づかないことがよくある。構成要素3の洞察生成アルゴリズムは、供給用品の使用パターンと供給用品の使用パターンに関連する財務的結果及び臨床転帰とを特定し、異なるユーザ集団における供給用品の使用パターンと財務的結果及び臨床転帰とを基準に従って評価できる。財務改善のための提案だけでなく、最終的な意思決定に関わる根拠がもたらされ得る。洞察生成アルゴリズムによって提供される洞察の別の例は、使用の外れ値の特定である。使用の外れ値は、所与の処置に関与するスタッフに基づいて特定できる。臨床情報及び運用情報を考慮して、供給用品情報を使用できる。例えば、心不全の既往があり、いくつかの併存疾患を有する高齢患者は、若年患者よりも高いレベルのケアと供給用品を必要とする場合がある。構成要素3の洞察生成アルゴリズムによって生成された洞察に基づいて、経営陣は医療スタッフに追加のトレーニングを提案する場合がある。
【0050】
[0060] 構成要素3のアクション提案サブ構成要素は、構成要素3によって現在の供給用品利用の難点が特定された後、供給用品の使用法を改善し、コストを削減するために取るべきアクションを提案する。離散イベントシミュレーション(DES)及び/又は機械学習/ディープラーニング方法を使用して、提案が採用された場合に、可能性のある改善を伴う結果を予測できる。離散イベントシミュレーションは、実際のプロセス、施設、又はシステムの挙動及びパフォーマンスをシミュレートする方法である。DESは、プロセス、システムの設備を、時間の経過と共に発生する一連の「イベント」としてモデル化する。医療のコンテキストでは、イベントには、出産、集中治療室(ICU)への入室、転院、又は退院などが含まれる。患者は独立したエンティティとしてモデル化され、それぞれに年齢、体重、所在地などの関連する属性情報を与えることができ、この属性情報は変更することもできる。DESシミュレーションは、ベッド、看護スタッフ、及び機器の要件などのリソースも考慮している。したがって、DESは、他のタイプのモデリングでは容易に可能ではない複雑な意思決定ロジックを組み込むことを可能にする。DESシミュレーションはまた、シナリオテストを可能にして、新しい方針が最適に満たされる可能性のある代替の手法の理解を高め、したがって提案が採用された場合に、可能性のある改善を伴う結果を予測するために使用できる。
【0051】
[0061] 構成要素3のユーザインターフェースサブ構成要素は、医療管理者と医療提供者とに別々のユーザインターフェースを提供する。管理者に対して、医療管理者用ユーザインターフェースは、供給用品の利用の概要、供給用品の利用に関する提供者のパフォーマンス、及び構成要素3からの洞察を提供する。ダッシュボードによってサブ構成要素が統合されて、詳細なオプションが提供されてもよい。図5Aに、医療管理者用ユーザインターフェースの例を示し、図5Bに提供者用ユーザインターフェースの例を示す。
【0052】
[0062] 164でのリアルタイム予測が構成要素4であり、161でのデータ収集及び準備、162での供給用品洞察の生成、及び163での供給用品洞察の生成からのデータに基づいている。164でのリアルタイム予測は、即時配達で供給用品を発注するためになど、ユーザ又は自動発注システムへの出力としてリアルタイムの予測を提供する。164でのリアルタイム予測は、161でのデータ収集及び準備にもリアルタイム予測を提供する。
【0053】
[0063] 構成要素4では、処置中に追加の供給用品を予測する能力を提供する。構成要素1からの情報は、医療提供者が所与の処置で使用する供給用品の初期セットアップを作成できるようにするための出発点として使用できる。カテーテル検査室などの手術室は動的で複雑な性質があるため、医療処置の進行中に、以前には選択されていなかったが必要となった追加の供給用品が特定される場合がある。構成要素4は、医療処置中に、臨床情報及び運用情報をリアルタイムでキャプチャし、処置中に入手する必要のある追加の供給用品を予測する。構成要素4には、処置内データ抽出及び準備、モデルトレーニング、及びリアルタイム予測のための3つのサブ構成要素が含まれている場合がある。
【0054】
[0064] モデルトレーニングでは、構成要素1からのマルチチャネルの特徴情報を有する時系列、ディープラーニングアルゴリズム、時系列解析、又はアルゴリズムと解析との組み合わせを使用して、結果として使用されている供給用品を含む分類モデルをトレーニングできる。ディープラーニングアルゴリズムの例として、再帰ニューラルネットワーク(RNN)がある。特徴ごとにデータの頻度が異なるため、予測を行う前にデータ補間法が適用できる。例として、バイタルサインは、他のタイプのデータよりも頻繁に収集される。リアルタイム予測には、履歴データでトレーニングされたモデルを、新しい処置のためにリアルタイムで適用することが含まれる場合がある。供給用品が使用される確率と信頼度との両方を、各予測された供給用品に関連付けることができ、これにより、医療提供者は、処置の前に供給用品を要求及び/又は準備する必要があるかどうかを判断できる。
【0055】
[0065] カテーテル検査室での構成要素4の使用例は、診断に用いるカテーテル検査のための使用である。医師は、X線や、場合によってはFFR又はワイヤなどの他のモダリティを用いて診断した後、処置中にPCI(経皮的冠動脈介入)を行うかどうかを決定する能力が提供される。狭窄レベルが、FFR値と共に測定及び記録される。したがって、処置前の情報のみに基づいた予測と比較して、バルーンやステントを使用する可能性が高くなる場合がある。これにより、必要な供給用品の数をより確実に予測できる。PCI決定情報がより多く収集されると、より多くの供給用品が必要になる可能性が高くなる場合がある。供給用品の使用可能性及び信頼度は、処置中に追加情報が収集されるため、継続的に更新される。新しいデバイスが使用される可能性が高いと予測される場合、看護師/医師は、必要になる前にその新しいデバイスを準備して、例えば、後10分で必要となる異なるサイズの第3のステントを準備するためになど、無駄な待機時間を回避できる。
【0056】
[0066] ユーザインターフェース165が構成要素5であり、データベースからのデータと、162での供給用品洞察の生成及び163での供給用品洞察の生成とに基づいている。ユーザインターフェースは、データベースにデータを提供する。
【0057】
[0067] 構成要素5は、構成要素1、構成要素2、構成要素3、及び構成要素4で収集された情報を使用して、医療管理者が供給用品を整理して要求することを支援する。構成要素4のリアルタイムモデルを使用して、所与の処置中に必要な供給用品が予測されると、構成要素5は、自動的に要求を送り、新たに必要な供給用品をタイムリーに追加できる。所与の処置中に使用される供給用品の数量をリアルタイムで把握し、他の手段では準備できない供給用品を要求することで、ワークフローの効率が改善され、供給用品の不足による処置の再スケジューリングが回避でき、したがって、臨床転帰及び財務的結果が改善される。
【0058】
[0068] 構成要素5の使用例として、構成要素4によるリアルタイム供給用品予測を、診断に用いるカテーテル処置中に新たに収集されたX線画像及びIVUS画像に基づかせ、3つの薬剤溶出ステント(DES)(長さ17mmの薬剤溶出ステント(DES)を1つ、長さ15mmの薬剤溶出ステントを2つ)を使用することを提案できる。現在のカテーテル検査室で条件を満たしているDESが2つしか準備されていない場合、カテーテルを引き抜く前に別のDESがすぐにカテーテル検査室に輸送されることがある。これにより、3つ目のステントを入れるために段階的なカテーテル検査処置を患者に対してスケジューリングする必要がなくなる。
【0059】
[0069] 構成要素5の別の用途は、医療処置中に医師とやり取りをして、最適な供給用品を提案することである。構成要素5は、構成要素2、構成要素3、及び構成要素4に基づいて、許容可能な臨床転帰、効率的なワークフロー、及び財務コストの削減を伴う最適な供給用品を特定できる。手術中の供給用品の決定を支援するために、手術を行う臨床医と、ユーザインターフェースを介して提案がやり取りされる。例えば、中央コンピュータ110は、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122のところにいる臨床医に通知して、イメージングシステム170の代替品を提案したり、単に別のタイプの供給用品の追加量を発注することを提案したりする。
【0060】
[0070] 図2は、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための方法を示す。
【0061】
[0071] 図2の方法は、図1Aのシステム100A、図1Bのシステム100B、又は図1Cのシステム100Cによって行われる。
【0062】
[0072] 図2の方法は、S210において、複数のソース及び複数の過去の医療処置から、第1の臨床情報及び第1の運用情報を取得することを含む。中央コンピュータ110は、複数の過去の医療処置からベンチマークを確立する。ベンチマークには、特定の特性を有する医療処置に使用された供給用品のタイプ及び数量が含まれる。
【0063】
[0073] 第1の臨床情報は、多くの異なるタイプの情報と、相関する異なるタイプの情報の結果とを含む。例として、臨床医によるあるタイプのデバイスの使用は、特定のタイプの医療処置にどのタイプのデバイスが臨床医によって使用されているかの履歴記録から判断できる。中央コンピュータ110のコントローラ150によって、医療処置中に使用される供給用品について、医療処置中に存在している臨床医が詳しいかどうかが判断される。
【0064】
[0074] S215において、臨床医の履歴記録が取得される。例えば、被検体の臨床履歴記録は、EMRシステム又は医療処置の被検体の過去の臨床記録を保存する別のタイプのシステムから取得される。
【0065】
[0075] 図2の方法は、S220において、医療処置中に使用された供給用品の識別情報を保存することを含む。S220は、医療処置が計画されているときなど、医療処置前に行われる。したがって、医療処置中に使用された供給用品は、医療処置前に特定され、S220において保存される。
【0066】
[0076] 図2の方法は、S230において、医療処置からの情報をモニタリングすることを含む。S230でのモニタリングは、中央コンピュータ110によって直接行われても、イメージングシステム170などの医用システムからの情報、第1のモバイルコンピュータ121や第2のモバイルコンピュータ122などのモバイルデバイスからの情報、及びセンサやモニタなどの他のソースからの情報から間接的に行われてもよい。モニタリング情報は、S220での医療処置用に特定された供給用品の適切性を確実にするために、解析のために中央コンピュータ110に提供される。
【0067】
[0077] 医療処置からの情報がイメージングシステム170からのものである場合、医療処置からの情報は、医療処置中に撮影され、リアルタイムで処理された、医療処置の被検体の画像に基づいている。被検体の画像の単純な使用例は、情報が画像の低いコントラストを示すときに、これにより、同じタイプ又は異なるタイプの交換用イメージングシステムを直ちに入手する必要がある。この例では、医療処置中に欠品している供給用品は、被検体の画像の品質に基づいて入手され、欠品していたが入手した供給用品は、交換用イメージング装置を含む。
【0068】
[0078] 図2の方法は、S240において、欠品している供給用品を、医療処置中に入手する必要があるかどうかを予測することを含む。S240での予測は、S230で医療処置からの情報がモニタリングされている間に、医療処置中に定期的に又は継続的に行われる。S240での予測は、医療処置中に使用される任意のタイプの供給用品に対しても行われてもよい。医療処置において重要であると指定されたタイプの供給用品のみに限定される場合がある。
【0069】
[0079] S240において、供給用品を入手する必要があると予測される場合、図2の方法は、S250において、供給用品を入手することを含む。供給用品は、直ちに供給用品を回収して、医療処置に供給用品を配達するようスタッフメンバーにアラートすることによって入手されるか、又は自動化されたシステムへの供給用品の即時配達要求を生成することによって入手される。
【0070】
[0080] 図3Aは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための方法を示す。
【0071】
[0081] 図3Aの方法は、図2のS230の実行中又は実行後に行われる。
【0072】
[0082] 図3Aの方法は、S232において、第2の臨床情報を解析することを含む。第2の臨床情報は、医療処置中及び医療処置に基づいて生成される臨床情報など、医療処置からのものである。第2の臨床情報は、イメージングシステム170などの医用システムからの情報、第1のモバイルコンピュータ121や第2のモバイルコンピュータ122などのモバイルデバイスからの情報、及びセンサやモニタなどの他のソースからの情報であってもよい。
【0073】
[0083] 図3Aの方法は、S234において、第2の運用情報を解析することを含む。第2の運用情報は、医療処置中及び医療処置に基づいて生成される臨床情報など、医療処置からのものである。S234での解析は、中央コンピュータ110によって行われる。
【0074】
[0084] 図3Aの方法は、S236において、S232からの第2の臨床情報及びS234からの第2の運用情報を、臨床ガイドライン、機械学習モデル、及び/又はユーザ定義ルールと比較することを含む。S236での比較は、中央コンピュータ110によって行われる。この比較を行って、医療処置が臨床ガイドラインの範囲外である場合、機械学習モデルが医療処置のための供給用品を入手する必要があることを示している場合、又は第2の臨床情報が、臨床処置がユーザ定義のルールに違反していることを示している場合を判断できる。
【0075】
[0085] 図3Bは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための洞察生成を示す。
【0076】
[0086] 臨床転帰改善のための洞察生成は、臨床ガイドラインに基づいている。洞察生成は、図1Eの構成要素2によって行われる(つまり、162での供給用品洞察生成)。例として、図3Bでは、決定木は、部分間血流予備量比(FFR)デバイスを適切に使用するための臨床ガイドラインを反映している。デバイス利用情報は、医師に適切な使用改善の機会を示す。例えば、医師A、B、Cは、臨床ガイドラインに従ってFFRデバイスの使用を増やし、これは患者の転帰を改善するのに役立つ可能性がある一方で、医師Eは臨床ガイドラインに従ってFFRデバイスの使用を減らすことができる。
【0077】
[0087] 図3Bでは、決定木の最上位レベルに、臨床所見が示されている。第2のレベルでは症状の有無が確認される。左側の第3のレベルでは測定値Bと閾値Cとを比較して、第4のレベルでデバイスDが推奨されるかどうかを判断する。右側の第3のレベルでは医用画像が特性Eを示しているかどうかを判断して、デバイスDが推奨されるかどうかを判断する。言い換えれば、医療処置が行われている間に、医療処置からのインタラクティブフィードバックを臨床ガイドラインと比較して、デバイスDがある必要があるかどうかを判断する。インタラクティブフィードバックは、例えば、中央コンピュータ110によって解析されたイメージングシステム170からの医用画像など、自動的に収集解析された情報である。インタラクティブフィードバックは、例えば、第1のモバイルコンピュータ121又は第2のモバイルコンピュータ122を使用しているスタッフなど、医療処置に立ち会っているスタッフから収集された情報であってもよい。
【0078】
[0088] 図3Bの例として、一番上に示されている臨床所見が決定木にフィードされる。例えば、臨床所見からの第1の決定は医療処置が安定狭心症又は不安定狭心症が関与しているかどうかである。第1の決定により、狭心症が安定していると判断される場合、第2の決定は病変が中等度か重度かである。第1の決定により、狭心症が不安定であると判断される場合、第2の決定は病変が責任病変であるかどうかである。臨床ガイドラインは、第3のレベル又は第4のレベルで適用されて、FFRが推奨されるかどうかが示される。FFRが推奨される場合、FFRが0.80以下かどうかの臨床ガイドラインと結果が比較され、その結果が経皮的冠動脈介入(PCI)又は光学医学療法(OMT)のどちらを適用するか決定するために使用される。
【0079】
[0089] 図3Bの洞察生成は、任意の特定の医療処置用の多数の供給用品に対して行われるプロセスを表している。図3Bの洞察生成は、任意の特定の医療処置用の単一の供給用品に対しても繰り返し行われてもよい。例えば、定期的に、又はイベントが洞察生成をトリガするたびに行われてもよい。
【0080】
[0090] 図4は、別の代表的な実施形態による動的医療用品調達のための方法が実施されるコンピュータシステムを示す。
【0081】
[0091] 図4を参照すると、コンピュータシステム400は、コンピュータシステム400に本明細書で開示する方法又はコンピュータベースの機能のいずれかを行わせるために実行可能なソフトウェア命令のセットを含む。コンピュータシステム400は、スタンドアロンデバイスとして動作しても、例えば、ネットワーク401を使用して他のコンピュータシステムや周辺デバイスに接続されてもよい。実施形態では、コンピュータシステム400は、アナログ-デジタルコンバータ経由で受信したデジタル信号に基づいて論理処理を行う。
【0082】
[0092] ネットワーク化された配置では、コンピュータシステム400は、サーバクライアントユーザネットワーク環境では、サーバ若しくはクライアントユーザコンピュータとして、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境では、ピアコンピュータシステムとして動作する。また、コンピュータシステム400は、中央コンピュータ110、第1のモバイルコンピュータ121、第2のモバイルコンピュータ122、管理者/提供者コンピュータ120、又は、マシンが行うべきアクションを指定するソフトウェア命令(シーケンシャルなど)のセットを実行可能である任意の他のマシンなど、様々なデバイスとして実現されても、又は様々なデバイスに組み込むこともできる。コンピュータシステム400は、追加のデバイスを含む統合システムにあるデバイスとして、又はそのデバイスに組み込むことができる。実施形態では、コンピュータシステム400は、音声、ビデオ、又はデータ通信を提供する電子デバイスを使用して実現できる。更に、コンピュータシステム400は単数形で説明されているが、用語「システム」は、1つ以上のコンピュータ機能を行うために、1つ以上のソフトウェア命令セットを個別に又は共同で実行するシステム又はサブシステムの集合を含むものとする。
【0083】
[0093] 図4に示すように、コンピュータシステム400は、プロセッサ410を含む。プロセッサ410は、図1Dのコントローラ150のプロセッサ152の代表例とみなされ、本明細書で説明する方法及びプロセスの一部又は全ての態様を実施するために命令を実行する。プロセッサ410は、有形で非一時的である。本明細書で使用される場合、用語「非一時的」は、状態の永遠の特性ではなく、一定期間持続する状態の特性として解釈される。用語「非一時的」は、特に、搬送波又は信号やいつでもどこでも一時的にしか存在しないような他の形式の特性など、一瞬の特性を否定する。プロセッサ410は、製造品及び/又は機械部品である。プロセッサ410は、本明細書における様々な実施形態において説明する機能を行うように、ソフトウェア命令を実行する。プロセッサ410は、汎用プロセッサであっても、特定用途向け集積回路(ASIC)の一部であってもよい。プロセッサ410はまた、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサチップ、コントローラ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ステートマシン、又はプログラマブルロジックデバイスであってもよい。プロセッサ410はまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルゲートアレイ(PGA)や、ディスクリートゲート及び/又はトランジスタロジックを含む別のタイプの回路などの論理回路であってもよい。プロセッサ410は、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)又はその両方であってもよい。更に、本明細書で説明するプロセッサはいずれも、複数のプロセッサ、パラレルプロセッサ、又はその両方を含んでいてもよい。単一のデバイス又は複数のデバイスに、複数のプロセッサが含まれていても、結合されていてもよい。
【0084】
[0094] 本明細書で使用される用語「プロセッサ」には、プログラム又は機械実行可能命令を実行できる電子構成要素が包含されている。「プロセッサ」を含むコンピューティングデバイスへの参照は、マルチコアプロセッサにおいて見られるように、複数のプロセッサ又は処理コアを含むと解釈するべきである。プロセッサはまた、単一のコンピュータシステム内のプロセッサの集合体、又は複数のコンピュータシステムに分散されたプロセッサの集合体を指すこともある。用語「コンピューティングデバイス」もまた、1つ以上のプロセッサを各々が含んでいるコンピューティングデバイスの集合体又はネットワークを含むと解釈されるべきである。プログラムは、同じコンピューティングデバイス内にあるか、又は複数のコンピュータデバイス間に分散される1つ以上のプロセッサによって実行されるソフトウェア命令を有する。
【0085】
[0095] コンピュータシステム400は、メインメモリ420とスタティックメモリ430とを更に含む。コンピュータシステム400のメモリは、バス408を介して、互いに且つプロセッサ410と通信する。メインメモリ420及びスタティックメモリ430のいずれか又は両方が、図1Bのコントローラ150のメモリ151の代表例とみなされ、本明細書で説明する方法及びプロセスの一部又は全ての態様を実施するために使用される命令が保存する。本明細書で説明するメモリは、データ及び実行可能なソフトウェア命令を保存するための有形の記憶媒体であり、ソフトウェア命令がそこに保存されている間は非一時的である。本明細書で使用される場合、用語「非一時的」は、状態の永遠の特性ではなく、一定期間持続する状態の特性として解釈される。用語「非一時的」は、特に、搬送波又は信号やいつでもどこでも一時的にしか存在しないような他の形式の特性など、一瞬の特性を否定する。メインメモリ420及びスタティックメモリ430は、製造品及び/又は機械部品である。メインメモリ420及びスタティックメモリ430は、コンピュータ可読媒体であり、そこから、コンピュータ(プロセッサ410など)がデータ及び実行可能なソフトウェア命令を読み取ることができる。メインメモリ420及びスタティックメモリ430の各々は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、テープ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、又は当技術分野で知られている任意の他の形式の記憶媒体のうちの1つ以上として実現され得る。メモリは、揮発性又は不揮発性、セキュア及び/又は暗号化、非セキュア及び/又は非暗号化であってもよい。
【0086】
[0096] 「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサから直接アクセスできる任意のメモリである。コンピュータメモリの例としては、RAMメモリ、レジスタ、及びレジスタファイルが挙げられるが、これらに限定されない。「コンピュータメモリ」又は「メモリ」への参照は、複数のメモリである場合もあると解釈されるべきである。例えば、メモリは、同じコンピュータシステム内の複数のメモリである場合がある。また、メモリは、複数のコンピュータシステム又はコンピュータデバイス間で分散される複数のメモリである場合もある。
【0087】
[0097] 図示するように、コンピュータシステム400は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、ソリッドステートディスプレイ、又は陰極線管(CRT)などの画像/ビデオディスプレイユニット450を更に含む。更に、コンピュータシステム400は、キーボード/仮想キーボード、タッチ式入力画面、音声認識機能付き音声入力などの入力デバイス460と、マウスやタッチ式入力画面又はパッドなどのカーソル制御デバイス470とを含む。また、コンピュータシステム400は、任意選択で、ディスクドライブユニット480、スピーカーやリモコンなどの信号生成デバイス490、及び/又はネットワークインターフェースデバイス440を含む。
【0088】
[0098] 実施形態では、図4に示すように、ディスクドライブユニット480に、コンピュータ可読媒体482が含まれており、この媒体に、ソフトウェア命令484(ソフトウェア)の1つ以上のセットが埋め込まれている。ソフトウェア命令484のセットは、プロセッサ410で実行されるように、コンピュータ可読媒体482から読み取られる。更に、ソフトウェア命令484は、プロセッサ410によって実行されると、本明細書で説明する方法及びプロセスの1つ以上のステップを行う。実施形態では、ソフトウェア命令484の全体又は一部が、コンピュータシステム400による実行中に、メインメモリ420、スタティックメモリ430、及び/又はプロセッサ410に存在する。更に、コンピュータ可読媒体482は、ソフトウェア命令484を含んでいても、又は、伝播信号に応答してソフトウェア命令484を受信して実行して、ネットワーク401に接続されたデバイスがネットワーク401を介して音声、ビデオ、又はデータを通信できるようにしてもよい。ソフトウェア命令484は、ネットワークインターフェースデバイス440を介してネットワーク401経由で送受信できる。
【0089】
[0099] 実施形態では、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ、及び他のハードウェア構成要素などの専用ハードウェア実装態様は、本明細書で説明する方法のうちの1つ以上を実施するために構築されている。本明細書で説明する1つ以上の実施形態は、モジュール間で通信可能な関連制御信号及びデータ信号と共に、2つ以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュール又はデバイスを使用して機能を実装できる。したがって、本開示には、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアの実装態様が包含されている。本出願において、有形の非一時的なプロセッサ及び/又はメモリなどのハードウェアではなく、ソフトウェアのみを使用して実装される、又は実装可能であると解釈されるものは何もない。
【0090】
[00100] 本開示の様々な実施形態に従って、本明細書で説明する方法は、ソフトウェアプログラムを実行するハードウェアコンピュータシステムを使用して実施できる。更に、非限定的な模範実施形態では、分散処理、構成要素/オブジェクト分散処理、及び並列処理などの実装が可能である。仮想コンピュータシステムの処理では、本明細書で説明する方法又は機能のうちの1つ以上を実装できる。また、本明細書で説明するプロセッサを使用して、仮想処理環境をサポートすることもできる。
【0091】
[00101] 図5Aは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための管理者/提供者コンピュータ用のユーザインターフェースを示す。
【0092】
[00102] 図5Aでは、ユーザインターフェース615Aは管理者用のものである。ユーザインターフェース615Aは、管理者/提供者コンピュータ120を介して提供される。ユーザインターフェース615Aは、例として、2019年7月1日から2020年6月30日までの期間の情報を提示している。この情報には、ケースタイプのセレクションと、供給用品のセットのうちの各々について、左側に数量バーが示され、右側にケースバーが示されている68個のケースについての供給用品サマリとが含まれている。この情報には、提供者別の異なる供給用品の使用、トレンド、及び洞察も含まれている。図615Aの洞察は、無駄が省かれた場合の供給用品コストの潜在的な節約、使用期限に近い供給用品が管理された場合の供給用品コストの潜在的な節約、及び特定の個々の提供者(スタッフメンバー)が、より高価な供給用品Bではなく、より安価な供給用品Aを使用するように教育を受けた場合の供給用品コストの潜在的な節約を、管理者に示している。
【0093】
[00103] 図5Bは、代表的な実施形態による動的医療用品調達のための管理者/提供者コンピュータ用の別のユーザインターフェースを示す。
【0094】
[00104] 図5Bでは、ユーザインターフェース615Bは提供者用のものである。ユーザインターフェース615Bは、管理者/提供者コンピュータ120を介して提供される。ユーザインターフェース615Bは、例として、2020年7月1日から2020年6月30日までの期間の情報を提示している。この情報には、日別の供給用品の使用状況のセレクションと、毎日の供給用品の使用又は無駄の割合とが含まれている。ユーザインターフェース615Bは、提供者の組織内での提供者の供給用品パフォーマンススコアの比較も示すため、提供者の同僚と比較される。ユーザインターフェース615Bには、より安価な供給用品への切り替えや、使用期限限に近い供給用品の使用などのアクション提案も表示される。ユーザインターフェース615Bには、1ヶ月以内に使用期限の来る供給用品も示し、これには、合計数と比較されたそのような供給用品の相対数が含まれている。
【0095】
[00105] したがって、動的な医療用品の調達により、スタッフの好みや能力、及び患者の状態に応じて、リアルタイムで供給用品の提供をカスタマイズできる。処置中の供給用品要求のリアルタイム予測は、医用画像や処置からの生理学情報などの医用データによってサポートされる。動的な医療用品調達は、病院情報システムや心血管情報システムなど、病院や部門の電子システムに実装できる。
【0096】
[00106] 動的な医療用品調達について、いくつかの模範的実施形態を参照して説明したが、これまで使用した言葉は、限定の言葉ではなく、説明及び例示の言葉であることが理解される。動的な医療用品調達の範囲及び趣旨から逸脱することなく、現在提示されている及び補正されている添付の特許請求の範囲内で、その態様において、変更を行ってもよい。動的な医療用品調達について、特定の手段、材料、及び実施形態を参照して説明したが、動的な医療用品調達は、開示された詳細に限定されることを意図したものではない。むしろ、動的な医療用品調達は、添付の特許請求の範囲にあるような全ての機能的に同等の構造、方法、及び使用にまで拡張する。
【0097】
[00107] 本明細書で説明する実施形態の説明図は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを目的としている。説明図は、本明細書で説明する開示の全ての要素及び特徴を完全に説明するものではない。他の多くの実施形態は、本開示を検討した際に、当業者には明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換や変更を行うことができるなど、他の実施形態を本開示から利用し、派生させることができる。更に、説明図は、代表的に過ぎず、縮尺どおりではない場合がある。説明図中の特定の割合は誇張されている場合があり、他の割合は最小化されている場合がある。したがって、本開示及び図は、制限的ではなく、例示的とみなされるべきである。
【0098】
[00108] 本開示の1つ以上の実施形態は、用語「発明」によって、便宜上のためだけに、且つ本出願の範囲を自発的に特定の発明又は発明概念に限定することを意図せずに、個別に及び/又は集合的に本明細書で参照され得る。また、本明細書には、特定の実施形態が例示及び説明されているが、同じ又は類似の目的を達成するように設計された後続の配置を、示されている特定の実施形態と置き換えることができることを理解するべきである。本開示は、様々な実施形態の任意の且つあらゆるその後の適応又は変化を対象とすることを意図している。上記の実施形態と、本明細書には具体的には説明されていない他の実施形態との組み合わせは、説明を検討した際に、当業者には明らかであろう。
【0099】
[00109] 本開示の要約書は、連邦規則集37編規則1.72(b)に準拠するために提供されており、また、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないという理解の下に提出されている。また、上記の「発明を実施するための形態」では、本開示の合理化を目的として、様々な特徴を単一の実施形態にまとめたり、説明している可能性がある。本開示は、請求項に係る実施形態が各請求項で明示的に記載されているものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映しているとして解釈されるものではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、発明の主題は、開示された実施形態のいずれかの全ての特徴よりも少ないものを対象とする可能性がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各請求項は、請求項に係る個別の主題を定義するものとして自立している。
【0100】
[00110] 開示された実施形態の前述の説明は、当業者であれば誰でも、本開示で説明する概念を実践できるようにするために提供されている。したがって、上記の開示された主題は、制限的ではなく、例示的とみなされる。また、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲に該当する、全てのそのような修正、増強、及び他の実施を対象とすることを目的としている。したがって、法律で認められる最大限の範囲において、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその同等物の許容される最も広範な解釈によって決定されるものとし、前述の詳細な説明によって制限又は限定されるものではない。
図1A-1C】
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
【国際調査報告】