(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】マイクロエレクトロニクスにおける熱電冷却
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H01L23/36 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537072
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 US2022081858
(87)【国際公開番号】W WO2023122510
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】アデイア セミコンダクター ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】カトカー ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】ハーバ ベルガセム
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BC03
5F136BC06
5F136BC07
5F136FA01
(57)【要約】
幾つかの観点では、開示する技術は、効率的に熱を放散させるとともに、ホットスポットを管理するマイクロ電子デバイスを提供する。幾つかの実施形態では、開示するマイクロ電子デバイスは、第1の方向に厚さを備えた基板及び基板内又は上に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットを有する。熱電ユニットは、熱を第1の方向と直交した第2の横方向に沿って伝達するよう構成されているのがよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスであって、
第1の方向に厚さを備えた基板と、
前記基板内に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットと、を有し、
前記熱電ユニットは、熱を前記第1の方向と直交した第2の横方向に沿って伝達するよう構成されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの熱電ユニットは、前記基板内に設けられている、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項3】
前記基板は、半導体素子にダイレクトボンディングされている、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項4】
前記基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された表面を有する、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項5】
前記基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された反対側の表面をさらに有する、請求項2記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項6】
前記基板内に設けられた少なくとも1つの追加の熱電ユニットをさらに有し、前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を前記第2の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの熱電ユニットと前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられた熱伝導性プレートをさらに有する、請求項6記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項8】
前記熱伝導性プレートは、電気的に絶縁性である、請求項7記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項9】
前記基板内に設けられた少なくとも1つの追加の熱電ユニットをさらに有し、前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を前記第2の方向及び前記第1の方向に非平行な第3の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱電ユニットと前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられた熱伝導性プレートをさらに有する、請求項9記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項11】
前記熱伝導性プレートは、電気的に絶縁性である、請求項10記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項12】
前記基板内に設けられた少なくとも1つの追加の熱電ユニットをさらに有し、前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を前記第1の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの熱電ユニットと前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられた熱伝導性プレートをさらに有する、請求項12記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項14】
前記熱伝導性プレートは、電気的に絶縁性である、請求項13記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項15】
前記厚さは、100ミクロン以下である、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項16】
前記熱電ユニットはさらに、熱を前記第1の方向に伝達するよう構成されている、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項17】
前記熱電ユニットは、電流を前記熱電ユニット内において前記第1の方向及び/又は前記第2の方向の両方に沿って流すよう構成された電気接点対と連携している、請求項16記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項18】
前記熱電ユニットは、2つの電気接点対と連携しており、各電気接点対は、電流を前記熱電ユニット内において前記第1の方向と前記第2の方向のうちの一方に沿って流すよう構成されている、請求項16記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項19】
マイクロ電子デバイスであって、
第1の方向に厚さを備えた基板と、
前記基板内に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットと、を有し、
前記熱電ユニットは、熱を前記第1の方向と直交した平面内において放射状に伝達するよう構成されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの熱電ユニットは、前記基板内に設けられている、請求項19記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項21】
前記基板は、半導体素子にダイレクトボンディングされている、請求項19記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項22】
前記基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された表面を有する、請求項19記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項23】
前記基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された反対側の表面をさらに有する、請求項22記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項24】
前記厚さは、100ミクロン以下である、請求項19記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項25】
前記基板内に設けられた少なくとも1つの追加の熱電ユニットをさらに有し、前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を前記第2の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項19記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項26】
前記少なくとも1つの熱電ユニットと前記少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられた熱伝導性プレートをさらに有する、請求項25記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項27】
前記熱伝導性プレートは、電気的に絶縁性である、請求項26記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項28】
マイクロ電子デバイスであって、
下側半導体素子を有し、
前記下側半導体素子上に設けられた基板を有し、前記基板は、第1の方向に厚さを備え、
前記基板内又は上に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットを有し、
前記熱電ユニットは、熱を少なくとも前記第1の方向と直交した第2の方向に沿って横方向に伝達するよう構成されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項29】
前記少なくとも1つの熱電ユニットは、前記基板内に設けられている、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項30】
熱を前記第1の方向と直交した平面内の経路に沿って伝達するよう構成された複数の熱電ユニットを有し、前記経路は、前記平面内に存在する少なくとも1回の折り返し部を含む、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項31】
前記熱電ユニットは、熱を前記第2の方向に沿って双方向に伝達するよう構成されている、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項32】
前記熱電ユニットは、熱を前記第1の方向と直交した平面内で放射状に伝達するよう構成されている、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項33】
前記熱電ユニットは、熱を前記第2の方向及び前記第1の方向に非平行な第3の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項34】
前記基板は、接着剤なしで前記半導体素子にダイレクトボンディングされている、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項35】
前記半導体素子は、シリコン、セラミック、炭化シリコン、窒化ガリウム、又はガラスからなる、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項36】
前記半導体素子にはアクティブ回路部がない、請求項35記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項37】
前記半導体素子は、アクティブ回路部を備えた集積化デバイスダイを含む、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項38】
前記半導体素子と前記基板との間のインターフェースは、導体‐導体ダイレクトボンドを含む、請求項37記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項39】
前記半導体素子と前記基板との間のインターフェースは、不導体‐不導体ダイレクトボンドをさらに含む、請求項38記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項40】
少なくとも前記基板に被着されたヒートシンクをさらに有する、請求項28記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項41】
前記熱電ユニットの動作中、熱が前記基板から前記ヒートシンクに放散される、請求項40記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項42】
前記基板と前記ヒートシンクとの間に設けられた熱伝導性要素をさらに有する、請求項40記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項43】
前記熱伝導性要素にはアクティブ回路部がない、請求項42記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項44】
前記熱伝導性要素は、シリコン又はセラミックからなる、請求項42記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項45】
前記基板は、接着剤なしで前記熱伝導性要素にダイレクトボンディングされている、請求項42記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項46】
前記基板と前記熱伝導性要素との間のインターフェースは、誘電体‐誘電体ダイレクトボンドを含む、請求項45記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項47】
前記熱電ユニットの動作中、熱が前記基板から前記熱伝導性要素を通って前記ヒートシンクに放散される、請求項42記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項48】
マイクロ電子デバイスであって、
第1の集積化デバイスダイと、
前記第1の集積化デバイスダイ上に設けられた基板と、
前記基板内又は上に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットと、
前記基板上に設けられた第2の集積化デバイスダイと、を有し、
前記熱電ユニットは、熱を第1及び前記第2の集積化デバイスダイのうちの少なくとも一方から横方向に伝達するよう構成されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項49】
前記少なくとも1つの熱電ユニットは、前記基板内に設けられている、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項50】
前記基板は、第1の方向に厚さを備え、前記熱電ユニットは、熱を少なくとも前記第1の方向と直交した第2の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項51】
前記熱電ユニットは、前記熱電ユニットが前記第1の集積化デバイスダイによって制御されるよう前記第1の集積化デバイスダイ内に設けられた基板貫通ビアに電気的に接続されている、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項52】
前記基板は、接着剤なしで前記第1の集積化デバイスダイにダイレクトボンディングされている、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項53】
前記第2の集積化デバイスダイは、接着剤なしで前記基板にダイレクトボンディングされている、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項54】
少なくとも前記基板に被着されたヒートシンクをさらに有する、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項55】
前記基板と前記ヒートシンクとの間に設けられた熱伝導性要素をさらに有する、請求項54記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項56】
前記熱電ユニットは、熱を前記第1及び前記第2の集積化デバイスから、熱を前記ヒートシンクに垂直方向に伝達する熱経路に横方向に伝達するよう構成されている、請求項54記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項57】
前記基板上に設けられた第3の集積化デバイスダイをさらに有する、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項58】
前記第2の集積化デバイスダイ又は第3の集積化デバイスダイは、前記少なくとも1つの熱電ユニットに電気的に接続されている、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項59】
前記第1の集積化デバイスダイと前記第2の集積化デバイスダイは、基板貫通ビア経由で電気的連絡状態にある、請求項48記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項60】
マイクロ電子デバイスであって、
半導体素子を有し、
前記半導体素子上に設けられた基板を有し、前記基板は、第1の方向に厚さを備え、
前記基板内に設けられた複数の熱電ユニットを有し、
前記熱電ユニットの第1の部分は、熱を前記第1の方向に沿って伝達するよう構成され、前記熱電ユニットの第2の部分は、熱を前記第1の方向と直交した第2の方向に沿って横方向に伝達するよう構成されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項61】
前記熱電ユニットの前記第1の部分は、前記熱電ユニットの前記第2の部分上に設けられている、請求項60記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項62】
前記熱電ユニットの前記第1の部分と前記第2の部分の両方は、前記半導体素子上に設けられている、請求項60記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項63】
前記熱電ユニットは、前記半導体素子内に設けられた基板貫通ビアに電気的に接続されている、請求項60記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項64】
前記基板は、接着剤なしで前記半導体素子にダイレクトボンディングされている、請求項60記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項65】
前記熱電ユニットは、前記半導体素子内に設けられた基板貫通ビアに電気的に接続されている、請求項60記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項66】
マイクロ電子デバイスであって、
半導体素子と、
前記半導体素子上に設けられた基板と、
前記基板内に設けられた複数の熱電ユニットと、
前記半導体素子中の局所温度を検出するよう構成された複数の温度センサと、を有する、マイクロ電子デバイス。
【請求項67】
前記複数の熱電ユニットは、熱を前記基板の厚さに沿う方向と直交した平面内の経路に沿って伝達するよう構成され、前記経路は、前記平面内に存在する少なくとも1回の折り返し部を含む、請求項66記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項68】
前記熱電ユニットは、熱を熱伝達により局所ホットスポットから奪い去るよう構成されている、請求項66記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項69】
前記基板は、第1の方向に厚さを備え、前記熱電ユニットは、熱を前記第1の方向と直交した第2の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項66記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項70】
前記複数の温度センサは、前記半導体素子又は前記基板内に設けられている、請求項66記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項71】
複数の電気接点対をさらに有し、各電気接点対は、前記複数の熱電ユニットの一部分を独立して制御する、請求項66記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項72】
前記熱電ユニットは、前記半導体素子、前記基板、又は外部チップによって作動される、請求項66記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項73】
マイクロ電子デバイスであって、
半導体素子と、
前記半導体素子上に設けられた基板と、
前記基板内に設けられた複数の熱電ユニットと、を有し、
前記基板は、前記複数の熱電ユニットのサブグループを独立して制御することによって、前記半導体素子を冷却するゾーン化制御が可能であるように構成されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項74】
前記基板は、第1の方向に厚さを備え、前記熱電ユニットは、熱を前記第1の方向と直交した第2の方向に沿って伝達するよう構成されている、請求項73記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項75】
前記半導体素子又は前記基板内に設けられた複数の温度センサをさらに有し、各温度センサは、前記熱電ユニットの一部分を作動させるために電気接点と連携している、請求項73記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項76】
複数の電気接点対をさらに有し、各電気接点対は、前記複数の熱電ユニットの一部分を独立して制御する、請求項73記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項77】
前記熱電ユニットは、前記半導体素子、前記基板、又は外部チップによって作動される、請求項73記載のマイクロ電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、マイクロエレクトロニクスにおける熱の放散及びホットスポットの管理に関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年12月20日に出願された米国特許仮出願第63/265,770号(発明の名称:THERMOELECTRIC COOLING IN MICROELECTRONICS)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
電子部品の超小型化及び高密度集積化により、マイクロエレクトロニクスの熱流束密度が増大している。マイクロ電子部品は、典型的には、最適動作を保証するようある特定の定格温度以下で動作する。マイクロエレクトロニクスの動作中に生じた熱が十分に放散されず、分配されず、又は引き出されない場合、マイクロエレクトロニクスは、高信頼度で動作することができず、その性能に影響を及ぼし、そしてそれどころか、これは動作停止となり又は焼けきれる場合がある。特に、熱の放熱は、ハイパワー(高電力)デバイスにおいて深刻な課題であり、この課題は、チップ積層化と共にさらに悪化する。
【発明の概要】
【0004】
1つの観点では、開示する技術は、効率的に熱を放散させるとともに、ホットスポットを管理するマイクロ電子デバイスを提供する。幾つかの実施形態では、開示するマイクロ電子デバイスは、第1の方向に厚さを備えた基板及び基板内又は基板上に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットを有する。熱電ユニットは、熱を第1の方向と直交した第2の横方向に沿って伝達するよう構成されているのがよい。
【0005】
次に、以下の図面を参照して特定の具体化例について説明するが、添付の図面は、例示として提供されており、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】開示する技術の例示のマイクロ電子システムを概略的に示す図である。
【
図1B】開示する技術の例示のマイクロ電子システムを概略的に示す図である。
【
図1C】開示する技術の例示のマイクロ電子システムを概略的に示す図である。
【
図2】開示する技術のもう1つの例示のマイクロ電子システムを概略的に示す図である。
【
図3A】開示する技術の一実施形態としての別の熱電ユニットを概略的に示す図である。
【
図3B】開示する技術の別の実施形態としての別の熱電ユニットを概略的に示す図である。
【
図4】開示する技術のさらにもう1つの例示のマイクロ電子デバイスの概略断面図である。
【
図5】開示する技術のさらにもう1つの例示のマイクロ電子デバイスの概略断面図である。
【
図6A】開示する技術の熱電ユニットの一構成例を概略的に示す図である。
【
図6B】開示する技術の熱電ユニットの別の構成例/を概略的に示す図である。
【
図6C】開示する技術の熱電ユニットの別の構成例/を概略的に示す図である。
【
図6D】開示する技術の熱電ユニットの別の構成例/を概略的に示す図である。
【
図7】開示する技術の熱電ユニットを制御する例示の制御回路を示す図である。
【
図8A】例示のチップスタック中の積層熱電素子を示す図である。
【
図8B】もう1つの例示のチップスタック中の積層熱電素子を示す図である。
【
図8C】開示する技術の熱電ユニットの一構成例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
マイクロ電子素子(例えば、ダイ/チップ)を互いに積層してボンディングすると、デバイスを形成することができる。特にチップが薄化しているのでチップ積層化と共にデバイスの熱を放散させることは困難である。チップ接合方法、例えば接着剤ボンディング、フリップチップインターコネクションなどの使用により、熱放散又はデバイス内のヒートシンクや最終的な引き出し部に向かう熱伝達の効率が低くなる場合があり、と言うのは、接着剤が熱伝達を減少させ又は断絶させる場合があるからである。さらに、デバイスの所望の部分の温度を特別に下げることは困難である。例えば、ダイのスタックのパッケージ化の際、熱放散は、典型的には、スタックの頂部のところに設けられたヒートシンクによって助けられるが、下側のダイから熱を引き出すことは困難である。さらに、典型的なダイ又はダイスタックの寸法を考慮すると、垂直方向の経路長は、熱引き出し目的のための横方向の経路長と比較して、かなり短い。しかしながら、垂直方向の熱伝達だけを行う実施形態は、底部又は中間部のダイの熱を取り込み、その結果、これらのダイは、かなり高温になる場合があり、有効には、積層化の実施がローパワーチップに限定される。したがって、マイクロ電子デバイス中の熱を放散させる改良技術が要望され続けている。
【0008】
ダイスタック中の熱流の向きを変え、例えば、熱の向きをダイ上の中央の場所からダイ又はダイスタックの周辺部に変え、このダイ又はダイスタックから熱を放熱構造体(例えば、ヒートシンク/ヒートパイプ)に引き出すことができ、あるいは、熱の向きをダイ上の1つの場所(例えば、ホットスポット)から別の場所に変え、もしくはホットスポットをより広い領域に拡散し、あるいは、任意の介在するダイの温度を増大させないで、熱の向きを下側のダイからヒートシンクに変える方法及び構造が提供される。幾つかの実施形態では、開示するマイクロ電子デバイス100は、熱を
図1Aに示すように、ダイ/チップ101又は102に対して(すなわち、ダイの長い方の寸法方向に沿って)横方向に(左右の矢印で示すように)方向付ける熱電素子103を有するのがよい。幾つかの実施形態では、
図1Aに開示するマイクロ電子デバイス100は、
図1Bに示すように、複数のカスケード配列型熱電ユニット、例えば熱電ユニット1030,1031,1032を有する熱電素子103を利用して、熱をデバイス100中の下側のダイ(例えば、101)からデバイス100の周囲に横方向に伝達することができる。例えば、カスケード配列型熱電ユニット、例えば熱電ユニット1030,1031,1032は、基板(図示せず)内(又は上)に設けられるのがよい。基板は、第1の方向(例えば、z方向)に沿う最も小さな寸法を有するのがよく、この場合、最も小さい寸法は、基板の厚さからなるのがよい。幾つかの実施形態では、カスケード配列型熱電ユニット、例えば熱電ユニット1030,1031,1032は、基板、例えば2021年12月20日に出願された米国特許仮出願第63/265,765号(発明の名称:THERMOELECTRIC COOLING FOR DIE PACKAGES)に記載されているように、熱電基板(例えば、Bi
2Te
3)などの基板中に形成されたNドープ領域又はPドープ領域を有するペルチェ素子を含むのがよく、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。幾つかの実施形態では、厚さは、100ミクロン以下、好ましくは50ミクロン以下である。熱電ユニット103は、熱を第1の方向と直交した第2の横方向(例えば、x方向)に沿って伝達するよう構成されているのがよい。熱電素子103は、熱をデバイス100から奪ってアクティブにデバイス100内の熱流の向きを変え、例えば、デバイス内のある特定のチップ又はチップ中のある特定のホットスポットの温度をアクティブに下げるのを助けることができる。熱電素子103は、接合部のところで互いに接合された異なるペルチェ係数を備えた2つの物質を含むペルチェ素子からなるのがよい。ペルチェ素子は、ペルチェ効果を利用して、接合部に流入したり流出したりするペルチェ熱のアンバランスに起因して、電気エネルギー(例えば、DC電流)が供給されたときに2つの異なる物質の接合部のところに正味の熱流束を作ることができる。幾つかの実施形態では、ペルチェ素子は、電気的に直列に接続され(例えば、熱電ユニット1031中のp型及びn型半導体ペレットが電気接続部1081によって互いに連結されている)かつ熱的に並列に連結された複数の対をなすp型及びn型半導体ペレット、素子、又はチップを含むのがよく、その結果、電荷キャリヤや熱は全て、ペレットを通って同一方向に流れることができるようになっている。
【0009】
幾つかの実施形態では、熱電素子103は、熱伝達を妨害する場合のある接着剤又は熱伝導材料(TIM)によってデバイス100の他の素子にボンディングされてはいない。むしろ、熱電素子103は、デバイス100中の別の素子にダイレクトボンディングされるのがよく、かくして、熱伝達効率が向上する。例えば、複数のp型及びn型半導体ペレット対をアクティブチップ(例えば、101又は102)にダイレクトボンディングするのがよい。幾つかの実施形態では、熱電素子103を別の素子にダイレクトハイブリッドボンディングするのがよく、その結果、導電接点及び絶縁層が他の素子の対応の導電接点及び絶縁層にダイレクトボンディングされるようになっている。他の実施形態では、熱電素子103は、ダイレクト絶縁体‐絶縁体(絶縁体間という場合がある)ボンドだけで他の素子にダイレクトボンディングされるのがよい。アクティブチップ(例えば、101又は102)は、アクティブ回路部を有するダイであるのがよく、例えば、アクティブ回路部は、1つ以上のトランジスタを含むのがよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、複数のp型及びn型半導体熱電ペレット対は、多くのグループ(例えば、1030,1031,1032)に分割されるのがよく、各グループは、独立して制御されるのがよい。例えば、一センサ(例えば、ダイオード)を用いると、デバイス中の一場所のところの温度を測定することができる。当該場所の温度がしきい値よりも高い場合、当該場所と関連した熱電ペレット又は素子対のグループ(例えば、1031)は、一対の電気接触ピン/パッド1091を介して電流を流すことによってアクティブ状態にされるのがよい(例えば、電気接触ピン/パッドの各々は、+V又はVの電圧が印加されるのがよい)。かくして、デバイス中の温度を局所的にモニタして制御することができる。また、熱電ペレット対の各グループ(例えば、1030,1031,1032)を独立して動作させることができるということにより、熱電素子103の消費電力を少なくすることができる。熱電素子103は、チップの測定済みホットスポット分布に応答して、ゾーン冷却制御及び局所熱放散を可能にするよう構成されているのがよい。種々の実施形態では、温度センサによって測定された信号を用いると、熱電素子103を制御することができ、温度センサは、冷却されるべきアクティブチップ(例えば、101又は102)内に配置されてもよく、又は熱電素子103内に配置されてもよい。種々の実施形態では、熱電素子103の制御は、熱電素子103内で冷却されるべきアクティブチップ(例えば、101又は102)によって、又はシステムボード上の外部チップによって行われるのがよい。
【0011】
図1Bは、
図1Aに示す例示のマイクロ電子デバイス100の一部分の概略等角図であり、マイクロ電子デバイス100は、下側キャリヤ101(これは、ダイ/チップ、ウエハ、インターポーザ、又は他の適当な素子からなるのがよい)、及び下側素子101に対して熱を横方向に方向づけることができる仕方で配列された熱電素子103を有する。例えば、電荷キャリヤは、XY及びYZ平面内の高温プレート(それぞれ、1021,1005)からYZ平面内の低温プレート(1007)に動くことができ、そして熱が引き出されて一方向に動くとともに、曲がり/旋回して熱エネルギーの水平分布が得られるよう方向を変化させるのがよい。換言すると、YZ平面の高温プレート(1005)からYZ平面内の低温プレート(1007)に動いている電荷キャリヤは、熱をXY平面内のホットスポット(1021)から拡散し、それによりホットスポットを効果的に拡散してそのピーク温度を減少させる。熱電素子103は、
図1Cに示すような例示の制御回路によって作動するのがよい。一実施例では、熱電素子103は、複数の熱電ユニット、例えば熱電ユニット1030,1031,1032(例えばBi
2Te
3ウエハ内に設けられ/形成されている)を含むのがよく、ユニット1031(例えば、一対のp型及びn型半導体ペルチェペレットを含む)は、熱を左側ユニット1030(又は、ホットスポットの配置場所に応じて右側ユニット1032)及び底部チップ101(場合によっては頂部チップ102)から熱を集めることができ、そしてこの熱を低温プレート・表面1007に右側(又は熱電ユニット又は対に提供される電流の方向に応じて左側)に送ることができる。種々の実施形態では、熱電ユニット、例えば熱電ユニット1030,1031,1032は、X‐Yマトリックスとして、チップ又はチップスタックに関する実際の実験又は熱シミュレーション中に提供されるサーマルマップに基づいて、放射状に又は任意他の適当な一様(周期的)又は非一様な分布として配列されるのがよい。
【0012】
図2は、
図1A及び
図1Bに示すマイクロ電子デバイスと類似した例示のマイクロ電子デバイス200を示しており、同一の特徴は、同一の参照番号で示され、各熱電ユニット(例えば、1030,1031,1032)は、熱を印加された電圧バイアスの極性に応じて、双方向に方向づけることができる。
図2に示す実施形態では、熱伝導性であるが電気的に絶縁性のプレート2070(例えば、TiN、窒化アルミニウムなどで作られている)が、2つの隣り合う熱電ユニット間(例えば、1030と1031との間、及び/又は1031と1032との間)に設けられるのがよく、それによりこれら2つの隣り合う熱電ユニット間の熱伝達を向上させる一方で、2つの隣り合う熱電ユニット間の電気伝導又は電流の漏れを阻止することができる。
図2は、プレート2070及び熱電ユニットを分解組立図で示しているが、実際には、プレート2070とその隣の熱電ユニットの間には隙間が存在しなくてもよい。
【0013】
図3A及び
図3Bは、
図1Bに示す熱電ユニットと類似した例示の熱電ユニットを示しており、同一の特徴は、同一の参照番号で示されている。しかしながら、
図3Aに示すように、熱電ユニット3031Aの幾つかの実施形態では、垂直及び水平高温プレート(1005,1021)のための別々の電極(例えば、3091,3092)は、一方又は両方の高温プレート(1005及び/又は1021)と低温プレート1007との間での電荷キャリヤの流れの方向に効果的に影響を及ぼすことができる。これにより、熱の引き出しは、底部から横方向に動くか、又は横方向にのみ動くことができる(すなわち、底部からの直接的でアクティブな引き出しを何ら行わないで)。幾つかの実施形態では、別々の電極(例えば、それぞれ頂部フェースと底部フェースのところの3091,3092)は、互いに別個独立であるのがよく、これら別々の電極を用いると、熱流を最適化することができる。例えば、電極3091,3092に印加された電圧は全て互いに異なっていてもよい。
図3Bに示すように、熱電ユニット3031Bの幾つかの実施形態では、熱電ユニット3031Bの頂部表面及び底部表面(1005,1021)のところの互いに接続された電極(例えば3099)により、熱電ユニット3031Bの頂部表面と側部表面の両方からの熱引き出しが可能であり、と言うのは、互いに接続状態の電極3099が電荷キャリヤ流れの方向を低温プレート1007に向けるからである。例えば、全体的な電荷キャリヤ流れは、熱電ユニット3031Bのペレットに対して斜めであるのがよい。
【0014】
図4は、積層ダイ及び熱電素子403(先の図のうちの任意のものと関連して説明した)を有する例示のマイクロ電子デバイス400の概略断面図であり、熱電素子403は、熱を底部チップ(401)から横方向に方向づける。幾つかの実施形態では、熱電素子403は、基板、例えば熱電基板(例えば、Bi
2Te
3)中に埋め込まれたペルチェ素子を含むのがよい。ペルチェ素子は、例えば2021年12月20日に出願された米国特許仮出願第63/265,765号(発明の名称:THERMOELECTRIC COOLING FOR DIE PACKAGES)に記載されているように、基板中に形成されたNドープ領域又はPドープ領域を含むのがよく、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。熱経路467、又は熱伝導性ブロックは、熱を熱電素子403からダイスタックの頂部のところのヒートシンク405に放散することができる。マイクロ電子デバイス400は、底部チップ(401)から断熱されている他の数個のチップ(例えば、4001,4002)をさらに含むのがよい。熱電素子403は、底部チップ401に接続する電気接点、例えば底部チップ401内の基板貫通ビアに結合している電気接点によって電力供給されるのがよい。幾つかの実施形態では、底部チップ401は、基板貫通ビアによってチップ4001及び/又はチップ4002と電気的連絡状態にあるのがよい。幾つかの実施例では、熱流は、底部チップ401、チップ4001及びチップ4002のうちの任意のものの中央又は内側部分から熱経路467に横方向に方向づけられるのがよく、熱経路467は、熱の向きをヒートシンク405に垂直に変える。幾つかの実施形態では、熱電素子403は、導電接点及び絶縁層が他の素子の対応の導電接点及び絶縁層にダイレクトボンディングされるよう、別の素子にダイレクトハイブリッドボンディングされるのがよい。他の実施形態では、熱電素子403は、ダイレクト絶縁体間ボンドだけで他の素子にダイレクトボンディングされるのがよい。
【0015】
図5は、積層チップ及び熱電素子5031,5032,5033を有する例示のマイクロ電子デバイス500の概略断面図であり、これら熱電素子は、デバイス500の1つ又は多数の層のところで熱を側方に方向づける。熱経路567、又は熱伝導性ブロックが、熱電素子5033からデバイス500の周囲のところのヒートシンク505に熱を放散することができる。幾つかの実施形態では、カスケード熱電ユニット5031,5032,5033が、チップ(例えば、5011,5012,5013,5014,5015)のエッジまで熱を放散させて、引き出し状態にする(例えば、ヒートシンク505、又はヒートスプレッダによる側方/エッジ引き出し、又は露出表面による垂直引き出しによって)。幾つかの実施形態では、かかる熱電素子5031,5032,5033は、ヒートスポットを分散/拡散/放散させることができ、それによりピーク温度を減少させることによってデバイス性能に対するヒートスポットの影響を低減することができる。幾つかの実施形態では、かかる熱電素子5031,5032,5033は、チップ全体と比較して小さな領域内における熱管理を可能にするよう使用でき、例えば、1つの場所から別の場所に熱を運び、あるいはホットスポットを広い領域に分散又は拡散させることができる。幾つかの実施形態では、熱電素子5031,5032,5033は、導電接点及び絶縁層が他の素子の対応の導電接点及び絶縁層にダイレクトボンディングされるよう、別の素子にダイレクトハイブリッドボンディングされるのがよい。他の実施形態では、熱電素子5031,5032,5033は、ダイレクト絶縁体間ボンドだけで他の素子にダイレクトボンディングされるのがよい。
【0016】
幾つかの実施形態では、ダイ中のホットスポットは、ホットスポットを検出してサーマルマップを作成するよう、ダイ又は熱電素子603の一部に内蔵された温度センサ(例えば、698)で管理されるのがよい。かかる実施形態では、熱電ユニット603は、サーマルマップに基づいてコントローラによって最適化される特定の方向に熱流を向けることができるよう種々のパターンで配列されるのがよい。例えば、熱電ユニット603は、
図6A又は
図6Bに示すように格子の状態に、あるいは
図6Cに示すように放射状に配列されるのがよく、これら熱電ユニットは、底部ダイに対して横方向に熱を放散させることができる。熱電素子の任意他の適当な一様/周期な又は非一様な分布もまた配置できる。この配置状態は、例示のデバイスからの実際のサーマルマップ又は熱的シミュレーションに基づくのがよい。熱電ユニット603は、底部ダイ内に設けられた導電ビアを介して電力供給されてもよく、あるいは、外部チップによって別途電力供給されてもよい。
図6Dは、ウエハの厚さの方向と直交した平面内に配置された熱電ユニット603の平面図であり、熱電ユニット603は、このウエハ内に納められ、熱電ユニット603は、位置制御及び熱放散の最適化のために電気接点と関連している。幾つかの実施形態では、厚さは、100ミクロン以下、好ましくは50ミクロン以下である。幾つかの実施例では、
図6Dに示す複数の熱電ユニット603は、熱電ユニット603の平面内の経路に沿って熱を伝達するよう構成されており、この経路は、この平面内で少なくとも1回の折り返し部を含む。熱電ユニットは、
図6DにはXX又はYY方向(矢印で示されている)に沿ってXY平面内で熱を伝えるように示されているが、
図8Cに示すように、熱電ユニットを他の方向に配置されてもよい。
【0017】
図7は、先の図のうちの任意のものと関連して説明したような開示対象のデバイス内における熱電ユニット703及び放熱を制御する例示の制御回路/制御ロジック700を示している。開示した制御回路700は、熱流を駆動するようわずかな遅延でユニット703を次々にターンオンすることができる。制御回路700はまた、幾つかの実施例では、効率的な熱分布が得るためにユニット703を任意適当な最適化されたパターン(配置場所又は時間によって)でアクティブにすることができる。開示した制御回路700は、ダイのヒートマップをモニタすることができ(例えば、熱電素子の内部もしくは外部に位置し、又はチップ内に埋め込まれた熱センサを用いて)、そして熱電ユニット703又は対の1つ以上のグループ又はゾーンをアクティブにすることによって熱流を駆動することができ、そして1つ以上の最適な場所に向かって熱流を駆動することによって熱放散/分布を向上させることができる。幾つかの実施形態では、熱電ユニット703は全て、互いに並列に連結されるのがよく、したがって、一ダイ上の互いに異なる場所の温度制御を独立して管理することができる。幾つかの実施形態では、開示するデバイスは、ブロックを形成するよう互いに並列に連結された数個の熱電素子703の組み合わせを含むのがよく、次に、数個のかかるブロックが互いに直列に接続される。他の実施形態では、開示するデバイスは、ブロックを形成するよう直列に互いに連結された数個の熱電素子703の組み合わせを含むのがよく、次に、数個のかかるブロックが互いに並列に接続される。熱電素子703の任意適当な分布及び組み合わせを配置することができる。幾つかの実施形態では、別個独立のコントローラチップがデバイスチップスタックの一部であるのがよい。
【0018】
図8Aは、チップスタック800A(例えば、頂部ダイ802及び底部ダイ801を含む)中の積層熱電素子を示している。熱が、幾つかの場合、矢印で示すように、極端に高温なスポット周りに、横方向にカスケード配列された熱電ユニット803の層上に積層された熱電素子8035の別の層を経由で上方に引き出されるのがよい。
図8Bは、チップスタック800B(例えば、頂部ダイ802及び底部ダイ801を含む)を示し、このチップスタックは、側方と垂直方向の両方向における熱の引き出しを可能にする仕方で配列された熱電ユニットを含む。例えば、矢印で示すように熱を上方(又は下方)に引き出すことができる幾つかの熱電ユニット8035が横方向にカスケード配列された熱電ユニット803の層内に埋め込まれるのがよい。幾つかの実施形態では、開示したデバイスは、頂部ダイ802に進む熱を遮蔽するようサーマルバリア/絶縁体層をさらに含むのがよい。幾つかの実施形態では、熱電素子803,8035は、導電接点及び絶縁層が他の素子の対応の導電接点及び絶縁層にダイレクトボンディングされるよう、別の素子にダイレクトハイブリッドボンディングされるのがよい。他の実施形態では、熱電素子803,8035は、ダイレクト絶縁体間ボンドだけで他の素子にダイレクトボンディングされるのがよい。
【0019】
電子素子
半導体素子は、例えば、任意適当な形式の集積化デバイスダイを有することができる。例えば、集積化デバイスダイは、電子部品、例えば集積回路(例えば、プロセッサダイ、コントローラダイ、又はメモリダイ)、微小電子機械システム(MEMS)ダイ、光学デバイス、又は任意他の適当な形式のデバイスダイを含むことができる。幾つかの実施形態では、電子部品としては、パッシブデバイス、例えばキャパシタ、インダクタ、又は他の表面実装デバイスが挙げられる。回路(例えば、トランジスタのようなアクティブ部品)が種々の実施形態では、アクティブ面のところ又はその近くのところにパターン化されるのがよい。アクティブ面は、ダイのうら面と反対側のダイの面(おもて面)上に位置するのがよい。うら面は、任意のアクティブ回路又はパッシブ回路を有してもよく、有さなくてもよい。
【0020】
集積化デバイスダイは、ボンディング表面及びボンディング表面(この場合、「おもて面」)と反対側のうら面を有するのがよい。ボンディング表面は、一導電ボンドパッドを含む複数の導電ボンドパッド、及び導電ボンドパッドの近くに位置する非導電材料を有するのがよい。幾つかの実施形態では、集積化デバイスダイの導電ボンドパッドは、介在する接着剤なしで基板又はウエハの対応の導電パッドにダイレクトボンディングされるのがよく、集積化デバイスダイの非導電材料は、介在する接着剤なしで基板又はウエハの対応の非導電材料の一部分にダイレクトボンディングされるのがよい。接着剤なしのダイレクトボンディングは、米国特許第7,126,212号明細書、同第8,153,505号明細書、同第7,622,324号明細書、同第7,602,070号明細書、同第8,163,373号明細書、同第8,389,378号明細書、同第7,485,968号明細書、同第8,735,219号明細書、同第9,385,024号明細書、同第9,391,143号明細書、同第9,431,368号明細書、同第9,953,941号明細書、同第9,716,033号明細書、同第9,852,988号明細書、同第10,032,068号明細書、同第10,204,893号明細書、同第10,434,749号明細書、及び同第10,446,532号明細書全体に記載されており、これら米国特許の各々を参照により引用し、その記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0021】
ダイレクトボンディング方法及びダイレクトボンデッド構造体の実施例
本明細書において開示する種々の実施形態は、2つの素子を介在する接着剤なしでダイレクトボンディングすることができるダイレクトボンデッド構造体に関する。2つ以上の電子素子は、半導体素子(例えば、集積化デバイスダイ、ウエハなど)であるのがよく、かかる2つ以上の電子素子を互いに積層し又はボンディングすると、ボンデッド構造体を形成することができる。1つの素子の導電接触パッドをもう1つの素子の対応の導電接触パッドに電気的に接続することができる。任意適当な数の素子を積層してボンデッド構造体とすることができる。接触パッドは、非導電ボンディング領域に形成された金属パッドからなるのがよく、これら接触パッドを下に位置するメタライゼーション、例えば再配線層(RDL)に接続するのがよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、素子は、接着剤なしで互いにダイレクトボンディングされる。種々の実施形態では、第1の素子の非導電材料又は誘電体は、接着剤なしで第2の素子の対応の非導電又は誘電フィールド領域ダイレクトボンディングされるのがよい。非導電材料を第1の素子の非導電ボンディング領域又はボンディング層という場合がある。幾つかの実施形態では、第1の素子の非導電材料は、誘電体間ボンディング技術を用いて第2の素子の対応の非導電材料にダイレクトボンディングされるのがよい。例えば、誘電体間ボンドは、少なくとも米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143明細書、及び同第10,434,749号明細書に開示されているダイレクトボンディング技術を用いて接着剤なしで形成でき、これら米国特許を参照により引用し、全ての目的に関しこれらの各々の記載内容全体を本明細書の一部とする。ダイレクトボンディングに適した誘電体としては、無機誘電体、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、オキシ窒化シリコンが挙げられるが、これには限定されず、あるいは、炭素、例えば炭化シリコン、オキシ炭窒化シリコン、炭窒化シリコンもしくはダイヤモンド状炭素が挙げられる。幾つかの実施形態では、誘電体は、ポリマー材料、例えばエポキシ、樹脂又は成形材料を含まない。
【0023】
幾つかの実施形態では、ダイレクトハイブリッドボンドは、介在する接着剤なしで形成できる。例えば、誘電ボンディング表面を高い平滑度に研磨することができる。ボンディング表面を清浄化してプラズマ及び/又はエッチング剤に当てると、これら表面を活性化することができる。幾つかの実施形態では、これら表面は、活性化後又は活性化中(例えば、プラズマ及び/又はエッチングプロセス中)、化学種で末端基化することができる。理論に束縛されるものではないが、幾つかの実施形態では、活性化プロセスは、ボンディング表面のところの化学結合を壊すために実施されるのがよく、末端基化プロセスは、ダイレクトボンディング中におけるボンディングエネルギーを向上させる追加の化学種をボンディング表面のところに提供することができる。幾つかの実施形態では、活性化及び末端基化は、同一のステップで提供され、例えば、プラズマ又はウェットエッチング剤用いて表面を活性化して末端基化することができる。他の実施形態では、ボンディング表面を別個の処理で末端基化して追加の化学種を提供することができ、それによりダイレクトボンディングを行うことができる。種々の実施形態では、末端基化化学種は、窒素を含むのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、ボンディング表面をフッ素にさらすのがよい。例えば、層及び/又はボンディングインターフェースの近くに1つ又は多数のフッ素ピークが現れる場合がある。かくして、ダイレクトボンデッド構造体では、2つの誘電体相互間のボンディングインターフェースは、ボンディングインターフェースのところに高い窒素含有量及び/又はフッ素ピークを有する極めて滑らかなインターフェースを構成することができる。活性化及び/又は末端基化処理の追加の例が米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143号明細書、及び同第10,434,749号明細書全体にわたって見受けられ、これら米国特許の各々を参照により引用し、全ての目的に関してその記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0024】
種々の実施形態では、第1の素子の接触パッドもまた、第2の素子の対応の導電接触パッドにダイレクトボンディングされるのがよい。例えば、ハイブリッドダイレクトボンディング技術を用いると、上述したように前処理された共有直接結合状態の誘電体間表面を含むボンドインターフェースに沿って導体‐導体ダイレクトボンドを提供することができる。種々の実施形態では、導体‐導体(例えば、接触パッド‐接触パッド)ダイレクトボンド及び誘電体‐誘電体ハイブリッドボンドは、少なくとも米国特許第9,716,033号明細書及び同第9,852,988号明細書に開示されたダイレクトボンディング技術を用いて形成でき、これら米国特許の各々を参照により引用し、全ての目的についてその記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0025】
例えば、誘電ボンディング表面を前処理して、上述したように介在接着剤なしで互いにダイレクトボンディングすることができる。導電接触パッド(これらは、非導電性の誘電フィールド領域によって包囲されるのがよい)もまた、介在接着剤なしで互いにダイレクトボンディングすることができる。幾つかの実施形態では、接触パッドをそれぞれ、誘電フィールド領域又は非導電ボンディング層の外面(例えば、上面)の下に凹ませるのがよく、例えば30nm未満、20nm未満、15nm未満、又は10nm未満だけ凹ませるのがよく、例えば、2nmから20nmまでの範囲又は4nm~10nmの範囲で凹ませるのがよい。非導電ボンディング層を幾つかの実施形態では本明細書において説明したボンディングツールで室温において接着剤なしで互いにダイレクトボンディングするのがよく、その後、ボンデッド構造体をアニールするのがよい。アニールは、別個の装置で実施されるのがよい。アニール時、接触パッドは、膨張して互いに接触し、それにより金属‐金属(金属間)ダイレクトボンドを形成することができる。有益には、ハイブリッドボンディング技術、例えばカリフォルニア州サンノゼ所在のアデイア社から商業的に入手できるダイレクトボンドインターコネクト(Direct Bond Interconnect)、すなわち、DBI(登録商標)技術の使用により、ダイレクトボンドインターフェースを横切って接続された高密度のパッドを実現できる(例えば、規則的なアレイについては僅かな又は細かいピッチで)。幾つかの実施形態では、ボンディングパッド、又はボンデッド素子のうちの1つのボンディング表面内に埋め込まれた導電トレースのピッチは、40ミクロン未満又は10ミクロン未満であるのがよく、それどころか2ミクロン未満であってもよい。幾つかの用途に関し、ボンディングパッドのピッチとボンディングパッドの諸元のうちの1つの比は、5未満又は3未満であり、場合によっては望ましくは2未満である。他の用途では、ボンデッド素子のうちの1つのボンディング表面内に埋め込まれた導電トレースの幅は、0.3ミクロンから5ミクロンまでの範囲にあるのがよい。種々の実施形態では、接触パッド及び/又はトレースは、銅からなるのがよいが、他の金属が適している場合がある。
【0026】
かくして、ダイレクトボンディングプロセスでは、第1の素子を介在接着剤なしで第2の素子にダイレクトボンディングすることができる。幾つかの構成例では、第1の素子は、単体化された素子、例えば単体化集積化デバイスダイからなるのがよい。他の構成例では、第1の素子は、単体化されたときに複数の集積化デバイスダイを形成する複数(例えば、数十個、数百個、又はそれ以上)のデバイス領域を含むキャリヤ又は基板(例えば、ウエハ)からなるのがよい。本明細書において説明した実施形態では、ダイであれ基板であれ、いずれにせよ、第1の素子は、ホスト基板と見なされる場合があり、これは、第2の素子をピックアンドプレース(pick-and-place)又はロボットエンドエフェクタを受け取るためにボンディングツールのサポートに取り付けられる。図示の実施形態の第2の素子は、ダイからなる。他の構成例では、第2の素子は、キャリヤ又はフラットパネル、もしくは基板(例えば、ウエハ)からなるのがよい。
【0027】
本明細書において説明するように、第1の素子と第2の素子を接着剤なしで互いにダイレクトボンディングすることができ、これは、蒸着プロセスとは異なっている。1つの用途では、ボンデッド構造体中の第1の素子の幅は、第2の素子の幅とほぼ同じであるのがよい。幾つかの他の実施形態では、ボンデッド構造体中の第1の素子の幅は、第2の素子の幅とは異なるのがよい。ボンデッド構造体中の大きい方の素子の幅又は面積は、小さい方の素子の幅又は面積よりも少なくとも10%大きいのがよい。したがって、第1及び第2の素子は、非蒸着素子からなるのがよい。さらに、ダイレクトボンデッド構造体は、蒸着層とは異なり、ボンドインターフェースに沿って、ナノキャビティが存在する欠陥領域を含む場合がある。ナノキャビティは、ボンディング表面の活性化(例えば、プラズマへの曝露)に起因して形成される場合がある。上述したように、ボンドインターフェースは、活性化及び/又は最終化学処理プロセスから生じる物質の濃縮を呈する場合がある。例えば、活性化のために窒素プラズマを利用する実施形態では、窒素ピークがボンドインターフェースのところに形成される場合がある。活性化のために酸素プラズマを利用する実施形態では、酸素ピークがボンドインターフェースのところに形成される場合がある。幾つかの実施形態では、ボンドインターフェースは、オキシ窒化シリコン、オキシ炭窒化シリコン、又は炭窒化シリコンからなるのがよい。本明細書において説明したように、ダイレクトボンドは、共有結合を含むのがよく、この共有結合は、ファンデルワールス結合よりも強固である。ボンディング層は、高い平滑度まで平坦化された研磨表面をさらに有するのがよい。例えば、ボンディング層は、1ミクロン当り2nm二乗平均(RMS)又は1ミクロン当り1nmRMSの表面粗さを有するのがよい。
【0028】
種々の実施形態では、ダイレクトハイブリッドボンデッド構造体中の接触パッド相互間の金属‐金属ボンドは、導電特徴部上の導電特徴部粒、例えば銅結晶粒がボンドインターフェースを横切って互いの中に成長するよう接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、銅は、ボンドインターフェースを横切る銅の拡散を向上させるために、111結晶面に沿って配向した結晶粒を有するのがよい。ボンドインターフェースは、ボンデッド接触パッドの少なくとも一部分まで実質的に完全に延びるのがよく、その結果、ボンデッド接触パッドのところ又はその近くには非導電ボンディング領域相互間には隙間が実質的に生じないようになっている。幾つかの実施形態では、バリヤ層を接触パッド(例えば、これは、銅を含むのがよい)の下に設けるのがよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、米国特許出願公開第2019/0096741号明細書に記載されているように、接触パッドの下にバリヤ層が存在しなくてもよく、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0029】
1つの観点では、開示した技術は、マイクロ電子デバイスであって、第1の方向に厚さを備えた基板と、基板内に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットとを有し、熱電ユニットは、熱を第1の方向と直交した第2の横方向に沿って伝達するよう構成されていることを特徴とするマイクロ電子デバイスに関する。1つの実施形態では、基板は、半導体素子にダイレクトボンディング(例えば、ダイレクトハイブリッドボンディング)されている。1つの実施形態では、基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された表面を有する。1つの実施形態では、基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された反対側の表面をさらに有する。1つの実施形態では、少なくとも1つの追加の熱電ユニットが基板内に設けられ、少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を第2の方向に沿って伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱伝導性プレートが少なくとも1つの熱電ユニットと少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられている。1つの実施形態では、熱伝導性プレートは、電気的に絶縁性である。1つの実施形態では、少なくとも1つの熱電ユニットが基板内に設けられている。
【0030】
1つの実施形態では、少なくとも1つの追加の熱電ユニットが基板内に設けられ、少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を第2の方向及び第1の方向に非平行な第3の方向に沿って伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱伝導性プレートが少なくとも1つの熱電ユニットと少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられている。熱伝導性プレートは、電気的に絶縁性である。1つの実施形態では、少なくとも1つの追加の熱電ユニットが基板内に設けられ、少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を第1の方向に沿って伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱伝導性プレートが少なくとも1つの熱電ユニットと少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられている。1つの実施形態では、熱伝導性プレートは、電気的に絶縁性である。1つの実施形態では、厚さは、100ミクロン以下である。1つの実施形態では、熱電ユニットはさらに、熱を第1の方向に伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱電ユニットは、電流を熱電ユニット内において第1の方向及び/又は第2の方向の両方に沿って流すよう構成された電気接点対と連携している。1つの実施形態では、熱電ユニットは、2つの電気接点対と連携しており、各電気接点対は、電流を熱電ユニット内において第1の方向と第2の方向のうちの一方に沿って流すよう構成されている。
【0031】
もう1つの観点では、開示した技術は、マイクロ電子デバイスであって、第1の方向に厚さを備えた基板と、基板内に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットとを有し、熱電ユニットは、熱を第1の方向と直交した平面内において放射状に伝達するよう構成されていることを特徴とするマイクロ電子デバイスに関する。1つの実施形態では、基板は、半導体素子にダイレクトボンディング(例えば、ダイレクトハイブリッドボンディング)されている。1つの実施形態では、基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された表面を有する。1つの実施形態では、基板は、ダイレクトハイブリッドボンディング可能に構成された反対側の表面をさらに有する。1つの実施形態では、厚さは、100ミクロン以下である。1つの実施形態では、少なくとも1つの追加の熱電ユニットが基板内に設けられ、少なくとも1つの追加の熱電ユニットは、熱を第1の方向に沿って、第1の方向と直交した第2の方向に沿って、又は第2及び第1の方向に非平行な第3の方向に沿って、伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱伝導性構造体が少なくとも1つの熱電ユニットと少なくとも1つの追加の熱電ユニットとの間に設けられている。1つの実施形態では、熱伝導性構造体は、電気的に絶縁性である。1つの実施形態では、少なくとも1つの熱電ユニットが基板内に設けられている。
【0032】
もう1つの観点では、開示した技術は、マイクロ電子デバイスであって、マイクロ電子デバイスは、下側半導体素子と、下側半導体素子上に設けられた基板とを有し、基板は、第1の方向に厚さを備え、マイクロ電子デバイスは、基板内又は上に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットをさらに有し、熱電ユニットは、熱を少なくとも第1の方向と直交した第2の方向に沿って横方向に伝達するよう構成されていることを特徴とするマイクロ電子デバイスに関する。1つの実施形態では、複数の熱電ユニットが熱を第1の方向と直交した平面内の経路に沿って伝達するよう構成され、経路は、平面内に存在する少なくとも1回の折り返し部を含む。1つの実施形態では、熱電ユニットは、熱を第2の方向に沿って双方向に伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱電ユニットは、熱を第1の方向と直交した平面内で放射状に伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱電ユニットは、熱を第2の方向及び第1の方向に非平行な第3の方向に沿って伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、基板は、接着剤なしで半導体素子にダイレクトボンディングされている。1つの実施形態では、半導体素子は、シリコン、セラミック、炭化シリコン、窒化ガリウム、又はガラスからなる。1つの実施形態では、半導体素子にはアクティブ回路部がない。1つの実施形態では、少なくとも1つの熱電ユニットは、基板内に設けられている。
【0033】
1つの実施形態では、半導体素子は、アクティブ回路部を備えた集積化デバイスダイを含む。1つの実施形態では、半導体素子と基板との間のインターフェースは、導体‐導体ダイレクトボンドを含む。1つの実施形態では、半導体素子と基板との間のインターフェースは、不導体‐不導体ダイレクトボンドをさらに含む。1つの実施形態では、ヒートシンクが少なくとも基板に被着されている。1つの実施形態では、熱電ユニットの動作中、熱が基板からヒートシンクに放散される。1つの実施形態では、熱伝導性要素が基板とヒートシンクとの間に設けられている。1つの実施形態では、熱伝導性要素にはアクティブ回路部がない。1つの実施形態では、熱伝導性要素は、シリコン又はセラミックからなる。1つの実施形態では、基板は、接着剤なしで熱伝導性要素にダイレクトボンディングされている。1つの実施形態では、基板と熱伝導性要素との間のインターフェースは、誘電体‐誘電体ダイレクトボンドを含む。1つの実施形態では、熱電ユニットの動作中、熱が基板から熱伝導性要素を通ってヒートシンクに放散される。
【0034】
もう1つの観点では、開示した技術は、マイクロ電子デバイスであって、第1の集積化デバイスダイと、第1の集積化デバイスダイ上に設けられた基板と、基板内又は上に設けられた少なくとも1つの熱電ユニットと、基板上に設けられた第2の集積化デバイスダイとを有し、熱電ユニットは、熱を第1及び第2の集積化デバイスダイのうちの少なくとも一方から横方向に伝達するよう構成されていることを特徴とするマイクロ電子デバイスに関する。1つの実施形態では、基板は、第1の方向に厚さを備え、熱電ユニットは、熱を少なくとも第1の方向と直交した第2の方向に沿って伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、熱電ユニットは、熱電ユニットが第1の集積化デバイスダイによって制御されるよう第1の集積化デバイスダイ内に設けられた基板貫通ビアに電気的に接続されている。1つの実施形態では、基板は、接着剤なしで第1の集積化デバイスダイにダイレクトボンディングされている。1つの実施形態では、第2の集積化デバイスダイは、接着剤なしで基板にダイレクトボンディングされている。1つの実施形態では、ヒートシンクが少なくとも基板に被着されている。1つの実施形態では、熱伝導性要素が基板とヒートシンクとの間に設けられている。1つの実施形態では、熱電ユニットは、熱を第1及び第2の集積化デバイスから、熱をヒートシンクに垂直方向に伝達する熱経路に横方向に伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、第3の集積化デバイスダイが基板上に設けられている。1つの実施形態では、第2の集積化デバイスダイ又は第3の集積化デバイスダイは、少なくとも1つの熱電ユニットに電気的に接続されている。1つの実施形態では、第1の集積化デバイスダイと第2の集積化デバイスダイは、基板貫通ビア経由で電気的連絡状態にある。1つの実施形態では、少なくとも1つの熱電ユニットは、基板内に設けられている。
【0035】
もう1つの観点では、開示した技術は、マイクロ電子デバイスであって、マイクロ電子デバイスは、半導体素子と、半導体素子上に設けられた基板とを有し、基板は、第1の方向に厚さを備え、マイクロ電子デバイスは、基板内に設けられた複数の熱電ユニットをさらに有し、熱電ユニットの第1の部分は、熱を第1の方向に沿って伝達するよう構成され、熱電ユニットの第2の部分は、熱を第1の方向と直交した第2の方向に沿って横方向に伝達するよう構成されていることを特徴とするマイクロ電子デバイスに関する。1つの実施形態では、熱電ユニットの第1の部分は、熱電ユニットの第2の部分上に設けられている。1つの実施形態では、熱電ユニットの第1の部分と第2の部分の両方は、半導体素子上に設けられている。1つの実施形態では、熱電ユニットは、半導体素子内に設けられた基板貫通ビアに電気的に接続されている。1つの実施形態では、基板は、接着剤なしで半導体素子にダイレクトボンディングされている。1つの実施形態では、熱電ユニットは、半導体素子内に設けられた基板貫通ビアに電気的に接続されている。
【0036】
もう1つの観点では、開示した技術は、マイクロ電子デバイスであって、半導体素子と、半導体素子上に設けられた基板と、基板内に設けられた複数の熱電ユニットと、半導体素子中の局所温度を検出するよう構成された複数の温度センサとを有することを特徴とするマイクロ電子デバイスに関する。1つの実施形態では、複数の熱電ユニットは、熱を基板の厚さに沿う方向と直交した平面内の経路に沿って伝達するよう構成され、経路は、平面内に存在する少なくとも1回の折り返し部を含む。1つの実施形態では、熱電ユニットは、熱を熱伝達により局所ホットスポットから奪い去るよう構成されている。1つの実施形態では、基板は、第1の方向に厚さを備え、熱電ユニットは、熱を第1の方向と直交した第2の方向に沿って伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、複数の温度センサは、半導体素子又は基板内に設けられている。1つの実施形態では、マイクロ電子デバイスは、複数の電気接点対をさらに有し、各電気接点対は、複数の熱電ユニットの一部分を独立して制御する。1つの実施形態では、熱電ユニットは、半導体素子、基板、又は外部チップによって作動される。
【0037】
もう1つの観点では、開示した技術は、マイクロ電子デバイスであって、半導体素子と、半導体素子上に設けられた基板と、基板内に設けられた複数の熱電ユニットとを有し、基板は、複数の熱電ユニットのサブグループを独立して制御することによって、半導体素子を冷却するゾーン化制御が可能であるように構成されていることを特徴とするマイクロ電子デバイスに関する。1つの実施形態では、基板は、第1の方向に厚さを備え、熱電ユニットは、熱を第1の方向と直交した第2の方向に沿って伝達するよう構成されている。1つの実施形態では、複数の温度センサが半導体素子又は基板内に設けられ、各温度センサは、熱電ユニットの一部分を作動させるために電気接点と連携している。1つの実施形態では、マイクロ電子デバイスは、複数の電気接点対をさらに有し、各電気接点対は、複数の熱電ユニットの一部分を独立して制御する。1つの実施形態では、熱電ユニットは、半導体素子、基板、又は外部チップによって作動される。
【0038】
文脈上別段の明示の必要がなければ、原文明細書及び原文特許請求の範囲全体を通じて、“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“comprising”、“include”(「~を含む」)、“including”などの用語は、排他的又は網羅的な意味とは異なり、包括的な意味に、すなわち“including, but not limited to”(「~を含むが、これには限定されない」)の意味に解されるべきである。本明細書に一般的に用いられている「結合され」という用語は、互いに直接的に( ダイレクトに) 連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。同様に、本明細書において一般的に用いられている「連結され」という用語は、互いに直接的に連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。加うるに、原語出願において用いられている“herein”(訳文では「本明細書において」としている場合が多い)、“above”(「上述の」又は「上方の」の意)、“below”(「後述の」又は「下方の」の意)、及び同様な趣旨の用語は、本願を全体として意味しており、本願の何らかの特定の部分を意味しているわけではない。さらに、本明細書で用いられているように、第1の素子が第2の素子の「上(on)」又は「覆って(over)」位置すると説明されている場合、第1の素子は、第1の素子と第2の素子は、互いに直接的に接触するよう、第2の素子上に又はこれを覆って直接位置する場合があり、あるいは第1の素子は、1つ以上の素子が第1の素子と第2の素子の間に介在するよう、第2の素子上又はこれを覆って間接的に位置する場合がある。文脈上許容される場合には、単数形又は複数形を用いた上記の詳細な説明中の用語は、それぞれ複数又は単数を含む場合がある。2つ以上のアイテムのリストに関して「又は」という用語は、この用語についての以下の解釈、すなわち、リスト中のアイテムのうちの任意のもの、リスト中のアイテムの全て、及びリスト中のアイテムの任意の組み合わせの全てを含む。
【0039】
さらに、原文明細書で用いられている条件語、とりわけ“can ”(「~のがよい」、「~でもよい」又は「~することができる」)、“could”、“might”、“may”、“e.g.”、“for example”、“such as”などは、別段の明示の指定がなければ、又は用いられている文脈内で違ったやり方で理解されない場合、一般に、ある特定の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含み、他の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含まないということを意味するようになっている。かくして、かかる条件語は、一般的には、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態について必要な何らかの仕方で存在することを意味するようにはなってはいない。
【0040】
ある特定の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例示としてのみ提供されており、本発明の範囲を限定するものではない。確かに、本明細書において説明した新規な装置、方法、及びシステムは、種々の他の形態で具体化でき、さらに、本明細書において説明した方法及びシステムの形態における種々の省略、置換、及び変更は、本発明の範囲から逸脱することなく実施できる。例えば、ブロックが所与の配置で示されているが、変形実施形態は、異なるコンポーネント及び/又は回路トポロジでほぼ同じ機能を実行することができ、幾つかのブロックを削除し、動かし、追加し、分割し、組み合わせ、かつ/あるいは改造することができる。これらブロックの各々は、多種多様な仕方で具体化できる。上述の種々の実施形態の要素及び作用の任意適当な組み合わせは、別の実施形態を提供するよう組み合わせ可能である。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲は、本発明の範囲及び精神に含まれるかかる形態又は改造を含むものである。
【国際調査報告】