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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】熱および電力発生のための原子炉
(51)【国際特許分類】
   G21D 5/00 20060101AFI20241219BHJP
   G21C 15/02 20060101ALI20241219BHJP
   G21C 17/02 20060101ALI20241219BHJP
   G21C 15/26 20060101ALI20241219BHJP
   G21D 1/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G21D5/00
G21C15/02 B
G21C17/02 400
G21C15/26
G21D1/00 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537085
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 US2022082086
(87)【国際公開番号】W WO2024049490
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】63/291,762
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523059903
【氏名又は名称】オクロ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デウィット, ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】エバレット, パトリック
【テーマコード(参考)】
2G075
【Fターム(参考)】
2G075AA01
2G075BA03
2G075CA38
2G075DA08
2G075EA01
2G075FA20
2G075GA36
(57)【要約】
原子炉電力システムは、複数の核燃料要素であって、各核燃料要素は、核燃料要素を通して通過する、第1の冷却チャネルと、核燃料要素を通して通過し、第1の冷却チャネルから流体的に隔離される、第2の冷却チャネルとを備える、複数の核燃料要素を備える、炉心と、炉心を通して第1の流体クーラントを輸送するように構成される、第1の冷却システムであって、各核燃料要素の第1の冷却チャネルに流体的に接続される、第1の冷却システムと、炉心を通して第2の流体クーラントを輸送するように構成される、第2の冷却システムであって、各核燃料要素の第2の冷却チャネルに流体的に接続される、第2の冷却システムとを含む。第1の冷却チャネルを通した第1の流体クーラント流動の方向は、第2の冷却チャネルを通した第2の流体クーラント流動の方向と同一である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉電力システムであって、
複数の核燃料要素を備える炉心であって、前記複数の核燃料要素のそれぞれは、
前記核燃料要素を通して通過する第1の冷却チャネルと、
前記核燃料要素を通して通過し、前記第1の冷却チャネルから流体的に隔離される第2の冷却チャネルと
を備える、炉心と、
前記炉心を通して第1の流体クーラントを輸送するように構成される第1の冷却システムであって、前記第1の冷却システムは、各核燃料要素の前記第1の冷却チャネルに流体的に接続される、第1の冷却システムと、
前記炉心を通して第2の流体クーラントを輸送するように構成される第2の冷却システムであって、前記第2の冷却システムは、各核燃料要素の前記第2の冷却チャネルに流体的に接続される、第2の冷却システムと
を備える、原子炉電力システム。
【請求項2】
前記第1の冷却システムは、前記第2の冷却システムから流体的に隔離される、請求項1に記載の原子炉電力システム。
【請求項3】
前記原子炉電力システムの第1の動作モードでは、第1の体積の第1の流体クーラントが、前記第1の冷却システムを通して流動し、第2の体積の第2の流体クーラントが、前記第2の冷却システムを通して流動し、
前記原子炉電力システムの第2の動作モードでは、第1の体積の第1の流体クーラントが、前記第1の冷却システムを通して流動し、第2の体積の第2の流体クーラントが、前記第2の冷却システムを通して流動しない、
請求項1または2のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項4】
前記原子炉電力システムは、前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードの両方における動作の間、定格原子炉電力の100パーセントにおいて、またはその近傍で動作するように構成される、請求項3に記載の原子炉電力システム。
【請求項5】
前記第1の動作モードにおける動作の間、前記第1の体積の第1の流体クーラントまたは前記第2の体積の第2の流体クーラントのうちの少なくとも一方は、自然循環によって輸送される、請求項3-4のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項6】
前記第2の動作モードにおける動作の間、前記第1の体積の第1の流体クーラントは、自然循環によって輸送される、請求項3-5のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項7】
前記第1の動作モードにおける動作の間、
前記第1の体積の第1の流体クーラントは、前記第1の冷却システムから、各核燃料要素の前記第1の冷却チャネルを通して流動し、
前記第2の体積の第1の流体クーラントは、前記第2の冷却システムから、各核燃料要素の前記第2の冷却チャネルを通して流動する、
請求項3-6のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項8】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、それぞれが、円筒形形状を有し、前記第1の冷却チャネルの円筒軸は、前記第2の冷却チャネルの円筒軸に平行である、請求項1-7のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項9】
前記第1の冷却チャネルを通した第1の流体クーラント流動の方向は、前記第2の冷却チャネルを通した第2の流体クーラント流動の方向と同一である、請求項1-8のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項10】
前記第1の冷却システム内の前記第1の流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第1の熱交換器と、
前記第2の冷却システム内の前記第2の流体クーラントから第2の中間クーラントループの第2の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第2の熱交換器と
を備える、請求項1-9のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項11】
前記第1の中間クーラントは、自然循環によって前記第1の中間クーラントループを通して流動し、
前記第2の中間クーラントは、自然循環によって前記第2の中間クーラントループを通して流動する、
請求項10に記載の原子炉電力システム。
【請求項12】
前記第1の冷却システム内の前記第1の流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第1の熱交換器と、
前記第2の冷却システム内の前記第2の流体クーラントから前記第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第2の熱交換器と
を備える、請求項1-9のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項13】
前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器は、それぞれが、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応するレベルにおいて熱を伝達するように構成される、請求項10-12のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項14】
前記第1の中間クーラントループ内の前記第1の中間クーラントから第1の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第3の熱交換器と、
前記第2の中間クーラントループ内の前記第2の中間クーラントから第2の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第4の熱交換器と
を備える、請求項10-13のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項15】
前記第1の中間クーラントループまたは前記第2の中間クーラントループのうちの少なくとも一方は、複数の電力変換システムに熱を伝達するように構成される、請求項10-14のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項16】
動作の間、前記第1の電力変換システムおよび前記第2の電力変換システムは、それぞれが、独立して動作する、請求項14-15のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項17】
前記第1の電力変換システムは、第1のタービンを備え、
前記第2の電力変換システムは、第2のタービンを備え、
前記第1のタービンおよび前記第2のタービンのそれぞれは、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて動作するように構成される、
請求項14-16のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項18】
前記核燃料要素のそれぞれはさらに、
前記核燃料要素を通して通過する第3の冷却チャネルと、
前記核燃料要素を通して通過する第4の冷却チャネルと
を備え、
前記第1の冷却システムは、各核燃料要素の前記第3の冷却チャネルに流体的に接続され、
前記第2の冷却システムは、各核燃料要素の前記第4の冷却チャネルに流体的に接続される、
請求項1-17のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項19】
前記第3の冷却チャネルおよび前記第4の冷却チャネルは、それぞれが、円筒形形状を有し、前記第3の冷却チャネルの円筒軸は、前記第4の冷却チャネルの円筒軸に平行である、請求項18に記載の原子炉電力システム。
【請求項20】
前記第3の冷却チャネルを通した第1の流体クーラント流動の方向は、前記第4の冷却チャネルを通した第2の流体クーラント流動の方向と同一である、請求項18または19のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項21】
前記第1の流体クーラントおよび前記第2の流体クーラントは、それぞれが、水、液体金属、液体塩、超臨界流体、またはガスのうちの少なくとも1つから成る、請求項1-20のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項22】
前記炉心は、並列に配列され、燃料アセンブリ領域の第1の端部から前記燃料アセンブリ領域の第2の端部まで延在する複数の核燃料要素を含む燃料アセンブリ領域を備え、前記原子炉電力システムは、
前記燃料アセンブリ領域の第1の端部に隣接して位置付けられるプレートであって、前記プレートは、前記炉心を通した流体クーラントの流動体積の変化を引き起こすために、サイズにおいて変化するように構成される1つまたはそれを上回るオリフィスを含む、プレート
を備える、請求項1-21のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項23】
前記プレートは、クーラント入口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域に進入する、
請求項22に記載の原子炉電力システム。
【請求項24】
前記プレートは、クーラント出口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域から退出する、
請求項22に記載の原子炉電力システム。
【請求項25】
前記燃料アセンブリ領域の第2の端部に隣接して位置付けられる第2のプレートを備える、請求項22-24のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項26】
前記プレートは、変化する温度に伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項22-25のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項27】
前記プレートは、変化する放射線レベルに伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項22-26のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの拡張可能材料の拡張または収縮は、前記1つまたはそれを上回るオリフィスのサイズの変化を引き起こす、請求項26または27のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項29】
方法であって、
電力を生成するように原子炉電力システムを動作させることであって、原子力発電炉システムは、
複数の核燃料要素を備える炉心であって、前記複数の核燃料要素のそれぞれは、
前記核燃料要素を通して通過する第1の冷却チャネルと、
前記核燃料要素を通して通過し、前記第1の冷却チャネルから流体的に隔離される第2の冷却チャネルと
を備える、炉心と、
各核燃料要素の前記第1の冷却チャネルに流体的に接続される第1の冷却システムと、
各核燃料要素の前記第2の冷却チャネルに流体的に接続される第2の冷却システムと
を備える、ことと、
前記第1の冷却システムによって、前記炉心を通して第1の流体クーラントを輸送することと、
前記第2の冷却システムによって、前記炉心を通して第2の流体クーラントを輸送することと
を含む、方法。
【請求項30】
前記第1の冷却システムは、前記第2の冷却システムから流体的に隔離される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記原子炉電力システムの第1の動作モードでは、第1の体積の第1の流体クーラントが、前記第1の冷却システムを通して流動し、第2の体積の第2の流体クーラントが、前記第2の冷却システムを通して流動し、
前記原子炉電力システムの第2の動作モードでは、第1の体積の第1の流体クーラントが、前記第1の冷却システムを通して流動し、第2の体積の第2の流体クーラントが、前記第2の冷却システムを通して流動しない、
請求項29または30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードの両方における動作の間、定格原子炉電力の100パーセントにおいて、またはその近傍で前記原子炉電力システムを動作させることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の動作モードにおける動作の間、自然循環によって前記第1の体積の第1の流体クーラントまたは前記第2の体積の第2の流体クーラントのうちの少なくとも一方を輸送することを含む、請求項31-32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の動作モードにおける動作の間、自然循環によって前記第1の体積の第1の流体クーラントを輸送することを含む、請求項31-33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の動作モードにおける動作の間、
前記第1の体積の第1の流体クーラントは、前記第1の冷却システムから、各核燃料要素の前記第1の冷却チャネルを通して流動し、
前記第2の体積の第2の流体クーラントは、前記第2の冷却システムから、各核燃料要素の前記第2の冷却チャネルを通して流動する、
請求項31-34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、それぞれが、円筒形形状を有し、前記第1の冷却チャネルの円筒軸は、前記第2の冷却チャネルの円筒軸に平行である、請求項29-35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の冷却チャネルを通した第1の流体流動の方向は、前記第2の冷却チャネルを通した第2の流体流動の方向と同一である、請求項29-36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の冷却システム内の前記第1の流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第1の熱交換器と、
前記第2の冷却システム内の前記第2の流体クーラントから第2の中間クーラントループの第2の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第2の熱交換器と
を備える、請求項29-37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の中間クーラントは、自然循環によって前記第1の中間クーラントループを通して流動し、
前記第2の中間クーラントは、自然循環によって前記第2の中間クーラントループを通して流動する、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の冷却システム内の前記第1の流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第1の熱交換器と、
前記第2の冷却システム内の前記第2の流体クーラントから前記第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第2の熱交換器と
を備える、請求項29-37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器は、それぞれが、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応するレベルにおいて熱を伝達するように構成される、請求項38-40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の中間クーラントループ内の前記第1の中間クーラントから第1の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第3の熱交換器と、
前記第2の中間クーラントループ内の前記第2の中間クーラントから第2の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第4の熱交換器と
を備える、請求項38-41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の中間クーラントループまたは前記第2の中間クーラントループのうちの少なくとも一方は、複数の電力変換システムに熱を伝達するように構成される、請求項29-42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の電力変換システムおよび前記第2の電力変換システムを独立して動作させることを含む、請求項42-43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の電力変換システムは、第1のタービンを備え、
前記第2の電力変換システムは、第2のタービンを備え、
前記方法は、
定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて前記第1のタービンまたは前記第2のタービンのうちの一方を動作させること
を含む、請求項42-44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記核燃料要素のそれぞれはさらに、
前記核燃料要素を通して通過する第3の冷却チャネルと、
前記核燃料要素を通して通過する第4の冷却チャネルと
を備え、
前記第1の冷却システムは、各核燃料要素の前記第3の冷却チャネルに流体的に接続され、
前記第2の冷却システムは、各核燃料要素の前記第4の冷却チャネルに流体的に接続される、
請求項29-45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記第3の冷却チャネルおよび前記第4の冷却チャネルは、それぞれが、円筒形形状を有し、前記第3の冷却チャネルの円筒軸は、前記第4の冷却チャネルの円筒軸に平行である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第3の冷却チャネルを通した第1の流体クーラント流動の方向は、前記第4の冷却チャネルを通した第2の流体クーラント流動の方向と同一である、請求項46または47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記第1の流体クーラントおよび前記第2の流体クーラントは、それぞれが、水、液体金属、液体塩、超臨界流体、またはガスのうちの少なくとも1つを含む、請求項29-48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記炉心は、並列に配列され、燃料アセンブリ領域の第1の端部から前記燃料アセンブリ領域の第2の端部まで延在する複数の核燃料要素を含む燃料アセンブリ領域を備え、前記原子炉電力システムは、
前記燃料アセンブリ領域の第1の端部に隣接して位置付けられるプレートであって、前記プレートは、前記炉心を通した流体クーラントの流動体積の変化を引き起こすために、サイズにおいて変化するように構成される1つまたはそれを上回るオリフィスを含む、プレート
を備える、請求項29-49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記プレートは、クーラント入口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域に進入する、
請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記プレートは、クーラント出口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域から退出する、
請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記燃料アセンブリ領域の第2の端部に隣接して位置付けられる第2のプレートを備える、請求項50-52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記プレートは、変化する温度に伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項50-53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記プレートは、変化する放射線レベルに伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項50-54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1つの拡張可能材料の拡張または収縮は、前記1つまたはそれを上回るオリフィスのサイズの変化を引き起こす、請求項54または55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
原子炉電力システムであって、
炉心であって、前記炉心は、並列に配列され、燃料アセンブリ領域の第1の端部から前記燃料アセンブリ領域の第2の端部まで延在する複数の核燃料要素を含む燃料アセンブリ領域を備える、炉心と、
前記燃料アセンブリ領域の第1の端部に隣接して位置付けられるプレートであって、前記プレートは、前記炉心を通した流体クーラントの流動体積の変化を引き起こすために、サイズにおいて変化するように構成される1つまたはそれを上回るオリフィスを含む、プレートと
を備える、原子炉電力システム。
【請求項58】
前記プレートは、クーラント入口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域に進入する、
請求項57に記載の原子炉電力システム。
【請求項59】
前記プレートは、クーラント出口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域から退出する、
請求項57に記載の原子炉電力システム。
【請求項60】
前記燃料アセンブリ領域の第2の端部に隣接して位置付けられる第2のプレートを備える、請求項57-59のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項61】
前記プレートは、変化する温度に伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項57-60のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項62】
前記プレートは、変化する放射線レベルに伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項57-61のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項63】
前記少なくとも1つの拡張可能材料の拡張または収縮は、前記1つまたはそれを上回るオリフィスのサイズの変化を引き起こす、請求項61または62のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項64】
方法であって、
電力を生成するように原子炉電力システムを動作させることであって、前記原子炉電力システムは、
炉心であって、前記炉心は、並列に配列され、燃料アセンブリ領域の第1の端部から前記燃料アセンブリ領域の第2の端部まで延在する複数の核燃料要素を含む燃料アセンブリ領域を備える、炉心と、
前記燃料アセンブリ領域の第1の端部に隣接して位置付けられるプレートであって、前記プレートは、前記炉心を通した流体クーラントの流動体積の変化を引き起こすために、サイズにおいて変化するように構成される1つまたはそれを上回るオリフィスを含む、プレートと
を備える、こと
を含む、方法。
【請求項65】
前記プレートは、クーラント入口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域に進入する、
請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記プレートは、クーラント出口と前記燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、
流体クーラントは、前記プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して前記燃料アセンブリ領域から退出する、
請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記原子炉電力システムは、前記燃料アセンブリ領域の第2の端部に隣接して位置付けられる第2のプレートを備える、請求項64-66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記プレートは、変化する温度に伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項64-67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記プレートは、変化する放射線レベルに伴って拡張または収縮するように構成される少なくとも1つの拡張可能材料から形成される、請求項64-68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記少なくとも1つの拡張可能材料の拡張または収縮は、前記1つまたはそれを上回るオリフィスのサイズの変化を引き起こす、請求項68または69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
原子炉電力システムであって、
炉心と、
前記炉心を通して一次流体クーラントを輸送するように構成される一次冷却システムと、
前記一次冷却システム内の前記一次流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第1の熱交換器と、
前記一次冷却システム内の前記一次流体クーラントから第2の中間クーラントループの第2の中間クーラントに熱を伝達するように構成される第2の熱交換器であって、前記第1の中間クーラントループは、前記第2の中間クーラントループから流体的に隔離される、第2の熱交換器と
を備える、原子炉電力システム。
【請求項72】
中間クーラントは、自然循環によって前記第1の中間クーラントループおよび前記第2の中間クーラントループを通して流動する、請求項71に記載の原子炉電力システム。
【請求項73】
前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器は、それぞれが、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応するレベルにおいて熱を伝達するように構成される、請求項71-72のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項74】
前記第1の中間クーラントループ内の前記第1の中間クーラントから第1の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第3の熱交換器と、
前記第2の中間クーラントループ内の前記第2の中間クーラントから第2の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第4の熱交換器と
を備える、請求項71-73のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項75】
前記第1の中間クーラントループまたは前記第2の中間クーラントループのうちの少なくとも一方は、複数の電力変換システムに熱を伝達するように構成される、請求項71-74のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項76】
動作の間、前記第1の電力変換システムおよび前記第2の電力変換システムは、それぞれが、独立して動作する、請求項74-75のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項77】
前記第1の電力変換システムは、第1のタービンを備え、
前記第2の電力変換システムは、第2のタービンを備え、
前記第1のタービンおよび前記第2のタービンのそれぞれは、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて動作するように構成される、
請求項74-76のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項78】
方法であって、
電力を生成するように原子炉電力システムを動作させることであって、前記原子炉電力システムは、
炉心と、
一次冷却システムと、
第1の熱交換器と、
第2の熱交換器と
を備える、ことと、
前記一次冷却システムによって、前記炉心を通して一次流体クーラントを輸送することと、
前記一次冷却システム内の前記一次流体クーラントから、前記第1の熱交換器を通して、第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達することと、
前記一次冷却システム内の前記一次流体クーラントから、前記第2の熱交換器を通して、第2の中間クーラントループの第2の中間クーラントに熱を伝達することであって、前記第1の中間クーラントループは、前記第2の中間クーラントループから流体的に隔離される、ことと
を含む、方法。
【請求項79】
自然循環によって前記第1の中間クーラントループを通して前記第1の中間クーラントを輸送することと、
自然循環によって前記第2の中間クーラントループを通して前記第2の中間クーラントを輸送することと
を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器は、それぞれが、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応するレベルにおいて熱を伝達するように構成される、請求項78-79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記原子炉電力システムは、
第3の熱交換器と、
第4の熱交換器と
を備え、
前記方法は、
前記第1の中間クーラントループ内の前記第1の中間クーラントから、前記第3の熱交換器を通して、第1の電力変換システムの第1の電力変換作動流体に熱を伝達することと、
前記第2の中間クーラントループ内の前記第2の中間クーラントから、前記第4の熱交換器を通して、第2の電力変換システムの第2の電力変換作動流体に熱を伝達することと
を含む、請求項78-80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記第1の中間クーラントループまたは前記第2の中間クーラントループのうちの一方を通して複数の電力変換システムに熱を伝達することを含む、請求項78-81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記第1の電力変換システムおよび前記第2の電力変換システムを独立して動作させることを含む、請求項81-82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記第1の電力変換システムは、第1のタービンを備え、
前記第2の電力変換システムは、第2のタービンを備え、前記方法は、
定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて前記第1のタービンまたは前記第2のタービンのうちの一方を動作させること
を含む、請求項81-83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
原子炉電力システムであって、
炉心と、
前記炉心を通して一次流体クーラントを輸送するように構成される一次冷却システムと、
前記一次冷却システム内の前記一次流体クーラントから中間クーラントループの中間クーラントに熱を伝達するように構成される第1の熱交換器と、
前記中間クーラントループ内の前記中間クーラントから第1の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第2の熱交換器と、
前記中間クーラントループ内の前記中間クーラントから第2の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される第3の熱交換器であって、前記第1の電力変換システムは、前記第2の電力変換システムから流体的に隔離される、第3の熱交換器と
を備える、原子炉電力システム。
【請求項86】
動作の間、前記第1の電力変換システムおよび前記第2の電力変換システムは、それぞれが、独立して動作する、請求項85に記載の原子炉電力システム。
【請求項87】
前記第1の電力変換システムは、第1のタービンを備え、
前記第2の電力変換システムは、第2のタービンを備え、
前記第1のタービンおよび前記第2のタービンのそれぞれは、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて動作するように構成される、
請求項85または86のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項88】
前記第2の電力変換システムおよび前記第1の電力変換システムから流体的に隔離される第3の電力変換システムをさらに備える、請求項85-87のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項89】
前記第3の電力変換システム、前記第2の電力変換システム、および前記第1の電力変換システムから流体的に隔離される第4の電力変換システムをさらに備える、請求項88に記載の原子炉電力システム。
【請求項90】
複数の電力変換システムの各電力変換システムは、各他の電力変換システムから独立して動作するように構成される、請求項85-89のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項91】
前記中間クーラントは、自然循環によって前記中間冷却ループを通して流動する、請求項85-90のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項92】
前記中間クーラントは、強制循環によって前記中間冷却ループを通して流動する、請求項85-91のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項93】
前記中間冷却ループは、前記中間クーラントの強制循環を駆動するように構成される2つまたはそれを上回るポンプを含む、請求項92に記載の原子炉電力システム。
【請求項94】
前記中間冷却ループは、少なくとも1つの熱エネルギー貯蔵ユニットに結合される、請求項85-93のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項95】
前記中間クーラントは、水、液体金属、液体塩、超臨界流体、またはガスのうちの少なくとも1つを含む、請求項85-94のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項96】
方法であって、
電力を生成するように原子炉電力システムを動作させることであって、前記原子炉電力システムは、
炉心と、
一次冷却システムと、
第1の熱交換器と、
第2の熱交換器と、
第3の熱交換器と
を備える、ことと、
前記一次冷却システムによって、前記炉心を通して一次流体クーラントを輸送することと、
前記一次冷却システム内の前記一次流体クーラントから、前記第1の熱交換器を通して、中間クーラントループの中間クーラントに熱を伝達することと、
前記中間クーラントループ内の前記中間クーラントから、前記第2の熱交換器を通して、第1の電力変換システムの第1の電力変換作動流体に熱を伝達することと、
前記中間クーラントループ内の前記中間クーラントから、前記第3の熱交換器を通して、第2の電力変換システムの第2の電力変換作動流体に熱を伝達することであって、前記第1の電力変換システムは、前記第2の電力変換システムから流体的に隔離される、ことと
を含む、方法。
【請求項97】
定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて複数の電力変換システムの2つまたはそれを上回る電力変換システムを動作させること
を含む第1の動作モードにおいて、前記原子炉電力システムを動作させることを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記原子炉の合計電力出力が、定格原子炉電力の100パーセントであるように、前記2つまたはそれを上回る電力変換システムを動作させることを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
定格原子炉電力の100パーセントに対応する電力レベルにおいて動作する前記2つまたはそれを上回る電力変換システムの第1の電力変換システムを動作させることと、
前記2つまたはそれを上回る電力変換システムの第2の電力変換システムをスタンバイ状態で動作させることと
を含む第2の動作モードにおいて、前記原子炉電力システムを動作させることを含む、請求項97または98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記第1の動作モードにおいて前記原子炉電力システムを動作させることと、前記第2の動作モードにおいて前記原子炉電力システムを動作させることとの間で切り替えることを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記第1の動作モードにおいて前記原子炉電力システムを動作させることと、前記第2の動作モードにおいて前記原子炉電力システムを動作させることとの間で切り替えることは、バッテリ、コンデンサ、または電力電子機器のうちの1つまたはそれを上回るものによって制御される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記第2の電力変換システムの故障に応答して、前記第1の動作モードにおいて前記原子炉電力システムを動作させることと、前記第2の動作モードにおいて前記原子炉電力システムを動作させることとの間で切り替えることを含む、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
原子炉電力システムであって、
複数の燃料ピンを含む燃料アセンブリ領域を備える炉心と、
前記燃料アセンブリに隣接して位置付けられる質量分析計であって、前記質量分析計は、前記燃料アセンブリ内の1つまたはそれを上回る故障した燃料ピンの存在を検出するように構成される、質量分析計と
を備える、原子炉電力システム。
【請求項104】
前記質量分析計は、前記炉心のカバーガスプレナム内に位置付けられる、請求項103に記載の原子炉電力システム。
【請求項105】
前記炉心は、液体金属クーラントによって、ガスクーラントによって、水によって、または溶融塩クーラントによって冷却される、請求項103または104のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項106】
前記質量分析計は、核分裂ガスまたは事前充填された燃料ピンタグガスのうちの少なくとも一方の存在を検出することに基づいて、1つまたはそれを上回る故障した燃料ピンの存在を検出するように構成される、請求項103-105のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項107】
複数の質量分析計を備え、前記複数の質量分析計は、前記質量分析計のうちの2つまたはそれを上回るものが前記核分裂ガスまたは事前充填された燃料ピンタグガスのうちの少なくとも一方の存在を検出することに基づいて、前記燃料アセンブリ内の1つまたはそれを上回る故障した燃料ピンの存在を検出するように構成される、請求項103-106のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【請求項108】
故障した燃料ピンは、漏出する燃料ピンを備える、請求項103-107のいずれか1項に記載の原子炉電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、原子炉に関し、より具体的には、信頼性のある電力および熱発生のために設計された原子炉に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的なエネルギー成長、および汚染および排出量を低減させるための原動力が、新たな原子炉技術の商業化および設計を取り囲む、新たな活動を刺激している。これらの技術のうちのいくつかは、長時間持続する、かつ回復力を有する、高い信頼性の電力を提供するように設計された原子炉を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示的実装では、原子炉電力システムは、複数の核燃料要素であって、複数の核燃料要素はそれぞれ、核燃料要素を通して通過する、第1の冷却チャネルと、核燃料要素を通して通過し、第1の冷却チャネルから流体的に隔離される、第2の冷却チャネルとを含む、複数の核燃料要素を含む、炉心と、炉心を通して第1の流体クーラントを輸送するように構成される、第1の冷却システムであって、各核燃料要素の第1の冷却チャネルに流体的に接続される、第1の冷却システムと、炉心を通して第2の流体クーラントを輸送するように構成される、第2の冷却システムであって、各核燃料要素の第2の冷却チャネルに流体的に接続される、第2の冷却システムとを含む。
【0004】
例示的実装と組み合わせ可能な側面では、第1の冷却システムは、第2の冷却システムから流体的に隔離される。
【0005】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の動作モードでは、第1の体積の第1の流体クーラントが、第1の冷却システムを通して流動し、第2の体積の第2の流体クーラントが、第2の冷却システムを通して流動し、第2の動作モードでは、第1の体積の第1の流体クーラントが、第1の冷却システムを通して流動し、いかなる第2の流体クーラントも、第2の冷却システムを通して流動しない。
【0006】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、電力システムは、第1の動作モードおよび第2の動作モードの両方における動作の間、定格原子炉電力の100パーセントにおいて、またはその近傍で動作するように構成される。
【0007】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の動作モードにおける動作の間、第1の体積の第1の流体クーラントまたは第2の体積の第2の流体クーラントのうちの少なくとも一方は、自然循環によって輸送される。
【0008】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の流体クーラントは、第2の流体クーラントと同一である。
【0009】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の流体クーラントは、第2の流体クーラントと異なる。
【0010】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第2の動作モードにおける動作の間、第1の体積の第1の流体クーラントは、自然循環によって輸送される。
【0011】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の動作モードにおける動作の間、第1の体積の第1の流体クーラントは、第1の冷却システムから、各核燃料要素の第1の冷却チャネルを通して流動し、第2の体積の第2の流体クーラントは、第2の冷却システムから、各核燃料要素の第2の冷却チャネルを通して流動する。
【0012】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、それぞれ、円筒形形状を有し、第1の冷却チャネルの円筒軸は、第2の冷却チャネルの円筒軸に平行である。
【0013】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の冷却チャネルを通した第1の流体クーラント流動の方向は、第2の冷却チャネルを通した第2の流体クーラント流動の方向と同一である。
【0014】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、第1の冷却システム内の第1の流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される、第1の熱交換器と、第2の冷却システム内の第2の流体クーラントから第2の中間クーラントループの第2の中間クーラントに熱を伝達するように構成される、第2の熱交換器とを含む。
【0015】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、中間クーラントは、自然循環によって第1の中間クーラントループおよび第2の中間クーラントループを通して流動する。
【0016】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、第1の冷却システム内の第1の流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される、第1の熱交換器と、第2の冷却システム内の第2の流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される、第2の熱交換器とを含む。
【0017】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の熱交換器および第2の熱交換器は、それぞれ、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応するレベルにおいて熱を伝達するように構成される。
【0018】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、第1の中間クーラントループ内の第1の中間クーラントから第1の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、第3の熱交換器と、第2の中間クーラントループ内の第2の中間クーラントから第2の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、第4の熱交換器とを含む。
【0019】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の中間クーラントループまたは第2の中間クーラントループのうちの少なくとも一方は、複数の電力変換システムに熱を伝達するように構成される。
【0020】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、動作の間、第1の電力変換システムおよび第2の電力変換システムは、それぞれ、独立して動作する。
【0021】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の電力変換システムは、第1のタービンを含み、第2の電力変換システムは、第2のタービンを含み、第1のタービンおよび第2のタービンはそれぞれ、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて動作するように構成される。
【0022】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、核燃料要素はそれぞれさらに、核燃料要素を通して通過する、第3の冷却チャネルと、核燃料要素を通して通過する、第4の冷却チャネルとを含む。第1の冷却システムは、各核燃料要素の第3の冷却チャネルに流体的に接続され、第2の冷却システムは、各核燃料要素の第4の冷却チャネルに流体的に接続される。
【0023】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第3の冷却チャネルおよび第4の冷却チャネルは、それぞれ、円筒形形状を有し、第3の冷却チャネルの円筒軸は、第4の冷却チャネルの円筒軸に平行である。
【0024】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第3の冷却チャネルを通した第1の流体流動の方向は、第4の冷却チャネルを通した第2の流体流動の方向と同一である。
【0025】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の流体クーラントおよび第2の流体クーラントは、それぞれ、水、液体金属、液体塩、超臨界流体、またはガスのうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
別の例示的実装では、原子炉電力システムは、炉心と、炉心を通して一次流体クーラントを輸送するように構成される、一次冷却システムと、一次冷却システム内の一次流体クーラントから第1の中間クーラントループの第1の中間クーラントに熱を伝達するように構成される、第1の熱交換器と、一次冷却システム内の一次流体クーラントから第2の中間クーラントループの第2の中間クーラントに熱を伝達するように構成される、第2の熱交換器とを含む。第1の中間クーラントループは、第2の中間クーラントループから流体的に隔離される。
【0027】
例示的実装と組み合わせ可能なある側面では、中間クーラントは、自然循環によって第1の中間クーラントループおよび第2の中間クーラントループを通して流動する。
【0028】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の熱交換器および第2の熱交換器は、それぞれ、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応するレベルにおいて熱を伝達するように構成される。
【0029】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、第1の中間クーラントループ内の第1の中間クーラントから第1の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、第3の熱交換器と、第2の中間クーラントループ内の第2の中間クーラントから第2の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、第4の熱交換器とを含む。
【0030】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の中間クーラントループまたは第2の中間クーラントループのうちの少なくとも一方は、複数の電力変換システムに熱を伝達するように構成される。
【0031】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、動作の間、第1の電力変換システムおよび第2の電力変換システムは、それぞれ、独立して動作する。
【0032】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の電力変換システムは、第1のタービンを含み、第2の電力変換システムは、第2のタービンを含み、第1のタービンおよび第2のタービンはそれぞれ、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて動作するように構成される。
【0033】
別の例示的実装では、原子炉電力システムは、炉心と、炉心を通して一次流体クーラントを輸送するように構成される、一次冷却システムと、一次冷却システム内の一次流体クーラントから中間クーラントループの中間クーラントに熱を伝達するように構成される、第1の熱交換器と、中間クーラントループ内の中間クーラントから第1の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、第2の熱交換器と、中間クーラントループ内の中間クーラントから第2の電力変換システムの電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、第3の熱交換器とを含む。第1の電力変換システムは、第2の電力変換システムから流体的に隔離される。
【0034】
例示的実装と組み合わせ可能な側面では、動作の間、第1の電力変換システムおよび第2の電力変換システムは、それぞれ、独立して動作する。
【0035】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の電力変換システムは、第1のタービンを含み、第2の電力変換システムは、第2のタービンを含み、第1のタービンおよび第2のタービンはそれぞれ、定格原子炉電力の100パーセントにおける、またはその近傍の原子炉電力レベルに対応する電力レベルにおいて動作するように構成される。
【0036】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、第2の電力変換システムおよび第1の電力変換システムから流体的に隔離される、第3の電力変換システムを含む。
【0037】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、第3の電力変換システム、第2の電力変換システム、および第1の電力変換システムから流体的に隔離される、第4の電力変換システムを含む。
【0038】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、複数の電力変換システムの各電力変換システムは、各他の電力変換システムから独立して動作するように構成される。
【0039】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、中間クーラントは、自然循環によって中間冷却ループを通して流動する。
【0040】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、中間クーラントは、強制循環によって中間冷却ループを通して流動する。
【0041】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、中間冷却ループは、中間クーラントの強制循環を駆動するように構成される、2つまたはそれを上回るポンプを含む。
【0042】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、中間冷却ループは、少なくとも1つの熱エネルギー貯蔵ユニットに結合される。
【0043】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、中間クーラントは、水、液体金属、液体塩、超臨界流体、またはガスのうちの少なくとも1つを含む。
【0044】
別の例示的実装では、方法は、電力を生成するように前述の実装のいずれか1つの原子炉電力システムを動作させることを含む。
【0045】
例示的実装と組み合わせ可能な側面では、第1の動作モードの間、複数の電力変換システムの2つまたはそれを上回る電力変換システムは、それぞれ、定格原子炉電力の100パーセント未満に対応する電力レベルにおいて動作する。
【0046】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、2つまたはそれを上回る電力変換システムの動作の間、原子炉の合計電力出力は、定格原子炉電力の100パーセントである。
【0047】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第2の動作モードの間、2つまたはそれを上回る電力変換システムの第1の電力変換システムは、定格原子炉電力の100パーセントに対応する電力レベルにおいて動作し、2つまたはそれを上回る電力変換システムの第2の電力変換システムは、スタンバイ状態である。
【0048】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本方法は、第1の動作モードにおいて原子炉電力システムを動作させることと、第2の動作モードにおいて原子炉電力システムを動作させることとの間で切り替えることを含む。
【0049】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、第1の動作モードにおいて原子炉電力システムを動作させることと、第2の動作モードにおいて原子炉電力システムを動作させることとの間で切り替えることは、バッテリ、コンデンサ、または電力電子機器のうちの1つまたはそれを上回るものによって制御される。
【0050】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本方法は、第2の電力変換システムの故障に応答して、第1の動作モードにおいて原子炉電力システムを動作させることと、第2の動作モードにおいて原子炉電力システムを動作させることとの間で切り替えることを含む。
【0051】
別の例示的実装では、原子炉電力システムは、並列に配列され、燃料アセンブリ領域の第1の端部から燃料アセンブリ領域の第2の端部まで延在する、複数の核燃料要素を含む、燃料アセンブリ領域を含む、炉心と、燃料アセンブリ領域の第1の端部に隣接して位置付けられる、プレートであって、1つまたはそれを上回るオリフィスを含む、プレートとを含む。1つまたはそれを上回るオリフィスのサイズの変化は、炉心を通した流体クーラントの流動体積の変化を引き起こす。
【0052】
例示的実装と組み合わせ可能なある側面では、プレートは、クーラント入口と燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、流体クーラントは、プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して燃料アセンブリ領域に進入する。
【0053】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、プレートは、クーラント出口と燃料アセンブリ領域との間に位置付けられ、流体クーラントは、プレートの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して燃料アセンブリ領域から退出する。
【0054】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、燃料アセンブリ領域の第2の端部に隣接して位置付けられる、第2のプレートを含む。
【0055】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、プレートは、変化する温度に伴って拡張または収縮するように構成される、拡張可能材料から形成される。
【0056】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、プレートは、変化する放射線レベルに伴って拡張または収縮するように構成される、拡張可能材料から形成される。
【0057】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、拡張可能材料の拡張または収縮は、1つまたはそれを上回るオリフィスのサイズの変化を引き起こす。
【0058】
別の例示的実装では、原子炉電力システムは、複数の燃料ピンを含む、燃料アセンブリ領域を含む、炉心と、燃料アセンブリに隣接して位置付けられる、質量分析計とを含む。質量分析計は、燃料アセンブリ内の1つまたはそれを上回る故障した燃料ピンの存在を検出するように構成される。
【0059】
例示的実装と組み合わせ可能なある側面では、質量分析計は、炉心のカバーガスプレナム内に位置付けられる。
【0060】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、炉心は、液体金属クーラントによって、ガスクーラントによって、水によって、または溶融塩クーラントによって冷却される。
【0061】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、質量分析計は、核分裂ガスまたは事前充填された燃料ピンタグガスのうちの少なくとも一方の存在を検出することに基づいて、1つまたはそれを上回る故障した燃料ピンの存在を検出するように構成される。
【0062】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、複数の質量分析計を含む。複数の質量分析計は、質量分析計のうちの2つまたはそれを上回るものが核分裂ガスまたは事前充填された燃料ピンタグガスのうちの少なくとも一方の存在を検出することに基づいて、燃料アセンブリ内の1つまたはそれを上回る故障した燃料ピンの存在を検出するように構成される。
【0063】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、故障した燃料ピンは、漏出する燃料ピンを含む。
【0064】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、原子炉電力システムは、ウラン-233、ウラン-235、またはプルトニウム-239等の核分裂性材料を含む、燃料と、燃料から離れるように熱を輸送するためのクーラントと、クーラントまたは冷却デバイスから電力変換システムに熱を伝達するための熱交換器と、計測設備と、支持構造と、遮蔽材とを含む。
【0065】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、核分裂性材料は、燃料要素内に含有されることができる。燃料要素は、原子炉容器の内側に保持されることができる。
【0066】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、一次クーラントは、燃料から熱を伝達し、熱を熱交換器に運搬し、そこで、熱は、中間クーラントに、または電力変換作動流体に伝達される。
【0067】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、個々に、または冗長セットにおいて独立して定寸され、定格原子炉電力の最大100パーセントの所望の電力レベルにおいて熱を伝達する、複数の熱交換器が、使用される。
【0068】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、冗長熱交換器システムは、冗長かつ独立した電力変換システムの一部である。
【0069】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、原子炉の熱は、これらの独立した熱輸送経路を介して、使用可能な熱または電気に変換されることができる。
【0070】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、原子炉が、1つを上回るタービン発電機システムに結合されることができ、そのそれぞれは、最大100パーセントの原子炉電力において動作することができる。
【0071】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、崩壊熱除去補助的冷却システムが、原子炉容器から崩壊熱を受動的に除去するために使用される。
【0072】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、外部冷却は、空気または液体等の流体を介して、原子炉容器システムから熱を除去することができる。
【0073】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、一次クーラントは、自然循環によって輸送され、自然対流によって熱を伝達する。
【0074】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、一次クーラントは、原子炉の始動から全出力にわたる電力レベルに及ぶ定常状態条件において、自然循環を介して流動する。
【0075】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、一次クーラントは、水、液体金属、液体塩、超臨界流体、またはガスであり得る。
【0076】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、一次熱輸送は、熱パイプを使用して遂行される。
【0077】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、1つまたはそれを上回るブースタポンプが、強制および混合循環を介して、流動パターンを確立することによって、原子炉の始動を促進するために使用され、これは、規定された電力レベルにおける自然循環に遷移し、ポンプは、停止される。
【0078】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、1つまたはそれを上回る中間冷却ループが、存在する。
【0079】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、1つまたはそれを上回る中間冷却ループは、自然循環で動作する。
【0080】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、十分なクーラント化学的性質および純度制御を維持することが、クーラントおよびコンポーネントの耐用寿命を確実にするために提供される。
【0081】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、プラント運転期間にわたって保守を低減させるように定寸される、受動的クーラント化学的性質制御システムが、使用される。
【0082】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、独立した熱輸送および電力変換システムは、1つのみが、電力を生成している間、他のシステムが、スタンバイしているように動作される。
【0083】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、独立した熱輸送および電力変換システムは、1つを上回る独立したシステムが、低減された容量において動作され、したがって、合計出力が、定格電力の100パーセントとなるように動作される。
【0084】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、液体金属クーラントから中間クーラントに熱を伝達するように構成される、複数の熱交換器を含む。
【0085】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、液体金属クーラントから電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、熱交換器を含む。
【0086】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、熱交換器は、低圧力降下熱交換器である。
【0087】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、1つまたはそれを上回る熱交換器は、原子炉電力の少なくとも100パーセントを独立して伝達するように定格される。
【0088】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、液体金属クーラントを精製するように構成される、受動的に動作されるコールドトラップを含む。
【0089】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、動作の間、液体金属クーラントは、自然循環によって原子炉を通して流動する。
【0090】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、液体金属クーラントは、原子炉の始動から全出力に及ぶ電力レベルにおける定常状態条件において、自然循環によって輸送される。
【0091】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、本システムは、原子炉を通して液体金属クーラントを圧送するように構成される、ブースタポンプを含む。
【0092】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能なある側面では、中間クーラントは、液体金属クーラントと同一の流体を含む。
【0093】
別の例示的実装では、方法は、電力を生成するように前述の実装のいずれか1つの原子炉電力システムを動作させることを含む。
【0094】
本開示に説明される主題の1つまたはそれを上回る実装の詳細が、付随の図面および下記の説明に記載される。本主題の他の特徴、側面、および利点が、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1A図1Aは、本開示による、原子炉の例示的燃料領域の上面図または底面図を示す。
【0096】
図1B図1Bは、本開示による、核燃料要素の2つの可能性として考えられる構成の例示的断面図を示す。
【0097】
図2図2は、本開示による、原子炉電力システムの概略図である。
【0098】
図3A図3Aおよび3Bは、本開示による、原子炉電力システムおよび電力変換システムの概略図である。
図3B図3Aおよび3Bは、本開示による、原子炉電力システムおよび電力変換システムの概略図である。
【0099】
図4図4A-4Dは、本開示による、原子炉電力システムおよび電力変換システムの例示的構成の略図である。
【0100】
図5図5Aおよび5Bは、受動的流動オリフィスデバイスを含む、例示的炉心を示す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
詳細な説明
世界的なエネルギー成長、および汚染および排出量を低減させるための原動力が、新たな原子炉技術の商業化および設計を取り囲む、新たな活動を刺激している。これらの技術のうちのいくつかは、より分散された方式において長時間持続する、かつ回復力を有する、高い信頼性の電力を提供するように設計された原子炉を含む。
【0102】
原子炉システムは、ウラン-233、ウラン-235、またはプルトニウム-239等の核分裂性材料を含む、燃料と、燃料から離れるように熱を輸送するためにクーラントを使用する、クーラントと、クーラントまたは冷却デバイスから電力変換システムに熱を伝達するための熱交換器と、計測設備と、支持構造と、遮蔽材とを含む。核分裂性材料は、燃料要素内に含有されることができ、燃料要素は、原子炉容器の内側に保持されることができる。クーラントは、燃料から熱交換器に熱を伝達し、そこで、熱は、中間クーラントまたは電力変換作動流体に伝達される。クーラントは、自然循環で動作することができる。自然循環で動作するとき、クーラントは、推進力がクーラントに印加されることなく流動する。例えば、自然循環は、動作するポンプの不在下でクーラントを配管を通して流動させることができる。
【0103】
複数の熱交換器が、使用されることができ、そのそれぞれまたは複数のものの組み合わせは、定格原子炉電力生成の最大100パーセントを伝達するために使用されることができる。定格原子炉電力は、原子炉の最大発電容量であり、典型的には、メガワット(MW)単位で測定される。したがって、それぞれ、100パーセントの定格原子炉電力において定格される、複数の独立した電力変換経路が、提供される。
【0104】
例示的原子炉システムは、炉心と熱交換器との間の高度差と組み合わせて、炉心内のその動作温度におけるクーラントと、熱交換器内のその動作温度におけるクーラントとの間の密度の差異によって駆動される、自然循環によって流動する、流体クーラント(例えば、液体ナトリウムまたは液体鉛等の液体金属クーラント)を用いて動作する。
【0105】
原子炉システムの動作の間、一次クーラントは、燃料から熱を伝達し、熱を熱交換器に運搬し、そこで、熱は、中間クーラントに、または電力変換作動流体に伝達される。一次クーラントは、炉心を通して流動するクーラントである。個々に、または冗長セットにおいて独立して定寸され、定格原子炉電力の最大100パーセントの所望の電力レベルにおいて熱を伝達する、複数の熱交換器が、使用されることができる。冗長熱交換器システムは、冗長かつ独立した電力変換システムの一部であり得る。
【0106】
いくつかの実装では、原子炉の熱は、独立した熱輸送経路を介して、使用可能な熱または電気に変換されることができる。原子炉は、1つを上回るタービン発電機システムに結合されることができ、そのそれぞれは、100パーセントの原子炉電力において、またはその近傍で動作することができる。
【0107】
いくつかの実装では、独立した熱輸送および電力変換システムは、1つのみが、電力を生成している間、その他が、スタンバイしているように動作される。
【0108】
いくつかの実装では、独立した熱輸送および電力変換システムは、1つを上回る独立したシステムが、低減された容量において動作され、したがって、合計出力が、定格電力の100パーセントに、またはその近傍にあるように動作される。
【0109】
いくつかの実装では、本システムは、液体金属一次クーラントから中間クーラントに熱を伝達するように構成される、複数の熱交換器を含む。いくつかの実装では、中間クーラントは、液体金属クーラントと同一の流体を含む。いくつかの実装では、中間クーラントは、自然循環によって輸送される。いくつかの実装では、本システムは、中間クーラントを格納する、1つまたはそれを上回る中間冷却ループを含む。1つまたはそれを上回る中間冷却ループは、自然循環で動作することができる。
【0110】
いくつかの実装では、本システムは、液体金属クーラントから電力変換作動流体に熱を伝達するように構成される、熱交換器を含む。熱交換器は、例えば、低圧力降下熱交換器であり得る。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回る熱交換器は、それぞれ、原子炉電力の少なくとも100パーセントを独立して伝達するように定格される。いくつかの実装では、複数の独立した中間クーラントループが、独立した電力変換システムに熱を伝達するように構成される。いくつかの実装では、1つの独立した中間クーラントループが、複数の独立した電力変換システムに熱を伝達するように構成される。
【0111】
図1Aは、原子炉100の例示的燃料領域の上面図または底面図を示す。図1Aは、燃料要素の冷却チャネルに流体的に接続される、冷却トレインを描写する。原子炉100の上面および底面図は、同一であり、単一の冷却トレインが、同一の冷却チャネルの上部および底部に流体的に接続され得る。
【0112】
図1Aを参照すると、原子炉100は、反射体104と、燃料要素を含む、炉心110とを格納する、原子炉容器102を含む。燃料要素は、原子炉100の炉心を構成する。原子炉100は、冷却トレイン140および冷却トレイン150を含む、2つの冷却システムまたは冷却トレインによって冷却される。2つの冷却トレインによって冷却されるものとして示されるが、原子炉100は、付加的冷却トレイン、例えば、3つの冷却トレイン、4つの冷却トレイン、5つの冷却トレイン、またはそれを上回るものによって冷却されることができる。
【0113】
冷却トレイン140、150は、冷却トレイン140からのクーラント(例えば、液体、ガス、混合相流体)が、冷却トレイン150からのクーラントと混合せず、クーラントが、冷却トレイン140と冷却トレイン150との間で流動しないように、相互から流体的に隔離される。冷却トレイン140、150は、相互に並列に動作する。
【0114】
動作の間、冷却トレイン140、150は、独立して動作されることができる。いくつかの実施例では、冷却トレイン140、150は両方とも、クーラントが、冷却トレイン140、150の両方を通して流動するように動作する。いくつかの実施例では、冷却トレイン140は、クーラントが、冷却トレイン140のみを通して流動するように、冷却トレイン150が、スタンバイ状態である間に動作することができる。いくつかの実施例では、冷却トレイン150は、クーラントが、冷却トレイン150のみを通して流動するように、冷却トレイン140が、スタンバイ状態である間に動作することができる。
【0115】
冷却トレイン140、150はそれぞれ、炉心110の各燃料要素を通してクーラントを輸送することができる。例えば、冷却トレイン140は、燃料要素の冷却チャネルの前半部を通してクーラントを輸送することができ、冷却トレイン150は、燃料要素の冷却チャネルの後半部を通してクーラントを輸送することができる。
【0116】
炉心110の例示的燃料要素は、燃料要素120である。図1Bは、核燃料要素120の2つの可能性として考えられる構成の例示的断面図を示す。燃料要素120は、長方形角柱形状を有する。いくつかの実施例では、燃料要素120は、円筒形形状を有することができる。燃料要素120は、高い熱伝導率を有する材料から形成されることができる、低い電力密度を有することができる、またはその両方であり得る。
【0117】
いくつかの実施例では、燃料要素120は、5W/m-Kまたはそれを上回る(例えば、8W/m-Kまたはそれを上回る、10W/m-Kまたはそれを上回る、20W/m-Kまたはそれを上回る、30W/m-kまたはそれを上回る)熱伝導率を有する。燃料要素120の高い熱伝導率は、燃料からクーラントへの熱伝達を向上させることができ、原子炉100が全ての冷却チャネルよりも少ないものを通して通過する流動を伴って動作するとき、核燃料が冷却されることを可能にすることができる。例えば、いくつかの動作モードでは、クーラントは、冷却トレイン140に流体的に結合される冷却チャネルを通して流動し得、冷却トレイン150に流体的に結合される冷却チャネルを通して流動しない場合がある。原子炉100は、燃料要素120を成す材料の高い熱伝導率に起因して、低減されたクーラント流動を伴っても、定格容量の100パーセントにおける、またはその近傍の電力レベルにおいて動作することができる。定格容量の100パーセントにおける、またはその近傍の電力レベルは、定格原子炉電力の10パーセント以内(例えば、5パーセント以内、3パーセント以内、2パーセント以内、1パーセント以内)の電力レベルを含むことができる。
【0118】
燃料要素120の低い電力密度は、燃料温度を低減させ、原子炉100が全ての冷却チャネルよりも少ないものを通して通過する流動を伴って動作するとき、核燃料が冷却されることを可能にすることができる。原子炉100は、燃料要素120のより低い電力密度に起因して、低減されたクーラント流動を伴っても、100パーセントにおける、またはその近傍の電力レベルにおいて動作することができる。
【0119】
燃料要素120aは、冷却トレイン140のための冷却チャネル141aおよび142aと、冷却トレイン150のための冷却チャネル151aおよび152aとを含む。冷却チャネル141aおよび142aは、冷却トレイン140からのクーラントを輸送する一方、冷却チャネル151aおよび152aは、冷却トレイン150からのクーラントを輸送する。燃料要素120aはまた、黒鉛充填材124と、燃料ピン122とを含む。冷却チャネル141a、142a、151a、および152aは、燃料要素120aの黒鉛充填材を通して通過する。
【0120】
燃料要素120bは、冷却トレイン140のための冷却チャネル141bおよび142bと、冷却トレイン150のための冷却チャネル151bおよび152bとを含む。冷却チャネル141bおよび142bは、冷却トレイン140からのクーラントを輸送する一方、冷却チャネル151bおよび152bは、冷却トレイン150からのクーラントを輸送する。燃料要素120bはまた、燃料マトリクスまたは燃料ミート132を含む。
【0121】
冷却チャネル141b、142b、151b、および152bは、燃料要素120bの燃料ミート132を通して通過する。燃料ミート132は、核燃料材料および減速材料の混合物を含むことができる。燃料ミート132は、金属材料を含むことができる。
【0122】
いくつかの実施例では、冷却チャネル141b、142b、151b、および152bは、それぞれ、円筒形形状を有する。冷却チャネルの円筒軸は、相互に平行に延在することができる。例えば、冷却チャネル141bの円筒軸は、冷却チャネル142bの円筒軸に平行であり得る。
【0123】
いくつかの実装では、冷却トレイン140からのクーラントは、燃料要素の上部において燃料要素120の冷却チャネル141b、142bに進入し、燃料要素120を通して、例えば、重力の方向に下向きに流動する。クーラントは、燃料要素120の底部において燃料要素120の冷却チャネル141b、142bから退出し、冷却トレイン140に戻る。同様に、冷却トレイン150からのクーラントは、燃料要素の上部において燃料要素120の冷却チャネル151b、152bに進入し、燃料要素120を通して下向きに流動する。クーラントは、燃料要素120の底部において燃料要素120の冷却チャネル151b、152bから退出し、冷却トレイン150に戻る。したがって、冷却チャネル141b、142b、151b、および152bを通した流体流動は、平行な均一な方向にあり、例えば、重力の方向に下向きであり得る。
【0124】
いくつかの実装では、冷却トレイン140からのクーラントは、燃料要素の底部において燃料要素120の冷却チャネル141b、142bに進入し、燃料要素120を通して、例えば、重力の方向に対して上向きに流動する。クーラントは、燃料要素120の上部において燃料要素120の冷却チャネル141b、142bから退出し、冷却トレイン140に戻る。同様に、冷却トレイン150からのクーラントは、燃料要素120の底部において燃料要素120の冷却チャネル151b、152bに進入し、燃料要素120を通して上向きに流動する。クーラントは、燃料要素120の上部において燃料要素120の冷却チャネル151b、152bから退出し、冷却トレイン150に戻る。したがって、冷却チャネル141b、142b、151b、および152bを通した流体流動は、平行な均一な方向にあり、例えば、重力の方向に対して上向きであり得る。
【0125】
いくつかの実装では、冷却チャネル141b、142b、151b、および152bを通した流体流動は、不均一な方向にあり得る。例えば、クーラントは、燃料要素120の上部において冷却トレイン140から冷却チャネル141b、142bに進入することができ、燃料要素120の底部において冷却トレイン150から冷却チャネル151b、152bに進入することができる。したがって、冷却チャネル141b、142bを通した流体クーラント流動は、冷却チャネル151b、152bを通した流体クーラント流動の方向とは反対の平行な方向にあり得る。
【0126】
4つの冷却チャネル141b、142b、151b、および152bを有するものとして示されるが、燃料要素120は、より多いまたはより少ない冷却チャネルを含むことができる。例えば、燃料要素120は、2つの冷却チャネルを含み、2つの冷却トレインはそれぞれ、冷却チャネルのうちの一方に流体的に結合されることができる。いくつかの実施例では、燃料要素120は、6つの冷却チャネルを含み、2つの冷却トレインはそれぞれ、冷却チャネルのうちの3つに流体的に結合される、または3つの冷却トレインはそれぞれ、冷却チャネルのうちの2つに流体的に結合されることができる。冷却トレインおよび冷却チャネルの他の組み合わせも、可能性として考えられる(例えば、燃料要素あたり3つの冷却トレインおよび3つの冷却チャネル、燃料要素あたり4つの冷却トレインおよび4つの冷却チャネル、燃料要素あたり2つの冷却トレインおよび8つの冷却チャネル)。
【0127】
図2は、原子炉電力システム200の概略図である。システム200は、原子炉100と、電力変換トレイン230aおよび230bとを含む。電力変換トレイン230aおよび230bは、独立した電力変換トレインである。電力変換トレイン230aおよび230bは、原子炉100からの熱によって駆動される。熱が、原子炉100から、それぞれ、冷却ループ240および250によって、電力変換トレイン230aおよび230bに輸送される。クーラントが、自然循環または強制循環を使用して、冷却ループ240によって輸送されることができる。
【0128】
冷却ループ240および250は、相互から流体的に隔離され、相互と並列に動作する。冷却ループ240は、高温クーラントを電力変換トレイン230aに輸送するためのホットレグ242と、低温クーラントを原子炉100に輸送するためのコールドレグ244とを含む。冷却ループ250は、高温クーラントを電力変換トレイン230bに輸送するためのホットレグ252と、低温クーラントを原子炉100に輸送するためのコールドレグ254とを含む。
【0129】
いくつかの実施例では、冷却ループ240および250は、一次クーラントを輸送する。例えば、冷却ループ240および250は、図1Aの冷却トレイン140および150を含むことができる。本実施例では、冷却トレイン140からの一次クーラントは、原子炉100から、冷却ループ240を通して、電力変換トレイン230aに流動し、冷却トレイン150からの一次クーラントは、原子炉100から、冷却ループ250を通して、電力変換トレイン230bに流動する。
【0130】
いくつかの実施例では、冷却ループ240および250は、中間クーラントを輸送することができる。例えば、冷却トレイン140は、冷却ループ240内の中間クーラントによって冷却されることができ、冷却トレイン150は、冷却ループ250内の中間クーラントによって冷却されることができる。いくつかの実施例では、原子炉100は、単一の一次冷却トレインを含み、冷却ループ240および250は、それぞれ、単一の一次冷却トレインから熱を除去するように構成される。
【0131】
図3Aおよび3Bは、原子炉電力システムと、複数の電力変換システムとを含む、システムの概略図である。図3Aを参照すると、システム300は、原子炉100と、冷却ループ240および250と、熱交換器330a、330bとを含む。熱交換器330aおよび330bは、それぞれ、冷却ループ240および250から電力変換作動流体に熱を伝達する。原子炉100、冷却ループ240および250、および熱交換器330aおよび330bは、格納容器340内に位置する。
【0132】
電力変換作動流体は、熱交換器330aから、配管システム333aを通して、タービン350aに輸送される。電力変換作動流体はまた、熱交換器330bから、配管システム333bを通して、タービン350bに輸送される。いくつかの実施例では、熱交換器330aおよびタービン350aは、第1の電力変換トレイン、例えば、図2の電力変換トレイン230aの一部である。本実施例では、熱交換器330bおよびタービン350bは、第2の電力変換トレイン、例えば、図2の電力変換トレイン230bの一部である。
【0133】
いくつかの実施例では、熱交換器330aおよび330bは、単一の中間冷却ループによって冷却される。例えば、中間冷却ループは、原子炉100内の一次クーラントから熱交換器330aおよび330bの両方に熱を輸送することができる。本実施例では、原子炉100は、単一の一次冷却トレインによって、または単一の中間冷却ループに熱を伝達する複数の一次冷却トレインによって冷却されることができる。
【0134】
いくつかの実施例では、バイパス334が、配管システム333aを配管システム333bに接続する。バイパス334は、熱交換器330aからの電力変換作動流体が、バイパス334を通して流動し、タービン350bに動力供給し得、および/または熱交換器330bからの電力変換作動流体が、バイパス334を通して流動し、タービン350aに動力供給し得るように実装されることができる。このように、第1の冷却システムまたは第2の冷却システムのいずれかからの熱は、タービン350a、350bの両方に動力供給するために使用されることができる。
【0135】
図3Bを参照すると、システム301は、炉心306と、一次クーラントシステム305と、中間熱交換器304とを含む、原子炉モジュール302を含む。熱交換器304は、単一の中間冷却ループ308によって冷却される。中間冷却ループ308は、一次クーラントシステム305から電力変換熱交換器310に熱を輸送する。システム301はまた、電力変換システム315aおよび315bと、熱シンク316aおよび316bとを含む。
【0136】
いくつかの実施例では、中間クーラントは、自然循環によって中間冷却ループ308を通して流動する。いくつかの実施例では、中間クーラントは、1つまたはそれを上回るポンプによって提供される推進力によって中間冷却ループ308を通して推進される。冗長ポンプが、強制循環を提供するために、中間ループ内に含まれることができる。冗長ポンプは、これが1つのポンプがオフラインになっても耐故障性であるように、中間システムの向上された信頼性を提供する。
【0137】
中間ループは、原子炉停止の場合に継続される発電を可能にするために、構造および/またはクーラントを含む、熱貯蔵媒体を介した熱エネルギー貯蔵装置を含むように設計されることができる。熱エネルギー貯蔵装置はまた、電力変換システムの組み合わせられた容量を使用する電力ピーキングを可能にすることができる。例えば、システム301は、熱エネルギー貯蔵装置311を含む。
【0138】
いくつかの実施例では、中間クーラントは、液体金属である。中間クーラントシステムは、増加された質量のクーラントを含むことによって、および/または中間クーラントループに流体的に接続される貯蔵タンク内の固体または相変化熱貯蔵媒体の使用を通して、100パーセントの定格原子炉電力を上回る増加された電力生成を支援するために使用されるべき有意な量の熱エネルギーを貯蔵するように定寸されることができる。
【0139】
図4A-4Dは、原子炉電力システムおよび電力変換システムの例示的構成の略図である。図4Aを参照すると、原子炉410aは、2つの冷却ループ412を通して、第1の電力変換トレイン401aおよび第2の電力変換トレイン402aに熱を提供する。
【0140】
図4Bを参照すると、第1の原子炉410bは、2つの冷却ループ414を通して、第1の電力変換トレイン401bおよび第2の電力変換トレイン402bに熱を提供し、第2の原子炉420bは、2つの冷却ループ416を通して、第3の電力変換トレイン403bおよび第4の電力変換トレイン404bに熱を提供する。
【0141】
図4Cを参照すると、第1の原子炉410cは、共有される冷却ループ418を通して、第1の電力変換トレイン401cおよび第3の電力変換トレイン403cに熱を提供し、第2の原子炉420cは、第1の電力変換トレイン401cおよび第2の電力変換トレイン402cに熱を提供し、第3の原子炉430cは、第2の電力変換トレイン402cおよび第3の電力変換トレイン403cに熱を提供する。
【0142】
図4Dを参照すると、第1の原子炉410dは、部分的に共有される冷却ループ422を通して、第1の電力変換トレイン401dおよび第2の電力変換トレイン402dに熱を提供し、第2の原子炉420dは、第2の電力変換トレイン402dおよび第3の電力変換トレイン403dに熱を提供する。
【0143】
開示される技法を使用して、原子炉電力システムは、原子炉電力システムが、1つまたはそれを上回る電力変換システムがオフラインであっても、全出力で動作し続け得るように、冗長性を組み込むことによって、高い動作稼働時間を達成することができる。
【0144】
いくつかの実施例では、原子炉電力システムは、複数の電力変換トレインが、それぞれ、定格原子炉電力のゼロパーセントを上回るが、定格原子炉電力の100パーセント未満に対応する電力レベルにおいて動作している、第1の動作モードにおいて動作する。原子炉の組み合わせられた電力出力は、定格原子炉電力の最大100パーセントであり得る。
【0145】
原子炉電力システムはまた、1つの電力変換トレインが、定格原子炉電力の100パーセントに対応する電力レベルにおいて動作しており、他の電力変換トレインが、スタンバイ状態である、第2の動作モードにおいて動作することができる。原子炉システムは、第1の動作モードにおいて動作することと、第2の動作モードにおいて動作することとの間で迅速に切り替えることができる。例えば、2つの電力変換トレインが「高温」モードにおいて動作する状態では、本システムは、低温またはゼロ電力条件からの始動を実施することなく、2つの電力変換トレインを動作させることから単一の変換トレインを動作させることに切り替えることができる。これはまた、低減された複雑性の電力管理システムを可能にする。動作するタービンの回転慣性は、大規模な電圧途絶の可能性を低減させながら、迅速に負荷を拾うことができる。
【0146】
いくつかの実装では、崩壊熱除去補助的冷却システムが、原子炉容器から崩壊熱を受動的に除去するために使用される。いくつかの実装では、外部冷却は、空気または液体等の流体を介して、原子炉容器システムから熱を除去することができる。
【0147】
いくつかの実装では、一次クーラントは、自然循環によって輸送され、自然対流によって熱を伝達する。一次クーラントは、原子炉の始動から全出力にわたる電力レベルに及ぶ定常状態条件において、自然循環を介して流動することができる。一次クーラントは、例えば、水、液体金属、液体塩、超臨界流体、またはガスを含むことができる。
【0148】
いくつかの実装では、一次熱輸送は、熱パイプを使用して遂行される。いくつかの実施形態によると、1つまたはそれを上回るブースタポンプが、強制および混合循環を介して、流動パターンを確立することによって、原子炉の始動を促進するために使用され、これは、次いで、所望の電力レベルにおける自然循環に遷移する。ブースタポンプは、いったん自然循環が確立されると、停止されることができる。
【0149】
十分なクーラント化学的性質および純度制御を維持することが、クーラントおよびコンポーネントの耐用寿命を確実にすることに対して重要である。いくつかの実装では、プラント運転期間にわたって最小限の保守を可能にするように定寸される、受動的クーラント化学的性質制御システムが、使用される。いくつかの実装では、本システムは、液体金属クーラントを精製するように構成される、受動的に動作されるコールドトラップを含む。
【0150】
いくつかの実装では、動作の間、液体金属クーラントは、自然循環によって原子炉を通して流動する。液体金属クーラントは、原子炉の始動から全出力に及ぶ電力レベルにおける定常状態条件において、自然循環によって流動することができる。いくつかの実装では、本システムは、原子炉を通して液体金属クーラントを圧送するように構成される、ブースタポンプを含む。
【0151】
例示的実装では、原子力発電炉容器システムは、液体金属クーラント等の一次クーラントによって冷却される原子炉を少なくとも部分的に封入するように定寸される、内側容積を画定する、内側容器と、内側容器を全体的または実質的に封入するように定寸される、外側容器とを含む。原子炉は、複数の核燃料要素を含む。いくつかの実施例では、核燃料要素のうちの少なくともいくつかは、少なくとも部分的に、被覆材内に封入される。
【0152】
いくつかの実施例では、浸漬流体は、本システムのコンポーネントを冷却する。浸漬流体は、原子炉によって発生される熱エネルギーを貯蔵する。いくつかの実施例では、浸漬流体は、液体金属クーラントと同一の流体である。いくつかの実施例では、浸漬流体および液体金属クーラントは、流体的または油圧的に接続される。浸漬流体および液体金属クーラントは、流動ダイオード、圧力ゲート、浸透可能膜、または高低差のうちの1つによって、流体的に接続されることができる。いくつかの実施例では、本システムは、原子炉容器コンポーネントのモジュール式パッケージを含む。モジュール式パッケージは、本システムから可撤性であり得る。
【0153】
いくつかの実施例では、原子炉電力システムは、故障した燃料ピンを検出するために、質量分析計検出器を含む。典型的には、ガンマ分析計が、核分裂生成物を検出するために使用される。質量分析計は、原子炉の活性炉心の外側のカバーガスプレナム内に位置付けられることができる。本システムは、核分裂ガスおよび/または事前充填された燃料ピンタグガスを検出するために使用されることができる。カバーガスプレナム内のこれらの物質の存在は、ガスが、そうでなければ存在せず、ガスのいかなる他の源も、存在しないため、故障した、または漏出する燃料ピンから生じる可能性が高い。複数の質量分析計が、冗長性および重複性、および1つを上回る陽性信号の一致を伴う正常ではないガスの検出を確認するための能力を確実にするために使用されることができる。分析計は、全体的な原子炉計測設備および制御システムの一部であり得、故障した燃料要素が交換されるべきであるかどうかを決定するために使用されることができる。
【0154】
質量分析計検出器は、例えば、液体金属冷却原子炉のカバーガス領域内に位置付けられることができる。質量分析計検出器はまた、カバーガス領域またはガスプレナムが存在する、ガス冷却原子炉または溶融塩原子炉内に位置付けられることができる。質量分析計はまた、質量分析計が燃料ピン故障を示す核分裂生成物を検出し得る、クーラント化学的性質および制御システム内に位置することができる。
【0155】
図5Aおよび5Bは、受動的流動オリフィスデバイスまたはオリフィスプレートを含む、例示的炉心501、502を示す。受動的流動オリフィスプレートは、燃料アセンブリ領域の上部端に、燃料アセンブリ領域の底部端に、または原子炉燃料アセンブリ領域の上部および底部端の両方に位置付けられることができる。
【0156】
炉心501は、クーラント入口521を含む。炉心501は、複数の燃料要素または燃料ピン513を含む、燃料アセンブリ領域511を含む。燃料アセンブリ領域511は、上部端515と、底部端517とを有する。いくつかの実施例では、上部端515は、重力の方向、例えば、z方向において底部端517の上方に位置する。各燃料ピン513は、z方向においてある長さを有する。
【0157】
炉心501は、燃料アセンブリ領域511の底部端517において受動的流動オリフィスデバイス510を含む。受動的流動オリフィスデバイス510は、流動オリフィス508と、受動的熱拡張オリフィスプレート509とを含む。3つのオリフィス508を有するものとして示されるが、プレート509は、より多いまたはより少ないオリフィス508を含むことができる。
【0158】
受動的流動オリフィスデバイス510は、クーラント入口521と燃料アセンブリ領域511との間に位置付けられる。流体クーラントは、プレート509のオリフィスを通して燃料アセンブリ領域511に進入する。受動的流動オリフィスデバイス510は、プレート509の表面が燃料ピン513の長さの方向に直角の方向に延在する状態で位置付けられる。例えば、燃料ピン513は、z方向に延在し、プレート509の表面は、x-y平面に延在する。受動的流動オリフィスデバイス510は、拡張または収縮することによって、温度変化に受動的に自動的に応答することができる。受動的流動オリフィスデバイス510の拡張および収縮は、局所的な出力対流量比に基づいて、アセンブリレベルにおける流動体積の増加または減少を引き起こす。
【0159】
炉心502は、クーラント出口522を含む。炉心502は、複数の燃料ピン514を含む、燃料アセンブリ領域512を含む。燃料アセンブリ領域512は、上部端516と、底部端518とを有する。いくつかの実施例では、上部端516は、重力の方向、例えば、z方向において底部端518の上方に位置する。各燃料ピン514は、z方向においてある長さを有する。
【0160】
炉心502は、燃料アセンブリ領域512の上部端516において受動的流動オリフィスデバイス520を含む。受動的流動オリフィスデバイス520は、流動オリフィス528と、受動的熱拡張オリフィスプレート529とを含む。受動的流動オリフィスデバイス520は、オリフィス528内に位置付けられる、ディスク519を含む。環状部530が、オリフィス528とディスク519との間に形成される。ディスク519、プレート529、または両方の拡張および収縮は、環状部530の断面積を変化させる。環状部530の変化するサイズは、受動的流動オリフィスデバイス520を通した流体クーラントの流動体積を変化させる。ディスク519は、ワイヤまたは懸架アームを使用して、オリフィス528内に懸架されることができる。ディスク519は、ディスク519の周囲のクーラント流動が、半径方向において均一であるように、オリフィス528内に心合されることができる。
【0161】
受動的流動オリフィスデバイス520は、燃料アセンブリ領域512とクーラント出口522との間に位置付けられる。流体クーラントは、プレート529のオリフィス528を通して燃料アセンブリ領域512から退出する。受動的流動オリフィスデバイス520は、拡張または収縮することによって、温度変化に受動的に自動的に応答することができる。受動的流動オリフィスデバイス520の拡張および収縮は、局所的な出力対流量比に基づいて、アセンブリレベルにおける流動体積の増加または減少を引き起こす。
【0162】
受動的流動オリフィスデバイス510、520は、それぞれ、要素の核分裂電力生成に基づく増加されたクーラント温度に応答することができるか、または、その要素内で生成される光子および中性子との反応に基づく増加された放射加熱につながる材料を採用することができるかのいずれかである。これらは、少量の核分裂性材料、ホウ素、または高Z材料を含むことができる。受動的流動オリフィスデバイス510、520はまた、温度および放射加熱の両方に応答するように設計されることができる。
【0163】
受動的流動オリフィスは、固定された、または移動させることが困難な流動オリフィスに関する必要性を軽減し、より容易な燃料シャッフリングを可能にすることができる。拡張および収縮する受動的流動オリフィスデバイスは、温度および放射能の変化に適応するために、炉心の寿命全体を通して経時的にクーラント流量を調節することができる。したがって、受動的流動オリフィスデバイスは、交換されることなく、炉心寿命の間の長い期間にわたって定位置に留まり、要求される保守の量を低減させることができる。
【0164】
流動オリフィスは、原子炉性能を向上させる、平坦な燃料要素クーラント出口温度分布を確実にする。受動的流動オリフィスデバイスは、それらがより高い温度を被るにつれて拡張し、流動面積を増加させ、圧力降下を低減させ、より多くの一次クーラント流動がオリフィスデバイスを通して流動することを可能にする、固体材料または液体またはガスエキスパンダを使用することができる。ガスおよび液体は、それらの増加された複雑性を補償し得る、好都合な拡張特性を有する。クーラント温度、放射加熱、または両方に応答することは、温度および電力挙動を所望のオリフィス拡張挙動と結び付けるであろう。
【0165】
本明細書は、多くの具体的実装詳細を含有するが、これらは、任意の発明または請求され得る内容の範囲に対する限定としてではなく、むしろ、特定の発明の特定の実装に特有な特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実装の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実装において組み合わせて実装されることができる。逆に、単一の実装の文脈において説明される種々の特徴はまた、複数の実装において、別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。また、特徴が、ある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらには、最初にそのように請求され得るが、請求される組み合わせからの1つまたはそれを上回る特徴は、ある場合には、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例も対象とし得る。
【0166】
同様に、動作が、特定の順序において図面に描写されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序において、または順次的順序において実施されること、または全ての図示される動作が実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。また、上記に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムが、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品の中にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0167】
いくつかの実装が、説明されている。それにもかかわらず、種々の修正が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、行われ得ることを理解されたい。例えば、本明細書に説明される例示的動作、方法、またはプロセスは、説明されるものよりも多いステップまたは少ないステップを含み得る。さらに、そのような例示的動作、方法、またはプロセスにおけるステップは、説明される、または図に図示されるものと異なる並びにおいて実施され得る。故に、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。
図1A-1B】
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A-5B】
【国際調査報告】