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特表2024-547085合成開口レーダを用いたマルチスポット画像化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】合成開口レーダを用いたマルチスポット画像化
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/90 20060101AFI20241219BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G01S13/90 138
G01S7/02 216
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537442
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2022084407
(87)【国際公開番号】W WO2023117391
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】2118747.1
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523132594
【氏名又は名称】アイサイ オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ラウリラ ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】モドルゼフスキ ラファル
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB01
5J070AC02
5J070AC11
5J070AD10
5J070AE07
5J070AF08
5J070AK22
5J070BE02
(57)【要約】
合成開口レーダ「SAR」を動作させて画像データを取得する方法であって、第1期間中、SARビームを進行方向に対して方位角にステアリングして、画像化される地球上の第1領域の画像データを取得するステップと、1つまたは複数の追加期間中、SARビームを方位角にステアリングして、画像化対象の地球上の1つまたは複数の追加領域の画像データを取得するステップと、前記第1および1つまたは複数の追加期間を含む期間中に、前記SARビームを前記進行方向に対して後方向にステアリングして、前記地球に対する前記ビームの進行速度を低減するステップと、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成開口レーダ「SAR」を動作させて画像データを取得する方法であって、前記SARは、地球の表面に対して進行するプラットフォーム上で搬送され、地球の表面に向けられており、前記方法は、
第1期間中、前記SARビームを前記進行方向に対して方位角にステアリングして、画像化対象の地球上の第1領域の画像データを取得するステップと、
1つまたは複数の追加期間中、SARビームを方位角にステアリングして、画像化対象の地球上の1つまたは複数の追加領域の画像データを取得するステップと、
前記第1および1つまたは複数の追加期間を含む期間中、前記SARビームを前記進行方向に対して後方向方位角にステアリングして、前記地球に対する前記ビームの進行速度を低減するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1期間中の前記ステアリングは、第1角度範囲にわたっており、前記1つまたは複数の追加期間中の前記ステアリングは、同じ角度範囲にわたっている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1期間と前記1つまたは複数の追加期間は重なる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1期間と前記1つまたは複数の追加期間は連続している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ビームの方位角におけるステアリングは、前記第1期間および前記1つまたは複数の追加期間を含む期間中、周期的である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1角度範囲のステアリングは前方向である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記SARビームは、前記第1角度範囲にわたって電子的にステアリングされる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記電子的ステアリングは、フェーズドアレーアンテナを用いて行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
連続したデータ取得の間に、前記SARビームを標高にステアリングするステップをさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記SARビームは、標高に電子的にステアリングされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記SARビームは、後方向に機械的にステアリングされる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記機械的ステアリングは、前記プラットフォームに対する前記SARの向きを変えることによって行われる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記機械的ステアリングは、地球の表面に対する前記プラットフォームの向きを変えることによって行われる、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記第1角度範囲は、少なくとも+5度から-5度、任意で+8度から-8度である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記後方向へのステアリングは、少なくとも-01度~+1度、-10度~+10度、-23度~+23度、-30度~+30度の角度範囲にわたっている、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
地球上の異なる領域の画像を形成する方法であって、
地球上の複数の地域の画像のリクエストを受け取るステップと、
識別された領域を含むより広い領域にわたる長時間滞在中に、それらの領域に関連する画像データが取得されるのに十分に近い複数の領域のサブセットを識別するステップと、
長時間滞在中に複数の領域のサブセットに関連する画像データを取得できるようにするために実行される一連のステアリング操作のシーケンスを決定するステップと、
決定したステアリング操作のシーケンスをSAR制御機器に通信するステップと、を含む、方法。
【請求項17】
コンピューティングシステムのプロセッサに実装された場合、前記コンピューティングシステムに、前記請求項のいずれか1項に記載の方法に従ってSARを動作させる命令を含むコンピューティング読み取り可能な媒体。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか1項に記載の方法に記載の地球周回軌道上で動作するための衛星であって、
推進システムと、
前記SARビームを後方向にステアリングするように構成された姿勢決定制御システムADCSと、
前記第1角度範囲にわたって前記SARビームを方位角にステアリングするように構成された1つまたは複数のレーダアンテナまたはアンテナアレイと、
合成開口レーダ「SAR」画像データ取得装置と、
地球上の1つまたは複数の地上局との間で信号を送受信するように構成された通信システムと、を含む、衛星。
【請求項19】
請求項18に記載の衛星と、請求項16に記載の動作のうちの1つまたは複数を実行するために構成された地上局とを備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成開口レーダを用いた画像化の分野である。
【背景技術】
【0002】
合成開口レーダー(SAR)は、レーダ波を送信し、送信されたそれらのビームからの反射エコーを記録することによって、地球上の領域を画像化するために使用できる。SARシステムは、航空機などの空中プラットフォームだけでなく、宇宙から運用される衛星にも設置できる。ストリップマップ、スポットライト、走査SARなど、SARを動作させるさまざまなモードを使用できる。
【0003】
ストリップマップモードでは、衛星はそのSARシステムを使用して、ストリップに沿って、地球の表面に対して方位角またはアロングトラック方向に沿ってデータを画像化する。scanSARモードでは、SARビームを電子的に標高(衛星の進行方向に垂直)にステアリングすることにより、ストリップに沿って複数の帯が画像化され、衛星が地面を横切るときにさまざまな帯が画像化される。
【0004】
古典的なスポットライトモード画像化は、高解像度画像化を実現するために使用される技術である。このモードでは、衛星ビームは、ストリップマップモードまたはscanSARモードを使用して通常その領域に滞在するよりも長く地上のスポットに留まるように、方位角方向にステアリングされる。スポットライトモードでは、ビームステアリングを使用しない場合よりも長時間、広範囲の角度にわたって地上サイト、つまり地球上のターゲット領域を照明することで、高解像度の画像化を実現できる。ただし、スポットライト画像間でかなりの角度にビームをステアリングする必要があるため、従来のSARシステムではスポットライト画像間に大きなギャップが必要である。
【0005】
生じる問題の1つは、複数の密集したスポットをどのように画像化するかである。SARシステムの運用者は、特に衛星画像の分野だけでなく、SARの他の実装形態においても、必要な解像度と精度を維持しながら画像収集の効率を向上させることを常に目指している。古典的なスポットライトモードでは、通常、地球上の1つの連続したスポットのみを高解像度で画像化することができるため、別のスポットを近くで画像化するには、別の軌道を完了し(衛星搭載SARの場合)、同じ領域に戻って2番目のスポットを高解像度で画像化する必要がある。これはコストがかかり、非効率的であり、データをタイムリーに受信するのに遅れが生じる。
【0006】
以下に説明する本発明のいくつかの実施形態は、これらの問題のいくつかを解決する。しかしながら、本発明はこれらの課題の解決に限定されるものではなく、本発明の実施形態によっては、他の課題を解決するものがある。
【発明の概要】
【0007】
本要約は、以下の詳細な説明でさらに説明する概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。本要約は、主張対象の主要特徴または本質的特徴を特定することを目的としたものではなく、主張対象の範囲を決定するために使用することを目的としたものではない。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態は、生データを取得するために延長された滞在時間を使用する、衛星、地上局、衛星システム、または生のSARデータを処理する方法を提供する。衛星の場合、滞在時間の延長は、衛星の機械的なステアリングによって達成される可能性がある。
【0009】
一態様において、合成開口レーダ「SAR」を動作させて画像データを取得する方法であって、SARが地球の表面を進行するプラットフォーム上で搬送され、地球の表面に向けられる。前記方法は、第1期間中、SARビームを進行方向に対して方位角にステアリングして、画像化対象の地球上の第1領域の画像データを取得するステップと、1つまたは複数の追加期間中、SARビームを方位角にステアリングして、画像化対象の地球上の1つまたは複数の追加領域の画像データを取得するステップと、前記第1および1つまたは複数の追加期間を含む期間中、前記SARビームを前記進行方向に対して後方方位角にステアリングして、前記地球に対する前記ビームの進行速度を低減するステップと、を含む。
【0010】
第1期間中のステアリングは、第1角度範囲にわたっていてもよく、1つまたは複数の追加期間中のステアリングは、同じ角度範囲にわたっていてもよい。第1期間と1つまたは複数の追加期間は重複してもよいし、連続してもよい。
【0011】
ビームの方位角へのステアリングは、第1期間および1つまたは複数の追加期間を含む期間中、周期的であってもよい。
【0012】
第1角度範囲のステアリングは、前方向であってもよい。SARビームは、例えばフェーズドアレイアンテナを用いて、第1角度範囲にわたって電子的にステアリングされてもよい。
【0013】
SARビームは、連続したデータ取得の間に標高にステアリングされてもよい。標高へのステアリングは、例えばフェーズドアレイアンテナを用いて電子的にステアリングされてもよい。
【0014】
SARビームは、例えば、プラットフォームに対するSARの向きを変えることによって、あるいは、地球の表面に対するプラットフォームの向きを変えることによって、後方向に機械的にステアリングしてもよい。
【0015】
地球上の複数の地域の画像のリクエストを受け取るステップと、識別された領域を含むより広い領域にわたる長時間滞在中に、それらの領域に関連する画像データが取得されるのに十分に近い複数の領域のサブセットを識別するステップと、長時間滞在中に複数の領域のサブセットに関連する画像データを取得できるようにするために実行される一連のステアリング操作のシーケンスを決定するステップと、決定したステアリング操作のシーケンスをSAR制御機器に通信するステップと、を含む、地球上の異なる領域の画像を形成する方法が提供される。SARは、ここで説明する方法のいずれかに従って動作してもよい。
【0016】
コンピューティングシステムのプロセッサに実装された場合、ここで説明する方法のいずれかに従って、コンピューティングシステムがSARを動作させる命令を含むコンピューティング読み取り可能な媒体も提供される。
【0017】
T推進システム、SARビームを後方向にステアリングする姿勢決定制御システムADCS、SARビームを第1角度範囲で方位角にステアリングする1つまたは複数のレーダアンテナまたはアンテナアレイ、合成開口レーダ「SAR」画像データ取得装置、および地球上の1つまたは複数の地上局と信号を送受信する通信システムを備える、ここで記載された方法のいずれかに係る地球周回軌道上で動作するための衛星が提供される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、衛星オペレーティングシステムの一部を構成するコンピューティングシステムに実装された場合、システムがここで説明する方法またはプロセスのいずれかを実行させるようなアルゴリズムの形態の命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。
【0019】
本発明の様々な態様および実施形態の特徴は、熟練者に明らかなように適宜組み合わせてもよく、また、本発明のいずれかの態様と組み合わせてもよい。
本発明の実施形態について、実施例としてのみ、以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】地球上空の軌道上の衛星の概略斜視図である。
図2】SCANSARモードで動作する衛星の概略図である。
図3】地球上の複数の離散領域の画像を形成するために動作する衛星の概略図である。
図4】衛星を機械的にステアリングして実効対地速度を低下させる効果を示す概略図である。
図5】方位角における機械的ステアリングと方位角および標高における電子的ステアリングの重ね合わせを示す一連のグラフである。
図6】衛星のコンポーネントの概略図である。
図7】衛星の部分斜視図である。
図8】本発明のいくつかの実施形態による、地球上の異なる地域の画像を形成する方法を示すフローチャートである。 図面全体を通して共通の符号を使用して、類似の特徴を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態は、単なる例として以下に説明される。これらの例は、出願人に現在知られている発明を実践するための最良の方法を表しているが、これを達成できる唯一の方法ではない。
【0022】
本発明の実施形態には、SARを動作させて地球上の領域の画像を得るシステムおよび方法が提供される。この目的のために、SARは地球の表面に対して進行するプラットフォームに搭載されてもよい。たとえば、SARは衛星に搭載されて一般的に使用される。ただし、ここで説明する方法およびシステムは宇宙に限定されず、航空機またはその他の適切なプラットフォームを使用して実行してもよい。
【0023】
本発明の実施形態には、ここでさらに説明するレーダビームの機械的ステアリングと電子的ステアリングとの組み合わせが用いられる。機械的ステアリングは、SARアンテナが搭載されている衛星や航空機などのプラットフォームに対するSARアンテナの向きを変えることによって実現されてもよい。しかしながら、適切に機敏な衛星では、地球上の領域などのターゲットに対するプラットフォーム全体の向きを変えることによって、機械的ステアリングを実現してもよい。以下、これについて衛星を参照して説明するが、同じ原理が他の種類のプラットフォームにも適用できることが理解される。
【0024】
図1は、本明細書で説明される方法およびシステムで使用され得るプラットフォームの一例として、地球上の軌道上の衛星100の斜視図である。衛星は、本体110と「翼」160を含む。衛星翼には、1つまたは複数のアンテナが搭載されてもよい。各アンテナはフェーズドアレイアンテナを備えていてもよいし、言い換えれば、送信されたパルスの方向および形状を制御するか、放射線を受信する方向および領域を制御するかのいずれかのアンテナビームの方向をステアリングするように制御されてもよい複数のアンテナコンポーネントを備えていてもよい。これは電子ビームステアリングであり、当業界でよく知られている。ここでビームステアリングまたは電子的ステアリングとは、送受信用のフェーズドアレイアンテナを用いたレーダビームのステアリングを意図する。
【0025】
電子ビームステアリングは精度が高く、迅速に行われる。これにより、小さな角度を迅速にステアリングしてもよい。これは、高速小角電子的ステアリングとも呼ばれる。電子ビームステアリングは2次元(方位角と標高)で実行できる。
【0026】
衛星100は、電子的ステアリングに加えて、アンテナ、したがってSARビームを機械的にステアリングするように構成されてもよい。この例では、衛星100全体をステアリングすることにより実現される。これは、衛星姿勢決定制御システムADCSを用いて実現することができ、これは、1つまたは複数のリアクションホイールを備えていてもよく、その1つは170で示されている。機械的ビームステアリングは、電子的ステアリングよりも広いステアリング角度を可能にするため、特に低消費電力で十分に速い速度で旋回できる小型で機敏な衛星の場合、広い地上範囲を提供できる。この技術を使用すると、より大きな角度をステアリングすることができる。これは大角度機械的ステアリングとも呼ばれる。ここで説明するいくつかの方法では、機械的ステアリングは、レーダビームの実効地上速度を低減させたり、ゼロ近くに低下させたりするのに十分な速度であってもよい。ただし、機械的ステアリングは電子的ステアリングに比べてまだ比較的遅い。
【0027】
当業者で知られているように、放射線のパルスが地球の表面に向かう送信モードと、地球の表面から反射された放射線が受信される受信モードとを周期的に交互に運転する。
【0028】
図1の衛星の詳細については、図6および図7を参照して説明する。
【0029】
当技術分野で知られているように、SAR画像を作成するには、電波の連続パルスを送信してターゲットシーンを「照明」し、各パルスのエコーを受信して記録する。パルスを送信し、エコーを1つのビーム形成アンテナで受信することができる。SARは衛星等の移動プラットフォームに搭載されてターゲットに対して移動すると、ターゲットに対するアンテナの位置が時間とともに変化し、受信信号の周波数がドップラー効果により変化する。連続して記録されたレーダエコーの信号処理により、複数のアンテナ位置からの記録を組み合わせて、合成アンテナ開口を形成し、より高解像度の画像を作成することができる。
【0030】
現在SARによって捕捉されている領域がフットプリントである。SARの飛行方向に沿った方向は、通常、方位角またはアロングトラックと呼ばれる。飛行方向を横切る方向は、通常、レンジ、標高、またはクロストラックと呼ばれる。飛行方向と反対の方向が後方向方位角に相当する。
【0031】
図2は、ScanSARモードで動作する衛星100の概略図である。衛星100は、衛星の直下ではなく、衛星の側面に信号を送受信する周知の側面視構成である。この領域は幅を有し、現代においてはスワスとしても知られている。衛星から送信されるレーダーパルスごとに、SARの中心であるドップラー効果により、エコーの形で信号データがスワス全体の異なる点から異なる周波数で受信される可能性がある。
【0032】
衛星100は、軌道上の地球に対して矢印で示すように、右から左へ進行していることが示されている。ScanSARモードでは、データ収集対象領域、例えば図2に示す100km×100km領域をサブスワスに分割し、各サブスワスを進行方向に分割して、ここでは「ブロック」と呼ぶものにし、図2の例ではオフセットチェッカーボードパターンを形成する。SARビームを標高にステアリングして、さまざまなサブスワスからデータを収集してもよい。このステアリング中に、サブスワス全体のさまざまな位置からエコーが受信され、地上のブロックAなどの各正方形(または他の形状)に一連のデータが提供される。
【0033】
電子的ステアリングは非常に迅速に実現することができる。一般にプログレッシブ走査による地形観測(TOPS)として知られるScanSarの開発では、SARビームがブロックAの端に向けられた後、電子的に隣接するサブスワスまで標高に急速にステアリングされ、方位角に開始方位角に戻り、方位角のステアリングを繰り返して2番目のブロックBからデータを収集する。
【0034】
方位角におけるビームの各横断は、ここでは「バースト」と呼ばれる数百のパルスに対応してもよい。したがって、バーストは地上のブロックに対応し、スワスの長さに渡るデータはバーストバイバーストアプローチで収集される。
【0035】
画像の解像度は、画像を生成するために取得されたデータ量を含む多くの要因に依存する。高解像度画像化を実現するために使用される技術は、SARビームが特定の領域に住むように誘導される既知のスポットライトモードである。ただし、この技術は通常、1つのスポットまたは領域のみを画像化するために使用される。さらに、この滞在は、別の画像を撮影する前に衛星を元の方向に戻すことによって衛星を「回復」する必要がある。その間、衛星は軌道を進行しているため、密接に間隔を置いた「スポット」のこのような高解像度の画像を形成することはできない。言い換えれば、スポットライト画像間に大きな空間的なギャップが必要になることがよくある。最初のスポットに近い別のスポットまたは領域を画像化するには、衛星が少なくとも1回の完全な軌道を完了して元の点に戻る必要がある場合があり、これは時間と効率の点で非常にコストがかかる。
【0036】
以下で詳細に説明する方法およびシステムの一部では、SARビームの後方方向への機械的ステアリングは、ビームの前方方向への電子的ステアリングに重畳されている。機械的ステアリングの効果は、衛星が軌道上を進行するときに、地球に対するビームの進行速度を低減させることである。これにより、バースト持続時間が長くなり、画像の解像度が高くなる可能性がある。いくつかの実装形態では、機械的ステアリングを使用して、ビームを地面に対して停止、または停止に近い状態にしてもよい。この後方ステアリングと方位角と標高の一方または両方の電子的ステアリングを組み合わせることで、以前は不可能だった、密集した複数のスポットから高解像度の画像を取得できるようになる。
【0037】
この機械的ステアリングは、図3に誇張された形式で示されており、衛星100は、その経路600に沿った3つの位置のそれぞれにおいて異なる向きを有するように示されている。各位置の間で、衛星は矢印601で示す方位角で回転している。
【0038】
図4は、ScanSARモードまたはTOPSモードでSARの動作用である可能性のある小さな領域またはブロックに分割された地面上の領域を示している。このように、SARビームを電子的にステアリングして、ブロック1~15からデータを数値順に収集してもよい。
【0039】
これを行うには、図5(a)に示すように、ビームを定期的に方位角(アロングトラック)方向に前方に向けてよく、ここで、ビーム角度はバースト周期にわたって負の角度からゼロを経て等しい正の角度までステアリングされ、これが同じ角度範囲にわたる連続バーストに対して繰り返される。この周期的な前方方位角の電子的ステアリングに、より広い範囲の角度にわたって、より長期間にわたって後方方位角の機械的ステアリングが重ね合わされる。図5(c)は、1回の比較的遅い後方機械走査中に16回の前方電子走査を行う、説明を目的とした簡略化した例を示している。実際の実装形態では、機械的走査ごとに少なくとも2つのスポットを可能にするために、機械的方位角ステアリング期間と電子的ステアリング期間の比は少なくとも2:1になる。ここで説明する方法のいくつかの実装形態では、ビームが方位角の方向に機械的にステアリングされるので、方位角における電子的ステアリングは周期的に繰り返され、機械的ステアリングは周期的に繰り返されない。なお、グラフでは、電子的ステアリングと機械的ステアリングが直線的であることを示しているが、特に後方方位角の機械的ステアリングの場合は必ずしもそうである必要はない。
【0040】
図5(a)に示す方位角における電子的ステアリングは、方位角の範囲にわたる各「掃引」の間でビームが急速に開始角に戻るTOPSで行われるステアリングと同様である。この急速な戻りは、ここで説明する方法にとって必須ではなく、いくつかの実装形態では、パルスが送信され続ける間、ビームは、例えば順方向ステアリングと同じ速度で、反対方向にゆっくりとステアリングされてもよい。さらに、電子アジマスステアリングが前方方位角であることは必須ではない。解像度および/またはスポット間の間隔の改善は、主に、軌道上の衛星の進行方向に対して後方への機械的ステアリングと組み合わせた方位角電子的ステアリングから得られる。方位角における電子的ステアリングは、機械的ステアリングの持続時間内で周期的であってもよいが、これは、以下でさらに説明するように必須ではない。
【0041】
ここで説明された画像化方法のいくつかの実装形態は、同じサブスワス内に異なる「スポット」、すなわち領域またはブロックの画像を形成するために使用されてもよい。この場合、標高へのステアリング操作は必要ではない。スポットは連続してもよいし、重複してもよいし、連続していない。重複スポットの場合、重複スポットの画像形成には、第1スポットからのデータを用いることができ、追加のステアリングは必要ない。
【0042】
他の実装形態は、異なるサブスワスでスポット、またはブロックの画像を形成するために使用されてもよい。例えば、図4に示すように、領域/ブロック5(サブスワット1で)、8(サブスワット4で)、および10(サブスワット2で)の画像形成または画像データを送信するリクエストを受信した衛星を考える。図5のグラフは、これを達成するための2つの方法を示している。2つの異なる可能な実装形態を表す2つのグラフ(b1)と(b2)があり、ここで、標高ステアリングは、サブスワスからサブスワスへの周期的(b1)、または一度に1つのスポット(b2)であり、それぞれが最初、4番目、次に2番目のサブスワスのブロック(たとえば、図4のブロック5、8、10)に向けられる。これらは、各個別のブロックがどのように画像化されるかについての可能性の範囲の2つの例であり、どの「スポット」(例えば、それらの位置および所望の解像度)が画像化に必要とされるかに従って決定されてもよい。
【0043】
図5(b1)の例では、ビームは、各バースト、方位角の完全な掃引(1、4、2、1など)間で、1つのサブスワスから別のサブスワスへ標高(クロストラック)方向にステアリングされ、これにより、データは機械的ステアリングの継続中に定期的に収集される(図5(c))。この図ではバーストと機械的ステアリング継続時間の比率が誇張されており、実際にはこれよりもさらに大きくなる。したがって、代替オプションは、電子的ステアリングをnバースト(nは整数)ごとに実行しながら、機械的ステアリングの持続時間中にさまざまなブロックからのデータの定期的な収集を達成することである。
【0044】
図5(b2)の例では、ブロック5、8、および10(図4)のそれぞれからのデータが機械的ステアリング持続時間内の連続期間中に収集されるように、ビームは標高(クロストラック)方向にステアリングされる。したがって、5回のバーストまたは方位角電子掃引の後、ビームはサブスワス1(画像ブロック5へ)からサブスワス4(画像ブロック8へ)に、そして方位角でさらに5回掃引した後、サブスワス4からサブスワス2(画像ブロック10へ)に向けられる。
【0045】
図5に示すように、異なる領域に対応するデータを連続的に収集することは必須ではなく、バースト間、例えば異なる領域や「スポット」のデータ取得間にギャップが存在する可能性がある。また、各バースト中に掃引される角度の範囲は同じである必要はない。実際、それらは、各バースト中の衛星の進行および/または機械的ステアリングのために異なる場合がある。たとえば、バースト1とバースト5の方位角走査中の角度の範囲は、バーストごとにわずかに異なってもよい。
【0046】
これらの例では、衛星の進行方向に沿って各ブロックからデータが順に収集されるが、SARビームの実効地上速度は、機械的ステアリングのためにほぼ静止している可能性がある。これは必須ではなく、異なるブロックからの信号は任意の順序で収集されてもよい。また、これらの例では、異なるブロックからデータを収集する時間は等しいが、これは必須ではなく、例えば、異なるブロックに対するリクエストが異なるため、時間は異なる場合がある。
【0047】
図5(b1)および(b2)の例では、各ブロックに対応する方位角に複数の電子掃引があり、図示のように5つの掃引が行われている。ブロックを複数回画像化することで解像度が向上するわけではなく、視野角の多様性が向上する。組み合わせると、特定のピクセルの明るい返りによる「スペックル」を減らすために、ピクセルを平均化することができる。これは「マルチルッキング」として知られている。一般に、電子的ステアリングは方位角を変えることができ、機械的ステアリングの継続中にブロックを走査するために機械的ステアリングよりも高速でありながら高速または低速に制御することができる。たとえば、方位角における電子的ステアリングは、各ブロックのデータが単一の電子方位角掃引で収集される程度まで遅くすることができる。電子方位角掃引を遅くし、各スポットを1回の長いバーストで走査することで、より高い解像度を達成できすることができる。言い換えれば、方位角における機械的ステアリングにより、より長いバースト持続時間(バーストが電子方位角掃引に対応する場合)や、複数のバーストにわたる同じブロックに関連するデータの収集が可能になる。
【0048】
上述したすべての例において、たとえば、図5(a)に示す方位角の掃引によって示されるように、SARビームは、第1期間中、第1の角度範囲にわたって進行方向に対して方位角にステアリングされ、画像化対象の第1領域またはブロックの画像データを取得する。このステアリングは、同じまたは異なる方位角範囲にわたって、画像化されるべき1つまたは複数の追加ブロックの画像データを取得するために、1つまたは複数の追加期間中に繰り返される。同時に、たとえば図5(c)に示すように、SARビームは、第1の期間と追加の期間を含む期間中に、例えば第2の異なる角度範囲にわたって、進行方向に対して後方に向けられ、それにより、地球に対するビームの進行速度を低減させる。したがって、SARビームの後方ステアリングにより、これまでに可能であったものよりも密な間隔で複数の高解像度「スポット」を取得できる可能性がある。図5(c)の実線は、機械的ステアリングの結果、方位角が時間とともに直線的に変化することを示している。点線は、地面に対するビーム速度を一定に保つために、ステアリング期間の開始時に角度がより速く変化し、方位角がゼロを横切るときは最も遅く、終わりに向かってより速く変化する代替実装形態を示している。方位角の変化率は、具体的な実装形態に応じて、線形および非線形の進行を組み合わせて、いかなる方法で変化させてもよい。
【0049】
図5に示すように、他の1つまたは複数のブロックについてデータを収集する他のバースト間で連続したバーストで、1つのブロックについてデータを収集する期間を、図5(b1)に示すようにインターリーブしてもよい。あるいは、各ブロックに対応する期間中、図5(b2)に示すように、1回のスロー掃引があってもよいし、図5(a)に示すように、方位角で複数回連続して掃引があってもよい。
【0050】
図5(a)に示すように、ビームの方位角のステアリングは、第1および1つまたは複数の追加期間を含む後方向ステアリング期間中、周期的に行われてもよい。
【0051】
SARビームは、例えば、データを収集する領域やブロックが異なるサブスワスにある場合に、連続したデータ取得の間で標高にステアリングされてもよい。特に、SARビームが機械的にステアリングされているときに可視される異なる領域の画像データは、必ずしも進行方向に、またはスワスを横切って順次に取得する必要はなく、任意の順序で取得することができるが、両方とも可能である。
【0052】
他の箇所で述べたように、ここで説明する方法は、衛星に搭載されたSARに関連した実装形態に特に適しているが、これに限定されるわけではない。次に、本発明の実施に適した衛星について、図1図6図7を参照して説明する。ビームが特定の場所に長く滞在するほど、衛星の機械的ステアリングに必要な角度の範囲が大きくなり、この滞在によって引き起こされる軌道に沿った進行経路の「ギャップ」を補うのに時間がかかることが理解される。従来のスポットライトモードと同様に、衛星が元の位置に戻って回転している間に、画像化できる連続する領域の間にギャップがある。ただし、すべてのスポットが密接に間隔を置いている場合(例えば、100km×100kmの領域内)、それらすべてを1回のパスで撮影でき、ギャップの影響を最小限に抑えることができる。
【0053】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による衛星、例えば超小型衛星のコンポーネントを表す概略図である。コンポーネント間の実線の矢印は電源接続を示すために使用され、太い実線の矢印はRF信号接続を示すために使用され、破線はデータ接続を示すために使用される。
【0054】
一部のコンポーネントは、図6の長方形で示される衛星「バス」610の一部であり、一部は、図6の長方形で示される「ペイロード」660の一部であり得る。他のコンポーネントは、図6にも長方形で示されるアンテナモジュール670の一部である。図6に示す衛星コンポーネントは、電源101と電力分配システム102とを備えている。電源101および電力分配システム102は、推進システム190、推進コントローラ109、姿勢決定制御システムADCS131、コンピューティングシステム103、バッファ135、および通信システム104に電力を供給する。また、電源101および電力分配システム102は、ペイロード660内のパルス発生器620や電力増幅器623などのコンポーネントにも電力を供給する。バッファ135は、別の項目として示されているが、コンピューティングシステム103に含まれていてもよい。推進コントローラ109は、ここでは別の項目として示されているが、実際には、コンピューティングシステム103の一部となってもよい。推進コントローラは、推進コントローラ109に構成される1つまたは複数のプロセッサに実装される制御ソフトウェアを用いて、または、例えば、コンピューティングシステム103からの受信命令に応じて制御してもよい。コンピューティングシステム103から指示が送信される場合、コンピューティングシステムは推進コントローラを備えていると考えてもよい。推進コントローラ109の機能の一つは、推進システム190におけるスラスタのイオン源および電子源に制御信号を出力することであってもよい。
【0055】
衛星バス610は、図1に示すように、衛星100の本体110内に一般的に配置されていてもよい。電力分配システム102は、当業者に公知のような制御論理を備えてもよい。通信システム104は、例えば衛星本体110上に位置する1つまたは複数の通信アンテナを備えてもよい。あるいは、通信システム104は、衛星の翼160上に位置する1つまたは複数の通信アンテナを介して信号を送受信してもよい。
【0056】
地球観測衛星の場合、衛星ペイロード660は、衛星の1つまたは複数の翼160に位置する1つまたは複数のレーダアンテナアレイを含んでもよい。図6は、SAR画像化に使用されるフェーズドアレイアンテナの一部であってもよい単一のアンテナ要素625を示している。アンテナ要素625は、信号626を送受信する。アンテナ要素625は、レーダ信号を送信するための関連するパワーアンプ623および移相器624と、リターン信号を受信するための関連するローノイズアンプ628および移相器627とを有することが示されている。これらは、アンテナモジュール670を共に形成する。フェーズドアレイアンテナは、複数のアンテナモジュール670を備えてもよい。一例では、衛星搭載フェーズドアレイアンテナは、320個のアンテナ要素と関連するアンプおよび移相器を備えている。フェーズドアレイアンテナの設計と目的に応じて、アンテナ要素の数が異なる。アンテナの電子的ステアリングは、当業者のように、移相器624,627を介して個々のアンテナコンポーネントを位相シフトすることにより実現される。
【0057】
パルス発生器620は、レーダ送信機621に送られるRF信号を生成する。レーダ信号は、RFディバイダ622に送信され、ディバイダ622がRF信号を分割して複数のアンテナモジュール670に送信する。図6には、1つのアンテナモジュール670を示しているが、複数のアンテナモジュールが存在することができる。RFコンバイナ629は、複数のアンテナモジュール670からの合成信号を受信し、受信したRF信号をレーダ受信機630に送信する。データは、メモリ631に記憶される。メモリ631は、メモリ108と同じでもよいし、別のものでもよい。パルス発生器620、レーダ送信機621、レーダ受信機630、RFディバイダ622、およびRFコンバイナ629は、衛星本体110または衛星翼160のいずれかに配置することができる。図6のRFディバイダ622から延びる追加矢印は、RFディバイダ622から1つまたは複数の追加アンテナモジュールへの1つまたは複数の追加RF出力を示し、RFコンバイナ629を指す追加矢印は、1つまたは複数の追加アンテナモジュールからRFコンバイナ629への1つまたは複数の追加RF入力を示す。
【0058】
ここで説明する方法およびシステムは、単一アンテナまたは単一開口のステアリングをいう。ただし、複数のアンテナまたは複数の開口部を含むシステムに容易に拡張することができる。
【0059】
アンテナモジュール670は、アンテナモジュール数を乗じて、当業者に知られているように、衛星の画像取得装置を合成している。画像データの取得以外の機能を実行してもよい。
【0060】
一般的な衛星において、上述したように、フェーズドアレイアンテナを備えてもよい。レーダ距離寸法に垂直な2次元にわたって空間的に分散されたアンテナ要素を備えたフェーズドアレイアンテナは、方位角および標高で2次元ビームステアリングを可能にすることができる。
【0061】
フェーズドアレイアンテナの利用可能な電子的ステアリングは、物理アンテナの範囲と方位角の位相中心の間隔によって制限される可能性があり、ステアリングを試みすぎるとゲイン/グレーティングローブが低下する。利用可能な角度範囲の制限は物理的な装置によって異なるが、地球低軌道用に設計された一般的な衛星の制限は標高で±25°、方位角で±2°に設定されていてもよい。
【0062】
ペイロード660は、電力分配システム102から電力を受け取り、コンピューティングシステム103からの指示を受け取る。受信したレーダ信号などのペイロード660からのデータも、コンピューティングシステム103に戻り、メモリ108に格納することができる。データは、例えば、ここで説明したような画像を生成するために、コンピューティングシステム103によって処理され、その後、通信システム104に出力されて、以降の送信を行ってもよい。図6に示すシステムでは、コンピューティングシステム103により、通信システム104に生データを出力し、さらに遠隔コンピューティングシステムで処理するために送信することもできる。図6において、SARプロセッサ133は、例えば地上局600に配置されていてもよいし、他の処理場所に配置されていてもよい。コンピューティングシステム103は、当業者によく知られるように、ペイロード660内に位置する他のコンポーネント、例えばレーダ送信機621、レーダ受信機630および/または移相器624および627に動作指示を送ることができる。生のSARデータは、メモリ108または631に衛星に記憶することができる。メモリ108および631は、同一または異なるメモリモジュールであってもよいし、コンピューティングシステム103の一部であってもよい。
【0063】
バッファ135に記憶された生のSARデータは、地上局600または遠隔SARプロセッサ133に通信されてもよい。一例では、バッファ135に、30秒の画像データを完全解像度(帯域幅)で格納することができる。解像度を低くすると、より多くのデータを保存できる(たとえば、半分の解像度で60秒)。例では、超小型衛星には150MBのダウンロードリンクがある。このデータレートでは、30秒のフル解像度画像データをダウンロードするのに約3分かかる。
【0064】
通信システム104は、無線周波数通信、光、例えばレーザ通信、または当業界において知られている他の通信形態を用いて地球局または他の衛星と通信してもよい。
【0065】
衛星、例えば図1の衛星100は、一般的に、生成された推力で衛星をステアリングする推進システム190を備えている。推進システム190は、太陽光パネル150と対向する面の本体110に搭載される図1に示す。
【0066】
図1に示すように、推進システム190は、必要に応じて衛星100をステアリングするための推力を発生させる複数のスラスタ105を備えている。
【0067】
スラスタ105は、一般的に、衛星を特定の軌道に維持するために動作する。例えば、スラスタを使用して、地球の表面に対して衛星を特定の方向に推進してもよい。
【0068】
図6に戻ると、ADCS131は、通常、衛星本体110内に位置し、衛星の向きを制御するために使用される。ADCSは、いくつかの方法で実装されてもよい。ADCS131は、一組のリアクションホイールを構成するように図に示されており、そのうちの1つが図1に概略的に示されている。リアクションホイールは通常、必ずしもではないが、衛星本体110内に配置される。図7は、衛星の部分斜視図であり、衛星本体110内に配置された3つのリアクションホイール41、42、43のセットを示す。リアクションホイールは、モーメンタムホイールとも呼ばれることもある。
【0069】
ここで説明する衛星では、衛星がその軌道上を進行するとき、ADCSを使用して衛星を機械的にステアリングし、地球上のターゲット領域をレーダ開口内、言い換えれば衛星の視界内に、機械的ステアリングなしでターゲットが見えるよりも長い期間維持してもよい。原理的には、機械的ステアリングの角度範囲は各方向の地平線によってのみ制限されるが、角度が大きくなるほど、ターゲット領域までの距離が長くなり、返される信号は弱くなる。ここで説明する方法では、機械的ステアリング角の範囲は-45°~+45°であるが、例えば-60°~+60°の範囲が高いことも可能である。
【0070】
リアクションホイール41、42、43は、電気モーターを使用して宇宙船本体120の内部でホイールを回転させることによって機能する。角度モーメントを保持することにより、空間に外力がないため、ホイールを一方向に回転させると、宇宙船は逆方向に回転する。リアクションホイールを使用することは、衛星などの宇宙船の方向性を定めるためのよく知られている方法である。
【0071】
一例では、宇宙船本体の内部に3つのリアクションホイールが配置されており、そのうちの1つは衛星を各軸に配向させるためのものである。したがって、リアクションホイール41、42、43は直交軸を有することが示されている。
【0072】
別の例では、特に衛星の慣性のモーメントが大きい場合、スルーレート(衛星がどれだけ早く回転できるか)や精密な位置制御など、衛星のダイナミクスのさまざまな側面をより適切に制御するために、4つ以上のリアクションホイールが使用されてもよい。この技術は、地球の表面の特定の点に滞在する能力に貢献する可能性があり、これについては他の場所で詳しく説明するが、必須ではない。
【0073】
現在、地球を周回する軌道上にはさまざまな種類の衛星があるが、一般的には重みの範囲によって定義されている。ただし、各種類の衛星間の境界は多少不定であり、自由ではない。
【0074】
立方体衛星:1kg~10kg
【0075】
超小型衛星:50km~250km
【0076】
小型衛星:500kg~800kg
【0077】
通常の衛星:800~1200kg.
【0078】
大型衛星:>1200kg
【0079】
リアクションホイールは、nms(ニュートン・メートル・秒)の単位を持つ「運動量容量」の観点から評価される。スルーレートは、ホイールの速度と衛星システムの慣性に関係している。特に質量が小さい衛星は、従来の大型のSAR衛星よりも慣性モーメントがはるかに低くなる。適切な低質量は、1000kg未満、例えば500kg未満、250kg未満、50kgと250kgの間、または100kg未満であってもよい。
【0080】
非常に小さな立方体衛星には、現在のところ、現在のSARペイロードを運ぶ能力がある。重い衛星は慣性が大きいため、一般に俊敏性が低くなる。ここで説明される衛星および動作方法の実施形態は、超小型衛星に首尾よく実装されている。
【0081】
本発明の実施形態は、超小型衛星として知られる種類の衛星に特に適用可能である。
【0082】
ここでさらに説明する方法の一部は、特定の定格範囲内のリアクションホイールから恩恵を受ける。超小型衛星などに適した範囲は0.5~2.5nmであることができる。
定格1nmsのリアクションホイールは試験に成功した。これにより、1°/秒の範囲での旋回が可能になり、この範囲は、地上のスポットを追跡し、ここで説明する方法のいずれかを、電力をあまり消費せずに実装するには十分である。したがって、ここで説明する衛星のいずれにおいても、ADCSは機械的なステアリングを使用して衛星を方位角方向に最大1度/秒で旋回させるように構成されてもよい。さらに、または、あるいは、ADCSは、60秒までの滞在時間に設定されてもよい。
【0083】
より大型の衛星は10nms程度のリアクションホイールを使用することが知られているが、衛星の質量が大きく、その結果として生じる高い回転慣性のために、現時点ではここでさらに説明する滞在時間に十分なスルーレートを達成することができ、また、小さなリアクションホイールよりもはるかに多くの電力を消費する。
【0084】
一例では、衛星は地球低軌道で地球を周回している。地球低軌道は、地球の表面から160kmから1000km上空にある。SARによる地球観測衛星の例は、地球の上空450kmから650kmの軌道を有することができる。本発明による一例では、衛星は地球の表面から550km上空にある軌道を有する。例えば、地球の上空550kmの軌道では、衛星は毎秒約7.5km、すなわち毎時27,000kmで効果的に地上を横断している。この軌道上のほとんどの衛星は、毎秒7~8kmの速度で地球を横断する。
【0085】
いくつかの実施形態では、SARアンテナを地球上のある点に留まり、その方向に向け続けるために、超小型衛星は17秒程度のスルーレート能力で回転できるように設計されてもよい。これは従来の衛星では機械的に達成できなかった。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態によれば、超小型衛星などの衛星は、地平線から地平線まで約10分間、地球上の一点を指し続けるのに必要な速度で旋回することができる。しかしながら、この範囲の極端な場合、撮影対象のスポットまたはターゲットまでの距離が遠すぎて良好なSAR画像を取得できないため、実際の滞在時間は短くなる。
【0086】
本発明は、上記のように、衛星全体の向きを変えることに限定されるものではなく、上記小型かつ軽量で機敏な衛星の場合には便利である。例えば、いくつかの実施形態では、アンテナが搭載された衛星に対する向きを変えることによって、機械的ステアリングを行ってもよい。
【0087】
上記では、1つのSARビームのみが考慮されている。ただし、ここで説明する方法やシステムは、複数のSARビームの使用にも拡張されてもよいことが理解される。例えば、たとえば、プラットフォームは複数のSAR用の装置を搭載しており、各SARはここで説明されている方法のいずれかに従って動作してもよい。
【0088】
具体的な例を示すために、地球の曲率を無視して地球の上空550kmで7.5km/sを進行する衛星の場合、これは30秒以内に衛星がターゲットの直上から225km離れて進行することを意味する。30秒間ずっと地球上の同じ地点を直接指し続けるには、約23度の角度範囲が必要である。実装形態が異なれば、使用する角度の範囲も異なってもよい。データは通常、地上局の上空を通過するときにバッチでダウンロードされるため、これは機械的なステアリングの能力や衛星搭載メモリの容量などの要因によって決まるが、これらに限定されない。
【0089】
以上のことから、ここで説明したすべての方法は、機敏な超小型衛星の使用から恩恵を受けることが理解される。適切なサイズの超小型衛星は回転して、長時間(最大60秒)ターゲットを観測できる。これにより、一定期間にわたって範囲解像度と同じ解像度で多くのフレームの画像を実現する前例のない能力が得られる。
【0090】
上記には、ここで説明した運転方法のいずれかを実施するのに適した衛星が記載されている。すでに軌道上にある衛星または他のプラットフォームの場合、本明細書で説明される方法は、例えば地上から、適切なコンピューティングシステム、例えば地上局コンピューティングシステム600を使用して、衛星を適切に制御することによって実装されてもよい。言い換えれば、SARは地上からステアリングすることができ、ここで説明する方法の一部はソフトウェアで実装されてもよい。したがって、本発明は、コンピューティングシステム内のプロセッサによって実装された場合、ここで説明する方法のいずれかに従って、コンピューティングシステムにSARを動作させる命令を含むコンピューティングリーダブル媒体が提供されてもよい。
【0091】
ここで説明するSAR画像データの取得は、多くの実用的な用途を有してもよい。エンドツーエンドのプロセスは、領域内の特定のスポットを画像化するリクエストから始まる。たとえば、それらのスポットは顧客によってリクエストされたり、アルゴリズムによって興味深いものとして識別されたりする場合がある。次に、図5(a)、(b1)、および(b2)の任意の組み合わせを使用して、画像データを最適に取得するために、方位角および任意の標高の移動のシーケンスを考案してもよい。次に、衛星が一般的な領域上に次のときに「停止」し、ステアリングが実行され、画像データが収集される。
【0092】
例えば、図8に示すような方法は、地球上の複数の地域の画像のリクエストを受け取るステップ801と、識別された領域を含むより広い領域にわたる長時間滞在中に、それらの領域に関連する画像データが取得されるのに十分に近い複数の領域のサブセットを識別するステップ803と、長時間滞在中に複数の領域のサブセットに関連する画像データを取得できるようにするために実行される本明細書で説明する一連のステアリング操作のシーケンスを決定するステップ805と、を含む。したがって、前記ステアリング操作は、第1期間中、前記SARビームを前記進行方向に対して方位角にステアリングして、画像化対象の地球上の第1領域の画像データを取得するステップと、1つまたは複数の追加期間中、SARビームを方位角にステアリングして、画像化対象の地球上の1つまたは複数の追加領域の画像データを取得するステップと、前記第1および1つまたは複数の追加期間を含む期間中、前記SARビームを前記進行方向に対して後方の方向にステアリングして、前記地球に対する前記ビームの進行速度を低減するステップと、を含む。
【0093】
操作801~805は、地上コンピューティングシステム600で行われてもよい。あるいは、1つまたは複数の操作801~805が、車載コンピューティングシステム103で行われてもよい。いずれにしても、ステアリング操作のシーケンス807は、移相器111やADCS131などのSAR制御機器に伝達されてもよい。次に、ここで説明したいずれかの方法に従ってSARを動作させて画像データを取得してもよい。
【0094】
ここで説明する本発明の実施形態は、以下のように記載されている。
【0095】
本明細書で説明される方法のいずれかに従ってSARを動作させるように構成された地上局コンピューティングシステム。
【0096】
観測領域を指し、長時間(60秒)同じ場所を指し続けることができるアンテナを備えた衛星。これは、質量が小さく慣性モーメントが低いため、通常、大型の衛星が達成できる(公称2秒)よりもはるかに長いため、燃料を消費せず、内部モーメンタムホイールのみを使用してアンテナとビームの指向を達成できる。
【0097】
ターゲットシーンまでの距離が大幅に異なる場合でも、ターゲットシーンをアンテナ受信ウィンドウ内に維持できる画像化モード。
【0098】
本発明の実施形態のいずれにおいても、衛星は地球低軌道内を進行するか、または地球低軌道内を進行するように構成されてもよい。
【0099】
本発明の実施形態のいずれかによる衛星は、当技術分野で知られているように、側方監視用に構成されてもよい。左向きの機能と右向きの機能の両方を備えてもよい。
【0100】
本発明の実施形態のいずれかによる衛星は、Xバンドレーダーを使用してもよい。
【0101】
本明細書に記載のコンピューティングシステムは、複数の機能を有する単一のコンピューティングシステムに組み合わされてもよい。同様に、本明細書で説明するいずれかのコンピューティングシステムの機能は、複数のコンピューティングシステムに分散されてもよい。
【0102】
本明細書に記載された方法の一部の動作は、例えば、機械読み取り可能な形態、例えばコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムの形態でソフトウェアによって実行されてもよい。したがって、本発明のいくつかの態様は、コンピューティングシステムに実装された場合、本発明のいずれかの方法の動作の一部または全部をシステムに実行させるコンピューティングシステムに読み取り可能な媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ディスク、サムドライブ、メモリカードなどの記憶媒体など、一時的または有形(または非一時的)の形態であってもよい。ソフトウェアは、方法ステップを任意の適切な順序でまたは同時に実行することができるように、パラレルプロセッサまたはシリアルプロセッサ上で実行するように適合されていてもよい。
【0103】
本用途では、ファームウェアおよびソフトウェアが個別に取引可能な価値のある商品であることを認識している。これは、必要な機能を実行するために、「ダム」または標準的なハードウェア上で演算または制御されるソフトウェアを含むように設計されている。また、所望の機能を実行するためにシリコンチップを設計したり汎用プログラマブルチップを構成したりするHDL(ハードウェア記述言語)ソフトウェアなど、ハードウェア構成を「記述」したり定義したりするソフトウェアも含まれることを目指している。
【0104】
上記実施形態は、ほぼ自動化されている。いくつかの例では、システムのユーザまたはオペレータは、実行すべき方法のいくつかのステップを手動で指示することができる。
【0105】
本発明の実施形態においては、本発明において、本発明において他に記載されているように、システムは、いずれの形態のコンピューティングおよび/または電子システムとしても実装され得る。例えば、地上局は、このようなコンピューティングおよび/または電子システムを備えていてもよい。ここのようなデバイスは、ルーティング情報を収集および記録するためにデバイスの動作を制御するためのコンピュータ実行可能命令を処理するためのマイクロプロセッサ、コントローラ、または任意の他の適切なタイプのプロセッサであり得る1つまたは複数のプロセッサを備えていてもよい。いくつかの例では、例えばシステムオンチップアーキテクチャを使用する場合、プロセッサは、(ソフトウェアまたはファームウェアではなく)ハードウェアで方法の一部を実装する1つまたは複数の固定機能ブロック(アクセラレータとも呼ばれる)を含んでもよい。オペレーティングシステムまたは任意の他の適切なプラットフォームソフトウェアを含むプラットフォームソフトウェアは、用途ソフトウェアがデバイス上で実行されることを可能にするために、コンピューティングベースのデバイスにおいて提供され得る。
【0106】
ここで、「コンピューティングシステム」とは、命令を実行できる処理能力を有する任意のデバイスを指すために用いられる。当業者であれば、このような処理能力は多くの異なるデバイスに組み込むことができ、したがって「コンピューティングシステム」という用語にはPC、サーバー、スマート携帯電話、携帯情報端末、および他の多くのデバイスが含まれることが理解される。
【0107】
上記の利点および優位性は、1つの実施形態に関連してもよく、またはいくつかの実施形態に関連してもよいことが理解されるべきである。複数の実施形態は、言及された問題のいずれかまたは全てを解決するもの、または言及された利点と長所を有するものに限定されるものではない。
【0108】
「アイテム」または「ピース」へのいずれかの言及は、特に記載されていない限り、これらのアイテムの1つまたは複数を指す。「含む」という用語は、本明細書では、特定された方法ステップまたは要素を含むことを意味するが、そのようなステップまたは要素は排他的なリストを構成せず、方法または装置は追加のステップまたは要素を含み得ることを意味するために使用される。
【0109】
さらに、「包含」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲内で使用される程度については、「包含」という用語が特許請求の範囲内で過渡的な用語として解釈されるので、この用語は、「包含」という用語と同様の包含性を有することを意図している。
【0110】
添付の図は、例示的な方法を示す。方法は、特定の順序で実行される一連の演算として示され、説明されているが、方法は順序によって制限されないことを理解し、理解されるべきである。例えば、いくつかの演算は、本明細書に記載されたものとは異なる順序で発生することができる。また、ある行動は、別の行動と同時に発生することができる。さらに、場合によっては、本明細書に記載された方法を実装するためにすべての演算が必要とされないこともある。
【0111】
本明細書に記載の方法のステップの順序は例示的であるが、これらのステップは任意の適切な順序で実行されてもよいし、適切な場合には同時に実行されてもよい。さらに、ステップは、本明細書に記載された主題の範囲から逸脱することなく、任意の方法に追加または置換されてもよく、または単一のステップは任意の方法から削除されてもよい。上記のいずれかの実施例の態様と、上記の他の実施例のいずれかの態様とを組み合わせて、さらに実施例を形成してもよい。
【0112】
上記の好ましい実施形態の説明は、例としてのみ示されており、当業者が様々な修正を加えることができることを理解されたい。上記した内容は、1つまたは複数の実施形態の一例を含む。もちろん、上記の態様を説明する目的のために、上記のデバイスまたは方法のそれぞれの考えられる修正および変更を説明することは不可能であるが、当業者は、様々な態様の多くのさらなる修正および配置が可能であることを認識する。したがって、記載された態様は、添付の特許請求の範囲内に含まれるすべてのそのような変更、修正、および変更を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】