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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】自動車用ロック
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/36 20140101AFI20241219BHJP
   E05B 85/26 20140101ALI20241219BHJP
【FI】
E05B77/36
E05B85/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537454
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 DE2022100964
(87)【国際公開番号】W WO2023116977
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021133981.2
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スゼジェニー, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ショーネンベルク, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シファー, ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】イナン, オマー
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250HH01
2E250JJ09
2E250KK01
2E250LL01
2E250PP04
2E250PP05
2E250PP07
(57)【要約】
本発明は、回転式ラッチ(3)および少なくとも1つのキャッチ部(4)を備えたロック機構(2)を有し、回転ラッチ(3)とキャッチ(4)との間の係合領域にラッチ要素(5)が配置され、ラッチ要素(5)が回転ラッチ(3)上で旋回し、少なくとも保持することができる、自動車用ロック(1)に関するが、ラッチ要素(5)を連続的に案内するための少なくとも1つの手段(18、26)が自動車用ロック(1)に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ラッチ(3)よび少なくとも1つのキャッチ部(4)を備えたロック機構(2)を有し、前記回転ラッチ(3)と前記キャッチ部(4)との間の係合領域にラッチ要素(5)が配置され、前記ラッチ要素(5)が前記回転ラッチ(3)に旋回可能に装着され、少なくとも保持することができる自動車用ロック(1)であって、
前記ラッチ要素(5)を連続的に案内する少なくとも1つの手段(18、26)が前記自動車用ロック(1)に設けられていることを特徴とする、自動車用ロック(1)。
【請求項2】
前記ラッチ要素(5)は、少なくとも所定の領域において前記キャッチ部(4)によって案内可能であることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項3】
前記ラッチ要素(5)は、少なくとも所定領域においてガイドリブ(18)によって案内可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項4】
前記ガイドリブ(18)は、ロック用ハウジングおよび/またはロック用ケース(19)の一部である、請求項2に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項5】
前記ガイドリブ(18)は、少なくとも所定の領域において、前記キャッチ部に沿って延びていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項6】
前記ガイドリブ(18)は、少なくとも所定の領域において、前記キャッチ部(4)内に延びていることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項7】
前記ガイドリブ(18)によって前記キャッチ部(4)の為の停止部を形成できることを特徴とする、請求項3~6のいずれか一項に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項8】
前記ガイドリブ(18)は、支持バー(20)を有することを特徴とする、請求項3~7のいずれか一項に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項9】
前記支持バーは、少なくとも一定領域において前記キャッチ部(4)に沿って延びていることを特徴とする、請求項8に記載の自動車用ロック(1)。
【請求項10】
前記ガイドリブ(18)および前記キャッチ部(4)は、前記キャッチ部(4)の撓み位置において円弧状の案内経路を形成することを特徴とする、請求項3~9のいずれか一項に記載の自動車用ロック(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、回転ラッチおよび少なくとも1つのキャッチ部を備えたロック機構を有し、回転ラッチとキャッチ部との間の係合領域にラッチ要素が配置され、ラッチ要素は回転ラッチに旋回可能に装着され、少なくとも保持することができる自動車用ロックに関する。
【0002】
[0002]ロックシステムまたは車両用ロックは、継続的な更なる開発の対象であり、その開発は、使用者にとって絶えず増加する快適さの条件に適応しなければならない。使用者にとっての快適機能の1つは、ドア用ロックが開放しやすいことを保証することである。自動車用ロックに配置されたロック機構は、可能な限り小さい力で開放できることが重要であることが判明している。ロック機構を僅かな力で開放できれば、電気駆動装置によってロック機構のロックを解除することができる。たとえば、外側ドアハンドルにスイッチ手段を配置し、このスイッチ手段を外側ドアハンドルによって作動させ、このスイッチ手段によって制御信号を自動車用ロックに伝達することができる。制御信号は電気モータを作動させ、電気モータは次にロック機構の開放を開始する。全ての機能的位置において、特に極端な状況において、この快適機能を実現するためには、ロック機構のロックを容易に解除できなければならない。
【0003】
[0003]自動車ロックのメインロック位置において、回転ラッチがロック用ホルダと相互作用し、キャッチ部によって係合され、ロック機構は通常最大負荷を受ける。ロック機構にかかる負荷は、主として、自動車用ロックがたとえば密封及び閉鎖位置に側部扉を保持しなければならないドアシール圧力から生じる。その後、自動車用ロックが開放した場合には、ロック機構を開放するために、キャッチ部を回転ラッチとの係合から外さなければならない。ロック機構のロック解除を可能な限り容易にするための従来技術からの種々の解決策が知られている。
【0004】
[0004]1つの解決アプローチが、DE 10 2019 123 825 A1に開示されている。ラッチ要素は、回転ラッチとキャッチ部との間に配置され、ロック機構が開放されるか、またはロック解除されると、ラッチ要素はキャッチ部から外れる。これにより、回転ラッチが所定領域で開放位置に移動するので、ロック機構における力成分である第1のシール背圧を低減することができる。ロック機構部とラッチ要素とのローリングオフ処理により、ロック機構のロック解除を容易に行うことができる。従来のロック機構のキャッチラッチと回転ラッチとが通常引き離されると、分離中に開放バンとも呼ばれる騒音が発生する。一方、キャッチ部上のロック機構部品又はラッチ要素のロールオフ処理は、ロック機構内の圧又は力を減少させ、究極的にはキャッチ部とラッチ要素との間の摺動をもたらす。これにより、ロック機構の開放を容易かつ静かに行うことができる。
【0005】
[0005]ラッチ要素の使用の対応する修正は、DE 10 2019 123 825 A1から公知である。ここでも同様に、ラッチ要素がキャッチ部と回転ラッチとの間に配置されているので、ロック機構がロック解除されたときにローリングオフ処理が生じる。ラッチ要素をロールオフするために、ラッチ要素は、ロック機構平面内を移動し、ここで、ラッチ要素は、回転ラッチ内で傾斜運動を行う。ラッチ要素の案内は、ラッチ要素上のガイド延長部および回転ラッチの周りのケーシングによって実現される。さらに、ラッチ要素は、バネ手段によって回転ラッチ内に保持することができるので、ラッチ要素を常に初期位置に戻すことができる。
【0006】
[0006]原理的には、先行技術はそれ自体が証明されているが、改善することができる。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明の目的は、改良された自動車用ロックを提供することである。特に、本発明の目的は、回転ラッチとキャッチ部との間に配置されるラッチ要素を備えた自動車用ロックを、最も簡単な設計手段で回転ラッチの全可動範囲にわたってラッチ要素の整列を実現できるように改良することである。
【0008】
[0008]本発明によれば、独立請求項1の特徴によって目的が達成される。有利な実施形態は、従属請求項において特定される。しかしながら、以下に記載される例示的な実施形態は限定されないことに留意されたい。むしろ、明細書、特許請求の範囲、及び図面に記載された特徴の幾つかの可能な変形が可能である。
【0009】
[0009]請求項1によれば、本発明の目的は、回転ラッチおよび少なくとも1つのキャッチ部を備えたロック機構を有する自動車ロックを提供することによって達成され、回転ラッチとキャッチ部との間の係合領域に配置されるラッチ要素を備え、ラッチ要素は回転ラッチ上で旋回し、少なくとも保持することができ、ラッチ要素を連続的に案内するための少なくとも1つの手段が自動車用ロック上に提供される。ロック機構のロック解除後にラッチ要素を連続的に案内する案内手段により、任意の時点でラッチ要素の位置を決定することができ、ロック機構の開放処理中にラッチ要素を正しい位置に案内することができる。したがって、ラッチ要素の確実な位置決めは、最も単純な設計手段を使用して任意の時点で実現することができる。
【0010】
[0010]本発明が自動車用ロックに言及する場合、これは、自動車上に移動可能に配置される構成部品を保持するために使用されるロックおよびロックシステムを含む。実施例としては、フラップ、フード、側部扉、スライドドア、カバー、および/またはロードコンパートメント、即ち、自動車上に移動可能に配置され、操作中に固定位置に保持されなければならない構成部品が挙げられる。
【0011】
[0011]特定された車両用ロックは、回転ラッチおよび少なくとも1つのキャッチ部を備えたロック機構を有する。回転ラッチは、自動車用ロック内に、通常は金属製軸に回転可能に装着され、ロックホルダと共に動作する。ロック用ホルダおよび自動車用ロックは、本体または可動構成部品に配置することができる。ロック機構が閉鎖されると、自動車用ロック、特に、回転ラッチは、ロック用ホルダと直接相互作用し、キャッチ部によって少なくとも1つのラッチ位置に保持される。1つまたは2つのラッチと1つ、2つ、またはそれ以上のキャッチ部を備えたロック機構がある。回転ラッチおよび2つのラッチ位置を備えたロック機構は、例えば、側部扉において好ましいが、単一ラッチロック機構は、通常、フロントシートのロックシステムに使用される。
【0012】
[0012]本発明は、回転ラッチとキャッチ部との係合領域に伝達要素が設けられた自動車用ロックに関する。伝達要素は、回転ラッチのための少なくとも1つのラッチ面が伝達要素上に形成されるので、ラッチ要素と呼ぶこともできる。好ましくは、ラッチ要素は、ロック機構のメインラッチ位置を形成する。ラッチ要素は、メインラッチ位置から開始して、ロック機構がロック解除されたときにラッチ要素とキャッチ部との間でロールオフ処理が生じるように、回転ラッチ内に旋回可能に装着された状態で受容される。ラッチ要素は、この目的のために回転ラッチ内に旋回可能に装着される。旋回可能に装着されるとは、ラッチ要素が、金属製コアに対しておよび回転ラッチの金属製コア上でそれ自体を支持し、傾斜または旋回運動を行うことができることを意味する。
【0013】
[0013]ラッチ要素が少なくとも特定の領域においてキャッチ部によって案内されることができれば有利である。ラッチ要素は、ロック機構がロック解除された後に回転ラッチから解除される。ラッチ位置が解除され、回転ラッチがキャッチ部に沿って移動する。有利な方法では、キャッチ部を使用して、ラッチ要素を案内することができる。ロック機構は、回転ラッチが、少なくとも特定の領域において、キャッチ部を越えて移動することができるように設計され、その結果、キャッチ部の外縁を使用して、ラッチ要素を案内することができる。したがって、キャッチ部は、一方では、予備ラッチおよび/またはメインラッチ内に回転ラッチをラッチし、同時に、ロック機構のロックを解除した後にラッチ要素のためのガイド手段として利用できるようにする。したがって、ラッチ要素は、ラッチのロック解除または係合解除後にキャッチ部のラッチ面から解除されるが、ロック解除後はキャッチ部に沿って案内される。
【0014】
[0014]キャッチ部によってラッチ要素を案内することに加えて、ガイドリブによって少なくとも特定の領域においてラッチ要素を案内することができれば有利である。ラッチ要素を案内することに加えて、結果として、ロック機構がロック解除された後にラッチ要素を案内することができるリブがあってもよい。これは、回転ラッチおよびキャッチ部の配置により、キャッチ部によるラッチ要素の案内が限られた範囲でしか可能でないか、または不可能である場合に特に有利である。このようにして、回転ラッチに装着されたラッチ要素に対してガイド手段が常に利用可能であることを保証することができる。
【0015】
[0015]ガイドリブは、ロック用ハウジングおよび/またはロック用ケースの一部とすることができる。ガイドリブは、ロック機構がロック解除された後にラッチ要素がガイドリブと係合できるように、自動車用ロック内に配置される。また、ガイドリブとキャッチ部による案内の組み合わせも考えられる。メインラッチ位置からの係合解除後、回転ラッチは解除され、ここで、ラッチ要素がキャッチ部からロールオフされた後、ラッチ要素はキャッチ部および/またはガイドリブによって位置決めすることができ、即ち、キャッチ部およびガイドリブによって所定の位置に案内することができる。この目的のために、ガイドリブは、たとえば、プラスチック製ロック用ハウジングと一体に形成することができる。換言すれば、ガイドリブは、ロック用ハウジング、ロック用ハウジングのカバーキャップ、またはハウジング用カバーの製造時に直接形成される。ガイドリブは、ロック用ハウジング材料に関して異なるプラスチックから形成することも可能である。このプラスチックは、キャッチ部の容易で低騒音の移動を可能にするために、特別な案内および/または摺動特性を有することができる。たとえば、ガイドリブは、別個のプラスチック製部品としてロック用ハウジングに接続するか、または好ましくは2部品射出成形処理を使用して複合材料として設計することができる。
【0016】
[0016]代替え的又は追加的に、ガイドリブをロック用ケースの一部から形成することもできる。ロック用ケースはロック用ハウジングを包囲するが、たとえば、ロック用ケースに面取り部を形成して、この面取り部を使用して少なくとも特定の領域においてラッチ要素を案内することができるようにすることも可能である。好ましくは、ガイドリブはプラスチック製であり、ロック用ケースもまた、特定の領域、少なくともガイドリブの領域において、プラスチックを備えることができる。
【0017】
[0017]ガイドリブが少なくとも特定の領域でキャッチ部に沿って延びる場合も有利であり、本発明の更なる実施形態を形成することができる。ガイドリブをキャッチ部に沿って延ばすことによって、キャッチ部からガイドリブへのラッチ要素の確実な移送を確保することができる。特に、ラッチ要素は、キャッチ部及びガイドリブに沿ってほぼ同一の位置に案内することができる。これは、ラッチ要素が回転ラッチの回転運動によって十分に移動して、ラッチ要素がもはやキャッチ部と係合していない場合に特に有利である。この場合、ラッチ要素をキャッチ部に沿って十分に案内することができず、案内中にラッチ要素がキャッチ部からガイドリブに移送するため、回転ラッチの回転角度全体にわたってラッチ要素の確実かつ均等な案内を確保することができる。ガイドリブがキャッチ部に沿って延びるように、ガイドリブをキャッチ部に対して整列させると、ラッチ要素の運動範囲全体にわたって、ラッチ要素の確実で低騒音の案内を確保することができる。
【0018】
[0018]ガイドリブが少なくとも特定の領域においてキャッチ部内に延びる場合、本発明の更なる有利な実施形態の変形を達成することができる。ガイドリブは、少なくとも特定の領域において、自動車用ロック内のキャッチ部に沿って形成および配置することができる。キャッチ部が自由に移動可能であり、したがって、異なる角度位置をとることができることを考慮して、キャッチ部からガイドリブへのラッチ要素の確実な移送を確保するために、本発明によれば、ガイドリブを少なくとも特定の領域においてキャッチ部内に設定することが提案される。ガイドリブは、キャッチ部の凹部または溝状の開口部内に延びるように設計される。この目的のために、キャッチ部は、プラスチック製ケーシングおよび/または金属製コア内に凹部を有することができる。キャッチ部を移動すると、キャッチ部とガイドリブの間のシームレスな遷移がいつでも可能になる。
【0019】
[0019]また、ガイドリブによってキャッチ部の停止部を形成することができれば有利である。したがって、ガイドリブは、一方ではラッチ要素を案内するのに役立ち、他方では二重の機能でキャッチ部のための停止部を提供することができる。たとえば、ガイドリブが、キャッチ部の凹部または溝と組み合わせて設計され、ガイドリブと凹部または溝とが相互作用するときに、キャッチ部をガイドリブによってメインラッチ位置に保持または固定することができる場合、ガイドリブは、メインラッチ位置におけるキャッチ部のための停止部を形成する。必要に応じて、キャッチ部のための追加の停止部または位置決め手段を省略することができる。
【0020】
[0020]また、ガイドリブに支持バーを設ければ、ガイドリブの機能を安定させることができる。ガイドリブは、少なくとも特定の領域においてキャッチ部に沿って延ばすことができるので、自動車用ロックにおけるガイドリブと支持バーとの省スペース配置を確保することができる。これにより、ガイドリブの耐久性および疲労強度を更に向上させることができ、長寿命化を図ることができる。
【0021】
[0021]また、キャッチ部の偏向した位置において、ガイドリブと組み合わせて、ラッチ要素を案内するために、円弧状として説明することができる経路を設定することができれば有利である。キャッチ部が回転ラッチまたはラッチ要素と係合していない場合、キャッチ部の偏向位置が存在する。したがって、偏向位置は、ロック機構のロック解除位置に対応する。キャッチ部が解除レバーによって偏向されると、ロック機構がロック解除され、ラッチ要素がキャッチ部からロールオフして最終的にキャッチ部から解除される。キャッチ部は、ラッチ要素がキャッチ部および/またはガイドリブに沿って移動できる程度に偏向される。この配置は、ラッチ要素または伝達要素が、任意の時点でロック状態およびロック解除状態で移動できることを保証する。その結果、ロック機構は、一方では静かに開放し、他方では確実に閉鎖することができる。これにより、最も簡単な設計手段でラッチ要素を有利な位置に案内することが確保できる。
【0022】
[0022]以下、添付図面を参照しながら、本発明を好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。しかしながら、本実施の形態は本発明を限定するものではなく、単なる有利な実施の形態であるという点で原理は同じである。図示された特徴は、個々に、または請求項に記載されたものと同様に、明細書のさらなる特徴と組み合わせて、個々にまたは組み合わせて実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、メインラッチ位置における本発明によるロック機構の上面図であり、ガイドリブが自動車用ロック内に配置されている。
図2図2は、ロック解除位置における回転ラッチとキャッチ部との間に配置され、キャッチ部とガイドリブとの間の移行領域に配置されるラッチ要素の詳細図である。
図3図3は、本発明によるロック機構の図であり、回転ラッチは開放位置に示され、ラッチ要素はガイドリブによって位置決めされている。
【0024】
【詳細な説明】
【0025】
[0024]図1は、本発明の開示を説明するための主要な構成部品における自動車用ロック1を示す。自動車用ロック1は、回転ラッチ3とキャッチ部4とを備えたロック機構2を備えている。回転ラッチ3とキャッチ部4との間には、回転ラッチ3に旋回自在に装着されたラッチ要素5が受容されている。図1は、ロック機構2のメインラッチ位置を示す。メインラッチ位置において、ロックホルダ6が回転ラッチ3に係合して、たとえば、側部ドアを自動車用ロック1によってロックすることができる。この点に関して、ロック機構2のメインラッチ位置が示されている。メインラッチ位置において、ラッチ要素5は、回転ラッチ3の凹部8に対して当接面7で静止する。
【0026】
[0025]回転ラッチ3は、プラスチック製ケーシング9を有し、ラッチ要素5は、プラスチック製ケーシング9によって少なくとも特定の領域で回転ラッチ3内に受容される。図1から明らかなように、プラスチック製ケーシング9は、ラッチ要素5をほぼ完全に覆い、ラッチ要素5上の1つのラッチ面のみが、特定の領域においてプラスチックケーシング9から突出する。これにより、ラッチ面10がキャッチ部4のコア11と係合することが確保される。また、ラッチ要素5は、好ましくは金属構成部品として設計され、好ましくは型押しおよびエンボス加工された部品として設計される。
【0027】
[0026]ラッチ要素は、一方の側に延長部12を有し、延長部12は、凹部8内で移動可能である。ラッチ要素5が軸受点13を中心にして矢印Pの方向に旋回すると、延長部12は当接面7と14との間で移動することができる。したがって、回転ラッチ3におけるラッチ要素5の旋回角度は、延長部12によって範囲を決めることができる。
【0028】
[0027]その結果、ラッチ要素5は、回転ラッチのプラスチック製ケーシング9に対して特定の領域に静止し、たとえば、軸受点13において金属製コア15と係合する。当接面7, 14の領域において、金属製ラッチ要素は、回転式ラッチ3のプラスチック製ケーシング9と係合する。
【0029】
[0028]キャッチ部4は、金属製コア11と、プラスチック製ケーシング16とを有する。金属製コア11はノッチ17を有し、このノッチ17もまたプラスチック製ケーシング16で裏打ちされている。図1はまた、ガイドリブ18を示し、このガイドリブ18は、回転ラッチ3のノッチ17内に延びている。ガイドリブ18は、たとえば、自動車用ロック1のプラスチック製ハウジング(図示せず)の一部を形成してもよいし、ロック用ケース19から形成してもよい。いずれにしても、ガイドリブは、特定の領域においてキャッチ部4の周りに延び、また、支持バー20を有する。一例として上述したように、ガイドリブ18及び支持バー20は、ハウジングと一体に形成することができる。支持バー20は、少なくとも特定の領域において、キャッチ部4の軸受点21を囲む。これにより、ガイドリブ18に補強材(stiffener)を省スペースで挿入することができる。
【0030】
[0029]図1から分かるように、プラスチック製ケーシング16は、キャッチ部4の金属製コア11を越えて延びており、延長部22は、ラッチ要素5との干渉を減衰させるための緩衝ポケット23を有している。メインラッチ位置において、ラッチ要素5は、回転ラッチ上の当接面7、軸受点13、および当接面24に当接している。
【0031】
[0030]ここで、例えば、図示しない解除レバーによってキャッチ部4を矢印P2の方向に移動させることによって、ロック機構のロックが解除されると、これに続いて、キャッチ部のラッチ面25上のラッチ要素5のロールオフ運動が行われるか、またはラッチ要素5がラッチ面25上を回転し、ロールオフ処理中に、キャッチ部は既に矢印P2の方向の開放方向に移動し、回転ラッチ3も矢印P3の方向に時計回りに回転する。このロールオフ運動中、たとえば、好ましくは、ドアシールによって回転ラッチ3に作用する力が低減されているので、ロック機構2を容易に開放することができる。従って、図示のロック機構2の場合には、キャッチ部4と回転ラッチ3との間の係合は急激には引き離されないが、回転ラッチ3とキャッチ部4との間の係合状態は、ラッチ要素がキャッチ部のラッチ面25から滑り落ちるまで、ラッチ要素の旋回運動の結果として連続的に変化する。
【0032】
[0031]図2は開放されたラッチを示し、ここで、ラッチ要素5は回転ラッチケーシング9から矢印Pの方向に移動した。ラッチ要素は回転ラッチ3のプラスチック製ケーシング9から移動し、ラッチ面25から滑り落ちた後、キャッチ部4のプラスチック製ケーシング16と係合する。キャッチ部4のプラスチック製ケーシング16は、ラッチ要素5のためのガイド面26として機能する。
【0033】
[0032]図2は、ガイド面26とガイドリブ18との間の移行領域27を示す。回転ラッチの開放領域を横切るラッチ要素5の連続的な案内は、案内面26と案内リブ18とによって確保されることが分かる。したがって、回転ラッチ3およびキャッチ部4に対するラッチ要素5の所定の位置は、ガイド手段18、26によって任意の時点で設定することができる。
【0034】
[0033]図3は、全開位置、すなわち、回転ラッチ3がロックホルダを解除する位置にあるロック機構2を示し、たとえば、後部扉を開放することができる。キャッチ部4は、その終端位置に完全に旋回されて示されており、ラッチ要素5が常にガイドリブ18によって位置決め可能であることが明確に理解される。ラッチ要素は、キャッチ部4またはガイド面26およびガイドリブ18によって、当接面7と14との間に保持される。換言すれば、延長部12は、ガイド手段18、26によって、当接面7と14との間の所定の中間位置に保持される。したがって、ラッチ要素5は、回転ラッチ3の完全な運動の間、規定可能な位置に置かれ、その結果、回転ラッチ3、ラッチ要素5、およびキャッチ部4のロック機構平面におけるラッチ要素5の積極的な案内が実現可能である。ロック機構平面は、キャッチ部4、ラッチ要素5、および回転ラッチ3を通る平行な平面によって特徴付けられる。したがって、ロック機構3、4、5の全ての構成部品は、ロック機構平面内で移動し、ロック機構平面内で旋回または回転する。
【0035】
[0034]プラスチック製ケーシング16はまた、緩衝要素28,29を有し、キャッチ部4の一つの端部位置のための停止バッファ30を備えている。
【符号の説明】
【0036】
1…自動車用ロック、
2…ロック機構、
3…回転ラッチ、
4…キャッチ部、
5…ラッチ要素、
6…ロック用ホルダ、
7,14,24…当接面、
8…凹部、
9,16…プラスチック製ケース、
10,25…ラッチ面、
11,15…金属製コア、
12…延長部、
13…軸受点、
17…ノッチ、
18…ガイドリブ、
19…ロック用ケース、
20…支持バー、
21…軸受点、
22…延長部、
23,28,29…バッファポケット、
26…ガイド面、
27…移行領域、
30…停止バッファ、
P、P2、P3…矢印。
図1
図2
図3
【国際調査報告】