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▶ アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】結像装置及び方法、カプセル内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20241219BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61B1/00 C
A61B1/00 512
A61B1/06 612
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537584
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 CN2022140446
(87)【国際公開番号】W WO2023116722
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111564565.9
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517396261
【氏名又は名称】アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANKON MEDICAL TECHNOLOGIES (SHANGHAI) CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 1,No.435,Chuanqiao Road,Pilot Free Trade Zone,Pudong New Area,Shanghai,201206,China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン シャオドン
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ チンフー
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161QQ02
4C161QQ03
4C161QQ07
4C161RR02
4C161RR03
4C161RR04
4C161RR23
4C161RR26
(57)【要約】
本発明は、結像装置及び方法、カプセル内視鏡を提供する。当該結像装置は、照明ユニットと被検体を結像するためのカメラとを備え、照明ユニットは、白色光を発することでカメラによる被検体の結像へ光線を供給するための第1光源と、近赤外光線を発することでカメラによる被検体の結像へ光線を供給するための第2光源とを含む。本発明では、白色光を検体の浅表層へ照射し、更に検体の浅表層組織を観測し、且つ近赤外光を検体の中間層及び深層組織へ照射し、更に検体の中間層及び深層組織を観測することにより、白色光結像と近赤外光結像との切り替えを実現する。このように、白色光結像を通じて初歩的な観測を行うことができ、病変や深層出血が疑われる領域に対して、近赤外光結像に切り替えて更に深く観測し、より鮮明且つより高品質の画像を提供することができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル内視鏡に取り付けられ、照明ユニットと、被検体を結像するためのカメラとを備える結像装置であって、
前記照明ユニットは、
白色光を発することで前記カメラによる前記被検体の結像へ光線を供給するための第1光源と、
近赤外光線を発することで前記カメラによる前記被検体の結像へ光線を供給するための第2光源と、を含むことを特徴とする結像装置。
【請求項2】
前記第2光源は、第1波長を有する光線を発するための第1ランプボディと、第2波長を有する光線を発するための第2ランプボディを含み、前記第1波長の範囲は、760nm~850nmであり、前記第2波長の範囲は、900nm~1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の結像装置。
【請求項3】
前記第2光源から発された光線の中心波長は、740nm~830nmであることを特徴とする請求項1に記載の結像装置。
【請求項4】
前記カメラは、レンズを含み、前記レンズには、中心波長が660nm~820nmである光線をフィルタリングするためのめっき膜層が設けられ、
又は、前記カメラは、中心波長が660nm~820nmである光線をフィルタリングするためのノッチフィルタを含むことを特徴とする請求項3に記載の結像装置。
【請求項5】
前記第2光源から発された光線の中心波長は、680nm~690nmであることを特徴とする請求項1に記載の結像装置。
【請求項6】
前記カメラは、レンズを含み、前記レンズには、中心波長が666nm~702nmである励起光をフィルタリングするためのめっき膜層が設けられ、
又は、前記カメラは、中心波長が666nm~702nmである励起光をフィルタリングするためのノッチフィルタを含むことを特徴とする請求項5に記載の結像装置。
【請求項7】
前記第1光源と前記第2光源のそれぞれは、ランプボディを含み、前記照明ユニットは、取付板を更に含み、前記第1光源のランプボディ及び前記第2光源のランプボディは、前記取付板の周方向に沿って前記取付板に分布することを特徴とする請求項1に記載の結像装置。
【請求項8】
前記第1光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、前記第2光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、前記第1光源のランプボディと前記第2光源のランプボディとは、前記取付板に交互に分布し、
又は、前記第1光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、前記第2光源に含まれるランプボディの数は、前記第1光源に含まれるランプボディの数に対応し、前記第1光源のランプボディは、前記取付板の周方向に沿って前記取付板に分布し、前記第2光源のランプボディは、前記第1光源のランプボディに対応して前記取付板に分布し、且つ前記第2光源のランプボディは、前記第1光源のランプボディの内側又は外側に位置することを特徴とする請求項7に記載の結像装置。
【請求項9】
前記カメラは、前記白色光と前記近赤外光線との同時結像を実現可能なセンサを含むことを特徴とする請求項1に記載の結像装置。
【請求項10】
前記結像装置は、第1制御回路と第2制御回路とを含み、前記第1制御回路は、前記第1光源に接続されて前記第1光源を制御し、前記第2制御回路は、前記第2光源に接続されて前記第2光源を制御し、
前記第1制御回路がハイレベルを出力しているとき、前記第1光源が照明状態であり、前記第1制御回路がローレベルを出力しているとき、前記第1光源がオフ状態であり、
前記第2制御回路がハイレベルを出力しているとき、前記第2光源が照明状態であり、前記第2制御回路がローレベルを出力しているとき、前記第2光源がオフ状態であることを特徴とする請求項1に記載の結像装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の結像装置を備えることを特徴とするカプセル内視鏡。
【請求項12】
請求項1~10の何れか一項に記載の結像装置に用いられる結像方法であって、
理想結像状態における画像の輝度値Iを予め設定するステップと、
前記カメラで撮影された画像の輝度値Iを取得するステップと、
前記輝度値Iと前記輝度値Iとを比較し、比較結果に基づいて前記第1光源の露光時間と前記第1光源の電圧と前記第2光源の露光時間と前記第2光源の電圧とのうちの少なくとも一項を調整することにより、前記第1光源及び/又は前記第2光源の結像効果を調整するステップと、を含むことを特徴とする結像方法。
【請求項13】
前記第1光源の状態を調整して白色光画像の結像効果を取得するとき、
理想結像状態における白色光画像の輝度値Iを予め設定し、
前記カメラで撮影された白色光画像の輝度値Iw1を取得し、
前記輝度値Iw1と前記輝度値Iとを比較し、前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも小さいとき、前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を増加させ、
前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも大きいとき、前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を減少させることを特徴とする請求項12に記載の結像方法。
【請求項14】
前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を増加又は減少させるステップにおいて、
前記第1光源の初期電圧VW0と初期露光時間tW0とに基づいて前記第1光源の初期発光エネルギーWW0を取得し、
増加又は減少後の前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1に基づいて、前記第1光源の発光エネルギーWW1を算出し、
前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも小さいとき、WW1>WW0が満たされるように、制御回路が第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を増加させ、
前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも大きいとき、WW1<WW0が満たされるように、制御回路が第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を減少させることを特徴とする請求項13に記載の結像方法。
【請求項15】
前記第2光源の状態を調整して近赤外光画像の結像効果を取得するとき、
理想結像状態における近赤外光画像の輝度値IIRを予め設定し、
前記カメラで撮影された近赤外光画像の輝度値IIR1を取得し、
前記輝度値IIR1と前記輝度値IIRとを比較し、前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも小さいとき、前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加させ、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも大きいとき、前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を減少させることを特徴とする請求項12に記載の結像方法。
【請求項16】
前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加又は減少させるステップにおいて、
前記第2光源の初期電圧VIR0と初期露光時間tIR0とに基づいて、前記第2光源の初期発光エネルギーWIR0を取得し、
増加又は減少後の前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1に基づいて、前記第2光源の発光エネルギーWIR1を算出し、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも小さいとき、WIR1>WIR0が満たされるように、制御回路が第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加させ、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも大きいとき、WIR1<WIR0が満たされるように、制御回路が第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を減少させることを特徴とする請求項15に記載の結像方法。
【請求項17】
前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加又は減少させるステップにおいて、
前記第2光源の第1ランプボディの初期電圧VIR10と初期露光時間tIR10とに基づいて、前記第2光源の第1ランプボディの初期発光エネルギーWIR10を取得し、
前記第2光源の第2ランプボディの初期電圧VIR20と初期露光時間tIR20とに基づいて、前記第2光源の第2ランプボディの初期発光エネルギーWIR20を取得し、
第1ランプボディの初期発光エネルギーWIR10と第2ランプボディの初期発光エネルギーWIR20とに基づいて、前記第2光源の初期総発光エネルギーWIR0を取得し、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも小さいとき、第2光源の総発光エネルギーがWIR1>WIR0を満たすように、制御回路が第1ランプボディの露光時間tIR11又は電圧VIR11を増加させるとともに、第2ランプボディLR2の露光時間tIR21又は電圧VIR21を増加させ、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも大きいとき、第2光源の総発光エネルギーがWIR1<WIR0を満たすように、制御回路が第1ランプボディの露光時間tIR11又は電圧VIR11を減少させるとともに、第2ランプボディの露光時間tIR21又は電圧VIR21を減少させることを特徴とする請求項15に記載の結像方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、2021年12月20日に中国専利局へ出願された、出願番号が202111564565.9であって発明の名称が「結像装置及び方法、カプセル内視鏡」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、カプセル内視鏡の技術分野に関し、具体的に結像装置、結像方法及びカプセル内視鏡に関する。
【背景技術】
【0003】
現在よく利用される挿管式胃鏡技術の発展は、比較的に成熟している。そして、内視鏡でよく使用されている白色光イメージング技術(WLI、White Light Imaging)に基づいて、癌に対する早期スクリーニング率を高めるために、自己蛍光イメージング(AFI、Auto Fluorescence Imaging)技術、狭帯域光観察(NBI、Narrow Band Imaging)技術、フレキシブルスペクトルイメージング色強調(FICE、Flexible spectral Imaging Color Enhancement)技術、ブルーレーザーイメージング(BLI、Blue Light Imaging)技術などを含む、一連の光学原理を用いた内視鏡技術を発展させてきている。これらの技術は、主に光学の点から画像の増強を実現し、画像の品質を向上させ、注目される血管、病変領域の差異性を強化し、診断効率を向上させる。しかし、深層組織の観測については、可視光の透過深度が浅いため、観測が困難である。
【0004】
近年、カプセル内視鏡、特にマグネトロンカプセル内視鏡の登場は、患者に快適で友好的な検査体験をもたらし、白色光イメージング(WLI)のスクリーニング精度において既に通常の挿管胃鏡のゴールドスタンダードに至った。しかし、同様に、深層組織の観測については、可視光の透過深度が不足しているため、消化管検査の効果がよくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術に存在する問題を解決すべく、本発明の主な目的は、深層組織の観測を可能にすることで癌、病変領域及び境界を正確に判断する結像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を果たすために、本発明は、具体的に以下の解決手段を講じる。
【0007】
本発明は、結像装置を提供する。当該結像装置は、カプセル内視鏡に取り付けられ、照明ユニットと、被検体を結像するためのカメラとを備え、
前記照明ユニットは、
白色光を発することで前記カメラによる前記被検体の結像へ光線を供給するための第1光源と、
近赤外光線を発することで前記カメラによる前記被検体の結像へ光線を供給するための第2光源と、を含む。
【0008】
好ましくは、前記第2光源は、第1波長を有する光線を発するための第1ランプボディと、第2波長を有する光線を発するための第2ランプボディを含み、前記第1波長の範囲は、760nm~850nmであり、前記第2波長の範囲は、900nm~1000nmである。
【0009】
好ましくは、前記第2光源から発された光線の中心波長は、740nm~830nmである。
【0010】
好ましくは、前記カメラは、レンズを含み、前記レンズには、中心波長が660nm~820nmである光線をフィルタリングするためのめっき膜層が設けられている。
【0011】
好ましくは、前記カメラは、中心波長が660nm~820nmである光線をフィルタリングするためのノッチフィルタを含む。
【0012】
好ましくは、前記第2光源から発された光線の中心波長は、680nm~690nmである。
【0013】
好ましくは、前記カメラは、レンズを含み、前記レンズには、中心波長が666nm~702nmである励起光をフィルタリングするためのめっき膜層が設けられている。
【0014】
好ましくは、前記カメラは、中心波長が666nm~702nmである励起光をフィルタリングするためのノッチフィルタを含む。
【0015】
好ましくは、前記第1光源は、ランプボディを含み、前記第2光源は、ランプボディを含み、前記照明ユニットは、取付板を更に含み、前記第1光源のランプボディ及び前記第2光源のランプボディは、前記取付板の周方向に沿って前記取付板に分布する。
【0016】
好ましくは、前記第1光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、前記第2光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、前記第1光源のランプボディと前記第2光源のランプボディとは、前記取付板に交互に分布する。
【0017】
好ましくは、前記第1光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、前記第2光源に含まれるランプボディの数は、前記第1光源に含まれるランプボディの数に対応し、前記第1光源のランプボディは、前記取付板の周方向に沿って前記取付板に分布し、前記第2光源のランプボディは、前記第1光源のランプボディに対応して前記取付板に分布し、且つ前記第2光源のランプボディは、前記第1光源のランプボディの内側又は外側に位置する。
【0018】
好ましくは、前記第1光源及び/又は前記第2光源は、LED光源である。
【0019】
好ましくは、前記カメラは、前記白色光と前記近赤外光線とを同時に結像することを可能にするセンサを含む。
【0020】
好ましくは、前記結像装置は、第1制御回路と第2制御回路とを含み、前記第1制御回路は、前記第1光源に接続されて前記第1光源を制御し、前記第2制御回路は、前記第2光源に接続されて前記第2光源を制御する。
前記第1制御回路がハイレベルを出力しているとき、前記第1光源が照明状態であり、前記第1制御回路がローレベルを出力しているとき、前記第1光源がオフ状態である。
前記第2制御回路がハイレベルを出力しているとき、前記第2光源が照明状態であり、前記第2制御回路がローレベルを出力しているとき、前記第2光源がオフ状態である。
【0021】
それ相応に、本発明は、カプセル内視鏡を更に提供する。当該カプセル内視鏡は、上述した結像装置を備える。
【0022】
それ相応に、本発明は、上記結像装置の結像方法を更に提供する。当該結像方法は、
理想結像状態における画像の輝度値Iを予め設定するステップと、
前記カメラで撮影された画像の輝度値Iを取得するステップと、
前記輝度値Iと前記輝度値Iとを比較し、比較結果に基づいて前記第1光源の露光時間と前記第1光源の電圧と前記第2光源の露光時間と前記第2光源の電圧とのうちの少なくとも一項を調整することにより、前記第1光源及び/又は前記第2光源の結像効果を調整するステップと、を含む。
【0023】
好ましくは、前記第1光源の状態を調整して白色光画像の結像効果を取得するとき、
理想結像状態における白色光画像の輝度値Iを予め設定し、
前記カメラで撮影された白色光画像の輝度値Iw1を取得し、
前記輝度値Iw1と前記輝度値Iとを比較し、前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも小さいとき、前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を増加させ、
前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも大きいとき、前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を減少させる。
【0024】
好ましくは、前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を増加又は減少させるステップにおいて、
前記第1光源の初期電圧VW0と初期露光時間tW0とに基づいて前記第1光源の初期発光エネルギーWW0を取得し、
増加又は減少後の前記第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1に基づいて、前記第1光源の発光エネルギーWW1を算出し、
前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも小さいとき、WW1>WW0が満たされるように、制御回路が第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を増加させ、
前記輝度値Iw1が前記輝度値Iよりも大きいとき、WW1<WW0が満たされるように、制御回路が第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を減少させる。
【0025】
好ましくは、前記第2光源の状態を調整して近赤外光画像の結像効果を取得するとき、
理想結像状態における近赤外光画像の輝度値IIRを予め設定し、
前記カメラで撮影された近赤外光画像の輝度値IIR1を取得し、
前記輝度値IIR1と前記輝度値IIRとを比較し、前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも小さいとき、前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加させ、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも大きいとき、前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を減少させる。
【0026】
好ましくは、前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加又は減少させるステップにおいて、
前記第2光源の初期電圧VIR0と初期露光時間tIR0とに基づいて、前記第2光源の初期発光エネルギーWIR0を取得し、
増加又は減少後の前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1に基づいて、前記第2光源の発光エネルギーWIR1を算出し、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも小さいとき、WIR1>WIR0が満たされるように、制御回路が第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加させ、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも大きいとき、WIR1<WIR0が満たされるように、制御回路が第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を減少させる。
【0027】
好ましくは、前記第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加又は減少させるステップにおいて、
前記第2光源の第1ランプボディの初期電圧VIR10と初期露光時間tIR10とに基づいて、前記第2光源の第1ランプボディの初期発光エネルギーWIR10を取得し、
前記第2光源の第2ランプボディの初期電圧VIR20と初期露光時間tIR20とに基づいて、前記第2光源の第2ランプボディの初期発光エネルギーWIR20を取得し、
第1ランプボディの初期発光エネルギーWIR10と第2ランプボディの初期発光エネルギーWIR20とに基づいて、前記第2光源の初期総発光エネルギーWIR0を取得し、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも小さいとき、第2光源の総発光エネルギーがWIR1>WIR0を満たすように、制御回路が第1ランプボディの露光時間tIR11又は電圧VIR11を増加させるとともに、第2ランプボディLR2の露光時間tIR21又は電圧VIR21を増加させ、
前記輝度値IIR1が前記輝度値IIRよりも大きいとき、第2光源の総発光エネルギーがWIR1<WIR0を満たすように、制御回路が第1ランプボディの露光時間tIR11又は電圧VIR11を減少させるとともに、第2ランプボディの露光時間tIR21又は電圧VIR21を減少させる。
【発明の効果】
【0028】
従来技術と比べて、本発明の結像装置は、白色光結像モードと近赤外光結像モードとを有し、白色光結像は、被検体の浅表層組織を観測するために用いられ、近赤外光結像は、被検体の中間層及び深層組織を観測するために用いられる。更に、本発明の結像装置は、白色光結像と近赤外光結像との切り替えを実現可能でありながら、白色光と近赤外光との同時結像又は重畳結像も可能であり、情報収集の全面性を向上させる。また、本発明の結像方法は、閉ループ制御方法であり、結像装置の結像品質をリアルタイムに調整可能であり、結像装置の結像品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図2】本発明の他の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図3】本発明の他の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図4】本発明の他の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図5】本発明の他の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図6】本発明の他の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図7】本発明の他の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図8】本発明の他の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図9】本発明の実施例の第1光源の制御回路図である。
図10】本発明の実施例のランプボディLR1の制御回路図である。
図11】本発明の実施例のランプボディLR2の制御回路図である。
図12】本発明の実施例の結像方法のフローチャートである。
図13】本発明の実施例の805nm波長のランプボディのスペクトルパワーマップである。
図14】本発明の実施例の805nm波長のランプボディの狭帯域スペクトル図である。
図15】本発明の実施例の940nm波長のランプボディのスペクトルパワーマップである。
図16】本発明の実施例の940nm波長のランプボディの狭帯域スペクトル図である。
図17】本発明の実施例の805nm波長のランプボディと940nm波長のランプボディとの各電圧での狭帯域スペクトル図である。
図18】本発明の実施例の805nm波長のランプボディと940nm波長のランプボディとの各電圧での狭帯域スペクトル図である。
図19】本発明の実施例の805nm波長のランプボディと940nm波長のランプボディとの各電圧での狭帯域スペクトル図である。
図20】本発明の実施例の第1光源と第2光源との動作を切り替える回路図である。
図21】本発明の実施例の第1光源と第2光源とが同時に動作する回路図である。
図22】本発明の別の実施例の第1光源のランプボディと第2光源のランプボディの分布図である。
図23】本発明の実施例のレンズに膜をめっきした後のカプセル内視鏡のレンズの透光曲線グラフである。
図24】本発明の実施例のランプボディLW1の制御回路図である。
図25】本発明の実施例のランプボディLR1の制御回路図である。
図26】本発明の実施例のランプボディLW1とランプボディLR1との動作を切り替える回路図である。
図27】本発明の実施例のランプボディLW1とランプボディLR1とが同時に動作する回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、解決手段及び利点をより明確に理解するために、以下に図面及び実施例を参照しながら、本発明について更に詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、本発明を説明するためだけに使用され、本発明を限定するために使用されないことを理解されたい。
【0031】
本発明は、結像装置を提供する。当該結像装置は、カプセル内視鏡に用いられ、当該結像装置は、被検体を結像し、カメラと照明ユニットとを備え、照明ユニットは、取付板1、第1光源と第2光源を含み、第1光源と第2光源は、取付板1に設けられている。第1光源は、白色光(可視光)を発して被検体へ照射し、カメラ結像に光線を提供し、第2光源は、近赤外光を発して被検体へ照射し、カメラ結像に光線を提供することにより、被検体を観測する。具体的に、本発明の一実施実施形態では、被検体は、消化管である。被検体は、他の人体又は動物体組織であってもよく、理解の便宜のために、以下では、被検体を例にして説明する。
【0032】
簡単に言えば、本発明は、第1光源から発された白色光を被検体の浅表層に照射し、被検体で反射された白色光を用いて結像し、更に被検体の浅表層組織を観測する。一方、第2光源から発された近赤外光線を被検体の中間層及び深層組織に照射し、当該中間層及び深層組織で反射された近赤外光を用いて結像し、更に当該中間層及び深層組織を観測する。上記2つの相補的な結像モードにより、検出者は、被検体に関する画像情報をより包括的に取得することができる。また、本発明は、白色光結像と近赤外光結像の間の切り替えを実現し、それによって白色光結像を通じて被検体に対して初歩的な観測を行うことができ、疑似病変領域に対して、近赤外光結像に切り替えて深く観測し、より鮮明的且つより高品質の画像を提供し、更に癌、病変の領域と境界を観察することを助け、早期癌スクリーニングのより正確な判断を実現することを支援する。上記白色光結像と近赤外光結像の切り替えにより、異なる目標に対して相応の結像モードを採用することができ、それによりカプセル内視鏡の電気量を効果的に節約し、カプセル内視鏡の動作時間を延長することができる。
【0033】
近赤外光イメージングIRI(Infrared Radiation Imaging)技術の応用は、近赤外光が可視光に比べて組織粘膜に対する独自の深い浸透深さを利用したものである。したがって、近赤外結像を結合した内視鏡は、白色光結像よりも深い情報を見ることができ、内視鏡の観測深度を高め、それによって深層の病変の検出率を高める。
【0034】
本発明の実施例では、第1光源及び第2光源は、それぞれランプボディを含み、第1光源のランプボディ及び第2光源のランプボディは、取付板1の周方向に沿って取付板1に分布する。
【0035】
更に、本発明の幾つかの実施例では、第1光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、第2光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、第1光源のランプボディと第2光源のランプボディとは、交互に取付板1に分布する。
【0036】
本発明の他の幾つかの実施例では、第1光源は、少なくとも2つのランプボディを含み、第2光源に含まれるランプボディの数は、第1光源に含まれるランプボディの数に対応し、第1光源のランプボディは、取付板の周方向に沿って取付板1に分布し、第2光源のランプボディは、第1光源のランプボディに対応して取付板1に分布し、且つ第2光源のランプボディは、第1光源のランプボディの内側又は外側に位置する。
【0037】
例えば、一実施例では、第1光源は、4つのランプボディLW1を含み、第2光源は、2つのランプボディLR1(第1ランプボディ)と2つのランプボディLR2(第2ランプボディ)とを含む。図1に示すように、第1光源のランプボディと第2光源のランプボディとは、取付板1の周方向に沿って交互に配置され、且つ取付板1に均一に間隔を空けて分布する。第2光源のランプボディLR1とランプボディLR2も、取付板1の周方向に沿って交互に配置され、且つ取付板1に均一に間隔を空けて分布する。
【0038】
更に例えば、本実施例では、4つのランプボディLW1、2つのランプボディLR1(第1ランプボディ)及び2つのランプボディLR2(第2ランプボディ)は、取付板の周方向に均一に間隔を空けて分布している。他の実施例では、図2図8を参照して示すように、第1光源のランプボディの数は、4つに限定されず、4つ未満又は4つよりも多くてもよく、第2光源のランプボディの数も4つに限定されず、4つ未満又は4つよりも多くてもよい。第1光源のランプボディの数と第2光源のランプボディの数と等しいことに限定されるものではなく、第1光源のランプボディの数は、第2光源のランプボディの数よりも小さくても多くてもよい。同時に、第1光源のランプボディと第2光源のランプボディも、交互に取付板の周方向に均一に分布することに限らず、第1光源のランプボディが取付板の周方向に沿って取付板に分布し、第2光源のランプボディが第1光源のランプボディに対応して取付板に分布し、かつ、第2光源のランプボディが第1光源のランプボディの内側又は外側に位置することとしてもよい。具体的に、図2図3図5図6及び図7に示すように、4つのランプボディLW1は、取付板1の周方向に沿って等間隔に取付板1に均一に分布し、且つ、ランプボディLR1及びランプボディLR2は、取付板1の径方向に沿ってランプボディLW1の内側又は外側に分布し、ここで、ランプボディLR1とランプボディLR2との和は、ランプボディLW1の数以下であってもよい。図4において、ランプボディLR1とランプボディLR2は、取付板1の中心点に関して対称に分布し、ランプボディLW1は、ランプボディLR1とランプボディLR2との結線に関して対称に配置されていてもよい。
【0039】
上記実施例では、ランプボディLR1(第1ランプボディ)から発された光線の中心波長は、760nm~850nmの範囲である。一実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~770nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~780nmの範囲である。更に別の実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~790nmの範囲である。他の実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~800nmの範囲である。一実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~810nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~820nmの範囲である。更に別の実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~830nmの範囲である。もう1つの実施例では、ランプボディLR1の中心波長は、760nm~840nmの範囲である。
【0040】
ランプボディLR2(第2ランプボディ)から発された光線の中心波長は、900nm~1000nmの範囲である。一実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~910nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~920nmの範囲である。更に別の実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~930nmの範囲である。他の実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~940nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~960nmの範囲である。更に別の実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~970nmの範囲である。もう1つの実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~980nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR2の中心波長は、900nm~990nmの範囲である。
【0041】
本実施例では、ランプボディLR1の数とランプボディLR2の数とが等しい。理解できるように、他の実施例では、ランプボディLR1の数とランプボディLR2の数とが等しくなくてもよい。
【0042】
本発明では、4つのランプボディLW1を介して白色光を発して被検体の浅表層組織へ照射し、カメラを介して結像することにより、被検体に対して初歩的な観測を行う一方、病変又は深層出血が疑われる領域については、ランプボディLR1とランプボディLR2を介して近赤外光を発して被検体の中間層および深層組織へ照射し、カメラを介して結像することにより、被検体に対して深い観測を行う。
【0043】
本実施例では、ランプボディLW1、ランプボディLR1及びランプボディLR2は、いずれもLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)ランプである。本発明のランプボディLW1、ランプボディLR1及びランプボディLR2は、いずれもLEDランプを採用し、このLEDランプは、コストが低く、体積が小さいなどの利点があり、カプセル内視鏡内への取り付けが便利である。他の実施例では、ランプボディLW1、ランプボディLR1及びランプボディLR2は、LD(Laser Diode、半導体レーザ)ランプなどの他のタイプのランプボディであってもよいことを理解されたい。
【0044】
効率的な可視光結像と近赤外光結像を得るために、本発明の実施例で選択されたセンサは、可視光と近赤外光を同時に効率的に結像することができるCMOS(Complementtary Metal Oxide Semiconductor、相補型金属酸化物半導体)センサを含んでイメージングされる。ここで、このCMOSセンサは、RGB―IRチップを採用することにより、1つのチップだけで可視光と近赤外光の同時結像を実現することができるとともに、可視光と近赤外光の両方に比較的に高いスペクトル応答があることを保証することができる。これにより、可視光と近赤外光画像の信号対雑音比に関し、良好な保障を有する。CMOSセンサチップは、RGB―IRチップに限らず、通常の可視から近赤外までの高感度RGBチップを選択して実現することもできることを理解されたい。他の実施例では、カメラは、分光部品と、2つの異なるチップ、即ちRGBチップとIRチップ(即ち、Infrared Radiationチップ、近赤外光を受光して処理するためのもの)とを更に含む。被検体で反射された光は、分光部品を通過して2つの光路に形成され、それぞれRGBチップとIRチップに到達し、異なるチップは、受光された光に対して比較的高いスペクトル応答を有する。
【0045】
図9図10図11に示すように、本発明の結像装置は、第1制御回路と第2制御回路とを更に備える。第1制御回路は、制御回路H_en_Whiteと、互いに並列接続された4つのランプボディLW1とを備える。制御回路H_en_Whiteは、4つのランプボディLW1に接続されている。第2制御回路は、制御回路H_en_IR1と制御回路H_en_IR2を含み、2つのランプボディLR1は、互いに並列接続され、2つのランプボディLR2は、互いに並列接続され、制御回路H_en_IR1は、2つのランプボディLR1に接続され、制御回路H_en_IR2は、2つのランプボディLR2に接続されている。第1制御回路がハイレベルを出力しているとき、第1光源が照明状態であり、第1制御回路がローレベルを出力しているとき、第1光源がオフ状態である。第2制御回路がハイレベルを出力しているとき、第2光源が照明状態であり、第2制御回路がローレベルを出力しているとき、第2光源がオフ状態である。
【0046】
本発明の結像装置は、切替回路を更に備え、切替回路は、制御回路H_en_White、制御回路H_en_IR1及び制御回路H_en_IR2を切り替える。具体的に、切替回路は、制御回路H_en_White、制御回路H_en_IR1及び制御回路H_en_IR2の出力レベルを制御することにより、各制御回路を切り替える。制御回路H_en_Whiteがハイレベルを出力しているとき、白色光を発するランプボディLW1は、点灯し、制御回路H_en_IR1がハイレベルを出力しているとき、近赤外光を発するランプボディLR1は、点灯する。制御回路H_en_IR2がハイレベルを出力しているとき、近赤外光を発するランプボディLR2は、点灯する。制御回路H_en_IR1から出力されたレベルと制御回路H_en_IR2から出力されたレベルとは、一致に維持され、且つ同時に高くなったり低くなったりする(同時に増加又は同時に減少)。制御回路H_en_Whiteと制御回路H_en_IR1、制御回路H_en_IR2のレベルは、交互に変化する。即ち、回路において、制御回路H_en_Whiteがハイレベルであるとき、制御回路H_en_IR1、制御回路H_en_IR2がローレベルであり、制御回路H_en_Whiteがローレベルであるとき、制御回路H_en_IR1、制御回路H_en_IR2がハイレベルである。上記制御回路の切り替えにより、第1光源と第2光源とが切り替えて露光結像することを保証可能であり、それによって被検体の特定領域についてより全面的且つ偏差の小さい画像情報を取得することができる。
【0047】
本発明の別の実施例では、第1光源と第2光源とが同時に動作する場合に、制御回路H_en_Whiteと制御回路H_en_IR1、制御回路H_en_IR2のレベルは、各フレームの画像の取得においてハイレベルを維持し、即ち、ランプボディLW1、ランプボディLR1及びランプボディLR2は、点灯する。これにより、第1光源と第2光源とが同時に露光結像することを確保する。
【0048】
それ相応に、本発明の実施例は、カプセル内視鏡を更に提供し、当該カプセル内視鏡は、上記結像装置を備える。
【0049】
図12に示すように、それ相応に、本実施例は、上記結像装置の結像方法を更に提供する。当該方法では、カメラで撮影された画像の結像効果に基づいて、アルゴリズム算出により、第1光源と第2光源との分圧及び各自の露光時間を自動的に調整し、最終的な結像効果が最も優れることを実現する。具体的な調整過程は、以下のステップを含む。即ち、
理想結像状態における画像の輝度値Iを予め設定するステップと、
カメラで撮影された画像の輝度値Iを取得するステップと、
輝度値Iと輝度値Iとを比較し、比較結果に基づいて第1光源の露光時間と第1光源の電圧と第2光源の露光時間と第2光源の電圧とのうちの少なくとも一項を調整することで第1光源及び/又は第2光源の結像効果を調整するステップと、を含む。
【0050】
例えば、第1光源の結像効果を単独で調整し、又は、第2光源の結像効果を単独で調整し、又は、第1光源及び第2光源の結像効果を同時に調整する。
【0051】
ここで、第1光源の露光時間、第1光源の電圧、第2光源の露光時間又は第2光源の電圧の何れかのパラメータを単独で調整してもよく、第1光源の露光時間と第1光源の電圧と第2光源の露光時間と第2光源の電圧とのうちの何れか2つのパラメータ又は2つ以上のパラメータを同時に調整してもよい。
【0052】
具体的に、第1光源の結像効果を調整する際、具体的な操作過程は、
理想結像状態における白色光画像の輝度値Iを予め設定し、
カメラで撮影された白色光画像の輝度値Iw1を取得し、
輝度値Iw1と輝度値Iとを比較し、輝度値Iw1が輝度値Iよりも小さいときに、第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を増加させ、輝度値Iw1が輝度値Iよりも大きいときに、第1光源の露光時間tw1又は電圧Vw1を減少させる。
【0053】
第1光源の動作時に、制御回路は、第1光源に初期電圧VW0と初期露光時間tW0を印加し、第1光源の初期電圧VW0と初期露光時間tW0により、1回露光時間tW0内の第1光源の発光エネルギーをWW0=PW0*tW0として算出する。ここで、PW0は、電圧がVW0であるときの第1光源の全てのランプボディのパワーの和である。
【0054】
このとき、CMOSセンサは、1つの白色光画像を収集し、この白色光画像の輝度値IW1と理想結像での白色光画像の輝度値Iとを比較することにより、次のフレーム画像を取得する際の第1光源の発光エネルギーを調整し、それによって次のフレーム画像の輝度値を調整する。第1光源の発光エネルギーと、当該第1光源の照射下で撮影された画像の輝度値とは、正の相関関係を呈する。IW1<Iのとき、制御回路は、次のフレーム画像を取得する際に第1光源の発光エネルギーが増大し且つ次のフレーム画像の輝度が向上するように、第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を増加させ、第1光源の発光エネルギーWW1>WW0を満たす。逆に、IW1>Iのとき、制御回路は、次のフレーム画像を取得する際に第1光源の発光エネルギーが減少し且つ次のフレーム画像の輝度が低下するように、第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を減少させ、第1光源の発光エネルギーWW1<WW0を満たす。ここで、WW1=PW1*tW1を満たし、PW1は、電圧がVW1であるときのすべてのランプボディLW1のパワーの和である。上記調整により、白色光画像の輝度は、最適な効果を示すことができる。
【0055】
本発明の実施例では、第2光源の状態を調整して近赤外光画像の結像効果を取得する際に、具体的な操作過程は、
理想結像状態における近赤外光画像の輝度値IIRを予め設定し、
カメラで撮影された近赤外光画像の輝度値IIR1を取得し、
輝度値IIR1と輝度値IIRとを比較し、輝度値IIR1が輝度値IIRよりも小さいときに、第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加させ、輝度値IIR1が輝度値IIRよりも大きいときに、第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を減少させる。
【0056】
切替回路が第2光源動作に切り替えたときに、制御回路は、第2光源のランプボディLR1に初期電圧VIR10を印加し且つ初期露光時間tIR10を設定し、第2光源のランプボディLR1の初期電圧VIR10及び初期露光時間tIR10に基づいて1回露光時間tIR10内の第2光源のランプボディLR1の発光エネルギーWIR10をWIR10=PIR10*tIR10として算出する。PIR10は、電圧がVIR10であるときの全てのランプボディLR1のパワーの和である。
【0057】
同時に、制御回路は、第2光源のランプボディLR2に初期電圧VIR20を印加し且つ初期露光時間tIR20を設定し、第2光源のランプボディLR2初期電圧VIR20と初期露光時間tIR20とに基づいて1回露光時間tIR20内の第2光源のランプボディLR2の発光エネルギーWIR20を算出する。ここで、WIR20=PIR20*tIR20を満たし、PIR20は、電圧がVIR20であるときの全てのランプボディLR2のパワーの和である。このように、第2光源初期の総発光エネルギーは、WIR0、WIR0=WIR10+WIR20として得られる。
【0058】
このとき、CMOSセンサは、1つの近赤外光画像を収集し、この近赤外光画像の輝度値IIR1と理想撮像での近赤外光画像の輝度値IIRとを比較することにより、次のフレーム画像を取得する際の第2光源の発光エネルギーを調整し、それによって次のフレーム画像の輝度値を調整する。ここで、第2光源の発光エネルギーは、この第2光源の照射下で撮像された画像の輝度値と正の相関関係を呈する。具体的に、IIR1<IIRのとき、制御回路は、第2光源の総発光エネルギーがWIR1>WIR0を満たすように、ランプボディLR1の露光時間tIR11又は電圧VIR11を増加させるとともに、ランプボディLR2の露光時間tIR21又は電圧VIR21を増加させる。最終的には、次のフレームの画像を取得する際に第2光源の発光エネルギーを増大させ、次のフレームの画像の輝度を向上させる。逆に、IIR1>IIRのとき、制御回路は、WIR1<WIR0が満たされるように、ランプボディLR1の露光時間tIR11又は電圧VIR11を減少させるとともに、ランプボディLR2の露光時間tIR21又は電圧IR21を減少させる。これにより、次のフレームの画像を取得する際に第2光源の発光エネルギーが減少し、画像輝度が低下する。ここで、WIR1=WIR11+WIR21、WIR11=PIR11*tIR11、WIR21=PIR21*tIR21を満たす。PIR11は、調整後の電圧VIR11の全てのランプボディLR1のパワーの和であり、tIR11は、ランプボディLR1の露光時間であり、WIR11は、全てのランプボディLR1の総発光エネルギーであり、PIR21は、調整後の電圧VIR21の全てのランプボディLR2のパワーの和であり、tIR21は、ランプボディLR2の露光時間であり、WIR21は、全てのランプボディLR2の総発光エネルギーである。
【0059】
異なる駆動電圧では、各ランプボディのパワーは、異なる。例えば、駆動電圧が高いほど、各ランプボディの狭帯域スペクトル電力が高く、あるいは、1回露光時間が長いほど狭帯域エネルギーが大きくなるため、本発明の実施例は、ランプボディに印加された電圧とランプボディの露光時間を閉ループ制御によって調節し、画像の輝度値を効果的に調節することができる。
【0060】
例えば、図13図14に示すように、ランプボディLR1の電圧VIR11=1.5v、露光時間tIR11=5msのとき、1回露光による単一ランプボディLR1のスペクトルエネルギーJIR11は、JIR11=9mW*5ms=45uJを満たす。
【0061】
同様に、図15図16に示すように、ランプボディLR2の電圧VIR21=1.3v、露光時間tIR21=5msのとき、1回露光による単一ランプボディLR2のスペクトルエネルギーJIR21は、JIR21=7mW*5ms=35uJを満たす。
【0062】
上記制御回路の制御の最終的な効果は、今回の狭帯域光結像の画像輝度に基づいて、次のフレーム画像を取得する際の狭帯域光のエネルギーを調整し、近赤外撮像効果を最適化することである。制御回路によるLEDランプに対する制御は、LEDの電圧を調整することで電力を調整すること、異なる露光時間を制御すること、電圧と露光時間とを同時に制御することを含み、それによって近赤外結像効果を最適にする。
【0063】
1回露光を例とすると、ランプボディLR1の電圧VIR11=1.5v、露光時間tIR11=3msのとき、ランプボディLR2の電圧VIR21=1.3v、露光時間tIR21=3msのとき、WIR11=27uJ、WIR21=21uJが得られる。ランプボディ電圧を制御することにより、近赤外スペクトルのうちの異なる波長の赤外光のスペクトル比率を変更することができる。図17図18図19は、805nm波長のランプボディと940nm波長のランプボディとの各電圧での狭帯域スペクトル図をそれぞれ示す。
【0064】
同様に、制御回路は、ランプボディLW1、LR1、LR2の各種のランプボディの露光時間を同時に調整することにより、近赤外スペクトルを調整してもよい。例えば、某1回露光、ランプボディLR1の電圧VIR11=1.5v、露光時間tIR11=5msのとき、ランプボディLR2の電圧VIR21=1.3v、露光時間tIR21=10msのとき、WIR11=45uJ、WIR21=70uJが得られる。
【0065】
本発明の実施例では、第1ランプボディから発された第1光線と第2ランプボディから発された第2光線とが互いに協働し、最終的な効果は、近赤外光結像効果が最も優れている。1つの好適な実施例では、第1ランプボディLR1から発された第1光線の中心波長は、805nmであり、当該第1光線の波長は、短く、観測可能な深さは、組織中間層にある。第2ランプボディLR2から発された第2光線の中心波長は、940nmであり、第2光線の波長偏長を変更することにより、観測可能な深さは、組織深部にあるため、2種類の異なる波長の近赤外光で撮影することで、画像情報の相互補完を実現することができる。一方、回路は、異なる波長の近赤外光を放射する2種類のランプボディの露光時間と電圧を制御することによって、調整可能な近赤外スペクトルを取得し、それによって中層又は深層の組織を全面的に観測することができる。
【0066】
好な画像情報収集効果を実現するために、本発明の実施例では、第2光源のランプボディLR1の露光時間tIR10と、ランプボディLR1の電圧VIR10と、ランプボディLR2の露光時間tIR20と、ランプボディLR2の電圧VIR20とのうちの少なくとも一項を調整し、ランプボディLR1の総発光エネルギーWIR10とランプボディLR2の総発光エネルギーWIR20とを一定の比を満たす条件で調整する。例えば、WIR10:WIR20=1:1又はWIR10:WIR20=2:1を満たす条件で、ランプボディLR1の電圧と露光時間及び/又はランプボディLR2の電圧と露光時間を調整する。
【0067】
無論、本発明の他の実施例では、LR1の総発光エネルギーWIR10とランプボディLR2の総発光エネルギーWIR20との比を考慮せず、例えば、ランプボディLR1の電圧及び露光時間のみを増加させ、ランプボディLR2の電圧及び露光時間は、そのままにしてもよい。あるいは、ランプボディLR2の電圧及び露光時間のみを増加させ、ランプボディLR1の電圧及び露光時間は、そのままにする。
【0068】
本発明の実施例では、第2光源と第1光源とは、回路によって動作を切り替えてもよく、同時に動作してもよい。
【0069】
図20は、第2光源と第1光源とが動作を切り替える回路図を示し、IRI回路CIRIは、第1光源回路Cと第2光源回路CIRとが動作を切り替えるように制御する。ここで、第1光源回路Cと第2光源回路CIR回路は、第1光源及び第2光源の電圧と1回露光時間をそれぞれ制御している。第1光源回路Cと第2光源回路CIRは、観測の需要に応じて動作を切り替えてもよい。
【0070】
図21は、第2光源と第1光源が同時に動作する動作回路図であり、IRI回路CIRIは、第1光源回路Cと第2光源回路CIRを制御して同時に動作させ、それによって同じ位置に対して白色光結像と近赤外結像をリアルタイムで同期に行うことを保証する。
【0071】
本発明は、別の実施形態を更に提供する。図22に示すように、本発明は、上記実施形態と異なり、主な相違点は、本実施例において、第2光源のランプボディLR1が第1波長を有する光線を発し、当該光線が近赤外光であり、中心波長が740nm~830nmの範囲であり、ランプボディLW1とランプボディLR1が何れもLEDランプであり、且つ上記第1波長を有する光線が、被測定物の蛍光染料へ照射されて、当該撮像装置に反射された近赤外蛍光を励起することにある。
【0072】
説明すべきことは、一実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~750nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~760nmの範囲である。更に別の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~770nmの範囲である。他の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~780nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~790nmの範囲である。更に別の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~800nmの範囲である。もう1つの実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~810nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、740nm~820nmの範囲である。
【0073】
本実施例において、蛍光染料は、ICG(Indocyanine Green、インドシアニングリーン)であってもよく、結像装置から発された中心波長750nm~800nmの光により励起されると、中心波長845nm程度の蛍光が発生する。人体組織の光に対する吸収のスペクトルによると、組織中のヘモグロビンは、600nm未満の吸収スペクトルを占め、水は、中心波長900nm以外の近赤外吸収スペクトルを占めている。一方、中心波長が650nm~900nmの区間では、上記2つの主要な物質は、いずれもこの帯域に関し吸収せず、「光学窓」となっている。上記ICGが結像装置を介して励起した蛍光がちょうど光学窓に含まれているため、当該蛍光信号は、干渉されない。即ち、ほとんどの蛍光信号が結像装置によって受信され、被測定物の情報をより正確に反応させることができる。
【0074】
本発明の結像装置は、白色光結像(WLI)と近赤外蛍光結像(Near―infrared Fluorescence Imaging、NIR―FI、IFIとも簡略化され得る)の機能を兼ね備えている。回路制御により、白色光結像と近赤外蛍光結像は、自由に切り替えることができ、白色光結像又は近赤外蛍光結像を得ることができるし、可視光と近赤外蛍光結像との重畳を実現することもできる。それにより疑似病巣部位に対して近距離時に近赤外蛍光観察に切り替えることができ、可視光と近赤外蛍光を用いて同時に観測することもできる。ICGの近赤外蛍光結像は、癌、病変領域と境界を正確に判断することができ、早期な癌のスクリーニングの正確な判断を実現することができる。
【0075】
近赤外蛍光結像の結像品質を効果的に向上させるために、本実施例では、カメラ中の撮影レンズは、めっき膜処理が行われた。めっき膜処理の方式は、トラップめっき膜又は他のめっき膜方式であってもよい。めっき膜処理の目的は、中心波長が760nmである励起光をフィルタリングするともに、可視光と近赤外蛍光の効果的な受信を保証することにある。励起光がめっき膜処理されたレンズを通過しているとき、中心波長が660nm~820nmである励起光が完全にフィルタリングされる一方、中心波長が400nm~660nmである可視光と中心波長が820nm~950nmの範囲である蛍光信号とは、通過可能であり、高い透過率を維持する。本発明では、レンズに膜をめっきすることにより、図23に示すスペクトル受信効果を実現する。
【0076】
レンズに膜をめっきする以外に、CMOSセンサチップとレンズの間にノッチフィルタを加えることにより、励起光をフィルタリングする目的を達成することもできる。具体的に、光路の伝播方向に沿って、中心波長660nm~820nmの範囲である光線をフィルタリングするためのノッチフィルタがCMOSセンサの上流に設けられている。
【0077】
一方、効率的な可視光結像と近赤外蛍光結像を得るために、本発明の一実施例では、RGB―IRチップを用いた、可視光と近赤外の同時高効率結像が可能なCMOSセンサを選択した。当該チップは、1つのチップが可視光と近赤外蛍光を同時に結像し、且つ可視光と近赤外蛍光の両方に比較的高いスペクトル応答を持つことを保証することができる。このように、可視光と近赤外蛍光画像の信号対雑音比は、良好に保障されている。センサチップは、RGB―IRチップに限らず、通常の可視から近赤外までの高感度RGBチップを用いて実現することもできることが理解される。無論、他の実施例では、カメラは、分光部品と、2つの異なるチップ、即ちRGBチップとIRチップとを更に含む。被検体で反射された光線は、分光部品を通過して2つの光路に形成され、それぞれRGBチップとIRチップに到達し、異なるチップは、受光された光に対して比較的高いスペクトル応答を有する。
【0078】
図24図25に示すように、本発明の結像装置は、第1制御回路と第2制御回路を更に備え、第1制御回路は、制御回路H_en_Whiteと、互いに並列接続された4つのランプボディLW1とを含み、制御回路H_en_Whiteは、4つのランプボディLW1に接続されている。第2制御回路は、制御回路H_en_IRと、互いに並列接続された4つのランプボディLR1とを含み、制御回路H_en_IRは、4つのランプボディLR1に接続されている。
【0079】
本発明の結像装置は、切替回路を更に備え、切替回路は、制御回路H_en_Whiteと制御回路H_en_IRとを切り替える。具体的に、切替回路は、制御回路H_en_Whiteと制御回路H_en_IRの出力レベルを制御することにより、各制御回路を切り替える。制御回路H_en_Whiteがハイレベルを出力しているとき、4つのランプボディLW1が点灯し、制御回路H_en_IRがハイレベルを出力しているとき、4つのランプボディLR1が点灯する。結像を切り替えるとき、毎回露光結像を行うときに、制御回路H_en_Whiteと制御回路H_en_IRのレベル値は、交互にハイレベルとローレベルであり、即ち、制御回路H_en_IRがハイレベルであるとき、制御回路H_en_Whiteがローレベルであり、制御回路H_en_IRがローレベルであるとき、制御回路H_en_Whiteがハイレベルである。本実施例では、ハイレベル、ローレベルの順次切り替えにより、白色光モードと近赤外蛍光モードとの切り替え動作を実現する。
【0080】
RGB―IR結像を用いたチップの場合、白色光モードと近赤外蛍光モードを同時に動作させ、可視光をRGB画素上に結像するとともに、近赤外蛍光をIR画素上に結像することができ、完全に同期した結像を保証する。
【0081】
更に、制御回路H_en_Whiteがハイレベルであるとき、4つのランプボディLW1が点灯し、制御回路H_en_IRがハイレベルであるとき、4つのランプボディLR1が点灯する。同時に結像するとき、毎回露光結像を行うときに、制御回路H_en_Whiteと制御回路H_en_IRとが何れもハイレベルである。
【0082】
それ相応に、本実施例は、上記結像装置の結像方法を更に提供する。当該方法では、カメラで撮影された画像の結像効果に基づいて、アルゴリズム算出により、第1光源と第2光源の分圧及び各自の露光時間を自動的に調整し、最終的な結像効果が最も優れることを実現する。具体的な調整過程は、以下のステップを含む。即ち、
システムが理想結像状態における画像の輝度値Iを予め設定するステップと、
カメラで撮影された画像の輝度値Iを取得するステップと、
輝度値Iと前記輝度値Iとを比較し、比較結果に基づいて第1光源の時間t若しくは電圧Vを調整し、又は第2光源の露光の時間t若しくは電圧Vを調整するステップと、を含む。
【0083】
第1光源の結像効果を調整する際に、具体的な操作過程は、
回路が第1光源の動作に切り替えたとき、制御回路が第1光源に初期電圧VW0と初期露光時間tW0を印加し、且つ第1光源の初期電圧VW0と初期露光時間tW0とに基づいて1回露光時間tW0内の第1光源の発光エネルギーをWW0=PW0*tW0として算出し、Pw0は、電圧がVW0であるときの第1光源のすべてのランプボディのパワーの和である。
【0084】
このとき、CMOSセンサは、1つの白色光画像を収集し、この白色光画像の輝度値IW1と理想結像での白色光画像の輝度値Iとを比較する。IW1<Iのとき、制御回路は、次のフレーム画像の輝度が向上するように、第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を増加させ、第1光源の発光エネルギーWW1>WW0を満たす。逆に、IW1>Iのとき、制御回路は、次のフレーム画像の輝度が低下するように、第1光源の露光時間tW1又は電圧VW1を減少させ、第1光源の発光エネルギーWW1<WW0を満たす。ここで、WW1=PW1*tW1を満たし、PW1は、電圧がVW1であるときのすべてのランプボディLW1のパワーの和である。上記調整により、白色光画像の輝度は、最適な効果を示すことができる。
【0085】
第2光源の結像効果を調整する際に、具体的な操作過程は、回路が第2光源の動作に切り替えたとき、回路が第2光源に初期電圧VIR0と初期露光時間tIR0を与え、且つ第2光源の初期電圧VIR0と初期露光時間tIR0とによって1回露光時間tIR0内の第2光源の初期発光エネルギーをWIR0=PIR0*tIR0として算出し、PIR0は、全てのランプボディLR1の電圧VIR0時でのパワーの和である。
【0086】
このとき、CMOSセンサは、1つの白色光画像を収集し、この白色光画像の輝度値IIR1と理想結像での白色光画像の輝度値IIRとを比較する。IIR1<IIRのとき、制御回路は、WIR1>WIR0となるように、第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を増加させる。同様に、IIR1>IIRのとき、制御回路は、WIR1<WIR0となり、且つ次のフレーム画像の輝度が低下するように、第2光源の露光時間tIR1又は電圧VIR1を減少させる。ここで、WIR1=PIR1*tIR1を満たし、PIR1は、調整後の電圧がVIR1であるときのすべてのランプボディLR1のパワーの和であり、tIR1は、ランプボディLR1の露光時間である。これにより、次のフレームの画像の収集時に、第2光源の発光エネルギーが増加し、次のフレームの画像輝度が向上する。
【0087】
異なる駆動電圧の下で、各LEDランプの光パワーは、異なる。駆動電圧が高いほど、各LEDランプの狭帯域スペクトルパワーが高くなり、1回露光時間が長くなるほど狭帯域エネルギーが大きくなるため、LEDランプの実際の電力を調整する(すなわち、LEDランプの両端電圧を制御する)こと、および/又は露光時間(例えば、LEDなどの照明時間)を調整することにより、画像輝度の調整を実現することができる
【0088】
本実施例では、図26図27に示すように、第1光源と第2光源とは、回路によって動作を切り替えてもよく、同時に動作してもよい。図26は、第1光源と第2光源とが動作を切り替える図であり、IFI回路CIFIは、第1光源回路Cと第2光源回路CIRとの動作を切り替えるように制御する。第1光源回路Cと第2光源回路CIRは、ランプボディLW1とランプボディLR1の電圧及び1回露光時間をそれぞれ制御する。2つの回路は、観測需要に応じて動作を切り替えてもよい。
【0089】
図27は、第1光源と第2光源とが同時に動作する図である。IFI回路CIFIは、第1光源回路Cと第2光源回路CIRとが同時に動作するように制御し、同一位置について白色光及び近赤外蛍光の結像をリアルタイム且つ同期的に行うことを保証する。
【0090】
本発明は、別の実施形態を更に提供する。本実施形態は、上記実施形態に対して更に改善し、主な改善点は、本実施例では、第1光源は、4つのランプボディLW1を含み、第2光源は、4つのランプボディLR1を含み、4つのランプボディLW1と4つのランプボディLR1は、交互に取付板の周方向に沿って均一に間隔を空けて分布する。本発明の第2光源は、同じランプボディによって構成され、その回路構造がより簡単であり、調整がより便利である。
【0091】
具体的に、ランプボディLR1から発された第1光線は、近赤外光であり、当該近赤外光の中心波長は、680nm~690nmの範囲である。ランプボディLW1とランプボディLR1は、何れもLEDランプである。理解できるように、他の実施例において、ランプボディLW1とランプボディLR1は、小さなレーザランプなどの他のランプであってもよい。好ましくは、一実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、680nm~682nmの範囲である。別の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、680m~684nmの範囲である。更に別の実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、680nm~686nmの範囲である。もう1つの実施例では、ランプボディLR1から発された近赤外光の中心波長は、680nm~688nmの範囲である。
【0092】
NIR―PIT(Near―Infrared Photoimmunotherapy、近赤外光免疫治療)は、腫瘍療法であり、伝統的な光免疫療法に比べて標的性が強く、隣接する正常細胞に危害を及ぼすことはない。その原理は、近赤外蛍光光増感剤の標的特異性抗体を結合し、腫瘍細胞表面の標的タンパクと特異的に結合し、近赤外光の照射下で光増感剤は、光子を吸収し、吸収した光エネルギーを熱と活性酸素に変換し、正常細胞に傷害を与えることなく対象細胞を標的に殺す。具体的に、がんを治療する際に、光増感剤は、フタロシアニン系染料であってもよく、当該染料は、近赤外光中の光子を吸収して励起され、吸収された光を他の成分分子に迅速に伝達し、励起させてがん細胞に対する殺傷作用を発揮させ、光増感剤は、基底状態に回復する。
【0093】
本発明は、通常のカプセル内視鏡を基にしており、カプセル内視鏡の照明LED光源は、白色光結像(WLI)と近赤外光免疫治療(NIR―PIT)の機能を兼ね備えている。白色光結像と近赤外光免疫治療は、回路によって切り替えを制御することができ、病変領域に対して一定時間の近赤外免疫治療を行い、癌化細胞を消滅させる目的を達成する。具体的に、カプセル内視鏡が疑わしい病巣部位に到達すると近赤外蛍光観察に切り替え、蛍光の情報が観測されると、観測領域に癌病変があることを意味するため、ランプボディLR1を長時間点灯させ、病変領域に対して近赤外免疫治療を行う。
【0094】
ランプボディLR1が蛍光信号を効果的に励起できるために、本実施例では、レンズは、めっき膜処理が行われ、めっき膜処理の方式は、トラップめっき膜であり、その目的が部分波長(例えば、666nm~702nmの範囲である波長)の励起光をフィルタリングするともに、可視光と近赤外蛍光の効果的な受信を保証することにある。NIR―PIT観測時に、近赤外蛍光の情報があることは、病巣の存在を示している。この場合、病巣への長時間の照射、すなわちNIR―PIT治療が必要となり、IRDye 700 DXが励起されて癌細胞に対する殺傷作用を発揮する。めっき膜処理されたレンズは、波長668nm~699nmの範囲の励起光が完全に遮断され、420nm~667nmの可視光と700nm~750nmの蛍光信号は、高い透過率を維持する。
【0095】
本発明では、レンズに膜をめっきすることで、フィルタリング効果を実現する。レンズに膜をめっきする以外に、CMOSセンサとレンズの間にノッチフィルタを加えることにより、特定の波長の励起光をフィルタリングしてもよい。具体的に、光路の伝播方向に沿って、中心波長666nm~702nmの範囲である光線をフィルタリングするためのノッチフィルタがCMOSセンサの上流に設けられている。
【0096】
上述したのは、本発明の好ましい具体的な実施形態に過ぎない。本発明の保護範囲は、これに限定されるものではない。当業者が本発明に開示された技術範囲内で容易に想到し得る変化又は置換は、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、請求項の保護範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0097】
1 取付板
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【国際調査報告】