(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】固体酸化物電解セルコアプラント
(51)【国際特許分類】
C25B 9/00 20210101AFI20241219BHJP
C25B 1/042 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/042
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537921
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2022083336
(87)【国際公開番号】W WO2023117303
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000282
【氏名又は名称】トプソー・アクチエゼルスカベット
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ボー・ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】リスビェア・ヤレコヴ・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ハンスン・アナス・ヘルボー
(72)【発明者】
【氏名】ビャークリウ・クレスチャン
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BC03
4K021BC05
4K021CA12
4K021EA01
(57)【要約】
本発明はSOECコアプラントに関し、複数のSOECコアに組み立てられた複数のSOECスタックを含み、SOECコアの各々は、プラントの他のSOECコアから独立して個々に隔離され、制御され得ることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントであって、前記SOECプラントは、複数のSOECコアに分割され、ここで、前記SOECコアの各々は、個々に分離され、個々に制御され、他の複数のSOECコアから独立して作動するように適合される、前記固体酸化物電解セル(SOEC)プラント。
【請求項2】
前記SOECコアの各々が複数のSOECスタックモジュールを含み、前記SOECスタックモジュールの各々が1つ以上の前記SOECスタックを含む、請求項1に記載のSOECプラント。
【請求項3】
前記SOECプラントが、10個以上のSOECコアを備える、請求項1または2に記載のSOECプラント。
【請求項4】
前記SOECプラントが、25個以上のSOECコアを備える、請求項1~3のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項5】
前記SOECプラントが、100個以上のSOECコアを備える、請求項1~4のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項6】
前記複数のSOECコアが、各々、少なくとも前記SOECコアシェルの外側にシェル断熱クラッディング(被覆)を有するSOECコアシェルを含み、前記SOECコアへ、もしくは前記SOECコアから、または前記SOECコアへおよび前記SOECコアから流れる1つまたは複数のプロセス流体を遮断するように適合された複数の遮断バルブをさらに含み、前記複数の遮断バルブが、前記SOECコアシェルの外側に配置される、請求項1~5のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項7】
前記SOECコアの各々が、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有する、請求項6に記載のSOECプラント。
【請求項8】
前記ホットゾーンが、SOECコアシェルのそれぞれの中心におよび中心軸の周囲に配置されている、請求項7に記載のSOECプラント。
【請求項9】
前記SOECコアシェルの各々が、SOECコアシェルの第1の端部を有する第1のシェル部と、SOECコアシェルの第2の端部を有する第2のシェル部とを少なくとも備え、前記シェル部はフランジ接続部によって組み立てられ、1つのフランジが第1のシェル部上に配置され、別のフランジが第2のシェル部上に配置され、フランジ接続部はSOECコアシェルの第1の端部の近傍に配置される、請求項6、7または8のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項10】
前記SOECコアの各々が、1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、および複数のSOECスタックモジュールへの複数の電気接続部をさらに備え、前記1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、複数の電気接続部、および複数のSOECスタックは、前記第1のシェル部に固定される、請求項9に記載のSOECプラント。
【請求項11】
前記1つ以上の熱交換器および1つ以上のヒーターが、前記ホットゾーン内に配置されている、請求項10に記載のSOECプラント。
【請求項12】
前記複数の電気接続部の少なくとも大部分が、前記ホットゾーンの外側に配置されている、請求項10または11に記載のSOECプラント。
【請求項13】
前記複数の流体接続部のための複数のリードスルー孔、および複数の電気接続部をさらに備え、前記リードスルー孔は、前記第1のシェル部に配置される、請求項10、11または12のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項14】
前記複数の遮断バルブが、前記複数の流体接続部のうちの1つ以上に接続され、前記流体接続部内を流れる流体を遮断するように適合されている、請求項10~13のいずれかに記載のSOECプラント。
【請求項15】
前記電気接続部に流れる電力を遮断するように適合された複数のサーキットブレーカをさらに備える、請求項10~14のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項16】
前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、少なくとも825℃までの温度に耐えるように適合されている、請求項7~15のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項17】
前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、1000℃までの温度に耐えるように適合されている、請求項7~16のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項18】
前記複数の流体接続部のうちの少なくとも1つが、前記SOECコアシェルの各々に配置されたプロセス流体入口から、さらに前記SOECコアシェル内の復熱空間へ、さらに前記複数のSOECスタックモジュールへ、プロセス流体接続部を提供するように適合されたプロセス流体接続部である、請求項10~17のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項19】
前記複数のSOECスタックモジュールが、前記SOECコアシェルの中心軸の周囲に少なくとも部分的に円形に配置される、請求項6~18のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項20】
前記SOECコアの各々が、2~50個のSOECスタックモジュール、好ましくは3~20個のSOECスタックモジュール、好ましくは5~9個のSOECスタックモジュール、好ましくは6個のSOECスタックモジュールを含む、請求項2~19のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【請求項21】
複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントを作動する方法であって、
前記SOECプラントは、SOECコアシェルを含む複数のSOECコアに分割され、前記SOECコアは、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有し、前記方法は、
-前記複数のSOECスタックに電力を供給するステップ、
-プロセス流体を、プロセス流体入口を通して、さらに復熱空間を通して、SOECコアの各々に供給し、前記復熱空間は、前記内側ホットゾーンから逃げる熱エネルギーを回復し、これがプロセス流体を加熱するステップ、
-今や加熱されたプロセス流体を前記SOECスタックに供給するステップを含む、
前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、複数のSOECコアに組み立てられた複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)コアプラントに関し、SOECコアの各々は、プラントの他のSOECコアから独立して個別に分離および制御され得る。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
作動温度が600℃~1000℃、好ましくは600℃~850℃であるSOECスタックにおいては、複数のセルユニットが組み立てられてスタックを形成し、インターコネクタによって互いに連結される。インターコネクタは、隣接するセルユニットのアノード側とカソード側を分離するガスバリアとしての役割を果たすと同時に、隣接するセル間、すなわち1つのセルのアノードと隣接するセルのカソード間の電流の伝導を可能にする。さらに、インターコネクタは通常、インターコネクタの両側にプロセスガスを通すための複数の流路を備えている。SOECスタックの性能を最適化するためには、最小化すべき関連する不利な値の別の範囲に許容できない結果を及ぼすことなく、有利な値の範囲を最大化する必要がある。これらの値には次のようなものがある:
【0003】
最大化すべき値 最小化すべき値
- プロセスガス利用 - コスト
- 電気効率 - 寸法
- 寿命 - 製造時間
- 欠陥率
- 部品点数
- 材料使用
- 寄生損失(加熱、冷却、ブロワーなど)
【0004】
上記の値のほとんどすべては相互に関連しており、これは1つの値を変更すると他の値にも影響することを意味する。ここでは、セル内のプロセスガス流の特性と上記の値との関係をいくつか挙げる:
【0005】
プロセスガスの利用:
インターコネクタ上の流路は、スタック内の各セルへのプロセスガスの等しい量を求めるために設計されるべきであり、すなわちスタックを通るフロー「ショートカット」はあるべきではない
【0006】
寄生損失:SOECスタックおよびそのセルユニット中のプロセスガス流路の設計は、単位体積あたりの圧力損失を低くするよう努めるべきであり、これによりブロワーへの寄生損失を低減することとなる。
【0007】
電気効率:
インターコネクタは、隣接するセルのアノード層とカソード層の間において電流を案内する。したがって、内部抵抗を低減するために、インターコネクタの電気伝導性接点(以下、単に「接点」と示す)は、電極(アノードおよびカソード)に良好な電気的接触を確立するように設計されるべきであり、接点は、どこにも離れるべきではなく、その場合は、電流がより長い距離の電極を流れることを余儀なくされ、結果として内部抵抗が高くなるからである。
【0008】
寿命:
SOECスタックの寿命が最大化されること、すなわちSOECモードでは電解生成物(例えばH2Oおよび/またはCO)の量が最大化されることが望ましい。スタックの寿命は、多くの要因、例えば、インターコネクタとスペーサの選択、インターコネクタの両プロセスガス側状の流れの分配、材料上の均一に分布した保護コーティング、作動条件(温度、電流密度、電圧など)、セルの設計と材料、および多くの他の因子に依存する。
【0009】
コスト:
SOECスタックのコストは、希少な材料を使用しないこと、SOECスタックの製造時間を短縮すること、部品点数を最小限に抑えること、材料損失(製造工程で廃棄される材料の量)を最小限に抑えることで低減できる。
【0010】
寸法:
セルスタックの全体的な寸法は、スタックとその部品の設計が、有効セル領域の高い利用率を保証する時に縮小される。プロセスガス流速の低いデッドエリアは減少するべきであり、そしてシーリング表面用の不活性ゾーンは最小化するべきである。
【0011】
製造時間:
SOECスタックの製造時間は最短化するべきであり、そしてインターコネクタ設計もまた、スタック全体の高速な組み立てに寄与するべきである。一般的に、全ての部品に関してのスタック設計は不要であり、というのも、製造時間が増加するからである。
【0012】
欠陥率:
スタック部品の製造方法と材料は、低い欠陥率(例えば、インターコネクタガスバリア中の望ましくない穴、不均一な材料厚または特性)を可能にするべきである。さらに、インターコネクタ設計が組み立てるべき全部品点数を減らしおよびシール表面の長さおよび数を減らす時に、組み立てられたセルスタックの欠陥率を減少させることできる。
【0013】
部品点数:
すでに述べたように、エラーおよび組み立て時間を最小化する他、部品点数の減少はコストを低下させる。
【0014】
アノードおよびカソードガス流がSOECスタック内でどのように分配されるかは、酸素および燃料ガス二つのプロセスガスのそれぞれのための共通のマニホールドを備えることによる。これらのマニホールドは、内部マニホールドまたは外部マニホールドのいずれかであることができる。マニホールドは、SOECスタック中の個々の層へ、各々の層への流路によってプロセスガスを供給する。これらの流路は、通常はSOECスタック中に含まれる反復する要素の1つの層、すなわちスペーサまたはインターコネクタ中に配置される。内部ガスマニホールドは、セルおよび/またはインターコネクタ部品に設けられた開口部の形態であることが多く、セル部品が積層されたときに、1つまたは複数のチャネルおよびガス出入口を形成する。一方、外部マニホールドは、例えばSOECスタックの1つ以上の側面を覆い、それによってプロセスガスをスタックの側面、ひいてはスタック内の各セルの端部に分配するカバーとして形成されることが多い。カバーの代わりに、スタックをプロセスガスが流れる容器内に配置し、プロセスガスがスタックの側面にアクセスできるようにすることもできる。
【0015】
高温電解(SOEC)は、燃料電池の燃料側でH2OをH2に、またはCO2をCOに吸熱電気化学的に変換するものである。吸熱電気化学プロセスは、オーム損失(ジュール発熱)からSOECスタック内部で発生する熱によって相殺され、この熱はスタックを流れる電流に比例する。吸熱プロセスがオーム損失と釣り合っている場合、スタックは「熱中立的」に作動することができる。しかし、多くの作動ポイント、特に部分負荷では、オームロスによって発生する熱は、電気化学プロセスで消費される熱よりも小さい。これにより、セル全体の温度プロファイルが形成され、入口から出口まで温度が低下する。
【0016】
セルの所定領域における局所電流密度(i)は、ネルンスト電位によって制御されるが、この電位は局所的な温度とガス組成に影響される。局所的なガス組成は、スタック設計、例えば流路の選択によって制御される。この場合、目標は、セル全体、スタック内のセル間、スタック間のガス分布をできるだけ均等にすることであり、同時に圧力損失を最小限に抑えることである。しかし、流量分布が完全であっても、燃料入口では常に燃料濃度が高くなり(生成物濃度は低くなり)、平均電流密度より高くなる。スタックが熱中性点以下の作動点(電流)で作動される場合、燃料入口の温度はセルの他の部分よりも高くなり、局所的な電流密度がさらに増加する。したがって、ほとんどの作動点では、最大電流密度(imax)は燃料入口領域に位置する。
【0017】
いくつかの劣化メカニズムは電流密度に大きく影響され、電流密度がある「しきい値」以上になると加速されることさえある。例えば、Chenら(Journal of The Electrochemical Society,160(8)F883-F891(2013))は、高電流密度(電解モードでは1A/cm2または1.5A/cm2)で作動させたSOECでは、ZrO2ナノ粒子の形成などの追加的な劣化メカニズムが観察される一方、電解モードでは0.75A/cm2または0.5A/cm2で作動させた試験には同じ劣化メカニズムが存在しなかったことを示している。別の例(Knibbe et al,Journal of The Electrochemical Society,157(8)B1209-B1217(2010))では、電解電流を1A/cm2から1.5A/cm2から2A/cm2と増加させた場合、酸素電極/電解質界面での酸素バブル形成と剥離によるオーム抵抗の劣化増加が観察された。Mogensenらは、Ni/YSZ電極をベースとするSOECにおいて、高電流密度(高電極過電位)での作動は、電気化学的に活性な燃料極/電解質界面からのNiの損失につながる可能性があることを報告している(Fuel Cells,17,2017,No.4,434-441)。SOFCモードにおいて、Hagenら(Journal of The Electrochemical Society,153(6) A1165-A1171(2006))は、試験したすべての作動温度(750℃、850℃、950℃)において、劣化率がセル分極(電流密度)の関数として増加することを実証した。一定の電流密度における劣化率は、850℃(および950℃)よりも750℃でより急峻に増加したことから、劣化現象が電極の過電位に関係していることが示唆された。
【0018】
したがって、スタックの劣化とシステム効率の低下を最小限に抑えるには、高い製造率(iavg)を維持しながら最大電流密度(imax)をできるだけ低く保つことが非常に望ましい。言い換えれば、スタック全体で均一な電流密度プロファイルを得ること、特に一定のiavgを維持しながら低いimaxを得ることが望ましい。
【0019】
スタックからの製造速度は活性領域(電気化学的プロセスが発生する領域)と連動しているため、活性領域を最大化することが望ましい。スタックの活性領域は当然ながらセルのサイズと連動しているが、セルの活性領域はシシーリング領域やマニホールドに使用される領域によって減少する。したがって、シールやマニホールドに使われる領域を減らすことで、セルの活性領域(活性面積)を最大化することが望ましい。
【0020】
SOECモードにおいては、生成物は変換されたガスであり、変換されたガス(生成物ガスとも呼ばれる)の品質は、下流のアプリケーションにとって非常に重要である。したがって、高純度を得るためには、生成物への望ましくない成分(空気など)の漏出(リーク)を最小限に抑えることが望ましい。
【0021】
電解が行われる個々のSOECスタックは、物理的な大きさに制限があり、その結果、変換できるガスの量も制限される。これは、工業用サイズの固体酸化物電解槽では、数千本という多数のスタックを使用することを意味する。すべてのスタックを一定期間ごとに新しいスタックと交換する必要があり、さらに個々のスタックに早期に不具合が生じ、予期せぬ交換が必要になることもある。スタックの交換には時間がかかる。また、貴重な製造時間も、交換前にスタックを冷却し、交換後に新しいスタックを加熱するために失われる。定期的なスタック交換と予期せぬスタック交換は、プラントの稼働時間を著しく減少させ、電解槽プラントの価値を著しく低下させる。
【0022】
US2021098796は、可逆性固体酸化物電解槽および燃料電池、エネルギー貯蔵システム、再生可能な燃料製造、固体水素ポンプおよび液化、酸素輸送膜を含む様々な加圧電気化学用途で使用および代替するためのモジュール式加圧ホットボックスを開示している。これは、バナジア-イットリアおよびバナジア-カルシア安定化ジルコニアの混合電子伝導性およびイオン伝導性組成物と、セラミックコアスタックの乾燥粉末製造法によって可能になる。
【0023】
US2021156039は、複数のコアとハブを含む水素生成用モジュラーシステムを記載している。各コアは、電解槽と電源を含む。電源は、コアの電解槽への電力を管理するように作動可能であり、複数のコアのうちの少なくとも別のコアの電源に対して冗長である。ハブは、水モジュール、熱交換モジュール、および開閉器モジュールを含む。前記水モジュールは、複数のコアの各1つの電解槽と流体連結する水源を含み、熱交換モジュールは、複数のコアの各1つの電解槽と熱連結する熱交換器を含み、開閉器モジュールは、複数のコアの各1つの電源を電気的に絶縁するように作動可能なスイッチを含む。
【0024】
WO15169940は、燃料電池ベースの発電のための統合されたモジュールの形をしたコアユニットを開示しており、燃料電池に適した燃料のための入口または複数の入口、水素、炭化水素ベースの燃料、水蒸気改質燃料(炭化水素、アルコールおよびエーテルなど)およびアンモニアを含む前記燃料、空気のための1つまたは複数の入口、1つまたは複数のオフガス出口、熱交換器、および燃料電池アセンブリから構成され、これらはすべて、断熱ハウジングまたは関連する配管によって接続された複数の別々の断熱ハウジングに取り付けられている。このユニットはSOFCサブシステムであり、好ましくは1.5kW(DC)出力の範囲で、天然ガスベースのSOFC技術に簡単なインターフェースを提供するように設計されている。このシステムは、SOFCスタックまたはスタックモジュールと、プラントコンポーネントのすべてのホットバランスとの緊密な統合を特徴としている。このシステムはアノードオフガスリサイクルのために設計されているため、作動開始後は外部からの給水が不要となる。アノードガスの再利用により、全体的な燃料利用率が高くなり、電気効率も高くなる。
【0025】
WO20165548は、液体を電解処理するための電解セルを開示しており、この電解セルは、電解チャンバを画定するレセプタクル;電解チャンバ内に配置される導電性プレートの第1セット、導電性プレートの第2セット、および導電性プレートの第3セットであって、第1組、第2、および第3の導電性プレートは、レセプタクルの長手方向軸に対して放射状に延在する、導電性プレートの第1、第2、および第3セット;導電性プレートの第1、第2、および第3セットに電気を供給するように構成された電源;導電性プレートの第1、第2、および第3セットへの電気の供給を中断し、導電性プレートの第1、第2、および第3セットと電源のプラスおよびマイナス端子との間の電気的接続を修正するように構成されたスイッチング装置;ならびに作動サイクルにしたがってスイッチング装置を制御するように構成された制御ユニットを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】US2021098796
【特許文献2】US2021156039
【特許文献3】WO15169940
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
上述した公知技術文献はいずれも、本発明によって解決される上述した問題に対する解決策を提供していない。
【0028】
したがって、上記に列挙された考察を参照すると、SOECコアの各々が、複数のSOECコアのうちの他のSOECコアから個々に隔離され、制御され、独立して作動するように適合され、上述の問題を効果的に解決できる、複数のSOECスタックを各々含む複数のSOECコアを含むSOECコアプラントに対する必要性が存在する。
【0029】
これらおよびその他の目的は、以下に説明する本発明によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0030】
発明の概要
本発明は、複数のSOECコアを含み、各SOECコアは複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントに関する。SOECコアの各々は、個々に隔離されることができ、個々に制御されることができ、かつ、適合されことができ、SOECプラント内の複数のSOECコアの他のものから独立して作動する。したがって、SOECコアが整備(サービス)を必要とする場合、SOECプラント全体を停止させることなく、作動停止させることができる。したがって、SOECプラントを複数のSOECコアに分割することにより、プラントひいては製造が余剰となる(冗長化される)。
【発明を実施するための形態】
【0031】
一実施形態においては、SOECコアはそれぞれ、少なくとも当該SOECコアシェルの外側にシェル断熱クラッディングを有するSOECコアシェルを備える。コアは、他の機器を収容するのに十分な大きさの内部容積を有する機器の一部と理解される。コアシェルは、例えば金属製であり、コアが流体を含むことを可能にするバリアと、コアの外部との圧力差を提供する。記載のように、コアはSOECコアシェル内に複数のSOECスタックを含む。SOECスタックは、複数のSOECスタックモジュールに配置することができる。スタックモジュールは、1つ以上のスタックを保持するための取り付け手段(固定具)を提供する機器として理解される。
【0032】
一実施形態においては、SOECコアは、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供するために、前記ホットゾーン断熱材の外側とSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置された復熱空間とを有する。したがって、コアは、コアシェルを熱的に断熱する外側と、内側のホットゾーンを熱的に断熱する内側の2つの断熱部分を含む。断熱材の2つの部分の間には、復熱空間がある。そのため、内側のホットゾーンの断熱が完全に効果を発揮しなくても、ホットゾーンからの熱損失は、復熱空間を流れる復熱流体によって吸収されることができ、ホットゾーンによるコアシェルへの熱応力を最小限に抑えることができる。
【0033】
上記の本発明によれば、製造プラントのSOECスタックをすべて1つの機器に収容する代わりに、SOECスタックを部分に分割し、各部分をコアと呼ばれる別個の機器に封入する。各コアは、プロセス入口側、プロセス出口側、オキシ入口側、オキシ出口側の遮断バルブを閉じることにより、製造プラントの他のコアからプロセスに関して隔離することができる。ここでの温度が低いため、プロセス入口側とオキシ入口側の遮断バルブは、コアの熱交換器の前に設置することができる。ここの温度が低いので、プロセス側とオキシ出口側の遮断バルブは、熱交換器の後に配置することができる。バルブの位置の温度が低いほど、バルブのコストが大幅に削減され、バルブ機能の信頼性が高くなる。残りのプロセスから遮断されたコア、すなわち製造プラントの残りのコアは、SOECスタックの交換やその他の整備を受けることができるが、製造プラントの残りのコアは、プラント全体をシャットダウンする代わりに電解製造を継続することができる。製造プラントをコアに分割することから生じる問題は、高温の電解プロセスからの熱損失の増加である。これは、SOECスタックが、すべてのスタックを1つの容積にのみ充填するのに比べて、多くの小さなコアに配置された場合に、熱損失が起こり得るはるかに大きな表面が形成されることから生じる。この熱損失問題は、断熱材、ホットゾーン、蓄熱スペースを含む上記のようなコア設計を適用することによって相殺することができ、それによってホットゾーンから失われた熱エネルギーをホットゾーンの断熱材によって回復させることができる。圧力軸受が熱交換器とヒーターにおいてプロセスガスを加熱する前に入口温度で低温に保たれるので、シェルコア設計は、高入口ガス圧力運転で有利である。さらに高圧用途では、壁厚を抑えるためにユニットを小型化することが有利であり、したがって、すべてのSOECスタックを保持する単一の大型容器よりも、多数の小型コアの利用が有利である。
【0034】
本発明の一実施形態においては、SOECプラントは10個以上のSOECコアを含む。したがって、例えばSOECスタックの交換のような整備のためにSOECコアを停止する場合、SOECプラント全体の製造量は10%以下しか低下しない。
【0035】
本発明の一実施形態においては、SOECプラントは25以上のSOECコアを含む。したがって、1つのSOECコアを停止させた場合、製造量は4%以下の低下しか生じない。
【0036】
さらなる実施形態においては、SOECプラントは100以上のSOECコアで構成され、その結果、SOECコアを1つ停止させても製造量の低下はさらに少なくなる。
【0037】
本発明の一実施形態においては、ホットゾーンは、コアシェルの中心軸の周囲の中心に位置する。なぜなら、ホットゾーンの中心位置は、熱損失を最小限に抑え、ホットゾーンの周囲に均等な厚さの断熱材および復熱空間を設ける可能性を提供し、熱損失を最小限に抑える最も効果的な方法でもあり得るので、これは、上述した熱損失の観点から有利であると考えられる。
【0038】
本発明のさらなる実施形態においては、SOECコアシェルは、SOECコアシェルの第1の端部を構成する少なくとも第1のシェル部分と、SOECコアシェルの第2の端部を構成する第2のシェル部分とを有し、前記シェル部分はフランジ接続部によって組み立てられ、1つのフランジが第1のシェル部分に配置され、別のフランジが第2のシェル部分に配置され、フランジ接続部はSOECコアシェルの第1の端部付近に配置される。したがって、SOECコアシェルは2部品形式であってもよく、2つの部品はフランジ接続部を介して流体密かつ圧力密に組み立てることができる。これにより、SOECコアシェルを簡単に分解して、SOECコアシェル内の機器の整備やメンテナンスを行うことができる。フランジ接続部がSOECコアシェルの第1の端部付近に位置するため、SOECコアシェルの内部へのアクセスがこれまで以上に容易になり、これは、第2シェル部分が除去されると、内部のほとんどが明らかにされ、整備に適していることを意味する。
【0039】
本発明の一実施形態においては、SOECコアは、1つまたは複数の熱交換器、1つまたは複数のヒーター、複数の流体接続部、および複数のSOECスタックモジュールへの複数の電気接続部をさらに備える。これは、SOECスタックが適切な温度と電流でプロセスガスを必要とするため、SOECスタックのプロセスを可能にするために当該技術分野で知られているすべての機器である。しかしさらに、前記1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、複数の電気接続部、および複数のSOECスタックモジュールは、第1シェル部に固定されている。これにより、上述したようにフランジ接続部を外すことによって第2シェル部が取り外されたときでも、関連するすべての機器が提供され、アクセスおよび整備のための第1シェル部に安全に固定されることができる。
【0040】
本発明のさらなる実施形態においては、前記1つまたは複数の熱交換器および1つまたは複数のヒーターは、前記ホットゾーン内に配置される。これには、このホット機器(加熱機器)がホットゾーンの断熱材によって断熱され、このホット機器(加熱機器)から失われた熱が、上記で説明したように、復熱空間内を流れる復熱流体によって復熱されるという利点がある。さらなる実施形態においては、前記複数の電気接続部の少なくとも大部分は、比較的低温に保たれるように、前記ホットゾーンの外側に配置される。
【0041】
本発明の一実施形態において、前記SOECコアは、前記複数の流体接続部リードスルー、および前記複数の電気接続部をさらに備え、前記リードスルー孔は、前記第1のシェル部に配置される。さらに、前記SOECコアは、前記流体接続部内を流れる流体を遮断するように適合された、前記複数の流体接続部のうちの1つ以上に接続された複数の遮断バルブを備えることができ、前記複数の遮断バルブは、前記SOECコアシェルの外側に配置され、それにより、前記ホットゾーンおよび前記復熱空間の両方の外側に配置される。前述した機器の第1シェル部に配置されることにより、前述したように、第2シェル部を取り外して容易にアクセスし、整備することができる。複数の遮断バルブがSOECコアシェルの外側に配置されることは、遮断バルブが高温またはその他の攻撃的な環境に配置されないため、遮断バルブの機能、コスト、および材料の選択が最適化されるという利点を有する。さらに、SOECコアシェルの外側に配置することで、非常に容易かつ迅速に遮断バルブへのアクセスできるようになり、SOECコア(またはSOECコア内の機器)が故障した場合に有利である。さらに、SOECコアは、前記電気接続部に流れる電力を遮断するように適合された1つ以上のサーキットブレーカ(回路遮断装置)を含むことができる。また、サーキットブレーカはSOECコアの外部に配置することもできる。ホットゾーン内に配置される部品および材料は、少なくとも825℃までの温度に耐えるように適合させることができる。それゆえ、上述したように、ホットゾーンは断熱されており、さらに少なくとも部分的に復熱空間によって囲まれているため、ホットゾーンの外側に配置される部品や材料は、それほど高温で作動するように適合させる必要はない。
【0042】
本発明の一実施形態においては、言及された複数の流体接続部のうちの少なくとも1つは、SOECコアシェル内に配置されたプロセス流体入口から、さらにSOECコアシェル内の復熱空間へ、さらに前記複数のSOECスタックモジュールへのプロセス流体接続を提供するように適合されたプロセス流体接続部である。これは、復熱空間内を流れる復熱流体がプロセス流体であってもよいことを意味する。これにより、復熱を行うための専用の余分な流体が不要になるだけでなく、プロセス流体を予熱する目的も果たすことができる。したがって、プロセス流体を必要な作動温度まで加熱するために必要なエネルギーが少なくて済み、必要な流体の数が最小化され、前述のように、ホットゾーンから失われた熱エネルギーが復熱されるため、コアシェルに影響を与えず、プラントをいくつかの小さな自体(コア)に分割した場合の効果である過剰な熱損失につながることもない。したがって、本発明は、「分割されない」プラントよりもダウンタイムが少なく、より整備フレンドリーで堅牢な製造プラントを可能にすると同時に、そうでなければ大きな熱損失を回収し、このエネルギーをSOECプロセスに使用する。
【0043】
本発明の一実施形態においては、複数のSOECスタックモジュールは、少なくとも部分的に、前記SOECコアシェルの中心軸の周囲に円形に配置される。これは、実用性、アクセス性、生産性、およびSOECスタックモジュール内で行われるプロセスに関して、SOECスタックモジュールの有利な配置であり得る。
【0044】
本発明の一実施形態においては、SOECコアは、2~50個のSOECスタックモジュール、好ましくは3~20個のSOECスタックモジュール、好ましくは5~9個のSOECスタックモジュール、好ましくは6個のSOECスタックモジュールを含む。SOECコアのSOECスタックモジュールの数は、総プラントサイズ、材料コスト、エネルギー消費、SOECスタックモジュール数あたりのSOECスタック数、プロセス流体などに応じて最適化することができる。
【0045】
さらなる実施形態において、本発明は、固体酸化物電解セル(SOEC)プラントを作動する方法を含む。SOECコアは、上述した実施形態のいずれかを含むことができる。一実施形態においては、SOECプラントは、複数のSOECコアを備え、各SOECコアは、上述したように、少なくとも前記SOECコアシェルの外側にシェル断熱クラッディングを有するSOECコアシェルを備える。さらに、SOECコアは、SOECコアシェル内に複数のSOECスタックモジュールを備え、各SOECスタックモジュールは、1つまたは複数のSOECスタックを備え、ここで、前記SOECコアは、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、上記でより詳細に説明されるように、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供するために、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置された復熱空間とを備える。本方法は、以下のステップを含む:前記SOECスタックに電力を供給し、当該技術分野で知られているように、適切なプロセス流体がさらに供給された場合に、電解スタックが電気分解を行うことを可能にする。プロセス流体を、プロセス流体入口を通してSOECコアに供給し、さらに、プロセス流体を加熱する前記内側ホットゾーンから逃げる熱エネルギーを回復する前記回復空間を通して供給する。このように、本発明のこの特徴により、SOECコアは、プロセス流体を予熱するために使用することによって、ホットゾーンの断熱材を通してもホットゾーンから逃げるあらゆる廃熱を利用することができ;さらに、これによって、コアの外側に横たわる部分を高温に対して保護することを可能にする。固体酸化物セルは高温セルであるため、この熱エネルギーの回収は、このようなコアで製造プラント全体を分割するにもかかわらず、SOECコアの全体的な効率を著しく向上させる。本方法のさらなるステップでは、加熱されたプロセス流体が前記SOECスタックに供給される。
【0046】
本発明の特徴
特徴1.複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントであって、前記SOECプラントは、複数のSOECコアに分割され、ここで、前記SOECコアの各々は、個々に分離され、個々に制御され、他の複数のSOECコアから独立して作動するように適合される、前記固体酸化物電解セル(SOEC)プラント。
【0047】
特徴2.前記SOECコアの各々が複数のSOECスタックモジュールを含み、前記SOECスタックモジュールの各々が1つ以上の前記SOECスタックを含む、特徴1に記載のSOECプラント。
【0048】
特徴3.前記SOECプラントが、10個以上のSOECコアを備える、特徴1または2に記載のSOECプラント。
【0049】
特徴4.前記SOECプラントが、25個以上のSOECコアを備える、特徴1~3のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0050】
特徴5.前記SOECプラントが、100個以上のSOECコアを備える、特徴1~4のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0051】
特徴6.前記複数のSOECコアが、各々、少なくとも前記SOECコアシェルの外側にシェル断熱クラッディング(被覆)を有するSOECコアシェルを含み、前記SOECコアへ、もしくは前記SOECコアから、または前記SOECコアへおよび前記SOECコアから流れる1つまたは複数のプロセス流体を遮断するように適合された複数の遮断バルブをさらに含み、前記複数の遮断バルブが、前記SOECコアシェルの外側に配置される、特徴1~5のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0052】
特徴7.前記SOECコアの各々が、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有する、特徴6に記載のSOECプラント。
【0053】
特徴8.前記ホットゾーンが、SOECコアシェルのそれぞれの中心におよび中心軸の周囲に配置されている、特徴7に記載のSOECプラント。
【0054】
特徴9.前記SOECコアシェルの各々が、SOECコアシェルの第1の端部を有する第1のシェル部と、SOECコアシェルの第2の端部を有する第2のシェル部とを少なくとも備え、前記シェル部はフランジ接続部によって組み立てられ、1つのフランジが第1のシェル部上に配置され、別のフランジが第2のシェル部上に配置され、フランジ接続部はSOECコアシェルの第1の端部の近傍に配置される、前記特徴6、7または8のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0055】
特徴10.前記SOECコアの各々が、1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、および複数のSOECスタックモジュールへの複数の電気接続部をさらに備え、前記1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、複数の電気接続部、および複数のSOECスタックは、前記第1のシェル部に固定される、特徴9に記載のSOECプラント。
【0056】
特徴11.前記1つ以上の熱交換器および1つ以上のヒーターが、前記ホットゾーン内に配置されている、特徴10に記載のSOECプラント。
【0057】
特徴12.前記複数の電気接続部の少なくとも大部分が、前記ホットゾーンの外側に配置されている、特徴10または11に記載のSOECプラント。
【0058】
特徴13.前記複数の流体接続部のための複数のリードスルー孔、および前記複数の電気接続部のための複数のリードスルー孔をさらに備え、前記リードスルー孔は、前記第1のシェル部に配置される、前記特徴10、11または12のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0059】
特徴14.前記複数の遮断バルブが、前記複数の流体接続部のうちの1つ以上に接続され、前記流体接続部内を流れる流体を遮断するように適合されている、前記特徴10~13のいずれかに記載のSOECプラント。
【0060】
特徴15.前記電気接続部に流れる電力を遮断するように適合された複数のサーキットブレーカをさらに備える、前記特徴10~14のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0061】
特徴16.前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、825℃までの温度に耐えるように適合されている、前記特徴7~15のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0062】
特徴17.前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、1000℃までの温度に耐えるように適合されている、前記特徴7~16のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0063】
特徴18.前記複数の流体接続部のうちの少なくとも1つが、前記SOECコアシェルの各々に配置されたプロセス流体入口から、さらに前記SOECコアシェル内の復熱空間へ、さらに前記複数のSOECスタックモジュールへ、プロセス流体接続部を提供するように適合されたプロセス流体接続部である、特徴10~17のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0064】
特徴19.前記複数のSOECスタックモジュールが、前記SOECコアシェルの中心軸の周囲に少なくとも部分的に円形に配置される、特徴6~18のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0065】
特徴20.前記SOECコアの各々が、2~50個のSOECスタックモジュール、好ましくは3~20個のSOECスタックモジュール、好ましくは5~9個のSOECスタックモジュール、好ましくは6個のSOECスタックモジュールを含む、前記特徴2~19のいずれか1つに記載のSOECプラント。
【0066】
特徴21.複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントを作動する方法であって、
前記SOECプラントは、SOECコアシェルを含む複数のSOECコアに分割され、前記SOECコアは、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有し、前記方法は、
-前記複数のSOECスタックに電力を供給するステップ、
-プロセス流体を、プロセス流体入口を通して、さらに復熱空間を通して、SOECコアの各々に供給し、前記復熱空間は、前記内側ホットゾーンから逃げる熱エネルギーを回復し、これがプロセス流体を加熱するステップ、
-今や加熱されたプロセス流体を前記SOECスタックに供給するステップを含む、
前記方法。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図面の簡単な説明
本発明は、本発明の実施形態の例を示す添付図面によってさらに説明される。特許請求の範囲による発明は、具体例を挙げて本発明を説明する目的に役立つ図面に示された実施形態以外の多くの実施形態をカバーすることを理解されたい。
【0068】
図1は、本発明の一実施形態による複数のSOECスタックを示す。
【0069】
図2は、本発明の一実施形態による、並列のプロセス流体接続された多数のSOECコアを含むSOECプラントを示す。
【0070】
図3は、本発明の実施形態によるSOECコアをより詳細に示す。
【0071】
位置番号
01.SOECコア
02.SOECコアシェル
03.SOECコアシェルの断熱材
04.SOECスタック
05.ホットゾーン
06.ホットゾーンの断熱材
07.ウォームゾーン(warm zone)
08.復熱空間
09.熱交換器部
10.ヒーター
11.流体接続部
12.遮断バルブ
13.プロセス流体接続部
【0072】
詳細な説明
図1は、本発明の一実施形態による多数のSOECスタック04を示す。当該技術分野で周知のように、スタックはアノード、電解質およびカソードを有するセルから構成される。
図1では、SOECスタックは、セルとスタックの正確な詳細が示されているのではなく、スタックがボックスとして視覚化されている。流体接続部11、特にプロセス流体接続部13が示されており、これらはSOECスタックが作動できるように、SOECスタックに、およびSOECスタックから、流体を供給する。各スタックにはプロセス側とオキシ側がある。SOECスタックが正しく作動するためには、プロセス流体と酸素流体の両方が正しい作動温度に加熱される必要がある。この目的のために、プロセス側とオキシ側の両方に熱交換器09があり、スタックを出る流体の熱エネルギーによって流体を予熱する。プロセス流体およびオキシ流体を適切な作動温度までさらに加熱するために、熱交換器の下流側にプロセス流体とオキシ流体を加熱するヒーター10が配置されている。SOECスタックのアセンブリ全体は、熱交換器への入口の上流および熱交換器の出口の下流に配置された遮断バルブ12によって流体から遮断することができる。
図1では原理図としてのみ示されている多数のSOECスタックのこのアセンブリは、本発明によればSOECコア01と示される。
【0073】
図2においても、原理図として、並列に接続された複数のSOECコアが示され、それらが一体となってSOECプラント全体を形成している。プロセス流体イン、プロセス流体アウト、オキシ流体イン、オキシ流体アウトのための共通の流体ラインが、すべてのSOECコアを接続しているのが示されている。この接続は、前述したように、遮断バルブを介して実行される。したがって、SOECコアの1つが整備やエラーのためにシャットダウン(停止)を必要とする場合、接続するすべての遮断バルブを遮断することによって、その1つのSOECコアを隔離することが可能であり、それによって、残りのSOECコアを稼動させたまま、その特定のSOECコアの整備を可能にする。すでに述べたように、多数のSOECコアをこの原理にしたがって接続し、SOECプラント全体を提供することができる。
【0074】
図3においては、1つのSOECコアをより詳細に示している。2つの異なるゾーン、少なくとも部分的にホットゾーン断熱材06で囲まれた内側のホットゾーン05と、SOECコアシェル03を断熱するSOECコアシェル02内に位置する外側のホットゾーン07(ホットゾーンより比較的低温)が設けられている。この2つのゾーンの間には、流体の流れを可能にする空間がある。この空間を流れる流体は、内側のホットゾーンから失われた熱を回収し、ホットゾーンの断熱材を通して逃がすため、この空間は復熱空間08となる。したがって、内側のホットゾーンから失われた熱は、復熱空間を流れる流体に伝達される。この流体が、実際にはホットゾーン内のSOECスタックに流れる流体である実施形態においては、熱交換器とヒーターに入る前の流体の予熱として、復熱されて流体に伝達された熱が使用されるため、エネルギーが節約される。ヒーターと熱交換器の両方がホットゾーン内に配置されているため、熱交換器とヒーターから周囲への熱損失が最小限に抑えられていることが、
図3からさらにわかる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントであって、前記SOECプラントは、複数のSOECコアに分割され、ここで、前記SOECコアの各々は、個々に分離され、個々に制御され、他の複数のSOECコアから独立して作動するように適合される、前記固体酸化物電解セル(SOEC)プラント。
【請求項2】
前記SOECコアの各々が複数のSOECスタックモジュールを含み、前記SOECスタックモジュールの各々が1つ以上の前記SOECスタックを含む、請求項1に記載のSOECプラント。
【請求項3】
前記SOECプラントが、10個以上のSOECコアを備える、請求項1または2に記載のSOECプラント。
【請求項4】
前記SOECプラントが、25個以上のSOECコアを備える、請求項
3に記載のSOECプラント。
【請求項5】
前記SOECプラントが、100個以上のSOECコアを備える、請求項
3に記載のSOECプラント。
【請求項6】
前記複数のSOECコアが、各々、少なくとも前記SOECコアシェルの外側にシェル断熱クラッディング(被覆)を有するSOECコアシェルを含み、前記SOECコアへ、もしくは前記SOECコアから、または前記SOECコアへおよび前記SOECコアから流れる1つまたは複数のプロセス流体を遮断するように適合された複数の遮断バルブをさらに含み、前記複数の遮断バルブが、前記SOECコアシェルの外側に配置される、請求項1
または2に記載のSOECプラント。
【請求項7】
前記SOECコアの各々が、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有する、請求項6に記載のSOECプラント。
【請求項8】
前記ホットゾーンが、SOECコアシェルのそれぞれの中心におよび中心軸の周囲に配置されている、請求項7に記載のSOECプラント。
【請求項9】
前記SOECコアシェルの各々が、SOECコアシェルの第1の端部を有する第1のシェル部と、SOECコアシェルの第2の端部を有する第2のシェル部とを少なくとも備え、前記シェル部はフランジ接続部によって組み立てられ、1つのフランジが第1のシェル部上に配置され、別のフランジが第2のシェル部上に配置され、フランジ接続部はSOECコアシェルの第1の端部の近傍に配置される、請求項
6に記載のSOECプラント。
【請求項10】
前記SOECコアの各々が、1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、および複数のSOECスタックモジュールへの複数の電気接続部をさらに備え、前記1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、複数の電気接続部、および複数のSOECスタックは、前記第1のシェル部に固定される、請求項9に記載のSOECプラント。
【請求項11】
前記1つ以上の熱交換器および1つ以上のヒーターが、前記ホットゾーン内に配置されている、請求項10に記載のSOECプラント。
【請求項12】
前記複数の電気接続部の少なくとも大部分が、前記ホットゾーンの外側に配置されている、請求項1
0に記載のSOECプラント。
【請求項13】
前記複数の流体接続部のための複数のリードスルー孔、および複数の電気接続部をさらに備え、前記リードスルー孔は、前記第1のシェル部に配置される、請求項1
0に記載のSOECプラント。
【請求項14】
前記複数の遮断バルブが、前記複数の流体接続部のうちの1つ以上に接続され、前記流体接続部内を流れる流体を遮断するように適合されている、請求項1
0に記載のSOECプラント。
【請求項15】
前記電気接続部に流れる電力を遮断するように適合された複数のサーキットブレーカをさらに備える、請求項1
0に記載のSOECプラント。
【請求項16】
前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、少なくとも825℃までの温度に耐えるように適合されている、請求項
7に記載のSOECプラント。
【請求項17】
前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、1000℃までの温度に耐えるように適合されている、請求項
7に記載のSOECプラント。
【請求項18】
前記複数の流体接続部のうちの少なくとも1つが、前記SOECコアシェルの各々に配置されたプロセス流体入口から、さらに前記SOECコアシェル内の復熱空間へ、さらに前記複数のSOECスタックモジュールへ、プロセス流体接続部を提供するように適合されたプロセス流体接続部である、請求項1
0に記載のSOECプラント。
【請求項19】
前記複数のSOECスタックモジュールが、前記SOECコアシェルの中心軸の周囲に少なくとも部分的に円形に配置される、請求項
6に記載のSOECプラント。
【請求項20】
前記SOECコアの各々が、2~50個のSOECスタックモジュール、好ましくは3~20個のSOECスタックモジュール、好ましくは5~9個のSOECスタックモジュール、好ましくは6個のSOECスタックモジュールを含む、請求項
2に記載のSOECプラント。
【請求項21】
複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントを作動する方法であって、
前記SOECプラントは、SOECコアシェルを含む複数のSOECコアに分割され、前記SOECコアは、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有し、前記方法は、
-前記複数のSOECスタックに電力を供給するステップ、
-プロセス流体を、プロセス流体入口を通して、さらに復熱空間を通して、SOECコアの各々に供給し、前記復熱空間は、前記内側ホットゾーンから逃げる熱エネルギーを回復し、これがプロセス流体を加熱するステップ、
-今や加熱されたプロセス流体を前記SOECスタックに供給するステップを含む、
前記方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
図3においては、1つのSOECコアをより詳細に示している。2つの異なるゾーン、少なくとも部分的にホットゾーン断熱材06で囲まれた内側のホットゾーン05と、SOECコアシェル03を断熱するSOECコアシェル02内に位置する外側のホットゾーン07(ホットゾーンより比較的低温)が設けられている。この2つのゾーンの間には、流体の流れを可能にする空間がある。この空間を流れる流体は、内側のホットゾーンから失われた熱を回収し、ホットゾーンの断熱材を通して逃がすため、この空間は復熱空間08となる。したがって、内側のホットゾーンから失われた熱は、復熱空間を流れる流体に伝達される。この流体が、実際にはホットゾーン内のSOECスタックに流れる流体である実施形態においては、熱交換器とヒーターに入る前の流体の予熱として、復熱されて流体に伝達された熱が使用されるため、エネルギーが節約される。ヒーターと熱交換器の両方がホットゾーン内に配置されているため、熱交換器とヒーターから周囲への熱損失が最小限に抑えられていることが、
図3からさらにわかる。
本発明は以下の項目を含む。
[項目1]
複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントであって、前記SOECプラントは、複数のSOECコアに分割され、ここで、前記SOECコアの各々は、個々に分離され、個々に制御され、他の複数のSOECコアから独立して作動するように適合される、前記固体酸化物電解セル(SOEC)プラント。
[項目2]
前記SOECコアの各々が複数のSOECスタックモジュールを含み、前記SOECスタックモジュールの各々が1つ以上の前記SOECスタックを含む、項目1に記載のSOECプラント。
[項目3]
前記SOECプラントが、10個以上のSOECコアを備える、項目1または2に記載のSOECプラント。
[項目4]
前記SOECプラントが、25個以上のSOECコアを備える、項目1~3のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目5]
前記SOECプラントが、100個以上のSOECコアを備える、項目1~4のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目6]
前記複数のSOECコアが、各々、少なくとも前記SOECコアシェルの外側にシェル断熱クラッディング(被覆)を有するSOECコアシェルを含み、前記SOECコアへ、もしくは前記SOECコアから、または前記SOECコアへおよび前記SOECコアから流れる1つまたは複数のプロセス流体を遮断するように適合された複数の遮断バルブをさらに含み、前記複数の遮断バルブが、前記SOECコアシェルの外側に配置される、項目1~5のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目7]
前記SOECコアの各々が、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有する、項目6に記載のSOECプラント。
[項目8]
前記ホットゾーンが、SOECコアシェルのそれぞれの中心におよび中心軸の周囲に配置されている、項目7に記載のSOECプラント。
[項目9]
前記SOECコアシェルの各々が、SOECコアシェルの第1の端部を有する第1のシェル部と、SOECコアシェルの第2の端部を有する第2のシェル部とを少なくとも備え、前記シェル部はフランジ接続部によって組み立てられ、1つのフランジが第1のシェル部上に配置され、別のフランジが第2のシェル部上に配置され、フランジ接続部はSOECコアシェルの第1の端部の近傍に配置される、項目6、7または8のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目10]
前記SOECコアの各々が、1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、および複数のSOECスタックモジュールへの複数の電気接続部をさらに備え、前記1つ以上の熱交換器、1つ以上のヒーター、複数の流体接続部、複数の電気接続部、および複数のSOECスタックは、前記第1のシェル部に固定される、項目9に記載のSOECプラント。
[項目11]
前記1つ以上の熱交換器および1つ以上のヒーターが、前記ホットゾーン内に配置されている、項目10に記載のSOECプラント。
[項目12]
前記複数の電気接続部の少なくとも大部分が、前記ホットゾーンの外側に配置されている、項目10または11に記載のSOECプラント。
[項目13]
前記複数の流体接続部のための複数のリードスルー孔、および複数の電気接続部をさらに備え、前記リードスルー孔は、前記第1のシェル部に配置される、項目10、11または12のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目14]
前記複数の遮断バルブが、前記複数の流体接続部のうちの1つ以上に接続され、前記流体接続部内を流れる流体を遮断するように適合されている、項目10~13のいずれかに記載のSOECプラント。
[項目15]
前記電気接続部に流れる電力を遮断するように適合された複数のサーキットブレーカをさらに備える、項目10~14のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目16]
前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、少なくとも825℃までの温度に耐えるように適合されている、項目7~15のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目17]
前記ホットゾーン内に位置する部品および材料が、1000℃までの温度に耐えるように適合されている、項目7~16のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目18]
前記複数の流体接続部のうちの少なくとも1つが、前記SOECコアシェルの各々に配置されたプロセス流体入口から、さらに前記SOECコアシェル内の復熱空間へ、さらに前記複数のSOECスタックモジュールへ、プロセス流体接続部を提供するように適合されたプロセス流体接続部である、項目10~17のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目19]
前記複数のSOECスタックモジュールが、前記SOECコアシェルの中心軸の周囲に少なくとも部分的に円形に配置される、項目6~18のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目20]
前記SOECコアの各々が、2~50個のSOECスタックモジュール、好ましくは3~20個のSOECスタックモジュール、好ましくは5~9個のSOECスタックモジュール、好ましくは6個のSOECスタックモジュールを含む、項目2~19のいずれか1つに記載のSOECプラント。
[項目21]
複数のSOECスタックを含む固体酸化物電解セル(SOEC)プラントを作動する方法であって、
前記SOECプラントは、SOECコアシェルを含む複数のSOECコアに分割され、前記SOECコアは、SOECコアシェル内のホットゾーン断熱材で少なくとも部分的に囲まれた内側のホットゾーンと、前記ホットゾーン断熱材の外側の周囲およびSOECコアシェル内に少なくとも部分的に配置され、ホットゾーンをSOECコアシェルから分離し、復熱流体のための復熱流体経路を提供する復熱空間とを有し、前記方法は、
-前記複数のSOECスタックに電力を供給するステップ、
-プロセス流体を、プロセス流体入口を通して、さらに復熱空間を通して、SOECコアの各々に供給し、前記復熱空間は、前記内側ホットゾーンから逃げる熱エネルギーを回復し、これがプロセス流体を加熱するステップ、
-今や加熱されたプロセス流体を前記SOECスタックに供給するステップを含む、
前記方法。
【国際調査報告】