(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電極および低減された回折を有する光変調器を備える基板
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1676 20190101AFI20241219BHJP
G02F 1/167 20190101ALI20241219BHJP
【FI】
G02F1/1676
G02F1/167
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024538005
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2022080773
(87)【国際公開番号】W WO2023117191
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521345408
【氏名又は名称】エルスター・ダイナミクス・パテンツ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミティオール,アナトリー
(72)【発明者】
【氏名】マサール,ロマリック・マチュー
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101AA11
2K101AA22
2K101CA01
2K101EC02
2K101EC12
2K101EC24
2K101EC26
2K101EC72
2K101ED01
2K101ED22
2K101EG27
2K101EG54
2K101EG65
2K101EJ11
2K101EK05
(57)【要約】
光変調器で使用するための基板が開示される。基板は、基板に適用された少なくとも1つの駆動電極を備える場合がある。駆動電極は、基板を横切るパターンで配置される。基板を横切る複数の駆動電極のパターンは、複数の反復するビルディングブロックを備える。ビルディングブロック内の電極は、少なくとも1つの駆動電極を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調器内で使用するための基板であって、
- 基板に適用された少なくとも1つの駆動電極(111-114、121-124)を備え、駆動電極は、基板を横切るパターンで配置され、基板を横切る駆動電極のパターンは、複数の反復するビルディングブロックを備え、ビルディングブロックは、
- ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する1つ以上の電極を備え、ビルディングブロック内の電極は、少なくとも1つの駆動電極を形成し、ビルディングブロック内の電極内の少なくとも1つの電極について、ビルディングブロック内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長は、ビルディングブロックユニットの対角線の長さの少なくとも2倍である、基板。
【請求項2】
基板の駆動電極パターンの、計算された画素化ノイズメトリックが、6.05%未満または5%未満または4%未満である、請求項1に記載の基板。
【請求項3】
ビルディングブロック内の電極が、電極が分岐する複数のノードを備え、ノードが電極ラインを通して電気接続され、複数のノードおよび接続する電極ラインが木を形成し、電極が、電極が少なくとも3つの電極ラインに分岐する少なくとも第1のノード(201)を備え、第1のノード(201)が、電極ラインを通して第2のノード(202)におよび第3のノード(203)に直接接続され、電極が、第2のノードにおいておよび第3のノードにおいて少なくとも3つの電極ラインに分岐する、請求項1または2に記載の基板。
【請求項4】
- 2つの直接接続された電極ライン間の角度がランダムに選択されている、および/または、
- ビルディングブロック内の直接接続された電極ラインが複数の角度を形成し、角度が0から360度の間隔をカバーし、特に、少なくとも30の連続する角度のそれぞれの特定の間隔について、特定の間隔に入る複数の角度内の少なくとも1つの角度が存在する、および/または、
- 複数のノードが、ビルディングブロックのエリアをカバーするためにランダムに選択されている、および/または、
- 電極ラインが、真っ直ぐまたは湾曲している、および/または、
- 電極ライン幅が、電極ラインに沿って一定でない、請求項3に記載の基板。
【請求項5】
- ビルディングブロックが少なくとも2つの方向に基板を横切って反復する、および/または、
- 複数の異なるビルディングブロックが1つまたは2つの方向に基板を横切って反復する、および/または、
- 2つの異なるビルディングブロックが基板を横切るチェッカーボードパターンで反復する、および/または、
- 基板が、駆動電極に接続された非反復電極ラインを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の基板。
【請求項6】
- ビルディングブロック内で接続されないビルディングブロック内の2つの電極が、近傍ビルディングブロック内の接続を通して基板内で接続される、および/または、
- ビルディングブロック内の電極がビルディングブロックの少なくとも2つの辺に接続される、請求項1から5のいずれか一項に記載の基板。
【請求項7】
- ビルディングブロックが、ミラーリングおよび/または点反射がある状態でおよびない状態で平行移動される、および/または、
- ビルディングブロックの行または列が、その長手方向に対してミラーリングされて、ビルディングブロックの次の行または列を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の基板。
【請求項8】
少なくとも1つの駆動バスが、少なくとも1つの駆動電極の各駆動電極について基板上に配置されて、駆動電極を駆動し、
- 少なくとも1つの駆動バスが、各駆動電極について基板の辺に配置されて、駆動電極を駆動する、および/または、
- 駆動バスが、基板の辺に配置されるだけである、および/または、
- 駆動バスが、基板をカバーするビルディングブロック間に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の基板。
【請求項9】
少なくとも1つの駆動電極が基板のエッジから絶縁され、絶縁された駆動電極に電力供給する、および/または、絶縁された駆動電極を、基板上の駆動電極の別の部分に接続するために、ビアが、駆動電極に対向する基板の表面から、絶縁された駆動電極まで接続される、請求項1から8のいずれか一項に記載の基板。
【請求項10】
少なくとも1つの駆動バスが、各駆動電極について基板上に配置されて、駆動電極を駆動し、少なくとも1つの駆動バスが、基板の辺および/またはビルディングブロックの辺に配置され、前記駆動バスが不連続部分を備え、前記不連続部分が、駆動バスによって駆動される駆動電極を通して接続される、請求項1から9のいずれか一項に記載の基板。
【請求項11】
駆動電極のうちの少なくとも1つがテッセレーションの全域木である、請求項1から10のいずれか一項に記載の基板。
【請求項12】
駆動電極がミラー対称性を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の基板。
【請求項13】
基板が非矩形である、請求項1から12のいずれか一項に記載の基板。
【請求項14】
少なくとも1つの駆動電極は複数の駆動電極であり、
- 複数の駆動電極(111-114、121-124)が相互嵌合し、複数の駆動電極のそれぞれが、基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極が、基板上で互いに対して交互に配置され、基板を横切る複数の駆動電極のパターンが複数の反復するビルディングブロックを備え、ビルディングブロックが、
- ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する複数の相互嵌合した電極を備え、ビルディングブロック内の相互嵌合した電極が駆動電極を形成し、ビルディングブロック内の複数の相互嵌合した電極内の少なくとも1つの電極について、ビルディングブロック内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長が、ビルディングブロックユニットの対角線の長さの少なくとも2倍である、請求項1から13のいずれか一項に記載の、光変調器内で使用するための基板。
【請求項15】
複数の駆動電極が第1の駆動電極および第2の駆動電極を備え、
- 基板内の任意の点から、第1の駆動電極までのおよび第2の駆動電極までの最短距離が閾値未満である、および/または、
- 基板内の任意の点から、第1の駆動電極までのおよび第2の駆動電極までの最短距離の合計が、第1の閾値未満であるおよび/または第2の閾値を超える、および/または、
- 第1の駆動電極上の点から第2の駆動電極上の点までの距離が、少なくとも第2の閾値である、および/または、
- ビルディングブロックの水平および/または垂直サイズが、電極ライン幅と電極距離との合計の少なくとも10倍である、請求項14に記載の基板。
【請求項16】
- 駆動電極が、同じ平面内に存在し、交差しない、または、
- 駆動電極が基板内で交差し、誘電体が、交差する駆動電極を、少なくとも交差する点において分離する、請求項14または15に記載の基板。
【請求項17】
光変調器であって、
- 請求項1から16のいずれか一項に記載の第1の基板、および第2の基板であって、第1および第2の基板が、内側が互いに対向する状態で配置され、少なくとも1つの駆動電極(111-114、121-124)が、第1および第2の基板のうちの少なくとも1つの内側に適用される、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層
を備え、光学層が、
- 駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されるコントローラを備える、光変調器。
【請求項18】
光学層が粒子を含み、粒子が、電気的に帯電しているかまたは帯電可能であり、コントローラが、駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、駆動電極に向かうまたは駆動電極からの粒子の電気泳動運動をもたらす電磁場を得るように構成される、請求項16に記載の光変調器。
【請求項19】
第1の基板および第2の基板が請求項14にしたがい、コントローラが、複数の駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、複数の駆動電極のうちの1つに向かうまたは複数の駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす、複数の駆動電極間の電磁場を得るように構成される、請求項17または18に記載の光変調器。
【請求項20】
- 第1の基板上の電極パターン、第2の基板上の電極パターン、および/または、第1および第2の基板の電極パターンの重ね合わせが、6.05%または5%または4%未満の、計算された画素化ノイズメトリックを有する、請求項17から19のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項21】
光を変調する方法であって、
- 2つの対向する基板に適用された駆動電極に電位を適用して、基板を通して輝く光の変調を引き起こす、複数の駆動電極のうちの1つに向かうまたは複数の駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす、駆動電極間の電磁場を得ることを含み、2つの対向する基板のうちの少なくとも1つまたは両方は、請求項1から16のいずれか一項に記載の基板である、光を変調する方法。
【請求項22】
光変調器のための電極パターンに対する画素化ノイズメトリックを計算するコンピュータ実装される方法であって、
- 黒および白デザイン画を特定の次元に対して準備することであって、電極ラインが黒であり、基板背景が白である、ことと、
- ブルースタイン法を使用してスケーリングすることなく、チャープz変換(CZT)についてマグニチュードおよび角度を計算することと、
- 主ピーク値を、デザイン画のチャープz変換(CZT)のマグニチュードスペクトル内の最大強度として決定することと、
- より高いピーク値を、主ピークを除いて、マグニチュードスペクトルチャープz変換(CZT)内の第2の最大強度として決定することと、
- 画素化ノイズメトリックを、より高いピーク値と主ピーク値との比として計算することと
を含む、コンピュータ実装される方法。
【請求項23】
デザイン画が8ビット画であり、黒が0に設定され、白が255に設定される、請求項22に記載の画素化ノイズメトリックを計算する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、光変調器、基板、光変調器方法、およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
光学的にアクティブなグレージングは当技術で知られている。典型的には、光学的にアクティブなグレージングシステムは、ガラスまたはプラスチック材料などの透明誘電体材料から作られた、2つの平行板を備える。板の間に画定される内部体積は、誘電性流体で充填される複数の小さい独立した体積または個々のセルに細分される場合がある。流体は、誘電性の、充電されたかまたは充電可能な材料の粒子の懸濁液を含む。2つの板の向かい合う面は、互いに向かい合う電極を担う。電極は、制御手段に関連する電源に接続される。
【0003】
各板の電極は、対で互いの中に交互配置される櫛によって形成される。2つの交互配置された櫛の電極は、同一または反対である極性の電圧をとることが可能である。電極上の適切な電圧によって、粒子は、電極間の異なる場所に集中して、システムに透明な外観または不透明な(opaque)外観のいずれかを与えることができる。
【0004】
知られているシステムに関連する種々の欠点が存在する。知られているグレージングがその透明構成にあるとき、板に適用された電極は、回折効果を引き起こす。回折効果は、グレージングにとって望ましくない。幾つかの状況において、回折効果の存在は、安全性に対して有害である可能性もある。例えば、光学的にアクティブなグレージングが車などの車両において適用される場合、回折の存在は、車両のオペレータにとって混乱を招くかまたは注意をそらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第10921678号明細書
【特許文献2】米国特許第8054535号明細書
【特許文献3】米国特許第8384659号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/185104号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2018/0239211号明細書
【特許文献6】米国特許第5161048号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0185104号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Leutenegger,M.,Rao,R.,Leitgeb,R.A.およびLasser,T. Fast focus field calculations.Opt.Express 14,11277-11291(2006)
【非特許文献2】Hu,Y.等 Efficient full-path optical calculation of scalar and vector diffraction using the Bluestein method. Light Sci.Appl.9,1-11(2020)
【非特許文献3】Murray,Ian B.,Densmore,V.,Bora,V.,Pieratt,W.M.,Hibbard,D.L.,およびMilster T.D. Numerical comparison of grid pattern diffraction effects through measurement and modeling with OptiScan software. Proc.SPIE 8016,Window and Dome Technologies and Materials XII,80160U (2011)
【非特許文献4】Yonghe,L.等(2013).「A Simple Sweep-line Delaunay Triangulation Algorithm」In:Journal of Algorithms and Optimization(JAO)1.1, pp.30-38
【非特許文献5】Alan Mathison Turing 「The chemical basis of morphogenesis」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらのおよび他の問題に対処する、電極を備える改良型基板およびそのような改良型基板を備える光変調器を提供することが有利であることになる。知られているシステムにおける電極デザインが回折をもたらすことを本発明者等は見出した。この関心事に対処することは、より少ない回析で適用され得る基板をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
光変調器において使用するための基板は、基板に適用された複数の相互嵌合した(interdigitated)駆動電極を備える場合があり、複数の駆動電極のそれぞれは基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極は、基板上に互いに対して交互に配置される。駆動電極は、駆動電極上の電圧が独立して制御され得るように互いから電気的に絶縁される。
【0009】
そのような基板が光変調器において使用されると、電極に適用される変動する電圧は、2つのそのような基板間の光学層内で粒子の電気泳動運動を引き起こす場合がある。運動は、次に、基板を通して輝く光の変調を引き起こす。それぞれが少なくとも2つの駆動電極を有する少なくとも2つのそのような基板が、典型的に使用されるが、さらなる基板および/または駆動電極が使用される場合がある。光変調器は、好ましくは、電気泳動的であるが、誘電泳動的(dielectrophoretic)である可能性がある。実施形態による基板は、他の技術、例えば、OLEDまたはエレクトロウェッティング(electrowetting)において使用される場合もある。実施形態による基板は、実施形態による別の基板と組み合わされる場合があるが、これは必要でない;基板のうちの1つまたは両方は、透明である場合がある。グレージング用途において、典型的には、両方の基板は透明である。
【0010】
光学的にアクティブなグレージング、特に、いわゆるスマートグレージングは、例えば、複数の相互嵌合した電極がその上に適用される基板の実施形態の、光変調器の重要な用途である。典型的には、光変調器内の全ての基板は、透明である;これは、グレージング用途において特にそうである。実施形態において、1つ以上の基板は半透明(translucent)である場合がある。実施形態において、1つの基板は不透明である場合があり、一方、対向する基板は、透明または半透明である。そのような光変調器は、入射光の外観を変化させることになる。基板は反射性がある場合がある。
【0011】
グレージングなどの用途についての重要な問題は回折である。好ましくは、回折は、小さい数に低減される。回折は、マグニチュードスペクトル(magnitude spectrum)からの、全ての非ゼロ次ピーク中の最大強度とゼロ次ピークの最大強度との比である画素化ノイズメトリック(pixelated noise metric)と呼ぶ数で計算され得る。例えば、参照により本明細書に含まれる論文Murray、Ian B.、Densmore,V.、Bora,V.、Pieratt,W.M.、Hibbard、D.L.、およびMilster T.D.「Numerical comparison of grid pattern diffraction effects through measurement and modeling with OptiScan software.」Proc.SPIE 8016、Window and Dome Technologies and Materials XII、80160U(2011)を参照されたい。電極ラインの従来のパターニングを用いると、画素化回折値をさらに低減させることが難しいことがわかった。しかしながら、本発明者等は、この障害を克服し、既存の障壁を破ったデザインを作り出す方法を見出した。実施形態において、基板の駆動電極パターンの、計算された画素化ノイズメトリックは、6.05%未満または5%未満または4%未満である。特に、ビルディングブロックの画素化ノイズメトリックは、これらの閾値未満である場合がある。
【0012】
実施形態において、駆動電極のパターンは、複数の反復するビルディングブロックによって形成される。ビルディングブロックは相互嵌合した電極を備える。互いに隣接してビルディングブロックを反復することによって、ビルディングブロック上の電極は、駆動電極へと形成される。例えば、ビルディングブロックは、パターン全体を基板上に堆積させる前に、マスクレイアウティングツール(mask lay outing tool)でパターンになるように融合される場合がある。ビルディングブロックは部分的にオーバーラップする場合がある。例えば、第1のビルディングブロックの電極ラインが、近傍ビルディングブロックの電極ラインと一致し、これらが共に同じ駆動電極に属する場合、2つのビルディングブロックのこれらの電極ラインは融合される場合がある。実施形態において、ビルディングブロックは、駆動バスによって囲まれ、駆動バスは、有利には、近傍ビルディングブロックの同じ駆動電極用のバスとマージされる。
【0013】
実施形態において、駆動バスは、駆動電極を駆動するために、各駆動電極について基板の辺に配置される。駆動バスは、それ以外では絶縁された電極を駆動電極へと接続する場合もある。駆動バスは、次に、コントローラに接続される場合がある。
【0014】
駆動バスは、基板の辺にのみ置かれる場合があるが、例えば、ビルディングブロック間でまたはビルディングブロックの一部として基板を横切って伸長する場合もある。例えば、複数の真っ直ぐな駆動バスは、ビルディングブロックを横切って伸長する場合があり、アームは、電極をさらに駆動電極へと接続するために駆動バスから延在する場合がある。好ましくは、2つの駆動バスが、互いに隣接して基板を横切って伸長することが回避される。なぜなら、回折に悪影響を及ぼす場合がある狭い溝(furrow)が形成されることになるからである。2つの駆動電極が使用される場合、駆動バスは、有利には、ビルディングブロック間に交互にされる。
【0015】
実施形態において、ビルディングブロックは、ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する複数の相互嵌合した電極を備える場合がある。ビルディングブロックのサイズに対して比較的長い長さの電極を使用することが、回折を低減させるために有利であることを本発明者等は見出した。例えば、ビルディングブロック内の複数の相互嵌合した電極内の少なくとも1つの電極について、ビルディングブロック内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長は、ビルディングブロックユニットの対角線の長さの少なくとも2倍である。
【0016】
実施形態において、ビルディングブロックは、電極が分岐する複数の分岐ノードを備える場合がある。例えば、少なくとも3つの電極ラインが、分岐ノードに接続される場合がある。分岐ノードのクラスターを導入することは、電極の局所的変動性を増加させ、ビルディングブロック対角線と比較して電極長を増加させる。例えば、分岐ノードのクラスターは、少なくとも第1の分岐ノードを備える場合があり、第1のノードは、電極ラインを通して第2の分岐ノードおよび第3の分岐ノードに直接接続される。実施形態において、クラスターはより大きい場合があり、例えば、第1の分岐ノードは2つのさらなる分岐ノードに直接接続され、2つのさらなる分岐ノードは、次に、4つの分岐ノードに直接接続される。
【0017】
ノードを接続する電極ラインと一緒にあるノードのクラスターは、木(tree)を形成する場合がある。より一般的に、駆動電極は木である場合がある。
【0018】
分岐ノードのそのようなクラスターは、手作業で電極パターンに導入される場合があるが、多数の分岐ノードを有するパターンを作り出すことができるアルゴリズムを本発明者等は見出した。例えば、駆動電極は、ボロノイパターンの全域木(spanning tree)を計算することによって見出される場合がある。相補的電極パターンは、ボロノイパターンから除去されるエッジを横切って延びるエッジを置くことによって形成される場合がある。ボロノイパターンの代わりに、他のテッセレーションが使用される場合がある。例えば、レギュラーテッセレーション(regular tessellation)は、おそらく1つまたは複数のポリゴン形状を使用して、使用される場合がある。テッセレーションは、テッセレーションのエッジをランダムにシフトさせることによってランダム化される場合がある。ランダム化されたテッセレーションの全域木は、電極として使用され得;相補的電極は、双対グラフから形成され得る。
【0019】
ビルディングブロックは、ミラーリングまたは回転なしで、ブロックをコピーし平行移動することによって基板を横切って反復される場合がある。しかしながら、実施形態において、アイソメトリ(isometry)、例えば、ミラーリング、回転、および/または点反射(point reflection)が、ビルディングブロックに適用される。複数のビルディングブロックが使用される可能性もあるが、アイソメトリを使用することは、ビルディングブロックの配置が、複数のブロックを最適化する必要なしで、改善され得るという利点を有する。例えば、基板を横切る駆動バスが、例えば、ビルディングブロック間で使用される場合、アイソメトリは、駆動バスが互いに隣接して基板上に置かれることを回避するために使用され得る。例えば、ビルディングブロックの行または列全体が、ビルディングブロックの次の行または列などを形成するために、その長手方向に対してミラーリングされる場合がある。そのようにビルディングブロックをミラーリングすることは、駆動バスが、異なるビルディングブロック間でマージされ得、したがって、ビルディングブロック間の溝を回避するという利点を有する。ビルディングブロックをミラーリングすることは、光変調器を製造するときに有利である、基板用の対称電極デザインが確立される場合があるという利点を有する。
【0020】
実施形態において、タイルは、チェッカーボードで配置され、個々のタイルは、ミラーリングまたは点反射される場合がある。実施形態において、タイルは、チェッカーボードではなく、タイルのエッジが、互いに平行または直交する。
【0021】
実施形態による基板は、光学変調器としても知られている光変調器において使用される場合がある。例えば、2つのそのような基板は、電極に電圧を適用することによって、基板間の流体内に懸濁した荷電粒子が移動できるように、互いに対して対向して配置される場合がある。典型的には、下部および上部基板についての電極デザインは、同一であるが、これは必要でない。同様に、2つのデザインは、互いに典型的には整列されるが、これは必要でない。粒子は、光を吸収または反射する場合がある。反射は、鏡面性または拡散性または両者の中間である場合がある。粒子は、例えば、燐光または蛍光を有する光を放出する場合がある。
【0022】
光変調器は、その透明性または反射性が修正され得るパネルを提供する。実施形態において、カラーまたはカラー強度などが変更される場合がある。光変調器は、カバー、例えば、コンテナ、例えば、クローゼット、キャビネット、および同様なもののカバーとして使用される場合がある。光変調器は、特定の用途に応じて、周囲光変調器、動的光変調器、光変調器、カラー変調器、IR変調器、UV変調器、IRアクティブフィルタ、UVアクティブフィルタ、または動的カラーフィルタとも呼ばれる。
【0023】
特に有利な用途は、光学的にアクティブなグレージングにあり、当分野で、スマートグレージング、スマートウィンドウ、制御可能グレージング、光学パネル、電子サイネージ、動的ライトパネル、動的カラーパネル、アクティブカラーパネル、アクティブライトパネル、アクティブライトサーフェス、アクティブカラーサーフェス、動的ライトサーフェス、または動的カラーサーフェスとも呼ばれる。
【0024】
実施形態において、コントローラは、光変調器の基板上の電極に電位を適用して、電極間に電磁場を得るように構成される。電磁場は、電極に向かうまたは電極からの粒子の電気泳動運動をもたらす。粒子が位置を変化させるにつれて、パネルの光学特性、例えば、透明性または反射性が変化する。粒子が着色される場合、パネルのカラーも変化し得る。その間で電磁場が確立される電極の対を変更することによって、粒子は、所望の方向に移動することができる。光変調器の制御が、どの電極の間で電磁場が適用されるかを変更することのみに限定される必要があるのではなく、最大振幅を変更することを含むこともできることを本発明者等は見出した。有利には、交流電流が使用されることに留意されたい。例えば、より低い最大振幅で駆動することによって、光変調器の変化速度が変化する。これは、例えば、所望のターゲット透過性または反射性に向かって駆動しながら、最大振幅が、オーバーシュートを回避するために低減される場合があるときに有利である。最大振幅は、同様にまたは代わりに、ターゲット透過性または反射性に向かって駆動し始めるときに、増加される場合がある。例えば、コントローラは、複数の最大振幅のうちの1つの交流電流または電圧を使用することによって、光変調器の透過性または反射性の複数のレベルのうちの1つを得るように構成される場合がある。その関係は、アルゴリズムなどによって示される場合がある。透過性または反射性のレベルと最大振幅との間の関係は、例えば、透過性または反射性に向かって駆動するための最大振幅のシーケンスを示すルックアップテーブルによって支配され得る。交流電圧も可能であることに留意されたい。
【0025】
それらの間で信号が適用される電極を変更することに加えて、駆動信号の最大振幅を変えることは、バランスのとれた駆動を改善するために使用される場合もある。例えば、一部の電極に適用される電力、例えば、最大振幅は、他の電極に適用されるものと異なる場合がある。例えば、コントローラは、同じ基板上の引き続く電極間に電位差を適用し、同時に、対向する基板上の対向する電極間に電位差を適用するように構成される場合がある。
【0026】
実施形態において、2つの基板のうちの少なくとも1つは、実施形態にしたがう。他の基板は、1つ以上の電極を有するかまたは電極を有さない場合がある。実施形態において、基板上の電極の重ね合わせは、ビルディングブロック内の電極長とその直径との比に関する限界、または、画素化ノイズ比に関する限界を満たし、例えば、そのような限界は本明細書で示される。直径の代わりに、ビルディングブロックのサイズについての他の尺度が一般に使用され得る。例えば、矩形ビルディングブロックの場合、ビルディングブロック辺の調和平均などのビルディングブロック辺の平均が使用される場合がある。
【0027】
実施形態において、各基板上に少なくとも2つの電極が存在するが、3つ以上の電極が存在する場合がある。例えば、少なくとも3つの電極は、第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも1つに適用される場合がある。例えば、実施形態において、2つの電極は第1の基板に適用され、3つの電極は第2の基板に適用される場合がある。典型的には、対向する基板は、電極ラインが互いに対向するようにミラーリングされ;これは、必要でなく、電極がそのように配置されないとき、異なる効果が可能である。
【0028】
本発明のさらなる態様は、実施形態による光変調器を備える構造物である。本発明のさらなる態様は、実施形態による光変調器を備える車である。例えば、車および/または構造物は、光変調器、および、光変調器の電極に対する電圧を制御することによって光変調器の透明性または反射性を制御するために構成されるコントローラを備える場合があり、コントローラは、光変調器に電気接続されるかまたは接続可能である。
【0029】
光変調器は、例えば、コントローラの制御下で、電源によって駆動される場合がある電子デバイスである。例えば、コントローラは、種々の透明性または反射性効果あるいはそれらの欠如を達成するために、特定の電極に特定の波形を適用するよう電源に指示する場合がある。
【0030】
方法の実施形態は、コンピュータ実装される方法として、または専用ハードウェアにおいて、または両方の組み合わせでコンピュータ上に実装される場合がある。方法の実施形態についての実行可能コードは、コンピュータプログラム製品上に記憶される場合がある。コンピュータプログラム製品の例は、メモリデバイス、光記憶デバイス、集積回路、サーバ、オンラインソフトウェアなどを含む。好ましくは、コンピュータプログラム製品は、前記プログラム製品がコンピュータ上で実行されると、方法の実施形態を行うために、コンピュータ可読媒体上に記憶された非一時的プログラムコードを含む。
【0031】
実施形態において、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、方法の実施形態のステップの全てまたは一部を行うように適合されたコンピュータプログラムコードを含む。好ましくは、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体上で具現化される。
【0032】
さらなる詳細、態様、および実施形態は、単に例として、図面を参照して説明される。図の要素は、簡単化および明確さのために示され、必ずしも一定比例尺に従って描かれていない。図において、既に説明した要素に対応する要素は同じ参照符号を有する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1a】ビルディングブロックの実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1d】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1e】ビルディングブロックの実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1f】ビルディングブロックの実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1g】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1h】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図2a】電極の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図2b】電極の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図2c】電極の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図3】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4d】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4e】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4f】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4g】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4h】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4i】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図5a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図5b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図6a】ビルディングブロックの実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図6b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図6c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図6d】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図7a】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図7b】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図7c】車の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図8a】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図8b】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図8c】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図9a】実施形態による、コンピュータプログラムを含む、書き込み可能部分を有するコンピュータ可読媒体を概略的に示す図である。
【
図9b】実施形態によるプロセッサシステムの表現を概略的に示す図である。
【
図10a】光変調器の実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図10b.1】光変調器の実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図10b.2】光変調器の実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図10c】光変調器の実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図10d】光変調器の実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図11】光変調器の実施形態の断面を概略的に示す図である。
【
図12a】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図12b】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図12c】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図13a】ビルディングブロックの実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図13b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図14a】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【
図14b】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【
図14c】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【
図14d】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【
図14e】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【
図14f】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【
図14g】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【
図14h】基板の実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
参照符号のリスト
参照および短縮形の以下のリストは、図面の解釈を促進するために提供され、特許請求項を限定するものと解釈されないものとする。
10 光変調器
11 第1の基板
12 第2の基板
13、13a、13b 電極
14、14a、14b 電極
15 流体
16 コントローラ
30 粒子
20 車
21 光変調器
40 光変調器
41 第1の基板
42 第2の基板
43 第3の基板
46 コントローラ
100-102 基板
111-114 主ライン
121-124 主ライン
131-134 相互嵌合した電極
140 ビルディングブロック
141-144 ビルディングブロック
110、120 駆動バス
110’、120’ 駆動バス
119、129 接続ゾーン
151-157 ビルディングブロックの辺上の点
160 ビルディングブロック
161、162 部分的ビルディングブロック
171、172 ビルディングブロック
191、192 方向
201-207 ノード
210-218 ノード
α1-α7 角度
221-222 電極ライン
180 基板
181 基板上の点
182 第1の最短距離
183 第2の最短距離
188 第1の駆動電極
189 第2の駆動電極
601 ビルディングブロック
602-604 基板
640 溝
611-622 ビルディングブロック
651-662 ビルディングブロック
720 第1の電極
730 第2の電極
740 エッジシール
750 スペーサ
760 半導体インク
772、774 基板
812 第1の駆動バス
814 第2の駆動バス
820 ビルディングブロック
902-906 駆動バス部分
912 駆動電極
1000、1001 コンピュータ可読媒体
1010 書き込み可能部分
1020 コンピュータプログラム
1110 集積回路(複数可)
1120 処理ユニット
1122 メモリ
1124 専用集積回路
1126 通信要素
1130 インターコネクト
1140 プロセッサシステム
【0035】
本開示の主題は、多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、本開示が、本開示の主題の原理の例示として考えられ、示され説明される特定の実施形態に本開示を限定することが意図されないという理解のもとに、1つ以上の特定の実施形態が、図面に示され、本明細書で詳細に説明されることになる。
【0036】
以下において、理解のために、実施形態の要素は動作において説明される。しかしながら、それぞれの要素が、それぞれの要素によって実施されるものとして説明される機能を行うために構成されることが明らかであることになる。さらに、本開示の主題は、実施形態のみに限定されるのではなく、本明細書で説明されるまたは互いに異なる従属請求項に記載される特徴の全ての他の組み合わせも含む。
【0037】
例えば、光変調器において使用するための基板が開示される。基板は、基板に適用された複数の相互嵌合した駆動電極を備える場合があり、複数の駆動電極のそれぞれは基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極は、基板上に互いに対して交互に配置される。基板を横切る複数の駆動電極のパターンは、複数の反復するビルディングブロックを備える。
【0038】
図1bは、基板の実施形態の例を概略的に示す。基板は、例えば、本明細書で説明する種類の光変調器において使用するのに特に有用である。基板を横切って、複数の相互嵌合した駆動電極が基板に適用される。
【0039】
基板の動機付けの例示的使用は、電気泳動光変調器においてである。典型的には、電気泳動光変調器は、それぞれが少なくとも2つの駆動電極を有する少なくとも2つの基板を備え、これは、必要ないが、例えば、電気泳動光変調器は、2つの電極を有する単一基板および1つの電極を有する対向基板を備える場合がある。いずれの場合も、好ましくは、光変調器内の基板の少なくとも1つの基板は実施形態にしたがう。
【0040】
光変調器の実施形態は、実施形態による第1の基板、および第2の基板を備える。第1および第2の基板は、内側が互いに対向する状態で配置される。少なくとも1つの駆動電極は、第1の基板の内側に適用される。光学層は、第1の基板と第2の基板との間に配置される。コントローラは、光変調器の光学特性の変調を引き起こす電位を少なくとも1つの駆動電極に適用するように構成される。第1および第2の基板のうちの1つまたは両方は、透明および/または半透明である。
【0041】
基板に適用された少なくとも1つの駆動電極を使用する多くの異なる種類の光変調器が存在する。光が基板を透過するため、干渉は、光変調器の分野における一般的な問題である。光学層およびコントローラが、駆動電極上の電位に依存する効果を使用して光学特性を変調するために配置される場合があり;例は、誘電泳動効果および電気泳動効果を含む。例えば、光学変調は、光学層内に配置された粒子の変調を含む場合がある。駆動電極の数は、単一基板上の1つから、一方のまたは両方の基板上の複数の駆動電極までの範囲に及ぶ場合がある。
【0042】
第1の基板と第2の基板との間に配置された光学層は、例えば、流体内に懸濁された粒子を含む場合がある。コントローラは、駆動電極に電位を適用し、粒子を移動させ、したがって、光変調器の光学特性を変調するように構成される場合がある。
【0043】
実施形態において、粒子は、電気的に帯電しているかまたは帯電可能な粒子を含み、コントローラは、駆動電極に電位を適用して、粒子の電気泳動運動をもたらす電磁場を得るように構成される。実施形態において、電磁場は、同じ基板上に配置されたまたは異なる基板上に配置された少なくとも2つの駆動電極間に構成される。
【0044】
実施形態において、粒子は誘電性粒子を含み、コントローラは、駆動電極に電位を適用して、粒子に電場勾配を適用するように構成され、粒子が誘電泳動力の作用下で移動することを可能にする。
【0045】
コントローラは、駆動電極の1つ以上に電気信号を適用すし得る。誘電泳動力を制御する実施形態は、DC信号および/またはAC信号を含む信号を使用する場合がある。電気泳動力を制御する実施形態は、DC信号および/またはAC信号を含む信号を使用する場合がある。
【0046】
以下で、幾つかの知られている光変調器がレビューされ、技術および電極におけるオプションの一部を示す。
【0047】
参照により本明細書に含まれる表題「Electrophoretic device」を有する米国特許第10921678号は、2つの基板のうちの1つの基板上に1つのパターニングされた電極のみを有する電気泳動デバイスを示す。例えば、米国特許第10921678号による、電極を有する1つの基板は、1つの単一電極を備える実施形態による基板と置換される場合がある。米国特許第8054535B2号(参照により本明細書に含まれる)および米国特許第8384659B2号(参照により本明細書に含まれる)は、2つの基板のうちの1つが2つのパターニングされた電極を有する電気泳動光変調器の代替の例を示す。
【0048】
パターニングされた電極は、誘電泳動光変調器においても使用される。例えば、米国特許出願第2005185104A1号(参照により本明細書に含まれる)および米国特許出願第20180239211A1号(参照により本明細書に含まれる)は、パターニングされた電極を有する基板を有する誘電泳動光変調器を示す。これらの引用した電気泳動または誘電泳動光変調器のいずれも、実施形態による基板上で電極をパターニングすることによって適合される場合がある。
【0049】
実施形態において、光変調器は、第1の基板および第2の基板を備える。第1および第2の基板のうちの少なくとも1つは、実施形態にしたがい得る。例えば、第1および第2の基板は、内側が互いに対向する状態で配置される場合がある。実施形態による基板を使用することは、例えば、光学干渉を低減させる効果を有する。光学層は、第1の基板と第2の基板との間に配置される。駆動電極は、光学層内の電場を変調するために配置される。光学層は、粒子を含む流体を含み、粒子は、電気的に充電されるまたは充電可能である。粒子は、電場の制御下で移動する場合がある。例えば、コントローラは、駆動電極に電位を適用して、駆動電極における電磁場を得るように構成され得、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、少なくとも1つの駆動電極のうちの1つに向かうまたは光変調器の光学特性の変調を引き起こす少なくとも1つの駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす。
【0050】
参照により含まれる、論文「Reversible Metal Electrodeposition Devices: An Emerging Approach to Effective Light Modulation and Thermal Management」も、パターニングされた電極がその上に適用される基板を示す。パターニングされた電極は、例えば、干渉を低減させるために、有利には、実施形態に従って構成される場合がある。
【0051】
基板の実施形態は、エレクトロクロミックデバイス(electrochromic device)(ECD)において使用される場合がある。エレクトロクロミックデバイス(ECD)は、電圧の適用によって、光学的透過、吸収、反射、および/またはエミッタンス(emittance)などの光学特性を、継続的であるが可逆的な方法で制御する(エレクトロクロミズム)。この特性は、エレクトロクロミックデバイスが、スマートガラス、エレクトロクロミックミラー、およびエレクトロクロミックディスプレイデバイスのような用途のために使用されることを可能にする。
【0052】
エレクトロクロミックデバイスは、例えば、参照により本明細書に含まれる、Antonio California等による論文「Silver grid electrodes for faster switching ITO free electrochromic devices」に記載される。その論文は、エレクトロクロミックデバイス、この場合、ITOがないエレクトロクロミックデバイスの作製を説明する。
【0053】
エレクトロクロミックデバイスは、基板に適用された電気伝導性電極を使用する。引用した論文は、電気伝導性電極として、銀インクを使用して作られた銀グリッドを使用する。エレクトロクロミックデバイスは、エレクトロクロミック材料を含む場合がある。引用した論文は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルフォナート(PEDOT:PSS)を使用する。エレクトロクロミックデバイスにおいて、少なくとも1つの駆動電極、例えば、電気伝導性電極は、基板に適用される。駆動電極は、基板を横切るパターンで配置される。引用した論文は、2つの異なるグリッドパターン、レギュラーハイブ(regular hive)およびレギュラーラダー(regular ladder)デザインを開示する。引用した論文の表1および
図3を参照されたい。
【0054】
電極は、引用した論文の場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)を基板上にスクリーン印刷することによって、基板に適用される場合がある。電極は、典型的には、電気伝導性材料、例えば、金属または金属酸化物である。引用した論文において、銀インクが、RokuPrint RP 2.2機器および180ワイヤードメッシュを使用してPET上にグリッドをスクリーン印刷するために使用された。サンプルは、15分間、130℃で、炉内で乾燥させられた。これらの銀グリッドの上部に、PEDOT:PSS SV3の1つまたは2つの層が、スクリーン印刷によって、後で印刷された。
【0055】
レギュラーパターン(regular pattern)、例えば、引用した論文におけるハイブまたはラダーパターンおよび透過する光の組み合わせによって、エレクトロクロミックデバイスは、干渉を受ける。干渉を回避する1つの方法は、実施形態によるパターン、例えば、電極が、他の反復要素、例えば、ビルディングブロックと比較して長いパターンを使用することである。
【0056】
例えば、引用した論文において使用される金属グリッドは、基板に適用された駆動電極によって置換される場合があり、駆動電極は、基板を横切るパターンで配置され、基板を横切る駆動電極のパターンは複数の反復するビルディングブロックを備え、ビルディングブロックは、ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する1つ以上の電極を備え、ビルディングブロック内の電極は少なくとも1つの駆動電極を形成し、ビルディングブロック内の電極内の少なくとも1つの電極について、ビルディングブロック内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長は、ビルディングブロックユニットの対角線の長さの少なくとも2倍である。電極の最小長を必要とする代わりに、パターンは、干渉を低減させる他の特徴、例えば、高い程度の分岐、例えば、2つ以上の経路への電極の分岐を使用する場合があり、その分岐は、複数回、例えば、少なくとも、2回、3回、4回、またはそれより多い数の回数反復し、少なくとも4つ、8つ、16、またはそれより多い数の電極への初期電極の分岐部をもたらす。
【0057】
エレクトロクロミックデバイスの別の例は、参照により本明細書に含まれる表題「Electrochromic window with metal grid counter electrode and acidic polyelectrolyte」を有する米国特許第5161048号に与えられる。例えば、エレクトロクロミックデバイスは、透明エレクトロクロミックフィルムおよび電極の対間に配設されたイオン伝導性層を備える場合がある。金属グリッド電極は、電極のために出される。特許の
図1は、引用した特許による金属グリッドを示す。対電極(counter electrode)を形成するために、金属グリッドは、第2のガラス基板に隣接して配設される。
【0058】
例えば、エレクトロクロミックデバイスの実施形態において、エレクトロクロミックデバイスは、透明基板、電気伝導性電極部材、前記電気伝導性電極部材と接触する透明エレクトロクロミックフィルム、前記エレクトロクロミックフィルムと接触するイオン伝導性ポリマー;および前記イオン伝導性ポリマーと接触するパターニングされた伝導性電極を備える場合がある。パターニングされた伝導性電極は、実施形態したがい得る。
【0059】
実施形態による基板は、幾つかの他の技術において有利に適用され得る。例えば、光変調器は、例えば、参照により本明細書の含まれる、米国特許出願第20050185104(A1)号に示すように、誘電泳動光変調器である場合がある。実施形態におけるような基板は、他のエレクトロウェッティングおよびOLED用途において使用される場合もある。
【0060】
OLEDおよびエレクトロウェッティングにおいて、複数の基板のうちの1つのみの上に電極が必要とされる。電極を有する基板は、実施形態にしたがう場合がある。
【0061】
グレージング用の光変調器の用途において、両方の基板は、典型的に透明である。他の用途、例えば、テレビジョン、電子書籍リーダーなどにおいて、1つの基板のみが透明である場合がある。
【0062】
図1bには、同じ表面上の2つの駆動電極が示される。2つの駆動電極は、
図1bにおいて2つの異なる破線スタイルで示される。例えば、基板を横切る電圧差のよりきめ細かい制御を促進するために、基板の同じ側に3つ以上の電極が存在する可能性がある。駆動電極は、基板の同じ側に適用される。基板に電極を適用することは、例えば、電極パターンを表すマスクを使用して、リソグラフィによって行われる場合がある。電極は、電極を基板に埋め込むことによって適用される場合もある。
【0063】
駆動電極は電気接続され、例えば、どこでも同じ電位を有する。駆動電極は、駆動バスおよび主ラインを備える場合がある。少なくとも、主ラインは、さらなる駆動電極の主ラインと相互嵌合する。典型的には、駆動電極は、基板を横切る実質的に真っ直ぐなラインで延在し、一方、主ラインは入り組んでいる。
【0064】
実施形態において、光学変調器の2つの基板はそれぞれ、その内側表面に配置された2つの電極を有する。しかし、述べたように、一方または両方の基板上の複数の電極は必要とされない。例えば、光変調器の実施形態は、第1の基板および第2の基板を備える。例えば、第1の基板は1つの駆動電極を備える場合があり、第2の基板は駆動電極を備えない場合がある。例えば、第1の基板は2つの駆動電極を備える場合があり、第2の基板は1つの駆動電極を備える場合がある。例えば、第1の基板は2つの駆動電極を備える場合があり、第2の基板は2つの駆動電極を備える場合がある。例えば、第1の基板は3つ以上の駆動電極を備える場合があり、第2の基板は2つ以上の駆動電極を備える場合がある。
【0065】
各基板が2つの駆動電極を備える光変調器は、しかし、動機付けする例として使用される。2つの駆動電極を特徴とする基板のデザインは、例えば、2つの駆動電極を接続することによって、または、複数の駆動電極のうちの1つを取り除くことによって、単一駆動電極を有するように適合される場合がある。そのようにして基板を適合させることは、異なる技術における使用に対して基板を適切なものにさせ得る。
【0066】
複数の駆動電極のそれぞれは、基板を横切るパターンで配置される。複数の駆動電極は、基板上に互いに対して交互に配置される。典型的には、駆動電極は、それぞれが基板を横切って伸長する複数の主ラインを備える。駆動電極の主ラインは、交互である、例えば、相互嵌合する。例えば、
図1bにおいて、第1の駆動電極は主ライン111-114を備え、第2の駆動電極は主ライン121-124を備える。駆動電極はそれぞれ、その駆動バスによって駆動される。
図1bは、2つの駆動バス:駆動バス110および駆動バス120を示す。駆動電極は、同様に、主ラインを共に接続するために役に立つ。例えば、
図1bにおいて、駆動バス110は、主ライン111-114を駆動および接続し;駆動バス120は、主ライン121-124を駆動および接続する。この例に示す4より多い主ラインが存在することができる。主ラインの使用は、電極の長さを低減させるため有利であるが、それは必要ない。1駆動電極について1つの主ラインのみを使用するデザインは、不可能ではないが、複数の主ラインを有することが有利である。
【0067】
第1および第2の電極の複数の主ラインは、基板上で互いに対して交互に配置される。
【0068】
基板100などの基板についての動機付けの用途は、家庭住宅、オフィス、グリーンハウス、車、および同様なものにおいて適用される場合がある、スマートグレージング、例えば、光変調器においてである。スマートグレージングの透明性または反射性のレベルは、電気的に適合され得る。例えば、スマートグレージングにおいて、基板100などの2つの基板は、2つの電極がその上に適用される面が互いに向かい合うように積層されることになる。粒子を有する流体は、2つの基板の間に閉じ込められる。スマートグレージングの実施形態は、以下でさらに論じられる。実施形態において、電極、例えば、2つ以上の電極は、各基板の1つの表面に適用される。例えば、3つ以上の基板の積層を促進するために、基板100の他の表面上に、1つ、2つ、またはそれより多い数の電極が存在する可能性もある。
【0069】
以下の幾つかの実施形態は、透明性または反射性レベルを変調する例を示す。光変調器は、他の光学効果のために適合される場合がある。例えば、所望される場合、実施形態は、異なるレベルの透明性の代わりに、異なるレベルの半透明性に対して修正される可能性がある。所望される場合、実施形態で使用される粒子のタイプは、例えば、どの波長において粒子が吸収または反射するか、および、反射がどれほど鏡面性または拡散性であるかが異なる粒子に対して、変えられ得る。例えば、実施形態において、光変調器は、異なるレベルの反射を変調することができる。粒子は、光を放出することもできる。複数の光学層を積層することは、可能性をさらに増加させる。
【0070】
交互の主ラインの2つのセットを有することは、電気的に適合可能なグレージングを提供するのに十分であり;交互の2つのセットによって、基板の任意の部分における電場が制御され得、なぜなら、2つの対向する電極が、2つの対向する辺からその部分を境界付けるからである。
【0071】
興味深いことに、駆動電極が基板を横切って伸長するパターンは、複数の反復するビルディングブロックによって作成される。
図1bに示すように、基板100上の駆動電極は、4つのブロック:全てが実質的に同じであるブロック141、142、143、および144を示す。ビルディングブロックの数は、4より多い場合がある。ビルディングブロックは、基板を横切って両方の方向に、例えば、第1の方向191、例えば、図において水平に示されるx方向、および、第2の方向192、例えば、図において垂直に示されるy方向に反復する。
【0072】
例えば、
図1aは、ビルディングブロック140の実施形態の例を概略的に示す。ビルディングブロック140は、ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する複数の相互嵌合した電極を備える。
図1aに、4つの電極:電極131-134が示される。ビルディングブロックが、2つの方向に基板を横切って反復されるとき、ビルディングブロック内の電極は、駆動電極を形成することになる、例えば、駆動電極の複数の主ラインを形成することになる。ビルディングブロックが、典型的には、基板電極デザインツールにおいて接続されることに留意されたい。典型的には、ビルディングブロックは、5つ以上の電極ラインを備える。例えば、実施形態の範囲内で、8個と12個との間の主ラインが使用される。電極ラインの数は、しかし、ずっと多いことができる。例えば、ビルディングブロックは、ブロックが反復されるとき、他のビルディングブロックのラインに接続する、エッジの近くに多くの短い電極ラインを備える場合がある。そのような短い派生物を考慮して、ラインの数は、例えば、50まで増大する可能性がある。明らかに、より大きいビルディングブロックを使用すると、電極ラインの数も増加する場合がある。実施形態において、ビルディングブロック内の電極ラインの数は、8と50との間、または、8と25との間、などである。
【0073】
反復しているビルディングブロックによって形成される駆動電極は、駆動バスに接続される。典型的には、ビルディングブロック内の電極ラインは、近傍のブロック内の電極ラインに、対応する電極ラインをマージすることによって接続され;これは、必要ないが、反復するビルディングブロック間に、対応する電極ラインを接続する接続ゾーンが挿入され得る。
【0074】
このステップは、複数の主ラインを共に接続することができ、したがって、単一駆動電極を形成する。
図1bは、同じ駆動電極に属する主ラインが、駆動バス110および駆動バス120にそれぞれ接続される2つの接続ゾーン119および129を示す。
【0075】
図1aに示す電極は、
図1bの同じ破線スタイルで交互に破線が引かれる。実際には、
図1aのビルディングブロックの特定の電極が、例えば、この場合、破線スタイルによって示すように、第1の駆動電極内でまたは第2の電極内で常に終わることが、この例においてたまたま当てはまる。これは、しかしながら、必ずしも当てはまらない。ビルディングブロック内の電極は、第1の駆動電極の一部としてまたは第2の駆動電極の一部として終わる場合がある。これは、例えば、ビルディングブロック内の電極の数の偶奇性の結果として、ビルディングブロックが反復するパターンなどを変更し得る。
【0076】
例えば、反復するビルディングブロックの特定のパターンは、2つの駆動電極を有する光変調器のために使用される場合があり、その光変調器において、交互の主ラインが2つの駆動電極に割り当てられる場合がある。しかしながら、反復するビルディングブロックの同じパターンは、3つの駆動電極を有する光変調器のために使用される場合があり、その光変調器において、3つの主ラインの全ての隣りのセットが3つの駆動電極に割り当てられる場合がある。
【0077】
さらに、
図1aに示すビルディングブロックは正方形であるが、これも、必要とされない。例えば、ビルディングブロックは矩形である場合がある。実施形態において、ビルディングブロック形状(複数可)は、いわゆるテッセレーションを形成する可能性がある。例えば、ビルディングブロックは、三角形、六角形、またはさらに、平面充填形状の組み合わせである場合がある。
【0078】
述べたように、
図1aおよび1bは概略的である。これは、電極の描写について特に当てはまる。
図1aに示す電極は、真っ直ぐであり、その長さは、ビルディングブロックの辺の長さに等しい。しかしながら、実施形態において、ビルディングブロック上の電極は、ビルディングブロック内の複数の相互嵌合した電極内の少なくとも1つの電極についてより入り組んでおり、ビルディングブロック内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長は、ビルディングブロックユニットの対角線の長さの少なくとも2倍である。
【0079】
例えば、概略的に示される
図1aの電極を考えた場合、同じ電極に沿う考えられる最大長は、ビルディングブロックの辺の長さである。最大長と
図1a(概略的に示す)の対角線との比は、
【数1】
であることになる。しかしながら、実施形態において、この比は、ずっと大きい、例えば、少なくとも2であることになる。この値が大きい場合、それは、電極を、より入り組んだ経路をたどらせ、それは、回折を低減させる。ビルディングブロックを使用することによって、前記入り組みは、基板を横切って分布される。実施形態において、最大長との比は、2よりさらに大きい場合がある。例えば、前記比は、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5などである場合がある。これは、有用なデザイン基準である。なぜなら、長い経路が、蛇行なしでフィットする場合よりも長いとう理由で、ビルディングブロックを横切って蛇行することを強制される場合、同じビルディングブロック内により短い経路が存在する場合でも、その経路内の角度が、自然に分布し、回折が低減されるからである。この基準は、幾つかの最長経路、例えば、ビルディングブロック内の上位k個の最長経路を計算することによってより厳密に実施される可能性があり、このとき経路は電気接続されない。例えば、kは、2以上または3以上または5以上などである場合がある。例えば、上位k個の最長経路がそれぞれ、ビルディングブロックのサイズ、例えば、直径の倍数より長いこと、例えば、上位k個の最長経路がそれぞれ、2倍以上長い、2.5倍以上長いなどであることが必要とされる場合がある。このより厳密なルールは、しかし、デザインを改善するために必要とされない。
【0080】
典型的には、ビルディングブロック内の2つ以上の電極ラインはこの条件を満たす。例えば、実施形態において、ビルディングブロックは、ビルディングブロック内で電気接続されない複数の電極ラインを備え、複数の電極のそれぞれの電極上の最長経路は、ビルディングブロックの対角線長の2倍より長い。その複数の数は、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも10などである可能性がある。
【0081】
電極の形状を適合させることによって、望ましくない回折効果が変更され得る。回折効果を減少させることは、透明基板について特に重要であり、なぜなら、電子書籍リーダーにおいて適用される場合があるような、例えば、拡散反射ディスプレイの場合、効果が、あまり目立たないことになるからである。しかしながら、調光可能ミラーなどの鏡面反射ディスプレイは、回折効果によって影響を受けることになる。光変調器における光学回折が、電極のライン形状を複数の異なる角度に配向させ、空間内で回折を広げ、したがって、最も強い回折スポットの強度を減少させることによって、減少される場合があることを本発明者等は見出した。例えば、調光可能ミラーの場合、回折を低減させることが重要である。
【0082】
実施形態において、調光可能ミラーは、実施形態による光変調器を備える。例えば、調光可能ミラーは、透明基板、光学層、および反射基板を備える。基板のうちの1つまたは両方は実施形態にしたがう。調光可能ミラーは電気泳動的である場合がある。典型的には、各基板は2つの電極を有するが、これは必要ない。
【0083】
図1cは、基板101の実施形態の例を概略的に示す。基板101は、ビルディングブロック上の電極から形成された主ラインが駆動バスにどのような方法で接続されるかを除いて、基板100と同様である。
図1aにおいて、接続ゾーンが、反復するビルディングブロックと駆動バス110および120との間に挿入される。接続ゾーンにおいて、同じ駆動電極に属する主ラインは、同じ駆動バスに接続される。
図1cにおいて、駆動バスは、ビルディングブロックに直接隣接する。駆動バスが、異なる駆動電極の主ラインに接続することになることを回避するために、ビルディングブロックの一部は修正される。
【0084】
例えば、ビルディングブロック141は、ビルディングブロック140のコピーである場合があるが、電極134は、ライン134がその一部である主ライン122がバス110に接続しないように短縮される。
図1cにおいて、ビルディングブロックは、主ラインを駆動バスに接続することを回避するために、駆動バスの隣りのビルディングブロックの一部の電極において切り離しが導入されることを除いて実質的に同じである。
図1cに示す全てのビルディングブロックはこうして修正されるが、実施形態において、大多数のビルディングブロック、例えば、駆動バス110、120に隣接しないビルディングブロックは修正されない。
【0085】
図1dは、基板102の実施形態の例を概略的に示す。
【0086】
実施形態において、ビルディングブロック内の電極はそれぞれ、ビルディングブロックの同じ対向する辺に接続する。これは、ビルディングブロック上の電極によって形成される主ラインが、基板の対向する辺を接続するという結果を有する。そのような状況において、例えば、それぞれが基板の対向する辺に沿って延在する2つの駆動バスのみを有することは、駆動電極を接続および駆動するのに十分である。
【0087】
しかしながら、ビルディングブロック内の電極がビルディングブロックの対向する辺を接続することは必要とされない。典型的には、ビルディングブロック内の全ての電極がビルディングブロックの2つの辺を接続することになるが、これらの2つの辺が対向することは必要とされない。これについての理由は、電極が、次のビルディングブロックによって継続される場合があることである。そのような状況において、ほとんどの主ラインは、同じ2つの対向する辺をやはり接続することになるが、基板のエッジにおいて、これは起こらない場合がある。なぜなら、電極を前方に運ぶためにさらなるビルディングブロックが存在しないからである。ビルディングブロックに関するより複雑な電極デザインを可能にするために、主ラインは、2つの辺、例えば、基板の同じコーナーに隣接する基板の2つの辺から駆動バスに接続される場合がある。
【0088】
図1dに、基板の2つの辺に沿って延在する駆動バス110’および基板の他の2つの辺に沿って延在する駆動バス120’が示される。
【0089】
この構成の利点は、駆動バスが同じ平面内に作られ得ることである。これは、しかし、これは必要ない。駆動バスは、例えば、ビルディングブロックについてデザイン自由度をさらに増加させるために、所望される場合、3つまたは4つ全ての辺から接続する可能性がある。種々の例は、本明細書に示される。
【0090】
駆動電極、例えば、駆動バスおよび/または主ラインがオーバーラップすることが可能であることに留意されたい。これは、例えば、電極間に誘電体材料の一部を生じさせることによって可能である。例えば、そのようなオーバーラップする電極は、部分的にまたは完全に基板の異なる平面内にある可能性がある。
【0091】
例えば、実施形態において、第1の駆動電極をデポーズする(depose)場合がある。その後、誘電体を局所的にデポーズし、最後に、第2の駆動電極をデポーズする。誘電体は、第1および第2の電極が交差する少なくとも点をカバーするために配置される。ビアが、例えば、より低い第1の駆動電極に接続するために、より低い第1の駆動電極に対して使用される可能性がある。駆動電極のデポージング(deposing)は、駆動バスのデポージングを含む場合がある。
【0092】
図1eは、ビルディングブロックの実施形態の例を概略的に示す。
図1eに、2つの電極が概略的に示される。実際の実装において、示される電極のトラックは、典型的には、はるかに入り組んでいることになる。
【0093】
図1eのビルディングブロックは、ビルディングブロックの少なくとも2つの辺にそれぞれ接続される4つの電極ラインを示す。この場合、電極ラインは、ビルディングブロックの対向する辺に直接接続しない。駆動電極が1つの辺から駆動される必要があるだけであるため、ビルディングブロックの対向する辺の接続は必要とされない。しかしながら、基板をカバーするため、電極のうちの少なくとも1つ以上が、電極が駆動される場所から対向する辺に達するならば好都合である。これは、必要なく;基板の一部分のみに達する主ライン電極が存在し、それらが2つの辺から駆動される可能性がある。
【0094】
図1eは、ビルディングブロックの特定の電極ラインが組み込まれる主電極が、電極ラインが対向する辺を接続しないけれども、やはり基板を横切って達することができることを示す。例えば、左辺の151で始まる電極ラインは、157でビルディングブロックの非対向の上辺に接続する。同じビルディングブロックが、示されるビルディングブロックの上で反復した場合、このラインが形成する主ラインは、反復するビルディングブロックの点154で継続し、そして、152において反復するビルディングブロックの対向する辺に達する。同様に、ビルディングブロックの左辺の155において、第2の駆動電極の一部であることになる電極ラインが始まる。この電極ラインは、153で上辺に接続し、154で反復ブロックにおいて継続する。したがって、ビルディングブロックの左辺で始まる電極ラインは、そのビルディングブロックの対向する辺に接続しない場合があり、その電極ラインは、しかしながら、x方向にその距離を進み、ビルディングブロック、しかし、異なるビルディングブロック、例えば、示されるビルディングブロックの上または下のビルディングブロックの右辺に達する。同じことが、y方向について、その逆も同様に可能である。実施形態において、主ラインは、第1の方向191、例えば、x方向に複数のブロックを通して延びながら、そして、断面方向に例えばy方向に、少なくとも2つ以上のブロックを通して延びながら、第1の方向191例えばx方向に対向する基板の辺を接続する。典型的には、第1の方向191および第2の方向192は直交し;これは、厳密には必要なく、2つの方向は、互いに対して傾く可能性がある。
【0095】
図1fは、ビルディングブロック内の2つの電極ラインが、ビルディングブロック内で接続される必要がないが、近傍ビルディングブロック内の接続を通して基板内でやはり接続され得ることを示す。例えば、点151において左辺で始まる電極を考える。電極は、ビルディングブロックの上辺で出て行く。
図1eにおける例と違って、151で始まる電極ラインが組み込まれる主ラインは、
図1fに示すビルディングブロックの対向する部位に接続する。
【0096】
151においてビルディングブロックの左辺で始まる電極ラインは、157においてビルディングブロックの上辺に接続する。同じビルディングブロックが、示されるビルディングブロックの上部で反復される場合、電極ラインは、点156において底辺に接続し、点154において底辺の点と同じ辺に接続することになる。
図1fに示すビルディングブロックに戻ると、電極ラインは、点153でその上辺において継続し、点152において右辺、すなわち、点151の辺の対向する辺に接続する。
【0097】
実施形態において、駆動電極、例えば、駆動電極の主ラインは、第1のビルディングブロックの第1の辺上の第1の点を、同じビルディングブロックの対向する辺上の第2の点に接続し、第1の点と第2の点との間で、主ラインは、少なくとも第1のビルディングブロックの次の第2のビルディングブロックに交差する。
【0098】
この例において、同じ電極ライン上の2つの点間の最長経路は、155で始まる経路によって形成される。実施形態によれば、最長経路の長さは、ビルディングブロックのサイズ、例えば、辺または対角線の倍数であり;例えば、最長経路は、対角線の長さの少なくとも2倍である場合がある。この例において、その長さの1つの経路のみが存在するが、複数のそのような長い経路が存在する場合がある。
【0099】
代替の要件は、近傍ビルディングブロックを通って延在する経路を考慮することである場合がある。例えば、辺、例えば、左辺で始まり、同じビルディングブロックの対向する辺に接続する最長経路は、ビルディングブロックの対角線の倍数である場合があり、この経路は、近傍ビルディングブロックを通って延びる場合がある。この定義を使用して、或る程度、より高い閾値、例えば、2が使用される可能性があるが、より高い閾値、例えば3も可能である。
【0100】
実施形態において、ビルディングブロック上の電極ラインは、同じ辺上の2つの点を接続する。
【0101】
実施形態において、ビルディングブロック上の電極ラインは、ビルディングブロックの異なる非対向の辺上の2つの点を接続する。
【0102】
図1fに、ビルディングブロックの2つの対向する辺を接続する電極ラインも示される。実施形態において、ビルディングブロック上の全ての電極ラインは、ビルディングブロックの対向する辺を接続する。しかし、示されるように、これは必要ない。典型的には、駆動バスは真っ直ぐであり、一方、主ラインは入り組んでいる。
【0103】
図1gは、基板の実施形態の例を概略的に示す。
図1gに、ビルディングブロックを用いて基板をタイル張りする変形方法が示される。
図1gにおいて、ビルディングブロックは千鳥状である。例えば、第1の方向191に、例えば、x方向に、ビルディングブロック160は、行で整列される。ビルディングブロックの上部において、ビルディングブロックは、同様に、行で整列されるが、ビルディングブロックは、下の行に対してオフセットしている。オフセットは、ブロックの半分で示されるが、これは、ビルディングブロック幅の別の割合、例えば、ビルディングブロック幅の1/3である可能性もある。
【0104】
矩形基板が所望される場合、部分的ビルディングブロックが、基板を充填するために、行に追加され得る。
図1gに、2つの半幅のビルディングブロック:ビルディングブロック161およびビルディングブロック162が示される。ビルディングブロック161および162は、基板160の半分と同一であることができるが、より典型的には、両者は、駆動電極を接続するためおよび基板のカバレッジのためにデザインされる。示すように、各行は、部分的ビルディングブロック、例えば、奇数行内のビルディングブロック161および偶数行内のビルディングブロック162を有する。しかしながら、千鳥状デザインを有するが、両方の部分的ビルディングブロックを、例えば偶数行の始めと終わりに有し、フルビルディングブロックを、交互の例えば奇数行において使用するだけである可能性がある。
【0105】
他のテッセレーション、例えば、基板充填タイル張りが、電極パターンを作成するために使用され得る。例えば、実施形態において、ビルディングブロックは、平行四辺形、ひし形、または同様なものである。実施形態において、ビルディングブロックは、行において整列される場合があり、奇数行において、ブロックは、ミラーリング、例えば、フリップされ;時としてグライド反射対称(glide reflection symmetry)と呼ばれる。ミラーリングに加えて、ビルディングブロックは、点反射または反転される場合もある。
【0106】
図1hは、基板の実施形態の例を概略的に示す。
図1bまたは
図1cにおけるように、ビルディングブロックは、少なくとも2つの方向に基板を横切って反復する。しかしながら、
図1hにおいて、複数の異なるビルディングブロックが使用され;
図1hは2つのビルディングブロック171および172を示す。両方のブロック171および172は、2つの方向、例えば、第1の方向191および第2の方向192に反復する。
図1hにおいて、ビルディングブロック171は、ビルディングブロック171に直接隣接せず、例えば、2つのビルディングブロックはチェッカーボード充填を形成する。これは必要ないが、例えば、第1のビルディングブロックは、2つの対向する辺で第1のビルディングブロックのコピーに接続するが、他の2つの対向する辺で第2のビルディングブロックに接続する可能性がある。3つ以上の異なるビルディングブロックが存在する場合がある。
【0107】
例えば、異なる方向に隣接して交互にある異なるタイルを使用することは、デザイン柔軟性を増加させ、それは、例えば、基板の内部内のタイルに対する供給の連続性を確実にするために使用される場合があり、一方、基板のエッジにおいて、コントローラ(複数可)に対する接続が行われ得る。
【0108】
電極スキームにおいて、タイルが、隣接するタイルによって電力供給される場合があることに留意されたい。例えば、ビルディングブロックのチェッカーボードスティッチングにおいて、1つのビルディングブロックは次のビルディングブロックに電力供給することができる。これは、異なるタイルレイアウトを含む場合もある。例えば、垂直に隣接するおよび/または水平に隣接するタイルは異なる場合がある。実施形態において、チェッカーボードの一部は反復され、一方、一部は異なるタイルを備える。例えば、5つの隣接するタイル、例えば、中心、左、右、上、および下を考え;そのようなタイルは、異なるかまたは反復される場合があるが、好ましくは、電極ラインを、隣接するタイル内の電極ラインおよび/または駆動バス全体のいずれかに接続するように構成される。
【0109】
図2aは、電極の実施形態の例を概略的に示し;基板内で、電極は単一駆動電極の一部である。例えば、
図2aに示す電極は、単一ビルディングブロック内の電極ラインの一部である可能性がある。示される電極は、同様に、互いに隣り合う複数のビルディングブロックから形成される可能性がある。例えば、
図2aまたは2bに示すクラスターは、主ライン111-114、121-124または電極ライン131-134の一部である可能性がある。
【0110】
電極は、電極が分岐する複数のノードを備える。分岐ノード201、202、および203が示される。ノードは、電極ラインを通して、電気的に直接接続される。分岐ノード201と分岐ノード203との間の1つのそのような電極ラインは、参照数字221によって示される。
【0111】
電極内に複数の分岐ノードを有することが、電極長とビルディングブロック対角線との比を増加させるのに有利であり、それが、今度は、回折を減少させるのに有利であることが見出された。分岐ノードのクラスターを有することは、電極が、種々の角度をなすようにさせ、それが、回折を低減させることに寄与する。
【0112】
実施形態において、主ラインまたはさらに駆動電極は、木、例えば、無向および非巡回グラフを形成する。好ましくは、木は、多くの分岐ノードを備える。分岐ノードは、電極ライン間での角度の導入を可能にするという利点を有する。例えば、
図1aは、2つのさらなる分岐ノード:ノード202およびノード203に直接接続される分岐ノード201を示す。3つ全てのノード201-203において、電極が分岐する。
【0113】
図2bは、電極の実施形態の例を概略的に示す。この例は、
図2aの例を詳しく述べる。電極の7つの分岐ノードが示される。分岐ノード201は、分岐ノード202および分岐ノード203に直接接続される。分岐ノード202および203は、同様に2つのさらなる分岐ノードにそれぞれ接続される。分岐ノード202は、分岐ノード204および分岐ノード205に接続される。分岐ノード203は、分岐ノード206および207に接続される。分岐ノード203と206との間の直接接続は、参照数字222によって示される。
【0114】
図2aまたは
図2bの分岐パターンは、電極長とビルディングブロック直径または対角線との比を増加させる。これらの分岐パターンは、同様に電極ラインの方向の種類を増加させ、平行電極ラインの長い伸長を低減させる。そのような改善は、比に対する寄与なしで、同様に価値がある。例えば、実施形態において、光変調器において使用するための基板が提供され、基板は、
- 基板に適用された複数の相互嵌合した駆動電極(111-114、121-124)を備え、複数の駆動電極のそれぞれは、基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極は、基板上で互いに対して交互に配置され、基板上の電極は、電極が分岐する複数のノードを備え、ノードは、電極ラインを通して電気接続され、複数のノードおよび接続する電極ラインは木を形成し、電極は、電極が少なくとも3つの電極ラインに分岐する少なくとも第1のノード(201)を備え、第1のノード(201)は、電極ラインを通して第2のノード(202)におよび第3のノード(203)に直接接続され、電極は、第2のノードにおいておよび第3のノードにおいて少なくとも3つの電極ラインに分岐する。
【0115】
図2cは、電極の実施形態の例を概略的に示し;基板内で、電極は単一駆動電極の一部である。例えば、
図2cに示す電極は、単一ビルディングブロック内の電極ラインの一部である可能性がある。示される電極は、同様に、互いに隣り合う複数のビルディングブロックから形成される可能性がある。
【0116】
電極ラインに直接接続された8つのノード:ノード210-218が示される。
図2cは、これらのノードの全てについて分岐を示さない。実際には、全てのノードが分岐ノードである必要はない。例えば、ノードは、或る角度で2つの電極ラインを接続する場合がある。
【0117】
例えば、210から218までの経路は、電極上の任意の2つの点間の、例えば、点210から218までの最大長経路である場合がある。ノード210からノード218までの経路に沿って、引き続く電極ラインは或る角度をなす。これらの角度は、α1からα7までとして示される。例えば、α1は、ノード210から211までの電極ラインとノード211からノード212までの電極ラインとの間の角度である。
【0118】
回折を低減させるために、デザインにおける角度は不均一であることが好ましい。例えば、経路、例えば、最長経路に沿う角度は、ランダムに選択される場合がある、または、0から360度の範囲内の考えられる角度の範囲を均一にサンプリングするために選択される場合がある。例えば、実施形態において、角度は、30度の少なくとも全てのブロックから、1つの角度が選択されるように選択される。例えば、角度は、範囲1-30、31-60、・・・、331-360のそれぞれの範囲から選択される場合がある。長い経路は回折に影響を及ぼし;長い経路内で多くの角度を有することは、経路をあまり均一でないようにし、したがって、回折を低減させ得る。測定は、同様に、180を法として全ての角度を最初に低減させることによって行われる場合がある。
【0119】
経路に沿う角度に限定する代わりに、ビルディングブロック内のノードにおいて全ての角度を含めてもよい。例えば、n個の電極ラインを接続するノードは、連続する電極ライン間にn-1個の角度を規定する。同様に、これらの角度について、これらの角度が均一であり、全範囲の角度を示すことが好ましい。例えば、これらは、ランダムに選択される、または、例えば0-180度から、全範囲の角度をサンプリングするために選択される場合がある。
【0120】
ノードは、好ましくは、ビルディングブロック、したがって、基板をカバーするために選択される。例えば、ノードは、ビルディングブロックを横切ってランダムに選択される場合がある。
【0121】
ノード間の電極ラインが、真っ直ぐであるまたは湾曲している場合があることに留意されたい。真っ直ぐなラインを有することは、デザインに対する計算をより容易にするが、湾曲したデザインは、回折と戦うために使用され得るより大きい柔軟性を提供する。以下の
図3などの湾曲したデザインの場合、角度の検討が分岐ノードに限定される場合がある。実施形態において、基板は湾曲し、複数の反復するビルディングブロックは、少なくとも2つの異なる形状を備える。
【0122】
図3は、基板180の実施形態の例を概略的に示す。2つの駆動電極:電極188および電極189の詳細が示される。示される詳細は、例えば、ビルディングブロックの一部である場合がある。詳細は、また、2つのビルディングブロックが互いに隣り合って整列されるので、生じる場合がある。
【0123】
図3は、湾曲した電極ラインを備える電極の例を示す。以下の検討は、同様に、直線の電極ラインを使用してデザインすることに適用される。
【0124】
図3に、電極上にない、基板上の点181が示される。そのような点において、電場の制御は、基板180に隣接する光学層内の粒子の電気泳動運動が制御され得るように、所望される。点181は、明確にするために小さい円板として示される。
【0125】
点181などの点について、最も近い2つの電極までの距離が計算され得る。電極と点181との間の最も近い距離は、電極上の任意の点と点181との間の最小距離であると考えられ得る。例えば、点181および電極189について、最も近い距離は183にて得られる。例えば、点181および電極188について、最も近い距離は182にて得られる。距離は、ユークリッド距離として計算される。
【0126】
例えば、電極パターンのときの望ましい目的は以下の通りである。
【0127】
基板内の任意の点、例えば点181から、第1の駆動電極までの最も近い距離および第2の駆動電極までの最も近い距離は共に、閾値未満であるべきである。例えば、距離183および距離182は共に、閾値未満であるべきである。そのような閾値は、好ましくは、基板全体を横切って、例えば、粒子運動が制御される部分全体を横切って有効である。点が電極から除去され得る距離に対して制限を課すことは、その電極からのその点における電場の減衰に制限を課す。閾値についての値は、電場の強度に依存し、異なる光学状態間の移行の光学的効果、速度、および均一性の、所望の均一性などに依存する。例として、閾値が50マイクロメートルに設定される可能性がある。
【0128】
互いから電極が離れていることを制限する別の方法は、第1および第2の駆動電極までの最も近い距離の合計を制限すること、例えば、これらが第1の閾値未満であるべきであることを要求することである。例えば、距離182と183の合計が第1の閾値未満である。2つの電極が互いからあまりにも離れている場合、いずれの電極もほとんど影響を及ぼさない、例えば、両方の電場が極度に減衰される2つの電極間のスロー領域が存在する場合がある。適切な閾値は、やはり、特定の用途に依存するが、例として、第1の閾値として100マイクロメートルがとられ得る。
【0129】
同時に、電極が、互いに近づき過ぎることを回避したい場合もある。例えば、基板上の電極が、互いに近過ぎる場合、偶然の短絡の機会が増加する。例えば、距離182と183の合計が少なくとも第2の閾値であることが要求され得る。第2の閾値についての適切な値は、用途に依存する。例として、10マイクロメートルとして第2の閾値がとられる可能性がある。
【0130】
電極間の距離についての上限および下限は、基板上の任意の点について計算され得、適切な限界は、示すようにそれらについて設定され得る。計算を簡略化するために、第1の駆動電極上の点から第2の駆動電極上の点までの距離が少なくとも第2の閾値であることが要求される可能性がある。例えば、同様に、10マイクロメートルとしてこの距離がとられる場合もある。
【0131】
電極ラインがラインである電極パターンの場合、計算は、電極ラインの端点を含むノードに計算を限定することによってさらに簡略化され得る。
【0132】
実施形態において、ビルディングブロックの、例えば第1の方向191、例えばx方向における、水平サイズは、電極ライン幅と、ラインギャップとも呼ばれる電極距離との合計の少なくとも10倍である。例えば、電極距離は、2つの最も近い電極までの最大の最も近い距離の合計、例えば、距離183と182の合計としてとられる場合がある。電極ライン幅および電極距離は、用途に依存する。例として、電極ライン幅は、5マイクロメートルであると考えられる場合がある。電極ライン幅は、1マイクロメートルまたは10マイクロメートルまたはその間の値などである場合がある。他の値が可能である。例えば第2の方向192、例えばy方向における、ビルディングブロックの垂直サイズの場合、x方向の場合と同じ下限がとられる可能性がある。例えば、ビルディングブロックは、矩形または正方形であり、その辺の寸法は、少なくとも500マイクロメートル、例えば、少なくとも1000マイクロメートルなどである。
【0133】
実施形態において、電極ライン幅は、電極ラインに沿って測定されると一定でない。例えば、電極ライン幅は、電極ラインの側部に直交して測定される場合がある。一定の電極ライン幅は、ライン間距離が、(より)一定である傾向もあり、それが、今度は、回折に寄与するという欠点を有する。実際のデザインにおいて、電極の幅は、典型的には、最大値未満に維持される。例の値として、電極ラインが、どこにおいても電極間の空間より厚くないように、電極の最大ライン間距離として最大値がとられる場合がある。
【0134】
ラインギャップ、例えば、電極間距離は一定である必要はない。例えば、
図5bのスパイラリングデザインなどのスパイラルされているデザインにおいて、実質的に一定のラインギャップを有する低回折デザインを有することが可能であるが、よりランダム化されたデザイン、例えば、ウォールデザイン(Waal design)において、ラインギャップは、典型的には、一定であるのではなく、例えば、或る範囲内で変わることが可能である。
【0135】
ビルディングブロックを小さくし過ぎることは、同様のビルディングブロックの反復によって回折をもたらす場合がある。ビルディングブロックを大きくし過ぎることは、生産における最適化および評価に関する問題をもたらす場合がある。例として、ビルディングブロックの辺は、0.5mm、1mm、1cm、および10cmである場合があるが、例えば、100cmまたはそれよりも大きい値まで延びる場合がある。例えば、ビルディングブロックの1つのまたは両方の辺は、0.5mmと10cmとの間である場合がある。
【0136】
実施形態において、ビルディングブロックは正方形であるが、矩形が可能である。実施形態において、ビルディングブロック辺は基板と同じ比を有する。実施形態において、ビルディングブロックは正方形であるのではなく、任意の1つまたは複数の平面充填形状である場合がある。直径、例えば、ビルディングブロックの2つの点間の最大距離の場合、x方向の場合と同じ下限がとられる可能性がある。
【0137】
電極パターンは、種々の制約について最適化される場合がある。例えば、電極の長さは、好ましくは、電気抵抗を低く維持するために短い。実施形態において、基板上の或る点について、その点までの最も近い2つの電極の長さは、ほぼ等しい、例えば、1の閾値以内の比を有する。
【0138】
好ましくは、閾値未満である光学回折が特に重要である。種々の例のデザインについての回折に関するさらなる情報が、本明細書で与えられる。
【0139】
光学回折
光学回折を推定するために、以下の方法が使用された。
【0140】
1.デザイン画を準備すること:
- 1024×1024ミクロン(ユニットセルサイズ)にクロップする;
- 画素値を255(黒=0;白=255)に正規化する;
【0141】
2.スケーリングすることなく、マグニチュードおよび角度を計算するためにブルースタイン法(Bluestein method)[1、2]を使用する。
【0142】
光回折はフーリエ変換として定式化され得るため、従来の方法は、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを使用することである。しかしながら、FFTの使用は、入力フィールドの離散化と出力フィールドの離散化との間の固定サンプリング関係を必要とする。ブルースタイン法は、サンプリンググリッドの選択において効率的で柔軟性があり、FFTアリゴリズムの代わりに、チャープz変換(chirp z-transform)(CZT)アリゴリズムを使用する。
【0143】
3.マグニチュードスペクトルからゼロ次(主)ピーク(Imain)の最大強度を見出す;
【0144】
4.マグニチュードスペクトル内のImainピークからの信号を有する画素を無視する;
【0145】
5.全ての他の高次ピーク(Ihigher)の中で最大強度を見出す;
【0146】
6.結果として得られる回折メトリック値が、参考文献[3]の場合と同様に計算される:
【数2】
【0147】
実験は、計算された画素化ノイズメトリックが、試験セットアップにおける明らかな実際の回折に一致することを確認した。
【0148】
複数のデザインが、ノイズメトリックパラメータを試験するために使用された。表1は、これらの試験を要約する。列1に、非公式デザイン名が挙げられる。列2は、デザインが示される図番を示す。列7および8は、マグニチュードスペクトルからのゼロ次および高次ピークについての推定強度値を提示する。列9は、全てのデザインについて、結果として得られる画素化メトリック値を%で示す。この値が低ければ低いほど、対応するデザインの回折レベルがよりよい。
【0149】
列3は、ビルディングブロック内の電極の最長の長さを与える。列4および5は、ビルディングブロック幅(x方向)および高さ(y方向)を与える。列6は、ビルディングブロック内の最長の電極の長さと直径の長さとの比を与える。
【0150】
上記で参照された参考文献は以下の通りである。参考文献は、参照によって含まれる。
【0151】
[1]Leutenegger,M.,Rao,R.,Leitgeb,R.A.およびLasser,T. Fast focus field calculations.Opt.Express 14,11277-11291(2006)
[2]Hu,Y.等 Efficient full-path optical calculation of scalar and vector diffraction using the Bluestein method. Light Sci.Appl.9,1-11(2020)
[3]Murray,Ian B.,Densmore,V.,Bora,V.,Pieratt,W.M.,Hibbard,D.L.,およびMilster T.D. Numerical comparison of grid pattern diffraction effects through measurement and modeling with OptiScan software. Proc.SPIE 8016,Window and Dome Technologies and Materials XII,80160U (2011)
【0152】
したがって、画素化ノイズメトリックは次のように計算され得る。
【0153】
最初に、黒および白デザイン画が、特定の寸法に対して生成され、電極ラインは黒であり、基板背景は白である。本明細書の結果は、1画素を表すために一般的な8ビットバイトを使用して計算される。この場合、255は白を表すために使用され、0は黒を表すために使用された。ブルースタイン法は、その後、スケーリングすることなく、チャープz変換(CZT)についてマグニチュードおよび角度を計算するために使用される。ブルースタイン法は、フーリエに似た変換であるが、計算特性を与える。最後に、画素化ノイズメトリックは、より高いピーク値と主ピーク値との比として計算され得る。主ピーク値は、デザイン画のチャープz変換(CZT)のマグニチュードスペクトル内の最大強度として決定され、一方、より高いピーク値は、主ピークを除いて、マグニチュードスペクトルチャープz変換(CZT)内の第2の最大強度として決定される。
【0154】
【0155】
図4a-4iは、低い比を有する基板の例を概略的に示す。
図5aおよび5bは、高い比を有する基板の実施形態の例を概略的に示す。高い比のデザインが低い回折を有することに留意されたい。比は、列4および列5に示す寸法を有する矩形の最長の長さと対角線の長さの商として計算される。列9は、列8と列7の商として計算される。列3、列4、および列5は、マイクロメートル単位である。
【0156】
過去に、実験デザインによって、低い画素化ノイズメトリックを得ることが難しいことが示された。しかしながら、実施形態によるデザインによって、より低い画素化ノイズメトリックを得ることが可能であることがわかった。
【0157】
実施形態において、比は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、または少なくとも10である。実施形態において、画素化ノイズメトリックは、6.10未満、6.07未満、6.05未満、6未満、5未満、または4未満である。実施形態において、比は少なくとも2であり、画素化ノイズメトリックは6.07未満である。実施形態において、比は少なくとも3であり、画素化ノイズメトリックは6.07未満である。実施形態において、比は少なくとも10であり、画素化ノイズメトリックは4未満である。高い比を有するデザインは、迅速に生成され得、したがって、任意の他の要件について、容易に試験され選択され得る。
【0158】
図5aおよび5bは、基板の表面上に2つの駆動電極を有するデザインを示す。いずれのデザインも、例えば、2つの駆動電極のうちの1つを除去することによって、基板の表面上に単一の駆動電極のみを有するように修正される可能性がある。例えば、そのような修正されたデザインは、単一電極を有する基板を使用する光変調器において使用される可能性がある。
【0159】
図4a-4iおよび
図5a-5bに示すデザインは、交差する電極を有することなく、単一平面内で実現され得る。特に、これらのデザインが2つの駆動バスに接続される場合、交差する電極は必要とされない。3つ以上の駆動電極が使用されるとき、または、より複雑な電極パターンが使用される場合、電極の交差が、使用される場合があるまたは必要になる場合させある。しかしながら、そのような交差は、例えば、2つの電極ラインが交差する場所で可能であり、誘電体材料が電極間に配置される場合がある。例えば、そのような絶縁体は、交差場所に堆積される場合がある。例えば、第1の駆動電極は基板の第1の平面内にあり、第2の駆動電極は基板の第2の平面内にある。
【0160】
図6aは、ビルディングブロック601の実施形態の例を概略的に示す。
図1dは、基板用のL字形駆動バスを示し、ビルディングブロック601は、駆動バスが、基板を横切って反復されるビルディングブロックに適用されることを除いてその点で同様である。これは、さらなる利点をもたらす。
【0161】
図6aに、2つの駆動電極のそれぞれの駆動電極用の駆動バスが示される。概略的に、駆動電極の構成は、ビルディングブロック601の内部に示されている。2つの駆動バスは、異なる駆動電極を駆動することを示すためにパターニングされている。2つの駆動バスのそれぞれの駆動バスは、2つのアームを有し;2つのアームは、ビルディングブロックの2つの辺に沿って延在し、その2つの辺は、ビルディングブロックのコーナーで出会う。この例において、ビルディングブロックは正方形であるが、これは必要ない。2つのアームのうちの1つは、辺の全長に沿って延在し、一方、他のアームは、他の駆動バスとの電気接触を回避するために短縮される。例えば、2つの駆動バスの間に残るギャップは、駆動電極の間と同じサイズ、例えば、50マイクロメートルである可能性がある。駆動電極が、駆動バスを通して部分的に接続されることに留意されたい。駆動電極の一部は、x方向に駆動バスに接続しており、一方、他の部分は、y方向に辺に接続する。
【0162】
そのように形成されるビルディングブロック601は、種々の方法で、基板を横切って反復され得る。
【0163】
図6bは、基板602の実施形態の例を概略的に示す。
図6bにおいて、
図6aのビルディングブロックが、複数回、コピーされている。基板602を得るために、ビルディングブロックは、x方向およびy方向における反復された平行移動によってコピーされる。
図6bに示すビルディングブロックのそれぞれは、任意の他のビルディングブロックの直接的な平行移動によって得られ得る。
【0164】
この構成に関する欠点は、異なる駆動電極の駆動バスが、最後に互いに向かい合うことである。短絡を回避するために、少量の空間、例えば、駆動電極間に匹敵する幅、例えば、50マイクロメートルが残されている。
図6bに示さないが、平行移動された駆動バスの種々の部分は、例えば、電極ラインによって共に接続される必要がある。
【0165】
例えば、矢印640で示すように、垂直な溝が形成され;すなわち、平行に延在する2つの電極ラインが、互いに接近している。同様の溝は、水平方向に存在する。そのような溝は、回折に悪影響を及ぼすことが見出された。ビルディングブロックが低い回折を有する場合、デザインは、劣るビルディングブロックを使用するパターンよりやはり良い場合があるが、これらの溝を回避することが望ましいことになる。
【0166】
図6cは、基板603の実施形態の例を概略的に示す。基板603において、ビルディングブロックは、基板を横切って反復するが、
図6bの場合と同様に溝を回避するために配置される。この実施形態において、ビルディングブロックは、この場合2つの方向に、平行移動されミラーリングされる。
【0167】
ビルディングブロック611は、ビルディングブロック621を形成するために、y方向にミラーリングされている。ビルディングブロック621は、ビルディングブロック611の下部に直接配置されている。ビルディングブロック611は、ビルディングブロック612を形成するために、x方向にミラーリングされている。ビルディングブロック612は、ビルディングブロック611の右に直接配置されている。ビルディングブロック611は、ビルディングブロック622を形成するために、x方向にならびにy方向にミラーリングされている。例えば、ミラーリングは、ビルディングブロックの辺をミラーリング軸として有する場合がある。
【0168】
ビルディングブロックをミラーリングすることによって、同じ駆動電極の駆動バスが、基板上で互いに隣り合って終わることが確実にされる。これらの駆動バスをマージすることによって、溝が回避され、回折が低減される。
【0169】
実施形態において、基板上の少なくとも駆動電極は、ミラー対称性を有し;実施形態において、駆動電極および駆動バスは、ミラー対称性を有する。例えば、基板は、x軸に対しておよび/またはy軸に対して対称である。これは、製造時に重要な利点である。なぜなら、これが、上部および下部基板が等しいことを可能にするからである。光変調器の上部および下部のために別個の基板を生産する必要性をなくすことは、別個のタイプの基板を監視する必要性もなくす。さらに、基板において対称性を有することは、壊れた上部基板が下部基板によって置換されることを可能にし、そして、その逆も同様である。なぜなら、それらが同じであるからである。ミラー対称軸に沿う真っ直ぐなライン、例えば、駆動バスは、デザインがその軸の周りにミラーリングされ得るため、役立つ。ミラーリングされたまたはミラーリングされない形態でビルディングブロックを使用することは、ミラー対称デザインを作るのに役立つ。
【0170】
これは、電極をパターニングするためのフォトリソグラフィステップを用いて製造するときに特に有利である。なぜなら、同じ基板パターニングが、光変調器の両方の基板のために使用され得、生産コストを制限するからである。ビルディングブロックまたは各ビルディングブロックの一部に取り付けられる真っ直ぐなバスバーの存在は、この効果を促進する。全ての基板について同じ電極パターンを使用するために、一方向における対称デザインを有することは、例えば、対称ラインのエッジにおける電極デザインの局所的修正によって、真っ直ぐなバスバーなしで可能である。実施形態において、駆動電極パターンは、例えば、基板を横切るミラーリングおよび/または回転可能電極パターンデザインを用いてビルディングブロックをタイル張りすることを使用して、一方向に少なくとも1つの対称性を有する。
【0171】
図6dは、基板604の実施形態の例を概略的に示す。基板604において、ビルディングブロックは、基板を横切って反復するが、
図6bの場合と同様に溝を回避するために配置される。この実施形態において、ビルディングブロックは、平行移動されミラーリングし180度にわたって回転される。
【0172】
ビルディングブロック651は、ビルディングブロック661を形成するために、y方向にミラーリングされている。ビルディングブロック661は、ビルディングブロック651の下部に直接配置されている。ビルディングブロック651は、ビルディングブロック652を形成するために、点反射されている、例えば、180度にわたって回転されている。ビルディングブロック652は、ビルディングブロック651の右に直接配置されている。ビルディングブロック651は、ビルディングブロック662を形成するために、x方向にミラーリングされている。
【0173】
基板604の奇数列が基板603の奇数列と同じであることに留意されたい。基板604の偶数列は、ビルディングブロックにわたってy方向に平行移動されていることを除いて基板603の偶数列と同じである。
【0174】
ビルディングブロックをミラーリングすることによって、同じ駆動電極の駆動バスが、基板上で互いに隣り合って終わることが確実にされる。これらの駆動バスをマージすることによって、溝が回避され、回折が低減される。
【0175】
図6cおよび6dのパターンの利点は、両者が回折を低減させることである。
図6cのパターンの欠点は、基板の上部および下部における駆動電極のうちの1つの接続点が、他の電極の接続点よりずっと小さいことである。そのような電気接続は容易に作られ得るため、これは必ずしも問題ではないが、しかしながら、この問題は、両方の電極が基板604の上部および下部において容易に接続可能である
図6dにおいて回避されている。基板604の遠方の右の駆動バスが、そのように所望される場合、上部および/または下部において右に向かって延在される可能性があることに留意されたい。
【0176】
図6dの駆動バスのパターンを得る別の方法は、ビルディングブロック651を1ブロック右に平行移動し、その電極を反転することであり、例えば、第1の電極を以前に駆動した駆動バスが、第2の電極を駆動し、その逆も同様である。ブロック661で始まる次の行は、行651をミラーリングすることによって得られる場合がある。この変換パターンは、駆動バスについて同じパターンを与えることになるが、主ラインに適用されると、相違を生じることになる。主ラインのパターンが、点反射されるのではなく、反転されると、それは、おそらく全く異なって見えることになる。
【0177】
しかし、駆動電極のパターンが、駆動バスと同じミラーリングおよび平行移動のパターン従う可能性があるが、これが必要ないことが留意されるべきである。駆動電極は、異なるパターン、例えば、
図6bの場合と同様の平行移動、または同様なものに従う可能性がある。それは、駆動バスが、例えば、
図6cまたは6dのように見える可能性があるが、主ラインが、ブロックからブロックまで同一であることを意味することになる。
【0178】
基板を横切って伸長する駆動バスの利点は、基板上の点までの駆動電極に沿う長さがより短いことである。さらに、長さがより均一である、すなわち、ある点に近い第1の電極の長さとある点に近い第2の電極の長さとの間により少ない差が存在する。
【0179】
駆動バスは必要ない。基板上の駆動電極の1つ以上または全ては、基板の同じ辺上に適用された駆動バスと別のソースから電力を提供される場合がある。例えば、駆動電極は、基板の1つの表面、例えば、内側表面、基板の第2の表面、例えば、外側表面からビアを通して接続される場合がある。ビアは、外側表面において、電源、例えば、駆動バスのために使用される場合があるものと同じまたは同様の電源に接続され得る。例えば、駆動バスは、基板のエッジからビアまで外側表面上に適用される場合があり;他の構成が可能である。電源に対する接続は、コントローラを通す場合がある。
【0180】
例えば、駆動電極は、基板のエッジから絶縁される場合があり;例えば、絶縁された駆動電極は、他の駆動電極で全ての辺から囲まれる場合がある。絶縁された電極を使用することは、パターンのデザインを著しく容易にし、なぜなら、各駆動電極が駆動バスに達することができることを確実にする必要がもはやないからである。例えば、絶縁された駆動電極は、ビアを使用して内側から外側に接続される場合があり、ビアは、コントローラに接続される場合がある。
【0181】
ビアは、駆動電極の1つの部分を同じ駆動電極の別の部分に接続するために使用される場合もある。例えば、駆動電極は、互いから絶縁される2つの部分を備える場合があり、例えば、2つの部分は、別の駆動電極がそれらの間に延びるため、互いから絶縁される場合がある。内側表面にわたって2つの部分を接続することは、電気ショートを引き起こす場合がある。実施形態において、2つの部分または複数の部分は、それぞれ、ビアによって内側から外側まで接続される。外側において、ビアは、互いに電気接続され;したがって、その部分から駆動電極を形成する。
【0182】
図5aに戻ると、この種の電極デザインは、テッセレーションから構築され得る。電極デザインの特定の有用なソースは、ドロネー三角形分割(Delaunay Triangulation)およびそれらの対応するボロノイ双対(Voronoi dual)である。これらの三角形分割は、例えば、デザインを最適化するために、多数のテッセレーションを迅速に生成する直接的な方法である。しかしながら、他の平面充填、例えば、レギュラータイル張り(regular tiling)のランダム化、またはさらに、ペンローズタイル張りなどの非周期的タイル張りが、代わりに使用され得る。
【0183】
本発明者等は、Yonghe,L.等(2013).「A Simple Sweep-line Delaunay Triangulation Algorithm」In:Journal of Algorithms and Optimization(JAO)1.1, pp.30-38を参照する。論文は、参照により含まれる。
【0184】
例えば、以下のアルゴリズムに従う可能性がある。実施形態は、基板をカバーするために説明されるが、ビルディングブロックをカバーするために同様に使用される可能性がある。
【0185】
I:特定のエリア内で半ランダム化された点分布を生成する
基板をカバーする点の第1のセットを得る。例えば、基板を横切る点の半ランダム化された分布を得るために、以下が行われる可能性がある。
【0186】
ステップ1 - 全ての点は、最初にエリア内で等間隔で分配される。
【0187】
ステップ2 - その後、各点について、x、y座標の小さいランダム変動を作成する。例えば、ランダム変動範囲が、等間隔にされた点の間で、点間の初期距離の30%よりも大きくないように設定されてとられる可能性がある。そのようなパターンを得る別の方法は、適切な分布から点を取り出すことである。
【0188】
II:第1のネットワークおよび第2のネットワークを計算する
【0189】
ステップ3 - 三角形分割を計算する。例えば、点は、三角形分割される場合があり、各点は、6個の近傍点に接続される:おそらくは、基板のエッジおよびコーナーを除く。ドロネー三角形分割が、このステップについてうまく働いたことが見出された。ドロネー三角形分割は、タイル張りの例である。
【0190】
ボロノイパターンまたはボロノイ様パターンは、その後、例えば、次のように、三角形分割から計算される:
ステップ4 - 三角形の中心に対応する点の第2のセットを作成する。
【0191】
ステップ5 - 任意選択で、各三角形中心点について、x、y座標の小さいランダム変動を作成する。例えば、ランダム変動は、点の第1のセットの場合と同様である場合があり、例えば、変動は、点間の初期距離の30%よりも大きくない。
【0192】
ステップ6 - 三角形の境界を横切る点の第2のセットを共に接続し;例えば、三角形分割のために双対グラフを計算する。例えば、中心点は、その直接近傍(direct neighbor)に接続される。
【0193】
使用されるタイル張りがドロネー三角形分割であり、点の第2のセットの任意選択のシフティングがスキップされる場合、そのようにして得られる第2のネットワークは、ボロノイネットワークである。異なるタイプのタイル張りまたは三角形分割が使用される場合、または、中心点がシフトされる場合、結果として得られるポリゴンのグリッドは、厳密にはボロノイネットワークではないことになり、しかし、それは、そのようなネットワークに似ていることになり、光変調器において使用するのに適することになる。
【0194】
III:第1および第2の電極パターンの作成
この時点で、2つのネットワークが作成された、第2のネットワーク、ポリゴンのボロノイ様パターン、および、第1のネットワーク、例えば、ドロネー三角形分割である。2つのパターンは、それぞれ、ランダム化に応じて、他の双対であるまたはほぼそうである。
【0195】
第2のネットワーク、例えば、ボロノイネットワークから、第2の電極についてのパターンは、ボロノイポリゴンの選択されたエッジ、例えば、壁を壊すことによって得られ得る。第1のネットワーク、例えば、三角形分割から、第1の電極についての電極が得られ得る。
【0196】
ステップ7 - ネットワークが木に低減するまで、第2のネットワーク(例えば、ボロノイ様ネットワーク)内のエッジを削除する。これは、第1のネットワーク、例えば三角形分割、に対する経路発見探索アルゴリズム(path-finding search algorithm)によって行われ得、点の第1のセット内の点、例えば、ボロノイポリゴン内の中心から始まる。経路探索アルゴリズム(path finding algorithm)は、第1のネットワークの各ノードに対する経路を発見しようと試みる。そのようなアルゴリズムは、グラフ内の全域木を発見するものとしても知られている。
【0197】
そのような探索アルゴリズムは、深さ優先探索(depth first search)または幅優先探索(breadth-first search)である可能性がある。幅優先探索は、長いが非常に真っ直ぐなパターンを提供し、一方、深さ優先探索は、短く真っ直ぐでないパターンを提供する。最良の結果は、「深さ優先探索」アルゴリズムと「幅優先探索」アルゴリズムとの間の混合に従うことによって得られた。例えば、深さ優先探索ステップまたは幅優先探索ステップは、確率分布によって選択され、例えば、探索の深さに依存する場合がある。適切な分布はガンマ分布である。
【0198】
第1のネットワーク内のエッジが全域木内に含まれるとき、第1のネットワーク内の追加されたエッジに交差する、第2のネットワーク内の双対エッジは除去される。そのため、第1のネットワークの、結果として得られる全域木は、第2のネットワーク、例えば、ボロノイネットワーク内に木または林(forest)を生じる場合がある。第2のネットワークが、木または林に完全に低減しない場合、これは、第2のネットワーク内のさらなるエッジを除去することによって達成され得る。
【0199】
こうして、基板をカバーし、光変調器のために必要に応じて相互嵌合する2つの木が作り出される。
図5aのパターンは、上記アルゴリズムを使用して得られた。
【0200】
適切なグラフが得られると、グラフは、全ての経路セグメントに厚さを与えることによって実際の電極デザインに変換され得る。例として、10マイクロメートルの厚さが使用される場合がある。例えば、マスクレイアウトツールが使用される場合がある。
【0201】
デザインに対して行われる場合があるさらなる適合は:
- 電極1と電極2との間のショートカットをなくすためにデザインユニットをスクリーニングすることを含む。厚さの増加によって、シュートカットが導入されている場合がある。これらは、プロセスを反復すること、エッジを移動させることまたはノードを移動させること、および、生成プロセスを反復することによって回避され得る。
- 駆動バスが追加され得ることを含む。
- 第2の電極を一体化することを含む。第2の電極が、木ではなく林であることが起こる場合がある。これは、エッジを追加することによって、典型的には、駆動バスに接続し、したがって、林を一体化し木にすることによって解決され得る。
- 例えば20μmの電極間の最小ラインギャップを維持するために、および/または、例えば50μmの電極間の平均ラインギャップを維持するために、電極の点座標を補正することを含む。
- 特に、カバーする駆動バスが使用されない場合、デザインをスティッチングすることを可能にし、1つのユニットから別のユニットへの電極の連続性を確実にするために、電極をシフトすることを含む。
- 光回折、屈折、散乱、またはモアレを低減させるために、電極をシフトすることを含む。
- 光回折、屈折、散乱、またはモアレ効果を低減させるために、短いセグメント配向のランダム化を改善または最適化することを含む。これは、ディスプレイを通して見ることについての混乱を低くすることを可能にする。
- さらなるランダム化は、点間の真っ直ぐなセグメントを湾曲形状セグメントに変換することによって行われ得ることを含む。例えば、スプラインが、点間で使用される場合がある。
【0202】
デザインをさらに最適化することが、幾つかの最適化ループで有利に行われ得ることが見出された。例えば、テッセレーションに基づく上記プロシージャまたはチューリングパターンに基づくプロシージャまたは同様なものを使用して、第1の電極セグメントおよび第2の電極セグメントを生成した後、セグメントは、セグメントに幅を与える経路に変換され得る。例えば、セグメントは、特定の幅のポリゴンの中心ラインを表す場合がある。このプロシージャは、ほとんどのときうまく働くことになるが、好ましくない効果を与える場合があるため、さらなる最適化があり得る。
【0203】
例えば(A)、第1の経路が第2の経路に接触しないことが検証され得る。この条件が違反される場合、それらのうちの1つまたはそれらのうちの両方の経路、例えば、第1の経路は、第1の経路が第2の経路にもはや接触しないように修正される場合がある。
【0204】
例えば(B)、全ての第1の経路が単一の第1の電極において接続されることが検証され得る。この条件が違反される場合、経路は、第1の電極へ全ての第1の経路を接続するために、作成および/または削除され得る。
【0205】
例えば(C)、全ての第2の経路が単一の第2の電極において接続されることが検証され得る。この条件が違反される場合、経路は、第1の電極へ全ての第1の経路を接続するために、作成および/または削除され得る。
【0206】
パートBおよびCは、両方の電極が完全に接続されるまで、ループで反復され得る。例えば、本明細書で説明するように、デザインに対する駆動バスの追加が、電極の一体化に役立つ場合があることに留意されたい。必要である場合、パートAは、このループで同様に反復される場合がある。
【0207】
第1および第2の電極が、完全に接続され、短絡しなくなると、最適化の次のループが行われ得る。
【0208】
例えば(D)、第1の電極と第2の電極との間の距離が常に所定の範囲内であることが検証され得る。この条件が違反される場合、第1および/または第2の電極の経路は、距離をその範囲内に維持するために修正され得る。
【0209】
パートDは、電極が近過ぎるかまたは遠く離れ過ぎる点が見出されなくなるまで反復される場合がある。
【0210】
これらの最適化は、電極パターンを最適化するコンピュータ実装される方法において行われる場合がある。さらなるまたは代替の最適化は、本明細書で、例えば、上記で提案されるように追加される場合がある。例えば、デザインは、光学的性能のために、長さ比のために、および同様のもののために反復される場合がある。例えば、テッセレーションまたは同様なものを使用して、第1および第2の経路の初期パターンを生成するコストが低いため、最適化プロセスは、不十分な進捗がなされた場合、最適化を終了し、新しいパターンから始めるオプションを有する。実施形態において、経路は、それら自体、修正されるのではなく、点の第1のセットおよび点の第2のセットが修正され、生成が、その点以降から反復される。
【0211】
このプロシージャを通して得られる電極は、多数の分岐ノードを有し、典型的には、多くの異なる角度を有する。これらの因子は、低回折にとって有利である。例えば、光変調器において使用するための有利な基板は、基板に適用された複数の相互嵌合した駆動電極を備え、複数の駆動電極のそれぞれは、基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極は、基板上で互いに対して交互に配置され、第1および第2の駆動電極のうちの少なくとも1つは、テッセレーションの全域木である。
【0212】
光変調器の基板において使用するための第1の電極デザインおよび第2の電極デザインを得るためのコンピュータ実装される方法であって、第1および第2の電極は共に、基板をカバーして、光変調器内で構成可能な電場をもたらし、方法は
- 基板のテッセレーション(100)を得ることであって、テッセレーションは、オーバーラップすることなく基板をカバーする複数のセル(101;102;103)を備える、こと、
- テッセレーションの各セル内に中心点(111)を得ること、
- 中心点に関する全域木(
図1c)を計算することであって、全域木のエッジは、テッセレーションの2つの近傍セルを表す、こと、
- 全域木から第1の電極デザイン(121)を導出すること、
- テッセレーションから第2の電極デザイン(122)を導出することであって、前記導出することは、全域木のエッジがテッセレーションのセルの境界に交差するテッセレーションの部分を除去することを含む、こと
を含む。
【0213】
幾つかの変形の実施形態が想定される。例えば、上記実施形態において、以下の変形のうちの任意の変形が追加される場合がある。
【0214】
1.テッセレーション
a.テッセレーションは、非周期的であるおよび/またはランダム化される、
b.テッセレーションは、ボロノイダイヤグラムおよび/または摂動された(perturbed)ボロノイダイヤグラムである
c.基板をカバーするランダム化された点の初期セットが選択され、点のセットの三角形分割が計算され、テッセレーションが、三角形分割の双対として得られる。
i.三角形分割は、ドロネー三角形分割である場合がある
ii.点のセットは、分布、例えば、ポアソン分布から取り出された、点の均一なセットの摂動によって得られる場合がある
iii.双対は、外心などの三角形内の選択された点から計算される場合がある。
d.各セルの最大直径は、閾値、例えば、50μmよりも小さい。
【0215】
2.全域木
a.全域木計算は、部分的全域木によって訪問されるが未訪問近傍を有するテッセレーションからのセルを選択することによって、全域木を反復的に構築し、全域木は、複数の未訪問近傍のうちの1つを訪問することによって拡張される。
i.訪問済みセルの選択は、深さ優先および幅優先の組み合わせ、例えば、ガンマ分布である場合がある。
【0216】
3.正しい電極
a.電極を一体化する
i.コンポーネントを決定し、それらを結合する
1.例えば、接続用部分平面(connecting subplane)を通して、または、各電極について別個の部分平面を割り当て、部分平面内で接続することによって。コンポーネントは、平面の辺に沿って、または、デザインをタイル張りすることによって、または、ビルディングブロック間の駆動バスによって、同様に結合され得る。
2.2つの近傍コンポーネントを選択し、テッセレーションの除去された部分を再挿入し、全域木の対応するエッジを除去することによって、および/または、その逆によって、それらを接続する。
b.第2の電極の循環部分(circular part)を壊す
c.第1および/または第2の電極の部分を動かすことによって、電極に幅を与えることに起因する第1の電極と第2の電極との間のショートカットを修正する
d.光学特性を検証し修正する
i.平面内の任意の点から、第1の電極までのおよび第2の電極までの距離は共に、閾値(例えば、50μm)未満であるべきである、または、それらの合計は、閾値(50μm)未満であるべきである。
ii.第1の電極上の点から第2の電極までの距離は、少なくとも第2の閾値(20μm)であるべきである、および、その逆も同様である。
【0217】
4.最適変調器
a.第1および第2の電極デザインが、先行する請求項のいずれか1つに記載のデザイン方法による、通常の請求項に記載の光変調器。
【0218】
上記方法が、低い画素化ノイズメトリックを有するかまたは電極長と対角線との高い比を有するデザインを得る唯一の方法でないことが強調されるべきである。例えば、ボロノイネットワークを使用する代わりに、チューリングパターンに基づくネットワークが、使用される場合があり;例えば、参照により本明細書に含まれる、Alan Mathison Turingによる論文「The chemical basis of morphogenesis」を参照されたい。
【0219】
図5bのデザインは、テッセレーションから得られなかったが、それでも、良好な値を与える。例えば、
図5bによるデザインにおいて、スパイラルを含む。スパイラルにおいて、第1の駆動電極および第2の駆動電極にそれぞれ属する第1の電極ラインおよび第2の電極ラインは、基板上でスパイラルである。スパイラル間のエリアにおいて、一部の電気ラインが大体平行である場合でも、パターンは、全体として良好な値を与える。パターンは、スパイラル構成されたラインを、特に、スパイラルの他の数ターン、例えば、1-3ターンにおいて波打ちさせることによってなおさらに改善される場合がある。そのような波打ちは、例えば、パターンを乱す突出部を電極ラインに追加することによって、
図4eまたは
図4fに示すようなものである可能性がある。例えば、スパイラル内の全てのラインは、波打つ場合があり、例えば、スパイラルの中心に向かって減っていく突出部の、波打ちの振幅を有する。
【0220】
実施形態による2つの基板は、組み合わされて、光変調器を形成する場合がある。光変調器は、グレージングに特に適する。光変調器の例示的な実施形態は以下に示される。
【0221】
図7aは、スマートグレージングにおいて適用される場合がある光変調器10の実施形態を概略的に示す。
【0222】
参照により本明細書に含まれる、特許出願PCT/EP2020/052379に対して参照が行われ;この出願は、例えば、本明細書で説明する電極、ビルディブブロック、および/または基板を含むことによって、さらに改善され得る光変調器のための有利なデザインを含む。
【0223】
光変調器10は、透明状態と非透明(non-transparent)状態との間で、およびその逆も同様に、または、反射状態と非反射状態との間で、およびその逆も同様に、電子的に切り換えられ得る。光変調器10は、互いに対向して配置された第1の基板11および第2の基板12を備える。第1の基板11の内側に、少なくとも2つの電極が適用される:電極13a、13bが示される。これらの少なくとも2つの電極は、共に、電極13と呼ばれる。第2の基板12の内側に、少なくとも2つの電極が適用される:電極14a、14bが示される。これらの少なくとも2つの電極は、共に、電極14と呼ばれる。
【0224】
流体15は、前記基板の間に設けられる。流体は、粒子30、例えば、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子を含み、粒子は、電気的に帯電しているかまたは帯電可能である。例えば、粒子は、粒子の表面上に電荷を固有に持っている場合がある。例えば、粒子は、荷電分子によって囲まれる場合がある。
【0225】
電極は、適用される電場に応じて、電極に向かってまたは電極から離れて移動するように粒子30を駆動するために配置される。光変調器の光学特性、特に、透明性または反射性は、流体内の粒子30の場所に依存する。例えば、電極に電磁場を適用するための接続が設けられる場合がある。
【0226】
少なくとも1つの電極、しかし、好ましくは両方の電極13および14は、実施形態にしたがうが、それらは、図において概略的に示される。
【0227】
実施形態において、第1の基板上の電極パターンおよび第2の基板上の電極パターンのうちの少なくとも1つは、回折に寄与する、計算された低い画素化ノイズメトリックを有する。興味深いことには、基板上の電極パターンは、それらの画素化ノイズメトリックに関する限界を個々に満たさない場合があるが、それらの組み合わせ、すなわち、それらの重ね合わせは満たす場合がある。これは、光変調器を通して見るときに目に見えることになるパターンであるため、重ね合わせにおける低い画素化ノイズメトリックは、同様に低い回折に寄与することになる。第1および/または第2の基板上のパターンについてのまたは重ね合わせについての適切な限界は:6.05%未満または5%または4%を含む。
【0228】
例において、基板11および基板12は、電極の外側で光学的に透明、典型的には、関連波長において>95%透明、例えば、>99%透明などである場合がある。電極を考慮すると、透明性は、ずっと低い、例えば、70%であることができる。用語「光学的」は、適用可能である場合、人間の目の見える波長(約380nm-約750nm)に関連する場合があり、適用可能である場合、赤外線(約750nm-1μm)および紫外線(約10nm-380nm)およびそのサブ選択を含むより広い範囲の波長に関連する場合がある。光変調器の例示的な実施形態において、基板材料は、ガラスおよびポリマーから選択される。
【0229】
別の例において、下部基板12などの1つの基板は、反射性または部分的に反射性がある場合があり、一方、上部基板11は透明である。光変調器の光学特性、特に、反射性は、流体内の粒子30の場所に依存する。パネルが開放状態(垂直駆動)にあるとき、粒子は、2つの基板の対向電極間にほぼ位置することになり、それにより、入射光は、透明な上部基板および光学層を比較的に妨害されずに通過することができ、下部基板上で反射または部分的に反射される。
【0230】
第1の基板と第2の基板との間の距離は、典型的には、30μmよりも小さい、例えば15μmなどである。光変調器の例示的な実施形態において、第1の基板と第2の基板との間の距離は、500μmよりも小さい、好ましくは200μmよりも小さい、好ましくは100μmよりも小さい、さらにより好ましくは50μmよりも小さい、例えば、30μmよりも小さい。
【0231】
例において、変調器は、可撓性ポリマーで設けられる場合があり、デバイスの残りは、ガラスで設けられる場合がある。ガラスは、硬質ガラスまたは可撓性ガラスである場合がある。必要とされる場合、保護層が、基板上に設けられる場合がある。2つ以上のカラーが設けられる場合、可撓性ポリマーの2つ以上の層が設けられる場合がある。ポリマーは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)(任意選択で、SiN層を有する)、ポリエチレン(PE)などである場合がある。さらなる例において、デバイスは、少なくとも1つの可撓性ポリマーで設けられる場合がある。したがって、変調器は、接着剤を使用することによってなどで、任意の表面に付着される場合がある。
【0232】
粒子30は、光を吸収するように適合される場合があり、それにより、特定の波長が通過するのを防止する。粒子30は、光を反射する場合があり;例えば、反射は、鏡面的、拡散的、または両者の中間である場合がある。粒子は、一部の波長を吸収し、他の波長を反射する場合がある。粒子は、同様にまたは代わりに、例えば、燐光、蛍光、または同様なものを使用して、光を放出する場合がある。流体でさえ、そのエミッタンスが粒子の場所を変化させることによって変調される光を放出する場合がある。
【0233】
光変調器の例示的な実施形態において、ナノ粒子のサイズは、20-1000nmからであり、好ましくは20-300nm、より好ましくは200nmよりも小さい。光変調器の例示的な実施形態において、ナノ粒子/マイクロ粒子は、顔料コーティング(coating on a pigment)を含み、好ましくは、コアを含む場合がある。光変調器の例示的な実施形態において、粒子のコーティングは、導電性および半導電性材料から選択された材料から作られる。
【0234】
光変調器の例示的な実施形態において、粒子は、10nm-1mm、例えば、400-800nmなど、700nm-1μm、および10-400nmの波長を有する光を吸収するように適合される、および/または、10nm-1mm内に入る波長範囲を有する光の一部を吸収する(フィルタ)ように適合される、および、それらの組み合わせである。
【0235】
光変調器の例示的な実施形態において、粒子は、電気的に帯電しているかまたは帯電可能である。例えば、粒子上の電荷は1粒子当たり、0.1eから10e(5*10-7-0.1C/m2)である場合がある。
【0236】
光変調器の例示的な実施形態において、流体は、1-1000g/m2、好ましくは2-75g/m2、より好ましくは20-50g/m2、例えば30-40g/m2などの量で存在する。本レイアウトによって、ずっと少ない流体および同様の粒子が使用され得ることは、大きい利点である。
【0237】
光変調器の例示的な実施形態において、粒子は、0.01-70g/m2、好ましくは0.02-10g/m2、例えば0.1-3g/m2などの量で存在する。
【0238】
光変調器の例示的な実施形態において、粒子は、シアン、マゼンタ、およびイエローから、および、黒および白から、および、それらの組み合わせで選択されるカラーを有する。
【0239】
光変調器の例示的な実施形態において、流体は、界面活性剤、乳化剤、極性化合物、および水素結合を形成することが可能な化合物の1つ以上を含む。
【0240】
流体15は、15よりも小さい誘電率を有する無極性流体である場合がある。光変調器の例示的な実施形態において、流体は、100よりも小さい、好ましくは10よりも小さい、例えば5よりも小さい比誘電率εrを有する。光変調器の例示的な実施形態において、流体15は、10mPa.sを超える動的粘度を有する。
【0241】
電極13a、13bおよび電極14a、14bは、流体と流体接触している。流体は、電極と直接接触している、または、間接的に、例えば、流体は、多孔質層を通してなどで、電極を有する第2の媒体に接触する場合がある。実施形態において、電極は、基板表面の約1-30%をカバーする。実施形態において、電極は、20℃における)電気伝導率>1*107S/mと同様である、100nΩm(273Kにおいて:比較のために、典型的に使用されるITOは105nΩmを有する)よりも小さい抵抗率を有する電気伝導性材料を含む。光変調器の実施形態において、電極は、銅、銀、金、アルミニウム、グラフェン、チタン、インジウム、およびその組み合わせ、好ましくは銅を含む。電極は、ポリマーベースの基板に埋め込まれたマイクロワイヤ;例えば、銅マイクロワイヤの形態である場合がある。
【0242】
電極に電磁場を適用するための接続、ここにおいて、電極に対する適用された電磁場は、第1の電極から第2の電極への、およびその逆も同様に、ナノ粒子およびマイクロ粒子の移動をもたらす。電極に電磁場を適用するための接続が設けられる場合がある。例えば、光変調器の例示的な実施形態において、電流は、-100-+100μA、好ましくは-30-+30μA、より好ましくは-25-+25μAの間である。例えば、電力供給器は、少なくとも2つの電極と電気接続している場合がある。電力供給器は、波形電力を提供するように適合される場合がある。振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つは、光変調器内の異なる状態を提供するために適合可能である場合がある。例えば、電力の態様は、コントローラによって適合される場合がある。
【0243】
光変調器10は、1つ以上のセグメントを備える場合があり、セグメントは、サイズが変わる場合がある単一の光学的に切り換え可能なエンティティである。基板は、セグメントである場合がある体積を、少なくとも部分的に閉じ込める。
【0244】
本デバイスは、電磁場を適用することによって、(個々の)セグメントの外観を変化させるためのドライバー回路を備える場合がある。したがって、同様に、光変調器あるいはその1つ以上の部分の外観が変化する場合がある。例えば、セグメントは、少なくとも1mm2の面積を有する場合がある。本デザインは、より多くのカラーを可能にするために積層を可能にし;例えば、フルカラー用途の場合、2つまたは3つの変調器の積層は、ほとんどのまたは全てのカラーをそれぞれ提供する可能性がある。
【0245】
1つ以上のセグメントを有することは、光変調器が局所的に制御されることを可能にし;これは、一部の用途にとって有利であるが、必要ない。スマートグレージングの場合、光変調器は、セグメントありでまたはなしで使用される場合がある。例えば、スマートグレージングにおいて適用されると、例えば、窓全体の透明性または反射性を低減させることなくサンパッチ(sun-patch)を阻止するために、透明性または反射性は局所的に制御され得る。セグメントは、比較的大きい場合があり、例えば、少なくとも1mmまたは少なくとも1cmなどの直径を有する。
【0246】
光変調器の例示的な実施形態において、基板(11、12)は整列されるおよび/または電極(13、14)は整列される。例えば、電極13a、13bおよび電極14a、14bは、互いに対向するように整列される場合がある。整列した基板において、異なる基板上の電極は、基板に直交する方向で見ると、互いに後ろにある。光変調器が分解され、基板が共に、電極を上に向けて配置されると、電極パターンは、互いのミラー画像である。
【0247】
基板を整列させることは、光変調器の最大透明性または反射性を増加させる場合があり、他方、透明性または反射性の範囲などより多くの基準について光変調器を選択するとき、2つの基板を整列させないかまたは完全には整列させないことがよりよい場合がある。光変調器は積層され得る。例えば、2つの積層された光変調器は、3つの基板から作られ得、中央基板は、その両方の表面に電極を有する。光変調器の実施形態において、任意選択で、第1の光変調器の少なくとも1つの基板11、12は、少なくとも1つの第2の光変調器の基板11、12と同じである。積層された変調器の場合、整列は、最大透明性または反射性を増加させ得るが、他の考慮事項、例えば、回折にとって有害である場合がある。
【0248】
図7bは、光変調器40の実施形態の例を概略的に示す。光変調器40は、複数の光学層を備えることを除いて、光変調器10と同様であり;例において2つの光学層が示される。3つ以上の光学層が存在する場合がある。各光学層は、2つの基板の間に配置される。光変調器40は、
図7aにおけるような、2基板光変調器の積層体と見なされ得る。示すように、光変調器40は、3つの基板:第1の基板41、第2の基板42、および第3の基板43を備える。基板41と42との間に光学層があり、基板42と43との間に光学層がある。光学層は、光変調器10の光学層と同様である場合がある。コントローラ46は、基板の電極上の電流を制御するように構成される。例えば、
図7bにおいて、コントローラ46は、少なくとも4×2=8個の電極に電気接続される場合がある。
【0249】
興味深いことには、複数の光学層内の粒子は、光変調器のより多くの光学特性を制御するために複数の層が使用され得るように、異なる場合がある。例えば、異なる光学層内の粒子は、異なる波長で吸収または反射する場合があり、例えば、異なるカラーを有する場合がある。これは、コントローラ46によってパネル上で異なるカラーおよび/または異なるカラー強度を作成するために使用され得る。例えば、4基板パネルは、異なるカラー粒子、例えば、シアン、イエロー、およびマゼンタを有する3つの光学層をそれぞれ有する場合がある。異なるカラーの透明性または反射性を制御することによって、広いカラースペクトルが作成され得る。
【0250】
別の基板に面する基板の表面は、例えば、実施形態の場合と同様に、2つ以上のパターンを供給される場合がある。例えば、外側基板41および43は、内側上でのみ電極を受ける場合があり、一方、内側基板、例えば、基板42は、両面に電極を有する場合がある。
【0251】
基板41および42は共に、光変調器の実施形態と見なされる場合がある。同様に、基板42および43は共に、光変調器の実施形態と見なされる場合がある。
【0252】
図7cは、窓21用のスマートグレージングを有する車20の実施形態の例を概略的に示す。これは、運転中に、入射光のレベルを、しばしばおよび急速に変化させることができるため、特に有利な実施形態である。車においてスマートグレージングを使用することは、車の窓の透明性を調整することによって光レベルが一定レベルとして維持され得るという利点を有する。さらに、低減された回折効果は、運転者が気をそらすことを低減させるため、安全性を改善する。車20は、窓21の透明性または反射性を制御するために構成されるコントローラを備える場合がある。
【0253】
スマートグレージングは、特に、入射光の量が可変である他のグレージング用途、例えば、建物、オフィス、住宅、グリーンハウス、天窓において同様に使用され得る。天窓は、太陽光が部屋に入ることを可能にするために天井に配置された窓である。
【0254】
光変調器は、2つの光学状態、例えば、透明状態および非透明状態または反射状態および非反射状態を有する場合がある。光変調器、例えば、光変調器10または光変調器40は、
- 第1および第2の基板のうちの少なくとも1つの上に交流電圧を作成し、第1の基板上の少なくとも第1の電極と第2の電極との間に、および/または第2の基板上の第1の電極と第2の電極との間に交流電流を適用することによって、第2の光学状態、例えば、非透明状態にまたは非反射状態に切り換え、
- 第1の基板と第2の基板との間に交流電圧を作成し、第1の基板上の第1の電極と第2の基板上の第1の電極との間に、および/または第1の基板上の第2の電極と第2の基板上の第2の電極との間に交流電流を適用することによって、第1の光学状態、例えば、透明状態にまたは反射状態に切り換える
ように構成される場合がある。
【0255】
第1の基板上の電極パターンは、第2の基板上の第2の電極と同じパターンで少なくとも部分的に配置される。典型的には、電極は互いに対向するが、第1の電極および第2の電極のパターンは、互いに対してシフトされる場合もある。
【0256】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも1つの内側表面エリアの少なくとも一部に設けられる場合がある。
【0257】
駆動電極に適用される駆動信号は、典型的には、変化する電圧を有する。例えば、電力供給器は、透明状態にまたは非透明状態に切り換えるためにAC周波数で動作する場合がある。そのような信号は、例えば、1-1000Hzの間の周波数を有する場合がある。バランスした電解電流は、第1および第2の基板上でおよび/または第1の基板と第2の基板との間で、反対に充電された電極の極性を連続的に切り換えることによって得られる場合がある。
【0258】
図8a-8bは、使用中の光変調器の実施形態の側面図を概略的に示す。基板上の電極に電場を適用することは、粒子に電気力を引き起こす。この効果を使用して、粒子は、動き回ることができるため、異なる透明性または反射性状態が、光変調器内に引き起こされ得る。コントローラは、電場、例えば、その振幅、周波数、および位相を制御する場合がある。実施形態において、コントローラは、少なくとも4つの電極:各基板について2つの電極に接続される。しかし、より多くの電極が、使用され、コントローラに接続される場合があり;例えば、3つ以上の電極が、グレースケーリングをより良く微調整し、非透明または非反射状態に駆動するために、基板のために使用される場合がある。複数の電極が、基板上で複数のセグメントをサポートするために使用される場合もある。
【0259】
図8aは、電場が適用されない状態の光変調器を示す。
図8aにおいて、流体15内に懸濁された粒子30に電気力はまだ適用されない。
【0260】
図8aに示す構成において、上部基板に配置された伝導性電極パターンは、下部基板上の伝導性電極パターンと完全にまたは実質的に整列される。伝導性電極パターンは、透明のまたは(部分的に)反射性のガラス基板に堆積される場合がある、または、プラスチック基板などに埋め込まれる場合がある。
【0261】
上部電極パターンと下部電極パターンとの間の整列は、より広範囲の達成可能なレベルの透明性または反射性に寄与する。しかしながら、同様の効果が整列なしで得られ得るため、整列は必要とされない。整列なしで、或る範囲の透明性または反射性が同様に得られる。
【0262】
これらの例において、上部基板および下部基板に対して参照が行われて、ページ上でより高いかまたはより低い基板を指すことに留意されたい。同じ基板は、例えば、前基板および後基板として参照される可能性もある。なぜなら、グレージング用途において、基板が、水平にではなく垂直に整列されることになるだろうからである。
【0263】
図8bは、光変調器を示し、例えばインスタンスP1において、電位+V1が、上部基板上の各マイクロワイヤ電極に適用され、一方、負電圧、例えば、-V1が、下部基板の各マイクロワイヤ電極に適用される。そのため、この場合、同じ正電位が全ての電極13に適用され、同じ負電位が、電極14に適用される。電位差は、負に帯電した粒子を、上部基板の電極の近くに流れさせ、粒子は、上部電極と実質的に整列する。結果として、上部と下部の両方の基板が透明である場合、光変調器10の透明性は増加することになる。同様に、例えば、上部基板が透明であり、下部基板が反射性である場合、溶液が正に帯電した粒子を含み、それらが下部基板の電極の近くに流れることになり、そこで、それらの粒子が下部電極と実質的に整列することになる場合、光変調器10の反射性は増加することになる。
【0264】
同様の透明性または反射性は、上部電極および下部電極の電圧が、P1のインスタンスと対照的に反転される、オン状態の第2のインスタンスP2にあるときに、達成され得る。インスタンスP2において、上部基板上の各電極の電圧は、ここで負電位-V1を供給され、一方、下部基板の整列した電極の電圧は、正電位を供給される。この状態は、
図8bに示す状態と同様であるが、上部および下部基板は反転した状態である。同様にこの構成において、光変調器10の透明性または反射性は高い。
【0265】
興味深いことには、例えば、
図8bの電極13として示す、上部基板の電極の正電位(および、電極14上の負電位)と、例えば、
図8bの電極14として示す、下部基板の電極の正電位との間で切り換えることによって、透明性または反射性は、電極に対する腐食損傷を減少させながら維持され得る。この交流電場は、上部および下部電極に交流電位を適用することによって達成され得る。
【0266】
波形を適用することは、任意選択であるが、腐食を低減させることによって光変調器の寿命を増加させる有用な方策である。腐食は、例えば、銅電極を使用するときに形成する可能性があり、なぜなら、銅イオンが、一方の基板においてイオン流体内に溶解し、対向する基板上の電極まで流れ、そこに、銅イオンが堆積するからである。波形を適用することによって、銅イオン輸送方向が頻繁に反転され、したがって、腐食損傷を低減させる。2つのインスタンスP1とP2との間で、2つの基板間の腐食電流はバランスする、または、実質的に例えば>95%バランスする、例えば、上部プレートの電極の腐食レートが発生すると、各時間インスタンスP1間で、およびその逆も同様に、インスタンスP2において、下部電極上への銅のバランスする堆積が存在する。したがって、粒子は、上部電極と下部電極との間で連続的に移行または移動し、光変調器またはスマート窓は、常にオン状態にあり、一方、上部電極と下部電極との間の動的電解電流は一定であり、したがって、上部および下部電極上の電極材料の正味損失が全くないかまたは無視できる。
【0267】
図8cは、減少した透明性または反射性の状態がどのように得られ得るかを示す。交流電圧が、同じ基板上に適用される。例えば、実施形態において、
図8cに示すように、電位+V2が、第1の電極に適用され、次のすぐ隣の電極は逆電位-V2などを有する。これは、電位+V2を電極13aに、そして、逆電位-V2を電極13bに適用することによって得られ得る。対向する基板上で、電位+V2は電極14aに適用され、逆電位-V2は電極14bに適用される場合がある。例えば、電極は、基板上の電極が整列されるように配置される場合があり;上部基板上の電極は下部基板上の対向電極を有する、および、その逆も同様である。例えば、透明性または反射性を減少させるために、対向電極は、同じ電位を受ける場合があり、一方、近傍電極は逆電位を受ける。実施形態は、
図8cに示され、4つの電極は、参照符号13a、13b、14a、および14bで示され、電極の残りは、交互になるように続く。
【0268】
上部基板と下部基板との間のAC駆動サイクルを使用することによって、斜めおよび横電場が2つの基板間で生成され、それにより、粒子のでたらめな拡散を引き起こし、それにより、光変調器の閉じた状態を作成する。この構成の結果として、粒子は、上部基板と下部基板との間で斜めにおよび横に移動し、光変調器の可視のアパーチャ内への粒子の拡散は、光変調器の閉じた不透明状態に寄与する。
【0269】
図8bに示す透明状態について、波形は、例えば、正電位を有する状態で
図8bに示される電極が負になるように、また、その逆も同様であるように電極に適用される場合がある。
図8bの場合と同様に、例えば、電極13aと13bとの間、および、14aと14bとの間に波形を適用することは、電極に対する腐食損傷を低減させる。
【0270】
AC駆動サイクルは、
図5、6a-6dなどにおいて平面図で示す、上部および下部電極構成を組み合わせる相互嵌合したライン構成を使用することによって実装される場合がある。
【0271】
透明性または反射性が、
図8bおよび8cにおいて増加または減少する程度は、電圧および周波数差に依存する。電圧差を変えることによって、透明性または反射性がそれぞれ増加し減少する量が制御される。例えば、光透過率対電圧を表す曲線が、決定、例えば、測定される場合がある。特定のレベルの光透過率、例えば、特定の透明性、例えば、特定のグレースケールレベルを得るために、対応する電圧、例えばAC電圧が適用される場合がある。透明状態についてまたは非透明状態について信号を補間することによって、透明と非透明との間のレベルが得られる場合がある。同様に、光反射率対電圧を表す曲線が、決定、例えば、測定される場合がある。特定のレベルの反射性を得るために、対応する電圧、例えばAC電圧が適用される場合がある。反射状態についてまたは非反射状態について信号を補間することによって、反射と非反射との間のレベルが得られる場合がある。
【0272】
異なる電極パターンが、光変調器について使用される場合がある。電極パターンはそれぞれ、光変調器が達成することができる、或る範囲のグレースケール、例えば、透明性または反射性のレベルを提供する場合がある。しかしながら、任意の特定の電極パターンについての特定の範囲のグレースケールは、別の電極パターンと異なる場合がある。換言すれば、異なるパターンは、透明性または反射性の増加あるいは不透明度の増加を与えるが、駆動信号に対する正確な応答は、使用される特定のパターンを含む多くの因子に依存する。光変調器の光学特性の変動は、例えば、1mm未満の、微細な解像度を有する場合がある。光変調器において目に見える異なる光学パターン、例えば、ロゴを達成するために、光変調器のピクシレーション(pixilation)が必要とされないことに留意されたい。
【0273】
この効果は、光変調器の基板上の電極パターンを局所的に変更することによって、可視画像を光変調器に埋め込むために使用される場合がある。例えば、異なる電極パターンによって、互いに対してグレースケールの永久的なオフセットを有するグレースケールを局所的に有する場合がある。例えば、電極パターンまたはそのピッチを局所的に変更することによって、最大透明性または反射性が変更され得る。
【0274】
その結果は、異なる強度のグレースケール、例えば、異なるグレースケール、または異なる強度の着色を有する光変調器上のエリアである。エリアは、しかし、同じカラーポイントを有する場合がある。実施形態において、それらは、異なる速度ではあるが、窓の残りの部分と共に切り換わる場合がある。例えば、同じ電圧が、2つの異なるエリアで電極に適用される場合でも、それらは、異なる電極パターンによって、異なる透明性状態、例えば、異なる透過レベルを引き起こす。例えば、透過率対電圧を表す曲線は、シフトされる場合がある。例えば、電圧制御が、両方のエリアで同じように変更される場合、両方のエリアにおいて、光透過率は、変化する場合があるが、その際、異なる量を有する。エリアは、電極の密度を低減させることによって、駆動信号にあまり応答しないようにさせられる場合もあり;特に、エリアは、例えば、エリア内に電極を適用しないことによって、全く切り換わらないようにさせられる場合がある。
【0275】
例えば、電極材料は、銅、アルミニウム、金、酸化インジウムスズ(indium-tin oxide)(ITO)などである場合がある。ITOは透明であるが、Cu/Alは反射性であり、したがって、異なる電極材料を使用して、駆動電圧によらず、異なる外観が得られる場合がある。同様に、異なる抵抗を有する異なる材料は、異なる電場を生じることになる。例えば、ITOは、同じ電圧によって駆動されても、より小さい電場を有することになる。
【0276】
光を変調する方法の実施形態は、2つの対向する基板に適用された複数の駆動電極に電位を適用して、基板を通して輝く光の変調を引き起こす、複数の駆動電極のうちの1つに向かうまたは複数の駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす、複数の駆動電極間の電磁場を得ることを含み、2つの対向する基板は、実施形態の場合と同様である。
【0277】
方法を実行する多くの異なる方法が、当業者に明らかになるように、可能である。例えば、ステップの順序は、示す順序で行われ得るが、ステップの順序は、変わることができる、または、一部のステップは、並列に実行される場合がある。さらに、ステップの間に、他の方法ステップが挿入される場合がある。挿入されるステップは、本明細書で説明するような方法の改良を示す場合がある、または、方法に関連しない場合がある。例えば、一部のステップは、少なくとも部分的に、並列に実行される場合がある。さらに、所与のステップは、次のステップが開始する前に完全に完了していない場合がある。
【0278】
電極を駆動することは、光変調器の透明性または反射性の複数のレベルのうちの1つに対応する選択された最大振幅を有する信号を使用する場合がある。信号は、交流電流または交流電圧である場合がある。
【0279】
方法の実施形態は、プロセッサシステムに方法を行わせるための命令を含むソフトウェアを使用して実行される場合がある。ソフトウェアは、システムの特定のサブエンティティによってとられるステップを含むだけである場合がある。ソフトウェアは、ハードディスク、フロッピー、メモリ、光ディスクなどのような適切な記憶媒体に記憶される場合がある。ソフトウェアは、有線または無線に沿う信号として、あるいは、データネットワーク、例えば、インターネットを使用して、送られる場合がある。ソフトウェアは、サーバ上へのダウンロードのためにおよび/またはサーバ上での遠隔使用のために入手可能にされる場合がある。方法の実施形態は、方法を行うプログラマブルロジック、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を構成するように構成されたビットストリームを使用して実行される場合がある。
【0280】
本開示の主題を実施するように適合された、コンピュータプログラム、特に、搬送波上のまたは搬送波内のコンピュータプログラムに、本開示の主題が同様に拡張することが認識されるであろう。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース、および部分的にコンパイルされた形態などのオブジェクトコードの形態で、または、方法の実施形態の実装において使用するのに適する任意の他の形態である場合がある。コンピュータプログラム製品に関連する実施形態は、記載した方法の少なくとも1つの方法の処理ステップのそれぞれのステップに対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分される、および/または、静的または動的にリンクされる場合がある1つ以上のファイルに記憶される場合がある。コンピュータプログラム製品に関連する別の実施形態は、記載したシステムおよび/または製品のうちの少なくとも1つのシステムおよび/または製品についてのデバイス、ユニット、および/または部分のそれぞれに対応するコンピュータ実行可能命令を含む。
【0281】
図9aは、コンピュータプログラム1020を含む書き込み可能部分1010を有するコンピュータ可読媒体1000、およびまた、コンピュータプログラムを含む書き込み可能部分を有するコンピュータ可読媒体1001を示す。コンピュータプログラム1020は、実施形態による、光変調器方法をプロセッサシステムに行わせるための命令を含む。例えば、プロセッサシステムは、光変調器パネルに接続される場合がある。コンピュータプログラム1020は、コンピュータ可読媒体1000上で物理的マークとしてまたはコンピュータ可読媒体1000の磁化によって具現化される場合がある。しかしながら、任意の他の適切な実施形態も考えられる。さらに、コンピュータ可読媒体1000がここでは光ディスクとして示されるが、コンピュータ可読媒体1000が、ハードディスク、固体メモリ、フラッシュメモリなどのような任意の適切なコンピュータ可読媒体である場合があり、記録不可能または記録可能である場合があることが認識されるであろう。コンピュータプログラム1020は、前記光変調器方法をプロセッサシステムに行わせるための命令を含む。
【0282】
図9bは、光変調器用のコントローラの、実施形態によるプロセッサシステム1140の概略図を示す。プロセッサシステムは、1つ以上の集積回路1110を備える。1つ以上の集積回路1110のアーキテクチャは、
図9bに概略的に示される。回路1110は、コンピュータプログラムコンポーネントを実行して、実施形態による方法を実行するおよび/またはそのモジュールまたはユニットを実装するための、処理ユニット1120、例えばCPUを備える。回路1110は、プログラミングコード、データなどを記憶するためのメモリ1122を備える。メモリ1122の一部は読み出し専用である場合がある。回路1110は、通信要素1126、例えば、アンテナ、コネクタ、または両方、および同様なものを備える場合がある。回路1110は、方法において規定される処理の一部または全てを行うための専用集積回路1124を備える場合がある。プロセッサ1120、メモリ1122、専用IC1124、および通信要素1126は、インターコネクト1130、例えば、バスを介して互いに接続される場合がある。プロセッサシステム1110は、アンテナおよび/またはコネクタを使用して、それぞれ、接触および/または非接触通信のために構成される場合がある。
【0283】
例えば、実施形態において、プロセッサシステム1140、例えば、デバイスは、プロセッサ回路およびメモリ回路を備える場合があり、プロセッサは、メモリ回路内に記憶されたソフトウェアを実行するために構成される。例えば、プロセッサ回路は、Intel Core i7プロセッサ、ARM Cortex-R8などである場合がある。実施形態において、プロセッサ回路は、ARM Cortex M0である場合がある。メモリ回路は、ROM回路または不揮発性メモリ、例えば、フラッシュメモリである場合がある。メモリ回路は、揮発性メモリ、例えば、SRAMメモリである場合がある。後者の場合、デバイスは、ソフトウェアを提供するために構成された、不揮発性ソフトウェアインターフェース、例えば、ハードドライブ、ネットワークインターフェースなどを備える場合がある。
【0284】
例えば、電極に適用される電圧を制御するための光変調器用のコントローラは、プロセッサ回路を備える場合があるが、同様にまたは代わりに、状態機械を備える場合がある。
【0285】
図10a-10dは、光変調器の実施形態の態様を概略的に示す。変調器は例示的で非限定的である。
図10a-10dは、光学変調器の同じ実施形態に対応する。変調器は、有利には、本明細書で説明する他の特徴と組み合わされる場合がある。変調器の部分は、本明細書で説明する他の特徴との組み合わせを有するかまたは有さない、絶縁状態において有利である場合がある。特に、
図10a-10dは、ビルディングブロック、駆動電極、駆動バス、バス電極接続などの有利な例を提供し、それらのそれぞれは、絶縁状態で考えられる場合がある。
【0286】
図10aのビルディングブロック820がその例であるビルディングブロックの実施形態において、ビルディングブロックは、相互嵌合したパターンで配置された複数の電極のパターンを備える。ビルディングブロックが基板を横切って反復されると、ビルディングブロックの左辺および右辺で終端する電極は、およびビルディングブロックの上辺および下辺で終端する駆動電極は、合致して(match up)、この場合、光学変調器用の複数の駆動電極を形成する。駆動電極は、相互嵌合したパターンで配置される。電極を駆動電極へと結合するために、反復するビルディングブロックの端部において電極を接続することが必要とされる場合があるまたは必要とされない場合がある。ビルディングブロック820において、駆動電極の数は、2つ、例えば、第1の駆動電極および第2の駆動電極である。しかし、3つ以上の駆動電極が可能である。
【0287】
示されるビルディングブロック820は、例えば、
図10b-10dに示すように、ビルディングブロックが含まれる光学変調器において干渉を低減させるのに役立つ幾つかの有利な特性を有する。
【0288】
例えば、ビルディングブロック820によって満たされる第1の特性は、ビルディングブロック820内の複数の相互嵌合した電極内の少なくとも1つの電極について、ビルディングブロック820内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長が、ビルディングブロックの対角線の長さの少なくとも2倍であることである。実際には、この例において、この特性は、ビルディングブロック820の複数の電極について有効である。
【0289】
例えば、ビルディングブロック820によって満たされる第2の特性は、ビルディングブロック820が、ノードで分岐し木を形成する電極を備えることである。ビルディングブロック820は、高度に分岐する木を示し、例えば、第1のノードが存在し、第1のノードにおいて、電極は、少なくとも3つのラインであって、それぞれが、少なくとも3つのラインに同様に分岐する少なくとも3つの第2のノードに接続された、少なくとも3つのラインに分岐する。実際には、電極が同様に分岐する、第3のノードに接続される3つの第2のノードがさらに存在する場合がある。
【0290】
例えば、ビルディングブロック内の電極によって満たされる第3の特性は、電極のノードにおける角度が、0から360の範囲にわたって十分に分布されることである。例えば、ビルディングブロックは、少なくとも、0-30の範囲内の幾つかの角度、330-360の範囲まで、30-60の範囲内の幾つかの角度を示す。実際には、xからx+30の任意の範囲は、
図10aの角度によって示される。実際には、この特性は、ビルディングブロック820内の複数の電極について有効である。
【0291】
ビルディングブロック820において、電極ラインは、接続された真っ直ぐなラインセグメントから構築される。ラインセグメントは、同様にまたは代わりに、湾曲している可能性がある。この例において、ビルディングブロック820内の電極ライン幅は、電極ラインに沿って一定であり;これは必要ない。
【0292】
例えば、ビルディングブロックによって満たされる第4の特性は、ビルディングブロックが、計算された低い画素化ノイズメトリック;この場合、4%未満を有することである。
【0293】
上記特性のうちの任意の1つは、干渉に対処するために使用される場合があり、それらは、ビルディングブロック820において行われるように、組み合わされる必要はない。例えば、特性1のみ、または特性2のみ、または特性3のみ、または特性4のみ、もしくは組み合わせ、例えば、1および2、または2および3、2および4、3および4、1および2および3および4、2および4および4、または、本明細書で説明する他の特徴とおそらくは組み合わされた任意の他の組み合わせを有する可能性がある。
【0294】
ビルディングブロック820は、また、2つの近傍ライン間の距離が制約される、例えば、最小より長くおよび最大より短いことを満たす。ビルディングブロック820は、電極が同じ平面内に存在し交差しないビルディングブロックの例である。交差する電極が所望される場合、それが障害でないことに留意されたい。例えば、2つの電極は、交差部において2つの電極間に絶縁体を有することによって交差する可能性がある。絶縁体は、基板自体である可能性があり、例えば、電極のうちの1つは、基板の背部上を延びるために、2つのビアを介して方向転換される可能性がある。
【0295】
図10b.1は、基板810および駆動バスを概略的に示す。駆動バス812および駆動バス814が示される。光学変調器用の基板を作成するために、ビルディングブロック820は、駆動バスによって境界付けられたエリア内で反復する。駆動バスは、駆動電極を駆動するために配置される。この例において、第1の駆動電極812は、基板の2つの近傍の辺に配置され、一方、第2の駆動電極814は、基板の対向する2つの近傍の辺に配置される。電極812および814は接触しない。使用時、変動電圧が、電極812および814に適用されて、基板810と、対向する基板(
図10b.1に示さず)との間に光学効果を引き起こす電圧分布を作成する。
【0296】
特に、駆動バス812または辺電極は、左辺および上辺に沿って延在する。1つの点において、ここでは上左に示す接続点が、バス812をコントローラに接続するために設けられる。特に、駆動バス814または辺電極は、右辺および底辺に沿って延在する。1つの点において、接続点が、バス814をコントローラに接続するために設けられる。バス814は、バス812の外側で上辺に沿って延在する。バス814など、1つの電極を3つの辺に沿って延在させる利点は、両方の電極が、同じ辺を形成するために接続され得ることである。すなわち、光学変調器全体は、基板の単一の辺から電力供給される可能性がある。バス814は、ここで、制限された部分、例えば、辺の1/4未満にわたって延在する。バス814は、ほぼバス812の接続部分までさらに延在する可能性もある。
【0297】
こうして形成される基板は、例えば、基板のミラー画像(例えば、水平軸に対してデザインをフリップするかまたは垂直軸に対してデザインをフリップする)と組み合わされる場合がある。
【0298】
図10b.2は、基板810および駆動バスの変形を概略的に示す。駆動バス812および駆動バス814が示される。
図10b.1のように、ビルディングブロック820は、駆動バス812および814によって境界付けられたエリア内で反復する。
【0299】
基板810のエッジに沿う駆動バスに加えて、基板810の内部内でおよび基板810を横切って延在するさらなる駆動バスが示される。
【0300】
図10b.2は、基板を横切って延びるさらなる駆動バス815-819を示す。さらなる駆動バスの一部、この例において、バス815および816は、駆動バス814に接続される。さらなる駆動バスの一部、この例において、バス817および819は、駆動バス812に接続される。さらなる駆動バスから、ビルディングブロックのコピーの辺に沿って延びるための任意選択の突出部が延在する。こうして、全てのビルディングブロックは、そのエッジのそれぞれのエッジに沿って延びる駆動バス、例えば、ビルディングブロックの頂点で接続された2つの辺用の第1の駆動バス、および斜め向かいの頂点で接続された他の2つの辺用の第2の駆動バスを有する場合がある。
図10b.2の基板は、ミラー画像と組み合わされる場合もある。
【0301】
図10b.2に示す配置の利点は、電力が、デバイスにわたってより均等に分配されることである。結果として、移行は、より均一であり、より速く終了する。
【0302】
図10b.1および
図10b.2に示すビルディングブロックは正方形ビルディングブロックを有するが、一般的に言えば、ビルディングブロックは任意の形状を有する可能性がある。特に、平面をタイル張りする任意の1つまたは複数の形状、例えば、反復可能形状が、使用され得る。特に、ビルディングブロックは、矩形、例えば、非正方形形状を有する可能性がある。例えば、1つの辺は他の辺の少なくとも1.5倍の長さである可能性がある。ビルディングブロックの形状は、光学変調器の形状と同じであり、例えば、同じ相対寸法を有する場合がある。
【0303】
ビルディングブロックは、1つ以上のビルディングブロックステッパーマスクを使用してパターニングされる場合がある。さらなるステッパーは、駆動バスのために使用される場合がある。ステッパーは、金属堆積をオーバーラップさせることによって接続が行われる場合に使用される場合もある。例えば、ステッパーが、駆動バス812の金属を処理しているとき、820の配置が存在した場所とのオーバーラップが存在する場合がある。外側から電極への、例えば、812への接続は、従来のフォイルボールディング(foil bolding)またはクリップを使用する場合がある。
【0304】
1つのタイプのビルディングブロックが反復される場合があるが、複数のタイプのビルディングブロックが使用される場合もあることにも留意されたい。例えば、形状は三角形である場合がある。ビルディングブロックの形状はデバイス全体の形状に影響を及ぼす場合がある。これは、例えば、光学変調器のフォームファクタを適合させるために有利である。さらに、いろいろな形のビルディングブロックが単一基板内で組み合わされる可能性がある。例えば、基板の中心に正方形または矩形形状およびエッジに三角形形状を有する場合がある。
【0305】
異なる形状および/または寸法を使用することは、本明細書でさらに論じるように、真っ直ぐなエッジを持たない基板にとって有用である。また、異なる形状および/または寸法を使用することは、湾曲基板、例えば、非平坦基板にとって有用である。厳密には必要ないが、ビルディングブロックについて異なる形状を使用することは、ビルディングブロックが、基板の形状により良く従うことを可能にする。湾曲基板は、別の湾曲基板と組み合わされて、湾曲光学変調器を形成する場合がある。例えば、実施形態において、駆動バスは、湾曲基板の三角形分割に沿って配置され、駆動バスは三角形分割に従い、ビルディングブロック形状は駆動バスの間に配置される。例えば、実施形態において、基板の中心を囲むビルディングブロックは正方形または矩形であるが、エッジのビルディングブロックは三角形である。後者の構成は、2つの形状または3つ以上の形状を使用して行われ得る。湾曲基板が単一の形のビルディングブロックによってサポートされる可能性があるが、複数の形状を使用することが有利であることに留意されたい。一般に、異なる形状のビルディングブロックが、同様に、長い電極なしで湾曲基板に適用される可能性がある。そのような基板の例は:光変調器において使用するための基板であり、基板は、基板に適用された複数の相互嵌合した駆動電極を備え、複数の駆動電極のそれぞれは、基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極は、基板上で互いに対して交互に配置され、基板を横切る複数の駆動電極のパターンは、複数の反復するビルディングブロックを備え、ビルディングブロックは、ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する複数の相互嵌合した電極を備え、ビルディングブロック内の相互嵌合した電極は、駆動電極を形成し、基板は湾曲し、複数の反復するビルディングブロックは、少なくとも2つの異なる形状を含む。
【0306】
図10cは、以下で論じる
図10dのコーナーの詳細を概略的に示す。
図10cに、ビルディングブロック820のコーナー、および、駆動バス812および駆動バス814の一部が示される。
図10d-10dは、基板を横切って反復するビルディングブロック820を概略的に示す。
図10dは、
図8bの左下コーナーに対応する。
図10dは、
図8bの右下角に対応する。ビルディングブロック820は、平行移動によって2つの方向に基板を横切って反復する。反復は、グライド平行移動(glide translation)、例えば、平行移動とそれに続く反射である可能性がある。
【0307】
図10cは、ビルディングブロックの反復によって形成される電極が駆動バスにどのように接続される場合があるかを示す。例えば、電極ラインは、ビルディングブロック内で駆動バスから電極まで延在する場合がある。
【0308】
図10dは、バス812と814との間でのビルディングブロック820の反復の詳細を概略的に示す。
図10dに、ビルディングブロックの4つのコピーの部分が示される。ビルディングブロック間のエッジは、大文字A、B、C、およびDで示される。ビルディングブロックの1つの辺上の電極が、電極の対向する辺上の電極に接続され;この場合、ビルディングブロックを整列させることが連続した電極を作成するのに十分であるように、デザイン内の電極が一致することに留意されたい。
【0309】
この例において、
図10aは、
図10dに見ることができるように、基板を横切って反復すると、ブロックがわずかにオーバーラップするように描かれている。オーバーラップを有することは、所望される場合、回避される可能性があるが、これは、好都合である。この例におけるオーバーラップは3%である。すなわち、ビルディングブロックのx方向寸法における3%は、次のブロックのx方向における3%とオーバーラップする。オーバーラップの量は、好ましくは、小さい、例えば、1%と5%との間である。より大きいまたはより小さいオーバーラップが可能である。オーバーラップが全くないことも可能であり、その場合、ビルディングブロックは、互いに直接隣り合って整列することになる。同じことが、y方向について有効であり、例えば、3%、1%と5%との間などのオーバーラップが考えられる実施形態である。
【0310】
この例において、ビルディングブロック820は、平行移動によって、2つの直交方向に基板を横切って反復する。反復は、グライド平行移動、例えば、平行移動とそれに続く反射である可能性がある。
【0311】
図11は、光変調器700の実施形態の断面を概略的に示す。
図11に、2つの基板:基板772および基板774が示される。相互嵌合した駆動電極および駆動バスは、例えば、実施形態に従って、それらの表面に適用される。基板772と774との間に、スペーサ750が、所定の距離に基板を維持するために配置される。2つの基板間の空間は、例えば、本明細書で説明するように半導体インク760で充填され、一方、2つの基板のエッジの周りに、エッジシールが適用される。異なるタイプのインクを選択することによって、パネルは、例えば、透明から不透明に、または、反射性と非反射性との間などで変調するように構成され得る。
【0312】
図12aは、光変調器の実施形態を概略的に示す。
図12aにおいて、実施形態による基板のコーナーが示される。駆動バスまたはエッジコネクタは、基板の上および右エッジに沿って配置される。駆動バスに対応する駆動電極は、複数の点で、例えば、第1の点および第2の点で、その駆動バスに接続される。電極の幾つかの部分について、電極を一体化するために、例えば、電極全体が接続されることを確実にするために2つの接続が必要とされる場合がある。しかしながら、それは、第1の電極に接続するために必要とされないときでも、電極が駆動バスに複数回接続するために配置される場合がある。例えば、第1の点および第2の点は、駆動バスに沿って、しかしまた、基板を横切る電極を通して接続される場合がある。その場合、第1の点と第2の点との間の駆動バスの一部が除去され得る。駆動バスのこの部分を除去することは、駆動バスを電源から切り離さない。なぜなら、駆動バスが、電極を通して接続されたままであるからである。
図12bは、駆動バスの一部が除去されている例を示す。
図12cは、基板の同じ部分を示すが、部分902、904、および906を接続する電極を強調する。
【0313】
長い電極ライン、特に真っ直ぐなラインを中断させることは、回折を低減させるために有益である。エッジコネクタが、例えば、
図10a-10dの実施形態に示すようにデバイスのエッジに位置するだけである場合、これは、わずかな差のみを作ることになる。しかし、ビルディングブロックを囲む駆動バスを有する実施形態の場合、影響はかなりのものである。そこでは、ビルディングブロックの周りの真っ直ぐなラインは、回折および光学的アーチファクトをかなり増加させることになる。ここで、これらの真っ直ぐなラインは、複数の場所で中断され、したがって、回折または光学的アーチファクトを減少させることができる。例えば、
図6a-6dに示すような駆動バスは、駆動バスの一部を除去することから利益を得る。
【0314】
図13aは、ビルディングブロックの実施形態の例を概略的に示す。
図13bは、光変調器において使用するための基板の実施形態の例を概略的に示す。
図13aのビルディングブロックは、
図13bの基板を横切って、2つの方向に、この場合、基板のエッジに平行に反復されている。
図13aのビルディングブロック内の相互嵌合した電極は、
図13bにおいて接続して、ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する2つの相互嵌合した駆動電極を形成する。
【0315】
図13および13bに示す電極が非常に入り組んでいることに留意されたい。これは、例えば、それらの高い程度の分岐から、または、ビルディングブロック内の電極上の任意の2つの点間の最大長とビルディングブロックの対角線との間の高い比(前記比は2よりも大きい)から見て取ることができる。
【0316】
図13bの基板内の駆動電極は、同じ平面内に存在し、交差しない。このデザインが、エッジ上に浮遊電極がない状態で電極を完全に接続していることに留意されたい。ビルディングブロックのエッジ上の幾つかの電極が隣接するビルディングブロック内の電極を通して接続されることに留意されたい。
【0317】
ビルディングブロックは、いわゆるチューリングパターンに基づく。チューリングパターンは、少数であるがより長い分岐を生成するため有利であることがわかっている。結果として、別個に処理されなければならない場合がある浮遊電極をデザインが形成する可能性はより低い。チューリングパターンは、反応拡散システムとしても知られている-この特定の例において、グレースコット方程式(Gray-Scott equation)が使用された。
【0318】
図14a-14hは、基板を横切る複数の駆動電極のパターンが複数の反復するビルディングブロックを備える基板の実施形態を概略的に示す。反復するビルディングブロックは、基板を横切って少なくとも2つの方向に延在する複数の相互嵌合した電極を形成する。ビルディングブロック内の電極は、種々の有利な特性、例えば、電極長と対角線との間の高い比を有すること、を有する場合があり;これは、しかし、必要ない。1つのタイプのビルディングブロックまたは複数のタイプのビルディングブロックが使用される場合がある。ブロックは、基板を充填するために、回転、ミラーリング、および/または平行移動される場合がある。電力を分配するために、駆動バスがビルディングブロック間に配置される場合があり;代わりにまたはさらに、ビルディングブロックは、電力を分配するために、互いに接続される場合がある。ビルディングブロックは、同じ形状を有する場合があるが、やはり、それらの電極パターンは、異なる場合があるまたは異ならない場合がある。
【0319】
図14aは、ビルディングブロックが、矩形、この場合、正方形である基板の実施形態を概略的に示す。
【0320】
図14bおよび
図14cは、ビルディングブロックが、三角形、この場合、直角三角形である基板の実施形態を概略的に示す。任意の他の三角形形状も可能である。
【0321】
異なる形状のビルディングブロックを有する利点は、異なる形状の基板がより容易にサポートされ得ることである。例えば、正方形形状の基板は、
図14および
図14bに示すように、正方形ビルディングブロックによってまたは三角形ビルディングブロックによってサポートされ得る。しかしながら、三角形ビルディングブロックによって、三角形基板は、例えば、エッジにおいて、部分的ビルディングブロックまたは異なるタイプのビルディングブロックをサポートする必要なしで、容易にタイル張りされ得る。
【0322】
図14dは、ビルディングブロックが、六角形、この場合、正六角形である基板の実施形態を概略的に示す。
【0323】
図14eは、ビルディングブロックが、台形である基板の実施形態を概略的に示す。
【0324】
図14fは、ビルディングブロックが、ポリゴン、この場合、例えば直角を有する矩形ポリゴンである基板の実施形態を概略的に示す。ポリゴンが、
図14fに示すように、凸状である必要がないことに留意されたい。ポリゴンは、ポリオミノ;例えば、整数の正方形から構築されるポリゴンである場合がある。示される例において、トロミノが使用される。ポリオミノの他の例は、テトロミノおよびペントミノを含む。ポリゴンは、アイソセティックポリゴン(isothetic polygon)、例えば、直線ポリゴン(rectilinear polygon)である場合がある。
【0325】
図14gは、ビルディングブロックが、正方形である基板の実施形態を概略的に示す。
図14hは、ビルディングブロックが、三角形である基板の実施形態を概略的に示す。種々の形状の基板が、ビルディングブロックを組み合わせることによってサポートされ得ることに留意されたい。三角形ビルディングブロックによって、異なる形状が基板について可能であることにも留意されたい。
【0326】
図14hの基板の形状は、矩形ビルディングブロックによってもサポートされる可能性があるが、部分的ビルディングブロックまたはエッジタイプビルディングブロックが、基板のスロープのあるエッジなどをサポートするために使用される場合がある。
【0327】
異なる形状の基板をサポートすることは、異なる用途をサポートするために有利である。例えば、車において、窓は、しばしば矩形でない。いろいろな形のビルディングブロックを有することは、所望の形状をサポートすることをより容易にする。
【0328】
異なる形状の基板をサポートすることは、非平面基板をサポートするためにも有利である。
【0329】
以下の番号付けされた条項は企図される実施形態である。
【0330】
条項1.光変調器内で使用するための基板であって、
- 基板に適用された複数の相互嵌合した駆動電極(111-114、121-124)を備え、複数の駆動電極のそれぞれは、基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極は、基板上で互いに対して交互に配置され、基板を横切る複数の駆動電極のパターンは、複数の反復するビルディングブロックを備え、ビルディングブロックは、
- ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの方向に延在する複数の相互嵌合した電極を備え、ビルディングブロック内の相互嵌合した電極は、駆動電極を形成し、ビルディングブロック内の複数の相互嵌合した電極内の少なくとも1つの電極について、ビルディングブロック内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長は、ビルディングブロックユニットの対角線の長さの少なくとも2倍である、基板。
【0331】
条項2.基板の駆動電極パターンの、計算された画素化ノイズメトリックが、6.05%未満または5%未満または4%未満である、条項1に記載の基板。
【0332】
条項3.基板上の電極が、電極が分岐する複数のノードを備え、ノードが電極ラインを通して電気接続され、複数のノードおよび接続する電極ラインが木を形成し、電極が、電極が少なくとも3つの電極ラインに分岐する少なくとも第1のノード(201)を備え、第1のノード(201)が、電極ラインを通して第2のノード(202)におよび第3のノード(203)に直接接続され、電極が、第2のノードにおいておよび第3のノードにおいて少なくとも3つの電極ラインに分岐する、条項1または2に記載の基板。
【0333】
条項4.
- 2つの直接接続された電極ライン間の角度がランダムに選択されている、および/または、
- ビルディングブロック内の直接接続された電極ラインが複数の角度を形成し、角度が0から360度の間隔をカバーし、特に、少なくとも30の連続する角度のそれぞれの特定の間隔について、特定の間隔に入る複数の角度内の少なくとも1つの角度が存在する、および/または、
- 複数のノードが、ビルディングブロックのエリアをカバーするためにランダムに選択されている、および/または、
- 電極ラインが、真っ直ぐまたは湾曲している、および/または、
- 電極ライン幅が、電極ラインに沿って一定でない、条項3に記載の基板。
【0334】
条項5.
- 基板内の任意の点から、第1の駆動電極までのおよび第2の駆動電極までの最短距離が共に閾値未満であるべきである、および/または、
- 基板内の任意の点から、第1の駆動電極までのおよび第2の駆動電極までの最短距離の合計が、第1の閾値未満であるおよび/または第2の閾値を超える、および/または、
- 第1の駆動電極上の点から第2の駆動電極上の点までの距離が、少なくとも第2の閾値である、および/または、
- ビルディングブロックの水平および/または垂直サイズが、電極ライン幅と電極距離との合計の少なくとも10倍である、条項1から4のいずれか1項に記載の基板。
【0335】
条項6.
- 駆動電極が、同じ平面内に存在し、交差しない、または、
- 駆動電極が基板内で交差し、誘電体が、交差する駆動電極を、少なくとも交差する点において分離する、条項1から5のいずれか1項に記載の基板。
【0336】
条項7.
- ビルディングブロックが少なくとも2つの方向に基板を横切って反復する、および/または、
- 複数の異なるビルディングブロックが1つまたは2つの方向に基板を横切って反復する、および/または、
- 2つの異なるビルディングブロックが基板を横切るチェッカーボードパターンで反復する、および/または、
- 基板が、駆動電極に接続された非反復電極ラインを備える、条項1から6のいずれか1項に記載の基板。
【0337】
条項8.
- ビルディングブロック内で接続されないビルディングブロック内の2つの電極が、近傍ビルディングブロック内の接続を通して基板内で接続される、および/または、
- ビルディングブロック内の電極がビルディングブロックの少なくとも2つの辺に接続される、条項1から7のいずれか1項に記載の基板。
【0338】
条項9.
- ビルディングブロックが、ミラーリングおよび/または点反射がある状態でおよびない状態で平行移動される、および/または、
- ビルディングブロックの行または列が、その長手方向に対してミラーリングされて、ビルディングブロックの次の行または列を形成する、条項1から8のいずれか1項に記載の基板。
【0339】
条項10.少なくとも1つの駆動バスが、駆動電極を駆動するために、各駆動電極について基板上に配置され、
- 少なくとも1つの駆動バスが、各駆動電極について基板の辺に配置されて、駆動電極を駆動する、および/または、
- 駆動バスが、基板の辺に配置されるだけである、および/または、
- 駆動バスが、基板をカバーするビルディングブロック間に配置される、条項1から9のいずれか1項に記載の基板。
【0340】
条項11.少なくとも1つの駆動バスが、各駆動電極について基板上に配置されて、駆動電極を駆動し、少なくとも1つの駆動バスが、基板の辺および/またはビルディングブロックの辺に配置され、前記駆動バスが不連続部分を備え、前記不連続部分が、駆動バスによって駆動される駆動電極を通して接続される、条項1から10のいずれか1項に記載の基板。
【0341】
条項12.第1および第2の駆動電極のうちの少なくとも1つがテッセレーションの全域木である、条項1から11のいずれか1項に記載の基板。
【0342】
条項13.駆動電極がミラー対称性を有する、条項1から12のいずれか1項に記載の基板。
【0343】
条項14.基板が非矩形である、条項1から13のいずれか1項に記載の基板。
【0344】
条項15.光変調器であって、
- 第1の基板および第2の基板であって、第1および第2の基板のうちの少なくとも1つが、条項1-14のいずれか1項に記載のものであり、第1および第2の基板が内側が互いに対向する状態で配置され、複数の駆動電極(111-114、121-124)が、第1および第2の基板のうちの少なくとも1つの内側に適用される、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層
を備え、光学層が、
- 粒子を含む流体であって、粒子が電気的に帯電しているかまたは帯電可能である、流体、
- 複数の駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、複数の駆動電極のうちの1つに向かうまたは複数の駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす、複数の駆動電極間の電磁場を得るように構成されるコントローラを備える、光変調器。
【0345】
条項16.
- 第1の基板上の電極パターン、第2の基板上の電極パターン、および/または第1および第2の基板の電極パターンの重ね合わせが、6.05%または5%または4%未満の、計算された画素化ノイズメトリックを有する、条項15に記載の光変調器。
【0346】
条項17.光を変調する方法であって、
- 2つの対向する基板に適用された複数の駆動電極に電位を適用して、基板を通して輝く光の変調を引き起こす、複数の駆動電極のうちの1つに向かうまたは複数の駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす、複数の駆動電極間の電磁場を得ることを含み、2つの対向する基板は、条項1から16のいずれか1項に記載の基板である、光を変調する方法。
【0347】
条項18.光変調器のための電極パターンに対する画素化ノイズメトリックを計算するコンピュータ実装される方法であって、
- 黒および白デザイン画を特定の寸法に対して準備することであって、電極ラインが黒であり、基板背景が白である、ことと、
- ブルースタイン法を使用してスケーリングすることなく、チャープz変換(CZT)についてマグニチュードおよび角度を計算することと、
- 主ピーク値を、デザイン画のチャープz変換(CZT)のマグニチュードスペクトル内の最大強度として決定することと、
- より高いピーク値を、主ピークを除いて、マグニチュードスペクトルチャープz変換(CZT)内の第2の最大強度として決定することと、
- 画素化ノイズメトリックを、より高いピーク値と主ピーク値との比として計算することと
を含む、コンピュータ実装される方法。
【0348】
条項19.デザイン画が8ビット画であり、黒が0に設定され、白が255に設定される、条項18に記載の画素化ノイズメトリックを計算する方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調器内で使用するための基板であって、
- 基板に適用された少なくとも1つの駆動電極(111-114、121-124)を備え、駆動電極は、基板を横切るパターンで配置され、基板を横切る駆動電極のパターンは、複数の反復するビルディングブロックを備え、ビルディングブロックは、
- ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの異なる方向に延在する1つ以上の電極を備え、ビルディングブロック内の電極は、少なくとも1つの駆動電極を形成し、ビルディングブロック内の電極が、電極が分岐する複数のノードを備え、ノードが電極ラインを通して電気接続され、複数のノードおよび接続する電極ラインが木を形成し、電極が、電極が少なくとも3つの電極ラインに分岐する少なくとも第1のノード(201)を備え、第1のノード(201)が、電極ラインを通して第2のノード(202)におよび第3のノード(203)に直接接続され、電極が、第2のノードにおいておよび第3のノードにおいて少なくとも3つの電極ラインに分岐する、基板。
【請求項2】
少なくとも2つの異なる方向が、互いに対して直交するまたは斜めである、請求項1に記載の基板。
【請求項3】
ビルディングブロック内の電極内の少なくとも1つの電極について、ビルディングブロック内の前記電極に沿って測定された、前記電極上の任意の2つの点間の最大長が、ビルディングブロックユニットの直径の長さの少なくとも2倍であり、直径が、ビルディングブロックの2つの点間の最大距離として規定される、請求項1に記載の基板。
【請求項4】
ビルディングブロックが矩形であり、直径は対角線である、請求項3に記載の基板。
【請求項5】
基板の駆動電極パターンの、計算された画素化ノイズメトリックが、6.05%未満または5%未満または4%未満であり、画素化ノイズメトリックが、マグニチュードスペクトルからの、全ての非ゼロ次ピーク中の最大強度とゼロ次ピークの最大強度との比として規定される、請求項1に記載の基板。
【請求項6】
- 2つの直接接続された電極ライン間の角度がランダムに選択されている、および/または、
- ビルディングブロック内の直接接続された電極ラインが複数の角度を形成し、角度が0から360度の間隔をカバーし、特に、少なくとも30の連続する角度のそれぞれの特定の間隔について、特定の間隔に入る複数の角度内の少なくとも1つの角度が存在する、および/または、
- 複数のノードが、ビルディングブロックのエリアをカバーするためにランダムに選択されている、および/または、
- 電極ラインが、真っ直ぐまたは湾曲している、および/または、
- 電極ライン幅が、電極ラインに沿って一定でない、請求項1に記載の基板。
【請求項7】
- ビルディングブロックが少なくとも2つの異なる方向に基板を横切って反復する、および/または、
- 複数の異なるビルディングブロックが1つまたは2つの方向に基板を横切って反復する、および/または、
- 2つの異なるビルディングブロックが基板を横切るチェッカーボードパターンで反復する、および/または、
- 基板が、駆動電極に接続された非反復電極ラインを備える、請求項1に記載の基板。
【請求項8】
- ビルディングブロック内で接続されないビルディングブロック内の2つの電極が、近傍ビルディングブロック内の接続を通して基板内で接続される、および/または、
- ビルディングブロック内の電極がビルディングブロックの少なくとも2つの辺に接続される、請求項1に記載の基板。
【請求項9】
- ビルディングブロックが、ミラーリングおよび/または点反射がある状態でおよびない状態で平行移動される、および/または、
- ビルディングブロックの行または列が、その長手方向に対してミラーリングされて、ビルディングブロックの次の行または列を形成する、請求項1に記載の基板。
【請求項10】
少なくとも1つの駆動バスが、少なくとも1つの駆動電極の各駆動電極について基板上に配置されて、駆動電極を駆動し、
- 少なくとも1つの駆動バスが、各駆動電極について基板の辺に配置されて、駆動電極を駆動する、および/または、
- 駆動バスが、基板の辺に配置されるだけである、および/または、
- 駆動バスが、基板をカバーするビルディングブロック間に配置される、請求項1に記載の基板。
【請求項11】
少なくとも1つの駆動電極が基板のエッジから絶縁され、絶縁された駆動電極に電力供給する、および/または、絶縁された駆動電極を、基板上の駆動電極の別の部分に接続するために、ビアが、駆動電極に対向する基板の表面から、絶縁された駆動電極まで接続される、請求項1に記載の基板。
【請求項12】
少なくとも1つの駆動バスが、各駆動電極について基板上に配置されて、駆動電極を駆動し、少なくとも1つの駆動バスが、基板の辺および/またはビルディングブロックの辺に配置され、前記駆動バスが不連続部分を備え、前記不連続部分が、駆動バスによって駆動される駆動電極を通して接続される、請求項1に記載の基板。
【請求項13】
駆動電極がミラー対称性を有する、請求項1に記載の基板。
【請求項14】
基板が非矩形である、請求項1に記載の基板。
【請求項15】
少なくとも1つの駆動電極は複数の駆動電極であり、
- 複数の駆動電極(111-114、121-124)が相互嵌合し、複数の駆動電極のそれぞれが、基板を横切るパターンで配置され、複数の相互嵌合した駆動電極が、基板上で互いに対して交互に配置され、基板を横切る複数の駆動電極のパターンが複数の反復するビルディングブロックを備え、ビルディングブロックが、
- ビルディングブロックを横切って少なくとも2つの異なる方向に延在する複数の相互嵌合した電極を備え、ビルディングブロック内の相互嵌合した電極が駆動電極を形成する、請求項1に記載の基板。
【請求項16】
複数の駆動電極が第1の駆動電極および第2の駆動電極を備え、
- 基板内の任意の点から、第1の駆動電極までのおよび第2の駆動電極までの最短距離が閾値未満である、および/または、
- 基板内の任意の点から、第1の駆動電極までのおよび第2の駆動電極までの最短距離の合計が、第1の閾値未満であるおよび/または第2の閾値を超える、および/または、
- 第1の駆動電極上の点から第2の駆動電極上の点までの距離が、少なくとも第2の閾値である、および/または、
- ビルディングブロックの水平および/または垂直サイズが、電極ライン幅と電極距離との合計の少なくとも10倍である、請求項15に記載の基板。
【請求項17】
- 駆動電極が、同じ平面内に存在し、交差しない、または、
- 駆動電極が基板内で交差し、誘電体が、交差する駆動電極を、少なくとも交差する点において分離する、請求項15に記載の基板。
【請求項18】
光変調器であって、
- 請求項1から17のいずれか一項に記載の第1の基板、および第2の基板であって、第1および第2の基板が、内側が互いに対向する状態で配置され、少なくとも1つの駆動電極(111-114、121-124)が、第1および第2の基板のうちの少なくとも1つの内側に適用される、第1の基板および第2の基板と、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層と、
- 駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されるコントローラと
を備える、光変調器。
【請求項19】
光学層が粒子を含み、粒子が、電気的に帯電しているかまたは帯電可能であり、コントローラが、駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、駆動電極に向かうまたは駆動電極からの粒子の電気泳動運動をもたらす電磁場を得るように構成される、請求項18に記載の光変調器。
【請求項20】
光変調器であって、
- 請求項15から17のいずれか一項に記載の第1の基板および請求項15から17のいずれか一項に記載の第2の基板であって、第1および第2の基板が、内側が互いに対向する状態で配置され、少なくとも1つの駆動電極(111-114、121-124)が、第1および第2の基板のうちの少なくとも1つの内側に適用される、第1の基板および第2の基板と、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層と、
- 駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されるコントローラであって、複数の駆動電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、複数の駆動電極のうちの1つに向かうまたは複数の駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす、複数の駆動電極間の電磁場を得るように構成される、コントローラと
を備える、光変調器。
【請求項21】
- 第1の基板上の電極パターン、第2の基板上の電極パターン、および/または、第1および第2の基板の電極パターンの重ね合わせが、6.05%または5%または4%未満の、計算された画素化ノイズメトリックを有し、画素化ノイズメトリックが、マグニチュードスペクトルからの、全ての非ゼロ次ピーク中の最大強度とゼロ次ピークの最大強度との比として規定される、請求項18に記載の光変調器。
【請求項22】
光を変調する方法であって、
- 2つの対向する基板に適用された駆動電極に電位を適用して、基板を通して輝く光の変調を引き起こす、複数の駆動電極のうちの1つに向かうまたは複数の駆動電極のうちの1つからの粒子の電気泳動運動をもたらす、駆動電極間の電磁場を得ることを含み、2つの対向する基板のうちの少なくとも1つまたは両方は、請求項1から17のいずれか一項に記載の基板である、光を変調する方法。
【請求項23】
光変調器のための電極パターンに対する画素化ノイズメトリックを計算するコンピュータ実装される方法であって、
- 黒および白デザイン画を特定の次元に対して準備することであって、電極ラインが黒であり、基板背景が白である、ことと、
- ブルースタイン法を使用してスケーリングすることなく、チャープz変換(CZT)についてマグニチュードおよび角度を計算することと、
- 主ピーク値を、デザイン画のチャープz変換(CZT)のマグニチュードスペクトル内の最大強度として決定することと、
- より高いピーク値を、主ピークを除いて、マグニチュードスペクトルチャープz変換(CZT)内の第2の最大強度として決定することと、
- 画素化ノイズメトリックを、より高いピーク値と主ピーク値との比として計算することと
を含む、コンピュータ実装される方法。
【請求項24】
デザイン画が8ビット画であり、黒が0に設定され、白が255に設定される、請求項23に記載の画素化ノイズメトリックを計算する方法。
【国際調査報告】