(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】セロトニン受容体のアミノテトラリン活性化剤
(51)【国際特許分類】
C07C 217/52 20060101AFI20241219BHJP
A61K 31/135 20060101ALI20241219BHJP
A61K 31/145 20060101ALI20241219BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20241219BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20241219BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20241219BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20241219BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241219BHJP
A61K 31/277 20060101ALI20241219BHJP
C07D 217/08 20060101ALI20241219BHJP
C07C 255/59 20060101ALI20241219BHJP
C07C 217/48 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C07C217/52
A61K31/135
A61K31/145
A61K31/47
A61P25/18
A61P25/24
A61P25/22
A61P43/00 111
A61K31/277
C07D217/08 CSP
C07C255/59
C07C217/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538287
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 US2022082403
(87)【国際公開番号】W WO2023129909
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】324012981
【氏名又は名称】エーティーエーアイ セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ショート,グレン
(72)【発明者】
【氏名】ペルニ,ロバート,ビー.
(72)【発明者】
【氏名】カーン,タンウィール
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC30
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA12
4C086ZA18
4C086ZC41
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206FA29
4C206JA19
4C206JA55
4C206JA76
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206MA75
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA12
4C206ZA18
4C206ZC41
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB20
4H006BJ50
4H006BM30
4H006BM72
4H006BM73
4H006BP30
4H006BU46
(57)【要約】
本明細書に記載される式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、および(IV-A)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書に提供される。また、本明細書では、例えば、精神医学的疾患または障害の治療において、式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、および(IV-A)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物、ならびに、例えば、精神衛生疾患または障害において、式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、および(IV-A)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を使用する方法が提供される。
【化1】
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)の化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1は独立して、メチルまたはC
2-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、または-S(O)(Y)R
6であり、
Yは、=Oまたは=NHであり、
R
4およびR
5は独立して、HまたはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、ならびに
Xは、CHまたはNであり、
前記化合物は、5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、6-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、7-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,7,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、または5,6,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンではない、化合物。
【請求項2】
R
1は、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1は、C
2-C
6フルオロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R
2は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R
2は、ハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
2は、F、Cl、またはIである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
2は、CNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
2は、-S(O)
2R
6である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
2は、-S(O)(NH)R
6である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R
3は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R
3は、ハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R
3は、F、Cl、またはIである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R
3は、CNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
R
3は、-S(O)
2R
6である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R
3は、-S(O)(NH)R
6である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R
2およびR
3は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Xは、CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
Xは、Nである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
R
4は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
R
5は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
R
4およびR
5は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
以下の化学式を有する、請求項1に記載の化合物。
【化2】
【請求項23】
式(IV)の化合物:
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
3は、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CHまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、ならびに
nは、0、1、2、または3である、化合物。
【請求項24】
Yは、=Oである、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Yは、=NHである、請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
R
1は、C
1-C
6アルキルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項27】
R
1は、C
1-C
3アルキルである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
R
1は、メチルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
R
1は、Hである、請求項23に記載の化合物。
【請求項30】
R
1は、C
1-C
6フルオロアルキルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項31】
R
3は、Hである、請求項23に記載の化合物。
【請求項32】
R
3は、ハロゲンである、請求項23に記載の化合物。
【請求項33】
R
4は、Hである、請求項23に記載の化合物。
【請求項34】
R
4は、C
1-C
6アルキルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項35】
R
5は、Hである、請求項23に記載の化合物。
【請求項36】
R
5は、C
1-C
6アルキルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項37】
R
4およびR
5は、Hである、請求項23に記載の化合物。
【請求項38】
Xは、CHである、請求項23に記載の化合物。
【請求項39】
Xは、Nである、請求項23に記載の化合物。
【請求項40】
mは、0である、請求項23に記載の化合物。
【請求項41】
mは、1である、請求項23に記載の化合物。
【請求項42】
nは、1である、請求項23に記載の化合物。
【請求項43】
nは、2である、請求項23に記載の化合物。
【請求項44】
R
6は、Hである、請求項23に記載の化合物。
【請求項45】
R
6は、C
1-C
6アルキルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項46】
R
6は、C
1-C
3アルキルである、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
以下から選択される化合物。
【化4】
【請求項48】
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項49】
精神衛生疾患または障害を治療する方法であって、前記方法は、治療有効量の請求項48に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項50】
前記精神衛生疾患または障害は、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、物質使用障害および摂食障害からなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記精神衛生疾患または障害は、強迫性障害、不安障害、ストレス障害、および反すう症からなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
請求項23に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項53】
精神衛生疾患または障害を治療する方法であって、前記方法は、治療有効量の請求項52に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項54】
前記精神衛生疾患または障害は、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、物質使用障害および摂食障害からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記精神衛生疾患または障害は、強迫性障害、不安障害、ストレス障害、および反すう症からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
精神衛生疾患または障害を治療する方法であって、前記方法は、治療有効量の式(I)または式(II)の化合物:
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含み、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
1、S(O)NHR
1R
2、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、
nは、0、1、2、または3である、方法。
【請求項57】
前記精神衛生疾患または障害は、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、物質使用障害および摂食障害からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記精神衛生疾患または障害は、強迫性障害、不安障害、ストレス障害、および反すう症からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年12月27日に出願された米国仮特許出願第63/294,030号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
幻覚剤は、インドールアミン、フェニルアルキルアミン、およびエルゴリンという三つの主なクラスに分類され得る。第一のクラスであるインドールアミンは、N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)、5-メトキシ-DMT(5-MeO-DMT)、サイロシビン、および4-ヒドロキシ-DMTを含む。第二のクラスであるフェニルアルキルアミンは、メスカリン、ならびに2,5-ジメトキシ-4-ヨードアンフェタミン(DOI)および2,5-ジメトキシ-4-ブロモアンフェタミン(DOB)などの合成メスカリン類似体を含む。第三のクラスは、LSDなどのエルゴリンである。フェニルアルキルアミンは、5-HT2A、5-HT2B、および5-HT2C受容体を含む、5-HT2受容体の選択的アゴニストである。インドールアミンおよびエルゴリンは、5-HT1、5-HT2、5-HT6、および5-HT7受容体の部分アゴニストとして作用する。LSDおよび他のエルゴリンはまた、D1およびD2ドーパミン受容体ならびにアドレナリン受容体にも作用する。
【0003】
脳の皮質構造および皮質下構造に位置する5-HT2A受容体の活性化は、動物およびヒトの両方における幻覚剤の主観的、行動的、および心理的効果を媒介すると考えられる。セロトニン作動性幻覚剤は、一連の精神衛生疾患または障害を治療する可能性を示している。
【0004】
5-HT2A受容体などのセロトニン受容体のアゴニストとして作用する化合物、ならびにその組成物および使用方法の必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、本開示は、セロトニン受容体、例えば5-HT2A受容体のアゴニストとして作用する化合物、ならびに例えば、精神衛生疾患または障害の治療のためのその組成物および使用方法を提供する。
【0006】
実施形態では、本開示は、式(I)の化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
1S(O)NHR
1R
2、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、ならびに
nは、0、1、2、または3であり、
化合物は、5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、または(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)メタンアミンではない。
【0007】
実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-A)の化合物であり:
【化2】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、Xおよびmは、本明細書に提供される定義を有する。
【0008】
実施形態では、本開示は、式(II)の化合物:
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
1S(O)NHR
1R
2、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、ならびに
nは、0、1、2、または3であり、
化合物は、(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メタンアミンではない。
【0009】
実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-A)の化合物であり:
【化4】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、Xおよびmは、本明細書に提供される定義を有する。
【0010】
実施形態では、本開示は、式(III)の化合物:
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、メチルまたはC
2-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、または-S(O)(Y)R
6であり、
Yは、=Oまたは=NHであり、
R
4およびR
5は独立して、HまたはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、ならびに
Xは、CHまたはNであり、
化合物は、5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、6-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、7-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,7,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、または5,6,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンではない。
【0011】
実施形態では、本開示は、式(III-A)の化合物を提供し:
【化6】
式中、R
2およびR
3は、本明細書に提供される定義を有する。
【0012】
実施形態では、本開示は、式(IV)の化合物:
【化7】
または薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
3は、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
【0013】
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CHまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、および
nは、0、1、2、または3である。実施形態では、本開示は、式(IV-A)の化合物を提供し:
【化8】
式中、R
1、R
4、R
5、R
6、およびYは、本明細書に提供される定義を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】
図1Aは、5-HT2Aと5-HT2Bの活性を比較した、化合物1-2および1-1のEC50プロファイルを示す。
【0015】
【
図1B】
図1Bは、Gqおよびb-アレスチン偏向シグナル伝達経路を比較するための、化合物1-2および1-1のEC50プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示全体を通して、様々な特許、特許出願、および刊行物が参照される。これらの特許、特許出願、および公開公報の開示はその全体が、本開示の日の時点で当業者に公知の技術状態をより完全に説明するために、全ての目的のために参照により本開示に組み込まれる。引用された特許、特許出願、および公開公報と本開示との間に矛盾がある場合は、本開示が優先される。
【0017】
定義
便宜上、本明細書、実施例、および特許請求の範囲で用いられる特定の用語をここにまとめる。別途定義されない限り、本開示で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0018】
本明細書で使用される場合の「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、化合物もしくは該化合物の薬学的に許容可能な塩、または化合物もしくは該化合物の薬学的に許容可能な塩を含む組成物もしくは製剤を患者に投与することを指す。
【0019】
患者または対象に関して本明細書で使用される場合の「治療すること」という用語は、患者または対象の障害の少なくとも一つの症状を改善することを指す。実施形態では、治療することは、障害または障害の一つ以上の症状を、改善または少なくとも部分的に回復させることであり得る。
【0020】
用量または量に付加される「治療有効」という用語は、必要とする患者または対象への投与後に所望の臨床的利益をもたらすために十分である化合物または医薬製剤の量を指す。
【0021】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。薬学的に許容可能な塩には、塩基として機能する活性化合物を無機酸または有機酸と反応させて塩を形成することによって得られる塩が含まれ、例えば塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ギ酸、臭化水素酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、サリチル酸、マンデル酸、炭酸などの塩である。こうした塩基性化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩の調製に使用され得る酸は、非毒性酸付加塩、すなわち、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp-トルエンスルホン酸塩を含むがこれらに限定されない、薬学的に許容可能なアニオンを含有する塩、を形成する酸である。塩基付加塩には、エチレンジアミン、N-メチル-グルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、例えばリジンおよびアルギニンジシクロヘキシルアミンなど、が含まれるが、これらに限定されない。金属塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などが含まれる。アンモニウム塩およびアルキル化アンモニウム塩の例には、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などが含まれる。有機塩基の例には、リジン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリンなどが含まれる。当業者であれば、酸付加塩は、いくつかの公知の方法のうちのいずれかを介した適切な無機酸または有機酸との化合物の反応によって調製され得ることを更に認識するであろう。
【0022】
値の範囲が列挙される場合、その範囲内の各値および下位の範囲を包含することが意図される。例えば、「C1-C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、およびC5-6アルキルを包含することが意図される。
【0023】
「アルキル」または「アルキル基」とは、1~12個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りの部分に結合している、完全に飽和した直鎖または分枝の炭化水素鎖を指す。1~12個の任意の数の炭素原子を含むアルキルが含まれる。最大12個の炭素原子を含むアルキルはC1-C12アルキルであり、最大10個の炭素原子を含むアルキルはC1-C10アルキルであり、最大6個の炭素原子を含むアルキルはC1-C6アルキルであり、最大5個の炭素原子を含むアルキルはC1-C5アルキルである。C1-C5アルキルは、C5アルキル、C4アルキル、C3アルキル、C2アルキル、およびC1アルキル(すなわち、メチル)を含む。C1-C6アルキルは、C1-C5アルキルについて上述した全ての部分を含むが、C6アルキルも含む。C1-C10アルキルは、C1-C5アルキルおよびC1-C6アルキルについて上述した全ての部分を含むが、C7、C8、C9、およびC10アルキルも含む。同様に、C1-C12アルキルは、前述の部分の全てを含むが、C11およびC12アルキルも含む。C1-C12アルキルの非限定的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、sec-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、t-アミル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、およびn-ドデシルが含まれる。本明細書に別段の記載がない限り、アルキル基は任意で置換され得る。
【0024】
アルコキシとは、式-ORaの基を指し、式中、Raは、1~12個の炭素原子を含有する上記に定義したアルキル、アルケニル、またはアルキニルである。本明細書に別段の記載がない限り、アルコキシ基は任意で置換され得る。
【0025】
「ハロアルキル」は、一つ以上のハロラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2‐トリフルオロエチル、1,2‐ジフルオロエチル、3‐ブロモ‐2‐フルオロプロピル、1,2‐ジブロモエチル、および同等物によって置換される、上記で定義されるアルキルを指す。本明細書に別段の記載がない限り、ハロアルキル基は、任意に置換され得る。
【0026】
本明細書で使用される「置換(された)」という用語は、本明細書に記載される基のうちのいずれか(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、および/またはヘテロアリール)を意味し、少なくとも一つの水素原子は、F、Cl、Br、およびIなどのハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基などの基中の酸素原子、チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基などの基中の硫黄原子、アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミド、およびエナミンなどの基中の窒素原子、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基などの基中のシリコン原子、ならびに様々な他の基中の他のヘテロ原子を含むがこれらに限定されない、非水素原子への結合によって置き換えられる。「置換(された)」はまた、一つ以上の水素原子が、オキソ基、カルボニル基、カルボキシル基、およびエステル基内の酸素、ならびにイミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基内の窒素などであるヘテロ原子への高次の結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置換されている、上記の基のいずれかを意味する。例えば、「置換(された)」は、一つ以上の水素原子が、‐NRgRh、‐NRgC(=O)Rh、‐NRgC(=O)NRgRh、‐NRgC(=O)ORh、‐NRgSO2Rh、‐OC(=O)NRgRh、‐ORg、‐SRg、‐SORg、‐SO2Rg、‐OSO2Rg、‐SO2ORg、=NSO2Rg、および‐SO2NRgRhで置換されている、上記の基のいずれかを含む。「置換(された)」はまた、一つ以上の水素原子が、‐C(=O)Rg、‐C(=O)ORg、‐C(=O)NRgRh、‐CH2SO2Rg、‐CH2SO2NRgRhで置き換えられる、上記の基のうちのいずれかを意味する。前述では、RgおよびRhは、同じ、または異なり、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキルである。「置換(された)」は更に、一つ以上の水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって置き換えられる、上記の基のうちのいずれかを意味する。加えて、前述の置換基の各々はまた、上記の置換基のうちの一つ以上で任意に置換され得る。
【0027】
化合物
一態様では、本開示は、5-HT2A受容体のアゴニストである化合物を提供する。実施形態では、化合物は、5-HT2A受容体の完全アゴニストである。実施形態では、化合物は、5-HT2A受容体の部分アゴニストである。実施形態では、化合物は、5-HT2A受容体に選択的に結合する。実施形態では、本開示の化合物は、式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、および(IV-A)の化合物である。
【0028】
脳の皮質構造および皮質下構造に位置する5-HT2A受容体の活性化は、動物およびヒトの両方における幻覚剤の主観的、行動的、ならびに心理的効果を媒介すると考えられる。齧歯類では、幻覚剤は、5-HT2Cおよび5-HT2Bの両方を含む他の類似のセロトニン受容体を上回る、5-HT2Aの活性化の直接的かつ選択的な結果であることが実証されている「頭部けいれん応答」を引き起こすことが示されている(Halberstadt,A.L.,Behav.Brain Res.277,99-120(2015)、Winter et al.,Pharmacol.Biochem.Behav.87,472-480(2007)、Benneyworth et al.,Psychopharmacology179,854-862(2005)、Titeler et al,Psychopharmacology,94,213-216(1988))。5-HT2A受容体アンタゴニストであるケタンセリンの投与が、DMT、サイロシン、およびLSDによって誘発される主観的効果の大部分を遮断したヒトにおいて、同様の観察が行われている(Preller,Curr.Biol.27,451-457(2017).、Preller,J.Neurosci.38,3603-3611(2018).、Kraehenmann,Front.Pharmacol.8,814(2017).、Kraehenmann,Psychopharmacology 234,2031-2046(2017).、Vollenweider,Neuroreport 9,3897-3902(1998)、Preller,Acad.Sci.USA11 3,5119-5124(2016).、Valle,Eur.Neuropsychopharm 26,1161-1175(2016).)。加えて、サイロシビンによって引き起こされる幻覚効果は、ヒトでは前頭前野皮質(PFC)および他の皮質領域内で陽電子放出断層撮影によって測定される5-HT2A受容体占有率と相関している(Madsen,Neuropsychopharmacology 44,1328-1334(2019).)。5-HT2Aは、ヒトにおける幻覚効果の主な駆動因子であるが、5-HT1Aのような他のセロトニン受容体も、ヒトにおける視覚効果および注意妨害効果の両方を含む、全体的な幻覚体験に寄与する可能性が高い(Pokorny et al.,Eur.Neuropsychopharmacol.26,756-766(2016).、Carter et al.,Neuropsychopharmacology 30,1154-1162(2005).)。
【0029】
様々なアゴニストによる5-HT2A活性化の偏向シグナル伝達の結果は、化合物が幻覚誘発性または非幻覚誘発性であるかどうかに強く影響を及ぼす。例えば、LSDおよびリスリドは両方とも、異なる細胞内シグナル伝達カスケードの活性化をもたらす、わずかに異なる方法で、5-HT2A受容体を活性化する。LSDおよびリスリドは、5-HT2Aの下流で正準Gqベースのシグナル伝達を活性化することが示されているが、LSDのみが、Gi/oサブユニットおよびSRCタンパク質キナーゼを活性化することによって初期成長応答タンパク質(EGR1およびEGR2)の発現を刺激した(Gonzalez-Maeso et al,Neuron 53,439-452(2007))。示差機能選択性が、偏向5-HT2Aアゴニストであることが見出されたいくつかのフェニルアルキルアミン幻覚剤について示されている(Pottie et al,Biochemical pharmacology,182,114251,2020)。25H-NBF、25H-NBMD、25H-NBOH、および25H-NBOMeを含む化合物は、参照幻覚物質LSDと比較して、miniGαqよりもβ-アレスチン2の動員に向けた統計的に有意な選好性を示した。
【0030】
複数のクラスの幻覚剤にわたって引き起こされる示差偏向アゴニズムは、この機能選択性が、より優れた選択性、より少ない副作用、より優れた神経可塑性効果、および改善された治療利益を有する化合物を提供し得るかどうかを識別するために、更なる調査を正当化する。
【0031】
リセルグ酸コンジナーなどのアミノテトラリンの研究は、2-アミノ-5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テラヒドロナフタレンが5-HT受容体で活性を有する一方で、この化合物が、同様の用量でメスカリンまたは2,5-ジメトキシ-4-メチルフェニルイソプロピルアミンと比較してラットにおいて共通の幻覚剤の副作用を誘発しないことを実証した(Nichols et al,1974)。LSD訓練ラットおよびMDMA訓練ラットにおける追加の薬物識別研究は、刺激の一般化が、研究された2-アミノテトラリンのいずれにおいても発生しなかったことを見出し、以前の研究と一致して、テトラリンコンジナーは、幻覚作用がない可能性が高いことを示唆した(Nichols et al,1990)。
【0032】
式(I):
実施形態では、本開示は、式(I)の化合物:
【化9】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
1S(O)NHR
1R
2、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CHまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、ならびに
nは、0、1、2、または3であり、
化合物は、5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、または(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)メタンアミンではない。
【0033】
実施形態では、本開示は、式(I-A)の化合物を提供し:
【化10】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、Xおよびmは、本明細書に提供される定義を有する。
【0034】
実施形態では、本開示は、式(I-B)の化合物を提供し:
【化11】
式中、
R
6、R
7、R
8、およびR
9は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CNであり、またはR
6およびR
7は、それらが結合している原子と一緒になってC
3-C
7炭素環を形成するか、またはR
8およびR
9は、それらが結合している原子と一緒になってC
3-C
7炭素環を形成し、XがNである場合、R
8およびR
9はハロゲンまたはCNではない。
【0035】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R1は独立して、C1-C6アルキルである。
【0036】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R1は、メチルである。
【0037】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはC1-C6アルキルである。
【0038】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、メチルまたはエチルである。
【0039】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0040】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、Hまたはトリフルオロメチルである。
【0041】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、F、Cl、Br、IまたはCNである。
【0042】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、Hまたはハロゲンである。
【0043】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはIである。
【0044】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはOR1である。
【0045】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはSR1である。
【0046】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0047】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、OR1、またはSR1であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0048】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、ハロゲン、シアノ、OR1、またはSR1であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0049】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、ハロゲンである。R2およびR3のうちの少なくとも一つは、水素である、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキル。
【0050】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、ハロゲン、C1-C3アルキル、またはC1-C3ハロアルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0051】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0052】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C3アルキル、またはC1-C3ハロアルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0053】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、またはC1-C6アルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0054】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、またはC1-C3アルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0055】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、-CF3、メチル、またはエチルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0056】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、メチル、またはエチルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0057】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、Hまたはメチルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0058】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、H、メチル、エチルまたはプロピルである。
【0059】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、Hまたはメチルである。
【0060】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、Hまたはメチルである。
【0061】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R4およびR5のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0062】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R4は、Hである。
【0063】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R4は、メチルである。
【0064】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R4は、エチルである。
【0065】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、R5は、Hである。
【0066】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、Xは、CHである。
【0067】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、Xは、Nである。
【0068】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、mは、0である。
【0069】
式(I)、(I-A)または(I-B)の化合物の実施形態では、mは、1である。
【0070】
式(I)の化合物の実施形態では、nは、2である。
【0071】
実施形態では、本開示は、表1から選択される化合物を提供する。
【0072】
実施形態では、本開示は、表1から選択される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【表1】
【0073】
実施形態では、本開示は、表2から選択される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【表2】
【0074】
式(II):
実施形態では、本開示は、式(II)の化合物:
【化12】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、S(O)NHR
1R
2、OR
1またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CHまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、ならびに
nは、0、1、2、または3である、
化合物は、(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メタンアミンではない。
【0075】
実施形態では、本開示は、式(II-A)の化合物を提供し:
【化13】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、Xおよびmは、本明細書に提供される定義を有する。
【0076】
実施形態では、本開示は、式(II-B)の化合物を提供し:
【化14】
式中、
R
6、R
7、R
8、およびR
9は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CNであり、またはR
6およびR
7は、それらが結合している原子と一緒になってC
3-C
7炭素環を形成するか、またはR
8およびR
9は、それらが結合している原子と一緒になってC
3-C
7炭素環を形成し、
XはNであり、R
8およびR
9はハロゲンまたはCNではなく、
【0077】
R2およびR3は、S(O)NHR1R2である。
【0078】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R1は独立して、C1-C6アルキルである。
【0079】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R1は、メチルである。
【0080】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはC1-C6アルキルである。
【0081】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、メチルまたはエチルである。
【0082】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0083】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、Hまたはトリフルオロメチルである。
【0084】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、F、Cl、Br、IまたはCNである。
【0085】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、Hまたはハロゲンである。
【0086】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはIである。
【0087】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはOR1である。
【0088】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、HまたはSR1である。
【0089】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0090】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、OR1、またはSR1であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0091】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、ハロゲン、シアノ、OR1、またはSR1であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0092】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、ハロゲンである。R2およびR3のうちの少なくとも一つは、水素である、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキル。
【0093】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、ハロゲン、C1-C3アルキル、またはC1-C3ハロアルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0094】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0095】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C3アルキル、またはC1-C3ハロアルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0096】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、またはC1-C6アルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0097】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、またはC1-C3アルキルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0098】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、-CF3、メチル、またはエチルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0099】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、メチル、またはエチルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0100】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、Hまたはメチルであり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0101】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、H、メチル、エチルまたはプロピルである。
【0102】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、Hまたはメチルである。
【0103】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R4およびR5のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0104】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R4は、Hである。
【0105】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R4は、メチルである。
【0106】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R4は、エチルである。
【0107】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、R5は、Hである。
【0108】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、Xは、CHである。
【0109】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、Xは、Nである。
【0110】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、mは、0である。
【0111】
式(II)、(II-A)または(II-B)の化合物の実施形態では、mは、1である。
【0112】
式(II)の化合物の実施形態では、nは、2である。
【0113】
実施形態では、本開示は、化合物(3-1):
【化15】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0114】
式(III):
実施形態では、本開示は、式(III)の化合物:
【化16】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、メチルまたはC
2-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、または-S(O)(Y)R
6であり、
Yは、=Oまたは=NHであり、
R
4およびR
5は独立して、HまたはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、ならびに
Xは、CHまたはNであり、
化合物は、5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、6-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、7-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,7,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、または5,6,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンではない。
【0115】
実施形態では、本開示は、式(III-A)の化合物を提供し:
【化17】
式中、R
2およびR
3は、本明細書に提供される定義を有する。
【0116】
式(III)の化合物の実施形態では、R1は、メチルである。
【0117】
式(III)の化合物の実施形態では、R1は、C2-C6フルオロアルキルである。
【0118】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、Hである。
【0119】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、ハロゲンである。
【0120】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、F、Cl、またはIである。
【0121】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、CNである。
【0122】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(Y)R6である。
【0123】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2R6である。
【0124】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C6アルキルである。
【0125】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C3アルキルである。
【0126】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0127】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0128】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2R6であり、R6は、C1-C6アルキルまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0129】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(NH)R6である。
【0130】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C6アルキルである。
【0131】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C3アルキルである。
【0132】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0133】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0134】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、--S(O)(NH)R6であり、R6は、C1-C6アルキルまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0135】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2Hである。
【0136】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(NH)Hである。
【0137】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)2CH3である。
【0138】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2は、-S(O)(NH)CH3である。
【0139】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、Hである。
【0140】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲンである。
【0141】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、F、Cl、またはIである。
【0142】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、CNである。
【0143】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(Y)R6である。
【0144】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2R6である。
【0145】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C6アルキルである。
【0146】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C3アルキルである。
【0147】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0148】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2R6であり、R6は、HまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0149】
式(III)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2R6であり、R6は、C1-C6アルキルまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0150】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)R6である。
【0151】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C6アルキルである。
【0152】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C3アルキルである。
【0153】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0154】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、HまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0155】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)R6であり、R6は、C1-C6アルキルまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0156】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2Hである。
【0157】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)Hである。
【0158】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)2CH3である。
【0159】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R3は、-S(O)(NH)CH3である。
【0160】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は、Hである。
【0161】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR7、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0162】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR7、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0163】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、CN、OR7、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0164】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、ハロゲン、OR7、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0165】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0166】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、またはOR7であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0167】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、ハロゲン、CN、OR7、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0168】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、CN、OR7、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0169】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、OR7、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0170】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0171】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、C1-C6アルキル、ハロゲン、CN、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0172】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、R2およびR3は独立して、H、ハロゲン、または-S(O)(Y)R6であり、R2およびR3のうちの少なくとも一つは、Hである。
【0173】
式(III)の化合物の実施形態では、Xは、CHである。
【0174】
式(III)の化合物の実施形態では、Xは、Nである。
【0175】
式(III)の化合物の実施形態では、R4は、Hである。
【0176】
式(III)の化合物の実施形態では、R5は、Hである。
【0177】
式(II)の化合物の実施形態では、R4およびR5はそれぞれ独立して、Hである。
【0178】
式(III)または(III-A)の化合物の実施形態では、化合物は、以下の化学式を有する。
【化18】
【0179】
式(IV):
実施形態では、本開示は、式(IV)の化合物:
【化19】
またはその薬学的に共用可能な塩を提供し、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
3は、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CHまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、ならびに
nは、0、1、2、または3である。
【0180】
実施形態では、本開示は、式(IV-A)の化合物を提供し:
【化20】
式中、R
1、R
4、R
5、R
6、およびYは、本明細書に提供される定義を有する。
【0181】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、Yは、=Oである。
【0182】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、Yは、=NHである。
【0183】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は、C1-C6アルキルである。
【0184】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は、C1-C3アルキルである。
【0185】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は、メチルである。
【0186】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は、Hである。
【0187】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は、C1-C6フルオロアルキルである。
【0188】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は独立して、C1-C6アルキルまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0189】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は独立して、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0190】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は独立して、HまたはC1-C6アルキルである。
【0191】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は独立して、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0192】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は独立して、HまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0193】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は独立して、HまたはC1-C3アルキルである。
【0194】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R1は独立して、Hまたはメチルである。
【0195】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、Hである。
【0196】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲンである。
【0197】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、I、Br、Cl、またはFである。
【0198】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR7、またはSR1である。
【0199】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、H、C1-C6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR7、またはSR1である。
【0200】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、H、C1-C6アルキル、ハロゲン、CN、OR7、またはSR1である。
【0201】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、CN、OR7、またはSR1である。
【0202】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、OR7、またはSR1である。
【0203】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、CN、またはSR1である。
【0204】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、C1-C6アルキル、C1-C6フルオロアルキル、またはCNである。
【0205】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、H、メチル、ハロゲン、またはCNである。
【0206】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、またはCNである。
【0207】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、H、メチル、またはハロゲンである。
【0208】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、Hまたはメチルである。
【0209】
式(IV)の化合物の実施形態では、R3は、Hまたはハロゲンである。
【0210】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、H、メチル、エチルまたはプロピルである。
【0211】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、Hまたはメチルである。
【0212】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R4およびR5は独立して、Hまたはメチルである。
【0213】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、C1-C6アルキルまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0214】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、C1-C3アルキルまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0215】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、HまたはC1-C6アルキルである。
【0216】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、HまたはC1-C6フルオロアルキルである。
【0217】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、HまたはC1-C3アルキルである。
【0218】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、HまたはC1-C3フルオロアルキルである。
【0219】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、C1-C6アルキルである。
【0220】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、C1-C6フルオロアルキルである。
【0221】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、C1-C3アルキルである。
【0222】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、C1-C3フルオロアルキルである。
【0223】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、R6は、Hである。
【0224】
式(IV)の化合物の実施形態では、Xは、CHである。
【0225】
式(IV)の化合物の実施形態では、Xは、Nである。
【0226】
式(IV)の化合物の実施形態では、mは、0である。
【0227】
式(IV)の化合物の実施形態では、mは、1である。
【0228】
式(IV)の化合物の実施形態では、mは、2である。
【0229】
式(IV)の化合物の実施形態では、mは、3である。
【0230】
式(IV)の化合物の実施形態では、nは、0である。
【0231】
式(IV)の化合物の実施形態では、nは、1である。
【0232】
式(IV)の化合物の実施形態では、nは、2である。
【0233】
式(IV)の化合物の実施形態では、nは、3である。
【0234】
式(IV)または(IV-A)の化合物の実施形態では、化合物は、以下の化学式を有する。
【化21】
【0235】
実施形態では、本開示は、以下の式の化合物を提供する。
【化22】
【0236】
組成物
本開示の実施形態では、本開示は、治療有効量の本開示の一つ以上の化合物(例えば、式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、(IV-A)、(3-1)、表1、または表2の化合物)、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0237】
薬学的に許容可能な賦形剤およびアジュバントは、様々な目的のために組成物または製剤に添加される。実施形態では、本明細書に開示される一つ以上の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。実施形態では、薬学的に許容可能な担体は、薬学的に許容可能な賦形剤、結合剤、および/または希釈剤を含む。実施形態では、好適な薬学的に許容可能な担体には、不活性固体充填剤または希釈剤、および無菌水溶液または有機溶液が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、好適な薬学的に許容可能な賦形剤には、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0238】
本開示の目的のために、本開示の化合物は、薬学的に許容可能な担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する製剤として、経口的、非経口的、吸入スプレーによる、局所的、または直腸的を含む様々な手段による投与のために製剤化され得る。本明細書で使用される場合、非経口という用語は、様々な注入技術を用いた皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、および動脈内注射を含む。本明細書で使用される場合の動脈内および静脈内注射は、カテーテルを通した投与を含む。
【0239】
治療方法
一態様では、本開示の化合物は、セロトニン受容体、例えば、5-HT2A受容体を調節するために、それを必要とする患者に投与される。実施形態では、本開示は、治療有効量の本開示の化合物(例えば、式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、(IV-A)(3-1)、表1または表2の化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、セロトニン受容体活性を調節する方法を提供する。実施形態では、調節することは、セロトニン受容体、例えば、5-HT2A受容体を活性化すること、または作動させることである。実施形態では、対象は、ヒトである。
【0240】
実施形態では、本開示は、セロトニン受容体アゴニスト、例えば、5-HT2A受容体アゴニストの投与によって治療可能である疾患または障害を治療する方法を提供する。実施形態では、アゴニストは、5-HT2A受容体の部分アゴニストである。実施形態では、アゴニストは、5-HT2A受容体の完全アゴニストである。
【0241】
実施形態では、本開示は、精神衛生疾患または障害を治療する方法を提供し、本方法は、治療有効量の本開示の化合物(例えば、式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、(IV-A)(3-1)、表1または表2の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩)を投与することを含む。
【0242】
実施形態では、本開示は、精神衛生疾患または障害を治療する方法を提供し、本方法は、本開示の化合物(例えば、式(I)、(I-A)、(I-B)、(II)、(II-A)、(II-B)、(III)、(III-A)、(IV)、(IV-A)(3-1)、表1または表2の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩)およびその薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物投与することを含む。
【0243】
実施形態では、精神衛生疾患または障害は、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、物質使用障害および摂食障害からなる群から選択される。実施形態では、摂食障害には、神経性食欲不振、神経性過食症、および摂食に関連する他の障害(例えば、過食)などの疾患が含まれる。
【0244】
実施形態では、精神衛生疾患または障害は、摂食障害である。
【0245】
実施形態では、精神衛生疾患または障害は、強迫性障害、不安障害、ストレス障害、および反すう症からなる群から選択される。
【0246】
実施形態では、精神衛生疾患または障害は、気分障害である。実施形態では、気分障害には、例えば大うつ病性障害または治療抵抗性うつ病などのうつ病性障害が含まれる。
【0247】
実施形態では、精神衛生障害は、物質乱用障害である。実施形態では、物質使用関連障害は、物質使用の不適応パターンの障害であり、例えば再発性の物質使用関連問題、物質に対する耐性、使用中止時の離脱症状、物質の使用を削減または制御できないこと、および物質の使用を原因とした重要な社会的、職業的または娯楽的な活動の放棄などの基準を含む。例えば、精神障害の診断および統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)(DSM-5)を参照されたい。実施形態では、物質使用関連障害は、アルコール、カフェイン、大麻、幻覚薬(フェンシクリジンまたは同様に作用するアリールシクロヘキシルアミン、およびLSDなどの他の幻覚薬など)、吸入剤、オピオイド、鎮静剤、催眠剤、または抗不安剤、覚醒剤(アンフェタミン型物質、コカイン、および他の覚醒剤を含む)、タバコ、および他の物質の使用の結果生じる障害である。
【0248】
本開示の番号付けされた実施形態
上記の開示、以下の実施例、および添付の特許請求の範囲に加えて、本開示は、以下の番号付けした実施形態を記載する。
【0249】
式(I)および(II)の化合物に関する実施形態が以下に提供される。
1.式(I)の化学式:
【化23】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
1、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、
nは、0、1、2、または3であり、
化合物は、5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、または(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)メタンアミンではない、化合物。
2.R
1は、C
1-C
6アルキルである、実施形態1に記載の化合物。
3.R
1は、メチルである、実施形態1~2のいずれか一つに記載の化合物。
4.R
2およびR
3は独立して、HまたはC
1-C
6アルキルである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
5.R
2およびR
3は独立して、H、メチルまたはエチルである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
6.R
2およびR
3は独立して、HまたはC
1-C
6フルオロアルキルである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
7.R
2およびR
3は独立して、Hまたはトリフルオロメチルである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
8.R
2およびR
3は独立して、H、F、Cl、Br、IまたはCNである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
9.R
2およびR
3は独立して、Hまたはハロゲンである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
10.R
2およびR
3は独立して、HまたはIである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
11.R
4およびR
5は独立して、H、メチル、エチルまたはプロピルである、実施形態1~10のいずれか一つに記載の化合物。
12.R
4およびR
5は独立して、Hまたはメチルである、実施形態1~10のいずれか一つに記載の化合物。
13.R
4は、Hである、実施形態1~10のいずれか一つに記載の化合物。
14.R
4は、メチルである、実施形態1~10のいずれか一つに記載の化合物。
15.R
4は、エチルである、実施形態1~10のいずれか一つに記載の化合物。
16.R
5は、Hである、実施形態1~15のいずれか一つに記載の化合物。
17.Xは、CHである、実施形態1~16のいずれか一つに記載の化合物。
18.Xは、Nである、実施形態1~16のいずれか一つに記載の化合物。
19.mは、0である、実施形態1~18のいずれか一つに記載の化合物。
20.mは、1である、実施形態1~18のいずれか一つに記載の化合物。
21.nは、2である、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物。
22.以下の化学式:
【化24】
またはその薬学的に許容可能な塩を有する、実施形態1に記載の化合物。
23.式(II)の化合物:
【化25】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
1S(O)NHR
1R
2、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、
nは、0、1、2、または3であり、
化合物は、(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メタンアミンではない、化合物。
24.R
1は独立して、C
1-C
6アルキルである、実施形態23に記載の化合物。
25.R
1は、メチルである、実施形態23に記載の化合物。
26.R
2およびR
3は独立して、HまたはC
1-C
6アルキルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
27.R
2およびR
3は独立して、H、メチルまたはエチルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
28.R
2およびR
3は独立して、HまたはC
1-C
6フルオロアルキルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
29.R
2およびR
3は独立して、Hまたはトリフルオロメチルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
30.R
2およびR
3は独立して、H、F、Cl、Br、IまたはCNである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
31.R
2およびR
3は独立して、Hまたはハロゲンである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
32.R
2およびR
3は独立して、HまたはIである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
33.R
4およびR
5は独立して、H、メチル、エチルまたはプロピルである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
34.R
4およびR
5は独立して、Hまたはメチルである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
35.R
4は、Hである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
36.R
4は、メチルである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
37.R
4は、エチルである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
38.R
5は、Hである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
39.Xは、CHである、実施形態23~38のいずれか一つに記載の化合物。
40.Xは、Nである、実施形態23~38のいずれか一つに記載の化合物。
41.mは、0である、実施形態23~38のいずれか一つに記載の化合物。
42.mは、1である、実施形態23~38のいずれか一つに記載の化合物。
43.nは、2である、実施形態23~42のいずれか一つに記載の化合物。
44.実施形態1~43のいずれか一つに記載の化合物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
45.精神衛生疾患または障害を治療する方法であって、方法は、治療有効量の実施形態1~43のいずれか一つに記載の化合物または実施形態44に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
46.精神衛生疾患または障害は、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、物質使用障害および摂食障害からなる群から選択される、実施形態45に記載の方法。
47.精神衛生疾患または障害は、強迫性障害、不安障害、ストレス障害、および反すう症からなる群から選択される、実施形態45に記載の方法。
【0250】
式(III)および(IV)の化合物に関する実施形態が以下に提供される。
1.式(III)の化合物:
【化26】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1は独立して、メチルまたはC
2-C
6フルオロアルキルであり、
R
2およびR
3は独立して、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、または-S(O)(Y)R
6であり、
Yは、=Oまたは=NHであり、
R
4およびR
5は独立して、HまたはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、ならびに
Xは、CHまたはNであり、
化合物は、5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、6-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、7-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、5,7,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン、または5,6,8-トリメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンではない、化合物。
2.R
1は、メチルである、実施形態1に記載の化合物。
3.R
1は、C
2-C
6フルオロアルキルである、実施形態1に記載の化合物。
4.R
2は、Hである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
5.R
2は、ハロゲンである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
6.R
2は、F、Cl、またはIである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
7.R
2は、CNである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
8.R
2は、-S(O)
2R
6である、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
9.R
2は、-S(O)(NH)R
6である、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物。
10.R
3は、Hである、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物。
11.R
3は、ハロゲンである、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物。
12.R
3は、F、Cl、またはIである、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物。
13.R
3は、CNである、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物。
14.R
3は、-S(O)
2R
6である、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物。
15.R
3は、-S(O)(NH)R
6である、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物。
16.R
2およびR
3は、Hである、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物。
17.Xは、CHである、実施形態1~16のいずれか一つに記載の化合物。
18.Xは、Nである、実施形態1~16のいずれか一つに記載の化合物。
19.R
4は、Hである、実施形態1~18のいずれか一つに記載の化合物。
20.R
5は、Hである、実施形態1~19のいずれか一つに記載の化合物。
21.R
4およびR
5はそれぞれ独立して、Hである、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物。
22.以下の化学式を有する、実施形態1~21のいずれか一つに記載の化合物。
【化27】
23.式(IV)の化合物:
【化28】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R1は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
3は、H、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6フルオロアルキル、ハロゲン、CN、OR
7、またはSR
1であり、
R
4およびR
5は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
R
6およびR
7は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6フルオロアルキルであり、
Xは、CHまたはNであり、
mは、0、1、2、または3であり、ならびに
nは、0、1、2、または3である、化合物。
24.Yは、=Oである、実施形態23に記載の化合物。
25.Yは、=NHである、実施形態23に記載の化合物。
26.R
1は、C
1-C
6アルキルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
27.R
1は、C
1-C
3アルキルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
28.R
1は、メチルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
29.R
1は、Hである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
30.R
1は、C
1-C
6フルオロアルキルである、実施形態23~25のいずれか一つに記載の化合物。
31.R
3は、Hである、実施形態23~30のいずれか一つに記載の化合物。
32.R
3は、ハロゲンである、実施形態23~30のいずれか一つに記載の化合物。
33.R
4は、Hである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
34.R
4は、C
1-C
6アルキルである、実施形態23~32のいずれか一つに記載の化合物。
35.R
5は、Hである、実施形態23~34のいずれか一つに記載の化合物。
36.R
5は、C
1-C
6アルキルである、実施形態23~34のいずれか一つに記載の化合物。
37.R
4およびR
5は、Hである、実施形態23~34のいずれか一つに記載の化合物。
38.Xは、CHである、実施形態23~37のいずれか一つに記載の化合物。
39.Xは、Nである、実施形態23~37のいずれか一つに記載の化合物。
40.mは、0である、実施形態23~40のいずれか一つに記載の化合物。
41.mは、1である、実施形態23~40のいずれか一つに記載の化合物。
42.nは、1である、実施形態23~41のいずれか一つに記載の化合物。
43.nは、2である、実施形態23~41のいずれか一つに記載の化合物。
44.R
6は、Hである、実施形態23~43のいずれか一つに記載の化合物。
45.R
6は、C
1-C
6アルキルである、実施形態23~43のいずれか一つに記載の化合物。
46.R
6は、C
1-C
3アルキルである、実施形態23~43のいずれか一つに記載の化合物。
47.以下から選択される化合物。
【化29】
48.実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
49.精神衛生疾患または障害を治療する方法であって、方法は、治療有効量の実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物または実施形態48に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
50.精神衛生疾患または障害は、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、物質使用障害および摂食障害からなる群から選択される、実施形態49に記載の方法。
51.精神衛生疾患または障害は、強迫性障害、不安障害、ストレス障害、および反すう症からなる群から選択される、実施形態49に記載の方法。
【実施例】
【0251】
略語
dppf:1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
【0252】
dba:ジベンジリデンアセトンまたはジベンザルアセトン
【0253】
本開示の化合物を調製する一般的な方法
以下のスキームは、本開示の化合物を調製するための方法を提供する。
【0254】
別段の注記がない限り、全ての材料/試薬は、商業的供給業者から入手され、更に精製することなく使用された。反応物を、LC-MSおよび/またはアルミニウムホイルで予め被覆された、もしくはガラスで裏打ちされたシリカゲル60 F254(0.2mm)上の薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視し、紫外線を使用して可視化した。1HNMR(400MHz)スペクトルを、内部標準としてTMSまたは残留溶媒ピークを用いてRTでBroker分光計上で記録した。化学シフトは、(δ)で求められ、結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)の絶対値として求められる。1HNMRスペクトルの多重度は、以下のように省略される:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、brまたはbroad(幅広)。分取HPLC精製をShimadzu LC-6AD上で実施した。Shim-pack PREP-DDS(H)KITカラムを使用して、全ての精製作業を完了した。移動相は、水(0.1%HCO2Hを含む)およびアセトニトリルであり、使用された全ての試薬は、HPLCグレードであった。流量は、10ml/分であった。LC-MS分析を、LC-20ADまたは30ADポンプ、SPD-M20A PDAおよびAlltech 3300 ELSDを装備したShimadzu LCMS-2020上で実施した、移動相:A:水(0.1%ギ酸)、B:ACN;5分の泳動;カラム:Sepax BR-C18 4.6×50mm、3um;流量:1.0ml/分;オーブン温度:40℃;勾配:0.2分間で20%のB、1.8分以内に70%のBまでの増加、2.8分間で70%のB、0.2分以内に20%のBに戻る、2分間で20%のBであった)。分取TLCを、1000μmまたは同等物の厚さを有するWhatman LK6F Silica Gel 60A 20×20cmサイズプレート上で実施した。
【0255】
実施例1:6-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン/7-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンの調製
【化30】
MeOH(8mL)中の5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン(100mg、0.41mmol、1.0当量)、Ag
2SO
4(192mg、0.615mmol、1.5当量)の撹拌溶液に、I
2(157mg、0.615mmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物をRTで一晩撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLCによって精製して、標題化合物を得、これをTFA塩(40mg、25%)に変換して褐色固体とした。LCMS:(ES
+):m/z 334.0[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.08(s,3H),7.16(s,1H),3.76(dd,J=4.4Hz,3H),3.63(dd,J=2Hz 2H),3.18(m,1H),2.95(m,1H),2.75(m,1H),2.65(m,1H),2.05(m,1H),1.65(m,1H)。
【0256】
実施例2:5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン(1-2)の調製
【化31】
ステップ1:2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-メチルベンズアルデヒドの調製
ACN(25mL)中の4-メトキシ-2-メチルフェノール(4.6g、33.3mmol、1.0当量)、MgCl
2(5.0g、50.0mmol、1.5当量)、(CH
2O)
n(3.3g、110.0mmol、3.2当量)、およびTEA(5.0g、50.0mmol、1.5当量)の溶液を、85℃で2~3時間撹拌した。反応混合物をRTに冷却し、氷水(200mL)中に注いで、得られた混合物を塩酸(4N)でpH=3に調整し、EAで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EA=95:5)によって精製して、黄色の固体として標題化合物(5.0g、80%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl
3)ppm 10.94(s,1H),9.84(s,1H),7.02-7.03(d,J=3.2Hz,1H),6.83-6.84(d,J=3.2,1H),3.80(s,3H),2.26(s,3H)。
【0257】
ステップ2:2,5-ジメトキシ-3-メチルベンズアルデヒドの調製
DMF(20mL)中の2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-メチルベンズアルデヒド(5.0g、30.0mmol、1.0当量)、CH3I(8.5g、60.0mmol、2.0当量)、およびK2CO3(10.0g)の溶液を、RTで一晩撹拌した。TLCを、出発物質が消費されるまで監視した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、MTBE(50mL×3)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EA=95:5)によって精製して、黄色の固体として標題生成物EGX-9-1-2(5.2g、90%)を得た。1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3)ppm 10.35(s,1H),7.14-7.15(d,J=3.2Hz,1H),7.01-7.02(d,J=3.2,1H),3.84(s,3H),3.80(s,3H),2.31(s,3H)。
【0258】
ステップ3:(E)-4-(2,5-ジメトキシ-3-メチルフェニル)ブタ-3-エン酸の調製
THF(40mL)中の2,5-ジメトキシ-3-メチルベンズアルデヒド(2.4g、13.3mmol)の溶液に、(2-カルボキシエチル)トリフェニルホスホニウム(8.3g、20mmol、1.5当量)およびTHF中のt-BuOK溶液(40mL、40mmol、3当量)を0℃で添加した。反応混合物をRTで一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、水酸化ナトリウムで塩基性化し、EtOAc(50mL)で抽出した。水相を塩酸水溶液でpH=2に調整し、DCM(30mL×3)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物(4.48g)を得て、更に精製することなく次のステップで使用した。
【0259】
ステップ4:4-(2,5-ジメトキシ-3-メチルフェニル)ブタン酸の調製
MeOH(20mL)中の(E)-4-(2,5-ジメトキシ-3-メチルフェニル)ブタ-3-エン酸(4.48g、13.2mmol)の溶液に、Pd/C(250mg)をRTで添加し、反応混合物を一晩撹拌した。懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得て、これを更に精製することなく次のステップで使用した(3.88g、100%)。
【0260】
ステップ5:5,8-ジメトキシ-6-メチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンの調製
TFA(10mL)中の4-(2,5-ジメトキシ-3-メチルフェニル)ブタン酸(3.88g、13.3mmol)の溶液に、TFAA(8.5mL、66.6mmol、5当量)をRTで添加し、反応混合物を一晩撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=5:1)によって精製して、無色の油として標題化合物を得た(1.2g、56%)。
【0261】
ステップ6:(E)-2-(ヒドロキシイミノ)-5,8-ジメトキシ-6-メチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンの調製
t-BuOH/Et2O(10mL/10mL)中の5,8-ジメトキシ-6-メチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1.2g、5.45mmol)の溶液に、t-BuOK(911mg、8.12mmol、1.5当量)および亜硝酸tert-ブチル(843mg、8.12mmol、1.5当量)をRTで添加し、反応混合物を一晩攪拌した。反応物を水(25mL)でクエンチし、塩酸水溶液でpH=2に調整し、DCM(30mL×3)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)によって精製して、黄色の固体として標題化合物を得た(700mg、51%)。
【0262】
ステップ7:N-(5,8-ジメトキシ-6-メチル-1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アセトアミドの調製
AcOH(6mL)中の(E)-2-(ヒドロキシイミノ)-5,8-ジメトキシ-6-メチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(500mg、2.27mmol、1.3当量)の溶液に、Zn(445mg、6.81mmol、3当量)およびAc2O(4mL)をN2下にてRTで添加し、反応混合物を一晩攪拌した。懸濁液を濾過し、濾液を水で希釈し、水酸化ナトリウム(水中4M)でpH=8に調整し、EtOAcで抽出した。抽出物を、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)によって精製して、無色の油として標題化合物を得た(180mg、40%)。
【0263】
ステップ8:N-(1-ヒドロキシ-5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アセトアミドの調製
MeOH(10mL)中のN-(5,8-ジメトキシ-6-メチル-1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アセトアミド(184mg、0.664mmol)の溶液に、NaBH4(76g、2.0mmol、3当量)を0℃で添加した。反応混合物をRTで一晩撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これを更に精製することなく次のステップで使用した(203mg、100%)。
【0264】
ステップ9:2-アミノ-5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-オールの調製
H2O(5mL)中のN-(1-ヒドロキシ-5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アセトアミド(158mg、0.565mmol)の溶液に、濃縮塩酸(水中12M、0.8mL)をRTで添加した。反応混合物を還流で2時間撹拌し、室温まで冷却し、水酸化ナトリウム(水中4M)でpH=8に調整した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層を、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これを更に精製することなく次のステップで使用した(143mg、56%)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ6.74(s,1H),5.03(dd,J=3.7,1.3Hz,1H),3.85(s,3H),3.69(s,3H),3.38-3.34(m,1H),3.16-3.10(m,1H),2.76-2.67(m,1H),2.30(s,3H),2.14-2.04(m,1H),1.99-1.92(m,1H).
【0265】
ステップ10:5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンの調製
TFA(6mL)中の2-アミノ-5,8-ジメトキシ-6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-オール(80mg、0.33mmol)の溶液に、Et3SiH(206mg、1.65mmol、5当量)をRTで添加し、反応混合物を撹拌した。反応物を水(25mL)で希釈し、水酸化ナトリウム(水中4M)でpH=10に調整した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層を、水、ブライン(各25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)によって精製して、無色の油として標題化合物を得た(64mg、86%)。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ6.65(s,1H),3.80(s,3H),3.69(s,3H),3.50(m,1H),3.19(dd,J=17.2Hz,6.0Hz,1H),3.06(dt,J=17.5,4.8Hz,1H),2.81(m,1H),2.53(dd,J=16.8,9.8Hz,1H),2.28(s,3H),2.25-2.14(m,1H),1.90-1.65(m,1H)。
【0266】
実施例3:5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン塩酸塩(1-3)の調製
【化32】
MeOH(20mL)中のN-ベンジル-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン(3.92mg、13.2mmol)の溶液にPd(OH)
2/C(400mg)をRTで添加し、得られた混合物を一晩撹拌した。懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得、これをMTBE(5mL)中に溶解させ、ジオキサン中の4M HCl(5mL、19.8mmol、1.5当量)でRTで処理した。結果として生じる混合物を室温で2時間撹拌した。懸濁液を濾過して、白色の固体として標題化合物を得た(2.25g、78%)。LCMS:(ES-):m/z 208.3[M+H]
+。
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ8.31(s,2H),6.75(s,2H),3.73(s,3H),3.71(s,3H),3.14-3.01(m,1H),2.90-2.80(m,1H),2.55-2.44(m,1H),2.18-2.04(m,1H),1.66(qd,J=11.7,5.5Hz,1H)。
【0267】
実施例4:5,8-ジメトキシ-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン塩酸塩(1-4)の調製
【化33】
MeOH(5mL)中のN-(3-クロロ-5-メチルベンジル)-5,8-ジメトキシ-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-2-アミン(100mg、0.322mmol、1.0当量)およびPd(OH)
2(10mg、10%)の懸濁液を、H
2下でRTで一晩攪拌した。反応が完了するまで、反応をTLCによって監視した。Pd(OH)
2を濾過し、濾過ケーキをMeOHで二回洗浄した。組み合わせた有機層を、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=15:1勾配で溶出)によって精製して、標題化合物を遊離塩基(30mg、42%)として得て、これをジオキサン中のHClで処理した後、HCl塩(35mg、42%)に白色の固体として変換した。LCMS:m/z 222.35[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.03(s,2H),6.76(s,2H),3.74(s,3H),3.72(s,3H),3.12(dd,J=17.3,5.1Hz,1H),2.92-2.81(m,1H),2.61(s,3H),2.55(d,J=10.8Hz,1H),2.52(d,J=1.9Hz,1H),2.44(s,1H),2.26-2.16(m,1H),1.65(qd,J=11.6,5.5Hz,1H)。
【0268】
実施例5:6-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン/7-ブロモ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンの調製
【化34】
DCM(5mL)中の5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン臭化水素酸塩(200mg、1.735mmol、1当量)の溶液に、NBS(386mg、2.17mmol、1.25当量)をRTで添加し、得られた混合物を一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、EA(50ml×3)で抽出した。組み合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)によって精製して、無色の油として標題化合物を得た(46mg、23%)。LCMS:1.867分、m/z287.90[M+H]
+1H NMR(400MHz,メタノール-d
4)δ7.00(s,1H),3.82-3.72(m,6H),3.55-3.45(m,1H),3.29-3.02(m,1H),2.96-2.76(m,1H),2.76-2.44(m,2H),2.25-2.15(m,1H),1.85-1.71(m,1H)。
【0269】
実施例6:6-クロロ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン/7-クロロ-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミンの調製
【化35】
DCM(5mL)中の5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン塩酸塩(200mg、0.82mmol、1当量)の溶液に、NCS(132mg、0.985mmol、1.2当量)をRTで添加し、得られた混合物を一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、EA(50mL×3)で抽出した。組み合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)によって精製して、無色の油として標題化合物を得た(41mg、20%)。LCMS:1.952分、m/z241.50[M+H]
+1H NMR(400MHz,メタノール-d
4)δ6.85(s,1H),3.85-3.69(m,6H),3.59-3.44(m,1H),3.28-3.02(m,1H),2.99-2.75(m,1H),2.76-2.46(m,2H),2.26-2.15(m,1H),1.86-1.70(m,1H)。
【0270】
実施例7:6-アミノ-1,4-ジメトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニトリル/6-アミノ-1,4-ジメトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-3-カルボニトリル(2-6)の調製
【化36】
ステップ1:2-(6-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)イソインドリン-1,3-ジオン/2-(7-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)イソインドリン-1,3-ジオンの調製
20mLのトルエン中の6-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン/7-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-アミン(400mg、1.20mmol、1当量)、イソベンゾフラン-1,3-ジオン(220mg、1.44mmol、1.2当量)およびEt
3N(266mg、2.6mmol、2.2当量)の溶液を、N
2下で110℃まで16時間加熱した。反応混合物を水で洗浄し、EAで抽出した。有機相を減圧下で収集および濃縮して、粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:EA=3:1で溶出)によって精製して、標題化合物を得た(380mg、68%)。
1H NMR(400MHz,Solvent:CDCl
3)ppm 7.90-7.80(m,2H),7.77-7.69(m,2H),7.04(d,J=4.7Hz,1H),4.55-4.42(m,1H),3.75(dd,J=18.1,15.6Hz,6H),3.44(dd,J=16.3,11.7Hz,1H),3.25-3.16(m,1H),3.12-2.91(m,2H),2.79(dd,J=20.6,8.7Hz,1H),2.62(dd,J=13.4,5.5Hz,2H),2.01(d,J=5.5Hz,1H)。
【0271】
ステップ2:6-アミノ-1,4-ジメトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニトリル/6-アミノ-1,4-ジメトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-3-カルボニトリルの調製
DMF中の2-(6-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)イソインドリン-1,3-ジオン/2-(7-ヨード-5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(380mg、0.82mmol、1当量)の溶液に、CuCN(90mg、1mmol、1.2当量)を添加し、反応物をN2下で150℃に16時間加熱した。反応混合物を水で洗浄し、DCMで抽出した。有機相を減圧下で収集および濃縮して、粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:EA=1:1で溶出)によって精製して、標題化合物を得た(200mg、67%)。
【0272】
ステップ3:6-アミノ-1,4-ジメトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニトリル/6-アミノ-1,4-ジメトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-3-カルボニトリル
EtOH(2mL)中の6-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-1,4-ジメトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2/3-カルボニトリル(200mg、0.8mmol、1当量)およびヒドラジン(200mg、2mmol、2.5当量)の溶液を、N2下で80℃まで15分間加熱した。反応混合物を水で洗浄し、DCMによって抽出した。有機相を減圧下で収集および濃縮して、粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1で溶出)によって精製して、標題化合物を得た(100mg、50%)。
【0273】
実施例8:(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メタンアミン(3-1)の合成
【化37】
ステップ1:中間体1-8-2:5,8-ジメトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1-イル トリフルオロメタンスルホネートの合成
DCM(20mL)中の5,8-ジメトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1.0g、4.8mmol、1.0当量)および2,6-ジメチルピリジン(778g、7.2mmol、1.5当量)の懸濁液を、0℃で30分間撹拌した。Tf
2O(1.1g、7.2mmol、1.5当量)を混合物にゆっくりと加えた。得られた混合物をRTで一晩撹拌した。有機相を、減圧下で濃縮して、粗残渣を得て、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EA=10:1勾配で溶出)により精製して、油として標題化合物EGX-19-3-1(1.0mg、61%)を得た。
【0274】
ステップ2:中間体1-8-3:5,8-ジメトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1-カルボニトリルの合成
DMF(8mL)中の5,8-ジメトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1-イルトリフルオロメタン-スルホネート(500mg、1.47mmol、1.0当量)、Zn(CN)2(190mg、1.62mmol、1.1当量)およびPd(PPh3)4(84mg、0.07mmol、0.05当量)の懸濁液を、75℃に一晩加熱した。有機相を、減圧下で濃縮して、粗残渣を得て、これをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EA=15:1勾配で溶出)により精製して、標題化合物EGX-19-3-2(100mg、32%)を得た。
【0275】
ステップ3:中間体1-8-4:tert-ブチル((5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メチル)カルバメートの合成
EtOH(10mL)中の5,8-ジメトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1-カルボニトリル(70mg、0.32mmol、1.0当量)、TEA(98.5mg、0.97mmol、3当量)、(Boc)2O(212mg、0.97mmol、3当量)およびPd/C(10mg)の懸濁液を、H2下でRTで一晩撹拌した。反応混合物を濾過した。有機相を、減圧下で濃縮して、粗残渣を得て、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EA=50:1勾配で溶出)により精製して、白色固体として標題化合物EGX-19-3-3(90mg、87%)を得た。
【0276】
ステップ4:最終生成物3-1:(5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メタンアミン塩酸塩の合成
EA(10mL)中のtert-ブチル((5,8-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メチル)カルバメート(90mg、0.28mmol、1.0当量)の懸濁液をRTで撹拌し、HCl/ジオキサン(0.5mL)を溶液に添加した。反応が完了するまで、反応をTLCによって監視した。溶媒を減圧下で濃縮して、白色の固体として標題化合物EGX-19-6(60mg、83%)を得た。
【0277】
LCMS:0.941分、m/z 222.30[M+H]+、1H NMR(400 MHz,MeOD)δ6.77(s,2H),3.82(s,3H),3.75(s,3H),3.33-3.31(m,1H),3.19-3.15(m,1H),2.98-2.92(m,1H),2.91(m,1H),2.48-2.38(m,1H),1.99(m,1H),1.88-1.85(m,2H)。
【0278】
実施例9:GPCRアレスチンアッセイ
アレスチン経路(DiscoverX Eurofinsによって実施される)
PathHunter(登録商標)β-アレスチンアッセイは、機能レポーターとしてβ-ガラクトシダーゼ(β-Gal)を用いた酵素断片相補(EFC)と呼ばれるDiscoverXによって開発された技術を使用して、均質な非撮像アッセイ形式でGPCRの活性化を監視する。酵素は、細胞において融合タンパク質として発現される二つの不活性相補部分(酵素アクセプターのEAおよびProLinkのPK)に分割される。EAは、β-アレスチンに融合され、PKは、目的のGPCRに融合される。GPCRが活性化され、β-アレスチンが受容体に動員されると、EDおよびEA相補が生じ、化学発光PathHunter(登録商標)検出試薬を使用して測定されるβ-Gal活性を回復させる。
【0279】
PathHunter細胞株(DiscoveRx Eurofins)を、標準手順に従って冷凍庫ストックから増殖させた。ヒト5-HT2A受容体媒介GPCRβ-アルレチン活性を、安定的にトランスフェクトされたヒト由来U2OS細胞中で評価した。細胞を、20μLの総体積で白色壁の384ウェルマイクロプレートに播種し、試験前に一晩37℃でインキュベートした。
【0280】
アゴニスト決定のために、細胞を試料とインキュベートして、応答を誘発した。試料ストックの中間希釈を実施して、アッセイ緩衝液中で5X試料を生成した。5μLの5X試料を細胞に添加し、37℃または室温で120分間インキュベートした。ビヒクル濃度は1%であった。
【0281】
12.5または15μL(50%v/v)のPathHunter検出試薬カクテルの単回添加、続いて、室温での1時間のインキュベーションを通して、β-アレスチンアッセイシグナルを生成した。化学発光シグナル検出用のPerkinElmer Envision(商標)機器を用いて、シグナル生成後にマイクロプレートを読み取った。
【0282】
CBISデータ分析スイート(ChemInnovation、CA)を使用して、化合物活性を分析した。アゴニストモードアッセイについて、以下の式を使用して活性割合を計算した:
活性%=100%×(試験試料の平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)/(平均最大対照リガンド-ビヒクル対照の平均RLU)。
【0283】
これらの研究では、1mMセロトニンを使用して、最大対照リガンド応答を生成した。
【0284】
カルシウム動員アッセイ法(DiscoveRx Eurofinsによって実施される)
カルシウムNo-WashPLUSアッセイは、生細胞の非撮像アッセイ形式でGq二次メッセンジャーシグナル伝達を介してGPCRの活性化を監視する。細胞に装填されるカルシウム感受性色素を使用して、PathHunter(登録商標)細胞株、またはGq結合GPCRを安定的に発現する他の細胞株におけるカルシウム動員が監視される。化合物によるGPCR活性化は、細胞内貯蔵からのカルシウムの放出、およびリアルタイムで測定される染料蛍光の増加をもたらす。
【0285】
目的のGPCRを発現する細胞株を、標準手順に従って冷凍庫ストックから増殖させた。ヒト5-HT2A、5-HT2B、または5-HT2C受容体媒介カルシウム動員を、安定的にトランスフェクトされたヒト由来U2OS(5-HT2Aまたは5-HT2B)またはHEK(5-HT2B)細胞で評価した。細胞を、20μLの総体積で、黒壁で透明底のポリ-D-リジンで被覆された384ウェルマイクロプレートに播種し、試験前に一晩37℃でインキュベートした。
【0286】
HBSS/20mM Hepes中の1x染料、1x添加剤A、および2.5mMプロベネシドからなる1x染料ローディング緩衝液中でアッセイを実施した。プロベネシドを新たに調製した。試験前に細胞に染料を装填した。培地を細胞から吸引し、20μLの染料ローディング緩衝液で置き換えた。細胞を室温で45分間インキュベートした。
【0287】
アゴニスト決定のために、細胞を試料とインキュベートして、応答を誘発した。染料のローディング後、細胞をインキュベーターから除去し、10μL HBSS/20mM Hepesを添加した。その後のアンタゴニストアッセイでEC80を定義するためにアゴニスト用量曲線を実施するときに、3xビヒクルを緩衝液に含めた。細胞を暗所において室温で30分間インキュベートし、プレート温度を平衡化した。
【0288】
試料ストックの中間希釈を実施して、アッセイ緩衝液中で4X試料を生成した。化合物アゴニスト活性をFLIPR Tetra(MDS)上で測定した。カルシウム動員を2分間監視し、HBSS/20mM Hepes中の10μLの4X試料を、アッセイが始まって5秒で細胞に添加した。
【0289】
CBISデータ分析スイート(ChemInnovation、CA)を使用して、化合物活性データを分析した。アゴニストモードアッセイについて、以下の式を使用して活性割合を計算する:
活性%=100%×(試験試料の平均RFU-ビヒクル対照の平均RFU)/(平均最大RFU対照リガンド-ビヒクル対照の平均RFU)。
【0290】
これらの研究では、カルシウム動員アッセイに0.1mM セロトニンを使用することによって、最大RFUを生成した。
【0291】
cAMP二次メッセンジャー経路アッセイ法(DiscoveRxEurofinsにより実施)
DiscoverXは、cAMPを介してシグナル伝達するタグなしGPCRを安定的に発現する細胞株のパネルを開発した。Hit Hunter(登録商標)cAMPアッセイは、機能レポーターとしてβ-ガラクトシダーゼ(β-Gal)を用いた酵素断片相補(EFC)と呼ばれるDiscoverXによって開発された技術を使用して、均質な非撮像アッセイ形式で、GiおよびGs二次メッセンジャーシグナルを介して、GPCRの活性化を監視する。酵素は二つの相補的な部分に分割される:EAは酵素受容体、EDは酵素ドナーである。EDは、cAMPに融合され、アッセイでは、細胞によって生成されたcAMPと競合して、cAMP特異的抗体に結合する。活性β-Galは、任意の非結合ED-cAMPに対する外因性EAの相補性によって形成される。次いで、活性酵素は、化学発光基質を変換し、標準的なマイクロプレートリーダー上で検出可能な出力信号を生成することができる。
【0292】
cAMP Hunetr細胞株を、標準手順に従って冷凍庫ストックから増殖させた。ヒト5-HT1A受容体媒介cAMPシグナル伝達を、安定的にトランスフェクトされたハムスター由来CHO細胞中で評価した。細胞を、20μLの総体積で、白色壁、384ウェルマイクロプレートに播種し、37℃で一晩インキュベートした。cAMP調節を、DiscoverX HitHunter cAMP XS+アッセイを使用して決定した。
【0293】
Giアゴニスト決定のために、EC80(15mM)フォルスコリンの存在下で細胞を試料とインキュベートして、応答を誘導した。培地を細胞から吸引し、10μLのHBSS/10mM Hepesで置き換えた。試料ストックの中間希釈を実施して、4x EC80フォルスコリンを含むアッセイ緩衝液中で4X試料を生成した。5μLの4x試料を細胞に添加し、37℃で30分間インキュベートした。最終アッセイビヒクル濃度は1%であった。化合物インキュベーションの後、アッセイシグナルを、20μL cAMP XS+ ED/CL溶解カクテルで一時間インキュベートし、続いて、20μL cAMP XS+ EA試薬で室温で三時間インキュベートすることにより生成した。化学発光シグナル検出用のPerkinElmer Envision(商標)機器を用いて、シグナル生成後にマイクロプレートを読み取った。
【0294】
CBISデータ分析スイート(ChemInnovation、CA)を使用して、化合物活性を分析した。Giアゴニストモードアッセイについて、以下の式を使用して活性割合を計算した:活性%=100%×(1-(試験試料の平均RLU-最大対照の平均RLU)/(ビヒクル対照の平均RLU-最大対照の平均RLU))。これらの研究では、1uMセロトニンを使用して、最大RLUを生成した。
【0295】
生物学的実験
化合物(2-1)、(1-1)、(2-2)、(2-3)、(1-4)、(1-5)、(2-4)および(3-1)を、5-HT2A、5-HT2B、5-HT2Cおよび5-HT1Aを含む5-HT受容体のパネルにわたる生物学的活性について評価した。細胞内Gq媒介カルシウム放出、ならびにβ-アレスチン活性化およびGPCRへの動員の両方を監視することによって、偏向シグナル伝達を評価した。結果を以下の表3に示す。
【0296】
この一連の化合物についての利用可能なすべてのデータ
【表3】
【0297】
研究された2-アミノテトラリンは、研究された他の5-HT受容体と比較して、5-HT2C受容体に対してより大きな効力を示した(表1および2)。しかしながら、化合物(1‐1)は、5-HT2Aおよび5-HT2Cの両方にわたってほぼ同等の効力を維持した。興味深いことに、化合物(1‐1)は、5-HT2Bと比較して、5-HT2Aでの効力は>1136倍の増加を示した(
図1A)。6-ヨードを6-メチルで置換して、化合物(1-2)を得ると、5-HT2Bを上回る5-HT2Aの効力はただの約8倍に低減した(
図1A)。かかる小さな分子の変化による選択性の調節は、5-HT2A受容体と5-HT2B受容体との間の構造的類似性を考慮すると、驚くべきものであり、予想外である。さらに、化合物(1-1)によってもたらされる優れた選択性は、フェンフェンなどの既知の5-HT2Bアゴニストの反復投与(フェンフルラミン/フェンターミンの組み合わせ)時に典型的に遭遇する長期の5-HT2B活性化に関連する心臓弁膜症のリスクを潜在的に減少させることによって、化合物(1-2)および他の非選択的幻覚剤よりも明確な安全性上の利点を有する。研究された2-アミノテトラリンは、5HT1Aに対してマイクロモル未満の効力をもたらした。サイロシンと比較して、2-アミノテトラリンは、5-HT1Aに対して約5倍効力があった。幻覚体験に対する5-HT1Aの寄与の重要性を考慮すると(Pokorny et al.,2016;Carter et al.,2005)、2-アミノテトラリンによってもたらされる5-HT1Aの活性化は、治療的に有利であり得る。
【0298】
研究された2-アミノテトラリンは、5-HT2A Gq媒介シグナル伝達の強力な活性化剤であったが、これらの化合物は、5-HT2Aでのβ-アルレチン動員に対してより高い効力値を有した(
図1B)。化合物(1-1)は、化合物(1-2)の約10倍と比較して、14倍の効力バイアスを維持することが観察された。かかるバイアスは、解離および幻覚の幻覚体験を治療的利益から分離するために重要であり得る。
【0299】
化合物のEC
50プロファイルは、全てが5-HT2A媒介シグナル伝達のアゴニストであることを実証した。しかしながら、化合物(1-2)は、5-HT2A Gq媒介シグナル伝達の完全なアゴニズム(最大活性化97%)を示したが、化合物(1-1)は、最大セロトニン応答と比較した場合、最大活性化は82%であり有効性の低下を示した(
図1A)。化合物(1-2)および化合物(1-1)の両方が、それぞれ66%および35%の最大有効性レベルを有する部分的なアゴニズムを示した。これらの結果は、調製および研究された化合物に対する5-HT2A Gq媒介シグナル伝達バイアスの可能性を示唆する。
【国際調査報告】