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特表2024-547133制御システム、削岩リグ、および結合手段を制御する方法
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  • 特表-制御システム、削岩リグ、および結合手段を制御する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】制御システム、削岩リグ、および結合手段を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   E21B 19/08 20060101AFI20241219BHJP
   E21B 6/04 20060101ALI20241219BHJP
   E21B 19/16 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
E21B19/08
E21B6/04
E21B19/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024538306
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2022085216
(87)【国際公開番号】W WO2023117501
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21217318.1
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515277780
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コイヴマキ, ペルットゥ
(72)【発明者】
【氏名】ウオティーラ, ヤルッコ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスカリ, エーロ
(72)【発明者】
【氏名】トッピネン, ヴィーサ
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA04
2D129BA03
2D129DA21
2D129DC01
2D129DC03
2D129DC16
2D129DC51
2D129EC06
(57)【要約】
制御システム、削岩リグ、および結合手段を制御する方法。制御システム(CS)は、削岩ツール(7)のねじ継手の結合および結合解除手段を制御するためのものである。制御システムは、削岩装置(6)を前進方向(FA)に移動させるために必要な初期最小送り力(Ffmin)を検出するように構成され、結合中に検出された最小送り力を実装するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩ツール(7)のねじ継手の結合および結合解除手段を制御するための制御システム(CS)であって、
前記制御システム(CS)が、削岩装置(6)の回転デバイス(9)および送りデバイス(11)の動作を制御するように構成され、それにより、前記回転デバイス(9)が、結合方向(CD)および結合解除方向(UCD)に回転可能であり、前記送りデバイス(11)が、前進方向(FA)および後進方向(FB)の送り運動を生成するように構成され、
前記制御システム(CS)が、前記削岩装置(6)を前記前進方向(FA)に移動させるために必要な最小送り力(Ffmin)を決定するように構成され、
前記制御システム(CS)が、前記削岩装置(6)を前記前進方向(FA)に送るように前記送りデバイス(11)を制御するときに前記最小送り力(Ffmin)を加えるように構成され、
前記制御システム(CS)が、追加の送り力を決定するように構成され、前記送りデバイス(11)の前記制御における前記最小送り力(Ffmin)に前記決定された追加の送り力を加えるように構成される
ことを特徴とする、
制御システム(CS)。
【請求項2】
前記制御システム(CS)が、前記結合手段の間、前記送り速度を要求されたレベルに保つため速度要求を前記送りデバイス(11)に提供するように構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御システム(CS)が、少なくとも1つの動作検出デバイス(S)から受信した動作検出データに応じて、前記削岩装置(6)の運動を決定するように構成される
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御システム(CS)によって制御される前記送りデバイス(11)が、前記送り運動を作動させるために加圧された作動液を前記送りデバイス(11)に供給するための油圧回路に接続された油圧アクチュエータであり、
前記制御システム(CS)が、前記削岩装置(6)を前記前進方向(FA)に移動させるために必要な前記送りデバイス(11)に供給される前記作動液の最小圧力を検出するように構成され、
前記制御システム(CS)が、前記検出された最小圧力を前記最小送り力(Ffmin)として実装するように構成される
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御システム(CS)によって制御される前記送りデバイス(11)が、前記送り運動を作動させるために加圧された作動液を前記送りデバイス(11)に供給するための油圧回路に接続された油圧アクチュエータであり、
前記制御システム(CS)が、前記前進方向(FA)への送り中に前記油圧送りデバイス(11)に供給される前記作動液の圧力を制御するため少なくとも1つの専用の制御デバイス(19)を備える
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記追加の送り力が、前記最小送り力(Ffmin)の2~10%である
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項7】
ドリル穴を削孔するための削岩リグ(1)であって、
前記削岩リグ(1)が、
可動キャリア(2)と、
フィードビーム(5)と、前記フィードビーム(5)上に移動可能に配置された削岩装置(6)とを備える少なくとも1つの削岩ユニット(4)であって、
前記削岩装置(6)が、前記削岩ユニット(4)に接続可能な削孔ツール(7)を回転させるための回転デバイス(9)と、前記削岩装置(6)を削孔方向(A)および逆方向(B)に送るための送りデバイス(11)とを備える、
少なくとも1つの削岩ユニット(4)と、
少なくとも前記送りデバイス(11)および前記回転デバイス(9)を制御するための少なくとも一つの制御システム(CS)と
を備え、
前記削岩装置(6)および前記削孔ツール(7)が、ねじ継手によって互いに解放可能に接続され、
前記削岩リグ(1)の前記制御システム(CS)が、請求項1~6のいずれか一項に従っている
ことを特徴とする、
削岩リグ(1)。
【請求項8】
削孔ツール(7)のねじ継手を接続する方法であって、
前記削孔ツール(7)が、少なくとも1つの回転デバイス(9)を備える削岩装置(6)であって、送りデバイス(11)によって移動可能である削岩装置(6)に接続可能であり、
前記方法が、
前記送りデバイス(11)によって前記削岩装置(6)を前進方向(FA)に送り、前記回転デバイス(9)によって接続方向(CD)に同時回転を実行することによって前記継手を接続することと、
前記前進方向(FA)の運動を提供するために必要な最小送り力(Ffmin)を決定することと、
前記結合中に前記削岩装置(6)を前記前進方向(FA)に送るときに前記決定された最小送り力(Ffmin)を加えることと
を含み、
前記削岩装置を送るときに、追加の送り力を決定し、前記決定された追加の送り力を前記最小送り力(Ffmin)に加えること
によって特徴付けられる、方法。
【請求項9】
前記結合全体の間に前記結合方向(CD)に回転を実行すること
によって特徴付けられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記継手のねじ締め段階中の補償力として前記検出された最小送り力(Ffmin)を使用することによって特徴付けられ、前記継手のねじの実装された回転速度(Rs)およびピッチ(P)が、前記継手のねじ要素が互いに接続されているときの公称送り速度(Nfs)を定義する、
請求項8または9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、削岩ツールのねじ継手の結合および結合解除手段を制御するための制御システムに関する。
【0002】
本発明はさらに、削岩リグ、および削孔ツールのねじ継手を接続する方法に関する。
【0003】
本発明の分野は、独立請求項の前文においてより具体的に定義される。
【0004】
鉱山および他の作業現場では、異なる種類の削岩リグがドリル穴を岩石表面に削孔するために使用される。削孔リグは、削孔ツールを備えた削岩機を備える。削孔ツールは、いくつかのドリルロッドまたはチューブと、削孔ツールの自由端にドリルビットとを備えることができる。上述の削孔ツール構成要素は、ねじ継手によって互いに接続することができる。さらに、削孔ツールは、ねじ継手によって削岩機のシャンクアダプタまたは対応する接続要素に接続可能である。削孔ツールの結合手段を実行するための異なる解決策がある。しかしながら、既知の解決策はいくつかの欠点を示している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、削岩ツールのねじ継手の結合手段を制御するための新規かつ改良された制御システムおよび方法を提供することである。さらなる目的は、そのような制御システムおよび方法を実装する新規かつ改良された削岩リグを提供することである。
【0006】
本発明による制御システムは、第1の独立した装置クレームの特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0007】
本発明による削岩リグは、第2の独立した装置クレームの特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0008】
本発明による方法は、独立した方法請求項の特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0009】
開示された解決策の概念は、削岩リグに、削岩ツールのねじ継手の結合および結合解除手段を制御するための制御システムが設けられることである。制御システムは、削岩装置の回転デバイスおよび送りデバイスの動作を制御するように構成されている。次いで、回転デバイスは、制御システムの制御下で結合方向および結合解除方向に回転可能であり、さらに、送りデバイスは、結合および結合解除手段を実行するために、前進方向および後進方向に送り運動を作成するように構成される。制御システムは、削岩装置を前進方向に移動させるために必要な最小送り力を決定し、次いで、制御システムは、検出された最小送り力を利用することによって削岩装置を前進方向に送るように送りデバイスを制御する。言い換えれば、結合手段の間に可能な限り低い送り力のみが実装される。
【0010】
開示された解決策の利点は、低い力レベルで発生する前進運動のため、強すぎる送り力によって引き起こされるねじの摩耗および損傷を低減することができることである。
【0011】
一実施形態によれば、結合は、削孔状況および実装された削孔プロセスに応じて、下向き、傾斜した向きまたは上向きに実行することができる。したがって、重力は、当然ながら、異なる削孔および結合方向において最小送り力とは異なる影響を及ぼすため、最小送り力は、使用される削孔方法に依存する。
【0012】
一実施形態によれば、削岩装置または削岩機は、回転削孔、ダウンザホール削孔(DTH)、インザホール削孔(ITH)用に意図された回転ヘッドであってもよく、または代替で、回転デバイスと共に衝撃デバイスを備えたトップハンマー削岩機であってもよい。したがって、開示された解決策は、異なる削孔方法で実装することができる。
【0013】
一実施形態によれば、決定された最小送り力は、前進方向の自由運動を妨げる力に対する補償力と考えることができる。補償力は、重力および静止摩擦などの、削孔機械が移動するのを防止しようとする現象を補償する。
【0014】
一実施形態によれば、決定された最小送り力は、下方に削孔するときに削孔機械を支持するための支持力、またはいわゆるホールドバック力であってもよい。次に、重力に逆らう負の送り力で機械加工された削孔を支持する必要があり得る。また、この場合、この文書に従って最小送り力を決定する必要がある。
【0015】
一実施形態によれば、送りデバイスは、油圧シリンダまたは油圧モータなどの油圧アクチュエータである。油圧送りデバイスは、作動液の流れおよび圧力でそれに動力を供給するための油圧回路に接続される。そして、送りデバイスに供給される作動液の圧力を調整することによって送り力が制御され、送りデバイスに供給される流体流の大きさを調整することによって送り速度が制御される。
【0016】
一実施形態によれば、制御システムは、結合手段中に送り速度を要求されたレベルに保つための速度要求を送りデバイスに提供するように構成される。言い換えれば、結合段階全体に対してただ1つの単一の送り速度要求が実装されてもよい。送りデバイスに提出される速度要求は、高速要求であってもよい。次いで、削岩機は、実際のねじ締めの前には送り速度に抵抗する力が低くてもよいため、削孔ツールに向かう低い送り力で高速かつ自由な接近運動を実行することができる。しかしながら、実際のねじ締めが開始されると、送り速度は、接続ねじのねじ面の回転速度およびピッチによって自動的に決定される。送り力が低いため、可能な速い送り速度要求にもかかわらず、損傷は引き起こされない。回転速度およびピッチは、ねじ締め段階中の送り速度を決定する。この実施形態の利点は、結合プロセスを迅速に行うことができるようにねじ締め前の自由な軸方向運動を迅速に行うことができることである。しかも、低い送り力が使用されるため、軸方向に互いに対向するときに相手側ねじ部品を損傷する危険性はない。
【0017】
一実施形態によれば、制御システムは、結合プロセス中に結合方向に一定の回転速度を生成し、前進方向に送り運動するための回転要求を回転デバイスに提供するように構成される。ねじ接触に接近するときに回転が既にオンであり、送り力が低いため、ねじ部品のねじ締めが始まる正確な軸方向位置を決定する必要はないが、代わりに、接近段階は、ねじ締め段階へ別個の制御手段なしに、滑らかに切り替わることができる。その場合、プロセスは制御が簡単であり、不必要な停止を回避する。ねじが接触しているとき、送り速度は、ねじのピッチおよび回転速度によって規定され、すなわち、自然な送り速度が加えられる。回転速度と送り速度とを一致させる必要はない。これにより、回転速度を自由に設定することができる。
【0018】
一実施形態によれば、制御システムは、結合の開始時に最初に最小送り力を決定し、接続ねじのねじ締めが開始されるまで、削岩装置の前進方向の運動を監視し、検出された前進方向の運動の停止に応じて送り力の大きさを増大させるようにさらに構成される。言い換えれば、制御システムが、運動監視データに応じて、増大した送り力の大きさを最初に検出された最小送り力に加える、送り感知結合が提供される。監視および送り力の増大を伴うこの制御原理は、接近段階においてのみ実装される。ねじ締め段階の間、同様の制御は必要ない。これは、使用されたトルクとピッチにより自動的に送り力が発生するためである。この実施形態の利点は、システムが接近中に必要な軸方向運動が発生することを確実にし、前進運動を生成するために可能な限り低いレベルの送り力が実装されることである。制御は、オペレータの手動制御手段を必要とせずに自動であってもよい。これにより、ヒューマンエラーを回避することができ、オペレータは結合プロセス中に他の問題を制御することに集中することができる。
【0019】
一実施形態によれば、上述の最初に決定された最小送り力は、増加した送り力の値が加算されたベース送り力データとして実装される。
【0020】
一実施形態によれば、制御システムは、前進方向の軸方向運動が発生して検出されるまでのみ送り力の大きさを増加させる。したがって、制御システムは、初期最小送り力および送り力の検出された増大を含む合成送り力で前進運動を継続する。言い換えれば、制御システムは、前進運動を生成するために送り力をランプアップし、運動が検出されると、ランプアップは終了し、前進運動は、運動を維持するために決定された送り力レベルで継続する。
【0021】
一実施形態によれば、制御システムは、少なくとも1つの動作検出デバイスから受信した動作検出データに応じて、削岩装置の運動を決定するように構成される。言い換えれば、削岩装置の運動を感知するための送りデバイスまたはフィードビームに関連して配置された1つまたは複数のセンサがあってもよい。
【0022】
一実施形態によれば、制御システムは、計算によって前進運動を決定するように構成される。制御システムは、送りデバイスの動作および送りデバイスに供給される作動液の特徴、または可能な他の駆動エネルギーを監視し、比較および計算を実行することによって運動を決定することができる。例えば、動作検出デバイスは、圧力設定値および実現された圧力値を感知するように構成された1つまたは複数の圧力センサを備えることができ、それによって制御ユニットは、受信した圧力感知データを比較することによって運動を検出することができる。この解決策では、圧力感知データは前述の動作検出データとして機能する。
【0023】
一実施形態によれば、制御システムによって制御される送りデバイスは、送り運動を作動させるために加圧された作動液を送りデバイスに供給するため油圧回路に接続された油圧アクチュエータである。さらに、制御システムは、削岩装置を前進方向に移動させるために必要な送りデバイスに供給される作動液の最小圧力を検出するように構成され、検出された最小圧力を最小送り力として実装する。言い換えれば、送り力感知結合の制御は、結合段階中に削孔装置を前進方向に移動させるために可能な限り低い送り圧力を利用する。
【0024】
一実施形態によれば、制御システムによって制御される送りデバイスは、送り運動を作動させるために加圧された作動液を送りデバイスに供給するため油圧回路に接続された油圧アクチュエータである。さらに、制御システムは、前進方向への送り中に油圧送りデバイスに供給される作動液の圧力を制御するため少なくとも1つの専用の制御デバイスを備える。言い換えれば、圧力は、前進方向に移動するときに独立して専用の制御デバイスによって制御することができる。
【0025】
一実施形態によれば、制御システムは、前進方向および後進方向の送り中に油圧送りデバイスに供給される油圧の独立した制御のための専用の制御デバイスを備える。
【0026】
一実施形態によれば、上述の制御デバイスは制御弁である。
【0027】
一実施形態によれば、上述の制御デバイスは、送りデバイスに動力を供給している油圧ポンプまたはポンプユニットの特性を制御するための1つまたは複数の制御要素またはアクチュエータを備える。
【0028】
一実施形態によれば、制御システムは、検出された最小送り力に応じて追加の送り力を計算または決定することができ、送りデバイスの制御において最小送り力と追加の送り力との組み合わせを利用することができる。言い換えれば、制御システムは、決定された追加の送り力または余剰力を加えて、利用される力を最小送り力をわずかに超えて増加させることができる。この実施形態の利点は、例えば摩擦力が変化する状況でも前進方向への連続的な運動が保証されることである。
【0029】
一実施形態によれば、上述の追加の送り力は、制御システムのプロセッサで計算され、最小送り力の2~10%である。したがって、実装される送り力は、最小送り力の1.02倍~1.1倍である。
【0030】
一実施形態によれば、開示された解決策は、ドリル穴を削孔するための削岩リグに関する。削岩リグは、可動キャリアと、フィードビームおよびフィードビーム上に移動可能に配置された削岩装置を備える少なくとも1つの削岩ユニットとを備える。削岩装置は、削岩ユニットに接続可能な削孔ツールを回転させるための回転デバイスを備える。削孔ツールを削孔方向および逆方向に送るための送りデバイスが配置される。少なくとも送りデバイスおよび回転デバイスを制御するための少なくとも1つの制御システムがある。削岩装置および削孔ツールは、ねじ継手によって互いに解放可能に接続される。さらに、削岩リグの制御システムは、本文書に開示された特徴および実施形態に従っている。
【0031】
一実施形態によれば、開示された解決策は、削孔ツールのねじ継手を接続する方法に関する。削孔ツールは、少なくとも送りデバイスおよび回転デバイスを備える削岩装置に接続可能である。本方法は、送りデバイスによって削岩装置を前進方向に送ることによって継手を接続することと、回転デバイスによって接続方向に同時の回転を実行することとを含む。方法は、前進方向の運動を提供するために必要な最小送り力を決定することと、結合中に決定された最小送り力で削岩装置を前進方向に送ることとをさらに含む。
【0032】
一実施形態によれば、方法は、制御デバイスによって送りデバイスを制御して、結合全体の間、不変の送り速度要求を維持することを含む。言い換えれば、方法は、結合のための単一の送り速度要求を送りデバイスに提供することを含む。
【0033】
一実施形態によれば、方法は、結合全体の間に結合方向に回転を実行することを含む。言い換えれば、接近運動中に回転が既にオンになっているため、接続ねじが軸方向に会った時点でねじ締めが滑らかに開始することができる。
【0034】
一実施形態によれば、方法は、実際のねじ締めを開始する前に前進接近運動を監視することと、必要な最小送り力を更新することとを含む。本方法は、接近運動を確実にするために更新された最小送り力を実装することをさらに含む。言い換えれば、前進運動が接近段階で停止する場合、運動を継続するために必要な新しい最小送り力が決定される。その後、新しい最小送り力は、送りデバイスの制御において実装される更新された補償力を表す。ねじ締め段階の間、この制御は実装されない。
【0035】
一実施形態によれば、方法は、継手のねじ締め段階中に検出された最小送り力を補償力として使用することを含み、継手のねじの実装された回転速度およびピッチは、継手のねじ要素が互いに接続されるときの公称送り速度を定義する。
【0036】
上記で開示された実施形態は、必要とされる上記の特徴のものを有する適切な解決策を形成するために組み合わせることができる。
【0037】
いくつかの実施形態は、添付の図面においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】表面削孔用の削岩リグの概略側面図である。
図2】DTH削孔方法を実装する削岩機の概略図である。
図3】削孔管を削岩装置に接続するための結合段階を示す概略側面図である。
図4】削孔管を削岩装置に接続するための結合段階を示す概略側面図である。
図5】削孔管を削岩装置に接続するための結合段階を示す概略側面図である。
図6】結合手段に関連するいくつかの特徴を示す概略図である。
図7】結合ねじの一部の概略側面図であり、公称送り速度を決定する原理である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
明確にするために、図は、開示された解決策のいくつかの実施形態を簡略化して示す。図面において、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0040】
図1は、表面削孔を目的とした削岩リグ1を示す。削岩リグ1は、可動キャリア2と、キャリア2に接続された少なくとも1つの削孔ブーム3とを備える。削孔ブーム3の遠位端部には、フィードビーム5と、その上に支持された削岩装置6とが設けられた削孔ユニット4がある。削孔ツール7は、削孔装置6に接続可能である。削岩装置6は、削岩装置6の前端に、ツール7を接続するためのシャンクアダプタ8を備えてもよい。削岩装置6は、シャンクアダプタ8および接続された削孔ツール7を回転させるRための回転デバイス9をさらに備える。削岩装置6がトップハンマー型である場合、それは衝撃デバイス10をさらに備えてもよい。削岩機6は、送りデバイス11によってフィードビーム5上を前進方向Aおよび逆方向Bに移動することができる。
【0041】
削孔ツール7は、1つまたは複数の削孔管またはロッド12と、削孔ツール7の遠位端にドリルビット13とを備えることができる。したがって、削孔7は、接続ねじによって互いに接続されたいくつかの削孔構成要素を含むことができる。シャンクアダプタ8と削孔ツール7との間に接続ねじがあってもよい。ねじ継手の結合は、本文書に開示された特徴および手段に従って、制御システムCSの制御下で制御することができる。図1は、油圧で動作可能なアクチュエータに動力を供給するための1つまたは複数の油圧回路を備えた油圧システムHSをさらに開示する。
【0042】
図2は、開示された解決策が削孔構成要素のねじ接続を結合するために実装され得る代替の削孔方法を開示する。図2は、衝撃デバイス10がドリルビット13に隣接して配置され、回転デバイス9または回転ヘッドがフィードビーム5上に取り付けられているDTH削孔ユニット4を開示している。削孔ツール7は、接続ねじによって回転デバイス9に接続されてもよく、ドリルチューブと他の削孔構成要素との間にもねじ接続があってもよい。したがって、開示された結合制御システムは、DTH削孔、および衝撃デバイスのない回転削孔にも有用である。
【0043】
図3図5は、非常に単純化された方法で削孔ツール7のいくつかの結合手段を開示している。
【0044】
削孔ツール7、この場合は削孔管は、削孔管が削孔軸15上に整列するように、1つまたは複数の支持要素14によってフィードビーム5上に支持されてもよい。支持手段は、保持デバイスまたはクランプ、削孔軸と削孔構成要素マガジンとの間で削孔構成要素を移動させるためのマニピュレータ、または削岩装置6に結合されるまで削孔構成要素に必要な支持を提供するのに適した任意の他の要素またはデバイスを備えることができる。シャンクアダプタ8または対応する回転可能な接続部材には、接続ねじおよび削孔ツール7が設けられている。シャンクアダプタ8に最も近い第1の端部に内ねじを有する雌端16と、反対側の第2の端部に外ねじを有する雄端17とがある。図3では、削孔ツール7は、削岩装置6から軸方向距離を置いて配置されており、したがって、結合手段は、シャンクアダプタ8のねじと雌端16とが互いに面するように、削岩装置6を前進方向FAに軸方向に移動させることを含む。この前進運動は、接近運動または接近と呼ぶことができる。接近運動は、可能な限り低い送り力Ffminで実行される。したがって、接近運動を実行する前に、削岩装置6を前進方向FAに移動させるのに必要な力を検出することによって、最小送り力Ffminの大きさが決定される。運動感知デバイスSは、削岩装置の実際の物理的運動を検出するように構成されてもよく、感知データは、結合プロセスならびに関連するアクチュエータおよびデバイスを制御するように配置された制御システムCSに提出されてもよい。
【0045】
制御システムCSは、送りデバイス11に対する制御コマンドまたは要求を生成し、検出された最小送り力Ffminで削孔ツール7に向かう接近運動を実行することができる。接近運動に抵抗する力の大きさが増大したために接近運動が停止された場合、制御システムCSは、運動を再開できるように送り力の大きさを更新することができる。さらに、接近中に高速で接近運動を実行することができ、既に接近中にシャンクアダプタ8を結合方向CDに回転させることができる。
【0046】
制御システムCSは、自動結合手段を実行するためのプロセッサまたはデータ処理デバイスを備えることができる。制御システムは、1つまたは複数のコンピュータまたは制御ユニットを備えることができる。制御システムCSは、ユーザインターフェースと通信することができ、1つまたは複数の感知デバイスSから感知データを受信することができる。センサSは、例えば、動作検出デバイス、速度センサ、または位置センサであってもよい。制御システムCSは、油圧アクチュエータであってもよい回転デバイス9および送りデバイス11に向けられる作動液の特性を制御するための制御要素18、19に対する制御コマンドおよび要求を生成することができる。
【0047】
削岩装置6の運動は、代替的に、または追加的に、圧力および流量などの作動液の特徴を監視し、制御システムのプロセッサで計算または比較を実行することによって決定することができる。したがって、油圧回路は、例えば圧力センサを備えてもよい。
【0048】
図4では、接近運動が完了し、削岩装置6が前進方向FAに移動して、シャンクアダプタ8と雌端16との間のねじ締めを開始することができる。ねじが接触しているとき、送り速度は、ねじのピッチおよび回転速度によって定義される。
【0049】
開示された解決策では、接近運動中に可能な限り低い送り力が実装され、嵌合面が衝突しても損傷しないため、シャンクアダプタ8と雌端16との相対位置を検出する必要はない。接近運動または段階からねじ締め段階への移行は滑らかである。
【0050】
図5では、ねじ締めが完了し、削孔ツール7が削岩装置6に適切に接続されている。図5は、削孔構成要素と削岩装置との間のねじ接続を結合解除するときに必要とされる結合解除方向UCDの回転方向および反対方向または後進方向FBの送りをさらに開示する。
【0051】
図3図5では、削岩装置6と削孔ツール7との間の結合が開示されているが、当然のことながら、例えば、2つのドリルチューブ間およびドリルチューブとドリルビットとの間にねじを結合する場合に、同じ原理および手段を実装することができる。
【0052】
図6は、結合プロセスのステップおよびいくつかの追加の特徴の簡単な図である。これらの問題は、本明細書の上記で既に広く開示されている。
【0053】
図7は、ピッチPのねじ面20を有する結合ねじの一部を開示する。結合ねじは、結合方向に回転速度Rsで回転される。次に、ピッチPおよび回転速度Rsに依存する公称送り速度Nfs、すなわち自然ねじ速度が生じる。
【0054】
図面および関連する説明は、本発明の概念を例示することのみを意図している。その詳細において、本発明は特許請求の範囲内で変化し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】