(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】チタンシリコン分子篩、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒、並びに、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
C01B 37/00 20060101AFI20241219BHJP
B01J 29/89 20060101ALI20241219BHJP
C07D 301/08 20060101ALI20241219BHJP
C07D 303/04 20060101ALI20241219BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
C01B37/00
B01J29/89 Z
C07D301/08
C07D303/04
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538365
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2022133454
(87)【国際公開番号】W WO2023116315
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111579941.1
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111579946.4
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210239081.5
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】522396333
【氏名又は名称】中石化安全工程研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】劉聿嘉
(72)【発明者】
【氏名】趙辰陽
(72)【発明者】
【氏名】朱紅偉
(72)【発明者】
【氏名】孫氷
(72)【発明者】
【氏名】石寧
(72)【発明者】
【氏名】徐偉
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
4H039
【Fターム(参考)】
4G073BA20
4G073BA50
4G073BA63
4G073BB45
4G073BD21
4G073CZ55
4G073DZ09
4G073DZ10
4G073FA30
4G073FB30
4G073FD01
4G073FE02
4G073FE03
4G073FF04
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4G073GA12
4G073GA14
4G073UA02
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4G169BA07A
4G169BC33A
4G169BC50A
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4G169EC03Y
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4G169EC06Y
4G169EC07X
4G169EC07Y
4G169EC30
4G169FA02
4G169FA03
4G169FB06
4G169FB14
4G169FB20
4G169FC04
4G169FC09
4G169ZA37A
4G169ZB07
4G169ZC04
4G169ZC06
4G169ZC07
4G169ZD06
4G169ZD08
4G169ZE10
4G169ZF01B
4H039CA42
4H039CF10
(57)【要約】
チタンシリコン分子篩、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒、触媒の製造方法、及びその使用を提供する。該チタンシリコン分子篩は、ミクロ細孔比表面積が320~500m2/g、ミクロ細孔容積が0.1~0.4cm3/g、メソ細孔比表面積が50~100m2/g、メソ細孔容積が0.075~0.1cm3/g、粒子径が100~250nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が50~90%である。該触媒は、チタンシリコン分子篩担体と、担持されるナノゴールドと、を含み、ミクロ細孔容積が0.06~0.4cm3/g、ミクロ細孔比表面積が160~450m2/g、メソ細孔容積が0.05~0.08cm3/g、メソ細孔比表面積が40~85m2/g、粒子径が100~250nmである。該触媒の製造方法は、該チタンシリコン分子篩を脂肪族アミン水溶液でアルカリ処理してから、ナノゴールドを担持するステップを含む。該触媒は、オレフィンエポキシ化反応、シクロオレフィンエポキシ化反応、フェノール水酸化反応、シクロヘキサノンアンモニアアンモオキシム化反応に用いられる。特定の物性パラメータを有するチタンシリコン分子篩上にナノゴールド粒子を担持することにより、ナノゴールドの分散性が高くなる。この触媒をプロピレン気相エポキシ化反応に用いる場合、触媒活性が高く、プロピレンの変換率が8%~14%に向上し、プロピレンオキシドの選択性が90~99%に向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロ細孔比表面積が320~500m
2/g、ミクロ細孔容積が0.1~0.4cm
3/g、メソ細孔比表面積が50~100m
2/g、メソ細孔容積が0.075~0.1cm
3/g、粒子径が100~250nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が50%~90%である、ことを特徴とするチタンシリコン分子篩。
【請求項2】
ミクロ細孔比表面積が350~480m
2/g、ミクロ細孔容積が0.13~0.37cm
3/g、メソ細孔比表面積が70~100m
2/g、メソ細孔容積が0.08~0.1cm
3/g、粒子径が150~210nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が60%~90%である、請求項1に記載の分子篩。
【請求項3】
前記チタンシリコン分子篩において、130%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<220%である、請求項1又は2に記載の分子篩。
【請求項4】
前記チタンシリコン分子篩において、145%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<200%である、請求項3に記載の分子篩。
【請求項5】
チタンとシリコンとのモル比は0.001~0.04:1、好ましくは0.005~0.025:1である、請求項1~4のいずれか1項に記載の分子篩。
【請求項6】
チタンシリコン分子篩担体と、前記担体上に担持されたナノゴールドと、を含み、
ミクロ細孔容積が0.06~0.4cm
3/g、ミクロ細孔比表面積が160~450m
2/g、メソ細孔容積が0.05~0.08cm
3/g、メソ細孔比表面積が40~85m
2/g、粒子径が100~250nmである、ことを特徴とするナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒。
【請求項7】
ミクロ細孔容積が0.1~0.3cm
3/g、ミクロ細孔比表面積が260~410m
2/g、メソ細孔容積が0.058~0.078cm
3/g、メソ細孔比表面積が45~80m
2/g、粒子径が150~210nmである、請求項6に記載の触媒。
【請求項8】
前記触媒において、130%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<220%である、請求項6又は7に記載の触媒。
【請求項9】
前記触媒において、145%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<200%である、請求項8に記載の触媒。
【請求項10】
前記ナノゴールドのうち90%を超える金の価数が0価である、請求項6~9のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項11】
前記触媒の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数の差が30%以下である、請求項6~10のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項12】
前記触媒の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数が5~40であり、
好ましくは、前記Au粒子の粒子径が0.1~5nmである、請求項6~11のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項13】
チタンとシリコンとのモル比は0.001~0.04:1、好ましくは0.005~0.025:1である、請求項6~12のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項14】
前記触媒の全量に基づいて、前記ナノゴールドの含有量は、0.01wt%~1wt%、好ましくは0.04wt%~0.8wt%、より好ましくは0.04wt%~0.5wt%である、請求項6~13のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項15】
ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の製造方法であって、
チタンシリコン分子篩を脂肪族アミン水溶液でアルカリ処理してから、ナノゴールドを担持し、前記触媒を得るステップを含み、
前記チタンシリコン分子篩は、請求項1~5のいずれか1項に記載のチタンシリコン分子篩である、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
チタンシリコン分子篩と脂肪族アミン水溶液を混合して濾過し、アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を得るステップ(1)と、
前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を金化合物含有水溶液と混合した後、得られた混合物のpHを7~9に調整し、懸濁液を得るステップ(2)と、
前記懸濁液を濾過し、得た濾過ケーキを活性化させ、前記触媒を得るステップ(3)と、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(1)において、前記脂肪族アミンは、エチルアミン、n-プロピルアミン、エチレンジアミン、n-ブチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ブタンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンから選択される少なくとも1種であり、
前記チタンシリコン分子篩のSiO
2換算で、前記チタンシリコン分子篩、脂肪族アミン水溶液中の脂肪族アミン、及び脂肪族アミン水溶液中の水のモル比は1:(0.01~1):2~20であり、
好ましくは、ステップ(1)において、前記混合は、温度が80~250℃、時間が10~120minであり、
好ましくは、ステップ(2)において、前記金化合物含有水溶液は、クロロ金酸水溶液から選択され、
前記クロロ金酸水溶液の濃度が、0.0001~0.1M、好ましくは0.0005~0.05M、より好ましくは0.005~0.05Mであり、
前記クロロ金酸水溶液の金換算で、前記クロロ金酸水溶液の使用量は、前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩の0.01wt%~5wt%、好ましくは0.1wt~5wt%である、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(2)では、前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩と金化合物含有水溶液とを混合し、弱アルカリ性pH調整剤を加え、得られた混合物のpHが5~6となるように加熱処理し、次に、強アルカリ性pH調整剤を加え、pHを7~9に調整し、懸濁液を得て、
好ましくは、前記加熱処理の温度は50~95℃である、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
請求項15~18のいずれか1項に記載の方法によって製造されるナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒。
【請求項20】
オレフィンエポキシ化反応、シクロオレフィンエポキシ化反応、フェノール水酸化反応、シクロヘキサノンアンモニアアンモオキシム化反応における請求項6~14及び19のいずれか1項に記載のナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の使用であって、
好ましくは、前記オレフィンエポキシ化反応はプロピレン気相エポキシ化反応である、使用。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2021年12月22日に提出された中国特許出願202111579941.1の利益を主張しており、当該出願の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、2021年12月22日に提出された中国特許出願202111579946.4の利益を主張しており、当該出願の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0003】
本願は、2022年03月11日に提出された中国特許出願202210239081.5の利益を主張しており、当該出願の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0004】
本発明は、水素化酸化反応の分野に関し、具体的には、チタンシリコン分子篩、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒、並びに、その製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0005】
ヘテロ原子分子篩は、規則的なトポロジー構造を持ち、骨格金属原子の導入により独特の酸性特性がもたらされ、化学及び化学工学の分野で研究のホットスポットとなっている。1983年に、Taramassoらは、遷移金属チタン原子が全シリコンMFI構造分子篩の少数の骨格ケイ素原子を置き換え、つまり、チタン原子が分子篩の骨格位置に4配位の形で埋め込まれたTS-1分子篩を初めて報告した。骨格チタン種はルイス酸性を持っているため、その空の軌道はH2O2分子内の酸素原子からの核外電子を受け入れることができる。したがって、TS-1分子篩は、H2O2分子とさまざまな官能基を持つ有機物を効率的に活性化し、オレフィンエポキシ化、シクロオレフィンエポキシ化、フェノール水酸化、シクロヘキサノンアンモキシム化などの選択的酸化反応を起こすことができる。従来の酸化プロセスと比較して、H2O2/TS-1接触酸化プロセスには、反応条件が穏やかで、プロセスが環境にやさしく効率的であるという利点がある。
【0006】
現在、H2O2/TS-1接触酸化系には、プロピレンエポキシ化(HPPO)やシクロヘキサノンアンモオキシム化などの産業装置が複数ある。この触媒系は多くの利点を持っているが、過酸化水素製造装置を備える必要があるため、普及には次のような課題が残されている。過酸化水素の保管と輸送の条件は厳しく、オンサイトの製造装置を装備する必要があるため、プロセスのレイアウトに制限がある。また、高濃度の過酸化水素は調製が難しく、保存安全上の問題もある。この制限を根本的に緩和するために、研究者らは、水素(H2)及び酸素(O2)雰囲気下で有機物の選択的酸化反応を直接触媒することを検討した。気相選択的酸化技術により、産業レイアウトがより柔軟になり、環境にやさしく、効率的で、低炭素であるような開発の開発ニーズが満たされる。
【0007】
水素化酸化を実現するには、水素と酸素からのH2O2の現場合成と有機物の酸化反応を同時に行う触媒の改良が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術におけるTS-1分子篩の担体では、ミクロ細孔容積、ミクロ細孔比表面積が低いという問題や、それに担持した金属ナノ粒子の分散性の制御に関する問題を解決するために、チタンシリコン分子篩、その製造方法、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒、並びに、その製造方法及び使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成させるために、本発明の第1態様は、
ミクロ細孔比表面積が320~500m2/g、ミクロ細孔容積が0.1~0.4cm3/g、メソ細孔比表面積が50~100m2/g、メソ細孔容積が0.075~0.1cm3/g、粒子径が100~250nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が50%~90%である、チタンシリコン分子篩を提供する。
【0010】
本発明の第2態様は、
チタンシリコン分子篩担体と、前記担体上に担持されたナノゴールドと、を含み、ミクロ細孔容積が0.06~0.4cm3/g、ミクロ細孔比表面積が160~450m2/g、メソ細孔容積が0.05~0.08cm3/g、メソ細孔比表面積が40~85m2/g、粒子径が100~250nmである、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒を提供する。
【0011】
本発明の第3態様は、
チタンシリコン分子篩を脂肪族アミン水溶液でアルカリ処理してから、ナノゴールドを担持し、前記触媒を得るステップを含み、
前記チタンシリコン分子篩は、前述第1態様に記載のチタンシリコン分子篩である、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の製造方法を提供する。
【0012】
本発明の第4態様は、前述第3態様に記載の方法によって製造されるナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒を提供する。
【0013】
本発明の第5態様は、オレフィンエポキシ化反応、シクロオレフィンエポキシ化反応、フェノール水酸化反応、シクロヘキサノンアンモニアアンモオキシム化反応における前述第2態様、第4態様に記載のナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の使用を提供する。
【発明の効果】
【0014】
上記の技術案によれば、本発明では、特定の物性パラメータを有するチタンシリコン分子篩上にナノゴールド粒子を担持することにより、得られたナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒中のナノゴールドの分散性が高くなる。この触媒をプロピレン気相エポキシ化反応に用いる場合、触媒活性が高く、プロピレンの変換率が8%~14%に向上し、プロピレンオキシドの選択性が90%~99%に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明におけるプロピレン気相エポキシ化の反応スキームを示す図である。
【
図2】本発明の製造例1及び製造例7で得られたチタンシリコン分子篩のミクロ細孔の孔径分布図である。
【
図3】本発明の製造例1及び製造例8で得られたチタンシリコン分子篩の孔径分布図である。
【
図4】本発明の実施例3で得られた触媒のHAADF-STEM像である。
【
図5】本発明の比較例5で得られた触媒のHAADF-STEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で開示される範囲の端点及び任意の値は、正確な範囲又は値に限定されるものではなく、これらの範囲又は値は、これらの範囲又は値に近い値を含むものとして理解されるべきである。数値範囲については、個々の範囲の端点値の間、個々の範囲の端点値と個別の点値の間、及び個別の点値の間は、互いに組み合わされて1つ又は複数の新しい数値範囲を得ることができ、これらの数値範囲は、本明細書において具体的に開示されるものとみなされるべきである。
【0017】
本発明の第1態様は、ミクロ細孔比表面積が320~500m2/g、ミクロ細孔容積が0.1~0.4cm3/g、メソ細孔比表面積が50~100m2/g、メソ細孔容積が0.075~0.1cm3/g、粒子径が100~250nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が50%~90%である、チタンシリコン分子篩を提供する。
【0018】
本発明では、ミクロ細孔とは、前記チタンシリコン分子篩が有する多孔質構造のうち孔径が2nm以下の孔を指す。
【0019】
本発明では、前記チタンシリコン分子篩のミクロ細孔比表面積及びミクロ細孔容積は、Micro meritics ASAP 2460型静的窒素吸着装置により液体窒素温度でサンプルの静的N2吸脱着曲線を測定した後、t-plot方法により分析して算出したものである。
【0020】
本発明では、前記チタンシリコン分子篩のメソ細孔比表面積及びメソ細孔容積は、Micro meritics ASAP 2460型静的窒素吸着装置により液体窒素温度でサンプルの静的N2吸脱着曲線を測定した後、BJH方法により分析して算出したものである。
【0021】
本発明では、前記チタンシリコン分子篩の総比表面積はBET方法により測定される。
【0022】
本発明では、前記チタンシリコン分子篩の粒子径は、高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡(HAADF-STEM)により観察される。
【0023】
前記チタンシリコン分子篩のミクロ細孔比表面積は、320m2/g、350m2/g、400m2/g、405m2/g、410m2/g、445m2/g、480m2/g、500m2/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0024】
前記チタンシリコン分子篩のミクロ細孔容積は、0.1cm3/g、0.15cm3/g、0.165cm3/g、0.2cm3/g、0.238cm3/g、0.3cm3/g、0.355cm3/g、0.389cm3/g、0.4cm3/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0025】
前記チタンシリコン分子篩のメソ細孔比表面積は、50m2/g、60m2/g、72m2/g、80m2/g、90m2/g、95m2/g、100m2/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0026】
前記チタンシリコン分子篩のメソ細孔容積は、0.075cm3/g、0.085cm3/g、0.09cm3/g、0.095cm3/g、0.1cm3/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0027】
前記チタンシリコン分子篩の粒子径は、100nm、125nm、140nm、158nm、180nm、200nm、215nm、230nm、245nm、250nm、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0028】
前記チタンシリコン分子篩の総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合は、50%、60%、70%、80%、90%、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0029】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記チタンシリコン分子篩は、ミクロ細孔比表面積が350~480m2/g、ミクロ細孔容積が0.13~0.37cm3/g、メソ細孔比表面積が70~100m2/g、メソ細孔容積が0.08~0.1cm3/g、粒子径が150~210nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が60%~90%である。
【0030】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記チタンシリコン分子篩において、130%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<220%である。
【0031】
本発明では、前記チタンシリコン分子篩の表面のチタン含有量及びシリコン含有量は、X線光電子分光装置(XPS)により測定され、これらの両方のモル量を比較すると、サンプルの表面Ti/Si(mol%)が得られる。前記チタンシリコン分子篩のバルク相のチタン含有量及びシリコン含有量は、蛍光X線分析装置(XRF)により測定され、これらの両方のモル量を比較すると、サンプルのバルク相Ti/Si(mol%)が得られる。前記表面とは、XPSにより測定され得るチタンシリコン分子篩粒子の表面の層を指し、理論深さが8~10nmであり、前記バルク相とは、チタンシリコン分子篩の粒子の全体を指す。
【0032】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記チタンシリコン分子篩において、145%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<200%である。
【0033】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記チタンシリコン分子篩中のチタンとシリコンとのモル比は0.001~0.04:1、好ましくは0.005~0.025:1である。
【0034】
本発明によれば、前記チタンシリコン分子篩の製造方法は、
シリコン源、アルカリ性テンプレート剤、チタン源、水、及びアルコール化合物を均一に混合し、チタンシリコンゾルを得るステップ(1)と、
(2)前記チタンシリコンゾルに式(I)で示される化合物を加え、得られた混合物を水熱結晶化し、焙焼し、チタンシリコン分子篩を得るステップ得到と、を含み、
【0035】
【0036】
ここで、iは1~6の整数であり、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、C1~C6のアルキルから選択され、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチルから選択され、R6は、メチル、-SH、-NHR7から選択され、R7は、水素又はC1~C6アルキルから選択される。
【0037】
本発明では、C1~C6アルキルとは、炭素原子が合計1~6のアルキルを指し、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシルのうちの1つであってもよい。
【0038】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、C1~C3アルキルから選択され、前記C1~C3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、好ましくは、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、メチル、エチル又はn-プロピルから選択される。本発明では、R1、R2及びR3は、同一であってもよく、異なってもよく、好ましい条件では、R1、R2及びR3は、すべて同じである。
【0039】
本発明では、式(I)で表される化合物をシラン化試薬として使用することにより、水熱結晶化反応中にミクロ細孔構造を有するチタンシリコン分子篩を形成することができる。さらに、このチタンシリコン分子篩は、多数のミクロ細孔を有しており、高いミクロ細孔比表面積及びミクロ細孔容積、及び高い表面チタン含有量(表面Ti/Siがバルク相Ti/Siよりも高いことから示される)に表れる。このチタンシリコン分子篩は、反応において触媒又は触媒担体として使用される場合、メソ細孔チャネルを備えたチタンシリコン分子篩と比較して、ミクロ細孔チャネルによって形成される閉じ込められた空間が、反応物分子とその孔壁上の骨格チタン活性中心との衝突をより促進し、さらに吸着と化学反応を起こし、反応物の変換率を向上させる。また、増加した二次ミクロ細孔構造は、分子の拡散経路を短縮し、反応物及び生成物分子の拡散速度を増加させるための豊富な物質移動チャネルを提供し、生成物分子の適時の脱着を促進して副反応を回避し、選択性を向上させることができる。表面上のこの高いチタン含有量の特徴は、反応物と生成物分子の拡散経路を大幅に短縮し、反応物と活性中心の間の接触効率と生成物分子の脱着及び外部拡散効果を改善し、反応物の変換率と生成物の選択性をさらに向上させる。
【0040】
本発明では、式(I)で表される化合物のR6がメチルである場合、前記水熱結晶化反応中、シラン化試薬のアルキル鎖間の弱い分子間相互作用により、二次ミクロ細孔構造を有するチタンシリコン分子篩が形成され、式(I)で表される化合物のR6が-SHである場合、前記水熱結晶化反応中、シラン化試薬のチオール間の静電気力により、二次ミクロ細孔構造を有するチタンシリコン分子篩が形成される。式(I)で表される化合物のR6が-NHR7である場合、前記水熱結晶化反応中、シラン化試薬のアミノ同士の水素結合力やアミノに連結される外部単鎖アルキル(R7)の柔軟な作用力により、二次ミクロ細孔構造を有するチタンシリコン分子篩が形成される。前記二次ミクロ細孔構造とは、チタンシリコン分子篩の固有のミクロ細孔に加えてシラン化試薬を添加することによって得られる増加したミクロ細孔構造を指す。
【0041】
本発明では、シラン化試薬(式(I)で表される化合物)の使用量が多すぎると、チタンシリコンゾルの結晶化特性が低下し、分子篩が得られなくなる。シラン化試薬(式(I)で表される化合物)の使用量が小さすぎると、得られたチタンシリコン分子篩のミクロ細孔比表面積及びミクロ細孔容積が減少し、物質移動効率に影響を及ぼし、その結果、その触媒活性に影響を与える。好ましい条件では、ステップ(1)において、前記シリコン源はSiO2換算、前記アルカリ性テンプレート剤は、窒素元素を含有する場合、N換算、窒素元素を含まない場合、OHー換算、前記チタン源はTiO2換算である場合、前記シリコン源、アルカリ性テンプレート剤、チタン源、水、アルコール化合物、及び式(I)で表される化合物のモル比は、1:(0.05~0.4):(0.001~0.04):(5~40):(0.1~10):(0.01~0.3)、好ましくは1:(0.1~0.3):(0.005~0.025):(5~25):(0.1~5):(0.01~0.2)である。
【0042】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記シリコン源は、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラプロピルシリケート、テトラブチルシリケート、ホワイトカーボンブラック、及びシリカゾルから選択される少なくとも1種である。
【0043】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記アルカリ性テンプレート剤は、第四級アンモニウム塩基、脂肪族アミン及び脂肪族アルコールアミンから選択される少なくとも1種、好ましくは、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水酸化テトラブチルアンモニウムから選択される少なくとも1種である。
【0044】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記チタン源は、有機チタン源及び/又は無機チタン源から選択される。
【0045】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記チタン源は、四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロピル、及びチタン酸テトラブチルから選択される少なくとも1種である。
【0046】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記アルコール化合物は、C1~C4アルコール、好ましくはイソプロピルアルコールである。
【0047】
本発明によれば、好ましい条件では、ステップ(1)は、シリコン源、アルカリ性テンプレート剤、及び水を第1撹拌混合に供し、混合系を得ることと、次に、チタン源とアルコール化合物との混合液を前記混合系に滴下して第2撹拌に供し、混合溶液を得ることと、をさらに含む。
【0048】
本発明では、前記混合液の滴下速度は、好ましくは0.01~0.5mL/min、さらに好ましくは0.1~0.5mL/minである。
【0049】
本発明では、好ましくは、前記第1撹拌時間は0.1~2hである。
【0050】
本発明では、好ましくは、前記第2撹拌時間は0.5~6h、好ましくは0.5~3hである。
【0051】
本発明では、好ましくは、ステップ(1)は、前記混合溶液からアルコールを除去することをさらに含み、アルコールを除去することにより、シリコン源とチタン源の加水分解により生成されるアルコールを除去することができ、本発明では、共沸蒸留により系中で生成されたアルコールを除去するのが好ましい。また、チタンシリコンゾル中の各物質の配合比が上記の要求を満たすように、アルコールを除去するときに共沸蒸留により損失された水を補充する。好ましくは、前記アルコールを除去する条件としては、温度は30~100℃、時間は2~10hであり、好ましくは、温度は40~90℃、時間は4~10hである。
【0052】
本発明によれば、シラン化試薬を前記チタンシリコンゾルに均一に分散させるために、好ましい条件では、ステップ(2)は、前記チタンシリコンゾルに式(I)で表される化合物を加えて第3撹拌を0.1~24h行うことをさらに含み、好ましくは、第3撹拌の時間は0.5~10h、より好ましくは1~3hである。
【0053】
本発明では、温度を急速に上昇させることにより、低温での分子篩の核形成と成長速度を制御することができ、より小さなサイズの分子篩粒子を得、これにナノゴールドを担持して触媒反応に使用すると、生成物の内部拡散経路を短縮することができ、選択性を向上させるのに有利である。また、温度を急速に上昇させることにより、分子篩の成長プロセス中にシラン化試薬の急速な加水分解が促進され、二次ミクロ細孔構造が構築される。本発明によれば、好ましい条件では、ステップ(2)において、前記水熱結晶化は、0.1~1h以内に前記混合物を結晶化温度に昇温した後、前記結晶化温度で10~100h結晶化し、前記結晶化温度は50~200℃であり、好ましくは、結晶化は、温度100~200℃で20~80h行い、さらに好ましくは、前記昇温時間は0.1~0.5hであり、より好ましくは、前記水熱結晶化条件としては、温度は120~180℃であり、時間は20~80hである。上記の好ましい条件では、分子篩のミクロ細孔比表面積とミクロ細孔容積のバランスを取り、特定のミクロ細孔比表面積及びミクロ細孔容積を有する分子篩を製造することができる。
【0054】
本発明では、水熱結晶化の圧力は特に限定されるものではなく、結晶化系の自生圧力であってもよい。
【0055】
本発明によれば、好ましい条件では、前記方法は、水熱結晶化により得られた生成物を洗浄して、濾過し乾燥するステップをさらに含む。ここで、前記洗浄、濾過、及び乾燥のプロセスは、それぞれ当業者に知られているものである。一例として、前記洗浄の温度は20~50℃であってもよく、洗浄溶媒は水であってもよく、洗浄溶媒の使用量は、結晶化生成物の質量の1~20倍であってもよい。前記乾燥の条件として、温度は40~150℃、時間は0.5~24hであってもよい。
【0056】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(2)において、前記焙焼の条件としては、温度は400~800℃、時間は1~15hである。
【0057】
本発明の第2態様は、チタンシリコン分子篩担体と、前記担体上に担持されたナノゴールドと、を含み、ミクロ細孔容積が0.06~0.4cm3/g、ミクロ細孔比表面積が160~450m2/g、メソ細孔容積が0.05~0.08cm3/g、メソ細孔比表面積が40~85m2/g、粒子径が100~250nmである、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒を提供する。
【0058】
本発明では、前記触媒のミクロ細孔比表面積及びミクロ細孔容積は、Micro meritics ASAP 2460型静的窒素吸着装置により液体窒素温度でサンプルの静的N2吸脱着曲線を測定した後、t-plot方法により分析して算出したものである。
【0059】
本発明では、前記触媒のメソ細孔比表面積及びメソ細孔容積は、Micro meritics ASAP 2460型静的窒素吸着装置により液体窒素温度でサンプルの静的N2吸脱着曲線を測定した後、BJH方法により分析して算出したものである。
【0060】
本発明では、前記触媒の粒子径は、高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡(HAADF-STEM)により観察される。
【0061】
前記触媒のミクロ細孔容積は、0.06cm3/g、0.1cm3/g、0.15cm3/g、0.2cm3/g、0.25cm3/g、0.3cm3/g、0.35cm3/g、0.4cm3/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0062】
前記触媒のミクロ細孔比表面積は、160m2/g、200m2/g、250m2/g、280m2/g、300m2/g、320m2/g、360m2/g、400m2/g、420m2/g、450m2/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0063】
前記触媒のメソ細孔容積は、0.05cm3/g、0.06cm3/g、0.07cm3/g、0.08cm3/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0064】
前記触媒のメソ細孔比表面積は、40m2/g、50m2/g、60m2/g、70m2/g、75m2/g、80m2/g、85m2/g、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0065】
前記触媒の粒子径は、100nm、120nm、140nm、150nm、180nm、200nm、220nm、240nm、250nm、及び上記の任意の2つの数値からなる範囲内の任意の値から選択されてもよい。
【0066】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒のミクロ細孔容積は0.1~0.3cm3/g、ミクロ細孔比表面積は260~410m2/g、メソ細孔容積は0.058~0.078cm3/g、メソ細孔比表面積は45~80m2/g、粒子径は150~210nmである。
【0067】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒において、130%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<220%である。
【0068】
本発明では、前記触媒の表面のチタン含有量及びシリコン含有量は、X線光電子分光装置(XPS)により測定され、これらの両方のモル量を比較すると、サンプルの表面Ti/Si(mol%)が得られる。前記触媒のバルク相のチタン含有量及びシリコン含有量は、蛍光X線分析装置(XRF)により測定され、これらの両方のモル量を比較すると、サンプルのバルク相Ti/Si(mol%)が得られる。前記表面とは、XPSにより測定され得るチタンシリコン分子篩粒子の表面の層を指し、理論深さが8~10nmであり、前記バルク相とは、チタンシリコン分子篩の粒子の全体を指す。
【0069】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒において、145%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<200%である。
【0070】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記ナノゴールドのうち90%を超える金の価数は0価である。
【0071】
本発明では、前記ナノゴールドの価数はX線光電子分光装置(XPS)により測定される。測定されたXPSピークについてソフトウェアによりピーク分割を行い、0価、+1価、+3価のAuに対応する小さなピークをそれぞれ得、0価のAuに対応するピーク面積の全ピーク面積に占める割合を計算することにより、前記ナノゴールドのうち0価のナノゴールドの含有量を得る。
【0072】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒上の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数の差が30%以下である。
【0073】
本発明では、前記触媒上の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数の差が30%以下であるとは、単一のナノゴールド担持チタンシリコン分子篩粒子のHAADF-STEM写真において、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩を隣接する複数(3つ以上)の50nm×50nmの領域に分け、50nm×50nm領域毎のAu粒子数を算出し、Au粒子数が最も多い領域をA1領域、Au粒子数が最も少ない領域をA2領域とするときの、(A1領域のAu粒子数―A2領域のAu粒子数)/A1領域のAu粒子数≦30%であることを意味する。
【0074】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数が5~40である。
【0075】
本発明では、前記触媒の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数が5~40であるとは、単一ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩粒子のHAADF-STEM写真において、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩を隣接する複数(3つ以上)の50nm×50nmの領域に分け、各50nm×50nm領域のAu粒子数が5~40であることを意味する。
【0076】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記Au粒子の粒子径は0.1~5nmである。
【0077】
本発明では、前記Au粒子の粒子径は、高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡(HAADF-STEM)により観察される。前記Au粒子の50nm×50nm領域内の数は、高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡(HAADF-STEM)により測定される。
【0078】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒中チタンとシリコンとのモル比は0.001~0.04:1、好ましくは0.005~0.025:1である。
【0079】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒の全量に基づいて、前記ナノゴールドの含有量は、0.01wt%~1wt%、好ましくは0.04wt%~0.8wt%、より好ましくは0.04wt%~0.5wt%である。
【0080】
本発明の第3態様は、チタンシリコン分子篩を脂肪族アミン水溶液でアルカリ処理してから、ナノゴールドを担持し、前記触媒を得るステップを含み、
前記チタンシリコン分子篩は前述第1態様に記載のチタンシリコン分子篩である、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の製造方法を提供する。
【0081】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記方法は、
チタンシリコン分子篩と脂肪族アミン水溶液を混合して濾過し、アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を得るステップ(1)と、
前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を金化合物含有水溶液と混合し、得られた混合物のpHを7~9に調整し、懸濁液を得るステップ(2)と、
前記懸濁液を濾過し、得られた濾過ケーキを活性化し、前記触媒を得るステップ(3)と、を含み、
前記チタンシリコン分子篩は、前述第1態様に記載のチタンシリコン分子篩である。
【0082】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(1)において、前記脂肪族アミンは、エチルアミン、n-プロピルアミン、エチレンジアミン、n-ブチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミンから選択される少なくとも1種である。
【0083】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(1)において、前記チタンシリコン分子篩のSiO2換算で、前記チタンシリコン分子篩、脂肪族アミン水溶液中の脂肪族アミン、及び脂肪族アミン水溶液中の水のモル比は1:(0.01~1):2~20である。
【0084】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(1)において、前記混合は、温度が80~250℃、時間が10~120minである。
【0085】
本発明では、チタンシリコン分子篩を脂肪族アミン水溶液でアルカリ処理することにより、チタンシリコン分子篩に多くの水酸基欠陥が発生し、より多くのAuナノ粒子がチタンシリコン分子篩上に均一に固定されやすくなり、これは、チタンシリコン分子篩でのAuの分散を促進し、水素化酸化反応における酸化剤の合成効率を高め、その結果として反応効果を高める一方、分子篩上の骨格チタン原子による電子誘導作用をAuナノ粒子に均一に印加し、活性化時に0価に変換する傾向があり、0価Auは水素ガスと酸素ガスからのH2O2酸化剤の現場生成を効果的に触媒し、生成物の選択性を向上させることができる。
【0086】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記金化合物含有水溶液はクロロ金酸水溶液から選択される。
【0087】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記クロロ金酸水溶液の濃度は、0.0001~0.1M、好ましくは0.0005~0.05M、より好ましくは0.005~0.05Mである。
【0088】
本発明では、クロロ金酸の使用量が多すぎると、ナノゴールド粒子が凝集し、反応中に副反応を引き起こし、生成物の選択性の低下につながる。クロロ金酸の使用量が少なすぎると、製造されたナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の活性が低下する。好ましい条件では、前記クロロ金酸水溶液の金換算で、前記クロロ金酸水溶液の使用量は、前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩の0.01wt%~5wt%、好ましくは0.1wt~5wt%である。
【0089】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(2)において、得られた混合物のpHを調整するのに使用されるpH調整剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、尿素、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸セシウム、及び重炭酸セシウムから選択される少なくとも1種である。
【0090】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(2)は、前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を金化合物含有水溶液と混合し、弱アルカリ性pH調整剤を加え、得られた混合物のpHが5~6となるまで加熱処理し、次に、強アルカリ性pH調整剤を加え、pHを7~9に調整し、懸濁液を得ることであってもよい。
【0091】
本発明では、前記クロロ金酸水溶液の酸性が強いため、まず、弱アルカリ性pH調整剤を加えることにより、クロロ金酸溶液のpH値をゆっくりと調整し、濃度勾配を低減させ、次に、強アルカリ性pH調整剤を用いて得られた混合物のpHを素早く所望の範囲に調整することにより、Auが凝集して大きな粒子になることを回避し、つまり、大きなAu粒子により触媒される副反応を回避し、生成物の選択性を向上させる。
【0092】
本発明では、ステップ(2)において、前記加熱処理は、弱アルカリの加水分解速度を速くし、加水分解が遅すぎることにより製造効率が低すぎることを回避することができる。
【0093】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(2)において、前記弱アルカリ性pH調整剤は、尿素、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸セシウム、及び重炭酸セシウムから選択される少なくとも1種である。
【0094】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(2)において、前記強アルカリ性pH調整剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化セシウムから選択される少なくとも1種である。
【0095】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(2)において、前記加熱処理の温度は50~95℃である。
【0096】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(3)において、前記活性化の条件としては、温度は150~500℃、時間は1~5hであり、活性化ガスは、酸素ガス、水素ガス、プロピレンから選択されるいずれかと窒素ガスとの混合ガス、又は水素ガスとプロピレンと窒素ガスとの混合ガスであり、好ましくは、前記活性化ガスは、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスである。
【0097】
本発明の第4態様は、前述第3態様に記載の方法によって製造されるナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒を提供する。
【0098】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒は、チタンシリコン分子篩担体と、前記担体上に担持されたナノゴールドと、を含み、ミクロ細孔容積が0.06~0.4cm3/g、ミクロ細孔比表面積が160~450m2/g、メソ細孔容積が0.05~0.08cm3/g、メソ細孔比表面積が40~85m2/g、粒子径が100~250nmである。
【0099】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒は、ミクロ細孔容積が0.1~0.3cm3/g、ミクロ細孔比表面積が260~410m2/g、メソ細孔容積が0.058~0.078cm3/g、メソ細孔比表面積が45~80m2/g、粒子径が150~210nmである。
【0100】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒において、130%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<220%である。
【0101】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒において、145%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<200%である。
【0102】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記ナノゴールドのうち90%を超える金の価数は0価である。
【0103】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒上の任意の50nm×50nmの領域内のAu粒子数の差は30%以下である。
【0104】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数は5~40である。
【0105】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記Au粒子の粒子径は0.1~5nmである。
【0106】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒中のチタンとシリコンとのモル比は0.001~0.04:1、好ましくは0.005~0.025:1である。
【0107】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記触媒の全量に基づいて、前記ナノゴールドの含有量は、0.01wt%~1wt%、好ましくは0.04wt%~0.8wt%、より好ましくは0.04wt%~0.5wt%である。
【0108】
本発明の第5態様は、オレフィンエポキシ化反応、シクロオレフィンエポキシ化反応、フェノール水酸化反応、シクロヘキサノンアンモニアアンモオキシム化反応における前述第2態様、第4態様に記載のナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の使用を提供する。
【0109】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記オレフィンエポキシ化反応はプロピレン気相エポキシ化反応である。
【0110】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記オレフィンエポキシ化反応はプロピレン気相エポキシ化反応である場合、
不活性ガスの保護下及び触媒の存在下、水素ガス、酸素ガス、プロピレンを混合して反応させ、プロピレンオキシドを得ることを含み、前記触媒は、前述第2態様及び第4態様に記載のナノゴールド担持チタンシリコン分子篩である。
【0111】
本発明によれば、好ましい条件では、前記反応の条件としては、前記水素ガス、酸素ガス、プロピレンの体積流量比は0.5~2:0.5~2:1であり、さらに好ましくは、プロピレンと不活性ガス体の体積流量比は1:1~10である。
【0112】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記反応条件はまた、温度120~220℃、圧力0.1~0.5MPaを含む。
【0113】
本発明では、プロピレン気相エポキシ化の反応スキームは
図1に示され、
図1から分かるように、AuはH
2とO
2からのH
2O
2生成を触媒し、次に、H
2O
2及びTS-1はTi-OOH活性部位を形成し、Ti-OOHはプロピレンからのプロピレンオキシドの生成を触媒する。
【0114】
本発明では、前記プロピレン気相エポキシ化方法は、連続操作方式を採用してもよく、具体的には、触媒を反応器に充填してから、水素ガス、酸素ガス、プロピレン、及び不活性ガスの混合ガスを連続的に加えて反応させる。
【0115】
本発明では、触媒の形態は特に限定されるものではなく、前記触媒は、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩粉末であってもよく、これを担体上に担持して使用してもよく、当業者であれば、反応器の種類に応じて選択されてもよい。
【0116】
本発明では、プロピレン気相エポキシ化生成物と触媒との分離は、触媒の形態及び実際のニーズに応じて調整することができる。例えば、触媒がナノゴールド担持チタンシリコン分子篩粉末である場合、生成物の分離及び触媒の回収再利用は、沈降、濾過、遠心分離、蒸発、膜分離などにより実現されてもよい。触媒が担体上に担持されたナノゴールド担持チタンシリコン分子篩(成形触媒)である場合、成形触媒を固定層反応器に充填して、反応終了後、触媒を回収することができる。
【0117】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。以下の例において、室温とは25±5℃を指す。
【0118】
特に明記しない限り、以下の実施例で使用される原料は化学的に純粋な試薬である。
【0119】
以下の実施例及び比較例において、ミクロ細孔比表面積及びミクロ細孔容積は、Micro meritics ASAP 2460型静的窒素吸着装置により液体窒素温度でサンプルの静的N2吸脱着曲線を測定した後、t-plot方法により分析して算出したものである。
【0120】
メソ細孔比表面積及びメソ細孔容積は、Micro Meretics ASAP 2460型静的窒素吸着装置により液体窒素温度でサンプルの静的N2吸脱着曲線を測定した後、BJH法により分析して算出したものである。
【0121】
総比表面積はBET法により測定される。
【0122】
孔径分布図はBJH式により算出される。
【0123】
ミクロ細孔の孔径分布図はt-plot法により算出される。
【0124】
粒子径は、高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡(HAADF-STEM)により観察される。
【0125】
表面のチタン含有量及びシリコン含有量は、X線光電子分光装置(XPS)により測定される。
【0126】
バルク相のチタン含有量及びシリコン含有量は、蛍光X線分析装置(XRF)により測定される。
【0127】
ナノゴールドの価数はX線光電子分光装置(XPS)により測定される。測定されたXPSピークについてソフトウェアによりピーク分割を行い、0価、+1価、+3価のAuに対応する小さなピークをそれぞれ得、0価のAuに対応するピーク面積の全ピーク面積に占める割合を計算することにより、前記ナノゴールドのうち0価のナノゴールドの含有量を得る。
【0128】
チタンシリコン分子篩上の50nm×50nm領域内のAu粒子数は高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡(HAADF-STEM)により測定される。
【0129】
以下の製造例において、使用したシラン化試薬の具体的な化学構造式を表1に示し、式(I)における対応する各置換基及びパラメータを表1に示す。化合物1~6はすべて市販品として入手する。
【0130】
【0131】
製造例1~9は、チタンシリコン分子篩の製造を説明する。
【0132】
製造例1
(1)テトラエチルシリケート、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水を室温で第1撹拌混合に供し、混合系を得、撹拌しながら、チタン酸テトラブチルとイソプロピルアルコールとの混合液を0.2mL/minの速度で混合系に滴下し、第2撹拌を0.5h行い、混合溶液を得た。テトラエチルシリケートはSiO2換算、水酸化テトラプロピルアンモニウムはN換算、チタン酸テトラブチルはTiO2換算である場合、テトラエチルシリケート、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水のモル比は1:0.1:15であり、テトラエチルシリケート、チタン酸テトラブチル、及びイソプロピルアルコールのモル比は1:0.015:3である。
【0133】
次に、混合溶液から70℃でアルコールを8h除去し、チタンシリコンゾルを得た。
【0134】
(2)チタンシリコンゾルに化合物(1)を加え、室温で第3撹拌を1.5h行い、混合物を得た。化合物(1)とテトラエチルシリケートとのモル比は0.1:1である。
【0135】
(3)混合物を0.5hかけて170℃に昇温し、170℃で24h水熱結晶化し、結晶化生成物を得た。結晶化生成物に対して水によるリンス及び濾過を順次行い、120℃で2h乾燥した。
【0136】
乾燥した生成物を550℃で6h焙焼し、チタンシリコン分子篩TS-1-1を得た。
【0137】
本製造例で得られたチタンシリコン分子篩TS-1-1の物性パラメータは表2に示され、前記チタンシリコン分子篩TS-1-1のミクロ細孔の孔径分布図及び孔径分布図は、それぞれ
図2及び
図3に示され、
図2から分かるように、TS-1-1分子篩は約0.55nmのミクロ細孔を多く有し、
図3から分かるように、TS-1-1分子篩は、ほぼメソ細孔のチャネルを有さない。
【0138】
製造例2
ステップ(2)において、化合物(1)を化合物(2)に変更した以外、製造例1の方法に従ってチタンシリコン分子篩を製造した。製造されたチタンシリコン分子篩TS-1-2の物性パラメータは表2に示される。
【0139】
製造例3
ステップ(2)において、化合物(1)を化合物(3)に変更した以外、製造例1の方法に従ってチタンシリコン分子篩を製造した。製造されたチタンシリコン分子篩TS-1-3の物性パラメータは表2に示される。
【0140】
製造例4
ステップ(2)において、化合物(1)を化合物(4)に変更した以外、製造例1の方法に従ってチタンシリコン分子篩を製造した。製造されたチタンシリコン分子篩TS-1-4の物性パラメータは表2に示される。
【0141】
製造例5
ステップ(2)において、化合物(1)を化合物(5)に変更した以外、製造例1の方法に従ってチタンシリコン分子篩を製造した。製造されたチタンシリコン分子篩TS-1-5の物性パラメータは表2に示される。
【0142】
製造例6
ステップ(2)において、化合物(1)を化合物(6)に変更した以外、製造例1の方法に従ってチタンシリコン分子篩を製造した。製造されたチタンシリコン分子篩TS-1-6の物性パラメータは表2に示される。
【0143】
製造例7
(1)テトラエチルシリケート、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水を室温で第1撹拌混合に供し、混合系を得、撹拌しながら、チタン酸テトラブチルとイソプロピルアルコールとの混合液を0.2mL/minの速度で混合系に滴下し、第2撹拌を0.5h行い、混合溶液を得た。テトラエチルシリケートはSiO2換算、水酸化テトラプロピルアンモニウムはN換算、チタン酸テトラブチルはTiO2換算である場合、テトラエチルシリケート、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水のモル比は1:0.1:15であり、テトラエチルシリケート、チタン酸テトラブチル、及びイソプロピルアルコールのモル比は1:0.015:3である。
【0144】
次に、混合溶液から70℃でアルコールを8h除去し、チタンシリコンゾルを得た。
【0145】
(2)混合物を1℃/minの昇温速度で室温から170℃に昇温し、170℃で72h水熱結晶化し、結晶化生成物を得た。結晶化生成物に対して水によるリンス及び濾過を順次行い、120℃で2h乾燥した。
【0146】
乾燥した生成物を550℃で6h焙焼し、チタンシリコン分子篩TS-1-7を得た。
【0147】
本製造例で得られたチタンシリコン分子篩TS-1-7の物性パラメータは表2に示され、前記チタンシリコン分子篩TS-1-7のミクロ細孔の孔径分布図は
図2に示され、
図2から分かるように、本発明の前記シラン化試薬を添加せずに得られるTS-1-7も孔径が約0.55nmのミクロ細孔チャネルを有するが、そのミクロ細孔含有量はTS-1-1分子篩よりもはるかに低い。
【0148】
製造例8
(1)テトラエチルシリケート31.0g、チタン酸テトラブチル1.8g、及び水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(質量濃度24.4%)15gを混合し、撹拌しながら脱イオン水25gを加え、80℃の温度で加水分解し、アルコールを4時間除去するとともに、蒸発させた水分を補充し、微黄色透明の水溶液を得た。
【0149】
(2)ステップ(1)で得られた生成物をステンレス製密閉反応釜に入れて、80℃で24時間静置し、予備結晶化生成物を得た。
【0150】
【0151】
式(II)で表される化合物2.0gを上記の予備結晶化生成物に加え、室温で2h撹拌し、透明粘稠液体を形成し、上記の液体をステンレス製密閉反応釜に移し、90℃の条件で12時間保温した後、1℃/minの速度で165℃にゆっくりと昇温し、2日間保温し、その後、濾過して洗浄し、120℃で12時間乾燥し、550℃で6時間焙焼し、チタンシリコン分子篩TS-1-8を得た。
【0152】
本製造例で得られたチタンシリコン分子篩TS-1-8の物性パラメータは表2に示され、前記チタンシリコン分子篩TS-1-8の孔径分布図は
図3に示され、
図3から分かるように、TS-1-8は、孔径が2nmのミクロ細孔チャネル及び孔径が約38nmの豊富なメソ細孔チャネルを含む。したがって、そのミクロ細孔比表面積が小さくないが、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が低かった。
【0153】
製造例9
(1)テトラエチルシリケート31.0g、チタン酸テトラブチル1.8g、及び水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(質量濃度24.4%)15gを混合し、撹拌しながら脱イオン水25gを加え、80℃の温度で加水分解し、アルコールを4時間除去するとともに、蒸発させた水分を補充し、微黄色透明の水溶液を得た。
【0154】
(2)ステップ(1)で得られた生成物をステンレス製密閉反応釜に入れて、80℃で24時間静置し、予備結晶化生成物を得た。
【0155】
【0156】
式(III)で表される化合物2.0gを上記の予備結晶化生成物に加え、室温で2時間撹拌し、透明粘稠液体を形成し、上記の液体をステンレス製密閉反応釜に移し、90℃の条件で12時間保温した後、1℃/minの速度で165℃にゆっくりと昇温し、2日間保温し、その後、濾過して洗浄し、120℃で12時間乾燥させ、550℃で6時間焙焼し、チタンシリコン分子篩TS-1-9を得た。
【0157】
本製造例で得られたチタンシリコン分子篩TS-1-9の物性パラメータは表2に示される。
【0158】
【0159】
実施例1
(1)チタンシリコン分子篩TS-1-1とエチルアミン水溶液を混合して高温処理し、第1懸濁液を得て、濾過し、アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を得た。前記チタンシリコン分子篩のSiO2換算で、前記チタンシリコン分子篩、エチルアミン水溶液中のエチルアミン、及びエチルアミン水溶液中の水のモル比は1:0.5:10であり、前記高温処理は、温度が120℃、時間が60minである。
【0160】
(2)アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩TS-1-1 5gをクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液(0.01M)100mLと混合し、NaOHを加え、得られた混合物のpHを8に調整し、第2懸濁液を得た。
【0161】
(3)前記第2懸濁液を濾過し、得た濾過ケーキを活性化させ、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-1を得た。
【0162】
ここで、前記活性化の条件としては、温度は200℃であり、時間は3hであり、活性化ガスは水素ガスと窒素ガスとの混合ガス(体積比は1:7)である。
【0163】
前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-1の物性パラメータは表3に示される。
【0164】
実施例2
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-2に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-2を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-2の物性パラメータは表3に示される。
【0165】
実施例3
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-3に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-3を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-3の物性パラメータは表3に示され、前記触媒Au/TS-1-3のHAADF-STEM像は
図4に示され、
図4から分かるように、Au/TS-1-3触媒上のAuナノ粒子はサイズが均一で(約2.4nm)、かつチタンシリコン分子篩TS-1-3上に均一に分散している。
【0166】
実施例4
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-4に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-4を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-4の物性パラメータは表3に示される。
【0167】
実施例5
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-5に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-5を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-5の物性パラメータは表3に示される。
【0168】
実施例6
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-6に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-6を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-6の物性パラメータは表3に示される。
【0169】
実施例7
ステップ(2)では、アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩TS-1-1 5gをクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液(0.01M)100mLと混合し、尿素を加え、混合物のpHが6となるまで70℃で加熱処理し、次に、NaOHを加えてpHを8に調整し、第2懸濁液を得た以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-1-1を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-1-1の物性パラメータは表3に示される。
【0170】
実施例8
ステップ(2)では、アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩TS-1-3 5gをクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液(0.01M)100mLと混合し、尿素を加え、得られた混合物のpHが6となるまで70℃で加熱処理し、次に、NaOHを加え、pHを8に調整し、第2懸濁液を得た以外、実施例3の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-3-1を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-3-1の物性パラメータは表3に示される。
【0171】
実施例9
ステップ(1)のアルカリ後処理の工程を省略して、チタンシリコン分子篩TS-1-1 5gをクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液(0.01M)100mLと混合し、NaOHを加え、得られた混合物のpHを8に調整し、第2懸濁液を得て、
前記第2懸濁液を濾過し、得られた濾過ケーキを活性化させる以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-1-2を得た。
【0172】
前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-1-2の物性パラメータは表3に示される。
【0173】
実施例10
ステップ(1)のアルカリ後処理の工程を省略して、チタンシリコン分子篩TS-1-3 5gをクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液(0.01M)100mLと混合し、NaOHを加え、得られた混合物のpHを8に調整し、第2懸濁液を得て、
前記第2懸濁液を濾過し、得られた濾過ケーキを活性化させる以外、実施例3の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-3-2を得た。
【0174】
前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-3-2の物性パラメータは表3に示され、前記触媒Au/TS-1-3-2のHAADF-STEM像は
図5に示され、
図5から分かるように、Auナノ粒子は、サイズが僅かに大きく(約3.8nm)、チタンシリコン分子篩TS-1-3-2での分布にムラがある。
【0175】
実施例11
ステップ(1)のアルカリ後処理の工程を省略して、チタンシリコン分子篩TS-1-5 5gをクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液(0.01M)100mLと混合し、NaOHを加え、得られた混合物のpHを8に調整し、第2懸濁液を得て、
前記第2懸濁液を濾過し、得られた濾過ケーキを活性化させる以外、実施例5の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-5-1を得た。
【0176】
前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-5-1の物性パラメータは表3に示される。
【0177】
比較例1
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-7に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-7を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-7の物性パラメータは表3に示される。
【0178】
比較例2
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-8に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-8を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-8の物性パラメータは表3に示される。
【0179】
比較例3
ステップ(1)のチタンシリコン分子篩TS-1-1をチタンシリコン分子篩TS-1-9に変更した以外、実施例1の方法に従って、ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-9を得た。前記ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒Au/TS-1-9の物性パラメータは表3に示される。
【0180】
【0181】
測定例
実施例1~11及び比較例1~3で製造されたナノゴールド担持チタンシリコン分子篩を触媒として、触媒を内径8mmの管状反応器に入れ、その後、N2雰囲気で180℃に昇温し、水素ガス、酸素ガス、及びプロピレンを導入して反応を開始し、1h反応後、生成物をオンラインで分析した。ここで、触媒の使用量は0.4gであり、各ガスの流量、反応温度、及び圧力は表4に示され、触媒反応結果は表5に示される。
【0182】
本発明では、ガスクロマトグラフィーにより評価系中の反応物及び生成物を分析した。ここで、ガスクロマトグラフィーの分析条件は、Agilent-6890型クロマトグラフ、分子篩5A及びPoraBONDUクロマトグラフィーカラム、FID及びTCD検出器である。
【0183】
プロピレン変換率%=(原料中のプロピレンのモル数-生成物中のプロピレンのモル数)/原料中のプロピレンのモル数×100%
プロピレンオキシド選択性%=生成物中のプロピレンオキシドのモル数/(原料中のプロピレンのモル数-生成物中のプロピレンのモル数)×100%
【0184】
【0185】
【0186】
測定例1~11及び測定例12~14の比較から、本発明によるシラン化試薬を特定の結晶化条件と組み合わせることにより、ミクロ細孔容積、ミクロ細孔比表面積、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合がより大きなチタンシリコン分子篩を得ることができた。また、得られたチタンシリコン分子篩は、表面チタン含有量が高く、プロピレンの変換率及びプロピレンオキシドの選択性を向上させることができる。
【0187】
測定例1~8及び測定例9~11の比較から分かるように、担持前にチタンシリコン分子篩をアルカリ後処理することにより、金粒子の分散性及び0価金の含有量が向上し、プロピレンの変換率及びプロピレンオキシドの選択性がさらに向上する。
【0188】
測定例1~6及び測定例7~8の比較から分かるように、ナノゴールド担持中にpHを段階的に調整することにより、Auが凝集して大きな粒子になることを効果的に回避し、プロピレンの変換率及びプロピレンオキシドの選択性をさらに向上させることができる。
【0189】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の技術構想の範囲内では、本発明の技術案に対して様々な単純な変形を行うことができ、各技術的特徴を他の適切な方法で組み合わせることも含め、これらの単純な変形及びび組合せは同様に本発明に開示された内容とみなすべきであり、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロ細孔比表面積が320~500m
2/g、ミクロ細孔容積が0.1~0.4cm
3/g、メソ細孔比表面積が50~100m
2/g、メソ細孔容積が0.075~0.1cm
3/g、粒子径が100~250nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が50%~90%である、ことを特徴とするチタンシリコン分子篩。
【請求項2】
ミクロ細孔比表面積が350~480m
2/g、ミクロ細孔容積が0.13~0.37cm
3/g、メソ細孔比表面積が70~100m
2/g、メソ細孔容積が0.08~0.1cm
3/g、粒子径が150~210nm、総比表面積に占めるミクロ細孔比表面積の割合が60%~90%である、請求項1に記載の分子篩。
【請求項3】
前記チタンシリコン分子篩において、130%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<220%である、請求項
1に記載の分子篩。
【請求項4】
前記チタンシリコン分子篩において、145%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<200%である、請求項3に記載の分子篩。
【請求項5】
チタンとシリコンとのモル比は0.001~0.04:1、好ましくは0.005~0.025:1である、請求項
1に記載の分子篩。
【請求項6】
チタンシリコン分子篩担体と、前記担体上に担持されたナノゴールドと、を含み、
ミクロ細孔容積が0.06~0.4cm
3/g、ミクロ細孔比表面積が160~450m
2/g、メソ細孔容積が0.05~0.08cm
3/g、メソ細孔比表面積が40~85m
2/g、粒子径が100~250nmである、ことを特徴とするナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒。
【請求項7】
ミクロ細孔容積が0.1~0.3cm
3/g、ミクロ細孔比表面積が260~410m
2/g、メソ細孔容積が0.058~0.078cm
3/g、メソ細孔比表面積が45~80m
2/g、粒子径が150~210nmである、請求項6に記載の触媒。
【請求項8】
前記触媒において、130%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<220%である、請求項
6に記載の触媒。
【請求項9】
前記触媒において、145%<表面Ti/Si(mol%)/バルク相Ti/Si(mol%)×100%<200%である、請求項8に記載の触媒。
【請求項10】
前記ナノゴールドのうち90%を超える金の価数が0価である、請求項
6に記載の触媒。
【請求項11】
前記触媒の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数の差が30%以下である、請求項
6に記載の触媒。
【請求項12】
前記触媒の任意の50nm×50nm領域内のAu粒子数が5~40であり、
好ましくは、前記Au粒子の粒子径が0.1~5nmである、請求項
6に記載の触媒。
【請求項13】
チタンとシリコンとのモル比は0.001~0.04:1、好ましくは0.005~0.025:1である、請求項
6に記載の触媒。
【請求項14】
前記触媒の全量に基づいて、前記ナノゴールドの含有量は、0.01wt%~1wt%、好ましくは0.04wt%~0.8wt%、より好ましくは0.04wt%~0.5wt%である、請求項
6に記載の触媒。
【請求項15】
ナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の製造方法であって、
チタンシリコン分子篩を脂肪族アミン水溶液でアルカリ処理してから、ナノゴールドを担持し、前記触媒を得るステップを含み、
前記チタンシリコン分子篩は、請求項1~5のいずれか1項に記載のチタンシリコン分子篩である、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
チタンシリコン分子篩と脂肪族アミン水溶液を混合して濾過し、アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を得るステップ(1)と、
前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩を金化合物含有水溶液と混合した後、得られた混合物のpHを7~9に調整し、懸濁液を得るステップ(2)と、
前記懸濁液を濾過し、得た濾過ケーキを活性化させ、前記触媒を得るステップ(3)と、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(1)において、前記脂肪族アミンは、エチルアミン、n-プロピルアミン、エチレンジアミン、n-ブチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ブタンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンから選択される少なくとも1種であり、
前記チタンシリコン分子篩のSiO
2換算で、前記チタンシリコン分子篩、脂肪族アミン水溶液中の脂肪族アミン、及び脂肪族アミン水溶液中の水のモル比は1:(0.01~1):2~20であり、
好ましくは、ステップ(1)において、前記混合は、温度が80~250℃、時間が10~120minであり、
好ましくは、ステップ(2)において、前記金化合物含有水溶液は、クロロ金酸水溶液から選択され、
前記クロロ金酸水溶液の濃度が、0.0001~0.1M、好ましくは0.0005~0.05M、より好ましくは0.005~0.05Mであり、
前記クロロ金酸水溶液の金換算で、前記クロロ金酸水溶液の使用量は、前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩の0.01wt%~5wt%、好ましくは0.1wt~5wt%である、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(2)では、前記アルカリ後処理したチタンシリコン分子篩と金化合物含有水溶液とを混合し、弱アルカリ性pH調整剤を加え、得られた混合物のpHが5~6となるように加熱処理し、次に、強アルカリ性pH調整剤を加え、pHを7~9に調整し、懸濁液を得て、
好ましくは、前記加熱処理の温度は50~95℃である、請求項
15に記載の方法。
【請求項19】
オレフィンエポキシ化反応、シクロオレフィンエポキシ化反応、フェノール水酸化反応、シクロヘキサノンアンモニアアンモオキシム化反応における請求項6~
14のいずれか1項に記載のナノゴールド担持チタンシリコン分子篩触媒の使用であって、
好ましくは、前記オレフィンエポキシ化反応はプロピレン気相エポキシ化反応である、使用。
【国際調査報告】