(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】呼吸補助システム
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61M16/00 305B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538496
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 IB2022062713
(87)【国際公開番号】W WO2023119240
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ブリュースター キャメロン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス エドワード ジョン
(72)【発明者】
【氏名】カット アリエン デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ホリオーク ブルース ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】マクダーモット ガレス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ キャメロン レスリー
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ ハンナ マレー
(72)【発明者】
【氏名】モンダー エヴァン アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フー ウィニー ヨン
(57)【要約】
呼吸ガスを提供するための機器は、第1のガス流路から第1のガスを受け入れて、送風器の第1のガス流出口を通ってもたらされる第1のガスの流れを発生させるように構成された送風器と;第2のガスの流れを受け入れて、第2のガス流出口を通る第2のガスの流れをもたらすように構成された第2のガス流路と;第1のガス流出口からの第1のガスの流れ及び第2のガス流出口からの第2のガスの流れを受け入れるように構成された混合室とを含む。受け入れられたガスは、混合室内で混じり合って混合ガスを形成するように構成される。受け入れられたガスは、混合流方向に混合室内で混合ガス流入口の方へ向かって移動するように構成され、混合ガスは、混合ガス流入口を経由して混合室を出て、混合ガス流路への流れをもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸ガスを提供するための機器であって:
(a)第1のガス流路から第1のガスを受け入れて、送風器の第1のガス流出口を通ってもたらされる第1のガスの流れを発生させるように構成された送風器と;
(b)第2のガスの流れを受け入れて、第2のガス流出口を通る前記第2のガスの前記流れをもたらすように構成された第2のガス流路と;
(c)前記第1のガス流出口からの前記第1のガスの流れと、前記第2のガス流出口からの前記第2のガスの流れとを受け入れるように構成された混合室であって、前記受け入れられたガスは、前記混合室内で混じり合って混合ガスを形成するように構成され、前記受け入れられたガスは、混合流方向に前記混合室内を混合ガス流入口の方へ向かって移動するように構成され、混合ガスは、前記混合ガス流入口を経由して前記混合室を出て、混合ガス流路への流れをもたらす、混合室と
を含む、機器。
【請求項2】
前記混合室は、前記混合流方向において前記第1のガス流出口の上流で前記第2のガス流出口からガスの前記流れを受け入れる、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記第1のガス流出口及び前記第2のガス流出口の一方又は双方は、前記混合室の壁に沿って実質的に接線方向に前記第1のガス及び/又は前記第2のガスの流れを達成するように配置される、請求項1又は2に記載の機器。
【請求項4】
前記第1のガス流出口及び前記第2のガス流出口は、前記混合室に対して、前記第1のガス流出口が、前記混合室に入る前記第1のガスを前記第2のガス流出口から離れるように方向付けるように配置されるように、配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
前記第1のガス流出口及び前記第2のガス流出口は、前記第1のガス流出口内の前記第1のガスが、第1の流れ方向において、前記第2のガス流出口内の前記第2のガスの第2の流れ方向に対して実質的に平行である方向と、前記第2の流れ方向に対して実質的に垂直である方向との間に方向付けられるように、配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載の機器。
【請求項6】
前記第2の流れ方向に対する前記第1の流れ方向は約0°~約90°未満の角度である、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記第1の流れ方向及び前記第2の流れ方向は共通の平面にある、請求項5又は6に記載の機器。
【請求項8】
前記混合ガス流入口は、前記混合ガス流路内の前記混合ガス流が、混合流方向において、前記第1及び第2の流れ方向の一方又は双方に対して実質的に垂直な方向と、前記第1及び第2の流れ方向の一方又は双方に対して逆平行な方向との間に方向付けられるように、配置される、請求項5~7のいずれか1項に記載の機器。
【請求項9】
前記混合流方向、前記第1の流れ方向及び前記第2の流れ方向は共通の平面にある、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記混合流方向は、前記第2の流れ方向に対して実質的に逆平行である、請求項8又は9に記載の機器。
【請求項11】
前記混合室の断面は実質的に円形である、請求項1~10のいずれか1項に記載の機器。
【請求項12】
前記混合室は実質的にシリンダー状である、請求項1~11のいずれか1項に記載の機器。
【請求項13】
前記混合室内の前記混合流方向は中心シャフトの周りである、請求項1~12のいずれか1項に記載の機器。
【請求項14】
前記中心シャフトは前記送風器の一部分を含む、請求項13に記載の機器。
【請求項15】
前記混合室は、ガスが前記混合室内でスパイラル状に移動するように構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の機器。
【請求項16】
前記混合室は、複数の隣接するセクターで構成され、前記第1のガス流出口及び前記第2のガス流出口は、前記混合室の隣接するセクター内に配置される、請求項1~15のいずれか1項に記載の機器。
【請求項17】
前記混合ガス流入口は、前記第1のガス流出口の非隣接セクター内に配置される、請求項16に記載の機器。
【請求項18】
前記混合ガス流入口は、前記混合ガス流路内での流れの均一性を最適にするセクターに設けられる、請求項16又は17に記載の機器。
【請求項19】
前記複数のセクターは4つの四分円を含む、請求項16~18のいずれか1項に記載の機器。
【請求項20】
前記第2のガス流出口の配置構成は、前記混合室から前記第2のガス流路中へのガスの流れを可能にする、請求項1~19のいずれか1項に記載の機器。
【請求項21】
前記第2のガス流出口は誘導部分を含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の機器。
【請求項22】
前記誘導部分は、前記第2のガスの流れを前記混合室中へ方向付けるように構成されたテーパを含む、請求項21に記載の機器。
【請求項23】
前記第2のガス流路は、前記第2のガス流出口に、前記混合室からのガスの流れに対する抵抗を増すように構成される流れ調整装置を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の機器。
【請求項24】
前記流れ調整装置は、複数の実質的に平行なフローチャネルを含む、請求項23に記載の機器。
【請求項25】
前記流れ調整装置は、前記混合室の内壁と連続するような形状にされている流出口端部を有する、請求項23又は24に記載の機器。
【請求項26】
前記流れ調整装置は前記機器と一体的に形成される、請求項23~25のいずれか1項に記載の機器。
【請求項27】
前記第2のガス流路は、前記第2のガス流路の直径よりも小さいノズル直径を通って前記混合室へ前記第2のガスの前記流れをもたらすように構成された1つ以上のノズルを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の機器。
【請求項28】
前記第2のガス流路は逆止弁を含む、請求項1~27のいずれか1項に記載の機器。
【請求項29】
前記機器は、前記第1のガス流路内のガスの流量を感知するための第1の流れセンサーを含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の機器。
【請求項30】
前記機器は、前記第2のガス流路内のガスの流量を感知するための第2の流れセンサーを含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の機器。
【請求項31】
前記第2のガス流路は比例弁を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の機器。
【請求項32】
前記第2の流れセンサーは、前記比例弁の下流のガスの流量を感知する、請求項31に記載の機器。
【請求項33】
前記機器は、前記混合ガス流路内の前記混合ガスの流量を感知するための第3の流れセンサーを含む、請求項1~32のいずれか1項に記載の機器。
【請求項34】
前記混合ガス流路は、前記第3の流れセンサーの上流に混合流調整装置を含む、請求項33に記載の機器。
【請求項35】
前記混合流調整装置は、前記混合ガス流入口に又はその近位に位置する、請求項34に記載の機器。
【請求項36】
前記混合流調整装置は、前記混合室の内壁と連続するような形状にされている流入口端部を有する、請求項34又は35に記載の機器。
【請求項37】
前記混合流調整装置は、複数の実質的に平行なフローチャネルを含む、請求項34~36のいずれか1項に記載の機器。
【請求項38】
前記混合流調整装置は前記混合ガス流入口と一体である、請求項34~37のいずれか1項に記載の機器。
【請求項39】
前記第1のガス、第2のガス及び混合ガス流のうちの1つ以上は、0L/min以上の流量を含み、任意選択的に、前記混合ガス流は、約20L/min~約90L/minの流量を含み、任意選択的に、前記混合ガス流は、約40L/min~約70L/minの流量を含む、請求項1~38のいずれか1項に記載の機器。
【請求項40】
複数の協働する構成要素を含み、それらを貫通して、ボアが協働して複数のガス流路を規定するように形成されており、且つそれらに、協働する空洞が、前記送風器及び混合室を受け入れるための空洞を規定するために形成されている、請求項1~39のいずれか1項に記載の機器。
【請求項41】
3つ以上の協働する構成要素を有する空気式ブロックを含み:
(a)第1の構成要素は、第1のガス流入口を規定する第1の開口部、第2のガス流入口を規定する第2の開口部、及び前記送風器の第1の部分を受け入れるための第1の空洞を含み;
(b)第2の構成要素は、前記第1のガス流路、前記第2のガス流路及び前記混合ガス流路のそれぞれの部分を規定する3つの平行な貫通ボアと、機器流出口を規定する第3の開口部とを含み;
(c)前記第3の構成要素は、前記第1のガス流路、前記第2のガス流路及び前記混合ガス流路のそれぞれの部分を規定する3つの平行な貫通ボアと、前記送風器の第2の部分を受け入れ且つ前記混合室を規定する第2の空洞とを含み;
前記第2の構成要素にある前記ボアは、前記第3の構成要素にある前記ボアと位置合わせして、前記第1のガス流路、第2のガス流路及び混合ガス流路の共線的な部分を規定する、請求項1~40のいずれか1項に記載の機器。
【請求項42】
ハウジングを含む、請求項1~41のいずれか1項に記載の機器。
【請求項43】
前記第1のガス流路は酸素流路である、請求項1~42のいずれか1項に記載の機器。
【請求項44】
呼吸ガスを提供するための機器であって、前記機器は:
(a)第1のガス流出口を通ってもたらされる第1のガスの流れを発生させるように構成された送風器と;
(b)第2のガスの流れを受け入れて、第2のガス流出口を通る前記第2のガスの前記流れをもたらすように構成された第2のガス流路と;
(c)前記第1のガス流出口からの前記第1のガスの流れと、前記第2のガス流出口からの前記第2のガスの流れとを受け入れるように構成された混合室であって、前記受け入れられたガスは、前記混合室内で混じり合って混合ガスを形成するように構成され、前記受け入れられたガスは、混合流方向に前記混合室内を混合ガス流入口の方へ向かって移動するように構成される、混合室と
を含み、
前記混合ガスは、前記混合ガス流入口を経由して前記混合室を出て、混合ガス流路への流れをもたらし;及び
前記混合ガス流入口は、前記混合室内で、前記第1のガス流出口及び第2のガス流出口の一方又は双方に対して、前記混合ガス流路内での流れの均一性を最適にするように位置決めされる、機器。
【請求項45】
前記第1のガス流出口は、前記第1のガス流出口からの流れが前記混合室内で前記混合ガス流入口から離れるように方向付けられるように、配置される、請求項44に記載の機器。
【請求項46】
前記第2のガス流出口は、前記第2のガス流出口からの流れが前記混合室内で前記混合ガス流入口から離れるように方向付けられるように、配置される、請求項44又は45に記載の機器。
【請求項47】
前記第1のガス流出口及び前記第2のガス流出口は、前記第1のガス流出口内の前記第1のガスが、前記第2のガス流出口内の前記第2のガスの第2の流れ方向に対して実質的に平行である方向と、前記第2の流れ方向に対して実質的に垂直である方向との間の第1の流れ方向に方向付けられるように、配置される、請求項46に記載の機器。
【請求項48】
前記第2の流れ方向に対する前記第1の流れ方向は約0°~約90°未満の角度である、請求項47に記載の機器。
【請求項49】
前記第1の流れ方向及び前記第2の流れ方向は共通の平面にある、請求項47又は48に記載の機器。
【請求項50】
前記混合ガス流入口は、前記混合ガス流路内の混合ガス流が、前記第1の流れ方向及び前記第2の流れ方向の一方又は双方に対して実質的に垂直な方向と、前記第1の流れ方向及び前記第2の流れ方向の一方又は双方に対して逆平行な方向との間の混合流方向に方向付けられるように、配置される、請求項47~49のいずれか1項に記載の機器。
【請求項51】
前記第1の方向及び前記第2の方向は共通の平面にある、請求項50に記載の機器。
【請求項52】
前記機器は、前記混合ガス流路内の前記混合ガスの流量を感知するための混合ガス流センサーを含む、請求項44~51のいずれか1項に記載の機器。
【請求項53】
前記混合ガス流路は、前記混合ガス流センサーの上流に混合流調整装置を含む、請求項52に記載の機器。
【請求項54】
前記混合流調整装置は前記混合ガス流入口に位置する、請求項53に記載の機器。
【請求項55】
前記混合流調整装置は、前記混合室の内壁と連続するような形状にされている流入口端部を有する、請求項53又は54に記載の機器。
【請求項56】
前記混合流調整装置は、複数の実質的に平行なフローチャネルを含む、請求項53~55のいずれか1項に記載の機器。
【請求項57】
前記混合流調整装置は前記混合ガス流入口と一体である、請求項53~56のいずれか1項に記載の機器。
【請求項58】
前記混合室の断面は実質的に円形である、請求項44~57のいずれか1項に記載の機器。
【請求項59】
前記混合室は実質的にシリンダー状である、請求項44~58のいずれか1項に記載の機器。
【請求項60】
前記混合室内の前記混合流方向は中心シャフトの周りである、請求項44~59のいずれか1項に記載の機器。
【請求項61】
前記中心シャフトは、前記送風器の一部分を含む、請求項60に記載の機器。
【請求項62】
前記混合室は、ガスが前記混合室内でスパイラル状に移動するように構成される、請求項44~61のいずれか1項に記載の機器。
【請求項63】
前記混合室は、複数の隣接するセクターで構成され、前記第1のガス流出口及び前記第2のガス流出口は、前記混合室の隣接するセクター内に配置される、請求項44~62のいずれか1項に記載の機器。
【請求項64】
前記混合ガス流入口は、前記第1のガス流出口の非隣接セクター内に設けられる、請求項63に記載の機器。
【請求項65】
前記混合ガス流入口は、前記混合ガス流路内での流れの均一性を最適にするセクターに設けられる、請求項63又は64に記載の機器。
【請求項66】
前記複数のセクターは4つの四分円を含む、請求項63~65のいずれか1項に記載の機器。
【請求項67】
前記第2のガス流出口の配置構成は、前記混合室から前記第2のガス流路中へのガスの流れを可能にする、請求項44~66のいずれか1項に記載の機器。
【請求項68】
前記第1のガス、第2のガス及び混合ガス流のうちの1つ以上は、0L/min以上の流量を含み、任意選択的に、前記混合ガス流は、約20L/min~約90L/minの流量を含み、任意選択的に、前記混合ガス流は、約40L/min~約70L/minの流量を含む、請求項44~67のいずれか1項に記載の機器。
【請求項69】
呼吸ガスの流れを提供するための機器であって、前記機器は、組み立てられると:
(b)第1のガス流路を規定する第1の貫通ボアと;
(b)第2のガス流路を規定する第2の貫通ボアと;
(c)混合室を規定する空洞と;
(d)混合ガス流路を規定する第3の貫通ボアと
を提供するように構成された複数の協働するブロック構成要素を含む空気式ブロックアセンブリを含み、
前記空気式ブロックアセンブリは、前記貫通ボアと前記空洞とで構成された非占有体積部を有する材料を含み、前記貫通ボアに起因する非占有体積部の割合は、前記空洞に起因する非占有体積部の割合よりも大きい、機器。
【請求項70】
前記空洞は、送風器を収容するように構成される、請求項69に記載の機器。
【請求項71】
前記貫通ボアに起因する前記非占有体積部は、前記非占有体積部の約50%超、好ましくは約60%超、任意選択的に約64%である、請求項69又は70に記載の機器。
【請求項72】
前記空洞に起因する前記非占有体積部は、前記非占有体積部の約20%、任意選択的に約18%である、請求項69~71のいずれか1項に記載の機器。
【請求項73】
前記空気式ブロックアセンブリは、さらに、1つ以上のセンサー空洞を含み、及び前記センサー空洞に起因する前記非占有体積部は、前記非占有体積部の約20%、任意選択的に約18%である、請求項69~72のいずれか1項に記載の機器。
【請求項74】
前記空気式ブロックアセンブリは、前記貫通ボア及び空洞が内部に機械加工又はフライス加工された金属又は金属合金を含む、請求項69~73のいずれか1項に記載の機器。
【請求項75】
前記空気式ブロックアセンブリは、型を使用して前記貫通ボア及び空洞が内部に形成された金属又は金属合金を含む、請求項69~74のいずれか1項に記載の機器。
【請求項76】
前記空気式ブロックアセンブリは1種以上の熱伝導性材料を含む、請求項69~75のいずれか1項に記載の機器。
【請求項77】
前記空気式ブロックアセンブリは、金属、金属合金、セラミック及びポリマーを含む群から選択された1種以上の材料を含む、請求項69~76のいずれか1項に記載の機器。
【請求項78】
前記第1のガス流路、前記第2のガス流路、前記混合ガス流路、及び前記送風器を収容し且つ前記空気式ブロックアセンブリ内に前記混合室を規定する前記空洞の配置構成は、コンパクトなフォームファクターを提供する、請求項69~77のいずれか1項に記載の機器。
【請求項79】
前記空気式ブロックアセンブリは複数のブロック構成要素を含み、第1のブロック構成要素は、他方のブロック構成要素が装着されるように構成される装着面を提供する、請求項69~78のいずれか1項に記載の機器。
【請求項80】
前記空気式ブロックアセンブリは、前記機器が使用中に装着され得る装着構造と協働するように構成された装着要素を含む、請求項69~79のいずれか1項に記載の機器。
【請求項81】
前記機器はハウジングを含む、請求項69~80のいずれか1項に記載の機器。
【請求項82】
前記装着要素は前記ハウジングを貫通して提供される、請求項80又は81に記載の機器。
【請求項83】
前記ハウジングは、前記ハウジング内を換気するように構成された換気用送風器を含む、請求項81又は82に記載の機器。
【請求項84】
前記ハウジングは、前記換気用送風器からの流れを、前記ハウジング内の前記空気式ブロックの上側にわたるように方向付けるように構成されたバッフルを含む、請求項83に記載の機器。
【請求項85】
前記換気用送風器からの前記流れは、呼吸ガスの前記流れから分離される、請求項84に記載の機器。
【請求項86】
前記バッフルは、前記ハウジング内に電気構成要素を収容するための1つ以上のスロットを含む、請求項84又は85に記載の機器。
【請求項87】
前記バッフルは、前記換気用送風器から前記機器の電力供給コネクタへ空気流を案内するための1つ以上の構造を含む、請求項84~86のいずれか1項に記載の機器。
【請求項88】
前記バッフルは、前記バッフル又はその一部のたるみ、圧縮又は曲げのうちの1つ以上を軽減する構造強度を提供する1つ以上の特徴を含む、請求項84~87のいずれか1項に記載の機器。
【請求項89】
前記バッフルは、前記換気用送風器からの空気流を分け、任意選択的に、前記機器の異なる構成要素、限定されるものではないが、前記機器の分電構成要素などの上側にわたって流れを案内する1つ以上の特徴を含む、請求項84~88のいずれか1項に記載の機器。
【請求項90】
前記バッフルは、前記ハウジングの内面にある1つ以上の突起と係合するように位置付けられた1つ以上の中空部分を含む、請求項84~89のいずれか1項に記載の機器。
【請求項91】
前記1つ以上の中空部分は、前記ハウジング内にあるねじボスを含む突起と係合するように構成された円錐状セクションを含む、請求項90に記載の機器。
【請求項92】
前記バッフルは、前記ハウジングの内面にある突起と協働するように構成された1つ以上のスロットを含む、請求項84~91のいずれか1項に記載の機器。
【請求項93】
前記バッフルは、前記ハウジングの対向する壁間に配置される、請求項84~92のいずれか1項に記載の機器。
【請求項94】
呼吸ガスの流れを提供するための機器であって、前記機器は:
(a)流入口及び流出口を有するフローモジュレータであって、前記流出口を通るガスの流れをもたらすように構成されたフローモジュレータと;
(b)前記流出口からのガスの前記流れを調整するように構成された流れ調整装置と
を含み、
前記流れ調整装置は、前記流れ調整装置に入る前記ガスの前記流れを分散させ且つ前記流れ調整装置を出る前記ガスを調整するように構成される、機器。
【請求項95】
前記流れ調整装置は、ガスの前記流れを受け入れて分散させるように構成された第1の部分を含む、請求項94に記載の機器。
【請求項96】
前記第1の部分は、焼結金属フィルター、好ましくは青銅焼結フィルターを含む、請求項95に記載の機器。
【請求項97】
前記第1の部分は、前記フィルター内の圧力がフィルター閾値を上回るとき、前記フィルターにある開口部を通って分配されるガスの前記流れで満たすように構成された空洞を含む、請求項95又は96に記載の機器。
【請求項98】
前記流れ調整装置は、前記分散したガスを真っすぐにするように構成された第2の部分を含む、請求項94~97のいずれか1項に記載の機器。
【請求項99】
前記第1の部分は、前記第2の部分にある対応する凹部に受け入れるように構成された先端部を有する円錐状の外部形状を含む、請求項98に記載の機器。
【請求項100】
前記凹部は貫通孔を含む、請求項99に記載の機器。
【請求項101】
前記先端部は、前記第2の部分にある前記凹部と鍵のように合うような形状にされている、請求項99又は100に記載の機器。
【請求項102】
前記第2の部分は複数の開口部を含む、請求項98~101のいずれか1項に記載の機器。
【請求項103】
前記開口部の断面は実質的に円形である、請求項102に記載の機器。
【請求項104】
前記第2の部分にある前記開口部はハニカム構造を提供する、請求項102又は103に記載の機器。
【請求項105】
前記第2の部分は複数の平行なフローチャネルを含む、請求項98~104のいずれか1項に記載の機器。
【請求項106】
前記複数のフローチャネルの長さは、前記複数のフローチャネル間で不均一であり得る、請求項105に記載の機器。
【請求項107】
前記複数のフローチャネルの直径は不均一である、請求項105又は106に記載の機器。
【請求項108】
前記複数のフローチャネルの断面形状は不均一である、請求項105~107のいずれか1項に記載の機器。
【請求項109】
前記複数のフローチャネルは、前記第2の部分内において半径方向に配置される、請求項105~108のいずれか1項に記載の機器。
【請求項110】
前記複数のフローチャネルは、全体的に、前記流れ調整装置の下流のフローチャネルの範囲内にあるように、前記第2の部分内に配置される、請求項105~109のいずれか1項に記載の機器。
【請求項111】
前記フローモジュレータは比例弁を含む、請求項94~110のいずれか1項に記載の機器。
【請求項112】
ガスの前記流れは高速で前記流出口を出る、及び/又は前記流出口を出るガスの前記流れの断面積は、それが入る流路の断面積よりも小さい、請求項94~111のいずれか1項に記載の機器。
【請求項113】
呼吸ガスの流れを提供するための機器であって、前記機器は:
流入口と;
患者に呼吸ガスの前記流れをもたらすための流出口であって、患者に呼吸ガスの前記流れをもたらすために、送給コネクタと結合されるように構成された流出口コネクタを含む流出口と
を含み、
前記流出口コネクタは、前記送給コネクタを解放自在に受け入れるように構成される流出端部を含み、前記流出端部は、前記機器中へ前記送給コネクタを挿入しすぎるのを防ぐために、前記送給コネクタよりも小さい開口部サイズを有する複数のアパーチャを含む、機器。
【請求項114】
前記複数のアパーチャは、前記流出口コネクタの中央部分の方へ向かって位置決めされる、請求項113に記載の機器。
【請求項115】
前記流出口コネクタは、呼吸ガスの前記流れを前記流出口コネクタ中へ受け入れるように構成された流入端部を含む、請求項113又は114に記載の機器。
【請求項116】
前記流出端部は、中心開口部及び前記複数のアパーチャを含む、請求項113~115のいずれか1項に記載の機器。
【請求項117】
前記流出口コネクタは、前記送給コネクタと結合されると複数の流路を提供するように構成され、少なくとも、前記流入端部と前記中心開口部との間に中心流路、及び前記流入端部と前記複数のアパーチャとの間に複数の外側流路を含む、請求項113~116のいずれか1項に記載の機器。
【請求項118】
前記複数の外側流路は、前記中心流路に対して実質的に平行である、請求項117に記載の機器。
【請求項119】
前記中心開口部は、前記送給コネクタの中心開口部と位置合わせするように構成される、請求項116~118のいずれか1項に記載の機器。
【請求項120】
前記流出端部は、前記送給コネクタの挿入を案内するように構成された内部テーパを含む、請求項113~119のいずれか1項に記載の機器。
【請求項121】
前記流出端部は、前記送給コネクタと封止係合を形成するように構成される、請求項113~120のいずれか1項に記載の機器。
【請求項122】
前記流出端部は、終端部における若しくはその近くにおける内部断面と比べて、前記複数のアパーチャにおいて若しくはその近くにおいて、又は前記流出口コネクタの中央部分において若しくはその近くにおいて、より小さい内部断面を有する、請求項113~121のいずれか1項に記載の機器。
【請求項123】
前記機器は、前記機器の混合ガス流出口と前記流出口コネクタの流入端部との間に逆止弁を含む、請求項113~122のいずれか1項に記載の機器。
【請求項124】
前記機器は、前記第1のガス流路と、前記第2のガス流路と、前記混合ガス流路と、前記混合室とを規定する空気式ブロックを含み、前記逆止弁は、前記空気式ブロックの混合ガス流出口の下流にある、請求項123に記載の機器。
【請求項125】
前記流出口コネクタは、前記空気式ブロックとの実質的に封止結合をもたらすように構成されたコネクタガスケットを含む、請求項124に記載の機器。
【請求項126】
前記逆止弁は、前記機器が直立状態であるとき、重力によって前記逆止弁を閉鎖位置へ偏らせるような角度に位置決めされる。請求項123~125のいずれか1項に記載の機器。
【請求項127】
前記流出口コネクタは、垂直方向及び水平方向の双方の力ベクトルを有する接続力を加える必要がある角度で、前記送給コネクタを受け入れるような向きにされる、請求項113~126のいずれか1項に記載の機器。
【請求項128】
前記流出口コネクタは、横方向及び上向きの接続力が加えられる必要がある垂直方向に対しておよそ60度の角度の向きにされる、請求項127に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月23日出願の米国仮特許出願第63/265,954号の優先権を主張し、その内容を参照することにより本書に援用する。
【0002】
本開示は、患者に呼吸補助を行う機器及びシステムに関する。特に、限定されるものではないが、患者に混合ガスの流れを提供するハイフロー呼吸補助を提供するためのシステム、及び呼吸補助の提供において、システムと一緒に使用するための機器に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸機能が低下しているか又は呼吸機能の低下のリスクのある患者は、ハイフロー呼吸補助の恩恵を受け得る。患者は、麻酔、若しくは鎮静中、又はより一般的にはいくつかの医療処置中に、呼吸機能を失うことがある。医療処置の前に、患者は、医療専門家によって、酸素飽和度の蓄えをもたらすために前酸素化(pre-oxygenated)され得、この前酸素化(pre-oxygenation)は、一般的に、バッグ及びフェイスマスクを用いて実施される。ひとたび全身麻酔下になったら、患者は挿管されて、患者を換気する必要がある。場合によっては、挿管は、60秒未満で完了することが多いが、他の場合には、特に患者の気道を横切ることが困難な場合(例えば、癌、重度の傷害、肥満又は頚筋の痙攣のせいで)、挿管に著しく長い時間がかかる可能性がある。前酸素化は酸素飽和度の低下を和らげるが、より長い挿管処置では、挿管プロセスを中断して、フェイスマスクを再び用いて患者の酸素飽和度を適切なレベルまで高くする必要がある。挿管プロセスの中断は、困難な挿管プロセスでは数回起こる可能性があり、これは時間がかかり、患者を危険にさらす可能性があり得る。およそ3回挿管を試みた後、医療処置は断念される。
【0004】
ハイフロー呼吸補助の実施の恩恵を受け得る、患者が呼吸機能の低下を経験し得る他の状況は、集中治療室(ICU)で頻繁に遭遇するような、患者が呼吸器疾患をきたしている場合を含む。
【0005】
本開示は、呼吸補助、特にハイフロー呼吸補助を提供するためのシステム及び機器に関する。
【0006】
特許文献若しくは従来技術として特定される任意の他の事柄への本明細書における言及は、その文献や他の事柄が公知であったこと、又は仮特許請求項のいずれかの優先日において、それが含む情報が周知の一般知識の一部であったことを認めるとはみなされない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様から見て、本開示は、呼吸ガスを提供するための機器を提供し、機器は:(a)第1のガス流路から第1のガスを受け入れて、送風器の第1のガス流出口を通ってもたらされる第1のガスの流れを発生させるように構成された送風器と;(b)第2のガスの流れを受け入れて、第2のガス流出口を通る第2のガスの流れをもたらすように構成された第2のガス流路と;(c)第1のガス流出口からの第1のガスの流れ及び第2のガス流出口からの第2のガスの流れを受け入れるように構成された混合室であって、受け入れられたガスは、混合室内で混じり合って混合ガスを形成するように構成され、受け入れられたガスは、混合流方向に混合室内を混合ガス流入口の方へ向かって移動するように構成され、混合ガスは、混合ガス流入口を経由して混合室を出て、混合ガス流路への流れをもたらす、混合室とを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、混合室は、混合流方向において第1のガス流出口の上流で第2のガス流出口からガスの流れを受け入れる。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1のガス流出口及び第2のガス流出口の一方又は双方は、混合室の壁に沿って実質的に接線方向に第1のガス及び/又は第2のガスの流れを達成するように配置される。
【0010】
いくつかの実施形態において、第1のガス流路は酸素流路である。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1のガス流出口及び第2のガス流出口は、混合室に対して、第1のガス流出口が、混合室に入る第1のガスを第2のガス流出口から離れるように方向付けるように配置されるように、配置される。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1のガス流出口及び第2のガス流出口は、第1のガス流出口内の第1のガスが、第1の流れ方向において、第2のガス流出口内の第2のガスの第2の流れ方向に対して実質的に平行である方向と、第2の流れ方向に対して実質的に垂直である方向との間に方向付けられるように、配置される。例えば、第2の流れ方向に対する第1の流れ方向は、約0°~約90°未満の角度にあり得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1の流れ方向及び第2の流れ方向は共通の平面にある。その代わりに/それに加えて、混合流方向、第1の流れ方向及び第2の流れ方向は共通の平面にあってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、混合ガス流入口は、混合ガス流路内の混合ガス流が、混合流方向において、第1及び第2の流れ方向の一方又は双方に対して実質的に垂直な方向と、第1及び第2の流れ方向の一方又は双方に対して逆平行な方向との間に方向付けられるように、配置される。
【0015】
いくつかの実施形態において、混合流方向は、第2の流れ方向に対して実質的に逆平行であり、ここで、逆平行は、平行であるが反対方向に動く方向の従来の意味を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、混合室の断面は実質的に円形である。例えば、混合室は実質的にシリンダー状であり得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、混合室内の混合流方向は、中心シャフトの周りである。中心シャフトは、送風器の一部分、例えば送風器モータアセンブリを含み得、ここで、混合流方向は、送風器モータアセンブリの軸の周りである。
【0018】
いくつかの実施形態において、混合室は、ガスが混合室内でスパイラル状に移動するように構成される。これは、ガスが混合室中へと第1のガス流出口を出るときのスパイラル状の移動を含み得る。その代わりに/それに加えて、これは、送風器モータアセンブリの軸の周りでのスパイラル状の移動を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、混合室は、複数の隣接するセクターで構成され、第1のガス流出口及び第2のガス流出口は、混合室の隣接するセクター内に配置される。複数のセクターは4つの四分円を含み得る。いくつかの実施形態において、混合ガス流入口は、第1のガス流出口の非隣接セクター内に配置され得る。混合ガス流入口は、混合ガス流路内での流れの均一性を最適にするセクターに設けられてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、第2のガス流出口の配置構成は、混合室から第2のガス流路中へのガスの流れを可能にする。第2のガス流出口は、誘導部分を含み得る。誘導部分は、第2のガスの流れを混合室中へ方向付けるように構成されたテーパを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、第2のガス流路は、第2のガス流出口に、混合室からのガスの流れに対する抵抗を増すように構成される流れ調整装置を含む。流れ調整装置は複数の実質的に平行なフローチャネルを含み得る。いくつかの実施形態において、流れ調整装置は、混合室の内壁と連続するような形状にされている流出口端部を有し得る。いくつかの実施形態において、流れ調整装置は機器と一体的に形成される。用語「第2のガス流出口」は、混合室にO2を導入する酸素流出口を指す。
【0022】
いくつかの実施形態において、第2のガス流路は、第2のガス流路の直径よりも小さいノズル直径を通って、混合室へ第2のガスの流れをもたらすように構成された1つ以上のノズルを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、第2のガス流路は逆止弁を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、第2のガス流路は比例弁を含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、機器は、第1のガス流路内のガスの流量を感知するための第1の流れセンサーを含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、機器は、第2のガス流路内のガスの流量を感知するための第2の流れセンサーを含む。第2の流れセンサーは、設けられたときに比例弁の下流のガスの流量を感知し得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、機器は、混合ガス流路内の混合ガスの流量を感知するための第3の流れセンサーを含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、混合ガス流路は、第3の流れセンサーの上流に混合流調整装置を含む。混合流調整装置は、混合ガス流入口に又はその近位に位置し得る。混合流調整装置は混合ガス流入口と一体であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、混合流調整装置は、混合室の内壁と連続するような形状にされている流入口端部を有する。混合流調整装置は複数の実質的に平行なフローチャネルを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、第1のガス、第2のガス及び混合ガス流のうちの1つ以上は、0L/min以上の流量を含み、任意選択的に、混合ガス流は、約20L/min~約90L/minの流量を含み、任意選択的に、混合ガス流は、約40L/min~約70L/minの流量を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、機器は、複数の協働する構成要素を含み、それらを貫通して、ボアが、協働して複数のガス流路を規定するように形成され、且つそれらに、協働する空洞が、送風器及び混合室を受け入れるための空洞を規定するように形成されている。
【0032】
いくつかの実施形態において、機器は、3つ以上の協働する構成要素を有する空気式ブロックを含み:(a)第1の構成要素は、第1のガス流入口を規定する第1の開口部、第2のガス流入口を規定する第2の開口部、及び送風器の第1の部分を受け入れるための第1の空洞を含み;(b)第2の構成要素は、第1のガス流路、第2のガス流路及び混合ガス流路のそれぞれの部分を規定する3つの平行な貫通ボアと、機器流出口を規定する第3の開口部とを含み;(c)第3の構成要素は、第1のガス流路、第2のガス流路及び混合ガス流路のそれぞれの部分を規定する3つの平行な貫通ボアと、送風器の第2の部分を受け入れ且つ混合室を規定する第2の空洞とを含み;第2の構成要素にあるボアは、第3の構成要素にあるボアと位置合わせして、第1のガス流路、第2のガス流路及び混合ガス流路の共線的な部分を規定する。いくつかの実施形態において、機器はハウジングを含む。
【0033】
別の態様から見て、本開示は、呼吸ガスを提供するための機器を提供し、機器は:(a)第1のガス流出口を通ってもたらされる第1のガスの流れを発生させるように構成された送風器と;(b)第2のガスの流れを受け入れて、第2のガス流出口を通る第2のガスの流れをもたらすように構成された第2のガス流路と;(c)第1のガス流出口からの第1のガスの流れ及び第2のガス流出口からの第2のガスの流れを受け入れるように構成された混合室であって、受け入れられたガスは、混合室内で混じり合って混合ガスを形成するように構成され、受け入れられたガスは、混合流方向に混合室内を混合ガス流入口の方へ向かって移動するように構成される、混合室とを含み;混合ガスは、混合ガス流入口を経由して混合室を出て、混合ガス流路への流れをもたらし;及び混合ガス流入口は、混合室内で、第1のガス流出口及び第2のガス流出口の一方又は双方に対して、混合ガス流路内での流れの均一性を最適にするように位置決めされる。
【0034】
いくつかの実施形態において、第1のガス流出口は、第1のガス流出口からの流れが混合室内で混合ガス流入口から離れるように方向付けられるように、配置される。
【0035】
いくつかの実施形態において、第2のガス流出口は、第2のガス流出口からの流れが混合室内で混合ガス流入口から離れるように方向付けられるように、配置される。
【0036】
いくつかの実施形態において、第1のガス流出口及び第2のガス流出口は、第1のガス流出口内の第1のガスが、第2のガス流出口内の第2のガスの第2の流れ方向に対して実質的に平行である方向と、第2の流れ方向に対して実質的に垂直である方向との間の第1の流れ方向に方向付けられるように、配置される。第2の流れ方向に対する第1の流れ方向は約0°~約90°未満の角度であり得る。いくつかの実施形態において、第1の流れ方向及び第2の流れ方向は共通の平面にある。
【0037】
いくつかの実施形態において、混合ガス流入口は、混合ガス流路内の混合ガス流が、第1の流れ方向及び第2の流れ方向の一方又は双方に対して実質的に垂直な方向と、第1の流れ方向及び第2の流れ方向の一方又は双方に対して逆平行な方向との間の混合流方向に方向付けられるように、配置される。第1の方向及び第2の方向は共通の平面にあってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、機器は、混合ガス流路内の混合ガスの流量を感知するための混合ガス流センサーを含む。いくつかの実施形態において、混合ガス流路は、混合ガス流センサーの上流に混合流調整装置を含む。いくつかの実施形態において、混合流調整装置は混合ガス流入口に位置する。いくつかの実施形態において、混合流調整装置は、混合室の内壁と連続するような形状にされている流入口端部を有する。混合流調整装置は複数の実質的に平行なフローチャネルを含み得る。いくつかの実施形態において、混合流調整装置は、混合ガス流入口と一体であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、混合室の断面は実質的に円形である。混合室は実質的にシリンダー状であり得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、混合室内の混合流方向は、中心シャフトの周りである。中心シャフトは、送風器の一部分、例えば送風器モータアセンブリを含み得、ここで、混合流方向は、送風器モータアセンブリの軸の周りである。
【0041】
いくつかの実施形態において、混合室は、ガスが混合室内でスパイラル状に移動するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態において、混合室は、複数の隣接するセクターで構成され、第1のガス流出口及び第2のガス流出口は、混合室の隣接するセクター内に配置される。複数のセクターは4つの四分円を含み得る。いくつかの実施形態において、混合ガス流入口は、第1のガス流出口の非隣接セクター内に設けられる。混合ガス流入口は、混合ガス流路内での流れの均一性を最適にするセクターに設けられ得る。いくつかの実施形態において、第2のガス流出口の配置構成は、混合室から第2のガス流路中へのガスの流れを可能にする。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1のガス、第2のガス及び混合ガス流のうちの1つ以上は、0L/min以上の流量を含み、任意選択的に、混合ガス流は、約20L/min~約90L/minの流量を含み、任意選択的に、混合ガス流は、約40L/min~約70L/minの流量を含む。
【0044】
本開示の別の態様から見て、呼吸ガスの流れを提供するための機器が提供され、機器は、組み立てられると:(a)第1のガス流路を規定する第1の貫通ボアと;(b)第2のガス流路を規定する第2の貫通ボアと;(c)混合室を規定する空洞と;(d)混合ガス流路を規定する第3の貫通ボアとを提供するように構成された、複数の協働するブロック構成要素を含む空気式ブロックアセンブリを含み;空気式ブロックアセンブリは、貫通ボアと空洞とで構成された非占有体積部を有する材料を含み、貫通ボアに起因する非占有体積部の割合は、空洞に起因する非占有体積部の割合よりも大きい。
【0045】
いくつかの実施形態において、空洞は、送風器を収容するように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態において、貫通ボアに起因する非占有体積部は、非占有体積部の約50%超、好ましくは約60%超、任意選択的に約64%である。
【0047】
いくつかの実施形態において、空洞に起因する非占有体積部は、非占有体積部の約20%、任意選択的に約18%である。
【0048】
いくつかの実施形態において、空気式ブロックアセンブリは、さらに、1つ以上のセンサー空洞を含み、センサー空洞に起因する非占有体積部は、非占有体積部の約20%、任意選択的に約18%である。
【0049】
いくつかの実施形態において、空気式ブロックアセンブリは、貫通ボア及び空洞が内部に機械加工又はフライス加工された金属又は金属合金を含む。
【0050】
他の実施形態において、空気式ブロックアセンブリは、型を使用して貫通ボア及び空洞が内部に形成された金属又は金属合金を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、空気式ブロックアセンブリは1種以上の熱伝導性材料を含む。いくつかの実施形態において、空気式ブロックアセンブリは、金属、金属合金、セラミック及びポリマーを含む群から選択された1種以上の材料を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、第1のガス流路、第2のガス流路、混合ガス流路、及び送風器を収容し且つ空気式ブロックアセンブリ内に混合室を規定する空洞の配置構成は、コンパクトなフォームファクターを提供する。
【0053】
いくつかの実施形態において、空気式ブロックアセンブリは、複数のブロック構成要素を含み、第1のブロック構成要素は、他方のブロック構成要素が装着されるように構成される装着面を提供する。
【0054】
いくつかの実施形態において、空気式ブロックアセンブリは、機器が使用中に装着され得る装着構造と協働するように構成された装着要素を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、機器はハウジングを含む。装着要素は、ハウジングを貫通して提供され得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、ハウジングは、ハウジング内を換気するように構成された換気用送風器を含む。ハウジングは、換気用送風器からの流れを、ハウジング内の空気式ブロックの上側にわたるように方向付けるように構成されたバッフルを含み得る。いくつかの実施形態において、換気用送風器からの流れは、呼吸ガスの流れから分離される。
【0057】
いくつかの実施形態において、バッフルは、ハウジング内に電気構成要素を収容するための1つ以上のスロットを含む。その代わりに/それに加えて、バッフルは、換気用送風器から機器の電力供給コネクタへ空気流を案内するために、1つ以上の構造を含み得る。その代わりに/それに加えて、バッフルは、バッフル又はその一部のたるみ、圧縮又は曲げのうちの1つ以上を軽減する構造強度を提供する1つ以上の特徴を含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、バッフルは、換気用送風器からの空気流を分け、任意選択的に、機器の異なる構成要素、例えば、限定されるものではないが、機器の分電構成要素の上側にわたって流れを案内する1つ以上の特徴を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、バッフルは、ハウジングの内面にある1つ以上の突起と係合するように位置付けられた1つ以上の中空部分を含む。1つ以上の中空部分は、ハウジング内にあるねじボスを含む突起と係合するように構成された円錐状セクションを含み得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、バッフルは、ハウジングの内面にある突起と協働するように構成された1つ以上のスロットを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、バッフルは、ハウジングの対向する壁間に配置される。
【0062】
本開示の別の態様から見て、呼吸ガスの流れを提供するための機器が提供され、機器は:(a)流入口及び流出口を有するフローモジュレータであって、流出口を通るガスの流れをもたらすように構成されたフローモジュレータと;(b)流出口からのガスの流れを調整するように構成された流れ調整装置とを含み;流れ調整装置は、流れ調整装置に入るガスの流れを分散させ且つ流れ調整装置を出るガスを調整するように構成される。
【0063】
フローモジュレータは比例弁を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、流れ調整装置は、ガスの流れを受け入れて分散させるように構成された第1の部分を含む。第1の部分は、焼結金属フィルター、好ましくは青銅焼結フィルターを含み得る。いくつかの実施形態において、第1の部分は、フィルター内の圧力がフィルター閾値を上回るとき、フィルターにある開口部を通って分配されるガスの流れで満たすように構成された空洞を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、流れ調整装置は、分散したガスを真っすぐにするように構成された第2の部分を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、第1の部分は、第2の部分にある対応する凹部に受け入れるように構成された先端部を有する円錐状の外部形状を含む。いくつかの実施形態において、凹部は貫通孔を含む。先端部は、第2の部分にある凹部と鍵のように合うか又は協働するような形状にされ得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、第2の部分は複数の開口部を含む。開口部の断面は実質的に円形であり得る。いくつかの実施形態において、第2の部分の開口部はハニカム構造を提供する。いくつかの実施形態において、第2の部分は複数の平行なフローチャネルを含む。いくつかの実施形態において、複数のフローチャネルの長さは、複数のフローチャネル間で不均一であり得る。複数のフローチャネルの直径は、均一でも又は不均一でもよい。複数のフローチャネル断面形状は、均一でも又は不均一でもよい。いくつかの実施形態において、複数のフローチャネルは、第2の部分内において半径方向に配置される。
【0068】
いくつかの実施形態において、複数のフローチャネルは、全体的に、流れ調整装置の下流でフローチャネルの範囲内になるように第2の部分に配置される。
【0069】
いくつかの実施形態において、ガスの流れは高速で流出口を出る、及び/又は流出口を出るガスの流れの断面積は、それが入る流路の断面積よりも小さい。
【0070】
本開示の別の態様から見て、呼吸ガスの流れを提供するための機器が提供され、機器は:流入口と;患者に呼吸ガスの流れをもたらすための流出口であって、患者に呼吸ガスの流れをもたらすために、送給コネクタと結合されるように構成された流出口コネクタを含む流出口とを含み;流出口コネクタは、送給コネクタを解放自在に受け入れるように構成される流出端部を含み、流出端部は、機器中へ送給コネクタを挿入しすぎるのを防ぐために、送給コネクタよりも小さい開口部サイズを有する複数のアパーチャを含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、複数のアパーチャは、流出口コネクタの中央部分の方へ向かって位置決めされる。それゆえ、複数のアパーチャは、流出口コネクタの周辺よりも流出口コネクタの中心軸の近くに配置され得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、流出口コネクタは、呼吸ガスの流れを流出口コネクタ中へ受け入れるように構成された流入端部を含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、流出端部は、中心開口部及び複数のアパーチャを含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、流出口コネクタは、送給コネクタと結合されると、少なくとも、流入端部と中心開口部との間に中心流路、及び流入端部と複数のアパーチャとの間に複数の外側流路を含む、複数の流路を提供するように構成される。複数の外側流路は、中心流路に対して実質的に平行であり得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、中心開口部は、送給コネクタの中心開口部と位置合わせするように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態において、流出端部は、送給コネクタの挿入を案内するように構成された内部テーパを含む。
【0077】
いくつかの実施形態において、流出端部は、送給コネクタと封止係合を形成するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態において、流出端部は、終端部における若しくはその近くにおける内部断面と比べて、複数のアパーチャにおいて若しくはその近くにおいて又は流出口コネクタの中央部分において若しくはその近くにおいて、より小さい内部断面を有する。
【0079】
いくつかの実施形態において、機器は、機器の混合ガス流出口と流出口コネクタの流入端部との間に逆止弁を含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、機器は、第1のガス流路と、第2のガス流路と、混合ガス流路と、混合室とを規定する空気式ブロックを含み、逆止弁は、空気式ブロックの混合ガス流出口の下流にある。いくつかの実施形態において、流出口コネクタは、空気式ブロックとの実質的に封止結合をもたらすように構成されたコネクタガスケットを含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、逆止弁は、機器が直立状態であるとき、重力によって逆止弁を閉鎖位置へ偏らせるような角度に位置決めされる。
【0082】
いくつかの実施形態において、流出口コネクタは、垂直方向及び水平方向の双方の力ベクトルを有する接続力を加える必要がある角度で、送給コネクタを受け入れるような向きにされる。例えば、流出口コネクタは、同時に横方向及び上向きの接続力が加えられる必要がある垂直方向に対しておよそ60度の角度の向きにされてもよい。
【0083】
本発明を、ここで、添付図面を参照して詳細に説明し、図面では、同様の特徴は同様の符号を表す。図示の実施形態は例にすぎず、本明細書に添付される仮特許請求項において定義されるような本発明の範囲の限定とはみなされないことを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【
図1】患者に呼吸ガスを提供するための呼吸システムの一例の概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による呼吸ガスを送給するためのシステムの構成要素を示す概略図である。
【
図3A】本開示の様々な実施形態による、機器の混合室及び流路内のガスの流れを示す、コンピュータ計算による流体力学モデルに基づいた流れの図である。
【
図3B】本開示の様々な実施形態による、機器の混合室及び流路内のガスの流れを示す、コンピュータ計算による流体力学モデルに基づいた流れの図である。
【
図3C】本開示の様々な実施形態による、機器の混合室及び流路内のガスの流れを示す、コンピュータ計算による流体力学モデルに基づいた流れの図である。
【
図4A】送風器流出口が混合室の好ましくないセクターに配置されるときの、混合室及び流路内のガスの望ましくない流れを示す、コンピュータ計算による流体力学(CFD)の図である。
【
図4B】送風器流出口が混合室の好ましくないセクターに配置されるときの、混合室及び流路内のガスの望ましくない流れを示す、コンピュータ計算による流体力学(CFD)の図である。
【
図4C】送風器流出口が混合室の好ましくないセクターに配置されるときの、混合室及び流路内のガスの望ましくない流れを示す、コンピュータ計算による流体力学(CFD)の図である。
【
図4D】送風器流出口が混合室の好ましくないセクターに配置されるときの、混合室及び流路内のガスの望ましくない流れを示す、コンピュータ計算による流体力学(CFD)の図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態において用いられる流れ調整装置の端面図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態において用いられる流れ調整装置の斜視図である。
【
図5C】本開示のいくつかの実施形態において用いられる流れ調整装置の側面図である。
【
図6A】複数のブロック構成要素で構成された、本開示の実施形態に従って組み立てられた空気式ブロックの前側から見た斜視図である。
【
図6B】複数のブロック構成要素で構成された、本開示の実施形態に従って組み立てられた空気式ブロックの前側から見た斜視図である。
【
図7A】機器と一体的に形成された混合ガス整流器を備える、
図6A及び
図6Bの空気式ブロック700の前面の透視図である。
【
図7B】混合ガス整流器が機器と一体的に形成されていないように修正された、
図6A、
図6B及び
図7Aの空気式ブロックの前側から見た斜視的な透視図である。
【
図8】特に、空気式ブロックの背面の第1の構成要素の特徴を示す、
図6A~7Bにおける空気式ブロックの後面の透視図である。
【
図9】空気式ブロック第1の構成要素の空気流入口に受け入られ、第3の構成要素にあるボアを通って、第1の構成要素内の空洞まで移動し、空気を送風器310の流入口へ供給する、空気の流線の表現を示す図である。
【
図10A】本開示の実施形態による、空気流路に設けられ得る空気流調整装置の概略図である。
【
図10B】本開示の実施形態による、空気流路に設けられ得る別の空気流調整装置の概略図である。
【
図11A】機器と一体的に形成されていない混合ガス流調整装置の端面図である。
【
図11B】機器と一体的に形成されていない混合ガス流調整装置の側面図である。
【
図12A】本開示の実施形態による流出口コネクタの側面図である。
【
図12B】本開示の実施形態による流出口コネクタの端面図である。
【
図12C】本開示の実施形態による流出口コネクタの断面図である。
【
図13A】本開示の実施形態による、取り外し自在なフィルター及び取り外し自在なカバーを備える、機器の空気流入口を示す。
【
図13B】本開示の実施形態による、取り外し自在なフィルター及び取り外し自在なカバーを備える、機器の空気流入口を示す。
【
図13C】本開示の実施形態による、取り外し自在なフィルター及び取り外し自在なカバーを備える、機器の空気流入口を示す。
【
図14A】本開示の実施形態による、取り外し自在なフィルター及び取り外し自在なカバーを備える、機器の第2の空気流入口を示す。
【
図14B】本開示の実施形態による、取り外し自在なフィルター及び取り外し自在なカバーを備える、機器の第2の空気流入口を示す。
【
図14C】本開示の実施形態による、取り外し自在なフィルター及び取り外し自在なカバーを備える、機器の第2の空気流入口を示す。
【
図15A】抵抗が最も小さい経路を示す、機器のハウジング内の流路を示す。
【
図15B】案内される流路を示す、機器のハウジング内の流路を示す。
【
図16A】機器ハウジング内の流れを案内するためのバッフルの前側から見た斜視図である。
【
図16B】機器ハウジング内の流れを案内するためのバッフルの後ろ側から見た斜視図である。
【
図17A】空気式ブロック及びIECコネクタを横切るように流れを方向付けるように配置された、
図16A及び
図16Bのバッフルを示す。
【
図18A】本開示の実施形態による、第1の部分及び第2の部分を有する酸素流調整装置を示す。
【
図18B】酸素流調整装置の、
図18Cに示す第2の部分から分離された第1の部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0085】
本開示の実施形態について図面を参照して本書で説明し、図面は、縮尺通りではなく、単に、本発明の説明を助けることを意図している。
【0086】
ハイフロー呼吸補助が提供される麻酔処置において、ハイフローガスの酸素(O2)レベルを周囲空気(21%)よりも高くし得る。全身麻酔処置において、前酸素化の最中、麻酔誘発前に患者の肺内及び血液中にO2を蓄える(緩衝としての機能を果たす)ために、並びに挿管前(患者が無呼吸であり得る間)に、血中酸素濃度を維持し得るか又は血中酸素濃度の低下を防止/減少させ得るために、患者に100%のO2が送給される。
【0087】
全身麻酔処置中の流量は、70L/minに達し得るか、又は場合によっては、無呼吸での酸素化の最中は90L/minであり得る。これに関連して、呼吸補助を行うために必要な高いO2濃度と高流量の組み合わせは、患者への高ガス流及び/又は高いO2濃度の送給を、信頼性高く、正確に、安全に制御できるシステムを必要とする。本開示の実施形態は、センサー性能、ガスの混合及び流れの調整のうちの1つ以上を改善し得、これが、次に、ハイフロー呼吸補助の提供におけるシステム及び機器の性能の改善を生じさせ得る。センサー及びそれらの測定に関して、線形、均一及び/又は平行である流れプロファイルのガスを提供して、例えば感知精度及び/又は一貫性を改善することが望ましい。いくつかの実施形態において、流れ調整装置は、ガス流を望ましい流れプロファイルに近づけるように調整するために使用され得る。その代わりに及び/又はそれに加えて、流れセンサーは、機器内の実際の流れを決定するために使用され得るので、改善したガスの流れの制御及び送給が達成され得る。
【0088】
図1は、患者へ呼吸ガスを提供するための呼吸システム1の一例の概略図である。システム1は、流れ源3、例えばO
2の内壁源、O
2タンク、送風器、フロー療法装置、又は任意の他のO
2若しくは他のガスの源又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、流れ源3はフローモジュレータを含み、いくつかの実施形態において、フローモジュレータは、流れ発生器、例えばコントローラ4によって制御されるような高流量で空気とO
2の混合物を含むガス流をもたらす送風器を含む。流れ源3から呼吸ガスは、第1の導管17及び流入口9を経由して加湿器7の加湿室6まで移動し、そこで、ガスは、コントローラ4によって決定されたような予め決められた温度及び/又は湿度へと調整され得る。
【0089】
加湿器7は、患者へ送給される前に、予め決められた温度及び/又は湿度へガスを調整するように構成される。患者によってもたらされた呼吸ガスの流れは、加湿されても、又は、いくつかの実装例では、非加湿でもよい。加湿器7はまた、加湿ベースユニットを含み得る。一例において、加湿ベースユニットは、例えば室6内の伝導ベースを介して、加湿室6内の加湿流体を加熱するように動作可能な加熱素子を含む。第1の導管17は、加湿器7へ乾燥したガスの流れを送給するための導管を提供し得る。第1の導管7は、図示のような加湿器7の加湿室6と結合され得る。或いは、加湿器7は単一の構成要素(図示せず)であり、別個の加湿室6及び/又はベースユニットを排除してもよい。加湿器7は、流れ源3によってもたらされたガスを必要な温度及び/又は湿度へ調整するように構成され得る。必要な温度及び/又は湿度は、行われている呼吸補助に従って決定され得、ユーザや操作者によって、提供される呼吸補助に好適であるように選択され得る。
【0090】
加湿された及び/又は暖められた呼吸ガスは流出口11を経由して加湿器7を出て、流出口には吸息導管101が結合されて、吸息導管は、患者インターフェース5を経由して患者16へ調整された呼吸ガスを送給する。一般に、システム1を使用するハイフローの送給のために、患者インターフェースは、非封止インターフェース、例えば非封止鼻カニューレである。他の実施形態において、患者インターフェース5は、封止インターフェース、例えば鼻マスク、フルフェイスマスク又は鼻枕であり得る。いくつかの実施形態において、吸息導管101内の加湿ガスは、吸息導管に又は吸息導管内に設けられる加熱素子119によって加熱され得る。いくつかの実施形態において、患者16にもたらされるガスをろ過するために、任意選択的なフィルター13が設けられ得る。任意選択的なフィルター13はまた、患者から逆流する場合の、例えば加湿室及び吸息導管の汚染を防止するために設けられ得る。任意選択的なフィルター13は、結合部105で吸息導管101と結合するように構成された流入口端部19を含む。流入口端部19に入るガスは、フィルター15を通過させられてフィルター流出口端部21を出て、ろ過済みガス導管22を経由して患者インターフェース5へ送給される。
【0091】
コントローラ4は入力-出力インターフェース(I/Oインターフェース)20を含み、入力-出力インターフェースは、患者に提供される呼吸補助に従ってユーザ入力を受信し、次に、1つ以上のアラーム条件を満たすときに、スクリーンやスピーカなどの可聴手段によってユーザに通信し得るように構成される。コントローラ4は、メモリに記憶された1つ以上のプロトコルに従って呼吸ガスの流れを制御するための命令をプロセッサーに実行させるように構成された1つ以上のメモリ構成要素を含むか又はそれと動作可能に通信する。
【0092】
いくつかの実施形態において、ユーザは、I/Oインターフェース20に、呼吸補助条件、例えば患者の気道に送給されるべきガスの組成(例えばO
2濃度)、流量及び/又は圧力を提供する。そのため、コントローラ4は、ガスの流れを調節するために、流れ源3を、及び/又はシステム内の様々な構成要素(例えば比例弁212-
図2参照)を制御することによって、流量、圧力及び/又はO
2濃度を送給するためにシステムの構成要素の動作に必要な制御信号をコンピュータで計算する。コントローラ4は、本明細書で説明されるような制御信号を決定するためにコントローラによって使用される複数のセンサー入力を受信し得る。いくつかの実施形態において、I/Oインターフェース20は、システムの1つ以上のパラメータ、例えば1つ以上の入力部、例えばコントローラ4及びセンサーから受信し得るガス流量、圧力(例えば患者、システムなど)、温度、ガス濃度、例えばO
2濃度などを表示し得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、本開示は、必要な呼吸補助を安全に、及び/又は効率的に行うガスの流れをもたらすように配置された機械的、電気的及び電子的構成要素で構成された機器を提供する。
図2は、本開示の実施形態に従って呼吸ガスを提供するための機器100の構成要素を示す概略図である。機器100は、O
2流路200、空気流路300及び混合ガス流路400を含む。O
2流路200は、高圧O
2供給部であり得るO
2供給部210と流体連通している。機器100は、
図1の流れ源3を表す。一例において、流れ源3はまた、O
2供給部210を含み得る。O
2流路200内のガスの流量は、コントローラ4と動作可能に結合される比例弁212によって、制御される。空気流路300は、空気取り入れ口314から周囲空気を引き込む送風器310を有する。空気流路300内のガスの流量は、コントローラ4と動作可能に結合される送風器310によって、制御される。空気取り入れ口314からの空気は、微粒子を除去するために空気フィルター316によってろ過され得る。同様に、O
2供給部210から小粒子(例えば<100um)をろ過するためにフィルター216が設けられてもよい。このフィルターは、O
2供給部210の流入口と結合されるO
2コネクタ内に配置されてもよい。O
2は、送風器310の下流の空気と混合されて、混合ガス流路400内で混合ガス流を形成し、これが、呼吸ガスの流れとして患者へ送給される。流れ調整装置、例えば
図7A及び
図18A~Cに示す流れ調整装置250が、比例弁212の下流及びO
2流センサー218の上流に設けられてもよい。
【0094】
様々なセンサー、例えばO2流路内のO2圧力を感知する(例えばO2流路に入るO2の流れがあることを決定する)ように構成されるO2圧力センサー214、O2流路200内の流量を感知するように構成されるO2流センサー218、空気流路300内の流量を感知するように構成される空気流センサー318、及び患者へ送給される混合ガス流路400内の流量を感知するように構成される混合ガス流センサー418も設けられ得る。さらに、1つ以上のゲージ圧センサー414が混合ガス流路400内に設けられてもよく、1つ以上の周囲圧力センサー114が、周囲空気圧力を感知するために設けられてもよい。1つ又は複数のゲージ圧センサー414は、1つ以上の周囲圧力センサー114から参照を取って、混合ガス流路400内の圧力を測定し得る。混合ガス流路400内の混合ガスの流量及び圧力は、送風器310及び/又は比例弁212の動作によって制御され得る。
【0095】
O
2流路200及び空気流路300からのガスの混合は、
図2の破線に示す混合室500において発生し、そこでは、O
2流路200からのガスが、O
2流出口220を通って混合室に入り、及び空気流路300からのガスが、空気流出口320を通って混合室に入る。下記で明らかになるように、いくつかの好ましい実施形態における空気流路300内の送風器310の物理的配置構成のおかげで、空気流出口320は、いくつかの実施形態において、送風器流出口320と呼ばれ得る。混合室500は、円形の断面、例えば円柱状若しくは回転楕円体としても、又は卵形若しくは長円形の断面を有してもよく、混合室の角や他の内部特徴による混合室内のガスの流れの中断又は妨害が最小限にされるようにし得る。混合室500は混合ガス流入口510を有し、そこを通して、混合室からの混合ガスが混合ガス流路400へ流れる。
【0096】
機器100は、ハウジング900内に設けられてもよく、それは、下記でさらに詳細に説明するように、さらに、機器の安全な動作を改善する換気用送風器650を含み得る。
図2の概略的なレイアウトには、機器100への、電動構成要素のそれぞれに供給する電気入力部が示さなれていない。機器100への電気入力部は、IECコネクタによるものである。IECコネクタは、IECリテーナ960(
図17A及び
図17B参照)に接続され得る。IECコネクタ及びIECリテーナの双方共、当業者に公知のタイプのものである。
【0097】
機器内のガスの流れを方向付ける機器100の構成要素が、下記でさらに詳細に説明するように、実質的に封止された空気式ブロック700(例えば
図6A&
図6Bに示すような)に設けられる。
図2の概略図に示すように、O
2流路200及び空気流路300は、平行な流路として表されている。関連して、
図2の機器100の概略図が機械的な機器100内に明示されるとき、いくつかの実施形態において、下記で説明するように、O
2流路200及び混合ガス流路400が、それら流路の少なくとも一部が平行形態に配置されるように機器内で配置されることも望ましい可能性がある。
【0098】
いくつかの実施形態において、O2流路200及び空気流路300、特にO2流出口220、空気流出口320は、互いに対して、逆流方向に(すなわちO2源210からO2流路に入るO2のバルク流れの方向に抗して)O2路に入る流れを減少させる又は防ぐように、配置される。O2路に入る逆流を減少させる又は防ぐことが望ましいが、これは、O2流センサー218による感知の精度に影響を及ぼし得るためである。O2流の不正確な感知は、比例弁212に提供される制御信号に影響を及ぼし得、これは、次に、患者にもたらされる呼吸ガスの正確さ及び安全性にマイナスの結果を招き得る。
【0099】
例えば、流れセンサー218、318並びにO
2流路内のO
2の濃度(例えば100%のO
2)及び空気流路内のO
2の濃度(21%)に基づいて、患者へ送給される流れ内のO
2濃度が計算される
図2の実施形態において、送給されるガス流を21%のO
2の割合で患者へ供給するようにユーザがI/Oインターフェース20へ入力を提供するとき、21%のO
2は主に周囲空気を表すため、O
2流路内の流れはゼロであるか低い必要がある。しかしながら、O
2流路200内に望ましくない流れが発生する場合、流れセンサー218は、負又は正の流れの読み取りを記録し得、これは、コントローラ4に、送給されるガス流中に21%よりも少ない又は多いO
2があることを記録させ得る。これは、コントローラに、送給される流れ中に21%未満のO
2がある場合、比例弁212を開放させて、より多くのO
2が患者へ流れることができるようにするか、又は送給される流れ中に21%超のO
2がある場合、比例弁212をさらに閉鎖させるか、若しくは比例弁212がさらに閉鎖できない場合には、エラーを記録させ得る。いくつかの応用において、例えばO
2供給部が制限されるとき、追加的なO
2は望ましくない可能性がある。本開示の実施形態は、送風器流出口320をO
2流出口220に対して注意深く配置することによって、そのような問題を軽減しようとし、及び混合ガス流路400内のO
2の割合を正確に監視して制御するために、複数の流れセンサー、例えば流れセンサー218、318、418を用い得る。発生するこのエラーのリスクはまた、O
2濃度センサーを1つ以上の流路、例えばO
2流路200又は混合ガス流路300に追加することによって、低下され得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、100%のO2を含有する呼吸ガスを送給することが望ましい可能性がある。そのようなシナリオにおいて、ユーザは、このO2濃度設定点をI/Oインターフェース20に入力する。そのため、コントローラ4は、比例弁212を十分に開放するように制御して(例えば供給電流を増やすことによって)、十分なO2が呼吸ガスの流れ中に入ることができるようにして、O2濃度設定点に適合するようにする。これにより、送風器310の下流に圧力を生み出し得、O2のみが患者へ送給されるようにする;送風器310は、依然として、流れ及び圧力を制御するように動作しているが、比例弁212は、空気送給回路からの空気によるO2の希薄化を防ぐように働く。換言すると、機器が100%のFiO2を出力するように設定される実施形態において(ここで、FiO2は、患者へ供給される酸素の割合である)、コントローラ4は、比例弁212の開放量及び送風器310の速度の双方を、ユーザによって設定される流量条件に適合するように調整する。送風器310は、空気流入口から出るO2を制限するように、圧力を維持する。例えば、設定点が70LPM及び100%のFiO2であり、O2流センサーが72LPMを記録する場合、送風器310の速度は低下され、比例弁212の開放のサイズは小さくされ得る。それゆえ、送風器310は依然として患者への流れを制御する。
【0101】
いくつかの実施形態において、混合室500は、混合室500内で混合流方向に、送風器流出口320の上流で、O
2流出口220からガスの流れを受け入れる。いくつかの実施形態において、混合室500内の流れ方向は、
図3Aにおいて方向Aによって表され得る。いくつかの実施形態において、送風器流出口320及びO
2流出口220の一方又は双方は、混合室500の壁に沿って実質的に接線方向の空気及びO
2の流れを達成するように配置されて、O
2流路200に直接入る空気流路300からの空気の流れ又は逆流を回避するようにする。その代わりに/それに加えて、送風器流出口320及びO
2流出口220は、送風器流出口320が、混合室500に入る空気をO
2流出口220から離れるように方向付けるように配置されるように、混合室に対して配置され得る。これは、混合室500に入る空気が混合室内のガスの流れに入って、O
2流出口及び空気流出口320が混合室500のガスの流れと一緒に共通の平面にあるとき、混合室内で接線方向に、O
2流出口220から離れるように移動することを意味する。しかしながら、いくつかの実施形態において、これらの流出口は共通の平面に設けられなくてもよく、そのような実施形態において、送風器流出口320及びO
2流出口220は、混合室500中への空気流が、3つの次元において、O
2流出口220から離れるような方向に流れるように配置され得ることも考えられる。
【0102】
いくつかの実施形態において、送風器流出口320及びO
2流出口220は、送風器流出口からの空気が第1の流れ方向に方向付けられ、O
2流出口220からのO
2が第2の流れ方向に方向付けられるように、配置され、ここで、第1の流れ方向は、第2の流れ方向に対して実質的に平行な方向と、第2の流れ方向に対して実質的に垂直な方向との間である。理想的には、第1の流れ方向と第2の流れ方向は共通の平面にあるが、それに当てはまる必要はない。これらの流れ方向は、送風器流出口320とO
2流出口220の様々な相対的な配置による機器100内のガスの流れをシミュレーションする流れの図である
図3A~3Cを参照して説明され得る。いくつかの実施形態において、送風器流出口320は、O
2流出口220の下流に配置される。混合室500に対する送風器流出口320及びO
2流出口220の様々な位置の説明を簡単にするために、室は、四分円と呼ばれる複数のセクターに分割されており、第1の四分円はQ1で表され、第2の四分円はQ2で表され、第3の四分円はQ3で表され、及び第4の四分円はQ4で表される。5個以上のセクターがある場合があるが、説明を簡単にするために、セクターは、本開示では4つの四分円で表されることを理解されるべきである。
【0103】
図3Aの流れの図において、送風器流出口320は、送風器流出口から出る流れがQ1に入って、第2の流れ方向に対する第1の流れ方向が、第1の流れ方向と第2の流れ方向が実質的に平行である0°の角度になるように、配置される。流れの図は、概して、送風器流出口320からの流れが混合室500に入り、流れのほとんどが混合ガス流入口510を通って混合室を出る前に、Q1、Q2及びQ3を通って環状に移動することを示す。混合室500内に留まる流れは再循環されてもよく、好ましくはO
2流出口220には入らない。
【0104】
図3Bの流れの図において、送風器流出口320は、送風器流出口を出る流れがQ1に入り、第2の流れ方向に対する第1の流れ方向がおよそ60°の角度になるように、配置される。
図3Cの流れの図において、送風器流出口320は、Q1において、第2の流れ方向に対する第1の流れ方向がおよそ90°の角度になるように、配置される。
図3B及び
図3Cの双方において、流れの図は、送風器流出口320からの流れが混合室500に入り、流れのほとんどが混合ガス流入口510を通って混合室を出る前に、残りのQ1、Q2及びQ3、並びに残りのQ2及びQ3をそれぞれ通って環状に移動することを示す。
【0105】
混合ガス流路400内の流れの均一性はまた、正確な流れの測定に重要である。混合ガス流入口510に対する送風器流出口320の配置は、これから説明するように、混合ガス流路400内の流れのふるまいに影響を及ぼし得る。
【0106】
図3A~3Cにおいて、流れが円形混合室のQ1に入るように送風器流出口320が配置されている状態で、混合ガス流入口510を通って混合ガス流路400に入る流れは、混合ガス流路内の実際の流れを、混合ガス流路内の流れの均一性が劣った場合よりも正確に表す値を流れセンサー418が生じることができるようにする均一性のレベルを有する。理想的には、混合ガス流路400は、混合ガス流が混合流方向に方向付けられるように、配置され、ここで、混合流方向は、第1及び第2の流れ方向の一方又は双方に実質的に垂直な方向と、第1及び第2の流れ方向の一方又は双方に逆平行な方向との間である(及びそれを含む)。好ましくは、混合流方向、第1の流れ方向及び第2の流れ方向は、共通の平面にあるが、それに当てはまる必要はない。
【0107】
図3A~3Cの流れの図において、混合流方向は、第2の流れ方向に実質的に逆平行であり、ここで、逆平行は、平行であるが反対方向に動く方向であるという従来の意味を有する。
【0108】
図4A~4Dは、望ましくない特徴をシミュレーションする、混合ガス流入口510に対する送風器流出口320の様々な配置による機器100内のガスの流れをシミュレーションする流れの図を示す。
図4Aにおいて、送風器流出口320は、送風器流出口を出る流れがQ2に入って、第2の流れ方向に対しておよそ120°の角度の第1の流れ方向を生じるように配置される。送風器流出口320からの流れの一部が、混合ガス流入口510を経由して混合室500を出る一方で、一部の流れが混合室内で再循環する。再循環流は、
図3A~3Cにおいてシミュレーションした流速と比べて、より高い速度で移動し得、再循環流が混合室500の壁に当たると、渦巻いて広がり得、渦巻いて広がる流れの一部がO
2流路200に入って、酸素流路内に望ましくない流れを生み出すようにする。これは、O
2流路200内のバルクガス流の検出においてエラーを生じ得る。
【0109】
図4Bにおいて、送風器流出口320は、送風器流出口を出る流れがQ3に入って、第2の流れ方向に対しておよそ180°の角度の第1の流れ方向を生じるように、配置される。送風器流出口320からの空気流のほとんどは、混合ガス流入口510を経由して混合室500を出る。しかしながら、送風器310を出る流れが高速であり、流れが正確な流量感知のための望ましい流れプロファイルに発達するには流路長が不十分であるため、混合ガス流路400内の流れの均一性は損なわれる。これは、流れセンサー418の精度に対してマイナスの影響があり得る。いくつかの実施形態において、混合ガス流路400内の、例えば混合ガス流入口510にある、流れ調整装置は、
図11A及び
図11Bに関して説明するように設けられてもよいが、これは、望ましい流れプロファイルを達成するためには効果がない可能性があり、場合によっては、送風器流出口320から流れるガスは高速である。それゆえ、送風器流出口320は、混合ガス流入口510に対して混合ガス流路400内の流れのプロファイルを改善し、混合ガス流センサー418によって生成される流量エラーのリスクを低下させるように、配置され得る。
【0110】
図4Cにおいて、送風器流出口320はQ3に配置され、O
2流路200に望ましくない流れを著しく生み出す。これは、混合室500に入る送風器からの、流れプロファイルが望ましくない高速ガスによる可能性があり、流れの一部が、再循環流を含め、O
2の流れの流出口320の縁に当たるようにしてしまい、それにより、流れにスピン運動を誘発し、混合室からO
2流路200に入る流れを生じる。混合ガス流路400内の流れの均一性も悪影響が及ぼされ、これは、混合ガス流センサー418の動作の精度に影響を及ぼし得る。これらの影響の双方が望ましくない。
【0111】
図4Dにおいて、送風器流出口320は、送風器流出口を出る流れがQ4に入るように配置される。送風器を出るガスが高エネルギーであるおかげで、送風器流出口320からの流れは、混合室500内のガスに、O
2流出口200のごく近くにあるものを含めて、干渉する。これはまた、O
2流路200に望ましくない流れを生み出す。混合ガス流路400内の流れの均一性もマイナスの影響を受ける。
【0112】
図3A~3Cの流れの図に表されているものなどのいくつかの実施形態において、混合室500における流れ方向は、送風器モータアセンブリ(モータを含み、モータハウジングを含み得る)などの送風器310の一部を含み得る中心シャフトの周りであり得、ここで、混合室500内の流れ方向は、送風器モータアセンブリの軸の周りであり得る。送風器モータアセンブリの軸は、送風器モータアセンブリに長さ部分を通る軸であり得る。送風器モータアセンブリの軸はまた、送風器の長さ部分を通る軸であり得る。理想的には、送風器310からのガスの流れを受け入れる混合室500は、混合室に受け入れられたガスがスパイラル状に移動するように構成され、これは、いくつかの実施形態において、混合室内のガスの混合を支援し得るためである。
【0113】
図3A~3Cの流れの図、及び
図4A~4Dの流れの図における望ましくない流れの特性から明らかになるように、混合ガス流路内での流れの均一性を最適にするセクターに混合ガス流入口が設けられることが望ましい可能性がある。これは、いくつかの実施形態において、送風器流出口320を含むセクターとの、混合室500の非隣接セクターに混合ガス流入口510を配置することを含み得る。いくつかの実施形態において、O
2流出口220は、混合室500からO
2流路200中への望ましくないガスの流れが除外されないように、配置され得る。すなわち、O
2流路内には、流れの室500からO
2流路200中への流れを防げる一方向弁又は他の流れ制御特徴がない。むしろ、そのような望ましくない流れが発生する可能性は、上記で説明するように送風器流出口320をO
2流出口220に対して好適に位置付けることによって、最小にされ、それにより、O
2流路200内の望ましくない流れを回避する。その代わりに/それに加えて、送風器流出口320からの流れをO
2流出口220から離れるように案内する1つ以上のバッフルが設けられてもよい。これは、混合室500の湾曲の辺りにO
2を案内して混合を改善し、且つO
2流出口220から混合ガス流入口420までO
2が短絡する可能性を最小にするというさらなる利点がある可能性がある。しかしながら、いくつかの実施形態において、O
2流路200内に逆止弁を設けて、ファントム流のリスクをなくすことが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、逆止弁は、O
2流出口220の近くに位置し得る。それゆえ、第1のガス流出口及び第2のガス流出口の一方又は双方が、混合室の壁に沿って実質的に接線方向に第1のガス及び/又は第2のガスの流れを達成するように配置され得ることが有益である。いくつかの実施形態において、送風器流出口320及びO
2流出口220は、実質的に同じ平面にある。いくつかの実施形態において、送風器及び/又は酸素流出口320、220は、混合室と実質的に同じ平面にある。いくつかの実施形態において、混合ガス流入口510は、混合室と実質的に同じ平面にある。
【0114】
卓上試験では、送風器流出口320が、第2の流れ方向に対する第1の流れ方向が0°~90°の角度となるように配置されるとき、O2流路内の望ましくない流れは無視できる程度であり、混合ガス流路内の流れセンサー418及び空気流路内の流れセンサー318によって測定されるガス流量は、実質的に正確であって、真のガス流量を表すということが示されている。この卓上試験に関し、真のガス流量は、機器の流出口744と流体連通して配置された流れセンサー218、318及び418と比べてより高い精度の参照流センサーによって測定される流量である。試験ではまた、135°、180°及び270°に配置された送風器流出口320がO2流路内に望ましくない流れを生じ、これがO2流センサーの精度に影響を及ぼし得ることが示されている。混合ガス流路内の流れセンサー418又は空気流路内の流れセンサー318又は双方の感知精度は、135°、180°及び270°の角度では、0°~90°の位置と比べて悪かった。
【0115】
いくつかの実施形態において、O2流出口220は誘導部分を含む。誘導部分は、O2流路200からの流れを混合室500中へ方向付けるように構成されたテーパを含み得る。テーパは、O2流路200を規定するボア若しくは導管の内壁の一部分に設けられてもよいし、又は内壁の全体がノズルを形成するようにテーパがつけられてもよい。他の実施形態において、O2流路200は、O2路の直径を下回るノズル直径を提供するように構成された複数のノズルを含み得る。いくつかの実施形態において、誘導部分又はノズルは、混合室500からの流れに対する抵抗を提供し得、ファントム流が逆流方向でO2流路200に入る可能性を最小にする。
【0116】
いくつかの実施形態において、O
2流路200は、混合室からのガスの流れに対する抵抗を増すように構成されるO
2流出口220に流れ調整装置を含む。好適な流れ調整装置230の一例を、
図5A及び
図5Bに関連して説明する。流れ調整装置は、O
2流路200を形成する導管やボアなどの機器と一体的に形成され得るが、流れ調整装置230が別個の構成要素として提供される実施形態において、
図6A~8の空気式ブロックに関連してさらに詳細に説明するように、流れ調整装置230は、Oリングを使用することによって、ボアや導管と封止接合部を形成し得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、流れ調整装置230は、円形、卵形、楕円形、六角形若しくは他の断面形状、又はこれらの組み合わせであり得る複数の実質的に平行なフローチャネルを含む。
図5A~5Cは、円形断面を有する複数のフローチャネル232を含む流れ調整装置230の一例を示す。フローチャネルは、
図5Aに示すように、(丸いフローチャネルの)直径の共通の断面寸法を共有する必要はないことに留意されたい。いくつかの実施形態において、流れ調整装置230は、混合室内の流れを回避するか又はその混乱を最小限にするように、混合室500の内壁と連続するような形状にされた流出口端部を有する。
【0118】
いくつかの実施形態において、機器100は、複数の協働する構成要素から作り出され、それによって、ボア及び空洞が形成された。複数のボアが協働して複数のガス流路を形成し、複数の空洞が協働して、送風器が受け入れられ得る一方で混合室を形成する空間を規定する。いくつかの実施形態において、協働する構成要素は、複数の協働する構成要素を有する空気式ブロックを含む。
【0119】
いくつかの実施形態において、
図2の流路の概略は、
図6A~8に示すような3つの空気式ブロック構成要素で構成される空気式ブロック700内で実現され得る。
【0120】
組み立てられると、空気式ブロック700は、実質的に封止されたシステムを提供し、その中に、送風器310を収納するための空洞が形成される。空洞は混合室500も規定する。組み立てられた空気式ブロック700は、O2、空気及び混合ガス用の流路を含む。理想的には、ブロックは、特定の流体入口及び出口が設けられて設計され、それにより、ブロック内のガスの流れを制御するが、本明細書で説明する流路は、空気式ブロック内で実現される必要はないことを理解されるべきである;いくつかの実施形態において、流路又はそれらの一部は、当業者によって理解されるように、本明細書で説明されるような呼吸機器の機能性を提供するように配置された導管及びコネクタによって実現され得る。しかしながら、本明細書で説明されるような協働するブロック構成要素で構成される空気式ブロックを使用する呼吸システムの態様の提供は、いくつかの利点を与え得、これは、ガスの流れの制御に加えて、コンパクトなフォームファクターも含み得る。機器内でのガス流の良好な制御を維持することによって、機器の安全性は改善され得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、空気式ブロックは、第1のブロック710、第2のブロック720及び第3のブロック730として
図6~8に示すような、3つの(又はそれよりも多い)協働する構成要素を含む。理想的には、ブロック構成要素は、機械加工、例えばフライス加工、ドリリングされるか、又は他の機械加工技術を使用して、送風器を収容し且つ混合室500を規定するための1つ以上の空洞を形成し、且つO
2流路200、空気流路300及び混合ガス流路400を規定するように協働するボアを形成する。いくつかの実施形態において、ブロック構成要素はまた、本明細書で説明されるように、1つ以上のセンサー及び流れ調整装置を収納するように製作される。空気式ブロック構成要素710、720及び730は、必要な空洞及びボアを形成するようにフライス加工されると説明されるが、これらのブロック構成要素が金属である場合、他の金属製作技術が採用されてもよいことが理解されるべきである。しかしながら、構成要素の材料構造は金属である必要はなく、ブロック構成要素のうちの1つ以上は、ポリマー材料、セラミック材料若しくは他の材料又はそれらの材料の組み合わせを含んでもよく、これは、空気式ブロック構成要素に必要な機能を果たすために、射出成形又は他の製作技術を使用して製造され得ることが理解されるべきである。
【0122】
いくつかの実施形態において、空洞は、対向するブロック構成要素にある対応する空洞と協働するように構成され得る開チャネル又は凹部を含み(例えば第1のブロック構成要素710及び第3のブロック構成要素730)、送風器を受け入れる空間を規定し、混合室500も規定し得る。対照的に、貫通ボアは、単一の入口及び出口を有する、ブロック構成要素を通って延在する閉トンネルとみなされ得、ここで、トンネルは、機器内にガス用の流路を規定する。貫通ボアは、ブロック構成要素内に形成されたトンネルであるため、トンネル内には、ガスが漏れ得る場所がない。いくつかの実施形態において、貫通ボアに起因するブロックの非占有体積部は、非占有体積部の約50%超、好ましくは約60%超、任意選択的に約64%であり得ることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、空洞に起因する非占有体積部は、非占有体積部の約20%、任意選択的に約18%であり得る。協働する空洞を含むブロック構成要素間の境界はガス漏れの機会を与えるため、いくつかの実施形態において、ガス漏れが発生する可能性を低下させるために、空気式ブロック内には、空洞よりもトンネルの割合を多くして設けることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、空気式ブロックアセンブリ700は、さらに、1つ以上のセンサー空洞を含み、センサー空洞に起因する非占有体積部は、非占有体積部の約20%、任意選択的に約18%であり得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、ブロック構成要素710、720、730のうちの1つ以上が金属又は金属合金から製造され、それらに、貫通ボア及び空洞が、機械加工若しくはフライス加工され得るか、又は成形プロセスを使用して形成されることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、ブロック構成要素710、720、730のうちの1つ以上が、熱吸収又は伝導材料から製造されることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、第1の構成要素710は装着面を提供し、そこに、他方のブロック構成要素が装着されるか又は取り付けられるように構成され得る。それゆえ、第1の構成要素710は、実質的に硬質のバックプレートを提供するとみなされ得る。
【0124】
第1の構成要素710は、他方の構成要素の装着プレートとして機能するため、第1の構成要素は、アルミニウム、ステンレス鋼又は高強度ポリマーなどの高強度の材料から製造されることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、空気式ブロック構成要素のうちの1つ以上の材料は、火災のリスクを低下させる及び/又は動作中の火災の影響を最小限にするように、選択され得る。それゆえ、空気式ブロックの1つ以上の構成要素は、全体的に又は一部のいずれかで、例えば真鍮及び/又はステンレス鋼及び/又はアルミニウム合金及び/又は陽極酸化アルミニウム合金(Al合金)から製造され得る。上述の例と特性が類似した他の材料が使用されてもよいことを理解されるべきである。
【0125】
図6Aは、3つのブロック構成要素710、720、730で構成された、本開示の実施形態による空気式ブロック700の斜視図である。第2の構成要素720に形成された貫通ボア722、723、724は、酸素流路、空気流路及び混合ガス流路のそれぞれの一部を規定する。これらのボアは、図示の実施形態では垂直方向に延び、実質的に平行であり得る。第2の構成要素720は混合ガス流出口744も提供する。第3のブロック構成要素730は、送風器310の一部を受け入れるための開口部738を提供し、送風器は、第3の構成要素730と第1の構成要素710内の協働する空洞によって規定された空間内に含まれる。
【0126】
図6Bは、開口部738を通って突き出る送風器310の送風器モータアセンブリ315の一部に加えて、O
2流センサー218、空気流センサー318及び混合ガス流センサー418を含む追加的な構成要素を示す、
図6Aの空気式ブロックを示す。流体流量センサーは、熱測定原理を使用して又は他の技術を使用して、質量流測定を行い得る。空気式ブロック及びその様々な特徴のコンパクトな配置構成のおかげで、流れセンサーに入る流体は、そのような短い距離では流れが望ましいプロファイルに発達できないため、流量の感知には望ましくない流れプロファイル(例えば不均一、非線形など)を有する可能性がある。これは、センサーの性能又はそれらの測定の精度にマイナスの影響を与え得る。それゆえ、誤りのある読み取りを軽減するために、この不均一性又は乱流を減らすことが望ましい可能性がある。流れセンサーの上流の乱流の減少を支援するために、本明細書で開示するように1つ以上の流れ調整装置が設けられてもよい。1つ以上の流れ調整装置は、流れセンサーにつながる個々の導管の断面積にわたって流れをより均一にすることによって流れを調整するために設けられてもよい。それらはまた、流れを真っすぐにするのを支援し得る。より均一な流れは、流れセンサーが、個々の導管を移動するバルク流のふるまいを表す読み取りを行う可能性が高いことを保証する。
【0127】
図6Bは、第2の構成要素720にある流出口744と結合された流出口コネクタ800、及び第1の構成要素710にあるO
2流入口712と結合されたO
2コネクタを示す。
図7Aにはまた、印刷回路基板(PCB)760が示されており、これは、空気式ブロック700(具体的には、第2のブロック構成要素720)にねじで留められ得るか又は圧入され得るか又は他の方法で取り付けられ得、且つ1つ以上の圧力センサー114、214、414の動作を制御するように構成されたプロセッサー及び回路構成部分を含み、並びに圧力センサー自体を収容する。PCB760はまた、機器の他の電子構成要素、例えば送風器310、センサー218、318、418及び比例弁212の動作を制御するように構成されたプロセッサー及び回路構成部分を含み得るが、いくつかの実施形態において、この機能性は、場合によっては周囲圧力センサー114を収納し得る別個のより大きいPCBに設けられたプロセッサー及び回路構成部分によって提供され得る。場合によっては、1つ以上の圧力センサー(例えば1つ又は複数のO
2圧力センサー214、1つ又は複数の混合ガス圧力センサー414)又は1つ以上の温度センサーが、PCB760に装着され得、第2の構成要素720に貫通孔が設けられて、関連の流路内の圧力を感知する。PCBに十分な利用可能な空間がある場合には、他の同様のセンサーがPCBに収容されてもよいことを理解されるべきである。ガス漏れのリスクを低下させるために、圧力センサー及び/又は流れセンサーと第2の構成要素720との間に1つ以上のガスケット、シール又はOリング755が設けられてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上のO
2圧力センサー214及び/又は1つ以上の流れセンサーが設けられて、酸素供給部210が酸素流入口712に接続されたかどうかを決定してもよい。いくつかの実施形態において、混合ガス流路400には2つの圧力センサーがあってもよく、そのうちの一方は予備であり、第1の混合ガス圧力センサー414が故障する場合のバックアップセンサーとして提供され得る。2つ以上の圧力センサーがあるいくつかの実施形態において、1つの圧力センサーは、別の圧力センサーとは異なる圧力範囲で動作し得、例えば1つのセンサーは、高圧で正確な感知を提供し、別のセンサーは、低圧で正確な感知を提供する。
【0128】
図7Aは、第2のブロック構成要素720及び第3のブロック構成要素730並びにそれらの構成要素間に配置された機器の様々な特徴を示す、
図6A及び
図6Bの空気式ブロック700の前面の透視図である。第2のブロック構成要素720は3つの貫通ボア722、723、724を含み、それら貫通ボアは、垂直方向に且つ互いに隣接して配置され得、それぞれ、O
2流路200、空気流路300及び混合ガス流路400の一部を規定する。貫通ボア722、723、724の配置構成は、空気式ブロック700をコンパクトなフォームファクターに提供できるようにする。
【0129】
第3の構成要素730も3つの貫通ボア732、733、734を含む。理想的には、これらも垂直方向にあって互いに隣接しており、第2の構成要素720にある3つの対応する貫通ボア722、723、724と位置合わせするように配置されて、O2流路200、空気流路300及び混合ガス流路400の一部を規定する。第3の構成要素730はまた、送風器310一部(理想的には送風器のモータ側)を受け入れる空間を規定し、且つ混合室500も規定するように構成された空洞736を提供する。送風器310を受け入れ且つ混合室500を規定する空間は、第3の構成要素730に形成された空洞736と第1の構成要素710に形成された空洞715との協働によって形成され、シール又はガスケット752が、ガス漏れのリスクを低下させるために提供され得る。いくつかの実施形態において、第1の構成要素710内の空洞715は、送風器310のインペラ部分、又はその一部を収納するように構成され得、第3の構成要素730内の空洞736は、送風器のモータ部分又はその一部を収納するように構成され得る。第3の構成要素は、送風器310のモータ構成要素を収納するように構成され得るため、送風器310が高速で、すなわち高い毎分回転数(RPM)で動作されるとき、第3の構成要素730が機器の安定性を保証することができる構造を提供することが望ましい可能性がある。それゆえ、第3の構成要素の材料が、送風器310によって加えられる繰り返し負荷に耐えることができて、疲労に起因して故障する傾向がないことが望ましい可能性がある。第3の構成要素730の一部を含み得るか又はそれを形成し得る好適な材料の例は、限定されるものではないが、真鍮及び/又はステンレス鋼及び/又はアルミニウム合金及び/又は陽極酸化Al合金及びステンレス鋼を含み得る。いくつかの実施形態において、下記で説明するように、第3の構成要素730は混合ガス流調整装置750を含み得る。
【0130】
図7Aにはまた、送風器流出口320が示され、本開示のいくつかの実施形態による、送風器310から混合室500中への空気の出口の位置を示す。前述のように、O
2流出口220及び混合ガス流入口510に対する送風器流出口320の位置は、混合ガス流路400内及びO
2流路200内の望ましくない流れを減らすか又はなくすという点で、機器の性能の改善において重要であり得ることを理解されるべきである。
【0131】
図7Bは、
図6A、
図6B及び
図7Aの空気式ブロック700の前側から見た斜視的な透視図である。この図は、貫通ボア722、732が一緒に、混合室500にO
2を提供するO
2流出口220までO
2流路200を規定することを示すために提供される;貫通ボア723、733は一緒に、送風器310に空気を提供する空気流出口320までの空気流路300を規定し、及びボア724、734は一緒に、混合室500の混合ガス流入口510と混合ガス流出口744との間の混合ガス流路300を規定する(
図6A参照)。
図7Bにはまた、第2の構成要素720にある流出口コネクタ800と、O
2流入口712をO
2供給部210と結合するための、第1の構成要素710においてブロック700の後部に設けられたO
2結合部980とが示されている。O
2流入口712は、O
2流路200の一部を規定する貫通ボア722の方向に対して直角である方向にO
2結合部980を受け入れるように配置され得る。
【0132】
いくつかの実施形態において、O2流入口712は、O2導管結合部、例えば標準的なCGA V-5:2019の直径インデックス安全システム(DISS:Diameter Index Safety System)タイプの接続を提供するように構成されるが、システム条件次第で他の接続タイプが使用されてもよい。O2流入口712は、ブロック700の後部に設けられ、O2供給部210からO2を受け入れる。いくつかの実施形態において、O2流入口712は、ブロック700の第1の構成要素710の後面に対して垂直に力が加えられて挿入されるとき、O2供給導管用の結合部を受け入れるように配置され得る。この配置構成は、ユーザがO2流入口712にO2供給部結合部を簡単に挿入できるようにし得る。O2圧力センサー214が、O2源210からのガスの圧力を感知するために設けられ得る。いくつかの実施形態において、O2圧力センサー214はPCB760に装着されて、流入口(比例弁の上流)に入る酸素の圧力を感知し得る。圧力センサー214がO2流路200内に設けられる箇所のガス漏れのリスクを低下させるために、シール、ガスケット又はOリング755が設けられてもよい。流れセンサー又は他の同様のセンサーが、上述の1つ又は複数の圧力センサー214と同じ、又は実質的に同様の位置に位置決めされ得る。
【0133】
図7Bはまた、第2の構成要素720の前側に配置された比例弁212を示す。O
2流入口712中に受け入れられたO
2は比例弁212を通過し、比例弁は、流れセンサー218の方向にガスを放出する。比例弁は、O
2流路200内のO
2の流量を制御するために使用され、弁の開放度次第で、高速及び/又は不均一な流れが流れセンサー218に入るようにする。比例弁212がO
2流路200内のO
2の流れを調節するという意味では、比例弁はフローモジュレータであるとみなされてもよい。それゆえ、いくつかの実施形態において、流れ調整装置は、比例弁212によって提供されるフローモジュレータからO
2流量センサー218に入るガスの均一性を高めるために設けられてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、O
2流れ調整装置は、
図18A~18Cに示すように、O
2ガスの流れを調整するように構成されるハイブリッド又は二段流れ調整装置250であると説明されてもよい。いくつかの実施形態において、O
2流れ調整装置250は、ガスの流れを受け入れて分散させるように構成された第1の部分250Aと、第1の部分から受け入れた分散したガスの特性(例えば方向性、例えば真っすぐさ、流路の断面にわたる広がり、速度の均一性など)を改善するように構成された第2の部分250Bとを含む。第1の部分250Aは多孔質構成要素を含む。多孔質構成要素は硬質な構成要素であり得る。第1の部分250Aはフィルターであり得る。いくつかの実施形態において、第1の部分250Aは、焼結金属フィルター、好ましくは青銅焼結フィルターを含む。第2の部分250Bは、複数の開口部252を有する流れ調整装置を含み得る。第1の部分250A及び第2の部分250Bは、協働するように構成され得、例えば第1の部分は、先端部255が第2の部分250Bにある対応する形状の凹部253(ブラインドボア又は貫通孔であり得る)と鍵のように合うか又は協働するような形状にされる、多孔質材料で作製された円錐状の外面形状を含み得る。このタイプの結合部は、機器内の空間を節約するが、他の実施形態において、第2の部分250Bは、機械加工、フライス加工、ドリリングなどによって空気式ブロックの第2の構成要素720と一体的に形成され得ることを理解されるべきである。いくつかの実施形態において、第1及び第2の部分250A、250Bは、離間されてもよく、鍵のように合ったり又は一緒に協働したりしなくてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書で開示するようなハイブリッド又は二段流れ調整装置250は、単一の調整機能、例えば流れを真っすぐにする機能を提供する単段流れ調整装置よりも短い流路において、望ましい流れプロファイルの方へ向かって流れを調整するのを容易にすることによって、有益であり得る。ガスの集束ストリームを含むいくつかの実施形態において、集束ガス流の大部分が第2の部分250Bの中央部分を通って流れることを回避するために、第2の部分250Bに対応する流れ調整装置内で真っすぐになる前にガス流が発達できるようにするために、より長い入口流路が必要とされる可能性がある。本明細書で開示するような二段流れ調整装置250は、第2の部分250Bに入る前に、集束流れを分散させ、且つ第2の部分250Bの上流のガス流路を短くして、流れを真っすぐにすることを提供するという恩恵にあずかる可能性がある。これは、次に、より小さいフォームファクターを有する流れシステムの設計を支援するという恩恵にあずかる。ハイブリッド又は二段流れ調整装置250は、例えば比例弁212の下流で、高速のガスを受け入れるように配置され得る。いくつかの実施形態において、整流器250は、送風器流出口320の下流に配置され得る。
【0135】
いくつかの実施形態において、第1の部分は、例えば焼結青銅で構成された外側及び内側プロファイルを有する焼結フィルターを含む。O2がフィルターの内側空洞を満たすため、内部の圧力が増す。圧力が所与の閾値を上回ると、O2は、多孔質の焼結壁を通ってフィルターを出て、フィルターの至る所にO2を分散させる。流れ調整装置の第2の要素は、分散した流れの特性を改善する、例えば流れを真っすぐにする及び/又はO2流センサー218への流入口の断面積にわたって均一性を高める。
【0136】
O
2流れ調整装置の第2の部分230にある複数の開口部は、
図5A~5Cに示すように、円形、卵形、楕円形、六角形若しくは他の断面形状、又はこれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、O
2流れ調整装置の第2の部分230は、複数の平行なフローチャネル232を含む。いくつかの実施形態において、複数のフローチャネルがあるハニカム断面プロファイルの断面は六角形である。フローチャネルの長さは等しくても、又はそれぞれ異なる長さでもよい。いくつかの実施形態において、複数のフローチャネルは、図示の通り直径が不均一であり、第2の部分において半径方向に配置され得る。理想的には、複数のフローチャネルは、全体的に、流れ調整装置の下流のフローチャネル、例えばO
2流センサー218に流れ込むフローチャネルの範囲内にあるように、第2の部分に配置される。いくつかの実施形態において、第2の部分230は、O
2流路200に挿入される別個の部分であり得る。第2の部分とO
2流路を規定する貫通ボア722との間のO
2の漏れを最小限にするように構成されたシール、ガスケット又はOリングを受け入れるための溝234が第2の部分230の外壁に設けられてもよい。
【0137】
図8は、
図6A~7Bの空気式ブロック700の後面の透視図であり、特に第1の構成要素710の特徴を示す。空気流入口713が、第1の構成要素710の後部中へ周囲空気を受け入れる。周囲空気は、最初に、空気流入口713に被さるように配置され得るフィルター、及び/又は空気式ブロック700が含まれるハウジングを通過し得る。空気流入口713は、全体的に四角形、長方形、長円形、卵形、円形又は他の断面形状を有し得る第1の構成要素710に形成された空洞714中へ空気を受け入れる。空気流入口713は、空気流路300の一部を規定する貫通ボア733の方向に対して直角な(すなわち90°)方向に空気を受け入れ且つ空気流量センサー318を含むように配置される。空気流が流入口713からボア733中へ向かうと、流れ方向の変化によって、流れを、流路を規定する壁から分離させ得る。
【0138】
図9は、第1の構成要素710の空気流入口713及び空気用空洞714に受け入れられて、第2の構成要素720にある貫通ボア723及び第3の構成要素730にある貫通ボア733を通って、送風器310の流入口へ空気を供給する第1の構成要素710にある空洞716中へ移動する空気の流線を示す流れの図である。方向転換する流れのほとんどが、90°の角735の外縁において、方向転換するより大きい半径を用いる。これは、空気流量センサー318に入るときに、流路の上部においてより迅速に動く流れを引き起こし得る。流路の底部の方へ向かって、特に90°の角735の内側の方へ向かって、流れが全くないかほとんどなく、これは、小さい半径で方向転換するにはエネルギーが多すぎる空気に起因し得る。それゆえ、角735は、コンパクトなフォームファクターで空気流路を空気式ブロック700に組み入れることができるようにするが、流れセンサー318の近くに不均一な流れを生み出し得、これは、不正確な読み取りを生じ得る。いくつかの実施形態において、これは、空気流路300内に流れ調整装置740を設けることによって、軽減され得る。
【0139】
図10Aは、空気流路300に設けられ得る空気流調整装置740の概略図である。図示の実施形態におけるように、空気流調整装置740は、角735において流路300に90°の方向転換で設けられるように構成される90°の流れ調整装置を含み得る。理想的には、空気流調整装置740の内部構造は複数のフローチャネル742を含み、これらフローチャネルは、空気流入口713から空気を受け入れ且つ角735を通って平行な流路を提供するように構成され、流れ調整装置740から貫通ボア733中へ出る空気流が実質的に均一になるようにする。それゆえ、空気流調整装置740は、空気流入口713に入る空気の均一な流れを受け入れて維持し得るか、又は入る際には良好な均一性を有していない可能性がある空気の、空気流入口713を出る際の均一性を高め得る。空気流調整装置740内のフローチャネル742は、円形、卵形、楕円形、六角形(図示の通り)若しくは他の断面形状、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、フローチャネル742が六角形であるハニカム断面プロファイルが、空気が移動するためのより大きな断面積を提供するため、空気流調整装置740にわたって有益な圧力プロファイルを提供し得る。いくつかの実施形態において、フローチャネル742は空気流調整装置740内に配置されるため、フローチャネル742を出る流れは、貫通ボア733を入るときに、遮られない。空気流調整装置742の提供は、空気流センサー318中への流れの均一性を高め得、これが、システムの全体的な性能を改善し得る。空気流調整装置740は空気式ブロック700の別個の構成要素として提供されても、又は例えば機械加工、フライス加工、積層造形、3D印刷などによって、ブロック700の第2の構成要素720と一体的に形成されてもよいことを理解されるべきである。
【0140】
図10Bは、空気流路300に設けられ得る別の空気流調整装置746の概略図である。図示の実施形態におけるように、空気流調整装置746は第2のブロック構成要素720と一体である。空気流路300は角748を含み、これは、流れが角748の周りを移動するときの圧力低下を最小限にするような半径にされ得る。角748は、流れ調整装置746の下流に位置決めされ得る。空気流調整装置746は、空洞714から空気流量センサー318へ移動する流れを調整する(例えば流路の断面積にわたって流れを広げる)。空気流調整装置746の提供によって、空気流センサー318を通って移動する流れの均一性を高め得、これにより、空気流量センサー318によって感知される流れの精度を高め得る。空気流調整装置746はまた、空気式ブロック700の別個の構成要素として提供されても(図示せず)、又は、
図10Bに示すように、例えば機械加工、フライス加工、積層造形、3D印刷などによって、ブロック700の第2の構成要素720と一体的に形成されてもよい(図示の通り)ことを理解されるべきである。
【0141】
いくつかの実施形態において、送風器310は、第1の構成要素710にある空洞716内に位置決めされた送風器の一方の側で、中心流入口を通って空気流入口713から空気を引き込むように構成された遠心送風器を含む。送風器310は、上述のように、接線方向に送風器のスパイラル形状の空洞中へ送風器流出口320の方へ向かってガスを進ませ得る。いくつかの実施形態において、空気は、送風器流出口320を接線方向に出る。送風器310は、空気流入口713から空気を吸引することによって、主に空気式ブロック710内で空気を動かす。O2は、送風器の下流において、送風器310によって発生されたガス流に導入され得る。O2の下流での導入のおかげで、O2ガスは送風器の羽根によって動かされないため、送風器は混合ガス流中のO2にエネルギーを授けない。それゆえ、送風器310は、送風器の上流で空気をO2と混合するシステムよりも少ない容積のガスを動かし、これは、必要とするパワーが少なく、発生させる熱が少なくなり得る。さらに、周囲空気よりも低い温度で圧縮されたO2は、送風器310のモータからの熱を吸収する。その代わりに/それに加えて、いくつかの実施形態において、空気式ブロック構成要素の伝導性のおかげで、熱は、1つ以上のブロック構成要素による熱移動によって散逸し得る。これらの双方が、機器に冷却効果をもたらし得る。これは、動作の効率を高め得る及び/又は送風器モータの過熱のリスクを低下させ得る。さらに、送風器310の下流でのO2と空気の混合は、送風器の上流でこれらのガスの混合を提供するシステムよりも低い温度の混合ガス流を提供し得る。より低い温度の混合ガス流は、患者に提供される前に混合ガス流が加湿される及び/又は暖められる実施形態において有益であり得、これは、下流の加湿器によってガスの加熱及び加湿をより正確に制御できるためである。いくつかの実施形態において、送風器流出口320において送風器310を出る空気ストリームの乱流及び/又はO2流出口220においてO2流路200を出るO2の乱流は、協働する空洞715及び736によって規定された混合室500内のガスの混合を引き起こす。
【0142】
送風器310が空気式ブロック700の第1の構成要素710と第3の構成要素730との間に装着されるとき、少なくとも3つのシールを設けることが望ましい可能性がある。第1のシール又はガスケット752は、第1の構成要素710と第3の構成要素730との間に設けられて、ガス漏れのリスクを低下させ得る。このシールはまた、動作中に送風器310によって発生された振動を隔離し得、空気式ブロック700を通って装着要素701及び機器が装着される設備へ振動が移動する可能性を最小にする。このシールは、協働する空洞715及び736の一方又は双方からの空気及び/又はO2の漏れを制限するように構成され得る。混合室(及び/又は空気式ブロック700内の接合部)からのO2及び空気の漏れは、火災リスクをもたらし得、且つまた圧力損失リスクを示し、これは望ましくない。このシールは又はウジング内に存在し得る空気又は他のガスが混合室に入る侵入を制限するように機能し得る。さらに、このシールは、有益にも、混合室から周囲へのガスの進出を防止し得る。第2のシール753が送風器310の外周に設けられ得る。第2のシール753は、送風器310を第1の構成要素710及び第3の構成要素730の一方又は双方に装着し得る。第2のシール753は、第1の構成要素710の一部分と第3の構成要素730の一部分との間にクランプされて、第1及び第3の構成要素710、730によって形成された空洞内に送風器310を固定し得る。シール753はまた、送風器310の動作から生じる振動を隔離し得る。第3のシール756が送風器モータアセンブリの周りに設けられ得る。第3のシール756はまた、振動を隔離して、送風器モータアセンブリから第3の構成要素730への振動の移動を減らすように働き得る。第3のシール756は、混合室500に対するガスの進出又は侵入を防止し得る。
【0143】
いくつかの実施形態において、第1の構成要素710は、機器の著しい耐荷重機能を果たすように構成される。いくつかの実施形態において、第1の構成要素710は、装着構造、例えばマウントブラケット、ポールマウント又はモニターマウントと協働するように構成され得る装着要素701を含み得る。その代わりに又はそれに加えて、装着要素は、機器の後部の囲いに取り付けられ得る。装着要素701は1つ以上の部品で形成され得る。いくつかの実施形態において、装着要素701又はその一部は、第1の構成要素710と直接結合され得る。いくつかの実施形態において、装着要素701又はその一部(
図17A及び
図17Bに最もよく示す)は、交換可能であり、特定のニーズに従ってユーザによって取り替えられてもよい。いくつかの実施形態において、モニターマウントを含む装着要素701は、機器を、例えば麻酔又は患者にいくつかのタイプの呼吸補助若しくは他の治療法を提供するように構成された他の機械に装着できるようにし得る。理想的には、装着要素701によって達成され得る様々な装着方法が、機器を、患者が治療されている環境にカスタマイズ可能にし得、理想的には、可視性を保証する一方で、呼吸補助を行うための、安定してセキュアで効果的なプラットフォームも提供する。いくつかの実施形態において、装着要素701は、空気式ブロックが提供されるハウジングを通して提供され得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、送風器310は流れを放出して、混合室500内のガスが(O2及び空気の一方又は双方を含み得る)が、送風器310によって発生された流れによって及び/又はO2流路を通る流れによって動かされるようにする。いくつかの実施形態において、送風器310を出る(すなわち放出される)流れは、高速の流れを含む及び/又は乱流である。O2流路からのO2及び送風器310からの空気が混合室500に入る実施形態において、O2及び空気は、混合ガスを形成するように混ざり合うように、混合室500内を移動する。送風器310によって発生された高速及び/又は乱流の流れは、ガスの混合に効果的であり得るが、これらの流れの特性は、混合ガス流路400に設けられた混合ガス流センサー418による混合ガス流量の不正確な感知を引き起こし得る。これは、一部には、混合ガス流が、混合ガス流400の断面にわたって、混合ガス流センサー418による正確な感知を可能にする望ましい流れプロファイルを含まない可能性があるためである。望ましい流れプロファイルは応用次第である。望ましい流れプロファイルは放物線であり得る。放物線の流れプロファイルは、円形パイプを通る層流に特有である一方で、平ら又はより平らな前縁を備えるプロファイルが乱流の流れに特有である。望ましくない流れを軽減するために、いくつかの実施形態において、本開示は、混合ガス流センサー418に入る前に混合ガスの均一性を改善するために混合ガス流調整装置750を提供し得る。混合ガス流調整装置750は、混合ガス流入口510に若しくはその近くに設けられてもよく、流れを真っすぐにしても、混合流路400にわたって流れを広げても及び/又は混合ガス流において発達し得る大規模渦を壊してもよい。いくつかの実施形態において、これは、複数のフローチャネル751を有する混合ガス流調整装置750を提供することによって、達成される。混合ガス流入口510を通って混合室500から混合ガスの流れが出るとき、より小さいチャネル751を強制的に通らされて、流れの均一性を増す。
【0145】
混合ガス流調整装置750内のフローチャネル751は、円形、卵形、楕円形、六角形若しくは他の断面形状、又はこれらの組み合わせを含み得る。断面形状は、全てのフローチャネル751で同じであったり、又は同じ寸法であったりする必要はない。円形フローチャネル751を
図11Aに示すが、フローチャネル751が六角形であるハニカム断面プロファイルが、空気が移動するためのより大きい断面積を提供するため、空気流調整装置750にわたってより小さい圧力低下をもたらし得る。いくつかの実施形態において、フローチャネル751は空気流調整装置750内に配置されるため、フローチャネル751を出る空気は、混合ガス流センサー418に入るときに遮られない。それゆえ、フローチャネル751は、流れ調整装置750の範囲内に配置され得、それらも、混合ガス流センサー418への流入口の内部範囲内に配置されるようにする。フローチャネル751から混合ガス流センサー418まで遮られない流れを提供することは、流量測定の精度にマイナスの結果を与え得るガスの再循環及び/又は均一性の損失を回避し得る。混合ガス流調整装置750を提供することは、混合ガス流センサー418中への流れの均一性を高め得、これにより、システムの全体的な性能を高め得る。流れ調整装置750は、混合ガス流路内の流れの均一性を高めることに関連して説明するが、そのような流れ調整装置は、空気及び酸素ガス流路においても使用され得ることを理解されるべきである。
【0146】
混合ガス流れ調整装置750は、
図7B及び
図11A及び
図11Bに示すように、空気式ブロック700の別個の構成要素として設けられても、又は
図7Aに示すように、例えば機械加工、フライス加工、ドリリングなどによって、ブロック700の第3の構成要素730と一体的に形成されてもよい。混合ガス流調整装置750が別個の構成要素である場合、混合ガス流入口510と混合ガス流センサー418との間の混合ガスの漏れを最小限にするように構成されたシール、ガスケット又はOリングを受け入れるために溝754が設けられてもよい。
【0147】
混合ガス流調整装置750がブロック700の第3の構成要素730と一体的に形成される実施形態において(
図7A参照)、フローチャネル751は、ドリルで穴があけられるか又は他の方法で形成されて、混合室500の混合ガス流入口510で終端する長さの流れ調整装置を形成し得る。いくつかの配置構成において、混合ガス流入口510は、混合室の壁と連続的となる、例えば混合室の側壁の弧と位置合わせされるように配置される。これにより、チャネル751の流入端部を混合室の弧状内部輪郭と一致させることができる。これにより、流れ調整装置750が、ブロック730と組み立てられると混合室内に突き出る部分を含む別個の構成要素として形成される場合に起こり得る、混合室内のガスが流れ調整装置の縁に衝突するときに発生し得る、望ましくない流れを減らし得るか又はなくし得る。それゆえ、ブロック730との流れ調整装置750の一体形成が好都合である。
【0148】
好ましい実施形態において、混合ガス流調整装置750は、均一性が十分である流れを発生させるのに十分な長さを有して、混合ガス流センサー418による誤った流量の読み取りが減らされるか又はなくされる。いくつかの実施形態において、7Aに示すように、混合ガス流調整装置750は、混合ガス流入口510と混合ガス流センサー418への流入口との間の距離に広がる長さを有し得る。
【0149】
図12Aは、本開示の実施形態による流出口コネクタ800の側面図である。流出口コネクタ800は、垂直方向(上向き)及び水平方向(横方向)に同時に接続力を加えることを必要とする角度で送給コネクタを受け入れるような向きにされ得る。例えば、流出口コネクタは、垂直方向に対しておよそ60度の角度の向きにされ得る。
図12Bは、流入口端部810からのコネクタ800の端面図である。
図12Cは、いくつかの実施形態による内部特徴を示す、流出口コネクタ800の断面図である。
図12Aにおいて、コネクタ800は、送給コネクタ850と結合されて(例えば締まり嵌めによって)示されており、これは、ガスが患者インターフェースによって患者へもたらされるようにする送給導管852を経由して流体流路を提供する。いくつかの実施形態において、流体流路は加湿器も含み得る。流出口コネクタ800は、送給コネクタ850にある対応する中心開口部と位置合わせされ得る、より大きい中心開口部802を有する。流出口コネクタ800は、複数のより小さいアパーチャ、例えば
図12Bに示すようなアパーチャ804を有する。アパーチャ804は、図示の通り流出口コネクタ800の長さ部分の中央部分の方へ向かって設けられてもよい。いくつかの実施形態において、複数のアパーチャは、流出口コネクタの周辺よりも流出口コネクタの中心軸の近くに配置され得る。これらのより小さいアパーチャ804は、混合ガス流路400からのガスが送給コネクタ850及び導管852に入るように流れ得る流出口コネクタ800の流入口端部810と流出口端部820との間の開口部の総断面積を大きくする。これは、流出口コネクタ800から送給コネクタ850及び送給導管852への流れの量を最大にする。いくつかの実施形態において、より小さいアパーチャ804は、同様に送給コネクタ内の主流路の周辺に配置されているより小さいアパーチャ(図示せず)を有する特別設計の送給コネクタ850にある対応する開口部と協働するように構成される。送給コネクタ850の一例は、国際公開第2020157707号パンフレットに説明されている特徴を有するコネクタであり得、その全体を参照することにより本書に援用する。
【0150】
いくつかの実施形態において、中心開口部802及び複数のアパーチャ804は、少なくとも、主開口部802を通る中心流路及びより小さい外側アパーチャ804を通る複数の外側流路を含む送給コネクタ850と結合されるとき、複数の流路を提供する。外側流路は、中心流路と実質的に平行し得、それにより、より大きい中心開口部802とより小さいアパーチャ804(送給コネクタ850にある対応する開口部によって適合され得る)を組み合わせることによってもたらされるより大きい総開口部面積が、接続部にわたる圧力低下を小さくし得るため、動作の効率を良くし得る。さらに、より小さいアパーチャ804を備える中心開口部802の配置構成は、送給コネクタ850を流出口コネクタ800中へ挿入しすぎるリスクを低下させ、これは、任意のそのような送給コネクタの先端部が、最初に、中心開口部802及びより小さいアパーチャ804を囲むフランジ又はウェブ部分805に衝突するためである。ウェブ部分805によってもたらされる障害物は、コネクタの上流の構成要素への送給コネクタの挿入しすぎから保護し得る。そのような上流の構成要素は、下記で説明するような機器中へのガスの逆流を制限するか又は防ぐために設けられ得る逆止弁770を含み得る。流出口コネクタ800は、送給コネクタ850を適所へ案内して送給コネクタ850との第1の封止面を提供する内部テーパ807を有し得る。さらなるテーパ806が、送給コネクタ850との第2の封止面を提供し、且つまた、送給コネクタ850の挿入しすぎに対してある程度の保護を提供し得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、流出口コネクタ800が空気式ブロック700に締結されるときに、実質的に封止接合部を形成するために、シール、ガスケット又はOリング808が設けられてもよい。シール808は、患者に提供されるガスの流れの漏れ及び不要な圧力損失を軽減し得、それにより、作業効率をさらに高め得る。
【0152】
複数のアパーチャ804と流出口端部820との間の流出口コネクタ800の部分は、終端流出口端部820における流出口コネクタの内径と比べて、複数のアパーチャ804に若しくはその近くにより小さい内部断面を提供し得る。すなわち、流出口端部820は、終端流出口端部における若しくはその近くにおける内部断面と比べて、流出口コネクタ800の中央部分における若しくはその近くにおける複数のアパーチャ804において若しくはその近くにおいて、より小さい内部断面を有し得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、逆止弁770は、流出口コネクタ800からのガス流が機器中へ、特に混合ガス流路400中へ戻るのを防ぎ得る。逆止弁770は、重りの付いたフラップ部分を含み得る。逆止弁770は、ある角度、例えば垂直方向から10°などの角度に位置決めされ得、重力が、機器が直立状態に向けられるときに(正常な動作位置)及び流れがないか又は実質的に流れが少ないときに、重りの付いたフラップ部分に作用して、逆止弁を閉鎖位置へ偏らせるようにする。フラップ部分の重みに打ち勝つ十分な力による、機器から流出口コネクタ800の方へ向かって移動する流出口コネクタAの流れの向きは、逆止弁770を開放させるように作動させる。流出口コネクタ800から機器、特に混合ガス流路400の方へ向かう方向に移動する逆流は、逆止弁770を閉鎖させるように偏らせる。
【0154】
いくつかの実施形態において、機器は、本明細書の他の箇所で説明するように空気式ブロック700を含み得、流出口コネクタ800は空気式ブロックに締結又は結合され得る。いくつかの配置構成において、混合ガス流路400からの混合ガスは、流出口コネクタ800へ移動する前に90°の角などの角を曲がる。送給コネクタが流出口コネクタ800内に受け入れられるときに実質的に封止結合部を形成するために、横方向及び上向きの双方の接続力を加えるのに必要な角度で送給コネクタ850を受け入れるために、流出口コネクタ800は、ある角度、例えば垂直方向に対して60°などの角度の向きにされるように、空気式ブロック700に締結され得る。逆止弁770は、流出口コネクタ800のリブ又は突起とブロック700の一部分との間に保持される装着部分を含む。上述の通り、逆止弁770は、流出口コネクタ800の方へ向かって移動する混合ガス流路400からのガスの流れによって開放され得るが、反対方向(すなわち流出口コネクタ800から)の流れが、逆止弁を閉鎖するように作動させる。これにより、空気式ブロックの劣化を引き起こし、無菌環境を損ない、及び/又は機器の構成要素を損傷させ得る汚染物質又は水や水蒸気(下流の加湿器からの)が入るのを防ぎ得る。
【0155】
機器は、外箱を形成するハウジングを備えてもよい。ハウジングは、ポリマー(例えばポリカーボネート)から成形され得る及び/又は別の材料から形成され得る。ハウジング材料は難燃性を提供し得、火災時に、ハウジングは、火を自己消火し得る。周囲空気は、空気流入口913を通ってハウジングに引き込まれて、空気流路300に沿って送風器310の方へ向かって続く。空気流入口は、
図13A~13Cに示すように、取り外し自在なフィルターカバー917を備える取り外し自在なフィルター916を含み得る。フィルター916は、フィルター916を、凹部内でハウジングの表面から距離を置いて維持するためのスペーサとしての機能を果たす複数のリブ920を含むハウジング900にある凹部918を覆い得る。リブ920とフィルター196との間のトラフがチャネルを生み出し、空気が空気流入口913中へ自由に流れることができるようにする。
【0156】
場合によっては、ハウジング900内に含まれる機器は、流出口コネクタ800を経由して患者へ100%のO2を供給するように動作可能であり得る。しかしながら、機器内の任意の流路からの漏れによって、O2をハウジング内に流し得るか又は蓄積させ得、それにより火災のリスクをもたらし得る。それゆえ、いくつかの実施形態において、ハウジング内のO2の蓄積を防止することが望ましい。これは、いくつかの実施形態において、換気ファン又は送風器310とは異なる送風器650を使用することによって、達成され得る。
【0157】
周囲空気は、第2の流入口923を通ってハウジング中へ換気用送風器650まで引き込まれ得る。第2の空気流入口923は、
図14A~14Cに示すように、取り外し自在なフィルターカバー927を備える別個の取り外し自在なフィルター926を含み得る。フィルター926は、ハウジング900にある、フィルター926を受け入れる凹部928を覆い得る。フィルターカバー927は、清掃、交換などのためにフィルター926へのアクセスをもたらすために、取り外し自在となるような位置に、スナップフィット又は圧入、ねじ留め又は他の方法で締結され得る(例えば平ねじ頭又は他のツールをてこで動かすことによって)。理想的には、第2の流入口923を通して引き入れられた空気は、換気用送風器650によってハウジング900中に引き込まれて、デッドスペースを最小限にするためにハウジング内で分配され得る。これは、ハウジング内でのO
2の蓄積を減少させ得るか又は防止し得る。
【0158】
一般に、ハウジング内の流れは、
図15Aの矢印によって例示されるように、抵抗が最も少ない経路を取る。しかしながら、ハウジング内の流れは、O
2の蓄積を最小限にするように方向付けられることが好ましい。
図15Bは、空気が流入口923に入るのにより好ましい流路を示し、ここで、流れは、空気流出口930まで下流に移動する前に、機器の幅を実質的に横切って方向付けられる。換気用送風器650により近い流れは、より高速で移動し得、空気流は、空気流出口930の方へ向かって移動するにつれてゆっくりになる。
【0159】
いくつかの実施形態において、1つ以上のバッフル940が、ハウジング内の流れを方向付けるために設けられてもよく、その例が、
図16A及び
図16B及び
図17A及び
図17Bに提供される。バッフルは、例えば圧縮成形され得るシリコーン及び/又は他の材料を含むエラストマー材料から、又は必要な場合には、剛性を授け得る例えば射出成形熱可塑性エラストマーなどの他の好適な材料から製造され得る。バッフル940は、ハウジング900を含む前部カバーと後部カバーとの間に圧縮して位置決めされ得る。バッフル材料の可撓性のおかげで、バッフル940の構造は圧縮し、前部カバー及び後部カバーの内部輪郭に一致し得る。好都合なことに、コンプライアントなバッフル材料はまた、換気用送風器650及び/又は流れ発生用送風器310によって発生した振動及び/又は雑音の減衰器の機能を果たし得る。
【0160】
バッフル940は、機器の分電盤(図示せず)から換気用送風器650及び流れ発生用送風器310並びにPCB760に給電するために、ハウジング900内に必要とされるコネクタ及び配線用の明確な通路を提供するために、1つ以上の切欠部分942を備えて構成され得る。輪郭又は切欠部分944は、換気用送風器650からの空気が、IECコネクタを含むハウジング900の部分に入ることを可能にする。リブ951が構造的完全性を提供し、バッフル940がたるむのを防ぎ得る(重力及び/又は材料の劣化のせいで)。さらに、リブ951は、例えば分電盤の上側にわたって、ハウジング内で空気流を分ける及び/又は案内するのを支援し得る。
【0161】
ハウジング900内での換気によってO2の蓄積を減少させ得るだけでなく、ハウジング内から熱を除去することによる熱調節のための機構を提供するという有益な効果も有し得る。これは、さらに、動作の効率を良くし、機器内の構成要素の過熱のリスクを低下させ得る。
【0162】
バッフル940は、バッフルを適所に位置付けるために、ハウジング内のねじボスにそれぞれ入るように構成され得る1つ以上の中空円錐状部分946を含み得る。ハウジングの前部カバーと後部カバーとの間でバッフルが圧縮されるときの滑り及び捩れの1つ以上を含む動きを制限するようにハウジング900内の構成要素と協働するために、様々な特徴がバッフル940に提供され得る。これらは、例えばバッフル940のベースにあるスロットを含み得、これは、後部ハウジングにあるリブと対になる。いくつかの実施形態において、バッフル940を貫通して用いられるねじ又は他の締結具を使用することを回避する(これらが局所的な応力の領域を生み出し得、それにより、例えば組み立て時の又は経時的な亀裂や割れによる材料の破損につながり得るため)ことが望ましい可能性がある。
図17A及び
図17Bは、換気用送風器650から空気式ブロック700を横切って、IECコネクタの上側にわたるように空気の流れを方向付けるように配置されたバッフル940の一例を示す。
図17Bは、
図17Aの配置構成を示し、さらに、機器、及び分電盤970の動作パラメータを決定するためにユーザ入力を受信するために使用されるI/O機器の一部を提供するディスプレイ画面20を示す。
【0163】
本開示の実施形態は、既存の機器よりも安全で効率的であり得るように、周囲空気よりも高いO2濃度で呼吸ガスを送給するための機器を提供する。送風器に対する機器内の流路並びにそれらの流入口及び流出口の配置構成のおかげで、望ましくない流れが減少されるか又は回避され得、それにより、センサー精度を高め得る一方で、O2と空気の混合物が送給される必要があるときにガスの混合も達成する。いくつかの実施形態において、機器は、流路を規定する協働するボアと、空洞とを含む、複数のブロック構成要素で構成された空気式ブロックによって提供される。いくつかの実施形態において、ブロック構成要素は、必要な呼吸ガスの流れを安全に信頼性高く送給するように構成され得る1つ以上の流れセンサー及び1つ以上の圧力センサーを備えて配置される。それと同時に、ブロック構成要素内でのボア及び空洞の配置構成は、特に追加的な装置のための空間が制限され得る医学的環境において有益であり得るフォームファクターを備えるコンパクトな機器を提供し得る。
【0164】
さらに、機器の全体的な動作を向上させて、作業効率及び/又は精度及び/又は安全性を高める可能性を提供するために、様々な特徴、例えば流れ調整装置、フィルター、流出口コネクタ及びバッフルが設けられてもよい。
【0165】
本明細書で開示するような呼吸ガスの流れを発生させる機器は、患者にハイフローの呼吸ガスを送給するのに有用性があり得る。特に、機器は、麻酔処置中に有用性があるであり得るが、機器の使用は、そのような処置に限定されず、ICUなどの他の環境又は患者がハイフロー呼吸補助を必要とする他の医学的環境において、空気、100%のO2又は空気とO2の混合物を含む呼吸ガスを送給するのに使用され得る。機器の動作パラメータは、本明細書で開示するような1つ以上のセンサー、コントローラ4、送風器310及び機器の他の特徴を使用することによって、患者の呼吸補助条件(例えばガスの組成、流量及び/又は圧力など)に合うように制御され得る。
【0166】
本明細書に添付される仮特許請求項に定義されるような本開示の範囲から逸脱することなく、前述の部分に様々な修正、追加及び/又は代替が行われてもよいことを理解されるべきである。
【0167】
本開示はまた、本出願の明細に言及されるか又は示される部分、要素及び特徴のうちのいずれか又はそれらのうちの2つ以上の全ての組み合わせにおいて、個別に又はまとめて、前記部分、要素及び特徴にあると広く言われ得る。上記の説明において、完全体又はその等価物を有する構成要素に言及した場合、それらの完全体は、個別に説明されたかのように本明細書に援用される。同様に、上記の説明において、特定の態様又は実施形態の特徴又は要素に言及した場合、それらの特徴又は要素は、熟練した受取人がそれらの特徴又は要素に互換性があると理解するように、他の態様又は実施形態と組み合わせて明白に開示されたかのように、本明細書に援用されることを理解されるべきである。
【0168】
用語「~を含む(comprise)」、「~を含む(comprises)」、「~で構成された(comprised)」又は「~を含む(comprising)」のいずれか又は全てが本明細書(仮特許請求項を含む)で使用される場合、それらは、表明された特徴、整数、ステップ又は構成要素が存在するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ若しくは構成要素又はそれらの群の存在を除外するものではないことを明記すると解釈される。
【0169】
将来的な特許出願が、本出願に基づいて又は本特許出願からの優先権を主張して出願される可能性がある。以下の仮特許請求項は、例として提供されるにすぎず、そのようないずれかの将来的な出願において特許請求され得る範囲の限定を意図するものではないことを理解されるべきである。特徴は、1つ又は複数の発明をさらに定義又は再定義するために、後日、仮特許請求項に対して追加されても又は省略されてもよい。
【国際調査報告】