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特表2024-547141カメラモジュールのコントローラ、カメラモジュールの周波数応答測定装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】カメラモジュールのコントローラ、カメラモジュールの周波数応答測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20241219BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20241219BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538765
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 KR2022021670
(87)【国際公開番号】W WO2023128678
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194508
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517232084
【氏名又は名称】エルエックス セミコン カンパニー, リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム キュ ホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ソン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ジン クク
(72)【発明者】
【氏名】ムン ユン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】キム ウン ミ
【テーマコード(参考)】
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2K005BA31
2K005BA42
2K005BA60
2K005CA14
2K005CA23
2K005CA24
2K005CA40
2K005CA52
5C122EA41
5C122EA55
5C122HA75
5C122HA82
5C122HB01
5C122HB06
(57)【要約】
本発明は、周波数応答測定機能を備えることにより、測定システムを単純化し、コストを節減できるカメラモジュールのコントローラに関するものであり、一実施例に係るカメラモジュールのコントローラは、カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、ホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置値信号を前処理して測定装備に出力し、ターゲット位置値とアクチュエータ位置値信号及び測定装備から供給された外乱信号を演算処理して誤差値信号を前記測定装備に出力し、誤差値信号を補償するアクチュエータ駆動信号を生成してアクチュエータを駆動することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モードにおいて、ジャイロセンサでセンシングされたカメラモジュールの角度変化を利用したターゲット位置と、ホールセンサでセンシングされたアクチュエータの位置との差を補償する駆動信号を生成し、前記生成された駆動信号に基づいて前記アクチュエータを駆動し、
前記カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、
前記ホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置値信号を前処理して測定装備に出力し、
ターゲット位置値、前記アクチュエータ位置値信号及び前記測定装備から供給された外乱信号を演算処理して、誤差値信号を前記測定装備に出力し、
前記誤差値信号を補償するアクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成されたアクチュエータ駆動信号に基づいて前記アクチュエータを駆動する、カメラモジュールのコントローラ。
【請求項2】
前記カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、
前記ホールセンサから供給された第1アクチュエータ位置値信号を増幅して第2アクチュエータ位置値信号を出力し、前記第2アクチュエータ位置値信号を前記測定装備に出力する増幅部と、
前記増幅部から出力される前記第2アクチュエータ位置値信号と前記測定装備から供給された第1外乱信号を選択的に出力する選択部と、
前記選択部から出力される前記第2アクチュエータ位置値信号をデジタル信号である第3アクチュエータ位置値信号に変換し、前記変換された第3アクチュエータ位置値信号を出力し、
前記第1外乱信号をデジタル信号である第2外乱信号に変換し、前記変換された第2外乱信号を出力するアナログ-デジタルコンバータと、
第1ターゲット位置値から前記第3アクチュエータ位置値信号及び前記第2外乱信号を差し引いて第1誤差値信号を出力し、前記第1誤差値信号を補償するための第1制御信号を生成し、前記生成された第1制御信号を出力する信号処理器と、
前記信号処理器から出力される前記第1誤差値信号をアナログ信号である第2誤差値信号に変換し、前記変換された第2誤差値信号を前記測定装備に出力するデジタル-アナログコンバータと、
前記信号処理器から出力される第1制御信号に応じて第1アクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成された第1アクチュエータ駆動信号を前記アクチュエータに出力するドライバと、を含む、請求項1に記載のカメラモジュールのコントローラ。
【請求項3】
前記駆動モードにおいて、
前記増幅部は、前記ホールセンサから供給された第3アクチュエータ位置値信号を増幅して第4アクチュエータ位置値信号を出力し、
前記アナログ-デジタルコンバータは、前記選択部を介して供給される前記第4アクチュエータ位置値信号をデジタル信号である第5アクチュエータ位置値信号に変換し、前記変換された第5アクチュエータ位置値信号を出力し、
前記信号処理器は、第2ターゲット位置値から前記第5アクチュエータ位置値信号を差し引いて第2誤差値信号を算出し、算出された第2誤差値信号を補償するための第2制御信号を生成し、前記生成された第2制御信号を出力し、
前記ドライバは、前記第2制御信号に応じて第2アクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成された第2アクチュエータ駆動信号を前記アクチュエータに出力する、請求項2に記載のカメラモジュールのコントローラ。
【請求項4】
前記信号処理器は、前記駆動モードにおいて、
前記ジャイロセンサで前記カメラモジュールの角度変化をセンシングして出力した角速度情報を積分し、前記積分された角速度情報を前記第2ターゲット位置値を出力する積分フィルタと、
前記第2ターゲット位置値と前記第5アクチュエータ位置値信号を差し引いて前記第2誤差値信号を算出する演算部と、
前記演算部から出力される前記第2誤差値信号を比例・積分・微分(以下PID)制御して前記第2制御信号を生成するPIDコントローラと、を備える、請求項3に記載のカメラモジュールのコントローラ。
【請求項5】
前記カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、
前記演算部は、前記第1ターゲット位置値から前記第3アクチュエータ位置値信号及び前記第2外乱信号を差し引いて前記第1誤差値信号を出力し、
前記PIDコントローラは、前記演算部から出力される前記第1誤差値信号をPID制御する、請求項4に記載のカメラモジュールのコントローラ。
【請求項6】
前記測定装備から供給された前記第1外乱信号の周波数が可変する、請求項5に記載のカメラモジュールのコントローラ。
【請求項7】
レンズモジュールまたはイメージセンサモジュールと結合されて前記レンズモジュールまたは前記イメージセンサモジュールを移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータ内でアクチュエータ位置をセンシングするホールセンサと、
カメラモジュールの角度変化をセンシングするジャイロセンサと、
駆動モードにおいて、前記ジャイロセンサでセンシングされた前記カメラモジュールの角度変化を利用したターゲット位置と、前記ホールセンサでセンシングされた前記アクチュエータ位置との差を補償する駆動信号を生成し、前記生成された駆動信号に基づいて前記アクチュエータを駆動する光学的イメージ安定化(以下OIS)コントローラと、
前記カメラモジュールの周波数応答測定モードで前記OISコントローラと連結される測定装備と、を備え、
前記カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、
前記OISコントローラは、前記ホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置値信号を前処理して前記測定装備に出力し、
ターゲット位置値、前記アクチュエータ位置値信号及び前記測定装備から供給された外乱信号を演算処理して誤差値信号を前記測定装備に出力し、
前記誤差値信号を補償するアクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成されたアクチュエータ駆動信号に基づいて前記アクチュエータを駆動する、カメラモジュールの周波数応答測定装置。
【請求項8】
前記OISコントローラは、前記カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、
前記ホールセンサから供給された第1アクチュエータ位置値信号を増幅して第2アクチュエータ位置値信号を出力し、前記第2アクチュエータ位置値信号を前記測定装備に出力する増幅部と、
前記増幅部から出力される前記第2アクチュエータ位置値信号と前記測定装備から供給された第1外乱信号を選択的に出力する選択部と、
前記選択部から出力される前記第2アクチュエータ位置値信号をデジタル信号である第3アクチュエータ位置値信号に変換し、前記変換された第3アクチュエータ位置値信号を出力し、前記第1外乱信号をデジタル信号である第2外乱信号に変換し、前記変換された第2外乱信号を出力するアナログ-デジタルコンバータと、
第1ターゲット位置値から前記第3アクチュエータ位置値信号及び前記第2外乱信号を差し引いて第1誤差値信号を出力し、前記第1誤差値信号を補償するための第1制御信号を生成して出力する信号処理器と、
前記信号処理器から出力される前記第1誤差値信号をアナログ信号である第2誤差値信号に変換し、前記変換された第2誤差値信号を前記測定装備に出力するデジタル-アナログコンバータと、
前記信号処理器から出力される第1制御信号に応じて第1アクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成された第1アクチュエータ駆動信号を前記アクチュエータに出力するドライバと、を含む、請求項7に記載のカメラモジュールの周波数応答測定装置。
【請求項9】
前記信号処理器は、前記カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、
前記第1ターゲット位置値から前記第3アクチュエータ位置値信号及び前記第2外乱信号を差し引いて前記第1誤差値信号を算出する演算部と、
算出された前記第1誤差値信号をPID制御して前記第1制御信号を生成するPID制御器と、を含む、請求項8に記載のカメラモジュールの周波数応答測定装置。
【請求項10】
前記測定装備は、
前記第1外乱信号の周波数を可変するとともに、前記OISコントローラを介して周波数別に測定された前記第1外乱信号、前記第2アクチュエータ位置値信号及び前記第2誤差値信号を利用して周波数応答特性を算出し、
算出された周波数応答特性を利用して前記PID制御器の最適制御係数を設定する、請求項9に記載のカメラモジュールの周波数応答測定装置。
【請求項11】
カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、前記カメラモジュールのOISコントローラと測定装備を連結し、前記OISコントローラがレンズモジュールまたはイメージセンサモジュールと結合されたアクチュエータをターゲット位置に移動させる第1段階と、
前記OISコントローラで前記アクチュエータのホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置値信号を前処理して前記測定装備に出力する第2段階と、
ターゲット位置値、前記アクチュエータ位置値信号及び前記測定装備から供給された外乱信号を演算処理して誤差値信号を前記測定装備に出力する第3段階と、
前記誤差値信号を補償するアクチュエータ駆動信号を生成して前記アクチュエータを駆動する第4段階と、を含む、カメラモジュールの周波数応答測定方法。
【請求項12】
前記第2段階は、
前記OISコントローラで前記ホールセンサから供給された第1アクチュエータ位置値信号を増幅して第2アクチュエータ位置値信号を出力し、前記第2アクチュエータ位置値信号を前記測定装備に出力する段階を含む、請求項11に記載のカメラモジュールの周波数応答測定方法。
【請求項13】
前記第3段階は、
前記OISコントローラで前記第2アクチュエータ位置値信号を選択し、前記第2アクチュエータ位置値信号をデジタル信号である第3アクチュエータ位置値信号に変換し、前記変換された第3アクチュエータ位置値信号を出力する段階と、
前記OISコントローラで前記測定装備から供給された第1外乱信号を選択し、前記第1外乱信号をデジタル信号である第2外乱信号に変換し、前記変換された第2外乱信号を出力する段階と、
前記OISコントローラで第1ターゲット位置値から前記第3アクチュエータ位置値信号及び前記第2外乱信号を差し引いて第1誤差値信号を出力する段階と、
前記OISコントローラで前記第1誤差値信号をアナログ信号である第2誤差値信号に変換し、前記変換された第2誤差値信号を前記測定装備に出力する段階と、を含む、請求項11に記載のカメラモジュールの周波数応答測定方法。
【請求項14】
前記第4段階は、
前記OISコントローラで前記第1誤差値信号をPID制御して第1制御信号を生成して出力する段階と、
前記OISコントローラで前記第1制御信号に応じて第1アクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成された第1アクチュエータ駆動信号を前記アクチュエータに出力する段階と、を含む、請求項11に記載のカメラモジュールの周波数応答測定方法。
【請求項15】
前記OISコントローラは、前記第1外乱信号のサンプリング数が設定値になるまで、前記サンプリング数を増加させながら前記第2~第4段階を繰り返す第5段階をさらに含む、請求項11に記載のカメラモジュールの周波数応答測定方法。
【請求項16】
前記OISコントローラで前記第1外乱信号のサンプリング数が前記設定値になると、前記測定装備で前記第1外乱信号の周波数を可変させるは第6段階と、
前記OISコントローラで前記第1~第5段階を繰り返す第7段階と、を含む、請求項15に記載のカメラモジュールの周波数応答測定方法。
【請求項17】
前記測定装備は、前記OISコントローラを介して周波数別に測定された前記第1外乱信号、前記第2アクチュエータ位置値信号及び前記第2誤差値信号を利用して周波数応答特性を算出し、
算出された周波数応答特性を利用して前記OISコントローラのPID制御のための最適制御係数を設定する、請求項15に記載のカメラモジュールの周波数応答測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数応答測定機能を備えることにより、測定システムを単純化し、コストを節減できるカメラモジュールのコントローラ、カメラモジュールの周波数応答測定装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット等のようなモバイル電子装置に装着されたカメラモジュールは、撮影時にユーザの手ぶれにより映像が揺れる現象を防止するために手ぶれ防止機能を有している。
【0003】
手ぶれ防止のために、カメラモジュールは、ユーザの手ぶれによるカメラモジュールの動きをセンシング及び補正する光学的イメージ安定化(Optical Image Stabilization、以下OIS)技術を利用している。カメラモジュールは、ジャイロセンサ及びOISコントローラを備え、カメラモジュールの動きを相殺することができる。
【0004】
カメラモジュールは、検査段階でカメラモジュールの周波数応答特性を測定し、測定結果を利用してOISコントローラの制御係数を設定して、その設定された制御係数を内部メモリに貯蔵するチューニング過程が必要である。
【0005】
関連技術によるカメラモジュールの周波数応答測定システムは、測定装備とOISコントローラの間に外部周波数応答分析(Frequency Response Analysis、以下FRA)測定ボードを備えなければならず、OISコントローラは、FRA測定ボードと通信のためのインタフェース回路を備えなければならない。
【0006】
これにより、関連技術は、カメラモジュールの周波数応答特性を測定するための測定システムの構成と測定方法が複雑でコストが増加する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、周波数応答測定機能を備えることにより、測定システムを単純化し、コストを節減できるカメラモジュールのコントローラ、カメラモジュールの周波数応答測定装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例に係るカメラモジュールのコントローラは、駆動モードにおいて、ジャイロセンサでセンシングされたカメラモジュールの角度変化を利用したターゲット位置と、ホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置との差を補償する駆動信号を生成し、前記生成された駆動信号に基づいて前記アクチュエータを駆動することができ、カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、ホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置値信号を前処理して測定装備に出力し、ターゲット位置値とアクチュエータ位置値信号及び測定装備から供給された外乱信号を演算処理して誤差値信号を前記測定装備に出力し、誤差値信号を補償するアクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成されたアクチュエータ駆動信号に基づいてアクチュエータを駆動することができる。
【0009】
一実施例に係るカメラモジュールのコントローラは、カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、ホールセンサから供給された第1アクチュエータ位置値信号を増幅して第2アクチュエータ位置値信号を出力し、第2アクチュエータ位置値信号を測定装備に出力する増幅部と、増幅部から出力される第2アクチュエータ位置値信号と測定装備から供給された第1外乱信号を選択的に出力する選択部と、選択部から出力される第2アクチュエータ位置値信号をデジタル信号である第3アクチュエータ位置値信号に変換し、前記変換された第3アクチュエータ位置値信号を出力し、第1外乱信号をデジタル信号である第2外乱信号に変換し、前記変換された第2外乱信号を出力するアナログ-デジタルコンバータと、第1ターゲット位置値から第3アクチュエータ位置値信号及び第2外乱信号を差し引いて第1誤差値信号を出力し、第1誤差値信号を補償するための第1制御信号を生成して出力する信号処理器と、信号処理器から出力される第1誤差値信号をアナログ信号である第2誤差値信号に変換して測定装備に出力するデジタル-アナログコンバータと、信号処理器から出力される第1制御信号に応じて第1アクチュエータ駆動信号を生成して前記アクチュエータに出力するドライバと、を含むことができる。
【0010】
一実施例に係るカメラモジュールのコントローラにおいて、駆動モードにおいて、増幅部は、ホールセンサから供給された第3アクチュエータ位置値信号を増幅して第4アクチュエータ位置値信号を出力し、アナログ-デジタルコンバータは、選択部を介して供給される第4アクチュエータ位置値信号をデジタル信号である第5アクチュエータ位置値信号に変換し、前記変換された第5アクチュエータ位置値信号を出力し、信号処理器は、第2ターゲット位置値から第5アクチュエータ位置値信号を差し引いて第2誤差値信号を算出し、算出された第2誤差値信号を補償するための第2制御信号を生成して出力し、ドライバは、第2制御信号に応じて第2アクチュエータ駆動信号を生成してアクチュエータに出力することができる。
【0011】
一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定装置は、レンズモジュールまたはイメージセンサモジュールと結合されてレンズモジュールまたはイメージセンサモジュールを移動させるアクチュエータと、アクチュエータ内でアクチュエータ位置をセンシングするホールセンサと、カメラモジュールの角度変化をセンシングするジャイロセンサと、駆動モードにおいて、ジャイロセンサでセンシングされたカメラモジュールの角度変化を利用したターゲット位置と、ホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置との差を補償する駆動信号を生成し、前記生成された駆動信号に基づいてアクチュエータを駆動するOISコントローラと、カメラモジュールの周波数応答測定モードでOISコントローラと連結される測定装備と、を備えることができる。カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、OISコントローラは、ホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置値信号を前処理して測定装備に出力し、ターゲット位置値とアクチュエータ位置値信号及び測定装備から供給された外乱信号を演算処理して誤差値信号を測定装備に出力し、誤差値信号を補償するアクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成されたアクチュエータ駆動信号に基づいてアクチュエータを駆動することができる。
【0012】
一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定方法は、カメラモジュールの周波数応答測定モードにおいて、カメラモジュールのOISコントローラと測定装備を連結し、OISコントローラがレンズモジュールまたはイメージセンサモジュールと結合されたアクチュエータをターゲット位置に移動させる第1段階と、OISコントローラでアクチュエータのホールセンサでセンシングされたアクチュエータ位置値信号を前処理して測定装備に出力する第2段階と、ターゲット位置値とアクチュエータ位置値信号及び測定装備から供給された外乱信号を演算処理して誤差値信号を測定装備に出力する第3段階と、誤差値信号を補償するアクチュエータ駆動信号を生成し、前記生成されたアクチュエータ駆動信号に基づいてアクチュエータを駆動する第4段階と、を含むことができる。
【0013】
第2段階は、OISコントローラでホールセンサから供給された第1アクチュエータ位置値信号を増幅して第2アクチュエータ位置値信号を出力し、第2アクチュエータ位置値信号を前記測定装備に出力する段階を含むことができる。
【0014】
第3段階は、OISコントローラで第2アクチュエータ位置値信号を選択し、第2アクチュエータ位置値信号をデジタル信号である第3アクチュエータ位置値信号に変換し、前記変換された第3アクチュエータ位置値信号を出力する段階と、OISコントローラで測定装備から供給された第1外乱信号を選択し、第1外乱信号をデジタル信号である第2外乱信号に変換し、前記変換された第2外乱信号を出力する段階と、OISコントローラで第1ターゲット位置値から前記第3アクチュエータ位置値信号及び第2外乱信号を差し引いて第1誤差値信号を出力する段階と、OISコントローラで第1誤差値信号をアナログ信号である第2誤差値信号に変換して測定装備に出力する段階と、を含むことができる。
【0015】
第4段階は、OISコントローラで第1誤差値信号をPID制御して第1制御信号を生成して出力する段階と、OISコントローラで第1制御信号に応じて第1アクチュエータ駆動信号を生成してアクチュエータに出力する段階と、を含むことができる。
【0016】
測定装備は、OISコントローラを介して周波数別に測定された前記第1外乱信号、前記第2アクチュエータ位置値信号及び前記第2誤差値信号を利用して周波数応答特性を算出し、算出された周波数応答特性を利用してOISコントローラのPID制御のための最適制御係数を設定することができる。
【発明の効果】
【0017】
一実施例は、OISコントローラが周波数応答測定機能を備えることにより、関連技術の外部FRA測定ボードが不必要であるので、測定システムの構成及び測定方法を単純化し、コストを節減することができる。
【0018】
一実施例は、カメラモジュールの周波数応答を測定するとき、OISコントローラの一部内部構成を時分割して使用することにより、OISコントローラの大きさの増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、一実施例に係るカメラモジュールの構成を示したブロック図である。
図2図2は、図1に図示されたMCUの内部構成を示したブロック図である。
図3図3は、一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定装置の構成を示したブロック図である。
図4図4は、一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定方法を示したフローチャートである。
図5図5は、図3に図示されたFRA装備とOISコントローラの間の入出力信号波形を例示的に示した図面である。
図6図6は、一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定装置で測定された外乱信号の周波数とゲイン/位相の関係を例示的に示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を説明することにする。
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係るカメラモジュールの構成を示したブロック図であり、図2は、図1に図示されたMCUの機能的内部構成を示したブロック図である。
【0022】
図1を参照すると、一実施例に係るカメラモジュールは、アクチュエータ100、OISコントローラ200、ジャイロセンサ300を含む。
【0023】
カメラモジュールは、図示しないイメージセンサモジュールとレンズモジュールをさらに含む。イメージセンサモジュールまたはレンズモジュールは、アクチュエータ100と結合され、アクチュエータ100の駆動によって移動することができる。
【0024】
レンズモジュールは、複数のレンズを含み、入射する光を集光してイメージセンサのセンサ面に照射することができる。イメージセンサは、物体で反射され、レンズモジュールを介して集光されて入射した光をR/G/B(Red、Green、Blue)カラー別に分離し、各ピクセルで入射した各カラーの光学信号をセンシングして、前記各カラーの光学信号を電気信号に変換することにより、イメージをセンシングすることができる。
【0025】
アクチュエータ100は、OISコントローラ200から供給されるアクチュエータ駆動信号に応じて駆動され、レンズモジュールまたはイメージセンサモジュールを移動させることができる。例えば、アクチュエータ100は、コイルとマグネットの間の電磁気力を発生させて、レンズモジュールまたはイメージセンサモジュールを移動させることができる。アクチュエータ駆動信号は、アクチュエータ100のコイルに印加される電流信号であってもよい。アクチュエータ100は、VCM(Voice Coil Motor)タイプ、SMA(Shape Memory Alloy)タイプ、ボール(Ball)タイプ等のような多様なタイプのアクチュエータのうちいずれか1つであってもよい。
【0026】
アクチュエータ100は、レンズモジュールまたはイメージセンサモジュールを移動させて焦点を合わせるオートフォーカシング(Auto Focusing、AF)機能をすることができる。
【0027】
アクチュエータ100は、OISコントローラ200の制御に応じて手ぶれにより発生したカメラモジュールの角度変化をレンズモジュールまたはイメージセンサモジュールを移動させて相殺するOIS機能をすることができる。OIS機能は、手ぶれ防止機能、手ぶれ補正機能、または動き補正機能と表現することができる。
【0028】
アクチュエータ100は、OISコントローラ200から供給されるアクチュエータ駆動信号に応じて駆動(または移動)され、レンズモジュールまたはイメージセンサモジュールをX軸、Y軸、Z軸方向にそれぞれ移動させる複数のアクチュエータ100を含むことができる。複数のアクチュエータ100は、OISコントローラ200から複数のアクチュエータ駆動信号が個別的に供給されてもよい。Z軸方向は、レンズモジュール及びイメージセンサの光軸方向を意味する。X軸方向及びY軸方向は、光軸方向と直交する水平方向のうち第1方向及び第2方向と定義することができる。
【0029】
アクチュエータ100は、アクチュエータ100の位置をセンシングするホールセンサ(Hall Sensor)120を含むことができる。アクチュエータ100の位置は、アクチュエータ100と結合されたレンズモジュールまたはイメージセンサモジュールの位置を代表することができる。ホールセンサ120は、アクチュエータ100の位置をセンシングし、センシングされた位置をOISコントローラ200に出力することができる。例えば、ホールセンサ120は、アクチュエータ100の磁場強度をセンシングして、アクチュエータ100の位置をセンシングすることができる。ホールセンサ120は、位置センサと定義することができる。
【0030】
ホールセンサ120は、X軸、Y軸、Z軸方向にそれぞれ動く複数のアクチュエータ100の位置を個別的にセンシングする複数のホールセンサ120を含むことができる。
【0031】
ジャイロセンサ300は、手ぶれによるカメラモジュールの角度変化をセンシングして角速度情報に変換し、角速度情報をOISコントローラ200に出力することができる。ジャイロセンサ300は、モーションセンサまたは角速度センサと定義することができる。
【0032】
OISコントローラ200は、アクチュエータ100の駆動によりレンズモジュールまたはイメージセンサモジュールを逆に移動させ、ジャイロセンサ300によりセンシングされた手ぶれによるカメラモジュールの角度変化を相殺することにいり、手ぶれを補正することができる。OISコントローラ200は、アクチュエータ100のドライバ250と一緒に集積化されて、IC(Integrated Circuit)として具現されてもよい。OISコントローラ200は、安定化コントローラ、OISコントローラ及びドライバ、またはOISドライバと定義することができる。
【0033】
OISコントローラ200は、プログラマブルゲインアンプ(Programmable Gain Amplifier、以下PGA)260、マルチプレクサ(Multiplexer、以下MUX)270、アナログ-デジタルコンバータ(Analog-to-Digital Converter、以下ADC)280、マイクロコントローラユニット(MicroController Unit、以下MCU)210、デジタル-アナログコンバータ(Digital-to-Analog Converter、以下DAC)290及びドライバ250を含んで構成されてもよい。
【0034】
OISコントローラ200は、OIS機能及び/または周波数応答測定機能を備えることができる。
【0035】
PGA260は、ホールセンサ120でセンシングされたアクチュエータ100の位置値信号を増幅して、増幅された位置値信号yを出力することができる。PGA260は、ホールセンサ120でセンシングされた微細な位置値信号をデジタル信号処理が可能となるように増幅して、その増幅された信号を出力することができる。PGA260は、増幅部、前処理部、またはアナログフロントエンド(Analog Front-End、AFE)と定義することができる。
【0036】
MUX270は、PGA260から供給されたアクチュエータ100の位置値信号yと外部から供給された外乱信号xのうちいずれか1つを選択して、その選択された信号をADC280に出力することができる。MUX270は、選択部と定義することができる。
【0037】
駆動時に、MUX270は、PGA260により増幅されたアクチュエータ100の位置値信号yを選択して、その選択された信号をADC280に出力することができる。
【0038】
一方、カメラモジュールの周波数応答測定時に、MUX210は、外乱信号xと位置値信号yを順次選択して、その選択された信号をADC280に出力することができる。外乱信号xは、周波数応答分析(Frequency Response Analysis、以下FRA)装備から供給された発振信号OSCであってもよい。OISコントローラ200は、PGA260により増幅されたアクチュエータ100の位置値信号yをFRA装備に出力することができる。
【0039】
ADC280は、MUX270から供給されたアナログ位置値信号yをデジタル位置値データY(n)に変換して、デジタル位置値データY(n)をMCU210に出力することができる。ADC280は、MUX270から供給されたアナログ外乱信号xをデジタル外乱値データX(n)に変換して、デジタル外乱値データX(n)をMCU210に出力することができる。以下、デジタル位置値データY(n)は位置値Y(n)と表現し、デジタル外乱値データX(n)は外乱値X(n)と表現することができる。
【0040】
MCU210は、ジャイロセンサ300からの角速度情報を利用してターゲット位置値を算出し、算出されたターゲット位置値とADC280から供給された位置値Y(n)の間の誤差値E(n)を算出し、算出された誤差値E(n)を補正するための制御信号を生成し、生成された制御信号をドライバ250に出力することができる。MCU210の代わりに中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)のような信号処理器が利用されてもよい。
【0041】
MCU210は、ジャイロセンサ300から供給された角速度情報を積分して、ターゲット位置値T(n)(図2)を算出することができる。MCU210は、算出されたターゲット位置値T(n)とADC280から供給された位置値Y(n)との差である誤差値E(n)を算出することができる。MCU210は、算出された誤差値E(n)を補正するための、即ちゼロ(0)に相殺するための制御信号を生成し、生成された制御信号をドライバ250に出力することができる。ターゲット位置値T(n)はターゲット位置値データT(n)と表現し、誤差値E(n)は誤差値データ(E(n))と表現することができる。
【0042】
ドライバ(Driver)250は、MCU210から供給された制御信号に応じてアクチュエータ駆動信号を生成し、生成されたアクチュエータ駆動信号を利用してアクチュエータ100を駆動することができる。アクチュエータ駆動信号は、定電流信号またはパルス幅変調(Pulse Width Modulation、PWM)信号として生成される。ドライバ250は、アクチュエータ駆動信号に応じてアクチュエータ100を駆動してアクチュエータ100と結合されたレンズモジュールまたはイメージセンサモジュールを移動させることにより、手ぶれを補正することができる。
【0043】
一方、カメラモジュールの周波数応答測定時に、MCU210は、ADC200を介して外乱値X(n)と位置値Y(n)が順次供給される。MCU210は、ターゲット位置値T(0)から外乱値X(n)と位置値Y(n)を差し引いて誤差値E(n)を算出し、算出された誤差値E(n)をDAC290に出力することができる。
【0044】
DAC290は、MCU210から供給されたデジタル誤差値E(n)をアナログ誤差値信号eに変換してFRA装備に出力することができる。
【0045】
図2を参照すると、MCU210は、積分フィルタ(Integral Filter)220、演算部230及び比例・積分・微分コントローラ(Proportional-Integral-Differential Controller、以下PIDコントローラ)240を含むことができる。図2に図示された積分フィルタ220、演算部230及びPIDコントローラはMCU210上のファームウェア(Firmware)で具現されるか、信号処理器のハードウェアで具現されてもよい。
【0046】
積分フィルタ220は、ジャイロセンサ300からの角速度情報を積分して角度を算出し、算出された角度をターゲット位置値T(n)として出力することができる。
【0047】
演算部230は、ターゲット位置値T(n)とADC280からの位置値Y(n)の間の誤差値E(n)を算出し、算出された誤差値E(n)を出力することができる。
【0048】
PIDコントローラ240は、PIDの制御を行って、誤差値E(n)を補償するための制御信号を生成することができる。ここで、PIDの制御の実行は、誤差値E(n)を増幅し、増幅された誤差値E(n)を積分して正常状態との偏差を減らし、増幅された誤差値E(n)を微分してオーバーシュート/アンダーシュートのような急激な変化を抑制することであってもよい。PIDコントローラ240は、内部メモリに設定された比例制御係数、積分制御係数及び微分制御係数を誤差値E(n)に適用して、PID制御を行うことができる。
【0049】
一方、カメラモジュールの周波数応答を測定する場合、演算部230は、ターゲット位置値T(0)から外乱値X(n)と位置値Y(n)を差し引いて誤差値E(n)を算出し、算出された誤差値E(n)をPIDコントローラ240及びDAC290に出力することができる。
【0050】
一実施例に係るカメラモジュールは、検査段階でFRA装備をOISコントローラ200と連結してカメラモジュールの周波数応答特性を測定することができ、FRA装備は、周波数応答分析結果を利用してPIDコントローラ240の最適制御係数(比例制御係数、積分制御係数、微分制御係数)を設定することができる。
【0051】
一実施例に係るOISコントローラ200は、周波数応答測定機能を備えることにより、測定システム及び測定方法を簡素化することができる。
【0052】
一実施例に係るOISコントローラ200は、周波数応答測定時に内部構成(MUX、ADC、MCU)を時分割して使用することにより、OISコントローラ200の大きさの増加を抑制することができる。
【0053】
以下、図3図6を参照して一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定システム及び方法を具体的に説明することにする。
【0054】
図3は、一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定装置の構成を示したブロック図であり、図4は、一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定方法を示したフローチャートである。
【0055】
図3を参照すると、一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定システムは、カメラモジュール及びFRA装備400を含むことができる。カメラモジュールは、アクチュエータ100とOISコントローラ200を含むことができる。FRA装備400は、コントローラ200と連結されてもよい。
【0056】
図3及び図4を参照すると、FRA装備400とOISコントローラ200を連結し、カメラモジュールの周波数応答測定のためにFRA装備400とOISコントローラ200の初期設定をすることができる(S402)。
【0057】
S402段階で、FRA装備400は、OISコントローラ200の外乱信号xの周波数別のサンプリング数Tnを特定値REFとして設定することができ、FRA装備400の外乱信号xの段階別の周波数増加量を設定することができる。FRA装備400は、特定周波数の発振信号OSCを生成して、OISコントローラ200に外乱信号xとして印加することができる。OISコントローラ200は、アクチュエータ100を駆動して、ターゲット位置T(0)に移動させることができる。OISコントローラ200は、外乱信号xに応じてアクチュエータ100を駆動して、アクチュエータ100を移動させることができる。
【0058】
OISコントローラ200は、アクチュエータ100のホールセンサ120から出力されたアクチュエータ100の位置値信号yを増幅してFRA装備400のチャンネルCH2に出力することができ、FRA装備400は、アクチュエータ100の位置値信号yをデジタル位置値Y(n)に変換することができる(S406)。
【0059】
S406段階で、OISコントローラ200は、ホールセンサ120から出力されたアクチュエータ100の位置値信号yをPGA260により増幅して、FRA装備400のチャンネルCH2に出力することができる。これにより、FRA装備400は、OISコントローラ200のPGA260によりアクチュエータ100の位置値信号yを測定することができる。
【0060】
S406段階で、OISコントローラ200は、PGA260により増幅されたアクチュエータ100の位置値信号yをMUX270を介してADC280に出力し、ADC280を介してアクチュエータ100の位置値信号yをデジタル位置値Y(n)に変換し、変換されたアクチュエータ100の位置値信号yをMCU210に出力することができる。
【0061】
OISコントローラ200はFRA装備400から出力された外乱信号xをMUX270を介してADC280に出力し、ADC280を介して外乱信号xをデジタル外乱値X(n)に変換し、変換された外乱信号xをMCU210に出力することができる(S408)。
【0062】
OISコントローラ200は、MCU210の演算部230によりターゲット位置値T(0)から位置値Y(n)及び外乱値X(n)を差し引いて誤差値E(n)を算出することができる(S410)。
【0063】
OISコントローラ200は、算出された誤差値E(n)をDAC290を介してアナログ誤差値信号eに変換し、変換されたアナログ誤差値信号eをFRA装備400のチャンネルCH1に出力することができる(S412)。これにより、FRA装備400は、OISコントローラ200のPGA260、MUX270、ADC280、演算部230及びDAC290の信号処理により誤差値信号eを測定することができる。
【0064】
OISコントローラ200は、MCU210のPIDコントローラ240を介して誤差値E(n)に対応する制御信号を生成し、ドライバ(DRV)250を介して制御信号に応じたアクチュエータ駆動信号を生成し、生成されたアクチュエータ駆動信号を利用してアクチュエータ100を駆動することができる(S414)。
【0065】
OISコントローラ200は、ADC280のサンプリング数Tnが特定値REFになるまでサンプリング数Tnを漸進的に増加(n=n+1)させながら(S416、S418)、前述したS406、S408、S410、S414、S416、S418段階を繰り返すことができる。これにより、OISコントローラ200は、特定周波数を有する外乱信号xのサンプリングポイントごとにアクチュエータ100の位置値信号y及び誤差値信号eを測定し、測定されたアクチュエータ100の位置値信号y及び誤差値信号eをFRA装備400に出力することができる。
【0066】
図5は、図3に図示されたFRA装備とOISコントローラの間の入出力信号波形を例示的に示した図面である。
【0067】
図5を参照すると、特定周波数の外乱信号xとアクチュエータ100の位置値信号yは、正弦波形態を有することができる。ターゲット位置値から外乱信号x及び位置値信号yを差し引いた誤差値信号eは、外乱信号x及び位置値信号yに応じて可変する形態を有することができる。
【0068】
OISコントローラ200のサンプリング数Tnが設定された特定値REFまで完了すると(S416、Yes)、FRA装備400は、外乱信号xの周波数を増加させ、増加した外乱信号xの周波数をOISコントローラ200に出力することができる(S404)。
【0069】
OISコントローラ200は、周波数が増加した外乱信号xの供給を受け、前述したS406、S408、S410、S414、S416、S418段階を繰り返すことができる。これにより、OISコントローラ200は、外乱信号xの周波数を増加させながら周波数別の外乱信号xのサンプリングポイントごとにアクチュエータ100の位置値信号y及び誤差値信号eを測定し、測定されたアクチュエータ100の位置値信号y及び誤差値信号eをFRA装備400に出力することができる。
【0070】
FRA装備400は、外乱信号xと、アクチュエータ100の位置値信号yと、誤差値信号eを利用して、カメラモジュールの周波数応答特性であるゲイン(Gain)及び位相(Phase)を測定及び分析することができる。外乱信号xは、OISコントローラ200の入力信号であってもよい。アクチュエータ100の位置値信号yは、アクチュエータ100のホールセンサ120の出力によりOISコントローラ200を介して供給されてもよい。誤差値信号eは、OISコントローラ200の出力信号であってもよい。FRA装備400は、OSC信号の周波数を増加させながら周波数別にカメラモジュールの周波数応答特性を測定及び分析することができる。
【0071】
図6は、一実施例に係るカメラモジュールの周波数応答測定装置で測定された外乱信号の周波数とゲイン/位相の関係を例示的に示したグラフである。
【0072】
図6を参照すると、FRA装備400は、外乱信号xの周波数を増加させながらOISコントローラ200を介して測定されたアクチュエータ100の位置値信号y及び誤差値信号eを利用して、カメラモジュールの周波数応答特性を表わす周波数によるゲイン変化、周波数による位相変化等を測定することができる。
【0073】
FRA装備400は、カメラモジュールの周波数応答特性を測定して、アクチュエータ100及びOISコントローラ200の少なくともいずれか1つの自己発振を利用してゲインまたは位相が急変する周波数帯域(602、604)を検出することができる。FRA装備400は、ゲインまたは位相が急変する部分が減少または相殺するようにPIDコントローラ240の最適制御係数(比例制御係数、積分制御係数、微分制御係数)を設定することができる。
【0074】
このように、一実施例に係るカメラモジュールは、OISコントローラ200が周波数応答測定機能を備えることにより、関連技術の外部FRA測定ボードが不必要であるので、測定システムの構成及び測定方法を単純化することができ、コストを節減することができる。
【0075】
一実施例に係るカメラモジュールは、周波数応答測定時にOISコントローラの内部構成(MUX、ADC、MCU)を時分割して使用することにより、OISコントローラの大きさの増加を抑制することができる。
【0076】
本発明が属す技術分野の当業者は、上述した本発明が、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることが理解できるであろう。
【0077】
よって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されたい。本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導出される全ての変更または変形し形態が本発明の範囲に含まれると解析されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】