(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】研磨パッドのトリミング装置
(51)【国際特許分類】
B24B 53/017 20120101AFI20241219BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20241219BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B24B53/017 A
B24B53/12 Z
H01L21/304 622M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539441
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 CN2022144028
(87)【国際公開番号】W WO2023131075
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210004130.7
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128152
【氏名又は名称】杭州▲衆▼硅▲電▼子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】何 紅秀
(72)【発明者】
【氏名】楊 淵思
(72)【発明者】
【氏名】周 智鵬
【テーマコード(参考)】
3C047
5F057
【Fターム(参考)】
3C047AA16
3C047AA34
3C047EE04
5F057DA03
5F057EB27
5F057FA39
(57)【要約】
本発明は、研磨パッドのトリミング装置を開示し、以下を含む。接続アームは、水平に延伸する。トリミングヘッドユニットは、接続アームの一端に設けられ、研磨パッドのトリミングに用いられる。ベースユニットは、接続アームの他端に設けられ、接続アームと可動的に接続し、トリミングヘッドユニットを連れて垂直に上下移動するように接続アームを駆動し、トリミングヘッドユニットを垂直方向に向けて研磨パッドに接近又は遠ざける。本発明は、トリミング過程における均一で安定した正圧力を安定的に実現でき、研磨トリミング過程の一致性を保証する。運動拡大機構ではなく、トリミングヘッドユニットが研磨パッドに運動する過程における研磨パッドへの衝撃作用を効果的に軽減することができる。拡大作用がなく、トリミングヘッドユニットのワークステーション状態の一致性をより容易に保証できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨パッドのトリミング装置であって、
水平に延伸する接続アーム(1)と、
前記接続アーム(1)の一端に配置され、研磨パッドをトリミングするためのトリミングヘッドユニット(2)と、
前記接続アーム(1)の他端に配置されるベースユニット(3)と、を含み、
前記ベースユニット(3)は、前記接続アーム(1)と可動的に接続し、前記トリミングヘッドユニット(2)を連れて垂直に上下移動するように前記接続アーム(1)を駆動して、前記トリミングヘッドユニット(2)を研磨パッドに垂直な方向に向けて研磨パッドに接近又は遠ざける、ことを特徴とする研磨パッドのトリミング装置。
【請求項2】
前記接続アーム(1)は、水平姿勢で前記トリミングヘッドユニット(2)を連れて垂直に上下移動する、ことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項3】
前記トリミングヘッドユニット(2)は、垂直に上下移動して研磨パッドと面接触し、且つ面接触の状態を保持して研磨パッドのトリミングを完了する、ことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項4】
前記ベースユニット(3)は、少なくとも、
取り付け座(31)と、
前記取り付け座(31)に対して垂直に上下移動でき、前記接続アーム(1)と接続する継手(32)と、
前記接続アーム(1)と接続し、前記接続アーム(1)の駆動で前記取り付け座(31)に沿って垂直に上下移動できる可動接続板(33)と、
を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項5】
前記ベースユニット(3)は、前記接続アーム(1)を貫通して前記可動接続板(33)の上面に当接し、前記接続アーム(1)と前記可動接続板(33)との隙間の大きさを調整し、前記接続アーム(1)が水平姿勢にあることを保証するための調整アセンブリ(34)をさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項6】
前記調整アセンブリ(34)は、少なくとも2つの第一調整部材(341)を含み、前記第一調整部材(341)は、前記接続アーム(1)の長手方向に沿って間隔を置いて配置され、前記少なくとも2つの第一調整部材(341)は連携して、前記接続アーム(1)の長手方向における傾斜姿勢を克服するための、前記接続アーム(1)と前記可動接続板(33)との間の第1夾角を形成する、ことを特徴とする請求項5に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項7】
前記調整アセンブリ(34)は、少なくとも2つの第二調整部材(342)を含み、前記第二調整部材(342)は、前記接続アーム(1)の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、前記少なくとも2つの第二調整部材(342)は連携して、前記接続アーム(1)の幅方向における傾斜姿勢を克服するための、前記接続アーム(1)と前記可動接続板(33)との間の第2夾角を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項8】
前記第一調整部材(341)及び前記第二調整部材(342)は、互いに垂直に配置される、ことを特徴とする請求項7に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項9】
前記第一調整部材(341)及び前記第二調整部材(342)の総数は6個であり、前記接続アーム(1)の中心軸線で対称に配置された2組に分けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項10】
前記接続アーム(1)と前記可動接続板(33)との間は、前記第一調整部材(341)及び前記第二調整部材(342)に近接する締結具(35)により接続されている、ことを特徴とする請求項7に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項11】
前記取り付け座(31)には、垂直に延伸したガイド機構(311)が設けられ、前記可動接続板(33)は、前記ガイド機構(311)に沿って垂直に上下に移動する、ことを特徴とする請求項4に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項12】
前記ガイド機構(311)と前記トリミングヘッドユニット(2)は、前記取り付け座(31)の両側にそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項11に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項13】
前記ガイド機構(311)の上下両端には、前記可動接続板(33)の上下の移動ストロークを制限するストッパ(312)がそれぞれ形成されている、ことを特徴とする請求項11に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項14】
前記継手(32)は、前記可動接続板(33)と別体に設けられ、又は、前記継手(32)は、前記可動接続板(33)と一体に設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項15】
前記継手(32)は、動力機構(36)の駆動によって上下に動き、前記継手(32)と前記動力機構(36)との間に可動隙間(37)が形成され、
或いは、前記継手(32)は、前記動力機構(36)と一体的に接続されている、ことを特徴とする請求項4に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項16】
前記動力機構(36)は、シリンダである、ことを特徴とする請求項15に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項17】
前記接続アーム(1)の端部に下部が開口したカバー体(11)が形成され、前記継手(32)、前記可動接続板(33)は、それぞれカバー体(11)の内上面に接続され、
前記カバー体(11)の上面に、透かし彫り部(111)を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項18】
前記トリミングヘッドユニット(2)は、駆動ユニット(21)とトリミングシート(22)とを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【請求項19】
前記ベースユニット(3)は、揺動ユニット(4)に接続され、前記揺動ユニット(4)は固定ベース(5)に接続され、前記揺動ユニット(4)はベースユニット(3)、接続アーム(1)及びトリミングヘッドユニット(2)の全周方向の揺動を駆動するのに用いられる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨パッドのトリミング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路チップ製造設備の分野に属し、特に研磨パッドのトリミング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械研磨平坦化(Chemical Mechanical Planarization、CMP)設備では、ウェハは、粗い研磨パッド表面で研磨する。研磨時間が長くなるにつれて、研磨パッド表面は、平らに研磨され、研磨の効果を失う。ダイヤモンド砥石車盤付きのトリミング器で研磨パッド表面をトリミングし、研磨パッド表面を粗くして摩擦力を持たせ、研磨の機能を継続させる。
【0003】
研磨過程全体を完了するためには、研磨パッドのトリミング器は、高さ方向で研磨パッドに接近する過程が必要であり、現在、研磨パッドのトリミング器のこのUP/Down過程は、基本的に梃子の原理によって実現している。動力装置は、梃子の短いアーム一端を制御することによって梃子の長いアーム一端の俯仰を実現し、
図1に示すように、即ち研磨パッドのトリミング器のトリミングヘッドのUP/Down過程を実現する。
【0004】
この方法にはいくつかの欠陥がある。まず、研磨パッドの摩損過程において、研磨パッドの高さの変化により、研磨パッドのトリミング器を支持するロボットアームの空間角度αは、絶えず変化する過程である。つまり、研磨パッドのトリミング器が研磨パッドに加える圧力方向F2は、絶えず変化し、これによりトリミング後の研磨パッドの状態が相対的に安定した状態に保証できなくなり、最終的に研磨パッドで研磨を完了したウェハも一致性を保証できなくなる。次に、梃子の原理自身の特性により、α角は、ほとんどの場合0ではなく、研磨パッドのトリミング器が研磨パッドに与える圧力は、ほとんどの場合正圧力ではない。即ち、研磨パッドのトリミング器の異なる区域の研磨圧力は、一致ではなく、研磨パッドのトリミング器の作業過程中の揺動速度が限られ、これは研磨パッドの異なる区域のトリミング程度の一致ではなく、即ち、研磨パッドの形態の一致性を保証できなく、研磨を完了したウェハの一致性に影響する。さらに、この梃子の原理のUP/Downの実現方式は、実際は運動増幅機構であり、動力装置の変位を増幅して研磨パッドのトリミング器ヘッドの運動を実現するが、同時に研磨パッドのトリミング器の空間位置の安定性を大幅に低下させることになる。動力装置の変動が倍に増幅されて研磨パッドのトリミング器のトリミングヘッドに伝達しやすく、その結果として、研磨パッドのトリミング器が研磨パッドに接近する過程中の運動衝撃が増幅されて、研磨パッドが衝撃で損傷される可能性が増大する。最後に、研磨パッドのトリミング器は、UP/Down運動過程中にUP/Downの極限位置が存在し、ハードリミットを設定する必要があり、ハードリミットは加工、取り付け、デバッグ過程中の誤差がすべて梃子機構により増幅されるため、これによって異なるワークステーション上の研磨パッドのトリミング器の一致性を保証できない。
【発明の概要】
【0005】
従来の技術の不足を克服するため、本発明は、動力方向と運動方向が一致し、接続アームがトリミングヘッドユニットを連れて平行移動の方式で研磨パッドのトリミングを実現させ、トリミング圧力がさらに均一な研磨パッドのトリミング装置を提供する。
【0006】
本発明がその技術問題を解決するために採用する技術方案は、研磨パッドのトリミング装置であり、
水平に延伸する接続アームと、
前記接続アームの一端に配置され、研磨パッドをトリミングするためのトリミングヘッドユニットと、
前記接続アームの他端に配置されるベースユニットと、を含む。
前記ベースユニットは、前記接続アームと可動的に接続し、前記トリミングヘッドユニットを連れて垂直に上下移動するように前記接続アームを駆動して、前記トリミングヘッドユニットを研磨パッドに垂直な方向に向けて研磨パッドに接近又は遠ざける。
【0007】
本発明は、ベースユニットを利用して接続アームを駆動して垂直に上下移動させ、トリミングヘッドユニットを垂直に下へ研磨パッドに対しトリミングさせ、動力方向と運動方向の一致性を保証する。平行移動の方式によってトリミングヘッドユニットの上下運動を実現し、トリミング過程における均一で、安定した研磨圧力を実現し、従来技術の梃子原理に存在するトリミングヘッドユニットが研磨パッドに加える圧力が絶えず変化する問題を解決し、作用力の拡大問題もなく、研磨パッド形態の一致性を保証する。
【0008】
さらに、前記接続アームは、水平姿勢でトリミングヘッドユニットを連れて垂直に上下移動してもよい。
【0009】
さらに、前記トリミングヘッドユニットは、垂直に上下移動して研磨パッドと面接触し、かつ面接触の状態を保持して研磨パッドのトリミングを完了してもよい。
【0010】
さらに、前記ベースユニットは、少なくとも、
取り付け座と、
前記取り付け座に対して垂直に上下移動でき、前記接続アームと接続する継手と、
前記接続アームと接続し、前記接続アームの駆動で前記取り付け座に沿って垂直に上下移動できる可動接続板とを含んでもよい。
可動接続板は、トリミングヘッドユニットと接続アームがもたらす曲げモーメントを耐えることができ、構造全体の安定性を保証する。
【0011】
さらに、前記ベースユニットは、前記接続アームを貫通して前記可動接続板の上面に当接し、前記接続アームと前記可動接続板との隙間の大きさを調節し、前記接続アームが水平姿勢であることを保証するための調整アセンブリを含んでもよい。
調節アセンブリの設置は、接続アームの水平姿勢を実現するための調節を補助することができ、それにより部品の加工精度に対する要求をある程度低減することができる。
【0012】
さらに、前記調節アセンブリは、少なくとも二つの第一調整部材を含み、前記第一調整部材は、前記接続アームの長手方向に沿って間隔を置いて配置され、少なくとも二つの第一調整部材は連携して、前記接続アームの長手方向における傾斜姿勢を克服するための、前記接続アームと前記可動接続板との間の第1夾角を形成してもよい。
【0013】
さらに、前記調節アセンブリは、少なくとも二つの第二調整部材を含み、前記第二調整部材は接続アームの幅方向に沿って間隔を置いて配置され、少なくとも二つの第二調整部材は連携して、前記接続アームの幅方向における傾斜姿勢を克服するための、前記接続アームと前記可動接続板との間の第2夾角を形成してもよい。
【0014】
さらに、前記第一調整部材と前記第二調整部材は、互いに垂直に配置されてもよい。
【0015】
さらに、前記第一調整部材と前記第二調整部材の総数は6個であり、前記接続アームの中心軸線で対称に配置された2組に分けられてもよい。
【0016】
さらに、前記接続アームと前記可動接続板との間は、前記第一調整部材と前記第二調整部材に近接する締結具により接続されてもよい。
【0017】
さらに、前記取り付け座には、垂直に延伸するガイド機構が設けられ、前記可動接続板は、ガイド機構に沿って垂直に上下に移動してもよい。
【0018】
さらに、前記ガイド機構と前記トリミングヘッドユニットは、それぞれ前記取り付け座の両側に設けられていてもよい。トリミングヘッドユニット、継手及びガイド機構は、左から右の順に配置される。継手は、トリミングヘッドユニットとガイド機構との間に配置される。稼動過程中に、動力機構の継手に対する推力が加わっても、一定程度にトリミングヘッドユニットの自重がガイド機構に対する曲げモーメントを克服でき、ガイド機構の負荷を減少し、ガイド機構の寿命を増加する。
【0019】
さらに、前記ガイド機構の上下両端には、前記可動接続板の上下の移動ストロークを制限するストッパがそれぞれ形成されていてもよい。ストッパは、UP/Down運動過程全体でリミッターとしての作用を果たし、トリミングヘッドユニットの安全稼動範囲を保証する。
【0020】
さらに、前記継手と前記可動接続板は、別体に設けられ、或は、前記継手と前記可動接続板は一体に設けられてもよい。
【0021】
さらに、前記継手は、動力機構の駆動で上下に動き、前記継手と前記動力機構との間に可動隙間を形成する。
或は、前記継手は、前記動力機構と一体的に接続されていてもよい。
【0022】
可動隙間の存在は、継手と動力機構との間に保護作用を形成でき、両者の柔軟性を増加する。継手と動力機構が一体的に接続して全体構造をさらに簡単にさせる。
【0023】
さらに、前記動力機構は、シリンダであってもよい。
【0024】
さらに、前記接続アームの端部に下部が開口したカバー体が形成され、前記継手、前記可動接続板はそれぞれカバー体の内上面に接続され、前記カバー体の上面に透かし彫り部を形成してもよい。
【0025】
さらに、前記トリミングヘッドユニットは、駆動ユニットとトリミングシートを含んでもよい。
【0026】
さらに、前記ベースユニットは、揺動ユニットに接続され、前記揺動ユニットは固定ベースに接続され、前記揺動ユニットは、前記ベースユニット、前記接続アーム及び前記トリミングヘッドユニットの全周方向の揺動を駆動するのに用いてもよい。
【0027】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。1)従来の回転UP/Down構造に対して、平行移動UP/Down構造は安定してトリミング過程中の均一で安定した正圧力を実現することができ、研磨トリミング過程の一致性を保証する。2)従来の回転UP/Down構造に対して、平行移動UP/Down構造は運動拡大機構ではなく、トリミングヘッドユニットが研磨パッドまで運動する過程中に研磨パッドに対する衝撃作用を有効に軽減することができる。3)従来の回転UP/Down構造に対して、ハードリミット構造の位置誤差において、平行移動UP/Down構造は拡大作用がなく、トリミングヘッドユニットのワークステーション状態の一致性を保証しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術の作用メカニズムの概略図であり、この時、トリミングヘッドユニットは、Aを支点として上下運動を実現する。
【
図2】本発明の作用メカニズムの概略図であり、この時、トリミングヘッドユニットは、上下平行移動する。
【
図6】本発明のベースユニットの部分斜視図である。
【
図8】本発明の第一調整部材の動作原理の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
当業者に本発明の実施形態をより良く理解してもらうために、以下に、本発明の実施形態における添付図面を用いて、本発明の実施形態における技術的方案を明瞭かつ完全に説明する。説明された実施形態は、本発明の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないという前提の下で得られた他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲に属するべきである。
【0030】
図2-
図3に示すように、研磨パッドのトリミング装置は、水平に延伸する接続アーム1と、接続アーム1の一端に配置され、研磨パッドをトリミングするためのトリミングヘッドユニット2と、接続アーム1の他端に配置されるベースユニット2とを含む。ベースユニット2は、接続アーム1と可動的に接続し、トリミングヘッドユニット2を連れて垂直に上下移動するように接続アーム1を駆動して、トリミングヘッドユニット2を研磨パッドに垂直な方向に向けて研磨パッドに接近又は遠ざけ、もちろん、研磨パッドに垂直な方向に沿って研磨パッドに近づく又は離れるとも言える。トリミングヘッドユニット2は、上下移動して研磨パッドに接触する過程で研磨パッドと面接触するだけでなく、接触した後のトリミング過程全体も面接触の状態で、即ちトリミングヘッドユニットと研磨パッドが面接触を保持する状態で研磨パッドのトリミングを完了する。
【0031】
接続アーム1は、水平姿勢でトリミングヘッドユニット2を連れて垂直に上下移動し、即ち上下移動の過程で接続アーム1が傾くことはない。
【0032】
図4、
図5に示すように、ベースユニット3は、取り付け座31、継手32、可動接続板33、及び調整アセンブリ34を有する。
【0033】
取り付け座31は、相対的に固定され、他の部品の取り付け固定を担当し、一体型部品より構成されているため、多体部品の取り付け過程においてもたらす取り付け誤差を避け、トリミングヘッドユニット2の稼動過程の精度要求を保証する。
【0034】
継手32と接続アーム1とは、ボルトにより固定接続され、かつ、取り付け座31に対して垂直に上下に動くことができ、すなわち、継手21は、接続アーム1を連れて垂直に上下に動く。
【0035】
継手32は、動力機構36の駆動によって上下に動き、継手32と動力機構36との間に可動隙間37を形成する。
図5に示すように、可動隙間37は、横方向に動く隙間を含み、垂直方向に動く隙間を含み、また、円周方向に回転して動く隙間を含む。本実施例において、動力機構36は、シリンダを選択しており、それを垂直に取り付けて継手32の垂直の上下平行移動を実現する。もちろん、継手32と動力機構36とが一体構造として設けられてもよい。
【0036】
可動接続板33は、接続アーム1に接続されている。具体的には、可動接続板33は、接続アーム1の下方に接続され、それは接続アーム1の駆動によって取り付け座31に沿って垂直に上下移動することができる。
【0037】
可動接続板33は、継手32と別体に設けられてもよく、両者が一体構造に接続されてもよい。
【0038】
可動接続板33の垂直の上下平行移動を保証するために、取り付け座31に垂直に延びるガイド機構311が設けられ、可動接続板33は、このガイド機構311に沿って垂直に上下に移動する。可動接続板33がガイド機構311から離脱することを防止するために、ガイド機構311の上下両端にそれぞれストッパ312が形成され、可動接続板33の上下の移動ストロークを制限することができる。本実施形態では、ガイド機構311は、平行に2つのガイドレールと4つのスライダを設けた構造とし、安定性と強度を確保している。
【0039】
さらに、ガイド機構311及びトリミングヘッドユニット2は、取り付け座31の両側にそれぞれ設けられている。すなわち、トリミングヘッドユニット2、継手32及びガイド機構311は、左から右に順に設けられている。
【0040】
調整アセンブリ34は、接続アーム1を貫通して可動接続板33の上面に当接することにより、接続アーム1と可動接続板33との間の隙間の大きさを調整し、接続アーム1が常に水平姿勢であることを保証する。もちろん、理想的な状態では、各ワークピースの加工精度を保証する前提で、接続アーム1が常に水平姿勢であってもよく、この場合、調整アセンブリ34は省略してもよい。
【0041】
具体的には、
図6、
図7に示すように、調整アセンブリ34は、接続アーム1の長手方向に沿って間隔を置いて配置される少なくとも二つの第一調整部材341を含み、かつ第一調整部材341は、接続アーム1の中心軸線方向に位置することが望ましい。したがって、少なくとも二つの第一調整部材341が連携して接続アーム1と可動接続板33との間の第1夾角を形成し、接続アーム1の長手方向における傾斜姿勢を克服する。
図8に示すβ角が上述の第1夾角であり、
図2に示す方向を例に説明すると、接続アーム1の自重で反時計回りに回転する傾向があり、第一調整部材341を下に回転して可動接続板33の上面に当接させることにより、接続アーム1の右端がその左端を相対的に上に持ち上げ、接続アーム1の自重による傾斜を克服し、すなわち接続アーム1の長手方向における傾斜姿勢を克服し、接続アーム1の軸方向の水平姿勢を保証する。
【0042】
調整アセンブリ34は、また少なくとも二つの第二調整部材342を含み、第二調整部材342は、接続アーム1の幅方向に沿って間隔を置いて配置され、かつ第二調整部材342は接続アーム1の幅方向の水平線上に位置することが望ましく、したがって少なくとも二つの第二調整部材342は連携して接続アーム1と可動接続板33との間の第2夾角を形成し、接続アーム1の幅方向の傾斜姿勢を克服する。
【0043】
調整を便利にするため、また第一調整部材341と第二調整部材342が連携して接続アーム1を水平姿勢にするため、第一調整部材341と第二調整部材342は互いに垂直に配置され、すなわちすべての第一調整部材341の中心結線とすべての第二調整部材342の中心結線とを互いに垂直にする。
【0044】
本実施形態では、
図7に示すように、第一調整部材341と第二調整部材342の総数は六個であり、接続アーム1の中心軸線で対称に配置された二組に分けられ、各組は三個である。この場合、第一調整部材341と第二調整部材342は明確な境界がなく、一部の調整部材は、長手方向姿勢を調整する第一調整部材341としても幅方向姿勢を調整する第二調整部材342としてもよい。
【0045】
接続アーム1と可動接続板33との間は、締結具35によって接続され、締結具35は前記第一調整部材341と第二調整部材342に近接して配置され、本実施形態では、締結具35の数は四個であり、調整アセンブリ34の外周に配置される。具体的に組み立てる時に、まず調整アセンブリ34を組み立てて、それから締結具35を組み立てることができる。
【0046】
接続アーム1の端部に下部が開口したカバー体11が形成され、継手32、可動接続板33がそれぞれカバー体11の内上面と接続され、これにより継手32、可動接続板33、取り付け座31、動力機構36、ガイド機構311がカバー体11内にカバーされる。カバー体11の上面に透かし彫り部111を形成し、接続アーム1の重量を軽減する。
【0047】
トリミングヘッドユニット2は、
図9、
図10に示すように、トリミング工程のアクチュエータであり、駆動ユニット21と、トリミングシート22とを有し、駆動ユニット21の駆動により垂直に上下に動き、トリミングシート22が回転することにより研磨マットをトリミングする。
【0048】
図3に示すように、ベースユニット3が揺動ユニット4と接続され、揺動ユニット4が固定ベース5と接続され、前記揺動ユニット4がベースユニット3、接続アーム1及びトリミングヘッドユニット2を全周方向に揺動させ、研磨マット各所のトリミングを実現する。
【0049】
上記の具体的な実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の精神および請求項の保護範囲内で、本発明に対してなされたいかなる修正および改変も、本発明の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】