(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ロボット及びその伝動機構
(51)【国際特許分類】
F16H 21/14 20060101AFI20241219BHJP
B25J 17/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F16H21/14
B25J17/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539558
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 CN2022135573
(87)【国際公開番号】W WO2023124727
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111668021.7
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523327503
【氏名又は名称】美的集▲團▼(上▲海▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 205, 2F, Building 9, No. 168, East Yinggang Rd., Qingpu District, Shanghai 201702, CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】呉文鏡
(72)【発明者】
【氏名】姫四杰
(72)【発明者】
【氏名】金明亮
【テーマコード(参考)】
3C707
3J062
【Fターム(参考)】
3C707BS15
3C707CX03
3C707CY00
3C707CY36
3C707HT13
3J062AA38
3J062AB27
3J062AC09
3J062BA12
3J062CB04
3J062CB20
3J062CB27
3J062CB32
3J062CG83
(57)【要約】
ロボット(100)及び伝動機構(50)であって、伝動機構(50)は、2組の回転部材(51)と、二つのクランク軸(52)と、2つの第1連接ロッド(53)と、を含み、各組の回転部材(51)はいずれも同軸に設置された第1回転部材(511)及び第2回転部材(512)を含み、2つのクランク軸(52)はいずれも接続アーム(520)と、接続アーム(520)の対向する両側に設置された第1軸体(521)及び第2軸体(522)と、を含み、第1軸体(521)の軸線と第2軸体(522)の軸線は同一線上になく、第1軸体(521)は第1回転部材(51)に接続され且つ第1回転部材(511)に対して偏心して設置され、第2軸体(522)は第2回転部材(512)に接続され且つ第2回転部材(512)に対して偏心して設置され、2つの第1連接ロッド(53)の一方の両端は2つの第1軸体(521)に回転可能に接続され、2つの第1連接ロッド(53)の他方の両端は2つの第2軸体(522)に回転可能に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2組の回転部材と、2つのクランク軸と、2つの第1連接ロッドと、を含む伝動機構であって、
各組の前記回転部材はいずれも同軸に設置された第1回転部材及び第2回転部材を含み、
2つの前記クランク軸はいずれも接続アームと、前記接続アームの対向する両側に設置された第1軸体及び第2軸体と、を含み、前記第1軸体の軸線と前記第2軸体の軸線は同一線上になく、前記第1軸体は前記第1回転部材に接続され且つ前記第1回転部材に対して偏心して設置され、前記第2軸体は前記第2回転部材に接続され且つ前記第2回転部材に対して偏心して設置され、
2つの前記第1連接ロッドの一方の両端は2つの前記第1軸体に回転可能に接続され、2つの前記第1連接ロッドの他方の両端は2つの前記第2軸体に回転可能に接続され、
1組の前記回転部材における前記第1回転部材又は前記第2回転部材が回転する際、それに接続された前記クランク軸を回転駆動させ、2つの前記クランク軸の間は2つの前記第1連接ロッドを介して交差して伝動し、さらに他の1組の前記回転部材を回転駆動させる、伝動機構。
【請求項2】
前記第1軸体の軸線と前記第2軸体の軸線とは平行である、請求項1に記載の伝動機構。
【請求項3】
前記第1回転部材の軸線を基準線とし、前記第1軸体の軸線が前記第2軸体の軸線に対してずれる角度は0°より大きく且つ180°より小さい、請求項2に記載の伝動機構。
【請求項4】
前記接続アームはロッド状を呈し、前記第1軸体及び前記第2軸体は前記接続アームの両端に設置される、請求項3に記載の伝動機構。
【請求項5】
前記クランク軸はさらに少なくとも1つの第3軸体を含み、前記第3軸体の軸線は前記第1軸体の軸線と平行であり、前記接続アームは少なくとも2つのサブアームを含み、隣接する2つの前記サブアームは前記第3軸体を介して固定的に接続され、
前記伝動機構はさらに第2連接ロッドを含み、前記第2連接ロッドの数は前記第3軸体の数と同じであり、前記第2連接ロッドの両端は2つの前記クランク軸における対応する2つの前記第3軸体に回転可能に接続される、請求項3に記載の伝動機構。
【請求項6】
前記第1回転部材の軸線を基準線とし、前記第1軸体の軸線及び前記第2軸体の軸線がいずれも隣接する前記第3軸体の軸線に対してずれる角度は0°より大きく且つ180°より小さい、請求項5に記載の伝動機構。
【請求項7】
前記第1回転部材の軸線を基準線とし、隣接する2つの前記第3軸体の軸線の間のオフセット角度は0°より大きく且つ180°より小さい、請求項5に記載の伝動機構。
【請求項8】
隣接する2つの前記サブアームは、ずれて配置される、請求項5に記載の伝動機構。
【請求項9】
前記第1連接ロッドの長さと前記第2連接ロッドの長さとは等しい、請求項5に記載の伝動機構。
【請求項10】
前記伝動機構は、第1軸受と第2軸受とをさらに含み、前記第1軸受は、前記第1軸体と前記第1軸体に対応する一方の前記第1連接ロッドとの間に配置され、前記第2軸受は、前記第2軸体と前記第2軸体に対応する他方の前記第1連接ロッドとの間に配置される、請求項1に記載の伝動機構。
【請求項11】
前記第1回転部材には第1位置決め部が設けられ、前記第1位置決め部は前記第1回転部材に対して偏心して設置され、前記第1軸体の前記接続アームから離れた一端は前記第1位置決め部に位置合わせして接続され、前記第2回転部材には第2位置決め部が設けられ、前記第2位置決め部は前記第2回転部材に対して偏心して設置され、前記第2軸体の前記接続アームから離れた一端は前記第2位置決め部に位置合わせして接続される、請求項10に記載の伝動機構。
【請求項12】
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部はいずれも位置決め溝であり、前記第1軸体及び前記第2軸体はいずれも階段状に設置された第1軸段部及び第2軸段部を含み、前記第1軸段部の軸径は前記第2軸段部の軸径より大きく、前記第1軸受又は前記第2軸受は前記第1軸段部に嵌設され、前記第2軸段部は前記位置決め溝内に挿設され、且つ前記第1軸段部と前記第2軸段部との間の段差面は前記位置決め溝の端面に止められる、請求項11に記載の伝動機構。
【請求項13】
前記第1軸体及び前記第2軸体にはいずれも第1接続孔及び第1位置決め孔が設けられ、複数の前記第1位置決め孔は前記第1接続孔を取り囲んで設置され、
前記位置決め溝の底壁には第2接続孔及び第2位置決め孔が設けられ、複数の前記第2位置決め孔は前記第2接続孔を取り囲んで設置され、
前記第1位置決め孔と前記第2位置決め孔とは位置決め部材を介して接続され、前記第1接続孔と前記第2接続孔とは締結部材を介して接続される、請求項12に記載の伝動機構。
【請求項14】
前記第1軸体及び前記第2軸体にはさらに重量軽減溝が設けられ、前記接続アームには前記重量軽減溝に対応する逃げ孔が設けられ、前記第1接続孔及び前記第1位置決め孔は前記重量軽減溝の底壁に設置される、請求項13に記載の伝動機構。
【請求項15】
主伝動アームと、伝動機構と、副伝動アームと、副駆動機構と、主駆動機構と、を含むロボットであって、
前記伝動機構は前記主伝動アーム内に設けられ、前記伝動機構は、請求項1~14のいずれか1項に記載の伝動機構であり、
前記副伝動アームは、前記主伝動アームの一端に回転可能に配置され、且つ前記伝動機構の一方の前記第1回転部材と同軸に固定され、
前記副駆動機構は、前記副伝動アームを回転駆動するように前記伝動機構の他方の前記第1回転部材と同軸に固定され、
前記主駆動機構は、前記主伝動アームに接続され、前記主伝動アームを回転駆動するために用いられ、前記主駆動機構及び前記副駆動機構は、いずれも前記副伝動アームから離れた前記主伝動アームの一端に設置され、且つ前記主伝動アームの対向する2つの側にそれぞれ配置される、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ロボット技術分野に関し、特にロボット及びその伝動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、従来のSCARAロボットでは、一般的にモータと減速機を組み合わせて一軸及び二軸の駆動装置としており、該方式は一般的にハーモニック減速機又はRV減速機を用い、上記減速機はコストが高く、精度も制限される。また、従来の機械全体のレイアウトでは、二軸駆動装置が小アームに直接接続されることを採用し、該方式では一軸の出力トルクを大きくする必要があり、より大きなモータ又は減速機を採用する必要があり、それにより機械全体のサイズ及び重量が大きくなりすぎて機械全体の性能に影響を与える。
【0003】
従って、二軸の駆動装置を後方に移動させ、タイミングベルトの伝動によって小アームの運動を駆動することが提案されており、該方式は機械全体の重量及び寸法を低減させることができる。しかし、現在、タイミングベルト伝動の伝動精度が十分ではなく、伝達トルクが大きくなく、剛性が高くなく、機械全体の性能に影響を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は主にロボット及びその伝動機構を提供し、従来の伝動機構の伝動精度が不十分であり、伝達トルクが大きくなく、及び剛性が高くないという課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本出願が採用する第1の技術的解決手段は伝動機構を提供し、前記伝動機構は、2組の回転部材と、2つのクランク軸と、2つの第1連接ロッドと、を含み、各組の前記回転部材はいずれも同軸に設置された第1回転部材及び第2回転部材を含み、2つの前記クランク軸はいずれも接続アームと、前記接続アームの対向する両側に設置された第1軸体及び第2軸体と、を含み、前記第1軸体の軸線と前記第2軸体の軸線は同一線上になく、前記第1軸体は前記第1回転部材に接続され且つ前記第1回転部材に対して偏心して設置され、前記第2軸体は前記第2回転部材に接続され且つ前記第2回転部材に対して偏心して設置され、2つの前記第1連接ロッドの一方の両端は2つの前記第1軸体に回転可能に接続され、2つの前記第1連接ロッドの他方の両端は2つの前記第2軸体に回転可能に接続され、1組の前記回転部材における前記第1回転部材又は前記第2回転部材が回転する際、それに接続された前記クランク軸を回転駆動させ、2つの前記クランク軸の間は2つの前記第1連接ロッドを介して交差して伝動し、さらに他の1組の前記回転部材を回転駆動させる。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記第1軸体の軸線と前記第2軸体の軸線とは、平行である。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記第1回転部材の軸線を基準線とし、前記第1軸体の軸線が前記第2軸体の軸線に対してずれる角度は0°より大きく且つ180°より小さい。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記接続アームはロッド状を呈し、前記第1軸体及び前記第2軸体は前記接続アームの両端に設置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記クランク軸はさらに少なくとも1つの第3軸体を含み、前記第3軸体の軸線は前記第1軸体の軸線と平行であり、前記接続アームは少なくとも2つのサブアームを含み、隣接する2つの前記サブアームは前記第3軸体を介して固定的に接続され、前記伝動機構はさらに第2連接ロッドを含み、前記第2連接ロッドの数は前記第3軸体の数と同じであり、前記第2連接ロッドの両端は2つの前記クランク軸における対応する2つの前記第3軸体に回転可能に接続される。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記第1回転部材の軸線を基準線とし、前記第1軸体の軸線及び前記第2軸体の軸線がいずれも隣接する前記第3軸体の軸線に対してずれる角度は0°より大きく且つ180°より小さい。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記第1回転部材の軸線を基準線とし、隣接する2つの前記第3軸体の軸線の間のオフセット角度は0°より大きく且つ180°より小さい。
【0012】
いくつかの実施形態では、隣接する2つの前記サブアームは、ずれて配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記第1連接ロッドの長さと前記第2連接ロッドの長さとは等しい。
【0014】
いくつかの実施形態では、伝動機構は、第1軸受と第2軸受とをさらに含み、前記第1軸受は、前記第1軸体と前記第1軸体に対応する一方の前記第1連接ロッドとの間に配置され、前記第2軸受は、前記第2軸体と前記第2軸体に対応する他方の前記第1連接ロッドとの間に配置される。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記第1回転部材には第1位置決め部が設けられ、前記第1位置決め部は前記第1回転部材に対して偏心して設置され、前記第1軸体の前記接続アームから離れた一端は前記第1位置決め部に位置合わせして接続され、前記第2回転部材には第2位置決め部が設けられ、前記第2位置決め部は前記第2回転部材に対して偏心して設置され、前記第2軸体の前記接続アームから離れた一端は前記第2位置決め部に位置合わせして接続される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部はいずれも位置決め溝であり、前記第1軸体及び前記第2軸体はいずれも階段状に設置された第1軸段部及び第2軸段部を含み、前記第1軸段部の軸径は前記第2軸段部の軸径より大きく、前記第1軸受又は前記第2軸受は前記第1軸段部に嵌設され、前記第2軸段部は前記位置決め溝内に挿設され、且つ前記第1軸段部と前記第2軸段部との間の段差面は前記位置決め溝の端面に止められる。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記第1軸体及び前記第2軸体にはいずれも第1接続孔及び第1位置決め孔が設けられ、複数の前記第1位置決め孔は前記第1接続孔を取り囲んで設置され、前記位置決め溝の底壁には第2接続孔及び第2位置決め孔が設けられ、複数の前記第2位置決め孔は前記第2接続孔を取り囲んで設置され、前記第1位置決め孔と前記第2位置決め孔とは位置決め部材を介して接続され、前記第1接続孔と前記第2接続孔とは締結部材を介して接続される。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記第1軸体及び前記第2軸体にはさらに重量軽減溝が設けられ、前記接続アームには前記重量軽減溝に対応する逃げ孔が設けられ、前記第1接続孔及び前記第1位置決め孔は前記重量軽減溝の底壁に設置される。
【0019】
上記技術的問題を解決するために、本出願が採用する別の技術的解決手段はロボットを提供し、前記ロボットは、主伝動アームと、上述の伝動機構と、副伝動アームと、副駆動機構と、主駆動機構と、を含み、前記伝動機構は前記主伝動アーム内に設けられ、前記副伝動アームは、前記主伝動アームの一端に回転可能に配置され、且つ前記伝動機構の一方の第1回転部材と同軸に固定され、前記副駆動機構は、前記副伝動アームを回転駆動するように前記伝動機構の他方の第1回転部材と同軸に固定され、前記主駆動機構は、前記主伝動アームに接続され、前記主伝動アームを回転駆動するために用いられ、前記主駆動機構及び前記副駆動機構は、いずれも前記副伝動アームから離れた前記主伝動アームの一端に設置され、且つ前記主伝動アームの対向する2つの側にそれぞれ配置される。
【0020】
本出願の有益な効果は以下のとおりである。従来技術の状況と異なり、本出願はロボット及びその伝動機構を開示する。2組の回転部材を配置することによって、各組の回転部材は、同軸に設けられた第1回転部材および第2回転部材を含み、第1回転部材はさらに外部構造部品を接続するために用いられ、それにより動力伝達を実現できる。第1回転部材と第2回転部材との間には偏心して設けられたクランク軸が設けられ、2つの第1連接ロッドは2つのクランク軸に回転可能に接続され、且つ2つの第1連接ロッドは異なる回転面にあり、相互に干渉せず、互いに連動することにより、互いの死点位置をスムーズに通過でき、連続的な全周の伝動を形成することができる。すなわち、クランク軸及び第1連接ロッドを介して、2組の回転部材の間の動力伝達を実現でき、且つダブル連接ロッドの伝動構造により、伝動精度がさらに高まり、伝達可能なトルクがより大きくなり、全体の剛性がより高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願の実施形態における技術的解決策または従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態または従来技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本出願のいくつかの実施形態にすぎない。当業者にとって創造的な努力なしにこれらの図面から他の図面を得ることができる。
【
図1】本出願が提供するロボットの一実施形態の構造模式図である。
【
図2】
図1に示されるロボットにおける主伝動アーム及び伝動機構の構造模式図である。
【
図3】
図2に示す主伝動アームおよび伝動機構の分解構造模式図である。
【
図4】
図2に示される伝動機構の構造模式図である。
【
図5】
図4に示される伝動機構のクランク軸と第1連接ロッドとの組立構造を示す模式図である。
【
図6】
図5に示される伝動機構のクランク軸の構造模式図である。
【
図7】
図4に示される伝動機構の1組の回転部材およびクランク軸の概略上面模式図である。
【
図8】
図4に示される伝動機構におけるクランク軸、第1連接ロッド及び第2連接ロッドの組立構造を示す構造模式図である。
【
図9】
図8に示される伝動機構におけるクランク軸の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本出願の実施形態の図面を参照しながら本出願の実施形態の技術方案を明確且つ完全に説明する。明らかに、記載された実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、それらのすべてではない。本出願の実施形態に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得するすべての他の実施形態は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0023】
本出願における「第1」、「第2」および「第3」という用語は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を示しまたは暗示したり、示された技術的特徴の数を暗示したりすると解釈されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」、および「第3」として定義される特徴は、これらの特徴の少なくとも1つを明示的または暗黙的に含むことができる。本出願の説明において、「複数」とは、別段の明確かつ具体的な定義がない限り、少なくとも二つ、例えば二つ、三つなどを意味する。また、用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品又は装置は列挙したステップ又はユニットに制限されず、選択的に列挙しないステップ又はユニットを更に含み、又は選択的にこれらの過程、方法、製品又は装置固有の他のステップ又はユニットを更に含む。
【0024】
本明細書に言及した「実施形態」とは、実施形態を参照して説明した特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれてもよいことを意味する。明細書の各箇所に該連語が出現することは必ずしもいずれもが同じ実施形態を指すとは限らず、他の実施形態と相互排他的な独立した又は代替の実施形態でもない。当業者であれば明示的及び暗示的に理解されるように、本明細書に説明される実施形態は他の実施形態と組み合わせられることができる。
【0025】
本出願はロボット100を提供する。
図1及び
図2に示すとおり、
図1は本出願が提供するロボットの一実施形態の構造模式図であり、
図2は
図1に示されるロボットにおける主伝動アーム及び伝動機構の構造模式図である。
【0026】
該ロボット100は、主駆動機構10、副駆動機構20、副伝動アーム30、主伝動アーム40及び伝動機構50を含む。ここで、伝動機構50は主伝動アーム40内に設置され、副伝動アーム30は主伝動アーム40の一端に回転可能に設置され、且つ副伝動アーム30は伝動機構50の一端に伝動可能に接続され、副駆動機構20は伝動機構50の他端に伝動可能に接続され、副駆動機構20は伝動機構50を介して副伝動アーム30を主伝動アーム40に対して回転駆動させ、主駆動機構10は副伝動アーム30から離れた主伝動アーム40の一端に接続され、主駆動機構10は主伝動アーム40を回転駆動する。
【0027】
ここで、主駆動機構10及び副駆動機構20はいずれも主伝動アーム40の副伝動アーム30から離れた一端に設置され、且つ主伝動アーム40の対向する両側にそれぞれ配置される。
【0028】
従来のロボットにおいて、一般的に主駆動機構10及び副駆動機構20はそれぞれ主伝動アーム40の両端に接続され、且つ主伝動アーム40内に任意のタイプの伝動機構50を設置する必要がなく、副駆動機構20は副伝動アーム30に相対的に近接して設置され、且つ副伝動アーム30を直接に回転駆動することができる。
【0029】
副駆動機構20が副伝動アーム30に相対的に近接して設置される上記実施形態に比べて、本実施形態では、主駆動機構10と副駆動機構20がいずれも副伝動アーム30から離れた主伝動アーム40の一端に配置され、且つ主伝動アーム40の対向する両側にそれぞれ配置されることによって、副駆動機構20を後方に設置させることができ、副伝動アーム30の片側の慣性モーメントを効果的に低減することができ、主駆動機構10の提供する必要な回転トルクも大幅に低減することができ、低電力の主駆動機構10を使用して主伝動アーム40を駆動することは有利であり、ロボット100のコストを効果的に削減することができる。
【0030】
言い換えれば、従来の主駆動機構10及び副駆動機構20の直列構造形式に比べて、本実施例において、主駆動機構10及び副駆動機構20は並列構造形式を採用し、主駆動機構10と副駆動機構20との相互影響が効果的に低減され、主駆動機構10の提供する必要のあるトルクはさらに低減され、主駆動機構10の体積を低減することにも有利である。
【0031】
図1~
図5を併せて参照すると、ここで
図3は
図2に示される主伝動アーム及び伝動機構の分解構造模式図であり、
図4は
図2に示される伝動機構の構造模式図であり、
図5は
図4に示される伝動機構におけるクランク軸及び第1連接ロッドの組立構造模式図である。
【0032】
主伝動アーム40は主アームハウジング41及び主アームカバープレート(図示せず)を含み、主アームカバープレートは主アームハウジング41に接続され、それにより主アームハウジング41内の空間をカバーする。
【0033】
図3~
図5に示すように、伝動機構50は2組の回転部材51、2つのクランク軸52及び2つの第1連接ロッド53を含む。一つのクランク軸52は一組の回転部材51に対応して設置され、2つの第1連接ロッド53は2つのクランク軸52の間に回転可能に接続される。
【0034】
各組の回転部材51はいずれも同軸に設置された第1回転部材511及び第2回転部材512を含み、第1回転部材511及び第2回転部材512は間隔をおいて設置され、クランク軸52は第1回転部材511と第2回転部材512との間に固定的に接続される。ここで第1回転部材511は主アームカバープレートに回転可能に取り付けられ、第2回転部材512は主アームハウジング41に回転可能に取り付けられる。
【0035】
本実施例において、第1回転部材511及び第2回転部材512はいずれもフランジである。
【0036】
選択的に、第1回転部材511及び第2回転部材512はさらに回転軸及び回転軸の一端に設置される延伸アームを含むことができる。該延伸アームは回転軸の軸線と垂直であり、クランク軸52は回転軸から離れた該延伸アームの一端に接続される。
【0037】
図3に示すように、主アームハウジング41及び主アームカバープレートにいずれも軸受取り付け部411が設けられ、軸受412は軸受取り付け部411に取り付けられ、第1回転部材511及び第2回転部材512はいずれも対応する軸受412の内輪に取り付けられ、さらに第1回転部材511及び第2回転部材512の伝動精度及び伝動効率を向上させることができる。2組の回転部材51において、2つの第1回転部材511の外形寸法は同じでも異なってもよく、2つの第2回転部材512の外形寸法も同じでも異なってもよく、その外形寸法は主伝動アーム40の構造寸法に基づいて適応的に調整されることができる。
【0038】
図5および
図6を参照すると、
図6は、
図5に示す伝動機構におけるクランク軸の構造模式図である。2つのクランク軸52はいずれも接続アーム520と、接続アーム520の両側に設置された第1軸体521及び第2軸体522と、を含み、即ち第1軸体521及び第2軸体522は接続アーム520の対向する両側に位置する。第1軸体521の軸線と第2軸体522の軸線は同一線上になく、言い換えれば、第1軸体521の軸線と第2軸体522の軸線は互いに平行もしくは交差してもよく、同一平面上になくてもよい。
【0039】
図3~
図6に示すように、第1軸体521は第1回転部材511に接続され且つ第1回転部材511に対して偏心して設置され、第2軸体522は第2回転部材512に接続され且つ第2回転部材512に対して偏心して設置され、第1軸体521の第1回転部材511の円心に対する偏心距離は第2軸体522の第2回転部材512の円心に対する偏心距離と等しくても等しくなくてもよい。
【0040】
2つの第1連接ロッド53の長さは等しく、一方の第1連接ロッド53の両端は2つの第1軸体521に回転可能に接続され、他方の第1連接ロッド53の両端は2つの第2軸体522に回転可能に接続され、即ち2つの第1連接ロッド53はそれぞれ接続アーム520の両側に位置し、且つ異なる運動平面に位置し、即ち2つの第1連接ロッド53は互いに干渉せず、且つ互いに連動することができ、それにより、互いの死点位置をスムーズに通過することができ、連続的な伝動を形成することができる。
【0041】
ここで、一組の回転部材51における第1回転部材511又は第2回転部材512が回転する際、それに接続されたクランク軸52が回転駆動され、さらに該一組の回転部材51における第1回転部材511及び第2回転部材512は該クランク軸52によって回転駆動され、且つ2つのクランク軸52は2つの第1連接ロッド53を介して交差して伝動することで相互に動かされ、且つ互いの死点位置をスムーズに通過することができ、さらに他の一組の回転部材51を回転駆動させ、すなわち他の一組の回転部材51における第1回転部材511及び第2回転部材512はいずれも回転する。
【0042】
本実施形態において、副伝動アーム30は伝動機構50における一方の第1回転部材511と同軸に固定される。副駆動機構20は伝動機構50における他方の第1回転部材511と同軸に固定され、副伝動アーム30を回転駆動させる。
【0043】
選択的に、副伝動アーム30は一組の回転部材51における第1回転部材511及び第2回転部材512のうちのいずれか一つと同軸に固定されてもよく、副駆動機構20は他の組の回転部材51における第1回転部材511及び第2回転部材512のうちのいずれか一つと同軸に固定されてもよい。
【0044】
副駆動機構20は、他方の第1回転部材511を回転駆動し、第1回転部材511が偏心的に配置されたクランク軸52を駆動し、第1連接ロッド53を介して他方のクランク軸52に伝動し、最後に、他方の1組の回転部材51における第1回転部材511を回転駆動し、副伝動アーム30を第1回転部材51の軸線まわりに回転駆動して、ここで第2回転部材512がクランク軸52を支持するために使用され、クランク軸52の回転拘束を解除することができる。
【0045】
本実施形態において、第1軸体521の軸線は第2軸体522の軸線と平行であり、さらに2つの第1連接ロッド53は異なる回転平面に位置し且つ平行に設置され、2つの第1連接ロッド53の回転効率も相対的に高い。
【0046】
選択的に、第1軸体521の軸線と第2軸体522の軸線が交差し、そのうち少なくとも一つの第1連接ロッド53は複数リンク構造体であり、即ち複数のリンクが順に接続されて該第1連接ロッド53を構成し、複数リンク構造体を利用して異形構造の第1軸体521又は第2軸体522の動力を伝達する。
【0047】
図7を参照すると、
図7は
図4に示す伝動機構における一組の回転部材及びクランク軸の概略上面構造図である。
【0048】
さらに、第1回転部材511の軸線を基準線とし、第1軸体521の軸線が第2軸体522の軸線に対してずれる角度は0°より大きく且つ180°より小さい。
【0049】
図7に示すように、本実施形態において、第1回転部材511は回転部材であり、該回転部材の軸線を基準線とし、第1軸体521の軸線と第2軸体522の軸線は平行であり、第1軸体521の軸線が第2軸体522の軸線に対してずれる角度、すなわち接続線L1と接続線L2との夾角は、0°より大きく且つ180°より小さい。ここで接続線L1は、第1回転部材511の軸線と第1軸体521の軸線を接続し、且つ第1回転部材511の軸線と第1軸体521の軸線に直交し、接続線L2は第1回転部材511の軸線と第2軸体522の軸線を接続し、且つ第1回転部材511の軸線と第1軸体521の軸線に直交する。接続線L1と接続線L2との夾角を0°より大きく且つ180°より小さく限定することにより、2つの第1連接ロッド53の死点位置が重なることを回避し、それにより伝動機構50は連続的に伝動することができる。
【0050】
図6に示すように、クランク軸52において、接続アーム520がロッド状を呈し、第1軸体521と第2軸体522とが接続アーム520の両端に設けられ、第1軸体521の軸線と第2軸体522の軸線とが平行である。
【0051】
図8及び
図9を参照すると、
図8は
図4に示す伝動機構におけるクランク軸及び第1連接ロッド、第2連接ロッドの組立構造模式図であり、
図9は
図8に示すクランク軸の構造模式図である。
【0052】
該クランク軸52はさらに少なくとも1つの第3軸体523を含み、接続アーム520は少なくとも2つのサブアーム524を含み、隣接する2つのサブアーム524は第3軸体523を介して固定的に接続される。伝動機構50はさらに第2連接ロッド54を含み、第2連接ロッド54の数は第3軸体523の数と同じであり、第2連接ロッド54の両端は2組のクランク軸52における対応する2つの第3軸体523に回転可能に接続される。
【0053】
ここで、第3軸体523の数は1つ、2つ又は3つ等の複数であってもよく、対応するサブアーム524の数は2つ、3つ又は4つ等であってもよい。2つのサブアーム524はいずれも第3軸体523を介して固定的に接続され、第3軸体523の少なくとも一端はサブアーム524に取り外し可能に接続され、それにより第2連接ロッド54を第3軸体523に取り付けやすい。
【0054】
第1軸体521は第1回転部材511に最も近いサブアーム524に設置され、且つ第1回転部材511に接続される。第2軸体522は第2回転部材512に最も近いサブアーム524に設置され、且つ第2回転部材512に接続される。
【0055】
第1軸体521及び第2軸体522の軸方向はいずれも第3軸体523の軸線と平行である。クランク軸52が少なくとも2つの第3軸体523を含む場合、隣接する2つの第3軸体523の軸線も互いに平行である。
【0056】
第1回転部材511の軸線を基準線とし、第1軸体521の軸線と第2軸体522の軸線がいずれも隣接する第3軸体523の軸線に対してずれる角度は0°より大きく且つ180°より小さく、それにより第1連接ロッド53と第2連接ロッド54の死点位置が重なり合うことを回避し、第1連接ロッド53と第2連接ロッド54を互いに駆動させ、それにより連続的に伝動することができる。
【0057】
さらに、クランク軸52が少なくとも2つの第3軸体523を含む場合、第1回転部材511の軸線を基準線とし、隣接する2つの第3軸体523の軸線の間のオフセット角度は0°より大きく且つ180°より小さく、それにより複数の第2連接ロッド54の死点位置が重なることを回避する。
【0058】
隣接する2つのサブアーム524はずれて設置され、それにより第1連接ロッド53及び第2連接ロッド54の伝達効率を最適化する。
【0059】
隣接する2つのサブアーム524の長さは等しくてもよいし、等しくなくてもよい。本実施形態において、隣接する2つのサブアーム524の長さは等しく、第1軸体521、第2軸体522及び第3軸体523はいずれもサブアーム524の端部に設置される。ここで隣接する第1軸体521、第2軸体522及び第3軸体523の軸線の間の接続線は正多角形を構成し、該接続線は隣接する2つの軸体の軸線に接続され且つ垂直であり、それにより伝動機構50の伝動効率を最適化することができ、各連接ロッドの伝達効率をより均衡させ、伝動をより安定させる。
【0060】
本実施形態において、第3軸体523の軸線は第1軸体521の軸線と平行であり、さらに第1連接ロッド53及び第2連接ロッド54の長さが等しく、それにより伝動機構50は連続的に伝動することができる。
【0061】
第1連接ロッド53と第2連接ロッド54の回転接続方式は同じであってもよく、異なっていてもよく、本出願ではこれは具体的に限定されない。
【0062】
本実施形態において、第1連接ロッド53の両端が2つの第1軸体521又は2つの第2軸体522に回転可能に接続される接続方式は、第2連接ロッド54の両端が2つの第3軸体523に回転可能に接続される接続方式と同じであり、いずれも軸受を介して回転可能に接続され、それにより抵抗損失を減少させ、伝動効率及び伝動精度を向上させる。
【0063】
図3に示すように、具体的には、伝動機構50はさらに第1軸受551及び第2軸受552を含み、第1軸受551は第1軸体521と対応する一方の第1連接ロッド53との間に設置され、第2軸受552は第2軸体522と対応する他方の第1連接ロッド53との間に設置され、且つ第1軸受551及び第2軸受552の両端部にはさらにガスケットが設けられ、それにより第1軸受551および第2軸受552を軸方向に固定して、第1軸受551および第2軸受552が軸方向に移動することを回避する。
【0064】
第1回転部材511に第1位置決め部(図示せず)が設けられ、第1位置決め部は第1回転部材511に対して偏心して設置され、第1軸体521の接続アーム520から離れた一端は第1位置決め部に位置合わせして接続される。第2回転部材512に第2位置決め部513が設けられ、第2位置決め部513は第2回転部材512に対して偏心して設置され、第2軸体522の接続アーム520から離れた一端は第2位置決め部513に位置合わせして接続される。
【0065】
該第1位置決め部及び第2位置決め部513は位置決め溝又は位置決め突起であってもよく、それにより対応する第1軸体521又は第2軸体522を位置合わせして接続しやすく、組立効率を向上させることができる。
【0066】
本実施形態において、第1位置決め部及び第2位置決め部513はいずれも位置決め溝であり、第1軸体521及び第2軸体522はいずれも階段状に設置された第1軸段部525及び第2軸段部526を含む。第1軸段部525の軸径は第2軸段部526の軸径より大きく、第1軸受551又は第2軸受552は第1軸段部525に嵌設され、第2軸段部526は該位置決め溝内に挿設され、且つ第1軸段部525と第2軸段部526との間の段差面が位置決め溝の端面で止まるため、第1軸受551及び第2軸受552に加えられた軸力を解消することができる。
【0067】
図3及び
図6を併せて参照すると、第1軸体521及び第2軸体522にいずれも第1接続孔527及び第1位置決め孔528が設けられ、複数の第1位置決め孔528は第1接続孔527を取り囲んで設置される。位置決め溝の底壁に第2接続孔515及び第2位置決め孔516が設けられ、複数の第2位置決め孔516は第2接続孔515を取り囲んで設置される。第1位置決め孔528及び第2位置決め孔516は位置決め部材を介して接続され、それによりクランク軸52と第1回転部材511及び第2回転部材512との間の同軸度を保証し、伝動精度及び伝動効率を向上させることに役立つ。第1接続孔527及び第2接続孔515は締結部材を介して接続される。
【0068】
ここで位置決め部材はピン又はプラグ部材等であってもよく、締結部材はねじ又はスタッド等であってもよく、第1接続孔は光孔(その内壁は滑らかで、ネジ、ローレット、絞り等がない unthreaded hole)であり、第2接続孔はねじ孔であり、光孔の孔径はねじ孔の孔径より大きく、孔の加工誤差を解消することができ、取り付けをより容易にする。具体的には、まず位置決め部材を介して第1位置決め孔528と第2位置決め孔516を接続し、第1軸体521又は第2軸体522と位置決め溝とを位置合わせし、次に締結部材を介して締結する。
【0069】
本実施形態において、第1軸体521及び第2軸体522にさらに重量軽減溝529が設けられ、接続アーム520に重量軽減溝529に対応する逃げ孔が設けられ、第1接続孔527及び第1位置決め孔528は重量軽減溝529の底壁に設置され、それによりクランク軸52がより軽くなり、駆動されやすく、且つエネルギー損失を減少させることに役立つ。
【0070】
第1連接ロッド53及び/又は第2連接ロッド54に重量軽減孔が設けられ、それにより第1連接ロッド53及び/又は第2連接ロッド54の重量を軽減し、その伝達効率を向上させ、且つエネルギー損失の低減に有利である。
【0071】
従来技術の状況と異なり、本出願はロボット及びその伝動機構を開示する。2組の回転部材を設けることによって、各組の回転部材は、同軸に設けられた第1回転部材および第2回転部材を含み、第1回転部材は外部構造部品に接続されることに用いられ、それにより動力伝達を実現できる。第1回転部材と第2回転部材との間に偏心して設けられたクランク軸が設けられ、2つの第1連接ロッドは2つのクランク軸に回転可能に接続され、且つ2つの第1連接ロッドは異なる回転面にあり、相互に干渉せずに、互いに動かすことを介して、互いの死点位置をスムーズに通過でき、連続的な伝動を形成することができ、すなわち、クランク軸及び第1連接ロッドを介して、2組の回転部材の間の動力伝達を実現でき、且つダブル連接ロッドの伝動構造により、伝動精度をさらに向上させ、伝達可能なトルクがより大きくなり、全体の剛性がより高くなり、且つ本出願が提供する伝達機構は構造が簡単であり、加工や取り付けが容易であり、低コストである。
【0072】
以上は本出願の実施形態であって、本出願の特許範囲を制限するものではなく、本出願の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又は等価プロセス変換、又は他の関連する技術分野に直接又は間接的に適用されるものは、いずれも同様に本出願の特許保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】