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特表2024-547166超音波集束点移動カートリッジ及びそれを含む超音波施術装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】超音波集束点移動カートリッジ及びそれを含む超音波施術装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61N7/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539647
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2022020771
(87)【国際公開番号】W WO2023128441
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0190435
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0006355
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524312580
【氏名又は名称】ジオン メディテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジュンヨン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ33
4C160JJ36
4C160MM22
(57)【要約】
本発明は、超音波集束点移動カートリッジに関する。本発明の一実施形態による超音波集束点移動カートリッジは、第1軸を中心に回転可能に設けられたドライブギヤと、ドライブギヤから回転力を伝達されて第1軸と平行な第2軸を中心に回転すると同時に第2軸に沿って水平移動するドリブンギヤと、ドリブンギヤと共に水平移動し、第1軸又は第2軸と垂直な方向に垂直移動する超音波照射移動体と、を含むことを特徴とする。これにより、超音波集束点を安定的に水平方向と垂直方向に移動させることができ、施術の効率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸を中心に回転可能に設けられたドライブギヤと、
前記ドライブギヤから回転力を伝達されて前記第1軸と平行な第2軸を中心に回転すると同時に前記第2軸に沿って水平移動するドリブンギヤと、
前記ドリブンギヤと共に水平移動し、前記第1軸又は前記第2軸と垂直な方向に垂直移動する超音波照射移動体と、
を含む、超音波集束点移動カートリッジ。
【請求項2】
前記ドリブンギヤは、
前記第2軸に沿って固設されたリードスクリューに沿って移動する、請求項1に記載の超音波集束点移動カートリッジ。
【請求項3】
前記ドリブンギヤは、
前記第2軸に対して偏心したカム部を含み、
前記超音波照射移動体は、
前記カム部に当接するプッシュロッドを含む、請求項1に記載の超音波集束点移動カートリッジ。
【請求項4】
前記ドリブンギヤと前記超音波照射移動体は、それぞれ、
前記超音波照射移動体の前記水平移動のために、互いに対応する溝及び突起、または突起及び溝を備える、請求項1に記載の超音波集束点移動カートリッジ。
【請求項5】
前記超音波集束点移動カートリッジは、キャリッジをさらに含み、
前記キャリッジは、
垂直方向に移動不能に設けられており、前記超音波照射移動体の水平移動及び垂直移動をガイドする、請求項1に記載の超音波集束点移動カートリッジ。
【請求項6】
前記超音波照射移動体と前記キャリッジとの間には、
前記超音波照射移動体が前記ドリブンギヤのカム部に密着するように弾性力を与える弾性手段が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の超音波集束点移動カートリッジ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の超音波集束点移動カートリッジを含む、超音波施術装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波集束点移動カートリッジに関し、より詳細には、皮膚美容に用いられる超音波施術装置において、超音波集束点の移動を可能にする超音波集束点移動カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
外見に対する関心の高まりに伴い、皮膚美容機器の市場が成長している。特に、侵襲的な方法は安全性が低く、患者の拒否感が高いため、非侵襲的な方法が脚光を浴びており、非侵襲的な方法の中でも、高強度集束超音波(HIFU、High Intensity Focused Ultrasound)を用いた皮膚美容機器が開発されている。高強度集束超音波を用いた皮膚美容機器は、高強度の超音波を人体の皮膚内の特定箇所に集束させ、その集束した部分に熱損傷を与える。このような熱損傷は、皮膚の新しいコラーゲン繊維の合成をもたらし、それによって皮膚の弾力性を改善したり、しわを緩和したりすることができる。高強度集束超音波を用いた皮膚美容機器は、皮膚に対して安全であり、高い皮膚改善効果が認められている。
【0003】
一方、皮膚層は、外側から順に表皮層、真皮層、皮下脂肪層、筋膜層(SMAS:Superficial Musculo-Aponeurotic System)で構成されている。皮膚改善の効果を高めるためには、集束超音波をこのような皮膚層に均一に照射する必要がある。また、均一な皮膚改善効果を得るためには、集束超音波を皮膚表面全体にわたって均一に照射する必要がある。
【0004】
しかし、集束超音波を皮膚表面に均一に照射するためには、施術者が装置を操作して超音波の集束点の深さを移動させたり、施術者が超音波施術装置を皮膚表面に沿って直接移動させたりしなければならないという不便があった。
【0005】
また、超音波集束点が使用者の皮膚表面に対して水平方向及び/又は垂直方向に自動的に移動するとしても、そのような移動のための装置の機械的構造が不安定であるため、振動及び騒音が発生し、装置の耐久性が低下するという問題があった。
【0006】
一方、前述の先行技術は、本開示の導出のために本発明者が保有していたか、または本開示の導出過程で取得した技術情報であり、必ずしも本開示の出願前に一般に公開された公知技術とはいえない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、超音波集束点の水平方向及び垂直方向への安定した移動を可能とし、これにより施術の効率を向上させることができる超音波集束点移動カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態による超音波集束点移動カートリッジは、第1軸を中心に回転可能に設けられたドライブギヤと、前記ドライブギヤから回転力を伝達されて前記第1軸と平行な第2軸を中心に回転すると同時に前記第2軸に沿って水平移動するドリブンギヤと、前記ドリブンギヤと共に水平移動し、前記第1軸又は前記第2軸と垂直な方向に垂直移動する超音波照射移動体と、を含むことを特徴とする。
【0009】
前記ドリブンギヤは、前記第2軸に沿って固設されたリードスクリューに沿って移動し得る。
【0010】
前記ドリブンギヤは、前記第2軸に対して偏心したカム部を含み、前記超音波照射移動体は、前記カム部に当接するプッシュロッドを含み得る。
【0011】
前記ドリブンギヤと前記超音波照射移動体は、それぞれ、前記超音波照射移動体の前記水平移動のために、互いに対応する溝及び突起、または突起及び溝を備え得る。
【0012】
前記超音波集束点移動カートリッジは、キャリッジをさらに含み、前記キャリッジは、垂直方向に移動不能に設けられており、前記超音波照射移動体の水平移動及び垂直移動をガイドし得る。
【0013】
前記超音波照射移動体と前記キャリッジとの間には、前記超音波照射移動体が前記ドリブンギヤのカム部に密着するように弾性力を与える弾性手段が設けられてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態による超音波施術装置は、前記超音波集束点移動カートリッジを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、超音波集束点を水平方向及び垂直方向に移動させることができるので、施術の効率を向上させることができる。
【0016】
また、超音波施術装置の作動時、超音波集束点が水平方向及び垂直方向に移動するに当たり、振動及び騒音の発生を効果的に低減することができ、装置の耐久性を向上させることができる。
【0017】
その他、本発明の実施形態によって得られる又は予測される効果については、本発明の実施形態についての詳細な説明において直接的に又は暗示的に開示される。すなわち、本発明の実施形態によって予測される様々な効果については、以下の詳細な説明において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による超音波施術装置の斜視図である。
図2図1のA-A方向の断面図である。
図3】本発明の一実施形態による超音波集束点移動カートリッジの斜視図である。
図4図3のB-B方向の断面図である。
図5図3のC-C方向の断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるドリブンギヤを説明するための図である。
図7】超音波集束点の水平移動を説明するための図である。
図8】超音波集束点の垂直移動を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0020】
これに先立ち、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0021】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分についての説明は省略し、明細書の全般にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付ける。
【0022】
図面に示された各構成要素の大きさ及び厚さは、説明の便宜及び明確化のために任意に示したものであるため、本発明は必ずしも図面に示されたものに限定されない。
【0023】
明細書の全般に亘って、ある部分がある構成要素を「含む」としたとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでいてもよいということを意味する。
【0024】
また、明細書に記載された「…ユニット」、「…手段」、「…部」、「…部材」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を行う包括的な構成の単位を意味する。
【0025】
また、明細書に記載された「水平」または類似の用語は、本発明による超音波施術装置が使用される場合に、使用者の皮膚表面に対してほぼ平行な方向を意味し、「垂直」または類似の用語は、本発明による超音波施術装置が使用される場合に、使用者の皮膚表面に対してほぼ垂直な方向を意味する。
【0026】
以下、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による超音波施術装置について説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による超音波施術装置の斜視図であり、図2は、図1のA-A方向の断面図である。
【0028】
本発明の一実施形態による超音波施術装置1は、ハンドピース100と、超音波集束点移動カートリッジ200とを含み得る。
【0029】
ハンドピース100は、コントローラ110、パワーアンプ120、モータ130、バッテリー140、及びハンドピースハウジング150を含み得る。
【0030】
コントローラ110は、電源スイッチ(図示せず)の作動コマンドをパワーアンプ120に伝達する。パワーアンプ120は、高周波を出力してカートリッジボード211に送信する。カートリッジボード211は、超音波トランスデューサ駆動用の高周波を発生させることができる。発生された前記高周波は、カートリッジボード211及び超音波トランスデューサ213によって超音波に変換されて出力され得る。
【0031】
モータ130は駆動力を発生させる。モータ130によって発生された駆動力は、超音波集束点移動カートリッジ200に伝達され、超音波集束点の移動に使用される。
【0032】
パワーアンプ120とモータ130に必要な電力は、バッテリー140によって供給され得る。コントローラ110、パワーアンプ120、モータ130、及びバッテリー140は、ハンドピースハウジング150内に配置されてもよい。
【0033】
一方、超音波集束点移動カートリッジ200は、カートリッジブラケット221、カートリッジハウジング223、及びフィルム部225を含み得る。カートリッジブラケット221には、超音波集束点の水平移動及び垂直移動のための構成要素が設けられてもよく、前記構成要素はカートリッジハウジング223内に配置されてもよい。カートリッジハウジング223には、超音波を照射するためのフィルム部225が設けられてもよい。超音波は、フィルム部225を介して超音波集束点移動カートリッジの外部に照射されて使用者の皮膚美容に利用され得る。
【0034】
以下、図3図6を参照して、本発明の一実施形態による超音波集束点移動カートリッジについて説明する。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態による超音波集束点移動カートリッジの斜視図であり、カートリッジハウジング223が取り外された状態を示す。図4は、図3のB-B方向の断面図であり、図5は、図3のC-C方向の断面図であり、図6は、本発明の一実施形態によるドリブンギヤを説明するための図である。
【0036】
本発明の一実施形態による超音波集束点移動カートリッジ200は、ドライブギヤ230、ドリブンギヤ240、及び超音波照射移動体250を含み得る。
【0037】
ドライブギヤ230は、仮想の第1軸X1を中心に回転可能に設けられ得る。一態様において、カートリッジブラケット221は、2つの壁部221aを備え得、ドライブギヤ230は、カートリッジブラケット221の前記2つの壁部221aに回転可能に設けられ得る。ドライブギヤ230は、前述のモータ130から駆動力を伝達されて回転し得る。
【0038】
ドリブンギヤ240は、ドライブギヤ230から回転力を伝達されて、仮想の第2軸X2を中心に回転すると同時に、第2軸X2に沿って水平移動し得る。第2軸X2は、第1軸X1と平行な軸であってもよい。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、ドリブンギヤ240は、第2軸X2に沿って固設されたリードスクリュー260に沿って水平移動し得る。リードスクリュー260は、カートリッジブラケット221の2つの壁部221aに設けられ、回転不能に固設され得る。
【0040】
一態様において、ドリブンギヤ240の内径には、リードスクリュー260の外径のねじ山に対応するねじ山が設けられてもよい。これにより、ドリブンギヤ240が回転すると同時にリードスクリュー260に沿って水平移動し得る。
【0041】
超音波照射移動体250は、ドリブンギヤ240と共に水平移動し、仮想の第1軸X1又は第2軸X2に垂直な方向に垂直移動し得る。
【0042】
一態様において、超音波照射移動体250は、プッシュロッド251及び超音波トランスデューサホルダ253を含み得る。プッシュロッド251と超音波トランスデューサホルダ253は、固定用ボルト255によって結合され得る。プッシュロッド251と超音波トランスデューサホルダ253とを別部品として設けることにより、プッシュロッド251と超音波トランスデューサホルダ253との間にキャリッジ270を介在させ得る。すなわち、プッシュロッド251と超音波トランスデューサホルダ253との間にキャリッジ270を介在させた後、プッシュロッド251と超音波トランスデューサホルダ253とを組み立てることができる。これにより、プッシュロッド251、超音波トランスデューサホルダ253、及びキャリッジ270の組立性を向上させることができる。
【0043】
一方、超音波トランスデューサホルダ253には、超音波トランスデューサ213が結合され得る。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、ドリブンギヤ240は、第2軸X2に対して偏心したカム部241を含み得る。
【0045】
図6を参照すると、ドリブンギヤ240の一側には、カム部241が設けられていてもよく、カム部241は、ドリブンギヤ240の回転軸である第2軸X2に対して偏心して設けられていてもよい。一態様において、カム部241は、第3軸X3を中心とする円形であり、第3軸X3ではなく第2軸X2を中心として回転してもよい。
【0046】
図6に示すように、第2軸X2方向から見たカム部241の形状は、円形であってもよいが、これに限定されるものではない。カム部241は、楕円形、多角形等の形状であってもよい。ドリブンギヤ240が第2軸X2を中心に回転すると、カム部241も第2軸X2を中心に回転する。図6を参照すると、本発明による超音波集束点移動カートリッジ200のカム部241は、幅を比較的小さく設計することができ、カム部241の体積及び質量も比較的小さく設計することができる。これにより、偏心回転するカム部241の体積や質量が大きい場合と比較して、動作中に発生する振動及び騒音を効果的に低減することができ、装置の耐久性を向上させることができる。
【0047】
超音波照射移動体250は、ドリブンギヤ240のカム部241に当接するプッシュロッド251を含み得る。
【0048】
プッシュロッド251は、所定の位置で垂直移動可能であり、ドリブンギヤ240のカム部241に当接するように設けられ得る。これにより、カム部241が回転すると、プッシュロッド251は垂直方向に移動する。換言すると、プッシュロッド251は、カム部241の回転によって垂直方向に往復動する。
【0049】
これにより、プッシュロッド251と結合される超音波トランスデューサホルダ253、超音波トランスデューサホルダ253に結合された超音波トランスデューサ213、及び超音波トランスデューサ213によって照射される超音波の集束点も垂直方向に移動または垂直方向に往復動する。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、ドリブンギヤ240と超音波照射移動体250は、超音波照射移動体250の水平移動のために、互いに対応する溝と突起、または突起と溝を有し得る。
【0051】
図5を参照すると、ドリブンギヤ240に溝243が設けられ、プッシュロッド251に突起251aが設けられてもよい。プッシュロッド251の突起251aは、ドリブンギヤ240の溝243に挿入され得る。
【0052】
これにより、ドリブンギヤ240が第2軸X2に沿って水平移動すると、プッシュロッド251も水平移動し、それに伴って超音波照射移動体250も水平移動し得る。すると、超音波照射移動体250に結合された超音波トランスデューサ213、及び超音波トランスデューサ213によって照射される超音波の集束点も水平移動し得る。
【0053】
一方、図5に示されたのとは異なり、ドリブンギヤ240に突起が設けられ、超音波照射移動体250のプッシュロッド251に溝が設けられてもよい。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、超音波集束点移動カートリッジ200は、垂直方向に移動不能に設けられており、超音波照射移動体250の水平移動及び垂直移動をガイドするキャリッジ270をさらに含み得る。
【0055】
図3図5を参照すると、カートリッジブラケット221の2つの壁部221aの間には、水平ガイドピン221bが水平方向に沿って設けられ得る。前記水平方向は、第1軸X1又は第2軸X2と平行な方向であってもよい。また、キャリッジ270には、水平方向に水平ガイド孔271が設けられていてもよい。水平ガイドピン221bは、キャリッジ270の水平ガイド孔271を貫通し、それにより、キャリッジ270の水平移動がガイドされ得る。すると、キャリッジ270と共に水平移動する超音波照射移動体250の水平移動もガイドされ得る。
【0056】
一態様において、キャリッジ270には、垂直方向に垂直ガイド孔273が設けられてもよい。また、超音波照射移動体250の超音波トランスデューサホルダ253には、垂直ガイドピン253aが設けられてもよい。超音波トランスデューサホルダ253の垂直ガイドピン253aは、キャリッジ270の垂直ガイド孔273に挿入され、これにより、超音波トランスデューサホルダ253の垂直移動がガイドされると同時に、超音波照射移動体250の垂直移動がガイドされ得る。
【0057】
一方、超音波集束点の垂直移動のために、超音波照射移動体250のみが垂直移動し、キャリッジ270は垂直方向に移動不能に設けられてもよい。比較的大きな体積と質量を有するキャリッジ270が垂直移動しないので、振動及び騒音を低減し、装置の耐久性を向上させることができる。特に、本発明において、垂直移動は非常に短い距離を往復移動するものであるため、振動と騒音が大きく発生する可能性があるが、キャリッジ270の垂直移動を制限することにより、前記振動と騒音の発生を効果的に防止し、装置の耐久性をも向上させることができる。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、超音波照射移動体250とキャリッジ270との間には、超音波照射移動体250がドリブンギヤ240のカム部241に密着するように弾性力を与える弾性手段が設けられてもよい。
【0059】
図4及び図5を参照すると、プッシュロッド251とキャリッジ270との間には弾性手段が設けられてもよく、前記弾性手段はコイルばね257であってもよい。コイルばね257は、プッシュロッド251を押してプッシュロッド251がカム部241に密着するように弾性力を与える。
【0060】
一方、図4及び図5に示したのとは異なり、前記弾性手段は超音波トランスデューサホルダ253とキャリッジ270と間に設けられてもよい。そのような場合、前記弾性手段は、超音波トランスデューサホルダ253をキャリッジ270の方へ引っ張り、それによりプッシュロッド251がカム部241に密着し得る。
【0061】
超音波照射移動体250がカム部241に密着することにより、カム部241の回転により、超音波照射移動体250が円滑に垂直移動し得る。
【0062】
以下、図7を参照して、超音波集束点の水平移動について説明する。
【0063】
図7は、超音波集束点の水平移動を説明するための図であり、図7の(a)、(b)、(c)の順に超音波集束点が水平移動する様子を示す図である。図面では、超音波集束点が右から左に移動している様子が示されている。
【0064】
図7を参照すると、モータ130の駆動力はドライブギヤ230に伝達され、ドライブギヤ230は、前記駆動力を伝達されて仮想の第1軸X1を中心として一方向に回転し得る。
【0065】
ドライブギヤ230が回転すると、ドリブンギヤ240は、ギヤの噛み合いにより、仮想の第2軸X2を中心として他方向に回転し得る。前記第2軸X2は、前記第1軸X1と平行な軸であってもよい。前記他方向は、前記一方向の逆方向であってもよい。
【0066】
ドリブンギヤ240は、回転すると同時に、リードスクリュー260に沿って水平移動する。リードスクリュー260は、第2軸X2に沿って設けられる一方、回転不可能に固設される。
【0067】
ドリブンギヤ240が水平移動すると、超音波照射移動体250も一緒に水平移動し得る。すると、超音波トランスデューサ213も超音波照射移動体250と共に水平移動し、これにより、超音波トランスデューサ213が照射する超音波の集束点SPも一緒に水平移動する。
【0068】
一方、ドリブンギヤ240が水平移動して左側の末端または右側の末端に到達すると、これを感知するセンサ(図示せず)が設けられてもよい。前記センサは、ドリブンギヤ240及び/又は超音波照射移動体250の位置を感知する光センサ、磁気センサ、ホールセンサ等であってもよい。ドリブンギヤ240または超音波照射移動体250が左側の末端または右側の末端の所定位置に到着したことを前記センサが感知すると、モータ130は、既存の回転方向とは逆方向に回転し得る。これにより、ドリブンギヤ240は、前記左側の末端または右側の末端とは逆方向である右側または左側に水平移動し得る。
【0069】
以下、図8を参照して、超音波集束点の垂直移動について説明する。
【0070】
図8は、超音波集束点の垂直移動を説明するための図であり、ドリブンギヤ240が図7の(a)、(b)、(c)、(d)の順に時計回りに回転することにより、超音波集束点が垂直移動する様子を示す図である。
【0071】
図8を参照すると、モータ130の駆動力はドライブギヤ230に伝達され、ドライブギヤ230は前記駆動力を伝達されて仮想の第1軸X1を中心に一方向に回転する。
【0072】
ドライブギヤ230が回転すると、ドリブンギヤ240は、ギヤの噛み合いによって仮想の第2軸X2を中心に他方向に回転する。前記第2軸X2は、前記第1軸X1に対して平行な軸であってもよい。前記他方向は、前記一方向の逆方向であってもよい。ドリブンギヤ240が回転すると、第2軸X2に対して偏心しているカム部241も一緒に回転する。
【0073】
すると、カム部241に当接して所定位置で垂直移動可能に設けられたプッシュロッド251も垂直に移動する。ドリブンギヤ240が図8の(a)、(b)、(c)、(d)の順に時計回りに回転すると、カム部241も時計回りに回転する。これにより、プッシュロッド251は最上点、中間点、最下点、中間点の順に垂直移動する。すると、プッシュロッド251と共に垂直移動するように設けられた超音波トランスデューサ213、及び、これによって照射される超音波の集束点SPも、上記と同じ順に垂直移動する。
【0074】
一方、上述したように、超音波照射移動体250の垂直移動をガイドするキャリッジ270は、垂直方向に移動不能に設けられてもよい。図8を参照すると、キャリッジ270は、水平ガイドピン221bに沿って水平移動は可能であるが、垂直移動は不可能に設けられる。比較的大きな体積及び質量を有するキャリッジ270が垂直移動しないので、振動と騒音を低減することができる。特に、本発明において、垂直移動は非常に短い距離を往復移動するものであるため、振動と騒音が大きく発生する可能性があるが、キャリッジ270の垂直移動を制限することにより、前記振動と騒音の発生を効果的に低減し、装置の耐久性をも向上させることができる。
【0075】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】