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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電気的接続装置及びプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539681
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022142645
(87)【国際公開番号】W WO2023125620
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111659974.7
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100230640
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 望
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA14
5E021FA16
5E021FA20
5E021FB07
5E021FC36
5E021FC40
5E021HC09
5E021HC11
5E021HC31
5E021KA06
(57)【要約】
本発明は、電気的接続装置及びプラグコネクタを提供し、該電気的接続装置は、コンセントコネクタとプラグコネクタとを含み、コンセントコネクタは、コンセントハウジングを含み、プラグコネクタは、プラグハウジングとロック装置とを含み、プラグハウジングの前端がコンセントハウジングに挿着され、コンセントハウジングの外壁には、第1のロックキャッチが設けられ、プラグハウジングには、第1のトーションバー機構が設けられ、第1のトーションバー機構には、第1のロックフックが設けられ、第1のロックフックが第1のロックキャッチの前側に係止されることによって、プラグハウジングがコンセントハウジングに対して後方へ動くことを阻止し、また、第1のトーションバー機構は、外力により第1のロックフックを第1のロックキャッチから離脱するように連動させることができ、ロック装置には、第1のボスが設けられ、ロック装置は、プラグハウジングに接続され、第1のボスにより第1のトーションバー機構が外力により動くことを阻止することができる。本発明により、高電圧インターロックコネクタの構造が複雑であり、製造コストが高いという技術的課題が解決された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的接続装置において、
コンセントコネクタとプラグコネクタとを含み、
前記コンセントコネクタは、コンセントハウジングを含み、前記プラグコネクタは、プラグハウジングとロック装置とを含み、前記プラグハウジングの前端が前記コンセントハウジングに挿着され、
前記コンセントハウジングの外壁には、第1のロックキャッチが設けられ、前記プラグハウジングには、第1のトーションバー機構が設けられ、前記第1のトーションバー機構には、第1のロックフックが設けられ、前記第1のロックフックが前記第1のロックキャッチの前側に係止されることによって、前記プラグハウジングが前記コンセントハウジングに対して後方へ動くことが阻止され、また、前記第1のトーションバー機構は、外力により前記第1のロックフックを前記第1のロックキャッチから離脱するように連動させることができ、
前記ロック装置には、第1のボスが設けられ、前記ロック装置は、前記プラグハウジングに接続され、前記第1のボスは、前記第1のトーションバー機構が外力により動くことを阻止可能なものである
電気的接続装置。
【請求項2】
前記ロック装置と前記プラグハウジングは、前記第1のボスが前記第1のトーションバー機構からずれることを阻止可能なダンパ構造によって位置規制される
請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項3】
前記コンセントハウジングの外壁には、第2のロックキャッチが設けられ、前記プラグハウジングには、第2のトーションバー機構が設けられ、前記第2のトーションバー機構には、第2のロックフックが設けられ、前記第2のロックフックが前記第2のロックキャッチの前側に係止されることによって、前記プラグハウジングが前記コンセントハウジングに対して後方へ動くことが阻止され、また、前記第2のトーションバー機構は、外力により前記第2のロックフックを前記第2のロックキャッチから離脱するように連動させることができ、
前記ロック装置には、第2のボスが設けられ、前記ダンパ構造は、前記第2のボスが前記第2のトーションバー機構からずれることを阻止可能なものであり、前記第2のボスは、前記第2のトーションバー機構が外力により動くことを阻止可能なものである
請求項2に記載の電気的接続装置。
【請求項4】
前記ダンパ構造は、前記ロック装置に設けられている第1のダンパボスと、前記プラグハウジングに設けられている第2のダンパボスとを含み、前記第1のダンパボスの後側には、第1のダンパ斜面が設けられ、前記第2のダンパボスの前側には、第2のダンパ斜面が設けられている
請求項2又は3に記載の電気的接続装置。
【請求項5】
前記第2のダンパボスは、前記第1のダンパボスが前方へ動くことを阻止可能なものであり、
前記ロック装置の前端には、第1のロック解除ボスが設けられ、前記コンセントハウジングには、第2のロック解除ボスが設けられ、前記第2のロック解除ボスは、前記第1のロック解除ボスを介して前記第1のダンパボスを押動して前記第2のダンパボスから分離させることができる
請求項4に記載の電気的接続装置。
【請求項6】
前記第2のロックフックは、前記第1のロックフックの前側に設けられている
請求項3に記載の電気的接続装置。
【請求項7】
前記第2のロックフックと前記第1のロックフックとの間の距離は、前記第2のロックキャッチと前記第1のロックキャッチとの間の距離よりも大きい
請求項6に記載の電気的接続装置。
【請求項8】
前記第1のロックフックは、前記第2のロックフックの内側に設けられている
請求項6に記載の電気的接続装置。
【請求項9】
前記コンセントハウジングには、少なくとも2つのガイドポストが設けられ、前記第2のロックキャッチは、前記ガイドポストに設けられ、前記第1のロックキャッチは、少なくとも2つの前記ガイドポストの間に設けられている
請求項3に記載の電気的接続装置。
【請求項10】
前記プラグハウジングには、シールド外部圧着スリーブ、シールド内部圧着スリーブ及びTPAスナップリングが設けられ、前記シールド外部圧着スリーブ及び前記シールド内部圧着スリーブは、ワイヤーハーネスのシールド層の外部に圧着され、前記TPAスナップリングは、前記シールド外部圧着スリーブに外嵌されている
請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項11】
前記TPAスナップリングには、幅が前記シールド外部圧着スリーブの直径よりも小さいスナップリング開口が設けられている
請求項10に記載の電気的接続装置。
【請求項12】
前記プラグハウジングの後端には、プラグテールカバーが接続され、前記プラグテールカバーには、テールシールリングが射出成形により接続されており、前記テールシールリングが前記プラグハウジングと嵌合される
請求項11に記載の電気的接続装置。
【請求項13】
前記第1のロックフックは、前記第1のトーションバー機構の前端に設けられ、前記第1のトーションバー機構の後端には、第1の押圧部が設けられ、
前記第2のロックフックは、前記第2のトーションバー機構の前端に設けられ、前記第2のトーションバー機構の後端には、第2の押圧部が設けられ、前記第2のトーションバー機構には、押圧貫通孔が設けられ、前記第1のトーションバー機構は、前記第2のトーションバー機構の内側に設け、前記第1の押圧部は、前記押圧貫通孔に設けられている
請求項3に記載の電気的接続装置。
【請求項14】
前記プラグハウジングの後端には、前記ロック装置が後側へ動く範囲を規制するための位置規制ボスが設けられている
請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項15】
プラグコネクタにおいて、
プラグハウジングとロック装置とを含み、
前記プラグハウジングには、第1のトーションバー機構が設けられ、前記第1のトーションバー機構には、第1のロックフックが設けられ、前記第1のトーションバー機構は、外力により前記第1のロックフックを動かすように連動させることができ、
前記ロック装置には、第1のボスが設けられ、前記ロック装置は、前記プラグハウジングに接続され、前記ロック装置と前記プラグハウジングは、前記第1のボスが前記第1のトーションバー機構からずれることを阻止可能なダンパ構造によって位置規制され、前記第1のボスは、前記第1のトーションバー機構が外力により動くことを阻止可能なものである
プラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、特許出願番号が202111659974.7であり、出願日が2021年12月30日であり、発明名称が「電気的接続装置及びプラグコネクタ」である中国特許出願の優先権を要求する。
【0002】
本発明は、電力電子部品の技術分野に関し、特に、電気的接続装置及びプラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
高電圧インターロックコネクタは、プラグコネクタとコンセントコネクタとを含み、プラグコネクタには、端子が設けられ、プラグコネクタとコンセントコネクタとにより、インターロック信号回路及びパワー回路の連通及び切断を実現する。現在、安全性を確保するために、高電圧インターロックコネクタの構造が複雑であり、製造コストが高い。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、高電圧インターロックコネクタの構造が複雑であり、製造コストが高いという技術的課題を解決するための電気的接続装置及びプラグコネクタを提供することを目的とする。
【0005】
本発明の上記目的は、下記の技術的解決手段によって実現できる。
【0006】
本発明は、電気的接続装置を提供し、該電気的接続装置は、コンセントコネクタとプラグコネクタとを含み、前記コンセントコネクタは、コンセントハウジングを含み、前記プラグコネクタは、プラグハウジングとロック装置とを含み、前記プラグハウジングの前端が前記コンセントハウジングに挿着され、前記コンセントハウジングの外壁には、第1のロックキャッチが設けられ、前記プラグハウジングには、第1のトーションバー機構が設けられ、前記第1のトーションバー機構には、第1のロックフックが設けられ、前記第1のロックフックが前記第1のロックキャッチの前側に係止されることによって、前記プラグハウジングが前記コンセントハウジングに対して後方へ動くことが阻止され、また、前記第1のトーションバー機構は、外力により前記第1のロックフックを前記第1のロックキャッチから離脱するように連動させることができ、前記ロック装置には、第1のボスが設けられ、前記ロック装置は、前記プラグハウジングに接続され、前記第1のボスは、前記第1のトーションバー機構が外力により動くことを阻止可能なものである。
【0007】
本発明は、プラグコネクタを提供し、該プラグコネクタは、プラグハウジングとロック装置とを含み、前記プラグハウジングには、第1のトーションバー機構が設けられ、前記第1のトーションバー機構には、第1のロックフックが設けられ、前記第1のトーションバー機構が外力により前記第1のロックフックを動かすように連動させることができ、前記ロック装置には、第1のボスが設けられ、前記ロック装置は、前記プラグハウジングに接続され、前記ロック装置と前記プラグハウジングは、前記第1のボスが前記第1のトーションバー機構からずれることを阻止可能なダンパ構造によって位置規制され、前記第1のボスは、前記第1のトーションバー機構が外力により動くことを阻止可能なものである。
【0008】
本発明の特徴及び利点は以下の通りである。
【0009】
該電気的接続装置では、ロック装置によりプラグハウジングとコンセントハウジングとのロックが保持される。ロック解除時に、操作者が外力を加えてロック装置を動かすとともに、第1のトーションバー機構に外力を加えて、第1のトーションバー機構により第1のロックフックを動かすように連動させて第1のロックキャッチから離脱させ、これにより、第1のロックフックと第1のロックキャッチがロック解除される。該電気的接続装置によれば、電気的接続のロックと切断の安全性を確保でき、操作しやすく、構造が比較的簡単であり、製造コストを低減させる。
【0010】
以下の図面は、本発明を概略的に説明及び解釈することを意図するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。ただし、
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る電気的接続装置の分解図である。
図2】本発明に係る電気的接続装置の第1の状態の概略図である。
図3】本発明に係る電気的接続装置の第1の状態の概略図である。
図4図2の左側面図である。
図5図2の右側面図である。
図6】本発明に係る電気的接続装置の第2の状態の概略図である。
図7】本発明に係る電気的接続装置の第2の状態の概略図である。
図8】本発明に係る電気的接続装置の第2の状態の概略図である。
図9】本発明に係る電気的接続装置の第3の状態の概略図である。
図10】本発明に係る電気的接続装置の第3の状態の概略図である。
図11】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図12】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図13】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図14】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図15】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図16】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図17】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図18】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの概略構造図である。
図19】本発明に係る電気的接続装置におけるコンセントハウジングの概略構造図である。
図20】本発明に係る電気的接続装置におけるロック装置の概略構造図である。
図21】本発明に係る電気的接続装置におけるロック装置の概略構造図である。
図22】本発明に係る電気的接続装置におけるTPAスナップリングの概略構造図である。
図23】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグテールカバーの概略構造図である。
図24】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグテールカバーの概略構造図である。
図25】本発明に係る電気的接続装置におけるプラグハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の技術的特徴、目的及び効果をより明確に理解するために、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明する。本発明の説明において、特に断らない限り、「複数」の意味は2つ以上である。
【0013】
技術的解決手段1
本発明は、電気的接続装置を提供し、図1図12に示すように、該電気的接続装置は、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60とを含み、コンセントコネクタ20は、コンセントハウジング2を含み、プラグコネクタ60は、プラグハウジング6とロック装置8とを含み、プラグハウジング6の前端がコンセントハウジング2に挿着され、コンセントハウジング2の外壁には、第1のロックキャッチ201が設けられ、プラグハウジング6には、第1のトーションバー機構601が設けられ、第1のトーションバー機構601には、第1のロックフック602が設けられ、第1のロックフック602が第1のロックキャッチ201の前側に係止されることによって、プラグハウジング6がコンセントハウジング2に対して後方へ動くことが阻止され、第1のトーションバー機構601は、外力により第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱するように連動させることができ、ロック装置8には、第1のボス804が設けられ、ロック装置8は、プラグハウジング6に接続され、第1のボス804は、第1のトーションバー機構601が外力により動くことを阻止可能なものである。
【0014】
図6図8に示すように、ロック装置8を前へ所定位置まで押し込んだ後、ロック装置8の位置が安定となり、ロック装置8における第1のボス804により第1のトーションバー機構601を安定させることによって、第1のロックフック602が第1のロックキャッチ201の前側に規制され、プラグハウジング6がコンセントハウジング2に対して後方へ動くことができず、両者の間がロックされて保持されている。ロック解除時に、ロック装置8をプラグハウジング6に対して動かすように操作者が外力を加えて、第1のボス804が第1のトーションバー機構601からずれ、その後、操作者が第1のトーションバー機構601に外力を加えて、第1のトーションバー機構601が第1のロックフック602を、動かして第1のロックキャッチ201から離脱するように連動させ、第1のロックフック602と第1のロックキャッチ201とのロックが解除され、プラグハウジング6がコンセントハウジング2に対して後方に動くことができ、プラグコネクタ60とコンセントコネクタ20とを分離させる。該電気的接続装置は、電気的接続のロックと切断の安全性を確保でき、操作しやすく、構造が比較的簡単であり、製造コストを低減させる。
【0015】
一実施形態において、ロック装置8とプラグハウジング6は、ダンパ構造80によって位置規制され、ダンパ構造80は、第1のボス804が第1のトーションバー機構601からずれることを阻止することができ、図6図8に示すように、ロック装置8の位置は、ダンパ構造80の作用で安定となっており、操作者は、ダンパ構造80による抵抗力を克服するように外力を加えて、ロック装置8をプラグハウジング6に対して動かすことができるようにし、これによって、第1のボス804が第1のトーションバー機構601からずれる。
【0016】
図1図18に示すように、コンセントハウジング2の外壁には、第2のロックキャッチ202が設けられ、プラグハウジング6には、第2のトーションバー機構606が設けられ、第2のトーションバー機構606には、第2のロックフック603が設けられ、第2のロックフック603が第2のロックキャッチ202の前側に係止されることによって、プラグハウジング6がコンセントハウジング2に対して後方へ動くことが阻止され、第2のトーションバー機構606は、外力により第2のロックフック603を第2のロックキャッチ202から離脱するように連動させることができ、ロック装置8には、第2のボス805が設けられ、ダンパ構造80は、第2のボス805が第2のトーションバー機構606から離脱することを阻止可能なものであり、第2のボス805は、第2のトーションバー機構606が外力により動くことを阻止可能なものである。
【0017】
ロック装置8を前方へ所定位置まで押し込んだ後、ロック装置8における第2のボス805により第1のトーションバー機構601を安定させることによって、第2のロックフック603が第2のロックキャッチ202の前側に規制され、第2のロックフック603と第1のロックフック602はいずれもプラグハウジング6の位置を規制する役割を果たす。ロック解除時に、第1のボス804が第1のトーションバー機構601からずれ、第2のボス805が第2のトーションバー機構606からずれ、この時、操作者は、それぞれ第1のトーションバー機構601と第2のトーションバー機構606とに外力を加えて、第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱させ、第2のロックフック603を第2のロックキャッチ202から離脱させ、ロックが解除される。
【0018】
該電気的接続装置は、第1のトーションバー機構601と第2のトーションバー機構606とをそれぞれ操作してロックを解除し、二次的なロック機能を実現する。高電圧インターロックコネクタのロック解除時、インターロック信号回路とパワー回路とは切断時に時間間隔が発生し、ロック解除の抜去の過程において、コネクタが帯電して抜去される現象が発生する可能性がある。該電気的接続装置は、ロック解除時に、第1のトーションバー機構601及び第2のトーションバー機構606によって2回のロック解除を実現し、プラグコネクタ60を適合したコンセントコネクタ20から抜け出すことで、高電圧インターロックとパワー端子の段階的な切断を実現することができ、これによって、帯電での抜去の現象を回避し、接触部材又はコネクタの焼付き、及び車両と作業者への傷害リスクを低減することができる。第1のトーションバー機構601と第2のトーションバー機構606とは、それぞれ別々にロックを解除して二回の分離を実現し、操作が便利であり、そのうちの1つに損害が生じた場合、もう1つは保護作用を果たすことができ、ロック安全性を向上させる。
【0019】
ダンパ構造80は、一定の大きさの抵抗力を発生することができることによって、ロック装置8がプラグハウジング6に対して後側へ動くことが阻止され、操作者がダンパ構造80による抵抗力を克服するようにロック装置8に十分な大きさの外力を加えると、ロック装置8を動かすように駆動することができる。一実施形態において、ダンパ構造80は、ロック装置8に設けられている第1のダンパボス801と、プラグハウジング6に設けられている第2のダンパボス605とを含み、第1のダンパボス801の後側には、第1のダンパ斜面8011が設けられ、第2のダンパボス605の前側には、第2のダンパ斜面6051が設けられている。図8に示すように、ロック装置8を前方へ所定位置まで押し込んだ後、第1のダンパボス801が第2のダンパボス605の前側に位置し、ロック装置8が後方へ移動しようとすると、第2のダンパボス605が第1のダンパボス801に対して抵抗力を発生することによって、ロック装置8が後側へ動くことが阻止され、第1のボス804と第1のトーションバー機構601との係合が保持され、第2のボス805と第2のトーションバー機構606との係合が保持される。第1のダンパ斜面8011と第2のダンパ斜面6051に当接すると、作業者は、引き続き後側への外力を増大させ、第1のダンパ斜面8011と第2のダンパ斜面6051とのガイド作用で、ロック装置8が変形し、第1のダンパボス801が第2のダンパボス605をスライドして超えて、ロック装置8が引き続き後側へ動き、第1のボス804が第1のトーションバー機構601からずれ、第2のボス805が第2のトーションバー機構606からずれることが実現される。
【0020】
ダンパ構造80により、ロック装置8のプラグハウジング6における位置を安定させることができ、操作者が十分な大きさの外力を加えることでロック装置8のロックを解除することができ、構造が簡単で、接続が安全で確実で、且つ操作しやすく、製造コストが低い。
【0021】
図2図3に示すように、プラグコネクタ60とコンセントコネクタ20とが挿着されていない場合、ロック装置8は、所定の位置まで押し込まれず、第1のダンパボス801は、第2のダンパボス605の後側に位置し、第2のダンパボス605により第1のダンパボス801が前方へ動くことを阻止し、ロック装置8を位置規制することができる。
【0022】
図19図21に示すように、ロック装置8の前端には、第1のロック解除ボス802が設けられ、コンセントハウジング2には、第2のロック解除ボス203が設けられ、第2のロック解除ボス203は、第1のロック解除ボス802を介して、第1のダンパボス801を押動して第2のダンパボス605から分離させることができる。具体的には、プラグコネクタ60とコンセントコネクタ20とが挿着されると、第2のロック解除ボス203が第1のロック解除ボス802を押動して上向きに浮き上げ、第1のロック解除ボス802が第1のダンパボス801を上向きに動かすように駆動させ、これによって、第1のダンパボス801が第2のダンパボス605の後側から前側に移動することができる。
【0023】
さらに、ロック装置8は、ロック解除アーム806を有し、図20図21に示すように、第1のロック解除ボス802と第1のダンパボス801は、いずれもロック解除アーム806に設けられ、第1のロック解除ボス802は、第1のダンパボス801の前側に設けられ、プラグコネクタ60とコンセントコネクタ20が挿着されると、第2のロック解除ボス203は、第1のロック解除ボス802を押動して上向きに浮き上げ、それに伴い、ロック解除アーム806が上向きに変形することによって、第1のダンパボス801を上向きに動かすように連動させ、操作しやすい。該ロック装置8は、構造が比較的簡単であり、加工が便利であり、寸法が比較的小さく、該電気的接続装置の全体寸法を縮小することに有利である。
【0024】
一実施形態において、プラグハウジング6の後端には、ロック装置8が後側へ動く範囲を規制する位置規制ボス604が設けられている。さらに、ロック装置8の後端には、位置規制溝803が設けられ、図3図17及び図21に示すように、位置規制ボス604は、位置規制溝803を位置規制し、ロック装置8が後側へ動くことを阻止するものである。プラグコネクタ60とコンセントコネクタ20とが挿着されていない場合、位置規制ボス604と第2のダンパボス605とによって、ロック装置8の位置が設定範囲内に規制される。
【0025】
図9に示すように、第2のロックフック603は、第1のロックフック602の前側に設けられ、第2のロックキャッチ202は、第1のロックキャッチ201の前側に位置する。一実施形態において、第2のロックフック603と第1のロックフック602との間の距離は、第2のロックキャッチ202と第1のロックキャッチ201との間の距離よりも大きく、第1のロックフック602が第1のロックキャッチ201に当接すると、第2のロックフック603は、一定の距離だけ離れて第2のロックキャッチ202の前側に位置し、第1のロックフック602と第1のロックキャッチ201とのロックが解除され、かつ、プラグコネクタ60が後側へ一定の距離だけ移動した後、第2のロックフック603は、第2のロックキャッチ202に当接し、両者は、係合してしっかりとロックされる。操作者は、引き続き第2のトーションバー機構606に対してロック解除操作を行い、第2のロックフック603と第2のロックキャッチ202とのロックが解除される。該電気的接続装置において、第1段階のロック解除ステップと第2段階のロック解除ステップは、ステップに分けて実行する必要があり、インターロック信号回路とパワー回路の切断時の時間間隔による課題を解決し、安全性を向上させることができる。
【0026】
図11図18に示すように、第1のロックフック602は、第2のロックフック603の内側に設けられた。第1のロックフック602は、第1のトーションバー機構601の前端に設けられ、第1のトーションバー機構601の後端には、第1の押圧部6011が設けられ、操作者は、第1の押圧部6011を内側に押圧して、第1のトーションバー機構601を動かせて、第1のロックフック602を外側に動かすように連動させることによって、第1のロックキャッチ201から離脱させる。ロック装置8の第1のボス804が第1の押圧部6011の内側に位置する場合、第1の押圧部6011が押圧されて内側に動くことが阻止され、これによって、第1のロックフック602と第1のロックキャッチ201とのロックを保持することができる。
【0027】
一実施形態において、第1の押圧部6011の押圧面の面積は、5mm以上である。
【0028】
図12に示すように、手動で第1の押圧部6011を押圧し、第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱させるとともに、プラグコネクタ60がプールされて引き抜き方向に沿って移動するため、第1の押圧部6011の押圧面の面積は、人の指の力に耐える必要があり、この押圧面の最小面積は、5mmであり、例えば、幅2mm、長さ2.5mmの1つの平面であってもよく、指で第1の押圧部6011を押圧することを確保することできる。押圧面の面積が大きすぎてはならず、大きすぎると、使用中に衝突又は押圧されやすく、第1の押圧部6011が押圧されると、第1のロックフック602が第1のロックキャッチ201から離脱し、回路システムが意図せず中断してしまう。該電気的接続装置の全体的な寸法に応じて、第1の押圧部6011の押圧面の面積の大きさを合理的に設計することができる。
【0029】
第1の押圧部6011の押圧面の面積の大きさによる第1の押圧部6011に対する操作者の押圧への影響を検証するために、発明者は、同じ構造及び大きさの電気的接続装置の複数組のサンプルを用意して、各組のサンプルずつ第1の押圧部6011の押圧面の面積の大きさがそれぞれ異なり、合計13組のサンプルがあり、各組毎に100個のサンプルがあり、操作者が第1の押圧部6011の押圧面を非連続的にそれぞれ押圧して、第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱させ、操作者の一回の操作成功率を記録し、表1に記録した。本実施例において、操作者の一回の操作成功率が95%未満であるものを不合格とする。
【0030】
表1:第1の押圧部6011の押圧面の面積の大きさによる第1の押圧部6011に対する操作者の押圧への影響
【0031】
【表1】
【0032】
上記の表1から分かるように、操作者が第1の押圧部6011の押圧面を非連続的に押圧して、第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱させ、作業者の疲労度の影響を排除して、押圧面の面積の大きさが異なる第1の押圧部6011を押圧する場合、第1の押圧部6011の押圧面の面積が5mmよりも大きい場合、いずれも操作に成功し、第1の押圧部6011の押圧面の面積が5mmである場合、操作者が3回失敗し、成功率が97%であったが、合格値の範囲内にあり、第1の押圧部6011の押圧面の面積が5mmよりも小さい場合、第1の押圧部6011の押圧面の面積が小さすぎるため操作者の指による付勢が困難となり、一回の操作成功率が低下し、合格値の範囲未満となる。したがって、発明者は、第1の押圧部6011の押圧面の面積を5mm以上に設定する。
【0033】
一実施形態において、第1の押圧部6011は、第1の押圧力を受けて、第1のトーションバー機構601を動かせて、第1のロックフック602を外側に動かすように連動させることによって、第1のロックキャッチ201から離脱させる。好ましくは、第1の押圧力は、135N以下である。
【0034】
第1のトーションバー機構601は、一定の弾性力を有し、第1の押圧部6011が第1の押圧力を印加する場合、第1のトーションバー機構601を動かせて、第1のロックフック602を外側へ動かすように連動させることによって、第1のロックキャッチ201から離脱させ、また、自身の弾性力で元の位置に戻ることができる。第1のトーションバー機構601が有する弾性力が大きすぎると、第1のトーションバー機構601を変形させるために大きな第1の押圧力を印加する必要があり、この場合、該電気的接続装置が一次ロックを解除する必要があるとき、操作者は、第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱させるために大きな力を要して、手間がかかり、操作者の指に一定の損傷を与える可能性がある。
【0035】
第1の押圧力の大きさによる第1の押圧部6011に対する操作者の押圧への影響を検証するために、発明者は、同じ構造及び大きさの電気的接続装置の複数組のサンプルを用意して、各組のサンプルずつ第1のトーションバー機構601の弾性力の大きさがそれぞれ異なり、合計13組のサンプルがあり、各組毎に100個のサンプルがあり、操作者が第1の押圧部6011を非連続的にそれぞれ押圧して、第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱させ、操作者の一回の操作成功率を記録し、表2に記録した。本実施例において、操作者の一回の操作成功率が95%未満であるものを不合格とする。
【0036】
表2:第1の押圧力の大きさによる第1の押圧部6011に対する操作者の押圧への影響
【0037】
【表2】
【0038】
上記の表2から分かるように、操作者が第1の押圧部6011を非連続的に押圧して、第1のロックフック602を第1のロックキャッチ201から離脱させ、作業者の疲労度の影響を排除して、弾性力の異なる第1の押圧部6011を押圧する場合、第1の押圧力が130N未満である場合、いずれも操作に成功し、第1の押圧力が135Nである場合、操作者は、4回失敗し、成功率が96%であったが、合格値の範囲内にあり、第1の押圧力が135Nを超える場合、第1の押圧力が大きすぎるため、操作者の指による付勢が困難となり、一回の操作成功率が低下し、合格値の範囲未満となる。したがって、発明者は、第1の押圧力を135N以下に設定する。
【0039】
第2のロックフック603は、第2のトーションバー機構606の前端に設けられ、第2のトーションバー機構606の後端には、第2の押圧部6061が設けられ、操作者は、第2の押圧部6061を内側に押圧し、第2のトーションバー機構606を動かせて、第2のロックフック603を外側に動かすように連動させることによって、第2のロックキャッチ202から離脱させる。ロック装置8の第2のボス805が第2の押圧部6061の内側に位置する場合、第2の押圧部6061が押圧されて内側に動くことが阻止されることによって、第2のロックフック603と第2のロックキャッチ202とのロックを保持することができる。
【0040】
一実施形態において、第2の押圧部6061の押圧面の面積は、5mm以上である。
【0041】
電気的接続装置が二次ロックを解除する必要がある場合、手動で第2の押圧部6061を押圧し、第2のロックフック603を第2のロックキャッチ202から離脱させるとともに、プラグコネクタ60がプールされて引き抜き方向に沿って移動するため、第2の押圧部6061は、人の指の力に耐えることができる押圧面を必要とし、この押圧面の最小面積は5mmであり、例えば、幅2mm、長さ2.5mmの1つの平面であってもよく、指で押圧面を押圧することを確保することができる。押圧面の面積が大きすぎてはならず、大きすぎると、使用中に衝突又は押圧されやすく、第2の押圧部6061が押圧されると、第2のロックフック603と第2のロックキャッチ202とが離脱し、回路システムが意図せず中断してしまう。該電気的接続装置の全体寸法に応じて、押圧面の面積を合理的に設計することができる。
【0042】
押圧面の面積の大きさによる第2の押圧部6061に対する操作者の押圧への影響を検証するために、発明者は、同じ構造及び大きさの電気的接続装置の複数組のサンプルを用意して、各組のサンプルずつ押圧面の面積の大きさがそれぞれ異なり、合計13組のサンプルがあり、各組毎に100個のサンプルがあり、操作者が異なる押圧面を非連続的にそれぞれ押圧して、第2のロックフック603を第2のロックキャッチ202から離脱させ、操作者の一回の操作成功率を記録し、表3に記録した。本実施例において、操作者の一回の操作成功率が95%未満であるものを不合格とする。
【0043】
表3:第2の押圧部6061の押圧面の面積の大きさによる第2の押圧部6061に対する操作者の押圧への影響
【0044】
【表3】
【0045】
上記の表3から分かるように、操作者が異なる押圧面を非連続的に押圧して、第2のロックフック603を第2のロックキャッチ202から離脱させ、作業者の疲労度の影響を排除して、押圧面の面積の大きさが異なる第2の押圧部6061を押圧する場合、押圧面の面積が5mmよりも大きい場合、いずれも操作に成功し、押圧面の面積が5mmである場合、操作者が3回失敗し、成功率が97%でったが、合格値の範囲内であり、押圧面の面積が5mmよりも小さい場合、押圧面の面積が小さすぎるため、操作者の指の付勢が困難となり、一回の操作成功率が低下し、合格値の範囲未満となる。したがって、発明者は、第2の押圧部6061の押圧面の面積を5mm以上に設定する。
【0046】
一実施形態において、第2の押圧部6061は、第2の押圧力を受けて、第2のトーションバー機構606を動かせて、第2のロックフック603を外側に動かすように連動させることによって、第2のロックキャッチ202から離脱させる。好ましくは、第2の押圧力は、135N以下である。
【0047】
第2の押圧力の大きさによる第2の押圧部6061に対する操作者の押圧への影響を検証するために、発明者は、同じ構造及び大きさの電気的接続装置の複数組のサンプルを選択し、各組のサンプルずつ第2の押圧部6061の第2の押圧力の大きさがそれぞれ異なり、合計13組のサンプルがあり、各組毎に100個のサンプルがあり、操作者が第2の押圧部6061を非連続的にそれぞれ押圧して、第2のロックフック603を第2のロックキャッチ202から離脱させ、操作者の一回の操作成功率を記録し、表4に記録した。本実施例において、操作者の一回の操作成功率が95%未満であるものを不合格とする。
【0048】
表4:第2の押圧力の大きさによる第2の押圧部6061に対する操作者の押圧への影響
【0049】
【表4】
【0050】
上記の表4から分かるように、操作者が第2の押圧部6061を非連続的に押圧して第2のロックフック603を第2のロックキャッチ202から離脱させ、作業者の疲労度の影響を排除して、第2の押圧力の大きさが異なる第2の押圧部6061を押圧する場合、第2の押圧力が130N未満である場合、いずれも操作に成功し、第2の押圧力が135Nである場合、操作者は、3回失敗し、成功率が97%であったが、合格値の範囲内であり、第2の押圧力が135Nを超える場合、第2の押圧力が大きすぎるため、操作者の指による付勢が困難となり、一回の操作成功率が低下し、合格値の範囲未満となる。したがって、発明者は、第2の押圧力を135N以下に設定する。
【0051】
さらに、図6図8及び図25に示すように、第2のトーションバー機構606には、押圧貫通孔6062が設けられ、第1のトーションバー機構601が第2のトーションバー機構606の内側に設けられ、第1の押圧部6011が押圧貫通孔6062に設けられている。第1のトーションバー機構601と第2のトーションバー機構606とは、いずれもプラグハウジング6に設けられ、第1のトーションバー機構601と第2のトーションバー機構606とは互いに独立しており、ロック装置8は、プラグハウジング6に接続され、二次的なロック機能を実現し、構造が比較的簡単であり、部品数が減少され、操作が便利であり、接続が安全で確実で、且つ製造コストが低い。好ましくは、第1のトーションバー機構601、第2のトーションバー機構606は、プラグハウジング6と一体構造である。
【0052】
一実施形態において、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60との間の挿抜回数は、9回以上である。
【0053】
高電圧接続装置の組み立て時に、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60とを組み立てる必要があり、後のメンテナンス、部材の取り外し時に、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60を分離させてから挿抜する必要がある可能性があるため、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60との間の挿抜回数が9回未満にしてはならず、9回未満であると、ある回の取り外しやメンテナンス過程において、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60が損傷され、電流を導通する役割を果たすことができなくなる可能性があり、ワイヤーハーネスを含めて電気的接続装置全体を全て交換する必要があることを招き、メンテナンスに時間がかかるだけでなく、メンテナンスコストも増加する。このため、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60との材料の選択や、コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60との間の挿抜機構、ロック機構及び封止機構の設計についも、少なくとも9回の取り外し及び組み立てに耐えることができることを確保してはじめて、電気的接続装置の使用要求を満たすことができる。
【0054】
一実施形態において、プラグコネクタ60の重量は、305g以下である。
【0055】
一般的に、コンセントコネクタ20は、使用環境に固定され、プラグコネクタ60は、該電気的接続装置の上方に位置してコンセントコネクタ20と挿着されて固定され、プラグコネクタ60の重量が大きすぎると、コンセントコネクタ20が受ける重力も大きく、受電装置が振動する場合、電気的接続装置全体が振動に追従し、慣性によりプラグコネクタ60が大きな振動を受けて、異音が発生してしまうことがあり、一方、電気的接続装置の使用中、異音の発生は許容されない。
【0056】
プラグコネクタ60の重量による該電気的接続装置の異音の発生への影響を検証するために、発明者は、同じコンセントコネクタ20と、重量の異なるプラグコネクタ60とを組み立てた電気的接続装置のサンプルを用意して、振動試験台に取り付けるとともに、振動試験を行い、振動試験中にプラグコネクタ60に異音が発生するか否かを観察し、検証結果を表5に示す。
【0057】
表5:プラグコネクタ60の重量による該電気的接続装置の異音の発生への影響
【0058】
【表5】
【0059】
表5から分かるように、プラグコネクタ60の重量が305gを超えると、振動試験中にプラグコネクタ60に異音が発生し、検証に不合格であった。したがって、発明者は、プラグコネクタ60の重量を305g以下に設定する。
【0060】
一実施形態において、プラグコネクタ60の挿抜方向に沿った高さは、208mm以下である。
【0061】
コンセントコネクタ20とプラグコネクタ60が組み立てられた後、受電環境に取り付けられる必要があるが、一般的に、受電環境で予めに用意される空間が小さいため、プラグコネクタ60が高い場合、その1は、受電環境に取り付けられることができず、その2は、原材料の無駄遣いになるため、プラグコネクタ60は、設計時に一定の高さより低くする必要がある。
【0062】
プラグコネクタ60の挿抜方向に沿った高さによる該電気的接続装置の取付状況への影響を検証するために、発明者は、同じコンセントコネクタ20と、挿抜方向に沿った高さが異なるプラグコネクタ60とを組み立てた電気的接続装置のサンプルを用意して受電装置に取付け、取付中プラグコネクタ60が受電環境の他の部品と干渉するか否かを観察し、検証結果を表6に示す。
【0063】
表6から分かるように、プラグコネクタ60の挿抜方向に沿った高さが208mmを超えると、電気的接続装置の所定位置に取付けることができず、試験に不合格であった。したがって、発明者は、プラグコネクタ60の挿抜方向に沿った高さを208mm以下に設定する。
【0064】
表6:プラグコネクタ60の挿抜方向に沿った高さによる電気的接続装置の取付状況への影響
【0065】
【表6】
【0066】
該電気的接続装置の使用方法は、ロックステップとロック解除ステップとを含む。
【0067】
ロックステップは、(1)プラグコネクタ60とコンセントコネクタ20とが挿着された後、第2のロック解除ボス203が第1のロック解除ボス802を押し上げ、このとき、第2の位置規制ボス604による第1のダンパボス801に対する位置規制作用がなくなり、ロック装置8を前方へ押し動かすことができるようになることと、(2)ロック装置8が所定の位置に押し動かされた後、第1のロックキャッチ201と第1のロックフック602とが係合してしっかりとロックされると同時に、第1のボス804が第1のトーションバー機構601の第1の押圧部6011に当接し、第2のボス805が第2のトーションバー機構606の第2の押圧部6061に当接することで、一次ロックと二次ロックとをロック解除できないようにすることと、を含む。
【0068】
ロック解除ステップは、(1)ロック装置8を後側方向に引き出すことと、(2)第1の押圧部6011を押し下げるとともに、プラグコネクタ60を後方にロック解除し、この時、第1のロックフック602と第1のロックキャッチ201とのロックが解除されることと、(3)引き続きプラグコネクタ60を後方にロック解除することに伴い、このとき、第2のロックフック603と第2のロックキャッチ202とが係合してしっかりとロックされることと、(4)第2の押圧部6061を押し下げるとともに、引き続きプラグコネクタ60を後方にロック解除し、この時、第2のロックフック603と第2のロックキャッチ202とのロックが解除されることと、を含む。
【0069】
一実施形態において、コンセントハウジング2には、少なくとも2つのガイドポスト204が設けられ、図19に示すように、第2のロックキャッチ202は、ガイドポスト204に設けられ、第1のロックキャッチ201は、少なくとも2つのガイドポスト204の間に設けられ、図19に示すように、2つのガイドポスト204には、それぞれ第2のロックキャッチ202が設けられ、2つの第2のロックキャッチ202は、第1のロックキャッチ201の両側に配置され、プラグハウジング6における第2のロックフック603が両側の第2のロックキャッチ202と係合し、係合してしっかりとロックされる信頼性を向上させる。
【0070】
使用中プラグコネクタ60とコンセントコネクタ20とを挿抜することがよくあることを考慮すると、挿抜中、端子が力を受けて脱落しやすく、該位置決め構造が無効になると、接触部材が外れて、コネクタが失効になることがあると考えられ、そして、使用中、コネクタが振動と揺動を受け、プラグコネクタ60のテール部にあるワイヤーハーネス13が長期間にわたってヨーイングしてしまう可能性があり、端子の受力を増大させて、漏水リスクがある。そのため、発明者は、該電気的接続装置をさらに改善し、すなわち、プラグハウジング6には、シールド外部圧着スリーブ11、シールド内部圧着スリーブ12及びTPAスナップリング9が設けられ、シールド外部圧着スリーブ11及びシールド内部圧着スリーブ12は、ワイヤーハーネス13のシールド層の外側に圧着され、TPAスナップリング9は、シールド外部圧着スリーブ11に外嵌され、TPAスナップリング9は、ワイヤーハーネス13におけるシールド外部圧着スリーブ11及びシールド内部圧着スリーブ12に嵌合し、端子の後退防止の役割を果たす。
【0071】
プラグハウジング6の後端には、プラグテールカバー10が接続され、プラグテールカバー10には、プラグハウジング6と嵌合するテールシールリングが設けられ、TPAスナップリング9、プラグテールカバー10、テールシールリング、シールド外部圧着スリーブ11及びシールド内部圧着スリーブ12が協働して、テールのワイヤーハーネス13がヨーイングすることを制限し、漏水のリスクを回避する。TPAスナップリング9は、プラグテールカバー10よりも先に取り付けられ、シールド外部圧着スリーブ11、シールド内部圧着スリーブ12及びワイヤーハーネス13を二次的にロックし、それらの緩みを防止するために用いられる。図22に示すように、TPAスナップリング9には、ワイヤーハーネス13を限定し、幅がシールド外部圧着スリーブ11の直径よりも小さいスナップリング開口91が設けられている。プラグテールカバー10とテールシールリングが一体に射出成形され、テールシールリングがプラグハウジング6に嵌合することによって、部品数を減少させ、コストを低減させ、ワイヤーハーネス13を良好に位置規制する作用を果たし、失効リスクを低減させる。
【0072】
ワイヤーハーネス13は、プラグハウジング6の後端に接続され、シールド外部圧着スリーブ11とシールド内部圧着スリーブ12はワイヤーハーネス13に外嵌される。図1図24に示すように、コンセントコネクタ20は、コンセントハウジング2の後端に接続されるゴムガスケット1をさらに含む。プラグコネクタ60は、カバープレート3と、プラグ絶縁体4と、短絡ピン5と、ヘッドベースシールリング7とをさらに含み、カバープレート3と、プラグ絶縁体4と、短絡ピン5と、ヘッドベースシールリング7とは、いずれもプラグハウジング6内に固設される。プラグコネクタ60は、以下の手順で組み立てることができる。
【0073】
(1)プラグシールドをプラグ絶縁体4に外装するステップと、
(2)次に、短絡ピン5をプラグ絶縁体4に装着するステップと、
(3)組み立てられたプラグ絶縁体4をプラグハウジング6に組み込むステップと、
(4)ヘッドベースシールリング7を組み込むステップと、
(5)カバープレート3を実装するステップと、
(6)プラグテールカバー10をワイヤーハーネスに被せるステップと、
(7)ワイヤーハーネスを必要に応じてストリップ処理した後、端子と、シールド外部圧着スリーブ11と、シールド内部圧着スリーブ12とを圧着するステップと、
(8)圧着されたワイヤーハーネスにTPAスナップリング9を実装した後、ワイヤーハーネスアセンブリをプラグコネクタ60に組み込むステップと、を含む。
【0074】
技術的解決手段2
【0075】
本発明は、プラグコネクタを提供し、図11図18に示すように、該プラグコネクタは、プラグハウジング6とロック装置8とを含み、プラグハウジング6には、第1のロックフック602が設置されている第1のトーションバー機構601が設けられ、第1のトーションバー機構601は、外力により第1のロックフック602を動かして連動させることができ、ロック装置8には、第1のボス804が設けられ、ロック装置8は、プラグハウジング6に接続され、ダンパ構造80によって位置規制され、ダンパ構造80は、第1のボス804が第1のトーションバー機構601からずれることを阻止可能なものであり、第1のボス804は、第1のトーションバー機構601が外力により動くことを阻止可能なものである。該プラグコネクタは、嵌合されるコンセントコネクタに接続され、ロック装置8によりプラグハウジング6とコンセントハウジング2とのロックが保持され、ロック解除時に、操作者は、ダンパ構造80による抵抗力を克服するように外力を加えるとともに、第1のトーションバー機構601に外力を加え、第1のトーションバー機構601は、第1のロックフック602を動かすように連動させて、ロック解除を実現し、電気的接続のロックと切断の安全性を確保でき、操作しやすく、構造が比較的簡単であり、製造コストを低減させる。
【0076】
以上は、本発明の例示的な具体的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の思想及び原則から逸脱することなくなされる同等の変形及び変更は、いずれも本発明の権利保護範囲に属すべきである。
図1
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【国際調査報告】