(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】緻密化促進剤を含むポリマー組成物及びそれを用いた中空物品の製造のための回転成形法
(51)【国際特許分類】
B29C 41/04 20060101AFI20241219BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20241219BHJP
C08K 5/00 20060101ALI20241219BHJP
C08K 5/51 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B29C41/04
C08L101/00
C08K5/00
C08K5/51
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539686
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 US2022053773
(87)【国際公開番号】W WO2023129464
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2022-01-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517318182
【氏名又は名称】サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エン, ジェリー モン ヘイ
(72)【発明者】
【氏名】グプタ, ラム ビー.
(72)【発明者】
【氏名】コザキエビッチ, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ジアン-ヤン
(72)【発明者】
【氏名】トライヒ, グレゴリー マーティン
【テーマコード(参考)】
4F205
4J002
【Fターム(参考)】
4F205AA08
4F205AB07
4F205AC04
4F205AR15
4F205GA01
4F205GB01
4F205GC04
4F205GE17
4F205GE24
4F205GN01
4F205GN13
4J002AA001
4J002BB031
4J002BB121
4J002BC031
4J002BD031
4J002BG041
4J002BG051
4J002CF061
4J002CF071
4J002CG011
4J002CL001
4J002ED026
4J002EH156
4J002EN126
4J002EW067
4J002EW127
4J002FD206
(57)【要約】
中空物品を製造するための回転成形法は、a)鋳型に、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪エステル、アルコキシル化脂肪アミン、アルコキシル化脂肪アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物を充填するステップ;b)オーブン内で鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに鋳型を回転させ、それによって組成物を溶融させて鋳型の壁に広げるステップ;c)鋳型を冷却するステップ;d)鋳型を開くステップ;及びe)中空物品を鋳型から取り出すステップを含む。このようなポリマー組成物を使用する回転成形法は、より迅速な緻密化をもたらし、中空物品を製造するための全体のサイクル時間を短縮することを可能にする。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空物品を製造するための回転成形方法であって、
a)鋳型に、
i)有機ポリマーと、
ii)アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、
を含むポリマー組成物を充填するステップ;
b)オーブン内で前記鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに前記鋳型を回転させ、それによって前記組成物を溶融させて前記鋳型の壁に広げるステップ;
c)前記鋳型を冷却するステップ;
d)前記鋳型を開くステップ;及び
e)前記中空物品を前記鋳型から取り出すステップ
を含む方法。
【請求項2】
目に見える気泡が、RMDAを含まない対照ポリマー組成物より短い時間で前記中空物品から実質的に除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記より短い時間が、RMDAを含まない前記対照から前記気泡が実質的に除去される時間よりも5~50%、好ましくは10~40%短い、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記鋳型の前記ピーク内部空気温度(PIAT)が70℃~400℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記有機ポリマーが、不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂、コーティング組成物、放射線硬化性組成物、エポキシメラミン樹脂、有機染料、化粧品、セルロース系紙、写真用フィルム紙、繊維、ワックス、又はインクと組み合わされた、ポリオレフィン、熱可塑性オレフィン(TPO)、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアミド、天然及び合成ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート(ASA)、セルロースアセテートブチレート、セルロースポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アミノ樹脂架橋ポリアクリレート及びポリエステル、ポリイソシアネート架橋ポリエステル及びポリアクリレート、フェノール/ホルムアルデヒド、尿素/ホルムアルデヒド及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂若しくは尿素樹脂若しくはイソシアネート若しくはイソシアヌレート若しくはカルバメート若しくはエポキシ樹脂で架橋されたアクリレート樹脂、酸無水物又はアミンで架橋されている、脂肪族、脂環式、複素環式、及び芳香族のグリシジルエーテルに由来する架橋エポキシ樹脂、ポリシロキサン、マイケル付加ポリマー、アミン又はブロックドアミンと活性化不飽和及び活性化メチレン化合物との付加ポリマー、ケチミンと活性化不飽和及び活性化メチレン化合物との付加ポリマー、ポリケチミンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記有機ポリマーが、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー若しくはターポリマー、ポリアミド、コポリアミド、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)若しくはポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、又はポリ(塩化ビニル)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記有機ポリマーがポリアミド又はコポリアミドのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記有機ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン又はポリプロピレンのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリオレフィンが、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリオレフィンが、メタロセン触媒を使用する触媒重合によって調製されたポリエチレンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマー組成物が、前記ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.01~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%のRMDAを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記RMDAが、式(I)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルコール:
R-(OCHR
1CH
2)
y-OH (I)、
(式中、Rは、C
12~C
60ヒドロカルビルであり;
R
1はH又はC
1~C
4アルキルであり;
yは、1~100の整数である)
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記RMDAが、式(Ia)に従う少なくとも1種のエトキシル化脂肪族エーテル:
R-(OCH
2CH
2)
y-OH (Ia)、
(式中、RはC
12~C
60ヒドロカルビルであり;
yは2~60の整数である)
である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
Rが、同じ数の炭素原子を有する脂肪アルコールから誘導される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記RMDAが、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ラウレルアルコール、C
12~C
13アルコール、C
12~C
14第二級アルコール、C
12~C
15オキソアルコール、トリデシルアルコール、セチルアルコール、C
16/C
18アルキルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ドコシルアルコール、又は飽和直鎖C
20~C
50合成アルコールのうちの少なくとも1つである、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記RMDAが、式(II)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族エステル:
【化1】
(式中、R
6はC
11~C
59ヒドロカルビルであり、
R’はH又は(C
1~C
4)アルキルであり;
yは、1~100の整数である)
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記RMDAが、式(IIa)に従う少なくとも1種のエトキシル化脂肪族エステル:
【化2】
(式中、R
7は、C
11~C
29ヒドロカルビルであり;
yは2~60の整数である)
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記RMDAが、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ラウレート、C
16~C
18アルカノエート、ステアレート、オレエート、又はタロウエートのうちの少なくとも1種である、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記RMDAが、式(III)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アミン:
R
4-NR
2R
3 (III)、又は
式(IV)に従うアルコキシル化脂肪族アミド:
【化3】
(式(III)のR
4は、C
8~C
60ヒドロカルビルであり、式(IV)のR
5は、C
7~C
59ヒドロカルビルであり、それぞれ任意選択的に1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよく;
式(III)及び式(IV)のR
2及びR
3は、それぞれ独立して、H、C
1~C
30アルキル、又は-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;
式(III)及び式(IV)のR
2又はR
3のうちの少なくとも1つは-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;
R
1はH又はメチルであり;
各nは独立して1~100の整数である)
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
式(III)のR
4がC
8~C
36アルキルであり、式(IV)のR
5がC
7~C
35アルキルであり、いずれも任意選択的には1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよい、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
式(III)のR
4がC
12~C
30アルキルであり、式(IV)のR
5がC
11~C
29アルキルであり、任意選択的には1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよい、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
各nが独立して1~10の整数である、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
式(III)のR
4が同じ数の炭素原子を有する脂肪酸から誘導され、式(IV)のR
5が1つ多い炭素原子を有する脂肪酸から誘導される、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記RMDAが、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ステアリルアミン、オレイルアミン、タロウアミン、水素化タロウアミン、セチルアミン、カプリルアミン、又はココアミンのうちの少なくとも1つである、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記RMDAが、ココアミドモノエタノールアミン、ココアミドジエタノールアミン、ココアミドエトキシレート;ラウラミドジエタノールアミン;オレアミドジエタノールアミン、又はオレイン酸モノエタノールアミドのうちの少なくとも1つである、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリマー組成物が有機ホスファイト又はホスホナイトを更に含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ホスファイト又はホスホナイトが以下:
i)式(1)~(7)のいずれかに従う化合物:
【化4】
(式中、
添え字は整数であり、nは2、3、又は4であり;pは1又は2であり;qは2又は3であり;yは1、2、又は3であり;zは1~6であり;
A
1は、n又はqが2である場合、C
2~C
18アルキレン;酸素、硫黄、若しくは-NR
4-が挟まれたC
2~C
12アルキレン、式
【化5】
のラジカル、又はフェニレンであり;
A
1は、n又はqが3の場合、式-C
rH
2r-1-の二価のラジカルであり、rは4~12の整数であり;
A
1は、nが4である場合、
【化6】
であり、
Bは、直接結合、-CH
2-、-CHR
4-、-CR
1R
4-、硫黄、C
5~C
7シクロアルキリデン、又は3、4、及び/若しくは5位で1~4つのC
1~C
4アルキルラジカルで置換されているシクロヘキシリデンであり;
D
1は、pが1である場合、C
1~C
4アルキルであり、且つpが2である場合、-CH
2OCH
2-であり;
D
2は、C
1~C
4アルキルであり;
Eは、yが1である場合、C
1~C
18アルキル、-OR
1、又はハロゲンであり;
Eは、yが2である場合、-O-A
2-O-であり、A
2は、nが2である場合のA
1について定義されている通りであり;
Eは、yが3である場合、式R
4C(CH
2O-)
3又はN(CH
2CH
2O-)
3のラジカルであり;
Qは、少なくともz価のモノ又はポリアルコール又はフェノールのラジカルであり、このラジカルは、モノ又はポリアルコール又はフェノールのOH基の酸素原子を介してリン原子に結合しており;
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、無置換であるか又はハロゲン、-COOR
4、-CN、若しくは-CONR
4R
4で置換されているC
1~C
18アルキル;酸素、硫黄、若しくは-NR
4-が挟まれたC
2~C
18アルキル;C
7~C
9フェニルアルキル;C
5~C
12シクロアルキル、フェニル、若しくはナフチル;ハロゲン、合計1~18個の炭素原子を有する1~3つのアルキルラジカル若しくはアルコキシラジカルで又はC
7~C
9フェニルアルキルで置換されたナフチル若しくはフェニル;或いは式
【化7】
(式中、mは、範囲3~6からの整数である)であり;
R
4は、水素、C
1~C
8アルキル、C
5~C
12シクロアルキル又はC
7~C
9フェニルアルキルであり;
R
5及びR
6は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
8アルキル、又はC
5~C
6シクロアルキルであり、
R
7及びR
8は、qが2である場合、それぞれ独立して、C
1~C
4アルキルであるか、又は一緒になって2,3-デヒドロペンタメチレンラジカルであり;R
7及びR
8は、qが3の場合、それぞれメチルであり;
R
14の各例は、水素、C
1~C
9アルキル、又はシクロヘキシルから独立して選択され;
R
15の各例は、水素又はメチルから独立して選択され;
X及びYは、それぞれ、直接結合又は酸素であり;
Zは、直接結合、メチレン、-C(R
16)
2-、又は硫黄であり、
R
16は、C
1~C
8アルキルである);又は
ii)式8に従うトリスアリールホスファイト:
【化8】
(式中、
R
17は、式8の芳香環の0~5個の位置に存在する置換基であり、独立して、C
1~C
20アルキル、C
3~C
20シクロアルキル、C
4~C
20アルキルシクロアルキル、C
6~C
10アリール、又はC
7~C
20アルキルアリールである)
のうちの少なくとも1つである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ホスファイト又はホスホナイトが以下:
トリフェニルホスファイト、
ジフェニルアルキルホスファイト、
フェニルジアルキルホスファイト、
トリラウリルホスファイト、
トリオクタデシルホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールホスファイト、
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS(商標)168)、
トリス(4-ノニルフェニル)ホスファイト、
式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(J)、(K)、又は(L)の化合物:
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
;
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノールホスファイト、
ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール2,4-ジ-クミルフェノールホスファイト、
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノールホスファイト、又は
ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチル-フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
のうちの少なくとも1つである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記有機ホスファイト又はホスホナイトが、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS(商標)168)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(DOVERPHOS(商標)S9228)、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスファイト(IRGAFOS(商標)P-EPQ)、トリス(4-ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、又はジステアリルペンタエリスリトールホスファイトのうちの少なくとも1つである、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記ポリマー組成物が、前記ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%、より好ましくは0.01~1重量%の有機ホスファイト又はホスホナイトを含む、請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ポリマー組成物がヒンダードフェノールを更に含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ヒンダードフェノールが、式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)に従う少なくとも1つの基を有する、請求項32に記載の方法:
【化13】
(式中、
【化14】
は、(炭素-炭素単結合を介した)親化合物への分子断片の結合点を示し;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)のR
18は、独立して水素又はC
1~
4ヒドロカルビルであり;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)の各R
19及びR
20は、独立して、水素又はC
1~C
20ヒドロカルビルであり;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)のR
37は、C
1~C
12ヒドロカルビルである)。
【請求項34】
R
18及びR
37がそれぞれ独立してメチル又はtert-ブチルである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ヒンダードフェノールが、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン(ETHANOX(商標)330)、ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(ETHANOX(商標)314)、1,3,5-トリス-(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート(CYANOX(商標)1790)、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール(IRGANOX(商標)1076)、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール(IRGANOX(商標)1010)、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミドとのエステル、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミドとのエステル、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサメチレンジアミン、又はN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-トリメチレンジアミンのうちの1つである、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記ポリマー組成物が、前記ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%のヒンダードフェノールを含む、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ポリマー組成物が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、又はハイドロカルマイトのうちの少なくとも1つを0.01~1重量%更に含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ポリマー組成物が、少なくとも1種のトコフェロール、トコフェロールエステル、ヒドロキシルアミン、第三級アミンオキシド、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードベンゾエート、チオ相乗剤、ベンゾフラノン、インドリノン、ニトロン、又はニッケルフェノレートを、前記ポリマー組成物の重量を基準として0.01~25重量%、好ましくは0.01~10重量%、好ましくは0.02~5重量%、より好ましくは0.05~3重量%更に含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ポリマー組成物が、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、又はそれらのエステルのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ポリマー組成物がα-トコフェロール(ビタミンE)を更に含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記トコフェロールがα-トコフェロールアセテート(ビタミンEアセテート)を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記ポリマー組成物が少なくとも1種のヒドロキシルアミン又は第三級アミンオキシドを更に含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記ポリマー組成物が、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジドデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-テトラデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-ヘプタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、又はN,N-ジ(水素化タロウ)ヒドロキシルアミン(IRGASTAB(商標)FS-042)のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ポリマー組成物が、N,N-ジ(水素化タロウ)ヒドロキシルアミン(IRGASTAB(商標)FS-042)を更に含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリマー組成物がヒンダードアミン光安定剤(HALS)を更に含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記ヒンダードアミン光安定剤(HALS)が、
ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)770);
ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート;
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート;
ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート;
ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)123);
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)n-ブチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート;
1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物(TINUVIN(商標)622);
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルステアレート;
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルドデカネート;
1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルステアレート;
1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルドデカネート;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)944);
トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート;
4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CYASORB(商標)UV-3346);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンのメチル化縮合物(CYASORB(商標)UV-3529);
2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)119);
2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノエタン)との縮合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと、N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンと、ジ-n-ブチルアミンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)2020);
4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物(CYASORB(商標)UV-3853);
4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンの混合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;
1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;
テトラキス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;
テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸,2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-4-イルトリデシルエステル;
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸,1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルトリデシルエステル;
ホルムアミド,N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)(UVINUL(商標)4050);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(プロピルオキシ)-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと、N-ブチル-1-プロピルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンと、ジ-n-ブチルアミンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(TINUVIN(商標)NOR HALS 371);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミン、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとのポリマー、3-ブロモ-1-プロペンと、ジ-n-ブチルアミンと、N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンとの反応生成物、酸化、水素化(TINUVIN(商標)XT 200);
TINUVIN(商標)XT-850/XT-855);又は
N
1,N
1’-1,2-エタンジイルビス(1,3-プロパンジアミン)、シクロヘキサンと過酸化N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン-2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの反応生成物(FLAMESTAB(商標)NOR 116)
のうちの少なくとも1つである、請求項45に記載のポリマー組成物。
【請求項47】
前記ポリマー組成物が紫外線吸収剤(UVA)を更に含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記紫外線吸収剤が、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン、又はベンゾオキサジノンのうちの少なくとも1つである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記紫外線吸収剤が、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンである、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンが、
4,6-ジフェニル-2-(4-ヘキシルオキシ-2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン(TINUVIN(商標)1577)、
4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン(CYASORB(商標)1164)、
2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-6-(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンと4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンとの混合物(TINUVIN(商標)400)、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジン(TINUVIN(商標)405)、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジン、
2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)479)、
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン、
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)1600)、
2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン(TRIAZINE(商標)460)、
2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-フェニル]-s-トリアジン、又は
2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)477)
のうちの少なくとも1つである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ポリマー組成物が、金属キレート剤、造核剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、発泡剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、補強剤、金属酸化物、蛍光増白剤、染料、又は顔料のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
請求項1~51のいずれか一項に記載の方法によって製造された中空物品。
【請求項53】
アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)の、中空物品を製造するための回転成形法における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月1日申請の合衆国仮出願第63/295,879号の利益を主張し、当該出願の全体を参照により本出願に包含する。
【0002】
本発明は、概して、回転成形法を使用する中空物品の製造に関する。より具体的には、本発明は、回転成形緻密化促進剤(RMDA)として以降で説明される添加剤の、回転成形法における使用に関する。これらのRMDAは、回転成形法のサイクル時間を短縮し、より広い処理ウィンドウを提供する。
【背景技術】
【0003】
回転成形、又はロトモールディングは、有機ポリマーから中空の一体型部品を製造するために熱及び2軸回転を使用する高温低圧成形プロセスである。回転成形によって製造される中空部品としては、例えば、ガソリン容器、ゴミ箱、農業用貯蔵容器、浄化槽、玩具、及びスポーツ用品、例えばカヤックが挙げられる。
【0004】
回転成形法については、例えばR.J.Crawford及びJ.L.ThroneによってRotational Molding Technology;Plastics Design Library,William Andrew Publishing,2001の中で説明されている。回転成形は、オーブン内で鋳型を2軸又は3軸で回転させる手段を備えた鋳型(シェル)を必要とする。微粉化されたポリマー粒子は鋳型に充填され、その後、鋳型は、ポリマーの融点(ピーク内部空気温度と呼ばれる)よりも高い目標温度まで加熱されながら回転(通常は2軸)される。溶融ポリマーは回転力を受けて鋳型の穴を通って流れ、回転は、溶融ポリマーが鋳型の表面全体を均一な厚さで被覆するのに十分な時間及び温度で継続される。その後、鋳型が冷却されることでポリマーが凝固して固体になる。最後のステップは、回転成形機から中空物品を取り出すことである。鋳型への充填、鋳型の回転、鋳型の冷却、鋳型の開放、及び中空物品の取り出しの組み合わせのステップに必要な合計時間は、当該技術分野ではプロセスの「サイクル時間」として知られている。
【0005】
回転成形で使用されるポリマー粒子で生じる主な物理的プロセスは3つ存在する:ポリマー粒子を溶融して連続相を形成することにより生じる焼結又は合体、気泡の除去によって生じるポリマー連続相の緻密化、及び冷却によって生じるポリマーの結晶化である。気泡の除去及びその結果生じるポリマー連続相の緻密化は、回転成形法の重要な部分であり、形成される部品の物理的特性に影響を与える。
【0006】
成形サイクルを完了させるために必要な時間(「サイクル時間」)も、成形されるポリマーのバルク特性の関数である。例えば、鋳型に充填されるポリマーは、ポリマー粒子の「自由流動」を促進するために、好ましくは細かく分割され(すなわち粉末へと粉砕され)、高いバルク密度と狭い粒度分布を有する。
【0007】
ポリマーが充填された鋳型がオーブン内にある時間及び温度(「加熱処理(cooking)」時間及び温度)は、中空部品の品質にとって重要である。短すぎる時間及び低すぎる温度の場合には、溶融ポリマーの焼結及び表面付着、並びに気泡の消散が不完全になり、それにより成形された物品の最終的な機械的及び物理的特性が悪影響を受ける(衝撃強さの低下)。この部品は「加熱処理不足(undercooked)」と呼ばれる。T.Pick and E.Harkin-Jones,Third Polymer Processing Symposium,January 28-29,2004,Belfast,p.259-268は、回転成形された物品の気泡の数と衝撃強さとの間には相関関係があり、気泡の数が多いほど衝撃強さが低下し、透明度などの光学的品質も低下することを教示している。長すぎる時間及び高すぎる温度の場合には、ポリマーが劣化して変色し、部品の衝撃強さも低下する。この部品は「加熱処理過剰(overcooked)」である、変色に関しては「焦げている」とされ、廃棄しなければならなくなる。このように、成形された物品の最適な機械的及び物理的特性を達成するためには、狭い時間と温度範囲が存在する。最適な時間と温度の範囲は、本明細書では「処理ウィンドウ」と呼ばれる。必要以上に長い時間及び必要以上に高い温度にさらされた部品が、それでもなお最適な機械的及び物理的特性を示す(「加熱処理過剰」にならない)ように、この処理ウィンドウを広げることが望まれる。また、サイクル時間をできるだけ短くすることも非常に望まれる。有利なことに、サイクル時間を短縮すると、エネルギーコストが削減され、高価な回転成形機の生産性が向上する。処理ウィンドウを広げると、廃棄しなければならない加熱処理過剰の部品の数が減ることによって生産性が更に向上する。
【0008】
回転成形法では、熱劣化を減らすために、及び気泡除去を促進することで閉じ込められた気泡などの微細構造欠陥を減らすために、添加剤を使用することができる。ヒンダードフェノールをホスファイト又はホスホナイトと組み合わせて使用すると、熱劣化を抑えることができ、処理ウィンドウが広くなるが、最適な特性(サイクル時間)になるまでの時間が長くなる。ヒドロキシルアミン誘導体をHALS及びホスファイト又はホスホナイトと組み合わせて使用すると、気泡除去の促進によりサイクル時間を短縮できるものの、処理ウィンドウは非常に狭いままである。当該技術分野では、回転成形のサイクル時間を更に改善し、サイクル時間と処理ウィンドウの両方を同時に改善することが依然として求められている。
【発明の概要】
【0009】
中空物品を製造するための回転成形法は、a)鋳型に、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪エステル、アルコキシル化脂肪アミン、アルコキシル化脂肪アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物を充填するステップ;b)オーブン内で鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに鋳型を回転させ、それによって組成物を溶融させて鋳型の壁に広げるステップ;c)鋳型を冷却するステップ;d)鋳型を開くステップ;及びe)中空物品を鋳型から取り出すステップを含む。
【0010】
i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪エステル、アルコキシル化脂肪アミン、アルコキシル化脂肪アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物から構成される中空物品は、回転成形法によって製造される。
【0011】
回転成形法、方法、中空物品、ポリマー組成物、及びRMDAのこれら及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面及び実施例と併せて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】0.05重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55(C
16~C
18アルキルアルコールエトキシレート)及びPEGOSPERSE(商標)100-S(DEGモノステアレート)及び対照についての、オーブン時間と温度の関数としての回転成形されたLLDPE部品の密度を示す棒グラフである。
【
図1B】気泡を示す
図1Aの回転成形された部品の断面図である。
【
図2A】0.05、0.10、及び0.50重量%の添加量のLEUNAPON(商標)F1618-55並びに対照についての、オーブン時間と温度の関数としての回転成形されたLLDPE部品の密度を示す棒グラフである。
【
図2B】気泡を示す
図2Aの回転成形された部品の断面図である。
【
図3A】0.05重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55、PEGOSPERSE(商標)100-S、及びIRGAFOS(商標)FS-042(ヒドロキシルアミン)についての、オーブン時間と温度の関数としての回転成形されたLLDPE部品の密度を示す棒グラフである。
【
図3B】気泡を示す
図3Aの回転成形された部品の断面図である。
【
図4A】0.05重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55、PEGOSPERSE(商標)100-S、及びα-トコフェロールアセテートについての、オーブン時間と温度の関数としての回転成形されたLLDPE部品の密度を示す棒グラフである。
【
図4B】気泡を示す
図4Aの回転成形された部品の断面図である。
【
図5A】0.05及び0.10重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55、並びに0.05及び0.10重量%のα-トコフェロールアセテートについての、オーブン時間と温度の関数としての回転成形されたLLDPE部品の密度を示す棒グラフである。
【
図5B】気泡を示す
図5Aの回転成形された部品の断面図である。
【
図6A】0.05、0.10、及び0.50重量%の添加量のLEUNAPON(商標)F1618-55とCYANOX(商標)AO-1790を用いた対照についての、オーブン時間と温度の関数としての回転成形されたLLDPE部品の密度を示す棒グラフである。
【
図6B】気泡を示す
図6Aの回転成形された部品の断面図である。
【
図7A】0.05重量%のFENTACARE(商標)1802(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オクタデシルアミン)と対照についての、オーブン時間と温度の関数としての回転成形されたLLDPE部品の密度を示す棒グラフである。
【
図7B】気泡を示す
図7Aの回転成形された部品の断面図である。
【
図8A】1/4インチのPEプラークにBRIJ(商標)S2(ジエチレングリコールのC
18モノエーテル)、α-トコフェロールアセテート、及びIRGASTAB(商標)FS-042を1重量%及び2重量%添加した場合の処理時間の関数としての、PEプラーク内の気泡の数(2.5、5、7.5、10のスケール)を示す棒グラフである。
【
図8B】1/4インチのPEプラークにBRIJ(商標)S2、α-トコフェロールアセテート、及びIRGASTAB(商標)FS-042を1重量%及び2重量%添加した場合の246℃における処理時間の関数としての、黄色度指数を示す棒グラフである。
【
図8C】1/4インチのLLDPEプラークにBRIJ(商標)S2、α-トコフェロールアセテート、及びIRGASTAB(商標)FS-042を1重量%及び2重量%添加した場合の246℃における処理時間の関数としての、密度を示す棒グラフである。
【
図9A】ポリマー組成物中にBRIJ(商標)S2(ジエチレングリコールのC
18モノエーテル)、α-トコフェロールアセテート、及びIRGASTAB(商標)FS-042を1重量%及び2重量%添加した場合の処理時間の関数としての、1/2インチのLLDPEプラーク内の気泡の数(2.5、5、7.5、10のスケール)を示す棒グラフである。
【
図9B】1/2インチのPEプラークにBRIJ(商標)S2(ジエチレングリコールのC
18モノエーテル)、α-トコフェロールアセテート、及びIRGASTAB(商標)FS-042を1重量%及び2重量%添加した場合の処理時間の関数としての、PEプラークの黄色度指数を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で説明する回転成形(ロトモールディング)法及び回転成形緻密化促進剤(RMDA)は、酸化防止剤を用いた対照と比較して、気泡除去並びに衝撃強さなどの最適な物理的及び機械的特性の実現に要する時間を短縮する。言い換えると、回転成形法とRMDAはサイクル時間を短縮する。有利なことに、サイクル時間が短縮されると、エネルギーコストが削減され、高価な回転成形機の生産性が向上する。加えて、回転成形法及びRMDAは、中空物品の衝撃強さや色などの特性が最適となる時間及び温度の点で、より広い/より大きい処理ウィンドウを提供することができ、そのため不良品を最小限に抑えることができる。したがって、回転成形法及びRMDAは、従来の回転成形法及び添加剤に代わる魅力的な代替手段を提供する。
【0014】
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語、表記法及び他の科学専門用語は、化学技術の当業者によって一般に理解される意味を有することを意図する。本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形は、特に文脈が明らかに指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0015】
本明細書の全体にわたり、用語及び置換基は、それらの定義を保持する。有機化学者(すなわち当業者)によって利用される省略形の包括的なリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の巻頭に登場する。「Standard List of Abbreviations」という表題の表に典型的に示されている、このリストは、参照により本明細書に援用される。
【0016】
用語「ヒドロカルビル」は、全て炭素である骨格を有し、且つ特に述べられる場合を除いて炭素原子と水素原子とからなる脂肪族、脂環式、及び芳香族基を包含する総称である。特定の場合、本明細書で定義されるように、炭素骨格を構成する炭素原子の1個以上は、明記される原子又は原子の群で置き換えられ得る。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、炭素環式アリール、アルケニル、アルキニル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル並びに炭素環式アラルキル、アルカリール、アラルケニル及びアラルキニル基が挙げられる。そのような基は、本明細書で定義される1つ以上の置換基で任意選択的に置換することができる。したがって、本明細書及び特許請求の範囲で考察される化学基又は部分は、置換又は非置換形態を含むと理解されるべきである。以下に表される例及び好ましさは、特に文脈が示さない限り、本明細書に記載される式の化合物に関する置換基の様々な定義において言及されるヒドロカルビル置換基又はヒドロカルビル含有置換基のそれぞれにも適用される。
【0017】
好ましい非芳香族ヒドロカルビル基は、アルキル及びシクロアルキル基などの飽和基である。通常、例として、ヒドロカルビル基は、特に文脈が要求しない限り、12~60個の炭素原子を有し得る。12~30個の炭素原子のヒドロカルビル基が好ましい。
【0018】
アルキルは、直鎖、分岐、又は環状の炭化水素構造及びそれらの組み合わせを含むことを意図する。低級アルキルは、1~6個の炭素原子のアルキル基を意味する。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-及びtert-ブチルなどが挙げられる。好ましいアルキル基は、C30以下のものである。
【0019】
脂肪族化合物は、その主な官能基が飽和炭素原子に結合している化合物を指す。残りの炭素原子は脂肪族又は芳香族であってよい。例えば、ベンジルアルコールは脂肪族アルコールであり、ベンジルアミンは脂肪族アミンであるが、これはヒドロキシ基とアミノ基がそれぞれ飽和ベンジル炭素原子に結合しているためである。
【0020】
「1つ以上のヘテロ原子が挟まれている」という用語は、2つの炭素原子を連結する-O-、-NH-、又は-S-のうちの1つ以上を含むアルキル基を指す。
【0021】
アルコキシ又はアルコキシアルキルは、酸素によって親構造に結合した直鎖、分岐、環状の構造及びそれらの組み合わせの1~20個の炭素原子の基を指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0022】
アシルは、ホルミル基と、カルボニル官能性によって親構造に結合した直鎖、分岐状、環式構造、飽和、不飽和及び芳香族並びにそれらの組み合わせの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12個の炭素原子の基を指す。例としては、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。低級アシルは、1~6個の炭素を含有する基を意味する。
【0023】
「炭素環式」又は「シクロアルキル」基への言及は、本明細書で用いるところでは、特に文脈が明記しない限り、芳香環系及び非芳香環系を両方とも含むものとする。したがって、例えば、この用語は、その範囲内に芳香族、非芳香族、不飽和、部分飽和及び完全飽和の炭素環式環系を含む。一般に、そのような基は、単環式又は二環式であってよく、例えば3~12個の環員、より一般的には5~10個の環員を含み得る。単環式基の例は、3、4、5、6、7及び8個の環員、より通常には3~7、好ましくは5又は6個の環員を含む基である。二環式基の例は、8、9、10、11及び12個の環員、より一般的には9又は10個の環員を含むものである。非芳香族炭素環/シクロアルキル基の例としては、c-プロピル、c-ブチル、c-ペンチル、c-ヘキシル等が挙げられる。C7~C10多環式炭化水素の例としては、ノルボルニル及びアダマンチルなどの環系が挙げられる。
【0024】
アリール(炭素環式アリール)は、二環式の9若しくは10員の芳香環系;又は三環式の13若しくは14員の芳香環系を含む5若しくは6員の芳香族炭素環を指す。芳香族6~14員の炭素環式環には、例えば、置換又は無置換のフェニル基、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン及びフルオレンが含まれる。
【0025】
置換されたヒドロカルビル、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキシ等は、各残基において3個までのH原子が、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、カルボアルコキシ(アルコキシカルボニルともいわれる)、カルボキサミド(アルキルアミノカルボニルともいわれる)、シアノ、カルボニル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、アルキルチオ、スルホキシド、スルホン、アシルアミノ、アミジノ、フェニル、ベンジル、ハロベンジル、ヘテロアリール、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ベンゾイル、ハロベンゾイル又は低級アルキルヒドロキシで置き換えられている特定の置換基を指す。
【0026】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0027】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる原料の量、反応条件等を表す全ての数は、用語「約」によって全ての場合に修飾されていると理解されるべきである。したがって、それとは反対を明記しない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、本発明によって得ようと努力される所望の特性に依存して変わり得る近似値である。少なくとも且つ特許請求の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有意な数字の数及び通常の丸めアプローチの観点から解釈されるべきである。
【0028】
本明細書で開示される全ての範囲には終点が含まれており、終点は互いに独立して組み合わせることができる(例えば、「25重量%以下、より具体的には5重量%~20重量%」の範囲には、終点と、例えば「5重量%~25重量%」を含む範囲の全ての中間値が含まれる)。本明細書において、「約」ある値又はパラメータという言及は、その値又はパラメータ自体に関する実施形態を含む(そして説明する)。用語「約」には、示された量±10%、±5%、又は±1%も含まれ得る。
【0029】
「~のうちの少なくとも1つ」は、リストに関連して本明細書で用いられる場合、リストが各要素を個別に含むことのみならず、リストの2つ以上の要素の組み合わせ、及びリストの少なくとも1つの要素と指定されていない任意の同様の要素との組み合わせも含むことを意味する。
【0030】
「組み合わせ」には、ブレンド、混合物、反応生成物などが含まれる。単数形の冠詞は、文脈上そうでないことが明らかな場合を除き、複数の指示対象も示す。例えば、冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」並びに「その(the)」は、本明細書で用いる場合、量の限定を意味せず、本明細書で別段の指示がない限り、或いは文脈上明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0031】
「又は」は、明確に別段の記載がない限り、「及び/又は」を意味する。
【0032】
RMDA及び有機ポリマーに加えて、本明細書に開示の方法における使用に適したポリマー組成物は、少なくとも1種の安定剤又は併用添加剤を更に含んでいてもよい。それらについては、以降で更に説明する。
【0033】
中空物品を製造するための回転成形法は、a)鋳型に、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物を充填するステップ;b)オーブン内で鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに鋳型を回転させ、それによって組成物を溶融させて鋳型の壁に広げるステップ;c)鋳型を冷却するステップ;d)鋳型を開くステップ;及びe)中空物品を鋳型から取り出すステップを含む。同様に、回転成形によって中空物品を製造するためのポリマー組成物は、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含む。
【0034】
有機ポリマーは、回転成形に適した任意の有機ポリマーであってよい。例えば、有機ポリマーは、不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂、コーティング組成物、放射線硬化性組成物、エポキシメラミン樹脂、有機染料、化粧品、セルロース系紙、写真用フィルム紙、繊維、ワックス、又はインクと組み合わされた、ポリオレフィン、熱可塑性オレフィン(TPO)、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアミド、天然及び合成ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート(ASA)、セルロースアセテートブチレート、セルロースポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アミノ樹脂架橋ポリアクリレート及びポリエステル、ポリイソシアネート架橋ポリエステル及びポリアクリレート、フェノール/ホルムアルデヒド、尿素/ホルムアルデヒド及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂若しくは尿素樹脂若しくはイソシアネート若しくはイソシアヌレート若しくはカルバメート若しくはエポキシ樹脂で架橋されたアクリレート樹脂、酸無水物又はアミンで架橋されている、脂肪族、脂環式、複素環式、及び芳香族のグリシジルエーテルに由来する架橋エポキシ樹脂、ポリシロキサン、マイケル付加ポリマー、アミン又はブロックドアミンと活性化不飽和及び活性化メチレン化合物との付加ポリマー、ケチミンと活性化不飽和及び活性化メチレン化合物との付加ポリマー、ポリケチミンのうちの少なくとも1つであってよい。
【0035】
いずれか又は全ての実施形態において、有機ポリマーは、熱可塑性樹脂、例えば少なくとも1種のポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー若しくはターポリマー、ポリアミド、コポリアミド、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)若しくはポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、又はポリ(塩化ビニル)を含む。
【0036】
いずれか又は全ての実施形態において、有機ポリマーは、ポリアミド又はコポリアミドのうちの少なくとも1つを含む。ポリアミド又はコポリアミドは、ジアミン及びジカルボン酸、アミノカルボン酸、又は対応するラクタムから誘導される。ポリアミドは、例えばm-キシレンジアミン及びアジピン酸から調製される芳香族ポリアミド、又はヘキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/若しくはテレフタル酸から調製されるポリアミド(変性剤としてのエラストマーを含む又は含まない)、例えばポリ(2,4,4-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)又はポリ-m-フェニレンイソフタルアミドであってよい。ポリアミド又はコポリアミドは、前述したポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー、又は化学的に結合若しくはグラフトしたエラストマー、又はポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマーであってもよい。ポリアミド又はコポリアミドは、EPDM若しくはABS、又は処理中(反応射出成形、又はRIM、ポリアミド組成物)に生成するポリアミドで修飾することができる。
【0037】
任意の又は全ての実施形態において、有機ポリマー材料はポリオレフィンを含むことができる。ポリオレフィンは、例えば、モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、ポリブト-1-エン、ポリ-4-メチルペント-1-エン、ポリイソプレン、若しくはポリブタジエン;シクロオレフィンのポリマー若しくはコポリマー、例えばシクロペンテン若しくはノルボルネン;ポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE-HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE-UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)、(ULDPE)、若しくは架橋ポリエチレン;モノオレフィン及びジオレフィンと不飽和モノマーとのコポリマー、例えばビニルモノマー若しくは(メタ)アクリルモノマー;又は上述したポリマー若しくはコポリマーのいずれかの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)、若しくは異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)のうちの少なくとも1つであってよい。ジオレフィンは、例えばブタジエン、イソプレン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、又はビニルノルボルネンであってよい。他の不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート、又は無水マレイン酸を挙げることができる。したがって、ポリオレフィンは、例えばポリエチレン又はポリプロピレンのうちの少なくとも1つを含むことができる。ポリオレフィンは、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)のうちの少なくとも1つを含むこともできる。
【0038】
ポリオレフィンは、ラジカル重合(高圧高温下)又は周期表のIVb、Vb、VIb、若しくはVIII族の1種若しくは2種以上の金属を通常含む触媒を使用する触媒重合によって調製することができる。これらの金属は、通常、1つ若しくは2つ以上の配位子、典型的には酸化物、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有し、それらは、p-配位かs-配位かのどちらかであり得る。これらの金属錯体は、遊離形態にあっても、基材上に、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素上に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合媒体に可溶であっても不溶であってもよい。触媒は、単独で重合に使用されてもよく、或いは例えば金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物、又は金属アルコキシドなどの追加の活性化剤が使用されてもよく、前記金属は、周期表のIa族、IIa族、及び/又はIIIa族の元素である。活性化剤の例は、アルミノキサンである。活性化剤は、エステル、エーテル、アミン、又はシリルエーテル基で修飾されていてもよい。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(-Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセン、又はシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。各触媒/活性化剤系は、ポリオレフィンに異なる微細構造、例えばポリマー分岐の程度、分岐鎖長、分子量分布、ポリマー密度、末端基の種類、及び触媒残留物を与える。全ての実施形態のいずれにおいても、ポリオレフィンは、メタロセン触媒を使用する触媒重合によって調製されたポリエチレンを含むことができる。
【0039】
いずれか又は全ての実施形態において、RMDAは、式(I)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルコールであることができる:
R-(OCHR1CH2)y-OH (I)
(式中、RはC12~C60ヒドロカルビルであり;R1はH又はC1~C4アルキルであり;yは1~100の整数である)。RはC12~C60ヒドロカルビル、好ましくはC12~C25ヒドロカルビル、C12~C22ヒドロカルビル、又はC12~C18ヒドロカルビルであり、任意選択的にはヒドロキシルで置換されていてもよく、また任意選択的には1つ以上のヘテロ原子、例えば-NH-、O、又はSが挟まれていてもよい。R1は、H又はC1~C4アルキルであり、好ましくはH、メチル、エチル、又はHとメチルとエチルのうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。R1がHである場合、脂肪族アルコールは「エトキシル化」されているといわれる。R1がメチルである場合、脂肪族アルコールは「プロポキシル化」されているといわれる。式(I)のアルコキシル化脂肪族アルコールは、エトキシル化脂肪族アルコールとプロポキシル化脂肪族アルコールとの混合物、又はエトキシル化及びプロポキシル化の両方が行われたエトキシレートブロックとプロポキシレートブロックとを有するアルコール、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマーであるアルコールであってよい。文字「y」は「アルコキシル化度」であり、1~100、好ましくは1~75、2~25、又は2~12の整数である。
【0040】
いずれか又は全ての実施形態において、RMDAは、式(Ia)に従う少なくとも1種のエトキシル化脂肪族エーテルであってよい:
R-(OCH2CH2)y-OH (Ia)
(式中、RはC12~C60ヒドロカルビルであり;yは2~60の整数である)。R及び「y」は、式(I)と同様に定義される。
【0041】
式(I)及び(Ia)のいずれか又は全ての実施形態において、Rは、同じ数の炭素原子を有する脂肪アルコールから誘導することができる。本明細書で定義される脂肪アルコールは、C12~C60脂肪族アルコールであり、任意選択的に不飽和又は多価不飽和であってもよく、任意選択的にヒドロキシルで置換されていてもよい。これらは、天然資源から又は石油化学製品から得ることができる。例えば、C12~C14脂肪族アルコールはココナッツ油から得ることができ、C16~C18脂肪族アルコールはパーム核油から得ることができ、C12~C14脂肪族アルコールは菜種油又はマスタード種子油から得ることができる。これらの天然に存在する油は、脂肪酸のトリグリセリド(エステル)である。脂肪酸は、トリグリセリドを加水分解してグリセロールを除去することによって工業的に製造される。これらは、アルケンのヒドロカルボキシル化によって石油原料から工業的に製造することもできる。
【0042】
脂肪アルコールは、接触水素化、例えば懸濁水素化、気相水素化、又はトリクルベッド水素化によって脂肪酸から製造することができる。合成脂肪族アルコールは、エチレンのオリゴマー化(Ziegler法)を行った後、空気酸化して偶数脂肪族アルコールを製造するか、オキソ法(ヒドロホルミル化)と水素化によって奇数脂肪族アルコールを製造することによっても得ることができる。オキソ法では、触媒の存在下でアルケンを合成ガス(H2/COの混合物)と反応させてアルデヒドを形成し、これを水素化することで脂肪アルコールが形成される。
【0043】
オキソ法のバリエーションにSHOP(Shell高級オレフィンプロセス)が存在し、このプロセスではエチレンがオリゴマー化及びメタセシスされることでC12~C18α-オレフィンとC11~C14内部オレフィンが生成し、次いでこれらがヒドロホルミル化されて水素化される。続く工程では、脂肪アルコールがアルコキシル化され、アルコキシル化脂肪族アルコールが得られる。
【0044】
C12~C60脂肪族アルコールは、第一級、第二級、直鎖、分岐、又は環状のアルコールであってよい。C12~C60脂肪族アルコールは、例えば、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノール、1-ペンタデカノール、1-ヘキサデカノール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノール、1-ノナデカノール、1-エイコサノール、1-ドコサノール、1-テトラコサノール、1-ヘキサコサノール、1-オクタコサノール、1-トリアコンタノール、2-メチル-1-ウンデカノール、2-プロピル-1-ノナノール、2-ブチル-1-オクタノール、2-メチル-1-トリデカノール、2-エチル-1-ドデカノール、2-プロピル-1-ウンデカノール、2-ブチル-1-デカノール、2-ペンチル-1-ノナノール;2-ヘキシル-1-オクタノール;2-メチル-1-ペンタデカノール;2-エチル-1-テトラデカノール、2-プロピル-1-トリデカノール、2-ブチル-1-ドデカノール、2-ペンチル-1-ウンデカノール、2-ヘキシル-1-デカノール、2-ヘプチル-1-デカノール、2-ヘキシル-1-ノナノール、2-オクチル-1-オクタノール、2-メチル-1-ヘプタデカノール、2-エチル-1-ヘキサデカノール、2-プロピル-1-ペンタデカノール、2-ブチル-1-テトラデカノール、1-ペンチル-1-トリデカノール、2-ヘキシル-1-ドデカノール、2-オクチル-1-デカノール、2-ノニル-1-ノナノール、2-ドデカノール、3-ドデカノール、4-ドデカノール、5-ドデカノール、6-ドデカノール、2-テトラデカノール、3-テトラデカノール、4-テトラデカノール、5-テトラデカノール、6-テトラデカノール、7-テトラデカノール、2-ヘキサデカノール、3-ヘキサデカノール、4-ヘキサデカノール、5-ヘキサデカノール、6-ヘキサデカノール、7-ヘキサデカノール、8-ヘキサデカノール、2-オクタデカノール、3-オクタデカノール、4-オクタデカノール、5-オクタデカノール、6-オクタデカノール、7-オクタデカノール、8-オクタデカノール、9-オクタデカノール、2,4,6-トリメチル-1-ヘプタノール、2,4,6,8-テトラメチル-1-ノナノール;3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、3,5,5,7,7-ペンタメチル-1-オクタノール、3-ブチル-1-ノナノール、3-ブチル-1-ウンデカノール、3-ヘキシル-1-ウンデカノール、3-ヘキシル-1-トリデカノール、3-オクチル-1-トリデカノール、2-メチル-2-ウンデカノール、3-メチル-3-ウンデカノール、4-メチル-4-ウンデカノール、2-メチル-2-トリデカノール、3-メチル-3-トリデカノール、4-メチル-3-トリデカノール、4-メチル-4-トリデカノール、3-エチル-3-デカノール、3-エチル-3-ドデカノール、2,4,6,8-テトラメチル-2-ノナノール、2-メチル-3-ウンデカノール、2-メチル-4-ウンデカノール、4-メチル-2-ウンデカノール、5-メチル-2-ウンデカノール、4-エチル-2-デカノール、4-エチル-3-デカノール、又はそれらの混合物であってよい。
【0045】
アルコキシル化脂肪族アルコールは、エトキシル化及び/又はプロポキシル化アルキルアルコールであってよい。全ての実施形態のいずれにおいても、アルコキシル化脂肪族アルコールは、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ラウレルアルコール、C12~C13アルコール、C12~C14第二級アルコール、C12~C15オキソアルコール、イソトリデシルアルコール、セチルアルコール、C16/C18アルキルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ドコシルアルコール、又は飽和の直鎖C20~C50合成アルコールのうちの少なくとも1種である。アルコキシル化脂肪族アルコールは、エトキシル化及びプロポキシル化C12~C30アルコール、又は2~5個のエチレンオキシド繰り返し単位を有するC12~C15アルコールであってもよい。
【0046】
アルコキシル化脂肪族アルコールは、多くの供給業者から様々な商品名で容易に入手することができる。商品名及び供給業者としては、BRIJ(商標)(Croda,Snaith,UK)、LEUNAPON(商標)(Vantage Leuna GmbH,Leuna,Germany)、JEECOL(商標)(Jeen International Corp.)、NOVEL(商標)(Sasol Olefins&Surfactants,Hamburg,Germany)、UNITHOX(商標)(BakerHughes,Houston,TX)、GENAPOL(商標)(Clariant,Muttenz,Switzerland)、及びHETOXOL(商標)(Global Seven,Rockaway,NJ)が挙げられる。アルコキシル化脂肪族アルコールは、あらゆる形態(液体、半固体、固体、フレーク、錠剤)にすることができるが、固体及び半固体の形態が好ましい。
【0047】
アルコキシル化脂肪族アルコールの市販の例としては、BRIJ(商標)S2(エチレンオキシドが2モルのステアリルアルコールエトキシレート)、BRIJ(商標)S3(エチレンオキシドが3モルのステアリルアルコールエトキシレート)、LEUNAPON(商標)F1618-55(エチレンオキシドが55モルのC16/C18アルキルアルコールエトキシレート)、Laureth-2(2-ドデシルオキシエタノール)、Steareth-5(エチレンオキシドが5モルのステアリルアルコールエトキシレート)、JEECOL(商標)SA-10(エチレンオキシドが10モルのステアリルアルコールエトキシレート)、JEECOL(商標)LA-2(Laureth-2、エチレンオキシドが2モルのドデシルアルコールエトキシレート)、JEECOL(商標)LA-4(Laureth-4、エチレンオキシドが4モルのドデシルアルコールエトキシレート)、BRIJ(商標)93(エチレンオキシドが2モルのオレイルアルコールエトキシレート)、NOVEL(商標)22-4(エチレンオキシドが4モルのドコシルアルコールエトキシレート)、NOVEL(商標)23E2(エチレンオキシドが3モルのC12~C13アルコールエトキシレート)、GENAPOL(商標)EP2525(エチレンオキシドが2モルでありプロピレンオキシドが5モルのC12~C15オキソアルコールエトキシレート/プロポキシレート)、GENAPOL(商標)EP2552(エチレンオキシドが5モルでありプロピレンオキシドが2モルのC12~C15オキソアルコールエトキシレート/プロポキシレート)、TERGITOL(商標)15-S-3(エチレンオキシドが2モルのC12~C14第二級アルコールエトキシレート、Dow,Midland,MIから入手可能)、UNITHOX(商標)420(エチレンオキシドが2.6モルの飽和の直鎖C20~C50合成アルコールエトキシレート)、及びHETOXOL(商標)OL-4(エチレンオキシドが4モルのオレイルアルコールエトキシレート)である。
【0048】
いずれか又は全ての実施形態において、RMDAは、式(II)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族エステルであってよい:
【化1】
(式中、R
6はC
11~C
59ヒドロカルビルであり;R’はH又はC
1~C
4アルキルであり;yは1~100の整数である)。いずれか又は全ての実施形態において、RMDAは、式(IIa)に従う少なくとも1種のエトキシル化脂肪族エステルであってもよい:
【化2】
(式中、R
7は、C
11~C
29ヒドロカルビル、好ましくはC
11~C
24ヒドロカルビル、C
11~C
21ヒドロカルビル、又はC
11~C
17ヒドロカルビルであり、R
6とR
7の両方が任意選択的にヒドロキシルで置換されていてもよく、また任意選択的に1つ以上のヘテロ原子、例えば-NH-、O、又はSが挟まれていてもよい。R
1は、H又はC
1~C
4アルキルであり、好ましくはH、メチル、エチル、又はHとメチルとエチルのうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。R
1がHである場合、脂肪族アルコールは「エトキシル化」されているといわれる。R
1がメチルである場合、脂肪族アルコールは「プロポキシル化」されているといわれる。式(I)のアルコキシル化脂肪族アルコールは、エトキシル化脂肪族アルコールとプロポキシル化脂肪族アルコールとの混合物、又はエトキシル化及びプロポキシル化の両方が行われたエトキシレートブロックとプロポキシレートブロックとを有するアルコール、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマーであるアルコールであってよい。文字「y」は「アルコキシル化度」であり、1~100、好ましくは1~75、2~25、又は2~12の整数である。
【0049】
式(II)及び(IIa)のいずれか又は全ての実施形態において、R6及びR7は、それぞれ、1つ多い炭素原子を有する脂肪酸から、すなわちR-C(O)-と同じ数の炭素原子を有する脂肪酸から誘導することができる。本明細書で定義される脂肪酸は、C12~C60、C12~C30、C12~C22、又はC12~C18の脂肪族カルボン酸であり、任意選択的には不飽和又は多価不飽和であってよく、任意選択的にはヒドロキシルで置換されていてもよい。これらは、天然資源から又は石油化学製品から得ることができる。例えば、C12/C14脂肪酸はココナッツ油及びパーム核油から得ることができ、C16/C18脂肪酸はパーム油及びタロウから得ることができる。これらの天然に存在する油脂は、脂肪酸のトリグリセリド(エステル)である。脂肪酸は、トリグリセリドを加水分解してグリセロールを除去することによって工業的に製造される。これらは、アルケンのヒドロカルボキシル化によって製造することもできる。続く工程では、脂肪酸がアルコキシル化され、アルコキシル化脂肪族エステルが得られる。例えば、脂肪酸はエチレンオキシド又はポリエチレングリコールとの反応によってエトキシル化することができる。
【0050】
アルコキシル化脂肪族アルコールは、エトキシル化及び/又はプロポキシル化アルキルアルコールであってよい。全ての実施形態のいずれにおいても、アルコキシル化脂肪族アルコールは、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ラウレート、C16~C18アルカノエート、ステアレート、オレエート、又はタロウエートのうちの少なくとも1種である。アルコキシル化脂肪族エステルも、多くの供給業者から様々な商品名で容易に入手することができる。商品名及び供給業者としては、LEUNAPON(商標)(Vantage Leuna,Leuna,Germany)及びPEGOSPERSE(商標)(Croda,Snaith,UK)が挙げられる。アルコキシル化脂肪族エステルは、例えば、PEGOSPERSE(商標)100L(PEG-2ラウレート、ジエチレングリコールモノラウレート)、LEUNAPON(商標)F1618-55(エチレンオキシドが55モルであるポリエチレングリコールC16~C18モノアルカノエート)、PEGOSPERSE(商標)50-MS(エチレングリコールモノステアレート)、PEGOSPERSE(商標)100-S又はBRIJ(商標)S2(ジエチレングリコールモノステアレート)、PEGOSPERSE(商標)400-MS(PEG-8ステアレート、エチレンオキシドが8モルのポリエチレングリコールモノステアレート)、ポリエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノタロウエート、又はポリエチレングリコールリシノレートであってよい。
【0051】
いずれか又は全ての実施形態において、RMDAは、式(III)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アミン:
R
4-NR
2R
3 (III)、又は
式(IV)に従うアルコキシル化脂肪族アミド:
【化3】
(式(III)のR
4は、C
8~C
60ヒドロカルビルであり、式(IV)のR
5は、C
7~C
59ヒドロカルビルであり、それぞれ任意選択的に1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよく;式(III)及び式(IV)のR
2及びR
3は、それぞれ独立して、H、C
1~C
30アルキル、又は-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;式(III)及び式(IV)のR
2又はR
3のうちの少なくとも1つは-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;R
1はH又メチルであり;各nは独立して1~100の整数である)
であってよい。
【0052】
式(III)のアルコキシル化脂肪族アミンのいずれか又は全ての実施形態において、R4は、C8~C60アルキル、好ましくはC8~C36アルキル、又はC12~C30アルキルであってよく、任意選択的には1つ以上のヘテロ原子、例えば-NH-、O、又はSが挟まれていてもよく、また任意選択的にはヒドロキシルで置換されていてもよい。R1は、H又はC1~C4アルキルであり、好ましくはH、メチル、エチル、又はHとメチルとエチルのうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。式(IV)のアルコキシル化脂肪族アミドのいずれか又は全ての実施形態において、R5は、C7~C59アルキル、好ましくはC7~C35アルキル、好ましくはC11~C29アルキルであってよく、任意選択的には1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよい。いずれか又は全ての実施形態において、式(III)のR4はC8~C36アルキルであってよく、式(IV)のR5はC7~C35アルキルであってよく、いずれも任意選択的には1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよい。いずれか又は全ての実施形態において、式(III)のR4はC12~C30アルキルであってよく、式(IV)のR5はC11~C29アルキルであってよく、任意選択的には1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよい。
【0053】
式(III)及び(IIIa)の化合物について、文字「n」は「アルコキシル化度」であり、1~100、好ましくは1~75、2~25、又は2~12の整数である。R2とR3の両方がそれぞれ独立して-(CH2CHR1O)n-Hである場合、R2とR3のそれぞれ、及びR2とR3との組み合わせの「n」は、同様に1~100の整数であり、好ましくは1~75、2~25、又は2~12であってよい。例えば、アルコキシル化脂肪族アミン又はアミドは、2モルのエチレンオキシド、又は5~100モルのエチレンオキシドを有し得る。式(III)のアルコキシル化脂肪族アミン及び式(IV)のアルコキシル化脂肪族アミドのいずれか又は全ての実施形態において、各「n」は独立して1~10の整数であってよい。
【0054】
いずれか又は全ての実施形態において、RMDAは、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ステアリルアミン、オレイルアミン、タロウアミン、水素化タロウアミン、セチルアミン、カプリルアミン、又はココアミンのうちの少なくとも1つであってよい。アルコキシ化脂肪族アミンも、多くの供給業者から様々な商品名で容易に入手することができる。商品名及び供給業者としては、TOMAMINE(商標)(Air Products and Chemicals,Allentown,PA)、ETHOMEEN(商標)(Akzo Nobel,Amsterdam,Netherlands)、及びGENAMIN(商標)(Clariant,Muttenz,Switzerland)が挙げられる。アルコキシル化脂肪族アミンの市販の例としては、FENTACARE(商標)1802(Solvay Novecare,Cranbury,NJから入手可能なN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オクタデシルアミン)、TOMAMINE(商標)E-T-2(ビス(2-ヒドロキシエチル)タロウアミン)、TOMAMINE(商標)E-17-5(エチレンオキシドが5モルのイソトリデシルオキシプロピルアミンエトキシレート)、ETHOMEEN(商標)C/12(エチレンオキシドが2モルのココアルキルアミンエトキシレート)、ETHOMEEN(商標)C/25(エチレンオキシドが15モルのココアルキルアミンエトキシレート)、GENAMIN(商標)S020(エチレンオキシドが2モルのセチル/ステアリルアミンエトキシレート)、GENAMIN(商標)S080(エチレンオキシドが8モルのセチル/ステアリルアミンエトキシレート)、GENAMIN(商標)O020(エチレンオキシドが2モルのオレイルアミンエトキシレート)、及びGENAMIN(商標)O080(エチレンオキシドが8モルのオレイルアミンエトキシレート)が挙げられる。
【0055】
いずれか又は全ての実施形態において、RMDAは、ココアミドモノエタノールアミン、ココアミドジエタノールアミン、ココアミドエトキシレート、ラウラミドジエタノールアミン、オレアミドジエタノールアミン、又はオレイン酸モノエタノールアミドのうちの少なくとも1つであってもよい。アルコキシル化脂肪族アミドも、多くの供給業者から様々な商品名で容易に入手することができる。商品名及び供給業者としては、PROTAMIDE(商標)(Protameen Chemicals,Totowa,NJ)及びSERDOX(商標)(Elementis Specialties,East Windsor,NJ)が挙げられる。アルコキシル化脂肪族アミドは、例えば、ココアミドモノエタノールアミン(PROTAMIDE(商標)CME)、ココアミドジエタノールアミン(PROTAMIDE(商標)HCA-A)、ラウラミドジエタノールアミン(PROTAMIDE(商標)L80-M)、オレアミドモノエタノールアミン、オレアミドジエタノールアミン、3モルのエチレンオキシドで更にエトキシル化されたオレアミドジエタノールアミン(SERDOX(商標)NXC-3)、又はこれらのアルコキシル化脂肪族アミドのいずれかが更にエトキシル化及び/又はプロポキシル化された誘導体であってよい。
【0056】
式(III)のアルコキシル化脂肪族アミンのいずれか又は全ての実施形態において、R4は、同じ数の炭素原子を有する脂肪酸から誘導することができ、式(IIIa)のアルコキシル化脂肪族アミドのいずれか又は全ての実施形態において、R5は、1つ多い炭素原子を有する脂肪酸、すなわちR-C(O)-と同じ数の炭素原子を有する脂肪酸から誘導することができる。本明細書で定義される脂肪酸は、C8~C60脂肪族カルボン酸であり、任意選択的に不飽和又は多価不飽和であってよい。脂肪酸は、主に、グリセロールの除去を伴うトリグリセリドの加水分解によって、又はアルケンのヒドロカルボキシル化によって工業的に製造される。脂肪族アミドは、アンモニア又は第一級若しくは第二級アミンを用いるアミド化によって脂肪酸から製造することができる。脂肪族アミンは、脂肪酸をアンモニアと反応させ、得られたアミドを脱水して脂肪ニトリルを得るニトリルプロセスによって脂肪酸から製造することができる。脂肪アミンは、過剰のアンモニアの存在下、ラネーニッケル、コバルト、又は銅クロマイト触媒の存在下、脂肪ニトリルを接触水素化することによって得られる。続く工程では、脂肪族アミンがアルコキシル化され、アルコキシル化脂肪族アミンが得られる。
【0057】
RMDAの数平均分子量は、約200~約5,000g/molの範囲であり、より好ましくは約200~約4,000g/molである。本実施例では、RMDAの総量は、ポリマー組成物の重量を基準として0.05、0.10、0.50、1、又は2重量%であった。しかしながら、光安定剤の種類、ポリマー系有機材料、及び望まれる安定化の程度に応じて、RMDAの量は、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.01~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%であってよい。
【0058】
いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、有機ホスファイト又はホスホナイトを更に含むことができる。ホスファイト又はホスホナイトは、以下のうちの少なくとも1つであってよい:
i)式(1)~(7)のいずれかに従う化合物:
【化4】
【化5】
(式中、
添え字は整数であり、nは2、3、又は4であり;pは1又は2であり;qは2又は3であり;yは1、2、又は3であり;zは1~6であり;
A
1は、n又はqが2である場合、C
2~C
18アルキレン;酸素、硫黄、若しくは-NR
4-が挟まれたC
2~C
12アルキレン、式:
【化6】
のラジカル、又はフェニレンであり;
A
1は、n又はqが3の場合、式-C
rH
2r-1-の二価のラジカルであり、rは4~12の整数であり;
A
1は、nが4である場合、
【化7】
であり、
Bは、直接結合、-CH
2-、-CHR
4-、-CR
1R
4-、硫黄、C
5~C
7シクロアルキリデン、又は3、4、及び/若しくは5位で1~4つのC
1~C
4アルキルラジカルで置換されているシクロヘキシリデンであり;
D
1は、pが1である場合、C
1~C
4アルキルであり、且つpが2である場合、-CH
2OCH
2-であり;
D
2は、C
1~C
4アルキルであり;
Eは、yが1である場合、C
1~C
18アルキル、-OR
1、又はハロゲンであり;
Eは、yが2である場合、-O-A
2-O-であり、A
2は、nが2である場合のA
1について定義されている通りであり;
Eは、yが3である場合、式R
4C(CH
2O-)
3又はN(CH
2CH
2O-)
3のラジカルであり;
Qは、少なくともz価のモノ又はポリアルコール又はフェノールのラジカルであり、このラジカルは、モノ又はポリアルコール又はフェノールのOH基の酸素原子を介してリン原子に結合しており;
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、無置換であるか又はハロゲン、-COOR
4、-CN、若しくは-CONR
4R
4で置換されているC
1~C
18アルキル;酸素、硫黄、若しくは-NR
4-が挟まれたC
2~C
18アルキル;C
7~C
9フェニルアルキル;C
5~C
12シクロアルキル、フェニル、若しくはナフチル;ハロゲン、合計1~18個の炭素原子を有する1~3つのアルキルラジカル若しくはアルコキシラジカルで又はC
7~C
9フェニルアルキルで置換されたナフチル若しくはフェニル;或いは式
【化8】
(式中、mは、範囲3~6からの整数である)であり;
R
4は、水素、C
1~C
8アルキル、C
5~C
12シクロアルキル又はC
7~C
9フェニルアルキルであり;
R
5及びR
6は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
8アルキル、又はC
5~C
6シクロアルキルであり、
R
7及びR
8は、qが2である場合、それぞれ独立して、C
1~C
4アルキルであるか、又は一緒になって2,3-デヒドロペンタメチレンラジカルであり;R
7及びR
8は、qが3の場合、それぞれメチルであり;
R
14の各例は、水素、C
1~C
9アルキル、又はシクロヘキシルから独立して選択され;
R
15の各例は、水素又はメチルから独立して選択され;
X及びYは、それぞれ、直接結合又は酸素であり;
Zは、直接結合、メチレン、-C(R
16)
2-、又は硫黄であり、
R
16は、C
1~C
8アルキルである);又は
ii)式8に従うトリスアリールホスファイト:
【化9】
(式中、
R
17は、式8の芳香環の0~5個の位置に存在する置換基であり、独立して、C
1~C
20アルキル、C
3~C
20シクロアルキル、C
4~C
20アルキルシクロアルキル、C
6~C
10アリール、又はC
7~C
20アルキルアリールである)。
【0059】
ホスファイト又はホスホナイトは、例えば以下のうちの少なくとも1つであってよい:
トリフェニルホスファイト、
ジフェニルアルキルホスファイト、
フェニルジアルキルホスファイト、
トリラウリルホスファイト、
トリオクタデシルホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールホスファイト、
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS(商標)168)、
トリス(4-ノニルフェニル)ホスファイト、
式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(J)、(K)、又は(L)の化合物:
【化10】
【化11】
【化12】
;
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノールホスファイト、
ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール2,4-ジ-クミルフェノールホスファイト、
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノールホスファイト、又は
ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチル-フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト。
【0060】
任意の又は全ての実施形態において、ホスファイト又はホスホナイトは、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS(商標)168)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(DOVERPHOS(商標)S9228)、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジホスファイト(IRGAFOS(商標)P-EPQ)、トリス(4-ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、又はジステアリルペンタエリスリトールホスファイトのうちの少なくとも1つであってよい。いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%、より好ましくは0.01~1重量%の有機ホスファイト又はホスホナイトを更に含むことができる。
【0061】
任意の又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、ヒンダードフェノールを更に含むことができる。ヒンダードフェノールは、式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)に従う少なくとも1つの基を有することができる:
【化13】
(式中、
【化14】
は、(炭素-炭素単結合を介した)親化合物への分子断片の結合点を示し;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)のR
18は、独立して水素又はC
1~
4ヒドロカルビルであり;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)の各R
19及びR
20は、独立して、水素又はC
1~C
20ヒドロカルビルであり;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)のR
37は、C
1~C
12ヒドロカルビルである)。
【0062】
例えば、R18及びR37は、それぞれ独立してメチル又はtert-ブチルであってよい。
【0063】
ヒンダードフェノールは、化学種によって分類された以下のいずれかのヒンダードフェノールのうちの少なくとも1つであってよい。
a)アルキル化モノフェノール、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジ-シクロペンチル-4-メチルフェノール、2-α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-オクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリ-シクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、又は2,6-ジノニル-4-メチルフェノール。
b)アルキル化ヒドロキノン、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、又は2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール。
c)ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’-チオビス-(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス-(4-オクチルフェノール)、4,4’-チオビス-(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、又は4,4’-チオビス-(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)。
d)アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’-メチレンビス-(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)-フェノール]、2,2’-メチレンビス-(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス-(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス-[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス-(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス-(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-ブタン、2,6-ビス-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-ブタン、1,1-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス-[3,3-ビス-(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)-ブチレート]、ビス-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-ジシクロペンタジエン、又はビス-[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート。
e)ベンジル化合物、例えば1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス-(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-ジチオールテレフタレート、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス-(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、モノエチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネートのCa塩、又は1,3,5-トリス-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
f)アシルアミノフェノール、例えば4-ヒドロキシラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、2,4-ビス-(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-s-トリアジン、又はオクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-カルバメート。
g)β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸と、一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、又はN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)-オキサミドとのエステル。
h)β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)-オキサミドとのエステル。
i)β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸と一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)-オキサミドとのエステル。
j)β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸のアミド、例えばN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル-プロピオニル)-ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-トリメチレンジアミン、及びN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヒドラジン。
【0064】
いくつかの実施形態のいずれかにおいて、ヒンダードフェノールは、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン(ETHANOX(商標)330)、ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(ETHANOX(商標)314)、1,3,5-トリス-(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート(CYANOX(商標)1790)、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール(IRGANOX(商標)1076)、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール(IRGANOX(商標)1010)、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミドとのエステル、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミドとのエステル、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサメチレンジアミン、又はN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-トリメチレンジアミンのうちの1つであってよい。
【0065】
全ての実施形態のいずれにおいても、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%のヒンダードフェノールを更に含むことができる。
【0066】
いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、塩基性併用添加剤を更に含むことができる。塩基性併用添加剤は、当該技術分野では「酸捕捉剤」とも呼ばれる。塩基性併用添加剤は、窒素含有有機化合物、例えばアミン、ヒドラジン誘導体、尿素誘導体、ポリアミド、又はポリウレタンであってよい。適切な窒素含有化合物の具体例としては、ジシアンジアミド、メラミン、トリアリルシアヌレート、及びポリビニルピロリドンが挙げられる。塩基性併用添加剤は、カルボン酸又はフェノールの金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム、乳酸カルシウム、パルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモン、又はピロカテコール酸亜鉛であってもよい。塩基性併用添加剤は、塩基性無機化合物、例えば酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、又はハイドロカルマイトであってもよい。いずれか又は全ての実施形態において、塩基性併用添加剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、又はハイドロカルマイトのうちの少なくとも1つであってもよい。全ての実施形態のいずれにおいても、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%の塩基性併用添加剤を含むことができる。例えば、いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、又はハイドロカルマイトのうちの少なくとも1種を0.01~1重量%含み得る。いずれか又は全ての実施形態において、少なくとも1種の塩基性併用添加剤はステアリン酸亜鉛であってよい。
【0067】
ポリマー組成物は、更に、以降で更に説明される少なくとも1種の安定剤又は他の併用添加剤を含むことができる。したがって、いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、少なくとも1種のトコフェロール、トコフェロールエステル、ヒドロキシルアミン、第三級アミンオキシド、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードベンゾエート、チオ相乗剤、ベンゾフラノン、インドリノン、ニトロン、又はニッケルフェノレートを、ポリマー組成物の重量を基準として0.01~25重量%、好ましくは0.01~10重量%、好ましくは0.02~5重量%、好ましくは0.05~3重量%更に含むことができる。
【0068】
いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、更にトコフェロールを含むことができる。トコフェロールは、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、又はそれらのエステルのうちの少なくとも1つであってよい。トコフェロールエステルは、α-トコフェロールアセテート、α-トコフェロール酸スクシネート、又はα-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートのうちの少なくとも1種であってよい。トコフェロールは、例えばα-トコフェロール(ビタミンE)を含み得る。トコフェロールは、α-トコフェロールアセテート(ビタミンEアセテート)も含み得る。
【0069】
いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、少なくとも1種のヒドロキシルアミン又は第三級アミンオキシドを更に含み得る。ヒドロキシルアミンは、式(VIII)に従う少なくとも1つの化合物であってよい:
【化15】
(式中、
T
1は、C
1~C
36ヒドロカルビル、C
5~C
12シクロアルキル、又はC
7~C
9アラルキルであり、任意選択的には置換されていてもよく;
T
2は水素又はT
1である)。
【0070】
第三級アミンオキシドは、式(IX)に従う少なくとも1つの化合物であってよい:
【化16】
(式中、
W
1及びW
2は、それぞれ独立して、直鎖又は分岐鎖のC
6~C
36アルキル、C
6~C
12アリール、C
7~C
36アラルキル、C
7~C
36アルカリール、C
5~C
36シクロアルキル、C
6~C
36アルキルシクロアルキル、及びC
6~C
36シクロアルキルアルキルであり;
W
3は、C
1~C
36の直鎖又は分岐鎖のC
1~C
36アルキル、C
6~C
12アリール、C
7~C
36アラルキル、C
7~C
36アルカリール、C
5~C
36シクロアルキル、C
6~C
36アルキルシクロアルキル、及びC
6~C
36シクロアルキルアルキルであるが;
W
1、W
2、W
3のうちの少なくとも1つはβ炭素-水素結合を含むことを条件とし;
前記アルキル、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、及びシクロアルキルアルキル基には、1~16個の-O-、-S-、-SO-、-SO
2-、-COO-、-OCO-、-CO-、-NW
4-、-CONW
4-、又は-NW
4CO-基が挟まれていてもよく、また1~16個の-OW
4、-SW
4、-COOW
4、-OCOW
4、-COW
4、-N(W
4)
2、-CON(W
4)
2、-NW
4COW
4、又は-C(CH
3)(CH
2R
x)NL(CH
2R
x)(CH
3)C-基を含む5員環及び6員環で置換されていてもよく、或いは上述した基の挿入と置換の両方があってもよく;
(式中、
W
4は、水素又はC
1~C
8アルキルであり;
R
xは水素又はメチルであり;
Lは、C
1~C
30アルキル、-C(O)R(RはC
1~C
30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である)、又は
-OR(RはC
1~C
30の直鎖又は分岐鎖のアルキルである)であり;
前記アリール基は、1~3個のハロゲン、C
1~C
8アルキル、又はC
1~C
8アルコキシによって任意選択的に置換されていてもよい)。
【0071】
式(VIII)に従う化合物は、N,N-ジヒドロカルビルヒドロキシルアミンであってよく、式中のT1及びT2は、それぞれ独立して、ベンジル、エチル、オクチル、ラウリル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、又は水素化タロウアミンのアルキル混合物である。
【0072】
いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジドデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-テトラデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-ヘプタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、又はN,N-ジ(水素化タロウ)ヒドロキシルアミン(IRGASTAB(商標)FS-042)のうち少なくとも1つを更に含むことができる。ヒドロキシルアミンは、例えばN,N-ジ(水素化タロウ)ヒドロキシルアミン(IRGASTAB(商標)FS-042)であってよい。いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、ジ(C14~C24)アルキルメチルアミンオキシド(GENOX(商標)EP)を更に含むことができる。
【0073】
いずれか又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)を更に含むことができる。ヒンダードアミン系光安定剤は、式(II)に従う少なくとも1つの官能基:
【化17】
(式中、
R
31は、水素、OH、C
1~C
20ヒドロカルビル、-CH
2CN、C
1~C
12アシル又はC
1~C
18アルコキシであり;
R
38は、水素又はC
1~C
8ヒドロカルビルであり;
R
29、R
30、R
32及びR
33は、それぞれ独立して、C
1~C
20ヒドロカルビルであるか、又はR
29及びR
30並びに/若しくはR
32及びR
33は、それらが結合されている炭素と一緒になってC
5~C
10シクロアルキルを形成する);又は
式(IIa)に従う少なくとも1つの官能基:
【化18】
(式中、
mは1~2の整数であり;
R
39は、水素、OH、C
1~C
20ヒドロカルビル、-CH
2CN、C
1~C
12アシル、又はC
1~C
18アルコキシであり;
G
1~G
4は、それぞれ独立して、C
1~C
20ヒドロカルビルである)
を含むことができる。
【0074】
ヒンダードアミン光安定剤(HALS)は、例えば、
ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)770);ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート;ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート;ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)123);ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)n-ブチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート;1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物;2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルステアレート;2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルドデカネート;1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルステアレート;1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルドデカネート;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート;4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート;3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン;ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート;ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとのメチル化された縮合物;2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物;2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物;8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン;3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン;3-ドデシル-1-(1-エタノイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン;3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン;4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物;4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンの混合物;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物;2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4.5]デカン;オキソ-ピペランジニル-トリアジン;7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物;1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルトリデシルエステル;1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルトリデシルエステル;テトラキス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、β,β,β’,β’-テトラメチル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン-3,9-ジエタノール、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルエステルとのポリマー;1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、β,β,β’,β’-テトラメチル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン-3,9-ジエタノール、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルエステルとのポリマー;ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート;1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペルジノール;1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;1-(4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イルオキシ)-2-オクタデカノイルオキシ-2-メチルプロパン;1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペルジノール;1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペルジノールとコハク酸ジメチルとの反応生成物;2,2,4,4-テトラメチル-7-オキサ-3,20-ジアザジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン-21-オン;2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノールと高級脂肪酸とのエステル;3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン;1H-ピロール-2,5-ジオン、1-オクタデシル、(1-メチルエテニル)ベンゼン及び1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1H-ピロール-2,5-ジオンとのポリマー;1,1’,1’’-[1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリル-トリス[(シクロヘキシルイミノ)-2,1-エタンジイル]]トリス[3,3,5,5-テトラメチルピペラジン-2-オン];1,1’,1’’-[1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル-トリス[(シクロヘキシルイミノ)-2,1-エタンジイル]]トリス[3,3,4,5,5-ペンタメチルピペラジン-2-オン];7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物;2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物;2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4,6-ビス[N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ-1,3,5-トリアジン;プロパン二酸、[(4-メトキシフェニル)メチレン]-ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル;ベンゼンプロパン酸、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-、1-[2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]エチル]-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルエステル、N-(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N’-ドデシルオキサルアミド;トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート;1,5-ジオキサスピロ{5,5}ウンデカン-3,3-ジカルボン酸、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル);1,5-ジオキサスピロ{5,5}ウンデカン-3,3-ジカルボン酸、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル);1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;2,2,4,4-テトラメチル-21-オキソ-7-オキサ-3.20-ジアザスピロ(5.1.11.2)-ヘンエイコサン-20-プロパン酸ドデシルエステルと2,2,4,4-テトラメチル-21-オキソ-7-オキサ-3.20-ジアザスピロ(5.1.11.2)-ヘンエイコサン-20-プロパン酸テトラデシルエステルとの混合物;1H,4H,5H,8H-2,3a,4a,6,7a,8a-ヘキサアザシクロペンタ[def]フルオレン-4,8-ジオン、ヘキサヒドロ-2,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル);ポリメチル[プロピル-3-オキシ(2’,2’,6’,6’-テトラメチル-4,4’-ピペリジニル)]シロキサン;ポリメチル[プロピル-3-オキシ(1’,2’,2’,6’,6’-ペンタメチル-4,4’-ピペリジニル)]シロキサン;メチルメタクリレートとエチルアクリレート及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルアクリレートとのコポリマー;混合C20~C24α-オレフィンと(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシンイミドとのコポリマー;1,3-ベンゼンジカルボキサミド、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル);1,1’-1,10-ジオキソ-1,10-デカンジイル)-ビス(ヘキサヒドロ-2,2,4,4,6-ペンタメチルピリミジン;エタンジアミド、N-(1-アセチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル)-N’-ドデシル;ホルムアミド、N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)(UVINUL(商標)4050);d-グルシトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニリデン)-;2,2,4,4-テトラメチル-7-オキサ-3,20-ジアザ-21-オキソ-ジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン;プロパンアミド、2-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-2-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)アミノ]-;7-オキサ-3,20-ジアザジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン-20-プロパン酸、2,2,
4,4-テトラメチル-21-オキソ-、ドデシルエステル;N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-β-アミノプロピオン酸ドデシルエステル;N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N’-アミノオキサルアミド;N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-3-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)アミノ]-プロパンアミド;3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1-エタノイル-2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン;ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート;ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)n-ブチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート;トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート;1,1’-(1,2-エタンジイル)ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジン-2-オン);4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート;3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン;ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート;ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート;8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン;3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン;3-ドデシル-1-(1-エタノイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン;3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン;2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4.5]デカン;1,5-ジオキサスピロ{5,5}ウンデカン-3,3-ジカルボン酸、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)エステル;1,5-ジオキサスピロ{5,5}ウンデカン-3,3-ジカルボン酸、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル;N1-(β-ヒドロキシエチル)-3,3-ペンタメチレン-5,5-ジメチルピペラジン-2-オン;N1-tert-オクチル-3,3,5,5-テトラメチル-ジアゼピン-2-オン;N1-tert-オクチル-3,3-ペンタメチレン-5,5-ヘキサメチレンジアゼピン-2-オン;N1-tert-オクチル-3,3-ペンタメチレン-5,5-ジメチル-ピペラジン-2-オン;trans-1,2-シクロヘキサン-ビス-(N1-5,5-ジメチル-3,3-ペンタメチレン-ピペラジン-2-オン);trans-1,2-シクロヘキサン-ビス(N1-3,3,5,5-ジスピロペンタメチレン-ピペラジン-2-オン);N1-イソプロピル-1,4-ジアザジスピロ-3,3,5,5-ペンタメチレンピペラジン-2-オン;N1-イソプロピル-1,4-ジアザジスピロ-3,3-ペンタメチレン-5,5-テトラメチレン-ピペラジン-2-オン;N1-イソプロピル-5,5-ジメチル-3,3-ペンタメチレン-ピペラジン-2-オン;trans-1,2-シクロヘキサン-ビス-N1-(ジメチル-3,3-ペンタメチレン-ピペラジン-2-オン);N1-オクチル-5,5-ジメチル-3,3-ペンタメチレン-1,4-ジアゼピン-2-オン;N1-オクチル-1,4-ジアザジスピロ-(3,3,5,5)ペンタメチレン-1,5-ジアゼピン-2-オン;N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(プロピルオキシ)-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンとN-ブチル-1-プロピルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンと、ジn-ブチルアミンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(TINUVIN(商標)NOR HALS 371);N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミン、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとのポリマー、3-ブロモ-1-プロペンとジ-n-ブチルアミンとN-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンとの反応生成物、酸化、水素化(TINUVIN(商標)XT 200);TINUVIN(商標)XT-850/XT-855;N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン-2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン(FLAMESTAB(商標)NOR 116)のうちの少なくとも1つであってよい。
【0075】
任意の又は全ての実施形態において、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)は、
ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)770);
ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート;
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート;
ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート;
ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)123);
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)n-ブチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート;
1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物(TINUVIN(商標)622);
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルステアレート;
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルドデカネート;
1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルステアレート;
1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルドデカネート;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)944);
トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート;
4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CYASORB(商標)UV-3346);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンのメチル化縮合物(CYASORB(商標)UV-3529);
2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)119);
2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノエタン)との縮合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと、N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンと、ジ-n-ブチルアミンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)2020);
4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物(CYASORB(商標)UV-3853);
4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンの混合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;
1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;
テトラキス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;
テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸,2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-4-イルトリデシルエステル;
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸,1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルトリデシルエステル;
ホルムアミド,N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)(UVINUL(商標)4050);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(プロピルオキシ)-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと、N-ブチル-1-プロピルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンと、ジ-n-ブチルアミンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(TINUVIN(商標)NOR HALS 371);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミン、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとのポリマー、3-ブロモ-1-プロペンと、ジ-n-ブチルアミンと、N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンとの反応生成物、酸化、水素化(TINUVIN(商標)XT 200);
TINUVIN(商標)XT-850/XT-855);又は
N1,N1’-1,2-エタンジイルビス(1,3-プロパンジアミン)、シクロヘキサンと過酸化N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン-2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの反応生成物(FLAMESTAB(商標)NOR 116)
のうちの少なくとも1つであってよい。
【0076】
全ての実施形態のいずれにおいても、ポリマー組成物は紫外線吸収剤(UVA)を更に含むことができる。UVAは、例えば、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン、又はベンゾオキサジノンのうちの少なくとも1つであってよい。任意の又は全ての実施形態において、UVAは2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンであってよい。2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンは、当該技術分野において周知である。それらは、例えば、米国特許第6,051,164号明細書及び同第6,843,939号明細書に開示されており、これらは参照により本明細書に援用される。
【0077】
任意の又は全ての実施形態において、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンは、式(I)に従う化合物であってよい:
【化19】
(式中、R
34及びR
35のそれぞれは、独立して、C
6~C
10アリール基、モノ-若しくはジ-C
1~C
12ヒドロカルビル置換アミノ、C
2~C
12アルカノイル、C
1~C
12アルキル、C
1~C
10アシル、又はC
1~C
10アルコキシルであり;
C
6~C
10アリール基は、1~3つの置換可能な位置において、OH、ハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12アルコキシ、C
1~12アルコキシエステル、C
2~12アルカノイル、又はフェニルのうちの少なくとも1つで任意選択的に置換されていてもよく、フェニルは、1~3つの置換可能な位置において、OH、ハロゲン、C
1~12アルキル、C
1~12アルコキシ、C
1~12アルコキシエステル、又はC
2~12アルカノイルのうちの少なくとも1つで任意選択的に置換されていてもよく;
各R
36は、独立して、OH、ハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルコキシエステル、C
2~C
12アルカノイル、フェニル又はC
1~C
12アシルである)。
【0078】
2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンは、例えば、4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン(CYASORB(商標)1164);4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)フェニル]-6-(4-クロロフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)フェニル]-6-(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-6-(4-ブロモフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-6-(4-クロロフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン;2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル]-s-トリアジン;2-フェニル-4-[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-アミルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-s-トリアジン;2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4(3-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-s-トリアジン;2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-n-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ジ-n-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-ノニルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-5-α-クミルフェニル]-s-トリアジン;メチレンビス{2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-s-トリアジン};5:4:1の比で3:5’、5:5’及び3:3’位において架橋されたメチレン架橋二量体の混合物;2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシカルボニルイソ-プロピリデンオキシ-フェニル)-s-トリアジン;2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-5-α-クミルフェニル)-s-トリアジン;2-(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,6-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-s-トリアジン;2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-フェニル]-s-トリアジン;4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンと4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンとの混合物(TINUVIN(商標)400);4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジン;4,6-ジフェニル-2-(4-ヘキシルオキシ-2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン(TINUVIN(商標)1577)のうちの少なくとも1つであってよい。
【0079】
任意の又は全ての実施形態において、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンは、
4,6-ジフェニル-2-(4-ヘキシルオキシ-2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン(TINUVIN(商標)1577)、
4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン(CYASORB(商標)1164)、
2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-6-(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンと4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンとの混合物(TINUVIN(商標)400)、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジン(TINUVIN(商標)405)、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジン、
2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)479)、
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン、
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)1600)、
2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン(TRIAZINE(商標)460)、
2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-フェニル]-s-トリアジン、又は
2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)477)
のうちの少なくとも1つであってよい。
【0080】
任意の又は全ての実施形態において、UVAは2-ヒドロキシベンゾフェノンであってよい。2-ヒドロキシベンゾフェノンは、当該技術分野において周知である。それらは、例えば、米国特許第2,976,259号明細書、同第3,049,443号明細書及び同第3,399,169号明細書に開示されており、それらは参照により本明細書に援用される。2-ヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(CYASORB(商標)UV-9)、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(CYASORB(商標)UV-24)、2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシベンゾフェノン(CYASORB(商標)UV-531)、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジ-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジエトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジブトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ-4’-エトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ-4’-プロポキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ-4’-ブトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-エトキシ-4’-プロポキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-エトキシ-4’-ブトキシベンゾフェノン、2,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,3’-ジヒドロキシ-4-メトキシ-4’-ブトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’,5’-トリメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’,6’-トリブトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ブトキシ-4’,5’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-2’,4’-ジブチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-プロポキシ-4’,6’-ジクロロベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-プロポキシ-4’,6’-ジブロモベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-プロポキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ブトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-エチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-プロピルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-ブチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-tert-ブチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-クロロベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-クロロベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-ブロモベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-3-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-2’-エチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’,5’-トリメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-エチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-プロピルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-ブチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’-ジエトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-プロポキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-ブトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-クロロベンゾフェノン、又は2-ヒドロキシ-4-エトキシ-4’-ブロモベンゾフェノンのうちの少なくとも1つであってよい。
【0081】
任意の又は全ての実施形態において、UVAは、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールであってよい。2-ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールは、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(TINUVIN(商標)P)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-メチル-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-シクロヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(CYASORB(商標)UV-5411)、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(CYASORB(商標)UV-2337)、2-(3’,5’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(TINUVIN(商標)900)、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール]、2-[3’-tert-ブチル-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300のエステル交換生成物(TINUVIN(商標)1130)、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(α,α-ジメチルベンジル)-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-2-(2-ヒドロキシ-3-α-クミル-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(TINUVIN(商標)326)、2-(3’-sec-ブチル-5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-ドデシル-5’-メチル-2’-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(5’-メチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、又は2-(5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールのうちの少なくとも1つであってよい。
【0082】
任意の又は全ての実施形態において、UVAはベンゾオキサジノンであり得る。ベンゾオキサジノンは、当該技術分野において周知である。それらは、例えば、米国特許第4,446,262号明細書及び同第6,774,232号明細書に開示されており、それらは参照により本明細書に援用される。ベンゾオキサジノンは、例えば、2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-ブチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-フェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-(1-若しくは2-ナフチル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-(4-ビフェニル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-ニトロフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-m-ニトロフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-ベンゾイルフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-メトキシフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-O-メトキシフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-シクロヘキシル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-(若しくはm-)フタルイミドフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、N-フェニル-4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)フタルイミド、N-ベンゾイル-4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)アニリン、N-ベンゾイル-N-メチル-4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)-アニリン、2-[p-(N-フェニルカルバモニル)フェニル]-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-[p-(N-フェニルN-メチルカルバモイル)フェニル]-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2,2’-ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-エチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-テトラメチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-ヘキサメチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-デカメチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)(CYASORB(商標)UV-3638)、2,2’-m-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(4,4’-ジフェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2,6-若しくは1,5-ナフタレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2-メチル-p-フェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2-ニトロ-p-フェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2-クロロ-p-フェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(1,4-シクロヘキシレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、N-p-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)フェニル、4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)フタルイミド、N-p-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ベンゾイル、4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)アニリン、1,3,5-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ベンゼン、1,3,5-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ナフタレン、又は2,4,6-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ナフタレンのうちの少なくとも1つであってよい。
【0083】
UV光の有害な影響に対する安定化のためには、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンとHALSを1:5~30:1、好ましくは3:1~20:1の重量比で組み合わせて使用することが有利な場合がある。2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、又はベンゾオキサジノンのうちの少なくとも1つと、HALSとの組み合わせも使用することができる。
【0084】
いずれか又は全ての実施形態において、光安定剤は、ヒンダードベンゾエート又はベンズアミドを含む。ヒンダードベンゾエート又はベンズアミドは、式(VI)に従う化合物であってよい:
【化20】
(式中、
R
21及びR
22のそれぞれは、独立して、C
1~C
12アルキルであり;
Tは、-O-又は-NR
24-であり、R
24は、H又はC
1~C
30ヒドロカルビルであり;
R
23は、H又はC
1~C
30ヒドロカルビルである)。
【0085】
全ての実施形態のいずれにおいても、ヒンダードベンゾエートは、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート(TINUVIN(商標)120)、ヘキサデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート(CYASORB(商標)UV-2908)、オクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、デシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ドデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、テトラデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ベヘニリル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、又はブチル3-[3-tert-ブチル-4-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイルオキシ)フェニル]プロピオネートのうちの少なくとも1つであってよい。UV光の有害な影響に対する安定化のためには、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンと、HALSと、ヒンダードベンゾエートとの組み合わせを使用することが有利な場合がある。
【0086】
任意の又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、ベンゾフラノン又はインドリノンを更に含むことができる。適切なベンゾフラノン及びインドリノンは、米国特許第4,325,863号明細書、同第4,338,244号明細書、同第5,175,312号明細書、同第5,216,052号明細書、同第5,252,643号明細書、同第5,369,159号明細書、同第5,488,117号明細書、同第5,356,966号明細書、同第5,367,008号明細書、同第5,428,162号明細書、同第5,428,177号明細書、及び同第5,516,920号明細書、独国特許出願公開第A-4316611号明細書、同第A-4316622号明細書、同第A-4316876号明細書、欧州特許出願公開第A-0589839号明細書及び同第A-0591102号明細書に開示されている。ベンゾフラノン又はインドリノンは、例えば、3-[4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン、3,3’-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、又は3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オンのうちの少なくとも1つであってよい。
【0087】
任意の又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、チオ相乗剤を更に含むことができる。チオ相乗剤は、3,3’-チオジプロピオン酸のエステル、3-アルキルチオプロピオン酸のエステル、チオエーテル、又は他の有機硫黄化合物であってよい。チオ相乗剤は、例えば、ジラウリル3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’-チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-(3-ドデシルチオプロピオネート)、テトラアルキルチオエチルチオジスクシネート、2,12-ジヒドロキシ-4,10-ジチア-7-オキサトリデカメチレンビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール、亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、又はジオクタデシルジスルフィドのうちの少なくとも1つであってよい。
【0088】
任意の又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、ニトロンを更に含むことができる。ニトロンは、N-ベンジル-α-フェニル-ニトロン、N-エチル-α-メチル-ニトロン、N-オクチル-α-ヘプチル-ニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシル-ニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシル-ニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシル-ニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシル-ニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシル-ニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシル-ニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシル-ニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシル-ニトロン、又はN,N-ジ(水素化タロウ)ヒドロキシルアミンから誘導されたニトロンのうちの少なくとも1つであってよい。
【0089】
任意の又は全ての実施形態において、ポリマー組成物は、併用添加剤を更に含むことができる。併用添加剤は、金属キレート剤、造核剤、充填剤、補強剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、発泡剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属酸化物、蛍光増白剤、染料、又は顔料のうちの少なくとも1つであってよい。
【0090】
金属キレート剤は、当該技術分野では「金属不活性化剤」とも呼ばれる。金属キレート剤は、例えば、N,N’-ジフェニルオキサミド、N-サリチラール-N’-サリチロイルヒドラジン、N,N’-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’-ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、又はN,N’-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドのうちの少なくとも1つであってよい。
【0091】
造核剤は、例えば、タルク、硫酸バリウム、硫化モリブデン(IV)、安息香酸ナトリウム、安息香酸リチウム、ノルボルナンジカルボン酸二ナトリウム塩、アルミニウムヒドロキシビス(4-tert-ブチルベンゾエート)、アルミニウムヒドロキシ2,2’-メチレンビス(4,6-tert-ブチルフェニル)]ホスフェート、ジ(4-tert-ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、2,2’-メチレンビス(4,6-tert-ブチルフェニル)リン酸ナトリウム(NMTBP)、ジベンジリデンソルビトール(DBS)、ビス(3,4ジメチルベンジリデン)ソルビトール(DMDBS)、又はビス(p-メチルベンジリデン)ソルビトール(MDBS)であってよい。
【0092】
「充填剤」及び「補強剤」という用語は、当該技術分野では互換的に使用される。充填剤は、例えば、天然炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム(PCC)、ドロマイト、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、セラミックビーズ、合成シリカ、天然シリカ、長石、霞石閃長岩、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カーボンブラック、木粉、タルク、マイカ、カオリン、グラファイト、ウォラストナイト、ウィスカー、チョップドガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、導電性充填剤、潤滑充填剤、又は天然若しくは合成の有機充填剤のうちの少なくとも1つであってよい。
【0093】
中空物品を製造するための回転成形法では、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)を使用することができる。
【0094】
回転成形法により、中空物品が製造される。上述した回転成形法のポリマー組成物中の有機ポリマー及びRMDAの全ての特徴は、中空物品のポリマー組成物中の有機ポリマー及びRMDAにも同様に当てはまる。
【0095】
中空物品を製造するための回転成形法の全ての実施形態のいずれにおいても、鋳型のピーク内部空気温度(PIAT)は70℃~400℃、好ましくは280℃~400℃、より好ましくは310℃~400℃であってよい。
【0096】
上述したように、回転成形で使用されるポリマー粒子で生じる主な物理的プロセスは3つ存在する:ポリマー粒子を溶融して連続相を形成することにより生じる焼結又は合体、気泡の除去によって生じるポリマー連続相の緻密化、及び冷却によって生じるポリマーの結晶化である。気泡の除去及びその結果生じるポリマー連続相の緻密化は、回転成形法の重要な部分であり、形成される部品の物理的特性に影響を与える。有利なことに、本RMDAを使用すると、気泡除去が促進されることにより、閉じ込められた気泡などの微細構造欠陥が低減される。したがって、全ての実施形態のいずれにおいても、目に見える気泡は、RMDAを含まない対照ポリマー組成物よりも短時間で中空物品から実質的に除去される。
【0097】
より短時間とは、RMDAを含まない対照ポリマー組成物の気泡除去時間と比較して、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも40%、又は少なくとも50%短いことであってよい。いずれか又は全ての実施形態において、より短い時間は、RMDAを含まない対照ポリマー組成物から気泡が実質的に除去される時間よりも、例えば5~50%、好ましくは10~40%短いことであってよい。対照ポリマー組成物は、RMDAが存在しないことを除いてポリマー組成物と同一である。例えば、対照ポリマー組成物は、ポリマー組成物と同じ有機ポリマー、同じ量のホスファイト又はホスホナイト、塩基性併用添加剤、及びヒンダードフェノールを有することができる。
【0098】
気泡除去時間は、中空物品の断面を光学顕微鏡で検査することによって評価することができる。断面に気泡が実質的にない場合に、気泡除去が完了したと判断される。「実質的に気泡がない」という語句は、本明細書に記載の光学顕微鏡で見たときに、中空物品の断面積の少なくとも95%が気泡がない状態になるまでの時間を意味する。気泡除去時間は、中空物品の密度をモニターすることによって測定することもできる。その際、気泡除去時間の短縮は、対照ポリマー組成物と比較して、目標密度までの時間の短縮、又は同じ時間間隔での密度の上昇によって示すことができる。
【0099】
気泡除去時間は、ステップ(b)でIATが上昇しているときに内部空気温度(IAT)に比例するため、本方法は、所定のIATにおける気泡含有量の低減又は密度の増加も提供することができる。IATは、本実施例1~7において時間と共に増加した(
図1A~7B)。
【0100】
上記事項を考慮して、中空物品を製造するための回転成形法においてポリマー組成物から気泡を除去する時間を短縮する方法は、a)鋳型に、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物を充填するステップ;b)オーブン内で鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに鋳型を回転させ、それによって組成物を溶融させて鋳型の壁に広げるステップであって、ステップ(b)における気泡除去のための時間が、RMDAを含まない対照ポリマー組成物での気泡除去のための時間と比較して短縮され、それによって回転成形法のサイクル時間が短縮されるステップを含む。回転成形法のサイクル時間は、中空物品の製造の開始から終了までの経過時間である。気泡除去の時間を短縮すると中空物品の製造時間も短縮されるため、気泡除去の時間を短縮する方法は、サイクル時間を短縮する方法でもある。
【0101】
気泡除去時間を短縮する方法は、処理ウィンドウを更に広げることができる。すなわち、この方法は、中空物品の最適な特性が得られるより広い時間及び温度範囲を提供することができる。最適な特性には、衝撃強さ及び色が含まれ得る。したがって、中空物品を製造するための回転成形法における処理ウィンドウを拡大する方法は、a)鋳型に、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物を充填するステップ;b)オーブン内で鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに鋳型を回転させ、それによって組成物を溶融させて鋳型の壁に広げるステップであって、RMDAを含まない対照ポリマー組成物と比較して処理ウィンドウが拡大されるステップを含む。対照ポリマー組成物は、RMDAが存在しないことを除いてポリマー組成物と同一である。例えば、対照ポリマー組成物は、ポリマー組成物と同じ量の同じホスファイト又はホスホナイト、塩基性併用添加剤、及びヒンダードフェノールを含むことができる。
【0102】
本明細書に記載のポリマー組成物は、キットの中に含めることができる。キットは、単一又は複数の成分を含むことができ、各成分は、有機ポリマー、RMDA、有機ホスファイト又はホスホナイト、本明細書に記載の他の添加剤及び併用添加剤、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。したがって、ポリマー組成物の1つ以上の成分は、第1の容器中にあることができ、ポリマー組成物の1つ以上の他の成分は、任意選択的に、第2の又はそれ以上の容器中にあることができる。容器は、一緒に包装することができ、キットは、任意選択的に更なる情報のためのウェブアドレス又はバーコードと共に、ラベル上の又はキットに含まれるインサート上の投与説明書又は混合説明書を含むことができる。ポリマー組成物の成分に加えて、キットは、溶媒などの成分を投与する又は混合するための追加の機能部分又は手段を含むことができる。
【0103】
中空物品を製造するための回転成形法は、a)鋳型に、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物を充填するステップ;b)オーブン内で鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに鋳型を回転させ、それによって組成物を溶融させて鋳型の壁に広げるステップ;c)鋳型を冷却するステップ;d)鋳型を開くステップ;及びe)中空物品を鋳型から取り出すステップを含む。目に見える気泡は、RMDAを含まない対照ポリマー組成物よりも短時間で中空物品から実質的に除去される。有機ポリマーは、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー若しくはターポリマー、ポリアミド、コポリアミド、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)若しくはポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、又はポリ(塩化ビニル)のうちの少なくとも1つを含む。ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.01~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%のRMDAを含む。RMDAは、式(I)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルコールであってよい:
R-(OCHR
1CH
2)
y-OH (I)
(式中、Rは、C
12~C
60ヒドロカルビルであり;R
1はH又はC
1~C
4アルキルであり;yは1~100の整数である)。RMDAは、例えば式(Ia)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族エーテルであってよい:
R-(OCH
2CH
2)
y-OH (Ia)
(式中、RはC
12~C
60ヒドロカルビルであり;yは2~60の整数である)。RMDAは、式(II)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族エステルであってもよい:
【化21】
(式中、R
6はC
11~C
59ヒドロカルビルであり;R’はH又はC
1~C
4アルキルであり;yは1~100の整数である)。例えば、RMDAは、式(IIa)に従う少なくとも1種のエトキシル化脂肪族エステルであってよい:
【化22】
(式中、R
7はC
11~C
29ヒドロカルビルであり;yは2~60の整数である)。RMDAは、式(III)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アミン:
R
4-NR
2R
3 (III)、又は
式(IV)に従うアルコキシル化脂肪族アミド:
【化23】
(式(III)のR
4は、C
8~C
60ヒドロカルビルであり、式(IV)のR
5は、C
7~C
59ヒドロカルビルであり、それぞれ任意選択的に1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよく;式(III)及び式(IV)のR
2及びR
3は、それぞれ独立して、H、C
1~C
30アルキル、又は-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;式(III)及び式(IV)のR
2又はR
3のうちの少なくとも1つは-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;R
1はH又メチルであり;各nは独立して1~100の整数である)であってもよい。ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%、より好ましくは0.01~1重量%の有機ホスファイト又はホスホナイトを更に含むことができる。ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%のヒンダードフェノールを更に含むこともできる。ポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、又はハイドロカルマイトのうちの少なくとも1つを0.01~1重量%更に含むことができる。ポリマー組成物は、少なくとも1種のトコフェロール、トコフェロールエステル、ヒドロキシルアミン、第三級アミンオキシド、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードベンゾエート、チオ相乗剤、ベンゾフラノン、インドリノン、ニトロン、又はニッケルフェノレートも、ポリマー組成物の重量を基準として0.01~25重量%、好ましくは0.01~10重量%、好ましくは0.02~5重量%、より好ましくは0.05~3重量%更に含むことができる。アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)は、中空物品を製造するための回転成形法で使用することができる。この方法により中空物品が製造される。
【0104】
本明細書に記載されるように、本開示は、少なくとも以下の実施形態を含む:
【0105】
実施形態1.中空物品を製造するための回転成形方法であって、a)鋳型に、i)有機ポリマーと、ii)アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)と、を含むポリマー組成物を充填するステップ;b)オーブン内で鋳型を加熱しながら少なくとも1つの軸の周りに鋳型を回転させ、それによって組成物を溶融させて鋳型の壁に広げるステップ;c)鋳型を冷却するステップ;d)鋳型を開くステップ;及びe)中空物品を鋳型から取り出すステップを含む方法。
【0106】
実施形態2.目に見える気泡が、RMDAを含まない対照ポリマー組成物よりも短い時間で中空物品から実質的に除去される、実施形態1に記載の方法。
【0107】
実施形態3.より短い時間が、RMDAを含まない対照から気泡が実質的に除去される時間よりも5~50%、好ましくは10~40%短い、実施形態2に記載の方法。
【0108】
実施形態4.鋳型のピーク内部空気温度(PIAT)が70℃~400℃である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
実施形態5.有機ポリマーが、不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂、コーティング組成物、放射線硬化性組成物、エポキシメラミン樹脂、有機染料、化粧品、セルロース系紙、写真用フィルム紙、繊維、ワックス、又はインクと組み合わされた、ポリオレフィン、熱可塑性オレフィン(TPO)、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアミド、天然及び合成ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート(ASA)、セルロースアセテートブチレート、セルロースポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アミノ樹脂架橋ポリアクリレート及びポリエステル、ポリイソシアネート架橋ポリエステル及びポリアクリレート、フェノール/ホルムアルデヒド、尿素/ホルムアルデヒド及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂若しくは尿素樹脂若しくはイソシアネート若しくはイソシアヌレート若しくはカルバメート若しくはエポキシ樹脂で架橋されたアクリレート樹脂、酸無水物又はアミンで架橋されている、脂肪族、脂環式、複素環式、及び芳香族のグリシジルエーテルに由来する架橋エポキシ樹脂、ポリシロキサン、マイケル付加ポリマー、アミン又はブロックドアミンと活性化不飽和及び活性化メチレン化合物との付加ポリマー、ケチミンと活性化不飽和及び活性化メチレン化合物との付加ポリマー、ポリケチミンのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
実施形態6.有機ポリマーが、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー若しくはターポリマー、ポリアミド、コポリアミド、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)若しくはポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、若しくはポリ(塩化ビニル)のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
実施形態7.有機ポリマーがポリアミド又はコポリアミドのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態8.有機ポリマーがポリオレフィンを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
実施形態9.ポリオレフィンが、ポリエチレン又はポリプロピレンのうちの少なくとも1つを含む、実施形態8に記載の方法。
【0114】
実施形態10.ポリオレフィンが、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)のうちの少なくとも1つを含む、実施形態8に記載の方法。
【0115】
実施形態11.ポリオレフィンが、メタロセン触媒を使用する触媒重合によって調製されたポリエチレンを含む、実施形態8に記載の方法。
【0116】
実施形態12.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.01~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%のRMDAを含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
実施形態13.RMDAが、式(I)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルコール:
R-(OCHR1CH2)y-OH (I)
(式中、Rは、C12~C60ヒドロカルビルであり;
R1はH又はC1~C4アルキルであり;
yは、1~100の整数である)
である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
実施形態14.RMDAが、式(Ia)に従う少なくとも1種のエトキシル化脂肪族エーテル:
R-(OCH2CH2)y-OH (Ia)
(式中、RはC12~C60ヒドロカルビルであり;
yは2~60の整数である)
である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
実施形態15.Rが、同じ数の炭素原子を有する脂肪アルコールから誘導される、実施形態13又は14に記載の方法。
【0120】
実施形態16.RMDAが、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ラウレルアルコール、C12~C13アルコール、C12~C14第二級アルコール、C12~C15オキソアルコール、トリデシルアルコール、セチルアルコール、C16/C18アルキルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ドコシルアルコール、又は飽和直鎖20~C50合成アルコールのうちの少なくとも1つである、実施形態13~15のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
実施形態17.RMDAが、式(II)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族エステル:
【化24】
によって表され、
(式中、R
6はC
11~C
59ヒドロカルビルであり、
R’はH又は(C
1~C
4)アルキルであり;
yは、1~100の整数である)
である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
実施形態18.RMDAが、式(IIa)に従う少なくとも1種のエトキシル化脂肪族エステル:
【化25】
(式中、R
7は、C
11~C
29ヒドロカルビルであり;
yは2~60の整数である)
である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
実施形態19.RMDAが、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ラウレート、C16~C18アルカノエート、ステアレート、オレエート、又はタロウエートのうちの少なくとも1種である、実施形態17又は18に記載の方法。
【0124】
実施形態20.RMDAが、式(III)に従う少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アミン:
R
4-NR
2R
3 (III)、又は
式(IV)に従うアルコキシル化脂肪族アミド:
【化26】
(式(III)のR
4は、C
8~C
60ヒドロカルビルであり、式(IV)のR
5は、C
7~C
59ヒドロカルビルであり、それぞれ任意選択的に1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよく;
式(III)及び式(IV)のR
2及びR
3は、それぞれ独立して、H、C
1~C
30アルキル、又は-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;
式(III)及び式(IV)のR
2又はR
3のうちの少なくとも1つは-(CH
2CHR
1O)
n-Hであり;
R
1はH又メチルであり;
各nは独立して1~100の整数である)
である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
実施形態21.式(III)のR4がC8~C36アルキルであり、式(IV)のR5がC7~C35アルキルであり、いずれも任意選択的には1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよい、実施形態20に記載の方法。
【0126】
実施形態22.式(III)のR4がC12~C30アルキルであり、式(IV)のR5がC11~C29アルキルであり、任意選択的には1つ以上のヘテロ原子が挟まれていてもよい、実施形態20に記載の方法。
【0127】
実施形態23.各nが独立して1~10の整数である、実施形態20~22のいずれか1つに記載の方法。
【0128】
実施形態24.式(III)のR4が同じ数の炭素原子を有する脂肪酸から誘導され、式(IV)のR5が1つ多い炭素原子を有する脂肪酸から誘導される、実施形態20~23のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
実施形態25.RMDAが、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ステアリルアミン、オレイルアミン、タロウアミン、水素化タロウアミン、セチルアミン、カプリルアミン、又はココアミンのうちの少なくとも1つである、実施形態20~24のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
実施形態26.RMDAが、ココアミドモノエタノールアミン、ココアミドジエタノールアミン、ココアミドエトキシレート、ラウラミドジエタノールアミン、オレアミドジエタノールアミン、又はオレイン酸モノエタノールアミドのうちの少なくとも1つである、実施形態20~24のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
実施形態27.ポリマー組成物が有機ホスファイト又はホスホナイトを更に含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
実施形態28.ホスファイト又はホスホナイトが以下のうちの少なくとも1つである、実施形態27に記載の方法:
i)式(1)~(7)のいずれかに従う化合物:
【化27】
【化28】
(式中、
添え字は整数であり、nは2、3、又は4であり;pは1又は2であり;qは2又は3であり;yは1、2、又は3であり;zは1~6であり;
A
1は、n又はqが2である場合、C
2~C
18アルキレン;酸素、硫黄、若しくは-NR
4-が挟まれたC
2~C
12アルキレン、式
【化29】
のラジカル、又はフェニレンであり;
A
1は、n又はqが3の場合、式-C
rH
2r-1-の二価のラジカルであり、rは4~12の整数であり;
A
1は、nが4である場合、
【化30】
であり、
Bは、直接結合、-CH
2-、-CHR
4-、-CR
1R
4-、硫黄、C
5~C
7シクロアルキリデン、又は3、4、及び/若しくは5位で1~4つのC
1~C
4アルキルラジカルで置換されているシクロヘキシリデンであり;
D
1は、pが1である場合、C
1~C
4アルキルであり、且つpが2である場合、-CH
2OCH
2-であり;
D
2は、C
1~C
4アルキルであり;
Eは、yが1である場合、C
1~C
18アルキル、-OR
1、又はハロゲンであり;
Eは、yが2である場合、-O-A
2-O-であり、A
2は、nが2である場合のA
1について定義されている通りであり;
Eは、yが3である場合、式R
4C(CH
2O-)
3又はN(CH
2CH
2O-)
3のラジカルであり;
Qは、少なくともz価のモノ又はポリアルコール又はフェノールのラジカルであり、このラジカルは、モノ又はポリアルコール又はフェノールのOH基の酸素原子を介してリン原子に結合しており;
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、無置換であるか又はハロゲン、-COOR
4、-CN、若しくは-CONR
4R
4で置換されているC
1~C
18アルキル;酸素、硫黄、若しくは-NR
4-が挟まれたC
2~C
18アルキル;C
7~C
9フェニルアルキル;C
5~C
12シクロアルキル、フェニル、若しくはナフチル;ハロゲン、合計1~18個の炭素原子を有する1~3つのアルキルラジカル若しくはアルコキシラジカルで又はC
7~C
9フェニルアルキルで置換されたナフチル若しくはフェニル;或いは式
【化31】
(式中、mは、範囲3~6からの整数である)であり;
R
4は、水素、C
1~C
8アルキル、C
5~C
12シクロアルキル又はC
7~C
9フェニルアルキルであり;
R
5及びR
6は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
8アルキル、又はC
5~C
6シクロアルキルであり、
R
7及びR
8は、qが2である場合、それぞれ独立して、C
1~C
4アルキルであるか、又は一緒になって2,3-デヒドロペンタメチレンラジカルであり;R
7及びR
8は、qが3の場合、それぞれメチルであり;
R
14の各例は、水素、C
1~C
9アルキル、又はシクロヘキシルから独立して選択され;
R
15の各例は、水素又はメチルから独立して選択され;
X及びYは、それぞれ、直接結合又は酸素であり;
Zは、直接結合、メチレン、-C(R
16)
2-、又は硫黄であり、
R
16は、C
1~C
8アルキルである);又は
ii)式8に従うトリスアリールホスファイト:
【化32】
(式中、
R
17は、式8の芳香環の0~5個の位置に存在する置換基であり、独立して、C
1~C
20アルキル、C
3~C
20シクロアルキル、C
4~C
20アルキルシクロアルキル、C
6~C
10アリール、又はC
7~C
20アルキルアリールである)。
【0133】
実施形態29.ホスファイト又はホスホナイトが以下のうちの少なくとも1つである、実施形態27に記載の方法:
トリフェニルホスファイト、
ジフェニルアルキルホスファイト、
フェニルジアルキルホスファイト、
トリラウリルホスファイト、
トリオクタデシルホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールホスファイト、
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS(商標)168)、
トリス(4-ノニルフェニル)ホスファイト、
式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(J)、(K)、又は(L)の化合物:
【化33】
【化34】
【化35】
;
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノールホスファイト、
ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール2,4-ジ-クミルフェノールホスファイト、
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノールホスファイト、又は
ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチル-フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト。
【0134】
実施形態30.有機ホスファイト又はホスホナイトが、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS(商標)168)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(DOVERPHOS(商標)S9228)、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスファイト(IRGAFOS(商標)P-EPQ)、トリス(4-ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、又はジステアリルペンタエリスリトールホスファイトのうちの少なくとも1つである、請求項27に記載の方法。
【0135】
実施形態31.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%、より好ましくは0.01~1重量%の有機ホスファイト又はホスホナイトを含む、実施形態27~30のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
実施形態32.ポリマー組成物がヒンダードフェノールを更に含む、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態33.ヒンダードフェノールが、式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)に従う少なくとも1つの基を有する、実施形態32に記載の方法:
【化36】
(式中、
【化37】
は、(炭素-炭素単結合を介した)親化合物への分子断片の結合点を示し;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)のR
18は、独立して水素又はC
1~4ヒドロカルビルであり;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)の各R
19及びR
20は、独立して、水素又はC
1~C
20ヒドロカルビルであり;
式(IVa)、(IVb)、及び(IVc)のR
37は、C
1~C
12ヒドロカルビルである)。
【0138】
実施形態34.R18及びR37がそれぞれ独立してメチル又はtert-ブチルである、実施形態33に記載の方法。
【0139】
実施形態35.ヒンダードフェノールが、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン(ETHANOX(商標)330)、ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(ETHANOX(商標)314)、1,3,5-トリス-(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート(CYANOX(商標)1790)、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール(IRGANOX(商標)1076)、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール(IRGANOX(商標)1010)、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミドとのエステル、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価のアルコール、例えばメタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びN,N’-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミドとのエステル、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサメチレンジアミン、又はN,N’-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-トリメチレンジアミンのうちの1つである、実施形態32に記載の方法。
【0140】
実施形態36.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量を基準として0.001~5重量%、好ましくは0.005~2重量%、より好ましくは0.01~1重量%のヒンダードフェノールを含む、実施形態32~35のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
実施形態37.ポリマー組成物が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、又はハイドロカルマイトのうちの少なくとも1つを0.01~1重量%更に含む、実施形態1~36のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
実施形態38.ポリマー組成物が、少なくとも1種のトコフェロール、トコフェロールエステル、ヒドロキシルアミン、第三級アミンオキシド、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードベンゾエート、チオ相乗剤、ベンゾフラノン、インドリノン、ニトロン、又はニッケルフェノレートを、ポリマー組成物の重量を基準として0.01~25重量%、好ましくは0.01~10重量%、好ましくは0.02~5重量%、より好ましくは0.05~3重量%更に含む、実施形態1~37のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
実施形態39.ポリマー組成物が、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、又はそれらのエステルのうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
実施形態40.ポリマー組成物がα-トコフェロール(ビタミンE)を更に含む、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
実施形態41.トコフェロールがα-トコフェロールアセテート(ビタミンEアセテート)を含む、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態42.ポリマー組成物が少なくとも1種のヒドロキシルアミン又は第三級アミンオキシドを更に含む、実施形態1~41のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
実施形態43.ポリマー組成物が、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジドデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-テトラデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-ヘプタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、又はN,N-ジ(水素化タロウ)ヒドロキシルアミン(IRGASTAB(商標)FS-042)のうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1~42のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
実施形態44.ポリマー組成物が、N,N-ジ(水素化タロウ)ヒドロキシルアミン(IRGASTAB(商標)FS-042)を更に含む、実施形態1~42のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
実施形態45.ポリマー組成物がヒンダードアミン光安定剤(HALS)を更に含む、実施形態1~44のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
実施形態46.ヒンダードアミン光安定剤(HALS)が、
ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)770);
ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート;
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート;
ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート;
ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(TINUVIN(商標)123);
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)n-ブチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート;
1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物(TINUVIN(商標)622);
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルステアレート;
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルドデカネート;
1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルステアレート;
1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルドデカネート;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)944);
トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート;
4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CYASORB(商標)UV-3346);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンのメチル化縮合物(CYASORB(商標)UV-3529);
2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)119);
2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノエタン)との縮合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと、N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンと、ジ-n-ブチルアミンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(CHIMASSORB(商標)2020);
4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物(CYASORB(商標)UV-3853);
4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンの混合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;
1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物;
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物;
テトラキス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;
テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート;
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸,2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-4-イルトリデシルエステル;
1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸,1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルトリデシルエステル;
ホルムアミド,N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)(UVINUL(商標)4050);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(プロピルオキシ)-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと、N-ブチル-1-プロピルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンと、ジ-n-ブチルアミンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物(TINUVIN(商標)NOR HALS 371);
N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミン、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとのポリマー、3-ブロモ-1-プロペンと、ジ-n-ブチルアミンと、N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンとの反応生成物、酸化、水素化(TINUVIN(商標)XT 200);
TINUVIN(商標)XT-850/XT-855);又は
N1,N1’-1,2-エタンジイルビス(1,3-プロパンジアミン)、シクロヘキサンと過酸化N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン-2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの反応生成物(FLAMESTAB(商標)NOR 116)
のうちの少なくとも1つである、実施形態45に記載のポリマー組成物。
【0151】
実施形態47.ポリマー組成物が紫外線吸収剤(UVA)を更に含む、実施形態1~46のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
実施形態48.紫外線吸収剤が、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン、又はベンゾオキサジノンのうちの少なくとも1つである、実施形態47に記載の方法。
【0153】
実施形態49.紫外線吸収剤が、2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンである、実施形態47に記載の方法。
【0154】
実施形態50.2-(2’-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンが、
4,6-ジフェニル-2-(4-ヘキシルオキシ-2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン(TINUVIN(商標)1577)、
4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン(CYASORB(商標)1164)、
2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-6-(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンと4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-s-トリアジンとの混合物(TINUVIN(商標)400)、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジン(TINUVIN(商標)405)、
4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジン、
2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)479)、
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン、
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)1600)、
2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン(TRIAZINE(商標)460)、
2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-フェニル]-s-トリアジン、又は
2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]-s-トリアジン(TINUVIN(商標)477)
のうちの少なくとも1つである、実施形態49に記載の方法。
【0155】
実施形態51.ポリマー組成物が、金属キレート剤、造核剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、発泡剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、補強剤、金属酸化物、蛍光増白剤、染料、又は顔料のうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1~50のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
実施形態52.実施形態1~51のいずれか1つに記載の方法によって製造された中空物品。
【0157】
実施形態53.アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族エステル、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化脂肪族アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される回転成形緻密化促進剤(RMDA)の、中空物品を製造するための回転成形法における使用。
【実施例】
【0158】
以下の実施例は、当業者が本発明のある種の実施形態を更に理解するのを支援するために提供される。これらの実施例は、例示目的を意図し、本発明の様々な実施形態の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0159】
UV-Cにより生じる変色及び光劣化からポリマーを保護することに関し、様々な個々の添加剤材料及びそれらの特定の組み合わせの性能が評価される。LyondellBasellのポリプロピレンホモポリマー(Pro-fax(商標)6301 NT)が、実施例における耐候性調査のためのポリマーマトリックスとして選択される。実施例の処方における様々な添加剤材料の供給業者、商品名、及び化学名に関する情報を表1に示す。場合によっては、これらの同じ化学物質が別の商品名で他の供給業者から入手可能なこともある。全ての添加剤材料は受け取ったままの状態で使用される。
【0160】
【0161】
実施例1~7-基本手順
4KgのLLDPEバッチを、0.05重量パーセント(重量%)のステアリン酸亜鉛(ZnSt)、0.10重量%のIRGAFOS(商標)168(図のAO)、及び以下に示すその他の添加剤とドライブレンドし、Werner&Pfleiderer Coperion二軸押出機、ZSK-30型を用いて190℃で混錬した。押出機は、直径30mmの同方向回転スクリュー、電気ヒーター、水冷バレル、30:1のl/d、合計(9)のバレルセグメント((1)フィード、(3)ベント、(1)サイドフィーダ、(4)非ベント、(1)スペーサー)、10.4:1のギアボックス比、15hp駆動、vfdコントローラー付きACモーター、Eurothermコントローラー付きコントロールパネルを有していた。得られたペレットを、回転成形法を行う前に、Powder King PKA-18Table Top Lab Mill Pulverizerで均一な粒子サイズ(150~500μm)に粉砕した。1/8インチから1/4インチの厚肉部品を製造するために十分な粉末を使用し、ラボスケールの装置(例えばFerry E-40シャトル回転成形機)を使用して配合物を回転成形した。粉砕した樹脂を鋳造アルミニウム鋳型に入れ、288℃の温度に加熱したガス燃焼オーブン内で二軸回転させた。鋳造アルミニウム鋳型のアーム比は8:2であった。オーブン内で一定の時間間隔で回転させた後、鋳型をオーブンから取り出し、回転させたまま19分間空冷し、続いて2分間水を噴霧し、その後2分間循環空気の中においた。冷却サイクルの後、鋳型を開いて中空部分を取り出し、その後密度を測定すること及び部品の気泡を可視化することによって試験した。密度は、Micromeritics AccuPycII 1340ピクノメーターを使用して測定した。中空部品のサンプルは、10mLのサンプルセルに収まるように空気圧プレスを使用して切断し、サンプルの分析前に予め重量を測定した。各サンプルは0.03%の精度公差で測定した。部品の気泡は、部品を切り開き、Stanley Block Planeを使用して部品壁の均一な部分をスライスし、その後、これをLeica S9i顕微鏡で画像化することによって可視化した。最も短い回転成形時間間隔で、最も高い密度(0.930g/mL超)と最も少ない目に見える気泡を実現する配合が望ましい(サイクル時間の短縮)。成形された部品の色(又は黄色度)も試験した。サンプルは、GretagMacbeth Color i7分光光度計を使用して読み取った。回転成形された部品の鋳型面について、ASTM D1925に準拠した黄色度を報告した。正の黄色度値は、黄色味の存在と大きさ(一般的に好ましくない)を示す一方で、負の黄色度値は、材料が青っぽく見える(一般的に好ましい)ことを示す。
【0162】
実施例1
対照には0.05重量%のZnStと0.10重量%のIRGAFOS(商標)168が含まれ、実施例には0.05重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55又は0.05重量%のPEGOSPERSE(商標)100-Sも含まれていた。結果は、
図1A(密度)及び
図1B(気泡を示す回転成形部品の断面)にまとめられている。
【0163】
実施例2
対照には0.05重量%のZnStと0.10重量%のIRGAFOS(商標)168が含まれ、実施例には0.05、0.10、又は0.50重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55も含まれていた。結果は、
図2A(密度)及び
図2B(気泡を示す回転成形部品の断面)にまとめられている。
【0164】
実施例3
対照には0.05重量%のZnStと0.10重量%のIRGAFOS(商標)168が含まれ、実施例には0.05重量%のヒドロキシルアミン、0.05重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55、又は0.05重量%のPEGOSPERSE(商標)100-Sも含まれていた。結果は、
図3A(密度)と
図3B(気泡を示す回転成形部品の断面)にまとめられている。
【0165】
実施例4
対照には0.05重量%のZnStと0.10重量%のIRGAFOS(商標)168が含まれ、実施例には0.05重量%のビタミンEアセテート、0.05重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55、又は0.05重量%のPEGOSPERSE(商標)100-Sも含まれていた。結果は、
図4A(密度)と
図4B(気泡が見える回転成形部品の断面)にまとめられている。
【0166】
実施例5
対照には、0.05重量%のZnStと0.10重量%のIRGAFOS(商標)168が含まれ、実施例には、0.05又は0.10重量%のビタミンEアセテート、又は0.05又は0.10重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55も含まれていた。結果は、
図5A(密度)と
図5B(気泡が見える回転成形部品の断面)にまとめられている。
【0167】
実施例6
対照には0.05重量%のZnSt、0.10重量%のIRGAFOS(商標)168、及び0.025重量%のCYANOX(商標)1790が含まれ、実施例には0.05、0.10、又は0.50重量%のLEUNAPON(商標)F1618-55も含まれていた。結果は、
図6A(密度)及び
図6B(気泡が見られる回転成形部品の断面)にまとめられている。
【0168】
実施例7
対照には0.05重量%のZnSt及び0.10pphのIRGAFOS(商標)168が含まれ、実施例には0.05重量%のFENTACARE(商標)1812も含まれていた。結果は、
図7A(密度)及び
図7B(気泡が見られる回転成形部品の断面)にまとめられている。
【0169】
実施例8~9-基本手順
添加剤を粉末LLDPEに添加した。ドライブレンドし、その後融点190℃、スクリュー速度65rpmに設定されたDavis Standard XL-125単軸押出機で混錬した。その後、ペレットを回収し、粉砕して微粉末にした。
【0170】
その後、粉末をアルミニウム鋳型の中に秤量し、475°F(246℃)に設定したPHI加熱プレスに入れた。プレスプレートの上側と下側は、上側プレートが鋳型に接触しないようにできるだけ離した。樹脂は、指定時間硬化させてから取り出す。冷却中に、オペレータが気泡の数を目視で観察する。冷却後、プラークの黄色度をGretag Macbeth Color I7分光光度計で読み取る。その後、プラークの一部を切り取り、密度について試験する。
【0171】
本発明の添加剤を使用して異なる濃度のサンプルを作製し、市販の添加剤と比較した。その後、サンプルを、気泡(目視観察)、色/黄色度指数(Gretag Macbeth Color I7分光光度計)、及び密度について、シミュレーション技術を使用して試験した。
【0172】
実施例8
この実施例は、1/4インチのPEプラークに1重量%及び2重量%添加されたα-トコフェロールアセテート及びIRGASTAB(商標)FS-042と比較した場合の、BRIJ(商標)S2(DEGモノステアレート)のサイクル時間への影響を示す。気泡は12、14、16、18、及び20分間隔で目視で観察し、カウントした気泡の数に基づいて2.5、5、7.5、又は10の評価を割り当てた。10は気泡が多いこと、7.5は気泡が少ないこと、5は気泡がほとんどないこと、2.5は気泡がないことを意味する。結果は下の表2にまとめられており、また
図8Aの棒グラフに示されている。
【0173】
【0174】
ポリプロピレンプラークの黄色度指数と密度もそれぞれの間隔で測定した。結果は表3及び4並びに
図8B及び8Cにまとめられている。BRIJ(商標)S2は、20分の時点で気泡密度が最も低く(表3及び
図8A)、黄色度指数が最も低く(表4及び
図8B)、プラーク密度は1重量%と2重量%の両方の添加レベルで同等又はそれ以上(表4及び
図8C)であった。
【0175】
【0176】
【0177】
実施例9
この実施例は、1/2インチのLLDPEプラークに1重量%及び2重量%添加されたα-トコフェロールアセテート及びIRGASTAB(商標)FS-042と比較した場合の、BRIJ(商標)S2(ジエチレングリコールのステアリルモノエーテル)のサイクル時間短縮の効果を示す。気泡は、18、24、30、及び34分間隔で目視で観察及びカウントし、各間隔でカウントした気泡の数に基づいて2.5、5、7.5、又は10の評価を割り当てた。プラークの黄色度指数及び密度も各間隔で測定した。以下のデータからわかるように、BRIJ(商標)S2及びBRIJ(商標)S2は、α-トコフェロールアセテート及びIRGASTAB(商標)FS-042と比較して、同等又はそれ以下の気泡(
図9A)、同等又はそれ以下の黄色度指数、及びより高い密度(気泡なし)を有する。
【0178】
【0179】
これらの結果は、標準的な回転成形法を使用してポリオレフィン物品の最適な硬化を実現するために必要な加熱時間を、本明細書で詳細に説明したポリマー組成物を使用することによって短縮できることを示している。気泡を除去するための加熱時間の短縮により、回転成形された物品の物理的特性及び/又は機械的特性を損なうことなしに、エネルギーコストの削減と生産効率の向上という直接的な利点が得られる。また、本明細書で説明した新規な回転成形法のためのポリマー組成物は、広い処理ウィンドウを提供することも示され、それにより、従来の処理システムと比較してより広い範囲のピーク内部空気温度又は加熱時間にわたって高い衝撃強さを持つ部品の製造が可能になる。したがって、これらの新規な加工用ポリマー組成物は、回転成形法の際にポリマー樹脂の焼結/緻密化を促進するための他のアプローチ及び/又はシステムに代わる優れた代替手段を提供する。
【0180】
様々な特許及び/又は科学参考文献が、この出願の全体にわたって言及されている。それらの全部におけるこれらの刊行物の開示は、まるで本明細書に記載されているかのように参照により本明細書によって援用される。上の説明及び実施例を考慮して、当業者は、必要以上の実験なしに特許請求されるように開示を実行することができるだろう。
【0181】
前述の説明は、本教示の基本的な新規な特徴を示し、記載し、指摘しているが、例示されるような装置、並びにそれらの使用の詳細の形態の様々な省略、置換、及び変更が、本教示の範囲から逸脱することなく、当業者によって行われる得ることは理解されるであろう。その結果として、本教示の範囲は、前述の考察に限定されるべきではなく、添付のクレームによって規定されるべきである。
【国際調査報告】