(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】潤滑監視システム
(51)【国際特許分類】
B23D 59/04 20060101AFI20241219BHJP
F16N 7/38 20060101ALI20241219BHJP
B23D 57/02 20060101ALI20241219BHJP
B27B 17/12 20060101ALI20241219BHJP
B27B 17/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B23D59/04 Z
F16N7/38 F
F16N7/38 E
B23D57/02
B27B17/12
B27B17/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539687
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 SE2022051169
(87)【国際公開番号】W WO2023140759
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268591
【氏名又は名称】ハスクバーナ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クランツ、ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】セイムフォース、ヨアキム
【テーマコード(参考)】
3C040
【Fターム(参考)】
3C040AA10
3C040EE00
3C040FF00
3C040GG07
(57)【要約】
本開示は、切断ユニット(3,5)を有する手持ち式切断工具(1)における潤滑剤の供給を監視するように構成されている潤滑監視システム(15)に関する。潤滑剤タンク(41)及び導管(45)が、前記タンク(41)から前記切断ユニット(3,5)まで潤滑剤の流れを送るように構成されている。前記潤滑監視システム(15)は、加熱要素(29)とセンサ構成(31,33)とを備え、前記加熱要素(29)は、前記潤滑剤の流れを加熱するように構成されている。前記センサ構成は、前記流れにおいて、前記加熱要素(29)の上流に配置されている第1のセンサ(31)と、前記流れにおいて、前記加熱要素の下流に配置されている第2のセンサ(33)とを備える。前記潤滑監視システムは、検知される前記第1のセンサ(31)と前記第2のセンサ(33)との間における温度差に基づいて監視信号を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ユニット(3,5)を有する手持ち式切断工具(1)における潤滑剤の供給を監視するように構成されている潤滑監視構成(15)であって、
潤滑剤タンク(41)及び導管(45)が、前記タンク(41)から前記切断ユニット(3,5)まで潤滑剤の流れを送るように構成されており、
前記潤滑監視構成(15)は、加熱要素(29)とセンサ構成(31,33)とを備え、前記加熱要素(29)は、前記流れを加熱するように構成されており、
前記センサ構成は、前記流れにおいて、前記加熱要素(29)の上流に配置されている第1のセンサ(31)と、前記流れにおいて、前記加熱要素(29)の下流に配置されている第2のセンサ(33)とを備え、前記潤滑監視構成(15)は、検知される前記第1のセンサ(31)と前記第2のセンサ(33)との間における温度差に基づいて監視信号を出力する、潤滑監視構成。
【請求項2】
入力部(17)から出力部(19)までの潤滑剤流路(25)を形成するセンサ容器(21)と、前記センサ容器(21)内部に嵌合されており、前記流路(25)の中に達するように前記加熱要素(29)ならびに前記第1のセンサ及び前記第2のセンサ(31,33)を保持する回路基板(23)とを備える、請求項1に記載の潤滑監視構成。
【請求項3】
前記センサ容器(21)は、前記流路(25)とは別個に、前記回路基板に接続するケーブルが通るコネクタチャンネル(27)をさらに備える、請求項2に記載の潤滑監視構成。
【請求項4】
前記センサ容器(21)は、前記回路基板(23)の上部において、成形された樹脂によって封止される、請求項2又は3に記載の潤滑監視構成。
【請求項5】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサ(31,33)は、NTC抵抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の潤滑監視構成。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の潤滑監視構成を備えるバッテリー動作式チェーンソー。
【請求項7】
切断ユニット(3,5)を有する手持ち式切断工具(1)における潤滑剤の供給を監視するように構成されている潤滑監視システム(15,49)であって、
潤滑剤タンク(41)及び導管(45)が、前記タンク(45)から前記切断ユニット(3,5)まで潤滑剤の流れを送るように構成されており、
前記潤滑監視システム(15)は、センサ構成(31,44)を備え、前記潤滑剤の流れに応じて制御ユニット(49)に潤滑監視信号を出力し、
前記監視システムは、所定の閾値を超える潤滑剤の流れを検出すると、電圧が周期的に変化する形態により潤滑監視信号を出力するように構成されている、潤滑監視システム。
【請求項8】
前記制御ユニット(49)は、前記潤滑剤の流れが不十分である場合には一定の低電圧を検出し、前記センサ構成が切断された場合には一定の高電圧を検出するように構成されている、請求項7に記載の潤滑監視システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の潤滑監視システムを備えるバッテリー動作式チェーンソー。
【請求項10】
切断ユニット(3,5)を有する手持ち式切断工具(1)であって、
潤滑剤タンク(41)及び導管(45)が、前記潤滑剤タンク(41)から前記切断ユニット(3,5)まで潤滑剤の流れを送るように構成されており、
前記手持ち式切断工具は、前記潤滑剤の流れを監視するように構成されている潤滑監視ユニットをさらに備え、
前記潤滑剤タンク(41)は、外側の凹部(51)を備え、前記潤滑監視ユニット(15)は、前記凹部に配置されている、手持ち式切断工具。
【請求項11】
潤滑監視ユニット(15)は、スナップ嵌合を用いて前記凹部(51)に嵌合されている、請求項10に記載の手持ち式切断工具。
【請求項12】
バッテリー動作式チェーンソーである、請求項10又は11に記載の手持ち式切断工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切断ユニットを有する手持ち式切断工具における潤滑剤の供給を監視するように構成されている、潤滑監視システムに関する。前記潤滑監視システムは、潤滑剤タンク及び導管が、前記タンクから前記切断ユニットまで潤滑剤の流れを送るように構成されている。前記潤滑監視システムは、加熱要素とセンサ構成とを備え、前記加熱要素は、前記流れを加熱するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
そうした監視システムの一例は、特許文献1に開示されている。潤滑システムは、タンクと、タンクから切断工具の切断ユニットまで潤滑剤を送る導管とを備える。加熱要素及び制御ユニットが提供されており、加熱要素は潤滑システムの一部分を加熱し、制御ユニットは潤滑システムの一部分の温度の変化によって検出する潤滑剤の供給を監視する。
【0003】
この種類のシステムに関する1つの一般的な問題は、潤滑剤の供給の監視の信頼性を向上させることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本開示の1つの目的は、潤滑剤の供給の監視に関して改善された信頼性を有する潤滑監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の潤滑監視システムによって達成される。より具体的には、最初に述べた種類の潤滑監視システムでは、センサ構成は、流れにおいて、加熱要素の上流に配置されている第1のセンサと、加熱要素の下流に配置されている第2のセンサとを備える。潤滑監視システムは、検知される第1のセンサと第2のセンサとの間における温度差に基づいて監視信号を出力する。これは、周囲温度の変化の影響を、例えば、わずかにしか受けずに、潤滑剤の流れが確実に監視される。
【0007】
該構成は、入力部から出力部までの潤滑剤流路を形成するセンサ容器と、センサ容器内部に嵌合されており、前記流路の中に達するように前記加熱要素ならびに前記第1のセンサ及び前記第2のセンサを保持する回路基板とを備えてもよい。これによって、加熱要素及びセンサが潤滑剤の流れに効率的に接続される。センサ容器は、流路とは別個に、回路基板に接続するケーブルが延びるコネクタチャネルをさらに備えてもよい。
【0008】
典型的には、センサ容器は、回路基板の上部において、成形された樹脂によって封止されてもよい。
第1及び第2のセンサは、NTC抵抗体であってもよい。
【0009】
本開示は、切断ユニットを有する手持ち式切断工具における潤滑剤の供給を監視するように構成されている、潤滑監視システムであって、潤滑剤タンク及び導管が、前記タンクから前記切断ユニットまで潤滑剤の流れを送るように構成されており、前記潤滑監視システムは、センサ構成を備え、前記潤滑剤の流れに応じて制御ユニットに潤滑監視信号を出力する、潤滑監視システムをさらに考慮する。前記監視システムは、所定の閾値を超える潤滑剤の流れを検出すると、電圧が周期的に変化する形態により潤滑監視信号を出力するように構成されている。これにより、周期的に変化する電圧が存在しないことが制御ユニットにおいて容易に検出可能であるので、潤滑剤の流れの情報が確実に伝達される。
【0010】
前記制御ユニットは、前記潤滑剤の流れが不十分である場合には一定の低電圧を検出し、前記監視システムが切断された場合には一定の高電圧を検出するように構成されていてもよい。これにより、前記制御ユニットがこれらの2つの故障状態を区別することが可能になる。
【0011】
本開示は、切断ユニットを有する手持ち式切断工具であって、潤滑剤タンク及び導管が、前記潤滑剤タンクから前記切断ユニットまで潤滑剤の流れを送るように構成されており、前記手持ち式切断工具は、前記潤滑剤の流れを監視するように構成されている潤滑監視デバイスをさらに備える、手持ち式切断工具をさらに考慮する。前記潤滑剤タンクは、外側の凹部を備え、前記潤滑監視ユニットは、前記凹部に配置されている。これは、組立ラインに効率的に組み込むことができる完全な潤滑ユニットを製造する可能性を提供する。
【0012】
典型的には、潤滑監視ユニットは、組立を容易にするためにスナップ嵌合を用いて前記凹部に嵌合されてもよい。
上記に概説したシナリオのいずれにおいても、工具は、典型的には、バッテリー動作式チェーンソーであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2C】オイルセンサの構造及びソーチェーンへのオイルの供給を概略的に示す図。
【
図3】オイルタンクに取り付けられたオイルセンサを示す図。
【
図4A】チェーンソーの制御ユニットと通信するオイルセンサを示す図。
【
図4B】チェーンソーの制御ユニットと通信するオイルセンサを示す図。
【
図4C】チェーンソーの制御ユニットと通信するオイルセンサを示す図。
【
図4D】チェーンソーの制御ユニットと通信するオイルセンサを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、チェーンソー用の潤滑監視システム、及びそうしたシステムを備えるチェーンソーに関する。チェーンソー1の一例が
図1に示されている。チェーンソーは、チェーンソーハウジング6内部のモータによって駆動されるソーチェーン5が進むガイドバー3を備える。チェーンソーは、ユーザがそのハンドル7を保持することによって動作される。図示の場合、チェーンソーは、バッテリーコンパートメント10に固定された交換可能なバッテリー8によって給電される。
【0015】
動作中、ソーチェーン5は、潤滑剤(鉱油又は植物油など)の定常的であるが少しの流れによって潤滑され、ソーチェーン5がガイドバー3上を滑らかに進むことと、個々のソーチェーンリンクが有意な摩擦なしに互いに対して枢動可能であることとを確実にする。オイル(油)が潤滑油タンクから供給され、そのタンクのキャップ13が
図1に示されている。潤滑剤の流れは、流れを提供するチェーンソーモータ速度に基づいて動作するポンプによって達成されてもよく、流れは速度に基づいてわずかに変化する。
【0016】
本開示は、原則として、電気チェーンソーと、内燃機関(ICE)によって駆動されるチェーンソーとの両方に適用可能である一方、電気チェーンソー(バッテリー動作式であるか、ケーブルの電源コンセント手段に接続されているかに関わらず)に関して特に有利である。ICE駆動チェーンソーでは、オイルタンクは、ガソリンタンクが空になるのと同時に潤滑剤タンクがほぼ空になるように寸法決定されてもよく、これは、熟練のユーザが両方の流体の供給を同時に補充可能になることができることを意味する。他方で、バッテリー動作式ソーでは、バッテリー8は、通常、より早く、場合によってはバッテリーが古くなるにつれてより早く交換及び/又は再充電される必要がある。電源コンセントから給電されるソーでは、ソーは原則として無制限に動作可能である。したがって、電気ソーでは、潤滑剤供給を補充するきっかけがなく、したがって、潤滑剤の流れを監視し、ソーチェーン5が乾燥する前にユーザに警告することが有用であり得る。しかしながら、ICE動作式チェーンソーにおいても、潤滑剤の流れが、例えば、汚染によって遮断される場合があるので、潤滑剤の流れを監視することが有用であり得る。
【0017】
したがって、本開示は、この状況で使用可能である改善された潤滑監視システムを説明する。
図2Aは、潤滑監視センサユニット15の第1の分解図を示す。センサユニット15は、センサ容器21への入口17及びセンサ容器21からの出口19を備える。センサ容器21には、電気システムを備えている回路基板23が嵌合される。センサ容器21は、潤滑剤流路25を備える。回路基板23が容器21に嵌合されると、容器入口17から出口19までの潤滑剤流路25によって閉じた通路が形成される。
【0018】
センサ容器21は、流路25とは別個に、回路基板23に接続するケーブルが通ることが可能なコネクタチャネル27をさらに備える。センサ容器21は、典型的には、プラスチック材料を射出成形することによって製造可能である。センサ容器21は、
図2Aに示されていない蓋によってさらに閉じられることが可能であってよく、回路基板23の上部の残りの空間は、容器21の内部を封止するために、成形された樹脂で充填されてもよい。
【0019】
図2Bは、潤滑監視センサユニット15の第2の分解図を示しており、回路基板23の底が露出されている。回路基板23は、
図2Bの拡大部分に最もよく見られるように、潤滑剤流路25中の潤滑剤を加熱するために潤滑剤流路25の中に達する加熱要素29を底側に備える。係る加熱要素29は、それ自体、例えば非常に寒い気候において有用であり得る。非常に寒い気候では、さもなければ、潤滑剤の粘度が高くなりすぎて、ソーチェーンに適切に供給されなくなり得る。典型的には、加熱要素29は、約9Vの直流電流によって給電されるときに約0.5Wを生成可能な電力抵抗器である。
【0020】
底側は、第1の温度センサ31と、第2の温度センサ33とをさらに備え、これらの温度センサも潤滑剤流路25の中に達する。潤滑流において、第1のセンサ31は加熱要素29の上流に配置され、第2のセンサ33は加熱要素29の下流に配置される。典型的には、温度センサ31,33は、NTC抵抗体を備えてもよく、それらNTC抵抗体は同一であってもよい。しかしながら、当業者には、PTC抵抗体、RTD抵抗体、熱電対など、この文脈において考えられるいくつかの他のタイプの温度センサを認識される。
【0021】
図2Cは、潤滑監視検知構成の構造と、ガイドバー3上のソーチェーン5への潤滑剤の供給とを概略的に示す。潤滑剤43を格納する潤滑剤タンク41が提供されている。潤滑剤43は、前述したキャップ13によって覆われている開口を通じて補給されてもよい。導管45は、ソーチェーン5に近い位置において、潤滑剤タンクをガイドバー3に接続する。係る導管は、図示されるように複数の管を含んでもよい。潤滑剤ポンプ47(例えば、インペラを備える)は、ある量のオイルをソーチェーン5に供給する。上述のように、潤滑剤導管の一部は、潤滑監視ユニット15から構成されており、加熱要素29並びに第1及び第2の温度センサ31,33は、潤滑剤の流れの中に達する。
【0022】
一方のセンサ31は加熱要素29の上流に配置され、他方33は加熱要素29の下流に配置されているので、導管45を通る潤滑剤の有意な流れがある場合には、他方33はより高い温度を検知し得る。したがって、潤滑監視ユニット15は、検知される第1のセンサ31と第2のセンサ33との間における温度差に基づいて監視信号を出力することができる。例えば、監視ユニット15は、示されるようにチェーンソー制御ユニット49と通信してよく、例えば、潤滑剤の流れが許容可能である限りOK信号を通信したり、推定される潤滑剤の流れを又は温度差自体を通信したりしてもよい。
【0023】
潤滑剤タンク41が潤滑剤43の残量を有し、潤滑剤の流れが遮断されず、潤滑剤ポンプ47が機能している限り、第1のセンサ41と第2のセンサ43との間において検知される有意な温度差が存在し得る。しかしながら、この差が所定の閾値を下回る場合には、ソーチェーンの潤滑が十分でないと仮定され得る。この差が所定の閾値を下回る場合、潤滑監視ユニット15が接続されている制御システム49は、故障の表示を生成する、及び/又はソーチェーン5又はチェーンソー1の他の構成要素の損傷又は劣化を防止するためにソーの動作を無効にするか制限することができる。
【0024】
温度変化が検出される最初に言及した既知の潤滑監視システムと比較して、この構成は、例えば、周囲温度の変化は両方のセンサの温度示度を同様に変化させるが温度差は変化させないので、周囲温度の変化によってあまり影響を受けない。これにより、信頼性が向上する。
【0025】
図3は、オイルタンク41に取り付けられている潤滑監視センサユニット15を示す。潤滑監視ユニット15を潤滑剤タンク41と一体に配置することは、チェーンソー1の製造、メンテナンス、及び修理を簡単にするので有利であることが分かっている。本開示では、潤滑剤監視ユニット15によって占有され得る外側の凹部51を潤滑剤タンク41に提供することが提案される。潤滑剤タンク41は、例えば2つの部品(両方とも射出成形によってプラスチックで製造され、外側の凹部51は、型の一部としてそれらの一方に形成される)から形成されてもよい。
【0026】
図3に示すように、潤滑剤導管45は、潤滑剤タンク41を潤滑監視ユニット15の入力部17に接続する第1の管53と、潤滑監視ユニット15の出力部19を潤滑剤ポンプ47に接続する第2の管55と、潤滑剤ポンプ47を、チェーンソー1のガイドバー3に置かれるように構成されているノズル59に接続する第3の管57とによって形成されてもよい。したがって、示されるように、潤滑システムは、全体として、組み立てられたユニットとして提供されてもよい。
【0027】
典型的には、潤滑監視ユニット15を潤滑剤タンク41の凹部51内に摺動させることによってスナップ嵌合ロック構造を用いて潤滑監視ユニット15を凹部51に取り付け可能であるように、形状嵌合構成が提供されてもよい。
【0028】
図4Aは、チェーンソーの制御ユニット49と通信する潤滑監視センサ15ユニットを示す。
図4Bでは、潤滑監視センサ15が許容可能な潤滑剤の流れを測定し、したがって、OK信号を通信することが示されている。これは、例えばスイッチング回路を使用して、矩形波を形成する電圧に関してハイ状態とロー状態との間において変化する出力を制御ユニット49に提供することによって行われる。潤滑剤タンク41が空になると、流れは消失し、加熱要素29の上方における潤滑剤の流れがないため、センサ31,33間の温度差はもはや存在しない。このとき、潤滑監視センサ15は、
図4Cに示されるような一定の低電圧を出力してもよく、この低電圧は、制御ユニット49によって検出され、次いで、制御ユニット49は、例えばチェーンソーを無効にし、例えばユーザインターフェースを使用して、ユーザに視覚的警告を提供することができる。
【0029】
第3の状態が
図4Dに示されており、ここでは、潤滑監視センサ15が切断されているか、又は潤滑監視センサ15と制御ユニット49との間のケーブルが故障している。その場合、例えば、制御ユニット49の入力におけるプルアップ抵抗は、入力を一定のハイ状態にすることを強制することができ、これは、制御ユニットによって故障表示として検出され、例えば、ユーザインターフェースを使用して視覚的警告を提供することができる。上述の構成のために、潤滑監視センサ15は、潤滑流が十分であるかどうかを制御ユニットに能動的に通知し、制御ユニットは、非常に単純な通信スキームを用いて不十分な流れと欠陥のあるセンサ接続との両方を検出することが可能である。しかしながら、
図1-
図3に示されるハードウェアを有する他のより複雑な通信プロトコル(CAN(Controller Area Network)バスプロトコル又は例えば流れに応じてスイッチング周波数を変化させるプロトコルなど)を適用することが可能であり得る。
【0030】
本発明は、説明した実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内において様々な手法で変更及び改変されてもよい。
【国際調査報告】