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特表2024-547175車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法、装置及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法、装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/30 20060101AFI20241219BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20241219BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20241219BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20241219BHJP
   B60L 50/61 20190101ALI20241219BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B60W10/30 900
B60W10/30 ZHV
B60L3/00 N
B60L15/20 J
B60L50/16
B60L50/61
B60W10/06 900
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539760
(86)(22)【出願日】2023-02-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2023078005
(87)【国際公開番号】W WO2023160637
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202210188260.0
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉儒杰
(72)【発明者】
【氏名】王春生
(72)【発明者】
【氏名】許伯良
(72)【発明者】
【氏名】陳新立
【テーマコード(参考)】
3D202
5H125
【Fターム(参考)】
3D202BB46
3D202BB58
3D202CC24
3D202CC54
3D202DD29
3D202EE00
3D202EE19
5H125AA01
5H125AC08
5H125BA00
5H125BD17
5H125CA01
5H125CD06
5H125EE05
5H125EE41
5H125EE52
5H125FF22
(57)【要約】
車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法であって、前記車両(500)は駆動モータ(501)、エンジン(502)、エンジン端オイルポンプ(503)及び冷却流路(504)を備え、前記エンジン(502)は前記エンジン端オイルポンプ(503)の作動を駆動するために使用され、前記冷却流路(504)は前記エンジン端オイルポンプ(503)と前記駆動モータ(501)を接続し、前記方法は、前記車両(500)の駆動モードが純電気モードにあり、且つ前記車両(500)が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)の現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、前記車両(500)のエンジン(502)の起動を制御し、前記車両(500)のエンジン端オイルポンプ(503)が前記冷却流路(504)内のクーラント液を駆動して前記駆動モータ(501)を冷却すること、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法であって、前記車両(500)は駆動モータ(501)、エンジン(502)、エンジン端オイルポンプ(503)及び冷却流路(504)を備え、前記エンジン(502)は前記エンジン端オイルポンプ(503)の作動を駆動するために使用され、前記冷却流路(504)は前記エンジン端オイルポンプ(503)と前記駆動モータ(501)を接続し、前記方法は、
前記車両(500)の駆動モードが純電気モードにあり、且つ前記車両(500)が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、前記車両(500)のエンジン(502)の起動を制御し、前記車両(500)のエンジン端オイルポンプ(503)が前記冷却流路(504)内のクーラント液を駆動して前記駆動モータ(501)を冷却することを含む、ことを特徴とする車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記駆動モータ(501)の温度変化速率と前記駆動モータ(501)の現在温度に基づいて、前記駆動モータ(501)の温度が第1の所定温度に達する第1の時間長を決定すること、及び
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記駆動モータ(501)の温度変化速率、温度変化速率と補正オフセット量との間の所定関係に基づいて、目標補正オフセット量を決定すること、及び
前記第1の所定温度と前記目標補正オフセット量との差を前記エンジンアシスト冷却起動温度とすること、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度が第2の所定温度に等しいことを含み、前記第2の所定温度が前記第1の所定温度よりも小さい、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記第1の時間長が第1の所定時間長より大きいと、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度に等しいこと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記車両(500)が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)の現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度より小さいと決定すると、第2の所定時間長の後、前記エンジン(502)を制御して作動を停止させること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の所定温度は前記駆動モータ(501)の最高許容温度であり、前記第2の所定温度は前記駆動モータ(501)がストール状態での安全起動温度であり、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度以下である、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記駆動モータ(501)の現在温度に基づいて、前記エンジン(502)の回転速度を制御し、ここで、前記エンジン(502)の回転速度と前記駆動モータ(502)の現在温度との間には正の相関関係があること、及び
前記車両(500)が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)を流れる前記冷却流路(504)の流量は第1の所定冷却流量より大きいと、前記車両(500)の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、前記駆動モータ(501)を冷却すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記車両(500)が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)を流れる前記冷却流路(504)の流量は第2の所定冷却流量より小さいと、前記放熱ファンを制御して作動を停止させることをさらに含み、
前記第1の所定冷却流量が前記第2の所定冷却流量よりも大きい、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記車両(500)のエンジン(502)の起動を制御することは、
前記エンジン(502)を制御して所定の回転速度を出力すること、及び
前記車両(500)の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、前記駆動モータ(501)を冷却すること、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記車両(500)が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)の現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度より小さいと決定すること、及び
前記放熱ファンを制御して作動を停止させるとともに、第2の所定時間長の後、前記エンジン(502)を制御して作動を停止させるか、又は、第2の所定時間長の後、前記エンジン(502)と前記放熱ファンを制御して作動を停止させること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記所定のモータストール作動条件は、前記車両(500)のレンジが前進レンジまたは後退レンジにあること、前記駆動モータ(501)のトルクが第1の所定トルク以上であること、及び前記車両(500)の車速が第1の所定車速以下であることを含み、
前記所定のモータストール終了条件は、前記車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジではないこと、前記駆動モータのトルクが第2の所定トルクよりも小さいこと、及び前記車両(500)の車速が第2の所定車速のうちの1つ又は複数より大きいことを含み、
前記第1の所定トルクが前記第2の所定トルクよりも大きく、前記第1の所定車速が前記第2の所定車速よりも小さい、ことを特徴とする請求項6または9または11に記載の方法。
【請求項13】
前記車両(500)はリリーフバルブを備え、前記リリーフバルブは前記冷却流路(504)の流量を制御するために使用され、前記方法は、
エンジン(502)を起動して駆動モータ(501)を冷却した後、前記駆動モータ(501)を流れる前記冷却流路(504)の流量は第3の所定冷却流量より大きいと、前記車両(500)のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
車両のストールされた駆動モータを冷却するための装置であって、前記車両(500)は駆動モータ(501)、エンジン(502)、エンジン端オイルポンプ(503)及び冷却流路(504)を備え、前記エンジン(502)は、前記エンジン端オイルポンプ(503)の作動を駆動するために使用され、前記冷却流路(504)は前記エンジン端オイルポンプ(503)と前記駆動モータ(501)を接続し、前記装置は、
請求項1~13のいずれかに記載の車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現するためのコントローラ(505)を備える、ことを特徴とする車両のストールされた駆動モータを冷却するための装置。
【請求項15】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが記憶され、該プログラムがプロセッサによって実行される際に請求項1~13のいずれかに記載の車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現する、ことを特徴とする非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
車両(500)であって、駆動モータ(501)、エンジン(502)、エンジン端オイルポンプ(503)、冷却流路(504)及びコントローラ(505)を備え、
前記エンジン(502)は前記エンジン端オイルポンプ(503)の作動を駆動するために使用され、
前記冷却流路(504)は前記エンジン端オイルポンプ(503)と前記駆動モータ(501)を接続し、
前記コントローラ(505)は、請求項1~13のいずれかに記載の車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現するために使用される、ことを特徴とする車両(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の放熱分野に関し、具体的には、車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法、装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電動オイルポンプを搭載したハイブリッド車について、冷却システムを電動オイルポンプで駆動し、あらゆる運転状態で駆動モータを冷却することができる。しかし、電動オイルポンプを搭載していないハイブリッド車の場合、純電動モードの場合、駆動モータの冷却は、主に車輪の回転により車輪端オイルポンプを駆動することに依存して冷却作業を行う。しかし、ハイブリッド車が純電気モードの場合、駆動モータがストールすると車速が遅くなり、車輪端オイルポンプが低くなり、駆動モータを冷却するのに十分なクーラント液を供給できなくなり、駆動モータの寿命が短くなったり、焼損したりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、純電気モードで駆動モータにストールが発生することにより、十分なクーラント液を提供して駆動モータを冷却することができない技術的問題を解決する、駆動モータに適用された、車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法、装置及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本開示の第1の様態は、車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法を提供し、前記車両は、駆動モータ、エンジン、エンジン端オイルポンプ及び冷却流路を備え、前記エンジンは、前記エンジン端オイルポンプの作動を駆動することに用いられ、前記冷却流路は、前記エンジン端オイルポンプと前記駆動モータとを接続し、前記方法は、
前記車両の駆動モードが純電気モードにあり、且つ前記車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、前記車両のエンジンを制御して起動させることにより、前記車両のエンジン端オイルポンプが前記冷却流路内のクーラント液を駆動して前記駆動モータを冷却させること、を含む。
【0005】
選択的に、前記方法は、
前記駆動モータの温度変化速率及び前記駆動モータの現在温度に基づいて、前記駆動モータの温度が第1の所定温度に達する第1の時間長を決定することと、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することと、を更に含む。
【0006】
選択的に、前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記駆動モータの温度変化速率、温度変化速率と補正オフセット量との間の所定関係に基づいて、目標補正オフセット量を決定することと、
前記第1の所定温度と前記目標補正オフセット量との差を前記エンジンアシスト冷却起動温度とすることと、を含む。
【0007】
選択的に、前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度が第2の所定温度に等しいことを含み、前記第2の所定温度が前記第1の所定温度よりも小さい。
【0008】
選択的に、前記方法は、
前記第1の時間長が第1の所定時間長よりも大きい場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度に等しいこと、を更に含む。
【0009】
選択的に、前記方法は、
前記車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと決定する場合、第2の所定時間長の後、前記エンジンを制御して作動を停止させること、をさらに含む。
【0010】
選択的に、前記第1の所定温度が前記駆動モータの最高許容温度であり、前記第2の所定温度は、前記駆動モータがストール状態での安全起動温度であり、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度以下である。
【0011】
選択的に、前記方法は、
前記駆動モータの現在温度に基づいて、前記エンジンの回転速度を制御し、ここで、前記エンジンの回転速度と前記駆動モータの現在温度との間には正の相関関係があることと、
前記車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータを流れる前記冷却流路の流量が第1の所定冷却流量よりも大きい場合、前記車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させることにより、前記駆動モータを冷却させること、をさらに含む。
【0012】
選択的に、前記方法は、
前記車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータを流れる前記冷却流路の流量が第2の所定冷却流量よりも小さい場合、前記放熱ファンを制御して作動させることをさらに含み、
ここで、前記第1の所定冷却流量が前記第2の所定冷却流量よりも大きい。
【0013】
選択的に、前記車両のエンジン起動を制御することは、
前記エンジンを制御して所定回転速度を出力させることと、
前記車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させることにより、前記駆動モータを冷却させることと、を含む。
【0014】
選択的に、前記方法は、
前記車両が所定のモータストール終了条件を満たすと決定し、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと決定することと、
前記放熱ファンを制御して作動させるとともに、第2の所定時間長の後、前記エンジンを制御して作動を停止させるか、又は、第2の所定時間長の後、前記エンジンと前記放熱ファンを制御して作動を停止させることと、をさらに含む。
【0015】
選択的に、前記所定のモータストール作動条件は、前記車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジにあること、前記駆動モータのトルクが第1の所定トルク以上であること、及び前記車両の車速が第1の所定車速以下であることを含み、
前記所定のモータストール終了条件は、前記車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジではないこと、前記駆動モータのトルクが第2の所定トルクよりも小さいこと、及び前記車両の車速が第2の所定車速のうちの1つ又は複数よりも大きいことを含み、
ここで、前記第1の所定トルクが前記第2の所定トルクよりも大きく、前記第1の所定車速が前記第2の所定車速よりも小さい。
【0016】
選択的に、前記車両は、前記冷却流路の流量を制御するためのリリーフバルブを含み、前記方法は、
エンジンを起動して駆動モータを冷却した後、前記駆動モータを流れる前記冷却流路の流量が第3の所定冷却流量よりも大きい場合、前記車両のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求すること、をさらに含む。
【0017】
本開示の第2の様態は、車両のストールされた駆動モータを冷却するための装置を更に提供し、前記車両は、駆動モータ、エンジン、エンジン端オイルポンプ及び冷却流路を備え、前記エンジンは、前記エンジン端オイルポンプの作動を駆動することに用いられ、前記冷却流路は、前記エンジン端オイルポンプと前記駆動モータとを接続し、前記装置は、
上記第1の様態のいずれかに記載の前記車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現することに用いられるコントローラを備える。
【0018】
本開示の第3の様態は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータプログラムが記憶され、該プログラムがプロセッサによって実行される際に上記第1の様態のいずれかに記載の前記車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現する。
【0019】
本開示の第4の様態は車両をさらに提供し、駆動モータ、エンジン、エンジン端オイルポンプ、冷却流路及びコントローラを備え、
前記エンジンは、前記エンジン端オイルポンプの作動を駆動することに用いられ、
前記冷却流路は、前記エンジン端オイルポンプと前記駆動モータとを接続し、
前記コントローラは、上記第1の様態のいずれかに記載の前記車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現することに用いられる。
【発明の効果】
【0020】
上記の技術的解決手段により、以下の技術的効果を少なくとも達成することができる。
【0021】
車両の駆動モードが純電気モードにあり、且つ車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、車両のエンジン起動を制御することで、車両のエンジン端オイルポンプが冷却流路内のクーラント液を駆動して駆動モータを冷却する。該方法により、車両が純電気モードで駆動モータのストールが発生した場合、車両のエンジンを起動して駆動モータを冷却し、駆動モータのストールにより車輪端のオイルポンプの回転速度が低く、駆動モータを冷却するための十分なクーラント液を提供することができないため、駆動モータの寿命が低下して焼損するという問題を回避する。
【0022】
本開示の他の特徴と利点について、続いた具体的な実施形態において部分的に詳細的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面は、本開示をさらに理解するために提供され、明細書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態と共に本開示を解釈するが、本開示に対する制限を構成しない。図面では、
図1】冷却システムアーキテクチャを示す模式図である。
図2】本開示の実施例による車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法を示すフローチャートである。
図3】本開示の実施例による他の車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法を示すフローチャートである。
図4】本開示の実施例による車両のストールされた駆動モータを冷却するための装置を示すブロック図である。
図5】本開示の実施例による車両を示すブロック図である。
図6】本開示の実施例による他の車両を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を結合して本開示の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで説明した具体的な実施形態は、本開示を説明及び解釈するためのものであり、本開示を制限しないことを理解すべきである。
【0025】
本開示の方法実施形態に記載の各ステップは異なる順序に従って実行し、及び/又は並行して実行することができることを理解すべきである。なお、方法実施形態は追加のステップを含み、及び/又は示されたステップを省略して実行することができる。本開示の範囲は、この点では制限されない。本明細書で使用される「含む」という用語及びその変形は非限定的な包括であり、即ち「含むが、限定されない」である。「に基づく」という用語は、「少なくとも部分的に基づく」を示す。「一実施例」という用語は、「少なくとも1つの実施例」を示し、「他の実施例」という用語は、「少なくとも1つの他の実施例」を示し、「幾つかの実施例」という用語は、「少なくとも幾つかの実施例」を示す。他の用語の関連定義は以下の説明では挙げられる。
【0026】
注意する必要がある点として、本開示に言及した「第1」、「第2」などの概念は、異なる装置、モジュールまたはユニットを区別するためにのみ使用され、これらの装置、モジュールまたはユニットで実行される機能の順序または相互依存関係を限定するためのものではない。注意する必要がある点として、本開示に言及した「1つ」、「複数の」の修飾は、限定的ではなく例示的なものであり、文脈で特に明示されていない限り、当業者は「1つまたは複数」と理解すべきである。
【0027】
現在、電動オイルポンプを配備していないハイブリッド車両の冷却システムアーキテクチャを図1に示す。車輪端オイルポンプ101とエンジン端オイルポンプ102はいずれも機械式ポンプであり、車輪端オイルポンプ101は車輪の回転により駆動されて低圧油路(冷却と潤滑)を担当し、エンジン端オイルポンプ102はエンジンの回転により駆動されて高圧油路(クラッチ108などの油圧力)の給油を担当する。同時に、低圧油路と高圧油路との間に制御バルブ103が設けられ、且つ制御バルブ103はエンジン端オイルポンプ102による駆動モータ104の冷却油路への給油を許可する第1の状態と遮断する第2の状態を少なくとも含む。ハイブリッド車両が純電気モードにあると、主に車輪の回転により車輪端オイルポンプ101の冷却動作を駆動し、ハイブリッド車両がハイブリッドモードにあると、エンジン端オイルポンプ102はエンジンの駆動で車輪端オイルポンプ101とともに冷却動作を行う。なお、放熱ファン105が動作する際に駆動モータ104を冷却してもよい。リリーフバルブ106は冷却油路の冷却流量を制御する電磁弁であり、駆動モータ104を冷却する必要がないときにリリーフバルブ106を開き、最小流量の冷却油液(即ちクーラント液)のみを駆動モータ104に流し、余分な部分は油タンク107に流れ戻す。駆動モータ104を冷却する必要がある際に閉じ、冷却油液はすべて冷却油路を介して外部と熱交換する。
【0028】
しかし、ハイブリッド車両が純電気モードにあると、駆動モータにストールが発生すると、車速が低く、車輪端オイルポンプの回転速度が低くなり、駆動モータを冷却するための十分なクーラント液を提供することができないため、駆動モータの寿命が低下して焼損してしまう。
【0029】
これを鑑みて、電動オイルポンプを配備していないハイブリッド車両に対して、本開示は、上記問題を解决するように、車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法、装置及び車両を提供する。
【0030】
以下、本開示の技術的解決手段の実施例を詳細に説明する。
【0031】
本開示の実施例は車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法を提供し、車両は駆動モータ、エンジン、エンジン端オイルポンプ及び冷却流路を備え、エンジンはエンジン端オイルポンプの作動を駆動することに用いられ、冷却流路はエンジン端オイルポンプと駆動モータを接続し、図2に示すように、該方法は、
車両の駆動モードが純電気モードにあり、且つ車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、車両のエンジンを制御して起動させることにより、車両のエンジン端オイルポンプが冷却流路内のクーラント液を駆動して駆動モータを冷却させるS201を含む。
【0032】
上記方法を採用し、車両の駆動モードが純電気モードにあり、且つ車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、車両のエンジンを制御して起動させることにより、車両のエンジン端オイルポンプが冷却流路内のクーラント液を駆動して駆動モータを冷却させる。該方法により、車両が純電気モードで駆動モータのストールが発生した場合、車両のエンジンを起動して駆動モータを冷却し、駆動モータのストールにより車輪端のオイルポンプの回転速度が低く、駆動モータを冷却するための十分なクーラント液を提供することができないため、駆動モータの寿命が低下して焼損するという問題を回避する。
【0033】
当業者は、本開示による車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法をさらに理解させるために、以下、上記各ステップを詳細に例を挙げて説明する。
【0034】
可能な態様では、該方法は、駆動モータの温度変化速率及び駆動モータの現在温度に基づいて、駆動モータの温度が第1の所定温度に達する第1の時間長を決定することと、第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、エンジンアシスト冷却起動温度を減少することと、を更に含む。
【0035】
例示的に、第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、駆動モータの温度変化速率、温度変化速率と補正オフセット量との間の所定関係に基づいて、目標補正オフセット量を決定し、そして、第1の所定温度と目標補正オフセット量との差をエンジンアシスト冷却起動温度とすることであってもよい。
【0036】
あるいは、第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、エンジンアシスト冷却起動温度が第2の所定温度に等しいことであってもよく、第2の所定温度が第1の所定温度よりも小さい。
【0037】
第1の所定温度が駆動モータの最高許容温度であり、第2の所定温度は、駆動モータがストール状態での安全起動温度であり、エンジンアシスト冷却起動温度が第1の所定温度以下である。
【0038】
理解すべきであるものとして、正常の場合、エンジンアシスト冷却起動温度は、通常、駆動モータの最高許容温度として設定される。しかし、温度センサに一定時間の応答遅れがあるため、温度センサは駆動モータの現在温度が最高許容温度より大きいと検出した場合、駆動モータの実際の温度が最高許容温度よりもはるかに大きくなり、駆動モータが加熱焼損する可能性がある。このため、駆動モータの現在の温度変化速率と最高許容温度に基づいてエンジンアシスト冷却起動温度を調整することができ、例えばエンジンアシスト冷却起動温度を下げることで、エンジンを繰り上げ起動して駆動モータの冷却に関与し、これにより、駆動モータが常に合理的な温度区間で作動することを確保し、温度センサの応答遅れによる駆動モータの加熱焼損を避ける。
【0039】
例示的に、温度変化速率と補正オフセット量との間の所定関係は実験によって決定され、下記表1に示される。ここで、温度変化速率は3秒ごとの駆動モータの温度変化速率であり、四捨五入で得られる。
【0040】
【表1】
【0041】
以下のような計算式により、エンジンアシスト冷却起動温度を決定することができる。
T=T0-A
ここで、Tはエンジンアシスト冷却起動温度を示し、T0は駆動モータの最高許容温度を示し、Aは補正オフセット量を示し、補正オフセット量は温度センサで検出された現在の温度変化速率から表1で調べることができる。
【0042】
あるいは、駆動モータのストール状態での安全起動温度に基づいて、第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、エンジンアシスト冷却起動温度を安全起動温度(第2の所定温度)として設定され、このように、エンジンを繰り上げ起動して駆動モータの冷却に関与し、これにより、駆動モータが常に合理的な温度区間で作動することを確保し、温度センサの応答遅れによる駆動モータの加熱焼損を避ける。選択的に、実験によって現在の温度変化速率とエンジンアシスト冷却起動温度との関係曲線を決定することができる。関係曲線では、現在の温度変化速率が0である場合、エンジンアシスト冷却起動温度は駆動モータの最高許容温度と等しく、現在の温度変化速率が大きいほど、エンジンアシスト冷却起動温度が小さくなる。関係曲線に基づいて、エンジンアシスト冷却起動温度を下げて、エンジンを繰り上げ起動して駆動モータを冷却し、これにより、駆動モータが常に合理的な温度区間で作動することを確保し、温度センサの応答遅れによる駆動モータの加熱焼損を避けることができる。
【0043】
可能な態様では、該方法は、第1の時間長が第1の所定時間長より大きい場合、エンジンアシスト冷却起動温度が第1の所定温度と等しいことをさらに含む。
【0044】
つまり、駆動モータの温度が最高許容温度に達する時間長は第1の所定時間長より大きい場合、駆動モータに現在加熱焼損のリスクがないことを示すため、エンジンを繰り上げ起動して駆動モータの冷却に関与する必要がなく、エンジンアシスト冷却起動温度を最高許容温度と一致に設定することができる。駆動モータの温度が最高許容温度に達する時間長は第1の所定時間長以下である場合、駆動モータに現在加熱焼損のリスクがあることを示すため、エンジンを繰り上げ起動して駆動モータの冷却に関与する必要があり、エンジンアシスト冷却起動温度を下げることにより、駆動モータが常に合理的な温度区間で作動することを確保し、温度センサの応答遅れによる駆動モータの加熱焼損を避けることができる。安全起動温度は80℃であってもよく、最高許容温度は110℃であってもよく、具体的に、駆動モータの物理的特性に応じて決定され、本開示はこれを具体的に限定しない。可能な態様では、該方法は、車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと決定する場合、第2の所定時間長の後、エンジンを制御して作動を停止させること、をさらに含む。
【0045】
例示的に、車両が所定のモータストール作動条件を満たすとともに、車両が所定の冷却終了条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度より大きい場合、直ちにエンジンを起動して駆動モータの冷却に関与し、駆動モータの加熱焼損を回避する。その後、車両が所定の冷却終了条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度より小さいと決定する場合、即ち駆動モータがエンジンの冷却に関与する必要がなくなった場合、エンジンを頻繁的に起動してエンジンに損失を与えないように、所定の時間長後にエンジンをオフにすることで、短時間内で車両の状態が変化し、エンジンを再起動させて駆動モータを冷却することを避けることができる。エンジンアシスト冷却停止温度は駆動モータの物理的特性に応じて決定され、例えば105℃であってもよく、所定の時間長は実験に基づいて設定することができ、例えば14sであってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0046】
可能な態様では、該方法は、駆動モータの現在温度に基づいて、エンジンの回転速度を制御することをさらに含む。ここで、エンジンの回転速度と駆動モータの現在温度との間には正の相関関係がある。車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ駆動モータの冷却流路を流れる流量は第1の所定冷却流量より大きい場合、車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、駆動モータを冷却させる。
【0047】
さらに、該方法は、車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ駆動モータを流れる冷却流路の流量が第2の所定冷却流量よりも小さい場合、放熱ファンを制御して作動を停止させること、をさらに含む。ここで、第1の所定冷却流量が第2の所定冷却流量よりも大きい。
【0048】
なお、駆動モータの冷却は、主に冷却流路のクーラント液で循環することにより、駆動モータが作動中に発生する熱を奪い、放熱システムを介して外部と熱交換する。
【0049】
例示的に、エンジンの回転速度と駆動モータの現在温度との間には正の相関関係があり、つまり、駆動モータの現在温度が高いほど、より早く放熱する必要があるため、エンジンの回転速度を大きく制御し、エンジン端オイルポンプが駆動する冷却流量は大きくなり、より多くの熱を奪う。なお、車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ駆動モータを流れる冷却流路の流量は第1の所定冷却流量より大きい場合、車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、クーラント液をできるだけ早く放熱させ、駆動モータを冷却する。
【0050】
しかし、車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ駆動モータを流れる冷却流路の流量は第2の所定冷却流量より小さい場合、放熱ファンを制御して作動を停止させる。これにより、放熱ファンが常に最大回転速度で作動して、不必要なエネルギー消耗を引き起こすことを回避する。
【0051】
ここで、第1の所定冷却流量と第2の所定冷却流量は実験によって決定することができ、例えば第1の所定冷却流量は3Lであってもよく、第2の所定冷却流量は1.5Lであってもよく、本開示はこれを具体的に限定しなく、第1の所定冷却流量が第2の所定冷却流量より大きいことを確保すればよい。
【0052】
可能な態様では、以下のような方式により車両のエンジンの起動を制御し、エンジンを制御して所定の回転速度を出力し、車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、駆動モータを冷却する。
【0053】
さらに、該方法は、車両が所定のモータストール終了条件を満たすと決定し、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと決定し、放熱ファンを制御して作動を停止させるとともに、第2の所定時間長の後、エンジンを制御して作動を停止させるか、又は、第2の所定時間長の後、エンジンと放熱ファンを制御して作動を停止させること、をさらに含む。
【0054】
つまり、車両の駆動モードが純電気モードにあり、且つ車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、エンジンを制御して所定の回転速度で作動させてエンジン端オイルポンプを駆動し、車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、駆動モータを冷却する。所定の回転速度は、放熱要求及び省エネ要求を両立して、駆動モータをより良く冷却するように、放熱要求及び省エネ要求を両立して実験によって決定される。
【0055】
さらに、車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと、放熱ファンを制御して作動を停止させるとともに、第2の所定時間長の後、エンジンを制御して作動を停止させる。又は、車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと、第2の所定時間長の後、エンジンと放熱ファンを制御して作動を停止させることができ、不必要なエネルギー消耗を避ける。第2の所定時間長は必要に応じて設定することができ、本開示はこれを限定しない。
【0056】
可能な態様では、車両は、冷却流路の流量を制御するためのリリーフバルブを含み、該方法は、エンジンを起動して駆動モータを冷却した後、駆動モータを流れる冷却流路の流量が第3の所定冷却流量よりも大きい場合、車両のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求すること、をさらに含む。
【0057】
例示的に、エンジンを起動して駆動モータを冷却した後、駆動モータを流れる冷却流路の流量が第3の所定冷却流量よりも大きい場合、車両のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求することによって、クーラント液がすべて車両の冷却流路を介して駆動モータを冷却し、駆動モータの冷却効果を高める。その後、車両が上記所定のモータストール終了条件を満たすか、または冷却流路の流量がリリーフバルブを開く所定の流量より小さい場合、リリーフバルブが強制閉止状態を終了するように要求し、不必要な電力エネルギーを減少する。
【0058】
なお、リリーフバルブを閉じるには通電制御が必要で、その中の電気抵抗が発熱し続ける。このため、エンジンが起動直後、即ち冷却流路の流量が低い際にリリーフバルブを閉じるように制御すると、リリーフバルブが急速に昇温して焼損してしまう。このため、本開示の実施例は、エンジンを起動して駆動モータを冷却した後、車両のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求し、リリーフバルブの焼損を回避する。このため、エンジンを起動して駆動モータを冷却した後、冷却流路の流量が所定の要求を満たすかどうかに基づいて車両のリリーフバルブを制御することができ、例えば、冷却流路の流量が1.5Lより大きい場合、リリーフバルブを閉じるように制御し、リリーフバルブを閉じた後、冷却流路の流量が3Lより小さい場合、リリーフバルブを開くように制御し、具体的には必要に応じて設定することができ、本開示はこれを限定しない。
【0059】
可能な態様では、所定のモータストール作動条件は、車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジにあること、駆動モータのトルクが第1の所定トルク以上であること、及び車両の車速が第1の所定車速以下であることを含み、所定のモータストール終了条件は、車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジではないこと、駆動モータのトルクが第2の所定トルクよりも小さいこと、及び車両の車速が第2の所定車速のうちの1つ又は複数よりも大きいことを含み、ここで、第1の所定トルクが第2の所定トルクよりも大きく、第1の所定車速が第2の所定車速よりも小さい。
【0060】
例示的に、第1の所定トルク、第1の所定車速及び第1の所定温度は実験及び車両の物理的特性に応じて決定される。例えば、第1の所定トルクは150N・mであってもよく、第1の所定車速は3KM/hであってもよく、本開示はこれを具体的に限定しない。第2の所定トルク、第2の所定車速及び第2の所定温度は実験及び車両の物理的特性に応じて決定される。例えば、第2の所定トルクは10N・mであってもよく、第2の所定車速は5KM/hであってもよく、本開示はこれを具体的に限定しない。
【0061】
例示的に、車両が純電気モードにあると、車両は、車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジにあること、駆動モータのトルクが第1の所定トルク以上であること、車両の当前車速が第1の所定車速以下であり、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度より大きいことを同時に満たす場合、車両の駆動モータがストールされた状態で冷却する必要があることを決定し、さらにエンジンを起動し、車両のエンジン端オイルポンプが冷却流路内のクーラント液を駆動して駆動モータを冷却し、駆動モータの寿命が低下して焼損することを避けることができる。その後、車両が所定のモータストール終了条件を満たす場合、即ち駆動モータはエンジンが冷却に関与する必要がない場合、エンジンを頻繁的に起動してエンジンに損失を与えないように、所定の時間長後にエンジンをオフにすることができる。
【0062】
さらに、現在車速が第1の所定車速より大きく且つ第2の所定車速より小さい場合、または駆動モータのトルクが第1の所定トルクより小さく且つ第2の所定トルクより大きい場合、エンジンを現在の動作状態に維持させ、車速変動またはトルク変動がエンジンの作動状態に与える影響を低減し、エンジンを頻繁的に起動してエンジンに損失を与えないようにする。
【0063】
当業者が本開示の実施例による方法をより容易に理解するために、以下、本開示の実施例による車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを詳細に説明する。図3に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
S301では、車両の駆動モードが純電気モードにあると決定し、且つ車両が所定のモータストール作動条件及び駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度より大きいと決定する。
S302では、車両のエンジンを起動する。
S303では、冷却流路の流量が第1の所定冷却流量より大きいかどうかを判断する。
【0064】
さらに、冷却流路の流量が第1の所定冷却流量より大きいと、ステップS304を実行し、そうでないと、ステップS308を実行する。
S304では、車両の放熱ファンを最大回転速度で作動させるように要求する。
S305では、冷却流路の流量が第3の所定冷却流量より大きいかどうかを判断する。
【0065】
さらに、冷却流路の流量が第3の所定冷却流量より大きいと、ステップS306を実行し、そうでないと、ステップS310を実行する。
【0066】
S306では、車両のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求する。
S307では、車両がいずれかの所定のモータストール終了条件を満たすかどうか、且つ冷却流路の流量が第2の所定冷却流量より小さいかどうかを判断する。
【0067】
さらに、車両がいずれかの所定のモータストール終了条件を満たし、且つ冷却流路の流量が第2の所定冷却流量より小さいと、ステップS308を実行し、そうでないと、ステップS304を実行する。
【0068】
S308では、車両の放熱ファンが作動を停止するように要求する。
S309では、車両がいずれかの所定のモータストール終了条件を満たすかどうか、冷却流路の流量が開始流量より小さいかどうかを判断する。
【0069】
さらに、車両がいずれかの所定のモータストール終了条件を満たすか、冷却流路の流量が開始流量より小さいと、ステップS310を実行し、そうでないと、ステップS306を実行する。
【0070】
S310では、車両のリリーフバルブが開くように要求する。
S311では、車両がいずれかの所定のモータストール終了条件を満たすかどうかを判断し、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度より小さいかを決定する。
【0071】
さらに、車両がいずれかの所定のモータストール終了条件を満たし、且つ駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度より小さいと決定すると、ステップS312を実行し、そうでないと、エンジンを起動状態に維持させる。
S312では、所定の時間長後にエンジンを閉じる。
【0072】
上記方法を採用して、車両が純電気モードにあって駆動モータのストールが発生する場合、車両のエンジンを起動して、車両のエンジン端オイルポンプが冷却流路内のクーラント液を駆動して駆動モータを冷却させ、これにより、駆動モータのストールにより車輪端のオイルポンプの回転速度が低く、駆動モータを冷却するための十分なクーラント液を提供することができないため、駆動モータの寿命が低下して焼損するという問題を回避する。放熱ファンとリリーフバルブを制御することによって、外部との熱交換を速くし、これにより、駆動モータの冷却効果を高める。
【0073】
同一の発明の構想に基づいて、本開示は車両のストールされた駆動モータを冷却するための装置をさらに提供する。前記車両は駆動モータ、エンジン、エンジン端オイルポンプ及び冷却流路を備え、前記エンジンは、前記エンジン端オイルポンプの作動を駆動することに用いられ、前記冷却流路は、前記エンジン端オイルポンプと前記駆動モータとを接続する。図4に示すように、前記装置400は、
上記車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現するためのコントローラ401を備える。
【0074】
選択的に、前記コントローラ401は、
前記車両の駆動モードが純電気モードにあり、且つ前記車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、前記車両のエンジンを制御して起動させ、前記車両のエンジン端オイルポンプが前記冷却流路内のクーラント液を駆動して前記駆動モータを冷却させることに用いられる。
【0075】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記駆動モータの温度変化速率及び前記駆動モータの現在温度に基づいて、前記駆動モータの温度が第1の所定温度に達する第1の時間長を決定すること、及び
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することに用いられる。
【0076】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記駆動モータの温度変化速率、温度変化速率と補正オフセット量との間の所定関係に基づいて、目標補正オフセット量を決定すること、及び
前記第1の所定温度と前記目標補正オフセット量との差を前記エンジンアシスト冷却起動温度とすること、に用いられる。
【0077】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度が第2の所定温度に等しいことに用いられ、前記第2の所定温度が前記第1の所定温度よりも小さい。
【0078】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記第1の時間長が第1の所定時間長より大きいと、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度に等しいことに用いられる。
【0079】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと決定する場合、第2の所定時間長の後、前記エンジンを制御して作動を停止させることに用いられる。
【0080】
選択的に、前記第1の所定温度が前記駆動モータの最高許容温度であり、前記第2の所定温度は、前記駆動モータがストール状態での安全起動温度であり、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度以下である。
【0081】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記駆動モータの現在温度に基づいて、前記エンジンの回転速度を制御し、ここで、前記エンジンの回転速度と前記駆動モータの現在温度との間には正の相関関係があること、及び
前記車両が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータを流れる前記冷却流路の流量が第1の所定冷却流量よりも大きい場合、前記車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させることにより、前記駆動モータを冷却させることに用いられる。
【0082】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記車両が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータを流れる前記冷却流路の流量が第2の所定冷却流量よりも小さい場合、前記放熱ファンを制御して作動を停止させることに用いられ、
ここで、前記第1の所定冷却流量が前記第2の所定冷却流量よりも大きい。
【0083】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記エンジンを制御して所定回転速度を出力させること、及び
前記車両の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させることにより、前記駆動モータを冷却させること、に用いられる。
【0084】
選択的に、前記コントローラ401はさらに、
前記車両が所定のモータストール終了条件を満たすと決定し、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度よりも小さいと決定すること、及び
前記放熱ファンを制御して作動を停止させるとともに、第2の所定時間長の後、前記エンジンを制御して作動を停止させるか、又は、第2の所定時間長の後、前記エンジンと前記放熱ファンを制御して作動を停止させること、に用いられる。
【0085】
選択的に、前記所定のモータストール作動条件は、前記車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジにあること、前記駆動モータのトルクが第1の所定トルク以上であること、及び前記車両の車速が第1の所定車速以下であることを含み、
前記所定のモータストール終了条件は、前記車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジではないこと、前記駆動モータのトルクが第2の所定トルクよりも小さいこと、及び前記車両の車速が第2の所定車速のうちの1つ又は複数よりも大きいことを含み、
ここで、前記第1の所定トルクが前記第2の所定トルクよりも大きく、前記第1の所定車速が前記第2の所定車速よりも小さい。
【0086】
選択的に、前記車両は、前記冷却流路の流量を制御するためのリリーフバルブを備え、前記コントローラ401は、さらに、
エンジンを起動して駆動モータを冷却した後、前記駆動モータを流れる前記冷却流路の流量が第3の所定冷却流量よりも大きい場合、前記車両のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求することに用いられる。
【0087】
上記装置を採用すれば、車両が純電気モードにあって駆動モータのストールが発生する場合、車両のエンジンを起動して、駆動モータを冷却し、駆動モータのストールにより車輪端のオイルポンプの回転速度が低く、駆動モータを冷却するための十分なクーラント液を提供することができないため、駆動モータの寿命が低下して焼損するという問題を回避する。
【0088】
上記実施例における装置について、各モジュールが操作を実行する具体的な方式は該方法に関連する実施例において詳細に説明したが、ここで、詳細に説明しない。
【0089】
本開示の実施例は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータプログラムが記憶され、該プログラムがプロセッサによって実行される際に、上記実施例による車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現する。
【0090】
本開示の実施例は車両500をさらに提供し、図5を参照し、駆動モータ501、エンジン502、エンジン端オイルポンプ503、冷却流路504及びコントローラ505を備え、
前記エンジン502は前記エンジン端オイルポンプ503の作動を駆動することに用いられ、
前記冷却流路504は前記エンジン端オイルポンプ503と前記駆動モータ501を接続し、
前記コントローラ505は上記実施例による車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現することに用いられる。
【0091】
本開示の実施例は車両をさらに提供し、
コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、
上記実施例による駆動モータを冷却するための方法のステップを実現するように、前記メモリにおける前記コンピュータプログラムを実行するためのプロセッサと、を備える。
【0092】
図6は一例示的な実施例による他の車両600を示すブロック図である。図6を参照し、車両600は、1つまたは複数のプロセッサ622と、プロセッサ622により実行可能なコンピュータプログラムを記憶するためのメモリ632と、を備える。メモリ632に記憶されたコンピュータプログラムはそれぞれ1組の命令に対応する1つまたは1つ以上のモジュールを備えることができる。なお、プロセッサ622は、上記の駆動モータを冷却するための方法を実行するように、該コンピュータプログラムを実行するように配置されることができる。
【0093】
また、車両600は電源アセンブリ626と通信アセンブリ660をさらに備えてもよく、該電源アセンブリ626は、車両600の電源管理を実行するように配置されることができ、該通信アセンブリ660は、車両600の通信、例えば、有線または無線通信を実現するように配置されることができる。なお、該車両600は入力/出力(I/O)インターフェイス668をさらに備えてもよい。車両600は、メモリ632に記憶された操作システム、例えばWindows ServerTM、Mac OS XTM、UnixTM、LinuxTMなどを操作することができる。
【0094】
他の例示的な実施例において、プログラム命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、該プログラム命令がプロセッサによって実行される際に、上記の駆動モータを冷却するための方法のステップを実現する。例えば、該非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は上記のプログラム命令を含むメモリ632であってもよく、上記プログラム命令は上記の駆動モータを冷却するための方法を完了するように、車両600のプロセッサ622により実行されることができる。
【0095】
他の例示的な実施例において、コンピュータプログラム製品をさらに提供し、該コンピュータプログラム製品はプログラム可能な装置によって実行可能なコンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムは該プログラム可能な装置にって実行される際に、上記車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のコード部分を実行するために使用される。
【0096】
以上、図面を参照して本開示の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本開示は上記実施形態における具体的な細部に限定されず、本開示の技術的構想範囲内で、本開示の技術的解決手段は複数の簡単な変形が可能であり、これらの簡単な変形はいずれも本開示の保護範囲に属する。
【0097】
なお、上記の具体的な実施形態に述べた各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合、任意の適切な方法で組み合わせることができ、不必要な重複を避けるために、本開示では様々な可能な組み合わせ方式を別途に説明しない。
【0098】
なお、本開示の様々な異なる実施形態の間でも、本開示の思想に違反しない限り、同様に本開示で開示された内容と見なされるべきである。
(関連出願の相互参照)
【0099】
本願は、2022年02月28日に中国特許局に提案された、出願番号が202210188260.0、出願名称が「車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法、装置及び車両」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は援用により本願に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法であって、前記車両(500)は駆動モータ(501)、エンジン(502)、エンジン端オイルポンプ(503)及び冷却流路(504)を備え、前記エンジン(502)は前記エンジン端オイルポンプ(503)の作動を駆動するために使用され、前記冷却流路(504)は前記エンジン端オイルポンプ(503)と前記駆動モータ(501)を接続し、前記方法は、
前記車両(500)の駆動モードが純電気モードにあり、且つ前記車両(500)が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータの現在温度がエンジンアシスト冷却起動温度よりも大きい場合、前記車両(500)のエンジン(502)の起動を制御し、前記車両(500)のエンジン端オイルポンプ(503)が前記冷却流路(504)内のクーラント液を駆動して前記駆動モータ(501)を冷却することを含む、ことを特徴とする車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記駆動モータ(501)の温度変化速率と前記駆動モータ(501)の現在温度に基づいて、前記駆動モータ(501)の温度が第1の所定温度に達する第1の時間長を決定すること、及び
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記駆動モータ(501)の温度変化速率、温度変化速率と補正オフセット量との間の所定関係に基づいて、目標補正オフセット量を決定すること、及び
前記第1の所定温度と前記目標補正オフセット量との差を前記エンジンアシスト冷却起動温度とすること、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度を減少することは、
前記第1の時間長が第1の所定時間長以下である場合、前記エンジンアシスト冷却起動温度が第2の所定温度に等しいことを含み、前記第2の所定温度が前記第1の所定温度よりも小さい、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記第1の時間長が第1の所定時間長より大きいと、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度に等しいこと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記車両(500)が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)の現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度より小さいと決定すると、第2の所定時間長の後、前記エンジン(502)を制御して作動を停止させること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の所定温度は前記駆動モータ(501)の最高許容温度であり、前記第2の所定温度は前記駆動モータ(501)がストール状態での安全起動温度であり、前記エンジンアシスト冷却起動温度が前記第1の所定温度以下である、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記駆動モータ(501)の現在温度に基づいて、前記エンジン(502)の回転速度を制御し、ここで、前記エンジン(502)の回転速度と前記駆動モータ(502)の現在温度との間には正の相関関係があること、及び
前記車両(500)が所定のモータストール作動条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)を流れる前記冷却流路(504)の流量は第1の所定冷却流量より大きいと、前記車両(500)の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、前記駆動モータ(501)を冷却すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記車両(500)が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)を流れる前記冷却流路(504)の流量は第2の所定冷却流量より小さいと、前記放熱ファンを制御して作動を停止させることをさらに含み、
前記第1の所定冷却流量が前記第2の所定冷却流量よりも大きい、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記車両(500)のエンジン(502)の起動を制御することは、
前記エンジン(502)を制御して所定の回転速度を出力すること、及び
前記車両(500)の放熱ファンを制御して最大回転速度で作動させ、前記駆動モータ(501)を冷却すること、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記車両(500)が所定のモータストール終了条件を満たし、且つ前記駆動モータ(501)の現在温度がエンジンアシスト冷却停止温度より小さいと決定すること、及び
前記放熱ファンを制御して作動を停止させるとともに、第2の所定時間長の後、前記エンジン(502)を制御して作動を停止させるか、又は、第2の所定時間長の後、前記エンジン(502)と前記放熱ファンを制御して作動を停止させること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記所定のモータストール作動条件は、前記車両(500)のレンジが前進レンジまたは後退レンジにあること、前記駆動モータ(501)のトルクが第1の所定トルク以上であること、及び前記車両(500)の車速が第1の所定車速以下であることを含み、
前記所定のモータストール終了条件は、前記車両のレンジが前進レンジまたは後退レンジではないこと、前記駆動モータのトルクが第2の所定トルクよりも小さいこと、及び前記車両(500)の車速が第2の所定車速のうちの1つ又は複数より大きいことを含み、
前記第1の所定トルクが前記第2の所定トルクよりも大きく、前記第1の所定車速が前記第2の所定車速よりも小さい、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記車両(500)はリリーフバルブを備え、前記リリーフバルブは前記冷却流路(504)の流量を制御するために使用され、前記方法は、
エンジン(502)を起動して駆動モータ(501)を冷却した後、前記駆動モータ(501)を流れる前記冷却流路(504)の流量は第3の所定冷却流量より大きいと、前記車両(500)のリリーフバルブが強制閉止状態になるように要求すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
車両のストールされた駆動モータを冷却するための装置であって、前記車両(500)は駆動モータ(501)、エンジン(502)、エンジン端オイルポンプ(503)及び冷却流路(504)を備え、前記エンジン(502)は、前記エンジン端オイルポンプ(503)の作動を駆動するために使用され、前記冷却流路(504)は前記エンジン端オイルポンプ(503)と前記駆動モータ(501)を接続し、前記装置は、
請求項1~のいずれかに記載の車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現するためのコントローラ(505)を備える、ことを特徴とする車両のストールされた駆動モータを冷却するための装置。
【請求項15】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが記憶され、該プログラムがプロセッサによって実行される際に請求項1~のいずれかに記載の車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現する、ことを特徴とする非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
車両(500)であって、駆動モータ(501)、エンジン(502)、エンジン端オイルポンプ(503)、冷却流路(504)及びコントローラ(505)を備え、
前記エンジン(502)は前記エンジン端オイルポンプ(503)の作動を駆動するために使用され、
前記冷却流路(504)は前記エンジン端オイルポンプ(503)と前記駆動モータ(501)を接続し、
前記コントローラ(505)は、請求項1~のいずれかに記載の車両のストールされた駆動モータを冷却するための方法のステップを実現するために使用される、ことを特徴とする車両(500)。
【国際調査報告】