(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画素駆動回路、画素駆動方法及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20241219BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20241219BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241219BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09F9/30 338
H10K59/123
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539785
(86)(22)【出願日】2023-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2023094619
(87)【国際公開番号】W WO2024093195
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211359796.0
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521141718
【氏名又は名称】恵科股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HKC Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】1F-3F, 5F-7F of Factory Building 1, 7F of Factory Building 6, Huike Industrial Park, No.1 Industrial 2nd Road, Shilong Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】樊 涛
(72)【発明者】
【氏名】袁 海江
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC33
3K107CC43
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3K107HH02
3K107HH05
5C080AA06
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5C094DB04
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5C380AA01
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5C380CC26
5C380CC33
5C380CC57
5C380CC63
5C380CD013
(57)【要約】
本願は画素駆動回路、画素駆動方法及び表示パネルを開示し、画素駆動回路は、第1の薄膜トランジスタ(M1)、第2の薄膜トランジスタ(M2)、第3の薄膜トランジスタ(M3)、第4の薄膜トランジスタ(M4)、第5の薄膜トランジスタ(M5)、第6の薄膜トランジスタ(M6)及びキャパシタ(C)を含む。同じ列上で隣接する第1の発光素子(D1)及び第2の発光素子(D2)が1つの画素駆動回路を共有することができ、第4の薄膜トランジスタ(M4)の閾値電圧及び電源電圧(Vss1,Vss2)の電圧降下を補償することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルに適用される画素駆動回路であって、
前記表示パネルには画素アレイが設けられ、前記画素アレイは、同じ列上で隣接する第1の発光素子(D1)と第2の発光素子(D2)とを含み、前記第1の発光素子(D1)は、アノードが第1のノード(A1)に接続され、カソードに第1の電源電圧が入力され、前記第2の発光素子(D2)は、アノードが第3のノード(A3)に接続され、カソードに第2の電源電圧が入力され、
前記画素駆動回路は、第1の薄膜トランジスタ(M1)、第2の薄膜トランジスタ(M2)、第3の薄膜トランジスタ(M3)、第4の薄膜トランジスタ(M4)、第5の薄膜トランジスタ(M5)、第6の薄膜トランジスタ(M6)及びキャパシタ(C)を含み、
前記第1の薄膜トランジスタ(M1)は、被制御端子に第1の制御信号(Ctr1)が入力され、第1の端子に第1の電源電圧が入力され、第2の端子が第1のノード(A1)に接続され、
前記第2の薄膜トランジスタ(M2)は、被制御端子に第2の制御信号(Ctr2)が入力され、第1の端子が第4のノード(A4)に接続され、第2の端子が前記第1の薄膜トランジスタ(M1)の第2の端子に接続され、
前記第2の薄膜トランジスタ(M2)は、被制御端子に走査信号(Scan)が入力され、第1の端子がデータ信号(Data)に接続され、第2の端子が第2のノード(A2)に接続され、
前記第4の薄膜トランジスタ(M4)は、被制御端子が第4のノード(A4)に接続され、第1の端子が第1のノード(A1)に接続され、第2の端子が第3のノード(A3)に接続され、
前記第5の薄膜トランジスタ(M5)は、被制御端子に第3の制御信号(Ctr3)が入力され、第1の端子が第4のノード(A4)に接続され、第2の端子が第3のノード(A3)に接続され、
前記第6の薄膜トランジスタ(M6)は、被制御端子に第4の制御信号(Ctr4)が入力され、第1の端子が前記第5の薄膜トランジスタ(M5)の第2の端子に接続され、第2の端子に第2の電源電圧が入力され、
前記キャパシタ(C)は、一方の端子が第2のノード(A2)に接続され、他方の端子が第4のノード(A4)に接続されている
画素駆動回路。
【請求項2】
前記第1の薄膜トランジスタ(M1)と前記第2の薄膜トランジスタ(M2)とは、前記第1の発光素子(D1)の発光と前記第1のノード(A1)の電荷の消去を制御するのに用いられ、
前記第3の薄膜トランジスタ(M3)は、データ書込薄膜トランジスタであり、
前記第4の薄膜トランジスタ(M4)は同時に前記第1の発光素子(D1)及び前記第2の発光素子(D2)の駆動薄膜トランジスタとされ、
前記第5の薄膜トランジスタ(M5)と前記第6の薄膜トランジスタ(M6)とは前記第2の発光素子(D2)の発光と前記第3のノード(A3)の電荷の消去を制御するのに用いられ、
前記キャパシタ(C)は蓄積キャパシタである
請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項3】
前記第1の薄膜トランジスタ(M1)、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)、前記第4の薄膜トランジスタ(M4)、前記第5の薄膜トランジスタ(M5)及び前記第6のトランジスタ(M6)の被制御端子は全てゲートである
請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項4】
前記第1の制御信号(Ctr1)、前記第2の制御信号(Ctr2)、前記第3の制御信号(Ctr3)、前記第4の制御信号(Ctr4)、前記走査信号(Scan)及び前記データ信号(Data)は、いずれも外部のタイミングコントローラから出力されて得られ、第1の電源電圧(Vss1)と前記第2の電源電圧(Vss2)とは、外部のコモン電圧発生回路から出力されて得られる
請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項5】
前記第1の制御信号(Ctr1)、前記第2の制御信号(Ctr2)、前記第3の制御信号(Ctr3)、前記第4の制御信号(Ctr4)、前記第1の電源電圧、前記第2の電源電圧、前記走査信号(Scan)及び前記データ信号(Data)は、第1のリセット段階(T1)、第1のサンプリング段階(T2)、第1のデータ書込段階(T3)、第1の発光段階(T4)、第2のリセット段階(T5)、第2のサンプリング段階(T6)、第2のデータ書込段階(T7)、第2の発光段階(T8)に順次対応するように、組み合わされ、
前記第1の発光段階(T4)において、前記第1の発光素子(D1)が発光し、前記第2の発光段階(T8)において、前記第2の発光素子(D2)が発光する
請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項6】
前記第1のリセット段階(T1)及び前記第2のリセット段階(T5)において、前記第1の薄膜トランジスタ(M1)、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)、前記第4の薄膜トランジスタ(M4)、前記第5の薄膜トランジスタ(M5)及び前記第6のトランジスタ(M6)がオンし、
前記データ信号(Data)、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧は低電位である
請求項5に記載の画素駆動回路。
【請求項7】
前記第1のサンプリング段階(T2)において、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)と前記第6の薄膜トランジスタ(M6)とがオンし、前記第1の薄膜トランジスタ(M1)、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)、前記第5の薄膜トランジスタ(M5)がオフし、前記データ信号(Data)が低電位であり、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とが高電位であり、前記第4のノード(A4)の電位が第2の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタ(M4)の閾値電圧の絶対値との差であり、
前記第2のサンプリング段階(T6)において、前記第1の薄膜トランジスタ(M1)、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)、前記第5の薄膜トランジスタ(M5)がオンし、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)と前記第6の薄膜トランジスタ(M6)とがオフし、前記データ信号(Data)が低電位であり、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とが高電位であり、前記第4のノード(A4)の電位が第1の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタ(M4)の閾値電圧の絶対値との差である
請求項5に記載の画素駆動回路。
【請求項8】
前記第1のサンプリング段階(T2)において、前記第1の発光素子(D1)が逆方向バイアス状態にあり、
前記第2のサンプリング段階(T6)において、前記第2の発光素子(D2)が逆方向バイアス状態にある
請求項7に記載の画素駆動回路。
【請求項9】
前記第1のデータ書込段階(T3)において、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)がオンし、前記第1の薄膜トランジスタ(M1)、前記第5の薄膜トランジスタ(M5)及び前記第6の薄膜トランジスタ(M6)がオフし、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)が予め設定されたサブ段階においてオンし、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)が予め設定されたサブ段階以外でオフし、前記データ信号(Data)、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が高電位であり、前記第4のノード(A4)の電位が、第2の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタ(M4)の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号(Data)との和であり、
前記第2のデータ書込段階(T7)において、前記第5の薄膜トランジスタ(M5)がオンし、前記第1の薄膜トランジスタ(M1)、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)及び前記第6の薄膜トランジスタ(M6)がオフし、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)が予め設定されたサブ段階においてオンし、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)が予め設定されたサブ段階以外でオフし、前記データ信号(Data)、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が高電位であり、前記第4のノード(A4)の電位が、第1の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタ(M4)の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号(Data)との和である
請求項5に記載の画素駆動回路。
【請求項10】
前記第1の発光段階(T4)において、前記第6の薄膜トランジスタ(M6)がオンし、前記第1の薄膜トランジスタ(M1)、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)及び前記第5の薄膜トランジスタ(M5)がオフし、前記第1の電源電圧が負電位であり、前記第2の電源電圧が高電位であり、前記データ信号(Data)が低電位であり、
前記第2の発光段階(T8)において、前記第1の薄膜トランジスタ(M1)がオンし、前記第2の薄膜トランジスタ(M2)、前記第3の薄膜トランジスタ(M3)、前記第5の薄膜トランジスタ(M5)及び前記第6の薄膜トランジスタ(M6)がオフし、前記第1の電源電圧が高電位であり、前記第2の電源電圧が負電位であり、前記データ信号(Data)が低電位である
請求項5に記載の画素駆動回路。
【請求項11】
前記第1の発光素子(D1)と前記第2の発光素子(D2)との発光時の通過電流は、前記第4の薄膜トランジスタ(M4)の閾値電圧の変化に伴って変化しない
請求項10に記載の画素駆動回路。
【請求項12】
画素駆動回路に適用される画素駆動方法であって、
前記画素駆動回路は表示パネルに適用され、前記表示パネルには画素アレイが設けられ、前記画素アレイは、同じ列上で隣接する第1の発光素子と第2の発光素子とを含み、前記第1の発光素子は、アノードが第1のノードに接続され、カソードに第1の電源電圧が入力され、第2の発光素子は、アノードが第3のノードに接続され、カソードに第2の電源電圧が入力され、
前記画素駆動回路は、第1の薄膜トランジスタ、第2の薄膜トランジスタ、第3の薄膜トランジスタ、第4の薄膜トランジスタ、第5の薄膜トランジスタ、第6の薄膜トランジスタ及びキャパシタを含み、
前記第1の薄膜トランジスタは、被制御端子に第1の制御信号が入力され、第1の端子に第1の電源電圧が入力され、第2の端子が第1のノードに接続され、
前記第2の薄膜トランジスタは、被制御端子に第2の制御信号が入力され、第1の端子が第4のノードに接続され、第2の端子が前記第1の薄膜トランジスタの第2の端子に接続され、
前記第2の薄膜トランジスタは、被制御端子に走査信号が入力され、第1の端子がデータ信号に接続され、第2の端子が第2のノードに接続され、
前記第4の薄膜トランジスタは、被制御端子が第4のノードに接続され、第1の端子が第1のノードに接続され、第2の端子が第3のノードに接続され、
前記第5の薄膜トランジスタは、被制御端子に第3の制御信号が入力され、第1の端子が第4のノードに接続され、第2の端子が第3のノードに接続され、
前記第6の薄膜トランジスタは、被制御端子に第4の制御信号が入力され、第1の端子が前記第5の薄膜トランジスタの第2の端子に接続され、第2の端子に第2の電源電圧が入力され、
前記キャパシタは、一方の端子が第2のノードに接続され、他方の端子が第4のノードに接続され、
前記画素駆動方法は、
第1のリセット段階に入り、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第4の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が低電位であるように制御するステップ(S1)と、
第1のサンプリング段階に入り、前記第4のノードの電位が前記第2の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差となるように、前記第2の薄膜トランジスタと前記第6の薄膜トランジスタとがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記データ信号が低電位となり、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とが高電位となるように制御するステップ(S2)と、
第1のデータ書込段階に入り、前記第4のノードの電位が第2の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差と、データ信号との和となるように、前記第2の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階においてオンするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階以外でオフするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が高電位であるように制御するステップ(S3)と、
第1の発光段階に入り、前記第1の発光素子が発光するように、前記第6の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ及び前記第5の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第1の電源電圧が負電位であるように制御し、前記第2の電源電圧が高電位であるように制御し、前記データ信号が低電位であるように制御するステップ(S4)と、
第2のリセット段階に入り、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第4の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が低電位であるように制御するステップ(S5)と、
第2のサンプリング段階に入り、前記第4のノードの電位が第1の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差となるように、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第2の薄膜トランジスタと前記第6の薄膜トランジスタとがオフするように制御し、前記データ信号が低電位であるように制御し、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とが高電位であるように制御するステップ(S6)と、
第2のデータ書込段階に入り、前記第4のノードの電位が、第1の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差と、データ信号との和となるように、前記第5の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階においてオンするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階以外でオフするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が高電位であるように制御するステップ(S7)と、
第2の発光段階に入り、前記第2の発光素子が発光するように、前記第1の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第1の電源電圧が高電位であるように制御し、前記第2の電源電圧が負電位であるように制御し、前記データ信号が低電位であるように制御するステップ(S8)と、
を含む画素駆動方法。
【請求項13】
前記第1のサンプリング段階に入り、前記第4のノードの電位が前記第2の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差となるように、前記第2の薄膜トランジスタと前記第6の薄膜トランジスタとがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記データ信号が低電位となり、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とが高電位となるように制御する前記ステップ(S2)は、
前記第2の制御信号と前記第4の制御信号とがいずれも低電位にあり、前記第1の制御信号、前記走査信号及び前記第3の制御信号がいずれも高電位にあり、前記第1のノードの電位値が前記第1の電源電圧の高電位よりも小さいことを含む
請求項12に記載の画素駆動方法。
【請求項14】
前記第1の発光段階に入り、前記第1の発光素子が発光するように、前記第6の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ及び前記第5の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第1の電源電圧が負電位であるように制御し、前記第2の電源電圧が高電位であるように制御し、前記データ信号が低電位であるように制御する前記ステップ(S4)は、
前記第4の制御信号は低電位にあり、前記第1の制御信号、前記第2の制御信号、前記走査信号及び前記第3の制御信号はいずれも高電位にあることを含む
請求項12に記載の画素駆動方法。
【請求項15】
同じ列上で隣接する第1の発光素子(D1)と第2の発光素子(D2)とを含む画素アレイと、
前記第1の発光素子(D1)のアノードが第1のノード(A1)に接続され、カソードに第1の電源電圧が入力され、第2の発光素子(D2)のアノードが第3のノード(A3)に接続され、カソードに第2の電源電圧が入力される画素駆動回路と、を含む表示パネルであって、
前記画素駆動回路は、第1の薄膜トランジスタ(M1)、第2の薄膜トランジスタ(M2)、第3の薄膜トランジスタ(M3)、第4の薄膜トランジスタ(M4)、第5の薄膜トランジスタ(M5)、第6の薄膜トランジスタ(M6)及びキャパシタ(C)を含み、
前記第1の薄膜トランジスタ(M1)は、被制御端子に第1の制御信号(Ctr1)が入力され、第1の端子に第1の電源電圧が入力され、第2の端子が第1のノード(A1)に接続され、
前記第2の薄膜トランジスタ(M2)は、被制御端子に第2の制御信号(Ctr2)が入力され、第1の端子が第4のノード(A4)に接続され、第2の端子が前記第1の薄膜トランジスタ(M1)の第2の端子に接続され、
前記第2の薄膜トランジスタ(M2)は、被制御端子に走査信号(Scan)が入力され、第1の端子がデータ信号(Data)に接続され、第2の端子が第2のノード(A2)に接続され、
前記第4の薄膜トランジスタ(M4)は、被制御端子が第4のノード(A4)に接続され、第1の端子が第1のノード(A1)に接続され、第2の端子が第3のノード(A3)に接続され、
前記第5の薄膜トランジスタ(M5)は、被制御端子に第3の制御信号(Ctr3)が入力され、第1の端子が第4のノード(A4)に接続され、第2の端子が第3のノード(A3)に接続され、
前記第6の薄膜トランジスタ(M6)は、被制御端子に第4の制御信号(Ctr4)が入力され、第1の端子が前記第5の薄膜トランジスタ(M5)の第2の端子に接続され、第2の端子に第2の電源電圧が入力され、
前記キャパシタ(C)は、一方の端子が第2のノード(A2)に接続され、他方の端子が第4のノード(A4)に接続され、
前記画素駆動回路は、前記第1の発光素子(D1)と前記第2の発光素子(D2)とに接続されている
表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2022年11月2日に出願された、出願番号が202211359796.0である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を引用により本願に組み入れる。
【0002】
本願は画素駆動の技術分野に関し、特に画素駆動回路、画素駆動方法及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
現在では、発光素子を画素とする表示パネルについては、発光素子ごとに1つの画素駆動回路を備える必要があるが、駆動薄膜トランジスタの閾値電圧に対する補償を実現するためには、既存の画素駆動回路ごとに6個以上の薄膜トランジスタを用いなければならない場合が多く、表示パネルの透過率が影響されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の主な目的は、自発光表示パネルの透過率が低い問題を解決するための画素駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願により提案される画素駆動回路は表示パネルに適用され、前記表示パネルには画素アレイが設けられ、前記画素アレイは、同じ列上で隣接する第1の発光素子と第2の発光素子とを含み、前記第1の発光素子は、アノードが第1のノードに接続され、カソードに第1の電源電圧が入力され、第2の発光素子は、アノードが第3のノードに接続され、カソードに第2の電源電圧が入力され、
前記画素駆動回路は、第1の薄膜トランジスタ、第2の薄膜トランジスタ、第3の薄膜トランジスタ、第4の薄膜トランジスタ、第5の薄膜トランジスタ、第6の薄膜トランジスタ及びキャパシタを含み、
前記第1の薄膜トランジスタは、被制御端子に第1の制御信号が入力され、第1の端子に第1の電源電圧が入力され、第2の端子が第1のノードに接続され、
前記第2の薄膜トランジスタは、被制御端子に第2の制御信号が入力され、第1の端子が第4のノードに接続され、第2の端子が前記第1の薄膜トランジスタの第2の端子に接続され、
前記第2の薄膜トランジスタは、被制御端子に走査信号が入力され、第1の端子がデータ信号に接続され、第2の端子が第2のノードに接続され、
前記第4の薄膜トランジスタは、被制御端子が第4のノードに接続され、第1の端子が第1のノードに接続され、第2の端子が第3のノードに接続され、
前記第5の薄膜トランジスタは、被制御端子に第3の制御信号が入力され、第1の端子が第4のノードに接続され、第2の端子が第3のノードに接続され、
前記第6の薄膜トランジスタは、被制御端子に第4の制御信号が入力され、第1の端子が前記第5の薄膜トランジスタの第2の端子に接続され、第2の端子に第2の電源電圧が入力され、
前記キャパシタは、一方の端子が第2のノードに接続され、他方の端子が第4のノードに接続されている。
【0006】
本願は、上記のような画素駆動回路に適用される画素駆動方法をさらに提案し、前記画素駆動回路は、
第1のリセット段階に入り、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第4の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が低電位であるように制御するステップと、
第1のサンプリング段階に入り、前記第4のノードの電位が前記第2の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差となるように、前記第2の薄膜トランジスタと前記第6の薄膜トランジスタとがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記データ信号が低電位となり、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とが高電位となるように制御するステップと、
第1のデータ書込段階に入り、前記第4のノードの電位が第2の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差と、データ信号との和となるように、前記第2の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階においてオンするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階以外でオフするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が高電位であるように制御するステップと、
第1の発光段階に入り、前記第1の発光素子が発光するように、前記第6の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ及び前記第5の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第1の電源電圧が負電位であるように制御し、前記第2の電源電圧が高電位であるように制御し、前記データ信号が低電位であるように制御するステップと、
第2のリセット段階に入り、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第4の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が低電位であるように制御するステップと、
第2のサンプリング段階に入り、前記第4のノードの電位が第1の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差となるように、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第2の薄膜トランジスタと前記第6の薄膜トランジスタとがオフするように制御し、前記データ信号が低電位であるように制御し、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とが高電位であるように制御するステップと、
第2のデータ書込段階に入り、前記第4のノードの電位が、第1の電源電圧と前記第4の薄膜トランジスタの閾値電圧の絶対値との差と、データ信号との和となるように、前記第5の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第1の薄膜トランジスタ、前記第2の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階においてオンするように制御し、前記第3の薄膜トランジスタが予め設定されたサブ段階以外でオフするように制御し、前記データ信号、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧が高電位であるように制御するステップと、
第2の発光段階に入り、前記第2の発光素子が発光するように、前記第1の薄膜トランジスタがオンするように制御し、前記第2の薄膜トランジスタ、前記第3の薄膜トランジスタ、前記第5の薄膜トランジスタ及び前記第6の薄膜トランジスタがオフするように制御し、前記第1の電源電圧が高電位であるように制御し、前記第2の電源電圧が負電位であるように制御し、前記データ信号が低電位であるように制御するステップと、を含む。
【0007】
本願は、表示パネルをさらに提案し、前記表示パネルは、
同じ列上で隣接する第1の発光素子と第2の発光素子とを含む画素アレイと、
前記第1の発光素子と前記第2の発光素子とに接続された上記に記載の画素駆動回路と、を含む。
【0008】
(有益な効果)
本願の技術案は、第1の薄膜トランジスタ、第2の薄膜トランジスタ、第3の薄膜トランジスタ、第4の薄膜トランジスタ、第5の薄膜トランジスタ、第6の薄膜トランジスタ及びキャパシタを用いて3T0.5C回路構成の画素駆動回路を構成する。同じ列上で隣接する2つの発光素子が1つの画素駆動回路を共有できるようにし、駆動薄膜トランジスタの閾値電圧及び電源電圧の電圧降下を補償することができるので、駆動薄膜トランジスタの閾値電圧の欠陥及び電源電圧の電圧降下が発光素子の通過電流に与える影響を除去することができ、自発光表示パネルの表示均一性を向上させるのに有利であり、2つの画素駆動回路を別々に設けるのに必要な少なくとも12個の薄膜トランジスタに比べて、薄膜トランジスタの数を大幅に削減するため、パネルの透過率を大幅に向上させることができる。また、本願の画素駆動回路はさらに、発光素子のエージング速度を低下させるために、第1の発光素子と第2の発光素子とを逆方向バイアス状態にすることもでき、自発光表示パネルの使用寿命を延ばすのに有利である。
【0009】
本願の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に説明する。下記説明における添付図面は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの添付図面に示す構造に基づいて他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の模式回路図である。
【
図2】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の模式タイミング図である。
【
図3】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の第1のサンプリング段階における模式パスウェイ図である。
【
図4】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の第1のデータ段階における模式パスウェイ図である。
【
図5】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の第1の発光書込段階における模式パスウェイ図である。
【
図6】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の第2のサンプリング段階における模式パスウェイ図である。
【
図7】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の第2のデータ段階における模式パスウェイ図である。
【
図8】本願の第1の実施例にかかる画素駆動回路の第2の発光段階における模式パスウェイ図である。
【
図9】本願の第2の実施例にかかる画素駆動方法の模式ステップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【0012】
以下では、本願実施例における図面と組み合わせ、本願実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得られる全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0013】
また、本願実施例において「第一」、「第二」等の説明は説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。このため、「第1」、「第2」に限定される特徴は当該特徴を少なくとも一つ明示的或いは暗示的に含んでもよい。また、当業者により実現することができる限り、各実施例の技術案は互いに組み合わせることができる。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず且つ本願が保護を求めようとする範囲にないと理解すべきである。
【0014】
(第1の実施例)
本願は、表示パネルに適用可能な画素駆動回路を提案する。
【0015】
表示パネルは、順に重ねて設けられた画素層、発光層、駆動回路層及びアレイ基板を含んでもよい。駆動回路層は、アレイ基板上に設けられる。画素層は、アレイ状に配置された複数の画素を含んでもよく、発光層には、各画素に対応して発光素子が1つずつ設けられる。駆動回路層は複数の画素駆動回路を含んでもよく、各画素駆動回路には1つの発光素子が接続され、各画素駆動回路は、対応する画素の発光素子の発光を駆動することにより、表示パネルの自発光表示を実現するのに用いられる。発光素子は、有機発光ダイオード(OLED)、ミニ発光ダイオード(MINI-LED)、又はマイクロ発光ダイオード(MICRO-LED)であってもよく、ここでは限定しない。本願の実施例において、発光素子が有機発光ダイオードである場合を例として説明する。
【0016】
実際の応用では、画素駆動回路には、発光素子を流れる電流を制御するための1つの駆動薄膜トランジスタが設けられてもよく、駆動薄膜トランジスタの閾値電圧に不均一性問題が存在し、この閾値電圧はさらに動作時間が長くなるにつれてドリフトし、表示パネルに輝度ムラによるモアレを発生させる可能性がある。従来技術では、閾値電圧に存在する上述の欠陥を解消するために、通常、薄膜トランジスタの数を増やし、蓄積キャパシタCを増設するため、各画素駆動回路内の薄膜トランジスタの数が6個以上になり、画素駆動回路が位置する駆動回路層の表示パネルにおける位置から分かるように、各画素駆動回路内の薄膜トランジスタの数が多いほど、発光層から駆動回路層を介して透過する光が少なくなり、表示パネルの透過率が低くなる。さらに、画素駆動回路はまた、対応する発光素子を駆動するために、電源ラインを介して電源電圧が入力される必要があり、電源ライン自体にある程度の内部抵抗が存在するため、発光素子に実際に伝達される電源電圧には電圧降下が存在する。また、異なる表示素子の電源電圧の電圧降下が異なるため、各発光素子の発光輝度に不均一が生じる。また、画素駆動回路内の発光素子が順方向バイアス状態にあるため、発光素子のエージングが速くなり、自発光表示パネルの使用寿命が低くなる。
【0017】
上記問題に対して、本願は、画素アレイ内の同じ列上で隣接する2つの発光素子を駆動するための画素駆動回路を提案し、ここで、第1の発光素子D1は奇数行の発光素子であってもよく、第2の発光素子D2は偶数行の発光素子であってもよい。
【0018】
図1を参照し、本願の画素駆動回路は、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第4の薄膜トランジスタM4、第5の薄膜トランジスタM5、第6の薄膜トランジスタM6及びキャパシタCを含む。第1の薄膜トランジスタM1と第2の薄膜トランジスタM2とは、第1の発光素子D1の発光と第1のノードA1の電荷の消去を制御するのに用いられる。第3の薄膜トランジスタM3は、データ書込薄膜トランジスタである。第4の薄膜トランジスタM4は同時に第1の発光素子D1及び第2の発光素子D2の駆動薄膜トランジスタとされる。第5の薄膜トランジスタM5と第6の薄膜トランジスタM6とは、第2の発光素子D2の発光と第3のノードA3の電荷の消去を制御するのに用いられる。キャパシタCは、蓄積キャパシタCであってもよい。ここで、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第4の薄膜トランジスタM4、第5の薄膜トランジスタM5、第6の薄膜トランジスタM6は、いずれも酸化物半導体薄膜トランジスタ、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ、アモルファスシリコン薄膜トランジスタであってもよく、すなわち、薄膜トランジスタT1~T7の種類は、いずれもインジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide,IGZO)、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly-silicon,LTPS)、アモルファスシリコン(A-Si)であってもよい。もちろん、薄膜トランジスタM1~M6にはそれぞれ異なる種類の薄膜トランジスタを採用してもよく、様々な組み合わせ方が可能であるので、ここでは説明を省く。本実施例において、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第4の薄膜トランジスタM4、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6は、いずれもP型薄膜トランジスタであってもよい。なお、薄膜トランジスタの被制御端子がゲートであり、第1の端子と第2の端子とのうちの一方がソースであり、他方の端子がドレインであってもよい。薄膜トランジスタは、オンになった時に第1の端子と第2の端子とを接続し、オフになった時に第1の端子と第2の端子との接続を切断することができる。
【0019】
第1の薄膜トランジスタM1は、被制御端子に第1の制御信号Ctr1が入力され、第1の端子に第1の電源電圧Vss1が入力され、第2の端子が第1のノードA1に接続され、
第2の薄膜トランジスタM2は、被制御端子に第2の制御信号Ctr2が入力され、第1の端子が第4のノードA4に接続され、第2の端子が第1の薄膜トランジスタM1の第2の端子に接続され、
第2の薄膜トランジスタM2は、被制御端子に走査信号Scanが入力され、第1の端子がデータ信号Dataに接続され、第2の端子が第2のノードA2に接続され、
第4の薄膜トランジスタM4は、被制御端子が第4のノードA4に接続され、第1の端子が第1のノードA1に接続され、第2の端子が第3のノードA3に接続され、
第5の薄膜トランジスタM5は、被制御端子に第3の制御信号Ctr3が入力され、第1の端子が第4のノードA4に接続され、第2の端子が第3のノードA3に接続され、
第6の薄膜トランジスタM6は、被制御端子に第4の制御信号Ctr4が入力され、第1の端子が第5の薄膜トランジスタM5の第2の端子に接続され、第2の端子に第2の電源電圧Vss2が入力され、
キャパシタCは、一方の端子が第2のノードA2に接続され、他方の端子が第4のノードA4に接続されている。
【0020】
第1の発光素子D1は、アノードが第1のノードA1に接続され、カソードに第1の電源電圧Vss1が入力され、第2の発光素子D2は、アノードが第3のノードA3に接続され、カソードに第2の電源電圧Vss2が入力される。
【0021】
第1のリセット段階T1、第1のサンプリング段階T2、第1のデータ書込段階T3、第1の発光段階T4、第2のリセット段階、第2のサンプリング段階T6、第2のデータ書込段階T7、第2の発光段階T8について、走査信号Scan、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、第1の電源電圧Vss1、第2の電源電圧Vss2及びデータ信号Dataを異なる電位にあるようにそれぞれ制御することにより、本願の画素駆動回路に、第1の発光素子D1と第2の発光素子D2を発光するように順次駆動させることができる。換言すれば、本願の画素駆動回路は、3T0.5Cの回路構成と見なすことができる。
【0022】
なお、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、走査信号Scan及びデータ信号Dataは、いずれも外部のタイミングコントローラから出力されて得られることができ、第1の電源電圧Vss1と第2の電源電圧Vss2とは、外部のコモン電圧発生回路から出力されて得られることができる。
【0023】
こうして、同じ列上で隣接する2つの発光素子が1つの画素駆動回路を共有できるようにし、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧及び電源電圧の電圧降下を補償することができるので、駆動薄膜トランジスタの閾値電圧の欠陥及び電源電圧の電圧降下が発光素子の通過電流に与える影響を除去することができ、自発光表示パネルの表示均一性を向上させるのに有利であり、2つの画素駆動回路を別々に設けるのに必要な少なくとも12個の薄膜トランジスタに比べて、薄膜トランジスタの数を大幅に削減するため、パネルの透過率を大幅に向上させることができる。また、本願の画素駆動回路はさらに、発光素子のエージング速度を低下させるために、第1の発光素子D1と第2の発光素子D2とを逆方向バイアス状態にすることもでき、自発光表示パネルの使用寿命を延ばすのに有利である。
【0024】
一実施例において、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、前記第1の電源電圧Vss1、前記第2の電源電圧Vss2、走査信号Scan及びデータ信号Dataは、第1のリセット段階T1、第1のサンプリング段階T2、第1のデータ書込段階T3、第1の発光段階T4、第2のリセット段階T5、第2のサンプリング段階T6、第2のデータ書込段階T7、第2の発光段階T8に順次対応するように、組み合わされる。ここで、第1の発光段階T4において、第1の発光素子D1が発光し、第2の発光段階T8において、第2の発光素子D2が発光する。
【0025】
図1及び
図2を参照し、
図1は同時に、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第1のリセット段階T1の模式パスウェイ図であってもよい。第1のリセット段階T1において、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第4の薄膜トランジスタM4、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6が何れもオンするように制御するために、走査信号Scan、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、第1の電源電圧Vss1、第2の電源電圧Vss2及びデータ信号Dataがいずれも低電位にある。このとき、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2は低電位である。なお、本願において、画素駆動回路が残留電荷を消去することにより、キャパシタCの端子間電圧及び第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子の電位値を0レベルにリセットするために、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2の低電位が0Vである。
【0026】
図1、
図2及び
図3を参照し、
図3は、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第1のサンプリング段階T2の模式パスウェイ図である。第1のサンプリング段階T2において、第2の薄膜トランジスタM2と第6の薄膜トランジスタM6とがオンするように制御するために、第2の制御信号Ctr2と第4の制御信号Ctr4とはいずれも低電位にある。第1の薄膜トランジスタM1、第3の薄膜トランジスタM3、第5の薄膜トランジスタM5がオフするように制御するために、第1の制御信号Ctr1、走査信号Scan、第3の制御信号Ctr3は、いずれも高電位にある。このとき、データ信号Dataが低電位であり、第1の電源電圧Vss1と第2の電源電圧Vss2とが高電位であり、キャパシタCの結合作用により、キャパシタCの端子間電圧が依然として0Vのままであるが、第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子電位、すなわち第4のノードA4の電位は、第2の電源電圧Vss2と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差まで充電されることが可能であり、式で表すと、V
G=V
S2-|V
TH|となり、ここで、V
Gは第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子の電位値、V
S2は第2の電源電圧Vss2の電位値、V
THは第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧である。そして、第1の発光素子D1を逆方向バイアス状態とすることにより、第1の発光素子D1のエージングについての改善を実現するために、このとき、第1のノードA1の電位値が第1の電源電圧Vss1の高電位よりも小さい。
【0027】
図1、
図2及び
図4を参照し、
図4は、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第1のデータ書込段階T3の模式パスウェイ図である。第1のデータ書込段階T3において、第2の薄膜トランジスタM2がオンするように制御するために、第2の制御信号Ctr2は低電位にある。第1の薄膜トランジスタM1、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6がオフするように制御するために、第1の制御信号Ctr1、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4は、いずれも高電位にある。予め設定されたサブ段階T31においてオンするように第3の薄膜トランジスタM3を制御するために、走査信号Scanは、予め設定されたサブ段階T31において低電位にある。予め設定されたサブ段階T31以外ではオフするように第3の薄膜トランジスタM3を制御するために、走査信号Scanは、第1のデータ書込段階T3の、予め設定されたサブ段階T31以外の期間中に高電位にある。このとき、データ信号Dataが第3の薄膜トランジスタM3を介して第2のノードA2に書き込まれるように、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2はいずれも高電位にあり、キャパシタCの結合作用により、第4のノードA4の電位は、第2の電源電圧Vss2と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号Dataとの和であり、式で表すと、V
G=V
S2-|V
TH|+V
DATAとなり、ここで、V
DATAはデータ信号Dataの電位である。なお、同じ列上で距離の最も近い2つの第1の発光素子D1については、先に発光する第1の発光素子D1のその予め設定されたサブ段階T31の終了時における走査信号Scan(n)の立ち上がりエッジ(低電位から高電位へと変わる信号エッジ)と、後に発光する素子のその予め設定されたサブ段階T32の開始時における走査信号Scan(n+2)の立ち下がりエッジ(高電位から低電位へと変わる信号エッジ)とが互いに対応している。
【0028】
図1、
図2及び
図5を参照し、
図5は、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第1の発光段階T4の模式パスウェイ図である。第1の発光段階T4において、第6の薄膜トランジスタM6がオンするように制御するために、第4の制御信号Ctr4は低電位にある。第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3及び第5の薄膜トランジスタM5がオフするように制御するために、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、走査信号Scan及び第3の制御信号Ctr3は、いずれも高電位にある。このとき、第1の電源電圧Vss1は負電位であり、第2の電源電圧Vss2は高電位であり、データ信号Dataは低電位である。なお、第1の電源電圧Vss1の負電位は、その低電位よりも小さい。こうして、第3のノードA3の電位を第2の電源電圧Vss2の高電位にプルアップすることができ、また、第4の薄膜トランジスタM4がオンして、第1の発光素子D1の通過電流を発生させることにより、発光するように第1の発光素子D1を駆動する。第1の発光素子D1の通過電流の表現式は、
【数1】
であってもよく、ここで、μは第4の薄膜トランジスタM4のキャリア移動度、Wは第4の薄膜トランジスタM4のチャネル幅、Lは第4の薄膜トランジスタM4のチャネル長、C
GIは第4の薄膜トランジスタM4のゲート容量Cである。これより分かるように、第1の発光素子D1の発光時の通過電流は、データ信号Dataのみに相関し、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2とは無関係であり、すなわち、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2の変化に伴って変化しないため、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の欠陥及び電源電圧の電圧降下が第1の発光素子D1の通過電流に与える影響を除去することができる。
【0029】
図1及び
図2を参照し、
図1は同時に、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第2の発光段階T5の模式パスウェイ図であってもよい。第2のリセット段階T5において、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第4の薄膜トランジスタM4、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6が何れもオンするように制御するために、走査信号Scan、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、第1の電源電圧Vss1、第2の電源電圧Vss2及びデータ信号Dataがいずれも低電位にある。このとき、画素駆動回路が残留電荷を消去することにより、キャパシタCの端子間電圧及び第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子の電位値を再び0レベルにリセットするために、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2が低電位である。
【0030】
図1、
図2及び
図6を参照し、
図6は、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第2のサンプリング段階T6の模式パスウェイ図である。第2のサンプリング段階T6において、第1の薄膜トランジスタM1、第3の薄膜トランジスタM3、第5の薄膜トランジスタM5がオンするように制御するために、第1の制御信号Ctr1、走査信号Scan、第3の制御信号Ctr3は、いずれも低電位にある。第2の薄膜トランジスタM2と第6の薄膜トランジスタM6とがオフするように制御するために、第2の制御信号Ctr2と第4の制御信号Ctr4とはいずれも高電位にある。このとき、データ信号Dataが低電位であり、第1の電源電圧Vss1と第2の電源電圧Vss2とが高電位であり、キャパシタCの結合作用により、キャパシタCの端子間電圧が依然として0Vのままであるが、第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子電位、すなわち第4のノードA4の電位は、第1の電源電圧Vss1と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差まで充電されることが可能であり、式で表すと、V
G=V
S1-|V
TH|となり、ここで、V
S1は第1の電源電圧Vss1の電位値である。そして、第2の発光素子D2を逆方向バイアス状態とすることにより、第2の発光素子D2のエージングについての改善を実現するために、このとき、第3のノードA3の電位値が第2の電源電圧Vss2の高電位よりも小さい。
【0031】
図1、
図2及び
図7を参照し、
図7は、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第2のデータ書込段階T7の模式パスウェイ図である。第2のデータ書込段階T7において、第5の薄膜トランジスタM5がオンするように制御するために、第3の制御信号Ctr3は低電位にある。第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2及び第6の薄膜トランジスタM6がオフするように制御するために、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第4の制御信号Ctr4は、いずれも高電位にある。予め設定されたサブ段階T71においてオンするように第3の薄膜トランジスタM3を制御するために、走査信号Scanは、予め設定されたサブ段階T71において低電位にある。予め設定されたサブ段階T71以外ではオフするように第3の薄膜トランジスタM3を制御するために、走査信号Scanは、第1のデータ書込段階T3の、予め設定されたサブ段階T71以外の期間中に高電位にある。このとき、データ信号Dataが第3の薄膜トランジスタM3を介して第2のノードA2に書き込まれるように、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2はいずれも高電位にあり、キャパシタCの結合作用により、第4のノードA4の電位は、第1の電源電圧Vss1と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号Dataとの和であり、式で表すと、V
G=V
S1-|V
TH|+V
DATAとなり、なお、同じ列上で距離の最も近い2つの第2の発光素子D2については、先に発光する第2の発光素子D2のその予め設定されたサブ段階T71の終了時における走査信号Scan(n+1)の立ち上がりエッジ(低電位から高電位へと変わる信号エッジ)と、後に発光する素子のその予め設定されたサブ段階T72の開始時における走査信号Scan(n+3)の立ち下がりエッジ(高電位から低電位へと変わる信号エッジ)とが互いに対応している。
【0032】
図1、
図2及び
図8を参照し、
図8は、
図2に示す駆動タイミングにおける、本願の画素駆動回路の第2の発光段階T8の模式パスウェイ図である。第2の発光段階T8において、第1の薄膜トランジスタM1がオンするように制御するために、第1の制御信号Ctr1は低電位にある。第2の薄膜トランジスタM2、第6の薄膜トランジスタM6、第5の薄膜トランジスタM5及び第3の薄膜トランジスタM3がオフするように制御するために、第2の制御信号Ctr2、第4の制御信号Ctr4、第3の制御信号Ctr3及び走査信号Scanは、いずれも高電位にある。このとき、第1の電源電圧Vss1は高電位であり、第2の電源電圧Vss2は負電位であり、データ信号Dataは低電位である。なお、第2の電源電圧Vss2の負電位は、その低電位よりも小さい。こうして、第1のノードA1の電位を第1の電源電圧Vss1の高電位にプルアップすることができ、また、第4の薄膜トランジスタM4がオンして、第2の発光素子D2の通過電流を発生させることにより、発光するように第2の発光素子D2を駆動する。第2の発光素子D2の通過電流の表現式は、
【数2】
である。
【0033】
これより分かるように、第2の発光素子D2の発光時の通過電流は、同様に、データ信号Dataのみに相関し、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2とは無関係であり、すなわち、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2の変化に伴って変化しないため、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の欠陥及び電源電圧の電圧降下が第2の発光素子D2の通過電流に与える影響を除去することができる。
【0034】
(第2の実施例)
図9を参照し、本願は画素駆動方法をさらに提案し、この画素駆動方法は、画素駆動回路に適用されることができ、該画素駆動回路の具体的な構成については、上述した第1の実施例を参照し、本画素駆動方法が上記の第1の実施例の全ての技術案を採用したので、少なくとも上記の第1の実施例の技術案がもたらす全ての有益な効果を有し、ここでは説明を省く。
【0035】
第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、走査信号Scan及びデータ信号Dataは、第1のリセット段階T1、第1のサンプリング段階T2、第1のデータ書込段階T3、第1の発光段階T4、第2のリセット段階T5、第2のサンプリング段階T6、第2のデータ書込段階T7、第2の発光段階T8に順次対応するように、組み合わされる。
【0036】
ここで、画素駆動方法は、以下のステップを含む。
【0037】
ステップS1において、第1のリセット段階T1に入り、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第4の薄膜トランジスタM4、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6がオンするように制御し、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2が低電位であるように制御する。この段階において、走査信号Scan、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、第1の電源電圧Vss1、第2の電源電圧Vss2及びデータ信号Dataは、いずれも低電位にある。こうして、画素駆動回路は、残留電荷を消去することにより、キャパシタCの端子間電圧及び第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子の電位値を0レベルにリセットすることができる。
【0038】
ステップS2において、第1のサンプリング段階T2に入り、第4のノードA4の電位が第2の電源電圧Vss2と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差となるように、第2の薄膜トランジスタM2と第6の薄膜トランジスタM6とがオンするように制御し、第1の薄膜トランジスタM1、第3の薄膜トランジスタM3、第5の薄膜トランジスタM5がオフするように制御し、データ信号Dataが低電位となり、第1の電源電圧Vss1と第2の電源電圧Vss2とが高電位となるように制御する。この段階において、第2の制御信号Ctr2と第4の制御信号Ctr4とはいずれも低電位にあり、第1の制御信号Ctr1、走査信号Scan、第3の制御信号Ctr3はいずれも高電位にある。こうして、第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子電位、すなわち第4のノードA4の電位は、第2の電源電圧Vss2と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差まで充電されることが可能であり、式で表すと、VG=VS2-|VTH|となり、また、第1の発光素子D1を逆方向バイアス状態とすることにより、第1の発光素子D1のエージングについての改善を実現するために、このとき、第1のノードA1の電位値が第1の電源電圧Vss1の高電位よりも小さい。
【0039】
ステップS3において、第1のデータ書込段階T3に入り、第4のノードA4の電位が第2の電源電圧Vss2と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号Dataとの和となるように、第2の薄膜トランジスタM2がオンするように制御し、第1の薄膜トランジスタM1、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6がオフするように制御し、第3の薄膜トランジスタM3が予め設定されたサブ段階T31においてオンするように制御し、第3の薄膜トランジスタM3が予め設定されたサブ段階T31以外でオフするように制御し、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2が高電位であるように制御する。この段階において、第2の制御信号Ctr2は低電位にあり、第1の制御信号Ctr1、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4はいずれも高電位にあり、走査信号Scanは、予め設定されたサブ段階T31において低電位にあり、第1のデータ書込段階T3の、予め設定されたサブ段階T31以外の期間中に高電位にある。こうして、データ信号Dataが第3の薄膜トランジスタM3を介して第2のノードA2に書込可能になり、また、キャパシタCの結合作用により、第4のノードA4の電位は、第2の電源電圧Vss2と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号Dataとの和となり、式で表すと、VG=VS2-|VTH|+VDATAとなる。
【0040】
ステップS4において、第1の発光段階T4に入り、第1の発光素子D1が発光するように、第6の薄膜トランジスタM6がオンするように制御し、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3及び第5の薄膜トランジスタM5がオフするように制御し、第1の電源電圧Vss1が負電位であるように制御し、第2の電源電圧Vss2が高電位であるように制御し、データ信号Dataが低電位であるように制御する。この段階において、第4の制御信号Ctr4は低電位にあり、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、走査信号Scan及び第3の制御信号Ctr3はいずれも高電位にある。こうして、第3のノードA3の電位を第2の電源電圧Vss2の高電位にプルアップすることができるようにし、また、第4の薄膜トランジスタM4をオンさせて、第1の発光素子D1の通過電流を発生させることにより、発光するように第1の発光素子D1を駆動することを実現する。また、第1の発光素子D1の通過電流の表現式から分かるように、第1の発光素子D1の発光時の通過電流は、データ信号Dataのみに相関し、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2とは無関係であり、すなわち、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2の変化に伴って変化しないため、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の欠陥及び電源電圧の電圧降下が第1の発光素子D1の通過電流に与える影響を除去することができる。
【0041】
ステップS5において、第2のリセット段階T5に入り、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第4の薄膜トランジスタM4、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6がオンするように制御し、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2が低電位であるように制御する。この段階において、走査信号Scan、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、第1の電源電圧Vss1、第2の電源電圧Vss2及びデータ信号Dataは、いずれも低電位にある。こうして、画素駆動回路は、残留電荷を消去することにより、キャパシタCの端子間電圧及び第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子の電位値を再び0レベルにリセットする。
【0042】
ステップS6において、第2のサンプリング段階T6に入り、第4のノードA4の電位が第1の電源電圧Vss1と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差となるように、第1の薄膜トランジスタM1、第3の薄膜トランジスタM3、第5の薄膜トランジスタM5がオンするように制御し、第2の薄膜トランジスタM2と第6の薄膜トランジスタM6とがオフするように制御し、データ信号Dataが低電位であるように制御し、第1の電源電圧Vss1と第2の電源電圧Vss2とが高電位であるように制御する。この段階において、第1の制御信号Ctr1、走査信号Scan、第3の制御信号Ctr3はいずれも低電位にあり、第2の制御信号Ctr2と第4の制御信号Ctr4とはいずれも高電位にある。こうして、第4の薄膜トランジスタM4の被制御端子電位、すなわち第4のノードA4の電位は、第1の電源電圧Vss1と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差まで充電されることが可能であり、式で表すと、VG=VS1-|VTH|となり、また、第2の発光素子D2を逆方向バイアス状態とすることにより、第2の発光素子D2のエージングについての改善を実現するために、このとき、第3のノードA3の電位値が第2の電源電圧Vss2の高電位よりも小さい。
【0043】
ステップS7において、第2のデータ書込段階T7に入り、第4のノードA4の電位が第1の電源電圧Vss1と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号Dataとの和となるように、第5の薄膜トランジスタM5がオンするように制御し、第1の薄膜トランジスタM1、第2の薄膜トランジスタM2及び第6の薄膜トランジスタM6がオフするように制御し、第3の薄膜トランジスタM3が予め設定されたサブ段階T71においてオンするように制御し、第3の薄膜トランジスタM3が予め設定されたサブ段階T71以外でオフするように制御し、データ信号Data、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2が高電位であるように制御する。本段階において、第3の制御信号Ctr3は低電位にあり、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第4の制御信号Ctr4はいずれも高電位にあり、走査信号Scanは、予め設定されたサブ段階T71において低電位にあり、第1のデータ書込段階T3の、予め設定されたサブ段階T71以外の期間中に高電位にある。こうして、データ信号Dataが第3の薄膜トランジスタM3を介して第2のノードA2に書き込まれるようにし、キャパシタCの結合作用により、さらに、第4のノードA4の電位は、第1の電源電圧Vss1と第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の絶対値との差と、データ信号Dataとの和となり、式で表すと、VG=VS1-|VTH|+VDATAとなる。
【0044】
ステップS8において、第2の発光段階T8に入り、第2の発光素子D2が発光するように、第1の薄膜トランジスタM1がオンするように制御し、第2の薄膜トランジスタM2、第3の薄膜トランジスタM3、第5の薄膜トランジスタM5及び第6の薄膜トランジスタM6がオフするように制御し、第1の電源電圧Vss1が高電位であるように制御し、第2の電源電圧Vss2が負電位であるように制御し、データ信号Dataが低電位であるように制御する。この段階において、第1の制御信号Ctr1は低電位にあり、第2の制御信号Ctr2、第4の制御信号Ctr4、第3の制御信号Ctr3及び走査信号Scanはいずれも高電位にある。こうして、第1のノードA1の電位を第1の電源電圧Vss1の高電位にプルアップすることができるようにし、また、第4の薄膜トランジスタM4がオンして、第2の発光素子D2の通過電流を発生させることにより、発光するように第2の発光素子D2を駆動することを実現する。また、第2の発光素子D2の電流表現式から分かるように、第2の発光素子D2の発光時の通過電流は、同様に、データ信号Dataのみに相関し、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2とは無関係であり、すなわち、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧、第1の電源電圧Vss1及び第2の電源電圧Vss2の変化に伴って変化しないため、第4の薄膜トランジスタM4の閾値電圧の欠陥及び電源電圧の電圧降下が第2の発光素子D2の通過電流に与える影響を除去することができる。
【0045】
(第3の実施例)
本願はさらに、画素アレイと画素駆動回路とを含む表示パネルを提案し、この画素駆動回路の具体的な構成については、上述した第1の実施例を参照し、本画素駆動方法が上記の第1の実施例の全ての技術案を採用したので、少なくとも上記の第1の実施例の技術案がもたらす全ての有益な効果を有し、ここでは説明を省く。
【0046】
ここで、画素アレイは、同じ列上で隣接する第1の発光素子D1と第2の発光素子D2とを含む。画素駆動回路は、第1の発光素子D1と第2の発光素子D2とに接続され、入力される走査信号Scan、第1の制御信号Ctr1、第2の制御信号Ctr2、第3の制御信号Ctr3、第4の制御信号Ctr4、第1の電源電圧Vss1、第2の電源電圧Vss2及びデータ信号Dataの電位に従って、第1の発光素子D1と第2の発光素子D2を発光するように順次駆動するのに用いられる。
【0047】
以上に述べたことは本願のいくつかの実施例に過ぎず、それによって本願の特許の範囲を制限するわけではない。本願の発明構想の下で、本願の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた均等構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本願の特許の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】