(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/42 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61B17/42 520
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024539949
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-22
(86)【国際出願番号】 US2022053836
(87)【国際公開番号】W WO2023129478
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2022-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510236656
【氏名又は名称】クーパーサージカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CooperSurgical, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】イヴォセビッチ ミラン
(72)【発明者】
【氏名】パラダイス チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ソト オーランド
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ファルケンバーグ キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】クロス ローラ
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】チョーハン ラグラジ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160HH20
4C160MM32
4C160NN01
4C160NN11
(57)【要約】
子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスは、調整デバイスによって規定される円弧状経路に沿って移動可能な支持コンポーネント、および調整ユニットを含む。調整ユニットは、支持コンポーネントに固定されているベースコンポーネントと、回転要素であって、回転要素およびそれに固定されている子宮マニピュレータが円弧状経路に沿って移動可能でありかつ支持コンポーネントに対して回転可能であるように、ベースコンポーネントおよび子宮マニピュレータに固定されている、回転要素とを含む。位置決めシステムは、調整デバイスと、子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスを支持する位置決めアームとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスであって、
該調整デバイスによって規定される円弧状経路に沿って移動可能である支持コンポーネントと、
調整ユニットであって、
該支持コンポーネントに固定されているベースコンポーネント;ならびに
回転要素であって、該回転要素およびそれに固定されている該子宮マニピュレータが該円弧状経路に沿って移動可能でありかつ該支持コンポーネントに対して回転可能であるように、該ベースコンポーネントおよび該子宮マニピュレータに固定されている、回転要素
を具備する、調整ユニットと
を具備する、調整デバイス。
【請求項2】
子宮位置決めシステムの位置決めアームに固定的に取り付けられるように構成されている、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項3】
前記調整ユニットが、前記位置決めアームに対して、前記円弧状経路に沿って前後に移動するように構成されている、請求項2記載の調整デバイス。
【請求項4】
遠隔制御器との無線通信または有線通信をもたらすように構成されている内部エレクトロニクスをさらに具備する、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項5】
前記調整デバイスの1つまたは複数の移動機構に給電しかつそれを制御するように構成されている遠隔制御ユニットをさらに具備する、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項6】
前記調整デバイスが、細長受け部を提供する支持ユニットをさらに具備し、該細長受け部が、前記支持コンポーネントを受けかつ前記円弧状経路を規定する、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項7】
前記支持コンポーネントが、前記調整ユニットが前記細長受け部に沿って円弧状に移動する際に該細長受け部内に保持される端部を有するコネクタを含む、請求項6記載の調整デバイス。
【請求項8】
前記調整ユニットが、前記円弧状経路に沿って最大約6 cm~最大約26 cmの総距離を前後に移動可能である、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項9】
前記回転要素が、ピンの周りで回転可能なダイヤルを具備し、かつ、該ダイヤルの角度スパンが、前記子宮マニピュレータの先端部の約6 cm~約36 cmの横方向レンジに対応する、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項10】
前記支持コンポーネントが前記円弧状経路を規定する、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項11】
前記支持コンポーネントの円弧移動および前記回転要素の回転を制御する1つまたは複数のモーターをさらに具備する、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項12】
前記支持コンポーネントに連結されかつその直線移動を引き起こす並進アセンブリをさらに具備する、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項13】
前記支持コンポーネントが前記円弧状経路に沿って移動する際に基準点の周りでの前記子宮マニピュレータのシャフトの回転を維持するように構成されている、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項14】
前記基準点が患者の子宮頚部に位置する、請求項13記載の調整デバイス。
【請求項15】
前記回転要素による前記子宮マニピュレータの回転が基準点の周りで維持されるように構成されている、請求項1記載の調整デバイス。
【請求項16】
前記基準点が患者の子宮頚部に位置し、かつ前記調整ユニットの軸が該基準点と交差する、請求項15記載の調整デバイス。
【請求項17】
位置決めアーム;ならびに
子宮マニピュレータを位置決めするための、該位置決めアーム上に支持されている調整デバイスであって
該調整デバイスによって規定される円弧状経路に沿って移動可能である支持コンポーネントと、
調整ユニットであって、
該支持コンポーネントに固定されているベースコンポーネント;ならびに
回転要素であって、該回転要素およびそれに固定されている該子宮マニピュレータが該円弧状経路に沿って移動可能でありかつ該支持コンポーネントに対して回転可能であるように、該ベースコンポーネントおよび該子宮マニピュレータに固定されている、回転要素
を具備する、調整ユニットと
を具備する、調整デバイス
を具備する、位置決めシステム。
【請求項18】
前記位置決めアームが前記調整デバイスの大域位置を定め、該調整デバイスが前記子宮マニピュレータの局所位置を定める、請求項17記載の位置決めシステム。
【請求項19】
遠隔制御器;および
該遠隔制御器と通信する制御ボックス
をさらに具備する、請求項17記載の位置決めシステム。
【請求項20】
子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスであって
該子宮マニピュレータに固定されており、かつ該調整デバイスによって規定される回転軸の周りで回転可能である、回転式支持コンポーネントと、
該子宮マニピュレータを該回転軸に対して回転させかつ該子宮マニピュレータの一部分を該回転式支持コンポーネントに対して関節運動させるように該調整デバイスが構成されるように、該子宮マニピュレータの関節運動制御要素に固定されかつ該回転式支持コンポーネントに固定されている、回転式調整ユニットと
を具備する、調整デバイス。
【請求項21】
前記回転式支持コンポーネントが、線形並進アセンブリに連結されている、請求項20記載の調整デバイス。
【請求項22】
前記線形並進アセンブリが、レールおよびキャリッジを具備する、請求項21記載の調整デバイス。
【請求項23】
前記線形並進アセンブリが、子宮位置決めシステムの位置決めアームに固定的に取り付けられるように構成されている、請求項20記載の調整デバイス。
【請求項24】
前記回転式支持コンポーネントを反対の回転方向に選択的に回転させるように構成されている1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルをさらに具備する、請求項20記載の調整デバイス。
【請求項25】
前記1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルに連結されかつこれを制御する遠隔モーターをさらに具備する、請求項24記載の調整デバイス。
【請求項26】
前記回転式調整ユニットを反対の回転方向に選択的に回転させるように構成されている1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルをさらに具備する、請求項20記載の調整デバイス。
【請求項27】
前記1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルに連結されかつこれを制御する遠隔モーターをさらに具備する、請求項26記載の調整デバイス。
【請求項28】
前記関節運動制御要素がハンドルを含み、前記一部分が遠位先端部を含む、請求項20記載の調整デバイス。
【請求項29】
前記回転軸が、患者の子宮頚部と交差する、請求項20記載の調整デバイス。
【請求項30】
位置決めアーム;ならびに
子宮マニピュレータを位置決めするための、該位置決めアーム上に支持されている調整デバイスであって、
該子宮マニピュレータに固定されており、かつ該調整デバイスによって規定される回転軸の周りで回転可能である、回転式支持コンポーネントと、
該子宮マニピュレータを該回転軸に対して回転させかつ該子宮マニピュレータの一部分を該回転式支持コンポーネントに対して関節運動させるように該調整デバイスが構成されるように、該子宮マニピュレータの関節運動制御要素および該回転式支持コンポーネントに固定されている、回転式調整ユニットと
を具備する、調整デバイス
を具備する、位置決めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35 USC §119に拠り、2022年1月03日に出願された米国特許仮出願第63/295,981号に対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、外科手技中に子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
子宮マニピュレータは、腹腔鏡下婦人科手術(例えば全腹腔鏡下子宮全摘(TLH)手術)などの外科手技中に患者の子宮を操作するために使用される医療器具である。子宮マニピュレータの遠位部分が膣管を通って子宮内に進められた状態で、外科医が制御する子宮マニピュレータの近位部分の移動を通じて、子宮を操作できる。子宮マニピュレータは、手術台に取り付けられた子宮位置決めシステムによって、手技中にしっかりと位置決めされて所定の位置に保持され得る。そうした手技中に、外科医は子宮マニピュレータを介して子宮の位置をわずかに調整する必要があることが多く、すると外科医は、ワークステーションを離れてマニピュレーターを再位置決めするか、または助手にそうするよう頼むかのいずれかが必要となる。いずれの場合も手技が中断される。さらに、外科医が助手に調整を行うよう頼んだ場合は、調整が盲目的になり外科医からの口頭指示にのみ基づくことになるので、状況がさらに複雑化する。
【発明の概要】
【0004】
概要
概して、本開示は、外科手技中に子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスに関する。
【0005】
1つの局面において、子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスは、当該調整デバイスによって規定される円弧状経路に沿って移動可能な支持コンポーネントと、調整ユニットとを含む。調整ユニットは、支持コンポーネントに固定されているベースコンポーネントと、回転要素であって、回転要素およびそれに固定されている子宮マニピュレータが円弧状経路に沿って移動可能でありかつ支持コンポーネントに対して回転可能であるように、ベースコンポーネントおよび子宮マニピュレータに固定されている、回転要素とを含む。
【0006】
諸態様は以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0007】
いくつかの態様において、調整デバイスは、子宮位置決めシステムの位置決めアームに固定的に取り付けられるように構成されている。
【0008】
いくつかの態様において、調整ユニットは、位置決めアームに対して、円弧状経路に沿って前後に移動するように構成されている。
【0009】
いくつかの態様において、調整デバイスは、遠隔制御器との無線通信または有線通信をもたらすように構成されている内部エレクトロニクスをさらに含む。
【0010】
いくつかの態様において、調整デバイスは、調整デバイスの1つまたは複数の移動機構に給電しかつそれを制御するように構成されている遠隔制御ユニットをさらに含む。
【0011】
いくつかの態様において、調整デバイスは、細長受け部を提供する支持ユニットをさらに含み、当該細長受け部は、支持コンポーネントを受け入れ、かつ円弧状経路を規定する。
【0012】
いくつかの態様において、支持コンポーネントは、調整ユニットが細長受け部に沿って円弧状に移動する際に細長受け部内に保持される端部を有するコネクタを含む。
【0013】
いくつかの態様において、調整ユニットは、円弧状経路に沿って最大約6 cm~最大約26 cmの総距離を前後に移動可能である。
【0014】
いくつかの態様において、回転要素は、ピンの周りで回転可能なダイヤルを含み、当該ダイヤルの角度スパンは、子宮マニピュレータの先端部の約6 cm~約36 cmの横方向レンジに対応する。
【0015】
いくつかの態様において、支持コンポーネントは円弧状経路を規定する。
【0016】
いくつかの態様において、調整デバイスは、支持コンポーネントの円弧移動および回転要素の回転を制御する1つまたは複数のモーターをさらに含む。
【0017】
いくつかの態様において、調整デバイスは、支持コンポーネントに連結されかつその直線移動を引き起こす並進アセンブリをさらに含む。
【0018】
いくつかの態様において、調整デバイスは、支持コンポーネントが円弧状経路に沿って移動する際に基準点の周りでの子宮マニピュレータのシャフトの回転を維持するように構成されている。
【0019】
いくつかの態様において、基準点は患者の子宮頚部に位置する。
【0020】
いくつかの態様において、調整デバイスは、回転要素による子宮マニピュレータの回転が基準点の周りで維持されるように構成されている。
【0021】
いくつかの態様において、基準点は患者の子宮頚部に位置し、かつ調整ユニットの軸が基準点と交差する。
【0022】
別の局面において、位置決めシステムは、位置決めアームと、子宮マニピュレータを位置決めするための、該位置決めアーム上に支持されている調整デバイスとを含む。調整デバイスは、調整デバイスによって規定される円弧状経路に沿って移動可能な支持コンポーネントと、調整ユニットとを含む。調整ユニットは、支持コンポーネントに固定されているベースコンポーネントと、回転要素であって、該回転要素およびそれに固定されている子宮マニピュレータが円弧状経路に沿って移動可能でありかつ支持コンポーネントに対して回転可能であるように、ベースコンポーネントおよび子宮マニピュレータに固定されている、回転要素とを含む。
【0023】
諸態様は以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。
【0024】
いくつかの態様において、位置決めアームは調整デバイスの大域位置を定め、調整デバイスは子宮マニピュレータの局所位置を定める。
【0025】
いくつかの態様において、位置決めシステムは、遠隔制御器、および遠隔制御器と通信する制御ボックスをさらに含む。
【0026】
別の局面において、子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスは、子宮マニピュレータに固定され、かつ調整デバイスによって規定される回転軸の周りで回転可能な、回転式(回転可能な)支持コンポーネントを含む。調整デバイスは、子宮マニピュレータの関節運動(関節動作)制御要素と回転式支持コンポーネントとに固定されている回転式調整ユニットをさらに含み、当該調整デバイスは、子宮マニピュレータを回転軸に対して回転させ、かつ子宮マニピュレータの一部分を回転式支持コンポーネントに対して関節運動させるように構成される。
【0027】
諸態様は以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。
【0028】
いくつかの態様において、回転式支持コンポーネントは線形並進アセンブリに連結される。
【0029】
いくつかの態様において、線形並進アセンブリはレールおよびキャリッジを含む。
【0030】
いくつかの態様において、線形並進アセンブリは、子宮位置決めシステムの位置決めアームに固定的に取り付けられるように構成されている。
【0031】
いくつかの態様において、調整デバイスは、回転式支持コンポーネントを互いに反対の回転方向に選択的に回転させるように構成されている1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルをさらに含む。
【0032】
いくつかの態様において、調整デバイスは、前記1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルに連結されかつこれを制御する、遠隔モーターをさらに含む。
【0033】
いくつかの態様において、調整デバイスは、回転式調整ユニットを互いに反対の回転方向に選択的に回転させるように構成されている1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルをさらに含む。
【0034】
いくつかの態様において、調整デバイスは、前記1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルに連結されかつこれを制御する、遠隔モーターをさらに含む。
【0035】
いくつかの態様において、関節運動制御要素はハンドルを含み、前記一部分は遠位先端部を含む。
【0036】
いくつかの態様において、回転軸は患者の子宮頚部と交差する。
【0037】
別の局面において、位置決めシステムは、位置決めアームと、子宮マニピュレータを位置決めするための、該位置決めアーム上に支持されている調整デバイスとを含む。調整デバイスは、子宮マニピュレータに固定され、かつ調整デバイスによって規定される回転軸の周りで回転可能な、回転式支持コンポーネントを含む。調整デバイスは、子宮マニピュレータの関節運動制御要素と回転式支持コンポーネントとに固定されている回転式調整ユニットをさらに含み、当該調整デバイスは、子宮マニピュレータを回転軸に対して回転させ、かつ子宮マニピュレータの一部分を回転式支持コンポーネントに対して関節運動させるように構成される。
【0038】
1つの局面において、子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスは、ベース、調整ユニット、およびアダプタを含む。ベースは細長受け部を含み、調整ユニットは細長受け部に沿って円弧状に移動可能である。調整ユニットの円弧移動および回転要素の回転移動がそれぞれ子宮マニピュレータの円弧移動および回転移動をもたらすように、アダプタは調整ユニットの回転要素および子宮マニピュレータに固定される。
【0039】
諸態様は以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。
【0040】
いくつかの態様において、ベースは、位置決めシステムの位置決めアームに固定的に取り付け可能である。
【0041】
いくつかの態様において、細長受け部は湾曲したプロファイルを有する。
【0042】
いくつかの態様において、調整ユニットの円弧移動は水平成分を含む。
【0043】
いくつかの態様において、調整ユニットは、細長受け部に沿って前後に移動するように構成されている。
【0044】
いくつかの態様において、調整ユニットは、最大約6 cm~最大約26 cmの総距離を前後に移動可能である。
【0045】
いくつかの態様において、調整ユニットは、調整ユニットが細長受け部に沿って円弧状に移動する際にベースの細長受け部内に保持される端部を有するコネクタを含む。
【0046】
いくつかの態様において、回転要素は、内部ピンの周りで回転可能なダイヤルを含む。
【0047】
いくつかの態様において、ダイヤルは、最大約90度~最大約270度の角度を回転可能である。
【0048】
いくつかの態様において、ダイヤルの角度スパンは、子宮マニピュレータの先端部の約6 cm~約36 cmの横方向レンジに対応する。
【0049】
いくつかの態様において、調整デバイスは、ベースおよび調整ユニットの一方または両方内に格納された内部エレクトロニクスをさらに含む。
【0050】
いくつかの態様において、内部エレクトロニクスは遠隔制御器との無線通信を容易にする。
【0051】
いくつかの態様において、内部エレクトロニクスは遠隔制御器との有線通信を容易にする。
【0052】
別の局面において、位置決めシステムは、位置決めアームと、子宮マニピュレータを位置決めするための、該位置決めアーム上に支持されている調整デバイスとを含む。調整デバイスは、ベース、調整ユニット、およびアダプタを含む。ベースは細長受け部を含み、調整ユニットは細長受け部に沿って円弧状に移動可能である。調整ユニットの円弧移動および回転要素の回転移動がそれぞれ子宮マニピュレータの円弧移動および回転移動をもたらすように、アダプタは調整ユニットの回転要素および子宮マニピュレータに固定される。
【0053】
諸態様は以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。
【0054】
いくつかの態様において、位置決めアームは調整デバイスの大域位置を定める。
【0055】
いくつかの態様において、位置決めシステムは遠隔制御器をさらに含む。
【0056】
いくつかの態様において、調整デバイスは、遠隔制御器との無線通信をもたらす内部エレクトロニクスをさらに含んだ。
【0057】
いくつかの態様において、内部エレクトロニクスおよび信号ケーブルは共に、遠隔制御器との有線通信をもたらす。
【0058】
いくつかの態様において、調整ユニットは、細長受け部に沿って前後に移動するように構成されている。
【0059】
いくつかの態様において、回転要素は、内部ピンの周りで回転可能なダイヤルを含む。
【0060】
諸態様は以下の利点のうち1つまたは複数を提供する可能性がある。
【0061】
いくつかの態様において、調整デバイスのロボット的な移動を遠隔制御することは、外科医が、遠隔制御器を操作するロボット手術ワークステーションを離れることなく、患者の子宮を切開および除去のための最適なアクセスに望ましいように位置決めすることを可能にする。ゆえに、外科医は、調整デバイスが遠隔操作されている間に、かつ中断を伴わずに、ワークステーションにある表示画面上で患者の骨盤領域を引き続き可視化できる。したがって、調整デバイスのそうした遠隔制御は、有効性の向上、精密性の向上、および手技時間の短縮を伴う、能率化された手技を結果としてもたらすという利点がある。
【0062】
他の局面、特徴、および利点は、本明細書の説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】子宮マニピュレータを支持する位置決めシステムの斜視図である。
【
図2】
図1の位置決めシステムの調整デバイスの斜視図である。
【
図4】調整ユニットが3つの異なる円弧位置において図示されている、
図2の調整デバイスの側面図である。
【
図5】回転要素が3つの異なる角度位置において図示されている、
図2の調整デバイスの斜視図である。
【
図6】
図1の位置決めシステムによって支持できる、代替的な子宮マニピュレータの斜視図である。
【
図7】基準線形構成における調整デバイスの側面図である。
【
図8】延長線形構成における
図7の調整デバイスの側面図である。
【
図9】基準円弧状構成における
図7の調整デバイスの側面図である。
【
図10】調整された円弧状構成における
図7の調整デバイスの側面図である。
【
図11】第一の角度構成における
図7の調整デバイスの斜視図である。
【
図12】反対の第二の角度構成における
図7の調整デバイスの側面図である。
【
図13】基準線形構成における調整デバイスの側面図である。
【
図14】延長線形構成における
図13の調整デバイスの側面図である。
【
図15】第一の回転構成における
図13の調整デバイスの側面図である。
【
図16】第一の回転構成と反対の第二の回転構成における
図13の調整デバイスの側面図である。
【
図17】第三の回転構成における
図13の調整デバイスの側面図である。
【
図18】第四の回転構成と反対の第四の回転構成における
図13の調整デバイスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
詳細な説明
図1に、外科手技を行うために外科ツールを位置決めするように設計された位置決めシステム100を図示する。いくつかの実施例において、外科手技は全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)を行うための腹腔鏡式またはロボット式の骨盤内手術であり、そして外科ツールはTLHを行うために使用される子宮マニピュレータ101である。位置決めシステム100は手術台103に取り付けられるように設計され、したがって取り付け/給電ユニット102を含む。位置決めシステム100は、取り付け/給電ユニット102から延在する位置決めアーム104、位置決めアーム104の上端部106に取り付けられている調整デバイス110、調整デバイス110の特定のコンポーネントを制御するための遠隔制御器108、ならびに、位置決めアーム104の構成をロックおよびロック解除するためのフットペダル112をさらに含む。
【0065】
位置決めアーム104は、外科手技中に子宮マニピュレータ101を所定の位置に安定的に支持しかつしっかりと位置決めする。位置決めアーム104は、剛性の肘状セクション114と、調整デバイス110が取り付けられる調整可能セクション116とを含む、「グーズネック(gooseneck)」構造として具現化される。調整可能セクション116は、調整可能セクション116に完全な可動域を提供するように互いに対して移動可能である、複数のカラー118(例えば金属リンク)を含む。位置決めアーム104はまた、位置決めアームの上端部106から取り付け/給電ユニット102まで延在する内部テンションケーブル(例えば編組された機械的なケーブル)も含む。
【0066】
位置決めアーム104をロック解除するためにフットペダル112が押し下げられてもよい。すなわち、フットペダル112を押し下げることは、内部テンションケーブルから張力を解放して(例えば内部テンションケーブルを脱アクティベートして)、所望の時に調整可能セクション116の手動操作を可能にする。逆に、調整可能セクション116の構成をロックするため、内部テンションケーブルに張力をかけるために(例えば内部テンションケーブルをアクティベートするために)フットペダル112が押し下げ位置から解放されてもよい。ロック構成において、カラー118が位置的に固定されて、位置決めアーム104は外科手技中に剛性および不動になる。ゆえにロック構成において、位置決めアーム104は、上端部106に固定された調整デバイス110の大域位置を確立する。位置決めアーム104をロックおよびロック解除するために、取り付け/給電ユニット102は、位置決めアーム104内で内部テンションケーブルを引っ張りおよび解放するように動作可能であるサーボモーターを含む。取り付け/給電ユニット102は壁プラグへの有線接続を介して給電される。
【0067】
図2および3を参照すると、調整デバイス110は、調整デバイス110の大域位置に対して子宮マニピュレータ101をさらに位置決め(例えば局所的に位置決め)できるロボティックヘッドである。例えば、調整デバイス110の大域位置を確立するために位置決めアーム104が所望の構成でロックされたら、調整デバイス110を遠隔制御器108で操作して、調整デバイス110上に支持された子宮マニピュレータ101の位置を微調整することができる。調整デバイス110は、位置決めアーム104の上端部106に固定的に取り付けられる下部ベース122(例えば支持ユニット)、ベース122に対して移動可能である上部調整ユニット124、および、調整ユニット124を子宮マニピュレータ101にしっかりと連結するアダプタ126を含む。
【0068】
ベース122は、ハウジング128、内部エレクトロニクス130、調整デバイス110に給電するためにハウジング128内に封入されてもよい充電式電池132、および電力インジケーター灯を含む。加えて、ベース122は信号ケーブルで遠隔制御器108に直接接続されてもよい。内部エレクトロニクス130は、遠隔制御器108および/または調整ユニット124との無線通信、ならびに遠隔制御器108との有線通信をもたらしてもよい。ハウジング128には、調整デバイス110への給電をオンおよびオフにするための電力セレクタ134(例えばボタンまたはスイッチ)がついている。ベース122は、調整ユニット124が細長受け部136に沿ってxy平面内で円弧運動(例えば曲線運動)できるように、湾曲した(例えば円弧状の)プロファイルを有する細長受け部136(例えば、円弧状経路に対応する破線で模式的に示したレールまたはスロット)をさらに含む。
【0069】
調整ユニット124は、ハウジング138(例えばベースコンポーネント)、内部エレクトロニクス140、ベース122の細長受け部に沿って移動するコネクタ142(例えば支持コンポーネント)、ならびに、アダプタ126および取り付けられた子宮マニピュレータ101を左右にチルトさせることを効果的に可能にする回転要素144(例えば枢動可能要素)を含む。内部エレクトロニクス140は遠隔制御器108および/またはベース122との無線通信をもたらしてもよい。いくつかの態様において、内部エレクトロニクス140は遠隔制御器108との有線通信もまたもたらしてもよい。
【0070】
図2および3をなお参照すると、コネクタ142はハウジング138の下面から延在する細長のコンポーネント(例えばロッド、ペグ、または延長ピース)である。コネクタ142の下端部は、ベース122の細長受け部136内に保持されるように形状決定される。細長受け部136は、xy平面内でハウジング128の湾曲したプロファイルと実質的に平行に形成される。細長受け部136の湾曲した形状は、水平なx軸に関する調整ユニット124の前後移動、および垂直なy軸に関する調整ユニット124の上下移動を可能にする。移動の前/後および上/下の成分は、調整ユニット124の円弧運動(円弧状の動き)を共に提供する。
図4を参照すると、いくつかの態様において、調整ユニット124は、最後方位置146(例えばコネクタ142において定められる)から最前方位置148まで、前方に(例えばx軸に沿って)最大約6 cm~最大約26 cmの総距離lを移動できる。いくつかの態様において、調整ユニット124は、垂直方向に(例えばy軸に沿って)最大約5 cm~最大約10 cmの総距離hを移動できる。
【0071】
図2および5を参照すると、回転要素144は、ダイヤル150およびアダプタ取り付け部を含む。アダプタ取り付け部は、ダイヤル150から延び、アダプタ126の対応する受け部内にしっかりと嵌合(fit)される。ダイヤル150は内部ピンの周りで最大約90度~最大約270度の角度βを回転可能であり、それによってアダプタ126の向きが調整され、それに応じて、アダプタ126に固定された子宮マニピュレータ101の向きが調整される。いくつかの態様において、そうした角度スパンは、子宮マニピュレータ101の先端部105の約6 cm~約36 cmの横方向レンジdに対応する。
【0072】
アダプタ126は、子宮マニピュレータ101のシャフト107がしっかりと嵌合することができる、対応する受け部および取り付け用の特徴(例えばスロット、受け部、または別の取り付け用の特徴)を規定する、ボディ156を含む。アダプタ126は後部の接続用特徴も含み、そこでボディ156を子宮マニピュレータ101のハンドル109に取り付けることができる。すなわち、両方のコンポーネントをアダプタ126に取り付けることを可能にするために、子宮マニピュレータ101のシャフト107が子宮マニピュレータ101のハンドル109から取り外されてもよい。いくつかの態様において、子宮マニピュレータ101のハンドル109は、アダプタ126のボディ156とともに予め組み立てられて提供されてもよいハンドル109の代わりに、放棄されてもよい。
【0073】
子宮マニピュレータ101がアダプタ126に組み付けられ、アダプタ126が調整ユニット124に固定され、かつ位置決めアーム104が所望の構成でロックされたら、調整デバイス110の調整ユニット124をロボット的に操作するために、遠隔ユーザーワークステーションで遠隔制御器108(例えばジョイスティック)が操作されてもよい。例えば、上述したように調整ユニット124が細長受け部136に沿って前方および下方に移動することができ、その下方移動は、シャフト107の湾曲した形状によって、子宮マニピュレータ101の先端部105の上方移動を結果としてもたらす。加えて、アダプタ126の向きを変えるために、そしてそれに対応して子宮マニピュレータ101の向きを変えるために(例えば子宮マニピュレータ101を左右にチルトさせるために)、ダイヤル150を回転させてもよい。
【0074】
調整デバイス110を、特定の寸法、サイズ、形状、配置、構成、材料、および方法に関して説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス110と実質的に同様である調整デバイスが、1つもしくは複数の異なる寸法、サイズ、形状、配置、構成、および材料を含んでもよいし、または異なる方法に基づいて利用されてもよい。
【0075】
例えば、子宮マニピュレータ101と嵌合するように設計されたアダプタ126を含むものとして調整デバイス110を説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス110と実質的に同様である調整デバイスが、
図6に示す子宮マニピュレータ111などの異なる子宮マニピュレータと嵌合するように設計された異なるアダプタを代替的に含んでもよい。
【0076】
調整デバイス110を、パラメーターl、h、β、およびdについての特定の数値範囲に関して説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス110と実質的に同様である調整デバイスが、パラメーターl、h、β、およびdのうち、1つまたは複数についての異なる数値範囲に基づいて動作するように、代替的に設計されてもよい。
【0077】
調整デバイス110を、下部ベース122内に充電式電池132を含むものとして説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス110と実質的に同様である調整デバイスが、充電式電池を下部ベース内の代わりに上部調整ユニット内に代替的に含んでもよい。
【0078】
図7および8を参照すると、いくつかの態様において、位置決めシステム200の子宮マニピュレータ101を局所的に位置決めするために、調整デバイス110の代替として調整デバイス210が使用されてもよい。位置決めシステム200は、調整デバイス110の代わりに調整デバイス210を含む点を除いて、構築様式および機能において位置決めシステム100と実質的に同様である。したがって位置決めシステム200は、そのすべてが
図1に示されている、位置決めシステム100の取り付け/給電ユニット102、位置決めアーム104、遠隔制御器108、およびフットペダル112をさらに含む。調整デバイス210はデバイスコネクタ250を含み、それによって調整デバイス210が位置決めアーム104に固定的に取り付けられる。
【0079】
調整デバイス210の大域位置を確立するために位置決めシステム200の位置決めアーム104が所望の構成でロックされたら、調整デバイス210を遠隔制御器108で操作して、調整デバイス210上に支持された子宮マニピュレータ101の位置を微調整することができる。調整デバイス210はまた、位置決めアーム104の上端部106に固定的に取り付けられた下部モーターアセンブリ222(例えば並進アセンブリ)、下部モーターアセンブリ222に固定的に取り付けられた中間部モーターアセンブリ224、および中間部モーターアセンブリ224に固定的に取り付けられた上部モーターアセンブリ226(例えば調整ユニット)も含む。
【0080】
下部モーターアセンブリ222は、x軸に沿った(例えば、正負両方の水平x軸方向における)子宮マニピュレータ101の直線運動をもたらすように動作可能である。モーターアセンブリ222は、ハウジング228、ハウジング228内に位置するモーター232、およびハウジング228の上側に位置する並進機構230を含む。モーター232は並進機構230の直線運動を駆動する。いくつかの態様において、モーター232は、内蔵型の遊星ギア式変速機を備えたブラシレスDCモーターである。いくつかの態様において、調整デバイス210の1つまたは複数のコンポーネントは、モーター232に(例えば信号ケーブルを介して)電力を供給し、モーター232に制御信号を無線で通信し、かつ遠隔制御器108(
図1に示す)との有線通信または無線通信をもたらす、別個の制御ボックス234に連結される。いくつかの態様において、調整デバイス210は代替的に、モーター232に給電する、およそれを制御する、ならびに遠隔制御器108と通信する、オンボード電源(例えば電池)およびオンボード制御器を含む。
【0081】
並進機構230は、線形トラック238(例えば、細長で実質的にまっすぐなトラック)、および、線形トラック238内で摺動可能かつ並進可能である線形連結部材240を含む。例えば線形連結部材240は、レール242が内部プロファイル244に沿って直線的に摺動可能かつ並進可能であるように、線形トラック238の内部プロファイル244(例えば破線244で表す)に対して相補的に形成された下部レール242を含む。レール242は、x方向に沿ったレール242の直線運動がモーター232の作用によって駆動されるように、モーター232に接続または別の方法で結合される。
【0082】
いくつかの態様において、モーターアセンブリ222は、線形連結部材240が+x方向に並進できる範囲を限定する位置ストップ246を任意で含む。いくつかの態様において、レール242は、線形トラック238に関して最大約10 cmの距離Dを+x方向に沿って移動可能である。線形連結部材240は上部プラットフォーム248を含み、そこから下部レール242が延在しかつそれを通って位置ストップ246が延在する。下部モーターアセンブリ222の動作によって中間部モーターアセンブリ224が直線的に動かされるように、中間部モーターアセンブリ224はプラットフォーム248に(例えば実質的にフラットな表面252に沿って)取り付けられる。この方式において、下部モーターアセンブリ222は、x軸に沿った直線自由度を調整デバイス210に提供する。
【0083】
図9および10を参照すると、中間部モーターアセンブリ224は、基準点254の周りでの子宮マニピュレータ101の円弧運動(例えばx軸に沿った成分とy軸に沿った成分の両方を伴う曲線運動)をもたらすように動作可能である。基準点254は、線形連結部材240に対して固定され、かつ患者の子宮(例えば約8 cmの平均的な深さの子宮)の頚部の位置に対応する。モーターアセンブリ224は、並進機構230のプラットフォーム248に固定されたハウジング256、ハウジング256内に位置するモーター260、およびハウジング256に連結された円弧移動機構258を含む。モーター260は機構258の円弧運動を駆動する。いくつかの態様において、モーター260は、内蔵型の遊星ギア式変速機を備えたブラシレスDCモーターである。いくつかの態様において、制御ボックス234(
図7に示す)は、(例えば信号ケーブルを介して)モーター260に電力を供給し、モーター260に制御信号を無線で通信し、かつ遠隔制御器108(
図1に示す)との有線通信または無線通信をもたらす。代替的態様において、モーター260に給電する、およびそれを制御する、ならびに遠隔制御器108と通信するために、調整デバイス210のオンボード電源(例えば電池)およびオンボード制御器が提供される。
【0084】
円弧移動機構258は、円弧状トラック268(例えば曲線状の凹部、チャネル、またはスロット)を画定する円弧状連結部材266(例えば支持コンポーネント)を含む。円弧移動機構258はまた、円弧状トラック268に沿ってハウジング256内に位置決めされ、かつモーター260に連結されてこれによって駆動される、ギア270も含む。円弧状トラック268に対するギア270の動作(例えば回転)が、円弧状トラック268によって制約および規定される円弧状経路201に沿ってハウジング256を通って上下に円弧状連結部材266を移動させるように、ギア270は円弧状トラック268に連結される。モーターアセンブリ224は、円弧状連結部材266をハウジング256に固定する連結部材272をさらに含む。
【0085】
円弧状経路201に沿った、ハウジング256に対する(例えばこれを通る)円弧状連結部材266の移動は、(子宮マニピュレータ101のシャフト107を常に基準点254の周りに維持する)対応する円弧運動(円弧状の動き)を、子宮マニピュレータ101に行わせる。この様式でシャフト107の動きを制約することは、(例えばハウジング256の所与のx軸位置について)子宮マニピュレータ101の先端部105が患者の子宮内で適切に(例えば所望の垂直位置に)位置決めされることを確実にする。いくつかの態様において、
図9に示す第一の垂直位置274から
図10に示す第二の垂直位置276への円弧状連結部材266の移動は、先端部105の約3 cmの距離の垂直移動をもたらす。円弧状連結部材266が円弧状経路201に沿ってハウジング256内を移動する際に、円弧状連結部材266を第一および第二の垂直位置274、276の間の任意の所望の垂直位置に移動させることによって、先端部105の所望の位置(例えば動作可能な位置)を選択することができる。
【0086】
上部モーターアセンブリ226は、中間部モーターアセンブリ224の動作によって上部モーターアセンブリ226が円弧状に動かされるように、(例えば開口部において)円弧状連結部材266の支持ベース278に取り付けられる(
図11および12に示す)。この方式において、中間部モーターアセンブリ224は、円弧運動をもたらすことによって、x軸およびy軸の両方に沿った自由度を調整デバイス210に提供する。
【0087】
図11および12を参照すると、上部モーターアセンブリ226は、基準点254の周りでの子宮マニピュレータ101の回転運動をもたらすように動作可能である。モーターアセンブリ226は、円弧状連結部材266の支持ベース278に取り付けられたハウジング282(例えばベースコンポーネント)を含む。例えば、モーターアセンブリ226の接続ロッド284は、ハウジング282から、支持ベース278における開口部を通って、子宮マニピュレータ101に連結されたモーターアセンブリ226のデバイス連結部材286まで、延在する。デバイス連結部材286および接続ロッド284は共に回転機構288を提供する。モーターアセンブリ226はハウジング282内に位置するモーター290をさらに含む。モーター290は機構288の回転運動を駆動する。いくつかの態様において、モーター290は、内蔵型の遊星ギア式変速機を備えたブラシレスDCモーターである。いくつかの態様において、制御ボックス234(
図7に示す)が、モーター290に(例えば信号ケーブルを介して)電力を供給し、モーター290に制御信号を無線で通信し、かつ遠隔制御器108(
図1に示す)との有線通信または無線通信をもたらす。代替的態様において、モーター290に給電する、およびそれを制御する、ならびに遠隔制御器108と通信するために、調整デバイス210のオンボード電源(例えば電池)およびオンボード制御器が提供される。
【0088】
回転機構288の接続ロッド284は、モーター290によって回転駆動される。接続ロッド284の回転がデバイス連結部材286の回転を引き起こすように、デバイス連結部材286は接続ロッド284に固定的に取り付けられかつこれを囲む。デバイス連結部材286は、接続ロッド284を囲む実質的に円柱状の部分296、および、円柱状部分296から上向きに延びる支持アーム298(例えば回転要素)を含む。いくつかの態様において、デバイス連結部材286は、円柱状部分296から下向きに延びるストップ要素202を任意で含む。子宮マニピュレータ101に取り付けられたアダプタ206が支持アーム298に取り付けられる。支持アーム298はまた、モーター290の中心軸204に対して鋭角γ(
図7を参照)をなすように配置され、それにより部分的に、子宮マニピュレータ101のシャフト107を基準点254と交差させる。
【0089】
円柱状部分296が接続ロッド284に取り付けられていることによって、接続ロッド284の回転は、それに対応して支持アーム298を、基準点254に対して左右に回転させる。いくつかの態様において、円弧状連結部材266の支持ベース278は、中心軸204に対して互いに反対側に位置する2つの位置ストッパー208(
図11および12において1つのみが見える)を任意で含む。ストップ要素202がデバイス連結部材286の回転範囲を制限するように、デバイス連結部材286が特定の回転度に達したときにストップ要素202が位置ストッパー208に当接する。いくつかの態様において、デバイス連結部材286は、ハウジング282の中心軸204に対してハウジング282の各側方に最大約30度まで回転することが許容される。
【0090】
図7、11、および12を参照すると、モーター290の中心軸204は基準点254(例えば子宮頚部に対応する)と交差し、ゆえに、子宮頚部に対して子宮マニピュレータ101の回転が生じることを確実にする。子宮マニピュレータ101の遠位先端部105の回転範囲を最大化するために、中心軸204と、子宮マニピュレータ101のシャフト107に正接しかつ基準点254と交差する線212との間の、鋭角θが最大化される。いくつかの態様において、角度θは約30度~約50度である。回転モーターアセンブリ226は子宮マニピュレータ101に(例えばアダプタ206を介して)直接接続されるので、角度θは固定されたままであってもよい。モーターアセンブリ226を異なる構成で(例えば下部モーターアセンブリ222と中間部アセンブリ224との間に)取り付けると、子宮マニピュレータ101の(
図9および10に関して論じた)円弧運動が変化する際に、接線212と中心軸204との間の角度の望ましくない変化を引き起こす可能性があり、それは外科手技中に受け入れられないものである。
【0091】
上部モーターアセンブリ224は、基準点254の周りの回転自由度を調整デバイス210に提供する。いくつかの態様において、制御ボックス234(
図7に示す)が、モーター290に電力を供給し、モーター290に制御信号を無線で通信し、かつ遠隔制御器108(
図1に示す)との有線通信または無線通信をもたらす。代替的態様において、モーター290に給電してそれを制御しかつ遠隔制御器108と通信するために、調整デバイス210のオンボード電源(例えば電池)およびオンボード制御器が提供される。
【0092】
いくつかの態様において、調整デバイス210は、制御ボックス234の動作によって給電がオン・オフされてもよく、そしてなお調整デバイス210は、ハウジング228上または調整デバイス210の別のコンポーネント上に位置する電力セレクタ(例えばボタンまたはスイッチ)を任意で含んでいてもよい。調整デバイス210がオンボード電源(例えば電池)およびオンボード制御器を含む代替的態様において、調整デバイス210は、ハウジング228上または調整デバイス210の別のコンポーネント上に位置する電力セレクタを含む。いくつかの態様において、調整デバイス210は約2 kg~約4 kgの重さである。ハウジング228、256、282、および機構230、258、288のコンポーネントが作られてもよい材料の例には、スチールおよびアルミニウムが含まれる。
【0093】
調整デバイス210を、特定の寸法、サイズ、形状、配置、構成、材料、および方法に関して説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス210と実質的に同様である調整デバイスが、1つもしくは複数の異なる寸法、サイズ、形状、配置、構成、および材料を含んでもよく、または異なる方法に基づいて利用されてもよい。
【0094】
図13および14を参照すると、いくつかの態様において、位置決めシステム300の子宮マニピュレータ111を局所的に位置決めするために調整デバイス310が使用されてもよい。位置決めシステム300は、調整デバイス110の代わりに調整デバイス310を、そして子宮マニピュレータ101の代わりに子宮マニピュレータ111を含む点を除いて、構築様式および機能において位置決めシステム100と実質的に同様である。したがって位置決めシステム300は、そのすべてが
図1に示されている、位置決めシステム100の取り付け/給電ユニット102、位置決めアーム104、遠隔制御器108、およびフットペダル112をさらに含む。
【0095】
調整デバイス310の大域位置を確立するために位置決めシステム300の位置決めアーム104が所望の構成でロックされたら、調整デバイス310を遠隔制御器108で操作して、調整デバイス310上に支持された子宮マニピュレータ111の位置を微調整することができる。したがって、調整デバイス310は、調整デバイス310がそれによって位置決めアーム104に固定的に取り付けられるデバイスコネクタ350を含む。調整デバイス310はまた、位置決めアーム104の上端部106に固定的に取り付けられた並進アセンブリ322、並進アセンブリ322に固定的に取り付けられた回転アセンブリ324、および回転アセンブリ324に固定的に取り付けられた回転式受け部326(例えば回転式調整ユニット)も含む。
【0096】
並進アセンブリ322は、x軸に沿った(例えば、正負両方の水平x軸方向における)子宮マニピュレータ111の直線運動をもたらすように動作可能である。並進アセンブリ322は、デバイスコネクタ350に固定されたレール328、レール328の端部に固定された後壁338、およびレール328に沿って直線的に摺動可能な水平支持構造330(例えばキャリッジ)を含む。したがって、レール328は実質的に長方形の形状を有し、かつ、水平支持構造330は、レール328に沿った水平支持構造330の直線移動を可能にするために、相補的な形状を備えたスロット332を画定する。
【0097】
並進アセンブリ322は、2つの可撓性の機械式アクチュエーションケーブル(例えばボーデンケーブル)をさらに含み、それによって水平支持構造330を、一方のケーブル334(破線334で表す)によって+x方向に動かす(例えば前方に押す)こと、および他方のケーブル336(破線336で表す)によって-x方向に動かす(例えば後方に引く)ことができる。各ケーブル334、336は、一方の端部で水平支持構造330に接続され、後壁338を通って反対側の端部で遠隔モーター372に接続される。遠隔制御器108を操作すると、関連するエレクトロニクス374によって遠隔モーター372が制御され、水平支持構造330を直線的に動かすためにケーブル334、336を作動させる。いくつかの態様において、遠隔モーター372はリニアアクチュエータである。いくつかの態様において、水平支持構造330は、+x方向に沿ってレール328に対して最大約10 cmの距離を移動可能である。この方式において、並進アセンブリ322は、x軸に沿った直線自由度を調整デバイス310に提供する。
【0098】
図15および16を参照すると、x軸に平行でありかつ患者の子宮頚部を通って延びる回転軸340の周りでの子宮マニピュレータ111の回転運動をもたらすように動作可能である、回転アセンブリ324。回転アセンブリ324は、垂直支持構造342、および垂直支持構造342に連結されたプラットフォーム344(例えば回転式支持コンポーネント)を含む。プラットフォーム344は、遠位部分370で子宮マニピュレータ111に固定されるベース346、および連結壁348を含む。プラットフォーム344が並進アセンブリ322に対して回転(例えば枢動)することを可能にするために、回転アセンブリ324は、プラットフォーム344の連結壁348を並進アセンブリ322の垂直支持構造342に連結するピン352を含む。
【0099】
回転アセンブリ324は、2つの可撓性の機械式アクチュエーションケーブル354、356(例えばボーデンケーブル)をさらに含み、それによってプラットフォーム344を回転軸340に対して左右に回転させることができる。可撓性ケーブル354(
図14において破線354で表す)は、プラットフォーム344の一方の側部に接続されて、プラットフォーム344を第一の回転方向358に動かすために引かれることができる。可撓性ケーブル356(
図13において破線356で表す)は、プラットフォーム344の反対側の側部に接続されて、プラットフォーム344を反対の第二の回転方向360に動かすために引かれることができる。
【0100】
各ケーブル354、356は、一方の端部でプラットフォーム346に接続され、反対側の端部で遠隔モーター376に接続される。遠隔制御器108を操作すると、関連するエレクトロニクス378によって遠隔モーター376が制御され、プラットフォーム346をピン352の周りで回転させるためにケーブル354、356を作動させる。いくつかの態様において、遠隔モーター376はリニアアクチュエータである。いくつかの態様において、プラットフォーム344は、回転軸340の各側に最大約90度の角度を回転可能である。回転式受け部326は、回転可能なようにプラットフォーム344に連結される。このような方法で、回転アセンブリ324は、x軸に平行に延びる回転軸340に対する回転自由度を調整デバイス310に提供する。
【0101】
図17および18を参照すると、回転式受け部326は、子宮マニピュレータ111の中心軸117に垂直に(例えばz軸に沿って)延びる横軸123の周りで子宮マニピュレータ111の遠位先端部115の回転運動をもたらすように動作可能である。遠位先端部115は、子宮マニピュレータ111のハンドル119(例えば関節運動制御要素)をピン機構121における中心軸117に対して左右に回転させることによって、横軸123の周りで約90度上向きに(
図18に示す)、および横軸123の周りで約50度下向きに(
図17に示す)、関節運動(例えば枢動)することができる。
【0102】
回転式受け部326は、ハンドル119を回転させるためにハンドル119がしっかりと取り付けられる座部(例えば保持または支持コンポーネント)を提供する。受け部326は、2つの可撓性の機械式アクチュエーションケーブル362、364(例えばボーデンケーブル)を備え、それによって、ハンドル119を乗せた受け部326を中心軸117に対して左右に回転させることができる。可撓性ケーブル362(
図17において破線362で表す)は、受け部326の一方の側部に接続されて、受け部を第一の回転方向366に回転させるために引かれることができる。可撓性ケーブル364(
図18において破線364で表す)は、受け部326の反対側の側部に接続されて、受け部326を反対の第二の回転方向368に回転させるために引かれることができる。
【0103】
各可撓性ケーブル362、364は、一方の端部で受け部326に接続され、反対側の端部で遠隔モーター380に接続される。遠隔制御器108を作動させると、関連するエレクトロニクス382によって遠隔モーター380が制御され、受け部326をピン機構121の周りで回転させるためにケーブル362、364を作動させる。いくつかの態様において、遠隔モーター380はリニアアクチュエータである。このような方法で、回転式受け部326は、中心軸117およびx軸に垂直に延びる横軸123に対する回転自由度を調整デバイス310に提供する。
【0104】
子宮マニピュレータ101とは対照的に、子宮マニピュレータ111は、異なる深さの子宮で使用するために選択できる、異なる遠位先端部115を含む。その結果、子宮頚部はハンドル119に対して同じ位置に留まるので、調整デバイス310は、回転アセンブリ324および回転式受け部326によって、子宮の深さに関係なく子宮頚部で遠位先端部115を調整できる。
【0105】
調整デバイス310のモーター372、376、380の位置が遠隔位置にあることは、調整デバイス310の重量を低減させるという利点がある。いくつかの態様において、調整デバイス310は約0.5 kg~約3 kgの重さである。並進アセンブリ322、回転アセンブリ324、および回転式受け部326を作製できる材料の例には、アルミニウムおよびスチールが含まれる。
【0106】
調整デバイス310を、特定の寸法、サイズ、形状、配置、構成、材料、および方法に関して説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス310と実質的に同様である調整デバイスが、1つもしくは複数の異なる寸法、サイズ、形状、配置、構成、および材料を含んでもよく、または異なる方法に基づいて利用されてもよい。
【0107】
例えば、調整デバイス310を、子宮マニピュレータ111のハンドル119を着座させるように設計された回転式受け部326を含むものとして説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス310と実質的に同様である調整デバイスが、子宮マニピュレータ111の、ハンドル119に置き換わる異なる回転可能コンポーネント(例えばフィッティング)を着座させるように設計された、回転式受け部326を代替的に含んでいてもよい。
【0108】
調整デバイス310を、機械式アクチュエーションケーブル334、336、354、356、362、364を介してアクチュエーションを提供する遠隔モーター372、376、380を含むものとして説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス310と実質的に同様である調整デバイスが、液圧機構を介してアクチュエーションを提供する遠隔モーターを代替的に含んでいてもよい。
【0109】
調整デバイス310を、機械式アクチュエーションケーブル334、336、354、356、362、364を介してアクチュエーションを提供する遠隔モーター372、376、380を含むものとして説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス310と実質的に同様である調整デバイスが、アセンブリ322、324の局所コンポーネントおよび受け部326に直接接続された、1つまたは複数の局所モーターを代替的に含んでいてもよい。
【0110】
調整デバイス310を、各セットの各ケーブルがそれぞれ機構322、324、326の互いに反対方向の動きをもたらす、2つの機械式アクチュエーションケーブルの3つのセット334、336;354、356;362、364を含むものとして説明および図示した。しかしいくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス310と実質的に同様である調整デバイスが、各移動機構322, 324, 326について単一であり、2つの互いに反対方向の動きのいずれかを選択的にもたらすことができる、可撓性の機械式アクチュエーションケーブルを、代替的に含んでいてもよい。いくつかの態様において、2つの機械式アクチュエーションケーブルのセット334、336;354、356;または362、364のうち、いずれかのケーブルが、二者択一である互いに反対方向の動きのうちいずれかをもたらすように構成されてもよい。
【0111】
調整デバイス110、210、310のロボット的な移動を遠隔制御することは、外科医が、遠隔制御器108を操作するワークステーションを離れることなく、(例えば、調整デバイス110、210、310に固定されている子宮マニピュレータ101、111上に着座した)患者の子宮を、切開および除去のための最適なアクセスに望ましいように位置決めすることを可能にする。ゆえに、外科医は、調整デバイス110、210、310が遠隔操作されている間に、中断を伴わずに、ロボット手術ワークステーションにある表示画面上で患者の骨盤領域を引き続き可視化できる。したがって、調整デバイス110、210、310のそうした遠隔制御は、有効性の向上、精密性の向上、および手技時間の短縮を伴う、能率化された手技を結果としてもたらすという利点がある。
【0112】
いくつかの態様において、調整デバイス110、210、310のいずれかが、ケア時点で位置決めシステム100、200、300の位置決めアーム104にレトロフィットまたはその他アセンブリできるモジュール式デバイスとして提供されてもよい。他の態様において、調整デバイス110、210、310が、位置決めシステム100、200、300の位置決めアーム104と事前アセンブリされてもよい。
【0113】
調整デバイス110、210、310を、特定の自由度を許容するものとして説明および図示したが、いくつかの態様において、他の点では構築様式および機能において調整デバイス110、210、310のいずれかと実質的に同様である調整デバイスが、追加的もしくは代替的な移動および/または自由度を許容するように設計されてもよい。
【0114】
したがって、他の態様もまた添付の特許請求の範囲内である。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮マニピュレータ
(101)を位置決めするための調整デバイス
(210)であって、
第1のモーターアセンブリ(224)であって、
第1のハウジング(256)、
該第1のハウジング(256)に連結されておりかつ支持コンポーネント(266)を具備する円弧移動機構(258)であって、該支持コンポーネント(266)が、円弧状経路(201)を規定する円弧状トラック(268)を画定し、かつ該調整デバイス
(210)によって規定される
該円弧状経路
(201)に沿って
該第1のハウジング(256)を通って移動可能である
、円弧移動機構(258)、および
該第1のハウジング(256)内に位置する第1のモーター(260)であって、該円弧移動機構(258)の円弧運動を駆動するように構成されている、第1のモーター(260)
を具備する、第1のモーターアセンブリ(224)と、
該第1のモーターアセンブリ(224)に取り付けられている第2のモーターアセンブリ(226)であって、
該第1のモーターアセンブリ(224)の該支持コンポーネント
(266)に固定されている
第2のハウジング(282)、
該第2のモーターアセンブリ(226)のデバイス連結部材(286)を具備する回転
機構(288)であって、
該デバイス連結部材(286)が回転要素(298)を含み、該回転要素
(298)およびそれに固定されている該子宮マニピュレータ
(101)が該円弧状経路
(201)に沿って移動可能でありかつ該支持コンポーネント
(266)に対して回転可能であるように、
該回転要素(298)が該
第2のハウジング(282)および該子宮マニピュレータ
(101)に固定されている、回転
機構(288)、ならびに
該第2のハウジング(282)内に位置する第2のモーター(290)であって、該回転機構(288)の回転運動を駆動するように構成されている、第2のモーター(290)
を具備する、
第2のモーターアセンブリ(226)と
を具備する、調整デバイス
(210)。
【請求項2】
子宮位置決めシステム
(100)の位置決めアーム
(104)に固定的に取り付けられるように構成されている、請求項1記載の調整デバイス
(210)。
【請求項3】
前記調整デバイス
(210)の1つまたは複数の移動機構
(230、258、288)に給電しかつそれを制御するように構成されている遠隔制御ユニット
(234)をさらに具備する、請求項1記載の調整デバイス
(210)。
【請求項4】
前記支持コンポーネント
(266)に連結されかつその直線移動を引き起こす並進アセンブリ
(222)をさらに具備する、請求項1記載の調整デバイス
(210)。
【請求項5】
前記調整デバイス(210)が、前記支持コンポーネント
(266)が前記円弧状経路
(201)に沿って移動する際に基準点
(254)の周りでの前記子宮マニピュレータ
(101)のシャフト
(107)の回転を維持するように構成されて
おり、かつ該基準点が患者の子宮頚部に位置する、請求項1記載の調整デバイス
(210)。
【請求項6】
前記回転要素
(298)による前記子宮マニピュレータ
(101)の回転が基準点
(254)の周りで維持されるように構成されている、請求項1記載の調整デバイス
(210)。
【請求項7】
前記基準点
(254)が患者の子宮頚部に位置し、かつ前記
第2のモーター(290)の軸
(204)が該基準点
(254)と交差する、請求項
6記載の調整デバイス
(210)。
【請求項8】
前記第2のモーターアセンブリ(226)が、前記支持コンポーネント(266)の支持ベース(278)に、該支持ベース(278)の開口部において取り付けられている、請求項1記載の調整デバイス(210)。
【請求項9】
前記デバイス連結部材(286)がストップ要素(202)を含み、前記支持ベース(278)が、前記第2のモーター(290)の軸(204)に対して互いに反対側に位置する2つの位置ストッパー(208)を含み、該ストップ要素(202)が、該デバイス連結部材(286)が特定の回転度に達したときに位置ストッパー(208)に当接して該デバイス連結部材(286)の回転範囲を制限するように構成されている、請求項8記載の調整デバイス(210)。
【請求項10】
前記回転機構(288)が、前記第2のハウジング(282)から、前記支持ベース(278)の前記開口部を通って、前記デバイス連結部材(286)まで延在する接続ロッド(284)をさらに具備する、請求項8記載の調整デバイス(210)。
【請求項11】
前記接続ロッド(284)が、前記第2のモーター(290)によって回転駆動可能であり、該接続ロッド(284)の回転が前記デバイス連結部材(286)の回転を引き起こすように、該デバイス連結部材(286)が該接続ロッド(284)に固定的に取り付けられかつこれを囲む、請求項10記載の調整デバイス(210)。
【請求項12】
前記デバイス連結部材(286)の前記回転要素(298)が、該デバイス連結部材(286)の支持アーム(298)を含む、請求項1記載の調整デバイス(210)。
【請求項13】
前記支持アーム(298)が、前記第2のモーター(290)の軸(204)に対して鋭角(γ)をなして配置されて、前記子宮マニピュレータ(101)のシャフト(107)を、患者の子宮頚部に位置する基準点(254)と交差させる、請求項12記載の調整デバイス(210)。
【請求項14】
前記第1のモーターアセンブリ(224)が中間部モーターアセンブリ(224)を含み、前記第2のモーターアセンブリ(226)が上部モーターアセンブリ(226)を含み、前記調整デバイス(210)が、水平方向における前記子宮マニピュレータ(101)の直線運動をもたらすように動作可能な下部モーターアセンブリ(222)をさらに具備する、請求項1記載の調整デバイス(210)。
【請求項15】
前記下部モーターアセンブリ(222)が子宮位置決めシステム(100)の位置決めアーム(104)に固定的に取り付けられ、前記中間部モーターアセンブリ(224)が該下部モーターアセンブリ(222)に固定的に取り付けられ、かつ前記上部モーターアセンブリ(226)が該中間部モーターアセンブリ(224)に固定的に取り付けられている、請求項14記載の調整デバイス(210)。
【請求項16】
位置決めアーム
(104);ならびに
子宮マニピュレータ
(101)を位置決めするための、該位置決めアーム
(104)上に支持されている
請求項1記載の調整デバイス
(210)
を具備する、位置決めシステム
(200)。
【請求項17】
前記位置決めアーム
(204)が前記調整デバイス
(210)の大域位置を定め、該調整デバイス
(210)が前記子宮マニピュレータ
(101)の局所位置を定める、請求項
16記載の位置決めシステム
(200)。
【請求項18】
遠隔制御器
(108);および
該遠隔制御器
(108)と通信する制御ボックス
(234)
をさらに具備する、請求項
16記載の位置決めシステム
(200)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
他の局面、特徴、および利点は、本明細書の説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
[本発明1001]
子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスであって、
該調整デバイスによって規定される円弧状経路に沿って移動可能である支持コンポーネントと、
調整ユニットであって、
該支持コンポーネントに固定されているベースコンポーネント;ならびに
回転要素であって、該回転要素およびそれに固定されている該子宮マニピュレータが該円弧状経路に沿って移動可能でありかつ該支持コンポーネントに対して回転可能であるように、該ベースコンポーネントおよび該子宮マニピュレータに固定されている、回転要素
を具備する、調整ユニットと
を具備する、調整デバイス。
[本発明1002]
子宮位置決めシステムの位置決めアームに固定的に取り付けられるように構成されている、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1003]
前記調整ユニットが、前記位置決めアームに対して、前記円弧状経路に沿って前後に移動するように構成されている、本発明1002の調整デバイス。
[本発明1004]
遠隔制御器との無線通信または有線通信をもたらすように構成されている内部エレクトロニクスをさらに具備する、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1005]
前記調整デバイスの1つまたは複数の移動機構に給電しかつそれを制御するように構成されている遠隔制御ユニットをさらに具備する、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1006]
前記調整デバイスが、細長受け部を提供する支持ユニットをさらに具備し、該細長受け部が、前記支持コンポーネントを受けかつ前記円弧状経路を規定する、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1007]
前記支持コンポーネントが、前記調整ユニットが前記細長受け部に沿って円弧状に移動する際に該細長受け部内に保持される端部を有するコネクタを含む、本発明1006の調整デバイス。
[本発明1008]
前記調整ユニットが、前記円弧状経路に沿って最大約6 cm~最大約26 cmの総距離を前後に移動可能である、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1009]
前記回転要素が、ピンの周りで回転可能なダイヤルを具備し、かつ、該ダイヤルの角度スパンが、前記子宮マニピュレータの先端部の約6 cm~約36 cmの横方向レンジに対応する、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1010]
前記支持コンポーネントが前記円弧状経路を規定する、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1011]
前記支持コンポーネントの円弧移動および前記回転要素の回転を制御する1つまたは複数のモーターをさらに具備する、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1012]
前記支持コンポーネントに連結されかつその直線移動を引き起こす並進アセンブリをさらに具備する、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1013]
前記支持コンポーネントが前記円弧状経路に沿って移動する際に基準点の周りでの前記子宮マニピュレータのシャフトの回転を維持するように構成されている、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1014]
前記基準点が患者の子宮頚部に位置する、本発明1013の調整デバイス。
[本発明1015]
前記回転要素による前記子宮マニピュレータの回転が基準点の周りで維持されるように構成されている、本発明1001の調整デバイス。
[本発明1016]
前記基準点が患者の子宮頚部に位置し、かつ前記調整ユニットの軸が該基準点と交差する、本発明1015の調整デバイス。
[本発明1017]
位置決めアーム;ならびに
子宮マニピュレータを位置決めするための、該位置決めアーム上に支持されている調整デバイスであって
該調整デバイスによって規定される円弧状経路に沿って移動可能である支持コンポーネントと、
調整ユニットであって、
該支持コンポーネントに固定されているベースコンポーネント;ならびに
回転要素であって、該回転要素およびそれに固定されている該子宮マニピュレータが該円弧状経路に沿って移動可能でありかつ該支持コンポーネントに対して回転可能であるように、該ベースコンポーネントおよび該子宮マニピュレータに固定されている、回転要素
を具備する、調整ユニットと
を具備する、調整デバイス
を具備する、位置決めシステム。
[本発明1018]
前記位置決めアームが前記調整デバイスの大域位置を定め、該調整デバイスが前記子宮マニピュレータの局所位置を定める、本発明1017の位置決めシステム。
[本発明1019]
遠隔制御器;および
該遠隔制御器と通信する制御ボックス
をさらに具備する、本発明1017の位置決めシステム。
[本発明1020]
子宮マニピュレータを位置決めするための調整デバイスであって
該子宮マニピュレータに固定されており、かつ該調整デバイスによって規定される回転軸の周りで回転可能である、回転式支持コンポーネントと、
該子宮マニピュレータを該回転軸に対して回転させかつ該子宮マニピュレータの一部分を該回転式支持コンポーネントに対して関節運動させるように該調整デバイスが構成されるように、該子宮マニピュレータの関節運動制御要素に固定されかつ該回転式支持コンポーネントに固定されている、回転式調整ユニットと
を具備する、調整デバイス。
[本発明1021]
前記回転式支持コンポーネントが、線形並進アセンブリに連結されている、本発明1020の調整デバイス。
[本発明1022]
前記線形並進アセンブリが、レールおよびキャリッジを具備する、本発明1021の調整デバイス。
[本発明1023]
前記線形並進アセンブリが、子宮位置決めシステムの位置決めアームに固定的に取り付けられるように構成されている、本発明1020の調整デバイス。
[本発明1024]
前記回転式支持コンポーネントを反対の回転方向に選択的に回転させるように構成されている1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルをさらに具備する、本発明1020の調整デバイス。
[本発明1025]
前記1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルに連結されかつこれを制御する遠隔モーターをさらに具備する、本発明1024の調整デバイス。
[本発明1026]
前記回転式調整ユニットを反対の回転方向に選択的に回転させるように構成されている1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルをさらに具備する、本発明1020の調整デバイス。
[本発明1027]
前記1つまたは複数の機械式アクチュエーションケーブルに連結されかつこれを制御する遠隔モーターをさらに具備する、本発明1026の調整デバイス。
[本発明1028]
前記関節運動制御要素がハンドルを含み、前記一部分が遠位先端部を含む、本発明1020の調整デバイス。
[本発明1029]
前記回転軸が、患者の子宮頚部と交差する、本発明1020の調整デバイス。
[本発明1030]
位置決めアーム;ならびに
子宮マニピュレータを位置決めするための、該位置決めアーム上に支持されている調整デバイスであって、
該子宮マニピュレータに固定されており、かつ該調整デバイスによって規定される回転軸の周りで回転可能である、回転式支持コンポーネントと、
該子宮マニピュレータを該回転軸に対して回転させかつ該子宮マニピュレータの一部分を該回転式支持コンポーネントに対して関節運動させるように該調整デバイスが構成されるように、該子宮マニピュレータの関節運動制御要素および該回転式支持コンポーネントに固定されている、回転式調整ユニットと
を具備する、調整デバイス
を具備する、位置決めシステム。
【国際調査報告】