(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】クロージャーシステムを有する履物具
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20241219BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A43C11/00
A43B23/02 105Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539968
(86)(22)【出願日】2023-01-03
(85)【翻訳文提出日】2024-08-30
(86)【国際出願番号】 IB2023050029
(87)【国際公開番号】W WO2023126907
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2022-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジーギスムント,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】サスマン,ラインホルト
(72)【発明者】
【氏名】ジラード,ロメイン
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050AA02
4F050AA11
4F050AA22
4F050BC03
4F050BC22
4F050HA30
4F050HA55
4F050HA56
4F050HA59
4F050HA60
4F050HA63
4F050HA70
4F050HA85
4F050JA01
4F050JA02
4F050JA06
4F050JA09
4F050JA13
4F050MA27
4F050MA28
(57)【要約】
履物具のクロージャーシステムは、クロージャー機構、固定要素、および履物具のアッパーと動作可能に係合するように構成されたコードを含む。クロージャー機構は、履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するように作動するように構成され、固定要素は、クロージャー機構と係合して履物具を締め付けられた構成に固定するように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャー機構と、
固定要素と、
履物具のアッパーと動作可能に係合するように構成されたコードと、を含み、前記クロージャー機構は、前記履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するように作動されるように構成され、前記固定要素は、前記履物具を前記締め付けられた構成で固定するように前記クロージャー機構と係合するように構成される、履物具のためのクロージャーシステム。
【請求項2】
前記クロージャー機構は、踵領域内で、前記履物具の外側で前記アッパーに取り付けられる、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項3】
前記コードは、前記クロージャー機構と動作可能に係合し、前記履物具のシュータンに近接する巻き付け領域を通って延在する、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項4】
前記固定要素は、固定面によって画定されるレセプタクルを有するストラップであり、前記固定面は、前記クロージャー機構と取り外し可能に係合されるように構成される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項5】
前記固定要素は、前記履物具の内側から前記外側に向かって前記アッパーを横切って延在する、請求項2に記載のクロージャーシステム。
【請求項6】
前記固定要素は、前記コードを少なくとも部分的に隠すように構成される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項7】
前記固定要素は、弾性材料で形成され、固定端で前記履物具のソールに取り付けられる、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項8】
クロージャー機構と、
固定要素と、
アッパーおよび前記クロージャー機構に動作可能に結合されるコードと、を含み、前記固定要素は、第1セグメントと、第1セグメントに重なる第2セグメントとを含み、前記クロージャー機構は、履物具を締めたり緩めたりするように作動されるように構成される、履物具のためのクロージャーシステム。
【請求項9】
前記固定要素の前記第2セグメントは、非固定位置と固定位置との間で関節結合されるように構成された自由端を含む、請求項8に記載のクロージャーシステム。
【請求項10】
前記固定要素の前記第2セグメントは、前記固定位置で前記クロージャー機構と取り外し可能に係合し、前記第2セグメントは、前記非固定位置で前記クロージャー機構から離間する、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項11】
前記固定要素の前記第1セグメントは、前記固定位置および前記非固定位置の両方において、前記クロージャー機構と係合する、請求項10に記載のクロージャーシステム。
【請求項12】
前記クロージャー機構は、前記アッパーの中央に、前記履物具のシュータンに近接して配置される、請求項8に記載のクロージャーシステム。
【請求項13】
前記コードは、前記アッパーの複数のアイレットに通され、前記固定要素によって少なくとも部分的に隠される、請求項8に記載のクロージャーシステム。
【請求項14】
第1セグメントと第2セグメントを有するストラップと、
バンドと、
アッパーに配置された複数の保持機構と、を含み、前記バンドは、前記保持機構のうちの少なくとも1つと、前記ストラップとに結合され、前記ストラップの前記第2セグメントは、履物具を締め付けるように引っ張られるよう構成されている、履物具のためのクロージャーシステム。
【請求項15】
前記ストラップの前記第2セグメントは、前記ストラップの前記第1セグメントに取り外し可能に固定されるように構成される、請求項14に記載のクロージャーシステム。
【請求項16】
前記ストラップは、前記アッパーの踵端部の周囲に巻き付けられ、外側から内側に延びる、請求項14に記載のクロージャーシステム。
【請求項17】
前記ストラップの前記第1セグメントは、第1端に取り付けられたプーリを含み、前記ストラップの前記第2セグメントは、自由端を含み、前記ストラップの前記自由端を引っ張ることにより、前記ストラップの前記第1端は、前記アッパーに沿ってスライドする、請求項14に記載のクロージャーシステム。
【請求項18】
前記ストラップの前記自由端を引張ることは、前記バンドに引張力を及ぼし、前記バンドは、前記アッパーに引張力を及ぼす、請求項17に記載のクロージャーシステム。
【請求項19】
前記バンドは、弾性材料から形成される、請求項14に記載のクロージャーシステム。
【請求項20】
ユーザは、前記保持機構、前記ストラップ、またはその両方に対して前記バンドを調節することによって、前記履物具の締め付けを調節することができる、請求項14に記載のクロージャーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、留め具システム又はクロージャーシステムを含む履物具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来の靴または他の履物具は一般的に、アッパーと、アッパーの下端に取り付けられたソールとを備える。従来の靴は、靴を足に固定する前にユーザの足を受け入れる内部空間、すなわち、アッパーおよびソールの内部表面によって形成される空隙または空洞をさらに含む。ソールは、アッパーの下面または境界に取り付けられ、アッパーと地面との間に配置される。結果として、ソールは、典型的には、靴が着用されているときに、安定性およびクッション性をユーザに提供する。いくつかの事例では、ソールは、アウトソール、ミッドソール、および頂部などの複数の構成要素を含み得る。アウトソールは、ソールの底面に牽引力を提供することができ、ミッドソールは、アウトソールの内面に取り付けることができ、ソールにクッション性または追加の安定性を提供することができる。例えば、ソールは、ソールに沿った1つ以上の所望の位置での安定性を増加させ得る特定の発泡材料、またはユーザが走っている、歩いている、または別の活動に従事しているときに足もしくは脚への応力または衝撃エネルギーを減少させ得る発泡材料を含んでもよい。ソールはまた、ソールの全体的な剛性を増加させ、使用中のエネルギー損失を低減するために、ソールに埋め込まれたプレートなどの追加の構成要素を含んでもよい。
【0003】
アッパーは、一般的に、ソールから上方に延び、足を完全にまたは部分的に包む内部空洞を画定する。ほとんどの場合、アッパーは、足の甲およびつま先領域にわたって、ならびにその内側および外側を横切って延在する。多くの履物具はまた、インステップ領域を横切って延在し、空洞内への開口部を画定する、アッパーの内側および外側の縁部間の間隙を架橋するシュータンを含んでもよい。シュータンはまた、靴の締め付けの調整を可能にするために、レーシングシステムの下、およびアッパーの内側と外側との間に配置されてもよい。シュータンはさらに、内部空間または空洞からの足の進入または退出を可能にするために、ユーザによって操作可能であってもよい。加えて、レーシングシステムは、ユーザがアッパーまたはソールの特定の寸法を調整することを可能にし、それによって、アッパーが、様々なサイズおよび形状を有する多種多様なフットタイプを収容することを可能にし得る。
【0004】
多くの靴のアッパーは、アッパーを形成するために利用することができ、靴の1つ以上の意図された用途に基づいて使用するために選択することができる多種多様な材料を含むことができる。アッパーはまた、アッパーの特定の領域に特有の様々な材料を含む部分を含んでもよい。例えば、より高い程度の抵抗または剛性を提供するために、追加の安定性が、アッパーの前部または踵領域の隣で望ましい場合がある。対照的に、靴の他の部分は、耐延伸性、可撓性、通気性、または吸湿性を有する領域を提供するために、柔らかい織布を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多くの場合、改善されたクロージャー機構と共に、向上した快適性およびより良好なフィット感を有するアッパーを有する履物具が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の履物具は、様々な構成を有することができる。履物具は、アッパーと、アッパーに接続されたソール構造とを有してもよい。
【0007】
一態様では、履物具のためのクロージャーシステムは、クロージャー機構と、固定要素と、履物具のアッパーと動作可能に係合するように構成されたコードとを含む。クロージャー機構は、履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調節するように作動されるように構成され、固定要素は、履物具を締め付けられた構成で固定するようにクロージャー機構と係合するように構成される。
【0008】
いくつかの実施態様では、クロージャー機構は、踵領域内で、履物具の外側でアッパーに取り付けられる。コードは、クロージャー機構と作動可能に係合し、履物具のシュータンに近接する巻き付け領域を通って延在する。いくつかの実施形態において、固定要素は、固定面によって画定されるレセプタクルを有するストラップであり、固定面は、クロージャー機構と取り外し可能に係合するように構成される。さらに、固定要素は、履物具の内側から外側に向かってアッパーを横切って延在する。いくつかの実施形態では、固定要素は、コードを少なくとも部分的に隠すように構成される。特定の一実施形態では、固定要素は、弾性材料で形成され、固定端で履物具のソールに取り付けられる。
【0009】
別の態様では、履物具のためのクロージャーシステムは、クロージャー機構と、固定要素と、アッパー及びクロージャー機構に作動可能に結合されたコードとを含む。固定要素は、第1セグメントと、第1セグメントと重なり合う第2セグメントとを含み、クロージャー機構は、履物具を締めたり緩めたりするように作動されるように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、固定要素の第2セグメントは、非固定位置と固定位置との間で関節結合されるように構成された自由端を含む。さらに、固定要素の第2セグメントは、固定位置でクロージャー機構と取り外し可能に係合し、第2セグメントは、非固定位置でクロージャー機構から離間する。さらに、固定要素の第1セグメントは、固定位置および非固定位置の両方においてクロージャー機構と係合する。いくつかの実施形態では、クロージャー機構は、アッパーおよび履物具のシュータンに近接して中央に配置される。一部の実施形態では、コードは、アッパーの複数のアイレットに通され、固定要素によって少なくとも部分的に隠される。
【0011】
さらに別の態様では、履物具のためのクロージャーシステムは、第1セグメントと第2セグメントとを有するストラップと、バンドと、アッパーに配置された複数の保持機構とを含む。バンドは、保持機構のうちの少なくとも1つとストラップとに結合され、ストラップの第2セグメントは、履物具を締め付けるように引っ張られるように構成される。
【0012】
いくつかの実施態様では、ストラップの第2セグメントは、ストラップの第1セグメントに取り外し可能に固定されるように構成される。ストラップは、アッパーの踵端部の周囲に巻き付けられ、外側から内側に延びる。いくつかの例では、ストラップの第1セグメントは、第1端に取り付けられたプーリを含み、ストラップの第2セグメントは、自由端を含み、ストラップの自由端を引っ張ることにより、ストラップの第1端は、アッパーに沿ってスライドする。さらに、ストラップの自由端を引っ張ることは、バンドに引張力を及ぼし、バンドは、アッパーに引張力を及ぼす。一部の実施形態では、バンドは弾性材料で形成されている。いくつかの実施形態では、ユーザは、保持機構、ストラップ、または両方に対してバンドを調節することによって、履物具の締め具合を調節してもよい
【0013】
履物具の他の態様、特にその特徴および利点は、図面および本明細書の詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。したがって、履物具のそのような態様はすべて、詳細な説明およびこの概要に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の一実施形態による、アッパーおよびソール構造体を含む右足用靴として構成された履物具の底部および内側の斜視図である。
【
図3】
図1の履物具の平面図であり、アッパーが取り外され、ユーザの骨格足構造が履物具に重ねられている図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、非固定構成における左足用靴として構成された履物具の外側の略図である。
【
図5】固定構成における
図4の履物具の略図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、固定構成における左足用靴として構成された別の履物具のつま先端部と外側の斜視図の略図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、固定構成における左足用靴として構成されたさらに別の履物具のつま先端部および外側の斜視図の略図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、非固定構成における左足用靴として構成されたさらに別の履物具の側面図の略図である。
【
図9】固定構成における
図8の履物具の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明および添付の図面は、靴およびソール構造の様々な実施形態または構成を開示する。靴またはソール構造の実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズに関して開示されるが、靴またはソール構造の実施形態に関連する概念は、例えば、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーおよびスノーボードブーツ、サッカーシューズおよびクリート、ウォーキングシューズ、ならびにトラッククリートを含む、広範囲の履物具および履物具スタイルに適用され得る。靴またはソール構造の概念はまた、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、およびヒールを含む、非運動用であると考えられる履物具に適用されてもよい。履物具に加えて、本明細書に記載される特定の概念はまた、ヘルメット、パッドもしくは保護パッド、脛ガード、および手袋を含む、他のタイプの衣服または他の運動器具に適用され、組み込まれてもよい。さらに、本明細書に記載される特定の概念は、クッション、バックパックストラップ、ゴルフクラブ、または他の消費者製品もしくは工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書で説明される概念は、様々な製品において利用され得る。
【0016】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、本明細書の開示の実施形態を含み得る、履物具または他の製品のために使用される典型的な測定および製造手順、これらの手順における不注意な誤り、組成物または混合物を作製するために使用される成分の製造、供給源、または純度の差異、および同等物を介して生じ得る数値量の変動を指す。本開示を通して、「約」および「およそ」という用語は、その用語が先行する数値の±5%の値の範囲を指す。
【0017】
本開示は、アッパーおよび/またはソールまたはソール構造などの履物具および/または履物具の特定の構成要素を対象とする。アッパーは、ニット構成要素、織布、および/または不織布を含んでもよい。ニット構成要素は、糸の編み物、糸の製織による織布、および単一の不織ウェブの製造による不織布によって作製されてもよい。ニット織物は、縦編み、横編み、平編み、丸編み、および/または他の適切な編み作業によって形成される織物を含む。ニット織物は、例えば、プレーンニット構造、メッシュニット構造、および/またはリブニット構造を有してもよい。織布としては、限定されるものではないが、例えば、平織り、綾織り、サテン織り、ドビン織り、ジャカード織り、二重織り、および/または二重布織りなどの多数の織り形態のいずれかによって形成された織物が挙げられる。不織布としては、例えば、エアレイド法および/またはスパンレイド法によって製造された布地が挙げられる。アッパーは、様々な特性または様々な視覚特性を有し得る、第1の糸、第2の糸、および/または第3の糸などの様々な材料を備え得る。
【0018】
図1~
図3は、アッパー102およびソール構造104を含む履物具100の例示的な実施形態を示す。アッパー102は、ソール構造104に取り付けられ、足が挿入され得る内部空洞106(
図2および
図3参照)を一緒に画定する。参考のために、履物具100は、前足領域108、中足領域110、および踵領域112を画定する(
図2および
図3参照)。前足領域108は、一般的に、足指、母指球、および中足骨を足指または指骨に接続する関節を含む、足の部分を包む履物具100の部分に対応する。中足領域110は前足領域108に近接して隣接し、一般的に、足のブリッジとともに、足のアーチを包む履物具100の部分に対応する。踵領域112は、中足領域110に近接して隣接し、一般的に、踵または踵骨、足首、および/またはアキレス腱を含む、足の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【0019】
多くの従来の履物具のアッパーは、複数の要素、例えば、織物、ポリマー発泡体、ポリマーシート、皮革、および合成皮革から形成され、これらは、継ぎ目での接着又は縫合によって接合される。いくつかの実施形態では、履物具100のアッパー10は、ニット構造またはニット構成要素から形成される。様々な実施形態では、ニット構成要素は、アッパーに異なる特性を提供することができる様々なタイプの糸を組み込むことができる。例えば、アッパー102の1つの領域は、第1のセットの特性を付与する第1のタイプの糸から形成されてもよく、アッパー102の別の領域は、第2のセットの特性を付与する第2のタイプの糸から形成されてもよい。この構成を使用して、アッパー102の特性は、アッパー102の異なる領域に対して特定の糸を選択することによって、アッパー102全体にわたって変化し得る。
【0020】
アッパー102を構成する材料(複数可)に関して、特定のタイプの糸がニット構成要素の領域に与える特定の特性は、糸の様々なフィラメントおよび繊維を形成する材料に少なくとも部分的に依存し得る。例えば、綿は、編物材料に柔らかい効果、生分解性、または自然な美観を提供することができる。エラスタンおよび延伸ポリエステルは、それぞれ、所望の弾性および回復を有するニット構成要素を提供することができる。レーヨンは、高い光沢および吸湿性材料を提供し得、ウールは、増加した吸湿性を有する材料を提供し得、ナイロンは、耐摩耗性である耐久性材料であり得、ポリエステルは、疎水性で耐久性のある材料を提供し得る。
【0021】
ニット構成要素の他の態様もまた、ニット構成要素の特性に影響を及ぼし、所望の属性を提供するように変更され得る。例えば、ニット構成要素を形成する糸は、モノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を含むことができ、または糸は、それぞれ2つ以上の異なる材料から形成されるフィラメントを含むことができる。加えて、ニット構成要素は、特定の特性を有するニット構成要素の領域を付与するために、特定の編みプロセスを使用して形成され得る。したがって、糸を形成する材料および糸の他の態様の両方は、アッパー102の特定の領域に様々な特性を付与するように選択され得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、ニット構造の伸縮性は、ニット構造体が外側にニット構造体に加えられる力を有した後の、第1の非延伸状態におけるニット構造体の幅または長さを、第2の延伸状態におけるニット構造体の幅または長さと比較することに基づいて測定され得る。さらなる実施形態では、アッパー102はまた、追加の構造要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヒールプレートまたはカバー(図示せず)を踵領域112上に設けて、ユーザの踵に追加の支持を提供することができる。いくつかの例では、他の要素、例えば、プラスチック材料、ロゴ、商標などもまた、接着剤または熱成形プロセスを使用して外面に適用され、固定されてもよい。いくつかの実施形態では、アッパー102に関連する特性、例えば、ステッチの種類、糸の種類、または異なるステッチの種類もしくは糸の種類に関連する特性、例えば、弾性、審美的外観、厚さ、通気性、または耐擦り傷性を変えることができる。
【0023】
再び
図1を参照すると、ソール構造104はアッパー102に接続または固定され、履物具100がユーザによって着用されるときに、ユーザの足と地面との間に延在する。ソール構造104は、アウトソール、ミッドソール、ヒール、バンプ、および/またはインソールを含むことができる1つまたは複数の構成要素を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造は、ソール構造に構造的完全性を提供するアウトソールと、ユーザに牽引力を提供するアウトソールと、クッションシステムを提供するミッドソールと、ユーザのアーチを支持するインソールとを含むことができる。また、インソールは、ストロベルボード、フォアフットボード、ラスティングボードなど、またはそれらの組み合わせであってもよく、インソールは、アッパー102とソール構造104との間に設けられてもよく、またはインソールは、アッパー102の一部として設けられてもよい。
【0024】
さらに、インソールはアッパー102の内部空洞106内に配置することができ、これは、履物具100が着用されている間、ユーザの足と直接接触することができる。さらに、アッパー102はまた、例えば、ユーザの足とアッパー102、ソール104、インソールなどとの間の摩擦を低減することによって、および/または水分吸い上げ特性を提供することによって、快適性を高めることができるライナー(図示せず)を含むことができる。ライナーは、内部空洞106の全体またはその一部分のみを裏張りしてもよい。いくつかの実施形態では、バインディング(図示せず)は、ライナーをアッパー102に固定するため、および/または履物具100上に審美的要素を提供するために、内部空洞106の開口部を囲んでもよい。
【0025】
図2および
図3を参照すると、履物具100はまた、外側116および内側118を画定する。ユーザが靴を履いているとき、外側116は履物具100の外側に面する部分に対応し、内側118は履物具100の内側に面する部分に対応する。したがって、履物具100は、対向する外側116および内側118を有する。内側118および外側116は、
図1の長手方向軸Lと同一平面上にある履物具100の長手方向中心平面または軸120に沿って互いに隣接する。本明細書でさらに論じるように、長手方向中心平面または軸120は、履物具100の内側118と外側116との間の中心中間軸を画定することができる。言い換えると、長手方向平面または軸120は、履物具100の後部近位端122と履物具100の前部遠位端124との間に延在してもよく、履物具100のインソール126、ソール構造104、および/またはアッパー102の中央を連続的に画定してもよく、すなわち、長手方向平面または軸120は、踵領域112の後部近位端122を通って前足領域108の前部遠位端124まで延在する直線軸である。
【0026】
特に明記しない限り、
図2および
図3を参照すると、履物具100は、前足領域108、中足領域110、および踵領域112によって画定され得る。前足領域108は、一般的に、足指または指骨130、母指球132、および足128の中足骨136を足指または指骨130に接続する関節134のうちの1つまたは複数を含む足128の部分を包む履物具100の部分に対応し得る。中足領域110は、前足領域108に近接し、隣接する。中足領域110は、一般的に、足128のブリッジと共に、足128のアーチを包む履物具100の部分に対応する。踵領域112は、中足領域110に近接し、中足領域110に隣接する。踵領域112は、概して、踵または踵骨138、足首(図示せず)、および/またはアキレス腱(図示せず)を含む、足128の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【0027】
さらに
図2および
図3を参照すると、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および外側116は、履物具100の境界または領域を画定することが意図される。そのために、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および外側116は一般的に、履物具100のセクションを特徴付ける。本開示のいくつかの態様は、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および/または外側116のうちの1つまたは複数と同一の広がりを有する部分または要素を指し得る。さらに、アッパー102およびソール構造104の両方は、前足領域108、中足領域110、踵領域112、ならびに/または内側118および/もしくは外側116に沿った部分を有するものとして特徴付けられ得る。したがって、アッパー102およびソール構造104、ならびに/またはアッパー102およびソール構造104の個々の部分は、前足領域108、中足領域110、踵領域112、ならびに/または内側118および/もしくは外側116に沿って配置されるその部分を含むことができる。
【0028】
さらに
図2および
図3を参照すると、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および外側116が詳細に示されている。前足領域108は、履物具100のつま先端部140から最も広い部分142まで延在する。最も広い部分142は、つま先端部140の遠位部分からつま先端部140とは反対側の踵端部146の遠位部分まで延在する長手方向軸120に対して垂直である第1の線144に沿って画定または測定される。中足領域110は、履物具100の最も広い部分142から最も狭い部分148まで延在する。履物具100の最も薄い部分148は、長手方向軸120に対して垂直な第2の線150にわたって測定された履物具100の最も薄い部分として定義される。踵領域112は、履物具100の最も薄い部分148から踵端部146まで延在する。
【0029】
前述の説明を考慮すると、当業者には数多くの変形例が明らかであり、その個々の構成要素は、数多くの履物具に組み込まれ得ることを理解されたい。したがって、履物具100およびその構成要素の態様は、本明細書に記載されるように、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および/または外側116の境界を理解しながら、履物具100の一般的な領域または部分を参照して説明され得る。しかしながら、履物具100およびその個々の構成要素の態様はまた、履物具100の正確な領域または部分を参照して説明されてもよく、本明細書の添付の特許請求の範囲の範囲は、本明細書で論じられる前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および/または外側116のこれらの境界に関連する制限を組み込んでもよい。
【0030】
さらに
図2および
図3を参照すると、内側118は、遠位つま先端部140から始まり、履物具100の内側に沿って前足領域108に沿って中足領域110に向かって外向きに湾曲する。内側118は、第1の線144に達し、その点で、内側118は、中心の長手方向軸120に向かって内側に曲がる。内側118は、第1の線144、すなわち、最も広い部分142から、第2の線150、すなわち、最も薄い部分148に向かって延在し、その点で、内側118は、中足領域110に入り、すなわち、第1の線144を横断する。第2の線150に達すると、内側118は、長手方向の中心軸120から離れるように外側に湾曲し、その点で、内側118は、踵領域112内に延在し、すなわち、第2の線150を横断する。次いで、内側118は、外側に曲がり、次いで踵端部146に向かって内側に曲がり、内側118が長手方向中心軸120と交わる点で終端する。
【0031】
外側116はまた、遠位つま先端部140から始まり、履物具100の外側に沿って前足領域108に沿って中足領域110に向かって外向きに湾曲する。外側116は第1の線144に達し、その点で、外側116は、長手方向の中心軸120に向かって内側に曲がる。外側116は第1の線144、すなわち最も広い部分142から第2の線150、すなわち最も薄い部分148に向かって延び、その時点で、外側116は中足領域110に入り、すなわち、第1の線144を横断する。第2の線150に達すると、外側116は縦方向の中心軸120から離れるように外向きに湾曲し、その点で、外側116は踵領域112内に延在し、すなわち、第2の線150を横断する。外側116は次いで、外側に曲がり、次いで、踵端部146に向かって内側に曲がり、外側116が長手方向中心軸120と交わる点で終端する。
【0032】
さらに
図2および
図3を参照すると、アッパー102は、外側116および内側118に沿って、前足領域108、中足領域110、および踵領域112を横切って延在し、ユーザの足を収容し、包囲する。完全に組み立てられると、アッパー102はまた、内面162および外面164を含む。内面162は、内側に面し、概して内部空洞106を画定し、アッパー102の外面164は、外側に面し、概してアッパー102の外周または境界を画定する。アッパー102はまた、履物具100の踵領域112に少なくとも部分的に位置する開口部166を含み、これは、内部空洞106へのアクセスを提供し、そこを通して足を挿入および取り出すことができる。いくつかの実施形態では、アッパー102はまた、踵領域112の開口部166から、足の甲に対応する領域にわたって、前足領域108に近接する領域まで延在するインステップ領域168を含んでもよい。インステップ領域168は、本実施形態のシュータン170が配置される領域と同様の領域を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アッパー102は、シュータン170を含まず、すなわち、アッパー102は、シュータンがない。
【0033】
図示の実施形態では、ソール構造104がミッドソール172およびアウトソール174を含む。アウトソール174は、踵領域112、中足領域110、および前足領域108を横切るソール構造104の底端または底面176を画定してもよい。さらに、アウトソール174は、ソール構造104の地面係合部分であってもよいし、または地面係合表面を含んでもよく、ソール構造104のインソールの反対側であってもよい。
図1に示すように、アウトソール174の底面176は、様々な形状および構成を含むことができるトレッドパターン178を含むことができる。アウトソール174は、ソール構造104に耐久性、耐摩耗性、摩擦抵抗、または牽引力を付与するために、1つ以上の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、アウトソール174は、任意の種類のエラストマー材料、例えば、熱硬化性エラストマーもしくは熱可塑性エラストマーを含むゴム、または熱可塑性材料、例えば熱可塑性ポリウレタン(TPU)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、アウトソール174は、95までのショアA硬度を画定してもよい。さらに、アウトソール174は、射出成形、加硫、層ごとの印刷、すなわち、アディティブ製造システムまたは方法などを含むプロセスによって製造されてもよい。
【0034】
さらに
図1を参照すると、ミッドソール172は、例えばポリウレタン(PU)などの熱可塑性材料、および/またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)、それらのコポリマー、または類似のタイプの材料から個々に構築され得る。他の実施形態では、ミッドソール172は、EVA-Solid-Sponge(「ESS」)材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam Lite
TM、IGNITE発泡体)、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックコポリマー、有機シート、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンなど)、または超臨界発泡体であってもよい。ミッドソール172は、単一のポリマー材料であってもよく、またはEVAコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)コポリマー、および/またはオレフィンブロックコポリマーなどの材料のブレンドであってもよい。PEBA材料の一例は、PEBAX(登録商標)である。いくつかの実施形態では、ミッドソール172は、射出成形、加硫、層ごとの印刷、すなわち、アディティブ製造システムまたは方法などを含むプロセスによって製造される。
【0035】
ミッドソール172が超臨界発泡プロセスから形成される実施形態では、超臨界発泡体は、オートクレーブ、射出成形機、または超臨界流体(例えば、CO2、N2、またはそれらの混合物)と、好ましくは溶融している材料(例えば、TPU、EVA、ポリオレフィンエラストマー、またはそれらの混合物)との混合を処理することができる任意の十分に加熱/加圧された容器内で実施されるプロセスを使用して製造される、TPU、EVA、PEBAX(登録商標)、またはそれらの混合物などの微細孔発泡体または粒子発泡体を含むことができる。1つの例示的なプロセスでは、超臨界流体および溶融材料の溶液は、加圧容器内にポンプで送り込まれ、その後、容器内の圧力がリリースされ、その結果、超臨界流体の分子は、ガスに急速に変換して、材料内に小さなポケットを形成し、材料を発泡体に膨張させる。さらなる実施形態では、ミッドソール172は、膨張プレス、射出成形機、ペレット膨張プロセス、冷間発泡プロセス、圧縮成形技術、ダイカット、またはそれらの任意の組合せの使用を含む、当技術分野で公知の代替方法を使用して形成され得る。例えば、ミッドソール172は、材料を発泡させるために超臨界ガスが使用され、次いで、特定の形状に圧縮成形またはダイカットされる初期発泡ステップを含むプロセスを使用して形成され得る。
【0036】
図4および
図5は、クロージャー機構208と、履物具200を締め付けおよび/または緩めるためにアッパー102およびクロージャー機構208に操作可能に結合されるコード212とを含む、留め具システムまたはクロージャーシステム204を有する履物具200の製品の概略図を示す。さらに、クロージャーシステム204は、クロージャー機構208と取り外し可能に係合するように構成されたストラップの形態の固定要素216を含む。必要に応じて、ユーザは、クロージャー機構208を作動させて引張力をコード212に加えて履物具200のアッパー102および/またはソール104をユーザの足の周りに締め付けることによって、緩められた構成から締め付けられた構成に履物具200を調整することができる。次いで、ユーザは、クロージャー機構208と係合するようにストラップ216を関節結合することによって、締め付けられた構成で履物具200を固定することができる。さらに、ユーザは、前述のステップを逆にすることによって、すなわち、ストラップ216をクロージャー機構208から係合解除し、次いで、クロージャー機構208を作動させてコード212を緩めることによって、またはコード212が緩むことを可能にすることによって、履物具200を締め付けられた構成から緩められた構成に調節することができる。このようにして、クロージャーシステム204は、履物具200を締めたり緩めたりするように構成される。
【0037】
図示の実施形態では、クロージャー機構208は、履物具200の外側のアッパー102に取り付けられ、踵領域112内にある円盤状の回転ラチェット装置の形態で設けられている。いくつかの実施形態において、クロージャー機構208は、クロージャー機構208の一部を回転させて引張力を加えてコード212の長さを回収することによって作動させることができる回転ラチェット機構(図示せず)を含む。さらに、ラチェット機構は、逆方向に回転することが防止され、したがって、履物具がさらに締め付けられるにつれて、半径方向の増分で所定の位置にロックされる。クロージャーシステムの反復回転によってコード212が回収されると、アッパー102は内部空洞106内でユーザの足の周りに締め付けられるようになる。クロージャー機構208は、米国特許第5,325,613号、米国特許第5,600,875号、米国特許第5,606,778号、米国特許第5,638,588号、米国特許第5,651,198号及び米国特許第5,669,116号に開示されているものと同様であってもよいと考えられる。これらの特許は、すべてPuma SEに共通に譲渡され、その全体を本明細書に参照することによって組み込まれる。例えば、クロージャー機構208は、本開示のそれぞれの履物具200に取り付けられたときに、締め付けまたは緩めの機能性を提供するように、このようなクロージャー機構の1つまたは複数の態様を含んでもよいと考えられる。
【0038】
図4および
図5に図示されるように、コード212は、クロージャー機構208から履物具200のシュータン170に近接する巻き付け領域220まで延びており、コード212は、複数のアイレット224によって形成される重なり合うパターンでシュータン170を横切って通されている。複数のアイレット224は、アッパー102に沿って、長手方向に、すなわち長手方向平面Lと平行に延びる外側列224aおよび内側列224bを含む。クロージャーシステム204が作動して履物具200を締めると、コード212は巻き付け領域220からクロージャー機構208内に回収され、これにより、アイレットの外側列224a及びアイレットの内側列224bが、長手方向平面Lに対して内側に、互いに向かって引き寄せられる。このように、コード212及びアイレット224は、巻き付け領域220に配置され、ユーザの足の周りにアッパー102を締め付け、履物具200におけるユーザの足の快適さとグリップとの間のバランスをとる。コード212およびアイレット224は、他の構成の中でも、例えば、アッパー102の踵領域112内で踵端部146の周りにコード212をコード212で結ぶことにより、快適性および/またはグリップをさらに高めるように、履物具200上に異なるように配置することができると考えられる。図示の実施形態では、履物具200には、ユーザの足首の一部分の回りに引き伸ばされる弾性材料で形成されたカラー236も設けられ、開口部166及び内部空洞106への破片又は水の侵入を防止しながら、ユーザの足に履物具200の快適さ及びグリップを更に増大させる。
【0039】
図4および
図5を参照すると、ストラップ216は、固定面244によって画定される円盤状の開口部の形状のレセプタクル240を備えている。さらに、レセプタクル240は、自由端248と、履物具200の内側118に位置する固定端(図示せず)との間に位置する。図示の実施形態では、ストラップ216は、固定端(図示せず)から自由端248まで狭くなっているか又は先細になっており、その結果、ストラップ216は、自由端248において最も狭くなっている。ストラップ216は、固定端(図示せず)で履物具200のソール104に取り付けられると考えられるが、他の構成も可能である。ストラップ216の自由端248は、自由端248及び固定面244がクロージャー機構208から離間する非固定位置(
図4参照)から、固定面244がクロージャー機構208に係合され、自由端248がクロージャー機構208に隣接する履物具の外側116上のアッパー102近傍に配置される固定位置(
図5参照)に関節結合されるように構成される。さらに、ストラップ216は、内面256の反対側にある外面252を含み、外面252は、アッパー102から離れて外側を向くように構成され、内面256は、アッパー102に向かって内側を向くように構成される。非固定位置では、ストラップ216の内面256の一部は、アッパー102から離間しており(
図4参照)、固定位置では、ストラップ216の内面256の全体が、アッパー102の近くに、および/または、接触して配置される(
図5参照)。加えて、履物具200のつま先端部140は、ストラップ216が非固定位置(
図4参照)から固定位置(
図5参照)に移動されると、上方向に、すなわち長手方向軸Lから離れるように変位するように構成される。また、履物具200のつま先端部140は、締め付けられた構成に調整される履物具200によって上方に変位されると考えられる。
【0040】
さらに
図4および
図5を参照すると、ストラップ216は、非固定位置から固定位置に移動してコード212を隠し、クロージャー機構208を固定するように構成される。そのために、ストラップ216は、任意の種類の弾性および可撓性材料、例えば、織物および不織布のいずれか、またはストラップ216を容易に操作し、アッパー102の形状に適合させることを可能にする上述のエラストマー材料のいずれかから形成することができる。さらに、ストラップ216の固定面244は、クロージャー機構208に取り外し可能に固定するように適合することができる。例えば、ストラップ216の固定面244は、クロージャー機構208のリム(図示せず)と係合するために、レセプタクル240内に突出するリブ(図示せず)を含むことができ、それによって、ストラップ216は、スナップ嵌め構成でクロージャー機構208に固定され得る。いくつかの実施態様において、固定面244は、とりわけ、熱硬化エラストマー又は熱可塑性エラストマー又は熱可塑性ポリウレタン(TPU)の組成物などの剛性材料で形成される。そのために、固定面244は、ストラップ216の残りの部分とは異なる材料から成ってもよい。いくつかの実施態様では、固定面244には、クロージャー機構208と係合するように構成された複数のリブ(図示せず)または凹み(図示せず)が嵌め込まれる。従って、ストラップ216の固定面244は、クロージャー機構208に対応する大きさ及び形状とされている。
【0041】
また、アッパー102および/またはストラップ216は、ストラップ216をアッパー102の固定位置に保持するのに役立つ、例えば、マジックテープ(登録商標)、バックル、ジッパー、磁気素子などの固定手段を含むことも考えられる。いくつかの実施形態では、ストラップ216は、クロージャー機構208に取り外し可能に固定され、回転に対してクロージャー機構208を固定し、それによって、履物具200を締め付けおよび/または緩めるために、クロージャー機構208の作動を防止する。これに加えて又はこれに代えて、ストラップ216は、ストラップ216をクロージャー機構208から離すように付勢する弾性材料から形成されてもよく、その結果、ストラップ216は、アッパー102を横切って引っ張られ、固定面244がクロージャー機構208に対して外側から内側方向に押される固定位置に引き伸ばされる。したがって、ストラップ216は、クロージャーシステム204の保持機構として機能できる。
【0042】
図5を参照すると、ストラップ216は、固定位置に移動される際に、コード212の一部を隠し、クロージャー機構208を取り囲む。そのために、ストラップ216は、不透明な材料または半透明な材料で形成され、コード212およびアッパー102の下にある部分を隠す。さらに、固定位置に移動されると、ストラップ216が巻き付き領域220を横切って延び、コード212およびアイレット224を外力および/または屋外環境から少なくとも部分的に保護または遮蔽する。ストラップ216は、アッパー102および巻き付き領域220のより多くを覆い隠すように拡大することができると考えられる。追加的または代替的に、クロージャー機構208は、ストラップ216のレセプタクル240を通して露出される。ある例では、クロージャー機構208は、ストラップ216の外面252と同一平面上にある。他の実施形態では、クロージャー機構208は、ストラップ216の外面252から離れてレセプタクル240内に凹んでいる。さらに他の実施形態では、クロージャー機構208は、ストラップ216の外面252から離れてレセプタクル240の外側に突出する。固定位置では、ストラップ216の自由端248は、フットウェア200の踵端部146の踵方向に延在し、その結果、自由端248は、ユーザによって容易に把持され、ストラップ216をクロージャー機構208からリリースする。いくつかの実施態様では、自由端248は、履物具200の踵端部146と同一平面上にあるか、又はそこから内側に収まるように短くされる。他の実施形態において、自由端248は、アッパー102上に設けられたポケット又はスロット又はループの形態のホルダー(図示せず)内に受けられることができ、その結果、自由端248は、ユーザによって選択的に意図的に取り外されるまで、動きが制限される。
【0043】
図6は、クロージャーシステム304を有する履物具300の別の実施形態の略図を示している。図示の実施形態では、クロージャーシステム304は、外側116上で、踵領域112内でアッパー102に取り付けられたクロージャー機構308を含む。特に、クロージャー機構308は、クロージャー機構308を回転させながらユーザの握りを改善するために、その周囲に延びて露出するリッジ310を含む。さらに、コード312は、アッパー102およびクロージャー機構308に操作可能に接続され、履物具300を締め付けおよび/または緩める。そのために、コード312は、履物具300のシュータン170に近接する巻き付け領域316を通って延び、巻き付け領域316に沿ってアイレット320に通され、履物具300を締め付けおよび/または緩めるために、引張力をアッパー102に分配する。クロージャーシステム304は、
図4および
図5のクロージャーシステム204と同様に動作する。
【0044】
再び
図6を参照すると、クロージャーシステム304は、第1セグメント328および第2セグメント332を含むストラップ324も含む。図示の実施形態では、ストラップ324の第1セグメント328は、履物具300の外側116から内側118までアッパー102を横切って延在している。特に、第1セグメント328は、アッパー102とソール104に履物具300の外側116に恒久的に固定される固定端336を有する。第1セグメント328の固定端336は、前足領域108および中足領域110内に延在し、第1セグメント328は、固定端336から離れて延在するにつれて狭くなる。第2セグメント332は、履物具300の内側118から外側116までアッパー102を横切って延在する。図示の実施形態では、第2セグメント332は、第1セグメント328の一部に重なり合いながら、アッパー102を横切って踵領域112内の外側116に配置される自由端340まで延在する。さらに、ストラップ324の第2セグメント332は、クロージャー機構308と取り外し可能に係合する。図示の実施形態では、ストラップ324の第1セグメント328は、履物具300の踵側および内側118に向かって斜めに延び、ストラップ324の第2セグメント332は、履物具300の踵側および外側116に向かって斜めに延び、また、ストラップ324の第1セグメント328と第2セグメント332は、履物具300の外側116に重なってV字形状を成している。
【0045】
ストラップ324は、第1セグメント328および第2セグメント332が一体的に形成されるように、連続した材料の帯から形成されると考えられる。他の実施形態では、第1セグメント328および第2セグメント332は、互いに取り付けられた別個の構成要素である。ストラップ324は、織布または不織布の材料、弾性材料、熱可塑性材料などの弾力性のある材料で形成されると考えられる。ストラップ324の第1セグメント328は、少なくとも部分的に履物具300を締め付け及び/又は緩めるために、ストラップ324の第2セグメント332に動作可能に結合されることがさらに考えられる。さらに、ストラップ324は、
図4および
図5のストラップ324と同様の方法で、クロージャーシステム304のクロージャー機構308のための固定要素として機能し得る。
図6に戻って、ストラップ324は、履物具300の内側118上のバックル(図示せず)を通ってループされ得、その結果、第2セグメント332の自由端340を引っ張ることは、第1セグメント328の固定端336に引張力を加える。
【0046】
特定の実施形態では、クロージャー機構308は、ストラップ324の第2セグメント332から外方に延在し、それにより、ストラップ324の第2セグメント332がクロージャー機構308に留められた場合でさえ、リッジ310をユーザにアクセス可能にする。クロージャー機構308は、米国特許に開示されているものと同様であってもよいと考えられる。米国特許第5,325,613号、米国特許第5,600,875号、米国特許第5,606,778号、米国特許第5,638,588号、米国特許第5,651,198号及び米国特許第5,669,116号は、すべてPuma SEに共通に譲渡され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。例えば、クロージャー機構308は、本開示のそれぞれの履物具300に取り付けられたときに、締め付け機能または緩める機能を提供するために、そのようなクロージャー機構の1つまたは複数の態様を含み得ることが企図される。
【0047】
図7は、クロージャーシステム404を有する履物具400のさらに別の実施形態の略図である。図示の実施形態では、クロージャーシステム404は、シュータン170に近接してアッパー102に配置されたクロージャー機構408を含む。特に、クロージャー機構408は、履物具400の外側116と内側118との間に中心的に配置され、長手方向平面Lによって交差される。さらに、コード412は、履物具400を締め付けおよび/または緩めるために、アッパー102およびクロージャー機構408に操作可能に接続される。そのために、コード412は、履物具400のシュータン170に近接する巻き付き領域416を通って延び、巻き付き領域416に沿ってアイレット420に通され、履物具400を締め付けおよび/または緩めるために、引張力をアッパー102に分配する。クロージャーシステム404は、
図4および
図5のクロージャーシステム204と同様に動作する。
【0048】
図7を参照すると、クロージャーシステム404はまた、第1セグメント428と、第1セグメント428に重なり、履物具400の中足領域110内でアッパー102を横切って延在する第2セグメント432とを有するストラップ424を含む。特に、第1セグメント428は、外側116の固定端436から内側118に向かって延在し、第2セグメント432は、内側118から外側116に配置された自由端440に向かって延在している。ストラップ424は、任意の種類の弾性材料及び可撓性材料、例えば、織布及び不織布織布の任意の材料又は上述のエラストマー材料の任意の材料で作製することができると考えられる。さらに、ストラップ424の第1セグメント428および第2セグメント432、またはその一部分は、ストラップ424の機能的および/または構造的態様を変更するために、異なる材料または追加の材料から形成されてもよいと考えられる。
図7に図示されるように、第2セグメント432は、自由端440が第1セグメント428の上または近傍に静止するように、第1セグメント428と重なる。第1セグメント428および第2セグメント432は、幅が実質的に一様である。すなわち、長手方向平面Lに平行な方向に測定されるが、他の構成も可能である。
【0049】
ストラップ424の第1セグメント428および第2セグメント432の両方が、クロージャー機構408に取り外し可能に係合され、その結果、第1セグメント428および第2セグメント432の両方が、履物具400を締め付けおよび/または緩めるように動かされるように構成されることが企図される。第1セグメント428は、クロージャー機構408に恒久的に固定され、ストラップ424の第2セグメント432は、クロージャー機構408に取り外し可能に固定され、その結果、第2セグメント432のみが、履物具400を締め付けおよび/または緩めるように動かされるように構成されることがさらに考えられる。クロージャー機構408は、米国特許に開示されているものと同様であってもよいと考えられる。米国特許第5,325,613号、米国特許第5,600,875号、米国特許第5,606,778号、米国特許第5,638,588号、米国特許第5,651,198号及び米国特許第5,669,116号は、すべてPuma SEに共通に譲渡され、その全体を本明細書に参照することによって組み込まれる。例えば、クロージャー機構408は、本開示のそれぞれの履物具400に取り付けられたときに、締め付けまたは緩めの機能性を提供するように、このようなクロージャーシステムの1つまたは複数の態様を含んでもよいと考えられる。
【0050】
図8および9は、クロージャーシステム504を有する履物具500の別の実施形態の略図を描いている。図示の実施形態では、クロージャーシステム504は、第1セグメント512および第2セグメント516を有するストラップ508を含む。さらに、クロージャーシステム504は、ストラップ508に動作可能に結合され、アッパー102を横切って延びるバンド520を含む。図示の実施形態では、バンド520は、弾性材料、例えば、ゴムおよび/またはエチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)材料の形態の連続ループとして提供され、ガイド突起の形態の複数の保持機構524によってシュータン170上に保持される。複数のガイド突起524は、シュータン170に沿って配列され、バンド520の一部を受け止めて保持するように構成されている。
【0051】
図8を参照すると、ストラップ508の第1セグメント512は、履物具500の外側116上で、踵領域112内で踵方向にアッパー102を横切って延在する。さらに、ストラップ508の第1セグメント512は、第1の端部532でプーリ528を含み、履物具500が内側118に向かって延びるにつれて、履物具の踵端部146を包む。ストラップ508の第2セグメント516は、履物具500の内側118のアッパー102を横切って、踵領域112内で踵方向に延びる。さらに、ストラップ508の第2セグメント516は、踵端部146を包み込むように、およびストラップ508の第1セグメント512に重なるように構成され、第2セグメント516の第2の端部または自由端536は、ストラップ508の第1セグメント512に、取り外し可能に固定され得る。いくつかの実施態様では、第2セグメント516の自由端536には、例えば、マジックテープ(登録商標)、磁気要素、接着剤、ジッパー等のような固定手段が設けられている。
【0052】
図8および9に図示されるように、ストラップ508の第1セグメント512および第2セグメント516は、互いに動作可能に結合され、履物具500を締め付けるおよび/または緩めるように構成される。
図8に描かれた非固定位置において、ストラップ508の第2セグメント516の自由端536は、第1セグメント512に取り付けられておらず、踵端部146の後方、すなわち長手方向平面Lと平行な方向に引かれ、第1セグメント512のプーリ528が、踵領域112内のアッパー102を横切って後方に引き寄せられる。従って、ストラップ508、特に第1セグメント512の第1の端部532は、クロージャーシステム504の動作中にアッパー102に沿ってスライドするように構成される。さらに、プーリ528は、履物具500の外側116上でバンド520に操作可能に結合され、プーリ528の動きによってバンド520が後方方向に引き伸ばされるようにする。しかし、バンド520の弾性特性のため、プーリ528には前方、すなわち後方とは逆方向の付勢力が働く。
【0053】
図9に描かれた固定位置において、ストラップ508の第2セグメント516の自由端536は、踵領域112内でストラップ508の第1セグメント512に取り付けられる。ユーザは、第2セグメント516の自由端536が第1セグメント512に取り付けられる位置を変えることによって、履物具500の締め付け具合を調節することができると考えられる。例えば、履物具500の締め付け度またはフィット感は、第2セグメント516の自由端536が外側116に沿ってさらに前方に、かつプーリ528に向かう点に取り付けられるにつれて増大する。言い換えると、第2セグメント516の自由端536を第1セグメント512のプーリ528により近く取り付けることは、履物具500の締め付けを増加させ、その逆も同様である。
【0054】
図10は、ストラップ508の第1の端部532のプーリ528を詳細に示す。プーリ528は、ストラップ508の外層540と内層544との間に取り付けられたディスク形状の部品である。図示の実施形態では、プーリ528は、プーリ528の円周の回りに延在する湾曲した溝548を含み、プーリと滑り係合するためにバンド520の一部を受け入れるように構成されている。プーリ528は、プーリ528およびストラップ508の第1セグメント512の第1の端部532を貫通して中央に延在する横方向軸Tを画定する。プーリ528は、ストラップ508の第1の端部532に固定され、横方向軸Tを中心とした回転に対して固定されると考えられる。したがって、クロージャーシステム504がストラップ508によって操作されるときに、バンド520は、プーリ528の溝548内で横方向軸Tを中心に半径方向にスライドし、履物具500を締め付けおよび/または緩める。他の実施形態では、プーリ528は、溝548内でのバンド520の動きによって、横方向軸Tを中心とした時計回りまたは反時計回りの回転でプーリ528の回転が生じるように、横方向軸Tを中心に回転することができる。
【0055】
再び
図9を参照すると、バンド520は、シュータン170上のガイド突起524のうちの2つによって保持される。バンド520は、履物具500の締め付け及び/又は快適さを調節するために、2つの異なるガイド突起524によって保持することができると考えられる。例えば、バンド520を2つの隣接する最前方のガイド突起524で保持することによって、ユーザは、プーリ528に最大量の付勢力をかけることによって、履物具500の締め付けを増すことができる。しかし、そうすることによって、バンド520およびストラップ508によって加えられる圧縮力が、ユーザの足のより小さな領域、すなわち、踵の裏側および足のアッパーに集中し、ユーザの快適性を低下させる可能性がある。別の例では、バンド520を2つの隣接する最後方のガイド突起524で保持することによって、ユーザは、プーリ528に最小限の量の付勢力をかけることによって、履物具500の締め付けを低下させることができる。そうすることにより、バンドによって加えられる圧縮力は、足の頂部のより高い位置に集中する。さらに別の例では、バンド520は、最小と最大との間にある付勢力でプーリ528に付勢力をかけながら、圧縮力を足に均等に分散させるために、
図8および9に図示されているような離間したガイド突起524において保持することができる。
【0056】
他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、上記の議論における特定の実施形態に関して提示される特定の特徴および特徴の組み合わせは、必要に応じて、他の実施形態および他の組み合わせにおいて利用することができる。さらに、本明細書に記載される実施形態のいずれかは、他の実施形態に関連して開示される構造または方法のいずれかを含むように修正され得る。加えて、本開示は、具体的に示されるタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態のいずれかの履物具の態様は、任意のタイプの履物具、衣服、または他の運動器具で機能するように修正されてもよい。
【0057】
前述のように、本発明は、特定の実施形態および実施例に関連して上述されているが、本発明は必ずしもそのように限定されず、多数の他の実施形態、実施例、使用例、変形例、および実施形態、実施例、使用例からの逸脱は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが、当業者によって理解されるのであろう。本明細書に引用される各特許および刊行物の全開示は、そのような各特許または刊行物が参照により個々に本明細書に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0058】
前述の説明を考慮すると、本発明に対する多数の変形例が当業者には明らかであろう。したがって、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を実施および使用することを可能にする目的で提示される。添付の特許請求の範囲内にあるすべての変形例に対する排他的権利が留保される。
【0059】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年1月3日に出願された米国仮出願第63/295,983号の利益及び優先権を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャーシステムを有する履物具であって、
前記クロージャーシステムは、
クロージャー機構と、
固定要素と、
履物具のアッパーと動作可能に係合するように構成されたコードと、を含み、
前記クロージャー機構は、前記履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するように作動されるように構成され、前記固定要素は、前記履物具を前記締め付けられた構成で固定するように前記クロージャー機構と係合するように構成され
、
前記固定要素は、アッパーの内側から外側にかけて延びるストラップであり、前記ストラップは、固定面によって画定されたレセプタクルを有し、前記固定面は、前記クロージャー機構と取り外し可能に係合するように構成され、前記ストラップは、前記外側から前記内側に向かって幅が狭くなっており、前記ストラップが前記クロージャー機構と係合すると、前記履物具のシュータン付近の前記コードによって形成される巻き付け領域を部分的にのみ覆う、履物具。
【請求項2】
前記クロージャー機構は、踵領域内で、前記履物具の
前記外側で前記アッパーに取り付けられる、請求項1に記載の
履物具。
【請求項3】
前記コードは、前記クロージャー機構と動作可能に係合し、前記履物具の
前記シュータンに近接する
前記巻き付け領域を通って延在する、請求項1に記載の
履物具。
【請求項4】
前記固定要素は、前記コードを少なくとも部分的に隠すように構成される、請求項1に記載の
履物具。
【請求項5】
前記固定要素は、弾性材料で形成され、固定端で前記履物具のソールに取り付けられる、請求項1に記載の
履物具。
【請求項6】
クロージャーシステムを有する履物具であって、
前記クロージャーシステムは、
アッパーの中央に、シュータンに近接して配置されたクロージャー機構と、
固定要素と、
アッパーおよび前記クロージャー機構に動作可能に結合されるコードと、を含み、
前記固定要素は、第1セグメントと、第1セグメントに重なる第2セグメントとを含み、
前記クロージャー機構は、
前記履物具を締めたり緩めたりするように作動されるように構成され、
前記固定要素がクロージャー機構と係合しているとき、前記シュータン付近の巻き付け領域の少なくとも一部は露出しており、
前記固定要素は、固定面によって画定されたレセプタクルを有するストラップであり、前記固定面は、前記クロージャー機構と取り外し可能に係合するように構成されている、履物具。
【請求項7】
前記固定要素の前記第2セグメントは、非固定位置と固定位置との間で関節結合されるように構成された自由端を含む、請求項
6に記載の
履物具。
【請求項8】
前記固定要素の前記第2セグメントは、前記固定位置で前記クロージャー機構と取り外し可能に係合し、前記第2セグメントは、前記非固定位置で前記クロージャー機構から離間する、請求項
7に記載の
履物具。
【請求項9】
前記固定要素の前記第1セグメントは、前記固定位置および前記非固定位置の両方において、前記クロージャー機構と係合する、請求項
8に記載の
履物具。
【請求項10】
前記コードは、前記アッパーの複数のアイレットに通され、前記固定要素によって少なくとも部分的に隠される、請求項
6に記載の
履物具。
【請求項11】
クロージャーシステムを有する履物具であって、
前記クロージャーシステムは、
第1セグメントと第2セグメントを有するストラップと、
バンドと、
アッパーに配置された複数の保持機構と、を含み、
前記バンドは、前記保持機構のうちの少なくとも1つと、前記ストラップとに結合され、
前記ストラップの前記第2セグメントは、履物具を締め付けるように引っ張られるよう構成され、
前記ストラップは、前記アッパーの踵端部の周囲に巻き付けられ、外側から内側に延在し、前記ストラップの前記第2セグメントは、前記ストラップの前記第1セグメントに取り外し可能に固定されるように構成され、前記第2セグメントの自由端は、固定位置で前記履物具の前記外側の前記第1セグメントに結合される、履物具。
【請求項12】
前記ストラップの前記第1セグメントは、第1端に取り付けられたプーリを含み
、前記ストラップの前記自由端を引っ張ることにより、前記ストラップの前記第1端は、前記アッパーに沿ってスライドする、請求項
11に記載の
履物具。
【請求項13】
前記ストラップの前記自由端を引張ることは、前記バンドに引張力を及ぼし、前記バンドは、前記アッパーに引張力を及ぼす、請求項
12に記載の
履物具。
【請求項14】
前記バンドは、弾性材料から形成される、請求項
11に記載の
履物具。
【請求項15】
ユーザは、前記保持機構、前記ストラップ、またはその両方に対して前記バンドを調節することによって、前記履物具の締め付けを調節することができる、請求項
11に記載の
履物具。
【国際調査報告】