(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】履物具用のクロージャーシステム、履物具用のクロージャーシステムを組み立てる方法、及び履物具用のクロージャー機構
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20241219BHJP
A43C 7/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A43C11/00
A43C7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539972
(86)(22)【出願日】2023-01-03
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 IB2023050031
(87)【国際公開番号】W WO2023126908
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2022-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジーギスムント,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】サスマン,ラインホルト
(72)【発明者】
【氏名】ジラード,ロメイン
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050AA02
4F050AA11
4F050AA22
4F050BC03
4F050BC22
4F050HA30
4F050HA55
4F050HA56
4F050HA59
4F050HA60
4F050HA63
4F050HA70
4F050HA85
4F050JA01
4F050JA02
4F050JA06
4F050JA09
4F050JA13
4F050MA06
(57)【要約】
履物用のクロージャーシステムは、クロージャー機構、固定要素、及び履物の上部に操作可能に係合するように構成されたコード又は紐を含む。クロージャー機構は、履物を緩んだ形状から締め付けた形状に調整するように作動するように構成され、固定要素は、クロージャー機構と係合してクロージャー機構を履物に着脱可能に固定するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャー機構と、
固定要素と、
履物のアッパーと操作可能に係合するように構成された紐とを備え、
前記固定要素は、前記履物と前記クロージャー機構とに係合するように構成されて、前記固定要素を前記履物に着脱可能に固定し、前記クロージャー機構は、緩んだ形状と締め付けた形状との間に前記履物を調節するために、前記固定要素に対して回転されるように構成され、前記紐は、前記クロージャー機構と係合するように構成される、履物具用のクロージャーシステム。
【請求項2】
前記クロージャー機構は、コレクタースプールから突出する少なくとも1つの取り付けチップを有するコレクタースプールを含み、スプールハウジングは、前記少なくとも1つの取り付けチップを受けるように構成されたノッチを含む、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項3】
前記紐は、前記アッパー上に形成された複数の紐穴を通り抜け、且つ前記コレクタースプール上に形成された少なくとも1つの管を通り抜ける、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項4】
前記固定要素が、前記履物のシュータンに取り付けられる、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項5】
前記固定要素は、前記履物の前記シュータンに係合するように構成されるフックを更に備える、請求項4に記載のクロージャーシステム。
【請求項6】
前記スプールハウジングは、内部容積を規定し、前記コレクタースプールは、前記内部容積の範囲で全体的に含まれるように構成される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項7】
クロージャー機構と、
固定要素と、
履物のアッパーと操作可能に係合するように構成された紐とを備え、
前記クロージャー機構は、緩んだ形状から締め付けた形状に調節するために作動するように構成され、前記固定要素は、第1のスプールと第2のスプールを含み、前記第1のスプールは、第1の回転軸を規定し、前記第2のスプールは、前記第1の回転軸に対して直角に配置された第2の回転軸を規定し、前記第1のスプールは、前記第2のスプールに着脱可能に係合するように構成され、前記第1のスプールは、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸の周りを回転するように構成される、履物具用のクロージャーシステム。
【請求項8】
前記第2のスプールは、上部、シャフト、及び下部を含み、前記上部は、前記下部に対して回転するように構成される、請求項7に記載のクロージャーシステム。
【請求項9】
前記上部は、複数の突起を含み、ヘッドキャップが前記複数の突起に着脱可能に取り付けられる、請求項8に記載のクロージャーシステム。
【請求項10】
前記第1のスプールは、第1のフランジと第2のフランジの間に配置されたシャフトを含み、前記シャフトは、前記紐を受ける少なくとも1つの開口を含む、請求項7に記載のクロージャーシステム。
【請求項11】
前記固定要素は、前記クロージャー機構を前記履物具に着脱可能に取り付けるためのヒンジで連結された機構を含む、請求項7に記載のクロージャーシステム。
【請求項12】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、スプールベースと回転可能に係合するように構成される、請求項10に記載のクロージャーシステム。
【請求項13】
前記クロージャー機構は、前記固定要素に着脱可能に取り付けられる、請求項7に記載のクロージャーシステム。
【請求項14】
前記クロージャー機構の下部は、履物具のシュータンに着脱可能に取り付けられるように構成されるフックを含む、請求項7に記載のクロージャーシステム。
【請求項15】
前記固定要素は、少なくとも1つの紐が通り抜ける管を規定するU字型の部材である、請求項7に記載のクロージャーシステム。
【請求項16】
少なくとも1つのタブと、開口とともにシャフトを含む少なくとも1つのスプールを備えるクロージャー機構を提供する工程と、
前記クロージャー機構を前記履物具に着脱可能に固定するように構成される固定機構を提供する工程と、
前記クロージャー機構と係合する紐を提供し、前記紐が前記シャフトと連結する工程と、
を備え、
前記スプールが、前記履物具を締め付けた形状に調節するために第1の方向に回転され、
前記スプールが、前記履物具を緩んだ形状に調節するために第2の方向に回転される、履物具用のクロージャーシステムを組み立てる方法。
【請求項17】
前記第1の方向は、前記第2の方向の逆である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記固定機構は、履物のアッパーに配置される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、締め付けシステム又はクロージャーシステムを含む履物具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来の靴やその他の履物具は、一般に、アッパーと、アッパーの下端に取り付けられたソールを備える。従来の靴には、アッパーとソールの内面によって形成された内部空間、つまり、隙間又は空洞をさらに含み、靴を足に固定する前にユーザの足を収容する。ソールはアッパーの下面又は境界に取り付けられ、アッパーと地面との間に配置される。その結果、ソールは通常、靴を履いている時にユーザに安定性とクッション性を提供する。場合によっては、ソールは、アウトソール、ミッドソール、及びインソールなどの複数のコンポーネントを含むことがある。アウトソールは、ソールの底面に静止摩擦を提供してもよく、ミッドソールは、アウトソールの内面に取り付けられ、ソールにクッション性又は追加の安定性を提供してもよい。例えば、ソールには、ソールに沿った1つ以上の所望の位置での安定性を高めることが可能な発泡体、ユーザが走ったり、歩いたり、その他の活動を行っているときに足や脚にかかるストレスや衝撃エネルギーを軽減したりできる発泡体又は発泡体様の材料を含んでもよい。
【0003】
アッパーは一般的にソールから上方に伸び、足を完全に又は部分的に包む内部の空洞を規定する。ほとんどの場合、アッパーは足の甲とつま先の領域にわたって、及びその内側と外側とに交差して広がる。多くの履物具は、足の甲の領域と交差して伸び、空洞への開口部を規定するアッパーの内側と外側の縁の間の隙間を埋めるシュータンを含んでもよい。シュータンは、レーシングシステムの下、アッパーの内側と外側の間に配置され、靴の締め付け具合を調節できるようにしてもよい。シュータンは、さらに、内部空間又は空洞から足が出入りできるように、ユーザによって操作可能であってもよい。さらに、レーシングシステムは、ユーザがアッパー又はソールの特定の寸法を調節することができ、それによって、さまざまなサイズ及び形状を有するさまざまな足のタイプにアッパーを適合させてもよい。
【0004】
アッパーは、靴の1つ以上の用途に基づいて選択される多種多様な材料で構成してもよい。アッパーは、アッパーの特定の領域に特有のさまざまな材料を含む部分も含んでもよい。たとえば、より高い耐性又は剛性を提供するために、アッパーの前部又はヒール領域に隣接する領域に安定性を追加することが望ましい場合がある。対照的に、靴の他の部分は、伸縮防止、柔軟性、通気性、又は湿気を逃がす特性を備えるように、柔らかい織物を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多くの場合、快適さが向上した又はよりフィットしたアッパーを有する、クロージャー機構が改善した履物具が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載される履物具は、様々な構造を有してもよい。履物具は、アッパーと、アッパーに接続したソール構造を有してもよい。
【0007】
一態様において、履物具用のクロージャーシステムは、クロージャー機構と、固定要素と、履物のアッパーと操作可能に係合するように構成された紐とを備える。固定要素は、履物とクロージャー機構とに係合するように構成されて、固定要素を履物に着脱可能に固定する。クロージャー機構は、緩んだ形状と締め付けた形状との間に履物を調節するために、固定要素に対して回転されるように構成される。紐は、クロージャー機構と係合するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、クロージャー機構は、コレクタースプールから突出する少なくとも1つの取り付けチップを有するコレクタースプールを含み、スプールハウジングは、少なくとも1つの取り付けチップを受けるように構成されたノッチを含む。いくつかの実施形態では、紐は、アッパー上に形成された複数の紐穴を通り抜け、且つコレクタースプール上に形成された少なくとも1つの管を通り抜ける。いくつかの実施形態では、固定要素が、履物のシュータンに取り付けられる。いくつかの実施形態では、固定要素は、履物のシュータンに係合するように構成されるフックを更に備える。いくつかの実施形態では、スプールハウジングは、内部容積を規定し、コレクタースプールは、内部容積の範囲で全体的に含まれるように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、履物具用のクロージャーシステムは、クロージャー機構と、固定要素と、履物のアッパーと操作可能に係合するように構成された紐とを備える。クロージャー機構は、緩んだ形状から締め付けた形状に調節するために作動するように構成される。固定要素は、第1のスプールと第2のスプールを含む。第1のスプールは、第1の回転軸を規定し、第2のスプールは、第1の回転軸に対して直角に配置された第2の回転軸を規定する。第1のスプールは、第2のスプールに着脱可能に係合するように構成され、第1のスプールは、第1の回転軸及び第2の回転軸の周りを回転するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2のスプールは、上部、シャフト、及び下部を含む。上部は、下部に対して回転するように構成される。いくつかの実施形態では、上部は、複数の突起を含み、ヘッドキャップが複数の突起に着脱可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、第1のスプールは、第1のフランジと第2のフランジの間に配置されたシャフトを含み、シャフトは、紐を受ける少なくとも1つの開口を含む。いくつかの実施形態では、固定要素は、クロージャー機構を履物具に着脱可能に取り付けるためのヒンジで連結された機構を含む。いくつかの実施形態では、第1のフランジと第2のフランジは、スプールベースと回転可能に係合するように構成される。いくつかの実施形態では、クロージャー機構は、固定要素に着脱可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、クロージャー機構の下部は、履物具のシュータンに着脱可能に取り付けられるように構成されるフックを含む。いくつかの実施形態では、固定要素は、少なくとも1つの紐が通り抜ける管を規定するU字型の部材である。
【0011】
更に別の態様において、履物具用のクロージャーシステムを組み立てる方法は、少なくとも1つのタブと、開口とともにシャフトを含む少なくとも1つのスプールを備えるクロージャー機構を提供する工程を含む。その方法は、クロージャー機構を履物具に着脱可能に固定するように構成される固定機構を提供する工程と、クロージャー機構と係合する紐を提供し、紐がシャフトと連結する工程を更に含む。スプールは、履物具を締め付けた形状に調節するために第1の方向に回転され、スプールは、履物具を緩んだ形状に調節するために第2の方向に回転される。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の方向は、第2の方向の逆である。いくつかの実施形態では、固定機構は、履物のアッパーに配置される。
【0013】
履物具の他の態様は、その特徴及び利点を含む、本明細書の図面及び詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかとなるであろう。したがって、履物具のこのようなすべての態様は、詳細な説明及びこの概要に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る、アッパーとソール構造を含む右足の靴として構成された履物具の底面と内側の斜視図である。
【
図3】
図3は、上側を除去し、ユーザの足の骨格構造をそこに重ねた、
図1の履物具の平面図である。
【
図4】
図4は、本開示の他の実施形態に係る、左足の靴として構成された履物具の外側の斜視図の模式図である。
【
図5】
図5は固定要素の上側の斜視図の模式図である。
【
図6】
図6は、クロージャー機構の一実施形態の分解組立図の模式図である。
【
図7】
図7は、本開示の他の実施形態に係る、左足の靴として構成された履物具の外側の斜視図の模式図である。
【
図8】
図8は、クロージャー機構の他の実施形態の分解組立図の模式図である。
【
図9】
図9は、本開示のさらに他の実施形態に係る、左足の靴として構成され、クロージャーシステムを有する履物具の外側の斜視図の模式図である。
【
図10】
図10は、クロージャーシステムを有する靴のアッパーの斜視図である。
【
図11】
図11は、クロージャー機構の一実施形態の組み立て前の状態又は構成である。
【
図12】
図12は、クロージャー機構の一実施形態の組み立て前の状態又は構成と、クロージャー機構の一実施形態の組み立てた状態又は構成である。
【
図13】
図13は、クロージャー機構の一実施形態の斜視図である。
【
図14】
図14は、クロージャー機構の別の実施形態の斜視図である。
【
図15】
図15は、クロージャーシステムを有する右足の靴として構成された履物具の外側の斜視図の模式図である。
【
図16】
図16は、アッパーに着脱可能に取り付けられるように構成されるクロージャー機構の分解組立図の模式図である。
【
図18】
図18は、クロージャーシステムの下部の他の実施形態の斜視図である。
【
図19】
図19は、クロージャーシステムを有する履物具の外側の斜視図の模式図である。
【
図20】
図20は、アッパーに着脱可能に取り付けられるように構成されるクロージャー機構の分解組立図の模式図である。
【
図21】
図21は、クロージャー機構の底部ハウジングの上面図である。
【
図22】
図22は、クロージャーシステムを有する履物具の正面図である。
【
図23】
図23は、本開示の他の実施形態に係る、クロージャーシステムを有する履物具の外側の斜視図の模式図である。
【
図24】
図24は、クロージャーシステムの一実施形態の斜視図である。
【
図26】
図26は、アッパーに取り付けられた固定要素の斜視図である。
【
図27】
図27は、クロージャーシステムの分解組立図である。
【
図28】
図28は、クロージャー機構のヘッドキャップの別の実施形態の斜視図である。
【
図29】
図29は、クロージャー機構のヘッドキャップの別の実施形態の斜視図である。
【
図30】
図30は、クロージャーシステムを有する履物具の外側の斜視図を示す模式図である。
【
図31】
図31は、第1の位置のクロージャー機構の斜視図である。
【
図32】
図32は、第2の位置のクロージャー機構の斜視図である。
【
図33】
図33は、第3の位置のクロージャー機構の斜視図である。
【
図34】
図34は、クロージャーシステムの一実施形態の斜視図である。
【
図35】
図35は、クロージャー機構用のヘッドキャップの別の実施形態の斜視図である。
【
図36】
図36は、アッパーのシュータンに操作可能に取り付けられたクロージャーシステムを有する履物具の外側の模式図である。
【
図37】
図37は、アッパーのシュータンに操作可能に取り付けられたクロージャーシステムを有する履物具の外側の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
関連出願への相互参照
本出願は、2022年10月24日に出願された米国仮出願番号63/418,686、及び2022年1月3日に出願された米国仮出願番号63/295,984の利益及び優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
連邦政府が支援する研究又は開発に関する参照
適用なし
【0017】
配列表
適用なし
【0018】
以下の説明及び添付の図は、靴及びソール構造のさまざまな実施形態又は構成を開示する。靴又はソール構造の実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズを参照して開示されているが、靴又はソール構造の実施形態に関連する概念は、例えば、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキー及びスノーボードブーツ、サッカーシューズ及びクリート、ウォーキングシューズ、及びトラッククリートなど、幅広い履物及び履物のスタイルに適用してもよい。靴又はソール構造の概念は、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、ヒールなど、非運動用と見なされる履物具にも適用してもよい。履物に加えて、本明細書に記載される特定の概念は、ヘルメット、詰め物、保護パッド、すね当て、及びグローブを含む、他の種類のアパレルや運動用具に応用され、組み込まれてもよい。さらに、本明細書に記載される特定の概念は、クッション、バックパックのストラップ、ゴルフクラブ、又は他の消費者製品又は工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書に記載される概念は、さまざまな製品に利用されてもよい。
【0019】
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、本明細書の開示の実施形態を含む可能性のある履物具又はその他の製造品に使用される一般的な測定及び製造手順、これらの手順における不注意な誤り、組成物又は混合物の製造又は方法の実行に使用される成分の製造、供給元、又は純度の違いなどによって発生する可能性のある数値の変動を指す。開示全体を通じて、「約」及び「およそ」という用語は、その用語が先行する数値の±5%の範囲の値を指す。
【0020】
本開示は、履物具、及び/又は、アッパー、及び/又はソール、又はソール構造などの履物具の特定の構成要素に関する。アッパーは、ニット素材、織物、及び/又は不織布を備えてもよい。ニット素材は糸を編むことによって作られ、織物は糸を織ることによって作られ、不織布は一体型の不織ウェブを製造することによって作られてもよい。ニット織物は、縦編み、横編み、平編み、丸編み、及び/又はその他の適切な編み操作によって形成された織物が含まれる。ニット織物は、例えば、平編み構造、メッシュ編み構造、及び/又はリブ編み構造などを有していてもよい。織物は、例えば、平織り、綾織り、繻子織り、ドビン織り、ジャカード織り、二重織り、及び/又は二重布織りなどの多数の織り方のいずれかによって形成された織物を含むが、これらに限定されるものではない。不織布は、例えば、エアレイド法及び/又はスパンレイド法で作られた織物を含む。アッパーは、第1の糸、第2の糸、及び/又は第3の糸などのさまざまな材料で構成され、さまざまな特性又はさまざまな視覚的特徴を有してもよい。
【0021】
図1~3は、アッパー102とソール構造104を含む履物具100の例示的な実施形態を示す。アッパー102は、ソール構造104に取り付けられ、足が挿入されてもよい空隙又は容積106(
図2及び3を参照)をともに規定する。参照のため、履物具100は、足先領域108、中足領域110、及び踵領域112(
図2及び3を参照)を規定する。足先領域108は、一般に、つま先、母指球、中足骨とつま先又は指骨を接続する関節の部分を包み込む履物具100の部分に対応する。中足領域110は足先領域108に近接して隣接しており、一般に、足のつながりに沿って土踏まずを包む履物具100の部分に対応する。踵領域112は、中足領域110に近接して隣接しており、一般的に、踵又は踵骨、足首、及び/又はアキレス腱を含む足の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【0022】
多くの従来のアッパーは、縫い目で接着又はステッチによって結合された複数の要素、例えば、テキスタイル、ポリマーフォーム、ポリマーシート、レザー、及び合成皮革から形成される。いくつかの実施形態では、履物具100のアッパー102は、ニット構造又はニット成分から形成される。様々な実施形態において、ニット成分は、アッパーに異なる特性を与えられる様々な種類の糸を組み込んでもよい。例えば、アッパー102の1つの領域は、第1の組の特性を付与する第1の種類の糸から形成されてもよく、アッパー102の他の領域は、第2の組の特性を付与する第2の種類の糸から形成されてもよい。この構成を用いることで、アッパー102の特性は、アッパー102の異なる領域に対して特異的な糸を選択することにより、アッパー102を通して変化してもよい。
【0023】
アッパー102を備える材料を参照すると、特定の種類の糸がニット成分の領域に付与しようとする特異的な特性は、糸の様々なフィラメントや繊維を形成する材料に少なくとも部分的に依存する。例えば、綿は、ニット材料に、柔軟効果、生物分解性、又は天然の美学を提供してもよい。エラステインや伸縮性のあるポリエステルは、所望の弾力性や回復性のあるニット成分をそれぞれが提供してもよい。レイヨンは、高い光沢と吸湿材料を提供してもよく、ウールは、吸湿性が増加した材料を供給してもよく、ナイロンは、耐摩耗性のある耐久性材料であってもよく、ポリエステルは、疎水性の耐久性材料を提供してもよい。
【0024】
ニット成分の他の態様は、ニット成分の特徴に影響するように、また、所望の特性を提供するように変化してもよい。例えば、ニット成分を形成する糸は、モノフィラメントラインの糸又はマルチフィラメントの糸を含んでもよい。また、ニット成分は、特定の特性を有するニット成分の領域を付与するために、特定の編み工程を用いて形成されてもよい。したがって、糸を形成する材料と糸の他の態様はともに、アッパー102の特定の領域に様々な特性を付与するために選択されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、ニット構造の弾力性は、第1に、ニット構造の幅又は長さ、第2に、ニット構造の幅又は長さに伸ばしていない状態、ニット構造に横方向に与えられた力をニット構造が有した後の伸びた状態を比較することに基づいて測定してもよい。さらなる実施形態では、アッパー102は、追加の構造的な要素をも含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヒールプレート又はカバー(図示せず)が、ユーザの踵に透かしたサポートを提供するために、踵領域112に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、他の要素、例えば、プラスチック材料、ロゴ、商標などが、糊又は熱成形工程を用いて、外面に適用され、固定されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、縫い糸の種類、糸の種類などのアッパー102に関連した特性、又は、弾力性、審美的な外観、厚み、通気性、又は足で擦ることへの耐性などの異なる縫い糸の種類又は糸の種類に関連した特徴は、異なってもよい。
【0026】
図1を再び参照すると、履物具100がユーザによって履かれると、ソール構造104は、アッパー102に接続するか、固定され、ユーザの足と地面との間に延伸する。ソール構造104は、アウトソール、ミッドソール、ヒール、つま革、及び/又はインソールを含んでもよい、1つ以上の構成を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造は、ユーザに静止摩擦を提供しながら、ソール構造に構造的完全性を提供するアウトソール、緩衝材系を提供するミッドソール、及びユーザの土踏まずに対してサポートを提供するインソールを含んでもよい。また、インソールは、ストローベルボード(strobel board)、足先ボード、ラスティングボードなど、又はこれらの組み合わせであってもよく、インソールは、アッパー102とソール構造104との間に提供されてもよく、又はインソールは、アッパー102の一部として提供されてもよい。
【0027】
さらに、インソールは、履物具100が履かれている間、ユーザの足に直接接触することができる、アッパー102の内部空洞106に位置することができる。さらに、アッパー102は、例えば、ユーザの足と、アッパー102、ソール構造104、インソールなどとの間の摩擦を低減することによって、及び/又はf吸湿発散性によって、快適さを増強することができるライナー(図示せず)も含んでもよい。ライナーは、内部空洞106の全体又はその一部だけを補強してもよい。いくつかの実施形態では、ライナーをアッパー102に固定するため、及び/又は履物具100に美的な要素を提供するために、縁飾り(図示せず)が内部空洞106の開口を取り囲んでもよい。
【0028】
図2及び3を参照すると、履物具100は、外側116と内側118も規定してもよい。ユーザが靴を履いている時、外側116は、履物具100の外側面部分に対応し、内側118は、履物具100の内側面部分に対応する。その様に、履物具100は、対向する外側116と内側118を有する。内側118と外側116は、
図1の長手方向の軸Lと同一平面上にある履物具100の長手方向の中心面又は中心軸120に沿って互いに隣接する。本明細書において更に議論するように、長手方向の中心面又は中心軸120は、履物具100の内側118と外側116の間の中心、中間軸を画定してもよい。換言すると、中心面又は中心軸120は、履物具100の後、近位端122と履物具100の前、遠位端124の間に延伸してもよく、履物具100のインソール126、ソール構造104,及び/又はアッパー102の中心を連続的に規定してもよく、すなわち、長手方向の中心面又は中心軸120は、踵領域112の後、近位端122から足先領域108の前、遠位端124へ延伸する一直線の軸である。
【0029】
別段の特定がなければ、
図2及び3を参照すると、履物具100は、足先領域108、中足領域110、及び踵領域112によって規定されてもよい。足先領域108は、一般に、一般に、つま先又は指骨130、母指球132、及び足128の中足骨をつま先又は指骨130に接続する1つ以上の関節134を含む足128の部分を完全に包む履物具100の部分に対応する。中足領域110は、足先領域108に近接し、且つ隣接する。中足領域110は、一般に、足128のブリッジに沿って、足128の土踏まずを完全に包む履物具100の部分に対応する。踵領域112は、中足領域110に近接し、且つ中足領域110に隣接する。踵領域112は、一般に、ヒール又は踵骨138、足首(図示せず)、及び/又はアキレス腱(図示せず)を含む、足128の部分を完全に包む履物具100の部分に対応する。
【0030】
図2及び3を更に参照すると、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側118及び外側116は、履物具100の境界又は領域を規定することを意図する。本開示のある態様は、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、及び/又は外側116の1つ以上に同一の広がりを持つ部分又は要素を参照してもよい。さらに、アッパー102とソール構造104の両方は、足先領域108、中足領域110、踵領域112の中の、及び/又は内側118、及び/又は外側116に沿った部分を有するように特徴付けられてもよい。したがって、アッパー102とソール構造104、及び/又はアッパー102とソール構造104の個々の部分は、足先領域108、中足領域110、踵領域112の中の、及び/又は内側118、及び/又は外側116に沿って配置されるそこの部分を含んでもよい。
【0031】
図2及び3を更に参照すると、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側118及び外側116を詳細に示す。足先領域108は、つま先端部140から履物具100の最も広い部分142までに延伸する。最も広い部分142は、つま先端部140の遠位部から、つま先端部140とは逆のヒール端部の遠位部まで延伸する中心軸120に対して直交する第1の線144に沿って規定又は測定される。中足領域110は、履物具100の最も広い部分142から最も狭い部分148まで延伸する。履物具100の最も狭い部分148は、中心軸120に対して直交する第2の線150に交差して測定される履物具100の最も狭い部分として規定される。踵領域112は、履物具100の最も狭い部分148からヒール端部146まで延伸する。
【0032】
多数の変更が前述の記載の観点から当業者に明らかであり、それらのここの構成部品が多数の履物具に組み込まれるかもしれないと理解されるべきである。したがって、履物具100とその構成部品の態様は、履物具100の一般的な領域又は部分を参照して記載されてもよく、本明細書に記載されるように、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、及び/又は外側116の境界を理解することは、履物具の間で異なってもよい。しかしながら、履物具100とその構成部品の態様は、履物具100の領域又は部分を抽出することに関連して記載されてもよく、本明細書に添付する請求の範囲は、本明細書で議論される足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、及び/又は外側116のこれらの境界に関連する制限を取り込んでもよい。
【0033】
図2及び3を更に参照すると、内側118は、遠位でつま先端部140を開始し、中足領域110に向かって足先領域108に沿って、履物具100の内側に沿って外側に曲がる。内側118は、第1の線144に達し、その点で内側118が内側に曲がり、中心軸120に向かう。内側118は、第1の線144、すなわち最も広い部分142から、第2の線150、すなわち最も狭い部分148に向かって延伸し、その点で内側118は、中足領域110に入り、すなわち第1の線144を横切る。第2の線150に到達すると、内側118は、長手方向の中心軸120から離れて外側に曲がり、その点で内側118は、踵領域112に延伸し、すなわち第2の線150を横切る。内側118は、そして、外側に曲がり、そして、ヒール端部146に向かって内側に曲がり、内側118が長手方向の中心軸120に交わる点で終結する。
【0034】
外側116も、遠位でつま先端部140を開始し、中足領域110に向かって足先領域108に沿って、履物具100の外側に沿って外側に曲がる。外側116は、第1の線144に達し、その点で外側116が内側に曲がり、長手方向の中心軸120に向かう。外側116は、第1の線144、すなわち最も広い部分142から、第2の線150、すなわち最も狭い部分148に向かって延伸し、その点で外側116は、中足領域110に入り、すなわち第1の線144を横切る。第2の線150に到達すると、外側116は、長手方向の中心軸120から離れて外側に曲がり、その点で外側116は、踵領域112に延伸し、すなわち第2の線150を横切る。外側116は、そして、外側に曲がり、そして、ヒール端部146に向かって内側に曲がり、外側116が長手方向の中心軸120に交わる点で終結する。
【0035】
図2及び3を更に参照すると、アッパー102は、外側116と内側118に沿って延伸し、ユーザの足を包み、取り囲むために、足先領域108、中足領域110、及び踵領域112を横切る。完全に組み立てられると、アッパー102は、内側面162と外側面164も含む。内側面162は内側に面し、内側の空隙106を大まかに規定し、アッパー102の外側面164は外側に面し、アッパー102の外側の外周又は境界を大まかに規定する。アッパー102は、履物具100の踵領域112に少なくとも部分的に配置される開口166をも含み、内部の空隙106へのアクセスを提供し、足はそこへ挿入されてもよく、取り出されてもよい。いくつかの実施形態において、アッパー102は、足の甲に対応する領域に亘って踵領域112の開口166から足先領域108に近接する領域まで延伸するインステップ領域168も含んでもよい。インステップ領域168は、本実施形態のシュータン170が配置されるのと類似した領域を備えてもよい。いくつかの実施形態において、アッパー102がシュータン170を含まない、すなわちアッパー102がシュータンである。
【0036】
説明した実施形態において、ソール構造104は、ミッドソール172とアウトソール174を含む。アウトソール174は、踵領域112、中足領域110、及び足先領域108を横切るソール構造104の底又は底面176を規定してもよい。さらに、アウトソール174は、ソール構造104の地面との係合部分又は地面との係合面であってもよく、そのインソールと逆であってもよい。
図1に図示したように、アウトソール174の底面176は、様々な形状及び配置を含むことができる靴底パターン178を含んでもよい。アウトソール174は、耐久性、耐摩耗性、摩耗耐久性、又はソール構造104への静止摩擦を与えるために、1以上の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、アウトソール174は、如何なる種類のエラストマー、例えば、熱硬化性エラストマー又は熱可塑性エラストマーを含むゴム、又は熱可塑性材料、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、アウトソール174は、インクジェット成形、加硫、レイヤによる印刷層に関連したプロセス、すなわち追加の製造システム又は方法等によって、製造されてもよい。
【0037】
図1を更に参照すると、ミッドソール172は、ポリウレタン(PU)、例えば、及び/又はエチレンビニル酢酸(EVA)、その共重合体、又は類似の種類の材料のような、熱可塑性プラスチック材料から個々に構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ミッドソール172は、EVA固形スポンジ(「ESS」)材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam Lite(商標)、IGNITE Foam)、ポリウレタン、ポリエステル、オレフィンブロック共重合体、オルガノシート、熱可塑性プラスチック材料、(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィン等)、又は超臨界発泡体であってもよい。ミッドソール172は、1種類のポリマー材料であってもよく、EVA共重合体、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)共重合体、及び/又はオレフィンブロック共重合体等の混合材料であってもよい。PEBA材料の一例は、PEBAX(登録商標)である。いくつかの実施形態において、ミッドソール172は、インクジェット成形、加硫、レイヤによる印刷層に関連したプロセス、すなわち追加の製造システム又は方法等によって、製造されてもよい。
【0038】
ミッドソール172が超臨界発泡プロセスから形成される実施形態においては、超臨界発泡体は、オートクレーブ、射出成形装置、又は超臨界流体(例えば、CO2、N2、又はそれらの混合物)と、好ましく成形される材料(例えば、TPU、EVA、ポリオレフィンエラストマー、又はそれらの混合物)の混合物を処理することができる十分に加熱/加圧した容器の中で行われるプロセスを用いて製造される、TPU、EVA、PEBAX(登録商標)、又はそれらの混合物のようなマイクロポア発泡体又は粒子の発泡体を備えてもよい。例示のプロセス中、超臨界流体と成形材料の溶液は、加圧された容器に噴出され、容器内の圧力が開放された後、超臨界流体の分子が速やかにガスに変換し、材料中に小さなポケットを形成して、材料を発泡体の中に広げる。さらなる実施形態において、ミッドソール172は、膨張プロセス、射出装置、ペレット膨張プロセス、コールドフォーミングプロセス、圧縮成形技術、ダイカッティング、又はそれらの組み合わせの利用を含む、当分野で公知の別の方法を用いて形成してもよい。例えば、ミッドソール172は、超臨界ガスが材料を発泡させるために用いられる最初の発泡工程そして、圧縮成形又は特定の形状にダイカットするに関連する工程を用いて形成してもよい。
【0039】
図4は、履物具200を締め付ける及び/又は緩めるためにアッパー102とクロージャー機構208に操作可能に取り付けられるクロージャー機構208と紐212を含むクロージャーシステム204を有する履物具200の模式図である。さらに、クロージャーシステム204は、例えば、締め付け、ロック解除、引き込み等の1つ以上の機能を行うようにクロージャーシステム204作動するためにユーザの指228により引っ張られるように構成されたリング端224を有するケーブル220の形で作動機構を含む。その目的で、ケーブル220は、クロージャーシステム204の機能の1つを作動するように、クロージャーシステム204から引き離されるように構成され、ケーブル220は、本明細書に記載されるように、絡み合いを防ぐために、クロージャー機構208に引き込まれるように構成される。
【0040】
図4を参照すると、アッパー102は、ベース層232と、ベース層232の位置に重ね合わされたオーバーレイ236を含む。特に、オーバーレイ236は、足先領域108とアッパー102の中足領域110の中でベース層232に貼られる。また、オーバーレイ236は、対角線上にヒールをかわす、すなわちヒール端部146に向かって、外側に、すなわち履物具200の外側116に向かって延伸する翼部240を含む。翼部240は、クロージャー機構208が位置する楕円形の部分である。他の実施形態において、クロージャー機構208は、オーバーレイ236、アッパー102、又はソール構造104の他の場所に取り付けられる。
図4に示したように、紐212は、アッパー102に位置する紐穴又はガイド244を通って、オーバーレイ236に沿って重畳するパターンに通される。したがって、ガイド244は、履物具200を締め付けるためのクロージャーシステム204によって提供された圧縮力に分配する重畳するパターンを規定する。図示された実施形態において、他の配置も可能であるが、ガイド244は、オーバーレイ236に位置する。いくつかの例において、ガイド244は、オーバーレイ236によって形成されてもよく、オーバーレイ236によってアッパー102に貼られてもよい。他の実施形態において、ガイド244は、アッパー102のベース層232に提供され、オーバーレイ236から分離する。
【0041】
図5は、履物具200に着脱可能に取り付けられるように構成されるパネル248の形の固定要素に配置されたクロージャー機構208を示す。図示された実施形態において、パネル248は、第2の端部又はリア256とは反対の第1の端部又はフロント252と、底側(図示せず)とは反対の上側260とを含む。図示された実施形態において、クロージャー機構208は、他の位置も考慮されるが、パネル248のフロント252よりもリア256に近接して位置する。パネル248は、クロージャー機構208をアッパー102に固定するため、又はクロージャー機構208を履物具200の外部への露出からクロージャー機構208を秘密にする又は隠すためにアッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成される。その目的で、パネル248は、オーバーレイ236とベース層232の間等のアッパー102の層の間で締め付けられてもよく、パネル248とクロージャー機構208がオーバーレイ236の下に秘密にされる又は隠される。さらに、パネル248は、クロージャーシステム204が履物具200を締め付けるように作動する時、例えば、オーバーレイ236とベース層232の間で発揮する摩擦力、及び/又は圧縮力等の様々な方法で締め付けることができる。このように、パネル248は、履物具200を締め付ける際に、アッパー102にしっかりと締め付けられ、そして、パネル248は、履物具200が緩められる時にアッパー102から取り外すために緩められる。さらに又は別途、パネル248は、接着剤、ツイストロックによって、紐212との相互作用によって、ファスナで係合することによって、又はアッパー102の層の間又はその中に、他の構成の中に形成されるポケット(図示せず)へ挿入することによって、取り付けられる。
【0042】
図4及び5を参照すると、オーバーレイ236の翼部240は、履物具200の外側116上の翼部240の下に位置するリア256と、履物具200の内側118に近接して位置するパネル248のフロント252を有するベース層232とオーバーレイ236との間で滑るように、アッパー102のベース層232に部分的に貼られることができる。このように、履物具200がクロージャーシステム204によって締め付けられる時、パネル248のリア256は、翼部240の形状と連携するのに適した形状であり、与えられた圧縮力及び/又は摩擦力によって固定される。取り付ける凹部(図示せず)は、クロージャー機構208の部分を受けるようにベース層232上に形成され、クロージャー機構208とパネル248をアッパー102に着脱可能に固定するのも支援することも考慮される。したがって、クロージャー機構208は、履物具200の外側116にアッパー102を着脱可能に取り付ける。
【0043】
クロージャー機構208は、パネル248なしにアッパー102に着脱可能に取り付けられてもよいことも更に考慮される。いくつかの例において、クロージャー機構208は、紐212の部分によって、アッパー102に固定され、紐212は、履物具200を締め付けるためのクロージャーシステム204の操作の間、クロージャー機構208に結ばれ、アッパー102を締め付ける。他の実施形態において、クロージャー機構208は、例えば、接着剤、面ファスナ、ジッパ、スナップフィットファスナ、ツイストロックファスナ等の他の方法で、アッパー102又はソール構造104に留められる。したがって、クロージャー機構208は、履物具200を締め付ける及び/又は緩めるための紐212の操作のために、履物具200に着脱可能に取り付けられるように構成される。このように、クロージャー機構208は、ユーザが靴のサイズやスタイル、特に子供用の履物を変更する時、靴のサイズが頻繁に変更される時などに、複数の履物具を用いるように構成される。さらに、クロージャー機構208の除去は、履物具200を従来の紐ファフナ又は緩められたスリッポンファッションに替えて履くことをユーザに可能にする。クロージャー機構208は、他のユーザの間で締め付けたり緩めたりするための衣類、スポーツ用品、及び旅行カバン、保存用品に取り付けることも更に考慮される。
【0044】
図6は、クロージャー機構208の分解組立図の模式図である。図示された実施形態において、クロージャー機構208は、紐220が集められ、巻き付けられるように構成された辺りに、第1のスプール316を含む回転ラチェット312が取り付けられたヘッドキャップ308を含む。回転ラチェット312は、放射状に空間を開け、アーム328に係合するように構成された複数の突起324フランジ320を更に含む。図示された実施形態において、ヘッドキャップ308と回転ラチェット312は、回転軸R1を規定するシャフト336によって第2のスプール332に取り付けられる。さらに、紐220が開口340から引っ張られる時に、回転ラチェット312が回転軸R1に対して回転するように、紐220は、ヘッドキャップ308に形成された開口340を通り抜ける。したがって、第1のスプール316は、紐220のコレクタとして機能し、第2のスプール332は、紐212のコレクタとして機能として機能する。
【0045】
また、バイアス機構344は、クロージャー機構208から引き抜かれる又は引き出された後の紐220を回収する又はまとめるために、回転ラチェット312と係合するためのコイルばねの形で提供される。さらに、スリップクラッチ348は、第2のスプール332と回転ラチェット312に選択的に係合するためのシャフト336に固定される。例えば、スリップクラッチ348は、回転ラチェット312と第2のスプール332と係合し、シャフト336の回転は、スリップクラッチ348によって、第2のスプール332に紐212をまとめる又は巻き付けるための第2のスプール332に伝えられる。そして、クロージャー機構208の開放機能が作動すると、スリップクラッチ348は、回転ラチェット312又は第2のスプール332から外れ、紐212は、第2のスプール332から引き抜かれる又はほどかれる。特定の機能が特定の方向に関連するように、紐220は、異なる機能を作動するように異なる方向に引っ張ることができることも更に考慮される。
【0046】
図7は、クロージャーシステム404を有する履物具400の他の実施形態の模式図である。図示された実施形態において、クロージャーシステム404は、紐412を操作可能に取り付けるクロージャー機構408を含む。紐412は、アッパー102の巻取り領域420420を規定するための複数の紐穴416に操作可能に係合する。特に、クロージャー機構408は、締め付ける形状又は緩める形状の間で、履物具400を調節するためのアッパー102に着脱可能に取り付けるように構成される。紐412は、巻取り領域420420でアッパー102上に配置される紐穴416を通り抜け、オーバーレイ236をアッパー102に取り付けるフラップ424も通り抜ける。アッパー102は、履物具400を締め付ける又は緩める時に、ユーザにシュータン170を引っ張らせる又は元の位置に戻させるための履物具400のシュータン170に取り付けられるプルタブ428も含む。
図7に示すように、クロージャー機構408は、シュータン170に対して固定される際に、巻取り領域420420に位置し、履物具400を全体的に外部へ露出させる。図示された実施形態において、バンパ432は、アッパー102のつま先端部140に提供される。バンパ432は、他の配置も可能であるが、アッパー102の内側にユーザのつま先を挿入するために、アッパー102のつま先端部140を横切って延伸するエラストマー材料の粘性のある混合物として提供されてもよい。
【0047】
図8は、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成されるクロージャー機構408の分解組立図の模式図である。図示された実施形態において、ヘッドキャップ480は、円錐台状、例えば、上端492と下端496との間の傾斜した側壁488上に形成された刻み目484を有する円錐台の形状である。刻み目484と、円錐台状の形状のヘッドキャップ480は、クロージャー機構408を左相するために回転する時に、ユーザによって、人間工学的に係合される。また、ヘッドキャップ480は、クロージャー機構408の回転軸R2を規定するシャフト504によってコレクタースプール500に取り付けられる。図示された実施形態において、コレクタースプール500は、アッパーフランジ508、ローアーフッランジ512、及びコレクタースプール500を通って回転軸R2に対して横に延伸するパッセージ516を含む。アッパーフランジ508とローアーフッランジ512は、他の形状も可能ではあるが、円柱状である。
【0048】
また、固定要素520は、クロージャー機構408を履物具400に固定するためのコレクタースプール500のローアーフッランジ512に取り付けられる。いくつかの実施形態では、固定要素520は、クロージャー機構408の一部として含まれる。さらに、ロッキングインターフェイス(図示せず)、例えば複数の互いにかみ合う歯が、特定の方向で固定要素520に対する回転に対して、コレクタースプール500を徐々に固定するために、コレクタースプール500と固定要素520の間に提供されてもよい。この特定の実施形態において、固定要素520は、回転軸R2に対して横に延伸するチャネル530を含む。コレクタースプール500は、回転軸R2に対してそこに同時に回転するように、ヘッドキャップ480をしっかり取る付けることができる。さらに、紐412に係合すると、固定要素520が回転軸R2での回転に対して固定されたままになるように、コレクタースプール500は、固定要素520に回転可能に取り付けられてもよい。
図8に示したように、紐412は、その他の配置も可能であるが、そこに先金具をそれぞれ有する対向する第1及び第2の端部534、538を含む。
【0049】
クロージャー機構408が、
図7の履物具400と類似する従来の紐を有する何れかの履物に取り付けることができることが考慮される。例えば、少なくとも2つの紐穴416が開いたままで、紐412と係合したままになるように、ユーザは、紐412をフラップ424に通し、全ての紐穴416よりも少なくすることができる。いくつかの実施形態では、紐412の第1及び第2の端部534、538が自由で、履物具400が緩んだ形状となるように、4つの紐穴416、好ましくは、中足領域110にシュータン170のプルタブ428に最も近接して配置された4つの紐穴416が、クロージャー機構408を履物具400に取り付ける前に、紐412と係合したままである。
図8を参照すると、ユーザは、紐412の対向する第1及び第2の端部534、538の部分を、回転軸R2に対して横の反対方向に固定要素520のチャネル530に通す。このように、クロージャー機構408は、紐412、つまり、履物具400に着脱可能に取り付けられる。
【0050】
図7に示したように、クロージャー機構408は、他の配置も可能であるが、中足領域110に位置し、フラップ424とプルタブ428の間に位置する。次に、ユーザは、紐の第1及び第2の端部534、538の残りの紐穴416に通すか、又はユーザは、紐412を全ての紐穴416よりも少ない穴に通す。続いて、ユーザは、紐412の第1及び第2の端部534、538を、
図8に示したように、回転軸R2に対して横の、対応する方向に、コレクタースプール500のパッセージ516に通す。いくつかの実施形態では、紐412がパッセージ516に受けられる時に、増加した摩擦力が、紐がパッセージ516から互いに滑り落ちるのを防ぐように、パッセージ516は、チャネル530よりも小さな系を有する。このように、履物具400が締め付けられた形状にある時に、履物具400が緩みに対して紐412を更に固定するように構成される。パッセージ516とチャネル530は、同一の径を規定してもよく、パッセージ516が、チャネル530よりも大きな径を規定してもよいことが考慮される。次に、ユーザは、紐412とクロージャー機構408を、履物具400にしっかりと留めるために、コレクタースプール500から離れるように、紐412の第1及び第2の端部534、538を引っ張る。いくつかの実施形態では、ユーザは、必要ではないが、紐412の第1及び第2の端部534、538を固定するために、何れかの適当な種類の結び目をつけてもよい。
【0051】
最後に、ユーザは、コレクタースプール500に対して紐412を巻き取るために、回転軸R2に対して、クロージャー機構408のヘッドキャップ480を回転させることにより、クロージャー機構408を作動させる。このように、紐412の第1及び第2の端部534、538が、その回転によって、コレクタースプール500によって巻き取られる又は集められるので、履物具400は、緩んだ形状から、締め付けた形状に調節される。さらに、ヘッドキャップ480とコレクタースプール500の回転の間、固定要素520は、紐412と、コレクタースプール500の間のロッキングインターフェイス(図示せず)との係合のために、回転軸R2に対して変化せず、固定要素520は、固定要素520を固定するに関連して、回転軸R2に対してコレクタースプール500の逆回転を防ぐ。このように、クロージャー機構408は、履物具400の紐412との係合を介して、履物具400を締め付けた形状に徐々に調節することを提供する。
【0052】
締め付けた形状から緩んだ形状に履物具400を調節するために、コレクタースプール500が軸的に、なわち、固定要素520上でロッキングインターフェイス(図示せず)から離れて、回転軸R2に対して平行に、置き換えてもよい空間を作るために、ユーザは、ヘッドキャップ480をコレクタースプール500から離れるように引っ張ってもよい。したがって、紐412がコレクタースプール500からほどかれるように、コレクタースプール500は、固定要素520を固定するに関連して、回転軸R2に対して逆方向に自由に回転することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、紐412をコレクタースプール500に留める何れかの結び目をとくことができ、ユーザは、コレクタースプール500から紐412をほどくために、第1及び第2の端部534、538に位置することができる。さらに、紐412は、クロージャー機構408を履物具400から完全に取り外すために、固定要素520のチャネル530から外される。
【0053】
図9は、クロージャー機構608と、アッパー102と履物600を締め付ける及び/又は緩めるためのクロージャー機構608に操作可能に取り付けられる紐612と、を含むクロージャーシステム604を有する履物具600の他の実施形態の模式図を示す。本実施形態において、形状が、すなわち第1の実施形態(履物具100)にある要素と構造的及び/又は機能的に同一又は類似である要素は、類似の符号によって示される。紐612は、ある102の巻取り領域620を規定するために複数の紐穴616に操作可能に係合する。特に、クロージャー機構608は、履物具600を締め付けた形状と緩めた形状との間に調節するためのアッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成される。靴紐612は、巻き付け領域620でアッパー102上に配置された紐穴616に通される。紐穴616は、アッパー102のシュータン170の横または隣に開口部または穴として設けられ、靴紐612をそこに通される。さらに、または別に、紐穴616は、アッパーから延び、靴紐612と係合するためにシュータン170に沿って又はタン170上に配置されたループ、フラップ、又はフックとして設けられてもよい。
図9に示すように、クロージャー機構608は、巻き付け領域620内に配置され、シュータン170に固定された状態で履物具600の外部に完全に露出する。図示した実施形態では、クロージャー機構608は、履物具600を締め付けた形状と緩めた形状との間で調整するために、アッパー102に取り外し可能に取り付けられるように構成される。
【0054】
図10は、クロージャーシステム604を有するアッパー102の斜視図である。クロージャー機構608は、紐612の部分が巻き取られた又はほどかれたように構成されるコレクタースプール700(
図11参照)を含む。図の矢印614は、横軸L1に対して紐612を締め付けること又は緩めることを示すために提供される。クロージャーシステム604は、緩めた形状から締め付けた形状に、及び/又は締め付けた形状から緩めた形状に履物具600調節するために回転されるように構成される。いくつかの実施形態では、クロージャー機構608は、クロージャー機構608の延伸する方向に沿って規定する縦軸L2に対して回転してもよい。
【0055】
図11は、紐612がコレクタースプール700と係合するように構成される挿入パスを示すために提供された矢印を示す、組み立て前の状態又は形状の模式図である。図示された実施形態において、コレクタースプール700は、スプール回転軸R3を規定するディスク形状のフランジ701、702と、ディスク形状のフランジ701、702の間のシャフト704上に中心に位置した1組のタブ724との間に直線状に延伸するシャフト704を示す。各タブ724は、紐612の一端がコレクタースプール700に係合するように通り抜けるチャネル730を規定する。いくつかの実施形態では、紐612の部分及び/又は紐612の一端がチャネル730内に貼られる。ユーザは、紐612をコレクタースプール700に固定するために形成された結び目を解くことができ、その後、ユーザは、紐612の第1および第2の端部734、738を位置させ、コレクタースプール700から紐612を巻き戻すことができると考慮される。いくつかの実施形態では、紐612のアグレット742には、レースロック(図示せず)が含まれてもよく、紐612がコレクタースプール700に固定され、紐612がチャネル730から外れるのを防ぐことができる。第1及び第2のディスク状のフランジ701、702はそれぞれ、そこから軸方向に延び、回転軸R3と交差する取り付けチップ744が含まれる。いくつかの実施形態では、第1および第2のディスク形状フランジ701、702は、シャフト704と一体に形成されてもよい。動作中、靴紐612は、タブ724のチャネル730に通され、シャフト704の周りに巻き付けられ、最初に使用するときにユーザが調整できるように、事前に巻き付けられた靴紐612が履物具600に、提供されるように製造中に実行される。または、履物具600は、部分的にしか取り付けられていない靴紐612が提供され、ユーザに、使用前に靴紐612をコレクタースプール700に取り付けることによって、クロージャーシステム604の組み立てを完了する必要がある。クロージャーシステム604の靴紐612は、ユーザの要望に応じて、または使用中に靴紐612が劣化することによって必要になったときに、いつでもアクセスおよび取り外しができるように構成されていることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、チャネル730は、
図11に示すように、シャフト704を横切って形成されてもよい。このように、チャネル730は、靴紐612を収容し、靴紐612をシャフト704の周りに巻き付けることができるように構成される。いくつかの実施形態では、第1及び第2のディスク状のフランジ701、702は、シャフト704の反対側の端部に回転可能に取り付けられ、シャフト704との回転可能なジョイント接続を提供し、シャフト704は、所定の位置に固定され、回転が防止される第1及び第2のディスク状フランジ701、702に対してスプール回転軸R3の周りを回転することができる。
【0056】
動作中、コレクタースプール700は、
図12に示すように、ハウジング748の内側に収容される。図示した実施形態では、取り付けチップ744は、ハウジング748の内部に形成された軸方向の切り込み750内に受けられる。このように、コレクタースプール700は、ハウジング748内のコレクタースプール700が回転すると、コレクタースプール700のシャフト704の周りに巻き付けられる靴紐612を受けるように構成される。さらに、コレクタースプール700は、ハウジング748内で軸方向の切り込み750に収容された取り付けチップ744を中心に回転するように構成され、その結果、コレクタースプール700は、ハウジング748の内部空洞内で自由に回転する。シャフト704が靴紐612を回収すると、シャフト704に巻き付けられたレース612の動作直径が増加する。クロージャーシステム604を締め付けると、コレクタースプール700の周りに巻かれる靴紐612の長さが長くなるため、靴紐612の作動直径が増大する。いくつかの実施形態では、軸方向の切り込み750は、第1及び第2のディスク状のフランジ701、702の周囲に配置され、取り付けチップ744は、スプール回転軸R3に対してハウジング748の反対側の端部に配置される。ピボットジョイント752は、取り付けチップ744と軸方向ノッチ750によって形成され、ハウジング748内でのコレクタースプール700の回転運動を可能にする。いくつかの実施形態では、取り付けチップ744または軸方向ノッチ750、又はそれらの組み合わせに、表面テクスチャ、隆起、突起、歯、ギア等を設けて、ハウジング748内でのコレクタースプール700の回転に対して作用する摩擦力を増加させ、コレクタースプール700が巻き戻しに抵抗し、靴紐612に適用される張力の増分変化を維持するように構成してもよい。
【0057】
図13は、クロージャー機構608のハウジング748の模式図である。ハウジング748は、第1部分754と第2部分758を有し、第2部分758には、コレクタースプール700の取り付けチップ744を受けるための軸方向ノッチ750が形成される。さらに、コレクタースプール700と固定要素720との間にロックインターフェース(図示せず)を設けて、コレクタースプール700を固定要素720に対して特定の方向に回転しないように徐々に固定してもよい。取り付けチップ744及び/又は軸方向ノッチ750は、回転を阻止または選択的に許可する固定要素として機能してもよい。ハウジング748には、ハウジング748の第1部分754及び第2部分758によって部分的に配置される第1のチャネル766及び第2チャネル770が含まれてもよい。
図7及び
図8の実施形態に関連して開示されたメカニズムおよび要素が、クロージャーシステム604で実装されてもよいことは、本開示の範囲内である。
【0058】
図14は、クロージャー機構608(
図10参照)のハウジング780の別の実施形態の模式図であり、
図13のハウジング748と類似点を有する。図示した実施形態では、ハウジング780は、第1部分754と第2部分758とを備える。ハウジング780は、ハウジング780の第1部分754に隣接して形成された第1のシャフト部分762と、ハウジング780の第2の部分758に隣接して形成された第2のシャフト部分764とを備えるシャフト760を含むでもよい。第1のチャネル766と第2のチャネル770は、ハウジング780の第1の部分754の上部側壁782内に配置される。第2の部分758は、切り欠き786を含む下部側壁784を含む。ハウジング748、780は、
図12~14では、概ね円筒形のハウジングとして示されている。いくつかの実施形態では、ハウジング748、780は、三角柱形状、直方体形状、多角形形状、長方形形状、不規則な形状、又は任意の適切な形状で提供されてもよい。
【0059】
図15は、履物具800を締めたり緩めたりするクロージャー機構808と、アッパー102及びクロージャー機構808に操作可能に連結される靴紐812とを含む閉鎖システム804を有する履物具800の別の実施形態の模式図を示す。この実施形態では、前の実施形態(
図9~14参照)に存在する要素と共有する要素、すなわち、構造的及び/又は機能的に同一または類似する要素は、同じ参照番号で表される。靴紐812は、複数の紐穴816と操作可能に係合して、アッパー102の巻き付け領域820を画定する。特に、クロージャー機構808は、履物800を締めた形状と緩めた形状との間で調整するために、アッパー102に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。靴紐812は、巻き付け領域820のアッパー102上に配置された紐穴816に通される。紐穴816は、シュータン170の横又は隣接したアッパーの開口部又は穴として提供され、靴紐を812はそこを通される。追加又は代替として、紐穴816は、アッパーから伸び、靴紐812と係合するためにシュータン170に沿って又はシュータン170上に配置されたループ、フラップ、又はフックとして提供されてもよい。
図15に示すように、クロージャー機構808は、巻き付け領域820内に配置され、シュータン170に固定された状態で履物具800の外部に完全に露出している。図示した実施形態では、クロージャー機構808は、履物具800を締め付けた形状と緩めた形状との間で調整するために、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成される。
【0060】
図16は、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成されたクロージャー機構808の分解組立図の模式図である。図示した実施形態では、ヘッドキャップ880は、上端892と下端896との間の傾斜した側壁888に形成された、互いに直径方向に反対側の窪み884を有する。窪み884は、第1の回転軸R4Aを中心に回転する回転スプール898を収容するために設けられている。靴紐812をロッド899に沿って保持するために、第1の円盤状のフランジ901及び第2の円盤状のフランジ902がロッド899の軸方向端部に配置されている。さらに、回転スプール898は、
図11に示すスプール700と同様の構成要素(例えば、チャネル730)を含んでもよい。靴紐812は、第1の回転軸R4Aを中心に回転し、第1の回転軸R4Aと交差するロッド899の周りに巻き付けられるように構成される。
【0061】
さらに、ヘッドキャップ880は、クロージャー機構808の第2の回転軸R4Bを定義するコレクタースプール900に取り付けられる。図示した実施形態では、コレクタースプール900は、上部903と、上部903を下部905に接続するシャフト904とを含む。いくつかの実施形態では、ロッド899は第1の回転軸R4Aを定義し、シャフト904は第2の回転軸R4Bを定義し、第1の回転軸R4Aと第2の回転軸R4Bは互いに垂直に配置されている。上部903は上部フランジ908を含み、下部905は下部フランジ912を含む。上部フランジ908は、回転軸R4Bと平行に延びる複数の突起914を含んでもよい。図示した実施形態では、複数の突起914の各突起には、ヘッドキャップ880と係合するための斜めの先端918が含まれる。複数の突起914は、互いに正反対に配置され、ヘッドキャップ880の窪み884及び傾斜した側壁888の形状に一致するように形成される。ヘッドキャップ880は、複数の突起914と係合することにより、コレクタースプール900に着脱可能(スナップフィットなど)に取り付けられる。
図17の図示した実施形態では、ヘッドキャップ880は、複数の突起914と係合することによりコレクタースプール900と結合され、回転スプール898がその間に配置される。回転スプール898には、ロッド899に沿って配置された開口部(図示せず)又は固定機構(図示せず)が含まれてもよい。靴紐812はロッド899に取り付けられているため、回転スプール898を回転させて靴紐812を締め付けたり緩めたりすると、レース812はロッド899の周りに巻き付けられる。回転スプール898が第1の回転軸R4Aを中心に回転すると、レース812の一部がコレクタースプール900の周りに巻き付けられ、つまりコレクタースプール900によって収集される。
【0062】
いくつかの実施形態では、ピボットジョイント916は、下部905の下部フランジ912によって保持され、回転軸R4Bに対して同軸に延びている。上部フランジ908及び下部フランジ912は、他の形状も考えられるが、円筒形である。いくつかの実施形態では、上部903及び下部905は、ピボットジョイント916及び第2の回転軸R4Bを中心に互いに回転するように構成される。この回転の結果、レース812は、コレクタースプール900のシャフト904の周りに巻き付けられることができる。したがって、レース812の追加の長さを回転スプール898の周りに巻き付けることができ、これを使用してレース812の張力を調整し、回転スプール898を所望の張力に従って固定することができる。図を参照すると、下フランジ912には、そこからU字型部材として延びる固定要素920が含まれ、固定要素920と下部フランジ912との間にはチャネル922が定義されている。動作中、靴紐812は、第2の回転軸R4Bに対して横方向に固定要素920のチャネル922に通され、コレクタースプール900を履物具800にしっかりと取り付ける。いくつかの実施形態では、靴紐812は、固定要素920の外側に巻き付けられ、コレクタースプール900を履物具800にしっかりと取り付ける。回転スプール898は、上部フランジ908の上に配置されるように構成される。
【0063】
図18は、コレクタースプール900の下部905を示す。図示した実施形態では、下部フランジ912は、他の形状も考えられるが、概ね円盤状である。ピボットジョイント916は、部分的に、下部905の下部フランジ912から伸びる円筒形のステム又はコネクタ926によって形成される。コネクタ926は、クロージャー機構808の上部903(
図18参照)のシャフト904に、例えばスナップフィットで取り付けられるように構成され、上部903は下部905に対して回転することができる。ピボットジョイント916は、シャフト904の上部フランジ908の軸方向反対側に配置される。長方形のパネル942は、ヒンジ944で下部フランジ912に結合され、コレクタースプール900を履物具800(
図15参照)に固定するためのヒンジ機構を形成する。パネル942には、靴紐812を巻き付けたり、巻き付けたりできる複数のリベット952がある。図示した実施形態では、他の構成も考えられるが、パネル942をコネクタ926に固定するためのロック機構956が設けられる。
【0064】
図19は、クロージャー機構1008と、靴200を締め付けたり緩めたりするためにアッパー102及びクロージャー機構1008に操作可能に連結された靴紐1012とを含むクロージャーシステム1004を有する履物具1000の別の実施形態の模式図を示す。靴紐1012は、複数の紐穴1016と操作可能に係合して、アッパー102の巻き付け領域1020を規定する。特に、クロージャー機構1008は、履物1000を締め付けた構成と緩めた構成との間で調整するために、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成される。靴紐1012は、巻き付け領域1020のアッパー102上に配置された紐穴1016に通される。紐穴1016は、アッパー102のシュータン170の横又は隣に開口部または穴として設けられ、靴紐1012をそこに通すことができる。さらに、または代わりに、紐穴1016は、アッパー102から伸び、靴紐1012と係合するためにシュータン170に沿って又はシュータン170上に配置されたループ、フラップ、又はフックとして設けられてもよい。
図19に示すように、クロージャー機構1008は、巻き付け領域1020内に配置され、タン170に固定された状態で履物400の外部に完全に露出している。図示した実施形態では、クロージャー機構1008は、履物具1000を締め付けた形状と緩めた形状との間で調節するために、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成される。
【0065】
図20は、上部102に着脱可能に取り付けられるように構成されたクロージャー機構1008の分解組立図の模式図である。クロージャー機構1008は、スプールベース1098及びコレクタースプール1100を含む。コレクタースプール1100は、スプールベース1098に着脱可能に取り付けられる。図示した実施形態では、コレクタースプール1100は、第1のフランジ1108と第2のフランジ1112との間に延びるシャフト1104を含む。第1のフランジ1108と第2のフランジ1112は、シャフト1104によって接続され、シャフト1104の軸方向によって規定される第1の回転軸R5を中心に回転するように構成される。図示した実施形態では、他の形状も考えられるが、第1のフランジ1108と第2のフランジ1112は円筒形である。コレクタースプール1100は、スプールベース1098と回転可能に嵌合するように構成され、第1のフランジ1108および第2のフランジ1112は、軸方向及び回転方向の両方でスプールベース1098と摩擦係合し、部分的に回転が阻止される。さらに、スプールベース1098には溝1084があり、これにより、回転軸R5を中心に回転するときに、靴紐1012がコレクタースプール1100の周りに巻き付けられる。スプールベース1098には、靴紐1012を収容するための開口部(図示せず)が含まれてもよい。スプールベース1098は、レースロックディスクの形で提供されるロック機構1160に結合されるように構成されている。図示した実施形態では、レースロックディスク1160は、他の構成も可能であるが、底部ハウジング1166に取り付けられる。底部ハウジング1166には、底部ハウジング1166の底面1170から延びる中心シャフト1168が含まれる。中心シャフト1168には、レースロックディスク1160を底部ハウジング1166に部分的に結合するために使用できる溝1172が含まれる。レースロックディスク1160には、レースロックディスク1160の底面1170から延び、センターステム1180を中心に半径方向に部分的に延びる突出フランジ1174が含まれる。いくつかの実施形態では、突出フランジ1174は、レースロックディスク1160との選択的な係合のためのロック機能として機能するように構成されてもよい。動作中、靴紐1012は、底部ハウジング1166の垂直回転軸R6を定義するセンターステム1180の周りに巻き付けられる。靴紐1012は、スプールのチャネル1130に挿入される。靴紐1012は、ベース1098から外れ、レースロックディスク1160の周囲に巻き付けられ続ける。いくつかの実施形態では、靴紐1012は、コレクタースプール1100内の開口部(図示せず)から挿入され、靴紐1012は、コレクタースプール1100の周囲に巻き付けられる。レースロックディスク1160は、第1の回転軸R5に垂直な第2の回転軸R6を中心に回転するように構成される。
【0066】
図21は、靴紐固定ディスク1160と底部ハウジング1166の上面図である。使用時には、靴紐1012は、底部ハウジング1166内に収まるように構成された靴紐固定ディスク1160のセンターステム1180の周りに巻き付けられる。突出フランジ1174は、靴紐1012がセンターステム1180の周りに巻き付けられるように方向付ける。いくつかの実施形態では、靴紐固定ディスク1160を時計回り1182に回転させることによって靴紐1012を巻き付けることができ、靴紐固定ディスク1160を反時計回りに回転させることによって靴紐1012を解くことができる。
【0067】
図22は、靴紐コレクタースプール1210の形態のクロージャー機構1208と、靴紐1212とに操作可能に連結されて靴紐1200を締め付けたり緩めたりできるクロージャーシステム1204を有する履物具1200の別の実施形態である。この実施形態では、第1の実施形態(履物具100)に存在する要素と共有される、すなわち構造的及び/又は機能的に同一または類似する要素は、同様の参照番号で表されている。靴紐1212は、複数の紐穴1216と操作可能に係合して、アッパー102の巻き付け領域1220を画定する。特に、クロージャー機構1208は、履物具1200を締め付けた形状と緩めた形状との間で調整するために、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成される。靴紐1212は、巻き付け領域1220内のアッパー102上に配置された紐穴1216に通される。紐穴1216は、アッパー102のシュータン170の横又は隣に開口部又は穴として設けられ、靴紐1212がそこを通される。さらに、または代わりに、紐穴1216は、アッパー102から延び、靴紐1212と係合するためにシュータン170に沿って又はシュータン170上に配置されたループ、フラップ、又はフックとして設けられてもよい。
図22に示すように、クロージャー機構1208は、巻き付け領域1220内に配置され、履物具1200の外部に完全に露出している。図示した実施形態では、クロージャー機構1208は、履物具1200を締め付けた形状と緩めた形状との間で調整するために、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成されている。
【0068】
図23は、クロージャーシステム1204を有する履物具1200の外側116の透視図の模式図である。靴紐1212はクロージャー機構1208に巻き付けられ、又は巻かれ、結び付けられ又は結ばれて靴紐1212を固定する。クロージャー機構1208は、上部1224及び下部1226を含む固定要素1222に取り付けられる。上部1224及び下部1226は、複数の突起1228を形成する。複数の突起1228の上部1224には突起1230(
図26参照)が含まれ、複数の突起1228の下部1226には突起1230を受け入れるソケット1232(
図26参照)が含まれてもよい。
【0069】
図24は、クロージャー機構1208の斜視図である。クロージャー機構1208には、ヘッドキャップ1234を備えたレースコレクタスプール1210が含まれる。図示した実施形態では、ヘッドキャップ1234は円錐形または半球形であり、上部フランジ1236に固定されている。シャフト1238は、ヘッドキャップ1234の反対側の上部フランジ1236から下部フランジ1240まで軸方向に延びており、シャフト1238は上部フランジ1236と下部フランジ1240とを接続している。実施形態によっては、上部フランジ1236、シャフト1238、及び下部フランジ1240は、一体成形品として形成されている。下部フランジ1240は、固定要素1222に結合する突起1242に取り付けられている(
図23を参照)。突起1242には、突起1242の側壁1246の周囲に放射状に配置された複数の隆起1244が含まれてもよい。一部の実施形態では、シャフト1238には、靴紐1212を受け入れる開口部1248が含まれてもよい。
【0070】
図25は、固定要素1222の斜視図である。固定要素1222には、履物1200のアッパー102に係合するように構成された複数の突起1228が含まれる(
図23参照)。固定要素1222には、中央穴1250と、プランジャ1254に作動的に接続されたスプリング1252が更に含まれる。プランジャ1254は、延伸した位置にバイアスされるように構成され、プランジャ1254が中央穴1250内に配置される。動作中、プランジャ1254は、中央穴1250から変位するように収縮位置に向かって移動され、したがって、スプリング1252は、スプリング1252のバイアスに打ち勝つのに十分な力で圧縮される。突起1242(
図24を参照)は、固定要素1222の中央穴1250に挿入され、複数の隆起1244は、プランジャ1254と部分的に係合する。突起1242は、固定要素1222に着脱可能に取り付けられるように構成され、
図24に示すように取り外すことができる。
【0071】
図26は、ほぼX字型で、履物具1200のアッパー102に取り付けられ、部分的にシュータン170の上に位置する固定要素1222の斜視図である(
図23参照)。いくつかの実施形態では、突起1228は、その遠位端1260に突起1230を有し、突起1230は紐穴1216に挿入され、突起1230を受容するように構成されたソケット1232を有する突起1228の反対側の遠位端1260と嵌合するように構成されている(例えば、スナップフィットを介して)。固定要素1222には、固定要素1222の上部1224の中央に配置された中央穴1250が含まれる。いくつかの実施形態では、中央穴1250は、固定要素1222の上部1224と下部1226の両方を貫通して延伸してもよい。
【0072】
図27は、クロージャー機構1208及び固定要素1222を含むクロージャーシステム1204の分解組立図である。本開示では、固定要素1222の上部1224にはソケット1232が含まれ、固定要素1222の下部1226には突起1230が含まれる。動作中、靴紐1212は靴紐コレクタースプール1210のシャフト1238に巻き付けられる。
図24に示すように、シャフト1238には靴紐1212を部分的に収容する開口部1248が含まれてもよい。クロージャー機構1208の突起1242は、固定要素1222の中央穴1250に接続されるように構成される。
【0073】
図28は、
図24のヘッドキャップ1234と機能的に類似するヘッドキャップ1410を含むクロージャー機構1408の代替実施形態の斜視図である。ヘッドキャップ1410は、その外面1424に複数の突起1416及び指標1420を有する。
【0074】
図29は、ヘッドキャップ1510を含むクロージャー機構1508の別の実施形態の斜視図である。クロージャー機構1508のヘッドキャップ1510は、他の構成も可能であるが、円錐形又は円錐台形の部材として提供されてもよい。ヘッドキャップ1510には、複数のインデント1516、及びヘッドキャップ1510の上端1524と下端1528との間に配置された傾斜した側壁1520が更に含まれる。
【0075】
図30は、アッパー102及びクロージャー機構1908に操作可能に連結されて、履物1900を締め付けたり緩めたりすることができるクロージャー機構1908と、靴紐1912とを含む閉鎖システム1904が備える履物具1900の外側116の透視図である。本実施形態では、第1の実施形態(履物100)に存在する要素と共有される要素、すなわち、構造的及び/又は機能的に同一又は類似する要素は、同じ参照番号で表されている。靴紐1912は、複数の紐穴1916と操作可能に係合して、アッパー102の巻き付け領域1920を規定する。特に、クロージャー機構1908は、履物具1900を締め付けた形状と緩めた形状の間で調整するために、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成される。靴紐1912は、巻き付け領域1920内のアッパー102上に配置された紐穴1916に通される。紐穴1916は、アッパー102のシュータン170の横又は隣接した開口部または穴として規定され、靴紐1912がそこを通されるが、あるいは、紐穴1916は、アッパー102から延び、靴紐1912と係合するためにシュータン170に沿って又はシュータン170上に配置されたループ、フラップ、又はフックとして提供される。クロージャー機構1908は、巻き付け領域1920内に配置され、履物具1900の外部に完全に露出している。図示した実施形態では、クロージャー機構1908は、履物具1900を締め付けた形状と緩めた形状との間で調整するために、アッパー102に着脱可能に取り付けられるように構成されている。
【0076】
図31は、第1の位置1938にあるクロージャー機構1908の斜視図である。クロージャー機構1908は、中央ボタン1940を含む。スプール1944は、中央ボタン1940からベース1948まで延びるシャフト1946を含む。ベース1948は、他の形状であってもよいが、円盤状の部材又はフランジであってもよい。操作中、中央ボタン1940は、ユーザがヘッドキャップ又はカラー1952を中央ボタン1940から持ち上げたり引っ張ったりするときに押される。カラー1952には、カラー1952の周囲に放射状に配置された窪み1953が含まれ、これにより、ユーザによるカラー1952のグリップが人間工学的に向上する。いくつかの実施形態では、中央ボタン1940はバネ式で、中央ボタン1940を連続して押すことによってラッチしたりラッチ解除したりできる。
【0077】
図32は、第2の位置1956にあるクロージャー機構1908の斜視図である。動作中、靴紐1912は、ベース1948の反対側に位置する上部フランジ1964に隣接して位置する穴1960に送り込まれる。上部フランジ1964は、センターボタン1940と一体に形成されてもよい。シャフト1946は、上部フランジ1964とスプール1944のベース1948との間に配置される。
図16に示すように、上部フランジ1964はシャフト1946と一体に形成され、ピボットジョイント(図示せず)はシャフト1946の下端1968に形成される。ピボットジョイント(図示せず)は、ベース1948とスプール1944の上部フランジ1964との間に回転ジョイントを形成して、靴紐1912を巻き取るように構成される。
【0078】
図33は、第3の位置1972にあるクロージャー機構1908の斜視図である。使用時には、カラー1952がクロージャー機構1908に押し戻される。本開示では、カラー1952は、スプール1944の上部フランジ1964(
図32参照)にスナップ留めされ、クロージャー機構1908の上部フランジ1964に隣接して配置された穴1960内に靴紐1912を固定してもよい。
【0079】
図34は、第4の位置1976にあるクロージャー機構1908の斜視図である。使用時には、靴紐1912はスプール1944のシャフト1946に巻き付けられ、そこに固定される。本開示では、スプール1944の上部フランジ1964は、履物具1900の靴紐1912を締め付けるために時計回り方向に回転され、履物1900の靴紐1912を緩めるために反時計回り方向に回転される。
【0080】
図35は、カラー1952の別の実施形態を示す斜視図である。カラー1952は、周囲に突起部または凹部を有するものを含む、異なる色、形状及びデザインのカラー1982、1986、1990と交換することができる。
【0081】
図36は、アッパー102のタン170に作動的に取り付けられた閉鎖システム1904を有する履物具1900の外側116の斜視図である。クロージャーシステム1904は、アッパー102のシュータン170の中央ループ2004に取り付けられるフック2012を有する固定要素2010を含む。いくつかの実施形態では、フック2012は、リビングヒンジ、クリップなどとして接続されてもよい。
【0082】
図37は、履物2100に取り付けるためのプラグの形態で提供される固定要素2110を備えたクロージャー機構2108を含むクロージャーシステム2104を有する履物具2100の別の実施形態である。クロージャー機構2108は、
図19A~
図19Cに示されるクロージャー機構1908に示されるものと同様の構成要素を含む。動作中、開口部2114はクロージャー機構2108の底面2116上に配置される。内側ベース2124から延びるT字型の突起2120は、シュータン170の穴2128に通され、クロージャー機構2108に接続される。開口部2114は、T字型の突起2120を受け入れ、クロージャー機構2108を履物具2100に取り付ける。
【0083】
したがって、クロージャー機構208、408、608、808、1008、1208、1408、1508、1908、2108は、従来の靴紐を介して様々な履物に使用できるように構成されている。例えば、クロージャー機構208、408、608、808、1008、1208、1408、1508、1908、2108は、異なるサイズ又はスタイルの履物、特に靴のサイズが頻繁に変わる年齢の子供用の履物に使用するために提供することができる。そのため、クロージャー機構208、408、608、808、1008、1208、1408、1508、1908、2108は、さまざまな色で提供されるように構成されている。クロージャー機構208、408、608、808、1008、1208、1408、1508、1908、2108のヘッドキャップには、例えば、攪拌又は衝撃によって作動するLEDライトなどのライト(図示せず)が備えられてもよい。さらに、ヘッドキャップ又はカラー1952、1982、1986、1990の上端は、ロゴ、文字、記号、番号、又はその他の表示やマークを使用してカスタマイズ又は個別化されてもよい。さらに、クロージャー機構208、408、608、808、1008、1208、1408、1508、1908、2108の固定要素は、他の構成の中でも、フラップ又はプルタブとの係合などにより、靴紐との係合なしに履物200、400、600、800、1000、1200、1900、2100に着脱可能な取り付けができるように構成できることが想定される。
【0084】
クロージャー機構208、408、608、808、1008、1208、1408、1508、1908、2108は、米国特許第5,325,613号、米国特許第5,600,875号、米国特許第5,606,778号、米国特許第5,638,588号、米国特許第5,651,198号、及び米国特許第5,669,116号に開示されているものと同様のものであってもよいと考えられる。これらの特許はすべて、Puma SEに共通に譲渡されており、本明細書にその全体が参照により組み込まれている。例えば、クロージャー機構208、408、608、808、1008、1208、1408、1508、1908、2108は、本開示のそれぞれの履物具200、400、600、800、1000、1200、1900、2100に装着されたときに締め付けまたは緩めの機能を提供するためのクロージャー機構の1つ以上の側面を含むことができると考えられる。
【0085】
他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、上記の説明で特定の実施形態に関して提示された特定の特徴および特徴の組み合わせは、必要に応じて、他の実施形態および他の組み合わせで利用することができる。さらに、本明細書で説明された実施形態のいずれかは、他の実施形態に関連して開示された構造または方法のいずれかを含むように変更されてもよい。さらに、本開示は、具体的に示されたタイプの履物製品に限定されない。さらに、本明細書で開示された実施形態のいずれかの履物製品の態様は、任意のタイプの履物、アパレル、または他の運動用具で動作するように変更されてもよい。
【0086】
前述のように、本発明は特定の実施形態および例に関連して上記で説明されているが、本発明は必ずしもそのように限定されるものではなく、多数の他の実施形態、例、使用、変更、及び実施形態、例、及び使用からの逸脱が、本明細書に添付された請求項に包含されることが意図されていることは、当業者には理解されるであろう。本明細書に引用された各特許および刊行物の開示全体は、あたかも各特許または刊行物が本明細書に個別に参照により組み込まれているかのように、参照により組み込まれる。本発明のさまざまな特徴および利点は、以下の請求項に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明に対する多数の変更は、前述の説明から当業者には明らかであろう。従って、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を製造し、使用できるようにする目的で提示されている。添付の特許請求の範囲内にあるすべての変更に対する独占的権利は留保されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプールと、前記スプールから突出する少なくとも1つの取り付けチップと、を含む、クロージャー機構と、
前記少なくとも1つの取り付けチップを受けるように構成されたスプールハウジングのノッチを含む、固定要素と、
履物のアッパーと操作可能に係合するように構成された紐とを備え、
前記固定要素は、前記履物と前記クロージャー機構とに係合するように構成されて、前記固定要素を前記履物に着脱可能に固定し、前記クロージャー機構は、緩んだ形状と締め付けた形状との間に前記履物を調節するために、前記固定要素に対して回転されるように構成され、前記紐は、前記クロージャー機構と係合するように構成される、履物具用のクロージャーシステム。
【請求項2】
前記紐は、前記アッパー上に形成された複数の紐穴を通り抜け、且つ前記コレクタースプール上に形成された少なくとも1つの管を通り抜ける、請求項
1に記載のクロージャーシステム。
【請求項3】
前記固定要素が、前記履物のシュータンに取り付けられる、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項4】
前記固定要素は、前記履物の前記シュータンに係合するように構成されるフックを更に備える、請求項
3に記載のクロージャーシステム。
【請求項5】
前記スプールハウジングは、内部容積を規定し、前記コレクタースプールは、前記内部容積の範囲で全体的に含まれるように構成される、請求項
1に記載のクロージャーシステム。
【請求項6】
クロージャー機構と、
固定要素と、
履物のアッパーと操作可能に係合するように構成された紐とを備え、
前記クロージャー機構は、緩んだ形状から締め付けた形状に調節するために作動するように構成され、前記固定要素は、第1のスプールと第2のスプールを含み、前記第1のスプールは、第1の回転軸を規定し、前記第2のスプールは、前記第1の回転軸に対して直角に配置された第2の回転軸を規定し、前記第1のスプールは、前記第2のスプールに着脱可能に係合するように構成され、前記第1のスプールは、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸の周りを回転するように構成される、履物具用のクロージャーシステム。
【請求項7】
前記第2のスプールは、上部、シャフト、及び下部を含み、前記上部は、前記下部に対して回転するように構成される、請求項
6に記載のクロージャーシステム。
【請求項8】
前記上部は、複数の突起を含み、ヘッドキャップが前記複数の突起に着脱可能に取り付けられる、請求項
7に記載のクロージャーシステム。
【請求項9】
前記第1のスプールは、第1のフランジと第2のフランジの間に配置されたシャフトを含み、前記シャフトは、前記紐を受ける少なくとも1つの開口を含む、請求項
6に記載のクロージャーシステム。
【請求項10】
前記固定要素は、前記クロージャー機構を前記履物具に着脱可能に取り付けるためのヒンジで連結された機構を含む、請求項6に記載のクロージャーシステム。
【請求項11】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、スプールベースと回転可能に係合するように構成される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項12】
前記クロージャー機構は、前記固定要素に着脱可能に取り付けられる、請求項
6に記載のクロージャーシステム。
【請求項13】
前記クロージャー機構の下部は、履物具のシュータンに着脱可能に取り付けられるように構成されるフックを含む、請求項
6に記載のクロージャーシステム。
【請求項14】
前記固定要素は、少なくとも1つの紐が通り抜ける管を規定するU字型の部材である、請求項
6に記載のクロージャーシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのタブと、開口とともにシャフトを含む少なくとも1つのスプールを備えるクロージャー機構を提供する工程と、
前記クロージャー機構を前記履物具に着脱可能に固定するように構成される固定機構を提供する工程と、
前記クロージャー機構と係合する紐を提供し、前記紐が前記シャフトと連結する工程と、
を備え、
前記スプールが、前記履物具を締め付けた形状に調節するために第1の方向に回転され、
前記スプールが、前記履物具を緩んだ形状に調節するために第2の方向に回転される、履物具用のクロージャーシステムを組み立てる方法。
【請求項16】
前記第1の方向は、前記第2の方向の逆である、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記固定機構は、履物のアッパーに配置される、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
履物具のアッパーに着脱可能に取り付けられるように構成され、中央ボタンに隣接して配置されたカラーと、前記中央ボタンの反対側に位置するベースと、前記中央ボタンと前記ベースとの間に配置されたシャフトと、を含む、クロージャー機構と、
前記クロージャー機構を前記アッパーに着脱可能に固定する、固定要素と、
前記履物のアッパーと、前記クロージャー機構の前記シャフトとに操作可能に係合する靴紐と、を備え、
前記カラーと前記中央ボタンとは、互いに対して着脱可能であり、
前記シャフトは、前記履物具の締め付け具合を調節するために前記靴紐を巻き取るように回転可能である、履物具用のクロージャー機構。
【請求項19】
前記カラーは、収容されるように靴紐が構成される複数の穴を露出するために、前記ベースから離れた方向に配置されるように構成される、請求項18に記載のクロージャー機構。
【請求項20】
前記カラーは、前記中央ボタンから取り外し可能であり、前記カラーとは異なる少なくとも1つの特徴を有するもう1つのカラーと交換されるように構成され、前記少なくとも1つの特徴は、色、形状、又はデザインを含む、請求項18に記載のクロージャー機構。
【請求項21】
前記固定要素は、前記アッパーのシュータンの中央ループに着脱可能に取り付けられるように構成されたフックを含む、請求項18に記載のクロージャー機構。
【請求項22】
前記固定要素は、内側ベースを有するプラグと、前記クロージャー機構の開口に着脱可能に受け入れるように構成された突起と、を含む、請求項18に記載の
クロージャー機構。
【国際調査報告】