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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】解重合方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/30 20060101AFI20241219BHJP
   C08J 11/12 20060101ALI20241219BHJP
   C07C 69/54 20060101ALI20241219BHJP
   C07C 67/54 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C07C67/30
C08J11/12 ZAB
C07C69/54 Z
C07C67/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540593
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2022087923
(87)【国際公開番号】W WO2023126422
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】21306952.9
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(71)【出願人】
【識別番号】524249563
【氏名又は名称】ジャパン・スティール・ワークス・ヨーロッパ・ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】524247972
【氏名又は名称】トリンセオ・ヨーロッパ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュク・デュボワ
(72)【発明者】
【氏名】東定 誠
(72)【発明者】
【氏名】シモン・ファン・デル・ヘイデン
(72)【発明者】
【氏名】エーリク・フェルベーク
(72)【発明者】
【氏名】ベルト・ヘーシンク
【テーマコード(参考)】
4F401
4H006
【Fターム(参考)】
4F401AA17
4F401AB09
4F401BA06
4F401CA70
4F401FA01Y
4F401FA06Z
4F401FA09Z
4H006AA02
4H006AB46
4H006AC48
4H006AC91
4H006KA31
4H006KC14
(57)【要約】
解重合方法及びシステム。ポリマーからモノマーを回収するための解重合方法が提供され、この方法は、ポリマーを含有する供給材料を熱分解反応器内で熱分解して、ガスストリームを生成する工程、熱分解反応器から、ガスストリームから不純物を除去するように構成される分離器に、ガスストリームを誘導する工程、及び、分離器から、ガスストリーム中に含有されるモノマーを凝縮するための凝縮器に、ガスストリームを誘導する工程の連続工程を含む。分離器内のガスストリームの温度は、モノマーの沸点以上に維持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーからモノマーを回収するための解重合方法であって、
- ポリマーを含有する供給材料を熱分解反応器内で熱分解して、ガスストリームを生成する工程、
- 熱分解反応器から、ガスストリームからの不純物を除去するように構成された分離器に、ガスストリームを誘導する工程、
- 分離器から、ガスストリーム中に含有されるモノマーを凝縮するための凝縮器に、ガスストリームを誘導する工程
の連続工程を含み、分離器内のガスストリームの温度は、モノマーの沸点以上に維持される、解重合方法。
【請求項2】
分離器内のガスストリームの温度が、少なくとも分離器の下流セクションにおいて、モノマーのダイマーの沸点未満、及び/又はモノマーのトリマーの沸点未満である、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項3】
分離器の内部流路の最大断面が、動作中の分離器に進入するガスストリームの質量流量の少なくとも0.001倍の面積を有し、面積は平方メートル(m2)で表され、質量流量はキログラム毎時(kg/時)で表される、請求項1又は2に記載の解重合方法。
【請求項4】
分離器内の内部流路の最大断面の面積が、分離器における最小断面の面積の少なくとも10倍である、請求項1から3のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項5】
分離器内のガスストリームの線速度が、最大線速度未満である、請求項1から4のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項6】
最大線速度が、0.50m/秒、特に0.15m/秒、更には0.10m/秒である、請求項5に記載の解重合方法。
【請求項7】
入口ダクトの下流セクションにおけるガスストリームの線速度が、熱分解反応器の最大供給速度での最大線速度より低くなるように、分離器の内部流路の最大断面の面積を、熱分解反応器の最大供給速度、ポリマーの解重合温度及びポリマーのモル質量の関数として選択する、請求項1から6のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項8】
分離器内のガスストリームの滞留時間が、1秒から30秒の間、好ましくは5秒から25秒の間、更に好ましくは10秒から20秒の間に含まれる、請求項1から7のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項9】
分離器内の凝縮器から取り出された液体モノマーを噴霧する工程を含み、液体モノマーは、ガスストリーム中に噴霧される、請求項1から8のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項10】
分離器内に噴霧される低温モノマーの質量流量が、93%以下、更に好ましくは83%以下、更に好ましくは73%以下、更に好ましくは63%以下、更に好ましくは53%以下を占めるように、低温モノマーを分離器内に噴霧する、請求項9に記載の解重合方法。
【請求項11】
分離器内に噴霧される低温モノマーの質量流量が、10%以上、更に好ましくは20%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上を占めるように、液体モノマーを分離器内に噴霧する、請求項9又は10に記載の解重合方法。
【請求項12】
ガスストリームが、分離器内で徐々に遅くなる、請求項1から11のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項13】
分離器の内部流路の断面が、ガスストリームの流動方向を考慮した場合徐々に増加する、請求項1から12のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項14】
分離器が、中心軸に沿って延在する分離チャンバを備え、分離器は、ガス流が分離チャンバ内を循環して流動するように構成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項15】
分離器が、熱分解反応器により生成されたガスストリームを受容するための入口ダクトを有し、入口ダクトは、分離チャンバ内に開放されている、請求項14に記載の解重合方法。
【請求項16】
入口ダクトが、分離チャンバの周りに延在する、請求項15に記載の解重合方法。
【請求項17】
分離器内に内部ミスト除去デバイスを備えることにより、ガスストリーム中に存在するミスト液滴を合体させる工程を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項18】
熱分解反応器内の温度が、550℃以下である、請求項1から17のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項19】
熱分解反応器が、加熱スクリュー押出機、好ましくは加熱二軸スクリュー押出機である、請求項1から18のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項20】
ポリマーが、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%、有利には少なくとも80質量%、より有利には少なくとも90質量%のメチルメタクリレートを含む、メチルメタクリレート(MMA)のホモポリマー又はコポリマーである、請求項1から19のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項21】
モノマーが、メチルメタクリレートである、請求項1から20のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項22】
分離器内のガス流の絶対圧力が、0.35バールから5バールの間に含まれる、請求項1から21のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項23】
液体の水を分離器内に噴霧する工程を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の解重合方法。
【請求項24】
ポリマーからモノマーを回収するための請求項1から23のいずれか一項に記載の解重合方法を実施するように構成される解重合システムであって、
- ポリマーを含有する供給材料を熱分解して、供給材料からガスストリームを生成するための熱分解反応器と、
- 熱分解反応器からガスストリームを受容し、ガスストリームから不純物を除去するための分離器と、
- ガスストリーム中に含有されるモノマーを凝縮するために、分離器からのガスストリームを受容するための凝縮器と
を備え、動作中、分離器内のガスストリームの温度がモノマーの沸点以上に維持されるように構成される、解重合システム。
【請求項25】
熱分解反応器が、二軸スクリュー押出機である、請求項24に記載の解重合システム。
【請求項26】
凝縮器により回収された液体モノマーの画分を分離器内に噴霧するように構成される、請求項24又は25に記載の解重合システム。
【請求項27】
凝縮器の液体出口で液体モノマーを収集し、この液体モノマーを凝縮器のガス入口に再注入するように構成される、再注入ラインを備える、請求項24から26のいずれか一項に記載の解重合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願に至るプロジェクトは、助成金契約番号820687の下で、欧州連合のHorizon 2020研究革新プログラムから資金提供を受けた。
【0002】
本発明は、モノマーが構成成分であるポリマーを含有する供給材料からモノマーを回収するための解重合の分野に関する。
【0003】
本発明は、より詳細には、供給材料の熱分解、すなわち、酸素の実質的に非存在下での、例えば少なくとも部分的に供給材料を蒸発させるための供給材料の加熱を含む、熱解重合方法に関する。供給材料の熱分解は、モノマーの蒸気を含むガスストリームを生成する。
【背景技術】
【0004】
そのような解重合方法において生じる問題は、気化したモノマーに加えて、熱分解により生成されたガスストリームが、粉塵、ミスト液滴、残留ポリマー鎖、オリゴマー及び/又は汚染物質等の不純物を含有し得ることである。
【0005】
そのような不純物は、熱分解反応器の下流に位置する解重合システムの構成要素を改変し、したがって生産性に悪影響を及ぼし得るか、又は、気化したモノマーから得られた、例えば粗モノマー若しくは油モノマーとして取り出されたモノマーを汚染し得る。
【0006】
JP3210323及びDE3146194は、それぞれポリマーからモノマーを回収するための解重合方法であって、ポリマーを含有する供給材料を熱分解反応器内で熱分解して、例えばモノマー蒸気を含有するガスストリームを生成する工程と、ガスストリームを分離器に通過させて、例えばガスストリームから不純物を除去する工程とを含む、解重合方法を開示している。
【0007】
WO2016/030460は、ポリマーからモノマーを回収するための解重合方法であって、ポリマーを含有する供給材料を熱分解反応器内で熱分解して、例えばモノマー蒸気を含有するガスストリームを生成する工程と、長鎖成分を再び熱分解反応器に流動させるように配置された有孔板を含む接触器にガスストリームを通過させる工程とを含む、解重合方法を開示している。
【0008】
US10731080は、ポリマーからモノマーを回収するための解重合方法であって、ポリマーを含有する廃材を熱分解してガスストリームを生成する工程と、熱分解反応器からのガスストリーム出力を、ガスストリームからオリゴマーを除去するためのクエンチ装置内でクエンチする工程と、オリゴマーを再び熱分解反応器に送出する工程とを含む方法を開示している。
【0009】
WO2014/040634は、廃プラスチックをリサイクルするための方法及び装置を開示している。この方法は、350から500℃の間に含まれる温度における、熱分解反応器内での触媒及び吸着剤の存在下での廃プラスチックの熱分解と、分離器及びサイクロンを備える気体-固体分離システム内での分離と、電気分離器内でのガスの精製と、導管内で精製液体生成物を得るための凝縮器内でのガスの冷却とを含んでいる。残りのガスストリームは、導管を介して再生デバイスに送られる。ガスは熱分解反応器に供給する押出機に送り返され、より重い粒子は再び熱分解反応器に輸送される。
【0010】
EP3031881は、食品包装のリサイクルからの廃ポリマーの熱分解処理の方法、及びそのような方法を実行するためのシステムを開示している。この方法は、熱反応器内での廃プラスチックの熱分解、収集チャンバ内での分離、サイクロン内での分離、油スクラバ内での分離、及び凝縮を含む。熱反応器の出口における温度は、600℃から800℃の間に含まれる。
【0011】
US10301235は、廃プラスチックをリサイクルするためのシステム及び方法を開示している。より詳細には、ポリスチレンを解重合する方法であり、この方法は、熱分解反応器内で供給物を熱分解する工程と、クエンチ装置内で熱分解ガスをクエンチし、オリゴマーを凝縮させる工程とを含み、オリゴマーは再び熱分解反応器に送出され、ガスストリームは、スチレンを凝縮してスチレン油を得るために凝縮器に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】JP3210323
【特許文献2】DE3146194
【特許文献3】WO2016/030460
【特許文献4】US10731080
【特許文献5】WO2014/040634
【特許文献6】EP3031881
【特許文献7】US10301235
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的の1つは、満足のいく品質及び満足のいく生産性を伴ってモノマーを、特に粗モノマー又は熱分解油を生成することができる解重合方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
その目的のために、本発明は、ポリマーからモノマーを回収するための解重合方法であって、
- ポリマーを含有する供給材料を熱分解反応器内で熱分解して、ガスストリームを生成する工程、
- 熱分解反応器から、ガスストリームから不純物を除去するように構成される分離器に、ガスストリームを誘導する工程、
- 分離器から、ガスストリーム中に含有されるモノマーを凝縮するための凝縮器に、ガスストリームを誘導する工程
の連続工程を含み、分離器内のガスストリームの温度は、モノマーの沸点以上に維持される、解重合方法を提案する。
【0015】
分離器内のガスストリームの温度をモノマーの沸点以上に維持することにより、分離器内で凝縮するいかなるモノマーも気化させることができ、又はほとんどのモノマーを気化させることができる。
【0016】
好ましくは、温度は、ガスストリーム中に存在する、又は分離器内でモノマーから再び形成し得る任意のダイマー又はトリマーの分離器内での凝縮を促進するのに十分低くなるべきである。
【0017】
具体的な実施形態において、分離器を詰まらせることなく、効率改善のために分離器内のミスト液滴を捕捉することも可能であり得る。これにより、分離器に進入するガスストリーム中で運搬される微細粉塵粒子の周りに生成されるミスト液滴を収集することが可能になる。
【0018】
特定の実施形態によれば、解重合方法は、個別で、又は任意の技術的に実現可能な組合せとして、以下の任意選択の特徴のうちの1つ又は複数を含む:
- 分離器内のガスストリームの温度が、少なくとも分離器の下流セクションにおいて、モノマーのダイマーの沸点未満、及び/又はモノマーのトリマーの沸点未満である、
- 分離器の内部流路の最大断面が、動作中の分離器に進入するガスストリームの質量流量の少なくとも0.001倍の面積を有し、面積は平方メートル(m2)で表され、質量流量はキログラム毎時(kg/時)で表される、
- 分離器内の内部流路の最大断面の面積が、分離器における最小断面の面積の少なくとも10倍である、
- 分離器内のガスストリームの線速度が、最大線速度未満である、
- 最大線速度が、0.50m/秒、特に0.15m/秒、更には特に0.10m/秒である、
- 入口ダクトの下流セクションにおけるガスストリームの線速度が、熱分解反応器の最大供給速度での最大線速度より低くなるように、分離器の内部流路の最大断面の面積が、熱分解反応器の最大供給速度、ポリマーの解重合温度及びポリマーのモル質量の関数として選択される、
- 分離器内のガスストリームの滞留時間が、1秒から30秒の間、好ましくは5秒から25秒の間、更に好ましくは10秒から20秒の間に含まれる、
- 方法が、分離器内の凝縮器から取り出された液体モノマーを噴霧する工程を含み、液体モノマーは、ガスストリーム中に噴霧される、
- 分離器内に噴霧される低温モノマーの質量流量が、分離器に供給される化合物の全体的質量流量の93%以下、更に好ましくは83%以下、更に好ましくは73%以下、更に好ましくは63%以下、更に好ましくは53%以下であるように、低温モノマーが分離器内に噴霧される、
- 分離器内に噴霧される低温モノマーの質量流量が、分離器に供給される化合物の全体的質量流量の10%以上、更に好ましくは20%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上であるように、液体モノマーが分離器内に噴霧される、
- ガスストリームが、分離器内で徐々に遅くなる、
- 分離器の内部流路の断面が、ガスストリームの流動方向を考慮した場合徐々に増加する、
- 分離器が、中心軸に沿って延在する分離チャンバを備え、分離器は、ガス流が分離チャンバ内を循環して流動するように構成される、
- 分離器が、熱分解反応器により生成されたガスストリームを受容するための入口ダクトを有し、入口ダクトは、分離チャンバ内に開放されている、
- 入口ダクトが、分離チャンバの周りに延在する、
- 方法が、分離器内に内部ミスト除去デバイスを提供することにより、ガスストリーム中に存在するミスト液滴を合体させる工程を含む。
【0019】
本発明はまた、ポリマーからモノマーを回収するための上記の解重合方法を実施するように構成される解重合システムであって、
- ポリマーを含有する供給材料を熱分解して、供給材料からガスストリームを生成するための熱分解反応器と、
- 熱分解反応器からガスストリームを受容し、ガスストリームから不純物を除去するための分離器と、
- ガスストリーム中に含有されるモノマーを凝縮するために、分離器からのガスストリームを受容するための凝縮器と
を備え、動作中、分離器内のガスストリームの温度がモノマーの沸点以上に維持されるように構成される解重合システムに関する。
【0020】
非限定的な例としてのみ示される以下の説明を読み、添付の図面を参照すれば、本発明及びその利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】モノマーが構成成分であるポリマーを含有する供給材料からモノマーを回収するための解重合方法を実施するための解重合システムを例示する概略図である。
図2図1の解重合システムにおいて使用され得る分離器の概略側面図である。
図3図2の代替の分離器の概略上表面図である。
図4図3の分離器の概略分解側面図である。
図5】分離器の概略側面図である。
図6】分離器の概略側面図である。
図7】入口収集器を備える分離器の概略上面図である。
図8】入口収集器の概略側面図である。
図9】分離器の概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に例示される解重合システム10は、モノマーが構成成分であるポリマーを含有する供給材料からモノマーを回収するための解重合方法を実施するように構成される。
【0023】
解重合方法は、ポリマーを含有する供給材料からガスストリームを生成するように構成された熱分解反応器12内で供給材料を熱分解する連続工程であって、ガスストリームはポリマーの構成成分であるモノマーを含有し、モノマーはガス状態である工程、熱分解反応器12から、ガスストリームから不純物を除去するように構成される分離器14に、ガスストリームを誘導する工程、及び、分離器14から、ガスストリーム中に含有されるガス状態のモノマーを液体状態のモノマーに凝縮するように構成された凝縮器16に、ガスストリームを誘導する工程の連続工程を含む。
【0024】
解重合方法の実施中、熱分解は、分離器14に提供されたガスストリームが、以降で「ガス状モノマー」とも称されるガス状態のモノマーを含有するように動作する。
【0025】
解重合方法の実施中、凝縮器16により提供される凝縮物は、以降で「液体モノマー」又は「低温モノマー」とも称される液体状態のモノマー、又は熱分解油を含有する。
【0026】
解重合システム10は、この順番で直列で流体接続された、熱分解反応器12、分離器14及び凝縮器16を備える。
【0027】
以下で詳細に説明されるように、熱分解反応器12と分離器14との間、又は分離器14と凝縮器16との間、又は凝縮器16の下流に、解重合システム10の他の構成要素が任意選択で組み込まれてもよい。
【0028】
熱分解反応器12は、供給材料を受容するための反応器入口12Aと、供給材料の熱分解から生じたガスストリームを提供するための反応器出口12Bとを備える。
【0029】
熱分解反応器12は、例えば供給材料を気化させて反応器出口12Bで提供されるガスストリームを生成するために、反応器入口12Aで受容された供給材料を高温で加熱するように構成される。
【0030】
任意選択で、熱分解反応器12は、供給材料を機械的に処理するように構成される。供給材料の加熱に追加した供給材料の機械的処理は、ガスストリームの生成を促進する。
【0031】
熱分解反応器12内での供給材料の機械的処理は、例えば、供給材料の撹拌及び/又は押出を含み得る。したがって、熱分解反応器12は、例えば、供給材料を撹拌する、及び/又は供給材料を押し出すように構成される。
【0032】
熱分解反応器12は、例えば、加熱スクリュー押出機、特に加熱二軸スクリュー押出機として構成される。
【0033】
加熱スクリュー押出機は、管状バレルと、バレル内に延在し、管状チャンバに沿って供給材料を押し出すために回転駆動される少なくとも1つのスクリューと、バレル内に含まれる供給材料を加熱するための加熱システムとを備える。加熱二軸スクリュー押出機は、バレル内に並んで延在する2つのスクリューを備える加熱スクリュー押出機であり、スクリューのねじ山は好ましくは互いに噛み合い、スクリューは共回転(それぞれの軸周りに同じ方向に回転)又は逆回転(それぞれの軸周りに反対方向に回転)する。
【0034】
分離器14は、熱分解反応器12により生成されたガスストリームを受容するための分離器ガス入口14Aと、凝縮器16に誘導されるガスストリームを提供するための分離器ガス出口14Bとを備える。
【0035】
分離器14は、分離器ガス入口14Aから分離器ガス出口14Bまでのガスストリームの内部流路を有する。内部流路は、分離器ガス入口14Aに隣接する上流セクションと、分離器ガス出口14Bに隣接する下流セクションとを有する。
【0036】
内部流路は、内部流路内のガスの流れに対して実質的に垂直に取られた断面を有する。断面は、面積(すなわち、断面の範囲の尺度)を有する。
【0037】
分離器14の内部流路の断面の面積は、内部流路に沿って一定であってもよく、又は内部流路に沿って変動してもよい。
【0038】
以降では、分離器14の内部流路の「最大断面」は、最大面積を有する断面を有する分離器14の内部流路のセクションを指す。
【0039】
任意選択で、分離器14は、分離器14内でガスストリームから分離された不純物を収集するための不純物出口14Cを備える。
【0040】
本発明の分離器は、標準的なサイクロンではない。標準的なサイクロン分離器とは、30m/秒~45m/秒の範囲内のガス入口速度を有する機器として理解される。
【0041】
凝縮器16は、分離器14により提供されたガスストリームを受容するための凝縮器入口16Aと、凝縮物、すなわち凝縮器16内で凝縮した生成物を提供するための凝縮器出口16Bとを備える。
【0042】
凝縮器16は、凝縮器入口16Aで受容されたガスストリームを凝縮して、凝縮器出口16Bで凝縮物を提供するように構成される。
【0043】
凝縮器16は、任意選択で、凝縮することなく凝縮器16を通過する非凝縮物生成物を提供するためのガス出口16Cを備える。
【0044】
解重合方法は、分離器14内のガスストリームがモノマーの沸点以上の温度であるように実施される。
【0045】
熱分解により生成されたガスストリームは、徐々に冷却を伴って分離器14の内部流路に沿って移動する。分離器14内のガスストリームの温度は、分離器14の下流セクションにおいて最も低い。
【0046】
したがって、換言すれば、解重合方法は、分離器14の下流セクションにおけるガスストリームの温度がモノマーの沸点以上であるように実施される。
【0047】
これは、ガスストリーム中に存在する任意の液体モノマーのガス状モノマーへの蒸発を促進し、これはモノマーの重合を防止する。
【0048】
ガスストリームは、ダイマー又はトリマー、すなわち2つのモノマーの鎖又は3つのモノマーの鎖を含有し得る。そのようなダイマー又はトリマーは、熱分解中の不完全な解重合又はモノマーの重合に起因し得る。
【0049】
一般に、モノマーのダイマー及びトリマーの沸点は、モノマーの沸点より厳密に高い。
【0050】
好ましくは、解重合方法は、分離器14の下流セクションにおけるガスストリームの温度が、厳密にモノマーのダイマーの沸点未満である、及び/又はモノマーのトリマーの沸点未満である温度であるように実施される。
【0051】
これにより、ガスストリーム中に存在するダイマー及び/又はトリマーのほとんどが分離器14内で凝縮し、したがって分離器14内にダイマー及びトリマーを保持し、それらが凝縮器16に流動するのを制限又は回避する。
【0052】
解重合方法は、例えば、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%、有利には少なくとも80質量%、より有利には少なくとも90質量%のメチルメタクリレートを含む、メチルメタクリレート(MMA)のホモポリマー又はコポリマーを指すポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いて実施される。
【0053】
PMMA(ポリマー)及びMMA(モノマー)の場合、MMAの沸点は約100℃であり、ダイマー及びトリマーの沸点は、それぞれ約200℃及び300℃である。
【0054】
したがって、そのような場合、解重合方法は、分離器14の下流セクションにおけるガスストリームの温度が100℃から280℃の間、特に140℃から180℃の間に含まれるように実施される。
【0055】
解重合方法の実施中、分離器14内のガス流の絶対圧力は、好ましくは0.35バールから5バールの間、好ましくは0.5バールから4バールの間、更に好ましくは1バールから3バールの間に含まれる。
【0056】
有利には、解重合方法は、分離器14内に、凝縮器16から取り出された液体モノマーを噴霧する工程を含み、液体モノマーは、ガスストリーム中に噴霧され、好ましくはガスストリームに対向する。
【0057】
任意選択で、解重合方法は、凝縮器16により回収された液体モノマーの画分を分離器14内に噴霧する工程を含む。
【0058】
そのような場合、解重合システム10は、凝縮器16により回収された液体モノマーの画分を分離器14内に噴霧するように構成される。
【0059】
本発明の解重合方法は、熱分解反応器から来るいかなる液体成分又はいかなる固体成分も、熱分解反応器に向けて再注入又は再供給する工程を含まない。
【0060】
解重合システム10は、例えば、凝縮器16により提供された液体モノマーを収集し、液体モノマーを分離器14内に噴霧するように構成されたモノマー返送ライン18を備える。
【0061】
任意選択で、解重合方法は、凝縮器16の液体出口16Bで収集された液体モノマーを、凝縮器16の入口16Aに進入するガスに、凝縮器16の出口から凝縮器16の入口に向けて再注入する工程を含む。
【0062】
これにより、凝縮器16に進入するガスの温度が低下され、凝縮器16の効率が増加する。
【0063】
そのような場合、解重合システム10は、凝縮器16の液体出口16Bで液体モノマーを収集し、この液体モノマーを凝縮器16のガス入口16A内に再注入するように構成された再注入ライン19を備える。
【0064】
任意選択で、解重合方法は、凝縮器16により提供された凝縮物から固体粒子を除去するために、凝縮器16により提供された凝縮物を精製する工程を含む。
【0065】
そのような場合、解重合システム10は、凝縮器16により提供された凝縮物から固体粒子を除去するように構成された精製デバイス20を備える。
【0066】
分離器14内に噴霧される液体モノマーは、分離器14内に噴霧する前に固体粒子を除去するために精製された精製液体モノマーであってもよく、又は、凝縮器16により提供されたままの、未処理液体モノマーが分離器内に直接噴霧されてもよい。
【0067】
それに対応して、解重合システム10において、モノマー返送ライン18には、図1に例示されるような精製デバイス20により提供される精製凝縮物が供給されるか、又は代替として、モノマー返送ライン18には凝縮器16により直接提供される未処理凝縮物が供給される。
【0068】
好ましくは、分離器14内に噴霧される液体モノマーの質量流量の、ガスストリームの質量流量に対する比率が、93%以下、更に好ましくは83%以下、更に好ましくは73%以下、更に好ましくは63%以下、更に好ましくは53%以下であるように、液体モノマーが分離器14内に噴霧される。
【0069】
好ましくは、ガスストリームの質量流量に対する分離器14内に噴霧される液体モノマーの質量流量が、10%以上、更に好ましくは20%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上であるように、液体モノマーが分離器14内に噴霧される。
【0070】
任意選択で、液体モノマーの噴霧の代わりに、又はそれを補って、解重合方法は、液体の水を分離器14内に噴霧する工程を含む。利点は、分離器14内への液体モノマーの噴霧の利点と同様である。
【0071】
場合により、凝縮器のガス入口16A内に再注入される液体モノマーは、凝縮器16内への再注入の前に固体粒子を除去するために精製された精製液体モノマーであってもよく、又は、直接凝縮器16により提供されたままであってもよい。
【0072】
それに対応して、解重合システム10において、再注入ライン19には、図1に例示されるような精製デバイス20により提供される精製凝縮物が供給されるか、又は代替として、再注入ライン19には凝縮器16により直接提供される未処理凝縮物が供給される。
【0073】
本発明の解重合システムは、液体についても固体についても、熱分解反応器に向かう再注入ライン等を備えていない。
【0074】
熱分解反応器12は、最大質量流量で供給材料を処理するように、ひいては最大質量流量でガスストリームを提供するように構成される。
【0075】
更に、分離器14の内部流路の任意のセクションにおいて、分離器14内を流動するガスストリームは、時間単位で熱分解反応器12により生成されたガスの体積を、分離器14の内部流路の前記セクションの断面の面積で除した値として決定される線速度を有する。
【0076】
好ましくは、解重合方法は、分離器14内のガスストリームの線速度が、少なくとも、最大断面を有する分離器14の内部流路のセクションにおいて、最大線速度より低くなるように実施される。
【0077】
特定の実施形態において、最大断面を有する分離器14の内部流路のセクションは、分離器14の内部流路の下流セクションである。
【0078】
一実施形態において、特にポリマーがPMMAである場合、最大線速度は0.50m/秒、好ましくは0.15m/秒、特に0.10m/秒である。
【0079】
分離器14の内部流路の任意のセクションにおけるガスストリームの線速度は、ガスストリームの質量流量又はガスストリームの体積流量、及び分離器14の内部流路の前記セクションの断面の面積の関数である。質量流量は、動作圧力におけるガスストリームの体積流量及び質量密度に関連する。
【0080】
ガスストリームの体積流量は、熱分解反応器12の供給速度、ポリマーの解重合温度及びポリマーのモル質量の関数である。
【0081】
有利には、例えば、分離器14の内部流路の最大断面におけるガスストリームの線速度が、熱分解反応器の最大供給速度での最大線速度より低くなるように、分離器14の内部流路の最大断面の面積は、熱分解反応器12の最大供給速度、ポリマーの解重合温度及びポリマーのモル質量の関数として選択される。
【0082】
好ましくは、分離器14の内部流路の最大断面は、熱分解反応器12により提供されるガスストリームの最大質量流量の少なくとも0.001倍の面積を有し、面積は平方メートル(m2)で表され、最大質量流量はキログラム毎時(kg/時)で表される。
【0083】
好ましくは、分離器14の内部流路の最大断面の面積は、分離器14における最小断面の面積の少なくとも10倍である。
【0084】
これらのパラメータは、分離器14内のガスストリームの線速度の制限を可能にし、したがって、ガスストリームにより運ばれる粉塵及び液滴の堆積、ひいてはガスストリームからのこれらの液滴の分離に有利に働く。実際に、ガスストリームの線速度が低いほど、ガスストリームにより液滴及び粉塵が運ばれにくくなる。
【0085】
有利には、解重合方法は、分離器14内でガスストリームを徐々に遅くする工程を含む。
【0086】
これは、例えば、分離器ガス入口14Aから分離器ガス出口14Bまで分離器14の内部流路の断面を徐々に増加させることにより得られる。
【0087】
そのような場合、分離器14の内部流路の下流セクションは、最大断面を有する分離器14の内部流路のセクションである。
【0088】
有利には、分離器14内のガスストリームの滞留時間は、1秒から30秒の間、好ましくは5秒から25秒の間、更に好ましくは10秒から20秒の間に含まれる。
【0089】
滞留時間は、ガスストリームが分離器入口14Aから分離器出口14Bまで流動するのに必要な時間である。
【0090】
滞留時間は、分離器14の内部流路の長さ、平均温度、質量流量又は堆積流量及び分子量、並びに分離器14の体積の関数である。
【0091】
熱分解反応器12により生成されるガスストリームは、ミスト液滴で形成されるミストを含有し得る。ミスト液滴は、ガスストリーム中に存在する粉塵粒子の周りに形成し得る。粉塵粒子は、解重合されることが意図されるポリマーを含有する供給材料中の不純物に起因し得る。ガスストリーム中に存在するミスト液滴は、ガスストリーム中に存在する粉塵粒子上に担持される液体モノマー、液体ダイマー又は液体トリマーを含み得る。
【0092】
有利には、解重合方法は、ガスストリームをミスト除去する工程(例えば、ガスストリームをミスト除去器若しくはミスト除去デバイスに通過させることにより)、及び/又はガスストリームを凝華させる工程(すなわち、ガスストリームを凝華器若しくは凝華デバイスに通過させることにより)を含む。
【0093】
ミスト除去は、ガス状態のモノマーを液体状態のモノマーに凝縮することとは異なる。ミスト除去は、ガスストリーム中に既に存在する液体状態の液滴、例えば霧中の液滴を収集することで構成される。
【0094】
ミスト除去は、例えば、ガスストリーム中に存在するミスト液滴の合体に有利に働くことにより、例えば、液滴を互いにより近接して流動させ、次いで合体させる微小通路を画定することにより達成される。
【0095】
ミスト除去は、例えば、少なくとも1つのミスト除去デバイスを提供することにより行われ、各ミスト除去デバイスは、ミスト液滴が重すぎてガスストリームにより運搬されなくなるようにミスト液滴の合体に有利に働くように構成されている。
【0096】
各ミスト除去デバイスは、サイクロン効果チャンバ、少なくとも1つのグリッド、少なくとも1つのメッシュ、少なくとも1片のフォーム、少なくとも1つの多孔質モノリス、及び/又は、例えばミスト液滴の合体に有利に働くことによりミスト液滴を捕捉するための少なくとも1つの邪魔板を備えてもよい。
【0097】
ミスト除去は、例えば、分離器14内、分離器14と凝縮器16との間、又は凝縮器16の下流で行われてもよい。
【0098】
任意選択で、解重合方法は、分離器14内でガスストリームをミスト除去する工程を含む。
【0099】
そのような場合、分離器14は、分離器14内に位置する内部ミスト除去デバイスを備える。
【0100】
任意選択で、解重合方法は、分離器14の下流及び凝縮器16の上流で、すなわち、分離器14と凝縮器16との間でガスストリームをミスト除去する工程を含む。
【0101】
そのような場合、解重合システム10は、分離器14と凝縮器16との間に直列で配置された上流ミスト除去デバイス22を備え、上流ミスト除去デバイス22は、ガスストリーム中に存在するミスト液滴を捕捉するように構成されている。
【0102】
上流ミスト除去デバイス22は、熱分解反応器12の下流及び分離器14の上流に配置される。
【0103】
任意選択で、解重合方法は、凝縮器16の下流でガスストリームをミスト除去する工程を含む。
【0104】
そのような場合、解重合システム10は、凝縮器16の下流に配置された下流ミスト除去デバイス24を備え、下流ミスト除去デバイス24は、ガスストリーム中に存在する液滴を除去するように構成されている。
【0105】
凝結は、ガスストリームのガス状部分を固体として保持することを提供するため、ミスト除去とは異なる。
【0106】
凝華は、ガスストリームの残りから分離される生成物が三重点付近又はそれより下で凝華し、結晶形態で薄板又はフィンに付着するように冷却された薄板又はフィンを含むチャンバにガスストリームを通過させることを含む。
【0107】
凝華器には、分離された生成物が結晶形態で徐々に蓄積され、結晶化された分離生成物が溶融するように加熱することにより排液され得る。捕捉される分離生成物が重合せずに溶融するように加熱され得ることが必要である。
【0108】
PMMAの解重合の場合、PET汚染により生成され、ガスストリーム中に存在し得るジメチルテレフタレートのテレフタル酸を除去するために、凝華器を提供することが適切となり得る。
【0109】
凝華器を提供することは、例えば、高い融点を有し、凝縮器16内に捕捉され得るワックスを生成し得る、PE等のポリオレフィンによる汚染のリスクがある場合に適切である。
【0110】
凝華ユニットは、2つの凝華器のうちの一方が動作状態に維持され得る一方で他方が排液され、したがって解重合システム10の連続動作が可能であるように、並列で流体接続された2つの凝華器を備えてもよい。
【0111】
任意選択で、解重合方法は、ガスストリームを凝縮器に通過させて、ガスストリーム中に存在する汚染物質を捕捉する工程を含む。
【0112】
凝華器が提供される場合、凝華器は、好ましくは、分離器14と凝縮器16との間に設置される。
【0113】
図1に例示されるように、解重合システム10は少なくとも1つの凝華器25を備え、各凝華器25は、分離器14と凝縮器16との間に提供されて、分離器14から凝縮器16に流動するガスストリームを処理する。
【0114】
解重合システム10は、例えば、分離器14と凝縮器16との間に互いに並列で提供された2つの凝華器25を備え、各凝華器25は、他方が放出されているときにガスストリームを処理し得る。
【0115】
任意選択で、解重合方法は、凝縮器16により提供された非凝縮生成物を排出する工程を含む。
【0116】
そのような場合、解重合システム10は、非凝縮生成物を排出するための排出デバイス26を備える。排出デバイス26は、凝縮器16のガス出口16Bで凝縮器16により提供されたガスストリームを受容するように配置される。
【0117】
下流ミスト除去デバイス24が提供される場合、下流ミスト除去デバイス24は、好ましくは、凝縮器16と排出デバイス26との間に直列で配置される。
【0118】
解重合方法を実施するための解重合システム10における使用に好適な分離器14が、図2に例示されている。
【0119】
分離器14は、分離器入口14Aと分離器出口14Bとの間のガスストリームの循環のために構成された内部流路30を備える。
【0120】
一例において、図2に例示されるように、熱分解反応器出口12Bは、熱分解反応器12により生成されたガスストリームが熱分解反応器出口12Bから直接流動するように、分離器入口14A内に直接開放されている。
【0121】
好ましくは、熱分解反応器12が少なくとも1つの押出スクリューを有する場合、押出スクリューは、不純物による反応器出口12Bの閉塞を回避するために、分離器入口14A内に挿入されるか、又は突出する。
【0122】
換言すれば、熱分解反応器出口12Bは、熱分解反応器12により生成されたガスストリームが、任意の他の流体導通要素を通過することなく、分離器入口14Aに直接接続された熱分解反応器出口12Bから直接流動するように、分離器入口14Aに直接流体接続される。
【0123】
分離器14は、例えば、中心軸Aの周りに延在する分離チャンバ32を備え、分離器14は、ガスストリームが分離チャンバ32内を中心軸Aの周りで循環して流動するように構成されている。
【0124】
したがって、分離器14は、分離チャンバ32内でサイクロン効果を発揮するように構成される。
【0125】
そのような構成では、ガスストリームは、分離チャンバ32の周縁部でより速く、また分離チャンバ32の中心部でより遅く流動し、ガスストリーム中に存在する不純物は、分離チャンバ32の周縁部に留まる傾向を有する。
【0126】
分離器14は、例えば、熱分解反応器12により生成されたガスストリームを受容するように構成された入口ダクト34を備える。入口ダクト34は、入口ダクト34の上流端部を画定する分離器入口14Aから延在する。入口ダクト34は、分離器14の内部体積30の上流セクションを形成する。
【0127】
分離チャンバ32内のガスストリームの循環流の促進を考慮して、例えば、入口ダクト34は、例えば分離チャンバ32内のガスストリームに中心軸Aの周りの回転移動を付与するように分離チャンバ32内に出ている。
【0128】
特定の実施形態において、入口ダクト34は、中心軸Aに対して放射状である放射方向に対して非ゼロ角度を画定する入口方向に沿ってガスストリームが分離チャンバ32内に出るように、分離チャンバ32内に開放されている。
【0129】
分離器14が入口ダクト34を有さない変形例において、例えば、分離器入口14Aは、例えば分離チャンバ32内のガスストリームに中心軸Aの周りの回転運動を付与するように分離チャンバ32内に開放されている。
【0130】
特定の実施形態において、分離器入口14Aは、例えば、中心軸Aに対して放射状である放射方向に対して非ゼロ角度を画定する入口方向に沿ってガスストリームが分離チャンバ32内に出るように、分離チャンバ32内に開放されている。
【0131】
有利には、入口ダクト34は、中心軸Aの周りに延在する。これにより、入口ダクト34内でサイクロン又は回転効果を得ることができる。
【0132】
分離器14は、好ましくは、分離チャンバ32の中央のガスストリームを収集し、分離チャンバ32の中央で収集されたガスストリームを分離器出口14Bに提供するように構成される。
【0133】
分離器14は、例えば、分離チャンバ32の中央に位置する収集管36を備え、収集管36は、中心軸Aに沿って延在し、分離チャンバ32内に存在するガスストリームが収集管36に進入するための少なくとも1つの入口開口部38を有し、収集管36は、収集されたガスストリームを分離器出口14Bに提供するために分離器出口14Bに流体接続されている。
【0134】
収集管36は、例えば、少なくとも1つの入口セクション40を備え、各入口セクション40は、1つの入口開口部38、又は収集管36の入口セクション40の周囲に分布するいくつかの入口開口部38を備える。
【0135】
収集管36は、例えば、収集管36に沿って分布する複数の入口セクション40を備え、各入口セクション40は、1つの入口開口部38、又は収集管36の入口セクション40の周囲に分布するいくつかの入口開口部38を備える。
【0136】
好ましい実施形態において、収集管36は、少なくとも1つの裁頭円錐形邪魔板42を備え、各裁頭円錐形邪魔板42は、収集管36に接続されたより小さい直径の上端部、及び自由なより大きい直径の下端部を有し、邪魔板42は、それぞれの入口セクション40の周りに延在する。
【0137】
好ましくは、各入口セクション40は、この入口セクション40の周りに延在するそれぞれの裁頭円錐形邪魔板42に関連付けられている。
【0138】
好ましくは、各裁頭円錐形邪魔板42の上端部は、対応する入口セクション40の各入口開口部38の上に位置し、前記裁頭円錐形邪魔板42の下端部は、対応する入口セクション40の各入口開口部38の下に位置する。
【0139】
各裁頭円錐形邪魔板42は、対応する入口セクション40の入口開口部38に進入する前に、ガスストリームを裁頭円錐形邪魔板42の下端部の下に流動させる。
【0140】
各裁頭円錐形邪魔板42は、不純物が分離チャンバ32の底部に落下する、及び/又は裁頭円錐形邪魔板42上に堆積するように有利に働く。
【0141】
好ましくは、各入口開口部38は、3から79mm2の間、好ましくは12から51mm2の間の面積を有する。
【0142】
好ましくは、各入口開口部38は、2から10mmの間、好ましくは4から8mmの間に含まれる直径を有する円形輪郭を有する。
【0143】
好ましくは、入口開口部38の累積面積(すなわち、全ての入口開口部38の面積の合計)は、分離器14の内部流路30の上流セクションの断面の面積の0.01から0.1倍の間に含まれる。
【0144】
図2の分離器14において、分離器14の内部流路30の上流セクションは、入口ダクト34の上流端部に対応する。
【0145】
有利には、分離器14は、分離器14の最大断面が分離器14の下流セクションに位置するように構成される。
【0146】
図2に例示される分離器14において、分離器14の下流セクションは、分離チャンバ32により画定される。
【0147】
分離器14が入口ダクト34及び分離チャンバ32を備える一例において、入口ダクト34は、ガスストリームを受容する入口ダクト34の上流端部から分離チャンバ32内に開放している入口ダクト34の下流端部まで徐々に増加する断面を有する。
【0148】
したがって、ガスストリームは、入口ダクト34において、ガスストリームが分離チャンバ32に達するまで徐々に遅くなる。
【0149】
例えば、入口ダクト34は、例えば下流方向に入口ダクト34の断面の面積を増加させるために、下流方向に徐々に増加する高さ、及び/又は下流方向に入口ダクト34に沿って徐々に増加する幅を有する。
【0150】
有利には、図2に例示されるように、分離器14は、分離器14内でガスストリーム中に液体モノマーを噴霧するように構成される。分離器14は、分離器14内でガスストリーム中に1つ又は複数の噴霧ジェットを噴霧するように構成される。
【0151】
この目的のために、分離器14は、分離器14内で液体モノマーを噴霧するための少なくとも1つの噴霧ノズル44を備える。各噴霧ノズル44は、噴霧ジェットを噴霧するように構成される。
【0152】
各噴霧ジェットの方向は、ガス流に対して平行又は垂直又は斜めであってもよい。一例において、各噴霧ジェットはガス流に対向し、すなわちガスストリームの上流に向けて噴霧される。
【0153】
各噴霧ノズル44は、凝縮器16に、より具体的には返送ライン18に流体接続される。
【0154】
各噴霧ノズル44は、例えば、液体モノマーを分離チャンバ32内に噴霧するように配置される。
【0155】
図2に例示されるように、分離器14は、例えば、ここではガスストリームの上流方向に、分離チャンバ32の流入部、すなわち入口ダクト34が分離チャンバ32に接続する箇所で液体モノマーを噴霧するように配置された噴霧ノズル44を備える。
【0156】
有利には、分離器14は、ガスストリームにより運搬されるミスト液滴の堆積のために分離器14内に位置する内部ミスト除去デバイス46を統合する。
【0157】
内部ミスト除去デバイス46は、例えば、ガスストリームがグリッド48の開口部を通って流動するように、分離器14の断面にわたり延在する少なくとも1つのグリッド48を備える。
【0158】
分離器14が入口ダクト34を備える一例において、各グリッド48は、例えば、入口ダクト34の内側に位置する。
【0159】
図2に例示されるように、分離器14は、入口ダクト34内に配置された2つのグリッド48を備える。2つのグリッド48は、入口ダクト34に沿って互いに離れて位置する。
【0160】
入口ダクト34は、下表面50と上表面52との間に区切られている。
【0161】
一例において、ダクト下表面50は傾斜しており、及び/又はダクト上表面52は傾斜している。
【0162】
特に、入口ダクト34の断面が入口ダクト34の上流端部から入口ダクト34の下流端部に向かって増加するように、ダクト下表面50は傾斜しており、及び/又はダクト上表面52は傾斜している。
【0163】
図2に例示されるように、ダクト下表面50は、入口ダクト34の上流端部から入口ダクト34の下流端部に向かって下降するように傾斜している。ダクト下表面50上に堆積するミスト液滴は、重力により分離チャンバに向かって流動する傾向がある。
【0164】
一例において、入口ダクト34は、分離チャンバ32の周りに、分離チャンバ32の周囲の少なくとも一部に延在する。
【0165】
図3に例示されるように、入口ダクト34は、分離チャンバ32の周りに、中心軸Aの周囲約270°に延在する。
【0166】
動作中、ガスストリームは、分離器14に進入する際には高温であり、ガスストリームの温度は、分離器14が適切に断熱されているとしても、分離器14を通って移動する際には熱損失に起因してより低くなる傾向がある。液体モノマーの分離器14内への噴霧が提供される場合、この噴霧は、高温ガス流中に噴霧される液体モノマーの気化に起因して、分離器14内のガスストリームを更に冷却する傾向がある。
【0167】
分離チャンバ32を部分的に包囲する入口ダクト34は、分離器14内で、特に分離チャンバ32内でガスストリームを十分高温に維持するために有益である。
【0168】
図4に例示されるように、例示的な一実施形態において、分離器14は、下部60と、下部60に嵌合して分離器14を形成する上部62とを備える。
【0169】
下部60は、底64と、底64の周縁から上方に延在する周壁66とを備え、周壁66は、上開口部68及び内部体積70を画定する。周壁66は、分離器14の入口開口部14Aを画定する側方開口部を備える。周壁66は、例えば円筒状であり、円形断面を有する。
【0170】
上部62は、上開口部68を閉じるための蓋72と、上開口部68を蓋72で閉じた後に下部60内に嵌合するための、蓋72から下方に延在する内部構造74とを備える。内部構造74は、下部60の内部体積70内に分離チャンバ32及び入口ダクト34を画定するように構成される。
【0171】
内部構造74は、蓋72から中心軸Aに沿って下方に延在して、分離チャンバ32を内部に区切り、周壁66により分離された入口ダクト34を外部に区切る隔壁76と、隔壁76の周りに延在して入口ダクト34の下表面50を区切るダクト要素78とを備え、入口ダクト34の上表面52は、蓋72の下面の周縁領域により画定されている。
【0172】
隔壁76は、分離チャンバ34の側壁を画定する内面74Aと、入口ダクト34の側壁を画定する外面76Bとを有する。
【0173】
中心軸Aに沿って見ると、図3において、隔壁76は中心軸Aの周囲約270°に延在する。
【0174】
入口ダクト34は、隔壁76、周壁66、ダクト要素78及び蓋72の間に区切られている。
【0175】
周壁66は、熱分解反応器12の出口への接続のためのコネクタ67を備える。コネクタ67の輪郭は、入口ダクト34の上流端部と相対的な位置を示すために、Sとして点線で表されている。
【0176】
蓋72は中心軸Aに垂直であり、ダクト要素78は中心軸Aの周りに延在し、ダクト要素78の上表面は、入口ダクト34の高さが入口ダクト34の上流端部から入口ダクト34の出口端部まで徐々に増加し、入口ダクト34の断面が入口ダクト34の上流端部から入口ダクト34の出口端部まで徐々に増加するように、中心軸Aに対して傾斜している。
【0177】
ダクト要素78は、例えば、分離チャンバ32の中心軸Aの周りに螺旋状に延在する。
【0178】
中心軸Aに沿って見ると、隔壁76は、例えば、隔壁76により区切られた入口ダクト34の下流方向に中心軸Aに近付きながら、円の一部に沿って、又は螺旋の一部に沿って延在する。
【0179】
隔壁76の円形の延在は、例えば、入口ダクト34の下流方向に一定幅の入口ダクト34を画定するために使用され、隔壁76の螺旋形の延在は、例えば、入口ダクト34の下流方向に徐々に増加する幅の入口ダクト34を画定するために使用される。
【0180】
下部60の底64は、分離チャンバ32の下表面を画定する。
【0181】
底64は、分離器内でガスストリームから分離された不純物を排出するための排出開口部80を備える。
【0182】
好ましくは、底64は、不純物が重力により排出開口部80に向かって落下するような形状である。図4に例示されるように、底64は、排出開口部80に向けて下方にテーパする裁頭円錐形である。
【0183】
任意選択で、分離器14は、排出開口部80内に落下する不純物を回収するための、下部60の下に嵌合されるように構成される収集ポット82を備える。
【0184】
好ましくは、収集ポット82は、底64に取外し可能に接続される。したがって、収集ポット82は、収集ポット82を空にするために取り外され得る。
【0185】
任意選択で、排出開口部80は、排出開口部80を選択的に開閉するために配置された弁83、例えばスライド弁を備える。これによって、分離器14がまだ動作中に弁83を閉じた後に収集ポット82を切り離すことができる。
【0186】
収集ポット82は、ガスパージラインを備えてもよく、及び/又は、収集ポット82は、安全に取り外し、交換することができるように、能動的に冷却されてもよい。
【0187】
一例において、分離器14は、分離器14内に堆積された生成物を排出開口部に廃棄するように構成された廃棄デバイスを備える。廃棄デバイスは、例えば、分離器14の底を廃棄するように構成される。
【0188】
図2及び図4に例示されるように、廃棄デバイス84は、例えば、下部60の底壁64上に堆積する生成物を排出開口部80に向けて廃棄するように構成される。
【0189】
分離器14は、図2図4に例示される例に限定されず、他の変形例又は選択肢が可能である。
【0190】
同様の要素に対する参照番号が同じである図5の分離器14は、図2図4のものとは異なり、すなわち、入口ダクト34は、中心軸Aに垂直な面内に延在する下表面50、及び入口ダクト34の上流端部から入口ダクト34の下流端部まで上昇するように傾斜する上表面52により区切られるという点で異なる。
【0191】
図5の分離器14は、噴霧デバイス42が中心軸Aに近接する場所、特に中心軸Aの周りで液体モノマーを噴霧するように配置されるという点で、図2図4のものとは異なる。噴霧デバイス42は、例えば、中心軸Aの周りに分布する複数の噴霧ノズル44を備える。
【0192】
図5に例示されるように収集管36が提供される場合、噴霧デバイス42は、例えば、収集管36の周りで液体モノマーを噴霧するように構成される。
【0193】
凝縮器16から取り出された液体モノマーを分離器14内に噴霧することは、特に液体モノマーをミスト除去グリッド48上に噴霧することにより、分離器14内に提供された1つ又は複数のミスト除去グリッド48の経時的な詰まりを防止するのに有用となり得る。
【0194】
同様の要素に対する参照番号が同じである図6の分離器14は、凝縮器16から取り出された液体モノマーを、分離器14の入口ダクト34に提供される最も下流のミスト除去グリッド48上に噴霧するように配向された噴霧ノズル44を備える。
【0195】
任意選択で、図6に例示されるように、分離器14は、凝縮器16から取り出された液体モノマーを、分離器14の入口ダクト34に提供される最も上流のミスト除去グリッド48の面に噴霧するように配置された1つ又は複数の噴霧ノズル44を備える。
【0196】
任意選択で、図6に例示されるように、分離器14は、凝縮器16から取り出された液体モノマーを、分離器14の入口ダクト34に提供される2つのミスト除去グリッド48の間に区切られた中間的空間内に噴霧するように、好ましくは液体モノマーをこれらの2つのミスト除去グリッド48の一方又は両方に噴霧するように配置された1つ又は複数の噴霧ノズル44を備える。
【0197】
任意選択で、図6に例示されるように、分離器14は、分離器の下流セクションに提供されたミスト除去グリッド48、特に収集管36を取り囲むミスト除去グリッド48を備える。
【0198】
このミスト除去グリッド48は、例えば、管形状で配置され、収集管36の周りに嵌合されて、ガスストリームがこのミスト除去グリッドを通過して収集管36に到達しなければならないように配置される。
【0199】
分離器14に進入するガスストリームは、熱分解反応器12内で解重合されている原材料の不純物に起因して、固体粒子を含有し得る。
【0200】
任意選択で、分離器14は、好ましくは分離器14の入口ダクト34に、好ましくは分離器14の入口ダクト34に提供されたミスト除去グリッド48の上流に配置された少なくとも1つの固体粒子収集器90を備える。
【0201】
各固体粒子収集器90は、例えば、固体粒子が重力により収集ポット92に落下するように、収集ダクト94により分離器14に接続された収集ポット92を備える。収集ダクト94は、例えば、分離器14の入口ダクト34の下方壁50に接続する。
【0202】
収集ポット92は、好ましくは、分離器14に取外し可能に接続される。これにより、固体粒子が収集された際に収集ポット92を空にする、又は収集ポット92を新しいものと交換することができる。
【0203】
好ましくは、各固体粒子収集器90は、モノマーの沸点以上の内部温度を維持するように制御される環境チャンバ96内に位置する。
【0204】
分離器14は、1つ又は複数の固体粒子収集器90を備えてもよい。
【0205】
図6に例示されるように、分離器14は、分離器14の入口ダクト34に沿ったそれぞれの場所で分離器14の入口ダクト34にそれぞれ接続された2つの固体粒子収集器90を備える。
【0206】
複数の固体粒子収集器90が提供される場合、各固体粒子収集器は、分離器14の入口ダクト34に提供された複数のミスト除去グリッド48のそれぞれの上流で、分離器14の入口ダクト34に接続され得る。
【0207】
図6に例示されるように、分離器14は、分離器14の入口ダクト34を横切って延在する2つのミスト除去グリッド48を備え、2つの固体粒子収集器90はそれぞれ、これらの2つのミスト除去グリッド48のそれぞれの上流で、分離器14の入口ダクト34に接続される。
【0208】
固体粒子収集器90の1つは、最も上流のミスト除去グリッド48の上流で分離器14の上流セクション34に接続され、固体粒子収集器90は、2つのミスト除去グリッド48の間で分離器14の入口ダクト34に接続される。
【0209】
複数の固体粒子収集器90が提供される場合、それらは、同じ環境チャンバ96内に収納され得る。
【0210】
図6に例示されるように、分離器14は、同じ環境チャンバ96内に配置された2つの固体粒子収集器90を備える。
【0211】
図7及び図8に例示されるように、有利には、分離器14は、熱分解反応器12の出口12Bに接続される入口ダクト34、及び入口管102に接続される固体粒子収集器90の入口部分を画定する入口管102を備える取外し可能な入口モジュール100を有するように構成される。入口モジュール100は、好ましくは、入口管102に取り付けられる環境チャンバ96を備える。
【0212】
入口管102の一方の端部は、例えば、分離器14の残りへの取外し可能な接続のための第1のフランジ104と、熱分解反応器12の出口12Bへの取外し可能な接続のための第2のフランジ106とを備える。
【0213】
図9に例示されるように、分離器14は、入口ダクト34とチャンバ32との間の接合部で内部流路30を横切って延在するミスト除去グリッド48を備えてもよい。
【0214】
ミスト除去グリッドは、例えば、上部62に提供され、隔壁76及びダクト要素78上に取り付けられている。
【0215】
好ましくは、ミスト除去グリッド48は、ミスト除去グリッドが上流方向に張り出すように弓形である。ミスト除去グリッド48は、例えば、2つの直線的な垂直側方端部、並びに弓形の上端部及び下端部を有する。これは、ミスト除去グリッド48を通るガスの通過のための、より大きく自由な断面を提供する。
【0216】
図9に例示されるように、管状ミスト除去グリッド48はまた、チャンバ32内に、及び収集管36を被覆するように収集管36の周りに提供される。
【0217】
熱分解反応器12及び分離器14及び凝縮器16を備える解重合ユニットにおいて、実施例を実施した。
【0218】
熱分解反応器12は、スクリューが共回転し、スクリューが噛み合う二軸スクリュー押出機として提供される。
【0219】
二軸スクリュー押出機は、バレルを通して延在するスクリュー、バレルの周りに設置される加熱エネルギーを提供する電気ヒータ、及び同じくバレルに設置される温度制御用熱電対を含む。バレルは、例えばバレルセグメントにより形成される。
【0220】
二軸スクリュー押出機、特にそのヒータは、スクリューに沿った温度プロファイルを生成するように構成され、スクリューに沿った中間セクションに最大プロファイル温度を有する。
【0221】
二軸スクリュー押出機は、47mmスクリュー直径を有するTEX44である。工業生産ラインでは、96.5mmスクリュー直径を有するTEX90が、要求される供給速度に従って使用され得る。TEX押出機は、より大きなユニットも提供する株式会社日本製鋼所により市販されている。
【0222】
解重合される材料は、重力式スクリューフィーダによりホッパバレルで二軸スクリュー押出機内に供給される。重力式スクリューフィーダに提供される材料は、事前に約5~10mmのサイズに粉砕される。
【0223】
二軸スクリュー押出機は、その長さに沿って、溶融セクションに続く解重合セクションを有する。
【0224】
動作中、材料は、スクリューからの剪断応力及びヒータからの熱により、二軸スクリュー押出機の溶融ゾーン内で溶融され、次いで、溶融された材料は、解重合セクションに運搬される。
【0225】
熱分解反応器12の解重合セクションは、550℃の温度に達し得る。これは、一般に、熱分解反応器の解重合セクション内の温度が、550℃以下であることを意味する。好ましくは、熱分解反応器の解重合セクション内の温度は、350℃から540℃の間、より好ましくは400℃から520℃の間、更により好ましくは450℃から510℃の間である。
【0226】
解重合セクションにおいて、ポリマーは、スクリューによる剪断応力(力学的エネルギー)により補助されたヒータエネルギーにより解重合され、MMAモノマーガスに転換されて、これが下流機器に移動される。
【0227】
粉砕粒子の形態のPMMA混合物は、重力式フィーダを通して供給された。2つから4つの独立したフィーダに、キャスト、射出、及び/又は押出PMMAを投入した。
【0228】
比較例及び本発明の実施例の間、以下の動作条件を使用した:熱分解反応器12内の材料の供給速度は50から100kg/時の間に含まれ、熱分解反応器12のスクリューの回転速度は約800回転/分であり、熱分解反応器12内の最大プロファイル温度は500℃以下、又は更には490℃以下であった。
【0229】
以下で詳述される比較例において、分離器14は行き止まりであり、解重合中に生成されたガスは、熱分解反応器12の出口と分離器14との間に位置する出口パイプを通して引き出される。
【0230】
分離器14は、円筒形側壁及び半球型底部を有する槽の形状である。熱分解反応器12の押出スクリューは、円筒形側壁に対して放射状に配向している。不純物による反応器出口12Bの閉塞を回避するために、熱分解反応器12の押出スクリューを分離器入口14Aに挿入した。円筒形槽は、817mmの内径及び665mmの内部高さを有する。分離器14の内側体積は、300リットルである。
【0231】
分離器14内のガスの温度は、熱電対を使用して測定される。
【0232】
以下で詳述される本発明による実施例において、熱分解反応器12及び凝縮器16は同じであるが、分離器14は、図3に示される例のようにスクリューが側壁66の中心軸Aに対して接線方向に配向するように熱分解反応器12が分離器14に接続されているという点で、比較例のものとは異なる。
【0233】
更に、図3に例示されるように、分離器14は、分離器14の入口からチャンバ32までチャンバ32の周りに延在する、槽の内側にチャンバ32及び入口ダクト34を画定する隔壁76を内部に備える槽として提供され、隔壁76は、300mmの半径を有する円筒表面に沿って延在し、図2に例示されるような収集管36が、チャンバ32内の中心に提供されている。入口ダクト34の断面の面積は、分離器14の入口からチャンバ32まで、約344cm2~約470cm2に変化する。
【0234】
入口ダクト34の中間のガス流の温度を測定するために第1の熱電対が提供され、液体が蓄積するチャンバ32の底の近くに第2の熱電対が提供されて、液体の温度が測定されるか、又は、液体がない場合、入口ダクト34の端部でのガス流の温度が測定される。
【実施例
【0235】
(比較例1)
80/20の質量比のキャスト及び押出PMMAシートの着色混合物を、解重合ユニットに供給した。解重合ユニットを、まず60kg/時の供給速度で約1時間470℃で動作させた。次いで、温度を490℃に上昇させ、この条件下で1時間30分解重合ユニットを動作させた。解重合を停止し、2時間後に再開し、490℃で更に1時間30分動作させた。
【0236】
凝縮器16の効率は、出口ラインの温度の上昇により検出されるように、経時的に減少した。凝縮したMMAの温度もまた上昇して最大事前設定限界に達し、この時点でパイロットプラントを停止した。
【0237】
凝縮器16を検査のために解体した。凝縮器管の上の分配プレートは、黒色の粉塵で完全に被覆されていた。凝縮器16の24個の管のうち7個は、完全に詰まった。後続の試験のために、管を溶媒で清浄化した。
【0238】
この試験の間、分離器14内の温度は30℃から50.7℃の間で変化した。凝縮器の流入口での温度は、最初に上昇し、365℃から393℃の間で安定化した。
【0239】
メチルメタクリレート及びメタノール含量を、内部標準及び較正を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。それらは、それぞれ93+/-2wt%及び0.4質量%であることが判明した。
【0240】
(本発明による実施例2)
解重合ユニットに、PMMAを含有するキャスト材料を供給し、70及び90kg/時の供給速度で約2時間使用した。その間で解重合ユニットを清浄化することなく、解重合ユニットを500℃及び1.5バールで、最初は約30分間80kg/時の供給速度で再始動し、次いで約1時間90kg/時に、次いで更に試験の残りの間100kg/時に上昇させた。解重合ユニットはこれらの条件下で1.5バールの圧力で約30分間動作し、次いで圧力を1.0バールに30分間低減し、更に0.5バールに低減し、同じくこれらの条件下で30分間維持した。
【0241】
このシーケンスの全ての間、解重合プラントは非常に安定であった。凝縮されたMMAは15℃未満を維持し、真空ライン内の温度は20℃未満を維持した。プロセスパラメータの測定から、凝縮器16の効率損失の兆候は見られなかった。
【0242】
凝縮器の流入側が冷却されたら、解重合プラントを内視鏡カメラで検査した。分配プレートは清浄であり、固体堆積の痕跡は見られず、凝縮器管のいずれも詰まっていなかった。
【0243】
この試験中、入口ダクト34において測定された分離器14内の温度は最初に148℃に非常に急速に上昇し、次いで308℃に上昇し、最終的に335℃未満に安定化した。分離器の底の温度は、最初に81.6℃から94.4℃に上昇し、105℃未満に安定化した。これは、第2の温度プローブが分離器14の底の液体相にあること、及び、MMAがその沸点にあるか、又は共沸混合物の1つである場合、他の不純物を含んで形成し得ることの兆候である。
【0244】
凝縮器16の流入口での温度は、最初に上昇し、250℃から277℃の間で安定化した。
【0245】
メチルメタクリレート及びメタノール含量を、内部標準及び較正を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。それらは、それぞれ93+/-2質量%及び0.4質量%であることが判明した(試験中の4つの独立した測定で)。
【0246】
したがって、本発明による設定では、60kg/時から100kg/時に生産性を増加させながら、生成物中のMMA及びメタノール含量に影響することなく、ユニットは数時間の間全く問題なく動作し得る。
【0247】
(比較例3)
黒色キャストPMMA(スモーキーキャストPMMA(smokey cast PMMA)としても知られる)及び白色キャストPMMA(white cast PMMA)(熱成形バスタブに使用される)を、解重合ユニットに供給した。第1のフィーダを使用してスモーキーキャストPMMAを50kg/時の供給速度で供給し、第2のフィーダを使用して白色キャストPMMAを50kg/時の供給速度で供給した。
【0248】
解重合ユニットを430℃で加熱し、スモーキーキャストPMMAを約1時間供給し、次いで白色キャストPMMAを約1時間20分供給した。次いで、解重合ユニットの温度を470℃に上昇させ、解重合ユニットを更に60分間動作させた。
【0249】
凝縮器16の動作条件の偏差の兆候は見られなかった。それでも、分配プレート及び凝縮器管の目視検査のために、凝縮器16を解体した。灰緑色の微粉末の層が、分配プレートの上の凝縮器ヘッドに蓄積した。ガスはまだ凝縮器16に流動し得るが、解重合ユニットを徐々に詰まらせていた。
【0250】
スモーキーキャストPMMAの処理中、分離器14内の温度は、24℃から28.8℃の間で変化した。凝縮器16の流入口での温度は、最初に上昇し、280℃から347℃の間で安定化した。
【0251】
メチルメタクリレート及びメタノール含量を、内部標準及び較正を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。これは、それぞれ96+/2質量%及び0.2質量%であることが判明した。
【0252】
白色キャストPMMAの処理中、分離器14内の温度は、32℃から49.7℃の間で変化した。凝縮器16の流入口での温度は、最初に上昇し、335℃から337℃の間で安定化した。
【0253】
メチルメタクリレート及びメタノール含量を、内部標準及び較正を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。それらは、それぞれ94+/-2質量%及び0.2質量%であることが判明した。
【0254】
(本発明による実施例4)
解重合ユニットに、スモーキーキャストPMMAを供給し、470℃で動作させた。まず、供給速度を1時間で100kg/時まで上昇させ、次いで1時間30分、100kg/時で安定化させて、解重合ユニットを動作させた。次いで、供給速度を90kg/時に低下させ、これらの条件下で20分間維持し、更に80kg/時に低下させてこれらの条件下で20分間維持し、次いで再び90kg/時に増加させてこれらの条件下で5時間維持した。
【0255】
いかなる効率損失の兆候もなく、合計で733kgのPMMAが処理された。解重合ユニットに対する圧力降下は安定であり、凝縮器16の効率損失の兆候は見られなかった。
【0256】
この試験中、入口ダクト34における分離器14内の温度は最初に非常に急速に141℃に上昇し、次いで290℃に上昇し、最終的に314℃未満に安定化した。分離器14の底の温度は、最初に110℃から282℃に上昇し、299℃未満に安定化した。これは、温度プローブが分離器14の底のガス相にあること、及び液相のMMAが分離器14の底に蓄積しないことの兆候である。
【0257】
凝縮器16の流入口での温度は、最初に上昇し、261℃から265℃の間で安定化した。
【0258】
メチルメタクリレート及びメタノール含量を、内部標準及び較正を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。それらは、それぞれ96+/-2質量%及び0.2質量%であることが判明した(試験中の7つの独立した測定で)。
【0259】
本発明による設定では、50kg/時から90kg/時に供給速度を増加させながら、生成物中のMMA及びメタノール含量に影響することなく、ユニットは数時間の間全く問題なく動作することができた。
【0260】
翌日、凝縮器16及び分離器14の中間的清浄化を行わずに、503kgの透明シート押出材料を、安定条件下、70kg/時の供給速度、470℃の温度で7時間30分(安定条件までの上昇を含む)処理した。凝縮器16の効率損失の兆候は検出されなかった。
【0261】
翌日、比較例3の場合と全く同じ白色キャストPMMA、及び前日の透明シート押出PMMAの制御された混合物を用いて、解重合ユニットを動作させた。解重合ユニットは、70kg/時の供給速度及び470℃の温度で動作した。
【0262】
解重合ユニットは、以下のシーケンスに従って動作させた:純白色キャストPMMAで約1時間、次いで5質量%の透明シート押出PMMA及び95質量%の白色キャストPMMAの混合物で1時間、次いで10質量%の透明シート押出PMMA及び90質量%の白色キャストPMMAの混合物で1時間、次いで20質量%の透明シート押出PMMA及び80質量%の白色キャストPMMAの混合物で1時間、次いで30質量%の透明シート押出PMMA及び70質量%の白色キャストPMMAの混合物で1時間、次いで65質量%の透明シート押出PMMA及び35質量%の白色キャストPMMAの混合物で1時間、最後に100%の透明シート押出PMMAで1時間。そのシーケンスの間、合計で572kgのPMMAが処理された。
【0263】
最後に、解重合ユニットの詰まりの兆候は検出されなかった。それでも、解重合ユニットを検査のために解体した。凝縮器16は、白色キャストPMMAの顔料であるTiO2を含有する粘着性材料の堆積のわずかな兆候を示した。本発明の設計を使用した場合、ユニットは、はるかに長期間安全に、及び安定して動作した。
【0264】
この試験中、分離器14の入口ダクト34内の温度は、最初に非常に急速に上昇し、次いで250℃から320℃の間で安定化した。分離器14の底の温度は、最初に58℃から94℃に上昇し、147℃未満で安定化した。これは、温度プローブが最初に分離器14の底の液相にあること、及びMMAが分離器14の底に蓄積せずに蒸発することの兆候である。凝縮器16の流入口での温度は、最初に上昇し、200℃から238℃の間で安定化した。
【0265】
メチルメタクリレート及びメタノール含量を、内部標準及び較正を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。それらは、それぞれ97+/-2質量%及び0.2質量%であることが判明した。
【0266】
本発明による設定では、解重合ユニットは、50kg/時から70kg/時に供給速度を増加させながら、94質量%から97質量%への生成物中の改善されたMMA含量を伴って、数時間の間全く問題なく動作することができた。
【0267】
解重合方法、及び解重合方法を実施するための対応する解重合システム10は、対応するポリマーを含有する供給材料から液体モノマーを生成することを可能にし、満足のいく純度を得、解重合システム10の運転時間を最大化することができる。
【0268】
実際に、分離器14を提供することにより、ガスストリーム中に存在し得る不純物を捕捉し、これらの不純物が分離器14の下流に位置する解重合システム10の構成要素を詰まらせることを回避することができる。
【0269】
特定の温度範囲で分離器を動作させることにより、分離器14におけるモノマーのいかなる凝縮及び重合も回避することができる。これによって更に、分離器14内のガスストリームの温度を制御するために分離器14内に低温液体モノマーを噴霧することができる。
【0270】
ガスストリームの制限線速度、分離チャンバ32、変化する断面を有する、及び/若しくは分離チャンバ32の周りに延在する入口ダクト34、特定構造を有する収集管36、並びに/又は内部ミスト除去デバイス46等の、分離器14のいくつかの特定の構成により、ガスストリームの温度を管理し、ガス状モノマーを凝縮器16に供給するために分離器出口14Bに流動させながら、不純物を効率的に捕捉することができる。
【0271】
分離器は、上で提示された解重合方法とは独立して有利である。
【0272】
したがって、本発明はまた、解重合システム用の分離器に関し、分離器は、ガスストリームを受容し、ガスストリームから不純物を除去するように構成される。
【0273】
分離器は、個別で、又は任意の技術的に実現可能な組合せとして、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含む:
- 分離器は、分離チャンバと、ガスストリームを受容するための上流端部及び分離チャンバ内に開放している下流端部を有する入口ダクトとを備える。
- 入口ダクトは、入口ダクトの上流端部から下流端部に向けてガスストリームの線速度を徐々に低減するように構成される、
- 入口ダクトの断面の面積は、上流端部から下流端部まで増加する、
- 入口ダクトは、入口ダクトの上流端部から下流端部まで増加する高さ、及び/又は入口ダクトの上流端部から下流端部まで増加する幅を有する、
- 入口ダクトは、下表面及び上表面により区切られ、下表面と上表面との間の距離は、入口ダクトの上流端部から下流端部まで増加する、
- 下表面及び上表面の少なくとも一方は、中心軸の周りに螺旋状に延在する。
- 下表面は傾斜し、下表面上に堆積する液体は分離チャンバに流動する、
- 上表面は傾斜している、
- 分離器は、分離器内に堆積した生成物の排出のための排出開口部と、分離器内に堆積した生成物を排出開口部に向けて廃棄するように構成された廃棄デバイスとを備える;
- 排出開口部は、分離器の底壁上に提供される;
- 入口ダクトは、分離チャンバの周りに延在し、分離チャンバは、入口ダクトにより少なくとも部分的に包囲されている、
- 隔壁が、入口ダクトを分離チャンバから分離している、
- 隔壁は、シリンダの一部である、
- 分離チャンバの中心軸に沿って見ると、隔壁は、円の一部又は螺旋の一部に沿って延在する、
- 分離器は、互いに嵌合する下部及び上部を備え、下部は、底と、底壁の周縁から上方に延在する周壁とを備え、周壁は、上開口部及び内部体積を画定し、上部は、上開口部を閉じるための蓋と、上開口部を蓋で閉じた後に下部の内部体積に挿入するため、並びに内部体積内に入口ダクト及び分離チャンバを画定するための、蓋から下方に延在する内部構造とを備える、
- 分離器は、分離チャンバ内に延在する収集管を備え、収集管は、少なくとも1つの入口セクションを備え、各入口セクションは、分離チャンバ内に存在するガスが収集管に進入するための少なくとも1つの入口開口部を備える、
- 分離器は、収集管上に配置された邪魔板を備え、各邪魔板は、それぞれの入口セクションの周りに延在する、
- 各邪魔板は、下方に広がる裁頭円錐形であり、各邪魔板は、収集管に固定された上端部及び自由下端部を有する。
【符号の説明】
【0274】
10 解重合システム
12 熱分解反応器
12A 反応器入口
12B 反応器出口、熱分解反応器出口
14 分離器
14A 分離器ガス入口、分離器入口
14B 分離器ガス出口、分離器出口
14C 不純物出口
16 凝縮器
16A 凝縮器入口、入口、ガス入口
16B 凝縮器出口、液体出口
16C ガス出口
18 モノマー返送ライン、返送ライン
19 再注入ライン
20 精製デバイス
22 上流ミスト除去デバイス
24 下流ミスト除去デバイス
25 凝華器
26 排出デバイス
32 分離チャンバ、チャンバ
34 入口ダクト、上流セクション
30 内部体積、内部流路
36 収集管
38 入口開口部
40 入口セクション
42 裁頭円錐形邪魔板、邪魔板
44 噴霧ノズル
46 内部ミスト除去デバイス
48 グリッド、ミスト除去グリッド、管状ミスト除去グリッド
50 下表面、ダクト下表面
52 上表面、ダクト上表面
60 下部
62 上部
64 底、底壁
66 周壁、側壁
67 コネクタ
68 上開口部
70 内部体積
72 蓋
74 内部構造
74A 内面
74B 外面
76 隔壁
78 ダクト要素
80 排出開口部
82 収集ポット
83 弁
84 廃棄デバイス
90 固体粒子収集器
92 収集ポット
94 収集ダクト
96 環境チャンバ
100 取外し可能な入口モジュール、入口モジュール
102 入口管
104 第1のフランジ
106 第2のフランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーからモノマーを回収するための解重合方法であって、
- ポリマーを含有する供給材料を熱分解反応器内で熱分解して、ガスストリームを生成する工程、
- 熱分解反応器から、ガスストリームからの不純物を除去するように構成された分離器に、ガスストリームを誘導する工程、
- 分離器から、ガスストリーム中に含有されるモノマーを凝縮するための凝縮器に、ガスストリームを誘導する工程
の連続工程を含み、分離器内のガスストリームの温度は、モノマーの沸点以上に維持される、解重合方法。
【請求項2】
分離器内のガスストリームの温度が、少なくとも分離器の下流セクションにおいて、モノマーのダイマーの沸点未満、及び/又はモノマーのトリマーの沸点未満である、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項3】
分離器の内部流路の最大断面が、動作中の分離器に進入するガスストリームの質量流量の少なくとも0.001倍の面積を有し、面積は平方メートル(m2)で表され、質量流量はキログラム毎時(kg/時)で表される、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項4】
分離器内の内部流路の最大断面の面積が、分離器における最小断面の面積の少なくとも10倍である、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項5】
分離器内のガスストリームの線速度が、最大線速度未満である、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項6】
最大線速度が、0.50m/秒、特に0.15m/秒、更には0.10m/秒である、請求項5に記載の解重合方法。
【請求項7】
入口ダクトの下流セクションにおけるガスストリームの線速度が、熱分解反応器の最大供給速度での最大線速度より低くなるように、分離器の内部流路の最大断面の面積を、熱分解反応器の最大供給速度、ポリマーの解重合温度及びポリマーのモル質量の関数として選択する、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項8】
分離器内のガスストリームの滞留時間が、1秒から30秒の間、好ましくは5秒から25秒の間、更に好ましくは10秒から20秒の間に含まれる、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項9】
分離器内の凝縮器から取り出された液体モノマーを噴霧する工程を含み、液体モノマーは、ガスストリーム中に噴霧される、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項10】
分離器内に噴霧される低温モノマーの質量流量が、93%以下、更に好ましくは83%以下、更に好ましくは73%以下、更に好ましくは63%以下、更に好ましくは53%以下を占めるように、低温モノマーを分離器内に噴霧する、請求項9に記載の解重合方法。
【請求項11】
分離器内に噴霧される低温モノマーの質量流量が、10%以上、更に好ましくは20%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上を占めるように、液体モノマーを分離器内に噴霧する、請求項9に記載の解重合方法。
【請求項12】
ガスストリームが、分離器内で徐々に遅くなる、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項13】
分離器の内部流路の断面が、ガスストリームの流動方向を考慮した場合徐々に増加する、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項14】
分離器が、中心軸に沿って延在する分離チャンバを備え、分離器は、ガス流が分離チャンバ内を循環して流動するように構成されている、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項15】
分離器が、熱分解反応器により生成されたガスストリームを受容するための入口ダクトを有し、入口ダクトは、分離チャンバ内に開放されている、請求項14に記載の解重合方法。
【請求項16】
入口ダクトが、分離チャンバの周りに延在する、請求項15に記載の解重合方法。
【請求項17】
分離器内に内部ミスト除去デバイスを備えることにより、ガスストリーム中に存在するミスト液滴を合体させる工程を含む、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項18】
熱分解反応器内の温度が、550℃以下である、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項19】
熱分解反応器が、加熱スクリュー押出機、好ましくは加熱二軸スクリュー押出機である、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項20】
ポリマーが、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%、有利には少なくとも80質量%、より有利には少なくとも90質量%のメチルメタクリレートを含む、メチルメタクリレート(MMA)のホモポリマー又はコポリマーである、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項21】
モノマーが、メチルメタクリレートである、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項22】
分離器内のガス流の絶対圧力が、0.35バールから5バールの間に含まれる、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項23】
液体の水を分離器内に噴霧する工程を含む、請求項1に記載の解重合方法。
【請求項24】
ポリマーからモノマーを回収するための請求項1から23のいずれか一項に記載の解重合方法を実施するように構成される解重合システムであって、
- ポリマーを含有する供給材料を熱分解して、供給材料からガスストリームを生成するための熱分解反応器と、
- 熱分解反応器からガスストリームを受容し、ガスストリームから不純物を除去するための分離器と、
- ガスストリーム中に含有されるモノマーを凝縮するために、分離器からのガスストリームを受容するための凝縮器と
を備え、動作中、分離器内のガスストリームの温度がモノマーの沸点以上に維持されるように構成される、解重合システム。
【請求項25】
熱分解反応器が、二軸スクリュー押出機である、請求項24に記載の解重合システム。
【請求項26】
凝縮器により回収された液体モノマーの画分を分離器内に噴霧するように構成される、請求項24に記載の解重合システム。
【請求項27】
凝縮器の液体出口で液体モノマーを収集し、この液体モノマーを凝縮器のガス入口に再注入するように構成される、再注入ラインを備える、請求項24に記載の解重合システム。
【国際調査報告】