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  • 特表-電気駆動アセンブリの動力軸構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電気駆動アセンブリの動力軸構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 55/17 20060101AFI20241219BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F16H55/17 A
H02K7/116
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540806
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 CN2022093020
(87)【国際公開番号】W WO2023130642
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210003101.9
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】Building 10, Radance Park 8, No. 20 Boda Road, Chaoyang District, Beijing 100023 China
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リー ジャンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ユー ピン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シュードン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ルイクン
【テーマコード(参考)】
3J030
5H607
【Fターム(参考)】
3J030AA08
3J030BA01
3J030BB03
3J030BD05
3J030CA10
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB05
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE31
5H607EE36
5H607GG01
5H607GG08
(57)【要約】
電気駆動アセンブリの動力軸構造であって、主軸(1)を含み、主軸の右端がモータ(2)の内部に位置し、モータのロータ(3)に固定接続されており、主軸の左端が減速機(4)の内部に位置し、減速機の駆動ギア(5)及びパーキングギヤ(6)に固定接続されており、駆動ギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、パーキングギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、そのうち、駆動ギアにおける一側のフランジの内孔、パーキングギアにおける一側のフランジの内孔と、主軸との間には、駆動ギアの径方向の位置決め及びパーキングギアの径方向の位置決めのためのブッシュ(8)が設けられていることにより、駆動ギア、パーキングギアと主軸の位置が同じ軸線上にあり、電気駆動アセンブリの安定性とNVH性能が向上される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動アセンブリの動力軸構造であって、前記動力軸構造が主軸を含み、前記主軸の右端がモータの内部に位置し、モータのロータに固定接続されており、前記主軸の左端が減速機の内部に位置し、減速機の駆動ギア及びパーキングギアに固定接続されており、
前記駆動ギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、前記パーキングギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、そのうち、前記駆動ギアにおける一側のフランジの内孔、前記パーキングギアにおける一側のフランジの内孔と、前記主軸との間には、前記駆動ギアの径方向の位置決め及び前記パーキングギアの径方向の位置決めのためのブッシュが設けられている、ことを特徴とする電気駆動アセンブリの動力軸構造。
【請求項2】
前記駆動ギアが前記パーキングギアと前記モータとの間に設けられ、前記駆動ギアの左側には、軸方向に延びる第1フランジが設けられており、前記駆動ギアの右側には、軸方向に延びる第2フランジが設けられており、前記パーキングギアの右側には、軸方向に延びる第3フランジが設けられており、前記第2フランジの内孔が前記主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを行い、前記ブッシュが前記第1フランジの内孔と前記主軸との間に設けられるとともに第3フランジの内孔まで延びている、ことを特徴とする請求項1に記載の動力軸構造。
【請求項3】
前記第2フランジの内孔と前記主軸との間が中間嵌め又は締り嵌めとされており、
前記第1フランジの内孔と、前記ブッシュと、前記主軸との三者の間、及び前記第3フランジの内孔と前記ブッシュとの間が、中間嵌め又は締り嵌めとされている、ことを特徴とする請求項2に記載の動力軸構造。
【請求項4】
前記減速機のハウジングと前記主軸との間に左端軸受が設けられており、前記モータのハウジングと前記主軸との間に右端軸受が設けられており、前記モータと前記減速機との間に中間ケースが設けられており、前記中間ケースと前記主軸との間に中間部軸受が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の動力軸構造。
【請求項5】
前記第2フランジが前記中間部軸受の内輪左端面を押し付けて固定するか、又は、
前記中間部軸受の左側の前記主軸には、前記中間部軸受の内輪左端面を押し付けて固定するための第1軸スリーブが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の動力軸構造。
【請求項6】
前記パーキングギアが前記左端軸受の内輪右端面を押し付けて固定するか、又は、
前記左端軸受の右側の前記主軸には、前記左端軸受の内輪右端面を押し付けて固定するための第2軸スリーブが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の動力軸構造。
【請求項7】
前記減速機のハウジングには、前記左端軸受の外輪右端面に押さえリングが設けられており、前記押さえリングが前記左端軸受の外輪を押し付けて固定する、ことを特徴とする請求項4に記載の動力軸構造。
【請求項8】
前記左端軸受の左側の前記主軸には、前記左端軸受の内輪左端面を押し付けて固定するためのロックナットが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の動力軸構造。
【請求項9】
前記主軸には、第1雄スプラインと第2雄スプラインとが設けられており、前記パーキングギアには、前記第1雄スプラインと係合する第1雌スプラインが設けられており、前記駆動ギアには、前記第2雄スプラインと係合する第2雌スプラインが設けられている、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の動力軸構造。
【請求項10】
前記パーキングギアと前記主軸との間、及び前記駆動ギアと前記主軸との間がそれぞれフラットキーによって接続されるか、又は、
前記パーキングギアの内孔と前記駆動ギアの内孔がいずれもネジ無し孔であり、それぞれ締り嵌め又は溶接で前記主軸に接続される、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の動力軸構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2022年01月04日に中国特許庁に出願された、出願番号が202210003101.9であり、出願名称が「電気駆動アセンブリの動力軸構造」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、モータ伝動構造の技術分野に属し、特に、電気駆動アセンブリの動力軸構造に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電気自動車のモータと減速機の生産を容易にするために、モータ軸と減速機の入力軸は一般的に独立した設計を採用し、その後、スプラインやカップリングによってモータ軸と減速機の入力軸との間の接続を行うことにより、モータと減速機との間のトルク伝達が実現される。しかし、この伝動構造は構造が複雑であるだけでなく、減速機とモータとの間の軸方向寸法が大きくなり、車両全体のレイアウトに不利である。
【0004】
また、パーキングギアの加工製造の精度が悪いため、このようにパーキングギアと減速機の入力軸とを隙間嵌めで組み立てる時、両者の間の同心度を確保することが困難であり、これにより減速機の入力軸の回転時における動的バランス性と安定性が悪くなり、さらに電気駆動アセンブリ全体のNVH(Noise、Vibration、Harshness;騒音、振動、ハーシュネス)性能が悪くなり、パーキングギヤの加工精度を向上させることでパーキングギヤと減速機の入力軸との組み立て時の同心度を向上させると、パーキングギアの製造コストが大幅に増加してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題に対して、本願には、上記問題を解消するか、又は少なくとも部分的に解決するために、電気駆動アセンブリの動力軸構造が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明には、以下の技術案が用いられている。
【0007】
本発明は、電気駆動アセンブリの動力軸構造を提供しており、前記動力軸構造が主軸を含み、前記主軸の右端がモータの内部に位置し、モータのロータに固定接続されており、前記主軸の左端が減速機の内部に位置し、減速機の駆動ギア及びパーキングギアに固定接続されており、
前記駆動ギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、前記パーキングギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、そのうち、前記駆動ギアにおける一側のフランジの内孔、前記パーキングギアにおける一側のフランジの内孔と、前記主軸との間には、前記駆動ギアの径方向の位置決め及び前記パーキングギアの径方向の位置決めのためのブッシュが設けられている。
【0008】
さらに、前記駆動ギアが前記パーキングギアと前記モータとの間に設けられ、前記駆動ギアの左側には、軸方向に延びる第1フランジが設けられており、前記駆動ギアの右側には、軸方向に延びる第2フランジが設けられており、前記パーキングギアの右側には、軸方向に延びる第3フランジが設けられており、前記第2フランジの内孔が前記主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを行い、前記ブッシュが前記第1フランジの内孔と前記主軸との間に設けられるとともに第3フランジの内孔まで延びている。
【0009】
さらに、前記第2フランジの内孔と前記主軸との間が中間嵌め又は締り嵌めとされており、
前記第1フランジの内孔と、前記ブッシュと、前記主軸との三者の間、及び前記第3フランジの内孔と前記ブッシュとの間が、中間嵌め又は締り嵌めとされている。
【0010】
さらに、前記減速機のハウジングと前記主軸との間に左端軸受が設けられており、前記モータのハウジングと前記主軸との間に右端軸受が設けられており、前記モータと前記減速機との間に中間ケースが設けられており、前記中間ケースと前記主軸との間に中間部軸受が設けられている。
【0011】
さらに、前記第2フランジが前記中間部軸受の内輪左端面を押し付けて固定するか、又は、
前記中間部軸受の左側の前記主軸には、前記中間部軸受の内輪左端面を押し付けて固定するための第1軸スリーブが設けられている。
【0012】
さらに、前記パーキングギアが前記左端軸受の内輪右端面を押し付けて固定するか、又は、
前記左端軸受の右側の前記主軸には、前記左端軸受の内輪右端面を押し付けて固定するための第2軸スリーブが設けられている。
【0013】
さらに、前記減速機のハウジングには、前記左端軸受の外輪右端面に押さえリングが設けられており、前記押さえリングが前記左端軸受の外輪を押し付けて固定する。
【0014】
さらに、前記左端軸受の左側の前記主軸には、前記左端軸受の内輪左端面を押し付けて固定するためのロックナットが設けられている。
【0015】
さらに、前記主軸には、第1雄スプラインと第2雄スプラインとが設けられており、前記パーキングギアには、前記第1雄スプラインと係合する第1雌スプラインが設けられており、前記駆動ギアには、前記第2雄スプラインと係合する第2雌スプラインが設けられている。
【0016】
さらに、前記パーキングギアと前記主軸との間、及び前記駆動ギアと前記主軸との間がそれぞれフラットキーによって接続されるか、又は、
前記パーキングギアの内孔と前記駆動ギアの内孔がいずれもネジ無し孔であり、それぞれ締り嵌め又は溶接で前記主軸に接続される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の利点及び有益な効果は、以下の通りである。
【0018】
本発明の動力軸構造では、駆動ギア及びパーキングギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、そして、駆動ギアにおける一側のフランジの内孔、パーキングギアにおける一側のフランジの内孔と、主軸との間には、ブッシュが設けられていることにより、駆動ギアとパーキングギアの径方向の位置決めが実現され、駆動ギア、パーキングギアと主軸の位置が同じ軸心線上にあり、さらに駆動ギアと、パーキングギアと、主軸との三者の間の同心度が確保され、電気駆動アセンブリの安定性とNVH性能が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を例示するためのものに過ぎず、本願を制限するものとして解釈されるべきではない。また、図面全体において、同じ部品には同じ参照符号が付されている。
【0020】
図1図1は、実施例1における電気駆動アセンブリの動力軸構造の軸方向断面図である。
図2図2は、実施例1における駆動ギアの軸方向断面図である。
図3図3は、実施例1におけるパーキングギアの軸方向断面図である。
図4図4は、実施例1における主軸の軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術案及び利点が更に明白になるように、以下、本願の具体的な実施例及び対応する図面と併せて、本願の技術案を明確且つ完全に説明する。明らかなことに、説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、本願の保護範囲内に含まれる。
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の各実施例による技術案を詳しく説明する。
【0023】
実施例1
本実施例は、電気駆動アセンブリの動力軸構造を提供しており、図1に示すように、当該動力軸構造が主軸1を含む。主軸1の右端がモータ2の内部に位置し、モータ軸としてモータ2のロータ3に固定接続されており、即ちロータ3が主軸1の右端に外装されている。主軸1の左端が減速機4の内部に位置し、減速機4の入力軸として減速機4の駆動ギア5及びパーキングギア6に固定接続されており、即ち駆動ギア5及びパーキングギア6が主軸1の左端に外装されている。そのうち、パーキングギアが、車両のパーキング機能を実現するためのものであり、駆動ギアが、減速機内の他のギアを回転駆動し、動力出力を実現するためのものである。
【0024】
本実施例において、モータ軸と減速機の入力軸とが1本の一体型の主軸として設計され、かつ主軸の両端がそれぞれモータの内部及び減速機の内部まで延びることにより、同時にモータ軸及び減速機の入力軸を兼ねている。このように、構造が簡単で、取り付けが便利であるという利点を有するだけでなく、電気駆動アセンブリ全体の軸方向寸法が小さくなり、車両全体のレイアウトに有利であり、そして軽量である。
【0025】
また、駆動ギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、パーキングギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、そのうち、駆動ギアにおける一側のフランジの内孔、パーキングギアにおける一側のフランジの内孔と、主軸との間には、ブッシュが設けられていることにより、駆動ギアとパーキングギアの径方向の位置決めが実現され、駆動ギア、パーキングギアと主軸の位置が同じ軸心線上にあり、電動駆動アセンブリの動的バランス性が向上され、振動と騒音が低減される。
【0026】
当該動力軸構造では、駆動ギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、パーキングギアの少なくとも一側には、軸方向に延びるフランジが設けられており、そして、駆動ギアにおける一側のフランジの内孔、パーキングギアにおける一側のフランジの内孔と、主軸との間には、ブッシュが設けられていることにより、駆動ギアとパーキングギアの径方向の位置決めが実現され、駆動ギアと、パーキングギアと、主軸との三者の間の同心度が確保され、電気駆動アセンブリの安定性とNVH性能が向上される。
【0027】
本実施例において、図1図3に示すように、駆動ギア5がパーキングギア6とモータ2との間に設けられ、駆動ギア5の左側には、軸方向に延びる第1フランジ7が設けられており、駆動ギア5の右側には、軸方向に延びる第2フランジ21が設けられており、パーキングギア6の右側には、軸方向に延びる第3フランジ22が設けられており、ブッシュ8が第2フランジ2と主軸1との間に設けられるとともに第3フランジ22の内孔まで延びており、これにより、第3フランジ22がブッシュ8に外装され、第2フランジ21が主軸1の軸径と合わせて径方向の位置決めを行うことになる。
【0028】
また、第1フランジ7と主軸1との間にブッシュ8が設けられており、ブッシュ8が第3フランジ22の内孔まで延びており、即ちブッシュ8の一端が第1フランジ7の内孔と主軸1との間に設けられており、第3フランジ22がブッシュ8の他端に外装されている。ブッシュ8を設けることにより、駆動ギア5と、パーキングギア6と、主軸1との三者の同軸心を実現することができる。このとき、主軸とパーキングギアとの間には、周方向のねじり力のみが存在し、径方向の支持力がない。
【0029】
具体的には、駆動ギア上の第2フランジが主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを実現し、第1フランジがブッシュによって径方向の位置決めを実現し、さらに駆動ギアと主軸との同軸心を実現している。駆動ギアの加工精度が高く、駆動ギアは主軸に組み立てられる時に主軸との同心度がより高いため、駆動ギアとパーキングギアとが同じブッシュを共用し、まずパーキングギアを駆動ギアと同軸心に保持し、そしてパーキングギアが駆動ギアによって主軸と同軸心を実現するような構造になっており、この構造によれば、パーキングギアと主軸との同心度を効果的に向上させることができるため、駆動ギアと、パーキングギアと、主軸との三者の間により高い同心度があることを確保される。
【0030】
さらに、第2フランジの内孔と主軸との間が中間嵌め又は締り嵌めとされており、これにより、第2フランジと主軸との間が堅固に接続される。
【0031】
第1フランジの内孔と、ブッシュと、主軸との三者の間、及び第3フランジの内孔とブッシュとの間が、中間嵌め又は締り嵌めとされており、駆動ギアと、パーキングギアと、主軸との三者の間の相対的な固定が実現される。
【0032】
本実施例において、図1に示すように、主軸1の左端、中間部及び右端がそれぞれ左端軸受9、中間部軸受10及び右端軸受11によって支持されて位置決めされている。
【0033】
具体的には、左端軸受9が減速機4のハウジングと主軸1との間に設けられ、右端軸受11がモータ2のハウジングと主軸との間に設けられ、モータ2と減速機4との間に中間ケース12が設けられており、中間部軸受10が中間ケース12と主軸1との間に設けられている。本実施例において、左端軸受9、中間部軸受10及び右端軸受11を設けることにより、主軸1が減速機4のハウジング、モータ2のハウジング及び中間ケース12に対して回転することが実現される。
【0034】
本実施例において、図1に示すように、主軸1には、第1軸スリーブ13が設けられている。第1軸スリーブ13が中間部軸受10の左側に位置し、中間部軸受10の内輪左端面を押し付けて固定するためのものである。具体的には、第1軸スリーブ13と主軸1とが相対的に固定されるように、第1軸スリーブ13が主軸1に締り嵌めされて外装される。あるいは、第1軸スリーブ13と主軸1とが相対的に固定されるように、第2フランジ21が第1軸スリーブ13に直接押し当てられる。そして、第1軸スリーブ13によって中間部軸受10の内輪左端面が押し付けられて固定されることにより、中間部軸受10の内輪と主軸1との相対的な固定が実現される。第1軸スリーブ13の外輪が中間ケース12上の軸受溝内に固定され、さらに主軸1が中間ケース12に対して回転することが実現される。
【0035】
本実施例において、図1に示すように、左端軸受9の右側の主軸1には、第2軸スリーブ14が設けられており、第2軸スリーブ14が左端軸受9の右側に位置し、左端軸受9の内輪右端面を押し付けて固定するためのものである。そして、左端軸受9の左側の主軸1には、ロックナット16が設けられており、ロックナット16が左端軸受9の内輪左端面を押し付けて固定するためのものである。ロックナット16及び第2軸スリーブ14で左端軸受9の内輪をクランプすることにより、左端軸受9の内輪と主軸1との相対的な固定が実現される。
【0036】
さらに、図1に示すように、減速機4のハウジングには、左端軸受9の右側に押さえリング15が設けられており、押さえリング15が左端軸受9の外輪を押し付けて固定することにより、左端軸受9の外輪と減速機4のハウジングとの相対的な固定が実現される。具体的には、押さえリング15がネジ又はボルトによって減速機4のハウジングに固定されている。
【0037】
本実施例において、図2図4に示すように、主軸1には、第1雄スプライン17と第2雄スプライン18とが設けられており、パーキングギア6には、第1雄スプライン17と係合する第1雌スプライン19が設けられており、駆動ギア5には、第2雄スプライン18と係合する第2雌スプライン20が設けられている。本実施例において、第1雄スプライン17が第1雌スプライン19と噛み合うことにより、主軸1とパーキングギア6との伝動接続が実現され、第2雄スプライン18が第1雌スプライン20と噛み合うことにより、主軸1と駆動ギア5との伝動接続が実現される。
【0038】
実施例2
実施例1とは異なり、本実施例において、ブッシュが別体型の設計を採用し、即ち第1フランジの内孔と主軸との間に第1ブッシュが設けられており、第1ブッシュによって駆動ギアと主軸との同軸心が実現され、第3フランジの内孔と主軸との間に第2ブッシュが設けられており、第2ブッシュによってパーキングギアと主軸との同軸心が実現され、さらに駆動ギアと、パーキングギアと、主軸との三者の同軸心が実現され、別体型の設計は、パーキングギア及び駆動ギアの主軸上における組み立ての難易度を効果的に低減することができる。
【0039】
実施例3
実施例1とは異なり、本実施例において、第1軸スリーブが省略されており、即ち第2フランジが中間部軸受の内輪左端面を直接押し付けて固定することにより、中間部軸受の内輪と主軸との相対的な固定が実現され、構造がより簡単にされる。
【0040】
実施例4
実施例1とは異なり、本実施例において、第2軸スリーブが省略されており、即ちパーキングギアが左端軸受の内輪右端面を直接押し付けて固定し、パーキングギア及びロックナットで左端軸受の内輪をクランプして固定することにより、左端軸受の内端面と主軸との相対的な固定が実現され、構造がより簡単にされる。
【0041】
実施例5
実施例1とは異なり、本実施例において、スプライン接続の代わりに、パーキングギアと主軸との間、及び駆動ギアと主軸との間がそれぞれフラットキーによって接続されてもよい。あるいは、パーキングギアの内孔及び駆動ギアの内孔がいずれもネジ無し孔であり、それぞれ締り嵌め又は溶接で主軸に接続される。
【0042】
上記したのは、あくまでも本願の具体的な実施形態であり、本願の上記教示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことが可能である。当業者であれば、上記の具体的な記載は本願の目的をより良く解釈するためのものであり、本願の保護範囲は請求の範囲の保護範囲に基づくものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0043】
1 主軸、2 モータ、3 ロータ、4 減速機、5 駆動ギア、6 パーキングギア、7 第1フランジ、8 ブッシュ、9 左端軸受、10 中間部軸受、11 右端軸受、12 中間ケース、13 第1軸スリーブ、14 第2軸スリーブ、15 押さえリング、16 ロックナット、17 第1雄スプライン、18 第2雄スプライン、19 第1雌スプライン、20 第2雌スプライン、21 第2フランジ、22 第3フランジ。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】