(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】抗腫瘍活性を有する改変された細菌
(51)【国際特許分類】
C12N 1/21 20060101AFI20241219BHJP
A61K 35/74 20150101ALI20241219BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241219BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20241219BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20241219BHJP
C12N 15/11 20060101ALN20241219BHJP
C12N 15/57 20060101ALN20241219BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
C12N1/21 ZNA
A61K35/74 Z
A61P35/00
A61P37/04
C12N15/31
C12N15/11 Z
C12N15/57
C12N1/20 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541221
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2023071506
(87)【国際公開番号】W WO2023131336
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210021722.X
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524258200
【氏名又は名称】シェンチェン シンセティカ パイオニアリング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Synthetica Pioneering Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リウ, チェンリ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ズオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】グオ, シュエン
(72)【発明者】
【氏名】シェン, ファンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ザン, ジョンシェン
(72)【発明者】
【氏名】リ, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チエン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA26X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065BB08
4B065BB12
4B065BC02
4B065BC12
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC32
4C087BC33
4C087BC34
4C087BC35
4C087BC36
4C087BC37
4C087BC38
4C087BC39
4C087BC54
4C087CA09
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZB26
(57)【要約】
本発明は、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に必須遺伝子発現カセットを含み、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、抗腫瘍活性を有する改変された細菌に関する。本発明は、改変された細菌を含む医薬組成物及びその抗腫瘍用途とも関連する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改変された細菌であって、前記細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に、前記細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットを含み、前記細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌。
【請求項2】
前記偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される、請求項1に記載の改変された細菌。
【請求項3】
前記偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、請求項1に記載の改変された細菌。
【請求項4】
前記必須遺伝子の発現産物が、前記細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、前記細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存する、請求項1~3のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項5】
前記必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される、請求項4に記載の改変された細菌。
【請求項6】
前記必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、請求項4に記載の改変された細菌。
【請求項7】
前記内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子が、HtrAセリンプロテアーゼファミリー遺伝子である、請求項1~6のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項8】
前記内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、請求項1~7のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項9】
前記細菌が、HtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、請求項1~8のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項10】
前記内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子がhtrAである、請求項1~9のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項11】
前記細菌がhtrAを欠損している、請求項1~10のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項12】
前記必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、前記必須遺伝子の天然プロモーターが前記偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって前記細菌内での前記必須遺伝子の発現が前記偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、請求項1~11のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項13】
前記必須遺伝子発現カセットが外因性であり、前記細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって前記細菌内での前記必須遺伝子の発現が前記偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、請求項1~11のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項14】
前記外因性必須遺伝子発現カセットが、前記細菌染色体中に組み込まれている、請求項13に記載の改変された細菌。
【請求項15】
前記外因性必須遺伝子発現カセットが、前記細菌染色体の外部にある、請求項13に記載の改変された細菌。
【請求項16】
前記外因性必須遺伝子発現カセットが、前記細菌により担持されるプラスミド内に存在する、請求項15に記載の改変された細菌。
【請求項17】
pH制御型発現カセットを更に含み、前記pH制御型発現カセットが、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に置かれた、細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項18】
前記細菌由来のヘモリジンタンパク質が、グラム陰性菌ヘモリジンタンパク質である、請求項17に記載の改変された細菌。
【請求項19】
前記グラム陰性菌ヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子が、hlyA又はhlyEである、請求項18に記載の改変された細菌。
【請求項20】
前記hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、又は大腸菌(Escherichia coli)に由来する、請求項19に記載の改変された細菌。
【請求項21】
前記酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性である、請求項17~20のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項22】
前記酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される、請求項17~21のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項23】
前記酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、請求項17~21のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項24】
前記非改変型開始株が通性嫌気性細菌である、請求項1~23のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項25】
前記細菌がエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)の細菌である、請求項1~24のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項26】
前記細菌が、大腸菌(Escherichia)属、サルモネラ(Salmonella)属、シゲラ(Shigella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エルシニア(Yersinia)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、プロテウス(Proteus)属、モルガネラ(Morganella)属、プロビデンシア(Providencia)属、ハフニア(Hafnia)属、及びパントエア(Pantoea)属の細菌である、請求項1~25のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項27】
前記細菌が、大腸菌、エンテロバクター・ブラタエ(E.blattae)、エンテロバクター・フェルグソニイ(E.fergusonii)、エンテロバクター・ヘルマンニイ(E.hermannii)、エンテロバクター・ヴァルネリス(E.vulneris)、サルモネラ・エンテリカ(S.enterica)、サルモネラ・ボンゴリ(S.bongori)、腸チフス菌(S.typhi)、サルモネラ・コレラエスイス(S.choleraesuis)、サルモネラ・チフィムリウム(S.typhimurium)、シゲラ・ディセンテリアエ(S.dysenteriae)、シゲラ・フレクスネリ(S.flexneri)、シゲラ・ボイディイ(S.boydii)、シゲラ・ゾネイ(S.sonnei)、肺炎桿菌(K.pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ(K.oxytoca)、ペスト菌(Y.pestos)、腸炎エルシニア(Y.enterocolitica)、仮性結核菌(Y.pseudotuberculosis)、エルシニア・アルドヴァエ(Y.aldouae)、エルシニア・ベルコヴィエリ(Y.bercovieri)、エルシニア・フレデリクセニイ(Y.frederiksenii)、エルシニア・インテルメディア(Y.intermedia)、エルシニア・クリステルセニイ(Y.kristersenii)、エルシニア・モラレッティ(Y.mollaretti)、エルシニア・ローデイ(Y.rohdei)、エルシニア・ルッケリ(Y.ruckeri)、シトロバクター・フロインデイ(C.freundii)、シトロバクター・コセリ(C.koseri)、シトロバクター・ブラアキイ(C.braakii)、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)、エンテロバクター・クロアカエ(E.cloacae)、エンテロバクター・ゲルゴヴィアエ(E.gergoviac)、エンテロバクター・サカザキイ(E.sakazakii)、エンテロバクター・タイロラエ(E.taylorae)、エンテロバクター・アムニゲヌス(E.amnigenus)、エンテロバクター・インテルメディウス(E.intermedius)、エンテロバクター・アスブリアエ(E.asburiae)、エンテロバクター・カンセロゲヌス(E.cancerogenus)、エンテロバクター・ディソルヴェンス(E.dissolvens)、エンテロバクター・ニミプレスウラリス(E.nimipressuralis)、セラチア・マルセセンス(S.marcescens)、セラチア・エントモフィラ(S.entomophila)、セラチア・フィカリア(S.ficaria)、セラチア・フォンチコラ(S.fonticola)、セラチア・グリメシイ(S.grimesii)、セラチア・リクエファシエンス(S.liquefaciens)、セラチア・オドリフェラ(S.odorifera)、セラチア・プリムティカ(S.plymuthica)、セラチア・プロテアマキュランス(S.proteamaculans)、セラチア・ルビダエア(S.rubidaea)、セラチア・ウレイリチカ(S.ureilytica)、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)、プロテウス・ヴァルガリス(P.vulgaris)、プロテウス・ミクソファシエンス(P.myxofaciens)、プロテウス・ペンネリ(P.penneri)、プロテウス・ハウセリ(P.hauseri)、モルガネラ・モルガニイ(M.morganii)、プロビデンシア・アルカリファシエンス(P.alcalifaciens)、プロビデンシア・ルスティジアニイ(P.rustigianii)、プロビデンシア・スチュアーチイ(P.stuartii)、プロビデンシア・レットゲリ(P.rettgeri)、プロビデンシア・ヘイムバッカエ(P.heimbochae)、ハフニア・アルヴェイ(H.alvei)、及びパントエア・アグロメランス(P.agglomerans)からなる群から選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項28】
前記細菌がサルモネラ・チフィムリウムである、請求項1~27のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項29】
前記開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、請求項28に記載の改変された細菌。
【請求項30】
前記細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現する、請求項1~29のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【請求項31】
前記細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有し、正常組織では速やかに排除される、請求項1~30のいずれか一項に記載の改変された細菌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗腫瘍活性を有する改変された細菌、改変された細菌を含む医薬組成物、及びその抗腫瘍用途に関する。
【0002】
[背景]
がんは、ヒトの生命及び健康を脅す最も重要な疾患のうちの1つとなったが、既存の処置法(放射線療法、化学療法、手術、及び標的を定めた薬物)のいずれも欠点を有し、また新規処置アプローチを開発する差し迫った必要性が存在する。コーリーの毒素により代表される従来式の細菌腫瘍療法は150年の歴史を有するが、その不安定な有効性及び安全性に対する懸念が知られている。遺伝子工学技術の開発は細菌株の毒性低下において目覚ましい進歩を遂げたが、また一連の臨床トライアルより、ヒト腫瘍療法を目的とする工学操作された細菌の減弱化は安全であるものの、その有効性は限定され、すなわち安全性と療法的有効性を併せ持つことができず、そのため臨床的腫瘍療法の必要性を満たすことができないことが実証された。腫瘍療法に対する更なる最適化が必要不可欠である。
【0003】
[発明の概要]
本発明に基づき、合成生物学的遺伝的回路によって、偏性嫌気性細菌(動物の身体又はヒトの身体に投与された後に腫瘍に対する治療効果を示し、そして正常組織及び臓器により短時間で排出可能であり、これにより細菌をin vivoで長期間保持することに起因して、動物の身体又はヒトの身体に対してもたらされる毒性作用及び副作用を低下させ、したがってより信頼性のある抗腫瘍能力及び安全性を提供する)が構築される。
【0004】
1つの実施形態では、本発明は、改変された細菌であって、細菌が、偏性低酸素誘導プロモーター(strictly hypoxia inducible promoter)の制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、マクロファージ内で生存するのに必要とされる少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌を提供する。
【0005】
1つの実施形態では、本発明は、細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌を提供する。
【0006】
1つの実施形態では、本発明は、細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌を提供する。
【0007】
1つの実施形態では、本発明は、細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が、野生型リポ多糖類(LPS)を発現し、非改変型開始株と比較して、マクロファージ内で生存するのに必要とされる少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌を提供する。
【0008】
1つの実施形態では、本発明は、細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)の改変された細菌を提供する。
【0009】
1つの実施形態では、本発明は、細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に、細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現し、非改変型開始株と比較して、マクロファージ内で生存するのに必要とされる少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、サルモネラ・チフィムリウムの改変された細菌を提供する。
【0010】
1つの実施形態では、本発明は、先行する実施形態のいずれか1つに記載の細菌を含む医薬組成物を提供する。1つの実施形態では、医薬組成物は悪性腫瘍を処置するのに使用される。
【0011】
1つの実施形態では、本発明は、悪性腫瘍を処置するための方法であって、悪性腫瘍を有する対象に、先行する実施形態のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0012】
1つの実施形態では、本発明は、悪性腫瘍の処置における、先行する実施形態のいずれか1つに記載の細菌の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】DB-ZW1株の構築スキームの概略を示す図である。
【
図2】様々な細胞内でのDB-ZW1株及びDB-ZW2株の増殖的特徴を示す図である。とりわけ、
図2Aは、DB-ZW1株及びDB-ZW2株について、嫌気及び好気条件におけるdapE遺伝子の転写レベルを示す;
図2Bは、好気条件下でのDB-ZW1株及びDB-ZW2株の増殖を示す;
図2Cは、好気条件下(DAPの添加有り)での、並びに嫌気条件下でのDB-ZW1株の2倍増加時間を示す。
【
図3】Raw264.7マウスマクロファージ又はMB49マウス膀胱がん細胞内でのDB-ZW1株及びDB-ZW3株の増殖を示す図である。
【
図4】正常組織及び腫瘍内での株DB-ZW1、2、3、4、5、及び野生型SL7207の分布を示す図である;
図4Aは、正常組織内の株DB-ZW1、2、3、4、5、及び野生型SL7207の含有量を示す;
図4Bは、腫瘍内の株DB-ZW1、2、3、4、5、及び野生型SL7207の含有量を示す。
【
図5】正常組織及び腫瘍内の株DB-ZW1、DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)、及びDB-ZW1(ΔfliC)の分布を示す図である。
【
図6】マウス内での株DB-ZW1、DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)及びDB-ZW1(ΔfliC)の抗腫瘍効果を示す図である。とりわけ、
図6Aは、MB49膀胱腫瘍担持マウスの腫瘍容積に対する、株DB-ZW1、DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)、DB-ZW1(ΔfliC)、及び野生型SL7207の効果を示す;
図6Bは、MB49膀胱腫瘍担持マウスの体重に対する、株DB-ZW1、DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)、DB-ZW1(ΔfliC)、及び野生型SL7207の効果を示す;
図6Cは、MB49膀胱腫瘍担持マウスの生存率に対する、株DB-ZW1、DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)、及びDB-ZW1(ΔfliC)、及び野生型SL7207の効果を示す;
図6Dは、MB49マウス膀胱がんの処置に対するDB-ZW1の様々な応答型を示す。
【
図7】腫瘍及び様々な臓器内でのDB-ZW1の分布について、その経時的変化を示す図である。とりわけ、
図7Aは、腫瘍及び様々な臓器内でのDB-ZW1の密度について、その経時的変化を示す;
図7Bは、様々な正常臓器内でのDB-ZW1の密度について、その経時的変化を示す。
【
図8】膀胱がん、黒色腫、及びin situ結腸がんに対するDB-ZW1の抗腫瘍効果を示す図である。とりわけ、
図8A~Cは、皮下膀胱がん、in situ黒色腫、及び皮下in situ結腸がんの腫瘍容積に対する、DB-ZW1の効果についてそれぞれ例証する;
図8Dは、in situ結腸がんの腫瘍数に対するDB-ZW1の効果について例証する。
【
図9】腫瘍及び正常臓器内のDB-ZW1バリアントDB-ZW1-ΔfliCの含有量を示す。
【
図10】DB-ZW1によるメモリーCD8
+T細胞の活性化を示す図である。とりわけ、
図10Aは、マウスのドレイニングリンパ節における、メモリーCD8
+T細胞の含有量に対するDB-ZW1の効果について例証する;
図10Bは、B16-OVA黒色腫細胞がイノキュレーションされたマウスのドレイニングリンパ節における、メモリーCD8
+T細胞の含有量に対するDB-ZW1の効果について例証する。
【
図11】DB-ZW1の抗腫瘍効果の腫瘍メモリーを示す図である。とりわけ、
図11Aは、DB-ZW1による治癒が施された黒色腫マウスは、1×10
6個のB16黒色腫細胞の別の皮下イノキュレーションを行った後でも腫瘍を発症しないことを例証する;
図11Bは、DB-ZW1による治癒が施された黒色腫マウスは、黒色腫の初回誘発マウスと比較して低めの肺重量を有することを例証する;
図11Cは、DB-ZW1による治癒が施された黒色腫マウスは、1×10
6個のMB49膀胱がん細胞の別の皮下イノキュレーションを行った後に、MB49膀胱がん細胞を初回皮下注射されたマウスとまったく同様に、腫瘍をやはり発症したことを例証する。
【
図12】DB-ZW1によるIFNγ
+CD8
+T細胞の活性化を示す図である。とりわけ、
図12Aは、DB-ZW1並びにそのバリアントであるDB-ZW1-ΔmsbB及びDB-ZW1-Δlpponと共に、MB49膀胱がん細胞をマウスの皮下にイノキュレーションして処置したときに、それによる腫瘍微小環境内IFNγ
+CD8
+T細胞の量に対する効果について例証する;
図12Bは、DB-ZW1を用いて処置された腫瘍担持マウスの腫瘍から単離されたCD8
+T細胞による、MB49及びB16細胞に対する殺傷効果について例証する。
【
図13】膀胱がんを有するマウス内の腫瘍ドレイニングリンパ節及び腫瘍における、CD8
+T細胞のうちTRM細胞の占める割合、並びにTRM細胞のうちIFNγ
+細胞の占める割合に対するDB-ZW1処置の効果を示す図である。
【
図14】抗CD3抗体、DB-ZW1、DB-ZW1-ΔmsbB、及びDB-ZW1-ΔlppによるCD8
+T細胞のin vitroでの活性化を示す図である。
【
図15】膀胱がんを有する皮下腫瘍担持マウスの血清中IL-10量に対する、DB-ZW1、DB-ZW1-ΔmsbB、及びDB-ZW1-Δlpponの効果を示す図である。
【
図16】DB-ZW1を用いて腫瘍を処置した際のサイトカインIL-10の役割を示す図である。とりわけ、
図16Aは、腫瘍部位においてDB-ZW1により誘発されたIFNγ
+CD8
+T細胞に対する、抗IL-10抗体の阻害効果を示す;
図16Aは、DB-ZW1により誘発された腫瘍容積低下に対する、抗IL-10抗体の阻害効果について例証する。
【
図17】DB-ZW1により誘発された一次マクロファージ内でのIL-10産生を示す図である。
【
図18】腫瘍内の好中球、T細胞、及びマクロファージの分布に対する、DB-ZW1の効果を示す図である。
【
図19】
図19A及び
図19Bは、DB-ZW1処置腫瘍内の好中球リング構造に対する、抗IL-10抗体及び抗CSF1R抗体の効果についてそれぞれ例証する図である。
【
図20】抗腫瘍能力に対する様々なDB-ZW1投与方式の効果を示す図である。とりわけ、
図20Aは、腫瘍及び正常組織内細菌分布に対するDB-ZW1の腫瘍内注射又は静脈内注射の効果について例証する;
図20Bは、腫瘍容積に対するDB-ZW1の腫瘍内注射又は静脈内注射の効果について例証する
【
図21】抗腫瘍能力に対する不活性化されたDB-ZW1の効果を示す図である。
【
図22】皮下MB49膀胱腫瘍担持マウス内の腫瘍容積に対する、DB-ZW1の様々な投与用量の効果を示す図である。
【
図23】実施例で使用される望ましい断片PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxp(配列番号1)(A)、Pssbp1-dapE-Cm(配列番号2)(B)、PdapE-dapE-loxp-KnaR-loxp(配列番号4)(C)、及びPhtrA-htrA-loxp-aadA-loxp(配列番号5)(D)の概略図を示す図であり、「数字a~数字b」は開始及び停止ヌクレオチド(nt)を表し、配列内の断片内の主要なエレメントについてナンバリングする。
【0014】
[発明の詳細な説明]
定義
本発明では、本明細書で使用される科学的及び技術的用語は、別途定義されない限り、当業者により一般的に理解される意味を有する。また、本明細書で使用されるタンパク質及び核酸化学、分子生物学、細胞及び組織培養、微生物学、免疫学に関連する用語、並びにラボ手順は、対応する分野において幅広く使用されている用語及び慣例的なステップでもある。同時に、本発明をより深く理解するために、関連する用語の定義及び説明を下記に提示する。
【0015】
「低酸素制御型必須遺伝子発現カセット」とは、本明細書において、低酸素条件下で必須遺伝子の発現を促進する能力を有するDNAのストレッチを意味し、低酸素誘導プロモーターの制御下に必須遺伝子を含有し、また必要な場合には、必須遺伝子の発現に必要とされるその他の制御エレメントを更に含有し得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「必須遺伝子」とは、細菌の増殖及び/又は生存にとって決定的である遺伝子を指し、そのような遺伝子又はその機能的発現産物が存在しない場合には、細菌は正常に生存、分裂、及び/又は増殖することができない。必須遺伝子又はその機能的発現産物の欠損の代表的な例は、特定の外因性栄養補助剤の非存在下では、in vitro培養条件下で、又はin vivo環境内で正常に生存、分裂、及び/又は増殖することができない栄養欠損株である。必須遺伝子は、細菌染色体上で単一のコピーとして通常出現する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「偏性低酸素誘導プロモーター」とは、嫌気条件下で特異的遺伝子の転写を開始する能力を有するが、好気条件下では転写物を活性化させ、及び生成することが実質的に不可能であるプロモーターを指す。
【0018】
「偏性低酸素誘導プロモーター」は、本明細書で使用される場合、下記の実験より同定することができる:
テストの対象とされるプロモーターの制御下に必須遺伝子(例えば、dapA/dapE)を含有する発現株が構築され、嫌気性インキュベーター内のルリア-ベルターニ(Luria-Bertani)(LBと省略される)プレート上に画線され、そして37℃で24時間嫌気的にインキュベートされる。嫌気条件の下、単一のクローンが選別され、そして20μLのLB液体培地中に再懸濁される。20μLのモノクローナル再懸濁溶液が、下記の4つの液体チューブA、B、C、及びDに等しく添加される(すなわち、各チューブに5μL添加される):
A.2mLのLB液体培地、
B.2mLのLB液体培地、
C.2mLのLB液体培地+DAP、
D.2mLのLB液体培地+DAP。
【0019】
チューブA及びCは嫌気性インキュベーター内、37℃で24時間、静的にインキュベートされ、並びにチューブB及びDは、好気性シェイカー内、37℃で、24時間インキュベートされる。細菌が、チューブA、C、及びD内で増殖することができるが、チューブB内では増殖できない(OD600は、0.05未満である)場合には、プロモーターは偏性低酸素誘導プロモーターと考えられる。本発明において使用可能である例示的偏性低酸素誘導プロモーターを表1に示す。
【0020】
【0021】
本明細書で使用される場合、「内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子」とは、in vivo又はin vitroにおいて、活性酸素種(ROS)の殺傷効果に対する細菌(例えば、細胞内細菌、例えばサルモネラ属)の耐性に関与する遺伝子を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「マクロファージ内での生存に必要とされる遺伝子」とは、マクロファージ内での細胞内細菌の生存率を維持又は増強することに関与する遺伝子を指す。このような遺伝子産物の機能は、微生物に対するマクロファージの殺傷効果に抵抗する耐性と関連し、したがってこのような遺伝子又はその機能的発現産物の欠損は、マクロファージ内での細菌(例えば、細胞内細菌、例えばサルモネラ属等)の生存率を低下させる可能性がある。
【0023】
本明細書で使用される場合、「機能的発現産物」としてRNA、タンパク質等が挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「通性嫌気細菌」とは、好気条件及び嫌気条件の両条件下で生存することができる細菌を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「pH制御型発現カセット」とは、対応する遺伝子(複数可)の発現が環境pHにより制御される、遺伝子発現エレメントの群を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「酸性pH条件下で活性であるプロモーター」とは、酸性pH条件下で活性化され得、対応する遺伝子(複数可)の発現を制御し得るプロモーターを指す。いくつかの実施形態では、本発明の酸性pH条件下で活性であるプロモーターは、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性化され得るか又はプロモーター活性をなおも有し得る。いくつかの実施形態では、酸性pH条件下で活性であるプロモーターは、中性のpH(例えば、pH7.0~7.4)においてもプロモーター活性を有する。
【0027】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、本発明では交換可能に使用され、アミノ酸残基のポリマーを指す。該用語は、1つ又は複数のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸(複数可)の人工的な化学的アナログであるアミノ酸ポリマー、並びに天然に存在するアミノ酸ポリマーに適用される。用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、「アミノ酸配列」、及び「タンパク質」は、グリコシル化、脂質ライゲーション、硫酸化、グルタミン酸残基のγカルボキシル化、及びADP-リボシル化を含むが、これらに限定されない修飾された形態も含み得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」とは、ホスホジエステル結合を介して複数のヌクレオチドをリンクさせることにより形成されたマクロ分子を指し、その場合、ヌクレオチドはリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドを含む。本発明のポリヌクレオチドの配列は、異なる宿主細胞(例えば、大腸菌(Escherichia coli)等)に対するコドン最適化の対象となり得、これによりポリペプチドの発現が改善し得る。コドン最適化の方法は当技術分野において公知である。
【0029】
2つのポリペプチド配列又は2つのポリヌクレオチド配列の間の「配列同一性」とは、配列間の同一アミノ酸又は同一ヌクレオチドの割合(%)を指す。ポリペプチド配列又はポリヌクレオチド配列間の配列同一性のレベルを評価するための方法は、当技術分野において公知である。配列同一性は、様々な公知の配列分析ソフトウェアを使用して評価可能である。例えば、配列同一性は、EMBL-EBIのオンラインアライメントツール(https://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/)により評価可能である。2配列間の配列同一性は、デフォルトパラメーターを使用しながら、Needleman-Wunschのアルゴリズムを経由して評価可能である。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「生存細菌」とは、生存可能であり、また活性な栄養代謝により特徴付けられ、そしてそれ独自の生物学的機能を実施する能力を有する株を指す。生存細菌は、株の代謝プロセスにおいて生成される細菌バイオマスを含み得る。
【0031】
本明細書で使用される用語「グラム陰性細菌」とは、グラム染色として知られている手法の一部である初期塩基性色素染色剤(例えば、クリスタルバイオレット)を保持しない細菌を指す。例示的グラム染色では、細胞が熱によりスライドに最初に固定され、そして塩基性色素(例えば、クリスタルバイオレット)を用いて染色されるが、該塩基性色素はグラム陰性菌及びグラム陽性菌の両方に取り込まれる。スライドは、次にモーダント(例えば、グラムヨウ素)を用いて処理され、モーダントは塩基性色素(例えば、クリスタルバイオレット)と結合し、そして細胞内で塩基性色素をトラップする。細胞は、次にアセトン又はアルコールで洗浄され、次に異なる色の第2の色素(例えば、サフラニン)を用いて対比染色される。グラム陽性生物は初期バイオレット染色剤を保持する一方、グラム陰性生物は有機性の洗浄溶媒により脱色され、したがって対比染色を呈する。例示的グラム陰性菌として、大腸菌属種(Escherichia spp.)、シゲラ属種(Shigella spp.)、サルモネラ属種(Salmonella spp.)、カンピロバクター属種(Campylobacter spp.)、ナイセリア属種(Neisseria spp.)、ヘモフィルス属種(Haemophilus spp.)、アエロモナス属種(Aeromonas spp.)、フランシセラ属種(Francisella spp.)、エルシニア属種(Yersinia spp.)、クレブシエラ属種(Klebsiella spp.)、ボルデテラ属種(Bordetella spp.)、レジオネラ属種(Legionella spp.)、コリネ細菌属種(Corynebacteria spp.)、シトロバクター属種(Citrobacter spp.)、クラミジア属種(Chlamydia spp.)、ブルセラ属種(Brucella spp.)、シュードモナス属種(Pseudomonas spp.)、ヘリコバクター属種(Helicobacter spp.)、及びビブリオ属種(Vibrio spp.)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「悪性固形腫瘍」とは組織の異常な腫瘤を指し、通常嚢胞又は液体領域を含まない。固形腫瘍は、良性(非がん性)又は悪性(がん性)であり得る。異なる種類の悪性固形腫瘍は、それを形成する細胞の種類について命名される。悪性固形腫瘍の例は、肉腫、癌、及びリンパ腫である。白血病(血液のがん)は悪性固形腫瘍を通常形成しない(NIH国立がん研究所(NIH National Cancer Institute)の定義の通り)。悪性固形腫瘍として、非限定的に、異なる組織型、例えば、肝臓、結腸、結腸直腸、皮膚、乳房、膵臓、子宮頸部、子宮体、膀胱、胆嚢、腎臓、喉頭、口唇、口腔、食道、卵巣、前立腺、胃、睾丸、甲状腺、又は肺に由来し得る異常な細胞のクラスターが挙げられ、したがって悪性固形腫瘍として、悪性固形肝臓腫瘍、結腸腫瘍、結腸直腸腫瘍、皮膚腫瘍、乳房腫瘍、膵臓腫瘍、子宮頸部腫瘍、子宮体腫瘍、膀胱腫瘍、胆嚢腫瘍、腎腫瘍、喉頭腫瘍、口唇腫瘍、口腔腫瘍、食道腫瘍、卵巣腫瘍、前立腺腫瘍、胃腫瘍、精巣腫瘍、甲状腺腫瘍、又は肺腫瘍が挙げられる。
【0033】
本明細書における処置の目的に照らせば、用語「対象」は、好ましくは、標的となる病理学的状態、例えば腫瘍等について処置を必要とする対象である。予防の目的に照らして、対象は、好ましくは、標的となる病理学的状態を発症するリスクを有するか又は発症しやすい対象である。用語「対象」は、生物、例えば原核生物及び真核生物等を含む。対象の例として、哺乳動物、例えばヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット等、及び遺伝的に改変されたヒト以外の動物が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、対象はヒトである。
【0034】
本明細書で使用される場合、「処置」は有益な又は望ましい臨床結果を得るためのアプローチである。本発明の目的に照らせば、有益な又は望ましい臨床結果として、新生若しくはがん性細胞の増殖を低下させること(若しくはそれを破壊すること)、新生細胞の転移を阻害すること、腫瘍のサイズを縮小若しくは減少させること、悪性腫瘍の寛解、悪性腫瘍に起因する症状を減少させること、悪性腫瘍に罹患した者の生活の質を向上させること、悪性腫瘍を処置するのに必要とされるその他の医薬品の用量を減少させること、悪性腫瘍の進行を遅延させること、悪性腫瘍を治癒させること、及び/又は悪性腫瘍を有する患者の生存期間を延長すること、のうちの1つ又は複数が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される場合、細菌、医薬、又は医薬組成物の「有効量」又は「有効用量」は、任意の1つ又は複数の有益な又は望ましい結果に影響を及ぼすのに十分な量である。予防用途の場合、有益な又は望ましい結果として、リスクを除去するか又は低下させること、重症度を低減すること、或いは疾患(疾患の生化学的、組織学的症状、及び/又は行動症状、疾患の発症期間中に現れるその合併症及び中間的な病理学的表現型を含む)の発症を遅延させることが挙げられる。治療用途の場合、有益な又は望ましい結果として、例えば腫瘍等の疾患の1つ又は複数の症状を低下させること、疾患を処置するのに必要とされるその他の医薬品の用量を減少させること、別の医薬品の効果を増強すること、及び/又は患者内のがんの進行を遅延させること等が挙げられる。例えば、「有効量」は、好ましくは、未処置の対象と比較して、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、細胞増殖又は腫瘍増殖を阻害する。化合物が腫瘍増殖を阻害する能力は、ヒト腫瘍における有効性について予測的な動物モデル系において評価可能である。或いは、組成物のこの特質は、化合物の阻害能力を調べることにより評価可能であり、アッセイによるin vitroでのそのような阻害は当業者にとって公知である。治療有効量の治療用化合物は、対象における腫瘍サイズを減少させ、さもなければ症状を良化させることができる。当業者は、対象のサイズ、対象の症状の重症度、及び特定の組成物、又は選択された投与経路等の要因に基づき、そのような量を決定することができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、有効成分と組み合わされたとき、成分が生物学的活性を保持するのを可能にし、そして対象の免疫系とは非反応性である任意の材料を含み、崩壊剤、接着剤、充填剤、バッファー、張力剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、又は潤滑剤が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄、又は上皮投与に適する(例えば、注射又は輸液による)。投与経路に応じて、本発明の細菌は、酸の作用及び細菌を不活性化するおそれのあるその他の自然条件から化合物を保護するために、材料内にコーティングされ得る。薬学的に許容される担体として、通常生理食塩溶液、PBSバッファー、滅菌水溶液又は分散物、及び滅菌注射液又は分散物を即時調製するための滅菌粉末物が挙げられる。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来型の媒体又は薬剤が活性な化合物に不適合である場合を除き、本発明の医薬組成物におけるその使用が想定される。
【0037】
改変された細菌
本発明は、細菌が、非改変型開始株と比較して、低酸素制御型必須遺伝子発現カセットを含む、改変された細菌を提供する。1つの実施形態では、必須遺伝子発現カセットは、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む。1つの実施形態では、細菌は、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している。1つの実施形態では、細菌は、マクロファージ内で生存するのに必要とされる少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している。1つの実施形態では、細菌は野生型リポ多糖類(LPS)を発現する。
【0038】
1つの実施形態では、偏性低酸素誘導プロモーターは、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される。好ましくは、偏性低酸素誘導プロモーターは、ssbp1プロモーターである。
【0039】
1つの実施形態では、必須遺伝子の発現産物は、細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与する。1つの実施形態では、好気条件下で培養される場合、細菌の増殖は、培地に添加される追加のDAP又はそのアナログに立脚する。1つの実施形態では、必須遺伝子は、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される。好ましくは、必須遺伝子はdapA及びdapEから選択される。好ましくは、dapEは、配列番号27に対して、少なくとも81%、好ましくは少なくとも82%、より好ましくは少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。好ましくは、dapEのヌクレオチド配列は配列番号27を含む。好ましくは、dapEのヌクレオチド配列は配列番号27から構成される。
【0040】
1つの実施形態では、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子は、HtrAセリンプロテアーゼファミリー遺伝子である。1つの実施形態では、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子の機能的発現産物は、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である。1つの実施形態では、細菌は、HtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している。1つの実施形態では、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子はhtrAである。1つの実施形態では、細菌はhtrAを欠損している。好ましくは、htrAは、配列番号28に対して、少なくとも81%、好ましくは少なくとも82%、より好ましくは少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。好ましくは、htrAのヌクレオチド配列は配列番号28を含む。好ましくは、htrAのヌクレオチド配列は配列番号28から構成される。
【0041】
1つの実施形態では、必須遺伝子は細菌染色体内に天然に存在する遺伝子である。1つの実施形態では、必須遺伝子の天然プロモーターは、偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わる。その結果、細菌内での必須遺伝子の発現は、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる。
【0042】
1つの実施形態では、必須遺伝子発現カセットは外因性である。1つの実施形態では、細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子は、欠失されるか又は機能的に不活性化される。その結果、細菌内での必須遺伝子の発現は、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる。1つの実施形態では、外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体内に組み込まれる。1つの実施形態では、外因性必須遺伝子発現カセットは細菌染色体の外部にある。1つの実施形態では、外因性必須遺伝子発現カセットは、細菌により担持されるプラスミド内に存在する。
【0043】
1つの実施形態では、改変された細菌はpH制御型発現カセットを更に含む。1つの実施形態では、改変された細菌は、非改変型開始株と比較して、低酸素制御型必須遺伝子発現カセット及びpH制御型発現カセットを含む。1つの実施形態では、pH制御型発現カセットは、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含む。本発明のいくつかの実施形態によれば、酸性pH条件下で活性であるプロモーターは、約pH4.0~7.0の範囲のpHにおいて活性である。いくつかの実施形態では、酸性pH条件下で活性であるプロモーターは、pH6.0±1においても活性である。いくつかの実施形態では、酸性pH条件下で活性であるプロモーターは、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、若しくは5.5より低い、又はこのような数値の任意の2つの間のpH値において活性である。1つの実施形態では、酸性pH条件下で活性であるプロモーターは、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される。1つの実施形態では、酸性pH条件下で活性であるプロモーターはsseAである。1つの実施形態では、細菌由来ヘモリジンタンパク質は、グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質である。1つの実施形態では、グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子は、hlyA又はhlyEである。1つの実施形態では、hlyA又はhlyEは、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、又は大腸菌(Escherichia coli)に由来する。好ましくは、hlyAは、配列番号29に対して、≧81%、好ましくは≧82%、より好ましくは≧83%、≧84%、≧85%、≧86%、≧87%、≧88%、≧89%、≧90%、≧91%、≧92%、≧93%、≧94%、≧95%、≧96%、≧97%、≧98%、又は最も好ましくは≧99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。好ましくは、hlyAのヌクレオチド配列は配列番号29を含む。好ましくは、htrAのヌクレオチド配列は配列番号29から構成される。
【0044】
1つの実施形態では、非改変型開始株は通性嫌気性細菌である。1つの実施形態では、細菌はエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)の細菌である。好ましくは、細菌は、大腸菌属、サルモネラ属、シゲラ属、クレブシエラ属、エルシニア属、シトロバクター属、エンテロバクター属(Enterobacter sp.)、セラチア属(Serratia sp.)、プロテウス属(Proteus sp.)、モルガネラ属(Morganella sp.)、プロビデンシア属(Providencia sp.)、ハフニア属(Hafnia sp.)、及びパントエア属(Pantoea sp.)に由来する細菌である。好ましくは、細菌は、大腸菌(E.coli)、エンテロバクター・ブラタエ(E.blattae)、エンテロバクター・フェルグソニイ(E.fergusonii)、エンテロバクター・ヘルマンニイ(E.hermannii)、エンテロバクター・ヴァルネリス(E.vulneris)、サルモネラ・エンテリカ(S.enterica)、サルモネラ・ボンゴリ(S.bongori)、腸チフス菌(S.typhi)、サルモネラ・コレラエスイス(S.choleraesuis)、サルモネラ・チフィムリウム(S.typhimurium)、シゲラ・ディセンテリアエ(S.dysenteriae)、シゲラ・フレクスネリ(S.flexneri)、シゲラ・ボイディイ(S.boydii)、シゲラ・ゾネイ(S.sonnei)、肺炎桿菌(K.pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ(K.oxytoca)、ペスト菌(Y.pestis)、腸炎エルシニア(Y.enterocolitica)、仮性結核菌(Y.pseudotuberculosis)、エルシニア・アルドヴァエ(Y.aldovae)、エルシニア・ベルコヴィエリ(Y.bercovieri)、エルシニア・フレデリクセニイ(Y.frederiksenii)、エルシニア・インテルメディア(Y.intermedia)、エルシニア・クリステルセニイ(Y.kristersenii)、エルシニア・モラレッティ(Y.mollaretti)、エルシニア・ローデイ(Y.rohdei)、エルシニア・ルッケリ(Y.ruckeri)、シトロバクター・フロインデイ(C.freundii)、シトロバクター・コセリ(C.koseri)、シトロバクター・ブラアキイ(C.braakii)、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)、エンテロバクター・クロアカエ(E.cloacae)、エンテロバクター・ゲルゴヴィアエ(E.gergoviae)、エンテロバクター・サカザキイ(E.sakazakii)、エンテロバクター・タイロラエ(E.taylorae)、エンテロバクター・アムニゲヌス(E.amnigenus)、エンテロバクター・インテルメディウス(E.intermedius)、エンテロバクター・アスブリアエ(E.asburiae)、エンテロバクター・カンセロゲヌス(E.cancerogenus)、エンテロバクター・ディソルヴェンス(E.dissolvens)、エンテロバクター・ニミプレスウラリス(E.nimipressuralis)、セラチア・マルセセンス(S.marcescens)、セラチア・エントモフィラ(S.entomophila)、セラチア・フィカリア(S.ficaria)、セラチア・フォンチコラ(S.fonticola)、セラチア・グリメシイ(S.grimesii)、セラチア・リクエファシエンス(S.liquefaciens)、セラチア・オドリフェラ(S.odorifera)、セラチア・プリムティカ(S.plymuthica)、セラチア・プロテアマキュランス(S.proteamaculans)、セラチア・ルビダエア(S.rubidaea)、セラチア・ウレイリチカ(S.ureilytica)、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)、プロテウス・ヴァルガリス(P.vulgaris)、プロテウス・ミクソファシエンス(P.myxofaciens)、プロテウス・ペンネリ(P.penneri)、プロテウス・ハウセリ(P.hauseri)、モルガネラ・モルガニイ(M.morganii)、プロビデンシア・アルカリファシエンス(P.alcalifaciens)、プロビデンシア・ルスティジアニイ(P.rustigianii)、プロビデンシア・スチュアーチイ(P.stuartii)、プロビデンシア・レットゲリ(P.rettgeri)、プロビデンシア・ヘイムバッカエ(P.heimbochae)、ハフニア・アルヴェイ(H.alvei)、及びパントエア・アグロメランス(P.agglomerans)からなる群から選択される。好ましくは、細菌は、サルモネラ・チフィムリウムの細菌である。好ましくは、開始株は、サルモネラ・チフィムリウムSL7207である。
【0045】
1つの実施形態では、細菌は、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖することができるが、正常組織では速やかに排除される。1つの実施形態では、細菌は、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍特異的免疫応答を誘発することができる。1つの実施形態では、細菌は、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍免疫メモリーを誘発することができる。
【0046】
1つの実施形態では、細菌は野生型フラゲリンを発現しない。1つの実施形態では、改変された細菌はfliC遺伝子を欠損している。
【0047】
1つの実施形態では、マクロファージ内での細菌の生存レベルは、非改変型開始株の生存レベルの約50%~約30%の範囲である。1つの実施形態では、マクロファージ内での細菌の生存レベルは、非改変型開始株の生存レベルの約30%~約10%の範囲である。好ましくは、マクロファージ内での細菌の生存レベルは、非改変型開始株の生存レベルの約10%~約1%の範囲である。
【0048】
医薬組成物
本発明は、有効量の本発明の改変された細菌を含む医薬組成物を提供する。1つの実施形態では、改変された細菌は生存細菌である。
【0049】
1つの実施形態では、医薬組成物は、悪性腫瘍を処置するのに使用される。1つの実施形態では、医薬組成物は、悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍特異的免疫応答を誘発するのに使用される。1つの実施形態では、医薬組成物は、悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍免疫メモリーを誘発するのに使用される。1つの実施形態では、医薬組成物は、悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するのに使用される。1つの実施形態では、医薬組成物は、これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を処置するのに使用される。
【0050】
1つの実施形態では、悪性腫瘍は、神経系、呼吸器系、消化器系、尿路系、生殖器系、造血系、リンパ系、内分泌系、又は皮膚粘膜由来の悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、悪性腫瘍は肉腫又はがんである。1つの実施形態では、悪性腫瘍は固形腫瘍である。1つの実施形態では、悪性腫瘍は、神経膠腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、鼻咽頭癌、口腔癌、舌癌、喉頭癌、頭頸部の癌、黒色腫、気管支の癌、肺癌、胸膜癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、膵癌、胆管癌、結腸直腸癌、直腸癌、腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、スプラレノーマ(suprarenoma)、甲状腺癌、副甲状腺癌、下垂体腫瘍、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、乳がん、骨がん、及び骨肉腫からなる群から選択される。
【0051】
1つの実施形態では、医薬組成物は薬学的に許容される担体を更に含む。
【0052】
処置方法及び使用
本発明は、悪性腫瘍を処置するための方法であって、有効量の本発明の改変された細菌又は本発明の医薬組成物を、悪性腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法を提供する。
【0053】
本発明は、悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍特異的免疫応答を誘発するための方法であって、有効量の本発明の改変された細菌又は本発明の医薬組成物を、悪性腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法を提供する。
【0054】
本発明は、悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍免疫メモリーを誘発するための方法であって、有効量の本発明の改変された細菌又は本発明の医薬組成物を、悪性腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法を提供する。
【0055】
本発明は、悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するための方法であって、有効量の本発明の改変された細菌又は本発明の医薬組成物を、悪性腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法を提供する。
【0056】
本発明は、悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するための方法であって、有効量の本発明の改変された細菌又は本発明の医薬組成物を、悪性腫瘍を有するか、又は悪性腫瘍の転移若しくは再発について高リスクに晒されている対象に投与するステップを含む方法を提供する。
【0057】
本発明は、これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を処置するための方法であって、有効量の本発明の改変された細菌又は本発明の医薬組成物を、これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法を提供する。
【0058】
本発明は、悪性腫瘍の処置する際に用いられる医薬の製造における、本発明の改変された細菌の使用を提供する。
【0059】
本発明は、悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍特異的免疫応答を誘発するための医薬の製造における、本発明の改変された細菌の使用を提供する。
【0060】
本発明は、悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍免疫メモリーを誘発するための医薬の製造における、本発明の改変された細菌の使用を提供する。
【0061】
本発明は、悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するための医薬の製造における、本発明の改変された細菌の使用を提供する。
【0062】
本発明は、これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を処置するため医薬の製造における、本発明の改変された細菌の使用を提供する。
【0063】
1つの実施形態では、改変された細菌は生存細菌である。
【0064】
1つの実施形態では、悪性腫瘍は、神経系、呼吸器系、消化器系、尿路系、生殖器系、造血系、リンパ系、内分泌系、又は皮膚粘膜由来の悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、悪性腫瘍は肉腫又はがんである。1つの実施形態では、悪性腫瘍は固形腫瘍である。1つの実施形態では、悪性腫瘍は、神経膠腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、鼻咽頭癌、口腔癌、舌癌、喉頭癌、頭頸部の癌、黒色腫、気管支の癌、肺癌、胸膜癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、膵癌、胆管癌、結腸直腸癌、直腸癌、腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、スプラレノーマ、甲状腺癌、副甲状腺癌、下垂体腫瘍、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、乳がん、骨がん、及び骨肉腫からなる群から選択される。
【0065】
1つの実施形態では、本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物は、静脈内、腫瘍内、筋肉内、皮下、腹腔内、経脳、胃腸、身体表面、口腔粘膜、経鼻、経直腸、又は経膣の各経路により投与される。1つの実施形態では、本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物は、静脈内、腫瘍内、筋肉内、皮下、腹腔内、経脳、胃腸、身体表面、口腔粘膜、経鼻、経直腸、又は経膣の各経路により投与される形態で製剤化され得る。
【0066】
1つの実施形態では、本発明の医薬又は医薬組成物の投与剤形は、例えば、溶液、エマルジョン、凍結乾燥調製物、又は懸濁物の形態であり得、経口投与のためには、投与剤形は、錠剤又はカプセルの形態であり得、鼻腔内投薬のためには、投与剤形は、粉末、ドロップ、又はエアロゾルの形態であり得、身体表面への投与のためには、投与剤形は、水溶液、懸濁物、軟膏、クリーム、又はゲルの形態であり得、直腸又は膣への投与のためには、投与剤形は、内視鏡手技又は結腸内視鏡手技の一環として送達される坐剤、浣腸であり得る。1つの実施形態では、医薬又は医薬組成物は、溶液、エマルジョン、凍結乾燥調製物、又は懸濁物の形態で製剤化され、経口投与のためには、医薬又は医薬組成物は、錠剤又はカプセルの形態で製剤化され得、鼻腔内剤型のためには、医薬又は医薬組成物は、粉末、点鼻剤、又はエアロゾルの形態で製剤化され得、身体表面投与のためには、医薬又は医薬組成物は、水溶液、懸濁物、軟膏、クリーム、又はゲルの形態で製剤化され得、直腸又は膣投与のためには、医薬又は医薬組成物は、内視鏡手技又は結腸内視鏡手技の一環として送達される坐剤、浣腸として製剤化され得る。投与剤形を調製するための当技術分野において公知の方法については、例えば、A.Gennaro(2000年、Mack Publishing Company,Inc.Easton,PA)により編纂された「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(第20版)を参照されたい。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物は、リスト化された数値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば1分~10分、1分~30分、1分~1時間、1分~2時間、1分~4時間、1分~12時間、1分~18時間、1分~1日、10分~30分、10分~1時間、10分~2時間、10分~4時間、10分~12時間、10分~18時間、10分~1日、30分~1時間、30分~2時間、30分~4時間、30分~12時間、30分~18時間、30分~1日、30分~2日間、1時間~2時間、1時間~4時間、1時間~12時間、1時間~18時間、1時間~1日、4時間~12時間、4時間~18時間、4時間~1日、1時間~2日、1時間~3日、1時間~4日、1時間~5日、1時間~7日、1時間~10日、2時間~3日、2時間~4日、2時間~5日、2時間~7日、2時間~10日、又は5日~10日を含む、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、又は10日を含むが、これらに限定されない様々な間隔で投与され得る。いくつかの実施形態では、細菌、医薬、又は医薬組成物は、週1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、15週間に1回、20週間に1回、25週間に1回、又は26週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物は、リスト化された数値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば1分~10分、1分~30分、1分~1時間、1分~2時間、1分~4時間、1分~12時間、1分~18時間、1分~1日、10分~30分、10分~1時間、10分~2時間、10分~4時間、10分~12時間、10分~18時間、10分~1日、30分~1時間、30分~2時間、30分~4時間、30分~12時間、30分~18時間、30分~1日、30分~2日間、1時間~2時間、1時間~4時間、1時間~12時間、1時間~18時間、1時間~1日、4時間~12時間、4時間~18時間、4時間~1日、1時間~2日、1時間~3日、1時間~4日、1時間~5日、1時間~7日、1時間~10日、2時間~3日、2時間~4日、2時間~5日、2時間~7日、2時間~10日、又は5日間~10日を含む、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、又は10日を含むが、これらに限定されない様々な間隔で投与されるように製剤化され得る。いくつかの実施形態では、細菌、医薬、又は医薬組成物は、週1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、15週間に1回、20週間に1回、25週間に1回、又は26週間に1回投与されるように製剤化される。投与レジメンは、専門家により達成されると予想される薬物動態学的減衰パターンに依存し得る。療法の進行は、慣例的な技術及びアッセイ法によりモニタリングされ得る。投与レジメンは長期間にわたり変化する可能性がある。
【0068】
いくつかの実施形態では、医薬又は医薬組成物内の細菌の有効量は、リスト化された数値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば104~108cfu、104~109cfu、104~1010cfu、104~1011cfu、104~1012cfu、104~1012cfu、105~108cfu、105~109cfu、105~1010cfu、105~1011cfu、105~1012cfu、105~1012cfu、106~108cfu、106~109cfu、106~1010cfu、106~1011cfu、106~1012cfu、106~1012cfu、107~108cfu、107~109cfu、107~1010cfu、107~1011cfu、107~1012cfu、107~1012cfu、108~109cfu、108~1010cfu、108~1011cfu、108~1012cfu、又は108~1012cfu等を含む、少なくとも約104コロニー形成単位(cfu)、例えば少なくとも約104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、又は1013cfuを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、有効用量の本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物の容積は、約3mL、約2.5mL、約2mL、約1.5mL、約1mL、約0.75mL、約0.5mL、約0.25mL、又は約0.1mL未満であるか又はそれに等しい。いくつかの実施形態では、有効用量の細菌、医薬、又は医薬組成物の容積は、約20mL、約19mL、約18mL、約17mL、約16mL、約15mL、約14mL、約13mL、約12mL、約11mL、約10mL、約9mL、約8mL、約7mL、約6mL、約5mL、約4mL、約3mL、約2mL、又は約1mLである。或いは、有効用量の細菌、医薬、又は医薬組成物の容積は、約20.5mL、約19.5mL、約18.5mL、約17.5mL、約16.5mL、約15.5mL、約14.5mL、約13.5mL、約12.5mL、約11.5mL、約10.5mL、約9.5mL、約8.5mL、約7.5mL、約6.5mL、約5.5mL、約4.5mL、約3.5mL、約2.5mL、約1.5mL、又は約0.5mLである。いくつかの実施形態では、有効用量の細菌、医薬、又は医薬組成物の容積は、約200mL、約190mL、約180mL、約170mL、約160mL、約150mL、約140mL、約130mL、約120mL、約110mL、約100mL、約90mL、約80mL、約70mL、約60mL、約50mL、約40mL、又は約30mL、並びにリスト化された数値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば100mL~110mL、100mL~120mL、90mL~120mL、90mL~130mLである。或いは、有効用量の細菌、医薬、又は医薬組成物の容積は、約205mL、約195mL、約185mL、約175mL、約165mL、約155mL、約145mL、約135mL、約125mL、約115mL、約105mL、約95mL、約85mL、約75mL、約65mL、約55mL、約45mL、約35mL、又は約25mL、並びにリスト化された数値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば105mL~115mL、105mL~125mL、95mL~125mL、95mL~135mLである。或いは、有効用量の細菌、医薬、又は医薬組成物の容積は、約900マイクロリットル、約800マイクロリットル、約700マイクロリットル、約600マイクロリットル、約500マイクロリットル、約400マイクロリットル、約300マイクロリットル、約200マイクロリットル、又は約100マイクロリットル、任意選択的に約950マイクロリットル、約850マイクロリットル、約750マイクロリットル、約650マイクロリットル、約550マイクロリットル、約450マイクロリットル、約350マイクロリットル、約250マイクロリットル、約150マイクロリットル、又は約50マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、有効用量の細菌、医薬、又は医薬組成物の容積は、約2.0mL未満であるか又はそれに等しい。
【0070】
例えば医薬又は医薬組成物中の本発明の細菌濃度は、リスト化された数値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば103~108cfu/mL、103~109cfu/mL、103~1010cfu/mL、103~1011cfu/mL、103~1012cfu/mL、103~1013cfu/mL、104~108cfu/mL、104~109cfu/mL、104~1010cfu/mL、104~1011cfu/mL、104~1012cfu/mL、104~1013cfu/mL、105~108cfu/mL、105~109cfu/mL、105~1010cfu/mL、105~1011cfu/mL、105~1012cfu/mL、105~1013cfu/mL、106~108cfu/mL、106~109cfu/mL、106~1010cfu/mL、106~1011cfu/mL、106~1012cfu/mL、106~1013cfu/mL、107~108cfu/mL、107~109cfu/mL、107~1010cfu/mL、107~1011cfu/mL、107~1012cfu/mL、107~1013cfu/mL、108~109cfu/mL、108~1010cfu/mL、108~1011cfu/mL、108~1012cfu/mL、又は108~1013cfu/mLを含む、少なくとも約103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、又は1013cfu/mLであり得る。例えば、医薬又は医薬組成物中の本発明の細菌濃度は、リスト化された数値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば103~108cfu/g、103~109cfu/g、103~1010cfu/g、103~1011cfu/g、103~1012cfu/g、103~1013cfu/g、104~108cfu/g、104~109cfu/g、104~1010cfu/g、104~1011cfu/g、104~1012cfu/g、104~1013cfu/g、105~108cfu/g、105~109cfu/g、105~1010cfu/g、105~1011cfu/g、105~1012cfu/g、105~1013cfu/g、106~108cfu/g、106~109cfu/g、106~1010cfu/g、106~1011cfu/g、106~1012cfu/g、106~1013cfu/g、107~108cfu/g、107~109cfu/g、107~1010cfu/g、107~1011cfu/g、107~1012cfu/g、107~1013cfu/g、108~109cfu/g、108~1010cfu/g、108~1011cfu/g、108~1012cfu/g、又は108~1013cfu/gを含む、少なくとも約103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、又は1013cfu/gであり得る。
【0071】
本明細書に記載される投薬量の範囲は例示に過ぎず、医師により選択され得る投薬量の範囲を制限しない。本発明の医薬組成物内の活性化合物(例えば、本発明の細菌)の量は、悪性腫瘍の有無、処置される悪性腫瘍のタイプ及び重症度、細菌、医薬、又は医薬組成物の活性又は生存率、投与経路、処置期間、もしあれば、細菌、医薬、又は医薬組成物と組み合わせて使用される医薬、対象の食習慣及び全身健康状態、並びに当技術分野において周知の類似した要因を含む、いくつかの要因、例えば疾患状態、年齢、性別、及び個体の重量等に基づき変化し得る。投与レジメンが最適な治療応答を実現するために調整され得る。例えば、単回用量が投与される場合もあれば、いくつかの分割された用量が長期的に投与される場合もあり、又は用量は治療状況の緊急性が示すところにより比例的に増減し得る。
【0072】
本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物は、当技術分野において周知の方法、例えば、とりわけ、発酵槽内での微生物の増殖、それに後続する濃縮及び遠心分離による洗浄、濾過又は透析、従来式の造粒、混合、溶解、カプセル化、真空凍結乾燥、又は乳化プロセス等により製造され得る。本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物は、顆粒、析出物、又は粒子状物質、粉末を含む様々な形態で製造され得るが、そのような形態として、凍結乾燥、ロータリー乾燥、又はスプレー乾燥された粉末、非結晶性粉末、注射剤、エマルジョン、エリキシル剤、懸濁物、又は溶液が挙げられる。製剤は、任意選択的に、安定剤、pH改変因子、界面活性剤、バイオアベイラビリティー改変因子、及びこれらを組み合わせたものを含有し得る。
【0073】
1つの実施形態では、本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物は、担体の存在下において、単独で又はその他の化合物若しくは組成物と組み合わせて投与され得る。1つの実施形態では、細菌、医薬、又は医薬組成物は、放射線療法、化学療法、及び手術を含むが、これらに限定されないその他の悪性腫瘍療法と組み合わせて投与され得る。細菌、医薬、又は医薬組成物は、そのような場合には、療法におけるアジュバントとして使用され得る。したがって、実施形態の別の態様は、放射線療法や化学療法から選択される悪性腫瘍療法においてアジュバントとして使用するための細菌、医薬、又は医薬組成物に関する。
【0074】
例示的実施形態
実施形態A
実施形態A1:細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌。
【0075】
実施形態A2:偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される、実施形態A1に記載の改変された細菌。
【0076】
実施形態A3:偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、実施形態A1に記載の改変された細菌。
【0077】
実施形態A4:必須遺伝子の発現産物が、細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存する、先行する実施形態Aのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0078】
実施形態A5:必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される、実施形態A4に記載の改変された細菌。
【0079】
実施形態A6:必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、実施形態A4に記載の改変された細菌。
【0080】
実施形態A7:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子が、HtrAセリンプロテアーゼファミリー遺伝子である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0081】
実施形態A8:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0082】
実施形態A9:細菌がHtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0083】
実施形態A10:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子がhtrAである、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0084】
実施形態A11:細菌がhtrAを欠損している、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0085】
実施形態A12:必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、必須遺伝子の天然プロモーターが偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態A1~A11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0086】
実施形態A13:必須遺伝子発現カセットが外因性であり、細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態A1~A11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0087】
実施形態A14:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体中に組み込まれている、実施形態A13に記載の改変された細菌。
【0088】
実施形態A15:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体の外部にある、実施形態A13に記載の改変された細菌。
【0089】
実施形態A16:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌により担持されるプラスミド内に存在する、実施形態A15に記載の改変された細菌。
【0090】
実施形態A17:pH制御型発現カセットを更に含み、pH制御型発現カセットが、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含む、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0091】
実施形態A18:細菌由来のヘモリジンタンパク質がグラム陰性細菌のヘモリジンタンパク質である、実施形態A17に記載の改変された細菌。
【0092】
実施形態A19:グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子がhlyA又はhlyEである、実施形態A18に記載の改変された細菌。
【0093】
実施形態A20:hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス、ビブリオ・コレラ、又は大腸菌に由来する、実施形態A19に記載の改変された細菌。
【0094】
実施形態A21:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性である、実施形態A17~A20のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0095】
実施形態A22:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される、実施形態A17~A21のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0096】
実施形態A23:酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、実施形態A17~A21のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0097】
実施形態A24:非改変型開始株が通性嫌気性細菌である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0098】
実施形態A25:細菌がエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)の細菌である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0099】
実施形態A26:細菌が、大腸菌(Escherichia)属、サルモネラ(Salmonella)属、シゲラ(Shigella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エルシニア(Yersinia)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、プロテウス(Proteus)属、モルガネラ(Morganella)属、プロビデンシア(Providencia)属、ハフニア(Hafnia)属、及びパントエア(Pantoea)属の細菌である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0100】
実施形態A27:細菌が、大腸菌、エンテロバクター・ブラタエ、エンテロバクター・フェルグソニイ、エンテロバクター・ヘルマンニイ、エンテロバクター・ヴァルネリス、サルモネラ・エンテリカ、サルモネラ・ボンゴリ、腸チフス菌、サルモネラ・コレラエスイス、サルモネラ・チフィムリウム、シゲラ・ディセンテリアエ、シゲラ・フレクスネリ、シゲラ・ボイディイ、シゲラ・ゾネイ、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、ペスト菌、腸炎エルシニア、仮性結核菌、エルシニア・アルドヴァエ、エルシニア・ベルコヴィエリ、エルシニア・フレデリクセニイ、エルシニア・インテルメディア、エルシニア・クリステルセニイ、エルシニア・モラレッティ、エルシニア・ローデイ、エルシニア・ルッケリ、シトロバクター・フロインデイ、シトロバクター・コセリ、シトロバクター・ブラアキイ、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・ゲルゴヴィアエ、エンテロバクター・サカザキイ、エンテロバクター・タイロラエ、エンテロバクター・アムニゲヌス(、エンテロバクター・インテルメディウス、エンテロバクター・アスブリアエ、エンテロバクター・カンセロゲヌス、エンテロバクター・ディソルヴェンス、エンテロバクター・ニミプレスウラリス、セラチア・マルセセンス、セラチア・エントモフィラ、セラチア・フィカリア、セラチア・フォンチコラ、セラチア・グリメシイ、セラチア・リクエファシエンス、セラチア・オドリフェラ、セラチア・プリムティカ、セラチア・プロテアマキュランス、セラチア・ルビダエア、セラチア・ウレイリチカ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ヴァルガリス、プロテウス・ミクソファシエンス、プロテウス・ペンネリ、プロテウス・ハウセリ、モルガネラ・モルガニイ、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・ルスティジアニイ、プロビデンシア・スチュアーチイ、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・ヘイムバッカエ、ハフニア・アルヴェイ、及びパントエア・アグロメランスからなる群から選択される、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0101】
実施形態A28:細菌がサルモネラ・チフィムリウムの細菌である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0102】
実施形態A29:開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、実施形態A28に記載の改変された細菌。
【0103】
実施形態A30:細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現する、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0104】
実施形態A31:細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有し、正常組織では速やかに排除される、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0105】
実施形態A32:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、悪性腫瘍の増殖を阻害する能力を有する、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0106】
実施形態A33:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍特異的免疫応答を誘発する能力を有する、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0107】
実施形態A34:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍免疫メモリーを誘発する能力を有する、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0108】
実施形態A35:野生型フラゲリンを発現しない、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0109】
実施形態A36:fliC遺伝子を欠損している、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0110】
実施形態A37:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約50%~約30%の範囲である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0111】
実施形態A38:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約30%~約10%の範囲である、実施形態A1~A36のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0112】
実施形態A39:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約10%~約1%の範囲である、実施形態A1~A36のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0113】
実施形態B
実施形態B1:細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に、細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌。
【0114】
実施形態B2:偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される、実施形態B1に記載の改変された細菌。
【0115】
実施形態B3:偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、実施形態B1に記載の改変された細菌。
【0116】
実施形態B4:必須遺伝子の発現産物が、細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存する、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0117】
実施形態B5:必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される、実施形態B4に記載の改変された細菌。
【0118】
実施形態B6:必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、実施形態B4に記載の改変された細菌。
【0119】
実施形態B7:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子が、HtrAセリンプロテアーゼファミリー遺伝子である、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0120】
実施形態B8:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0121】
実施形態B9:細菌がHtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0122】
実施形態B10:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子がhtrAである、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0123】
実施形態B11:細菌がhtrAを欠損している、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0124】
実施形態B12:必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、必須遺伝子の天然プロモーターが偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態B1~B11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0125】
実施形態B13:必須遺伝子発現カセットが外因性であり、細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態B1~B11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0126】
実施形態B14:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体中に組み込まれている、実施形態B13に記載の改変された細菌。
【0127】
実施形態B15:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体の外部にある、実施形態B13に記載の改変された細菌。
【0128】
実施形態B16:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌により担持されるプラスミド内に存在する、実施形態B15に記載の改変された細菌。
【0129】
実施形態B17:細菌由来のヘモリジンタンパク質がグラム陰性菌のヘモリジンタンパク質である、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0130】
実施形態B18:グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子がhlyA又はhlyEである、実施形態B17に記載の改変された細菌。
【0131】
実施形態B19:hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス、ビブリオ・コレラ、又は大腸菌に由来する、実施形態B18に記載の改変された細菌。
【0132】
実施形態B20:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性である、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0133】
実施形態B21:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0134】
実施形態B22:酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0135】
実施形態B23:非改変型開始株が通性嫌気性細菌である、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0136】
実施形態B24:細菌がエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)の細菌である、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0137】
実施形態B25:細菌が、大腸菌(Escherichia)属、サルモネラ(Salmonella)属、シゲラ(Shigella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エルシニア(Yersinia)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、プロテウス(Proteus)属、モルガネラ(Morganella)属、プロビデンシア(Providencia)属、ハフニア(Hafnia)属、及びパントエア(Pantoea)属の細菌である、実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0138】
実施形態B26:細菌が、大腸菌、エンテロバクター・ブラタエ、エンテロバクター・フェルグソニイ、エンテロバクター・ヘルマンニイ、エンテロバクター・ヴァルネリス、サルモネラ・エンテリカ、サルモネラ・ボンゴリ、腸チフス菌、サルモネラ・コレラエスイス、サルモネラ・チフィムリウム、シゲラ・ディセンテリアエ、シゲラ・フレクスネリ、シゲラ・ボイディイ、シゲラ・ゾネイ、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、ペスト菌、腸炎エルシニア、仮性結核菌、エルシニア・アルドヴァエ、エルシニア・ベルコヴィエリ、エルシニア・フレデリクセニイ、エルシニア・インテルメディア、エルシニア・クリステルセニイ、エルシニア・モラレッティ、エルシニア・ローデイ、エルシニア・ルッケリ、シトロバクター・フロインデイ、シトロバクター・コセリ、シトロバクター・ブラアキイ、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・ゲルゴヴィアエ、エンテロバクター・サカザキイ、エンテロバクター・タイロラエ、エンテロバクター・アムニゲヌス、エンテロバクター・インテルメディウス、エンテロバクター・アスブリアエ、エンテロバクター・カンセロゲヌス、エンテロバクター・ディソルヴェンス、エンテロバクター・ニミプレスウラリス、セラチア・マルセセンス、セラチア・エントモフィラ、セラチア・フィカリア、セラチア・フォンチコラ、セラチア・グリメシイ、セラチア・リクエファシエンス、セラチア・オドリフェラ、セラチア・プリムティカ、セラチア・プロテアマキュランス、セラチア・ルビダエア、セラチア・ウレイリチカ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ヴァルガリス、プロテウス・ミクソファシエンス、プロテウス・ペンネリ、プロテウス・ハウセリ、モルガネラ・モルガニイ、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・ルスティジアニイ、プロビデンシア・スチュアーチイ、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・ヘイムバッカエ、ハフニア・アルヴェイ、及びパントエア・アグロメランスからなる群から選択される、実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0139】
実施形態B27:細菌がサルモネラ・チフィムリウムの細菌である、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0140】
実施形態B28:開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、実施形態B27に記載の改変された細菌。
【0141】
実施形態B29:細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現する、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0142】
実施形態B30:細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有し、正常組織では速やかに排除される、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0143】
実施形態B31:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、悪性腫瘍の増殖を阻害する能力を有する、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0144】
実施形態B32:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍特異的免疫応答を誘発する能力を有する、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0145】
実施形態B33:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍免疫メモリーを誘発する能力を有する、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0146】
実施形態B34:野生型フラゲリンを発現しない、先行する実施形態Aのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0147】
実施形態B35:fliC遺伝子を欠損している、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0148】
実施形態B36:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約50%~約30%の範囲である、先行する実施形態Bのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0149】
実施形態B37:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約30%~約10%の範囲である、実施形態B1~B35のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0150】
実施形態B38:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約10%~約1%の範囲である、実施形態B1~B35のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0151】
実施形態C
実施形態C1:細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に、細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、サルモネラ・チフィムリウムの改変された細菌。
【0152】
実施形態C2:偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される、実施形態C1に記載の改変された細菌。
【0153】
実施形態C3:偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、実施形態C1に記載の改変された細菌。
【0154】
実施形態C4:必須遺伝子の発現産物が、細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存する、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0155】
実施形態C5:必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される、実施形態C4に記載の改変された細菌。
【0156】
実施形態C6:必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、実施形態C4に記載の改変された細菌。
【0157】
実施形態C7:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子が、HtrAセリンプロテアーゼファミリー遺伝子である、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0158】
実施形態C8:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0159】
実施形態C9:細菌がHtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0160】
実施形態C10:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子がhtrAである、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0161】
実施形態C11:細菌がhtrAを欠損している、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0162】
実施形態C12:必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、必須遺伝子の天然プロモーターが偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態C1~C11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0163】
実施形態C13:必須遺伝子発現カセットが外因性であり、細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態C1~C11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0164】
実施形態C14:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体中に組み込まれている、実施形態C13に記載の改変された細菌。
【0165】
実施形態C15:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体の外部にある、実施形態C13に記載の改変された細菌。
【0166】
実施形態C16:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌により担持されるプラスミド内に存在する、実施形態C15に記載の改変された細菌。
【0167】
実施形態C17:細菌由来のヘモリジンタンパク質がグラム陰性菌のヘモリジンタンパク質である、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0168】
実施形態C18:グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子がhlyA又はhlyEである、実施形態C17に記載の改変された細菌。
【0169】
実施形態C19:hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス、ビブリオ・コレラ、又は大腸菌に由来する、実施形態C18に記載の改変された細菌。
【0170】
実施形態C20:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性である、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0171】
実施形態C21:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0172】
実施形態C22:酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0173】
実施形態C23:非改変型開始株が通性嫌気性細菌である、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0174】
実施形態C24:開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0175】
実施形態C25:細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現する、実施形態C1~C24のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0176】
実施形態C26:細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有するが、正常組織では速やかに排除される、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0177】
実施形態C27:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、悪性腫瘍の増殖を阻害する能力を有する、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0178】
実施形態C28:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍特異的免疫応答を誘発する能力を有する、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0179】
実施形態C29:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍免疫メモリーを誘発する能力を有する、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0180】
実施形態C30:野生型フラゲリンを発現しない、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0181】
実施形態C31:fliC遺伝子を欠損している、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0182】
実施形態C32:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約50%~約30%の範囲である、先行する実施形態Cのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0183】
実施形態C33:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約30%~約10%の範囲である、実施形態C1~C31のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0184】
実施形態C34:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約10%~約1%の範囲である、実施形態C1~C31のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0185】
実施形態D
実施形態D1:細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットを含み、細菌が、非改変型開始株と比較して、マクロファージ内で生存するのに必要とされる少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌。
【0186】
実施形態D2:偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される、実施形態D1に記載の改変された細菌。
【0187】
実施形態D3:偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、実施形態D1に記載の改変された細菌。
【0188】
実施形態D4:必須遺伝子の発現産物が、細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存する、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0189】
実施形態D5:必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される、実施形態D4に記載の改変された細菌。
【0190】
実施形態D6:必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、実施形態D4に記載の改変された細菌。
【0191】
実施形態D7:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子が、STM3120、STM3119、slyA、sifA、SPI-2、phoP、又はhtrA遺伝子である、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0192】
実施形態D8:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0193】
実施形態D9:細菌がHtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0194】
実施形態D10:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子がhtrAである、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0195】
実施形態D11:細菌がhtrAを欠損している、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0196】
実施形態D12:必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、必須遺伝子の天然プロモーターが偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態D1~D11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0197】
実施形態D13:必須遺伝子発現カセットが外因性であり、細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態D1~D11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0198】
実施形態D14:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体中に組み込まれている、実施形態D13に記載の改変された細菌。
【0199】
実施形態D15:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体の外部にある、実施形態D13に記載の改変された細菌。
【0200】
実施形態D16:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌により担持されるプラスミド内に存在する、実施形態D15に記載の改変された細菌。
【0201】
実施形態D17:pH制御型発現カセットを更に含み、pH制御型発現カセットが、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含む、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0202】
実施形態D18:細菌由来のヘモリジンタンパク質がグラム陰性菌のヘモリジンタンパク質である、実施形態D17に記載の改変された細菌。
【0203】
実施形態D19:グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子がhlyA又はhlyEである、実施形態D18に記載の改変された細菌。
【0204】
実施形態D20:hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス、ビブリオ・コレラ、又は大腸菌に由来する、実施形態D19に記載の改変された細菌。
【0205】
実施形態D21:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性である、実施形態D17~D20のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0206】
実施形態D22:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される、実施形態D17~D21のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0207】
実施形態D23:酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、実施形態D17~D21のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0208】
実施形態D24:非改変型開始株が通性嫌気性細菌である、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0209】
実施形態D25:細菌がエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)の細菌である、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0210】
実施形態D26:細菌が、大腸菌(Escherichia)属、サルモネラ(Salmonella)属、シゲラ(Shigella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エルシニア(Yersinia)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、プロテウス(Proteus)属、モルガネラ(Morganella)属、プロビデンシア(Providencia)属、ハフニア(Hafnia)属、及びパントエア(Pantoea)属の細菌である、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0211】
実施形態D27:細菌が、大腸菌、エンテロバクター・ブラタエ、エンテロバクター・フェルグソニイ、エンテロバクター・ヘルマンニイ、エンテロバクター・ヴァルネリス、サルモネラ・エンテリカ、サルモネラ・ボンゴリ、腸チフス菌、サルモネラ・コレラエスイス、サルモネラ・チフィムリウム、シゲラ・ディセンテリアエ、シゲラ・フレクスネリ、シゲラ・ボイディイ、シゲラ・ゾネイ、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、ペスト菌、腸炎エルシニア、仮性結核菌、エルシニア・アルドヴァエ(、エルシニア・ベルコヴィエリ、エルシニア・フレデリクセニイ、エルシニア・インテルメディア、エルシニア・クリステルセニイ、エルシニア・モラレッティ、エルシニア・ローデイ、エルシニア・ルッケリ、シトロバクター・フロインデイ、シトロバクター・コセリ、シトロバクター・ブラアキイ、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・ゲルゴヴィアエ、エンテロバクター・サカザキイ、エンテロバクター・タイロラエ、エンテロバクター・アムニゲヌス、エンテロバクター・インテルメディウス、エンテロバクター・アスブリアエ)、エンテロバクター・カンセロゲヌス、エンテロバクター・ディソルヴェンス、エンテロバクター・ニミプレスウラリス、セラチア・マルセセンス)、セラチア・エントモフィラ、セラチア・フィカリア、セラチア・フォンチコラ、セラチア・グリメシイ、セラチア・リクエファシエンス、セラチア・オドリフェラ、セラチア・プリムティカ、セラチア・プロテアマキュランス、セラチア・ルビダエア、セラチア・ウレイリチカ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ヴァルガリス、プロテウス・ミクソファシエンス、プロテウス・ペンネリ、プロテウス・ハウセリ、モルガネラ・モルガニイ、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・ルスティジアニイ、プロビデンシア・スチュアーチイ、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・ヘイムバッカエ、ハフニア・アルヴェイ、及びパントエア・アグロメランス(P.agglomerans)からなる群から選択される、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0212】
実施形態D28:細菌がサルモネラ・チフィムリウムの細菌である、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0213】
実施形態D29:開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、実施形態D28に記載の改変された細菌。
【0214】
実施形態D30:細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現する、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0215】
実施形態D31:細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有し、正常組織では速やかに排除される、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0216】
実施形態D32:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、悪性腫瘍の増殖を阻害する能力を有する、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0217】
実施形態D33:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍特異的免疫応答を誘発する能力を有する、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0218】
実施形態D34:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍免疫メモリーを誘発する能力を有する、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0219】
実施形態D35:野生型フラゲリンを発現しない、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0220】
実施形態D36:fliC遺伝子を欠損している、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0221】
実施形態D37:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約50%~約30%の範囲である、先行する実施形態Dのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0222】
実施形態D38:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約30%~約10%の範囲である、実施形態D1~D36のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0223】
実施形態D39:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約10%~約1%の範囲である、実施形態D1~D36のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0224】
実施形態E
実施形態E1:細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現し、非改変型開始株と比較して、マクロファージ内で生存するのに必要とされる少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌。
【0225】
実施形態E2:偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される、実施形態E1に記載の改変された細菌。
【0226】
実施形態E3:偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、実施形態E1に記載の改変された細菌。
【0227】
実施形態E4:必須遺伝子の発現産物が、細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存する、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0228】
実施形態E5:必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される、実施形態E4に記載の改変された細菌。
【0229】
実施形態E6:必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、実施形態E4に記載の改変された細菌。
【0230】
実施形態E7:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子が、STM3120、STM3119、slyA、sifA、SPI-2、phoP、又はhtrA遺伝子である、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0231】
実施形態E8:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0232】
実施形態E9:細菌がHtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0233】
実施形態E10:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子がhtrAである、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0234】
実施形態E11:細菌がhtrAを欠損している、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0235】
実施形態E12:必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、必須遺伝子の天然プロモーターが偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態E1~E11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0236】
実施形態E13:必須遺伝子発現カセットが外因性であり、細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態E1~E11のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0237】
実施形態E14:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体中に組み込まれている、実施形態E13に記載の改変された細菌。
【0238】
実施形態E15:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体の外部にある、実施形態E13に記載の改変された細菌。
【0239】
実施形態E16:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌により担持されるプラスミド内に存在する、実施形態E15に記載の改変された細菌。
【0240】
実施形態E17:細菌由来のヘモリジンタンパク質がグラム陰性菌のヘモリジンタンパク質である、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0241】
実施形態E18:グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子がhlyA又はhlyEである、実施形態E17に記載の改変された細菌。
【0242】
実施形態E19:hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス、ビブリオ・コレラ、又は大腸菌に由来する、実施形態E18に記載の改変された細菌。
【0243】
実施形態E20:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性である、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0244】
実施形態E21:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される、実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0245】
実施形態E22:酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0246】
実施形態E23:非改変型開始株が通性嫌気性細菌である、実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0247】
実施形態E24:細菌がエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)の細菌である、実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0248】
実施形態E25:細菌が、大腸菌(Escherichia)属、サルモネラ(Salmonella)属、シゲラ(Shigella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エルシニア(Yersinia)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、プロテウス(Proteus)属、モルガネラ(Morganella)属、プロビデンシア(Providencia)属、ハフニア(Hafnia)属、及びパントエア(Pantoea)属の細菌である、実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0249】
実施形態E26:細菌が、大腸菌、エンテロバクター・ブラタエ、エンテロバクター・フェルグソニイ、エンテロバクター・ヘルマンニイ、エンテロバクター・ヴァルネリス、サルモネラ・エンテリカ、サルモネラ・ボンゴリ、腸チフス菌、サルモネラ・コレラエスイス、サルモネラ・チフィムリウム、シゲラ・ディセンテリアエ、シゲラ・フレクスネリ、シゲラ・ボイディイ、シゲラ・ゾネイ、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、ペスト菌、腸炎エルシニア、仮性結核菌、エルシニア・アルドヴァエ、エルシニア・ベルコヴィエリ、エルシニア・フレデリクセニイ、エルシニア・インテルメディア、エルシニア・クリステルセニイ、エルシニア・モラレッティ、エルシニア・ローデイ、エルシニア・ルッケリ、シトロバクター・フロインデイ、シトロバクター・コセリ、シトロバクター・ブラアキイ、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・ゲルゴヴィアエ、エンテロバクター・サカザキイ、エンテロバクター・タイロラエ、エンテロバクター・アムニゲヌス、エンテロバクター・インテルメディウス、エンテロバクター・アスブリアエ、エンテロバクター・カンセロゲヌス、エンテロバクター・ディソルヴェンス、エンテロバクター・ニミプレスウラリス、セラチア・マルセセンス、セラチア・エントモフィラ、セラチア・フィカリア、セラチア・フォンチコラ、セラチア・グリメシイ、セラチア・リクエファシエンス、セラチア・オドリフェラ、セラチア・プリムティカ、セラチア・プロテアマキュランス、セラチア・ルビダエア、セラチア・ウレイリチカ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ヴァルガリス、プロテウス・ミクソファシエンス、プロテウス・ペンネリ、プロテウス・ハウセリ、モルガネラ・モルガニイ、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・ルスティジアニイ、プロビデンシア・スチュアーチイ、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・ヘイムバッカエ、ハフニア・アルヴェイ、及びパントエア・アグロメランスからなる群から選択される、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0250】
実施形態E27:細菌がサルモネラ・チフィムリウムの細菌である、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0251】
実施形態E28:開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、実施形態E27に記載の改変された細菌。
【0252】
実施形態E29:細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有し、正常組織では速やかに排除される、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0253】
実施形態E30:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、悪性腫瘍の増殖を阻害する能力を有する、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0254】
実施形態E31:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍特異的免疫応答を誘発する能力を有する、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0255】
実施形態E32:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍免疫メモリーを誘発する能力を有する、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0256】
実施形態E33:野生型フラゲリンを発現しない、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0257】
実施形態E34:fliC遺伝子を欠損している、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0258】
実施形態E35:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約50%~約30%の範囲である、先行する実施形態Eのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0259】
実施形態E36:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約30%~約10%の範囲である、実施形態E1~E34のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0260】
実施形態E37:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約10%~約1%の範囲である、実施形態E1~E34のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0261】
実施形態F
実施形態F1:細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットと、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に、細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含むpH制御型発現カセットとを含み、細菌が、野生型リポ多糖類(LPS)を発現し、非改変型開始株と比較して、マクロファージ内で生存するのに必要とされる少なくとも1つの遺伝子又は機能的発現産物を欠損している、サルモネラ・チフィムリウムの改変された細菌。
【0262】
実施形態F2:偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択される、実施形態F1に記載の改変された細菌。
【0263】
実施形態F3:偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、実施形態F1に記載の改変された細菌。
【0264】
実施形態F4:必須遺伝子の発現産物が、細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存する、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0265】
実施形態F5:必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択される、実施形態F4に記載の改変された細菌。
【0266】
実施形態F6:必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、実施形態F4に記載の改変された細菌。
【0267】
実施形態F7:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子が、STM3120、STM3119、slyA、sifA、SPI-2、phoP、又はhtrA遺伝子である、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0268】
実施形態F8:マクロファージ内で生存するのに必要とされる遺伝子が、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子である、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0269】
実施形態F9:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子が、HtrAセリンプロテアーゼファミリー遺伝子である、実施形態F8に記載の改変された細菌。
【0270】
実施形態F10:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、実施形態F9に記載の改変された細菌。
【0271】
実施形態F11:細菌がHtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、実施形態F9に記載の改変された細菌。
【0272】
実施形態F12:内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子がhtrAである、実施形態F9に記載の改変された細菌。
【0273】
実施形態F13:細菌がhtrAを欠損している、実施形態F9に記載の改変された細菌。
【0274】
実施形態F14:必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、必須遺伝子の天然プロモーターが偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態F1~F13のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0275】
実施形態F15:必須遺伝子発現カセットが外因性であり、細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって細菌内での必須遺伝子の発現が偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、実施形態F1~F13のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0276】
実施形態F16:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体中に組み込まれている、実施形態F15に記載の改変された細菌。
【0277】
実施形態F17:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌染色体の外部にある、実施形態F15に記載の改変された細菌。
【0278】
実施形態F18:外因性必須遺伝子発現カセットが細菌により担持されるプラスミド内に存在する、実施形態F17に記載の改変された細菌。
【0279】
実施形態F19:細菌由来のヘモリジンタンパク質がグラム陰性菌のヘモリジンタンパク質である、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0280】
実施形態F20:グラム陰性菌のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子がhlyA又はhlyEである、実施形態F19に記載の改変された細菌。
【0281】
実施形態F21:hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス、ビブリオ・コレラ、又は大腸菌に由来する、実施形態F20に記載の改変された細菌。
【0282】
実施形態F22:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性である、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0283】
実施形態F23:酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択される、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0284】
実施形態F24:酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0285】
実施形態F25:開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0286】
実施形態F26:細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有し、正常組織では速やかに排除される、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0287】
実施形態F27:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、悪性腫瘍の増殖を阻害する能力を有する、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0288】
実施形態F28:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍特異的免疫応答を誘発する能力を有する、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0289】
実施形態F29:細菌が、悪性腫瘍を有する対象に投与されると、抗腫瘍免疫メモリーを誘発する能力を有する、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0290】
実施形態F30:野生型フラゲリンを発現しない、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0291】
実施形態F31:fliC遺伝子を欠損している、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0292】
実施形態F32:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約50%~約30%の範囲である、先行する実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0293】
実施形態F33:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約30%~約10%の範囲である、実施形態F1~F31のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0294】
実施形態F34:マクロファージ内での細菌の生存レベルが、非改変型開始株の生存レベルの約10%~約1%の範囲である、実施形態F1~F31のうちのいずれか1つに記載の改変された細菌。
【0295】
実施形態K
実施形態K1:有効量の、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、又は実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌を含む医薬組成物。
【0296】
実施形態K2:悪性腫瘍を処置するのに使用される、実施形態K1に記載の医薬組成物。
【0297】
実施形態K3:悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍特異的免疫応答を誘発するのに使用される、実施形態K1に記載の医薬組成物。
【0298】
実施形態K4:悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍免疫メモリーを誘発するのに使用される、実施形態K1に記載の医薬組成物。
【0299】
実施形態K5:悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するのに使用される、実施形態K1に記載の医薬組成物。
【0300】
実施形態K6:これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を処置するのに使用される、実施形態K1に記載の医薬組成物。
【0301】
実施形態K7:改変された細菌が生存細菌である、実施形態K1~K6に記載の医薬組成物。
【0302】
実施形態L
実施形態L1:悪性腫瘍を処置するための方法であって、有効量の、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、若しくは実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌、又は先行する実施形態Gのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物を、悪性腫瘍に罹患している対象に投与するステップを含む方法。
【0303】
実施形態L2:悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍特異的免疫応答を誘発するための方法であって、有効量の、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、若しくは実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌、又は先行する実施形態Gのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法。
【0304】
実施形態L3:悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍免疫メモリーを誘発するための方法であって、有効量の、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、若しくは実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌、又は先行する実施形態Gのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法。
【0305】
実施形態L4:悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するための方法であって、有効量の、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、若しくは実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌、又は先行する実施形態Gのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物を、悪性腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法。
【0306】
実施形態L5:悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するための方法であって、有効量の、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、若しくは実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌、又は先行する実施形態Gのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物を、悪性腫瘍の転移又は再発を有するか又はそのリスクが高い対象に投与するステップを含む方法。
【0307】
実施形態L6:これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を処置するための方法であって、有効量の、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、若しくは実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌、又は先行する実施形態Gのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物を、これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法。
【0308】
実施形態L7:改変された細菌が生存細菌である、実施形態L1~L6の方法。
【0309】
実施形態M
実施形態M1:悪性腫瘍を処置するための医薬の製造における、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、又は実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌の使用。
【0310】
実施形態M2:悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍特異的免疫応答を誘発するための医薬の製造における、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、又は実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌の使用。
【0311】
実施形態M3:悪性腫瘍を有する対象において抗腫瘍免疫メモリーを誘発するための医薬の製造における、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、又は実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌の使用。
【0312】
実施形態M4:悪性腫瘍の転移又は再発を予防又は処置するための医薬の製造における、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、又は実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌の使用。
【0313】
実施形態M5:これまでの抗腫瘍療法に対して耐性であるか又はそれが不奏功であった悪性腫瘍を処置するための医薬の製造における、先行する実施形態A、実施形態B、実施形態C、実施形態D、実施形態E、又は実施形態Fのうちのいずれか1つに記載の改変された細菌の使用。
【0314】
実施形態M7:改変された細菌が生存細菌である、実施形態M1~M5に記載の使用。
【0315】
実施形態N
実施形態N1:悪性腫瘍が、神経系、呼吸器系、消化器系、尿路系、生殖器系、造血系、リンパ系、内分泌系、又は皮膚粘膜に由来する悪性腫瘍である、実施形態Kのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物、実施形態Lのうちのいずれか1つに記載の方法、又は実施形態Mのうちのいずれか1つに記載の使用。
【0316】
実施形態N2:悪性腫瘍が肉腫又はがんである、実施形態Kのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物、実施形態Lのうちのいずれか1つに記載の方法、又は実施形態Mのうちのいずれか1つに記載の使用。
【0317】
実施形態N3:悪性腫瘍が固形腫瘍である、実施形態Kのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物、実施形態Lのうちのいずれか1つに記載の方法、又は実施形態Mのうちのいずれか1つに記載の使用。
【0318】
実施形態N4:悪性腫瘍が、神経膠腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、鼻咽頭癌、口腔癌、舌癌、喉頭癌、頭頸部の癌、黒色腫、気管支の癌、肺癌、胸膜癌、食道癌、胃癌、肝細胞癌、膵癌、胆管癌、結腸直腸癌、直腸癌、腎細胞癌、膀胱癌、前立腺癌、スプラレノーマ、甲状腺癌、副甲状腺癌、下垂体腫瘍、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、乳がん、骨がん、及び骨肉腫からなる群から選択される、実施形態Kのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物、実施形態Lのうちのいずれか1つに記載の方法、又は実施形態Mのうちのいずれか1つに記載の使用。
【0319】
実施形態N5:本発明の細菌、医薬、又は医薬組成物が、静脈内、腫瘍内、筋肉内、皮下、腹腔内、経脳、胃腸、身体表面、口腔粘膜、経鼻、経直腸、又は経膣の各経路により投与される、実施形態Kのうちのいずれか1つに記載の医薬組成物、実施形態Lのうちのいずれか1つに記載の方法、又は実施形態Mのうちのいずれか1つに記載の使用。
【0320】
[実施例]
以下に記載の実施形態は、本発明のある特定の特性及び/又は実施形態を例証する実施例として用いられる。これらの実施形態は、本発明が、記載される特定の特性又は実施形態に限定されるものと解釈してはならない。
【0321】
実施例1:サルモネラ・チフィムリウムSL7207株の異なるバリアント株の構築
1.1 PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxpプラスミド(配列番号9)、及びPssbp1-dapE-Cmプラスミド(配列番号10)をテンプレートとして使用しながら、PCR増幅により望ましい断片を得た。PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxpの場合、下記のプライマー配列:フォワードプライマー TTCACAGAAAAGTGTTGCCCCCTTCCATGGCGGAAGGGGGACAAAGGTGAATTTGTCCTACTCAGGAGAGAGCGTTCA(配列番号11)、及びリバースプライマー TCTGACGTACACAGCAATTTTGCGTTACCTGTTAATCGAGATTGAAACACCGAAGAAAGGCCCACCCG(配列番号12)を使用し、Pssbp1-dapE-Cmの場合、下記のプライマー配列:フォワードプライマーTTGGTTTCAGTGAATCCCGTTATCAGCAGTTTTTTGATGAGGTGTAGTCTATTTGTCCTACTCAGGAGAGCG(配列番号13)、及びリバースプライマーCAATATTTTGCCAGCCAGTCCATGCTTATTTCCTCTTACCGGAACGCTCACGAAGAAAGGCCCACCCG(配列番号14)を使用したが、またアニーリング温度は55℃である。望ましい断片1は、PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxp(配列番号1)であり、また望ましい断片2はPssbp1-dapE-Cm(配列番号2)であった。
【0322】
1.2 λファージRedリコンビナーゼを含有するpSim6プラスミド(BioVector NTCC Inc.社:3574840)を、通性嫌気性サルモネラ株SL7207(NCBI:ASM1320710v1)に導入して、pSim6プラスミド含有SL7207株エレクトロコンピテント細胞SL7207(pSim6)を調製した。
【0323】
1.3 エレクトロポレーション法(E=18KV/cm)により、望ましい断片1をSL7207(pSim6)コンピテント細胞に導入した。λ-red相同的組換え法を使用して、SL7207ゲノム内のdapE遺伝子(細胞壁合成にとって必要不可欠なジアミノピメリン酸の合成を制御する)を、望ましい断片1と置き換えた。特に、pSim6プラスミド含有標的系統を30℃において培養し;リコンビナーゼ発現を42℃で15分間実施し;株SL7207を取得するために、50bpを含有する相同アームを、標的遺伝子座の上流及び下流のそれぞれから遠ざけて、相同的リコンビナーゼの影響下にあるPCRプライマーに付加することにより、相同的組換えプロセスを完了した(ΔdapE::PsseA-hlyA-KnaR)。
【0324】
1.4 P1ファージCreリコンビナーゼを含有するCreプラスミド(Gene Bridges社:A112)を、組換え用の株SL7207(ΔdapE::PsseA-hlyA-KnaR)に導入してカナマイシン耐性を取り除き、これによって株SL7207(ΔdapE::PsseA-hlyA)を取得した。
【0325】
1.5 pSim6プラスミドを株SL7207(ΔdapE::PsseA-hlyA)に導入して、SL7207(ΔdapE::PsseA-hlyA)(pSim6)エレクトロコンピテント細胞を調製した。
【0326】
1.6 エレクトロポレーション法(E=18KV/cm)により、望ましい断片2をSL7207(ΔdapE::PsseA-hlyA)(pSim6)エレクトロコンピテント細胞に導入した。λ-red相同的組換え法を使用しながら、SL7207ゲノム内のhtrA遺伝子(セリンプロテアーゼをコードする)(ΔdapE::PsseA-hlyA)を望ましい断片2と置き換えて、株DB-ZW1を取得した(同株は、htrA遺伝子を欠損しており、PsseAの制御下にhlyA遺伝子及び偏性低酸素誘導プロモーターPssbp1の制御下にdapE遺伝子を含有するSL7207株(ΔdapE::PsseA-hlyA;ΔhtrA::Pssbp1-dapE-Cm)であった)。
【0327】
1.7 60℃のアニーリング温度において、フォワードプライマーCAATATTTTGCCAGCCAGTCCATGCTTATTTCCTCTTACCGGAACGCTCAATTTGTCCTACTCAG(配列番号15)、及びリバースプライマーTTGGTTTCAGTGAATCCCGTTATCAGCAGTTTTTTGATGAGGTGTAGTCTCGAAGAAAGGCCCACCCG(配列番号16)を使用した、PdapE-dapE-loxp-KnaR-loxp PCR産物の調製。Pssbp1-dapE断片を置換するλ-red相同的組換え法を使用しながら、エレクトロポレーション法(E=18KV/cm)により、PdapE-dapE-loxp-KnaR-loxp PCR産物(配列番号4)をDB-ZW1(pSim6)コンピテント細胞内に移して、DB-ZW2株を取得した。DB-ZW2株は、htrA遺伝子を欠損しており、プロモーターPsseAの制御下にhlyA遺伝子、及びその天然プロモーターPdapEの制御下にdapE遺伝子を含有するSL7207株であった。
【0328】
1.8 55℃のアニーリング温度において、フォワードプライマーATGAAAAAAATAATGCTAGTTTTTATTACACTTATATTAGTTAGTCTACCGCCGATCATATTCAATAACCC(配列番号17)、及びリバースプライマーTTATTCGATTGGATTATCTACTTTATTACTATATTTCGGATAAAGCGTGGCTAGTGAACCTCTTCGAGGG(配列番号18)を使用した、loxp-KnaR-loxp PCR産物の調製。hlyA遺伝子を置換するλ-red相同的組換え法を使用しながら、エレクトロポレーション法(E=18KV/cm)により、loxp-KnaR-loxp PCR産物(配列番号3)をDB-ZW1(pSim6)コンピテント細胞内に移した。その結果、htrA遺伝子を欠損しており、偏性低酸素誘導プロモーターPssbp1の制御下にdapE遺伝子を含有するが、hlyA遺伝子を有さないSL7207株であるDB-ZW3株を得た。
【0329】
1.9 55℃のアニーリング温度において、フォワードプライマーGATAATGTATTCACAGGTTGCTCCGGGCTTGAAAAAGTTAAATGACATCCATTTGTCCTACTCAGGAGAGC(配列番号19)、及びリバースプライマーAAAAGGAACTTTTTACCTTTTCGCCTTCCCGTTTCGTTCAACTTAGTATACGAAGAAAGGCCCACCC(配列番号20)を使用した、PhtrA-htrA-loxp-aadA-loxp PCR産物の調製。λ-red相同的組換え法を使用しながら、エレクトロポレーション法(E=18KV/cm)により、PhtrA-htrA-loxp-aadA-loxp PCR産物(配列番号5)をDB-ZW1(pSim6)及びDB-ZW3(pSim6)コンピテント細胞内に移し、そしてattB部位を挿入して、株DB-ZW4及びDB-ZW5をそれぞれ構築した。とりわけ、DB-ZW4は、天然プロモーターの制御下にhtrA遺伝子、プロモーターPsseAの制御下にhlyA遺伝子、及びプロモーターPssbp1の制御下にdapE遺伝子を含有するSL7207株であり;DB-ZW5は、天然プロモーターの制御下にhtrA遺伝子、プロモーターPssbp1の制御下にdapE遺伝子を含有するが、hlyA遺伝子を有さないSL7207株であった。株構築スキームを
図1に示す。DB-ZW2、DB-ZW3、DB-ZW4、及びDB-ZW5株の構築の成功は、PCR電気泳動により確認した。
【0330】
実施例2:DB-ZW1及びDB-ZW2株の異なる細胞における増殖の特徴
DB-ZW1及びDB-ZW2を、嫌気及び好気条件の下、37℃においてLBブロス内でそれぞれ培養し、そしてそれらを0.2のOD
600まで増殖させたとき、細菌を5000rpmにおける遠心分離により収集し、PBSで洗浄した。次に、Qiagen RNA抽出キット(74106)を使用してRNAを抽出し、そして逆転写後に、RT-qPCRを使用して各株におけるdapEの発現を測定した。天然プロモーターを担持する株DB-ZW2と比較して、株DB-ZW1は、嫌気条件下でdapE遺伝子をより多く転写及び発現することが可能であったが、株DB-ZW1内でのdapE遺伝子の転写及び発現は、好気条件下で有意に低下した(
図2A)。一方、嫌気性遺伝子回路を内包するDB-ZW1株、及び嫌気性遺伝子回路を欠いているDB-ZW2株の増殖が好気条件下で観察された。DB-ZW1及びDB-ZW2を、好気条件下、37℃においてLBブロス内でそれぞれ培養し、その場合、DB-ZW1の培地には50μg/mLのDAPを添加した。0.2のOD
600まで培養したとき、両細菌を5000rpmにおける遠心分離により収集し、PBSで洗浄し、次に適する量の細菌溶液を採取し、そして2cmガラス底型ペトリ皿に添加し、そして顕微鏡下で観察するためにアガロースゲルパッドを用いてプレスした。約6時間インキュベートした後に、DB-ZW1株のすべての細菌細胞は溶解し、細菌は死滅した一方、嫌気性遺伝子回路を欠いているDB-ZW2株は、好気条件下で生存及び増殖可能であることが判明した(
図2B)。それに加えて、DB-ZW1株の2倍増加時間は、DAPが添加された好気性環境において、及び嫌気性環境において、およそ38分であることが更に測定された(
図2C)。上記結果より、嫌気性遺伝子回路は異なる酸素条件下で株の増殖を制御可能であることが示唆された。
【0331】
それに加えて、2.5×10
6個のRAW264.7マウスマクロファージ(ATCC番号:TIB-71)、又はMB49マウス膀胱がん細胞(Merck社 SCC148)を、細胞培養用の6ウェルプレートの各ウェルに添加し、細胞を接着させるために、それを37℃の5%CO
2インキュベーター内の完全培地(DMEM基本培地+10%ウシ胎仔血清+二重抗体)中で培養した。2つのウェルに由来する細胞をカウントし、そしてDB-ZW1及びDB-ZW3株(カウントした後、細菌を50μg/mLのDAPを含有するDMEM培地内で再懸濁した)を、細胞の数に基づき、50:1の感染比を用いてそれぞれ添加し、そして細菌が細胞内に進入するのを可能にするために15分間又は1時間同時培養した。その後、細胞をPBSで洗浄し、そして100μg/mLのゲンタマイシン及び50μg/mLのDAPを含有するDMEM基本培地を用いて1時間培養した。上清を除去し、そして細胞をPBSで洗浄した。細胞を収集した後、その膜を次に破断させ、そして播種により、細胞内の生存細菌の数を決定した。マクロファージ及び腫瘍細胞を使用することにより、pH制御型遺伝子回路PsseA-hlyAを内包するDB-ZW1株はマウスマクロファージ細胞株RAW264.7によってより速やかに排出されることが検証された一方、マウス膀胱がん細胞株MB49内では良好な増殖を示すことが検証された(
図3)。
【0332】
実施例3:異なるバリアント株のin vivo分布
3.1 C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、特定病原体フリー(SPF)環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がんの皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。
【0333】
3.2 腫瘍担持マウスを、7群(マウス3匹からそれぞれ構成される):PBS群、DB-ZW1群、DB-ZW2群、DB-ZW3群、DB-ZW4群、DB-ZW5群、及びSL7207群に分割した。腫瘍担持マウスの後者6群に、1×10
7CFUの細菌(125μLの容積)を、尾静脈を介して注射した。腫瘍担持マウスの正常組織及び臓器内の上記株の定量的分布をそれぞれ調べた。注射後14日目に、その他の群の株と比較して、DB-ZW1株のみが正常組織(
図4A)において速やかに排出され得る一方、腫瘍内では速やかに凝集し得ることが判明した(
図4B)。嫌気性制御型遺伝子回路Pssbp1-dapE又はpH制御型遺伝子回路PsseA-hlyAを喪失すること、又はhtrA遺伝子を含有することで、正常組織内でのDB-ZW1株の排出が減速する。
【0334】
実施例4:DB-ZW1バリアント株の構築
4.1 望ましい断片3、4及び5を、テンプレートとしてpBSKプラスミド(Addgene:#67504)、特に下記のもの:msbB-HR-loxp-KnaR-loxp(配列番号6、フォワードプライマー:AGGTAGTACAGGGTTTGTCAGCATAAAGCCTCTCTTACGAGAGGCTTTATGCCGATCATATTCAATAACCC(配列番号21);リバースプライマー:TCGCTACACTATTCACAATTCCTTTTCGCGTCAGCAGACCCTGGAAAAGCCTAGTGAACCTCTTCGAGGG(配列番号22);アニーリング温度:55℃);lpp-HR-loxp-KnaR-loxp(配列番号7、フォワードプライマー:CGGACAAAAAAATGGCGCACGATGTGCGCCATTTTATATTGTGCGTCAAAGCCGATCATATTCAATAACCC(配列番号23);リバースプライマー:AATACTTGTAACGCTACATGGAGATTAACTCAATCTAGAGGGTATTAATACTAGTGAACCTCTTCGAGGG(配列番号24);アニーリング温度:55℃);及びfliC-HR-loxp-KnaR-loxp(配列番号8、フォワードプライマー:GCTTTCGCTGCCTTGATTGTGTACCAC GTGTCGGTGAATCAATCGCCGGAGCCGATCATATTCAATAACCC(配列番号25);リバースプライマー:ACGGTGAGAAACCGTGGGCAACAGCCCAATAACATCAAGTTGTAATTGATCTAGTGAACCTCTTCGAGGG(配列番号26);アニーリング温度:55℃)を使用することにより、PCR増幅によって取得した。
【0335】
4.2 DB-ZW1株エレクトロコンピテント細胞を調製するために、エレクトロポレーション法によりpSim6プラスミドをDB-ZW1株内に移した。
【0336】
4.3 DB-ZW1(pSim6)エレクトロコンピテント細胞を調製するために、対数期まで培養したDB-ZW1(pSim6)細菌溶液を事前冷却した脱イオン水で2回洗浄し、次に同容積の10%グリセロールで1回洗浄し、最終的に10%グリセロール中に再懸濁し、そして対数期細菌溶液(各5mL)からエレクトロコンピテント細胞(100μL)を調製した。
【0337】
4.4 望ましい断片3、4及び5を、DB-ZW1(pSim6)エレクトロコンピテント細胞内にそれぞれ導入した。λ-red相同的組換え技術により、DB-ZW1ゲノム内のmsbB遺伝子(脂質アシルトランスフェラーゼをコードする、遺伝子ID:1253410)、lpp遺伝子(リポタンパク質をコードする、遺伝子ID:1252895)、及びfliC遺伝子(フラゲリンをコードする、遺伝子ID:1253480)を、望ましい断片3、4、及び5とそれぞれ置換して、株DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)、及びDB-ZW1(ΔfliC)を取得した。株DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)、及びDB-ZW1(ΔfliC)が、PCR電気泳動により確認されたように奏功的に構築された。
【0338】
実施例5:DB-ZW1バリアント株の抗がん効果
C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、SPF環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がんの皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。
【0339】
マウスを6群(マウス5匹からそれぞれ構成される):PBS群、DB-ZW1群、DB-ZW1(ΔmsbB)群、DB-ZW1(Δlpp)群、DB-ZW1(ΔfliC)群、及びSL7207群に分割し、そして腫瘍担持マウスの後者5群に、1×107CFUの細菌(125μL)を、尾静脈注射によりイノキュレーションした。腫瘍担持マウスの正常組織及び腫瘍内の上記株の分布、腫瘍容積の変化、及びマウスの重量変化及び生存率を検出した。
【0340】
5.1 腫瘍担持マウス内細菌分布:株DB-ZW1、DB-ZW1(ΔmsbB)、DB-ZW1(Δlpp)、DB-ZW1(ΔfliC)を注射してから14日後に、正常組織内のすべての細菌は実質的に完全に排出された一方、腫瘍内の細菌の数は1×10
8CFU/gに達した(
図5)。
【0341】
5.2 腫瘍容積の変化:PBS注射を用いて処置されたコントロール群と比較して、DB-ZW1株は、マウスの腫瘍容積を有意に低下させ、そして生存率を有意に増加させたが、DB-ZW1-ΔmsbB及びDB-ZW1-Δlppの治療効果はDB-ZW1の治療効果よりも有意に低かった一方、フラゲリン欠損DB-ZW1-ΔfliCの治療効果はDB-ZW1の治療効果に匹敵し(
図6A)、またSL7207群は死亡する前の腫瘍容積において有意な低下を示した。
【0342】
5.3 マウスの体重変化:DB-ZW1群及びDB-ZW1-ΔfliC群のマウスの体重変化は、一過性の減少とそれに後続する安定化及びリバウンドといった類似した傾向を示した。DB-ZW1-ΔmsbB及びDB-ZW1-Δlpp群の体重減少量はDB-ZW1及びDB-ZW1-ΔfliC群よりも小さく(
図6B)、またSL7207群の体重は著しく連続的に失われた。
【0343】
5.4 マウス生存率:SL7207群は注射後7日以内に連続的に死亡した。PBS、DB-ZW1-ΔmsbB、及びDB-ZW1-Δlpp群内のマウスは、注射後12日の間に連続的に死亡した(注記:該3群内の動物は、腫瘍サイズが過剰となったことに起因して倫理的理由から死亡させた)。DB-ZW1群及びDB-ZW1-ΔfliC群では、実験サイクル期間中に死亡したマウスはいなかった(
図6C)。
【0344】
5.5 統計的には、マウス内のMB49膀胱がんを処置した場合、DB-ZW1は、部分応答率60%(n=42)及び完全応答率36%を実現し、MB49に対して良好な治療効果を有したことが示唆される(
図6D)。
【0345】
上記結果より、DB-ZW1及びDB-ZW1-ΔfliCは、マウス内の膀胱がんの処置及びその生存率の改善において有効であることが明らかとなり、DB-ZW1内のリポ多糖類(LPS)は腫瘍の処置において重要な役割を演じていることが示唆される。全観察サイクル(35日間)において、DB-ZW1及びDB-ZW1-ΔfliC群のみが処置後マウス生存率100%を実現し、株DB-ZW1及びDB-ZW1-ΔfliCは良好な安全性を有したことが示唆される。
【0346】
実施例6:DB-ZW1による複数の腫瘍モデルに対する抗腫瘍効果
6.1 腫瘍モデルの構築
C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、SPF環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞/B16黒色腫細胞(ATCC:CRL-6475)を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がん/黒色腫の皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。In situ結腸がんモデルをDSS/AOMにより誘発した:10mg/kgのAOMを腹腔内単回注射した後に、2.5%のDSSを含有する水を1週間経過後7日間、次に通常の飲料水を14日間与え、これを1サイクルのDSS処置とした。DSS処置を更に3サイクル反復して、結腸直腸がんを有するマウスモデルを取得した。
【0347】
6.2 腫瘍及び異なる臓器におけるDB-ZW1の分布変化
1×10
7CFUのDB-ZW1(125μL)を、尾静脈を介してMB49膀胱腫瘍担持マウス(マウス3匹/群)内に注射した。マウス内のおよそ90%のDB-ZW1が、注射後1日目に腫瘍内に存在すること観察された(1dpi)。腫瘍内DB-ZW1密度は、その後2日間以内に100倍(10
8CFU/gまで)更に上昇し、そしてその後2週間高レベルに維持された。対照的に、正常臓器内のDB-ZW1の密度は、2週間以内に10
2CFU/g未満まで着実に減少した(
図7A)。
【0348】
DB-ZW1が腫瘍内で選好的に増殖するかどうか更に明確にするために、異なる臓器内に分布する細菌の数を、1×10
7CFUのDB-ZW1細菌(125μL)を、尾静脈を介してMB49膀胱腫瘍担持マウス(マウス3匹/群)内に注射してから24時間後に決定した(
図7B)。結果より、DB-ZW1は注射後30分以内にマウス内に速やかに拡散し、またほとんどのDB-ZW1細胞(約99.9%)は肝臓、脾臓、及び血液内に分布することが明らかとなった。また、DB-ZW1細胞の数は注射後4時間以内に有意に低下し、そしてDB-ZW1細胞の合計数は約90%低下した。その後、腫瘍内のDB-ZW1は約0.7h
-1の増殖速度で指数関数的に増殖し、3日以内に飽和に達した。対照的に、正常な臓器内では、DB-ZW1細胞の数はすべて着実に低下した。DB-ZW1のこの特別な腫瘍増殖プロファイルは、下記の知見の妥当性を保証する上で重要であった。
【0349】
6.3 膀胱がん、黒色腫、及び結腸に対するDB-ZW1の抗腫瘍効果
DB-ZW1を、マウス内の皮下膀胱がん、in situ黒色腫、並びに皮下及びin situ結腸がんを処置するのに使用した。1×10
7CFUのDB-ZW1(125μL)を、尾静脈を介して腫瘍担持マウス(マウス5匹/群)内に注射した。
図8A~Cに示すように、DB-ZW1は腫瘍サイズを有意に低下させた。それに加えて、DB-ZW1を使用してin situ結腸がんを有するマウスを処置することで、マウスの結腸内腫瘍数も有意に低下した(
図8D)。
【0350】
実施例7:腫瘍内での速やかなDB-ZW1増殖はその嫌気性回路と相関関係を有する
細菌の腫瘍を標的とするコロニー化がその運動性と関連するかどうか検証するために、コントロールとしてDB-ZW1を使用しつつ、実施例2において構築された無鞭毛DB-ZW1-ΔfliCバリアントを使用した。
【0351】
7.1 腫瘍モデルの構築
C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、SPF環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がんの皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。
【0352】
7.2 DB-ZW1及びバリアントDB-ZW1-ΔfliCの腫瘍を標的とするコロニー化
10
7CFUのDB-ZW1及びバリアントDB-ZW1-ΔfliCをそれぞれ、MB49腫瘍担持マウス(マウス3匹/群)内に、尾静脈を介して注射した。注射後14日目に、個々の組織臓器(心臓、肝臓、脾臓、腎臓、血液、腫瘍)を採取、秤量し、すり潰し、PBSで稀釈し、そしてLBプレートに適用した。37℃のインキュベーター内に16~18時間配置した後、各プレート上のクローンの数を計測した。DB-ZW1-ΔfliCの運動性は非常に弱かったが、それでも腫瘍内でコロニー形成可能であることが実証された(
図9)。この結果より、DB-ZW1の腫瘍標的効果は細菌の運動性に起因せず、腫瘍内での細菌のコロニー化及び速やかな増殖と密接に関連することが明らかとなった。
【0353】
実施例8:メモリーCD8+T細胞を特異的に活性化させるDB-ZW1の能力
8.1 腫瘍モデルの構築
C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、SPF環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がんの皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。
【0354】
8.2 DB-ZW1によるメモリーCD8
+T細胞の活性化
マウスを切開し、そして腫瘍ドレイニングリンパ節を採取した。すり潰した後、40μmメッシュフィルターを通じた濾過により単一細胞浮遊液を調製した。次に、腫瘍ドレイニングリンパ節内のメモリーCD8
+T細胞の量を、抗体染色及びフロー分析により検出した。メモリーCD8
+T細胞のレベルは、PBSコントロール群内のマウスと比較して、DB-ZW1を用いて処置されたマウスのドレイニングリンパ節内で有意に増加していることが判明した(
図10A)。マウスに1×10
6個のB16-OVA黒色腫細胞をイノキュレーションすると、そのドレイニングリンパ節内のメモリーCD8
+T細胞が増加したが、かかる増加は腫瘍抗原特異的であることが判明した(
図10B)。1×10
6個のB16-OVA黒色腫細胞を別に皮下イノキュレーションした後、DB-ZW1により治癒が施された黒色腫マウスにおいて腫瘍再発は認められなかった(
図11A)。DB-ZW1により予め治癒が施され、その後1×10
6個のMB49膀胱がん細胞が皮下にイノキュレーションされた黒色腫マウスは、腫瘍細胞の初期皮下注射を受けたマウスとまったく同様に腫瘍を発現した(
図11C)。上記結果より、DB-ZW1の抗腫瘍効果は腫瘍メモリーにより特徴付けられることが明らかとなった。
【0355】
8.3 DB-ZW1による転移性腫瘍の阻害
1×10
6個のB16細胞を含有する細胞懸濁物(125μL)を、DB-ZW1治癒後の黒色腫マウスに尾静脈注射を通じてイノキュレーションするのに使用し、そしてマウス肺内での腫瘍転移形成を18日後に検出した。マウスの肺にDB-ZW1による治癒を施した場合、最初に誘発された黒色腫を有するマウスと比較して、その体重が有意に低下することが判明した(
図11B)。
【0356】
実施例9:DB-ZW1によるメモリーCD8+T細胞の抗腫瘍効果の活性化
9.1 腫瘍モデルの構築
C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、SPF環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がんの皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。
【0357】
9.2 DB-ZW1によるIFNγ
+CD8
+T細胞の活性化
MB49膀胱がん細胞が皮下にイノキュレーションされたマウス(マウス3匹/群)を、DB-ZW1及びバリアントDB-ZW1-ΔmsbB及びDB-ZW1-Δlppを用いてそれぞれ処置した。各群の腫瘍微小環境内IFNγ
+CD8
+T細胞含有量を検出し、そしてDB-ZW1処置群においてマウスの腫瘍微小環境内に浸潤したIFNγ
+CD8
+T細胞の数は、PBSコントロール群並びにバリアントDB-ZW1-ΔmsbB及びDB-ZW1-Δlpp処置群における数よりも有意に高かった(
図12A)。
【0358】
CD8
+T細胞と膀胱がん細胞株MB49及び黒色腫細胞株B16とのin vitroでの同時培養実験を実施した。CD8
+T細胞を、DB-ZW1を用いて処置された腫瘍担持マウスの腫瘍から単離し、次にMB49又はB16腫瘍細胞と共に、5:1の比、37℃のCO
2インキュベーターにおいて5時間同時培養した。標的細胞に対する殺傷効果を、各同時培養ウェルから収集された上清において、乳酸脱水素酵素(LDH)放出量を測定することにより決定した。結果より、単離されたCD8
+T細胞は、B16細胞を殺傷することよりもMB49細胞を殺傷することにおいて有意により有効であることが明らかとなった(
図12B)。DB-ZW1注射後の腫瘍内CD8
+T細胞は、特異的に処置された腫瘍細胞に対してより強い殺傷効果を有することが判明した。この結果は、DB-ZW1は腫瘍内IFNγ
+CD8
+T細胞の特異的活性化により抗腫瘍効果を発揮することを示唆した。
【0359】
実施例10:DB-ZW1による腫瘍内組織常在性メモリーT細胞(TRM細胞)の活性化
10.1 腫瘍モデルの構築
C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、SPF環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がんの皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。
【0360】
10.2 DB-ZW1によるTRM細胞の活性化
DB-ZW1を用いた処置の前及び後における腫瘍微小環境内の、CD62L-CD69
+、CD62L-CD69
+CD103
+、又はCD62L-CD69
+CD103
-それぞれのCD8
+T細胞の含有量を検出したが、この場合、CD62L-CD69
+CD8
+T細胞はTRM細胞であった。DB-ZW1を用いて処置されたマウスの腫瘍ドレイニングリンパ節及び腫瘍において、CD8
+T細胞に占めるTRM細胞の割合、並びにTRM細胞に占めるIFNγ
+細胞の割合は、PBSを用いて処置されたコントロール群よりも有意に高いことが判明した(
図13)。
【0361】
この結果は、DB-ZW1は腫瘍内でTRM細胞を特異的に活性化させることにより抗腫瘍効果を発揮し得ることを示唆した。
【0362】
実施例11:DB-ZW1によるマクロファージ内IL-10産生刺激を通じたCD8+T細胞の活性化
11.1 腫瘍モデルの構築
C57BL/6マウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入され、約18gの重量を有し、SPF環境内で保持された)に、1×106個のMB49マウス膀胱がん細胞を皮下イノキュレーションして、マウス膀胱がんの皮下腫瘍モデルを確立した。イノキュレーション後の14~18日目、腫瘍容積が約100mm3のときに、実験を実施した。
【0363】
11.2 IL-10によるCD8
+T細胞の抗腫瘍効果の活性化
単離された腫瘍内CD8
+T細胞を、抗CD3抗体、及びDB-ZW1、DB-ZW1-ΔmsbB、DB-ZW1-Δlppをそれぞれ使用しながらin vitroで刺激した場合、DB-ZW1、DB-ZW1-ΔmsbB、及びDB-ZW1-Δlppのいずれも、CD8
+T細胞の活性化を有効に刺激することができないことが判明した(
図14)。マウス内皮下膀胱がんをDB-ZW1、DB-ZW1-ΔmsbB、及びDB-ZW1-Δlppをそれぞれ用いて更に処置し、そして血清内の様々な炎症性因子のレベルを検出した。DB-ZW1処置群におけるIL-10の含有量は、その他の群における含有量よりも有意に高いことが判明し(
図15)、IL-10は、DB-ZW1による腫瘍の処置において重要な役割を演じている可能性があることが示唆される。
【0364】
DB-ZW1により腫瘍を処置する際のサイトカインIL-10の役割を実証するために、抗IL-10(BioXCell社:#BE0049)、IL-10の中和抗体、及びDB-ZW1を、MB49誘発膀胱がんマウスを処置するのに使用した。処置から7日後、抗IL-10抗体は、PBSコントロール群と比較して、腫瘍部位においてDB-ZW1誘発IFNγ
+CD8
+T細胞の割合(%)が増加するのを有意に阻害した(
図16A)。一方、腫瘍容積を測定することにより、DB-ZW1は、PBSコントロール群と比較して腫瘍容積を有意に低下させたが、抗IL-10抗体はDB-ZW1により誘発された腫瘍容積の低下を有意に阻害することが明らかとなった(
図16B)。
【0365】
11.3 DB-ZW1により誘発された一次マクロファージにおけるIL-10産生
マウス骨髄細胞のフローソーティングにより一次マクロファージを取得し、そしてin vitroで培養した一次マクロファージをDB-ZW1により刺激した。刺激後、すべてのRNAをTRIzol試薬により抽出した。逆転写によりcDNAを取得した後、IL-10の転写物レベルをqPCRにより検出し、標準曲線法を使用して遺伝子の相対的発現量を計算し、そしてActbの発現レベルに対して標準化した。DB-ZW1は一次マクロファージ内でのIL-10発現を有意に誘発することが判明した(
図17)。
【0366】
これらの結果は、DB-ZW1により刺激を受けたマクロファージはIL-10を産生し、次に活性化されたCD8+T細胞が抗腫瘍効果を発揮することを示唆した。
【0367】
実施例12:DB-ZW1による腫瘍内免疫環境のリモデリング
DB-ZW1注射を用いて処置されたMB49膀胱がんマウスに由来する腫瘍をサンプリングし、そして凍結切片化及び蛍光免疫染色に付した。腫瘍を採取した後、それらを4%パラホルムアルデヒド組織固定化溶液中に浸漬して5時間固定し、次に30%スクロースに移して12時間脱水した。次に、腫瘍をOCT包埋剤中に包埋し、そして-20℃の冷蔵庫内で凍結した。凍結式ミクロトームを使用して凍結したサンプルを10mmの厚さで連続的に切片化し、そして-80℃で保管した。アセトン内で10分間固定した後、切片を風乾し、室温に戻した後、対応する抗体を用いて染色し、最終的にDAPI含有抗蛍光封入剤を滴下して被覆した後、カバースリップで覆い、マニキュア液を用いて密封した。切片を観察し、そして蛍光顕微鏡下で写真撮影した。ほとんどのDB-ZW1は腫瘍切片の中央部に局在し、また好中球が凝集し、そしてDB-ZW1の周りにリングを形成することが判明した(
図18)。腫瘍内のT細胞及びマクロファージは、DB-ZW1を用いて処置した後に、腫瘍内で無秩序に分布した状態から規則正しく外側から内側に向かって整列した状態に変化することも判明した(
図18)。また更に、好中球リング構造の形成は、TME内のIL-10のレベルと密接に関連し、好中球の明確なリング構造は対応する抗IL-10抗体を使用すると完全に消滅し(
図19A、
図19B)、また好中球及び残存するDB-ZW1細胞の空間的分布は均一であり、そしてDB-ZW1密度が有意に減少すると共に腫瘍切片全体を通じて重なり合うことが判明した。
【0368】
腫瘍浸潤性マクロファージを枯渇させるために、抗CSF1R抗体(50mg/kg、BioXCell社、BE0213)を、細菌処置の3日前、及び実験のエンドポイントまで2~3日毎に尾静脈を介して注射すると、好中球のリング構造が消滅し(
図19C)、また腫瘍内のDB-ZW1密度も減少したことが判明した。これは、マクロファージは、好中球ファゴサイトーシスから細菌を保護することが可能であることを示唆した。これらの結果より、DB-ZW1は腫瘍内免疫環境をリモデルすることができ、その場合、腫瘍の中心部に存在する細菌は好中球を引き付ける一方、細菌はマクロファージ内でIL-10産生を刺激することにより好中球から防御することが示唆される。IL-10が除去されれば、好中球は腫瘍中心部に侵入して細菌を破壊してしまう。
【0369】
実施例13:異なる投与方式及び投与用量を用いたときのDB-ZW1の抗腫瘍効果
現在のところ、臨床診療における一般的な投与経路として、皮下注射、静脈内注射、経口投与、及び局所適用が挙げられる。薬剤投与の経路は、様々な臨床状態に対する治療効果と密接に関係しており、また同一の薬物であっても、投与経路に応じて有意に異なる効果を有し得る。標的とする腫瘍内でのDB-ZW1の特異性を踏まえ、治療効果に対する腫瘍内注射及び静脈内注射の両者の効果について探索した。最初に、DB-ZW1の投与経路及び用量を最適化した。
図20Aに示すように、腫瘍内注射(i.t.)又は静脈内注射(i.v.)により1×10
7CFUのDB-ZW1を投与してから14日後に、DB-ZW1の腫瘍内分布は、すべてその他の正常組織内の分布よりも有意に高かった。静脈内注射投与群の抗腫瘍効果は、腫瘍内注射投与群のそれよりも優れた(
図20B)。
【0370】
不活性化DB-ZW1を用いた腫瘍処置も試みられ(
図21)、そして注射後14日目に得られた腫瘍容積の結果より、不活性化DB-ZW1でもしかるべき抗腫瘍効果(注射投薬量が増加するに従い改善した)を示すことが明らかとなった。
【0371】
皮下MB49膀胱腫瘍担持マウスを対象とした治療効果に対するDB-ZW1の異なる投与用量の効果について更に探索した(
図22)。DB-ZW1の静脈内注射後14日目の結果より、DB-ZW1の量が1×10
4CFU未満のとき、治療効果は認められない一方、DB-ZW1の量が1×10
5CFU以上のとき、治療効果が現れ始め、1×10
6CFUのDB-ZW1を静脈内注射した際には、より顕著な効果が認められることが明らかとなった。
【0372】
上記結果は、DB-ZW1の投与経路及び用量と治療効果との間に非常に緊密な関連性が存在することを示唆する。この結果は、DB-ZW1を薬物として将来的に実用化するための技術的ガイダンスを提供する。
【0373】
配列リスト
配列番号1:PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxp
TTCACAGAAAAGTGTTGCCCCCTTCCATGGCGGAAGGGGGACAAAGGTGAATTTGTCCTACTCAGGAGAGCGTTCACCGACAAACAACAGATAAAACGAAAGGCCCAGTCTTTCGACTGAGCCTTTCGTTTTATTTGATGCACTAGTGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGATAGAAGGCGATGCGCTGCGAATCGGGAGCGGCGATACCGTAAAGCACGAGGAAGCGGTCAGCCCATTCGCCGCCAAGCTCTTCAGCAATATCACGGGTAGCCAACGCTATGTCCTGATAGCGGTCCGCCACACCCAGCCGGCCACAGTCGATGAATCCAGAAAAGCGGCCATTTTCCACCATGATATTCGGCAAGCAGGCATCGCCATGGGTCACGACGAGATCCTCGCCGTCGGGCATGCGCGCCTTGAGCCTGGCGAACAGTTCGGCCGGCGCGAGCCCCTGATGCTCTTCGTCCAGATCATCCTGATCGACAAGACCGGCTTCCATCCGAGTACGTGCTCGCTCGATGCGATGTTTCGCTTGGTGGTCGAATGGGCAGGTAGCCGGATCAAGCGTATGCAGCCGCCGCATTGCATCAGCCATGATGGATACTTTCTCGGCAGGAGCAAGGTGAGATGACAGGAGATCCTGCCCCGGCACTTCGCCCAATAGCAGCCAGTCCCTTCCCGCTTCAGTGACAACGTCGAGCACAGCTGCGCAAGGAACGCCCGTCGTGGCCAGCCACGATAGCCGCGCTGCCTCGTCCTGCAGTTCATTCAGGGCACCGGACAGGTCGGTCTTGACAAAAAGAACCGGGCGCCCCTGCGCTGACAGCCGGAACACGGCGGCATCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCATAGCCGAATAGCCTCTCCACCCAAGCGGCCGGAGAACCTGCGTGCAATCCATCTTGTTCAATCATGCGAAACGATCCTCATCCTGTCTCTTGATCAGATCCTGATCCCCTGCGCCATCAGATCCTTGGCGGCAAGAAAGCCATCCAGTTTACTTTGCAGGGCTTCCCAACCTTACCAGAGGGCGCCCCAGCTGGCAATTCCGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGCTATCTAGAGCTTGGACTCCTGTTGATAGATCCAGTAATGACCTCAGAACTCCATCTGGATTTGTTCAGAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATTGGTGAGAATCCAAGCCCGGGAAACGGGATCCTGATCTTGATCAGGCTGTGGGTCAGGCCACTCTTGGCATCGACACCAATGTGGGCCTTCATGCCAAAGTGCCACTGATTGCCTTTCTTGGTCTGATGCATCTCCGGATCGCGTTGCTGCTCTTTGTTCTTGGTCGAGCTGGGTGCCTCAATGATGGTGGCATCGACCAAGGTGCCTTGAGTCATCATGACGCCTGCTTCGGCCAGCCAGCGATTGATGGTCTTGAACAATTGGCGGGCCAGTTGATGCTGCTCCAGCAGGTGGCGGAAATTCATGATGGTGGTGCGGTCCGGCAAGGCGCTATCCAGGGATAACCGGGCAAACAGACGCATGGAGGCGATTTCGTACAGAGCATCTTCCATCGCGCCATCGCTCAGGTTGTACCAATGCTGCATGCAGTGAATGCGTAGCATGGTTTCCAGCGGATAAGGTCGCCGGCCATTACCAGCCTTGGGGTAAAACGGCTCGATGACTTCCACCATGTTTTGCCATGGCAGAATCTGCTCCATGCGGGACAAGAAAATCTCTTTTCTGGTCTGACGGCGCTTACTGCTGAATTCACTGTCGGCGAAGGTAAGTTGATGACTCATGATGAACCCTGTTCTATGGCTCCAGATGACAAACATGATCTCATATCAGGGACTTGTTCGCACCTTCCTTAGCACGTTAATTATCTATCGTGTATATGGAGGGGATCTAGAATGAAAAAAATAATGCTAGTTTTTATTACACTTATATTAGTTAGTCTACCAATTGCGCAACAAACTGAAGCAAAGGATGCATCTGCATTCAATAAAGAAAATTCAATTTCATCCATGGCACCACCAGCATCTCCGCCTGCAAGTCCTAAGACGCCAATCGAAAAGAAACACGCGGATGAAATCGATAAGTATATACAAGGATTGGACTACAATAAAAACAATGTATTAGTATACCACGGAGATGCAGTGACAAATGTGCCGCCAAGAAAAGGTTACAAAGATGGAAATGAATATATTGTTGTGGAGAAAAAGAAGAAATCCATCAATCAAAATAATGCAGACATTCAAGTTGTGAATGCAATTTCGAGCCTAACCTATCCAGGTGCTCTCGTAAAAGCGAATTCGGAATTAGTAGAAAATCAACCAGATGTTCTCCCTGTAAAACGTGATTCATTAACACTCAGCATTGATTTGCCAGGTATGACTAATCAAGACAATAAAATCGTTGTAAAAAATGCCACTAAATCAAACGTTAACAACGCAGTAAATACATTAGTGGAAAGATGGAATGAAAAATATGCTCAAGCTTATCCAAATGTAAGTGCAAAAATTGATTATGATGACGAAATGGCTTACAGTGAATCACAATTAATTGCGAAATTTGGTACAGCATTTAAAGCTGTAAATAATAGCTTGAATGTAAACTTCGGCGCAATCAGTGAAGGGAAAATGCAAGAAGAAGTCATTAGTTTTAAACAAATTTACTATAACGTGAATGTTAATGAACCTACAAGACCTTCCAGATTTTTCGGCAAAGCTGTTACTAAAGAGCAGTTGCAAGCGCTTGGAGTGAATGCAGAAAATCCTCCTGCATATATCTCAAGTGTGGCGTATGGCCGTCAAGTTTATTTGAAATTATCAACTAATTCCCATAGTACTAAAGTAAAAGCTGCTTTTGATGCTGCCGTAAGCGGAAAATCTGTCTCAGGTGATGTAGAACTAACAAATATCATCAAAAATTCTTCCTTCAAAGCCGTAATTTACGGAGGTTCCGCAAAAGATGAAGTTCAAATCATCGACGGCAACCTCGGAGACTTACGAGATATTTTGAAAAAAGGCGCTACTTTTAATCGAGAAACACCAGGAGTTCCCATTGCTTATACAACAAACTTCCTAAAAGACAATGAATTAGCTGTTATTAAAAACAACTCAGAATATATTGAAACAACTTCAAAAGCTTATACAGATGGAAAAATTAACATCGATCACTCTGGAGGATACGTTGCTCAATTCAACATTTCTTGGGATGAAGTAAATTATGATCCTGAAGGTAACGAAATTGTTCAACATAAAAACTGGAGCGAAAACAATAAAAGTAAGCTAGCTCATTTCACATCGTCCATCTATTTGCCAGGTAACGCGAGAAATATTAATGTTTACGCTAAAGAATGCACTGGTTTAGCTTGGGAATGGTGGAGAACGGTAATTGATGACCGGAACTTACCACTTGTGAAAAATAGAAATATCTCCATCTGGGGCACCACGCTTTATCCGAAATATAGTAATAAAGTAGATAATCCAATCGAATAAGTCGACCTCGAGGACTAGTGAACCTCTTCGAGGGACCTAATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATATTAAGGGTTATTGAATATGATCGGCTCGAGATTACTTCGCATTGCAATCAGCTACGGACTCAAGCTTACGTCAGGTCATACGATGAAGGCGATAAGTCGCGTAAGTTGCTAGCCCACGCGGCTCACCTTCACGGGTGGGCCTTTCTTCGGTGTTTCAATCTCGATTAACAGGTAACGCAAAATTGCTGTGTACGTCAGA
【0374】
配列番号2:Pssbp1-dapE-Cm
TTGGTTTCAGTGAATCCCGTTATCAGCAGTTTTTTGATGAGGTGTAGTCTATTTGTCCTACTCAGGAGAGCGTTCACCGACAAACAACAGATAAAACGAAAGGCCCAGTCTTTCGACTGAGCCTTTCGTTTTATTTGATGCACTAGTGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTTACGCCCCGCCCTGCCACTCATCGCAGTACTGTTGTAATTCATTAAGCATTCTGCCGACATGGAAGCCATCACAGACGGCATGATGAACCTGAATCGCCAGCGGCATCAGCACCTTGTCGCCTTGCGTATAATATTTGCCCATGGTGAAAACGGGGGCGAAGAAGTTGTCCATATTGGCCACGTTTAAATCAAAACTGGTGAAACTCACCCAGGGATTGGCTGAGACGAAAAACATATTCTCAATAAACCCTTTAGGGAAATAGGCCAGGTTTTCACCGTAACACGCCACATCTTGCGAATATATGTGTAGAAACTGCCGGAAATCGTCGTGGTATTCACTCCAGAGCGATGAAAACGTTTCAGTTTGCTCATGGAAAACGGTGTAACAAGGGTGAACACTATCCCATATCACCAGCTCACCGTCTTTCATTGCCATACGAAATTCCGGATGAGCATTCATCAGGCGGGCAAGAATGTGAATAAAGGCCGGATAAAACTTGTGCTTATTTTTCTTTACGGTCTTTAAAAAGGCCGTAATATCCAGCTGAACGGTCTGGTTATAGGTACATTGAGCAACTGACTGAAATGCCTCAAAATGTTCTTTACGATGCCATTGGGATATATCAACGGTGGTATATCCAGTGATTTTTTTCTCCATGCGAAACGATCCTCATCCTGTCTCTTGATCAGATCCTGATCCCCTGCGCCATCAGATCCTTGGCGGCAAGAAAGCCATCCAGTTTACTTTGCAGGGCTTCCCAACCTTACCAGAGGGCGCCCCAGCTGGCAATTCCGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGCTATCTAGAGCTTGGACTCCTGTTGATAGATCCAGTAATGACCTCAGAACTCCATCTGGATTTGTTCAGAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATTGGTGAGAATCCAAGCCCGGGAAACGGGATCCTGATCTTGATCAACCGAGGTCACAACATAGTAAAAGCGCTATTGGTAATGGTACAATCGCGCGTTTACACTTATTCAGAACGATTTTTTTCAGGAGGGCCTACTTGTCACACAGGACGGTAATGTCGTGCCCGGTTATTGAGCTGACACAGCAACTTATTCGTCGCCCCTCCCTGAGTCCGGATGACGCAGGCTGTCAGGCATTAATGATTGAACGCCTGCGTAAAATCGGTTTTACCATTGAGCATATGGATTTTGGCGACACGCAAAATTTTTGGGCATGGCGTGGGCGTGGCGAAACGCTGGCGTTCGCCGGGCATACTGACGTCGTACCGGCTGGCGATGTCGATCGCTGGATCAATCCGCCGTTTGAGCCTACGATTCGCGACGGAATGTTGTTCGGTCGCGGCGCGGCGGATATGAAAGGTTCACTGGCGGCCATGGTGGTGGCTGCTGAACGTTTTGTTGCGCAGCATCCTCATCACCGGGGCCGCCTCGCATTTTTGATTACCTCTGATGAGGAAGCCAGCGCAAAAAATGGCACCGTAAAGGTGGTTGAAGCGCTGATGGCCCGTAACGAGCGGCTGGATTACTGTCTGGTCGGCGAACCTTCCAGTACTGAAATTGTGGGCGATGTCGTCAAAAACGGGCGTCGCGGTTCTCTCACCTGTAACCTCACTATCCATGGCGTTCAGGGGCACGTCGCCTATCCGCATCTGGCGGATAACCCTGTTCATCGCGCCGCGCCTTTTCTTAATGAACTGGTCGCTATCGAGTGGGATCGGGGCAATGACTTTTTCCCGGCCACCAGTATGCAGGTAGCCAATATCCAGGCAGGCACCGGCAGCAATAATGTCATTCCCGGCGAACTGTTCGTGCAGTTTAACTTCCGTTTCAGCACGGAACTGACCGATGAGATGATCAAAGAGCGGGTACATGCGCTGCTTGAAAAGCATCAGCTACGCTATACCGTAGACTGGTGGCTTTCCGGGCAGCCGTTCCTGACCGCACGCGGCAAGCTGGTGGACGCGGTGGTAAACGCCATTGAGCACTATAATGAAATTAAACCGCAATTACTGACGACGGGCGGTACGTCCGACGGACGTTTTATCGCCCGTATGGGAGCGCAGGTGGTAGAACTGGGGCCGGTGAACGCCACCATTCATAAAATTAATGAATGTGTGAATGCCGCCGATCTCCAGCTACTGGCCCGTATGTATCAACGCATTATGGAACAGCTCGTCGCCCATCACCATCACCATCACTAAGATTACTTCGCATTGCAATCAGCTACGGACTCAAGCTTACGTCAGGTCATACGATGAAGGCGATAAGTCGCGTAAGTTGCTAGCCCACGCGGCTCACCTTCACGGGTGGGCCTTTCTTCGTGAGCGTTCCGGTAAGAGGAAATAAGCATGGACTGGCTGGCAAAATATTG
【0375】
配列番号3:loxp-knar-loxp
TTATTCGATTGGATTATCTACTTTATTACTATATTTCGGATAAAGCGTGGCTAGTGAACCTCTTCGAGGGACCTAATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATATTAAGGGTTCCGGATCCTAAGCTTGGCTAGCAACGCAATGACGTCGGAATTGCCAGCTGGGGCGCCCTCTGGTAAGGTTGGGAAGCCCTGCAAAGTAAACTGGATGGCTTTCTTGCCGCCAAGGATCTGATGGCGCAGGGGATCAGGATCTGATCAAGAGACAGGATGAGGATCGTTTCGCATGATTGAACAAGATGGATTGCACGCAGGTTCTCCGGCCGCTTGGGTGGAGAGGCTATTCGGCTATGACTGGGCACAACAGACAATCGGCTGCTCTGATGCCGCCGTGTTCCGGCTGTCAGCGCAGGGGCGCCCGGTTCTTTTTGTCAAGACCGACCTGTCCGGTGCCCTGAATGAACTGCAGGACGAGGCAGCGCGGCTATCGTGGCTGGCCACGACGGGCGTTCCTTGCGCAGCTGTGCTCGACGTTGTCACTGAAGCGGGAAGGGACTGGCTGCTATTGGGCGAAGTGCCGGGGCAGGATCTCCTGTCATCTCACCTTGCTCCTGCCGAGAAAGTATCCATCATGGCTGATGCAATGCGGCGGCTGCATACGCTTGATCCGGCTACCTGCCCATTCGACCACCAAGCGAAACATCGCATCGAGCGAGCACGTACTCGGATGGAAGCCGGTCTTGTCGATCAGGATGATCTGGACGAAGAGCATCAGGGGCTCGCGCCGGCCGAACTGTTCGCCAGGCTCAAGGCGCGCATGCCCGACGGCGAGGATCTCGTCGTGACCCATGGCGATGCCTGCTTGCCGAATATCATGGTGGAAAATGGCCGCTTTTCTGGATTCATCGACTGTGGCCGGCTGGGTGTGGCGGACCGCTATCAGGACATAGCGTTGGCTACCCGTGATATTGCTGAAGAGCTTGGCGGCGAATGGGCTGACCGCTTCCTCGTGCTTTACGGTATCGCCGCTCCCGATTCGCAGCGCATCGCCTTCTATCGCCTTCTTGACGAGTTCTTCTGAGCGGGACTCCATATGGGACGTAAACTCCTCTTCAGACCTAATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATATTAAGGGTTATTGAATATGATCGGCGGTAGACTAACTAATATAAGTGTAATAAAAACTAGCATTATTTTTTTCAT
【0376】
配列番号4:PdapE-dapE-loxp-KnaR-loxp
CAATATTTTGCCAGCCAGTCCATGCTTATTTCCTCTTACCGGAACGCTCAATTTGTCCTACTCAGGAGAGCGTTCACCGACAAACAACAGATAAAACGAAAGGCCCAGTCTTTCGACTGAGCCTTTCGTTTTATTTGATGCACTAGTGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGATAGAAGGCGATGCGCTGCGAATCGGGAGCGGCGATACCGTAAAGCACGAGGAAGCGGTCAGCCCATTCGCCGCCAAGCTCTTCAGCAATATCACGGGTAGCCAACGCTATGTCCTGATAGCGGTCCGCCACACCCAGCCGGCCACAGTCGATGAATCCAGAAAAGCGGCCATTTTCCACCATGATATTCGGCAAGCAGGCATCGCCATGGGTCACGACGAGATCCTCGCCGTCGGGCATGCGCGCCTTGAGCCTGGCGAACAGTTCGGCCGGCGCGAGCCCCTGATGCTCTTCGTCCAGATCATCCTGATCGACAAGACCGGCTTCCATCCGAGTACGTGCTCGCTCGATGCGATGTTTCGCTTGGTGGTCGAATGGGCAGGTAGCCGGATCAAGCGTATGCAGCCGCCGCATTGCATCAGCCATGATGGATACTTTCTCGGCAGGAGCAAGGTGAGATGACAGGAGATCCTGCCCCGGCACTTCGCCCAATAGCAGCCAGTCCCTTCCCGCTTCAGTGACAACGTCGAGCACAGCTGCGCAAGGAACGCCCGTCGTGGCCAGCCACGATAGCCGCGCTGCCTCGTCCTGCAGTTCATTCAGGGCACCGGACAGGTCGGTCTTGACAAAAAGAACCGGGCGCCCCTGCGCTGACAGCCGGAACACGGCGGCATCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCATAGCCGAATAGCCTCTCCACCCAAGCGGCCGGAGAACCTGCGTGCAATCCATCTTGTTCAATCATGCGAAACGATCCTCATCCTGTCTCTTGATCAGATCCTGATCCCCTGCGCCATCAGATCCTTGGCGGCAAGAAAGCCATCCAGTTTACTTTGCAGGGCTTCCCAACCTTACCAGAGGGCGCCCCAGCTGGCAATTCCGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGCTATCTAGAGCTTGGACTCCTGTTGATAGATCCAGTAATGACCTCAGAACTCCATCTGGATTTGTTCAGAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATTGGTGAGAATCCAAGCCCGGGAAACGGGATCCTGATCTTGATCAGGAACATGGCATTGATTATCGTTTTCACGATTACCGTGTGGATGGCATAGACCTCCCTCTTCTTAATACCTTTATTGCCGAACTCGGCTGGCAGCCTTTACTGAATACGCGCGGCACAACATGGCGCAAACTGGATGAAGGCCACCGCAGCGGGATTACCGATGCCGACTCCGCCGCTGCTCTCATGGTTGAACAGCCGGCAATCATCAAACGCCCATTGCTCTGCGCGCCCGGGAAGCCTATGCTGCTTGGTTTCAGTGAATCCCGTTATCAGCAGTTTTTTGATGAGGTGTAGTCTGGCCTACTTGTCACACAGGACGGTAATGTCGTGCCCGGTTATTGAGCTGACACAGCAACTTATTCGTCGCCCCTCCCTGAGTCCGGATGACGCAGGCTGTCAGGCATTAATGATTGAACGCCTGCGTAAAATCGGTTTTACCATTGAGCATATGGATTTTGGCGACACGCAAAATTTTTGGGCATGGCGTGGGCGTGGCGAAACGCTGGCGTTCGCCGGGCATACTGACGTCGTACCGGCTGGCGATGTCGATCGCTGGATCAATCCGCCGTTTGAGCCTACGATTCGCGACGGAATGTTGTTCGGTCGCGGCGCGGCGGATATGAAAGGTTCACTGGCGGCCATGGTGGTGGCTGCTGAACGTTTTGTTGCGCAGCATCCTCATCACCGGGGCCGCCTCGCATTTTTGATTACCTCTGATGAGGAAGCCAGCGCAAAAAATGGCACCGTAAAGGTGGTTGAAGCGCTGATGGCCCGTAACGAGCGGCTGGATTACTGTCTGGTCGGCGAACCTTCCAGTACTGAAATTGTGGGCGATGTCGTCAAAAACGGGCGTCGCGGTTCTCTCACCTGTAACCTCACTATCCATGGCGTTCAGGGGCACGTCGCCTATCCGCATCTGGCGGATAACCCTGTTCATCGCGCCGCGCCTTTTCTTAATGAACTGGTCGCTATCGAGTGGGATCGGGGCAATGACTTTTTCCCGGCCACCAGTATGCAGGTAGCCAATATCCAGGCAGGCACCGGCAGCAATAATGTCATTCCCGGCGAACTGTTCGTGCAGTTTAACTTCCGTTTCAGCACGGAACTGACCGATGAGATGATCAAAGAGCGGGTACATGCGCTGCTTGAAAAGCATCAGCTACGCTATACCGTAGACTGGTGGCTTTCCGGGCAGCCGTTCCTGACCGCACGCGGCAAGCTGGTGGACGCGGTGGTAAACGCCATTGAGCACTATAATGAAATTAAACCGCAATTACTGACGACGGGCGGTACGTCCGACGGACGTTTTATCGCCCGTATGGGAGCGCAGGTGGTAGAACTGGGGCCGGTGAACGCCACCATTCATAAAATTAATGAATGTGTGAATGCCGCCGATCTCCAGCTACTGGCCCGTATGTATCAACGCATTATGGAACAGCTCGTCGCCCATCACCATCACCATCACTAAGATTACTTCGCATTGCAATCAGCTACGGACTCAAGCTTACGTCAGGTCATACGATGAAGGCGATAAGTCGCGTAAGTTGCTAGCCCACGCGGCTCACCTTCACGGGTGGGCCTTTCTTCGAGACTACACCTCATCAAAAAACTGCTGATAACGGGATTCACTGAAACCAA
【0377】
配列番号5:PhtrA-htrA-loxp-aadA-loxp
GATAATGTATTCACAGGTTGCTCCGGGCTTGAAAAAGTTAAATGACATCCATTTGTCCTACTCAGGAGAGCGTTCACCGACAAACAACAGATAAAACGAAAGGCCCAGTCTTTCGACTGAGCCTTTCGTTTTATTTGATGCACTAGTGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCCTTATTTGCCGACTACCTTGGTGATCTCGCCTTTCACGTAGTGGACAAATTCTTCCAACTGATCTGCGCGCGAGGCCAAGCGATCTTCTTCTTGTCCAAGATAAGCCTGTCTAGCTTCAAGTATGACGGGCTGATACTGGGCCGGCAGGCGCTCCATTGCCCAGTCGGCAGCGACATCCTTCGGCGCGATTTTGCCGGTTACTGCGCTGTACCAAATGCGGGACAACGTAAGCACTACATTTCGCTCATCGCCAGCCCAGTCGGGCGGCGAGTTCCATAGCGTTAAGGTTTCATTTAGCGCCTCAAATAGATCCTGTTCAGGAACCGGATCAAAGAGTTCCTCCGCCGCTGGACCTACCAAGGCAACGCTATGTTCTCTTGCTTTTGTCAGCAAGATAGCCAGATCAATGTCGATCGTGGCTGGCTCGAAGATACCTGCAAGAATGTCATTGCGCTGCCATTCTCCAAATTGCAGTTCGCGCTTAGCTGGATAACGCCACGGAATGATGTCGTCGTGCACAACAATGGTGACTTCTACAGCGCGGAGAATCTCGCTCTCTCCAGGGGAAGCCGAAGTTTCCAAAAGGTCGTTGATCAAAGCTCGCCGCGTTGTTTCATCAAGCCTTACGGTCACCGTAACCAGCAAATCAATATCACTGTGTGGCTTCAGGCCGCCATCCACTGCGGAGCCGTACAAATGTACGGCCAGCAACGTCGGTTCGAGATGGCGCTCGATGACGCCAACTACCTCTGATAGTTGAGTCGATACTTCGGCGATCACCGCTTCCCTCATGACATTGCACTCCACCGCTGATGACATCAGTCGATCATAGCACGATCAACGGCACTGTTGCAAATAGTCGGTGGTGATAAACTTATCATCCCCTTTTGCTGATGGAGCTGCACATGAACTCGAGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGCTATCTAGAGCTTGGACTCCTGTTGATAGATCCAGTAATGACCTCAGAACTCCATCTGGATTTGTTCAGAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATTGGTGAGAATCCAAGCCTTATCGCTGTCGGTTGATTCAGGATTATATCAGCGGGATGACTGACCTTTACGCATGGGATGAATATCGGCGTTTGATGGCGGTCGAACAGTAAATGGACTTTTGTAAAGATGGACAATAAATTTTTACTTTTTCCAGAAACTTTATTCCGGAACTTCGCGTTATAAAATGAATCTGACGTACACAGCAATTTTGCGTTACCTGTTAATCGAGATTGAAACACATGAAAAAAACCACATTAGCAATGAGTGCACTGGCTCTGAGTTTAGGTTTGGCATTGTCGCCTCTGTCTGCCACGGCGGCTGAAACGTCCTCTTCAGCAATGACTGCCCAGCAGATGCCAAGCCTGGCACCGATGCTCGAAAAAGTGATGCCATCGGTGGTCAGTATTAATGTTGAAGGTAGCACCACGGTGAATACGCCGCGTATGCCGCGTAATTTCCAGCAGTTCTTTGGCGATGACTCCCCGTTCTGCCAGGACGGTTCTCCGTTCCAGAATTCTCCGTTCTGCCAGGGCGGCGGTAACGGCGGCAACGGCGGTCAACAACAGAAATTCATGGCGCTGGGCTCCGGCGTAATTATTGACGCCGCGAAGGGCTACGTCGTCACCAACAACCACGTGGTTGATAACGCCAGCGTGATTAAAGTACAGCTTAGCGATGGGCGTAAATTCGATGCTAAAGTGGTGGGCAAAGATCCGCGTTCTGATATCGCGCTGATTCAAATTCAGAATCCGAAGAACCTGACGGCGATTAAGCTGGCGGACTCCGACGCGCTGCGCGTGGGGGATTATACCGTCGCTATTGGTAACCCGTTTGGTCTGGGCGAAACGGTGACGTCAGGTATCGTTTCGGCGCTGGGGCGTAGCGGCCTGAACGTAGAAAATTACGAGAACTTTATTCAGACCGACGCCGCGATTAACCGTGGTAACTCCGGCGGCGCGCTGGTGAACCTGAACGGTGAGCTGATCGGTATTAACACCGCGATTCTGGCGCCGGACGGCGGCAACATCGGTATCGGCTTCGCTATCCCCAGTAACATGGTGAAAAACCTGACGTCGCAGATGGTGGAATACGGCCAGGTGAAACGCGGCGAACTGGGGATCATGGGGACTGAGCTGAATTCCGAATTGGCGAAAGCGATGAAAGTCGACGCCCAGCGAGGCGCGTTCGTCAGCCAGGTGATGCCGAATTCGTCCGCGGCGAAAGCGGGTATCAAAGCCGGGGATGTCATTACCTCGCTGAACGGTAAACCGATCAGCAGCTTTGCGGCGCTGCGCGCTCAGGTCGGCACTATGCCGGTCGGCAGCAAAATCAGCCTCGGTCTGCTGCGTGAAGGTAAAGCGATTACGGTGAATCTGGAACTGCAGCAGAGCAGCCAGAGTCAGGTTGATTCCAGCACCATCTTCAGCGGGATTGAAGGCGCTGAAATGAGCAATAAAGGCCAGGATAAAGGCGTTGTGGTGAGCAGCGTGAAAGCGAACTCACCCGCCGCGCAAATTGGCCTCAAAAAAGGCGATGTGATTATCGGCGCTAACCAGCAGCCGGTGAAAAATATCGCCGAGCTGCGTAAGATTCTCGACAGCAAGCCGTCGGTTCTGGCGCTGAATATTCAGCGTGGTGATAGTTCTATTTATTTGCTGATGCAGTAAGAAGTCGCGTAAGTTGCTAGCCCACGCGGCTCACCTTCACGGGTGGGCCTTTCTTCGTATACTAAGTTGAACGAAACGGGAAGGCGAAAAGGTAAAAAGTTCCTTTT
【0378】
配列番号6:Msbb-HR-loxp-KnaR-loxp
AGGTAGTACAGGGTTTGTCAGCATAAAGCCTCTCTTACGAGAGGCTTTATGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGATAGAAGGCGATGCGCTGCGAATCGGGAGCGGCGATACCGTAAAGCACGAGGAAGCGGTCAGCCCATTCGCCGCCAAGCTCTTCAGCAATATCACGGGTAGCCAACGCTATGTCCTGATAGCGGTCCGCCACACCCAGCCGGCCACAGTCGATGAATCCAGAAAAGCGGCCATTTTCCACCATGATATTCGGCAAGCAGGCATCGCCATGGGTCACGACGAGATCCTCGCCGTCGGGCATGCGCGCCTTGAGCCTGGCGAACAGTTCGGCCGGCGCGAGCCCCTGATGCTCTTCGTCCAGATCATCCTGATCGACAAGACCGGCTTCCATCCGAGTACGTGCTCGCTCGATGCGATGTTTCGCTTGGTGGTCGAATGGGCAGGTAGCCGGATCAAGCGTATGCAGCCGCCGCATTGCATCAGCCATGATGGATACTTTCTCGGCAGGAGCAAGGTGAGATGACAGGAGATCCTGCCCCGGCACTTCGCCCAATAGCAGCCAGTCCCTTCCCGCTTCAGTGACAACGTCGAGCACAGCTGCGCAAGGAACGCCCGTCGTGGCCAGCCACGATAGCCGCGCTGCCTCGTCCTGCAGTTCATTCAGGGCACCGGACAGGTCGGTCTTGACAAAAAGAACCGGGCGCCCCTGCGCTGACAGCCGGAACACGGCGGCATCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCATAGCCGAATAGCCTCTCCACCCAAGCGGCCGGAGAACCTGCGTGCAATCCATCTTGTTCAATCATGCGAAACGATCCTCATCCTGTCTCTTGATCAGATCCTGATCCCCTGCGCCATCAGATCCTTGGCGGCAAGAAAGCCATCCAGTTTACTTTGCAGGGCTTCCCAACCTTACCAGAGGGCGCCCCAGCTGGCAATTCCGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGGCTTTTCCAGGGTCTGCTGACGCGAAAAGGAATTGTGAATAGTGTAGCGA
【0379】
配列番号7:Lpp-HR-loxp-Knar-loxp
CGGACAAAAAAATGGCGCACGATGTGCGCCATTTTATATTGTGCGTCAAAGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGATAGAAGGCGATGCGCTGCGAATCGGGAGCGGCGATACCGTAAAGCACGAGGAAGCGGTCAGCCCATTCGCCGCCAAGCTCTTCAGCAATATCACGGGTAGCCAACGCTATGTCCTGATAGCGGTCCGCCACACCCAGCCGGCCACAGTCGATGAATCCAGAAAAGCGGCCATTTTCCACCATGATATTCGGCAAGCAGGCATCGCCATGGGTCACGACGAGATCCTCGCCGTCGGGCATGCGCGCCTTGAGCCTGGCGAACAGTTCGGCCGGCGCGAGCCCCTGATGCTCTTCGTCCAGATCATCCTGATCGACAAGACCGGCTTCCATCCGAGTACGTGCTCGCTCGATGCGATGTTTCGCTTGGTGGTCGAATGGGCAGGTAGCCGGATCAAGCGTATGCAGCCGCCGCATTGCATCAGCCATGATGGATACTTTCTCGGCAGGAGCAAGGTGAGATGACAGGAGATCCTGCCCCGGCACTTCGCCCAATAGCAGCCAGTCCCTTCCCGCTTCAGTGACAACGTCGAGCACAGCTGCGCAAGGAACGCCCGTCGTGGCCAGCCACGATAGCCGCGCTGCCTCGTCCTGCAGTTCATTCAGGGCACCGGACAGGTCGGTCTTGACAAAAAGAACCGGGCGCCCCTGCGCTGACAGCCGGAACACGGCGGCATCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCATAGCCGAATAGCCTCTCCACCCAAGCGGCCGGAGAACCTGCGTGCAATCCATCTTGTTCAATCATGCGAAACGATCCTCATCCTGTCTCTTGATCAGATCCTGATCCCCTGCGCCATCAGATCCTTGGCGGCAAGAAAGCCATCCAGTTTACTTTGCAGGGCTTCCCAACCTTACCAGAGGGCGCCCCAGCTGGCAATTCCGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGTATTAATACCCTCTAGATTGAGTTAATCTCCATGTAGCGTTACAAGTATT
【0380】
配列番号8:fliC-HR-loxp-KnaR-loxp
GCTTTCGCTGCCTTGATTGTGTACCACGTGTCGGTGAATCAATCGCCGGAGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGATAGAAGGCGATGCGCTGCGAATCGGGAGCGGCGATACCGTAAAGCACGAGGAAGCGGTCAGCCCATTCGCCGCCAAGCTCTTCAGCAATATCACGGGTAGCCAACGCTATGTCCTGATAGCGGTCCGCCACACCCAGCCGGCCACAGTCGATGAATCCAGAAAAGCGGCCATTTTCCACCATGATATTCGGCAAGCAGGCATCGCCATGGGTCACGACGAGATCCTCGCCGTCGGGCATGCGCGCCTTGAGCCTGGCGAACAGTTCGGCCGGCGCGAGCCCCTGATGCTCTTCGTCCAGATCATCCTGATCGACAAGACCGGCTTCCATCCGAGTACGTGCTCGCTCGATGCGATGTTTCGCTTGGTGGTCGAATGGGCAGGTAGCCGGATCAAGCGTATGCAGCCGCCGCATTGCATCAGCCATGATGGATACTTTCTCGGCAGGAGCAAGGTGAGATGACAGGAGATCCTGCCCCGGCACTTCGCCCAATAGCAGCCAGTCCCTTCCCGCTTCAGTGACAACGTCGAGCACAGCTGCGCAAGGAACGCCCGTCGTGGCCAGCCACGATAGCCGCGCTGCCTCGTCCTGCAGTTCATTCAGGGCACCGGACAGGTCGGTCTTGACAAAAAGAACCGGGCGCCCCTGCGCTGACAGCCGGAACACGGCGGCATCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCATAGCCGAATAGCCTCTCCACCCAAGCGGCCGGAGAACCTGCGTGCAATCCATCTTGTTCAATCATGCGAAACGATCCTCATCCTGTCTCTTGATCAGATCCTGATCCCCTGCGCCATCAGATCCTTGGCGGCAAGAAAGCCATCCAGTTTACTTTGCAGGGCTTCCCAACCTTACCAGAGGGCGCCCCAGCTGGCAATTCCGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGATCAATTACAACTTGATGTTATTGGGCTGTTGCCCACGGTTTCTCACCGT
【0381】
配列番号9:PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxpプラスミド
CATGGTCATAGCTGTTTCCTTTAATGCCCATGGCGTTTACCAATGCTTAATCAGTGAGGCACCTATCTCAGCGATCTGTCTATTTCGTTCATCCATAGTTGCCTGACTCCCCGTCGTGTAGATAACTACGATACGGGAGGGCTTACCATCTGGCCCCAGTGCTGCAATGATACCGCGACTTCCACGCTCACCGGCTCCAGATTTATCAGCAATAAACCAGCCAGCCGGAAGGGCCGAGCGCAGAAGTGGTCCTGCAACTTTATCCGCCTCCATCCAGTCTATTAATTGTTGCCGGGAAGCTAGAGTAAGTAGTTCGCCAGTTAATAGTTTGCGCAACGTTGTTGCCATTGCTACAGGCATCGTGGTGTCACGCTCGTCGTTTGGTATGGCTTCATTCAGCTCCGGTTCCCAACGATCAAGGCGAGTTACATGATCCCCCATGTTGTGCAAAAAAGCGGTTAGCTCCTTCGGTCCTCCGATCGTTGTCAGAAGTAAGTTGGCCGCAGTGTTATCACTCATGGTTATGGCAGCACTGCATAATTCTCTTACTGTCATGCCATCCGTAAGATGCTTTTCTGTGACTGGTGAGTACTCAACCAAGTCATTCTGAGAATAGTGTATGCGGCGACCGAGTTGCTCTTGCCCGGCGTCAATACGGGATAATACCGCGCCACATAGCAGAACTTTAAAAGTGCTCATCATTGGAAAACGTTCTTCGGGGCGAAAACTCTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGATCCAGTTCGATGTAACCCACTCGTGCACCCAACTGATCTTCAGCATCTTTTACTTTCACCAGCGTTTCTGGGTGAGCAAAAACAGGAAGGCAAAATGCCGCAAAAAAGGGAATAAGGGCGACACGGAAATGTTGAATACTCATACTCTTCCTTTTTCAATATTATTGAAGCATTTATCAGGGTTATTGTCTCATGAGCGGATACATATTTGAATGTATTTAGAAAAATAAACAAATAGGGGTTCCGCGCACATTTCCCCGAAAAGTGCCACCTGACGTCTAAGAAACCATTATTATCATGACATTAACCTATAAAAATAGGCGTATCACGAGGCCCTTAGGCCAAATAGGCCGTTCAGATCCTTCCGTATTTAGCCAGTATGTTCTCTAGTGTGGTTCGTTGTTTTTGCGTGAGCCATGAGAACGAACCATTGAGATCATGCTTACTTTGCATGTCACTCAAAAATTTTGCCTCAAAACTGGTGAGCTGAATTTTTGCAGTTAAAGCATCGTGTAGTGTTTTTCTTAGTCCGTTACGTAGGTAGGAATCTGATGTAATGGTTGTTGGTATTTTGTCACCATTCATTTTTATCTGGTTGTTCTCAAGTTCGGTTACGAGATCCATTTGTCTATCTAGTTCAACTTGGAAAATCAACGTATCAGTCGGGCGGCCTCGCTTATCAACCACCAATTTCATATTGCTGTAAGTGTTTAAATCTTTACTTATTGGTTTCAAAACCCATTGGTTAAGCCTTTTAAACTCATGGTAGTTATTTTCAAGCATTAACATGAACTTAAATTCATCAAGGCTAATCTCTATATTTGCCTTGTGAGTTTTCTTTTGTGTTAGTTCTTTTAATAACCACTCATAAATCCTCATAGAGTATTTGTTTTCAAAAGACTTAACATGTTCCAGATTATATTTTATGAATTTTTTTAACTGGAAAAGATAAGGCAATATCTCTTCACTAAAAACTAATTCTAATTTTTCGCTTGAGAACTTGGCATAGTTTGTCCACTGGAAAATCTCAAAGCCTTTAACCAAAGGATTCCTGATTTCCACAGTTCTCGTCATCAGCTCTCTGGTTGCTTTAGCTAATACACCATAAGCATTTTCCCTACTGATGTTCATCATCTGAGCGTATTGGTTATAAGTGAACGATACCGTCCGTTCTTTCCTTGTAGGGTTTTCAATCGTGGGGTTGAGTAGTGCCACACAGCATAAAATTAGCTTGGTTTCATGCTCCGTTAAGTCATAGCGACTAATCGCTAGTTCATTTGCTTTGAAAACAACTAATTCAGACATACATCTCAATTGGTCTAGGTGATTTTAATCACTATACCAATTGAGATGGGCTAGTCAATGATAATTACTAGTCCTTTTCCTTTGAGTTGTGGGTATCTGTAAATTCTGCTAGACCTTTGCTGGAAAACTTGTAAATTCTGCTAGACCCTCTGTAAATTCCGCTAGACCTTTGTGTGTTTTTTTTGTTTATATTCAAGTGGTTATAATTTATAGAATAAAGAAAGAATAAAAAAAGATAAAAAGAATAGATCCCAGCCCTGTGTATAACTCACTACTTTAGTCAGTTCCGCAGTATTACAAAAGGATGTCGCAAACGCTGTTTGCTCCTCTACAAAACAGACCTTAAAACCCTAAAGGCTTAAGTAGCACCCTCGCAAGCTCGGGCAAATCGCTGAATATTCCTTTTGTCTCCGACCATCAGGCACCTGAGTCGCTGTCTTTTTCGTGACATTCAGTTCGCTGCGCTCACGGCTCTGGCAGTGAATGGGGGTAAATGGCACTACAGGCGCCTTTTATGGATTCATGCAAGGAAACTACCCATAATACAAGAAAAGCCCGTCACGGGCTTCTCAGGGCGTTTTATGGCGGGTCTGCTATGTGGTGCTATCTGACTTTTTGCTGTTCAGCAGTTCCTGCCCTCTGATTTTCCAGTCTGACCACTTCGGATTATCCCGTGACAGGTCATTCAGACTGGCTAATGCACCCAGTAAGGCAGCGGTATCATCAACAGGCTTACCCGTCTTACTGTCAAGAGGACATCCGGTCAGATAACCGTCATCTTCGGCTACTGTCTAGGGCGGCGGATTTGTCCTACTCAGGAGAGCGTTCACCGACAAACAACAGATAAAACGAAAGGCCCAGTCTTTCGACTGAGCCTTTCGTTTTATTTGATGCACTAGTGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGATAGAAGGCGATGCGCTGCGAATCGGGAGCGGCGATACCGTAAAGCACGAGGAAGCGGTCAGCCCATTCGCCGCCAAGCTCTTCAGCAATATCACGGGTAGCCAACGCTATGTCCTGATAGCGGTCCGCCACACCCAGCCGGCCACAGTCGATGAATCCAGAAAAGCGGCCATTTTCCACCATGATATTCGGCAAGCAGGCATCGCCATGGGTCACGACGAGATCCTCGCCGTCGGGCATGCGCGCCTTGAGCCTGGCGAACAGTTCGGCCGGCGCGAGCCCCTGATGCTCTTCGTCCAGATCATCCTGATCGACAAGACCGGCTTCCATCCGAGTACGTGCTCGCTCGATGCGATGTTTCGCTTGGTGGTCGAATGGGCAGGTAGCCGGATCAAGCGTATGCAGCCGCCGCATTGCATCAGCCATGATGGATACTTTCTCGGCAGGAGCAAGGTGAGATGACAGGAGATCCTGCCCCGGCACTTCGCCCAATAGCAGCCAGTCCCTTCCCGCTTCAGTGACAACGTCGAGCACAGCTGCGCAAGGAACGCCCGTCGTGGCCAGCCACGATAGCCGCGCTGCCTCGTCCTGCAGTTCATTCAGGGCACCGGACAGGTCGGTCTTGACAAAAAGAACCGGGCGCCCCTGCGCTGACAGCCGGAACACGGCGGCATCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCATAGCCGAATAGCCTCTCCACCCAAGCGGCCGGAGAACCTGCGTGCAATCCATCTTGTTCAATCATGCGAAACGATCCTCATCCTGTCTCTTGATCAGATCCTGATCCCCTGCGCCATCAGATCCTTGGCGGCAAGAAAGCCATCCAGTTTACTTTGCAGGGCTTCCCAACCTTACCAGAGGGCGCCCCAGCTGGCAATTCCGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGCTATCTAGAGCTTGGACTCCTGTTGATAGATCCAGTAATGACCTCAGAACTCCATCTGGATTTGTTCAGAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATTGGTGAGAATCCAAGCCCGGGAAACGGGATCCTGATCTTGATCAGGCTGTGGGTCAGGCCACTCTTGGCATCGACACCAATGTGGGCCTTCATGCCAAAGTGCCACTGATTGCCTTTCTTGGTCTGATGCATCTCCGGATCGCGTTGCTGCTCTTTGTTCTTGGTCGAGCTGGGTGCCTCAATGATGGTGGCATCGACCAAGGTGCCTTGAGTCATCATGACGCCTGCTTCGGCCAGCCAGCGATTGATGGTCTTGAACAATTGGCGGGCCAGTTGATGCTGCTCCAGCAGGTGGCGGAAATTCATGATGGTGGTGCGGTCCGGCAAGGCGCTATCCAGGGATAACCGGGCAAACAGACGCATGGAGGCGATTTCGTACAGAGCATCTTCCATCGCGCCATCGCTCAGGTTGTACCAATGCTGCATGCAGTGAATGCGTAGCATGGTTTCCAGCGGATAAGGTCGCCGGCCATTACCAGCCTTGGGGTAAAACGGCTCGATGACTTCCACCATGTTTTGCCATGGCAGAATCTGCTCCATGCGGGACAAGAAAATCTCTTTTCTGGTCTGACGGCGCTTACTGCTGAATTCACTGTCGGCGAAGGTAAGTTGATGACTCATGATGAACCCTGTTCTATGGCTCCAGATGACAAACATGATCTCATATCAGGGACTTGTTCGCACCTTCCTTAGCACGTTAATTATCTATCGTGTATATGGAGGGGATCTAGAATGAAAAAAATAATGCTAGTTTTTATTACACTTATATTAGTTAGTCTACCAATTGCGCAACAAACTGAAGCAAAGGATGCATCTGCATTCAATAAAGAAAATTCAATTTCATCCATGGCACCACCAGCATCTCCGCCTGCAAGTCCTAAGACGCCAATCGAAAAGAAACACGCGGATGAAATCGATAAGTATATACAAGGATTGGACTACAATAAAAACAATGTATTAGTATACCACGGAGATGCAGTGACAAATGTGCCGCCAAGAAAAGGTTACAAAGATGGAAATGAATATATTGTTGTGGAGAAAAAGAAGAAATCCATCAATCAAAATAATGCAGACATTCAAGTTGTGAATGCAATTTCGAGCCTAACCTATCCAGGTGCTCTCGTAAAAGCGAATTCGGAATTAGTAGAAAATCAACCAGATGTTCTCCCTGTAAAACGTGATTCATTAACACTCAGCATTGATTTGCCAGGTATGACTAATCAAGACAATAAAATCGTTGTAAAAAATGCCACTAAATCAAACGTTAACAACGCAGTAAATACATTAGTGGAAAGATGGAATGAAAAATATGCTCAAGCTTATCCAAATGTAAGTGCAAAAATTGATTATGATGACGAAATGGCTTACAGTGAATCACAATTAATTGCGAAATTTGGTACAGCATTTAAAGCTGTAAATAATAGCTTGAATGTAAACTTCGGCGCAATCAGTGAAGGGAAAATGCAAGAAGAAGTCATTAGTTTTAAACAAATTTACTATAACGTGAATGTTAATGAACCTACAAGACCTTCCAGATTTTTCGGCAAAGCTGTTACTAAAGAGCAGTTGCAAGCGCTTGGAGTGAATGCAGAAAATCCTCCTGCATATATCTCAAGTGTGGCGTATGGCCGTCAAGTTTATTTGAAATTATCAACTAATTCCCATAGTACTAAAGTAAAAGCTGCTTTTGATGCTGCCGTAAGCGGAAAATCTGTCTCAGGTGATGTAGAACTAACAAATATCATCAAAAATTCTTCCTTCAAAGCCGTAATTTACGGAGGTTCCGCAAAAGATGAAGTTCAAATCATCGACGGCAACCTCGGAGACTTACGAGATATTTTGAAAAAAGGCGCTACTTTTAATCGAGAAACACCAGGAGTTCCCATTGCTTATACAACAAACTTCCTAAAAGACAATGAATTAGCTGTTATTAAAAACAACTCAGAATATATTGAAACAACTTCAAAAGCTTATACAGATGGAAAAATTAACATCGATCACTCTGGAGGATACGTTGCTCAATTCAACATTTCTTGGGATGAAGTAAATTATGATCCTGAAGGTAACGAAATTGTTCAACATAAAAACTGGAGCGAAAACAATAAAAGTAAGCTAGCTCATTTCACATCGTCCATCTATTTGCCAGGTAACGCGAGAAATATTAATGTTTACGCTAAAGAATGCACTGGTTTAGCTTGGGAATGGTGGAGAACGGTAATTGATGACCGGAACTTACCACTTGTGAAAAATAGAAATATCTCCATCTGGGGCACCACGCTTTATCCGAAATATAGTAATAAAGTAGATAATCCAATCGAATAAGTCGACCTCGAGGACTAGTGAACCTCTTCGAGGGACCTAATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATATTAAGGGTTATTGAATATGATCGGCTCGAGATTACTTCGCATTGCAATCAGCTACGGACTCAAGCTTACGTCAGGTCATACGATGAAGGCGATAAGTCGCGTAAGTTGCTAGCCCACGCGGCTCACCTTCACGGGTGGGCCTTTCTTCGCGATCCACATG
【0382】
配列番号10:Pssbp1-dapE-Cmプラスミド
CATGGTCATAGCTGTTTCCTTTAATGCCCATGGCGTTTACCAATGCTTAATCAGTGAGGCACCTATCTCAGCGATCTGTCTATTTCGTTCATCCATAGTTGCCTGACTCCCCGTCGTGTAGATAACTACGATACGGGAGGGCTTACCATCTGGCCCCAGTGCTGCAATGATACCGCGACTTCCACGCTCACCGGCTCCAGATTTATCAGCAATAAACCAGCCAGCCGGAAGGGCCGAGCGCAGAAGTGGTCCTGCAACTTTATCCGCCTCCATCCAGTCTATTAATTGTTGCCGGGAAGCTAGAGTAAGTAGTTCGCCAGTTAATAGTTTGCGCAACGTTGTTGCCATTGCTACAGGCATCGTGGTGTCACGCTCGTCGTTTGGTATGGCTTCATTCAGCTCCGGTTCCCAACGATCAAGGCGAGTTACATGATCCCCCATGTTGTGCAAAAAAGCGGTTAGCTCCTTCGGTCCTCCGATCGTTGTCAGAAGTAAGTTGGCCGCAGTGTTATCACTCATGGTTATGGCAGCACTGCATAATTCTCTTACTGTCATGCCATCCGTAAGATGCTTTTCTGTGACTGGTGAGTACTCAACCAAGTCATTCTGAGAATAGTGTATGCGGCGACCGAGTTGCTCTTGCCCGGCGTCAATACGGGATAATACCGCGCCACATAGCAGAACTTTAAAAGTGCTCATCATTGGAAAACGTTCTTCGGGGCGAAAACTCTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGATCCAGTTCGATGTAACCCACTCGTGCACCCAACTGATCTTCAGCATCTTTTACTTTCACCAGCGTTTCTGGGTGAGCAAAAACAGGAAGGCAAAATGCCGCAAAAAAGGGAATAAGGGCGACACGGAAATGTTGAATACTCATACTCTTCCTTTTTCAATATTATTGAAGCATTTATCAGGGTTATTGTCTCATGAGCGGATACATATTTGAATGTATTTAGAAAAATAAACAAATAGGGGTTCCGCGCACATTTCCCCGAAAAGTGCCACCTGACGTCTAAGAAACCATTATTATCATGACATTAACCTATAAAAATAGGCGTATCACGAGGCCCTTAGGCCAAATAGGCCGTTCAGATCCTTCCGTATTTAGCCAGTATGTTCTCTAGTGTGGTTCGTTGTTTTTGCGTGAGCCATGAGAACGAACCATTGAGATCATGCTTACTTTGCATGTCACTCAAAAATTTTGCCTCAAAACTGGTGAGCTGAATTTTTGCAGTTAAAGCATCGTGTAGTGTTTTTCTTAGTCCGTTACGTAGGTAGGAATCTGATGTAATGGTTGTTGGTATTTTGTCACCATTCATTTTTATCTGGTTGTTCTCAAGTTCGGTTACGAGATCCATTTGTCTATCTAGTTCAACTTGGAAAATCAACGTATCAGTCGGGCGGCCTCGCTTATCAACCACCAATTTCATATTGCTGTAAGTGTTTAAATCTTTACTTATTGGTTTCAAAACCCATTGGTTAAGCCTTTTAAACTCATGGTAGTTATTTTCAAGCATTAACATGAACTTAAATTCATCAAGGCTAATCTCTATATTTGCCTTGTGAGTTTTCTTTTGTGTTAGTTCTTTTAATAACCACTCATAAATCCTCATAGAGTATTTGTTTTCAAAAGACTTAACATGTTCCAGATTATATTTTATGAATTTTTTTAACTGGAAAAGATAAGGCAATATCTCTTCACTAAAAACTAATTCTAATTTTTCGCTTGAGAACTTGGCATAGTTTGTCCACTGGAAAATCTCAAAGCCTTTAACCAAAGGATTCCTGATTTCCACAGTTCTCGTCATCAGCTCTCTGGTTGCTTTAGCTAATACACCATAAGCATTTTCCCTACTGATGTTCATCATCTGAGCGTATTGGTTATAAGTGAACGATACCGTCCGTTCTTTCCTTGTAGGGTTTTCAATCGTGGGGTTGAGTAGTGCCACACAGCATAAAATTAGCTTGGTTTCATGCTCCGTTAAGTCATAGCGACTAATCGCTAGTTCATTTGCTTTGAAAACAACTAATTCAGACATACATCTCAATTGGTCTAGGTGATTTTAATCACTATACCAATTGAGATGGGCTAGTCAATGATAATTACTAGTCCTTTTCCTTTGAGTTGTGGGTATCTGTAAATTCTGCTAGACCTTTGCTGGAAAACTTGTAAATTCTGCTAGACCCTCTGTAAATTCCGCTAGACCTTTGTGTGTTTTTTTTGTTTATATTCAAGTGGTTATAATTTATAGAATAAAGAAAGAATAAAAAAAGATAAAAAGAATAGATCCCAGCCCTGTGTATAACTCACTACTTTAGTCAGTTCCGCAGTATTACAAAAGGATGTCGCAAACGCTGTTTGCTCCTCTACAAAACAGACCTTAAAACCCTAAAGGCTTAAGTAGCACCCTCGCAAGCTCGGGCAAATCGCTGAATATTCCTTTTGTCTCCGACCATCAGGCACCTGAGTCGCTGTCTTTTTCGTGACATTCAGTTCGCTGCGCTCACGGCTCTGGCAGTGAATGGGGGTAAATGGCACTACAGGCGCCTTTTATGGATTCATGCAAGGAAACTACCCATAATACAAGAAAAGCCCGTCACGGGCTTCTCAGGGCGTTTTATGGCGGGTCTGCTATGTGGTGCTATCTGACTTTTTGCTGTTCAGCAGTTCCTGCCCTCTGATTTTCCAGTCTGACCACTTCGGATTATCCCGTGACAGGTCATTCAGACTGGCTAATGCACCCAGTAAGGCAGCGGTATCATCAACAGGCTTACCCGTCTTACTGTCAAGAGGACATCCGGTCAGATAACCGTCATCTTCGGCTACTGTCTAGGGCGGCGGATTTGTCCTACTCAGGAGAGCGTTCACCGACAAACAACAGATAAAACGAAAGGCCCAGTCTTTCGACTGAGCCTTTCGTTTTATTTGATGCACTAGTGCCGATCATATTCAATAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCTGAAGAGGAGTTTACGTCCCATATGGAGTCCCGCTTACGCCCCGCCCTGCCACTCATCGCAGTACTGTTGTAATTCATTAAGCATTCTGCCGACATGGAAGCCATCACAGACGGCATGATGAACCTGAATCGCCAGCGGCATCAGCACCTTGTCGCCTTGCGTATAATATTTGCCCATGGTGAAAACGGGGGCGAAGAAGTTGTCCATATTGGCCACGTTTAAATCAAAACTGGTGAAACTCACCCAGGGATTGGCTGAGACGAAAAACATATTCTCAATAAACCCTTTAGGGAAATAGGCCAGGTTTTCACCGTAACACGCCACATCTTGCGAATATATGTGTAGAAACTGCCGGAAATCGTCGTGGTATTCACTCCAGAGCGATGAAAACGTTTCAGTTTGCTCATGGAAAACGGTGTAACAAGGGTGAACACTATCCCATATCACCAGCTCACCGTCTTTCATTGCCATACGAAATTCCGGATGAGCATTCATCAGGCGGGCAAGAATGTGAATAAAGGCCGGATAAAACTTGTGCTTATTTTTCTTTACGGTCTTTAAAAAGGCCGTAATATCCAGCTGAACGGTCTGGTTATAGGTACATTGAGCAACTGACTGAAATGCCTCAAAATGTTCTTTACGATGCCATTGGGATATATCAACGGTGGTATATCCAGTGATTTTTTTCTCCATTTTAGCTTCCTTAGCTCCTGAAAATCTCGATAACTCAAAAAATACGCCCGGTAGTGATCTTATTTCATTATGGTGAAAGTTGGAACCTCTTACGTGCCGATCAGACGTCATTGCGTTGCTAGCCAAGCTTAGGATCCGGAACCCTTAATATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATTAGGTCCCTCGAAGAGGTTCACTAGCTATCTAGAGCTTGGACTCCTGTTGATAGATCCAGTAATGACCTCAGAACTCCATCTGGATTTGTTCAGAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATTGGTGAGAATCCAAGCCCGGGAAACGGGATCCTGATCTTGATCAACCGAGGTCACAACATAGTAAAAGCGCTATTGGTAATGGTACAATCGCGCGTTTACACTTATTCAGAACGATTTTTTTCAGGAGGGCCTACTTGTCACACAGGACGGTAATGTCGTGCCCGGTTATTGAGCTGACACAGCAACTTATTCGTCGCCCCTCCCTGAGTCCGGATGACGCAGGCTGTCAGGCATTAATGATTGAACGCCTGCGTAAAATCGGTTTTACCATTGAGCATATGGATTTTGGCGACACGCAAAATTTTTGGGCATGGCGTGGGCGTGGCGAAACGCTGGCGTTCGCCGGGCATACTGACGTCGTACCGGCTGGCGATGTCGATCGCTGGATCAATCCGCCGTTTGAGCCTACGATTCGCGACGGAATGTTGTTCGGTCGCGGCGCGGCGGATATGAAAGGTTCACTGGCGGCCATGGTGGTGGCTGCTGAACGTTTTGTTGCGCAGCATCCTCATCACCGGGGCCGCCTCGCATTTTTGATTACCTCTGATGAGGAAGCCAGCGCAAAAAATGGCACCGTAAAGGTGGTTGAAGCGCTGATGGCCCGTAACGAGCGGCTGGATTACTGTCTGGTCGGCGAACCTTCCAGTACTGAAATTGTGGGCGATGTCGTCAAAAACGGGCGTCGCGGTTCTCTCACCTGTAACCTCACTATCCATGGCGTTCAGGGGCACGTCGCCTATCCGCATCTGGCGGATAACCCTGTTCATCGCGCCGCGCCTTTTCTTAATGAACTGGTCGCTATCGAGTGGGATCGGGGCAATGACTTTTTCCCGGCCACCAGTATGCAGGTAGCCAATATCCAGGCAGGCACCGGCAGCAATAATGTCATTCCCGGCGAACTGTTCGTGCAGTTTAACTTCCGTTTCAGCACGGAACTGACCGATGAGATGATCAAAGAGCGGGTACATGCGCTGCTTGAAAAGCATCAGCTACGCTATACCGTAGACTGGTGGCTTTCCGGGCAGCCGTTCCTGACCGCACGCGGCAAGCTGGTGGACGCGGTGGTAAACGCCATTGAGCACTATAATGAAATTAAACCGCAATTACTGACGACGGGCGGTACGTCCGACGGACGTTTTATCGCCCGTATGGGAGCGCAGGTGGTAGAACTGGGGCCGGTGAACGCCACCATTCATAAAATTAATGAATGTGTGAATGCCGCCGATCTCCAGCTACTGGCCCGTATGTATCAACGCATTATGGAACAGCTCGTCGCCCATCACCATCACCATCACTAAGATTACTTCGCATTGCAATCAGCTACGGACTCAAGCTTACGTCAGGTCATACGATGAAGGCGATAAGTCGCGTAAGTTGCTAGCCCACGCGGCTCACCTTCACGGGTGGGCCTTTCTTCGCGATCCACATG
【0383】
配列番号11:PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxpフォワードプライマー
TTCACAGAAAAGTGTTGCCCCCTTCCATGGCGGAAGGGGGACAAAGGTGAATTTGTCCTACTCAGGAGAGCGTTCA
【0384】
配列番号12:PsseA-hlyA-loxp-KnaR-loxpリバースプライマー
TCTGACGTACACAGCAATTTTGCGTTACCTGTTAATCGAGATTGAAACACCGAAGAAAGGCCCACCCG
【0385】
配列番号13:Pssbp1-dapE-Cmフォワードプライマー
TTGGTTTCAGTGAATCCCGTTATCAGCAGTTTTTTGATGAGGTGTAGTCTATTTGTCCTACTCAGGAGAGCG
【0386】
配列番号14:Pssbp1-dapE-Cmリバースプライマー
CAATATTTTGCCAGCCAGTCCATGCTTATTTCCTCTTACCGGAACGCTCACGAAGAAAGGCCCACCCG
【0387】
配列番号15:PdapE-dapE-loxp-KnaR-loxpフォワードプライマー
CAATATTTTGCCAGCCAGTCCATGCTTATTTCCTCTTACCGGAACGCTCAATTTGTCCTACTCAG
【0388】
配列番号16:PdapE-dapE-loxp-KnaR-loxpリバースプライマー
TTGGTTTCAGTGAATCCCGTTATCAGCAGTTTTTTGATGAGGTGTAGTCTCGAAGAAAGGCCCACCCG
【0389】
配列番号17:loxp-KnaR-loxpフォワードプライマー
ATGAAAAAAATAATGCTAGTTTTTATTACACTTATATTAGTTAGTCTACCGCCGATCATATTCAATAACCC
【0390】
配列番号18:loxp-KnaR-loxpリバースプライマー
TTATTCGATTGGATTATCTACTTTATTACTATATTTCGGATAAAGCGTGGCTAGTGAACCTCTTCGAGGG
【0391】
配列番号19:PhtrA-htrA-loxp-aadA-loxpフォワードプライマー
GATAATGTATTCACAGGTTGCTCCGGGCTTGAAAAAGTTAAATGACATCCATTTGTCCTACTCAGGAGAGC
【0392】
配列番号20:PhtrA-htrA-loxp-aadA-loxpリバースプライマー
AAAAGGAACTTTTTACCTTTTCGCCTTCCCGTTTCGTTCAACTTAGTATACGAAGAAAGGCCCACCC
【0393】
配列番号21:msbB-HR-loxp-KnaR-loxpフォワードプライマー
AGGTAGTACAGGGTTTGTCAGCATAAAGCCTCTCTTACGAGAGGCTTTATGCCGATCATATTCAATAACCC
【0394】
配列番号22:msbB-HR-loxp-KnaR-loxpリバースプライマー
TCGCTACACTATTCACAATTCCTTTTCGCGTCAGCAGACCCTGGAAAAGCCTAGTGAACCTCTTCGAGGG
【0395】
配列番号23:lpp-HR-loxp-KnaR-loxpフォワードプライマー
CGGACAAAAAAATGGCGCACGATGTGCGCCATTTTATATTGTGCGTCAAAGCCGATCATATTCAATAACCC
【0396】
配列番号24:lpp-HR-loxp-KnaR-loxpリバースプライマー
AATACTTGTAACGCTACATGGAGATTAACTCAATCTAGAGGGTATTAATACTAGTGAACCTCTTCGAGGG
【0397】
配列番号25:fliC-HR-loxp-KnaR-loxpフォワードプライマー
GCTTTCGCTGCCTTGATTGTGTACCACGTGTCGGTGAATCAATCGCCGGAGCCGATCATATTCAATAACCC
【0398】
配列番号26:fliC-HR-loxp-KnaR-loxpリバースプライマー
ACGGTGAGAAACCGTGGGCAACAGCCCAATAACATCAAGTTGTAATTGATCTAGTGAACCTCTTCGAGGG
【0399】
配列番号27:dapE(スクシニル-1,1-ジアミノピメリン酸デスクシニラーゼをコードする、遺伝子ID:1254005)
ATGTCGTGCCCGGTTATTGAGCTGACACAGCAACTTATTCGTCGCCCCTCCCTGAGTCCGGATGACGCAGGCTGTCAGGCATTAATGATTGAACGCCTGCGTAAAATCGGTTTTACCATTGAGCATATGGATTTTGGCGACACGCAAAATTTTTGGGCATGGCGTGGGCGTGGCGAAACGCTGGCGTTCGCCGGGCATACTGACGTCGTACCGGCTGGCGATGTCGATCGCTGGATCAATCCGCCGTTTGAGCCTACGATTCGCGACGGAATGTTGTTCGGTCGCGGCGCGGCGGATATGAAAGGTTCACTGGCGGCCATGGTGGTGGCTGCTGAACGTTTTGTTGCGCAGCATCCTCATCACCGGGGCCGCCTCGCATTTTTGATTACCTCTGATGAGGAAGCCAGCGCAAAAAATGGCACCGTAAAGGTGGTTGAAGCGCTGATGGCCCGTAACGAGCGGCTGGATTACTGTCTGGTCGGCGAACCTTCCAGTACTGAAATTGTGGGCGATGTCGTCAAAAACGGGCGTCGCGGTTCTCTCACCTGTAACCTCACTATCCATGGCGTTCAGGGGCACGTCGCCTATCCGCATCTGGCGGATAACCCTGTTCATCGCGCCGCGCCTTTTCTTAATGAACTGGTCGCTATCGAGTGGGATCGGGGCAATGACTTTTTCCCGGCCACCAGTATGCAGGTAGCCAATATCCAGGCAGGCACCGGCAGCAATAATGTCATTCCCGGCGAACTGTTCGTGCAGTTTAACTTCCGTTTCAGCACGGAACTGACCGATGAGATGATCAAAGAGCGGGTACATGCGCTGCTTGAAAAGCATCAGCTACGCTATACCGTAGACTGGTGGCTTTCCGGGCAGCCGTTCCTGACCGCACGCGGCAAGCTGGTGGACGCGGTGGTAAACGCCATTGAGCACTATAATGAAATTAAACCGCAATTACTGACGACGGGCGGTACGTCCGACGGACGTTTTATCGCCCGTATGGGAGCGCAGGTGGTAGAACTGGGGCCGGTGAACGCCACCATTCATAAAATTAATGAATGTGTGAATGCCGCCGATCTCCAGCTACTGGCCCGTATGTATCAACGCATTATGGAACAGCTCGTCGCCTGA
【0400】
配列番号28:htrA(セリンプロテアーゼをコードする、遺伝子ID:1251727)
ATGAAAAAAACCACATTAGCAATGAGTGCACTGGCTCTGAGTTTAGGTTTGGCATTGTCGCCTCTGTCTGCCACGGCGGCTGAAACGTCCTCTTCAGCAATGACTGCCCAGCAGATGCCAAGCCTGGCACCGATGCTCGAAAAAGTGATGCCATCGGTGGTCAGTATTAATGTTGAAGGTAGCACCACGGTGAATACGCCGCGTATGCCGCGTAATTTCCAGCAGTTCTTTGGCGATGACTCCCCGTTCTGCCAGGACGGTTCTCCGTTCCAGAATTCTCCGTTCTGCCAGGGCGGCGGTAACGGCGGCAACGGCGGTCAACAACAGAAATTCATGGCGCTGGGCTCCGGCGTAATTATTGACGCCGCGAAGGGCTACGTCGTCACCAACAACCACGTGGTTGATAACGCCAGCGTGATTAAAGTACAGCTTAGCGATGGGCGTAAATTCGATGCTAAAGTGGTGGGCAAAGATCCGCGTTCTGATATCGCGCTGATTCAAATTCAGAATCCGAAGAACCTGACGGCGATTAAGCTGGCGGACTCCGACGCGCTGCGCGTGGGGGATTATACCGTCGCTATTGGTAACCCGTTTGGTCTGGGCGAAACGGTGACGTCAGGTATCGTTTCGGCGCTGGGGCGTAGCGGCCTGAACGTAGAAAATTACGAGAACTTTATTCAGACCGACGCCGCGATTAACCGTGGTAACTCCGGCGGCGCGCTGGTGAACCTGAACGGTGAGCTGATCGGTATTAACACCGCGATTCTGGCGCCGGACGGCGGCAACATCGGTATCGGCTTCGCTATCCCCAGTAACATGGTGAAAAACCTGACGTCGCAGATGGTGGAATACGGCCAGGTGAAACGCGGCGAACTGGGGATCATGGGGACTGAGCTGAATTCCGAATTGGCGAAAGCGATGAAAGTCGACGCCCAGCGAGGCGCGTTCGTCAGCCAGGTGATGCCGAATTCGTCCGCGGCGAAAGCGGGTATCAAAGCCGGGGATGTCATTACCTCGCTGAACGGTAAACCGATCAGCAGCTTTGCGGCGCTGCGCGCTCAGGTCGGCACTATGCCGGTCGGCAGCAAAATCAGCCTCGGTCTGCTGCGTGAAGGTAAAGCGATTACGGTGAATCTGGAACTGCAGCAGAGCAGCCAGAGTCAGGTTGATTCCAGCACCATCTTCAGCGGGATTGAAGGCGCTGAAATGAGCAATAAAGGCCAGGATAAAGGCGTTGTGGTGAGCAGCGTGAAAGCGAACTCACCCGCCGCGCAAATTGGCCTCAAAAAAGGCGATGTGATTATCGGCGCTAACCAGCAGCCGGTGAAAAATATCGCCGAGCTGCGTAAGATTCTCGACAGCAAGCCGTCGGTTCTGGCGCTGAATATTCAGCGTGGTGATAGTTCTATTTATTTGCTGATGCAGTAA
【0401】
配列番号29:hlyA(リステリアヘモリジンをコードする、遺伝子ID:987033)
ATGAAAAAAATAATGCTAGTTTTTATTACACTTATATTAGTTAGTCTACCAATTGCGCAACAAACTGAAGCAAAGGATGCATCTGCATTCAATAAAGAAAATTCAATTTCATCCATGGCACCACCAGCATCTCCGCCTGCAAGTCCTAAGACGCCAATCGAAAAGAAACACGCGGATGAAATCGATAAGTATATACAAGGATTGGACTACAATAAAAACAATGTATTAGTATACCACGGAGATGCAGTGACAAATGTGCCGCCAAGAAAAGGTTACAAAGATGGAAATGAATATATTGTTGTGGAGAAAAAGAAGAAATCCATCAATCAAAATAATGCAGACATTCAAGTTGTGAATGCAATTTCGAGCCTAACCTATCCAGGTGCTCTCGTAAAAGCGAATTCGGAATTAGTAGAAAATCAACCAGATGTTCTCCCTGTAAAACGTGATTCATTAACACTCAGCATTGATTTGCCAGGTATGACTAATCAAGACAATAAAATCGTTGTAAAAAATGCCACTAAATCAAACGTTAACAACGCAGTAAATACATTAGTGGAAAGATGGAATGAAAAATATGCTCAAGCTTATCCAAATGTAAGTGCAAAAATTGATTATGATGACGAAATGGCTTACAGTGAATCACAATTAATTGCGAAATTTGGTACAGCATTTAAAGCTGTAAATAATAGCTTGAATGTAAACTTCGGCGCAATCAGTGAAGGGAAAATGCAAGAAGAAGTCATTAGTTTTAAACAAATTTACTATAACGTGAATGTTAATGAACCTACAAGACCTTCCAGATTTTTCGGCAAAGCTGTTACTAAAGAGCAGTTGCAAGCGCTTGGAGTGAATGCAGAAAATCCTCCTGCATATATCTCAAGTGTGGCGTATGGCCGTCAAGTTTATTTGAAATTATCAACTAATTCCCATAGTACTAAAGTAAAAGCTGCTTTTGATGCTGCCGTAAGCGGAAAATCTGTCTCAGGTGATGTAGAACTAACAAATATCATCAAAAATTCTTCCTTCAAAGCCGTAATTTACGGAGGTTCCGCAAAAGATGAAGTTCAAATCATCGACGGCAACCTCGGAGACTTACGAGATATTTTGAAAAAAGGCGCTACTTTTAATCGAGAAACACCAGGAGTTCCCATTGCTTATACAACAAACTTCCTAAAAGACAATGAATTAGCTGTTATTAAAAACAACTCAGAATATATTGAAACAACTTCAAAAGCTTATACAGATGGAAAAATTAACATCGATCACTCTGGAGGATACGTTGCTCAATTCAACATTTCTTGGGATGAAGTAAATTATGATCCTGAAGGTAACGAAATTGTTCAACATAAAAACTGGAGCGAAAACAATAAAAGTAAGCTAGCTCATTTCACATCGTCCATCTATTTGCCAGGTAACGCGAGAAATATTAATGTTTACGCTAAAGAATGCACTGGTTTAGCTTGGGAATGGTGGAGAACGGTAATTGATGACCGGAACTTACCACTTGTGAAAAATAGAAATATCTCCATCTGGGGCACCACGCTTTATCCGAAATATAGTAATAAAGTAGATAATCCAATCGAATAA
【0402】
配列番号30:プロモーターpepTp
GCAGGGGTAAAAGTGACCTGACGCAATATTTGTCTTTTCTTGCTTCTTAATAATGTTGTCACAAAAAGTGAGGGTGACTACATGG
【0403】
配列番号31:プロモーターfnrSp
CGCCGCAAAGTTTGAGCGAAGTCAATAAACTCTCTACCCATTCAGGGCAATATCTCTCTTGCAGGTGAATGCAACGTCAAGCGAT
【0404】
配列番号32:プロモーターysgAp
TCAGAAGAAGCAAAAAGACACTTTACCGAAGGGTTTAACATTTTTTCGTGATACTCATCACCATGACGCAAATGCGTTGCATAAA
【0405】
配列番号33:プロモーターssbp1
AACCGAGGTCACAACATAGTAAAAGCGCTATTGGTAATGGTACAATCGCGCGTTTACACTTATTCAGAACGATTTTTTTCAGGAG
【0406】
配列番号34:プロモーターHip1
GGATAAAAGTGACCTGACGCAATATTTGTCTTTTCTTGCTTAATAATGTTGTCA
【0407】
配列番号35:プロモーターBBa_I14018
TGTAAGTTTATACATAGGCGAGTACTCTGTTATGG
【0408】
配列番号36:プロモーターBBa_R1074
TTAAATTTCCTCTCGTCAGGCCGGAATAACTCCCTATAATGCGCCACCACACTGATAGTGCTAGTGTAGATCAC
【0409】
配列番号37:プロモーターPtet-Fnr
AAAATTGATCTGAATCAATATTTTGACAAAAATTGATCTGAATCAATATTTACTGAGC
【0410】
配列番号38:プロモーターPtet-arcA
GTTAATAAAATGTTATTGACAGTTAATAAAATGTTATACTGAGC
【0411】
配列番号39:プロモーターPsseA
TTAGCACGTTAATTATCTATCGTGTATATG
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改変された細菌であって、前記細菌が、偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に、前記細菌の必須遺伝子を含む低酸素制御型必須遺伝子発現カセットを含み、前記細菌が、非改変型開始株と比較して、内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する少なくとも1つの遺伝子又はその機能的発現産物を欠損している、改変された細菌。
【請求項2】
前記偏性低酸素誘導プロモーターが、pepTp、fnrSp、ysgAp、ssbp1、Hip1、BBa_I14018、BBa_R1074、Ptet-arcA、及びPtet-Fnrからなる群から選択さ
れ、
好ましくは、前記偏性低酸素誘導プロモーターがssbp1プロモーターである、請求項1に記載の改変された細菌。
【請求項3】
請求項1に記載の改変された細菌であって、前記必須遺伝子の発現産物が、前記細菌内での2,6-ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与し、好気条件下で培養される場合、前記細菌の増殖が、培地中に添加される追加のDAP又はそのアナログに依存
し、
好ましくは、前記必須遺伝子が、dapA、dapB、dapD、dapE、argD、dapF、及び任意のこれらの組合せから選択され、
より好ましくは、前記必須遺伝子がdapA及びdapEから選択される、細菌。
【請求項4】
前記内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子が、HtrAセリンプロテアーゼファミリー遺伝子である、
及び/又は、
前記内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子の機能的発現産物が、HtrAセリンプロテアーゼファミリーに関連するタンパク質である、及び/又は、
前記細菌が、HtrAセリンプロテアーゼの活性を欠損している、及び/又は、
前記内因性抗酸化性ストレス応答経路に関与するか又はそれを制御する遺伝子がhtrAである、及び/又は、
前記細菌がhtrAを欠損している、請求項
1に記載の改変された細菌。
【請求項5】
前記必須遺伝子が細菌染色体内に天然に存在する遺伝子であり、前記必須遺伝子の天然プロモーターが前記偏性低酸素誘導プロモーターと機能的に置き換わり、それによって前記細菌内での前記必須遺伝子の発現が前記偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、請求項
1に記載の改変された細菌。
【請求項6】
前記必須遺伝子発現カセットが外因性であり、前記細菌染色体内に天然に存在する必須遺伝子が欠失されるか又は機能的に不活性化されており、それによって前記細菌内での前記必須遺伝子の発現が前記偏性低酸素誘導プロモーターの制御下に完全に置かれる、請求項
1に記載の改変された細菌。
【請求項7】
請求項6に記載の改変された細菌であって、前記外因性必須遺伝子発現カセットが、前記細菌染色体中に組み込まれている、
又は
前記外因性必須遺伝子発現カセットが、前記細菌染色体の外部にある、又は
前記外因性必須遺伝子発現カセットが、前記細菌により担持されるプラスミド内に存在する、細菌。
【請求項8】
pH制御型発現カセットを更に含み、前記pH制御型発現カセットが、酸性pH条件下で活性であるプロモーターの制御下に置かれた、細菌由来のヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子を含む、請求項
1に記載の改変された細菌。
【請求項9】
前記細菌由来のヘモリジンタンパク質が、グラム陰性菌ヘモリジンタンパク質である、請求項
8に記載の改変された細菌。
【請求項10】
請求項9に記載の改変された細菌であって、前記グラム陰性菌ヘモリジンタンパク質をコードする遺伝子が、hlyA又はhlyEであ
り、
好ましくは、前記hlyA又はhlyEが、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、又は大腸菌(Escherichia coli)に由来する、細菌。
【請求項11】
請求項8に記載の改変された細菌であって、前記酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、又は5.5より低いpHにおいて活性であ
り、
好ましくは、前記酸性pH条件下で活性であるプロモーターが、sseA、ssrA、ssaB、ssaG、ssaM、及びssaRからなる群から選択され、
より好ましくは、前記酸性pH条件下で活性であるプロモーターがsseAである、細菌。
【請求項12】
請求項1に記載の改変された細菌であって、前記非改変型開始株が通性嫌気性細菌であ
り、
好ましくは、前記開始株がサルモネラ・チフィムリウムSL7207である、細菌。
【請求項13】
請求項1に記載の改変された細菌であって、前記細菌がエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)の細菌であ
り、
好ましくは、前記細菌が、大腸菌(Escherichia)属、サルモネラ(Salmonella)属、シゲラ(Shigella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エルシニア(Yersinia)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、プロテウス(Proteus)属、モルガネラ(Morganella)属、プロビデンシア(Providencia)属、ハフニア(Hafnia)属、及びパントエア(Pantoea)属の細菌であり、
より好ましくは、前記細菌が、大腸菌、エンテロバクター・ブラタエ(E.blattae)、エンテロバクター・フェルグソニイ(E.fergusonii)、エンテロバクター・ヘルマンニイ(E.hermannii)、エンテロバクター・ヴァルネリス(E.vulneris)、サルモネラ・エンテリカ(S.enterica)、サルモネラ・ボンゴリ(S.bongori)、腸チフス菌(S.typhi)、サルモネラ・コレラエスイス(S.choleraesuis)、サルモネラ・チフィムリウム(S.typhimurium)、シゲラ・ディセンテリアエ(S.dysenteriae)、シゲラ・フレクスネリ(S.flexneri)、シゲラ・ボイディイ(S.boydii)、シゲラ・ゾネイ(S.sonnei)、肺炎桿菌(K.pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ(K.oxytoca)、ペスト菌(Y.pestos)、腸炎エルシニア(Y.enterocolitica)、仮性結核菌(Y.pseudotuberculosis)、エルシニア・アルドヴァエ(Y.aldouae)、エルシニア・ベルコヴィエリ(Y.bercovieri)、エルシニア・フレデリクセニイ(Y.frederiksenii)、エルシニア・インテルメディア(Y.intermedia)、エルシニア・クリステルセニイ(Y.kristersenii)、エルシニア・モラレッティ(Y.mollaretti)、エルシニア・ローデイ(Y.rohdei)、エルシニア・ルッケリ(Y.ruckeri)、シトロバクター・フロインデイ(C.freundii)、シトロバクター・コセリ(C.koseri)、シトロバクター・ブラアキイ(C.braakii)、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)、エンテロバクター・クロアカエ(E.cloacae)、エンテロバクター・ゲルゴヴィアエ(E.gergoviac)、エンテロバクター・サカザキイ(E.sakazakii)、エンテロバクター・タイロラエ(E.taylorae)、エンテロバクター・アムニゲヌス(E.amnigenus)、エンテロバクター・インテルメディウス(E.intermedius)、エンテロバクター・アスブリアエ(E.asburiae)、エンテロバクター・カンセロゲヌス(E.cancerogenus)、エンテロバクター・ディソルヴェンス(E.dissolvens)、エンテロバクター・ニミプレスウラリス(E.nimipressuralis)、セラチア・マルセセンス(S.marcescens)、セラチア・エントモフィラ(S.entomophila)、セラチア・フィカリア(S.ficaria)、セラチア・フォンチコラ(S.fonticola)、セラチア・グリメシイ(S.grimesii)、セラチア・リクエファシエンス(S.liquefaciens)、セラチア・オドリフェラ(S.odorifera)、セラチア・プリムティカ(S.plymuthica)、セラチア・プロテアマキュランス(S.proteamaculans)、セラチア・ルビダエア(S.rubidaea)、セラチア・ウレイリチカ(S.ureilytica)、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)、プロテウス・ヴァルガリス(P.vulgaris)、プロテウス・ミクソファシエンス(P.myxofaciens)、プロテウス・ペンネリ(P.penneri)、プロテウス・ハウセリ(P.hauseri)、モルガネラ・モルガニイ(M.morganii)、プロビデンシア・アルカリファシエンス(P.alcalifaciens)、プロビデンシア・ルスティジアニイ(P.rustigianii)、プロビデンシア・スチュアーチイ(P.stuartii)、プロビデンシア・レットゲリ(P.rettgeri)、プロビデンシア・ヘイムバッカエ(P.heimbochae)、ハフニア・アルヴェイ(H.alvei)、及びパントエア・アグロメランス(P.agglomerans)からなる群から選択され、
より好ましくは、前記細菌がサルモネラ・チフィムリウムである、細菌。
【請求項14】
前記細菌が野生型リポ多糖類(LPS)を発現する、請求項
1に記載の改変された細菌。
【請求項15】
前記細菌が、腫瘍を有する対象に投与されると、腫瘍組織内で生存及び増殖する能力を有し、正常組織では速やかに排除される、請求項
1に記載の改変された細菌。
【国際調査報告】