IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 武漢衷華脳機融合科技発展有限公司の特許一覧

特表2024-547216双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路
<>
  • 特表-双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路 図1
  • 特表-双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路 図2
  • 特表-双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/307 20210101AFI20241219BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61B5/307
A61N1/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024552327
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 CN2022127283
(87)【国際公開番号】W WO2023130810
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210023507.3
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524260155
【氏名又は名称】武漢衷華脳機融合科技発展有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】黄 立
(72)【発明者】
【氏名】黄 晟
(72)【発明者】
【氏名】李 凱
(72)【発明者】
【氏名】李 謀涛
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053JJ01
4C053JJ21
4C127AA01
4C127DD03
4C127EE03
4C127LL08
(57)【要約】
本発明は、双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路に関し、前記神経インターフェース電気回路は、神経信号を収集し且つ励起信号を受信するのに用いられる少なくとも1つの電極を含む。本発明において、神経インターフェース電気回路は、信号を双方向に伝送することができ、電極を介して神経信号を収集することができる一方、電極を介して励起信号を受信することができ、励起信号により研究及び治療への介入の目的を達成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路であって、
神経信号を収集し且つ励起信号を受信するのに用いられる少なくとも1つの電極を含む
ことを特徴とする神経インターフェース電気回路。
【請求項2】
少なくとも1つの収集入力チャネルと少なくとも1つの励起出力チャネルとを含み
前記収集入力チャネル、および、前記励起出力チャネルは、同じ前記電極を共用する
ことを特徴とする請求項1に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項3】
前記収集入力チャネルは、制御モジュールに接続された第1のストローブスイッチを含み、制御モジュールにより第1のストローブスイッチのオンオフを制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項4】
サンプリング入力チャネルは、フィルタと、増幅器とをさらに含み、前記電極が前記フィルタの入力端子に接続され、前記フィルタの出力端子が前記増幅器の入力端子に接続され、前記増幅器の出力端子が前記第1のストローブスイッチの入力端子に接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項5】
演算増幅器をさらに含み、
前記サンプリング入力チャネルの出力端子が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続されている
ことを特徴とする請求項4に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項6】
サンプリングコンデンサをさらに含み、
前記サンプリングコンデンサは、一端が接地され、他端が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続されている
ことを特徴とする請求項5に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項7】
前記演算増幅器の出力端子がAD変換ユニットに接続されている
ことを特徴とする請求項5に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項8】
前記励起出力チャネルは、制御モジュールに接続された第2のストローブスイッチを含み、制御モジュールにより第2のストローブスイッチのオンオフを制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項9】
前記励起出力チャネルには、ゲインスケジューリング及びフィルタリングノイズ除去処理回路がさらに設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項10】
前記電極が複数ある場合、一部の前記電極は神経信号を収集するのに用いられ、一部の前記電極は励起信号を受信するのに用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の神経インターフェース電気回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェース電気回路の分野に関し、具体的には双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電極により活動電位を記録することができ、長期間の神経記録に用いられる機器の多くは、剛性金属或いは半導体で作られた微小電極アレイである。活動電位の振幅が通常uVオーダと小さいため、従来の神経電極インターフェース読出回路は、まず前段の増幅を用いてmVオーダに増幅してから、ADCを用いてサンプリングして読み出すことが多い。しかしながら、医学の応用分野では、出力される神経信号について研究及び分析する需要があるだけでなく、将来的には、入力刺激信号の研究及び治療への介入の需要も同様に存在するはずである。このような想定される応用について、本分野では、神経電極信号の出力と励起の入力とをサポート可能な、双方向信号伝送のためのインターフェース電気回路を発明することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の欠点の少なくとも一部を解決できる、双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術案は、双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路を提供することにより実現され、前記神経インターフェース電気回路は、神経信号を収集し且つ励起信号を受信するのに用いられる少なくとも1つの電極を含む。
【0005】
1つの好ましい実施例として、少なくとも1つの収集入力チャネルと少なくとも1つの励起出力チャネルとを含む。前記収集入力チャネル、および、前記励起出力チャネルは、同じ前記電極を共用する。
【0006】
1つの好ましい実施例として、前記収集入力チャネルは、制御モジュールに接続された第1のストローブスイッチを含み、制御モジュールにより第1のストローブスイッチのオンオフを制御する。
【0007】
1つの好ましい実施例として、サンプリング入力チャネルは、フィルタと、増幅器とをさらに含み、前記電極が前記フィルタの入力端子に接続され、前記フィルタの出力端子が前記増幅器の入力端子に接続され、前記増幅器の出力端子が前記第1のストローブスイッチの入力端子に接続されている。
【0008】
1つの好ましい実施例として、前記神経インターフェース電気回路は演算増幅器をさらに含み、前記サンプリング入力チャネルの出力端子が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続されている。
【0009】
1つの好ましい実施例として、前記神経インターフェース電気回路はサンプリングコンデンサをさらに含み、前記サンプリングコンデンサは、一端が接地され、他端が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続されている。
【0010】
1つの好ましい実施例として、前記演算増幅器の出力端子がAD変換ユニットに接続されている。
【0011】
1つの好ましい実施例として、前記励起出力チャネルは、制御モジュールに接続された第2のストローブスイッチを含み、制御モジュールにより第2のストローブスイッチのオンオフを制御する。
【0012】
1つの好ましい実施例として、前記励起出力チャネルには、ゲインスケジューリング及びフィルタリングノイズ除去処理回路がさらに設けられている。
【0013】
1つの好ましい実施例として、前記電極が複数ある場合、一部の前記電極は神経信号を収集するのに用いられ、一部の前記電極は励起信号を受信するのに用いられる。
【0014】
本発明は、少なくとも以下のような有益な効果を有する。本発明は、双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路を提供し、前記神経インターフェース電気回路は、神経信号を収集し且つ励起信号を受信するのに用いられる少なくとも1つの電極を含む。本発明において、神経インターフェース電気回路は、信号を双方向に伝送することができ、電極を介して神経信号を収集することができ、また、電極を介して励起信号を受信することができ、励起信号により研究及び治療への介入の目的を達成することができる。
【0015】
さらに、本発明は、複数のサンプリング入力チャネルと複数の励起出力チャネルとを設け、複数のサンプリング入力チャネルの入力端子は複数の電極に1対1に対応して接続され、各サンプリング入力チャネルには第1のストローブスイッチが直列接続され、複数の励起出力チャネルは複数のサンプリング入力チャネルに1対1に対応し、複数の励起出力チャネルの出力端子が複数の電極に1対1に対応して接続され、各励起出力チャネルの入力端子が外部刺激ソースに接続され、各励起出力チャネルには第2のストローブスイッチが直列接続され、前記第1のストローブスイッチ、第2のストローブスイッチが制御モジュールに接続され、制御モジュールにより第1のストローブスイッチ、第2のストローブスイッチのオンオフを制御する。上述の案を採用すると、第1のストローブスイッチの導通を制御することにより、神経電気信号の収集を行うことができ、第2のストローブスイッチの導通を制御することにより、励起入力を行うことができる。本発明は、フロントエンド電極が出力をサンプリング及び増幅できると同時に、この出力チャネルを切断したとき、この電極は外部刺激信号を選択的に受信することができる。外部刺激信号に対するゲインスケーリングにより適切な振幅の信号を入力するとともに、信号に対してフィルタリングノイズ除去処理を行うことができる。
【0016】
本発明の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例又は従来技術の説明に必要とされる添付図面について簡単に説明する。以下の説明における添付図面は本発明の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの添付図面に基づいて他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例により提供される、神経電極信号の出力と励起の入力とをサポート可能な、双方向信号伝送のためのインターフェース電気回路の模式図である。
図2】本発明の一実施例により提供される単一のマルチチャネルサンプリングユニットの模式図である。
図3】本発明の一実施例により提供される出力ユニットの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施例における添付図面と組み合わせ、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本発明の全ての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得る全ての他の実施例は、本発明の保護の範囲に属す。
【0019】
本発明の記載において、別途限定がない限り、「複数」、「いくつか」とは二つ或いは二つ以上を意味する。
【0020】
(実施例1)
本実施例は、双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路を提供し、前記神経インターフェース電気回路は、神経信号を収集し且つ励起信号を受信するのに用いられる少なくとも1つの電極を含む。ここで、電極は、神経インターフェース電気回路上の電極はんだバンプであり、このはんだバンプは、神経細胞に植え込まれた電極点に接続されて電極点により収集された神経信号を取得するのに用いられ、また、神経細胞を刺激するために電極点に刺激信号を出力するのにも用いられる。
【0021】
好ましい実施例において、前記神経インターフェース電気回路は、同じ前記電極を共用する少なくとも1つの収集入力チャネルと少なくとも1つの励起出力チャネルとを含む。ここで、前記収集入力チャネルは、電極により収集された信号をバックエンド回路に送信するのに用いられ、前記励起出力チャネルは、励起信号を受信して電極に伝送するのに用いられる。
【0022】
1つの具体的な応用場面において、前記神経インターフェース電気回路は少なくとも1つのサンプリングユニットを含み、前記サンプリングユニットの各々は、少なくとも1つの収集入力チャネルと少なくとも1つの励起出力チャネルとを含む。
【0023】
本実施例において、前記収集入力チャネルは、制御モジュールに接続された第1のストローブスイッチを含み、制御モジュールにより第1のストローブスイッチのオンオフを制御することにより、この収集入力チャネルを選択的に導通させる。
【0024】
さらに、前記サンプリング入力チャネルは、フィルタと、増幅器とをさらに含み、前記電極が前記フィルタの入力端子に接続され、前記フィルタの出力端子が前記増幅器の入力端子に接続され、前記増幅器の出力端子が前記第1のストローブスイッチの入力端子に接続されている。
【0025】
前記神経インターフェース電気回路は演算増幅器をさらに含み、前記サンプリング入力チャネルの出力端子が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続されている。前記神経インターフェース電気回路はサンプリングコンデンサをさらに含み、前記サンプリングコンデンサは、一端が接地され、他端が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続されている。
【0026】
実際の応用場面において、前記演算増幅器の出力端子はAD変換ユニットに接続され、前記AD変換ユニットはアナログ信号をデジタル信号に変換するのに用いられる。
【0027】
前記励起出力チャネルは、制御モジュールに接続された第2のストローブスイッチを含み、制御モジュールにより第2のストローブスイッチのオンオフを制御することにより、この励起出力チャネルを選択的に導通させる。
【0028】
好ましい実施例において、励起信号に対して拡大又は縮小処理を行い、励起信号に対してフィルタリング及びノイズ除去処理を行うために、前記励起出力チャネルには、ゲインスケジューリング及びフィルタリングノイズ除去処理回路がさらに設けられている。
【0029】
前述の実施例において、同一の電極は取得機能と励起出力機能とを同時に備え、該電極は時分割で動作することによりこれら2つの機能を実現する。
【0030】
好ましい実施例において、前記電極が複数ある場合、一部の前記電極は神経信号を収集するのに用いられ、一部の前記電極は励起信号を受信するのに用いられる。すなわち、同一の電極は、収集機能又は励起出力機能のうちの一方のみを有する。具体的には、ある1つの電極が神経信号を収集するのに用いられる場合、この電極は収集入力チャネルに接続され、ある1つの電極が励起信号を受信するのに用いられる場合、この電極は励起出力チャネルに接続される。
【0031】
(実施例2)
図1図3に示すように、本発明は、双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路を開示し、前記神経インターフェース電気回路は、制御モジュールと、少なくとも1つのサンプリングユニットと、出力ユニットと、を含み、前記サンプリングユニットは制御モジュールに接続され、前記サンプリングユニットは、少なくとも1つのサンプリング入力チャネルと少なくとも1つの励起出力チャネルとを含み、このサンプリングユニットの複数の入力端子(即ち、複数のサンプリング入力チャネルの入力端子)は複数の電極に1対1に対応して接続され、各サンプリング入力チャネルには第1のストローブスイッチが直列接続され、複数の励起出力チャネルは複数のサンプリング入力チャネルに1対1に対応し、複数の励起出力チャネルの出力端子が複数の電極に1対1に対応して接続され、各励起出力チャネルの入力端子が外部刺激ソースに接続され、各励起出力チャネルには第2のストローブスイッチが直列接続され、前記第1のストローブスイッチ、第2のストローブスイッチが制御モジュールに接続され、制御モジュールにより第1のストローブスイッチ、第2のストローブスイッチのオンオフを制御する。
【0032】
本発明の制御モジュールは、データ処理及び出力制御を実行するのに用いられる。本発明の制御モジュールとして、MCUを採用してもよいが、もちろん、MCUに限定されることはない。本発明の第1のストローブスイッチ、第2のストローブスイッチとしては、いずれもマルチプレクサスイッチMUXを採用してもよく、もちろんリレースイッチ等を採用してもよい。
【0033】
一実施形態として、数千から数万個の神経電極の大きなアレイに対して、m個のサンプリングユニットが積層して設けられ、各サンプリングユニットはn個の電極に接続され、電極の総数はm*nである。単一のサンプリングユニットの回路は図2に示すように、仮に神経電極の単点サンプリング周波数が20K Hzであるように設計されていれば、各サンプリングユニットのn個の電極が、神経電気信号をサンプリングしてからフィルタリング及び増幅し、各サンプリングユニットの第1のストローブスイッチS1~Snを順次オンにして20KHzのサンプリング周波数でサンプリングし、サンプリングにより得られた信号をAD変換して最終的なデジタルデータを得ることにより、1つのマルチチャネルサンプリングユニットのサンプリング過程となる。本発明は、上述したサンプリング方式を採用することにより、従来の方式が数万ポイントの電極アレイに適用された場合にサンプリング速度が高すぎて、設計が困難であり、信号が歪みやすいという技術的問題を解決する。
【0034】
一実施形態として、前記神経インターフェース電気回路はサンプリングコンデンサを含み、前記サンプリング入力チャネルの出力端子がサンプリングコンデンサの一端子に接続され、サンプリングコンデンサの他端が接地される。
【0035】
一実施形態として、前記神経インターフェース電気回路は演算増幅器をさらに含み、前記サンプリング入力チャネルの出力端子は、サンプリングコンデンサの一端子及び演算増幅器の非反転入力端子に接続され、演算増幅器の反転入力端子は、演算増幅器の出力端子に接続され、前記演算増幅器の出力端子がAD変換モジュールに接続されている。本発明のサンプリング回路は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明のサンプリング要件を満たすあらゆるサンプリング回路を本発明に用いることができる。
【0036】
さらに、各サンプリング入力チャネルには第1の信号処理ユニットがさらに設けられ、各サンプリング入力チャネルの第1の信号処理ユニット、ストローブスイッチが直列に接続されている。本実施例の第1の信号処理ユニットは、ストローブスイッチの前にある。もちろん、第1の信号処理ユニットをストローブスイッチの後に配置してもよい。
【0037】
さらに、前記第1の信号処理ユニットは、フィルタ回路と増幅回路とを含み、フィルタ回路は増幅回路と直列に接続されている。本実施例のフィルタ回路は、増幅回路の前にある。もちろん、フィルタ回路を増幅回路の後に配置してもよい。
【0038】
さらに、各励起出力チャネルには第2の信号処理ユニットがさらに設けられ、各励起出力チャネルの第2の信号処理ユニットが第2のストローブスイッチに直列に接続されている。
【0039】
さらに、前記第2の信号処理ユニットは、ゲインスケジューリング及びフィルタリングノイズ除去処理回路を含む。本発明のゲインスケジューリング及びフィルタリングノイズ除去処理回路として、従来の刺激信号処理回路を採用することができ、ここでは説明を省く。
【0040】
(実施例3)
各サンプリングユニットの各サンプリング入力チャネルに第1の信号処理ユニットが直列接続されている実施例1に対し、本実施例では、各サンプリングユニットに第1の信号処理ユニットが1つしか設けられておらず、具体的には、以下の案であってもよい。
【0041】
各サンプリングユニットは1つの第1の信号処理ユニットをさらに含み、この第1の信号処理ユニットは、サンプリング入力チャネルの出力端子とサンプリング回路との間に位置し、サンプリング回路に直列接続されている。本実施例の他の技術的特徴は実施例1と同じである。
【0042】
(実施例4)
本実施例の前記サンプリングユニットの各サンプリングユニットの出力端子と制御モジュールとの間には出力ユニットが設けられ、出力ユニットの構造は、図3に示すように、前記出力ユニットは、並列-直列変換モジュールと複数のサンプリング出力チャネルとを含み、複数のサンプリング出力チャネルの出力端子は複数のサンプリングユニットの出力端子に1対1に対応して接続され、複数のサンプリング出力チャネルの出力端子は並列-直列変換モジュールの出力端子に接続され、前記並列-直列変換モジュールの出力端子は制御モジュールに接続され、各サンプリング出力チャネルには第3のストローブスイッチが直列接続され、制御モジュールにより第3のストローブスイッチのオンオフを制御する。
【0043】
本発明の第3のストローブスイッチとしては、マルチプレクサスイッチMUXを採用してもよく、もちろんリレースイッチ等を採用してもよい。
【0044】
一実施形態として、複数の収集入力チャネルの出力端子がAD変換モジュールの複数の入力端子に1対1に対応して接続され、前記AD変換モジュールの複数の出力端子が複数のサンプリング出力チャネルの入力端子に1対1に対応して接続されている。
【0045】
本発明は、数千から数万個の神経電極の大きなアレイに対して、電気回路を、各々n個の電極を含むm個のサンプリングユニットに分割し、各サンプリングユニットのサンプリング入力チャネルはn個であり、電極総数=m*nである。サンプリング時には、m*n個の電極で神経電気信号を収集し、各サンプリングユニットのストローブスイッチS1~Snを順次オンにして、サンプリング入力チャネルを介してサンプリングを行い、サンプリングにより得られた信号をAD変換して最終的なデジタルデータを得る。m個のサンプリングユニットが同時に動作し、m個のデータを出力し、各サンプリング出力チャネルの第3のストローブスイッチのオンオフ状態を制御することにより、各データの選択可能且つ切替可能な出力を実現し、並列-直列変換モジュールにより出力データについて並列-直列変換を行う。こうして、データ出力スピードの低減と全体の電力消費の低減とを同時に実現することができる。
【0046】
本発明の、神経電極信号の入力と励起の出力とをサポート可能な、双方向信号伝送のためのインターフェース電気回路は、脳神経、視神経及び運動神経などの分野に応用できるが、これらに限定されるものではない。フロントエンド電極が出力をサンプリング及び増幅できると同時に、出力を切断したとき、単点電極により外部刺激信号を選択的に受信できるようにサポートする。外部刺激信号に対するゲインスケーリングにより適切な振幅の信号を入力するとともに、信号に対してフィルタリングノイズ除去処理を行うことができる。
【0047】
以上に述べたのは本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本願の要旨と原則の範囲内で行われる任意の修正、均等物による置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向信号伝送のための神経インターフェース電気回路であって、
神経信号を収集し且つ励起信号を受信するのに用いられる複数の電極と、
各々が1対1に対応する複数の収集入力チャネル及び複数の励起出力チャネルを含み、対応する収集入力チャネルと励起出力チャネルとが同じ前記電極を共用する複数のサンプリングユニットであって、前記収集入力チャネルは、制御モジュールに接続された第1のストローブスイッチを含み、前記制御モジュールは、第1のストローブスイッチのオンオフを制御することにより、この収集入力チャネルを選択的に導通させるのに用いられ、前記励起出力チャネルは、制御モジュールに接続された第2のストローブスイッチを含み、前記制御モジュールは第2のストローブスイッチのオンオフを制御することにより、この励起出力チャネルを選択的に導通させるのに用いられ、前記励起出力チャネルには、ゲインスケジューリング及びフィルタリングノイズ除去処理回路がさらに設けられている前記複数のサンプリングユニットと、
各収集入力チャネルに設けられた第1の信号処理ユニットであって、直列に接続されたフィルタ回路と増幅回路とを含む前記第1の信号処理ユニットと、
非反転入力端子に前記収集入力チャネルの出力端子が接続された演算増幅器であって、演算増幅器反転入力端子が演算増幅器の出力端子に接続され、前記演算増幅器の出力端子がAD変換ユニットに接続された前記演算増幅器と、
一端が接地され、他端が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続されたサンプリングコンデンサと、
並列-直列変換モジュールと複数のサンプリング出力チャネルとを含む出力ユニットであって、複数のサンプリング出力チャネルの出力端子は複数のサンプリングユニットの出力端子に1対1に対応して接続され、複数のサンプリング出力チャネルの出力端子は並列-直列変換モジュールの入力端子に接続され、前記並列-直列変換モジュールの出力端子は制御モジュールに接続され、各サンプリング出力チャネルには第3のストローブスイッチが直列接続され、前記制御モジュールは第3のストローブスイッチのオンオフを制御するのに用いられる出力ユニットと、を含み、
m個のサンプリングユニットが積層して設けられ、各サンプリングユニットはn個の電極に接続され、電極の総数はm*nであり、サンプリング時、m*n個の電極で神経電気信号を収集し、各サンプリングユニットの第1のストローブスイッチS1~Snを順次オンにして、収集入力チャネルを介してサンプリングを行い、サンプリングにより得られた信号をAD変換して最終的なデジタルデータを得て、m個のサンプリングユニットが同時に動作し、m個のデータを出力し、各サンプリング出力チャネルの第3のストローブスイッチのオンオフ状態を制御することにより、各データの選択可能且つ切替可能な出力を実現し、並列-直列変換モジュールにより出力データについて並列-直列変換を行う
ことを特徴とする神経インターフェース電気回路。
【請求項2】
各収集入力チャネルの第1の信号処理ユニット、第1のストローブスイッチが直列に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の神経インターフェース電気回路。
【請求項3】
部の前記電極は神経信号を収集するのに用いられ、一部の前記電極は励起信号を受信するのに用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の神経インターフェース電気回路。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
(実施例4)
本実施例の前記サンプリングユニットの各サンプリングユニットの出力端子と制御モジュールとの間には出力ユニットが設けられ、出力ユニットの構造は、図3に示すように、前記出力ユニットは、並列-直列変換モジュールと複数のサンプリング出力チャネルとを含み、複数のサンプリング出力チャネルの出力端子は複数のサンプリングユニットの出力端子に1対1に対応して接続され、複数のサンプリング出力チャネルの出力端子は並列-直列変換モジュールの力端子に接続され、前記並列-直列変換モジュールの出力端子は制御モジュールに接続され、各サンプリング出力チャネルには第3のストローブスイッチが直列接続され、制御モジュールにより第3のストローブスイッチのオンオフを制御する。
【国際調査報告】