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特表2024-547222通信ネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリングのためのシステム、装置、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】通信ネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリングのためのシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/11 20230101AFI20241219BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20241219BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241219BHJP
   H04W 72/54 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
H04W72/11
H04W72/1268
H04W72/0446
H04W72/54
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024558481
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 JP2022034864
(87)【国際公開番号】W WO2023145130
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】17/649,089
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ジエンリン
(72)【発明者】
【氏名】オーリック,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ,キーラン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
プライベート5Gネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための方法は、プライベート5Gネットワークにおける複数のユーザ機器(UE)の位置データをUEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信することと、UEのそれぞれの位置データに基づいて、複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間におけるUEの距離分布を判断することとを含む。本方法は、後続の通信期間に対するUEの信号対雑音比期待値を求めることと、後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解いて、1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得することと、スケジューリング結果に基づいて候補UEのためにリソース割当てデータを生成することとをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライベート5Gネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための方法であって、
前記プライベート5Gネットワークにおける複数のユーザ機器(UE)の位置データを、前記UEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信することと、
前記UEの前記それぞれの位置データに基づいて、前記複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間における前記UEの距離分布を判断することと、
前記UEの前記距離分布に少なくとも部分的に基づいて、前記後続の通信期間に対する前記UEの信号対雑音比(SNR)期待値を求めることとを含み、前記SNR期待値はさらに、前記後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルによって搬送されるべきデータの量を定義し、前記方法はさらに、
前記後続の通信期間において前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解決して、前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得することと、
前記スケジューリング結果に基づいて前記候補UEのためにリソース割当てデータを生成することと、
アップリンク通信のために前記候補UEに前記リソース割当てデータを送信することとを含む、方法。
【請求項2】
UEに割り当てられるべきSPSチャネルの数は、前記最適化問題における変数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEのための送信期間拡大係数を含み、前記送信期間拡大係数は、送信の基本期間の拡大を定義し、前記基本期間は、前記候補UEと基地局との間の送信のための最小スケジューリング期間であり、前記候補UEは、前記送信期間拡大係数に基づいて前記後続の通信期間を計算するよう構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEのための変調および符号化方式(MCS)をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記UEの求められた前記SNR期待値に基づいて、前記UEの各々のための変調および符号化方式を判断することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
チャネルスケジューリングの複数の通信期間が前記UEの各々に関連付けられ、チャネルスケジューリングの各通信期間は複数のサブフレームを含み、前記UEの対応する1つが通信期間中に通信のために同じチャネルのセットを利用し、各通信期間は同じ長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記UEの各々の前記位置データは、前記それぞれのUEのジオロケーション情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEの前記後続の通信期間の前記第1のサブフレームを通じて前記候補UEに送信され、前記候補UEは、前記候補UEの前記後続の通信期間のサブフレームの残りのサブフレームの最後のサブフレーム以外のすべておいてアップリンク通信を実行するよう構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記候補UEの前記後続の期間における前記UEについての送信されたデータ期待値の合計の最大化が、前記最適化問題の前記目的関数に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プライベート5Gネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための通信装置であって、
回路を含み、前記回路は、
前記プライベート5Gネットワークにおける複数のユーザ機器(UE)の位置データを、前記UEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信し、
前記UEの前記それぞれの位置データに基づいて、前記複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間における前記UEの距離分布を判断し、
前記UEの前記距離分布に少なくとも部分的に基づいて、前記後続の通信期間に対する前記UEの信号対雑音比(SNR)期待値を求めるよう構成され、前記SNR期待値はさらに、前記後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルによって搬送されるべきデータの量を定義し、前記回路はさらに、
前記後続の通信期間において前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解決して、前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得し、
前記スケジューリング結果に基づいて前記候補UEのためにリソース割当てデータを生成し、
アップリンク通信のために前記候補UEに前記リソース割当てデータを送信するよう構成される、通信装置。
【請求項11】
UEに割り当てられるべきSPSチャネルの数は、前記最適化問題における変数である、請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEのための送信期間拡大係数を含み、前記送信期間拡大係数は、送信の基本期間の拡大を定義し、前記基本期間は、前記候補UEと基地局との間の送信のための最小スケジューリング期間であり、前記候補UEは、前記送信期間拡大係数に基づいて前記後続の通信期間を計算するよう構成される、請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEのための変調および符号化方式(MCS)をさらに含む、請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記回路は、前記UEの求められた前記SNR期待値に基づいて、前記UEの各々のための変調および符号化方式を判断するようにさらに構成される、請求項10に記載の通信装置。
【請求項15】
チャネルスケジューリングの複数の通信期間が前記UEの各々に関連付けられ、チャネルスケジューリングの各通信期間は複数のサブフレームを含み、前記UEの対応する1つが通信期間中に通信のために同じチャネルのセットを利用し、各通信期間は同じ長さである、請求項10に記載の通信装置。
【請求項16】
前記UEの各々の前記位置データは、前記それぞれのUEのジオロケーション情報を含む、請求項10に記載の通信装置。
【請求項17】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEの前記後続の通信期間の前記第1のサブフレームを通じて前記候補UEに送信され、前記候補UEは、前記候補UEの前記後続の通信期間のサブフレームの残りのサブフレームの最後のサブフレーム以外のすべておいてアップリンク通信を実行するよう構成される、請求項10に記載の通信装置。
【請求項18】
前記候補UEの前記後続の期間における前記UEについての送信されたデータ期待値の合計の最大化が、前記最適化問題の前記目的関数に対応する、請求項10に記載の通信装置。
【請求項19】
前記回路はさらに、
前記UEの各々からデバイス識別子を受信するよう構成され、前記デバイス識別子は前記デバイスのタイプを識別し、前記回路はさらに、
前記UEの前記デバイス識別子に基づいて、前記後続の通信期間に対する前記UEの前記SNR期待値を求めるよう構成される、請求項10に記載の通信装置。
【請求項20】
前記UEは、工場設定において時間依存データを送信するモバイルデバイスである、請求項10に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して通信ネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリングのためのシステム、装置、および方法に関し、具体的には、プライベートおよびローカル第5世代(5G)ネットワークにおける低レイテンシおよび高信頼性送信のためのセミパーシステントスケジューリング方式に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデバイスに準拠するほぼすべての通信システムにおいて、リソース可用性は、全二重通信をサポートすることに対して制限される。いくつかの通信システムは、処理のために、利用可能な、より少ないリソースで、複数のユーザにサービスを提供するために、多元接続技術を利用する。現在利用可能な多元接続技術の重要な態様は、通信のためにデバイスをスケジューリングすることである。従来のスケジューリング方式では、リソースは、ユーザのデータ要件およびチャネル状態に従って割り当てられる。これは、デバイスが通信のためにリソースを割り当てられる前に一連の複雑なステップを実行することを伴い、そのようなステップは、通信プロセス全体にかなりの遅延をもたらす。したがって、そのような通信システムは、好適でないことに加えて、時間依存通信に依存するアプリケーションの開発に対する障害としても働く。したがって、時間依存および関連のミッションクリティカルなアプリケーションに適したロバストなスケジューリング方式が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、デバイスが、データを送信するためのデータを有する場合、そのデバイスは、アップリンクチャネル測定のために基地局(BS)に基準信号を送信できるように、最初にBSから測定設定を受信しなければならないという認識に基づく。一方、デバイスは、スケジューリング要求インジケータ(SRI)をBSに送信する必要があり、アップリンク送信のための無線リソースを要求する。測定されたアップリンクチャネル状態及びユーザの要求に基づいて、BSは、すべてのユーザに対してスケジューリングを行い、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信されるスケジューリング信号送信を介してスケジューリング結果をユーザに通知する。いくつかの実施形態は、無線環境の変化に適応するために、スケジューリングは非常に頻繁に行われ更新されるべきであるという認識に基づく。いくつかの実施形態は、一連の前述の複雑なシステム手順に依拠する従来のスケジューリング方法は、時間依存ネットワークのいくつかの特別な特性のため、プライベートおよびローカル第5世代(5G)通信等の時間依存ネットワークアプリケーションにおいて適用不可能であり得るという認識に基づく。
【0004】
いくつかの実施形態は、ネットワークが、ネットワークによって接続されたデバイス間で短いが頻繁な通信が生じる産業用セットアップの一部であり得るという認識に基づく。いくつかの実施形態は、しばしば送信されるデータは、周期的かつ頻繁に送信される必要があるが、少数のデータのみからなる、機械制御命令、センサ情報、および健康管理データなどの短いメッセージであり得るという認識に基づく。いくつかの実施形態は、いくつかのメッセージは遅延に敏感であり得、事前定義された寿命を有し、それらの寿命が期限切れになると古くなるという認識に基づく。
【0005】
いくつかの実施形態は、多数のユーザがプライベートネットワークに共存し得るという認識に基づく。たとえば、ある産業環境では、大量の産業用モノのインターネット(IIoT)デバイスがプライベート5Gネットワークによってサポートされる必要があり得る。いくつかの実施形態は、産業自動化に関して、例えば、モーション制御、低レイテンシ、高信頼性、および決定論が、重要なサービス品質(QoS)要件であるという認識に基づく。
【0006】
上記の認識は、従来のスケジューリング方式が、2つの主な技術的問題を有するプライベートおよびローカル5Gネットワークをサポートすることができないという結論につながる。第1に、複雑なシステム手順に依拠する従来のスケジューリングが適用される場合、大量で頻繁な短いメッセージを有する多数のユーザは、システムに大きな負担およびオーバーヘッドをもたらすことになる。第2に、多数のユーザおよび大量のメッセージは、従来のスケジューリングにおいて信号処理および計算の時間を延長し、長い遅延を引き起こし、遅延に敏感なメッセージが期限切れになることがある。明らかに、無線リソースを正確かつ瞬時のチャネル状態に従って割り当てることができないので、SPSのための従来の手法は信頼性を提供しない。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、認可された周波数帯域を有するプライベートおよびローカル5Gネットワークのためのスケジューリングプロセスを再設計することを目的とする。この目的のために、いくつかの実施形態は、プライベート5Gユーザに対する「グラント・フリー」および即時アップリンクアクセスを可能にするために、低レイテンシおよび高信頼性アップリンク送信のためのセミパーシステントスケジューリング(SPS)方式を提供する。時間依存通信を真にサポートするために、本開示のいくつかの実施形態は、SPSの信頼性向上に関する明確さを高める。いくつかの実施形態は、再設計されたSPS方式の技術的詳細設計、および信頼性を改善することを目的としたスケジューリングアルゴリズムを対象とする。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、各サブフレームにおいてSPSチャネルを再スケジューリングする代わりに、SPS期間と呼ばれる、複数のサブフレームからなる最小スケジューリング時間単位が定義され得る。ユーザ機器(UE)は、同じ割り当てられ確保された無線リソースを使用して、SPS期間内にアップリンク送信を行う。このようにして、UEでもあるプライベート5Gデバイスが、送信される必要があるメッセージを有する場合、それは、基地局(BS)によるスケジューリングを待つことなく、それの割り当てられたSPSチャネルに直ちにアクセスして、データを送信することができる。これにより、アップリンク送信のレイテンシが低減される。さらに、プライベート5G BSおよびユーザの両方のシステムプロセスは、頻繁かつ瞬時のリソース割当てをサポートする複雑なシステム手順が必要とされないので、低い動作複雑性で、より効率的になる。
【0009】
したがって、無線環境の変動にわたって、提案されるSPSの信頼性を高めるために、本発明の実施形態は、SPS期間内のプライベート5Gユーザの距離分布に基づく以下の2つのステップを利用する。
【0010】
いくつかの実施形態は、プライベート5Gユーザの距離分布の導出のために確率幾何を利用する。第1に、変調および符号化方式(MCS)が、現在のチャネル状態のみではなく、SPS期間における潜在的なチャネル状態およびリスクを考慮して、適切に選択される。第2に、選択されたMCS及びSPSチャネル上のデータ期待値を用いて、信頼性向上、公平性保証及びデータレート最大化を目的としたSPS最適化処理が実行される。
【0011】
いくつかの実施形態は、ローカルおよびプライベート5Gネットワークのアップリンク送信のために、あるSPS方式を提供し、プライベート5Gデバイスのための「グラント・フリー」および即時アップリンクアクセスを可能にする。いくつかの実施形態例によれば、各サブフレーム(例えば、1ms)においてSPSチャネルを再スケジューリングする代わりに、SPSチャネルスケジューリングの最小時間単位を、複数のサブフレームからなるSPS期間として選択することができる。たとえば、SPS期間は、各々が1msの1000個のサブフレームを含み得、それによって、SPS期間を1sにする。したがって、SPS期間内で、ユーザは、同じ無線リソースを使用してアップリンク送信を行い得る。このようにして、UEが、送信される必要があるメッセージを有する場合、UEは、基地局によるスケジューリングを待つことなく、それの割り当てられた/確保されたSPSチャネルに直ちにアクセスして、データを送信することができる。したがって、いくつかの例示的な実施形態は、アップリンク送信のレイテンシを低減する。いくつかの例示的な実施形態は、周期的および周波数チャネル測定、リソース割当て、ならびに信号送信交換などの瞬時リソース割当てをサポートする複雑なシステム手順がもはや必要とされないので、プライベート5G基地局およびユーザの両方のシステムプロセスが、低い動作複雑性で、より効率的になることにもつながる。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態は、信頼性を改善するために、プライベート5Gユーザ(同様にUE)の移動範囲およびそれらのデータレートの期待値を考慮する。移動範囲を考慮すると、スケジューリングシステム(例えば、BS)は、現在のチャネル状態だけでなく、次のSPS期間における可能なチャネル状態も考慮に入れ、その結果、充分なSPSチャネルリソースが、次のSPS期間におけるすべての可能なチャネル状態状況をカバーし、送信信頼性を保証するために、各ユーザにスケジューリングされることになる。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態は、プライベート5Gネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための方法を提供する。本方法は、UEプライベート5Gネットワーク内の複数のユーザ機器(UE)の位置データを、UEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信することを含む。本方法は、UEのそれぞれの位置データに基づいて、複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間におけるUEの距離分布を判断することをさらに含む。後続の通信期間に対するUEの信号対雑音比(SNR)期待値も、UEの距離分布に少なくとも部分的に基づいて判断される。SNR期待値は、後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルによって搬送されるべきデータの量を定義する。SPSベースのリソース割当てのための方法は、後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解決して、1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得するステップをさらに含む。本方法は、スケジューリング結果に基づいて候補UEのためにリソース割当てデータを生成することと、アップリンク通信のために候補UEにリソース割当てデータを送信することとをさらに含む。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態は、プライベート5Gネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための通信装置であって、プライベート5Gネットワークにおける複数のユーザ機器(UE)の位置データを、UEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信するよう構成された回路を備える通信装置を提供する。回路は、UEのそれぞれの位置データに基づいて、複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間におけるUEの距離分布を判断するようにさらに構成される。回路は、UEの距離分布に少なくとも部分的に基づいて、後続の通信期間に対するUEの信号対雑音比(SNR)期待値を求めるようにさらに構成され、SNR期待値は、後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルによって搬送されるべきデータの量をさらに定義する。回路は、後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解決して、1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得し、スケジューリング結果に基づいて候補UEのためにリソース割当てデータを生成し、アップリンク通信のために候補UEにリソース割当てデータを送信するようにさらに構成される。
【0015】
本開示の別の実施形態は、プライベート5Gネットワークにおいてセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための方法を実行するためにコンピュータによって実行可能なプログラムを具現化した非一時コンピュータ可読記憶媒体を提供する。本方法は、プライベート5Gネットワークにおける複数のユーザ機器(UE)の位置データを、UEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信することを含む。本方法は、UEのそれぞれの位置データに基づいて、複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間におけるUEの距離分布を判断することをさらに含む。後続の通信期間に対するUEの信号対雑音比(SNR)期待値も、UEの距離分布に少なくとも部分的に基づいて判断される。SNR期待値はさらに、後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルによって搬送されるべきデータの量を定義する。SPSベースのリソース割当てのための方法は、後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解決して、1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得するステップをさらに含む。本方法は、スケジューリング結果に基づいて候補UEのためにリソース割当てデータを生成することと、アップリンク通信のために候補UEにリソース割当てデータを送信することとをさらに含む。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態は、プライベート5Gネットワークにおける通信装置と基地局との間の通信のための方法も提供する。通信装置および基地局は、最小スケジューリング期間としてそれらの間に定義された送信の基本期間を有する。本方法は、通信装置の現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて通信装置の位置データを送信することと、通信装置の1つまたは複数の後続の通信期間について送信期間拡大係数を含むリソース割当てデータを受信することとを含み、送信期間拡大係数は送信の基本期間の拡大を定義し、本方法はさらに、送信期間拡大係数および送信の基本期間に基づいて、後続の通信期間としてセミパーシステントスケジューリング(SPS)期間を計算することを含む。本方法は、リソース割当てデータおよびSPS期間に基づいてアップリンク通信を実行することをさらに含む。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態は、プライベート5Gネットワークにおいて基地局と通信するための通信装置も提供する。通信装置および基地局は、それらの間に最小スケジューリング期間として定義された送信の基本期間を有する。通信装置は、回路を含み、この回路は、通信装置の現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて通信装置の位置データを送信し、送信期間拡大係数を含むリソース割当てデータを受信するよう構成され、送信期間拡大係数は送信の基本期間の拡大を定義し、この回路はさらに、送信期間拡大係数および送信の基本期間に基づいて、後続の通信期間としてセミパーシステントスケジューリング(SPS)期間を計算するよう構成される。回路は、リソース割当てデータおよびSPS期間に基づいてアップリンク通信を実行するようにさらに構成される。
【0018】
本開示の別の実施形態は、プライベート5Gネットワークにおける通信装置と基地局との間の通信のための方法を実行するためにコンピュータによって実行可能なプログラムを具現化した非一時コンピュータ可読記憶媒体を提供する。通信装置および基地局は、最小スケジューリング期間としてそれらの間に定義された送信の基本期間を有する。本方法は、通信装置の現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて通信装置の位置データを送信することと、送信期間拡大係数を含むリソース割当てデータを受信することとを含み、送信期間拡大係数は送信の基本期間の拡大を定義し、本方法はさらに、送信期間拡大係数および送信の基本期間に基づいて、後続の通信期間としてセミパーシステントスケジューリング(SPS)期間を計算することを含む。本方法は、リソース割当てデータおよびSPS期間に基づいてアップリンク通信を実行することをさらに含む。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態は、真の時間依存ネットワーク(TSN)を利用してアプリケーションを実現するための手段および機会を提供する。例えば、産業上の設定の文脈において、例示的な実施形態は、基礎をなす産業プロセスに有害でない方法で、多数の相互依存し相互接続されたデバイスのために通信をスケジューリングするのに役立つ。ネットワーク内のユーザのそれぞれの位置に対応する移動エリア報告を考慮することによって、本開示の例示的な実施形態は、ユーザ間のシームレスな接続性を実現するのに役立つ。
【0020】
上述のように、例示的な実施形態は、SPS期間ごとに送信の再スケジューリングが必要である従来のネットワークによってはサポートすることができないアプリケーションをサポートするTSNネットワークを提供する。これらの特徴のいくつかの利点および恩恵は、ネットワーク容量を増加させることができ、より高速なネットワーキング速度に対する今日の増大する需要に対処する結果となる。
【0021】
例えば、VOIPソリューションおよびビデオチャットアプリは、主流の趣味になったオンラインマルチプレーヤゲームとともに、今日のビジネスおよび我々の個人生活の一部である。これらのアプリケーションを可能にするために、膨大な量のデータが、ますます大量のレートで、オンラインで交換されている。データの送信における遅延、すなわちレイテンシは、ユーザ体験に大きな影響を及ぼし得る。本開示の方法およびシステムは、今日のビジネスおよび消費者の要求の厳しいネットワーク容量要件を満たすために必要な容量を提供することができる。
【0022】
したがって、例示的なスケジューリング方式を使用して実現される通信装置、システム、およびネットワークは、従来技術を上回る著しい改善を示すことができる。例示的なスケジューリング方式に従って通信を実行するユーザ機器は、低減された遅延でデータ通信を実行することができ、したがって、そうでなければ有線または他の専用接続手段を必要としていたであろう新たなアプリケーションをサポートする。例示的なスケジューリング方式を実現する基地局は、デバイスを繰り返し頻繁に再スケジューリングする必要がなく、したがって、計算負荷を低減し、同時により多くのデバイスに応じるよう容量を増加させる。
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。示される図面は必ずしも縮尺通りではなく、概して、本開示の実施形態の原理を説明することに重点が置かれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】いくつかの例示的な実施形態による企業プライベートネットワークの図である。
図2】いくつかの例示的な実施形態による、プライベートおよびローカル5Gネットワークのシステムモデルを示す概略図である。
図3A】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、セミパーシステントスケジューリングのためのフレーム構造を示すタイミング図である。
図3B】いくつかの例示的な実施形態による、セミパーシステントスケジューリング法のいくつかのステップを示す概略図である。
図4】いくつかの例示的な実施形態による、基地局とユーザ機器との間の距離を求めるためのモデルを示す概略図である。
図5】いくつかの例示的な実施形態による、無線ネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリングのための方法のいくつかのステップを示す流れ図である。
図6】いくつかの例示的な実施形態による、変調および符号化方式を判断するために使用されるマッピングテーブルを示す。
図7】いくつかの例示的な実施形態による基地局の要素を示すブロック図である。
図8】いくつかの例示的な実施形態による、無線ネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリングを用いた通信のための方法のいくつかのステップを示す流れ図である。
図9】いくつかの例示的な実施形態による、無線ネットワークにおいてセミパーシステントスケジューリングを実施するための方法を示すフローチャートである。
図10】いくつかの例示的な実施形態による、ユーザ機器の実現形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明は、例示的な実施形態のみを提供するものであり、本開示の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、例示的な実施形態の以下の説明は、1つまたは複数の例示的な実施形態を実施するための実施可能な説明を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲に記載されるように開示される主題の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において行われ得る様々な変更が企図される。
【0026】
以下の説明では、実施形態の完全な理解のために、具体的な詳細が与えられる。しかしながら、当業者は、実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解し得る。たとえば、開示される主題におけるシステム、プロセス、および他の要素は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にしないように、ブロック図の形態の構成要素として示される場合がある。他の例では、周知のプロセス、構造、および技術は、実施形態を不明瞭にすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示される場合がある。さらに、様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【0027】
また、個々の実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として示されるプロセスとして説明され得る。フローチャートは、動作を順次プロセスとして説明し得るが、動作の多くは、並列または同時に実行することができる。加えて、動作の順序は並べ替えられてもよい。プロセスは、その動作が完了したときに終了されてもよいが、論じられていない、または図に含まれていない追加のステップを有してもよい。さらに、特に説明される任意のプロセスにおけるすべての動作が、すべての実施形態において生じ得るわけではない。プロセスは、メソッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応してもよい。プロセスが関数に対応するとき、関数の終了は、当該関数の呼び出し関数またはメイン関数への復帰に対応することができる。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態は、通信ネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリングのためのシステムおよび方法を提供する。モバイルユーザでは、いくつかのサービスは、比較的小さいペイロードの定期的に発生する送信によって特徴付けられる。これらのサービスのほとんどでは、許容可能なサービス品質レベルを満たすために、ペイロードが規定された期間内に宛先に到達することが不可欠である。この目的のために、送信されるべきデータの可用性とノードにおけるそのデータの実際の送信との間の遅延を低減するためのいくつかの試みがなされてきた。通信システムにはいくつかの参加者が存在し得るので、データ通信が参加者から生じ得る特定の順序またはパターンはない。したがって、すべてのユーザの通信要件を満たすことは課題である。
【0029】
多重アクセス(MA)は、ユーザが、散発的に送信する必要があり、そしてユーザのニーズ及びアクションをユーザ間で調整できない場合に、どのようにして通信チャネルの最も生産的な使用を保証する(すなわち、総計または「合計」スループットを最大化する)かの問題に応じる現象である。多数のユーザのため、およびシームレスな接続オプションを提供するために、多重アクセスを実現するためのロバストな方式を提供することが重要である。スケジューリングは、システムがユーザのデータ要件およびチャネル状態に従って無線リソースを割り当てる、1つのそのような方式である。ほとんどのシナリオでは、デバイスが送信すべきデータを有する場合、デバイスがアップリンクチャネル測定のために基地局(BS)に基準信号を送ることができるように、デバイスは最初にBSから測定設定を受信しなければならない。一方、デバイスは、スケジューリング要求インジケータ(SRI)をBSに送信する必要があり、アップリンク送信のための無線リソースを要求する。測定されたアップリンクチャネル状態及びユーザの要求に基づいて、BSは、すべてのユーザに対してスケジューリングを行い、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信されるスケジューリング信号送信を介してスケジューリング結果をユーザに通知する。
【0030】
ほとんどのシナリオでは、上記で列挙された双方向通信ステップのセットは、デバイスが送信すべきデータを有するたびに実行されなければならない。BSとの通信の各インスタンスは遅延を受けやすいので、これらのステップはかなりの量の遅延を招く。さらに、ユーザが移動している通信プロセス全体においては、無線環境に頻繁な変化があり得る。無線環境の変化に適応するために、スケジューリングは、非常に頻繁に更新され、これは、サブフレーム(1ms)ごとに行われ得る。したがって、従来のスケジューリングは、一連の複雑なシステム手順に依拠し、かなりのレイテンシおよびオーバーヘッドを引き起こし得る。
【0031】
接続性アプリケーションが産業およびドメインにわたって指数関数的に増大するにつれて、産業ネットワークはより重要かつ多様になりつつある。センサのための低電力WAN(LPWAN)、位置/測位ビーコンメッシュ、Wi-Fi、産業イーサネット(登録商標)プログラマブル論理コントローラ(PLC)、および分岐/サプライチェーン接続のための企業広域ネットワーク(WAN)といった複数の技術を単一のサイトで展開することは一般的である。テレコムオペレータによって対応されない特定のニーズに応じるためにプライベートセルラーネットワークを展開する企業は、産業ネットワークが複雑で、断片化され、費用がかかることをよく認識している。
【0032】
5G通信技術は、プライベートおよびセミプライベートネットワーク構成および管理を簡略化することを目的とする。これは、レガシー技術および産業当事者とテレコムエコシステムとの間の新たな協調方式を開くことができるネットワークスライシング技術との高度な相互運用性をもたらすことを目的とする。
【0033】
最先端の製造サイト、流通センター、および多数の他のキャンパス環境は、4Gまたは5G無線アクセスネットワークのいずれかをサポートするプライベート5Gインフラストラクチャの展開から利益を得ることができる。アルゴリズム更新から、製造プロセス、機械の予測保守、および自律配送車両とのリアルタイム対話まで、プライベート5Gネットワークは、現代の企業に多数の利点を提供する。5Gサービスベースのアーキテクチャ(SBA)は、完全に独立した制御およびユーザプレーン機能を含む、別個のネットワークスライスを確立する能力を提供する。これは、モバイルネットワークオペレータが自身のパブリックネットワークを分割することを可能にし、自身の企業顧客をサポートする、事実上無制限の数のプライベートLTEまたは5Gインスタンスを作成する。
【0034】
プライベートネットワークは、企業および個人のための有望な新たな接続性モデルである。プライベートネットワークの所有者は、自身のネットワークを計画して設置し、利用可能なリソースを専ら使用して特定のエリア内で信頼性のある通信を確立することにより、自身の設備においてサービスを最適化することができる。例えば、安全性、セキュリティ、プライバシー、信頼性、レイテンシ、デバイス密度、およびスループット等の要因に対して、輸送、採鉱、コンテナポート、健康管理、および製造等のいくつかの産業ならびにプライベートな適用例は、公共商用ネットワークではなく、それら自体のプライベートネットワークに依拠して動作することを意図する。そのようなプライベートネットワークは、それらの要件を満たすために高レベルの柔軟性およびカスタマイズを必要とする。プライベートネットワークの所有者は、ネットワークのあらゆる局面に対して完全な制御を有するので、リソースがどのように利用されるか、トラフィックがどのように優先されるか、特定のセキュリティ規格がどのように展開されるかなどを決定することができる。プライベートネットワークの展開は、共有スペクトルまたは無認可スペクトルにおいて実現可能であり得る。プライベート5Gの背後にある主な動機は、企業が(例えば、工場、処理プラント、空港、採鉱施設などにおいて)自身のネットワークを運用する能力を有する産業用モノのインターネット(IIoT)のサポートである。
【0035】
しかしながら、プライベート5Gネットワークは、特別な特徴を保持し、それら自体の課題のセットを伴う。多数のユーザがプライベート5Gネットワークに共存し得る。たとえば、ある産業環境では、多数の産業用モノのインターネット(IIoT)デバイスがプライベート5Gネットワークによってサポートされる必要があり得る。第2に、送信されるデータは、機械制御命令、センサ情報、および健康管理等の短いメッセージであってもよく、わずかなデータのみから成るが、周期的かつ頻繁に送信される必要がある。メッセージのいくつかは遅延に敏感であり、予め規定された寿命を有し、それらの寿命が切れると古くなることになる。さらに、産業自動化のためには、例えば、運動制御、広範囲に及ぶ感知技術の統合、および作業者の安全性、超低レイテンシ、信頼性、および決定論が重要な要件である。主に屋外カバー範囲のための従来の5Gネットワークとは異なり、プライベート5Gネットワークおよびローカル5Gネットワークは、チャネル状態がはるかに不安定で敵対的である特定のエリアのために開発され、これはスケジューリングに課題を呈する。パブリック5Gネットワークの場合、ユーザは高い移動度を有し得る。しかしながら、ローカルおよびプライベート5Gネットワークでは、ユーザ移動度は比較的低いか、または局所的であり得る。いくつかの実施形態例は、この事実をスケジューリングに利用して信頼性を向上させる。
【0036】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による企業プライベートネットワーク100を示す。企業は、一般に、企業の1つまたは複数の事業所位置における通信のために企業プライベートネットワーク100を提供し得る。企業プライベートネットワーク504は、1つまたは複数の企業サーバ106(例えば、アプリケーションサーバ、認証サーバなど)を含むことができる。本実施例では、企業のプライベート5Gネットワーク10は、企業の工場またはプラントに提供されてもよい。データ通信は、1つ以上のユーザ機器と企業施設内の1つ以上の他の機器との間で生じてもよい。例えば、ユーザ機器(UE)102Aは、企業施設内、例えば工場内の人員によって担持されるハンドヘルドデバイスであってもよい。UE102Aは、工場内の他のUEと、工場に関連付けられる制御システムと、または工場内もしくは工場外に存在し得るいくつかの他の通信可能に結合されたデバイスと通信し得る。このような通信は、プライベート5Gネットワーク10を介して行うことができる。同様に、ユーザ機器102Bは、無線通信能力を伴って可能にされた車両であってもよく、プライベート5Gプライベートネットワークを介して別の機器とのデータ通信を実行してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、プライベート5Gネットワーク10は、ロボットマニピュレータであり得るユーザ機器102Cと企業内の他のデバイスとの間の通信リンクも提供し得る。
【0037】
いくつかの例示的な実施形態では、プライベート5Gネットワーク10は、gNodeB(gNB)などの1つまたは複数の基地局を介してユーザ機器(102A、102B、または102C)に通信リンクを提供することができる。基地局104は、複数のUEに対応することができ、いくつかの例示的な実施形態に従ってスケジューリングを実現して、複数のUEのすべてまたはサブセットへの多重アクセスを提供することができる。基地局104は、個々のスケジューリング結果を複数のUEの各々に通信するために、UEとの制御信号送信を実行し得る。基地局104は、UEの現在のチャネル状態を考慮した後、UEの各々にアップリンク通信のための期間(SPS期間)を割り当ててもよい。SPS期間は、ユーザ機器の各々について基地局104によって別々にまたは合同で計算され得る。いくつかの例示的な実施形態によれば、基地局104は、現在のチャネル状態だけでなく、次のSPS期間における可能なチャネル状態も考慮に入れることができ、その結果、次のSPS期間におけるすべての可能なチャネル状態状況をカバーし、送信信頼性を保証するために、充分なSPSチャネルリソースが各UEにスケジューリングされる。このようにして、基地局104は、データが送信のために各すべてのデバイスにおいて利用可能となる時間までに、各すべてのUEがリソースを割り当てられることを保証する。
【0038】
いくつかの例示的な実施形態では、基地局104は、1つのSPS期間の経過後にスケジューリングを繰り返す。しかしながら、再スケジューリングと関連付けられるレイテンシを低減するために、基地局104は、基地局104と特定のデバイス(すなわち、UE)との間の情報の行ったり来たりの交換が低減される、スケジューリングのための異なる方式を提供し得る。この目的のために、例示的な実施形態は、基地局104とユーザ機器との間の通信の基本期間を利用する。いくつかの例示的な実施形態では、基地局104およびユーザ機器(102A、102B、または102C)は、それらの間に、送信の基本期間が定義されてもよい。送信の基本期間は、ユーザ機器が通信セッションにおいて初めて基地局に接続するときに決定されてもよい。例えば、初期ハンドシェイクおよび制御信号送信交換の一部として、基地局およびユーザ機器は、最小スケジューリング期間を通信の基本期間として設定することができる。
【0039】
最小スケジューリング期間は、ユーザ機器の計算能力、基地局における周波数スペクトルの利用可能な帯域幅などの要因に基づいて決定され得る。例えば、日本政府は、サービスプロバイダに200MHzの帯域幅を割り当てており、サービスプロバイダが28.2GHz~28.3GHzの周波数帯でプライベート5Gネットワークを構築することを可能にしている。同様に、ドイツ政府は、産業用途を対象とするプライベートネットワークのために3.7~3.8GHzで100MHzの帯域を確保している。米国では、連邦通信委員会(FCC)は、3.5GHzの市民ブロードバンド無線サービス(CBRS)がプライベートネットワークのために使用されることを可能にしている。
【0040】
いくつかの例示的な実施形態では、スケジューリング結果のダウンリンク通信に関連付けられるペイロードを低減するために、基地局104は、ユーザ機器におけるSPS期間の持続時間の計算のために拡大係数を送信することができ、したがって、スケジューリングに伴うオーバーヘッドおよびレイテンシをさらに低減する。あらゆるユーザ機器が何らかの計算能力を有するので、UEにとって送信の基本期間および拡大係数を使用してSPS期間を計算することは、より容易であり得る。
【0041】
SPS期間は、複数のサブフレームからなり得る。開発されたスケジューリング方式では、ユーザ機器は、同じ割り当てられ確保された無線リソースを使用して、SPS期間内にアップリンク送信を行い得る。このようにして、ユーザ機器102A、102B、または102Cなどのプライベート5Gデバイスが、送信される必要があるメッセージを有する場合、それは、BS104によるスケジューリングを待つことなく、それの割り当てられたSPSチャネルに直ちにアクセスして、データを送信することができる。その結果、アップリンク送信のレイテンシが低減される。加えて、プライベート5G BSおよびユーザ機器の両方のシステムプロセスは、頻繁かつ瞬時のリソース割当てをサポートする複雑なシステム手順が必要とされないので、低い動作複雑性で、より効率的になる。
【0042】
図2は、いくつかの例示的な実施形態による、プライベートおよびローカル5Gネットワーク20のシステムモデルを示す。プライベートおよびローカル5Gネットワークは、図1の基地局104と同様の基地局204と、基地局204に無線で結合された複数のユーザ機器202A、202B、および202Cとを備える。いくつかの例示的な実施形態では、ユーザ機器(202A、202B、または202C)のうちの1つまたは複数は、それ自体のアクセスポイントを介して基地局204に結合され得る。ユーザ機器202A、202B、および202Cは、同じまたは異なるタイプであり得る。ユーザ機器の「タイプ」は、ユーザ機器が属し得るデバイスのクラスまたはカテゴリに対応し得る。例えば、仮想現実(VR)/拡張現実(AR)、センサ、アクチュエータ、カメラなどである。そのような分類は、企業に関連し得る。
【0043】
プライベートおよびローカル5Gネットワークは、企業ネットワークの一部として実現されてもよく、スタンドアロンまたはパブリック5Gネットワークのアクセス制御されたスライスであってもよい。いくつかの例示的実施形態では、ユーザ機器202A、202B、および202Cの各々の移動は、企業構内等の構内のあるエリアに局在化されてもよい。ユーザ機器の各々は、人間のユーザ、車両、およびロボットなど、異なるタイプのモビリティを有し得る。
【0044】
ユーザ機器(202A、202B、および202C)は、プライベート5G BS204に接続し、アップリンクデータ送信を行い、BS204は、セミパーシステントスケジューリングを実行し、ダウンリンク制御チャネルを介して各ユーザ機器(または単にユーザ)を周期的にスケジューリングする。プライベートおよびローカル5Gネットワークは、認可された周波数帯域を有するものであってもよい。M個のSPSチャネルおよびU個のユーザがあると仮定して、Uをすべてのユーザのセットとすると、
【数1】

である。SPSチャネルリソースは通常は限られているので、SPSチャネルリソースは、SPSで応対されるべきすべてのユーザをサポートすることはできないことがある。部分的なセットのユーザのみがSPSユーザとして応対可能であり得、これは、信頼性および公平性保証の両方を考慮して適切に選択されるべきである。いくつかの例示的実施形態では、プライベート5Gユーザは、産業工場、病院、および駅等の、高密度デバイスを伴う屋内シナリオにおいて展開されてもよい。したがって、経路損失は、以下のように指定され、
【数2】

ここで、dは、BS204とユーザi(202A、202B、または202C)との間の距離を表す。ユーザのモビリティのため、SPS期間内の距離dは、ランダム変数であり得る。
【0045】
さらに、いくつかの例示的な実施形態では、プライベート5Gネットワーク20は、無線信号が建物、他の機器、および/または他のデバイスなどの障害物によって妨害および散乱され得る環境に適用され得る。したがって、いくつかの実施形態例は、小規模フェージングを特徴付けるためにレイリーフェージングを採用する。したがって、ユーザiの小規模フェージングはhによって示される。認可された周波数帯域では、プライベート5Gネットワークは、他のシステムからの干渉なしに独占的にそれらの無線チャネルにアクセスすることができる。信頼性を保証し、干渉を回避するために、BS204は、1つのSPSチャネルを1つのユーザ機器にのみ割り当ててもよい。したがって、いくつかの例示的な実施形態では、信号対雑音比(SNR)を使用して、チャネル状態を特徴付けることができ、これは次式によって与えられ,
【数3】

また、BおよびNは、それぞれSPSチャネルの帯域幅および雑音スペクトル密度を示す。
【0046】
いくつかの例示的な実施形態では、ユーザのモビリティは、ある期間にわたって構内のあるエリアに局在化または限定され得る。したがって、リソースの割当ておよびスケジューリングは、信頼性を保証するために、ユーザ機器(「ユーザ」と区別なく称される)が後続の期間内にあることになる可能な位置も考慮に入れるべきである。この目的のため、BS204は、各ユーザからその位置情報を受信して、そのユーザに関する移動エリア報告を生成する。ユーザに関する移動エリア報告は、ユーザの位置に対応するデータを示し得る。ユーザの位置は、たとえば、GPSベースのシステムにおけるようなユニバーサル基準系を参照して、またはアクセスポイントなどのネットワーク内の別の要素に対して表現され得る。ユーザの位置情報は、ユーザのSPS期間の移動エリア報告サブフレームにおいて送信され得る。これについて、図3Aを参照して詳細に説明する。
【0047】
図3Aは、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、セミパーシステントスケジューリングのためのフレーム構造を示すタイミング図である。図3Bは、いくつかの例示的な実施形態による、セミパーシステントスケジューリング法のいくつかのステップを示す概略図である。セミパーシステントスケジューリング法およびアルゴリズムに関するいくつかの例示的な実施形態の詳細は、図3Aおよび図3Bを併せて参照して説明される。時間領域は、同一であるかまたは等しくない時間長をもつSPS期間に分割され得る。各SPS期間は、データ送信のためのデータサブフレーム、SPSスケジューリング結果を通信するためのSPSスケジューリング信号送信サブフレーム、および移動エリア報告サブフレームなどの、複数のサブフレームからなり得る。時間インスタンスtにおいて、ユーザは、プライベート5Gネットワークを介して送信されるデータの可用性に注目し得る。例えば、図2に示すシナリオと同様のシナリオでは、工場設定におけるロボットマニピュレータであるユーザ202Aは、対象物の画像データを取得することができる。ロボットマニピュレータ202Aは、対象物のこの画像データをさらなる処理のために中央サーバに送信するようにプログラムされる。したがって、ロボットマニピュレータ202Aは、画像データの可用性をそれのインターフェースに伝達してもよく、それは、本開示のいくつかの実施形態で説明する通信プロセスをトリガすることができる。したがって、ユーザ(図2の参照例におけるロボットマニピュレータ202A)のコントローラは、無線リソース割当ての要求301をBSに送信することができる。BSは、現在の期間Pに対してユーザのためにスケジューリングを実行することができ、ユーザは、時間インスタンスtにおいてBSからスケジューリング信号送信303を受信する。データがユーザにおいて送信のために利用可能であるインスタンスとその実際の送信との間に生じる時間遅延ΔTは、以下のように定義される。
【数4】
【0048】
スケジューリング信号送信を受信すると、ユーザは、それの現在のSPS期間P中に、割り当てられたチャネル上で、データ305を送信し得る。しかし、現在のSPS期間Pの最後のサブフレームで、ユーザの位置情報307が基地局に送信され得る。この目的のために、ユーザ機器は、ユーザ機器のジオロケーションを判断する好適な位置センサを備えてもよい。例えば、ユーザ機器は、全地球測位システム(GPS)センサを備え得る。いくつかの例示的な実施形態では、ユーザのジオロケーション情報は、ユーザが接続され得るアクセスポイントによって提供される信号から判断され得る。例えば、三角測量などの任意の好適な測位技術が利用され得る。いくつかの例示的な実施形態では、ユーザ機器は、アクセスポイントの周りのエリア内で移動するように局在化され得る。そのようなシナリオでは、エリアがユーザ機器から閾値距離内に制限される場合、アクセスポイントのジオロケーション情報は、ユーザ機器のジオロケーション情報であると見なされ得る。
【0049】
BSは、ユーザのジオロケーション情報を利用して、次のSPS期間Pにおけるその移動エリアを評価することができる。ユーザの移動エリアの評価の詳細については、図4を参照して後述する。次いで、BSは、次のSPS期間Pに対してスケジューリングを実行し、現在のSPS期間Pの終了を印す時間インスタンスt付近でスケジューリング結果309を送信する(304、310)ことができる。したがって、そのすぐ後、時間インスタンスtにおいて、ユーザは、次のSPS期間Pにおいてデータの送信306を開始または継続し得る。再び、次のSPS期間Pの最後のサブフレームにおいて、ユーザはその位置情報を送信することができ(302、308)、処理は継続することができる。スケジューリング結果の再割当ておよび次のSPS期間Pに対応するデータの実際の送信中に被る時間遅延ΔTは、以下のように定義される。
【数5】

図3Aに明確に示されるように、TはT未満である。したがって、本発明の実施形態は、スケジューリング信号送信の通信に関与するレイテンシを低減し、アップリンク送信レイテンシを低減し、システム複雑性を軽減する。
【0050】
図4は、いくつかの例示的な実施形態による、基地局とユーザ機器との間の距離を求めるためのモデルを示す概略図である。座標(x,y)は、ユーザの位置に対応し、その報告されたジオロケーション情報によって提供される。次いで、ユーザの最大速度v、およびSPS期間Tの時間長を取得することができる。例えば、ユーザの最大速度vは、ある期間にわたるジオロケーション情報の分析から取得され得る。いくつかの例示的な実施形態では、ユーザは事前設定された構内で動作するため、速度の最大限度に課される制約があり得る。したがって、ユーザの許容速度の上限は、最大速度vの値と考えられ得る。いくつかの例示的実施形態では、ユーザは、事前定義された速度で動作してもよく、そのような場合、最大速度の値は、事前定義された速度と見なされてもよい。
【0051】
ユーザの移動はSPS期間内では予測不可能である場合があるので、ユーザの移動エリアは、ローカライゼーション技法を使用して定義されてもよい。例えば、ユーザは、一般性を失うことなく、半径v×Tの座標(x,y)を中心とする円として定義されるエリア内に局在化されると仮定することができる。明らかに、移動エリアは、次のSPS期間におけるユーザのすべての可能な位置を伴う。いくつかの例示的な実施形態では、位置情報とは別に、ユーザは、自身のデータ通信要件が変化した場合に、移動エリア報告サブフレームを通じて自身のデータレート要件を報告および更新することもできる。新鮮さのために、移動エリア報告サブフレームは、最新の位置情報を提供するために、各SPS期間の最後のサブフレームに位置する。すなわち、移動エリアサブフレームは、SPS期間の最後のサブフレームに位置するため、ユーザのもっとも最近の位置を意味する。したがって、ユーザのもっとも最近の位置を使用する移動エリアの推定は、正確である可能性が高く、したがって、正確な移動エリア報告を使用して行われるスケジューリングは、好適かつ信頼性のあるものである。
【0052】
いくつかの例示的実施形態では、ユーザ機器の位置は、ユーザ機器内の測位モジュールによって提供されてもよい。前述のように、ユーザ機器は、ユーザの最近の位置を提供するために、GPSセンサ、GLONASSセンサ、IRNSSセンサ、または同等物を装備してもよい。いくつかの例示的実施形態では、加えて、または代替として、ユーザ機器は、加速度計、コンパス、およびコンピュータビジョン等の他の搭載/デバイス搭載設備を装備してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、GPS信号が利用可能でないとき、必要な測位精度を改善するかまたは完全に提供するために、オンデバイス技法を使用する代替の方法が使用され得る。この目的のために、本開示の範囲から逸脱することなく、当技術分野において利用可能な好適な技法が使用され得る。そのようなシナリオは、チャネル状態がはるかにより不安定で敵対的であり、スケジューリングに対する課題を引き起こすローカルエリアにおいて、使用を見出すことができる。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態では、ユーザ機器は、ある産業用IoTセットアップにおいて「モノ」であってもよい。「モノ」は、特定のエリア内でのみ動作または移動して、特定の動作およびタスクを実行してもよい。「モノ」のいくつかの非限定的な例は、ロボット、車両、機械、およびセンサを含み得る。したがって、GPSなしで位置情報を収集する非限定的であるが実現可能な方法は、アクセスポイント(AP)/センサを各事前定義された移動エリアに展開することであり得る。いくつかの例示的な実施形態では、APまたはセンサは、ユーザの信号強度を検出するために使用され得る。ユーザの信号が、あるAP/センサにおいて最も強いと検出される場合、そのAP/センサの対応する移動エリアは、ユーザの移動エリアと見なされ得る。いくつかの例示的な実施形態では、人間によって保持される無線装置のような、予測不可能に移動し、特定の移動エリアを有さないユーザの場合、ユーザの移動エリアは、非常に大きいと仮定され得、それは、基地局によってカバーされるエリア全体に等しい。
【0054】
ユーザの位置情報を取得した後、BSは、信号処理および計算処理を実行して、ネットワーク内のユーザに対するSPSチャネルスケジューリング結果を取得する。一例は、ARおよびIoTデバイスによる動的無線環境下での対話型監視および制御を構築するために、モノの仮想環境を構築することである。基地局は、図3Aの303及び図3Bの304を参照して説明したように、各SPS期間の最初のサブフレームであるSPSスケジューリング信号送信サブフレームを通じてすべてのユーザにSPSチャネルスケジューリング結果を通知する。SPSチャネルスケジューリング結果に従って、プライベートネットワークのユーザは、すべてのデータサブフレームおよび移動エリア報告サブフレームを含むSPS期間の残りにおいて、自身の割り当てられたSPSチャネル上でアップリンク送信を実行する。したがって、従来のSPSとは異なり、提案されたSPSは、ユーザ移動度予測を考慮する。加えて、本発明のSPSスケジューリングは、最適化問題として定式化され、したがって、最適なスケジューリングを提供する。
【0055】
対応するカバレッジ確率を計算するために、図4に戻って参照してもよく、ここで、基地局は、高さlの原点(0,0)に位置すると仮定することができ、ユーザの移動エリアの中心およびSPS期間内の任意の位置は、それぞれ座標(x,y)および(x,y)を介して指定することができる。座標(x,y)は、固定され、既知であってもよく、例えば、報告されたユーザの位置情報によって提供されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、(x,y)は未知であり、ランダムに選択され得る。X0=(x,y)、X1=(x-x,y-y)、およびY=(x,y)は、それぞれ、BSから移動エリア中心までのベクトル、移動エリア中心からユーザまでのベクトル、およびBSからユーザまでのベクトルを表すものとする。BSとユーザとの間の距離は、
【数6】

によって与えられる。一般性を失うことなく、ユーザは、半径rのその移動エリアに均一に分布していると仮定することができる。
【数7】
【0056】
たとえば、図4を参照すると、基地局は、ユーザの移動エリアを、ユーザについて取得された位置情報に基づいて判断し得る。移動エリアの重心は、ユーザの位置に対応し得、ユーザ「i」と基地局との間の距離dは、好適な方法で定義され得る。各ユーザについてのこの距離dは、ネットワーク内のユーザの距離分布の表現を反映し得る。ユーザは動的であり得るので、距離分布も動的であり得る。言い換えれば、SPS期間内の距離dは、ユーザのモビリティのため、ランダム変数であり得る。確率幾何の知識を使用して、ユーザの距離分布を502で求めることができる。確率幾何のそのような使用の一例は、論文 “M. Afshang, H. S. Dhillon, and P. H. Joo Chong, “Modeling and performance analysis of clustered device-to-device networks,” IEEE Trans. on Wireless Commun., vol. 15, no. 7, pp. 4957-4972, July 2016”に置いて提供され、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0057】
図5は、いくつかの例示的な実施形態による、無線ネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリングのための方法のいくつかのステップを示す流れ図である。基地局は、移動エリア報告としてユーザの位置情報を取得した後、報告された移動エリアに従って、基地局とユーザとの間のfD(d)で表される距離の分布を計算する(502)。そのような距離分布は、確率幾何を使用して、例えば、図2および図4に図示され、それを参照して本明細書でより詳細に説明される態様で計算されてもよい。
【0058】
【数8】
【0059】
SNRの期待値は、(i)次のSPS期間に使用される変調および符号化方式(MCS)と、(ii)対応するカバレッジ確率とを求めるために使用される。この目的のために、当技術分野で公知の任意の好適な方法または技法が基地局によって利用され得る。たとえば、MCSを判断するために、LTE仕様は、SPSチャネル中に168個のシンボルがあることを規定し、SPSチャネルは180kHz帯域幅を伴う物理リソースブロック(PRB)である。図6は、いくつかの例示的な実施形態による、MCSを判断するために使用されるSNR対MCSマッピングテーブル600を示す。基地局は、SNR-MCSマッピングテーブル600を参照してMCSを判断することができる。図5の504において取得された距離分布によるSNRの期待値は、表600において定義されたSNRレベルと比較され得る。多くの信号は非常に広いダイナミックレンジを有し得るので、SNRは、602に示されるように対数デシベルスケールを使用して表され得る。いくつかの例示的な実施形態では、SNRは、604に示すように単に比として表すことができる。504で取得されたSNRの期待値をSNRの対応するエントリ(場合によって602または604)に関連付けるために、当技術分野で公知の任意の好適な技法が利用され得る。例えば、504で取得されたSNRの期待値と602または604で提供されるSNR値との間の距離が求められ得、その距離が最小である値が最良のマッチであるとして選択され得る。したがって、およびテーブル600内の選択されたSNR値に対応して、変調方式606および符号化率608がテーブル600から取得され得る。ビットで定義されるシンボルにおけるデータ610も、テーブル600から選択され得る。このようにして、MCSは、504において求められたSNRの期待値に従って決定され得る(506)。SNR対MCSマッピングテーブル600は、基地局内のメモリまたは基地局にアクセス可能なデバイスに記憶され得る。いくつかの例示的な実施形態では、SNR対MCSマッピングテーブル600は、事前に定義されてもよく、またはいくつかのシナリオでは、ネットワークの要件に従って手動でまたは自動的に動的に更新されてもよい。
【0060】
【数9】
【0061】
カバレッジ確率は、受信された信号のSNRが成功裏な復調および復号の閾値Γを超える確率として定義され得る。SINR比によって決定されるΓの値は、例えば、図6に示す表に従って予め定義することができる。距離分布が与えられると、カバレッジ確率は、以下のように得ることができ、
【数10】
【0062】
【数11】

上記の導出は、レイリーフェージングチャネルの電力利得が指数分布に従うことになる。
【0063】
ユーザiの選択されたMCSが与えられると、成功裏な復調および復号のSNR閾値Γiが求められ得る。さらに、SPSチャネルによって搬送されるデータの量Rは固定され、これはユーザiのMCSによって支配される。したがって、信頼性向上および公平性保証を目的とする最適化問題は、以下のように定式化および解くことができ(508)、
【数12】

Mは、各i(ユーザ)に固有であるので、ユーザiに割り当てられるSPSチャネルの数は、ユーザiに対するスケジューリング結果の一部として得られ得る。さらに、求められたMCSおよびSPS期間の長さも、ユーザiに通信され得る。
【0064】
送信されたデータの期待値の使用は、SPS期間内でユーザがデータを送信するために事前に割り当てられたリソースを使用し続ける可能性があり、無線環境の変化に従ってリソース割当てを瞬時に調整することができないという事実のため、信頼性保証にとって重要であることに言及することは注目に値する。スケジューリングが、ある瞬間における瞬間的なチャネル状態に依存するだけでなく、SPS期間における潜在的なチャネル状態を考慮するほうが、より良い。
【0065】
最適化問題(7)の目的関数は、すべてのユーザの送信されたデータ期待値の合計の最大化であり、SPSチャネル上で送信されるデータの期待値
【数13】

は、従来のスケジューリング方式において広く採用されている瞬間的な達成可能なデータレートまたは瞬間的なチャネル状態の代わりに考慮される。送信されたデータの期待値は、選択されたMCSおよび(6)に記述される距離分布を伴うカバレッジ確率によって判断される、SPS期間における潜在的なチャネル状態を反映する。送信されたデータ期待値の使用は、プライベート5Gネットワークが充分な無線リソースを割り当てて、より悪い無線環境下でもユーザの要件を満たすことができることを保証することを可能にする。この目的のために、第1の制約
【数14】

を用いて、ユーザに割り当てられるチャネルの数を制限する。このようにして、ユーザに割り当てられたSPSチャネルリソースは、グローバル最大化を追求するために割り当てられた冗長リソースではなく、そのデータレート要件を満たし、その信頼性を保証するのにちょうど充分である。その結果、第2の制約によって制限される限られたSPSチャネルリソースMが与えられると、可能な限り多くのユーザが、低レイテンシSPS送信で、好ましい信頼性をもって、応対され得る。
【0066】
【数15】
【0067】
最適化問題(7)では、プライベート5Gシステムは、2つの理由で、SPSチャネルを、送信データの高い期待値を有するユーザに割り当てることを意図している。第1に、SPSチャネルを、高いデータ期待値を有するユーザに割り当てることは、グローバル最大化に有益である。第2に、より高いデータ期待値を有するユーザについては、同じデータ要件の下では、このユーザに割り当てられる、より少ないチャネルが、その要件を満たし得、したがって、より多くのチャネルリソースが、他のユーザに応対するために節約され得、より多くのユーザがSPSで応対される。明らかに、最適化問題(7)を通して、データレート、信頼性、および公平性の間で、良好なトレードオフが達成される。
【0068】
図7は、基地局BS(たとえば、図2の基地局204)の要素を示すブロック図である。図示のように、基地局700は、複数の無線端末との無線通信を提供するよう構成されたトランシーバ701と、RANの他の基地局との通信を提供するよう構成されたネットワークインターフェース705と、トランシーバおよびネットワークインターフェースに結合されたプロセッサ703と、プロセッサに結合されたメモリ707とを含み得る。メモリ707は、プロセッサ703によって実行されると、本明細書で開示される実施形態による動作をプロセッサに実行させるコンピュータ可読プログラムコードを含み得る。他の実施形態によれば、プロセッサ703は、メモリが別個に提供されないようにメモリを含むように定義され得る。基地局700は、図5および図6を参照しながら説明したステップを少なくとも実行することができる。
【0069】
図8は、いくつかの例示的な実施形態による、無線ネットワークおいてセミパーシステントスケジューリングに従って基地局を介してユーザ機器と別のデバイスとの間で通信するための方法のいくつかのステップを示す流れ図である。UE202Aなどのユーザ機器は、ネットワーク内で1つまたは複数の他のデバイスとデータ通信を実行する通信能力を有し得る。現在の時間インスタンスにおいて生じる通信セッションは、ユーザ機器の現在のセッションと呼ばれ得、対応する現在のセッションは、関連付けられる現在の通信期間を有し得る。前述のように、すべての通信期間は、1つまたは複数のサブフレームを備え得る。ユーザ機器および基地局は、最小スケジューリング期間としてそれらの間で定義される送信の基本期間を有し得る。そのような最小スケジューリング期間は、初期ハンドシェイクプロセスの一部として、またはユーザ機器が基地局との通信セッションを初めて確立した第1の通信セッション中に確立され得る。この送信の基本期間は、さらなる使用のためにユーザ機器および/または基地局内のアクセス可能なメモリに記憶され得る。
【0070】
ユーザ機器は、現在の期間において、例えば現在の期間の開始時に、無線リソース割当ての要求を送信することができる(802)。いくつかの例示的な実施形態では、基地局によるセミパーシステントスケジューリングの実行を助けるために、ユーザ機器は、現在の期間の最後のサブフレームにおいて位置データを送信することもできる。無線リソース割当ての要求は、ユーザ機器が、それの通信インターフェースのいずれかにおいて送信のためのデータの可用性を予期または注目するときにトリガされてもよい。その後、ユーザ機器は、好適な位置技術を利用して、その位置データを判断し、ユーザ機器の最新の位置を反映するように、現在の期間の最後のサブフレームに付加することができる。
【0071】
図2の基地局204などの基地局は、無線リソース割当ての要求と、その後に、ユーザ機器の位置データとを受信し得る。基地局は、図4図6を参照して前述した方法と同様の方法でセミパーシステントスケジューリングを実行し、スケジューリング結果をリソース割当てデータとともに各ユーザ機器に提供することができる。ユーザ機器は、とりわけ、ユーザ機器の1つまたは複数の後続の通信期間のために送信期間拡大係数を含むリソース割当てデータを受信し得る(804)。送信期間拡大係数は、送信の基本期間の拡大を定義する。たとえば、基地局は、ユーザ機器のために、MCS、チャネル周波数、および送信期間拡大係数を決定し、それをユーザ機器に送信し得る。
【0072】
ユーザ機器は、MCSおよびチャネル周波数を、あるSPS期間に利用して、データ送信を実行し得る。しかしながら、そうするためには、ユーザ機器は、まずSPS期間を計算する必要がある。この目的のために、ユーザ機器は、送信期間拡大係数および送信の基本期間に基づいて、SPS期間を、1つまたは複数の後続の通信期間のうちのある後続の通信期間として計算し得る(806)。例えば、送信の基本期間は事前に定義され、ユーザ機器と基地局との間で合意されるので、ユーザ機器は、メモリから送信の基本期間をフェッチし、それに送信期間拡大係数を乗算して、SPS期間を後続の通信期間として決定することができる。ユーザ機器は、計算されたSPS期間と等価な時間期間の間、リソース割当てデータにおいて提供されるチャネル周波数へのアクセスを有する。計算されたSPS期間の経過後、ユーザ機器は、次の期間のための制御信号送信がその旨を示す場合、チャネル周波数の制御を解放することができる。いくつかの例示的な実施形態では、後続の期間におけるデータ送信の期待値によって、ユーザ機器がチャネル周波数へのアクセスを継続すべきであることが示される場合、基地局は、ユーザ機器に対して、より広い拡大係数を計算することができる。「n」個の後続の通信期間について、基地局は、チャネル周波数を解放する要件がない場合、およびユーザ機器が依然として送信すべきデータを有する場合、変更なしインジケータをユーザ機器に提供することができる。最後に、ユーザ機器は、基地局によって割り当てられ、計算されたSPS期間に基づいたチャネル周波数上で、アップリンク通信を実行する(808)。
【0073】
いくつかの例示的実施形態では、いくつかのユーザ機器が、充分な計算能力の欠如または時間依存通信における遅延非許容性といった動作上の制限により、SPS期間を計算することは実現可能ではない場合がある。そのようなシナリオでは、基地局は、デバイスのタイプを識別し、基地局自体においてSPS期間の計算を実行することを選択することができる。すなわち、いくつかの例示的な実施形態では、基地局は、デバイスのタイプに基づいて、無線リソース割当てデータにおいてSPS期間を送信するべきか、または無線リソース割当てデータとともに送信期間拡大係数のみを送信するべきかを識別し得る。そのようなハイブリッド能力は、ネットワーク内に異なるタイプのデバイスの混合が存在し得るシナリオにおいて特に有用であり得る。図9は、いくつかの例示的な実施形態による、無線ネットワークにおいてセミパーシステントスケジューリングを実現するためのハイブリッド方法を示す。
【0074】
ユーザ機器901Aおよび901Bは、基地局903を介して産業用セットアップの制御システム905に通信可能に結合され得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、制御システム905は、ユーザ機器901Aおよび901Bからセンサデータを受信し、ユーザ機器901Aおよび901Bに対して制御コマンドを発行するよう制御処理を実行し得る。動作上の制限またはプロセス要件といった1つまたは複数の理由により、ユーザ機器901Aが高速計算を実行することは実現可能でないことがある。例えば、ユーザ機器901Aは、CPU等の計算機器の性能に有害である高熱を生成する電気機械構成要素を有するモバイルアセンブリ機器であり得る。したがって、ユーザ機器901Aは、いかなる特別な計算能力も搭載されず、適切に機能するために信号送信の大部分を提供されなければならない。ユーザ機器901Aは、アクセスポイント(図示せず)を介して基地局903に接続され得、したがって、ユーザ機器901Aの位置は、アクセスポイントによって報告される位置であるよう確認され得る。
【0075】
他方、ユーザ機器901Bは、充分な計算能力を搭載するロボット車両であってもよい。この点に関して、ユーザ機器901Bは、とりわけ、位置センサ、メモリ、およびCPUを備えていると見なされ得る。902Aおよび902Bにおいて、ユーザ機器901Aおよび902Bは、現在の期間において基地局にスケジューリング要求インジケータ(SRI)をそれぞれ送信し、アップリンク送信のための無線リソースを要求することができる。たとえば、SRIは、出口インターフェースにおけるセンサデータの可用性に応答して送信され得る。
【0076】
SRIの送信に続いて、ユーザ機器901Aおよび901Bは、現在の期間の最後のサブフレームにおいて位置データをそれぞれ送信することができる(904A,904B)。前述のように、位置データは、最新の位置を基地局903に提供するように、現在の期間の最後のサブフレームにおいて送信される。いくつかの例示的な実施形態では、ユーザ機器901A、901Bの各々は、デバイスのタイプも基地局903に送信し得る。
【0077】
基地局903は、(ユーザ機器901A、901Bを含む)複数のUEのSRIおよび位置データを、UEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信する(906)。基地局903は、それぞれのUEのタイプ識別子も受信し得る。これに応じて、基地局903は、スケジューリング処理を実行してもよい。この目的のために、基地局903は、UEの位置データに基づいて、後続の通信期間におけるBS903とUE(901A、901B、およびBS903と通信することができる任意の他のUE)との間の距離分布を計算することができる(908)。距離分布の計算は、図4を参照して先に論じた方法で実行することができる。
【0078】
次に、基地局903は、図5を参照して先に論じた方法で、後続の通信期間におけるすべてのUEについてのSNR期待値を計算し(910)、MCSを判断し(912)、カバレッジ確率を計算することができる。基地局903は次いで、後続の通信期間においてSPSチャネルによって搬送されるべきデータを最適化して(914)、UEの各々についてスケジューリング結果を取得し得る。この点に関して、基地局903は、ユーザ機器のタイプに従ってスケジューリング結果を取得するよう最適化を実行し得る。たとえば、ユーザ機器901Aの場合、基地局903は、SPS期間をスケジューリング結果の一部として定めることができ、ユーザ機器901Bの場合、基地局903は、送信期間拡大係数をスケジューリング結果の一部として定めることができる。基地局は、それぞれのスケジューリング結果を、対応するUEに、ダウンリンク制御チャネルを介して、送信することができる(916)。
【0079】
計算能力を持たないユーザ機器901Aは、SPS期間の長さを含むスケジューリングデータを受信し(918)、スケジューリングデータに従ってアップリンク送信を実行する(920)。他方、ユーザ機器901Bは、図8に関して説明した方法と同様の方法で、送信期間拡大係数を含むリソース割当てデータを受信する(922)。その後、ユーザ機器901Bは、送信期間拡大係数および送信の基本期間に基づいて、後続の通信期間としてSPS期間を計算し(924)、それに従ってアップリンク送信を実行する(926)。
【0080】
したがって、例示的な実施形態は、応対されるユーザ機器のタイプに従ってスケジューリング処理を実行することによって、全体的なスケジューリングプロセスに著しい改善を提供する。これは、処理負荷をユーザ機器にある程度委任するのに役立ち、それによって、基地局が時間依存シナリオに応えることができることを保証する。さらに、ユーザ機器は、ほぼデータが送信に利用可能となる時間までにリソース割当てデータを受信することができる。これは、時間依存シナリオにおけるユーザ機器の性能を大幅に改善する。
【0081】
図10は、本開示の実施形態による、ユーザ機器の実現例を示すブロック図である。ユーザ機器1000は、図8を参照しながら説明したステップと、図9に示す少なくともいくつかのステップとを実行することができる。ユーザ機器1000は、バス1056を介して接続される、プロセッサ1040と、コンピュータ可読メモリ1012と、ストレージ1058と、ディスプレイ1052およびキーボード1051を有するユーザインターフェース1049とを備えるコントローラ1011を含み得る。たとえば、プロセッサ1040およびコンピュータ可読メモリ1012と通信するユーザインターフェース1049は、ユーザによるユーザインターフェース1057の表面、キーボード表面からの入力を受信すると、データを取得してコンピュータ可読メモリ1012に記憶する。
【0082】
メモリ1012は、プロセッサによって実行可能な命令、履歴データ、ならびに本開示の方法およびシステムによって利用され得る任意のデータを記憶することができることが企図される。プロセッサ1040は、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コンピューティングクラスタ、または任意の数の他の構成であり得る。プロセッサ1040は、バス1056を介して1つまたは複数の入力および出力デバイスに接続されることができる。メモリ1012は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または任意の他の好適なメモリシステムを含み得る。
【0083】
さらに図10を参照すると、記憶装置1058は、プロセッサによって使用される補足データおよび/またはソフトウェアモジュールを記憶するように適合されることができる。例えば、記憶装置1058は、本開示に関して上述したように、履歴データ及び他の関連データを記憶することができる。加えて、または代替として、記憶装置1058は、本開示に関して上記で言及されるようなデータと同様の履歴データを記憶することができる。記憶装置1058は、ハードドライブ、光学ドライブ、サムドライブ、ドライブのアレイ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0084】
システムは、バス1056を介して、任意選択で、システムを表示装置(図示せず)に接続するように適合された表示インターフェース(図示せず)にリンクされることができ、表示装置は、とりわけ、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、またはモバイルデバイスを含むことができる。
【0085】
コントローラ1011は、電源1054を含むことができ、用途に応じて、電源1054は、任意選択でコントローラ1011の外部に位置し得る。バス1056を通してリンクされ得るのは、表示装置1048に接続するように適合されたユーザ入力インターフェース1057であり得、表示装置1048は、とりわけ、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、またはモバイルデバイスを含むことができる。プリンタインターフェース1059も、バス1056を通して接続され、印刷装置1032に接続するように適合されることができ、印刷装置1032は、とりわけ、液体インクジェットプリンタ、固体インクプリンタ、大規模商用プリンタ、サーマルプリンタ、UVプリンタ、または昇華染料プリンタを含むことができる。ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)1054は、バス1056を解してネットワーク1036に接続するように適合され、データまたは他のデータは、とりわけ、コントローラ1011の外側の第三者表示装置、第三者撮像装置、および/または第三者印刷装置上にレンダリングすることができる。さらに、バス1056は、全地球測位システム(GPS)デバイス1001または同様の関連タイプのデバイスに接続されることができる。
【0086】
さらに図10を参照すると、データまたは他のデータは、とりわけ、ネットワーク1036の通信チャネルを介して伝送され得、ならびに/または記憶および/もしくはさらなる処理のために記憶システム1058内に記憶されることができる。さらに、データまたは他のデータは、受信機1046(もしくは外部受信機1038)から無線もしくは有線で受信されてもよく、または送信機1047(または外部送信機1039)を介して無線もしくは有線で送信されてもよく、受信機1046および送信機1047は両方ともバス1056を介して接続される。コントローラ1011は、入力インターフェース1008を介して外部経路付けハードウェア装置1044および外部入力/出力装置1041に接続され得る。コントローラ1042は、外部制御システム1072および経路付けハードウェア装置1044に接続され得る。経路付けハードウェア装置1044は、ルータ1073およびネットワーク通信装置1044からの着信データを有することができる。ここで、経路付けハードウェア装置1044は、ルータ1074およびネットワーク通信装置1075への発信データを有することができる。また、外部メモリデバイス1006は、外部センサ1004およびマシン1002に接続されることができ、メモリデバイスは、バス1056に接続されることができる。出力インターフェース1009は、バス1056を介してプロセッサ1040から処理されたデータを出力するために使用され得る。
【0087】
本発明の前述の実施形態は、多数の方法のうちのいずれかで実現されることができる。たとえば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを使用して実現され得る。ソフトウェアで実現される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータで提供されるか、または複数のコンピュータ間で分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサまたはプロセッサの集合上で実行され得る。そのようなプロセッサは、集積回路構成要素において1つまたは複数のプロセッサを伴う集積回路として実現され得る。ただし、プロセッサは、任意の好適な形式の回路系を用いて実現されてもよい。
【0088】
また、本明細書で概説される様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのいずれか1つを使用する1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化され得る。加えて、そのようなソフトウェアは、いくつかの好適なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプトツールのうちのいずれかを使用して書かれてもよく、また、フレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能機械言語コードまたは中間コードとしてコンパイルされてもよい。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望に応じて組み合わせるかまたは分散させることができる。
【0089】
また、本発明の実施形態は、例が提供された方法として具現化されてもよい。方法の一部として実行される行為は、任意の好適な方法で順序付けることができる。したがって、例示的な実施形態において連続的な行為として示されているいくつかの行為を同時に実行することを含むことができる、例示とは異なる順序で行為が実行される実施形態を構築してもよい。
【0090】
本発明を好ましい実施形態の例として説明したが、本発明の精神および範囲内で様々な他の適応および修正を行うことができることを理解されたい。したがって、特許請求の範囲の目的は、本発明の真の精神および範囲内に入るすべてのそのような変形および修正を網羅することである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライベート5Gネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための方法であって、
前記プライベート5Gネットワークにおける複数のユーザ機器(UE)の位置データを、前記複数のUEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信することと、
前記複数のUEの前記それぞれの位置データに基づいて、前記複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間における前記複数のUEの距離分布を判断することと、
前記複数のUEの前記距離分布に少なくとも部分的に基づいて、前記後続の通信期間に対する前記複数のUEの信号対雑音比(SNR)期待値を求めることとを含み、前記SNR期待値はさらに、前記後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルによって搬送されるべきデータの量を定義し、前記方法はさらに、
前記後続の通信期間において前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解決して、前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得することと、
前記スケジューリング結果に基づいて前記候補UEのためにリソース割当てデータを生成することと、
アップリンク通信のために前記候補UEに前記リソース割当てデータを送信することとを含む、方法。
【請求項2】
UEに割り当てられるべきSPSチャネルの数は、前記最適化問題における変数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEのための送信期間拡大係数を含み、前記送信期間拡大係数は、送信の基本期間の拡大を定義し、前記基本期間は、前記候補UEと基地局との間の送信のための最小スケジューリング期間であり、前記候補UEは、前記送信期間拡大係数に基づいて前記後続の通信期間を計算するよう構成され
前記リソース割当てデータは、前記候補UEのための変調および符号化方式(MCS)をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のUEの求められた前記SNR期待値に基づいて、前記複数のUEの各UEのための変調および符号化方式を判断することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
チャネルスケジューリングの複数の通信期間が前記複数のUEの各UEに関連付けられ、チャネルスケジューリングの各通信期間は複数のサブフレームを含み、前記複数のUEの対応する1つが通信期間中に通信のために同じチャネルのセットを利用し、各通信期間は同じ長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のUEの各UEの前記位置データは、前記それぞれのUEのジオロケーション情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEの前記後続の通信期間の第1のサブフレームを通じて前記候補UEに送信され、前記候補UEは、前記候補UEの前記後続の通信期間のサブフレームの残りのサブフレームの最後のサブフレーム以外のすべておいてアップリンク通信を実行するよう構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プライベート5Gネットワークにおけるセミパーシステントスケジューリング(SPS)ベースのリソース割当てのための通信装置であって、
回路を含み、前記回路は、
前記プライベート5Gネットワークにおける複数のユーザ機器(UE)の位置データを、前記複数のUEのそれぞれの現在の通信期間の最後のサブフレームにおいて受信し、
前記複数のUEの前記それぞれの位置データに基づいて、前記複数のUEのうちの候補UEの後続の通信期間における前記複数のUEの距離分布を判断し、
前記複数のUEの前記距離分布に少なくとも部分的に基づいて、前記後続の通信期間に対する前記複数のUEの信号対雑音比(SNR)期待値を求めるよう構成され、前記SNR期待値はさらに、前記後続の通信期間において1つまたは複数のSPSチャネルによって搬送されるべきデータの量を定義し、前記回路はさらに、
前記後続の通信期間において前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々によって搬送されるべきデータの期待値を最適化する最適化問題を解決して、前記1つまたは複数のSPSチャネルの各々についてスケジューリング結果を取得し、
前記スケジューリング結果に基づいて前記候補UEのためにリソース割当てデータを生成し、
アップリンク通信のために前記候補UEに前記リソース割当てデータを送信するよう構成される、通信装置。
【請求項9】
UEに割り当てられるべきSPSチャネルの数は、前記最適化問題における変数である、請求項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記回路は、前記複数のUEの求められた前記SNR期待値に基づいて、前記複数のUEの各UEのための変調および符号化方式を判断するようにさらに構成される、請求項に記載の通信装置。
【請求項11】
チャネルスケジューリングの複数の通信期間が前記複数のUEの各UEに関連付けられ、チャネルスケジューリングの各通信期間は複数のサブフレームを含み、前記複数のUEの対応する1つが通信期間中に通信のために同じチャネルのセットを利用し、各通信期間は同じ長さである、請求項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記複数のUEの各UEの前記位置データは、前記それぞれのUEのジオロケーション情報を含む、請求項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記リソース割当てデータは、前記候補UEの前記後続の通信期間の第1のサブフレームを通じて前記候補UEに送信され、前記候補UEは、前記候補UEの前記後続の通信期間のサブフレームの残りのサブフレームの最後のサブフレーム以外のすべておいてアップリンク通信を実行するよう構成される、請求項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記回路はさらに、
前記複数のUEの各UEからデバイス識別子を受信するよう構成され、前記デバイス識別子は前記デバイスのタイプを識別し、前記回路はさらに、
前記複数のUEの前記デバイス識別子に基づいて、前記後続の通信期間に対する前記複数のUEの前記SNR期待値を求めるよう構成される、請求項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記複数のUEは、工場設定において時間依存データを送信するモバイルデバイスである、請求項に記載の通信装置。
【国際調査報告】