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特表2024-547230紫外線及びプラズマによる劣化に対して耐性を有するエラストマを製作するための方法及び材料
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  • 特表-紫外線及びプラズマによる劣化に対して耐性を有するエラストマを製作するための方法及び材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-27
(54)【発明の名称】紫外線及びプラズマによる劣化に対して耐性を有するエラストマを製作するための方法及び材料
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20241220BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
F16J15/10 G
H01L21/302 101Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527166
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 US2022045429
(87)【国際公開番号】W WO2023080970
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/277,021
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/953,630
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モアレム, メヘラン
【テーマコード(参考)】
3J040
5F004
【Fターム(参考)】
3J040FA05
3J040FA06
3J040HA07
3J040HA30
5F004AA16
5F004BA03
(57)【要約】
さらなる実施形態では、半導体処理ツールが提供される。一実施形態では、半導体処理ツールは、チャンバ、及びチャンバを密封するリッドを備えている。一実施形態では、エラストマシールは、チャンバとリッドとの間にある。一実施形態では、エラストマシールは、炭素鎖を有するポリマーを含み、炭素鎖における炭素間の結合の平均数が1.00より大きい。一実施形態では、エラストマシールが紫外線照射に曝露されるように、処理ツールの一部が紫外線照射に対して透過的である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマシールであって、
炭素鎖を有するポリマーを含むエラストマリング
を備え、前記炭素鎖の炭素間の結合の平均数が1.00より大きい、エラストマシール。
【請求項2】
前記結合の平均数が1.50以上である、請求項1に記載のエラストマシール。
【請求項3】
前記結合の平均数が1.66以上である、請求項1に記載のエラストマシール。
【請求項4】
前記ポリマーがポリテトラフルオロプロパジエンである、請求項1に記載のエラストマシール。
【請求項5】
前記ポリマーがポリジフルオロアセチレンである、請求項1に記載のエラストマシール。
【請求項6】
前記ポリマーを形成するための重合プロセスが高温重合である、請求項1に記載のエラストマシール。
【請求項7】
前記高温が約300℃以上である、請求項6に記載のエラストマシール。
【請求項8】
前記ポリマーを形成するための重合プロセスが、触媒の使用を含む、請求項1に記載のエラストマシール。
【請求項9】
前記炭素鎖における炭素間の結合の平均結合エネルギーが、3eVより大きい、請求項1に記載のエラストマシール。
【請求項10】
半導体処理ツールであって、
チャンバ、及び
前記チャンバとリッドとの間で、エラストマシールを用いて前記チャンバを密封する前記リッド
を備え、前記エラストマシールが、炭素鎖を有するポリマーを含み、前記炭素鎖における炭素間の結合の平均結合エネルギーが、1.00より大きく、前記エラストマシールが紫外線照射に曝露されるように、前記処理ツールの一部が、前記紫外線照射に対して透過的である、半導体処理ツール。
【請求項11】
前記リッドが、紫外線照射に対して透過的である、請求項10に記載の半導体処理ツール。
【請求項12】
前記リッドがサファイアを含む、請求項11に記載の半導体処理ツール。
【請求項13】
前記半導体処理ツールが、遠隔プラズマ源処理ツールである、請求項10に記載の半導体処理ツール。
【請求項14】
前記結合の平均数が1.50以上である、請求項10に記載の半導体処理ツール。
【請求項15】
前記結合の平均数が1.66以上である、請求項10に記載の半導体処理ツール。
【請求項16】
前記ポリマーがポリテトラフルオロプロパジエンである、請求項10に記載の半導体処理ツール。
【請求項17】
前記ポリマーがポリジフルオロアセチレンである、請求項10に記載の半導体処理ツール。
【請求項18】
半導体処理ツールであって、
チャンバ、
前記チャンバを密封するリッドであって、UVA照射、UVB照射、及びUVC照射のうちの1つ又は複数に対して透過的である、リッド、並びに
前記チャンバと前記リッドとの間のエラストマシール
を備え、前記エラストマシールが、炭素鎖を有するポリマーを含み、前記炭素鎖における炭素間の結合の平均数が、1.00より大きく、前記炭素鎖がフッ素で末端処理される、半導体処理ツール。
【請求項19】
前記ポリマーが、ポリテトラフルオロプロパジエン又はポリジフルオロアセチレンを含む、請求項18に記載の半導体処理ツール。
【請求項20】
前記結合の平均数が1.50以上である、請求項18に記載の半導体処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月8日に出願された米国仮出願第63/277,021号の利益を主張する、2022年9月27日に出願された米国特許出願第17/953,630号に対する優先権を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、半導体製造の分野に関し、具体的には、耐紫外線劣化性が改善されたエラストマ材料に関する。
【技術分野】
【0003】
半導体製造ツールには、多くの異なる種類のプロセスで真空環境が一般的に使用されている。例えば、プラズマベースのプロセスは、準大気圧で実行される。このような準大気圧の圧力に耐えられるようチャンバを密閉するために、Oリングなどのエラストマシールが、チャンバとツールのリッドとの間に固定される。エラストマシールには、使用可能な寿命がある。チャンバへの漏入を防ぐために、エラストマシールの使用可能な寿命が尽きる前にエラストマシールが交換される。
【0004】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのエラストマシールの欠点としては、紫外線(UV)照射による損傷を非常に受けやすい点が挙げられる。特に、PTFEの炭素-炭素結合は、結合エネルギーが比較的低い単結合である。UV照射(特にUVB照射及びUVC照射)の光子エネルギーは、炭素-炭素結合を壊すのに十分に高いエネルギーである。その結果、エラストマシールの使用可能な寿命が短くなる。特に、幾つかのプラズマベース半導体処理ツールでは、構成要素(例えば、チャンバのリッド)は、プラズマによって発生するUV照射に対して透過的である場合がある。場合によっては、透過性の構成要素は、UV照射がエラストマシールに到達することを許容してしまい、エラストマシールの劣化を進ませる。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、エラストマシールが提供される。一実施形態では、エラストマシールがエラストマリングを備えている。一実施形態では、エラストマリングは、炭素鎖を有するポリマーを含み、炭素鎖の炭素間の結合の平均数は、1.00より大きい。
【0006】
さらなる実施形態では、半導体処理ツールが提供される。一実施形態では、半導体処理ツールは、チャンバ、及びチャンバを密封するリッドを備えている。一実施形態では、エラストマシールは、チャンバとリッドとの間にある。一実施形態では、エラストマシールは、炭素鎖を有するポリマーを含み、炭素鎖における炭素間の結合の平均数が1.00より大きい。一実施形態では、エラストマシールが紫外線照射に曝露されるように、処理ツールの一部が紫外線照射に対して透過的である。
【0007】
さらなる実施形態では、半導体処理ツールが提供される。一実施形態では、半導体処理ツールは、チャンバ、及びチャンバを密封するリッドを備えている。一実施形態では、リッドは、UVA照射、UVB照射、及びUVC照射のうちの1つ又は複数に対して透過的である。一実施形態では、エラストマシールは、チャンバとリッドとの間にある。一実施形態では、エラストマシールは、炭素鎖を有するポリマーを含み、炭素鎖における炭素間の結合の平均数が1.00より大きい。一実施形態では、炭素鎖は、フッ素で末端処理される、
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る、UV照射に対して透過的な構成要素に隣接するエラストマシールを有する半導体処理ツールの一部の断面図である。
図2】UVによる劣化をしやすいエラストマシールの生成に使用される重合プロセスの説明図である。
図3】実施形態に係る、炭素鎖における炭素間の結合の平均数が約1.5であるエラストマシールの生成に使用される重合プロセスの説明図である。
図4】実施形態に係る、炭素鎖における炭素間の結合の平均数が約1.67であるエラストマシールの生成に使用される重合プロセスの説明図である。
図5】実施形態に係る、処理ツールと併用され得る例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載されたシステムは、耐紫外線劣化性が改善されたエラストマ材料を含む。以下の説明では、実施形態の網羅的な理解をもたらすため、多数の具体的な詳細が提示される。当業者には、これらの具体的な詳細がなくとも実施形態が実施され得ることが明らかとなろう。他の事例では、不必要に実施形態を不明瞭にしないように、周知の態様は詳細に説明されない。さらに、添付の図に示す様々な実施形態が例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりには描かれないことを理解されたい。
【0010】
上述したように、エラストマシールは、UVによる劣化の影響を受けやすく、その結果、エラストマシールの使用可能な寿命が短くなる。そのため、半導体加工ツールの材料費と(シールの交換のための)人件費が増大する。使用可能な寿命が短くなった結果、計画的なメンテナンスの間隔が短くなり、ツールのダウンタイムが長くなる場合がある。こうした影響は、エラストマシールがチャンバリッドやビューポートウィンドウなどの透明な構成要素を通してUV照射に直接曝露される場合に特に問題となる。
【0011】
概して、UV照射は、単一の炭素-炭素結合の結合エネルギーよりも大きな光子エネルギーを有する。したがって、UV照射によってポリマー鎖の炭素-炭素結合が切断され、より脆い材料となり、チャンバ内の大気圧以下の状態を維持するには適さない。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの既存のエラストマ材料は、単結合炭素原子を含む長い炭素鎖を有するポリマー構造を備える。したがって、UV照射による損傷に対する保護が弱くなる。
【0012】
ここで図1を参照すると、一実施形態に係る、半導体処理ツール100の一部の断面図が示されている。図示のように、、ツール100はチャンバ110を含む。チャンバ110は、(例えば、真空チャックや静電チャックなどで)基板120が固定されるペデスタル112を含み得る。基板120は、シリコンウエハや任意の他の種類のウエハなどの半導体基板であってもよい。他の実施形態では、さらに非半導体基板がチャンバ110内に設けられてもよい。例えば、ガラス基板120が一部の加工ツール100に存在してもよい。
【0013】
一実施形態では、リッド130は、チャンバ110を密封し得る。エラストマシール135は、リッド130とチャンバ110の表面111との間で押圧され得る。一実施形態では、エラストマシール135(例えば、Oリング)は、UV照射に耐性のあるポリマーであり得る。例えば、エラストマシール135は、炭素鎖を有するポリマーを含んでもよく、炭素原子間の結合の平均数が1より大きい。つまり、炭素-炭素結合の一部は、二重結合であり得る。幾つかの実施形態では、炭素原子間の結合の平均数は、約1.5以上、又は約1.66以上であってもよい。特定の実施形態では、エラストマシール135は、ポリテトラフルオロプロパジエン又はポリジフルオロアセチレンを含み得る。
【0014】
炭素原子間の結合の平均数が増加すると、UV照射による損傷が減少する。特に、結合の数が増えると結合エネルギーが増加し、炭素原子間の結合の強さが増す。増加した結合エネルギーは、UV照射の光子エネルギーよりも大きい場合がある。したがって、UV照射に曝露されても、既存のエラストマシールのように、炭素-炭素結合が切断されない場合がある。
【0015】
一実施形態では、半導体処理ツール100のうちの1つ又は複数の構成要素は、UV照射に対して透過的な材料を含み得る。例えば、リッド130は、UV照射に対して透過的であり得る。例えば、リッド130はサファイアを含んでもよい。UV照射に対して透過的な材料を使用した結果、エラストマシール135へのUV曝露が増加する場合がある。本明細書で開示される実施形態に係るエラストマシール135は、曝露の増加にもかかわらず、寿命の延長を可能にする。
【0016】
一実施形態では、半導体処理ツール100は、プラズマ処理ツールである。例えば、半導体処理ツール100は、遠隔プラズマ源(RPS)処理ツール100であってもよい。かような実施形態では、プラズマは、チャンバ110の外部のチャンバ(図示せず)内でストライク処理し得る。他の実施形態では、半導体処理ツール100は、プラズマ処理ツール100であり、プラズマはチャンバ110内でストライク処理し得る。プラズマ源はUV照射をもたらし得るが、他の種類のチャンバも同様にUV曝露をもたらし得る。例えば、ラジカル酸化チャンバでは、リッド130の上のランプによって、エラストマシール135がUV照射に曝露され得る。さらに、リッド130がUV透過構成要素として記載されているが、半導体処理ツール100のどの構成要素でもUV照射に対して透過的であり得、その結果、エラストマシール135に対するUV照射曝露の増加がもたらされ得ることを理解されたい。
【0017】
次に図2を参照すると、PTFEを形成するための重合プロセスが示されている。例示したように、重合されたモノマーは、テトラフルオロエチレンであってもよい。テトラフルオロエチレンは、炭素-炭素の二重結合を含み、各炭素は、さらに一対のフッ素原子に結合している。矢印で示す重合プロセスは、二重結合を切断し、二重結合を別の炭素との単結合に置き換える。つまり、各炭素原子は、2つの炭素原子と2つのフッ素原子に結合する。
【0018】
このような構造の欠点は、単結合の炭素-炭素結合の結合エネルギーが低いことである。例えば、炭素原子間の単結合は、約3eVの結合エネルギーを有し得る。残念ながら、UV照射(特に、UVB照射及びUVC照射)は、3eVより高い光子エネルギーを有する。そのため、PTFEは、曝露されると、UVによる損傷を受けやすい。
【0019】
したがって、本明細書に開示される実施形態は、炭素-炭素結合間の結合の平均数がより多いエラストマシールを含む。結合の平均数を増加させることで、結合エネルギーがUV照射の光子エネルギーよりも大きくなるように、結合エネルギーが大きくなる。そのため、UV照射によっては、結合が実質的に損傷を受けず、UV劣化が著しく軽減される。
【0020】
次に図3を参照すると、実施形態に係る、ポリジフルオロアセチレンを形成するための重合の説明図が示されている。図示されているように、重合されるモノマーはジフルオロアセチレンである。ジフルオロアセチレンは、三重結合で互いに結合した一対の炭素原子を含む。各炭素はさらにフッ素原子と結合している。
【0021】
矢印で示すように、重合プロセスがモノマーに対して実施され、ポリマーが形成される。一実施形態では、重合プロセスは、エラストマー製造に共通する任意の適切な重合プロセスであってもよい。例えば、重合プロセスは、高温及び/又は高圧力重合を含み得る。高温プロセスとは、摂氏約300度以上の温度を指すこともある。幾つかの実施形態では、重合を改善するために触媒を使用することも可能である。
【0022】
図の右側に示すように、ポリジフルオロアセチレンは、二重結合の炭素-炭素結合を含む。各炭素は、単結合で追加の炭素原子とフッ素原子にさらに結合している。したがって、炭素-炭素結合の半分は二重結合であり、炭素-炭素結合の残りの半分は単結合である。これにより、結合の平均数が、各炭素-炭素結合間で約1.5結合となる。1.5結合の結合エネルギーはUV照射の光子エネルギーよりも大きく、その結果、UV劣化が軽減される。
【0023】
次に図4を参照すると、実施形態に係る、ポリテトラフルオロプロパジエンを形成するための重合の説明図が示されている。図示されているように、重合されるモノマーは、テトラフルオロプロパジエンである。テトラフルオロプロパジエンは、二重結合で互いに結合した3つの炭素原子を含む。中央の炭素はさらに2つの追加の炭素原子に二重結合しており、外側の炭素は、中央の炭素と2つのフッ素原子に二重結合している。
【0024】
矢印で示すように、重合プロセスがモノマーに対して実施され、ポリマーが形成される。一実施形態では、重合プロセスは、エラストマ製造に共通する任意の適切な重合プロセスであってもよい。例えば、重合プロセスは、高温及び/又は高圧力重合を含み得る。高温プロセスとは、摂氏約300度以上の温度を指すこともある。幾つかの実施形態では、重合を改善するために触媒を使用することも可能である。
【0025】
図の右側に示すように、ポリテトラフルオロプロパジエンは、互いに二重結合した3つの炭素原子を有する炭素鎖を含む。内側の炭素原子は、外側の炭素原子の両方に二重結合している。外側の炭素原子は、別の炭素原子とフッ素原子に単結合している。したがって、炭素原子間の結合の平均数は約1.66以上である。1.66結合の結合エネルギーは、UV照射の光子エネルギーよりも大きく、その結果、UV劣化が軽減される。
【0026】
ここで図5を参照すると、処理ツールの例示的なコンピュータシステム500を示すブロック図が一実施形態に従って示されている。一実施形態において、コンピュータシステム500が処理ツールに接続され、処理ツールでの処理を制御する。コンピュータシステム500は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて、他のマシンに接続され(例えばネットワーク化され)得る。コンピュータシステム500は、クライアントサーバネットワーク環境では、サーバ又はクライアントマシンの役割で、又は、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境では、ピアマシンとして作動し得る。コンピュータシステム500は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又はそのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)命令のセットを実行可能な任意のマシンであってもよい。さらに、コンピュータシステム500として単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、本明細書に記載された方法のうちの任意の1つ又は複数を実施するために、命令のセット(又は複数のセット)を個々に又は連携的に実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとさらに解釈すべきである。
【0027】
コンピュータシステム500は、命令が記憶された非一過性のマシン可読媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア522を含んでもよく、これらの命令は、実施形態に係る処理を実行するコンピュータシステム500(又は、他の電子デバイス)をプログラミングするために使用され得る。マシン可読媒体は、マシン(例えばコンピュータ)によって読み出し可能な形態により情報を格納又は伝送するための、任意の機構を含む。例えば、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、マシン(例えば、コンピュータ)可読伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の伝播信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号等)の形態)等を含む。
【0028】
一実施形態では、コンピュータシステム500は、バス530を介して互いに通信する、システムプロセッサ502、メインメモリ504(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ506(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、及び二次メモリ518(例えば、データ記憶デバイス)を含む。
【0029】
システムプロセッサ502は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理ユニットなどのような1つ又は複数の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、システムプロセッサは、複合命令セット演算(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実行するシステムプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するシステムプロセッサであり得る。システムプロセッサ502は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサなどの、1つ又は複数の特殊用途処理デバイスであってもよい。システムプロセッサ502は、本明細書に記載の動作を実行するための処理ロジック526を実行するように構成される。
【0030】
コンピュータシステム500は、他のデバイス又はマシンと通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス508をさらに含み得る。コンピュータシステム500は、ビデオディスプレイユニット510(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス512(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス514(例えば、マウス)、及び信号生成デバイス516(例えば、スピーカ)をさらに含み得る。
【0031】
二次メモリ518は、本明細書に記載された方法又は機能のうちの任意の1つ又は複数を具現化する、1つ又は複数のセットの命令(例えば、ソフトウェア522)が記憶されているマシンアクセス可能記憶媒体532(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)を含み得る。ソフトウェア522は、コンピュータシステム500によって実行されている間、メインメモリ504及び/又はシステムプロセッサ502の中に、完全に又は少なくとも部分的に存在してもよい。さらに、メインメモリ504及びシステムプロセッサ502は、マシン可読記憶媒体を構成し得る。ソフトウェア522は、システムネットワークインターフェースデバイス508を介してネットワーク520上でさらに送信又は受信され得る。一実施形態では、ネットワークインターフェースデバイス508は、RF結合、光結合、音響結合、又は誘導結合を用いて作動し得る。
【0032】
例示の実施形態において、マシンアクセス可能記憶媒体532を単一の媒体として示したが、「マシン可読記憶媒体」という語は、1つ又は複数の組の命令を記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば集中データベース若しくは分散データベース、並びに/又は関連キャッシュ及びサーバ)を含むと理解されたい。さらに、「マシン可読記憶媒体」という語は、マシンによって実行される命令のセットを記憶又は符号化することが可能であり、かつ、方法のうちの1つ以上のいずれかをマシンに実行させる任意の媒体を含むと解釈すべきである。したがって、「マシン可読記憶媒体」という語は、固体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むと解釈すべきであるが、これらに限定されない。
【0033】
上述の明細書では、特定の例示的な実施形態が説明された。以下の特許請求の範囲から逸脱せずに、特定の例示的な実施形態に様々な修正を加え得ることが明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定を意味するのではなく、例示を意味すると見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】